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特表2024-521565複素環置換のプリノン誘導体の塩の形及び結晶
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-03
(54)【発明の名称】複素環置換のプリノン誘導体の塩の形及び結晶
(51)【国際特許分類】
   C07D 519/00 20060101AFI20240527BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240527BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240527BHJP
   A61K 31/537 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
C07D519/00 301
C07D519/00 CSP
A61P35/00
A61P43/00 111
A61K31/537
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571467
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 CN2022093391
(87)【国際公開番号】W WO2022242658
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】202110547042.7
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210459521.8
(32)【優先日】2022-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】520128587
【氏名又は名称】ザイ ラボ (シャンハイ) カンパニー、リミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ケビン エックス
(72)【発明者】
【氏名】シア,シャアンホア
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジャオグオ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シュウホイ
【テーマコード(参考)】
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C072MM10
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB22
4C086GA13
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
4C086ZC41
(57)【要約】
複素環置換のプリノン誘導体の塩の形、結晶及びその調製方法を開示し、具体的には式(I)の化合物の塩の形、結晶及びその調製方法を開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物の薬学的に許容される塩は、メタンスルホン酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩であることを特徴とする、式(I)の化合物。
【化1】
【請求項2】
前記メタンスルホン酸塩の構造は式(II)に示された通りであり、前記p-トルエンスルホン酸塩の構造は式(III)に示された通りであることを特徴とする、請求項1に記載のメタンスルホン酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩。
【化2】
(ただし、
mは、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2から選択され、
nは、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2から選択される。)
【請求項3】
前記式(II)の化合物は式(II-1)の化合物から選択され、前記式(III)の化合物は式(III-1)の化合物から選択されることを特徴とする、請求項2に記載のメタンスルホン酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩。
【化3】
【請求項4】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、16.56±0.20°、21.25±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II-1)の化合物のB型結晶。
【化4】
【請求項5】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、10.66±0.20°、13.98±0.20°、16.56±0.20°、21.25±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項4に記載のB型結晶。
【請求項6】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、9.29±0.20°、10.66±0.20°、13.98±0.20°、16.56±0.20°、21.25±0.20°、29.98±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項5に記載のB型結晶。
【請求項7】
XRPDパターンは図4に示された通りである、請求項6に記載のB型結晶。
【請求項8】
示差走査熱量曲線は286.6℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有する、請求項4~7のいずれか一項に記載のB型結晶。
【請求項9】
DSCパターンは図5に示された通りである、請求項8に記載のB型結晶。
【請求項10】
熱重量分析曲線は200.0℃±3℃で重量減少が0.58%に達する、請求項4~7のいずれか一項に記載のB型結晶。
【請求項11】
TGAパターンは図6に示された通りである、請求項10に記載のB型結晶。
【請求項12】
式(II-1)の化合物のB型結晶であって、
【化5】
前記化合物のB型結晶の調製方法は下記のステップを含み、
(a)化合物Zを溶媒Xに加える;
(b)25~80℃でメタンスルホン酸を滴下し、添加終了後25~80℃で3~16時間撹拌し続ける;
(c)溶媒Yを滴下し、添加終了後25~80℃で1~3時間撹拌する;
(d)15~30℃まで冷却させる;
(e)ろ過する;
(f)25~60℃で1~24時間真空乾燥させる;
ただし、
前記化合物Zは、式(I)の化合物、式(I)の化合物のA型結晶及び式(VIII-1)の化合物のK型結晶から選択され、
前記溶媒Xは、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンから選択され、
前記溶媒Yは存在しないか、或いは溶媒Yはメチルtert-ブチルエーテル、酢酸エチル及びn-ヘプタンから選択され、
前記メタンスルホン酸と式(I)の化合物とのモル比は、1.0:1~1.2:1である、式(II-1)の化合物のB型結晶。
【請求項13】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(III-1)の化合物のC型結晶。
【化6】
【請求項14】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、7.05±0.20°、10.23±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°、22.11±0.20°、23.19±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項13に記載のC型結晶。
【請求項15】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、7.05±0.20°、10.23±0.20°、11.89±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°、19.09±0.20°、19.96±0.20°、22.11±0.20°、23.19±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項14に記載のC型結晶。
【請求項16】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96°、7.05°、8.08°、10.23°、11.89°、12.30°、12.99°、14.01°、15.16°、16.67°、17.54°、17.83°、18.75°、19.09°、19.47°、19.96°、20.67°、21.6°、22.11°、23.19°、23.83°、25.18°、26.69°、28.32°、29.90°、30.48°、32.39°、35.02°において特徴的な回折ピークを有する、請求項15に記載のC型結晶。
【請求項17】
XRPDパターンは図8に示された通りである、請求項16に記載のC型結晶。
【請求項18】
示差走査熱量曲線は255.4±3℃において吸熱ピークの開始点を有する、請求項13~17のいずれか一項に記載のC型結晶。
【請求項19】
DSCパターンは図9に示された通りである、請求項18に記載のC型結晶。
【請求項20】
熱重量分析曲線は150.0℃±3℃で重量減少が2.90%に達する、請求項13~17のいずれか一項に記載のC型結晶。
【請求項21】
TGAパターンは図10に示された通りである、請求項20に記載のC型結晶。
【請求項22】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.26±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(I)の化合物のA型結晶。
【化7】
【請求項23】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.26±0.20°、11.50±0.20°、13.52±0.20°、17.03±0.20°、18.75±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°、27.74±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項22に記載のA型結晶。
【請求項24】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.77±0.20°、9.26±0.20°、11.50±0.20°、13.52±0.20°、17.03±0.20°、17.50±0.20°、18.75±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°、23.84±0.20°、24.42±0.20°、26.76±0.20°、27.74±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、請求項23に記載のA型結晶。
【請求項25】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.77°、9.26°、11.50°、13.52°、14.50°、15.16°、15.60°、17.03°、17.28°、17.50°、18.47°、18.75°、19.27°、19.47°、22.69°、23.84°、24.42°、26.76°、27.74°、28.43°、29.77°、30.40°、32.08°において特徴的な回折ピークを有する、請求項24に記載のA型結晶。
【請求項26】
XRPDパターンは図1に示された通りである、請求項25に記載のA型結晶。
【請求項27】
示差走査熱量曲線は257.8℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有する、請求項22~26のいずれか一項に記載のA型結晶。
【請求項28】
DSCパターンは図2に示された通りである、請求項27に記載のA型結晶。
【請求項29】
熱重量分析曲線は230.0℃±3℃で重量減少が1.39%に達する、請求項22~26のいずれか一項に記載のA型結晶。
【請求項30】
TGAパターンは図3に示された通りである、請求項29に記載のA型結晶。
【請求項31】
DNA-PK阻害剤関連薬剤の調製における、請求項1~3のいずれか一項に記載のメタンスルホン酸塩又はp-トルエンスルホン酸塩、請求項4~11のいずれか一項に記載のB型結晶、請求項13~21のいずれか一項に記載のC型結晶、請求項22~30のいずれか一項に記載のA型結晶、或いは請求項12に記載の方法に従って調製される結晶の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は下記の優先権を主張する:
CN202110547042.7、出願日2021年05月19日;
CN202210459521.8、出願日2022年04月27日。
【0002】
本発明は、複素環置換のプリノン誘導体の塩の形、結晶及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0003】
DNA切断、特に二本鎖切断(DSBs)は、遺伝物質の損失、遺伝子組換えを引き起こし、それによってがんや細胞死をもたらす可能性がある極めて深刻な損傷である。真核細胞は、DNA二重鎖切断によって引き起こされる深刻な脅威に対処するために、主にDNA損傷検出、シグナル伝達、及び損傷修復を含むDNA損傷応答機構(DDR)というさまざまな機構を進化させてきた。DNA二本鎖切断の修復には主に相同末端結合(HR)修復と非相同末端結合(NHEJ)修復が含まれる。
【0004】
ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ関連タンパク質(PI3K-related kinase、PIKK)ファミリーに属するDNA依存性プロテインキナーゼ触媒サブユニット(DNA-PK catalytic subunit、DNA-PKcs)は、主にDNA二本鎖切断の非相同末端結合(NHEJ)修復を標的とし、DNA損傷修復の重要なメンバーである。DNA二本鎖損傷の修復中、Ku70/Ku80ヘテロ二量体は、あらかじめ形成されたチャネルを介して二本鎖損傷に特異的に結合し、二本鎖切断を認識して切断端にそれぞれ結合し、その後、ATP依存的にDNA鎖に沿って両端に向かって一定の距離をスライドし、KU-DNA複合体を形成し、且つDNA-PKcsを動員して二本鎖切断に結合し、次にKu二量体が内側に移動し、DNA-PKcsを活性化させて自身をリン酸化させ、最後に、リン酸化されたDNA-PKcsは損傷シグナル伝達を誘導し、PNKP、XRCC4、XLF、Pol X及びDNAリガーゼIVなどのDNA末端処理関連タンパク質を動員して二本鎖切断の修復を完了する。
【0005】
現在、腫瘍治療で一般的に使用されるDNA損傷化学療法薬(例えば、ブレオマイシン、エトポシドやドキソルビシンなどのトポイソメラーゼII阻害剤)及び放射線療法が機能する主な機序は、DNA分子の致死的な二本鎖切断を引き起こし、それによって腫瘍細胞の死亡を誘導することである。研究によると、化学放射線療法を受けた腫瘍組織ではすべてDNA-PKの高発現が見られ、DNA-PKcs活性の増加により損傷したDNAの修復がある程度強化され、腫瘍細胞の死亡を防ぎ、化学放射線療法に対する耐性をもたらすことが示された。また、化学放射線療法後に腫瘍組織で生き残る細胞は、治療に対して非感受性の高いDNA-PKcs活性を持つ細胞であることが多く、これも有効性が低く予後不良の原因となっている。化学放射線療法薬と組み合わせることで、DNA-PK阻害剤はDNA-PKcs活性を阻害することができ、それによって腫瘍のDNA修復を大幅に減少させ、細胞がアポトーシスプログラムに入るように誘導し、より良い治療効果を達成する。
【0006】
ATMは相同末端結合(HR)修復に重要な役割を果たし、腫瘍細胞が欠陥によりATMを欠いている場合、DNA切断修復はその生存のためにDNA-PKcs主導のNHEJ修復にさらに依存することになる。従って、DNA-PK阻害剤は同様に単剤として他のDNA修復経路に欠陥を有する腫瘍において治療効果を発揮することができる。
【0007】
本発明は、単剤として他のDNA修復経路に欠陥を有する腫瘍において治療効果を発揮するだけでなく、また、化学放射線療法薬と組み合わせて使用して、化学放射線療法に対する腫瘍組織の感受性を高め、薬剤耐性の問題を克服し、さまざまな固形腫瘍及び血液腫瘍に対する阻害効果を高めることもできる、DNA-PK小分子阻害剤を発見することを目的とする。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、式(I)の化合物のA型結晶を提供する。
【化1】
【0009】
前記A型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.26±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.26±0.20°、11.50±0.20°、17.03±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.26±0.20°、11.50±0.20°、13.52±0.20°、17.03±0.20°、18.75±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°、27.74±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.77±0.20°、9.26±0.20°、11.50±0.20°、13.52±0.20°、17.03±0.20°、17.50±0.20°、18.75±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°、23.84±0.20°、24.42±0.20°、26.76±0.20°、27.74±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.77±0.20°、9.26±0.20°、11.50±0.20°、13.52±0.20°、14.50±0.20°、15.60±0.20°、17.03±0.20°、17.50±0.20°、18.75±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°、23.84±0.20°、24.42±0.20°、26.76±0.20°、27.74±0.20°、30.40±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.26±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°、及び/又は5.77±0.20°、及び/又は11.50±0.20°、及び/又は13.52±0.20°、及び/又は14.50±0.20°、及び/又は15.16±0.20°、及び/又は15.60±0.20°、及び/又は17.03±0.20°、及び/又は17.28±0.20°、及び/又は17.50±0.20°、及び/又は18.47±0.20°、及び/又は18.75±0.20°、及び/又は19.27±0.20°、及び/又は23.84±0.20°、及び/又は24.42±0.20°、及び/又は26.76±0.20°、及び/又は27.74±0.20°、及び/又は28.43±0.20°、及び/又は29.77±0.20°、及び/又は30.40±0.20°、及び/又は32.08±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.77°、9.26°、11.50°、13.52°、14.50°、15.16°、15.60°、17.03°、17.28°、17.50°、18.47°、18.75°、19.27°、19.47°、22.69°、23.84°、24.42°、26.76°、27.74°、28.43°、29.77°、30.40°、32.08°において特徴的な回折ピークを有する。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のXRPDパターンは図1に示された通りである。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のXRPDパターンは、基本的に図1に示された通りである。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のCu Kα線のXRPDパターンにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は、下記の表に示された通りである。
【表1】
【0019】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、257.8℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有することを示す。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、257.8℃±5℃において吸熱ピークの開始点を有することを示す。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のDSCパターンは図2に示された通りである。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のDSCパターンは、基本的に図2に示された通りである。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶の熱重量分析(TGA)曲線は、230.0℃±3℃で重量減少が1.39%に達する。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のTGAパターンは図3に示された通りである。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態において、上記A型結晶のTGAパターンは、基本的に図3に示された通りである。
【0026】
本発明は、式(I)の化合物のメタンスルホン酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩をさらに提供する。
【化2】
【0027】
本発明のいくつかの実施形態において、上記式(I)の化合物のメタンスルホン酸塩の構造は式(II)に示された通りであり、上記式(I)の化合物のp-トルエンスルホン酸塩の構造は式(III)に示された通りであり、
【化3】
ただし、m及びnは、それぞれ独立して0.6~2.5から選択される。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態において、上記式(I)の化合物のメタンスルホン酸塩の構造は式(II)に示された通りであり、上記式(I)の化合物のp-トルエンスルホン酸塩の構造は式(III)に示された通りであり、
【化4】
ただし、
mは、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.8、1.9、2.0、2.1及び2.2から選択され、
nは、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.8、1.9、2.0、2.1及び2.2から選択される。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態において、mは1.0、2.0及び2.2から選択される。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態において、nは1.0、2.0及び2.1から選択される。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態において、上記式(II)の化合物は式(II-1)の化合物から選択され、上記式(III)の化合物は式(III-1)の化合物から選択される。
【化5】
【0032】
本発明は、式(II-1)の化合物のB型結晶をさらに提供する。
【化6】
【0033】
前記B型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、16.56±0.20°、21.25±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、10.66±0.20°、13.98±0.20°、16.56±0.20°、21.25±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、10.66±0.20°、13.98±0.20°、16.56±0.20°、21.25±0.20°、29.98±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、9.29±0.20°、10.66±0.20°、13.98±0.20°、16.56±0.20°、21.25±0.20°、29.98±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、9.29±0.20°、10.66±0.20°、13.98±0.20°、16.56±0.20°、20.51±0.20°、21.25±0.20°、26.14±0.20°、28.08±0.20°、29.98±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、9.29±0.20°、10.66±0.20°、13.98±0.20°、16.56±0.20°、20.51±0.20°、21.25±0.20°、26.14±0.20°、28.08±0.20°、29.98±0.20°、35.07±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、9.29±0.20°、10.66±0.20°、13.98±0.20°、16.56±0.20°、18.54±0.20°、19.11±0.20°、20.51±0.20°、21.25±0.20°、22.25±0.20°、23.14±0.20°、23.77±0.20°、26.14±0.20°、28.08±0.20°、29.98±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、9.29±0.20°、10.66±0.20°、13.98±0.20°、16.56±0.20°、18.54±0.20°、19.11±0.20°、20.51±0.20°、21.25±0.20°、22.25±0.20°、23.14±0.20°、23.77±0.20°、26.14±0.20°、28.08±0.20°、29.98±0.20°、35.07±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、16.56±0.20°、21.25±0.20°、及び/又は13.98±0.20°、及び/又は10.66±0.20°、及び/又は29.98±0.20°、及び/又は9.29±0.20°、及び/又は26.14±0.20°、及び/又は20.51±0.20°、及び/又は30.57±0.20°、及び/又は35.33±0.20°、及び/又は28.08±0.20°、及び/又は22.25±0.20°、及び/又は23.14±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02°、9.29°、10.66°、13.98°、16.56°、18.54°、19.11°、20.51°、21.25°、21.98°、22.25°、23.14°、23.77°、26.14°、27.27°、28.08°、29.98°において特徴的な回折ピークを有する。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02°、9.29°、10.66°、13.98°、16.56°、18.54°、19.11°、20.51°、21.25°、21.98°、22.25°、23.14°、23.77°、26.14°、27.27°、28.08°、29.98°、30.67°、33.75°、35.07°、35.33°、37.17°において特徴的な回折ピークを有する。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のXRPDパターンは図4に示された通りである。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のXRPDパターンは、基本的に図4に示された通りである。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のCu Kα線のXRPDパターンにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は、下記の表に示された通りである。
【表2】
【0047】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、286.6℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有することを示す。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、286.6℃±5℃において吸熱ピークの開始点を有することを示す。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のDSCパターンは図5に示された通りである。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のDSCパターンは、基本的に図5に示された通りである。
【0051】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶の熱重量分析(TGA)曲線は、200.0℃±3℃で重量減少が0.58%に達する。
【0052】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のTGAパターンは図6に示された通りである。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のTGAパターンは、基本的に図6に示された通りである。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のH NMRパターンは図7に示された通りである。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態において、上記B型結晶のH NMRパターンは、基本的に図7に示された通りである。
【0056】
本発明は、上記B型結晶の調製方法をさらに提供し、前記方法は下記のステップを含む:
(a)化合物Zを溶媒Xに加える;
(b)25~80℃でメタンスルホン酸を滴下し、添加終了後25~80℃で3~16時間撹拌し続ける;
(c)溶媒Yを滴下し、添加終了後25~80℃で1~3時間撹拌する;
(d)15~30℃まで冷却させる;
(e)ろ過する;
(f)25~60℃で1~24時間真空乾燥させる;
ただし、
前記化合物Zは、式(I)の化合物、式(I)の化合物のA型結晶及び式(VIII-1)の化合物のK型結晶から選択され、
前記溶媒Xは、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンから選択され、
前記溶媒Yは存在しないか、或いは溶媒Yはメチルtert-ブチルエーテル、酢酸エチル及びn-ヘプタンから選択され、
前記メタンスルホン酸と式(I)の化合物のA型結晶とのモル比は、1.0:1~1.2:1である。
【0057】
本発明は、式(III-1)の化合物のC型結晶をさらに提供する。
【化7】
【0058】
前記C型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、10.23±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°、23.19±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、7.05±0.20°、10.23±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°、22.11±0.20°、23.19±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、7.05±0.20°、10.23±0.20°、11.89±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°、19.09±0.20°、19.96±0.20°、22.11±0.20°、23.19±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、7.05±0.20°、10.23±0.20°、11.89±0.20°、15.16±0.20°、16.67±0.20°、17.54±0.20°、17.83±0.20°、18.75±0.20°、19.09±0.20°、19.96±0.20°、20.67±0.20°、21.6±0.20°、22.11±0.20°、23.19±0.20°、23.83±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°、及び/又は7.05±0.20°、及び/又は8.08±0.20°、及び/又は10.23±0.20°、及び/又は11.89±0.20°、及び/又は12.30±0.20°、及び/又は12.99±0.20°、及び/又は14.01±0.20°、及び/又は16.67±0.20°、及び/又は17.54±0.20°、及び/又は18.75±0.20°、及び/又は19.09±0.20°、及び/又は19.47±0.20°、及び/又は19.96±0.20°、及び/又は20.67±0.20°、及び/又は21.6±0.20°、及び/又は22.11±0.20°、及び/又は23.19±0.20°、及び/又は23.83±0.20°、及び/又は25.18±0.20°、及び/又は26.69±0.20°、及び/又は28.32±0.20°、及び/又は29.90±0.20°、及び/又は30.48±0.20°、及び/又は32.39±0.20°、及び/又は35.02±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96°、7.05°、8.08°、10.23°、11.89°、12.30°、12.99°、14.01°、15.16°、16.67°、17.54°、17.83°、18.75°、19.09°、19.47°、19.96°、20.67°、21.6°、22.11°、23.19°、23.83°、25.18°、26.69°、28.32°、29.90°、30.48°、32.39°、35.02°において特徴的な回折ピークを有する。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶の粉末X線回折パターンは図8に示された通りである。
【0066】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶の粉末X線回折パターンは、基本的に図8に示された通りである。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のCu Kα線のXRPDパターンにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は、下記の表に示された通りである。
【表3】
【0068】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、255.4±3℃において吸熱ピークの開始点を有することを示す。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、255.4±5℃において吸熱ピークの開始点を有することを示す。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のDSCパターンは図9に示された通りである。
【0071】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のDSCパターンは、基本的に図9に示された通りである。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶の熱重量分析(TGA)曲線は、150.0℃±3℃で重量減少が2.90%に達する。
【0073】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のTGAパターンは図10に示された通りである。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のTGAパターンは、基本的に図10に示された通りである。
【0075】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のH NMRパターンは図11に示された通りである。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態において、上記C型結晶のH NMRパターンは、基本的に図11に示された通りである。
【0077】
本発明は、上記C型結晶の調製方法をさらに提供し、前記方法は下記のステップを含む:
(a)式(VIII-1)の化合物のK型結晶(1eq)及びp-トルエンスルホン酸(1eq)をテトラヒドロフランに加える;
(b)懸濁液を室温で2日間撹拌する;
(c)遠心分離し、固体を収集し、室温で3時間真空乾燥させる;
本発明のいくつかの実施形態において、上記式(II)又は式(III)の化合物は、
【化8】
から選択される。
【0078】
本発明は、式(II-2)の化合物のD型結晶をさらに提供する。
【化9】
【0079】
前記D型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.45±0.20°、11.75±0.20°、17.41±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.45±0.20°、11.75±0.20°、16.23±0.20°、17.41±0.20°、20.21±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.45±0.20°、11.75±0.20°、16.23±0.20°、17.41±0.20°、19.10±0.20°、20.21±0.20°、22.06±0.20°、24.32±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0082】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.39±0.20°、9.45±0.20°、11.75±0.20°、12.99±0.20°、16.23±0.20°、17.41±0.20°、19.10±0.20°、20.21±0.20°、22.06±0.20°、24.32±0.20°、22.82±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.39±0.20°、9.45±0.20°、11.75±0.20°、12.99±0.20°、16.23±0.20°、16.70±0.20°、17.41±0.20°、17.64±0.20°、19.10±0.20°、20.21±0.20°、21.62±0.20°、22.06±0.20°、22.82±0.20°、24.32±0.20°、27.09±0.20°、29.99±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.45±0.20°、11.75±0.20°、17.41±0.20°、及び/又は7.39±0.20°、及び/又は8.69±0.20°、及び/又は12.99±0.20°、及び/又は13.62±0.20°、及び/又は14.65±0.20°、及び/又は15.68±0.20°、及び/又は16.23±0.20°、及び/又は16.7±0.20°、及び/又は17.64±0.20°、及び/又は18.02±0.20°、及び/又は19.1±0.20°、及び/又は19.33±0.20°、及び/又は20.21±0.20°、及び/又は21.62±0.20°、及び/又は22.06±0.20°、及び/又は22.82±0.20°、及び/又は23.57±0.20°、及び/又は24.08±0.20°、及び/又は24.32±0.20°、及び/又は25.29±0.20°、及び/又は26.02±0.20°、及び/又は27.09±0.20°、及び/又は28.02±0.20°、及び/又は28.51±0.20°、及び/又は29.99±0.20°、及び/又は32.18±0.20°、及び/又は35.13±0.20°、及び/又は35.43±0.20°、及び/又は38.16±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.39°、8.69°、9.45°、11.75°、12.99°、13.62°、14.65°、15.68°、16.23°、16.7°、17.41°、17.64°、18.02°、19.1°、19.33°、20.21°、21.62°、22.06°、22.82°、23.57°、24.08°、24.32°、25.29°、26.02°、27.09°、28.02°、28.51°、29.99°、32.18°、35.13°、35.43°、38.16°において特徴的な回折ピークを有する。
【0086】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のXRPDパターンは図12に示された通りである。
【0087】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のXRPDパターンは、基本的に図12に示された通りである。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のCu Kα線のXRPDパターンにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は、下記の表に示された通りである。
【表4】
【0089】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、43.1℃±3℃及び227.4℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有することを示す。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、227.4℃±5℃において吸熱ピークの開始点を有することを示す。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のDSCパターンは図13に示された通りである。
【0092】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のDSCパターンは、基本的に図13に示された通りである。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶の熱重量分析(TGA)曲線は、150.0℃±3℃で重量減少が5.65%に達する。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のTGAパターンは図14に示された通りである。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のTGAパターンは、基本的に図14に示された通りである。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のH NMRパターンは図15に示された通りである。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態において、上記D型結晶のH NMRパターンは、基本的に図15に示された通りである。
【0098】
本発明は、式(III-2)の化合物のE型結晶をさらに提供する。
【化10】
【0099】
前記E型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.78±0.20°、17.02±0.20°、18.49±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.78±0.20°、7.77±0.20°、11.90±0.20°、17.02±0.20°、17.97±0.20°、18.49±0.20°、18.95±0.20°、23.33±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.78±0.20°、7.77±0.20°、11.90±0.20°、14.43±0.20°、15.24±0.20°、17.02±0.20°、17.97±0.20°、18.49±0.20°、18.95±0.20°、21.06±0.20°、23.33±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0102】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.78±0.20°、17.02±0.20°、18.49±0.20°、及び/又は7.77±0.20°、及び/又は8.50±0.20°、及び/又は11.90±0.20°、及び/又は13.34±0.20°、及び/又は14.43±0.20°、及び/又は15.24±0.20°、及び/又は16.38±0.20°、及び/又は17.67±0.20°、及び/又は17.97±0.20°、及び/又は18.95±0.20°、及び/又は19.87±0.20°、及び/又は20.78±0.20°、及び/又は21.06±0.20°、及び/又は21.66±0.20°、及び/又は21.90±0.20°、及び/又は23.04±0.20°、及び/又は23.33±0.20°、及び/又は23.89±0.20°、及び/又は24.45±0.20°、及び/又は24.84±0.20°、及び/又は25.85±0.20°、及び/又は26.82±0.20°、及び/又は27.97±0.20°、及び/又は28.65±0.20°、及び/又は29.92±0.20°、及び/又は30.25±0.20°、及び/又は31.22±0.20°、及び/又は33.01±0.20°、及び/又は33.85±0.20°、及び/又は35.61±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0103】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.78°、7.77°、8.50°、11.90°、13.34°、14.43°、15.24°、16.38°、17.02°、17.67°、17.97°、18.49°、18.95°、19.87°、20.78°、21.06°、21.66°、21.90°、23.04°、23.33°、23.89°、24.45°、24.84°、25.85°、26.82°、27.97°、28.65°、29.92°、30.25°、31.22°、33.01°、33.85°、35.61°において特徴的な回折ピークを有する。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶の粉末X線回折パターンは図16に示された通りである。
【0105】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶の粉末X線回折パターンは、基本的に図16に示された通りである。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶のCu Kα線のXRPDパターンにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は、下記の表に示された通りである。
【表5】
【0107】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、268.6±3℃において吸熱ピークの開始点を有することを示す。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶のDSCパターンは図17に示された通りである。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶のDSCパターンは、基本的に図17に示された通りである。
【0110】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶の熱重量分析(TGA)曲線は、150.0℃±3℃で重量減少が0.76%に達する。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶のTGAパターンは図18に示された通りである。
【0112】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶のTGAパターンは、基本的に図18に示された通りである。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶のH NMRパターンは図19に示された通りである。
【0114】
本発明のいくつかの実施形態において、上記E型結晶のH NMRパターンは、基本的に図19に示された通りである。
【0115】
本発明は、式(I)の化合物のベンゼンスルホン酸塩、シュウ酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩及び水和物をさらに提供し、そのベンゼンスルホン酸塩の構造は式(IV)に示された通りであり、そのシュウ酸塩は式(V)に示された通りであり、その臭化水素酸塩は式(VI)に示された通りであり、その塩酸塩は式(VII)に示された通りであり、その水和物は式(VIII)に示された通りであり、
【化11】
ただし、p、q及びrはそれぞれ独立して0.5~2.5から選択され、s及びtはそれぞれ独立して0.5~3.5から選択される。
【0116】
本発明のいくつかの実施形態において、p及びrはそれぞれ独立して0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1及び2.2から選択され、qは0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1及び2.2から選択され、s及びtはそれぞれ独立して0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2から選択される。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態において、pは1.0、1.2及び2.0から選択される。
【0118】
本発明のいくつかの実施形態において、qは0.6、0.9及び1.4から選択される。
【0119】
本発明のいくつかの実施形態において、rは1.0、1.2及び1.3から選択される。
【0120】
本発明のいくつかの実施形態において、sは0.8、0.9、1.0、2.0、2.2、2.5及び3.0から選択される。
【0121】
本発明のいくつかの実施形態において、tは0.8、0.9、1.0、2.0、2.2、2.5及び3.0から選択される。
【0122】
本発明のいくつかの実施形態において、上記式(IV)の化合物は式(IV-1)及び(IV-2)の化合物から選択され、式(V)の化合物は式(V-1)の化合物から選択され、式(VI)の化合物は式(VI-1)の化合物から選択され、式(VII)の化合物は式(VII-1)の化合物から選択され、式(VIII)の化合物は式(VIII-1)の化合物から選択される。
【化12】
【0123】
本発明は、式(IV-1)の化合物のF型結晶をさらに提供する。
【化13】
【0124】
前記F型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:6.21±0.20°、6.97±0.20°、13.58±0.20°、15.90±0.20°、17.81±0.20°、19.76±0.20°、20.73±0.20°、22.17±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0125】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:6.21±0.20°、6.97±0.20°、13.58±0.20°、及び/又は7.84±0.20°、及び/又は10.58±0.20°、及び/又は13.17±0.20°、及び/又は13.90±0.20°、及び/又は15.65±0.20°、及び/又は15.90±0.20°、及び/又は16.83±0.20°、及び/又は17.21±0.20°、及び/又は17.81±0.20°、及び/又は18.51±0.20°、及び/又は19.12±0.20°、及び/又は19.76±0.20°、及び/又は19.99±0.20°、及び/又は20.73±0.20°、及び/又は22.17±0.20°、及び/又は23.39±0.20°、及び/又は23.69±0.20°、及び/又は24.19±0.20°、及び/又は24.83±0.20°、及び/又は26.38±0.20°、及び/又は28.30±0.20°、及び/又は29.58±0.20°、及び/又は30.62±0.20°、及び/又は32.50±0.20°、及び/又は34.06±0.20°、及び/又は37.83±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0126】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:6.21°、6.97°、7.84°、10.58°、13.17°、13.58°、13.90°、15.65°、15.90°、16.83°、17.21°、17.81°、18.51°、19.12°、19.76°、19.99°、20.73°、22.17°、23.39°、23.69°、24.19°、24.83°、26.38°、28.30°、29.58°、30.62°、32.50°、34.06°、37.83°において特徴的な回折ピークを有する。
【0127】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶の粉末X線回折パターンは図20に示された通りである。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶の粉末X線回折パターンは、基本的に図20に示された通りである。
【0129】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶のCu Kα線のXRPDパターンにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は、下記の表に示された通りである。
【表6】
【0130】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、216.9℃±3℃、219.6℃±3℃及び240.7℃±3℃の三箇所において熱シグナルの開始点を有することを示す。
【0131】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、216.9℃±3℃及び240.7℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有することを示す。
【0132】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、219.6℃±3℃において発熱ピークの開始点を有することを示す。
【0133】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶のDSCパターンは図21に示された通りである。
【0134】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶のDSCパターンは、基本的に図21に示された通りである。
【0135】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶の熱重量分析(TGA)曲線は、150.0℃±3℃で重量減少が3.19%に達する。
【0136】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶のTGAパターンは図22に示された通りである。
【0137】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶のTGAパターンは、基本的に図22に示された通りである。
【0138】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶のH NMRパターンは図23に示された通りである。
【0139】
本発明のいくつかの実施形態において、上記F型結晶のH NMRパターンは、基本的に図23に示された通りである。
【0140】
本発明は、式(IV-2)の化合物のG型結晶をさらに提供する。
【化14】
【0141】
前記G型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.83±0.20°、8.06±0.20°、12.27±0.20°、16.56±0.20°、18.67±0.20°において特徴的な回折ピークを有する。
【0142】
本発明のいくつかの実施形態において、上記G型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.83±0.20°、8.06±0.20°、12.27±0.20°、及び/又は13.06±0.20°、及び/又は14.75±0.20°、及び/又は15.72±0.20°、及び/又は16.56±0.20°、及び/又は18.23±0.20°、及び/又は18.67±0.20°、及び/又は19.69±0.20°、及び/又は20.64±0.20°、及び/又は21.11±0.20°、及び/又は21.91±0.20°、及び/又は22.57±0.20°、及び/又は23.33±0.20°、及び/又は24.25±0.20°、及び/又は26.09±0.20°、及び/又は29.00°において特徴的な回折ピークを有する。
【0143】
本発明のいくつかの実施形態において、上記G型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.83°、8.06°、12.27°、13.06°、14.75°、15.72°、16.56°、18.23°、18.67°、19.69°、20.64°、21.11°、21.91°、22.57°、23.33°、24.25°、26.09°、29.00°において特徴的な回折ピークを有する。
【0144】
本発明のいくつかの実施形態において、上記G型結晶の粉末X線回折パターンは図24に示された通りである。
【0145】
本発明のいくつかの実施形態において、上記G型結晶の粉末X線回折パターンは、基本的に図24に示された通りである。
【0146】
本発明のいくつかの実施形態において、上記G型結晶のCu Kα線のXRPDパターンにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は、下記の表に示された通りである。
【表7】
【0147】
本発明のいくつかの実施形態において、上記G型結晶の示差走査熱量(DSC)曲線は、224.4℃±3℃及び251.5℃±3℃において吸熱ピークの開始値を有し、233.7℃±3℃の三箇所において熱シグナルの開始点を有することを示す。
【0148】
本発明のいくつかの実施形態において、上記G型結晶のDSCパターンは図25に示された通りである。
【0149】
本発明のいくつかの実施形態において、上記G型結晶のDSCパターンは、基本的に図25に示された通りである。
【0150】
本発明のいくつかの実施形態において、上記G型結晶のH NMRパターンは図26に示された通りである。
【0151】
本発明のいくつかの実施形態において、上記G型結晶のH NMRパターンは、基本的に図26に示された通りである。
【0152】
本発明は、式(V-1)の化合物のH型結晶をさらに提供する。
【0153】
【化15】
【0154】
前記H型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:4.31°、8.52°、11.28°、12.75°、13.32°、14.52°、15.4°、16.48°、17.19°、18.32°、18.87°、19.09°、19.78°、20.4°、21.28°、25.4°、26.99°、27.34°、29.22°、29.93°、30.69°、35.02°、36.16°において特徴的な回折ピークを有する。
【0155】
本発明のいくつかの実施形態において、上記H型結晶の粉末X線回折パターンは図27に示された通りである。
【0156】
本発明のいくつかの実施形態において、上記H型結晶の粉末X線回折パターンは、基本的に図27に示された通りである。
【0157】
本発明のいくつかの実施形態において、上記H型結晶のCu Kα線のXRPDパターンにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は、下記の表に示された通りである。
【表8】
【0158】
本発明は、式(VI-1)の化合物のI型結晶をさらに提供する。
【化16】
【0159】
前記I型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:6.27°、8.02°、8.59°、10.14°、13.90°、14.99°、15.56°、16.07°、16.95°、17.20°、17.82°、19.16°、20.39°、21.10°、21.44°、22.94°、23.92°、24.26°、24.91°、25.57°、26.58°、27.42°、28.26°、29.39°、31.19°、32.02°、33.52°において特徴的な回折ピークを有する。
【0160】
本発明のいくつかの実施形態において、上記I型結晶の粉末X線回折パターンは図28に示された通りである。
【0161】
本発明のいくつかの実施形態において、上記I型結晶の粉末X線回折パターンは、基本的に図28に示された通りである。
【0162】
本発明のいくつかの実施形態において、上記I型結晶のCu Kα線のXRPDパターンにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は、下記の表に示された通りである。
【表9】
【0163】
本発明は、式(VII-1)の化合物のJ型結晶をさらに提供する。
【化17】
【0164】
前記J型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.14°、8.58°、10.33°、11.36°、12.15°、14.47°、15.08°、15.86°、16.85°、17.25°、17.58°、18.08°、18.58°、19.54°、20.69°、21.44°、21.81°、22.10°、23.35°、24.33°、24.66°、25.29°、25.96°、27.88°、28.71°、29.53°、29.84°、31.74°、32.71°、34.04°、37.79°において特徴的な回折ピークを有する。
【0165】
本発明のいくつかの実施形態において、上記J型結晶の粉末X線回折パターンは図29に示された通りである。
【0166】
本発明のいくつかの実施形態において、上記J型結晶の粉末X線回折パターンは、基本的に図29に示された通りである。
【0167】
本発明のいくつかの実施形態において、上記J型結晶のCu Kα線のXRPDパターンにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は、下記の表に示された通りである。
【表10】
【0168】
本発明は、式(VIII-1)の化合物のK型結晶をさらに提供する。
【化18】
【0169】
前記K型結晶のCu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:6.99°、7.34°、8.33°、9.22°、9.92°、10.56°、10.97°、13.35°、13.96°、14.60°、15.13°、15.83°、16.36°、16.91°、18.48°、19.58°、20.62°、20.99°、22.22°、22.67°、23.78°、25.77°、26.19°、26.84°、27.46°、31.21°、37.22°において特徴的な回折ピークを有する。
【0170】
本発明のいくつかの実施形態において、上記K型結晶の粉末X線回折パターンは図30に示された通りである。
【0171】
本発明のいくつかの実施形態において、上記K型結晶の粉末X線回折パターンは、基本的に図30に示された通りである。
【0172】
本発明のいくつかの実施形態において、上記K型結晶のCu Kα線のXRPDパターンにおいて、回折ピークのピーク位置及び相対強度は、下記の表に示された通りである。
【表11】
【0173】
本発明は、DNA-PK阻害剤関連薬剤の調製における、上記化合物のメタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、B型結晶、C型結晶又はA型結晶の使用をさらに提供する。
【0174】
本発明は、DNA-PK阻害剤関連薬剤の調製における、上記化合物のメタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、シュウ酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、水和物、A型結晶、B型結晶、C型結晶、D型結晶、E型結晶、F型結晶、G型結晶、H型結晶、I型結晶、J型結晶又はK型結晶の使用をさらに提供する。
【発明の効果】
【0175】
本発明の化合物は、DNA-PK阻害剤の一種として、優れたDNA-PKキナーゼ阻害活性を示す。PKの結果、本発明の化合物はより長い半減期とより高い薬物曝露量、優れたin vivo薬物動態を有し、経口投与に開発できる優れた分子であることが示された。
【0176】
定義と説明
特に明記しない限り、本明細書で使用される下記の用語及び語句、下記の意味を有するものとする。特定の語句や用語は、特に定義されていない場合、不確定又は不明瞭であるとみなされるべきではなく、通常の意味に従って理解されるべきである。本明細書に商品名が記載されている場合、それは対応する商品名又はその有効成分を指すことを意図している。
【0177】
本発明の中間体化合物は、以下に列挙される具体的な実施形態、他の化学合成方法との組み合わせによって形成される実施形態、及び当業者に周知の等価置換の方式を含む、当業者に周知の様々な合成方法によって調製することができ、好ましい実施形態には、本発明の実施例が含まれるが、これらに限定されない。
【0178】
「薬学的に許容される塩」という用語は、化合物と比較的無毒性の酸又は塩基とから調製される化合物の塩を指し、本発明の式(I)の化合物の性質に基づいて、好ましくは比較的無毒性の酸とから調製される。酸付加塩は、純粋な溶液又は適当な不活性溶媒中で、そのような化合物を十分な量の酸と接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例には、塩酸、臭化水素酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含む無機酸塩;酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、クエン酸、酒石酸及びメタンスルホン酸などの類似の酸を含む有機酸塩が含まれる。
【0179】
本発明における式(I)の化合物、式(I)の化合物の薬学的に許容される塩には、臭化水素酸塩、メタンスルホン酸塩、シュウ酸塩、p-トルエンスルホン酸及び溶媒和物が含まれるが、これらに限定されない;ここで、水和物は溶媒和物の一実施形態である。本発明における式(I)の化合物の薬学的に許容される塩又は溶媒和物において、酸又は溶媒の併用量は、式(I)の化合物に対する酸又は溶媒のモル比で表される。例えば、
【化19】
は式(I)の化合物とメタンスルホン酸との付加塩を表し、前記酸付加塩において、式(I)の化合物に対するメタンスルホン酸のモル比が2:1である。
【0180】
本発明の具体的な実施形態の化学反応は適切な溶媒中で完了し、前記溶媒は本発明の化学変化及びそれに必要な試薬と材料に適するべきである。本発明の化合物を得るために、当業者は、既存の実施形態に基づいて合成工程又は反応スキームを変更又は選択することが必要な場合がある。
【0181】
特に明記しない限り、本発明の化合物の示差走査熱量曲線において、上向きは発熱を示す。
【0182】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明を何ら限定するものではない。
【0183】
本発明の化合物の構造は、当業者に周知の通常の方法によって確認することができ、本発明が化合物の絶対配置に関する場合、当該絶対配置は、当該技術分野における通常の技術的手段によって確認することができる。例えば、単結晶X線回折法(SXRD)は、培養した単結晶をBruker D8 venture回折計で回折強度データを収集し、光源はCuKα線であり、スキャン方法はφ/ωスキャンであり、関連データを収集した後、さらに直接法(Shelxs97)を使用して結晶構造を解析し、絶対配置を確認することができる。
【0184】
本発明では下記の略語が使用される:ACNはアセトニトリルを表し;DMSOはジメチルスルホキシドを表す。N:窒素ガス;RH:相対湿度;mL:ミリリットル;L:リットル;min:分;℃:摂氏度;μm:マイクロメートル;mm:ミリメートル;μL:マイクロリットル;moL/L:1リットルあたりのモル;mg:ミリグラム;s:秒;nm:ナノメートル;MPa:メガパスカル;lux:ルクス;μw/cm:1平方センチメートルあたりのマイクロワット;h:時間;Kg:キログラム;nM:ナノモル;rpm:回転速度;XRPDは粉末X線回折を表し;DSCは示差走査熱量分析を表し;TGAは熱重量分析を表し;H NMRはプロトン核磁気共鳴を表す。
【0185】
本発明の化合物は、当分野における通常の命名原則に従って、又はChemDraw(登録商標)ソフトウェアを使用して命名され、市販の化合物はサプライヤーのカタログ名を使用し、本発明で使用される溶媒はすべて市販されている。
【0186】
本発明の装置及び分析方法
1.1 粉末X線回折(X-ray powder diffractometer、XRPD)法
試験方法:XRPD検出には、約10mgの試料が使用される。
詳細なXRPD装置の情報とパラメータは下記の表に示された通りである。
【表12】
【0187】
1.2 示差走査熱量法(Differential Scanning Calorimeter、DSC)及び熱重量分析(Thermal Gravimetric Analyzer、TGA)
装置のモデル:Discovery DSC 2500示差走査熱量計及びDiscovery 5500 TGA熱重量分析装置、詳細なパラメータは下記の表に示された通りである。
【表13】

1.3プロトン核磁気共鳴(H NMR)
装置:Bruker 400M NMR Spectrometer、重水素化溶媒:DMSO-d6。
【0188】
1.4 動的水蒸気吸着分析(Dynamic Vapor Sorption、DVS)法
装置のモデル:SMS DVS intrinsic動的水蒸気吸着測定装置
試験条件:試料(約10mg)を採取し、DVS試料トレイに入れて試験する。
【0189】
詳細なDVSパラメータは下記の通りである。
【0190】
温度:25℃
バランス:dm/dt=0.01%/min
RH(%)テストステップ:5%RH
RH(%)テストステップ範囲:0%~95%~0%
吸湿性の評価分類は下記の通りである。
【0191】
十分な水分を吸収して液体を形成する:潮解;ΔW%≧15%:非常に吸湿性がある;15%>ΔW%≧2%:吸湿性がある;2%>ΔW%≧0.2%:わずかに吸湿性がある;ΔW%<0.2%:吸湿性がないか、ほとんどない。ΔW%は、25±1℃及び80±2%RHにおける試験品の吸湿重量増加を表す。
【0192】
1.5 超高速液体クロマトグラフィー/イオンクロマトグラフィー(UPLC/IC)装置
試験における酸塩基モル比の測定は超高速液体クロマトグラフィー及びイオンクロマトグラフィーにより行われ、分析条件は表14及び表15に示された通りである。
【表14】
【0193】
【表15】
【図面の簡単な説明】
【0194】
図1】式(I)の化合物のA型結晶のXRPDパターンである。
【0195】
図2】式(I)の化合物のA型結晶のDSCパターンである。
【0196】
図3】式(I)の化合物のA型結晶のTGAパターンである。
【0197】
図4】式(II-1)の化合物のB型結晶のXRPDパターンである。
【0198】
図5】式(II-1)の化合物のB型結晶のDSCパターンである。
【0199】
図6】式(II-1)の化合物のB型結晶のTGAパターンである。
【0200】
図7】式(II-1)の化合物のB型結晶のH NMRパターンである。
【0201】
図8】式(III-1)の化合物のC型結晶のXRPDパターンである。
【0202】
図9】式(III-1)の化合物のC型結晶のDSCパターンである。
【0203】
図10】式(III-1)の化合物のC型結晶のTGAパターンである。
【0204】
図11】式(III-1)の化合物のC型結晶のH NMRパターンである。
【0205】
図12】式(II-2)の化合物のD型結晶のXRPDパターンである。
【0206】
図13】式(II-2)の化合物のD型結晶のDSCパターンである。
【0207】
図14】式(II-2)の化合物のD型結晶のTGAパターンである。
【0208】
図15】式(II-2)の化合物のD型結晶のH NMRパターンである。
【0209】
図16】式(III-2)の化合物のE型結晶のXRPDパターンである。
【0210】
図17】式(III-2)の化合物のE型結晶のDSCパターンである。
【0211】
図18】式(III-2)の化合物のE型結晶のTGAパターンである。
【0212】
図19】式(III-2)の化合物のE型結晶のH NMRパターンである。
【0213】
図20】式(IV-1)の化合物のF型結晶のXRPDパターンである。
【0214】
図21】式(IV-1)の化合物のF型結晶のDSCパターンである。
【0215】
図22】式(IV-1)の化合物のF型結晶のTGAパターンである。
【0216】
図23】式(IV-1)の化合物のF型結晶のH NMRパターンである。
【0217】
図24】式(IV-2)の化合物のG型結晶のXRPDパターンである。
【0218】
図25】式(IV-2)の化合物のG型結晶のDSCパターンである。
【0219】
図26】式(IV-2)の化合物のG型結晶のH NMRパターンである。
【0220】
図27】式(V-1)の化合物のH型結晶のXRPDパターンである。
【0221】
図28】式(VI-1)の化合物のI型結晶のXRPDパターンである。
【0222】
図29】式(VII-1)の化合物のJ型結晶のXRPDパターンである。
【0223】
図30】式(VIII-1)の化合物のK型結晶のXRPDパターンである。
【0224】
図31】式(II-1)の化合物のB型結晶のDVSパターンである。
【0225】
図32】21日目の腫瘍の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0226】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらは本発明を何ら不利に限定するものではない。本発明を本明細書において詳細に説明したが、その具体的な実施形態も開示されており、当業者にとって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の具体的な実施形態に関して様々な変更及び改良を行うことが明らかである。
【0227】
実施例1:式(I)の化合物の調製
【化20】
【化21】
ステップ1
0℃で、化合物1a(4.49g、30mmol、1eq)の酢酸(50mL)及び水(18mL)の混合溶液に亜硝酸ナトリウム(2.28g、33mmol、1.1eq)の水(4.5mL)溶液をゆっくりと加え、加えた後に反応溶液を20℃で3時間反応させた。反応終了後、反応溶液に水(50mL)を加えて希釈し、150mLの酢酸エチル(50mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=0:1~1:1)により精製して、化合物1bを得た。MS: m/z. 143.0 [M+H]
【0228】
ステップ2
0℃で、化合物1b(3.70g、26mmol、1eq)のメタノール(20mL)溶液に亜鉛粉末(6.80g、104mmol、4eq)及び酢酸(20mL)を順次に加え、加えた後に反応溶液を20℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液を珪藻土でろ過し、酢酸エチル(200mL)で洗浄し、ろ液を減圧濃縮して、粗化合物1cを得た。
【0229】
ステップ3
0℃で、化合物1d(10.09g、52mmol、2eq)のジオキサン(150mL)溶液に化合物1c(4.89g、26mmol、1eq)及びトリエチルアミン(13.15g、130mmol、5eq、18.09mL)を順次に加え、加えた後に反応溶液を20℃で5時間反応させた。反応終了後、反応溶液に水(100mL)を加えて希釈し、300mLの酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=0:1~1:1)により精製して、化合物1eを得た。MS: m/z 285.9 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 9.05 (s, 1H), 8.97 (br s, 1H), 4.43 (br dd, J=4.44, 2.06 Hz, 2H), 2.94-3.06 (m, 4H), 2.19-2.28 (m, 2H), 1.90-2.03 (m, 2H)。
【0230】
ステップ4
化合物1e(2.43g、8.5mmol、1eq)のエタノール(120mL)及び水(30mL)の混合溶液に鉄粉末(2.37g、42.5mmol、5eq)及び塩化アンモニウム(2.27g、42.5mmol、5eq)を順次に加え、加えた後に反応溶液を75℃で3時間反応させた。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却させ、それに酢酸エチル(200mL)を加えて希釈し、珪藻土でろ過し、減圧濃縮して、粗化合物1fを得た。MS: m/z 256.0 [M+H]
【0231】
ステップ5
化合物1f(2.17g、8.5mmol、1eq)のアセトニトリル(30mL)溶液にN,N’-カルボニルジイミダゾール(2.76g、17mmol、2eq)を加え、加えた後に反応溶液を80℃で2時間反応させた。反応終了後、反応溶液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=0:1~1:0)により精製して、化合物1gを得た。MS: m/z 281.9 [M+H]+。
H NMR (400 MHz, DMSO-d) δ ppm 11.61 (br s, 1H), 8.12 (s, 1H), 4.38 (br d, J=2.01 Hz, 2H), 3.73 (dd, J=9.91, 1.63 Hz, 2H), 2.81 (d, J=9.54 Hz, 2H), 1.99-2.09 (m, 2H), 1.78-1.87 (m, 2H)。
【0232】
ステップ6
化合物1g(1.24g、4.4mmol、1eq)のN,N-ジメチルホルムアミド(40mL)溶液に炭酸セシウム(2.15g、6.6mmol、1.5eq)及びヨードメタン(780mg、5.5mmol、1.25eq)を順次に加え、加えた後に反応溶液を21℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液に水(50mL)を加えて希釈し、180mLの酢酸エチル(60mL×3)で抽出し、有機相を飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:石油エーテル=0:1~4:1)により精製して、化合物1hを得た。MS: m/z 295.9 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 7.98-8.05 (m, 1H), 4.45 (br d, J=2.25 Hz, 2H), 3.99 (dd, J=9.69, 1.81 Hz, 2H), 3.41 (s, 3H), 2.80 (br d, J=9.51 Hz, 2H), 2.23-2.31 (m, 2H), 1.94-2.04 (m, 2H)。
【0233】
ステップ7
化合物1h(502.7mg、1.7mmol、1eq)、化合物1i(201.5mg、1.36mmol、0.8eq)、メタンスルホナト(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリ-i-プロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)(231.2mg、255μmol、0.15eq)及び炭酸セシウム(830.8mg、2.55mmol、1.5eq)を反応フラスコに入れ、窒素ガスで3回置換し、次に混合物に無水ジオキサン(30mL)を加え、100℃で3時間反応させた。反応終了後、反応溶液を珪藻土でろ過した後、減圧濃縮して粗生成物を得、次にカラムクロマトグラフィー(メタノール/ジクロロメタン、メタノール比:0~10%)により精製し、(ジクロロメタン/酢酸エチル:1.5mL/3mL、25℃、15分)によりスラリー化させ、撹拌して、式(I)の化合物を得た。MS: m/z 408.2 [M+H]
H NMR (400 MHz, CDCl) δ ppm 9.87 (s, 1H), 8.26 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 6.76 (s, 1H), 4.48 (br d, J=2.25 Hz, 2H), 4.04 (dd, J=9.76, 1.88 Hz, 2H), 3.40 (s, 3H), 2.85 (d, J=9.51 Hz, 2H), 2.53 (s, 3H) 2.29-2.37 (m, 2H), 2.00-2.10 (m, 2H)。
【0234】
実施例2:式(VIII-1)の化合物のK型結晶の調製
【化22】
25℃で、式(I)の化合物(44g)に脱イオン水(200mL)を加え、25℃で5時間撹拌し、ろ過し、ケーキを55℃で18時間真空乾燥させ、式(VIII-1)の化合物のK型結晶を得た。XRPDパターンは基本的に図30に示された通りである。
【0235】
実施例3:式(I)の化合物のA型結晶の調製
【化23】
方法1:約20mgの式(VIII-1)の化合物のK型結晶の固体を秤量し、アセトン(0.5ml)とを室温で6日間スラリー化させ、撹拌し、室温で一晩開放で乾燥させた(40~60%RH/19~21℃)後、式(I)の化合物のA型結晶を得た。
【0236】
方法2:式(VIII-1)の化合物のK型結晶(74g)に1500mLのアセトニトリルを加え、加えた後に60℃で24時間撹拌した。室温まで冷却させ、ろ過し、ケーキを25℃で3時間真空乾燥させて、式(I)の化合物のA型結晶を得た。
XRPDパターンは基本的に図1に示された通りであり、DSCパターンは基本的に図2に示された通りであり、TGAパターンは基本的に図3に示された通りである。
【0237】
実施例4:式(II-1)の化合物のB型結晶の調製
【化24】
方法1:約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及びメタンスルホン酸(1eq)を秤量してエタノール/水(19:1、v/v、0.5mL)に加え、懸濁液を室温で3日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で4時間真空乾燥させ、式(II-1)の化合物のB型結晶を得た。
【0238】
方法2:25℃で、式(VIII-1)の化合物のK型結晶(2g、4.90mmol、1eq)をアセトニトリル(19mL)に溶解させ、メタンスルホン酸(476.6mg、4.96mmol、1.01eq)のアセトニトリル(1mL)溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了後、25℃で16時間攪拌した。ろ過し、ケーキをn-ヘプタン(20mL×2)で洗浄し、25℃で1時間真空乾燥させて、式(II-1)の化合物のB型結晶を得た。
【0239】
方法3:25℃で、式(I)の化合物のA型結晶(30g、73.63mmol、1eq)をDMSO(300mL)で希釈し、60℃まで昇温させ、撹拌し、溶解させた。反応溶液にメタンスルホン酸(3.54g、36.82mmol、0.5eq)を滴下し、60℃で1時間撹拌し、次に反応溶液にメタンスルホン酸(3.89g、40.50mmol、0.55eq)を滴下し、60℃で12時間撹拌した。反応溶液にメチルtert-ブチルエーテル(450mL)を滴下し、60℃で1時間撹拌し続けた。次に反応溶液を25℃までゆっくりと冷却させた。ろ過し、ケーキをメチルtert-ブチルエーテル(100mL×3)で洗浄し、25℃で1時間真空乾燥させて、式(II-1)の化合物のB型結晶を得た。
【0240】
H NMRは、式(I)の化合物に対するメタンスルホン酸のモル比が1であることを示す。XRPDパターンは基本的に図4に示された通りであり、DSCパターンは基本的に図5に示された通りであり、TGAパターンは基本的に図6に示された通りであり、H NMRパターンは基本的に図7に示された通りである。
【0241】
実施例5:式(II-2)の化合物のD型結晶の調製
【化25】
約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及びメタンスルホン酸(2eq)を秤量してアセトン(0.5mL)に加え、室温で2日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で3時間真空乾燥させ、式(II-2)の化合物のD型結晶を得、H NMRは、式(I)の化合物に対するメタンスルホン酸のモル比が2であることを示す。XRPDパターンは基本的に図12に示された通りであり、DSCパターンは基本的に図13に示された通りであり、TGAパターンは基本的に図14に示された通りであり、H NMRパターンは基本的に図15に示された通りである。
【0242】
実施例6:式(III-1)の化合物のC型結晶の調製
【化26】
約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及びp-トルエンスルホン酸(1eq)を秤量してテトラヒドロフラン(0.5mL)に加え、懸濁液を室温で2日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で3時間真空乾燥させ、式(III-1)の化合物のC型結晶を得た。H NMRは、式(I)の化合物に対するメタンスルホン酸のモル比が1であることを示す。XRPDパターンは基本的に図8に示された通りであり、DSCパターンは基本的に図9に示された通りであり、TGAパターンは基本的に図10に示された通りであり、H NMRパターンは基本的に図11に示された通りである。
【0243】
実施例7:式(III-2)の化合物のE型結晶の調製
【化27】
約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及びp-トルエンスルホン酸(2eq)を秤量してアセトン(0.5mL)に加え、懸濁液を室温で2日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で3時間真空乾燥させ、式(III-2)の化合物のE型結晶を得た。H NMRは、式(I)の化合物に対するメタンスルホン酸のモル比が2であることを示す。XRPDパターンは基本的に図15に示された通りであり、DSCパターンは基本的に図17に示された通りであり、TGAパターンは基本的に図18に示された通りであり、H NMRパターンは基本的に図19に示された通りである。
【0244】
実施例8:式(IV-1)の化合物のF型結晶の調製
【化28】
約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及びベンゼンスルホン酸(1eq)を秤量してエタノール/水(19:1、v/v、0.5mL)に加え、懸濁液を室温で2日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で3時間真空乾燥させ、式(IV-1)の化合物のF型結晶を得た。H NMRは、式(I)の化合物に対するメタンスルホン酸のモル比が1であることを示す。XRPDパターンは基本的に図20に示された通りであり、DSCパターンは基本的に図21に示された通りであり、TGAパターンは基本的に図22に示された通りであり、H NMRパターンは基本的に図23に示された通りである。
【0245】
実施例9:式(IV-2)の化合物のG型結晶の調製
【化29】
約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及びベンゼンスルホン酸(2eq)を秤量してアセトン(0.5mL)に加え、懸濁液を室温で2日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で3時間真空乾燥させ、式(IV-2)の化合物のG型結晶を得た。H NMRは、式(I)の化合物に対するメタンスルホン酸のモル比が2であることを示す。XRPDパターンは基本的に図24に示された通りであり、DSCパターンは基本的に図25に示された通りであり、H NMRパターンは基本的に図26に示された通りである。
【0246】
実施例10:式(V-1)の化合物のH型結晶の調製
【化30】
約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及びシュウ酸(2eq)を秤量してアセトン(0.5mL)に加え、懸濁液を室温で2日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で3時間真空乾燥させ、式(V-1)の化合物のH型結晶を得た。高速液体クロマトグラフィーとイオンクロマトグラフィー(UPLC/IC)を組み合わせたところ、酸と塩基とのモル比が1.4であることを示し、XRPDパターンは基本的に図27に示された通りである。
【0247】
実施例11:式(VI-1)の化合物のI型結晶の調製
【化31】
約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及び臭化水素酸(1eq)を秤量してエタノール/水(19:1、v/v、0.5mL)に加え、懸濁液を室温で3日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で4時間真空乾燥させ、式(VI-1)の化合物のI型結晶を得た。高速液体クロマトグラフィーとイオンクロマトグラフィー(UPLC/IC)を組み合わせたところ、酸と塩基とのモル比が1.2であることを示し、XRPDパターンは基本的に図28に示された通りである。
【0248】
実施例12:式(VII-1)の化合物のJ型結晶の調製
【化32】
200mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶を秤量してアセトニトリル(2mL)で希釈し、次に4mol/Lの塩酸/メタノール溶液(0.5mL)を加え、加えた後に25℃で8時間撹拌した。ろ過し、ケーキを減圧乾燥させて、式(VII-1)の化合物のJ型結晶を得た。高速液体クロマトグラフィーとイオンクロマトグラフィー(UPLC/IC)を組み合わせたところ、酸と塩基とのモル比が2.2であることを示し、XRPDパターンは基本的に図29に示された通りである。
【0249】
実施例13:式(II-1)の化合物のB型結晶の固体安定性試験
『原薬及び製剤の安定性試験の指導原則』(中国薬局方2020年版第四部通則9001)に従って、式(II-1)の化合物のB型結晶の固体安定性を評価するために、B型結晶に対して影響因子(高温、高湿及び光)、60℃/75%RH及び40℃/75%RHの条件下での安定性考察を実行した。B型結晶を高温(60℃、開放)、高湿(25℃/92.5%RH、開放)条件下でそれぞれ10日間放置し、ICH条件(可視光の総照度は1200000Lux・hrsに達し、紫外線の総照度は200W・hrs/mに達する)に従い、可視光及び紫外線に開放で放置し(遮光対照群の試料を同時に放置し、錫箔で包む)、60℃/75%RH(開放)条件下で1、2及び3ヶ月間放置し、40℃/75%RH(開放)条件下で1、2及び3ヶ月間放置した。結晶の変化を検出するために、すべての安定性試料に対してXRPD試験を実行し、結果は表16に示された通りである。
【0250】
約10mgの当該結晶を正確に秤量し、乾燥した清潔なガラス瓶に入れ、薄く広げ、影響因子試験条件及び加速条件下で開放で放置した。光(可視光は1200000Lux・hrsであり、紫外線は200W・hrs/mである)条件下で放置された試料は透明なガラス瓶を使用して完全に露出され、XRPD検出に使用される試料は別々に放置された。
時点で試料を取り出した後、蓋をし、シールフィルムで密封し、-20℃の冷蔵庫で保存した。試料を調製する場合、試料を冷蔵庫から取り出し、室温に戻し、25mLの希釈液(アセトニトリル/水、1:1、v/v)を加え、試料を溶解させ、約0.5mg/mLの濃度の溶液を得、液相を使用して試料を注入・分析し、試験結果を0日目の初回試験結果と比較し、試験結果は下記の表16に示された通りである。
【0251】
0日目の標準溶液の調製:約12.5mgの当該結晶を秤量し、25mLのメスフラスコに入れ、50%のアセトニトリルで溶解させ、目盛りまで定容させた。
【0252】
同時に、すべての安定性試料に対してHPLC試験を実行し、具体的な結果を表16にまとめ、HPLC試験装置と分析条件は表17に示された通りである。
【表16】
【0253】
【表17】
【0254】
結論:式(II-1)の化合物のB型結晶は、すべての安定性(高温、高湿、光)条件下で純度と結晶が明らかに変化せず、良好な化学的安定性を有する。
【0255】
実験例14:式(II-1)の化合物のB型結晶の吸湿性研究
実験材料:
SMS DVS intrinsic動的水蒸気吸着測定装置
実験方法:
式(II-1)の化合物のB型結晶(約10mg)を取り出し、DVS試料トレイに置いて試験する。
【0256】
実験結果:
式(II-1)の化合物のB型結晶のDVSパターンは図31に示された通りであり、2%>ΔW%≧0.2%である。
【0257】
実験結論:
25℃及び80%RHにおける式(II-1)の化合物のB型結晶の吸湿性重量増加は、2%>ΔW%≧0.2%であり、わずかに吸湿性がある。
【0258】
生物学的試験データ:
実験例1:DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)阻害活性スクリーニング実験
本実験はEurofinsでテストされた。
【0259】
実験材料と方法:
ヒトDNA-PK;Mg/ATP;GST-cMyc-p53;EDTA;Ser15抗体;ATP:10μM。
【0260】
実験方法(Eurofins Pharma Discovery Service):
DNA-PK(h)を50nMのGST-cMyc-p53及びMg/ATP(必要な濃度)を含む測定緩衝液中で保温培養した。Mg/ATP混合物を加えることによって反応を開始した。室温で30分間保温培養した後、EDTAを含む停止液を加えて反応を終止した。最後に、検出緩衝液(標識抗GSTモノクローナル抗体及びリン酸化p53に対するユーロピウム標識抗リン酸Ser15抗体を含む)を加えた。次に、プレートを時間分解蛍光モードで読み取り、式HTRF=10000×(Em665nm/Em620nm)に従って均一時間分解蛍光(HTRF)シグナルを測定した。
【0261】
実験結果:実験結果は表18に示された通りである。
【表18】

結論:本発明の化合物は、DNA-PKに対して良好な阻害活性を有する。
【0262】
実験例2.薬物動態評価
実験方法
試験化合物を0.5%のCMC-Na+0.2%の(V:V)Tween80水溶液と混合し、ボルテックスし、超音波処理して3mg/mLの均一な懸濁液を調製した。SDオスラットを選択し、候補化合物溶液を30mg/kgの用量で経口投与した。一定期間の全血を収集し、血漿を調製し、LC-MS/MS法により薬物濃度を分析し、Phoenix WinNonlinソフトウェア(Pharsight Corporation、米国)を使用して薬物動態パラメータを計算した。
【0263】
各パラメータの定義:
max:投与後の最高血中薬物濃度、Tmax:投与から血中薬物濃度がピークに達するまでの時間、T1/2:血中薬物濃度が半分になるまでの時間、Tlast:最後の検出時点の時間、AUC0-last:血中薬物濃度時間曲線下面積であり、時間軸に対する血中薬物濃度曲線で囲まれた面積を指す。
【0264】
試験結果:実験結果は表19に示された通りである。
【表19】

注:ND:不検出(終了の消失相の定義が不十分なため、パラメータを決定できない)
結論:本発明の化合物は、より長い半減期、より高い薬物曝露を示し、より優れたin vivo薬物動態特性を有する。
【0265】
実験例3:in vivo薬力学研究
実験目的:ヒト小細胞肺がんNCI-H1703細胞の皮下異種移植腫瘍のBALB/cヌードマウスモデルに対する試験化合物のin vivo薬力学を研究することである。
【0266】
実験動物:メスBALB/cヌードマウス、6~8週齢、体重:18~22g、供給者:Shanghai Sippe-Bk Lab Animal Co., Ltd.
実験方法と手順:
(1)細胞培養
ヒト非小細胞肺がんNCI-H1703細胞をin vitro培養し、RPMI1640培地に10%のウシ胎児血清、100U/mLのペニシリン及び100μg/mLのストレプトマイシンを加え、37℃で、5%のCOインキュベーターで培養した。週に2回トリプシン-EDTAで日常的な消化処理を行い、継代した。細胞の飽和度が80%~90%になり、必要な数に達したら、細胞を収集し、計数して接種した。
【0267】
(2)腫瘍細胞接種(腫瘍接種)
0.2ml(5×10個)のNCI-H1703細胞(マトリゲル添加、体積比:1:1)を各マウスの右背部に皮下接種し、平均腫瘍体積が約130mmに達した時点で群に投与を開始した。
【0268】
(3)被験物質の調製
式(I)の化合物を98.5%の水+0.5%のHPMC+1%のTween80を使用して3mg/mL、6mg/mL、9mg/mLの懸濁液に調製した。
【0269】
(4)腫瘍の測定と実験指標
腫瘍の直径をノギスで週に2回測定した。腫瘍体積の計算式は、V=0.5a×bであり、aとbは、それぞれ腫瘍の長径と短径を表す。腫瘍測定の結果に基づいて相対腫瘍体積(RTV)を計算し、計算式はRTV=V/Vであり、ここで、Vは群に投与する時(即ち、0日目)に測定した腫瘍体積であり、Vは特定の測定時の腫瘍体積であり、TRTV及びCRTVは同日のデータを取得する。
化合物の腫瘍阻害効果は、TGI(%、腫瘍増殖阻害率を反映する)又は相対腫瘍増殖率T/C(%)により評価した。
T/C(%)=TRTV/CRTV×100%であり、TRTVは治療群のRTVの平均値を表し、CRTVは陰性対照群のRTVの平均値を表す。
TGI(%)=[1-(特定の治療群における投与終了時の平均腫瘍体積-当該治療群における投与開始時の平均腫瘍体積)/(溶媒対照群における治療終了時の平均腫瘍体積)-溶媒対照群における治療開始時の平均腫瘍体積)]×100%。
実験終了後、腫瘍重量(TW)を検出し、T/Cweight(%)を計算し、計算式はT/Cweight(%)=TWtreatment/TW溶媒×100%であり、TWtreatmentとTW溶媒はそれぞれ投与群と溶媒対照群の腫瘍重量を表す。
【0270】
(5)統計分析
統計分析は、試験終了時のRTVデータに基づいてSPSSソフトウェアを使用して実行された。治療群は試験終了時の投与後21日目に最高の治療効果を示したため、このデータに基づいて統計分析を実行し、群間の差を評価した。2群間の比較はT検定で分析し、3群以上の比較は一元配置分散分析で分析し、分散が等しい場合(F値に有意差がない)はTukey‘s法を使用して分析し、分散が等しくない場合(F値に有意差がある)はGames-Howell法を使用して検出した。p<0.05は有意差あるとみなされる。
【0271】
(6)実験結論と考察
実験結果は表20及び表21に示された通りであり、21日目の腫瘍写真の結果は図32に示された通りである。
【表20】

注:a.平均値±SEM、n=9。
【0272】
【表21】

注:a.平均値±SEM、n=9。
【0273】
結論:本実験において、60mg/kg及び90mg/kgの用量の式(I)の化合物は、対照群と比較して有意な腫瘍阻害効果を有し、且つ用量依存性である。本実験において、腫瘍を有するマウスは本発明の化合物に対して良好な耐性を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
【手続補正書】
【提出日】2023-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)の化合物であって、化合物が下記の2θ角:9.26±0.20°、19.47±0.20°及び22.69±0.20°において特徴的な回折ピークを含むCu Kα線の粉末X線回折パターンを有するA型結晶である;または
メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、シュウ酸塩、臭化水素酸塩及び塩酸塩から選択される化合物の薬学的に許容される塩である;または
該化合物の水和物である、化合物
【化1】
【請求項2】
該化合物が該化合物の薬学的に許容される塩であり、該化合物の薬学的に許容される塩がメタンスルホン酸塩であり、メタンスルホン酸塩が式(II)により表される構造を有する、または
該化合物の薬学的に許容される塩がp-トルエンスルホン酸塩であり、p-トルエンスルホン酸塩が式(III)により表される構造を有する、請求項1に記載の化合物
【化2】
(ただし、
及びnは独立してそれぞれ0.6~2.5から選択される。)
【請求項3】
(II)の化合物式(II-1)であるまたは式(III)の化合物式(III-1)である、請求項2に記載の化合物
【化3】
【請求項4】
式(II-1)の化合物がB型結晶であり、B型結晶が下記の2θ角:7.02±0.20°、16.56±0.20°及び21.25±0.20°において特徴的な回折ピークを含むCu Kα線の粉末X線回折パターン有する、請求項3に記載の化合物
【請求項5】
Cu Kα線の粉末X線回折パターンがさらに下記の2θ角:10.66±0.20°及び13.98±0.20°において特徴的な回折ピークを含む、請求項4に記載のB型結晶。
【請求項6】
結晶形態Bが286.6℃±℃において吸熱ピークの開始点を含む示差走査熱量曲線を有するまたは結晶形態Bが200.0℃±3℃で重量減少が0.58%に達する熱重量分析曲線を有する、請求項に記載のB型結晶。
【請求項7】
メタンスルホン酸塩が式(II-2)により表される構造を有し、
メタンスルホン酸塩が下記の2θ角:9.45±0.20°、11.75±0.20°及び17.41±0.20°において特徴的な回折ピークを含むCu Kα線の粉末X線回折パターン有するD型結晶であり、そして、所望により、
Cu Kα線の粉末X線回折パターンがさらに下記の2θ角:16.23±0.20°及び20.21±0.20°において特徴的な回折ピークを含み、
D型結晶が227.4℃±5℃において吸熱ピークの開始点を示す示差走査熱量(DSC)曲線を有する;または
D型結晶が150.0℃±3℃で重量減少が5.65%に達する熱重量分析(TGA)曲線を有する、請求項2に記載の化合物。
【化4】
【請求項8】
化合物が該化合物の薬学的に許容される塩または該化合物の水和物であり、該化合物の薬学的に許容される塩がメベンゼンスルホン酸塩、シュウ酸塩、臭化水素酸塩及び塩酸塩から選択され、
ベンゼンスルホン酸塩が式(IV)
【化5】
により表される構造を有し、シュウ酸塩が式(V)
【化6】
により表される構造を有し、臭化水素酸塩が式(VI)
【化7】
により表される構造を有し、塩酸塩は式(VII)
【化8】
により表される構造を有し、水和物が式(VIII)
【化9】
(ただし、上記式中、
p、q及びrは独立してそれぞれ0.5~2.5から選択され、
s及びtは独立してそれぞれ0.5~3.5から選択される。)
により表される構造を有する、請求項1の化合物。
【請求項9】
(a)ベンゼンスルホン酸塩が式(IV-1)
【化10】
により表される構造を有し、所望により、ベンゼンスルホン酸塩が下記の2θ角:6.21±0.20°、6.97±0.20°、13.58±0.20°、15.90±0.20°、17.81±0.20°、19.76±0.20°、20.73±0.20°及び22.17±0.20°において特徴的な回折ピークを含むCu Kα線の粉末X線回折パターンを有するF型結晶であり;所望により、F型結晶は219.6℃±3℃において発熱ピークの開始点を示す示差走査熱量(DSC)曲線を有する;またはF型結晶は150.0℃±3℃で重量減少が3.19%に達する熱重量分析(TGA)曲線を有する;または
ベンゼンスルホン酸塩が式(IV-2)
【化11】
により表される構造を有し、所望により、ベンゼンスルホン酸塩が下記の2θ角:5.83±0.20°、8.06±0.20°、12.27±0.20°、16.56±0.20°及び18.67±0.20°において特徴的な回折ピークを含むCu Kα線の粉末X線回折パターンを有するG型結晶であり;所望によりG型結晶が、224.4℃±3℃及び251.5℃±3℃において吸熱ピークの開始値及び233.7℃±3℃の三箇所において熱シグナルの開始点を示す示差走査熱量(DSC)曲線を有する;
(b)シュウ酸塩が式(V-1)
【化12】
により表される構造を有し、所望により、シュウ酸塩が下記の2θ角:4.31°、8.52°、11.28°、12.75°、13.32°、14.52°、15.4°、16.48°、17.19°、18.32°、18.87°、19.09°、19.78°、20.4°、21.28°、25.4°、26.99°、27.34°、29.22°、29.93°、30.69°、35.02°及び36.16°において特徴的な回折ピークを含むCu Kα線の粉末X線回折パターンを有する結晶形態Hである;
(c)臭化水素酸塩が式(VI-1)
【化13】
により表される構造を有し、所望により、臭化水素酸塩が下記の2θ角:6.27°、8.02°、8.59°、10.14°、13.90°、14.99°、15.56°、16.07°、16.95°、17.20°、17.82°、19.16°、20.39°、21.10°、21.44°、22.94°、23.92°、24.26°、24.91°、25.57°、26.58°、27.42°、28.26°、29.39°、31.19°、32.02°及び33.52°において特徴的な回折ピークを含むCu Kα線の粉末X線回折パターンを有する結晶形態Iである;
(d)臭化水素酸塩が式(VII-1)
【化14】
により表される構造を有し、所望により、臭化水素酸塩が下記の2θ角:7.14°、8.58°、10.33°、11.36°、12.15°、14.47°、15.08°、15.86°、16.85°、17.25°、17.58°、18.08°、18.58°、19.54°、20.69°、21.44°、21.81°、22.10°、23.35°、24.33°、24.66°、25.29°、25.96°、27.88°、28.71°、29.53°、29.84°、31.74°、32.71°、34.04°及び37.79°において特徴的な回折ピークを含むCu Kα線の粉末X線回折パターンを有する結晶形態Jである;及び
(e)水和物が式(VIII-1)
【化15】
により表される構造を有し、所望により、水和物が下記の2θ角:6.99°、7.34°、8.33°、9.22°、9.92°、10.56°、10.97°、13.35°、13.96°、14.60°、15.13°、15.83°、16.36°、16.91°、18.48°、19.58°、20.62°、20.99°、22.22°、22.67°、23.78°、25.77°、26.19°、26.84°、27.46°、31.21°及び37.22°において特徴的な回折ピークを含むCu Kα線の粉末X線回折パターンを有する結晶形態Kである、
請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
請求項4に記載の化合物の製造方法であって
(a)化合物Zを溶媒Xに加える;
(b)25~80℃でメタンスルホン酸を滴下し、添加終了後25~80℃で3~16時間撹拌し続ける;
(c)溶媒Yを滴下し、添加終了後混合物を25~80℃で1~3時間撹拌する;
(d)混合物を15~30℃まで冷却させる;
(e)混合物をろ過する;
(f)残渣を25~60℃で1~24時間真空乾燥させる;
工程を含み、
ただし、
前記化合物Zは、式(I)の化合物、式(I)の化合物のA型結晶及び式(VIII-1)の化合物のK型結晶から選択され、
前記溶媒Xは、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンから選択され、
前記溶媒Yは存在しないか、或いは溶媒Yはメチルtert-ブチルエーテル、酢酸エチル及びn-ヘプタンから選択され、
前記メタンスルホン酸と式(I)の化合物のA型結晶とのモル比は、1.0:1~1.2:1である、方法
【請求項11】
式(III-1)の化合物がC型結晶であり、
ただし、C型結晶は下記の2θ角:5.96±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°において特徴的な回折ピークを含むCu Kα線の粉末X線回折パターンを有し;所望により結晶形態Cは255.4±3℃において吸熱ピークの開始点を有する示差走査熱量曲線を有する;または所望により結晶形態Cは150.0℃±3℃で重量減少が2.90%に達する熱重量分析曲線を有する、請求項3に記載の化合物。
【請求項12】
p-トルエンスルホン酸塩が式(III-2)
【化16】
により表される構造を有し、p-トルエンスルホン酸塩が下記の2θ角:5.78±0.20°、17.02±0.20°及び18.49±0.20°において特徴的な回折ピークにおいて特徴的な回折ピークを含むCu Kα線の粉末X線回折パターンを有する結晶形態Eであり;所望により
Cu Kα線の粉末X線回折パターンがさらに下記の2θ角:7.77±0.20°、11.90±0.20°、17.97±0.20°18.95±0.20°及び23.33±0.20°において特徴的な回折ピークを含む;
結晶形態Eが268.6±3℃において吸熱ピークの開始点を有する示差走査熱量(DSC)曲線を有する;または
結晶形態Eが150.0℃±3℃で重量減少が0.76%に達する熱重量分析(TGA)曲線を有する、
請求項2に記載の化合物。
【請求項13】
化合物が結晶形態Aであり、Cu Kα線の粉末X線回折パターンがさらに下記の2θ角:11.50±0.20°及び17.03±0.20°において特徴的な回折ピークを含む;または
結晶形態Aが257.8℃±5℃において吸熱ピークの開始点を有する示差走査熱量(DSC)曲線を有するまたは結晶形態Aが230.0℃±3℃で重量減少が1.39%に達する熱重量分析(TGA)曲線を有する、
請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物を含む、腫瘍を処置するための薬剤。
【請求項15】
請求項1に記載の化合物を含む、DNA-PK阻害剤。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0242
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0242】
実施例6:式(III-1)の化合物のC型結晶の調製
【化26】
約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及びp-トルエンスルホン酸(1eq)を秤量してテトラヒドロフラン(0.5mL)に加え、懸濁液を室温で2日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で3時間真空乾燥させ、式(III-1)の化合物のC型結晶を得た。H NMRは、式(I)の化合物に対するp-トルエンスルホン酸のモル比が1であることを示す。XRPDパターンは基本的に図8に示された通りであり、DSCパターンは基本的に図9に示された通りであり、TGAパターンは基本的に図10に示された通りであり、H NMRパターンは基本的に図11に示された通りである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0243
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0243】
実施例7:式(III-2)の化合物のE型結晶の調製
【化27】
約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及びp-トルエンスルホン酸(2eq)を秤量してアセトン(0.5mL)に加え、懸濁液を室温で2日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で3時間真空乾燥させ、式(III-2)の化合物のE型結晶を得た。H NMRは、式(I)の化合物に対するp-トルエンスルホン酸のモル比が2であることを示す。XRPDパターンは基本的に図15に示された通りであり、DSCパターンは基本的に図17に示された通りであり、TGAパターンは基本的に図18に示された通りであり、H NMRパターンは基本的に図19に示された通りである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0244
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0244】
実施例8:式(IV-1)の化合物のF型結晶の調製
【化28】
約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及びベンゼンスルホン酸(1eq)を秤量してエタノール/水(19:1、v/v、0.5mL)に加え、懸濁液を室温で2日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で3時間真空乾燥させ、式(IV-1)の化合物のF型結晶を得た。H NMRは、式(I)の化合物に対するベンゼンスルホン酸のモル比が1であることを示す。XRPDパターンは基本的に図20に示された通りであり、DSCパターンは基本的に図21に示された通りであり、TGAパターンは基本的に図22に示された通りであり、H NMRパターンは基本的に図23に示された通りである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0245
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0245】
実施例9:式(IV-2)の化合物のG型結晶の調製
【化29】
約20mg(1eq)の式(VIII-1)の化合物のK型結晶及びベンゼンスルホン酸(2eq)を秤量してアセトン(0.5mL)に加え、懸濁液を室温で2日間撹拌した。遠心分離し、固体を収集し、室温で3時間真空乾燥させ、式(IV-2)の化合物のG型結晶を得た。H NMRは、式(I)の化合物に対するベンゼンスルホン酸のモル比が2であることを示す。XRPDパターンは基本的に図24に示された通りであり、DSCパターンは基本的に図25に示された通りであり、H NMRパターンは基本的に図26に示された通りである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0265
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0265】
実験例3:in vivo薬力学研究
実験目的:ヒト小細胞肺がんNCI-H1703細胞の皮下異種移植腫瘍のBALB/cヌードマウスモデルに対する試験化合物のin vivo薬力学を研究することである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0273
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0273】
結論:本実験において、60mg/kg及び90mg/kgの用量の式(I)の化合物は、対照群と比較して有意な腫瘍阻害効果を有し、且つ用量依存性である。本実験において、腫瘍を有するマウスは本発明の化合物に対して良好な耐性を示す。
さらに、本発明は次の態様を包含する。
1. 化合物の薬学的に許容される塩は、メタンスルホン酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩であることを特徴とする、式(I)の化合物。
【化33】
2. 前記メタンスルホン酸塩の構造は式(II)に示された通りであり、前記p-トルエンスルホン酸塩の構造は式(III)に示された通りであることを特徴とする、項1に記載のメタンスルホン酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩。
【化34】
(ただし、
mは、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2から選択され、
nは、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2から選択される。)
3. 前記式(II)の化合物は式(II-1)の化合物から選択され、前記式(III)の化合物は式(III-1)の化合物から選択されることを特徴とする、項2に記載のメタンスルホン酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩。
【化35】
4. Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、16.56±0.20°、21.25±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II-1)の化合物のB型結晶。
【化36】
5. Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、10.66±0.20°、13.98±0.20°、16.56±0.20°、21.25±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、項4に記載のB型結晶。
6. Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:7.02±0.20°、9.29±0.20°、10.66±0.20°、13.98±0.20°、16.56±0.20°、21.25±0.20°、29.98±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、項5に記載のB型結晶。
7. XRPDパターンは図4に示された通りである、項6に記載のB型結晶。
8. 示差走査熱量曲線は286.6℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有する、項4~7のいずれか一項に記載のB型結晶。
9. DSCパターンは図5に示された通りである、項8に記載のB型結晶。
10. 熱重量分析曲線は200.0℃±3℃で重量減少が0.58%に達する、項4~7のいずれか一項に記載のB型結晶。
11. TGAパターンは図6に示された通りである、項10に記載のB型結晶。
12. 式(II-1)の化合物のB型結晶であって、
【化37】
前記化合物のB型結晶の調製方法は下記のステップを含み、
(a)化合物Zを溶媒Xに加える;
(b)25~80℃でメタンスルホン酸を滴下し、添加終了後25~80℃で3~16時間撹拌し続ける;
(c)溶媒Yを滴下し、添加終了後25~80℃で1~3時間撹拌する;
(d)15~30℃まで冷却させる;
(e)ろ過する;
(f)25~60℃で1~24時間真空乾燥させる;
ただし、
前記化合物Zは、式(I)の化合物、式(I)の化合物のA型結晶及び式(VIII-1)の化合物のK型結晶から選択され、
前記溶媒Xは、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンから選択され、
前記溶媒Yは存在しないか、或いは溶媒Yはメチルtert-ブチルエーテル、酢酸エチル及びn-ヘプタンから選択され、
前記メタンスルホン酸と式(I)の化合物とのモル比は、1.0:1~1.2:1である、式(II-1)の化合物のB型結晶。
13. Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(III-1)の化合物のC型結晶。
【化38】
14. Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、7.05±0.20°、10.23±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°、22.11±0.20°、23.19±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、項13に記載のC型結晶。
15. Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96±0.20°、7.05±0.20°、10.23±0.20°、11.89±0.20°、15.16±0.20°、17.83±0.20°、19.09±0.20°、19.96±0.20°、22.11±0.20°、23.19±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、項14に記載のC型結晶。
16. Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.96°、7.05°、8.08°、10.23°、11.89°、12.30°、12.99°、14.01°、15.16°、16.67°、17.54°、17.83°、18.75°、19.09°、19.47°、19.96°、20.67°、21.6°、22.11°、23.19°、23.83°、25.18°、26.69°、28.32°、29.90°、30.48°、32.39°、35.02°において特徴的な回折ピークを有する、項15に記載のC型結晶。
17. XRPDパターンは図8に示された通りである、項16に記載のC型結晶。
18. 示差走査熱量曲線は255.4±3℃において吸熱ピークの開始点を有する、項13~17のいずれか一項に記載のC型結晶。
19. DSCパターンは図9に示された通りである、項18に記載のC型結晶。
20. 熱重量分析曲線は150.0℃±3℃で重量減少が2.90%に達する、項13~17のいずれか一項に記載のC型結晶。
21. TGAパターンは図10に示された通りである、項20に記載のC型結晶。
22. Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.26±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(I)の化合物のA型結晶。
【化39】
23. Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:9.26±0.20°、11.50±0.20°、13.52±0.20°、17.03±0.20°、18.75±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°、27.74±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、項22に記載のA型結晶。
24. Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.77±0.20°、9.26±0.20°、11.50±0.20°、13.52±0.20°、17.03±0.20°、17.50±0.20°、18.75±0.20°、19.47±0.20°、22.69±0.20°、23.84±0.20°、24.42±0.20°、26.76±0.20°、27.74±0.20°において特徴的な回折ピークを有する、項23に記載のA型結晶。
25. Cu Kα線の粉末X線回折パターンが下記の2θ角:5.77°、9.26°、11.50°、13.52°、14.50°、15.16°、15.60°、17.03°、17.28°、17.50°、18.47°、18.75°、19.27°、19.47°、22.69°、23.84°、24.42°、26.76°、27.74°、28.43°、29.77°、30.40°、32.08°において特徴的な回折ピークを有する、項24に記載のA型結晶。
26. XRPDパターンは図1に示された通りである、項25に記載のA型結晶。
27. 示差走査熱量曲線は257.8℃±3℃において吸熱ピークの開始点を有する、項22~26のいずれか一項に記載のA型結晶。
28. DSCパターンは図2に示された通りである、項27に記載のA型結晶。
29. 熱重量分析曲線は230.0℃±3℃で重量減少が1.39%に達する、項22~26のいずれか一項に記載のA型結晶。
30. TGAパターンは図3に示された通りである、項29に記載のA型結晶。
31. DNA-PK阻害剤関連薬剤の調製における、項1~3のいずれか一項に記載のメタンスルホン酸塩又はp-トルエンスルホン酸塩、項4~11のいずれか一項に記載のB型結晶、項13~21のいずれか一項に記載のC型結晶、項22~30のいずれか一項に記載のA型結晶、或いは項12に記載の方法に従って調製される結晶の使用。
【国際調査報告】