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特表2024-521515被検者用安全装置を用いた姿勢バランス測定システム、及びこれを用いた姿勢バランス測定方法
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  • 特表-被検者用安全装置を用いた姿勢バランス測定システム、及びこれを用いた姿勢バランス測定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】被検者用安全装置を用いた姿勢バランス測定システム、及びこれを用いた姿勢バランス測定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/107 20060101AFI20240524BHJP
【FI】
A61B5/107 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577937
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 KR2022002888
(87)【国際公開番号】W WO2023163258
(87)【国際公開日】2023-08-31
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519361461
【氏名又は名称】オソン メディカル イノベーション ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンピョ
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ドンジュン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ハチョル
(72)【発明者】
【氏名】アン,ジンウ
(72)【発明者】
【氏名】カン,シニル
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA11
4C038VB14
(57)【要約】
被検者用安全装置を用いた姿勢バランス測定システム及びこれを用いた姿勢バランス測定方法で、前記姿勢バランス測定システムは、プレート、圧力測定ユニット、ハーネス、バランス測定ユニット、制御部及び評価診断部を含む。 前記プレートは、被験者が上部に起立して位置する。 前記圧力測定ユニットは、前記プレートに具備されて、被検者の足底圧を測定する。 前記ハーネスは、被検者の胴体を固定及び支持する。 前記バランス測定ユニットは、前記ハーネスに具備されて、被検者のバランス情報を測定する。 前記制御部は、検査の遂行によって前記圧力測定ユニット及び前記バランス測定ユニットを制御する。 前記評価診断部は、前記圧力測定ユニットを通じて導出される被検者の圧力情報、及び前記バランス測定ユニットを通じて導出される被検者のバランス情報を基に被検者の姿勢バランスを診断する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者が上部に起立して位置するプレートと、
前記プレートに設けられ、被検者の足底圧を測定する圧力測定ユニットと、
被検者の胴体を固定及び支持するハーネスと、
前記ハーネスに設けられ、被検者のバランス情報を測定するバランス測定ユニットと、
検査を行うことで、前記圧力測定ユニット及び前記バランス測定ユニットを制御する制御部と、
前記圧力測定ユニットにより導出される被検者の圧力情報、及び前記バランス測定ユニットにより導出される被検者のバランス情報を基に、被検者の姿勢バランスを診断する評価診断部とを含むことを特徴とする姿勢バランス測定システム。
【請求項2】
前記圧力測定ユニットは、
被検者が前記プレート上に起立する場合、被検者の姿勢に合わせて前記プレートの姿勢を調整し、前記圧力測定ユニットを初期化する姿勢調整部と、
検査の実行による被検者の足底圧を測定する圧力測定部と、
前記測定された足底圧から圧力変化を分析する圧力変化分析部と、
前記測定された圧力及び圧力変化を記録する圧力情報記録部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の姿勢バランス測定システム。
【請求項3】
前記バランス測定ユニットは、
被検者が前記ハーネスに固定される場合、被検者の姿勢に合わせて前記バランス測定ユニットを初期化するバランス情報初期化部と、
検査の実行による被検者のバランス状態を測定するバランス情報測定部と、
前記測定されたバランス状態からバランス変化を分析するバランス変化分析部と、
前記測定されたバランス状態及びバランス変化を記録するバランス情報記録部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の姿勢バランス測定システム。
【請求項4】
前記バランス情報測定部は、被検者のバランス状態を測定する加速度センサ、ジャイロセンサ、及び磁気センサのうち、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3に記載の姿勢バランス測定システム。
【請求項5】
前記バランス情報測定部は、更に、
被検者の大腿部に設けられる第1の関節センサと、
被検者のすねに設けられる第2の関節センサと、
被検者の足に設けられる第3の関節センサとを含むことを特徴とする請求項4に記載の姿勢バランス測定システム。
【請求項6】
前記第1の関節センサは、前記ジャイロセンサと共に、被検者の腰と大腿部の間の関節角を測定し、
前記第1の関節センサは、前記第2の関節センサと共に、被検者の大腿部とすねの間の関節角を測定し、
前記第2の関節センサは、前記第3の関節センサと共に、被検者のすねと足の間の関節角を測定することを特徴とする請求項5に記載の姿勢バランス測定システム。
【請求項7】
前記ハーネスは、
被検者の上部を固定する一対の第1及び第2の固定部と、
前記第1及び第2の固定部に連結され、被検者の腹部を固定する第3の固定部を含むことを特徴とする請求項1に記載の姿勢バランス測定システム。
【請求項8】
前記バランス測定ユニットは、前記第3の固定部に設けられることを特徴とする請求項7に記載の姿勢バランス測定システム。
【請求項9】
被検者がプレート上に起立し、被検者の胴体がハーネスに固定されるステップと、
被検者の姿勢に合わせて、前記プレートの姿勢を調整するステップと、
圧力測定ユニット及びバランス測定ユニットを初期化するステップと、
前記圧力測定ユニットを用いて、被検者の足底圧を測定するステップと、
前記バランス測定ユニットを用いて、被検者のバランス情報を測定するステップと、
前記圧力測定ユニットにより導出される被検者の圧力情報、及び前記バランス測定ユニットにより導出される被検者のバランス情報を基に、被検者の姿勢バランスを診断するステップとを含むことを特徴とする姿勢バランス測定方法。
【請求項10】
前記圧力測定ユニットは、検査の実行による被検者の足底圧を測定して圧力変化を分析し、
前記バランス測定ユニットは、検査の実行による被検者のバランス状態を測定して、バランス変化を分析することを特徴とする請求項9に記載の姿勢バランス測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の姿勢バランスを測定する姿勢バランス測定システム、及びこれを用いた姿勢バランス測定方法に関し、より詳しくは、めまいのような被検者の平衡機能を検査するために、被検者の安全のために被検者に固定されるハーネス、及び被検者が位置する足場プレートを用いて、被検者の平衡機能を測定する、被検者用安全装置を用いた姿勢バランス測定システム、及びこれを用いた姿勢バランス測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、感覚統合機能テスト(Sensory Organization Test)は、足場の圧力中心を用いて、視感覚、体性感覚などを選択的に全6つの条件で刺激を印加して、各条件における平衡点数を基に、結果を判断することを意味する。
【0003】
このような感覚統合機能テストは、被検者のめまいのような平衡機能を検査する代表的な検査方法であり、大韓民国登録特許第10-0921513号でのように、このような平衡機能の検査では、一般に足底圧測定器を用いて、足底圧だけを測定して検査を行う検査方法が多数適用されている。
【0004】
しかし、被検者が位置した足場の足底圧だけをもって、このような平衡機能を検査する場合、被検者が年寄り又はめまいの症状がひどいか、心理的に不安な症状がある場合、検査過程において、足場からずれるか、検査装置の周りに位置する安全装置や壁などの支持体に身体を頼ることがあり、このような状況が発生すると、測定される平衡点数に誤差が生じ、また、検査時間が長くなるという問題を引き起こす。
【0005】
これにより、単に、被検者が足場に位置した状態で足底圧だけを測定することでは、平衡機能の検査結果が正確でない問題があり、繰返し測定が必要であるため、被検者はもちろん、検査者においても、不便さと非効率性が発生することになる。
【0006】
関連する先行技術文献としては、大韓民国登録特許第10-0921513号がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このようなことに着眼してなされたものであって、本発明の目的は、めまいのような被検者の平衡機能を検査するために、被検者の安全のために被検者に固定されるハーネス、及び被検者が位置する足場プレートを用いて、被検者の平衡機能を測定することで、より正確な検査の実行が可能であり、且つ、別の測定モジュールを設置しなくても、被検者の身体固定及び測定を同時に行うことができる、被検者用安全装置を用いた姿勢バランス測定システムを提供することである。
【0008】
また、本発明の他の目的は、前記姿勢バランス測定システムを用いた姿勢バランス測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的を実現するための一実施形態に係る姿勢バランス測定システムは、プレートと、圧力測定ユニットと、ハーネスと、バランス測定ユニットと、制御部と、評価診断部とを含む。前記プレートは、被験者が上部に起立して位置する。前記圧力測定ユニットは、前記プレートに設けられ、被検者の足底圧を測定する。前記ハーネスは、被検者の胴体を固定及び支持する。前記バランス測定ユニットは、前記ハーネスに設けられ、被検者のバランス情報を測定する。前記制御部は、検査を行うことで、前記圧力測定ユニット及び前記バランス測定ユニットを制御する。前記評価診断部は、前記圧力測定ユニットにより導出される被検者の圧力情報、及び前記バランス測定ユニットにより導出される被検者のバランス情報を基に、被検者の姿勢バランスを診断する。
【0010】
前記圧力測定ユニットは、被検者が前記プレート上に起立する場合、被検者の姿勢に合わせて前記プレートの姿勢を調整し、前記圧力測定ユニットを初期化する姿勢調整部と、検査の実行による被検者の足底圧を測定する圧力測定部と、前記測定された足底圧から、圧力変化を分析する圧力変化分析部と、前記測定された圧力及び圧力変化を記録する圧力情報記録部とを含む。
【0011】
前記バランス測定ユニットは、被検者が前記ハーネスに固定される場合、被検者の姿勢に合わせて、前記バランス測定ユニットを初期化するバランス情報初期化部と、検査の実行による被検者のバランス状態を測定するバランス情報測定部と、前記測定されたバランス状態から、バランス変化を分析するバランス変化分析部と、前記測定されたバランス状態及びバランス変化を記録するバランス情報記録部とを含む。
【0012】
前記バランス情報測定部は、被検者のバランス状態を測定する加速度センサ、ジャイロセンサ、及び磁気センサのうち、少なくとも1つを含む。
【0013】
前記バランス情報測定部は、更に、被検者の大腿部に設けられる第1の関節センサと、被検者のすねに設けられる第2の関節センサと、被検者の足に設けられる第3の関節センサとを含む。
【0014】
前記第1の関節センサは、前記ジャイロセンサと共に、被検者の腰と大腿部の間の関節角を測定し、前記第1の関節センサは、前記第2の関節センサと共に、被検者の大腿部とすねの間の関節角を測定し、前記第2の関節センサは、前記第3の関節センサと共に、被検者のすねと足の間の関節角を測定する。
【0015】
前記ハーネスは、被検者の上部を固定する一対の第1及び第2の固定部と、前記第1及び第2の固定部に連結され、被検者の腹部を固定する第3の固定部を含む。
【0016】
前記バランス測定ユニットは、前記第3の固定部に設けられる。
【0017】
本発明の他の目的を実現するための一実施形態に係る姿勢バランス測定方法は、被検者がプレート上に起立し、被検者の胴体がハーネスに固定されるステップと、被検者の姿勢に合わせて、前記プレートの姿勢を調整するステップと、圧力測定ユニット及びバランス測定ユニットを初期化するステップと、前記圧力測定ユニットを用いて、被検者の足底圧を測定するステップと、前記バランス測定ユニットを用いて、被検者のバランス情報を測定するステップと、前記圧力測定ユニットにより導出される被検者の圧力情報、及び前記バランス測定ユニットにより導出される被検者のバランス情報を基に、被検者の姿勢バランスを診断するステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
前記圧力測定ユニットは、検査の実行による被検者の足底圧を測定して圧力変化を分析し、前記バランス測定ユニットは、検査の実行による被検者のバランス状態を測定して、バランス変化を分析する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、従来のハーネスは、単に、被検者を支持する役割だけをし、足底圧は、下部のプレートだけを用いて測定しているが、このように単に足底圧だけを用いて、平衡機能を検査する場合、検査の正確性が低下する問題を解決することができる。
【0020】
すなわち、被検者を支持するハーネス上にバランス測定ユニットを設けることで、被検者の上部の固定と共に、バランス情報も測定することができ、前記足底圧情報と共に、被検者に対する姿勢バランスをより正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る姿勢バランス測定システムを示す模式図である。
図2図2は、図1における姿勢バランス測定システムが具現された例を示す斜視図である。
図3図3は、図2におけるハーネスに被検者が固定された状態、及びバランス情報測定ユニットのハードウェアの一例を示す模式図である。
図4図4は、図2におけるハーネスに被検者が固定された状態、及びバランス情報測定ユニットのハードウェアの他の例を示す模式図である。
図5a-5c】図4におけるバランス情報測定ユニットにより測定される姿勢バランス測定結果の例を示すグラフである。
図6図6は、図1における姿勢バランス測定システムを用いた姿勢バランス測定方法を示すフローチャートである。
図7図7は、感覚統合機能テストで用いられる6つの条件の例を示す画像である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるところ、実施形態を本文で詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解されるべきである。各図面を説明しながら、同様な参照符号を同様な構成要素に付している。第1、第2など用語は、様々な構成要素を説明することに用いられるが、前記構成要素は、前記用語に限定されてはいけない。
【0023】
前記用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。 本出願で使用した用語は、単に、特定の実施形態を説明するために使用されており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なることを意図しない限り、複数の表現をも含む。
【0024】
本出願で、「含む」又は「からなる」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又は、これらを組み合わせたことが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又は、これらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないことと理解されるべきである。
【0025】
異なって定義されない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって、一般的に理解されることと同一の意味を有している。一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有することと解析されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味として解析されない。
【0026】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施形態をより詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施形態に係る姿勢バランス測定システムを示す模式図である。図2は、図1における姿勢バランス測定システムが具現された例を示す斜視図である。図3は、図2におけるハーネスに被検者が固定された状態、及びバランス情報測定ユニットのハードウェアを示す模式図である。
【0028】
まず、図1及び図2に示しているように、本実施形態による姿勢バランス測定システム10は、ワイヤ部20と、フレーム部40と、プレート50と、ハーネス60と、情報入力部70と、圧力測定ユニット100と、バランス測定ユニット200と、制御部300と、評価診断部400とを含む。
【0029】
前記フレーム部40は、被検者30が位置する空間を形成し、前記ハーネス60及び前記ワイヤ部20などが固定される構造体であり、図2に示しているように、下部フレーム41と、側部フレーム42と、上部フレーム43、44、45とを含む。
【0030】
前記下部フレーム41は、地面に位置し、全体として、前記フレーム部40を固定及び支持するフレームであり、前記側部フレーム42は、前記下部フレーム41から上部方向に延在し、前記フレーム部40の側部を形成するフレームである。
【0031】
前記上部フレーム43、44、45は、前記側部フレーム42の上部に連結され、前記ワイヤ部20が直接固定されるフレームに該当する。
【0032】
前記ワイヤ部20は、互いに異なる3つの第1乃至第3のワイヤ21、22、23を含み、前記上部フレーム43、44、45のそれぞれには、前記第1乃至第3のワイヤ21、22、23がそれぞれ固定される。
【0033】
但し、このような前記上部フレーム43、44、45の構造、及び前記ワイヤ21、22、23の連結関係は、例示であり、構造及び連結状態は、様々に変更可能である。
【0034】
さらには、前記フレーム部40も、前記図2の構造の他に、様々な構造への形成か可能であり、その構造を制限することではない。
【0035】
前記プレート50は、下部フレーム41の中央に位置し、被検者30が両足を前記プレート50上に位置した状態で起立して、平衡機能を検査されることになる。
【0036】
この場合、前記プレート50の中央には、被検者の両足が位置する箇所に、前記圧力測定ユニット100が設けられる。
【0037】
前記圧力測定ユニット100は、被検者の足底圧を測定して、これを分析し、この場合、前記被検者の足底圧で測定される情報は、全体的な足底圧の分布、足底圧の大きさ、足底圧の平均、足底圧の変化などである。
【0038】
より具体的に、前記圧力測定ユニット100は、図1に示しているように、姿勢調整部110と、圧力測定部120と、圧力変化分析部130と、圧力情報記録部140とを含む。
【0039】
前記姿勢調整部110は、被検者が前記プレート50上に起立する場合、被検者の姿勢に合わせて、前記プレート50の姿勢を調整し、さらには、前記圧力測定ユニット100を初期化する。
【0040】
すなわち、前記被検者の姿勢に合わせて調整された前記プレート50の姿勢を、初期姿勢に設定し、このような初期設定姿勢を基に、前記圧力測定ユニット100を初期化する。
【0041】
被検者は、体形や姿勢などのような様々な要素により、被検者毎に様々な起立姿勢を有することになり、これにより、正常な平衡状態での被検者の姿勢は、被検者毎に異なる。 これにより、本実施形態では、このような被検者の様々な正常な平衡状態での姿勢を考えて、前記プレート50の姿勢を調整し、このように調整されたプレート50の姿勢を基に、前記圧力測定ユニット100の情報を初期化する。かくして、より被検者に的確な圧力情報の導出が可能である。
【0042】
前記圧力測定部120は、被検者が前記プレート50上に起立した状態で検査を行う場合、検査を行うことで被検者の起立姿勢が変わり、このような被検者の起立姿勢の変化による被検者の足底圧による圧力を測定する。
【0043】
すなわち、被検者は、前記プレート50上に起立した状態で、図7に示しているようなめまい判断のための6つの条件に対して平衡検査を行うことになり、それぞれの検査毎に被検者は、起立姿勢が変わることになり、前記圧力測定部120は、このような前記被検者の起立姿勢の変化による足底圧による圧力を測定する。
【0044】
このような足底圧による圧力を測定するために、前記圧力測定部120は、例えば圧力センサであり、足底圧の分布の測定のために、複数の圧力センサが前記両足が位置する領域に、所定の間隔及び配列で分布される。
【0045】
前記圧力変化分析部130は、前記圧力測定部120で測定される足底圧による圧力、又は、足底圧の分布である圧力分布を基に、被検者の初期起立姿勢と比較して、それぞれのめまい判断のための平衡検査を行う場合の圧力変化又は圧力分布変化を分析する。
【0046】
さらには、このように、前記圧力測定部120で測定された圧力又は圧力分布情報と、前記圧力変化分析部130で分析される圧力変化又は圧力分布変化情報とは、前記圧力情報記録部140に記録される。
【0047】
一方、前記ハーネス60は、前記フレーム部40が形成する所定の空間上に位置し、被検者の胴体を支持する構造体である。また、前記ハーネス60は、前記プレート50の上方に位置する。
【0048】
かくして、被検者の胴体、すなわち、被検者の上部が前記ハーネス60により固定された状態で、被検者の平衡検査が行われ、このため、前記ハーネス60は、被検者の腰、上部胴体などを固定及び支持することができる椅子と類似した形状に形成される。
【0049】
この場合、前記ハーネス60の形状は、様々に形成可能である。
【0050】
本実施形態の場合、前記ハーネス60上に前記バランス測定ユニット200が固定され、前記バランス測定ユニット200は、図3を参照して説明する。
【0051】
すなわち、図1及び図3を参照すると、前記ハーネス60は、被検者の上部を固定する、すなわち、一対の肩を固定する一対の第1及び第2の固定部61、62と、被検者の腹部を固定し、前記第1及び第2の固定部61、62に連結される第3の固定部63とを含む。
【0052】
この場合、前記バランス測定ユニット200は、前記第3の固定部63上に固定される。
【0053】
もちろん、前記ハーネス60は、被検者の上部を固定する形態であって、前記ハーネス60上に、前記バランス測定ユニット200が設けられると、図3に示された構造の他の様々な構造に設計可能である。
【0054】
かくして、本実施形態では、前記ハーネス60が被検者の上部を固定すると共に、被検者が前記ハーネス60で固定された状態で、平衡検査により姿勢が変わる場合、このような姿勢変化、すなわち、バランス状態を、前記バランス測定ユニット200により同時に測定することができる。
【0055】
また、このようなバランス測定ユニット200により測定されたバランス状態に対する情報が、前記圧力測定ユニット100により測定された圧力に対する情報と共に、被検者の姿勢バランスを評価又は診断する情報として用いられるので、被検者の姿勢バランスに対する評価又は診断の精度が向上する。
【0056】
より具体的に、前記バランス測定ユニット200は、バランス情報初期化部210と、バランス情報測定部220と、バランス変化分析部230と、バランス情報記録部240とを含む。
【0057】
前記バランス情報初期化部210は、被検者が前記プレート50上に起立し、且つ、前記ハーネス60に上部胴体が固定される場合、被検者の姿勢に合わせて、前記バランス測定ユニット200を初期化する。
【0058】
すなわち、前記被検者に固定され、且つ、前記ハーネス60は、被検者の姿勢に合わせて位置や姿勢が設定され、そこで、前記ハーネス60上に固定された前記バランス測定ユニット200も、このような被検者の初期姿勢を基に初期化されることが必要である。
【0059】
前述したように、被検者は、体形や姿勢などのような様々な要素により、被検者毎に様々な起立姿勢を有することになり、これにより、正常な平衡状態での被検者の姿勢は、被検者毎に異なる。これによって、本実施形態では、このような被検者の様々な正常な平衡状態での姿勢を考えて、被検者に前記ハーネス60が固定される場合、このように固定されたハーネス60、及びこれに設けられる前記バランス測定ユニット200のバランス状態を基に、前記バランス測定ユニット200の情報を初期化する。かくして、更に被検者に的確なバランス状態情報の導出が可能である。
【0060】
前記バランス情報測定部220は、被検者が前記ハーネス60上に固定された状態で検査を行う場合、検査を行うことで、被検者の起立姿勢又はバランス姿勢が変わり、このような被検者の起立姿勢又はバランス姿勢の変化による被検者のバランス状態を測定する。
【0061】
この場合、前記バランス情報測定部220は、図3に示しているように、加速度センサ(accelerometer)201、ジャイロセンサ(gyroscope)202、磁気センサ(magnetometer)203のうち、少なくとも1つを含む。
【0062】
また、前記バランス情報測定部220は、これらのセンサを制御するセンサ制御部204と、測定情報を前記バランス変化分析部230と前記制御部300に無線提供する無線通信モジュール205とを更に含む。
【0063】
かくして、前記バランス情報測定部220は、検査を行うことで、被検者の起立姿勢又はバランス姿勢が変わる場合、前記センサ201、202、203を用いて、被検者のバランス状態を効果的に測定することができる。
【0064】
すなわち、前述したように、被検者は、前記ハーネス60に固定された状態で、図7に示しているようなめまい判断のための6つの条件に対して、平衡検査を行うことになり、それぞれの検査毎に被検者は、起立姿勢又はバランス状態が変わることになり、前記バランス情報測定部220は、このような前記被検者の起立姿勢又はバランス状態の変化によるバランス状態を測定する。
【0065】
前記バランス変化分析部230は、前記バランス情報測定部220で測定されるバランス状態情報を基に、被検者の初期起立姿勢と比較して、それぞれのめまい判断のための平衡検査を行う場合のバランス状態変化、すなわち、バランス変化を分析する。
【0066】
さらには、このように前記バランス情報測定部220で測定されたバランス状態情報と、前記バランス変化分析部230で分析されるバランス変化情報とは、前記バランス情報記録部240に記録される。
【0067】
一方、前記情報入力部70は、被検者の様々な情報が入力され、例えば、被検者を識別する識別手段(図示せず)により被検者を識別し、記録済みの被検者の情報を呼び出して、該当情報を入力されるか、被検者や作業者などを通じて、身長、体重、筋肉量、骨格構造などに関する情報を直接入力されることができる。
【0068】
また、このように入力された前記被検者の情報は、前記圧力測定ユニット100や前記バランス測定ユニット200により、被検者の姿勢などの情報を初期化するか、姿勢やバランス状態に対する圧力測定又はバランス状態測定に際して、参考する。
【0069】
一方、前記制御部300は、前記圧力測定ユニット100及び前記バランス測定ユニット200における圧力測定又はバランス状態測定を全般的に制御し、具体的には、前記姿勢調整部110、前記圧力測定部120、前記圧力変化分析部130、及び前記圧力情報記録部140の動作を制御するか、前記バランス情報初期化部210、前記バランス情報測定部220、前記バランス変化分析部230、及び前記バランス情報記録部240の動作を制御する。
【0070】
さらには、全般的な前記姿勢バランス測定システム10の動作が、前記制御部300により制御される。
【0071】
前記評価診断部400は、前記圧力測定ユニット100により導出される被検者の圧力変化又は圧力分布変化分析結果と、前記バランス測定ユニット200により導出される被検者のバランス状態変化分析結果とを基に、被検者の姿勢バランス状態に対して、評価及び診断を行う。
【0072】
すなわち、後述する図7に示しているような感覚統合機能テストで用いられる6つの条件に対して、前記圧力測定ユニット100により導出された圧力変化又は圧力分布変化と、前記バランス測定ユニット200により導出されたバランス状態変化とを基に、被検者の姿勢バランス状態又はめまいの可否などを評価し、最終診断する。
【0073】
さらには、図示してはいないが、前記評価診断部400における被検者の障害の可否、被検者の現在状態、さらに、被検者の平衡機能に対する判断結果、及び最終的な判断結果や関連する情報は、表示部(図示せず)により、外部に表示される。
【0074】
図4は、図2におけるハーネスに被検者が固定された状態、及びバランス情報測定ユニットのハードウェアの他の例を示す模式図である。図5a乃至図5cは、図4のバランス情報測定ユニットにより測定される姿勢バランス測定結果の例を示すグラフである。
【0075】
図4に示しているように、前記バランス情報測定部220は、図3でのように、前記加速度センサ201、ジャイロセンサ202、及び磁気センサ203のうち、少なくとも1つを含むことに加えて、第1乃至第3の関節センサ206、207、208を更に含む。
【0076】
この場合、前記第1の関節センサ206は、被検者30の大腿部(thigh)に一対(すなわち、左側大腿部及び右側大腿部)設けられ、前記第2の関節センサ207は、被検者30のすね(shank)に一対設けられ、前記第3の関節センサ208は、足(foot)に一対設けられる。
【0077】
前記第1乃至第3の関節センサ206、207、208はそれぞれ、慣性測定装置である。
【0078】
かくして、前記第1乃至第3の関節センサ206、207、208は、被検者30の足関節の間における関節角を感知することになる。この場合、被検者30の腰に位置する前記ジャイロセンサ202は、前記第1の関節センサ206と共に、このような関節角の感知を同時に行うことができる。
【0079】
すなわち、前記バランス情報測定部220は、検査を行うことで、被検者の起立姿勢又はバランス姿勢が変わる場合、前記加速度センサ201、ジャイロセンサ202、及び磁気センサ203を用いて、被検者30のバランス状態を測定することの他に、前記第1乃至第3の関節センサ206、207、208を用いて、被検者の分節間の関節角を測定して、バランス状態を測定する。
【0080】
かくして、前記バランス変化分析部230は、前記バランス情報測定部220で測定されるバランス状態情報を基に、前述したように、被検者のバランス状態変化を測定することはもちろん、このようなバランス状態変化を測定することにおいて、被検者の分節間の関節角に対する情報を同時に考えるか、又は別に考えて、バランス状態変化又は姿勢変化を分析する。
【0081】
このように、前記バランス変化分析部230において、被検者の分節間の関節角に対する情報を基に分析したバランス状態変化又は姿勢変化の例が、図5a乃至図5cに示されている。
【0082】
すなわち、図5a乃至図5cに示しているように、前記第1の関節センサ206は、前記ジャイロセンサ202と共に、被験者の腰(lumbar)と大腿部(thigh)の間の関節角を測定することができ(図5a)、前記第1の関節センサ206は、前記第2の関節センサ207と共に、被検者の大腿部(thigh)とすね(shank)の間の関節角を測定することができ(図5b)、前記第2の関節センサ207は、前記第3の関節センサ208と共に、被検者のすね(shank)と足(foot)の間の関節角を測定することができる(図5c)。
【0083】
さらには、このような関節角は、被検者の両足のそれぞれに対して、行うことができる。
【0084】
図6は、図1の姿勢バランス測定システムを用いた姿勢バランス測定方法を示すフローチャートである。図7は、感覚統合機能テストで用いられる6つ条件の例を示す画像である。
【0085】
図5に示しているように、図1の姿勢バランス測定システム10を用いた姿勢バランス測定方法では、まず、前記情報入力部70により、被検者30の様々な情報が入力される(ステップS10)。
【0086】
この場合、入力される情報は、被検者の身長、体重、筋肉量、骨格構造などの様々な身体情報を含む。
【0087】
この後、被検者30は、前記プレート50上に起立し、被検者の胴体が、前記ハーネス60に固定される(ステップS20)。
【0088】
この後、被検者30の姿勢に合わせて、前記姿勢調整部110では、前記プレート50の姿勢を調整し(ステップS30)、前記被検者30の起立姿勢及びバランス状態を基に、前記姿勢調整部110では、前記圧力測定ユニット100を初期化し、前記バランス情報初期化部210では、前記バランス測定ユニット200を初期化する(ステップS40)。
【0089】
この後、測定ステップ(ステップS50)が行われ、すなわち、前記圧力測定部120では、被検者に対して検査を行うことによって、被検者の足底圧又は足底圧分布を測定し(ステップS51)、前記バランス情報測定部220では、被検者に対して検査を行うことによって、被検者のバランス情報を測定する(ステップS52)。
【0090】
この場合、前記測定ステップでは、図7に示しているように、感覚統合機能テストで用いられる6つの条件によって、被検者に対する検査を行う。
【0091】
この後、前記圧力変化分析部130では、前記測定された圧力情報又は圧力分布情報を基に、圧力変化又は圧力分布変化情報を分析し(ステップS60)、前記バランス情報分析部230では、前記測定されたバランス情報を基に、バランス変化情報を分析する(ステップS60)。
【0092】
この後、前記評価診断部400では、前記圧力変化分析部130及び前記バランス情報分析部230で分析された結果を基に、被検者の姿勢バランスを最終評価及び診断する(ステップS70)。
【0093】
本発明によると、従来のハーネスは、単に、被検者を支持する役割だけを行い、足底圧は、下部のプレートだけを用いて測定していたが、このように単に足底圧だけを用いて、平衡機能を検査する場合における検査の正確性が低下する問題を解決することができる。
【0094】
すなわち、被検者を支持するハーネス上に、バランス測定ユニットを設け、被検者の上部の固定と共に、バランス情報も測定することができるので、前記足底圧情報と共に、被検者に対する姿勢バランスをより正確に測定することができる。
【0095】
前記では、本発明の好適な実施形態を参照して説明したが、当該技術分野における熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。
【符号の説明】
【0096】
10 : 姿勢バランス測定システム
20 : ワイヤ部
40 : フレーム部
50 : プレート
60 : ハーネス
70 : 情報入力部
100 : 圧力測定ユニット
200 : バランス測定ユニット
300 : 制御部
400 : 評価診断部
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6
図7
【国際調査報告】