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  • 特表-仙骨保護おむつ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】仙骨保護おむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20240524BHJP
   A61F 13/47 20060101ALI20240524BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
A61F13/49 400
A61F13/47 100
A61F5/44 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575676
(86)(22)【出願日】2021-11-08
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 ES2021000037
(87)【国際公開番号】W WO2022258851
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】U202100269
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521209878
【氏名又は名称】フンダシオン プロフェソール ノヴォア サントス
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス ヴァレーラ ホセ ルイス
【テーマコード(参考)】
3B200
4C098
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA09
3B200AA13
3B200BA09
3B200BA13
3B200CA02
3B200CA08
4C098AA09
4C098CC02
4C098CE06
(57)【要約】
長期間ベッドにいなければならない尿失禁患者の仙骨領域を保護するように特別に設計されたおむつからなる仙骨保護おむつが開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長期間ベッドにいなければならない尿失禁患者の仙骨領域を保護するように特別に設計されたおむつからなる仙骨保護おむつであって、該仙骨保護おむつがいくつかの吸収性内層と1つの不透過性外層とを有する通常使用されるタイプの従来のおむつであることを特徴とし、前記支持おむつと同じように構造化され、吸収側(2)と不透過側(3)とを有し、封止縁(5)が設けられた補完部(4)が、仙骨領域と一致する領域に接着または任意の他の方法によって組み込まれる、仙骨保護おむつ。
【請求項2】
前記補完部(4)がハート形状であることを特徴とする、請求項1に記載の仙骨保護おむつ。
【請求項3】
前記補完部(4)が正方形状であることを特徴とする、請求項1に記載の仙骨保護おむつ。
【請求項4】
前記補完部(4)が長方形状であることを特徴とする、請求項1に記載の仙骨保護おむつ。
【請求項5】
前記補完部(4)の前記不透過側(3)が、前記支持おむつの前記吸収側(2)と接触するように配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の仙骨保護おむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術的目的
本発明は、様々な理由で長期間ベッドに留まることを余儀なくされる人々によって使用される衛生衣類を記載する。
【0002】
通常、これらは尿失禁を患う高齢者であるが、尿失禁を患っていることに加えて、長期間ベッドにいなければならず、床擦れおよび潰瘍を回避するために姿勢変更を必要とするときに患者を支援する医療従事者が対応しなければならない、特定の病気を有する患者でもあり得る。
【0003】
本発明が関する技術分野
本発明は、病人、高齢者および子供用の補助衣類のための補装具の製造に関して臨床および製薬産業に直接影響を及ぼす、医学および衛生に関する健康および保護の章内の生活必要品部門に関する。
【背景技術】
【0004】
病院およびヘルスケアセンターにおける技術は、これらのセンターに来る患者の利益のために、また、医師、医療従事者および専門家が病人をケアする機能においてこれらのタスクをより高い精度および効率で実行することができるように、あらゆる種類の複数の改善および進歩を受ける。
【0005】
患者が可能な限り最良の状態および最大の快適さで時折長い滞在および病気に対処することを可能にするために使用される多くの付属品について、同じことが言える。
【0006】
仰臥臥位で長時間を過ごす患者が、仙骨領域または単に仙骨として知られる身体背面の皮膚の床擦れ、潰瘍形成、および他の損傷をしばしば患うことは、医療従事者に周知であり、仙骨は、第5腰椎椎骨(L5)と尾骨として一般に知られる尾てい骨との間の脊椎の端部に位置する実質的に三角形の骨である。
【0007】
この問題は、高い吸収能力を有するおむつを使用したとしても、尿が上記の領域の皮膚を頻繁に濡らし、前の段落で述べた病変を引き起こすため、尿失禁を患っている患者では著しく際立つ。
【0008】
これを回避するために、特別な多層高吸収性おむつを記載した既知の先行技術文献がある。特許ES-2242466A1号によって保護されている「褥瘡防止おむつ」として登録されている衣類も知られており、これは、転子領域の保護もカバーするため、やや複雑な衣類を記載している。
【0009】
国際公開第2019058002A1号によって保護されている「粘着テープおよびエミッタセンサを備えた尿検出装置」と題する発明は、非常に高度な特徴を有し、おむつが濡れた瞬間を可能な限り迅速に検出し、無線送信によって制御センターを介して介護者に警告することに関する。言い換えれば、この装置は、介護者が迅速に反応することを条件として、患者が長時間濡れたおむつのままでいることを防止する。
【0010】
現在の技術水準を考慮して、本発明者は、本明細書において、尿失禁を患う長期間寝たきりの患者に非常に有利である、単純で安価な解決策を提案する。これは、既知の先行技術がない新規な解決策である。公共ホームケアの施術者によって想起されたアイデアにより、仙骨の創傷形成の初期段階における治癒、および最終的な床擦れ形成の防止において、目覚ましい結果を達成することが期待される。
【発明の概要】
【0011】
上記のように、本発明は、長期間ベッドにいなければならない尿失禁患者の仙骨領域を保護するように特別に設計されたおむつに関する。それは、単純で効果的な製造を有し、寝たきり患者の仙骨における病変、創傷および床擦れの予防における打開策を表す。主おむつに使用される材料と同じ材料から製造されることが意図されているので、製造業者のコストは最小限である。
【0012】
要するに、それは、仙骨と一致するように適切に配置された、主おむつに重ね合わされた同じ特性の小さいおむつ部分によって補完された、通常のタイプの、好ましくは高い吸収能力を有するおむつからなると言える。
【0013】
追加部分の周囲は封止され、その不透過性部分は主おむつの吸収性部分に隣接し、追加部分の吸収性部分は患者の身体と接触する。これらの条件下では、尿は主おむつを浸すだけであり、仙骨領域は乾燥して清潔なままであり、仙骨領域が二重パッドのおむつ表面と接触しているので患者がより快適に感じるという利点がある。
【0014】
仙骨潰瘍は通常、水分、皮膚浸軟および圧力によって引き起こされる。本方法は、3つの原因すべてを排除する。
【0015】
本発明者は、追加部分の形状によって区別される様々な実施形態を提案する。第1の実施形態では、部分は、仙骨領域の形状に似たハート形状であり、他の部分は、長方形、正方形、または他の任意の形状とすることができる異なる形状を有し、本発明のおむつの製造コストを最小にする形状が好ましい。
【0016】
この特殊なおむつの使用は、そのユーザおよび一般的な医療分野の両方に、以下のようないくつかの利点をもたらす。
保護領域を乾燥状態に保つことによって、皮膚の劣化、したがって床擦れおよび潰瘍の形成を防止する、
創傷が既に存在する場合、感染症が予防され、その治癒が促進される、
二重パッドのより柔軟な領域を含むことにより、人の快適さが増大する、
経済的コストが低い、
たとえ姿勢変更をいずれにせよ行われなければならない場合であっても、姿勢変更を行う緊急性が低い。
【0017】
GNEAUPP(褥瘡および慢性創傷に関する研究およびアドバイスのためのナショナルグループ)によって行われた研究は、スペインで毎日9万人を超える人々が、特に踵および仙骨の褥瘡に罹患していることを示す。病院では、これは100人中9人である。褥瘡の費用は年間6億ユーロを超え、その予防には1日当たり患者1人当たり1.70ユーロしかかからないが、治癒には1日当たり48ユーロかかり、包帯を供給する業界では年間1億5000万ユーロが請求される。褥瘡において衛生および姿勢変更は基本である。それらは死亡のリスクを4倍、および感染によって過程が複雑化する場合は6倍増加させる。
【0018】
臀部領域、特に仙骨は、褥瘡を最も発症しやすい領域であり、全潰瘍の50%を占め、踵は30%を占める。
【0019】
国内および国際的なおむつ製造業者は、吸収を改善しようと常に試みてきたが、上述の方法を使用して最小限のコストで、同じおむつを用いて寝たきり患者の床擦れを予防できると考えたことはない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
3つの図が含まれ、本発明の適切な解釈に十分であると考えられる。
図1】本発明のおむつの概略図であり、以下の要素が示されている。 1.保護おむつ 2.吸収側 3.不透過側 4.補完部 5.封止縁
図2】補完部が正方形状である別の実施形態を示す。層の配置をより明確にするために、部分の先端がわずかに持ち上げられて示されている。
図3】補完部が長方形状である第3の実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
長期間ベッドにいなければならない尿失禁患者の仙骨領域を保護するように特別に設計されたおむつからなる仙骨保護おむつが開示される。
【0022】
本発明者にとって好ましい第1の実施形態では、仙骨保護おむつ(1)(図1)は、医療において通常使用されるタイプのおむつ、特に吸収材料のいくつかの層からなるものとして示されており、それを支持する主おむつと同じ材料からなる補完部(4)が組み込まれている。
【0023】
補完部(4)は、人の仙骨領域の形状およびサイズに類似するハート形状に従って切り取られ、吸収側(2)、不透過側(3)、および封止縁(5)を有する。補完部(4)の吸収側(2)は、患者の身体と接触したままのものであり、不透過側(3)は、尿が支持おむつを浸すが補完部(4)を迂回して乾燥させたままにするように、支持おむつの吸収側(2)と接触したままである。
【0024】
図2は、補完部(4)が正方形である第2の実施形態の場合を示す。この図では、補完部(4)は、その外側層の位置をよりよく示すために、その先端の1つがわずかに持ち上げられた状態で示されている。すなわち、吸収側(2)は、身体に付着したままであるように視認可能であり、不透過側(3)は、支持おむつに隣接している。
【0025】
最後に、図3は、補完部(4)が実質的に長方形状である、可能な実施形態の別の1つを示す。
【0026】
すべての場合において、支持おむつおよび補完部(4)は、高い吸収能力を有するいくつかのセルロース層に基づく同じ構造を有し、これは、主要な目的を果たすことに加えて、患者に特別な保護を提供し、仙骨領域を乾燥状態に保つことによって二重パッドから利益を与える。
【0027】
本発明の衣類は非常に有用であり、病院、養護施設、デイケアセンター、さらには寝たきり患者のための在宅での適用のための医療従事者(医師、看護師、助手、介護者)の第一選択である。
【0028】
当業者が本発明に由来する範囲および利点を理解し、ならびに本発明の目的を発展させ、実施することができるように、本明細書の主題をさらに拡張する必要はないと考えられる。しかしながら、本発明はその好ましい実施形態に従って説明されており、改変は、それらが本発明の基礎にいかなる意味でも影響を与えたり、改変したりしない限り、考慮され得ることを理解されたい。言い換えれば、本発明のこの説明が記載されている用語は、常に広範かつ非限定的に解釈されるべきである。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長期間ベッドにいなければならない尿失禁患者における水分、圧力、及び擦れの影響から仙骨領域への保護を提供するように特別に設計されたおむつからなる仙骨保護おむつであって、該仙骨保護おむつがいくつかの吸収性内層と1つの不透過性外層とを有する通常使用されるタイプの従来のおむつであることを特徴とし、補完部(4)が、その全輪郭に沿って封止される特殊性を有し、失禁から生じる水分(衛生用語におけるダイレクトモイスチャー及びリターンモイスチャー)を全体的に防ぐ不透過性のバリア―を形成し、接着または任意の方法によって組み込まれ、前記仙骨領域と一致するように配置され、二重パッドとして機能する乾燥吸収側(2)と、不透過側(3)とを有し、前記封止縁(5)が設けられた前記支持おむつの構造と同じ構造を有する、仙骨保護おむつ。
【請求項2】
前記補完部(4)が、封止され、そえゆえ水分に対して不透過性であり、ハート形状であることを特徴とする、請求項1に記載の仙骨保護おむつ。
【請求項3】
前記補完部(4)が、封止され、そえゆえ水分に対して不透過性であり、正方形状、長方形状、或いは、他の正多角形状であることを特徴とする、請求項1に記載の仙骨保護おむつ。
【請求項4】
前記補完部(4)の前記不透過側(3)が、前記支持おむつの前記吸収側(2)と接触するように配置されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の仙骨保護おむつ。
【国際調査報告】