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特表2024-521384呼吸空気を処理するための着用可能なデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】呼吸空気を処理するための着用可能なデバイス
(51)【国際特許分類】
   A62B 7/10 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
A62B7/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575353
(86)(22)【出願日】2022-05-30
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 IB2022055056
(87)【国際公開番号】W WO2022254314
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】102021000014579
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523455529
【氏名又は名称】ダンブロージョ、ジェラルド
【氏名又は名称原語表記】D’AMBROSIO,Gerardo
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ダンブロージョ、ジェラルド
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA08
2E185BA07
2E185BA11
2E185CB18
2E185CC32
(57)【要約】
本発明は、ユーザの頭部に着用されるよう構成されているデバイスであって、呼吸空気浄化及び処理機能が設けられたデバイスに関する。特に、本発明は、浄化機能がユーザの顔を実質的に自由にさせることによって確保される、このようなデバイスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの顔を実質的に遮ることなく前記ユーザの頭部に着用されるように構成されている、概ね環状の構造を有する着用可能な空気処理デバイスであって、前記デバイスが、
-前記ユーザの鼻-頬領域の近くに配置されるようになされている浮遊汚染物質粒子を含む処理される空気の吸引入口(1a)と、前記ユーザの頭部の後部領域に配置されるようになされている空気の出口(1b)との間で展開する、少なくとも1つの空気吸引導管(1)と
-前記ユーザの前記鼻-頬領域の近くに配置されるようになされている、処理後の空気の排出出口(2a)と、前記ユーザの頭部の前記後部領域に配置されるようになされている入口(2b)との間で展開する少なくとも1つの空気排出導管(2)と
-前記導管(1、2)に接続されており、前記吸引導管(1)の前記出口(1b)と前記排出導管(2)の前記入口(2b)との間で前記導管(1、2)と空気連通する空気処理ユニット(3)であって、前記ユニット(3)は、前記ユーザの頭部の前記後部領域に配置されるようになされており、前記吸引導管(1)から前記排出導管(2)への空気流推進手段;前記吸引導管(1)の前記出口(1b)から、処理される空気を受け取り、前記排出導管(2)の前記入口(2b)に処理後の空気を戻すよう構成されている空気処理手段(5);並びに前記空気流推進手段及び前記空気処理手段(5)のエネルギー供給手段(6)を備える、前記ユニット(3)とを備えており、
前記空気処理手段(5)が、
-管状チャンバ(7)であって、前記チャンバの内側面(7a)を規定し、より小さい直径を有し、前記吸引導管(1)の前記出口(1b)と空気連通する第1の端部(7b)と、より大きい直径を有し、前記排出導管(2)の前記入口(2b)と空気連通する第2の端部(7c)との間の前記チャンバの軸(Z)に沿って展開する、前記管状チャンバ(7)と
-前記チャンバ(7)内で旋回循環を促進するように構成されている空気流方向付け手段と
-前記管状チャンバ(7)と連通し、前記第1の端部(7b)の近くに位置する少なくとも1つの水レザーバー(8)と
-前記レザーバー(8)に取り付けられており、噴霧された水を排出して、前記第1の端部(7b)を通って前記チャンバ(7)に入るのを促進するように構成されている、噴霧器手段(9)とを備えており、
噴霧された水の前記排出が、前記第1の端部(7b)から前記チャンバ(7)に入る、処理される空気によって囲まれ、前記旋回循環の効果によって、前記汚染物質粒子を保持する水の堆積物が、前記チャンバ(7)の前記内側面(7a)表面に付着して形成され、前記レザーバー(8)に戻る傾向がある、
前記着用可能な空気処理デバイス。
【請求項2】
前記空気流推進手段が、少なくとも1つのインペラ部材(4)を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記空気流方向付け手段が、遠心インペラとして構成されており、前記管状チャンバ(7)内に同軸で支持されている、前記少なくとも1つのインペラ部材(4)によって形成されている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記チャンバ(7)が円錐台形状を有する、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
前記噴霧器手段が、悲しい少なくとも1つのレザーバー(8)内に水振とう手段を備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記水振とう手段が、1つ以上の圧電素子(9)を備える、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記1つ以上の圧電素子が、多孔質材料から作製された1つ以上のホイル(9)を備えており、前記噴霧器手段が、前記レザーバー(8)と前記ホイル(9)との間に、前記レザーバー(8)から水を前記ホイル(9)に供給するためのキャピラリーダクト(37)を延在して更に備えている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記キャピラリーダクト(37)が、多孔質材料又はスポンジ状材料から作製された1つ以上の本体によって設けられる、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
少なくとも前記レザーバー中で水に対して殺菌作用を行うようなされている、1つ以上のUVC放射線照射LEDを備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項10】
前記レザーバーの高さで配置されている少なくとも第1のLEDストリップ(38a)と、前記チャンバ(7)の周りに展開する第2の螺旋状LEDストリップ(38b)を備える、請求項6に記載のデバイス。
【請求項11】
前記導管(1、2)が、前記ユーザの頭部への適合性を改善するために1種以上の復元力のある変形可能な、又は関節接続された区域を備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイス(X、Y)の一般展開部の平面上に実質的に位置しており、前記デバイスの使用位置において、前記ユーザの頭部の横断平面に対応する、吸引導管(1)及び排出導管(2)を備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項13】
前記チャンバ(7)が、前記デバイスの前記一般展開面(X、Y)に直交する前記チャンバ-軸(Z)と配置されている、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
請求項3に従属する場合、前記処理ユニットが、下側部分(31a)及び上側部分(31b)であって、それらのどちらも概ねディスク形状をしており、前記チャンバ軸(Z)に対して実質的に極性対称性で展開している、前記下側部分(31a)及び上側部分(31b)によって規定されている箱様ハウジング本体(31)を備えており、前記吸引導管(1)及び排出導管(2)は、実質的に接線角度に従い前記下側部分(31a)及び前記上側部分(31b)において、前記本体(31)とそれぞれ連結しており、前記チャンバ-(7)は、前記下側部分(31a)に収容されたスリーブによって形成されて、その結果、前記チャンバの前記第2の端部(7c)は、前記上側部分(31b)に隣接しており、前記下側部分(31a)は、前記噴霧器手段(9)を支持する透過性ダイヤフラム(32)によって、その基底部で閉じられており、前記ダイヤフラムは、前記本体(31)の内側と前記レザーバー(8)とを分離しており、前記下側部分(31a)は、前記スリーブ(7)の底部の周辺において、及び前記チャンバの内側方向に、吸引導管(1)によって供給される空気を分配させて、前記チャンバの前記第1の端部(7b)と前記ダイヤフラム(32)との間の通路に流すための下部トロイダル型チャネル(33)を形成し、前記上側部分(31b)は、前記エネルギー供給手段(6)を支持し、前記インペラ部材(4)を中央部に収容し、前記インペラ部材(4)の周辺で、前記空気の放射状分布を行うための上部トロイダル型チャネル(35)を形成し、前記排出導管(2)の方向に前記空気を供給する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
請求項7に従属する場合、前記透過性ダイヤフラム(32)が、前記1つ以上の圧電ホイル(9)を収容するための座部(32c)の分布、並びに前記キャピラリーダクト(37)及び前記スリーブの前記第1の端部(7b)から延在する排出管(36)のための孔(32d、32f、32g、32h)の分布を実現し、前記スリーブの前記第1の端部(7b)が、内側に折り畳まれて、前記チャンバ(7)の内側面(7a)に沿って落ちる不純物と混合した水を収集するようになされている周囲ガター(7d)を形成する、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記チャンバ(7)が、前記デバイスの前記一般展開面(X’、Y’)に平行な又はその表面に存在する、前記チャンバ-軸(Z’)と配置されている、請求項12に記載のデバイス。
【請求項17】
請求項4に従属する場合、チャンバ取り込み管状マニホールド(131)が、前記吸引チャネル(101b)の前記出口と、前記チャンバ(107)の前記第1の端部(107b)との間に配置されており、前記マニホールドが、前記第1の端部(107b)において、前記チャンバ(107)の内径と実質的に相当する内径を有しており、前記マニホールドの内側表面上において、座部(132)が、個々の圧電ホイル(109)を収容するよう形成されており、個々の座部(132)と前記レザーバー(108)との間に延在する前記キャピラリーダクト(137、137b、137c)によって、前記圧電ホイル(109)に水が供給され、前記レザーバー(108)が、下側区域における前記マニホールドの放射状拡張部として構成されている、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記レザーバー(108)を形成する前記放射状拡張部が、その底部に、前記汚染物質粒子の収集を支援する空洞(108a)を有する、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
チャンバ排出マニホールド(139)が、前記チャンバの前記第2の端部(107c)と前記排出導管(102)の前記入口(102b)との間に配置されており、前記空気流の軸方向経路にしたがって、前記チャンバ(107)の前記第2の端部(107c)の直径に相当する直径を有する、前記チャンバのすぐ下流の円筒形セグメント(139b)と、空気通路区域を前記排出導管(102)の区域に狭める円錐セグメント(139c)とを連続して備えており、前記円筒形セグメント(139b)が、接続カップ(139a)によって前記チャンバ(107)に連結されており、前記接続カップ(139a)に前記遠心インペラ部材(104)が収容され、前記インペラ部材(104)の下流に、及びしたがって前記円筒形セグメント(139b)に向かって流出する空気を分配して方向付けるための上部トロイダル型チャネル(135a)を周囲に規定し、前記円筒形セグメント(139b)において、ロータ(110)が配置されており、前記インペラ部材(104)と共に回転駆動され、前記トロイダル型チャネル(135a)からの流れを軸方向に更に促進し、依然として前記円筒形セグメント(139b)の内側に、前記エネルギー供給手段(106)のためのハウジングを取り囲む環状隙間(135b)に前記流れを導入するための軸方向ベーンを備えて構成されている、請求項16~18のいずれかに記載のデバイス。
【請求項20】
少なくとも前記レザーバー(8)が、前記デバイスの残りから脱着可能に支持されている、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【請求項21】
前記エネルギー供給手段が、モータ(6)及び充電式電池手段を備える、前記請求項のいずれかに記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの頭部に着用されるよう構成されているデバイスであって、呼吸空気浄化機能が設けられたデバイスに関する。特に、本発明は、浄化機能がユーザの顔を実質的に自由にさせることによって確保される、このようなデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に環状であると述べることができる構造において、浄化された空気の流れをユーザ自身による吸入のためにユーザの鼻-頬領域に向かって供給するような方法で、ユーザの頭部の側部又は底部で展開する導管を備える、上記で示したタイプのデバイスが公知である。この目的のために、導管は、ユーザの頭部の後部領域に配置されるようになされており、インペラ部材を有する空気流推進手段と、空気流を浄化する機能を実行するようになされている空気処理手段とを備える空気処理ユニットに、機械的にかつ空気圧によって取り付けられて、相互に接続されている。公知の解決策の中には、ユーザの顔を実質的に開放して自由にさせることを含むものがあり、導管は、前述の鼻-頬領域の側部に位置決めすることができる開口部で終端している。それらの中で、例えば、国際公開第2015/140776号、米国特許第10821255号、中国特許第106669056号に示されているデバイスは、言及する価値がある。
【0003】
このタイプの解決策により、デバイスは、大気汚染からのある程度の量の保護を確実にする(ユーザが通常の大気及び/又は外部環境の通常の大気よりもより多い量の処理/ろ過後の空気を吸入することができることを確実にする)のに適度に効果的なものとなり、同時に、顔をきれいにしたままにすることによって確保される関連能力を保護し、かつその連続使用又は長期使用を妨げる不快感なしに、良好な着用快適性をはっきりと実現する。
【0004】
呼気の吸引及びその結果としての処理/ろ過の機能がやはり実現され得るが、これは、文書国際公開第2013/082650号の主題であるデバイスなどの、鼻-頬領域を覆うデバイスの状況において実現される傾向がある。したがって、後者の場合、これらのシステムは、特別な状況及び限られた期間を除いて、ほとんど許容できるものではない。
【0005】
一般に、これらの公知のデバイスに採用される強制換気システムは、いずれの場合も、浄化された空気のかなりの部分が環境に放散される開回路を生成するようなものであり、このろ過システムは、完全に未処理の周囲空気から開始して新しい処理後の空気を連続的に生成するという負荷を有する。
【0006】
これに加えて、このようなシステムに採用される処理及び/又はろ過ユニットは、ある特定の場合、許容される性能を示すことがあるが、通常、フィルタ、カートリッジ又は同様のものの定期的な交換作業を受けるか、又はいずれの場合でも、ユーザに高い頻度で面倒なだけでなく、とりわけ非常に費用のかかる維持作業を強いる。公知のデバイスのいくつかは、いずれにしても、比較的かさばり、重く、したがって、それらの使用を促す可能性は低い。
【発明の概要】
【0007】
このような最新技術を考慮し、本出願人は、これより、頭部に着用されるように構成されているタイプの着用可能な呼吸空気浄化デバイスであって、先行技術によって利用可能になったものとは異なり、以下の目的のすべてを同時に達成する、呼吸空気浄化デバイスを開発した:
-エネルギー消費量が少なく、かつろ過/処理システムの維持が軽減された、高いろ過効率又は浄化効率;
-鼻-頬領域が自由になることによる快適な着用であり、その結果、社会的及び関係活動を損なうことなく、かつ任意の種類のマスクシステムによって誘発される低酸素症のリスクを伴わず、連続的に使用することができる;
-汚染物質及び感染性病原体の両方に対して有効性がある;
-小型、軽量かつ人間工学的である。
【0008】
これら及び他の補助的な目的は、着用可能な呼吸空気処理デバイスによって達成され、その本質的な特徴は、添付の特許請求の範囲の第1項によって規定される。他の重要な追加の特徴は、従属する特許請求の主題である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の着用可能な呼吸空気処理デバイスの特徴及び利点は、添付の図面を参照しながら、限定ではなく例としてなされる、その実施形態の以下の説明から明白である。
図1】第1の実施形態における、本発明の着用可能なデバイスの不等角投影図である。
図2】ユーザの頭部に着用された、図1のデバイスの概略図を示す。
図3図2の第1の実施形態におけるデバイスの、やはり軸則投影図で表した、立体分解図である。
図4】空気回路を強調するために異なるレベルで分割された部品を有する、図3のデバイスの上面図である。
図5図4の断面V-V、図6の一部が省略されたデバイスの断面図である。
図6図4の断面VI-VIによる、図6の一部が省略されたデバイスの断面図である。
図7図6におけるデバイスの空気処理ユニットの断面不等角投影図である。
図8】第2の実施形態における、本発明の着用可能なデバイスの不等角投影図である。
図9図8の第2の実施形態におけるデバイスの、やはり軸則投影図で表した、立体分解図である。
図10】デバイスの一般的な展開面上で行われた、図8及び図9のデバイスの断面図である。
図11図10の断面XI-XIにおける、第2の実施形態のデバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
当該図を参照すると、本発明のデバイスは、顔を実質的に自由にすると同時に、ユーザの頭部C(図2)に着用されるように構成されている実質的に環状の構造を有する。
【0011】
このデバイスは、デバイスが装着されると、ユーザの鼻-頬領域の近くに配置されている、浮遊汚染物質粒子を含む処理される空気の吸引入口1a、101aと、ユーザの頭部の近くの領域に配置される空気出口1b、101bとの間に展開する少なくとも1つの空気吸引導管1、101を備える(数字は両方の実施形態を指す)。
【0012】
次に、少なくとも1つの排出導管2、102は、次に、鼻-頬領域の近くに配置(吸引入口1a、101aが面する側に対して反対側に傾いて)され、かつ鼻-頬領域に沿った処理後の空気排出出口2a、102aと、頭部の後部領域に配置されるようになされている入口2b、102bとの間に展開する。排出導管の断面は、空気のプライミングを容易にするために、少なくとも出口間隙を有する端部において、吸引導管の対応する断面(吸引入口間隙を有する端部)よりも小さいことが好ましい。
【0013】
2つの導管1、2、101、102は、空気処理ユニット3、103に機械的かつ空気圧により(それぞれ、吸引導管の出口及び排出導管の入口と共に)連結されており、したがって、空気処理ユニット3、103は、次に、頭部の後部領域に配置されるようになされている。
【0014】
処理ユニット3、103は、吸引導管から排出導管への空気流を促進するための空気流推進手段を備えており、実際には半閉ループ回路を実現し、それによって、空気が鼻-頬領域から吸引され、処理ユニットを通過し、前述の領域に排出されて戻る。唯一の開口部は、ユーザの鼻-頬領域における各導管の出口-入口間にある、分離部の空間であって、ユーザの吸気に利用可能な処理後の/健康な空気が行き渡る、空間部によって表される。しかし、入口-出口の隙間が位置決めされる方法に起因して、吸引導管によって徐々に吸い戻されるものは、排出導管によって放出される大部分の処理後の空気であり、この意味で、半閉鎖状態に近い回路と言うことができる。
【0015】
次に、処理ユニットは、直後により詳細に議論される、実際の処理/ろ過システム5、105と、インペラ部材を動かし、処理/ろ過システムにエネルギーを供給するための充電式電池により電力供給されるマイクロモータ6、16などのエネルギー供給システムとを備える。配線、スイッチ、及び一般的に、デバイスに採用される単純な電気部品の動作を保証するために一般に必要とされるものは、明らかに当然のものであり、明らかに実装可能であるので、それらは図示されていない。例えば、及び特に、モータの動作及び/又は導管の断面に作用して、デバイスをそれ自体の必要性に適合させるために、事前に確立された介入部内に気流の流量及び/又は速度を調節又は部分化するための明白な手段が設けられる。
【0016】
やはり、本発明によれば、処理/ろ過システムは、管状チャンバ7、107であって、例えば、より小さな直径を有し、吸引導管の出口と空気連通する第1の端部7b、107bと、排出導管の当該入口と空気連通し、したがって、空気流推進手段によって促進される循環によって影響を受ける、より大きい直径を有する第2の端部7c、107cとの間の軸Z、Y’に沿って展開する内側面7a、107aを規定する、必ずしもその必要はないが円錐形を、又はより適切には円錐台をしている、上記の管状チャンバ7、107を備える。チャンバ自体の内部で旋回循環を促進するようになされている、空気流方向付け手段もまた、チャンバに取り付けられている。
【0017】
他の可能な解決策を排除するものではないが、好ましい解決策によれば、推進手段及び空気流を方向付けるための手段は、同じ部品であるインペラ部材4、104によって作製されており、このインペラ部材4、104は、有利には、回転軸Z、Y’を有する、チャンバの内側を遮るよう、チャンバと同軸に配置されており、遠心インペラのような適切なブレードと共に構成されている。
【0018】
水レザーバー8、108は、チャンバと連通し、より小さい直径を有する第1の端部7b、107bの近くに位置する。当該レザーバーは、水噴霧器手段9、109、例えば、第1の端部を通ってチャンバに入る噴霧された水の排出を促進するように構成されている、レザーバー内に入れられた水を撹拌するための手段によって影響を受け、それによって、噴霧された水は、第1の端部を通ってチャンバに入る、処理される空気によって囲まれ、例えば、インペラによって促進される旋回循環の効果によって、当該汚染物質粒子を保持する水の堆積物がチャンバの内側面に付着して形成されてレザーバーに戻る傾向があり、レザーバーとユニットの残りの部分との間の可逆的接続のおかげで、水の補充/交換と共に、レザーバーから汚染物質粒子を定期的に廃棄することができる。
【0019】
これは、実施形態の選択肢、したがってここでは第1の実施形態及び関連する図1図7をより具体的に参照して一般的に述べられており、処理ユニット3は、デバイスの一般的な展開部の平面XY、すなわち導管のレイアウトによって規定された平面であって、デバイスを使用する配置では、頭部の横断面に対応する上記の平面に対して直行して配置された、インペラの回転軸Z及びチャンバの展開部の軸Zと共に構成されている。実際には、使用のこのような配置では、ユーザが直立位置にある場合、軸Zは実質的に垂直である。
【0020】
この場合、処理ユニット3は、他の部品を収容及び支持するための箱様本体31であって、一般的にディスク形状である下側部分31a及び上側部分31bによって規定され、下側部分に対してより大きな切断面を有し、軸Zに対して極対称性で展開する、箱様本体31を備える。吸引導管1及び排出導管2は、それぞれ、本体の下側部分及び上側部分において、実質的に接線角で係合する。
【0021】
下側部分又はボリュート31aは、軸Zに直交して位置し、本発明者らが後で戻す透過性ダイヤフラム32によって底部で閉じられており、こうして、透過性ダイヤフラム32は、箱様本体31の内側と、下部レザーバー8と、部品とを分離しており、これらの間の可逆的な連結が、上述したとおり、例えば、好適なシール(図示せず)を有するねじ32c~8bと共に有利に動作することができる。下側部分31aはまた、例えば、ちょうど円錐形のスリーブ7を中央に収容し、スリーブ7は、第2の端部7c(この場合、上側)が上側部分又はボリュート31bに隣接するように、上記チャンバを実体化する。下側部分31aは、スリーブ7の周りに、吸引導管1によって供給される空気をスリーブ自体の底部の周りに分配するための下部トロイダル型チャネル33を展開する。その第1の端部7bを有するスリーブは、トロイダル型チャネルとスリーブ又はチャンバ7の内側との間に空気流の通路34を形成するように、ダイヤフラム32に対して離間されている。
【0022】
上側部分31bは、遠心インペラ4を中央部に収容し、この遠心インペラ4は、上述したように、円錐形スリーブ7の第2の端部7cに配置されており、空気を放射状に分配し、空気を排出導管2の方向に向かわせる上部トロイダル型チャネル35を遠心インペラ4の周りに規定する。
【0023】
透過性ダイヤフラム32に戻ると、例示されている実施形態では、透過性ダイヤフラム32は、前述の噴霧器手段が有利なことに作製される多孔質圧電ホイル9の形態の個々の撹拌素子を収容する座部32cが分布した主隔壁32aを有する。この実施形態の解決策では、水はホイルに供給され、ホイルは、適切な周波数で振動することによって、撹拌と、第1の端部7bからチャンバ7内に噴霧された水のその後の拡散とを担い、有利なことには、レザーバーの内側から上昇し、座部32cの下で孔32dが好適に設けられた隔壁32aを貫通するダクト37を通る毛管現象の現象を利用する。これらのダクトは、例えば、酢酸セルロースなどの多孔質材料又はスポンジ状材料から作製された、公知の構造体の本体によって具現化され、毛管現象による水の上昇という物理的現象を発生させるために精密に好適な小さなチャネルを形成する。噴霧器手段は、上述したとおり、単純さ及び効率の点で有利な、振動によるこのような可能な実施形態の解決策を凌ぐ、エアロゾルの形成において同等の結果を生じるようになされた他のタイプの手段を含むことができる。
【0024】
ダイヤフラム32は、隔壁32a上に重ねられたカバー32eによって完成され、カバー32eは、圧電ホイルの座部32cを閉じ、その一致部に、噴霧された水がチャンバに向かって通過することを可能にする孔32fの第1の分布部を有する。板状カバー32eはまた、隔壁32aの通路32hに対応する孔32gの第2の分布部を有し、孔32g内に、個々の排出管36が貫通し、円錐形スリーブ7の第1の端部7bから延在しており、第1の端部は、内側面7aに沿って落下する不純物と混合された水を収集する機能を有する外周シャワー7dを形成するように内側に折り曲げられており、水は、シャワーと排出管36との間の連通によって沈殿してレザーバー内に戻ることが可能である。
【0025】
デバイスには、1つ以上のUVC放射性LEDストリップなどの他の処理システムを更に備えることができ、この場合、レザーバー8内の下部環状ストリップ38a及びスリーブ7の周りの上部螺旋状ストリップ38bは、すべて、本発明者らが認識しているとおり、好適に調整された前述のタイプの放射線放射によって実施することができる殺菌作用を正確に付与する。
【0026】
したがって、これまでに記載したデバイスは、特に、図4及び図6を参照して以下のように動作し、ここでは、矢印が空気及び水の流れを図式化している。一旦、頭部に着用され、導管が所定の位置に存在すると、排出導管2の出口間隙2a及び吸引導管1の入口間隙1aは、鼻-頬領域に位置して、交換容積Vを画定し、これは、デバイスの空気圧作用によって影響を受け、かつユーザの吸気及び呼気活動によって囲まれる呼吸空洞に面するので、空気交換容積を正確に表す。
【0027】
吸気中、容積Vから取り入れられた流入流は、周囲環境から来る空気によって補充される。呼気期の間、呼吸はデバイスに入る流れに合流する。このようにして、デバイスは、同じ呼気を含む大量の空気を繰り返し処理して浄化し、清浄度を高める。
【0028】
懸濁液中に微粒子物質、灰、揮発性物質の形態などの汚染物質を含む、処理される空気の通過後、当該のその通過はインペラ4によって促進され、空気は、次に、入口又は吸引入口間隙1aを通って吸引導管1に入り(図4の矢印A)、下側部分の下部トロイダル型チャネル33に到達し、空気自体をスリーブ7の底部に分布させて、その第1の端部7bを通ってその中に軸方向に吸い込まれる(図6の矢印B)。ここで、空気は、(図6及び図7の円錐領域Cによって図式化されている)圧電ホイル9の振動に起因してダイヤフラム32から上昇する噴霧された水を囲む。空気と汚染粒子/塵との混合物に対する、吸引によりインペラによって誘発される渦の作用は、ホイルによって生成される水の微小液滴を有する懸濁液中でこれらの粒子を凝集させるのに有利である。この混合物は、スリーブによって規定されたチャンバ内のインペラの方向に、旋回循環によってその軸に沿って引き込まれる(その軸方向の成分は、図6の矢印Dによって表される)。
【0029】
旋回流は、チャンバ7の第2の端部7cに近づくことによって、強い遠心成分を帯びる(同じ図6の矢印E)。この混合物の接線速度経路は、インペラ口に近づくにつれて大きくなり、その結果、遠心効果が増大する。こうして、インペラ4の口の近くでは、液滴及び取り込まれた物質は、内側面7a表面に沈着する傾向がある一方、空気は、インペラブレードの区画に入る。
【0030】
表面が分散直径形状をしているため、及びチャンバ内で生成される圧力に勾配があるため、この実質的に液体の堆積物は、第1の端部7bに向かって下降する傾向があり、そこからシャワー7d内に集まり、排出管36を通って(図6の矢印F)、レザーバー8の底部に堆積し、ここで、空気流から除去された汚染成分も蓄積する。底部で沈着するレザーバー内に集まった不純物は、レザーバーのねじを取り外すことによって除去することができ、この操作によって、消費された水も徐々に補充される。処理後の空気は、インペラの下流で上部トロイダル型チャネル35内に分配され、そこから排出導管2内に入り(図4の矢印G)、デバイスの外側の交換容積Vと再び合流し、ユーザの口及び鼻を横方向に囲んで、ユーザは、大部分が処理されて浄化された空気の吸入から恩恵を得る。
【0031】
こうして、このデバイスは、空気の連続的な流入を確保し、これによって、従来のフィルタマスクによって引き起こされる低酸素現象に関連するすべての問題をなくす。連続的な循環流は、大量の空気が数回、(再)処理されることを可能にし(既に処理された空気の割合は、徐々に吸い込まれる空気の85~90%と高くなり得る)、こうして、空気浄化のレベルを向上させることが可能となる。デバイスの構成により、顔の前面が遮られない状態にすることが可能となり、関係的/社会的な観点において絶対的な利点を保証する。インペラ及び空気回路の通路区域を適切にサイズ決めすることによって、排気された処理後の空気の余剰の体積供給(最大60リットルの空気/分)及び高い流速(例えば、約10m/s)を確保することが可能になり、この要件は、ユーザが吸入する空気の最高品質を保証する。
【0032】
適切な芳香物質又は医薬物質でさえも水レザーバーに溶解することができ、一旦、噴霧されると、ユーザによって吸い込まれ、更なる恩恵をもたらす。より一般的に述べると、水に関して述べる場合、本開示の文脈では、使用に適する傾向がある最も単純な液体を示すよう意図されたが、他の液体物質がデバイスの動作を確実にするのに好適な程度にまで使用され得る可能性を除外するものではないことが指摘されるべきである。
【0033】
明らかに、デバイスは、フィルタが飽和状態に達すると、定期的に交換する必要があるフィルタを必要としない。ろ過操作を行うために水(好ましくは蒸留水)を使用することは、環境への影響がなく、使用条件に応じて一定時間後に単に水を補充することしか必要としない。
【0034】
導管は、一方では、着用に必要な変形性を確保し、他方ではユーザの見た目への適合性、及び文脈上、安定であると同時に快適な着用を確保するために、導管に適切な復元力、可能性としてある程度の弾性さえももたらすのに好適な材料若しくは技術から全体又は一部が作製される。しかし、快適さ及び安定性を更に向上させるために、デバイスに付属品又は補助具、例えばパッド、頭部支持ひもなどが装備され得ることは除外されない。同様に、デバイスの概念的構成は、より多く巻き付けられた構造(ヘルメット又は類似物)に一体化され得る。
【0035】
処理ユニットの構造は、流水、及び後の使用前に導管内に留まる可能性があるいかなる不純物も除去するのに好適な洗浄剤での洗浄を容易にするため、着脱可能な部品を用いて容易に作製することができる。UVC LED技術の採用は、ヒトの健康に潜在的に危険な微生物及びウイルスに対抗するための滅菌機能を強化する。
【0036】
モータ、噴霧器手段及び任意のUVC LED手段に適正な自律性を供給するための電源電池は、標準的な技術にしたがって、例えば、USBコネクタによる充電式のものであり得る。モータは、例えば、12/13000rpmのインペラ回転速度を発生するようになされている単純6Vマイクロモータとすることができる。実施形態に応じて、他の技術又は速度範囲がより適切なことがある。
【0037】
当業者であれば、処理された空気の品質、レザーバーの充填、及びデバイスの他の制御パラメータをリアルタイムでモニタリングすることが可能な任意のセンサを実装することも困難ではない。これらのセンサは、最終的に、デバイスに適切な電子部品及び通信部品を装備することによって、スマートフォン用に開発された専用アプリケーションと対話して、アプリケーション自体を介してデバイスを管理し、例えば、呼吸係数に関する個人パラメータをモニタリングすることができる。ユーザによる許可を条件として、ネットワークを介して収集された特定のデータを共有することにより、リアルタイムでの空気品質マッピングを規定領域内で実行することも可能になり得る。
【0038】
第1の実施形態に関して説明したことに加えて、本発明は、異なる構成の解決策を用いて実施するように縮小することができることは明白である。これらのうち、以下で参照される図8図11の特定の主題である第2の実施形態、及び処理ユニット103において、この場合Y’で示されるインペラ及びチャンバの共通軸は、既に上記で規定したデバイスの一般展開部の平面X’Y’上に存在するか、又はいずれの場合もこの平面に平行である。実際には、使用の配置において、ユーザが直立位置にある状態で、軸Y’は実質的に水平であり、左右差の方向に向いている。
【0039】
したがって、チャンバ107のより小さい直径107bを有する第1の端部及びより大きい直径107cを有する第2の端部(内側表面107aを規定する)は、再度、デバイスが装着された状態で、ユーザの頭部の個々の側面に向けられ、吸引導管101及び排出導管102は、実質的に(共)軸角度で、ここで合流する。したがって、空気流は、主成分が基本的に軸方向のままで発生する。
【0040】
このような異なる構成により、この実施形態のいくつかの異なる構造選択肢が生じ、流れを促進して方向付けるための遠心インペラ部材を想定する構造に関連して、以下の残りに説明する(しかし、この構造手段は、原理的には、ここで検討される実施形態の場合にも可能な唯一のものではない)。
【0041】
液体撹拌/供給機能に関すると、この場合、吸引チャネルの出口101bとチャンバ107の第1の端部107bとの間に、第1の端部107bにおいて、チャンバ107の内径に実質的に対応する内径を有する、チャンバに入るための円筒管状マニホールド131が設けられてもよい。マニホールド131の内側表面には、個々の圧電ホイル109を収容する座部132が規定されており、この圧電ホイル109に、個々の座部132と、下部領域のマニホールド(すなわち、デバイスが装着されたときに下に配置される)の放射状の拡張部として本明細書において構成されているレザーバー108との間に延在するキャピラリーダクト137a、137b、137cによって水が供給される。この目的のために、ダクトは、この場合、異なる展開部を有しており、第1のダクト137aは、特に、その目的のために適切なリブ131aが設けられているマニホールドの円周に沿って細長いアーチ状の展開部を有するレザーバーから最も遠いホイルに液体を供給し、2つの他のダクト137b、137cは、レザーバーに最も近いホイルに輸送するための、実質的に放射状の展開部を有するものである。
【0042】
上述したとおり、レザーバー108を形成する下側の放射状の拡張部は、有利には、不純物の収集が有利となる、底部に小窩108aを有することができる。
【0043】
浄化された空気流の出口領域を参照すると、チャンバからの出口マニホールド139は、チャンバの第2の端部107cと排出導管102の入口102bとの間に配置されており、空気流の軸方向経路にしたがって連続して、第2の端部におけるチャンバの直径に対応する直径を有する、チャンバのすぐ下流にある円筒形セグメント139bと、通路断面を排出導管の断面まで狭める円錐セグメント139cとを備える。
【0044】
より詳細には、円筒形セグメント139bは、接続カップ139cによってチャンバ107に連結されており、接続カップ139c内には、遠心インペラ104が中央部に収容されており、接続カップ139cは、流出空気を分配して方向付けるためのトロイダル型チャネル135aを周囲に規定している。インペラの下流、したがって、すなわち円筒形セグメント139b内には、インペラ104と共に回転駆動され、明らかにインペラと同軸であるロータ110が存在する。ロータ110は、トロイダル型チャネル135aからの流れを軸方向に更に促進し、この流れを環状空洞135b内に注入するように、軸方向ブレードを備えて構成されており、環状空洞135bは、再び、円筒形セグメント139b内で、モータ106用のハウジング区画を取り囲む(図10及び図11のみに概略的に示されている)。ステータ素子(ここでは図示せず)は、当業者に明らかなことにしたがって、インペラとロータとの間の軸方向に循環を輸送するのに一般に有用である。
【0045】
最後に、円錐セグメント139cは、排出導管102の入口102bまで空気流を運ぶ役割を有する。UVC放射性LEDストリップは、この実施形態でもやはり、レザーバー8内の第1のアークストリップ138a及びスリーブ107の周りの上部螺旋状ストリップ138bの形態で設けられているか、又は設けられ得る。最後に、この実施形態の図面は、上記で一般に既に提供され、第1の実施形態の文脈でもやはり明らかに使用可能であるように、ユーザの頭部への適合性を改善するために少なくとも復元力のある変形可能な、又は関節接続された中央区域を想定する導管の展開を例示し、吸引導管の入口101aを遮断することができるメッシュフィルタ111も表されている。
【0046】
この場合も、処理される空気の経路にしたがって、次に、空気は、吸引導管101に入り(図10の矢印A’)、スリーブ107の底部に軸方向に直接到達し、その第1の端部107bを通り、その中に軸方向に引き込まれる(図10及び図11の矢印B’)。ここで、空気は、圧電ホイル109によって噴霧された水を囲む(図11中の円錐形領域C’)。この場合も、ホイルによって生成される水の微小液滴による懸濁粒子の凝集に有利に働くのは、インペラによって誘発される渦巻運動である。この混合物は、旋回循環によって、チャンバ内でその軸に沿ってインペラに向かって引き込まれる(その軸方向の成分は図11の矢印D’によって表される)。
【0047】
チャンバ107の第2の端部107cに向かって、流れの遠心成分(矢印E’)は、液滴及び取り込まれた物質を押し出して、内側面107aの表面に沈着させる、一方、空気はインペラの区画に入る。この場合、液体堆積物を第1の端部107bの方向に引き込み、レザーバー108内に蓄積すること(矢印F’)を促進するのは、主に、発散チャンバ内に発生する圧力勾配である。
【0048】
処理後の空気は、トロイダル型チャネル135a内のインペラの下流に分配され、そこから軸方向ロータ110のブレードを通ってマニホールド139の円筒形セグメントの空洞135b内に入り、再度、矢印G’によって示される軸方向で分配され、次いで円錐セグメント139c内に送られ(矢印H’)、次いで排出導管102に入る(矢印I’)。
【0049】
この第2の実施形態もまた、明らかに、本発明を実際に実施することができる構成選択肢を説明し尽くしたわけではない。したがって、好ましい実施形態を参照してこれまで説明してきたことと同様に、他の実施形態が添付の特許請求の範囲の保護の範囲内に存在し得ることを理解されたい。
図1
図2
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図10
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【国際調査報告】