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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】ヘアライン用の部分かつら
(51)【国際特許分類】
   A41G 3/00 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
A41G3/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577117
(86)(22)【出願日】2022-06-15
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 KR2022008482
(87)【国際公開番号】W WO2022265396
(87)【国際公開日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】10-2021-0078296
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520297562
【氏名又は名称】ピーエー インターナショナル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジヨン
(57)【要約】
本発明は、産毛を自然に演出し、かつらの着け心地を向上させ、使用者の頭の上部及び額の形態によって自由に着脱可能である、ヘアライン用の部分かつらについて開示する。
本発明によるヘアライン用の部分かつらは、ライン部を含むスキン層と、前記スキン層に第1方向に植え付けられた、複数個の第1毛髪を含む第1毛髪部と、前記スキン層に第2方向に植え付けられた、複数個の第2毛髪を含む第2毛髪部と、を含み、前記第1毛髪部と第2毛髪部は、前記ライン部を基準に互いに異なる領域に植え付けられ、前記スキン層のライン部が使用者のヘアラインに隣接して配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライン部を含むスキン層と、
前記スキン層に第1方向に植え付けられた、複数個の第1毛髪を含む第1毛髪部と、
前記スキン層に第2方向に植え付けられた、複数個の第2毛髪を含む第2毛髪部と、
を含み、
前記第1毛髪部と第2毛髪部は、前記ライン部を基準に互いに異なる領域に植え付けられ、
前記スキン層のライン部が使用者のヘアラインに配置される、
ヘアライン用の部分かつら。
【請求項2】
前記第1毛髪部と第2毛髪部は、前記ライン部を基準に互いに異なる方向に植え付けられる、
請求項1に記載のヘアライン用の部分かつら。
【請求項3】
前記第1毛髪部の平均長さは、第2毛髪部の平均長さよりも短い、
請求項1に記載のヘアライン用の部分かつら。
【請求項4】
前記第1毛髪部の平均厚さは、第2毛髪部の平均厚さよりも薄い、
請求項1に記載のヘアライン用の部分かつら。
【請求項5】
前記スキン層の長さは、35cm以下である、
請求項1に記載のヘアライン用の部分かつら。
【請求項6】
前記スキン層は、ウレタン系樹脂、カーボネート樹脂、エチレン系樹脂、及びシリコン系樹脂のうち1種以上を含むか、太さが0.1デニール以下である糸で製作された網を含む、
請求項1に記載のヘアライン用の部分かつら。
【請求項7】
前記スキン層の厚さは、0.2cm以下である、
請求項1に記載のヘアライン用の部分かつら。
【請求項8】
前記スキン層は、楕円状のスキン層、三角状のスキン層または棒状のスキン層のいずれかを含む、
請求項1に記載のヘアライン用の部分かつら。
【請求項9】
前記スキン層の下部面に粘着テープが配置されて、使用者のヘアラインに付着するか、あるいは前記スキン層の下部面に粘着液を塗布して、使用者のヘアラインに付着する、
請求項1に記載のヘアライン用の部分かつら。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産毛を自然に演出することができるヘアライン用の部分かつらに関する。
【背景技術】
【0002】
かつらは、脱毛、傷あと、火傷などにより頭皮が透けて見える部位を補完するため頭に装着するものである。
【0003】
かつらは、近年、脱毛を隠すための用途のみに限らず、髪にボリューム感を与えるか、様々なヘアスタイルを演出するための装飾手段としても使用されている。
【0004】
かつらは、使用者の頭の形態からなる、外部に凸の曲面を有するかつらキャップと、前記かつらキャップに付着した多数の毛髪とを含む。前記かつらキャップは、主に網で形成され、かつらにはスナップボタン、ピンなどのような固定部が配置されており、使用者の頭に装着することができる。
【0005】
しかしながら、従来のかつら及び市販するかつらは、使用者の頭全体に被る構造となっており、主に脱毛の全体部位を隠すか、あるいは使用者の額部分と区分しやすい構造となっており、前髪で額を隠すスタイルしか演出することができなかった。これによって、前髪や後ろ髪が不自然に演出されて、人にとってかつらであることが気付きやすい問題点があった。
【0006】
特に、使用者の髪を部分的に演出したい場合には、これに好適なかつらがなくて、頭全体を覆う全かつらを使用する方法しかなかった。
【0007】
例えば、額と毛髪部の境目に産毛を豊かに演出したい場合、全かつらに植え付けられる前髪側の毛髪を利用するしかなかった。全かつらに植え付けられる前髪側の毛髪は、全体毛髪の厚さに類似する厚さで形成され、後ろ髪の毛髪を支持するため、産毛のような薄い厚さの毛髪を自然に演出して、所望のスタイルに演出するには限界がある。
【0008】
よって、部分的に演出して、自然なスタイルに演出することができる部分かつらの研究が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1128097号公報(2012年3月29日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、自然な分け目のスタイルと産毛を自然に演出することができるヘアライン用の部分かつらを提供することである。
【0011】
また、本発明の目的は、薄い厚さのスキン層によって着け心地に優れ、自然な頭皮色相を演出することができるヘアライン用の部分かつらを提供することである。
【0012】
また、本発明の目的は、使用者の部分的な脱毛部位を補完することができるヘアライン用の部分かつらを提供することである。
【0013】
また、本発明の目的は、使用者の額、後ろ首、耳の周辺と頭皮のとの間に毛髪が始まる境目、耳の下から顎まで相次いで生えている髭のほおひげが位置する部位、首の後部の凹む地点からその下の首部分の毛髪である、うなじの産毛が位置する部位に着脱し得るヘアライン用の部分かつらを提供することである。
【0014】
また、本発明の目的は、使用者の頭の上部及び額の形態によって自由に着脱可能であるヘアライン用の部分かつらを提供することである。
【0015】
本発明の目的は、以上で言及した目的に限らず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが容易に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によるヘアライン用の部分かつらは、ライン部を含むスキン層と、前記スキン層に第1方向に植え付けられた、複数個の第1毛髪を含む第1毛髪部と、前記スキン層に第2方向に植え付けられた、複数個の第2毛髪を含む第2毛髪部と、を含み、前記第1毛髪部と第2毛髪部は、前記ライン部を基準に互いに異なる領域に植え付けられ、前記スキン層のライン部が使用者のヘアラインに隣接して配置される。
【0017】
前記第1毛髪部と第2毛髪部は、前記ライン部を基準に互いに異なる方向に植え付けることができる。
【0018】
前記第1毛髪部の平均長さは、第2毛髪部の平均長さよりも短いものであってもよい。
【0019】
前記第1毛髪部の平均厚さは、第2毛髪部の平均厚さよりも薄いものであってもよい。
【0020】
前記スキン層の厚さは、0.2cm以下であってもよい。
【0021】
前記スキン層の長さは、略35cm以下であってもよい。
【0022】
前記スキン層の下部面に粘着テープが配置されて、使用者のヘアラインに付着するか、あるいは前記スキン層の下部面に粘着液を塗布して、使用者のヘアラインに付着し得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明によるヘアライン用の部分かつらは、自然な分け目のスタイルと産毛を演出する効果がある。
【0024】
また、本発明のヘアライン用の部分かつらは、薄い厚さのスキン層によって着け心地を向上させ、自然な頭皮色相を演出することができ、使用者の頭の上部及び額の形態によって自由に着脱可能である効果がある。
【0025】
また、本発明のヘアライン用の部分かつらは、使用者の部分的な脱毛部位を補完する効果がある。
【0026】
また、本発明のヘアライン用の部分かつらは、毛髪を1本ずつ植える結び目のない特殊工法によって、毛髪が植え付けられた部分に通風力を極大化して、常に快適な着け心地を付与する効果がある。
【0027】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による楕円状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらの実際写真(a)及び平面図(b)である。
図2】本発明による透明なスキン層と厚さを有するヘアライン用の部分かつらの実際写真である。
図3】本発明による楕円状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。
図4】本発明による三角状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらの平面図である。
図5図4の部分かつらにおける毛髪の方向を変形した平面図である。
図6図5の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。
図7】本発明による、一辺が一方向に延びた三角状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらにおける毛髪の方向を変形した平面図である。
図8図7の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。
図9】本発明による、棒状(一字状)のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらにおける毛髪の方向を変形した平面図である。
図10図9の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。
図11】本発明による、屈曲した棒状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらにおける毛髪の方向を変形した平面図である。
図12図11の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。
図13】本発明によるヘアライン用の部分かつらの装着状態を示す様子である。
図14】本発明による屈曲した棒状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらの平面図である。
図15図14の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。
図16】本発明による棒状(一字状)のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらの平面図である。
図17図16の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。
図18図16の部分かつらにおける毛髪の方向を変形した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明の説明にあたり、本発明に係る公知の技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0030】
以下では、構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が、上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と、上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成との間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0031】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、上記構成要素は、互いに直接に連結されるか又は接続されていてもよいものの、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されていてもよいものと理解しなければならない。
【0032】
以下では、本発明の幾つかの実施形態によるヘアライン用の部分かつらを説明することとする。
【0033】
本発明では、頭(頭皮)全体を覆う全かつらとは異なり、使用者のヘアラインの一部に着脱可能なヘアライン用の部分かつらを提供しようとする。
【0034】
本発明のヘアライン用の部分かつらは、産毛を自然に演出することができ、かつらの着け心地を向上させ、使用者の頭の上部及び額の形態によって自由に着脱可能である効果がある。
【0035】
本発明における「ヘアライン」とは、使用者の額、後ろ首、耳の周辺と頭皮との間に毛髪が始まる境目、耳の下から顎まで相次いで生えている髭のほおひげが位置する部位、首の後部の凹む地点からその下の首部分の毛髪である、うなじの産毛が位置する部位を意味し、使用者の頭の上部及び毛髪の状態によってヘアラインが異なり得る。例えば、本発明における「ヘアライン用の部分かつら」とは、額と毛髪との間の境界面、耳の側面皮膚と毛髪との間の境界面、後ろ首と毛髪との間の境界面、ほおひげが位置する部位、うなじの産毛が位置する部位などに着脱可能である部分かつらであってもよい。
【0036】
本発明における「産毛」とは、使用者の毛髪のうちでも、相対的に毛髪の厚さが薄いかつ長さの短い毛髪を意味し、主にヘアラインに位置する毛髪を意味する。産毛の辞書的意味は、頭から何本か抜け出た短くかつ細い髪の毛を意味する。
【0037】
本発明における「使用者の毛髪」とは、かつらを装着する使用者固有の毛髪を意味する。また、「人造毛髪」とは、人毛(人の毛髪)または人造毛、偽毛(人工的に作られた人造毛髪)を利用して作られた毛髪を意味する用語である。
【0038】
よって、「人造毛髪」という用語を使うからといって、人毛から作られたかつらを権利範囲から排除してはならない。
【0039】
図1は、本発明による楕円状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらの実際写真(a)及び平面図(b)である。
【0040】
図1を参照すると、本発明によるヘアライン用の部分かつらは、ライン部(A)を含むスキン層10と、前記スキン層10に第1方向に植え付けられる第1毛髪部20と、前記スキン層10に第2方向に植え付けられる第2毛髪部30と、を含む。第1毛髪部20は、産毛を演出するための用途に植え付けられ、第2毛髪部30は、使用者の毛髪に共に結合されることにより、使用者の毛髪に連結されて、後ろ髪として自然に演出することができる。
【0041】
スキン層10は、人体の皮膚組織に類似する肌触りと類似する色相を有する透明な素材であってもよく、材質と形状の特性上、柔軟性と伸縮性を有する素材であってもよい。
【0042】
特に、スキン層10は、既存の厚い人造スキンの厚さの1/10程の厚さを有する超極薄スキン層であって、使用者の皮膚に付着したとき、完璧な額のラインを演出することができる。本発明のスキン層10は、人体工学的技術を利用して皮膚と完璧に密着する効果がある。また、本発明のスキン層10は、既存の厚い網かつらとは異なり、自然な透明感により使用者の肌の色を完璧に再現して、自然なヘアラインを演出することができる。
【0043】
このように、本発明のスキン層10は、高強度、高弾力の特殊材質の新素材で製作されて、皮膚と頭皮との自然な吸着作用を付与することにより、使用者の付着部分に自然に密着して着け心地に優れ、既存のかつら製品では不可能であったオールバックの髪型、スポーツのヘアスタイルまで様々なスタイルでの演出が可能である利点がある。
【0044】
透明なスキン層10は、ウレタン系樹脂、カーボネート樹脂、エチレン系樹脂、及びシリコン系樹脂のうち1種以上を含む軟質の樹脂で形成されるか、あるいは超極細糸の特殊網で形成されることで、優れた柔軟性及び伸縮性を奏することができる。
【0045】
前記超極細糸の特殊網は、太さが0.1デニール(denier)以下である糸で製作された網を言う。好ましくは、上記太さは、0.01~0.1デニールであってもよく、より好ましくは、0.05~0.1デニールであってもよい。
【0046】
太さが0.1デニール以下である超極細糸の特殊網は、優れた通風性を保障し、使用者の頭の上部の形状を憶えて、装着時に優れる着け心地を付与する。超極細糸の素材を用いたスキン層は、高強度素材であって、耐久性に優れ、頭皮と皮膚色相の自然な演出が可能であり、少ない毛髪と短い毛髪のヘアスタイルまでも演出可能である利点がある。
【0047】
樹脂材質または超極細糸材質のスキン層10は、優れた柔軟性と伸縮性によって、屈曲したヘアラインに隣接する額に着脱するとき、実際に皮膚がつっぱる問題がないし、実際皮膚に対する着脱が容易である効果がある。のみならず、屈曲したヘアライン部分に最大限に自然さを示すことができる。
【0048】
また、スキン層10は、シリコン系樹脂で製作されて、防水機能を奏することができる。
【0049】
スキン層10の形状は、使用者のヘアラインによって様々な形状に製作することができ、既存の全かつらよりは相対的に小さい大きさで形成することができる。
【0050】
スキン層10の最も長い辺の長さは、略35cm以下であってもよく、好ましくは、1~30cm、より好ましくは、5~25cm、10~20cmであってもよい。
【0051】
スキン層10の長さが35cm以下を満たすことで、本発明で目的とする「産毛を自然に演出し、着け心地を向上させ、頭の上部及び額の形態によって自由に着脱可能であること」をより容易に達成することができる利点がある。
【0052】
スキン層10は、ナノ厚さのような超極薄の厚さを有する。スキン層10の厚さは、0.2cm以下であってもよく、好ましくは、0.05~0.2cmであってもよく、より好ましくは、0.05~0.1cmであってもよい。
【0053】
スキン層10の厚さが0.2cm以下を満たすことで、皮膚に付着したとき、完璧な額のラインを演出することができ、皮膚と完璧に密着する効果がある。また、自然な透明感により、使用者の肌の色を完璧に再現して、自然なヘアラインと産毛を演出することができ、着け心地を向上させる効果がある。
【0054】
逆に、スキン層10の厚さが厚くなると、皮膚に付着するとき、異物感が大きいか自然さを表現しにくいことがある。また、スキン層10の厚さが厚くなると、皮膚に付着したとき、スキン層の縁が浮く問題点が発生し得る。
【0055】
図2に示されたように、スキン層を透明な樹脂材質と0.2cm以下の厚さで製作することによって、完璧な額のラインと密着力を示すことを確認することができる。
【0056】
よって、スキン層10は、最大限に薄い厚さで形成されることが好ましい。
【0057】
スキン層10の模様は、円形、三角形、四角形など、様々な模様に形成することができる。具体的には、スキン層10は、楕円状、三角状、一辺が一方向に延びた三角状、棒状、屈曲した棒状などの形状を含んでいてもよい。
【0058】
ここで、「屈曲した」とは、使用者の頭の上部や額の形態によって「u」字状であるか、スキン層の両末端が中心方向に向かって所定の角度で縮む形態であってもよい。
【0059】
図2では、楕円状のスキン層に示しているが、これは、一実施形態に該当するものであり、後述する図面で示すように、様々な形態のスキン層を含んでいてもよい。
【0060】
前記スキン層10の下部面に粘着テープが配置されて、使用者のヘアラインに付着するか、あるいは前記スキン層10の下部面に粘着液を塗布して、使用者のヘアラインに付着し得る。
【0061】
粘着テープと粘着液は、それぞれウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤のうち1種以上を含んでいてもよい。これらの粘着剤成分は、伸縮性及び粘着力に優れて、人体に優しい特性を有するため、実際皮膚に優れる粘着力を示すことができ、繰り返した再使用が可能である効果がある。また、皮膚に対する毒性が少ない利点がある。
【0062】
第1毛髪部20と第2毛髪部30は、それぞれ実際人間の髪の毛である天然毛髪、合成樹脂材質で製造される人造毛髪のうち1種以上を含む毛髪を含んでいてもよく、これに制限されるものではない。
【0063】
第1毛髪部20は、複数個の第1毛髪を言い、第1毛髪部20は、複数個の第1毛髪を含む。
【0064】
第2毛髪部30は、複数個の第2毛髪を言い、第2毛髪部30は、複数個の第2毛髪を含む。
【0065】
スキン層10に植え付けられる第1毛髪と第2毛髪は、頭皮色相と一致したカラーに1本ずつ植え付けることができる。これによって、第1毛髪と第2毛髪が植え付けられたスキン層10を使用者の皮膚に付着したとき、自然に頭皮色相が演出され、目視で観察したとき、自然な分け目のスタイルを演出する効果がある。
【0066】
また、毛髪を1本ずつ植える結び目のない特殊工法は、毛髪が植え付けられた部分に通風力を極大化して、常に快適な着け心地を付与する効果がある。
【0067】
スキン層10に植え付けられる第1毛髪部20及び第2毛髪部30は、厚さと長さ、植え付けられる方向及び領域が相異するのが好ましい。
【0068】
第1毛髪部20は、使用者の産毛を示すための毛髪である。
【0069】
第1毛髪部20は、通常に知られた前髪に該当する毛髪の厚さよりは、厚さが薄い毛髪を含む。
【0070】
第2毛髪部30は、使用者の毛髪と共に連結され、自然に後ろ髪として演出することができる。第2毛髪部30は、使用者のヘアスタイルによって使用者の毛髪と共に結ぶこともできる。
【0071】
第1毛髪部20と第2毛髪部30は、スキン層10のライン部(A)を基準に互いに異なる領域に植え付けることが好ましい。
【0072】
ライン部(A)は、実際に表示された線を有するものではない。ライン部(A)は、第1毛髪部20と第2毛髪部30を両方に分けたとき、自然に生じるラインまたは空き空間を示す。ライン部(A)は、「-」、「V」または「U」であってもよいものの、これに制限されるものではない。
【0073】
第1毛髪部20が植え付けられる領域を第1領域とし、第2毛髪部30が植え付けられる領域を第2領域とするとき、第1領域の面積は、第2領域の面積よりも小さくてもよい。そして、第1毛髪部20は、M字のラインの空いた部分を補強するか、額側のヘアライン、ほおひげが位置するライン及び/または後ろ首のうなじのラインに付着することにより、使用者が相対的に童顔に見える効果を付与する。
【0074】
第1毛髪部20は、使用者の顔に隣接して下がる産毛の役割であり、比較的に密度が低い。
【0075】
第2毛髪部30は、使用者の後ろ髪と共に混ぜて、後ろ髪として演出されるため、スキン層10の境界部分が見えないようにする。ここで、境界部分は、スキン層10の枠ライン、つまり縁ラインを言う。
【0076】
第2毛髪部30は、使用者の後ろ髪と混ぜて、自然に演出されるようにするため比較的に密度が高いのが好ましい。
【0077】
よって、第1毛髪部20の密度は、第2毛髪部30の密度よりも低い。
【0078】
第1毛髪部20と第2毛髪部30は、ライン部(A)を基準に互いに異なる領域に植え付けることにより、第2毛髪部30が使用者の毛髪と共に後ろ髪として演出され得、より自然な産毛を演出する効果がある。
【0079】
また、ライン部(A)が使用者のヘアラインに隣接して配置されることにより、より自然な産毛を演出する効果がある。さらに、使用者の頭と部分かつらとの間の境目が容易に識別しないようにすることができる。
【0080】
第1毛髪部20と第2毛髪部30は、ライン部(A)を基準に互いに異なる方向に植え付けることができる。第1毛髪部20の第1方向と、第2毛髪部30の第2方向が互いに異なる方向であることは、第1毛髪部20と第2毛髪部30に含まれた単一本がなす角度が10゜以上であって、好ましくは、15~185゜であってもよく、より好ましくは、15~160゜であってもよい。通常、目視で区別できるように、他の方向と理解される角度範囲を含んでいてもよい。
【0081】
産毛を演出するため第1毛髪部20の平均長さは、第2毛髪部30の平均長さよりも短いものであってもよい。すなわち、複数個の第1毛髪の平均長さは、複数個の第2毛髪の平均長さよりも短いものであってもよい。
【0082】
例えば、第1毛髪部20の長さは、0.5~10cmであってもよく、1~7cm、2~5cmであってもよい。第1毛髪部20の長さが0.5~10cmを満たすことで、より自然な産毛を演出することができる。
【0083】
逆に、第1毛髪部20の長さが0.5~10cmを外れる場合、使用者の産毛を自然に演出することは不十分であり得、第2毛髪部30と区別しにくくて、所望のスタイルを表現しにくいことがある。
【0084】
そして、第2毛髪部30の長さは、7cm以上であってもよく、好ましくは、7~20cm、10~20cm、13~28cmであってもよい。第2毛髪部30の長さが7cm以上を満たすことで、使用者の後ろ髪と自然に混ぜて、かつらの装着の不自然さを最小化することができる。また、第2毛髪部にウエーブを演出して、様々なヘアスタイルを演出することができる。
【0085】
自然な産毛を演出するために、複数個の第1毛髪を含む第1毛髪部20の平均厚さは、複数個の第2毛髪を含む第2毛髪部30の平均厚さよりも薄いのが好ましい。
【0086】
第1毛髪部20の平均厚さは、略40μm以下であってもよく、好ましくは、1~35μm、3~30μm、5~25μm、10~20μmであってもよい。
【0087】
第1毛髪部20の平均厚さが40μm以下を満たすことで、より自然な産毛を演出することができる。
【0088】
逆に、第1毛髪部20の平均厚さが40μmを超える場合、産毛を演出するよりは、前髪、後ろ髪などの太い毛髪を演出するようになるため、目視の際、ヘアライン側の毛髪が不自然に見える可能性がある。
【0089】
第2毛髪部30の厚さは、略40μm以上であってもよく、好ましくは、43~100μm、45~95μm、50~90μm、50~85μmであってもよい。
【0090】
第2毛髪部30の厚さが略40μm以上を満たすことで、第2毛髪部が使用者の後ろ髪と共に混ぜて、後ろ髪として演出されるため、より自然なヘアスタイルを演出することができる。
【0091】
このように、本発明によるヘアライン用の部分かつらは、使用者のヘアラインに自由に着脱し、所望の部位における産毛を自然に演出する効果がある。
【0092】
また、ヘアライン用の部分かつらは、複数個に製作されて、使用者のヘアラインのうち、かつらを必要とする部位に付着することができ、左右対称で自然に付着することもできる。
【0093】
また、使用者のM字型脱毛の部位にも本発明の部分かつらを付着することができ、コンプレックスを解消する効果がある。また、スナップボタン、ピンのような固定部材なしに粘着テープ、粘着液を用いて使用者のヘアラインに着脱可能であるため、手軽く利用することができる。
【0094】
図3は、本発明による楕円状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。
【0095】
図3を参照すると、楕円状のスキン層を使用者の額のヘアラインに付着することにより、M字型脱毛をカバーすることができ、使用者固有の毛髪と区分されず、自然な産毛を演出することができる。
【0096】
図4は、本発明による三角状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらの平面図である。
【0097】
図4を参照すると、第1毛髪部20と第2毛髪部30は、ライン部(A)を基準に互いに異なる領域に植え付けることにより、第2毛髪部30が使用者の毛髪と共に後ろ髪として演出され得、より自然な産毛を演出する効果がある。
【0098】
また、ライン部(A)が使用者のヘアラインに隣接して配置されることにより、より自然な産毛を演出する効果がある。さらに、スキン層が薄い厚さを有するため、使用者の頭と部分かつらとの間の境目が識別しにくい効果がある。
【0099】
図5は、図4の部分かつらにおける毛髪の方向を変形した平面図である。図6は、図5の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。
【0100】
図5及び図6を参照すると、三角状のスキン層における第2毛髪部の方向を変えて、前髪または横髪のボリューム感を演出することができる。
【0101】
例えば、第2毛髪部の方向は、第1毛髪部と同一の方向または第1毛髪部の方向を基準に、約0~60゜に傾いた方向であってもよいものの、これに制限されるものではない。
【0102】
第2毛髪部の方向を変えると、植え付けられた結び目の部分がスキン層から所定の距離を維持するため、ボリューム感を演出することができる。ボリューム感を演出した部分かつらを使用者の額のM字のラインに付着すると、使用者固有の毛髪と区分されず、脱毛部位を補完することができる。
【0103】
また、第2毛髪部の長さが20cm以上になるように製作して、オールバック(all-back)の髪が可能である利点がある。ここで、オールバックとは、分け目をつけずに髪を全部後ろに流す形態である。
【0104】
図7は、本発明による、一辺が一方向に延びた三角状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらにおける毛髪の方向を変形した平面図である。
【0105】
延びた三角状とは、一辺が一方向に延びた三角状を意味する。延びた三角状のスキン層では、一方向に延びた一辺、つまり一方向に延びた表面に第1毛髪部20が植え付けられ、第1毛髪部20が植え付けられていない領域に第2毛髪部30が高密度で植え付けられていてもよい。第2毛髪部30の方向は、第1毛髪部と同一の方向または第1毛髪部の方向を基準に、約0~60゜に傾いた方向であってもよいものの、これに制限されるものではない。
【0106】
第2毛髪部の方向を変えて、ボリューム感を演出した部分かつらを使用者の額のM字のラインに付着すると、使用者固有の毛髪と区分されず、脱毛部位を補完することができる。
【0107】
また、第2毛髪部の長さが20cm以上になるように製作して、オールバック(all-back)の髪が可能である利点がある。ここで、オールバックとは、分け目をつけずに髪を全部後ろに流す形態である。
【0108】
図8は、図7の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。図8を参照すると、部分かつらを使用者のヘアラインに付着することにより、額の高さを減らすことができ、卵型の額のラインが演出可能である利点がある。また、M字のラインで空いている部分をカバーすることができる。
【0109】
図9は、本発明による棒状(一字状)のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらにおける毛髪の方向を変形した平面図である。
【0110】
第1毛髪部20と第2毛髪部30は、ライン部(A)を基準に互いに異なる領域に植え付けられる。第2毛髪部の方向を変えて、ボリューム感を演出した部分かつらを使用者の額の中心から左右方向または耳方向の内側まで付着すると、使用者固有の毛髪と区分されず、自然な産毛を演出することができる。
【0111】
第2毛髪部の長さが20cm以上になるように製作して、オールバック(all-back)の髪が可能である利点がある。ここで、オールバックとは、分け目をつけずに髪を全部後ろに流す形態である。
【0112】
図10は、図9の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。図10を参照すると、部分かつらを前髪の中心から左右方向または耳方向の内側まで付着することにより、額の高さを低くすることができ、M字のラインの脱毛部位もカバーすることができる。
【0113】
図11は、本発明による屈曲した棒状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらにおける毛髪の方向を変形した平面図である。
【0114】
第1毛髪部20と第2毛髪部30は、ライン部(A)を基準に互いに異なる領域に植え付けられる。屈曲した棒状のスキン層は、耳の横の地点から反対側の耳の横の地点までのヘアライン全体に付着して、額のライン及びこめかみ地点までカバーすることができる。
【0115】
図11では、屈曲した棒状に2個の突出部を示したが、突出部なしに屈曲した棒状のみで形成することもできる。ここで、突出部は、使用者の脱毛部位を補完する役割を担う。
【0116】
図12は、図11の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。図12を参照すると、部分かつらを耳の横の地点から反対側の耳の横の地点までのヘアライン全体に付着することにより、額のライン及びこめかみ地点までカバーすることができる。
【0117】
図13は、本発明によるヘアライン用の部分かつらの装着状態を示す様子である。図13に示されたように、植え付けられた第2毛髪部30の方向を第1毛髪部20の方向の方に調整して、ボリューム感のある横髪を演出することができる。このとき、目視で観察したとき、第2毛髪部30の方向は、第1毛髪部20の方向と互いに異なる方向であってもよい。
【0118】
図14は、本発明による屈曲した棒状のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらの平面図である。
【0119】
図15は、図14の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。
【0120】
図14及び図15を参照すると、部分かつらは、額に該当するヘアラインに対応する形状を有する。屈曲した棒状のスキン層は、使用者の額に該当するヘアラインに完璧に密着し、既存の厚い網かつらとは異なり、自然な透明感により使用者の肌の色を完璧に再現して、自然な前髪とボリューム感を演出することができる。
【0121】
図16は、本発明による棒状(一字状)のスキン層を利用したヘアライン用の部分かつらの平面図である。図17は、図16の部分かつらを使用者のヘアラインに付着したときに具現しようとする様子である。
【0122】
図16に示された棒型(一字型)は、向かい合う辺のうち、長さの長い2個の辺の形状が曲線であってもよい。ここで、曲線とは、棒の両末端から重点に行くほど、凹状を言う。棒状のスキン層の形態は、これに制限されるものではなく、使用者の額のヘアライン、首の後ろのうなじなどのような付着位置によって様々な形態に製作可能である。
【0123】
図18は、図16の部分かつらにおける毛髪の方向を変形した平面図である。
【0124】
第1毛髪部20と第2毛髪部30は、ライン部(A)を基準に互いに異なる領域に植え付けられる。第2毛髪部の方向を変えて、ボリューム感を演出した部分かつらを使用者の額のヘアライン、うなじのラインに付着すると、使用者固有の毛髪と区分されず、自然な産毛、横髪、前髪を演出することができる。
【0125】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内における通常の技術者にとって様々な変形を行えることは自明である。さらに、本発明の実施形態を上述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0126】
10 スキン層
20 第1毛髪部
30 第2毛髪部
A ライン部
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】