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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】パンツ型物品を生産する方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/49 20060101AFI20240524BHJP
   A61F 13/496 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
A61F13/49 413
A61F13/496
A61F13/49 312Z
A61F13/49 315Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575928
(86)(22)【出願日】2021-06-09
(85)【翻訳文提出日】2024-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2021065375
(87)【国際公開番号】W WO2022258159
(87)【国際公開日】2022-12-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス・ベーク
(72)【発明者】
【氏名】ファンヌ・ステンホルム
(72)【発明者】
【氏名】ヘレーナ・ヴァリーン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンネス・ラノーイ
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA12
3B200BB11
3B200CA03
3B200CA06
3B200CA08
3B200DA01
(57)【要約】
機械方向(MD)に移動するウェブから使い捨てパンツ型物品(190)を連続的に生産するための方法であって、この方法は引張された弾性前パネルウェブ(101)と引張された弾性後パネルウェブ(108)との間に非弾性クロッチウェブ(118)を取り付けて、相互接続された前駆体物品(131a、131b、131c)の密着シャーシウェブ(130)を形成し、クロッチ弾性部材が交差機械方向(CD)に配置構成された状態で伸長されたクロッチ弾性部材(141、142)の対を各前駆体物品(131a、131b、131c)内のシャーシウェブ(130)に取り付け、その後、脚カット(170)は、前駆体物品(131a、131b、131c)の間のシャーシウェブ(130)内に形成され、シャーシウェブ(130)は、機械方向(MD)に延在する折り目(Lv)に沿って折り畳まれ、第1および第2のサイドシーム(181、182)は、各前駆体物品(131a、131b、131c)内に形成され、前駆体物品(131a、131b、131c)間の分割線(Ld)に沿って、サイドシーム(181、182)は、前駆体物品(131a、131b、131c)の整列されたウエストエッジ(102、109)から脚カット(170)まで形成され、最終的に、個別のパンツ型物品(190)をシャーシウェブ(130)から切断することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨てパンツ型物品(190)を生産する方法であって、前記方法は、
- 連続弾性前パネルウェブ(101)を機械方向(MD)に前進させるステップであって、前記連続弾性前パネルウェブ(101)は前記機械方向(MD)に引張され、前パネルウエストエッジ(102)および対向する前パネルクロッチエッジ(103)を有する、ステップと、
- 連続弾性後パネルウェブ(108)を機械方向(MD)に前進させるステップであって、前記連続弾性後パネルウェブ(108)は前記機械方向(MD)に引張され、後パネルウエストエッジ(109)および対向する後パネルクロッチエッジ(110)を有し、前記連続弾性後パネルウェブ(108)は前記機械方向(MD)に垂直な交差機械方向(CD)で前記連続弾性前パネルウェブ(101)から離間され、前記前パネルクロッチエッジ(103)と前記後パネルクロッチエッジ(110)との間に前記交差機械方向(CD)にギャップ(115)がある、ステップと、
- 非弾性連続クロッチウェブ(118)を前記機械方向(MD)に前進させるステップと、
- 前記非弾性連続クロッチウェブ(118)を、前記引張された連続弾性前パネルウェブ(101)および前記引張された連続弾性後パネルウェブ(108)に取り付け、それによって前記前パネルクロッチエッジ(103)と前記後パネルクロッチエッジ(110)との間の前記ギャップ(115)を埋め、相互接続された前駆体物品(131a、131b、131c)の密着シャーシウェブ(130)を形成するステップと、
- クロッチ弾性部材(141、142)の対を提供するステップであって、クロッチ弾性部材の前記対は第1のクロッチ弾性部材(141)と第2のクロッチ弾性部材(142)とからなる、ステップと、
- 各クロッチ弾性部材(141、142)を前記クロッチ弾性部材(141、142)の長手方向(Le)に伸長させ、前記クロッチ弾性部材(141、142)の前記長手方向と前記交差機械方向(CD)とを整列させるステップと、
- 各伸長されたクロッチ弾性部材(141、142)を、前記クロッチ弾性部材(118)を伸長され前記交差機械方向(CD)に整列された状態に保ったまま前記非弾性連続クロッチウェブ(118)に取り付けるステップであって、前記第1のクロッチ弾性部材(141)は前記機械方向(MD)にクロッチの間隔(Sc)をあけて前記第2のクロッチ弾性部材(142)から離間し、先行前駆体物品(131a)のクロッチ弾性部材(141、142)の対が前記機械方向(MD)に物品の間隔をあけて後続前駆体物品(131b)のクロッチ弾性部材(141、142)の対から離間し、前記物品の間隔は相互接続された前駆体物品(131a、131b、131c)の前記密着シャーシウェブ(130)における前記前駆体物品(131a、131b、131c)のピッチ長(Lp)に依存する、ステップと、
- 前記密着シャーシウェブ(130)内に脚カット(170)を形成するステップであって、各脚カット(170)は閉ループ構成を有し、先行前駆体物品(131a)の第1の脚エッジ(171)と、後続前駆体物品(131b)の第2の脚エッジ(172)とを形成する、ステップと、
- 前記機械方向(MD)に延在する折り目(Lv)に沿って前記密着シャーシウェブ(130)を折り畳み、前記前パネルウエストエッジ(102)を前記後パネルウエストエッジ(110)と整列させるステップと、
- 各前駆体物品(131a、131b、131c)内に第1および第2のサイドシーム(181、182)を形成するステップであって、前記サイドシーム(181、182)は前記連続弾性前パネルウェブ(101)および連続弾性後パネルウェブ(108)の前記整列されたウエストエッジ(102、109)から前記脚カット(170)まで、前記前駆体物品(131a、131b、131c)の間の分割線(Ld)に沿って前記交差機械方向(CD)に形成される、ステップと、
- 前記密着シャーシウェブ(130)から個別のパンツ型物品(190)を切断するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記非弾性連続クロッチウェブ(118)は、第1のサイドエッジ(119)および対向する第2のサイドエッジ(120)を有するクロッチパネルウェブであり、前記非弾性連続クロッチウェブ(118)を、前記引張された連続弾性前パネルウェブ(101)および前記引張された連続弾性後パネルウェブ(108)に取り付けるステップは、
- 前記非弾性連続クロッチウェブ(118)の前記第1のサイドエッジ(119)を、前記前パネルクロッチエッジ(103)に沿って延在するオーバーラップシームなどにおいて、前記前パネルクロッチエッジ(103)に沿って前記引張された連続弾性前パネルウェブ(101)に取り付け、前記非弾性連続クロッチウェブ(118)の前記第2のサイドエッジ(120)を、前記後パネルクロッチエッジ(110)に沿って延在するオーバーラップシームなどにおいて、前記後パネルクロッチエッジ(110)に沿って前記引張された連続弾性後パネルウェブ(108)に取り付けるステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記連続弾性前パネルウェブ(101)は、弾性フィルムおよび/もしくは弾性不織布ウェブを含む弾性積層体ウェブによって構成されるか、または弾性不織布ウェブによって構成され、前記連続弾性後パネルウェブ(108)は、弾性フィルムおよび/もしくは弾性不織布ウェブを含む弾性積層体ウェブによって構成されるか、または弾性不織布ウェブによって構成される請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記クロッチ弾性部材(141、142)は、帯状のクロッチ弾性部材(141、142)である請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項5】
前記伸長されたクロッチ弾性部材(141、142)は、15mmから50mmの範囲の前記機械方向(MD)で測定されるような幅および150mmから350mmの範囲の前記交差機械方向(CD)で測定されるような長さを有する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記クロッチ弾性部材(141、142)は、弾性フィルムを含むか、またはそれからなる請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記クロッチ弾性部材(141、142)は、弾性不織布を含むか、またはそれからなる請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、吸収性コア(161)を含む吸収性アセンブリ(160)を前記密着シャーシウェブ(130)内の各前駆体物品(131a、131b、131c)に当てて取り付けるステップであって、前記吸収性アセンブリ(160)の前記吸収性コア(161)は液体不透過性バックシート(162)と液体透過性トップシート(163)との間に封じられる、ステップをさらに含む請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記吸収性アセンブリ(160)は、前記伸長され、取り付けられたクロッチ弾性部材(141、142)を覆うように当てられる請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記非弾性連続クロッチウェブ(118)内に延在する各脚カット(170)の一部は、前記非弾性連続クロッチウェブ(118)、対応する前記クロッチ弾性部材(141、142)、および前記液体不透過性バックシート(162)および前記液体透過性トップシート(163)の一方または両方の周囲エッジ部分(164、165)を貫通して切断され、前記周囲エッジ部分(164、165)は前記吸収性アセンブリ(160)の前記吸収性コア(161)の周囲から外向きに配置構成される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
連続補強脚弾性部材(150)は、前記機械方向(MD)に伸長され、前記密着シャーシウェブ(130)内に脚カット(170)を形成する前に前記後パネルクロッチエッジ(110)に沿って湾曲構成で伸長された状態で取り付けられる請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記連続補強弾性要素(150)を取り付けるステップは、前記引張された連続弾性後パネルウェブ(108)に接着剤を塗布することによって前記引張された連続弾性後パネルウェブ(108)上に1つまたは複数の取り付け領域を形成するステップと、前記1つまたは複数の取り付け領域において前記引張された連続弾性後パネルウェブ(108)に前記連続補強弾性要素(150)を取り付けるステップと、任意選択で、前記補強弾性要素(150)および前記1つまたは複数の取り付け領域を不織布カバーウェブ(151)で覆うステップとを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、クロッチ弾性部材(141、142)の前記対の前記第1のクロッチ弾性部材(141)および前記第2のクロッチ弾性部材(142)の各々の第1の端部分(143、144)を前記引張された連続弾性前パネルウェブ(101)と重ね合わせ、前記第1のクロッチ弾性部材(141)および前記第2のクロッチ弾性部材(142)の各々の前記重ね合わせた第1の端部分(143、144)を前記引張された連続弾性前パネルウェブ(101)に取り付けるステップ、および/またはクロッチ弾性部材(141、142)の前記対の前記第1のクロッチ弾性部材(141)および前記第2のクロッチ弾性部材(142)の各々の第2の端部分(145、146)を前記引張された連続弾性後パネルウェブ(108)と重ね合わせ、前記第1のクロッチ弾性部材(141)および前記第2のクロッチ弾性部材(142)の各々の前記重ね合わせた第2の端部分(145、146)を前記引張された連続弾性後パネルウェブ(108)に取り付けるステップを含む請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のクロッチ弾性部材(141)および前記第2のクロッチ弾性部材(142)の各々の前記第2の端部分(145、146)は、前記引張された連続弾性後パネルウェブ(108)に重なって取り付けられ、さらに、前記補強弾性要素(150)に取り付けられる請求項11または12に従属する場合の請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のクロッチ弾性部材(141)および第2のクロッチ弾性部材(142)は、前記補強弾性要素(150)を取り付ける前または取り付けた後に、前記密着シャーシウェブ(130)に取り付けられる請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記密着シャーシウェブ(130)内の各前駆体物品(131a、131b、131c)の前記第1の脚エッジ(171)は、
- 前記引張された連続弾性前パネルウェブ(101)内に延在する前脚エッジセクション(171f)と、
- 前記前パネルクロッチエッジ(103)と前記後パネルクロッチエッジ(110)との間の前記非弾性連続クロッチウェブ(118)内に延在するクロッチ脚エッジセクション(171c)と、
- 前記引張された連続弾性後パネルウェブ(108)内に延在する後脚エッジセクション(171r)と
からなり、
各前駆体物品(131a、131b、131c)の前記第2の脚エッジ(172)は、
- 前記引張された連続弾性前パネルウェブ(101)内に延在する前脚エッジセクション(172f)と、
- 前記前パネルクロッチエッジ(103)と前記後パネルクロッチエッジ(110)との間の前記非弾性連続クロッチウェブ(118)内に延在するクロッチ脚エッジセクション(172c)と、
- 前記引張された連続弾性後パネルウェブ(108)内に延在する後脚エッジセクション(172r)と
からなる請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、前記第1および第2の脚エッジ(171、172)の前記後脚エッジセクション(171r、172r)を形成しそれと同時に前記補強弾性要素(150)の余剰部分(150s)を切り離し、前記第1の脚エッジ(171)および前記第2の脚エッジ(172)の各々の前記後脚エッジセクション(171r、172r)に沿って取り付けられる前記補強弾性要素(150)の残り部分(150r)を残すステップを含み、各後脚エッジセクション(171r、172r)には前記補強弾性要素(150)が切り離される前記脚エッジ(171、172)上のカット点(Pc)と、前記カット点(Pc)に最も近い位置に配置されている隣接する前駆体物品(131a、131b、131c)の間の分割線(Ld)との間に配置された前記後脚エッジセクション(171r、172r)の一部において前記補強弾性要素(150)がなく、前記補強弾性要素(150)がない各後脚エッジセクション(171r、172r)の前記部分は前記後脚エッジセクション(172r、172r)の全長の25%から75%である、前記カット点(Pc)から前記最も近い分割線(Ld)まで前記対応する脚エッジ(171、172)に沿って測定されるような長さを有する請求項8、9、11および12のいずれか一項に従属する場合の請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記前パネルウエストエッジ(102)に沿っておよび/または前記後パネルウエストエッジ(109)に沿ってウエスト弾性部材(104、111)を取り付けるステップを含み、前記1つまたは複数のウエスト弾性部材(104、111)は前記クロッチパネルウェブを前記連続弾性前パネルウェブ(101)および前記連続弾性後パネルウェブ(108)に取り付ける前または取り付けた後に取り付けられる請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか一項に記載の方法によって生産される使い捨てパンツ型物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、使い捨てパンツ型物品を生産する方法に関するものであり、この方法は連続弾性前パネルウェブ、連続弾性後パネルウェブ、および非弾性連続クロッチウェブを機械方向に前進させ、前パネルウェブおよび後パネルウェブのクロッチエッジに沿ってクロッチウェブを取り付けて、脚カットが形成される連続複合シャーシを形成し、その後シャーシウェブは、機械方向に延在する折り目に沿って折り畳まれ、サイドシームがシャーシウェブ内の前駆体物品同士を区切るように形成され、個別のパンツ型物品が連続シャーシウェブから切断される、ことを含む。本開示は、この方法によって生産される使い捨てパンツ型物品にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨てパンツ型物品、および特に成人使用者による使用を意図された使い捨てパンツ型物品の技術分野において、これらの物品は、フィット性、快適性に対する高い要求条件を満たし、注文仕立ての下着のような外観を有すると同時に、吸収性および漏れ防止に関する等しく高い要求条件を満たすべきである。使い捨て吸収性物品は、1回の使用後に廃棄されること、および洗濯されるまたは他の方法で繰り返し使用するために復元されることのないことを意図された物品である。
【0003】
この種のパンツ型物品は、最終吸収性物品を形成するために組み合わされる複数の構成要素を伴う比較的複雑な製品である。そのような構成要素は、不織布構成要素と、障壁構成要素と、弾性構成要素と、通常は、吸収性コアを一緒に取り囲む障壁層および液体透過性トップシートを含む吸収性アセンブリの形態で提供され得る吸収性コアとを含む。
【0004】
パンツ型物品の生産は、平面ウェブ、細長弾性要素、緩い繊維、粒子、または接着剤などの流体形態である構成要素、さらには伸縮性、剛性、厚さ多孔性などの物理的特性が異なる構成要素などの異なる物理的形態を有する構成要素を取り扱うことを伴う。いくつかの構成要素は、塗布温度を高める必要があり得、たとえば熱可塑性結合剤である。パンツ型物品の製造は、最終物品を生産するためにすべての異なる構成要素が加工され組み合わされることを可能にするプロセス機器および手順を必要とする込み入った複雑なプロセスを伴い、高品質の使い捨てパンツ型物品を生産する費用効率の高い方法が絶えず求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第WO 2017/044013 A1号
【特許文献2】国際公開第WO 2017/044014 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、複数の構成要素を含むパンツ型物品を生産するための、改良された、経済的に実行可能で効率的な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の方法によれば、漏れ安全性に関しても、外観、フィット性、および快適性に関しても良好な機能性を有する使い捨てパンツ型物品が生産され得る。本開示の変更形態は、従属請求項に記載されている。
【0008】
本明細書に開示されるのは、使い捨てパンツ型物品を生産する方法であって、この方法は、
- 連続弾性前パネルウェブを機械方向に前進させるステップであって、前パネルウェブは機械方向に引張され前パネルウエストエッジおよび対向する前パネルクロッチエッジを有する、ステップと、
- 連続弾性後パネルウェブを機械方向に前進させるステップであって、後パネルウェブは機械方向に引張され後パネルウエストエッジおよび対向する後パネルクロッチエッジを有し、後パネルウェブは機械方向に垂直な交差機械方向で前パネルウェブから離間され、前パネルクロッチエッジと後パネルクロッチエッジとの間に交差機械方向にギャップがある、ステップと、
- 非弾性連続クロッチウェブを機械方向に前進させるステップと、
- クロッチパネルウェブを、引張された前パネルウェブおよび引張された後パネルウェブに取り付け、それによって前パネルウェブと後パネルウェブとの間のギャップを埋め、相互接続された前駆体物品の密着シャーシウェブを形成するステップと、
- クロッチ弾性部材の対を提供するステップであって、クロッチ弾性部材の対は第1のクロッチ弾性部材と第2のクロッチ弾性部材とからなる、ステップと、
- 各クロッチ弾性部材をクロッチ弾性部材の長手方向に伸長させ、クロッチ弾性部材の長手方向と交差機械方向とを整列させるステップと、
- クロッチ弾性部材を伸長され交差機械方向に整列された状態に保ったまま各伸長されたクロッチ弾性部材をクロッチウェブに取り付けるステップであって、第1のクロッチ弾性部材は機械方向にクロッチの間隔をあけて第2のクロッチ弾性部材から離間し、後続前駆体物品のクロッチ弾性部材の対が機械方向に物品の間隔をあけて先行前駆体物品のクロッチ弾性部材の対から離間し、物品の間隔は相互接続された前駆体物品のシャーシウェブにおける前駆体物品のピッチ長に対応する、ステップと、
- 前駆体パンツ型物品の間のシャーシウェブ内に脚カットを形成するステップであって、各脚カットは閉ループ構成を有し、先行前駆体物品の第1の脚エッジと、後続前駆体物品の第2の脚エッジとを形成する、ステップと、
- 機械方向に延在する折り目に沿ってシャーシウェブを折り畳み、前パネルウェブのウエストエッジを後パネルウェブのウエストエッジと整列させるステップと、
- 各前駆体物品内に第1および第2のサイドシームを形成するステップであって、サイドシームは前および後パネルウェブの整列されたウエストエッジから脚カットまで、前駆体物品の間の分割線に沿って交差機械方向に形成される、ステップと、
- シャーシウェブから個別のパンツ型物品を切断するステップとを含む。
【0009】
非弾性非伸縮性連続クロッチウェブは、第1のサイドエッジおよび対向する第2のサイドエッジを有するクロッチウェブであってよい。クロッチウェブを、引張された前パネルウェブおよび引張された後パネルウェブに取り付けることは、
- クロッチウェブの第1のサイドエッジを、前パネルクロッチエッジに沿って延在するオーバーラップシームなどにおいて、前パネルクロッチエッジに沿って引張された前パネルウェブに取り付け、クロッチウェブの第2のサイドエッジを、後パネルクロッチエッジに沿って延在するオーバーラップシームなどにおいて、後パネルクロッチエッジに沿って引張された後パネルウェブに取り付けることを含み得る。
【0010】
代替的に、非弾性非伸縮性連続クロッチウェブは、交差機械方向に距離全体にわたってまたは前ウエストエッジと後ウエストエッジとの間の距離の少なくとも75%の距離にわたって延在する外側または内側カバーウェブであってもよい。
【0011】
弾性的に伸縮自在な前パネルウェブおよび/または弾性的に伸縮自在な後パネルウェブは、弾性積層体を含むかまたは弾性積層体からなるものとしてよく、弾性積層体は、繊維性材料の少なくとも第1の層と弾性層とを含む。
【0012】
弾性積層体は、繊維性材料の第2の層を含み、弾性層は、繊維性材料の第1の層と第2の層との間に配置構成された中間弾性層であってもよい。
【0013】
本明細書において開示されている積層体における弾性層は、弾性フィルムの層を含むか、または弾性フィルムの層からなるものとしてよい。
【0014】
本明細書において開示されている積層体における弾性層は、弾性不織布材料の層を含むか、または弾性不織布材料の層からなるものとしてよい。
【0015】
前および後パネルウェブは、同じタイプまたは異なるタイプのウェブであってもよい。
【0016】
前パネルウェブおよび後パネルウェブの一方または両方は、2つの外側不織布層と、外側不織布層の間の中間弾性層とを含む3層積層体ウェブを含むか、またはそれらからなるものとしてよい。前パネルおよび/または後パネルの3層積層体は、2層前ウェブ積層体および/または2層後ウェブ積層体によって弾性前および/または後パネルウェブに接着された外側または内側クロッチウェブと一緒に形成され得る。
【0017】
3層不織布-フィルム-不織布積層体は、滑らかで柔らかく、肌に優しい織物のような表面を有する弾性パネルを提供する。この積層体は、ストレッチボンディング法、インクリメンタルストレッチングを伴う方法などの知られている方法または方法の組合せによって生産され得る。
【0018】
3層弾性パネルウェブは、弾性フィルム、弾性不織布などの、弾性層の第1の表面をストレッチボンディングで接着することによって、または紐もしくは長繊維などの複数の平行な弾性要素を第1の不織布層にストレッチボンディングで接着し、その後、第2の不織布層を弾性層の第2の表面に接着することによって、または第1の不織布層上の複数の平行なゴム紐を覆うように第2の不織布層を接着することによって形成され得る。ストレッチボンディングは、複合ベースウェブ中の弾性フィルム層の弾性特性を保持するために、弾性層または弾性要素が機械方向MDに50~600%などで伸長されることを意味する。接着は、超音波接着、接着剤接着、熱接着などの任意の好適な技術によって実行され得る。
【0019】
本明細書において開示されているような方法において、ストレッチボンディングで接着された弾性層または弾性要素および1つまたは複数の非伸縮性不織布層などの、1つまたは複数の非弾性層、非伸縮性層を含む積層体弾性パネルウェブを使用するときに、ウェブは、シャーシウェブから個別のパンツ型物品を切断する最終ステップまでのプロセス全体を通して、張力が加えられた状態に保持される。これは一般的に、ウェブが、1つまたは複数の非伸縮性層によって許容される最大範囲まで機械方向に伸長されることを意味する。
【0020】
本明細書において開示されているようなクロッチウェブは、非伸縮性不織布ウェブ、非伸縮性ポリマーフィルムなどの、任意の好適な非弾性非伸縮性ウェブ材料であってよい。1つまたは複数の不織布ウェブを含む積層体ならびに1つまたは複数の不織布ウェブおよびポリマーフィルムを含む積層体も企図され得る。
【0021】
本明細書において開示されている方法において、クロッチ弾性部材は、帯状のクロッチ弾性部材であってもよい。帯状のクロッチ弾性部材は、弾性フィルムもしくは弾性不織布材料などの本質的に弾性的な材料の細長片であり得るか、または1つもしくは複数の弾性要素が引張状態で接着された非弾性ウェブの1つもしくは複数の層を含む事前加工済み弾性部材であり得る。そのような弾性要素は、本発明の方法の交差機械方向に対応するクロッチ弾性部材の長さ方向に互いに平行に当てられ、本発明の方法の機械方向に対応するクロッチ弾性部材の幅方向に離間する、適用される複数のゴム紐、伸縮性のある糸、またはゴムバンドであってもよい。弾性フィルムおよび1つまたは複数の非弾性不織布ウェブの積層体も、本明細書において開示されているようなクロッチ弾性部材用に企図される。
【0022】
本明細書において開示されているような方法において、クロッチ弾性部材が弾性フィルムを含むか、または弾性フィルムからなることが好ましい場合がある。
【0023】
伸長されたクロッチ弾性部材は、20mmから40mm、または25mmから35mmなどの、15mmから50mmの範囲内の機械方向に測定されるような幅、および170mmから320mm、または200mmから310mmなどの、150mmから350mmの範囲内の交差機械方向に測定されるような長さを有し得る。
【0024】
本明細書に開示される方法は、シャーシウェブ内の各前駆体物品の第1および第2の脚エッジの間に吸収性コアを含む吸収性アセンブリを当てて取り付けることをさらに含み得、吸収性アセンブリの吸収性コアは液体不透過性バックシートと液体透過性トップシートとの間に封入される。吸収性アセンブリは、この方法の交差機械方向に対応する吸収性アセンブリの長手方向に延在するサイドエッジと、この方法の機械方向に対応する吸収性アセンブリの交差方向に延在する端部エッジとを有する。吸収性アセンブリは、隆起弾性障壁または整形弾性体などの付加的な弾性要素をさらに含み得る。
【0025】
吸収性アセンブリは、伸長され、取り付けられたクロッチ弾性部材を覆うように当てられ得る。この方式で、吸収性アセンブリは、最終パンツ型物品の内面にクロッチ弾性部材を重ねることになり、内面はパンツ型物品が着用されているときに着用者に面することを意図された表面である。吸収性アセンブリの内面は、液体透過性トップシートによって形成され、任意選択で、吸収性アセンブリのサイドエッジに沿って延在する障壁カフを含んでもよい。
【0026】
吸収性アセンブリのトップシートおよび任意の障壁カフは、不織材料などの、繊維性ウェブ材料から形成され、吸収性アセンブリの内面に織物特性を与えることが好ましい場合がある。
【0027】
クロッチウェブ内に延在する各脚カットの一部は、クロッチウェブを貫通し、対応するクロッチ弾性部材を貫通し、吸収性アセンブリの周囲エッジ部分を貫通して切断され、吸収性アセンブリの周囲エッジ部分は吸収性アセンブリの液体不透過性バックシートおよび液体透過性トップシートの一方または両方によって形成され、吸収性アセンブリの周囲エッジ部分は吸収性アセンブリの吸収性コアの周囲エッジから外向きに配置構成される。本明細書において開示されているような吸収性アセンブリにおいて、トップシートおよびバックシートは、両方とも、吸収性コアの周囲を越えて延在し、吸収性コアの周囲エッジから外向きの吸収性コアの周囲に沿って延在するエッジシールにおいて互いに接合され得る。この方法で生産される最終パンツ型吸収性物品は、着用者の股間に快適に形状適合する滑らかなしわのない弾性脚エッジを有する。
【0028】
本明細書において開示されているような方法は、シャーシウェブ内に脚カットを形成する前に連続補強脚弾性部材を機械方向に伸長させ、伸長状態の連続補強脚弾性部材を引張された後パネルウェブのクロッチエッジに沿って湾曲構成で取り付けることをさらに含み得る。連続脚弾性部材は、2から15個の弾性要素、3から12個の弾性要素、または4から10個の弾性要素などの複数の個別の弾性要素を含み得る。
【0029】
複数の個別の弾性要素は、機械方向に離間して当てられるゴム紐、伸縮性のある糸、またはゴムバンドであってもよい。
【0030】
連続脚弾性部材は、脚エッジに沿って延在するように配置構成された脚弾性部材の部分よりも低い、第1および第2の脚開口部の間に延在する部分における張力など、連続脚弾性部材に沿って異なる張力で当てられ得る。より低い張力は、脚弾性部材の異なる部分の異なる伸長によって、および/または選択された部分における脚弾性部材の弾性を中和することによって達成され得る。
【0031】
連続補強弾性要素を取り付けることは、引張された後パネルウェブに接着剤を塗布することによって引張された後パネルウェブ上に1つまたは複数の取り付け領域を形成することと、1つまたは複数の取り付け領域において引張された後パネルウェブに連続補強弾性要素を取り付けることと、任意選択で、補強弾性要素および1つまたは複数の取り付け領域を不織布カバーウェブで覆うこととを含み得る。
【0032】
本明細書において開示されているような方法は、クロッチ弾性部材の対の第1および第2のクロッチ弾性部材の各部材の第1の端部分を引張された前パネルウェブと重ね合わせ、第1および第2のクロッチ弾性部材の各部材の重ね合わせた第1の端部分を引張された前パネルウェブに取り付けること、ならびに/またはクロッチ弾性部材の対の第1および第2のクロッチ弾性部材の各部材の第2の端部分を引張された後パネルウェブと重ね合わせ、第1および第2のクロッチ弾性部材の各部材の重ね合わせた第2の端部分を引張された後パネルウェブに取り付けること、を含み得る。
【0033】
代替的に、またはそれに加えて、第1および第2のクロッチ弾性部材の各々の第2の端部分は、引張された後パネルウェブと重なって取り付けられさらに、補強弾性要素と重なって取り付けられる。
【0034】
伸長されたクロッチ弾性部材をシャーシウェブに伸長して当てるときに、クロッチ弾性部材の端部分は、伸長デバイス内の移動可能クランプで保持され得る。クランプされた端部分は伸長を受けず、非引張状態でシャーシウェブに当てられ、取り付けられる。各クロッチ弾性部材の2つの非引張端部分は、交差機械方向の伸長されたクロッチ弾性部材の伸長全体の10%から15%の交差機械方向(すなわち、クロッチ弾性部材の長さ方向)における組み合わされた伸長を有し得る。
【0035】
第1および第2のクロッチ弾性部材は、補強弾性要素を取り付ける前または取り付けた後にシャーシウェブに取り付けられ得る。第1のクロッチ弾性部材および第2のクロッチ弾性部材の第2の端部分が引張された後パネルウェブと重なって取り付けられ、さらに補強弾性要素に重なって取り付けられる実施形態では、補強弾性要素は、第1のクロッチ弾性部材の第2の端部分および第2のクロッチ弾性部材の第2の端部分に取り付けられることが好ましい場合がある。
【0036】
この方式で、補強弾性要素とクロッチ弾性部材との間のより安全な取り付けがもたらされ得るので、補強弾性要素がクロッチ弾性部材の非引張端部分に取り付けられることは有利であり得る。
【0037】
本細書において開示されている方法において、シャーシウェブ内の各前駆体物品の第1の脚エッジは、
- 引張された前パネルウェブ内に延在する前脚エッジセクション、
- 前パネルクロッチエッジと後パネルクロッチエッジとの間のクロッチウェブ内に延在するクロッチ脚エッジセクション、および
- 引張された後パネルウェブ内に延在する後脚エッジセクション
からなり、
各前駆体物品の第2の脚エッジは、
- 引張された前パネルウェブ内に延在する前脚エッジセクション、
- 前パネルクロッチエッジと後パネルクロッチエッジとの間のクロッチウェブ内に延在するクロッチ脚エッジセクション、および
- 引張された後パネルウェブ内に延在する後脚エッジセクション
からなる。
【0038】
引張された後パネルウェブ上に補強弾性要素を当てた後に、本明細書において開示されている方法は、第1および第2の脚エッジの後脚エッジセクションを形成しそれと同時に補強弾性要素の余剰部分を切り離し、脚エッジが後パネルクロッチエッジと交差する各脚エッジの後方点と補強弾性要素が切り離される脚エッジ上のカット点との間で第1の脚エッジおよび第2の脚エッジの各エッジの後脚エッジセクションに沿って取り付けられる補強弾性要素の残りの部分を残すことをさらに含み得る。補強脚弾性部材は、好ましくは、脚エッジの間でシャーシウェブに取り付けられておらず、切断され、後脚エッジセクションとクロッチ脚エッジセクションとの間の交差点に配置構成された取り付け領域に後ろ留め方式で留めることを可能にされることによって、脚エッジの間で非活性状態にされ得る。この方法で、物品のクロッチ領域および物品の脚エッジの間に存在する吸収性コアの弾性収縮が、回避され得る。
【0039】
したがって、カット点と、隣接する前駆体物品間の分割線との間の各後脚エッジセクションの、カット点に最も近い部分には、補強弾性体がなくてもよい。補強弾性要素がない各後脚エッジセクションの部分は、後脚エッジセクションの全長の25%から75%である、カット点から最も近い分割線まで対応する脚エッジに沿って測定されるような長さを有し得る。
【0040】
本明細書において開示されているような方法は、前パネルウェブのウエストエッジに沿って、および/または後パネルウェブのウエストエッジに沿ってウエスト弾性部材を取り付けることをさらに含むものとしてよい。この1つまたは複数のウエスト弾性部材は、クロッチウェブに取り付けられる前に、前パネルウェブおよび後パネルウェブの一方または両方のウエストエッジに取り付けられ得る。ウエスト弾性部材は、国際公開第WO 2017/044013 A1号または国際公開第WO 2017/044014 A1号において開示されているような方法に従って前パネルウェブおよび後パネルウェブに取り付けられてもよく、これは画成されたウエストバンド取り付け領域において連続ウエストバンド構成要素をベースウェブに取り付け、機械方向に取り付け領域を貫通する切れ目に沿ってベースウェブおよび取り付けられたウエストバンド構成要素を切断し、それによって、ウエストバンド構成要素の第1の部分が取り付けられている第1のパネル部分を含む第1のパネルウェブと、第2のパネル部分およびウエストバンド構成要素の第2の部分が取り付けられている第2のパネル部分を含む第2のパネルウェブとを作製することを伴う。ベースウェブおよび弾性ウエストバンド構成要素を切断した後、2つのウェブ部分は、ウエストバンド構成要素の部分が取り付けられているウェブ部分のエッジが互いに面と向かうのではなく互いに遠ざかる方向に面するように交差機械方向にずらされる。ウエストバンド構成要素の取り付けられた部分を有する2つのウェブ部分は、前パネルウェブのウエストエッジに沿って配置構成されたウエスト弾性部材を有する前パネルウェブおよび後パネルウェブのウエストエッジに沿って配置構成されたウエスト弾性部材を有する後パネルウェブとして本明細書において開示されている使い捨てパンツ型物品を生産する方法において使用され得る。
【0041】
代替的に、ウエスト弾性部材は、前パネルウェブおよび後パネルウェブをクロッチウェブに取り付けた後に前パネルウェブおよび後パネルウェブの一方または両方のウエストエッジに取り付けられ得る。
【0042】
ウエストバンド部材は、本明細書において開示されているような最終的なパンツ型物品内に明確なウエストバンドを作製するように構成されているシャーシウェブの構成要素である。各ウエストバンド部材は、対応するパネルウェブのクロッチエッジから離れる方向に面する外側エッジおよび対応するパネルウェブのクロッチエッジの方向に面する内側エッジを有する。ウエストバンド部材の内側エッジは、ウエストバンド部材と対応するパネルウェブの本体部分との間の明確な境界を構成する。
【0043】
ウエストバンド部材がパネルウェブにどのように当てられるかに応じて、国際公開第WO 2017/044013 A1号および国際公開第WO 2017/044014 A1号において開示されている応用方法のように、ウエストバンド部材は、パネルウェブのウエストエッジ部分と完全に重なり得るか、またはウエストバンド部材は、ウエストバンド部材とパネルウェブとの間に接合部を作製するのに十分な、わずかな重なりだけでパネルウェブのウエストエッジに取り付けられ得る。
【0044】
本開示は、本明細書において開示されているような方法によって生産される使い捨てパンツ型物品にさらに関係し、この方法は機械方向に移動するウェブから使い捨てパンツ型物品を連続的に生産することを伴う。この方法は、非弾性非伸縮性クロッチウェブを、引張された弾性前パネルウェブと引張された弾性後パネルウェブとの間に取り付けて、相互接続された前駆体物品の密着シャーシウェブを形成し、その後、伸長されたクロッチ弾性部材の対が伸長されたクロッチ弾性部材が交差機械方向に配置構成されている状態で各前駆体物品のシャーシウェブに取り付けられることを含む。次いで、脚カットは、前駆体物品の間のシャーシウェブ内に形成される。その後、シャーシウェブは、機械方向に延在する折り目に沿って折り畳まれ、前駆体物品のウエストエッジを互いに整列させる。第1および第2のサイドシームは、前駆体物品の間の分割線に沿って各前駆体物品内に形成され、サイドシームは前駆体物品の整列されたウエストエッジから脚カットまで形成される。最後に、個別のパンツ型物品が、シャーシウェブから切断される。
【0045】
本明細書において開示されているパンツ型物品は、以下において添付図面を参照しつつさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】生産の進行段階にあるシャーシウェブの一セクションを示す平面図である。
図2】生産の進行段階にあるシャーシウェブの一セクションを示す平面図である。
図3】生産の進行段階にあるシャーシウェブの一セクションを示す平面図である。
図4】生産の進行段階にあるシャーシウェブの一セクションを示す平面図である。
図5】生産の進行段階にあるシャーシウェブの一セクションを示す平面図である。
図6】生産の進行段階にあるシャーシウェブの一セクションを示す平面図である。
図7】生産の進行段階にあるシャーシウェブの一セクションを示す平面図である。
図8】生産の最終段階にある図1図7のシャーシウェブの一セクションを示す平面図である。
図9】パンツ型吸収性物品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本明細書において開示されているパンツ型物品を生産するための方法は、添付図面を参照しつつ以下でより完全に説明される。図面は概略図であり、異なる部分および構成要素は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【0048】
本方法は、吸収性アセンブリを含む使い捨てパンツ型物品の文脈で本明細書において説明される。しかしながら、この方法は、吸収性アセンブリを含んでいない吸収性および非吸収性のパンツ型物品の生産にも等しく適用可能であることは理解されるべきである。本明細書において開示されている方法は、大人用失禁用品、赤ちゃん用おむつ、トレーニングパンツ、スイムパンツ、使い捨て下着パンツ、女性用のサニタリーパンツなど、任意のタイプの使い捨てパンツ型物品の生産に有用である。
【0049】
本明細書において開示されている使い捨てパンツ型物品を生産する連続的な方法は、図1図7を参照しつつ説明される。
【0050】
図1は、機械方向MDに前進させられる連続弾性前パネルウェブ101を示している。前パネルウェブ101は、前パネルウェブ101が機械方向MDに引張されるように機械方向MDに伸長されながら機械方向MDに前進させられる。
【0051】
前パネルウェブ101は、前ウエストエッジ102と、対向する前クロッチエッジ103とを有する。
【0052】
図1は、弾性前パネルウェブ101と平行な機械方向MDに前進させられている連続弾性後パネルウェブ108をさらに示している。後パネルウェブ108は、後パネルウェブ108が機械方向MDに引張されるように機械方向MDに伸長されながら機械方向MDに前進させられる。
【0053】
後パネルウェブ108は、後ウエストエッジ109と、対向する後クロッチエッジ110とを有する。後パネルウェブ108は、機械方向MDに垂直な交差機械方向CDで前パネルウェブ101から離間され、前パネルウェブ101のクロッチエッジ103と後パネルウェブ108のクロッチエッジ110との間に交差機械方向CDにギャップ115がある。
【0054】
前ウエスト弾性部材104が前ウエストエッジ102に沿って配置構成され、後ウエスト弾性部材111が後ウエストエッジ109に沿って配置構成される。ウエスト弾性部材104、111は、たとえば国際公開第WO 2017/044013 A1号または国際公開第WO 2017/044014 A1号において開示されているような方法によって、図1に示されている生産ステップの前に前パネルウェブ101および後パネルウェブ108にすでに取り付けられている。国際公開第WO 2017/044013 A1号および国際公開第WO 2017/044014 A1号における方法は、連続ウエストバンド構成要素が取り付けられたベースウェブから開始し、その後、ベースウェブは、機械方向に延在する切れ目に沿って2つの部分にカットされ、切れ目に沿ってベースウェブとウエストバンド構成要素の両方を切断する。ベースウェブを2分割することによって、ウエストバンド構成要素の第1部分が取り付けられている第1パネルウェブ、およびウエストバンド構成要素の第2部分が取り付けられた第2パネルウェブが形成される。その後、2つのウェブ部分は、ウエストバンド構成要素のこれらの部分が取り付けられているウェブ部分のカットエッジが互いから離れる方向に面して配置構成されるように交差機械方向にずらされる。ウェブ部分が本明細書において開示されている方法でさらに加工されるときに、図1に示されているように、第1のパネルウェブのカットエッジは前パネルウェブ101の前ウエストエッジ102を形成し、第2のパネルウェブのカットエッジは後パネルウェブ108の後ウエストエッジ109を形成する。分割されたウエストバンド構成要素は、それぞれの前パネルウェブ101および後パネルウェブ108上に前ウエスト弾性部材104および後ウエスト弾性部材111を形成する。
【0055】
国際公開第WO 2017/044013 A1号および国際公開第WO 2017/044014 A1号の方法では、結果として、前パネルウェブ101の前ウエストエッジ102に隣接する前ウエスト弾性部材104と、後パネルウェブ108の後ウエストエッジ109に隣接する後ウエスト弾性部材111とが得られる。図1図7に示されている例では、前ウエストエッジ102および後ウエストエッジ109は一致した正弦波形状構成を有している。ウエストエッジは、図に示されているような起伏のある構成を有する必要はなく、直線エッジ、ジグザグエッジなどの他の構成が使用されてもよいことは理解されるべきである。さらに、ウエストバンド部材を前パネルウェブおよび後パネルウェブに取り付けるための他の方法も使用され得ることは理解されるべきである。前ウエストバンド部材は、代替的に、前パネルウェブの前ウエストエッジに沿ってエッジシームで取り付けられてもよく、後ウエストバンド部材は、後パネルウェブの後ウエストエッジに沿ってエッジシームで取り付けられてもよい。そのような実施形態では、ウエストバンド部材は、対応するパネルウェブのウエストエッジから外向きの交差機械方向CDに延在する。ウエストバンド部材の別の企図され得る配置構成は、パネルウェブのウエストエッジからわずかに内向き取り付けることである。そのような実施形態では、各ウエストバンド部材は、対応するパネルウェブと完全に重なっており、パネルウェブの小さいエッジ部分は、パネルウェブのウエストエッジから2から15mmのオーダーの距離で外向きに交差機械方向CDに延在している。
【0056】
国際公開第WO 2017/044013 A1号および国際公開第WO 2017/044014 A1号に開示される方法以外の方法によって前パネルウェブおよび後パネルウェブに取り付けられるウエストバンド部材は、本明細書において開示されているような方法の任意の好適な段階の間に取り付けられてもよく、または図1に示されている段階の前に取り付けられてもよい。本明細書において開示されているようなウエスト弾性部材は、本明細書において開示されているような方法および使い捨てパンツ型物品に対して任意選択であることも理解されるべきである。
【0057】
ウエスト弾性部材は、ゴム糸、弾性フィルム、弾性不織布、および弾性発泡体を含む当技術分野で知られているような任意の好適な弾性材料または伸縮性材料を含むか、またはそれからなるものとしてよい。さらに、弾性部材は、複数の細長い弾性要素の形態で、弾性または伸縮性材料の単一のバンド、たとえば弾性積層体として施され得る。すべての事例において、弾性部材は、本明細書において開示されているようなシャーシウェブまたは使い捨てパンツ型物品の一構成要素であり、脚弾性または身体弾性などのパンツ型物品のシャーシウェブの他の伸縮性とは別の異なるものである。
【0058】
次いで、第1のサイドエッジ119および対向する第2のサイドエッジ120を有する非弾性非伸縮性連続クロッチウェブ118が機械方向MDに前進させられ、クロッチウェブ118の第1のサイドエッジ119は、引張された前パネルウェブ101のクロッチエッジ103に沿って第1の重なりシーム121で取り付けられ、クロッチウェブ118の第2のサイドエッジ120は、引張された後パネルウェブ108のクロッチエッジ110に沿って第2の重なりシーム122で取り付けられ、図2に示されているとおりである。クロッチウェブ118は、前パネルウェブ101と後パネルウェブ108との間のギャップ115を埋め、交差機械方向CDに延在する分割線Ldによって区切られる、相互接続された前駆体物品131a、131b、131cの密着シャーシウェブ130を形成し、各前駆体物品131a、131b、131cは、分割線Ldの間の機械方向MDのピッチ長さLpを有する。前駆体物品131a、131b、131cのピッチ長さLpは、個別のパンツ型物品がシャーシウェブ130から切り離される、本明細書において開示されている方法の最終ステップまで同じままである。
【0059】
図に示されている非弾性非伸縮性連続クロッチウェブ118は、クロッチパネルウェブであり、前パネルウェブ101と後パネルウェブ108との間のギャップ115を埋めるためにのみ当てられる。本明細書において述べられているように、非弾性連続クロッチウェブは、代替的に、交差機械方向に距離全体にわたってまたは前ウエストエッジと後ウエストエッジとの間の距離の少なくとも75%の距離にわたって延在する外側または内側カバーウェブであってもよい。
【0060】
図3を参照すると、第1の帯状のクロッチ弾性部材141と第2の帯状のクロッチ弾性部材142とからなるクロッチ弾性部材の対が設けられている。
【0061】
各クロッチ弾性部材141、142は、クロッチ弾性部材の長手方向Leに伸長されており、クロッチ弾性部材141、142の長手方向Leは、移動するシャーシウェブ130の交差機械方向CDと整列される。
【0062】
そして、伸長された各クロッチ弾性部材141、142は、クロッチ弾性部材141、142を伸長させたまま、交差機械方向CDに揃えた状態で、シャーシウェブ130に取り付けられる。クロッチ弾性部材の対は、第1のクロッチ弾性部材141が第2のクロッチ弾性部材142から機械方向にクロッチ間隔SCで離間された状態でシャーシウェブ130に取り付けられ、交差機械方向CDに延在する前駆体物品中心線Lcの各側に対称に配置される。前駆体物品131a、131b、131cのクロッチ弾性部材の対は、前駆体物品131a、131b、131cのピッチ長に対応する物品間隔で機械方向に離間される。
【0063】
図示されている移動するシャーシウェブ130では、第1および第2のクロッチ弾性部材141、142の各々の第1の端部分143、144が、引張された前パネルウェブ101と重ねられ取り付けられており、第1および第2のクロッチ弾性部材141、142の各々の第2の端部分145、146が、引張された後パネルウェブ108と重ねられ取り付けられている。
【0064】
伸長されたクロッチ弾性部材141、142をシャーシウェブに伸長して当てるときに、クロッチ弾性部材141、142の第1および第2の端部分143、144、145、146は、伸長デバイス(図示せず)内の移動可能クランプで保持され得る。クランプされた端部分143、144、145、146は伸長を受けず、非引張状態でシャーシウェブ130に当てられ、取り付けられる。
【0065】
伸長されたクロッチ弾性部材141、142は、15mmから50mmの範囲の機械方向MDで測定されるような幅および150mmから350mmの範囲の交差機械方向で測定されるような長さlを有し得る。
【0066】
本明細書において開示されている方法の好ましい実施形態では、弾性部材は弾性フィルムを含むか、または弾性フィルムからなる。
【0067】
図4を参照すると、連続補強脚弾性部材150が、機械方向MDに伸長され、伸長された状態で、引張された後パネルウェブ108のクロッチエッジ110に沿って湾曲した構成で取り付けられる。
【0068】
補強脚弾性部材150は、補強脚弾性部材150を当てる前に引張された後パネルウェブ108の選択された部分に接着剤を連続的または不連続的に塗布することによって引張された後パネルウェブ108上に形成された1つまたは複数の取り付け領域(図示せず)に取り付けられる。補強脚弾性部材150の取り付け後、脚弾性部材150および露出した接着剤は、図4に示されているように、不織布カバーウェブ151で覆われ得る。
【0069】
補強脚弾性部材150は、第1および第2のクロッチ弾性部材141、142の好ましくは引張されていない第2の端部分145、146と交差し、それに取り付けられる。
【0070】
図5に例示されているように、この方法は、吸収性コア161を含む吸収性アセンブリ160を移動するシャーシウェブ130に当てて取り付けることをさらに含み得る。吸収性アセンブリ160は、一緒に吸収性コア161を取り囲む液体不透過性バックシート162および液体透過性トップシート163をさらに備える。
【0071】
吸収性アセンブリ160は、前駆体物品中心線Lc上に当てられ、伸長されて取り付けられたクロッチ弾性部材141、142を覆う。
【0072】
吸収性コア161は、トップシート163とバックシート162との間に配設され、トップシート163を通過した尿または他の体液などの液体を吸収する。
【0073】
トップシート163、バックシート162、および吸収性コア161は、それらの目的に適した任意の材料からなるものとしてよい。
【0074】
吸収性コア161は、単層構造であるか、または重層構造であり得る。吸収性コア161は、好適な量の超吸収性材料を含み得る。そのような超吸収性材料は、吸収性物品の分野においてよく知られており、ヒドロゲルの形成時に大量の液体を吸収することができる水膨潤性および水不溶性材料によって構成される。吸収性コア161は、吸収性ポリマー材料の繊維または粒子の形態の超吸収性材料を含み得る。たとえば、超吸収性材料は、表面架橋された部分的に中和されたポリアクリレートであってもよい。超吸収性材料たとえば超吸収性繊維または粒子は、セルロースフラッフパルプなどの他の吸収性材料または1つもしくは複数の液体取り込み材料と混合され、および/または吸収性コア161内のポケットまたは層に配置構成されてもよい。
【0075】
吸収性コア161は、完全性および強度などの、吸収性コア161の特性を改善するための構成要素をさらに含んでいてもよい。たとえば、吸収性コア161は、結合剤繊維などの1つまたは複数の結合剤を含み得る。弾力性のある繊維、化学的に硬化された繊維などは、セルロース繊維の湿潤崩壊に対抗するために吸収性コア161中に存在してもよい。そのような繊維は、吸収性流体が吸収性構成要素中に分配され、吸収性物品の初期湿潤領域外の吸収性構成要素の部分でも超吸収性材料によって吸収されるように吸収性構成要素中に液体輸送毛管網を保持するのにも有用であり得る。
【0076】
トップシート163は、着用者に面する層であり、流体透過性不織布、穿孔ポリマーフィルム、メッシュまたは発泡体を含むかまたはそれらからなるものとしてよい。トップシートは、熱可塑性合成繊維、フィルム、または網材などの熱可塑性材料から作られてもよい。トップシート163は、単層からなるか、または複数の層、たとえば2つもしくはそれ以上の層を含む積層体構造を有し得る。層は同じ材料から作られるか、またはいくつかのもしくはすべての層が異なる材料から作られてもよい。
【0077】
さらに、バックシート162は、ポリマーフィルム、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレンのフィルムなどの液体不透過性層によって構成されていてもよい。バックシート162は通気性のあるものであってもよい。バックシート162に使用され得る材料は、薄い可撓性液体不透過性プラスチックフィルム、または流体不透過性不織布材料、流体不透過性発泡体、および流体不透過性積層体を含む。バックシート162は単層によって形成されるか、または少なくとも1つの層が流体不透過性である多層構造であってもよい。
【0078】
吸収性アセンブリ160をシャーシウェブ130に任意選択で当てて取り付けた後、脚カット170が前駆体物品131a、131b、131cの間のシャーシウェブ130に形成され、各脚カット170は図6において前駆体物品131bおよび131cの間に示されているような閉ループ構成を有する。脚カットは、先行前駆体物品131cの第1の脚エッジ171と、後続前駆体物品131bの第2の脚エッジとを形成する。
【0079】
図6に示されているように、シャーシウェブ内の各前駆体物品131a、131b、131cの第1の脚エッジ171は、
- 引張された前パネルウェブ101内に延在する前脚エッジセクション171f、
- 前パネルクロッチエッジ103と後パネルクロッチエッジ110との間のクロッチウェブ118内に延在するクロッチ脚エッジセクション171c、および
- 引張された後パネルウェブ108内に延在する後脚エッジセクション171r
からなる。
【0080】
各前駆体物品131a、131b、131cの第2の脚エッジ172は、
- 引張された前パネルウェブ101内に延在する前脚エッジセクション172f、
- 前パネルクロッチエッジ103と後パネルクロッチエッジ110との間のクロッチウェブ118内に延在するクロッチ脚エッジセクション172c、および
- 引張された後パネルウェブ108内に延在する後脚エッジセクション172r
からなる。
【0081】
補強脚弾性部材150は、吸収性コア161が配置される脚エッジ171、172の間に配置される領域においてシャーシウェブ130に取り付けられない。補強脚弾性部材150は、前駆体物品中心線Lcで切断され、後脚エッジセクションとクロッチ脚エッジセクションとの間の交差点に配置構成されている取り付け領域に後ろ留め方式で留めることを可能にされることによって、脚エッジ171、172の間の領域内で不活性にされる。
【0082】
図6に示されているように、閉ループ脚カット170は、各脚カット170の内側にカットアウト部分173を形成する。図6では、カットアウト部分173中の材料は、脚カット170の内部に残っているが、図7では、カットアウト部分173中の材料は、シャーシウェブ130から取り除かれている。図6に示されている例では、カットアウト部分173は、近似的ハート形を有している。しかしながら、カットアウト部分173の形状は、たとえば、本明細書において開示されているようなパンツ型物品のフィット性を特定のカテゴリーの使用者の体格および形状に適合させるために変化させてもよいことは理解されるべきである。脚カット170を形成した後、カットアウト部分173は、シャーシウェブから取り除かれ、本明細書において開示されているようなプロセスのさらなる一部ではない。
【0083】
クロッチ脚エッジセクション171c、172cの各々の長さは、脚エッジ171、172が前パネルクロッチエッジ103と交差する脚エッジ171、172上の前方点Pf1、Pf2から、脚エッジ171、172が後パネルクロッチエッジ110と交差する脚エッジ171、172上の後方点Pr1、Pr2まで、対応する脚エッジ171、172に沿って測定される。
【0084】
第1の脚エッジ171の前脚エッジセクション171fの長さは、第1の脚エッジ171が前パネルクロッチエッジ103と交差する第1の脚エッジ171上の前方点Pf1から、機械方向MDで第1の脚エッジ171の背後にある分割線Ldまで、すなわち前方点Pf1に最も近い分割線Ldまで、第1の脚エッジ171に沿って測定される。
【0085】
第1の脚エッジ171の後脚エッジセクション171rの長さは、第1の脚エッジ171が後パネルクロッチエッジ108と交差する第1の脚エッジ171上の後方点Pr1から、機械方向MDで第1の脚エッジ171の背後にある分割線Ldまで、すなわち後方点Pr1に最も近い分割線Ldまで、第1の脚エッジ171に沿って測定される。
【0086】
第2の脚エッジ172の前脚エッジセクション172fの長さは、第2の脚エッジ172が前パネルクロッチエッジ103と交差する第2の脚エッジ上の前方点Pf2から、機械方向MDで第2の脚エッジ171の前にある分割線Ldまで、すなわち前方点Pf2に最も近い分割線Ldまで、第2の脚エッジ172に沿って測定される。
【0087】
第2の脚エッジ172の後脚エッジセクション172rの長さは、第2の脚エッジ172が後パネルクロッチエッジ108と交差する第2の脚エッジ172上の後方点Pr2から、機械方向MDで第2の脚エッジ172の前にある分割線Ldまで、すなわち後方点Pr2に最も近い分割線Ldまで、第2の脚エッジ172に沿って測定される。
【0088】
脚カットを形成した後、吸収性アセンブリ160は、シャーシウェブにおいて、各前駆体物品131a、131b、131cの第1の脚エッジ171と第2の脚エッジとの間の中心に配置される。
【0089】
図6に示されているように、各クロッチ脚エッジセクション171c、172cの一部は、クロッチウェブ118を貫通し、対応するクロッチ弾性部材141、142を貫通し、吸収性アセンブリ160の周囲エッジ部分164、165を貫通してカットすることによって形成され得る。吸収性アセンブリ160の周囲エッジ部分164、165は、吸収性アセンブリ160の液体不透過性バックシート162および液体透過性トップシート163の部分であって、吸収性アセンブリ160の吸収性コア161の対応する周囲エッジ166、167から外向きに機械方向MDに延在する部分によって形成される。図示されている吸収性アセンブリ160では、トップシート163およびバックシート162は両方とも、吸収性コア161の周囲エッジ166、167を越えて延在し、エッジシールで互いに接合される。
【0090】
クロッチ脚エッジセクション171c、172cは、図6を見ると分かるように、当初は概ね矩形形状を有する帯状クロッチ弾性部材141、142も、クロッチ脚エッジセクション171c、172cの少なくとも一部に沿って凹状のカットエッジを有するいくぶん修正された帯状形状を与えられるようにわずかに凹状の湾曲を付けてカットされている。
【0091】
図6および図7をさらに参照すると、第1および第2の脚エッジ171、172の後脚エッジセクション171r、172rをカットするときに、補強弾性要素150の余剰部分150sは、カットアウト部分173とともに同時に切り取られ、各脚エッジ171、172の後方点Pr1、Pr2の間に第1の脚エッジ171および第2の脚エッジ172の各々の後脚エッジセクション171r、172rに沿って取り付けられている補強弾性要素150の残りの部分150rを残し、脚エッジ171、172は後パネルクロッチエッジ110および脚エッジ上のカット点Pcと交差し、そこで補強用弾性要素150が切り取られる。それによって、カット点Pcと、カット点Pcに最も近い分割線Ldとの間の各後脚エッジセクション171r、172rの一部には、補強弾性体がない。補強弾性要素150がない各後脚エッジセクション171r、172rの部分は、後脚エッジセクション171r、172rの全長の25%から75%である、カット点Pcから最も近い分割線Ldまで対応する脚エッジ171、172に沿って測定されるような長さを有し得る。
【0092】
切れ目170に沿ってシャーシウェブ130からカットアウト部分173を切り取ることによって脚エッジ171、172を形成した後、シャーシウェブ130は、機械方向MDに延在する折り目Lvに沿って折り畳まれ、図8に示されているように前パネルウェブ101のウエストエッジ102を後パネルウェブ108のウエストエッジ109に揃える。
【0093】
第1のサイドシーム181および第2のサイドシーム182が、前駆体物品131a、131b、131cの間の分割線Ldに沿って、前および後パネルウェブ101、108の整列されたウエストエッジ102、109から脚カット170まで各前駆体物品131a、131b、131c内に形成される。
【0094】
先行前駆体物品131aの第1のサイドシーム181および後続前駆体物品131bの第2のサイドシーム182は、図8に示されているように、分割線Ldに沿って延在する単一の幅広シールとして形成され得る。分割線Ldに沿ってシャーシウェブを切断することによって前駆体物品131a、131b、131cのシャーシウェブ130から個別のパンツ型物品を切り取るときに、図8に示されている単一の幅広シールは、同時に、相互接続された前駆体物品131a、131bの2つのサイドシーム181、182に分割される。
【0095】
代替的に、サイドシーム181、182は、分割線Ldの両サイドに置かれた個別のシールとして形成され得る。
【0096】
サイドシームは、熱溶接、超音波溶接、または接着剤を用いるなど、その目的に適う方法によって形成され得る。接着剤サイドシールの場合、接着剤は、一般的に、シャーシウェブが折り目Lvに沿って折り畳まれる前に塗布される。
【0097】
図9は、前駆体物品131a、131b、131cのシャーシウェブ130から切り取られた後の使い捨てパンツ型物品190を示している。使い捨てパンツ型物品190は、生産中に伸長して広げられたすべての弾性要素が弛緩状態に縮められ、パンツ型物品190中のウェブ材料を寄せ集めた状態で図示されている。
【符号の説明】
【0098】
CD 交差機械方向
Lc 長手方向中心線
Ld 分割線
l 長さ
MD 機械方向
Pc カット点
Pf1、Pf2 前方点
Pr1、Pr2 後方点
101 弾性前パネルウェブ
102 前パネルウエストエッジ
103 対向する前パネルクロッチエッジ
104 前ウエスト弾性部材
108 連続弾性後パネルウェブ
109 後パネルウエストエッジ
110 対向する後パネルクロッチエッジ
111 後ウエスト弾性部材
115 ギャップ
118 非弾性非伸縮性連続クロッチウェブ
119 第1のサイドエッジ
120 第2のサイドエッジ
121 第1の重なりシーム
122 第2の重なりシーム
130 シャーシウェブ
131a、131b、131c 前駆体物品
141 第1のクロッチ弾性部材
142 第2のクロッチ弾性部材
143、144 第1の端部分
145、146 第2の端部分
150 連続補強脚弾性部材
150r 残りの部分
150s 余剰部分
151 不織布カバーウェブ
160 吸収性アセンブリ
161 吸収性コア
162 液体不透過性バックシート
163 液体透過性トップシート
164、165 周囲エッジ部分
166、167 周囲エッジ
170 脚カット
171 第1の脚エッジ
171c クロッチ脚エッジセクション
171f 前脚エッジセクション
171r 後脚エッジセクション
172 第2の脚エッジ
172c クロッチ脚エッジセクション
172f 前脚エッジセクション
172r 後脚エッジセクション
173 カットアウト部分
181 第1のサイドシーム
182 第2のサイドシーム
190 使い捨てパンツ型物品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】