(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-03
(54)【発明の名称】複合金属箔の製造方法、設備及びシステム
(51)【国際特許分類】
C23C 14/56 20060101AFI20240527BHJP
C23C 14/54 20060101ALI20240527BHJP
C23C 14/24 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
C23C14/56 A
C23C14/54 E
C23C14/24 V
C23C14/24 U
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572067
(86)(22)【出願日】2023-01-01
(85)【翻訳文提出日】2023-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2023070001
(87)【国際公開番号】W WO2023131099
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202210002410.4
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524020157
【氏名又は名称】深▲セン▼金美新材料科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【氏名又は名称】柳元 八大
(74)【代理人】
【識別番号】100230086
【氏名又は名称】譚 粟元
(72)【発明者】
【氏名】臧 世偉
【テーマコード(参考)】
4K029
【Fターム(参考)】
4K029CA01
4K029DA03
4K029DA08
4K029DB14
4K029JA10
4K029KA03
(57)【要約】
本発明によれば、複合金属箔の製造方法、設備及びシステムが提供される。前記設備は、離間して設けられる一次両面塗膜モジュール及び二次両面塗膜モジュールを含む。一次両面塗膜モジュールは、対向して設けられる第1蒸着柱及び第2蒸着柱と、第1蒸着柱及び第2蒸着柱の対向する表面に下から上に順次設けられる巻き出しローラ、第1蒸発源、第1群のトランジションローラ、第2蒸発源及び第2群のトランジションローラと、を含む。二次両面塗膜モジュールは、第3蒸着柱と、第3蒸着柱に上から下に順次設けられる第1群の冷却ローラ、第3蒸発源、第2群の冷却ローラ、第4蒸発源及び巻き取りローラと、を含む。第1及び第2蒸着柱の対向する表面に二つの蒸発源及びその対応するローラシステムを下から上に設けることにより、一次両面塗膜を実現することができ、第3蒸着柱に二つの蒸発源及び対応するローラシステムを上から下に順次設けることにより、二次両面塗膜を実現することができ、場所利用率及び薄膜生産効率が向上する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合金属箔の製造設備であって、
離間して設けられる一次両面塗膜モジュール及び二次両面塗膜モジュールを含み、
前記一次両面塗膜モジュールは、対向して設けられる第1蒸着柱及び第2蒸着柱と、前記第1蒸着柱及び第2蒸着柱の対向する表面に下から上に順次設けられる巻き出しローラ、第1蒸発源、第1群のトランジションローラ、第2蒸発源及び第2群のトランジションローラと、を含み、
前記二次両面塗膜モジュールは、第3蒸着柱と、前記第3蒸着柱に上から下に順次設けられる第1群の冷却ローラ、第3蒸発源、第2群の冷却ローラ、第4蒸発源及び巻き取りローラと、を含む、
ことを特徴とする複合金属箔の製造設備。
【請求項2】
前記第1群のトランジションローラは、前記第1蒸発源の上方の両側にそれぞれ設けられる第1トランジションローラ及び第2トランジションローラを含み、
前記第2群のトランジションローラは、前記第2蒸発源の上方の両側にそれぞれ設けられる第3トランジションローラ及び第4トランジションローラを含み、
前記第1蒸発源は、塗膜される薄膜の第1面に対して一回目の塗膜を行い、
前記第2蒸発源は、塗膜される薄膜の第2面に対して一回目の塗膜を行い、
前記第3蒸発源は、塗膜される薄膜の第2面に対して二回目の塗膜を行い、
前記第4蒸発源は、塗膜される薄膜の第1面に対して二回目の塗膜を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の複合金属箔の製造設備。
【請求項3】
前記第1トランジションローラの左側における鉛直下向きの接線は、前記巻き出しローラの左側における鉛直下向きの接線と重なり合い、
前記第2トランジションローラの右側における鉛直下向きの接線は、前記巻き出しローラの右側における鉛直下向きの接線と重なり合う、
ことを特徴とする請求項2に記載の複合金属箔の製造設備。
【請求項4】
前記第1トランジションローラと前記第2トランジションローラとの間の中心線が位置する平面は、前記第1蒸発源と前記第2蒸発源との対称面であり、
又は、前記第1トランジションローラの頂部接平面又は前記第2トランジションローラの底部接平面は、前記第1蒸発源と前記第2蒸発源との対称面である、
ことを特徴とする請求項2に記載の複合金属箔の製造設備。
【請求項5】
前記第1群の冷却ローラは、第1冷却ローラ及び第2冷却ローラを含み、
前記第2群の冷却ローラは、第3冷却ローラ及び第4冷却ローラを含み、
前記第1群の冷却ローラ、第3蒸発源、第2群の冷却ローラ、第4蒸発源及び巻き取りローラは、いずれも前記第3蒸着柱の同じ側に設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の複合金属箔の製造設備。
【請求項6】
前記第1群のトランジションローラ、前記第2群のトランジションローラ、前記第1群の冷却ローラ、前記第2群の冷却ローラ、前記巻き出しローラ及び前記巻き取りローラは、互いに平行し、
前記第1蒸着柱、前記第2蒸着柱及び前記第3蒸着柱は、鉛直方向に沿って設けられ、
前記第1トランジションローラは、前記第2トランジションローラよりも鉛直方向における取付高さが低く、
前記第1トランジションローラの頂部最高点は、前記第2トランジションローラの底部最低点と同じ水平線上にある、
ことを特徴とする請求項2に記載の複合金属箔の製造設備。
【請求項7】
第4蒸着柱と、前記第4蒸着柱に上から下に設けられる第1ステアリングローラ及び第2ステアリングローラとを含むステアリングモジュールをさらに含み、
前記第1蒸着柱、前記第3蒸着柱及び前記第4蒸着柱は、同じ直線上に離間して設けられる、
ことを特徴とする請求項2に記載の複合金属箔の製造設備。
【請求項8】
複合金属箔の製造システムであって、
請求項1~7のいずれか1項に記載の複合金属箔の製造設備と、
前記第1蒸着柱、前記第2蒸着柱、前記第3蒸着柱又は前記第4蒸着柱に設けられ、又は真空キャビティの内壁に設けられ、塗膜される薄膜の孔欠陥を検出するための視覚検査システムであって、検出された孔欠陥データが予め設定された条件を満たしたときに、塗膜を停止する信号を出力する視覚検査システムと、
請求項1~7のいずれか1項に記載の複合金属箔の製造設備を内部に設けるための真空キャビティと、を含む、
ことを特徴とする複合金属箔の製造システム。
【請求項9】
前記視覚検査システムは、
蒸着中の薄膜の表面画像を撮影するための画像撮影設備と、
蒸着中の前記薄膜の表面画像を取得し、蒸着中の前記薄膜の表面画像に対して孔欠陥検出を行い、蒸着中の前記薄膜の表面の孔欠陥データを特定するための画像処理システムと、
前記孔欠陥データ及び予め設定された条件に基づいて、蒸着を停止する制御信号又は警報信号を出力するか否かを特定するための蒸着コントローラと、を含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の複合金属箔の製造システム。
【請求項10】
複合金属箔の製造方法であって、
前記製造方法は、請求項5に記載の複合金属箔の製造設備に基づくものであり、
巻き出しローラにより薄膜を解放し、前記薄膜のA面に対する一次塗膜が実現されるために、前記薄膜を第1トランジションローラ、第1蒸発源の上部及び第2トランジションローラに通過させるようにガイドするステップと、
前記薄膜のB面に対する一次塗膜が実現されるために、前記薄膜を第4トランジションローラ、第2蒸発源の上部に順次通過させて第3トランジションローラに到達させるようにガイドするステップと、
前記薄膜のB面に対する二次塗膜が実現されるために、前記薄膜を第2冷却ローラ、第3蒸発源の上部に順次通過させて第1冷却ローラに到達させるようにガイドするステップと、
前記薄膜を第1ステアリングローラに通過させて第2ステアリングローラに到達させるようにガイドするステップと、
前記薄膜のA面に対する二次塗膜が実現されるために、前記薄膜を第3冷却ローラ、第4蒸発源の上部に順次通過させて第4冷却ローラに到達させるようにガイドするステップと、
前記薄膜の両面連続塗膜が完了し、複合金属箔が得られるために、前記薄膜を巻き取りローラに到達させるようにガイドするステップと、を含む、
ことを特徴とする複合金属箔の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜蒸着の技術分野に関し、特に複合金属箔の製造方法、設備及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
蒸着とは、蒸着される材料をるつぼなどの耐熱容器に置き、加熱して溶融させることで、蒸着される材料を気化させて通過する薄膜上に堆積させることをいう。
【0003】
発明の名称が巻き取り式真空塗膜機及び塗膜方法である中国特許公開第CN106086808A号には、巻き取り式真空塗膜機が開示されている。当該巻き取り式真空塗膜機は、真空引き筐体を含み、前記筐体の左右両端の上部に基材巻き出し軸及び基材巻き取り軸がそれぞれ設けられており、前記基材巻き出し軸と基材巻き取り軸との間の下方に複数の冷却ローラが設けられており、前記冷却ローラの下方に蒸発源がそれぞれ設けられており、上記複数の蒸発源は水平方向に沿ってタイル状に設けられるものである。
【0004】
本発明を実現するプロセスにおいて、発明者は、従来技術に少なくとも以下の問題が存在することを見出した。
【0005】
従来の蒸着機はタイル状に設けられているため、占有スペースが大きく、スペース利用率が低い。さらに、従来の蒸着設備は、一巻きの塗膜が完了した後、真空キャビティを開き、巻き出し続ける必要があり、一度に複数の巻きを塗膜することができず、生産効率が低い。
【発明の概要】
【0006】
これに鑑み、本発明の実施例の目的は、従来技術に存在するスペース利用率が低く生産効率が低いという問題を解決するための複合金属箔の製造方法、設備及びシステムを提供することにある。
【0007】
第1態様において、本発明の実施例によれば、複合金属箔の製造設備であって、
離間して設けられる一次両面塗膜モジュール及び二次両面塗膜モジュールを含み、
前記一次両面塗膜モジュールは、対向して設けられる第1蒸着柱及び第2蒸着柱と、前記第1蒸着柱及び第2蒸着柱の対向する表面に下から上に順次設けられる巻き出しローラ、第1蒸発源、第1群のトランジションローラ、第2蒸発源及び第2群のトランジションローラと、を含み、
前記二次両面塗膜モジュールは、第3蒸着柱と、前記第3蒸着柱に上から下に順次設けられる第1群の冷却ローラ、第3蒸発源、第2群の冷却ローラ、第4蒸発源及び巻き取りローラと、を含む複合金属箔の製造設備が提供される。
【0008】
いくつかの可能な実施形態において、前記第1群のトランジションローラは、前記第1蒸発源の上方の両側にそれぞれ設けられる第1トランジションローラ及び第2トランジションローラを含み、
前記第2群のトランジションローラは、前記第2蒸発源の上方の両側にそれぞれ設けられる第3トランジションローラ及び第4トランジションローラを含み、
前記第1蒸発源は、塗膜される薄膜の第1面に対して一回目の塗膜を行い、
前記第2蒸発源は、塗膜される薄膜の第2面に対して一回目の塗膜を行い、
前記第3蒸発源は、塗膜される薄膜の第2面に対して二回目の塗膜を行い、
前記第4蒸発源は、塗膜される薄膜の第1面に対して二回目の塗膜を行う。
【0009】
いくつかの可能な実施形態において、前記第1トランジションローラの左側における鉛直下向きの接線は、前記巻き出しローラの左側における鉛直下向きの接線と重なり合い、
前記第2トランジションローラの右側における鉛直下向きの接線は、前記巻き出しローラの右側における鉛直下向きの接線と重なり合う。
【0010】
いくつかの可能な実施形態において、前記第1トランジションローラと前記第2トランジションローラとの間の中心線が位置する平面は、前記第1蒸発源と前記第2蒸発源との対称面であり、
又は、前記第1トランジションローラの頂部接平面又は前記第2トランジションローラの底部接平面は、前記第1蒸発源と前記第2蒸発源との対称面である。
【0011】
いくつかの可能な実施形態において、前記第1トランジションローラ、前記第2トランジションローラ、前記第3トランジションローラ及び前記第4トランジションローラのうちの少なくとも一つは、冷却ローラである。
【0012】
いくつかの可能な実施形態において、前記第1群のトランジションローラ、前記第2群のトランジションローラ、前記第1群の冷却ローラ、前記第2群の冷却ローラ、前記巻き出しローラ及び前記巻き取りローラは、互いに平行し、
前記第1蒸着柱、前記第2蒸着柱及び前記第3蒸着柱は、鉛直方向に沿って設けられる。
【0013】
いくつかの可能な実施形態において、前記第1トランジションローラは、前記第2トランジションローラよりも鉛直方向における取付高さが低く、
前記第1トランジションローラの頂部最高点は、前記第2トランジションローラの底部最低点と同じ水平線上にある。
【0014】
いくつかの可能な実施形態において、第4蒸着柱と、前記第4蒸着柱に上から下に設けられる第1ステアリングローラ及び第2ステアリングローラとを含むステアリングモジュールをさらに含み、
前記第1蒸着柱、前記第3蒸着柱及び前記第4蒸着柱は、同じ直線上に離間して設けられる。
【0015】
第2態様において、複合金属箔の製造システムであって、
第1態様に記載のいずれか1項に記載の複合金属箔の製造設備と、
前記第1蒸着柱、前記第2蒸着柱、前記第3蒸着柱又は前記第4蒸着柱に設けられ、又は真空キャビティの内壁に設けられ、塗膜される薄膜の孔欠陥を検出するための視覚検査システムであって、検出された孔欠陥データが予め設定された条件を満たしたときに、塗膜を停止する信号を出力する視覚検査システムと、
第1態様に記載のいずれか1項に記載の複合金属箔の製造設備を内部に設けるための真空キャビティと、を含む複合金属箔の製造システムが提供される。
【0016】
第3態様において、本発明の実施例によれば、複合金属箔の製造方法であって、
前記製造方法は、第1態様に記載の複合金属箔の製造設備に基づくものであり、
巻き出しローラにより薄膜を解放し、前記薄膜のA面に対する一次塗膜が実現されるために、前記薄膜を第1トランジションローラ、第1蒸発源の上部及び第2トランジションローラに通過させるようにガイドするステップと、
前記薄膜のB面に対する一次塗膜が実現されるために、前記薄膜を第4トランジションローラ、第2蒸発源の上部に順次通過させて第3トランジションローラに到達させるようにガイドするステップと、
前記薄膜のB面に対する二次塗膜が実現されるために、前記薄膜を第2冷却ローラ、第3蒸発源の上部に順次通過させて第1冷却ローラに到達させるようにガイドするステップと、
前記薄膜を第1ステアリングローラに通過させて第2ステアリングローラに到達させるようにガイドするステップと、
前記薄膜のA面に対する二次塗膜が実現されるために、前記薄膜を第3冷却ローラ、第4蒸発源の上部に順次通過させて第4冷却ローラに到達させるようにガイドするステップと、
前記薄膜の両面連続塗膜が完了し、複合金属箔が得られるために、前記薄膜を巻き取りローラに到達させるようにガイドするステップと、を含む複合金属箔の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0017】
上記の技術的手段は、次のような有益な効果を有する。
第1及び第2蒸着柱の対向する表面に二つの蒸発源及びその対応するローラシステムを下から上に設けることにより、一次両面塗膜を実現することができ、第3蒸着柱に二つの蒸発源及び対応するローラシステムを上から下に順次設けることにより、二次両面塗膜を実現することができるため、蒸着設備の占有スペースを削減することができ、真空スペース利用率及び薄膜生産効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例又は従来技術における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明において使用する必要がある図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に記載される図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的労力を払うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0019】
【
図1】本発明の実施例1に係る第1の複合金属箔の製造設備の三次元概略図である。
【
図2】本発明の実施例1に係る第1の複合金属箔の製造設備の側面概略図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る第1の設備の一次両面塗膜モジュールの正面概略図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る第1の設備の二次両面塗膜モジュールの正面概略図である。
【
図5】本発明の実施例1に係る第2の複合金属箔の製造設備の三次元概略図である。
【
図6】本発明の実施例2に係る第2の複合金属箔の製造設備の側面概略図である。
【
図7】本発明の実施例2に係る第3の複合金属箔の製造設備の側面概略図である。
【
図8】本発明の実施例に係る視覚検査システムの機能ブロック図である。
【
図9】本発明の実施例に係る複合金属箔の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の様々な態様の特徴及び例示的な実施例について詳細に説明する。以下の詳細な説明では、本発明の包括的な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が提示される。しかしながら、本発明がこれらの具体的な詳細のいくつかの詳細を必要とせずに実施され得ることは当業者には明らかである。以下の実施例の説明は、本発明の例示を示すことによって本発明のよりよい理解を提供することのみを意図している。図面及び以下の説明では、周知の構造及び技術の少なくとも一部は、本発明に対する不必要な曖昧さを避けるために、示されていない。そして、明確にするために、構造の一部の寸法を誇張している可能性がある。また、本明細書に記載される特徴、構造又は特性は、一つ又はより多くの実施例において任意の適切な様式で組み合わされ得る。
実施例1
【0021】
図1は、本発明の実施例1に係る第1の複合金属箔の製造設備の三次元概略図である。
図2は、本発明の実施例1に係る第1の複合金属箔の製造設備の側面概略図である。
図1及び
図2に示すように、複合金属箔の製造設備は、離間して設けられる一次両面塗膜モジュール10及び二次両面塗膜モジュール20を含む。一次両面塗膜モジュール10は、対向して設けられる第1蒸着柱11及び第2蒸着柱12と、第1蒸着柱11及び第2蒸着柱12の対向する表面に下から上に順次設けられる巻き出しローラ13、第1蒸発源14、第1群のトランジションローラ15、第2蒸発源16及び第2群のトランジションローラ17とを含む。二次両面塗膜モジュール20は、第3蒸着柱21と、第3蒸着柱21に順次設けられる第1群の冷却ローラ22、第3蒸発源23、第2群の冷却ローラ24、第4蒸発源25及び巻き取りローラ26とを含む。プラスチック薄膜上に銅やアルミニウムなどの金属を蒸着することにより上記複合金属箔を得ることができる。上記技術的手段の利点は、第1蒸着柱11及び第2蒸着柱12の対向する表面に二つの蒸発源及びその対応するローラシステムを下から上に設けることにより、一次両面塗膜を実現することができ、第3蒸着柱21に二つの蒸発源及び対応するローラシステムを上から下に順次設けることにより、二次両面塗膜を実現することができ、スペース利用率及び薄膜生産効率が向上することにある。
【0022】
図3は、本発明の実施例1に係る第1の設備の一次両面塗膜モジュール10の正面概略図である。
図3に示すように、巻き出しローラ13、第1群のトランジションローラ15及び第2群のトランジションローラ17は、一端がそれぞれ第1蒸着柱11に回転可能に接続され、他端がそれぞれ第2蒸着柱12に回転可能に接続されることが好ましい。第1蒸発源14及び第2蒸発源16は、一端がそれぞれ第1蒸着柱11又は第2蒸着柱12に取り外し可能に接続され、他端が吊り下げられている。又は、第1蒸発源14及び第2蒸発源16は、一端がそれぞれ第1蒸着柱11に取り外し可能に接続され、他端がそれぞれ第2蒸着柱12に取り外し可能に接続されている。
【0023】
図4は、本発明の実施例1に係る第1の設備の二次両面塗膜モジュール20の正面概略図である。
図4に示すように、第1群の冷却ローラ22、第2群の冷却ローラ24及び巻き取りローラ26は、一端がそれぞれ第3蒸着柱21に回転可能に接続され、他端が吊り下げられている。第3蒸発源23及び第4蒸発源25は、一端がそれぞれ第3蒸着柱21に回転せずに取り外し可能に接続され、他端が吊り下げられている。あるいは、第3蒸発源23及び第4蒸発源25は、いずれもそれぞれ体積が小さく(例えば、長さは同じであるが幅がより小さい)、並列して離間して設けられ、鉛直取付高さが同じである二つのサブ蒸発源に分割されてもよい。具体的には、第1蒸着柱11、第2蒸着柱12、第3蒸着柱21は、鉛直に設けられ、鉛直方向(Z方向と表記する)に沿って延在する。各ローラ、各蒸発源は、第1水平方向(Y方向と表記する)に沿って設けられる。第1蒸着柱11及び第3蒸着柱21は、第2水平方向(X方向と表記する)に沿って離間して設けられる。XYZは、空間直交座標系の三つの座標軸である。蒸着柱は、板状構造、円柱状構造や楕円形構造であってもよい。本実施例の蒸着柱の水平方向における断面の形状は、楕円形であることが好ましい。板状構造に対して、楕円形の占有スペースが小さく、円柱状に対して、楕円形の表面積が大きく、表面に複数のローラや蒸発源を設けることができるため、蒸着設備の占有スペースを小さくすることができ、塗膜効率が大幅に向上することになる。いくつかの例において、蒸着柱の材料は金属であってもよい。蒸着柱は、内部に空洞を有する中空である。蒸着柱の内壁はローラに耐えることができるように一定の厚さを有し、内部中空はいくつかの配線などの機器を収容することができる。蒸発源には、加熱部材が設けられている。例えば、電熱線などの電気加熱部材であってもよく、又は熱い液体である。
【0024】
いくつかの実施例において、第1群のトランジションローラ15は、第1の蒸発源14の上方の両側にそれぞれ設けられる第1トランジションローラ15a及び第2トランジションローラ15bを含むが、その数はこれに限定されず、第1群のトランジションローラ15は、より多くのトランジションローラを含んでもよい。第2群のトランジションローラ17は、第2蒸発源16の上方の両側にそれぞれ設けられる第3トランジションローラ17a及び第4トランジションローラ17bを含むが、その数はこれに限定されず、第2群のトランジションローラ17は、より多くのトランジションローラを含んでもよい。第2蒸発源16の上部の両側に第3トランジションローラ17a及び第4トランジションローラ17bを設けることにより、薄膜のB面に対する塗膜に有利である。第1群の冷却ローラ22は、第1冷却ローラ22a及び第2冷却ローラ22bを含み、第2群の冷却ローラ24は、第3冷却ローラ24a及び第4冷却ローラ24bを含む。各群の冷却ローラの数は、二つに限定されず、二つより大きくてもよい。第1群の冷却ローラ22、第3蒸発源23、第2群の冷却ローラ24、第4蒸発源25及び巻き取りローラ26は、いずれも第3蒸着柱21の同じ側に設けられる。第1蒸発源14は、塗膜される薄膜の第1面に対して一回目の塗膜を行うために用いられる。第2蒸発源16は、塗膜される薄膜の第2面に対して一回目の塗膜を行うために用いられる。第3蒸発源23は、塗膜される薄膜の第2面に対して二回目の塗膜を行うために用いられる。第4蒸発源25は、塗膜される薄膜の第1面に対して二回目の塗膜を行うために用いられる。
【0025】
いくつかの実施例において、第1トランジションローラ15aの左側における鉛直下向きの接線は、巻き出しローラ13の左側における鉛直下向きの接線と重なり合い、第2トランジションローラ15bの右側における鉛直下向きの接線は、巻き出しローラ13の右側における鉛直下向きの接線と重なり合う。さらに、巻き出しローラ13の左側における鉛直下向きの接線は、第1トランジションローラ15a、第3トランジションローラ17aの左側にさらに接しており、巻き出しローラ13の右側における鉛直下向きの接線は、第2トランジションローラ15b及び第4トランジションローラ17bの右側に接している。本実施例において、第1トランジションローラ15aは、第1蒸発源14の左上隅に設けられてもよく、第2トランジションローラ15bは、第1蒸発源14の右上隅に設けられてもよい。第1トランジションローラ15aの左側における鉛直下向きの接線は、巻き出しローラ13の左側における鉛直下向きの接線と重なり合い、第2トランジションローラ15bの右側における鉛直下向きの接線は、巻き出しローラ13の右側における鉛直下向きの接線と重なり合う。これにより、薄膜を巻き出しローラ13から第1トランジションローラ15a又は第2トランジションローラ15bに至らせるときに薄膜にしわが発生しないようにすることができる。
【0026】
いくつかの実施例において、第1トランジションローラ15aと第2トランジションローラ15bとの間の中心線が位置する平面は、第1蒸発源14と第2蒸発源16との対称面である。又は、第1トランジションローラ15aの頂部接平面又は第2トランジションローラ15bの底部接平面は、第1蒸発源14と第2蒸発源16との対称面である。第1トランジションローラ15a及び第2トランジションローラ15bの上部に、第1蒸発源14と鉛直方向に第2蒸発源16を設け、かつ、第1トランジションローラ15a及び第2トランジションローラ15bの中心軸線間の接続線を第1蒸発源14及び第2蒸発源16の対称線とし、又は、中心線が位置する平面を対称面とするように設けることにより、蒸着柱がバランスよく力を受けるようにすることができる。
【0027】
いくつかの実施例において、第1トランジションローラ15aは、第2トランジションローラ15bよりも鉛直取付高さが低く、第1トランジションローラ15aの頂部最高点は、ちょうど第2トランジションローラ15bの底部最低点と同じ水平線上にある。これにより、薄膜は、第1トランジションローラ15aの頂部から第2トランジションローラ15bの底部に移動し、それから上に向かって塗膜される。これにより、薄膜は第1蒸発源14の上方を平坦に通過することができる。
【0028】
いくつかの実施例において、第1トランジションローラ15a、第2トランジションローラ15b、第3トランジションローラ17a及び第4トランジションローラ17bのうちの少なくとも一つは、冷却ローラである。これにより、蒸着の前後に薄膜を冷却することができ、高温粒子によって薄膜が焼損することにより、薄膜に孔が発生し、製品の品質に影響を与えることを防止することができる。
【0029】
いくつかの実施例において、第1群のトランジションローラ15、第2群のトランジションローラ17、第1群の冷却ローラ22、第2群の冷却ローラ24、巻き出しローラ13及び巻き取りローラ26は、互いに平行する。
【0030】
本実施例の複合金属箔の製造設備により両面連続塗膜を実現するプロセスは、以下のステップを含む。
【0031】
S110において、巻き出しローラ13に薄膜を巻き出し、巻き出しローラ13により薄膜を解放し、薄膜のA面に対する一次塗膜が実現されるために、薄膜を第1トランジションローラ15a、第1蒸発源14の上部及び第2トランジションローラ15bに通過させるようにガイドする。
【0032】
S120において、薄膜のB面に対する一次塗膜が実現されるために、薄膜を第4トランジションローラ17b、第2蒸発源16の上部に順次通過させて第3トランジションローラ17aに到達させるようにガイドする。
【0033】
S130において、薄膜のB面に対する二次塗膜が実現されるために、薄膜を第2冷却ローラ22b、第3蒸発源23の上部に順次通過させて第1冷却ローラ22aに到達させるようにガイドする。
【0034】
S140において、薄膜のA面に対する二次塗膜が実現されるために、薄膜を第3冷却ローラ24a、第4蒸発源25の上部に順次通過させて第4冷却ローラ24bに到達させるようにガイドする。
【0035】
S150において、薄膜の両面連続塗膜が完了し、複合金属箔が得られるために、薄膜を第3蒸着柱21上面の巻き取りローラ26に到達させるようにガイドする。
実施例2
【0036】
図5は、本発明の実施例2に係る第2の複合金属箔の製造設備の三次元概略図である。
図6は、本発明の実施例2に係る第2の複合金属箔の製造設備の側面概略図である。
図7は、本発明の実施例2に係る第3の複合金属箔の製造設備の側面概略図である。
図5~
図7に示すように、本実施例2は、薄膜の両面(A及びB)を複数回塗膜するために、複合金属箔の製造設備は、第4蒸着柱31と、第4蒸着柱31に上から下に離間して設けられる第1ステアリングローラ32及び第2ステアリングローラ33とを含むステアリングモジュール30をさらに含み、第1蒸着柱11、第3蒸着柱21及び第4蒸着柱31は、同じ直線上に離間して設けられ、例えば、X方向に沿って設けられる点で実施例1と相違する。本実施例において二つのステアリングローラを設ける利点は、第1ステアリングローラ32と第1冷却ローラ22aとが平行し、第2ステアリングローラ33と第3冷却ローラ24aとが平行するため、このように設けることにより、薄膜を第1ステアリングローラ32の層から第2ステアリングローラ33の層にステアリングすることに有利である。
図5は、
図5の第3冷却ローラ24aと第4冷却ローラ24bの鉛直取付高さが同じであるのに対し、
図4の第3冷却ローラ24aの鉛直取付高さは、第4冷却ローラ24bの鉛直取付高さよりも高い点で
図4と相違する。
【0037】
巻き出しローラ13は、一端が第1蒸着柱11に回転可能に接続され、他端が第2蒸着柱12に回転可能に接続される。巻き出しローラ13の上方には、蒸発源及びトランジションローラがさらに設けられている。薄膜は、巻き出しローラ13からトランジションローラ及び蒸発源を通過して薄膜に対する一次両面塗膜が完了する。第3蒸着柱21には、冷却ローラ、蒸発源及び巻き取りローラ26が設けられ、第4蒸着柱31には、二つのステアリングローラが設けられている。薄膜は、第1蒸着柱11、第2蒸着柱12から第3蒸着柱21上の冷却ローラ、蒸発源を通過した後に第4蒸着柱31のステアリングローラに到達した後、薄膜に対する両面連続塗膜が完了し、複合金属箔が得られる。
【0038】
いくつかの実施例において、複合金属箔の製造設備は、視覚検査システム、回転速度制御装置、蒸発速度制御装置、真空キャビティのうちの一つ又は複数をさらに含む。
【0039】
視覚検査システムは、第1蒸着柱11、第2蒸着柱12、第3蒸着柱21又は第4蒸着柱31に設けられ、塗膜される薄膜の孔欠陥を検出するためのものであって、薄膜に孔欠陥の存在が検出された場合に、塗膜を停止する信号を出力する。具体的には、視覚検査システムは、薄膜上面の孔を自動的に認識することにより、塗膜を継続するか否かを決定することができるCDD視覚検査システムであってもよい。
【0040】
図8は、本発明の実施例に係る視覚検査システムの機能ブロック図である。
図8に示すように、当該視覚検査システム40は、蒸着中の薄膜の表面画像を撮影するための画像撮影装置41と、蒸着中の当該薄膜の表面画像を取得し、蒸着中の当該薄膜の表面画像に対して孔欠陥検出を行い(画像認識アルゴリズムに基づくことができる)、蒸着中の当該薄膜の表面の孔欠陥データを特定するための画像処理システム42と、蒸着中の当該薄膜の表面の孔欠陥データ及び予め設定された条件(例えば、予め設定された一つ又は複数の閾値条件を満たす)に基づいて、蒸着を停止する制御信号又は警報信号を出力するか否かを特定するための蒸着コントローラ43と、を含む。上記の孔データは、単位面積当たりの孔の分布数、単位面積当たりの孔の寸法、単位面積当たりの孔の分布密度のうちの少なくとも一つを含む。当該寸法は、孔の最大寸法、又は孔を円と等価にした後の等価円の直径であってもよい。上記の等価プロセスは、不規則な孔の面積を計算することにより、当該面積に基づいて等価円の直径に変換してもよい。それに対応して、予め設定された上記条件は、単位面積当たりの孔の分布数が予め設定された数閾値よりも大きいこと、単位面積当たりの孔の寸法が予め設定された直径閾値よりも大きいこと、単位面積当たりの孔の分布密度が予め設定された密度閾値よりも大きいことのうちの少なくとも一つを含む。蒸着を停止するための上記制御信号を出力することは、各ローラの駆動モータに回転を停止する制御信号を出力すること、又は駆動モータの動作電源を遮断すること、すべての蒸発源機器の動作電力を遮断することを含む。当該視覚検査システムは、全体がすべて例えば、真空キャビティの内壁などの真空キャビティ内に設けられてもよく、又は関連する蒸着柱に設けられてもよく、又は少なくともその画像撮影装置は真空キャビティ内に設けられ、他の部材は真空キャビティの外側に設けられてもよい。
【0041】
具体的には、画像撮影装置41は、さらに特定の波長の高輝度LED産業用リニア集光光源を採用して製品表面を照射する(不透明な薄膜製品に対して反射検出原理を採用する)と同時に、産業用CCDカメラにより、光源照射における製品画像をリアルタイムで走査して収集する。
【0042】
具体的には、CCD(Charge-coupled Device、電荷結合素子)視覚検査システムの具体的な動作原理は、以下を含む。薄膜はCCDの内部を通過し、次にCCDの内部上方に画像撮影装置41が設けられており、当該画像撮影装置41は、撮影した薄膜上の状況を画像信号に変換し、画像処理システム42に送信する。画像処理システム42は、設定されたプログラムに基づいて薄膜上の孔の数及び大きさを自動的に算出する。1平方センチメートル当たりの孔の数及び/又は大きさが予め設定された具体的な閾値の数値を超える場合、蒸着コントローラ43は、回転速度制御装置に指令を発し、次いで蒸着を停止する。又は、警報を発し、塗膜プロセスを停止するようにオペレータに制御させる。一つ又は複数の上記閾値は、顧客の品質要求の変動に応じて変動し、1平方メートルあたりの孔の数が数個から数十個を超えず、孔の大きさが10分の数ミリメートル又は数ミリメートルを超えないものであってもよい。
【0043】
回転速度制御装置は、通信接続するコントローラパネル及びサーボモータを含む。コントローラパネルは、ユーザが入力したローラ回転速度制御パラメータを受信し、サーボモータに送信するために用いられる。サーボモータは、ローラ回転速度制御パラメータに基づいて、巻き出しローラ13、第1群のトランジションローラ15、第2群のトランジションローラ17、第1群の冷却ローラ22、第2群の冷却ローラ24、巻き取りローラ26のいずれか一つ又は複数の回転速度を制御するために用いられる。具体的には、ローラの回転速度は、サーボモータによって制御することができる。例えば、一つのコントローラパネルが構成され、コントローラパネルにパラメータを入力することでローラの速度を制御することができる。
【0044】
蒸発速度制御装置は、第1蒸発源14、第2蒸発源16、第3蒸発源23及び第4蒸発源25と電気的に接続されており、第1蒸発源14、第2蒸発源16、第3蒸発源23及び第4蒸発源25に印加される動作電流を制御してその発熱量を制御することにより、蒸発速度を制御するために用いられる。具体的には、電熱線に印加される電流を制御して電熱線の発熱量を制御することにより、蒸発源の蒸発速度を制御することができる。
【0045】
そして、真空キャビティは、内部に一次両面塗膜モジュール10及び二次両面塗膜モジュール20を設けるために用いられる。キャビティは、動作中に内部が真空状態にあることが好ましい。
【0046】
図9は、本発明の実施例に係る複合金属箔の製造方法のフローチャートである。
図9に示すように、本実施例に係る複合金属箔の製造プロセスは、以下のステップを含む。
【0047】
S210において、巻き出しローラ13に薄膜を巻き出し、巻き出しローラ13により薄膜を解放し、薄膜のA面に対する一次塗膜が実現されるために、薄膜を第1トランジションローラ15a、第1蒸発源14の上部及び第2トランジションローラ15bに通過させるようにガイドする。
【0048】
S220において、薄膜のB面に対する一次塗膜が実現されるために、薄膜を第4トランジションローラ17b、第2蒸発源16の上部に通過させて第3トランジションローラ17aに到達させるようにガイドする。
【0049】
S230において、薄膜のB面に対する二次塗膜が実現されるために、薄膜を第2冷却ローラ22b、第3蒸発源23の上部に順次通過させて第1冷却ローラ22aに到達させるようにガイドする。
【0050】
S240において、薄膜を第1ステアリングローラ32に通過させて第2ステアリングローラ33に到達させるようにガイドする。
【0051】
S250において、薄膜のA面に対する二次塗膜が実現されるために、薄膜を第3冷却ローラ24a、第4蒸発源25の上部に順次通過させて第4冷却ローラ24bに到達させるようにガイドする。
【0052】
S260において、薄膜の両面連続塗膜が完了し、複合金属箔が得られるために、薄膜を巻き取りローラ26上面の第3蒸着柱21に到達させるようにガイドする。
【0053】
本発明の説明において、「上、下、内及び外」などの用語に示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の説明を便利にし、説明を簡略化するためのものに過ぎず、言及される装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作されなければならないことを示し、又は暗示するものではないので、本発明の限定として理解することができないことに留意されたい。また、「第1、第2又は第3」という用語は、説明のみを目的としており、相対的な重要性を示し、又は暗示するものとして理解することはできない。
【0054】
本発明において、明示的な規定及び限定がない限り、「取付、互いに接続、接続」は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続又は一体的接続であってもよい。同様に、機械的接続、電気的接続又は直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接的接続であってもよく、二つの要素の内部の連通であってもよい。当業者にとって、本発明における上記用語の具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解され得る。
【0055】
以上、本発明を好適な実施例を参照して説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の改良がなされてもよく、その構成要素が均等物に置き換えられてもよい。特に、構造的な矛盾がない限り、各実施例で言及された各技術的特徴は、いずれも任意の形態で組み合わせてもよい。本発明は、本明細書に開示される特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に含まれる全ての技術的手段を包含する。
【符号の説明】
【0056】
100A、100B、100C、複合金属箔の製造設備
10、一次両面塗膜モジュール
20、二次両面塗膜モジュール
30、ステアリングモジュール
11、第1蒸着柱
12、第2蒸着柱
13、巻き出しローラ
14、第1蒸発源
15、第1群のトランジションローラ
15a、第1トランジションローラ
15b、第2トランジションローラ
16、第2蒸発源
17、第2群のトランジションローラ
17a、第3トランジションローラ
17b、第4トランジションローラ
21、第3蒸着柱
22、第1群の冷却ローラ
22a、第1冷却ローラ
22b、第2冷却ローラ
23、第3蒸発源
24、第2群の冷却ローラ
24a、第3冷却ローラ
24B、第4冷却ローラ
25、第4蒸発源
26、巻き取りローラ
31、第4蒸着柱
32、第1ステアリングローラ
33、第2ステアリングローラ
40、視覚検査システム
41、画像撮影装置
42、画像処理システム
43、蒸着コントローラ
【国際調査報告】