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特表2024-521561太陽エネルギー利用ユニット及びその組合せ構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-03
(54)【発明の名称】太陽エネルギー利用ユニット及びその組合せ構造
(51)【国際特許分類】
   F24S 23/71 20180101AFI20240527BHJP
   H02S 40/22 20140101ALI20240527BHJP
【FI】
F24S23/71 010
H02S40/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571432
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 CN2021097106
(87)【国際公開番号】W WO2022251992
(87)【国際公開日】2022-12-08
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516162803
【氏名又は名称】ボリーメディア ホールディングス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BOLYMEDIA HOLDINGS CO. LTD.
【住所又は居所原語表記】3235 Kifer Rd. Suite#150 Santa Clara, California 95051 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(72)【発明者】
【氏名】フー シャオピン
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251JA23
(57)【要約】
太陽エネルギー利用ユニット及びその組合せ構造であって、太陽エネルギー利用ユニットCは、光エネルギー利用装置100、凸状液体集光装置200、第1反射構造300及び第2反射構造400を備えている。太陽光は、第1反射構造300によって反射されて凸状液体集光装置上に達することができる。凸状液体集光装置200内において、透明液体201から透光性凸状側壁210への太陽光が全反射現象を起こすことによって、より多くの太陽光が光エネルギー利用装置100の第1光エネルギー利用部110上に集光され得る。第2反射構造400と第1反射構造300との間に光反射キャビティが形成されることによって、第1反射構造300及び凸状液体集光装置200の受光範囲外の太陽光の一部が反射されて光エネルギー利用装置100の第2光エネルギー利用部120に達することができ、光エネルギー利用装置の集光効率が向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光エネルギー利用装置、凸状液体集光装置、第1反射構造及び第2反射構造を備えた太陽エネルギー利用ユニットであって、前記光エネルギー利用装置は、太陽光を受光、変換及び利用できる第1光エネルギー利用部及び第2光エネルギー利用部を有し、前記第1光エネルギー利用部と前記第2光エネルギー利用部とは向かい合わせに配置されており、
前記凸状液体集光装置は、透明液体が充填された収容キャビティを有し、前記収容キャビティは、傾斜した透光性凸状側壁を有し、前記太陽光が前記透光性凸状側壁を透過して前記透明液体に達することができ、前記光エネルギー利用装置は、前記収容キャビティの中若しくは前記収容キャビティの外に配置されている、又は、前記収容キャビティのキャビティ壁を形成しており、前記第1光エネルギー利用部は、前記凸状液体集光装置又は透明液体に面して配置されており、前記収容キャビティは、前記透明液体から前記透光性凸状側壁への太陽光の少なくとも一部が全反射現象を起こすことができるような構造を形成しており、これにより、太陽光が前記第1光エネルギー利用部上に集光され、
太陽光を前記凸状液体集光装置に向けて反射できるように、前記第1反射構造は、前記凸状液体集光装置の外側に配置されており、太陽光を入射させるための第1入光口を有しており、
前記第2反射構造は、前記第1反射構造の外側に配置されており、前記第1反射構造及び前記第2光エネルギー利用部と、前記第2反射構造との間には、太陽光を入射させるための第2入光口を有する光反射キャビティが形成されており、前記光反射キャビティ内に入射した太陽光が前記第2反射構造によって反射されて前記第2光エネルギー利用部上に達することを特徴とする太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項2】
前記第1反射構造と前記第2反射構造との間には、前記第2入光口を形成する間隙が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項3】
前記第2反射構造は、太陽光を前記第2光エネルギー利用部まで反射するための内部反射面を有する溝形状構造であり、前記光エネルギー利用装置、前記凸状液体集光装置及び前記第1反射構造は、前記溝形状構造内に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項4】
前記溝形状構造の一方の側壁は前記第1反射構造と重なり合っており、他方の側壁は前記第1反射構造から離隔して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項5】
前記溝形状構造の両側の側壁は、いずれも前記第1反射構造から離隔して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項6】
前記光反射キャビティ内に配置された第2凸状液体集光装置がさらに備えられており、前記第2凸状液体集光装置は、透明液体が充填された第2収容キャビティを有し、前記第2収容キャビティは、下方に向かって凸状となるように傾斜した第2透光性凸状側壁を有し、前記光反射キャビティ内に入射した太陽光が前記透光性凸状側壁を透過して前記透明液体に達することができ、前記光エネルギー利用装置は、前記第2収容キャビティの中若しくは前記第2収容キャビティの外に配置されている、又は、前記第2収容キャビティのキャビティ壁を形成しており、前記第2光エネルギー利用部は、前記第2凸状液体集光装置又は前記第2収容キャビティ内の透明液体に面して配置されており、前記第2収容キャビティは、その中の透明液体から前記第2透光性凸状側壁への太陽光の少なくとも一部が全反射現象、鏡面反射又は拡散反射を起こすことができるような構造を形成しており、これによって、太陽光が前記第2光エネルギー利用部上に集光されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項7】
前記凸状液体集光装置は上向きに尖るように配置されており、前記第2凸状液体集光装置は下向きに尖るように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項8】
前記凸状液体集光装置の垂直断面は三角形であり、前記第2凸状液体集光装置の垂直断面は逆三角形であることを特徴とする請求項6又は7に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項9】
前記第2反射構造の底部と前記第2凸状液体集光装置の尖っている部分とは接続されており、これにより、前記光反射キャビティが少なくとも2つの部分に分割されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項10】
前記第2凸状液体集光装置は前記第2光エネルギー利用部の下方に位置することを特徴とする請求項6に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項11】
前記第1反射構造は、前記凸状液体集光装置の両側に配置された少なくとも2つの反射部材を有し、前記反射部材の前記凸状液体集光装置に面する側は反射面を有する、又は、前記反射部材の両面は両方とも反射面であることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項12】
前記反射部材は前記凸状液体集光装置の両側に対称に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項13】
前記第1反射構造及び前記第2反射構造を密閉する透光性カバーをさらに備えていることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項14】
前記光エネルギー利用装置、前記凸状液体集光装置、前記第1反射構造及び前記第2反射構造は、同じ方向に延在して細長形状を形成することを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用ユニットを少なくとも2つ備えており、前記太陽エネルギー利用ユニットは並列に配置されており、隣接する太陽エネルギー利用ユニットの間には、熱利用作動媒体、二次電池及び/又は制御回路基板を収容したキャビティが形成されていることを特徴とする太陽エネルギー利用ユニットの組合せ構造。
【請求項16】
前記キャビティは、隔壁によって第1キャビティと第2キャビティとに分割されており、前記第1キャビティ内には前記熱利用作動媒体が充填されており、前記第2キャビティ内には前記二次電池及び前記制御回路基板が配置されていることを特徴とする請求項15に記載の組合せ構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光エネルギー変換及び利用構造に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽エネルギー利用装置は、例えば太陽電池パネルを介して太陽光発電等を行うように、太陽エネルギーを再生利用するために用いられる。太陽電池パネルのコストの低下及び効率の向上に伴い、太陽エネルギー利用装置の利用はますます多くなっている。しかし、現在の低倍率集光型太陽光発電装置の太陽エネルギーに対する集光効率をさらに向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は主に、新しい太陽エネルギー利用構造を提示するための新型太陽エネルギー利用ユニット及びその組合せ構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的に基づき、1つの実施形態として、本発明は、光エネルギー利用装置、凸状液体集光装置、第1反射構造及び第2反射構造を備えた太陽エネルギー利用ユニットを提供する。前記光エネルギー利用装置は、太陽光を受光、変換及び利用できる第1光エネルギー利用部及び第2光エネルギー利用部を有する。前記第1光エネルギー利用部と前記第2光エネルギー利用部とは向かい合わせに配置されている。
【0005】
前記凸状液体集光装置は、透明液体が充填された収容キャビティを有する。前記収容キャビティは、傾斜した透光性凸状側壁を有し、前記太陽光が前記透光性凸状側壁を透過して前記透明液体に達することができる。前記光エネルギー利用装置は、前記収容キャビティの中又は前記収容キャビティの外に配置されていてもよく、前記収容キャビティのキャビティ壁を形成していてもよい。前記第1光エネルギー利用部は、前記凸状液体集光装置又は透明液体に面して配置されており、前記収容キャビティは、前記透明液体から前記透光性凸状側壁への太陽光の少なくとも一部が全反射現象を起こすことができるような構造を形成しており、これによって、太陽光が前記第1光エネルギー利用部上に集光される。
【0006】
太陽光を前記凸状液体集光装置に向けて反射できるように、前記第1反射構造は、前記凸状液体集光装置の外側に配置されており、太陽光を入射させるための第1入光口を有する。
【0007】
前記第2反射構造は、前記第1反射構造の外側に配置されている。前記第1反射構造及び前記第2光エネルギー利用部と、前記第2反射構造との間には、太陽光を入射させるための第2入光口を有する光反射キャビティが形成されており、前記光反射キャビティ内に入射した太陽光が前記第2反射構造によって反射されて前記第2光エネルギー利用部上に達する。
【0008】
1つの実施形態として、前記第1反射構造と前記第2反射構造との間には、前記第2入光口を形成する間隙が設けられている。
【0009】
1つの実施形態として、前記第2反射構造は、太陽光を前記第2光エネルギー利用部まで反射するための内部反射面を有する溝形状構造であり、前記光エネルギー利用装置、前記凸状液体集光装置及び前記第1反射構造は、前記溝形状構造内に配置されている。
【0010】
1つの実施形態として、前記溝形状構造の一方の側壁は第1反射構造と重なり合っており、他方の側壁は第1反射構造から離隔して設けられている。
【0011】
1つの実施形態として、前記溝形状構造の両側の側壁は、いずれも前記第1反射構造から離隔して設けられている。
【0012】
1つの実施形態として、前記光反射キャビティ内に配置された第2凸状液体集光装置がさらに備えられている。前記第2凸状液体集光装置は、透明液体が充填された第2収容キャビティを有し、前記第2収容キャビティは、下方に向かって凸状となるように傾斜した第2透光性凸状側壁を有し、前記光反射キャビティ内に入射した太陽光が前記透光性凸状側壁を透過して前記透明液体に達することができる。前記光エネルギー利用装置は、前記第2収容キャビティの中又は前記第2収容キャビティの外に配置されていてもよく、前記第2収容キャビティのキャビティ壁を形成していてもよい。前記第2光エネルギー利用部は、前記第2凸状液体集光装置又は前記第2収容キャビティ内の透明液体に面して配置されており、前記第2収容キャビティは、その中の透明液体から前記第2透光性凸状側壁への太陽光の少なくとも一部が全反射現象、鏡面反射又は拡散反射を起こすことができるような構造を形成しており、これによって、太陽光が前記第2光エネルギー利用部上に集光される。
【0013】
1つの実施形態として、前記凸状液体集光装置は上向きに尖るように配置されており、前記第2凸状液体集光装置は下向きに尖るように配置されている。
【0014】
1つの実施形態として、前記凸状液体集光装置の垂直断面は三角形であり、前記第2凸状液体集光装置の垂直断面は逆三角形である。
【0015】
1つの実施形態として、前記第2反射構造の底部と前記第2凸状液体集光装置の尖っている部分とは接続されており、これによって、前記光反射キャビティが少なくとも2つの部分に分割されている。
【0016】
1つの実施形態として、前記第2凸状液体集光装置は前記第2光エネルギー利用部の下方に位置する。
【0017】
1つの実施形態として、前記第1反射構造は、前記凸状液体集光装置の両側に配置された少なくとも2つの反射部材を有する。前記反射部材の前記凸状液体集光装置に面する側は反射面を有する、又は、前記反射部材の両面は両方とも反射面である。
【0018】
1つの実施形態として、前記反射部材は前記凸状液体集光装置の両側に対称に配置されている。
【0019】
1つの実施形態として、前記第1反射構造及び前記第2反射構造を密閉する透光性カバーがさらに備えられている。
【0020】
1つの実施形態として、前記光エネルギー利用装置、前記凸状液体集光装置、前記第1反射構造及び前記第2反射構造は、同じ方向に延在して細長形状を形成する。
【0021】
上記の目的に基づき、1つの実施形態として、本発明は、上記のいずれか1つに記載の少なくとも2つの太陽エネルギー利用ユニットを含む太陽エネルギー利用ユニットの組合せ構造を提供する。前記太陽エネルギー利用ユニットは並列に配置されており、隣接する太陽エネルギー利用ユニットの間には、熱利用作動媒体、二次電池及び/又は制御回路基板を収容したキャビティが形成されている。
【0022】
1つの実施形態として、前記キャビティは、隔壁によって第1キャビティと第2キャビティとに分割されており、前記第1キャビティ内には前記熱利用作動媒体が充填されており、前記第2キャビティ内には前記二次電池及び前記制御回路基板が配置されている。
【発明の効果】
【0023】
上記の実施形態に係る太陽エネルギー利用ユニットであって、光エネルギー利用装置、凸状液体集光装置、第1反射構造及び第2反射構造を備えている。太陽光が当該第1反射構造によって反射されて凸状液体集光装置に達することができる。当該凸状液体集光装置内において、透明液体から透光性凸状側壁への太陽光が全反射現象を起こすことによって、より多くの太陽光が光エネルギー利用装置の第1光エネルギー利用部上に集光され得る。当該第2反射構造と第1反射構造との間に光反射キャビティが形成されることによって、第1反射構造及び凸状液体集光装置の受光範囲外の太陽光の一部が反射されて光エネルギー利用装置の第2光エネルギー利用部に達することができ、光エネルギー利用装置の集光効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の1つの実施形態に係る太陽エネルギー利用ユニットの概略垂直断面図である。
図2】本発明のもう1つの実施形態に係る太陽エネルギー利用ユニットの概略垂直断面図である。
図3】本発明の1つの実施形態に係る太陽エネルギー利用ユニットの組合せ構造の概略垂直断面図である。
図4】本発明のもう1つの実施形態に係る太陽エネルギー利用ユニットの組合せ構造の概略垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、具体的な実施形態を介して図面と併せて本発明について詳細に説明する。異なる実施形態における同様の部品に関しては、関連する同様の部品符号が採用されている。以下の実施形態における多くの詳細な説明は、本発明をよりよく理解できるためのものである。しかしながら、当業者は、特徴の一部について異なる状況で省略できること、又は他の部品、材料及び方法によって置換できることを容易に認識することができる。本発明のコアな部分が過剰な記載によって埋もれてしまうことを回避するために、本発明に係る一部の操作について明細書に示していない、又は説明していない場合がある。当業者にとって、これらの関連する操作について詳細に説明する必要がなく、当業者は、本明細書の記載及び当該分野における一般的な技術知識に従って、関連する操作を十分に理解することができる。
【0026】
なお、本明細書に記載された特性、操作又は特徴は、任意の適切な方法で組み合わせて様々な実施形態を形成することができる。また、方法の記載における各ステップ又は動作についても、当業者にとって明らかな方法で順序交替又は調整することができる。したがって、明細書及び図面における各順序は、1つの実施形態を明確に説明するためだけにすぎず、特定の順序に従わなければならないことを特に明記していない限り、必須の順序を意味するものではない。
【0027】
「第1」、「第2」などのような本明細書における部品の番号自体は、記載された対象を区別するためにのみ使用されており、いかなる順序又は技術的な意味を有さない。なお、本発明に記載の「接続」は、特別な説明がない限り、直接的及び間接的な接続を含む。
【0028】
本明細書における上、下などの位置関係は相対的なものであり、絶対的な意味を有さない。
【0029】
本実施形態は、太陽光を受光且つ利用してエネルギー変換を行い、人々が利用できるように、太陽光を電気エネルギー、熱エネルギー及び他の形式のエネルギーに変換するために用いられる太陽エネルギー利用ユニットを提供する。
【0030】
図1図4を参照されたい。当該実施形態における太陽エネルギー利用ユニットCは、光エネルギー利用装置100、凸状液体集光装置200、第1反射構造300及び第2反射構造400を備えている。
【0031】
光エネルギー利用装置100は、太陽光を受光して変換及び利用できる第1光エネルギー利用部110及び第2光エネルギー利用部120を有する。第1光エネルギー利用部110と第2光エネルギー利用部120とは向かい合わせに配置されている。1つの実施形態として、光エネルギー利用装置100は、両面太陽電池パネル、光熱利用装置、光電及び熱エネルギー総合利用装置、並びに集光型光エネルギー利用装置の1つ以上であってよい。当該太陽電池パネルは一般的に、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する装置全般をいい、各種の半導体太陽電池パネル、フィルム型太陽電池、量子ドット光電変換素子などを含む。他の実施形態では、第1光エネルギー利用部110及び第2光エネルギー利用部120は、他の形式の太陽光利用変換構造であってもよい。
【0032】
凸状液体集光装置200は、透明液体201が充填された収容キャビティを有する。収容キャビティは、傾斜した透光性凸状側壁210を有している。太陽光は、透光性凸状側壁210を透過して透明液体201に達することができる。傾斜した透光性凸状側壁210を有する凸状液体集光装置200は、より大きな偏向角の入射光に適応することができ、太陽光の南北回帰の偏向だけでなく、太陽光の東西方向の偏向にも対応することができる。1つの実施形態として、透光性凸状側壁210は、平面、折り曲げ面、曲面又はこれらの組合せから構成されてよい。
【0033】
光エネルギー利用装置100は、収容キャビティの中又は収容キャビティの外に配置されていてもよく、収容キャビティのキャビティ壁を形成していてもよい。第1光エネルギー利用部110は、凸状液体集光装置200又は透明液体201に面して配置されている。収容キャビティ内において、透明液体201から透光性凸状側壁210への太陽光が全反射現象を起こすことによって、太陽光が第1光エネルギー利用部110上に集光される。ここで、凸状液体集光装置200の構造は以下のように設定されている。透明液体201から透光性凸状側壁210への太陽光は、全反射(全内部反射とも呼ぶ)現象を起こすことができる。すなわち、透明液体201内に達した太陽光又はその大部分は、透光性凸状側壁210から外へ出ることなく、全反射の作用によって凸状液体集光装置200内を伝播し続けて、最終的に第1光エネルギー利用部110上に集光される。つまり、透光性凸状側壁210は、光線が両面光エネルギー利用装置100の第1光エネルギー利用部110に向かうことを最終目標として、入射角及び光源の違いに応じて屈折又は全反射の役割を果たす。
【0034】
当該実施形態において、光伝播媒体として透明液体201が用いられており、本実施形態における透光性凸状側壁210は光を透過する役割だけでなく全反射の役割をも果たしている。従来技術と比較すると、同じ条件下において、凸状液体集光装置200は、より多くの太陽光を第1光エネルギー利用部110に集光することができ、集光率が向上する。一方、光エネルギー利用装置100の視点から見れば、全反射された光の入射角が改善されるため、光エネルギー利用装置100の反射損失が低減され、光エネルギーの利用効率が向上する。
【0035】
また、より多くの太陽光を凸状液体集光装置200に集光させるために、第1反射構造300は、凸状液体集光装置200の外側に、例えば、凸状液体集光装置200の周囲又は少なくとも1つの側面に配置されている。第1反射構造300は、太陽光を凸状液体集光装置200に向けて反射できる反射面を有する。第1反射構造300は太陽光を入射させるための第1入光口を有する。第1反射構造300によって、凸状液体集光装置200の太陽光を受光する範囲が拡大され、より多くの太陽光が凸状液体集光装置200に集光される。例えば、太陽光は第1反射構造300によって反射されて凸状液体集光装置200の透光性凸状側壁210に達して、最終的に第1光エネルギー利用部110まで導かれる。
【0036】
光エネルギー利用装置100による太陽光の利用をさらに向上させるために、第2反射構造400を用いてより多くの太陽光を第2光エネルギー利用部120に向けて集光することもできる。第2反射構造400は、第1反射構造300の外側に配置されている。第1反射構造300及び第2光エネルギー利用部120と、第2反射構造400との間には、太陽光を入射させるための第2入光口を有する光反射キャビティが形成されており、第2反射構造400によって、光反射キャビティ内に入射した太陽光が反射されて第2光エネルギー利用部120上に達する。第2入光口は、第1反射構造300の外側に設けられてよく、例えば、第1反射構造300の周囲に設けられてもよく、第1反射構造300の一つ以上の側面にのみ設けられてもよい。これによって、これらの領域に達した太陽光を受光することができ、第1反射構造300及び凸状液体集光装置200の受光範囲外の太陽光の一部が反射されて光エネルギー利用装置100の第2光エネルギー利用部120に達することができ、光エネルギー利用装置100の集光効率が向上する。
【0037】
第1反射構造300及び第2反射構造400が配置されることによって、太陽エネルギー利用ユニットCによる太陽光の受光範囲が拡大し、より多くの太陽光が光エネルギー利用装置100に集光され得る。ここで、第1反射構造300及び第2反射構造400に使用される反射面は、例えば反射型フレネルレンズ、反射鏡、高反射コーティングなど、太陽光を反射できる様々な構造であってよい。
【0038】
一部の実施形態では、第1反射構造300の第2反射構造400に面する側面にも反射面が設けられてよく、これにより、光反射キャビティ内での太陽光の伝播が促進され、最終的に第2光エネルギー利用部への太陽光の集光効率が向上する。
【0039】
凸状液体集光装置200は、受け取った太陽光の全部又は大部分を光エネルギー利用装置100上に集光させる。これらの太陽光を受光するために、光エネルギー利用装置100は、凸状液体集光装置200の外側に配置されていてよい。凸状液体集光装置200内の太陽光が第1光エネルギー利用部110に集光されるように、第1光エネルギー利用部110は、凸状液体集光装置200に取り付けられている。又は、第1光エネルギー利用部110は、収容キャビティ内に配置されていてもよく、集光溝の壁の一部を形成していてもよい。なお、上記構造は、後述する第2凸状液体集光装置200と第2光エネルギー利用部120との間にも用いられて配置されてよい。
【0040】
具体的には、1つの実施形態として、凸状液体集光装置200は、透光性材料からなる透光性底壁220を有する。第1光エネルギー利用部110は、透光性底壁220の外側に接合されており、例えば、第1光エネルギー利用部110は、透光性底壁220の外側と固定接続されている。凸状液体集光装置200において、太陽光が第1光エネルギー利用部110に向かって集光されて、第1光エネルギー利用部110に入射する。
【0041】
もう1つの実施形態として、光エネルギー利用装置100は、透明液体201内に浸漬されていてよく、第1光エネルギー利用部110は、透明液体201を透過した太陽光を直接受光することができる。
【0042】
もう1つの実施形態として、第1光エネルギー利用部110は、凸状液体集光装置200の一部として用いられており、第1光エネルギー利用部110の外壁(太陽光を受光するための側面)は、透光性凸状側壁210と直接的又は間接的に接続されて、収容キャビティの底壁を形成している。
【0043】
凸状液体集光装置200(又は第2凸状液体集光装置200)内の空間の一部又は全部には、透明液体201が充填されている。1つの実施形態として、より良い効果を得るために、透明液体201は収容キャビティ全体にほぼ満杯に充填されていることが好ましい。
【0044】
1つの実施形態として、透明液体201は、脱イオン精製水、グリセリン、アルコール、エチレングリコール、又はこれらの混合物であってよい。
【0045】
また、透明液体201は、第1光エネルギー利用部110及び第2光エネルギー利用部120と直接的又は間接的に伝熱構造を形成することもできる。これにより、第1光エネルギー利用部110及び第2光エネルギー利用部120に対する冷却効果又は吸熱効果が果たされ、光エネルギー利用率が向上する。
【0046】
さらに、図1図4を参照されたい。1つの実施形態として、第1反射構造300と第2反射構造400との間には、第2入光口を形成する間隙が設けられている。
【0047】
さらに、図1図4を参照されたい。より具体的な実施形態として、第2反射構造400は、太陽光を第2光エネルギー利用部120まで反射するための内部反射面を有する溝形状構造であり、光エネルギー利用装置100、凸状液体集光装置200及び第1反射構造300は、溝形状構造内に配置されている。
【0048】
さらに、図2及び図4を参照されたい。第2光エネルギー利用部120の集光効率を向上させるために、1つの実施形態として、凸状液体集光装置200に類似する構造を有する第2凸状液体集光装置600がさらに備えられている。第2凸状液体集光装置600は、光反射キャビティ内に配置されており、透明液体201が充填された第2収容キャビティを有する。第2収容キャビティは、下方に向かって凸状となるように傾斜した第2透光性凸状側壁610を有し、光反射キャビティ内に入射した太陽光が第2透光性凸状側壁610を透過して透明液体201に達することができる。光エネルギー利用装置100は、第2収容キャビティの中又は第2収容キャビティの外に配置されていてもよく、第2収容キャビティのキャビティ壁を形成していてもよい。第2光エネルギー利用部120は、第2凸状液体集光装置600又は第2収容キャビティ内の透明液体201に面して配置されており、第2収容キャビティは、その中の透明液体201から第2透光性凸状側壁610への太陽光の少なくとも一部が全反射現象を起こすことができるような構造を形成しており、これによって、太陽光が第2光エネルギー利用部120上に集光される。第2透光性凸状側壁610の一部(非入光部分、例えば図4における600の実線に示す側面)は、鏡面又は高反射コーティングであってもよく、鏡面反射又は拡散反射によって第2透光性凸状側壁610からの入射光が第2光エネルギー利用部120上に集光される。凸状液体集光装置200及び第1光エネルギー利用部110の構造に類似するように、本実施形態では、第2凸状液体集光装置を用いて、全反射、鏡面反射又は拡散反射の作用により、第2凸状液体集光装置600に入った光を第2光エネルギー利用部120にできるだけ多く集光させる。
【0049】
1つの実施形態として、図2及び図4を参照されたい。凸状液体集光装置200は上向きに尖るように配置されており、第2凸状液体集光装置600は下向きに尖るように配置されている。これにより、透光性凸状側壁210及び第2透光性凸状側壁610を通してより多くの太陽光が集光され得る。
【0050】
1つの実施形態として、図2及び図4を参照されたい。凸状液体集光装置200の垂直断面は三角形であり、第2凸状液体集光装置600の垂直断面は逆三角形である。もちろん、当該形状は一例に過ぎず、他の凸となるような形状であってもよい。
【0051】
図1図4を参照されたい。ほこりを防ぎ、清掃を容易にするために、1つの実施形態として、第1反射構造300及び第2反射構造400を密閉して密閉構造を形成する透光性カバー500がさらに備えられている。透光性カバー500は、フレネルレンズ面又は他の透光性構造であってよい。
【0052】
上記の発明概念に基づき、本願の発明をよりよく示すために、いくつかの異なる実施形態を通じて以下にさらに説明する。
【0053】
<実施形態1>
図1を参照されたい。実施形態1は、太陽エネルギー利用ユニットCを開示しており、図1は太陽エネルギー利用ユニットCの概略垂直断面図である。なお、実施形態1及び他の実施形態で言及されている垂直方向及び水平方向は、いずれも図示した配置方向を基準とする。太陽エネルギー利用装置を実際に使用する際に、地形及び経緯度によって方向を調整する場合があるため、図示した配置方向は、太陽エネルギー利用装置の実際の配置方向と異なる可能性がある。
【0054】
太陽エネルギー利用ユニットCは、光エネルギー利用装置100、凸状液体集光装置200、第1反射構造300及び第2反射構造400を備えている。凸状液体集光装置200は、透光性凸状側壁210を有する密閉構造であり、透明液体201が満杯に充填された密閉状態の収容キャビティを形成している。図1の破線は、透光性凸状側壁210が透明な面であることを示している。
【0055】
光エネルギー利用装置100は、凸状液体集光装置200の下方に配置されており、太陽光を受光して変換及び利用できる、上向きの第1光エネルギー利用部110及び下向きの第2光エネルギー利用部120を有する。太陽光が透光性底壁220を透過して第1光エネルギー利用部110に入射できるように、第1光エネルギー利用部110は、凸状液体集光装置200の透光性底壁220に密着して配置されている。図1では、透光性底壁220と第1光エネルギー利用部110とが密着しているため、これらを1つとして示している。
【0056】
もちろん、他の実施形態では、透光性底壁220を別途配置しなくてよいように、光エネルギー利用装置100の第1光エネルギー利用部110は、凸状液体集光装置200の底壁として用いられてもよい。又は、光エネルギー利用装置100の第1光エネルギー利用部110は、凸状液体集光装置200の収容キャビティ内に配置されていてもよい。
【0057】
図1を参照されたい。1つの実施形態として、第1反射構造300は、凸状液体集光装置200の両側に配置された少なくとも2つの反射部材310を有する。反射部材310の凸状液体集光装置200に面する側は反射面を有する。反射部材310は、凸状液体集光装置200又は光エネルギー利用装置100と接続されて、上方が大きく下方が小さいキャビティを形成することができる。これにより、太陽光が当該キャビティ内に入ることができる。
【0058】
より具体的な実施形態として、反射部材310は、凸状液体集光装置200の両側に対称に配置されており、その対称軸は、当該垂直断面における凸状液体集光装置200の中軸線であってよい。もちろん、反射部材310は、凸状液体集光装置200の1つ以上の側面に対称又は非対称に配置され得る。凸状液体集光装置200による太陽光の受光範囲を拡大し、より多くの太陽光を吸収させることがその目的である。
【0059】
第2反射構造400は、第1反射構造300の外側に配置されている。第1反射構造300及び第2光エネルギー利用部120と、第2反射構造400との間には、太陽光を入射させるための第2入光口を有する光反射キャビティが形成されており、第2反射構造400によって、光反射キャビティ内に入射した太陽光が反射されて第2光エネルギー利用部120上に達する。具体的には、第1反射構造300と第2反射構造400との間には、第2入光口を形成する間隙が設けられている。
【0060】
図1を参照され続けたい。より具体的な実施形態といて、第2反射構造400は溝形状構造である。溝形状構造は、太陽光を第2光エネルギー利用部120まで反射するための内部反射面を有する。当該溝形状構造の一方の側壁は第1反射構造300と重なり合っており、他方の側壁は第1反射構造300から離隔して設けられている。例えば、第2反射構造400の図示した右側の側壁は、図示した右側の反射部材310と重なり合っている又は接続されている。左側の側壁は、図示した左側の反射部材310から離隔しており、太陽光が入るための空間が設けられている。
【0061】
図1は、2つの入射光L1及びL2の収束状況を示している。1つ目は、入射光L1が反射部材310によって反射され、凸状液体集光装置200によって屈折して、また凸状液体集光装置200によって全反射されて第1光エネルギー利用部110に達する過程である。すなわち、凸状液体集光装置200内の透明液体201の全反射作用を十分に利用することによって集光機能が実現される。また、透明液体201は、光エネルギー利用装置100に対して冷却又は吸熱を行い、光エネルギー利用装置100の光エネルギー利用率を向上させるためにも用いられてよい。つまり、透光性凸状側壁210は、次の2つの機能を同時に有する。まず一箇所の表面を介して外部からの入射光を透過させて、次に当該一箇所の表面において透明液体201からの光を全反射する。2つ目として、入射光L2は第2反射構造400の側面によって反射されて、次に第2反射構造400の底部で反射されて第2光エネルギー利用部120に達する。
【0062】
ユニット全体による太陽光の受光範囲を拡張且つ拡大するために、1つの実施形態として、光エネルギー利用装置100、凸状液体集光装置200、第1反射構造300及び第2反射構造400は、同じ方向(すなわち、図1の紙面に垂直な水平方向)に延在して細長形状を形成する。図1は、その延在方向における不特定の1つの位置の垂直断面を示している。もちろん、当該ユニットは、単純な構造として設計されてよい。例えば、当該ユニットの延在方向における任意の位置の垂直断面は図1に示す形状である。
【0063】
図1図4を参照されたい。ほこりを防ぎ、清掃を容易にするために、1つの実施形態として、第1反射構造300及び第2反射構造400を密閉して密閉構造を形成する透光性カバープレート500がさらに備えられている。透光性カバー500は、フレネルレンズ面又は他の透光性構造であってよい。
【0064】
実施形態1は、光が強い傾向を有する場面で用いられてよい。例えば、高緯度の場所で垂直又は水平に取り付けることができる。
【0065】
<実施形態2>
図2を参照されたい。実施形態2は、太陽エネルギー利用ユニットCを開示しており、図2は太陽エネルギー利用ユニットCの概略垂直断面図である。
【0066】
太陽エネルギー利用ユニットCは、光エネルギー利用装置100、凸状液体集光装置200、第1反射構造300、第2反射構造400及び第2凸状液体集光装置600を備えている。凸状液体集光装置200は、透光性凸状側壁210を有する密閉構造であり、透明液体201が満杯に充填された密閉状態の収容キャビティを形成している。
【0067】
実施形態1との相違点の1つとして、実施形態2では、光反射キャビティ内に配置された第2凸状液体集光装置600がさらに備えられている。第2凸状液体集光装置600は、凸状液体集光装置200の収容キャビティと同様の第2収容キャビティを有する。第2収容キャビティ内には、透明液体201(この透明液体201は凸状液体集光装置200内の透明液体と同じでも異なってもよい。)が充填されている。第2収容キャビティは、下方に向かって凸状となるように傾斜した第2透光性凸状側壁610を有している。光反射キャビティ内に入射した太陽光は、第2透光性凸状側壁610を透過して透明液体201に達することができる。図2の破線は、透光性凸状側壁210及び第2透光性凸状側壁610が透明な面であることを示している。
【0068】
光エネルギー利用装置100は、第2収容キャビティの中又は第2収容キャビティの外に配置されていてもよく、第2収容キャビティのキャビティ壁を形成していてもよい。第2光エネルギー利用部120は、第2凸状液体集光装置600又は第2収容キャビティ内の透明液体201に面して配置されており、第2収容キャビティは、その中の透明液体201から第2透光性凸状側壁610への太陽光の少なくとも一部が全反射現象を起こすことができるような構造を形成しており、これによって、太陽光が第2光エネルギー利用部120上に集光され、第2光エネルギー利用部120の集光効率、及び、熱エネルギー貯蔵又は放散能力が向上する。
【0069】
凸状液体集光装置200と第2凸状液体集光装置600との形状及び構造は同じであっても異なっていてもよく、中の透明液体も同じであっても異なっていてもよい。図2において、凸状液体集光装置200及び第2凸状液体集光装置600は、上下逆に配置されている。より効果的に集光するために、凸状液体集光装置200は上向きに尖るように配置されており、第2凸状液体集光装置600は下向きに尖るように配置されている。
【0070】
第2光エネルギー利用部120は、第2凸状液体集光装置600の透光性天壁620の上方に位置してよい。透光性底壁620を省略できるように、光エネルギー利用装置100が第2凸状液体集光装置600の天壁として機能してもよい。又は、光エネルギー利用装置100の第2光エネルギー利用部120は、第2凸状液体集光装置600の収容キャビティ内に配置されていてもよい。
【0071】
図2を参照されたい。1つの実施形態として、透光性天壁620の幅(図示の左右方向が幅方向)は、第2光エネルギー利用部120の幅よりも大きい。第2光エネルギー利用部120からはみ出した透光性天壁620の領域は、入射する太陽光を受光するためにも用いられてよい。他の実施形態では、透光性天壁620の幅は、第2光エネルギー利用部120の幅と同じかそれより小さくてもよい。
【0072】
さらに、図2を参照されたい。実施形態2において、凸状液体集光装置200の垂直断面は三角形であり、第2凸状液体集光装置600の垂直断面は逆三角形である。もちろん、他の実施形態では、凸状液体集光装置200及び第2凸状液体集光装置600は他の形状を有してもよい。
【0073】
また、図2を参照されたい。実施形態2の垂直断面において、光エネルギー利用装置100、凸状液体集光装置200、第1反射構造300、第2反射構造400及び第2凸状液体集光装置600は、対称構造であり、その対称軸は、凸状液体集光装置200と第2凸状液体集光装置600との中軸線である。他の実施形態では、光エネルギー利用装置100、凸状液体集光装置200、第1反射構造300、第2反射構造400及び第2凸状液体集光装置600は、非対称構造であってもよい。
【0074】
さらに、ユニット全体による太陽光の受光範囲を拡張且つ拡大するために、1つの実施形態として、光エネルギー利用装置100、凸状液体集光装置200、第1反射構造300、第2反射構造400及び第2凸状液体集光装置600は、同じ方向(すなわち、図2の紙面に垂直な水平方向)に延在して細長形状を形成する。図2は、その延在方向における不特定の1つの位置の垂直断面を示している。もちろん、当該ユニットは、単純な構造として設計されてよい。例えば、当該ユニットの延在方向における任意の位置の垂直断面は図2に示す形状である。
【0075】
一方、第2反射構造400の底部と第2凸状液体集光装置600の尖っている部分とは接続されており、これによって、光反射キャビティが少なくとも2つの部分に分割されている。
【0076】
具体的には、図2を参照されたい。第2反射構造400と透光性カバー500は、2箇所410(図2の断面図では1つの点であるが、3次元構造では1つの線である。)で接続されている。この場合、第2反射構造400と逆さの第2凸状液体集光装置600とは、箇所420で接触していてもよく接触していなくてもよい。なぜなら、第2反射構造400と透光性カバー500とが箇所410で接続されることによってすでに密閉構造を形成することができるからである。
【0077】
<実施形態3>
実施形態3は、太陽エネルギー利用ユニットCが適用される組合せ構造を提示する。当該組合せ構造は、上記のいずれかの実施形態に示した、少なくとも2つの太陽エネルギー利用ユニットCを備えている。
【0078】
図3を参照されたい。これらの太陽エネルギー利用ユニットCは並列に配置されており、隣接する太陽エネルギー利用ユニットCの第2反射構造400の間には、熱エネルギーを伝達するための熱利用作動媒体721を収容したキャビティ710が形成されている。
【0079】
図3を参照されたい。実施形態3において、2つの太陽エネルギー利用ユニットCは、鏡像対称に配置されている(他の実施形態では非対称に配置されてもよい)。具体的には、実施形態1に示した太陽エネルギー利用ユニットCを例として説明するが、太陽エネルギー利用ユニットCが実施形態2に示した太陽エネルギー利用ユニットC又は他の太陽エネルギー利用ユニットに代替され得ることは理解されたい。
【0080】
実施形態3では、並列する2つの太陽エネルギー利用ユニットCにおける2つの第2反射構造400がいずれも外側に位置する。他の実施形態では、特に2つより多い太陽エネルギー利用ユニットCが並列に配置されるときに、一部の第2反射構造400が内側に位置する場合もある。
【0081】
2つの太陽エネルギー利用ユニットCの間には、キャビティ710が設けられている。キャビティは、例えば、隣接する2つの第2反射構造400又は他の構造の間の領域であってもよい。太陽光が照射されると、キャビティ710が高温領域となるため、ここで熱エネルギーを利用することができる。
【0082】
実施形態3において、2つの太陽エネルギー利用ユニットCの間の領域の底部には、キャビティ底部700が設けられており、これによって2つの太陽エネルギー利用ユニットCの間の領域がキャビティ710として密閉され、その内部には熱利用作動媒体721が収容されている。熱利用作動媒体721は、配管722を介して外部と熱交換することで利用され得る。
【0083】
1つの実施形態として、熱利用作動媒体721は冷水である。実施形態3における組合せ構造は、発電と共に熱エネルギー利用のための温水を提供することもできる。
【0084】
他の実施形態では、キャビティ710内には電池及び冬季に保温を必要とする他の装置が配置されていてもよい。
【0085】
<実施形態4>
実施形態4は、太陽エネルギー利用ユニットCが適用される組合せ構造を提示する。当該組合せ構造は、上記のいずれかの実施形態に示した、少なくとも2つの太陽エネルギー利用ユニットCを備えている。
【0086】
図4を参照されたい。実施形態4に開示する組合せ構造も、鏡像対称に配置された2つの太陽エネルギー利用ユニットC(他の実施形態では非対称に配置されてもよい)を備えている。具体的には、実施形態2に示した太陽エネルギー利用ユニットCを例として説明するが、太陽エネルギー利用ユニットCが実施形態1に示した太陽エネルギー利用ユニットC又は他の太陽エネルギー利用ユニットに代替され得ることは理解されたい。
【0087】
2つの太陽エネルギー利用ユニットCの間の領域の底部には、キャビティ底部700が設けられている。実施形態3との相違点の1つとして、実施形態4では、2つの太陽エネルギー利用ユニットCの間のキャビティ710は、隔壁730によって第1キャビティ711と第2キャビティ712と(又はより多くのサブキャビティ)に分割されている。熱利用作動媒体721は、第1キャビティ711内に充填されており、二次電池741及び制御回路基板(プリント回路基板)742は第2キャビティ712内に配置されており、このように2つの部分に分割されている。制御回路基板742には、制御・保護回路及び装置が配置されている。
【0088】
実施形態4において、逆さの第2凸状液体集光装置600の透光性天壁620の面積は、第2光エネルギー利用部120の面積よりも大きい。他の実施形態では、第2凸状液体集光装置600の透光性天壁620の面積は、第2光エネルギー利用部120の面積と同じかそれより小さくてもよい。実施形態4において、第2凸状液体集光装置600の透光性天壁620の一部(図4における600の実線部分)は、主に反射の役割を果たすため、この部分の表面として鏡面又は高反射コーティングが採用されてよい。
【0089】
実施形態4において、第2反射構造400と逆さの第2凸状液体集光装置600の凸状側壁の1つとが重なり合っている。当該凸状側壁は、太陽エネルギー利用ユニットCに対して外側に位置し、組合せ構造に対して内側に位置する。当該重なり合っている部分(図4における600の実線部分)は、主に反射の役割を果たすため、この部分の表面として鏡面又は高反射コーティングが採用されてよい。
【0090】
実施形態4において、第1キャビティ711と第2キャビティ712との間には隔壁730が配置されているが、他の実施形態では、隔壁730は必須ではなく、熱利用作動媒体721が包装袋内に密閉されていればよい。実施形態4で提示した組合せ構造は、寒冷地で使用可能であり、電池を保温することができる。
【0091】
以上、具体的な例を用いて本発明について詳述したが、上記の実施形態は、本発明の理解を深めるためのものにすぎず、本発明を限定するものではない。当業者は、本発明の思想に基づいて、上記の具体的な実施形態を変更することができる。

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光エネルギー利用装置、凸状液体集光装置、第1反射構造及び第2反射構造を備えた太陽エネルギー利用ユニットであって、前記光エネルギー利用装置は、太陽光を受光、変換及び利用できる第1光エネルギー利用部及び第2光エネルギー利用部を有し、前記第1光エネルギー利用部と前記第2光エネルギー利用部とは向かい合わせに配置されており、
前記凸状液体集光装置は、上向きに尖るように配置されていると共に、透明液体が充填された収容キャビティを有し、前記収容キャビティは、傾斜した透光性凸状側壁を有し、前記太陽光が前記透光性凸状側壁を透過して前記透明液体に達することができ、前記光エネルギー利用装置は、前記収容キャビティの中若しくは前記収容キャビティの外に配置されている、又は、前記収容キャビティのキャビティ壁を形成しており、前記第1光エネルギー利用部は、前記凸状液体集光装置又は透明液体に面して配置されており、前記収容キャビティは、前記透明液体から前記透光性凸状側壁への太陽光の少なくとも一部が全反射現象を起こすことができるような構造を形成しており、これにより、太陽光が前記第1光エネルギー利用部上に集光され、
太陽光を前記凸状液体集光装置に向けて反射できるように、前記第1反射構造は、前記凸状液体集光装置の外側に配置されており、太陽光を入射させるための第1入光口を有しており、
前記第2反射構造は、前記第1反射構造の外側に配置されており、前記第1反射構造及び前記第2光エネルギー利用部と、前記第2反射構造との間には、太陽光を入射させるための第2入光口を有する光反射キャビティが形成されており、前記光反射キャビティ内に入射した太陽光が前記第2反射構造によって反射されて前記第2光エネルギー利用部上に達することを特徴とする太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項2】
前記第1反射構造と前記第2反射構造との間には、前記第2入光口を形成する間隙が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項3】
前記第2反射構造は、太陽光を前記第2光エネルギー利用部まで反射するための内部反射面を有する溝形状構造であり、前記光エネルギー利用装置、前記凸状液体集光装置及び前記第1反射構造は、前記溝形状構造内に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項4】
前記溝形状構造の一方の側壁は前記第1反射構造と重なり合っており、他方の側壁は前記第1反射構造から離隔して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項5】
前記溝形状構造の両側の側壁は、いずれも前記第1反射構造から離隔して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項6】
前記光反射キャビティ内に配置された第2凸状液体集光装置がさらに備えられており、前記第2凸状液体集光装置は、透明液体が充填された第2収容キャビティを有し、前記第2収容キャビティは、下方に向かって凸状となるように傾斜した第2透光性凸状側壁を有し、前記光反射キャビティ内に入射した太陽光が前記透光性凸状側壁を透過して前記透明液体に達することができ、前記光エネルギー利用装置は、前記第2収容キャビティの中若しくは前記第2収容キャビティの外に配置されている、又は、前記第2収容キャビティのキャビティ壁を形成しており、前記第2光エネルギー利用部は、前記第2凸状液体集光装置又は前記第2収容キャビティ内の透明液体に面して配置されており、前記第2収容キャビティは、その中の透明液体から前記第2透光性凸状側壁への太陽光の少なくとも一部が全反射現象、鏡面反射又は拡散反射を起こすことができるような構造を形成しており、これによって、太陽光が前記第2光エネルギー利用部上に集光されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項7】
記第2凸状液体集光装置は下向きに尖るように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項8】
前記凸状液体集光装置の垂直断面は三角形であり、前記第2凸状液体集光装置の垂直断面は逆三角形であることを特徴とする請求項6又は7に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項9】
前記第2反射構造の底部と前記第2凸状液体集光装置の尖っている部分とは接続されており、これにより、前記光反射キャビティが少なくとも2つの部分に分割されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項10】
前記第2凸状液体集光装置は前記第2光エネルギー利用部の下方に位置することを特徴とする請求項6に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項11】
前記第1反射構造は、前記凸状液体集光装置の両側に配置された少なくとも2つの反射部材を有し、前記反射部材の前記凸状液体集光装置に面する側は反射面を有する、又は、前記反射部材の両面は両方とも反射面であることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項12】
前記反射部材は前記凸状液体集光装置の両側に対称に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項13】
前記第1反射構造及び前記第2反射構造を密閉する透光性カバーをさらに備えていることを特徴とする請求項1~12のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項14】
前記光エネルギー利用装置、前記凸状液体集光装置、前記第1反射構造及び前記第2反射構造は、同じ方向に延在して細長形状を形成することを特徴とする請求項1~13のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用ユニット。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の太陽エネルギー利用ユニットを少なくとも2つ備えており、前記太陽エネルギー利用ユニットは並列に配置されており、隣接する太陽エネルギー利用ユニットの間には、熱利用作動媒体、二次電池及び/又は制御回路基板を収容したキャビティが形成されていることを特徴とする太陽エネルギー利用ユニットの組合せ構造。
【請求項16】
前記キャビティは、隔壁によって第1キャビティと第2キャビティとに分割されており、前記第1キャビティ内には前記熱利用作動媒体が充填されており、前記第2キャビティ内には前記二次電池及び前記制御回路基板が配置されていることを特徴とする請求項15に記載の組合せ構造。
【国際調査報告】