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特表2024-521586ヒューム採集および蓄積システム、方法ならびにチンキ剤に溶解する抽出物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-03
(54)【発明の名称】ヒューム採集および蓄積システム、方法ならびにチンキ剤に溶解する抽出物
(51)【国際特許分類】
   B01D 47/10 20060101AFI20240527BHJP
   A24B 15/167 20200101ALI20240527BHJP
   A24B 15/24 20060101ALI20240527BHJP
【FI】
B01D47/10 Z
A24B15/167
A24B15/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024513567
(86)(22)【出願日】2022-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-12-28
(86)【国際出願番号】 IL2022050514
(87)【国際公開番号】W WO2022234587
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】282894
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520146765
【氏名又は名称】フェファーバーグ,イラン
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フェファバーグ,イラン
【テーマコード(参考)】
4B043
4D032
【Fターム(参考)】
4B043BB16
4D032AC08
4D032AD01
4D032BA05
(57)【要約】
溶媒ヒューム混合物にキャビテーション効果を作用させるように構成された少なくとも1つの音波キャビテーション装置と、ヒュームの一部を燃焼温度で、別の部分を蒸発温度で生産するように構成された、ヒューム放出源材料を燃焼し、かつ/または気化するヒューム生成区画とを備える、チンキ剤に蓄積するために、ヒューム溶解採集および蓄積システムによって抽出されたヒューム抽出物。対応する方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒(「チンキ剤」)にヒュームを蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムによって前記溶媒に蓄積された、溶解したヒューム抽出物、または前記溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物、を含有するヒューム抽出物であって、
システムは、
(a)前記溶媒にヒュームを溶解かつ採集する少なくとも1つのヒューム溶解採集器であって、ヒューム溶解採集器は、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)にキャビテーション効果を作用させるように構成された少なくとも1つの音波キャビテーション装置を備え、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミスト、またはヒューム粒子を含有する、少なくとも1つのヒューム溶解採集器と、
(b)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器に供給される前記ヒュームを生産するために、ヒューム放出源材料(物質)を燃焼し、かつ/または気化するヒューム生成区画であって、ヒューム生成区画は、前記ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって前記yヒュームの一部を生産し、前記材料の蒸発温度への曝露によって前記ヒュームの別の部分を生産するように構成されたヒューム生成区画と、
を備えるヒューム抽出物。
【請求項2】
溶媒(「チンキ剤」)に溶解かつ蓄積された、溶解したヒューム抽出物、または前記溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物を使用するために、前記溶媒にヒュームを蓄積する、ヒューム溶解採集および蓄積システムであって、
システムは、
(a)前記溶媒にヒュームを溶解かつ採集する少なくとも1つのヒューム溶解採集器であって、ヒューム溶解採集器は、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)にキャビテーション効果を作用させるように構成された少なくとも1つの音波キャビテーション装置を備え、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミスト、またはヒューム粒子を含有する、少なくとも1つのヒューム溶解採集器と、
(b)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器に供給される前記ヒュームを生成するために、ヒューム放出源材料(物質)を燃焼し、かつ/または気化するヒューム生成区画であって、ヒューム生成区画は、前記ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって前記ヒュームの一部を生産し、前記材料の蒸発温度への曝露によって前記ヒュームの別の部分を生産するように構成されたヒューム生成区画と、
を備える、ヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項3】
閉ループ気体循環部をさらに備え、閉ループ気体循環部は、前記ヒュームを前記溶媒(「溶解したヒューム抽出物」)に溶解された溶質として蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された気体ヒューム混合物の残余を、圧力下で、(1)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器、(2)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および(3)ヒューム生成区画の、うちの少なくとも1つ内へ再循環させる、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項4】
前記ヒューム生成区画は、熱分解を回避するために、前記物質の断続的な燃焼または加熱を誘導するための断続的ヒューム生成誘導器を備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項5】
前記断続的ヒューム生成誘導器は、前記ヒューム生成区画内への、または前記ヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容するために、
a.空気ポンプもしくは通気器、
b.バルーン気化器、および、
c.弁
のうちの少なくとも1つを備える、請求項4に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項6】
前記断続的ヒューム生成誘導器は、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または、前記少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために、前記少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、前記断続的な加熱を繰り返すように動作する、請求項4に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項7】
前記溶解したヒューム抽出物からの前記溶媒の除去によって前記ヒューム抽出物濃縮物を蒸留する溶媒除去器をさらに備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項8】
前記溶媒除去器は、
a.減圧蒸発器、
b.回転式蒸発器、および、
c.遠心式蒸発器
のリストから選択される1つを備える、請求項7に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流で前記ヒュームの脂肪成分を採集する水タバコ気化器をさらに備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項10】
超音波エネルギーを、溶媒ヒューム混合物内へシステムの配管に沿って伝送する超音波伝送器をさらに備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は収束発散首部を備え、収束発散首部は、前記溶媒ヒューム混合物が前記収束発散首部を通して流されるときに、前記溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させる、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、亜音速キャビテーション装置を備える、請求項11に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、前記溶媒ヒューム混合物が前記首部を通して流されるときに、前記溶媒ヒューム混合物に超音速衝撃波を作用させるために動作する超音速キャビテーション装置を備える、請求項11に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、前記ヒュームの真空ポンピングのためにさらに動作する、請求項11に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、前記溶媒ヒューム混合物が流される流線に沿って直列に連続して配置された少なくとも2つの音波キャビテーション装置を備え、前記少なくとも2つの音波キャビテーション装置は、少なくとも1つの亜音速キャビテーション装置と、前記少なくとも1つの亜音速キャビテーション装置の下流に配設される少なくとも1つの超音速キャビテーション装置と、を備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、キャビテーション効果および超音速衝撃波を作用させるように収束発散首部が作動する単一の音波キャビテーション装置に、亜音速キャビテーションまたは超音速キャビテーションを生じさせるために動作する、請求項11に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、超音波エネルギーを前記溶媒ヒューム混合物内へ伝送する超音波伝送器を備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項18】
前記超音波伝送器は、前記溶媒のプールに配設され、前記溶媒ヒューム混合物は、前記プールの底部で放出されて、前記超音波伝送器の超音波エネルギーに曝されながらプールを通して上昇する気体状泡を生産する、請求項17に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項19】
前記プールに配設され、かつ前記気泡の前記超音波エネルギーへの曝露を延長するために、前記プールにおける前記気体状泡の上昇を遅らせるために動作する一連の水平穿孔板をさらに備え、前記溶媒ヒューム混合物は、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する、請求項18に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、前記溶媒ヒューム混合物が収束発散首部を通して流されるときに、前記溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させる前記収束発散首部を備え、前記少なくとも1つの超音波伝送器は、前記首部または前記首部の縮流部に、その近傍の下流に、またはそれから離れて下流に取り付けられる、請求項17に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、中間断面で収縮されて前記収束発散首部を形成する砂時計形状管を備え、前記管は、
(a)上流入口ローブであって、
(1)前記溶媒ヒューム混合物がヒューム源から入口圧力で流入され、かつ、
(2)霧サイズの液体溶媒液滴の噴射が吐出ノズルを通して噴霧される、
上流入口ローブと、
(b)出口圧力が前記入口圧力よりも低く、前記入口ローブと前記出口ローブとの間の圧力差を画定する下流出口ローブと、
(c)前記首部を備える収縮された中間断面と、
を備え、前記上流入口ローブは、前記首部に向かって入口円錐勾配で先細りになり、前記下流出口ローブは、前記首部に向かって出口円錐勾配で先細りになり、それによって、前記下流出口ローブでキャビテーション効果および/または衝撃波を誘導する、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項22】
(a)前記溶媒に溶解され、かつ前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって採集されたヒューム粒子を充填するために、溶媒プールを備える溶解したヒューム抽出物容器と、
(b)溶解を促進するための乱流ユニットであって、流れを遅くし、かつ渦および乱流を生成して、それによって溶解を促進するために気泡に圧力を作用させるように構成されたテスラ弁の抵抗方向に前記溶媒ヒューム混合物を通過させるために、前記溶解したヒューム抽出物容器内へ流れる直前に配設される前記テスラ弁を含む、乱流ユニットと、
をさらに備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項23】
溶媒(「チンキ剤」)にヒュームを蓄積するヒューム溶解採集および蓄積方法によって前記溶媒に蓄積された、溶解したヒューム抽出物、または前記溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物を含有するヒューム抽出物であって、前記方法は、
(a)ヒューム放出源材料を燃焼し、かつ/または気化することによって生成区画にヒュームを生成することであって、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含み、前記生成することは、前記ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって前記ヒュームの一部を生成し、前記ヒューム放出源材料の蒸発温度への曝露によって前記ヒュームの別の部分を生成することを含む、前記生成すること、および、
(b)液体溶媒と前記ヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)において、前記溶解ヒューム混合物に少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、キャビテーションを作用させることにより前記ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって前記ヒュームを採集することを含む、ヒューム抽出物。
【請求項24】
(1)前記溶解されたヒューム抽出物を含む消費用チンキ剤、(2)前記ヒューム抽出物濃縮物が配合された消費用チンキ剤、(3)消費材料、(4)医療目的の材料、(5)化粧品目的の材料、(6)娯楽目的の材料、(7)使用者体験の追加、(8)芳香、(9)香料、(10)香り、(11)蒸気吸引材料、(12)吸入材料、(13)喫煙材料、(14)飲料材料、(15)食用材料、(16)電子シガレット(e-シガレット)のe-リキッド、および、(17)局所適用のための材料、のうちの少なくとも1つの成分として使用される、請求項1または23に記載のヒューム抽出物。
【請求項25】
前記源材料は、(1)喫煙物質、(2)タバコ、および(3)大麻のうちの少なくとも1つを含む、請求項1または23に記載のヒューム抽出物。
【請求項26】
前記ヒューム抽出物濃縮物の最大30%は、ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって採集され、残余は、前記ヒューム放出源材料の蒸発温度への曝露によって採集される、請求項1または23に記載のヒューム抽出物。
【請求項27】
前記電子シガレットは、(1)喫煙材料/タバコ/大麻加熱システムを組み合わせる装置、(2)燃焼式ヒートスティック、または(3)非燃焼式ヒートスティックを含む、請求項24に記載のヒューム抽出物。
【請求項28】
ヒューム抽出物のヒューム抽出物濃縮物は、
(a)燃焼式シガレットに見られる有害および潜在的に有害な成分(HPHCs)、
(b)タバコまたは大麻加熱システムの煙および蒸気に見られるHPHCs、
(c)発がん性化学物質、
(d)遺伝毒性化学物質、および、
(e)細胞毒性化学物質
のうちの少なくとも1つを、燃焼式シガレット、またはタバコもしくは大麻加熱システムの煙および蒸気に見られるレベルの10%より下の低レベルで含有する、請求項1または23に記載のヒューム抽出物。
【請求項29】
液体溶媒(「チンキ剤」)におけるヒュームの溶解、および溶解したヒュームを溶解したヒューム抽出物として、または前記溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物として蓄積することによる、ヒューム採集および蓄積方法であって、
(a)ヒューム放出源材料を燃焼し、かつ/または気化することによって生成区画にヒュームを生成する手順であって、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含有し、前記生成する手順は、前記ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって前記ヒュームの一部を生成し、かつ、前記ヒューム放出源材料の蒸発温度への曝露によって前記ヒュームの別の部分を生成することを備える、生成する手順と、
(b)液体溶媒と前記ヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)において、前記溶解ヒューム混合物に少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、キャビテーションを作用させることにより前記ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって前記ヒュームを採集する手順と、
を含む、ヒューム採集および蓄積方法。
【請求項30】
気体ヒューム混合物を圧力下で閉ループ気体循環部に再循環させる手順をさらに含み、前記気体ヒューム混合物は、前記溶媒に溶解した溶質(「溶解したヒューム抽出物」)として前記ヒュームを蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された残余であり、前記循環部は、(1)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器、(2)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および(3)ヒューム生成区画、のうちの少なくとも1つ内へ前記気体ヒューム混合物を再循環させるために動作する配管および再循環送風器を備える、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項31】
前記生成する手順は、断続的ヒューム生成誘導器によって、前記物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避することを含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項32】
断続的な燃焼または加熱を誘導する前記手順は、
(a)空気ポンプもしくは通気器、
(b)バルーン気化器、および、
(c)弁
のうちの少なくとも1つによって前記ヒューム生成区画内への、または前記ヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容することを含む、請求項31に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項33】
断続的な燃焼または加熱を誘導する前記手順は、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または前記少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために前記少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、前記断続的な加熱を繰り返すことを含む、請求項31に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項34】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置の収束発散首部を通して前記溶媒ヒューム混合物を流すことを含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項35】
キャビテーションを作用させる前記手順は、亜音速キャビテーションを作用させることを含み、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、亜音速キャビテーション装置を備える、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項36】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記溶媒ヒューム混合物に超音速衝撃波を作用させることを含み、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、超音速キャビテーション装置を備える、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項37】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置による前記ヒュームの真空ポンピングの手順をさらに含む、請求項34に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流で、水タバコ気化器によって、生成されたヒュームの脂肪成分を採集することをさらに含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項39】
超音波伝送器によって、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へシステムの配管に沿って伝送することをさらに含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項40】
前記溶解したヒューム抽出物から前記溶媒を除去することによってヒューム抽出物濃縮物を蒸留することをさらに含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項41】
蒸留する前記手順は、
a.減圧蒸発器、
b.回転式蒸発器、および、
c.遠心式蒸発器
のうちの少なくとも1つによって、前記溶解したヒューム抽出物から前記溶媒を蒸発させることを含む、請求項40に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項42】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記溶媒ヒューム混合物を、流線に沿って直列に連続して配置された少なくとも2つの音波キャビテーション装置に通すことを含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項43】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記溶媒ヒューム混合物に、上流亜音速キャビテーション装置における亜音速キャビテーションおよび下流超音速キャビテーション装置における超音速衝撃波を作用させることを含む、請求項42に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項44】
キャビテーションを作用させる前記手順は、キャビテーション効果および超音速衝撃波を作用させるように収束発散首部が作動する単一の音波キャビテーション装置に亜音速もしくは超音速キャビテーションおよび超音速衝撃波を前記作用させることを含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項45】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置の超音波伝送器によって、超音波エネルギーを前記溶媒ヒューム混合物内へ伝送することによって超音波キャビテーションを作用させることを含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項46】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置の収束発散首部を通して前記溶媒ヒューム混合物を流すことを含み、超音波キャビテーションを作用させる前記手順は、前記首部または前記首部の縮流部に、またはその近傍の下流で、またはそこから離れて下流に取り付けられ、かつ動作する前記超音波伝送器によって前記流すことに加えて行われる、請求項45に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項47】
超音波キャビテーションを作用させる前記手順は、溶媒プールの底部で前記溶媒ヒューム混合物を放出して、前記プールを通して上昇する気体状泡を生成し、超音波エネルギーを、前記プールに配設された前記超音波伝送器によって前記気体状泡に伝送することを含む、請求項45に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項48】
前記放出することは、前記プールに配設され、かつ前記超音波エネルギーへの前記気泡の曝露を延長するために動作する一連の水平穿孔板によって、前記プールにおける前記気体状泡の上昇を遅くすることを含み、前記溶媒ヒューム混合物は、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する、請求項47に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項49】
(a)溶媒プールを備える溶解したヒューム抽出物容器に、液体溶媒に溶解され、かつ前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって採集されたヒューム粒子を充填することと、
(b)前記溶媒容器内へ流れる直前に、流れを遅くし、かつ渦および乱流を作成して、それによって溶解を促進するために気泡に圧力を作用させるように構成された、テスラ弁を備える乱流ユニットの抵抗方向に前記溶媒ヒューム混合物を通過させることによって溶解を促進することと、
をさらに含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項50】
(a)エタノール、
(b)アセトニトリル、
(c)プロピレングリコール、
(d)グリセロール、
(e)水、
(f)メタノール、
(g)有機溶媒、および、
(h)上記のいずれかの任意の組合せ
からなるリストから選択される少なくとも1つを含有する、請求項1、2、23または29に記載の溶媒。
【請求項51】
ヒュームを液体溶媒(「チンキ剤」)に溶解かつ収集するヒューム溶解採集器であって、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)にキャビテーション効果を作用させるように構成された少なくとも1つの音波キャビテーション装置を備え、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミスト、ヒューム粒子を含有する、ヒューム溶解採集器。
【請求項52】
ヒュームを溶媒(「チンキ剤」)に蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムであって、ヒュームを液体溶媒に溶解かつ採集する少なくとも1つのヒューム溶解採集器を備え、ヒューム溶解採集器は、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)にキャビテーション効果を作用させるように構成された少なくとも1つの音波キャビテーション装置を備え、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミスト、またはヒューム粒子を備え、
システムは、
前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流で前記ヒュームの脂肪成分を採集する水タバコ気化器、
前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって、液体溶媒に溶解され、かつ採集されたヒューム粒子を充填する、チンキ剤プールを備えるチンキ剤容器、
超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へシステムの配管に沿って伝送する超音波伝送器、および、
溶解を促進する乱流ユニットであって、流れを遅くし、かつ渦および乱流を作成して、それによって溶解を促進するために気泡に圧力を作用させるように構成されたテスラ弁の抵抗方向に前記溶媒ヒューム混合物を通過させるために、前記チンキ剤容器内へ流れる直前に配設される前記テスラ弁を含む、溶解を促進する乱流ユニット
のうちの少なくとも1つをさらに備える、ヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項53】
液体溶媒における溶解によるヒューム採集方法であって、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)において、前記溶媒ヒューム混合物に少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、キャビテーションを作用させる手順を含み、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含有する、液体溶媒における溶解によるヒューム採集方法。
【請求項54】
ヒューム採集および蓄積方法であって、
(a)物質を燃焼し、かつ/または気化することによって生成区画にヒュームを生成する手順であって、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含有し、前記生成する手順は、断続的ヒューム生成誘導器によって前記物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避することを含む、生成する手順、および、
(b)前記ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって前記ヒュームを採集する手順、
を含む、ヒューム採集および蓄積方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チンキ剤中にヒューム、蒸気、煙などを蓄積するための装置、システムおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、チンキ剤および類似の調製物を調製するために溶媒におけるヒュームの溶解を刺激かつ促進することによってヒュームを採集するための装置、システムおよび方法に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
開示された技術によれば、溶媒にヒュームを蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムによって溶媒(「チンキ剤」)に蓄積された、溶解したヒューム抽出物、または溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物を含むヒューム抽出物が提供される。このシステムは、ヒュームを液体溶媒に溶解かつ採集するヒューム溶解採集器を含み、ヒューム溶解採集器は、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)にキャビテーション効果を作用させるように構成された少なくとも1つの音波キャビテーション装置を有し、ヒュームは、気体、および気体に懸濁した煙、蒸気、ミストおよび/またはヒューム粒子を含む。溶媒は、エタノール、アセトニトリル、プロピレングリコール、グリセロール、水、メタノール、有機溶媒、および/または上記のいずれかの任意の組合せであってもよい。本システムは、少なくとも1つのヒューム溶解採集器に供給される上記ヒュームを生産するためにヒューム放出源材料(物質)を燃焼し、かつ/または気化するヒューム生成区画をさらに含み、ヒューム生成区画は、ヒュームの一部を、ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって、ヒュームの別の部分を材料の蒸発温度への曝露によって生産するように構成される。
【0003】
音波キャビテーション装置は、収束発散首部を備えてもよく、収束発散首部は、首部を通して流されるときに溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させる、ベンチュリなどの亜音速キャビテーション装置である。
【0004】
または、滑らかな、もしくはチョークした流れに対して、衝撃波で、もしくは衝撃波の下流で液体に高い分散力を作用させる(例えば、P=0.4...0.35Paのサマーフィールド基準を満たすことによって自由衝撃分離を誘導するように構成された、過度に拡張されたノズルを有する)超音速衝撃波を作用させるために動作し、ヒュームを真空ポンプで送るためにさらに動作し得るラバールノズルなどの超音速キャビテーション装置である。少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、少なくとも2つの音波キャビテーション装置を含んでもよく、音波キャビテーション装置は、流線に沿って直列に連続して配置された、亜音速キャビテーション装置およびその下流に配設された超音速キャビテーション装置などの、または、キャビテーション効果および超音速衝撃波を作用させるように収束発散首部が作動する単一の音波キャビテーション装置に、亜音速キャビテーションまたは超音速キャビテーションを作用させる。
【0005】
少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へ伝送する超音波伝送器を含んでもよく、超音波伝送器は、0.7~5MHzの周波数範囲、および0.3~50ワット/Cmの強度範囲で動作するように構成されてもよい。超音波伝送器は、溶媒のプールに配設され、溶媒ヒューム混合物はプールの底部で放出されて、超音波伝送器の超音波エネルギーにさらされながら、プールを通って上昇する気体状泡を生産し、一連の水平穿孔板が、気泡の超音波エネルギーへの曝露を延長するために、プールにおける気体状泡の上昇を遅らせるようにプールに配設されてもよく、溶媒ヒューム混合物は、少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する。少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、首部を通して流されるときに溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させる収束発散首部を含むことができ、ここで、少なくとも1つの超音波伝送器は、首部もしくは首部の縮流部に、その近傍の下流に、またはそれから離れて下流に取り付けられる。
【0006】
収束発散首部は、砂時計形状管によって形成されてもよく、砂時計形状管は、溶媒ヒューム混合物がヒューム源から入口圧力で流され、かつ霧サイズの液体溶媒液滴の噴射が吐出ノズルを介して噴霧される上流入口ローブと、出口圧力が入口圧力よりも低い下流出口ローブとの間の中間断面で収縮されて、入口ローブと出口ローブとの間の圧力差を画定する、ここで、上流入口ローブは、首部に向かって入口円錐勾配で先細りになり、下流出口ローブは、首部に向かって出口円錐勾配で先細りになり、それによって、下流出口ローブにキャビテーション効果および/または衝撃波を誘導する。収縮された中間断面は、入口円錐勾配が出口円錐勾配とは異なる(例えば、上記下流出口ローブでの衝撃波の誘導を容易にするために、より大きく)非対称であってもよく、入口円錐勾配は30度、もしくは5~40度の範囲で急峻であり、出口円錐勾配は5度、もしくは3~20度の範囲で適度であるベンチュリ管を備えてもよく、または、出口円錐勾配は入口円錐よりも大きく、例えば、5~40度の範囲で急峻であるのに対し、入口円錐勾配は(下流出口ローブでの衝撃波の誘導を容易にするために)3~20度の範囲で適度であるラバールノズルを備えてもよい。下流入口ローブは、収縮された中間断面に下流で接続され、そこからヒュームの流動の流れが流される上流ヒューム入口を有するL字形状チャンバを含んでもよく、ここで、液体溶媒噴霧は、流動の流れによって噴霧を一掃して押し流すために、収縮された中間断面に面する中間箇所の吐出口を介して噴霧される。
【0007】
本発明のさらなる態様によれば、溶媒にヒュームを蓄積するためのヒューム溶解採集および蓄積システムが提供され、液体溶媒への溶解によってヒュームを採集する少なくとも1つのヒューム溶解採集器と、少なくとも1つのヒューム溶解採集器に供給されるヒュームを生産するために物質を燃焼し、かつ/または気化するヒューム生成区画とを含み、ここで、ヒューム生成区画は、物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避する断続的ヒューム生成誘導器を含む。ヒューム生成区画は、燃焼に空気を供給する任意選択の通気器を含んでもよい。断続的ヒューム生成誘導器は、ヒューム生成区画内への、またはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容するために、(通気器を備えることができる)空気ポンプ、バルーン気化器、および/もしくは弁、または断続的な燃焼もしくは加熱を制御するために動作する制御器を含んでもよい。断続的ヒューム生成誘導器は、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または上記少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために上記少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、断続的な加熱を繰り返すように動作してもよい。
【0008】
本発明の或る実施形態は、溶媒にヒュームを蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムを開示し、これは、液体溶媒における溶解によってヒュームを採集する少なくとも1つのヒューム溶解採集器、ヒュームを溶媒に溶解された溶質として蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された気体ヒューム混合物の残余を圧力下で少なくとも1つのヒューム溶解採集器内へ再循環させる閉ループ気体循環部(例えば、配管および再循環送風器を含む)、少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および/またはヒューム生成区画を含む。
【0009】
本発明の或る実施形態は、液体溶媒における溶解によってヒュームを採集する少なくとも1つのヒューム溶解採集器と、以下のもののうちの少なくとも1つと、を含む、ヒュームを蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムを開示する。少なくとも1つのヒューム溶解採集器に供給されるヒュームを生産するために物質を燃焼し、かつ/または気化するヒューム生成区画、燃焼し、かつ/または気化することをヒューム生成区画に誘導する気化、燃焼、および/または加熱手段、ヒューム生成区画における燃焼に酸素を供給する通気器、新鮮なヒュームをヒューム生成区画から少なくとも1つのヒューム溶解採集器内へ搬送するヒューム搬送管路、搬送管路を通してヒュームを引き出すヒューム送風器、少なくとも1つのヒューム溶解採集器に入る前に液体溶媒におけるヒュームの溶解を促進する予備混合チャンバ、少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって液体溶媒に溶解されかつ採集されたヒューム粒子が充填された、チンキ剤プールを備えるチンキ剤容器、液体溶媒プール、少なくとも1つのヒューム蓄積器への溶媒の供給、および/または導管残渣の収集かつ洗浄のための溶媒貯留槽、ヒューム溶媒混合物を少なくとも1つのヒューム溶解採集器からチンキ剤容器へ伝導する配管、チンキ剤容器内へ流れる前に少なくとも1つのヒューム溶解採集器の下流で、加熱された溶媒ヒューム混合物を冷却する溶媒ヒューム冷却器、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へシステムの配管に沿って伝送する超音波伝送器、溶解を促進する乱流ユニットであって、溶媒ヒューム混合物をその抵抗方向に通過させて流れを遅くし、かつ渦および乱流を作り、それによって気泡に圧力を作用させるために、チンキ剤容器内へ流れる直前に配設されたテスラ弁を備える、乱流ユニット、超音波伝送器であって、上記溶媒のプールに配設され、上記溶媒ヒューム混合物が上記プールの底部で放出されて、上記超音波伝送器の超音波エネルギーに曝されながらプールを通して上昇する気体状泡を生産する超音波伝送器、一連の水平穿孔板であって、水平穿孔板は、上記プールに配設され、かつ上記気泡の上記超音波エネルギーへの曝露を延長するために、上記プールにおける上記気体状泡の上昇を遅らせるために動作し、ここで上記溶媒ヒューム混合物は、上記少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する水平穿孔板、容器沈殿分離器であって、液体溶媒が、少なくとも1つのヒューム溶解採集器から容器に到達すると、または溶媒プールから発出すると、液体溶媒から気体およびヒュームを分離する容器沈殿分離器、ヒューム容器の下流で液体溶媒から冷却された気体ヒューム混合物を分離するサイクロン分離器、サイクロン分離器の下流でサイクロン分離後の溶媒残余を凝縮する溶媒凝縮器、液状化物質(溶媒および溶質)を容器沈殿分離器、サイクロン分離器、および/または凝縮器からプールへ伝導する庇、液体溶媒またはチンキ剤をプールまたは溶媒貯留槽から少なくとも1つのヒューム溶解採集器または予備混合チャンバに給送し、配管および溶媒引出器を含む溶媒循環部、ヒューム溶解採集器システムの配管および導管を液体溶媒で洗い、導管の側面に付着したヒューム残渣を放出し、かつ液体溶媒を放出されたヒュームとともに導管を通してプールに循環させるために作動する内部導管残渣収集洗浄機構、熱分解を回避するために、ヒューム生成区画に物質の断続的な燃焼または加熱を誘導する断続的ヒューム生成誘導器、空気ポンプ/通気器とバルーン気化器とヒューム生成区画内へのまたはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容する断続的ヒューム生成誘導器の弁とのうちの少なくとも1つ、断続的な燃焼または加熱を制御するために動作する断続的ヒューム生成誘導器の制御器、断続的ヒューム生成誘導器であって、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、断続的な加熱を繰り返すように構成される上記断続的ヒューム生成誘導器、閉ループ気体循環部であって、容器の下流で液体溶媒から分離された気体ヒューム混合物の残余を圧力下で、少なくとも1つのヒューム溶解採集器と、少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバと、ヒューム生成区画と、のうちの少なくとも1つ内へ再循環させるために配管および再循環送風器を含む閉ループ気体循環部、溶媒除去器であって、減圧蒸発器、回転式蒸発器、および遠心式蒸発器などの蒸発器を備えてもよく、上記溶解したヒューム抽出物からの上記溶媒の除去により上記ヒューム抽出物濃縮物を蒸留する溶媒除去器、およびシステム構成要素の動作を制御し、かつ、動作時間、処理される物質の総重量、工程前後の溶媒重量、ヒューム生成区画での事前設定温度、液体圧力、空気/気体圧力、真空圧力、灰の重量、ヒュームの吸収レベルを示す溶媒の濁度、溶解成分の定性的または定量的測定のための光学手段、ならびに、蒸発もしくは燃焼熱を監視かつ制御する少なくとも1つの温度センサなどのシステムパラメータを設定かつ制御する制御器。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、溶媒にヒュームを蓄積するヒューム溶解採集および蓄積方法によって溶媒(「チンキ剤」)に蓄積された、溶解したヒューム抽出物、または上記溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物を含むヒューム抽出物が提供される。本方法は、ヒューム放出源材料を燃焼し、かつ/または気化することによって生成区画にヒュームを生成する手順を含み、上記ヒュームは、気体、および上記気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含有し、上記生成する手順は、上記ヒュームの一部を上記ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって、上記ヒュームの別の部分を上記ヒューム放出源材料の蒸発温度への曝露によって生成することを含む。本方法は、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)において、上記溶媒ヒューム混合物に少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、キャビテーションを作用させてヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によってヒュームを採集する手順をさらに含む。キャビテーションを作用させることは、少なくとも1つの音波キャビテーション装置の収束発散首部を通して溶媒ヒューム混合物を流して亜音速キャビテーションを作用させ、少なくとも1つの音波キャビテーション装置は亜音速キャビテーション装置を含み、かつ/または溶媒ヒューム混合物に超音速衝撃波を作用させることを含んでもよく、少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、超音速キャビテーション装置を含む。本方法は、ベンチュリを備えてもよい少なくとも1つの音波キャビテーション装置によってヒュームを真空ポンプで送ることをさらに含んでもよい。流すことは、ベンチュリ管を通る滑らかなもしくはチョークした流動を含んでもよい。超音速キャビテーション装置は、ラバールノズルを含んでもよく、超音速衝撃波を作用させることは、ラバールノズルの過度に拡張された管首部に、P=0.4...0.35Paのサマーフィールド基準を満たすことによって、自由衝撃分離を誘導することを含んでもよい。
【0011】
キャビテーションを作用させることは、溶媒ヒューム混合物を、流線に沿って直列に連続して配置された少なくとも2つの音波キャビテーション装置にかけ、かつ上流亜音速キャビテーション装置における亜音速キャビテーション、および下流超音速キャビテーション装置における超音速衝撃波を作用させることによるなどを含むことができる。キャビテーションを作用させることは、キャビテーション効果および超音速衝撃波を作用させるように収束発散首部が動作する単一の音波キャビテーション装置に、亜音速もしくは超音速のキャビテーション、および超音速の衝撃波を生じさせることを含んでもよい。
【0012】
キャビテーションを作用させることは、0.7~5MHzの周波数範囲で、0.3~20ワット/Cmの強度範囲で超音波エネルギーを印加することなどによって、少なくとも1つの音波キャビテーション装置の超音波伝送器によって溶媒ヒューム混合物内へ超音波エネルギーを伝送することによって超音波キャビテーションを作用させることを含んでもよい。キャビテーションを作用させることは、少なくとも1つの音波キャビテーション装置の収束発散首部を通して溶媒ヒューム混合物を流すことを含んでもよく、ここで、超音波キャビテーションを作用させることは、首部または首部の縮流部に、またはその近傍の下流で、またはそこから離れて下流に取り付けられ、かつ動作する超音波伝送器によって、流すことに加えて行われる。超音波キャビテーションを作用させることは、溶媒プールの底部で溶媒ヒューム混合物を放出して、プールを通して上昇する気体状泡を生産し、気体状泡のプールに配設された超音波伝送器によって超音波エネルギーを気体状泡に伝送することを含んでもよい。放出することは、プールに配設され、かつ超音波エネルギーへの気泡の曝露を延長するために動作する一連の水平穿孔板によって、プールにおける気体状泡の上昇を遅くすることを含んでもよく、溶媒ヒューム混合物は、少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する。
【0013】
本発明のさらなる態様によれば、物質を燃焼し、かつ/または気化することによって生成区画にヒュームを生成することを含む、ヒューム採集および蓄積方法が提供され、ここで、ヒュームは、気体、および気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含み、ここで、生成することは、断続的ヒューム生成誘導器によって物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避し、ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によってヒュームを採集することを含む。断続的な燃焼または加熱を誘導することは、空気ポンプもしくは通気器、バルーン気化器、および/または弁によってヒューム生成区画内へまたはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容することと、または制御器による断続的な燃焼もしくは加熱を制御することと、を含んでもよい。断続的な燃焼または加熱を誘導することは、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために、少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、断続的な加熱を繰り返すことを含んでもよい。
【0014】
本発明のさらなる態様によれば、ヒュームの採集および蓄積方法が提供され、本方法は、ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によってヒュームを採集し、ここで、ヒュームは、気体、および気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含み、気体ヒューム混合物を圧力下で閉ループ気体循環部に再循環させることを含み、ここで、気体ヒューム混合物は、ヒュームを溶媒に溶解された溶質として蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された残余であり、ここで、循環は、気体ヒューム混合物を、(1)少なくとも1つのヒューム溶解採集器、(2)少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および(3)ヒューム生成区画、のうちの少なくとも1つ内へ再循環させるために動作する配管および再循環送風器を含む。
【0015】
開示された本発明の或る実施形態では、ヒューム採集および蓄積方法は、物質を燃焼し、かつ/または気化することによって生成区画にヒュームを生成し、生成したヒュームを少なくとも1つのヒューム溶解採集器に提供し、液体溶媒における溶解によって少なくとも1つのヒューム溶解採集器によりヒュームを採集することを含み、溶媒ヒューム混合物に少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させる手順を含み、かつ、以下のいずれかを含む。気化、燃焼、および/または加熱手段で物質の燃焼し、かつ/または気化を誘導することを含む、生成すること、通気器での通気により燃焼に酸素を供給することを含む、生成すること、新鮮なヒュームをヒューム生成区画からヒューム搬送導管を介して少なくとも1つのヒューム溶解採集器内へ搬送することを含む、生成したヒュームを提供すること、ヒュームをヒューム送風器によってヒューム搬送導管を通して引き込むことを含む、新鮮なヒュームを搬送すること、少なくとも1つのヒューム溶解採集器に入る前に、予備混合チャンバにおいてヒュームと液体溶媒とを混合して溶媒ヒューム混合物にすることによって、液体溶媒におけるヒュームの溶解を促進すること、チンキ剤プールを備えるチンキ剤容器に、液体溶媒に溶解され、かつ少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって採集されたヒューム粒子を充填すること、溶媒を溶媒貯留槽から(1)液体溶媒プール、(2)少なくとも1つのヒューム蓄積器、および(3)導管残渣収集および洗浄用の少なくとも1つに供給すること、ヒューム溶媒混合物を少なくとも1つのヒューム溶解採集器からチンキ剤容器に配管により伝導すること、チンキ剤容器内へ流れる前に、少なくとも1つのヒューム溶解採集器の下流に配設された溶媒ヒューム冷却器によって、加熱された溶媒ヒューム混合物を冷却すること、超音波伝送器によって、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へシステムの配管に沿って伝送すること、チンキ剤容器内へ流れる直前にテスラ弁を備え、流れを遅くし、かつ渦および乱流を作成するように構成され、それによって、溶解を促進するために気泡に圧力を作用させる乱流ユニットの抵抗方向に溶媒ヒューム混合物を通過させることによって溶解を促進すること、溶媒プールの底部で上記溶媒ヒューム混合物を放出して上記プールを通って上昇する気体状泡を生産し、上記気体状泡の上記プールに配設された超音波伝送器によって上記気体状泡へ超音波エネルギーを伝送すること、上記プールに配設され、かつ上記気泡の上記超音波エネルギーへの曝露を延長するために動作する一連の水平穿孔板によって上記プールにおいて上記気体状泡の上昇を遅くし、ここで上記溶媒ヒューム混合物は上記少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する、少なくとも1つのヒューム溶解採集器から容器に到達すると、または溶媒プールから発出すると、容器沈殿分離器によって液体溶媒から気体およびヒュームを分離すること、ヒューム容器の下流に配設されたサイクロン分離器によって液体溶媒から冷却された気体ヒューム混合物を分離するため、サイクロン分離器の下流に配設された溶媒凝縮器によって、サイクロン分離後の溶媒残余を凝縮すること、容器沈殿分離器、サイクロン分離器、および/または凝縮器に対して/から液体を搬送する庇によって、液状化物質(溶媒および溶質)をプールに伝導すること、液体溶媒またはチンキ剤をプールまたは溶媒貯留槽から少なくとも1つのヒューム溶解採集器または予備混合チャンバに給送し、配管および溶媒引出器を含む溶媒循環、導管の側面に付着したヒューム残渣を放出し、かつ液体溶媒を放出されたヒュームとともに導管を通してプールに循環させるために作動する、内部導管残渣収集洗浄機構によって、ヒューム溶解採集器システムの配管および導管を液体溶媒で洗浄すること、断続的ヒューム生成誘導器によって物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避すること、空気ポンプもしくは通気器、バルーン気化器、および/または弁によるヒューム生成区画内への、またはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容することを含む、断続的な燃焼または加熱を誘導すること、制御器によって断続的な燃焼または加熱を制御することを含む、段続的な燃焼または加熱を誘導すること、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、断続的な加熱を繰り返すことを含む、断続的な燃焼または加熱を誘導すること、気体ヒューム混合物を圧力下で閉ループ気体循環部に再循環させること、ここで、気体ヒューム混合物は、溶媒に溶解された溶質としてのヒュームを蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された残余であり、ここで、循環部は、気体ヒューム混合物を少なくとも1つのヒューム溶解採集器内へ再循環させるために動作する配管および再循環送風器、少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および/またはヒューム生成区画を含み、減圧蒸発器、回転式蒸発器、または遠心式蒸発器によって蒸発させることを含んでもよい、溶解したヒューム抽出物から溶媒を除去することによってヒューム抽出物濃縮物を蒸留すること、そして制御器によって、システム構成要素の動作を制御し、かつ、動作時間、処理される物質の総重量、工程前後の溶媒重量、ヒューム生成区画での事前設定温度、液体圧力、空気/気体圧力、真空圧力、灰の重量、ヒュームの吸収レベルを示す溶媒の濁度、溶解された成分の定性的もしくは定量的測定のための光学的手段、および/または蒸発もしくは燃焼熱を監視かつ制御する少なくとも1つの温度センサなどのシステムパラメータを設定かつ制御すること。
【0016】
本発明の或る態様によれば、本発明によって採集されたヒューム抽出物またはチンキ剤は、(1)溶解したヒューム抽出物を含む消費用チンキ剤、(2)上記ヒューム抽出物濃縮物が配合された消費用チンキ剤、(3)消費材料、(4)医療目的の材料、(5)化粧品目的の材料、(6)娯楽目的の材料、(7)使用者体験の追加、(8)芳香、(9)香料、(10)香り、(11)蒸気吸引材料、(12)吸入材料、(13)喫煙材料、(14)飲料材料、(15)食用材料、(16)電子シガレット(e-シガレット)のe-リキッド、および(17)局所適用のための材料の構成成分として使用できる。ヒュームの一部は、ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって採集されてもよく、ヒュームの別の部分は、材料の蒸発温度への曝露によって採集される。源材料は、喫煙物質、タバコ、および/または大麻であってもよい。電子シガレットによるe-リキッドでの消費では、好ましくはヒューム抽出物濃縮物の最大30%が、ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって採集されてもよく、残余は、材料の蒸発温度への曝露によって採集される。電子シガレットは、燃焼式または非燃焼式のヒートスティックなどの、喫煙材料/タバコ/大麻加熱システムを組み合わせる装置であってもよい。
【0017】
本発明によって製造されたヒューム/チンキ剤は、燃焼式シガレットに見られる有害および潜在的に有害な成分(HPHCs:Harmful and Potentially Harmful Constituents)、タバコまたは大麻加熱システムの煙および蒸気に見られるHPHCs、発がん性化学物質、遺伝毒性化学物質、および/または細胞毒性化学物質を特に低レベルに含有できる。低レベルは、燃焼式シガレット、またはタバコもしくは大麻加熱システムの煙および蒸気に見られるレベルの10%より下であってもよい。
【0018】
開示された技術は、以下の図面と関連されて以下の詳細な説明から、より完全に理解かつ認識される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】亜音速、超音速、および超音波抑制によって溶媒におけるヒューム溶解を刺激かつ促進するための複合音波ヒューム溶解採集器を備える、本発明によって構築され、かつ作動する実施形態を描く図である。
図2】それぞれが超音波抑制と組み合わされた、別個の亜音速および超音速の収縮によって溶媒におけるヒューム溶解を刺激かつ促進する音波ヒューム溶解採集器を備える、本発明によって構築され、かつ作動する別の実施形態を描く図である。
図3】亜音速/超音速収縮、および別個の超音波抑制によって溶媒におけるヒューム溶解を刺激かつ促進する音波ヒューム溶解採集器を備える、本発明によって構築され、かつ作動する別の実施形態を描く図である。
図4A図4A図4E図3の実施形態の断面の順次拡大部分図であり、図4Aは、図3の音波ヒューム溶解装置の亜音速キャビテーション装置の拡大図である。
図4B図3の音波ヒューム溶解採集器の亜音速キャビテーション装置から超音波伝送器まで延びる断面の拡大図である。
図4C図3の音波ヒューム溶解採集器の超音波伝送器から亜音速/超音速キャビテーション装置まで延びる断面の拡大図である。
図4D図3の音波ヒューム溶解採集器の亜音速/超音速キャビテーション装置303の拡大図である。
図4E図3の音波ヒューム溶解採集器の亜音速/超音速キャビテーション装置から超音波伝送器まで延びる断面の拡大図である。
図5】本発明により構築され、かつ作動する、符号400で示されるヒューム溶解および蓄積システムを示し、このシステムが、図1図2、または図3による音波ヒューム溶解採集器を含む図である。
図6A図5のシステムと併せて、加熱された物質の、時間の関数としての或る加熱パターンの概略図である。
図6B図5のシステムと併せて、加熱された物質の、時間の関数としての或る加熱パターンの概略図である。
図6C図5のシステムと併せて、加熱された物質の、時間の関数としての或る加熱パターンの概略図である。
図6D図5のシステムと併せて、加熱された物質の、時間の関数としての或る加熱パターンの概略図である。
図6E図5のシステムと併せて、加熱された物質の、時間の関数としての或る加熱パターンの概略図である。
図6F図5のシステムと併せて、加熱された物質の、時間の関数としての或る加熱パターンの概略図である。
図7図1図2または図3による音波ヒューム溶解採集器を含む、本発明によって構築され、かつ作動するヒューム溶解および蓄積システムの変形例を示し、溶媒プールに配設された超音波伝送器を備える本発明によって構築され、かつ作動する閉ループシステムを示す図である。
図8】別個のストーブが再循環された乾燥気体を加熱する間、気化される物質が置かれる加熱チャンバを備える、本発明によって構築され、かつ作動する閉ループシステムを示す図である。
図9】燃焼することが酸素富化オーブンで行われる、本発明によって構築され、かつ作動する閉ループシステムを示す図である。
図10A】バルーン気化器を採用する、本発明によって構築され、かつ作動する閉ループシステムを示す図である。
図10B】水タバコ気化器を採用する、本発明によって構築され、かつ作動する閉ループシステムを示す図である。
図11】亜音速、超音速、および超音波の抑制によって溶媒においてヒューム溶解を刺激かつ促進するために本発明によって作動するヒューム溶解方法のブロック図である。
図12】亜音速、超音速、および超音波の抑制によって溶媒においてヒューム溶解を刺激かつ促進するために本発明によって作動するヒューム溶解および蓄積方法のブロック図である。
図13】亜音速、超音速、および超音波の抑制によって溶媒においてヒューム溶解を刺激かつ促進するために本発明によって作動する、さらに別のヒューム溶解および蓄積方法のブロック図である。
図14A】亜音速、超音速、および超音波の抑制によって、溶媒においてヒューム溶解を刺激かつ促進するために本発明によって作動する、さらなるヒューム溶解および蓄積方法のブロック図を示す。
図14B】亜音速、超音速、および超音波の抑制によって、溶媒においてヒューム溶解を刺激かつ促進するために本発明によって作動する、さらなるヒューム溶解および蓄積方法のブロック図を示す。
図15】従来のヒートスティックエアロゾルおよび燃焼式シガレットと比較した「本発明チンキ剤エアロゾル」からのHPHC推定収率を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的は、医療もしくは娯楽用であるかを問わず、あるいはさらなる処理もしくは他の化学的目的(例えば、直接消費のための、もしくは材料抽出のための粗原料としての錠剤、カプセル、その他の包装形態の調製、別の化合物への包含など)に適した固体形態でヒュームを採集、蓄積かつ/または収集する手段としてチンキ剤および類似の調製物を作成するように、しばしば溶媒と称される液体においてヒューム、蒸気、煙、ミスト、または気体(これら全てを本明細書では、便宜上「ヒューム」と総称する)を効果的に採集する装置、システムおよび方法を提供することである。溶媒は、溶解したヒュームの沸騰温度よりも低い温度で選択されてもよく、揮発性溶媒の蒸発を容易にし、ヒューム残渣(液体または固体)を残す。本発明の別の目的は、そのようなシステムの配管および導管を相対的に残渣のない状態に保ちながら、それらの洗浄要件を低減するために、ヒュームを蓄積する装置、システムおよび方法を提供することである。
【0021】
化学では、チンキ剤は溶媒としてエタノールを含む溶液である。漢方薬では、アルコールチンキ剤はさまざまなエタノール濃度で作られる。チンキ剤を生産するための他の溶媒は、酢、グリセロールもしくはグリセリン(グリセリド中)、ジエチルエーテルおよびプロピレングリコール、ヨウ素およびメルクロムなどの低揮発性物質、水、ならびに溶媒としてのエチルアルコールと水との組合せを含む。
【0022】
したがって、本明細書における「チンキ剤」という用語は、ローション、溶液、懸濁液、乳剤、液体混合物、e-リキッド(電子シガレット用)、および任意の類似の調製物または「チンキ剤」を含むが、これらに限定されない、ヒュームまたはその誘導体が蓄積される液体の任意の調製物を指す。明確にするために、蓄積されたヒュームが溶解されるチンキ剤は、本明細書では「溶解したヒューム抽出物」とも呼ばれ、そこから溶媒を除去した後、蒸留された残物も本明細書では「ヒューム抽出物濃縮物」と呼ばれる。「溶解したヒューム抽出物」および「ヒューム抽出物濃縮物」は、いずれも本発明の生産物である「ヒューム抽出物」の形態である。「ヒューム抽出物」が、この用語の日常的な意味合いにおける「チンキ剤」を構成するか、または配合されるとき、すなわち、消費用に調製されたチンキ剤(例えば、医療用、化粧品用、蒸気吸引用、または食用チンキ剤)であるとき、本明細書中で使用される用語は、「消費用チンキ剤」または「消費するためのチンキ剤」である。この用語下では、溶媒におけるヒュームを蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムおよび/または方法によって、溶媒に蓄積された、溶解したヒューム抽出物を含むヒューム抽出物、または溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物を提供することが本発明の目的である。
【0023】
チンキ剤などの調製物は、ある生物活性化合物が作成され、または抽出されることができる唯一の工程である、コールドプレス、またはアルコール、COもしくはブタンに浸すなどの冷間工程、あるいは蒸発および/または燃焼(喫煙)などの熱間工程によって、医療、化粧品、および/または娯楽目的のタバコ、麻(CBDAおよびTHCAの抽出用)、オリーブ、セージなどのハーブもしくは有機物質の冷間抽出から調製される。
【0024】
例えば、THCA(テトラヒドロカンナビノール酸)は、不活性であり、かつ自然な形態では精神活性効果がない麻植物の天然成分(大麻)であり、天然の麻植物の消費(食べることによる)にはそのような効果はない。しかしながら、THCAは摂氏125度よりも高い温度に加熱されると(喫煙、蒸発、または調理によって)、酸の分子鎖から炭素原子を分離する脱炭酸を受け、それによって、生物活性があり精神活性効果を有するTHC(テトラヒドロカンナビノール)に変化する(したがって、THCAはTHCの前駆体である)。同様に、タバコやその他のハーブ物質の芳香族化合物を含む生物活性成分は、喫煙および蒸発によって現れ、放出可能な物質の分子スペクトルから(その効果が証明されるため)「理想的」と見なされる物質のプロファイルを放出する。医学的または個人的に望ましい効果あるいは喫煙された植物を取り出すためには、植物の従来の喫煙によって受け取られる「理想的な」プロファイルに類似したプロファイル(すなわち、典型的な比率での典型的な成分)を有する生物活性成分を抽出することが不可欠である。
【0025】
例えば、タバコまたは麻は、摂氏約700度に到達する温度でシガレットの縁辺で燃焼するが、喫煙者の唇の間のシガレット部分の温度はわずか摂氏30度である。タバコおよび麻の異なる生物活性成分は、30度~700度の間のさまざまな温度で現れる。生物活性物質(その一部は望ましい効果を有し、その一部は望ましくない効果を有する)を放出する、知られている前駆体物質(麻のための大麻類)の例示的かつ非限定的リストは、THCA(摂氏120度で生物活性化合物を主に放出し、60~125度の範囲で活性がある)、CBDA(摂氏130度、および80~135度の範囲)、CBCA(摂氏140度、および100~145度の範囲)、THC(摂氏155度でのΔ-9化合物からの第1の放出、摂氏175度でのΔ-8化合物からの第2の放出、その沸点はそれぞれ157度および177度)、CBD(摂氏165度、および160~180度の範囲)、CBN(沸点でもある摂氏185度)、CBE(理論沸点と考えられる摂氏195度)、ベンゼン(摂氏205度)、THCV(摂氏220度、沸点を超える)、およびCBC(沸点でもある摂氏220度)を含む。この例の文脈における本発明の目的は、従来の喫煙の「理想的な」プロファイルに類似した、放出された物質のそのようなプロファイルを生産かつ捕捉することである。使用できるハーブ物質および有機物質の非限定的で例示的なリストには、コミフォラミルラ、カンザス科、ボスウェリア、ボスウェリアトゥリフェラ、ボスウェリアカーテリ、ボスウェリアサクラ、イングリッシュラベンダー、サルビアディビノラム、シロビシンマッシュルーム、バニステリオプシスカーピ(アヤフアスカ、アセワスカ)、ポピー(ケシのアヘン剤)、コカ(エリスロキシルムコカ、エリスロキシルムノボグラナテンセ)、ジャコウネコ油(シベティチスシベッタなどのハクビシン-ジャコウネコ科から採取された、シベトン用)、シカムスク(ムスコン用)、ハーブのムスク(クロチドリ、チャモルキスアルパイン、西洋当帰、マルバ、フラガリアモスカータ、ローザモスカータ、アベルモシュスモシャトウス、ミムルスモシャトウス、オレアリアアルゴフィラ、シカナオドリフェラ、ハイビスカスモシュート、エロジウムモシャタム、ジャコウアザミ、オコテアモスカタ、クラッスラモスカタ、四季橘、イエローサルタン、オキナワウラボシなどから採取)、フェルラガルバニフルア、ガルバナム、アンバーグリス(灰色琥珀色)、ナツメグ(ミリスティカフレグランス)、カート(アラビアチャノキ)、エフェドラ、オオアザミ、タバコ、麻(カンビス)、乳香、お香、コーヒー、カカオ、中国椿、ガラナ、ギョウザ、高麗人参、マカ、アルカカテコウ(ヤシ)、キンマ(ペッパー)、パラグアイシニック、エゾウコギを含む。
【0026】
従来の抽出技術では、燃焼および/または蒸発によってのみ生じ、かつ利用可能である生物活性化合物の医学的および娯楽的(例えば、美味、芳香)の利点を提供するには不十分である。
【0027】
大麻は、生物活性化合物が気化または燃焼(喫煙)によって最もよく抽出されるため、独自の植物源材料である。従来、植物源は、アルコール浸漬、s-CO、s-ブタンなどの他の技術によって抽出される。この工程は、果物の果汁を絞る工程に似ている。しかしながら、理想的な生物学的に活性のある成分、ならびに大麻およびタバコからの好まれる香りおよび使用者体験は、燃焼および気化によってのみ導出できる。
【0028】
本発明の別の目的は、有害または潜在的に有害な構成成分を除きながら、促進された喫煙体験に使用できる風味、芳香および使用者の感覚に関連する植物の成分の抽出を容易にすることである。
【0029】
開示された本発明は、気化および燃焼を使用して、より高い品質の抽出物に対する商業的解決策に、より優れた治療プロファイルおよびより楽しい使用者の体験を与える。
【0030】
大麻の喫煙は予測可能な効果を生成し、大麻を気化することでも同様の効果を生産することが見出された。このような予測可能な効果を達成するためには、カンナビノイドのプロファイル、および大麻植物の喫煙または蒸気吸引により達成できる「理想的なプロファイル」に似たアントラージュを抽出することが重要である。
【0031】
開示された本発明によるシステムまたは方法は、喫煙または蒸気吸引と実質的に同一である抽出プロファイルを生成する大麻またはタバコの抽出のために具体的に設計されることができる。大麻植物の喫煙または気化において見られるものと同じ理想的な分子スペクトルは、本発明によるシステムまたは方法によって提供できる。この抽出物は、他の従来の抽出技術よりも生物学的に効果的である。
【0032】
タバコの場合、有害または潜在的に有害な構成成分(HPHC’s)を実質的に除きながら、風味、芳香、および使用者の感覚に関連する植物の全ての成分を抽出することが望ましい場合がある。HPHC’sは、植物内および燃焼中に生成したものの両方に見られるが、本発明は、溶解されたチンキ剤または中間溶液からHPHC抽出を除くこと、または溶解した有害化合物を容易に除去すること、のいずれかを可能にする。本発明の別の目的は、HPHC’sなしで、完全な風味、豊かな芳香のタバコ油を抽出できる商業的に実行可能なシステムおよび方法を提供することである。
【0033】
一般に、今日市販されている、タバコ抽出物の従来の代替品は、ニコチン含有量が高いが、上記の目的には及ばず、完全な喫煙体験の適切な置換品を提供しない。
【0034】
本発明による抽出工程は、喫煙風味に関連する分子スペクトルを高め、HPHC’sを低減する。採集された化合物を蒸気吸引に使用すると、より優れた安全性プロファイルで喫煙体験を向上させる。したがって、本発明によって抽出されたチンキ剤は、従来の蒸気吸引油とは対照的に、ニコチンが鈍くなることができ、かつスモークリハビリ、ニコチンからの解毒および喫煙中毒からの離脱の手段としての蒸気吸引に特に適した、少しのHPHC’sの有無にかかわらず、風味豊かで豊かな芳香のタバコ油またはチンキ剤を提供するのに特に適している。
【0035】
シガレットまたはその他の喫煙もしくは蒸気吸引装置から放出される危険な構成成分に関する情報は、例えば、以下の本に見られる。Cigarette Smoke and Oxidative Stress(5~46頁)の「Tobacco Smoke Constituents Affecting Oxidative Stress」と題する章(Jan B.Wooten、Salem Chouchane、およびThomas E.McGratha、2007年5月、DOI:10.1007/3-540-32232-9_2)。
【0036】
「How Tobacco Smoke Causes Disease The Biology and Behavioral Basis for Smoking-Attributable Disease:A Report of the Surgeon General」(2010)(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK53014/#)と題する、国立バイオテクノロジー情報センターの出版物では、「シガレットの煙は、エアロゾル粒子に結合している、または気相で遊離している化合物の複雑な混合物である。タバコにおける化合物は、蒸留して煙にされ、または反応して他の構成成分を形成し、次に蒸留して煙にされることができる。研究者は、シガレットの煙には多くの異なるクラスの7357の化合物を有すると推定した」、そして「シガレットの煙は、(1)タバコの燃焼によって形成される化学物質の凝縮、(2)熱分解と熱合成、および(3)燃焼している石炭のすぐ後ろの、より涼しい領域にエアロゾルを形成する蒸留生産物によって形成される。(中略)温度が300℃から1000℃へ上がるにつれて、健康上の懸念を提示するタバコの煙における化学構成成分の収率は増加したが、一部の化合物(例えば、アクロレインおよびホルムアルデヒド)は500℃で最大収率に達した。(中略)シガレットの先端で燃焼するタバコの温度は900℃に達する可能性がある。(後略)」と述べられている。
【0037】
MarlboroでIQOS Tobacco Heating System(THS)のために提出されたFDAタバコ製品販売前申請(PMTA:Premarket Tobacco Application)(2017年)では、燃焼式シガレットに対する、ヒートスティックにおける危険化合物の量の低減について論じている(表2の生データ:「ヒートスティックエアロゾルと燃焼式シガレットとからのHPHC収率の比較」、34頁)。ヒートスティックは燃焼式シガレット(CC:combustion cigarettes)と比較され、とりわけ、「ヒートスティックにおけるタバコプラグの重量は、CCに見られる550~700mgのカットフィラーと比較して約320mgである」(16頁)、すなわち、約半分にされたと述べられている。
【0038】
本発明によるシステムおよび方法は、コスト効率の高い工程において、液体製剤または純粋な気化可能油で、望ましいタバコ代替品を生産するための高収率能力を容易に提供する。特に、本発明によるシステムおよび方法は、とりわけ、燃焼および蒸発温度の制御を可能にすることによって、危険な構成成分の量が特に少ない、蒸気吸引および他の喫煙装置用のe-リキッドを消費、または生産するためのチンキ剤を製造することを可能にする。
【0039】
その最も広範な態様では、開示された本発明は、溶媒にヒュームの溶解を刺激かつ促進する、異なる音波技術を利用する。本発明は、亜音速、超音速、および/または超音波技術を溶媒とヒュームとの粗混合物に適用することを含み、ここで、気体状、または気体(例えば、空気)と気体に懸濁した粒子とから形成されたヒュームは、自発的に、または従来の努力にもかかわらず、主に液体状態にある溶媒に溶解する傾向にない。これらの技術は、液体溶媒を気体状ヒュームから分離する界面膜を引き裂きかつ分散させ、溶媒液体の表面張力を克服し、ヒューム粒子と、液体状態に陥る傾向がある溶媒蒸気との間の衝突を強いることによって、気体状態ヒュームと液体溶媒との間の界面の表面積を実質的に増加させ、それにより、溶媒における溶質としてのヒュームの溶解を刺激、強制、かつ促進する。本明細書における本発明の文脈における「溶質」および「溶解する」という用語は以下のように認識されたい、すなわち、「溶質」が、溶媒が液体媒体を捕捉かつ搬送する液体媒体として使用される「溶媒」と呼ばれる別の種に配合、混合、溶解、懸濁、または分散可能であることによって採集される種であるという意味で、かつ、「溶解する」または「溶解」は、溶質の分子が溶媒において分解される化学的「溶液」の作成に決して限定されないという意味であること、および、混合物、配合物、乳剤、懸濁液などであり、化学的に「溶解する」もしくは「溶質」と「溶媒」との間の相互作用が必ずしも生じない異なる材料間の関係などの、「溶媒」と呼ばれるある材料と「溶質」と呼ばれる別の材料との間の化学的関係のいかなるものも参照し、含む最も広い意味で解釈されるべきであることである。
【0040】
亜音速技術は、ヒュームを含む溶媒が、先細状態を有する管(例えば、ベンチュリ)、または狭く、窮屈で、収束発散、もしくは収縮された首部ノズル、または弁(これらの用語は本発明の文脈において交換可能であり、本明細書ではしばしば「管首部」または「収束発散」首部、ノズル、収縮、もしくは効果として参照される)を流れ、(例えば、通常対称的な首部を備える収束発散収縮部を使用することによって)チョークし、その後、低圧がキャビテーションに到達する可能性のあるフラッシュを誘導するときなどの、流体の速度の増加が静圧の減少と同時に生じる現象(例えば、ベルヌーイの原理)を適用することにより、液体溶媒にキャビテーションを生成することを特徴とする。キャビテーションの生成には、吐出口、ノズル、収縮された管、管首部、および収束発散首部の変形例が適用できることに留意されたい。
【0041】
超音速技術は、例えば、細い首部または収縮部を有する管(例えば、ラバール、通常は、非対称首部を備える)を通してヒュームを含む溶媒を流すことによって衝撃波を誘導し、その後、衝撃波が液体に高い分散力を作用させることを特徴とする。ラバール以外の管首部、ノズルおよび収束発散首部が、衝撃波の作成に適用できることに留意されたい。
【0042】
理論では、上流の条件が亜音速のとき、流体速度は、収縮部のより小さい断面積を流れるにつれて(質量保存原理により)増加すると教示している。収束発散効果は、収縮部での静圧(したがって密度)を減少させる。流体が液体である場合、制限により液体の流動に作用する収束発散効果により、制限を超えた液体圧力が、一般的な液体温度での液体の蒸気圧を下回るまで減少するとき、異なる型の制限条件(「チョーク流」としても知られている)が生じる。チョーク流は、固定された上流圧力および温度に対して、下流圧力がさらに減少して質量流量が増加しない制限条件である。断熱条件における均質流体に対して、チョークが生じる物理的な点は、出口平面速度が音速(マッハ数1)のときであり、質量流量は、上流の密度がチョーク点で増加するときにのみ、増加する。その時点で、チョーク流はフラッシングおよびキャビテーションを引き起こし、液体は蒸気の泡内へ部分的にフラッシュし、その後の気泡の崩壊はキャビテーションを引き起こす。キャビテーションは、かなり騒がしく、弁、パイプ、および関連機器を物理的に損傷させるのに十分なほど激しいものとなる可能性がある。実際には、制限における蒸気の泡の形成により、流動がそれ以上増加するのを防ぐ。
【0043】
言い換えれば、流体媒体は、弁、ノズル、または吐出口などの流動の制限で、あるいはそのすぐ下流での流体速度の増加の結果として、液体から蒸気に変化する。液体流の流れは、首部から下方へ、または制限での収縮部を通過する。縮流部での物理的制限のすぐ下流では、流れの直径は最小であり、流体速度は最大になる。縮流部での速度の増加は、圧力の大幅な減少を伴う。流体の流れが、さらに下流の、より広いエリア内へ拡大すると、速度は減少し、増加するべき下流の圧力は、上流の圧力と完全に等しくなるように回復することがない。弁入口と縮流部との間の圧力差は、キャビテーション(およびフラッシング)につながる可能性がある。この時点で流体速度の増加により、縮流部での圧力が流体の蒸気圧力を下回ると、流動の流れに気泡が形成される(キャビテーションは、縮流部圧力が蒸気圧力Pv未満であり、弁入口での圧力PがPvよりも大きい間に生じる)。気泡の形成は、縮流部圧力が液体の蒸気圧力をさらに下回るにつれて大幅に増加する。弁出口での圧力が液体の蒸気圧力を下回っていると、気泡は下流に残る。下流の圧力回復が液体の蒸気圧力よりも出口圧力を上昇させるのに十分である場合、気泡が崩壊または爆縮してキャビテーションを発生させ、システムおよび工程がフラッシュしたと考えられる。高回復弁は、下流圧力が液体の蒸気圧力よりも上昇しやすいため、キャビテーションの影響を受けやすい傾向がある。したがって、弁および隣接する配管の構造的損傷は、しばしば、フラッシングおよびキャビテーションの結果であり、ならびに不適切なノイズを伴い、弁機能の有効性を低減させる。キャビテーションおよびフラッシングにより損傷しやすい弁は、配管、ポンプ、キャブレターにおけるガソリンと空気との混合、航空機、ヘリコプターおよび船舶のプロペラなど、無数の産業用途で広く使用される。したがって、一般的にあまり望ましくないとみられているこのフラッシングおよびキャビテーションの現象を除くための予防策を適用するのが従来の慣行である(Control Valve Handbook、Fisher Controls International、Inc.、第3版(1999年)、135~138頁)。例えば、ジェットエンジンでは、流動する流体の超音速は、(エンジンの後半部分を形成する)弁の下流、すなわちエンジンの外側の屋外で生じるように向けられ、それによって超音速推力を提供しながらエンジンの損傷を除く。
【0044】
ラバールノズルは、液体というよりは、流動する気体の超音速衝撃波を主な対象とする。気体は、ノズルの入口を通って亜音速で流動することから始まる。ノズルがチョークすると、気体は、音速で移動するまで加速する。気体は、まだ、外部媒体の圧力をはるかに超えた圧力を有するため、ノズルの狭い部分を通過した後、超音速まで加速し続ける。亜音速の直線速度では、気体は圧縮可能であり、音(長手方向の圧力波である)は気体中を伝搬する。断面積が最小であるラバールノズルの喉部での気体速度は、一般にチョーク流と呼ばれる音波になる。ノズルの断面積が発散断面で増加すると、気体が膨張して音波が気体中を後方に伝搬できなくなるため、気体の流動の直線速度は超音速になる。
【0045】
開示された発明は、従来は望ましくなかったフラッシングおよびキャビテーションの現象を利用して、液体溶媒に浸漬されたヒューム気泡の表面積を増加させ、ヒューム気泡膜に作用させる圧力を増加させ、気泡の激しい崩壊を誘導して、溶媒における溶質としてのヒュームの溶解を促進する。
【0046】
超音波技術は、溶媒とヒュームとの混合物におけるキャビテーションの形成のために、および/または液体溶媒内の小さい煙の泡(典型的には5~15μmの直径でサイズが決定される)の圧力の増加のために、超音波伝送器による超音波エネルギーの印加を含む。超音波エネルギーの印加は、亜音速または超音速装置から直交して独立しているので、超音波刺激を亜音速/超音速刺激と重ねるように亜音速もしくは超音速の収束発散首部のいずれかに、もしくはその近傍に、または刺激し、かつ溶解を促進するための別個の手段として、完全に別個の箇所に位置できる(圧力の増加は、一般に、液体溶媒における気体状泡の溶解を促進する)。
【0047】
これらの3つの技術の任意の組合せは、液体溶媒におけるヒューム粒子の溶解または相互混合を促進するために適用できる。特に、ベンチュリ首部を備えることができる収束発散首部は、ラバールノズルとすることもでき、唯一の違いは、流体(気体または液体)が流される速度(亜音速、超音速)および圧力に依存し、したがって、収束発散首部は、キャビテーションおよび衝撃波の両方が同じ管首部で生じることができる2つの技術を同時に備えることができることに留意されたい。また、亜音速キャビテーションのための1つの収束発散首部(例えば、ベンチュリ)、および超音速衝撃波のための別の首部(例えば、ラバール)を備える配置を使用することも可能である。したがって、本発明による装置は、3つの音波技術のうちの1つだけを備えることができ、異なるモジュールに直列に実装される3つの技術のうちの任意の2つもしくは全てを備えることができ、または、単一のモジュールに組み合わされた3つの技術のうちの任意の2つもしくは全てを備えることができる。
【0048】
さらに、上述したような弁、ノズル、または管首部のいずれかの適用は、任意のヒューム源(例えば、燃焼チャンバ)からのヒュームの吸引にも役立つことができるので、同じ弁(または別個の弁)は、ヒューム吸引と溶媒におけるヒューム溶解との2つの目的を果たすことができる。このような吸引弁上のヒューム堆積物は、ヒューム堆積物が急速に蓄積する機械式気体吸引ポンプと比較して、強力な貫流のため、蓄積する傾向がない(そして、蓄積する場合は、そこから容易に除去できる)。さらに、吸引弁はヒューム源のすぐ近くに配設されることによって、ヒューム堆積物が蓄積するヒューム源からの任意の伝導配管を完全に除く、または最小限に短くすることができる。
【0049】
さらに、ヒュームの閉回路循環部が、このような弁、管首部を吸引手段として使って適用されてもよく、ここで、ヒューム源は、溶媒における溶解を目的として同一または類似の弁を通して流された後に残る気体であり、それによって、ヒュームに、ヒュームの高い割合が最終的に溶解するまで、亜音速、超音速および/または超音波の力による溶解の強力な強制を繰り返し作用させる。閉ループ気体循環部がない場合、システム内へ圧力が加えられる必要があるため、逃げる気体は、ヒュームのかなり大きい部分の損失となる(例えば、75%が逃げる)。閉ループは、酸素富化のために新鮮な空気を導入する必要がないため、蒸発した物質を燃焼させる必要がない場合に特に有用である。或る実施形態によれば、まったく同じ収束発散首部が、ヒュームの必要な吸引、液体溶媒との混合、亜音速および/または超音速および/または超音波フラッシュ/キャビテーション現象を作用させること、ならびに管首部をすでに通過した気体およびヒュームの再循環を行うのに役立つ。他の実施形態では、複数の収束発散首部のカスケードの、各特定の収束発散首部が、1つ(または複数)の以下の特定のタスクに割り当てられる。ヒューム源から(例えば、燃焼チャンバから)のヒュームの吸引、混合チャンバにおける溶媒とヒュームとの混合、亜音速フラッシュ/キャビテーションによる溶解の誘導、フラッシュ/キャビテーションを伴ってもよい超音速衝撃による溶解の誘導、フラッシュ/キャビテーションの超音波誘導による溶解の誘導、および溶解誘導収束発散首部のうちの1つ、複数、または全てへの以前の曝露後に残る気体およびヒュームの再循環。
【0050】
したがって、開示された技術は、液体溶媒とヒュームとの混合物(溶媒ヒューム混合物)にキャビテーション効果を作用させるように構成された音波キャビテーション装置によってヒュームを液体溶媒に溶解かつ蓄積する、ヒューム溶解および蓄積採集器、システムならびに方法を特徴とする。溶媒は、エタノール、アセトニトリル、プロピレングリコール、グリセロール、水、メタノール、有機溶媒、および/または上記のうちのいずれかの任意の組合せであってもよい。音波キャビテーション装置は、溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させるために亜音速であり、かつ/または溶媒ヒューム混合物が収束発散首部を通して流れたときに(通常、キャビテーションを作用させることに加えて)超音速衝撃波を作用させるために超音速であり、かつ/または超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へ伝送するために超音波であってもよい。この文脈では、「ヒューム」という用語は、気体、ならびに気体に懸濁した(あるいは溶解、分散および/または分布された)ヒューム粒子、煙、蒸気、および/またはミストを含む。
【0051】
本発明の或る態様によれば、このように、溶媒ヒューム混合物にキャビテーション効果を作用させるように構成された少なくとも1つの音波キャビテーション装置を備える、ヒュームを液体溶媒に溶解かつ採集するヒューム溶解採集器が提供される。音波キャビテーション装置は、滑らかなもしくはチョークした流動のために動作するベンチュリなどの亜音速キャビテーション装置である、首部を通して流されたときに溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させる収束発散首部、または超音速衝撃波を作用させるために動作するラバールノズルなどの超音速キャビテーション装置(例えば、P=0.4...0.35Paのサマーフィールド基準を満たすことによって自由衝撃分離を誘導するように構成された過度に拡張されたノズルを有する)を含んでもよく、また、ヒュームを真空ポンプで送るためにさらに動作してもよい。少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、流線に沿って直列に連続して配置された少なくとも2つの音波キャビテーション装置、例えば、亜音速キャビテーション装置およびその下流に配設された超音速キャビテーション装置を含んでもよく、または、キャビテーション効果および超音速衝撃波を作用させるように収束発散首部が動作する単一の音波キャビテーション装置に、亜音速キャビテーションまたは超音速キャビテーションを生じさせる。
【0052】
少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へ伝送する超音波伝送器を含んでもよく、ここで、超音波伝送器は、0.7~5MHzの周波数範囲で、および0.3~20ワット/Cmの強度範囲で動作するように構成されてもよい。超音波伝送器は、溶媒のプールに配設され、溶媒ヒューム混合物はプールの底部で放出されて、超音波伝送器の超音波エネルギーに曝されながら、プールを通って上昇する気体状泡を生成し、一連の水平穿孔板が、気泡の超音波エネルギーへの曝露を延長するために、プールにおける気体状泡の上昇を遅らせるようにプールに配設されてもよく、ここで、溶媒ヒューム混合物は、少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する。少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、溶媒ヒューム混合物が首部を通して流されるときに、溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させるための収束発散首部を含むことができ、ここで、少なくとも1つの超音波伝送器は、首部もしくは首部の縮流部に、その近傍の下流に、またはそれから離れて下流に取り付けられる。
【0053】
収束発散首部は、溶媒ヒューム混合物がヒューム源から入口圧力で流され、かつ霧サイズの液体溶媒液滴の噴射が吐出ノズルを介して噴霧される上流入口ローブと出口圧力が入口圧力よりも低い下流出口ローブとの間の中間断面で収縮されて、入口ローブと出口ローブとの間の圧力差を画定する砂時計形状管によって形成されてもよく、ここで、上流入口ローブは、首部に向かって入口円錐勾配で先細りになり、下流出口ローブは、首部に向かって出口円錐勾配で先細りになり、それによって、下流出口ローブにキャビテーション効果および/または衝撃波を誘導する。収縮された中間断面は、入口円錐勾配が出口円錐勾配とは異なる(例えば、上記下流出口ローブでの衝撃波の誘導を容易にするために、より大きい)非対称であってもよく、またベンチュリ管を備えてもよく、ここで、入口円錐勾配は30度、もしくは5~40度の範囲で急峻であり、出口円錐勾配は5度、もしくは3~20度の範囲で適度であり、またはラバールノズルを備えてもよく、ここで、出口円錐勾配は入口円錐よりも大きく、例えば、10~40度の範囲で急峻であるのに対し(例えば、30度)、入口円錐勾配は、下流出口ローブでの衝撃波の誘導を容易にするために3~20度の範囲で適度である(例えば、5度)。下流入口ローブは、下流で収縮された中間断面に接続され、そこからヒュームの流動の流れが流される上流ヒューム入口を有するL字形状チャンバを含んでもよく、ここで、液体溶媒噴霧は、流動の流れによって噴霧を一掃して押し流すために、収縮された中間断面に面する中間箇所で吐出口を介して噴霧される。
【0054】
本発明の或る態様によれば、音波装置(亜音速または超音速)で蒸気をポンプで圧送することによって、ヒュームおよび溶媒は、ポンプに蓄積する脂を含んだ蒸気の結果としてしばしば損傷または遮断され、かつポンプ壁に付着する精油および他の揮発性物質の損失でさらに妨げられる機械式ポンプを必要とせずに、提供できる。溶媒と共に吸引された蒸気およびヒュームは、直ちに溶媒と混合される。吸引段階の後、亜音速/超音速装置におけるヒュームは、通常5~100ミクロンの範囲のサイズである微小気泡の形態で溶媒内に含有される。この混合物は、亜圧力がスチームを溶媒内へ一掃する混合チャンバ内へ流される。溶媒とヒュームとの混合物が圧力ノズルに入り、溶媒に無数の小さいヒューム泡が発生する。この亜音速/超音速装置、または好ましくは、別の第2の音波装置(例えば、ラバール吐出器などの亜音速および/または超音速抑制混合チャンバ)では、圧力は、流される管の直径の変化により増減する。超音波トランスデューサ(または向かい合った二重トランスデューサ)を備える超音波装置は、気泡の表面積を増加させて微小気泡を分解し、さらに小さいサイズの気泡にする。したがって、圧力は、亜音速/超音波直径の変化、ならびに超音速衝撃波、キャビテーション、および超音波伝送によって増加する。
【0055】
超音波はミクロン気泡に圧力を作用させ、この圧力は、蒸気内に含有される物質の溶媒内への吸収および溶解を増加させる。その後の「乳白色の」液体(溶液混合物)は、圧力の変化および超音波の適用が溶液混合物を過熱する可能性があるため、(冷却手段による)冷却を受けることが必要とされる。乳白色の液体(「無数の蒸気泡による乳白色」)は「反応器」に入る。流動を緩和する手段は、反応器に渦がないように適用される。溶液プールが置かれる反応器の底部タンク内では、超音波トランスデューサの配列(例えば、1つ、2つ、または4つのトランスデューサを備える)が超音波エネルギーを伝送する。効果を増加させるために互いに直面することができる超音波の伝送は、気泡に圧力を作用させ、溶媒内への散逸を促す。溶媒に吸収されない気泡は上昇し、反応器の底部でタンクプールに液体から放出され、これは、開放容器にソーダ飲料のCOの泡が放出されるのに似ている。反応器における発出気体は大気に放出されない。上向きに上昇すると、溶媒の気体およびミストは、溶媒の流れのスクリーン、気体のより多くの脂肪を含む部分を吸収する工程を通過する。
【0056】
反応器の次の段階では、溶媒(例えば、エタノール)で飽和した気体が、サイクロンの遠心力によって気体に含まれる液体粒子を分離するサイクロン装置を通過する。収集された粒子は、次に、冷たい(または能動的に冷却された)壁で液体に凝縮される。残余の気体は乾燥し、すなわち、溶媒粒子を含まない。気体は、次に、新鮮なヒュームとともに別のラウンドに向けて炉(または後段)へ再循環されて戻る。言い換えれば、閉回路で動作するシステムは、炉から再循環気体および新鮮な蒸気を繰り返し引き込む。このようにして、蒸気が失われることはなく、ヒュームはパイプおよびポンプの壁に付着しない(ポンピング音波装置に直ちにぶつかるため)。
【0057】
図を参照すると、同様の番号は、異なる実施形態において同様の部品を示すことが認識される。ここで、図1を参照する。図1は、本発明によって構築され、かつ作動する実施形態を示し、本実施形態は、亜音速、超音速、および超音波抑制によって溶媒におけるヒューム溶解を刺激かつ促進するための、符号100で示される、複合音波ヒューム溶解採集器を備える。音波ヒューム溶解採集器100は、エリア104において溶媒ヒューム混合物103にキャビテーション効果を作用させるように構成された音波キャビテーション装置102を含み、ここで、溶媒ヒューム混合物103は、管108に沿って方向106に流され、ここで、ヒュームは、気体および上記気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含有する。溶媒は、エタノール、アセトニトリル、プロピレングリコール、グリセロール、水、メタノール、有機溶媒、およびこれらの例のうちのいずれかの任意の組合せであってもよい。音波キャビテーション装置102は、収束発散首部110を通って流されるときに、エリア104において溶媒ヒューム混合物103にキャビテーションを作用させる亜音速キャビテーション装置であってもよい。代わりに、または加えて、音波キャビテーション装置102は、溶媒ヒューム混合物103が収束発散首部110(これは通常、超音速の文脈において非対称である)を通って流されるときに、溶媒ヒューム混合物103に超音速衝撃波を作用させるために、衝撃波穿孔線112で表される超音速衝撃波装置であってもよい。音波ヒューム溶解採集器100は、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物103内へ伝送する少なくとも1つの超音波伝送器、例えば、伝送器114および116を含むことができる。伝送器114は、収束発散首部110の最も狭い峡部116の側面に配設され、そこでは、流れる溶媒ヒューム混合物103の密度が最大となり、中心流でさえ、全ての粒子が、伝送された超音波エネルギーに近接している。伝送器114は、単に1つの伝送器、または交差伝送で溶媒ヒューム混合物103をとらえるために互いに面する2つの伝送器、または収束発散首部110を取り囲む複数の伝送器を含んでもよい。伝送器118は、収束発散首部110の峡部116のやや下流の管108の周囲(流れる溶媒ヒューム混合物の速度が最大となる箇所)、例えば、首部110の縮流部の近傍またはそのさらに下流に配設され、単に1つの伝送器、または交差伝送で溶媒ヒューム混合物をとらえるように互いに面する伝送器、または管108を取り囲むいくつかの伝送器を含んでもよい。好ましくは、超音波伝送器114、118は、0.7~5MHzの周波数範囲、および0.3~50ワット/cmの強度範囲で動作するように構成され(周波数および強度は、特定の値で選択され、または、それぞれ0.7~5MHzおよび0.3~50ワット/cmの範囲で拡張されてもよい)、これらは、ヒューム溶媒混合物にキャビテーションを誘導するのに有効であることがわかった。
【0058】
収束発散首部110は、砂時計形状の管によって形成され、溶媒ヒューム混合物103が流される、本明細書では入口円錐120ともいう円錐形状の入口ローブ120と本明細書では出口円錐122ともいう円錐形状の出口ローブ122との間に配設された管108の中間断面で収縮される。収束発散首部110は、入口円錐120および出口円錐122の寸法および勾配に応じて、滑らかな流動もしくはチョークした流動の収縮された管であってもよい。収束発散首部110は、ヒュームと空気との混合物が適切な速度で、かつ入口円錐120および出口円錐122の適切な勾配で流されるとき、ラバールノズルとして機能してもよい。ラバールノズルは、通常、過度に拡張された収束発散首部を含み、すなわち、進入円錐120の適度な勾配および出口円錐の急勾配を有し、衝撃波閾値条件が知られているように満たされるときに、すなわち、P=0.4...0.35Paのサマーフィールド基準を満たすことによって、自由衝撃分離を誘導するように構成され、ここで、Pは出口円錐122での下流圧力でありPaは入口円錐120での上流圧力である。このような構成では、音波キャビテーション装置102は、亜音速キャビテーション装置と、キャビテーション効果を作用させるように動作し、かつ衝撃波閾値条件を満たすために速度が増加される場合、(さらに)超音速衝撃波を作用させる単一の(通常は非対称)収束発散首部110において組み合わされる超音速衝撃波とを組み合わせる。
【0059】
首部110は、入口円錐勾配が出口円錐勾配と異なる、非対称に収縮された中間断面であってもよい。或る実施形態では、入口円錐勾配は、下流ローブでキャビテーションを誘導することを容易にするために、出口円錐勾配よりも大きくてもよい。この収縮された構成は、ベンチュリを構成してもよく、ここで、入口円錐勾配は、5~40度の範囲で急峻であり、出口円錐勾配は、3~20度の範囲で適度である。特定の実施形態では、入口円錐勾配は30度であってもよく、出口円錐勾配は5度であってもよい。或る実施形態では、出口円錐勾配は、下流ローブで衝撃波を誘導することを容易にするために、入口円錐勾配より大きくてもよい。この収縮された構成は、出口円錐勾配が5~40度の範囲で急峻であり、入口円錐勾配が3~20度の範囲で適度であるラバールノズルを構成してもよい。特定の実施形態では、出口円錐勾配は30度であってもよく、入口円錐勾配は5度であってもよい。本明細書における「急峻」および「適度」という用語は、単に相対的であり、すなわち、ある勾配が別の勾配に対して急峻である場合を参照して、前者は「急峻」、後者は「適度」とみなされることに留意されたい。
【0060】
代わりに、または加えて、音波キャビテーション装置102は、入口124に存在するヒュームの圧送のための真空吸引のために動作することもできる。空気ヒューム混合物130は、入口圧力Paでヒュームの源から入口124を介して流され、霧サイズの液体溶媒液滴の噴射126がノズル128を介して噴霧される。出口ローブ122は、出口圧力Pが入口圧力Paよりも低いが、入口ローブ120と出口ローブ122との間の圧力差を画定する。上流入口ローブ120は、首部102に向かう入口円錐勾配で入口円錐120として先細りになり、下流出口ローブ122は、首部102に向かう出口円錐勾配で先細りになり、それによって下流ローブ122でキャビテーション効果および/または衝撃波を誘導する。
【0061】
特定の実施形態では、入口ローブ120は、下流の収縮された首部110と、空気ヒューム混合物130の流動の流れが流出される上流ヒューム入口124とに接続されたL字形状チャンバを含む。液体溶媒噴霧物は噴霧され、霧サイズの液体溶媒液滴の噴射は、空気とヒュームとの流動の流れによって噴霧を一掃して押し流すために、首部110を含む収縮された中間断面に面する中間箇所にノズル128などの吐出口を介して噴霧される。代わりに、または特定のL字形状入口ローブ120に加えて、溶媒噴霧の強力な噴射は、強い噴射押し流しによって入口124からの空気ヒューム混合物130の吸引を作成するように動作して、装置100を空気ヒューム混合物の吸引ポンプとする。
【0062】
ここで図2を参照すると、本発明によって構築され、かつ作動する別の実施形態が示され、それぞれが超音波抑制と組み合わされた、別個の亜音速および超音速の収縮部によって溶媒にヒューム溶解を刺激かつ促進する、符号200で示される音波ヒューム溶解採集器を備える。音波ヒューム溶解採集器200は、採集器102に関して説明したように、空気およびヒュームポンプとしても機能できる亜音速キャビテーション装置202と、亜音速キャビテーション装置202の下流に配設される亜音速/超音速のキャビテーション/衝撃波装置203とを備える。この配置では、音波ヒューム溶解採集器200は、装置202が亜音速キャビテーション装置(例えば、ベンチュリ)として機能し、装置203が超音速のキャビテーション/衝撃波装置(例えば、ラバール)として機能し、溶媒による空気および煙の捕捉を促進する「二重トラップ」として機能することができる。装置202および203の構造の詳細は、図1の音波キャビテーション装置102を参照して説明されるものと類似し、図3の実施形態を参照してさらに詳細に以下に説明されるものとも同様であるため、繰り返して説明しないが、ここで、超音波伝送器214(装置203については214’)および218(装置203については218’)などの同様の構成要素が、それぞれ、音波キャビテーション装置102の伝送器114および118に類推して実装される。
【0063】
ここで、図3図4A図4Eを参照する。図3は本発明によって構築され、かつ作動する別の実施形態を示し、本実施形態は、亜音速/超音速収縮部、および別個の超音波抑制によって、溶媒におけるヒューム溶解を刺激かつ促進する、符号300で示される、音波ヒューム溶解採集器を備える。音波ヒューム溶解採集器300は、図2の音波ヒューム溶解採集器200の二重トラップ配置と同様であり、超音波伝送器が、収縮された断面のそれぞれに変位している。採集器200は、空気およびヒュームポンプ、ならびに装置102および202と同様の亜音速キャビテーション装置として機能する吸引/キャビテーション装置302と、装置203と同様の吸引/キャビテーション装置302の下流に配設される亜音速/超音速のキャビテーション/衝撃波装置303と、を備える。超音波伝送器314は、吸引/キャビテーション装置302とキャビテーション/衝撃波装置303との間に配設され、超音波伝送器318は、装置303の下流に配設される。
【0064】
図4A図4Eは、図3の実施形態の断面の順次拡大部分図であり、これに関して、図3の実施形態の機能的特徴および、その中で進行する工程の説明をここで詳述する。図4Aは、音波ヒューム溶解装置300の亜音速キャビテーション装置302の拡大図であり、図4Bは、音波ヒューム溶解装置300の亜音速キャビテーション装置302から超音波伝送器314まで延びる断面の拡大図であり、図4Cは、音波ヒューム溶解採集器300の超音波伝送器314から亜音速/超音速キャビテーション装置303まで延びる断面の拡大図であり、図4Dは、音波ヒューム溶解採集器300の亜音速/超音速キャビテーション装置303の拡大図であり、図4Eは、音波ヒューム溶解採集器300の亜音速/超音速キャビテーション装置303から超音波伝送器318まで延びる断面の拡大図である。
【0065】
装置302は、チャンバ332、ヒューム入口324、溶媒入口328、および空気ヒューム混合物の出口管322を備える。入口324は、ヒューム、空気および気体がそこからチャンバ332内へ自由に入ることができる(または流動手段によって流される)ヒューム源330と流体連通しており、図4Aの矢印336で示されるように、出口管322を通る流れなどの、ヒューム入口324を通って入ってくる流れの長手方向334に対して垂直または任意の好都合の角度で向けることができる。出口管322は、チャンバ332の壁338に対して垂直に、チャンバの角部から離れて配設されるので、低圧力が出口管322の近傍でチャンバ332に作成されることが可能になる。溶媒入口328は、液体溶媒が圧力下で噴射噴霧される先細ノズル340を備え、ここで、噴射噴霧は、出口管322を通る流れの長手方向336へ向けられる。強力な噴射は、チャンバ332に滞留する気体およびヒュームを出口管322へ向けて一掃し、それによって、出口管322に近接するチャンバ332に低圧力ゾーン342を形成する。ヒュームおよび空気は、出口管322へ向けて押し流されるが(矢印344)、行き止まりゾーンに捕らえられた一部の空気およびヒュームは、出口管322に近接する低圧力ゾーンにぶつかると押し流されるまで、乱流(矢印346)において強制的に旋回される。したがって、装置302は、ヒューム源330から空気および煙を引き出す吸引ポンプとして機能する。
【0066】
気体状物質を繰り返し再度流すことができる閉ループ回路の適用により、蒸気は全てではないにしてもほとんどが事実上溶解され、かつ収集されるまで、キャビテーションにより溶解を繰り返すために貴重な(および大気汚染の)蒸気が保存される。
【0067】
押し流された空気およびヒューム/煙混合物は、5~100μm(ミクロン単位の直径)の間のサイズである、強力液体溶媒噴射内の気泡347に分裂し、出口管322での流れは、沸騰もしくは泡状液体の乳白色のフラッシュとして現れるが、低圧力が液体粒子の蒸発(ベンチュリ効果)を誘導し、気体とヒューム泡とを結合する(それにより溶解を促進する)、または、単に全溶媒泡にとどまるのいずれかである。液体に気体を効率よく溶解するために、気泡の表面積は増加するように誘導され(例えば、気泡サイズが低減され)、または外部液体圧力が増加されてもよい。この段階で、気泡は、任意選択の超音波伝送器314(単一の伝送器は単に例示的であり、複数の伝送器が所望に応じて実装されてもよい)によって作用される超音波エネルギーを受け、円形気泡を絞り込んで楕円体気泡348にして、より小さなミクロンサイズ(5~50ミクロン)および時にはナノメートル(nm)サイズの気泡(349で示される)に押しつぶされ、それによって溶媒における気泡の表面積における材料の溶解および吸収を促進する。流れは、次に、図1および図2の実施形態に関して上記で説明したように、亜音速キャビテーション、超音速キャビテーション、および/または衝撃波キャビテーション装置(例えば、ベンチュリまたはラバール)を備えてもよい装置303のさらなる収縮部350に入る。装置303の収縮部350を通過する気泡349は、亜音速もしくは超音速のキャビテーション、および/または衝撃波キャビテーション(M>1の場合)を受け、5~50ミクロンサイズの気泡を押しつぶしてナノメートルサイズの気泡351にしてヒュームの溶解を促進する。その後、下流では、気泡351は、任意選択の超音波伝送器318によって作用される超音波エネルギーをさらに受け、これらの伝送器は、この実例では、そのエネルギーが相互作用して、それらの全体的な効果を増加させるために超音波の重ね合わせおよび干渉パターン(「絞られた」気泡353、および出ていく気泡355)を作成する2つの対向配設された伝送器によって例示される。
【0068】
本発明のさらなる態様は、溶媒に溶解かつ蓄積された、溶解したヒューム抽出物または溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物を使用するために、溶媒にヒュームを蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムを開示し、本システムは、液体溶媒における溶解によってヒュームを採集する少なくとも1つのヒューム溶解採集器と、少なくとも1つのヒューム溶解採集器に与えられたヒュームを生産するためにヒューム放出源材料(物質)を燃焼し、かつ/または気化するヒューム生成区画とを含み、ここで、ヒューム生成区画は、ヒュームの一部をヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって、ヒュームの別の部分を材料の蒸発温度への曝露によって生産するように構成されてもよい。ヒューム生成区画は、熱分解を回避するために物質の断続的な燃焼または加熱を誘導する断続的ヒューム生成誘導器を含んでもよい。ヒューム生成区画は、燃焼に酸素を供給する任意選択の通気器を含んでもよい。断続的ヒューム生成誘導器は、ヒューム生成区画内への、またはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容するために、空気ポンプ(通気器を備えることができる)、バルーン気化器、および/または弁、または断続的な燃焼または加熱を制御するように動作する制御器を含んでもよい。断続的ヒューム生成誘導器は、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または上記少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために上記少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、断続的な加熱を繰り返すように動作してもよい。
【0069】
本発明の或る実施形態は、溶媒にヒュームを蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムを開示し、これは、液体溶媒における溶解によってヒュームを採集する少なくとも1つのヒューム溶解採集器、ヒュームを溶媒に溶解された溶質(「溶解したヒューム抽出物」)として蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された気体ヒューム混合物の残余を圧力下で少なくとも1つのヒューム溶解採集器内へ再循環させる閉ループ気体循環部(例えば、配管および再循環送風器を含む)、少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および/またはヒューム生成区画を含む。
【0070】
本発明の或る実施形態は、液体溶媒における溶解によってヒュームを採集する少なくとも1つのヒューム溶解採集器と、以下のもののうちの少なくとも1つと、を含む、ヒュームを蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムを開示する。少なくとも1つのヒューム溶解採集器に供給されるヒュームを生産するために物質を燃焼し、かつ/または気化するヒューム生成区画、燃焼し、かつ/または気化することをヒューム生成区画に誘導する気化、燃焼、および/または加熱手段、ヒューム生成区画における燃焼に酸素を供給する通気器、新鮮なヒュームをヒューム生成区画から少なくとも1つのヒューム溶解採集器内へ搬送するヒューム搬送管路、搬送管路を通してヒュームを引き出すヒューム送風器、少なくとも1つのヒューム溶解採集器に入る前に液体溶媒におけるヒュームの溶解を促進する予備混合チャンバ、少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって液体溶媒に溶解されかつ採集されたヒューム粒子が充填された、チンキ剤プールを備えるチンキ剤容器、液体溶媒プール、少なくとも1つのヒューム蓄積器への溶媒の供給、および/または導管残渣の収集かつ洗浄のための溶媒貯留槽、ヒューム溶媒混合物を少なくとも1つのヒューム溶解採集器からチンキ剤容器へ伝導する配管、チンキ剤容器内へ流れる前に少なくとも1つのヒューム溶解採集器の下流で、加熱された溶媒ヒューム混合物を冷却する溶媒ヒューム冷却器、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へシステムの配管に沿って伝送する超音波伝送器、上記溶媒のプールに配設され、上記溶媒ヒューム混合物が上記プールの底部に放出されて、上記超音波伝送器の超音波エネルギーに曝されながらプールを通して上昇する気体状泡を生産する超音波伝送器、上記プールに配設され、かつ上記気泡の上記超音波エネルギーへの曝露を延長するために、上記プールにおける上記気体状泡の上昇を遅らせるために動作する一連の水平穿孔板、ここで上記溶媒ヒューム混合物は、上記少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する、少なくとも1つのヒューム溶解採集器から容器に到達すると、または溶媒プールから発出すると、液体溶媒から気体およびヒュームを分離する容器沈殿分離器、ヒューム容器の下流で液体溶媒から冷却された気体ヒューム混合物を分離するサイクロン分離器、サイクロン分離器の下流でサイクロン分離後の溶媒残余を凝縮する溶媒凝縮器、液体状物質(溶媒および溶質)を容器沈殿分離器、サイクロン分離器、および/または凝縮器からプールへ伝導する庇、液体溶媒またはチンキ剤をプールまたは溶媒貯留槽から少なくとも1つのヒューム溶解採集器または予備混合チャンバに給送し、配管および溶媒引出器を含む溶媒循環部、ヒューム溶解採集器システムの配管および導管を液体溶媒で洗い、導管の側面に付着したヒューム残渣を放出し、かつ液体溶媒を放出されたヒュームとともに導管を通してプールに循環させるために作動する内部導管残渣収集洗浄機構、熱分解を回避するために、ヒューム生成区画に物質の断続的な燃焼または加熱を誘導する断続的ヒューム生成誘導器、空気ポンプ/通気器とバルーン気化器とヒューム生成区画内へのまたはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容する断続的ヒューム生成誘導器の弁とのうちの少なくとも1つ、断続的な燃焼または加熱を制御するために動作する断続的ヒューム生成誘導器の制御器、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、断続的な加熱を繰り返すように構成される上記断続的ヒューム生成誘導器、容器の下流で液体溶媒から分離された気体ヒューム混合物の残余を圧力下で少なくとも1つのヒューム溶解採集器と、少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバと、ヒューム生成区画とのうちの少なくとも1つ内へ再循環させるために配管および再循環送風器を含む閉ループ気体循環部、減圧蒸発器、回転式蒸発器、および遠心式蒸発器などの蒸発器を備えてもよい、溶解したヒューム抽出物からの溶媒の除去により上記ヒューム抽出物濃縮物を蒸留する溶媒除去器、およびシステム構成要素の動作を制御し、かつ、動作時間、処理される物質の総重量、工程前後の溶媒重量、ヒューム生成区画での事前設定温度、液体圧力、空気/気体圧力、真空圧力、灰の重量、ヒュームの吸収レベルを示す溶媒の濁度、溶解成分の定性的または定量的測定のための光学手段、および蒸発もしくは燃焼熱を監視かつ制御する少なくとも1つの温度センサなどのシステムパラメータを設定かつ制御する制御器。
【0071】
ここで、図5を参照する。図5では、本発明によって構築され、かつ作動する溶媒にヒュームを蓄積する、符号400で示された、ヒューム溶解および蓄積システムが示され、これは、図1図2、または図3の実施形態による音波ヒューム溶解採集器であってもよい音波ヒューム溶解採集器402を含む。システム400は、以下の任意選択の特徴をさらに含み、これらのそれぞれは、変形システムにおける他のいくつかを伴わずに実装されてもよい。
1.ヒューム生成区画404であって、オーブン、ストーブ、または加熱チャンバであってもよく、かつ、ヒュームを生産するために物質406を連続的に燃焼し、かつ/または気化する気化/燃焼/加熱手段405と、燃焼に酸素を供給する任意選択の通気器408と、を備えてもよいヒューム生成区画404、
2.ヒューム搬送導管410であって、新鮮なヒュームをヒューム生成区画408から音波ヒューム溶解採集器402内へ搬送し、ヒューム送風器412を備えてもよい(図8を参照して説明されるように、加熱チャンバ403をさらに任意選択で備える)ヒューム搬送導管410、
3.音波ヒューム溶解採集器402に入る前に、液体溶媒におけるヒュームの溶解を促進する予備混合チャンバ414、
4.チンキ剤プール418に静止している液体溶媒に溶解された採集ヒューム粒子が充填された、チンキ剤プール418を備えるチンキ剤容器416、
5.溶媒を、プール418(配管490およびポンプ491経由)、音波ヒューム溶解採集器402(配管462およびポンプ466経由)へ供給し、かつ任意選択の導管残渣収集および洗浄用(配管470およびポンプ472経由)の溶媒貯留槽420、
6.ヒューム溶媒混合物を音波ヒューム溶解採集器402からチンキ剤容器416へ伝導する配管422であって、ポンプ423を備えてもよい配管422、
7.加熱された溶媒ヒューム混合液を、容器416内へ流れる前に音波ヒューム溶解採集器402の下流で冷却する溶媒ヒューム冷却器424、
8.超音波エネルギーを、溶媒ヒューム混合物内へ、音波ヒューム溶解採集器402の下流の配管422などのシステムの配管に沿って伝送する、伝送器426などの超音波伝送器、
9.容器416内へ流れる直前に配設される、テスラ弁427(例えば、Teslaへの米国特許第1329559号に開示されたような弁に基づく)などの、溶解を促進する乱流ユニット。この段階では、溶媒圧力が低下し(例えば、0.2~1バールまで)、気泡が豊富な乳白色の溶媒ヒューム混合物がテスラ弁427を介して「抵抗する」方向に通過することは、流れを遅くするが、電流を完全に遮断する程度ではなく、渦および乱流を生成するように構成され、それにより、溶解を促進するために気泡に圧力を作用させる、
10.超音波エネルギーをプール418でのチンキ剤内へ伝送する超音波伝送器428。ここで、溶媒ヒューム混合物は、プール418の底部で放出されて、超音波伝送器428の超音波エネルギーに曝されながら、プール418を通って上昇する気体状泡を生産する、
11.プール418に配設され、かつ、超音波エネルギーへの気泡の曝露を延長するためにプール418における気体状気泡の上昇を遅らせるために動作する、一連の水平穿孔板476。ここで溶媒ヒューム混合物は採集器402から噴出する、
12.沈殿分離器430などの容器分離器であって、チンキ剤プール418または溶媒貯留槽420からポンプ434によって引き出された溶媒滴をシャワーヘッド432から注ぐ、振りかける、または霧雨のように降らすなどによって、音波ヒューム溶解採集器402から容器416に到達または到着すると、またはプール428から発出すると、気体および液体を分離し、かつ、液状化溶媒および溶質をプール418へ伝導する任意選択の庇436を備えてもよい、容器分離器、
13.ヒューム容器416から上方に蒸発し、かつ冷却され、その中で渦巻く気体ヒューム混合物と溶媒とを分離するサイクロン分離器438であって、分離器438で凝縮してプール418に戻る液状化溶媒および溶質を伝導する任意選択の庇440を備えてもよい、サイクロン分離器438、
14.さらなる冷却によるサイクロン分離後の溶媒残余を凝縮する溶媒凝縮器442であって、液状化溶媒および溶質をプール418に伝導する任意選択の庇444を備えてもよい、溶媒凝縮器442、
15.液状化物質(溶媒および溶質)をプール418へ伝導する庇であって、沈殿分離器430からの庇436、サイクロン分離器438からの庇444、および溶媒凝縮器442からの庇444などの庇、
16.閉ループ気体循環部446であって、音波ヒューム溶解採集器402および/または予備混合チャンバ414および/またはヒューム生成区画404内へ、(沈殿誘導器430、サイクロン分離器438および溶媒凝縮器442による液状化された溶媒および溶質からの分離後)容器416から発出される気体ヒューム混合物残余を圧力下で再循環させ、かつ配管448、450、および452ならびにポンプ454などの再循環送風器を備える、閉ループ気体循環部446、
17.溶媒循環部456であって、液体溶媒/チンキ剤を、溶媒貯留槽420(配管458経由)またはプール418(配管460経由)から、音波ヒューム溶解採集器402(配管462経由)または混合チャンバ414(配管464経由)へ給送し、かつ、ポンプ466または468などの溶媒引出器を備える溶媒循環部456、
18.内部導管残渣収集洗浄機構であって、穿孔配管470およびポンプ472によって代表され、液体溶媒でヒューム蓄積システム400の配管および導管を洗い、導管の側面に付着したヒューム残渣を放出し、かつシステム導管を通して、放出されたヒューム残渣とともに液体溶媒を循環させるために作動する内部導管残渣収集洗浄機構、
19.断続的ヒューム生成誘導器481であって、(例えば、電気発熱体405、流入空気ポンプ408、および/また流出空気および煙ポンプ475を制御することによって)熱分解を回避するためにヒューム生成区画404に上記物質の断続的な燃焼または加熱を誘導する断続的ヒューム生成誘導器481、
20.ヒューム生成区画404内へのまたはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容する断続的ヒューム生成誘導器481の空気ポンプもしくは通気器408、(図10におけるような)バルーン気化器486および弁482(図9)、
21.断続的ヒューム生成誘導器481の一部、または、断続的な燃焼または加熱を制御するように動作する、制御器474などの、協働して動作する別個の制御器であることができる制御器、
22.断続的ヒューム生成誘導器481であって、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、断続的な加熱を繰り返すように構成される断続的ヒューム生成誘導器481、
23.溶媒除去器483であって、減圧蒸発器、回転式蒸発器、または遠心式蒸発器などの蒸発器を備えてもよく、それからの溶媒の除去によりヒューム抽出物濃縮物を蒸留する溶媒除去器483、および
24.制御器474であって、上述したシステム構成要素の動作を制御し、かつ
i.動作時間、
ii.処理される物質の総重量、
iii.工程前後の溶媒重量、
iv.ヒューム生成区画での事前設定温度、
v.液体圧力、
vi.空気/気体圧力、
vii.真空圧力、
viii.灰の重量、
ix.ヒュームの吸収レベルを示す溶媒の濁度、
x.溶解成分の定性的または定量的測定のための光学手段、および
xi.蒸発もしくは燃焼熱を監視かつ制御する少なくとも1つの温度センサ、
などのシステムパラメータを設定かつ制御する制御器474。
【0072】
システム400の動作について次に論じる。ヒューム生成区画404は、ヒューム搬送管路410によって音波ヒューム溶解採集器402または音波ヒューム溶解採集器402に接続される予備混合チャンバ414へ流体接続される。したがって、ヒュームは、ヒューム生成区画404から音波ヒューム溶解採集器402へ、直接または予備混合チャンバ312を介して流れる。音波ヒューム溶解採集器402は、配管422に沿って配設された超音波伝送器426および溶媒ヒューム冷却器424を介して、これらに対して溶媒ヒューム混合物を流すようにチンキ剤容器416に配管422によって流体連通される。システム400の異なる部分に配備されてもよい超音波伝送器(例えば、図1図3の426、428、および114、116、214、214’、216、216’、314、318)は、溶媒におけるヒュームの溶解に不可欠な局所的圧力を増加させるが、システムを通って循環された一般的気体に対するわずかな全体的圧力に耐え、それによって、高い圧力を作成し、かつ圧力損失を補償するために必要とされる大規模ポンプの必要性を除く。これは、気体が相対的に低い圧力で再循環できるシステム400の閉ループパターンにとって特に有益であり、貴重なヒューム含有気体を高い圧力で放出する必要性を除く。
【0073】
溶解は、チンキ剤容器416内へ流れる直前に、溶媒ヒューム混合物を、テスラ弁427を備える任意選択の乱流ユニットの抵抗方向に通過させることによって促進されてもよい。テスラ弁427の抵抗方向は、流れを遅くし、かつ渦および乱流を生成するように構成され、それによって、溶解を促進するために気泡に圧力を作用させるように構成される。
【0074】
任意選択の超音波伝送器428は、プール418でのチンキ剤におけるヒューム粒子の溶解を促進するために、プール418でチンキ剤内へ超音波エネルギーを伝送するために採用されてもよい。この溶解を促進するために、溶媒ヒューム混合物は、配管423を通って容器416におけるプール418の底部に伝導され、混合物の気泡はプール418において液体を通って浮き上がることができ、ここで、気泡は、図7に最もよく見られるように、プール418の側面または内部に配設される伝送器428の超音波エネルギーを受ける(配管422、ポンプ423、容器416におけるプール418、超音波伝送器428および板476)。混合物は、例えば、水槽水の酸化に一般的に使用されるベンチュリ水ポンプを備えることができるポンプ423の補助力によって流されることができる。気泡の移動は、好ましくは、伝送された超音波エネルギーへの曝露の増加を可能にするために、例えば、プール418内の間に隙間を残して互いに上下に配設される一連の穿孔水平円盤もしくは板476によって遅くされる。円盤には、小さい穴が穿孔され、これらの穴は、好ましくは、隣接する円盤の小さい穴のそれぞれに鉛直方向に変位される。浮き上がる気泡は円盤に衝突し、遅くなって小さい穴を貫通し、隣接する円盤の穴の間の鉛直方向の変位により、気泡の移動がさらに遅くなり、気泡は、より大きな気泡内へ融合することが促される。円盤476の中には、2つまたは4つの超音波伝送器428が、超音波エネルギーに対する減速かつ融合した気泡の効果的な曝露のために配設される。この超音波エネルギーを受けた気泡は、押しつぶされて、かつ溶解されて、泡立つソーダのように現れる液体溶媒になり、液体プール418を離れると冷却されるにつれて上昇かつ凝縮してミストになるように促される。
【0075】
容器416に入ると、溶媒ヒューム混合物は、容器分離器430によって最初に分離され、ここで、液状化物質は、直接または任意選択の庇436を通して滴下し、プール418の底部に静止している液体溶媒に合流し、一方、気体状物質(例えば、ミストとして現れる空気、ヒュームおよび溶媒蒸気)は、サイクロン分離器438に向かって上方に上昇する。分離器438で液状化された物質は、直接もしくは任意選択の庇440を通って滴下し、プール418の底部に静止している液体溶媒に合流し、一方、気体状物質は気体ヒューム凝縮器442に向かって上方に上昇する。滴下器(またはシャワーヘッド)432によって代表される任意選択の滴下カーテンは、プール418内へ戻る気体状ミストにおける脂肪を含む物質のさらなる吸収を促進し得る。分離器438は、サイクロン構造によって強制される遠心力によって液体を気体からさらに分離するサイクロン構築を備えてもよい。溶媒で飽和した気体は、次いで、上昇して凝縮器442を通過し、そこでは、冷却液が溶媒の凝縮温度より低い温度で、織り交ぜられた配管を通過する。例えば、溶媒がエタノールの場合、冷却剤は、エタノールの凝縮温度である摂氏4度よりも下(かつ摂氏0度の水の凝固点よりも上)の温度で配管を流れた水であってもよい。
【0076】
凝縮器442によって液状化された物質は、直接または任意選択の庇444を通って滴下し、プール418の底部に静止している液体溶媒に合流し、一方、上向きに上昇する気体状物質は、溶媒の乾燥物であり、容器416から放出された(凝縮器442から発出された)気体を音波ヒューム溶解採集器402および/または混合チャンバ414および/またはヒューム生成区画404に流体連通する配管448、450、452を通って、ポンプ454によって上昇または排出されることによって、閉ループ気体循環部446により再循環される。
【0077】
溶媒貯留槽420は、システム400の動作に必要な溶媒を供給するためにプール418と流体連通している。溶媒循環部456は、ポンプ466によって引き出された液体溶媒またはチンキ剤を、貯留槽420から配管458を通って給送し、またはチンキ剤をプール418から導管458およびポンプ468を介して、音波ヒューム溶解採集器402または予備混合チャンバ414(配管464経由)に給送する。溶媒貯留槽420は、放出されたヒュームとともに液体溶媒を導管に通して循環させることによって、導管の側面に付着したヒューム残渣を放出するために、ポンプ472によって引き出された溶媒を配管470に通して流して配管および導管(例えば、410、422、436、440、444、448、450、452、458、および464)を洗うように、任意選択の内部導管残渣収集洗浄機構にさらに流体接続される。ヒューム残渣の多い溶媒は、次いで、容器416に充填されたヒュームとともにヒューム残渣を凝集させるためにプール418に循環されてもよい。
【0078】
ヒュームが排気されたとき、またはシステム400の蓄積動作が採集もしくはその他の理由で停止されたとき、またはプール418でのチンキ剤が別のコンテナに提供された場合、液体溶媒プール418に溶解、蓄積、かつ充填され、それによって溶解されたヒューム抽出物であるチンキ剤を構成するヒュームは、チンキ剤を溶媒の沸騰温度より上、かつ溶解したヒュームの蒸発/沸騰温度より下に加熱することによって、ヒューム抽出物濃縮物を蒸留するように、(または溶媒の濃度が増加して)溶媒から分離されてもよく、ここで、溶媒は、溶解したヒュームの蒸発/沸騰温度点よりも低い沸騰/蒸発温度点を有するように選択され、それによって、溶媒が全て蒸発した場合は、蓄積されたヒューム物質の残渣を残し、または、溶媒がある程度、残る場合は、溶媒が薄くヒュームが多いチンキ剤を残す。蒸留はまた、減圧蒸発器、回転式蒸発器、または遠心式蒸発器などの蒸発器を備えてもよい溶媒除去器483によって運ばれてもよく、溶解したヒューム抽出物から溶媒を効果的に除去してヒューム抽出物濃縮物を得る。
【0079】
制御器474は、システム400の任意かつ全ての構成要素の動作を制御し、システムパラメータを設定かつ制御するために構成され、かつ動作する。
【0080】
システム400の動作は、システム400の特定の選択肢を例示する簡略化されたシステムに関して、ここでさらに詳述する。図6A図6Eおよび図7図10Bもここで参照する。図6A図6Eは、図5のシステムと併せて、加熱された物質の、時間の関数としての複数の加熱パターンの概略図である。図7図10Bは、図1図2または図3による音波ヒューム溶解採集器を含む、本発明によって構築され、かつ作動するヒューム溶解および蓄積システムの変形例を示す。
【0081】
図7を参照すると、符号500で示され、本発明によって構築され、かつ作動する閉ループシステムが示され、閉ループシステムは溶媒プール418に配設された超音波伝送器428を備え、ここで、音波ヒューム溶解採集器402から噴出する溶媒ヒューム混合物は、伝送器428の超音波エネルギーへの曝露を延長するために一連の穿孔板476を通る気泡の上昇を遅くするように、ポンプ423によって溶媒プール418の底部に引き出される。加えて、容器416から放出された乾燥気体は、(溶媒からの分離後に)(ポンプ454を備える)配管448を介してヒューム生成区画404の底部へ再循環され、ここで、物質406は、例えば、電気発熱体405によって(燃焼している物質478の有無にかかわらず)炉におけるように加熱される。
【0082】
図8は、本発明によって構築され、かつ作動する閉ループシステムを示し、システムは、別個のストーブが再循環された乾燥気体を加熱している間、気化される物質が置かれる加熱チャンバを備え、符号600で示される。システム600は、図7のシステム500と同様であり、ヒューム生成区画404が(例えば、手段405などの、酸素富化が冗長である電気加熱によって)容器416から発出された(また、ポンプ454を備える配管448を介して伝導された)再循環乾燥気体を単に加熱する間、気化される物質406が置かれる加熱チャンバ403、発出されたヒューム噴出が音波ヒューム溶解採集器402にアクセスすることを選択的に可能にする制御弁482、および/または、以下で説明するように熱分解を除くために断続的な流動を制御することができる空気ポンプ484を備える。
【0083】
図9を参照すると、燃焼が酸素富化オーブンで行われる、符号700で示される、本発明によって構築され、かつ作動する閉ループシステムが示される。システム700は、図7のシステム500と同様であり、このシステムでは、ヒューム生成区画404で物質406を燃焼することが行われ、容器416から放出される(およびポンプ454を備える配管448を介して伝導される)再循環乾燥気体に加えて、空気または酸素も、燃焼工程のために酸素富化のためのヒューム生成区画404に入り、ここで、発出されたヒューム噴出が音波ヒューム溶解採集器402にアクセスすることを選択的に可能にする制御弁482、および/または乾燥気体ポンプ454および/または空気ポンプ408は、以下で説明するように熱分解を除くために断続的な流動を制御できる。
【0084】
図10Aを参照すると、バルーン気化器を採用した、符号800で示される、本発明によって構築され、かつ作動する閉ループシステムが示される。システム800は、図8のシステム600と同様であり、気化される物質406が置かれる加熱チャンバ403を備えるが、バルーン492が満杯になるまで(所定の圧力に達するか、または所定量の気体で満たされるまで)円錐通路490を通ってバルーン492内に一定温度の熱風を吹き出すファン488を備えるバルーン気化器486(例えば、https://www.vapormed.com/en/で公開されているようなVolcano(TM)Medic2など)を採用する。あるいは、物質406は、図7のシステム500におけるような炉を備えるヒューム生成区画404に配置され、かつ燃焼され、チャンバ403は、単に、気体およびヒュームを蓄積するために使用される。先行技術のバルーン気化器は、いかに、タバコまたは大麻の加熱が、ヒュームの化合物の所望のプロファイルを提供するために自然な呼吸工程に適合する様式で、相対的に大きい装置によって行われるかを例示しているが、使用者は、規則的な蒸気吸引装置などのポケットに入れて持ち運ぶのに十分に小さくはない、大きいバルーン気化器によって放出される煙を直ちに吸い込む必要がある。本発明は、明細書では、面倒なバルーン気化器の持ち運びを必要とせずに、従来のコンパクトなポケットサイズの気化器または蒸気吸引装置によって発出するために容易に適応可能な液体または固体の形態で使用者に次いで提供できる所望の化合物を採集するために、人間の呼吸のうちの即時吸入を必要とせずに、溶媒またはチンキ剤における化合物の所望のプロファイルを有する蒸気を捕捉するために、この工程を利用する。
【0085】
気体は、次いで、一方向弁482によって音波ヒューム溶解採集器402に向けて放出されることが可能となり、それによって、以下で説明するように、熱分解を除くために断続的な流動を提供する。
【0086】
図10Bを参照すると、水タバコ気化器401を採用した、符号800’で示される、本発明によって構築され、かつ作動する閉ループシステムが示される。システム800’は、ヒューム生成区画404で燃焼される物質406を配置するという選択肢を有する図10Aのシステム800と同様であり、また、図7のシステム500の炉にも似ている。
【0087】
水タバコ気化器401は、採集器402では容易に採集されない空気および煙における脂肪および脂肪成分を捕捉するために使用される、水タバコ型の水パイプ状(水ギセル)装置である。水タバコ気化器401は、脂肪溶媒液体413で部分的に満たされた区画411と、液体413に部分的に浸漬されたパイプ417を備える空気および煙入口415と、液体413の表面の上方に配設される空気および煙出口419とを含む。脂肪溶媒液体413は、グリセリン、グリセロール、または脂肪が容易に溶解する傾向がある任意の溶媒を含むことができる。ヒューム生成区画404から放出された空気および煙は、配管421を介して入口415およびパイプ417から、底部区画411にとどまる液体413内へ伝導される。区画419における空気および煙は、出口419、および配管425を通って採集器402内へ引き込まれる。採集器402は、装置102、202、および302などの吸引装置を備えることができ、代替的には、そのような同様の吸引装置(または任意の他の吸引装置)が水タバコ気化器401と採集器402との間に配設されることができ、さらに代替的には、空気および煙をヒューム生成区画404から区画419に進入させ、区画419から採集器402に向かって排出するように構成された任意の装置が適用可能であってもよい。吸引作用が適用されるとき、区画419から引き出された空気および煙は、ヒューム生成区画404から発出された空気および煙の吸引を誘動し、これは液体413内へ強制的に入り、水パイプまたは水タバコ装置に代表される「ハブルバブル」乱流作用で液体413に放出され、それにより、液体413に溶解しやすい脂肪成分の溶解を促進する。(容器416における)溶媒プール418に採集かつ収集されたヒュームに加えて、ヒュームの脂肪成分は、システム800’の動作によって、液体413に捕捉、採集、かつ収集される。
【0088】
図5のシステム400、および図7図10Bのシステム500、600、700、および800の主要構成要素は、接続され、気体、ヒュームおよび液体溶媒を伝導し、次のように動作する。
【0089】
気化または燃焼される物質は、気化/燃焼/加熱手段405が物質406を燃焼し、かつ/または気化させてヒュームを生産するヒューム生成区画404(または同等の構成要素403および404)に配置され、燃焼が利用される場合、任意選択の通気器408が空気を給送して燃焼に酸素を送る。加熱は複数の規律を含んでもよい。
【0090】
(I)単純で規則的な加熱は、好ましくは、燃焼した物質に悪影響をしばしば与える「熱衝撃」を回避するために、徐々に行う。加熱は、求められていた化合物を取得するためにしばしば必要とされる燃焼に達してもよい。
【0091】
(II)連続で燃焼させることは、効果的な喫煙のために回避する必要がある、有害な現象である熱分解でしばしば終わる。
【0092】
(III)燃焼させることは、図6Aに最もよく見られるように、適切な化合物を得ることが証明されている、人間のシガレットの煙の吸入および吐出のサイクルを模倣するように断続的に行われてもよく、時間の関数としての温度は完全な曲線として提示され、時間の関数としての吸引は同様に制御されるが、曲線は、所望の燃焼した物質の、燃焼工程から生じる、そのより高い存在感に適する際、より効果的に、より早い(または遅い)タイミングに位相がずれる。サイクルでは、制御されて徐々に温度が上昇する期間aの後、燃焼が生じる高温期間bが続いた後、制御されて徐々に温度が下降する期間cが続き、最終的に、温度が低いままのストール期間dとなり、その全ての期間が次のサイクルで繰り返される。例えば、(大麻の)THCは、5~10秒後に摂氏125度の温度で熱分解されるため、高温期間が短くなるように制御される。
【0093】
(IV)別の加熱規律は、「燃焼する/喫煙する」物質に必要な温度で、加熱された空気を吹き込むことによって熱分解を回避する(図8および図9)。吹き込まれたヒュームは、適切な制御器によって制御され、制御器によって溶媒ポンプを制御すること、または周波数変更器(例えば、三相モータの0~50HzACの変更)を単に実装すること、または部分的に開くように制御できる制御可能な比例弁(例えば、制御される円錐針ポンプ)のいずれかによって断続的な流れを提供し、それによって徐々に変化する空気の流動を管理するが、脂肪分の多い煙は蓄積して針ポンプを詰まらせる傾向があるので、その頻繁な洗浄が必要とされる一方で、空気ポンプは詰まらないことに留意されたい。図6Fを参照すると、人の喫煙サイクルを模倣した時間の関数としての空気をポンプで送る頻度(実線)および加熱温度(点線)のグラフ図が示される。喫煙者は、典型的には、約1~3秒持続する、各吸入において約2~4分間、約35~55cmの10~20回の飲み込みで、間隔をあけて呼吸する。「吸入」の頻度を制御すること(例えば、毎分2.5~10サイクル-CPM:cycles per minute)は、吸入の間の一時停止の時間を制御することと同等であるが、また、吸入期間(例えば、1~3秒)を制御することにより、最低温度および最高温度を制御し、熱分解を導くかもしくは回避し、吸入時間が長いほど、また吸入頻度が高いほど、燃焼するまたは加熱する温度が高くなる。ポンピングの頻度が1分から4分まで、0から8CPMまで変更されると、加熱温度は摂氏80度から250度に徐々に上昇し、4分目の直前に熱分解温度の190度を超え、次いで、ポンプが動作を停止すると温度は急速に100度に低下する。したがって、熱分解に達する直前にポンピングの持続時間が停止される場合、または周波数が、例えば、6CPMに、7~10分の間に示されるように、制限される場合(これは、各連続する吸入の間の一時停止を延長することと同等である)、または吸入期間が短くなる場合、熱分解は回避できる。加えて、温度はサイクルに沿って徐々に変化するため、温度の変化により、実際の喫煙の成分そのものに近い喫煙成分を生産する「喫煙」工程につながる。
【0094】
(V)断続的加熱を誘導する別の方法には、バルーン気化器を採用することを含み(図10A)。ファンは、バルーンが満杯になるまで(所定の圧力に達するか、または所定量の気体で満たされるまで)、円錐通路を通して一定温度の熱風をバルーン内へ吹き込む。気体は次いで、一方向弁によって吸入または放出されることができる。しかしながら、この方法はバルーンの壁および気道に残渣を残しやすく、大量の煙に対しては効率が悪くなる。
【0095】
(VI)グリセリンおよびグリセロールなどの溶媒に溶解しやすい脂肪成分は、音波採集器の上流に配設された予備水タバコ気化器によって捕捉できる(図10B)。
【0096】
(VII)気化または加熱が燃焼に達しない場合、熱分解は生じない。加熱は、制御された温度で加熱された空気を流すことによって行われてもよい(図8)。
【0097】
(VIII)加熱/燃焼前に気化させる物質を絞って押しつぶし、または崩すことで、気化させる化合物の導出を促進する。
【0098】
(IX)特定の温度で加熱すると、特定の化合物が放出され、それらの化合物は、典型的には、化合物に対して固有の、内在的な、または本質的である特定化合物の放出温度(本明細書では「固有温度」)で生成され、または放出される。場合により、化合物は、放出または気化を促す温度よりも低い(または高い)温度で(例えば、燃焼された生産物として)生成されるので、固有温度には両方の値を含む。いくつかの化合物では、固有温度は、複数の特定の作成温度、複数の特定の気化/発出温度、または温度範囲に沿った広がりを含む。したがって、特定化合物は、それぞれの固有温度まで別個に加熱することにより、別個に気化および収集されてもよい。気化される物質は、システムによって収集されてもよい特定の化合物(複数可)を得るために必要な最低温度へ最初に加熱され、それらの抽出の枯渇後にのみ、システムまたは収集構成要素は、洗浄または交換または空にされ、次の温度が次の化合物に適用され、これは、加熱温度を時間の関数として徐々に上昇されることを提示している図6Bに見られるように、別個に抽出された全ての化合物が放出されるまで、より高い温度で逐次などに繰り返されてもよい。これにより、放出温度に到達したにもかかわらず、以前は枯渇しなかった材料の抽出が継続される可能性がある。図6Cでは、同様のスキームが適用されるが、温度は同じ「非燃焼」温度tに低下する。図6Bおよび図6Cでは、各最大サイクル温度に対して1サイクルのみが示されるが、サイクルにおける特定最大温度ごとに図6Aにおけるようにいくつかのサイクルが存在してもよい(図6Dおよび図6E)。
【0099】
本発明のさらなる態様によれば、溶媒ヒューム混合物に少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させる手順を含む、液体溶媒における溶解によるヒューム採集の方法が開示される。キャビテーションを作用させることは、亜音速キャビテーションを作用させる少なくとも1つの音波キャビテーション装置の収束発散首部を通して溶媒ヒューム混合物を流すことを含んでもよく、ここで、少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、亜音速キャビテーション装置を含み、かつ/または溶媒ヒューム混合物に超音速衝撃波を作用させることを含んでもよく、ここで、少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、超音速キャビテーション装置を含む。本方法は、ベンチュリを備えてもよい少なくとも1つの音波キャビテーション装置によるヒュームの真空ポンピングをさらに含んでもよい。流すことは、収縮された首部を通る滑らかな流動またはチョークした流動を含んでもよい。超音速キャビテーション装置は、ラバールノズルを含んでもよく、超音速衝撃波を作用させることは、ラバールノズルの過度に拡張された管首部に、P=0.4...0.35Paのサマーフィールド基準を満たすことによって、自由衝撃分離を誘導することを含んでもよい。
【0100】
キャビテーションを作用させることは、溶媒ヒューム混合物を、流線に沿って直列に連続して配置された少なくとも2つの音波キャビテーション装置に通し、上流亜音速キャビテーション装置における亜音速キャビテーション、および下流超音速キャビテーション装置における超音速衝撃波を作用させることなどによることを含むことができる。キャビテーションを作用させることは、キャビテーション効果および超音速衝撃波を作用させるように収束発散首部が作動する単一の音波キャビテーション装置に、亜音速または超音速のキャビテーション、および超音速衝撃波を生じさせることを含んでもよい。
【0101】
キャビテーションを作用させることは、0.7~5MHzの周波数範囲で、0.3~50ワット/Cmの強度範囲で超音波エネルギーを印加することなどによって、少なくとも1つの音波キャビテーション装置の超音波伝送器によって溶媒ヒューム混合物内へ超音波エネルギーを伝送することによって超音波キャビテーションを作用させることを含んでもよい。キャビテーションを作用させることは、少なくとも1つの音波キャビテーション装置の収束発散首部を通して溶媒ヒューム混合物を流すことを含んでもよく、ここで、超音波キャビテーションを作用させることは、首部または首部の縮流部に、またはその近傍の下流で、またはそこから離れて下流に取り付けられ、かつ動作する超音波伝送器によって流すことに加えて行われる。超音波キャビテーションを作用させることは、溶媒プールの底部で溶媒ヒューム混合物を放出して、プールを通して上昇する気体状泡を生産し、気体状泡のプールに配設された超音波伝送器によって超音波エネルギーを気体状泡に伝送することを含んでもよい。放出することは、プールに配設され、かつ超音波エネルギーへの気泡の曝露を延長するために動作する一連の水平穿孔板によって、プールにおける気体状泡の上昇を遅くすることを含んでもよく、ここで、溶媒ヒューム混合物は、少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する。
【0102】
ここで図11を参照すると、亜音速、超音速、および超音波の抑制によって溶媒にヒューム溶解を刺激かつ促進するために本発明によって作動する、符号5000で示される、ヒューム溶解方法のブロック図である。方法5000は、手順502~518を含む。手順502は、液体溶媒とヒュームとの混合物(溶媒ヒューム混合物)にキャビテーションを作用させるために動作する少なくとも1つの音波キャビテーション装置を設けることを含み、ここで、ヒュームは、気体および気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含有する。手順504は、溶媒ヒューム混合物を、少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させることを含む。図1を参照すると、溶媒ヒューム混合物は、溶媒ヒューム混合物にキャビテーション効果を作用させるように構成された音波キャビテーション装置100を通して流される。キャビテーションを作用させる手順504は、少なくとも1つの音波キャビテーション装置の収束発散首部を通して溶媒ヒューム混合物を流す手順506を含むことができる。流す手順506は、少なくとも1つの音波キャビテーション装置によるヒュームの真空ポンピングの手順508を含むことができる。流す手順506は、ベンチュリ管を通る滑らかな流動またはチョークした流動を流すことを含んでもよく、ここで、少なくとも1つの音波キャビテーション装置はベンチュリである。図1を参照すると、溶媒ヒューム混合物103は、ベンチュリを備える音波キャビテーション装置102の収束発散首部110を通って流され、ここで、流すことは、滑らかな流動またはチョークした流動であり、ヒュームは、溶媒噴射126とともに音波キャビテーション装置102によって真空ポンプで送られる。
【0103】
キャビテーションを作用させる手順504は、亜音速キャビテーションを作用させる手順510を含むことができ、ここで、少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、亜音速キャビテーション装置を含む。図1図2、および図3を参照すると、音波キャビテーション装置102、202、または302は、亜音速キャビテーション装置を含む。
【0104】
キャビテーションを作用させる手順504は、溶媒ヒューム混合物に超音速衝撃波を作用させる手順512を含むことができ、ここで、少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、超音速キャビテーション装置を含み、これは、ラバールノズルを含んでもよく、ラバールノズルの過度に拡張された管首部に、P=0.4...0.35Paのサマーフィールド基準を満たすことによって、自由衝撃分離を誘導することを含んでもよい。図1図2、および図3を参照すると、超音速衝撃波が、超音波キャビテーション装置102、203または303における溶媒ヒューム混合物103に作用し、この装置は超音速キャビテーション装置を含み、これは、そのサマーフィールド基準を満たすラバールノズルであってもよい。
【0105】
キャビテーションを作用させる手順504は、溶媒ヒューム混合物を、手順510および/または手順512におけるように流線に沿って直列に連続して配置された少なくとも2つの音波キャビテーション装置に通すこと、または手順510におけるように上流亜音速キャビテーション装置において亜音速キャビテーションを作用させること、および手順512におけるように下流超音速キャビテーション装置において超音速衝撃波を作用させることを含んでもよい。図2および図3を参照すると、図2の2つの音波キャビテーション装置202および203、または図3の302および303は、流線に沿って直列に連続して配置され、ここで、装置202または302は、亜音速キャビテーションを作用させるように動作する上流亜音速キャビテーション装置であり、装置203または303は、超音速キャビテーションおよび超音速衝撃波を作用させるように動作する下流超音速キャビテーション装置である。
【0106】
キャビテーションを作用させる手順504は、キャビテーション効果および超音速衝撃波を作用させるように収束発散首部が作動する単一の音波キャビテーション装置に、手順510または512におけるように亜音速もしくは超音速キャビテーション、および手順512におけるように超音速衝撃波を作用させることを含んでもよい。図1を参照すると、装置102は、亜音速もしくは超音速キャビテーション効果および超音速衝撃波を作用させるように収束発散首部110が作動する単一の音波キャビテーション装置である。
【0107】
キャビテーションを作用させる手順504は、0.7~4MHzの周波数範囲で、0.3~50ワット/Cmの強度範囲で超音波エネルギーを印加することなどによって、少なくとも1つの音波キャビテーション装置の超音波伝送器によって溶媒ヒューム混合物内へ超音波エネルギーを伝送することによって超音波キャビテーションを作用させる手順514を含んでもよい。図1図2、および図3を参照すると、超音波キャビテーションは、超音波伝送器114、118、214、218、214’、218’、314、または318のうちのいずれかによって、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物103内へ伝送することによって印加し、これは、同様の周波数および強度それぞれの範囲で印加されてもよい。
【0108】
キャビテーションを作用させる手順504は、手順506におけるように、少なくとも1つの音波キャビテーション装置の収束発散首部を通して溶媒ヒューム混合物を流すことを含むことができ、ここで、超音波キャビテーションを作用させる手順514は、流す手順506に加えて、首部または首部の縮流部に、またはその近傍の下流で、あるいはそこから離れて下流に取り付けられ、かつ動作する超音波伝送器によって行われる。図1図2、および図3を参照すると、溶媒ヒューム混合物130は、それぞれ音波キャビテーション装置102、202、203、または303の収束発散首部100、210、211、または350を通して流され、ここで、超音波キャビテーションは、流すことに加えて、それぞれ、首部100、210、211、もしくは350または首部100、210、211、もしくは350の縮流部に、またはその近傍の下流で、またはそこから離れて下流に取り付けられ、かつ動作する超音波伝送器114、118、214、218、214’、218’、または318によって行われる。
【0109】
超音波キャビテーションを作用させる手順514は、溶媒プールの底部で溶媒ヒューム混合物を放出して、プールを通って上昇する気体状泡を生産し、超音波エネルギーを、プールに配設された超音波伝送器によって気体状泡に伝送する手順516を含むことができる。放出する手順516は、プールに配設され、かつ超音波エネルギーへの気泡の曝露を延長するために動作する一連の水平穿孔板によってプールにおける気体状泡の上昇を遅くする手順518を含むことができ、ここで、溶媒ヒューム混合物は、少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する。図5および図7を参照すると、溶媒ヒューム混合物は、溶媒プール418の底部での配管422を介して放出され、プール418を通って上昇する気体状泡を生産し、超音波エネルギーは、プール418に配設された超音波伝送器428によって気体状泡へ伝送され、プール418における気体状泡の上昇は、プール418に配設され、かつ超音波エネルギーへの気泡の曝露を延長するために動作する一連の水平穿孔板476によって遅くされ、ここで、溶媒ヒューム混合物は、音波キャビテーション装置402から噴出する。
【0110】
本発明のさらなる態様によれば、ヒュームを液体溶媒に溶解し、溶解したヒュームを溶解したヒューム抽出物として、または上記溶解したヒューム抽出物から蒸留したヒューム抽出物濃縮物として蓄積することによる、ヒューム採集および蓄積方法が提供され、本方法は、ヒューム放出源材料(物質)を燃焼し、かつ/または気化させることにより生成区画にヒュームを生成することを含み、ここで、ヒュームは、気体、および気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含み、ここで、生成することは、ヒュームの一部をヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって、ヒュームの別の部分をヒューム放出源材料の蒸発温度への曝露によって生成することを含んでもよい。ヒュームを生成することは、断続的ヒューム生成誘導器によって、物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避することを含んでもよい。本方法は、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)において、溶媒ヒューム混合物を少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによりキャビテーションを作用させることによって、ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によりヒュームを採集することを含む。断続的な、燃焼または加熱を誘導することは、空気ポンプもしくは通気器、バルーン気化器、および/または弁によってヒューム生成区画内へのまたはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容すること、あるいは制御器によって断続的な燃焼または加熱を制御することを含んでもよい。断続的な燃焼または加熱を誘導することは、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、断続的加熱を繰り返すことを含んでもよい。加えて、脂肪成分は、音波採集器の上流に配設された予備的水タバコ気化器によって捕捉できる。
【0111】
ここで、亜音速、超音速、および超音波の抑制によって溶媒にヒューム溶解を刺激かつ促進するために本発明によって作動する、符号6000で示される、ヒューム溶解および蓄積方法のブロック図である図12を参照する。方法600は、物質を燃焼し、かつ/または気化することによって生成区画にヒュームを生成する手順602を含む。生成する手順602は、断続的ヒューム生成誘導器によって物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避する手順604を含んでもよい。方法6000はさらに、ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によってヒュームを採集する手順606と、手順606における少なくとも1つのヒューム溶解採集器によるヒューム採集の上流で、予備的水タバコ気化器によって、生成されたヒュームの脂肪成分を採集する任意選択の手順605とを含む。断続的な燃焼または加熱を誘導する手順604は、空気ポンプもしくは通気器によって、バルーン気化器によって、および/または弁によって、ヒューム生成区画内へのまたはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容することを含んでもよく、また、例えば、空気ポンプもしくは通気器、バルーン気化器、および/または弁を制御する制御器によって断続的な燃焼または加熱を制御することを含んでもよい。断続的な燃焼または加熱を誘導する手順604は、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で断続的な加熱を繰り返す手順608、または少なくとも1つの特定化合物を別個に気化して、それぞれの別個の収集を可能にするために、少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、断続的な加熱を繰り返す手順610を含むことができる。図5および図7を参照すると、ヒュームは、物質406を燃焼し、かつ/または気化することによって生成区画404で生成され、これは、溶質としてのヒュームを液体溶媒に溶解するために動作するヒューム溶解採集器402によって採集される。図10Bを参照すると、生成されたヒュームの脂肪成分は、予備水タバコ気化器401によって採集される。物質の断続的な燃焼または加熱は、断続的ヒューム生成誘導器481によって熱分解を回避するために生成区画404に誘導される。断続的な加熱は、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、生成区画404において繰り返される。手順604および任意選択の手順608および/または610は、手順606、または任意選択の手順605の上流で行われる。
【0112】
本発明のさらなる態様によれば、ヒューム採集および蓄積方法が提供され、この方法は、ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によってヒュームを採集し、ここで、ヒュームは、気体、および気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含み、閉ループ気体循環において気体ヒューム混合物を圧力下で再循環させることを含み、ここで、気体ヒューム混合物は、ヒュームを溶媒に溶解された溶質として蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された残余であり、ここで、循環部は、気体ヒューム混合物を、(1)少なくとも1つのヒューム溶解採集器、(2)少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および(3)ヒューム生成区画のうちの少なくとも1つ内へ再循環させるために動作する配管および再循環送風器を含む。
【0113】
ここで、図13を参照するが、これは、亜音速、超音速、および超音波の抑制によって溶媒にヒューム溶解を刺激かつ促進するために本発明によって作動する、符号7000で示される、さらに別のヒューム溶解および蓄積方法のブロック図である。方法7000は、ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によってヒュームを採集する手順702を含む。方法7000は、気体ヒューム混合物を圧力下で閉ループ気体循環部に再循環させる手順704をさらに含み、ここで、気体ヒューム混合物は、溶媒に溶解した溶質としてヒュームを蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された残余であり、ここで、循環部は、気体ヒューム混合物を、(1)少なくとも1つのヒューム溶解採集器、(2)少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および/または(3)ヒューム生成区画内へ、再循環させるために動作する配管および再循環送風器を含む。方法6000も参照すると、ヒュームを採集する手順606または手順702は、混合物に、少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、液体溶媒とヒュームとの混合物にキャビテーションを作用させることを含むことができる。図5を参照すると、ヒュームは、ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作するヒューム溶解採集器402によって採集され、気体ヒューム混合物は、圧力下で閉ループ気体循環部446に再循環され、ここで、気体ヒューム混合物は、溶媒に溶解した溶質としてヒュームを蓄積する容器416の下流で液体溶媒から分離された残余である(沈殿誘導器430、サイクロン分離器438および溶媒凝縮器442による液状化溶媒および溶質からの分離後)。循環部446は、配管448、450、および452と、気体ヒューム混合物を、ヒューム溶解採集器402、またはヒューム溶解採集器402の上流に配設される予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ414、またはヒューム生成区画404内へ再循環させるために動作するポンプ454などの再循環送風器とを備える。図5図7図10におけるヒューム溶解採集器402は、液体溶媒とヒュームとの混合物に、音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、この混合物にキャビテーションを作用させる。
【0114】
開示された本発明の或る実施形態では、ヒューム採集および蓄積の方法は、物質を燃焼し、かつ/または気化することによって生成区画にヒュームを生成し、生成したヒュームを少なくとも1つのヒューム溶解採集器に提供し、液体溶媒における溶解によって少なくとも1つのヒューム溶解採集器によりヒュームを採集することを含み、溶媒ヒューム混合物に、少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させる手順を含み、かつ、以下のいずれかを含む。気化、燃焼、および/または加熱手段で物質の燃焼しおよび/または気化を誘導することを含む、生成すること、通気器での通気により燃焼に酸素を供給することを含む、生成すること、新鮮なヒュームをヒューム生成区画からヒューム搬送導管を介して少なくとも1つのヒューム溶解採集器内へ搬送することを含む、生成したヒュームを提供すること、ヒュームをヒューム送風器によってヒューム搬送導管を通して引き込むことを含む、新鮮なヒュームを搬送すること、少なくとも1つのヒューム溶解採集器に入る前に、予備混合チャンバにおいてヒュームと液体溶媒とを混合して溶媒ヒューム混合物にすることによって、液体溶媒におけるヒュームの溶解を促進すること、チンキ剤プールを備えるチンキ剤容器に、液体溶媒に溶解され、かつ少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって採集されたヒューム粒子を充填すること、溶媒を溶媒貯留槽から(1)液体溶媒プール、(2)少なくとも1つのヒューム蓄積器、および(3)導管残渣収集および洗浄用の少なくとも1つに供給すること、ヒューム溶媒混合物を少なくとも1つのヒューム溶解採集器からチンキ剤容器に配管により伝導すること、チンキ剤容器内へ流れる前に、少なくとも1つのヒューム溶解採集器の下流に配設された溶媒ヒューム冷却器によって、加熱された溶媒ヒューム混合物を冷却すること、超音波伝送器によって、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へシステムの配管に沿って伝送すること、溶媒プールの底部で上記溶媒ヒューム混合物を放出して上記プールを通って上昇する気体状泡を生産し、気体状泡の上記プールに配設された超音波伝送器によって上記気体状泡へ超音波エネルギーを伝送すること、上記プールに配設され、かつ上記気泡の上記超音波エネルギーへの曝露を延長するために動作する一連の水平穿孔板によって上記プールにおいて上記気体状泡の上昇を遅くし、ここで上記溶媒ヒューム混合物は上記少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する、少なくとも1つのヒューム溶解採集器から容器に到達すると、または溶媒プールから発出すると、容器沈殿分離器によって液体溶媒から気体およびヒュームを分離すること、ヒューム容器の下流に配設されたサイクロン分離器によって液体溶媒から冷却された気体ヒューム混合物を分離するため、サイクロン分離器の下流に配設された溶媒凝縮器によって、サイクロン分離後の溶媒残余を凝縮すること、容器沈殿分離器、サイクロン分離器、および/または凝縮器に対して/から液体を搬送する庇によって、液状化物質(溶媒および溶質)をプールに伝導すること、液体溶媒またはチンキ剤をプールまたは溶媒貯留槽から少なくとも1つのヒューム溶解採集器または予備混合チャンバに給送し、配管および溶媒引込器を含む、溶媒循環、導管の側面に付着したヒューム残渣を放出し、かつ液体溶媒を放出されたヒュームと共に導管を通してプールに循環させるために作動する内部導管残渣収集洗浄機構によって、ヒューム溶解採集器システムの配管および導管を液体溶媒で洗うこと、断続的ヒューム生成誘導器によって物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避すること、空気ポンプもしくは通気器、バルーン気化器、および/または弁によるヒューム生成区画内への、またはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容することを含む、断続的な燃焼または加熱を誘導すること、制御器によって断続的な燃焼または加熱を制御することを含む、段続的な燃焼または加熱を誘導すること、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、断続的な加熱を繰り返すことを含む、断続的な燃焼または加熱を誘導すること、気体ヒューム混合物を圧力下で閉ループ気体循環に再循環させること、ここで、気体ヒューム混合物は、溶媒に溶解された溶質としてのヒュームを蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された残余であり、ここで、循環部は、気体ヒューム混合物を少なくとも1つのヒューム溶解採集器内へ再循環させるために動作する配管および再循環送風器、少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備的なヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および/またはヒューム生成区画を含み、そして制御器によって、システム構成要素の動作を制御し、かつ、動作時間、処理される物質の総重量、工程前後の溶媒重量、ヒューム生成区画での事前設定温度、液体圧力、空気/気体圧力、真空圧力、灰の重量、ヒュームの吸収レベルを示す溶媒の濁度、溶解された成分の定性的もしくは定量的測定のための光学的手段、および/または蒸発もしくは燃焼熱を監視かつ制御する少なくとも1つの温度センサなどのシステムパラメータを設定かつ制御すること。
【0115】
ここで、図14Aおよび図14Bを参照し、これらは、亜音速、超音速、および超音波の抑制によって溶媒にヒューム溶解を刺激かつ促進するために本発明によって作動する、符号8000で示される、さらなるヒューム溶解および蓄積方法のブロック図である。方法8000は、以下の手順を含む。
【0116】
I.物質を燃焼し、かつ/または気化させることによって生成区画にヒュームを生成する手順802、ここでヒュームは、気体、および気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含む。図5を参照すると、システム400は、物質を燃焼し、かつ/または気化することによるヒューム生成区画404を含み、ここでヒュームは、気体、および気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含む。
【0117】
II.生成されたヒュームを少なくとも1つのヒューム溶解採集器に提供する手順804。図5を参照すると、生成されたヒュームは、ヒューム溶解採集器402に提供される。
【0118】
III.液体溶媒における溶解によって少なくとも1つのヒューム溶解採集器によりヒュームを採集する手順806であって、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)において、溶媒ヒューム混合物に、少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、キャビテーションを作用させる手順を含み、ここで、ヒュームは、気体、および気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含む。図5を参照すると、ヒューム溶解採集器402の音波キャビテーション装置、および/または超音波キャビテーション装置426、428のいずれかは、液体溶媒とヒュームとの混合物(溶媒ヒューム混合物)において、溶媒ヒューム混合物に、これらの音波キャビテーション装置(402、426、428)のいずれかのキャビテーション効果を作用させることによって、キャビテーションを作用させるために動作し、ここで、ヒュームは、気体、および気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含む。
【0119】
IV.方法800は、さらに、以下うちの少なくとも1つの手順を含んでもよい。
【0120】
(a)生成する手順802は、気化、燃焼、および/または加熱手段で物質を燃焼し、かつ/または気化することを誘導する手順808を含む。図5を参照すると、ヒューム生成区画404は、オーブン、ストーブ、または物質406を連続的に燃焼し、かつ/または気化する気化/燃焼/加熱手段405を備える加熱チャンバを含む。手順810は、手順804または任意選択の手順803の上流で行われる。
【0121】
(b)生成する手順802は、通気器で通気することによって燃焼に酸素を供給する手順810を含む。図5を参照すると、ヒューム生成区画404は、燃焼に酸素を供給する任意選択の通気器408を含む。手順810は、手順804または任意選択の手順803の上流で行われる。
【0122】
(c)生成したヒュームを提供する手順804は、新鮮なヒュームをヒューム生成区画からヒューム搬送導管を介して少なくとも1つのヒューム溶解採集器内へ搬送する手順812を含む。図5を参照すると、システム400は、新鮮なヒュームをヒューム生成区画408から音波ヒューム溶解採集器402内へ搬送するヒューム搬送導管410を含む。
【0123】
(d)生成されたヒュームの脂肪成分を予備水タバコ気化器(手順804における少なくとも1つのヒューム溶解採集器によるヒューム採集の上流)によって採集する手順803。図10Aを参照すると、生成されたヒュームの脂肪成分は、予備水タバコ気化器401によって採集される。
【0124】
(e)新鮮なヒュームを搬送する手順812は、ヒューム搬送管路を通してヒューム送風器によってヒュームを引き出す手順814を備える。図5を参照すると、ヒューム搬送管路410は、ヒューム搬送導管410を通してヒュームを引き出すヒューム送風器412を備える。
【0125】
(f)少なくとも1つのヒューム溶解採集器に入る前に、予備混合チャンバにおけるヒュームと液体溶媒とを混合して溶媒ヒューム混合物にすることによって、液体溶媒におけるヒュームの溶解を促進する手順816。図5を参照すると、システム400は、音波ヒューム溶解採集器402に入る前に、液体溶媒におけるヒュームの溶解を促進する予備混合チャンバ414を含む。
【0126】
(g)流れを遅くし、かつ渦および乱流を作成し、それによって溶解を促進するために気泡に圧力を作用させるために、(好ましくはチンキ剤容器内へ流れる直前の)テスラ弁を含む乱流ユニットの抵抗方向に溶媒ヒューム混合物を通過させることによって、液体溶媒におけるヒュームの溶解を促進する手順817。図5を参照すると、システム400は溶解を促進する乱流ユニットを含み、乱流ユニットは、流れを遅くし、かつ渦および乱流を作成し、それによって溶解を促進するために気泡に圧力を作用させるように構成され、抵抗方向に溶媒ヒューム混合物を通過させるために、容器416内へ流れる直前に配設された、テスラ弁427を備える。
【0127】
(h)チンキ剤プールを備えるチンキ剤容器に、液体溶媒に溶解され、かつ少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって採集されたヒューム粒子を充填する手順818。図5を参照すると、システム400は、チンキ剤プール418に静止している液体溶媒に溶解した、採集されたヒューム粒子を充填するチンキ剤プール418を備えるチンキ剤容器416を含む。
【0128】
(i)溶媒貯留槽から液体溶媒プール、少なくとも1つのヒューム蓄積器、および/または、導管残渣収集および洗浄用に溶媒を供給する手順820。図5を参照すると、システム400は、溶媒を、プール418、音波ヒューム溶解採集器402、および任意選択の導管残渣収集洗浄のために供給する溶媒貯留槽420を含む。
【0129】
(j)ヒューム溶媒混合物を少なくとも1つのヒューム溶解採集器からチンキ剤容器へ配管によって伝導する手順822。図5を参照すると、システム400は、ヒューム溶媒混合物を音波ヒューム溶解採集器402からチンキ剤容器416へ伝導し、ポンプ423を備えてもよい、配管422を含む。
【0130】
(k)チンキ剤容器内へ流れる前に、少なくとも1つのヒューム溶解採集器の下流に配設された溶媒ヒューム冷却器によって、加熱された溶媒ヒューム混合物を冷却する手順824。図5を参照すると、システム400は、容器416内へ流れる前に、音波ヒューム溶解採集器402の下流で、加熱された溶媒ヒューム混合物を冷却する溶媒ヒューム冷却器424を含む。
【0131】
(l)超音波伝送器によって、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へシステムの配管に沿って伝送する手順826。図5を参照すると、システム400は、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へ、音波ヒューム溶解採集器402の下流などでシステムの配管に沿って伝送する伝送器426などの超音波伝送器を含む。
【0132】
(m)溶媒プールの底部で溶媒ヒューム混合物を放出してプールを通って上昇する気体状泡を生産し、気体状泡のプールに配設された超音波伝送器によって気体状泡に超音波エネルギーを伝送する手順828。図5を参照すると、システム400は、超音波エネルギーをプール428でのチンキ剤内へ伝送する超音波伝送器428を含み、ここで、溶媒ヒューム混合物は、プール428の底部で放出されて、超音波伝送器428の超音波エネルギーに曝されながら、プール428を通って上昇する気体状泡を生産する。
【0133】
(n)プールに配設され、かつ超音波エネルギーへの気泡の曝露を延長するために動作する一連の水平穿孔板によって、プールにおける気体状泡の上昇を遅くする手順830であって、ここで、溶媒ヒューム混合物は、少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する。図5を参照すると、システム400は、プール428に配設され、かつ超音波エネルギーへの気泡の曝露を延長するために、プール428における気体状泡の上昇を遅くするために動作する一連の水平穿孔板476を含み、ここで、溶媒ヒューム混合物は採集器402から噴出する。
【0134】
(o)液体溶媒が、少なくとも1つのヒューム溶解採集器から容器に到達すると、または溶媒プールから発出すると、容器沈殿分離器によって液体溶媒から気体およびヒュームを分離する手順832。図5を参照すると、システム400は沈殿分離器430などの容器分離器を含み、容器分離器は、チンキ剤プール418または溶媒貯留槽420からポンプ434によって引き出された溶媒滴をシャワーヘッド432から注ぐ、振りかける、または霧雨のように降らすなどによって、音波ヒューム溶解採集器402から容器416に到達または到着すると、またはプール428から発出すると、気体および液体を分離し、かつ、液状化溶媒および溶質をプール418へ伝導する任意選択の庇436を備えてもよい。
【0135】
(p)ヒューム容器の下流に配設されたサイクロン分離器によって液体溶媒から冷却された気体ヒューム混合物を分離する手順834。図5を参照すると、システム400は、ヒューム容器416から上方に蒸発し、かつ冷却されて旋回する気体ヒューム混合物と溶媒とを分離するサイクロン分離器438を含む。
【0136】
(q)サイクロン分離器の下流に配設された凝縮器によって、サイクロン分離後の溶媒残余を凝縮する手順836。図5を参照すると、システム400は、さらなる冷却によって、サイクロン分離後の溶媒残余を凝縮する溶媒凝縮器442を含む。
【0137】
(r)液化物質(溶媒および溶質)を、プールへ、容器沈殿分離器、サイクロン分離器および/または凝縮器に対して/から液体を搬送する庇によって、伝導する手順838。図5を参照すると、システム400は、沈殿分離器430からの庇436、サイクロン分離器438からの庇440、および溶媒凝縮器442からの庇444などの、液状化物質(溶媒および溶質)をプール418へ伝導する庇を含む。
【0138】
(s)液体溶媒またはチンキ剤をプールまたは溶媒貯留槽から少なくとも1つのヒューム溶解採集器または予備混合チャンバに給送し、かつ配管および溶媒引出器を含む溶媒循環の手順840。図5を参照すると、システム400は、液体溶媒/チンキ剤を、溶媒貯留槽420(配管458経由)またはプール418(配管460経由)から音波ヒューム溶解採集器402(配管462経由)または(配管464経由して)混合チャンバ414へ給送し、ポンプ466または468などの溶媒引出器を備える溶媒循環部456を含む。
【0139】
(t)導管の側面に付着したヒューム残渣を放出し、かつ液体溶媒を放出されたヒュームとともに導管を通してプールへ循環させるために作動する内部導管残渣収集洗浄機構によって、ヒューム溶解採集器システムの配管および導管を液体溶媒で洗浄する手順842。図5を参照すると、システム400は、穿孔配管470およびポンプ472に代表され、液体溶媒でヒューム蓄積システム400の配管および導管を洗浄し、導管の側面に付着したヒューム残渣を放出し、かつ液体溶媒を放出されたヒューム残渣とともに導管を通して循環させるために作動する、内部導管残渣収集洗浄機構を含む。
【0140】
(u)断続的ヒューム生成誘導器によって、物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避する手順844。図5を参照すると、システム400は、ヒューム生成区画404に上記物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避する断続的ヒューム生成誘導器481を含む。
【0141】
(v)断続的な燃焼または加熱を誘導する手順844であって、手順844は、空気ポンプもしくは通気器、バルーン気化器、および/または弁によってヒューム生成区画内へ、またはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容する手順846を含む。図5を参照すると、システム400は、ヒューム生成区画404内へのまたはヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容する断続的ヒューム生成誘導器481の空気ポンプもしくは通気器408、(図10Aにおけるように)バルーン気化器486、および弁482(図9)を含む。
【0142】
(w)断続的な燃焼または加熱を誘導する手順844であって、手順844は、制御器によって断続的な燃焼または加熱を制御する手順848を含む。図5を参照すると、システム400は、断続的ヒューム生成誘導器481の一部となることができる制御器、または、断続的な燃焼または加熱を制御するように動作する制御器474などの、協働して動作する別個の制御器を含む。
【0143】
(x)断続的な燃焼または加熱を誘導する手順844であって、手順844は、少なくとも1つの特定化合物を別個に気化させて、それぞれの別個の収集を可能にするために、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で断続的な加熱を繰り返す手順850、または少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で断続的に繰り返す手順852を含む。図5を参照すると、システム400は、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために、少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、断続的な加熱を繰り返すように構成された断続的ヒューム生成誘導器481を含む。
【0144】
(y)気体ヒューム混合物を圧力下で閉ループ気体循環部に再循環させる手順854。ここで、気体ヒューム混合物は、溶媒に溶解した溶質としてのヒュームを蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された残余であり、循環部は、気体ヒューム混合物を少なくとも1つのヒューム溶解採集器内へ再循環させるために動作する配管および再循環送風器、少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および/またはヒューム生成区画を含む。図5を参照すると、システム400は閉ループ気体循環部446を含み、閉ループ気体循環部446は、容器314から発出された気体ヒューム混合物残余を圧力下で音波ヒューム溶解採集器402および/またはヒューム生成区画404内へ再循環させ(沈殿誘導器430、サイクロン分離器438および溶媒凝縮器442によって液状化された溶媒および溶質からの分離後)、かつ配管448、450、452およびポンプ454などの再循環送風器を備える。
【0145】
(z)溶解したヒューム抽出物から溶媒を除去することによってヒューム抽出物濃縮物を蒸留する手順856。蒸留することは、減圧蒸発器、回転式蒸発器、または遠心式蒸発器などの、ヒューム抽出物濃縮物を得る蒸発器によって、溶解したヒューム抽出物から溶媒を蒸発させることを備えてもよい。図5を参照すると、蒸留は、減圧蒸発器、回転式蒸発器、または遠心式蒸発器などの蒸発器を備えてもよい溶媒除去器483によって行われ、溶解したヒューム抽出物から溶媒を効果的に除去してヒューム抽出物濃縮物を得る。
【0146】
(aa)制御器によって、システム構成要素の動作を制御し、以下のうちの少なくとも1つを含むシステムパラメータを設定かつ制御する手順858。
(1)動作時間
(2)処理される物質の総重量
(3)工程前後の溶媒重量
(4)ヒューム生成区画での事前設定温度
(5)液体圧力
(6)空気/気体圧力
(7)真空圧力
(8)灰の重量
(9)ヒュームの吸収レベルを示す溶媒の濁度
(10)溶解成分の定性的または定量的測定のための光学手段
(11)蒸発熱もしくは燃焼熱を監視かつ制御する少なくとも1つの温度センサ
【0147】
図5を参照すると、システム400は、上述したシステム構成要素の動作を制御し、上記に挙げたシステムパラメータを設定かつ制御する制御器474を含む。
【0148】
本発明のいくつかの含意を実証する例
本発明の或る態様によれば、本発明によって採集されたヒューム抽出物/チンキ剤は、(1)上記溶解されたヒューム抽出物を含有する消費用チンキ剤、(2)上記ヒューム抽出物濃縮物が配合された消費用チンキ剤、(3)消費材料、(4)医療目的の材料、(5)化粧品目的の材料、(6)娯楽目的の材料、(7)使用者体験の追加、(8)芳香、(9)香料、(10)香り、(11)蒸気吸引材料、(12)吸入材料、(13)喫煙材料、(14)飲料材料、(15)食用材料、(16)電子タバコ(e-シガレット)のe-リキッド、および/または(17)局所適用のための材料に対する代替品、成分、または添加剤として使用できる。源材料は、(1)喫煙物質、(2)タバコ、および/または(3)大麻を含有してもよい。ヒューム抽出物濃縮物の一部は、ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって採集されてもよく、ヒュームの別の部分は、材料の蒸発温度への曝露によって採集されてもよい。電子シガレットによるe-リキッドでの消費は、好ましくは、ヒューム抽出物濃縮物の最大30%が、ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって採集されてもよく、ここで、残余は、材料の蒸発温度への曝露によって採集される。電子シガレットは、燃焼式または非燃焼式のヒートスティックなどの、喫煙材料/タバコ/大麻加熱システムを組み合わせる装置であってもよい。
【0149】
本発明によって製造されたヒューム/チンキ剤は、燃焼式シガレットに見られる有害および潜在的に有害な成分(HPHCs)、タバコまたは大麻加熱システムの煙および蒸気に見られるHPHCs、発がん性化学物質、遺伝毒性化学物質、および/または細胞毒性化学物質を特に低レベルに含有するものとすることができる。低レベルは、燃焼式シガレット、またはタバコもしくは大麻加熱システムの煙および蒸気に見られるレベルの10%より下であってもよい。「ニコチン代替療法(NRT:nicotine replacement therapy)などの従来の禁煙方法を使用できない、または禁煙したくない喫煙者にとって、蒸気吸引はタバコの害低減に役立つ。研究により、電子シガレットはおそらく人々がシガレットを喫煙することをやめるのを助けると提案している」(https://en.wikipedia.org/wiki/Electronic_cigarette)。 しかしながら、蒸気吸引により喫煙をやめようとするシガレット喫煙者は、15000種類の風味が市販されているにもかかわらず、蒸気吸引を満足できないと報告し、シガレットを喫煙することに戻ることがよくある。本発明は、本明細書では、e-リキッド製造を例示するように適用された。
【0150】
本開示の技術を評価するために行われた実験では、タバコは、本明細書に記載の本発明のシステムおよび方法によって煙およびヒュームを抽出するために使用された。タバコは、燃焼温度に加熱する、および/または単に、蒸発温度に加熱して、電子シガレット用のe-リキッドを調製した。燃焼温度には足りない単なる蒸発では、シガレットにおけるように、またタバコ(ヒートスティック)におけるより少ない量で、燃焼によって放出される有害な有毒構成成分を生産しないことが認識される。しかしながら、蒸発だけでは、喫煙者が実際の従来のシガレット(フィルター付か否かにかかわらず)を喫煙するのと同等またはほぼ匹敵すると評価する体験を生産するために必要とされる味および匂いは生産しない。
【0151】
蒸発のみのヒュームのバッチを調製するために、蒸発温度に曝された200グラムのタバコまたは燃焼した(燃焼していない)一部は40mlのチンキ剤をもたらし、そのうちの1.6mlの投与量はプロピレングリコールまたは植物性グリセリンおよび液体ニコチン(ミント風味液体の添加は任意選択である)との吸入によって使用された。例えば、102mlのe-リキッドを調製するために、20ccのチンキ剤が、35ccの植物性グリセリン、25ccのプロピレングリコール、20ccのニコチン液体および2ccのミント液体とともに吸入された。8mlのe-リキッドは、典型的には、標準電子シガレット蒸気吸引装置の標準カートリッジの流体タンクを満たす。したがって、約1グラムのタバコが、1ccのe-リキッドを生産するためのチンキ剤をもたらし、20本のシガレットを喫煙することに相当するとみなされる200回の吸入には十分である。標準カートリッジまたはポッドは、シガレット喫煙者の20回の吸入を蒸気吸引電子シガレット使用者の同数回の吸入/吹かしに並列させることに基づいて、20本のシガレットの1~8つの標準パックを喫煙するのと同等に設計される。言い換えれば、1~2本のシガレット(フィルター付きまたはフィルターなし)に含有されるタバコの量とほぼ同じ1グラムのタバコが使用されて、20本のシガレットのパックを吸入するのと同等のe-リキッドを生産した。
【0152】
したがって、本発明によって生産されたe-リキッドを蒸気吸引することが実際のシガレットを喫煙することに匹敵する、または近いとみなすことができる場合、それは、消費されたタバコの根本的に小さい部分(5%まで)を使用するだけでなく、タバコの単なる低減によって(20倍まで)低減される有害材料への使用者の曝露の劇的な低減である。上述のFDAタバコ製品販売前申請(PMTA)では、燃焼式シガレットと比較して、ヒートスティックのタバコ消費量の約50%の低減を提示したが、本明細書の実験では、タバコ消費量の約95%を低減する。
【0153】
有害材料への曝露は、実際の喫煙と比較して、本発明によって抽出された有害材料の不在または低濃度によってさらに著しく低減される。蒸発は有害材料を生成しないか、またはほとんど生成しないため、タバコの燃焼部分の燃焼温度が制限される(低く保たれるか、または特定範囲、例えば、総量の最大30%、主要な味および/または匂いを誘導する構成成分を放出するのに十分な量に限定されるかのいずれか)場合、有害構成成分の総量を著しく低減でき、一部の構成成分はほぼ除かれる。本明細書における例はタバコに関して与えられるが、その含意は、本発明が適用可能である全ての材料(例えば、大麻)について有効である。
【0154】
タバコは4つの異なる起源から採取され、それぞれが、大衆に市販されている、非常に人気のあるブランドの元のシガレットから収集されたため、各バッチは単一の起源、すなわち特定のブランドのタバコそのものから調製されている。各タバコ起源から、複数のバッチが調製された。「完全蒸発」バッチは、ストーブに125℃、155℃、175℃、185℃、および195℃の温度に、最低温度で30分から上昇して、最高温度で60分の間隔を徐々にあけて、順次曝すことによって、単に蒸発させたタバコから調製した(図5から図6Fを参照して説明した動作および方法と同様)。「非常に燃焼た」バッチは、第1のバッチと同じ蒸発工程によって調製されたチンキ剤の70%と、図10Aを参照して説明した動作および方法[例えば、3秒のヒューム吸引間隔、0.18バール~4バールの範囲で変化するヒューム吸引圧力、4秒の中断によって遮断される3~11LPM(リットル/分)の範囲で変化する溶媒供給流動に相関している]と同様の断続的ヒューム生成誘導器によって物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避することにより、熱分解をはるかに下回る温度で燃焼したタバコから調製されたチンキ剤の30%と、を配合することによって調製された。燃焼されたタバコが起源の約30%を超えるチンキ剤の比率は、大半の使用者にほとんど耐えられない過度に臭いのある製品をもたらしたが、この比率は他の使用者および他のバッチに応じて変化できる。
【0155】
ここで図15を参照するが、これは、従来のヒートスティックエアロゾルおよび燃焼式シガレットと比較した「本発明チンキ剤エアロゾル」からのHPHC推定収率を示す表である。「本発明チンキ剤エアロゾル」は、15%の燃焼タバコ(燃焼温度)および85%の蒸発タバコからなる「実験バッチ」から、現在の実験において本発明によって製造されたチンキ剤から放出されるエアロゾルである。「MarR V100-C15」と題された列に提示されるHPHC収率は、ヒートスティックエアロゾルを測定するために使用された従来のヒートスティックと同様のヒートスティックで消費され、かつ従来のヒートスティックエアロゾル(ヒートスティックNo.1、ヒートスティックNo.2、ヒートスティックNo.3)および燃焼式シガレットによって放出された構成成分と比較されたとき、実験バッチ(燃焼式シガレットにおけるタバコの5%のみを含む)のe-リキッドにおけるタバコの量に基づく推定値として計算される。計算された比較は、表2:上述のFDAタバコ製品販売前申請(PMTA)の34頁の「ヒートスティックエアロゾルおよび燃焼式シガレットからのHPHC収率の比較」に提示されたデータそのものに対して行われた。本発明によって製造されたチンキ剤(e-リキッド)における列挙された危険構成成分の量および濃度は、ヒートスティックエアロゾルにおける従来のe-リキッドのそのような構成成分の低減率まで、はるかに下回る燃焼式シガレットと比較して、意図的に添加されたニコチンを除いて、94%~99.9%(それぞれ6%~0.1%という低いレベルまで)低減すると推定される。
【0156】
4つの適度に配合されたe-リキッドのバッチ(例えば、0~30%の「燃焼した」チンキ剤、および対応する100~70%の「蒸発」チンキ剤、例えば、それぞれ15%~85%の比率)は、各シガレットブランドのタバコ源の各比率のバッチごとに(最終的には4つの異なるブランドの16バッチ)5人の蒸気吸引参加者に与えられ、参加者は喫煙経験者であり、全員全てのシガレットブランドをよく知っており、中にはタバコを充填した加熱スティックエアゾール装置(例えば、IQOS(R))をよく知っている人もおり、全員が蒸気吸引で禁煙を試みたが、満足のいかない蒸気吸引体験に不満を感じたと報告した(実際の喫煙を体験することとはかけ離れていると説明された味および匂いに起因している)。参加者は、(1)シガレット源を識別すること、(2)実際のシガレット喫煙体験と比較して、蒸気吸引の体験の類似性または近さを(0~100%の間のパーセンテージ値で)ランク付けすること、(3)与えられたe-リキッドで蒸気吸引することによって禁煙を試みたいかどうかを表明すること、(4)タバコが充填されたヒートスティック装置で喫煙するよりも、与えられたe-リキッド熱での蒸気吸引を好むかどうかを表明すること、が求められた。特定ブランドに関係なく、結果は有益であった。(1)全ての参加者が元のブランドを正しく識別した、(2)2~3分後、全ての参加者は、元のシガレット喫煙することと比較して、70%~80%の範囲で体験をランク付けした、(3)全ての参加者は、与えられたe-リキッドで蒸気吸引することによって禁煙を試みたいと表明した、(4)タバコ充填ヒートスティック装置での喫煙をよく知っている人の全てが、タバコ充填ヒートスティック装置での喫煙よりも、与えられたe-リキッドでの蒸気吸引を好むと表明した。参加者の85%は、実験に参加した直後に禁煙し、発明によって製造されたe-リキッドでの蒸気吸引に変えたと報告し、3週間後、80%が燃焼式シガレットの喫煙を再開していないと報告した。
【0157】
当業者であれば、その技術が、本明細書に特に示され、説明されたものに限定されないことを理解する。
【0158】
本出願の記載および特許請求の範囲では、動詞のそれぞれ、「備える」、「含む」および「有する」、ならびにそれらの活用形は、動詞の1つまたは複数の目的語が必ずしも、動詞の1つまたは複数の主語の構成要素、要素または部分の完全な列挙では必ずしもないことを示すために使用さる。
【0159】
本願における本発明の実施形態の記載は、一例として提供されるものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。説明された実施形態は、異なる特徴を含むが、その全てが、本発明の全ての実施形態に必要とされるわけではない。或る実施形態は、特徴の一部または特徴の可能な組み合わせのみを利用する。説明される本発明の実施形態の変形例、および説明された実施形態に記された特徴の異なる組み合わせを含む本発明の実施形態は、当業者であれば生じる。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒(「チンキ剤」)にヒュームを蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムによって前記溶媒に蓄積された、溶解したヒューム抽出物、または前記溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物、を含有するヒューム抽出物であって、
システムは、
(a)前記溶媒にヒュームを溶解かつ採集する少なくとも1つのヒューム溶解採集器であって、ヒューム溶解採集器は、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)にキャビテーション効果を作用させるように構成された少なくとも1つの音波キャビテーション装置を備え、前記ヒュームは、気体および、前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミスト、またはヒューム粒子を含有する、少なくとも1つのヒューム溶解採集器と、
(b)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器に供給される前記ヒュームを生産するために、ヒューム放出源材料(物質)を燃焼し、かつ/または気化するヒューム生成区画であって、ヒューム生成区画は、前記ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって前記ヒュームの一部を生産し、前記材料の蒸発温度への曝露によって前記ヒュームの別の部分を生産するように構成されたヒューム生成区画と、
を備えるヒューム抽出物。
【請求項2】
溶媒(「チンキ剤」)に溶解かつ蓄積された、溶解したヒューム抽出物、または前記溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物を使用するために前記溶媒にヒュームを蓄積する、ヒューム溶解採集および蓄積システムであって、
システムは、
(a)前記溶媒にヒュームを溶解かつ採集する少なくとも1つのヒューム溶解採集器であって、ヒューム溶解採集器は、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)にキャビテーション効果を作用させるように構成された少なくとも1つの音波キャビテーション装置を備え、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミスト、またはヒューム粒子を含有する、少なくとも1つのヒューム溶解採集器と、
(b)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器に供給される前記ヒュームを生成するために、ヒューム放出源材料(物質)を燃焼し、かつ/または気化するヒューム生成区画であって、ヒューム生成区画は、前記ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって前記ヒュームの一部を生産し、前記材料の蒸発温度への曝露によって前記ヒュームの別の部分を生産するように構成されたヒューム生成区画と、
を備える、ヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項3】
閉ループ気体循環部をさらに備え、閉ループ気体循環部は、前記ヒュームを前記溶媒(「溶解したヒューム抽出物」)に溶解された溶質として蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された気体ヒューム混合物の残余を、圧力下で、(1)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器、(2)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および(3)ヒューム生成区画のうちの少なくとも1つ内へ再循環させる、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項4】
前記ヒューム生成区画は、熱分解を回避するために、前記物質の断続的な燃焼または加熱を誘導するための断続的ヒューム生成誘導器を備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項5】
前記断続的ヒューム生成誘導器は、前記ヒューム生成区画内への、または前記ヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容するために、
a.空気ポンプもしくは通気器、
b.バルーン気化器、および、
c.弁
のうちの少なくとも1つを備える、請求項4に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項6】
前記断続的ヒューム生成誘導器は、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または前記少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために、前記少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、前記断続的な加熱を繰り返すように動作する、請求項4に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項7】
前記溶解したヒューム抽出物からの前記溶媒の除去によって前記ヒューム抽出物濃縮物を蒸留する溶媒除去器をさらに備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項8】
前記溶媒除去器は、
a.減圧蒸発器、
b.回転式蒸発器、および、
c.遠心式蒸発器
のリストから選択される1つを備える、請求項7に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項9】
前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流で前記ヒュームの脂肪成分を採集する水タバコ気化器をさらに備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項10】
超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へシステムの配管に沿って伝送する超音波伝送器をさらに備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は収束発散首部を備え、収束発散首部は、前記溶媒ヒューム混合物が前記収束発散首部を通して流されるときに前記溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させる、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、亜音速キャビテーション装置を備える、請求項11に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、前記溶媒ヒューム混合物が前記首部を通して流されるときに、前記溶媒ヒューム混合物に超音速衝撃波を作用させるために動作する超音速キャビテーション装置を備える、請求項11に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、前記ヒュームの真空ポンピングのためにさらに動作する、請求項11に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、前記溶媒ヒューム混合物が流される流線に沿って直列に連続して配置された少なくとも2つの音波キャビテーション装置を備え、前記少なくとも2つの音波キャビテーション装置は、少なくとも1つの亜音速キャビテーション装置と、前記少なくとも1つの亜音速キャビテーション装置の下流に配設される少なくとも1つの超音速キャビテーション装置と、を備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、キャビテーション効果および超音速衝撃波を作用させるように収束発散首部が作動する単一の音波キャビテーション装置に、亜音速キャビテーションまたは超音速キャビテーションを生じさせるために動作する、請求項11に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、超音波エネルギーを前記溶媒ヒューム混合物内へ伝送する超音波伝送器を備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項18】
前記超音波伝送器は、前記溶媒のプールに配設され、前記溶媒ヒューム混合物は、前記プールの底部で放出されて、前記超音波伝送器の超音波エネルギーに曝されながらプールを通して上昇する気体状泡を生産する、請求項17に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項19】
前記プールに配設され、かつ前記気泡の前記超音波エネルギーへの曝露を延長するために、前記プールにおける前記気体状泡の上昇を遅らせるために動作する一連の水平穿孔板をさらに備え、前記溶媒ヒューム混合物は、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する、請求項18に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、前記溶媒ヒューム混合物が収束発散首部を通して流されるときに、前記溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させる前記収束発散首部を備え、前記少なくとも1つの超音波伝送器は、前記首部または前記首部の縮流部に、その近傍の下流に、またはそれから離れて下流に取り付けられる、請求項17に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項21】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、中間断面で収縮されて前記収束発散首部を形成する、砂時計形状管を備え、前記管は、
(a)上流入口ローブであって、
(1)前記溶媒ヒューム混合物がヒューム源から入口圧力で流入され、かつ
(2)霧サイズの液体溶媒液滴の噴射が吐出ノズルを通して噴霧される、上流入口ローブと、
(b)出口圧力が前記入口圧力よりも低く、前記入口ローブと前記出口ローブとの間の圧力差を画定する下流出口ローブと、
(c)前記首部を備える収縮された中間断面と、
を備え、前記上流入口ローブは、前記首部に向かって入口円錐勾配で先細りになり、前記下流出口ローブは、前記首部に向かって出口円錐勾配で先細りになり、それによって、前記下流出口ローブでキャビテーション効果および/または衝撃波を誘導する、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項22】
(a)前記溶媒に溶解され、かつ前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって採集されたヒューム粒子を充填するために、溶媒プールを備える溶解したヒューム抽出物容器と、
(b)溶解を促進する乱流ユニットであって、流れを遅くし、かつ渦および乱流を作成して、それによって溶解を促進するために気泡に圧力を作用させるように構成されたテスラ弁の抵抗方向に前記溶媒ヒューム混合物を通過させるために、前記溶解したヒューム抽出物容器内へ流れる直前に配設される前記テスラ弁を含む、乱流ユニットと、
をさらに備える、請求項1または2に記載のヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項23】
溶媒にヒュームを溶解かつ蓄積するヒューム溶解採集および蓄積方法によって得られたヒューム抽出物であって、前記ヒューム抽出物は溶媒(「チンキ剤」)に蓄積された、溶解したヒューム抽出物または前記溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物であって、前記方法は、
(a)ヒューム放出源材料を燃焼、かつ/または気化することによって生成区画にヒュームを生成することであって、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含み、前記生成することは、前記ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって前記ヒュームの一部を生成し、前記ヒューム放出源材料の蒸発温度への曝露によって前記ヒュームの別の部分を生成することを含む、前記生成すること、および、
(b)液体溶媒と前記ヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)において、前記溶解ヒューム混合物に少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、キャビテーションを作用させることによって、前記ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって前記ヒュームを採集することを含む、ヒューム抽出物。
【請求項24】
(1)前記溶解されたヒューム抽出物を含む消費用チンキ剤、(2)前記ヒューム抽出物濃縮物が配合された消費用チンキ剤、(3)消費材料、(4)医療目的の材料、(5)化粧品目的の材料、(6)娯楽目的の材料、(7)使用者体験の追加、(8)芳香、(9)香料、(10)香り、(11)蒸気吸引材料、(12)吸入材料、(13)喫煙材料、(14)飲料材料、(15)食用材料、(16)電子シガレット(e-シガレット)のe-リキッド、および、(17)局所適用のための材料、のうちの少なくとも1つの成分として使用される、請求項1または23に記載のヒューム抽出物。
【請求項25】
前記源材料は、(1)喫煙物質、(2)タバコ、および(3)大麻のうちの少なくとも1つを含む、請求項1または23に記載のヒューム抽出物。
【請求項26】
前記ヒューム抽出物濃縮物の最大30%は、ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって採集され、残余は、前記ヒューム放出源材料の蒸発温度への曝露によって採集される、請求項1または23に記載のヒューム抽出物。
【請求項27】
前記電子シガレットは、(1)喫煙材料/タバコ/大麻加熱システムを組み合わせる装置、(2)燃焼式ヒートスティック、または(3)非燃焼式ヒートスティックを含む、請求項24に記載のヒューム抽出物。
【請求項28】
ヒューム抽出物のヒューム抽出物濃縮物は、
(a)燃焼式シガレットに見られる有害および潜在的に有害な成分(HPHCs)

(b)タバコまたは大麻加熱システムの煙および蒸気に見られるHPHCs、
(c)発がん性化学物質、
(d)遺伝毒性化学物質、および、
(e)細胞毒性化学物質
のうちの少なくとも1つを、燃焼式シガレット、またはタバコもしくは大麻加熱システムの煙および蒸気に見られるレベルの10%より下の低レベルで含有する、請求項1または23に記載のヒューム抽出物。
【請求項29】
液体溶媒(「チンキ剤」)におけるヒュームの溶解、および溶解したヒュームを溶解したヒューム抽出物として、または前記溶解したヒューム抽出物から蒸留されたヒューム抽出物濃縮物として蓄積することによる、ヒューム採集および蓄積方法であって、
(a)ヒューム放出源材料を燃焼し、かつ/または気化することによって生成区画にヒュームを生成する手順であって、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含有し、前記生成する手順は、前前記ヒューム放出源材料の燃焼温度での燃焼への曝露によって記ヒュームの一部を生成し、かつ、前記ヒューム放出源材料の蒸発温度への曝露によって前記ヒュームの別の部分を生成することを備える、生成する手順と、
(b)液体溶媒と前記ヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)において、前記溶解ヒューム混合物に少なくとも1つの音波キャビテーション装置のキャビテーション効果を作用させることによって、キャビテーションを作用させることにより前記ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって前記ヒュームを採集する手順と、
を含む、ヒューム採集および蓄積方法。
【請求項30】
気体ヒューム混合物を圧力下で閉ループ気体循環部に再循環させる手順をさらに含み、前記気体ヒューム混合物は、前記溶媒に溶解した溶質(「溶解したヒューム抽出物」)として前記ヒュームを蓄積する容器の下流で液体溶媒から分離された残余であり、前記循環部は、(1)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器、(2)前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流に配設された予備ヒュームおよび溶媒混合チャンバ、および(3)ヒューム生成区画のうちの少なくとも1つ内へ前記気体ヒューム混合物を再循環させるために動作する配管および再循環送風器を備える、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項31】
前記生成する手順は、断続的ヒューム生成誘導器によって、前記物質の断続的な燃焼または加熱を誘導して熱分解を回避することを含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項32】
断続的な燃焼または加熱を誘導する前記手順は、
(a)空気ポンプもしくは通気器、
(b)バルーン気化器、および、
(c)弁
のうちの少なくとも1つによって、前記ヒューム生成区画内への、または前記ヒューム生成区画からの気体の断続的な流動を誘導、伝導、または許容することを含む、請求項31に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項33】
断続的な燃焼または加熱を誘導する前記手順は、少なくとも1つの特定化合物の固有温度で、または前記少なくとも1つの特定化合物を別個に気化してそれぞれの別個の収集を可能にするために前記少なくとも1つの特定化合物のそれぞれの逐次/漸進的に上昇する固有温度で、前記断続的な加熱を繰り返すことを含む、請求項31に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項34】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置の収束発散首部を通して前記溶媒ヒューム混合物を流すことを含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項35】
キャビテーションを作用させる前記手順は、亜音速キャビテーションを作用させることを含み、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、亜音速キャビテーション装置を備える、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項36】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記溶媒ヒューム混合物に超音速衝撃波を作用させることを含み、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、超音速キャビテーション装置を備える、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項37】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置による前記ヒュームの真空ポンピングの手順をさらに含む、請求項34に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流で、水タバコ気化器によって、生成されたヒュームの脂肪成分を採集することをさらに含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項39】
超音波伝送器によって、超音波エネルギーを溶媒ヒューム混合物内へシステムの配管に沿って伝送することをさらに含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項40】
前記溶解したヒューム抽出物から前記溶媒を除去することによってヒューム抽出物濃縮物を蒸留することをさらに含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項41】
蒸留する前記手順は、
a.減圧蒸発器、
b.回転式蒸発器、および、
c.遠心式蒸発器
のうちの少なくとも1つによって、前記溶解したヒューム抽出物から前記溶媒を蒸発させることを含む、請求項40に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項42】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記溶媒ヒューム混合物を、流線に沿って直列に連続して配置された少なくとも2つの音波キャビテーション装置に通すことを含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項43】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記溶媒ヒューム混合物に、上流亜音速キャビテーション装置における亜音速キャビテーションおよび下流超音速キャビテーション装置における超音速衝撃波を作用させることを含む、請求項42に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項44】
キャビテーションを作用させる前記手順は、キャビテーション効果および超音速衝撃波を作用させるように収束発散首部が作動する単一の音波キャビテーション装置に亜音速もしくは超音速キャビテーションおよび超音速衝撃波を前記作用させることを含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項45】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置の超音波伝送器によって、超音波エネルギーを前記溶媒ヒューム混合物内へ伝送することによって超音波キャビテーションを作用させることを含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項46】
キャビテーションを作用させる前記手順は、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置の収束発散首部を通して前記溶媒ヒューム混合物を流すことを含み、超音波キャビテーションを作用させる前記手順は、前記首部または前記首部の縮流部に、またはその近傍の下流で、またはそこから離れて下流に取り付けられ、かつ動作する前記超音波伝送器によって前記流すことに加えて行われる、請求項45に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項47】
超音波キャビテーションを作用させる前記手順は、溶媒プールの底部で前記溶媒ヒューム混合物を放出して、前記プールを通して上昇する気体状泡を生成し、超音波エネルギーを、前記プールに配設された前記超音波伝送器によって前記気体状泡に伝送することを含む、請求項45に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項48】
前記放出することは、前記プールに配設され、かつ前記超音波エネルギーへの前記気泡の曝露を延長するために動作する一連の水平穿孔板によって、前記プールにおける前記気体状泡の上昇を遅くすることを含み、前記溶媒ヒューム混合物は、前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置のうちの別のものから噴出する、請求項47に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項49】
(a)溶媒プールを備える溶解したヒューム抽出物容器に、液体溶媒に溶解され、かつ前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって採集されたヒューム粒子を充填することと、
(b)前記溶媒容器内へ流れる直前に、流れを遅くし、かつ渦および乱流を作成して、それによって溶解を促進するために気泡に圧力を作用させるように構成された、テスラ弁を備える乱流ユニットの抵抗方向に前記溶媒ヒューム混合物を通過させることによって溶解を促進することと、
をさらに含む、請求項23または29に記載のヒューム採集および蓄積方法。
【請求項50】
(a)エタノール、
(b)アセトニトリル、
(c)プロピレングリコール、
(d)グリセロール、
(e)水、
(f)メタノール、
(g)有機溶媒、および、
(h)上記のいずれかの任意の組合せ
からなるリストから選択される少なくとも1つを含有する、請求項1、2、23または29に記載の溶媒。
【請求項51】
ヒュームを液体溶媒(「チンキ剤」)に溶解かつ採集するヒューム溶解採集器であって、少なくとも1つの音波キャビテーション装置を備え、音波キャビテーション装置は亜音速または超音速であり、装置は液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)にキャビテーション効果を作用させるように構成される収束発散首部を備え、溶媒ヒューム混合物は首部の上流に注入されて首部を通して流され、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミスト、またはヒューム粒子を含有する、ヒューム溶解採集器。
【請求項52】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、収束発散首部が、前記溶媒ヒューム混合物が前記首部を通して流されるときに、前記溶媒ヒューム混合物にキャビテーション効果および超音速衝撃波を作用させるように作動する単一の音波キャビテーション装置に、亜音速キャビテーションまたは超音速キャビテーションを選択的に生じさせるように動作する、請求項51に記載のヒューム溶解採集器。
【請求項53】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、中間断面で収縮されて前記収束発散首部を形成する、砂時計形状管を備え、前記管は、
(a)上流入口ローブであって、
(1)前記溶媒ヒューム混合物がヒューム源から入口圧力で流入され、かつ、
(2)霧サイズの液体溶媒液滴の噴射が吐出ノズルを介して噴霧される、
上流入口ローブと、
(b)出口圧力が前記入口圧力よりも低く、前記入口ローブと前記出口ローブとの間の圧力差を画定する下流出口ローブと、
(c)前記首部を備える収縮された中間断面と、
を備え、前記上流入口ローブは、前記首部に向かって入口円錐勾配で先細りになり、前記下流出口ローブは、前記首部に向かって出口円錐勾配で先細りになり、それによって、前記下流出口ローブでキャビテーション効果および/または衝撃波を誘導する、請求項51に記載のヒューム溶解採集器。
【請求項54】
前記少なくとも1つの音波キャビテーション装置は、超音波エネルギーを前記溶媒ヒューム混合物内へ伝送する超音波伝送器をさらに備える、請求項51に記載のヒューム溶解採集器。
【請求項55】
ヒュームを溶媒(「チンキ剤」)に蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムであって、請求項51に記載の少なくとも1つのヒューム溶解採集器を備え、前記システムは、
前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器の上流で前記ヒュームの脂肪成分を採集する水タバコ気化器をさらに備える、ヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項56】
ヒュームを溶媒(「チンキ剤」)に蓄積するヒューム溶解採集および蓄積システムであって、請求項51に記載の少なくとも1つのヒューム溶解採集器を備え、前記システムは、
溶解を促進する乱流ユニットであって、前記少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって液体溶媒に溶解されかつ採集されたヒューム粒子を充填するチンキ剤プールを備えるチンキ剤容器内へ流れる直前に配設されたテスラ弁を備え、流れを遅くし、かつ渦および乱流を作成し、それによって溶解を促進するために気泡に圧力を作用させるように構成された前記テスラ弁の抵抗方向に前記溶媒ヒューム混合物を通過させる乱流ユニット、
をさらに備える、ヒューム溶解採集および蓄積システム。
【請求項57】
液体溶媒における溶解によるヒューム採集方法であって、液体溶媒とヒュームとの混合物(「溶媒ヒューム混合物」)を、溶媒ヒューム混合物に穴をあけるように構成された収束発散首部を備える亜音速もしくは超音速キャビテーション装置を備える少なくとも1つの音波キャビテーション装置に通して流すことによって、溶媒ヒューム混合物にキャビテーションを作用させる手順を含み、溶媒ヒューム混合物は首部の上流で注入され、首部を通して流され、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含有する、ヒューム採集方法。
【請求項58】
ヒューム採集および蓄積方法であって、
(a)物質を燃焼し、かつ/または気化することによって生成区画にヒュームを生成する手順であって、前記ヒュームは、気体、および前記気体に懸濁した煙、蒸気、ミストまたはヒューム粒子を含有し、前記生成する手順は、発熱体、加熱された空気の流れ、または乾燥気体の再循環が、熱分解温度の近傍で物質を断続的に加熱するように制御される断続的ヒューム生成誘導器によって熱分解を回避するために前記物質の断続的な燃焼または加熱を誘導することを備える、前記生成する手順、および、
(b)前記ヒュームを溶質として液体溶媒に溶解するために動作する少なくとも1つのヒューム溶解採集器によって前記ヒュームを採集する手順、
を含む、ヒューム採集および蓄積方法。
【国際調査報告】