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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】組織処置システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/00 20060101AFI20240524BHJP
   A61N 7/00 20060101ALI20240524BHJP
   A61B 18/12 20060101ALN20240524BHJP
【FI】
A61B18/00
A61N7/00
A61B18/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574329
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 US2022031746
(87)【国際公開番号】W WO2022256388
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】63/195,292
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/286,161
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523451129
【氏名又は名称】オーチャード ウルトラサウンド イノベーション エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クーリ-ヤクブ ブトルス ティー
(72)【発明者】
【氏名】コーリー-ヤクーブ アンドレ ティー
(72)【発明者】
【氏名】アーウィン サード ジョン エヌ
(72)【発明者】
【氏名】リウ スタンレー ユン チュアン
(72)【発明者】
【氏名】バブ プリシラ マリー
(72)【発明者】
【氏名】フラハティ アール マックスウェル
(72)【発明者】
【氏名】フラハティ ジェイ クリストファー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160JJ23
4C160JJ42
4C160KK03
4C160KK12
(57)【要約】
【課題】 患者に医療処置を施すためのシステムが提供される。
【解決手段】 本システムは、エネルギー送達装置、長期的エネルギー送達デバイス、及び/又は、力供給装置のうちの少なくとも1つを含む。特に、システムは、睡眠時無呼吸症に苦しむ患者を治療及び/又は診断するように構成され得る。睡眠時無呼吸症及び他の病状を治療するための方法及び装置もまた、提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に医療処置を実行するためのシステムであって
エネルギー送達装置、
長期的エネルギー送達装置、及び/又は、
力供給装置、のうちの少なくとも1つを備え、
ここで、前記患者に医療処置を実行するように構成される、
システム。
【請求項2】
前記医療処置は、診断手順、治療処置、又は診断手順及び治療処置の両方を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記エネルギー送達装置、
前記長期的エネルギー送達装置、及び/又は、
前記力供給装置、
のうちの2つ以上を含む、請求項1~2のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項4】
睡眠時無呼吸症患者を診断及び/又は治療するように構成される、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記エネルギー送達装置、
前記長期的エネルギー送達装置、及び/又は、
前記力供給装置、
のうちの2つ以上を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記患者の標的組織を切除し、前記患者の非標的組織の損傷を回避するように構成される、請求項1~5のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
1つ、2つ、又はそれ以上の超音波トランスデューサを含む超音波トランスデューサのアレイを備える、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記超音波トランスデューサのアレイは、少なくとも1つの圧電素子、少なくとも1つのCMUT素子、及び/又は少なくとも1つの圧電素子及び少なくとも1つのCMUT素子を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
コントローラと、前記コントローラに結合されたメモリ記憶構成要素とを更に備え、前記メモリ記憶構成要素は、アルゴリズムを実行するための命令を記憶する、請求項1~8のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記アルゴリズムは、人工知能アルゴリズムを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記アルゴリズムは、前記システムによりアブレーションのための標的組織を特定するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記アルゴリズムは、標的組織と非標的組織を区別するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年6月1日に出願された「Tissue Interface System」と題する米国仮特許出願第63/195,292(整理番号USD-004-PR1)に対する優先権を主張し、その内容は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本出願は、2021年12月6日に出願された「Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer」と題する米国仮特許出願第63/286,161(整理番号USD-008-PR1)に対する優先権を主張し、その内容は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0003】
本出願は、2018年9月7日に出願された「Medical Device with CMUT Array and Solid State Cooling,and Associated Methods and Systems-with Thermal Analysis」と題する米国仮特許出願第62/728,616(整理番号USD-001-PR)に関連し、その内容は、あらゆる目的のために、その全体が参照により援用される。
【0004】
本出願は、「Medical Device with CMUT Array and Solid State Cooling,and Associated Methods and Systems」と題して、2018年9月13日に出願された米国出願第16/130,896(整理番号USD-001-US)と、2021年10月26日に発行された米国特許第11,154,730号に関連し、その内容は、あらゆる目的のために、その全体が参照により援用される。
【0005】
本出願は、「Medical Device with CMUT Array and Solid State Cooling,And Associated Methods and Systems」と題して、2021年9月20日に出願された米国特許出願第17/479,011(整理番号USD-001-US-CON1)、2022年3月10日に特許公開された米国公開第US2022/0072338号に関連し、その内容は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0006】
本出願は、「Medical Device with CMUT Array and Solid State Cooling,and Associated Methods and Systems」と題して、2018年9月13日に出願された国際PCT特許出願第PCT/US2018/050943号(整理番号USD-001-PCT)、2019年3月21日に特許公開された公開第WO2019/055699号に関連し、その内容は、あらゆる目的のために、その全体が参照により援用される。
【0007】
本出願は、2020年12月16日に出願された「Tissue Interface System」と題する米国仮特許出願第63/126,078(整理番号USD-003-PR1)に関連し、その内容は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0008】
本出願は、「Tissue Interface System」と題して、2021年12月16日に出願された国際PCT特許出願第PCT/US2021/063743号(整理番号USD-003-PCT)であり、2022年6月23日に特許公開された国際公開第2022/133054号に関連し、その内容は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0009】
技術分野
本明細書に開示される実施形態は、一般に、患者に医療処置を行うためのシステム、特に、超音波エネルギーを送達して患者の組織に診断及び/又は治療処置を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0010】
多くの医療装置は、画像データを収集するため、又は組織を治療するために、患者へのエネルギーの伝達を必要とする。患者の病気及び不調を診断又は治療するためにエネルギーを伝達するための、改良されたシステム、装置、及び方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2018/005511号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の概念の一態様によれば、患者に医療処置を実行するためのシステムは、エネルギー送達装置、長期的エネルギー送達装置、及び/又は力供給装置のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、医療処置は、診断手順、治療処置、又は診断手順及び治療処置の両方を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、システムは、エネルギー送達装置、長期的エネルギー送達装置、及び/又は力供給装置のうちの2つ以上を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、システムは、睡眠時無呼吸症患者を診断及び/又は治療するように構成される。システムは、エネルギー送達装置、長期的エネルギー送達装置、及び/又は力供給装置のうちの2つ以上を含み得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、システムは、患者の標的組織を切除し、患者の非標的組織の損傷を回避するように構成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、システムは、1つ、2つ、又はそれ以上の超音波トランスデューサを有する超音波トランスデューサのアレイを含む。超音波トランスデューサのアレイは、少なくとも1つの圧電素子、少なくとも1つのCMUT素子、及び/又は少なくとも1つの圧電素子及び少なくとも1つのCMUT素子を含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、システムは、コントローラと、コントローラに結合されたメモリ記憶構成要素とを更に含み、メモリ記憶構成要素は、アルゴリズムを実行するための命令を記憶する。アルゴリズムは、人工知能アルゴリズムを含み得る。アルゴリズムは、システムによりアブレーションのための標的組織を特定するように構成され得る。アルゴリズムは、標的組織と非標的組織を区別するように構成され得る。
【0019】
本明細書で説明される技術は、その属性及び付随する利点とともに、代表的な実施形態が例として説明されている添付図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することによって最も良く認識され、理解されるであろう。
【0020】
参照による援用
この明細書内で言及されたすべての刊行物、特許及び特許出願は、それぞれ個々の刊行物、特許又は特許出願が具体的かつ個別に参照によって援用されることが示されたのと同程度に、参照によって援用される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の概念と一致する、組織を治療及び/又は診断するためのシステムを示す。
図2】本発明の概念と一致する、閉ループ構成で治療を提供する方法のフローチャートである。
図3】本発明の概念と一致する、患者を治療するための方法のフローチャートである。
図4】本発明の概念と一致する、神経を刺激するために患者に埋め込まれた長期的エネルギー送達装置の側断面解剖図を示す。
図5】本発明の概念と一致する、神経を刺激するために患者に埋め込まれた長期的エネルギー送達装置の側断面解剖図を示す。
図6A】本発明の概念と一致する、組織に力を加えるために患者に埋め込まれた力供給装置の側断面解剖図を示す。
図6B】本発明の概念と一致する、組織に力を加えるために患者に埋め込まれた力供給装置の側断面解剖図を示す。
図7】本発明の概念と一致する、組織に力を加えるために患者に埋め込まれた力供給装置の部分的に透明な解剖図を示す。
図8】本発明の概念と一致する、組織にエネルギーを送達するエネルギー送達装置の断面解剖図を示す。
図9】本発明の概念と一致する、装置によって捕捉された組織にエネルギーを送達するエネルギー送達装置の側面図を示す。
図10】本発明の概念と一致する、装置によって捕捉された組織にエネルギーを送達するエネルギー送達装置の斜視図を示す。
図11】本発明の概念と一致する、装置によって捕捉された組織にエネルギーを送達するエネルギー送達装置の斜視図を示す。
図12】本発明の概念と一致する、患者の顎の下の皮膚上に配置され、舌組織にエネルギーを送達するエネルギー送達装置の側断面解剖図を示す。
図13】本発明の概念と一致する、患者の気道内にトランスデューサを配置するために経鼻的に前進されるエネルギー送達装置の側断面解剖図を示す。
図14】本発明の概念と一致する、患者の顔に配置されるエネルギー送達装置の正面解剖図を示す。
図15】本発明の概念と一致する、シャフトと、遠位側に配置されてシャフトの直径に近い直径を有するトランスデューサとを備えたエネルギー送達装置を含むシステムの斜視図を示す。
図16】本発明の概念と一致する、シャフトと、遠位側に配置されてシャフトの直径よりも大きい直径を有するトランスデューサとを備えたエネルギー送達装置を含むシステムの斜視図を示す。
図17】本発明の概念と一致する、エネルギー送達モジュール及びミラーを含むエネルギー送達装置の側断面解剖図を示す。
図18A】本発明の概念と一致する、エネルギー送達装置の上面図を示す。
図18B】本発明の概念と一致する、エネルギー送達装置の側断面解剖図を示す。
図19】本発明の概念と一致する、患者に経鼻的に挿入されたエネルギー送達装置の側断面解剖図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本技術の本実施形態を詳細に参照し、その実施例を添付図面に示す。同様の参照番号を用いて、同様の構成要素を参照する。しかしながら、この説明は、本開示を特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、本明細書に記載される実施形態の様々な修正、等価物、及び/又は代替物を含むものとして解釈されるべきである。
【0023】
本発明の特定の特徴は、明確にするために別個の実施形態の文脈で説明されているが、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、本発明の様々な特徴は、簡潔にするために単一の実施形態の文脈で説明されているが、別個に、又は任意の適切なサブコンビネーションで提供されてもよい。例えば、請求項のいずれかに記載されているすべての特徴(独立しているか従属しているかにかかわらず)は、任意の所与の方法で組み合わせられ得ることが理解されるであろう。
【0024】
本発明の図面及び説明の少なくとも一部は、本発明を明確に理解するために関連する要素に焦点を当てるために簡略化されているが、明確にするために、当業者が理解するであろう他の要素を省略することもまた、本発明の一部分であり得ることを、理解するべきである。しかしながら、そのような要素は当技術分野でよく知られており、またそれらが必ずしも発明の理解を促進するものではないため、そのような要素の説明は、本明細書では提供されない。
【0025】
本開示で定義される用語は、本開示の特定の実施形態を説明するためにのみ使用され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。単数形で提供される用語は、文脈上、明確に別であることが示されない限り、複数形も含むことを意図する。本明細書で使用されるすべての用語は、技術用語又は科学用語を含めて、本明細書で別途定義されない限り、関連分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書において定義されている用語は、関連する技術の文脈上の意味と同じ又は類似の意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されない限り、理想的な意味又は誇張された意味を有するものとして解釈されるべきではない。場合によっては、本開示で定義される用語は、本開示の実施形態を排除するものとして解釈されるべきではない。
【0026】
本明細書で使用される場合、「含んでいる(comprising)」(及び、含んでいる(comprising)の任意の形態、例えば「含む(comprise)」と「含む(comprises)」)、「有している(having)」(及び、有している(having)の任意の形態、例えば「有する(have)」と「有する(has)」)、「含んでいる(including)」(及び、含んでいる(including)の任意の形態、例えば「含む(includes)」と「含む(include)」)、及び/又は、「含有している(containing)」(及び、含有している(containing)の任意の形態、例えば「含有する(contains)」と「含有する(contain)」)は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又は、それらのグループの存在又は追加を排除するものではないことを理解されたい。
【0027】
第1、第2、第3などの用語は、本明細書では様々な制限、要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションを説明するために使用され得るが、これらの制限、要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションは、これらの用語によって限定されるべきではないことも更に理解されるであろう。これらの用語は、1つの制限、要素、構成要素、領域、層、又はセクションを別の制限、要素、構成要素、領域、層、又はセクションから区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明される第1の制限、要素、構成要素、領域、層又はセクションは、本出願の開示から逸脱することなく、第2の制限、要素、構成要素、領域、層又はセクションと称され得る。
【0028】
ある要素が別の要素に対して「上にある」、「取り付けられた」、「接続された」、又は「結合された」と称される場合、それは他の要素の直接上、若しくは上方にある、又は他の要素に接続された、若しくは結合された可能性があり、あるいは1つ以上の介在要素が存在する可能性があることが更に理解されるであろう。対照的に、ある要素が別の要素に対して「直接上に」、「直接取り付けられた」、「直接接続された」、又は「直接結合された」と称される場合、介在する要素は存在しない。要素間の関係を説明するために使用される他の単語も、同様に解釈され必要がある(例えば、「間」と「直接的に間」、「隣接」と「直接的に隣接」など)。
【0029】
第1の要素が第2の要素の「中」、「上」、及び/又は「内」にあると称される場合、第1の要素は、第2の要素の内部空間内、第2の要素の一部分内(例えば、第2の要素の壁内)に配置され得る、第2の要素の外面及び/又は内面に配置され得る、及びこれらの2つ以上の組み合わせであることが更に理解されるであろう。
【0030】
本明細書で使用される「近接」という用語は、第1の構成要素又は位置と第2の構成要素又は位置との近接性を説明するために使用される場合、第2の構成要素又は位置に近い1つ以上の位置、ならびに第2の構成要素又は位置の中、上、及び/又は内を含むものと解釈されるべきである。例えば、解剖学的部位(例えば、標的組織位置)に近接して配置される構成要素は、解剖学的部位の近くに配置される構成要素、ならびに解剖学的部位の中、上、及び/又は内に配置される構成要素を含むものとする。
【0031】
空間相対的な用語、例えば「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」は、要素及び/又は特徴の、別の要素(複数可)及び/又は特徴(複数可)との関係を、例えば、図面に示すように、説明するために使用され得る。空間相対的な用語は、図面に示された向きに加えて、使用中及び/又は動作中の装置の異なる向きを包含することを意図していることが更に理解されよう。例えば、図面内の装置が裏返された場合、他の要素又は特徴の「下方」及び/又は「下」として説明される要素は、次に、他の要素又は特徴の「上方」に向けられ得る。装置は、その他の向きにされ(例えば、90°、又は他の向きに回転され)得て、本明細書で使用される空間相対記述子は、それに応じて解釈される。
【0032】
本明細書で使用される「減らす」、「減らすこと」、「減少」などの用語は、ゼロへの減少を含む、量の減少を含むものとする。発生の可能性が減ることは、発生の予防を含むものとする。同様に、本明細書で使用される「防止する」、「防止すること」、「防止」などの用語は、それぞれに、「減らす」、「減らすこと」、及び「低減」の行為を含むものとする。
【0033】
本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、他のものの有無に関わらず、2つの指定された特徴又は構成要素のそれぞれの具体的な開示として解釈されるべきである。例えば、「A及び/又B」は、あたかもそれぞれが本明細書で個別に記載されているかのように、(i)A、(ii)B、及び(iii)A及びBのそれぞれの具体的な開示として解釈される。
【0034】
本明細書で使用される「1つ以上」という用語は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上、任意の数までを意味し得る。
【0035】
用語「及びその組み合わせ」と「及びこれらの組み合わせ」は、それぞれ、本明細書では、単独又は集合的に含まれるアイテムのリストの後に使用され得る。例えば、A、B、Cからなるグループから選択される構成要素、プロセス、及び/又はその他のアイテムと、その組み合わせは、アイテムAの1つ、2つ、3つ以上、アイテムBの1つ、2つ、3つ以上、及び/又はアイテムCの1つ、2つ、3つ以上を含む1つ以上の構成要素のセットを含むものとする。
【0036】
本明細書では、特に明記されない限り、「及び」は「又は」を意味し得て、また「又は」は「及び」を意味し得る。例えば、ある特徴がA、B、又はCを有すると説明されている場合、その特徴は、A、B、及びC、又はA、B、及びCの任意の組み合わせを有し得る。同様に、特徴がA、B、及びCを有すると説明されている場合、その特徴は、A、B、又はCのうちの1つ若しくは2つのみを有し得る。
【0037】
本開示で使用される「に構成された(又は設定された)」という表現は、例えば、「に適した」、「する能力を有する」、「に設計された」、「に適応された」、「に作られた」及び「できる」という表現と状況に応じて交換可能に使用され得る。「に構成された(又は設定された)」という表現は、ハードウェアにおいて「に特別に設計された」ことのみを意味するのではない。代替的に、状況によっては、「に構成された装置」という表現は、装置が別の装置又は構成要素と一緒に動作「できる」ことを意味し得る。
【0038】
本明細書で使用される場合、「閾値」という用語は、所望の状態又は望ましくない状態に相関する最大レベル、最小レベル、及び/又は値の範囲を指す。いくつかの実施形態では、システムパラメータは、最小閾値よりも上、最大閾値よりも下、値の閾値範囲内、及び/又は値の閾値範囲外に維持され、例えば所望の効果(例えば、有効な治療)をもたらし、及び/又は望ましくない事象(例えば、装置及び/又は臨床的有害事象)を予防又はそうでなければ減少する(以下、「予防する」)。いくつかの実施形態では、システムパラメータは、第1の閾値より上(例えば、組織に所望の治療効果をもたらすために第1の温度閾値より上)、及び第2の閾値より下(例えば、望ましくない組織損傷を防ぐために第2の温度閾値より下)に維持される。いくつかの実施形態では、閾値は、安全マージンを含むように、例えば、患者の変動性、システムの変動性、許容誤差などを考慮して決定される。本明細書で使用される場合、「閾値を超える」とは、パラメータが最大閾値を上回る、最小閾値を下回る、閾値の範囲内及び/又は閾値の範囲外になることを意味する。
【0039】
本明細書に記載されるように、「室圧」は、本発明の概念のシステム及び装置を取り囲む環境の圧力を意味するものとする。「正圧」は、室圧を上回る圧力、又は単に、バルブなどの流体経路構成要素にわたる正の差圧など、別の圧力よりも大きい圧力を含む。「負圧」は、室圧を下回る圧力、又は、バルブなどの流体経路構成要素にわたる負の差圧など、別の圧力よりも小さい圧力を含む。負圧は真空を含み得るが、真空未満の圧力を意味するものではない。本明細書で使用するとき、用語「真空」は、完全な真空又は部分的な真空、あるいは上記のような任意の負圧を指すために使用され得る。
【0040】
用語「直径」は、本明細書では、非円形幾何学的形状を説明するために使用され、説明されている幾何学的形状に近似する仮想の円の直径として解釈されるべきである。例えば、構成要素の断面などの断面を説明する場合、「直径」という用語は、説明されている構成要素の断面と同じ断面積を有する仮想の円の直径を表すものと解釈される。
【0041】
本明細書で使用される構成要素の「長軸」及び「短軸」という用語は、それぞれ、構成要素を完全に取り囲み得る最小体積の仮想の円筒の長さ及び直径である。
【0042】
本明細書で使用する場合、用語「流体」は、液体、気体、ゲル、又は任意の流動性物質、例えば管腔及び/又は開口部を通して推進され得る物質を称し得る。
【0043】
本明細書で使用する場合、用語「物質」は、単一の物質、又は2つ、3つ、4つ、若しくはそれ以上の物質の組み合わせを称し得る。
【0044】
本明細書で使用する場合、「トランスデューサ」という用語は、エネルギー若しくは任意の入力を受け取り、出力を生成する任意の構成要素又は構成要素の組み合わせを含むものと解釈されるべきである。例えば、トランスデューサは、電気エネルギーを受け取って、その電気エネルギーを(例えば、電極のサイズに基づいて)組織に分配する電極を含み得る。いくつかの構成では、トランスデューサは、電気信号を任意の出力に変換し、例えば、光(発光ダイオード又は電球を含むトランスデューサなど)、音(1つ以上の圧電トランスデューサ、及び/又は、超音波エネルギーを送達及び/又は受け取るように構成されたCMUTトランスデューサを含むトランスデューサなど)、圧力(印加された圧力又は力など)、熱エネルギー、極低温エネルギー、化学エネルギー、機械エネルギー(モータ又はソレノイドを含むトランスデューサなど)、磁気エネルギー、及び/又は異なる電気信号(例えば、トランスデューサへの入力信号とは異なる)に変換する。代替的又は追加的に、トランスデューサは物理量(物理量の変化など)を電気信号に変換し得る。トランスデューサは、組織にエネルギー及び/又は作用薬を送達する任意の構成要素を含み得て、例えば、組織に熱エネルギー、組織に極低温エネルギー、組織に電気エネルギー(1つ以上の電極を含むトランスデューサなど)、組織に光エネルギー(レーザ、発光ダイオード、及び/又は、レンズ若しくはプリズムなどの光学部品を含むトランスデューサなど)、組織に機械エネルギー(組織操作要素を含むトランスデューサなど)、組織に音エネルギー(1つ以上の圧電トランスデューサ及び/又はCMUTトランスデューサを含むトランスデューサなど)、化学エネルギー、電磁エネルギー、磁気エネルギー、及びこれらの2つ以上の組み合わせを送達するように構成されたトランスデューサである。代替的又は追加的に、トランスデューサはメカニズムを含み得て、例えば、バルブ、把握要素、固定メカニズム、電気的に作動するメカニズム、機械的に作動するメカニズム、及び/又は熱的に活性化されるメカニズムである。
【0045】
本明細書で使用される場合、「機能要素」という用語は、機能を実行するように構築され、配置された1つ以上の要素を含むものと解釈されるべきである。機能要素は、1つ以上のセンサ及び/又は1つ以上のトランスデューサを含み得る。いくつかの実施形態では、機能要素は、エネルギーを送達する、及び/又は組織を治療するように構成される(治療要素として構成された機能要素など)。代替的又は追加的に、機能要素(例えば、1つ以上のセンサを含む)は、1つ以上のパラメータ、例えば、患者の生理学的パラメータ、患者の解剖学的パラメータ(組織パラメータなど)、患者環境パラメータ、及び/又はシステムパラメータ(システム内の温度及び/又は圧力など)を記録するように構成され得る。いくつかの実施形態では、センサ又は他の機能要素は、診断機能を実行する(例えば、診断を実行するために使用されるデータを収集する)ように構成される。いくつかの実施形態では、機能要素は、治療機能を実行する(例えば、治療エネルギー及び/又は治療薬を送達する)ように構成される。いくつかの実施形態では、機能要素は、以下のグループから選択される機能を実行するように構築され、配置された1つ以上の要素を含み、そのグループは、エネルギーを送達する、エネルギーを抽出する(例えば、構成要素を冷却するため)、薬物又は他の作用薬を送達する、システム構成要素又は患者組織を操作する、患者の生理学的パラメータ又は患者の解剖学的パラメータなどのパラメータを記録又は感知する、及びこれらの2つ以上の組み合わせからなる。「機能アセンブリ」は、上で説明したような機能を実行するように構築され、配置されたアセンブリを含み得る。いくつかの実施形態では、機能アセンブリは、エネルギーを送達する、及び/又は組織を治療するように構成される(治療アセンブリとして構成された機能アセンブリなど)。代替的又は追加的に、機能アセンブリは、患者の生理学的パラメータ、患者の解剖学的パラメータ、患者環境パラメータ、及び/又はシステムパラメータなどの1つ以上のパラメータを記録するように構成され得る。機能アセンブリは、拡張可能なアセンブリを含み得る。機能アセンブリは、1つ以上の機能要素を含み得る。
【0046】
本明細書で使用される場合、「作用薬」という用語は、限定するものではないが、以下のグループから選択される1つ以上の作用薬を含むものとし、そのグループは、患者の健康を改善及び/又は維持するように構成された作用薬、薬物(例えば、医薬品)、ホルモン、タンパク質、タンパク質誘導体、小さな分子、抗体、抗体誘導体、賦形剤、試薬、バッファ、ビタミン、栄養補助食品、及びこれらの組み合わせからなる。
【0047】
本明細書で使用される場合、「標的組織」という用語は、診断及び/又は治療される患者の組織の1つ以上の体積を含む。同様に、「治療標的」又は「組織標的」は、診断及び/又は治療される組織の1つ以上の体積を含む。「安全マージン組織」は、その治療(例えば、切除エネルギーを受けること)が患者に重大な悪影響をもたらさない組織を含む。「非標的組織」は、治療を受けることが意図されていない(例えば、エネルギーを受けることが意図されていない)組織を含む。いくつかの実施形態では、「標的組織」、「治療標的」、及び/又は「組織標的」は、非組織物質、例えば、入れ墨に使用される顔料粒子、木材又は金属片などの破片、及び/又は患者の体内に存在するその他の望ましくない物質を含む。
【0048】
本明細書で使用される場合、「システムパラメータ」という用語は、本発明の概念のシステムの1つ以上のパラメータを含む。システムパラメータは、1つ以上の「エネルギー送達パラメータ」(「エネルギー送達設定」とも称される)を含み得て、例えば、エネルギー形態(例えば、超音波、光、電磁波など)、振幅、周波数、波形形状、パルス幅変調パラメータ、時分割多重化パラメータ、パルス幅、パルス速度、デューティサイクル、エネルギービームの領域(超音波ビーム及び/又は光ビームなど)、エネルギー送達の位置、治療前の組織の開始温度などの組織温度、他のエネルギー送達パラメータ、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される、1つ、2つ、又はそれ以上のエネルギー送達パラメータである。システムパラメータは、エネルギー送達パラメータ、圧力レベル、温度レベル、エネルギーレベル、周波数レベル、振幅レベル、バッテリーレベル、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択されるパラメータを含み得る。システムパラメータは、システムのアルゴリズムによる治療のために特定された組織標的など、治療対象として特定された1つ以上の組織標的(切除及び/又は刺激されることが意図された組織の体積など)を含み得る。
【0049】
本明細書で使用される場合、「患者パラメータ」という用語は、患者に関連する1つ以上のパラメータを含む。患者パラメータは、患者の生理学的パラメータ、例えば、温度(組織温度など)、血圧又は他の体液圧力などの圧力、pH、血液ガスパラメータ、血糖値、ホルモンレベル、心拍数、呼吸数、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される生理学的パラメータを含み得る。代替的又は追加的に、患者パラメータは、患者環境パラメータ、例えば、患者の地理的位置、温度、圧力、湿度レベル、光レベル、時刻、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される環境パラメータを含み得る。
【0050】
本明細書で使用される場合、「画像データ」という用語は、1つ以上の撮像装置によって作成されたデータを含む。画像データは、標的組織、安全マージン組織、及び非標的組織に関連するデータを含み得る。画像データはまた、撮像される組織に近接する任意のインプラント又は他の非組織物体に関連するデータを含む可能性がある。画像データは、本発明の概念の1つ以上のアルゴリズムによって処理されて、例えば、治療する1つ以上の位置(例えば、切除されるか、又はエネルギーを受けると特定された標的組織)を決定し、及び/又は、エネルギー送達を回避すべき1つ以上の位置(例えば、非標的組織)を決定することができる。画像データは、単一の撮像構成要素によって、又は複数の撮像構成要素から生成されたデータを含み得る。
【0051】
本明細書で使用される場合、「信号を送信する」という用語とその派生語は、2つ以上の構成要素間での任意の方向への電力及び/又はデータの送信を指すものとする。
【0052】
本明細書で使用される場合、「患者使用データ」という用語は、患者に対する本発明の概念の組織インタフェースシステムの使用(例えば、患者に対して行われる診断及び/又は治療処置におけるシステムの使用)に関連するデータを指すものとする。データは、限定するものではないが、エネルギー送達パラメータ、エネルギー送達の継続時間などの動作パラメータ、標的組織の位置及び/又は標的組織の量などの標的組織パラメータ、患者の生理学的パラメータ及び/又は患者の位置又は他の患者環境パラメータなどの患者パラメータ、臨床医のパラメータ、臨床現場のパラメータ、及びこれらの組み合わせを含み得る。患者使用データは、複数の患者からのデータ、例えば、本発明の概念の1つ以上のシステムとインタフェースする複数の患者から収集されたデータを含み得る。いくつかの実施形態では、本発明の概念のアルゴリズムは、1人以上の患者からの患者使用データを用いて、患者に医療処置を行う際に使用されるシステムパラメータを決定する。
【0053】
本明細書で使用される場合、用語「導管」又は「導管(複数可)」という用語は、以下のグループから選択される1つ以上の可撓性及び/又は、非可撓性フィラメントを含み得る細長い構成要素を指すことができ、そのグループは、1本、2本以上のワイヤ、又は他の導電体(例えば、外側の絶縁体を含む)、1本又は2本以上の導波管、1本、2本、又はそれ以上の中空管で、例えば、油圧、空気圧、及び/又は他の流体送達管、1本以上の光ファイバ、1本、2本以上の制御ケーブル及び/又は他の機械的リンク、1つ、2つ以上のフレックス回路、及びこれらの組み合わせからなる。導管は、管内に配置された複数の導管を含む管を含み得る。導管は、電気的、流体的、音波的、光学的、機械的、及び/又は、そうでなければ動作可能に、1つの構成要素を別の構成要素に接続するように構成され得る。
【0054】
本明細書で使用される場合、構成要素は、それが患者の皮膚の下の任意の位置(例えば、患者の組織内、患者の気道内、及び/又は、患者の気道、ならびに他の体内位置)に配置されている場合に、「埋め込み可能な」構成要素、又は患者に「埋め込まれた」構成要素とみなされるものとする。埋め込み可能な装置は、外科的処置(例えば、患者の皮膚に切開を行う処置)を介して患者に埋め込まれ得て、及び/又は装置は、自然開口部(口、目、鼻孔、外耳道、肛門口、尿道口、膣、及び/又は皮膚の毛穴など)を通した送達を介して埋め込まれ得る。
【0055】
本明細書で使用される場合、「超音波トランスデューサ」(「超音波素子」とも呼ばれる)は、(例えば、送達された電気信号に基づいて)超音波エネルギーを伝達するように構成された1つ以上の構成要素、及び/又は超音波エネルギーを受信するように(そして例えば、それを電気信号に変換するように)構成された1つ以上の構成要素を指し得る。超音波トランスデューサは、1つ以上の超音波トランスデューサのセット、例えば、超音波トランスデューサの1D又は2Dアレイを含み得る。超音波トランスデューサとは、1つ以上の圧電トランスデューサ(「ピエゾ」トランスデューサ又は要素とも呼ばれる)のセット、1つ以上の容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(Capacitive Micromachined Ultrasonic Transducer, CMUT)のセット、又は両方の1つ以上のセットを指し得る。
【0056】
本明細書で使用される場合、「光トランスデューサ」(「光学素子」とも呼ばれる)は、光を伝送するように構成された1つ以上の構成要素(例えば、レーザダイオードなどのダイオード)及び/又は、光の進行を受けるように及び/又は光の進行を促すように構成された1つ以上の構成要素(例えば、レンズ、プリズム、光ファイバなど)を指し得る。
【0057】
本発明の概念のシステムは、エネルギーを送達して、患者の1つ以上の病状を、1つ以上のエネルギー送達モジュールを使用して治療及び/又は診断するように構成され得る。本発明の概念のエネルギー送達モジュールは、超音波エネルギーなどの様々な形態のエネルギーを送達及び/又は受けるように構成されたモジュールを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ、2つ、又はそれ以上の圧電トランスデューサのアレイ、及び/又は1つ、2つ、又はそれ以上のCMUTのアレイが含まれて、超音波エネルギーを送達し(例えば、組織を刺激し、切除し、及び/又は組織に影響を与えるために)、及び/又は、超音波エネルギーの反射を受ける(例えば、同じ要素及び/又は異なる要素が、反射され受けられるエネルギーを送達する場合など、組織を撮像するために)。
【0058】
ここで図1を参照すると、本発明の概念と一致する、組織インタフェースシステムの概略図が示される。システム10は、患者に対して医療処置を実行するように構成され得る。システム10を使用して実行される医療処置は、1つ以上の臨床処置(本明細書では「医療処置」とも称される)、例えば、患者に対して実行される1つ以上の診断手順及び/又は1つ以上の治療処置の実行を含み得る。システム10は、患者の1つ以上の病状(病気及び/又は障害など)を診断及び/又は治療するように構成され得る。システム10は、患者組織、本明細書では「標的組織」の1つ以上の部分(例えば、体積)を治療及び/又は診断するように構成され得る。いくつかの実施形態では、システム10は、標的組織に1つ以上の形態のエネルギーを送達し、例えば標的組織を刺激し、調整し、切除し、及び/又はその他の方法で治療するように構成された1つ以上の装置を含む。代替的又は追加的に、システム10は、画像データ、組織及び/又は組織に近接する1つ以上の物体の画像データを含み得る画像データIDを生成するように構成された、1つ以上の装置を含み得る。画像データIDは、診断及び/又は予後(本明細書ではいずれか又は両方とも「診断」)を決定する際に使用される、組織又は他の物体画像データを含み得る。代替的又は追加的に、画像データIDは、組織治療処置(例えば、刺激、切除、及び/又は他の組織治療処置をガイドするか、そうでなければ影響を与えるため)で使用される組織又は他の物体画像データを含み得る。画像データIDは、標的組織、安全マージン組織、非標的組織、埋め込み型診断装置及び/又は治療装置、異物(例えば、破片、入れ墨など)、及びこれらの組み合わせに関連する画像データを含み得る。システム10は、本明細書に記載されるように、画像データIDをエネルギーの送達、例えば送達される音エネルギー及び/又は光エネルギーを通して生成し、その反射を収集して画像データIDを生成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、画像データIDは、血液を含む組織に関連するデータを含み、例えば、画像データIDが血流データ(例えば、ドップラ超音波を使用して得られる)を含む場合である。いくつかの実施形態では、画像データIDは、組織温度情報(例えば、組織の1つ以上の体積についての1つ以上の温度読み取り値)及び/又は組織アブレーション情報(例えば、組織の1つ以上の体積についてのアブレーション情報の完了)を含む。
【0059】
本明細書で使用される場合、「組織診断手順」、「組織診断」、及びそれらの派生語は、限定するものではないが、画像データIDを収集するためのエネルギーの送達(例えば、システム10が送達された超音波、光、又はその他のエネルギーの反射を記録し、これらの記録を画像データIDに変換するとき)、組織を特徴付けるための組織へのエネルギーの送達(例えば、システム10が、分光法を使用するなど、エネルギー送達による組織に対する1つ以上の効果を記録するとき)、及び/又はシステム10の1つ以上のセンサを使用した1つ以上の組織特性の記録を含む。いくつかの実施形態では、システム10によって実行される組織診断は、組織の診断、例えば、組織のアブレーションのレベル(標的組織及び/又は非標的組織の体積など)、組織温度、組織の弾力性、組織密度、及び/又は組織タイプ(ある体積の組織内の脂肪、神経、筋肉、及び/又は他の組織タイプなど)を評価する診断を含む。いくつかの実施形態では、システム10は、機械学習又は他のAIアルゴリズム(例えば本明細書で説明される)を利用して、組織診断手順を実行する(例えば、組織のアブレーションのレベルを評価する)。
【0060】
本明細書で使用される場合、「組織治療処置」、「組織治療」、及びそれらの派生語は、限定するものではないが、組織のアブレーション、組織の除去、組織の壊死の引き起こし、組織の体積の減少(例えば、組織の減量)、組織の刺激、組織(筋肉組織など)の強度の向上、組織及び/又は気道の足場形成(scaffolding)、組織への力の操作及び/又はその他の方法での供給、組織の硬化、及び/又は、その他の方法で組織に治療効果を与えることを含む。本明細書で使用される場合、「組織縮小処置」又は「組織縮小」、及びそれらの派生語は、組織の一部分(標的組織など)の体積を減少させる組織治療処置が含まれ、それは例えば、組織のアブレーション、組織の砕石術、組織の組織破砕術、組織の除去、組織の液化(脂肪組織の液化など)、組織の壊死の引き起こし、組織の減量、及び/又はその他の方法で組織の体積の減少を引き起こす(例えば、治療の1日、1週間、及び/又は1ヶ月以内に減少させる)ことを含む。いくつかの実施形態では、組織縮小処置は、組織を変形させる(例えば、組織の体積の幾何学的形状を変形させる)処置を含み、例えば、組織の全体積を必ずしも減少させることなく、気道内に存在する組織の体積を減少させる。本明細書で使用される場合、「組織増大処置」又は「組織増大」、及びそれらの派生語は、組織の一部分(筋肉組織又は他の組織など)が増強され、硬化され、引き締められ、緊張され、動かされ(例えば、より良い位置に)、及び/又はその他の方法で増大される組織治療処置を含み、例えば、患者の病気又は障害(睡眠時無呼吸症など)の1つ以上の有害な影響を軽減するために使用される増大、及び/又は美容処置(例えば、しわを軽減するため、及び/又は患者の美容を改善するため)に用いられる増大である。組織増大処置は、神経調節を行うためのエネルギー(超音波エネルギーなど)の送達を含み得る。組織増大処置は、隣接する筋肉組織を増強する(例えば、舌の筋肉組織を増強する)ために、特定の組織(舌組織など)を切除するように構成されたエネルギー(超音波エネルギーなど)の送達を含み得る。
【0061】
本明細書で使用される場合、「治療計画」は、システム10を用いて患者の標的組織を治療する際に使用されるパラメータのセットを含む。治療計画は、エネルギー送達設定のセット、例えば、エネルギー送達のレベル又は形態、エネルギー送達の位置、及び/又は本明細書で定義される他のエネルギー送達パラメータを含み得る。治療計画は、異なる医療処置(組織縮小処置、組織増大処置、組織力供給処置、薬物療法、CPAP治療、及び/又は他の処置などの、1つ以上の様々な医療処置など)のセットを含むことができる。治療計画は、複数の医療処置のセットを実行するための所望の及び/又は推奨される順序を含み得る(例えば、治療計画が特定の順序で実行される複数の処置を提供する場合、いくつかの例では、十分な有効性が医療処置のサブセットが実行されるときに達成される場合)。いくつかの実施形態では、システム10は、自動的及び/又は半自動的に(本明細書では「自動的に」)治療計画(例えば、臨床医が利用できる1つ以上の治療計画)を生成するように構成される。システム10は、本明細書に記載されるアルゴリズム50などのアルゴリズムを使用して治療計画を生成し得る。治療計画は、少なくとも画像データIDを使用するアルゴリズム50によって、例えば、超音波ベースの画像データ(超音波を使用して生成されたドップラーデータ及び/又は他の画像データなど)、CTベースの画像データ、MRIベースの画像データ、及び/又は、X線ベースの画像データ(透視撮影データ及び/又はX線を使用して生成された他の画像データなど)を含む画像データIDを使用することによって展開され得る。代替的に又は追加的に、アルゴリズム50は、提案された治療計画を、以下のグループから選択されるパラメータに基づいて展開し得て、そのグループは、患者の年齢、切除されるか、体積が減少されるか、及び/又はその他の方法で治療される標的組織の体積(例えば、標的組織が腫瘍組織、アデノイド組織、舌組織、扁桃組織、及び/又は他の組織を含む場合)、標的組織の脂肪分、標的組織の幾何学的形状、標的組織に近接する非標的組織の組織タイプか、幾何学的形状か、及び/又は他の特徴、標的組織に近接する気道の幾何学的形状、及びこれらの組み合わせからなる。いくつかの実施形態では、治療計画は、標的組織の治療を確実にする一方で、隣接する非標的組織への損傷を回避するための方法論を含む。いくつかの実施形態では、システム10は(例えば、アルゴリズム50を介して)、1つ以上の治療計画に関連する結果の予測(例えば、有効性の可能性の推定及び/又はリスクの評価)を生成するように構成される。例えば、アルゴリズム50は、複数の患者の集団、例えば同様の組織構成(睡眠時無呼吸イベントへの影響に関連する同様の組織の幾何学的形状など)を有する患者からのデータを分析するように構成され得る。
【0062】
システム10は、EDD100を含み得て、それは医師、看護師、及び/又は医療技術者(本明細書では「臨床医」)によって使用され、医療処置においてエネルギーの送達を介して患者を診断及び/又は治療する、1つ、2つ、又はそれ以上のエネルギー送達装置を含む。システム10は、図示のEDD100、100’、及び/又は100”(一般にEDD100)などの複数のエネルギー送達装置(Energy Delivery Device)を含み得る。その医療用途(診断及び/又は治療用途など)の間、EDD100の1つ以上のエネルギー送達部分は、患者の1つ以上の位置、又は患者に近接する位置、本明細書では位置L100に配置され、位置L100に近接する標的組織が、本明細書に記載されているように、1つ以上のエネルギー形態の送達を介してEDD100によって診断及び/又は治療され得る。いくつかの実施形態では、EDD100は、1つ以上のエネルギー形態、例えば、画像データIDを生成するために使用される反射エネルギー、及び/又はEDD100に送信される(例えば無線で送信される)制御信号又は他のデータを表すエネルギーを受けるように構成される。EDD100は、手持ち式装置、カテーテル、プローブ(例えば、腹腔鏡ポートを通して挿入されるように構成されたプローブ)、及び/又はロボット制御装置を含み得る。いくつかの実施形態では、EDD100は複数の個別構成要素を含む。EDD100は、1つ以上の筐体、図示では筐体101を含み、例えば、1つ以上の筐体はEDD100の1つ以上の構成要素を取り囲む。
【0063】
システム10は、CEDD200を含み得て、それは1つ、2つ又はそれ以上の長期的エネルギー送達装置(Chromic Energy Delivery Device)を含むことができ、患者に埋め込まれ、配置され、及び/又は患者に提供されることで、患者の診断及び/又は治療が継続的に(例えば、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも3ヶ月、及び/又は少なくとも6ヶ月の期間)実行され得る。システム10は、図示のCEDD200、200’、及び/又は200”(一般にCEDD200)などの複数の長期的エネルギー送達装置を含み得る。医療用途中、CEDD200の1つ以上のエネルギー送達部分は、患者の内部、患者上、及び/又は患者に近接する1つ以上の位置、本明細書では位置L200に配置され、その結果、位置L200に近接する標的組織は、本明細書で説明されるように、1つ以上のエネルギー形態の送達を介してCEDD200によって診断及び/又は治療され得る。エネルギーは、これもまた本明細書に記載されるように、CEDD200によって比較的連続的に、及び/又は断続的に送達され得る。いくつかの実施形態では、CEDD200は、1つ以上のエネルギー形態、例えば、画像データIDを生成するために使用される反射エネルギー、又はCEDD200に送信される(例えば、無線で送信される)制御信号及び/又は他のデータを表すエネルギーを受信するように構成される。CEDD200は、1つ以上の筐体、図示では筐体201を含み、例えば、1つ以上の筐体はCEDD200の1つ以上の構成要素を取り囲む。
【0064】
CEDD200は、1つ以上の別個の構成要素、例えば、使用中に患者の皮膚の外部であるが皮膚に近接して配置される1つ以上の構成要素、及び/又は患者内に(例えば、気道内に)埋め込まれる1つ以上の構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、CEDD200は、EDM250を含んでエネルギーを組織に送達する(例えば、撮像手順及び/又は治療処置を実行するために)第1の構成要素と、第1の構成要素に、例えば有線又は無線接続経由で電力を供給するように構成される第2の構成要素とを含む。例えば、CEDD200は、患者に埋め込まれる第1の構成要素と、患者の皮膚上に第1の構成要素の埋め込み位置に近接して(使用中に)配置される第2の構成要素とを含み得る(例えば、本明細書では、図4を参照して説明される)。いくつかの実施形態では、CEDD200は、患者に埋め込まれる第1の構成要素を含み得て、第1の構成要素はEDM250を備え、エネルギーを組織に送達する(例えば、撮像手順及び/又は治療処置を実行するために)ように構成され、第2の構成要素もまた、患者に埋め込まれ、第1の構成要素に、例えば有線又は無線接続経由で電力を供給するように構成される(例えば、本明細書の図5を参照して説明される)。これらの実施形態では、CEDD200は、患者の体外に配置される第3の構成要素を含み得て、例えば、第3の構成要素は、第1の構成要素及び/又は第2の構成要素に(例えば無線エネルギー伝達を介して)電力を供給する。CEDD200は、神経の周囲に巻き付けられ得る、及び/又は神経に沿って配置され得る、可撓性シート及び/又は管状構造として配置された構成要素、例えば、超音波エネルギーを(CEDD200の第2の構成要素などから)受け取り得る圧電トランスデューサ及び/又はCMUTのアレイ(圧電トランスデューサ及び/又はCMUTの管及び/又はラップなど)を含む構成要素を含み、超音波エネルギーを電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーが組織に送達される(例えば、図4図5を参照して本明細書で説明されるような1つ以上の電極を介して)。これらの実施形態では、超音波エネルギーを受け取る超音波トランスデューサのアレイは、比較的全方向性のアセンブリとして構成され得ることで、超音波エネルギーが複数の位置から首尾よく送達され得る(例えば、超音波エネルギーを送達する構成要素の位置に対する感度が大幅に低下される)。
【0065】
いくつかの実施形態では、CEDD200は、EDM250を介してエネルギー(超音波エネルギーなど)を送達し、EDM250からエネルギー(刺激エネルギーなど)を更に受け取る標的組織に関連する画像データIDを収集するように構成される。画像データIDを生成するためにEDM250によって送達されるエネルギー(例えば、EDM250によって受け取られる送達エネルギーの反射を介して)、及びEDM250によって送達される刺激エネルギーは、同じ経路(例えば、組織を通る超音波又は他のエネルギーの同じ経路)をとることができる。これらの実施形態では、刺激エネルギーは、収集された画像データIDに基づいて閉ループ構成で送達され得る(例えば、EDM250が撮像モードと刺激モードとの間で連続的に切り替わる)。この閉ループ構成は、刺激の有効性を高めることができ、例えば睡眠時無呼吸症を治療するために気道組織を刺激する場合、刺激エネルギー送達の軌道における調整は、患者が睡眠中に動いたときに行われる。いくつかの実施形態では、EDM250の第1の部分は、少なくとも画像データIDを生成し(例えば、また、任意で刺激エネルギーを送達し)、EDM250の第2の部分は、少なくとも刺激エネルギーを送達する(例えば、また、任意で画像データIDを収集する)。いくつかの実施形態では、EDM250の第1の部分及び第2の部分は、少なくとも同じ標的組織に刺激エネルギーを送達する(その結果、例えば、標的組織に送達される刺激エネルギーの総量が、EDM250のいずれかの部分によって送達される最大量を超える)。
【0066】
システム10は、1つ、2つ又はそれ以上の力供給装置(Force-Applying Device)を含み得るFAD300を含むことができ、それは患者に埋め込まれ、配置され、及び/又は患者に提供されることで、患者の標的組織に1つ以上の力(例えば、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも3ヶ月、及び/又は少なくとも6ヶ月の期間にわたって比較的連続的及び/又は断続的に組織に加えられる力)を供給する。システム10は、図示のFAD300、300’、及び/又は300”(一般にFAD300)などの複数の力供給装置を含み得る。医療用途中、FAD300の1つ以上の力供給部分は、患者の内部、患者上、及び/又は患者の近傍の1つ以上の位置、本明細書では位置L300に配置され、その結果、位置L300に近接する標的組織は、FAD300によって加えられる力を受け取ることができる。FAD300を用いて、患者組織(例えば、筋肉組織)に力を加え、その組織に治療効果をもたらす(例えば、筋肉を強化するなど、筋肉組織を連続的及び/又は断続的に運動させる)ことができる。代替的又は追加的に、FAD300は、患者組織に力を加え、組織を圧縮及び/又は足場形成する(例えば、気道を足場形成する)ために使用され、例えば、気道の開口部(例えば、断面積)を増大させ得る(患者の気道から組織を押し出し、睡眠時無呼吸症を治療するためなど)。いくつかの実施形態では、FAD300は通路(血管、導管、組織管、及び/又は弁など)の組織に力を加え、例えば、通路を閉じる(弁を閉じるなど)ように構成される。FAD300は、本明細書の図6A図6B及び/又は図7を参照して説明されるように、組織に付着する(骨又は他の組織に付着するなど)1つ以上の部分を含み得る。FAD300は、本明細書の図7を参照して説明されるような、アーチ状構造(例えば、2つのアクチュエータ部分を含む)を含み得る。
【0067】
システム10は、図示のコンソール500を含み得て、それは、システム10の1つ以上の他の構成要素と動作可能にインタフェースする1つ以上の個別の構成要素を含み、エネルギー及び/又はデータ(制御信号など)を提供し、及び/又は、エネルギー及び/又はデータを受け取り得る。いくつかの実施形態では、コンソール500は、例えば導管、図示ではケーブル501を介して、及び/又は無線接続を介して、EDD100に動作可能に取り付けられるように構成された1つ以上の構成要素を含む。いくつかの実施形態では、コンソール500は、システム10の他の構成要素と無線通信するように構成された1つ以上の構成要素を含み、データの送信及び/又はデータの受信を、EDD100(医療処置において臨床医による使用中に)、CEDD200(例えば、患者に埋め込まれるか、又は配置される場合)、及び/又はFAD300(例えば、患者に埋め込まれるか、又は配置される場合)との間で行う。コンソール500は、コントローラ510を含み得て、それは、1つ以上の中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は他のマイクロコントローラと、メモリ記憶構成要素(揮発性メモリ又は不揮発性メモリなど)と、信号処理及びその他の電子回路、電圧制御発振器(VCO)回路などの発振器回路と、アナログからデジタルへの回路と、デジタルからアナログへの回路と、及び/又はEDD100などシステム10の1つ以上の構成要素を制御するか、若しくはインタフェースするように構成された他の構成要素とを含み得る。コントローラ510は、電源及び/又はエネルギー貯蔵構成要素(バッテリ及び/又は蓄電器など)を含み得る。コントローラ510は、1つ以上の電子要素、電子アセンブリ、及び/又は他の電子構成要素、例えば、メモリ記憶構成要素、アナログ-デジタルコンバータ、整流回路、状態機械、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィルタ及びその他の信号調整器、センサインタフェース回路、トランスデューサインタフェース回路、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ510は、メモリ記憶構成要素(例えば、コントローラ510に結合される)を含み、メモリ記憶構成要素は命令、例えば、エネルギー送達波形を生成するため、及び/又はアルゴリズムを実行するためにコントローラ510によって使用される命令を含み、それぞれ本明細書に記載される。
【0068】
いくつかの実施形態では、コンソール500は、1つ、2つ、又はそれ以上のエネルギー送達アセンブリを含み、例えばコントローラ510は、1つ、2つ以上のエネルギー送達アセンブリを含む。これらの実施形態では、コントローラ510は、1つ以上のエネルギー形態を送達するように構成されたアセンブリを含み得て、例えば、エネルギーは、超音波エネルギー、高周波及び/又は他の電磁エネルギー、光エネルギー(例えば、レーザ光エネルギー)、機械エネルギー、化学エネルギー、熱エネルギー(熱エネルギー及び/又は極低温エネルギーなど)、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される。いくつかの実施形態では、コンソール500は、光源(レーザ又は他の光源を含む機能要素599など)を含む。光源は、EDD100、CEDD200、FAD300、及び/又はシステム10の別の構成要素に光を供給するように構成され得る。光源は、撮像手順(OCT又は他の光ベースの撮像手順など)、及び/又は組織エラストグラフィ分析を実行するように構成され得る。いくつかの実施形態では、機能要素599は、光源を含み、それは光を組織に送達するように、及び/又は光を作用薬に送達し、組織及び/又は作用薬に影響を与える(例えば、それぞれ、組織を刺激する、及び/又は作用薬を活性化する)ように構成される。いくつかの実施形態では、コントローラ510は、以下に説明するアルゴリズム50などの1つ以上のアルゴリズムを含む。これらの実施形態では、コントローラ510及び/又はコンソール500の別の構成要素によって供給されるエネルギー送達及び/又は別の機能は、アルゴリズムによって制御され得る。
【0069】
システム10は、図示されたアルゴリズム50を含み得て、それは1つ以上のアルゴリズムを含み得る。アルゴリズム50の全部又は一部分は、EDD100、CEDD200、FAD300、及び/又はコンソール500など、システム10の様々な構成要素のうちの1つ、2つ、又はそれ以上に統合され得る。アルゴリズム50は、1つ以上の機械学習、ニューラルネットワーク、及び/又は他の人工知能アルゴリズム(本明細書では「AIアルゴリズム」)を含み得る。
【0070】
アルゴリズム50は、本明細書で定義される1つ以上のエネルギー送達パラメータを決定及び/又は修正し、例えば、標的組織を効果的に治療(例えば、切除)し、非標的組織への損傷を回避するように構成され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、アルゴリズム50(例えば、AIアルゴリズム)は、治療される標的組織の体積を決定し、患者に治療効果を効果的に提供するのと同時に、非標的組織への損傷を回避又は少なくとも最小限に抑えるように構成され得る。これらの実施形態では、アルゴリズム50は、1つ以上のエネルギー送達パラメータを(例えば、少なくとも決定された体積に基づいて)決定及び/又は修正し、例えば決定された標的組織体積を効果的に治療するのと同時に、上述したように、非標的組織への損傷を回避するように更に構成され得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、「組織分類分析」を実行するように構成され、それは組織切除分析(以下に説明する)、組織タイプ分析(例えば、脂肪、神経、筋肉、及び他の組織タイプを区別するため)、及び/又は組織分類分析の別の形式を含む。これらの実施形態では、アルゴリズム50によって実行される組織分類分析は、本明細書に記載されるように、システム10によって収集された組織エラストグラフィデータなどの組織エラストグラフィデータに基づき得る。
【0073】
アルゴリズム50は、アルゴリズム50によって分析される1つ以上のタイプの情報の使用を含む「組織アブレーション分析」を含んだ組織分類分析を実行し、標的組織のアブレーションのレベル(現在のアブレーションレベルなど)を評価するように構成され得る(例えば、生体組織と死んだ組織、及び/又は切除された組織と切除されていない組織を区別する、超音波又はMRIに基づくエラストグラフィ分析)。この分析の結果は、システム10によって用いられ、本明細書で説明されるように、閉ループモードでエネルギーを送達し得る。組織アブレーション分析で生成された組織アブレーションデータは、画像データIDとして(例えば、1つ以上の組織位置と関連付けて)記憶され得る。いくつかの実施形態では、システム10は、エネルギー(超音波エネルギーなど)を組織に送達し、及び/又は組織から受け取り、アルゴリズム50は、送達された、及び/又は受け取られたエネルギーに基づいて組織アブレーション分析を実行する。組織アブレーション分析は、切除された(例えば、意図された利益を患者に提供するために十分に切除された)サイズ(組織の体積の幾何学的形状など)を決定するように構成され得る。
【0074】
アルゴリズム50は、アルゴリズム50によって分析される1つ以上のタイプの情報の使用を含む「組織温度分析」を実行し、組織の温度(例えば、現在の温度)を評価するように構成され得る。この分析の結果は、本明細書で説明されるように、閉ループモードでエネルギーを送達するためにシステム10によって使用され得る。組織温度分析で生成された組織温度データは、画像データIDとして(例えば、1つ以上の組織位置と関連付けて)記憶され得る。いくつかの実施形態では、システム10は、エネルギー(超音波エネルギーなど)を組織に送達し、及び/又は組織から受け取り、アルゴリズム50は、送達された、及び/又は受け取られたエネルギーに基づいて組織温度分析を実行する。いくつかの実施形態では、システム10は赤外線カメラアセンブリを含む。例えば、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、システム10が、測定された組織温度に基づいて閉ループエネルギー送達を実行するように構成されている場合などに、組織(切除される組織など)の温度を測定するように構成された赤外線カメラアセンブリを含み得る。
【0075】
アルゴリズム50は、センサ信号に基づいてエネルギー送達パラメータを調整するように構成され得て、例えば、睡眠センサ信号を用いて、睡眠中の睡眠時無呼吸症患者へのエネルギーの送達を変更する(その睡眠時無呼吸症患者に提供される治療を最適化するためなど)場合である。エネルギー送達の調整は、アブレーションエネルギーの送達中、及び/又は刺激エネルギーの送達中に行われ得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、本明細書に記載されるように、システム10のセンサによって生成された信号がシステム10によって治療されている患者に関連付けられていることを確認するように構成される。例えば、アルゴリズム50は、システム10によって記録されたいびき又は他の音が患者に関連付けられ、別の人又は他の音発生源(例えば、患者の睡眠中の、テレビ、ペット、又は患者と同じ部屋にいる他の人)に関連付けられていないことを識別、区別、及び/又は確認するように構成され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、システム10の1つ以上のセンサから信号を受信し、患者が口から呼吸しているか鼻から呼吸しているかを識別するように構成され、システム10がそれに応じてエネルギーの送達を調整し得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、システム10は、(例えば本明細書で説明される)超音波を使用して、Bモード収集された超音波画像データIDなどの画像データIDを収集し、そしてアルゴリズム50は、画像データIDを評価して組織のアブレーションのレベルを決定する(例えば、標的組織の体積が十分に切除されているかどうかを決定する)ように構成されたAIアルゴリズム(例えば、機械学習アルゴリズム)を含み得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、システム10は、画像データIDを収集し(例えば、本明細書に記載の超音波を使用して)、アルゴリズム50は、収集された画像データIDを分析して治療計画を作成し(例えば、本明細書に記載されるように)、治療計画は、画像データIDが収集された患者の治療に対する提案として臨床医に提供される1つ以上の治療計画などを含む。これらの実施形態では、アルゴリズム50は、治療計画を、更なるデータ、例えば、任意の生理学的、遺伝的、及び/又は他の患者情報に関連するデータに基づいて作成し得る。
【0080】
EDD100、CEDD200、及び/又はFAD300(本明細書では単独又は集合的に「装置100/200/300」)は各々、図示されるように、それぞれ、制御モジュールである、コントローラ110、210、及び/又は310を含み得る。コントローラ110、210、及び/又は310(単独又は集合的にコントローラ110/210/310)は各々、1つ以上の中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、及び/又は他のマイクロコントローラと、メモリ(揮発性メモリ、又は不揮発性メモリなど)と、信号処理及びその他の電子回路と、アナログからデジタルへの回路と、デジタルからアナログへの回路と、及び/又はそれぞれEDD100、CEDD200、及び/又はFAD300などのシステム10の1つ以上の構成要素を制御するか、又はそれらとインタフェースするように構成された他の構成要素とを含み得る。コントローラ110/210/310は、1つ以上の電子要素、電子アセンブリ、及び/又は他の電子構成要素、例えば、メモリ記憶構成要素、アナログ-デジタルコンバータ、整流回路、状態機械、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィルタ及びその他の信号調整器、センサインタフェース回路、トランスデューサインタフェース回路、及びそれらの組み合わせからなるグループから選択される構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ110/210/310は、メモリ記憶構成要素を含み、メモリ記憶構成要素は命令、例えば、アルゴリズムを実行するためにコントローラ110/210/310によって使用される命令を含み、それぞれ本明細書に記載される。コントローラ110/210/310は、エネルギー貯蔵構成要素(例えば、充電式バッテリ及び/又は蓄電器)などの電源を含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ110/210/310の少なくとも一部分が患者に埋め込まれ、(例えば、システム10の外部構成要素によって送られる制御信号を必要とせず)関連するEDM150/250/350の埋め込まれた部分によって送達されるエネルギーを調整及び/又は制御する(例えば、アルゴリズム50を介して自動的に調整する)。代替的又は追加的に、コントローラ110/210/310は、患者の体外に配置される少なくとも一部分を含み得て、EDD100/200/300の埋め込まれた部分に制御信号を無線で送る。いくつかの実施形態では、エネルギーは、コントローラ110/210/310の埋め込まれた部分のバッテリ、蓄電器、及び/又は他のエネルギー貯蔵要素に無線で伝達され、例えば、電気エネルギーの伝達を介して(誘導結合及び/又は高周波信号を介してなど)、及び/又は超音波エネルギー(本明細書に記載されるように、1つ以上の超音波トランスデューサによって受信され、電気エネルギーに変換される超音波エネルギーなど)の送信を介して伝達される。これらの実施形態では、エネルギーは、コントローラ110/210/310の別の埋め込まれた部分から、及び/又はコントローラ110/210/310の外部に配置された部分から伝達され得る。これらの実施形態では、組織を治療する(例えば、組織を刺激及び/又は切除する)ために送達されるエネルギーは、EDM150/250/350の埋め込み可能部分によって、あるエネルギー設定(例えば、周波数、振幅、波形形状など)で送達され得て、そのエネルギー設定は、コントローラ110/210/310のエネルギー貯蔵要素へのエネルギー送達のエネルギー設定に依存しない(例えば、異なる)。例えば、インプラントへのエネルギー送達は、組織を治療するために使用されるエネルギー送達の周波数よりも高い周波数であってもよい。
【0081】
コントローラ110/210/310は、1つ以上のエネルギー貯蔵構成要素、例えば、バッテリ、蓄電器、及び/又は他のエネルギー貯蔵構成要素を含み得る。これらの1つ以上のエネルギー貯蔵構成要素は、それぞれ装置100/200/300の外部部分及び/又は埋め込み可能部分に配置され得る。コントローラ110/210/310のエネルギー貯蔵構成要素は、コントローラ110/210/310に送信される無線電力伝送を介して、例えば、別の装置のエネルギー貯蔵構成要素を無線で充電するように構成された充電アセンブリ(例えば、充電アセンブリを含む以下で説明されるツール950)を介して、充電されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、装置100/200/300は、充電アセンブリ(装置100/200/300の外部部分に統合される無線充電器など)を含む。いくつかの実施形態では、無線電力伝送は、コントローラ110/210/310によって受信及び保存される(例えば、埋め込み型コントローラ210及び/又は310の一部分によって患者の組織を介して受信される)電磁エネルギーを含む。代替的又は追加的に、無線電力伝送は、音エネルギー(超音波エネルギーなど)、光エネルギー、及び/又は、他の非電磁エネルギーの伝送を含み得て、それはコントローラ110/210/310によって受け取られ(例えば、患者の組織を通して、埋め込み型コントローラ210及び/又は310の一部分によって受け取られる)、電気エネルギーに変換され(例えば、CEDD200及び/又はFAD300の1つ以上の超音波トランスデューサ及び/又は光トランスデューサのアレイによって)、コントローラ110/210/310の埋め込まれたエネルギー貯蔵構成要素に貯蔵される。いくつかの実施形態では、コントローラ210及び/又は310の埋め込まれたエネルギー貯蔵構成要素は、使用期間(例えば、組織への治療の送達)の前に、定期的に充電される。いくつかの実施形態では、CEDD200又はFAD300の再充電が生じた後に、それぞれ、EDM250が組織に治療エネルギー(刺激エネルギーなど)を送達し、又は力供給アセンブリ、図示ではFAA360が組織に治療力を加え得る。これらの実施形態では、治療送達の前に再充電が生じ得る(例えば、本明細書で説明するように、再充電を生じた後に、睡眠時無呼吸症患者に毎晩、治療を送達する)。
【0082】
コントローラ110/210/310は、自動モードで構成され得て、例えば、装置100、200、及び/又は300によって送達されるエネルギー及び/又は加えられる力が自動的に調整される(オンにされる、オフにされる、及び/又は強度及び/又は形態が変更されるなど)場合である。例えば、システム10は、睡眠時無呼吸症患者を治療するように構成され得て、コントローラ110/210/310は、以下のグループから選択される機能を自動的に実行するように構成することができ、そのグループは、患者が眠りに落ちた場合に(例えば、システム10のセンサ及び/又はアルゴリズム50によって決定される)、エネルギー送達及び/又は力の送達をオンにすること、患者が目覚めた場合に(例えば、システム10のセンサ及び/又はアルゴリズム50によって決定される)、エネルギー送達及び/又は力の送達をオフにすること、睡眠時無呼吸イベントの発生が変化した場合に(例えば、システム10のセンサ及び/又はアルゴリズム50によって決定されるように、悪化及び/又はより頻繁になった場合に)、エネルギー送達及び/又は力の送達を変更すること(例えば、エネルギー送達及び/又は力の送達を増加及び/又は減少させる)、及びこれらの組み合わせからなる。いくつかの実施形態では、システム10は手動モードで構成され(例えば、自動モードの有無にかかわらず)、患者は、システム10のエネルギー送達及び/又は力の送達(本明細書では、単独又は集合的に、「エネルギー送達」又は「力の送達」)を、例えば、音声制御及び/又はスイッチの単純なタップを介して(本明細書で説明されるシステム10のユーザインタフェースを介してなど)、簡単にオン、オフ、及び/又は変更し得る。いくつかの実施形態では、患者がエネルギー及び/又は力の送達を手動でオフにし(例えば患者が目覚めたとき)、その後、患者が眠りに落ちたこと(例えば再び眠りに落ちたこと)をシステム10が判断した場合に、システム10はエネルギー及び/又は力の送達を自動的に再開し得る(例えば、睡眠時無呼吸イベントの発生を防ぐため)。
【0083】
コンソール500は、それぞれ図示のようなユーザインタフェース590を含み得る。ユーザインタフェース590は、システム10のオペレータ(システム10の臨床医又は他のユーザなど)から入力を受信するように構成された様々なコントロールを含み得て、また、オペレータに情報を提供するように構成された様々な出力装置を含み得る。ユーザインタフェース590は、ボタン、スイッチ、フットペダル、レバーと、キーボードと、マウスと、タッチスクリーンと、マイクロフォンと、これらの組み合わせとからなるグループから選択される1つ以上のユーザ入力構成要素を含み得る。ユーザインタフェース590は、ディスプレイ、タッチスクリーン、ライト、スピーカ、触覚トランスデューサ、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ以上のユーザ出力構成要素を含み得る。
【0084】
同様に、EDD100、CEDD200、及び/又はFAD300は、各々、ユーザインタフェース、図示のようにそれぞれユーザインタフェース190、290、及び/又は390を含み得て、各々は、同様のユーザ入力構成要素及び/又はユーザ出力構成要素を、ユーザインタフェース590を参照して上述のように含み得る。いくつかの実施形態では、コンソール500のユーザインタフェース590の少なくとも一部分は、ユーザインタフェース190、290、及び/又は390のうちの1つ以上に統合される。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース290及び/又は390は、関連する装置200及び/又は300を患者に埋め込む前に、インプラント臨床医によって使用されるように構成される(例えば、ユーザインタフェース構成要素は、密封された構成要素を含み、及び/又はそうでなければ最初の使用後に患者に埋め込まれるように構成される)。ユーザインタフェース190、290、及び/又は390(本明細書では単独又は集合的に「ユーザインタフェース190/290/390」)は、1つ以上のスイッチ又は他のコントロールを含み得て、システム10の患者又は他のオペレータがオン、オフし、及び/又はシステム10の装置100/200/300によって送達される力及び/又はエネルギーの送達を調整するのを可能にする。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェース190/290/390、及び/又は590は、システム10によって収集された情報(例えば、システム10によって収集された画像データID及び/又は他の患者情報)に基づいて、適応する(例えば、動的に適応する)ユーザインタフェースを含む。例えば、ユーザインタフェースによって提供されるエネルギー送達オプション及び/又は他の治療パラメータは、システム10を使用して実行される医療処置中に収集されたデータ(例えば、エネルギー送達データ、組織アブレーション及び/又は他の組織特性データ、及び/又は本明細書に記載されるような、システム10の1つ以上のセンサによって収集される他のデータ)に基づいて変更され得る(例えば、標準的な設定セットから制限され、及び/又は拡張され得る)。
【0085】
システム10は、1つ以上の機能要素、例えば、それぞれ示されるように、EDD100の機能要素199、CEDD200の機能要素299、FAD300の機能要素399、コンソール500の機能要素599、及び/又は機能要素999を含み得る。機能要素199、299、399、599、及び/又は999はそれぞれ、本明細書に記載されるように、1つ以上のセンサ及び/又は1つ以上のトランスデューサを含み得る。機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、無線要素を含み得て、例えば、無線で電力を受け取り、及び/又は無線で信号を送信できる無線センサである。
【0086】
いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、加速度計、重力ベースのセンサ、歪みゲージ、音響センサ(例えば、マイクロフォン又は他の音響センサ)、電磁センサ(ホール効果センサなど)、圧力センサ、振動センサ、温度センサ、真空センサ、GPSセンサ、湿度センサ、流量センサ(例えば、空気流量センサ)、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ以上のセンサを含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、「患者パラメータ」(例えば、それぞれ以下で定義されるように、患者の睡眠パラメータ又は他の患者の生理学的パラメータ、及び/又は患者環境パラメータ)を測定するように構成された1つ、2つ、又はそれ以上のセンサを含み得る。
【0088】
機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、患者の「生理学的パラメータ」を測定するように構成された1つ、2つ、又はそれ以上のセンサを含む患者の「生理学的センサ」を含み得て、生理学的パラメータは、睡眠パラメータ(例えば、以下で定義される)、心拍数、血圧、呼吸数、発汗量、血液ガスレベル、血糖値、例えば、脳波(EEG)、局所電場電位(LFP)、及び/又はニューロン発火(単一ニューロン発火活動など)によって測定される脳及び/又は他の神経活動、目の動き、呼気終末陽圧(PEEP)センサ、骨に配置されたセンサ(顎に配置されたセンサ、例えば、いびき及び/又は他の呼吸困難、レム睡眠レベルなどの睡眠レベル、無呼吸イベントの存在、及び/又はその他の睡眠パラメータを測定するように構成されたセンサなど)によって測定される生理学的パラメータ、及びこれらの組み合わせなどである。
【0089】
機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、患者の1つ以上の「睡眠パラメータ」を測定するように構成された1つ、2つ、又はそれ以上のセンサを有する「睡眠センサ」を含み得て、例えばパラメータは、いびきパラメータ(例えば、いびき振幅、いびき周波数、いびき波形形状、いびきタイプ、及び/又は他のいびきパラメータ)、睡眠時無呼吸イベントの発生、睡眠状態(ステージ1、ステージ2、ステージ3、レム睡眠など)、呼吸パラメータ(鼻孔呼吸及び/又は口呼吸などの呼吸タイプ、呼吸数、及び/又は他の呼吸パラメータなど)、睡眠中の患者の姿勢(左向き、右向き、仰向け、及び/又はうつ伏せなど)、心拍数及び/又は心臓の変動、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される。いくつかの実施形態では、睡眠パラメータは、記録され得て(例えば、1つ、2つ、又はそれ以上のセンサによって測定される)、及び/又は、患者のウェアラブル装置、例えばスマートウォッチ、活動記録装置(患者の手首に装着されるものなど)、及び/又は他の携帯装置によって提供され得る、1つ、2つ、又はそれ以上のパラメータを含む。
【0090】
機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、以下のような患者の「環境パラメータ」を測定するように構成された1つ、2つ、又はそれ以上のセンサを含む患者の「環境センサ」を含み得て、「環境パラメータ」は、室内温度、室内圧力、部屋の明るさレベル、部屋の周囲の騒音レベル、部屋の容積、及びこれらの組み合わせなどである。
【0091】
いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、システム10のパラメータを測定するように構成された1つ以上のセンサを含み、例えば、システムパラメータは、温度(システム10の構成要素の一部分の温度など)、速度及び/又は加速度、位置、歪み、エネルギー送達レベル、力送達レベル、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される。いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、システムパラメータを、システム10を使用して実行される複数の処置(1人の患者及び/又は複数の患者に対して実行される複数の処置など)から測定するように構成された1つ以上のセンサを含む。これらの実施形態では、アルゴリズム50は、記録されたパラメータ(記録されたパラメータの記録されたレベルなど)を分析し、例えば、システム10を複数の処置データ分析に基づいて調整する(例えば、システム10の1つ以上の設定を調整する)ように構成され得る。
【0092】
いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、ペルチェ素子などの冷却素子、ペルチェ素子又はヒートポンプなどの加熱素子、振動トランスデューサ、発光素子(ダイオード、レーザ、及び/又は他の発光素子など)、受光素子(光検出器、レンズ、フィルタ、ビームスプリッタ、及び/又は他の受光素子など)、磁場発生要素、真空発生要素、機械的マニピュレータ(組織マニピュレータ及び/又はシステム10の構成要素マニピュレータなど)、ソレノイド又は他の回転若しくはリニアアクチュエータ、モータ、薬物若しくは他の作用薬送達アセンブリ、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ以上のトランスデューサを含む。
【0093】
いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、システム10の別の構成要素に真空を供給するように構成されたアセンブリ又は他の構成要素を含む。例えば、機能要素199、299、及び/又は399は、真空を(例えば、コントローラ110、210及び/又は310から、及び/又はコンソール500から)受け取り、組織を安定させ、組織を捕捉し(例えば、ポートに向かって組織を引き寄せる)、及び/又はその他の方法で組織を係合するように構成された組織係合ポートを含み得て、そのとき、真空はポートに印加される。機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、そのような組織係合ポートに印加され得る真空などの真空源を含み得る。いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、真空を供給して、組織を操作する、例えば、組織をEDM150/250/350に対して移動させ、例えば、組織操作に基づき組織へのエネルギー及び/又は力送達を変更するように構成された構成要素を含む。代替的又は追加的に、供給される真空は、EDM150/250/350に対して組織を位置決めする(例えば、そして、組織の位置を維持する)ように構成され得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、システム10の1つ以上の構成要素を操作する(ロボット操作などをする)ように構成された機械操作アセンブリを含み、例えば、患者に対するEDM150/250/350の位置、構成、及び/又は向きを操作する。例えば、機能要素は、患者組織に近接して配置されるフレームと、EDM150/250/350を患者組織に対して少なくとも2次元で移動させるX-Yマニピュレータとを含み得て、例えば、フレーム内でマニピュレータによって実行される位置決めに基づいて、複数の位置からエネルギーを送達する。
【0095】
いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、接着剤、及び/又は接着剤分配構成要素を含み、例えば、接着剤を用いて、一時的(1日未満など)及び/又は慢性的(少なくとも1週間、1ヶ月、又は3ヶ月など)にシステム10の構成要素(装置100/200/300の一部分など)を患者の組織、及び/又はシステム10の別の構成要素に取り付ける場合である。
【0096】
いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、冷却流体又は冷却構成要素(例えば、熱電冷却素子)、及び/又は冷却する(例えば、システム10の構成要素を冷却する)ように構成されたアセンブリを含む。いくつかの実施形態では、システム10は、エネルギー(切除エネルギーなど)の送達中に組織及び/又はシステム10の構成要素を冷却し、例えば、非標的組織への損傷を回避し、及び/又はシステム10の構成要素の劣化を回避するように構成される。例えば、システム10は、本明細書に記載のスペーサ151及び/又は251内に配置された冷却素子を含む機能要素を含み得る。代替的又は追加的に、システム10は、冷却流体を(再循環配置などで)スペーサ151及び/又は251に供給するように構成されたアセンブリを有する機能要素を含み得る。いくつかの実施形態では、冷却素子が提供され、組織表面上に配置されて、表面下組織を含む標的組織のアブレーションを可能にする一方で、切除される表面下組織に近接する表面組織への損傷を回避する。
【0097】
いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、組織に力を加えるように構成されたアセンブリ又は他の構成要素(例えば、組織に張力をかけるように構成された把持構成要素、及び/又は組織に圧縮力を供給するように構成された押し要素)を含み、例えば、エネルギーがシステム10の別の構成要素によって標的組織に送達されている間に、組織(標的組織など)に力(張力及び/又は圧縮力など)を供給する。
【0098】
いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、システム10の構成要素(EDM150/250/350など)の位置、及び/又は患者(患者の標的組織など)を追跡するように構成された位置センサ(加速度計など)を含む。これらの実施形態では、患者及び/又はシステム10の位置情報を使用して、閉ループ構成でエネルギー及び/又は力を送達し、例えば、患者及び/又はシステム10の構成要素の動きに基づいて送達を変えることができる(例えば、アルゴリズム50などを介して、動作を補償するために、送達の方向を直し、及び/又は送達を調整する)。
【0099】
いくつかの実施形態では、機能要素199、299、399、599、及び/又は999は、1つ以上の流体送達要素(1つ以上の針など)を含み、それは、物質(流体及び/又は他の流動性物質など)を、例えば、標的組織に近い位置へ、標的組織へのエネルギー送達中に送達するように構成される(その組織を冷却及び/又は加温するなどのため)。いくつかの実施形態では、送達される物質は、本明細書に記載される作用薬920(患者に送達される医薬品又は他の作用薬など)を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、機能要素299は、患者の皮膚上に配置され、及び/又は患者の体内に埋め込まれ、例えば患者の睡眠パラメータを測定するように構成されたセンサを含む。いくつかの実施形態では、機能要素299は、振動センサ、加速度計、及び/又は患者の顎上又は顎の近くに配置される別のセンサを含み、例えば、患者のいびきレベル又は他の睡眠パラメータを測定する。
【0101】
いくつかの実施形態では、機能要素999は、携帯電話、タブレット、コンピュータ(ラップトップコンピュータなど)、目覚まし時計、ベッドシェイカ、警報装置、及びこれらの組み合わせを含む。機能要素999は、携帯電話、ラップトップ、タブレット、カメラ、及び/又は患者維持装置を含み得て、患者維持装置は1つ、2つ、又はそれ以上のセンサ、例えば、それぞれ本明細書で記載されたように、患者の生理学的パラメータ(睡眠パラメータなど)及び/又は患者環境パラメータを測定するように構成されたセンサを含む。いくつかの実施形態では、機能要素999は、それぞれ本明細書で記載されたように、撮像装置910、治療装置930、消費装置940、及び/又はツール950内に配置されるこれらのセンサ(患者の生理学的センサ及び/又は患者環境センサなど)のうちの1つ、2つ、又はそれ以上を含む。
【0102】
システム10は、図示の付属装置900を含み得て、患者を治療及び/又は診断するために使用される1つ以上の付属装置を含むことができる。いくつかの実施形態では、付属装置900は、1つ以上の撮像装置、図示では撮像装置910を含む。撮像装置910は、磁気共鳴画像装置(MRI)、Ctスキャナ、超音波画像装置、OCT及び/又はその他のレーザベースの画像装置、透視撮像装置又はその他のX線ベースの画像装置、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ、2つ、又はそれ以上の撮像装置を含み得る。いくつかの実施形態では、撮像装置910は、画像データIDをシステム10に提供し、その結果、装置100/200/300のうちの1つ以上は提供された画像データIDを介して誘導され得る。例えば、撮像装置910は、画像データIDを提供するMRI又は超音波画像装置を含み得て、画像データIDは、EDM150及び/又はEDM250による組織へのエネルギー送達(集束超音波及び/又は他のエネルギー送達など)を方向付ける(例えば、自動的に及び/又は手動で方向付ける)ように、及び/又はFAA360による組織への力の供給を方向付ける(例えば、自動及び/又は手動による)ように構成される。いくつかの実施形態では、撮像装置910は、呼気終末陽圧(PEEP)測定を提供する超音波撮像装置を含み、本明細書に記載されるシステム10によって提供される治療の効果を定量化及び/又は監視する。いくつかの実施形態では、装置100/200/300は、撮像装置910を含むように構築及び配置される(例えば、装置100/200/300は、超音波素子及び/又は光学素子のアレイを含み、それらは本明細書に記載されるように、それぞれ超音波エネルギー及び/又は光エネルギーの伝達及び/又は受け取りを介して画像データIDを生成するように構成される)。
【0103】
いくつかの実施形態では、付属装置900は、1つ以上の作用薬、図示では作用薬920を含む。作用薬920は、医薬品、冷却剤、温化剤、潤滑剤、導電剤で例えば音響的、電気的、及び/又は熱伝導性のゲル、磁性剤、可視剤で例えば放射線透過剤、磁気反射剤、及び/又は超音波反射剤、ならびにこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ、2つ、又はそれ以上の作用薬を含み得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、付属装置900は、図示の治療装置930などの1つ以上の治療装置を含む。いくつかの実施形態では、治療装置930は、患者の軟口蓋又は他の気道組織に挿入されて、その組織を硬化及び/又は振動低減させ、及び/又は偏向、圧縮、及び/又はその組織の気道外への再配置を引き起こす(睡眠時無呼吸イベントの可能性を減らすためなどの)ように構成されたインプラントを含む。いくつかの実施形態では、治療装置930は、ステント、例えば、鼻腔のセグメント及び/又はその他の患者の気道セグメントに配置され、(上述のように、システム10の治療がそのセグメントに、又はそのセグメントの近傍に実行された後などに)そのセグメントの形状に影響を与える、一時的又は恒久的なステントを含む。いくつかの実施形態では、治療装置930は、顎伸延装置などの伸延装置を含む。いくつかの実施形態では、治療装置930は、外科用ツールを含み、外科用ツールは、メス、電気外科的切開及び/又は止血装置(「ボビー」とも呼ばれる)、開創器、クランプ、締結装置で例えば縫合糸、ステープル、接着剤など、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択されるようなものである。いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、自動又は半自動(本明細書では「自動」)で治療装置930を制御するように構成される。例えば、治療装置930によって供給されるエネルギー送達及び/又は他の治療は、アルゴリズム50を介して閉ループ構成で供給され得る。いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、治療装置930の動作を、システム10によって収集された画像データID(本明細書に記載の超音波ベースの画像データIDなど)の分析に基づいて制御する。治療装置930を制御するためにアルゴリズム50によって使用される画像データIDは、システム10によって収集された直後に、治療装置930の制御を行い得て、例えば画像データIDは、アルゴリズム50による治療装置930の制御の5分以内、3分以内、及び/又は1分以内に収集される(例えば少なくとも一部分が収集される)。
【0105】
いくつかの実施形態では、付属装置900は、図示の消費装置940などの、1つ以上のカスタマイズされた、又は標準の消費電子装置を含む。いくつかの実施形態では、消費装置940は、携帯電話(セルフォンなど)、時計(スマートウォッチなど)、カメラ、目覚まし時計、ラップトップコンピュータ又はタブレットなどのコンピュータ、電動調整可能ベッドなどのベッド、時計及び/又はランプなどのナイトテーブル装置、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ、2つ、又はそれ以上の装置を含む。
【0106】
いくつかの実施形態では、付属装置900は、1つ以上のツール、図示ではツール950を含む。ツール950は、電動調整可能なベッドなどのベッド、ベッドシェイカ、目覚まし時計又は他のベッドサイド装置(例えば、装置100/200/300と無線通信するように構成されている)、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ、2つ、又はそれ以上の構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、ツール950は、患者の位置を調整するツール(調整可能なベッド又は他のツールなど)を含んで、患者のいびきを低減し、及び/又は無呼吸イベントの可能性を低減し、例えば、調整は、アルゴリズム50(例えば、いびき及び/又は無呼吸イベントを検出及び/又は予測するように構成されたアルゴリズム50)によって提供される信号を介して開始され、及び/又はその他の方法で制御される。いくつかの実施形態では、ツール950は、充電装置を含み、電磁エネルギー、超音波エネルギー、光エネルギー、及び/又は他のエネルギーを別個の装置に送達して、その装置を充電するように構成された無線充電装置のようなものである。これらの実施形態では、装置100/200/300はツール950を含み得る(例えば、充電装置は装置100/200/300に統合される)。いくつかの実施形態では、ツール950は、システム10の1つ以上の構成要素を安定させて、患者の組織に対するEDD100のEDM150の位置を維持するように(例えば、エネルギー送達中、ある程度の患者の動きを可能にする一方で、非標的組織への望ましくないエネルギー送達を防止するために)構成されたアセンブリを含み得る。これらの実施形態では、ツール950は、患者の顎に取り付けることができるツール、及び/又は患者の顎を特定の位置に維持し得る、及び/又は患者の顎の動きを防止するツールを含み得る。ツール950は、フェイスマスクアセンブリ、保持具、又はその両方を含み得る。いくつかの実施形態では、ツール950は、特定の患者用にカスタマイズされ、例えば、ツール950が、患者の写真、及び/又は患者の組織の医用画像(超音波画像、X線、又は他の医用画像、例えば、走査装置によって生成される2D又は3D画像など)に基づき、製造され、及び/又はその他の方法で構成される場合である。ツール950は、操作ツールを含み得て、それは本明細書に記載されるように、患者の組織に対してEDM150/250/350を操作するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ツール950は、標的組織(舌の標的組織など)に対して1次元、2次元、又は3次元でEDM150/250/350を配置するように構成される。
【0107】
付属装置900は、上記及び本明細書で別途説明されるような機能要素999を含み得る。いくつかの実施形態では、消費装置940は、消費装置940が睡眠中に患者に近接して配置されるベッド又は他の装置を含む場合などに機能要素999を含み、機能要素999は、患者の睡眠パラメータなどの患者パラメータを測定するように構成された1つ以上のセンサを含む。
【0108】
システム10は、示されるようにネットワーク600を含み得て、それは、1つ、2つ、又はそれ以上の有線及び/又は無線コンピュータネットワーク、例えば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、セルラネットワーク、及び/又は他のデータ共有、記憶、及び/又は送信プラットフォームを含み得る。ネットワーク600は、2つ以上のシステム10の構成要素間、及び/又は第1の位置(第1の病院又は他の臨床施設など)にあるシステム10と第2の位置(第2の病院又は他の臨床施設など)にあるシステム10との間でデータを転送するように構成され得る。ネットワーク600は、システム10がクラウドベース構成で情報を転送するように構成される場合に、システム10の構成要素によってアクセスされるネットワークを含み得る。ネットワーク600を用いて、患者情報及び/又はシステム10の使用情報を転送及び/又は記憶することができ、アルゴリズム50(AIアルゴリズムなど)が、(例えば、本明細書に記載するように、治療計画の作成を介して)これら又は他の患者に対するシステム10の使用を調整するために、1人の患者及び/又は複数の患者のグループからの情報を分析するように構成されている場合などである。
【0109】
EDD100及び/又はCEDD200(本明細書では単独又は集合的に「装置100/200」)は各々、図示のように、エネルギー送達モジュール(Energy Delivery Module)、EDM150及び/又はEDM250をそれぞれに含み得る。いくつかの実施形態では、FAD300は、エネルギー送達モジュール、図示ではEDM350を含み、その結果、FAD300は、組織に力を加え、組織にエネルギーを送達する(例えば、組織を撮像及び/又は切除するためにエネルギーを送達する)ことの両方をなし得る。EDM150、250、及び/又は350(本明細書では単独又は集合的に「EDM150/250/350」)は、上記及び本明細書で説明したように、組織診断手順及び/又は組織治療処置を実行するために組織に送達される1つ、2つ、又はそれ以上の形態のエネルギーを送達するように構成され得る。EDM150/250/350は、エネルギーを組織へ及び/又は組織から、送達及び/又は受け取り、組織の画像データIDを生成するように構成され得て、例えば、エネルギー(超音波エネルギー及び/又は光エネルギーなど)がEDM150/250/350の少なくとも一部分によって送達され、反射されたエネルギー(それぞれ反射された超音波エネルギー及び/又は光エネルギーなど)がEDM150/250/350の同様の部分及び/又は異なる部分によって受け取られ、その結果、画像データが、伝達され受け取られたエネルギーに基づき作成され得る場合である。いくつかの実施形態では、システム10は、本明細書に記載のように、組織温度情報(例えば、組織の1つ以上の体積についての1つ以上の温度読み取り値)及び/又は組織アブレーション情報(例えば、組織の1つ以上の体積についてのアブレーション情報の完了)を含む画像データIDを生成するように構成される。例えば、アルゴリズム50は、これも本明細書に記載されるように、組織温度情報及び/又は組織アブレーション情報を、EDM150/250/350によって送達及び/又は受け取られるエネルギーを介して生成される他の画像データIDに基づいて決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、EDM150、250、及び/又は350は、エネルギー送達及び/又はエネルギー受け取り構成要素、それぞれ、エネルギー送達要素159、259、及び/又は359のアレイを含み、例えば、1つ以上の圧電素子及び/又は超音波エネルギーを送達及び/又は受け取るように構成された1つ以上のCMUTのアレイである。いくつかの実施形態では、EDM150/250/350は、アルゴリズム50(画像データID及び/又はシステム10によって収集された他のデータに基づいてEDM150/250/350を制御するように構成されたAI又は他のアルゴリズムなど)を介して(閉ループ又は他の自動化された構成などで)制御されるように構成される。いくつかの実施形態では、EDM150/250/350は、出願人の同時係属中の国際PCT特許出願第PCT/US2021/063743号で「Tissue Interface System」と題して、2021年12月16日に出願されたもの[整理番号USD-003-PCT]と同様の構造及び配置である。
【0110】
EDD100及び/又はCEDD200は各々、エネルギーを反射するように構成された構成要素を含み得て、例えば、図示のように、それぞれミラー155及び/又は255である。ミラー155及び/又は255(本明細書では単独又は集合的に「ミラー155/255」)は各々、1つ以上のミラー、例えば、1つ以上の音響ミラー(超音波エネルギーを反射し、超音波エネルギーを標的組織に向け直すように構成されたミラーなど)を含み得る。いくつかの実施形態では、ミラー155/255は、光エネルギー及び/又は別の形態のエネルギーを反射するように構成されたミラーを含む。ミラー155/255は、組織の位置に構築され、配置され、及び/又は位置決めされ得て、その結果、送達されるエネルギーが標的組織に向けられる(又は向け直される)。ミラー155/255は、患者の体内に一時的に(1日未満など)及び/又は長期的に(少なくとも1週間、1ヶ月、又は3ヶ月など)配置され得る。
【0111】
FAD300は、図示のように、力供給アセンブリ(Force-Applying Assembly)、FAA360を含み得る。FAA360は、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の制御可能なアクチュエータ部分(本明細書では「アクチュエータ」)を含み得て、例えば、湾曲、カール、カンチレバー、回転、及び/又は他にその形状を、印加された電圧及び/又は電流、温度変化、及び/又はFAD300の他の駆動信号に基づいて調整するアクチュエータを含む場合である。いくつかの実施形態では、FAA360は、第1の組織位置(筋肉などの第1の組織タイプを含む位置など)に力を加える第1のアクチュエータと、第2の組織位置(同じタイプの組織及び/又は異なるタイプの組織を含む位置など)に力を加える少なくとも第2のアクチュエータとを含む。FAA360は、3つ以上のアクチュエータを含み得る。いくつかの実施形態では、FAA360は、独立して展開可能な(例えば、コントローラ310によって制御される)複数のアクチュエータを含み、例えば、治療を最適化するために異なる方法(組織に適用される異なる形状及び/又は異なる力など)で展開される(例えば、アクチュエータの展開は、特定の患者の解剖学的構造及び/又はその患者に特有の他の生理学的パラメータ用に調整される(titrated)か、その他の方法で最適化される最適化手順を介する)。
【0112】
FAA360は、駆動信号(印加電圧など)に基づいて形状を変化させる圧電ベースのアクチュエータを含み得る。FAA360は、形状記憶合金及び/又は形状記憶ポリマを含み得て、その温度が(例えば、供給される電流による加熱、及び/又は、熱電冷却器及び/又は他の冷却要素による冷却を介して)変化するときに、FAA360に形状変化を引き起こす。FAA360は、電気機械アセンブリを含み得て、それはモータ、ギア、アクチュエータ、カム、及び/又は非展開状態と展開(力供給など)状態との間で移行するように(例えばコントローラ310を介して)遠隔制御され得る他の構成要素を含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、FAA360は、1つ、2つ、又はそれ以上のバイモルフアクチュエータ、例えば、電圧がアクチュエータに印加されると収縮する第1の層と膨張する第2の層とを含む圧電バイモルフアクチュエータを含む。代替的又は追加的に、FAA360は、1つ、2つ、又はそれ以上のユニモルフアクチュエータ(例えば、1つの活性層及び1つの不活性層を含むカンチレバーとして構成された圧電アクチュエータ)を含み得る。
【0114】
FAD300は、コントローラ310を介して、交流(AC)及び/又は直流(DC)駆動信号を含む駆動信号をFAA360に供給し得る。AC駆動信号は、FAA360に(例えば、上述のように圧電アクチュエータに)送信され得て、前後の動きを引き起こし、例えば、変化する力を組織に供給して、筋肉組織(例えば、患者の気道の筋肉組織)を緊張させ、強化し、及び/又は増大することからなるグループから選択される機能を提供し、気道の組織に力を加えて患者の呼吸に適応させる(患者の呼吸と同期させたAC信号など)。AC駆動信号の振幅は、FAD300によって組織に加えられる偏向距離及び/又は力と相関し得る。DC駆動信号は、FAA360に送信され得て、例えば、DC信号は連続的、断続的、又はその両方で印加される。同様に、DC信号の大きさ(電圧レベルなど)は、FAD300によって組織に加えられる偏向距離及び/又は力と相関し得る。DC信号を供給して、組織に加えられる固定力、及び/又は固定形状調整(作動の固定距離など)を生成し得る。
【0115】
FAA360は、調整可能な力(例えば、AC又はDC信号の大きさを調整することによって)を供給するように構成され得て、その結果、力は、患者の治療を最適化するように構成された手順で調整され得て、例えば、患者のフィードバック(例えば、快適さのフィードバック)が収集され、及び/又は1つ以上の患者の生理学的パラメータが監視及び分析される(例えば、臨床医による手動、及び/又はアルゴリズム50による自動で)場合に実行される力調整(force titration)手順である。FAA360によって加えられる力は、本明細書で説明するような閉ループモードなどで、連続的及び/又は断続的に調整され得る。いくつかの実施形態では、FAA360の複数のアクチュエータによって加えられる力は、独立して、及び/又はセットとして調整される。
【0116】
FAA360(及び/又はFAD300の他の部分)は、組織上及び/又は組織内、例えば、気道組織、筋肉組織、及び/又は、足場形成されて及び/又は増強される(例えば、強化される)他の組織の、上及び/又は内に配置される1つ以上の部分を含み得る。FAA360は、骨又は他の組織に、1つ、2つ、又はそれ以上の位置などで固定され得る。FAA360は、骨又は他の組織に、ねじ、ステープル、縫合糸、及び/又は他の固定要素を使用して固定され得る。いくつかの実施形態では、FAA360及び/又はFAD300は、別個の固定要素を必要とせずに、その形状によって組織に固定され得るアーチ状構造(図7に示す)を含む。これらの実施形態では、FAA360及び/又はFAD300は、複数回(例えば、定期的に)挿入及び除去され得る。
【0117】
FAA360は、比較的低い周波数のAC駆動信号、及び/又はDC信号によって駆動され得て、数ミリメートルの厚さを有し得る。FAD300は、埋め込まれて、FAA360を含む第1の部分300aを含み得て、埋め込まれた第1の部分300aは、第2の部分300b(例えば、第2の埋め込まれた部分、又は埋め込まれた第1の部分に近接して、患者の皮膚上に配置された部分)から電力を受け取る。部分300bによって送達される電力は、数MHzの周波数(例えば、数ミリメートルの厚さのFAD300の共振周波数)で伝達される超音波エネルギーを含み得る。FAD300の第1の埋め込まれた部分は、受け取った超音波エネルギーを(例えば、1つ以上の圧電トランスデューサ及び/又はCMUTを介して)得て、それをDC信号(例えば、すぐに使用されるDC電力)に変換し、及び/又はそれを蓄電器及び/又は他のエネルギー貯蔵要素に保存し得る。FAA360の比較的大きなサイズのため、FAA360は電力供給の周波数で「指向性」となり得る。いくつかの実施形態では、第2の部分300bは、超音波素子を含み、それは第1の部分300aの超音波素子の受信セットに集束超音波を送達するように構成された集束アレイ(大開口など)として配置される。第2の部分300bの超音波素子は、第1の部分300aに電力を供給する超音波素子の2Dアレイを含み得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、FAA360は、本明細書の図2図6A図6B、及び/又は図7を参照して説明したように構造及び配置される。
【0119】
いくつかの実施形態では、EDD100及び/又はCEDD200は、図示されていないが、本明細書に記載のFAD300のアセンブリ360と同様の構造及び配置の力供給アセンブリを含む。
【0120】
例えば、それぞれにEDM150を介して(1つ、2つ、又はそれ以上の要素159のアレイなどを介して)、EDM250を介して(1つ、2つ、又はそれ以上の要素のアレイ259などを介して)、及び/又はEDM350を介して(1つ、2つ、又はそれ以上の要素359のアレイなどを介して)EDD100、CEDD200、及び/又はFAD300は、及び/又はシステム10の別の構成要素は、1つ、2つ、又はそれ以上のエネルギー形態のエネルギーを送達するように構成され得て、例えば、1つ、2つ、又はそれ以上のエネルギー形態は、高密度焦点式超音波(HIFU)エネルギー、他の集束超音波エネルギー、平面波超音波エネルギー、及び/又は他の超音波エネルギーなどの音響エネルギーと、レーザ光エネルギーなどの光エネルギーと、高周波(RF)エネルギー及び/又はマイクロ波エネルギーなどの電磁エネルギーと、熱エネルギー及び/又は極低温エネルギーなどの熱エネルギーと、力学エネルギーと、化学エネルギーと、これらの組み合わせからなるグループから選択される。いくつかの実施形態では、コンソール500は、これらの形態のエネルギーの1つ以上をシステム10の構成要素に(例えば、EDD100がコンソール500に動作可能に取り付けられている場合にはEDD100に)送達する。EDM150/250/350は、エネルギー(超音波及び/又は他の音響エネルギー、光エネルギー、電気エネルギー、及び/又は別の形態のエネルギーなど)を送達して、組織縮小処置(例えば、組織アブレーション処置、砕石術処置、及び/又は組織破砕術処置)を行い、及び/又は患者に組織増大処置(例えば、神経又は筋肉刺激処置)を行うように構成され得る。
【0121】
EDM150/250/350は、1つ以上のエネルギー送達要素159、259、及び/又は359をそれぞれ含み得て、それらを用いて、例えば、反射エネルギー(同じ又は他の要素によって送達されるエネルギーからのエネルギー反射など)を受け取ることによって画像データを収集する。要素159、259、及び/又は359(単独又は集合的に要素159/259/359)は、要素(超音波素子など)の1D又は2Dアレイを含み得る。要素159/259/359は、要素の水平及び/又は垂直配置を含むことができる。要素159/259/359は、以下のグループから選択される配置で構成される要素(超音波素子など)のアレイを含み得て、そのグループは、要素の複数の1Dアレイ、要素のフラットアレイ、要素の曲線アレイ、可撓性ラップの形態の要素の配置(本明細書の図4及び/又は図5を参照して説明されるようなもの)、細長いプローブの端に配置され、プローブの直径に近似する直径を含む要素のアレイ(本明細書の図15を参照して説明されるようなもの)、細長いプローブの端に配置され、プローブの直径よりも大きい直径を含む要素のアレイ(本明細書の図16を参照して説明されるようなもの)、スプーン形状又は他の凸面及び/又は凹面形状を有するアレイ(本明細書の図18A図18Bを参照して説明されるように、患者の舌の表面に十分に接触して、例えば、舌の表面下組織にエネルギーを送達するためのもの)、要素の管状アレイ(中実又は中空の管状構造など)、要素の部分的な円周方向アレイ、及びそれらの組み合わせからなる。いくつかの実施形態では、EDM150/250/350は、要素159/259/359からエネルギーを受け取ることになる組織を保持及び/又は安定化するように構成された幾何学的形状(要素159/259/359を含む幾何学的形状など)を含み得て、例えば、配置はカップ(本明細書の図9を参照して説明されるようなもの)、コーン(本明細書の図10を参照して説明されるようなもの)、及び/又はシリンダ(本明細書の図11を参照して説明されるような、全周又は部分的な円周シリンダなど)を有する。代替的又は追加的に、EDM150/250/350は、組織を安定化するように構成された1つ以上の真空ポート(例えば、それぞれ、1つ以上の真空ポートを含む機能要素199、299、及び/又は399)を含み得る(本明細書の図9図10、及び/又は図11を参照して記載されるように)。いくつかの実施形態では、装置100/200/300は、エネルギー(切除及び/又は刺激を目的としたエネルギーなど)を受ける組織を圧縮するように構成され得て、例えば、装置100が、オペレータ及び/又はシステム10の構成要素(ロボットマニピュレータなど)によって操作され、EDM150/250/350による組織へのエネルギーの送達前及び/又は送達中に組織を圧縮する場合である。
【0122】
いくつかの実施形態では、EDM150/250/350、及び/又は装置100/200/300の別の部分は、調整可能な幾何学的形状を含み、例えば、要素159/259/359のアレイのカップ、コーン、及び/又はシリンダの調整可能な直径を含む(例えば、以下の図9図10、及び図11を参照して説明される)。これらの実施形態では、オペレータは、治療される組織の特性に合わせて幾何学的形状を調整し得る(例えば、患者の扁桃、舌、及び/又は治療される他の組織の寸法特性に適応するように調整する)。いくつかの実施形態では、装置100/200/300の1つ以上の部分は、幾何学的形状(調整可能な幾何学的形状など)を含み、その結果、力(調整可能な力など)を標的組織に加えることができ、例えば、引張力及び/又は圧縮力が標的組織(切除される標的組織など)に加えられる。いくつかの実施形態では、システム10は、複数の装置100/200/300及び/又は構成要素EDM150/250/350(取り付け可能なバージョンなど)のキットを含み、それは様々な幾何学的形状を有し得る(例えば、これらの構成要素の組織接触部分の様々な寸法であり、例えば、所望の力を加えるため、及び/又は治療される組織の幾何学的形状に適応する)。これらの実施形態では、臨床医は、構成要素のキットから、治療を最適化する(例えば、組織撮像及び/又は治療におけるエネルギー送達を最適化する)構成要素を選択し得る。
【0123】
EDM150/250/350は、超音波トランスデューサのアレイを含み、それは、超音波エネルギーを(例えば、超音波トランスデューサのアレイの全部又は一部分のセットを介して)、最小周波数以上(例えば、10MHz以上の周波数、10MHz~20MHzの間の周波数など)で送達して、画像データIDを作成する(患者上及び/又は患者内の組織及び/又は他の物体を撮像する)一方で、超音波エネルギーを(例えば、同じ又は異なるセットの超音波トランスデューサを介して)、最大周波数以下(10MHz以下、又は5MHz以下の周波数など)で送達して、組織を切除する。例えば、EDM150/250/350は、10MHz以上で送達される超音波を用いて組織を撮像し、10MHz未満、例えば5MHz未満の周波数でのHIFUエネルギー送達を介して組織を切除し得る。
【0124】
EDM150/250/350は、画像データIDの作成中に「折り畳み状態」で超音波エネルギーを受け取り(例えば、そして送達し)、「非折り畳み状態」にある超音波トランスデューサ(例えば、画像データIDの作成に使用されるトランスデューサのすべて又は一部)を使用して切除レベルでエネルギーを送達する、超音波トランスデューサ(CMUTトランスデューサなど)のアレイを含み得る。
【0125】
EDM150/250/350は、1つ以上のエネルギー送達要素159、259、及び/又は359をそれぞれ含み得て、それらを用いて、例えば反射エネルギー(同じ又は他の要素によって送達されたエネルギーからのエネルギー反射など)を受け取ることによって、画像データを収集する。要素159、259、及び/又は359(単独又は集合的に要素159/259/359)は、要素(超音波素子など)の1D又は2Dアレイを含み得る。要素159/259/359は、要素の複数の1Dアレイ、要素のフラットアレイ、要素の曲線アレイ、可撓性ラップの形態の要素の配置(本明細書の図4及び/又は図5を参照して説明されるようなもの)からなるグループから選択される配置で構成される要素(超音波素子など)のアレイを含み得る。
【0126】
EDM150/250/350は、集束超音波(HIFUなど)の送達を介して熱アブレーションを引き起こす1つ、2つ、又はそれ以上の超音波トランスデューサのアレイを含み得る。EDM150/250/350は、結石破砕術及び/又は組織破砕術を行うように構成された1つ、2つ、又はそれ以上の超音波トランスデューサのアレイを含み得る。EDM150/250/350は、超音波エネルギーを送達して、組織を非アブレーションレベルまで加熱し、50℃未満の温度上昇を引き起こすような、又は43℃~50℃の温度上昇を制限された継続時間(2分以内の持続時間など)に引き起こすような、1つ、2つ、又はそれ以上の超音波トランスデューサのアレイを含み得る。これらの非アブレーション超音波エネルギー送達では、EDM/150/250/350は、特定のタイプの組織(脂肪組織など)を液化する一方で、他の組織タイプ(筋肉及び/又は神経組織など)への損傷を回避するように構成され得る。代替的又は追加的に、EDM150/250/350は、組織に「熱マッサージ効果」を提供する非アブレーションレベルで超音波エネルギーを送達し、筋肉組織などの組織を引き締め及び/又は増大するように構成され得る。
【0127】
EDM150/250/350は、超音波エネルギーを(例えば、臨床医によって、及び/又はシステム10によって自動的に)調整され得る周波数で送達するように構成される超音波トランスデューサのアレイを含み得る。例えば、EDM150/250/350は、特定の厚さを備える組織体積を含む標的組織に超音波エネルギーを送達し(超音波エネルギーの平面波送達など)、超音波アレイに近い組織表面から、そのアレイからの最大深さまで切除するように構成され得て、ここで、アブレーションの深さは送達される超音波エネルギーの周波数に依存する(例えば、組織の制御された深さのアブレーション)。
【0128】
EDM150/250/350は、複数の組織位置を(例えば同時に又は順次に)切除するために集束超音波エネルギーを送達するように構成された超音波トランスデューサのアレイ(超音波導入器の2Dアレイなど)を含み得て、例えば、複数の組織位置は、不均質な構造(例えば、組織タイプ、組織エコー源性、組織冷却及び/又は他の熱特性などの異なる組織特性)を有する組織体積内に配置される。切除される複数の組織位置は、舌、扁桃、及び/又は他の気道位置内の複数の位置を含み得る。これらの実施形態では、EDM150/250/350は、HIFU及び/又は他の集束超音波を5~10MHzの間の周波数で送達する超音波トランスデューサのアレイを含み得る。複数の組織位置は各々、比較的小さな体積、例えば、長さ及び幅が約0.5mm×3.0mm、又は1mm×6.0mmの体積の組織を含み得る。いくつかの実施形態では、複数の比較的小さな体積の組織が切除され、より大きな体積の組織が切除された場合に生じるであろう著しい腫脹を回避する。
【0129】
EDM150/250/350は、組織を切除するために切除超音波エネルギーを送達する一方で、かさぶたの形成を回避するように構成された超音波トランスデューサのアレイを含み得て、例えば、本明細書に記載されるように、超音波エネルギーが表面下組織に送達される一方で、表面組織への悪影響を回避する場合である。
【0130】
EDM150/250/350及び/又は撮像装置910は、標的組織及び/又は非標的組織に関連するデータ(例えば、標的組織と非標的組織を区別するため、及び/又は筋肉、脂肪、神経などの組織タイプを区別するために使用され得るデータ)を含む画像データIDを収集し得る。これら2つの形式のデータを含む画像データIDは、システム10のオペレータによって手動で、及び/又はアルゴリズム50によって自動的に使用され、本明細書に記載されるように、1つ以上のエネルギー送達設定、例えば、非標的組織に損傷を与えることなく標的組織のアブレーションを引き起こすエネルギー送達設定を決定し得る。いくつかの実施形態では、画像データIDは、本明細書に記載されるように、組織に対するアブレーション又は他の損傷のレベルに関連するデータを含むことができる。これら実施形態では、アルゴリズム50は、エネルギーの送達を、標的組織の十分なアブレーションが確認された場合(例えば、隣接する組織への損傷を回避するため)、及び/又は非標的組織の損傷(何らかの損傷など)が検出される場合に停止するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アルゴリズムは、バイアスを含み、例えば、非標的組織への損傷を回避する傾向にあるバイアス(標的組織の一部分が切除されていない、あるいは未治療である可能性があるバイアスなど)、又はすべての標的組織が切除されるか、そうでなければ治療されることを保証する傾向にあるバイアス(非標的組織の一部分が切除又は損傷される可能性のあるバイアスなど)である。
【0131】
EDM150/250/350及び/又は撮像装置910は、動脈、静脈、及び/又は心腔などの患者の血液導管に関連するデータを含む画像データIDを収集し得る。血液導管データを含む画像データIDを用いて、血液導管(例えば、血液導管及びその中の血液は非標的組織である)へのアブレーションエネルギーの送達を(例えば、オペレータによって手動で、及び/又はアルゴリズム50を介して自動的に)回避し得る。代替的又は追加的に、血液導管データを含む画像データIDを使用して、血液導管のアブレーションを(例えば、オペレータによって手動で、及び/又はアルゴリズム50を介して自動的に)引き起こし得る(例えば、その特定の血液導管によって供給される、その後の組織死を引き起こす)。いくつかの実施形態では、画像データIDは、患者内の空気又は他のガスポケットに関連するデータを含み、例えば、ガスポケット(例えば、アルゴリズム50及び/又はオペレータによって特定される)は、EDM150/250/350による、エネルギー(超音波エネルギーなど)の送達において回避されるべきものである。例えば、いくつかの実施形態では、EDM150/250/350から切除される標的組織へのエネルギー送達の軌道は、ガスポケットを回避する必要がある。画像データIDを使用したガスポケットの回避は、システム10のオペレータによって手動で、及び/又はアルゴリズム50によって自動的に行われ得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、EDM150、250、及び/又は350は、集束超音波(HIFU又は他の集束超音波など)及び/又は非集束超音波エネルギー送達などの超音波エネルギーを組織に送達するように構成される。これらの実施形態では、EDM150/250/350は、エネルギー送達要素(EDM150用の要素159、EDM250用の要素259、及び/又は、EDM350用の要素359など)のアレイを含み得て、それらは1つ、2つ、又はそれ以上の圧電トランスデューサ、1つ、2つ、又はそれ以上のCMUT、及び/又は少なくとも1つの圧電トランスデューサと少なくとも1つのCMUTのアレイ(1D又は2Dアレイなど)を含む。いくつかの実施形態では、EDM150/250/350は、1つ以上の圧電トランスデューサと1つ以上のCMUTトランスデューサの両方を含む超音波ベースのアレイを含む。これらの実施形態では、圧電トランスデューサは、CMUTトランスデューサによって実行されない1つ以上の機能を実行し得て、又はCMUTトランスデューサは、圧電トランスデューサによって実行されない1つ以上の機能を実行し得る。特定の1つ以上の他の機能は、1つ以上の圧電トランスデューサと、1つ以上のCMUTトランスデューサとの両方によって実行され得る。アルゴリズム50は、圧電トランスデューサとCMUTトランスデューサの両方によって実行される機能(撮像機能など)の結果を比較し、2つの結果を区別し(そして、一方の結果と他方の結果を利用するなど)、及び/又は結果を結合して、圧電データとCMUTデータの両方に基づいた新しい結果セットを生成するように構成される。いくつかの実施形態では、超音波撮像が実行され、そこでは、圧電トランスデューサが超音波を放射し、CMUTトランスデューサが放射された波の反射(組織又は他の物体の様々な表面からの反射など)を受け取る。EDM150/250/350によって送達される超音波エネルギーは、本明細書に記載されるように、組織縮小処置及び/又は組織増大処置を実行するように構成され得る。いくつかの実施形態では、EDM150/250/350によって送達される超音波エネルギーは、システム10の別個の構成要素(EDM150/250/350の埋め込まれた部分又は他の部分など)によって受け取られ得て、ここで、別個の構成要素は、受け取られた超音波エネルギーを電気エネルギーに変換し、例えば、電気エネルギーは組織を刺激及び/又は治療するために(例えば、図4図5を参照して本明細書で説明されるような、1つ以上の電極によって印加される電圧を介して)送達されるものである。
【0133】
EDM150、250、及び/又は350は、比較的低い電力密度でエネルギー(超音波エネルギーなど)を送達し、組織に悪影響を与えることなく組織を刺激するように構成され得る(例えば、細胞死を回避し、組織の細胞に悪影響を与えることなく組織を刺激する)。代替的に又は追加的に、EDM150/250/350は、エネルギー(超音波エネルギーなど)を、例えば、細胞死を引き起こすレベル及び持続時間、又は組織破壊(組織の制御されたキャビテーションなど)を生じるレベルでの加熱を介して、細胞死を引き起こすエネルギー送達設定で送達するように構成され得る。例えば、本明細書に記載される各装置100、200、及び/又は300は、システム10のオペレータが(システム10のユーザインタフェースなどを介して)、組織増大治療(刺激など)を送達する装置と、組織縮小治療(熱アブレーション及び/又は組織破壊術など)を行う装置との間を移行できるように構成され得る。システム10は、エネルギーの連続送達とパルス送達との間の調整(手動又は自動など)、ならびにエネルギー送達の周波数(送達される超音波エネルギーの周波数など)の調整を可能にするように構成され得る。
【0134】
EDM150、250、及び/又は350は、本明細書に記載されるように、組織に超音波エネルギーを送達するように構成され得る。超音波エネルギーは、EDM150/250/350によって送達されて、組織(神経組織など)を刺激することができ、超音波エネルギーが50W/cm未満の電力密度で送達されるような場合である。超音波エネルギーは、例えば、エネルギーが少なくとも100W/cmの電力密度で送達される場合、HIFU構成においてEDM150/250/350によって送達され得る。いくつかの実施形態では、EDM150/250/350は、50MPaの圧力レベルが送達されるような場合に、組織に対して組織破壊術を行うように構成される。
【0135】
EDM150、250、及び/又は350は、標的組織を加熱及び冷却するように構成された1つ以上のペルチェ素子を含むアセンブリを含み(例えば、ペルチェ素子の片側の組織が冷却され、ペルチェ素子の反対側の組織が加熱される)、組織を運動させ、組織を強化し、及び/又は組織をマッサージすることができる。
【0136】
EDD100及び/又はCEDD200は各々、スペーサ要素を含み得て、それぞれスペーサ151及び/又はスペーサ251である。いくつかの実施形態において、FAD300は、図示されていないが、本明細書に記載のスペーサ151及び/又は152と同様の構造及び配置のスペーサ要素を含む。スペーサ151及び/又は251(本明細書では単独又は集合的に「スペーサ151/251」)は、それぞれ、EDD100及び/又はCEDD200が標的組織にエネルギーを送達しているときに、EDM150及び/又はEDM250と組織表面との間に配置されるように構成された要素を含み得る。スペーサ151/251は、流体が追加及び/又は除去されるときにそれぞれ拡張及び/又は収縮するように構成されたバルーン、リザーバ、及び/又は他の流体含有構造を含み得る。いくつかの実施形態では、スペーサ151/251は、水又は他の音響伝導材料(例えば、組織のインピーダンスに近いインピーダンスを有する)を含むことで、EDM150及び/又はEDM250(単独又は集合的に「EDM150/250」)から送達される超音波は、予測可能な方法でスペーサ151/251を通過して患者の体内に入る。いくつかの実施形態では、スペーサ151/251は、調整可能な厚さを有して、オペレータがEDM150/250と組織表面との間の距離を調整(例えば、手動で調整)することを可能にし、及び/又はEDD100、CEDD200及び/又はシステム10の別の構成要素が、EDM150/250と組織表面との間の距離を調整(例えば、自動的に調整)することを可能にする。システム10は、AIベースのアルゴリズム50などを介して、スペーサ151/251の厚さを自動的に調整するように構成され得る。スペーサ151/251は、装置100及び/又は200の筐体に一時的又は恒久的に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、スペーサ151/251は、患者の皮膚(スペーサ151/251の片側など)に取り外し可能に取り付ける(例えば接着剤で取り付ける)、及び/又は装置100及び/又は200の筐体(スペーサの反対側など)に取り外し可能に取り付ける(例えば接着剤で取り付ける)ように構成される。スペーサ151/251は、表面上に視覚的なグリッドを含み、複数の位置での装置100及び/又は200の筐体の取り付けをガイドし得る。いくつかの実施形態では、スペーサ151/251は、冷却機能を設けて、EDM150/250から、及び/又は患者の組織から熱を抽出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、スペーサ151/251は、電極を含み、例えば、装置100及び/又は200の電極(以下に説明する電極2120など)による単極電気エネルギーの送達を可能にするために使用される戻り電極である。
【0137】
いくつかの実施形態では、システム10の1つ以上の構成要素は、少なくとも「再吸収性」部分、言い換えると、患者に埋め込まれ、時間の経過とともに安全に分解するように構成された部分を含む。いくつかの実施形態では、CEDD200、FAD300(FAA360の少なくとも一部分など)、及び/又は治療装置930(ステント型又は他の足場型装置など)の少なくとも一部分は、再吸収性である。いくつかの実施形態では、システム10の1つ以上の構成要素は、再吸収性ポリマ及び/又は再吸収性マグネシウムを含む。いくつかの実施形態では、組織に力を加えるように、及び/又は組織内でシステム10の別の構成要素を安定させるように構成されるシステム10の構成要素は、再吸収性材料を含む(例えば、供給される力及び/又は安定化は一時的である)。
【0138】
システム10は、治療された(例えば、切除された)組織を識別するように構成されて、隣接する組織を適切に治療し(ある体積の組織の連続治療を行うなど)、及び/又は既に治療された組織の望ましくない治療を回避し得る。いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、システム10によって収集された画像データIDを分析し、アルゴリズム50は、治療された(例えば、切除された)組織を、例えば、エネルギーを受け取る組織に関して1つ以上の解剖学的ランドマークを識別及び記録することによって(そして、情報を画像データIDとし記録することなどによって)記録する。代替的又は追加的に、アルゴリズム50は、画像データIDを分析し、治療後(アブレーション後など)の組織において見ることができる治療の特徴を識別することによって、治療された組織を識別し得る。いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、すぐ後に説明するように、弾性分析及び/又は他の組織特性分析を実行して、治療組織を識別し、又は治療組織のマーカを位置決めするように構成される。いくつかの実施形態では、システム10は、組織を「マーク」し(例えば、組織を恒久的及び/又は一時的にマークし)、システム10によって切除又はその他の方法で治療された組織を識別するために使用される1つ、2つ、又はそれ以上のマーカ(治療組織内、治療組織の周縁上、及び/又は治療組織に近接する位置に配置される1つ以上のマーカなど)を供給するように構成される。EDM150/250/350は、治療組織に識別可能な特徴を引き起こす特定のレベル(治療組織の残りの部分よりも高いエネルギーレベルなど)でエネルギー(HIFUエネルギーなど)を送達するように構成され得る(例えば、エネルギー送達は、治療組織内にキャビテーションを引き起こし、これは後でシステム10によって特定され得る)。いくつかの実施形態では、装置100を使用する臨床医は、患者の組織(1つ以上の組織標的の近くなど)に1つ以上のマーカを作成してもよく、臨床医(手動など)及び/又はアルゴリズム50(自動又は半自動の方法など)は、マーカを使用して、以前に作成されたマーカに基づいて組織治療処置を完了し得る。
【0139】
いくつかの実施形態では、システム10は、(例えば、アルゴリズム50を介して)組織を分類するように構成され、例えば、治療組織を未治療組織から識別し、及び/又はあるタイプの組織を別のタイプの組織から識別し得る。例えば、システム10は、組織エラストグラフィを実行して組織を分類するように構成され得て、例えば、EDM150/250/350(例えば、超音波エネルギーを送達するように構成される)及び/又は撮像装置910(MRIなど)が、組織の弾性(硬さなど)を測定するように構成されている低周波振動を送達する場合である。いくつかの実施形態では、システム10は、組織の一部分の弾性を測定して、組織のアブレーション(システム10によって送達されるアブレーションなど)のレベルを決定するように、及び/又はその組織部分が治療を要するか(例えば、現在の弾性レベルに応じて治療されるか)どうかを決定するように構成される。代替的又は追加的に、システム10は、治療組織と未治療組織を追跡するために、エネルギー送達を(例えば、画像データIDと相関するものとして)追跡するように構成され得る。治療組織と未治療組織の識別及び/又は追跡は、非常に重要であり、例えば、単一の組織位置に対する望ましくない複数の治療を回避し、及び/又は、処置全体の有効性の向上に関連する特定の組織位置への治療の「見逃し」を防ぎ得る。治療組織と未治療組織の識別及び/又は追跡は、特に重要となる場合があり、治療処置が、個別の切除エネルギー送達による多数(少なくとも5、10、25、又は50など)の異なる組織標的の治療を含む場合である(例えば、患者の舌又はその他の気道組織位置内の多数の標的を治療するため)。いくつかの実施形態では、治療された、及び/又は治療されるべき組織標的は、解剖学的位置(非連続的な方法で治療される複数の舌及び/又は他の気道の位置など)を含み、そこでは治療組織と未治療組織の追跡が、同じ組織への望ましくない複数のエネルギー送達を防ぐために所望される。本明細書に記載されるように、システム10は、エネルギー送達を追跡するために使用され得る組織内のマーカを、「マーキングエネルギー」を送達することなどによって作成するように構成され得て、「マーキングエネルギー」は、単に組織を切除するために使用されるものとは異なる一連のエネルギー送達設定で送達されるエネルギー(超音波エネルギーなど)を含む(例えば、標準的な切除エネルギーよりも高いレベルで送達され、マークされた組織に検出可能な変化を引き起こすエネルギー)。いくつかの実施形態では、システム10は、組織をマークするために特定のパターンでマーキングエネルギーを送達するように構成され(2つ、3つ以上のラインのHIFU又は他のエネルギー送達など)、例えば、パターン認識アルゴリズムを使用してアルゴリズム50を介して検出され得るパターンである。システム10は、システム10によって切除された(及び/又は切除されるべき)組織の体積の周辺の様々な位置に沿ってマーキングエネルギーを送達し、識別可能な(例えば、アルゴリズム50を介して)「治療境界」を作成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、特定の組織タイプ及び/又は組織タイプの組み合わせ(本明細書ではいずれか又は両方の「組織タイプ」)を識別し、画像データIDにおいてこれらの特定の組織タイプを識別するように構成される。組織タイプデータ(「データTTD」)は、治療処置の計画に使用され得て(基準点として定義されるなど)、そこでは特定の組織タイプは治療のために回避されるものであり(治療の境界として使用されるなど)、及び/又は特定の組織タイプは治療される(例えば、切除エネルギーを受ける)場合がある。いくつかの実施形態では、組織タイプデータTTDは、神経位置データ、骨位置データ、血管壁位置データ、及び/又は血液位置データを含み、例えば、識別された組織が保存される(例えば、非標的組織として特徴づけられ、切除されない)組織を含む場合である。いくつかの実施形態では、システム10(アルゴリズム50など)は、治療計画を、組織タイプデータTTD情報、マークされた組織情報(本明細書に記載のEDM150/250/350によってマークされた組織、例えば、画像解析、エラストグラフィ、及び/又はアルゴリズム50によって実行される他の分析によって識別可能な組織、など)、及び/又は臨床医が提供した情報(例えば、臨床医の確認情報を含む)のうちの2つ以上を使用して(その分析に基づくなど)提供するように構成される。いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、治療組織と未治療組織とを区別する(例えば、更に結果を画像データID及び/又は、登録データRDに記録する)エラストグラフィ分析を実行するように構成されたAIアルゴリズムを含む。これらの実施形態では、治療計画(臨床医、システム10、又はその両方によって作成されたものなど)は、非連続的な方法での複数の標的へのエネルギー送達を安全に含み、例えば、非標的組織への悪影響(互いに近接した複数の組織標的の連続的な治療によって生じる場合のある高温など)を避けることができる。いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、患者の動き及び/又は患者に対するEDM150/250/350の望ましくない動きを補償し、及び/又は、少なくとも識別する(そして、警告モードに入るなどの)ように構成される。
【0140】
システム10は、治療される標的組織の温度マップ、例えば、標的組織の位置と、標的組織の位置に近接する非標的組織の位置の両方を含む画像データIDに含まれる温度マップを作成するように構成され得る。システム10によって作成される温度マップは、エネルギー送達中に(リアルタイムなどで)作成され得て、例えば、温度マップを使用して、EDM150/250/350によるエネルギー送達を調整し、及び/又は切除された組織ゾーンを(本明細書に記載のように、切除されていないゾーンなどと)識別する場合である。いくつかの実施形態では、撮像装置910はMRIを備え、システム10は、MR温度測定に基づいて温度マップを作成するように(例えば、アルゴリズム50を介して)構成される。
【0141】
いくつかの実施形態では、システム10は、標的組織の1つ以上の特定の体積の第1のセットに、エネルギー送達設定の第1のセットを使用してエネルギー(切除エネルギー、マーキングエネルギー、及び/又は他のエネルギーなど)を送達し、そして、標的組織の1つ以上の特定の体積の第2のセットに、エネルギー送達設定の第2のセットを使用してエネルギー(切除エネルギー、マーキングエネルギー、及び/又は他のエネルギーなど)を送達するように構成される。治療される標的組織の第1及び第2のセットは、少なくとも5、10、25、及び/又は50の組織標的などの複数の別個の組織標的を含み得て、舌の組織又はその他の気道の位置(睡眠時無呼吸症治療処置で切除されるもなどの)、毛包又は他の毛セグメント組織(脱毛処置で切除されるものなど)、腫瘍組織(癌又は他の腫瘍治療処置で切除されるものなど)、前立腺組織(BPH処置で切除されるものなど)及び/又は、脳組織(てんかん病巣又は他の脳組織治療処置で治療されるものなど)からなるグループから選択される組織タイプを含み得る。これらの実施形態では、第1及び第2のエネルギー送達設定に差異がある可能があり、例えば、差異は、標的組織における差異(標的組織の異なる体積、標的組織内の組織のタイプなど)を補償し、及び/又は標的組織に近接する特定の非標的組織への損傷を回避する(例えば、神経、血管、及び他の潜在的な非標的組織への悪影響を回避する)ように構成される。第1及び第2のエネルギー送達設定の差異は、送達されるエネルギーのタイプ(超音波エネルギー対電磁、光、化学、及び/又はその他のエネルギー形態など)、エネルギー送達の振幅、エネルギー送達の周波数、エネルギー送達の波形(波形形状など)、エネルギー送達のデューティサイクル、エネルギー送達の調節、エネルギー送達の制御、エネルギー送達の集束、及びこれらの組み合わせにおける1つ以上の差異を含む可能性がある。いくつかの実施形態では、システム10は、HIFU、集束超音波、及び/又は他の超音波エネルギーを第1の周波数で組織の第1の体積に送達し、組織の第1の体積よりも小さい組織の第2の体積に、第1の周波数よりも高い第2の周波数で送達する。より高い周波数を使用して、標的組織の近くの非標的組織、例えば、切除される標的組織の近くにある神経及び/又は血管への悪影響を選択的に回避し得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、EDD100の全部又は一部、及び/又はシステム10の別の構成要素は、アルゴリズム50によってロボット操作されるように構成され、例えば、アルゴリズム50が、組織治療及び/又は診断手順中にEDM150の微小運動を引き起こすように構成されたAIアルゴリズムを含む場合である。いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、治療される1つ以上の組織標的に近接する非標的組織(神経など)の解剖学的位置の分析に基づいてEDM150を移動させるように構成される(非標的組織への損傷を防ぐためなど)。例えば、切除エネルギー送達の間、アルゴリズム50は、EDM150の位置を微調整して、望ましくない組織損傷を回避するように構成され得る。これらの実施形態では、非標的組織の識別(画像データIDに記録されるような)は、臨床医によって実行され、システム10によって(例えば、AIベースのアルゴリズム50を介して)自動的に決定され、及び/又はアルゴリズム50の識別と臨床医の確認との組み合わせを介して識別されることができる。いくつかの実施形態では、システム10は、望ましくない状態がアルゴリズム50によって検出された場合に、エネルギー送達を停止するように構成され、例えば、切除エネルギーが非標的組織に送達されていること、及び/又は非標的組織が悪影響を受けている状況を、アルゴリズム50が判断する場合である。
【0143】
いくつかの実施形態では、システム10は、最大直径未満の血管(標的組織に血液を供給する1つ以上の血管など)を治療するように構成され(例えば、最大直径を超える血管は治療されない)、例えば、最大直径は2mm、1mm、及び/又は0.5mmである。いくつかの実施形態では、システム10は、血管を治療するためにエネルギー(超音波エネルギーなど)を送達するように構成され、ここで、送達されるエネルギーの周波数は、治療される血管のセグメントの直径、及び/又は血管セグメントとEDM150との間の距離(血管セグメントとエネルギー送達要素159との間の距離など)に基づく。
【0144】
システム10は、患者の様々な病状、例えば、睡眠時無呼吸症と、腫瘍及び/又は嚢胞の存在と、卵巣の状態と、美容的な問題と、てんかん、認知障害、及び/又はその他の神経障害と、痛みと、前立腺の問題(良性前立腺肥大など)と、心房細動及び/又は他の不整脈などの心臓病と、神経組織の切除が治療効果をもたらす病状と、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ、2つ、又はそれ以上の病状を治療するように構成され得る。
【0145】
システム10は、1人以上のオペレータ(臨床医、看護師、技術者、及び/又は患者の他の医療提供者など)が患者に対して医療処置を実施できるように構成され得る。上で説明したように、システム10は、医療処置で用いる1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のエネルギー送達装置、例えば、図示のEDD100、EDD100’、及び/又はEDD100”(単独又は集合的にEDD100)を含み得る。同様に、システム10は、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の長期的エネルギー送達装置、例えば、図示のCEDD200、CEDD200’、及び/又はCEDD200”(単独又は集合的にCEDD200)、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の力供給装置、例えば、図示のFAD300、FAD300’、及び/又はFAD300”(単独又は集合的にFAD300)、及び/又は1つ、2つ、又はそれ以上の治療装置930を含み得る。いくつかの実施形態では、システム10は、複数の装置100、200、300、及び/又は930を含み、それらは、望ましくない病状(疾患又は障害など)を有する患者を診断及び/又は治療するための単一の臨床処置で使用される。いくつかの実施形態では、システム10は、患者の病状を治療するために2つ以上の別々の臨床処置(例えば、別々の日に実施される)で使用される複数の装置100、200、300、及び/又は930を含む。例えば、複数の装置100、200、300、及び/又は930は、睡眠時無呼吸症を治療するために実行される1つ、2つ、又はそれ以上の臨床処置で使用され得る。1つ、2つ以上の臨床処置には、組織刺激(例えば、EDD100及び/又はCEDD200によって実行される)、組織切除(例えば、EDD100によって実行される)、組織減量(例えば、EDD100によって実行される)、筋肉強化(例えば、EDD100、CEDD200、及び/又はFAD300によって実行される)、組織足場形成(例えば、FAD300及び/又は治療装置930によって加えられる1つ以上の力による足場形成)、治療装置930によって提供される治療、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ、2つ、又はそれ以上の組織治療を含み得て、それぞれは本明細書に記載される。
【0146】
システム10は、患者の様々な解剖学的位置にある標的組織を、その標的組織が、気道組織、骨(顔の骨など)、軟骨、腫瘍組織、毛セグメント組織(例えば、全て又は一部分の毛幹、毛根、毛包、毛球、及び/又は毛球の組織に血液を供給する血管のセグメント)、心臓組織、脳組織、肝臓組織、腎臓組織、膵臓組織、臓器組織、血液、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ、2つ、又はそれ以上の組織タイプなどを含む場合に治療するように構成され得る。いくつかの実施形態では、標的組織は、1つ、2つ、又はそれ以上のタイプの「気道組織」、例えば、アデノイド組織(例えば、咽頭扁桃組織又は鼻咽頭扁桃組織とも呼ばれる)、気道に近接する軟骨組織、喉頭蓋組織、気道に近接する顔の骨、オトガイ舌筋組織、オトガイ舌骨組織(オトガイ舌骨筋のC1枝など)、舌咽頭組織、舌下組織、気道に近接するリンパ組織、鼻中隔組織、蓋舌組織、咽頭壁組織(咽頭側壁組織など)、軟口蓋組織、茎突咽頭組織、口蓋帆張筋組織、舌組織(例えば、舌の脂肪細胞及び他の脂肪と舌の内在筋又は外在筋を含む)、扁桃組織(口蓋扁桃及び/又は舌扁桃組織など)、鼻甲介組織(下鼻甲介組織など)、迷走神経組織、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ以上の組織(例えば、筋肉、脂肪、及び/又は神経組織)を含む。
【0147】
EDD100及び/又はCEDD200は、閉ループモード(すなわち、エネルギー送達の閉ループモード及び/又は他の閉ループモードの動作)でエネルギーを送達するように構成され得て、例えば、システム10の1つ以上のセンサ(センサベースの機能要素199、299、399、599、及び/又は999など)が、装置100/200によって送達されるエネルギーを調整するために使用される患者及び/又はシステム情報を提供する場合である。EDM150/250によるエネルギー送達は、システム10のパラメータに基づいて、及び/又は患者パラメータ(それぞれ本明細書に記載の患者の生理学的パラメータ及び/又は患者環境パラメータなど)に基づいて、閉ループモードで調整され得る。EDM150/250によるエネルギー送達は、本明細書に記載される画像データIDに基づいて調整され得て、例えば、エネルギー送達の方向を変更し(例えば、検出された患者の動き及び/又は望ましくないEDM150/250の動きのため)及び/又は、1つ以上のエネルギー送達設定を変更する(例えば、画像データIDを使用してアルゴリズム50によって決定されるアブレーションレベル又は他の治療レベルのため)。いくつかの実施形態では、画像データIDを用いて、治療(アブレーションなど)が十分であるときを決定し、例えば、アルゴリズム50が超音波ベースの画像データを分析して組織特性に十分な変化が生じたことを確認する場合である。いくつかの実施形態では、画像データIDは、血流データ(例えば、ドップラ超音波を介して取得される)を含み、治療のためのエネルギー送達は、標的組織及び/又は非標的組織を含む血流のレベル及び/又は変化に基づく。
【0148】
FAD300は、閉ループモード(すなわち、力を加える閉ループモード及び/又は他の閉ループモードの動作)で力を加えるように構成され得て、例えば、システム10の1つ以上のセンサ(センサベースの機能要素199、299、399、599、及び/又は999など)が、FAD300によって送達されているエネルギーを調整するために使用される患者及び/又はシステム情報を提供する場合である。FAD300によって加えられる力は、システム10のパラメータに基づいて、及び/又は患者パラメータ(例えば、それぞれ本明細書に記載されている患者の生理学的パラメータ及び/又は患者環境パラメータ)に基づいて、閉ループモードで調整され得る。FAD300によって加えられる力は、本明細書で説明するように、力調整手順で調整され得る。FAD300によって加えられる力は、断続的及び/又は連続的に調整され得る。FAD300によって加えられる力は、時刻及び/又は患者の生理学的パラメータ(いびきなどの睡眠パラメータなど)に基づいて調整され得る。FAD300によって加えられる力は、患者の呼吸を補償するように調整することができる(例えば、システム10の呼吸センサによって提供される信号を介して決定される)。FAD300によって加えられる力は、本明細書に記載される画像データIDに基づいて調整され、例えば、検出された患者の動き及び/又は望ましくないFAD300の動き(画像データIDを使用してアルゴリズム50によって決定されるような)によって加えられる力を調整し得る。いくつかの実施形態では、画像データIDを用いて、加えられた力が十分なレベル(十分なレベルの力及び/又は力が加えられた十分な持続時間など)に達したときを決定し、例えば、アルゴリズム50が超音波ベースの画像データを分析して、組織特性に十分な変化が生じたことを確認する場合である。
【0149】
いくつかの実施形態では、システム10の1つ以上の構成要素(装置100、200、及び/又は300など)によるエネルギー送達は、オペレータによって手動で起動される(例えば、「オンにされる」又は単にエネルギー及び/又は力の送達を開始できる、及び/又は、「オフにされる」又はエネルギー及び/又は力の送達が無効化される)ように構成され、例えば、システム10は、患者が就寝する前に患者によって、及び/又は治療エネルギーの送達を開始すべきであると決定されたときに患者の臨床医によって起動される。代替的又は追加的に、システム10は自動的に起動されるように構成され得る。例えば、システム10は、エネルギー送達(例えば、CEDD200による)及び/又は力送達(例えば、FAD300による)を、1日の特定の時間(患者が通常就寝する夜間の時間など)に、及び/又は、患者の生理学的パラメータの評価が、エネルギーを送達する必要があると示す場合(システム10が、センサ及びアルゴリズム50などを介して、患者が眠っている及び/又はいびきをかいていると判断した場合など)に開始するか、又は可能にすることができる。あるいは、システム10は、エネルギー及び/又は力の送達を自動的に、例えば、1日の特定の時間、及び/又は患者の生理学的パラメータ(例えば、アルゴリズム50が、患者が目覚めているか、いびきが止まっているか、及び/又はそうでなければエネルギー送達を受ける必要がないと判断すること)に基づいて停止し得る。いくつかの実施形態では、システム10は、特定の患者活動中、例えば、話している間、及び/又は、歌っている間、エネルギーを送達し(例えば、CEDD200によって)及び/又は力を加え(例えば、FAD300によって)て、話し中、及び/又は歌っている間に用いる筋肉を動かすように構成される。
【0150】
システム10は、閉ループモードで動作され得て、そこではエネルギー送達の変更(例えば、周波数、振幅、波形、エネルギーを送達するエネルギー送達要素の選択、及び/又は他のエネルギー送達パラメータの変更)が、望ましくないエネルギー送達状態に直面した場合に実行される。望ましくないエネルギー送達状態は、限定するものではないが、所望の温度範囲外(最高温度を超える、及び/又は最低温度を下回るなど)の組織の温度及び/又はシステム10の構成要素の一部分の温度、許容できない速度で単位時間当たりに切除される組織の量、閾値を超えてエネルギーを(例えば単一の位置に)送達する時間量、望ましくないレベルでの組織状態及び/又は状態の変化(弾性状態など)、及びこれらの組み合わせを含む。
【0151】
FAD300は、本明細書で説明されるように、システム10の1つ以上のセンサが患者及び/又はシステム情報を提供し、それを用いてFAD300を調整する、例えば、FAD300によって標的組織に加えられる力を調整する場合などに、閉ループモードで動作するように構成され得る。いくつかの実施形態では、システム10は、いびき及び/又は無呼吸イベントなどの望ましくない睡眠状態を検出及び/又は予測するように構成され、システム10は、(例えば、アルゴリズム50を介して)FAD300を調整して、望ましくない睡眠状態を停止、制限、及び/又は防止するように構成される。上で説明したように、FAD300はEDM350を含み得て、EDM350は、上でEDM150及びEDM250を参照して説明したものと同様の、エネルギー送達の閉ループモードで動作するように構成され得る。
【0152】
いくつかの実施形態では、組織縮小処置を実行している間のEDD100及び/又はCEDD200によるエネルギー送達は、パラメータの(例えば、システム10の1つ、2つ、又はそれ以上のセンサによる)測定に基づいて閉ループモードで提供され、パラメータは、温度で例えば組織温度及び/又はシステム10の構成要素の一部分(EDD100及び/又はCEDD200の一部分など)の温度、患者の動き及び/又は患者の位置(エネルギー送達の供給源及び/又は方向が変更され、患者の動きを補償する場合など)、患者の生理学的パラメータ、患者環境パラメータ、システム10のパラメータ、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される。いくつかの実施形態では、EDD100及び/又はCEDD200によるエネルギー送達は、本明細書に記載されるように、組織アブレーション分析に基づく閉ループモードで送達される。例えば、システム10は、十分なレベルの組織アブレーションが達成されたとき(アルゴリズム50によって、例えば、システム10の1つ以上の構成要素、本明細書に記載のEDM150及び/又はEDM250などによって収集された画像データIDを使用することによって認識された場合など)にエネルギー送達を停止するように構成され得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、組織増大処置を実行している間のEDD100及び/又はCEDD200によるエネルギー送達は、パラメータの(例えば、システム10の1つ、2つ、又はそれ以上のセンサによる)測定に基づいて閉ループモードで提供され、パラメータは、温度で例えば組織温度及び/又はシステム10の構成要素の一部分(EDD100及び/又はCEDD200の一部分など)の温度、患者の動き(エネルギー送達の方向が変更され、患者の動きを補償する場合など)、患者の生理学的パラメータで例えば、血圧、心拍数、及び/又は呼吸数、患者睡眠パラメータ(いびきレベル、睡眠中の患者の姿勢、及び/又は本明細書に記載の他の睡眠パラメータなど)、システム10のパラメータ、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される。
【0154】
EDD100は、本明細書に記載されるように、組織を撮像することと、組織縮小又は他の組織治療処置(撮像された組織の少なくとも一部分に対して実行される組織治療処置など)を実行することの両方を行うように構成され得る。撮像中に生成された画像データIDは、オペレータによって(例えば手動で)、及び/又はシステム10によって(例えばアルゴリズム50を介して)自動的に使用され、治療される標的組織と悪影響を回避すべき(例えば、壊死又はその他の体積減少の影響を引き起こすのに十分なエネルギーの送達を避ける)非標的組織とを区別し得る。例えば、組織縮小処置を受ける標的組織は、脂肪組織(舌又は他の気道組織の脂肪組織など)を含む可能性があり、そして、損傷を受けるのを避けるための非標的組織は、血管組織、神経組織、及び/又は筋肉組織(縮小及び/又はその他の方法で治療されている脂肪組織に近接する非標的組織など)を含む可能性がある。画像データIDを使用して治療計画が生成され(例えば、AIベース又は他の形式のアルゴリズム50を介してシステム10によって)、それは、標的組織の脂肪細胞を液化するエネルギーのパターン(超音波エネルギーの比較的短いバーストなど)を送達する一方で、隣接する非標的組織への損傷を回避するものである。いくつかの実施形態では、脂肪組織と筋肉組織の小部分の両方が治療され(筋肉組織の凝固性壊死を引き起こすなど)、例えば、筋肉組織への追加治療が患者(睡眠時無呼吸症患者など)への治療効果を高める場合である。いくつかの実施形態では、非標的組織は、血管組織、神経組織、及び/又は粘膜組織(気道の粘膜組織など)を含み、システム10は、画像データIDを分析して、これらのタイプの非標的組織への損傷を回避しながら、意図された標的組織(脂肪組織及び/又は筋肉組織など)を切除する治療計画を作成するように構成される。
【0155】
EDD100のEDM150は、患者の口(例えば、図18Bに示すように)及び/又は鼻(例えば、図13及び図19に示すように)を介してアクセスされる位置L100に配置されるように構成され得る。例えば、EDM150(超音波トランスデューサのアレイなどを含む)は、患者の口及び/又は鼻孔を通して前進させ得ることで、組織治療(アブレーション及び/又は刺激治療など)が患者の舌、軟口蓋、扁桃、気道の筋肉組織、及び/又は他の気道組織に対して行われ得る。代替的又は追加的に、EDM150は、患者の皮膚上に配置され、例えば、患者の顎の下に位置する皮膚上に配置される場合(例えば、図12に示すように)、舌及び/又はオトガイ舌の組織に(患者の口を処置の間、開いておく必要などなしに)治療エネルギーを送達し得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、システム10は、患者の睡眠時無呼吸症を治療するための医療処置を、標的組織が本明細書で定義される気道組織を含む場合などに行うように構成される。これらの実施形態では、標的組織は、組織縮小処置(例えば、気道組織がEDD100及び/又はCEDD200を使用して切除される処置)、組織増大処置(例えば、気道組織がEDD100及び/又はCEDD200を使用して刺激される処置)、及び/又は力が組織に(例えば、FAD300を使用して)加えられる処置を用いて治療され得る。いくつかの実施形態では、EDD100、CEDD200、又はFAD300のうちの少なくとも2つが、単一の臨床処置又は複数の臨床処置において、睡眠時無呼吸症患者を治療するために使用される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのEDD100、少なくとも1つのCEDD200、及び少なくとも1つのFAD300は、単一の臨床処置又は複数の臨床処置において、睡眠時無呼吸症患者を治療するために使用される。
【0157】
本明細書で説明するように、システム10は、睡眠時無呼吸症患者などの患者に対して一連の臨床処置を行うように構成され得る。いくつかの実施形態では、システム10を用いて、少なくとも扁桃組織の体積を減少させる第1の処置(本明細書に記載のEDD100を使用するアブレーション又は他の組織縮小処置によって体積を減少させるなど)を行い、そして、第2の処置(例えば、第1の処置に続いて)において筋肉強化が実行される(刺激エネルギーの送達によって実行される筋肉強化又は本明細書に記載の他の組織増大処置など)ように構成される。いくつかの実施形態では、システム10を用いて、顎拡張処置が実行される第1の処置(外科的処置、及び/又はEDD100によって送達されるエネルギーを使用して骨が除去され及び/又は弱化される処置など)を実行し、そして、第2の処置(例えば、第1の処置に続いて)を行い、そこでシステム10を使用して気道組織を切除し(例えば、舌、扁桃、及び/又は他の気道組織がEDD100を使用して切除される)、気道組織を(例えば、CEDD200を介して)刺激し、及び/又は気道組織に(例えば、FAD300を介して)力を加えるように構成される。いくつかの実施形態では、システム10を使用して、少なくとも患者の舌の体積を減少させる第1の処置を(例えば、EDD100によるアブレーション及び/又は他のエネルギー送達を介して)行い、そして、第2の処置を(例えば、第1の処置に続いて)行い、そこで少なくとも患者の舌に(例えば、FAD300を介して)力を加えるように構成される。いくつかの実施形態では、システム10を使用して、気道組織の体積を減少させる(例えば、舌、扁桃、及び/又は他の気道組織をEDD100を使用して減少させる)第1の処置を行い、そして、第2の処置を(例えば、第1の処置に続いて)行い、そこで上気道の組織を緊張させ、又は他の方法で増強させ(例えば、EDD100を使用して実行される、上顎に関連する上気道の筋肉の緊張、又は他の増強)、そして、第3の処置を(例えば、第1の処置及び/又は第2の処置に続いて)行い、そこで、気道組織に刺激エネルギーが送達され、及び/又は力が加えられる(例えば、それぞれCEDD200及び/又はFAD300を介して)ように構成される。いくつかの実施形態では、システム10を用いて、少なくとも扁桃組織の体積が減少される第1の処置(例えば、本明細書に記載のEDD100を使用するアブレーション又は他の組織縮小処置によって体積を減少させる)を行い、そして、第2の処置を(例えば、第1の処置に続いて)行い、そこで力が気道組織に(例えば、FAD300を介して)加えられるように構成される。
【0158】
いくつかの実施形態では、システム10は、睡眠時無呼吸症患者を、治療装置930、例えばCPAP及び/又は口腔器具を含む治療装置を使用して治療するように構成される。これらの実施形態では、システム10は、EDD100、CEDD200、及び/又はFAD300のうちの1つ以上を利用して、治療装置930の有効性を向上し得る。例えば、CPAPを第1のレベル(例えば、第1の圧力レベル又は空気流量レベル)で使用している患者は、システム10を使用する治療(例えば、気道組織アブレーション又は本明細書に記載の他の処置)を受け、その後、その患者は、CPAPの使用を回避し(例えば、更に睡眠時無呼吸症の重大な副作用を回避し)、又は彼らのCPAPを第1のレベルから下げた第2のレベルで(例えば、システム10を使用する治療前に使用されたレベルから低下した圧力レベル及び/又は空気流量レベルで)使用し得る。いくつかの実施形態では、患者は、システム10によって治療が行われる前に1つ以上の医薬品を服用しており、患者の医薬品の使用は、本明細書に記載されるように、システム10を使用して1つ以上の治療が実行された後には、減少又は回避される。
【0159】
EDD100は、EDM150によって送達されるエネルギー(HIFU又は他の超音波エネルギーなど)を介して、患者の気道組織、例えば患者(睡眠時無呼吸症患者など)の扁桃組織に対して組織縮小処置を実行するために使用され得る。いくつかの実施形態では、システム10は、扁桃の組織体積のかなりの部分を、例えば治療前の扁桃の体積の少なくとも50%であるが、治療前の体積の90又は95%を超えずに除去することによって、減少させるように構成される。他の実施形態では、システム10を用いて、扁桃の体積を、治療前の扁桃の体積の少なくとも20%、30%、40%、50%、及び/又は80%を残した状態で減少させる一方で、患者の症状の改善(例えば、本明細書に記載されるように、時間の経過とともに起こる扁桃組織の収縮によって起こり得る睡眠時無呼吸症の改善)を提供している。これらの実施形態では、実際の扁桃体積の減少は、経時的に、例えば、少なくとも1日、少なくとも1週間、及び/又は1ヶ月以下の期間にわたって起こり得る。いくつかの実施形態では、治療された(例えば、縮小された)組織のすべては、扁桃の表面下組織を含み、言い換えると、扁桃の表面組織は未治療のまま残され、表面下組織の治療(切除及び/又は液状化など)が扁桃の全体的な体積の減少をもたらす。これらの実施形態では、EDD100は、表面下組織を切除できるように、冷却素子を含み得て(例えば、機能要素199及び/又はスペーサ251が冷却素子を含む)、一方、表面組織(例えば、エネルギーの送達前、送達中、及び/又は送達後に冷却される)には悪影響は及ばない。いくつかの実施形態では、扁桃は、捕捉部分を含むEDM150を使用して治療され、扁桃が捕捉部分内に引き込まれ、及び/又は捕捉部分内に配置される(例えば、本明細書の図9図10、及び/又は図11を参照して説明される)。いくつかの実施形態では、真空(例えば、コンソール500及び/又はEDD100の機能要素199によって供給される)はEDM150の捕捉部分に印加されて、治療すべき組織を捕捉部分内に引き込む。いくつかの実施形態では、治療される標的組織は、EDM150の捕捉部分内に(真空を介してなどで)引き込まれる扁桃組織を含み、組織の移動により、筋肉組織から扁桃組織が分離される。他の実施形態では、扁桃組織を含む標的組織は所定の位置に残され(例えば、非標的組織から引き離されず)、非標的組織(標的扁桃組織に近接する筋肉組織など)は、エネルギー送達の精度により切除が回避される(例えば、HIFUの送達は、標的組織と非標的組織を同時に撮像しながら実行される)。
【0160】
いくつかの実施形態では、EDD100は、悪影響を受けない筋肉組織に近接して配置される気道組織の体積(切除されるべきでない筋肉組織の前方に配置される、体積減少を受ける扁桃組織など)を減少させるように構成される。これらの実施形態では、EDD100は、超音波エネルギー(平面波超音波エネルギーなど)を、組織の特定の厚さ(8~10mmの厚さなど)を切除する一方で、深部組織への悪影響を回避するように構成された目標周波数(約6MHzなど)で送達する超音波トランスデューサ(CMUT及び/又は圧電トランスデューサなど)のアレイを含み得る。いくつかの実施形態では、標的組織は特定の厚さを有し、非標的組織は標的組織の背後に配置される。これらの実施形態では、EDD100は、標的組織の厚さの内側部分(全厚さの80%以下など)を切除し、例えば、治療される(例えば、体積を減少させる)標的組織の下にある非標的組織(筋肉組織及び/又は神経組織など)への悪影響を回避するように構成され得る。いくつかの実施形態では、EDD100は、標的組織(扁桃組織など)を切除する一方で、EDD100によって収集された画像データID(リアルタイム画像データなど)を使用して、非標的組織(扁桃の下の筋肉床など)への損傷を回避するように構成される。これらの実施形態では、EDD100は、集束超音波エネルギー(HIFUなど)を標的組織に送達する一方で、非標的組織における望ましくない温度上昇を回避する(例えば、画像データID内の幾何学的情報及び/又は画像データID内の組織温度情報を使用して)超音波トランスデューサ(CMUT及び/又は圧電トランスデューサなど)のアレイを含み得る。
【0161】
EDD100は、オペレータによって使用されて、本明細書に記載される脂肪組織、例えば、患者の睡眠時無呼吸の一因となる患者の気道に近接した脂肪組織の体積を減少し得る。例えば、舌、扁桃、及び/又は気道の管腔壁の脂肪組織は、EDM150を介して送達されるエネルギーによって減少され得る。治療される脂肪組織は、舌の後部の脂肪、患者の気道の壁(咽頭側壁に沿ったものなど)の脂肪、及び/又は軟口蓋の脂肪を含み得る。いくつかの実施形態では、EDM150によって送達されるエネルギー(超音波エネルギーなど)は、本明細書に記載されるように、例えば、組織の切除を回避する(例えば、43℃以上の温度に長時間曝されること、又は60℃以上に曝されることを避けることなどによって、相当な時間、高温での使用を避ける)方法でエネルギーを送達することによって、脂肪組織を液化するように構成され得る。
【0162】
システム10は、患者の鼻腔の気道のセグメントの形状を、EDD100及び/又はCEDD200によるエネルギーの送達などを介して修正するように構成され得る。例えば、EDD100のEDM150は、鼻腔組織の表面内及び/又は表面近傍の位置に配置され、鼻腔組織に対して治療処置などを行い得る(例えば、本明細書の図13及び図19を参照して説明される)。EDM150によって送達されるエネルギー(HIFU及び/又は他の超音波エネルギーなど)は、鼻中隔に穴を形成するか、鼻中隔を軟化させるか、又はその両方を行うために送達され得て、その結果、鼻中隔は(例えば、時間の経過とともに)再成形されて、鼻中隔に近い患者の気道の体積を増大し得る。いくつかの実施形態では、EDM150は、鼻中隔に1つ以上の穴を形成すること、鼻腔に近接する軟骨を薄くするか、又は体積を減らすこと、鼻道に近い骨及び/又は軟骨を軟化させるか、及び/又はその他の方法で硬さを低下させること、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される組織の修正を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、EDM150は、鼻中隔に穴を形成し、及び/又は鼻中隔を軟化させるためのエネルギーを送達し、例えば、鼻道を再成形し、及び/又はそうでなければ再成形を容易にして(本明細書では「再成形する」)、睡眠時無呼吸症状を改善するように構成される。いくつかの実施形態では、治療エネルギーがEDM150によって送達された後、拡張可能な構造(例えば、室温及び/又は加熱された流体で満たされたバルーン、及び/又は拡張され得る、及び/又は熱を送達し得る別の構造)を含む治療装置930は、気道の治療部分の近くに挿入され、その部分を再成形し、新しい形状を維持する。いくつかの実施形態では、治療エネルギーがEDM150によって送達された後、1つ以上のステント(一時的ステントなど)を含む治療装置930が、気道の治療セグメント内及び/又はその近傍に配置され、その部分を再成形し、新しい形状を維持する。これらの実施形態では、ステントベースの治療装置930は、3ヶ月、1ヶ月、及び/又は1週間以内の期間後に取り外され得る。いくつかの実施形態では、エネルギー送達は、鼻中隔の両側に配置された一組の装置によって実行され、例えば、EDM150aが隔壁の一方の側に配置され、ミラー155が隔壁の他方の側に配置される場合(例えば、本明細書の図19を参照して説明される)、又は第1のEDM150a及び第2のEDM150bが隔壁の両側に配置され、いずれか又は両方がエネルギー(例えば、超音波エネルギー)を隔壁に送達し得る場合である。
【0163】
いくつかの実施形態では、少なくともFAD300が、睡眠時無呼吸症患者を治療するために使用される(EDD100及び/又はCEDD200もまた、患者を治療するために使用される場合など)。FAD300は、気道組織に近接して配置され得ることで、FAA360が気道を足場にでき(例えば、組織を気道の外に移動させる)及び/又は、FAA360が気道組織(気道組織の筋肉組織など)を緊張させ、強化させ、及び/又はその他の方法で増強させ得る。いくつかの実施形態では、FAD300は、翼突鉤に取り付けられることで、活性化されたときに、FAA360が回転して気道の筋肉組織を緊張させる(例えば、軟口蓋に基づく睡眠時無呼吸症を治療する)ことができる。FAA360は、口蓋帆張筋の組織に力を加え、例えばその組織を前後に動かすように配置され得る。いくつかの実施形態では、FAA360は、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の方向において、組織に力を加えるように配置される。いくつかの実施形態では、FAA360は、口蓋帆張筋組織、口蓋帆挙筋組織、オトガイ舌筋組織(例えば、舌を前方に引っ張るため)、内部の鼻弁組織、舌組織(例えば、力が加えられたときに収縮を引き起こすため)、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の組織に力を加えるように配置される。
【0164】
システム10は、経顔エネルギー送達を、例えばEDD100及び/又はCEDD200によるエネルギーの送達を介して、患者の皮膚表面を経て皮膚の下の組織に行うように構成され得て、本明細書の図14を参照して説明される。これらの実施形態では、システム10は、患者の顔の筋肉、脂肪、及び/又は骨にエネルギーを送達するように構成され得る。いくつかの実施形態では、EDD100のEDM150は、エネルギーを送達して、骨組織の体積を減少させ、及び/又は骨組織を少なくとも弱め、例えば、睡眠時無呼吸症患者に対してその後に伸延骨形成上顎拡大(DOME)処置を行う。
【0165】
システム10は、患者(睡眠時無呼吸症患者など)に対して治療を実行するように構成され得て、複数の連続した治療計画、例えば、1つ以上の診断手順及び/又は1つ以上の治療処置を実行するために使用されるシステム10の構成要素の1つ、2つ以上(例えば、装置100、200、及び/又は300のうちの1つ、2つ以上)をそれぞれが使用し得る一連の治療計画の実行を含む。いくつかの実施形態では、システム10は、本明細書の図3を参照して説明されるような治療計画を実行するように構成される。システム10を使用して実行される「初期治療計画」の実行は、患者の現在の生理学的状態(例えば、現在の睡眠時無呼吸症状)、及び(例えば、システム10又は他の方法を使用して)実行された任意の以前の治療に基づいて構成され得る。それぞれの「後続の治療計画」はまた、現在の生理学的状態と、以前に行われたすべての治療に基づくことができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、初期治療計画は、システム10を使用して、1つ以上の組織縮小処置、1つ以上の組織増大処置、又は少なくとも1つの組織縮小処置及び少なくとも1つの組織増大処置を実行することを含み得る。例えば、初期治療計画は、軟組織、例えば、アデノイド、口蓋扁桃、舌扁桃、下鼻甲介、及び/又は舌脂肪組織に対して行われる組織切除処置と、硬組織に対して実行される組織変形処置で、例えば、EDD100又は他の方法を使用して実行される前鼻中隔形成処置、及び/又はEDD100又は他の方法を使用して上顎(上顎の梨状縁及び/又は上顎の外側梁(lateral buttress)など)に対して実行される変形処置(distraction procedureなど)と、舌の筋肉(舌の内在筋など)に対して行われる強化処置及び/又は上気道組織(口蓋帆張筋、口蓋挙筋、口蓋咽頭筋、口蓋舌筋、オトガイ舌骨、及び/又はオトガイ舌骨組織など)に対して行われる口蓋垂口蓋咽頭形成術(UPPP)などの筋肉強化処置のうちの1つ、2つ、又はそれ以上を含み得る。
【0167】
第2の治療計画(すぐ上で説明した第1の治療計画が実行された後に決定される計画など)は、組織強化処置(装置100/200/300を使用して実行されるものなど)を含む治療計画を含み得る。例えば、第2の治療計画は、神経刺激処置(例えば、CEDD200からのエネルギー送達を介して)などの筋肉強化処置を含み得て、三叉神経(第5脳神経、CN V)、舌下神経(第12脳神経、CN XII)、及び/又は迷走神経(第10脳神経、CN X)が(片側性及び/又は両側性、例えば、口腔内及び/又は頸椎アプローチを介してなどで)刺激される。代替的又は追加的に、第2の治療計画の筋肉強化処置は、1つ以上の筋肉(すぐ上で説明した神経に関連する筋肉など)に、例えば、本明細書で説明するように、FAD300によって加えられる1つ以上の力を介して力を加えることによって実行され得る。
【0168】
第3の治療計画(直前に説明した第2の治療計画が実行された後に決定される計画など)は、組織の安定化及び/又は拡張処置を含み得る。いくつかの実施形態では、FAD300又は治療装置930(例えば、振動低減インプラントを含む)は、軟口蓋又は他の気道位置内又は少なくともその近傍に配置され得る。いくつかの実施形態では、第3の治療計画は、FAD300を気道組織内及び/又は気道組織の近傍に配置し、気道の足場を形成し、気道の筋肉組織を強化及び/又は増強し、及び/又は別の治療利益を提供することなどを含む。いくつかの実施形態では、埋め込まれたFAD300の全部又は一部分は、少なくとも1週間、1ヶ月、及び/又は3ヶ月間、患者の体内に留まるように構成される。いくつかの実施形態では、埋め込まれたFAD300の全部又は一部分は、再吸収されるように構成され、例えば、構成要素は、少なくとも1週間、1ヶ月、及び/又は3ヶ月後に吸収されるように構成される。
【0169】
いくつかの実施形態では、すぐ上で説明した第1、第2、及び/又は第3の治療計画は、任意の順序で実行される。いくつかの実施形態では、第1、第2、又は第3の治療計画のうちの1つは患者に対して実行されない。
【0170】
いくつかの実施形態では、システム10は、機能要素999を含み、それは患者に埋め込まれて患者の呼吸を検出するように構成されたセンサ、例えば、肺に近接して、外内肋間筋(例えば、外肋間筋と内肋間筋との間)、及び/又は患者の皮膚の下の他の位置に配置されたセンサを含む。いくつかの実施形態では、機能要素999は、患者の外部に、例えば、患者の皮膚上又は患者の皮膚に近接して配置され、患者の呼吸を検出するように構成されたセンサを含む。これらの実施形態では、CEDD200及び/又はFAD300は、閉ループモードで構成され、本明細書で説明されるアルゴリズム50を介して、患者の呼吸に基づいてエネルギー及び/又は力の送達をそれぞれ調整し得る。例えば、EDM250を介したCEDD200は、調整可能なエネルギーを舌下神経に送達するように(舌突出を生じさせるなどのために)構成され得る。
【0171】
いくつかの実施形態では、EDD100及び/又はCEDD200は、本明細書に記載されるように、超音波エネルギーを送達して、患者に送達された医薬品(作用薬920など)と相互作用するように構成される。相互作用は、薬物の放出(担体からなど)及び/又はその他の活性化を含み得て、及び/又は相互作用は薬物の効果の増強を含み得る。いくつかの実施形態では、薬物は、1つ以上の可視化可能な構成要素(放射線透過性構成要素、及び/又は超音波反射構成要素など)を含み、システム10が薬物の位置を特定し、その後、超音波エネルギーを正確に送達して相互作用を引き起こすために使用する。
【0172】
いくつかの実施形態では、EDD100及び/又はCEDD200は、患者の嚢胞を治療するためにエネルギーを送達するように構成される。いくつかの実施形態では、エネルギーは、比較的小さな嚢胞に送達され、例えば、嚢胞を撮像、及び/又は治療する(嚢胞全体を切除する、又は少なくとも嚢胞の体積を減少させるなど)。いくつかの実施形態では、より大きな嚢胞が治療され、嚢胞からの流体が排出され(例えば、治療装置930を介して)、その後エネルギーが送達されて嚢胞を撮像し、及び/又は治療する。
【0173】
いくつかの実施形態では、FAD300は、声門下狭窄(患者の以前の挿管の合併症として生じる狭窄など)を治療するために選択される、患者のインプラント位置(本明細書に記載のL300など)に埋め込まれる少なくとも一部分(FAA360など)を含む。これらの実施形態では、FAA360は、FAA360の1つ以上のアクチュエータが狭窄に力を加えるように、喉頭軟骨に固定され得る(例えば、狭窄の足場形成)。
【0174】
FAD300は、患者内に、骨盤臓器脱、及び/又は尿失禁を治療するために選択されるインプラント位置(本明細書に記載のL300など)で埋め込まれる少なくとも一部分(FAA360など)を含み得る。FAA360の1つ以上のアクチュエータは、1つ以上の組織位置(標的組織の1つ以上の体積など)に力を加え、骨盤臓器脱を治療し、及び/又は尿失禁を治療するように構成され得る。FAA360は、通常、展開状態で(例えば、弾性的に付勢され)構成され得る(例えば、エネルギーは、組織に力を加えている間には最小限であるか、又は全く消費されず、エネルギーは非展開状態に移行するために加えられる)。代替的又は追加的に、FAA360は、通常、非展開状態で(例えば、弾性的に付勢され)構成され得る(例えば、エネルギーは、展開状態に移行するためにFAA360に加えられる)。いくつかの実施形態では、FAA360の1つ以上のアクチュエータは、組織(尿道組織など)に力を加えて、望ましくない尿の漏れを防ぐように配置され得る。これらの実施形態では、FAA360は、通常、展開状態で(例えば、アクチュエータが組織に力を加えるために伸長される)で構成される(例えば、弾性的に付勢されるか、又は他の方法で構成される)ことができ、そして、患者は、(外部に配置されたユーザインタフェース390及び/又は本明細書に記載の他のユーザインタフェースを介して)FAA360を非展開状態に移行させ(例えば、FAA360の1つ以上のアクチュエータを後退させて、組織に力を加えるのを停止する)、排尿できるようにし得る。
【0175】
システム10は、患者の肺に治療を提供し、例えば、患者の一方又は両方の肺を通る空気の流れを改善するように構成され得る。いくつかの実施形態では、システム10は、呼気終末陽圧(PEEP)を患者の肺の治療前、治療中、及び/又は治療後に測定するように構成される。これらの実施形態では、PEEPは、EDD100及び/又は超音波撮像装置を含む撮像装置910を介して測定され得る。例えば、EDM150は、画像データIDを生成するように構成された超音波トランスデューサのアレイを含み得て、画像データIDから、PEEP測定値は(例えば、アルゴリズム50を介して)決定され得る。PEEP測定値を用いて、本明細書で定義されているように、治療計画を作成し、例えば、EDM150の1つ以上のエネルギー送達設定、例えば、組織縮小処置(組織切除処置など)及び/又は組織増大処置(組織刺激処置など)に関連する1つ以上のエネルギー送達設定を設定し、及び/又は変更する(本明細書では「設定する」)ことができる。代替的又は追加的に、PEEP測定値を使用して、システム10による治療の予後を行い得る(例えば、アルゴリズム50は、処置の実行前、処置の実行中、及び/又は処置の完了後に、処置の結果を予測し得る)。
【0176】
ここで図2を参照すると、本発明の概念と一致する、閉ループ構成で治療を提供する方法のフローチャートが示される。方法2000は、複数のステップを含み、それらは自動的及び/又は半自動的(本明細書では「自動的に」)実行されて、エネルギー(刺激エネルギーなど)を送達し、及び/又は1つ以上の測定された患者の生理学的パラメータ、患者環境パラメータ、及び/又はその他のパラメータに基づいて変化する形態で治療を提供し得る。図2の方法2000は、本発明の概念のシステム10及びその構成要素を使用して説明される。
【0177】
ステップ2010では、EDD100及び/又はCEDD200(本明細書では単独又は集合的に「装置100/200」)が標的組織(患者組織の1つ以上の体積など)に近接して配置され、そして、装置100/200は、標的組織にエネルギーを送達する(例えば、標的組織を刺激及び/又は治療する)ように構成される。装置100/200は、患者の組織内に埋め込むことができ、及び/又は組織表面(患者の皮膚及び/又は患者の気道の内層など)の上に配置され得る。ステップ2010では、装置100/200は、患者にエネルギーを送達している場合があり、又はエネルギーが送達されていない「スタンバイ」モードの場合もある。
【0178】
ステップ2020において、装置100/200及び/又はシステム10の別の構成要素は、患者の1つ以上のパラメータを監視する。患者パラメータは、センサベースの機能要素、例えば、本明細書に記載の機能要素199、299、599、及び/又は999によって記録され得る。いくつかの実施形態では、患者パラメータは、血圧、心拍数、呼吸数、いびきパラメータ(いびきレベルなど)、汗、患者の姿勢(就寝時の仰向け、横向き、及び/又はうつ伏せなど)、血液ガスレベル、血糖値、及びこれらの組み合わせからなるグループから選択される1つ、2つ、又はそれ以上のパラメータを含む。いくつかの実施形態では、患者パラメータは、記録され得る(例えば、1つ、2つ、又はそれ以上のセンサによって測定される)、及び/又は、患者のウェアラブル装置、例えば、スマートウォッチ、活動記録装置(例えば、患者の手首上に装着される)、及び/又は他の携帯式装置によって提供され得るパラメータを含む。いくつかの実施形態では、患者の呼吸数は、有線又は無線センサを含むセンサ(センサベースの機能要素299、399、及び/又は999など)によって測定される。
【0179】
ステップ2030では、システム10によって記録された1つ以上の患者パラメータが分析され(例えば、アルゴリズム50によって)、閾値を超えているかどうかの判定などを行い得る。閾値は、1つ以上の患者パラメータの最小レベル又は最大レベルを含み得る。代替的又は追加的に、閾値は、2つ以上の患者パラメータの数学的組み合わせに関連付けることができる。ステップ2030で使用される閾値は、装置100/200によって現在送達されている刺激又は他のエネルギーの無効な、又は望ましくないレベル(変更又は中止すべきエネルギー送達レベルなど)に相関する1つ、2つ、又はそれ以上の患者パラメータのレベルに関連付けられ得る。
【0180】
閾値を超えない場合、方法2000は、ステップ2020の患者パラメータの監視を続ける(例えば、現在のエネルギー送達又は他の治療設定を変更することはない)。閾値を超えた場合、方法2000はステップ2040に進む。
【0181】
ステップ2040では、エネルギー送達設定及び/又は他の治療設定の変更されたセットは、例えば、システム10によって自動的に、及び/又はシステム10のオペレータ(患者及び/又は患者の医療専門家など)によって手動で決定される。いくつかの実施形態では、治療設定の変更されたセットは、装置100/200によるエネルギーの送達を停止すること(刺激をオフにすることなど)を含む。いくつかの実施形態では、エネルギー送達設定及び/又は他の治療設定の変更された新しいセットは、ステップ2020で記録された1つ以上の患者パラメータ、及び/又はシステム10を使用して収集された以前の(例えば、現在の患者及び/又は他の患者の集団についての)データに基づいて決定される。例えば、アルゴリズム50(AIアルゴリズムなど)は、以下のグループから選択されるパラメータに基づいて、治療設定の新しいセットを決定し得て、そのグループは、現在の患者パラメータ、以前の患者パラメータ(システム10を使用して治療された同じ患者及び/又は1人、2人、又はそれ以上の異なる患者からのパラメータなど)、患者パラメータの変化(患者パラメータの変化の大きさなど)、現在のエネルギー送達設定、以前のエネルギー送達設定(システム10を使用して治療された同じ患者及び/又は1人、2人、又はそれ以上の異なる患者に対して使用された以前のエネルギー送達パラメータなど)、及びこれらの組み合わせからなる。新しいエネルギー送達設定及び/又はその他の治療設定が決定されると、治療はそれらの設定で提供され(例えば、エネルギーはそれらの設定で送達される)、方法2000は、ステップ2020の患者パラメータのモニタリングを継続し、方法2000は周期的に繰り返される。
【0182】
いくつかの実施形態では、方法2000において装置100/200によるエネルギーの送達はいつでも(例えば、患者によってシステム10のユーザインタフェース上の制御を介して、及び/又はシステムパラメータ又は患者パラメータが閾値を超えた場合などにシステム10によって)停止することができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、システム10は、閾値が、例えば以下のグループから選択される動作を実行することによって、ステップ2030で決定される際に超過した場合に、非エネルギー送達設定を含む治療設定を変更するように構成され、そのグループは、患者を起こす(例えば、携帯電話、タブレット、コンピュータ、目覚まし時計、ベッドシェイカ、及び/又は他の警報機能装置を含む機能要素999及び/又は消費装置940によって提供される音響又は触覚警報を介して)、患者の姿勢を変える(例えば、調整可能なベッド及び/又は他のロボット患者マニピュレータを介して)、患者環境を変える(日よけ、空調、暖房、及び/又は音響装置を調整する)、及びこれらの組み合わせからなる。これらの動作のうちの1つ以上は、ステップ2030で実行され得る(例えば、エネルギー送達設定の変更の有無にかかわらない)。
【0184】
いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、システム10の1つ以上のセンサを介して、睡眠中に患者によって生成される音(いびき及び/又は他の呼吸音など)を分析するように構成される。これらの実施形態では、アルゴリズム50は、患者の音(いびきなど)を、センサによって更に記録され得る部屋内の他の音(例えば、部屋の中の人間又は他の動物からの音、あるいはテレビからの音)から区別するように構成され、例えばステップ2030で実行される閾値との比較は、システム10を使用して患者からのみ受信したいびき信号に基づくことができる。いくつかの実施形態では、システム10は、患者が発する音を記録するために使用される2つ以上のセンサを含み、アルゴリズム50は、特定の患者の音を、各センサの位置、受信された信号のタイミング(例えば、同じいびき又は他の音声信号が、異なる時点で2つのセンサによって受信された場合、最初に信号を受信したセンサが音の発生源に近接する)、及び/又は、いびき若しくはその他の睡眠音を記録する複数のセンサの他のパラメータに基づき区別する。いくつかの実施形態では、センサは、1つ、2つ、又はそれ以上の携帯電話及び/又は音声を録音できる他の家電製品を有する機能要素999に含まれたセンサを含む。いくつかの実施形態では、アルゴリズム50は、ノイズキャンセリングなどの録音に対して様々な信号処理技術を実行するように構成される。
【0185】
いくつかの実施形態では、システム10は、複数の同様の構成要素のセット(睡眠音を記録するように構成された複数の装置100/200及び/又は複数の機能要素999など)を含み、システム10は、1つの部屋(1つの寝室、病室、及び/又はバラックなど)に居住している(例えば、少なくとも睡眠中の)複数の患者を治療するのに用いるように構成される。例えば、複数の患者の各患者は、装置100/200を体内に埋め込むか、睡眠中にエネルギー(刺激エネルギーなど)を送達するように配置され得る。これらの実施形態では、アルゴリズム50は、患者パラメータ(睡眠音など)をパラメータが適用される患者に基づいて区別するように、例えば、上述のように複数のセンサの使用に基づいて音を区別するように構成され得る。
【0186】
ここで図3を参照すると、本発明の概念と一致する、患者を治療するための方法のフローチャートが示される。方法3000は、患者の治療の複数のステップ、例えば、診断手順及び/又は治療処置の実行を含めたステップを含む。図3の方法3000は、本発明の概念のシステム10及びその構成要素を使用して説明される。
【0187】
ステップ3010では、患者診断手順、例えば、システム10の1つ以上の装置を用いて実行され、睡眠時無呼吸症及び/又は別の病状を有する患者の治療計画を決定するように構成された診断手順が実行される。治療計画は、臨床医(システム10のオペレータなど)によって、及び/又はシステム10のアルゴリズム50、例えば、ステップ3010で集められた診断データを利用するAIアルゴリズムを介して決定され得る。診断手順は、患者の病歴を取得することを含み得る。診断データは、睡眠ポリグラフ検査手順と、体重及び/又は肥満度指数を決定する手順からなるグループから選択される手順の実行を通じて収集されたデータを含み得る。
【0188】
ステップ3020では、第1の患者治療処置が実行され、第1の治療はステップ3010で決定された治療計画の一部である。第1の患者治療処置は、それぞれ本明細書に記載される組織縮小処置及び/又は組織増大処置を含み得る。第1の患者治療は、システム10又はその他の方法を使用して実行される1つ以上の治療、例えば、鼻処置(例えば、アデノイド切除術、鼻甲介縮小術、中隔形成術、及び/又はDOME処置)、軟口蓋処置(扁桃摘出術又は扁桃体積減少、咽頭形成術、EDD100及び/又はCEDD200を介した組織の刺激、及び/又は軟口蓋インプラント及び/又はFAD300を含む治療装置930などのインプラントの埋め込みなどで、それぞれ本明細書に記載のとおり)、及び/又は舌処置(舌扁桃摘出術、オトガイ舌筋又は他の舌筋の前進、EDD100及び/又はCEDD200を介した組織の刺激、FAD300を介した力供給処置など)を含み得る。
【0189】
ステップ3030では、任意のステップが実行され得て、第2の患者診断手順が行われる。ステップ3030が実行される実施形態では、ステップ3010で決定された治療計画が確認され得て、又は変更され得る(例えば、ステップ3030で収集された追加の診断データに基づき、例えば診断データはステップ3020で実行された治療に基づく)。
【0190】
ステップ3040では、第2の患者治療処置は、ステップ3010の治療計画及び/又はステップ3030の変更された治療計画に基づいて実行される。
【0191】
いくつかの実施形態では、図3の方法3000は、睡眠時無呼吸症患者に対して実行され、以下の組織治療処置、扁桃組織の体積減少と、舌組織の体積の減少と、気道の筋肉の締め付け、強化、及び/又は緊張と、患者の気道の1つ以上の神経及び/又は筋肉の刺激の少なくとも2つ、少なくとも3つ、又は4つすべての実行を含む。いくつかの実施形態では、患者のアデノイド組織が治療される。組織治療処置は、装置100、200、及び/又は300のそれぞれの1つ、2つ、又はそれ以上を使用して実行され得る。
【0192】
いくつかの実施形態では、方法3000は、第3、第4などの追加の治療を含み、例えば、追加の治療は、それぞれ本明細書に記載のように、CEDD200(気道組織の刺激のためなど)及び/又はFAD300(気道組織への力の適用のためなど)の埋め込み及びその後の使用を含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、方法3000は、装置100/200/300のEDM150、250、及び/又は350を患者の鼻孔に通して導入することを含み、例えば、本明細書に記載されるように、患者のアデノイド組織及び/又は他の気道組織を治療する。
【0194】
いくつかの実施形態では、方法3000は、脂肪細胞及び/又は舌の他の組織の治療を、例えば経口アプローチ及び/又はオトガイ下隙を介したアクセスを用いて行うことを含む。
【0195】
いくつかの実施形態では、方法3000は、本明細書に記載される経顔エネルギー送達を含み、例えば、顔の皮膚を持ち上げることなくDOME処置を実行する。
【0196】
いくつかの実施形態では、ステップ3020の第1の治療は、第1のタイプの病院設定(「診療所」など)で実行され、そして、ステップ3040の第2の治療は、第1の設定とは異なる第2のタイプの病院設定(外来患者又は他の病院設定など)で実行される。
【0197】
いくつかの実施形態では、ステップ3040の第2の治療は、DOME処置(システム10のEDD100を使用して実行されるDOME処置など)を含む。これらの実施形態では、第3の治療は、それぞれ本明細書に記載されるような、CEDD200(例えば、気道組織の刺激のため)及び/又はFAD300(例えば、気道組織への力の適用のため)の埋め込み及びその後の使用を含む処置などを実行され得る。
【0198】
いくつかの実施形態では、ステップ3020の第1の治療は、少なくとも扁桃組織の体積減少を含み、ステップ3040の第2の治療は、気道組織の刺激(例えば、埋め込まれたCEDD200を使用する)を含む。
【0199】
いくつかの実施形態では、患者はCPAPで治療された後、ステップ3020の第1の治療処置の実行を受け、そして、その後の治療処置(ステップ3040の第2の治療処置など)は、患者がCPAPの必要性を回避すること、又はCPAPを、初期の治療処置(例えば、第1又は他の以前の治療処置)の実行前に患者が使用していたものよりも低い圧力及び/又は速度レベルで使用することを含む。言い換えると、CPAPは、気道の改善及び/又は以前の治療処置で提供された他の治療利益により回避又は軽減される。いくつかの実施形態では、CEDD200(例えば、気道組織を刺激するため)及び/又はFAD300(例えば、気道組織へ足場力を加えるため)の使用により、患者のCPAPの回避及び/又はレベルの低下がもたらされる。
【0200】
ここで図4を参照すると、本発明の概念と一致する、神経を刺激するために患者に埋め込まれた長期的エネルギー送達装置の側断面解剖図が示される。図4のCEDD200は、図1及び/又は本明細書を参照して説明されたCEDD200と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図4のCEDD200は、患者に埋め込まれた埋め込み可能部分2100と、埋め込み可能部分2100の埋め込み位置に近接して患者の皮膚上に配置された(例えば、取り外し可能に配置された)外部部分2500とを含む。埋め込み可能部分2100は、神経N1を取り囲む(例えば、図示のように部分的に取り囲む)ように埋め込まれたラップ2110(可撓性シート及び/又は管状構造など)を含む。ラップ2110は、ポリフッ化ビニリデン及び/又はポリ二フッ化ビニリデンなどの可撓性材料を含み得る。埋め込み可能部分2100は、1つ、2つ、又はそれ以上の電極、つまり電極2120(6つがラップ2110上に配置して示される)を更に含む。埋め込み可能部分2100は、1つ、2つ、又はそれ以上の超音波トランスデューサUST2199(3つがラップ2110上に配置して示される)を更に含む。UST2199は、1つ以上の圧電トランスデューサ、1つ以上のCMUT、及び/又は少なくとも1つの圧電トランスデューサ及び少なくとも1つのCMUTを含み得る。いくつかの実施形態では、ラップ2110は、UST2199が一体化された圧電フィルムを含む。UST2199は、複数の圧電トランスデューサ及び/又は他の超音波トランスデューサのアレイを含み、それらは複数の方向からの超音波エネルギーの受信を可能にするように配置される(トランスデューサの全方向配置など)。
【0201】
外部部分2500は、エネルギー送達モジュールEDM2510を取り囲む筐体、つまり筐体2501を含む。EDM2510は、本明細書に記載のEDM250と同様の構造及び配置であり得る。EDM2510は、埋込み可能部分2100のUST2199に超音波エネルギーを送達するように構成された1つ、2つ、又はそれ以上の超音波トランスデューサUST2599のアレイ(26個の素子が13個の素子の2列のアレイで示される)を含み得る。UST2599は、1つ以上の圧電トランスデューサ、1つ以上のCMUT、及び/又は少なくとも1つの圧電トランスデューサ及び少なくとも1つのCMUTを含み得る。
【0202】
治療を送達中、EDM2510は超音波エネルギーをUST2199に送達し、超音波エネルギーはUST2199によって電気エネルギーに変換される。電極2120は、示される導管2121を介してUST2199から電気エネルギーを受け取り、電極2120は、この電気エネルギーを(例えば、印加電圧を介して)標的組織(例えば、図示の神経N1)に送達する。この構成では、標的組織に送達される電気エネルギーの波形は、EDM2510によって供給されるエネルギー送達波形に依存する。いくつかの実施形態では、埋め込み可能部分2100は、コントローラ(例えば、図示されていないが、CEDD200のコントローラ210と同様の構造及び配置のもの)を含むことで、UST2199によって生成される電気エネルギーを使用して、電極2120によって標的組織に送達するための1つ以上の様々な刺激波形(例えば、外部部分2500によって埋め込み可能部分2100に供給されるエネルギー送達パターンとは独立した刺激波形)を生成し得る。
【0203】
いくつかの実施形態では、外部部分2500は、図示されるスペーサ251、例えば、本明細書に記載のスペーサ251を含む。いくつかの実施形態では、埋め込み可能部分2100は、少なくとも2つの別個の埋め込み可能部分、例えば、図示される埋め込み可能部分2100(神経N1に近接して配置される)と、図示されていないが、神経N1の異なるセグメントに近接して配置されるか、又は本明細書の図5を参照して説明されるような異なる神経(同様の役割又は機能を果たす異なる神経など)に近接して配置される第2の埋め込み可能部分2100’を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、図4のCEDD200は、図1図2、及びその他の本明細書を参照して説明されるように、閉ループモードで動作するように構成される。例えば、コントローラ210(例えば、アルゴリズム50を含む)は、閉ループモードでエネルギー送達を調整し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ210の少なくとも一部分は埋め込み可能部分2100に含まれ、その結果、埋め込み可能部分2100によって送達されるエネルギーは、システム10の外部構成要素から制御信号が送信されることなく、閉ループモードで調整され得る。コントローラ210は、バッテリ、蓄電器、及び/又は他のエネルギー貯蔵要素を含み得ることで、電気エネルギーが埋め込み可能部分2100によって貯蔵され得る。いくつかの実施形態では、エネルギーは、埋め込まれたエネルギー貯蔵要素に、電気エネルギーの伝達を介して(例えば、誘導結合、容量結合、高周波エネルギーの送達などを介して)、及び/又は超音波エネルギー(例えば、本明細書に記載されるように、1つ以上の超音波トランスデューサによって受け取られ、電気エネルギーに変換される超音波エネルギー)の伝達を介して、移送される。コントローラ210は、電極2120によって送達される電気刺激エネルギーの電圧を制御する電圧制御発振器を含み得る。
【0205】
ここで図5を参照すると、本発明の概念と一致する、神経を刺激するために患者に埋め込まれた長期的エネルギー送達装置の側断面解剖図が示される。図5のCEDD200は、図1及び/又は本明細書で説明したCEDD200と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図5のCEDD200は、患者に埋め込まれた第1の埋め込み可能部分2100aと、これもまた患者に埋め込まれた第2の埋め込み可能部分2100bと、患者の皮膚上に、第2の埋め込み可能部分2100bに近接して配置された(例えば、取り外し可能に配置された)外部部分2500とを含む。第1の埋め込み可能部分2100aは、神経N1を取り囲む(例えば、図示のように部分的に取り囲む)ように埋め込まれたラップ2110を含む。代替的に、ラップ2110は、単に神経N1の近くに、神経N1に沿って配置され得る(ラップ2110が、管状構造、例えば、超音波トランスデューサのアレイを含む可撓性管状構造を含む場合など)。第1の埋め込み可能部分2100aは、1つ、2つ、又はそれ以上の電極、つまり電極2120(6つがラップ2110上に配置されて示される)を更に含む。第2の埋め込み可能部分2100bは、筐体、つまり筐体2101内に収容されて示される、1つ、2つ、又はそれ以上の超音波トランスデューサUST2199を含む。UST2199は、1つ以上の圧電トランスデューサ、1つ以上のCMUT、及び/又は少なくとも1つの圧電トランスデューサと少なくとも1つのCMUTを含み得る。いくつかの実施形態では、ラップ2110は、UST2199が一体化された圧電フィルムを含む。UST2199は、導管2121(例えば、1本、2本、又はそれ以上のワイヤ)を介して電極2120に電気的に接続される。UST2199は、複数の方向(トランスデューサの全方向配置など)からの超音波エネルギーの受け取りを可能にするように配置された複数の圧電トランスデューサ及び/又は他の超音波トランスデューサのアレイを含み得る。
【0206】
図5の外部部分2500は、上述した図4の外部部分2500と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。
【0207】
治療送達の間、EDM2510は超音波エネルギーをUST2199に送達し、超音波エネルギーはUST2199によって電気エネルギーに変換される。電極2120は、導管2121を介してUST2199から電気エネルギーを受け取り、電極2120は、この電気エネルギーを標的組織(図示の神経N1など)に送達する。この構成では、標的組織に送達される電気エネルギーの波形は、EDM2510によって供給されるエネルギー送達波形に依存する。いくつかの実施形態では、埋め込み可能部分2100は、コントローラ(例えば、図示されていないが、CEDD200のコントローラ210と同様の構造及び配置のもの)を含むことで、UST2199によって生成される電気エネルギーを使用して、電極2120によって標的組織に送達するための1つ以上の様々な刺激波形(例えば、外部部分2500によって埋め込み可能部分2100に供給されるエネルギー送達パターンとは独立した刺激波形)を生成し得る。
【0208】
いくつかの実施形態では、外部部分2500は、図示のスペーサ251を含む。スペーサ251は、本明細書で図4及びその他を参照して説明したスペーサ251と同様の構造及び配置であり得る。いくつかの実施形態では、CEDD200は、第3の埋め込み可能部分、つまり図示の部分2100a’を含み、これは、第1の埋め込み可能部分2100aと同様の構造及び配置であり得る。第3の埋め込み可能部分2100a’は、神経N2を取り囲む(例えば、図示のように部分的に取り囲む)ように埋め込まれたラップ2110’を含み得る(ラップ2110’が、管状構造、例えば超音波トランスデューサのアレイを含む可撓性管状構造を含む場合など)。第3の埋め込み可能部分2100a’は、同様に、1つ、2つ、又はそれ以上の電極、つまり電極2120’(6つがラップ2110上に配置されて示される)を含み得る。いくつかの実施形態では、ラップ2110及び/又は2110’は、UST2199が(例えば、ラップ2110及び2110’の一方又は両方に)一体化された圧電フィルムを含む。第1の埋め込み可能部分2100aの電極2120と同様に、治療中、第3の埋め込み可能部分2100a’の電極2120’は、導管2121を介してUST2199から電気エネルギーを受け取ることができ、また、これらの電極2120’は、この電気エネルギーを、図示の神経N2などの組織に送達し得る。神経N2は、神経N1と同様の役割又は機能を果たす神経を含み得る。いくつかの実施形態では、神経N2は、同じ神経N1の異なるセグメントを含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、図5のCEDD200は、本明細書において図1図2、及びその他を参照して説明されるような閉ループモードで動作するように構成される。例えば、コントローラ210(例えば、アルゴリズム50を含む)は、閉ループモードでエネルギー送達を調整し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ210の少なくとも一部分は、埋め込み可能部分2100a及び/又は2100bに含まれ、その結果、埋め込み可能部分2100aによって送達されるエネルギーは、システム10の外部構成要素から送信される制御信号なしに、閉ループモードで調整され得る。コントローラ210がバッテリ、蓄電器、及び/又は他のエネルギー貯蔵要素を含み得ることで、電気エネルギーは埋め込み可能部分2100によって貯蔵され得る。コントローラ210は、電圧制御発振器を含み得て、電極2120によって送達される電気刺激エネルギーの電圧を制御する。
【0210】
ここで図6A図6Bを参照すると、本発明の概念と一致する、組織に力を加えるために患者に埋め込まれた力供給装置の側断面解剖図が示される。図6A図6BのFAD300は、本明細書の図1及び/又はその他を参照して説明したFAD300と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図6A図6BのFAD300は、第1の組織位置(図示の骨B1など)に固定されており、第2の組織位置(例えば、図示の筋肉M1などの標的組織)に力を加える。FAD300は、基板3110を含み、固定要素3111(例えば、骨アンカ、縫合糸、ステープルなど)を使用して組織に固定される第1の部分3110aを有する。基板3110は、第2の部分3110bを含み、それは偏向して標的組織に力を加えるように構成される。図6Aでは、第2の部分3110bは非偏向状態で示され、図6Bでは、第2の部分3110bは偏向状態で示される(例えば、図6Aの状態と比較して角度的に偏向している)。本明細書に記載されるように、FAD300は、標的組織に力を加えて組織の特性を変更する(例えば、筋肉組織を強化する)ように構成され得て、及び/又は力を加えて気道の断面積の増加を引き起こし得る。
【0211】
基板3110は、電気機械アセンブリを含み得て、それは電圧、温度変化、及び/又は他の駆動信号が供給されたときなどに、形状を変化させるように構成される。基板3110は、圧電フィルム(バイモルフ及び/又はユニモルフなど)、形状記憶金属及び/又は形状記憶ポリマ、及び/又は、モータ、ギア、アクチュエータ、カム、及び/又は遠隔制御されて非展開状態と展開(例えば力を加えている)状態との間で移行し得る他の構成要素を含む電気機械アセンブリを含み得る。いくつかの実施形態では、基板3110はペルチェ素子を含み得る。
【0212】
ここで図7を参照すると、本発明の概念と一致する、組織に力を加えるために患者に埋め込まれた力供給装置の部分的に透明な解剖図が示される。図7のFAD300は、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明したFAD300と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図7のFAD300は、図示のように患者の気道に埋め込まれた基板3110を含み、中間部分3110dと端部分3110c及び3110eを含む。部分3110c及び3110eのいずれか又は両方は、図7に示されるように、気道の反対側に力を(例えば単独で又は組み合わせて)加えるように構成され得る。力は、FAD300によって、連続的及び/又は断続的に、一定及び/又は変動レベルの力で組織に加えられ得る。力は、隣接する筋肉を強化し、及び/又は気道の足場を形成するために加えられ得る。
【0213】
ここで図8を参照すると、本発明の概念と一致する、組織にエネルギーを送達するエネルギー送達装置の断面解剖図が示される。図8のEDD100は、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明されたEDD100と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図8のEDD100は、図示のようにEDM150を取り囲む筐体101を含む。EDM150は、超音波ベースのエネルギー送達要素(CMUT要素など)のアレイを含み、集束超音波(HIFUなど)を患者の扁桃(例えば、他の組織に埋め込まれた扁桃)の1つ以上の組織標的(図示では3つ)に送達する一方で、扁桃の下及び/又は扁桃の横の組織(例えば、扁桃の下及び/又は扁桃の横の筋肉組織)へのエネルギーの送達を回避するように構成され得る。
【0214】
ここで図9を参照すると、本発明の概念と一致して、装置によって捕捉された組織にエネルギーを送達するエネルギー送達装置の側面図が示される。図9のEDD100は、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明されたEDD100と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図9のEDD100は、チャネル、図示ではチャネル103に流体的に取り付けられるカップ形状の捕捉部分102を含んだ筐体101を含む。筐体101は、完全な(図示のように)又は部分的な円周幾何学的形状を含み得る。EDD100は、ケーブル501を介してコンソール500(図示されていないが、本明細書で説明されるようなもの)に動作可能に取り付けられるように構成され、その結果、コンソール500は、ケーブル501(ケーブル501の真空内腔など)及びチャネル103を介して真空を印加して、組織近接部分102を部分102(図示の組織T1)内に引き込み得る。EDD100は更に、EDM150を含み、それはエネルギー送達要素のアレイ(図9に示すようなエネルギー送達要素の曲線アレイなど)を含み得る。EDM150は、ケーブル501を介して(例えば、ケーブル501の1本以上のワイヤを介して)コンソール500からエネルギー(電気エネルギーなど)を受け取り、その後、部分102内に捕捉された組織T1にエネルギー(HIFU又は他の超音波エネルギーなど)を送達し得る。組織T1は、患者の気道内に位置する組織、例えば、扁桃組織及び/又は患者の気道を構成する(例えば、また、患者に睡眠時無呼吸イベントを引き起こしている)他の組織を含み得る。
【0215】
ここで図10を参照すると、本発明の概念と一致して、装置によって捕捉された組織にエネルギーを送達するエネルギー送達装置の斜視図が示される。図10のEDD100は、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明されたEDD100と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図10のEDD100は、筐体101を含み、それは、チャネル、図示ではチャネル103に流体的に取り付けられるコーン形の捕捉部分102を含む。筐体101は、完全な(図示のように)又は部分的な円周幾何学的形状を含み得る。いくつかの実施形態では、捕捉部分102は管状の捕捉部分を含む。EDD100は、ケーブル501を介してコンソール500(図示されていないが、本明細書で説明されるようなもの)に動作可能に取り付けられるように構成され、その結果、コンソール500は、ケーブル501(ケーブル501の真空内腔など)及びチャネル103を介して真空を印加して、組織近接部分102を部分102のコーン形幾何学的形状内に引き込み得る。EDD100は更に、EDM150を含み、それはエネルギー送達要素のアレイ(例えば、エネルギー送達要素の図示されるような部分的、又は完全な円周アレイ)を含み得る。EDM150は、ケーブル501を介して(例えば、ケーブル501の1本以上のワイヤを介して)コンソール500からエネルギー(電気エネルギーなど)を受け取り、その後、部分102内に捕捉された組織にエネルギー(HIFU又は他の超音波エネルギーなど)を送達し得る。いくつかの実施形態では、EDM150は、エネルギー送達要素の全周又はほぼ全周(例えば270°を超える)アレイを含み、その結果、エネルギー(HIFU又は他の超音波エネルギーなど)は、部分102内に捕捉された組織に、エネルギー送達方向の全周又はほぼ全周のセットから送達され得る。部分102内に捕捉された組織は、患者の気道内に位置する組織、例えば、扁桃組織及び/又は他の気道組織(例えば、患者に睡眠時無呼吸イベントを引き起こしている組織)を含み得る。部分102内に捕捉された組織は、1つ以上の様々な解剖学的位置からの組織、例えば、臓器又は他の体組織の一部である組織を含み得る。
【0216】
ここで図11を参照すると、本発明の概念と一致して、装置によって捕捉された組織にエネルギーを送達するエネルギー送達装置の斜視図が示される。図11のEDD100は、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明されたEDD100と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図11のEDD100は、円筒形の捕捉部分102を含んだ筐体101を含む。筐体101は、完全な(図示のように)又は部分的な円周幾何学的形状を含み得る。EDD100は、ケーブル501を介してコンソール500(図示されていないが、本明細書で説明されるようなもの)に動作可能に取り付けられるように構成される。捕捉部分102は、治療される組織(扁桃又は他の組織など)上で滑動され得る。EDD100は更に、EDM150を含み、それはエネルギー送達要素のアレイ(例えば、エネルギー送達要素の図示されるような部分的、又は完全な円周アレイ)を含み得る。EDM150は、ケーブル501を介して(例えば、ケーブル501の1本以上のワイヤを介して)コンソール500からエネルギー(電気エネルギーなど)を受け取り、その後、部分102内に捕捉された組織にエネルギー(HIFU又は他の超音波エネルギーなど)を送達し得る。いくつかの実施形態では、EDM150は、エネルギー送達要素の全周又はほぼ全周(例えば270°を超える)アレイを含み、その結果、エネルギー(HIFU又は他の超音波エネルギーなど)は、捕捉された組織に、エネルギー送達方向の全周又はほぼ全周のセットから送達され得る。部分102内に捕捉され、続いてEDM150によって治療される組織は、患者の気道内に位置する組織、例えば、扁桃組織及び/又は他の気道組織(例えば、患者に睡眠時無呼吸イベントを引き起こしている組織)を含み得る。部分102内に引き込まれる組織は、1つ以上の様々な解剖学的位置からの組織、例えば、臓器又は他の体組織の一部である組織を含み得る。
【0217】
ここで図12を参照すると、本発明の概念と一致する、患者の顎の下の皮膚上に配置され、舌組織にエネルギーを送達するエネルギー送達装置の側断面解剖図が示される。図12のEDD100は、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明したEDD100と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図12のEDD100は、組織にエネルギーを送達するように構成されたエネルギー送達要素のアレイを含み得るEDM150を含む。いくつかの実施形態では、EDD100は、患者の顎の下の皮膚上の位置L100に配置されて、その間、患者の舌及び/又は患者の他の気道組織にエネルギー(HIFU及び/又は他の超音波エネルギーなど)を送達するように構成される。EDM150は、舌にエネルギーを送達して、舌の体積を減少させ、及び/又は本明細書に記載の別の組織治療を施すように構成され得る。EDM150は、エネルギー源に動作可能に取り付けられるように構成され得る(例えば、ケーブル501を介してコンソール500に取り付けられ、両方とも図示されていないが、本明細書で詳細に説明される)。いくつかの実施形態では、EDM150は、内部電源(バッテリ及び/又は他の電源構成要素を含む機能要素199など)、及び/又は駆動信号をEDM150に供給するためのコントローラ(本明細書に記載されるコントローラ110)を含み得る。いくつかの実施形態では、安定化装置を含んでいるツール950が含まれ、例えばEDD100をエネルギー送達中に患者に取り付ける。いくつかの実施形態では、EDD100は、EDM150と患者の皮膚との間に配置されたスペーサ、例えば本明細書に記載のスペーサ151を含む。
【0218】
いくつかの実施形態では、図12のEDD100は、患者の顎の下の皮膚上に配置され、患者の舌の組織及び/又は患者の他の気道組織を撮像するように構成される(例えば、上記のようなアブレーション処置も行う場合、又は単に患者の舌、若しくはその他の気道組織の画像データIDを作成する場合)。
【0219】
ここで図13を参照すると、本発明の概念と一致する、患者の気道内にトランスデューサを配置するために経鼻的に前進されたエネルギー送達装置の側断面解剖図が示される。図13のEDD100は、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明したEDD100と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図13のEDD100は、図示されるようなカテーテル状の幾何学的形状を含み、それはEDM150を患者の鼻孔を通って患者の気道に導入する(すなわち、鼻腔内アプローチ)ように構成され得る。EDM150は、組織にエネルギー(超音波エネルギーなど)を送達し、患者の舌、軟口蓋組織、扁桃組織、及び/又は他の気道組織を治療する(例えば、体積を減らす、及び/又は硬化させる)ように構成され得る。
【0220】
ここで図14を参照すると、本発明の概念と一致する、患者の顔に配置されたエネルギー送達装置の正面解剖図が示される。図14のEDD100は、本明細書で図1及び/又は他を参照して説明したEDD100と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図14のEDD100は、複数の装置、つまり第1の装置100a及び第2の装置100bを含む。装置100aは、装置100bの組織接触幾何学的形状(図示のアスペクト比が1.5を超える長方形など)とは異なる組織接触幾何学的形状(アスペクト比が約1の長方形など)を含み得て、例えば、EDD100が、患者の異なる位置(例えば、図示されている患者の顔の異なる位置)に適応するように構成された異なる組織接触幾何学的形状を有する複数の装置を含む場合である。
【0221】
いくつかの実施形態では、EDD100は、オペレータが患者に顎顔手術を行うことができるように構成される。
【0222】
ここで図15を参照すると、本発明の概念と一致する、シャフトと、シャフトの直径に近い直径を有する遠位に配置されたトランスデューサとを備えたエネルギー送達装置を含むシステムの斜視図が示される。図15のEDD100は、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明したEDD100と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図15のEDD100は、細長い筐体101(図示のように鉛筆形など)の遠位端に配置されたEDM150を含む。EDM150の直径は、筐体101の直径(図示の直径D1)とほぼ同じであり、そのため、EDM150は、直径D1と同じくらい小さい通路を通して導入され得る。EDM150の直径は、患者の鼻孔を通したEDM150の挿入のために構成され得る(例えば、10mm未満、又は6mm未満の直径)。EDD100は、1つ以上のコントロール、例えば、図示のようなボタン(例えば、オンオフ制御として構成された)を含む機能要素199を含み得る。EDD100は、図示のようにケーブル501を介してコンソール500に動作可能に取り付けられる。コンソール500は、それぞれ本明細書で説明されるような、ユーザインタフェース590、機能要素599、及びアルゴリズム50を含む。
【0223】
ここで図16を参照すると、本発明の概念と一致する、シャフトと、シャフトの直径よりも大きい直径を有する遠位に配置されたトランスデューサとを備えたエネルギー送達装置を含むシステムの斜視図が示される。図16のEDD100は、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明したEDD100と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図16のEDD100は、細長い筐体101(図示のように鉛筆形など)の遠位端に配置されたEDM150を含む。EDM150の直径(図示の直径D2)は、筐体101の直径(図示の直径D1)よりも大きく、そのため、EDM150は、エネルギー送達要素の大きなアレイ(例えば、圧電及び/又はCMUT超音波エネルギー送達要素の大きなアレイ)を含み得る。EDD100は、1つ以上のコントロール、例えば、図示のようなボタン(例えば、オンオフ制御として構成された)を含む機能要素199を含み得る。EDD100は、図示のようにケーブル501を介してコンソール500に動作可能に取り付けられる。コンソール500は、それぞれ本明細書で説明されるような、ユーザインタフェース590、機能要素599、及びアルゴリズム50を含む。
【0224】
ここで図17を参照すると、本発明の概念と一致する、エネルギー送達モジュール及びミラーを含むエネルギー送達装置の側断面解剖図が示される。図17のエネルギー送達装置は、EDD100(臨床処置で使用される臨床医用装置など)及び/又はCEDD200(本明細書に記載されているように、患者に長期間使用されるインプラント又は体外に配置される装置など)を含み得る。図17のEDD100及び/又はCEDD200は、それぞれ、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明した、EDD100及び/又はCEDD200と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図17のEDD100及び/又はCEDD200(本明細書では単独又は集合的に「装置100/200」)は、エネルギー送達モジュール、EDM150/250(図示されていないが、EDM150/250に一体化されている)を含み得て、それは、1つ以上のエネルギー送達要素、例えば、超音波エネルギー(HIFU又は他の超音波エネルギーなど)を標的組織に送達するように構成された1つ以上の圧電トランスデューサ及び/又はCMUTを含む。装置100/200は、本明細書に図示され説明されるように、ミラー155/255を含み得る。ミラー155/255(音響ミラーなど)は、標的組織(図示の神経N1など)に近接して配置され(例えば、埋め込まれ)得る。ミラー155/255及びEDM150/250は、(図示のように)標的組織の両側に配置され、EDM150/250によって送達されてミラー155/255に到達するエネルギーは、標的組織に向かって反射される。いくつかの実施形態では、EDM150/250は皮膚上に配置され、ミラー155/255は標的組織の下(例えば、神経N1の下であり、N1がEDM150/250とミラー155/255との間に配置される)に埋め込まれる。他の実施形態では、EDM150/250とミラー155/255の両方が患者に(例えば、治療される標的組織の両側に)埋め込まれる。
【0225】
ここで図18A図18Bを参照すると、本発明の概念と一致する、エネルギー送達装置の上面図及び側面断面解剖図が示される。図18A図18BのEDD100は、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明したEDD100と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図18A図18BのEDD100は、スプーン状の幾何学的形状を備える、エネルギー送達モジュール、EDM150を含む。EDM150は、(図18Bに示すように)1つの軸に沿って、又は複数の軸に沿って曲線幾何学的形状を含み得る。EDM150は、超音波エネルギーを送達するように構成された1つ以上の圧電トランスデューサ及び/又は1つ以上のCMUTを含み得る。図18A図18Bでは、EDM150は、患者の口を通して挿入され、患者の舌上に配置され、例えば、本明細書に記載されるように、その後、舌の組織を切除及び/又は治療するためのエネルギーを送達する。
【0226】
ここで図19を参照すると、本発明の概念と一致する、患者に経鼻的に挿入されたエネルギー送達装置の側断面解剖図が示される。図19のEDD100は、本明細書で図1及び/又はその他を参照して説明したEDD100と同様の構造及び配置であり、同様の構成要素を含み得る。図19のEDD100は、すべて図示のように、エネルギー送達モジュールEDM150を遠位部分に含む第1の部分100aと、音響ミラーであるミラー155を遠位部分に含む第2の部分100bとを含む。EDM150aは、超音波エネルギー(HIFU及び/又は他の超音波エネルギーなど)を送達するように構成された1つ以上の圧電トランスデューサ及び/又は1つ以上のCMUTを含む。図19に示すように、EDD100aの遠位部分は、患者の鼻道に第1の鼻孔を介して挿入され、EDD100bの遠位部分は、患者の鼻道にもう一方の鼻孔を介して挿入されており、EDM150及びミラー155は、図示のように位置L100において、患者の鼻中隔S1の部分の両側に配置される。EDM150は、位置L100の組織にエネルギーを送達して、(例えば、本明細書に記載のように)鼻中隔の組織を切除、軟化、及び/又はその他の方法で治療し得る。ミラー155は、L100の組織を通過する超音波エネルギーをその組織に反射して戻すように構成及び配置される。いくつかの実施形態では、EDD100bは、ミラー155の位置に(例えば、ミラー155の代わりに)配置された別のエネルギー送達モジュール(EDM150bなど)を含む。いくつかの実施形態では、EDD100はEDD100aのみを含み、EDD100bを含まない。L100への超音波エネルギーの送達は、その後の患者の鼻道の再成形、例えば、EDD100によるその組織への超音波エネルギーの送達によって引き起こされる軟化又は他の治療によって促進される再成形を可能にし得る。いくつかの実施形態では、患者の鼻道の再成形は、手術及び/又は患者の鼻道に再成形力を加えるように構成されたバルーンを含むカテーテル装置を介して行われる。
【0227】
上述の実施形態は、例示としてのみ機能することを理解すべきであり、更なる実施形態が想定される。任意の1つの実施形態に関連して本明細書に記載される任意の特徴は、単独で、又は記載される他の特徴と組み合わせて使用されてもよく、また、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴、又は任意の他の実施形態の任意の組み合わせと組み合わせて使用されてもよい。更に、上記に記載されていない同等物及び変形もまた、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱しない範囲で使用され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
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図16
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図18B
図19
【国際調査報告】