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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-05-31
(54)【発明の名称】電極を保持する手法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/256 20210101AFI20240524BHJP
   A61B 5/291 20210101ALI20240524BHJP
【FI】
A61B5/256 110
A61B5/291
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023579034
(86)(22)【出願日】2021-06-22
(85)【翻訳文提出日】2024-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2021066998
(87)【国際公開番号】W WO2022268301
(87)【国際公開日】2022-12-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523408525
【氏名又は名称】キュムラス ニューロサイエンス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】マカロック,イアン
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス,グリン
(72)【発明者】
【氏名】カーリー,テレンス
(72)【発明者】
【氏名】アーラシニー,サラ
(72)【発明者】
【氏名】マクニール,マーティン
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA03
4C127LL13
4C127LL15
(57)【要約】
体内電気信号を記録するために対象の体の表面に位置するように構成された電極と、電極を受容するように構成された電極レセプタクルと、電極を電極レセプタクルと連結するように構成され、電極が電極レセプタクルに連結しているロック形態及び電極が電極レセプタクルから離脱するアンロック形態を有する連結機構とを備える電極アセンブリが開示される。本開示は、電極、電極レセプタクル及びシステムにも関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内電気信号を記録するために対象の体の表面に位置するように構成される電極(10)と、
前記電極(10)を受容するように構成される電極レセプタクル(20)と、
前記電極(10)を前記電極レセプタクル(20)に連結するように構成される連結機構(30)であって、前記電極(10)が前記電極レセプタクル(20)と連結するロック形態と、前記電極(10)が前記電極レセプタクル(20)から離脱するアンロック形態とを有する連結機構(30)と
を備える電極アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記連結機構(30)は、バヨネットマウントアセンブリ、バヨネットコネクタアセンブリ、回転ロックアセンブリ、ねじアセンブリ、スナップフィットアセンブリ、摩擦アセンブリ及び磁気アセンブリのうちの少なくとも1つを備える、
請求項1に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記連結機構(30)は、前記電極レセプタクル(20)に対して前記電極(10)の方向を変えるか又は回転させることによってアンロック形態とロック形態との間を移行するように構成される、
請求項1又は2に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記連結機構(30)は、前記電極レセプタクル(20)に対して前記電極(10)を並進移動させることによってアンロック形態とロック形態との間を移行するように構成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記連結機構(30)は、雄型連結フィーチャ(32)及び雌型連結フィーチャ(34)を備え、
前記電極レセプタクル(20)は前記雄型連結フィーチャを備え、前記電極(10)は前記雌型連結フィーチャを備えるか、あるいは、前記電極(10)は前記雄型連結フィーチャを備え、前記電極レセプタクル(20)は前記雌型連結フィーチャを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項6】
前記連結機構(30)は、少なくとも1つの突出部(32a)を備え、
前記電極(10)及び前記電極レセプタクル(20)の少なくとも一方は、側面(13)を有するベース部(12,22)を備え、
前記少なくとも1つの突出部(32a)は、前記側面(13)から半径方向に延び、
前記連結機構(30)は、前記電極(10)又は前記電極レセプタクル(20)の各々の他方に少なくとも1つの凹部(35)を備え、前記少なくとも1つの凹部(34)は、前記少なくとも1つの突出部(32a)と係合するように構成される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項7】
前記電極(10)は、そこから前記少なくとも1つの突出部(32a)が半径方向外側に延びる前記側面(13)を有する前記ベース部(12)を備え、
前記少なくとも1つの突出部(32a)は、前記側面(13)の周囲の少なくとも一部に亘って延び、
前記少なくとも1つの凹部(35)は、前記電極レセプタクル(20)に形成される、
請求項6に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項8】
前記電極レセプタクル(20)は、前記電極(10)を受容するための開口(23)を備え、前記開口は(23)、内面(21)を有し、
前記電極レセプタクル(20)は、前記内面(21)から半径方向内側に延びる少なくとも1つの第2の突出部(34a)を備え、
前記少なくとも1つの凹部(35)は、前記少なくとも1つの第2の突出部(34a)によって軸方向に制限され、必要に応じて、前記凹部(35)は、前記少なくとも1つの第2の突出部(34a)と前記電極レセプタクル(20)の内壁(25)とによって形成される、
請求項6又は7に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項9】
前記電極(10)又は前記電極レセプタクル(20)の前記ベース部(12,22)は、前記電極(10)又は電極レセプタクル(20)の各々の他方の面に対面する軸方向面(15)を有し、
前記軸方向面(15)は、少なくとも1つの溝(36)を備え、
必要に応じて、前記少なくとも1つの溝は(36)、その長さに亘って変化する深さを有し、
必要に応じて、前記少なくとも1つの溝(36)は、前記電極(10)又は前記電極レセプタクル(20)の各々の他方の前記面に配置される少なくとも1つのピン(38)と連結するように構成される、
請求項6から8のいずれか一項に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのピン(38)は、前記連結機構(30)が前記ロック形態と前記アンロック形態との間を移行する際に前記少なくとも1つの溝(36)内に延びるように配置され、
前記少なくとも1つのピン(38)及び前記少なくとも1つの溝(36)は、前記連結機構(30)が前記ロック形態と前記アンロック形態との間で移行する際に、前記少なくとも1つのピン(38)が前記少なくとも1つの溝(36)に沿って移動するように配置される、
請求項9に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項11】
前記電極(10)又は前記電極レセプタクル(20)の前記ベース部(12,22)は、前記電極(10)又は電極レセプタクル(20)の各々の他方の面に対面する軸方向面(15)を有し、
前記軸方向面(15)は、少なくとも1つのブロッキング空洞(40)を備え、
前記少なくとも1つのブロッキング空洞(40)は、前記電極(10)又は前記電極レセプタクル(20)の各々の他方の面に配置される少なくとも1つのピン(38)と連結するように構成される、
請求項6から10のいずれか一項に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つのピン(38)及び前記少なくとも1つのブロッキング空洞(40)は、前記連結機構(30)が前記ロック形態にある際には前記少なくとも1つのピン(38)は前記少なくとも1つのブロッキング空洞(40)内に延び、前記連結機構(30)が前記アンロック形態にある際には前記少なくとも1つのピン(38)は前記少なくとも1つのブロッキング空洞(40)内に延びないように配置される、
請求項11に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのブロッキング空洞(40)は、前記少なくとも1つの溝(36)の長手方向の端部に配置され、
前記少なくとも1つのピン(38)と、前記少なくとも1つの溝(36)と、前記少なくとも1つのブロッキング空洞(40)とは、前記連結機構(30)が前記アンロック形態からロック形態に移行する際には前記少なくとも1つのピン(38)が前記少なくとも1つの溝(36)に沿って移動し、前記連結機構が前記ロック形態に到達すると、前記少なくとも1つのピン(38)が前記少なくとも1つのブロッキング空洞(40)内に延びるように配置される、
請求項9及び11に従属する先行する請求項のいずれか一項に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項14】
前記電極レセプタクル(20)は、上部ハウジング(24)及び下部ハウジング(26)を備え、前記上部ハウジング(24)及び前記下部ハウジング(26)は、前記電極(10)を受容するためのハウジングを形成するために互いに連結されるように構成され、
少なくとも1つの雄型連結フィーチャ(32)又は雌型連結フィーチャ(34)は、連結された前記上部ハウジング(24)及び下部ハウジング(26)によって形成される、
先行する請求項のいずれか一項に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項15】
前記連結機構(30)は、前記上部ハウジング(24)及び前記下部ハウジング(26)を組み立てるか又は分解することによって前記アンロック形態と前記ロック形態との間で移行するように構成され、任意的に、
前記上部ハウジング(24)及び前記下部ハウジング(26)は、組み立てる際には前記電極(10)を適切な位置に保持するように構成され、分解される際には前記電極(10)を解放するように構成される、
請求項14に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項16】
前記下部ハウジング(26)は、前記少なくとも1つの第2の突出部(34a)を備え、前記上部ハウジング(24)は、前記開口を少なくとも部分的に被覆するように構成され、
任意的に、前記凹部(35)は、前記少なくとも1つの第2の突出部(34a)と前記上部ハウジング(24)の内壁(25)によって形成される、
請求項8に従属する請求項14又は15に記載の電極アセンブリ。
【請求項17】
前記電極(10)の前記ベース部(12)は、前記電極レセプタクル(20)の面に対面する軸方向面(15)を有し、
前記軸方向面(15)は、電子配線又は電極レセプタクル接点を受容するように構成される少なくとも1つのトレンチ(16)を備え、さらに/あるいは、前記軸方向面(15)は、電極レセプタクル接点と接触するように構成される電極接点領域を備える、
請求項1から16のいずれか一項に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項18】
前記電極レセプタクル(20)に対して固定された姿勢で配置され、前記連結機構(30)が前記ロック形態にある際に前記電極(10)に接触するように構成される電気圧力接点要素(41)をさらに備え、
必要に応じて、前記電極アセンブリ(1)は、前記電極レセプタクル(20)上に配置される電子回路基板(42)をさらに備え、前記電気圧力接点要素(41)は、前記電子回路基板(42)上に配置され、さらに必要に応じて、前記電極レセプタクル接点は、前記電気圧力接点要素(41)である、
請求項1から17のいずれか一項に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項19】
前記電極(10)は、対象の体上に位置するように構成される複数の電極ピン(14)を備える、
請求項1から17のいずれか一項に記載の電極アセンブリ(1)。
【請求項20】
体内電気信号を記録するための電極(10)であって、
ベース部(12)と、
前記ベース部(12)に取り付けられ、体内電気信号を記録するために対象の体の表面に位置するように構成される複数の電極ピン(14)と、
電極レセプタクル(20)と連結するための少なくとも1つの雄型連結フィーチャ(32)又は雌型連結フィーチャ(34)と
を備え、
前記少なくとも1つの雄型連結フィーチャ(32)又は雌型連結フィーチャ(34)は、前記ベース部(12)に対して半径方向に延び、前記少なくとも1つの雄型連結フィーチャ(32)又は雌型連結フィーチャ(34)は、前記ベース部(12)の周囲の少なくとも一部に亘って延びる
体内電気信号を記録するための電極(10)。
【請求項21】
体内電気信号を記録するための電極用の電極レセプタクル(20)であって、
体内電気信号を記録するために対象の体の表面に位置するように構成される前記電極(10)を受容するための開口(23)と、
前記電極(10)と連結するための、前記開口(23)に対して半径方向に延びて前記開口(23)の周囲の少なくとも一部に亘って延びる少なくとも1つの雄型連結フィーチャ(32)又は雌型連結フィーチャ(34)と、
前記少なくとも1つの雄型連結フィーチャ(32)又は雌型連結フィーチャ(34)によって前記電極(10)が前記レセプタクル(20)に対して固定された位置に保持される際に、前記電極レセプタクル(20)に対して固定された位置に配置され、前記電極(10)に接触するように構成される電気圧力接点要素(41)と
を備える電極レセプタクル(20)。
【請求項22】
請求項1から19のいずれか一項に記載の前記アセンブリ(1)又は請求項21に記載の電極レセプタクル(20)と、
対象の体の前記表面に対して固定された位置に前記レセプタクル(20)を保持するように構成されるホルダ(52)と
を備えるシステム(50)。
【請求項23】
請求項18又は19に記載の前記アセンブリ(1)又は請求項21に記載の電極レセプタクル(20)を備える、請求項22に記載の前記システム(50)であって、
前記ユーザの頭部(60)の後ろ側に位置する前記ホルダ(52)の要素に配置される第1の回路基板(66)と、
前記第1の回路基板(66)を前記電気圧力接点要素(41)に電気的に接続する配線と
をさらに備える請求項22に記載のシステム(50)。
【請求項24】
前記第1の回路基板(66)から脳波(EEG)測定信号を収集するための回路を含む第2の回路基板(70)をさらに備え、
前記第2の回路基板(70)は、前記ユーザの頭部(60)の前記後ろ側に位置する前記ホルダ(52)の前記要素に配置され、前記第1の回路基板(66)に取り外し可能に連結される、
請求項23に記載のシステム(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、概して電極と電極レセプタクルとを備える電極アセンブリに関する。また、本開示は、電極、電極レセプタクル及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
脳波(EEG)又は心電図(ECG)などの生体電気測定値は、電気信号を記録するために対象(例えば動物又は人間)の体の表面に配置された電極に左右される。例えば、複数のいわゆる湿式電極を備えたEEGキャップが当該技術分野において知られている。そのような電極は、通常取り外せないようにEEGキャップに固定されており、導電性のジェルを介して体に接触したときにEEG信号を検知することができる。
【0003】
測定状況によっては(例えば、対象によって、測定環境等によって)、異なるタイプの電極(例えば、大きい電極、異なる形状の電極など)により、より正確な測定値が得られる場合がある。このことは、知られているEEGキャップに取り外せないように固定された電極に関していえば、異なるタイプの電極ごとに異なるEEGキャップが必要となることを意味する。
【0004】
EEGキャップの電極のうちの1以上の電極が故障した場合、EEGキャップの機能を復旧させるのは煩雑であり得る。例えば、取り外せないように固定された故障した電極をEEGキャップにダメージを与えることなく交換するのは、困難であるか又は不可能ですらあり得る。多くの場合、電極を交換するには、EEGキャップの既存の配線上に新しい電極をはんだ付けする必要がある。そのようなはんだ付けは難しいばかりでなく、電気接続不良又ははんだ接続の予測不能な電気的特性を引き起こす可能性さえあり、これは潜在的にEEG測定値に悪影響を与える。
【0005】
さらに、取り外せないように固定された電極の洗浄も困難であり得る。複数の電極を含んだEEGキャップは、定期的な洗浄、例えば使用の都度の洗浄が必要であり得る。もし装置全体の洗浄が必要であるとすれば、とりわけキャップ自体が洗浄に用いられる溶剤を吸収するやわらかい材料を含む場合には、このことは煩雑であり得る。溶剤を吸収したそのようなキャップはユーザにとって不都合なものとなり得る。同様の問題は複数のECG電極を備えた既存のECG測定デバイスにも根強く残っているものと思われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
概要
前述した問題又はその他の問題のうちの1つ以上の問題を解決する手法に対する需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によれば、電極アセンブリが提供される。電極アセンブリは、体内電気信号を記録するために対象の体の表面に位置するように構成された電極と、電極を受容するように構成された電極レセプタクルと、電極を電極レセプタクルに連結するように構成された連結機構とを備え、連結機構は、電極が電極レセプタクルと連結されているロック形態と、電極が電極レセプタクルから離脱するアンロック形態とを有している。
【0008】
体内電気信号は、脳波(EEG)信号又は心電図(ECG)信号のような生体電気信号であり得る。電極レセプタクルは、電極を少なくとも部分的に取り囲むことによって電極を受容するように構成され得る。電極レセプタクルは、電極の少なくとも一部のためのハウジングであり得るか又はそのようなハウジングを形成し得る。電極レセプタクルは概して鍋型であり得る。連結機構は、電極を電極レセプタクルに対して固定された空間関係に保持することによって、電極を電極レセプタクルに連結するように構成され得る。連結機構は、電極を電極レセプタクルに取り外し可能に取り付けることによって、電極を電極レセプタクルに連結するように構成され得る。
【0009】
連結機構は、バヨネットマウントアセンブリ、バヨネットコネクタアセンブリ、回転ロックアセンブリ、ねじアセンブリ、スナップフィットアセンブリ、摩擦アセンブリ、及び磁気アセンブリのうちの少なくとも1つを備え得る。
【0010】
連結機構は、アンロック形態とロック形態との間で(例えば、アンロック形態からロック形態へ、さらに/あるいはロック形態からアンロック形態へ)手動で移行するように構成され得る。連結機構は、(例えば、単に、さらに/あるいは手動で)電極レセプタクルに対して電極の方向を変えるか又は電極を回転させることによってアンロック形態とロック形態との間で移行するように構成され得る。代替的又は追加的に、連結機構は、(例えば、単に、さらに/あるいは手動で)電極レセプタクルに対して電極を並進的に(例えば軸方向へ)移動させることによってアンロック形態とロック形態との間で移行するように構成され得る。
【0011】
連結機構は、雄型連結フィーチャ及び雌型連結フィーチャを備え得る。電極レセプタクルは雄型連結フィーチャを備えていてよく、電極は雌型連結フィーチャを備えていてよい。代替的には、電極は雄型連結フィーチャを備えていてよく、電極レセプタクルは雌型連結フィーチャを備えていてよい。雄型連結フィーチャは、突出部、ピン又は縁部を備えるか又はそのようなものであり得る。雌型連結フィーチャは、凹部、孔、空洞又はノッチを備えるか、又はそのようなものであり得る。
【0012】
連結機構は、(例えば雄型連結フィーチャとしての)少なくとも1つの突出部を備えていてよく、電極及び電極レセプタクルのうちの少なくとも一方は、(例えば外側及び/又は内側の)側面を有するベース部を備え得る。少なくとも1つの突出部は、側面から(例えば、半径方向に、さらに/あるいは本質的に直角に)延びていてよい。連結機構は、(例えば、雌型連結フィーチャとしての)少なくとも1つの凹部を電極又は電極レセプタクルの各々の他方に備えていてよく、少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つの突出部と係合するように構成されている。
【0013】
少なくとも1つの突出部は、ピン又は縁部であり得る。少なくとも1つの突出部は、バヨネットマウントの半径方向のピンであり得る。ベース部は、第1の軸に関して回転対称であり得る。第1の軸は、ベース部の中心軸、回転軸又は縦軸であり得る。ベース部は、例えば円錐形状又は円筒形状を有し得る。例えば、ベース部は、本質的に(例えば直)円錐又は(例えば直)円柱のような形状であり得る。少なくとも1つの突出部は、(例えば、外側の)側面から半径方向内側に、あるいは(例えば、内側の)側面から半径方向外側に延び得る。少なくとも1つの突出部は、本質的に側面及び/又は第1の軸に対して垂直に延び得る。
【0014】
第1の態様の第1の変形例においては、電極は、そこから少なくとも1つの突出部が(例えば、半径方向外側に、あるいは半径方向内側に)延びる側面を有するベース部を備え得る。少なくとも1つの突出部は、側面の周囲の少なくとも一部に亘って(例えば、ただ一部のみに亘って)延び得る。この変形例においては、少なくとも1つの凹部は電極レセプタクルに形成され得る。例えば、少なくとも1つの凹部は、電極レセプタクル内に、あるいは電極レセプタクルによって形成されている。
【0015】
第1の態様の第2の変形例においては、電極レセプタクルは、少なくとも1つの突出部が(例えば、半径方向外側に、あるいは半径方向内側に)延びる側面を有するベース部を備え得る。少なくとも1つの突出部は、側面の周囲の少なくとも一部に亘って(例えば、ただ一部のみに亘って)延び得る。この変形例においては、少なくとも1つの凹部は電極に形成され得る。
【0016】
電極レセプタクルは、電極を受容するための開口を含んでいてよく、開口は、内面(例えば、内側の側面)を有している。電極レセプタクルは、内面から半径方向内側に延びる少なくとも1つの第2の突出部を備え得る。少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つの第2の突出部によって(例えば、少なくとも軸方向に、あるいは軸方向にのみ)制限され得る。
【0017】
開口は、第2の軸に関して回転対称であり得る。第2の軸は、(例えば、連結機構がロック形態にある場合の)電極レセプタクル又は電極の中心軸、回転軸、又は縦軸であり得る。本明細書において使用される「軸方向」という語は、第1の軸及び/又は第2の軸を意味し得る。開口は、例えば円錐形状又は円筒形状を有し得る。例えば、開口は、本質的に(例えば直)円錐又は(例えば直)円柱として形成され得る。少なくとも1つの凹部は、第1の軸及び第2の軸のうちの少なくとも一方の軸に関して、少なくとも第2の突出部によって軸方向に制限され得る。少なくとも1つの第2の突出部は、少なくとも1つの凹部を、例えば少なくとも軸方向に限定するか又は区切り得る。
【0018】
少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つの第2の突出部と電極レセプタクルの内壁とによって形成又は規定され得る。少なくとも1つの凹部は、(例えば、軸方向に、さらに選択的には半径方向に)少なくとも1つの第2の突出部と内壁とによって制限され得る。例えば、連結機構がロック形態にある際には、開口の輪郭線及び少なくとも1つの第2の突出部は、電極のベース部の輪郭線及び少なくとも1つの突出部と少なくとも部分的に重なり合う。電極レセプタクルの内面は、電極の最も外側の面(例えば、少なくとも1つの突出部の外面)から半径方向に離れていてよい。少なくとも1つの突出部の半径方向外側面は、少なくとも1つの第2の突出部の半径方向内側面から半径方向に(例えば外側に向かって)離れていてよい。換言すれば、少なくとも1つの第2の突出部の半径方向外側面は、(例えば、連結機構がロック形態にある際に)少なくとも1つの突出部の半径方向外側面よりも第1の軸及び/又は第2の軸により近くてよい。
【0019】
電極又は電極レセプタクルのベース部は、電極又は電極レセプタクルの各々の他方の面に対面する軸方向面(例えば端面)を有することができ、前記軸方向面は少なくとも1つの溝を備えており、少なくとも1つの溝は、長さに沿って変化する深さを有しており、少なくとも1つの溝は、電極又は電極レセプタクルの各々の他方の面に配置される(例えば当該面上に配置され、当該面に取り付けられ、さらに/あるいは当該面から延びる)少なくとも1つのピンと連結するように構成されている。
【0020】
連結機構がロック形態とアンロック形態との間で(例えば、ロック形態からアンロック形態へ、さらに/あるいはアンロック形態からロック形態へと)移行する際に、少なくとも1つのピンは、少なくとも1つの溝内に延びるように配置され得る。少なくとも1つのピン及び少なくとも1つの溝は、連結機構がロック形態とアンロック形態との間で移行する際に、少なくとも1つのピンが(例えば少なくとも1つの溝の内部で、そして)少なくとも1つの溝に沿って移動するように配置され得る。少なくとも1つの溝は、少なくとも1つのピンのためのガイドとして構成され得る。
【0021】
電極又は電極レセプタクルのベース部は、電極又は電極レセプタクルの各々の他方の表面に対面する軸方向面(例えば端面)を有していてよく、この軸方向面は、少なくとも1つのブロッキング空洞を備えており、少なくとも1つのブロッキング空洞は、電極又は電極レセプタクルの各々の他方の面に配置される(例えば、当該面上に配置され、当該面に取り付けられ、さらに/あるいは当該面から延びる)(例えば上記)少なくとも1つのピンと連結するように構成されている。
【0022】
軸方向面は、ベース部のベース面、軸方向端面又は近接面であり得る。電極又は電極レセプタクルの各々の他方の面は、電極又は電極レセプタクルの各々の他方の(例えばベース部の)ベース面、軸方向端面又は近接面であり得る。少なくとも1つのピンは、電極又は電極レセプタクルの各々の他方の(例えばベース部の)面に対して本質的に垂直又は軸方向に延び得る。少なくとも1つの溝は、電極又は電極レセプタクルのベース部の側面に対して平行に延び得る。少なくとも1つの溝は円弧に沿って延び得る。少なくとも1つの溝は、溝の長さに沿って線形的に変化する深さを有し得る。少なくとも1つの溝は、溝の長さに沿って徐々に深くなり得る。少なくとも1つの溝は、ランプ状の(例えば軸方向の)底面を有し得る。少なくとも1つのブロッキング空洞は、半径方向中央及び/又は軸方向端面の回転中心から離れた位置に形成され得る。
【0023】
少なくとも1つのピン及び少なくとも1つのブロッキング空洞は、少なくとも1つのピンが、連結機構がロック形態にある際には少なくとも1つのブロッキング空洞内に延び、かつ、連結機構がアンロック形態にある際には少なくとも1つのブロッキング空洞内に延びないように配置され得る。
【0024】
少なくとも1つのブロッキング空洞は、少なくとも1つの溝の長手方向の端部に配置されてよく、少なくとも1つのピンと、少なくとも1つの溝と、少なくとも1つのブロッキング空洞とは、連結機構がアンロック形態からロック形態に移行する際には、少なくとも1つのピンが(例えば少なくとも1つの溝の内部かつ)少なくとも1つの溝に沿って移動し、連結機構がロック形態に到達すると、少なくとも1つのピンが少なくとも1つのブロッキング空洞内に延びる(例えば、そしてそれによって少なくとも1つのブロッキング空洞と連結し、あるいは少なくとも1つのブロッキング空洞を塞ぐ)。
【0025】
一実施形態においては、電極レセプタクルは、上部ハウジングと下部ハウジングとを備えていてよく、上部ハウジングと下部ハウジングとは、互いに連結されて電極を受容するための(例えば上記)ハウジングを形成するように構成されており、(例えば上記)少なくとも1つの雄型連結フィーチャ又は(例えば上記)雌型連結フィーチャは、連結された上部ハウジング及び下部ハウジングによって形成される。上部ハウジングと下部ハウジングとは、スナップフィット連結又はクリックオン連結によって互いに連結され得る。上部ハウジングと下部ハウジングとは、互いに取り外せないように連結され(例えば取り付けられ)得る。電極レセプタクルのベース部は、下部ハウジング及び/又は上部ハウジングを形成し得る。連結機構は、上部ハウジングと下部ハウジングとを(例えば、単に)組み立てるか又は分解する(例えば、連結するか又は分離する)ことによってアンロック形態とロック形態との間を移行するように構成され得る。
【0026】
必要に応じて、上部ハウジングと下部ハウジングとは、組み立てられた際(例えば、組み立てられた状態のとき)に、電極を適切な位置に(例えば、電極レセプタクルに対して固定された空間関係に)保持するように構成され得るものであり、分解された際(例えば、分解された状態のとき)に、電極を解放するように構成され得るものである。例えば、この構成においては、電極は、電極を覆う下部ハウジングの少なくとも1つの突出部によって電極アセンブリ内で排他的に保持され得る。この構成においては、電極は、下部ハウジングが上部ハウジングから分解された際にのみ解放される。
【0027】
別の実施形態においては、電極レセプタクルは、単一の(例えば、堅固な、あるいは一体の)構造として形成されてよく、本明細書で述べられる上部ハウジング及び下部ハウジングのための全ての要素は、この単一構造によって提供される。この場合において、上部ハウジングは、下部ハウジングと取り外せないように固定されているか、又は下部ハウジングと一体的に形成されていることが考えられる。
【0028】
下部ハウジングは少なくとも1つの第2の突出部を有し得る。上部ハウジングは、下部ハウジングの(例えば軸方向の)開口を(例えば軸方向から)少なくとも部分的に覆うように構成され得る。上部ハウジングは、電極レセプタクルの全体的に鍋型のベース面を形成し得る。少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つの第2の突出部と上部ハウジングの内壁(例えば全体的に鍋型のベース面)とによって形成され(例えば軸方向及び/又は半径方向に制限され、規定され、又は限定され)得る。例えば、少なくとも1つの第2の突出部と上部ハウジングの内壁との間の距離は、少なくとも1つの突出部の軸方向高さと一致し得る。
【0029】
電極又は電極のベース部は、電極レセプタクルの(例えば上記)面に対面する(例えば上記)軸方向面を有していてよく、前記軸方向面は、電子配線又は電極レセプタクル接点を受容するように構成された少なくとも1つのトレンチを備え得る。代替的又は追加的には、前記軸方向面は、電極レセプタクル接点と接触するように構成された電極接点領域を備え得る。
【0030】
電極アセンブリは、電極レセプタクルに対して固定された姿勢で配置され(例えば、電極レセプタクルに取り付けられ)、連結機構がロック形態にある際に電極と接触するように構成された電気圧力接点要素をさらに備え得る。必要に応じて、電極アセンブリは電極レセプタクルに配置された(例えば取り付けられた)電子回路基板をさらに備えていてよく、電気圧力接点要素は、電子回路基板に配置され(例えば、取り付けられ、さらに/あるいははんだ付けされ)ている。電極レセプタクル接点は電気圧力接点要素であり得る。
【0031】
電気圧力接点要素は、連結機構がロック形態にある際に、電極上に圧力又は接触力を与えるように構成され得る。電気圧力接点要素はばね接点を備え得る。電気圧力接点要素及び/又は電子回路基板は、上部ハウジングの内壁上及び/又は上部ハウジングと下部ハウジングとによって囲まれた空間内に配置され得る。電気圧力接点要素及び/又は電子回路基板は、連結機構がロック形態にある際に上部ハウジングと電極との間に配置され得る。電子回路基板はプリント回路基板(PCB)であり得る。
【0032】
電極アセンブリは、電気圧力接点要素及び/又は電子回路基板と電気的に接続された配線をさらに備え得る。上部ハウジングは少なくとも1つの貫通孔を備えていてよく、電気圧力接点要素、電子回路基板及び配線のうちの少なくとも1つは貫通孔を貫通している。
【0033】
電極は、対象の体に(例えば対象の体の表面に)位置するように構成された複数の電極ピン又は電極フィンガを備え得る。電極ピン又は電極フィンガは、変形可能か、弾性を有するか、又は柔軟性を有する(例えば、ASTM D2240-00試験規格によるA35からA100までの間のショア硬さを有する)ものであり得る。電極は乾式電極又は湿式電極であり得る。好ましくは乾式電極を用いる。電極は成型された要素、例えば射出成型された要素であり得る。電極は均質な材料から作られ得る。電極は、導電性の(例えば熱)可塑性材料、例えばポリマ(例えば、銀又は塩化銀が添加されたもの)から形成され得る。電極、又はピンあるいはフィンガのような電極の一部は、弾性を有するか、変形可能か、又は柔軟性を有するものであり得る。
【0034】
第2の態様によれば、体内電気信号の記録用の電極が提供される。電極は、ベース部と、ベース部に取り付けられ、体内電気信号を記録するために対象の体の表面に位置するように構成された複数の電極ピンと、電極レセプタクルと連結するための少なくとも1つの雄型連結フィーチャ又は雌型連結フィーチャとを備え、少なくとも1つの雄型連結フィーチャ又は雌型連結フィーチャは、ベース部に対して半径方向に(例えば半径方向外側に向かって)延びており、少なくとも1つの雄型連結フィーチャ又は雌型連結フィーチャは、少なくともベース部の周囲の一部に亘って(例えばベース部の周囲の一部のみに亘って)延びている。第2の態様の電極は、第1の態様による電極アセンブリの一部であり得る。第2の態様の電極は、第1の態様による電極アセンブリの電極について説明した特徴部のうちの1以上のものを付加的に備え得る。
【0035】
第3の態様によれば、体内電気信号を記録するための電極用の電極レセプタクルが提供される。電極レセプタクルは、体内電気信号を記録するために対象の体の表面に位置するように構成された電極を受容するための開口と、電極と連結するための、開口に対して半径方向(例えば、半径方向内側に向かって)延びていて開口の周囲の少なくとも一部に亘って(例えば一部のみに亘って)延びる少なくとも1つの雄型連結フィーチャ又は雌型連結フィーチャと、電極レセプタクルに対して固定された位置に配置され、少なくとも1つの雄型連結フィーチャ又は雌型連結フィーチャによって電極がレセプタクルに対して固定された位置に保持される際に電極に接触するように構成された電気圧力接点要素とを備えている。第3の態様の電極レセプタクルは、第1の態様による電極アセンブリの一部であり得る。第3の態様の電極レセプタクルは、第1の態様による電極アセンブリの電極レセプタクルについて説明した特徴部のうちの1以上のものを付加的に備え得る。
【0036】
第4の態様によれば、システムが提供される。システムは、第1の態様によるアセンブリ又は第3の態様による電極レセプタクルと、(例えば上記)対象の体の表面に対して固定された位置にレセプタクルを保持するように構成されたホルダとを備えている。
【0037】
ホルダは、キャップ、ヘッドバンド又はヘッドセットであり得る。ホルダは、人間の頭部に対して固定された位置、例えば10-10又は10-20EEG電極配置スキームのいずれか一方の位置にレセプタクルを保持するように構成され得る。
【0038】
システムは、ユーザの頭部の後ろ側に位置するホルダの要素に配置された第1の回路基板をさらに備え得る。システムは、第1の回路基板を本明細書で述べられる電気圧力接点要素に電気的に接続する配線をさらに備え得る。配線は1以上の(例えば遮蔽された)ワイヤを備え得る。
【0039】
システムは、第1の回路基板から脳波(EEG)測定信号を収集するための回路を含む第2の回路基板(例えばプリント回路基板(PCB))をさらに備え得る。第2の回路基板は、ユーザの頭部の後ろ側に位置するホルダの要素に配置され得る。第22の回路基板は、第1の回路基板と取り外し可能に連結され得る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図面の簡単な説明
本開示のさらなる詳細、利点及び態様は、図面と共に理解される以下の実施形態から明らかになるであろう。
図1図1は、本開示による電極アセンブリの第1の実施形態の第1の分解図を示している。
図2図2は、図1の実施形態の第2の分解図を示している。
図3図3は、本開示によるシステムを示している。
【発明を実施するための形態】
【0041】
詳細な説明
以下の記述においては、電極アセンブリ、電極、電極レセプタクル及びシステムの例示的な実施形態が図を参照しながら説明される。同一の参照符号は、同一又は類似の構造的特徴を示すために用いられる。
【0042】
本開示による第1の実施形態が図1及び図2に示されている。理解できるように、電極10及び電極10を受容するように構成された電極レセプタクル20を備える電極アセンブリ1が提供される。
【0043】
電極10は、本質的に円筒形状のベース部13を備え得る。しかしながら、電極10は、その機能性が保たれてユーザにとっての利便性が十分である限り、異なる形状(例えば矩形又は楕円形状)を有し得る。
【0044】
電極10は、ベース部13から延びて対象の体上に位置するように構成された複数の柔軟な電極ピン14(又は電極フィンガ14)を備える乾式電極であり得る。この構成においては、電極ピン14又は電極フィンガ14は、介在する接触ジェルの使用を必要とせず、直接的に測定することが可能である。(図示していないが)別の実施形態においては、電極は、測定値を提供するために接触ジェルの使用を必要とし得る湿式電極であってもよい。好ましい実施形態においては、電極は乾式電極である。乾式電極は、接触ジェルを使用する必要がなく、電極の使用後に要する洗浄が少なくて済むという利便性を有し得る。
【0045】
電極10は、当業者に知られているように、射出成型された導電性の要素であり得る。例えば、電極10は、銀及び/又は塩化銀を添加したか、あるいは銀及び/又は塩化銀を含むポリマから形成されている。しかしながら、電極10は、本開示の範囲を逸脱することなく、異なる製造方法によって製造され、あるいは異なる材料又は材料の混合物から形成されてもよい。電極10は、脳波(EEG)測定値を得るために構成され得る。
【0046】
電極レセプタクル20は、上部ハウジング24と下部ハウジング26とを備え得る。上部ハウジング24と下部ハウジング26とは、例えばスナップフィット連結又はクリックオン連結によって互いに取り付けられ得る。下部ハウジング26は雄型スナップフィーチャ27を備えていてよく、上部ハウジング24は雌型スナップフィーチャ28を備えていてよく、雄型スナップフィーチャ27と雌型スナップフィーチャ28とはスナップフィット連結を提供するように構成される。例えば、図1に示されるように、下部ハウジング26は、上部ハウジング24におけるそれぞれの孔28と連結するように構成された複数のプロング27又はフック27を備え得る。
【0047】
また、上部ハウジング24は、電子配線(図示せず)を挿入するための貫通孔33を備え得る。この構成においては、配線の大部分を電極アセンブリ1を含むキャップ内に隠すことができ、配線のわずかな部分だけを電極に接触するために貫通孔33に挿入することができるので、(例えば第1の回路基板、例えばプリント回路基板(PCB)から延びる)最小限の配線のみが露出する。これにより、電極10を第1の回路基板(図示せず)へ利便性良く接触させることができる。また、この構成は、電極が電極レセプタクル20から取り外された場合に、配線のごく限られた量だけが外部に露出することになるので、意図するか又は意図せざる操作のリスクを低減させる利点をも有する。さらに、図1に示されるように、また以下でさらに述べるように、上部ハウジング24に設置した電子回路基板42に配線を固定することもできる。この構成においては、電極10が電極レセプタクル20から取り外されても、配線は実質的に外部に露出しない。
【0048】
一実施形態においては、上部ハウジング24は複数のスペーサ31を備えていてよく、下部ハウジングは複数のスペーサ29を備えていてよい。スペーサ29,31は、上部ハウジング24又は下部ハウジング26の各々の他方に対面するように配置され得る。組み立てられた上部ハウジング24及び下部ハウジング26は電極10を受容し保持するためのハウジングを形成し得る。そのようなスペーサは、さらに後述するように、上部ハウジングと下部ハウジングとの間に凹部35を設けることを可能あるいは確実にすることができる。
【0049】
電極レセプタクル20は、2つの別個のハウジング構成要素を持たない単一の構造として提供され得ることに留意する。例えば、電極レセプタクル20は、単一構造中に存在するとはいえ、上部ハウジング24及び下部ハウジング26について述べた全ての特徴部を含んだ一部品として射出成型され得る。しかしながら、この場合には、スナップフィット連結は不要であり得る。
【0050】
アセンブリ1は、電極10を電極レセプタクル20に連結するように構成された連結機構30を備えており、連結機構30は、電極10が電極レセプタクル20に連結されたロック形態と、電極10が電極レセプタクル20から離脱したアンロック形態とを有している。
【0051】
連結機構30は、雄型連結フィーチャ32と雌型連結フィーチャ34とを備え得る。以下においては、電極10が雄型連結フィーチャ32を備え、電極レセプタクル20が雌型連結フィーチャ34を備える実施形態が説明される。しかしながら、別の実施形態においては、本開示の範囲を逸脱しない限りにおいて、電極レセプタクル20は雄型連結フィーチャ32を備えていてよく、電極10は雌型連結フィーチャ34を備えていてよい。例えば、図1においては、電極10は、突出部32aの代わりに側面13に形成された少なくとも1つの凹部を備えていてよく、電極レセプタクル20は内面21から半径方向外側に延びる少なくとも1つの突出部(例えばピン)を備えていてよい。本明細書で説明する各特徴部は、両方の代替的実施形態のいずれかと組み合わせることができる。
【0052】
図1に示された一実施形態においては、電極10は雄型連結フィーチャ32を備えており、電極レセプタクル20は雌型連結フィーチャ34を備えている。電極10は、側面13を有する本質的に円筒形状のベース部12を備え得る。上記に示したように、電極10とそのベース部12とは、側面13(例えば外面)を有した異なる形状を有していてもよい。連結機構30は、雄型連結フィーチャ32を形成する少なくとも1つ(例えば3つ)の突出部32aを備え得る。少なくとも1つの突出部32aは、側面13から半径方向外側に向かって延びていてよく、電極10のベース部12における側面13の周囲の一部のみに亘って延びていてよい。
【0053】
電極レセプタクル20は、電極10を受容するための開口23を備えていてよく、開口23は内面21を有している。開口23は、半径方向の内面21を有する本質的に円形状の開口23であり得る。好ましい実施形態においては、電極10は本質的に円筒形状を有し、電極10を受容するように構成された開口23は、半径方向の内面21を有する本質的に円形状の開口23である。しかしながら、本質的に円筒形状である電極を本明細書で述べられる方法で連結することが依然として可能である限り、開口は例えば矩形であってもよいことに留意する。内面21は下部ハウジング26の一部であってよく、あるいは下部ハウジング26によって形成されていてよい。電極レセプタクル20は、開口23において内面21から半径方向内側に延びる少なくとも1つ(例えば3つ)の第2の突出部34aを備え得る。少なくとも1つの第2の突出部34aは、内面21の周囲の一部のみに亘って延びていてよい。上部ハウジング24は、開口23を例えば内壁25によって少なくとも部分的に覆うように構成され得る。
【0054】
少なくとも1つ(例えば3つ)の凹部35は、少なくとも1つの第2の突出部34aによって軸方向で制限され得る。少なくとも1つの凹部35は、少なくとも1つの第2の突出部34aと電極レセプタクル20の上部ハウジング24の内壁25との間に形成され得る。(既に上記で説明した)スペーサ29,31は、凹部35が所定の軸方向の高さを有することを確実にするため、すなわち、少なくとも1つの第2の突出部34aと内壁25との間の距離の下限を規定するために用いられ得る。少なくとも1つの第2の突出部34aと内壁25との間の距離の上限は、上記で説明した雄型と雌型のスナップフィット連結フィーチャ27,28によって規定され得る。少なくとも1つの凹部35は、少なくとも1つの突出部32aと係合するように構成され得る。本明細書で述べられるすべての要素は、一部品として形成された単一のハウジングからなる単一の電極レセプタクル20上に存在し得ることは、再度強調される。
【0055】
一実施形態においては、連結機構30は、バヨネットマウントと同様に機能する回転ロックアセンブリであってよい。連結機構30は、電極レセプタクル20に対して手動で電極10の方向を変えるか又は電極10を回転させることによってアンロック形態とロック形態との間を移行するように構成され得る。この構成において、少なくとも1つの突出部32aは、連結機構30のロック形態においては、少なくとも1つの第2の突出部34aと内壁25との間に挟まれ得る。これにより、電極レセプタクル20に対する電極10の軸方向(例えば、電極10のベース部12の中心軸17又は回転軸17に沿った方向)の移動が阻止され得る。本明細書で述べられる全ての雄型連結フィーチャ及び雌型連結フィーチャは逆でもあってよく、すなわち、電極10が雌型連結フィーチャを備えていてよく、電極アセンブリ20が雄型連結フィーチャを備えていてもよいことは再度強調される。
【0056】
電極10のベース部12は、電極レセプタクル20の内壁25に対面する軸方向上端面15を有していてよく、この軸方向面15は少なくとも1つ(例えば3つ)の溝36を備えている。少なくとも1つの溝36は、側面13に平行で軸17を取り囲む円弧として形成され得る。少なくとも1つの溝36は、その長さに亘って線形的に変化する深さを有していてよく、これによってランプ状の構造を形成している。少なくとも1つの溝36は、内壁25から軸方向に延びる少なくとも1つのピン38と連結するように構成され得る。少なくとも1つのピン38は、ソケット39を介して内壁25に固定され得る。別の構成においては、電極10は、軸方向上端面15から軸方向に延びる少なくとも1つのピン38を備えていてよく、電極レセプタクル20は、内壁25に形成された少なくとも1つの溝36を備えていてよい。
【0057】
少なくとも1つのピン38及び少なくとも1つの溝36は、電極10が電極レセプタクル20に対して回転される際に連結機構30をロック形態とアンロック形態との間で移行するように、少なくとも1つのピン38が少なくとも1つの溝36に沿ってスライドするように配置され得る。少なくとも1つのピン38は、少なくとも1つの溝36の内部に延びて少なくとも1つの溝36の底部に接触するように構成され得る。底面は少なくとも1つの溝36の長さに沿って上昇するので、少なくとも1つのピン38、ひいては電極10は、連結機構30がアンロック形態とロック形態との間で移行する際に、電極レセプタクル20に対して軸方向に並進移動をし得る。このため、連結機構30は、レセプタクル20に対する電極10の回転及び軸方向移動の両方によってアンロック形態とロック形態との間を移行し得る。したがって、少なくとも1つのピン38と少なくとも1つの溝36とは、電極10とレセプタクル20との間の連結を容易にする「ガイド機構」として用いられ得る。
【0058】
少なくとも1つの溝36と、少なくとも1つのピン38と、雄型連結フィーチャ32及び雌型連結フィーチャ34とは、連結機構30が電極レセプタクル20に対する電極10の並進移動のみによって(すなわち、電極レセプタクル20に対して電極を回転させずに)アンロック形態とロック形態との間を移行するように形成され得ることに留意する。連結機構30のそのような移行は、少なくとも1つの溝36及び少なくとも1つのピン38が設けられずとも実現することができる。この場合においては、例えば、電極は、電極を電極レセプタクル内に軸方向に挿入することによって電極レセプタクル内に圧入されるか又はスナップフィットされることができ、これによって連結機構をロック形態へと移行することができる。
【0059】
代替的に、少なくとも1つの36と、少なくとも1つのピン38と、雄型連結フィーチャ32及び雌型連結フィーチャ34とは、連結機構30が電極レセプタクル20に対して電極10を並進移動させることなくアンロック形態とロック形態との間を移行するように形成され得る。この場合においては、例えば、少なくとも1つのピン38及び/又は少なくとも1つの溝36の底面は、電極レセプタクル20に対して電極10を回転させる際に変形し得るか、又は少なくとも1つのピン38は少なくとも1つの溝36の底面に接触しなくてもよい。別の例としては、溝36はその長さに亘って一定の深さを有していてよく、又は溝36もピン38もなくてもよい。
【0060】
ベース部12の軸方向面15は、少なくとも1つのピン38と連結するように構成された少なくとも1つのブロッキング空洞40を備え得る。図1において理解できるように、少なくとも1つのブロッキング空洞40は、少なくとも1つの溝36の長手方向の端部に配置され得る。したがって、連結機構30がアンロック形態からロック形態に移行する際、ピン38は少なくとも1つの溝36に沿ってスライドする。少なくとも1つのピン38及び/又は少なくとも1つの溝36の底面は、上述のように、電極レセプタクル20に対して電極10が回転する際に変形し得る。連結機構がロック形態に達すると、少なくとも1つのピン38は少なくとも1つのブロッキング空洞40内に嵌まり込み得る。この構成により、電極10が意図せず回転したり外れたりすることが回避され得る。すなわち、少なくとも1つのピン38及び少なくとも1つのブロッキング空洞の組み合わせは、電極10とレセプタクル20との間の相対的な(例えば回転)位置を保持するための「保持機構」を提供し得る。したがって、ロック形態においては、ピンは、レセプタクル20に対する電極10の回転を妨げるように、ブロッキング空洞40内に延びていてよい。機構30がロック形態からアンロック形態へと移行されるように電極10を回転させるためには、所定のトルクが必要とされ得る。この所定のトルクは、ピン38及びブロッキング空洞40の寸法、並びに電極10及びピン38の材料に左右され得る。アセンブリ1は、所定のトルクがおよそ1から10Nm、例えば1から1.2Nmまでの間となるように構成され得る。当業者であれば、本明細書で提供した情報に基づいて、またユーザにとっての実用性に基づいて、上記で説明したように連結機構をロック又はアンロックするために有用なトルクの提供方法が分かるであろう。
【0061】
電極10のベース部12の軸方向面15は、電子配線又は電極レセプタクル接点を受容するように構成された少なくとも1つのトレンチ16を備え得る。この電子配線は、(既に上記で説明した)第1のプリント回路基板から延びるものであってよく、上部ハウジング24の貫通孔33を通って挿入されていてよい。軸方向面15は、電極レセプタクル接点と接触するように構成された(例えばトレンチ16内の)電極接点領域を備え得る。電極アセンブリ1は、電気圧力接点要素41及び電子回路基板42をさらに備え得る。電子回路基板42は上部ハウジング24にクリップマウントされ、糊付けされ、又は取り付けられてよく、電気圧力接点要素41は電子回路基板42と連結され得る。すなわち、電子回路基板42及び電気圧力接点要素41の両方は、上部ハウジング24と下部ハウジング26との間に配置され得る。単一ハウジングの構成においては、電子回路基板42及び電気圧力接点要素41の両方は、単一ハウジング内に配置され得る。電極レセプタクル接点は、電気圧力接点要素41であり得る。電気圧力接点要素41は、電極10がレセプタクル20によって保持されている際に電極10の電極接点領域上に接触圧力を与えるばね接点であってよく、又はそのようなばね接点を備えていてもよい。ばね接点は、例えば金のような導電性材料から形成されるか、あるいはそのような導電性材料でめっきされていてもよい。導電性材料は、(例えば、電極10がばね接点に接触している際に)電極10及び/又はばね接点に腐食が生じないように選択されてよく、例えば上記で説明したように金などの不活性金属から選択され得る。これにより、配線又は配線インタフェイスなしに電極10を使用しつつも、電極10と電子回路基板42との間の電気的接続が保証され得る。この構成は、配線や電気接点を考慮する必要なく、電極10を電極レセプタクル20と容易に連結でき、さらに電極レセプタクル20から取り外せるという利点を有し得る。追加的な利点としては、わずかな配線しか外部に露出されないか、又は配線が全く外部に露出されないので、アセンブリの操作や故障が生じにくい。
【0062】
アセンブリ1は、電子回路基板42に電気的に接続される配線(図示せず)をさらに備え得る。上記で説明したように、上部ハウジング24は、電極レセプタクル20の外部から電子回路基板42へと延びることのできる配線が通る貫通孔33を備え得る。貫通孔33はさらに、電子回路基板42を上部ハウジング26に対して適切な位置に保持するように構成され得る。配線は、電子回路基板42を本明細書で説明される第1の回路基板に接続し得る。
【0063】
図3は、対象の体の表面に対して固定された位置に電極レセプタクル20を保持するように構成されたホルダ52又はヘッドセット52を備えるシステム50を示している。ホルダ52は複数のバンド又はストラップ54,55,57を備え得る。中間バンド57が、ユーザの矢状面において延びるように構成され得る。ヘッドバンド54はユーザの頭部60を取り囲むように構成され得る。1以上のサイドバンド55は、例えば接続部56を介して、中間バンド57及びヘッドバンド54の両方に接続され得る。また、システム50は、バンド54,55,57のうちの1つに埋め込まれたレセプタクル20を備え得る。図3においては、上部ハウジング24の上面58を見ることができるが、下部ハウジング26及び電極10はサイドバンド55によって覆われている。
【0064】
スペーサ29,31は、電極レセプタクルをバンド54上に固定する歯としての役割を果たし得る。すなわち、バンド54は、その中に凹部35が位置する貫通孔(図示せず)を備えていてよく、貫通孔の近傍にあるバンド54の一部は、上部ハウジング24のスペーサ31と下部ハウジング26のスペーサ29との間に挟まれる。別の構成においては、ハウジング全体がバンド54によって覆われ得る。この構成においては、バンド54は上部ハウジング24のスペーサ31と下部ハウジング26のスペーサ29との間に挟まれるように構成される内側部分と、アセンブリ1を覆うように構成される外側部分とを備え得る。図示した例におけるホルダ52は、レセプタクル20を規格化された10-10又は10-20EEG配置スキームのうちのいずれか一方でユーザの頭部60上に保持するように構成されたヘッドセット又はキャップである。
【0065】
ホルダ52は、上述した、図3において符号66で示される第1の回路基板を備え得る。第1の回路基板66は、ユーザの頭部60の後ろ側に位置するホルダ52の要素又は部分に配置され得る。上述した配線は、第1の回路基板66を電子回路基板42及び/又は電気圧力接点要素41に電気的に接続し得る。
【0066】
第1の回路基板66は、ヘッドセット52(例えば、そのヘッドバンド)に取り付けられ、又はヘッドセット52(例えば、そのヘッドバンド)により形成された閉鎖可能なポケット68内に配置され得る。閉鎖可能なポケット68は、ユーザがヘッドセット52を着用したときにユーザの頭部60の後ろ側に配置されるように構成され得る。ポケット68はファスナ64によって閉鎖可能であり得る。
【0067】
前述した配線は、ヘッドセット52のヘッドバンド54、中間バンド57及び/又は少なくとも1つのサイドバンド55に取り付けられ(例えば糊付けされ、又は縫い付けられ)又は埋め込まれ得る。配線はジグザグ模様又は波模様で延び得る。配線は電気的に遮蔽されたワイヤを備え得る。配線は(電気的に遮蔽する)保護用のカバーによって被覆され得る。
【0068】
ヘッドセット52は、第1の回路基板から又は第1の回路基板を通じて脳波(EEG)測定信号を収集するための回路を有する第2の回路基板をさらに備え得る。第2の回路基板70は、ユーザ(例えば、患者又は装着者)の頭部の後ろ側に位置するヘッドセットの要素又は部分に配置され得る。第2の回路基板70は、第1の回路基板66に取り外し可能に連結され得る。第2の回路基板70は、(例えば押し込み式の)電気コネクタ72を介して第1の回路基板66に取り外し可能に連結され得る。電気コネクタ72は、基板対基板コネクタ又は第1の回路基板(PCB)コネクタであり得る。第2の回路70基板は、第1の回路基板66と共に閉鎖可能なポケット68内に配置され得る。第1の回路基板66及び第2の回路基板70は、各々がプリント回路基板、フレキシブル回路基板、エッチングされた回路基板又はプリント導電トレースの代わりにはんだ付け配線を備える回路基板であり得る。
【0069】
連結機構は、上部ハウジング24と下部ハウジング26とを組み立てるか又は分解する(例えば、連結するか又は分離する)ことによって(例えば、それによってのみ)アンロック形態とロック形態との間を移行するように構成され得る。この場合、上部ハウジング24及び下部ハウジング26は、組み立てられた際(例えば、組み立てられた状態のとき)に電極10を適切な位置(例えば、電極レセプタクル20に対して固定された空間関係)に保持するように構成されていてよく、分解された際(例えば、分解された状態のとき)に電極10を解放するように構成されていてよい。例えば、この構成においては、電極レセプタクル20は、開口23と少なくとも1つの第2の突出部34aを備えた内側面21とを有し得る。少なくとも1つの第2の突出部34aは、下部ハウジング26が上部ハウジング24と組み立てられた後に電極10を適切な位置にロックするように構成され得る。この構成においては、電極レセプタクル20に対する電極10の向きの変更あるいは回転及び/又は電極レセプタクル20に対する電極10の並進移動は、電極レセプタクル20からの電極10の取り外しをさせないようにし得る。その代わりに、電極10は、下部ハウジング26が上部ハウジング24から取り外されたときにのみ、取り外し可能であり得る。したがって、電極10は、電極10を少なくとも部分的に覆う(例えば、突出部32を軸方向に覆う)下部ハウジング26の少なくとも1つの突出部(例えば、少なくとも1つの第2の突出部34a)によって電極レセプタクル20内に排他的に保持され得る。この構成においては、電極10は、下部ハウジング26が上部ハウジング24から分解された際にのみ解放され得る。代替的に、電極レセプタクル20は、電極レセプタクル20に対して電極10の方向を変えるか又は回転させ、さらに/あるいは電極レセプタクル20に対して電極10を並進移動させることによっても、電極10がレセプタクル20から解放されるように構成され得る。
【0070】
上記に記載した個別の構成要素、要素、実施形態及び例は、任意の組み合わせで用いられ得ることに留意する。例えば、本明細書で述べられる連結機構30は互いに組み合わせられ得る。換言すれば、電極アセンブリ1の連結機構30は、レセプタクル20に対して電極10を回転させたとき、レセプタクル20に対して電極10を並進的に移動させたとき及び/又は上部ハウジング24と下部ハウジング26との組立て若しくは分解の際に、ロック形態とアンロック形態との間で移行するように構成され得る。連結機構30は、上部ハウジング及び下部ハウジングからなる電極レセプタクルと組み合わせて用いられ得る。連結機構30が上部ハウジング24及び下部ハウジング26の組み立て又は分解の際にロック形態とアンロック形態との間で移行するように構成されていない場合、連結機構30は、単一構造で形成された電極レセプタクルと共に用いられ得る。さらに、連結機構30は、(例えば上記で述べたような)ガイド機構、(例えば上記で述べたような)保持機構、電気圧力接点要素41及び/又は電子回路基板42、トレンチ16、貫通孔33等のうちの少なくとも1つと組み合わせられ得る。例えば、連結機構30は、ガイド機構なしに保持機構との組み合わせで用いられ得る。代替的には、連結機構30は、保持機構なしにガイド機構との組み合わせで用いられ得る。いくつかの実施形態においては、電子回路基板42が、アセンブリ1の外部に配置されていて、したがってアセンブリ1そのものの一部ではなくてもよい。各特徴部及び組み合わせの利点は、本開示に基づいて当業者に明らかになるであろう。
【0071】
上記から明らかなように、本開示は、電極を保持するための利点を有する手法を提供する。すなわち、電極10は、電極レセプタクル20に取り外し可能に保持され、又は連結され得る。これにより電極10の容易な交換が可能になり得る。溝36は、連結機構30のアンロック形態からロック形態への移行中にレセプタクル20に対して電極10の位置合わせを補助し得る一方、ブロッキング空洞40は、電極10がレセプタクル20から意図せず分離されることのないように保証し得る。電気圧力接点要素41、電子回路基板42及び電極10の軸方向面により、組立て労力が少なく信頼性ある電気接続が提供され得る。
【0072】
本明細書で述べられた電極アセンブリにより、電極の取り換え又は交換が容易になり得る。述べられた手法により、特定の測定のために異なるタイプ又は大きさの電極が必要になる場合における電極の交換が容易になり得る。さらに、述べられた手法により、特定の電極が故障した場合に電極の交換が容易になり得る。従来のシステムにおいては、1つの個々の電極が正常に機能していない場合、キャップはもはや使用できなくなる可能性があり、したがって電極の煩雑な交換又はキャップ全体の廃棄が必要となり得る。さらに、述べられた手法により、キャップを含めたシステム全体を洗浄する必要なく電極の洗浄が容易になり得る。このことに関連して、キャップは、ユーザの利便性と快適性を増すために(ポリウレタンのような)柔軟な材料を含んでいてもよく、そのような柔軟な材料は、電極の洗浄に用いられる洗浄溶液を吸収し得ることに留意する。述べられた手法により個々の電極を取り外して個別に洗浄することができるので、煩雑なキャップ全体の洗浄は不要である。
【0073】
本明細書に開示された主題により、代替的及び/又は追加的な利点を得ることができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】