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特表2024-521584軸方向圧縮機ユニットを有するギア一体型圧縮機及び方法
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  • 特表-軸方向圧縮機ユニットを有するギア一体型圧縮機及び方法 図1
  • 特表-軸方向圧縮機ユニットを有するギア一体型圧縮機及び方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-03
(54)【発明の名称】軸方向圧縮機ユニットを有するギア一体型圧縮機及び方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 17/12 20060101AFI20240527BHJP
【FI】
F04D17/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023577831
(86)(22)【出願日】2022-06-30
(85)【翻訳文提出日】2023-12-16
(86)【国際出願番号】 EP2022025301
(87)【国際公開番号】W WO2023280435
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】102021000017996
(32)【優先日】2021-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリマルディ,アンジェロ
(72)【発明者】
【氏名】カンジョーリ,フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】グリエルモ,アルベルト
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB27
3H130AB42
3H130AB62
3H130AB68
3H130AB69
3H130AC30
3H130BA35J
3H130BA35Z
3H130BA66J
3H130BA66Z
3H130BA97J
3H130BA97Z
3H130CA02
3H130CA07
3H130CB01
3H130DA02X
3H130DB01Z
3H130DD01Z
3H130DE04X
3H130DG02X
3H130DG03X
3H130EA02J
3H130EA02Z
3H130ED04J
3H130ED04Z
(57)【要約】
【解決手段】 ギア一体型圧縮機は、ギアケーシング内で回転するように支持されたブルギアと、ギアケーシング内で回転するように支持された複数のピニオンシャフトとを備える。各ピニオンシャフトは、ブルギアと噛み合うそれぞれのピニオンを備える。第1のピニオンシャフトは、ガス入口と、ガス出口と、軸方向圧縮ホイールとを備える軸方向圧縮機ユニットに駆動結合された第1の端部を有する。第2のピニオンシャフトは、遠心圧縮機構成に駆動結合される。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギア一体型圧縮機であって、
ギアケーシング内で回転するように支持されたブルギアと、
前記ギアケーシング内で回転するように支持された複数のピニオンシャフトと、を備え、各ピニオンシャフトは、前記ブルギアと噛み合うそれぞれのピニオンを備え、
前記複数のピニオンシャフトのうちの第1のピニオンシャフトは、ガス入口、ガス出口及び軸方向圧縮ホイールを備えた第1の軸方向圧縮機ユニットに駆動結合された第1の端部を有し、前記軸方向圧縮ホイールは、前記複数のピニオンシャフトのうちの前記第1のピニオンシャフトの前記第1の端部で片持ち式に支持されており、第2の圧縮機ユニットは、前記複数のピニオンシャフトのうちの前記第1のピニオンシャフトの第2の端部に片持ち式に支持されており、前記第1の軸方向圧縮機ユニットの前記ガス出口は、前記第2の圧縮機ユニットのガス入口に流体結合され、前記複数のピニオンシャフトのうちの第2のピニオンシャフトは、前記複数のピニオンシャフトのうちの前記第2のピニオンシャフトの第1の端部において片持ち式に支持された更なる圧縮機ユニットを備える遠心圧縮機構成に駆動結合されており、前記更なる圧縮機ユニットは、遠心圧縮機ユニットである、ギア一体型圧縮機。
【請求項2】
前記第1の軸方向圧縮機ユニットの前記ガス入口は、軸方向ガス入口であり、前記第1の軸方向圧縮機ユニットの前記ガス出口は、半径方向ガス出口である、請求項1に記載のギア一体型圧縮機。
【請求項3】
前記第1の軸方向圧縮機ユニットの前記半径方向ガス出口は、羽根付きディフューザを備える、請求項2に記載のギア一体型圧縮機。
【請求項4】
前記第1の軸方向圧縮機ユニットは、多段軸方向圧縮機ユニットである、請求項1~3のいずれか一項に記載のギア一体型圧縮機。
【請求項5】
前記第2の圧縮機ユニットは、軸方向圧縮機ユニットである、請求項1~4のいずれか一項に記載のギア一体型圧縮機。
【請求項6】
前記第2の圧縮機ユニットは、第1の遠心圧縮機段を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のギア一体型圧縮機。
【請求項7】
前記第1の遠心圧縮機段のガス出口は、前記更なる圧縮機ユニットの第2の遠心圧縮機段のガス入口に流体結合される、請求項6に記載のギア一体型圧縮機。
【請求項8】
前記複数のピニオンシャフトのうちの前記第2のピニオンシャフトが、前記複数のピニオンシャフトのうちの前記第2のピニオンシャフトの前記第2の端部において片持ち式に支持された第3の遠心圧縮機段に駆動結合された第2の端部を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のギア一体型圧縮機。
【請求項9】
前記第3の遠心圧縮機段のガス入口は、前記第2の遠心圧縮機段のガス出口に流体結合される、請求項7又は8に記載のギア一体型圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガス圧縮機の改良に関する。具体的には、本明細書に開示される実施形態は、ギア一体型圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
ギア一体型圧縮機は、空気、二酸化炭素又は蒸気を処理するために使用されることが多い。ギア一体型圧縮機の1つの利点は、圧縮機段間の複数の中間冷却が可能であること、並びに連続的に配置された圧縮機段を異なる回転速度で駆動することが可能なことである。
【0003】
英国特許第1048966号は、第1の圧縮機シャフトの第1の端部にある第1のピニオン及び第2の圧縮機シャフトの第1の端部にある第2のピニオンと噛み合う主ギアを駆動する電気モータを含む圧縮機構成を開示している。第1の圧縮機は、第1の圧縮機シャフトの第2の端部に駆動結合され、第2の圧縮機は、第2の圧縮機シャフトの第2の端部に駆動結合される。
【0004】
米国特許出願公開第2016/0230771号は、蒸気タービンによって回転駆動されるブルギアを含むブルギア圧縮機を開示している。蒸気タービンは、駆動シャフトにキー止めされたピニオンを介してブルギアに結合された駆動シャフトに駆動結合される。主圧縮機は、駆動軸により直接駆動される。更に、圧縮機ユニットは、ブルギアの周囲に配置された被駆動シャフトを介してブルギアに駆動結合される。
【0005】
現在の技術のギア一体型圧縮機は、依然としていくつかの制限を受ける。特に、入口体積流量が制限される。入口流量を改善するために、より大きなインペラが開発されてきたが、これは回転速度の低減を必要とする。代替案として、第1の圧縮段が2つの別個のインペラに分割され、これらのインペラが並列に動作して、より大きい体積入口流を同じ機械によって処理することができるようにする、複流機械が想定されている。複流ギア一体型圧縮機は扱いにくく、特に設置面積が大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、これらの機械の利点を維持しながら、それらの制限を除去又は軽減するために、ギア一体型圧縮機の設計を改善する必要がある。
【0007】
一態様によれば、本明細書で開示されるのは、ギアケーシング内で回転するように支持されたブルギアと、ギアケーシング内で回転するように支持された複数のピニオンシャフトとを含むギア一体型圧縮機の新規な構造である。各ピニオンシャフトは、ブルギアと噛み合うそれぞれのピニオンを含む。
【0008】
本明細書に開示される新規な構成によれば、第1のピニオンシャフトは、ガス入口と、ガス出口と、軸方向圧縮ホイールとを備える第1の軸方向圧縮機ユニットに駆動結合された第1の端部を有し、軸方向圧縮ホイールは、第1のピニオンシャフトの第1の端部で片持ち式に支持されている。第2の圧縮機ユニットは、第1のピニオンシャフトの第2の端部に片持ち式に支持されている。第1の軸方向圧縮機ユニットのガス出口は、第2の圧縮機ユニットのガス入口に流体結合されている。第2のピニオンシャフトは、第2のピニオンシャフトの第1の端部で片持ち式に支持された更なる圧縮機ユニットを備える圧縮機構成に駆動結合されている。更なる圧縮機ユニットは、遠心圧縮機ユニットである。
【0009】
いくつかの実施形態では、圧縮機は、2つ以上の軸方向圧縮機ユニット、例えば、第1のピニオンシャフトの両端に配置された2つの軸方向圧縮機ユニットを含むことができる。
【0010】
ギア一体型圧縮機の更なる実施形態及び有利な特徴は、以下に概説され、添付の特許請求の範囲に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
ここで、添付図面を簡単に参照する。
図1図1は、本開示によるギア一体型圧縮機の断面図である。
図2図2は、本開示によるギア一体型圧縮機を動作させる方法を要約するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
機械の全体的な設置面積を増加させることなくギア一体型圧縮機の入口流量を改善するための新規な圧縮機が開示される。圧縮機はブルギアを備え、ブルギアは、ブルギアの周囲に配置された2つ以上のピニオンシャフトを駆動して回転させる。各ピニオンシャフトは、ブルギアと噛み合うピニオンを含む。ピニオンは、ピニオンシャフトが異なる回転速度で回転するように、異なる直径及び異なる歯数を有してもよい。圧縮機ドライバは、ブルギアを回転させる中心シャフトに駆動結合される。回転運動は、ブルギアからそれと噛み合うピニオンへ、異なる伝達比で伝達される。圧縮機段は、ピニオンシャフトに駆動結合される。最上流圧縮機段は、当該ピニオンシャフトのうちの第1のピニオンシャフトに駆動結合された軸方向圧縮機段である。第2及び後続の圧縮機段は、軸方向圧縮機段によって送出されるガス流を更に圧縮するために順に配置された遠心圧縮機段とすることができる。部分的に圧縮されたプロセスガスから熱を除去し、多段ギア一体型圧縮機の全体的な効率を改善するために、1対以上の順次配置された圧縮機段の間に中間冷却器を設けることができる。
【0013】
最上流の軸方向圧縮機段は、通常の遠心圧縮機段よりも大きな入口流量を処理するように適合されている。したがって、大量の入口ガスを処理するように適合されたコンパクトな機械が得られる。
【0014】
ここで図面を参照すると、図1は、ケーシング3内に収容された構成要素を示すために、水平面に従って切断された圧縮機ケーシング3を有するギア一体型圧縮機1の上面図を示す。
【0015】
ケーシング3内にはブルギア5が回転可能に支持されている。ブルギア5は、入力シャフト7に駆動結合され、入力シャフト7は、駆動ユニット9、例えば電気モータ、又は任意の他の適切な駆動ユニットによって回転駆動され得る。ブルギア5は、主回転軸A-Aを中心としてケーシング3内で回転するように、軸受11、13によって支持されている。
【0016】
ブルギア5は、駆動ユニット9の速度で回転することができ、又は、例えば、ギアボックス8などの速度操作デバイスが駆動ユニット9と入力シャフト7との間のシャフト線に沿って配置されている場合、異なる速度で回転することができる。
【0017】
圧縮機1は、複数のピニオンシャフトを更に含む。図1には、2つのピニオンシャフトが示されている。それにもかかわらず、より多数のピニオンシャフトを同じ圧縮機1に設けることができることを理解されたい。
【0018】
第1のピニオンシャフト15は、軸受17、19によって回転軸B-B回りに回転可能に支持されている。第1のピニオンシャフト15には、第1のピニオン21がキー止めされているか、又は一体的に形成されている。第1のピニオン21は、ブルギア5と噛み合っている。したがって、第1のピニオンシャフト15は、ブルギア5と第1のピニオン21との間の伝達比によって決定される回転速度で、駆動ユニット9によって回転駆動される。
【0019】
第2のピニオンシャフト23は、軸受25、27によって回転軸C-Cの回りに回転可能に支持されている。第2のピニオン29は、第2のピニオンシャフト23にキー止めされているか、又は一体的に形成されている。第2のピニオン29は、ブルギア5と噛み合っている。したがって、第2のピニオンシャフト23は、ブルギア5と第2のピニオン29との間の伝達比によって与えられる回転速度で回転する。いくつかの実施形態では、第2のピニオンシャフト23の回転速度は、第1のピニオンシャフト15の回転速度よりも高くてもよい。
【0020】
一般に、ギア一体型圧縮機1は、第1のピニオンシャフト15によって第1の回転速度で駆動される第1の最上流軸方向圧縮機ユニットと、第2のピニオンシャフトによって第2の回転速度で駆動される遠心圧縮機構成とを含む。第1の回転速度及び第2の回転速度は、ブルギア5の回転速度よりも高い。
【0021】
遠心圧縮機構成は、1つ以上の遠心圧縮機ユニットを含むことができる。上述のように、図示されていないいくつかの実施形態では、遠心圧縮機構成に属する追加の遠心圧縮機ユニットを駆動するために、第3の又は更なるピニオンシャフトが設けられてもよい。以下で詳細に説明するように、図1の実施形態では、遠心圧縮機ユニットも、軸方向圧縮機ユニット31と同じ回転速度で回転するように、軸方向圧縮機ユニット31の反対側で第1のピニオンシャフト15上に設けられる。
【0022】
より具体的には、図1の実施形態では、圧縮機1は、4つの圧縮機ユニットを有する。既に述べたように、第1の最上流圧縮機ユニット31は、第1のピニオンシャフト15の第1の端部に配置されている。第1のピニオンシャフト15の第2の端部には、第2の圧縮機ユニット33が配置されている。遠心圧縮機構成の一部を形成する追加の第3及び第4の圧縮機ユニット35、37は、第2のピニオンシャフト23によって駆動される。具体的には、第2のピニオンシャフト23の第1の端部に第3の圧縮機ユニット35が配置され、第2のピニオンシャフト23の第2の端部に第4の圧縮機ユニット37が配置されている。
【0023】
第1、第2、第3及び第4の圧縮機ユニットは、最上流の圧縮機ユニット31から始まって最下流の圧縮機ユニット37まで順番に配置され、プロセスガスは、最初に、より高い体積流量を有する軸方向圧縮機ユニット31において圧縮され、その後、残りの遠心圧縮機ユニット33、35及び37において順番に段階的に圧縮される。
【0024】
連続して配置された圧縮機ユニット31~37の各対を接続する接続ラインに沿って中間冷却器を設けることができる。例として、中間冷却器39が、第1の圧縮機ユニット31を第2の圧縮機ユニット33に流体結合する接続ライン41に沿って図1に示されている。
【0025】
第1の圧縮機ユニット31は、ガス入口43と、ガス出口45と、それらの間の軸方向圧縮ホイール47とを含む。図1の実施形態では、軸方向圧縮機ユニット31は、2つの軸方向圧縮段を備え、各軸方向圧縮段は、軸方向圧縮ホイール47にキー止めされた回転ブレード49の円形配列と、軸方向圧縮機ユニット31のケーシング52に取り付けられた固定ブレード又は羽根51のそれぞれのセットとを含む。図示の軸方向圧縮段の数は単なる例であり、軸方向圧縮機ユニット31は、異なる数、例えば3つ以上の軸方向圧縮段を含むことができることを理解されたい。いくつかの実施形態では、固定ブレード51は、可変傾斜を有することができる。固定ブレード51の角度位置は、符号53で概略的に示される適切な制御デバイスによって圧縮機1の動作条件に適合させることができる。制御デバイス53は、各固定ブレード51を半径方向軸、すなわち軸方向圧縮機ユニット31の回転軸B-Bに直交する軸の周りに旋回させるように適合される。
【0026】
図1の実施形態では、軸方向圧縮ホイール47は、第1のピニオンシャフト15の第1の端部に片持ち式に取り付けられている。
【0027】
図1の実施形態では、ガス入口43は軸方向入口であり、ガス出口45は半径方向出口である。軸方向ホイールからの部分的に圧縮されたガスの流れは、半径方向出口に向かって半径方向にそらされる。スクロール55は、軸方向圧縮ホイール47から部分的に圧縮されたガスを収集し、部分的に圧縮されたガスの流れをディフューザ57を通してガス出口45に向けて方向付ける。いくつかの実施形態では、図1に示すように、ディフューザ57は、第1の圧縮機ユニット31の効率を改善するために、羽根付きディフューザ57である。
【0028】
各圧縮機ユニット33、35及び37は、1つ以上の遠心圧縮機段を含む。図1の実施形態では、各遠心圧縮機ユニット33、35、37は、単一の遠心圧縮機インペラを有する単一の遠心圧縮機段を含む。圧縮機ユニット33、35、37のうちの1つ、いくつか、又は全てにおいて複数の遠心圧縮機段を有する可能性は除外されない。
【0029】
図1の実施形態では、第2、第3及び第4の圧縮機ユニット33、35、37は、互いに類似している。具体的には、第2の圧縮機ユニット33は、第1のピニオンシャフト15の第2の端部に片持ち式に取り付けられ、ガス入口65及びガス出口67を有するケーシング63内に回転可能に配置された単一の遠心インペラ61を備える遠心圧縮機ユニットである。羽根付きディフューザ69を遠心インペラ61とガス出口67との間に配置することができる。他の実施形態では、ディフューザ69は、羽根なしディフューザとすることができる。
【0030】
同様に、第3の圧縮機ユニット35は、第2のピニオンシャフト23の第1の端部に片持ち式に取り付けられ、ガス入口75及びガス出口77を有するケーシング73内に回転可能に配置された遠心インペラ61を備える遠心圧縮機ユニットである。羽根付き又は羽根なしディフューザ79は、遠心インペラ61とガス出口77との間に配置することができる。ガス入口75は、ライン41に沿った中間冷却器39と同様に中間冷却器をそれに沿って設けることができる接続ライン(図示せず)を介して第2の圧縮機ユニット33のガス出口67と流体結合される。
【0031】
第4の圧縮機ユニット37は、第2のピニオンシャフト23の第2の端部に片持ち式に取り付けられ、ガス入口85及びガス出口87を有するケーシング83内に回転可能に配置された遠心インペラ81を備える遠心圧縮機ユニットである。羽根付き又は羽根なしディフューザ89は、遠心インペラ81とガス出口87との間に配置することができる。ガス入口85は、第3の圧縮機ユニット35のガス出口77と流体結合される。第3の圧縮機ユニット35と第4の圧縮機ユニット37との間の接続ライン(図示せず)に沿って中間冷却器を設けることができる。
【0032】
したがって、圧縮機1は、最初に第1の軸方向圧縮機ユニット31に入るガス流を処理し、その後、第2、第3、及び第4の遠心圧縮機ユニット33、35、及び37において順番に更に圧縮するように構成される。圧縮機ユニット33の軸方向圧縮ホイール47及び遠心圧縮機インペラ61は、同じ回転速度で回転する。第3及び第4の圧縮機ユニット35及び37のインペラ71及び81は、同じ回転速度で回転し、この回転速度は、軸方向圧縮ホイール47及び遠心インペラ61の回転速度とは異なることが好ましい。
【0033】
いくつかの実施形態では、第2のピニオンシャフト23、遠心インペラ71、及び遠心インペラ81の回転速度は、第1のピニオンシャフト15、並びにそれにキー止めされた軸方向ホイール47及び遠心インペラ61の回転速度よりも高い。第1のピニオンシャフト15の回転速度と第2のピニオンシャフト23の回転速度との間の比は、ピニオン21の歯数とピニオン29の歯数との間の比によって与えられる。ブルギア5及びピニオン21、29を適切な歯数を有するように設計することによって、圧縮機1の所与の用途に最適な回転速度比を設定することができる。
【0034】
図2は、圧縮機1の動作方法を要約している。入口ガス流(ステップ100)は、まず軸方向圧縮機ユニット31内で圧縮され(ステップ101)、続いて第2の遠心圧縮機ユニット33内で更に圧縮される(ステップ103)。中間冷却ステップも102で示されている。第2の遠心圧縮機ユニット33からの部分的に圧縮されたガスは、更なる圧縮(ステップ105)のために第3の遠心圧縮機ユニット35に送達され、最後に、送達圧力への最終圧縮(ステップ107)のために第4の遠心圧縮機ユニット37に送達される。中間冷却ステップ104及び中間冷却ステップ106は、遠心圧縮機ユニット33における圧縮ステップと遠心圧縮機ユニット35における圧縮ステップとの間、及び/又は遠心圧縮機ユニット35における圧縮ステップと遠心圧縮機ユニット37における圧縮ステップとの間に予見することができる。
【0035】
軸方向圧縮機段31は、複流アーキテクチャ及び過度に大きいインペラサイズに頼ることなく、第1の圧縮ユニット内の最大流量を増加させるために、高マッハ軸方向ホイールを含むことができる。このようにして、設置面積が小さく、効率の高いコンパクトな圧縮機が得られる。
【0036】
今回開示された実施形態は一例である。図示されていない他の実施形態において、ギア一体型圧縮機は、2つ以上の軸方向圧縮機ユニットを含むことができる。例えば、第1のピニオンシャフトは、その第1の端部及び第2の端部の両方で軸方向圧縮機ユニットに駆動結合されてもよい。
【0037】
例示的な実施形態は、上記で開示され、添付の図面に示されている。以下の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に具体的に開示されているものに、様々な変更、省略、及び追加を行ってもよいことが、当業者には理解されるであろう。
図1
図2
【国際調査報告】