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特表2024-521554切削インサート及びこれを含む切削工具組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-03
(54)【発明の名称】切削インサート及びこれを含む切削工具組立体
(51)【国際特許分類】
   B23B 27/16 20060101AFI20240527BHJP
   B23B 27/22 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
B23B27/16 Z
B23B27/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567035
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 KR2022007169
(87)【国際公開番号】W WO2022245149
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】17/327,149
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508151781
【氏名又は名称】デグテック エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】チェ,チャンヒ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,チャンウォン
【テーマコード(参考)】
3C046
【Fターム(参考)】
3C046EE01
3C046EE16
3C046JJ04
(57)【要約】
切削インサートの実施例が提供される。切削インサートは、上面と、下面と、上面と下面との間で延長する複数の側面と、上面と下面を貫通するインサートホールと、及び切削刃を備えるコーナー部とを含む。上面及び下面のうち少なくとも1つがインサートホールとコーナー部との間で延長する複数の凹部を備える。複数の凹部は、切削インサートが装着部によって支持される際、装着部の一部分が挿入される第1凹部と、及び切削インサートが装着部によって支持される際、装着部の他の部分が挿入される第2凹部とを含む。第2凹部は装着部の他の部分から離隔された側壁を有する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削工具に装着される際、装着部によって支持される切削インサートであり、
上面と、
下面と、
前記上面と前記下面との間で延長する複数の側面と、
前記上面と前記下面を貫通するインサートホールと、及び
切削刃を備えるコーナー部と
を含み、
前記上面及び前記下面のうち少なくとも1つが、前記インサートホールと前記コーナー部との間で延長する複数の凹部を有し、
前記複数の凹部は、前記切削インサートが前記装着部によって支持される際、前記装着部の一部分が挿入される第1凹部と、及び前記切削インサートが前記装着部によって支持される際、前記装着部の他の部分が挿入される第2凹部とを含み、
前記第2凹部は、前記装着部の他の部分から離隔された側壁を有する、
切削インサート。
【請求項2】
前記第1凹部は、2つの地点で前記装着部と接触し、
前記第2凹部は、前記装着部と接触する底面を有する、
請求項1に記載の切削インサート。
【請求項3】
前記第1凹部と前記装着部は、一対の第1接触点で互いに接触し、
前記第2凹部の前記底面と前記装着部は、第2接触点で互いに接触し、
前記第1接触点のうちの1つと前記第2接触点とを結んだ線は、前記インサートホールの延長方向に垂直である基準面に対して傾いた傾斜角をなす、
請求項2に記載の切削インサート。
【請求項4】
前記上面及び前記下面のそれぞれは、前記インサートホールの前記延長方向に垂直である前記基準面に対して傾いた傾斜面を含み、
前記上面及び前記下面は、互いに対称であり、
前記上面及び前記下面のそれぞれは、3つのコーナー部を含む、
請求項3に記載の切削インサート。
【請求項5】
前記傾斜角は、0°超9°以下である、
請求項4に記載の切削インサート。
【請求項6】
前記傾斜角は、4°~6°である、
請求項4に記載の切削インサート。
【請求項7】
2つのコーナー部が前記上面に備えられ、
前記2つのコーナー部は、前記インサートホールの中心軸を基準に180°回転対称である、
請求項3に記載の切削インサート。
【請求項8】
前記傾斜角は、0°超9°以下である、
請求項7に記載の切削インサート。
【請求項9】
前記傾斜角は、1°~2°である、
請求項7に記載の切削インサート。
【請求項10】
切削インサートが装着部によって支持されるように構成されたホルダを含む切削工具組立体であり、
前記装着部は、前記切削インサートを支持する面に形成される第1凸部及び第2凸部を含み、
前記ホルダは、前記切削インサートの側面と接触して前記切削インサートを支持し、固定手段を通じて前記切削インサートを前記装着部に固定するように構成され、
前記切削インサートは、上面と、下面と、前記上面と前記下面との間で延長する複数の側面と、前記上面と前記下面を貫通するインサートホールと、及び切削刃を備えるコーナー部とを含み、
前記上面及び前記下面のうちの少なくとも1つが前記インサートホールと前記コーナー部との間で延長する複数の凹部を備え、
前記複数の凹部は、前記切削インサートが前記装着部によって支持される際に前記装着部の前記第1凸部が挿入される第1凹部と、及び前記切削インサートが前記装着部によって支持される際に前記装着部の前記第2凸部が挿入される第2凹部とを含み、
前記第2凹部は、前記装着部の前記第2凸部から離隔された側壁を有する、
切削工具組立体。
【請求項11】
前記装着部は、芯であり、
前記ホルダは、前記切削インサートと前記芯を固定するように構成される、
請求項10に記載の切削工具組立体。
【請求項12】
前記装着部は、前記ホルダのポケット部の底面である、
請求項10に記載の切削工具組立体。
【請求項13】
前記第1凹部は、2つの地点で前記芯の前記第1凸部と接触し、
前記第2凹部は、前記芯の前記第2凸部と接触する底面を有する、
請求項11に記載の切削工具組立体。
【請求項14】
前記第1凹部と前記芯の前記第1凸部は、一対の第1接触点で互いに接触し、
前記第2凹部の前記底面と前記芯の前記第2凸部は、第2接触点で互いに接触し、
前記第1接触点のうちの1つと前記第2接触点とを結んだ線は、前記インサートホールの延長方向に垂直である基準面に対して傾いた傾斜角を有する、
請求項13に記載の切削工具組立体。
【請求項15】
前記切削インサートの前記上面及び前記下面のそれぞれは、前記インサートホールの前記延長方向に垂直である、前記基準面に対して傾いた傾斜面を含み、
前記上面及び前記下面は、互いに対称であり、
前記上面及び前記下面のそれぞれは、3つのコーナー部を備える、
請求項14に記載の切削工具組立体。
【請求項16】
前記切削インサートが前記ホルダに装着される際、前記切削インサートの前記上面は、前記切削インサートによって切削されるワークピース中心線に対し-5°~+5°の角度をなす、
請求項15に記載の切削工具組立体。
【請求項17】
2つのコーナー部が前記上面に備えられ、前記2つのコーナー部は、前記インサートホールの中心軸を基準に180°回転対称である、
請求項14に記載の切削工具組立体。
【請求項18】
前記切削インサートが前記ホルダに装着される際、前記第1凹部の反対側に位置した前記切削インサートの側面のみが前記ホルダと接触する、
請求項14に記載の切削工具組立体。
【請求項19】
前記切削インサートの前記第1凹部の一方に位置した切削刃は、ワークピースの回転中心軸に対して90°未満の角度をなし、前記切削インサートの前記第1凹部の他方に位置した切削刃は、ワークピースの前記回転中心軸に対して90°超の角度をなす、
請求項14に記載の切削工具組立体。
【請求項20】
切削インサートが安着する芯と結合された切削インサートであり、
前記切削インサートは、
上面、下面、及び前記上面と前記下面との間で延長する複数の側面と、
前記上面及び前記下面を貫通し、少なくとも前記上面が回転対称を有する基準である中心軸を有する、インサートホールと、
2つの隣接した側面の連結地点にそれぞれ形成され、コーナー部それぞれが前記上面と前記2つの隣接した側面の交差地点に形成された一対の切削刃を備え、第1凹部がコーナー部それぞれに隣接した前記下面に形成された、少なくとも2つのコーナー部と、及び
前記第1凹部から離隔され、前記下面に形成され、第2凹部それぞれが第2凹部側壁を有する、少なくとも2つの第2凹部と
を含み、
前記下面の平面図において、前記第1凹部は、前記2つの第2凹部とは異なる形状を有し、
前記芯は、
芯の上面、芯の下面、及び前記芯の上面と前記芯の下面との間で延長する複数の芯の側面と、
前記芯の上面と前記芯の下面を貫通し、前記上面が回転対称でない基準である中心軸を有する、芯ホールと、
2つの隣接した芯の側面の連結地点に形成された少なくとも1つの芯コーナー部と、
前記少なくとも1つの芯コーナー部に隣接した前記芯の上面に形成された第1凸部と、及び
前記少なくとも1つの芯コーナー部から離隔され、前記芯の上面に形成され、第2凸部のそれぞれが第2凸部側壁を有する、少なくとも2つの第2凸部と
を含み、
前記芯の上面の平面図において、前記第1凸部は前記第2凸部とは異なる形状を有する、
芯と結合された切削インサート。
【請求項21】
前記切削インサートは、3つの側面と、切削刃を備える3つのコーナー部と、3つの第1凹部と、及び第2凹部のそれぞれが前記第1凹部のうちの1つと前記インサートホールとの間に位置した3つの第2凹部とを有する、三角形状を有し、
前記芯の上面は、正確に1つの第1凸部及び正確に2つの第2凸部を有し、
前記第1凹部は、互いに離隔された一対の第1接触点で前記第1凸部と接触し、
前記2つの第2凹部は、第2接触点それぞれで前記2つの第2凸部の上面と接触し、
前記第1接触点のうちの1つと、前記インサートホールに対して前記第1接触点と同一な側に位置した前記第2接触点とを結んだ線は、前記インサートホールの延長方向に垂直である基準面RPに対して0でない傾斜角pを有する、
請求項20に記載の芯と結合された切削インサート。
【請求項22】
前記切削インサートは、4つの側面と、切削刃を備える2つのコーナー部と、前記2つのコーナー部の間で延長する仮想線に沿って位置し、前記インサートホールによって分離された2つの第1凹部と、及び第2凹部のそれぞれが前記下面と前記4つの側面のうちのもう1つとの間の交差地点に位置する4つの第2凹部とを有する、ダイヤモンド形状を有し、
前記芯の上面は、正確に1つの第1凸部及び正確に2つの第2凸部を有し、
前記第1凹部の1つは、互いに離隔された一対の第1接触点で前記第1凸部と接触し、
前記4つの第2凹部のうちの2つは、それぞれ第2接触点で前記2つの第2凸部の上面と接触し、
前記第1接触点のうちの1つと、前記インサートホールに対して前記第1接触点と同一な側に位置した前記第2接触点とを結んだ線は、前記インサートホールの延長方向に垂直である基準面RPに対して0でない傾斜角pを有する、
請求項20に記載の芯と結合された切削インサート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切削インサート及びこれを含む切削工具組立体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
切削工具を用いてワークピース(workpiece)を切削する際、加工完了した表面粗さ及び品質向上のためには、チップが丸く巻かれた形状に滑らかに生成されるようにし、生成されたチップが円滑に排出され得る空間を確保することが重要である。特に、旋削用インサートの場合、バック‐ターニング(back‐turning)時の切込角(インサートの切削刃とワークピースの表面の間の角度)はフロント‐ターニング(front‐turning)時の切込角より小さい。従って、ワークピースに対して切削刃(cutting edge)及びチップフォーマ(chip former)を効果的に配置することによって、チップが円滑に排出され得る空間を確保することがより一層重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の旋削用インサートにおいて、三角形状を有するポジティブ片面型インサート及びこのようなポジティブ片面型インサートが装着されるホルダの場合、バック‐ターニング方向に位置するホルダのインサート支持部によってインサートの両側が支持される。このような構造により、チップの排出空間を確保し難く、バック‐ターニングのための切削深さが制限されるという問題点がある。
【0004】
また、従来の旋削用インサートにおいて、三角形状を有するネガティブ両面型インサート、及び、このようなネガティブ両面型インサートが装着されるホルダの場合、前述したホルダのインサート支持部の構造による問題点以外にも、インサートはインサートの上面がワークピースの中心線に対して負の(negative)角度で傾くようにホルダに装着される。従って、切削刃及びチップフォーマの上面の配置がワークピースの中心線とほぼ一致する角度を有するポジティブ片面型三角形インサートを用いる場合に比べて相対的にさらに狭いチップの排出空間を確保せざるを得ない。これによって、生成されたチップの状態が良くなく、排出されたチップの流れが円滑でないことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の多様な実施例は、旋削加工時に滑らかにチップを生成し、チップを満足に排出することができる切削インサート、及びこれを含む切削工具組立体を提供する。
【0006】
また、本開示の多様な実施例は、ホルダのインサート支持部なしでも堅固な構造を有する切削インサート、及びこれを含む切削工具組立体を提供する。
【0007】
本開示の一実施例によれば、切削工具に装着される際、装着部によって支持される切削インサートが提供される。切削インサートは、上面と、下面と、上面と下面との間で延長する複数の側面と、上面と下面を貫通するインサートホールと、及び切削刃を備えるコーナー部とを含み、上面及び下面のうち少なくとも1つがインサートホールとコーナー部との間で延長する複数の凹部を有し、複数の凹部は、切削インサートが装着部によって支持される際に装着部の一部分が挿入される第1凹部と、切削インサートが装着部によって支持される際に装着部の他の部分が挿入される第2凹部とを含み、第2凹部は装着部の他の部分から離隔された側壁を有する。
【0008】
一実施例において、第1凹部は、2つの地点で装着部と接触してもよく、第2凹部は装着部と接触する底面を有してもよい。
【0009】
一実施例において、第1凹部と装着部は、一対の第1接触点で互いに接触してもよく、第2凹部の底面と装着部は、第2接触点で互いに接触してもよく、第1接触点のうちの1つと第2接触点とを結んだ線は、インサートホールの延長方向に垂直である基準面に対して傾いた傾斜角をなしてもよい。
【0010】
一実施例において、上面及び下面のそれぞれは、インサートホールの延長方向に垂直である基準面に対して傾いた傾斜面(rake face)を含んでもよく、上面及び下面は、互いに対称であってもよく、上面及び下面のそれぞれは3つのコーナー部を含んでもよい。
【0011】
一実施例において、傾斜角は、0°超9°以下であり、好ましくは4°~6°でもよい。
【0012】
一実施例において、2つのコーナー部が上面に備えられ、2つのコーナー部は、インサートホールの中心軸を基準に180°回転対称でもよい。
【0013】
一実施例において、傾斜角は、0°超9°以下であり、好ましくは1°~2°でもよい。
【0014】
他の実施例によれば、切削インサートが装着部によって支持されるように構成されたホルダを含む切削工具組立体が提供される。装着部は切削インサートを支持する面に形成される第1凸部及び第2凸部を含み、ホルダは、切削インサートの側面と接触して切削インサートを支持し、固定手段を通じて切削インサートを装着部に固定するように構成され、切削インサートは、上面と、下面と、上面と下面との間で延長する複数の側面と、上面と下面を貫通するインサートホールと、及び切削刃を備えるコーナー部とを含み、上面及び下面のうち少なくとも1つがインサートホールとコーナー部との間で延長する複数の凹部を備え、複数の凹部は、切削インサートが装着部によって支持される際に装着部の第1凸部が挿入される第1凹部と、及び、切削インサートが装着部によって支持される際に装着部の第2凸部が挿入される第2凹部とを含み、第2凹部は装着部の第2凸部から離隔された側壁を有する。
【0015】
他の実施例において、第1凹部は、2つの地点で芯の第1凸部と接触してもよく、第2凹部は装着部の第2凸部と接触する底面を有してもよい。
【0016】
他の実施例において、第1凹部と装着部の第1凸部は、一対の第1接触点で互いに接触してもよく、第2凹部の底面と装着部の第2凸部は、第2接触点で互いに接触してもよく、第1接触点のうちの1つと第2接触点とを結んだ線は、インサートホールの延長方向に垂直である基準面に対して傾いた傾斜角をなしてもよい。
【0017】
他の実施例において、切削インサートの上面及び下面のそれぞれは、インサートホールの延長方向に垂直である基準面に対して傾いた傾斜面(rake face)を含んでもよく、上面及び下面は、互いに対称でもよく、上面及び下面のそれぞれは3つのコーナー部を含んでもよい。
【0018】
他の実施例において、傾斜角は、0°超9°以下であり、好ましくは4°~6°でもよい。
【0019】
他の実施例において、切削インサートがホルダに装着される際、切削インサートの上面が切削インサートによって切削されるワークピースの中心線に対して-5°~+5°の角度をなしてもよい。
【0020】
他の実施例において、2つのコーナー部が上面に備えられ、2つのコーナー部は、インサートホールの中心軸を基準に180°回転対称でもよい。
【0021】
他の実施例において、傾斜角は、0°超9°以下であり、好ましくは1°~2°でもよい。
【0022】
他の実施例において、切削インサートがホルダに装着される際、第1凹部の反対側に位置した切削インサートの側面のみホルダと接触してもよい。
【0023】
他の実施例において、切削インサートの第1凹部の一方に位置した切削刃は、ワークピースの回転中心軸に対して90°未満の角度をなしてもよく、切削インサートの第1凹部の他方に位置した切削刃は、ワークピースの回転中心軸と90°超の角度をなしてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本開示の実施例によれば、切削インサートは、切削刃の効果的な配置及びチップフォーマの高さを通じて、やわらかいチップの生成及び良好なチップの排出を誘導することができる。従って、切込角が小さいバック‐ターニングの方向にワークピースを加工することによって、円滑なチップの排出を誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
明細書に含まれ、明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の実施例を示す。
【0026】
図1】本開示の一実施例による切削工具組立体を示す斜視図である。
【0027】
図2図1に示された切削工具組立体の分解斜視図である。
【0028】
図3】本開示の一実施例による切削インサートを示す斜視図である。
【0029】
図4図3に示された切削インサートの平面図である。
【0030】
図5図3に示された切削インサートの側面図である。
【0031】
図6】本開示の一実施例による切削インサートを支持するための芯を示す斜視図である。
【0032】
図7図3に示された切削インサートと図6に示された芯との間の接触部分を概略的に示す斜視図である。
【0033】
図8図3に示された切削インサートと図6に示された芯との間の接触部分を説明するための図面である。
【0034】
図9図8のA‐A線に沿って取った断面図である。
【0035】
図10図8に示された切削インサートと芯の側面図である。
【0036】
図11図1に示された切削工具組立体がワークピースを切削する状態を示す図面である。
【0037】
図12】本開示の他の実施例による切削工具組立体を示す斜視図である。
【0038】
図13図12に示された切削工具組立体の分解斜視図である。
【0039】
図14】本開示の他の実施例による切削インサートを示す斜視図である。
【0040】
図15図14に示された切削インサートの平面図である。
【0041】
図16図14に示された切削インサートを他の方向から見た斜視図である。
【0042】
図17図14に示された切削インサートの底面図である。
【0043】
図18図14に示された切削インサートの側面図である。
【0044】
図19】本開示の他の実施例による切削インサートを支持するための芯を示す斜視図である。
【0045】
図20図14に示された切削インサートと図19に示された芯との間の接触部分を概略的に示した斜視図である。
【0046】
図21図14に示された切削インサートと図19に示された芯との間の接触部分を説明するための図面である。
【0047】
図22図21のB‐B線に沿って取った断面図である。
【0048】
図23図21に示した切削インサートと芯の側面図である。
【0049】
図24図1に示された切削工具組立体のホルダの形状、及び、切削刃がワークピースの回転中心軸となす角度を説明するための図面である。
【0050】
図25図12に示された切削工具組立体のホルダの形状、及び、切削刃がワークピースの回転中心軸となす角度を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明するための目的で例示されたものである。本開示による権利範囲は、以下に提示される実施例やこれら実施例に関する具体的説明に限定されるものではない。
【0052】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、特に定義されない限り、本開示が属する技術分野において通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示の全ての用語は、本開示をさらに明確に説明する目的で選択されたものであり、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0053】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」等の表現は、当該表現が含まれる語句または文章で特に言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open‐ended terms)として理解されるべきである。
【0054】
本開示で記述された単数型の表現は特に言及されない限り複数型の意味を含み得、これは請求の範囲に記載された単数型の表現にも同様に適用される。
【0055】
本開示で用いられる「第1」、「第2」等の表現は、複数の構成要素を相互区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するものではない。
【0056】
本開示で用いられる「上方」、「上」等の方向指示語は、添付の図面において上面が下面に対して位置する方向を基準とする。「下方」、「下」等の方向指示語は「上方」または「上」の反対方向を意味する。添付の図面に示す切削インサートは異なって配向することもあり、この方向指示語は、それに合わせて解釈されてもよい。
【0057】
以下、添付の図面を参照して切削インサート及びこれを含む切削工具組立体の実施例を説明する。添付の図面において、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素の重複記述は省略され得る。しかし、構成要素に関する技術が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないことを意図するものではない。
【0058】
以下、添付の図面を参照して切削インサート及びこれを含む切削工具組立体の実施例について説明する。
【0059】
図1は、本開示の一実施例による切削工具組立体1を示す斜視図である。図2は、図1に示された切削工具組立体1の分解斜視図である。
【0060】
図1及び図2を参照すると、切削工具組立体1は、旋削加工のために用いられ得る。切削工具組立体1は、旋盤に設けられて回転するワークピースWを切削するように構成され得る(図11参照)。切削工具組立体1は、切削インサート100、装着部200または305、及びホルダ300を含み得る。装着部200または305は、芯200であってもよく、もしくは、芯がない場合は、ホルダポケット部の底面305であってもよい。以下では、装着部200または305が芯200である場合について説明する。
【0061】
ホルダ300は、切削インサート100と芯200を固定するのに用いられる。芯200をホルダ300に装着する際、芯200の下面220に形成された溝に対応する突起部が、ホルダ300のポケット部の底面305に形成され得る。芯200の溝とホルダ300の突起部は、互いに接触し得る。芯200を下方から見た時、例えば、三角形または他の形状を有する溝が芯200の下面220に形成される。突起部は、芯200の下面220に形成された溝に対応する断面、例えば、三角形または他の形状を有するように形成される。突起部は、凹んだ角を有する。
【0062】
切削インサート100をホルダ300に装着する際、芯200がホルダ300に装着され得、切削インサート100が芯200の上面210に装着され得る。ホルダ300のポケット部の側面は、切削インサート100の側面130と接触して切削インサート100の側面130を支えることができ、固定手段301を通じて切削インサート100と芯200を固定することができる。具体的には、芯200は、スクリュなどのような固定手段によってホルダ300に固定され得る。芯200の上面210に装着された切削インサート100は、クランプ302、または、スクリュなどのような固定手段301により固定され得る。クランプ302は、クランプスクリュ303によりホルダ300に固定され得る。
【0063】
一実施例による切削工具組立体1において、芯200の下面220に形成された溝がホルダ300に形成された突起部に結合され、芯200は、スクリュなどのような固定手段によってホルダ300に固定される。切削インサート100は、芯200の上面210に位置する。クランプ302は、切削インサート100のインサートホール140と接触する。クランプ302は、クランプスクリュ303によりホルダ300に固定される。クランプ302は切削インサート100を芯200に向かって押すことができ、また、切削インサート100をホルダ300に向かって押すことができる。切削インサート100は、芯200、ホルダ300、及びクランプ302に接触した状態で固定されて、切削工具組立体1を形成する。
【0064】
図3は、本開示の一実施例による切削インサート100を示す斜視図である。図4は、図3に示された切削インサート100の平面図である。図5は、図3に示された切削インサート100の側面図である。
【0065】
図3図5を参照すると、切削インサート100は、上面110、下面120、上面110と下面120との間で延長する3つの側面130、及び上面110と下面120を貫通するインサートホール140を含む。切削インサート100は、例えば、三角形状を有し得、上面110と下面120を貫通するインサートホール140を中心に対称であり得る。切削インサート100の上面110及び下面120は、全体的にまたは部分的にフラットになり得、上面110及び下面120の少なくとも一部に形成された曲面を含み得る。また、上面110及び下面120の一部分は、他の部分に対して傾斜して形成され得る。コーナー部150が切削インサート100に形成され、切削刃151、152がコーナー部150のそれぞれに形成される。切削刃151、152は、ワークピース(W)を切削するのに用いられる。傾斜面(rake faces)は、切削インサート100の厚さが切削インサート100のコーナー部150からインサートホール140に向かって減少するように形成され得る。切削インサート100がホルダ300に固定される際、クランプ302が接触するクランプ接触面141、142がインサートホール140に形成され得る。クランプ接触面141において、クランプ302は、切削インサート100を芯200に向かって押す力を加えることができる。クランプ接触面142において、クランプ302は、切削インサート100をホルダ300を向かって押す力を加えることができる。切削インサート100は、上面110に3つのコーナー部150及び下面120に3つのコーナー部150を含む計6つのコーナー部150を備え得る。切削刃151、152がコーナー部150のそれぞれに形成され得る。凹部が上面110及び下面120に形成される。凹部はインサートホール140を中心としてインサートホール140から遠い側に位置した第1凹部160、及びインサートホール140に近い側に位置した第2凹部170を含む。底面171及び側壁172が第2凹部170に形成され得る。切削インサート100の上面110及び下面120において、各コーナー部150及び凹部がインサートホール140に対して対称的に形成され得る。切削インサート100の上面110及び下面120もまた、互いに対称的に形成され得る。切削インサート100が芯200により支持される際、第1凹部160及び第2凹部170は、それに対応する芯200の第1凸部260及び第2凸部270を収容することができる。第2凹部170の側壁172は、それに対応する芯200の第2凸部270の側壁272と接触しない。上述した実施例は装着部200または305が芯200である場合について説明された。しかし、装着部200または305がホルダポケット部の底面305である際、第1凸部260及び第2凸部270はホルダポケット部の底面305に形成される。
【0066】
図6は、本開示の一実施例による切削インサート100を支持するための芯200を示す斜視図である。
【0067】
図6を参照して、一実施例による切削インサート100を支持するための芯200について説明する。
【0068】
芯200は、例えば、三角形状または他の形状を有し得る。芯200は、上面210、下面220、上面210と下面(220)との間で延長する3つの側面230、及び上面210と下面220を貫通する芯ホール240を含む。3つの側面230は、上面210と下面220との間で延長する。芯200がホルダ300に固定される際、スクリュなどのような固定手段が芯ホール240を貫通する。切削インサート100の第1凹部160及び第2凹部170に対応する第1凸部260及び第2凸部270が芯200の上面210、即ち、切削インサート100を支持する芯200の表面には形成される。凸部は,芯ホール240を中心として芯ホール240から遠い側にある第1凸部260、及び芯ホール240から近い側にある第2凸部270を含む。第2凸部270は、上面271と側壁272を有するように形成される。切削インサート100が芯200により支持される際、第1凸部260及び第2凸部270は、それに対応する切削インサート100の第1凹部160及び第2凹部170に挿入されて切削インサート100を支持する。第2凸部270の上面271のみが第2凹部170の底面171と接触する。第2凸部270の側壁272は、第2凹部170の側壁172と接触しない。芯200がホルダ300に装着される際、芯200を固定するための溝が芯200の下面220に形成され得る。
【0069】
図7は、図3に示された切削インサート100と、図6に示された芯200との間の接触部分を概略的に示す斜視図である。図8は、図3に示された切削インサート100と、図6に示された芯200の接触部分を説明するための図面である。図9は、図8のA‐A線に沿って取った断面図である。図10は、図8に示された切削インサート100と芯200の側面図である。
【0070】
図7図10を参照して、一実施例による切削インサート100と芯200の接触点について説明する。
【0071】
切削インサート100が芯200により支持される際、切削インサート100の第1凹部160は、一対の第1接触点181で芯200の第1凸部260と接触する。切削インサート100の2つの第2凹部170の底面171は、第2接触点182で芯200の2つの第2凸部270の上面271とそれぞれ接触する。切削インサート100と芯200は、一対の第1接触点181で互いに接触するので、切削インサート100は、鉛直方向だけでなく側方向にも堅固に支持される。従って、切削作業を行う時の切削インサート100の左右への動き及び振動を最小化することができる。芯200の第2凸部270の上面271は、切削インサート100の第2凹部170の底面171と面接触ではなく点接触をするように丸い曲面で形成される。切削インサート100が芯200により支持される際、第2接触点182では、芯200と側方向に接触せず、第1接触点181でのみ芯200と側方向に接触しながら、切削インサート100は、単に芯200の上に置かれる。切削インサート100が第2接触点182で芯200と側方向に接触せずに芯200の上に単に置かれるので、切削インサート100は、第1接触点181で側方向の支持を妨げずに安定的に支持され得る。
【0072】
また、切削インサート100は、概ね1次プレス工程及び2次研削工程によって形成される。第2凹部170は、1次プレス工程によって完成し、研削工程は行われない。切削インサート100が芯200に安定的に支持されるためには、第1凹部160と第2凹部170の相対的な高さの差及びそれに対応する芯200の第1凸部260と第2凸部270の相対的な高さの差が重要である。研削工程はプレス工程に比べて精密に制御するのが困難なため、第2凹部170がプレス工程のみによって完成すれば、上述した相対的な高さの差の制御、及び切削工具組立体の製作と管理を容易にすることができる。
【0073】
切削インサート100が芯200によって支持される際、第1接触点181は、インサートホール140の延長方向に垂直である基準面RPに対して第2接触点182より低い位置に位置する。言い換えると、第1接触点181のうちの1つと、インサートホール140に対して第1接触点181と同一な側に位置する第2接触点182とを結んだ線は、インサートホール140の延長方向に垂直の基準面RPに対して傾斜角pを有する。傾斜角pによって、傾斜角がない場合(p = 0°)または傾斜角が反対の場合(p < 0°)と比べ、切削インサート100は、第1接触点181で安定的に芯200に接触して装着され得る。切削作業を実行する際、切削インサート100の左右への動き、または微細な振動を防止する機能をするという点で、第1接触点181の安定的な接触は大変重要である。第2接触点182で、第2凹部170の側壁172と第2凸部270の側壁272は接触せずに切削インサート100は単に芯200の上に置かれる。その結果、切削インサート100は、第1接触点181の微細振動を防止する機能を妨げずに安定的に支持され得る。
【0074】
一実施例による切削インサート100と芯200において、傾斜角pは、0°超9°以下であり、好ましくは4°~6°であり得る。傾斜角pが4°より小さい場合、切削インサート100の活性コーナー部(第1凹部側のコーナー部)が微細に上に持ち上がることがあるため、固定手段301で固定する前の初期位置の選定が不安定になり得る。傾斜角pが6°より大きい場合、切削インサート100の活性コーナー部が微細に滑り落ちることがあり、固定手段301で固定する前の初期位置の選定が不安定になり得る。
【0075】
図11は、図1の切削工具組立体1がワークピースWを切削する状態を示す図面である。
【0076】
図11を参照して、一実施例による切削工具組立体1によるワークピースWの切削について説明する。
【0077】
一実施例による切削インサート100がホルダ300に装着される際、切削インサート100の上面110が切削インサート100によって切削されるワークピースWの中心線に対してなす角度eは-5°~+5°である。従って、切削作業を実行する際、円滑なチップの排出空間を確保することができる。これによってチップの状態及びチップの流れを改善することができる。
【0078】
図12は、本開示の他の実施例による切削工具組立体5を示す斜視図である。図13は、図12に示された切削工具組立体5の分解斜視図である。
【0079】
図12~13を参照して、他の実施例による切削工具組立体5を説明する。切削工具組立体5は、切削インサート500、装着部600または705、及びホルダ700を含むことができる。装着部600または705は、芯600または芯がない場合、ホルダポケット部の底面705であり得る。以下では、装着部600または705が芯である場合について説明する。
【0080】
装着部600または705が芯600の場合、芯600の下面620に形成された溝がホルダポケット部の底面705に形成された突起部と結合する。芯600は、スクリュなどのような固定手段によってホルダ700に固定される。切削インサート500が芯600の上面610に位置し、スクリュなどが切削インサート500のインサートホール540に接触し、切削インサート500が芯600及びホルダ700に固定される。切削インサート500は、芯600、ホルダ700、及び固定手段701に接触した状態で固定されて切削工具組立体5を形成する。
【0081】
図14は、本開示の他の実施例による切削インサート500を示す斜視図である。図15は、図14に示された切削インサート500の平面図である。図16は、図14に示された切削インサート500を他の方向から見た斜視図である。図17は、図14に示された切削インサート500の底面図である。図18は、図14に示された切削インサート500の側面図である。
【0082】
図14~18を参照して、他の実施例による切削インサート500について説明する。
【0083】
切削インサート500は、上面510と、下面520と、上面510と下面520との間で延長する4つの側面530と、及び上面(510)と下面(520)を貫通するインサートホール540を含む。切削インサート500は、切削インサート500の上面510に2つのコーナー部550を備えることができる。切削刃551、552が各コーナー部550に形成され得る。2つのコーナー部550は、インサートホール540の中心軸を基準に180°回転対称である。凹部が下面520に形成される。凹部は、インサートホール540からコーナー部550に向かって延長する第1凹部560及び第1凹部560の周囲に形成された第2凹部570を含む。底面571及び側壁572が第2凹部570に形成され得る。切削インサート500の下面520もインサートホール540の中心軸を基準に180°回転対称である。切削インサート500が芯600により支持される際、第1凹部560及び第2凹部570は、それに対応する芯600の第1凸部660及び第2凸部670を収容し、第2凹部570は、側壁572が芯600に対応する第2凸部670の側壁672と接触しない。上述した実施例は、装着部600または705が芯600である場合について説明された。しかし、装着部600または705がホルダポケット部の底面705である場合、第1凸部660及び第2凸部670はホルダポケット部の底面705に形成される。
【0084】
図19は、本開示の他の実施例による切削インサート500を支持するための芯600を示す斜視図である。
【0085】
図19を参照して、他の実施例による切削インサート500を支持するための芯600について説明する。
【0086】
芯600は、上面610、下面620、上面610と下面(620)との間で延長する側面630、及び上面610と下面620を貫通する芯ホール640を含む。芯600がホルダ700に固定される際、スクリュなどのような固定手段が芯ホール640を貫通する。切削インサート500の第1凹部560及び第2凹部570に対応する、第1凸部660及び第2凸部670が芯600の上面610、即ち、切削インサート500を支持する表面に形成されている。凸部は、芯ホール640を中心として芯ホール640から遠い側に位置した第1凸部660、及び芯ホール640に近い側に位置した第2凸部670を含む。第2凸部670は、上面671と側壁672を有するように形成される。切削インサート500が芯600により支持される際、第1凸部660及び第2凸部670は、それに対応する切削インサート500の第1凹部560及び第2凹部570に挿入される。第2凸部670の上面671のみが第2凹部570の底面571と接触する。第2凸部670の側壁672は第2凹部570の側壁572と接触しない。
【0087】
図20は、図14に示された切削インサート500と図19に示された芯600との間の接触部分を概略的に示す斜視図である。図21は、図14に示された切削インサート500と図19に示された芯600との間の接触部分を説明するための図面である。図22は、図21のB‐B線に沿って取った断面図である。図23は、図21に示された切削インサート500と芯600の側面図である。
【0088】
図20図23を参照して、他の実施例による切削インサート500と芯600の接触点について説明する。
【0089】
切削インサート500が芯600により支持される際、切削インサート500の第1凹部560は、2つの第1接触点581で芯600の第1凸部660と接触する。切削インサート500の2つの第2凹部570の底面571は、第2接触点582で芯600の2つの第2凸部670の上面671とそれぞれ接触する。切削インサート500と芯600は2つの第1接触点581で互いに接触するので、切削インサート500は、鉛直方向だけでなく側方向にも堅固に支持される。従って、切削作業を行う際、切削インサート500の左右への動き及び振動を最小化することができる。芯600の第2凸部670の上面671は、切削インサート500の第2凹部570の底面571と面接触ではなく点接触をするように丸い曲面で形成される。切削インサート500が芯600により支持される際、第2接触点582では、芯600と側方向に接触せずに第1接触点581のみで側方向に接触し、切削インサート500は、単に芯600の上に置かれる。切削インサート500が第2接触点582で側方向に接触せずに芯600の上に単に置かれるので、切削インサート500は、第1接触点581で側方向の支持を妨げずに安定的に支持され得る。
【0090】
また、切削インサート500は、概ね1次プレス工程及び2次研削工程によって形成される。第2凹部570は1次プレス工程によって完成し、それ以上は研削工程が行われない。切削インサート500が芯600に安定的に支持されるためには、第1凹部560と第2凹部570の相対的な高さの差及びそれに対応する芯600の第1凸部660と第2凸部670の相対的な高さの差が重要である。研削工程はプレス工程に比べて精密に制御するのが困難なため、第2凹部570がプレス工程のみによって完成すれば、上述した相対的な高さの差の制御、及び、切削工具組立体の製作と管理を容易にすることができる。
【0091】
切削インサート500が芯600により支持される際、第1接触点581は、インサートホール540の延長方向に垂直である基準面RPに対して第2接触点582より低い位置に位置する。即ち、第1接触点581のうちの1つと、インサートホール540に対して第1接触点581と同一な側に位置した第2接触点582とを結んだ線は、インサートホール540の延長方向に垂直である基準面RPに対して傾斜角qを有する。傾斜角qにより、傾斜角がないか(q = 0°)、または傾斜角が反対である場合(q < 0°)に比べ、切削インサート500は、第1接触点581で安定的に芯600に接触して装着され得る。切削作業を行う際、切削インサート500の左右への動きまたは微細振動を防止する機能をするという点で、第1接触点581の安定的な接触は非常に重要である。第2接触点582で、第2凹部570の側壁572と第2凸部670の側壁672は接触せず、切削インサート500は、単に芯600の上に置かれる。その結果、切削インサート500は、第1接触点581の微細振動を防止する機能を妨げずに安定的に支持され得る。
【0092】
一実施例による切削インサート500と芯600において、傾斜角qは、0°超9°以下であり、好ましくは1°~2°であり得る。傾斜角qが1°より小さい場合、切削インサート500の活性コーナー部(第1凹部側のコーナー部)が微細に上に持ち上がることがあり、固定手段701で固定する前の初期位置の選定が不安定になり得る。傾斜角qが2°より大きい場合、切削インサート500の活性コーナー部が微細に滑り落ちることがあり、固定手段701で固定する前の初期位置の選定が不安定になり得る。
【0093】
図24は、図1に示された切削工具組立体1のホルダ300の形状及びワークピースWの回転中心軸に対して切削刃151、152がなす角度a、bを説明するための図面である。図25は、図12に示された切削工具組立体5のホルダ700の形状及びワークピースWの回転中心軸に対して切削刃551、552がなす角度a、bを説明するための図面である。
【0094】
図24及び図25を参照して、図1及び12に示された切削工具組立体1、5のホルダ300、700の特徴、及びワークピースWの回転中心軸に対して切削刃151、152、551、552がなす角度a、bについて説明する。
【0095】
図1及び図12に示された切削工具組立体1、5において、第1凹部160、560が切削インサートを側方向に支持する。従って、バック‐ターニング方向にあるホルダ300、700のインサート支持部を除去することができる。これによって、切削工具組立体1、5を適切な切削深さで使用可能であり、円滑なチップの排出のための空間を確保することができる。切削インサートの左右への動き及び振動を最小化することによって、インサートの破損を防止し、及び、精度を向上させることができる。また、切削インサート100または500の第1凹部160または560のバック‐ターニング方向にある切削刃152または552が、ワークピースWの回転中心軸に対してなす角度b、即ち、バック‐ターニング時の切込角bは90°未満であり、切削インサート100または500の第1凹部160または560のフロント‐ターニング方向にある切削刃151または551がワークピースWの回転中心軸に対してなす角度a、即ち、フロント‐ターニング時の切込角aは90°超である。バック‐ターニング時の切込角bはフロント‐ターニング時の切込角aより小さいので、切削刃151、152、551、552の効果的な配置及びチップフォーマの高さを通じてチップの排出空間を確保することが、より一層重要である。本開示の一実施例及び他の実施例による切削インサート100、500は、切削刃151、152、551、552の効果的な配置及びチップフォーマの高さを通じて、やわらかいチップの生成及び良好なチップの排出を誘導することができる。従って、切込角が小さいバック‐ターニング方向にワークピースを加工することによって、円滑なチップの排出を誘導することができる。
【0096】
特定の実施例が説明されたが、これら実施例は例示として提示されただけであり、本開示の範囲を限定するものと意図されない。実際に、ここに説明された実施例は多様な他の形態で実施されることができる。また、ここに説明された実施例の形態において多様な省略、代替及び変更が本開示の範囲を逸脱しない程度で行われ得る。添付した請求項及びその均等物は本開示の範囲内に属するものであり、そのような形態または変形を含むように意図される。
図1
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図4
図5
図6
図7
図8
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図11
図12
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【国際調査報告】