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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-03
(54)【発明の名称】可逆電磁弁及び空調ユニット
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/06 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
F16K31/06 305L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567050
(86)(22)【出願日】2022-05-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 CN2022093885
(87)【国際公開番号】W WO2022242720
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202121093980.6
(32)【優先日】2021-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馮 忠波
(72)【発明者】
【氏名】熊 ▲ユィン▼均
(72)【発明者】
【氏名】兪 舟
【テーマコード(参考)】
3H106
【Fターム(参考)】
3H106DA07
3H106DC08
3H106DC17
3H106EE39
3H106GC25
3H106KK23
(57)【要約】
弁体(10)及び弁芯アセンブリ(20)を含み、弁体(10)は弁室(11)を有し、弁芯アセンブリ(20)は弁室(11)内に設けられ、弁芯アセンブリ(20)はピストン部材(21)及び連結ロッド部材(22)を含み、ピストン部材(21)には接続孔(201)が穿設され、連結ロッド部材(22)の一端は接続孔(201)を貫通してピストン部材(21)に接続され、連結ロッド部材(22)はテーパセグメント(2211)を含み、テーパセグメント(2211)の外径は連結ロッド部材(22)の軸方向に沿って徐々に変化し、テーパセグメント(2211)は、接続孔(201)内に入り込み、且つ、連結ロッド部材(22)がピストン部材(21)にシール接続されるように接続孔(201)の内壁に当接することができる、可逆電磁弁及び空調ユニット。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁体及び弁芯アセンブリを含み、
前記弁体の両側には、第1連通口及び第2連通口がそれぞれ穿設され、
前記弁体は、弁室を有し、
前記弁芯アセンブリは、前記弁室内に設けられ、前記第1連通口と前記第2連通口とが連通又は遮断されるように前記弁室内で摺動することができ、
前記弁芯アセンブリは、ピストン部材及び連結ロッド部材を含み、
前記ピストン部材には、接続孔が穿設され、
前記連結ロッド部材の一端は、前記接続孔を貫通して前記ピストン部材に接続され、
前記連結ロッド部材は、テーパセグメントを含み、
前記テーパセグメントの外径は、前記連結ロッド部材の軸方向に沿って徐々に変化し、
前記テーパセグメントは、前記接続孔内に入り込み、且つ、前記連結ロッド部材が前記ピストン部材にシール接続されるように前記接続孔の内壁に当接することができる、
可逆電磁弁。
【請求項2】
前記テーパセグメントは、対向して設けられる第1端及び第2端を有し、
前記第1端は、前記第2端よりも前記第1連通口に近接して設けられ、
前記第1端の外径D1は、前記第2端の外径D2よりも大きく、
前記ピストン部材は、ピストンカップを含み、
前記ピストンカップの外側壁は、前記弁体の内壁に当接し、
前記接続孔は、第1孔を含み、
前記第1孔は、前記ピストンカップに穿設され、
前記第1孔の内径をD3とすると、D1、D2及びD3は、関係式:D1>D3>D2を満たす、請求項1に記載の可逆電磁弁。
【請求項3】
前記ピストン部材は、中間バッフルを更に含み、
前記ピストンカップは、第1カップ及び第2カップを含み、
前記第1カップ及び前記第2カップは、前記中間バッフルの両側にそれぞれ設けられ、
前記接続孔は、前記第1孔に連通される第2孔を更に含み、
前記第2孔は、前記中間バッフルに穿設され、
前記第2孔の内径D4は、前記第1端の外径D1よりも大きい、請求項2に記載の可逆電磁弁。
【請求項4】
前記ピストン部材は、第1バッフル及び第2バッフルを更に含み、
前記第1バッフルは、前記第1カップ内に設けられ、
前記第2バッフルは、第2カップ内に設けられ、
前記連結ロッド部材は、前記第1バッフル及び前記第2バッフルの各々を貫通する、請求項3に記載の可逆電磁弁。
【請求項5】
前記ピストン部材は、第1弾性部材を更に含み、
前記第1弾性部材は、前記ピストンカップ内に設けられ、且つ、前記ピストンカップの側壁に当接する、請求項2に記載の可逆電磁弁。
【請求項6】
前記弁芯アセンブリは、ナットを更に含み、
前記連結ロッド部材の一端は、前記接続孔から突出して前記ナットにねじ接続される、請求項1に記載の可逆電磁弁。
【請求項7】
前記弁室内には、中間エンドカバーが設けられ、
前記中間エンドカバーは、前記弁室を流通室と圧力室とに分割し、
前記流通室は、前記第1連通口及び前記第2連通口に連通することができ、
前記ピストン部材は、前記圧力室を第1室と第2室とに分割し、
前記第1室及び前記第2室は、前記ピストン部材を動かして移動させるように差圧を形成することができる、請求項1に記載の可逆電磁弁。
【請求項8】
前記弁芯アセンブリは、スライダ部材を更に含み、
前記連結ロッド部材は、互いに接続された連結ロッド及びガイドフレームを含み、
前記ガイドフレームは、前記スライダ部材の外側に嵌合され、
前記ピストン部材は、前記連結ロッドの前記スライダ部材から離れた一端に接続され、
前記スライダ部材は、前記ピストン部材の駆動により摺動することができ、前記第1連通口及び第2連通口を塞ぐことができる、請求項7に記載の可逆電磁弁。
【請求項9】
前記ガイドフレームの一端には、制限溝が穿設され、
前記連結ロッドの一端には、位置決め溝が穿設され、
前記ガイドフレームは、前記位置決め溝内に入り込み、一部の前記連結ロッドの外側壁は前記制限溝の側壁に当接する、請求項8に記載の可逆電磁弁。
【請求項10】
可逆電磁弁を含み、
前記可逆電磁弁は、弁体及び弁芯アセンブリを含み、
前記弁体の両側には、第1連通口及び第2連通口がそれぞれ穿設され、
前記弁体は、弁室を有し、
前記弁芯アセンブリは、前記弁室内に設けられ、前記第1連通口と前記第2連通口とが連通又は遮断されるように前記弁室内で摺動することができ、
前記弁芯アセンブリは、ピストン部材及び連結ロッド部材を含み、
前記ピストン部材には、接続孔が穿設され、
前記連結ロッド部材の一端は、前記接続孔を貫通して前記ピストン部材に接続され、
前記連結ロッド部材は、テーパセグメントを含み、
前記テーパセグメントの外径は、前記連結ロッド部材の軸方向に沿って徐々に変化し、
前記テーパセグメントは、前記接続孔内に入り込み、且つ、前記連結ロッド部材が前記ピストン部材にシール接続されるように前記接続孔の内壁に当接することができる、空調ユニット。
【請求項11】
前記テーパセグメントは、対向して設けられる第1端及び第2端を有し、
前記第1端は、前記第2端よりも前記第1連通口に近接して設けられ、
前記第1端の外径D1は、前記第2端の外径D2よりも大きく、
前記ピストン部材は、ピストンカップを含み、
前記ピストンカップの外側壁は、前記弁体の内壁に当接し、
前記接続孔は、第1孔を含み、
前記第1孔は、前記ピストンカップに穿設され、
前記第1孔の内径をD3とすると、D1、D2及びD3は、関係式:D1>D3>D2を満たす、請求項10に記載の空調ユニット。
【請求項12】
前記ピストン部材は、中間バッフルを更に含み、
前記ピストンカップは、第1カップ及び第2カップを含み、
前記第1カップ及び前記第2カップは、前記中間バッフルの両側にそれぞれ設けられ、
前記接続孔は、前記第1孔に連通される第2孔を更に含み、
前記第2孔は、前記中間バッフルに穿設され、
前記第2孔の内径D4は、前記第1端の外径D1よりも大きい、請求項11に記載の空調ユニット。
【請求項13】
前記ピストン部材は、第1バッフル及び第2バッフルを更に含み、
前記第1バッフルは、前記第1カップ内に設けられ、
前記第2バッフルは、第2カップ内に設けられ、
前記連結ロッド部材は、前記第1バッフル及び前記第2バッフルの各々を貫通する、請求項12に記載の空調ユニット。
【請求項14】
前記ピストン部材は、第1弾性部材を更に含み、
前記第1弾性部材は、前記ピストンカップ内に設けられ、且つ、前記ピストンカップの側壁に当接する、請求項11に記載の空調ユニット。
【請求項15】
前記弁芯アセンブリは、ナットを更に含み、
前記連結ロッド部材の一端は、前記接続孔から突出して前記ナットにねじ接続される、請求項10に記載の空調ユニット。
【請求項16】
前記弁室内には、中間エンドカバーが設けられ、
前記中間エンドカバーは、前記弁室を流通室と圧力室とに分割し、
前記流通室は、前記第1連通口及び前記第2連通口に連通することができ、
前記ピストン部材は、前記圧力室を第1室と第2室とに分割し、
前記第1室及び前記第2室は、前記ピストン部材を動かして移動させるように差圧を形成することができる、請求項10に記載の空調ユニット。
【請求項17】
前記弁芯アセンブリは、スライダ部材を更に含み、
前記連結ロッド部材は、互いに接続された連結ロッド及びガイドフレームを含み、
前記ガイドフレームは、前記スライダ部材の外側に嵌合され、
前記ピストン部材は、前記連結ロッドの前記スライダ部材から離れた一端に接続され、
前記スライダ部材は、前記ピストン部材の駆動により摺動することができ、前記第1連通口及び第2連通口を塞ぐことができる、請求項16に記載の空調ユニット。
【請求項18】
前記ガイドフレームの一端には、制限溝が穿設され、
前記連結ロッドの一端には、位置決め溝が穿設され、
前記ガイドフレームは、前記位置決め溝内に入り込み、一部の前記連結ロッドの外側壁は前記制限溝の側壁に当接する、請求項17に記載の空調ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年5月20日に出願された、出願番号が202121093980.6であり、発明の名称が「可逆電磁弁及び空調ユニット」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全ての内容は参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は冷却の技術分野に関し、特に、可逆電磁弁及び空調ユニットに関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術における空調ユニットは、通常、冷房及び暖房の2つのモードを設定する必要があり、冷房及び暖房の2つのモードでの媒体の流れ方向は異なり、通常、冷房及び暖房の2つのモードの状態のいずれにおいても、遮断部材を設けてパイプラインの連通又は遮断を制御する必要がある。
【0004】
関連技術における可逆電磁弁は、連結ロッドとピストン部材との接続は封止性が悪いという問題が存在するため、媒体の漏れ、横流を引き起こしている。
【発明の概要】
【0005】
本出願の様々な実施例によれば、可逆電磁弁を提供する。
【0006】
可逆電磁弁は、弁体及び弁芯アセンブリを含み、弁体の両側には第1連通口及び第2連通口がそれぞれ穿設され、弁体は弁室を有し、弁芯アセンブリは、弁室内に設けられ、第1連通口と第2連通口とが連通又は遮断されるように、弁室内で摺動することができ、弁芯アセンブリはピストン部材及び連結ロッド部材を含み、ピストン部材には接続孔が穿設され、連結ロッド部材の一端は接続孔を貫通してピストン部材に接続され、連結ロッド部材はテーパセグメントを含み、テーパセグメントの外径は連結ロッド部材の軸方向に沿って徐々に変化し、テーパセグメントは、接続孔内に入り込み、且つ、連結ロッド部材がピストン部材にシール接続されるように接続孔の内壁に当接することができる。
【0007】
一実施例では、テーパセグメントは、対向して設けられる第1端及び第2端を有し、第1端は第2端よりも第1連通口に近接して設けられ、第1端の外径D1は第2端の外径D2よりも大きく、ピストン部材はピストンカップを含み、ピストンカップの外側壁は弁体の内壁に当接し、接続孔は第1孔を含み、第1孔はピストンカップに穿設され、第1孔の内径をD3とすると、D1、D2及びD3は関係式:D1>D3>D2を満たす。
【0008】
一実施例では、ピストン部材は中間バッフルを更に含み、ピストンカップは第1カップ及び第2カップを含み、第1カップ及び第2カップは中間バッフルの両側にそれぞれ設けられ、接続孔は第1孔に連通される第2孔を更に含み、第2孔は中間バッフルに穿設され、第2孔の内径D4は第1端の外径D1よりも大きい。
【0009】
一実施例では、ピストン部材は第1バッフル及び第2バッフルを更に含み、第1バッフルは第1カップ内に設けられ、第2バッフルは第2カップ内に設けられ、連結ロッド部材は第1バッフル及び第2バッフルの各々を貫通する。
【0010】
一実施例では、ピストン部材は第1弾性部材を更に含み、第1弾性部材はピストンカップ内に設けられ且つピストンカップの側壁に当接する。
【0011】
一実施例では、弁芯アセンブリはナットを更に含み、連結ロッド部材の一端は接続孔から突出してナットにねじ接続される。
【0012】
一実施例では、弁室内に中間エンドカバーが設けられ、中間エンドカバーは弁室を流通室と圧力室とに分割し、流通室は第1連通口及び第2連通口に連通することができ、ピストン部材は圧力室を第1室と第2室とに分割し、第1室及び第2室はピストン部材を動かして移動させるように差圧を形成することができる。
【0013】
一実施例では、弁芯アセンブリはスライダ部材を更に含み、連結ロッド部材は互いに接続された連結ロッド及びガイドフレームを含み、ガイドフレームはスライダ部材の外側に嵌合され、ピストン部材は連結ロッドのスライダ部材から離れた一端に接続され、スライダ部材はピストン部材の駆動により摺動することができ第1連通口及び第2連通口を塞ぐことができる。
【0014】
一実施例では、ガイドフレームの一端には制限溝が穿設され、連結ロッドの一端には位置決め溝が穿設され、ガイドフレームは位置決め溝内に入り込み、一部の連結ロッドの側壁は制限溝の側壁に当接する。
【0015】
本出願は、以下の技術態様を更に提供する。
空調ユニットは、上記の可逆電磁弁を含む。
【0016】
本出願の1つ以上の実施例の詳細を、以下の図面及び記述において提示する。本出願の他の特徴、目的及び利点は、明細書、図面及び特許請求の範囲により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
ここに開示されているこれらの出願の実施例及び/又は例示をよりよく記述及び説明するために、1つ以上の図面を参照することができる。図面を説明するために用いられる追加の詳細又は例示は、開示された出願、ここで説明する実施例及び/又は例示、並びにここで理解されるこれらの出願の最適な形態のうちのいずれかの範囲を制限するものとしてみなされるべきではない。
【0018】
図1】1つ以上の実施例による可逆電磁弁の断面図である。
図2図1におけるAの部分拡大図である。
図3】1つ以上の実施例によるナットを締め付ける際の第1カップの変形構成模式図である。
図4】1つ以上の実施例による連結ロッドの部分断面図である。
図5】1つ以上の実施例による連結ロッド部材の断面図である。
図6】1つ以上の実施例による連結ロッド部材の斜視図である。
図7】1つ以上の実施例による第1カップの上面図である。
図8】1つ以上の実施例による第1カップの左側面図である。
図9】1つ以上の実施例による第1カップの斜視図である。
図10】1つ以上の実施例による空調ユニットと可逆電磁弁との関係模式図である。
【0019】
図面において、各符号の意味は以下の通りである。
100 可逆電磁弁/電磁弁、10 弁体、101 第1連通口、102 第2連通口、103 第1接続管、104 第2接続管、11 弁室、111 流通室、112 圧力室、1121 第1室、1122 第2室、12 弁座、13 第3連通口、131 第1毛細管、14 第4連通口、141 第2毛細管、15 中間エンドカバー、151 取り付け孔、16 第1エンドカバー、17 第2エンドカバー、20 弁芯アセンブリ、21 ピストン部材、201 接続孔、211 ピストンカップ、2111 第1カップ、2112 第2カップ、2113 第1孔、212 中間バッフル、2121 第2孔、213 第1バッフル、214 第2バッフル、215 第1弾性部材、22 連結ロッド部材、221 連結ロッド、2211 テーパセグメント、2011 第1端、2012 第2端、2212 位置決め溝、222 ガイドフレーム、2221 制限溝、23 スライダ部材、231 第1部、232 第2部、233 第2弾性部材、24 ナット、300 空調ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本出願の実施例における図面を参照して本出願の実施例における技術態様について明確且つ完全に説明するが、説明される実施例は本出願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護の範囲に属する。
【0021】
説明すべきこととして、アセンブリが別のアセンブリに「装着される」とされる場合、別のアセンブリに直接装着されてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、別のアセンブリに直接設けられてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。1つのアセンブリが別のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、別のアセンブリに直接固定されてもよく、又は、間に置かれるアセンブリが同時に存在してもよい。
【0022】
特に定義しない限り、本文で使用される全ての技術及び科学用語は、本出願の当業者によって一般に理解される意味と同じである。本文において、本出願の明細書に使用される用語は、具体的な実施例を説明することのみを目的としており、本出願を制限する意図のものではない。本文で使用される「又は/及び」という用語は、関連する項目の任意及び全ての組み合わせを1つ以上含む。
【0023】
図1から図9を参照すると、本出願は、空調ユニットに取り付けられて、パイプラインの連通又は遮断を制御する、可逆電磁弁100(以下、簡単に電磁弁100と称する)を提供する。
【0024】
本出願の電磁弁100は、二方向作動が必要な空調ユニットに用いることができ、例えば、冷房モード及び暖房モードの2つの機能を同時に備えた空調ユニットに取り付けることができる。
【0025】
図1を参照すると、電磁弁100は、弁体10及び弁芯アセンブリ20を含み、弁体10は弁室11を有し、弁体10アセンブリには第1連通口101及び第2連通口102が穿設され、弁芯アセンブリ20は、弁室11内に設けられ、第1連通口101と第2連通口102とが連通又は遮断されるように、弁室11内で摺動することができる。
【0026】
具体的には、弁体10内には弁座12が設けられ、弁座12は弁体10内に固定され、弁芯アセンブリ20の一部は弁座12内を移動することができ、第1連通口101及び第2連通口102は弁座12をそれぞれ貫通する。
【0027】
第1連通口101内には第1接続管103が設けられ、第2連通口102内には第2接続管104が設けられ、第1接続管103及び第2接続管104は空調ユニットのパイプラインにそれぞれ接続される。
【0028】
弁室11内には中間エンドカバー15が設けられ、弁体10の両端には第1エンドカバー16及び第2エンドカバー17がそれぞれ設けられ、第1エンドカバー16は中間エンドカバー15と流通室111を形成し、中間エンドカバー15は第2エンドカバー17と圧力室112を形成する。中間エンドカバー15は、弁芯アセンブリ20と連携して、圧力室112を第1室1121と第2室1122とに分割する。電磁弁100が開いた状態にある場合、流通室111は第1連通口101及び第2連通口102に連通される。第1室1121及び第2室1122内の媒体は、差圧を形成し、弁芯アセンブリ20を動かして移動させることによって、第1連通口101と第2連通口102との連通又は遮断を制御することができ、二方向機能を実現し、空調ユニットのパイプラインを簡素化し、コストを削減することができる。
【0029】
中間エンドカバー15には取り付け孔151が穿設され、弁芯アセンブリ20の一部は取り付け孔151に差し込まれ、一部は中間エンドカバー15の第1エンドカバー16に近接した側に位置し、他の部分は中間エンドカバー15の第2エンドカバー17に近接した側に位置する。
【0030】
弁体10には第3連通口13及び第4連通口14が穿設され、第3連通口13は第1室1121に連通され、第4連通口14は第2室1122に連通される。第3連通口13内には第1毛細管131が設けられ、第4連通口14内には第2毛細管141が設けられ、第1毛細管131及び第2毛細管141は、弁芯アセンブリ20の両側に差圧を形成して、弁芯アセンブリ20を動かして移動させるように、下記のパイロット弁に接続される。
【0031】
弁芯アセンブリ20は連結ロッド部材22及びスライダ部材23を含み、スライダ部材23は連結ロッド部材22に接続され、連結ロッド部材22の一端は取り付け孔151に差し込まれる。
【0032】
図4から図6を参照すると、連結ロッド部材22は互いに接続された連結ロッド221及びガイドフレーム222を含み、ガイドフレーム222はスライダ部材23の外側に嵌合され、スライダ部材23をガイドして、媒体の衝撃によりスライダ部材23が移動過程で傾いて、スライダ部材23が第1連通口101及び第2連通口102を塞ぐ封止性に影響を与えることを防止すると同時に、スライダ部材23が傾いて弁室11の内壁に干渉することも防止することができる。
【0033】
連結ロッド221のガイドフレーム222に向いた一端には位置決め溝2212が穿設され、ガイドフレーム222の連結ロッド221に近接した一端には制限溝2221が穿設され、ガイドフレーム222は位置決め溝2212内に入り込み、位置決め溝2212は、ガイドフレーム222の連結ロッド221に入り込む深さを制限することができる。一部の連結ロッド221の外側壁は制限溝2221の側壁に当接し、制限溝2221は、連結ロッド221とガイドフレーム222との同軸度を確保するように、連結ロッド221に対して制限の役割を果たすことができる。
【0034】
このようにすると、連結ロッド221を位置決めすることができ、連結ロッド221とガイドフレーム222との同軸度を向上させる。
【0035】
引き続き図1を参照すると、スライダ部材23は第1部231及び第2部232を含み、第1部231は第2部232に当接し、第1部231は第1連通口101に近接して設けられ、第2部232は第2連通口102に近接して設けられる。第1部231は第1連通口101を塞ぐことができ、第2部232は第2連通口102を塞ぐことができる。
【0036】
具体的には、第1部231と第2部232との間に第2弾性部材233が設けられ、第2弾性部材233の一端は第1部231に当接し、他端は第2部232に当接し、第2弾性部材233は、塞ぎの封止性が向上するように、第1部231及び第2部232を第1連通口101の端面及び第2連通口102の端面にそれぞれ密着させる。
【0037】
弁芯アセンブリ20はピストン部材21を更に含み、ピストン部材21は、圧力室112内に設けられ、且つ、連結ロッド221のスライダ部材23から離れた一端に接続され、第1室1121と第2室1122とが隔離するように、弁室11の内壁に当接する。
【0038】
更に、ピストン部材21には接続孔201が穿設され、連結ロッド221は、接続孔201を貫通して、ピストン部材21に接続される。連結ロッド221はテーパセグメント2211を含み、連結ロッド221の軸方向に沿って、テーパセグメント2211の外径は徐々に変化し、テーパセグメント2211は、接続孔201に差し込まれ、且つ連結ロッド221がピストン部材21にシール接続されるように、接続孔201の内壁に当接することによって、テーパ面シールを形成することができる。
【0039】
このようにすると、連結ロッド部材22とピストン部材21とがシール接続され、媒体の漏れが横流を引き起こすのを防止することができる。
【0040】
ピストン部材21は、カップ状をなすピストンカップ211を含み、ピストン部材21が弁室11内で封止されて摺動するように、ピストンカップ211の外側壁は弁室11の内壁に当接することができる。ピストンカップ211はポリテトラフルオロエチレンからなることができる。
【0041】
選択的には、図2図4を参照すると、接続孔201は第1孔2113を含み、第1孔2113はピストンカップ211に穿設され、テーパセグメント2211は、円錐台の形状をなし、対向して設けられる第1端2011及び第2端2012を有し、第1端2011は、第2端2012よりも第1連通口101に近接して設けられ、第1端2011の外径D1は第2端2012の外径D2よりも大きく、第1孔2113の内径をD3とすると、D1、D2及びD3は、関係式:D1>D3>D2を満たす。第1孔2113の内壁はテーパセグメント2211に干渉するため、封止性を向上させる。
【0042】
このようにすると、ピストンカップ211がテーパセグメント2211に干渉して、封止効果を向上させることができる。
【0043】
ピストンカップ211は、第1カップ2111及び第2カップ2112を含み、第1カップ2111及び第2カップ2112はいずれもカップ状をなし、ピストン部材21は中間バッフル212を更に含み、第1カップ2111及び第2カップ2112は、中間バッフル212の両側にそれぞれ設けられ、且つ後ろ合わせに設けられる。中間バッフル212は、第1カップ2111及び第2カップ2112に対して接続及び支持の役割を果たす。
【0044】
第1カップ2111はスライダ部材23に近接して設けられ、第1孔2113は第1カップ2111に穿設され、即ち、第1カップ2111はテーパセグメント2211に干渉する。第2カップ2112の内孔は第1カップ2111の内孔の内径と等しく、言い換えれば、第2カップ2112と第1カップ2111とは、構造及び寸法がそれぞれ同じであり、加工が容易である。
【0045】
接続孔201は第1孔2113に連通される第2孔2121を更に含み、第2孔2121は中間バッフル212に穿設され、第2孔2121の内径D4は第1端2011の外径D1よりも大きい。中間バッフル212はステンレス鋼からなるため、中間バッフル212がテーパセグメント2211に干渉して、ピストンカップ211とテーパセグメント2211との封止性に影響を与えるのを防止するように、中間バッフル212と連結ロッド221とは離間して設けられる。
【0046】
このようにすると、中間バッフル212と連結ロッド部材22とが離間して設けられ、中間バッフル212が連結ロッド部材22に干渉して、ピストンカップ211と連結ロッド部材22との封止性に影響を与えるのを防止する。
【0047】
ピストン部材21は、第1バッフル213及び第2バッフル214を更に含み、第1バッフル213は、第1カップ2111内に設けられ、且つ第1室1121内に設けられ、第2バッフル214は、第2カップ2112内に設けられ、且つ第2室1122内に設けられ、連結ロッド221は第1バッフル213及び第2バッフル214の各々を貫通する。第1バッフル213は中間エンドカバー15に当接することができ、閉弁時に止める役割を果たし、第2バッフル214は第2エンドカバー17に当接することができ、開弁時に止める役割を果たす。第1バッフル213、第1カップ2111、中間バッフル212、第2カップ2112及び第2バッフル214は、ネジ又はリベットによって接続される。
【0048】
このようにすると、ピストン部材21の強度を向上させることができる。
【0049】
ピストン部材21は第1弾性部材215を更に含み、第1弾性部材215は、ピストンカップ211内に設けられ、且つピストンカップ211の内壁に当接し、ピストンカップ211の封止効果を向上させることができる。本実施例では、第1弾性部材215は2つであり、第1カップ2111及び第2カップ2112内にそれぞれ設けられる。
【0050】
このようにすると、ピストンカップ211と弁室11の内壁との封止性を向上させることができる。
【0051】
選択的には、第1弾性部材215は、環状の歯付きバネであり、弾性を向上させることができる。
【0052】
弁芯アセンブリ20はナット24を更に含み、ナット24は第2室1122内に設けられ、連結ロッド221は、接続孔201から突出して、ナット24にねじ接続される。図3を参照すると、連結ロッド221の一端にナット24を締め付けると、テーパセグメント2211が第1孔2113の内壁を押し付けることによって、第1カップ2111の縁が中間バッフル212の方向に向かってフランジングし、第1カップ2111のフランジが中間バッフル212と連結ロッド221との間の隙間を充填して、連結ロッド221とピストン部材21とがシール接続される。
【0053】
このようにすると、連結ロッド部材22とピストン部材21との接続が容易になり、連結ロッド部材22にナット24をねじ込む際に、ピストンカップ211の第1孔2113が連結ロッド部材22に干渉する部分を変形させて、中間バッフル212と連結ロッド部材22との間の隙間を充填することができる。
【0054】
電磁弁100はパイロット弁(図示せず)を更に含み、パイロット弁は弁座12の外側に設けられて、第1毛細管131及び第2毛細管141に接続される。パイロット弁の方向転換によって、ピストン部材21の両側の差圧を制御することによって、ピストン部材21を動かす。
【0055】
図10に示すように、本出願は、上記の可逆電磁弁100を含む、空調ユニット300を更に提供する。
【0056】
作動過程では、電磁弁100を閉じる必要がある場合、パイロット弁の方向転換によって、高圧媒体が第2毛細管141から第2室1122内に取り入れられ、第1室1121内の媒体が第1毛細管131から流れ出るため、ピストン部材21を動かして、弁座12に接近する方向に向かって移動させ、スライダ部材23が第1連通口101及び第2連通口102を塞ぎ、電磁弁100を開く必要がある場合、パイロット弁の方向転換によって、高圧媒体が第1毛細管131から第1室1121内に取り入れられ、第2室1122内の媒体が第2毛細管141から流れ出るため、ピストン部材21を動かして、弁座12から離れる方向に向かって移動させ、スライダ部材23が第1連通口101及び第2連通口102に対する塞ぎを解除する。空調ユニット300が冷房モードから暖房モードに切り替えられるか、あるいは、暖房モードから冷房モードに切り替えられる場合、媒体の流れ方向は逆転するが、電磁弁100は依然として正常に作動することができる。
【0057】
本出願は、連結ロッド221にテーパセグメント2211を設け、テーパセグメント2211が接続孔201の内壁に当接することによって、テーパセグメント2211が接続孔201とテーパ面シールを形成し、封止性を向上させる。
【0058】
上述した実施例の各技術特徴は、任意の組み合わせが可能であり、説明を簡潔にするために、上記の実施例における各技術特徴の可能な組み合わせについては全て説明されていないが、これらの技術特徴の組み合わせに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0059】
上述した実施例は、本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、それ故に実用新案の特許請求の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。当業者にとって、本出願の趣旨を逸脱しないことを前提に、いくつかの変形及び改善を行なうこともできるが、いずれも本出願の保護範囲に含まれることを指摘しておかなければならない。従って、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】