特表 2024-521395 インペラおよびインペラの製造方法

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-05-31

(54)【発明の名称】インペラおよびインペラの製造方法

(51)【国際特許分類】

   F04D 29/22 20060101AFI20240524BHJP

   F04D 29/28 20060101ALI20240524BHJP

【ＦＩ】

F04D29/22 H

F04D29/28 R

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023575650

(86)(22)【出願日】2022-05-31

(85)【翻訳文提出日】2024-01-18

(86)【国際出願番号】 EP2022064693

(87)【国際公開番号】W WO2022258428

(87)【国際公開日】2022-12-15

(31)【優先権主張番号】102021000015179

(32)【優先日】2021-06-10

(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】523458601

【氏名又は名称】エバラ パンプス ユーロッパ エス．ピー．ア．

【氏名又は名称原語表記】ＥＢＡＲＡ ＰＵＭＰＳ ＥＵＲＯＰＥ Ｓ．Ｐ．Ａ．

(74)【代理人】

【識別番号】110000659

【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】バルザリン，パオロ

(72)【発明者】

【氏名】アバンツィ，ステファノ

(72)【発明者】

【氏名】ベネトン，ファブリツィオ

(72)【発明者】

【氏名】トロビ，マルコ

【テーマコード（参考）】

3H130

【Ｆターム（参考）】

3H130AA02

3H130AA12

3H130AB22

3H130AB46

3H130AB62

3H130AC30

3H130BA66C

3H130BA97C

3H130BA98C

3H130CB01

3H130CB09

3H130CB11

3H130EA00C

3H130EA01C

3H130EC05C

3H130ED01C

(57)【要約】

インペラ、特に遠心ポンプ用のインペラ（１）は、インペラの中心軸と同軸に配置されると共に、中心軸の周りに角度を付けて分布する複数の半径方向ブレード（４）によって互いに堅固に接続されたフロントプレート（２）およびバックプレート（３）を備える。フロントプレートは、インペラを駆動シャフトに接続するように適合された中央貫通開口（７）を有する。インペラは、中央貫通開口の周囲に延在すると共にフロントプレートを少なくとも部分的に覆う補強部（１０）を含む。フロントプレートおよび補強部が、金属シートの打ち抜き、折り曲げ、および平坦化によって形成された単一の部品によって構成される。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

インペラ、特に遠心ポンプ用のインペラであって、当該インペラの中心軸と同軸に配置されると共に、前記中心軸の周りに角度を付けて分布する複数の半径方向ブレードによって互いに堅固に接続されているフロントプレートおよびバックプレートを備え、前記フロントプレートが、当該インペラを駆動シャフトに接続するように適合された中央貫通開口を有してなる、インペラにおいて、
当該インペラが、前記貫通開口の周囲に延在すると共に、前記フロントプレートを少なくとも部分的に覆う補強部を備え、
前記フロントプレートおよび前記補強部が、打ち抜かれ、曲げられ、そして平坦化された金属シートの単一ピースによって構成されている、ことを特徴とするインペラ。

【請求項2】

前記補強部が、実質的に環状であることを特徴とする、請求項１に記載のインペラ。

【請求項3】

前記補強部が、前記フロントプレートに完全に密着していることを特徴とする、請求項１または２に記載のインペラ。

【請求項4】

前記インペラが、前記フロントプレートと前記補強部との間の曲げ線で実質的に延在する加工硬化材料の部分を備えることを特徴とする、請求項１から３のいずれか一項に記載のインペラ。

【請求項5】

前記フロントプレートと前記補強部との間の前記曲げ線が鋭利な縁部を形成することを特徴とする、請求項１から４のいずれか一項に記載のインペラ。

【請求項6】

前記フロントプレートが、軸方向の推力を低減するように形作られた周辺プロファイルを有することを特徴とする、請求項１から５のいずれか一項に記載のインペラ。

【請求項7】

前記バックプレートが、前記貫通開口および前記駆動シャフトよりも大きい直径を有する中央貫通孔を有することを特徴とする、請求項１から６のいずれか一項に記載のインペラ。

【請求項8】

インペラ、特に遠心ポンプ用のインペラを製造する方法であって、前記インペラが、互いに同軸に配置されると共に、前記インペラの中心軸の周りに角度を付けて分布する複数の半径方向ブレードによって互いに堅固に接続されているフロントプレートおよびバックプレートを備え、前記フロントプレートが、駆動シャフトへの前記インペラの接続のために予め設定された中央貫通開口を有してなり、
ａ）金属のシートを打ち抜くことによって前記フロントプレートおよび関連する貫通開口を形成するステップと、
ｂ）金属のシートを打ち抜くことによって前記バックプレートを形成するステップと、
ｃ）金属のシートを打ち抜くことによって前記半径方向ブレードを形成するステップと、
ｄ）前記半径方向ブレードが前記インペラの中心軸の周りに角度を付けて分布するように、前記半径方向ブレードを前記フロントプレートと前記バックプレートとの間の一方に堅固に接続するステップと、
ｅ）前記半径方向ブレードを前記フロントプレートと前記バックプレートとの間の他方に堅固に接続するステップと、
を含む方法において、
前記ステップａ）が、
ａ１）前記貫通開口の縁部領域の少なくとも一部分から余剰材料の少なくとも一部分を折り畳むステップと、
ａ２）前記フロントプレート上でステップａ１）において折り畳まれた前記余剰材料の一部分を平坦化するステップであって、それによって前記貫通開口の周囲に延在する補強部を形成すると共に、前記フロントプレートを少なくとも部分的に覆う、ステップと、
を含んでなることを特徴とする、方法。

【請求項9】

前記補強部が、実質的に環状であることを特徴とする、請求項８に記載の方法。

【請求項10】

前記補強部が、前記フロントプレート上に完全に置かれていることを特徴とする、請求項８または９に記載の方法。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、特に遠心ポンプ用の、インペラおよびインペラの製造方法に関する。

【背景技術】

【0002】

既知のように、遠心ポンプは、１つまたは複数のインペラの回転によって流体に与えられる遠心加速度によって、ポンプへの入力において流体に機械的エネルギーが作用する流体力学的機械である。
実際には、各インペラの仕事は、流入ダクトから流体を引き出し、運動エネルギーの形態でモータによって伝達された機械的エネルギーを流体に伝達することである。
遠心ポンプは、単段構成の単一のインペラ、または直列に配置された複数のインペラを有する場合があり、その場合、遠心ポンプは多段ポンプと呼ばれる。

【0003】

インペラは、本質的に、概して半径方向の延長部を有し、分岐ダクトを形成するブレードを備えた回転要素である。インペラは、要件および要求される性能に応じていくつかの構造的な変形形態で製造される場合がある。
特に、打抜板金で作られたインペラは、概して、間隙を形成するように軸方向に互いに対向する一対のディスク形状プレートで作られ、半径方向ブレードが２つのプレートを堅固に接続する。
また、ハブまたは同等の結合装置が各インペラの中心に設けられ、モータ手段に機能的に接続された駆動シャフトにインペラを固定することを可能にする。

【0004】

トルク伝達に関して、従来技術による打抜板金で形成されたインペラは、実質的に２つのタイプのものである。
第１のタイプによれば、インペラの基本ディスク、すなわちブレードと駆動シャフトとの間でトルクを伝達するように設計されたプレートは、応力に耐えるのに十分な厚さで形成される。
第２のタイプの構造によれば、局所的な部分においてのみ材料の必要な厚さに達するように、応力伝達に割り当てられた領域において補強要素が溶接される。
応力が、単に増大された厚さによってトルク伝達の問題を解決することが不経済であるようなものである場合、第２のタイプの構造が一般に採用される。

【0005】

上記の技術は、上記で挙げた問題のいくつかを解決するが、それらは、高い製造コストと、ときには外部供給業者も伴う製造プロセスとを伴い、明らかな問題および供給に関連するリスクを伴う。
また、上述の技術は、一般に、インペラの全体的な重量の増加を伴う。

【0006】

特許文献１は、ブレードとカバー本体との両方を金属シートから切断し、定位置に組み立てることを含む遠心ポンプの製造方法を開示している。次いで、ブレードは、ブレードとの接触点とは反対側のカバー本体の側部に照射されるレーザビームを使用してカバー本体に溶接される。第２のカバー本体は、ブレードを第１のカバー本体に溶接するときと同様の動作でブレードに溶接される。

【0007】

特許文献２は、異なる直径を有し、回転軸と同軸に配置され、間隙を形成するように互いに対向する２つのディスク部材を有するインペラアセンブリを開示している。ブレードは、間隙内に半径方向に配置される。２つのディスク部材には、回転軸を中心に回転する伝動シャフトに締結するための締結手段も中央に設けられている。輪郭形成されたベーンは、最小直径を有し、ブレードに配置されたディスク部材の周辺領域から半径方向に突出する。

【0008】

特許文献３には、素材を加工して円筒状突起を形成した環状薄板をプレス加工し、円筒状突起を座屈させることにより、ボス部が嵌め込まれた軽環状フランジ板を製造することが開示されている。

【0009】

特許文献４は、穴を画定する金属部材を開示しており、この中で、フランジを形成し、フランジのロールされた外面が穴の周囲を画定するようにフランジを折り返すことによって穴が補強される。剪断縁部は、穴の周囲から離間している。孔に挿入された締結具のシャフトは、剪断されていない表面に接触する。補強リングをフランジの周りに組み付けることができる。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0010】

【特許文献1】独国公開特許第４４４６１９３号（Ａ１）

【特許文献2】米国特許出願公開第２０１７／２６０９９２号（Ａ１）

【特許文献3】特開昭５８－８４６１８号公報

【特許文献4】米国特許出願公開第２０１２／３１５１０９号（Ａ１）

【発明の概要】

【0011】

本発明の目的は、引用された従来技術の欠点を克服する、特に遠心ポンプ用のインペラおよびインペラの製造方法を提供することである。
この目的の範囲内で、本発明の特定の目標は、インペラの製造コストおよび重量を低減する必要性と、インペラに必要な機械的特性を確保する必要性との間の良好な妥協点を得ることを可能にするインペラおよび方法を提供することである。
本発明のさらなる目標は、処理時間を最小化し、システムの総生産能力を最大化することを可能にするインペラおよび方法を提供することである。
本発明のさらなる目標は、作動が安全で、効率的で、かつ比較的簡単であるインペラおよび方法を提供することである。

【0012】

この目的およびこれらの目標、ならびに以下でより明らかになる他のものは、特に遠心ポンプ用のインペラであって、前述のインペラの中心軸と同軸に配置され、前述の中心軸の周りに角度を付けて分布する複数の半径方向ブレードによって互いに堅固に接続されたフロントプレートおよびバックプレートを備え、前述のフロントプレートが、前述のインペラを駆動シャフトに接続するように適合された中央貫通開口を有し、前述のインペラが、前述の貫通開口の周囲に延在し、前述のフロントプレートを少なくとも部分的に覆う補強部を備えることを特徴とし、前述のフロントプレートおよび前述の補強部が、打ち抜かれ、曲げられ、平坦化された金属シートの単一ピースによって構成されている、インペラによって達成される。

【0013】

本発明の目的および目標はまた、特に遠心ポンプ用の、インペラの製造方法であって、前述のインペラが、互いに同軸に配置され、前述のインペラの中心軸の周りに角度を付けて分布する複数の半径方向ブレードによって互いに堅固に接続されたフロントプレートおよびバックプレートを備え、前述のフロントプレートが、駆動シャフトへの前述のインペラの接続のために予め設定された中央貫通開口を有し、
当該方法が、
ａ）金属のシートを打ち抜くことによって前述のフロントプレートおよび関連する貫通開口を形成するステップと、
ｂ）金属のシートを打ち抜くことによって前述のバックプレートを形成するステップと、
ｃ）金属のシートを打ち抜くことによって前述の半径方向ブレードを形成するステップと、
ｄ）前述の半径方向ブレードが前述のインペラの前述の中心軸の周りに角度を付けて分布するように、前述の半径方向ブレードを前述のフロントプレートと前述のバックプレートとの間の一方に堅固に接続するステップと、
ｅ）前述の半径方向ブレードを前述のフロントプレートと前述のバックプレートとの間の他方に堅固に接続するステップと、
を含み、
当該方法は、前述のステップａ）が、
ａ１）前述の貫通開口の縁部領域の少なくとも一部分から余剰材料の少なくとも一部分を折り畳むステップと、
ａ２）前述のフロントプレート上でステップａ１）の間に折り畳まれた余剰材料の部分を平坦化し、それによって前述の貫通開口の周囲に延在する補強部を形成し、前述のフロントプレートを少なくとも部分的に乗り越えるステップと、
を含んでなることを特徴とする、方法によって達成される。

【0014】

更なる特徴および利点は、添付の図面に非限定的な例として示される、本発明によるインペラの好ましいが排他的ではない実施形態の説明からより明らかになるであろう。

【図面の簡単な説明】

【0015】

【図1】本発明によるインペラの構成要素の斜視図である。

【図2】図１の構成要素の別の斜視図である。

【図3】図１および図２の構成要素の詳細の拡大断面図である。

【図4】本発明によるインペラの分解図である。

【図5】図４のインペラの斜視図である。

【図6】図４および図５のインペラの別の斜視図である。

【図7】本発明によるインペラの正面図である。

【図8】図７のインペラの直径方向の断面図である。

【図9】多段ポンプの駆動軸に取り付けられた複数のインペラの斜視図である。

【図10】本発明によるインペラの別の実施形態の正面図である。

【図11】図１０のインペラの直径方向の断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0016】

挙げられた図を参照すると、参照符号１および１０１は、一般に、特に遠心ポンプで使用するために適合されたインペラを示す。
例えば、インペラ１、１０１は、それ自体は既知であり、図示されていない多段遠心ポンプに取り付けられることになる。ここで、各段は、図９に例として示されるように、それぞれのチャンバ内で回転するように予め設定された、本発明によるタイプのインペラを含む。
しかし、インペラ１、１０１またはそれと同等の構造を、別のタイプの流体力学的機械においても有利に使用できることは、当業者には明らかであろう。

【0017】

有利にはステンレス鋼板で作られたインペラ１、１０１は、その中心軸５０に沿って同軸に配置されたフロントプレート２、１０２とバックプレート３とを含む。

【0018】

フロントプレート２、１０２およびバックプレート３は、複数の半径方向ブレード４によって、例えばスポット溶接（部）５によって互いに堅固に接続される。

【0019】

図示されていない代替の実施形態では、半径方向ブレード４はまた、フロントプレート２、１０２またはバックプレート３のいずれかと一体に設けられてもよいことが当業者には明らかである。

【0020】

半径方向ブレード４は、中心軸５０の周りに角度を付けて分布し、好ましくは螺旋状またはほぼ曲線状の経路に沿って延びる。

【0021】

フロントプレート２、１０２は、実質的にディスク形状であり、有利には、ポンピング中に発生する軸方向推力を低減するような形状の周辺プロファイルを有する。

【0022】

例えば、図１から図９に示す実施形態では、フロントプレート２は、半径方向ブレード４に実質的に平行な第１の曲線部分６ａと、ブレード４に対して横方向（横断方向）の第２の曲線部分６ｂとを交互に組み合わせることによって形成される鋸歯状の輪郭を実質的に有する。

【0023】

図１０および図１１に示す例では、本発明によるインペラは参照符号１０１で示され、図１から図９のものと同じ構造および機能を有する構成要素は同じ参照符号で示され、フロントプレート１０２は実質的に、半径方向ブレード４間に設けられた凹部１０６ａと、円形部分１０６ｂとを交互に組み合わせることによって形成される葉状プロファイル(lobate profile)を有する。

【0024】

図示されていない代替の実施形態では、本発明によるインペラが、本明細書で例示されたものとは異なるプロファイルを有するフロントプレートを含むことができることは、当業者には明らかである。

【0025】

フロントプレート２、１０２は、インペラ１、１０１を駆動シャフト６０に接続するように設計された前部貫通開口７を有し、駆動シャフト６０は、使用中に、駆動シャフトを回転させるモータ手段（図示せず）に機能的に接続される。
有利には、貫通開口７の輪郭は、駆動シャフト６０の横断面の輪郭と実質的に相補的である。

【0026】

バックプレート３は、貫通開口７および駆動シャフト６０よりも大きい直径を有する中央貫通孔８を有する。
貫通孔８は、貫通孔８から延びるカラー９と共にインペラ１の流入チャンネルを形成する。

【0027】

本発明によれば、インペラ１、１０１は、貫通開口７の周囲に延在して少なくとも部分的にフロントプレート２、１０２を覆う補強部１０を含む。

【0028】

また、本発明によれば、フロントプレート２、１０２および補強部１０は、以下でより明らかになるように、金属シートを打ち抜き、折り曲げ（または折り重ね）、および平坦化することによって形成された単一の部品によって構成される。
すなわち、補強部１０は、略環状であり、中央に貫通開口７が設けられている。
補強部１０は、フロントプレート２、１０２に完全に密着している。

【0029】

有利には、折り曲げおよびその後の平坦化の効果として、補強部１０とフロントプレート２、１０２との間の折り曲げ線で材料の加工硬化が起こり、その結果、その機械的強度が増加する。
本出願人によって行われた実験試験は、加工硬化の効果として、材料の硬度が原料材料の硬度に対して２倍または３倍増加することを示している。

【0030】

インペラ１、１０１のさらに重要な有利な点は、駆動シャフト６０と接触するように設計された貫通開口７の内面の表面は、それがフロントプレート２、１０２上の補強部１０の重ね合わせによって区画形成されているために、二重（又は二倍）になることである。
このようにして、駆動シャフト６０とインペラ１、１０１との間のトルクによって発生する接触圧力が大幅に低減される。

【0031】

上記に基づいて、本発明によるインペラの製造方法は、金属シートを打ち抜くことによって単一の部品を形成するステップａ）を含み、単一の部品は、フロントプレート２、１０２およびその対応する貫通開口７を形成する。

【0032】

前述のように、フロントプレート２、１０２は、ポンピング中に発生する軸方向推力（軸スラスト）を低減するように成形された周辺プロファイルを有する実質的にディスク状の形状を有する。

【0033】

貫通開口７は、駆動シャフト６０の横断面の輪郭と実質的に相補的な縁部（エッジ）を有する。

【0034】

本発明によれば、本方法は、貫通開口７の縁部領域の少なくとも一部分から余剰材料の少なくとも一部分を折り曲げる、または折り畳むステップａ１）を含む。
好ましくは、貫通開口７の縁部全体からの余剰材料は折り畳まれる。

【0035】

本方法は更に、先に折り畳まれた余剰材料が、貫通開口７の周囲に延在する補強部１０を形成し、フロントプレート２、１０２を少なくとも部分的に覆うようにフロントプレート２、１０２上に平坦化される、ステップａ２）を含む。

【0036】

実際には、余剰材料は、補強部１０を形成するまで変形され、補強部は、実質的にフロントプレート２、１０２に完全に密着する環状要素のような外観を呈する。
に見える。
材料の強力な圧縮により、図３に例として示すように、縁部に半径は形成されない。

【0037】

本発明による方法はまた、金属シートを打ち抜くことによって単一ピースを形成するさらなるステップｂ）を含み、そのような単一ピースは、バックプレート３と、貫通孔８を形成するカラー９とを形成する。

【0038】

本発明による方法はまた、金属シートを打ち抜くことによって半径方向ブレード４を形成するさらなるステップｃ）を含む。

【0039】

本発明による方法はまた、半径方向ブレード４をフロントプレート２、１０２およびバックプレート３に堅固に接続する２つの追加のステップｄ）およびｅ）を含む。

【0040】

ステップａ）、ｂ）、およびｃ）、ならびにステップｄ）およびｅ）は、正確な相互順序で実行される必要はなく、一方または他方を最初に、またはすべて同時に実行することに違いはない。

【0041】

ステップａ）、ａ１）およびａ２）は連続して実行されなければならない。

【0042】

打ち抜きは、好ましくは冷間打ち抜きであるが、ホットスタンピングが同様に、材料の硬化および焼戻しのための後続の処理と共に使用されてもよい。

【0043】

本発明による方法は、インペラ１、１０１のコストおよび全体重量を最小限に抑えながら、剛性および機械的強度を高める必要があるフロントプレート２、１０２の領域に局在する補強部を得ることを可能にする。

【0044】

実際には、本発明は、意図された目的および目標を達成し、インペラの製造コストおよび重量を低減する必要性と、インペラの必要な機械的特性を確保する必要性との間の良好な妥協点を達成することを可能にする、特に遠心ポンプ用のインペラおよびインペラの提供方法を提供することが分かった。

【0045】

特に、本発明は、従来のものと比較して等しい機械的特性に対し、原材料の厚さをより薄くすることを可能にする。

【0046】

また、工業的管理の観点から、本発明は、１つのコードのみを使用することを可能にし、各基本ディスク（フロントプレート、ハブおよびアセンブリ）に対して３つの異なるコードを管理することを回避する。

【0047】

さらなる利点は、本発明がハブを溶接するプロセスを必要とせず、適切な圧力および適切な静止面が提供される限り、フロントプレートと補強部とを実質的に任意のプレスを使用することによって一体的に形成することができることである。

【0048】

本出願は、２０２２年６月１０日に出願されたイタリア国特許出願第１０２０２１００００１５１７９号の優先権を主張し、その主題は参照により本明細書に組み込まれる。

【符号の説明】

【0049】

１，１０１ インペラ
２，１０２ フロントプレート
３ バックプレート
４ 半径方向ブレード（ラジアルブレード）
７ 貫通開口
８ 貫通孔
１０ 補強部
６０ 駆動シャフト

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【国際調査報告】