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特表2024-521467サポートリング、大動脈プロテーゼおよび形成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】サポートリング、大動脈プロテーゼおよび形成する方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/07 20130101AFI20240524BHJP
【FI】
A61F2/07
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023576403
(86)(22)【出願日】2022-06-13
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022033239
(87)【国際公開番号】W WO2022265985
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】63/210,265
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/210,271
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506074417
【氏名又は名称】ボルトン メディカル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(74)【代理人】
【識別番号】100187850
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】マジェン,アイタン
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア,エドゥアルド,アレハンドロ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA15
4C097BB01
4C097CC05
4C097DD09
4C097DD10
(57)【要約】
大動脈プロテーゼのためのサポートリングは、弧状に伸長し、かつ互いに向かい合う関係にあるらせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間に空間を画定するらせんコイルを含む。らせんコイルにより画定される管腔を通って伸長するワイヤは、互いに固定されるワイヤ第1端とワイヤ第2端を含み、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間を通り抜けるワイヤ第1端とワイヤ第2端の間の長さを含む。分岐スリーブアセンブリは、グラフトスリーブの遠位端により画定される平面と交わる平面を画定する近位端を有するグラフトスリーブ、およびグラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブの近位端に近いグラフトスリーブ壁に固定されるサポートリングを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大動脈プロテーゼのためのサポートリングであって、該サポートリングは、
a)らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイル、ここで、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にある空間を画定する;ならびに
b)管腔を通って伸長しワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有するワイヤ、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される、
を含む、サポートリング。
【請求項2】
ワイヤにおいてクリンピングされたコネクタをさらに含み、ワイヤのワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される、請求項1記載のサポートリング。
【請求項3】
クリンピングされたコネクタは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間にある、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項4】
クリンピングされたコネクタは、タンタル、金、白金、イリジウム、ニチノールおよびステンレス鋼の少なくとも1つを含む、前記請求項いずれか記載のサポート。
【請求項5】
らせんコイルは、放射線不透過性である、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項6】
らせんコイルは、タンタル、金、白金、イリジウム、ニチノール、タングステンおよびステンレス鋼の少なくとも1つを含む、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項7】
ワイヤは、形状記憶合金およびステンレス鋼の少なくとも1つを含む、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項8】
ワイヤは、形状記憶合金を含む、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項9】
形状記憶合金は、ニッケルチタン合金、鉄系合金、銅系合金、亜鉛系合金、金系合金および高温形状記憶合金の少なくとも1つを含む、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項10】
形状記憶合金は、ニチノールを含む、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項11】
ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間の複数の長さで通り抜ける、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項12】
ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間を、ワイヤに沿った2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたは10の長さで通り抜ける、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項13】
管状グラフト第1端、管状グラフト第2端、および管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間を伸長する管状グラフト壁を有する管状グラフトをさらに含み、管状グラフト壁は、管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定し、らせんコイルは、開窓で管状グラフト壁に固定され、開窓は、らせんコイルの弧内にある、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項14】
管状グラフトは、ステントグラフトである、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項15】
ステントグラフトの開窓を通って伸長する分岐グラフトをさらに含む、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項16】
分岐グラフトの半径方向の直径は、開窓で抑制されている、前記請求項いずれか記載のサポートリング。
【請求項17】
大動脈プロテーゼのための分岐スリーブアセンブリであって、該分岐スリーブアセンブリは:
a)グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフトスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトスリーブ壁を有するグラフトスリーブ、ここで、グラフトスリーブ近位端は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径より小さい直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端により画定される平面と交わる平面を画定する;ならびに
b)グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブの近位端に近いグラフトスリーブ壁に固定されるサポートリング
を含む、分岐スリーブアセンブリ。
【請求項18】
グラフトスリーブは、先細りしており、断面直径は、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブ遠位端に対して近位で大きい、請求項17記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項19】
サポートリングは、放射線不透過性構成要素を含むアセンブリである、前記請求項いずれか記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項20】
放射線不透過性構成要素は、金、白金、イリジウムおよびタンタルの少なくとも1つを含む、前記請求項いずれか記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項21】
サポートリングは:
a)らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイル、ここで、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にある空間を画定する;ならびに
b)管腔を通って伸長しワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有するワイヤ、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される、
を含む、前記請求項いずれか記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項22】
らせんコイルは、放射線不透過性構成要素である、前記請求項いずれか記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項23】
ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間の複数の長さで通り抜ける、前記請求項いずれか記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項24】
ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間を、ワイヤに沿った2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたは10の長さで通り抜ける、前記請求項いずれか記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項25】
管状グラフト第1端、管状グラフト第2端、および管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間を伸長する管状グラフト壁を有する管状グラフトをさらに含み、管状グラフト壁は、管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定し、グラフトスリーブ壁は、開窓の周りの管状グラフト壁に固定される、前記請求項いずれか記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項26】
サポートリングは、開窓で管状グラフト壁に固定され、開窓は、らせんコイルの弧内にある、前記請求項いずれか記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項27】
管状グラフトは、ステントグラフトである、前記請求項いずれか記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項28】
分岐ステントグラフト近位端と分岐ステントグラフト遠位端を有する分岐ステントグラフトをさらに含み、分岐ステントグラフトは、グラフトスリーブ遠位端内から遠位に伸長し、分岐ステントグラフトは、分岐ステントグラフトとグラフトスリーブの間の締まりばめによりグラフトスリーブに固定される、前記請求項いずれか記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項29】
分岐ステント近位端は、サポートリングの遠位にある、前記請求項いずれか記載の分岐スリーブアセンブリ。
【請求項30】
大動脈プロテーゼであって、該大動脈プロテーゼは:
a)管状グラフト構成要素第1端および管状グラフト構成要素第2端、ならびに管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間に伸長する管状グラフト壁を含む管状グラフト構成要素、ここで、管状グラフト壁は、管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する;ならびに
b)管状壁でのサポートリング、ここで、サポートリングは、
i)らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイル
、ここで、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル第
1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは、
らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にある
空間を画定し、らせんコイルは、開窓で管状壁に固定され、開窓は、ら
せんコイルの弧内にある、ならびに
ii)管腔を通って伸長しワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有するワイ
ヤ、ここで、ワイヤは、ワイヤ第1端とワイヤ第2端の間の空間をワイ
ヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って
通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される、
を含む、
を含む、大動脈プロテーゼ。
【請求項31】
大動脈プロテーゼであって、該大動脈プロテーゼは:
a)管状グラフト構成要素第1端および管状グラフト構成要素第2端、ならびに管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間に伸長する管状グラフト壁を含む管状グラフト構成要素、ここで、管状グラフト壁は、管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する;
b)グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフトスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトスリーブ壁を有するグラフトスリーブ、ここで、グラフトスリーブ近位端は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径より小さい直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端により画定される平面と交わる平面を画定し、グラフトスリーブ壁は、開窓の周りの管状壁に固定される;ならびに
c)グラフトスリーブ壁に固定されるサポートリング、ここで、サポートリングは、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブ近位端に近いグラフトスリーブ壁に固定され、サポートリングは、
i)らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイル
、ここで、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル第
1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは、
らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にある
空間を画定し、らせんコイルは、開窓で管状壁に固定され、開窓は、ら
せんコイルの弧内にある、ならびに
ii)管腔を通って伸長しワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有するワイ
ヤ、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間
の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの
長さに沿って通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定さ
れる、
を含む、
を含む、大動脈プロテーゼ。
【請求項32】
ワイヤは、ニチノールを含む、請求項31記載の大動脈プロテーゼ。
【請求項33】
大動脈プロテーゼのためのサポートリングを形成する方法であって、該方法は:
a)らせんコイル第1端かららせんコイルにより画定される管腔を通って、らせんコイル第1端の向かい側にあるらせんコイル第2端を通って、らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端により画定され管腔の外側にある空間を越えてワイヤを方向づける工程、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜ける;ならびに
b)ワイヤ第1端をワイヤ第2端に固定し、それにより、サポートリングを形成する工程
を含む、方法。
【請求項34】
サポートリングを、管状グラフト第1端および管状グラフト第2端、ならびに管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間を伸長する管状壁を有する管状グラフトに固定する工程をさらに含み、管状壁は、開窓を画定し、開窓は、らせんコイルの弧内にある、請求項33記載の方法。
【請求項35】
大動脈プロテーゼを形成する方法であって、該方法は:
a)管状グラフト第1端および管状グラフト第2端、管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に伸長する管状グラフト壁を有する管状グラフトを形成する工程、ここで、管状グラフト壁は、開窓を画定する;
b)グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフトスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトスリーブ壁を有するグラフトスリーブを形成する工程、ここで、グラフトスリーブ近位端は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径より小さい直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端により画定される平面と交わる平面を画定する;ならびに
c)サポートリングを、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブ近位端に近いグラフトスリーブ壁に固定し、それにより、グラフトスリーブとサポートリングのグラフトスリーブアセンブリを形成する工程;ならびに
d)グラフトスリーブアセンブリを開窓の周りの管状壁に固定し、それにより、大動脈プロテーゼを形成する工程
を含む、方法。
【請求項36】
サポートリングを形成する工程をさらに含む、請求項35記載の方法。
【請求項37】
サポートリングは:
a)ワイヤを、らせんコイル第1端から弧状に伸長するらせんコイルにより画定される管腔を通って、らせんコイル第1端の向かい側にあるらせんコイル第2端を通って、らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端により画定されらせんコイルにより画定される管腔の外側にある空間を越えて方向づける工程、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜ける;ならびに
b)ワイヤ第1端をワイヤ第2端に固定し、それにより、サポートリングを形成する工程
により形成される、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項38】
サポートリングを管状壁における開窓で管状グラフトに固定し、開窓は、らせんコイルの弧内にあり、それにより、大動脈プロテーゼを形成する工程
をさらに含む、前記請求項いずれか記載の方法。
【請求項39】
大動脈プロテーゼを形成する方法であって、該方法は:
a)管状グラフト第1端および管状グラフト第2端、ならびに管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間を伸長する管状壁を有する管状グラフトを形成する工程、ここで、管状壁は、管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する;
b)サポートリングを、
i)らせんコイル第1端かららせんコイルにより画定される管腔を通って
、らせんコイル第1端の向かい側にあるらせんコイル第2端を通って、
らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端により画定され管腔の外
側にある空間を越えてワイヤを方向づける工程、ここで、ワイヤは、ら
せんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワ
イヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜ける;
ならびに
ii)ワイヤ第1端をワイヤ第2端に固定し、それにより、サポートリン
グを形成する工程
により形成する工程;
c)サポートリングを管状壁における開窓で管状グラフトに固定し、開窓は、らせんコイルの弧内にあり、それにより、大動脈プロテーゼを形成する工程
を含む、方法。
【請求項40】
分岐大動脈プロテーゼを埋め込むための方法であって、該方法は:
a)大動脈プロテーゼを大動脈外科的部位に方向づける工程、ここで、大動脈プロテーゼは、
i)管状グラフト第1端および管状グラフト第2端、ならびに管状グラフ
ト第1端と管状グラフト第2端の間に伸長する管状グラフト壁を含む管
状グラフト構成要素、ここで、管状グラフト壁は、管状グラフト第1端
と管状グラフト第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する、
ii)グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフ
トスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトス
リーブ壁を有するグラフトスリーブ、ここで、グラフトスリーブ近位端
は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径より小さい
直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端によ
り画定される平面と交わる平面を画定し、グラフトスリーブ壁は、開窓
の周りの管状壁に固定される、ならびに
iii)グラフトスリーブ壁に固定されるサポートリング、ここで、サポー
トリングは、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブ近位端に
近いグラフトスリーブ壁に固定される、
を含む;ならびに
b)分岐ステントグラフトを、グラフトスリーブを通して遠位に、分岐ステントグラフト近位端がサポートリングの遠位になるまで、方向づけ、ここで、分岐ステントグラフトは、分岐ステントグラフト遠位端とグラフトスリーブの間の締まりばめにより固定され、それにより、外科的部位で分岐ステントグラフトを埋め込む工程
を含む、方法。
【請求項41】
サポートリングは:
a)らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイル、ここで、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、ここで、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にある空間を画定し、らせんコイルは、開窓で管状壁に固定され、開窓は、らせんコイルの弧内にある;ならびに
b)管腔を通って伸長しワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有するワイヤ、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される、
を含む、請求項40記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する他所参照
本願は、2021年6月14日に出願された米国仮特許出願第63/210,265号および2021年6月14日に出願された第63/210,271号の利益を主張し、この全内容は、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
大動脈の病状、例えば大動脈瘤は、しばしば、開放外科的再建により、または代替的に血管内修復により治療され、該血管内修復は、開放外科的修復に対する最小の侵襲性の代替である。しかし、血管内修復の首尾よい結果を最適化するには、患者の解剖学的構造の評価が必要とされる。動脈瘤または、より具体的には、胸部もしくは腹部大動脈瘤の場合には、動脈瘤の近位端および遠位端にわたる適切なプロテーゼにより、大動脈中のプロテーゼを適切に固定することにより、動脈瘤嚢(aneurysm sac)の排除が確実になり、それにより、大動脈中のプロテーゼのエンドリーク(endoleak)および動きが最小になる。
【0003】
いくつかの場合、動脈瘤は、分枝血管にわたり、結果として、分岐プロテーゼ(本明細書で、「架橋ステントグラフト」または「架橋プロテーゼ」ともいう)は、その目的のために作られたメイン管状プロテーゼにおける開窓で埋め込まれなければならない。プロテーゼの開窓と、それを通って分枝血管に伸長する分岐プロテーゼの間の密なシールを維持する必要性は、かかるアセンブリにおいて特に関心事である。分岐プロテーゼが開窓を通り抜ける接合部での血液のしみ出しは、きびしく致死的でさえある結果を有し得る。
【0004】
しかし、しばしば、開窓での分岐プロテーゼの基部とメイン管状プロテーゼの間の適合を確保することを確実にするために、分岐プロテーゼは、メイン管状プロテーゼにより画定される内部部分に伸長しなければならない。しかし、分岐プロテーゼをメイン管状プロテーゼの内部部分に送達することにより、架橋ステントの近位端を損傷して、これは、次いで、メイン管状プロテーゼを通る血流の経路、およびメイン管状プロテーゼから分岐プロテーゼへと通る血液の通過に有意に干渉し得る。さらに、いくつかの例において、メイン管状プロテーゼの開窓は、しばしば、分岐プロテーゼと開窓の外辺部(perimeter)の間のワイヤにより強化される。しかし、メイン管状プロテーゼと分岐プロテーゼの間の摩損は、任意の金属構成要素の存在によりさらに悪化し得、それにより、開窓を取り囲む金属支持部と分岐プロテーゼの金属ステントを仕切るメイン管状プロテーゼおよび分岐プロテーゼのファブリック構成要素の完全性の喪失を引き起こす。かかるファブリック構成要素の完全性の喪失により、メイン管状プロテーゼと分岐プロテーゼの間のシールの不成功が引き起こされ得、それにより、漏れが引き起こされ、最終的に、さらなる合併症、損傷または死が引き起こされる。
【0005】
従って、上記の課題を克服または最小化する大動脈の病状、例えば大動脈瘤を治療する血管内修復デバイスおよび方法に対する必要が存在する。
【発明の概要】
【0006】
概要
1つの局面において、本発明は、大動脈プロテーゼのためのサポートリング、サポートリングを含む大動脈プロテーゼおよび大動脈プロテーゼのためのサポートリングを形成する方法に関する。本発明はまた、グラフトスリーブアセンブリおよびその製造および使用の方法に関する。本発明は、大動脈血管損傷、例えば、動脈解離および動脈瘤に関連する血管損傷、ならびに生命維持に必要な臓器および組織に血液を供給する動脈分枝を有する大動脈の領域に対する損傷、例えば、胸部大動脈瘤、腹部大動脈瘤および胸腹部大動脈瘤、ならびにより具体的には、傍腎大動脈瘤およびショートネック(short-neck)腹部大動脈瘤の治療および修復に有用であり、これは、開窓型(fenestrated)血管内大動脈修復を使用する。
【0007】
1つの態様において、大動脈プロテーゼのためのサポートリングは、らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイルを含み、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にある空間を画定する。ワイヤは、管腔を通って伸長し、ワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有し、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される。
【0008】
別の態様において、本発明は、大動脈プロテーゼのためのグラフトスリーブアセンブリである。グラフトスリーブアセンブリは、グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフトスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトスリーブ壁を有するグラフトスリーブを含み、グラフトスリーブ近位端は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径より小さい直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端により画定される平面と交わる平面を画定する。サポートリングは、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブの近位端に近いグラフトスリーブ壁に固定される。
【0009】
なお別の態様において、本発明は、管状グラフト構成要素第1端および管状グラフト構成要素第2端、ならびに管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間に伸長する管状グラフト壁を含む管状グラフト構成要素を含む大動脈プロテーゼであり、管状グラフト壁は、管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する。サポートリングは、管状壁にあり、らせんコイルおよびワイヤを含む。らせんコイルは、らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有し、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にある空間を画定し(that defines a space between the helical coil first end and the helical coil second end and is outside the lumen)、らせんコイルは、開窓で管状壁に固定され、開窓は、らせんコイルの弧内にある。ワイヤは、管腔を通って伸長し、ワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有し、ワイヤは、ワイヤ第1端とワイヤ第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される。
【0010】
なおさらに別の態様において、本発明は、管状グラフト構成要素第1端および管状グラフト構成要素第2端を含む管状グラフト構成要素を含む大動脈プロテーゼである。管状グラフト壁は、管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間を伸長し、管状グラフト壁は、管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する。グラフトスリーブは、グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフトスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトスリーブ壁を有する。グラフトスリーブ近位端は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径よりも小さい直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端により画定される平面と交わる平面を画定し、グラフトスリーブ壁は、管状グラフト構成要素の開窓の周りの管状壁に固定される。サポートリングは、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブ近位端に近いグラフトスリーブ壁に固定される。サポートリングは、らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイルを含み、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にある空間を画定し、らせんコイルは、開窓で管状グラフト壁に固定され、開窓は、らせんコイルの弧内にある。サポートリングは、管腔を通って伸長しワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有するワイヤをさらに含む。ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜ける。ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される。
【0011】
なお別の態様において、本発明は、大動脈プロテーゼのためのサポートリングを形成する方法である。該方法は、
らせんコイル第1端かららせんコイルにより画定される管腔を通って、らせんコイル第1端の向かい側にあるらせんコイル第2端を通って、らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端により画定され管腔の外側にある空間を越えてワイヤを方向づける工程、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜ける、ならびに
ワイヤ第1端をワイヤ第2端に固定し、それにより、サポートリングを形成する工程
を含む。
【0012】
別の態様において、本発明は、大動脈プロテーゼを形成する方法であり、該方法は、管状グラフト第1端および管状グラフト第2端、ならびに管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に伸長する管状グラフト壁を有する管状グラフト構成要素を形成する工程を含み、管状グラフト壁は、開窓を画定する。グラフトスリーブは、グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフトスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトスリーブ壁を有するように形成され、グラフトスリーブ近位端は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径よりも小さい直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端により画定される平面と交わる平面を画定する。サポートリングは、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブの近位端に近いグラフトスリーブ壁に固定され、それにより、グラフトスリーブおよびサポートリングのグラフトスリーブアセンブリを形成する。グラフトスリーブアセンブリは、開窓の周りの管状壁に固定され、それにより、大動脈プロテーゼを形成する。
【0013】
なお別の態様において、本発明は、大動脈プロテーゼを形成する方法である。この態様において、該方法は、管状グラフト第1端、管状グラフト第2端、および管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に伸長する管状壁を有する管状グラフトを形成する工程を含み、管状壁は、管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する。開窓にあるサポートリングは、
らせんコイル第1端かららせんコイルにより画定される管腔を通って、らせんコイル第1端の向かい側にあるらせんコイル第2端を通って、らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端により画定され管腔の外側にある空間を越えてワイヤを方向づけること、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜ける、ならびに
ワイヤ第1端をワイヤ第2端に固定すること、それにより、サポートリングを形成する、
により形成される。サポートリングは、管状壁における開窓で管状グラフトに固定され、開窓は、らせんコイルの弧内にあり、それにより、大動脈プロテーゼを形成する。
【0014】
なお別の態様において、本発明は、分岐大動脈プロテーゼを埋め込むための方法に関し、該方法は、大動脈プロテーゼを大動脈外科的部位に方向づける工程を含み、大動脈プロテーゼは、管状グラフト構成要素、管状グラフト第1端、管状グラフト第2端、および管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に伸長する管状グラフト壁を含み、管状グラフト壁は、管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する。大動脈プロテーゼのグラフトスリーブは、グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフトスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトスリーブ壁を有する。グラフトスリーブ近位端は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径よりも小さい直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端により画定される平面と交わる平面を画定する。グラフトスリーブ壁は、開窓の周りの管状壁に固定される。サポートリングは、グラフトスリーブ壁に固定され、サポートリングは、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブ近位端に近いグラフトスリーブ壁に固定される。分岐ステントグラフトは、分岐ステントグラフト近位端がサポートリングに対して遠位になるまでグラフトスリーブを通って遠位に方向づけられ、分岐ステントグラフトは、分岐ステントグラフトの近位端と遠位端のいずれかまたは両方の間の締まりばめにより固定され、それにより、グラフトスリーブは、外科的部位で分岐ステントグラフトを埋め込む。
【0015】
本発明は、多くの利点を有する。例えば、サポートリングは、らせんコイルの管腔を通ってワイヤを方向づけることにより製造され得、ワイヤは、少なくとも1つの完全なループを形成し、該完全なループは、らせんコイルの向かい合った端の間の空間を、互いに固定される第1のワイヤ端と第2のワイヤ端とは異なるワイヤの長さに沿って通り抜ける。らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間を、互いに固定されるワイヤ第1端とワイヤ第2端の間の少なくとも1つの長さに沿って通り抜けることにより、ワイヤは、らせんコイルと組み合わされて、プーリ(pulley)システムを効果的に形成し、該システムは、サポートリングに適用される半径方向(radial)外側の力に対してワイヤ第1端を第2のワイヤ端に固定するのに必要な強度を低減させる。ワイヤ第1端をワイヤ第2端に固定するのに必要な力を低減させることにより、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、別の方法の場合に、連結される点での第1のワイヤ端と第2のワイヤ端の重なりを越えて(beyond)少なくとも1つのさらなるループにワイヤを巻かない場合に必要とされるよりも、簡単かつ容易に実施される機構により、例えば、ワイヤ第1端およびワイヤ第2端の周りを比較的柔らかい金属でクリンピングすることにより、互いに固定され得る。半径方向の拡張に対するサポートリングの十分な固定が不足していることにより、開窓と分岐プロテーゼの間の開窓でのしみ出しが引き起こされ得、プロテーゼアセンブリの不成功を引き起こす可能性があり、結果として重大な損傷または死を引き起こす可能性がある。また、らせんコイル内でワイヤを包む(bundling)ことは、例えば、その周囲の周りのいくつかの点で包まれたワイヤをくくりつける(tie)ことにより、大動脈プロテーゼのアセンブリの間にワイヤを一時的に包む必要を回避させ、それにより、製作がさらに単純化され、埋め込み前の大動脈プロテーゼのアセンブリの間の品質管理がさらに改善される。
【0016】
さらに、本発明のグラフトスリーブアセンブリは、サポートリングを含み、該サポートリングは、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブの近位端に近いグラフトスリーブ構成要素のグラフトスリーブ壁でグラフトスリーブ構成要素に固定され、それにより、例えば、サポートリングの遠位の、または実質的にサポートリングの遠位のグラフトスリーブ内で、分岐ステントグラフトの配置が可能になる。例えば、グラフトスリーブ壁に向かい合う分岐ステントグラフトを支持するステントの自己拡張またはバルーン拡張により生じるグラフトスリーブ内での分岐ステントグラフトの配置、およびサポートリングの遠位での分岐ステントグラフトの固定は、ファブリックの摩損を実質的にまたは十分に(completely)回避させ、これは、別の方法の場合に、管状グラフト構成要素により画定される開窓で固定されるサポートリング内に分岐ステントグラフトを固定することにより生じる。さらに、サポートリングは、管状グラフト構成要素の開窓に固定される必要は全くないが、管状グラフト構成要素の開窓に固定されることと組み合わせてか、または管状グラフト構成要素の開窓に固定されることなしのいずれかで、グラフトスリーブ壁に固定され得る。
【0017】
サポートリングはグラフトスリーブに固定されるので、グラフトスリーブにおけるサポートリングは、それが最終的に固定される管状グラフト構成要素の製造とは別に、アセンブリとして別々に製造され得る。さらに、グラフトスリーブは、グラフトスリーブ遠位端により画定される平面と交わる平面を画定する基部を有し、管状グラフト構成要素に固定される際に、グラフトスリーブが、それが固定される管状グラフト構成要素の長手軸と鋭角にある長手軸を有するようになり、それにより、実施の間に分岐ステントグラフト(「架橋ステントグラフト」とも言われる)によるグラフトスリーブのカニューレ挿入が容易になる。
【0018】
また、サポートリングは、グラフトスリーブ近位端により画定される平面に平行な平面に位置する必要はなく、従って、例えば、グラフトスリーブの長手軸に垂直な平面に存在し得、それにより、分岐スリーブアセンブリの製造が可能になり、サポートリングは、グラフトスリーブ近位端、管状グラフト構成要素、および分岐スリーブアセンブリのグラフトスリーブ構成要素内に埋め込まれるべき分岐ステントグラフトに対して、最適に配置される。さらに、本発明の分岐スリーブアセンブリ内の分岐ステントグラフトの埋め込みが可能になることにより、ここで、分岐ステントグラフトの近位端は、サポートリングの遠位にあるのであるが、管状グラフト構成要素内に分岐ステントグラフトの近位端が存在することが回避され、それにより、架橋ステントの近位端への損傷、および管状グラフト構成要素から分岐ステントグラフトへの血流の閉塞(obstruction)が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面の簡単な説明
前記のものは、添付の図面に示されるように、例示的態様の以下のより具体的な説明から明らかであり、該図面において、同様の参照符号は、異なる図を通じて同じ部分を指す。図面は、必ずしも一定の割合で作られておらず、代わりに、態様の例示に重きが置かれる。
図1図1は、本発明のサポートリングのワイヤ構成要素の1つの態様の側面図であり、ワイヤ第1端とワイヤ第2端が互いに重なり、ワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの長さが重なっている(overlapping)ワイヤ第1端およびワイヤ第2端と重なることを示す。
図2図2は、大動脈プロテーゼのための本発明のサポートリングのらせんコイル構成要素およびワイヤ構成要素の1つの態様の側面図であり、ここで ワイヤは、らせんコイルにより画定される管腔を通って通り抜け、らせんコイルは、らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有し、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、ワイヤ構成要素は、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の間隔に、ワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの長さに沿ってわたる。図2Aは、線2A-2Aに沿ってとられた図2のサポートリングの断面図である。図2Bは、図2に示されるサポートリングの端面図(end view)である。図2Cは、図1のワイヤの側面図であり、ワイヤの第1端とワイヤの第2端の間のワイヤの長さLを示し、該長さLは、らせんコイルの第1端とらせんコイルの向かい合う第2端の間に伸長する。
図3図3は、本発明のサポートリングの態様の側面図であり、コネクタは、ワイヤ第1端およびワイヤ第2端に位置する。
図4図4は、図3のサポートリングの側面図であり、コネクタがクリンピングし、それにより、ワイヤ第1端とワイヤ第2端を互いに固定し、それにより、本発明のサポートリングを形成した後のものである。
図5図5は、図4のサポートリングの詳細であり、コネクタが、1点でクリンピングし、ワイヤ第1端とワイヤ第2端を一緒に固定する。
図6図6は、図4のサポートリングの詳細であり、コネクタが、2点でクリンピングし、それにより、ワイヤ第1端とワイヤ第2端を一緒に固定する。
図7図7は、本発明の大動脈プロテーゼの1つの態様の側面図であり、該大動脈プロテーゼは、本発明のサポートリングを、大動脈プロテーゼの管状グラフト構成要素の管状グラフト壁により画定される開窓の周囲に固定させる。図7Aは、図7に示される本発明のプロテーゼの開窓およびサポートリングの詳細であり、図7の大動脈プロテーゼの管状グラフト壁により画定される開窓の外辺部にサポートリングを縫い付けることを示す。
図8図8は、本発明の大動脈プロテーゼの1つの態様の概略表示であり、動脈瘤部位での埋め込み後のものであり、大動脈プロテーゼの管状グラフト壁により画定される開窓を通っての分岐プロテーゼの挿入後のものであり、ここで、本発明のサポートリングは、分岐プロテーゼと大動脈プロテーゼの管状グラフト壁の間の接合部を、管状グラフト壁により画定される開窓でシールする。
図9図9は、本発明の分岐スリーブアセンブリの1つの態様のグラフトスリーブの側面図である。
図10図10は、本発明の分岐スリーブアセンブリの側面図であり、サポートリングは、図9に示されるグラフトスリーブのグラフトスリーブ壁に固定されている。
図11図11は、図10の分岐スリーブアセンブリの側面図であり、管状グラフト構成要素の開窓の外辺部に固定された後のものである。
図12図12は、図11に示される管状グラフト構成要素に固定された分岐スリーブアセンブリの図であるが、管状グラフト構成要素の長手軸に平行な視線に沿って見たものである。
図13図13は、本発明の態様の側面図であり、サポートリングは、グラフトスリーブに固定され、その近位端は、管状グラフトの開窓の外辺部に固定され、分岐ステントグラフトは、締まりばめによりグラフトスリーブに固定される。
図14図14は、本発明の別の態様の側面図であり、グラフトスリーブは、グラフトスリーブの外表面に固定されるサポートリングを有し、グラフトスリーブは、管状グラフトの開窓でシーリングリングを覆うライナーに固定され、分岐ステントグラフトは、グラフトスリーブと分岐ステントグラフトの締まりばめによりグラフトスリーブに固定される。
図15図15は、本発明の大動脈プロテーゼの側面図であり、患者の動脈瘤部位内に埋め込まれた後のものであり、管状グラフト構成要素により画定される開窓および大動脈プロテーゼの分岐スリーブアセンブリが、カニューレ挿入された後のものであり、分岐ステントグラフトは、分岐スリーブアセンブリに埋め込まれており、ここで、分岐ステントグラフトは、分岐スリーブアセンブリと分岐ステントグラフトの近位端の間の締まりばめにより分岐スリーブアセンブリ内に固定され、分岐スリーブは、グラフトスリーブの近位端から遠位端に尾方に突き出す。
図16図16は、本発明の大動脈プロテーゼの側面図であり、患者の動脈瘤内に埋め込まれた後のものであり、管状グラフト構成要素により画定される開窓および大動脈プロテーゼの分岐スリーブアセンブリが、カニューレ挿入された後のものであり、分岐ステントグラフトは、分岐スリーブアセンブリに埋め込まれており、ここで、分岐ステントグラフトは、分岐スリーブアセンブリと分岐ステントグラフトの近位端の間の締まりばめにより分岐スリーブアセンブリ内に固定され、グラフトスリーブは、グラフトスリーブの近位端から遠位端に頭方に突き出す。
図17図17は、図11および12の管状グラフト構成要素および分岐スリーブアセンブリ内に少なくとも部分的に埋め込まれる分岐ステントグラフトの配置の1つの態様であり、分岐ステントグラフトの近位端は、管状グラフト構成要素により画定される内部管腔内に伸長する。
図18図18は、図17の分岐ステントグラフトの側面図であり、本発明の分岐スリーブアセンブリにさらに方向づけられた後のものであり、ここで、 分岐ステントグラフトの近位端は、グラフトスリーブのグラフトスリーブ壁と締まりばめにより固定され、分岐ステントグラフトの近位端は、もはや管状グラフト構成要素を通る流路に干渉せず、分岐ステントグラフトの近位端に対する損傷の可能性の危険にさらされることもなく、ここで、該損傷は、管状グラフト構成要素から本発明の分岐スリーブアセンブリ内に埋め込まれた分岐ステントグラフトへの血流を妨害するものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
本発明の特徴および他の詳細は、本発明の工程として、または発明の部分の組み合わせとしてのいずれかで、本明細書でより具体的に記載され、特許請求の範囲で指摘される。本発明の具体的な態様は、例示として示され、本発明の限定としては示されないことが理解される。本発明の主な特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の態様において使用され得る。異なる図面に現れる同じ数字は、同じ項目を示すことも理解される。
【0021】
本発明は、一般的に、サポートリングおよびサポートリングを含む大動脈プロテーゼ、ならびに大動脈プロテーゼとサポートリングの両方の製造方法に関する。大動脈プロテーゼは、血管損傷、例えば、大動脈瘤、例えば、生命維持に必要な臓器および組織に血液を供給する動脈分枝を有する大動脈の領域、例えば、内臓周囲大動脈瘤、例えば、傍腎大動脈瘤およびショートネック腹部大動脈瘤に関連する血管損傷の治療および修復に有用である。
【0022】
例示的態様の説明が以下に続く。
【0023】
参照がステントグラフトに対してなされる場合、本明細書で、患者に送達または埋め込まれるべき「プロテーゼ」、「ステントグラフトプロテーゼ」または「血管プロテーゼ」とも言われ、単語「近位」は、患者の心臓からの血液の供給源に比較的近いプロテーゼの部分またはプロテーゼの構成要素を意味する。「遠位」は、患者の心臓からの血流の供給源から比較的遠いプロテーゼの部分またはプロテーゼの構成要素を意味する。「頭方」は、本明細書で定義される場合、絶対的な基準として、患者の心臓により近いことを意味し、「尾方」は、本明細書で定義される場合、絶対的な基準として、患者の心臓からより遠いことを意味する。
【0024】
しかし、参照がプロテーゼを送達または埋め込むために使用される送達システムまたは送達システムの構成要素に対してなされる場合、単語「近位」は、本明細書で使用する場合、送達システムを使用する臨床医により近いことを意味する。参照が送達システムまたは送達システムの構成要素に対してなされる場合、「遠位」は、該単語を本明細書で使用する場合、送達システムを使用する臨床医からさらに離れていることを意味する。
【0025】
明瞭さのために、単語「最近位」は、プロテーゼまたは送達システムのいずれかに関して上記した「近位」または「遠位」に帰する意味とは異なり、「に近い」ことを意味する。
【0026】
本発明のサポートリングのワイヤの1つの態様を、図1に示す。図1に示されるように、ワイヤ10は、ワイヤ第1端12および第2端14を含む。ワイヤ10は、巻かれており(coiled)、それにより、ワイヤ第1端12はワイヤ第2端14と重なり、また、重なっているワイヤ第1端12とワイヤ第2端14と重なるワイヤ第1端12とワイヤ第2端14の間の長さLを含む。代替的な態様において、ワイヤ10は、ワイヤ第1端12とワイヤ第2端14の間に複数の長さを含み得る。種々の態様において、ワイヤ10は、図2Cに示されるように、重なっているワイヤ第1端12とワイヤ第2端14の間に2、3、4、5、6、7、8、9または10の長さLを含み得る。
【0027】
ワイヤ10は、適切な材料、例えば、形状記憶合金またはステンレス鋼等で形成される。1つの具体的な態様において、ワイヤ10は、形状記憶合金を含む。適切な形状記憶合金の例としては、ニッケルチタン合金、鉄系合金、銅系合金、亜鉛系合金、金系合金および高温形状記憶合金の少なくとも1つが挙げられる。1つの具体的な態様において、形状記憶合金は、ニチノールである。ワイヤ10は、放射線不透過性であり得る。さらに、ワイヤ10は、適切なゲージ、例えば、約0.004インチと約0.006インチの間の厚さを有する。典型的な厚さは、0.004インチ、0.005インチおよび0.006 インチ、ならびにその間の厚さである。
【0028】
図2は、本発明のサポートリングの1つの態様であり、ワイヤ第1端12をワイヤ第2端14に固定する前のものである。図2から理解され得るように、らせんコイル16は、らせんコイル第1端18およびらせんコイル第2端20を含む。らせんコイル16は、図2Aに示される管腔22を画定し、該図2Aは、線2A-2Aに沿ってとられた図2の断面図である。図2Bは、図2に示されるワイヤ10およびらせんコイル16の端面図である。らせんコイル16は、適切な材料、例えば、タンタル、金、白金、イリジウム、ニチノール、タングステンおよびステンレス鋼で製造される。1つの態様において、らせんコイル16は、放射線不透過性である。別の態様において、らせんコイル16は、形状記憶合金、例えば、ニチノールで製造される。
【0029】
図2から理解され得るように、らせんコイル第1端18およびらせんコイル第2端20は、互いに向かい合う関係にあり、これは、らせんコイル第1端18とらせんコイル第2端20の間にあり管腔22の外側にある開放空間24を画定する。図2からも理解され得るように、ワイヤ10の長さLは、らせんコイル第1端18とらせんコイル第2端20の間の開放空間24を、ワイヤ第1端12とワイヤ第2端14の間のワイヤ10の少なくとも1つの長さLに沿って通り抜けるかまたはわたる。図2は、示されるように、ワイヤ第1端12およびワイヤ第2端14でのワイヤの末端がらせんコイル第1端18とらせんコイル第2端20の間の開放空間24内にあることを示しているようであるが、ワイヤ10の末端は、代わりに、らせんコイル第1端18とらせんコイル第2端20の間の管腔22の内部にあり得るかまたはらせんコイル第1端18およびらせんコイル第2端20により画定される開放空間24を越えて伸長し得ることが理解されるべきである。いずれにせよ、ワイヤ第1端12とワイヤ第2端14の間のワイヤ10の長さLは、らせんコイル第1端18とらせんコイル第2端20の間の開放空間24を十分に通り抜けるかまたはわたる。図2Cは、まっすぐにされ、ワイヤ第1端12とワイヤ第2端14の間の長さLを示す場合のワイヤ10を示す。図1および2から理解され得るように、ワイヤ10は、2つの完全なループ11および13を完成し、図1から理解され得るように、第1端12と第2端14は重なる。ワイヤ10の2つのループ11、13は、らせんコイル16により画定される管腔22を通って伸長する場合、第1端12と第2端14の間のワイヤ10の部分は、らせんコイル16の第1端18と第2端20の間の間隔24を通り抜ける。らせんコイル16の第1端18と第2端20の間の間隔24を通り抜ける第1端12と第2端14の間のワイヤ10の部分は、長さLである。ワイヤ10は、2つを超えるループを有し得る。例えば、ワイヤ10は、3、4、5、6またはそれ以上のループを有し得る。第1端12と第2端14の間の長さLの数は、らせんコイル16の管腔22内に伸長するワイヤ10のループの数に依存する。例えば、ワイヤ10が3つのループを含む場合、ワイヤの2つの長さLは、らせんコイル16の第1端18と第2端20の間の間隔24を通り抜ける。ワイヤ10の2つの長さLは、ワイヤ10の第1端12と第2端14の間で等しく間隔をあける。ワイヤ10の4つのループがある場合、第1端12と第2端14の間にワイヤ10の3つの長さLがある、等である。
【0030】
ワイヤ10を、ワイヤ第1端12またはワイヤ第2端14のいずれかをらせんコイル第1端18またはらせんコイル第2端20のいずれかを通して方向づけ、らせんコイル第1端18またはらせんコイル第2端20のもう一方から出てこさせ、最初に通るように方向づけられたらせんコイル16の向かい合う端を通るように再度方向づけられるまで続けることにより、らせんコイル16と合わせ、次いで、らせんコイル16のもう一方の端(the other end helical coil 16)から現れるまでらせんコイル16により画定される管腔22を通して方向づけ、それにより、ワイヤ10が、らせんコイル第1端18とらせんコイル第2端20の間の開放空間24を通り抜けるかまたはわたるワイヤ第1端12とワイヤ第2端14の間の長さLを有するようになる。種々の態様において、ワイヤ10は、ワイヤ第1端12とワイヤ第2端14の間の複数の長さLが、らせんコイル第1端18とらせんコイル第2端20の間の開放空間24にわたるまで、同じ様式で、らせんコイル16の管腔22を通って方向づけ続け得る。ループまたはワイヤ10の巻きの数は、以下で考察するが、コネクタ26上の負荷を決定し、放射線不透過性材料、例えば、タンタルで作られる非常に小さな薄壁クリンプの使用を可能にし、これは、放射線不透過性マーカーコイルの厚みに沿って取り付けられ得る。コネクタ26は、サポートリング、ワイヤ10の厚みと組み合わせて作用し、これは、典型的に、NiTiで形成され、該コネクタ26は、らせんコイル16中に適合するが、展開された場合に、なおアセンブリを再度開放し得る。
【0031】
図3は、図2に示されるワイヤ10およびらせんコイル16の態様であり、第1のワイヤ端12および第2のワイヤ端14の上にコネクタ26を適用しその後ワイヤ第1端12をワイヤ第2端14に固定した後のものである。図4は、図3に示される態様であり、2つの箇所28、30にコネクタ26をクリンピングし、それにより、ワイヤ第1端12をワイヤ第2端14に固定し、それにより、サポートリング32を形成した後のものである。
【0032】
図5は、コネクタ26をクリンピングし、それにより、ワイヤ第1端12をワイヤ第2端14に固定する1つの態様の詳細である。図5に示される態様において、コネクタ26は、1つの箇所28のみでクリンピングする。図5から理解され得るように、ワイヤ第1端12とワイヤ第2端14の間のワイヤ10の長さLは、コネクタ26を通り抜けない。
【0033】
図6は、図4の詳細であり、ここで、コネクタ26は、2つの箇所28、30でその長さに沿ってクリンピングし、それにより、ワイヤ第1端12をワイヤ第2端14に固定する。図5と同様に、ワイヤ第1端12とワイヤ第2端14の間のワイヤ10の長さLは、コネクタ26を通り抜けない。いずれかの場合において、ワイヤ第1端12とワイヤ第2端14が互いにどのように固定されるかに関わらず、ワイヤ10、らせんコイル16およびコネクタ16の組み合わせは、例えば、図7Aに示される本発明のサポートリング32の態様を構成する。コネクタ26は、適切な材料、例えば、タンタル、金、白金、イリジウム、ニチノールおよびステンレス鋼で製造される。1つの態様において、コネクタ26は、放射線不透過性である。
【0034】
図7は、本発明の大動脈プロテーゼ34の1つの態様であり、これは、本発明の管状グラフト構成要素36およびサポートリング32を含む。図7に示されるように、管状グラフト構成要素36は、管状グラフト構成要素第1端38および管状グラフト構成要素第2端40を含み、管状グラフト壁42は、管状グラフト構成要素第1端38と管状グラフト構成要素第2端40の間を伸長する。管状グラフト壁42は、管状グラフト構成要素第1端38と管状グラフト構成要素第2端40の間に開窓44を画定する。しかし、管状グラフト壁42は、他の態様において、複数の開窓、例えば、2、3、4または5の開窓の少なくとも1つを画定し得ることが理解されるべきである。図7に示されるように、管状グラフト構成要素36はまた、管状グラフト構成要素第1端38と管状グラフト構成要素第2端40の間にステント46を含む。図7に示されるように、各ステント46は、向かい合う端で連結されるストラット48を含み、近位頂部50および遠位頂部52を画定する。
【0035】
サポートリング32、例えば、図4に示されるものおよび上記されるものは、開窓44の外辺部54で管状グラフト壁42に縫い付けられる。図7Aは、図7に示される管状グラフト壁42の開窓44でのサポートリング32の詳細である。図7Aから理解され得るように、この態様において、縫合糸(suture)56は、らせんコイル16を取り囲み、管状グラフト構成要素36の管状グラフト壁42にサポートリング32を固定する。サポートリング32は、例えば、縫い付けにより、管状グラフト壁42の内表面または外表面に固定され得る。
【0036】
図8は、本発明の大動脈プロテーゼ34の1つの態様の概略表示であり、動脈瘤部位58への埋め込みの後のものである。分岐グラフト61は、開窓44を通って伸長し、管状グラフト壁42でサポートリング32により半径方向に圧縮される。分岐グラフト61は、管状グラフト構成要素36内から管状グラフト構成要素36から遠位に、口59を通って、動脈瘤部位58に対して遠位の点で、動脈分岐部位67まで伸長する。口59は動脈瘤部位58の部分である必要はないことが理解されるべきである。本発明の利点は、本発明のサポートリングが動脈瘤部位で血流の経路に沿って使用され得、該経路が動脈瘤の部分ではない少なくとも1つの分枝血管を含むことである。
【0037】
本発明の分岐スリーブアセンブリのグラフトスリーブの1つの態様を、図9に示す。図9に示されるように、グラフトスリーブ60は、グラフトスリーブ近位端62、グラフトスリーブ遠位端64、およびグラフトスリーブ近位端62とグラフトスリーブ遠位端64の間に伸長するグラフトスリーブ壁66を含む。グラフトスリーブ遠位端64は直径D'を有し、グラフトスリーブ近位端62は基部直径D''を有する。グラフトスリーブ近位端62基部直径D''は、グラフトスリーブ遠位端64のD'より大きい。グラフトスリーブ近位端62は、グラフトスリーブ遠位端64により画定される平面Bと交わる平面Aを画定する。必要ではないが、グラフトスリーブ壁66は、先細りしており、グラフトスリーブ遠位端64に対して近位の点でのグラフトスリーブ60の直径D’’’は、グラフトスリーブ60の長手軸68に対して垂直な平面にあり、グラフトスリーブ遠位端64の直径D’より大きい。1つの態様において、グラフトスリーブ60は、円錐形であるかまたは先細りしている。グラフトスリーブ60の円錐形状の1つの特定の態様において、グラフトスリーブ60の直交する第1の断面69は、グラフトスリーブ60の直交する第1の断面69に対して遠位にある長手軸68に沿った点で、グラフトスリーブ60の直交する第2の断面71より広い直径を有する。
【0038】
図10は、本発明の分岐スリーブアセンブリ70の1つの態様の側面図であり、これは、図9のグラフトスリーブ60、およびグラフトスリーブ遠位端64よりもグラフトスリーブ近位端62に近いグラフトスリーブ壁66に固定されるサポートリング72を含む。サポートリング72は、図10に示すように、グラフトスリーブ60の外表面上、またはグラフトスリーブ60により画定される管腔内のいずれかに存在し得る。サポートリング72は、適切な構成のものであり、例えば、大動脈瘤修復において使用される管状グラフトにより画定される開窓に固定されるリングの分野において公知である。1つの態様において、サポートリング72は、放射線不透過性構成要素を含むアセンブリである。サポートリング72の放射線不透過性構成要素の適切な材料の例としては、例えば、金、白金、イリジウムおよびタンタルの少なくとも1つが挙げられる。
【0039】
図11に示す別の態様において、本発明は、大動脈プロテーゼ92であり、該大動脈プロテーゼ92は、管状グラフト構成要素第1端96、管状グラフト構成要素第2端98、および管状グラフト構成要素第1端96と管状グラフト構成要素第2端98の間に伸長する管状グラフト壁100を有する管状グラフト構成要素94を含む。管状グラフト壁100は、管状グラフト構成要素第1端96と管状グラフト構成要素第2端98の間に少なくとも1つの開窓102を画定し、分岐スリーブアセンブリ70のグラフトスリーブ壁66は、開窓102の周りの管状グラフト壁100に固定される。
【0040】
図11に示すように、分岐スリーブアセンブリ70は、開窓102およびグラフトスリーブ近位端62の周りに伸長する縫合糸104により、開窓102の周りの管状グラフト壁100に固定される。別の態様において、示されないが、サポートリング72は、開窓102で管状グラフト壁100に固定され、開窓102は、サポートリング72の弧内にあり、それに加えて、サポートリング72は、グラフトスリーブ近位端62にも固定される。別の態様において、また示されないが、管状グラフト構成要素64は、ステントグラフトである。1つの態様において、分岐スリーブアセンブリ70の長手軸101は、角度αで管状グラフト壁100の長手軸103と交わる。角度αの範囲は、例えば、0°~180°の範囲、例えば、30°、60°、90°、120°または150°の角度であり得る。
【0041】
図11および12において示される本発明の態様は、大動脈プロテーゼ92を含み、該大動脈プロテーゼ92は、構成要素部分として、管状グラフト構成要素94、グラフトスリーブ60およびサポートリング72を有する。1つの特定の態様において、サポートリング72は、グラフトスリーブ壁66に固定され、図2Aに示される管腔22を画定するらせんコイル16を含み、管腔22を通って伸長し、図1-6に示されるワイヤ10を含み、らせんコイル第1端18とらせんコイル第2端20の間の空間(示されない)を通り抜けるワイヤ10の長さLを含み、ここで、図4-6に示され上記で詳細に考察されるように、ワイヤ第1端12とワイヤ第2端14は、互いに固定される。
【0042】
別の態様において、本発明は、大動脈プロテーゼ92を形成する方法であり、例えば、図11に示され、該方法は、管状グラフト構成要素第1端96および管状グラフト構成要素第2端98を有する管状グラフト構成要素94を形成する工程を含む。管状壁100は、管状グラフト構成要素第1端96と管状グラフト構成要素第2端98の間に伸長し、管状グラフト壁100は、例えば、図11に示すように、開窓102を画定する。図9および10に示されるように、グラフトスリーブ60が形成され、これは、グラフトスリーブ近位端62、グラフトスリーブ遠位端64、およびグラフトスリーブ近位端62とグラフトスリーブ遠位端64の間に伸長するグラフトスリーブ壁66を有する。例えば、鋭角で図9に関して上記したように、グラフトスリーブ近位端62は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端64は、グラフトスリーブ近位端62の基部直径よりも小さい直径を有し、図9に関しても上記したように、グラフトスリーブ近位端62は、グラフトスリーブ遠位端64により画定される平面Bと交わる平面Aを画定する。図10を参照して上記されるように、サポートリング72は、グラフトスリーブ遠位端64よりもグラフトスリーブ近位端62に近いグラフトスリーブ壁66に固定され、それにより、グラフトスリーブアセンブリ70が形成される。図11および12に上記されるように、得られたグラフトスリーブアセンブリ70は、開窓102の周りの管状グラフト壁100に固定され、それにより、大動脈プロテーゼ92が形成される。
【0043】
代替的な態様において、グラフトスリーブ60は、適切な手段、例えば、縫い付けまたは接着剤の使用により、管状グラフト構成要素100におよび開窓102の周りに固定され、次いで、サポートリング72は、グラフトスリーブ60の外表面に固定され、ここで、グラフトスリーブ60は、適切な手段、例えば、縫い付けにより、管状グラフト構成要素100か、またはグラフトスリーブ60が管状グラフト構成要素94に固定される箇所に対して遠位に固定される。グラフトスリーブ60の遠位端64は、グラフトスリーブ60の近位端62の頭方または尾方のいずれかであり得る。
【0044】
ステントグラフトは、動脈瘤にわたる外科的部位で、特に、大動脈の内臓周囲セグメント中に、適切な方法、例えば、当該分野において公知なものにより、埋め込まれ得る。埋め込みの後、架橋ステントは、開窓、開窓リングを通って、大動脈の分枝、例えば、腎臓、上腸間膜または腹腔の動脈に送達され得る。ステントグラフトの埋め込みのための適切な送達デバイスは、例えば、米国特許出願第63/111,357号および第63,153,701号、ならびに米国第210,381号に記載され、その全ての関連する教示は、その全体において参照により本明細書に援用される。
【0045】
1つの態様において、例えば、上に示され図4に関して上記されるように、サポートリング72は、方法により形成され、該方法は、
図1および2A-2Cに示されるらせんコイル16により画定される管腔22を通してワイヤ10を方向づける工程、
弧において、らせんコイル第1端18から、らせんコイル第1端18とは反対の(in opposition to)らせんコイル第2端20を通って、らせんコイル第1端18およびらせんコイル第2端20により画定されらせんコイル16により画定される管腔22の外側にある空間の長さLを越えて伸長させる工程、ここで、ワイヤ10は、ワイヤ第1端12とワイヤ第2端14の間のワイヤ10の少なくとも1つの長さLに沿って、らせんコイル第1端18とらせんコイル第2端20の間の空間の長さLを通り抜ける、ならびに
ワイヤ第1端12をワイヤ第2端14に固定し、それにより、サポートリング32を形成する工程を含む。1つの態様において、該方法は、さらに、図11および12において示されるサポートリング72を、管状グラフト構成要素94の管状グラフト壁100における開窓102で管状グラフト構成要素94に固定する工程を含み、ここで、開窓102は、サポートリング72の弧内にあり、それにより、本発明の大動脈プロテーゼ92の別の態様が形成される。
【0046】
図13に示す別の態様において、本発明は、グラフトスリーブ131を有するグラフトスリーブアセンブリ140であり、該グラフトスリーブ131は、グラフトスリーブ近位端132、グラフトスリーブ遠位端134、およびグラフトスリーブ近位端132とグラフトスリーブ遠位端134の間に伸長するグラフトスリーブ壁136を含む。グラフトスリーブ近位端132は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端134は、グラフトスリーブ近位端132の基部直径よりも小さい直径を有する。グラフトスリーブ近位端132は、グラフトスリーブ遠位端134により画定される平面Bと交わる平面Aを画定する。ある態様において、グラフトスリーブ131は、円錐形であるかまたは先細りしており、グラフトスリーブ131の直交する第1の断面135の直径は、直交する第1の断面135に対して遠位にあるグラフトスリーブ131の直交する第2の断面137より広い。グラフトスリーブアセンブリ140のサポートリング138は、グラフトスリーブ遠位端134よりもグラフトスリーブの近位端132に近いグラフトスリーブ壁136に固定され、それにより、グラフトスリーブアセンブリ140が形成される。サポートリング138は、示されるように、グラフトスリーブ131の外表面にあるか、またはグラフトスリーブ131の内表面にあるかのいずれかであり得る。グラフトスリーブ131は、適切な手段、例えば、縫い付けまたは接着剤により、開窓102の外辺部の周りの管状グラフト構成要素100に固定される。分岐ステントグラフト142は、分岐ステントグラフト142を、開窓102を通して、グラフトスリーブ131に、分岐ステントグラフト142の遠位端145がグラフトスリーブ131の遠位端134から伸長し、分岐ステントグラフト142の近位端144が、リッジマーク166により示されるように、グラフトスリーブ131と締まりばめによりグラフトスリーブ131で固定されるまで方向づけることにより、埋め込まれる。
【0047】
代替的な態様において、サポートリング138は、適切な手段、例えば、縫い付けにより、開窓102の外辺部で管状グラフト構成要素100に直接固定される。グラフトスリーブ131の遠位端134は、グラフトスリーブ131の近位端132の頭方または尾方のいずれかであり得る。ある態様において、分岐ステントグラフト142は、図13に示すように、近位端144で広がっている。分岐ステントグラフト142の近位端144は、遠位端145を通って分岐ステントグラフト142を出る血液を常に受け取っているが、グラフトスリーブ131と分岐ステントグラフト142は、集合的に、角度αで管状グラフト構成要素100の長手軸149と交わる長手軸147を画定する。角度αは、0°~180°で変化し得、これは、埋め込みの後、分岐ステントグラフト142の遠位端145が分岐ステントグラフト142の近位端144に対して頭方にまたは尾方に位置し得ることを意味する。0°~180°の間の典型的な角度αは、例えば、30°、60°、90°、120°および150°である。
【0048】
この例において、サポートリング138は、グラフトスリーブ131の周りに伸長する。分岐ステントグラフト142は、分岐ステントグラフト142を、開窓102を通して、グラフトスリーブ131に、分岐ステントグラフト142がグラフトスリーブ131の遠位端134から伸長し、分岐ステントの近位端144が、リッジマーク166により示されるように、グラフトスリーブ131と締まりばめによりグラフトスリーブ131で固定されるまで方向づけることにより、埋め込まれる。
【0049】
図14に示すなお別の態様において、グラフトスリーブアセンブリ130は、例えば、米国第63/210,258号に記載されるように、アセンブリ150に固定され、その関連する教示は、その全体において参照により本明細書に援用される。より具体的には、リング152は、管状グラフト構成要素156により画定される開窓154の周りに伸長し、リング152は、ステントグラフト158の管状グラフト構成要素156の1つの側面とライナー160の間に固定され、ライナー160は、開窓154を通って伸長する。図14に示すように、リング152は、サポートリング133が存在する場合は、任意である。典型的に、サポートリング133は、図4に示し上記したものである。別の態様において、リング152は、図4に示し上記したサポートリングであり、サポートリング133は、存在しない。なお別の態様において、リング152は、図4とは異なる形態(configuration)を有する。例えば、図4は、適切なワイヤ、例えば、ニチノールワイヤの一連の巻きであり得る。代替的に、リング152は、放射線不透過性マーカーの連続または不連続のリングであり得る。なお別の態様において、リング152は、サポートリング、例えば、図4に関して記載されるものであり、図14の項目133は、存在するが、代替的な形態、例えば、適切な材料、例えば、ニチノールの一連の巻き、または放射線不透過性マーカー(marder)の連続もしくは不連続のリングを有する。
【0050】
グラフトスリーブアセンブリ130は、適切な手段、例えば、縫い付けまたは接着剤の使用により、管状グラフト構成要素156の外側にあるライナー160の部分に固定される。グラフトスリーブアセンブリ130のグラフトスリーブ131は、適切な手段、例えば、縫い付けまたは接着剤により、ライナー160に固定される。サポートリング133は、適切な手段、例えば、縫い付けにより、グラフトスリーブ131の近位端に固定される。代替的に、別の態様において、示されないが、グラフトスリーブ131は、管状グラフト構成要素156に直接固定され得る。分岐ステントグラフト162は、開窓154を通して、グラフトスリーブアセンブリ130のグラフトスリーブ131に、分岐ステントグラフト162の近位端164が、リッジマーク166により示されるように、グラフトスリーブ131と干渉する関係になるまで方向づけられる。
【0051】
管状グラフト構成要素の例および動脈瘤部位でのそれらの埋め込み方法は、例えば、当該分野において公知なものであり、例えば、本明細書で引用される全ての特許、公開出願および参照文献の関連する教示に記載され、その全ては、その全体において参照により援用される。ステントグラフトは、動脈瘤にわたる外科的部位で、特に、大動脈の内臓周囲セグメント中に、適切な方法、例えば、当該分野において公知なものにより、埋め込まれ得る。埋め込みの後、架橋ステントは、開窓、開窓リングを通って、大動脈の分枝、例えば、腎臓、上腸間膜または腹腔の動脈に送達され得る。ステントグラフトの埋め込みのための適切な送達デバイスは、例えば、米国特許出願第63/111,357号および第63/153,701号、ならびに米国第63/210,381号に記載され、その全ての関連する教示は、その全体において参照により本明細書に援用される。
【0052】
別の態様において、本発明は、分岐大動脈プロテーゼ、例えば、図15に示す分岐大動脈プロテーゼ106を動脈瘤部位114に埋め込むための方法であり、ここで、分岐スリーブアセンブリ70は、口71を通って伸長するグラフトスリーブ60を含み、該口71は、管状グラフト構成要素94と本質的に面一(flush)であり、大動脈分岐73へと流れ、グラフトスリーブ近位端72からグラフトスリーブ遠位端64へと尾方に向く。代替的に、図16から理解され得るように、分岐スリーブアセンブリ70は、グラフトスリーブ近位端62からグラフトスリーブ遠位端64へと頭方に向き得、グラフトスリーブ60は、口71を通って伸長し、該口71は、管状グラフト構成要素94と本質的に面一であり、大動脈分岐73へと流れる。図15または図16のいずれかにおいて、分岐大動脈プロテーゼ106を埋め込むことは、大動脈プロテーゼ92を大動脈外科的部位に方向づけることを含み、ここで、大動脈プロテーゼ92は、管状グラフト構成要素第1端96および管状グラフト構成要素第2端98を含む管状グラフト構成要素94を含み、管状グラフト構成要素は、管状グラフト構成要素第1端96と管状グラフト構成要素第2端98の間に伸長する管状グラフト壁100を含む。管状グラフト壁100は、管状グラフト構成要素第1端96と管状グラフト構成要素第2端98の間に少なくとも1つの開窓102を画定する。
【0053】
図17から図18への経過において示されるように、分岐ステントグラフト110は、グラフトスリーブ近位端62を通して、分岐ステントグラフト近位端62の少なくとも一部が、サポートリング72に対して遠位になるまで遠位に方向づけられ、ここで、分岐ステントグラフト110(本明細書で「架橋ステントグラフト」または「架橋プロテーゼ」とも言われる)は、図18に示す分岐ステントグラフト近位端112とグラフトスリーブ60の間の締まりばめ116により固定され、それにより、図15および16に示されるように、分岐ステントグラフト110を外科的部位114に埋め込む。
【0054】
本発明のサポートリング72を埋め込む方法の1つの具体的な態様において、図11に示すように、サポートリング72を管状グラフト構成要素100の管状グラフト壁100に開窓102で固定する工程が含まれ、ここで、開窓102は、サポートリング72の弧内にある。次いで、グラフトスリーブ60は、適切な手段、例えば、縫い付けまたは接着剤の使用により、サポートリング72上で開窓102で管状グラフト構成要素100に固定され得る。
【0055】
代替的な態様において、グラフトスリーブ60は、適切な手段、例えば、縫い付けまたは接着剤の使用により、管状グラフト構成要素100におよび開窓102の周りに固定され、次いで、サポートリング72は、グラフトスリーブ60の外表面に固定され、グラフトスリーブ60は、適切な手段、例えば、縫い付けにより、管状グラフト構成要素100か、またはグラフトスリーブ60が管状グラフト構成要素94に固定される箇所に対して遠位に固定される。グラフトスリーブ60の遠位端64は、グラフトスリーブ60の近位端62の頭方または尾方のいずれかであり得る。
【0056】
[0078]
さらなる態様において、本発明は、大動脈プロテーゼのためのサポートリングであり、該サポートリングは、
(a)らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイル、ここで、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にある空間を画定する;ならびに
(b)管腔を通って伸長しワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有するワイヤ、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される、
を含む。
【0057】
[0079]
ワイヤにおいてクリンピングされたコネクタをさらに含み、ここで、ワイヤのワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される、パラグラフ[0078]記載のサポートリング。
【0058】
[0080]
クリンピングされたコネクタは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間にある、パラグラフ[0079]記載のサポートリング。
【0059】
[0081]
クリンピングされたコネクタは、タンタル、金、白金、イリジウム、ニチノールおよびステンレス鋼の少なくとも1つを含む、パラグラフ[0080]記載のサポート。
【0060】
[0082]
らせんコイルは、放射線不透過性である、パラグラフ[0080]記載のサポートリング。
【0061】
[0083]
らせんコイルは、タンタル、金、白金、イリジウム、ニチノール、タングステンおよびステンレス鋼の少なくとも1つを含む、パラグラフ[0082]記載のサポートリング。
【0062】
[0084]
ワイヤは、形状記憶合金およびステンレス鋼の少なくとも1つを含む、パラグラフ[0082]記載のサポートリング。
【0063】
[0085]
ワイヤは、形状記憶合金を含む、パラグラフ[0084]記載のサポートリング。
【0064】
[0086]
形状記憶合金は、ニッケルチタン合金、鉄系合金、銅系合金、亜鉛系合金、金系合金および高温形状記憶合金の少なくとも1つを含む、パラグラフ[0085]記載のサポートリング。
【0065】
[0087]
形状記憶合金は、ニチノールを含む、パラグラフ[0086]記載のサポートリング。
【0066】
[0088]
ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間の複数の長さで通り抜ける、パラグラフ[0087]記載のサポートリング。
【0067】
[0089]
ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間を、ワイヤに沿った2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたは10の長さで通り抜ける、パラグラフ[0088]記載のサポートリング。
【0068】
[0090]
管状グラフト第1端、管状グラフト第2端、および管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間を伸長する管状グラフト壁を有する管状グラフトをさらに含み、管状グラフト壁は、管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定し、らせんコイルは、開窓で管状グラフト壁に固定され、開窓は、らせんコイルの弧内にある、パラグラフ[0088]記載のサポートリング。
【0069】
[0091]
管状グラフトは、ステントグラフトである、パラグラフ[0090]記載のサポートリング。
【0070】
[0092]
ステントグラフトの開窓を通って伸長する分岐グラフトをさらに含む、パラグラフ[0091]記載のサポートリング。
【0071】
[0093]
分岐グラフトの半径方向の直径は、開窓で抑制されている、パラグラフ[0092]記載のサポートリング。
【0072】
[0094]
さらに別の態様において、本発明は、大動脈プロテーゼのための分岐スリーブアセンブリであり、これは:
(a)グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフトスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトスリーブ壁を有するグラフトスリーブ、ここで、グラフトスリーブ近位端は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径より小さい直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端により画定される平面と交わる平面を画定する;ならびに
(b)グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブの近位端に近いグラフトスリーブ壁に固定されるサポートリング、
を含む。
【0073】
[0095]
グラフトスリーブは、先細りしており、断面直径は、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブ遠位端に対して近位で大きい、パラグラフ[0094]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0074】
[0096]
サポートリングは、放射線不透過性構成要素を含むアセンブリである、パラグラフ[0095]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0075】
[0097]
放射線不透過性構成要素は、金、白金、イリジウムおよびタンタルの少なくとも1つを含む、パラグラフ[0096]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0076】
[0098]
サポートリングは:
(a)らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイル、ここで、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にある空間を画定する;ならびに
(b)管腔を通って伸長しワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有するワイヤ、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される、
を含む、パラグラフ[0096]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0077】
[0099]
らせんコイルは、放射線不透過性構成要素である、パラグラフ[0098]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0078】
[00100]
ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間の複数の長さで通り抜ける、パラグラフ[0099]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0079】
[00101]
ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間を、ワイヤに沿った2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたは10の長さで通り抜ける、パラグラフ[00100]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0080】
[00102]
管状グラフト第1端、管状グラフト第2端、および管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間を伸長する管状グラフト壁を有する管状グラフトをさらに含み、管状グラフト壁は、管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定し、グラフトスリーブ壁は、開窓の周りの管状グラフト壁に固定される、パラグラフ[00100]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0081】
[00103]
サポートリングは、開窓で管状グラフト壁に固定され、開窓は、らせんコイルの弧内にある、パラグラフ[00102]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0082】
[00104]
管状グラフトは、ステントグラフトである、パラグラフ[00103]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0083】
[00105]
分岐ステントグラフト近位端と分岐ステントグラフト遠位端を有する分岐ステントグラフトをさらに含み、分岐ステントグラフトは、グラフトスリーブ遠位端内から遠位に伸長し、分岐ステントグラフトは、分岐ステントグラフトとグラフトスリーブの間の締まりばめによりグラフトスリーブに固定される、パラグラフ[00104]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0084】
[00106]
分岐ステント近位端は、サポートリングの遠位にある、パラグラフ[00105]記載の分岐スリーブアセンブリ。
【0085】
[00107]
さらなる態様において、本発明は、大動脈プロテーゼであり、該大動脈プロテーゼは:
(a)管状グラフト構成要素第1端および管状グラフト構成要素第2端、ならびに管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間に伸長する管状グラフト壁を含む管状グラフト構成要素、ここで、管状グラフト壁は、管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する;ならびに
(b)管状壁でのサポートリング、ここで、該サポートリングは、
(i)らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイ
ル、ここで、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル
第1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは
、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にあ
る空間を画定し、らせんコイルは、開窓で管状壁に固定され、開窓は、
らせんコイルの弧内にある、ならびに
(ii)管腔を通って伸長しワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有するワイ
ヤ、ここで、ワイヤは、ワイヤ第1端とワイヤ第2端の間の空間をワイ
ヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って
通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される、
を含む、
を含む。
【0086】
[00108]
さらに別の態様において、本発明は、大動脈プロテーゼであり、該大動脈プロテーゼは:
(a)管状グラフト構成要素第1端および管状グラフト構成要素第2端、ならびに管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間に伸長する管状グラフト壁を含む管状グラフト構成要素、ここで、管状グラフト壁は、管状グラフト構成要素第1端と管状グラフト構成要素第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する;
(b)グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフトスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトスリーブ壁を有するグラフトスリーブ、ここで、グラフトスリーブ近位端は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径より小さい直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端により画定される平面と交わる平面を画定し、グラフトスリーブ壁は、開窓の周りの管状壁に固定される;ならびに
(c)グラフトスリーブ壁に固定されるサポートリング、ここで、サポートリングは、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブの近位端に近いグラフトスリーブ壁に固定され、サポートリングは、
(i)らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイ
ル、ここで、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル
第1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは
、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にあ
る空間を画定し、らせんコイルは、開窓で管状壁に固定され、開窓は、
らせんコイルの弧内にある、ならびに
(ii)管腔を通って伸長しワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有するワイ
ヤ、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間
の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの
長さに沿って通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定さ
れる、
を含む、
を含む。
【0087】
[00109]
ワイヤは、ニチノールを含む、パラグラフ[00108]記載の大動脈プロテーゼ。
【0088】
[00110]
さらなる態様において、本発明は、大動脈プロテーゼのためのサポートリングを形成する方法であり、該方法は:
(a)らせんコイル第1端かららせんコイルにより画定される管腔を通って、らせんコイル第1端の向かい側にあるらせんコイル第2端を通って、らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端により画定され管腔の外側にある空間を越えてワイヤを方向づける工程、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜ける;ならびに
(b)ワイヤ第1端をワイヤ第2端に固定し、それにより、サポートリングを形成する工程
を含む。
【0089】
[00111]
サポートリングを、管状グラフト第1端および管状グラフト第2端、ならびに管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間を伸長する管状壁を有する管状グラフトに固定する工程、ここで、管状壁は、開窓を画定し、開窓は、らせんコイルの弧内にある、
をさらに含む、パラグラフ[00110]記載の方法。
【0090】
[00112]
なお別の態様において、本発明は、大動脈プロテーゼを形成する方法であり、該方法は:
(a)管状グラフト第1端および管状グラフト第2端、管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に伸長する管状グラフト壁を有する管状グラフトを形成する工程、ここで、管状グラフト壁は、開窓を画定する;
(b)グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフトスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトスリーブ壁を有するグラフトスリーブを形成する工程、ここで、グラフトスリーブ近位端は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径より小さい直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端により画定される平面と交わる平面を画定する;
(c)サポートリングを、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブの近位端に近いグラフトスリーブ壁に固定し、それにより、グラフトスリーブとサポートリングのグラフトスリーブアセンブリを形成する工程;ならびに
(d)グラフトスリーブアセンブリを開窓の周りの管状壁に固定し、それにより、大動脈プロテーゼを形成する工程
を含む。
【0091】
[00113]
サポートリングを形成する工程をさらに含む、パラグラフ[00112]記載の方法。
【0092】
[00114]
サポートリングは:
(a)ワイヤを、らせんコイル第1端から弧状に伸長するらせんコイルにより画定される管腔を通って、らせんコイル第1端と向かい合うらせんコイル第2端を通って、らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端により画定されらせんコイルにより画定される管腔の外側にある空間を越えて方向づける工程、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜ける;ならびに
(b)ワイヤ第1端をワイヤ第2端に固定し、それにより、サポートリングを形成する工程
により形成される、パラグラフ[00113]記載の方法。
【0093】
[00115]
サポートリングを管状壁における開窓で管状グラフトに固定し、ここで、開窓は、らせんコイルの弧内にあり、それにより、大動脈プロテーゼを形成する工程をさらに含む、パラグラフ[00114]記載の方法。
【0094】
[00116]
別の態様において、本発明は、大動脈プロテーゼを形成する方法であり、該方法は:
(a)管状グラフト第1端および管状グラフト第2端、ならびに管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間を伸長する管状壁を有する管状グラフトを形成する工程、ここで、管状壁は、管状グラフト第1端と管状グラフト第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する;
(b)サポートリングを、
(i)らせんコイル第1端かららせんコイルにより画定される管腔を通っ
て、らせんコイル第1端の向かい側にあるらせんコイル第2端を通って
、らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端により画定され管腔の
外側にある空間を越えてワイヤを方向づける工程、ここで、ワイヤは、
らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端と
ワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜ける
;ならびに
(ii)ワイヤ第1端をワイヤ第2端に固定し、それにより、サポートリン
グを形成する工程、
により形成する工程;ならびに
(c)サポートリングを管状壁における開窓で管状グラフトに固定し、ここで、開窓は、らせんコイルの弧内にあり、それにより、大動脈プロテーゼを形成する工程
を含む。
【0095】
[00117]
本発明のさらなる態様は、分岐大動脈プロテーゼを埋め込むための方法であり、該方法は:
(a)大動脈プロテーゼを大動脈外科的部位に方向づける工程、ここで、大動脈プロテーゼは、
(i)管状グラフト第1端および管状グラフト第2端、ならびに管状グラ
フト第1端と管状グラフト第2端の間に伸長する管状グラフト壁を含む
管状グラフト構成要素、ここで、管状グラフト壁は、管状グラフト第1
端と管状グラフト第2端の間に少なくとも1つの開窓を画定する、
(ii)グラフトスリーブ近位端、グラフトスリーブ遠位端、およびグラフ
トスリーブ近位端とグラフトスリーブ遠位端の間に伸長するグラフトス
リーブ壁を有するグラフトスリーブ、ここで、グラフトスリーブ近位端
は、基部直径を有し、グラフトスリーブ遠位端は、基部直径より小さい
直径を有し、グラフトスリーブ近位端は、グラフトスリーブ遠位端によ
り画定される平面と交わる平面を画定し、グラフトスリーブ壁は、開窓
の周りの管状壁に固定される、ならびに
(iii)グラフトスリーブ壁に固定されるサポートリング、ここで、サポ
ートリングは、グラフトスリーブ遠位端よりもグラフトスリーブ近位端
に近いグラフトスリーブ壁に固定される、
を含む;ならびに
(b)分岐ステントグラフトを、グラフトスリーブを通して遠位に、分岐ステントグラフト近位端がサポートリングの遠位になるまで、方向づけ、ここで、分岐ステントグラフトは、分岐ステントグラフト遠位端とグラフトスリーブの間の締まりばめにより固定され、それにより、外科的部位で分岐ステントグラフトを埋め込む工程
を含む。
【0096】
[00118]
サポートリングは:
(a)らせんコイル第1端およびらせんコイル第2端を有するらせんコイル、ここで、らせんコイルは管腔を画定し弧状に伸長し、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端は、互いに向かい合う関係にあり、これは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間にあり管腔の外側にある空間を画定し、らせんコイルは、開窓で管状壁に固定され、開窓は、らせんコイルの弧内にある;ならびに
(b)管腔を通って伸長しワイヤ第1端およびワイヤ第2端を有するワイヤ、ここで、ワイヤは、らせんコイル第1端とらせんコイル第2端の間の空間をワイヤ第1端とワイヤ第2端の間のワイヤの少なくとも1つの長さに沿って通り抜け、ワイヤ第1端とワイヤ第2端は、互いに固定される、
を含む、パラグラフ[00117]記載の方法。
【0097】
ステントグラフトは、動脈瘤にわたる外科的部位で、特に、大動脈の内臓周囲セグメント中に、適切な方法、例えば、当該分野において公知なものにより、埋め込まれ得る。埋め込みの後、架橋ステントは、開窓、開窓リングを通って、大動脈の分枝、例えば、腎臓、上腸間膜または腹腔の動脈に送達され得る。ステントグラフトの埋め込みのための適切な送達デバイスは、例えば、米国特許出願第63/111,357号および第63,153,701号、ならびに米国第210,381号に記載され、その全ての関連する教示は、その全体において参照により本明細書に援用される。
【0098】
本明細書で引用される全ての特許、公開出願および参照文献の関連する教示は、その全体において参照により援用される。米国特許第US 10,987,235、US 11,000,359、US 11,291, 572、US 11,278,390、US 11,219,540およびUS 11,154,392;米国公開特許出願第:US 2019/0269498 A1、US 2019/0231514 A1、US 2019/0231571 A1、US 2019/0247178 A1、US 2019/0269497 A1、US 2019/0282355 A1、US 2019/0321207 A1、US 2020/352700A1およびUS 2021/0401602 A1;ならびに米国出願第:17/522,251の関連する教示も、その全体において参照により援用される。Eduardo Alejandro Garcia、Timothy LostetterおよびEitan Magenにより2022年6月13日に出願された、発明の名称「血管大動脈修復のためのサポートリングおよび使用方法」の米国特許出願(Attorney Docket No.: BMN-07425)の関連する教示も、その全体において参照により援用される。
【0099】
例示的態様が具体的に示され記載されてきたが、形態および詳細における種々の変更が、添付の特許請求の範囲に包含される態様の範囲から逸脱することなく、本明細書においてなされ得ることが、当業者により理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】