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特表2024-521531掃除機の吸引口構造およびその掃除機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】掃除機の吸引口構造およびその掃除機
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/06 20060101AFI20240524BHJP
   A47L 9/04 20060101ALI20240524BHJP
【FI】
A47L9/06 Z
A47L9/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023578867
(86)(22)【出願日】2022-06-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-19
(86)【国際出願番号】 CN2022101350
(87)【国際公開番号】W WO2022268223
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】202110714670.X
(32)【優先日】2021-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121430838.6
(32)【優先日】2021-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121430820.6
(32)【優先日】2021-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110764909.4
(32)【優先日】2021-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523477901
【氏名又は名称】無錫同方聚能控制科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】周鵬
(72)【発明者】
【氏名】李磊
【テーマコード(参考)】
3B061
【Fターム(参考)】
3B061AA06
3B061AA55
3B061AB01
3B061AB09
3B061AD05
3B061AE02
(57)【要約】
本発明は、掃除機の吸引口構造およびその掃除機を開示し、掃除機はケーシングを含み、ケーシングには、床面と干渉接触できるスキージが設置接続され、前記スキージは、その隣接するケーシングと対応して間隔をあけて配置されることにより、吸引通路と連通する吸引口を形成し、ここで、前記ケーシングには、回収口に接続された回収案内面が設けられ、前記回収口は、ゴミ回収領域と連通し、前記回収案内面は、前記スキージと対応して間隔をあけて配置されることにより、前記吸引口を形成し、本発明は、良好な掻き取り効果と、床面の残留水に対する高速洗浄効果を同時に達成することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングを含む掃除機の吸引口構造であって、前記ケーシングには、床面と干渉接触できるスキージが設置接続され、前記スキージは、その隣接するケーシングと対応して間隔をあけて配置されることにより、吸引通路と連通する吸引口を形成し、ここで、前記ケーシングには、回収口に接続された回収案内面が設けられ、前記回収口は、ゴミ回収領域と連通し、前記回収案内面は、前記スキージと対応して間隔をあけて配置されることにより、前記吸引口を形成することを特徴とする、掃除機の吸引口構造。
【請求項2】
前記掃除機は、床面に転がり接触するローラーブラシを含み、ローラーブラシの後端部には、それに対応して回収口が設けられ、前記ローラーブラシの後端部にあるケーシングには、前記回収口に接続された回収案内面が設けられ、回収案内面の前記ローラーブラシから離れる一側には、前記スキージが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の吸引口構造。
【請求項3】
前記吸引口内には、間隔をあけて配置された複数の間隔部が設けられ、前記間隔部は、圧力の均一な分布に寄与する複数の吸引口ユニットを形成するために使用され、前記吸引口と吸引通路との間の連通部には、複数の分流リブが設けられ、前記吸引口ユニットの出口側は、前記分流リブの分流入口側に位置することを特徴とする、請求項1に記載の吸引口構造。
【請求項4】
前記間隔部は、前記ケーシングまたは前記スキージに一体的または別々に取り付けられ、その取付面に沿って前記吸引口の方向に延びていることを特徴とする、請求項1に記載の吸引口構造。
【請求項5】
前記スキージの下端部は、前記ケーシングに相対的に揺動可能に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の吸引口構造。
【請求項6】
前記スキージは、スキージ本体と、前記ケーシングに取り付けられたスキージ取付部とを含み、ここで、前記スキージ本体には、前記スキージ取付部と別々にまたは一体的に接続されたスキージ本体上端部と、中央にある薄肉部と、前記床面と干渉接触するスキージ本体下端部とが設けられ、前記スキージ本体下端部は、前記薄肉部によって前記スキージ本体上端部に対して揺動可能であることを特徴とする、請求項1または5に記載の吸引口構造。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の吸引口構造を用いた掃除機であって、前記掃除機は、ケーシングと、床面に転がり接触するローラーブラシとを含み、ローラーブラシの後端部には、それに対応して、ゴミ回収領域と連通する回収口が設けられ、前記ローラーブラシの後端部にあるケーシングには、前記回収口に接続された回収案内面が設けられ、回収案内面の前記ローラーブラシから離れる一側には、前記スキージが設けられることを特徴とする、掃除機。
【請求項8】
前記間隔部は、前記回収案内面の背部に位置し、前記スキージと対応して前記吸引口ユニットを形成し、かつ前記回収案内面は、床面から間隔をあけて配置されることを特徴とする、請求項7に記載の掃除機。
【請求項9】
前記ローラーブラシは、ドライバによって駆動され、かつ相対的に回転可能に前記ケーシングに取り付けられた駆動ローラーを含み、前記駆動ローラーの外周には、床面と柔軟に接触するための可撓性ローラブラシが覆われ、前記転がり接触によって取り込まれたゴミは、前記可撓性ローラブラシの回転作用下で、前記回収口を通って前記ゴミ回収領域に回収され、および/または、床面上のゴミは、前記吸引口によって除去されることを特徴とする、請求項7に記載の掃除機。
【請求項10】
前記吸引口は、吸引通路を介して吸引ファンと連通し、前記掃除機は、水蒸気分離装置を含み、前記水蒸気分離装置は、水蒸気分離領域および液体回収領域がそれぞれ設けられた水蒸気分離取付ケーシングを含み、前記水蒸気分離取付ケーシングは、吸引ファンに設置接続され、ここで、前記水蒸気分離領域は、気流入口端、気流出口端および液体出口端にそれぞれ接続された水蒸気分離部を含み、前記気流入口端は、吸引通路を介して吸引口と連通し、前記気流出口端は、前記吸引ファンの吸気口と連通し、前記液体出口端に対応する前記液体回収領域は、液体を回収するために使用されることを特徴とする、請求項7に記載の掃除機。
【請求項11】
前記水蒸気分離部は、水蒸気分離取付ケーシングの内部に取り付けられた少なくと1つの気流分離ユニット、および/または水蒸気分離取付ケーシングの内部に取り付けられた少なくと1つの気流遠心ユニットを含み、前記気流分離ユニットが気流中の液体部分に接触することにより、液体部分は合流した後、気流から分離され、前記気流遠心ユニットの気流に対する遠心回転作用により、液体が気流から遠心分離されることを特徴とする、請求項10に記載の掃除機。
【請求項12】
前記水蒸気分離部は、水蒸気分離取付ケーシングの内部にそれぞれ取り付けられた気流分離ユニットおよび気流遠心ユニットを含み、ここで、前記気流入口端に接続された吸引通路は、接線方向吸気口を採用して、水蒸気分離領域に流入する気流中の液体の一次遠心分離を達成し、前記気流分離ユニットは、前記接線方向吸気口に対応して設けられ、前記気流遠心ユニットの出口は、前記気流出口端として機能することを特徴とする、請求項10に記載の掃除機。
【請求項13】
前記気流遠心ユニットは、別々にまたは一体的に設置接続された湾曲面遠心部材および遠心インペラを含み、ここで、前記遠心インペラは、前記湾曲面遠心部材の下方に取り付けられ、かつ前記気流入口端の上方に位置することを特徴とする、請求項11に記載の掃除機。
【請求項14】
前記吸引ファンは、一体的に設置接続された吸引モーター、インペラ、インペラハウジングおよびファンケーシングを含み、前記インペラハウジングの入口は、前記気流出口端と連通し、前記水蒸気分離取付ケーシングは、前記ファンケーシングと一体的に設置接続されることを特徴とする、請求項10に記載の掃除機。
【請求項15】
前記ケーシングには、ローラーブラシの前端に対向して設けられたローラーブラシカバーが設けられ、前記ローラーブラシカバーには、前記ローラーブラシの回転時に床面に向かって吹き出す局所的な気流の形成を回避するために、前記ローラーブラシの方向に延びる送塵阻止部が設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年06月26日に中国国家知的財産権局に提出された、「掃除設備の吸引口構造およびその掃除機」と題する中国特許出願第202110714670.X号の優先権、「掃除設備の駆動モジュールおよびその掃除設備」と題する中国特許出願第202121430838.6の優先権、「掃除設備のスキージおよびその掃除設備」と題する中国特許出願第202121430820.6号の優先権、並びに2021年07月07日に中国国家知的財産権局に提出された、「水蒸気分離装置およびその掃除設備」と題する中国特許出願第202110764909.4号の優先権を同時に主張し、その内容は全て参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、掃除技術の分野に属し、具体的には掃除機の吸引口構造に関し、さらに該吸引口構造が関連する掃除機に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術が進歩・発展し続けるにつれて、人々はより高い生活水準を求めるようになっている。掃除は、人々の生活に欠かせないルーチンワークであるため、セルフクリーニング機能を備えた掃除機もまた、毎日の掃除に必要な道具となっている。既存の掃除機は、手動式掃除道具または電気掃除機(例えば、電気集塵機や掃除ロボット)を使うのが一般的であるが、手動式掃除道具は、低コストとはいえ、人手と時間がかかり、掃除の負担が大きい一方で、電気掃除機は単一の掃除機能しか持たないか(例えば、電気集塵機)、高価すぎる(例えば、既存の掃除ロボット)。
【0004】
コスト削減とスマートな利便性を両立させるために、現在では、ある程度の自動掃除効果を備えた中価格帯の清掃・モップ掛け製品が市販されており、その主な清掃構造は、ローラーブラシモーターによって駆動されかつ床面と接触するローラーブラシ、吸引ファンと連通する吸引口を含み、吸引口は、吸引ファンによって床面への吸着効果を形成し、吸着によって床面上のゴミを除去する。しかし、既存の吸引口構造は、掃除設備の左側から右側まで延びており、長さが長く、吸引効果の均一性が悪いという問題があり、さらに、吸引口構造は通常、スキージ構造を含み、掃除設備が実際に作業するとき、スキージが変形して吸引口の詰まりを引きやすくなり、掃除設備の吸引機能に明らかな悪影響を与える。
【0005】
このため、本出願人は、上記の技術的課題を改善するための技術的解決手段を求めたいと考えている。
【発明の概要】
【0006】
これに鑑み、本発明は、良好な掻き取り効果と、床面の残留水に対する高速洗浄効果を同時に達成することができる掃除機の吸引口構造およびその掃除機を提供することを目的とする。
【0007】
本発明で使用される技術的解決手段は、以下のとおりである。
【0008】
掃除機の吸引口構造であって、前記掃除機はケーシングを含み、前記ケーシングには、床面と干渉接触できるスキージが設置接続され、前記スキージは、その隣接するケーシングと対応して間隔をあけて配置されることにより、吸引通路と連通する吸引口を形成する。
【0009】
好ましくは、前記吸引口内には、間隔をあけて配置された複数の間隔部が設けられ、前記間隔部は、圧力の均一な分布に寄与する複数の吸引口ユニットを形成するために使用される。
【0010】
なお、説明すべきこととして、本出願に係る間隔部とは、吸引口に対する吸引間隔効果を有する構造部材であり、その具体的な形状について具体的に限定されない。
【0011】
好ましくは、前記間隔部は、前記ケーシングまたは前記スキージに一体的または別々に取り付けられ、その取付面に沿って前記吸引口の方向に延びている。
【0012】
好ましくは、前記間隔部は、曲折面および/または平面および/または湾曲面を含む。
【0013】
好ましくは、前記吸引口と吸引通路との間の連通部には、複数の分流リブが設けられる。
【0014】
好ましくは、前記吸引口ユニットの出口側は、前記分流リブの分流入口側に位置する。
【0015】
好ましくは、前記スキージの下端部は、前記ケーシングに相対的に揺動可能に取り付けられる。
【0016】
好ましくは、前記スキージは、スキージ本体と、前記ケーシングに取り付けられたスキージ取付部とを含み、ここで、前記スキージ本体には、前記スキージ取付部と別々にまたは一体的に接続されたスキージ本体上端部と、中央にある薄肉部と、前記床面と干渉接触するスキージ本体下端部とが設けられ、前記スキージ本体下端部は、前記薄肉部によって前記スキージ本体上端部に対して揺動可能である。
【0017】
好ましくは、上記のような吸引口構造を用いた掃除機である。
【0018】
好ましくは、ケーシングと、床面に転がり接触するローラーブラシとを含み、ローラーブラシの後端部には、それに対応して、ゴミ回収領域と連通する回収口が設けられ、前記ローラーブラシの後端部にあるケーシングには、前記回収口に接続された回収案内面が設けられ、回収案内面の前記ローラーブラシから離れる一側には、前記スキージが設けられ、前記回収案内面は、前記スキージと対応して間隔をあけて配置されることにより、前記吸引口を形成する。
【0019】
好ましくは、前記間隔部は、前記回収案内面の背部に位置し、前記スキージと対応して前記吸引口ユニットを形成し、かつ前記回収案内面は、床面から間隔をあけて配置される。
【0020】
好ましくは、前記ローラーブラシは、ドライバによって駆動され、かつ相対的に回転可能に前記ケーシングに取り付けられた駆動ローラーを含み、前記駆動ローラーの外周には、床面と柔軟に接触するための可撓性ローラブラシが覆われ、前記転がり接触によって取り込まれたゴミは、前記可撓性ローラブラシの回転作用下で、前記回収口を通って前記ゴミ回収領域に回収され、および/または、床面上のゴミは、前記吸引口によって除去される。
【0021】
好ましくは、前記吸引口は、吸引通路を介して吸引ファンと連通し、前記掃除機は、水蒸気分離装置を含み、前記水蒸気分離装置は、水蒸気分離領域および液体回収領域がそれぞれ設けられた水蒸気分離取付ケーシングを含み、前記水蒸気分離取付ケーシングは、吸引ファンに設置接続され、ここで、前記水蒸気分離領域は、気流入口端、気流出口端および液体出口端にそれぞれ接続された水蒸気分離部を含み、前記気流入口端は、吸引通路を介して吸引口と連通し、前記気流出口端は、前記吸引ファンの吸気口と連通し、前記液体出口端に対応する前記液体回収領域は、液体を回収するために使用される。
【0022】
好ましくは、前記水蒸気分離部は、水蒸気分離取付ケーシングの内部に取り付けられた少なくと1つの気流分離ユニット、および/または水蒸気分離取付ケーシングの内部に取り付けられた少なくと1つの気流遠心ユニットを含み、前記気流分離ユニットが気流中の液体部分に接触することにより、液体部分は合流した後、気流から分離され、前記気流遠心ユニットの気流に対する遠心回転作用により、液体が気流から遠心分離される。
【0023】
好ましくは、前記水蒸気分離部は、水蒸気分離取付ケーシングの内部にそれぞれ取り付けられた気流分離ユニットおよび気流遠心ユニットを含み、ここで、前記気流入口端に接続された吸引通路は、接線方向吸気口を採用して、水蒸気分離領域に流入する気流中の液体の一次遠心分離を達成し、前記気流分離ユニットは、前記接線方向吸気口に対応して設けられ、前記気流遠心ユニットの出口は、前記気流出口端として機能する。
【0024】
好ましくは、前記気流遠心ユニットは、別々にまたは一体的に設置接続された湾曲面遠心部材および遠心インペラを含み、ここで、前記遠心インペラは、前記湾曲面遠心部材の下方に取り付けられ、かつ前記気流入口端の上方に位置する。
【0025】
好ましくは、前記吸引ファンは、一体的に設置接続された吸引モーター、インペラ、インペラハウジングおよびファンケーシングを含み、前記インペラハウジングの入口は、前記気流出口端と連通し、前記水蒸気分離取付ケーシングは、前記ファンケーシングと一体的に設置接続される。
好ましくは、前記ケーシングには、ローラーブラシの前端に対向して設けられたローラーブラシカバーが設けられ、前記ローラーブラシカバーには、前記ローラーブラシの回転時に床面に向かって吹き出す局所的な気流の形成を回避するために、前記ローラーブラシの方向に延びる送塵阻止部が設けられている。
【0026】
なお、説明すべきこととして、本出願で言及される床面は、掃除を必要とされるあらゆる作業面を指し、その具体的な体現形態およびその形状について何らかの特別な限定もしない。
【0027】
本出願では、対応して間隔をあけて配置された掃除機のケーシングとスキージによって、吸引通路と連通する吸引口構造を形成することを提案し、本出願に係る掃除機が実際に作業する場合、掃除機が前進するように駆動されて床面を清掃すると、スキージが後方に変形して床面と干渉フィットし、これにより、水(もちろん、他の液体ゴミも含む)の掻き取りを良好に行うことができ、ローラーブラシによって遠心吸着されていない残留水は、回収案内面を通過した後に回収されるようになり、掃除機が後方に牽引されると、床面の残留水は基本的に清掃され、少量しか残っておらず、そして、スキージは前方に変形し、吸引口が小さくなり、吸引流速を向上させ、水膜の粒子化を強化することができ、床面の残留水をさらに吸い取るのに便利であり、また、吸引口の口径が狭くなると、両側の吸引口の面積は小さくなって抵抗が大きくなるが、回収案内面の下方の面積は変化しないため、回収案内面の下方に主流路が容易に形成されて、ローラーブラシの下部にある水を吸い取り、よって、床面の残留水の高速掃除効果にさらに寄与する。
【0028】
本出願では、特に吸引口の内部に複数の間隔部が設けられ、この間隔部は、スキージと対応して、間隔をあけて配置された複数の吸引口ユニットを形成し、これにより、当然ながら、吸引口の吸引作業時の吸引圧力の均一な分布に寄与し、吸引効果の均一性を高め、また、本出願における間隔部は、吸引口の内部に位置しているため、掃除機の作業過程において、スキージが床面と干渉接触して変形すると、変形したスキージによって吸引口が塞がれることを確実に防止し、掃除機の吸引機能に悪影響を及ぼさないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の具体的な実施形態に係る掃除機の構造の一部を示す模式図である。
図2図1におけるAの構造の拡大図である。
図3】本発明の具体的な実施形態に係る掃除機の分解構造の一部を示す模式図である。
図4】本発明の具体的な実施形態に係る掃除機の構造の一部を示す断面図である。
図5】本発明の具体的な実施形態に係る間隔設置条の構造を示す模式図である。
図6】本発明の具体的な実施形態に係る、掃除機における間隔部41の取付構造(スキージ10を隠した構造)を示す模式図である。
図7】本発明の具体的な実施形態に係る、掃除機における分流リブの取付構造(吸引口を隠した構造)を示す模式図である。
図8】本発明の具体的な実施形態に係るスキージの構造を示す模式図である。
図9図8をある角度回転させた後の構造を示す模式図である。
図10図8におけるBの構造の拡大図である。
図11】本発明の具体的な実施形態に係るローラーブラシカバーの構造を示す模式図である。
図12図1をある角度回転させた後の構造を示す模式図である。
図13】本発明の具体的な実施形態に係る掃除機の構造の一部を示す別の断面図である。
図14】本発明の実施例1における水蒸気分離装置と吸引ファンの取付構造を示す模式図である。
図15図14の分解構造を示す模式図である。
図16図14の断面図である。
図17】本発明の実施例2における水蒸気分離装置と吸引ファンの取付構造を示す模式図である。
図18図17の断面図である。
図19図17の分解構造を示す模式図である。
図20】本発明の実施例3における水蒸気分離装置と吸引ファンの取付構造を示す模式図である。
図21図20の断面図である。
図22】本発明の実施例4における水蒸気分離装置と吸引ファンの取付構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施例は、掃除機の吸引口構造を開示し、掃除機はケーシングを含み、ケーシングには、床面と干渉接触できるスキージが設置接続され、スキージは、その隣接するケーシングと対応して間隔をあけて配置されることにより、吸引通路と連通する吸引口を形成し、ここで、ケーシングには、回収口に接続された回収案内面が設けられ、回収口は、ゴミ回収領域と連通し、回収案内面は、スキージと対応して間隔をあけて配置されることにより、吸引口を形成する。
【0031】
本発明の実施例は、上記のような吸引口構造を採用した掃除機をさらに開示し、掃除機は、ケーシングと、床面に転がり接触するローラーブラシとを含み、ローラーブラシの後端部には、それに対応して、ゴミ回収領域と連通する回収口が設けられ、ローラーブラシの後端部にあるケーシングには、回収口に接続された回収案内面が設けられ、回収案内面のローラーブラシから離れる一側には、スキージが設けられる。
【0032】
当業者が本発明の技術的解決手段をよりよく理解できるように、以下は本発明の実施例における図面と併せて、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明し、当然ながら、記述した実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的労力を要することなく得られた他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【0033】
実施例1:図1図2図3および図4を参照すると、掃除機の吸引口構造であって、掃除機はケーシング1を含み、ケーシング1には、床面に干渉接触できるスキージ10が設置接続され、スキージ10は、その隣接するケーシング1と対応して間隔をあけて配置されることにより、吸引通路20と連通する吸引口30を形成し、ケーシング1には、回収口3に接続された回収案内面61が設けられ、回収案内面61は、スキージ10と対応して間隔をあけて配置されることにより、上記のような吸引口30を形成し、好ましくは、本実施形態では、掃除機は、ケーシング1と、床面に転がり接触するローラーブラシ2とを含み、ローラーブラシ2の後端部には、それに対応して、ゴミ回収領域4と連通する回収口3が設けられ、ローラーブラシの後端部にあるケーシング1には、回収口3に接続された回収案内面61が設けられ、回収案内面61のローラーブラシから離れる一側には、上記のようなスキージ10が設けられる。
【0034】
ここで、吸引口30内には、間隔をあけて配置された複数の間隔部41が設けられ、前記間隔部41は、圧力の均一な分布に寄与する複数の吸引口ユニットを形成するために使用され、本出願の実施では、間隔部41は、ケーシング1またはスキージ10に一体的または別々に取り付けられ、その取付面に沿って吸引口30の方向に延びており、好ましくは、図5および図6をさらに参照すると、吸引口30内での間隔設置効果をさらに高めるために、本実施形態では、間隔部41は、間隔設置条42に設けられ、間隔部41は、具体的にはグリッド間隔片を採用し、グリッド間隔片は、間隔設置条42に沿って吸引口30の方向に延び、間隔設置条42によってケーシング1に固定的に取り付けられ、他の実施形態では、一体型構造でケーシング1に直接設けられてもよいし、スキージ10に設けられてもよいが、スキージ10の材料を考慮すると、本出願人は、間隔部41をケーシング1に設けることを好ましい解決策として提案する。
【0035】
好ましくは、本実施形態では、間隔部41は、曲折面および/または平面および/または湾曲面を含み、具体的には、本実施形態では、取付強度を確保するために、間隔部41は、間隔設置条42に設置接続された傾斜面41aと、間隔本体としての直線面41bとを含み、これらが組み合わせられて曲折面形状を形成する。
【0036】
さらに図6図7図4と併せて参照すると、好ましくは、本実施形態では、吸引口30と吸引通路20との間の連通部には、複数の分流リブ50が設けられ、吸引口ユニットの出口側30aは、分流リブ50の分流入口側に位置し、好ましくは、水流をスムーズに集めて吸引通路20に入れることを確保しやすくするために、本実施形態では、吸引通路20は吸引通路口21を含み、吸引口30の長さは吸引通路口21の長さよりも大きく、吸引口30の長さおよび吸引通路口21の長さは、具体的には掃除機の左右両側の(掃除機の前進、後退方向とは異なる)水平方向の長さであり、床面に対する吸引能力を高めるために、本実施形態では、吸引口30は、掃除機の左側からその右側まで延び、吸引通路口21は、掃除機の中心軸またはその近傍(左右方向に対して)に位置する。
【0037】
本実施形態では、各分流リブ50は、吸引口30の方向に近接する分流リブ第1端部51と、吸引通路口21の方向に近接する分流リブ第2端部52とを含み、分流リブ第1端部51は、その対応する分流リブ第2端部52まで一体的に延在し、隣接する分流リブ第1端部51の間の間隔は、その対応する分流リブ第2端部52の間の間隔よりも大きい。
【0038】
好ましくは、本実施形態では、分流リブ50は、湾曲面分流リブ片を採用し、他の実施形態では、分流リブは平面分流リブ片を採用してもよく、他の形状の分流リブを採用してもよく、さらに、一部の分流リブが湾曲面分流リブ片を採用し、他部の分流リブが平面分流リブ片を採用することにしてもよく、これらは、分流リブの分流効果のニーズに基づいて当業者が行うことができる一般的な技術的選択であり、本実施例では一つずつ具体的に説明することはしない。
【0039】
本実施形態では、分流リブ50の数は、吸引口30の実際の長さおよび吸引通路口21の実際の長さに応じて具体的に選択することができ、本実施例では特に限定されるものではなく、さらに好ましくは、本実施形態では、分流リブ50の数は、3~12本であってもよく、より好ましくは3~7本である。
【0040】
また、説明すべきこととして、好ましくは、水流をスムーズに集めて吸引通路20に入れることを容易にするために、本実施形態では、各分流リブ50の面積は、異なってもよく、具体的には、左右両端付近の分流リブ50の面積は、掃除機の中心軸付近の分流リブ50の面積よりも大きくなり、吸引口30と吸引通路20との間の接続部には、両側にそれぞれ位置する流量制限段差部31がさらに設けられている。
【0041】
本実施形態では、スキージ10の下端部は、ケーシング1に相対的に揺動可能に取り付けられ、図8図9および図10をさらに参照すると、さらに好ましくは、本実施形態では、スキージ10は、スキージ本体11と、ケーシングに取り付けられたスキージ取付部12とを含み、好ましくは、本実施形態では、スキージ取付部12とスキージ本体11とは、2色射出成形プロセスまたは軟質材・硬質材共押出成形プロセスにより一体成形されているが、他の実施形態では、他の加工成形プロセスを用いてもよく、本実施例では特に限定されない。
【0042】
本実施形態では、スキージ本体11には、スキージ取付部12と別々または一体的に接続されたスキージ本体上端部11aと、中央にある薄肉部11bと、床面と干渉接触するスキージ本体下端部11cとが設けられ、スキージ本体下端部11cは、薄肉部11bによってスキージ本体上端部11aに対して揺動可能であり、さらに好ましくは、本実施形態では、薄肉部11bの厚さは、スキージ本体下端部11cのスムーズな揺動に有利である0.3~0.6mmの範囲であり、スキージ本体下端部11cの長さは、0.7~2mmの範囲であり、スキージ本体下端部11cと床面との干渉距離は、0.5~2mmの範囲であり、この好ましい干渉距離によりスキージ10と床面との十分な接触面を確保することができ、接触面が少なすぎると、スキージからの水漏れが生じ、接触面が多すぎると、掃除機と床面との摩擦力が過度に大きくなり、その結果、使用者が押しにくくなり、または消費電力が大きくなり、しかもスキージ10が摩耗しやすくなる。
【0043】
なお、説明すべきこととして、本実施例に係る薄肉部11bは、具体的には、その厚さが、その隣接するスキージ本体上端部11aの厚さ、およびスキージ本体下端部11cの厚さよりも小さいことを意味し、薄肉部11bは、具体的には凹形状または弧形状であってもよく、もちろん、他の形状を用いることも可能である。
【0044】
好ましくは、本実施形態では、スキージ本体下端部11cには、間隔をあけて配置された複数の隙間部11dが設けられ、この隙間部11dの設置により、スキージ本体11が床面と干渉接触する際に、スキージ10と床面との接触摩擦力が過度に大きくならないように、間隔スペースを確保することができる。
【0045】
好ましくは、本実施形態では、スキージ取付部12は、締結具(具体的には、ねじが使用されてもよく、ねじ穴12aが示されている)によりケーシング1に固定的に取り付けられ、また、スナップフィット構造(具体的には、係合歯12bが使用されてもよく、その数は複数であってもよい)によりケーシング1に取付られてもよく、もちろん、他の公知の取付方法を用いることも可能であり、本実施例では具体的に限定されるものではなく、これらは、本出願の内容に基づいて当業者が行うことができる一般的な技術的選択である。
【0046】
本実施例は、上記のような吸引口30の構造を用いた掃除機をさらに提出し、好ましくは、同様に図1図2図3および図4を参照すると、本実施形態では、掃除機は、ケーシング1と、床面に転がり接触するローラーブラシ2とを含み、ローラーブラシの後端部には、それに対応して、ゴミ回収領域4と連通する回収口3が設けられ、ローラーブラシの後端部にあるケーシング1には、回収口3に接続された回収案内面61が設けられ、回収案内面61のローラーブラシから離れる一側には、上記のようなスキージ10が設けられ、回収案内面61は、スキージ10と対応して間隔をあけて配置されることにより、上記のような吸引口30を形成し、さらに好ましくは、ローラーブラシ2は、ドライバ(具体的には、モーターが使用されてもよい)によって駆動され、かつ相対的に回転可能にケーシング1に取り付けられた駆動ローラー2aを含み、駆動ローラー2aの外周には、床面と柔軟に接触するための可撓性ローラブラシ2bが覆われ、転がり接触によって取り込まれたゴミは、可撓性ローラブラシ2bの回転作用下で、回収口3を通ってゴミ回収領域4に回収され、さらに、吸引口30によって床面上の残留ゴミ(主に残留水を含む)を除去し、吸引通路20は、吸引ファン(公知構造、図14を併せて参照する)に接続されて吸引口30に対する負圧効果を形成し、吸引通路20によってゴミをゴミ回収領域4に移送回収するが、このゴミ回収領域4は、個別に設置されてもよく、上記のようなゴミ回収領域4と一体的に設置されてもよく、本実施例では特に限定されない。
【0047】
好ましくは、間隔設置条42は、回収案内面61の背部に取り付けられ、スキージ10と対応して吸引口ユニットを形成し、かつ、回収案内面61は、床面から間隔をあけて配置され、具体的には、好ましくは、この間隔を1mmに設定することができ、実際に作業する場合、可撓性ローラブラシ2b上のリント布繊維と協働することにより、直径が0.5mm未満の床面上のゴミが全てローラーブラシの遠心力によってゴミ回収領域4内に移送されることが確保される。
【0048】
さらに図11および図12を参照すると、好ましくは、本実施形態では、ケーシング1には、ローラーブラシの前端に対向して設けられたローラーブラシカバー81が設けられ、ローラーブラシカバー81には、ローラーブラシ2の回転時に床面に向かって吹き出す局所的な気流の形成を回避するために、ローラーブラシの方向に延びる送塵阻止部82が設けられ、好ましくは、本実施形態では、送塵阻止部82は、ローラーブラシカバー81の下端に位置し、これにより、ローラーブラシ2の回転時に床面に向かって吹き出す局所的な気流を防止し、さらに、送塵阻止の効果をより促進するために、本実施形態では、送塵阻止部82の取付高さは、ローラーブラシの中心軸の取付高さよりも低くなり、かつ送塵阻止部82とローラーブラシ2が押出接触しない(すなわち、本実施例における送塵阻止部は、ローラーブラシの掻き取り構造として機能しない)。
【0049】
本実施形態では、送塵阻止部82とローラーブラシカバー81は一体型構造であり、具体的には、一体加工成形プロセスまたは一体射出成形プロセスまたは他の適切な加工プロセスを採用してもよく、もちろん、他の実施形態では、送塵阻止部82は、例えば、送塵阻止部82を分割部品として制作した後、ローラーブラシカバー81の下端に係合するような分割接続構造を採用してもよく、もちろん、他の固定方法によりローラーブラシカバー81の下端に固定的に取り付けてもよく、具体的には、好ましくは、本実施形態では、送塵阻止部82は、逆フック形状を採用しているが、もちろん、ローラーブラシ2の方向に延び、ローラーブラシ2自体により発生する遠心効果を遮断できることが確保されるものであれば、他の形状を採用してもよく、採用される具体的な形状は特に限定されなく、さらに好ましくは、本実施形態では、可撓性ローラブラシ2bの繊維は、ローラーブラシ2の繊維の回転時に床面に向かって吹き出す局所的な気流の形成を回避するために、ローラーブラシ2の回転時に送塵阻止部82と摩擦接触する。具体的には、好ましくは、本実施形態では、送塵阻止部82の材料は、可撓性材料(例えば、具体的には、軟質粘着帯または他の公知の可撓性材料を使用することができる)を用いることで、ローラーブラシのリント布繊維との摩擦抵抗を低減し、掃除機1の消費電力を低減することができる。本実施例では、ローラーブラシカバー81に送塵阻止部82を設けることにより、ローラーブラシ2が床面で回転作業する際に、その前端にある送塵阻止部82は、ローラーブラシ2自体により発生する遠心効果を直接遮断することができ、ひいてはローラーブラシ2の回転時に床面に向かって吹き出す局所的な気流の形成を効果的に防止することができ、これにより、ローラーブラシの前端にある軽量ゴミが局所的な気流によって吹き飛ばされるという清掃上の問題が回避され、また、本出願で提出される送塵阻止部82は、構造が簡単で低コストであり、大量に普及するのが非常に容易である。
【0050】
具体的には、好ましくは、本出願における掃除機の他の関連構造は、先行特許出願CN111588318A、CN111543892AおよびCN112806925Aの関連内容を直接参照することができ、本実施例では詳細な説明を省略し、本実施例を応用することによって、同様の技術的効果を得ることができ、当業者は本実施例で提出される分流構造を他の吸引機能付き掃除機に応用することもでき、本実施例では特に限定されなく、また、掃除機は、ハンドルのある手持ち式の一体型構造であってもよく、ハンドルのない掃除ロボットタイプであってもよく、これらは、本出願が適用され得る実施範囲であり、本実施例では同様に特に限定されない。
【0051】
本実施例は、対応して間隔をあけて配置された掃除機のケーシング1とスキージ10によって、吸引通路と連通する吸引口30構造を形成することを提案し、特に吸引口30の内部に複数の間隔部41が設けられ、この間隔部は、スキージ10と対応して、間隔をあけて配置された複数の吸引口ユニットを形成し、これにより、当然ながら、吸引口30の吸引作業時の吸引圧力の均一な分布に寄与し、吸引効果の均一性を高め、さらに、本実施例における間隔部41は、吸引口30の内部に位置しているため、掃除機の作業過程において、スキージ10が床面と干渉接触して変形すると、変形したスキージ10によって吸引口30が塞がれることを確実に防止し、掃除機の吸引機能に悪影響を及ぼさないようにすることができる。
【0052】
本実施例の掃除機が実際に作業する場合、掃除機が前進するように駆動されて床面を清掃すると、スキージ10が後方に変形して床面と干渉フィットし、これにより、水(もちろん、他の液体ゴミも含む)の掻き取りを良好に行うことができ、ローラーブラシ2によって遠心吸着されていない残留水は、回収案内面61を通過した後に回収されるようになり、掃除機が後方に牽引されると、床面の残留水は基本的に清掃され、少量しか残っておらず、そして、スキージ10は前方に変形し、吸引口30が小さくなり、吸引流速を向上させ、水膜の粒子化を強化することができ、床面の残留水をさらに吸い取るのに便利であり、また、吸引口30の口径が狭くなると、両側の吸引口の面積は小さくなって抵抗が大きくなるが、回収案内面61の下方の面積は変化しないため、回収案内面61の下方に主流路が容易に形成されて、ローラーブラシ2の下部にある水を吸い取り、よって、床面の残留水の高速掃除効果にさらに寄与する。
【0053】
図13および図14を参照すると、好ましくは、本実施形態では、吸引口30は、吸引通路20を介して吸引ファン70と連通し、掃除機1は、水蒸気分離装置を含み、さらに、図14図15および図16に示す水蒸気分離装置9は、水蒸気分離領域9aおよび液体回収領域92がそれぞれ設けられた水蒸気分離取付ケーシング93を含み、水蒸気分離取付ケーシング93(カバータイプの分割取付構造を用いることができ、図示されているが、符号は付与されていない)は、吸引ファン70に設置接続されて一体となり、水蒸気分離領域9aは、気流入口端91b、気流出口端91cおよび液体出口端91aにそれぞれ接続された水蒸気分離部91を含み、気流入口端91bは、吸引通路20を介して吸引口30と連通し、気流出口端91cは、吸引ファン70の吸気口と連通し、液体出口端91aに対応する液体回収領域92は、液体を回収するために使用され、気流のスムーズな流れを容易にし、液体の合流・回収効果にも影響を与えない。
【0054】
好ましくは、吸引効率を確保し、水蒸気分離装置との取付を容易にするために、本実施形態では、吸引ファン70は、一体的に設置接続された吸引モーター71、インペラ72、インペラハウジング73および渦巻状ファンケース74を含み、インペラハウジング73の入口は、水蒸気分離部91の気流出口端91cと連通し、渦巻状ファンケース74は、水蒸気分離取付ケーシング93と一体的に設置接続され、他の実施形態では、もちろん、他の公知の吸引ファン構造または他の形状のファンケース構造を用いてもよく、本実施例では特に唯一に限定されない。
【0055】
好ましくは、水蒸気分離効率を高めるために、本実施形態では、水蒸気分離部91は、水蒸気分離取付ケーシング93の内部に取り付けられた少なくとも1つの気流分離ユニット、および/または水蒸気分離取付ケーシング93の内部に取り付けられた少なくとも1つの気流遠心ユニットを含み、気流分離ユニットが気流中の液体部分に接触することにより、液体部分は合流した後、気流から分離され、気流遠心ユニットの気流に対する遠心回転作用により、液体が気流から遠心分離され、さらに好ましくは、優れた水蒸気分離効果を実現するとともに、コンパクトな構造と設置を容易にするために、本実施形態では、気流分離ユニットは、平板状および/または多層ラビリンス状および/または曲折状および/または円筒状の気流分離部を含み、もちろん、他の形状(異形形状を含む)の気流分離部を選択してもよく、気流分離ユニットの数は、1つ以上であってもよく、本実施例では唯一に限定されなく、また、気流遠心ユニットは、湾曲面遠心部材および/または遠心インペラおよび/または遠心コーンを含み、もちろん、気流遠心効果を有する他の構造を気流遠心ユニットとして選択してもよく、気流遠心ユニットの数は、1つ以上であってもく、本実施例では唯一に限定されなく、限られた設置スペースで水蒸気分離効果を向上させるために、気流入口端91bに接続された吸引通路20は接線方向吸気口20aを採用し、これにより、水蒸気分離領域9aに流入する気流中の液体の一次遠心分離を達成し、液体汚れを水蒸気分離取付ケーシング93の内壁面に沿って、下向きに流れて液体回収領域92に回収する。
【0056】
本出願を実用化する場合、実用上の必要性および公知の常識に応じて、本出願で提出される接線方向吸気口20a、気流分離ユニット、気流遠心ユニットの構造をそれぞれ組み合わせて適用することにより、異なる水蒸気分離部91を得ることができ、これらはいずれも高い水蒸気分離効率を得ることができる。
【0057】
具体的には、好ましくは、さらに図3を参照すると、本実施形態では、水蒸気分離部91は、気流分離ユニットとしてのラビリンス分離板110を含み、ラビリンス分離板110を介して気流中の液体部分と接触し、具体的には、好ましくは、本実施形態では、ラビリンス分離板110は、液体部分との接触面積を増加させるために、間隔をあけて設けられた多層分離板を含み、実際の使用において、ラビリンス分離板110を走行する気流は、ラビリンス分離板110の壁面に連続的に衝突して、ラビリンス分離板110上で液滴になり、液体回収領域92に滴下し、これにより、水蒸気分離の効果をさらに高めるとともに、液体回収領域92の効果的な貯水高さを向上させることもできる。
【0058】
好ましくは、本実施形態では、ケーシング1は、対向して揺動可能に取り付けられた操縦ケーシング1a(機体とも呼ばれる)と、床面に置かれた床面ケーシング1bとを含み、具体的には、関節ヘッド1cによって対向して揺動可能な設置接続を実現でき、水蒸気分離装置9は、操縦ケーシング1aに取り付けられ、使用者は、使用時に操縦ケーシング1aを操作することで、利便性のある手持ち操作を行うことができ、使用者が操作する際、機体は一般的に傾斜していることを考慮すると、機体の中心軸と水平面との間の角度は通常、30°~45°であり、水蒸気分離装置9の気流入口端91bおよび気流出口端91cがすべて中心軸またはその付近に設けられると、液体回収領域92内の水位が気流出口端11bに接近し、その結果、吸引ファン70によって吸い取られやすくなるので、さらに好ましくは、本実施形態では、水蒸気分離装置9は、気流入口端91bが使用者の操縦側に近づけられ、かつその気流出口端91cが使用者の操縦側から離れるように設けられる。
【0059】
実施例2:以下の相違点以外、本実施例2の他の解決手段は、以上の実施例1と同様である。図17図18および図19に示す水蒸気分離装置9’を参照すると、本実施例2では、水蒸気分離部は、水蒸気分離取付ケーシング93’の内部にそれぞれ取り付けられた気流分離ユニットおよび気流遠心ユニットを含み、ここで、気流入口端91bに接続された吸引通路20’は、水蒸気分離領域9a’に流入する気流中の液体の一次遠心分離を達成するために、接線方向吸気口20a’を採用し、具体的には、好ましくは、本実施形態では、気流分離ユニットは、円筒状の気流分離部120を含み、気流遠心ユニットは、気流分離部に設置接続された遠心インペラ130(分離ブレードとも呼ばれる)と、遠心インペラ130の下方に取り付けられた遠心コーン140(シンキングコーンとも呼ばれる)とを含み、気流分離部120は、接線方向吸気口20a’に対応して設けられ、遠心インペラ130の出口は、気流出口端91cとして機能し、気流分離部120を通過した気流は、上昇して遠心インペラ130および遠心コーン140に入り、気流の遠心回転を再び達成し、水蒸気を分離した後の気流は、気流出口端91cから吸引ファン70に入り、空気排出効率をさらに高めるために、本実施形態では、遠心インペラ130の出口は、円錐形状を呈し、ここで、外側に近い口径は、内側に近い口径よりも大きい。
【0060】
接線方向吸気口20a’の一次遠心分離効果をさらに高めるために、本実施形態では、気流分離部120の下端部の取付高さは、気流入口端91bの取付高さよりも低くすることにより、接線方向吸気口20a’の十分な遠心経路が確保され、一次分離効率が向上するとともに、液体回収領域92’の液面上昇により流路が変化して遠心気流の短絡を引き起こすことが回避される。
【0061】
本実施例2では、接線方向吸気口20a’と円筒状の気流分離部120で形成される気流分離ユニット、および遠心インペラ130と遠心コーン140で形成される気流遠心ユニットを利用することで、気流の多段水蒸気分離効果を実現し、優れた水蒸気分離効率を有する。
【0062】
実施例3:以下の相違点以外、本実施例3の他の解決手段は、以上の実施例2と同様である。図20および図21に示す水蒸気分離装置9’’を参照すると、本実施例3では、気流遠心ユニットは、湾曲面遠心部材150を含み、気流入口端91b(非接線方向吸気口構造)は、湾曲面遠心部材150の下方に位置し、気流入口端11cは、湾曲面遠心部材150の上方に位置し、水蒸気分離取付ケーシング93’(その上端部に水蒸気分離用のリブ形状を設けてもよい)の中央部であって、その内側に向かって内部通路ケーシング131(液体回収領域92’から水蒸気分離領域9a’’まで延びる)が上向きに延び、気流入口端91bと連通する吸引通路20(吸引通路に属する通路セグメントの一部)を形成し、湾曲面遠心部材150は、相対的に回転可能に内部通路ケーシング131に取り付けられ、もちろん、他の実施形態では、水蒸気分離取付ケーシング93’の上端部に取り付けられてもよく、具体的には、下方と上方を分離して分離効果をさらに達成するものであれば、半球状または弧形または他の適切な湾曲面構造を採用してもよく、さらに好ましくは、本実施形態では、湾曲面遠心部材150の外周は水蒸気分離取付ケーシング93’の内壁に近接し、両者の間において気流の上向きの整流のための適切な隙間が確保されればよく実際の作業中、気流は、気流入口端91bから水蒸気分離領域9a’’に入り、湾曲面遠心部材150によって高速遠心分離を1回行い、その後、湾曲面遠心部材150から離れて、依然として水蒸気分離取付ケーシング93’の内壁に沿って回転下降し、最終的に合流して液体回収領域92’に回収されることで、1回の水蒸気分離がさらに実現され、当該2回の遠心分離により水蒸気分離効率を大幅に向上させることができる。
【0063】
水蒸気分離効果をさらに高めるために、本実施形態では、湾曲面遠心部材150の下端には、遠心インペラ151が一体的に設置接続され、気流が気流入口端91bから水蒸気分離領域9a’’に入ると、遠心インペラ151のブレードの表面は、気流の圧力作用を受けて、湾曲面遠心部材150を同期して自動回転させるように駆動し、これにより、遠心効果が加速され、水蒸気分離効果が向上し、他の実施形態では、遠心インペラ(ブレード)または遠心コーンを直接気流遠心ユニットとして使用することも可能であり、これらは全て、本出願の内容に基づいて当業者が行うことができる一般的な技術的選択である。
【0064】
実施例4:以下の相違点以外、本実施例4の他の解決手段は、以上の実施例3と同様である。図22を参照すると、本実施例4では、気流遠心ユニットは、別々に設置接続された湾曲面遠心部材160と遠心インペラ170を含み、ここで、遠心インペラ170は、湾曲面遠心部材160の下方に取り付けられ、かつ気流入口端91bの上方に位置し、気流入口端11cは、湾曲面遠心部材160の上方に位置し、具体的には、好ましくは、取り付けを容易にするために、本実施形態では、水蒸気分離取付ケーシング93’の中央部であって、その内側に向かって内部通路ケーシング131’’(液体回収領域92’’から水蒸気分離領域9a’’まで延びる)が上向きに延び、気流入口端91bと連通する吸引通路20(吸引通路に属する通路セグメントの一部)を形成し、具体的には、好ましくは、内部通路ケーシング131’は、気流入口端91b近傍の開口部が外向きに拡大したラッパ状を有し、吸気効率を高めることができ、湾曲面遠心部材160は、水蒸気分離取付ケーシング93’の上端部に固定的に取り付けられ、遠心インペラ170は、相対的に回転可能に湾曲面遠心部材160の下方に取り付けられ、気流が気流入口端91bから水蒸気分離領域9a’’に入ると、遠心インペラ170のブレードの表面は、気流の圧力作用を受けて自動的に回転し、それによって、遠心効果が加速され、水蒸気分離効果が向上する。
【0065】
本実施例1~4は、水蒸気分離領域および液体回収領域を有する水蒸気分離取付ケーシングを水蒸気分離装置として提案し、ここで、水蒸気分離領域は、気流入口端、気流出口端および液体出口端がそれぞれ設けられた水蒸気分離部を含み、実際の応用中で、水蒸気は、気流入口端を通過して水蒸気分離領域に入って、水蒸気分離部によって水蒸気分離が実現された後、その気流が気流出口端を通過して吸引ファンの吸気口に直接入り、その液体が液体出口端を通過して液体回収領域に合流し、これにより、吸引ファンの気流に入る液体部分の含有量を効果的に回避または大幅に低減し、吸引ファンの耐用年数を確保することができ、かつ吸引ファンの放熱性能に悪影響を及ぼすことがない。また、本実施例1~4の水蒸気分離取付ケーシングは、吸引ファンと直接設置接続されて一体となり、全体的な取り付けが迅速に完了でき、組立コストの削減が容易になり、本実施例1~4は、水蒸気分離が要求される吸引洗浄タイプの装置への使用に適している。本発明は上記の例示的な実施例の詳細に限定されるものではなく、本発明の精神または実質的な特徴から逸脱することなく、他の具体的な形態で本発明を実施可能であることは、当業者にとって自明である。したがって、実施例は、いずれの観点からも例示的かつ非限定的なものであるとみなされるべきであり、本発明の範囲は、上記の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるため、特許請求の範囲の同等の要素の意味および範囲に入るすべての変形を本発明に包含することが意図される。特許請求の範囲に付された参照番号は、当該特許請求の範囲を限定するものと見なしてはならない。
【0066】
さらに、理解されるように、本明細書は実施形態に従って記載されているが、各実施形態が1つの別個の技術的解決手段のみを含むわけではなく、本明細書でのこのような記載方式は説明を明確化するためのものに過ぎず、当業者は本明細書を全体として捉えるべきであり、各実施例の技術的解決手段はまた、適当に組み合わせて、当業者が理解し得る他の実施形態を形成することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
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【国際調査報告】