(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】使い捨てパンツ型衣類
(51)【国際特許分類】
A61F 13/49 20060101AFI20240524BHJP
A61F 13/496 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
A61F13/49 312Z
A61F13/496
A61F13/49 315Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575926
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2021065374
(87)【国際公開番号】W WO2022258158
(87)【国際公開日】2022-12-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス・ベーク
(72)【発明者】
【氏名】ファンヌ・ステンホルム
(72)【発明者】
【氏名】ヘレーナ・ヴァリーン
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA12
3B200BB11
3B200CA03
3B200CA06
3B200CA08
3B200DA01
(57)【要約】
長手方向(y)および横断方向(x)を有する使い捨てパンツ製品(1)において、横断方向(x)に弾性的に伸縮自在な前本体パネル(3)であって、前パネルウエストエッジ(31)、前パネルウエストエッジ(31)に対向する前パネルクロッチエッジ(34)、ならびに第1および第2の長手方向前パネルサイドエッジ(32、33)を有する、前本体パネル(3)と、横断方向(x)に弾性的に伸縮自在な後本体パネル(4)であって、後パネルウエストエッジ(41)、後パネルウエストエッジ(41)に対向する後パネルクロッチエッジ(44)、ならびに第1および第2の後パネルサイドエッジ(42、43)を有する、後本体パネル(4)と、前パネルクロッチエッジ(34)と後パネルクロッチエッジ(44)との間に配置されるクロッチ領域(6)と、を備えている使い捨てパンツ製品(1)が提供される。前パネルサイドエッジ(32、33)は、サイドシーム(20、22)によって後パネルサイドエッジ(42、43)に接合される。前パネルウエストエッジ(31)および後パネルウエストエッジ(41)は、一緒になってウエスト開口部(10)を画定し、第1および第2の脚エッジ(11、12)は、第1および第2の脚開口部(13、14)を画定する。各脚エッジ(11、12)は、前本体パネル(3)内に配置構成されている前脚エッジセクション(11f、12f)、後本体パネル(4)内に配置構成されている後脚エッジセクション(11r、12r)、およびクロッチ領域(6)内に配置構成されているクロッチ脚エッジセクション(11c、12c)によって構成される。事前張力をかけられた第1のクロッチ弾性部材(61)は、第1の脚エッジ(11)に沿って長手方向(y)に延在するように配置構成され、事前張力をかけられた第2のクロッチ弾性部材(62)は、第2の脚エッジ(12)に沿って長手方向(y)に延在するように配置構成される。脚エッジ(11、12)のクロッチ脚エッジセクション(11c、12c)は、完全にまたは部分的にそれぞれのクロッチ弾性部材(61、62)内に延在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向(y)および横断方向(x)を有する、使い捨てパンツ製品(1)であって、
- 前パネルウエストエッジ(31)、前記前パネルウエストエッジ(31)に対向する前パネルクロッチエッジ(34)、ならびに第1および第2の長手方向前パネルサイドエッジ(32、33)を有する、前本体パネル(3)と、
- 後パネルウエストエッジ(41)、前記後パネルウエストエッジ(41)に対向する後パネルクロッチエッジ(44)、ならびに第1および第2の後パネルサイドエッジ(42、43)を有する、後本体パネル(4)と、
- 前パネルクロッチエッジ(34)と後パネルクロッチエッジ(44)との間に配置されるクロッチ領域(6)であって、前記前パネルクロッチエッジ(34)に沿って前記前本体パネル(3)と隣接し、前記後パネルクロッチエッジ(44)に沿って前記後本体パネル(4)と隣接する、クロッチ領域(6)と、
を含んでなり、
- 前記第1の前パネルサイドエッジ(32)は、第1のサイドシーム(20)において前記第1の後パネルサイドエッジ(42)に接合され、前記第2の前パネルサイドエッジ(33)は第2のサイドシーム(21)において前記第2の後パネルサイドエッジ(43)に接合され、
- 前記前パネルウエストエッジ(31)および前記後パネルウエストエッジ(41)は、一緒になってウエスト開口部(10)を画定し、
- 第1の脚エッジ(11)は、第1の脚開口部(13)を画定し、第2の脚エッジ(12)は、第2の脚開口部(14)を画定し、
- 前記前本体パネル(3)は、横断方向(x)に弾性的に伸縮自在であり、前記第1および第2の脚エッジ(11、12)の各々の前脚エッジセクション(11f、12f)は前記前本体パネル(3)内に配置構成され、
- 前記後本体パネル(4)は、横断方向(x)に弾性的に伸縮自在であり、前記第1および第2の脚エッジ(11、12)の各々の後脚エッジセクション(11r、12r)は前記後本体パネル(4)内に配置構成され、
- 前記クロッチ領域(6)は、クロッチウェブ材料を含み、前記第1および第2の脚エッジセクション(11、12)の各々のクロッチ脚エッジセクション(11c、12c)は前記クロッチ領域(6)に配置構成され、
前記第1の脚エッジ(11)の全長は、前記第1の脚エッジ(11)の前記前脚エッジセクション(11f)、前記クロッチ脚エッジセクション(11c)、および前記後脚エッジセクション(11r)の組み合わされた長さであり、前記第2の脚エッジ(12)の全長は、前記第2の脚エッジ(12)の前記前脚エッジセクション(12f)、前記クロッチ脚エッジセクション(12c)、および前記後脚エッジセクション(12r)の組み合わされた長さであり、
- 事前張力をかけられた第1のクロッチ弾性部材(61)は、前記第1の脚エッジ(11)に沿って長手方向(y)に延在するように配置構成され、事前張力をかけられた第2のクロッチ弾性部材(62)は、前記第2の脚エッジ(12)に沿って長手方向(y)に延在するように配置構成され、前記第1の脚エッジ(11)の前記クロッチ脚エッジセクション(11c)は完全にまたは部分的に前記第1のクロッチ弾性部材(61)内に延在し、前記第2の脚エッジ(12)の前記クロッチ脚エッジセクション(12c)は完全にまたは部分的に前記第2のクロッチ弾性部材(62)内に延在している、使い捨てパンツ製品(1)。
【請求項2】
前記クロッチ弾性部材(61、62)は、各々、前端部分(61´、62´)および後端部分(61´´、62´´)を有し、前記第1および第2のクロッチ弾性部材(61、62)の各々の前記前端部分(61´、62´)は、前記前本体パネル(3)と重なって取り付けられ、ならびに/または前記第1および第2のクロッチ弾性部材(61、62)の各々の前記後端部分(61´´、62´´)は、前記後本体パネル(4)と重なって取り付けられている、請求項1に記載の使い捨て製品。
【請求項3】
前記第1のクロッチ弾性部材(61)および前記第2のクロッチ弾性部材(62)の各々は、狭められた中間部分(61´´´、62´´´)を有し、前記クロッチ弾性部材(61、62)の前記狭められた中間部分(61´´´、62´´´)は前記クロッチ弾性部材における材料の一部を切り取ることによって形成され、前記クロッチ弾性部材(61、62)の前記狭められた中間部分(61´´´、62´´´)は前記クロッチ弾性部材(61、62)の前記前端部分(61´)と前記後端部分(62´´)との間に配置構成されている、請求項1または2に記載の使い捨て製品。
【請求項4】
前記クロッチ弾性部材(61、62)の前記前端部分(61´、62´)の幅(wf)は、前記クロッチ弾性部材(61、62)の前記後端部分(61´´、62´´)の幅(wr)に等しく、前記クロッチ弾性部材(61、62)の端部分の前記幅(wf、wr)と前記中間部分(61´´´、62´´´)の最小幅(wc)との比は、1:0.5から1:0.9である、請求項3に記載の使い捨て製品。
【請求項5】
前記クロッチ弾性部材(61、62)は、弾性フィルムもしくは弾性不織布を含むか、またはそれからなっている、請求項1から4のいずれか一項に記載の使い捨て製品。
【請求項6】
第1の補強弾性機構(71)は、前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)に沿って弾性的に伸縮自在である前記後本体パネル(4)上に配置構成され、第2の補強弾性機構(72)は、前記第2の脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)に沿って弾性的に伸縮自在である前記後本体パネル(4)上に配置構成され、前記第1の補強弾性機構(71)は前記第1のサイドシーム(20)に向かって当該パンツ製品(1)の長手方向中心線(Lc)から離れる方向に前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)の第1の部分(11r´)に沿って延在し、前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)上にエンドポイント(Pe1)を有し、前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)の第2の部分(11r´´)には前記第1の補強弾性機構(71)がなく、前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)の前記第2の部分(11r´´)は前記第1の補強弾性機構(71)の前記エンドポイント(Pe1)から、前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)の全長の25%から75%である前記第1のサイドシーム(20)まで前記第1の脚エッジ(11)に沿って測定されるような長さ(lf1)を有し、前記第2の補強弾性機構(72)は前記第2のサイドシーム(21)に向かって当該パンツ製品(1)の長手方向中心線(Lc)から離れる方向に前記第2の脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)の第1の部分(12r´)に沿って延在し、前記第2の脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)上にエンドポイント(Pe2)を有し、前記第2の脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)の第2の部分(12r´´)には前記第2の補強弾性機構(72)がなく、前記第2の後脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)の前記第2の部分(12r´´)は前記第2の補強弾性機構(72)の前記エンドポイント(Pe2)から、前記第2の脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)の全長(lt2)の25%から75%である前記第2のサイドシーム(21)まで前記第2の脚エッジ(12)に沿って測定されるような長さ(lf2)を有している、請求項1から5のいずれか一項に記載の使い捨て製品。
【請求項7】
前記補強弾性機構(71、72)は、前記第1および第2のクロッチ弾性部材(61、62)と交差し、取り付けられている、請求項6に記載の使い捨て製品。
【請求項8】
前記クロッチウェブ材料は、非弾性不織布ウェブなどの、非弾性クロッチウェブ材料である、請求項1から7のいずれか一項に記載の使い捨て製品。
【請求項9】
当該製品は、吸収性コア(81)、液体透過性トップシート(82)、および液体不透過性バックシート(83)を含む吸収性アセンブリ(80)をさらに備え、前記吸収性コア(81)は前記液体透過性トップシート(82)と前記液体不透過性バックシート(83)との間に封じられている、請求項1から8のいずれか一項に記載の使い捨て製品。
【請求項10】
前記液体透過性トップシート(83)および/または前記液体不透過性バックシート(83)は、前記第1および第2のクロッチ弾性部材(61、62)の上に載っている、請求項9に記載の使い捨て製品。
【請求項11】
各クロッチ弾性部材(61、62)は、前記対応するクロッチ脚エッジセクション(11c、12c)に沿って延在する整形エッジを有し、前記クロッチ弾性部材(61、62)の整形エッジは前記液体透過性トップシート(82)の整形エッジと、および/または前記液体不透過性バックシート(83)の整形エッジと整列されている、請求項10に記載の使い捨て製品。
【請求項12】
弾性的に伸縮自在な前記前本体パネル(3)および/または弾性的に伸縮自在な前記後本体パネル(4)は、弾性積層体を含むかまたは弾性積層体からなり、前記弾性積層体は繊維性材料の少なくとも第1の層と、弾性層とを含んでいる、請求項1から11のいずれか一項に記載の使い捨てパンツ製品(1)。
【請求項13】
前記弾性積層体は、繊維性材料の第2の層を含み、前記弾性層は、繊維性材料の第1の層と第2の層との間に配置構成された中間弾性層である、請求項12に記載の使い捨てパンツ製品(1)。
【請求項14】
前記弾性層は、弾性フィルムの層を含むか、またはそれからなっている、請求項12または13に記載の使い捨てパンツ製品(1)。
【請求項15】
前記弾性層は、弾性不織布材料の層を含むか、またはそれからなっている、請求項12または13に記載の使い捨てパンツ製品(1)。
【請求項16】
弾性的に伸縮自在な前記前本体パネル(3)は、前記第1および第2の前パネルサイドエッジ(32、33)の間の当該パンツ製品(1)の幅にわたって横断的に延在する連続的な前本体パネルウェブから形成され、および/または弾性的に伸縮自在な前記後本体パネル(4)は、前記第1および第2の後パネルサイドエッジ(42、43)の間の当該パンツ製品(1)の幅にわたって横断的に延在する連続的な後本体パネルウェブから形成されている、請求項1から15のいずれか一項に記載の使い捨て製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、前本体パネル(front body panel)および後本体パネル(rear body panel)を備える使い捨てパンツ製品(disposable pant-type article)に関するものであり、これらの本体パネルは製品の横断方向に弾性的に伸縮自在であり、前本体パネルは前パネルウエストエッジ、前パネルウエストエッジに対向する前パネルクロッチエッジ、ならびに第1および第2の前パネルサイドエッジを有し、後本体パネルは後パネルウエストエッジ、後パネルウエストエッジに対向する後パネルクロッチエッジ、ならびに第1および第2の後パネルサイドエッジを有する。この製品は、クロッチウェブ材料からなるクロッチ領域を有し、クロッチ領域は前本体パネルと後本体パネルとの間に配置構成され、前パネルクロッチエッジに沿って前本体パネルと隣接し、後パネルクロッチエッジに沿って後本体パネルと隣接する。前および後本体パネルのサイドエッジは、前パネルウエストエッジおよび後パネルウエストエッジが一緒になって製品のウエスト開口部を画定し、製品の第1および第2の脚エッジが第1および第2の脚開口部を画定するようにサイドシームにおいて接合される。製品は、第1および第2のクロッチ弾性部材をさらに備え、クロッチ弾性部材は前本体パネルと後本体パネルとの間の第1の脚エッジに沿って長手方向に配置構成される。
【背景技術】
【0002】
使い捨てパンツ製品、および特に成人使用者による使用を意図された使い捨てパンツ製品の技術分野において、これらの製品は、フィット性、快適性に対する高い要求条件を満たし、注文仕立ての下着のような外観を有すると同時に、吸収性および漏れ防止に関する等しく高い要求条件を満たすべきである。使い捨て吸収性製品は、1回の使用後に廃棄されること、および洗濯されるまたは他の方法で繰り返し使用するために復元されることのないことを意図された製品である。
【0003】
この種のパンツ製品は、吸収性物品を形成するために組み合わされる複数の構成要素を伴う比較的複雑な製品である。そのような構成要素は、不織布構成要素と、障壁構成要素と、弾性構成要素と、通常は、吸収性コアを一緒に取り囲む障壁層および液体透過性トップシートを含む吸収性アセンブリの形態で提供され得る吸収性コアとを含む。
【0004】
パンツ製品のウエスト開口部および脚開口部の全部または選択された部分に沿って事前張力をかけられた弾性要素を配置構成することによって身体形状適合性および漏れ安全性を高めることが一般的である。事前張力をかけられた弾性要素は、これらの要素が取り付けられるウェブ材料を引き寄せ、弾性要素に沿ってフリル付きおよびしわ付きエッジ部分を形成する傾向を有する。そのようなフリル付きおよびしわ付きエッジ部分は、特に使用者の股領域に擦過を引き起こし得るので望ましくない。それに加えて、脚エッジに対して垂直方向に形成されるしわは、体液が製品から漏れ出る際に通る流路として働き得る。さらに、フリル付きおよびしわ付きエッジ部分は、パンツ製品の下着のような外観を損ない、通常の衣服の下に見えることもあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、使い捨てパンツ製品の改善された伸縮性に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
良好な機能性、フィット性および快適性を有する使い捨てパンツ製品は、少なくとも一部は請求項1の特徴によって達成され得る。本開示の変更形態は、従属請求項に記載されている。
【0007】
本明細書において開示されるのは、長手方向および横断方向を有する使い捨てパンツ製品であって、この製品は、
- 前本体パネルは前パネルウエストエッジ、前パネルウエストエッジに対向する前パネルクロッチエッジ、ならびに第1および第2の長手方向前パネルサイドエッジを有する、前本体パネルと、
- 後本体パネルは後パネルウエストエッジ、後パネルウエストエッジに対向する後パネルクロッチエッジ、ならびに第1および第2の長手方向後パネルサイドエッジを有する、後本体パネルと、
- 前パネルクロッチエッジと後パネルクロッチエッジとの間に配置されるクロッチ領域であって、クロッチ領域は前パネルクロッチエッジに沿って前本体パネルと隣接し、後パネルクロッチエッジに沿って後本体パネルと隣接する、クロッチ領域と、
を備え、
- 第1の前パネルサイドエッジは、第1のサイドシームにおいて第1の後パネルサイドエッジに接合され、第2の前パネルサイドエッジは、第2のサイドシームにおいて第2の後パネルサイドエッジに接合され、
- 前パネルウエストエッジおよび後パネルウエストエッジは、一緒になって製品のウエスト開口部を画定し、
- 第1の脚エッジは、第1の脚開口部を画定し、第2の脚エッジは第2の脚開口部を画定し、
- 前本体パネルは、横断方向に弾性的に伸縮自在であり、第1および第2の脚エッジの各々の前脚エッジセクションは前本体パネルウェブ内に配置構成され、
- 後本体パネルは、横断方向に弾性的に伸縮自在であり、第1および第2の脚エッジの各々の後脚エッジセクションは後本体パネルウェブ内に配置構成され、
- クロッチ領域は、クロッチウェブ材料を含み、第1および第2の脚エッジの各々のクロッチ脚エッジセクションはクロッチ領域内に配置構成され、第1の脚エッジの全長は第1の脚エッジの前脚エッジセクション、クロッチ脚エッジセクション、および後脚エッジセクションの組み合わされた長さであり、第2の脚エッジの全長は第2の脚エッジの前脚エッジセクション、クロッチ脚エッジセクション、および後脚エッジセクションの組み合わされた長さであり、
- 事前張力をかけられた第1のクロッチ弾性部材は、第1の脚エッジに沿って長手方向に延在するように配置構成され、事前張力をかけられた第2のクロッチ弾性部材は、第2の脚エッジに沿って長手方向に延在するように配置構成され、第1の脚エッジのクロッチ脚エッジセクションは完全にまたは部分的に第1のクロッチ弾性部材内に延在し、第2の脚エッジのクロッチ脚エッジセクションは完全にまたは部分的に第2のクロッチ弾性部材内に延在する。
【0008】
クロッチ領域はクロッチパネルを備え、これはクロッチパネルの第1のサイドエッジにより前パネルクロッチエッジに沿って前本体パネルに取り付けられ、クロッチパネルの第2のサイドエッジにより後パネルクロッチエッジに沿って後本体パネルに取り付けられる。クロッチパネルと前および後パネルとの間の取り付けは、前パネルクロッチエッジおよび後パネルクロッチエッジに沿って延在するオーバーラップシームとして行われ得る。
【0009】
代替的に、またはそれに加えて、クロッチ領域は、前パネルウエストエッジから後パネルウエストエッジまで長手方向に連続して延在し、前パネルクロッチエッジと後パネルクロッチエッジとの間のギャップを埋める、パンツ製品の内側または外側カバーウェブ材料などの、ウェブ材料の一部を含み得る。クロッチ領域に当てがわれている連続カバーウェブ材料の部分は、クロッチウェブ材料を構成する。
【0010】
いずれの場合においても、クロッチ領域内の長手方向延在は、弾性的に伸縮自在な前本体パネルの前パネルクロッチエッジと弾性的に伸縮自在な後本体パネルの後パネルクロッチエッジとの間の長手方向の距離として定義される。クロッチウェブ材料は、クロッチ領域の表面全体にわたって延在することが好ましい場合がある。
【0011】
本明細書において開示される使い捨てパンツ製品において、クロッチ弾性部材は、各々、前端部分を有し、第1および第2のクロッチ弾性部材の各部材の前端部分は、前本体パネルと重なって取り付けられてもよく、および/または第1および第2のクロッチ弾性部材の各部材の後端部分は、後本体パネルと重なって取り付けられてもよい。したがって、第1および第2のクロッチ弾性部材は、前本体パネル内に、および/または後見頃パネル内に貫入し得る。代替的に、クロッチ弾性部材は、クロッチ領域内にのみ配置構成される。
【0012】
クロッチ弾性部材は、平坦な帯状のクロッチ弾性部材であってもよい。
【0013】
クロッチ弾性部材は、弾性フィルムまたは弾性不織布を含むか、またはそれらからなるものとしてよい。
【0014】
クロッチ弾性部材は、20mmから40mm、または25mmから35mmなどの、15mmから50mmの範囲内の製品の横断方向の幅、および170mmから320mm、または200mmから310mmなどの、150mmから350mmの範囲内の製品の長手方向の長さを有し得る。クロッチ弾性部材の寸法は、パンツ製品が平らに広げられ、製品内の弾性材が完全に伸ばされた状態で、またサイドシームが破断されるかまたは切り開かれた状態で測定される。完全に伸ばされた状態では、クロッチ弾性部材が取り付けられる材料は、寄せ集められていない状態にある。
【0015】
第1のクロッチ弾性部材および第2のクロッチ弾性部材の各々は、狭められた中間部分を有するものとしてよく、クロッチ弾性部材の狭められた中間部分はクロッチ弾性部材における材料の一部を切り取ることによって形成され、クロッチ弾性部材の狭められた中間部分はクロッチ弾性部材の前端部分と後端部分との間に配置構成される。したがって、クロッチ弾性部材の幅は、中間部分よりも前端部分および後端部分において広くなり得る。クロッチ弾性部材の狭い中間部分は、クロッチ弾性部材がパンツ製品に当てられた後にクロッチ弾性部材の一部をクロッチ脚エッジに沿って切り取ることによって形成されている。
【0016】
これによって、各クロッチ弾性部材は、少なくとも部分的にクロッチ脚エッジと一致する凹状エッジを有する。本明細書において使用されるような「凹状エッジ」という用語は、連続的に湾曲した凹状エッジおよび1つまたは複数の明確に画定された段で変化する角張った形状さらには連続的な湾曲および角張った形状の組合せを有するエッジを含むものとして広く理解されるべきである。凹状エッジは、1つまたは複数の直線セグメントと任意選択で1つまたは複数の湾曲セグメントとを含み得る。本明細書において参照されるような、凹状クロッチ脚エッジは、V字形状およびU字形状のクロッチ脚エッジ、さらには任意の他の形状を含み、クロッチ領域の端部分よりも、クロッチ領域の長手方向の中間部分において狭いクロッチ領域を有するパンツ型吸収性製品を提供する。吸収性アセンブリの周囲エッジ部分からの1つまたは複数の層を含むクロッチ領域内の材料の複数の層を同時に切り開くことによって形成されたクロッチ弾性部材の凹状エッジは、吸収性アセンブリの液体透過性トップシートの凹状エッジおよび/または液体不透過性バックシートの凹状エッジと一致している。
【0017】
前端部分の幅は、後端部分の幅と等しくてもよい。両端部分の幅と中間部分の最小幅との比は、1:0.5から1:0.9であってもよい。
【0018】
クロッチ弾性部材の事前引張は、好適には、クロッチ弾性部材を伸長状態でパンツ製品に取り付けることにより達成され得る。クロッチ弾性部材は、クロッチ弾性部材の端部分が非引張状態にあるパンツ製品に当てがわれ、取り付けられ得る。クロッチ弾性部材の非引張状態の端部分は、各々、端部分の長さおよび端部分の間の引張状態の中間部分を含む、クロッチ弾性部材の全長の5%から8%の長さを有し得る。
【0019】
第1の補強弾性機構が、第1の脚エッジの後脚エッジセクションに沿って弾性的に伸縮自在な後本体パネルウェブ上に配置構成されてもよく、第2の補強弾性機構が、第2の脚エッジの後脚エッジセクションに沿って弾性的に伸縮自在な後本体パネルウェブ上に配置構成され得る。補強弾性機構は、弾性本体パネル内の弾性材料に加えて当てられる補助弾性要素である。
【0020】
第1の補強弾性機構は、第1の脚エッジの後脚エッジセクションの第1の部分に沿って、第1のサイドシームに向かってパンツ製品の長手方向中心線から離れる方向に延在してもよく、第1の脚エッジの後脚エッジセクション上にエンドポイントを有し得、第1の脚エッジの後脚エッジセクションの第2の部分には第1の補強弾性機構がない。第1の後脚エッジの後脚エッジセクションの第2の部分は、第1の補強弾性機構のエンドポイントから、第1の脚エッジの後脚エッジセクションの全長の25%から75%である第1のサイドシームまで第1の脚エッジに沿って測定されるような長さを有し得る。
【0021】
第2の補強弾性機構は、第2の脚エッジの後脚エッジセクションの第1の部分に沿って、第2のサイドシームに向かってパンツ製品の長手方向中心線から離れる方向に延在してもよく、第2の脚エッジの後脚エッジセクション上にエンドポイントを有し得、第2の脚エッジの後脚エッジセクションの第2の部分には第2の補強弾性機構がない。第2の脚エッジの後脚エッジセクションの第2の部分は、第2の補強弾性機構のエンドポイントから、第2の脚エッジの後脚エッジセクションの全長の25%から75%である第2のサイドシームまで第2の脚エッジに沿って測定されるような長さを有し得る。
【0022】
第1および第2の補強弾性機構は、2から15個の個別の弾性要素、3から12個の個別の弾性要素、または4から10個の個別の弾性要素などの、複数の個別の弾性要素を含み得る。
【0023】
複数の個別の弾性要素は、第1および第2の脚エッジの後脚エッジセクションに沿って離間した状態で施されるゴム紐、伸縮性のある糸、またはゴムバンドであってもよい。
【0024】
補強弾性部材は、不織布被覆ウェブで覆われていてもよい。
【0025】
補強弾性機構は、第1および第2のクロッチ弾性部材と交差し、第1および第2のクロッチ弾性部材に取り付けられてもよい。第1および第2のクロッチ弾性部材は、補強弾性機構を取り付ける前または取り付けた後にクロッチ領域にすでに取り付けられていてもよい。本明細書において規定されているように、第1のクロッチ弾性部材の後端部分および第2のクロッチ弾性部材の後端部分は、弾性後本体パネルと重なり、弾性後本体パネルに取り付けられてもよい。次いで、補強弾性機構は、第1のクロッチ弾性部材の後端部分および第2のクロッチ弾性部材の後端部分に取り付けられてもよい。したがって、クロッチ弾性部材の後端部分は、補強弾性機構の内側端部において補強弾性機構のためのアンカー領域として働き得る。
【0026】
この方式で、補強弾性要素とクロッチ弾性部材との間のより安全な取り付けがもたらされ得るので、補強弾性機構がクロッチ弾性部材の非引張端部分に取り付けられることは有利であり得る。
【0027】
密着カバー材料の一部またはクロッチパネル材料のいずれかとして、クロッチ領域に当てられるクロッチウェブ材料は、非弾性不織布ウェブなどの、非弾性クロッチウェブ材料であってもよい。
【0028】
本明細書において開示されているようなパンツ製品は、吸収性コアをさらに含み得る。吸収性コアは、吸収性アセンブリの一部であってよく、液体不透過性バックシートと液体透過性トップシートとの間に配置構成され得る。
【0029】
吸収性アセンブリは、パンツ製品の長手方向に延在するサイドエッジと、パンツ製品の横断方向に延在する端部エッジとを有する。吸収性アセンブリは、吸収性アセンブリのサイドエッジに沿って当てられる補強脚弾性要素をさらに含み得る。
【0030】
吸収性アセンブリは、伸長され、取り付けられたクロッチ弾性部材を覆うように当てられ得る。この方式で、吸収性アセンブリは、パンツ製品の内面にクロッチ弾性部材を重ねることになり、内面はパンツ製品が着用されているときに着用者に面することを意図された表面である。吸収性アセンブリの内面は、液体透過性トップシートによって形成され、任意選択で、吸収性アセンブリのサイドエッジに沿って延在する障壁カフを含んでもよい。
【0031】
吸収性アセンブリのトップシートおよび任意の障壁カフは、不織材料などの、繊維性ウェブ材料から形成され、吸収性アセンブリの内面に織物特性を与えることが好ましい場合がある。
【0032】
クロッチパネルウェブ内に延在する各脚カットの一部は、クロッチパネルウェブを貫通し、対応するクロッチ弾性部材を貫通し、吸収性アセンブリの周囲エッジ部分を貫通して切断されてもよく、吸収性アセンブリの周囲エッジ部分は吸収性アセンブリの液体不透過性バックシートおよび液体透過性トップシートの一方または両方によって形成され、吸収性アセンブリの周囲エッジ部分は吸収性アセンブリの吸収性コアの周囲エッジから外向きに配置構成される。本明細書において開示されているような吸収性アセンブリにおいて、トップシートおよびバックシートは、両方とも、吸収性コアの周囲を越えて延在し、吸収性コアの周囲エッジから外向きの吸収性コアの周囲に沿って延在するエッジシールにおいて互いに接合され得る。この方法で生産されるパンツ型吸収性製品は、着用者の股間に快適に形状適合する滑らかなしわのない弾性脚エッジを有する。したがって、吸収性製品から液体が漏出し得る際に通る流路として機能し得るしわの形成が妨げられるか、または少なくともかなり低減される。さらに、クロッチ弾性部材の幅にわたって一般的に均一な弾性特性を有する帯形状のクロッチ弾性部材を使用することによって、クロッチ弾性部材からの力は、クロッチ弾性部材と着用者の身体との間の接触領域にわたって分散され、着心地の改善にさらに寄与する。
【0033】
吸収性アセンブリは、パンツ製品の内面上のクロッチ弾性部材を覆うように当てられるものとしてよく、内面はパンツ製品が着用されているときに着用者に面することを意図された表面である。特に、液体不透過性バックシートおよび/または液体透過性トップシートは、第1および第2のクロッチ弾性部材の上に載るものとしてよい。吸収性アセンブリの内面は、液体透過性トップシートによって形成され、任意選択で、吸収性アセンブリのサイドエッジに沿って延在する障壁カフを含んでもよい。
【0034】
吸収性アセンブリのトップシートおよび任意の障壁カフは、不織材料などの、繊維性ウェブ材料から形成され、吸収性アセンブリの内面に織物特性を与えることが好ましい場合がある。
【0035】
本明細書で規定されているように、各クロッチ弾性部材は、対応するクロッチ脚エッジセクションに沿って延在する凹状に湾曲したエッジを有する。クロッチ弾性部材の整形エッジは、液体透過性トップシートの整形エッジおよび/または液体不透過性バックシートの整形エッジと、たとえば、液体透過性トップシートのエッジおよび/または液体不透過性バックシートのエッジと同時にカットしておくことによって、整列され得る。
【0036】
したがって、吸収性アセンブリの液体不透過性バックシートおよび/または液体透過性トップシートは、たとえば、対応するクロッチ弾性部材の狭められた中間部分内に配置構成された各整形クロッチ脚エッジセクションの一部に沿ってなど、クロッチ弾性部材内に貫入するクロッチ脚エッジセクションの少なくとも一部に沿って、第1および第2のクロッチ弾性部材と隣接し得る
【0037】
各クロッチ脚エッジセクションの整形部分は、クロッチウェブ材料を、クロッチ脚エッジセクションに沿って延在するクロッチ弾性部材を、吸収性アセンブリの長手方向に延在する周囲エッジ部分を、切り開くことによって形成され、もし存在すれば、吸収性アセンブリの周囲エッジ部分は吸収性アセンブリの液体透過性トップシートおよび液体不透過性バックシートの一方または両方によって形成され、吸収性アセンブリの周囲エッジ部分は吸収性アセンブリの吸収性コアの周囲エッジから外向きに配置構成される。本明細書において開示されているような吸収性アセンブリにおいて、トップシートおよびバックシートは、両方とも、吸収性コアの周囲を越えて延在し、吸収性コアの周囲エッジから外向きの吸収性コアの周囲に沿って延在するエッジシールにおいて互いに接合され得る。クロッチ弾性部材の脚エッジ形状が、クロッチ弾性部材がクロッチウェブ材料と一緒に、また好ましくは吸収性アセンブリのトップシートおよび/またはバックシートと一緒にカットされることによって形成されたクロッチ脚エッジセクションを有するパンツ型吸収性物品は、着用者の股間の形状に快適に適合し、クロッチ脚エッジのところの漏出促進しわの形成を防ぐ整形されたカフ状の滑らかな弾性脚エッジを有するパンツ型吸収性物品を提供する。
【0038】
本明細書において開示されているような使い捨てパンツ製品において、弾性的に伸縮自在な前本体パネルウェブおよび/または弾性的に伸縮自在な後本体パネルウェブは、弾性積層体を含むかまたは弾性積層体からなるものとしてよく、弾性積層体は繊維性材料の第1および第2の層と、繊維性材料の第1および第2の層の間に配置構成された中間弾性層とを含む。
【0039】
中間弾性層は、弾性フィルムの層を含むか、または弾性フィルムの層からなる。
【0040】
第1の脚エッジおよび第2の脚エッジのすべてのセクションが、弾性材料の伸縮性の方向であるカットの主な方向により、弾性フィルム、弾性不織布、または弾性発泡体材料のような、弾性ウェブ材料においてカットされる、すなわち、前および後脚エッジセクションは、主に横断方向にカットされ、クロッチ脚エッジセクションは、主に長手方向にカットされることが好ましい場合がある。
【0041】
本明細書に開示されているような使い捨てパンツ製品において、弾性的に伸縮自在な前本体パネルウェブは、第1の前本体パネルサイドエッジと第2の前本体パネルサイドエッジとの間の前部分の幅にわたって横断的に延在する連続的な前本体パネルウェブの一部を形成するかまたは構成し、および/または弾性的に伸縮自在な後本体パネルウェブは、第1の後本体パネルサイドエッジと第2の後本体パネルサイドエッジとの間の後部分の幅にわたって横断的に延在する連続的な後本体パネルウェブの一部を形成するかまたは構成する。
【0042】
本明細書において開示されているパンツ製品は、以下において添付図面を参照しつつさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】サイドシームが開いている、伸長し広げられた吸収性パンツ製品の、パンツ製品の内面から見たときの平面図である。
【
図2】第1のクロッチ脚エッジ形状を有する
図1のパンツ製品の中心部分を示す拡大図である。
【
図3】第2のクロッチ脚エッジ形状を有する
図1のパンツ製品の中心部分を示す拡大図である。
【
図4】サイドシームが閉じられている状態の
図1の伸長して広げられたパンツ製品を示す図である。
【
図5】使用前に見えるような、伸長し広げられていない状態の
図4のパンツ製品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図面は概略図であり、材料の層などの、個別の構成要素または特徴は、必ずしも縮尺通りに描かれていないことは理解されるべきである。図に示されている成人使用者のための吸収性パンツ型失禁用品は、例示としてのみ提供されている。本明細書において使用されるような「吸収性パンツ製品」とは、尿、血液、および緩い糞便などの、体液を吸収するか、または吸収するように適合されている、パンツ製品を意味する。
【0045】
本明細書で開示されるように、吸収性コアを有しないまたは吸収性アセンブリの一部ではない吸収性コアを有するパンツ製品も企図され得る。さらに、吸収性パンツ製品は、赤ちゃん用おむつ、トレーニングパンツ、女性用衛生パンツ、水着、使い捨てパンツなどであってもよい。
【0046】
図に示されているパンツ製品は、簡略化された製品であり、製品は、障壁カフなどのさらなる特徴を含み得ると理解されるべきである。また、本明細書において開示されているウエストゴム紐は任意選択であるか、または他の好適なタイプのウエストゴム紐が使用され得ることは理解されるべきである。サイドシームは、再密閉可能なサイドシームであってもよく、パンツ製品は、サイドシームの再密閉性を提供するためのファスナー要素を備え得る。
【0047】
最初に
図1を参照すると、成人使用者のためのパンツ型失禁用品の形態のパンツ製品1が示されている。パンツ製品1は、すべての弾性要素が伸長状態にある、展開されて平坦な状態で
図1に示されている。パンツ製品は、長手方向yおよび横断方向xを有する。
【0048】
パンツ製品1は、製品が着用されているときに着用者の身体に面する表面であり、パンツ製品1の外側の衣服に面する表面に対向する内面から見たものである。
【0049】
パンツ製品1は、前本体パネル3、後本体パネル4、パンツ製品1のクロッチ領域6内に配置され、長手方向yに前本体パネル3を越えて前方に、後本体パネル4を越えて後方に延在する吸収性アセンブリ80を備える。吸収性アセンブリ80は、前本体パネル3と後本体パネル4との間のギャップを埋める。吸収性アセンブリ80は、液体透過性トップシート82と液体不透過性バックシート83との間に封入された吸収性コア81を含む、別々に生産される構成要素である。
【0050】
前本体パネル3は、横断方向xに延在する前パネルウエストエッジ31と、長手方向yに延在する前パネルサイドエッジ32、33の対と、前パネルウエストエッジ31に対向する横断方向に延在する前パネルクロッチエッジ34とを有している。後本体パネル4は、横断方向xに延在する後パネルウエストエッジ41と、長手方向yに延在する後パネルサイドエッジ42、43の対と、後パネルウエストエッジ41に対向する横断方向xに延在する後パネルクロッチエッジ44とを有している。
【0051】
図示されているパンツ製品1において、弾性的に伸縮自在な前本体パネル3は、第1および第2の前パネルサイドエッジ32、33の間でパンツ製品1の幅にわたって横断的に延在する連続前本体パネルウェブから形成され、弾性的に伸縮自在な後本体パネル4は、第1および第2の後パネルサイドエッジ42、43の間でパンツ製品1の幅にわたって横断的に延在する連続後本体パネルウェブから形成されている。
【0052】
クロッチ領域6は、前本体パネル3と後本体パネル3との間に配置構成され、前パネルクロッチエッジ34に沿って前本体パネル3と隣接し、後パネルクロッチエッジ44に沿って後本体パネル4と隣接する。長手方向yのクロッチ領域6の伸長は、前パネルクロッチエッジ34と後パネルクロッチエッジ44との間の長手方向における距離として規定される。
【0053】
第1の前パネルサイドエッジ32は、第1の後パネルサイドエッジ42に第1のサイドシーム20で接合され、第2の前パネルサイドエッジ33は、第2の後パネルサイドエッジ43に第2のサイドシーム21で接合され、それにより
図3および
図4に示されているように、ウエスト開口部10、第1の脚開口部13、および第2の脚開口部14を有するパンツ製品1を作製する。
【0054】
本明細書において開示されているパンツ製品のサイドシームは、超音波溶接または熱溶接によって形成される一般的に帯状の接合部であってもよい。製品の着用中にパンツ製品に加えられる力に耐える十分な強度を有し、前駆体ウェブから個別のパンツ型衣類を切り離すときに十分な製造公差を許容するために、サイドシームは、一般的に5から10ミリメートルのオーダーの幅を有する。5ミリメートル未満の幅を有するサイドシームを作ることも知られている。
【0055】
一般的に、汚れたパンツ型衣類は、衣類を使用者の脚まで引き下ろさなくても容易に取り外せることが望ましい。したがって、サイドシームは、使用者または介護者が汚れたパンツ型衣類を取り外す前にサイドシームを引き離すことを可能にするように、一般に、手の力で破れやすいように作られる。
【0056】
ウエスト開口部10は、前パネルウエストエッジ31および後パネルウエストエッジ41によって画定される。第1の脚エッジ11は第1の脚開口部13を画定し、第2の脚エッジ12は第2の脚開口部14を画定する。
【0057】
前本体パネル3は、少なくとも横断方向xに弾性的に伸縮自在であり、前本体パネル3の全体的な弾性的伸縮性を提供する前本体パネルウェブを含む。第1および第2の脚エッジ11、12の各々の前脚エッジセクション11f、12fは、
図2に示されているように弾性的に伸縮自在な前本体パネルウェブ3内に配置構成される。
【0058】
後本体パネル4は、少なくとも横断方向xに弾性的に伸縮自在であり、後本体パネル4の全体的な弾性的伸縮性を提供する後本体パネルウェブを含む。第1および第2の脚エッジ11、12の各々の後脚エッジセクション11r、12rは、
図2に示されているように弾性的に伸縮自在な後本体パネルウェブ4内に配置構成される。
【0059】
クロッチ領域6は、クロッチウェブ材料、好ましくは非弾性不織布ウェブなどの非弾性クロッチウェブ材料を含む。第1および第2の脚エッジセクション11、12の各々のクロッチ脚エッジセクション11c、12cは、クロッチウェブ材料に配置構成される。
【0060】
第1の脚エッジの全長は、第1の脚エッジ11の前脚エッジセクション11f、クロッチ脚エッジセクション11c、および後脚エッジセクション11rの組み合わされた長さであり、第2の脚エッジ12の全長は、第2の脚エッジ12の前脚エッジセクション12f、クロッチ脚エッジセクション12c、および後脚エッジセクション12rの組み合わされた長さである。
【0061】
前パネルクロッチエッジ34と後パネルクロッチエッジ44との間の第1の脚エッジ11に沿って長手方向yに延在する第1のクロッチ弾性部材61が配置構成され、前パネルクロッチエッジ34と後パネルクロッチエッジ44との間の第2の脚エッジ12に沿って長手方向yに延在する第2のクロッチ弾性部材62が配置構成される。クロッチ弾性部材61、62は、弾性フィルムの帯状細長片によって構成されており、これは伸長状態でパンツ製品に当てられ、パンツ製品1のクロッチ領域内で機能的脚弾性体を形成する。
【0062】
クロッチ脚エッジセクション11c、12cは、クロッチ弾性部材61、62中に切り込まれ、それによってクロッチ弾性部材61、62の前端部分61´、62´およびクロッチ弾性部材61、62の後端部分61´´、62´´は、クロッチ弾性部材の中間部分61´´´、62´´´の最小の幅wcに比べて大きい、クロッチ弾性部材61、62の前および後端部分61´、62´、61´´、62´´の幅wf、wrを有する。
【0063】
図1および
図2において、クロッチ脚エッジセクション11c、12cは、帯形状のクロッチ弾性部材61、62もクロッチ脚エッジセクション11c、12cの一部に沿う凹状のカットエッジを有するいくぶん修正された帯形状を有するようにわずかに凹状に湾曲させて示されている。クロッチ脚エッジ11c、12cの凹形状のさらなる例が、
図3に示されている。クロッチ脚エッジセクション11c、12cは、浅いV字形状を有し、V字の底部はクロッチ領域6の最も狭い部分に置かれており、この部分はクロッチ弾性部材61、62が最も小さい幅wcを有する部分でもある。
【0064】
図示されているパンツ製品1において、クロッチ弾性部材61、62の前端部分61´、62´の幅wfは、後端部分61´´、62´´の幅wrに等しい。前端部分61´、62´および後端部分61´´、62´´は、クロッチ弾性部材61、62の中間部分61´´´、62´´´の最も狭い幅よりも大きな幅を有する。クロッチ弾性部材61、62の端部分の幅wf、wrとクロッチ弾性部材61、62の中間部分の最小幅wcとの好適な比は、1:0.5から1:0.9であり得る。
【0065】
第1の脚エッジ11および第2の脚エッジ12のすべてのセクション11f、12f、11c、12c、11r、12rが、弾性材料の伸縮性の方向であるカットの主な方向により、弾性フィルム、弾性不織布、または弾性発泡体材料のような、密着弾性ウェブ材料においてカットされる、すなわち、前および後脚エッジセクション11f、12f、11r、12rは、主に横断方向xにカットされ、クロッチ脚エッジセクション11c、12cは、主に長手方向yにカットされることが好ましい場合がある。
【0066】
クロッチ弾性部材61、62は各々、前パネルクロッチエッジ34における前端部分61´、62´、後パネルクロッチエッジ44における後端部分61´´、62´´、前端部分61´、62´と後端部分61´´、62´´との間の中間部分61´´´、62´´´を有している。第1および第2のクロッチ弾性部材61、62の各部材の前端部分61´、62´は、前本体パネル3と重なって取り付けられ、第1および第2のクロッチ弾性部材61、62の各部材の後端部分61´´、62´´は、後本体パネル4と重なって取り付けられる。クロッチ弾性部材61、62の端部分61´、62´、61´´、62´´は、クロッチ弾性部材61、61の非引張部分であってもよい。クロッチ弾性部材61、62の非引張状態の端部分61´、62´、61´´、62´´は、各々、端部分61´、62´、61´´、62´´の長さおよび端部分61´、62´、61´´、62´´の間に配置された事前引張状態の中間部分61´´´、62´´´を含む、クロッチ弾性部材の全長の5%から8%の長さを有し得る。
【0067】
クロッチ領域6はクロッチパネル6´によって形成され、これはクロッチパネル6´の第1のサイドエッジ65により前パネルクロッチエッジ34に沿って前本体パネル3に取り付けられ、クロッチパネル6´の第2のサイドエッジ66により後パネルクロッチエッジ44に沿って後本体パネル4に取り付けられる。クロッチパネルと前および後パネルとの間の取り付けは、オーバーラップシームとして作られる。
【0068】
代替的に、または図に示されているようなクロッチ領域内にクロッチパネルを当てることに加えて、クロッチ領域は、前パネルウエストエッジから後パネルウエストエッジまで長手方向に連続して延在し、前パネルクロッチエッジと後パネルクロッチエッジとの間のギャップを埋めるパンツ製品の内側または外側カバーウェブ材料などの、ウェブ材料の一部を含み得る。クロッチ領域に当てがわれている連続カバーウェブ材料の部分は、クロッチウェブ材料を構成する。
【0069】
第1の補強弾性機構71が、第1の脚エッジ11の後脚エッジセクション11rに沿って弾性的に伸縮自在な後本体パネル4上に配置構成され、第2の補強弾性機構が、第2の脚エッジ12の後脚エッジセクション12rに沿って弾性的に伸縮自在な後本体パネル4上に配置構成される。第1の補強弾性機構71は、第1の脚エッジ11の後脚エッジセクション11rの第1の部分11r´に沿って、第1のサイドシーム20に向かってパンツ製品1の長手方向中心線Lcから離れる方向に延在し、第1の脚エッジ11の後脚エッジセクション11r上にエンドポイントPe1を有し、第1の脚エッジ11の後脚エッジセクション11rの第2の部分11r´´には第1の補強弾性機構71がない。
【0070】
補強弾性体がない第1の後脚エッジ11の後脚エッジセクション11rの第2の部分11r´´は、第1の補強弾性機構71のエンドポイントPe1から、第1の脚エッジ1の後脚エッジセクション11rの全長lt1の25%から75%である第1のサイドシーム20まで第1の脚エッジ11に沿って測定されるような長さlf1を有する。
【0071】
第2の補強弾性機構72は、第2の脚エッジ12の後脚エッジセクション12rの第1の部分12r´に沿って、第2のサイドシーム21に向かってパンツ製品1の長手方向中心線Lcから離れる方向に延在し、第2の脚エッジ12の後脚エッジセクション12r上にエンドポイントPe2を有し、第2の脚エッジ12の後脚エッジセクション12rの第2の部分12r´´には第2の補強弾性機構72がなく、第2の後脚エッジ12の後脚エッジセクション12rの第2の部分12r´´は、第2の補強弾性機構72のエンドポイントPe2から、第2の脚エッジ12の後脚エッジセクション12rの全長lt2の25%から75%である第2のサイドシーム21まで第2の脚エッジ12に沿って測定されるような長さlf2を有する。
【0072】
図1および
図2を参照すると、パンツ製品1は、吸収性コア81、液体透過性トップシート82、および液体不透過性バックシート83を含む吸収性アセンブリ80をさらに備え、吸収性コア81は液体透過性トップシート82と液体不透過性バックシート83との間に封じられる。
【0073】
図に示されている吸収性コア81は、長方形のデザインを有する。しかしながら、本開示は、長方形のコアに限定されず、吸収性コアは、当技術分野において知られているように、砂時計形状、T字形状、などの、任意の有用な形状を有し得ることは理解されるべきである。
【0074】
吸収性アセンブリ80は、パンツ製品1の内面に当てられ、内面はパンツ製品1が着用されているときに着用者に面することを意図された表面である。吸収性アセンブリ80は、事前引張されたクロッチ弾性部材61、62を覆う。吸収性アセンブリの内面は、液体透過性トップシート82によって形成され、任意選択で、吸収性アセンブリ80のサイドエッジに沿って延在する障壁カフ(図示せず)を含み得る。
【0075】
クロッチ領域6内に貫入する各脚エッジ11、12の一部は、クロッチパネル6´の材料を貫通し、対応するクロッチ弾性部材61、62を貫通し、吸収性アセンブリ80の周囲エッジ部分84、85を貫通するカットによって形成される。
【0076】
吸収性アセンブリ80の周囲エッジ部分84、85は、吸収性アセンブリ80の吸収性コア81の周囲サイドエッジ86、87から外向きで横断方向xに延在する液体透過性トップシート82および液体不透過性バックシート83のエッジ部分によって形成される。
【0077】
本明細書において開示されているように、トップシート82およびバックシート83は、両方とも、吸収性コア81の周囲を越えて延在し、吸収性コアの周囲エッジから外向きの吸収性コアの周囲に沿って延在するエッジシールにおいて互いに接合され得る。図示されている実施形態において、トップシート82およびバックシート83は、吸収性コア81の周囲サイドエッジ86、87に沿って延在する周囲エッジ部分84、85においてエッジシールでのみ接合される。しかしながら、そのようなエッジシールは、吸収性コア81の全周に沿って、すなわち、吸収性コア81の横断方向端部エッジに沿って配置構成され得る。さらに、吸収性アセンブリ80の周囲エッジ部分84、85は、本明細書において述べられているように、トップシートおよびバックシートの一方のみによって形成され得る。
【0078】
吸収性アセンブリ80は、トップシート82およびバックシート83によって形成される吸収性アセンブリ80の周囲エッジ部分84、85が対応するクロッチ脚エッジセクション11c、12cに隣接するそれぞれのクロッチ弾性部材61、62の一部に載ることでパンツ製品1の内面上のクロッチ弾性部材61、62を覆う。
【0079】
本明細書において述べられているように、クロッチ脚エッジセクション11c、12cは、本明細書において定義されているような凹形状を有し、クロッチ脚エッジセクション11c、12cの形状は各クロッチ脚エッジセクション11c、12cに沿って周囲エッジ部分84、85において重ね合わされたクロッチウェブ材料、クロッチ弾性部材61、62、ならびにトップシート82およびバックシート83を切り開くことによって形成されている。
図1、
図2および
図3に示されているように、カットは、クロッチ弾性部材61、62のそれぞれの小さな部分が、クロッチ弾性部材61、62の中間部分61´´´、62´´´において切り取られ、クロッチ弾性部材61、62の中間部分61´´´、62´´´にクロッチウェブ材料、トップシート82、およびバックシート83の同時に形成されたカットエッジと同一の広がりを有する整形エッジを付けられる。図示されている実施形態において、クロッチウェブ材料は、クロッチパネル6´を形成するウェブ材料である。しかしながら、他の実施形態では、クロッチウェブ材料は、本明細書において述べられているように、外側カバーウェブの一部によって形成されてもよい。
【0080】
本明細書において開示されているような吸収性コア81は、セルロースフラッフパルプ、組織層、高吸収性ポリマー(超吸収剤)、ヒドロゲル発泡体材料を含む吸収性発泡体材料、吸収性不織布材料、または同様のものなどの、排出された体外排泄物を吸収するのに適した任意の従来の材料を含み得る。吸収性コアは、補強要素、整形要素、結合剤などの非吸収性構成要素を含むことができる。様々なタイプの液体受容要素および液体分配要素もコアに含まれ得る。
【0081】
液体透過性トップシート82は、不織布材料を含むか、または不織布材料からなるものとしてよい。他の好適なトップシート材料は、トウ繊維、多孔質発泡体、開口プラスチックフィルム、および積層体、ならびにそのような材料の組合せを含む。トップシート材料として最適な材料は、柔らかく、皮膚に刺激がなく、体液が浸透しやすく、再湿潤性が低いものである。
【0082】
液体不透過性バックシート83は、薄いプラスチックフィルム、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレンフィルム、液体不透過性材料でコーティングされた不織布材料、液体浸透に抵抗する疎水性不織布材料、またはプラスチックフィルムと不織布との積層体からなるものとしてよい。バックシート材料は、液体がバックシート材料を通過するのを防止しつつ吸収体から蒸気が逃れるのを可能にするために通気性を有し得る。
【0083】
トップシートおよびバックシートは、たとえば、接着剤による接着、糊付け、または熱もしくは超音波による溶接によって互いに接続され得る。トップシートおよび/またはバックシートは、接着剤、熱接着、溶接、ニードリングなど、当技術分野において知られている任意の方法によって吸収性コアにさらに取り付けられ得る。
【0084】
本明細書において開示されているようなパンツ製品は、図示されている種類のものであってよく、前パネルクロッチエッジに沿って前パネルに接続され、後パネルクロッチエッジに沿って後パネルに接続されるクロッチパネルを有する2分割シャーシを有する。代替的に、パンツ製品は、前パネルウエストエッジと後パネルウエストエッジとの間の全距離にわたって延在する非弾性外側または内側カバーウェブを有する一体型シャーシを備えてもよく、カバーウェブは前パネルおよび後パネルの各々の非弾性層を構成し、パンツ製品のクロッチ領域のクロッチウェブ材料を構成する。
【0085】
弾性的に伸縮自在な前本体パネルおよび弾性的に伸縮自在な後本体パネルは、ストレッチボンド積層弾性ウェブ材料を含むか、またはそれからなるものとしてよい。
【0086】
好適なストレッチボンド積層体は、スパンボンド、エアレイド、ウェットレイド、カード、エレクトロスパンまたはメルトブローン不織布などの不織布材料層またはウェブを含み得る。不織布材料は、ニードリング、ハイドロエンタングリング、超音波溶接、またはサーマルボンディングなどの任意の好適な技術によって接着され得る。
【0087】
本明細書において使用される不織布材料の繊維は、人工繊維、天然繊維、または人工繊維と天然繊維との混合物であってもよい。人工繊維は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアクリレートなどのポリマーの一成分繊維、二成分繊維、多成分繊維、およびビスコース繊維およびモーダル繊維などの再生繊維を含む。天然繊維は、たとえば、パルプ繊維、綿繊維、亜麻、麻などのセルロース系繊維である。
【0088】
本明細書において開示されているパンツ製品1は、ウエスト開口部10に沿って配置構成された弾性ウエスト特徴90を有していてもよい。弾性ウエスト特徴90は、前パネルウエストエッジ31および後パネルウエストエッジ41と平行に延在する1つまたは複数の弾性要素によって形成され得る。1つまたは複数の弾性ウエスト要素は、前本体パネル3および後本体パネル4に組み込まれ得るか、または前パネルウエストエッジ31および後パネルウエストエッジ41に取り付けられる別個のウエストバンドとして当てられ得る。図示されているパンツ製品1は、ウエスト開口部10の全周にわたって延在する弾性ウエスト特徴90を有する。しかしながら、弾性ウエスト特徴は、後パネルウエストエッジに沿ってのみ、前パネルウエストエッジに沿ってのみ、または前および後パネルウエストエッジの一方または両方の一部であって、対応するパネルウエストエッジの全長よりも短い長さを有する部分に沿ってのみ、など、ウエスト開口部の一部に沿ってのみ配置構成されてもよい。
【0089】
本明細書において開示されているように、脚開口部13、14およびウエスト開口部10に沿って配置構成された弾性要素における弾性材料は、天然または合成ゴム、スパンデックス(ポリウレタン-ポリウレアコポリマー)とも称される熱可塑性ポリウレタンまたはスチレンブロックコポリマーまたはエラスタンなどの熱可塑性エラストマーなどの任意の好適な弾性材料であってよい。弾性要素は、「LYCRA」という商品名で入手可能なエラスタンタイプのものであってもよいが、任意の好適なゴム糸も使用され得る。糸は、約80~1200dtexの線質量密度、dtexを有するものとしてよい。
【0090】
本明細書において開示されているようなパンツ製品に使用される不織布ウェブ材料は、熱可塑性材料を含み得る。不織布ウェブ材料は、典型的には、パンツ製品の接合部およびシームに組み込まれ、不織布ウェブが熱によってまたは超音波溶接プロセスによって溶接可能であることが望ましい。本明細書において開示されているような繊維状不織布ウェブに使用するのに適したポリマーの例は、ポリエチレンポリプロピレン、および他のポリオレフィンホモポリマーおよびコポリマー、ならびにポリエステルである。溶接可能な不織布ウェブは、熱可塑性成分の含有率が高く、好ましくは、少なくとも50%の熱可塑性繊維を含み、より好ましくは少なくとも80%の熱可塑性繊維を含む。
【0091】
前本体パネルおよび後本体パネルに使用される弾性材料は、好ましくは、開口弾性フィルムまたは微小孔弾性フィルムなどの通気性弾性フィルムである。弾性フィルムは、20から80g/m2、好ましくは20から60g/m2の坪量を有し得る。弾性ウェブは、天然または合成の任意の好適な弾性ポリマーのものであってよい。弾性ウェブに有用な材料の例は、低結晶性ポリエチレン、メタロセン触媒低結晶性ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリウレタン、ポリイソプレン、ブタジエン-スチレンコポリマー、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)などのスチレンブロックコポリマー、またはスチレン/エチレン-ブタジエン/スチレンブロックコポリマーである。これらのポリマーのブレンドも、他の改質エラストマーまたは非エラストマー材料と同様に使用され得る。弛緩状態のストレッチボンド弾性積層体ウェブの総坪量は、好ましくは40から100g/m2、より好ましくは90g/m2以下である。
【符号の説明】
【0092】
1 パンツ製品
3 前本体パネル
4 後本体パネル
6 クロッチ領域
6´ クロッチパネル
10 ウエスト開口部
11 第1の脚エッジ
11c、12c クロッチ脚エッジセクション
11f、12f 前脚エッジセクション
11r、12r 後脚エッジセクション
11r´ 第1の部分
11r´´ 第2の部分
12 第2の脚エッジ
12r´ 第1の部分
12r´´ 第2の部分
13 第1の脚開口部
14 第2の脚開口部
20 第1のサイドシーム
21 第2のサイドシーム
31 前パネルウエストエッジ
32、33 前パネルサイドエッジ
34 前パネルクロッチエッジ
41 後パネルウエストエッジ
42、43 後パネルサイドエッジ
44 後パネルクロッチエッジ
61 第1のクロッチ弾性部材
61´、62´ 前端部分
61´´、62´´ 後端部分
61´´´、62´´´ 中間部分
62 第2のクロッチ弾性部材
65 第1のサイドエッジ
66 第2のサイドエッジ
71 第1の補強弾性機構
80 吸収性アセンブリ
81 吸収性コア
82 液体透過性トップシート
83 液体不透過性バックシート
84、85 周囲エッジ部分
86、87 周囲サイドエッジ
90 弾性ウエスト特徴
Lc 長手方向中心線
lf1 長さ
lf2 長さ
lt1 全長
lt2 全長
Pe1 エンドポイント
Pe2 エンドポイント
【手続補正書】
【提出日】2024-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向(y)および横断方向(x)を有する、使い捨てパンツ製品(1)であって、
- 前パネルウエストエッジ(31)、前記前パネルウエストエッジ(31)に対向する前パネルクロッチエッジ(34)、ならびに第1および第2の長手方向前パネルサイドエッジ(32、33)を有する、前本体パネル(3)と、
- 後パネルウエストエッジ(41)、前記後パネルウエストエッジ(41)に対向する後パネルクロッチエッジ(44)、ならびに第1および第2の後パネルサイドエッジ(42、43)を有する、後本体パネル(4)と、
- 前パネルクロッチエッジ(34)と後パネルクロッチエッジ(44)との間に配置されるクロッチ領域(6)であって、前記前パネルクロッチエッジ(34)に沿って前記前本体パネル(3)と隣接し、前記後パネルクロッチエッジ(44)に沿って前記後本体パネル(4)と隣接する、クロッチ領域(6)と、
を含んでなり、
- 前記第1の前パネルサイドエッジ(32)は、第1のサイドシーム(20)において前記第1の後パネルサイドエッジ(42)に接合され、前記第2の前パネルサイドエッジ(33)は第2のサイドシーム(21)において前記第2の後パネルサイドエッジ(43)に接合され、
- 前記前パネルウエストエッジ(31)および前記後パネルウエストエッジ(41)は、一緒になってウエスト開口部(10)を画定し、
- 第1の脚エッジ(11)は、第1の脚開口部(13)を画定し、第2の脚エッジ(12)は、第2の脚開口部(14)を画定し、
- 前記前本体パネル(3)は、横断方向(x)に弾性的に伸縮自在であり、前記第1および第2の脚エッジ(11、12)の各々の前脚エッジセクション(11f、12f)は前記前本体パネル(3)内に配置構成され、
- 前記後本体パネル(4)は、横断方向(x)に弾性的に伸縮自在であり、前記第1および第2の脚エッジ(11、12)の各々の後脚エッジセクション(11r、12r)は前記後本体パネル(4)内に配置構成され、
- 前記クロッチ領域(6)は、クロッチウェブ材料を含み、前記第1および第2の脚エッジセクション(11、12)の各々のクロッチ脚エッジセクション(11c、12c)は前記クロッチ領域(6)に配置構成され、
前記第1の脚エッジ(11)の全長は、前記第1の脚エッジ(11)の前記前脚エッジセクション(11f)、前記クロッチ脚エッジセクション(11c)、および前記後脚エッジセクション(11r)の組み合わされた長さであり、前記第2の脚エッジ(12)の全長は、前記第2の脚エッジ(12)の前記前脚エッジセクション(12f)、前記クロッチ脚エッジセクション(12c)、および前記後脚エッジセクション(12r)の組み合わされた長さであり、
- 事前張力をかけられた第1のクロッチ弾性部材(61)は、前記第1の脚エッジ(11)に沿って長手方向(y)に延在するように配置構成され、事前張力をかけられた第2のクロッチ弾性部材(62)は、前記第2の脚エッジ(12)に沿って長手方向(y)に延在するように配置構成され、前記第1の脚エッジ(11)の前記クロッチ脚エッジセクション(11c)は完全にまたは部分的に前記第1のクロッチ弾性部材(61)内に延在し、前記第2の脚エッジ(12)の前記クロッチ脚エッジセクション(12c)は完全にまたは部分的に前記第2のクロッチ弾性部材(62)内に延在している、使い捨てパンツ製品(1)。
【請求項2】
前記クロッチ弾性部材(61、62)は、各々、前端部分(61´、62´)および後端部分(61´´、62´´)を有し、前記第1および第2のクロッチ弾性部材(61、62)の各々の前記前端部分(61´、62´)は、前記前本体パネル(3)と重なって取り付けられ、ならびに/または前記第1および第2のクロッチ弾性部材(61、62)の各々の前記後端部分(61´´、62´´)は、前記後本体パネル(4)と重なって取り付けられている、請求項1に記載の使い捨て製品。
【請求項3】
前記第1のクロッチ弾性部材(61)および前記第2のクロッチ弾性部材(62)の各々は、狭められた中間部分(61´´´、62´´´)を有し、前記クロッチ弾性部材(61、62)の前記狭められた中間部分(61´´´、62´´´)は前記クロッチ弾性部材における材料の一部を切り取ることによって形成され、前記クロッチ弾性部材(61、62)の前記狭められた中間部分(61´´´、62´´´)は前記クロッチ弾性部材(61、62)の前記前端部分(61´)と前記後端部分(62´´)との間に配置構成されている、請求項1または2に記載の使い捨て製品。
【請求項4】
前記クロッチ弾性部材(61、62)の前記前端部分(61´、62´)の幅(wf)は、前記クロッチ弾性部材(61、62)の前記後端部分(61´´、62´´)の幅(wr)に等しく、前記クロッチ弾性部材(61、62)の端部分の前記幅(wf、wr)と前記中間部分(61´´´、62´´´)の最小幅(wc)との比は、1:0.5から1:0.9である、請求項3に記載の使い捨て製品。
【請求項5】
前記クロッチ弾性部材(61、62)は、弾性フィルムもしくは弾性不織布を含むか、またはそれからなっている、請求項1から4のいずれか一項に記載の使い捨て製品。
【請求項6】
第1の補強弾性機構(71)は、前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)に沿って弾性的に伸縮自在である前記後本体パネル(4)上に配置構成され、第2の補強弾性機構(72)は、前記第2の脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)に沿って弾性的に伸縮自在である前記後本体パネル(4)上に配置構成され、前記第1の補強弾性機構(71)は前記第1のサイドシーム(20)に向かって当該パンツ製品(1)の長手方向中心線(Lc)から離れる方向に前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)の第1の部分(11r´)に沿って延在し、前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)上にエンドポイント(Pe1)を有し、前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)の第2の部分(11r´´)には前記第1の補強弾性機構(71)がなく、前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)の前記第2の部分(11r´´)は前記第1の補強弾性機構(71)の前記エンドポイント(Pe1)から、前記第1の脚エッジ(11)の前記後脚エッジセクション(11r)の全長の25%から75%である前記第1のサイドシーム(20)まで前記第1の脚エッジ(11)に沿って測定されるような長さ(lf1)を有し、前記第2の補強弾性機構(72)は前記第2のサイドシーム(21)に向かって当該パンツ製品(1)の長手方向中心線(Lc)から離れる方向に前記第2の脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)の第1の部分(12r´)に沿って延在し、前記第2の脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)上にエンドポイント(Pe2)を有し、前記第2の脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)の第2の部分(12r´´)には前記第2の補強弾性機構(72)がなく、前記第2の後脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)の前記第2の部分(12r´´)は前記第2の補強弾性機構(72)の前記エンドポイント(Pe2)から、前記第2の脚エッジ(12)の前記後脚エッジセクション(12r)の全長(lt2)の25%から75%である前記第2のサイドシーム(21)まで前記第2の脚エッジ(12)に沿って測定されるような長さ(lf2)を有している、請求項1から5のいずれか一項に記載の使い捨て製品。
【請求項7】
前記補強弾性機構(71、72)は、前記第1および第2のクロッチ弾性部材(61、62)と交差し、取り付けられている、請求項6に記載の使い捨て製品。
【請求項8】
前記クロッチウェブ材料は、非弾性不織布ウェブなどの、非弾性クロッチウェブ材料である、請求項1から7のいずれか一項に記載の使い捨て製品。
【請求項9】
当該製品は、吸収性コア(81)、液体透過性トップシート(82)、および液体不透過性バックシート(83)を含む吸収性アセンブリ(80)をさらに備え、前記吸収性コア(81)は前記液体透過性トップシート(82)と前記液体不透過性バックシート(83)との間に封じられている、請求項1から8のいずれか一項に記載の使い捨て製品。
【請求項10】
前記液体透過性トップシート(83)および/または前記液体不透過性バックシート(83)は、前記第1および第2のクロッチ弾性部材(61、62)の上に載っている、請求項9に記載の使い捨て製品。
【請求項11】
各クロッチ弾性部材(61、62)は、前記対応するクロッチ脚エッジセクション(11c、12c)に沿って延在する整形エッジを有し、前記クロッチ弾性部材(61、62)の整形エッジは前記液体透過性トップシート(82)の整形エッジと、および/または前記液体不透過性バックシート(83)の整形エッジと整列されている、請求項10に記載の使い捨て製品。
【請求項12】
弾性的に伸縮自在な前記前本体パネル(3)および/または弾性的に伸縮自在な前記後本体パネル(4)は、弾性積層体を含むかまたは弾性積層体からなり、前記弾性積層体は繊維性材料の少なくとも第1の層と、弾性層とを含んでいる、請求項1から11のいずれか一項に記載の使い捨てパンツ製品(1)。
【請求項13】
前記弾性積層体は、繊維性材料の第2の層を含み、前記弾性層は、繊維性材料の第1の層と第2の層との間に配置構成された中間弾性層である、請求項12に記載の使い捨てパンツ製品(1)。
【請求項14】
前記弾性層は、弾性フィルムの層を含むか、またはそれからなっている、
或いは、
前記弾性層は、弾性不織布材料の層を含むか、またはそれからなっている、請求項12または13に記載の使い捨てパンツ製品(1)。
【請求項15】
弾性的に伸縮自在な前記前本体パネル(3)は、前記第1および第2の前パネルサイドエッジ(32、33)の間の当該パンツ製品(1)の幅にわたって横断的に延在する連続的な前本体パネルウェブから形成され、および/または弾性的に伸縮自在な前記後本体パネル(4)は、前記第1および第2の後パネルサイドエッジ(42、43)の間の当該パンツ製品(1)の幅にわたって横断的に延在する連続的な後本体パネルウェブから形成されている、請求項1から
14のいずれか一項に記載の使い捨て製品。
【国際調査報告】