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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】チャネルを有する吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/539 20060101AFI20240524BHJP
   A61F 13/53 20060101ALI20240524BHJP
   A61F 13/532 20060101ALI20240524BHJP
   A61F 13/535 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
A61F13/539
A61F13/53 100
A61F13/532 200
A61F13/535 200
A61F13/535 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575923
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2024-02-07
(86)【国際出願番号】 EP2022054913
(87)【国際公開番号】W WO2022258234
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2021/065376
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス・ベーク
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA16
3B200BB17
3B200BB20
3B200CA02
3B200CA11
3B200DB05
3B200DB12
3B200DB18
3B200EA24
(57)【要約】
吸収性物品(1)は、上側コアカバー層(24)及び下側コアカバー層(25)を備え、長手方向中心線(Lc)を有する液体透過性コアカバー(5)によって囲まれた吸収性コア(21)を備えている。吸収性コア(21)は、1対の長手方向に延びる側縁部(26、27)、及び1対の横方向に延びる端縁部(28、29)を有する。コアカバー層(24、25)は、吸収性コア(21)の側縁部(26、27)に沿って延びる側部シール(33、34)内で接続されている。吸収性コア(21)は、側部シール(33、34)から所定の距離に配置された、1つ又は複数の長手方向に延びるチャネル(35、36)を備え、1つ又は複数のチャネル(35、36)はそれぞれ、吸収性材料がない又は実質的になく、その中に延びるチャネルシール(37、38)を有する。チャネルシール(37、38)は、チャネル(35、36)内でコアカバー(5)の上側及び下側コアカバー層(24、25)を結合し、チャネルシール(37、38)の密封強度は吸収性コア(21)の第1及び第2の側部シール(33、34)それぞれの密封強度より高い。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性コア(21)を具備する吸収性物品(1)であって、前記吸収性コア(21)は、吸収性材料を備えており、前記吸収性コア(21)は、液体透過性を有するコアカバー(5)によって囲まれており、前記コアカバー(5)は、上側コアカバー層(24)及び下側コアカバー層(25)を備えており、前記吸収性物品(1)及び前記吸収性コア(21)は、長手方向(L)及び前記長手方向に対して垂直な横方向(T)を有しており、長手方向の中心線(Lc)は前記長手方向(L)において延在しており、前記吸収性コア(21)は、第1の側縁部(26)及び第2の側縁部(27)を有しており、前記吸収性コア(21)の前記第1の側縁部(26)及び前記第2の側縁部(27)は、前記長手方向(L)に延在した主要延長部と、第1の端縁部(28)及び第2の端縁部(29)とを有しており、前記第1の端縁部(28)及び前記第2の端縁部(29)は、前記横方向(T)に延在下主要延長部を有しており、前記上側コアカバー層(24)及び前記下側コアカバー層(25)は、前記吸収性コア(21)の前記第1の側縁部(26)に沿って延在している第1の側部シール(33)において、且つ、前記吸収性コア(21)の前記第2の側縁部(27)に沿って延在している第2の側部シール(34)において接続されており、前記吸収性コア(21)は、前記第1の側部シール(33)及び前記第2の側部シール(34)それぞれから所定の距離で前記長手方向(L)に延在している1つ又は複数のチャネル(35、36)を備えており、前記1つ又は複数のチャネル(35、36)はそれぞれ、吸収性材料を有しない又は実質的に有しないチャネルシール(37、38)であって、前記チャネル(35、36)の内部において延在している前記チャネルシール(37、38)を有しており、前記チャネルシール(37、38)は、前記チャネル(35、36)の内部において前記コアカバー(5)の前記上側コアカバー層及び下側コアカバー層(24、25)を結合しており、前記チャネルシール(37、38)の密封強度は、前記吸収性コア(21)の前記第1の側部シール及び前記第2の側部シール(33、34)それぞれの密封強度より高い、吸収性物品(1)。
【請求項2】
前記1つ又は複数のチャネルシール(37、38)の前記密封強度は、2.5N/25ミリメートル以上であり、前記第1の側部シール及び前記第2の側部シール(33、34)の前記密封強度は、2.0N/25ミリメートル以下である、請求項1に記載の吸収性物品(1)。
【請求項3】
前記吸収性コアは、前記長手方向(L)及び前記横方向(T)によって画定される平面内に砂時計形又はT字形を有する、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記側部シール(33、34)及び前記チャネルシール(37、38)は、接着シール、溶接シール、又は接着シール及び溶接シールの組合せである、請求項1、2又は3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記第1の側部シール(33)、前記第2の側部シール(34)及び各チャネルシール(37、38)は、接着シールである、請求項4に記載の吸収性物品。
【請求項6】
各チャネルシール(37、38)内の接着剤の坪量は、前記第1の側部シール(33)及び前記第2の側部シール(34)それぞれ内の接着剤の坪量より高い、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
各チャネルシール(37、38)内の接着剤の前記坪量は、3g/m以上であり、各側部シール(33、34)内の接着剤の前記坪量は、5g/m以下である、請求項6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記コアカバー(5)は、前記吸収性コア(21)の周りを覆う単一の連続カバー材料から形成され、前記吸収性コア(21)の前記第1の側縁部(26)及び前記第2の側縁部(27)は、前記連続カバー材料内の対応する第1の側部折り目及び第2の側部折り目の内側に配置され、前記第1の側部シール及び前記第2の側部シール(33、34)は、前記対応する第1及び第2の側部折り目の横方向内向きに配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記上側コアカバー層(24)及び前記下側コアカバー層(25)は、別のコアカバー層である、請求項1から7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収性物品(1)は、前記上側コアカバー層(24)及び前記下側コアカバー層(25)に加えて、液体透過性上面シート(22)及び液体バリア層(23)を備え、前記吸収性コア(21)は前記液体透過性上面シート(22)と前記液体バリア層(23)の間に配置され、前記上側コアカバー層(24)は前記液体透過性上面シート(22)に面し、前記下側コアカバー層(25)は前記液体バリア層(23)に面している、請求項1から9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記吸収性コア(21)は、5重量%から80重量%の超吸収性材料などの超吸収性材料を備えている、請求項1から10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
前記1つ又は複数のチャネル(35、36)は、互いに間隔を置いて延び、前記長手方向の中心線(Lc)と前記第1の側部シール(33)及び前記第2の側部シール(34)の対応する1つの間で、前記長手方向の中心線(Lc)の各側に対称に配置された2つのチャネル(35、36)によって構成されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記1つ又は複数のチャネル(35、36)それぞれの長さは、50ミリメートルから500ミリメートルの範囲である、請求項1から12のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記吸収性コア(21)は、異なる吸収容量を有する2つ以上の部分(51、52、53)を備えている、請求項1から13のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記長手方向(Lc)で見られるように、前記吸収性コア(21)の第1の端部分(52)と前記吸収性コア(21)の第2の端部分(53)の間に配置される前記吸収性コア(21)の中心部(51)は、前記第1の端部分(52)の厚さより大きな厚さ、及び前記第2の端部分(53)の厚さより大きな厚さを有する、請求項14に記載の吸収性物品。
【請求項16】
前記吸収性コア(21)の前記中心部(51)は均一な厚さを有し、前記吸収性コア(21)の前記第1の端部分(52)及び前記第2の端部分(53)はそれぞれ均一な厚さを有し、前記吸収性コア(21)の前記中心部(51)は、対応する第1の移行区間(54)及び第2の移行区間(55)によって前記第1の端部分(52)及び前記第2の端部分(53)それぞれから区切られる、請求項15に記載の吸収性物品。
【請求項17】
前記第1の端部分(52)は前端部分(52)であり、前記第1の移行区間(54)は、5ミリメートルから30ミリメートルの前記長手方向(Lc)に延長部を有する前側移行区間(54)であり、前記第2の端部分(53)は後端部分(53)であり、前記第2の移行区間(55)は、20ミリメートルから80ミリメートルの前記長手方向(Lc)に延長部を有する後側移行区間(55)である、請求項16に記載の吸収性物品。
【請求項18】
前記吸収性コア(21)の前記中心部(51)の前記厚さと前記第1の端部分(52)の前記厚さの間の割合は、4から1.5の範囲である、請求項16又は17に記載の吸収性物品。
【請求項19】
前記吸収性コア(21)の前記中心部(51)の前記厚さと前記第2の端部分(53)の前記厚さの間の割合は、4から1.5の範囲である、請求項16、17又は18に記載の吸収性物品。
【請求項20】
前記吸収性コアは、前記第1の端縁部(28)が前記長手方向の中心線(Lc)と交差する前記第1の端縁部(28)上の点と、前記第2の端縁部(29)が前記長手方向の中心線(Lc)と交差する前記第2の端縁部(29)上の点の間の距離として判断される長さを有し、前記吸収性コア(21)の前記長さは300ミリメートルから700ミリメートルの範囲である、請求項1から19のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、上側コアカバー層及び下側コアカバー層を備えた液体透過性コアカバーによって囲まれている吸収性コアを備えた吸収性物品に関する。上側コアカバー層及び下側コアカバー層は、吸収性コアの第1の側縁部に沿って延びる第1の側部シール内、及び吸収性コアの第2の側縁部に沿って延びる第2の側部シール内で接続されている。吸収性コアは、第1の側部シール及び第2の側部シールそれぞれから所定の距離で長手方向に延びる1つ又は複数のチャネルを備え、1つ又は複数のチャネルはそれぞれ、その中に延び、チャネル内でコアカバーの上側及び下側層を結合するチャネルシールを有する。
【背景技術】
【0002】
乳児用おむつ、及びパンツタイプ吸収性衣類、失禁用プロテクタ及び生理用ナプキンなどの体液の吸収のための他の物品などの使い捨て吸収性物品内には、一方では十分な吸収容量及び漏れ安全性の要件と、もう一方では着用者の快適性及び行動の自由の間で対立がある。したがって、かさばらず柔軟性があり、着用者の身体に十分適合する高い吸収性物品の需要がある。着用者は、物品が漏れを防ぐ際に効率的であることを確信しながら、吸収性物品を着用する場合に、着用者が制約又は不快さを感じないことが非常に望ましい。大人のユーザでは、パンツタイプ衣類はできるだけ通常の下着に似ており、通常の体にぴったりとした衣類の下で目立たないように着用することができることが特に重要である。薄い吸収性物品を提供しながら十分な吸収容量を提供するために、大きな割合の吸収性材料は、超吸収性材料、又は単に「超吸収剤」として一般的に知られているものであってもよい。超吸収剤は、吸収性繊維、主にセルロースパルプ繊維と組み合わせて、吸収性コア内に液体を分配し、コア内に粒子状超吸収材料を維持することに貢献する繊維網を作り出してもよい。超吸収剤は、普通は繊維、粒子、又は顆粒の形の吸収性物品内に組み込まれた高分子材料である。超吸収剤は、ヒドロゲルの膨張及び形成の際に自重の何倍もの液体を吸収することができる。大量の超吸収性材料を含む吸収性材料は、液体を吸収し膨張すると、その初期の柔軟性及び着用者の快適性を失うことが分かった。比較的小さな領域上に分配された大量の吸収性材料を含むおむつの股部分などの吸収性物品の高衝撃領域は、物品が液体を吸収すると厚くなり、固くなることがある。さらに、吸収性物品を製造する場合に最小限に材料消費を保持するために、吸収性材料の利用可能な吸収容量をできるだけ完全に利用することができることが使い捨て吸収性物品の懸念事項である。したがって、超吸収剤の全吸収容量を利用することができることが望ましい。50%以上の超吸収性材料などの高含量の超吸収性材料及び比較的低量のセルロールパルプ繊維を有する、又はセルロース繊維を有していない吸収性コアでは、吸収性コアの追加の安定化を提供することが提案されてきた。
【0003】
特許文献1では、吸収性コア内に2つの長手方向に延びるチャネルシーリングを形成することによって、吸収性コアを安定化し、吸収性物品の股部分でのたるみに対抗することが提案されている。吸収性コアは、コアカバー内に囲まれ、チャネルシーリングはコアカバーの上側をコアカバーの下側に結合させ、吸収性コアを中心セグメント及び2つの側部セグメントに分割するように配置されている。吸収性コア内の吸収性材料が体液を吸収し膨張すると、コアカバーは、異なるセグメント内の吸収材料用の膨張空間を制限することによって、膨張制約手段として働く。それにより、拡張する吸収材料はコアカバーに外向き圧力を加え、その結果、吸収性物品の股部分内の吸収性コアの剛性の増加につながる。特に高い剛性はしたがって、2つのチャネルシーリング間で吸収性コアの中心セグメント内で達成されてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願公開第WO2019/125231A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、改良したフィット感、身体適合及び着用者快適性と、優れた吸収性及び漏れ安全性を有する吸収性物品が、請求項1の特性によって少なくとも部分的に達成されるという洞察に基づいている。開示の変更形態が、従属請求項、及び以下の説明に記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で言及される吸収性物品は、例えば、開口おむつ、パンツおむつ、ベルト付きおむつ、失禁用衣類、女性用衛生衣類などの形の着用可能な使い捨て吸収性物品と、使い捨て吸収性インサート、例えば、サポートパンツ又は通常の下着などのサポート衣類の内側で着用される失禁用シールド又は生理用ナプキンであってもよい。物品は、着用中に高レベルの快適性及び乾燥感を着用者に与えながら、様々なタイプの身体滲出液を吸収、分配、及び蓄積するために使用される。
【0007】
本開示は、吸収性コアを備えた吸収性物品を対象とし、吸収性コアは吸収性材料を備えている。吸収性コアは液体透過性コアカバーによって囲まれ、コアカバーは上側コアカバー層及び下側コアカバー層を備えている。物品及び吸収性コアは、長手方向及び長手方向に垂直な横方向を有し、長手方向中心線は長手方向に延びている。吸収性コアは第1の側縁部及び第2の側縁部を有し、吸収性コアの第1の側縁部及び第2の側縁部は長手方向に主要延長部、第1の端縁部及び第2の端縁部を有し、第1の端縁部及び第2の端縁部は横方向に主要延長部を有する。上側コアカバー層及び下側コアカバー層は、吸収性コアの第1の側縁部に沿って延びる第1の側部シール内、及び吸収性コアの第2の側縁部内で接続されている。吸収性コアは、第1の側部シール及び第2の側部シールそれぞれから所定の距離で長手方向に延びる1つ又は複数のチャネルを備えている。1つ又は複数のチャネルはそれぞれ、吸収性材料がない、又は実質的になく、その中に延びるチャネルシールを有し、チャネルシールはチャネル内でコアカバーの上側及び下側層を結合し、チャネルシールの密封強度は、吸収性コアの第1及び第2の側部シールそれぞれの密封強度より高い。
【0008】
1つ又は複数のチャネルシールは、上側及び下側コアカバー層の分離を防ぎ、それにより、チャネルの近傍での吸収性コアの厚さ方向の膨張を制限する。チャネルシールは、永久シールであることが好ましい、又は各チャネルシールの少なくとも主な部分は、吸収性物品の通常の使用及び取り扱いにおいて破断しない永久シールである。永久シールは、吸収性コア内で吸収性材料が膨張することにより生じる力に耐え、吸収性物品の使用全体を通して損傷を受けないままである。側部シールは、吸収性コア内の吸収性材料が流体を吸収し拡張するときに、側部シールに加えられる力の影響を受けて破断する破断可能シールである。破断可能側部シールは、チャネルシールと共に、主に吸収性コア及び吸収性物品の側面又は横方向の吸収性材料の拡張を促進する。
【0009】
本明細書で開示されたテスト方法により測定されるように、1つ又は複数のチャネルシールの密封強度は、3N/25ミリメートル以上などの2.5N/25ミリメートル以上であってもよく、第1及び第2の側部シールの密封強度は、1.5N/25ミリメートル以下などの2.0N/25ミリメートル以下であってもよい。
【0010】
チャネルシールに対する唯一の要件は、通常の使用中にシールに加えられてもよい圧力を受けて破断しないことであるので、1つ又は複数の永久チャネルシールの密封強度に対する上限はない。破断可能な第1及び第2の側部シールでは、密封強度はチャネルシールと側部シールの間の吸収性材料が乾燥したままである間に側部シールの少なくとも一部の完全性を維持するのに十分高いことで十分であってもよい。いくつかの例では、上側及び下側コアカバー層は、単に吸収性コアを越えて横方向に延びるコアカバーの部分内の摩擦力によって一緒に保持されることで十分であってもよい。
【0011】
側部シールは、部分的に破断可能シール及び部分的に永久シールであってもよい。コアの側縁部に隣接して配置された側部シールの一部は破断可能であってもよく、側縁部から所定の距離に配置された側部シールの外側部はコアカバー層が互いから完全に離れるのを止める永久シールであってもよい。
【0012】
側部シール及びチャネルシールは、接着シール、溶接シール、又は接着シール及び溶接シールのあらゆる組合せであってもよい。シールは、連続結合線として形成されてもよい、又はシールに沿って配置された別個の結合要素によって形成されてもよい。
【0013】
側部シールは、例えば、上側及び下側コア層を一緒に針で縫う又はエンボス加工することによって形成された機械的シールなどの極めて低い完全性を有するシールであってもよい。
【0014】
第1の側部シール、第2の側部シール及び各チャネルシールは、接着シールであってもよい。シールの密封強度は、シール内に塗布された接着剤の坪量を変えることによって制御されてもよい。したがって、各チャネルシール内の接着剤の坪量は、第1の側部シール及び第2の側部シールそれぞれ内の接着剤の坪量より高くてもよい。接着剤の坪量はまた、シールに沿って変化してもよい。チャネルシールでは、塗布された接着剤の坪量は、チャネルシールの1つ又は両方の端部分よりチャネルシールの長手方向中心部でより高く、チャネルシールの中心部が損傷を受けていないままである間に、吸収性材料の膨張の際に破断することを可能にしてもよい。1つ又は複数のチャネルシールの永久に密封された部分は、吸収性パンツf又は吸収性開口おむつなどの吸収性物品の外側カバーの非弾性股パネル又は非弾性股部などの非弾性股材料上に配置された吸収性コアの一部に延びていてもよい。1つ又は複数のチャネルシールの破断可能端部分は、吸収性物品の弾性前側及び後側身体パネル上に配置された吸収性コアの部分に延びていてもよい。
【0015】
本明細書に開示されたような吸収性物品では、各チャネルシール内の接着剤の坪量は、3g/mから15g/mの範囲内などの3g/m以上であってもよい。各側部シール内の接着剤の坪量は、0.5g/mから5g/mの範囲内などの5g/m以下であってもよい。
【0016】
超音波溶接されたシールなどの熱シール及び溶接シールでは、密封強度は、密封温度、エネルギー供給、密封時間及び密封圧力などのパラメータを変えることによって、及び/又は密封パターンを変えることによって制御されてもよい。
【0017】
コアカバーは、吸収性コアの周りを覆う単一の連続カバー材料から形成されてもよく、吸収性コアの第1の側縁部及び第2の側縁部は、連続カバー材料内の対応する第1の側部折り目及び第2の側部折り目内側に配置され、第1及び第2の側部シールは、対応する第1及び第2の側部折り目の横方向内向きに配置されている。
【0018】
別の方法では、上側コアカバー層及び下側コアカバー層は、別のコアカバー層であり、その間に吸収性コアを挟んでもよい。
【0019】
本明細書に開示されたような吸収性物品では、吸収性物品は液体透過性上面シート及び液体バリア層を備えていてもよく、吸収性コアは液体透過性上面シートと液体バリア層の間に配置されている。液体透過性上面シート及び液体バリア層は、上側コアカバー層及び下側コアカバー層に加えて設けられ、上側コアカバー層は液体透過性上面シートに面し、下側コアカバー層は液体バリア層に面している。
【0020】
液体透過性上面シート、液体バリア層及びコアカバーを備えた吸収性コアは、別の単位として製造され、開口タイプ又はパンツタイプ着用可能物品の前側及び後側パネルに、及び開口タイプ又はパンツタイプ着用可能物品の外側カバーにその後取り付けられる吸収性アセンブリ又は「コアパック」一部であってもよく、又はそれらを構成してもよい。
【0021】
本明細書に開示されるような吸収性物品の吸収性コアは、吸収性物品の股部分内に配置された吸収性コアの少なくとも一部において、超吸収性材料、好ましくは30重量%から80重量%の超吸収性材料などの5重量%から80重量%の超吸収性材料を備えていてもよい。したがって、超吸収剤含量は、吸収性コアの中心部よりも吸収性コアの前端部分及び/又は後端部分で低くてもよい。
【0022】
超吸収性材料は、高分子材料であり、粒子、顆粒、繊維、フレークなどの形であってもよい。
【0023】
吸収性コアは、セルロースパルプ繊維及び超吸収性材料の混合物を備えていてもよい。
【0024】
吸収性コア内の大量の超吸収性材料は、多量の流体を吸収した後でさえも高い漏れ安全性及び乾燥内側表面を有する吸収性物品につながる、高い吸収容量及び吸収された流体を化学結合させる能力を提供しながら、薄く別個である吸収性物品を製造することを可能にする。薄い超吸収剤含有物品はさらに、梱包、輸送及び保管と、店舗棚上で少ない空間を占めるので、使用前の利点を有する。
【0025】
1つ又は複数のチャネルは、互いに間隔を置いて延び、長手中心線と第1の側部シール及び第2の側部シールの対応する1つの間で、長手中心線の各側に対称に配置された2つのチャネルによって構成されていてもよい。
【0026】
物品の長手方向の1つ又は複数のチャネルそれぞれの長さは、75ミリメートルから400ミリメートル、100ミリメートルから300ミリメートル、又は150ミリメートルから200ミリメートルなどの50ミリメートルから500ミリメートルの範囲であってもよい。
【0027】
吸収性コアは、砂時計形又はT字形などの、長手方向及び横方向によって画定される平面内にあらゆる適切な形状を有していてもよい。
【0028】
吸収性コアは、異なる吸収容量を有する2つ以上の部分を備えていてもよい。吸収性コアは、3次元形状の輪郭付けられたコアであってもよく、吸収性コアの中心部は、長手方向で見られるように、吸収性コアの第1の端部分と吸収性コアの第2の端部分の間に配置され、吸収性コアの中心部は第1の端部分の厚さより大きな厚さ、及び第2の端部分の厚さより大きな厚さを有する。
【0029】
吸収性コアの中心部は均一な第1の厚さを有してもよく、第1の端部分は均一な第2の厚さを有してもよく、第2の端部分は均一な第3の厚さを有していてもよい。第1の厚さは第2の厚さと等しくてもよい。吸収性コアの中心部は、対応する第1の移行区間及び第2の移行区間によって第1の端部分及び第2の端部分それぞれから区切られていてもよい。
【0030】
第1の端部分は前端部分であってもよく、第1の移行区間は、10ミリメートルから20ミリメートルなどの5ミリメートルから30ミリメートルの長手方向に延長部を有する前側移行区間であってもよく、第2の端部分は後端部分であり、第2の移行区間は、30ミリメートルから60ミリメートルなどの20ミリメートルから80ミリメートルの長手方向に延長部を有する後側移行区間である。吸収性コアの厚さは、端部分と中心部の間の移行区間内で直線的に変化することが好ましい。
【0031】
吸収性コアの中心部の厚さと第1の端部分の厚さの間の割合は、4から1.5の範囲であってもよく、吸収性コアの中心部の厚さと第2の端部分の厚さの間の割合は、4から1.5の範囲であってもよい。
【0032】
端部分は等しい厚さを有していてもよい。しかし、異なる厚さを有する端部分はまた、本明細書に開示されるような吸収性物品で考えられる。前端部分は、後端部分より大きな厚さを有していてもよい。
【0033】
本明細書に開示されるような吸収性物品内の吸収性コアの長さは、第1の端縁部が長手方向中心線と交差する吸収性コアの第1の端縁部上の点と、第2の端縁部が長手方向中心線と交差する吸収性コアの第2の端縁部上の点の間の距離として判断され、吸収性コアの長さは、350ミリメートルから600ミリメートル、又は400ミリメートルから500ミリメートルなどの300ミリメートルから700ミリメートルの範囲である。
【0034】
厚くなった中心部を有する吸収性コアでは、厚くなった中心部は、吸収性コアの長さの40%から60%又は吸収性コアの長さの45%から55%の程度などの、吸収性コアの長さの30%から70%の程度の長さを有していてもよい。厚くなった中心部の長さは、吸収性コアの長さの約半分であってもよい。
【0035】
本明細書で開示されるような吸収性物品内の吸収性コアは、矩形、T字形、又は砂時計形などのあらゆる平面形状を有していてもよい。砂時計形は、端部分が中心部より幅広いコアの全て構成を含む。狭い中心部は着用者の股により快適にフィットするので、端部分より狭い中心部を備えた平面形状は、矩形より好ましいことがある。さらに、吸収性コアの狭い中心部は、不快感を生じることなく、吸収性物品の使用中にコアのより大きな横拡張を可能にしてもよい。
【0036】
本明細書に開示されるような吸収性物品は、より厚い中心部及びより薄い端部分を備えた3次元形状のコアを備えていてもよく、コアは上側層及び下側層を備えたコアカバーによって囲まれている。上側及び下側層は、単一のウェブ材料から、又は2つのウェブ材料から形成されていてもよい。カバー材料は不織材料であってもよい。コアは、物品の長手方向に延びる中心線の各側に対称に配置されている2つの密封されたチャネルなどの、その中に配置された1つ又は複数の密封されたチャネルを有している。コアカバーの上側及び下側層は、1つ又は複数のチャネル内に配置されたチャネルシールで互いに結合されている。上側及び下側層はまた、吸収性コアの側縁部に沿って延びる側部シールによって互いに結合されている。1つ又は複数のチャネルは吸収性材料がなく、コアカバーの上側及び下側層がチャネルシール内で互いに直接結合されていることを暗に示している。チャネルシールは、本明細書で定義されるような永久シールであり、側部シールは、本明細書で定義されるような破断可能シールである。側部シールは、吸収性材料が流体を吸収し膨張すると、コア内の吸収性材料によって側部シール上に加えられる拡張力の影響を受けて破断し、それにより、吸収性コアが吸収性物品の横方向に拡張するのを可能にする。したがって、破断している側部シールは、吸収性コアの側縁部に沿って追加の拡張空間を提供し、吸収性コアの側部分の望ましくない厚さ及び剛性に対抗する。吸収性コアはまた、第1及び第2の端部分より狭い吸収性コアの中心部を備えた砂時計形を有するなど、平面内で成形されていてもよい。
【0037】
本明細書に開示されるような3次元形の吸収性コアでは、より薄い端部分は均一又は実質的に均一な厚さを有してもよく、より厚い中心部は均一又は実質的に均一な厚さを有していてもよい。移行区間は、より厚い中心部とより薄い中心部の間に配置されていてもよく、吸収性コアの厚さは、移行区間内で中心部から端部分に直線状又は実質的に直線状に減少することが好ましい。端部分は指定の前端部分及び指定の後端部分であってもよく、後端部分は前端部分より吸収性物品の長手方向に大きな延長部を有する。後側移行区間は、本明細書に開示されるように、前側移行区間より吸収性物品の長手方向に大きな延長部を有していてもよい。
【0038】
本明細書に開示されるように、コアカバーは、コアカバーの下側部を形成する別の上側カバー層及び別の下側カバー層によって形成されてもよく、上側及び下側コアカバー層は共に、吸収性構成部品を囲み、少なくとも吸収性コアの側縁部に沿って共に密封されている。上側及び下側コアカバー層は、吸収性コアの全周面に沿って共に密封されていることが好ましい。
【0039】
コアカバーが単一の材料層から形成される場合、単一の材料層は吸収性コアの周りを覆ってもよい、又は吸収性構成部品が中に挿入される管状構造として形成されていてもよい。コアカバーは少なくとも長手方向に密封され、コアカバーの端部が開口したままにされてもよいことを意味する。コアカバーは、吸収性コアがコアカバーの内側で完全に囲まれるように密封されることが好ましい。さらに、コアカバーは3つ以上の材料層で作られていてもよい。
【0040】
本明細書で使用されるようなコアカバー材料の坪量は、5g/mから20g/mの範囲であってもよい。コアカバー材料は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド及びその組合せなどの熱可塑性ポリマー材料で作られていてもよい。コアカバー材料は、不織材料、穿孔プラスチックフィルム、網などであってもよい。不織層は、スパンボンド、エアレイイング、メルトブロー又はボンドカードウェブ形成プロセスなどの、従来技術で知られているような様々な異なるプロセスのいずれかによって形成されてもよい。不織層は、SMS(スパンボンド/メルトブロー/スパンボンド)不織材料、SMMS(スパンボンド/メルトブロー/メルトブロー/スパンボンド)不織材料、又はSS(スパンボンド/スパンボンド)不織材料などの不織材料の同時形成された薄層で作られていてもよい。不織層内の熱可塑性ポリマー材料は、ポリプロピレン、又はポリプロピレン及びポリエチレンの、もしくはこのような材料の組合せの複合繊維であってもよい。
【0041】
吸収性コアは、1つの単一吸収性構成部品層によって構成されていてもよい。2つ以上の層を備えた吸収性コアも、本明細書で開示されるような吸収性物品で考えられる。
【0042】
本明細書で開示されるような吸収性物品は、上側コアカバー層及び下側コアカバー層を備えた液体透過性コアカバーによって囲まれている吸収性コアを備えている。吸収性コアは、1対の長手方向に延びる側縁部、及び1対の横方向に延びる端縁部を有する。コアカバー層は、吸収性コアの側縁部に沿って延びる側部シールによって接続されている。吸収性コアは、側部シールから所定の距離に配置された、2つのチャネル、3つのチャネルなどの1つ又は複数の長手方向に延びるチャネルを備え、1つ又は複数のチャネルはそれぞれ、吸収性材料がない又は実質的になく、その中に延びるチャネルシールを有する。1つ又は複数のチャネルシールは、チャネル内でコアカバーの上側及び下側コアカバー層を結合し、チャネルシールの密封強度は吸収性コアの第1及び第2の側部シールそれぞれの密封強度より高い。
【0043】
本明細書で開示されるような吸収性物品は、添付の特許請求の範囲内で変更されてもよい。例えば、本明細書で開示されるような吸収性物品を形成する異なる層に使用される材料及び寸法は、上に示したように変更されてもよい。吸収性物品はさらに、当業界で知られているように、及び意図した吸収性物品のタイプによって、流体捕捉及び分配構成部品、脚部弾性材、直立ギャザー、股及びウエスト弾性材、側部パネル、締付システム、濡れインジケータ、スキンケア剤、処分手段などの、当業界で知られているようなあらゆる有用な構成部品又は機構を含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】パンツタイプ物品の内側表面から見たような、吸収性アセンブリ及び開口側部継ぎ目を備えた伸ばされた吸収性パンツタイプ物品の平面図である。
図2】コアカバー内に囲まれた吸収性コアを備えた、図1のパンツタイプ物品内の吸収性アセンブリの拡大図である。
図3a】吸収性コアが乾燥状態である場合の、線III-IIIに沿った、図2の吸収性アセンブリを通る断面図である。
図3b】吸収性コアが濡れた状態である場合の、線III-IIIに沿った、図2の吸収性アセンブリを通る断面図である。
図4】使用前に見たときの、側部継ぎ目が閉じられ、伸びていない状態の、図1のパンツタイプ物品を示す図である。
図5】テスト片がどのようにテスト機器のクランプ内に取り付けられているかを示す図である。
図6】テスト片がどのようにテスト機器のクランプ内に取り付けられているかを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本開示の異なる態様を、添付の図面を参照してこれ以下により完全に記載する。本明細書で開示された実施形態は、多くの異なる形で実現することができ、本明細書に記載された態様に限るものと解釈されるべきではない。図面に示された吸収性物品はパンツタイプ物品であるが、例で記載したような吸収性コアは、本明細書で開示するように、尿、ふん便、及び/又は膣分泌物を吸収するためのあらゆる使い捨て吸収性物品で使用されてもよいことを理解されたい。
【0046】
図は略図であり、材料の層などの個別の構成部品は、必ずしも等尺で描かれていない。図面に示されたパンツタイプ物品は単純化した物品であり、物品は、バリアカフスなどの別の機構を含んでもよい。また、本明細書で開示されたウエスト弾性材は任意であり、あらゆる他の適切なタイプのウエスト弾性材を使用してもよいことを理解されたい。側部継ぎ目は再閉塞可能側部継ぎ目であってもよく、パンツタイプ物品は、側部継ぎ目の再閉塞性を提供するために、ファスナ要素を備えていてもよい。
【0047】
最初に図1を参照すると、大人のユーザのためのパンツタイプ失禁用物品の形のパンツタイプ物品1が示されている。パンツタイプ物品1は、全ての弾性要素が完全に拡張した状態の折り畳まれていない平らな状態で図1に示されている。パンツタイプ物品は、長手方向L、及び長手方向に垂直な横方向Tを有し、長手方向中心線Lcは長手方向Lに延びている。
【0048】
パンツタイプ物品1は、物品が着用されている場合に着用者の身体に面し、パンツタイプ物品1の外側の衣類に面した表面に対向する表面である内側表面から見られている。
【0049】
パンツタイプ物品1は、前部分3、後部分4、及びパンツタイプ物品1の股部分6内に配置され、前部分3の上で前向きに、及び後部分4の上で後向きに長手方向Lに延びている吸収性アセンブリ20を備えている。吸収性アセンブリ20は、股部分6を通して後部分4内に前部分3から長手方向Lに延びている。図面に示したパンツタイプ物品内の吸収性アセンブリ20は、コアカバー5の上側コアカバー層24と下側コアカバー層25の間で囲まれ、さらに、液体透過性上面シート22と液体バリア層23の間で囲まれた吸収性コア21を備えた別に製造された構成部品である。吸収性コア21は、上面シート22と液体バリア層23の間に配置され、上側コアカバー層24は液体透過性上面シート22に面し、下側コアカバー層25は液体バリア層23に面している。
【0050】
本明細書に開示されるように、吸収性コア21の提供は、既に上面シート及び液体バリア層を備えている予め製造された吸収性アセンブリの構成部品として物品に塗布される吸収性コアを有する吸収性物品に限らない。
【0051】
前部分3は、横方向Tに延びる前側ウエスト縁部7、及び長手方向Lに延びる1対の前側縁部8、9を有する。後部分4は、横方向Tに延びる後側ウエスト縁部10、及び長手方向Lに延びる1対の後側縁部11、12を有する。
【0052】
第1の前側縁部8は、第1の側部継ぎ目14内で第1の後側縁部11に結合され、第2の前側縁部9は第2の側部継ぎ目15内で第2の後側縁部12に結合されて、図4に示すように、ウエスト開口16、第1の脚部開口17及び第2の脚部開口18を有するパンツタイプ物品1を作り出す。
【0053】
パンツタイプ物品1の側部継ぎ目14、15は、超音波溶接又は熱溶接によって形成されたほぼバンド形の接合部であってもよい。パンツタイプ物品1が物品の着用中に曝される力に耐え、十分な製造許容誤差を可能にするのに十分な強度を有するために、側部継ぎ目は一般的に、5から10ミリメートルの程度の幅を有する。また、側部継ぎ目が5mm未満の幅を有するようにすることが知られている。
【0054】
汚れたパンツタイプ物品は、ユーザの脚部の上で物品を引き下げる必要なく、容易に取り除くことができることが概して望ましい。したがって、側部継ぎ目は一般的に、ユーザ又は介護人が汚れたパンツタイプ物品を取り除く前に側部継ぎ目を引き離すことを可能にするために、手動力によって破断可能であるように作られる。
【0055】
ウエスト開口16は、前側パネルウエスト縁部7及び後側パネルウエスト縁部10によって画定されている。第1の脚部縁部19’は第1の脚部開口17を画定し、第2の脚部縁部19”は第2の脚部開口18を画定する。
【0056】
図2を参照すると、吸収性コア21は、第1の側縁部26、第2の側縁部27、第1の端縁部28及び第2の端縁部29を備えた砂時計形を有する。吸収性コア21の第1の側縁部26及び第2の側縁部27は、長手方向Lに主要延長部を有し、第1の端縁部28及び第2の端縁部29は、横方向Tに主要延長部を有する。
【0057】
第1のチャネル35及び第2のチャネル36は、吸収性コア21内に配置され、長手方向中心線Lcの両側で、吸収性コア21の第1及び第2の側縁部26、27それぞれから所定の距離で長手方向Lに延びている。チャネル35、36は、吸収性材料がない、又はほとんどない。
【0058】
上側コアカバー層24及び下側コアカバー層25は、吸収性コア21の第1の側縁部26に沿って延びる第1の側部シール33によって、及び吸収性コア21の第2の側縁部27に沿って延びる第2の側部シール34によって互いに接続されている。加えて、上側及び下側コアカバー層24、25は、第1のチャネル35内に延びる第1のチャネルシール37によって、及び第2のチャネル36内に延びる第2のチャネルシール38によって接続されている。
【0059】
本明細書に開示するように、第1及び第2のチャネルシール37、38の密封強度は、吸収性コア21の第1及び第2の側部シール33、34の密封強度より高い。第1及び第2のチャネルシール37、38の密封強度は、2.5N/25ミリメートル以上であってもよく、第1及び第2の側部シール33、34の密封強度は、2.0N/25ミリメートル以下であってもよい。
【0060】
チャネルシール37、38の少なくとも主な部分は、吸収性物品の通常の使用及び取り扱いにおいて破断しない永久シールである。したがって、チャネルシール37、38は、吸収性物品が液体を吸収した後でさえも、損傷を受けない又は実質的に損傷を受けないままである。側部シール33、34は、側部シール33、34が吸収性コア21内の吸収性材料が流体を吸収し拡張するときに、側部シール33、34に加えられる力の影響を受けて破断するような、低い密封強度を有する破断可能シールである。永久又は実質的永久チャネルシール37、38は吸収性物品1の厚さ方向の膨張を制限し、破断可能側部継ぎ目33、34は吸収性材料が側面又は横方向に拡張することを可能にする。したがって、チャネル35、36が配置される吸収性コア21の領域内では、永久又は実質的永久チャネルシール37、38及び破断可能シール33、34の組合せは、吸収性コア21を主に横方向Tに拡張させる。
【0061】
本明細書で開示するように、破断可能側部シール33、34及びチャネルシール37、38は、接着シールであってもよい。しかし、溶接シール又は接着シール及び溶接シールの組合せも、コアカバーシール33、34、37、38に対して考えられる。
【0062】
上側及び下側カバーコア層24、25は、吸収性コア21の周りを覆う単一の連続カバー材料で形成されていてもよい。図面に示したパンツタイプ吸収性物品では、上側及び下側コアカバー層24、25は、コアカバー層24、25の間に挟まれた吸収性コア21を備えた材料の別のウェブから形成されている。
【0063】
本明細書に開示されるような1つ又は複数のチャネルが配置される吸収性物品のタイプ及びサイズによって、チャネルの長さは50ミリメートルから500ミリメートルの範囲であってもよい。
【0064】
図に示した吸収性物品1などの、失禁する大人のユーザ用パンツタイプ吸収性物品では、チャネル35、36は、物品が着用される場合に、ユーザの股に配置される物品の狭い部分である物品の股部分6に配置されていることが好ましい。吸収性物品の狭い股部分6は、尿などの排泄された体液の大部分を受ける物品の部分である。股部分6は、したがって、液体捕捉、液体分配、及び吸収容量に関して優れた吸収性を有していなければならない。吸収性コア21内のチャネル35、36は、迅速な液体捕捉に貢献し、吸収性物品1の前及び後部分3、4に向けて液体流を導くことによって流体分配を促進する。図面に示された吸収性物品1では、チャネル35、36の長さは、股部分6の長さに実質的に対応し、典型的には、100ミリメートルから250ミリメートルの程度であってもよい。
【0065】
開口おむつ及びパンツタイプおむつなどの着用可能失禁用物品では、チャネルは典型的には、吸収性コアの全長の30%から50%の程度の長さを有する。失禁用シールド及び生理用ナプキンなどのより小さい吸収性物品では、チャネルは、吸収性コアの全長の最大80%などの、ほぼ吸収性コアの端部まで延びていてもよい。
【0066】
吸収性物品1の狭い股部分6内の吸収容量を向上させるために、長手方向Lに見られるような、吸収性コア21の第1の端部分52と吸収性コア21の第2の端部分53の間に配置された吸収性コア21の中心部51は、端部分52、53より大きな厚さを有する。図面に示された吸収性物品1では、第1の端部分52は吸収性コア21の前端部分52であり、第2の端部分53は吸収性コア21の後端部分53である。
【0067】
吸収性コア21の中心部51は均一な厚さを有し、吸収性コア21の第1の端部分52及び第2の端部分53はそれぞれ均一な厚さを有し、吸収性コア21の中心部51は、対応する第1の移行区間54及び第2の移行区間55によって第1の端部分52及び第2の端部分53それぞれから区切られている。吸収性コア21の厚さは、移行区間54、55内で吸収性コア21の端部分52、53まで吸収性コア21の中心部51から直線に減少する。後端部分53は、前端部分52より吸収性物品1の長手方向に大きな延長部を有する。図2に示された吸収性コア21では、後側移行区間55は、前側移行区間54より吸収性物品1の長手方向Lに大きな延長部を有する。
【0068】
しかし、移行区間は吸収性物品の長手方向に等しい延長部を有してもよい、又は前側移行区間は後側移行区間より長くてもよい。厚くなった中心部及びより薄い端部分を備えているが、コアの異なる部分間に移行区間を備えていない吸収性コアも、本明細書に開示されるような吸収性物品に対して考えられる。さらに、中心部及び端部分は非均一厚さを有していてもよい。
【0069】
吸収性コア21の中心部51の厚さと前端部分52の厚さの間の割合は、4から1.5の範囲であってもよく、吸収性コア21の中心部51の厚さと第2の端部分53の厚さの間の割合は、4から1.5の範囲であってもよい。より薄い端部分52、53は、同じ厚さを有していてもよい、又は異なる厚さを有していてもよい。
【0070】
さらに、吸収性コアの3次元形状は本明細書に開示されるような吸収性物品には任意であり、吸収性コアは平面状又は実質的に平面状であってもよいことを理解されたい。平面状又は実質的に平面状の吸収性コアでは、吸収性コア内の吸収容量は、コアの異なる部分に配置されている超吸収性材料の異なる量の結果として、コアの異なる部分で異なっていてもよい。
【0071】
本明細書に開示されるような吸収性コア21は、セルロースフラッフパルプ、ティッシュ層、高吸収性ポリマー(超吸収剤)、ヒドロゲル発泡材料、吸収性不織材料などを含む吸収性発泡材料などの排出された排泄物を吸収するのに適したあらゆる材料を備えていてもよい。吸収性コアは、剛性要素、成形要素、結合剤などの非吸収性構成部品を備えることができる。様々なタイプの液体受け及び液体分配要素もコアに含めることができる。
【0072】
吸収性コア21は、吸収性コア21の少なくとも中心部51において、30重量%から80重量%の超吸収性材料などの5重量%から80重量%の超吸収性材料の量で超吸収性材料を備えていることが好ましい。本明細書に記載したように、超吸収剤含量は、吸収性コア21の中心部51でより吸収性コアの前端部分52及び/又は後端部分53で低くてもよい、又は吸収性コア21の全ての部分で同じであってもよい。
【0073】
超吸収性材料は高分子材料であり、粒子、顆粒、繊維、フレークなどの形であってもよい。
【0074】
本明細書で開示されるように、吸収性コア21は、セルロースパルプ繊維及び超吸収性材料などの吸収性セルロース繊維の混合物を備えていてもよい。
【0075】
吸収性コア内の大量の超吸収性材料は、多量の流体を吸収した後でさえも高い漏れ安全性及び乾燥内側表面を有する吸収性物品につながる、高い吸収容量及び吸収された流体を化学結合させて固定する能力を提供しながら、薄く別個である吸収性物品を製造することを可能にする。
【0076】
超吸収性材料は、水性ゲルの膨張及び形成の際に液体を吸収する。超吸収性材料の吸収容量を完全に利用するために、吸収性物品は超吸収性材料に対する十分な拡張空間を提供しなければならない。吸収性コアがコアカバー5内に囲まれているので、膨張する超吸収性材料はコアカバーに圧力を加える。永久チャネルシール37、38を備えたチャネル35、36が配置される吸収性コア21の中心部51では、膨張空間がチャネル35、36の間の領域内で制約され、コアカバーがさらなる膨張を禁止するまで、いくらかより厚く剛性があるようにこの領域を成長させる。
【0077】
吸収性コア21は砂時計形を有し、吸収性コア21の側縁部26、27の間の距離は、吸収性コアが端縁部28、29よりも小さい幅を有する吸収性コア21の中間領域60よりも、吸収性コア21の端縁部28、29でより大きい。
【0078】
図3a及び図3bは、図2の吸収性コア21を通して線III-IIIに沿った断面を示している。図3aは、吸収性コア21があらゆる液体を吸収する前の乾燥した状態の吸収性コア21を示し、図3bは吸収性コア21の吸収及び膨張後の濡れた状態の吸収性コア21を示している。
【0079】
吸収性コア21は図では、上側コアカバー層24と下側コアカバー層25の間、及び液体透過性上面シート22と液体バリア層23の間に囲まれている。吸収性コア21は、上面シート22と液体バリア層23の間に配置され、上側コアカバー層24は液体上面シート22に面し、下側コアカバー層25は液体バリア層23に面している。
【0080】
上面シート22及び液体バリア層23は、吸収性コア21の周面を越えて延び、吸収性コア21の側縁部26、27及び端縁部28、29の外向きに吸収性コアの周面に沿って延びる縁部シール41内で互いに結合される。上面シート22と液体バリア層23の間の縁部シール41は、永久シールであることが好ましい。
【0081】
吸収性コア21が体液を吸収すると、吸収性コア21内の吸収性材料が膨張し、図3bに示すように、チャネル35、36の間に配置され、永久チャネルシール37、38の間に閉じ込められた吸収性コア21の部分が、チャネル35、36の間の利用可能な空間を完全に満たす吸収性材料を備えたソーセージ状形を呈し、上面シート22及び上側コアカバー層24が上向きに膨らみ、液体バリア層23及び下側コアカバー層25が下向きに膨らむ。永久チャネルシール37、38でチャネル35、36の間に配置された吸収性コア21の部分に配置された吸収性材料は、破断可能側部シール33、34に圧力を加えて、側部シール33、34を破裂させ、吸収性材料に対する横拡張空間を提供させる。このように、吸収性コア21の側縁部26、27が柔らかく快適なままで、吸収性コアは液体を吸収し膨張してもよい。図3a及び図3bから推測できるように、吸収性コア21の横膨張は、吸収性コアの側縁部26、27を横方向Tに外向きに移動させ、それにより、吸収性コアの砂時計形は次第に破壊される。
【0082】
本明細書に記載するように、図3bに示すように、チャネルシール37、38はチャネル35、36の端部で破断可能シールであってもよく、吸収性コア21はチャネル35、36の中間部でよりいくらか大きい幅を有し、側縁部26、27に沿って配置された吸収性コア21の部分が吸収性コア21の横方向に主に拡張するように、膨張の方向を制御することが望ましい。
【0083】
液体透過性上面シート22は、不織材料を備える、又はこれからなっていてもよい。他の適切な上面シート材料として、麻くず繊維、多孔質発泡体、穿孔プラスチックフィルム及び積層体、ならびにこのような材料の組合せが挙げられる。上面シート材料として最も適切である材料は、柔らかく皮膚に非刺激性であり、体液が直ぐに浸透され、低い再濡れを示す。
【0084】
液体バリア層23は、薄いプラスチックフィルム、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンフィルム、液体不透過性材料で被覆された不織材料、液体浸透に耐える疎水性不織材料又はプラスチックフィルム及び不織布の積層体からなっていてもよい。液体バリア層材料は、液体が液体バリア層材料を通過するのをさらに防ぎながら、蒸気が吸収性本体から逃げるのを可能にするように呼吸可能であってもよい。
【0085】
上面シート及び液体バリア層は、例えば、接着結合、糊付け又は熱もしくは超音波による溶接によって、互いに接続されていてもよい。上面シート及び/又は液体バリア層はさらに、接着剤、熱結合、溶接などの、当業界で知られているあらゆる方法によってコアカバーに取り付けられていてもよい。
【0086】
本明細書に開示されるようなパンツタイプ物品は、前側パネル股縁部に沿って前側パネルに接続され、後側パネル股縁部に沿って後側パネルに接続された股パネルを有する2部品シャーシを有していてもよい。前側及び後側パネルは、弾性もしくは弾性化ウェブ材料又は弾性積層材料で作られていてもよく、股パネルは非弾性ウェブ材料又は非弾性積層材料であってもよい。別の方法では、パンツタイプ物品は、前側パネルウエスト縁部と後側パネルウエスト縁部の間の全距離に延びる非弾性外側又は内側カバーウェブを有する一体型シャーシを有してもよく、カバーウェブは前側パネル及び後側パネルそれぞれの非弾性層を構成し、パンツタイプの股領域で股ウェブ材料を構成する。
【0087】
弾性伸縮自在な前側本体パネル及び弾性伸縮可能な後側本体パネルは、伸縮結合された積層弾性ウェブ材料を備えている、又はこれからなっていてもよい。
【0088】
適切な伸縮結合された積層体は、スパンボンド、エアレイイング、ウェットレイイング、カード、電子スピン、又はメルトブローされた不織布などの不織材料層又はウェブを備えていてもよい。不織材料は、針で縫う、ハイドロエンタングル、超音波溶接、又は熱結合などのあらゆる適切な技術によって結合されてもよい。
【0089】
本明細書で使用される不織材料の繊維は、人工繊維、天然繊維、又は人工及び天然繊維の混合物であってもよい。人工繊維として、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリレートなどのポリマーの単成分、複合成分及びマルチ成分繊維と、ビスコース繊維及びモダル繊維などの再生繊維が挙げられる。天然繊維は、例えば、パルプ繊維、綿繊維、亜麻、麻繊維などのセルロース繊維である。
【0090】
本明細書に開示されるようなパンツタイプ物品1は、ウエスト開口16に沿って配置された弾性ウエスト機構90を有していてもよい。弾性ウエスト機構90は、前側パネルウエスト縁部7及び後側パネルウエスト縁部10と平行に延びる1つ又は複数の弾性要素によって形成されていてもよい。1つ又は複数の弾性ウエスト要素は、前部分3及び後部分4内に組み込まれてもよい、又は前側パネルウエスト縁部7及び後側パネルウエスト縁部10に取り付けられた別のウエストバンドとして適用されてもよい。図面に示されたパンツタイプ物品1は、ウエスト開口16の全周周りに延びる弾性ウエスト機構90を有する。しかし、弾性ウエスト機構は、後側ウエスト縁部に沿ってのみ、前側ウエスト縁部に沿ってのみ、又は前側及び後側ウエスト縁部の一方又は両方の一部に沿ってのみなどの、ウエスト開口の一部に沿ってのみ配置されていてもよく、その一部は、対応するウエスト縁部の全長より小さい長さを有する。
【0091】
本明細書に開示されるような脚部開口17、18及びウエスト開口16に沿って配置された弾性要素内の弾性材料は、天然又は合成ゴム、熱可塑性ポリウレタン又はスチレンブロックコポリマー又はスパンデックス(ポリウレタンポリウレアコポリマー)とも呼ばれるエラステインなどの熱可塑性エラストマーなどのあらゆる適切な弾性材料であってもよい。弾性要素は、商品名「LYCRA」で市販されているエラステインタイプであってもよいが、あらゆる適切な弾性糸を使用してもよい。
【0092】
本明細書に開示されるような吸収性物品で使用される不織ウェブ材料は、熱可塑性材料を備えていてもよい。不織ウェブ材料は典型的には、吸収性物品内で接合部及び継ぎ目に組み込まれ、不織ウェブは熱又は超音波溶接プロセスによって溶接可能であることが望ましい。本明細書に開示されるような繊維状不織ウェブでの使用に適切なポリマーの例は、ポリエチレンポリプロピレン及び他のポリオレフィンホモポリマー及びコポリマー及びポリエステルである。溶接可能な不織ウェブは、高含量の熱可塑性構成部品を有し、好ましくは少なくとも50%の熱可塑性繊維、より好ましくは少なくとも80%の熱可塑性繊維を含んでいる。
【0093】
テスト方法
密封強度を測定するためのテスト方法
少なくとも10日が、物品製造と密封強度測定の時の間で経過しなければならない。
【0094】
囲んでいるカバー層を備えたコアは、吸収性物品の他の構成部品とは注意深く分離される。下側コアカバー層が下側コアカバー層を損傷することなく吸収性物品の裏面シートから分離させることができない場合、裏面シートは密封強度テストを行う場合に、下側コアカバー層に取り付けられたままにしなければならない。
【0095】
コアカバー層を備えた露出されたコアは、支持表面上で平らに置かれる。弾性材がコア内に存在する場合、コアは、テープのストリップ、機械的ファスナ、又は同様のものを使用して、支持表面上で伸ばされ定位置に固定されるべきである。
【0096】
矩形試料、25mm幅が、コアから抜かれ、各試料はテストされるシールの部分を含んでいる。試料は、コアの長手方向中心線と平行な各試料の幅方向で、及びコアの長手方向中心線と垂直な各試料の長さ方向で抜かれる。試料はシールが試料の外側端部にわたって延びるように抜かれ、上側及び下側コアカバー層の内側端部分は、物品の長手方向中心線に向けて延びるカバーフラップを形成する。コアカバーフラップ間のあらゆる緩い吸収性材料が取り除かれる。コアカバーフラップは、張力テスタクランプ内の安定した及びスリップフリー取付を保証するように、延長される、及び/又は高摩擦テープで補強されてもよい。テスト片の長手方向縁部は平らであり、破断切り欠きを備えていないことが重要である。
【0097】
試料は互いに直ぐ隣接して抜かれる。例えば、210mmの長さを有するシールから、8つの25mm幅のテスト試料が抜かれてもよく、シールの10mmはシールの一端部に残り、テストには使用されない。
【0098】
上に記載したように準備された試料は、23℃±1℃に設定された温度及び50%±5%の相対湿度で制御された環境で24時間調整される。テストは、この同じ環境で行われる。
【0099】
試料は、Lloyd Instruments又はthe Instron Corporationから市販されているような、従来の張力テスタでテストされる。
【0100】
コアカバーフラップは、張力テスタのクランプ内に垂直に挿入される。クランプは、試料と同じ幅又は試料より幅が広いべきである。挿入の際、シール上の張力だけでなく、テストされた試料内の余分な緩みも避けるべきである。機器の上側クロスヘッドはその後、上側コアカバー層がテストされるシールに沿って下側コアカバー層から分離するまで、300mm/分の一定速度で移動するように設定されている。測定された最大力はニュートン/25mm(N/25mm)で登録される。図5及び図6は、テスト片がどのようにテスト機器のクランプ内に取り付けられるかを示している。
【0101】
テストされるシールの密封強度は、シールに沿って切断することができる個別の試料全てに基づいた算術平均値である。例えば、上に記載したような210mm長さのシールの強度は、シールに沿って抜かれた8つのテスト片のテストから得られた密封強度の平均値である。
【符号の説明】
【0102】
1 パンツタイプ物品
3 前部分
4 後部分
5 コアカバー
6 股部分
7 前側ウエスト縁部
8 前側縁部
9 前側縁部
10 後側ウエスト縁部
11 後側縁部
12 後側縁部
14 側部継ぎ目
15 側部継ぎ目
16 ウエスト開口
17 脚部開口
18 脚部開口
20 吸収性アセンブリ
21 吸収性コア
22 上面シート
23 液体バリア層
24 上側コアカバー層
25 下側コアカバー層
26 側縁部
27 側縁部
28 端縁部
29 端縁部
33 側部シール
34 側部シール
35 チャネル
36 チャネル
37 チャネルシール
38 チャネルシール
41 縁部シール
51 中心部
52 端部分
53 端部分
54 移行区間
55 移行区間
60 中間領域
90 弾性ウエスト機構
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
【国際調査報告】