(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】修理されたディスプレイパネル
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20240524BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240524BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240524BHJP
H01L 33/52 20100101ALI20240524BHJP
H01L 33/48 20100101ALI20240524BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/30 309
G09F9/30 349Z
G09F9/30 330
H01L33/00 L
H01L33/52
H01L33/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577224
(86)(22)【出願日】2022-06-14
(85)【翻訳文提出日】2024-02-09
(86)【国際出願番号】 KR2022008404
(87)【国際公開番号】W WO2022265355
(87)【国際公開日】2022-12-22
(32)【優先日】2021-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507194969
【氏名又は名称】ソウル セミコンダクター カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SEOUL SEMICONDUCTOR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】97-11, Sandan-ro 163 beon-gil, Danwon-gu,Ansan-si,Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウ・グン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・イル・ゴ
(72)【発明者】
【氏名】ヨンシク・キ
(72)【発明者】
【氏名】スン・シク・ホン
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA41
5C094AA42
5C094BA25
5C094CA19
5C094DA07
5C094DA13
5C094DB03
5C094ED13
5C094FA01
5C094FA04
5C094HA08
5C094JA11
5F142BA32
5F142CA13
5F142CB14
5F142CB22
5F142CB23
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG26
5F142DB30
5F142FA14
5F142FA34
5F142FA50
5F142GA01
(57)【要約】
ディスプレイパネルを提供する。一実施例にかかるディスプレイパネルは、パネル基板、前記パネル基板上に配列された複数のマイクロLED、および前記の複数のマイクロLEDを覆うモールディング部を含むが、前記モールディング部は、第1モールディング部、および前記第1モールディング部で囲まれた領域内に配置された第2モールディング部を含み、前記第2モールディング部は、前記第1モールディング部と組成または形状が異なり、前記第2モールディング部は、前記の複数のマイクロLEDの少なくとも一つの側面を囲む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルにおいて、
パネル基板;
前記パネル基板上に配列された複数のマイクロLED;および
前記の複数のマイクロLEDを覆うモールディング部を含み、
前記モールディング部は、第1モールディング部、および前記第1モールディング部で 囲まれた領域内に配置された第2モールディング部を含み、
前記第2モールディング部は、前記第1モールディング部と組成または形状が異なり、
前記第2モールディング部は、前記の複数のマイクロLEDの少なくとも一つの側面を囲む、ディスプレイパネル。
【請求項2】
前記第2モールディング部の光透過率は、前記第1モールディング部の光透過率より高い、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記第2モールディング部の上面の高さは、前記第1モールディング部の上面の高さよりも低い、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記第2モールディング部を覆うフィルムをさらに含み、
前記フィルムは、前記第1モールディング部で囲まれた前記領域内に配置され、
前記フィルムの上面高さは、前記第1モールディング部の上面高さと実質的に同一である、請求項3に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
前記第1モールディング部および前記フィルムは、表面に防眩層を含む、請求項4に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記第1モールディング部の表面上に配置された防眩層は、前記フィルムの表面に配置された防眩層から離隔されている、請求項5に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
複数のピクセルを含み、
前記の複数のピクセルは、それぞれ前記マイクロLEDがモジュール化された構造を有し、
前記第2モールディング部は、前記ピクセルの少なくとも一つの側面を覆う、請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項8】
前記の複数のピクセルは、交替ピクセルを含み、
前記第2モールディング部は、前記交替ピクセルの側面を覆う、請求項7に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
前記第2モールディング部を覆うフィルムをさらに含み、
前記フィルムは、前記第1モールディング部で囲まれた前記領域内に配置され、
前記フィルムの上面高さは、前記第1モールディング部の上面高さと実質的に同一である、請求項8に記載のディスプレイパネル。
【請求項10】
前記ピクセルを前記パネル基板にボンディングさせる導電性ボンディング部を含み、
前記交替ピクセル下部のボンディング部は、他のピクセル下部のボンディング部よりもさらに厚い、請求項8に記載のディスプレイパネル。
【請求項11】
前記交替ピクセルの上面は、他のピクセルの上面よりも高く位置する、請求項8に記載のディスプレイパネル。
【請求項12】
ディスプレイパネルにおいて、
パネル基板;
前記パネル基板上に配列された複数のLEDピクセル;および
前記の複数のLEDピクセルを覆うモールディング部を含み、
前記モールディング部は、前記の複数のLEDピクセルの少なくとも一つのLEDピクセル領域で複数の層を有し、
前記モールディング部の複数の層は、第1層、および第1層上部に配置される第2層を含み、
前記第2層の一部領域の組成または形状は、前記第1層の組成または形状と異なる、ディスプレイパネル。
【請求項13】
前記LEDピクセルは、複数のマイクロLEDを含み、
前記第1層は、複数のマイクロLEDの少なくとも一つの側面と接する、請求項12に記載のディスプレイパネル。
【請求項14】
前記第2層の上部は、ヘーズ処理領域を含む、請求項12に記載のディスプレイパネル。
【請求項15】
前記第2層は、上部層および下部層を含み、
前記下部層は、前記第1層と実質的に同じ物質を含む、請求項12に記載のディスプレイパネル。
【請求項16】
前記上部層は、ヘーズ処理領域を含む、請求項15に記載のディスプレイパネル。
【請求項17】
前記上部層は、防眩フィルムを含む、請求項15に記載のディスプレイパネル。
【請求項18】
前記上部層と前記下部層は、互いに異なる厚さに形成されている、請求項15に記載のディスプレイパネル。
【請求項19】
前記ヘーズ処理領域のヘーズ値は、30%以下である、請求項14に記載のディスプレイパネル。
【請求項20】
前記下部層は、前記第1層と実質的に同じ光透過率または光遮蔽率を有する、請求項15に記載のディスプレイパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ディスプレイパネルおよびその製造方法に関するものであり、より詳しくは、不良ピクセルを修理するためのディスプレイパネルおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光素子は、無機光源である発光ダイオードを用いる半導体素子として、ディスプレイ装置、車両用ランプ、一般照明等の多様な技術分野で使用されている。発光ダイオードは、従来の光源よりもさらに長い寿命、より低い消費電力、およびより速い応答速度のような長所を有し、よって、従来の光源を速い速度で置き換えている。
【0003】
従来の発光ダイオードは、ディスプレイ装置においてバックライト光源として主に使用されて来た。しかし、発光ダイオードを用いてイメージをディスプレイするディスプレイ装置が近年開発されている。このようなディスプレイはまた、マイクロエルイーディー ディスプレイと呼ばれている。
【0004】
一般に、ディスプレイ装置は、青色、緑色および赤色の混合によって多様な色をディスプレイする。多様なイメージを具現するために、ディスプレイ装置は複数のピクセルを含み、各ピクセルは、青色、緑色および赤色のサブピクセルを含む。このように、特定ピクセルの色は、典型的にこれらサブピクセルの色に基づいて決められ、これらピクセルの組合せによってイメージが具現される。
【0005】
LEDは、その材料によって多様な色の光を放出することができ、青色、緑色および赤色を放出する個別マイクロエルイーディーを二次元平面上に配列したり、青色LED、緑色LEDおよび赤色LEDを積層した積層構造のマイクロエルイーディーを二次元平面上に配列してディスプレイパネルを提供することができ、ディスプレイパネルがディスプレイ装置に組み立てられ得る。一般に、外部環境からマイクロLEDを保護したり、明暗比を改善する等の多様な目的のために、ディスプレイパネルに実装されたマイクロLEDは、透明モールディング部またはブラックマトリックスのようなモールディング部で覆われる。
【0006】
ディスプレイパネルの製造工程の最後の段階であるモールディング工程が完了した後、ディスプレイパネル内のマイクロLEDに不良が発生する場合がある。この場合、不良が発生したマイクロLEDの修理は困難なため、ディスプレイパネルは廃棄されることになる。多くのマイクロLEDが実装されたディスプレイパネル全体を廃棄することにより、多大な費用の損失が生じることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の実施例は、モールディング工程が完了したディスプレイパネルの修理方法および修理されたディスプレイパネルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施例にかかるディスプレイパネルは、パネル基板;前記パネル基板上に配列された複数のマイクロLED;および前記の複数のマイクロLEDを覆うモールディング部を含むが、前記モールディング部は、第1モールディング部、および前記第1モールディング部で囲まれた領域内に配置された第2モールディング部を含み、前記第2モールディング部は、前記第1モールディング部と組成または形状が異なり、前記第2モールディング部は、前記の複数のマイクロLEDの少なくとも一つの側面を囲む。
【0009】
前記第2モールディング部の光透過率は、前記第1モールディング部の光透過率より高くなり得る。
【0010】
前記第2モールディング部の上面の高さは、前記第1モールディング部の上面の高さよりも低くなり得る。
【0011】
前記ディスプレイパネルは、前記第2モールディング部を覆うフィルムをさらに含むことができ、前記フィルムは、前記第1モールディング部で囲まれた前記領域内に配置され、前記フィルムの上面高さは、前記第1モールディング部の上面高さと実質的に同一になり得る。
【0012】
前記第1モールディング部および前記フィルムは、表面に防眩層を含むことができる。
【0013】
前記第1モールディング部の表面上に配置された防眩層は、前記フィルムの表面に配置された防眩層から離隔され得る。
【0014】
前記ディスプレイパネルは、複数のピクセルを含むことができ、前記の複数のピクセルは、それぞれ前記マイクロLEDがモジュール化された構造を有することができ、前記第2モールディング部は、前記ピクセルの少なくとも一つの側面を覆うことができる。
【0015】
前記の複数のピクセルは、交替ピクセルを含むことができ、前記第2モールディング部は、前記交替ピクセルの側面を覆うことができる。
【0016】
前記ディスプレイパネルは、前記第2モールディング部を覆うフィルムをさらに含むことができ、前記フィルムは、前記第1モールディング部で囲まれた前記領域内に配置され得、前記フィルムの上面高さは、前記第1モールディング部の上面高さと実質的に同一になり得る。
【0017】
前記ディスプレイパネルは、前記ピクセルを前記パネル基板にボンディングさせる導電性ボンディング部をさらに含むことができ、前記交替ピクセル下部のボンディング部は、他のピクセル下部のボンディング部よりもさらに厚くなり得る。
【0018】
前記交替ピクセルの上面は、他のピクセルの上面よりも高く位置し得る。
【0019】
本開示の一実施例にかかるディスプレイパネルは、パネル基板;前記パネル基板上に配列された複数のLEDピクセル;および前記の複数のLEDピクセルを覆うモールディング部を含むが、前記モールディング部は、前記の複数のLEDピクセルの少なくとも一つのLEDピクセル領域で複数の層を有し、前記モールディング部の複数の層は、第1層、および第1層上部に配置される第2層を含み、前記第2層の一部領域の組成または形状は、前記第1層の組成または形状と異なる。
【0020】
前記LEDピクセルは、複数のマイクロLEDを含むことができ、前記第1層は、複数のマイクロLEDの少なくとも一つの側面と接することができる。
【0021】
前記第2層の上部は、ヘーズ処理領域を含むことができる。
【0022】
前記第2層は、上部層および下部層を含むことができ、前記下部層は、前記第1層と実質的に同じ物質を含むことができる。
【0023】
前記上部層は、ヘーズ処理領域を含むことができる。
【0024】
前記上部層は、防眩フィルムを含むことができる。
【0025】
前記上部層と前記下部層は、互いに異なる厚さに形成することができる。
【0026】
前記ヘーズ処理領域のヘーズ値は、30%以下になり得る。
【0027】
前記下部層は、前記第1層と実質的に同じ光透過率または光遮蔽率を有することができる。
【0028】
図1~
図9は、本開示の一実施例にかかるディスプレイパネルの修理方法を説明するための概略的な断面図である:
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、モールディング部の形成が完了したディスプレイパネルを説明するための概略的な断面図である。
【
図2】
図2は、不良ピクセル上部のモールディング部を取り除く工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図3】
図3は、不良ピクセルを取り除く工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図4】
図4は、不良ピクセルを取り除いた後、ボンディング部を平坦化する工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図5】
図5は、交替ピクセルを実装するためのボンディング剤を形成する工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図6】
図6は、交替ピクセルを実装する工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図7】
図7は、モールディング剤を形成する工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図8】
図8は、フィルムを付ける工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図9】
図9は、紫外線を用いてモールディング剤を硬化させる工程を説明するための概略的な断面図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施例にかかる修理されたディスプレイパネルを説明するための概略的な断面図である。
【
図11a】
図11aは、本開示の一実施例にかかるフィルムを説明するための概略的な断面図である。
【
図11b】
図11bは、本開示の別の実施例にかかるフィルムを説明するための概略的な断面図である。
【
図11c】
図11cは、本開示のまた別の実施例にかかるフィルムを説明するための概略的な断面図である。
【
図12】
図12は、本開示のまた別の実施例にかかる修理されたディスプレイパネルを説明するための概略的な断面図である。
【
図13】
図13は、本開示のまた別の実施例にかかる修理されたディスプレイパネルを説明するための概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付の図面を参照して実施例を詳しく説明する。次に紹介する実施例は、本開示が属する技術分野の通常の技術者に本開示の思想が十分に伝わるようにするために例として提供するものである。よって、本開示は、以下で説明する実施例に限定されるのではなく、他の形態で具体化することもできる。そして、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は、便宜のために誇張して表現する場合もある。また、一つの構成要素が別の構成要素の「上部に」または「上に」あると記載されている場合、各部分が他の部分の「直上部」または「直上に」ある場合だけでなく、各構成要素と他の構成要素間に別の構成要素が介在する場合も含む。明細書全体に亘って同じ参照番号は同じ構成要素を表す。
【0031】
マイクロLEDを用いるディスプレイ装置は、スマートウォッチ、VR(仮想現実)ディスプレイ装置、AR(拡張現実)ディスプレイ装置、電光掲示板(Signage)、マイクロLED TV等、多様な製品に適用することができる。
【0032】
ディスプレイ装置は、マイクロLEDを含むディスプレイパネルを含む。多数のマイクロLEDがパネル基板上に実装され得る。マイクロLEDは、パネル基板に集団で転写することができる。パネル基板上にマイクロLEDが実装された後、不良マイクロLEDが発生する場合がある。マイクロLED自体の欠陥や、実装時に発生する工程上の欠陥が存在し得る。例えば、全てのRGBサブピクセルが動作せずピクセルが黒色に表示されるデッドピクセル(Dead Pixel)、全てのRGBサブピクセルが一緒に動作してピクセルが白色に表示されるホットピクセル(Hot Pixel)、RGBサブピクセルの一つまたは二つが作動せずピクセルが特定の色に表示されるスタックピクセル(Stuck Pixel)、等のような不良ピクセル(Defective Pixel/Missing Pixel)が形成され得る。不良ピクセルが存在する場合、不良ピクセルを形成するマイクロLEDを取り除き、マイクロLEDが取り除かれた位置に再度交替マイクロLEDを実装してディスプレイパネルを修理することができる。
【0033】
ところが、ディスプレイパネルの最終段階であるモールディング工程を行った後にも、マイクロLEDに不良が発生する場合がある。ピクセルまたはマイクロLEDがモールディング部に覆われていることから、ディスプレイパネルの修理は困難になる。これにより、従来では、不良ピクセルを有するディスプレイパネル全体を新たなディスプレイパネルに交替していた。これにより、ディスプレイパネルの交替にかかる費用の損失が過多に生じることになる。特に、マイクロLEDは、その大きさが非常に小さい。よって、モールディング工程後にも不良ピクセルを有するディスプレイパネルを修理する必要がある。
【0034】
図1~
図9は、本開示の一実施例にかかるディスプレイパネルの修理方法を説明するための概略的な断面図である。
【0035】
図1を参照すると、ディスプレイパネルが準備される。ディスプレイパネルは、パッド21を有するパネル基板20、マイクロLED10B,10G,10Rを有するピクセル100,100f、ボンディング部30、およびモールディング部50を含む。
【0036】
パネル基板20は、内部に回路を有する印刷回路ボードになり得る。パネル基板20は、受動回路および/または能動回路を含むことができる。パネル基板20の表面にピクセル100を実装するためのパッド21が露出され得る。
【0037】
ピクセル100,100fは、パネル基板20上に実装される。ピクセル100,100fは、ボンディング部30を通じてパッド21にボンディングされ得る。ピクセル100,100fは、同じ成分のボンディング部30によってパッド21にボンディングされ得る。ピクセル100,100fは、転写技術を用いて集団でパネル基板20上に転写され得る。ボンディング部30は、ピクセル100,100fをパネル基板20に固定し、パネル基板20上の回路とピクセル100,100fを電気的に連結する。ボンディング部30は、伝導性物質で形成され、熱によって硬化または焼成できる物質で形成され得る。ボンディング部30は、ソルダーペーストを用いて形成することができる。例えば、ソルダーペーストは、Al,Cu,Sn,Au,Zn,Pb,In等の金属の一つ、これらの少なくとも二つ以上の混合物または合金として、約0.1マイクロメートル~10マイクロメートルの平均粒径を有する粉末と粘着性を有するバインダー樹脂を混合して形成することができる。しかし、ボンディング部30は、ソルダーペーストで形成されることに限定されるのではなく、多様な導電性ボンディング剤を使用して形成され得る。例えば、AuSn等のボンディングメタルを用いてボンディング部30を形成することもできる。
【0038】
ボンディング部30は、ピクセル100,100fが配置された後、リフロー(reflow)工程、熱圧着(thermocompression)工程等の多様な方法を通じて形成され得る。
【0039】
ピクセル100,100fは、パネル基板20上に多様な形態で配列され得る。例えば、ピクセル100,100fは、マトリックス形態で配列され得る。ピクセル100fは、ピクセル100と同じ構造を有するが、動作が不良だったり実装が不良な不良ピクセルを表す。図面では、3個のピクセル100,100fを図示するが、これは例示であるだけで、パネル基板20上にはより多数、例えば1000個以上、さらには10000個以上のピクセルが配列され得る。
【0040】
各ピクセル100は、複数のマイクロLED10B,10G,10Rを含む。例えば、各ピクセル100は、青色マイクロLED10B、緑色マイクロLED10Gおよび赤色マイクロLED10Rを含むことができる。それぞれのマイクロLED10B,10G,10Rは、サブピクセルに対応することができ、ここでは、サブピクセルと命名し得る。これらマイクロLED10B,10G,10Rを用いて、各ピクセル100は多様な色の光を具現することができる。
【0041】
本実施例において、複数のマイクロLED10B,10G,10Rがピクセル100でモジュール化されてパネル基板20上に実装される。ピクセル100をパネル基板20上に実装するため、個別マイクロLED10B,10G,10Rをそれぞれパネル基板20上に実装する時よりもLED実装工程が単純化し得る。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、マイクロLED10B,10G,10Rをパネル基板20上に直接実装することもできる。
【0042】
また、本実施例でピクセル100が互いに横方向に離隔されたマイクロLED10B,10G,10Rを含むことを説明するが、互いに異なる色の光を放出するサブピクセルを含む一つのピクセル100の構造は、特別に限定されるのではない。例えば、ピクセル100は、青色、緑色、および赤色サブピクセルが互いに重なるように積層された積層構造を有し得る。
【0043】
モールディング部50は、ピクセル100を覆う。モールディング部50は、シリコンまたはエポキシ等の透明モールディング剤を用いて形成することができる。モールディング部50は、単一層構造または多重層構造を有することができる。モールディング部50は、ブラックマトリックス(Black Matrix;BM)、感光性樹脂組成物、または光遮蔽用ブラック顔料を含む樹脂組成物で形成することができる。モールディング部50は、静電気放電(Electro-Static Discharge;ESD)を防止するために帯電防止剤をさらに含むことができる。また、モールディング部50は、眩しさを防ぐために表面に防眩層(anti-glare layer)を含むことができる。モールディング部50は、パネル基板20上面から約350umの厚さに形成することができ、ピクセル100,100fの上面を覆うことができる。例えば、ピクセル100,100fは、モールディング部50の厚さよりも薄く、例えば、約100um~170umの厚さを有することができる。
【0044】
不良ピクセル100fがモールディング部50を形成する前に見つかった場合、不良ピクセル100fは、修理用ピクセル100に交替され得る。しかし、モールディング部50が形成された後、またはディスプレイパネルを駆動し始めた後に不良ピクセル100fが見つかる場合がある。不良ピクセル100fはまた、ディスプレイパネルを駆動することにより、発生する場合もある。
【0045】
不良ピクセル100fは、多様な形態で発生し得る。例えば、マイクロLED10B,10G,10R中の少なくとも一つが点灯しない場合もあり、これらが一緒に点灯してしまう場合もある。
【0046】
図2を参照すると、不良ピクセル100fが確認されたら、モールディング部50を部分的に取り除いてピクセル100fを露出させる。不良ピクセル100fの位置を確認した後、不良ピクセル100fの面積と同一、或いはそれよりもさらに大きい面積に該当するモールディング部50の一部領域を取り除く。モールディング部50の取り除かれた部分を、取り除かれたモールディング部50rと称する。取り除かれたモールディング部50r領域は、ピクセル100fに隣り合うピクセル100で囲まれた領域内に制限され得る。つまり、ピクセル100f以外にそれに隣り合うピクセル100は、モールディング部50で依然と覆われ得る。しかし、本実施例がこれに限定されるのではない。例えば、取り除かれたモールディング部50rは、ピクセル100fと一緒にその周辺の別のピクセル100を包括する面積を有することもできる。この場合、ピクセル100fに隣り合う少なくとも一つのピクセル100が、ピクセル100fと一緒に露出され得る。
【0047】
モールディング部50は、カッティング、グラインディング、またはエッチング技術を用いて部分的に取り除くことができる。例えば、マイクロエンドミル、レーザーまたは超音波を用いてモールディング部50をカットした後、取り除かれたモールディング部50rを持ち上げる。これと異なり、フォトリソグラフィを用いたり、エッチング技術または平面ミーリング技術等を用いてモールディング部50を部分的に取り除くこともできる。
【0048】
図3を参照すると、露出したピクセル100fが取り除かれる。ピクセル100fとパッド21をボンディングするボンディング部30にレーザーを照射してピクセル100fをパネル基板20から分離することができる。ピクセル100fが分離された後、パネル基板20上にボンディング部30の一部30aが残留し得る。
【0049】
図4を参照すると、パネル基板20上に残留するボンディング部30aを平坦化して平らな上面を有するボンディング部30bを形成することができる。ボンディング部30aは、ピクセル100fを分離する間、レーザー照射によって上面が粗くなり得る。これにより、その上にピクセルを実装する場合、ピクセルのボンディング不良が生じ得るだけでなく、ピクセルが傾く場合がある。これを防止するために、ボンディング部30a上面を平坦化する必要がある。
【0050】
マイクロエンドミル70を用いてボンディング部30aの上面を切削することにより、平坦な上面を有するボンディング部30bを形成することができる。ボンディング部30aと一緒にその周辺のパネル基板20を切削して、パネル基板20とボンディング部30bの高さを同一に合わせることができる。コンピュータ数値制御(computerized numerical control:CNC)技術を一緒に用いて精密度を高めることができる。
【0051】
図5を参照すると、ボンディング部30b上にボンディング剤30cがドッチングされる。ピンドッチング(pin dotting)方法等を用いて、ボンディング剤30cが各ボンディング部30b上にドッチングされ得る。ボンディング剤30cは、ソルダーを含み得る。一例として、ボンディング剤30cは、ソルダーペーストになり得るが、これに限定されるのではない。
【0052】
図6を参照すると、交替ピクセル100rがパネル基板20上に実装される。交替ピクセル100rは、ピクセル100と一緒にマイクロLED10B,10G,10Rを含むことができる。交替ピクセル100rは、ピクセル100と同じ構造を有し得るが、必ずしもこれに限定されるのではない。交替ピクセル100rがボンディング剤30c上に配置され、ボンディング剤30cにレーザーを用いてエネルギーを加えることにより、交替ピクセル100rをパッド21にボンディングすることができる。ボンディング剤30cが残留するボンディング部30bと結合してボンディング部30dを形成することができる。
【0053】
図7を参照すると、交替ピクセル100rを覆うモールディング剤50aが塗布される。モールディング剤50aは、ドッチング技術を用いて交替ピクセル100r上に塗布され得る。モールディング剤50aは、取り除かれたモールディング部50rよりも小さい体積に塗布され得る。これにより、モールディング剤50aの上面は、モールディング部50の上面よりも低く位置し得る。モールディング剤50aは、交替ピクセル100rの上面を完全に覆うことができるが、本開示がこれに限定されるのではない。交替ピクセル100rの上面の少なくとも一部は、モールディング剤50aで覆われず、露出される場合もある。モールディング剤50aは、シリコンまたはエポキシ等の透明物質になり得るが、これに限定されるのではなく、ブラックモールディングになり得、光透過率を向上させることのできるフィラー物質を含むことができる。モールディング剤50aは、硬化可能な物質で形成できる。
【0054】
図8を参照すると、フィルム50bがモールディング剤50a上に配置される。フィルム50bは、取り除かれたモールディング部50rの領域に挿入される。フィルム50bは、取り除かれたモールディング部50rと実質的に同じ面積を有することができる。フィルム50bは、平らな上面および平らな下面を有することができ、フィルム50bに圧力を加えてモールディング剤50aを変形させることができる。フィルム50bの上面は、隣接したモールディング部50の上面と実質的に同じ位置に配置することができる。
【0055】
図8に示したように、フィルム50bは、ピクセル100rの上面に接することができるが、必ずしもこれに限定されるのではない。モールディング剤50aがフィルム50bとピクセル100r間に配置されてもよい。
【0056】
フィルム50bは、モールディング剤50a上面と隣接したモールディング部50上面の段差を減らすために、ピクセル100r上に配置される。フィルム50bは、単層で形成されてもよく、複数の層で形成されてもよい。フィルム50bが単層で形成される場合、フィルム50bは、モールディング剤50aと同一または類似する物質を含んで形成することができ、これによって、フィルム50bとモールディング剤50a間の接合力を向上させることができる。単層で形成されたフィルム50bは、内部に光散乱粒子を含んで眩しさを防止することもでき、上面を防眩のためにヘーズ処理することもできる。例えば、
図11aに示したフィルム150aのように、モールディング剤50aと同一または類似する物質を含む本体部50b’上面にヘーズ処理による防眩層60aが形成され得る。
【0057】
フィルム50bはまた、複数の層で形成することもできる。フィルム50bが複数の層で形成される場合、複数の層は互いに異なる物質で形成することができる。例えば、
図11bに示したフィルム150bのように、単層で形成された本体部50b’の上部に防眩層60bがさらに配置されてもよい。例えば、防眩フィルムにモールディング剤を塗布し、硬化して
図11bのように本体部50b’と防眩層60bを有するフィルム150bを製造することができる。
【0058】
このとき、防眩層60a,60bのヘーズ値は50%以下で、具体的には30%以下のヘーズ値を有することができる。また、フィルム50bに隣接したモールディング部50上部にもヘーズ処理または追加で配置された防眩層が配置でき、フィルム50b上部の防眩層60a,60bは、隣接したモールディング部50上部の防眩層と同じ種類の防眩層になり得る。
【0059】
図11cに示したフィルム150cのように、フィルム50bは、下部層50b’、上部層50b”および防眩層60aを含んでもよい。下部層50b’は、モールディング部50またはモールディング剤50aと類似、或いは同じ物質で形成することができる。つまり、フィルム50bの下部層50b’は、モールディング部50またはモールディング剤50aと実質的に類似する光透過率、または光遮蔽率を有するように形成することができる。よって、フィルム50bの下部層50b’とモールディング剤50a間の接合力が向上し得る。また、フィルム50bの下部層50b’は、モールディング部50またはモールディング剤50aが硬化したモールディング部(
図9の50c)と類似する硬度を有するように形成することができる。上部層50b”は、下部層50b’と異なる物質で形成することができ、下部層50b’と異なる硬度を有する。このとき、フィルム150cの上部層50b”は、表面にヘーズ処理を施して防眩層60aを形成することができる。または
図11bを参照して説明したように、防眩層60bを上部層50b”上に配置することもできる。
【0060】
フィルム50bが防眩層を含む場合、防眩層は防眩フィルムを用いて形成でき、防眩フィルムにモールディング剤を塗布したり、モールディング部を接合して形成することができる。フィルム50bに形成されるモールディング部(
図11bの50b’、または
図11cの50b’と50b”の和)の厚さは、モールディング部50上面でモールディング剤50aが硬化して形成されたモールディング部50c上面までの段差から防眩フィルムの厚さを引いた厚さに形成することができる。このとき、防眩層60a,60bのヘーズ値は50%以下であり、具体的には30%以下のヘーズ値を有する。また、防眩層60a,60bは、隣接したモールディング部50に処理されたものと同じ防眩層になり得る。
【0061】
フィルム50bは、モールディング剤50aによってパネル基板20に付着することができる。モールディング剤50aは、フィルム50bの下部面によって平坦な上面を有するように変形することができる。
【0062】
本実施例において、フィルム50bとモールディング部50は、互いに密接するように接触し得る。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、フィルム50bとモールディング部50間に間隔が形成されてもよい。前記間隔は、モールディング剤50aで埋めることもできる。
【0063】
表面に防眩層60a,60bを含むフィルム50bがモールディング剤50a上に配置される場合、フィルム50b上の防眩層は、モールディング部50上の防眩層と離隔され得る(
図13参照)。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、フィルム50bを配置した後、フィルム50bとモールディング部50の表面に防眩層を形成することができ、これにより、フィルム50b上の防眩層とモールディング部50表面の防眩層は連続し得る(
図12参照)。
【0064】
図9を参照すると、モールディング剤50aを硬化させることができる。モールディング剤50aは、例えば紫外線(UV)硬化剤で形成することができ、よって、UVを照射して硬化させることができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、モールディング剤50aは熱硬化剤で形成することもできる。モールディング剤50aを硬化させることにより、モールディング部50cが形成され、フィルム50bはモールディング部50cに結合してパネル基板20上に固定される。
【0065】
パネル基板20上に配置された不良ピクセル100fは、全て交替ピクセル100rに交替することができる。これにより、ディスプレイパネルの修理が完了する。
【0066】
本実施例において、モールディング部50cとフィルム50bが取り除かれたモールディング部50r領域を埋める。これにより、モールディング部50の上面とフィルム50bの上面が並ぶように形成され得る。本開示は、フィルム50bとモールディング部50cを一緒に使用することについて説明するが、本開示がこれに限定されるのではなく、取り除かれたモールディング部50r領域を、フィルム50bを使用せず、モールディング剤50aで埋めることもできる。但し、フィルム50bをモールディング剤50aと一緒に使用することにより、モールディング剤50aの量を制御しやすく、また、平坦な上面を提供することができるため、ディスプレイパネルをより容易に修理することができる。
【0067】
本実施例において、取り除かれたモールディング部50rは、不良ピクセル100fを取り除くためにモールディング部50から取り除かれる。取り除かれたモールディング部50rの面積は、特に限定されるのではないが、良好なピクセル100に影響を与えないようにピクセル100が露出しない大きさを有することができる。取り除かれたモールディング部50rの一面の幅Wは、不良ピクセルfの長辺の長さよりも大きく形成され(
図10参照)、不良ピクセル100fと隣接したピクセル間の距離よりも大きく形成することができる。取り除かれたモールディング部50rの一面の幅Wは、100um以上800um以下になり得る。取り除かれたモールディング部50rの一面の幅Wは、不良ピクセルfの長辺の長さ、および不良ピクセル100fと隣接したピクセル間の距離によって多様に変更することができる。取り除かれたモールディング部50rの一面の幅Wは、モールディング部50cの幅と同じか、或いは大きく形成することができる。また、取り除かれたモールディング部50rの一面の幅Wは、フィルム50bの幅と同じか、或いは大きく形成することができる。取り除かれたモールディング部50rの厚さTは、不良ピクセル100fの厚さよりも大きく形成され、120um以上1000um以下に形成することができる。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、取り除かれたモールディング部50rの面積が良好なピクセル100の一部を露出する大きさを有することもできる。この場合、モールディング剤50aおよびフィルム50bは、交替ピクセル100rと一緒に良好なピクセル100を覆うことができる。相対的に大きいフィルム50bを使用することができるため、フィルム50bをより容易にハンドリングすることができる。
【0068】
また別の実施例において、不良ピクセル100fと一緒に、不良ピクセル100fに隣接したピクセル100のうち少なくとも一部が一緒に取り除かれ、交替ピクセル100rが取り除かれたピクセル100,100fの位置に実装されてもよい。
【0069】
本実施例において、マイクロLED10B,10G,10Rがモジュール化された形態のピクセル100をパネル基板20上に配置し、ピクセル100fを交替ピクセル100rに交替してディスプレイパネルを修理することについて説明した。しかし、パネル基板20上にマイクロLED10B,10G,10Rが配置されてもよく、これらの中に不良マイクロLEDが発生する場合もある。この場合、不良マイクロLEDを良品のマイクロLEDに交替することにより、ディスプレイパネルを修理することができる。
【0070】
図10は、本開示の一実施例にかかる修理されたディスプレイパネル1000を説明するための概略的な断面図である。
【0071】
図10を参照すると、修理されたディスプレイパネル1000は、パネル基板20、ピクセル100,100r、第1モールディング部50、第2モールディング部50c、およびフィルム50bを含み得る。
【0072】
パネル基板20、パッド21、ボンディング部30は、
図1を参照して説明した通りのため、重複を避けるために詳細な説明は省略する。
【0073】
ボンディング部30dは、不良ピクセル100fを交替ピクセル100rに交替して形成されたものであり、ボンディング部30と別の構造または別の形状を有することができる。例えば、ボンディング部30dは、下部部分と上部部分の組成が相違し得る。また、ボンディング部30dは、ボンディング部30よりもさらに厚くなり得る。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、ボンディング部30dはボンディング部30と構造および形状が同一になってもよい。
【0074】
交替ピクセル100rは、不良ピクセル100fを代替してパネル基板20上に実装されたピクセルである。交替ピクセル100rは、ピクセル100と同じ構造を有し得るが、これに限定されるのではない。交替ピクセル100rは、ピクセル100と異なる構造を有することができる。
【0075】
交替ピクセル100rの上面高さは、ピクセル100の上面高さと異なり得る。例えば、交替ピクセル100rの上面高さは、ピクセル100の上面高さよりも高くなり得る。交替ピクセル100rとピクセル100の高さの差はボンディング部30dとボンディング部30の高さの差によって発生し得る。交替ピクセル100rとピクセル100の上面高さの差が、フィルム50bと第1モールディング部50の上面高さの差よりも大きくなり得る。
【0076】
第1モールディング部50は、
図1を参照して説明したモールディング部50と同じため、重複を避けるために詳細な説明は省略する。また、第2モールディング部50cは、
図7および
図8を参照して説明したモールディング剤50aが硬化したもののため、詳しい説明は省略する。フィルム50bは、
図8を参照して説明した通りのため、詳細な説明は省略する。
【0077】
第2モールディング部50cは、フィルム50bと異なる組成で形成され得る。第2モールディング部50c、例えば、第2モールディング部50cは、フィルム50bよりも高い光透過率を有し得る。第2モールディング部50cは、透明な樹脂で形成され得る。第2モールディング部50cは、第1モールディング部50と同じか類似する物質で形成され得る。第2モールディング部50cは、交替ピクセル100rの側面を覆うことができる。フィルム50bは、第2モールディング部50cおよび交替ピクセル100rを覆うことができる。フィルム50bは、交替ピクセル100rの幅と同じか、それよりもさらに広い幅を有することができる。一実施例において、フィルム50bは、交替ピクセル100rの面積の2倍を超過し得る。フィルム50bは、交替ピクセル100rと重なり、ピクセル100とは水平方向において離隔され得る。しかし、本開示がこれに限定されるのではなく、フィルム50bは交替ピクセル100rに隣接した少なくとも一つのピクセル100と重なってもよい。
【0078】
別の実施例において、第2モールディング部50cは、第1モールディング部50と異なる組成で形成することができる。第2モールディング部50cは、第1モールディング部50と組成および/または形状が異なり得る。第2モールディング部50cは、第1モールディング部50よりも高い光透過率を有し得る。第2モールディング部50cは、透明な樹脂で形成され得、第1モールディング部50は、ブラックマトリックスを含むことができる。
【0079】
図12は、本開示のまた別の実施例にかかる修理されたディスプレイパネル1000aを説明するための概略的な断面図である。
【0080】
図12を参照すると、本実施例にかかるディスプレイパネル1000aは、
図10を参照して説明したディスプレイパネル1000と大体類似するが、防眩層60の構造に違いがある。
【0081】
交替ピクセル100r領域には、モールディング部の複数の層50c,50b,60が形成され得る。複数の層は、第1層50c、第2層50bおよび第3層60で形成することができる。第1層50cは、交替ピクセル100r領域内に配置される複数のマイクロLED中の少なくとも一つのLED側面と接するように形成され、第2層50bは第1層50cの上部に配置される。第3層60は第2層50bの上部に配置される。第1層~第3層50c,50b,60は、互いに異なる厚さに形成されてもよく、第1層~第3層の少なくとも2つの層は、同じ厚さを有する領域を含むことができる。
【0082】
第1層50cと第2層50bは、同じか或いは類似する物質で形成することができ、モールディング部50と実質的に同じ光透過率または光遮蔽率を有するように、モールディング部50と実質的に同じ物質で形成することができる。また、第3層60は、第1層50cまたは第2層50bと異なる物質を含むことができる。第3層60は、第1層50cおよび第2層50bと異なるヘーズ値を有し得、モールディング部50上面がヘーズ処理されている場合、第3層60は、モールディング部上面のヘーズ値と実質的に同じヘーズ値を有し得る。また、モールディング部50上部に防眩層が形成されている場合、第3層60は、モールディング部50上部に形成された防眩層と実質的に同じヘーズ値を有する。第3層60は、モールディング部50の上面と実質的に同じ高さに配置され得る。よって、交替ピクセル100rを通じて放出される光は、隣接したピクセルから放出される光と類似する特性を有し得、全体のディスプレイパネルの光特性を均一に維持し得る。
【0083】
さらに、第3層60は、交替ピクセル100r領域だけでなく、モールディング部50上部領域に連続的に配置されてもよい。
【0084】
図13は、本開示のまた別の実施例にかかる修理されたディスプレイパネル1000bを説明するための概略的な断面図である。
【0085】
本実施例にかかるディスプレイパネル1000bは、
図11を参照して説明したディスプレイパネル1000aと大体類似するが、交替ピクセル100r領域に形成された防眩層60bがモールディング部50上部に形成された防眩層60から離隔されていることに違いがある。
【0086】
つまり、本実施例において、フィルム150bは
図11bに示したように、本体部50b’と防眩層60bを含むことができ、フィルム150bが交替ピクセル100r領域に配置され得る。一方、モールディング部50上には防眩層60が既に形成されていてもよく、よって、交替ピクセル100r領域でモールディング部50の一部が取り除かれる際、モールディング部50と一緒に防眩層60も取り除かれる。その後、防眩層60bを含むフィルム150bが交替ピクセル100r領域に配置されることにより、モールディング部50上の防眩層60と離隔された防眩層60bが形成され得る。
【0087】
本実施例において、パネル基板20上にマイクロLED10B,10G,10Rがモジュール化された構造のピクセル100,100rが配列されたことを例に挙げて説明したが、ピクセル100,100rの代わりにマイクロLED10B,10G,10Rが直接パネル基板20上に配置されてもよい。これらマイクロLED10B,10G,10Rが組み合わされて一つのピクセルを構成することができる。この場合、少なくとも一つの交替マイクロLEDがパネル基板20上に配置され得、第2モールディング部50cは、交替マイクロLEDの側面を覆うことができる。
【0088】
また、本実施例において、ピクセル100,100r内でマイクロLED10B,10G,10Rが横方向に離隔されたことを図示および説明したが、モジュール化された形態のピクセルは、特定構造に限定されるのではない。本開示において、多様な色を放出できる任意の構造のピクセルを使用することができる。例えば、赤色、緑色、および青色発光ダイオードが垂直方向に積層された構造のピクセルがパネル基板20上に配列されてもよい。
【0089】
以上で多様な実施例について説明したが、これら実施例は説明のために提供したものであり、本開示を制限すると解釈してはならない。また、一つの実施例について説明した事項や構成要素は、本開示の技術的思想から外れない限り、別の実施例にも適用することができる。
【国際調査報告】