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特表2024-521411エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20240524BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20240524BHJP
   A24F 40/85 20200101ALI20240524BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/42
A24F40/85
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575761
(86)(22)【出願日】2022-06-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 EP2022066530
(87)【国際公開番号】W WO2022263616
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】21180169.1
(32)【優先日】2021-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】タウリノ イレーヌ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC16
4B162AC22
4B162AD23
4B162AF01
(57)【要約】
エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成する方法と、エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するためのシステムであって、方法は、発熱体(1)の少なくとも一部分を堆積液(6)中に浸漬することと、補助電極(4)の少なくとも一部分を堆積液(6)に浸漬することと、発熱体(1)と補助電極(4)との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって発熱体(1)上にエアロゾル形成基体を堆積させることと、を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成する方法であって、
発熱体の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することと、
補助電極の少なくとも一部分を前記堆積液中に浸漬することと、
発熱体と補助電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって前記発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記堆積液が、多糖類、および任意選択で、
水と、
ニコチンと、
風味剤と、
エアロゾル形成体と、
酸のうちの一つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記堆積液が、アルギン酸ナトリウム、および任意選択で、
炭酸カルシウム、および
鉄(II)のうちの一つ以上を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記堆積液中に基準電極を浸漬することをさらに含み、電圧を供給する前記ステップが、前記発熱体と、前記補助電極と、前記基準電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって前記発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることを含む、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項5】
前記発熱体をクリーニングするステップをさらに含み、かつ随意に、前記発熱体をクリーニングする前記ステップが、
前記発熱体をブラシでブラッシングすることと、
前記発熱体をスクレーパーで掻き取ることと、
前記発熱体の少なくとも一部分をクリーニング液中に浸漬することと、
クリーニング補助電極を前記クリーニング液中に浸漬すること、
前記発熱体の少なくとも一部分を前記クリーニング液中に浸漬すること、および
前記発熱体と前記クリーニング補助電極との間に電圧を供給して、前記発熱体からエアロゾル形成基体を電気的にクリーニングすることによって、前記発熱体を電気的にクリーニングすること、の少なくとも一つとを含む、請求項1~4のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するためのシステムであって、前記システムが、
発熱体と、
補助電極、および
堆積液とを備え、
前記システムが、前記発熱体の少なくとも一部分および前記補助電極の少なくとも一部分が前記堆積液中に浸漬された時に、前記発熱体と前記補助電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって前記発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成される、システム。
【請求項7】
前記堆積液が、多糖類、および任意選択で、
水と、
ニコチンと、
風味剤と、
エアロゾル形成体と、
酸のうちの一つ以上を含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項8】
前記堆積液が、アルギン酸ナトリウム、および任意選択で、
炭酸カルシウム、および
鉄(II)のうちの一つ以上を含む、請求項6または7に記載のシステム。
【請求項9】
基準電極をさらに備え、前記システムが、前記発熱体の少なくとも一部分、前記補助電極の少なくとも一部分、および前記基準電極の少なくとも一部分が前記堆積液中に浸漬されて、電気泳動堆積によって前記発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させる時に、前記発熱体と、前記補助電極と、前記基準電極との間に電圧を供給するように構成される、請求項6、7または8に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムが、前記発熱体からエアロゾル形成基体を除去するように構成されたクリーナーをさらに備え、任意選択的に、前記クリーナーが、
ブラシと、
スクレーパーと、
クリーニング液、および
電気クリーニング配設であって、
クリーニング液、および
クリーニング補助電極を備える、電気クリーニング配設とのうちの少なくとも一つを備え、
前記システムが、前記発熱体の少なくとも一部分および前記クリーニング補助電極の少なくとも一部分が前記クリーニング液中に浸漬されて、前記発熱体からエアロゾル形成基体を除去する時に、前記発熱体と前記補助クリーニング電極との間に電圧を供給するように構成される、請求項6~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記システムが、エアロゾル発生装置をさらに備え、前記発熱体が、前記エアロゾル発生装置に取り外し可能に結合可能であり、前記発熱体が前記エアロゾル発生装置に結合され、前記発熱体上に堆積された前記エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生する時に、前記エアロゾル発生装置が、前記発熱体に電力を供給するように構成された電源を備える、請求項6~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムが、エアロゾル発生装置をさらに備え、前記発熱体が、前記エアロゾル発生装置の一体型の部分であり、前記エアロゾル発生装置が、電力を前記発熱体に供給して、前記発熱体上に堆積された前記エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生するように構成された電源を備える、請求項6~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記エアロゾル発生装置が、前記補助電極をさらに備え、前記エアロゾル発生装置の前記電源が、前記発熱体と前記補助電極との間に前記電圧を供給するように構成される、請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムが、堆積装置をさらに備え、前記堆積装置が、前記発熱体に電気的に結合するように構成され、
前記堆積装置が、
前記堆積液を保持する空洞を画定するハウジングと、
前記補助電極と、
前記発熱体が前記堆積装置に電気的に結合された時に、前記発熱体と前記補助電極との間に前記電圧を供給するように配設された電源と、を備える、請求項6~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
エアロゾル形成システムの発熱体と電気的に結合されるように構成された堆積装置であって、前記堆積装置が、
堆積液を保持する空洞を画定するハウジングと、
前記空洞内に配設され、前記堆積液中に少なくとも部分的に浸漬される補助電極と、
前記発熱体が前記堆積装置に電気的に結合され、前記発熱体の少なくとも一部分が前記堆積液中に浸漬される時に、前記発熱体と前記補助電極との間に電圧を供給して前記発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように配設された電源と、を備える、堆積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するためのシステム、およびエアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成基体から吸入可能なエアロゾルを発生させる、多くの異なるタイプの個人用気化器および加熱非燃焼式システムが利用可能である。これらのシステムの一部は液体組成物を加熱し、その他は固体たばこ混合物を加熱し、一部は液体組成物および固体基体の両方を加熱する。いくつかの利用可能なシステムは、発熱体からエアロゾル形成基体への熱の伝導によってエアロゾル形成基体を加熱する。最も一般的には、これは電気抵抗性のある発熱体に電流を流し、発熱体のジュール加熱を生じさせることによって達成される。誘導加熱システムも提案されており、ジュール加熱は、サセプタ発熱体に誘導された渦電流の結果として起こる。
【0003】
一部のエアロゾル発生システムは、使い捨てのエアロゾル発生構成要素を備える。例えば、一部のエアロゾル発生システムは、エアロゾル形成基体および発熱体の両方を含むカートリッジを備える。これらのエアロゾル発生システムでは、発熱体は、カートリッジ内のエアロゾル発生基体が消費された後に配置される。
【0004】
再使用することができる発熱体を有するエアロゾル発生システムを提供することが望ましい。これは、エアロゾル発生システムを動作させるコストを低減し、廃棄物を低減する。また、エアロゾル発生システムによって発生されるエアロゾルの体積および特徴の制御を改善するために、発熱体に近接した正確な体積のエアロゾル形成基体を有するエアロゾル発生システムを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本開示によると、エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成する方法が提供されている。方法は、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることを含み得る。
【0006】
方法は、補助電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含み得る。方法は、発熱体の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することをさらに含み得る。方法は、発熱体と補助電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることをさらに含みうる。
【0007】
本開示によると、エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するためのシステムが提供される。システムは、発熱体を含んでもよい。システムは、堆積液を含んでもよい。システムは補助電極を備えてもよい。システムは、発熱体の少なくとも一部分および補助電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬された時に、電気泳動堆積によって発熱体と補助電極との間に電圧を供給して、エアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させるように構成されうる。
【0008】
有利なことに、発熱体上へのエアロゾル形成基体の電気的な堆積は比較的低コストかつ実施が簡単であり、その結果、工場設定で実施される必要はなく、そのため、エアロゾル発生システムのユーザーは、家でのエアロゾル発生システムの発熱体上への電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を堆積することができる場合がある。
【0009】
有利なことに、電気泳動堆積によってエアロゾル発生システムの発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることは、エアロゾル発生システム内の既存のエアロゾル形成基体が枯渇すると、発熱体を再使用することを可能にし得る。
【0010】
有利なことに、電気泳動堆積によってエアロゾル発生システムの発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることは、エアロゾル形成基体を発熱体に近接して保持することを可能にし、発熱体からエアロゾル形成基体への熱の伝達を容易にする場合がある。
【0011】
有利なことに、電気泳動堆積によってエアロゾル発生システムの発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることは、エアロゾル発生システムの発熱体上に提供されるエアロゾル形成基体の厚さおよび体積の正確な制御を可能にする場合がある。これは、次に、エアロゾル発生システムによって発生されるエアロゾルの速度、体積、および特徴を正確に制御することを可能にし得る。
【0012】
有利なことに、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることは、加熱されてエアロゾルを発生させる前に、液体エアロゾル形成基体がエアロゾル発生システムから漏れるなど、エアロゾル形成基体がエアロゾル発生システムから漏れ出るリスクを低減し得る。
【0013】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、典型的に、エアロゾル発生物品の一部である。エアロゾル形成基体によって発生されるエアロゾルは、ユーザーがエアロゾル発生システムを吸う、または吸煙することによって直接吸入可能であることが好ましい。
【0014】
本明細書で使用される場合、エアロゾル発生構成要素という用語は、発熱体およびエアロゾル形成基体を備えるエアロゾル発生システムの構成要素を指す。例えば、エアロゾル発生構成要素は、発熱体と、発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体とを備えるカートリッジであってもよく、これはエアロゾル発生装置に取り外し可能に結合可能であるように構成されている。例えば、エアロゾル発生構成要素は、エアロゾル発生装置の発熱体、および発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体であってもよく、発熱体は、エアロゾル発生装置の一体型の構成要素である。
【0015】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。一部の実施形態では、発熱体は、エアロゾル発生装置の一体型の部分である。好ましい実施形態では、発熱体は、エアロゾル発生装置に取り外し可能に結合可能であってもよい。エアロゾル発生装置は、発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生するように発熱体に電力を供給するように配設された電源を備えることが好ましい。
【0016】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生システム」という用語は、エアロゾル発生装置、発熱体、およびエアロゾル形成基体の組み合わせを指す。エアロゾル発生システムでは、エアロゾル形成基体、発熱体、およびエアロゾル発生装置は協働してエアロゾルを発生する。
【0017】
発明者らは、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させることによって、エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成することが可能であることを認識した。
【0018】
本明細書で使用される場合、発熱体上にエアロゾル形成基体を「堆積する」という用語は、エアロゾル形成基体が発熱体に取り付けられるか、またはそれと接触して配置される別個の個別の部品であるのではなく、発熱体の外表面上の被覆としてエアロゾル形成基体を塗布することを意味する。
【0019】
本明細書で使用される場合、「電気泳動堆積」という用語は、堆積液中の粒子、典型的にはコロイド粒子が、作用電極と補助電極との間の電界(電気泳動)の影響下で移動し、作用電極の表面上に堆積されるプロセスを指す。本開示では、発熱体が堆積液中に少なくとも部分的に浸漬される時、発熱体は作用電極として作用する。
【0020】
エアロゾル発生構成要素を形成する方法は、補助電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することと、発熱体の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することと、発熱体と補助電極との間に電圧を供給することと、を含む。発熱体と補助電極との間の電圧は、堆積液中に電界を確立する。堆積液中の帯電した粒子は、電界の影響下で発熱体に移動し、ここでこれらは堆積され、発熱体の表面上にエアロゾル形成基体の被覆を形成する。
【0021】
発熱体上へのエアロゾル形成基体の電気泳動堆積は、エアロゾル形成基体内の発熱体をブラッシングしたり浸漬したりするなどの機械的適用とは異なる。有利なことに、発熱体上のエアロゾル形成基体の電気泳動堆積は、機械的な適用方法と比較して、発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体の厚さ、体積、および分布に対する改善された制御を可能にする。
【0022】
発熱体は任意の適切な形態をとってもよい。発熱体は実質的に平面であってもよい。発熱体はワイヤであってもよい。発熱体はコイルであってもよい。
【0023】
一部の実施形態では、発熱体の少なくとも一部分は、電気絶縁材料を含む基体上に配設される。有利なことに、これは発熱体の構造剛性を改善し得る。本明細書で使用される場合、「電気絶縁」という用語は、摂氏20度で少なくとも1x104オームメートル(Ω.m)の電気抵抗率を有する材料を指す。
【0024】
一部の実施形態では、発熱体は、複数の発熱体を含む。有利なことに、複数の発熱体を提供することは、エアロゾル発生システムがエアロゾル発生の改善された制御を提供することを可能にする場合がある。例えば、複数の発熱体のそれぞれは、加熱される発熱体の数に応じて異なる速度でエアロゾルが発生されうるように、選択的に加熱されてもよい。
【0025】
発熱体が複数の発熱体を備える場合、発熱体の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップは、複数の発熱体の各々の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含む。
【0026】
複数の発熱体は、アレイを形成するように配設されてもよく、各発熱体は、他の発熱体から離間している。複数の発熱体の各々の少なくとも一部分は、電気絶縁材料を含む基体上に配設されてもよい。
【0027】
複数の発熱体の各々は実質的に平面であってもよい。複数の発熱体の各々は、ワイヤであってもよい。複数の発熱体の各々は、コイルであってもよい。
【0028】
発熱体または発熱体は、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させることを可能にするために、任意の適切な材料から成ってもよい。好ましくは、発熱体は不活性材料を含む。好ましくは、発熱体は白金を含む。発熱体は、金を含んでもよい。
【0029】
補助電極は、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させることを可能にするために、任意の適切な形態を取ってもよい。補助電極は、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させることを可能にするために、任意の適切な材料から成ってもよい。補助電極は銀を含むことが好ましい。補助電極は塩化銀を含むことが特に好ましい。
【0030】
一部の好ましい実施形態では、システムは補助電極に加えて基準電極を備える。これらの好ましい実施形態では、システムは、発熱体の少なくとも一部分、補助電極の少なくとも一部分、および基準電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬された時に、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成されてもよい。対電極を含む実施形態では、三つの電極システムは、作用電極、補助電極、および基準電極として作用する発熱体によって形成される。安定かつ既知の電圧が補助電極に供給されてもよい。補助電極に供給される電圧は、基準電極に供給される電圧に対して測定されうる。発熱体で生じるエアロゾル形成基体の電気的な堆積速度は、補助電極と基準電極との間の測定された電圧から決定されうる。次に、補助電極に供給される電圧は、発熱体で生じるエアロゾル形成基体の決定された電気的な堆積速度に応答して調整されうる。
【0031】
一部の好ましい実施形態では、エアロゾル発生構成要素を形成する方法は、基準電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含む。これらの実施形態では、電圧を供給するステップは、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させることを含む。
【0032】
基準電極は、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させることを可能にするために、任意の適切な形態を取ってもよい。基準電極は、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させることを可能にするために、任意の適切な材料から成ってもよい。好ましくは、基準電極は不活性材料を含む。基準電極は白金を含むことが特に好ましい。
【0033】
本明細書で使用される場合、「堆積液」という用語は、エアロゾル形成基体の所望の構成要素を含み、かつ電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積することを可能にする、任意の液体を指す。
【0034】
堆積液は溶液であってもよい。堆積液は水を含んでもよい。堆積液が溶液を含む場合、溶液の溶媒は水であってもよい。堆積液はコロイドであることが好ましい。コロイドは、液体中に懸濁されたコロイド粒子を含んでもよい。
【0035】
堆積液は糖類を含むことが好ましい。糖類は単糖類を含んでもよい。糖類は多糖類を含むことが好ましい。
【0036】
有利なことに、堆積液中の多糖類は、堆積液の他の構成要素のための捕捉剤として作用し得る。多糖類は、エアロゾル形成基体を形成するために望ましい堆積液中に他の構成要素を封入および捕捉してもよい。電着中、多糖類およびエアロゾル形成基体の捕捉された構成要素は、電気泳動堆積によって発熱体上に一緒に堆積されてもよい。堆積された物質は、エアロゾル形成基体を形成するための所望の構成要素を含むため、堆積された物質は、発熱体上にエアロゾル形成基体の被覆を形成する。
【0037】
多糖類はセルロース誘導体を含んでもよい。
【0038】
多糖類は、アルギン酸ナトリウム(AlgNa)を含むことが好ましい。堆積液は、溶液中にアルギン酸ナトリウムを含んでもよい。アルギン酸ナトリウム溶液中のアルギネートは、発熱体と補助電極との間の電圧の印加に伴い、発熱体に移動してもよい。有利なことに、アルギネートは、発熱体でゲル化して、発熱体上にゲル被覆を形成してもよい。さらにより有利には、アルギネートゲルは、堆積液中にも存在するエアロゾル形成基体の所望の構成要素のための捕捉剤として作用し得る。結果として、堆積液中にも存在するエアロゾル形成基体の所望の構成要素は、発熱体上に堆積されるアルギネートゲル内に捕捉されてもよく、結果として、エアロゾル形成基体を形成する発熱体上に堆積されるアルギネートゲルをもたらす。
【0039】
いくつかの実施形態では、堆積液は炭酸カルシウム(CaCO3)を含む。一部の好ましい実施形態では、堆積液は、アルギン酸ナトリウム(AlgNa)および炭酸カルシウム(CaCO3)を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、堆積液は、鉄(II)(Fe2+)を含む。一部の好ましい実施形態では、堆積液は、アルギン酸ナトリウムおよび鉄(II)(Fe2+)を含む。
【0041】
堆積液は、エアロゾル形成基体を形成するための所望の構成要素を含む。堆積液は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。エアロゾル形成体は植物性グリセリンを含んでもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールを含んでもよい。
【0042】
堆積液は、活性成分を含んでもよい。活性成分はニコチンであってもよい。堆積液はニコチンを含んでもよい。
【0043】
堆積液は、その他の添加物および風味剤などの成分を含んでもよい。堆積液はメントールを含んでもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、堆積液は酸を含む。酸は乳酸を含んでもよい。
【0045】
システムは、発熱体、補助電極、および随意に基準電極を備える。発熱体、補助電極、および基準電極は、本開示による様々な配置で構成されてもよい。
【0046】
発熱体は、エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素の一部を形成する。エアロゾル発生構成要素は、エアロゾル形成基体が発熱体上に堆積された時に、エアロゾル形成基体を含む。
【0047】
システムは、エアロゾル発生装置を備え得る。一部の実施形態において、発熱体はエアロゾル発生装置とは別個の構成要素である。発熱体は、エアロゾル発生装置に取り外し可能に結合可能であってもよい。一部の実施形態において、エアロゾル発生装置は発熱体を備える。発熱体はエアロゾル発生装置の一体型の部分であってもよい。
【0048】
一部の実施形態では、エアロゾル発生装置は、外部電源から電力を受け取るように構成されている。エアロゾル発生装置は、電源を備えることが好ましい。電源は、発熱体に電力を供給するように配設されることが好ましい。発熱体がエアロゾル発生装置に取り外し可能に結合可能である場合、電源は、発熱体がエアロゾル発生装置に結合された時に、発熱体に電力を供給するように配設されてもよい。エアロゾル発生装置は、発熱体に電力を供給して、発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、発熱体の少なくとも一部分および補助電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬された時に、電力を発熱体に供給して、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させるように構成されてもよい。
【0049】
エアロゾル発生装置が発熱体を備える場合、発熱体の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップは、エアロゾル発生装置の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含み得る。
【0050】
一部の実施形態では、エアロゾル発生装置は、補助電極を取り外し可能に受容するように構成される。一部の実施形態において、エアロゾル発生装置は補助電極を備える。補助電極は、エアロゾル発生装置の一体型の部分を形成し得る。エアロゾル発生装置が電源を備える場合、電源は補助電極に電力を供給するように配設されてもよい。
【0051】
エアロゾル発生装置は、発熱体の少なくとも一部分および補助電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬された時に、電力を補助電極に供給して、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させるように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、発熱体の少なくとも一部分および補助電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬された時に、発熱体と補助電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させるように構成されてもよい。
【0052】
エアロゾル発生装置が補助電極を備える場合、補助電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップは、エアロゾル発生装置の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含み得る。
【0053】
システムが基準電極を備える場合、エアロゾル発生装置は、基準電極を取り外し可能に受容するように構成されてもよい。一部の実施形態において、エアロゾル発生装置は基準電極を備える。基準電極は、エアロゾル発生装置の一体型の部分を形成し得る。エアロゾル発生装置が電源を備える場合、電源は、基準電極に電力を供給するように配設されてもよい。
【0054】
エアロゾル発生装置は、発熱体の少なくとも一部分、補助電極の少なくとも一部分、および基準電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬された時に、基準電極に電力を供給し、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、発熱体の少なくとも一部分、補助電極の少なくとも一部分、および基準電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬された時に、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるために、発熱体、補助電極、および基準電極の間に電圧を供給するように構成されてもよい。
【0055】
システムが基準電極を備え、エアロゾル発生装置が基準電極を備える場合、基準電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップは、エアロゾル発生装置の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含み得る。
【0056】
本開示によると、発熱体および補助電極を備えるエアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、発熱体に電力を供給するように配設された電源を備えうる。電源はまた、補助電極に電力を供給するように配設されてもよい。エアロゾル発生装置は、基準電極をさらに備えてもよい。エアロゾル発生装置は、発熱体、補助電極、および基準電極の間に電圧を供給するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置が電源を備える場合、電源は、基準電極に電力を供給するように配設されてもよい。
【0057】
エアロゾル発生装置は携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は手持ち式装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。エアロゾル発生装置は、約30ミリメートル~約150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生装置は、約5ミリメートル~約30ミリメートルの外径を有してもよい。エアロゾル発生装置は、個人用気化器、電子タバコ、または加熱非燃焼式装置であってもよい。
【0058】
一部の実施形態では、エアロゾル発生構成要素は、エアロゾル発生装置とは別個の構成要素である。エアロゾル発生構成要素は、エアロゾル発生装置に取り外し可能に結合可能でありうる。エアロゾル発生装置とは別個の構成要素であり、エアロゾル発生装置に取り外し可能に結合可能なエアロゾル発生構成要素は、エアロゾル発生システムのカートリッジと呼ばれうる。
【0059】
システムは、カートリッジをさらに備え得る。カートリッジは、エアロゾル発生装置と取り外し可能に結合されてエアロゾル発生システムを形成するように構成されてもよい。カートリッジは、発熱体を含みうる。発熱体はカートリッジの一体型の部分であってもよい。カートリッジは、発熱体および発熱体に堆積されたエアロゾル形成基体を備えてもよい。エアロゾル発生装置は、カートリッジがエアロゾル発生装置に結合された時に、カートリッジ内の発熱体に電気的に結合されるように構成されてもよい。カートリッジがエアロゾル発生装置に結合されている時、エアロゾル発生装置は、発熱体に電力を供給して、発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されてもよい。好ましくは、エアロゾル発生装置は、カートリッジがエアロゾル発生装置に結合される時に、発熱体に電力を供給するように配設された電源を備える。
【0060】
カートリッジが発熱体を備える場合、発熱体の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップは、カートリッジの少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、カートリッジは補助電極を含む。補助電極は、カートリッジの一体型の部分を形成し得る。エアロゾル発生装置は、カートリッジがエアロゾル発生装置に結合された時に、カートリッジ内の補助電極に電気的に結合されるように構成されうる。カートリッジがエアロゾル発生装置と結合される時、エアロゾル発生装置は、補助電極に電力を供給するように構成され得る。エアロゾル発生装置が電源を備える場合、カートリッジがエアロゾル発生装置に結合される時に、電源は補助電極に電力を供給するように配設され得る。
【0062】
カートリッジが補助電極を備える場合、補助電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップは、カートリッジの少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含み得る。
【0063】
システムが基準電極を備える場合、カートリッジは補助電極を備えてもよい。基準電極は、カートリッジの一体型の部分を形成してもよい。エアロゾル発生装置は、カートリッジがエアロゾル発生装置に結合された時に、カートリッジ内の基準電極に電気的に結合されるように構成されうる。カートリッジがエアロゾル発生装置に結合される時に、エアロゾル発生装置は、基準電極に電力を供給するように構成され得る。エアロゾル発生装置が電源を備える場合、カートリッジがエアロゾル発生装置に結合される時に、電源は基準電極に電力を供給するように配設され得る。
【0064】
システムが基準電極を備え、カートリッジが基準電極を備える場合、基準電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップは、カートリッジの少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含み得る。
【0065】
カートリッジはハウジングを備えてもよい。発熱体は、カートリッジのハウジング内に固定されてもよい。カートリッジのハウジングおよび発熱体は、一体的に接続されてもよい。
【0066】
一部の好ましい実施形態において、カートリッジはマウスピースを備える。マウスピースは、ユーザーがエアロゾル発生システムを吸煙して、加熱されたエアロゾル形成基体からエアロゾル発生システムによって発生したエアロゾルを受けることを可能にする。
【0067】
一部の好ましい実施形態では、システムは堆積装置を備える。システムが堆積装置を備える場合、堆積装置は堆積液を保持する。
【0068】
堆積装置は、堆積液を保持するための空洞を画定し得る。堆積装置は、堆積液を保持するための空洞を画定するハウジングを備えてもよい。
【0069】
堆積装置は、発熱体の少なくとも一部分を受容するように構成されてもよい。システムが発熱体を備えるカートリッジを備える場合、堆積装置は、カートリッジの少なくとも一部分を受容するように構成されてもよい。システムが発熱体を備えるエアロゾル発生装置を備える場合、堆積装置は、エアロゾル発生装置の少なくとも一部分を受容するように構成されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、堆積装置は、単に堆積液を保持するための容器を提供する。例えば、発熱体と、補助電極と、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するように配設された電源とを備えるエアロゾル発生装置を備えるシステムでは、堆積装置は、堆積液を保持するように提供されてもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、堆積装置は、外部電源から電力を受け取るように構成される。堆積装置は電源を備えることが好ましい。一部の好ましい実施形態では、堆積装置は、発熱体に電気的に結合されるように構成され得る。これらの実施形態では、堆積装置は、発熱体が堆積装置に電気的に結合されたときに、発熱体に電力を供給するように構成され得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、堆積装置は補助電極を備える。堆積装置は、堆積液を保持する空洞を画定してもよく、補助電極は空洞内に少なくとも部分的に配設されてもよい。堆積装置は、補助電極に電力を供給するように構成されてもよい。堆積装置が補助電極を含まない場合、堆積装置は補助電極に電気的に結合されるように構成されてもよい。これらの実施形態では、堆積装置は、発熱体が堆積装置に電気的に結合された時に、補助電極に電力を供給するように構成されてもよい。
【0073】
システムが基準電極を備えるいくつかの実施形態では、堆積装置は基準電極を備える。堆積装置が堆積液を保持する空洞を画定する場合、基準電極は、空洞内に少なくとも部分的に配設されてもよい。堆積装置は、基準電極に電力を供給するように構成され得る。堆積装置が基準電極を含まない場合、堆積装置は、基準電極に電気的に結合されるように構成され得る。これらの実施形態では、堆積装置は、発熱体が堆積装置に電気的に結合されるときに、基準電極に電力を供給するように構成され得る。
【0074】
堆積装置は、一つ以上の電気接点パッドを備えてもよい。一つ以上の電気接点パッドは、発熱体と堆積装置との間の電気的接続を提供し得る。堆積装置が補助電極を含まない場合、一つ以上の電気接点パッドは、補助電極と堆積装置との間に電気的接続を提供し得る。システムが基準電極を備え、堆積装置が基準電極を備えない場合、一つ以上の電気接点パッドは、基準電極と堆積装置との間に電気的接続を提供し得る。
【0075】
本開示によると、堆積液を保持する空洞を画定するハウジングを備える堆積装置が提供される。堆積装置は、空洞内に配設され、かつ堆積液中に少なくとも部分的に浸漬された補助電極を備えてもよい。堆積装置は、空洞内に配設され、かつ堆積液中に少なくとも部分的に浸漬された電気コネクターを備えてもよい。電気コネクターは、空洞内に受容され、かつ堆積液中に少なくとも部分的に浸漬される発熱体に電気的に結合されるように構成され得る。堆積装置は、電源を備えてもよい。電源は、電気コネクターと補助電極との間に電圧を供給するように配設されてもよい。言い換えれば、堆積装置は、電気コネクターに電気的に結合された発熱体と補助電極との間に電圧を供給するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、堆積装置は、空洞内に配設され、堆積液中に少なくとも部分的に浸漬される基準電極を備える。堆積装置が電源を備える場合、電源は、電気コネクターと補助電極と基準電極との間に電圧を供給するように配設されてもよい。言い換えれば、堆積装置は、電気コネクターに電気的に結合された発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給するように構成されてもよい。
【0076】
システムは、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するように構成される。システムが基準電極を備える場合、システムは、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給するように構成される。
【0077】
一部の実施形態では、システムは、主電源などの外部電源に接続して、発熱体と補助電極と、随意に基準電極との間に電圧を供給するように構成される。
【0078】
これらの好ましい実施形態において、システムは電源を備える。電源は、発熱体に電力を供給するように配設され得る。電源は、補助電極に電力を供給するように配設されてもよい。電源は、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するように配設されてもよい。システムが基準電極を備える場合、電源は、基準電極に電力を供給するように配設されてもよい。電源は、発熱体と補助電極と基準電極との間に電圧を供給するように配設されてもよい。
【0079】
エアロゾル発生装置を備える実施形態では、エアロゾル発生装置は電源を備えることが好ましい。堆積装置を備える実施形態では、好ましくは、堆積装置は電源を備える。エアロゾル発生装置は電源を備えてもよく、また堆積装置は電源を備えてもよい。
【0080】
電源はDC電源であってもよい。電源は、少なくとも一つの電池を含み得る。少なくとも一つの電池は、再充電可能リチウムイオン電池を含み得る。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。
【0081】
システムはコントローラを備えることが好ましい。コントローラは、発熱体への電力供給を制御するように構成され得る。コントローラは、補助電極への電力供給を制御するように構成されてもよい。コントローラは、発熱体と補助電極との間の電圧の供給を制御するように構成されてもよい。システムが基準電極を備える場合、コントローラは、基準電極への電力供給を制御するように構成されてもよい。これらの実施形態では、コントローラは、発熱体と補助電極と基準電極との間の電圧の供給を制御するように構成されてもよい。
【0082】
エアロゾル発生装置を備える実施形態では、エアロゾル発生装置はコントローラを備えることが好ましい。堆積装置を備える実施形態では、堆積装置はコントローラを備えることが好ましい。エアロゾル発生装置はコントローラを備えてもよく、堆積装置はコントローラを備えてもよい。
【0083】
コントローラは、マイクロプロセッサ、プログラマブルマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または特定用途向け集積回路チップ(ASIC)もしくは制御を提供する能力を有するその他の電子回路を備えてもよい。コントローラは、さらなる電子構成要素を備えてもよい。例えば、一部の実施形態では、コントローラは、センサー要素、スイッチ要素、ディスプレイ要素のうちのいずれかを備えてもよい。コントローラは、RF電力センサーを含み得る。コントローラは、電力増幅器を含み得る。
【0084】
エアロゾル発生装置を備える実施形態では、エアロゾル発生装置はコントローラを備えることが好ましい。コントローラは、発熱体への電力供給を制御して、発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように構成されてもよい。エアロゾル発生装置が発熱体および補助電極を備える場合、コントローラは、発熱体の少なくとも一部分および補助電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬された時に、発熱体と補助電極との間の電圧の供給を制御して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成されうる。エアロゾル発生装置が発熱体、補助電極、および基準電極を備える場合、発熱体の少なくとも一部分、補助電極の少なくとも一部分、および基準電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬される時、コントローラは、発熱体と、補助電極と、基準電極との間の電圧の供給を制御し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成されてもよい。
【0085】
堆積装置を備える実施形態では、堆積装置はコントローラを備えることが好ましい。堆積装置が補助電極を備える場合、発熱体の少なくとも一部分および補助電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬された時に、コントローラは、発熱体と補助電極との間の電圧の供給を制御して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成されてもよい。エアロゾル発生装置が補助電極および基準電極を備える場合、発熱体の少なくとも一部分、補助電極の少なくとも一部分、および基準電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬される時に、コントローラは、発熱体と、補助電極と、基準電極との間の電圧の供給を制御し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成され得る。
【0086】
一部の好ましい実施形態では、システムは、クリーナーを備える。クリーナーは発熱体からエアロゾル形成基体を除去するように構成される。クリーナーは、システムの他の構成要素とは別個のクリーニング装置を備えてもよい。システムが堆積装置を備える場合、堆積装置はさらに、クリーナーを備えることが好ましい。
【0087】
クリーナーはブラシを含んでもよい。クリーナーはスクレーパーを備えてもよい。
【0088】
いくつかの実施形態では、クリーナーは、クリーニング液を含む。クリーニング液は、発熱体からエアロゾル形成基体を除去するための任意の適切なクリーニング液であってもよい。例えば、クリーニング液は酸を含んでもよい。クリーニング液は水を含んでもよい。いくつかの実施形態では、クリーニング液は堆積液である。
【0089】
システムが堆積装置を備え、かつ堆積装置がクリーナーを備える場合、堆積装置は、発熱体を受容するように構成されたクリーニング空洞を備えるクリーニング区画を備えてもよい。クリーニング空洞は、クリーニング液を保持してもよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、堆積装置は、クリーニング空洞内に配設され、少なくとも部分的にクリーニング液に浸漬されるクリーニング補助電極を備えてもよい。堆積装置は、発熱体に電気的に結合され、発熱体がクリーニング液中に受容されて発熱体を電気的にクリーニングする時に、発熱体とクリーニング補助電極との間に電圧を供給するように構成されてもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、クリーニング液は堆積液であり、堆積装置は、発熱体に電気的に結合され、発熱体がクリーニング液中に受容されて発熱体を電気的にクリーニングする時に、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するように構成される。典型的には、発熱体をクリーニングするために発熱体と補助電極との間に供給される電圧は、発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるために発熱体と補助電極との間に供給される電圧とは反対である。
【0092】
エアロゾル発生構成要素を形成する方法は、発熱体をクリーニングするステップをさらに含み得る。発熱体をクリーニングするステップは、任意の既存のエアロゾル形成基体および任意の望ましくない材料を発熱体の表面から除去してもよい。一部の好ましい実施形態では、発熱体をクリーニングするステップは、発熱体を堆積液中に浸漬するステップの前に実施される。有利なことに、発熱体上に新しいエアロゾル形成基体を堆積させる前に発熱体をクリーニングすることは、発熱体とエアロゾル形成基体との間の接触を改善し得、エアロゾル形成基体から発生されるエアロゾルの一貫性を改善し得る。
【0093】
発熱体をクリーニングするステップは、発熱体をブラシでブラッシングすることを含んでもよい。発熱体をクリーニングするステップは、発熱体をスクレーパーで掻き取ることを含んでもよい。
【0094】
一部の実施形態では、発熱体をクリーニングするステップは、発熱体の少なくとも一部分をクリーニング液中に浸漬することを含む。
【0095】
方法は、クリーニング補助電極をクリーニング液中に浸漬することと、発熱体の少なくとも一部分をクリーニング液中に浸漬することと、発熱体とクリーニング補助電極との間に電圧を供給して発熱体を電気的にクリーニングすることと、をさらに含んでもよい。
【0096】
クリーニング液が堆積液である場合、発熱体をクリーニングするステップは、発熱体と補助電極との間に電圧を供給して発熱体をクリーニングすることを含んでもよく、発熱体をクリーニングするように発熱体と補助電極との間に供給される電圧は、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させるように発熱体と補助電極との間に供給される電圧とは反対である。
【0097】
本開示によると、エアロゾル形成基体は、電気泳動堆積によってエアロゾル発生システムの発熱体上に堆積される。エアロゾル形成基体は、固体を含み得る。エアロゾル形成基体は、液体を含み得る。エアロゾル形成基体は、ゲルを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、固体、液体、およびゲルのうちの二つ以上の任意の組み合わせを含んでもよい。
【0098】
エアロゾル形成基体の構成要素は、エアロゾル形成基体が発熱体上に堆積される前に、堆積液内に含まれる。したがって、以下に記載されるエアロゾル形成基体の構成要素のいずれかは、堆積液に含まれ得る。
【0099】
エアロゾル形成基体は、ニコチン、ニコチン誘導体、またはニコチン類似体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、一つ以上のニコチン塩を含んでもよい。一つ以上のニコチン塩は、クエン酸ニコチン、乳酸ニコチン、ピルビン酸ニコチン、重酒石酸ニコチン、ペクチン酸ニコチン、アルギン酸ニコチン、およびサリチル酸ニコチンから成るリストから選択されてもよい。
【0100】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成体」は、使用時に、高密度で安定したエアロゾルの形成を促進し、エアロゾル発生物品の使用温度で実質的に熱劣化耐性のある、任意の好適な既知の化合物または化合物の混合物である。好適なエアロゾル形成体は、当業界で周知であり、限定されるものではないが、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなどの多価アルコール、グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなどの多価アルコールのエステル、およびドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなどの、モノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステルが挙げられる。好ましいエアロゾル形成体は、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなどの、多価アルコールまたはその混合物である。
【0101】
エアロゾル形成基体は、風味剤をさらに含み得る。風味剤は、揮発性風味成分を含み得る。風味剤は、メントールを含み得る。本明細書に使用される場合、「メントール」という用語は、その異性体のいずれかにおける化合物2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノールを示す。風味剤は、メントール、レモン、バニラ、オレンジ、ウインターグリーン、チェリー、およびシナモンからなる群から選択される風味を提供し得る。風味剤は、加熱時に基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含んでもよい。
【0102】
一部の実施例において、エアロゾル形成基体は一つ以上の感覚増強剤を含む。適切な感覚増強剤としては、風味剤および感覚剤(冷感剤など)が挙げられる。適切な風味剤としては、天然または合成のメントール、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、スパイス(シナモン、クローブ、ショウガ、またはこれらの組み合わせなど)、ココア、バニラ、果実風味剤、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ビャクシン、アネトール、リナロール、およびこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0103】
下記に非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【実施例
【0104】
1. エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成する方法であって、
補助電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することと、
発熱体の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬すること、および
発熱体と補助電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることと、を含む、方法。
2. 発熱体が、実質的に平面である、実施例1に記載の方法。
3. 発熱体がワイヤである、実施例1に記載の方法。
4. 発熱体がコイルである、実施例1に記載の方法。
5. 発熱体の少なくとも一部分が、電気絶縁材料を含む基体上に配設される、実施例1~4のいずれか一つに記載の方法。
6. 発熱体の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップが、複数の発熱体の各々の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含む、実施例1~4のいずれか一つに記載の方法。
7. 複数の発熱体の各々の少なくとも一部分が、電気絶縁材料を含む基体上に配設される、実施例6に記載の方法。
8. 複数の発熱体が、アレイを形成するように配設され、各発熱体が、他の発熱体から離間している、実施例6または7に記載の方法。
9. 複数の発熱体の各々が、実質的に平面である、実施例6、7または8に記載の方法。
10. 複数の発熱体の各々がワイヤである、実施例6、7、または8に記載の方法。
11. 複数の発熱体の各々がコイルである、実施例6、7または8に記載の方法。
12. 堆積液が溶液である、実施例1~11のいずれか一つに記載の方法。
13. 堆積液が水を含む、実施例1~12のいずれか一つに記載の方法。
14. 堆積液が糖類を含む、実施例1~13のいずれか一つに記載の方法。
15. 糖類が単糖類を含む、実施例14に記載の方法。
16. 糖類が多糖類を含む、実施例14または15に記載の方法。
17. 多糖類がアルギン酸ナトリウムを含む、実施例16に記載の方法。
18. 多糖類がセルロース誘導体である、実施例16に記載の方法。
19. 堆積液が、アルギン酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムを含む、実施例1~18のいずれか一つに記載の方法。
20. 堆積液が、アルギン酸ナトリウムおよび鉄(II)を含む、実施例1~18のいずれか一つに記載の方法。
21. 堆積液が風味剤を含む、実施例1~20のいずれか一つに記載の方法。
22. 堆積液がニコチンを含む、実施例1~21のいずれか一つに記載の方法。
23. 堆積液がエアロゾル形成体を含む、実施例1~22のいずれか一つに記載の方法。
24. エアロゾル形成体が植物性グリセリンを含む、実施例23に記載の方法。
25. エアロゾル形成体がプロピレングリコールを含む、実施例23または24に記載の方法。
26. 堆積液が酸を含む、実施例1~25のいずれか一つに記載の方法。
27. 酸が乳酸を含む、実施例26に記載の方法。
28. 補助電極が銀を含む、実施例1~27のいずれか一つに記載の方法。
29. 補助電極が塩化銀を含む、実施例1~28のいずれか一つに記載の方法。
30. 発熱体の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップが、エアロゾル発生システムのカートリッジの少なくとも一部分を浸漬することを含み、カートリッジが発熱体を含む、実施例1~29のいずれか一つに記載の方法。
31. カートリッジが補助電極を備え、補助電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップが、カートリッジの少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含む、実施例30に記載の方法。
32. カートリッジがマウスピースを備える、実施例30または31に記載の方法。
33. カートリッジが、エアロゾル発生装置に取り外し可能に結合可能である、実施例30、31、または32に記載の方法。
34. エアロゾル発生装置が、カートリッジがエアロゾル発生装置に結合されて発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生する時に、発熱体に電力を供給するように配設された電源を備える、実施例33に記載の方法。
35. 発熱体の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップが、エアロゾル発生装置の少なくとも一部分を浸漬することを含み、エアロゾル発生装置が発熱体を含む、実施例1~29のいずれか一つに記載の方法。
36. エアロゾル発生装置が補助電極を備え、補助電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップが、エアロゾル発生装置の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含む、実施例35に記載の方法。
37. エアロゾル発生装置が、発熱体に電力を供給して、発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように配設された電源を備える、実施例35または36に記載の方法。
38. 発熱体と補助電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるステップが、エアロゾル発生装置の電源から発熱体に電力を供給することを含む、実施例34または37に記載の方法。
39. 発熱体と補助電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるステップが、エアロゾル発生装置の電源から補助電極に電力を供給することを含む、実施例34、37または38に記載の方法。
40. 方法が、基準電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することをさらに含み、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するステップが、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させることを含む、実施例1~39のいずれか一つに記載の方法。
41. 方法が、基準電極を堆積液中に浸漬することをさらに含み、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するステップが、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることを含み、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるステップが、エアロゾル発生装置の電源から基準電極に電力を供給することを含む、実施例34、37、38、39のいずれか一つに記載の方法。
42. 方法が、基準電極を堆積液中に浸漬することをさらに含み、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するステップが、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることを含み、カートリッジが基準電極を含み、基準電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップが、カートリッジの少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含む、実施例30~34のいずれか一つに記載の方法。
43. 方法が、基準電極を堆積液中に浸漬することをさらに含み、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するステップが、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることを含み、エアロゾル発生装置が、基準電極を備え、基準電極の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップが、エアロゾル発生装置の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬することを含む、実施例33~37のいずれか一つに記載の方法。
44. 基準電極が白金を含む、実施例40~43のいずれか一つに記載の方法。
45. 堆積液が堆積装置内に保持される、実施例1~44のいずれか一つに記載の方法。
46. 堆積液が堆積装置内に保持され、堆積装置が補助電極を備える、実施例1~30または35のいずれか一つに記載の方法。
47. 堆積液が堆積装置内に保持され、堆積装置が、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するように配設された電源を備え、発熱体と補助電極との間に電圧を供給し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるステップが、発熱体と補助電極との間に堆積装置の電源から電圧を供給することを含む、実施例1~37のいずれか一つに記載の方法 。
48. 堆積液が堆積装置内に保持され、堆積装置が補助電極を備え、堆積装置が、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するように配設された電源を備え、発熱体と補助電極との間に電圧を供給し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるステップが、発熱体と補助電極との間に堆積装置の電源から電圧を供給することを含む、実施例1~30または35のいずれか一つに記載の方法。
49. 堆積液が堆積装置内に保持され、方法が基準電極を堆積液中に浸漬することをさらに含み、堆積装置が基準電極を備え、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するステップが、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることを含む、実施例1~39のいずれか一つに記載の方法。
50. 方法が、基準電極を堆積液中に浸漬することをさらに含み、電圧を供給するステップが、堆積装置の電源から発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させることを含む、実施例46、47、または48に記載の方法。
51. 堆積装置が補助電極を備える、実施例49または50に記載の方法。
52. 堆積装置が、発熱体と補助電極との間の電圧の供給を制御するように構成されたコントローラを備える、実施例45~48のいずれか一つに記載の方法。
53. 堆積装置が、発熱体と、補助電極と、基準電極との間の電圧の供給を制御するように構成されたコントローラを備える、実施例49、50、または51に記載の方法。
54. 方法が、発熱体をクリーニングするステップをさらに含む、実施例1~53のいずれか一つに記載の方法。
55. 発熱体をクリーニングするステップが、発熱体の少なくとも一部分を堆積液中に浸漬するステップの前に実施される、実施例54に記載の方法。
56. 発熱体をクリーニングするステップが、発熱体をブラシでブラッシングすることと、発熱体をスクレーパーで掻き取ることのうちの少なくとも一つを含む、実施例54または55に記載の方法。
57. 発熱体をクリーニングするステップが、発熱体の少なくとも一部分をクリーニング液中に浸漬することを含む、実施例54~56のいずれか一つに記載の方法。
58. クリーニング液が酸を含む、実施例57に記載の方法。
60. クリーニング溶液が堆積液であり、方法が、
クリーニング補助電極をクリーニング液中に浸漬することと、
発熱体の少なくとも一部分をクリーニング液中に浸漬すること、および
発熱体とクリーニング補助電極との間に電圧を供給して、発熱体を電気的にクリーニングすることとをさらに含む、実施例58または59に記載の方法。
61. エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するためのシステムであって、システムが、
発熱体と、
堆積液と、
補助電極を備え、
システムが、発熱体の少なくとも一部分および補助電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬された時に、発熱体と補助電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成される、システム。
62. 発熱体が、実質的に平面である、実施例61に記載のシステム。
63. 発熱体がワイヤである、実施例61に記載のシステム。
64. 発熱体がコイルである、実施例61に記載のシステム。
65. 発熱体の少なくとも一部分が、電気絶縁材料を含む基体上に配設される、実施例61~64のいずれか一つに記載のシステム。
66. 発熱体が複数の発熱体を含む、実施例61~64のいずれか一つに記載のシステム。
67. 複数の発熱体の各々の少なくとも一部分が、電気絶縁材料を含む基体上に配設される、実施例66に記載のシステム。
68. 複数の発熱体が、アレイを形成するように配設され、各発熱体が、他の発熱体から離間している、実施例66または67に記載のシステム。
69. 複数の発熱体の各々が実質的に平面である、実施例66、67または68に記載のシステム。
70. 複数の発熱体の各々がワイヤである、実施例66、67、または68に記載のシステム。
71. 複数の発熱体の各々がコイルである、実施例66、67または68に記載のシステム。
72. 堆積液が溶液である、実施例61~71のいずれか一つに記載のシステム。
73. 堆積液が水を含む、実施例61~72のいずれか一つに記載のシステム。
74. 堆積液が糖類を含む、実施例61~73のいずれか一つに記載のシステム。
75. 糖類が単糖類を含む、実施例74に記載のシステム。
76. 糖類が多糖類を含む、実施例74または75に記載のシステム。
77. 多糖類がアルギン酸ナトリウムを含む、実施例76に記載のシステム。
78. 多糖類がセルロース誘導体である、実施例76に記載のシステム。
79. 堆積液が、アルギン酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムを含む、実施例61~78のいずれか一つに記載のシステム。
80. 堆積液が、アルギン酸ナトリウムおよび鉄(II)を含む、実施例61~78のいずれか一つに記載のシステム。
81. 堆積液が風味剤を含む、実施例61~80のいずれか一つに記載のシステム。
82. 堆積液がニコチンを含む、実施例61~81のいずれか一つに記載のシステム。
83. 堆積液がエアロゾル形成体を含む、実施例61~82のいずれか一つに記載のシステム。
84. エアロゾル形成体が植物性グリセリンを含む、実施例83に記載のシステム。
85. エアロゾル形成体がプロピレングリコールを含む、実施例83または84に記載のシステム。
86. 堆積液が酸を含む、実施例61~85のいずれか一つに記載のシステム。
87. 酸が乳酸を含む、実施例86に記載のシステム。
88. 補助電極が銀を含む、実施例61~87のいずれか一つに記載のシステム。
89. 補助電極が塩化銀を含む、実施例61~88のいずれか一つに記載のシステム。
90. システムが、エアロゾル発生システムのカートリッジをさらに備え、カートリッジが発熱体を備える、実施例61~89のいずれか一つに記載のシステム。
91. カートリッジが補助電極を備える、実施例90に記載のシステム。
92. カートリッジがマウスピースを備える、実施例90または91に記載のシステム。
93. カートリッジが、エアロゾル発生システムのエアロゾル発生装置に取り外し可能に結合可能である、実施例90、91または92に記載のシステム。
94. エアロゾル発生装置が、カートリッジがエアロゾル発生装置に結合されて発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾル形成基体からエアロゾルを発生する時に、発熱体に電力を供給するように配設された電源を備える、実施例93に記載のシステム。
95. システムがエアロゾル発生装置を備え、エアロゾル発生装置が発熱体を備える、実施例61~89のいずれか一つに記載のシステム。
96. 発熱体がエアロゾル発生装置に取り外し可能に結合可能である、実施例95に記載のシステム。
97. 発熱体がエアロゾル発生装置の一体型の部分である、実施例95に記載のシステム。
98. エアロゾル発生装置が補助電極を備える、実施例95、96または97に記載のシステム。
99. エアロゾル発生装置が、発熱体に電力を供給して、発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体を加熱して、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生するように配設された電源を備える、実施例95~98のいずれか一つに記載のシステム。
100. エアロゾル発生装置が、電源から発熱体へ電力供給を制御するように構成されたコントローラを備える、実施例94または99に記載のシステム。
101. コントローラが、発熱体および補助電極が堆積液中に浸漬された時に、電源から発熱体への電力供給を制御して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成される、実施例100に記載のシステム。
102. コントローラが、電源から補助電極への電力供給を制御するように構成されている、実施例100または101に記載のシステム。
103. コントローラが、発熱体および補助電極が堆積液中に浸漬された時に、電源から補助電極への電力供給を制御して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成される、実施例102に記載のシステム。
104. システムが、基準電極をさらに備え、発熱体の少なくとも一部分、補助電極の少なくとも一部分および基準電極の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬される時に、システムが、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成される、実施例61~103のいずれか一つに記載のシステム。
105. システムが、基準電極をさらに備え、発熱体の少なくとも一部分、補助電極の少なくとも一部分、および基準電極の少なくとも一部分が、堆積液中に浸漬される時に、システムが、エアロゾル発生装置の電源から発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成される、実施例94または99~103のいずれか一つに記載のシステム。
106. カートリッジが、基準電極をさらに備え、発熱体の少なくとも一部分、補助電極の少なくとも一部分、および基準電極の少なくとも一部分が、堆積液中に浸漬される時に、システムが、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成される、実施例90~94のいずれか一つに記載のシステム。
107. エアロゾル発生装置が、基準電極をさらに備え、発熱体の少なくとも一部分、補助電極の少なくとも一部分、および基準電極の少なくとも一部分が、堆積液中に浸漬される時に、システムが、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成される、実施例93~99のいずれか一つに記載のシステム。
108. 基準電極が白金を含む、実施例104~107のいずれか一つに記載のシステム。
109. システムが堆積装置をさらに備え、堆積液が堆積装置内に保持される、実施例61~108のいずれか一つに記載のシステム。
110. システムが堆積装置をさらに備え、堆積液が堆積装置内に保持され、堆積装置が補助電極を備える、実施例61~90または95~97のいずれか一つに記載のシステム。
111. システムが堆積装置をさらに備え、堆積液が堆積装置内に保持され、堆積装置が、発熱体と補助電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させるように配設された電源を備える、実施例61~101のいずれか一つに記載のシステム。
112. システムが堆積装置をさらに備え、堆積液が堆積装置内に保持され、堆積装置が補助電極を備え、堆積装置が発熱体と補助電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させるように配設された電源を備える、実施例61~90または95~97のいずれか一つに記載のシステム。
113. システムが、堆積装置および基準電極をさらに備え、堆積液が堆積装置内に保持され、堆積装置が基準電極を備え、システムが、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体上に堆積させるように構成される、実施例61~103のいずれか一つに記載のシステム。
114. システムが、堆積装置および基準電極をさらに備え、堆積装置が、基準電極を備え、発熱体の少なくとも一部分、補助電極の少なくとも一部分、および基準電極の少なくとも一部分が、堆積液中に浸漬される時に、堆積装置が、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給し、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように配設された電源を備える、実施例110、111または112のいずれかに一つに記載のシステム。
115. 堆積装置が補助電極を備える、実施例113または114に記載のシステム。
116. 堆積装置が、発熱体と補助電極との間の電圧の供給を制御するように構成されたコントローラを備える、実施例109~112のいずれか一つに記載のシステム。
117. 堆積装置が、発熱体と、補助電極と、基準電極との間の電圧の供給を制御するように構成されたコントローラを備える、実施例113、114、または115に記載のシステム。
118. システムが、エアロゾル形成基体を発熱体から取り外すように構成されたクリーナーをさらに備える、実施例1~117のいずれか一つに記載のシステム。
119. 堆積装置が、発熱体からエアロゾル形成基体を除去するように構成されたクリーナーをさらに備える、実施例109~118のいずれか一つに記載のシステム。
120. クリーナーがブラシを含む、実施例118または119に記載のシステム。
121. クリーナーがスクレーパーを備える、実施例118、119、または120に記載のシステム。
122. クリーナーがクリーニング液を含む、実施例118~121のいずれか一つに記載のシステム。
123. 堆積装置が、発熱体を受容するように構成されたクリーニング空洞を備えるクリーニング区画を備え、クリーニング空洞がクリーニング液を保持する、実施例119に記載のシステム。
124. クリーニング液が酸を含む、実施例122または123に記載のシステム。
125. クリーニング液が堆積液であり、発熱体がクリーニング液内に受容され、発熱体を電気的にクリーニングする時に、堆積装置が発熱体に電気的に結合され、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するように構成される、実施例122に記載のシステム。
126. クリーニング液が堆積液であり、堆積装置がクリーニング液内に配設されたクリーニング補助電極を備え、発熱体がクリーニング液内に受容されて発熱体を電気的にクリーニングする時に、堆積装置が発熱体に電気的に結合され、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するように構成される、実施例123に記載のシステム。
127. 堆積液を保持する空洞を画定するハウジングを備える、堆積装置。
128. 堆積装置が、エアロゾル形成システムの発熱体と電気的に結合されるように構成される、実施例127に記載の堆積装置。
129. 空洞内に配設され、かつ堆積液中に少なくとも部分的に浸漬された補助電極をさらに備える、実施例128に記載の堆積装置。
130. 発熱体が堆積装置に電気的に結合され、発熱体の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬される時に、発熱体と補助電極との間に電圧を供給して、発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように配設された電源をさらに備える、実施例129に記載の堆積装置。
131. 空洞内に配設され、かつ堆積液中に少なくとも部分的に浸漬された基準電極をさらに備える、実施例129に記載の堆積装置。
132. 発熱体が堆積装置に電気的に結合され、発熱体の少なくとも一部分が堆積液中に浸漬される時に、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給して、発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させるように配設された電源をさらに備える、実施例131に記載の堆積装置。
133. 電源からの電力供給を制御するためのコントローラをさらに備える、実施例130または132に記載の堆積装置。
134. 堆積装置が、空洞内にエアロゾル発生システムの発熱体の少なくとも一部分を受容するように構成され、発熱体が空洞内に受容されたときに、発熱体が堆積液中に少なくとも部分的に浸漬される、実施例127に記載の堆積装置。
135. 堆積装置が、空洞内にエアロゾル発生システムのカートリッジの少なくとも一部分を受容するように構成され、カートリッジが、カートリッジが空洞内に受容されたときに、堆積液中に少なくとも部分的に浸漬される発熱体を備える、実施例127に記載の堆積装置。
136. 堆積装置が、空洞内にエアロゾル発生装置の少なくとも一部分を受容するように構成され、エアロゾル発生装置が、カートリッジが空洞内に受容されたときに、堆積液中に少なくとも部分的に浸漬される発熱体を備える、実施例127に記載の堆積装置。
137. 堆積液が溶液である、実施例127~136のいずれか一つに記載の堆積装置。
138. 堆積液が水を含む、実施例127~137のいずれか一つに記載の堆積装置。
139. 堆積液が糖類を含む、実施例127~138のいずれか一つに記載の堆積装置。
140. 糖類が単糖類を含む、実施例139に記載の堆積装置。
141. 糖類が多糖類を含む、実施例139または140に記載の堆積装置。
142. 多糖類がアルギン酸ナトリウムを含む、実施例141に記載の堆積装置。
143. 多糖類がセルロース誘導体である、実施例141に記載の堆積装置。
144. 堆積液が、アルギン酸ナトリウムおよび炭酸カルシウムを含む、実施例127~143のいずれか一つに記載の堆積装置。
145. 堆積液が、アルギン酸ナトリウムおよび鉄(II)を含む、実施例127~143のいずれか一つに記載の堆積装置。
146. 堆積液が風味剤を含む、実施例127~145のいずれか一つに記載の堆積装置。
147. 堆積液がニコチンを含む、実施例127~146のいずれか一つに記載の堆積装置。
148. 堆積液が、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含む、実施例127~147のいずれか一つに記載の堆積装置。
149. エアロゾル形成体が植物性グリセリンを含む、実施例148に記載の堆積装置。
150. エアロゾル形成体がプロピレングリコールを含む、実施例147または149に記載の堆積装置。
151. 堆積液が酸を含む、実施例127~150のいずれか一つに記載の堆積装置。
152. 酸が乳酸を含む、実施例151に記載の堆積装置。
153. エアロゾル発生装置であって、
発熱体と、
補助電極と、
発熱体に電力を供給し、発熱体と補助電極との間に電圧を供給するように配設された電源と、
コントローラであって、
発熱体への電力供給を制御して、発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生させ、
発熱体と補助電極との間の電圧の供給を制御するように構成された、コントローラとを備える、エアロゾル発生装置。
154. 基準電極をさらに備え、
電源が、発熱体と、補助電極と、基準電極との間に電圧を供給するように配設され、
コントローラが、発熱体と、補助電極と、基準電極との間の電圧の供給を制御するように構成される、実施例153に記載のエアロゾル発生装置。
155. エアロゾル発生システムのためのカートリッジであって、
発熱体、および
補助電極と、を備える、カートリッジ。
156. エアロゾル形成基体が発熱体上に堆積される、実施例155に記載のカートリッジ。
157. 基準電極をさらに備える、実施例155または156に記載のカートリッジ。
【0105】
ここで本開示の実施形態を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるが説明する。
【図面の簡単な説明】
【0106】
図1a図1aおよび1bは、本開示によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するための簡略化されたシステムの概略図である。
図1b】同上。
図2図2は、本開示による発熱体および堆積装置の概略図である。
図3図3は、図2の発熱体および堆積装置の概略図であり、発熱体は堆積装置内に受容されている。
図4a図4aおよび4bは、本開示による、エアロゾル発生装置および図2の発熱体を備えるエアロゾル発生システムの概略図である。
図4b】同上。
図5図5は、本開示によるクリーニング装置の概略図である。
図6図6は、本開示によるクリーナーを含む堆積装置の概略図である。
図7図7は、本開示によるクリーナーを含む堆積装置の概略図である。
図8a図8aおよび8bは、本開示によるエアロゾル発生装置の概略図である。
図8b】同上。
図9図9は、本開示によるエアロゾル発生システム用のカートリッジおよび堆積装置の概略図である。
図10図10は、図9のカートリッジおよび堆積装置の概略図であり、カートリッジは堆積装置内に受容される。
図11図11は、カートリッジがエアロゾル発生装置中に受容されている、図9のカートリッジおよびエアロゾル発生装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0107】
図1aおよび1bは、本開示によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するための二つの異なるシステムを示す。
【0108】
図1aは、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させてエアロゾル発生構成要素を形成するための二つの電極システムを示す。システムは、作用電極として機能する発熱体1と、補助電極4とを備える。発熱体1は白金から形成され、補助電極4は塩化銀から形成される。発熱体1および補助電極4は、堆積液6に部分的に浸漬される。堆積液6は、溶媒として水、アルギン酸ナトリウム(AlgNa)、炭酸カルシウム粒子(CaCO3)、プロピレングリコールの形態のエアロゾル形成体、およびニコチンを含む溶液である。堆積液は、エアロゾル形成基体の所望の構成成分を含み、この実施形態では、プロピレングリコール(エアロゾル形成体)、水、およびニコチンである。当然のことながら、他の実施形態では、堆積液は異なる構成要素を含んでもよい。例えば、堆積液は、アルギン酸ナトリウムとは異なる多糖類を含んでもよい。例えば、堆積液は、プロピレングリコールとは異なるエアロゾル形成体を含んでもよい。例えば、堆積液は、ニコチンとは異なる活性成分を含んでもよい。例えば、堆積液は、風味剤および酸のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0109】
発熱体1および補助電極4の各々は、発熱体1と補助電極4との間に電圧を供給するように配設された電源(図示せず)に接続されている。コントローラ(図示せず)は、発熱体1、補助電極4への電力供給を制御する。発熱体1と補助電極4との間に電圧が供給されると、電界が堆積液6内に確立される。堆積液6内の電界は、堆積液6内の荷電粒子7を発熱体1に向かって移動させる。発熱体1に引き付けられた荷電粒子7は、発熱体1の表面上に堆積され、発熱体1の表面上にエアロゾル形成基体の層を形成する。この堆積液6について、堆積液6中のアルギン酸ナトリウムは、発熱体1でゲル化して、発熱体1上に堆積されるヒドロゲルを形成する。ヒドロゲルは、発熱体上に堆積されたヒドロゲルがエアロゾル形成基体の所望の構成要素を含むように、プロピレングリコール、水、およびニコチンを捕捉する。
【0110】
図1bは、作用電極として作用する発熱体1、補助電極4、および基準電極5を備える、エアロゾル発生構成要素を形成するための三つの電極システムを示す。図1bのシステムは、図1aのシステムと実質的に類似しており、同様の特徴は同様の参照で示されている。図1bのシステムは、図1bのシステムが基準電極5を備えるという点でのみ、図1aのシステムと異なる。基準電極5は、白金から形成される。基準電極5は、堆積液6内に部分的に浸漬され、電源(図示せず)に接続される。電源は、発熱体1、補助電極4、および基準電極5の間に電圧を供給するように配設されている。
【0111】
コントローラ(図示せず)は、発熱体1、補助電極4、および基準電極5への電力供給を制御する。安定かつ既知の電圧が電源から補助電極4に供給される。発熱体1と基準電極5との間に電圧が供給され、これは補助電極4に供給される電圧に対して測定される。発熱体1で生じるエアロゾル形成基体の電気堆積速度は、基準電極5と補助電極4との間で測定された電圧からコントローラによって決定され、基準電極5と発熱体1との間の電圧は、発熱体1で生じるエアロゾル形成基体の判定された電気堆積速度に応答して調整される。
【0112】
図2~4は、本開示によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するためのシステムを示す。
【0113】
図2に示すように、システムは、電気絶縁基体2上に提供された発熱体1を備える。発熱体1および電気絶縁基体2は、エアロゾル発生基体が発熱体1上に堆積された時に、エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素3を形成する。エアロゾル発生構成要素3は、エアロゾル発生システムのカートリッジであるとみなされ得る。
【0114】
また、図2に示すように、システムは堆積装置10を備える。堆積装置10は、堆積液6を保持する空洞12を画定するハウジング11を備える。堆積液6は、図1aを参照して上述したものと同じ堆積液である。
【0115】
堆積装置10をエアロゾル発生構成要素3に結合するためのコネクター14は、空洞12内に配設され、堆積液6に浸漬される。コネクター14は、エアロゾル発生構成要素3がコネクターに結合された時に発熱体1と電気的に結合するように構成された電気接点パッド15を備える。補助電極4および基準電極5はまた、空洞16内に配置され、少なくとも部分的に堆積液6内に浸漬される。
【0116】
ハウジング11は、堆積装置10の上端に開口部16をさらに画定して、エアロゾル発生構成要素3を空洞12の中に挿入することを可能にする。閉鎖部17は、ハウジング11に摺動可能に結合され、開位置と閉位置との間で摺動可能に移動可能である。開位置では、開口部16は、空洞12の中へのエアロゾル発生構成要素3の挿入、および空洞12からのエアロゾル発生構成要素3の取り外しを可能にするように開いている。閉位置では、閉鎖部17は、開口部16を覆い、空洞12の中へのエアロゾル発生構成要素3の挿入、および空洞12からのエアロゾル発生構成要素3の取り外しを防止する。閉鎖部17が閉位置にある時に堆積液6が空洞12から漏れ出ることができないように、閉鎖部17と閉位置にあるハウジング11との間に液密シールが提供される。閉鎖部17は、開位置と閉位置との間で任意の適切な様態で移動可能であってもよいことが理解されよう。一部の実施形態では、閉鎖部17は、開位置と閉位置との間で回転可能に移動可能であってもよい。一部の実施形態では、閉鎖部17は、ハウジング11から取り外し可能であってもよい。
【0117】
堆積装置10は、再充電可能リチウムイオン電池の形態の電源18をさらに備える。電源18は、電気接点パッド15、補助電極4、および基準電極5に電力を供給するように配設される。堆積装置10は、電気接点パッド15、補助電極4、および基準電極5への電力供給を制御するように構成されたコントローラ19をさらに備える。
【0118】
図3は、堆積装置10の空洞12内に受容されたエアロゾル発生構成要素3を示し、閉鎖部17は、空洞12からのエアロゾル発生構成要素3の取り外しを防止するために閉位置にある。エアロゾル発生構成要素3は、堆積装置10のコネクター14に結合され、発熱体1は、堆積液6内に完全に浸漬され、電気接点パッド15に電気的に結合される。この構成では、システムは、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体1上に堆積させる準備ができている。堆積装置10およびエアロゾル発生構成要素3は、図1bを参照して上述したように、三つの電極システムを形成する。
【0119】
堆積装置10は、スイッチ(図示せず)をさらに備える。スイッチがユーザーによって起動されると、コントローラ19は電気接点パッド15に電力を供給し、これは発熱体1、補助電極4、および基準電極5に電力を供給する。コントローラは、図1bを参照して上述したように、発熱体1と、補助電極4と、基準電極5との間に電圧を供給して、電気泳動堆積1によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させる。
【0120】
図4aは、図2および3のエアロゾル発生構成要素3と結合し、エアロゾル発生システムを形成するように構成されたエアロゾル発生装置20を示す。エアロゾル発生装置20は、エアロゾル発生構成要素3を受容するための空洞22を画定するハウジング21を備える。マウスピース23は、エアロゾル発生装置20のハウジング21に取り外し可能に結合可能であり、ハウジング21に結合された時に空洞22を覆って、エアロゾル発生構成要素3を空洞22内に保持する。エアロゾル発生装置20は、再充電可能リチウムイオン電池の形態の電源24をさらに備え、これはエアロゾル発生構成要素3が空洞22内に受容された時にエアロゾル発生構成要素3の発熱体1に電気的に結合されるように配設される。エアロゾル発生装置20は、エアロゾル発生構成要素の発熱体1への電力供給を制御するコントローラ25をさらに備える。
【0121】
図4bは、使用準備の整ったエアロゾル発生システムを示し、エアロゾル発生構成要素3の電気泳動堆積によって発熱体1上に堆積されるエアロゾル形成基体、空洞22内に受容されたエアロゾル発生構成要素3、およびハウジング21に結合されたマウスピース23を有する。エアロゾル発生装置20は、ユーザーがマウスピース23を吸煙したことを検出するとエアロゾル発生装置20を起動する吸煙センサー(図示せず)をさらに備える。使用時に、ユーザーがマウスピース23を吸煙することによって装置を起動する時、コントローラ25は、電源24から発熱体1に電力を供給してエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生し、これがマウスピース23を通してユーザーに送達される。
【0122】
図5、6、および7は、エアロゾル発生構成要素の発熱体からエアロゾル形成基体を除去するように構成された様々なクリーナーを示す。
【0123】
図5は、クリーニング装置30を示す。クリーニング装置30は、一方の端に、発熱体からエアロゾル形成基体をブラッシングするためのブラシ31を備える。クリーニング装置30は、ブラシ31の反対側の端にスクレーパー32をさらに備える。スクレーパーは、エアロゾル形成基体を発熱体から掻き取るように構成される。クリーニング装置30は、ユーザーによって手動で使用されるように構成されている。言い換えれば、ユーザーは、ブラシ31およびスクレーパー32を自身の手で保持および操作する。使用時に、ユーザーは、電気泳動堆積によって発熱体上に新しいエアロゾル形成基体を堆積させる前に、エアロゾル発生構成要素の発熱体をクリーニングする。
【0124】
図6は、クリーナーを備える堆積装置10を示す。堆積装置10は、図2および3を参照して上述した堆積装置10と実質的に同一であり、同様の特徴を説明するために同様の参照符号が使用される。図6の堆積装置10は、図6の堆積装置10がクリーナーを備えるという点でのみ、図2および3の堆積装置10とは異なる。
【0125】
図6の堆積装置10のクリーナーは、堆積装置10のハウジングによって画定されるクリーニング空洞34を備える。クリーニング空洞34はクリーニング液35を保持する。この実施形態では、クリーニング液は水性クリーニング溶液である。当然のことながら、発熱体からエアロゾル形成基体を除去するのに適した任意のクリーニング液が使用されてもよい。開口部36は、エアロゾル発生構成要素3をクリーニング区画34の中へと挿入し、クリーニング区画34から取り外すことを可能にするためにハウジング内に提供されている。閉鎖部37も提供され、開位置と閉位置との間で回転可能である。開位置では、カバー37は、開口部36から離れるように回転して、エアロゾル発生構成要素をクリーニング空洞34の中へと挿入し、クリーニング空洞34から取り外すことを可能にする。閉位置では、カバー37は開口部36の上で回転して開口部36を覆い、エアロゾル発生構成要素のクリーニング空洞34の中への挿入、およびエアロゾル発生構成要素のクリーニング空洞34からの取り外しを防止する。液密シールは、クリーニング液がクリーニング区画34から漏れ出るのを防止するために、閉位置で堆積装置のハウジングと閉鎖部37との間に提供される。
【0126】
図7はまた、クリーナーを備える堆積装置10を示す。堆積装置10は、図2および3を参照して上述した堆積装置10と実質的に同一であり、同様の特徴を説明するために同様の参照符号が使用される。図7の堆積装置10は、図7の堆積装置10がクリーナーを備えるという点でのみ、図2および3の堆積装置10とは異なる。
【0127】
図7の堆積装置10のクリーナーは、堆積装置10のハウジングによって画定されるクリーニング空洞34を備える。クリーニング空洞34は、空洞12と実質的に類似しており、類似の開閉部が提供されている。クリーニング空洞34はクリーニング液35を保持する。この実施形態では、クリーニング液は、空洞12内の堆積液6と類似した堆積液である。電気接点パッド、補助電極38、および基準電極39を有するコネクター37は、クリーニング液35に浸漬されたクリーニング空洞34内に提供されている。コネクター37、補助電極38、および基準電極39は、空洞12内のコネクター14、補助電極4、および基準電極5と同一であり、電源18およびコントローラ19に同様に接続される。コントローラは、コネクター37に接続されたエアロゾル発生構成要素の発熱体と、補助電極38と、基準電極39との間の電圧の供給を制御して、エアロゾル形成基体を発熱体から除去するように構成される。コネクター37に接続されたエアロゾル発生構成要素の発熱体と、補助電極38と、基準電極39との間に供給される電圧は、概して、コネクター14に接続されたエアロゾル発生構成要素の発熱体と、補助電極4と、基準電極5との間に供給される電圧とは反対であり、電気泳動堆積によって発熱体上にエアロゾル形成基体を堆積させる。こうした電圧は、堆積液中に電界を確立し、これは発熱体上のエアロゾル形成基体が発熱体から離れるように移動させる。
【0128】
図8aおよび8bは、本開示によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するためのシステムを示す。システムは、堆積装置10およびエアロゾル発生装置20を含む。
【0129】
図8bに示すように、この実施形態の堆積装置10は、堆積液6を保持する容器を備える。堆積液6は、図1aを参照して上述したものと同じ堆積液である。堆積装置10の容器は、図8bに示すように、エアロゾル発生装置20の一部分を受容するようにサイズ設定される。
【0130】
図8aに示すように、エアロゾル発生装置20は、発熱体1を含む空洞22を画定するハウジング21と、補助電極4とを備える。発熱体1は、白金の平面シートを備え、補助電極4は、空洞22を画定するハウジング21の内表面に適用される塩化銀の層を備える。補助電極4は、発熱体1を囲み、発熱体1と補助電極4との間のギャップは、エアロゾル発生装置20が堆積装置10内に受容された時に堆積液6を収容する。発熱体1および補助電極4は、図1aを参照して上述したように、二つの電極システムを形成する。
【0131】
エアロゾル発生装置20は、エアロゾル発生装置20のハウジング21に取り外し可能に結合可能であり、ハウジング21に結合された時に空洞22を覆うマウスピース23をさらに備える。マウスピース23は、エアロゾル発生装置20が堆積装置10内に受容されている時にマウスピースが堆積液6と接触しないように取り外し可能である。
【0132】
エアロゾル発生装置20は、発熱体1および補助電極4に電気的に結合される再充電可能リチウムイオン電池の形態の電源24をさらに備える。エアロゾル発生装置20は、発熱体1および補助電極4へ電力供給を制御するコントローラ25をさらに備える。コントローラ25は、発熱体1への電力供給を制御して、電気泳動堆積によって発熱体1の表面上に堆積されたエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するように構成される。コントローラ25はまた、エアロゾル発生装置20が堆積装置10内に受容され、発熱体の少なくとも一部分および補助電極の一部分が堆積液6内に浸漬される時に、発熱体1と補助電極4との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって発熱体1上にエアロゾル形成基体を堆積させるように構成される。
【0133】
エアロゾル発生装置20は、ユーザーがマウスピース23を吸煙したことを検出すると装置を起動する吸煙センサー(図示せず)をさらに備える。使用時に、マウスピース23がハウジング21に結合されている時、およびユーザーがマウスピース23を吸煙することによって装置を起動した時、コントローラ25は電源24から発熱体1に電力を供給してエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生し、これがマウスピース23を通してユーザーに送達される。
【0134】
エアロゾル発生装置20を使用する準備をするために、マウスピース23はハウジング21から外し、エアロゾル発生装置20の近位端を堆積装置10の容器に挿入し、堆積液6に浸漬される。エアロゾル発生装置20の近位端は、空洞22、発熱体1、および補助電極4を備える。エアロゾル発生装置20の近位端が堆積液6内に浸漬されると、発熱体1および補助電極4も堆積液6内に浸漬される。堆積装置10およびエアロゾル発生装置20は、図1aを参照して上述したように、二つの電極システムを形成する。エアロゾル発生装置20は、コントローラ25に発熱体1と補助電極4との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によってエアロゾル形成基体を発熱体1上に堆積させるように命令することを可能にするスイッチ(図示せず)をさらに備える。エアロゾル発生装置20の近位端が堆積液6に浸漬されると、ユーザーはスイッチを起動して、電気泳動堆積によって発熱体1上にエアロゾル形成基体を堆積させる。エアロゾル形成基体が電気泳動堆積によって発熱体1上に堆積される時、発熱体1およびエアロゾル形成基体はエアロゾル発生構成要素を形成し、エアロゾル発生装置20は使用準備の整ったエアロゾル発生システムを形成する。
【0135】
図9、10および11は、本開示によるエアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素を形成するためのシステムを示す。
【0136】
図9に示すように、システムは、電気絶縁基体2上に提供された複数の発熱体1を備える。この実施形態では、複数の発熱体1は、電気絶縁基体2にわたって規則的な間隔で互いに離間した六つの発熱体を備える。各発熱体1は、長方形の白金の細片を備える。補助電極4は、電気絶縁基体2の一方の端に配設される。補助電極4は、長方形の塩化銀のシートを含む。基準電極5は、電気絶縁基体2上の補助電極4に隣接して配設される。基準電極5は、長方形の白金の細片を含む。複数の発熱体1、電気絶縁基体2、補助電極4、および基準電極5は、マウスピース23内に収容される。マウスピースは、ユーザーがマウスピースを吸煙してエアロゾルを受容することを可能にするように構成されている。複数の発熱体1、電気絶縁基体2、補助電極4、基準電極5、およびマウスピース23は、エアロゾル発生基体が複数の発熱体1上に堆積された時に、エアロゾル発生システムのエアロゾル発生構成要素3を形成する。エアロゾル発生構成要素3は、図11に示すように、エアロゾル発生装置に結合されてエアロゾル発生システムを形成するカートリッジであるとみなされ得る。
【0137】
エアロゾル発生構成要素を形成するためのシステムは、図9に示すように、堆積装置10をさらに備える。堆積装置10は、図2を参照して上述した堆積装置10と実質的に類似しており、同様の特徴は同様の参照番号で示されている。
【0138】
図9の堆積装置10は、堆積液6を保持する空洞12を画定するハウジング11を備える。堆積液6は、図1aを参照して上述したものと同じ堆積液である。
【0139】
堆積装置10をカートリッジ3に結合するためのコネクター14は、空洞12内に配置され、堆積液6に浸漬される。コネクター14は、カートリッジがコネクター14に結合された時に、カートリッジ3の複数の発熱体1、補助電極4、および基準電極5と電気的に結合するように構成された複数の電気接点パッドを備える。
【0140】
ハウジング11は、カートリッジ3を空洞12内に挿入できるように、堆積装置10の上端に開口部16をさらに画定する。閉鎖部17は、ハウジング11に回転可能に結合され、開位置と閉位置との間で回転可能に移動可能である。開位置では、開口部16は、空洞12の中へのカートリッジ3の挿入、および空洞12からのカートリッジ3の取り外しを可能にするように開いている。閉位置では、閉鎖部17は開口部16を覆い、カートリッジ3の空洞12の中への挿入およびカートリッジ3の空洞12からの取り外しを防止する。閉鎖部17が閉位置にある時に堆積液6が空洞12から漏れ出ることができないように、閉鎖部17と閉位置にあるハウジング11との間に液密シールが提供される。
【0141】
堆積装置10は、再充電可能リチウムイオン電池の形態の電源18をさらに備える。電源18は、コネクター14の電気接点パッド15に電力を供給するように配設される。堆積装置10は、電気接点パッド15への電力供給を制御するように構成されたコントローラ19をさらに備える。
【0142】
図10は、堆積装置10の空洞12内に受容されたカートリッジ3を示し、閉鎖部17は、空洞12からのカートリッジ3の取り外しを防止するために閉位置にある。カートリッジ3は、堆積装置10のコネクター14に結合され、複数の発熱体1、補助電極4、および基準電極5は、堆積液6内に完全に浸漬され、それぞれコネクター14の電気接点パッドのうちの一つに電気的に結合される。この構成では、システムは、電気泳動堆積によって複数の発熱体1の各々上にエアロゾル形成基体を堆積させる準備ができている。堆積装置10およびカートリッジ3は、図1bを参照して上述したように、三つの電極システムを形成する。
【0143】
堆積装置10は、スイッチ(図示せず)をさらに備える。スイッチがユーザーによって起動されると、コントローラ19は電気接点パッドに電力を供給し、これは複数の発熱体1、補助電極4、および基準電極5の各々に電力を供給する。コントローラは、図1bを参照して上述したように、補助電極4と複数の発熱体1との間、および基準電極5と複数の発熱体1との間に電圧を供給して、電気泳動堆積によって複数の発熱体1の各々の上にエアロゾル形成基体を堆積させる。
【0144】
図11は、図9および10のカートリッジ3と結合してエアロゾル発生システムを形成するように構成されたエアロゾル発生装置20を示す。エアロゾル発生装置20は、カートリッジ3と結合するように構成されたハウジング21を備える。エアロゾル発生装置20は、カートリッジ3がエアロゾル発生装置20に結合された時に、カートリッジの複数の発熱体1のそれぞれに電気的に結合するように配設される、再充電可能リチウムイオン電池の形態の電源24をさらに備える。エアロゾル発生装置20は、電源24からカートリッジの複数の発熱体1の各々への電力供給を選択的に制御するように構成されたコントローラ25をさらに備える。
【0145】
図11は、電気泳動堆積によってカートリッジ3の複数の発熱体1の各々の上にエアロゾル形成基体が堆積され、カートリッジ3がエアロゾル発生装置20に結合された、使用準備の整ったエアロゾル発生システムを示す。エアロゾル発生装置20は、ユーザーがマウスピース23を吸煙したことを検出するとエアロゾル発生装置20を起動する吸煙センサー(図示せず)をさらに備える。使用時に、ユーザーがマウスピース23を吸煙することによって装置を起動する時、コントローラ25は、電源24から複数の発熱体1のそれぞれに電力を選択的に供給して、電気泳動堆積によって発熱体上に堆積されたエアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを発生し、これがマウスピース23を通してユーザーに送達される。
【0146】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±5%として理解される。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
【国際調査報告】