(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】アンテナモジュール
(51)【国際特許分類】
H01Q 21/06 20060101AFI20240524BHJP
H01Q 13/08 20060101ALI20240524BHJP
H01Q 1/42 20060101ALI20240524BHJP
H01P 1/04 20060101ALI20240524BHJP
H01Q 23/00 20060101ALN20240524BHJP
【FI】
H01Q21/06
H01Q13/08
H01Q1/42
H01P1/04
H01Q23/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576130
(86)(22)【出願日】2022-06-10
(85)【翻訳文提出日】2023-12-20
(86)【国際出願番号】 KR2022008183
(87)【国際公開番号】W WO2022260464
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0075854
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】オ セ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム キョン ソク
(72)【発明者】
【氏名】パク ウ チョン
【テーマコード(参考)】
5J011
5J021
5J045
5J046
【Fターム(参考)】
5J011DA11
5J021AA05
5J021AA09
5J021AB06
5J021HA04
5J021JA09
5J045DA10
5J045HA03
5J045JA13
5J045NA03
5J046AA19
5J046AB03
5J046AB13
5J046RA05
5J046RA12
(57)【要約】
本発明の実施例に係るアンテナモジュールは内部に収容空間を含み、前記収容空間を囲む少なくとも一面に第1アンテナが配置されるハウジングと、前記収容空間に配置され、前記第1アンテナの少なくとも一部とオーバーラップされるように上部面に第2アンテナが配置される基板と、を含み、前記第1アンテナと前記第2アンテナは、所定の間隔で離隔する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容空間を含み、前記収容空間を囲む少なくとも一面に第1アンテナが配置されるハウジングと、
前記収容空間に配置され、前記第1アンテナの少なくとも一部とオーバーラップされるように上部面に第2アンテナが配置される基板と、を含み、
前記第1アンテナと前記第2アンテナは、所定の間隔で離隔する、アンテナモジュール。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記収容空間に配置される凸部を含み、
前記凸部は、前記基板の上部面に対向する前記ハウジングの一面に形成される、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
前記第1アンテナは、
前記基板の上面に対向する前記凸部の一面に配置される、請求項2に記載のアンテナモジュール。
【請求項4】
前記基板は、
4より大きい値の誘電率を有する、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項5】
前記ハウジングは、
前記収容空間を囲む少なくとも一面に陰刻された溝を含み、
前記第1アンテナは、
前記陰刻された溝にメッキされて形成される、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項6】
前記第1アンテナは、
複数のパッチが連結されたパッチアンテナアレイであり、
前記第2アンテナは、
単一のパッチで形成されるパッチアンテナである、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項7】
前記第1アンテナを形成する複数のパッチのうち一つである第1パッチは、
前記第2アンテナを形成する第2パッチとオーバーラップされる、請求項6に記載のアンテナモジュール。
【請求項8】
前記第1パッチは、
前記第2パッチより小さく形成される、請求項7に記載のアンテナモジュール。
【請求項9】
前記第2アンテナの側面を囲むように前記基板の上部面に配置されるガイド部を含む、請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項10】
前記ガイド部は、
前記第2アンテナのエッジと所定の間隔で離隔する、請求項9に記載のアンテナモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例はカップリング給電方式を利用するアンテナモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、無線データトラフィックの需要を満たすために、改善された5G(5th generation)/Radar通信システムまたはpre-5G通信システムを開発するための努力がなされている。
【0003】
高いデータ伝送率を達成するために、5G通信システムは超高周波(mmWave)帯域(sub 6ギガ(6GHz)、28ギガ(28GHz)、38ギガ(38GHz)またはそれ以上の周波数)を使う。このような高い周波数帯域は波長の長さによってmmWaveと呼ばれる。
【0004】
超高周波帯域での電波の経路損失の緩和および電波の伝達距離を増加させるために、5G通信システムではビームフォーミング(beamforming)、巨大配列多重入出力(マッシブMIMO、massive MIMO)、アレイアンテナ(array antenna)等の集積化技術が開発されている。
【0005】
一方、mmWaveの高周波特性上、指向性が強いアレイ構造でアンテナが設計される必要がある。これに伴い、アンテナのビームパターンはシャープ(sharp)な形態で形成されるが、アプリケーションにより広い領域をカバーしなければならない必要がある。しかし、一つの基板に給電回路、送受信回路など多数の素子がアンテナとともに設計されなければならないため、アンテナの数を増加させたりアンテナの設計を変化するのに空間的制約が多いという問題点がある。
【0006】
それだけでなく、mmWaveの高周波特性上、波長が短いため誘電率および基板の偏差による性能変化が激しく発生することになる。このような問題点を解決するために、誘電率が低いテフロン(登録商標)基板を利用してアンテナモジュールの性能を向上させているが、相対的に誘電率が高いFR-4基板などに比べて非常に高価で形成されて製造単価が増加するという問題点が発生している。
【0007】
したがって、このような問題点を解決できるアンテナモジュールが要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
実施例は製造費用を節減できるアンテナモジュールに関する。
【0009】
実施例はデザイン自由度を向上させることができるアンテナモジュールに関する。
【0010】
実施例で解決しようとする課題はこれに限定されるものではなく、以下で説明する課題の解決手段や実施形態から把握され得る目的や効果も含まれると言える。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施例に係るアンテナモジュールは内部に収容空間を含み、前記収容空間を囲む少なくとも一面に第1アンテナが配置されるハウジングと、前記収容空間に配置され、前記第1アンテナの少なくとも一部とオーバーラップされるように上部面に第2アンテナが配置される基板と、を含み、前記第1アンテナと前記第2アンテナは、所定の間隔で離隔する。
【0012】
前記ハウジングは、前記収容空間に配置される凸部を含み、前記凸部は、前記基板の上部面に対向する前記ハウジングの一面に形成され得る。
【0013】
前記第1アンテナは、前記基板の上面に対向する前記凸部の一面に配置され得る。
【0014】
前記基板は、上部面に前記第1アンテナとオーバーラップされる第1領域と第2領域を含み、前記第2領域に前記第2アンテナが配置され得る。
【0015】
前記基板は、4より大きい値の誘電率を有することができる。
【0016】
前記ハウジングは、前記収容空間を囲む少なくとも一面に陰刻された溝を含み、前記第1アンテナは、前記陰刻された溝にメッキされて形成され得る。
【0017】
前記第1アンテナは、複数のパッチが連結されたパッチアンテナアレイであり、前記第2アンテナは、単一のパッチで形成されるパッチアンテナであり得る。
【0018】
前記第1アンテナを形成する複数のパッチのうち一つである第1パッチは、前記第2アンテナを形成する第2パッチとオーバーラップされ得る。
【0019】
前記第1パッチは、前記第2パッチより小さく形成され得る。
【0020】
前記第1アンテナと前記第2アンテナの間の離隔間隔は、前記第1アンテナの動作周波数に基づいて設定され得る。
【0021】
前記第1アンテナに含まれた複数のパッチの大きさは、前記ハウジングの誘電率により異なって設定され得る。
【0022】
前記第2アンテナの側面を囲むように前記基板の上部面に配置されるガイド部を含むことができる。
【0023】
前記ガイド部は、前記第2アンテナのエッジと所定の間隔で離隔され得る。
【発明の効果】
【0024】
実施例によると、製造費用を節減することができる。
【0025】
アンテナ設計の自由度を大きく向上させることができる。
【0026】
広い帯域幅を提供することができる。
【0027】
本発明の多様かつ有益な長所と効果は前述した内容に限定されず、本発明の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の実施例に係るアンテナモジュールの分解斜視図である。
【
図2】本発明の実施例に係る第1ハウジングの断面図である。
【
図3】本発明の実施例に係る第1ハウジングの底面図である。
【
図5】本発明の実施例に係るアンテナモジュールの断面図である。
【
図6】本発明の実施例に係る第1アンテナ、第2アンテナおよびガイド部を説明するための図面である。
【
図7】本発明の実施例に係るアンテナモジュールのシミュレーション結果である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0030】
ただし、本発明の技術思想は説明される一部実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、本発明の技術思想範囲内であれば、実施例間にその構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置き換えて使うことができる。
【0031】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術および科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般的に理解され得る意味で解釈され得、辞書に定義された用語のように一般的に使われる用語は関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるであろう。
【0032】
また、本発明の実施例で使われた用語は実施例を説明するためのものであり本発明を制限しようとするものではない。
【0033】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「Aおよび(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合、A、B、Cで組み合わせできるすべての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0034】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を使うことができる。
【0035】
このような用語はその構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0036】
そして、或る構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素はその他の構成要素に直接的に連結、結合または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素の間にあるさらに他の構成要素によって「連結」、「結合」または「接続」される場合も含むことができる。
【0037】
また、各構成要素の「上(うえ)または下(した)」に形成または配置されるものと記載される場合、上(うえ)または下(した)は二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(うえ)または下(した)」で表現される場合、一つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0038】
本発明の実施例に係るアンテナモジュールは、電子装置に搭載されて外部から伝送される信号を受信したり外部に信号を伝送する装置を意味し得る。電子装置は車両、スマートフォン、タブレット、家電製品などを含むことができる。本発明の実施例に係るアンテナモジュールは製造費用削減、帯域幅の拡張およびデザイン自由度の向上のために以下で説明する構造を有することができる。
【0039】
以下では、
図1~
図6を参照して、本発明の実施例に係るアンテナモジュールの構造について詳察することにする。
【0040】
図1は、本発明の実施例に係るアンテナモジュールの分解斜視図である。
図2は、本発明の実施例に係る第1ハウジングの断面図である。
図3は、本発明の実施例に係る第1ハウジングの底面図である。
図4は、本発明の実施例に係る基板の上面図である。
図5は、本発明の実施例に係るアンテナモジュールの断面図である。
図6は、本発明の実施例に係る第1アンテナ、第2アンテナおよびガイド部を説明するための図面である。
【0041】
本発明の実施例に係るアンテナモジュールはハウジング100および基板200を含むことができる。
【0042】
ハウジング100はアンテナによる電磁波を透過できる材質で構成され得る。ハウジング100は電気絶縁体で形成され得る。例えば、ハウジング100はナイロンをベースとしたプラスチック材料をサンドイッチ構造にして形成され得る。ハウジング100はレドーム(radome)であり得る。
【0043】
ハウジング100は内部に収容空間を含むことができる。ハウジング100は収容空間に基板200を収容することができる。
【0044】
ハウジングは第1ハウジング110と第2ハウジング150を含むことができる。
【0045】
第1ハウジング110は上部ハウジングを意味し得る。第1ハウジング110は下部面が開放される形態で形成され得る。一実施例によると、第1ハウジング110は4個の側壁と一つの上部プレートで構成され得る。第1ハウジング110は上部プレートのエッジと4個の側壁のエッジが連結される形態で構成され得る。これに伴い、第1ハウジング110は上部プレートと4個の側壁で囲まれた第1収容空間を形成することができる。
【0046】
第2ハウジング150は下部ハウジングを意味し得る。第2ハウジング150は上部面が開放される形態で形成され得る。一実施例によると、第2ハウジング150は4個の側壁と一つの下部プレートで構成され得る。第2ハウジング150は下部プレートのエッジと4個の側壁のエッジが連結される形態で構成され得る。これに伴い、第2ハウジング150は下部プレートと4個の側壁で囲まれた第2収容空間を形成することができる。
【0047】
第1ハウジング110と第2ハウジング150は結合され得る。一実施例によると、第1ハウジング110の4個の側壁は対応する第2ハウジング150の4個の側壁それぞれと結合され得る。第1ハウジング110と第2ハウジング150が結合されることにより、ハウジング100は閉鎖した収容空間を形成することができる。すなわち、ハウジング100は第1ハウジング110の第1収容空間と第2ハウジング150の第2収容空間が連結される一つの収容空間を形成することができる。第1ハウジング110と第2ハウジング150は結合時に外部の異物などが収容空間に浸透できないように密閉され得る。例えば、第1ハウジング110の4個の側壁と第2ハウジング150の4個の側壁間の結合部には接着剤またはシーリング剤が塗布され得る。図示してはいないが、第1ハウジング110と第2ハウジング150は締結部材によって締結されてもよい。
【0048】
ハウジング100は凸部120を含むことができる。凸部120はハウジング100の収容空間に配置され得る。凸部120は第1ハウジング110の第1収容空間に配置され得る。凸部120は第1ハウジング110に形成され得る。凸部120は第1ハウジング110の一面に形成され得る。凸部120は第1ハウジング110の上部プレートに形成され得る。凸部120は第1ハウジング110の上部プレートの下部面に形成され得る。ここで、第1ハウジング110の上部プレートの下部面は、第1ハウジングの上部プレートの両面のうちハウジング100の収容空間に向かうように配置された面、すなわち基板200に向かうように配置された面、すなわち第2ハウジング150に向かうように配置された面を意味し得る。凸部120は第1ハウジング110の上部プレートの下部面からハウジング100の収容空間に向かって突出するように形成され得る。凸部120は六面体の形状で形成され得るがこれに限定されない。凸部120は第1ハウジング110の上部プレートと一体に形成され得るが、これに限定されない。凸部120は上部プレートと別に形成された後、上部プレートに結合されてもよい。
【0049】
ハウジング100は第1アンテナ130を含むことができる。第1アンテナ130は収容空間を囲むハウジング100の少なくとも一面に配置され得る。第1アンテナ130は第1ハウジング110の上部プレートに配置され得る。一実施例によると、第1アンテナ130は第1ハウジング110の上部プレートの下部面に配置され得る。第1ハウジング110の上部プレートの下部面は第2ハウジング150の下部プレートの上部面に対向する一面であり得る。第1ハウジング110の上部プレートの下部面は基板200の上部面に対向する一面であり得る。一実施例によると、第1アンテナ130は第1ハウジング110に形成された凸部120の一面に配置され得る。第1アンテナ130は凸部120の下部面に形成され得る。凸部120の下部面は第2ハウジング150の下部プレートの上部面に対向する一面であり得る。凸部120の下部面は基板200の上部面に対向する一面であり得る。ここで、凸部120の下部面はハウジング100の収容空間に向かうように配置された面、すなわち基板200に向かうように配置された面、すなわち第2ハウジング150に向かうように配置された面を意味し得る。
【0050】
ハウジング100は収容空間を囲む少なくとも一面に陰刻された溝を含むことができる。一実施例によると、第1ハウジング110の上部プレートの下部面に陰刻された溝が形成され得る。例えば、溝はレーザー食刻などの工法を通じて形成され得る。そして、第1アンテナ130は上部プレートの下部面の陰刻された溝に形成され得る。第1アンテナ130は陰刻された溝に導体がメッキされることによって形成され得る。一実施例によると、第1ハウジング110の凸部120に陰刻された溝が形成され得る。第1ハウジング110の凸部120の下部面に陰刻された溝が形成され得る。例えば、溝はレーザー食刻などの工法を通じて形成され得る。そして、第1アンテナ130は凸部120の下部面の陰刻された溝に形成され得る。第1アンテナ130は陰刻された溝に導体がメッキされることによって形成され得る。
【0051】
第1アンテナ130は複数のパッチ(patch)アンテナを含むことができる。パッチアンテナは誘電体上に印刷されたアンテナの一般的な形態であり、マイクロストリップパッチアンテナと指称されてもよい。複数のパッチアンテナは互いに連結され得る。第1アンテナ130は複数のパッチアンテナが連結されたパッチアンテナアレイであり得る。第1アンテナ130は複数のパッチアンテナアレイを含むことができる。複数のパッチアンテナアレイのうち少なくとも一つは無線信号の送信に利用される送信(TX)アンテナであり得、少なくとも一つは無線信号の受信に利用される受信(RX)アンテナであり得る。
【0052】
第1アンテナ130に含まれた複数のパッチアンテナの大きさはハウジング100の誘電率により異なって設定され得る。一実施例によると、第1アンテナ130に含まれた複数のパッチアンテナの大きさは第1ハウジング110の誘電率により異なって設定され得る。一実施例によると、第1アンテナ130に含まれた複数のパッチの大きさは第1ハウジング110に配置された凸部120の誘電率により異なって設定され得る。例えば、第1アンテナ130が配置された凸部120の誘電率が大きいほど第1アンテナ130を構成するパッチの大きさは小さくなり得る。
【0053】
このように、第1アンテナ130をハウジング100の一面に配置することによって、ハウジング100の収容空間内に配置される基板200上に外部と信号を送受信するためのアンテナが配置されないことができる。ハウジング100の収容空間内に配置される基板200にはアンテナを駆動するための回路部が配置されなければならないので、基板200上にアンテナを配置する場合、アンテナ配置が可能な空間が限定的であり得る。しかし、本発明の実施例により、ハウジング100の一面に第1アンテナ130を配置することによってアンテナの設計空間が拡張され得るため、デザイン自由度が大きく向上し得る長所がある。また、従来に比べてより多くのアンテナを配置できるため、アンテナモジュールのカバー領域を大きく向上させることができる。
【0054】
ハウジング100は基板200を収容することができる。第1ハウジング110と第2ハウジング150が結合されることによって形成された収容空間には基板200が配置され得る。例えば、第2ハウジング150に基板200が固定された後、第1ハウジング110が第2ハウジング150と結合されることによって、ハウジング100は基板200を収容空間に収容することができる。
【0055】
基板200はハウジング100の収容空間に配置され得る。基板200は第2ハウジング150に固定され得る。例えば、基板200は角領域に結合ホールを含むことができ、角領域の結合ホールにねじのような結合部材を通じて第2ハウジング150と結合することができる。
【0056】
基板200は所定の値より大きい誘電率を有することができる。一実施例によると、基板200は4より大きい値の誘電率を有することができる。例えば、4より大きい値の誘電率を有する場合、基板200はFR-4素材の基板200であり得る。本発明の実施例によると、アンテナモジュールの基板200を4より大きい値の誘電率を有する素材(例えば、誘電率4.2~4.8のFR-4素材)で具現しても、信号を送受信する第1アンテナがハウジング100に配置されるのでテフロン(PTFE)のような低い誘電率(約、2.0の誘電率)を有する素材の基板200にアンテナパッチを配置するアンテナモジュールと類似の性能を示すことができる。したがって、高価の低い誘電率を有する基板200を使うアンテナモジュールに比べて製造費用を大きく節減できる長所がある。
【0057】
基板200は第2アンテナ210を含むことができる。第2アンテナ210はパッチを含むことができる。第2アンテナ210は単一のパッチで形成されるパッチアンテナであり得る。一実施例によると、第2アンテナ210は複数であり得る。例えば、
図6でのように、第1アンテナ130が3個のパッチアンテナアレイ131、132、133を含む場合、第2アンテナ210は3個のパッチアンテナアレイ131、132、133にそれぞれ対応する3個の単一パッチアンテナ211、212、213を含むことができる。
【0058】
第2アンテナ210は基板200に配置され得る。第2アンテナ210は基板200の上部面に配置され得る。基板200の上部面は第1ハウジング110の上部プレートの下部面に対向する面を意味し得る。基板200は上部面に第1アンテナ130とオーバーラップされる第1領域zone1と第2領域zone2を含むことができ、第2アンテナ210は基板200の第2領域zone2に配置され得る。この時、基板200の第2領域zone2は基板200の第1領域zone1に比べて面積が小さくてもよい。
【0059】
第2アンテナ210は第1アンテナ130の少なくとも一部とオーバーラップされるように基板200の上部面に配置され得る。第2アンテナ210を形成するパッチは第1アンテナ130を形成する複数のパッチのうち一つとオーバーラップされ得る。例えば、
図6を参照すると、第1アンテナ130は複数のパッチで構成される第1パッチアンテナアレイ131、第2パッチアンテナアレイ132および第3パッチアンテナアレイ133を含み、第2アンテナ210は一つのパッチで構成される第1単一パッチアンテナ211、第2単一パッチアンテナ212および第3単一パッチアンテナ213を含むことができる。第1パッチアンテナアレイ131は第1単一パッチアンテナ211とアンテナモジュールの上下方向にオーバーラップされ得る。第1パッチアンテナアレイ131を構成する複数のパッチのうち第1パッチP1は第1単一パッチアンテナ211を構成する第4パッチP4と互いにオーバーラップされ得る。互いにオーバーラップされた第1パッチP1と第4パッチP4を通じて、第2アンテナ210の第1単一パッチアンテナ211は第1アンテナ130の第1パッチアンテナアレイ131にカップリングを通じての給電を遂行できる。カップリングを通じての給電を遂行することによって直接給電方式に比べてアンテナモジュールの設計を容易にするだけでなく、製造単価を節減できる長所がある。
【0060】
一方、第1パッチP1は第4パッチP4より大きくてもよい。第1パッチP1の面積は第4パッチP4の面積より広くてもよい。すなわち、第4パッチP4の全体領域が第1パッチP1の領域内にオーバーラップされ得る。これを通じて、第2アンテナ210を通じて第1アンテナ130にカップリング給電時に給電効率を最適化することができ、隣接したアンテナへのノイズ干渉を最小化することができる。第2パッチアンテナアレイ132と第2単一パッチアンテナ212、そして第3パッチアンテナアレイ133と第3単一パッチアンテナ213も前述した第1パッチアンテナアレイ131と第1単一パッチアンテナ211アレイと同一であるところ、詳細な説明は省略することにする。
【0061】
第1アンテナ130と第2アンテナ210は所定の間隔hで離隔することができる。第1アンテナ130と第2アンテナ210が所定の間隔hで離隔することにより第1アンテナ130と第2アンテナ210の間にエアーギャップ(air gap)が形成され得る。前記にて詳察したように、第2アンテナ210はエアーギャップを通じて第1アンテナ130とカップリングされて間接的に給電を遂行できる。
【0062】
第1アンテナ130と第2アンテナ210の間の離隔間隔hは第1アンテナ130の動作周波数に基づいて設定され得る。第1アンテナ130と第2アンテナ210の間の離隔間隔hは第1アンテナ130の動作周波数帯域に基づいて設定され得る。
【0063】
基板200は通信回路部220を含むことができる。通信回路部220は第2アンテナ210に電力を供給したりインピーダンスマッチングを遂行する回路を意味し得る。通信回路部220は第2アンテナ210と電気的に連結され得、第2アンテナ210に電力を供給することができる。通信回路部220はインピーダンスマッチング回路、電力供給回路、RFICのうち少なくとも一つを含むことができる。通信回路部220は基板200の上部面または基板200の下部面のうち少なくとも一面に配置され得る。例えば、インピーダンスマッチング回路は基板200の上部面に配置され、RFICは基板の下部面に配置され得る。基板200の上部面に配置された通信回路部220と基板の下部面に配置された通信回路部220は基板200を貫通するホールを通じて電気的に連結され得る。通信回路部220は基板200の第2領域zone2に配置され得る。これに伴い、基板200の第1領域zone1には回路素子などが配置されなくてもよい。
【0064】
基板200はガイド部230を含むことができる。ガイド部230は基板200の上部面に配置され得る。ガイド部230はプレート状で具現され得る。ガイド部230はプレートにホールが形成された形態で具現され得る。ガイド部230に形成されたホールは第2アンテナ210の形状と同じ形状で具現され得る。例えば、第2アンテナ210が四角のパッチ状である場合、ガイド部230に形成されたホールも四角状で具現され得る。ガイド部230に形成されたホールには第2アンテナ210が配置され得る。すなわち、ガイド部230は第2アンテナ210の側面を囲むように基板200の上部面に配置され得る。ガイド部230に形成されたホールの大きさは第2アンテナ210の大きさより大きくてもよい。これに伴い、ガイド部230に形成されたホールのエッジと第2アンテナ210のエッジの間に所定の間隔が形成され得る。ガイド部230は第1アンテナ130と第2アンテナ210の間のカップリング性能を向上させることができる。例えば、
図6を参照すると、ガイド部230は第1単一パッチアンテナ211を構成する第4パッチP4から放射される電磁信号が周辺に分散せずに第1パッチアンテナアレイ131を構成する複数のパッチのうち第1パッチP1に向かうように制御することによってカップリング性能を向上させて給電効率を上げることができる。それだけでなく、周辺の第2パッチアンテナアレイ132と第2単一パッチアンテナ212、および第3パッチアンテナアレイ233と第3単一パッチアンテナ213に電磁信号が伝達されることを遮断することによってノイズを減少させることができる。本実施例ではガイド部230をホールで表現したが、突出部で形成され得る。
【0065】
図7は、本発明の実施例に係るアンテナモジュールのシミュレーション結果である。
【0066】
図7は、従来のように基板にアンテナを配置した場合と本発明の実施例によりハウジングにアンテナを配置した場合の反射損失を示す。
【0067】
図7を参照すると、従来のように基板にアンテナを配置したアンテナモジュールAは61~65[GHz]の範囲で-6[dB]の反射損失を示している。そして、本発明の実施例に係るアンテナモジュールBの場合、60.5~65[GHz]の範囲で-6[dB]の反射損失を示している。このように、本発明の実施例に係るアンテナモジュールの場合、従来のアンテナモジュールに比べて広い周波数帯域で類似する反射損失を示していることが分かる。
【0068】
以上で実施例を中心に説明したが、これは単に例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば本実施例の本質的な特性を逸脱しない範囲で以上に例示されていない多様な変形と応用が可能であることが分かるであろう。例えば、実施例に具体的に示された各構成要素は変形して実施できるものである。そして、このような変形と応用に関係した相違点は添付された請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0069】
100:ハウジング
110:第1ハウジング
120:凸部
130:第1アンテナ
150:第2ハウジング
200:基板
210:第2アンテナ
【国際調査報告】