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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】電気雌端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20240528BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H01R13/42 G
H01R13/11 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022506332
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(85)【翻訳文提出日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 US2021046545
(87)【国際公開番号】W WO2022260689
(87)【国際公開日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】63/209,796
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/401,869
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507164434
【氏名又は名称】ジェイ.エス.ティー.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120628
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】チェン ピン
(72)【発明者】
【氏名】アップソン グェンドリン
(72)【発明者】
【氏名】リー クレイグ
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE02
5E087EE06
5E087FF08
5E087FF12
5E087FF13
5E087GG16
5E087HH01
5E087LL03
5E087LL12
5E087MM05
5E087RR06
5E087RR13
(57)【要約】
コネクタアセンブリと嵌合するための電気雌端子であって、一般に、本体と、2体ばねと、レバー部材の非取付端部から延在する突起とを備え、突起は、突起がハウジング又はコネクタアセンブリの内部突起と相互作用するときにレバー部材を効率的に上方に撓ませるように互いに対して傾斜した面を有し、これにより、電気雌端子をハウジング又はコネクタアセンブリから取り外すことがより困難になり、それにより、電気雌端子が使用中に脱落することを防ぐ、電気雌端子。2体ばねの上方に位置する電気雌端子のリテーナ部材の頂部は、2体ばねの剛性を高めるように、2体ばねの上部ばねとの接触数を増加させるためのディンプル部を有する。電気雌端子の端子面又は先端部は、凹状上面部及び凹状底面部をその上に設けることによって、嵌合中にコネクタアセンブリを環境汚染物質から密封するシリコーンシールを損傷又は切断することが防止される。レバーのタング部材の過剰応力特徴は、その突起部材を再配置及び再成形することによって改善される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタアセンブリに挿入するための電気雌端子であって、
ワイヤ締結部と、
前記ワイヤ締結部に取り付けられた本体と、を備え、
前記本体は、ばね部材とレバー部材とを含み、
前記レバー部材の非取付端部が突起を有し、使用中に前記電気雌端子が脱落することを防ぐために、前記突起が前記コネクタアセンブリの内部突起と相互作用するときに前記レバー部材を撓ませることを特徴とする、
電気雌端子。
【請求項2】
前記電気雌端子の先端に、シールとの嵌合時に当該シールへのダメージを防ぐための凹状上面部及び凹状底面部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の電気雌端子。
【請求項3】
ディンプル部と、前記ばね部材の上部部材と接触して前記ばね部材に剛性を提供する対応する延長された下部とを有する上部リテーナ部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の電気雌端子。
【請求項4】
コネクタアセンブリに挿入するための電気雌端子であって、
ワイヤ締結部と、
前記ワイヤ締結部に取り付けられた本体と、を備え、
前記本体は、ばね部材を含み、
前記本体は、レバー部材をさらに含み、
前記電気雌端子の先端は、シールとの嵌合時に当該シールへのダメージを防止するための凹状上面部及び凹状底面部を含む、
電気雌端子。
【請求項5】
前記レバー部材の非取付端部は、使用中に前記電気雌端子が脱落することを防ぐために、前記コネクタアセンブリの内部突起と相互作用するときに前記レバー部材を撓ませる突起を有することを特徴とする、請求項4に記載の電気雌端子。
【請求項6】
ディンプル部と、前記ばね部材の上部部材と接触して前記ばね部材に剛性を提供する対応する延長された下部とを有する上部リテーナ部材をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の電気雌端子。
【請求項7】
コネクタアセンブリに挿入するための電気雌端子であって、
ワイヤ締結部と、
前記ワイヤ締結部に取り付けられる、ばね部材とレバー部材とを有する本体と、
ディンプル部と、前記ばね部材の上部部材と接触して前記ばね部材に剛性を提供する対応する延長された下部とを有する、上部リテーナ部材と、を備える
電気雌端子。
【請求項8】
前記電気雌端子の先端に、シールとの嵌合時に当該シールへのダメージを防ぐための凹状上面部及び凹状底面部を含むことを特徴とする、請求項7に記載の電気雌端子。
【請求項9】
前記レバー部材の非取付端部は、使用中に前記電気雌端子が脱落することを防ぐために、前記コネクタアセンブリの内部突起と相互作用するときに前記レバー部材を撓ませる突起を有することを特徴とする、請求項7に記載の電気雌端子。
【請求項10】
前記レバー部材の前記突起が、互いに対して傾斜した面を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電気雌端子。
【請求項11】
前記凹状上面部が、平坦面凹部、凹面凹部、及び凸状突起のうちの1つであることを特徴とする、請求項2に記載の電気雌端子。
【請求項12】
前記ディンプル部が、実質的に角度が付けられたカップ状の形状、実質的にV字形の形状、及び実質的にカップ状の形状のうちの1つを有することを特徴とする、請求項3に記載の電気雌端子。
【請求項13】
前記凹状上面部が、平坦面凹部、凹面凹部、及び凸状突起のうちの1つであることを特徴とする、請求項4に記載の電気雌端子。
【請求項14】
前記レバー部材の前記突起が、互いに対して傾斜した面を含むことを特徴とする、請求項5に記載の電気雌端子。
【請求項15】
前記ディンプル部が、実質的に傾斜したカップ状の形状、実質的にV字形の形状、及び実質的にカップ状の形状のうちの1つを有することを特徴とする、請求項6に記載の電気雌端子。
【請求項16】
前記ディンプル部が、実質的に傾斜したカップ状の形状、実質的にV字形の形状、及び実質的にカップ状の形状のうちの1つを有することを特徴とする、請求項7に記載の電気雌端子。
【請求項17】
前記凹状上面部が、平坦面凹部、凹面凹部、及び凸状突起のうちの1つであることを特徴とする、請求項8に記載の電気雌端子。
【請求項18】
前記レバー部材の前記突起が、互いに対して傾斜した面を含むことを特徴とする、請求項9に記載の電気雌端子。
【請求項19】
前記レバー部材が、過応力機能部を含むタング部材を備え、前記過応力機能部が、前記タング部材の実質的前部及び実質的中間部の一方に配置された突起部材を有し、
前記突起部材は、実質的に平坦な底縁部を有することを特徴とする、
請求項1に記載の電気雌端子。
【請求項20】
前記レバー部材が、過応力機能部を含むタング部材を備え、前記過応力機能部が、前記タング部材の実質的前部及び実質的中間部の一方に配置された突起部材を有し、
前記突起部材が、実質的に平坦な底縁部を有することを特徴とする、
請求項4に記載の電気雌端子。
【請求項21】
前記レバー部材が、過応力機能部を含むタング部材を備え、前記過応力機能部が、前記タング部材の実質的前部及び実質的中間部の一方に配置された突起部材を有し、
前記突起部材が、実質的に平坦な底縁部を有することを特徴とする、
請求項7に記載の電気雌端子。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
電気雌端子は、電気雌端子の望ましくない変形を防ぐ支持部材を用いた過応力保護と、本体によって画定される電気雌端子の向き又は極性を有する形状と、ワイヤを固定するために電気雌端子のワイヤ締結部を使用するワイヤ締結機構と、電気雌端子がハウジング内に係止されるように固定して保証するためにタング部材を使用する係止機構と、電気雌端子を雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体と効率的かつ弾性的に接続する2体ばねを使用したばね機構と、雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体を電気雌端子内に誘導して「自己修正」するための、誘導部材を使用する誘導機構と、を含む、構造的配置又は特徴を備えていることが望ましい。さらに、本発明の電気雌端子は、そのワイヤ締結部の上方の空間であって本体の背後に位置する空間内にTPA装置を収容することができ、受け入れることができる。
【0002】
さらに、本発明の2体ばねは、適用又は配向が下部ばね部材及び上部ばね部材を使用する「2体」である。好ましくは、下部ばね部材及び上部ばね部材は、上述の物体のうちの1つが雌型電気端子に挿入されているときに、雄型ピンもしくは雄型端子、又はさらなる「ブレード状」物体に加えられるか、又はそれに作用するばね力を提供するために、一体に又は一体にかつ全体として動作する。下部ばね部材は、ピンの長手方向に沿って上部ばね部材よりもさらに下方に本体の床に向かって延在している。上部ばね部材及び下部ばね部材は、互いに一体的に構成され、湾曲側面部材によって接続され、上下に折り畳まれる。下部ばね部材は上部ばね部材の下方にあり、上部ばね部材は下部ばね部材の上方にある。上部ばね部材と下部ばね部材との撓んでいない向きの関係が提供され、これらは接触してもしなくてもよい。下部ばね部材及び上部ばね部材が撓んでいない状態で接触しているとき、最初に加えられるばね力は、上部ばね部材及び下部ばね部材の両方のものとして明らかであり、それらのそれぞれのばね力を一斉に又は一緒に、全体として雄ピン又は雄端子、又はさらに「ブレード状」物体に対して加える。対照的に、下部ばね部材及び上部ばね部材が撓んでいない向きで接触しないとき、雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」の物体に対する最初に適用可能なばね力は、下部ばね部材のばね力のものとしてのみ、すなわち下部ばね部材が上部ばね部材と接触するまで明らかであり、それによって、上部ばね部材は、下部ばねに対して、一斉に、又は一緒に、全体的に、雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」の物体に対してばね力を加える。さらに、本発明の一例では、ばねが上方に移動すると、下部ばね部材は撓んでタング部材に接触することができ、タング部材は、下部ばね部材の上方への移動に対する抵抗をさらに提供することができ、それによって、その上方への移動に対して弾性力を加え、その結果、タング部材は、ばねの総ばね力を増加させる。ばねの上述の向きは、必要に応じて、及び/又は動作中に、電気雌端子を雄ピンもしくは雄端子、又はさらに「ブレード状」の物体に効率的かつ弾性的に接続し固定するために設けられる。
【0003】
本発明の電気雌端子の形状は、維持され、保証される向き又は極性を有し、電気雌端子を対応するコネクタアセンブリと嵌合させるために設けられることも望ましく、対応するコネクタアセンブリは、電気雌端子との適切な嵌合及び嵌合のために、それぞれ電気雌端子と同様の向き又は同様の極性を有する開口部を有する。
【0004】
そのような電気雌端子は、本件の出願人に発行された、2021年3月4日に公開された米国特許出願公開第2021/0066836号明細書に示されている。本願の場合の電気雌端子は、米国特許出願公開第2021/0066836号に示されている電気雌端子の教示を改善する。
【0005】
したがって、本発明の電気雌端子では、突起がレバー部材の非取付端部から延在し、突起がハウジング又はコネクタアセンブリの内部突起と相互作用するときにレバー部材を効率的に上方に撓ませるように互いに対して傾斜した面を有し、これにより、本発明の電気雌端子をハウジング又はコネクタアセンブリから取り外すことがより困難になり、それによって電気雌端子が使用中に脱落することを防ぐことがさらに望ましい。
【0006】
また、本発明の電気雌端子の、2体ばねの上方に位置するリテーナ部材の頂部が、2体ばねの剛性を高めるように、2体ばねの上部ばねとの接触数を増やすためのディンプル部を有することが望ましい。
【0007】
また、凹状上面部及び凹状底面部を設けることによって、電気雌端子の端子面又は先端部が、嵌合中にコネクタアセンブリを環境汚染物質から密封するシリコーンシールを損傷又は切断することを回避することが望ましい。
【0008】
レバー部材のタング部材の過応力特徴を改善するために、突起部材を含む過応力特徴は、タング部材の中間部又は中央部に位置することがさらに望ましい。このような構造配置は、本発明の電気雌端子が使用されているときにタング部材の先端との相互作用を改善する。さらに、タング部材の過剰応力特徴は、電気雌端子の製造中の品質管理(すなわち、その構造的及び機能的特性をより容易に測定することができる)を改善するために、下縁部が実質的に平坦であるか、又は実質的に水平方向に沿って延在する突起部材を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0066836号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体との嵌合、ならびにコネクタアセンブリとの嵌合及びロックのための電気雌端子を提供する。電気雌端子は、全体として、本体と、2体ばねと、ワイヤ締結部とを備えている。
【0011】
電気雌端子の本体は、略箱形の形状又は形態を有し、それによって本体の一部は箱状の向きに形成される。本体は、一般に、上下の本体と、タング部材と、2体ばねとを含む。タング部材は、電気雌端子をコネクタアセンブリ内にロックするレバー部材を含む。レバー部材は、レバー部材が撓んだときに、本体から延在する他の突起部材と係合する突起部材を有する。両方の突起部材は、レバー部材の過応力保護として機能する。すなわち、電気雌端子がコネクタアセンブリと嵌合しているときにレバー部材が変形するのを防止又は保護するためである。別の突起部材がレバー部材から延在して、2体ばねが過応力になるのを防ぐ。本体はまた、その前端及び後端の両方に支持部材を備え、電気雌端子の過応力及び変形を防ぐ。
【0012】
さらに、突起は、レバー部材の非取付端部から延在し、突起は、突起がハウジング又はコネクタアセンブリの内部突起と相互作用するときにレバー部材を効率的に上方に撓ませるように互いに対して傾斜した面を有し、これにより、本発明の電気雌端子をハウジング又はコネクタアセンブリから取り外すことがより困難になり、それにより、電気雌端子が使用中に脱落することを防ぐ。
【0013】
本発明の電気雌端子のリテーナ部材の、2体ばねの上方に位置する頂部は、2体ばねの剛性を高めるように、2体ばねの上部ばねとの接触数を増やすためのディンプル部を有する。
【0014】
電気雌端子の端子面又は先端部は、凹状上面部及び凹状底面部をその上に設けることによって、嵌合中にコネクタアセンブリを環境汚染物質から密封するシリコーンシールを損傷又は切断することが防止される。
【0015】
レバー部材のタング部材の過応力特徴を改善するために、突起部材を含む過応力特徴は、タング部材の中間部又は中央部に配置される。このような構造配置は、本発明の電気雌端子が使用されているときにタング部材の先端との相互作用を改善する。さらに、タング部材の過剰応力特徴は、電気雌端子の製造中の品質管理(すなわち、その構造的及び機能的特性をより容易に測定することができる)を改善するために、下縁部が実質的に平坦であるか、又は実質的に水平方向に沿って延在する突起部材を含む。
【0016】
2体ばねは、本体の通路PW内に実質的に配置され、2つの部材を含み、2つの部材は、雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体に加えることができるばね力を生成するように作用又は動作し、そのような前述の物体のうちの1つが雌型電気端子に挿入されているときにばね力を生成する。
【0017】
本発明の電気雌端子はまた、対応するコネクタアセンブリへの適切な嵌合のために維持及び確保される向き又は極性を有する。コネクタアセンブリは、電気雌端子との適切な嵌合のためにも維持される同様の向き又は同様の極性を有する開口部を有する。
【0018】
さらに、ワイヤ締結部の前部は、電気雌端子の本体に移行するネック部材を有し、その空間はTPA装置を収容するためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】本発明の電気雌端子の正面上面斜視図である。
図1B】本発明の電気雌端子の背面斜視図である。
図2A】本発明の電気雌端子の右側面図である。
図2B】本発明の電気雌端子の左側面図である。
図2C】電気雌端子の空間内に配置された端子位置保証(TPA)装置を示す図である。
図2D】端子位置保証(TPA)装置と干渉する電気雌端子の表面積を示す、図8Bの線2D-2Dに沿った線に沿った断面図である。
図2E】レバー部材の非取付端部から延在する突起を示し、突起は、互いに対して傾斜した面を有する。
図2F】レバー部材の非取付端部から延在する突起を示し、突起は、互いに対して傾斜した面を有する。
図2G】ハウジング又はコネクタアセンブリの内部突起と相互作用するときにレバー部材が上方に撓むのを促進するためにレバー部材の非取付端部から延在する突起を示しており、これにより、本発明の電気雌端子がハウジング又はコネクタアセンブリから取り外されることがより困難になり、本発明の電気雌端子が使用中に不注意に脱落することを防ぐ。
図2H】実質的に平坦であるか、又は実質的に水平方向に沿って延在する下縁部を有するレバー部材のタング部材の突起部材を示す、本発明の電気雌端子の右側面図である。
図3A】本発明の電気雌端子の上面図である。
図3B】本発明の電気雌端子の底面図である。
図4】レバー部材から、及び上部誘導部材の本体及び支持部材からそれぞれ延在する突起部材を示す、本発明の電気雌端子の部分側面図である。
図4A】その突起部材をタング部材の実質的中央部又は実質的中間部に配置することによる、レバー部材のタング部材の代替的な過応力特徴を示す、本発明の電気雌端子の部分側面図である。
図5A】電気雌端子の前端部の開口部と、それを通って通路に入るときに雄端子ピン又は雄端子を誘導するための誘導部材とを示し、
図5B】前端部の開口部及び誘導部材、ならびにその湾曲部に頂点を有する下部ばね部材を示す、図5Aの線5B-5Bに沿った断面図である。
図5C】コネクタアセンブリを環境汚染物質から保護するために使用されるシリコーンシールが、電気雌端子とのインターフェース又は嵌合中に損傷を受ける可能性がある位置を示す概略図である。
図5D】電気雌端子の前端又は前端に位置する、シリコーンシールとの接面中又は嵌合中のシリコーンシールへの損傷又は切断を防ぐための凹状上面部及び凹状底面部を示す。
図5E】電気雌端子とシリコーンシールとの間の干渉を凹状上面部の長さに沿って広げることによって、電気雌端子とシリコーンシールとの間の嵌合中に、電気雌端子を環境汚染物質から保護するシリコーンシールへの損傷又は切断を防ぐための、電気雌端子の前端又は前端の凹状上面部の斜視図である。
図5F】平坦な表面凹部を有する凹状上面部を示す。
図5G】凹面凹部を有する凹状上面部を示す。
図5H】凹面凹部を有する凹状上面部を示す。
図5I】凹状底面部の長さに沿って電気雌端子とシリコーンシールとの間の干渉を広げることによって、接面中又は嵌合中のシリコーンシールへの損傷を同様に緩和するための、電気雌端子の前端又は前端の凹状底面部を示す。
図6A図1Bの線6A-6Aに沿った断面図である。
図6B】電気雌端子の前端部の開口部付近に位置する誘導部材の概略図である。
図7】2体ばねを示し、ばね上に取り付けられた上部リテーナ部材をさらに示す。
図8A】2体ばねの湾曲側面部材を少なくとも部分的に収容するための窓を有する電気雌端子の側部を部分的に示す。
図8B】本体の前端部及び後端部に配置された支持部材を含む、本発明の電気雌端子の様々な要素を示す電気雌端子の別の側面の一部を示す図である。
図8C】2体ばねの剛性を高めるように、2体ばねの上部ばねとの接触数を増加させるためのディンプル部を有する、2体ばねの上方に位置するリテーナ部材の頂部を示す、本発明の電気雌端子の代替実施形態を示す図である。
図8D】2体ばねの上方のリテーナ部材の頂部にあるディンプル部の代替実施形態をさらに示している。
図8E】2体ばねの上方のリテーナ部材の頂部にあるディンプル部の代替実施形態をさらに示している。
図8F】2体ばねの上方のリテーナ部材の頂部にあるディンプル部の代替実施形態をさらに示している。
図9】本発明の電気雌端子と相互作用するための従来の電線又はケーブルを示し、従来の電線又はケーブルは、その前部にワイヤ絶縁部及びワイヤコア部を有する。
図10A】コネクタアセンブリ内のプレロック位置にある本発明の電気雌端子の正面図である。本発明の電気雌端子及びそれと効果的に嵌合するための対応するコネクタアセンブリの極性又は向きをさらに示す。
図10B】本発明の電気雌端子が完全に載置され、対応するコネクタアセンブリ内の完全ロック位置にある、本発明の電気雌端子の正面図である。本発明の電気雌端子及びそれと効果的に嵌合するための対応するコネクタアセンブリの極性又は向きをさらに示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1Aは、概して参照番号1と呼ばれる電気雌端子の正面斜視図である。電気雌端子1は、1つの構造体を形成するように折り畳まれ、折り目を付けられ、又は湾曲された連続片として一体的に形成され、本体5と、2体ばね130と、ワイヤ締結部3とを含む。本体5は、タング部材15をさらに含む。ワイヤ締結部3は、ここに示すように折り畳み可能な圧着又はクランプ型であってもよいが、さらに、絶縁変位接点(IDC)型、又は他の同様に形成されたワイヤ締結手段が一体的に形成され、好ましくは実質的に電気雌端子1の長手方向に、より具体的には、電線又はケーブル100のワイヤ絶縁部120及び/又はワイヤコア部110と相互作用して、電線又はケーブル100を電気雌端子1にしっかりと接続することができる電気雌端子1の本体5の後部から延在してもよい。さらに、電線又はケーブル100の電気雌端子1への追加の又は唯一のワイヤ締結は、例えば、溶接、ろう付け、はんだ付け、及び/又は他の同様の手段を含むがこれらに限定されないことによって、確実な及び/又は導電性の締結を形成する手段を含むことによって達成することができる。
【0021】
より詳細に示されているのは、図1Bの電気雌端子1の背面斜視図であり、これは、タング部材15及び2体ばね130である。本体5は、長手方向、同様に電気雌端子1の長手方向とは逆方向に略箱型の形状又は形態を有することが好ましく、これにより、本体5の大部分が箱状の向き又は構造に形成されるが、その形状又は形態はこれに限定されない(図1A図1B図5Aを参照されたい)。
【0022】
図2A及び図2Bに示すように、ワイヤ締結部3は、ネック部材52(図3A図3Bも参照されたい)によって本体5に移行し、本体5と一体的に形成される。
【0023】
図2Aに示すように、タング部材15は、レバー部材25を含み、レバー部材25は、非取付端部28及び被取付端部30を有する。図2A及び図2Bにさらに見られるように、レバー部材25は、ここでは通常の弛緩状態で示されている。レバー部材25は、通常の弛緩状態に弾性的に付勢されているため、外部からの接触の影響を受けず、レバー部材25のその後の屈曲点は、非取付端部28が動かされるときに、被取付端部30で発生し得る。レバー部材25の非取付端部28は、幅方向の断面形状が略U字状等であることが好ましいが、その形状はこれに限定されない(図1B図5Bを参照されたい)。レバー部材25の被取付端部30は、その形態を限定するものではないが、略L字形状等を有することが好ましい(図1B図5A図5Bを参照されたい)。
【0024】
また、レバー部材25は、本体5から延在する他の突起部材37(図1B図2B、及び図8Aを参照されたい)と交差する突起部材35を有する。両方の突起部材35、37は、レバー部材25の過応力保護として機能する。すなわち、突起部材35、37は、レバー部材25が撓んだ状態で互いに衝突する。これにより、雌端子1がコネクタアセンブリ90等(図10A及び図10Bも参照されたい)に接触又は嵌合する際に、レバー部材25が変形することを防止又は保護する。このように、レバー部材25は、屈曲状態と通常の弛緩状態との間で実質的に移動するように動作可能であり、それによって、レバー部材25は、実質的に変形することなく通常の弛緩状態に戻るか、又は動作不能となり、後述するように、雌型電気端子1をコネクタハウジング90に固定することができる(図10A図10B)。図2Bの側面図に見られるように、突起部材35、37は、好ましくは実質的に長方形、円形、台形など(図4図8Aも参照されたい)であるが、その形状又は形態はそれらに限定されない。
【0025】
動作中、電気雌端子1がコネクタアセンブリ90に入ると、レバー部材25の非取付端部28は自由に下方に押され、通常の弛緩状態から屈曲状態(すなわち、突起部材35は、他の突起部材37に接近する)に移動する(図10Aを参照されたい)。電気雌端子1がコネクタアセンブリ90内に完全に挿入されると、レバー部材25の非取付端部28は、上方に自由に移動し、レバー部材25の通常の弛緩状態(すなわち、突起部材35は、別の突起部材37から離れるように移動し、レバー部材25がその通常の弛緩状態に弾性的に付勢されるとき)に戻る(図2A図10Bを参照されたい)。さらに、それによって、非取付端部28は、好ましくは、コネクタアセンブリ90の内側の部材(図示せず)に当接し、電気雌端子1をその中にロック及び固定する。レバー部材25の非取付端部28がコネクタアセンブリ90の内側に衝突するこのような構造的配置は、電気雌端子1のコネクタアセンブリ90(図10Bを参照されたい)とのロック及び固定機能として作用する。レバー部材25及び非取付端部28は、通常の弛緩状態から離れる上方向にさらに自由に移動可能であり、本体5の床122から離れるように撓むことができ、後述するように、レバー部材25が上方に撓むと、レバー部材25の通常の弛緩状態に戻る方向の抵抗をもたらすことができる。2体ばね130がレバー部材25を上述の屈曲状態に押圧又は接触すると、レバー部材25は、2体ばね130に作用し、2体ばね130のばね力を加えることができる。これは、特に、2体ばね130が上方に曲げられて床122から離れ、レバー部材25に接触するとき、より具体的には、2体ばね130が雄ピン又は雄端子、又はさらに「ブレード状」の物体と相互作用するときである。
【0026】
図1Aに見られるように、突起部材36もレバー部材25の側面から延在する。突起部材36は、後により詳細に説明するように(例えば、図1A図2A図6A及び図8Aを参照されたい)、下部ばね部材133の実質的に上方に配置され、さらに下部ばね部材133と係合し、さらに下部ばね部材、及び一般に2体ばね130の過応力保護を提供することができる。突起部材36は、レバー部材25が通常の弛緩状態から本体5の2体ばね130及び床122に向かって屈曲状態に下方に移動するときに、レバー部材25の移動内で自由かつ妨げられずに移動する。突起部材36は、形状や形態を限定するものではないが、略長方形、円形、台形等(図6Aを参照されたい)であることが好ましい。また、レバー部材25の突起部材35が延在する側に関して、突起部材36は、レバー部材25の反対側だけでなく、レバー部材25の突起部材35が延在する側に対して異なる部分及び向きを有して延在しており、より具体的には、レバー部材25に沿った位置(図4図6A、及び図8Aを参照されたい)を比較すると、突起部材36は被取付端部30に近く、突起部材35は非取付端部28に近い。突起部材36及び突起部材35は、レバー部材25に沿って配置されており、鏡像でもなく、直接対向してもおらず、さらに、鏡像であるか、又は直接対向している部分をそれぞれ有していないため、突起部材36及び突起部材35の部分は、電気雌端子1の長さ方向(図2A図2Bを参照されたい)に沿って重ならない。
【0027】
図1A図1B図2A、及び図2Bにも見られるように、電気雌端子1のワイヤ締結部3は、ネック部材52の上方に空間又は移行領域50を有する。空間又は移行領域50は、ワイヤ締結部3の前部51に位置し、本体5の後方に位置する。電気雌端子1がコネクタアセンブリ90内に完全に挿入されると、それにより、電気雌端子1がコネクタアセンブリ90内にロックされ、固定され、正しく配置されたままであることを保証するための端子位置保証(TPA)装置300(図2Cを参照されたい)を収容するための空間又は移行領域50が利用可能である。さらに、端子位置保証(TPA)装置300が本体5の実質的に背後に配置されると、電気雌端子1が、使用中及び動作中(例えば、図2Cを参照されたい)に、コネクタアセンブリ90から取り外し可能であること、排出されること、スライド可能に取り外し可能であること、又はスライド可能に排出されることをさらに防ぐことができる。
【0028】
図2Dは、電気雌端子1の下部ばね部材133の後部に位置する表面積を示す断面図である。具体的には、本体5の下部ばね部材133の後部の表面領域は、端子位置保証(TPA)装置300と係合することができる。動作中、下部ばね部材133の後部は、TPA装置300が空間又は移行領域50内に挿入されたときに、電気雌端子1がそれと相互作用し、及び/又は接触し、それによってTPA装置300と干渉するための追加のインターフェース領域又は干渉面を提供し、さらに、電気雌端子1がコネクタアセンブリ90内にロックされ、固定され、正しく配置されたままであることを保証し、電気雌端子1が、使用中及び動作中(例えば、図2Cを参照されたい)に、コネクタアセンブリ90から取り外し可能であること、排出されること、スライド可能に取り外し可能であり、又はスライド可能に排出されることを防ぐ。
【0029】
本発明の電気雌端子1は、図2Eに示すように、レバー部材25の非取付端部28から延在する突起150をさらに含む。図2Fにより詳細に示すように、レバー部材25の非取付端部28は、好ましくは、側端部28a及び中央端部28bを有する。図2Fに示すように、突起150は、中央端部28bから延在することが好ましいが、そのような構造的配置はこれに限定されない。すなわち、突起150は、レバー部材25の端部28の中央端部28bから延在することに限らず、レバー部材25の端部28の側端部28aから延在してもよい。これに限定されないが、突起150は、図2Fに示すように、互いに対して傾斜した面150a、150b、150cを含む。突起150の面150a、150b、150c間の相対角度は、図2Fに関して後述するように、突起150がハウジング200又はコネクタアセンブリ90の内部突起210と相互作用するときに、突起150がレバー部材25を効率的に上方に撓ませる能力に応じて変化し得る。したがって、突起150は、本発明の電気雌端子1をハウジング200又はコネクタアセンブリ90から取り外すことをより困難にし、したがって、電気雌端子1は、使用中の脱落から保護される。
【0030】
図2Gには、ハウジング200(又はコネクタアセンブリ90)から内部に延在するハウジング突起210が示されており、レバー部材25の端部28を封鎖し、その結果、使用時に電気雌端子1が脱落することを防ぐ。より具体的には、レバー部材25の非取付端部28から延在する突起150は、突起150がハウジング200又はコネクタアセンブリ90の内部突起210と相互作用するときに、突起150がレバー部材25を効果的に上方に撓ませることを可能にする。したがって、突起150は、本発明の電気雌端子1をハウジング200又はコネクタアセンブリ90から取り外すことをより困難にし、したがって、電気雌端子1は、使用時に電気雌端子1が脱落することを防ぐ。
【0031】
また、本発明の電気雌端子1の図2Hの右側立面図に示すように、レバー部材25のタング部材15の突起部材236は、実質的に平坦であるか、又は実質的に水平方向に沿って延在する下縁部238を有するものとして示されている。突起部材236の下縁部238が略平坦又は略水平方向に沿って延在することで、電気雌端子1の製造時の品質管理(すなわち、突起部材236の構造的及び機能的特性をより容易に測定することができる)を向上させることができる。改良された突起部材236に隣接する底部250は、図2Hに示すように、下縁部238が実質的に平坦であるか、又は実質的に水平方向に延在する突起部材236を収容するように実質的に成形されている。
【0032】
図3A及び図3Bには、電気雌端子1の上面図及び下面図がそれぞれ示されており、実質的に電気雌端子1の長手方向に一体的に接続されて形成された本体5及びワイヤ締結部3を示している。
【0033】
図4には、タング部材15ならびにそのレバー部材25の被取付端部30及び非取付端部28が示されている。図2A及び図2Bに関して前述したように、図4は、レバー部材25の非取付端部28の突起部材35をさらに示しており、レバー部材25が曲げられたときにレバー部材25が変形するのを防ぐ際に、本体5(より詳細には、本体5の下部250から延在する)から延在する別の突起部材37に衝突することができる。上述の構造的配置は、電気雌端子1がコネクタアセンブリ90に入るか、又は摺動可能に入ると、レバー部材25が本体5の下部250及び2体ばね130に向かって下方に押されるときに、レバー部材25が過応力(それによって、端子をコネクタアセンブリ90とロックするために変形、過度の屈曲、又は動作不能になることが防止される)になるのを防ぐ。
【0034】
図4にさらに示すように、レバー部材25の被取付端部30は、本体5の上部200a(図8Bも参照されたい)に取り付けられている。また、図4には、以下でより詳細に説明するように(例えば、図5A図5Bを参照されたい)、支持のために、上部誘導部材105の支持部材115を収容するために、本体5の側面部材121を貫通する開口113が示されている。
【0035】
本発明の電気雌端子1のレバー部材25のタング部材15の過応力特徴を改善するために、突起部材235を含む過応力特徴は、図4Aに示すように、タング部材15の実質的中間部又は実質的中央部に配置される。レバー部材25のタング部材15の非取付端部28の傾斜した底部240も同様に図4Aに示されており、突起部材235がタング部材15の実質的中間部又は実質的中央部に配置されている。このような構造配置は、本発明の電気雌端子1が使用されているときにタング部材15の先端との相互作用を改善する。
【0036】
図4Aは、レバー部材25の非取付端部28の突起部材235をさらに示しており、レバー部材25が曲げられたときにレバー部材25が変形するのを防ぐ際に、本体5(より詳細には、本体5の下部250から延在する)から延在する別の突起部材237に衝突することができる。上述の代替の構造的配置は、電気雌端子1がコネクタアセンブリ90に入るか、又は摺動可能に入ると、レバー部材25が本体5の下部250及び2体ばね130に向かって下方に押されるときに、レバー部材25が過大応力(それによって、端子をコネクタアセンブリ90とロックするために変形、過度の屈曲、又は動作不能になることが防止される)を受けるのを防ぐ。
【0037】
本体5の前面開口部125が図5Aに示されている。前面開口部125は、前端部200によって画定され、床122と、側面部材103と、側面部材121と、上部誘導部材105とを有する。上述したように、側面部材121は、側面部材121を貫通し、上部誘導部材105の支持部材115を収容するための開口113を含む。図5Bは、図5Aの線5B-5Bに沿った断面図である。図5A及び図5Bに示すように、開口113は、内部に支持部材115を実質的に収容する。支持部材115は、上部誘導部材105から電気雌端子1の長手方向と直交する方向に一体に延在している。支持部材115は、上部誘導部材105が適切に配向されたままであり、前面開口部125によって本体5内に安定して支持されることを保証する。支持部材115はまた、前面開口部125の変形及び上部誘導部材105に対する前端部200、床122、側面部材103、側面部材121の安定した向きを防止し、さらに雄ピン又は雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体(図示せず)の挿入によって本体5の形状、極性又は向きが乱されないことを確実にする。また、図5Bには、床122から上方に延在する実質的にこぶ状の部材120も示されており、これについては以下でさらに詳細に説明する。
【0038】
図5A及び図5Bには、電気雌端子1及び本体5の長手方向を通って延在し、前面開口部125、(前述のように前面開口部125を画定する)前端部200、及び本体5の下部250の内面によって囲まれた空間によって画定される通路PWがさらに表示されている。したがって、通路PWは、その中に雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体を収容することができる。
【0039】
コネクタシステムは、シリコーンシール310を利用することによって環境汚染物質から密封される。設置中、本発明の電気雌端子1は、図5Cの概略図に示すように、シリコーンシール310を通過しなければならない。このプロセスの間、シリコーンシール310は、シリコーンシール310の位置303、305において損傷又は切断を受けやすくなる。電気雌端子1の端子面又は先端部が嵌合中にシリコーンシール310を損傷又は切断するのを回避するために、図5Dに示すように、凹状上面部300及び凹状底面部400が設けられている。これは、凹状上面部300及び凹状底面部400が、凹状上面部300又は凹状底面部400の長さに沿って、本発明の電気雌端子1とシリコーンシール310との間の干渉をより大きな距離で広げることによって達成される。凹状上面部300に関して、例えば、凹状上面部300は、図5Eに示され、以下でより詳細に説明するように、頂部303、側部305、及び底部307を含む。
【0040】
図5Eにより完全に示すように、凹状上面部300は、頂部303と、側部305と、第1の支持部材215及び上部200aの前端部又は前部に位置する底部307とを含む。凹状上面部300は、図5D及び図5Eに示すような形状又は形態をとることができるが、凹状上面部300の形状又は形態はこれに限定されず、嵌合中のシリコーンシール310の損傷又は切断を防ぐ目的で、任意の所望の形状又は形態をとることができる。
【0041】
例えば、凹状上面部300の形状又は形態は、図5Fに示すように平坦な表面凹部であってもよく、図5G及び図5Hに示すように凹面凹部であってもよい。図5Hの上面図に示すように、頂部303は、凹形状又は形状に湾曲するように示されている。
【0042】
しかしながら、上述したように、凹状上面部300は、シリコーンシール310との接面中又は嵌合中の損傷又は切断を防ぐ目的で、任意の形状又は形態をとることができる。したがって、凹状上面部300は、凸状突起(図示せず)の形状又は形態をとることもできる。
【0043】
本発明の電気雌端子1の前端又は前端の底部は、凹状底面部400を含み、凹状底面部400はまた、シリコーンシール310との接面中又は嵌合中の損傷又は切断を防ぐという同様の目的で代替の形状又は形態を有することができる。凹状底面部400は、凹状底面部400の長さに沿って電気雌端子1とシリコーンシール310との間の干渉を広げることによって、シリコーンシール310との接面中又は嵌合中の損傷を緩和する。例えば、図5Iに示すように、凹状底面部400は、本体5の前端部200の内側の床122から延在する中間延在部材500に向かって下方に延在する頂部405を含む。中間延在部材500は、側部500a、500bと、頂部500cとを有する。凹状上面部300と同様に、凹状底面部400は、その目的のために、凹状底面部400の長さに沿って電気雌端子1とシリコーンシール310との間の干渉を広げ、それにより、それとの接面中又は嵌合中にシリコーンシール310へのいかなる損傷又は切断も防ぐ。
【0044】
実質的にこぶ状の部材120と2体ばね130との関係は、図6Aに示されており、図6Aは、図1Bの線6A-6Aに沿った断面図である。図6Aには、本体5の前端部200の上部誘導部材105がさらに示されている。上部誘導部材105は、第1の実質的水平部分105aと、実質的傾斜部分105bと、第2の実質的水平部分105cとからなる。上部誘導部材105の前述の部分は、雄ピンもしくは雄端子、又はさらに「ブレード状」の物体を電気雌端子1の前面開口部125及び通路PWに向け、方向付け、及び/又は「自己修正」するための誘導機構を備え、そのような誘導機構として機能する。より具体的には、上部誘導部材105の下面は、電気雌端子1のそれぞれの長手方向(図5A図5B図6Aを参照されたい)において、本体5の前面開口部125から電気雌端子1の2体ばね130に向かって、通路PWの上部に実質的に沿って延在し、これを画定する。図6A及び図6Bに示すように、前面開口部125から、第1の実質的水平部分105aが延在して前面開口部125の上面及び通路PWの前部を画定し、第2の実質的傾斜部分105bがさらに通路PWを画定し、同様に、第3の実質的水平部分105cがそれぞれ通路PWを画定する。より具体的には、上部誘導部材105は、雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体(図示せず)を、本体5の前端部200から前面開口部125に誘導し、物体を2体ばね130に向かってさらに誘導し、及び/又は物体を床122及びそれぞれの下部ばね部材133から延在する実質的にこぶ状の部材120に向かって、及び/又は空間160に向かってさらに誘導することによって、通路PWを通って長手方向に方向付け、方向付け、及び/又は「自己修正」する。雄ピンもしくは雄端子、又は本明細書に記載のさらなる「ブレード状」物体(図示せず)は、電気雌端子1に通路PWに入るか又は摺動可能に入ることによって挿入される。雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体(図示せず)が通路PWに長手方向にさらに挿入されると、それは、2体ばね130と実質的にこぶ状の部材120との間及び空間160に固定又は衝突及び締結され、2体ばね130のばね力によってさらに作用される。雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体(図示せず)が通路PWにさらに入り続けるか、又は摺動可能に入り続けると、雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体が実質的にこぶ状の部材120の最上面に対して実質的に水平又は垂直な向きに配向されるため、上部誘導部材105との接触を失う可能性がある。より具体的には、雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体(図示せず)は、雄ピンもしくは雄端子としての第1の実質的水平部分105a、第2の実質的傾斜部分105b(雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体のサイズによっては、第3の実質的水平部分105cとの接触を失う可能性がある)との接触を失うことがあり、又はさらなる「ブレード状」物体は、実質的にこぶ状の部材120の最上面に対して実質的に水平又は垂直な向きに配向されるようになる。さらに、雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体(図示せず)がピンの長手方向に対して傾斜した向きで挿入される場合、そのような物体の端部又は先端は、第3の実質的水平部分105cと2体ばね130との間に形成された距離又は空間に入らないことが好ましい。さらに、雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体(図示せず)は、電気雌端子1への最初の挿入中にさらに方向付けられてもよく、雄ピンもしくは雄端子の端部もしくは先端、又はさらなる「ブレード状」物体は、通路PW内にあるときに上部誘導部材105の下面に接触しても接触しなくてもよい。
【0045】
2体ばね130は、図6Aに示すように、上部ばね部材131と下部ばね部材133とを有する。2体ばね130は、実質的に本体5の後端部210から本体5の前端部200に向かって電気雌端子1に沿って長手方向に延在している。図6Aのように、下部ばね部材133は、上部ばね部材131よりも長く、又はさらに長手方向に延在し、本体5の前端部200に向かってさらに延在し、実質的にこぶ状の部材120の上方にも達する。
【0046】
図6Aに示すように、上部ばね部材131は、下部ばね部材133に沿ってその上方に部分的に延在する。図6Aにさらに見られるように、上部ばね部材131は、その下部ばね部材133上に位置する点で、本体の前端部200に実質的に向かっており、より具体的には、下部ばね部材133の、実質的なこぶ状部材120の上方の部分の前に位置する点で、下部ばね部材133に接触することができる。また、上部ばね部材131の傾斜部は、本体5の床122に向かって実質的に傾斜して延在している。非屈曲位置では、上部ばね部材131のこの実質的傾斜部分は、好ましくは一点を除いて、又は部分的に、下部ばね部材133に実質的に接触せず、あまり好ましくないが、上部ばね部材131の実質的傾斜部分は、下部ばね部材133に全く接触しなくてもよい。さらに、屈曲位置では、上部ばね部材131は、同様に屈曲された下部ばね部材133に接触することができ、下部ばね部材133のばね力を提供しながら、その全体又は一部を、同様に屈曲された下部ばね部材133に摺動可能に接触することができ、その結果、下部ばね部材と上部ばね部材の両方のばね力がそれぞれ組み合わされ、それによって、その全体が2体ばね130によって提供される(図6A図8Bに示すように)。
【0047】
上述した構造的又は機能的関係のさらなる証拠として、下部ばね部材133及び上部ばね部材131が撓んでいない状態で接触しているとき、初期ばね力は、上部ばね部材及び下部ばね部材131、133の両方の初期ばね力として、それらのそれぞれのばね力を一斉に又は一緒に、及び/又は合計で加え、雄ピンもしくは雄端子、又は電気雌端子1に挿入されたさらなる「ブレード状」物体(図示せず)に作用することによって明らかになる。対照的に、上部及び下部ばね部材131、133がそれぞれの撓んでいない状態で接触しないとき、最初に加えられるばね力は、下部ばね部材133が上部ばね部材131と最初に接触するまで、それが撓むときの下部ばね部材133のばね力としてのみ明らかであり、それによって、上部ばね部材131は、下部ばね部材133に対して、一斉に、又は一緒に、又は全体的に、雄ピンもしくは雄端子、又はさらなる「ブレード状」物体に対してばね力を加える。
【0048】
図6Aにさらに見られるように、下部ばね部材133の一部は、通常は弛緩して撓んでいない状態にある間、本体5の床122に向かって、本体5の下部250及び通路PWに向かって実質的に下方に傾斜している。下部ばね部材133の通路PW内の部分は、床122から離れる上方方向に実質的に妨げられることなく移動可能である。下部ばね部材133の別の部分は、下部ばね部材133が上部ばね部材131に接触する結果として、上部ばね部材131との上方への同時移動を妨げられる。より具体的には、雄ピン又は雄端子(図示せず)が通路PWに挿入されると、2体ばね130はその通常の弛緩状態から屈曲状態に移動し、下部ばね部材133の実質的に遮られていない部分は、さらに実質的に通路PWから出ることができる。したがって、2体ばね130は、その通常の撓んでいない状態に戻る方向に、雄ピンもしくは雄端子又はさらなる「ブレード状」の物体に対する、及び/又はそれに作用するばね力を主張する。2体ばね130は、下部ばね部材133の実質的に遮られていない部分において、さらに上方に、床122から離れて、レバー部材25に向かって移動する。したがって、2体ばね130は、2体ばね130がレバー部材25の突起部材36に接触するので、下部ばね部材133によってその移動が制限されるまで、実質的に妨げられずに移動可能であり続けることができる。さらに、レバー部材25は、静止していてもよく、不動であってもよく、又は床122から離れる方向(例えば、コネクタアセンブリ90との潜在的な接触によって)に移動することが防止されてもよく、それによって突起部材36は、下部ばね部材133、したがって2体ばね130の過応力保護を提供する。動作中、及び/又は電気雌端子1がコネクタアセンブリ90内に存在するとき、レバー部材25は、好ましくは、通常の屈曲していない状態にあり、下部ばね部材133は、雄ピン又は雄端子(図示せず)と相互作用し始め、それによって、雄ピン又は雄端子(図示せず)のサイズを完全に収容し、2体ばね130がレバー部材25と接触するのを防ぐために、床122から離れる上方向への2体ばね130の実質的に妨げられない移動の最大距離を提供する。レバー部材25が床122から離れるようにさらに移動可能であり、静止していない、不動ではない、又は床122から離れる方向に移動することが防止されている状況(例えば、コネクタアセンブリ90との接触)では、レバー部材25はさらに上方に、その通常の撓んでいない状態から離れるように移動可能である。したがって、2体ばね130が前述の位置にあるときにレバー部材25に接触する場合、結果として下部ばね部材133の端部135が突起部材36又はレバー部材25の一部に接触することにより、レバー部材25の弾性力が、2体ばね130のばね力に加えて加えられるように、その通常の弛緩状態から離れて床122から離れて撓むときに生じる。具体的には、レバー部材25は、それによって、レバー部材25と接触するときに下部ばね部材133のばね力に、全体的又は部分的に、したがって一般に2体ばね130を加える。より具体的には、上述した状況では、レバー部材25によってその通常の弛緩状態に戻る方向に加えられる弾性力は、レバー部材25及び/又は突起部材36と接触するときの下部ばね部材133の端部135の動きとは反対の方向にあり、それによって、以下で説明するように、床122、又は雄ピンもしくは雄端子、又は2体ばね130の下のさらなる「ブレード状」の物体に向かう下方向に、2体ばね130のばね力を増加させ、さらにより具体的には、2体ばね130の頂点Aに向けられる。
【0049】
図6Aにさらに示すように、下部ばね部材133の端部135は、頂点Aに湾曲し、実質的にこぶ形の部材120(図5B参照)に向かって下方に向けられた実質的湾曲部分137を含む。雄ピン又は雄端子(図示せず)は、前面開口部125を通って通路PWに入ると、実質的湾曲部分137と実質的にこぶ状の部材120との間及び空間160内に固定又は衝突するようになる。雄ピン又は雄端子(図示せず)を収容する空間160は、実質的湾曲部分137と、本体5の下部250の床122に実質的に平行なこぶ状部材120の最上面との間の距離によって画定される。空間160は拡大又は拡張し、2体ばね130は、雄ピン又は雄端子(図示せず)とさらに相互作用しながら、床122から離れる上方向に移動する。2体ばね130が上方向に移動するにつれて、床122から離れ、これにより、実質的湾曲部分137とこぶ状部材120の最上面との間の距離が増加し、したがって空間160が増加する。実質的湾曲部分137は、その頂点Aにおいて、好ましくは、空間160内で、2体ばね130と挿入された雄ピン又は雄端子(図示せず)との間の単一の接点を提供する。実質的湾曲部分137の頂点Aは、2体ばね130のばね力が、実質的にこぶ状の部材120の上方、中央、及び中心の点に配置され、方向付けられ、実質的に固定され、空間160に挿入又は存在するときにそれぞれの雄ピン又は雄端子に作用することを可能にする。
【0050】
図6Aにも示されるように、上部ばね部材131の上方に位置するのは、上部リテーナ部材140である。上部リテーナ部材140の端部は、本体5と2点(一端は本体5の側面部材121に接続され、一端は後端部210の上部本体210aに接続されている)で実質的に接続されている(図6A図8A及び図8Bを参照されたい)。上部リテーナ部材140は、その底部142として、上部ばね部材131(図8A図8Bも参照されたい)に部分的に接触して当接する略U字状の部分を有する。図6Aに見られるように、上部リテーナ部材140は、上部ばね部材131に当接する実質的に剛性で弾性の表面を提供し、2体ばね130の折り畳まれた構造が維持され、上部ばね部材131と下部ばね部材133との間の接触が維持されることを確実にする。図7図8Aのように、上部リテーナ部材140は、上部ばね部材131が本体5の下部250の上方で下部ばね部材133と同じ高さ、好ましくは略平行な向きから広げられ、開かれ、実質的に分離され、又は変形されることを防止し、維持する。上部ばね部材131及び下部ばね部材133は、それらが全体的又は部分的に接触するように配向されてもよい。さらに、上部リテーナ部材140は、2体ばね130が通常の、撓んでいない状態にあるか、又はばね力が雄ピン又は雄端子(図示せず)に対して加えられる撓んだ状態にあるときに、上部ばね部材131及び下部ばね部材133が広げられ、開かれ、実質的に分離され、又は変形するのを防ぐことによって、2体ばね130の折り畳まれた構造を維持する。
【0051】
図6Bの概略図に示すように、下部ばね部材133の端部135の前端先端部150は、上部誘導部材105の第2の水平部分105cの下面155と一直線上又は上方にあるべきである。この姿勢により、前面開口部125を通過した雄ピン又は雄端子(図示せず)は、上部誘導部材105及び下部ばね部材133の端部135によって実質的湾曲部分137に沿って効果的に誘導され、下部ばね133の湾曲部分137と実質的にこぶ状の部材120との間の空間160(図6Aも参照されたい)を通過する。さらに、下部ばね部材133の端部135の前端先端部150は、下部ばね部材133が衝突又は配向されて、好ましくないことに雄ピン又は雄端子が第2の水平部分105cの下面155と下部ばね部材133の端部135との間を通過し、又は雄ピン又は雄端子が電気雌端子1の長手方向に対して傾斜した配向で挿入されたときに上述の部分の間に形成される隙間又は空間に入ることを防ぐように、上部誘導部材105の第2の水平部分105cの下面155と一直線上又は上方にあるべきである。
【0052】
図7に示すように、2体ばね130の上部ばね部材131及び下部ばね部材133は、互いに一体的に構成され、湾曲側面部材170、133aによって接続され、上部ばね部材131が下部ばね部材133の上方にある状態で、上下に折り畳まれる。上部リテーナ部材140の下方において、2体ばね130は、電気雌端子1の長さ方向において床122(図6Aも参照されたい)と略平行であることが好ましい。上部ばね部材131及び下部ばね部材133はまた、それらが電気雌端子1の長手方向に沿って床122に全体的又は部分的に接触するように配向されてもよい。図7にさらに示すように、上部及び下部ばね部材131、133は、2体ばね部材130の湾曲側面部材170によって一体的に接続されている(図8Aも参照)。湾曲側面部材170は、少なくとも部分的に、本体5の窓又は開口部180内に収容される。また、図7には、下部ばね部材133を本体5の下部250(図8Bも参照されたい)に一体的に接続する本体5の湾曲側面部分133aが示されている。湾曲側面部材170及び湾曲側面部分133aは、湾曲側面部材170及び又は湾曲側面部分133aの両方の厚さ、長さ、又は曲率半径などの態様にそれぞれさらに影響を及ぼし、2体ばね130の合成ばね力をさらに依存又は最適化することを可能にすることができる。
【0053】
前述したように、下部ばね部材133の一部は、下部ばね部材133の一部がレバー部材25の突起部材36に接触するまで、床122から離れる上方向に妨げられることなく移動可能である。好ましくは、2体ばね130は、最初に雄ピン又は雄端子(図示せず)によって上方向に床122から離れるように撓まされ、レバー部材25が通常の撓んでいない向きにあるときに最初に、かつ好ましくは生じて、下部ばね部材133が床122と突起部材36との間の最大移動距離を可能にする。下部ばね部材133は、上部本体200a及びレバー部材25に向けて上方に突出又は傾斜した下部ばね部材133の一部である端部135を有する。下部ばね部材133の床122及び端部135から離れる上方への移動は、最終的に、その端部135がレバー部材25の突起部材36のほぼ近くに到達するか、又はそれに接触/接触し、それによって、レバー部材25が静止しているか、不動であるか、又は床122から離れる方向に移動することが防止されている2体ばね130の上方への移動を制限する。先の事例では、下部ばね部材133の端部135が突起部材36の一部と結果として接触することにより、端部135が防止され、その結果、下部ばね部材133及び上部ばね部材131は、雌端子1が雄ピン又は雄端子(図示せず)と嵌合しているときに、さらに上方に移動可能であるか、過大応力を受けるか、又は実質的に変形することが防止される。したがって、これは、2体ばね130の過応力又は実質的な変形を防止し、2体ばね130は、雄ピン又は雄端子が電気雌端子1からさらに取り外された場合又は取り外された場合に非屈曲状態に戻ることができる。さらに、前述したように、レバー部材25が床122から離れるようにさらに移動可能であり、静止又は不動ではなく、代わりに移動可能であり、妨げられない状況では、レバー部材25は、床122から離れるようにさらに上方に、又は2体ばね130と同時に移動可能である。その結果、下部ばね部材133の端部135が突起部材36の一部と接触し、レバー部材25によって下部ばね部材133に弾性力が加えられることがさらに可能である。したがって、レバー部材25によって下部ばね部材133の端部135に加えられる弾性力は、2体ばね130のばね力に加わる。
【0054】
図8Bには、本体5の前端部及び後端部200、210の両方が示されており、それぞれ第1の支持部材215及び第2の支持部材220を有する。より詳細には、本体5の前端部200の上部200aは、第1の支持部材215を含み、本体5の後端部210の上部210aは、第2の支持部材220を含む。隙間230は、第1の支持部材215を本体5の下部250から離間させてもよい。隙間240は、第2の支持部材220を本体5の下部250から分離してもよい。電気雌端子1がコネクタアセンブリ90に入ると、第1の支持部材215及び第2の支持部材220は、それぞれ隙間230、240を通って本体5の下部250に向かって弾性的に下方に押され、実質的に接触することができ、隙間230、240をなくすことができる。一方、電気雌端子1がコネクタアセンブリ90に入る前に隙間230、240が存在しなくてもよく、第1の支持部材215及び第2の支持部材220は、本体5の下部250に完全に接触している。上述の構造的構成により、第1の及び第2の支持部材215、220は、本体5に構造的弾性及び剛性を提供し、本体5の下部250に面するその利用可能な境界面を提供することによって、本体の上部200a、210aのための支持を提供する。その中で、第1の支持部材215及び第2の支持部材220は、本発明の電気雌端子1が過度に応力を受けたり変形したりすること、ならびにコネクタアセンブリ90に取り付けられて使用されるとき(図10A図10Bを参照されたい)を防ぐ。
【0055】
図8Cは、リテーナ部材142に隣接し、2体ばね130の上方に位置する上部リテーナ部材140を有する本発明の電気雌端子1の代替実施形態を示しており、ディンプル部280は、2体ばね130の上部ばね131との接触数を増加させて、2体ばね130の剛性を増加させる。すなわち、上部ばね部材131を有する第1の接点143はリテーナ部材142の下方に設けられ、上部ばね部材131を有する第2の接点286はディンプル部280の下方の延長された下部285の下方に設けられている。
【0056】
図8Dにさらに詳細に示すように、ディンプル部280の下には、延長された下部285があり、延長された下部285は、2体ばね130の上部ばね部材131と直接接触し、第2の接点286に上部ばね部材131を提供する。また、図8Dには、実質的に傾斜したカップ状の形状のディンプル部280が示されているが、ディンプル部280の代替的な実施形態として、ディンプル部281の形状は、図8E及び図8Fに示されているように(それに限定されない)、任意の形態又は形状をとることができる。
【0057】
例えば、図8Eに示すように、ディンプル部281は、実質的にV字形の形態をとることができる。図8Eにさらに示すように、上部ばね部材131を有する第1の接点143は、リテーナ部材142の下に設けられ、上部ばね部材131を有する第2の接点291は、ディンプル部281の下の延長された下部290の下に設けられている。すなわち、図8Eにより詳細に示すように、ディンプル部281の下には、2体ばね130の上部ばね部材131に直接接触し、第2の接点291に上部ばね部材131を提供する延長された下部291があり、それにより、有利には2体ばね130の剛性を高める。
【0058】
一方、図8Fでは、ディンプル部282は、実質的にカップ状の形態をとることができる。図8Fにさらに示すように、上部ばね部材131を有する第1の接点143は、リテーナ部材142の下に設けられ、上部ばね部材131を有する第2の接点296は、ディンプル部282の下の延長された下部295の下に設けられる。すなわち、図8Fにより詳細に示すように、ディンプル部282の下には、2体ばね130の上部ばね部材131に直接接触し、第2の接点296を上部ばね部材131に提供する延長された下部295がある。
【0059】
ディンプル部(ディンプル部280、281、282と同様に)の代替的な実施形態は、リテーナ部材142の上部リテーナ部材140内のディンプル部のサイズ及び位置が異なる。
【0060】
2体ばね130の上部ばね部材131との第2の接点286、291、296は、リテーナ部材142の下方に設けられた上部ばね部材131との第1の接点143に加えて、有利には、2体ばね130の剛性を高める。
【0061】
図9は、本発明の電気雌端子1上に収容されるワイヤコア部110及びワイヤ絶縁部120を有する例示的な電線又はケーブル100を示す。電線又はケーブル100のワイヤ絶縁部120及びコア部110の電気雌端子1への収容の優先順位や順番はワイヤ締結部3の一実施形態に限定されない。本発明に示すワイヤ締結部3は、ワイヤ締結部3のそのような実施形態の1つであるが、本発明はこの実施形態に限定されない。しかしながら、前述したように、ワイヤ締結部3は、図示のように折り畳み可能な圧着又はクランプ型であってもよいが、さらに、絶縁変位接点(IDC)型、又は好ましくは電気雌端子1の長手方向に実質的に延在する、より具体的には電気雌端子1の本体3の後部から延在する後部と一体的に形成され、好ましくは電線又はケーブル100を電気雌端子1に確実に接続するために、電線又はケーブル100のワイヤ絶縁部120及びワイヤコア部110と相互作用することができる他の同様に形成されたワイヤ締結手段であってもよい。さらに、上述したように、電線又はケーブル100の電気雌端子1への締結は、限定はしないが、溶接、ろう付け、はんだ付け、及び/又は他の同様の手段を含む、安全で導電性のワイヤ締結を形成する手段を含むことができる。本発明はさらに、電線又はケーブル100を挿入するステップに限定されず、ワイヤ絶縁部120を最初に挿入することができ、ワイヤコア部110を2番目に挿入することができ、その逆も可能であり、両方がワイヤ締結部3の構造及び特徴に応じて同時に行われてもよい。
【0062】
ワイヤ絶縁部120及びそのワイヤコア部110を有する電線又はケーブル100が、ワイヤ締結部3の電気雌端子1へのワイヤ締結手段によって電気雌端子1にしっかりと取り付けられ又は挿入された後、あるいは電気雌端子1にしっかりと取り付けられて挿入されると、電気雌端子1は、図10A及び図10Bに示すように、コネクタアセンブリ90などに挿入される状態になる。
【0063】
図10Aには、コネクタアセンブリ90などに挿入されている間のプレロック位置にある電気雌端子1が示されており、電気雌端子1は正面図で示されている。図10Aに示すように、電気雌端子は、対応するコネクタアセンブリ90に挿入され、レバー部材25は、その結果、コネクタアセンブリ90との接触によって、又はユーザもしくは装置によって下方に確実に押され、電気雌端子1がコネクタアセンブリ90内にさらに移動し、さらに挿入されることを可能にする。先に論じられ、図10Aに見られるように、電気雌端子1をコネクタアセンブリ90内に挿入する間、突起部材35、37(例えば、図2B及び図8Aを参照されたい)ならびに第1の支持部材215及び第2の支持部材220(例えば、図8Bを参照されたい)は、少なくともレバー部材25、本体5、及び電気雌端子1が実質的に過大応力又は変形するのを防止又は保護し、さらに、後述するように、電気雌端子1の適切な向き又は極性を保持する。
【0064】
図10Bは、コネクタアセンブリ90内に完全に挿入された電気雌端子1を示す。図10Bに示すように、レバー部材25は、通常の弛緩状態に上方に後退し、さらに好ましくは、コネクタアセンブリ90の内側の部材(図示せず)によって非取付端部28でロック又は固定される。この時点の後又はこの時点で、前述のように(例えば、図2Cを参照されたい)、TPA装置300は、ネック部材52の上方及び本体5の後方に位置する空間50内に収容することができ、それによって、電気雌端子1がコネクタアセンブリ90内にロックされ、固定され、正しく位置決めされたままであることが保証される。
【0065】
さらに、図10A及び図10Bと同様に、本体5の上部200a、210a及び下部250は、コネクタアセンブリ90の上部90a及び下部90bのそれぞれの内側への本発明の電気雌端子1の正確な挿入及び嵌合のための電気雌端子1の正しい向きを保証するように、そのような極性又は向きにある。
【0066】
図10A及び図10Bには、コネクタアセンブリ90の上部90a及び下部90bなども示されている。本発明の電気雌端子1の向き又は極性は、本発明の電気雌端子1がコネクタアセンブリ90に向けられ、挿入され、嵌合されたときに、本体5の前端部200の上部200a及び後端部210(図8Bを参照されたい)の上部210aがコネクタアセンブリ90の上部90aによってそれぞれ収容され、本体5の下部250(図8Bを参照されたい)がコネクタアセンブリ90の下部90bによってそれぞれ収容されるようになっている。本発明の電気雌端子1の図10A及び図10Bに示す構造的配向又は極性は、本体5の上部200a、210aがより狭い上部90a内に存在するか又は嵌合するようなものである。さらにここでは、上部200a及び上部210aは、本体5の下部250と比較して一方の側にオフセットされている。下部250は、上部200a、210aよりも広く、コネクタアセンブリ90のより広い下部90b内に存在する。しかしながら、本発明の電気雌端子1は、コネクタアセンブリ90に挿入又は嵌合されたときのそのような構造的向き又は極性は、これに限定されない。すなわち、本発明の電気雌端子1は、コネクタアセンブリ90に対して方向付けられ、挿入され、嵌合されるとき、本体5の上部200a、210a及びコネクタアセンブリ90の上部90aが、本体5の下部250及びコネクタアセンブリ90の下部90b(図示せず)と比較して幅広であってもよい。同様に、上部200a、210aは、電気雌端子1がコネクタアセンブリ90(図示せず)と嵌合している間、本体5の下部250と比較して、中央に配置されてもよく(図示せず)、又はオフセットされてもよい(図10A図10B)。電気雌端子1及びコネクタアセンブリ90の極性又は向きは、実質的な嵌合を可能にするために実質的に同様である。
【0067】
前述の説明は本発明の好ましい実施形態を対象としているが、他の変形及び修正が当業者には明らかであり、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく行うことができることに留意されたい。さらに、本発明の一実施形態に関連して説明された特徴は、上記で明示的に述べられていなくても、他の実施形態と併せて使用されてもよい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図4
図4A
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
【図
図8E
【図
図8F
図9
図10A
図10B
【手続補正書】
【提出日】2022-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタアセンブリに挿入するための電気雌端子であって、
ワイヤ締結部と、
前記ワイヤ締結部に取り付けられた本体と、を備え、
前記本体は、ばね部材とレバー部材とを含み、
前記レバー部材の非取付端部が、前記レバー部材の端部から前記レバーが延在する方向に延在する突起を有し、使用中に前記電気雌端子が脱落することを防ぐために、前記突起が前記コネクタアセンブリの内部突起と相互作用するときに前記レバー部材を撓ませることを特徴とする、
電気雌端子。
【請求項2】
前記電気雌端子の先端に、シールとの嵌合時に当該シールへのダメージを防ぐための凹状上面部及び凹状底面部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の電気雌端子。
【請求項3】
ディンプル部と、前記ばね部材の上部部材と接触して前記ばね部材に剛性を提供する対応する延長された下部とを有する上部リテーナ部材をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の電気雌端子。
【請求項4】
コネクタアセンブリに挿入するための電気雌端子であって、
ワイヤ締結部と、
前記ワイヤ締結部に取り付けられた本体と、を備え、
前記本体は、ばね部材を含み、
前記本体は、レバー部材をさらに含み、
前記電気雌端子の先端は、シールとの嵌合時に当該シールへのダメージを防止するための凹状上面部及び凹状底面部を含み、前記凹状上面部は、その前端に頂部、側部、及び底部を含む、
電気雌端子。
【請求項5】
前記レバー部材の非取付端部は、使用中に前記電気雌端子が脱落することを防ぐために、前記コネクタアセンブリの内部突起と相互作用するときに前記レバー部材を撓ませる突起を有することを特徴とする、請求項4に記載の電気雌端子。
【請求項6】
ディンプル部と、前記ばね部材の上部部材と接触して前記ばね部材に剛性を提供する対応する延長された下部とを有する上部リテーナ部材をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の電気雌端子。
【請求項7】
コネクタアセンブリに挿入するための電気雌端子であって、
ワイヤ締結部と、
前記ワイヤ締結部に取り付けられる、ばね部材とレバー部材とを有する本体と、
リテーナ部材と、
前記レバー部材に向かって前記リテーナ部材の端部に配置され、ディンプル部と、前記ばね部材の上部部材と接触して前記ばね部材に剛性を提供する対応する延長された下部とを有する、上部リテーナ部材と、を備える
電気雌端子。
【請求項8】
前記電気雌端子の先端に、シールとの嵌合時に当該シールへのダメージを防ぐための凹状上面部及び凹状底面部を含むことを特徴とする、請求項7に記載の電気雌端子。
【請求項9】
前記レバー部材の非取付端部は、使用中に前記電気雌端子が脱落することを防ぐために、前記コネクタアセンブリの内部突起と相互作用するときに前記レバー部材を撓ませる突起を有することを特徴とする、請求項7に記載の電気雌端子。
【請求項10】
前記レバー部材の前記突起が、互いに対して傾斜した複数の面を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電気雌端子。
【請求項11】
前記凹状上面部が、平坦面凹部、凹面凹部、及び凸状突起のうちの1つであることを特徴とする、請求項2に記載の電気雌端子。
【請求項12】
前記ディンプル部が、実質的に角度が付けられたカップ状の形状、実質的にV字形の形状、及び実質的にカップ状の形状のうちの1つを有することを特徴とする、請求項3に記載の電気雌端子。
【請求項13】
前記凹状上面部が、平坦面凹部、凹面凹部、及び凸状突起のうちの1つであることを特徴とする、請求項4に記載の電気雌端子。
【請求項14】
前記レバー部材の前記突起が、互いに対して傾斜した複数の面を含むことを特徴とする、請求項5に記載の電気雌端子。
【請求項15】
前記ディンプル部が、実質的に傾斜したカップ状の形状、実質的にV字形の形状、及び実質的にカップ状の形状のうちの1つを有することを特徴とする、請求項6に記載の電気雌端子。
【請求項16】
前記ディンプル部が、実質的に傾斜したカップ状の形状、実質的にV字形の形状、及び実質的にカップ状の形状のうちの1つを有することを特徴とする、請求項7に記載の電気雌端子。
【請求項17】
前記凹状上面部が、平坦面凹部、凹面凹部、及び凸状突起のうちの1つであることを特徴とする、請求項8に記載の電気雌端子。
【請求項18】
前記レバー部材の前記突起が、互いに対して傾斜した面を含むことを特徴とする、請求項9に記載の電気雌端子。
【請求項19】
前記レバー部材が、過応力機能部を含むタング部材を備え、前記過応力機能部が、前記タング部材の実質的前部及び実質的中間部の一方に配置された突起部材を有し、
前記突起部材は、実質的に平坦な底縁部を有することを特徴とする、
請求項1に記載の電気雌端子。
【請求項20】
前記レバー部材が、過応力機能部を含むタング部材を備え、前記過応力機能部が、前記タング部材の実質的前部及び実質的中間部の一方に配置された突起部材を有し、
前記突起部材が、実質的に平坦な底縁部を有することを特徴とする、
請求項4に記載の電気雌端子。
【請求項21】
前記レバー部材が、過応力機能部を含むタング部材を備え、前記過応力機能部が、前記タング部材の実質的前部及び実質的中間部の一方に配置された突起部材を有し、
前記突起部材が、実質的に平坦な底縁部を有することを特徴とする、
請求項7に記載の電気雌端子。
【国際調査報告】