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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】流体力学的分離器の保守
(51)【国際特許分類】
   B01D 17/02 20060101AFI20240528BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20240528BHJP
   B01D 21/26 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
B01D17/02
B01J19/00 321
B01D21/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534218
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-06-21
(86)【国際出願番号】 US2022031972
(87)【国際公開番号】W WO2022256537
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】63/195,839
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/830,195
(32)【優先日】2022-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モラヴェック, デービス ビー.
(72)【発明者】
【氏名】クアム, ダリル エル.
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン, ジェイコブ エー.
(72)【発明者】
【氏名】ハウザー, ブラドリー ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ゴーツ, マシュー ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ストリード, ティモシー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】コーリング, コナー ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4G075
【Fターム(参考)】
4G075AA02
4G075AA27
4G075AA39
4G075AA61
4G075AA65
4G075BB05
4G075BD01
4G075BD08
4G075DA02
4G075EA01
4G075EB25
4G075EB50
4G075EC06
4G075FA12
4G075FB02
4G075FB06
4G075FB12
4G075FC02
(57)【要約】
本明細書で開示する技術のいくつかの実施形態は、要素入口と要素出口とを規定する流体力学的分離器要素を有するシステムに関する。要素出口は、第1の要素出口及び第2の要素出口を有する。流体力学的分離器要素は、流体連通している複数の湾曲マイクロ流体チャネルを有する。複数のマイクロ流体チャネルのそれぞれは、並列に動作するように配置される。各マイクロ流体チャネルは、要素入口の下流のチャネル入口、及び第1の要素出口の上流の第1のチャネル出口と、第2の要素出口の上流の第2のチャネル出口とを有するチャネル出口を規定する。流れ特性センサーが分離器要素と感知通信している。コントローラが流れ特性センサーとデータ通信しており、ここで、コントローラは、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、第1のアラートを提供するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体力学的分離器要素であって:
要素入口、
第1の要素出口及び第2の要素出口を有する要素出口、
前記第2の要素出口の上流の第2の出口流路、及び
並列に動作するように配置された複数の湾曲マイクロ流体チャネルであって、各マイクロ流体チャネルは:
前記要素入口の下流のチャネル入口、及び
前記第1の要素出口の上流の第1のチャネル出口と、前記第2の出口流路の上流の第2のチャネル出口とを有するチャネル出口
を規定する、複数の湾曲マイクロ流体チャネル
を規定する、流体力学的分離器要素;
前記複数のマイクロ流体チャネルと流体連通している第1の流れ発生器であって、第1の流量で、前記要素入口から前記要素出口まで流体流を発生させるように構成される第1の流れ発生器;
前記流体力学的分離器要素と流体連通している保守システムであって、前記分離器要素を通る前記流体流を修正するように構成される保守システム;及び
前記保守システムと動作可能に通信しているコントローラであって、前記保守システムを選択的に係合及び係合解除するように構成されるコントローラ
を含む、システム。
【請求項2】
前記保守システムは、前記第2の要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を含み、前記コントローラは前記弁と動作可能に通信している、請求項1及び請求項3~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項3】
前記保守システムは前記第1の流れ発生器を含み、及び前記コントローラは、前記第1の流れ発生器によって前記流体の流量を修正するように構成される、請求項1又は2及び請求項4~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記保守システムは、前記複数のマイクロ流体チャネルと流体連通している第2の流れ発生器を含み、及び前記コントローラは、前記第1の流れ発生器及び前記第2の流れ発生器と動作可能に通信しており、及び前記コントローラは、前記第1の流れ発生器の動作と前記第2の流れ発生器の動作との間を切り替えるように構成される、請求項1~3及び請求項5~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、規定通りに周期的に前記保守システムを係合するように構成される、請求項1~4及び請求項6~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
さらに、前記複数のマイクロ流体チャネルと感知通信している流れ特性センサーを含み、前記流れ特性センサーは、前記コントローラとデータ通信しており、及び流れ特性を感知するように構成され、並びに前記フローコントローラは、前記流れ特性を受信し、及び前記流れ特性が閾値外であると、前記保守システムを係合するように構成される、請求項1~5及び請求項7~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記流れ特性センサーは、前記要素入口及び前記要素出口と感知通信している圧力センサーを含み、前記流れ特性は、前記要素入口と前記要素出口との間の圧力差である、請求項1~6及び請求項8又は9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記流れ特性は:濁り、粒子数、粒子集合度、pH、抵抗、コンダクタンス、静電容量、及び誘電特性からなる群の少なくとも1つの特性である、請求項1~7及び請求項9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
さらに、前記第1の要素出口の上流の第1の出口流路を含み、ここで、各第1のチャネル出口は前記第1の出口流路まで延在し、及び前記保守システムは、前記第1の出口流路内に配置されたバリアを含み、ここで、前記バリアは、前記第1の出口流路に沿った複数の第1のチャネル出口を選択的に塞ぐように構成される、請求項1~8いずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
第1の期間、一定流量で、流体力学的分離器要素の要素入口から要素出口まで流体流を発生させることであって、ここで、前記分離器要素は、平行に配置された複数のマイクロ流体チャネルを含むこと;及び
第2の期間、コントローラによって、前記分離器要素を通る前記流体流を修正することを含む保守作業を実施することであって、ここで、前記第1の期間は前記第2の期間よりも長いこと
を含む、方法。
【請求項11】
前記流体流を修正することは、前記要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を係合することを含む、請求項10及び請求項12~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記流体流を修正することは、前記分離器要素を通る前記流体の流量を修正することを含む、請求項10又は11及び請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記流体の流量を修正することは、前記要素出口から前記要素入口まで前記流体の流れ方向を逆にすることを含む、請求項10~12及び請求項14又は15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記流体流を修正することは、規定通りに周期的に起こる、請求項10~13及び請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
さらに:
前記流体力学的分離器要素と感知通信している流れ特性センサーによって、流れ特性を感知すること;及び
前記流れ特性を前記コントローラへ送信することであって、ここで、前記分離器要素を通る前記流体流を修正することは、前記流れ特性が閾値外であると、実行されること
を含む、請求項10~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
流体力学的分離器要素であって:
要素入口、及び第1の要素出口と第2の要素出口とを有する要素出口;及び
並列に動作するように配置された複数の湾曲マイクロ流体チャネルであって、各マイクロ流体チャネルは:
前記要素入口の下流のチャネル入口、及び
前記第1の要素出口の上流の第1のチャネル出口と、前記第2の要素出口の上流の第2のチャネル出口とを有するチャネル出口
を規定する、複数の湾曲マイクロ流体チャネル;及び
前記マイクロ流体チャネルのうちの1つ以上と選択的に塞ぐように連通している障害物
を規定する、流体力学的分離器要素
を含む、システム。
【請求項17】
さらに、前記第1の要素出口の上流の第1の出口流路を含み、ここで、各第1のチャネル出口は前記第1の出口流路まで延在し、及び前記障害物は、前記第1の出口流路内に配置されたバリアを含み、ここで、前記バリアは、前記第1の出口流路に沿って前記複数の第1のチャネル出口の一部分を選択的に塞ぐ一方で、少なくとも1つの第1のチャネル出口は塞がれないままにするように構成される、請求項16及び請求項18~20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記バリアは、前記第1の出口流路内に摺動自在に配置される機械的構成要素であり、及び前記バリアの長さは、前記第1の出口流路に沿った2つの連続したチャネル出口間の前記距離よりも長く、それにより、前記バリアは、少なくとも2つの連続した第1のチャネル出口を塞ぐように構成される、請求項16又は17及び請求項19又は20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記バリアは、対応するマイクロ流体チャネルとそれぞれ選択的に塞ぐように連通する複数の弁を含む、請求項16~18及び請求項20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
前記障害物は、前記第2の要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を含む、請求項16~19のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年6月1日出願の米国特許出願第17/830,195号、及び2021年6月2日出願の米国仮特許出願第63/195,839号の優先権を主張し、それらの開示全体を参照することにより本書に援用する。
【0002】
本開示は、概して、流体力学的分離器に関する。より詳細には、本開示は、流体力学的分離器の有効性の検証に関する。
【背景技術】
【0003】
流体力学的分離器は、例えば炭化水素液、飲料、水溶液などの流体ストリーム中での分散粒子の集合及び/又は分離に関する様々な産業で使用されている。流体中に懸濁された粒子は、システムプロセスに問題を引き起こす可能性があり(例えば、燃料系又は流体圧系などにおいて)、一般的に消費者には望ましくないかもしれず(例えば、オレンジジュース中の果肉又はビールやワイン中の不純物)、又は流体とは異なる加工段階を受ける可能性がある(例えば汚水処理において)。
【0004】
流体力学的分離器は、一般的に、並列に動作される多くの比較的小さい分離器チャネルを含む。各分離器チャネルは、入口を有し、及び少なくとも2つの出口を有する。流体ストリームは、分離器チャネルのそれぞれの入口、及び分離器チャネルを通過する。分離器チャネルの形態は、流体ストリームが、少なくとも、比較的高粒子集合度を有する第1のストリームと、比較的低粒子集合度を有する第2のストリームとに物理的に分離するようになっている。出口は、第1の出口分岐口が第1のストリームを受け入れ、及び第2の出口分岐口が第2のストリームを受け入れるように構成されている。
【0005】
マイクロ流体工学の原理が、流体力学的分離器の有効性を決定づける。流量、圧力降下、流体特性、及びチャネル寸法は全て、流体力学的分離器の適切な動作のために相対的なバランスを保つ必要がある要因である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示する技術のいくつかの実施形態は、要素入口と要素出口とを規定する流体力学的分離要素を有するシステムに関する。要素出口は、第1の要素出口分岐口及び第2の要素出口分岐口を有する。流体力学的分離要素は、流体連通している複数の湾曲マイクロ流体チャネルを有する。複数のマイクロ流体チャネルは、並列に動作するように配置される。各マイクロ流体チャネルは、要素入口の下流のチャネル入口、及び第1の要素出口分岐口の上流の第1のチャネル出口分岐口と、第2の要素出口分岐口の上流の第2のチャネル出口分岐口とを有するチャネル出口を規定する。圧力センサーが、要素入口及び要素出口と感知通信している。圧力センサーは、要素入口と要素出口との間の圧力差を感知するように構成される。コントローラが、圧力センサーとデータ通信しており、ここで、コントローラは、圧力差が第1の閾値を超えるとすぐに、第1のアラートを提供するように構成される。
【0007】
いくつかのそのような実施形態では、システムは、要素入口及び要素出口と流体連通しているポンプを有する。それに加えて又はその代わりに、ポンプは、一定流量で、要素入口に流体を送り込むように構成される。それに加えて又はその代わりに、コントローラは、閉塞しているマイクロ流体チャネル数を計算し、及び閉塞したチャネル数をユーザへ通信するように構成される。それに加えて又はその代わりに、フローメータが、要素入口と流体連通している。それに加えて又はその代わりに、圧力センサーは、要素入口と要素出口の低粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成される。それに加えて又はその代わりに、圧力センサーは、要素入口と要素出口の高粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成される。それに加えて又はその代わりに、システムは、要素入口と流体連通している圧力駆動流れ制御装置を有する。それに加えて又はその代わりに、コントローラは、圧力差が第1の閾値を超えるとすぐに、第1のアラートを提供するように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態は、流体が一定流量で流体力学的分離要素の要素入口及び要素出口を通って流される方法に関する。分離要素は、平行に配置された複数のマイクロ流体チャネルを有する。要素入口と要素出口との間の圧力差が測定される。圧力差が第1の閾値を超えるとすぐに、第1のアラートが提供される。
【0009】
いくつかのそのような実施形態では、閉塞されているマイクロ流体チャネル数が計算され、及びユーザインタフェースで通信される。それに加えて又はその代わりに、流れている流体の流量が、フローメータを用いて測定される。それに加えて又はその代わりに、流体は、ポンプを用いて流体を送り込むことによって、要素入口及び要素出口を通って流される。それに加えて又はその代わりに、圧力駆動流れ制御装置が、要素入口及び要素出口を通して流体を流す。それに加えて又はその代わりに、圧力差を測定することは、要素入口の圧力を測定すること、及び要素出口の低粒子集合度分岐口の圧力を測定することを含む。
【0010】
それに加えて又はその代わりに、圧力差を測定することは、要素入口の圧力を測定すること、及び要素出口の高粒子集合度分岐口の圧力を測定することを含む。それに加えて又はその代わりに、圧力差が第2の閾値を超えるとすぐに、第2のアラートが提供される。それに加えて又はその代わりに、圧力差が第3の閾値を超えるとすぐに、第3のアラートが提供される。それに加えて又はその代わりに、第1のアラートは、推奨された保守前の予測した残りの動作時間の通知を提供する。それに加えて又はその代わりに、流体力学的分離要素の動作期間にわたってチャネル閉塞率が計算され、及びチャネル閉塞率に基づいて、予測した残りの動作時間が計算される。
【0011】
いくつかの実施形態は、要素入口、及び第1の要素出口と第2の要素出口とを有する要素出口を規定する流体力学的分離器要素を有するシステムに関する。複数の湾曲マイクロ流体チャネルは、並列に動作するように配置され、ここで、各マイクロ流体チャネルは、要素入口の下流のチャネル入口と、チャネル出口とを規定する。チャネル出口は、第1の要素出口の上流の第1のチャネル出口、及び第2の要素出口の上流の第2のチャネル出口を有する。流れ特性センサーが、複数のマイクロ流体チャネルと感知通信しており、ここで、流れ特性センサーは、流れ特性を感知するように構成される。コントローラが流れ特性センサーとデータ通信している。コントローラは、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、第1の出力を提供するように構成される。
【0012】
いくつかのそのような実施形態では、流れ発生器は、要素入口及び要素出口と流体連通している。それに加えて又はその代わりに、流れ発生器は、一定流量で要素入口を通る流体流を発生させるように構成される。それに加えて又はその代わりに、コントローラは、閉塞されているマイクロ流体チャネル数を計算し、及び閉塞したチャネル数をユーザへ通信するように構成される。それに加えて又はその代わりに、フローメータが、要素入口と流体連通している。それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーは、要素入口及び要素出口と感知通信している圧力センサーを有し、ここで、流れ特性は、要素入口と要素出口との間の圧力差である。それに加えて又はその代わりに、圧力センサーは、要素入口と要素出口の低粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成され、ここで、要素出口の低粒子集合度分岐口は第2の要素出口である。それに加えて又はその代わりに、圧力センサーは、要素入口と要素出口の高粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成され、ここで、要素出口の高粒子集合度分岐口は第1の要素出口である。
【0013】
それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーはフローメータを含み、及び流れ特性は流量である。それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーは粒子センサーを含む。それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーは:光センサー及び電気特性センサーからなる群の少なくとも1つのセンサーを含む。それに加えて又はその代わりに、流れ特性は:濁り、粒子数、粒子集合度、pH、抵抗、コンダクタンス、静電容量、及び誘電特性からなる群の少なくとも1つの特性である。
【0014】
それに加えて又はその代わりに、圧力駆動流れ制御装置は、要素入口と流体連通している。それに加えて又はその代わりに、第1の出力は、第2の要素出口を塞ぐために弁を係合するためにユーザ命令を提供する第1のアラートを含む。それに加えて又はその代わりに、コントローラは、流れ特性が第2の閾値を超えるとすぐに、第2のアラートを提供するように構成される。それに加えて又はその代わりに、弁は、第2の要素出口と選択的に塞ぐように(obstructive)連通している。それに加えて又はその代わりに、コントローラは弁と動作可能に通信しており、及び第1の出力は、弁の係合を生じて、第2の要素出口を塞ぐ。
【0015】
それに加えて又はその代わりに、第1の出口流路は、第1の要素出口の上流にあり、ここで、各第1のチャネル出口は第1の出口流路まで延在し、及びシステムは、さらに、第1の出口流路内に配置されたバリアを含み、ここで、バリアは、第1の出口流路に沿った複数の第1のチャネル出口を選択的に塞ぐように構成される。それに加えて又はその代わりに、コントローラは、流れ発生器と動作可能に通信しており、及び、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、コントローラは、流れ発生器に、流体力学的分離器要素を通る流体にパルスを生じさせるように構成される。それに加えて又はその代わりに、コントローラは、流れ発生器と動作可能に通信しており、及び、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、コントローラは、流れ発生器に、一時的な逆の流れ方向を引き起こさせるように構成される。
【0016】
本明細書で開示する技術のいくつかの実施形態は、方法に関する。流体は、一定流量で、流体力学的分離器要素の要素入口及び要素出口を通って流され、ここで、分離器要素は、平行に配置された複数のマイクロ流体チャネルを有する。要素入口と要素出口との間で流れ特性が測定される。流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、第1のアラートが提供される。
【0017】
いくつかのそのような実施形態では、閉塞されているマイクロ流体チャネル数が計算され、及び閉塞したチャネル数は、ユーザインタフェースで通信される。それに加えて又はその代わりに、流れ特性を測定することは、要素入口の圧力を測定すること、及び要素出口の圧力を測定することを含む。それに加えて又はその代わりに、要素入口及び要素出口を通して流体を流すことは、ポンプを用いて流体を送り込むことを含む。それに加えて又はその代わりに、圧力駆動流れ制御装置が、要素入口及び要素出口を通して流体を流す。それに加えて又はその代わりに、流れ特性を測定することは、要素入口の圧力を測定すること、及び要素出口の低粒子集合度分岐口の圧力を測定することを含む。
【0018】
それに加えて又はその代わりに、流れ特性を測定することは、要素入口の圧力を測定すること、及び要素出口の高粒子集合度分岐口の圧力を測定することを含む。それに加えて又はその代わりに、圧力差が第2の閾値を超えるとすぐに、第2のアラートが提供される。それに加えて又はその代わりに、圧力差が第3の閾値を超えるとすぐに、第3のアラートが提供される。それに加えて又はその代わりに、第1のアラートは、推奨された保守前の予測した残りの動作時間の通知を提供する。それに加えて又はその代わりに、チャネル閉塞率が、流体力学的分離器要素の動作期間の間中、計算され、及びチャネル閉塞率に基づいて、予測した残りの動作時間を計算する。
【0019】
いくつかの実施形態では、システムは、要素入口、及び第1の要素出口と第2の要素出口とを有する要素出口を規定する流体力学的分離器要素を有する。複数の湾曲マイクロ流体チャネルは、並列に動作するように配置される。各マイクロ流体チャネルは、要素入口の下流のチャネル入口、及び第1の要素出口の上流の第1のチャネル出口と、第2の要素出口の上流の第2のチャネル出口とを有するチャネル出口を規定する。障害物が、マイクロ流体チャネルの1つ以上と選択的に塞ぐように連通している。
【0020】
いくつかのそのような実施形態では、第1の出口流路は、第1の要素出口の上流にあり、及び各第1のチャネル出口は第1の出口流路まで延在する。障害物は、第1の出口流路内に配置されたバリアを有し、ここで、バリアは、第1の出口流路に沿った複数の第1のチャネル出口の少なくとも一部分を選択的に塞ぐように構成される。それに加えて又はその代わりに、バリアは、複数の第1のチャネル出口の一部分を選択的に塞ぐ一方で、少なくとも1つの第1のチャネル出口は塞がれないままにするように構成される。それに加えて又はその代わりに、バリアは、複数の第1のチャネル出口の全てを同時に選択的に塞ぐように構成される。それに加えて又はその代わりに、バリアは、第1の出口流路内に摺動自在に配置される機械的構成要素であり、及びバリアの長さは、第1の出口流路に沿った2つの連続したチャネル出口間の距離よりも長く、それにより、バリアは、少なくとも2つの連続した第1のチャネル出口を塞ぐように構成される。
【0021】
それに加えて又はその代わりに、バリアの長さは、第1の出口流路に沿った少なくとも10個の連続した第1のチャネル出口にわたる距離よりも長い。それに加えて又はその代わりに、バリアは、対応するマイクロ流体チャネルとそれぞれ選択的に塞ぐように連通する複数の弁を有する。それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーが、要素入口及び要素出口と感知通信しており、ここで、流れ特性センサーは、第1の閾値外である流れ特性を感知するように構成される。それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーは圧力センサーである。それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーはフローメータである。それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーは粒子センサーを含む。それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーは:光センサー及び電気特性センサーからなる群の少なくとも1つのセンサーを含む。
【0022】
それに加えて又はその代わりに、流れ特性は:濁り、粒子数、粒子集合度、pH、抵抗、コンダクタンス、静電容量、及び誘電特性からなる群の少なくとも1つの特性である。それに加えて又はその代わりに、コントローラが流れ特性センサーとデータ通信しており、ここで、コントローラは、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、第1の出力を提供するように構成される。それに加えて又はその代わりに、第1の出力はアラートである。それに加えて又はその代わりに、コントローラは、流れ特性が第2の閾値を超えるとすぐに、第2のアラートを提供するように構成される。それに加えて又はその代わりに、コントローラは、障害物を係合するように構成される。それに加えて又はその代わりに、障害物は、第2の要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を有する。それに加えて又はその代わりに、障害物は、第1の要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を有する。
【0023】
いくつかの実施形態は、要素入口、及び第1の要素出口と第2の要素出口とを有する要素出口を規定する流体力学的分離器要素を有するシステムに関する。第2の出口流路が第2の要素出口の上流にある。複数の湾曲マイクロ流体チャネルが、並列に動作するように配置され、ここで、各マイクロ流体チャネルは、要素入口の下流のチャネル入口、及び第1の要素出口の上流の第1のチャネル出口と、第2の出口流路の上流の第2のチャネル出口とを有するチャネル出口を規定する。第1の流れ発生器が複数のマイクロ流体チャネルと流体連通しており、ここで、第1の流れ発生器は、第1の流量で、要素入口から要素出口まで流体流を発生させるように構成される。保守システムが流体力学的分離器要素と流体連通しており、ここで、保守システムは、分離器要素を通る流体流を修正するように構成される。コントローラが保守システムと動作可能に通信しており、ここで、コントローラは、保守システムを選択的に係合及び係合解除するように構成される。
【0024】
いくつかのそのような実施形態では、保守システムは、第2の要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を有し、ここで、コントローラは、弁と動作可能に通信している。それに加えて又はその代わりに、保守システムは第1の流れ発生器を有し、及びコントローラは、第1の流れ発生器によって流体の流量を修正するように構成される。それに加えて又はその代わりに、コントローラは、第1の流れ発生器によって流体流を逆にするように構成される。それに加えて又はその代わりに、コントローラは、第1の流れ発生器によって、流体力学的分離器要素を通る流体にパルスを生じさせるように構成される。それに加えて又はその代わりに、保守システムは、複数のマイクロ流体チャネルと流体連通している第2の流れ発生器を有し、及びここで、コントローラは、第1の流れ発生器及び第2の流れ発生器と動作可能に通信しており、並びにコントローラは、第1の流れ発生器の動作と第2の流れ発生器の動作との間を切り替えるように構成される。
【0025】
それに加えて又はその代わりに、コントローラは、規定通りに周期的に保守システムを係合するように構成される。それに加えて又はその代わりに、規定通りに周期的には、少なくとも48時間に1回である。それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーは複数のマイクロ流体チャネルと感知通信しており、ここで、流れ特性センサーは、コントローラとデータ通信しており、及び流れ特性を感知するように構成される。フローコントローラは、流れ特性を受信し、及び流れ特性が閾値外であると、保守システムを係合するように構成される。
【0026】
それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーは、要素入口及び要素出口と感知通信している圧力センサーを有し、ここで、流れ特性は、要素入口と要素出口との間の圧力差である。それに加えて又はその代わりに、圧力センサーは、要素入口と要素出口の低粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成され、ここで、要素出口の低粒子集合度分岐口は第2の要素出口である。それに加えて又はその代わりに、圧力センサーは、要素入口と要素出口の高粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成され、ここで、要素出口の高粒子集合度分岐口は第1の要素出口である。
【0027】
それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーはフローメータを有し、及び流れ特性は流量である。それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーは粒子センサーを含む。それに加えて又はその代わりに、流れ特性センサーは:光センサー及び電気特性センサーからなる群の少なくとも1つのセンサーを有する。それに加えて又はその代わりに、流れ特性は:濁り、粒子数、粒子集合度、pH、抵抗、コンダクタンス、静電容量、及び誘電特性からなる群の少なくとも1つの特性である。それに加えて又はその代わりに、圧力駆動流れ制御装置が、要素入口と流体連通している。それに加えて又はその代わりに、保守システムは、個々のマイクロ流体チャネルとかわるがわる流体連通しており、及びコントローラは、個々のマイクロ流体チャネルの間で保守システムを選択的に切り替えるように構成される。
【0028】
それに加えて又はその代わりに、第1の出口流路は第1の要素出口の上流にあり、ここで、各第1のチャネル出口は第1の出口流路まで延在し、及び保守システムは、第1の出口流路内に配置されたバリアを有し、ここで、バリアは、第1の出口流路に沿った複数の第1のチャネル出口を選択的に塞ぐように構成される。それに加えて又はその代わりに、コントローラは流れ発生器と動作可能に通信しており、及び、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、コントローラは、流れ発生器に、流体力学的分離器要素を通る流体にパルスを生じさせるように構成される。それに加えて又はその代わりに、コントローラは流れ発生器と動作可能に通信しており、及び、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、コントローラは、流れ発生器に、一時的な逆の流れ方向を引き起こさせるように構成される。
【0029】
本明細書で開示する技術のいくつかの実施形態は、方法に関する。流体流が、第1の期間、一定流量で、流体力学的分離器要素の要素入口から要素出口まで発生され、ここで、分離器要素は、平行に配置された複数のマイクロ流体チャネルを有する。第2の期間、コントローラによって、分離器要素を通る流体流を修正することを含む保守作業が、実施される。第1の期間は第2の期間よりも長い。
【0030】
いくつかのそのような実施形態では、流体流を修正することは、要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を係合することを含む。それに加えて又はその代わりに、流体流を修正することは、分離器要素を通る流体の流量を修正することを含む。それに加えて又はその代わりに、流体の流量を修正することは、要素出口から要素入口まで流体の流れ方向を逆にすることを含む。それに加えて又はその代わりに、流体流を修正することは、流体力学的分離器要素を通る流体にパルスを生じることを含む。それに加えて又はその代わりに、流体は第1の流体であり、並びに流体流を修正することは、第1の流体の流れを止めること、及び複数のマイクロ流体チャネルに第2の流体を流すことを含む。それに加えて又はその代わりに、流体流を修正することは、規定通りに周期的に起こる。
【0031】
それに加えて又はその代わりに、規定通りに周期的には、少なくとも48時間に1回である。それに加えて又はその代わりに、流れ特性が、流体力学的分離器要素と感知通信している流れ特性センサーによって感知される。流れ特性はコントローラへ送信される。分離器要素を通る流体流を修正することは、流れ特性が閾値外であると、実行される。それに加えて又はその代わりに、流体流を修正することは、イクロ流体チャネル間でかわるがわる起こる。
【0032】
上記の概要は、各実施形態又は全ての実装例を説明するためのものではない。むしろ、添付図面を考慮して例示的な実施形態の以下の詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって、説明に役立つ実施形態をより完全に理解することが、明らかとなり、及び認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施形態と一致する例示的なマイクロ流体チャネルの概略図である。
図2】実施形態と一致する例示的な流体力学的分離器システムの概略図である。
図3】実施形態と一致する例示的な流体力学的分離器システムの概略図である。
図4】いくつかの実施形態と一致する例示的な方法である。
図5】いくつかの実施形態と一致する例示的な方法である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本技術は、添付図面と併せて様々な実施形態の以下の詳細な説明を考慮して、より完全に理解及び認識され得る。
【0035】
図面は、主に明確にするようにされており、その結果、必ずしも、縮尺通りではない。さらに、限定されるわけではないが、締結具、電気部品(配線、ケーブルなど)及び同類のものを含む様々な構造/構成要素が、図示の実施形態の態様をより良好に説明するために、図式的に示されても、又は図面のいくつか若しくは全てから除去されてもよく、或いは、そのような構造/構成要素を含むことは、本明細書で説明する様々な例示的な実施形態の理解に必要ではない。しかしながら、特定の図面でのそのような構造/構成要素の図示/説明の欠如は、様々な実施形態の範囲をなんら限定するものであるとはみなされない。
【0036】
以下の詳細な説明では、いくつかの具体的な実施形態について言及する。本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が考えられ、及びなされてもよいことが理解されるべきである。それゆえ、以下の詳細な説明は、限定ととられるべきではない。
【0037】
本開示は、様々な流体システムにおいて流体にいくつかの粒子を集中させ、及びそれらいくつかの粒子を流体から又は他のサイズの粒子から分離する技術を提供する。概して、流体システムは、特定のサイズ範囲内の粒子を集中させる粒子分離器要素、例えば流体力学的分離器要素を含み得る。粒子分離器要素は、入口と、少なくとも2つの流れ分岐口を有する出口とを含み得る。特定のサイズ範囲の粒子は、2つの流れ分岐口のうちの一方中へ集中させられ得る。いくつかの実施形態では、閾値のサイズ範囲を上回る粒子は、2つの流れ分岐口のうちの一方中へ集中させられる。いずれの残っている粒子も、少なくとも2つの流れ分岐口を通って流れ得る。いくつかの実施形態では、粒子分離器要素は、流体フィルターを補うために(流体フィルターの上流に位置決めされる前置フィルターとして使用されているなど)、又は流体フィルターに取って代わるために、使用され得る。
【0038】
流体力学的分離器要素を含み得る粒子分離器要素は、フィルターの代替品又は補足品として使用され得る。特に、粒子分離器要素は、臨界サイズを上回る粒子を流体流の一部分に集合させるために使用され得る。流体流のこの部分は、システムから除去され得るため、閾値のサイズを上回るほとんどの粒子を除去する。場合によっては、これは、フィルターの機能のいくつか又は全てに取って代わり得る。いくつかの実施形態では、フィルターは、閾値のサイズを下回る粒子を除去するために、粒子分離器要素の下流で使用され得る。さらに、いくつかの実施形態では、粒子分離器要素によって集中させられた粒子は、ろ過される。これは、粒子分離器要素のないシステムにおけるよりも低い侵入速度で行われてもよいため、例えば、フィルターの寿命にわたってより低いフィルター圧力降下(これは関連のエネルギー消費量を低くし得る)、より長いフィルター寿命、及び/又は圧力降下及び/又はフィルター寿命の相対的増加がないようなシステムにおいてより小型のフィルター素子を使用する能力を含む、予想される利点につながる。
【0039】
流体力学的分離器要素を含み得る粒子分離器要素はまた、異なるサイズの粒子を分類するために使用され得る。いくつかの用途では、閾値のサイズが決定され得る。粒子分離器要素は、閾値のサイズを上回る粒子を、流体流の集合流体部分に集合させるように設計され得る。流体流の集合部分は、システムから除去され得る。この技術は、粒子計数のために粒子を集合させるために使用され得る。この技術はまた、異なるタイプの粒子を分離するために、又は収集するためにいくつかの材料を集合させるために、使用され得る。
【0040】
本明細書で使用されるような、用語「マイクロ流体チャネル」は、少なくとも1つの次元、例えばチャネル幅が、1ミリメートル(1000マイクロメートル)未満であるチャネルを指す。いくつかの実施形態では、チャネルは、1ミクロンを上回る少なくとも1つの次元、例えばチャネル幅を有する。マイクロ流体チャネルは、1000マイクロメートル未満のチャネル幅、1000マイクロメートル未満のチャネル高さ(又は深さ)、又はそれら双方を有し得る。いくつかの実施形態では、より大流量の用途では、マイクロ流体チャネルの少なくとも1つの次元は、1ミリメートルを上回り得る。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネルの少なくとも1つの次元は、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10ミリメートル以上、又は10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1ミリメートル以下である。1つの特定の例では、各マイクロ流体チャネルの幅は約0.5mmである。概して、チャネルは、好適な粒子の集中とのバランスが取れた好適な圧力降下をもたらす任意の好適な長さを有し得る。
【0041】
マイクロ流体チャネルは、断面積、すなわち幅×高さによって表されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネルの断面積は、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2平方ミリメートル未満とし得る。
【0042】
マイクロ流体チャネルはまた、流動相当直径(hydraulic diameter)によって表されてもよい。長方形断面を有するマイクロ流体チャネルでは、例えば、流動相当直径は:
【数1】
(式中、DHは流動相当直径である)として計算され得る。他の断面形状は、本開示を利用できる当業者に公知の技術に従って計算され得る。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネルの流動相当直径は、5、4、3、2、又は1ミリメートル未満とし得る。少なくとも1つの実施形態では、マイクロ流体チャネルのマイクロ流体チャネルの流動相当直径は、1ミリメートル未満とし得る。いくつかの例では、各マイクロ流体チャネルの流動相当直径は、75~250ミクロンに及ぶ。
【0043】
流体力学的分離器要素を含み得る粒子分離器要素は、選択的な粒子廃棄物の除去のために使用され得る。場合によっては、あるサイズよりも大きい粒子のみが、システムからの除去の標的とされてもよい。選択的な粒子廃棄物除去の使用は、限定されるものではないが、乳中の脂肪の除去又は集合(脂肪は一般に0.1~15マイクロメートルの凝集物である)、オレンジジュースの果肉の除去又は集合、半導体処理流体中の汚染物質の除去、細胞及び/又は細胞デブリの分離(例えばバイオ医薬品の生産において)、及び工業的なインク処理におけるインク凝集物の除去を含み得る。ウェーハ研磨スラリーに関連する一例では、粒子分離器要素は、凝集物又は不純物とし得る、閾値のサイズを上回る粒子を除去するが、閾値のサイズを下回る粒子は通過させるように設計され得る。いくつかの実装例では、流体力学的分離器要素は、細胞保持機器として使用されても、又はバイオリアクター用の細胞保持機器の構成要素としてもよい。
【0044】
本明細書で使用されるような、用語「流体力学的分離器」は、少なくとも、流体流を受け入れる入口と、流体流を分割する少なくとも2つの分岐口を含む出口とを含む、湾曲流体チャネルを指す。流体チャネルは、マイクロ流体チャネルとし得る。入口は、様々なサイズの粒子を含み得る流体を受け入れ得る。特定の流量において、流体力学的分離器は、閾値のサイズを上回る任意の粒子を分岐口の一方中へ集中させるように構成される。いずれの残っている粒子も、流体流に集中させられなくてもよい。残っている粒子は、例えば、体積分率、又は各分岐口に関連付けられる出口流量比に基づいて、全ての分岐口の間で分割され得る。流体力学的分離器は、以下のパラメータのうちの少なくとも1つ以上に基づいて設計され得る:ディーン数(Dean number)、レイノルズ数(Reynolds number)、流動相当直径、曲率半径、目標流量、目標圧力降下、臨界粒度、流体粘度、動作温度(流体粘度に影響を及ぼし得る)、出口流量の比、又はこれらの任意の組み合わせ。流体力学的分離器はまた、ディーン流れ分離器(Dean Flow Separators)として説明され得る。
【0045】
概して、流体力学的分離器は、閾値のサイズを上回る粒子を曲面の内壁に集中させるように設計された曲線のマイクロ流体チャネルを含む。マイクロ流体チャネルの断面積は、マイクロ流体チャネルに入り得る最大粒度を制限する。機器は、特定の流量又は流量範囲の公知の流体に粒子を集中させるように設計された幾何学的形状(例えば幅、高さ、曲率半径、及びチャネル長)を規定する。そのため、内側壁の近くに集中させられた粒子は、内側壁に近い流体の部分を除去することによって、システムから除去され得る。他の実施形態では、機器の幾何学的形状及び動作条件次第で、粒子及び廃棄物ストリームは、外側壁の近くにかわるがわる集中させられ得る。機器の設計は、用途による流量、流体特性(例えば粘度及び密度など)、及び閾値粒度次第とし得る。流体力学的分離器は、システム内でフィルター又は前置フィルターとして機能し得る。
【0046】
曲線のマイクロ流体チャネルは、適切な流れの条件下で、予め決められたサイズの粒子を集中させるために使用され得る。層流条件下の曲線のチャネル又はパイプでは、流体の慣性は、チャネルにわたって圧力勾配を生じる。圧力勾配を軽減するために、ディーン流れ(Dean Flows)として公知の2つのスパイラルフロー(二次流れと呼ばれることもある)が形成し得る。ディーン流れは、流体中のいずれの粒子にも引きずりを示し得る。より大きいチャネルでは、粒子は、旋回運動においてチャネルに沿って一掃され得る。マイクロ流体チャネルにおいてなど、チャネルが小さくなると、ディーン流れは、2つのさらなる力とのバランスが取られ得、粒子が捕捉されるようになり、且つ曲線のチャネルの内側壁に集中させられ得る。これらの力は、壁の方へ向かう揚力を引き起こすせん断誘起揚力、及び粒子が壁に接近するときの流体流の跳ね返りに起因して粒子を壁から遠ざける壁誘起揚力であると説明され得る。粒子は、曲線のチャネル内の特定の流線形に集中させられ得る。このようにして粒子を集中させることは、流体力学的分離(Hydrodynamic Separation)又はディーン流れ分離(Dean Flow Separation)と呼ばれ得る。
【0047】
流体力学的分離器の寿命にわたって、流体チャネルのうちのいくつかは塞がれ得、これは、残りのチャネルを通る流量の増加、チャネルの両端間の圧力降下の増大、又は残りのチャネルを通る流量の増加及びチャネルの両端間の圧力降下の増大の双方につながり得る。
【0048】
図1は、本明細書で開示する技術をいくつか実施する例示的なマイクロ流体チャネル構成要素100の概略図である。構成要素100は、一般的に、流体ストリームに懸濁される粒子を集中させるように構成される。マイクロ流体チャネル構成要素100は、入口122と出口124とを有するマイクロ流体チャネル120を有する。マイクロ流体チャネル120は、円形又は卵形などの任意の好適な断面形状を有し得る。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル120は、長方形又は六角形などの多角形の断面形状を有する。
【0049】
流体は、入口122を通って、マイクロ流体チャネル120に沿って出口124まで流れるように構成される。第1のチャネル出口125及び第2のチャネル出口127が、例えば、マイクロ流体チャネル構成要素100によって規定される第1の出口流路114及び第2の出口流路116をそれぞれ通って、他のシステム又は他のシステム構成要素まで延在し得る。いくつかの実施形態では、第1のチャネル出口125(「高粒子集合度分岐口」と呼ばれる)を流れる流体は、第2のチャネル出口127(本明細書では、「低粒子集合度分岐口」と呼ばれる)を流れる流体と比べて、特定のサイズ範囲内のより高集合度の粒子を有するように構成される。
【0050】
本明細書で開示する技術と一致するマイクロ流体チャネル構成要素100は、一般的に、基板110で構成される。基板110は、その内部にマイクロ流体チャネル120を規定する。基板は、様々な異なる材料及び材料の組み合わせで構成され得る。いくつかの実施形態では、基板はポリマーとし得る。いくつかの実施形態では、基板は、ポリジメチルシロキサン(PDMS)である。いくつかの実施形態では、基板はポリカーボネートである。いくつかの実施形態では、基板はアクリルである。いくつかの実施形態では、基板はガラスを含み得る。いくつかの実施形態では、基板は、非反応性金属を含み得る。マイクロ流体チャネル120は、例として成形作業、フォトリソグラフィ、及び3次元印刷によって、基板110に形成され得る。いくつかの例では、マイクロ流体チャネル120は、プラスチックの射出成形又はエンボス加工によって、基板110に形成される。他の手法も、マイクロ流体チャネル120を形成するために使用され得る。
【0051】
マイクロ流体チャネル120は、一般的に、液体流を収容するように構成される。マイクロ流体チャネル120は、入口122及び出口124を規定する。マイクロ流体チャネル120は、入口122から出口124までのチャネル長Lを規定する。マイクロ流体チャネル120は、全体的に湾曲されており、中心軸xの周りに内半径Rを規定するそのようなものとして、マイクロ流体チャネル120は、中心軸xの周りで円周方向に延在して、チャネル弧長測度(channel arc measure)を規定する。現在の例では、マイクロ流体チャネル120は、中心軸xの周りで約340°に延在する。
【0052】
マイクロ流体チャネル120は、マイクロ流体チャネル内に、レイノルズ数(Re)を有する液体を受け入れるように構成される。曲線のチャネル内の流体流は、2つの無次元数、レイノルズ数及びディーン数によって表される。レイノルズ数は、慣性力対粘性力の比を表し、及び:
【数2】
(式中、ρは流体密度であり、Dはチャネルの流動相当直径であり、Uは平均流速であり、及びμは流体の動的粘度である)と定義される。流体力学的分離器では、レイノルズ数は一般に小さく(<1000)、これは、粘性力が支配することを意味する。様々な実施形態では、システムは、5~25のディーン数(De)を有するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、5~20のディーン数を有するように構成される。ディーン数は、湾曲パイプ内での流体挙動を表し、並びに流体に作用する慣性力、求心力、及び粘性力を説明する。ディーン数は以下の通り定義される:
【数3】
【0053】
流体力学システム10は、一般的に、マイクロ流体チャネル120内の粒子を集中させるように構成される。本明細書で使用されるような、用語「粒子」は、流体に分散される離散的な材料の量を指す。粒子が形成され得る材料の非限定的な例は、汚物(dirt)、金属、気泡、脂肪、水滴を含む。1つの特定の例では、水滴は、炭化水素流体、例えばガソリン又はディーゼル燃料に分散され、エマルションを形成し得る。別の例では、気泡は、流体圧流体に分散され得る。さらに他の例では、粒子は、オレンジジュース中の果肉、乳中の脂肪、及びビールやワイン中の不純物とし得る。
【0054】
様々な実装例では、マイクロ流体チャネル構成要素100は、マイクロ流体チャネル120の流動相当直径の8%を上回る直径を有する粒子を集中させるように構成される。直径がチャネル流動相当直径の8%を上回る粒子は、一般的に、ディーン数が5~25に及ぶときに、内側壁の方へ向かって集中させられる。流体力学的分離器は、一般的に、直径がチャネル高さの50%以下である粒子を集中させるように構成される。様々な例では、本明細書で提供される計算目的で、粒子の球形度は0.5を上回る。非球形粒子では、本明細書で提供される計算目的で、粒径は、球相当径であるとみなされる。様々な実施形態では、本明細書で開示する技術と一致する流体力学的分離器は、マイクロ流体チャネル120内の液体の密度の5倍までの密度を有する粒子を集中させるように構成されている。
【0055】
粒子の集中は、2つの異なる段階で起こる。第1の段階は粒子移動段階であり、ここでは、懸濁粒子がマイクロ流体チャネル120を横切って、マイクロ流体チャネル120の上縁及び低縁まで移動する。再度図1を参照して説明すると、粒子移動段階は、一般的に、マイクロ流体チャネル入口122で開始し、及びマイクロ流体チャネル120の粒子移動距離Lに延在して、マイクロ流体チャネル120の粒子移動領域126を規定する。この領域では、マイクロ流体チャネル120の内壁121への追加的な集中は観察されない。第2の領域は線形集中領域128であり、ここでは、内壁121へ集中する量が、チャネル長に沿って線形に増加する。集中は、最大限の粒子の集中に達するまで、続く。最大限の粒子の集中に達した後、追加的な集中は観察されない。線形集中領域128は、最大限の粒子の集中を達成するために必要な長さである線形集中距離Lを有する。線形集中領域128は、一般的に、粒子移動領域126からチャネル出口124の方へ向かって延在する。
【0056】
いくつかの実装例では、線形集中領域128の後に、全体的な集中領域と呼ばれる、マイクロ流体チャネル120の長さ部分があってもよい。全体的な集中領域の長さは、線形集中領域128から出口124まで延在する。様々な実装例では、最大限の粒子の集中を依然として達成しながら、マイクロ流体チャネル120両端間の圧力降下を減らすことによってシステムのエネルギー必要量を減らすために、全体的な集中領域を制限するか又はなくすことが望ましいとし得る。
【0057】
図2は、実施形態と一致する例示的な流体力学的分離器システム10である。システム10は、要素入口132と要素出口134とを規定する流体力学的分離器要素130を有する。要素出口134は、2つの分岐口:第1の要素出口136及び第2の要素出口138を有する。いくつかの実施形態では、流体力学的分離器システム10の通常の動作中に、第1の要素出口136は、特定のサイズの比較的低集合度の粒子を有する流体を受け入れるように構成され、及び第2の要素出口138は、特定のサイズの比較的高集合度の粒子を有する流体を受け入れるように構成される。いくつかの他の実施形態では、逆の形態であり、ここでは、流体力学的分離器システム10の通常の動作中、第2の要素出口138は、特定のサイズの比較的低集合度の粒子を有する流体を受け入れるように構成され、及び第1の要素出口136は、特定のサイズの比較的高集合度の粒子を有する流体を受け入れるように構成される。
【0058】
流体力学的分離器要素130は、一般的に、図1を参照して上述したもののような、複数のマイクロ流体チャネル構成要素100を有する。マイクロ流体チャネル構成要素100は、例えば、積み重ね形態にあるとし得る。各マイクロ流体チャネル構成要素100は、湾曲マイクロ流体チャネル120(図1参照)を有し、及び複数の湾曲マイクロ流体チャネル120は流体連通している。マイクロ流体チャネル120は、流体力学的分離器要素130の通常の動作中、並列に動作するように構成されている。様々な実施形態では、マイクロ流体チャネル構成要素100は、少なくとも10個のマイクロ流体チャネルを有する。様々な実施形態では、マイクロ流体チャネル構成要素100は、少なくとも50個のマイクロ流体チャネル又は少なくとも100個のマイクロ流体チャネルを有する。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル構成要素は、200個以上のマイクロ流体チャネルを有する。いくつかの実施形態では、マイクロ流体チャネル構成要素は、800個以上、900個以上、又はさらには1000個以上のマイクロ流体チャネルを有する。
【0059】
マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれのチャネル入口122は、流体連通している。チャネル入口122(図1)の全ては、要素入口132の下流にある(図3)。入口導管140が、流体力学的分離器要素130の要素入口132に流体結合されている。入口導管140は、要素入口132の周りで要素130に結合されている。入口導管140は、チャネル入口122のそれぞれと流体連通している。この特定の例では、マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれの基板110は、要素入口132から各マイクロ流体チャネル構成要素100のチャネル入口122まで延在する入口流路112(図1に部分的に示す)を累積的に規定する。
【0060】
マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれの第1のチャネル出口124は、流体連通している。第1のチャネル出口124の全ては、第1の要素出口136と流体連通しており、及び、特に、第1の要素出口136の上流にある。この特定の例では、マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれの基板110は、各マイクロ流体チャネル構成要素100の各第1のチャネル出口125から第1の要素出口136まで延在する第1の出口流路114(図1に示す)を累積的に規定する。マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれの第2のチャネル出口127は、流体連通している。第2のチャネル出口127の全ては、第2の要素出口138と流体連通しており、及び第2の要素出口138の上流にある。いくつかの実施形態では、第3のチャネル出口、第4のチャネル出口などがあってもよいということが知られている。この特定の例では、マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれの基板110は、各第2のチャネル出口127の分岐口から第2の要素出口138まで延在する第2の出口流路116(図1に示す)を累積的に規定する。第1の出口導管142が第1の要素出口136に結合され、及び第2の出口導管144が第2の要素出口138に結合される。
【0061】
流体力学的分離器要素130が長い期間動作されると、チャネル120は、粒子で部分的に又は完全に詰まり得る。比較的一定の流量が要素130の全体を通ると仮定すると、複数のチャネル120が閉塞されるため、残りのチャネルを通る平均流速は増加し、これは、ディーン数を直接増加させる。開放チャネルを通る平均流速が増加して、ディーン数が25を上回る場合、流体ストリーム内に粒子を集合させる要素130の性能は、低下する。いくつかの実装例では、流体ストリーム内に粒子を集合させる要素130の性能は、20、21、22、23、24又は25のディーン数で低下し始め得る。上記で提供されたディーン数の式に言及すると、粒子の集中を達成するために動作可能なディーン数範囲内に留まっている間の、開放チャネルを通る平均流速の最大限の増加は、元の平均流速(きれいな要素を用いる)の4倍である。この最大限の増加は、動作範囲の下限値であるシステムの元のディーン数(5)と一致し、及び「汚れた」システムは、動作範囲の上限値であるディーン数(25)を有する。
【0062】
下記は、元のマイクロ流体チャネル数n及び観察された詰まったマイクロ流体チャネル数nに基づいて、元の流量X(「きれいな」要素チャネルのそれぞれを通る)に応じた、チャネルのそれぞれを通る、観察された流量(X)を表す式である。
【数4】
【0063】
一般的に、チャネルを通る流量の増加、及びチャネルの両端間の圧力差は、実質的に線形的に関連している。そのようなものとして、観察された流量Xで観察された圧力差Pは、きれいな要素の元の圧力差P、元のマイクロ流体チャネル数n及び観察された閉塞したマイクロ流体チャネル数nに関して表され得る:
【数5】
【0064】
閉塞したチャネル数を計算するために、式は、以下の通り再構成され得る:
【数6】
【0065】
様々な実施形態では、システム10は、複数のマイクロ流体チャネルと感知通信している流れ特性センサー150を有する。流れ特性センサー150は、一般的に、流れ特性を感知するように構成される。特定の閾値外にあるとき、流れ特性は、閾値数の閉塞されているチャネルを示し得る。例えば、流れ特性は、流量、圧力降下、濁り、粒子数、粒子集合度、pH、抵抗、コンダクタンス、静電容量、及び誘電特性を含む、1つ以上の特性とし得る。流れ特性は、相対測定又は絶対測定とし得る。流れ特性は、個々のマイクロ流体チャネル構成要素100で、又は流体力学的分離器要素10全体に対して、測定され得る。例えば、流れ特性は、各マイクロ流体チャネル構成要素100のマイクロ流体チャネル120第1のチャネル出口125、第2のチャネル出口127、及びチャネル入口122のうちの1つ以上で測定され得る。別の例として、流れ特性は、第1の要素出口136、第2の要素出口138、及び要素入口132のうちの1つ以上で測定され得る。
【0066】
様々なタイプの流れ特性センサーが、本明細書で開示する流体力学的分離器要素10と併せて使用され得る。流れ特性センサーは、例として、電気特性センサー、光センサー、フローメータ、及び圧力センサーのうちの1つ以上を含み得るが、他のタイプの流れ特性センサーが確実に考えられる。いくつかの実施形態では、流れ特性センサーは粒子センサーである。いくつかの実施形態では、流れ特性センサーは濁りセンサーである。いくつかの実施形態では、流れ特性センサーは、フローチャネルの光学的に透明な部分の反対側にある、対の光エミッター及び受光器である。流れ特性センサーは、他の例として、コールターカウンター(Coulter Counter)(Beckman Coulter製(Indianapolis、Indiana))、pHセンサー、誘電センサー、抵抗センサー、及びインピーダンスセンサーを含み得る。
【0067】
この例では、流れ特性センサー150は、要素入口132及び要素出口134と感知通信している圧力センサー150を含む。圧力センサー150は、要素入口132と要素出口134との間の差圧を感知するように構成される。特に、圧力センサー150は、要素130の要素入口132側の流体圧力を測定するように構成された第1のセンサー152を有し得、及び圧力センサー150は、要素130の出口側の流体圧力を測定するように構成された第2のセンサー154を有し得る。いくつかの実施形態では、圧力センサー150は、圧力差(又は差圧の変化)が閾値Pを上回るとトリガする圧力スイッチである。
【0068】
図2の例では、圧力センサー150の第2のセンサー154は、第2の要素出口138に隣接する第2の出口導管144に沿って位置決めされる。代替的な形態では、圧力センサー150の第2のセンサー154は、第1の要素出口136に隣接する第1の出口導管142に沿って位置決めされる。いくつかの実施形態では、圧力センサーは、要素入口と要素出口の低粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成される。いくつかの他の実施形態では、圧力センサーは、要素入口と要素出口の高粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成される。そのような形態は、好都合にも、最高集合度の粒子にさらされるマイクロ流体チャネルの監視を可能にする。いくつかの実施形態では、圧力センサーは、要素入口と要素出口の高粒子集合度分岐口との間の圧力差、及び要素入口と要素出口の低粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成される。いくつかの実施形態では、圧力センサー150は省略でき、及び代替的な流れ特性センサーが、分離器要素130と感知通信し得るか、又は流れ特性センサーはシステムから省略できる。
【0069】
システムは、一般的に、この場合圧力センサー150である流れ特性センサー150とデータ通信しているコントローラ156を有する。コントローラ156は、一般的に、流れ特性(この場合圧力差において)が第1の閾値外になるとすぐに、第1の出力を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の出力は、圧力差が第1の閾値(P)を上回る際の第1のアラートを含む。いくつかの実施形態では、第1の出力は、コントローラからの、保守サブシステムに対する、保守作業に従事するための命令を含む。いくつかの実施形態では、第1の出力は、オペレータに対する、保守作業に従事するための命令を含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1の閾値Pは、差し迫った保守作業、例えば流体力学的分離器要素130のチャネルの洗浄の必要性に関連付けられ得るか、又はそれを表し得る。流体力学的分離器要素130のチャネルの洗浄は、一例では、比較的高圧流体を用いてチャネルのそれぞれをフラッシングすることによって、達成され得る。いくつかの実装例では、チャネルは、マイクロ流体チャネルの通常の動作と比べて逆方向に、流体を用いてフラッシングされ得る。いくつかの実施形態では、第1の圧力閾値Pは、ユーザに、流体力学的分離器がもはや動作可能ではないことを知らせるコントローラ156による出力を生じ得る。いくつかの実施形態では、第1の圧力閾値Pは、詰まっている特定の数のマイクロ流体チャネル120と相関する。いくつかの実施形態では、第1の圧力閾値Pは、初期圧力差測定値Pに対する差圧の閾値変化である
【0071】
いくつかの実施形態では、圧力センサー150及びコントローラ156の少なくとも一方は、マイクロ流体チャネル120の詰まりではなく、システム構成に起因する圧力損失を補正するように差圧測定値を調整するように構成される。例えば、圧力損失は、流れ面積の変化、方向の変化(導管又はマイクロ流体チャネルの鋭角の屈曲部のような)などに起因し得る。いくつかの他の実施形態では、圧力センサー150又はコントローラ156は、時間が経つにつれた圧力差の変化を追跡するように構成され、これにより、本質的に、システムに固有の圧力降下を補正する。
【0072】
システムは、一般的に、流体力学的分離器要素130を通る流れを発生させるように構成される流れ発生器158を有する。流れ発生器158は、流体源20と流体力学的分離器要素130との間に流体連通を生じる。流れ発生器158は、要素入口132及び要素出口136、138と流体連通している。特に、流れ発生器158は、流体源20から入口導管140を通して要素130の入口122まで流体を送り込むように構成される。流体は、マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれのマイクロ流体チャネル120を通って出口124まで流れるように構成される。現在の例では、流れ発生器158は入口導管140に結合されているが、いくつかの他の実施形態では、流れ発生器158は分離器要素130に直接結合される。
【0073】
いくつかの実施形態では、流れ発生器158はポンプである。いくつかの実施形態では流れ発生器158は、要素入口132と流体連通している圧力駆動流れ制御装置である。流れ発生器158は、圧力又は流量によって、システム10を通る流体の流れを制御するように構成され得る。様々な実施形態では、流れ発生器158は、一定流量で要素入口132を通して流体を流すように構成される。システム10は、入口導管140など(例えば)において要素入口132と流体連通しているフローメータ160を有し、リアルタイムの流量を監視し得る。いくつかの実施形態では、圧力は、特定の流量を達成するように設定される。
【0074】
いくつかの実施形態では、システムは、第1の流れ特性センサー150及び第2の流れ特性センサー162を有し得る。各流れ特性センサー150、162は、上述の流れ特性センサーと一致し得る。いくつかの例では、第2の流れ特性センサー162は、第1の要素出口136又は第2の要素出口138と監視通信している粒子センサーとし得る。粒子センサー162は、一般的に、要素出口の低粒子集合度分岐口と通信し得る。そのような形態は、粒子センサー162が、流体及び/又は流体中の任意の粒子に対応する信号を表す信号データを提供することを可能にする。粒子センサー162は、コントローラ156とデータ通信し得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、流体中に、特定のサイズ範囲内の閾値量の粒子を検出するとすぐに、コントローラ156は、流体力学的分離器要素130の効果の低下を示す出力、例えばアラートを提供するように構成され得る。いくつかの実施形態では、流体中の、粒度範囲内の閾値量の粒子を検出し、及び第1の圧力閾値を越える圧力差を検出するとすぐに、コントローラ156は、出力、例えばアラートを提供するように構成される。アラートは、ユーザインタフェース166に提供され得る。ユーザインタフェース166は、ディスプレイ、スピーカー、表示灯などとし得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、第2の流れ特性センサー162は省略できる。いくつかの他の実施形態では、第2の流れ特性センサー162は、異なるタイプのセンサーとし得、その例は上記で詳述している。
【0077】
いくつかの実施形態では、システム10は、流体力学的分離器要素130と流体連通している保守システムを組み込む。保守システムは、一般的に、チャネル120を部分的に又は完全に詰まらせる粒子など、システム10に留まっている粒子を取り除くように構成される。保守システムは、一般的に、そのような粒子を取り除くために、分離器要素130を通る流体流を修正するように構成される。いくつかの実施形態では、保守システムは、手動操作構成要素を有し、それにより、ユーザは保守作業を実行する。そのような例では、コントローラ156は、保守システムを係合するようにユーザにアラートを出力するように構成され得る。
【0078】
いくつかの他の実施形態では、コントローラ156は保守システムと動作可能に通信している。コントローラ156は、流れ特性センサーから受信した流れ特性が閾値外であることを検出するとすぐに、保守システムを自動的に選択的に係合及び係合解除するように構成され得る。他の例では、コントローラ156は、規定通りに周期的に保守システムを自動的に選択的に係合及び係合解除するように構成され得る。そのような形態は、好都合にも、システム10内での粒子の蓄積を制限し得(そうでなければ、閉塞された又は部分的に閉塞されたフローチャネルを有することになり得る)、これは、好都合にも、システム性能を高める。そのような形態は、好都合にも、分離器要素130内での粒子蓄積に起因してシステム性能が低下する期間を限定し得る。
【0079】
例えば、コントローラ156は、流体力学的分離器要素130を通る流体流が一定流量である第1の期間後に、保守システムを係合するように構成され得る。第1の期間は、例として、48時間以下又は24時間以下とし得る。コントローラ156は、第2の期間、保守システムを係合したままに保つように構成され得る。第2の期間の間中、分離器要素130を通る流体流が修正される。第2の期間の間中、分離器要素130内で沈殿した可能性がある粒子が、流体流の修正の結果、取り除かれ得る。いくつかの実施形態では、コントローラ156は、第2の期間後に、保守システムを係合解除するように構成され得る。第2の期間にわたる保守システムの係合及び係合解除は、好都合にも、要素130を通る流体流に「パルス」を生じ得る、つまり、要素130を通る流体流容量での比較的短いバーストがある。
【0080】
保守システムが係合解除された後、流体力学的分離器要素130を通る流体流は、別の第1の期間だけ、一定流量に戻り得る。コントローラ156は、かわるがわる及び繰り返し、第1の期間後に保守システムを係合し、及び第2の期間後に保守システムを係合解除し得る。様々な実施形態では、コントローラ156は、流体流中に「パルス」を生じさせるために、比較的迅速に保守システムを係合及び係合解除するように構成される。そのようなパルスは、好都合にも、流体力学的分離器要素130内での、要素130内で沈殿した可能性がある粒子の取り除きを改善し得る。第2の期間は第1の期間未満とし得る。いくつかの実施形態では、第2の期間は、10秒未満、5秒未満、又は3秒未満とし得る。
【0081】
図2の例では、システム10は、マイクロ流体チャネル120(図1)のうちの1つ以上と選択的に塞ぐように連通している障害物146を有する。障害物146は、一般的に、流体力学的分離器要素130を通る流体流の一部分を選択的に塞ぐように構成されて、流体流が、要素130を通る非閉塞流路に沿って増加するようにする。流体流の増加は、好都合にも、システム10内に沈殿した粒子を取り除き得る。そのようなものとして、障害物146は、保守システムの構成要素とみなされる。障害物146は、必ずしも、対応するチャネルの完全な100%の障害物を形成する必要はないということが知られている。むしろ、障害物146は、関係のある1つ又は複数のチャネルの流れ断面積にわたって少なくとも50%、75%、又は80%を選択的に塞ぐなどの、部分的な障害物とし得る。いくつかの実施形態では、障害物は、関係のある1つ又は複数のチャネルの流れ断面積の80%~100%を塞ぐように構成され得る。
【0082】
障害物146は、要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁とし得る。現在の例では、障害物146は、第2の要素出口138と選択的に塞ぐように連通している。そのような実施形態では、コントローラ156の出力は、第2の要素出口を塞ぐために、弁146との係合を生じるように構成される。様々な例では、障害物146は、要素出口134の低粒子集合度分岐口と選択的に塞ぐように連通している。
【0083】
コントローラ156は、全体的に保守システムに関して上述したような障害物146を係合及び係合解除するように構成され得る。コントローラ156は、流れ特性センサーの流れ特性が閾値外であることに応答して、第1の出力によって障害物146を係合するように構成され得る。そのような実施形態では、障害物の係合は、1つ以上のマイクロ流体チャネルに沿った粒子の沈殿の感知に応答する。いくつかの他の実施形態では、コントローラ156は、規定通りに周期的に障害物146を係合するように構成され得る。そのような実施形態では、コントローラ156は、特定の期間が過ぎるのに応答して、第1の出力によって、障害物146を係合するように構成され得る。そのような例では、コントローラ156は、流体力学的分離器要素130を通る流体流が一定流量である第1の期間、障害物を係合解除されたままにするように構成され得る。第1の期間が過ぎるとすぐに、コントローラ156は、第1の出力を提供して、障害物146の係合を生じるように構成され得、これにより、分離器要素を通る流体流を修正する。コントローラ156は、第2の期間、障害物146を係合位置に維持し得る。いくつかの実施形態では、障害物146はシステム10から省略できる。
【0084】
いくつかの実施形態では、流れ発生器158は保守システムの構成要素とし得る。そのような実施形態では、コントローラ156は、流れ発生器158と動作可能に通信し得る。コントローラ156は、流れ発生器158を係合して、保守作業として、流体力学的分離器要素130を通る流体流を修正するように構成され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ156は、流れ発生器158を係合して、流体力学的分離器要素130を通る流体にパルスを生じるように構成される。パルスを生じている間、流れ発生器158は、分離器要素130を通る流体の流量を増加させ得る。上記の説明と同様に、流体にパルスを生じることによって、分離器要素130から粒子を取り除き得る。
【0085】
いくつかの他の実施形態では、コントローラ156は、流れ発生器158に、システム10を通る流体の一時的な逆の流れ方向を引き起させるようにして、流体が要素出口134から要素入口132の方へ向かって流れるようにするように構成される。分離器要素130を通る流体の流れ方向の逆転は、「バックフラッシュ」と呼ばれ得、その間中、保守システムは、コントローラによって「係合」されているとみなされる。様々な実施形態では、分離器要素130を通る流体流が、入口から出口まで一定の流体の流量に戻ると、保守システムは、コントローラによって「係合解除」されているとみなされる。
【0086】
コントローラ156が、分離器要素130を通る流体流を逆にするために流れ発生器158を係合するように構成されるいくつかの実施形態では、要素入口132から流出する流体は、入口導管を通って流体源20へ戻り得る。図示するものなどのいくつかの他の例では、廃棄物貯留部22は、入口導管140と流体連通し得、及び要素入口132から流出する流体は、流体源20を迂回し、且つその代わりに、廃棄物貯留部22へ方向付けられる。そのような機能を達成するために様々な形態が実施され得るが、現在の例では、第1の一方向弁21が、流体源20と要素入口132との間の入口導管140に流体結合されている。第1の一方向弁は、流体源20から要素入口132までの流体流を促し、及び要素入口132から流体源20までの流体流を妨げる。第2の一方向弁23が、廃棄物貯留部22と要素入口132との間の入口導管140に流体結合されている。第2の一方向弁23は、要素入口132から廃棄物貯留部22までの流体流を促し、及び廃棄物貯留部22から要素入口132までの流体流を妨げる。
【0087】
代替的な形態が可能である。1つのそのような形態では、三方制御弁が、流体源20及び廃棄物貯留部22のそれぞれを、入口導管140に沿って要素入口132に選択的に流体結合し得る。そのような実施形態では、コントローラ156は、三方弁と動作可能に通信し得る。コントローラ156は、流れ発生器158がデフォルト状態で動作しているとき、流体源20と要素入口132を流体結合し、及び廃棄物貯留部22と要素入口132との間の流体接続を妨げ得る。コントローラ156は、流れ発生器158が逆の状態で動作しているとき、つまり、保守システムが係合されているとき、廃棄物貯留部22と要素入口132を流体結合し、及び流体源20と要素入口132との間の流体接続を妨げ得る。
【0088】
コントローラ156は、全体的に保守システムに関して上述したように、流れ発生器158を係合及び係合解除するように構成され得る。複数の実施形態では、コントローラ156は、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、流れ発生器158を係合するように構成され得る。コントローラ156は、流れ特性センサー(150、162)の流れ特性が閾値外であることに応答する第1の出力によって、流れ発生器158を係合するように構成され得る。いくつかの他の実施形態では、コントローラ156は、規定通りに周期的に流れ発生器158を係合するように構成され得る。そのような実施形態では、コントローラ156は、特定の期間が過ぎたことに応答する第1の出力によって、流れ発生器158を係合するように構成され得る。そのような例では、コントローラ156は、流体力学的分離器要素130を通る流体流が一定流量である第1の期間、流れ発生器158を係合解除されたままにするように構成され得る。第1の期間が過ぎるとすぐに、コントローラ156は、第1の出力を提供して流れ発生器158の係合を生じるように構成され得、これにより、分離器要素130を通る流体流を修正する。コントローラ156は、第2の期間、流れ発生器158を係合位置に維持し得る。第1の期間及び第2の期間は、上記の説明に一致し得る。
【0089】
さらに別の形態では、流れ発生器158は逆の状態では動作せず、むしろ、逆流発生器、すなわち第2の流れ発生器164が、複数のマイクロ流体チャネルと流体連通している。そのような例では、コントローラ156は、第1の流れ発生器158及び第2の流れ発生器164と動作可能に通信している。第2の流れ発生器164は保守システムの構成要素である。そのような例では、コントローラ156は、第1の流れ発生器158の動作(一定流量及び通常の動作条件下)と、保守作業を実行するための第2の流れ発生器164の動作との間を切り替えるように構成される。第2の流れ発生器164は、第1の流れ発生器158の逆方向に、分離器要素130を通る流体流を発生させるように構成される。現在の例では、第2の流れ発生器164は入口導管140に沿って配置されるが、他の例では、第2の流れ発生器164は、出口導管142、144の一方又は双方に沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、第2の流れ発生器164はシステム10から省略される。
【0090】
第2の流れ発生器164を組み込む複数の実施形態では、全体的に保守システムに関して上述したように、コントローラ156は、第2の流れ発生器164を係合及び係合解除するように構成され得る。そのような実施形態では、コントローラ156は、第2の流れ発生器164が係合されると、第1の流れ発生器158を係合解除し、及び第2の流れ発生器164が係合解除されると、第1の流れ発生器164を係合するように構成される。複数の実施形態では、コントローラ156は、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、第2の流れ発生器164を係合するように構成され得る。
【0091】
コントローラ156は、流れ特性センサー(150、162)の流れ特性が閾値外であることに応答する第1の出力によって、第2の流れ発生器164を係合するように構成され得る。そのような実施形態では、第2の流れ発生器164を係合することは、要素130の性能低下に応答しており、これは、粒子が要素130内に留まることに起因し得る。いくつかの他の実施形態では、コントローラ156は、規定通りに周期的に、第2の流れ発生器164を係合し、及び対応して第1の流れ発生器158を係合解除するように構成され得る。そのような実施形態では、コントローラ156は、特定の期間が過ぎたことに応答する第1の出力によって、第2の流れ発生器164を係合し、及び第1の流れ発生器158を係合解除するように構成され得る。そのような例では、コントローラ156は、第1の流れ発生器164を経由して流体力学的分離器要素130を通る流体流が一定流量である第1の期間、第2の流れ発生器164を係合解除されたままに、及び第1の流れ発生器158を係合されたままにするように構成され得る。
【0092】
第1の期間が過ぎるとすぐに、コントローラ156は、第2の流れ発生器164の係合及び第1の流れ発生器158の係合解除を生じる第1の出力を提供するように構成され得、これにより、分離器要素130を通る流体流を修正する。特に、分離器要素130を通る流体流は逆にされる。コントローラ156は、第2の期間、第2の流れ発生器164を係合状態に、及び第1の流れ発生器158を係合解除状態に維持し得る。第2の期間後、コントローラ156は、第1の期間、第1の流れ発生器を係合し、及び第2の流れ発生器164を係合解除し得る。第1の期間及び第2の期間は、上記の説明に一致し得る。様々な実施形態では、第2の流れ発生器164は省略できる。
【0093】
いくつかの実施形態では、保守システムは、保守作業用の洗浄流体を保持するように構成されるCIP(定置洗浄(clean-in-place))貯留部24を含み得る。洗浄流体は、流体源20のシステム流体と代わる流体とし得る。いくつかの実施形態では、洗浄流体は酸性流体である。いくつかの実施形態では、洗浄流体は塩基性流体である。いくつかの実施形態では、洗浄流体は酵素流体(enzymatic fluid)である。いくつかの実施形態では、洗浄流体は、単に、洗浄流体には懸濁粒子がないだけで、システム流体と代わる。CIP貯留部24は、要素入口132と選択的に流体連通して、分離器要素130を通る源流体の流れに置き換わるか又は加わることによって、分離器要素130を通る流体流を修正する。CIP貯留部24を組み込む様々な実施形態では、コントローラ156は、要素入口132と流体連通している、CIP貯留部24と流体源20との間を選択的に切り替えるように構成され得る。いくつかの他の実施形態では、コントローラ156は、要素入口132と流体連通している流体源20と連動させて、要素入口132と流体連通しているCIP貯留部24を選択的に配置するように構成され得る。
【0094】
複数の例では、コントローラ156は、CIP貯留部24を分離器要素130に選択的に流体結合するために、1つ以上の弁25と動作可能に通信している。それゆえ、そのような1つ又は複数の弁25は、保守システムの構成要素である。弁25は、流体源20と分離器要素130との間の流体連通と、CIP貯留部24と分離器要素130との間の流体連通とを切り替えるように構成される三方制御弁とし得る。いくつかのそのような例では、コントローラ156は、(1)流体源20と分離器要素130との間の流体連通と、(2)CIP貯留部24と分離器要素130との間の流体連通とを切り替えるように構成される。様々な実施形態では、流れ発生器158は、弁の係合次第で、流体源20から分離器要素130までの流体流を発生させるように構成され、及びまた、CIP貯留部24から分離器要素130までの流体流を発生させるように構成される。いくつかの他の実施形態では、1つの流れ発生器158は、流体源20を分離器要素130に流体結合するように構成され、及び別の流れ発生器(図示せず)は、CIP貯留部24を分離器要素130に流体結合するように構成される。そのような実施形態では、コントローラ156は、一方の流れ発生器158及び他方の流れ発生器のそれぞれに動作可能に結合され得る。
【0095】
図2に示す例に戻ると、全体的に保守システムに関して上述したように、コントローラ156は、制御弁25を係合及び係合解除するように構成され得る。そのような実施形態では、保守作業中に、CIP貯留部24を分離器要素130と流体連通させるために、及び流体貯留部20を分離器要素130との流体連通から外すために、コントローラ156は、制御弁25を係合するように構成される。保守作業外では、通常の動作のために、CIP貯留部24を分離器要素130との流体連通から外し、及び流体貯留部20を分離器要素130と流体連通させるために、コントローラ156は、制御弁25を係合解除するように構成される。
【0096】
複数の実施形態では、コントローラ156は、流れ特性センサー150、162からの流れ特性が閾値外になる(これは、粒子が分離器要素130内に留まっていることを示し得る)とすぐに、制御弁25を係合するように構成され得る。いくつかの他の実施形態では、コントローラ156は、規定通りに周期的に、制御弁25を係合するように構成され得る。そのような実施形態では、コントローラ156は、特定の期間が過ぎたことに応答する第1の出力によって、制御弁25を係合するように構成され得る。そのような例では、コントローラ156は、流れ発生器164及び流体源20を経由して流体力学的分離器要素130を通る流体流が一定流量である第1の期間、制御弁25を係合解除させるように構成され得る。
【0097】
第1の期間が過ぎるとすぐに、コントローラ156は、制御弁25の係合を生じる第1の出力を提供するように構成され得、これにより、分離器要素130を通る流体流を修正する。特に、分離器要素130を通る流体流は、流体源20の代わりにCIP貯留部24から供給される。コントローラ156は、保守作業のために第2の期間、制御弁25を係合状態に維持し得る。第2の期間後、コントローラ156は、第1の期間、制御弁25を係合解除し得、流体源20が再度、分離器要素130の通常の動作のために、分離器要素130と流体連通しているようにする。第1の期間及び第2の期間は、上記の説明に一致し得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、システム10は、分離器要素出口134と選択的に流体連通している廃棄流体タンク26を有し得る。タンク弁27が、出口導管142、144と選択的に流体連通するように廃棄流体タンク26を配置し得る。廃棄流体タンク26及びタンク弁27は、保守作業の最中に使用されるCIP貯留部24からの流体を受け入れるように構成され得る。コントローラ156は、タンク弁27と動作可能に通信し得、制御弁25が係合されると、タンク弁27も係合されて、分離器要素130をタンク弁27と流体連通させるようにする。いくつかの実施形態では、コントローラが制御弁25を係合するのと、コントローラがタンク弁27を係合するのとの間には遅延が生じるとし得る。さらに、いくつかの実施形態では、コントローラ156が制御弁25を係合解除するのとタンク弁27の係合解除するのとの間には遅延が生じて、洗浄流体が分離器要素130に入るのと分離器要素130から出るのとの間の遅延に適応するとし得る。特に、制御弁25が係合解除された後、源流体が分離器要素130中へと流れ始め、及び保守作業からの、分離器要素130内に既に存在する洗浄流体は、制御弁25が係合解除された後の期間、要素出口134の方へ動き続ける。いくつかの実施形態では、洗浄タンク24、制御弁25、及び廃棄流体タンク26は省略できて、代替的な保守システム構成要素が使用され得る。
【0099】
図2は、分離器システムの保守システムに含まれ得る様々な構成要素を示すが、これらの構成要素の多くは、交換可能に又は代替的に又は組み合わせて使用され得る。今は見えないが、図2に示すシステムは、複数のチャネル入口122、複数の第1のチャネル出口125、複数の第2のチャネル出口127、又は複数のチャネル入口122と、複数の第1のチャネル出口125と、複数の第2のチャネル出口127との組み合わせと流体連通している1つ以上のバリアを組み込み得る。そのような例示的なバリアは、図3に示されており、及び下記でより詳細に説明する。
【0100】
構成要素、例えば本明細書で説明するコントローラ、インジケータ、センサー、検出器、又はシステムのうちの1つ以上は、プロセッサー、例えば中央処理装置(CPU)、コンピュータ、論理アレイ、又はデータが構成要素に入ったり若しくはそこから出たりすることを管理(directing)できる他の機器を含み得る。プロセッサーは、メモリ、処理、及び通信ハードウェアを有する1つ以上の計算機器を含み得る。プロセッサーは、コントローラの様々な構成要素を一緒に、又はコントローラに動作可能に結合された他の構成要素と結合するために使用される回路構成を含み得る。プロセッサーの機能は、ハードウェアによって、及び/又は非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータ命令として、実施され得る。
【0101】
プロセッサーは、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサー(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及び/又は同等の個別又は集積論理回路構成のうちのいずれか1つ以上を含み得る。いくつかの例では、プロセッサーは、複数の構成要素、例えば1つ以上のマイクロプロセッサー、1つ以上のコントローラ、1つ以上のDSP、1つ以上のASIC、及び/又は1つ以上のFPGA、並びに他の個別又は集積論理回路構成のうちの任意の組み合わせを含み得る。本明細書のプロセッサーによる機能は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組み合わせとして供され得る。
【0102】
1つ以上の実施形態では、プロセッサーの機能は、1つ以上のプロセッサー及び/又はメモリを含み得る計算装置を使用する1つ以上のコンピュータプログラムを使用して実施され得る。本明細書で説明するプログラムコード及び/又は論理は、本明細書で説明する機能を実行するためにデータ/情報を入力し且つ所望の出力データ/情報を生成するように適用され得る。出力データ/情報は、本明細書で説明するような又は公知の方法で応用されるような1つ以上の他の機器及び/又は方法への入力として適用され得る。上記を考慮して、本明細書で説明するようなコントローラの機能は、当業者に公知のいずれかの方法で実施され得ることが容易に明らかになる。
【0103】
図3は、上述の実施形態と一致する流体力学的分離器システム11の部分的な断面図の概略図である。流体力学的分離器要素130は、一般的に、図1を参照して上述したもののような、複数のマイクロ流体チャネル構成要素100を有する。マイクロ流体チャネル構成要素100は、積み重ね形態にある。各マイクロ流体チャネル構成要素100は、湾曲マイクロ流体チャネル120(図1参照)を有し、及び複数の湾曲マイクロ流体チャネル120は流体連通している。マイクロ流体チャネル120は、流体力学的分離器要素130の通常の動作中、並列に動作するように構成されている。
【0104】
現在の例では、分離器要素130は、複数のセクションが除去されて示されており、入口流路112、第1の出口流路114、及び第2の出口流路116が見えるようになっている。マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれのチャネル入口122は、流体連通している。チャネル入口122(図1)の全ては、要素入口132の下流にある(図3)。入口導管140が、流体力学的分離器要素130の要素入口132に流体結合されている。入口導管140は、要素入口132の周りで要素130に結合される。入口導管140は、チャネル入口122のそれぞれと流体連通している。この特定の例では、マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれの基板110は、要素入口132から各マイクロ流体チャネル構成要素100のチャネル入口122まで延在する入口流路112を累積的に規定する。
【0105】
マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれの基板110は、各マイクロ流体チャネル構成要素100の各第1のチャネル出口125から第1の要素出口136まで延在する第1の出口流路114を累積的に規定する。マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれの第2のチャネル出口127は、流体連通している。第2のチャネル出口127の全ては、第2の要素出口138と流体連通しており、及び第2の要素出口138の上流にある。この特定の例では、マイクロ流体チャネル構成要素100のそれぞれの基板110は、各第2のチャネル出口127の分岐口から第2の要素出口138まで延在する第2の出口流路116を累積的に規定する。第1の出口導管142が第1の要素出口136に結合され、及び第2の出口導管144が第2の要素出口138に結合される。
【0106】
現在の例では、分離器システム11は、第2の出口流路116と流体連通して配置されたバリア129である障害物を含む保守システムを有する。バリア129は、第2の出口流路116に沿った複数の第2のチャネル出口127の一部分を選択的に塞ぐが、少なくとも1つの第2のチャネル出口127は塞がれないままにするように構成される。様々な実施形態では、バリア129は、第2の出口流路116内に配置された機械的構成要素である。現在の例では、バリア129は、対応するマイクロ流体チャネルとそれぞれ選択的に塞ぐように連通する複数の弁129である。そのような例では、複数のマイクロ流体チャネルのそれぞれは、チャネルと選択的に塞ぐように連通している対応する弁129を有し得る。コントローラ156は、弁129のそれぞれと動作可能に通信し得、及び複数の弁129のそれぞれを選択的に係合するように構成され得る。
【0107】
コントローラ156は、個々のマイクロ流体チャネル間で保守システムを選択的に切り替えるように構成されて、保守システムが、個々のマイクロ流体チャネルとかわるがわる流体連通するようにする。より詳細には、いくつかの実施形態では、コントローラ156は、互い違いに又はかわるがわる複数の弁129の群を選択的に係合及び係合解除するように構成されて、流体流が、開放したままの流体チャネル(対応する弁129が係合解除されている)では増加されて、そのようなチャネル内で沈殿した可能性がある粒子を取り除くのを助ける。この点において、流体流は、マイクロ流体チャネルの中でかわるがわる起こるように構成される。いくつかの実施形態では、そのような弁129の係合及び係合解除は、コントローラ156によって無作為化される。いくつかの他の実施形態では、コントローラ156は、繰り返しのプロセスにおいて弁の群を選択的に係合及び係合解除するように構成される。
【0108】
コントローラ156は、流れ特性センサー150、162から受信した流れ特性が閾値外であることを検出するとすぐに、保守システムの弁129を自動的に選択的に係合及び係合解除するように構成され得る。そのような実施形態では、流れ特性が閾値外であることを検出するとすぐに、コントローラ156は、分離器要素130を通る流体流に第1の修正を行うために、第1の保守作業持続時間、第1の群の複数の弁129を選択的に係合し、及び第2の群の複数の弁129を係合解除状態に維持し得る。第1の持続時間後、コントローラ156は、分離器要素130を通る流体流に第2の修正を行うために、第2の保守作業持続時間、第2の群の複数の弁129を選択的に係合し、及び第1の群の複数の弁129を係合解除し得る。コントローラは、保守作業が完了すると、複数の弁129のそれぞれを係合解除し得、その時点で、システム10は、流れ特性が閾値外であることを再度コントローラ156が検出するまで、通常の動作を進め得る。
【0109】
他の例では、コントローラ156は、規定通りに周期的に、保守システムの複数の弁129を自動的に選択的に係合及び係合解除するように構成され得る。例えば、コントローラ156は、流体力学的分離器要素130を通る流体流が一定流量であり且つ保守作業が実行されていない第1の期間後、保守システムの複数の弁129を係合するように構成され得る。コントローラ156は、保守作業が実行される第2の期間、保守システムを係合するように構成され得る。
【0110】
第2の期間(すなわち、保守作業)の第1の段階の最中、分離器要素130を通る流体流はコントローラ156によって修正され、これは、第1の群の複数の弁129を係合する一方で、第2の群の複数の弁129は係合解除されたままにする。第2の期間の第2の段階の最中、分離器要素130を通る流体流はコントローラ156によって修正され、これは、第1の群の複数の弁129を係合解除する一方で、第2の群の複数の弁129を係合する。そのような実施形態では、コントローラ156は、第2の期間後に保守システムを係合解除するように構成され得る。いくつかの他の実施形態では、保守システムは、常に係合され、及び残りのマイクロ流体チャネルの通常の動作と併せて、マイクロ流体チャネルのそれぞれを循環する。いくつかの他の実施形態では、単一の段階で保守作業は完了し、ここでは、複数の弁129の全てが係合され、その後、同時に係合解除され、これにより、第2のチャネル出口127の全てを同時に選択的に塞ぎ、且つきれいにする。そのような実装例では、分離器要素130を流れる流体は全て、複数の第1のチャネル出口125を通るように方向付けられる。
【0111】
いくつかの実施形態では、保守システムは、それに加えて又はその代わりに、入口流路112及び/又は第1の出口流路114に沿ってバリアを組み込み得る。いくつかのそのようなバリアは、それ以外の点では、上記の説明と一致し得る。例えば、複数の第2のチャネル出口127を選択的に塞ぐように構成されている代わりに、複数の弁129は、第1の出口流路114に沿った複数の第1のチャネル出口125の一部分を選択的に塞ぐ一方で、少なくとも1つの第1のチャネル出口125は塞がれないままにするように構成され得る。他の例では、複数の弁129は、第1の出口流路114に沿った複数の第1のチャネル出口125の全てを同時に選択的に塞ぎ、且つきれいにするように構成され得る。
【0112】
他の例では、入口流路112、第1の出口流路114、及び第2の出口流路116のうちの1つ以上は、保守システムの構成要素である他のタイプのバリアを組み込み得る。現在の例では、バリア135が、流路、例えば第1の出口流路114内に配置される又は少なくともそれと流体連通している機械的構成要素とし得る。バリア135は、第1の出口流路114に沿った複数の第1のチャネル出口125の少なくとも一部分を選択的に塞ぐように構成される。いくつかの実施形態では、バリア135は、複数の第1のチャネル出口125の一部分が塞がれるとき、少なくとも1つの第1のチャネル出口125は塞がれないままにするように構成される。いくつかの例では、バリア135は、第1の出口流路114内に摺動自在に配置される。ここで、バリア135は、第1の出口流路114に沿った2つの連続したチャネル出口125間の距離を上回る長さを有して、バリア135が、少なくとも2つの連続したチャネル出口125を塞ぐように構成されるようにする。いくつかの実施形態では、バリア135の長さは、第1の出口流路114に沿った少なくとも10個の連続したチャネル出口にわたる距離を上回る。そのようなものとして、バリア135は、第1の出口流路114に沿った少なくとも10個の連続したチャネル出口を塞ぐように構成される。
【0113】
バリア135は、例として、中実体又はチューブとし得る。いくつかの実施形態では、バリア135は、保守作業外では分離器要素130の外側へ移動可能とし得る。バリア135がチューブである複数の実施形態では、バリア135は、分離器要素130から対応する導管(ここでは、第1の出口導管142)まで移動可能であり、対応するチャネル分岐口(ここでは、第1のチャネル出口125)のそれぞれをきれいにする。いくつかの実施形態では、バリア135は、分離器要素及び対応する導管の外側へ移動可能とし得る。
【0114】
コントローラ156は、バリア135と動作可能に通信し得、及び第1の出口125においてフローチャネルの群を選択的に塞ぐために、対応する流路114にわたってバリア135を線形に移動させるように構成され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ156は、保守作業(例えば、通常の動作中)外でバリア135を線形に移動させて、フローチャネル出口125から除去されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、保守作業の最中、保守作業がマイクロ流体チャネルのそれぞれで実行されるまで、コントローラは、マイクロ流体チャネルのそれぞれを連続して塞ぐために、バリア135を線形に移動させるように構成される。そのような動作では、第1の段階において、ある期間、マイクロ流体チャネルの第1の部分は塞がれ、及びマイクロ流体チャネルの第2の部分は塞がれないようにして、塞がれないチャネルを通る流体流が、その期間、増加される。第2の段階では、コントローラ156はバリア135を移動させて、ある期間、マイクロ流体チャネルの第1の部分が塞がれず、及びマイクロ流体チャネルの第2の部分は塞がれるようにして、塞がれないチャネルを通る流体流が、その期間、増加されるようにする。追加的な保守段階が可能であり、ここでは、バリア135は、複数のマイクロ流体チャネルの追加的な群を塞ぐためにさらに移動される。
【0115】
全体的に複数の弁129及び保守システムの説明のように、コントローラ156は、流れ特性センサー150、162から受信した流れ特性が閾値外であることを検出するとすぐに、保守システムのバリア135を自動的に選択的に係合及び係合解除するように構成され得る。そのような実施形態では、流れ特性が閾値外であることを検出するとすぐに、コントローラ156は、上記の段落で説明された保守作業を受けるために、バリアを選択的に係合して、バリアを線形に移動させ得る。コントローラは、保守作業が完了すると、複数の弁129のそれぞれを係合解除し得、その時点で、流れ特性が閾値外であることを再度コントローラ156が検出するまで、システム10は通常の動作を進め得る。他の例では、コントローラ156は、規定通りに周期的に、保守システムのバリア135の複数の弁129を自動的に選択的に係合及び係合解除するように構成され得る。
【0116】
いくつかの実施形態では、バリア135は、その代わりに、第1の出口流路114の代わりに又はそれに加えて、第2の出口流路116内に摺動自在に配置されるように構成され得るということが知られている。そのような例では、第2の出口流路116内に配置されたバリア135は、係合されて、第2のチャネル出口125の少なくとも一部分を選択的に塞ぐように構成され得る。いくつかのそのような実施形態では、バリア135は、少なくとも1つの第2のチャネル出口125を塞がれないままにする一方で、他の第2のチャネル出口125は塞がれるように構成される。さらに他の実施形態では、バリア135は、第2のチャネル出口125の全てを同時に塞ぐように構成される。
【0117】
図3のシステムは、図2を参照して図示及び説明したもののような追加的な又は代替的な保守システム構成要素を有し得る。さらに、図2には示さないが、そのようなシステムは、図3を参照して上記で説明した保守システム構成要素を組み込み得る。
【0118】
図4は、いくつかの例示的な方法と一致するフローチャートである。ある流量で分離器要素を通る流体流が発生される210。分離器要素は、一般的に、平行して配置された複数のマイクロ流体チャネルを有する。流体流は、図2を参照する上記の説明と一致して発生され得る。例えば、ポンプが、要素入口及び要素出口を通る流体流を発生させ得るか、又は、別の例として、圧力駆動流れ制御装置が、要素入口及び要素出口を通して流体を流す。一般的に、流体流は、一定流量で流体力学的分離器要素を通るように発生される。流体流は、複数の平行なマイクロ流体チャネルを通るように発生される。いくつかの実施形態では、分離器要素を流れる流体の流量は、フローメータによって測定される。そのようなデータは、分離器要素を通る一定流量を維持するために使用され得る。
【0119】
流れ特性が測定される220。流れ特性は、上述の例示的な流れ特性と一致し得る。いくつかの実施形態では、流れ特性は差圧である。差圧は、一般的に、上記で詳細に説明されたように、要素入口と要素出口との間で測定される220。いくつかの実施形態では、差圧は、要素出口の低粒子集合度分岐口で測定される。いくつかの実施形態では、差圧は、要素出口の高粒子集合度分岐口で測定される。圧力差は、閉塞されているマイクロ流体チャネル数の指標となり得る。しかしながら、他のタイプの流れ特性も測定され得る。
【0120】
信号が第1の閾値を上回り、及び第2の閾値未満である場合230、第1のアラートが提供される232。第2の閾値は、第1の閾値を上回ってもよい。第1のアラートは、流体力学的分離器要素が、もはや粒子分離に対して有効ではない可能性がある状態へ傾いていることを示し得る。例えば、第1のアラートは、流体力学的分離器要素が、粒子分離に対してまだ有効である可能性のある期間に、第1の特定の予測動作時間枠を有することを示し得る。いくつかの例では、第1のアラートは、流体力学的分離器要素がもはや粒子分離に対して有効ではない可能性があることを示し得る。いくつかの例では、第1のアラートは、流体力学的分離器要素が、もはや粒子分離に対して有効ではない可能性がある状態へ傾いていることを示す。いくつかの実施形態では、信号が第1の閾値以下である場合230、プロセスは終了し得る。
【0121】
しかしながら、図示のものと一致する複数の実施形態では、信号が第2の閾値以上である場合230、信号が第2の閾値を上回り及び第3の閾値未満であるかどうかに関して決定が行われる240。第3の閾値は第2の閾値を上回り得る。信号が第2の閾値を上回り及び第3の閾値未満である場合240、第2のアラートが提供される242。第2のアラートは、流体力学的分離器要素が、まだ有効である可能性のある期間に、第2の特定の予測動作時間枠を有することを示し得る。第2の特定の予測動作時間枠は、上記の段落で説明した第1の特定の予測動作時間枠よりも短くてもよい。いくつかの他の実施形態では、第2のアラートは、流体力学的分離器要素がもはや効果的に粒子を分離しないことを示し得る。いくつかの実施形態では、信号が第2の閾値以下である場合240、プロセスは終了し得る。
【0122】
しかしながら、現在の例では、信号が第3の閾値以上である場合240、信号が第3の閾値を上回るかどうかに関して決定が行われる250。信号が第3の閾値を上回る場合250、第3のアラートが提供される252。第3のアラートは、例えば、流体力学的分離器要素がもはや効果的に粒子を分離しないことを示し得る。信号が第3の閾値以下である場合250、差圧が再度測定される220まで、プロセスは終了する260。プロセスは、選択した間隔で繰り返し得る。
【0123】
様々な実施形態では、アラートのうちの1つ以上は、コントローラによってユーザインタフェースへ通信され、ここで、例示的なユーザインタフェースについては上記で説明した。各アラートは、異なるユーザインタフェース又は同じユーザインタフェースで、ユーザへ通信され得る。いくつかの実施形態では、アラートは、ユーザに、保守作業が実施されるべきである前の時間などの具体的情報を提供し得る。いくつかの実施形態では、アラートは、ユーザに、保守作業が実施されるべきかなどの一般的な情報を提供し得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、閉塞されているマイクロ流体チャネル数は、コントローラによって計算される。そのような計算は、図2を参照した上記の説明と一致し得る。いくつかのそのような実施形態では、閉塞したチャネル数は、コントローラによって、アラート、例えば上述のアラートを用いて、ユーザへ通信され得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、コントローラは、流体力学的分離器が動作していた期間及びその動作期間の最中に閉塞したチャネル数に基づいて、チャネルが閉塞される率(「チャネル閉塞率」)を計算する。いくつかのそのような実施形態では、コントローラは、さらに、計算されたチャネル閉塞率に基づいて、閉塞したチャネル数が、閉塞したチャネルの閾値数に到達するときなどの、推奨された保守前の、予測した残りの動作時間を計算し得る。閉塞したチャネルの閾値数は、流体力学的分離器が粒子分離の効果が低下した、例えばディーン数が20、21、22、23、24又は25となると予測されるときなどの、閉塞したチャネル数とし得る。いくつかの実施形態では、閉塞したチャネル数の通知は、ユーザインタフェースで通信される。
【0126】
その代わりに(又はそれに加えて)、コントローラは、圧力差が、ディーン数が20、21、22、23、24又は25となると予測される圧力差閾値に到達するときなどの、推奨された保守前の残りの動作時間を予測するために、動作期間にわたる圧力差の変化を計算するように構成され得る。その代わりに、又はそれに加えて、コントローラは、平均流速が、ディーン数が20、21、22、23、24又は25となることが予測される平均流速閾値に到達するときなどの、推奨された保守前の残りの動作時間を予測するために、動作期間にわたる平均流速の変化を計算するように構成され得る。
【0127】
複数の実施形態では、1つ以上のアラート、例えば上述のアラートは、予測した残りの動作時間の通知、及び残りの動作時間が終了する前に保守作業が推奨されることを含み得る。通知は、例えば、ユーザインタフェースで提供され得る。
【0128】
図5は、いくつかの実施形態と一致するさらに別の方法を示すフローチャートである。ある流量で分離器要素を通る流体流が発生され310、及び保守作業が実施される350。流体流は、第1の期間、一定流量で流体力学的分離器要素の要素入口から要素出口まで発生される310。流体流は、上記で詳細に説明したような流れ発生器を用いて発生され得る310。分離器要素は、上記で詳細に説明したように、平行に配置された複数のマイクロ流体チャネルを有し得る。
【0129】
保守作業の実施350は、一般的に、分離器要素を通る流体流を修正することを含む。様々な実施形態では、コントローラが流体流を修正し得る。流体流は、第2の期間、修正され得る。いくつかの実施形態では、第1の期間は第2の期間よりも長い。流体流を修正するための様々な手法が使用され得る。例えば、要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁が、要素出口の少なくとも一部分を塞ぐように係合され得る。いくつかの実施形態では、分離器要素を通る流体の流量が修正される。いくつかの実施形態では、流体の流量は、要素出口から要素入口まで流体の流れ方向を逆にすることによって、修正される。いくつかの実施形態では、流体の流量は、流体力学的分離器要素を通る流体にパルスを生じることによって、修正される。いくつかの実施形態では、流体流を修正することは、元のマイクロ流体チャネル流体(第1の流体)の流れを止めること、及び複数のマイクロ流体チャネルに第2の流体を流すことを含む。第2の流体は、例えば、洗浄流体とし得る。保守作業を実施するための様々な手法について、上記で詳細に述べた。
【0130】
いくつかの実施形態では、保守作業を実施すること350は、規定通りに周期的に起こり、ここでは、システムは、第1の期間、動作され310、及び第1の期間が過ぎた後、保守作業が実施される350。より詳細には、いくつかの実施形態では、流体流を修正することは、規定通りに周期的に起こる。いくつかの実施形態では、規定通りに周期的には、少なくとも48時間に1回である。いくつかの実施形態では、規定通りに周期的には、少なくとも24時間に1回である。
【0131】
その代わりに、又はそれに加えて、保守作業は、流れ特性センサーによって流れ特性が閾値外であることを感知する330とすぐに、実施される350。流れ特性は、流れ特性センサーによって感知され得、これについては上記で詳細に説明した。流れ特性センサーは、一般的に、複数のマイクロ流体チャネルと感知通信している。いくつかの実施形態では、コントローラは、流れ特性を受信し、及び保守システムを係合して、流れ特性が閾値外であるときに保守作業を実施する350。コントローラは、保守システムを係合して、分離器要素を通る流体流を修正する。いくつかの実施形態では、流体流は、図3を参照して上述した複数の段階で、複数のマイクロ流体チャネルの間でかわるがわる修正される。いくつかの他の実施形態では、流体流は、単一の段階で、複数のマイクロ流体チャネルの間で修正される。保守作業の実施350後、一定流量で分離器要素を通る流体流が再開される310。
【0132】
例示的な実施形態
実施形態1。要素入口と、第1の要素出口分岐口及び第2の要素出口分岐口を有する要素出口とを規定する流体力学的分離要素であって、流体力学的分離要素は、流体連通している複数の湾曲マイクロ流体チャネルを含み、複数のマイクロ流体チャネルは、並列に動作するように配置され、ここで、各マイクロ流体チャネルは、要素入口の下流のチャネル入口と、第1の要素出口分岐口の上流の第1のチャネル出口分岐口、及び第2の要素出口分岐口の上流の第2のチャネル出口分岐口を有するチャネル出口とを規定する、流体力学的分離要素;
要素入口及び要素出口と感知通信している圧力センサーであって、要素入口と要素出口との間の圧力差を感知するように構成される圧力センサー;及び
圧力センサーとデータ通信しているコントローラであって、圧力差が第1の閾値を超えるとすぐに、第1のアラートを提供するように構成されるコントローラ
を含む、システム。
【0133】
実施形態2。ポンプが、要素入口及び要素出口と流体連通している、実施形態1及び実施形態3~9のいずれか1項に記載のシステム。
【0134】
実施形態3。ポンプは、要素入口を通して流体を一定流量で送り込むように構成される、実施形態1又は2及び実施形態4~9のいずれか1項に記載のシステム。
【0135】
実施形態4。コントローラは、閉塞されているマイクロ流体チャネル数を計算し、及び閉塞したチャネル数をユーザへ通信するように構成される、実施形態1~3及び実施形態5~9のいずれか1項に記載のシステム。
【0136】
実施形態5。さらに、要素入口と流体連通しているフローメータを含む、実施形態1~4及び実施形態6~9のいずれか1項に記載のシステム。
【0137】
実施形態6。圧力センサーは、要素入口と要素出口の低粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成される、実施形態1~5及び実施形態7~9のいずれか1項に記載のシステム。
【0138】
実施形態7。圧力センサーは、要素入口と要素出口の高粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成される、実施形態1~6及び実施形態8又は9のいずれか1項に記載のシステム。
【0139】
実施形態8。さらに、要素入口と流体連通している圧力駆動流れ制御装置を含む、実施形態1~7及び実施形態9のいずれか1項に記載のシステム。
【0140】
実施形態9。コントローラは、圧力差が第1の閾値を超えるとすぐに、第1のアラートを提供するように構成される、実施形態1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【0141】
実施形態10。一定流量で流体力学的分離要素の要素入口及び要素出口を通して流体を流すことであって、ここで、分離要素は、平行に配置された複数のマイクロ流体チャネルを含むこと;
要素入口と要素出口との間の圧力差を測定すること;及び
圧力差が第1の閾値を超えるとすぐに、第1のアラートを提供すること
を含む、方法。
【0142】
実施形態11。さらに、閉塞されているマイクロ流体チャネル数を計算すること、及び閉塞したチャネル数をユーザインタフェースで通信することを含む、実施形態10及び実施形態12~20のいずれか1項に記載の方法。
【0143】
実施形態12。さらに、フローメータを用いて、流れている流体の流量を測定することを含む、実施形態10又は11及び実施形態13~20のいずれか1項に記載の方法。
【0144】
実施形態13。要素入口及び要素出口を通して流体を流すことは、ポンプを用いて流体を送り込むことを含む、実施形態10~12及び実施形態14~20のいずれか1項に記載の方法。
【0145】
実施形態14。圧力駆動流れ制御装置が、要素入口及び要素出口を通して流体を流す、実施形態10~13及び実施形態15~20のいずれか1項に記載の方法。
【0146】
実施形態15。圧力差を測定することは、要素入口の圧力を測定すること、及び要素出口の低粒子集合度分岐口の圧力を測定することを含む、実施形態10~14及び実施形態16~20のいずれか1項に記載の方法。
【0147】
実施形態16。圧力差を測定することは、要素入口の圧力を測定すること、及び要素出口の高粒子集合度分岐口の圧力を測定することを含む、実施形態10~15及び実施形態17~20のいずれか1項に記載の方法。
【0148】
実施形態17。さらに、圧力差が第2の閾値を超えるとすぐに、第2のアラートを提供することを含む、実施形態10~16及び実施形態18~20のいずれか1項に記載の方法。
【0149】
実施形態18。さらに、圧力差が第3の閾値を超えるとすぐに、第3のアラートを提供することを含む、実施形態10~17及び実施形態19又は20のいずれか1項に記載の方法。
【0150】
実施形態19。第1のアラートは、推奨された保守前の予測した残りの動作時間の通知を提供する、実施形態10~18及び実施形態20のいずれか1項に記載の方法。
【0151】
実施形態20。さらに、流体力学的分離要素の動作期間の間中のチャネル閉塞率を計算すること、及びチャネル閉塞率に基づいて、予測した残りの動作時間を計算することを含む、実施形態10~19のいずれか1項に記載の方法。
【0152】
実施形態21。流体力学的分離器要素であって:
要素入口、及び第1の要素出口と第2の要素出口とを有する要素出口、及び
並列に動作するように配置された複数の湾曲マイクロ流体チャネルであって、各マイクロ流体チャネルは:
要素入口の下流のチャネル入口、及び
チャネル出口であって:
第1の要素出口の上流の第1のチャネル出口、及び
第2の要素出口の上流の第2のチャネル出口
を有する、チャネル出口
を規定する、複数の湾曲マイクロ流体チャネル
を規定する、流体力学的分離器要素;
複数のマイクロ流体チャネルと感知通信している流れ特性センサーであって、流れ特性を感知するように構成される流れ特性センサー;及び
流れ特性センサーとデータ通信しているコントローラであって、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、第1の出力を提供するように構成されるコントローラ
を含む、システム。
【0153】
実施形態22。流れ発生器は、要素入口及び要素出口と流体連通している、実施形態21及び実施形態23~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0154】
実施形態23。流れ発生器は、一定流量で要素入口を通る流体流を発生させるように構成される、実施形態21又は22及び実施形態24~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0155】
実施形態24。コントローラは、閉塞されているマイクロ流体チャネル数を計算し、及び閉塞したチャネル数をユーザへ通信するように構成される、実施形態21~23及び実施形態25~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0156】
実施形態25。さらに、要素入口と流体連通しているフローメータを含む、実施形態21~24及び実施形態26~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0157】
実施形態26。流れ特性センサーは、要素入口及び要素出口と感知通信している圧力センサーを含み、流れ特性は、要素入口と要素出口との間の圧力差である、実施形態21~25及び実施形態27~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0158】
実施形態27。圧力センサーは、要素入口と要素出口の低粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成され、要素出口の低粒子集合度分岐口は第2の要素出口である、実施形態21~26及び実施形態28~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0159】
実施形態28。圧力センサーは、要素入口と要素出口の高粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成され、要素出口の高粒子集合度分岐口は第1の要素出口である、実施形態21~27及び実施形態29~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0160】
実施形態29。流れ特性センサーはフローメータを含み、及び流れ特性は流量である、実施形態21~28及び実施形態30~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0161】
実施形態30。流れ特性センサーは粒子センサーを含む、実施形態21~29及び実施形態31~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0162】
実施形態31。流れ特性センサーは:光センサー及び電気特性センサーからなる群の少なくとも1つのセンサーを含む、実施形態21~30及び実施形態32~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0163】
実施形態32。流れ特性は:濁り、粒子数、粒子集合度、pH、抵抗、コンダクタンス、静電容量、及び誘電特性からなる群の少なくとも1つの特性である、実施形態21~31及び実施形態33~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0164】
実施形態33。さらに、要素入口と流体連通している圧力駆動流れ制御装置を含む、実施形態21~32及び実施形態34~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0165】
実施形態34。第1の出力は、第2の要素出口を塞ぐために弁を係合するためにユーザ命令を提供する第1のアラートを含む、実施形態21~33及び実施形態35~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0166】
実施形態35。コントローラは、流れ特性が第2の閾値を超えるとすぐに、第2のアラートを提供するように構成される、実施形態21~34及び実施形態36~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0167】
実施形態36。さらに、第2の要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を含む、実施形態21~35及び実施形態37~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0168】
実施形態37。コントローラは弁と動作可能に通信しており、及び第1の出力は、弁の係合を生じて第2の要素出口を塞ぐ、実施形態21~36及び実施形態38~40のいずれか1項に記載のシステム。
【0169】
実施形態38。さらに、第1の要素出口の上流の第1の出口流路を含み、ここで、各第1のチャネル出口は第1の出口流路まで延在し、及びシステムは、さらに、第1の出口流路内に配置されたバリアを含み、ここで、バリアは、第1の出口流路に沿った複数の第1のチャネル出口を選択的に塞ぐように構成される、実施形態21~37及び実施形態39又は40のいずれか1項に記載のシステム。
【0170】
実施形態39。コントローラは流れ発生器と動作可能に通信しており、及び、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、コントローラは、流れ発生器に、流体力学的分離器要素を通る流体にパルスを生じさせるように構成される、実施形態21~38及び実施形態40のいずれか1項に記載のシステム。
【0171】
実施形態40。コントローラは、流れ発生器と動作可能に通信しており、及び、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、コントローラは、流れ発生器に、一時的な逆の流れ方向を引き起こさせるように構成される、実施形態21~39のいずれか1項に記載のシステム。
【0172】
実施形態41。一定流量で流体力学的分離器要素の要素入口及び要素出口を通して流体を流すことであって、ここで、分離器要素は、平行に配置された複数のマイクロ流体チャネルを含むこと;
要素入口と要素出口との間の流れ特性を測定すること;及び
流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、第1のアラートを提供すること
を含む、方法。
【0173】
実施形態42。さらに、閉塞されているマイクロ流体チャネル数を計算すること、及び閉塞したチャネル数をユーザインタフェースで通信することを含む、実施形態41及び実施形態43~51のいずれか1項に記載の方法。
【0174】
実施形態43。流れ特性を測定することは、要素入口の圧力を測定すること、及び要素出口の圧力を測定することを含む、実施形態41又は42及び実施形態44~51のいずれか1項に記載の方法。
【0175】
実施形態44。要素入口及び要素出口を通して流体を流すことは、ポンプを用いて流体を送り込むことを含む、実施形態41~43及び実施形態45~51のいずれか1項に記載の方法。
【0176】
実施形態45。圧力駆動流れ制御装置が、要素入口及び要素出口を通して流体を流す、実施形態41~44及び実施形態46~51のいずれか1項に記載の方法。
【0177】
実施形態46。流れ特性を測定することは、要素入口の圧力を測定すること、及び要素出口の低粒子集合度分岐口の圧力を測定することを含む、実施形態41~45及び実施形態47~51のいずれか1項に記載の方法。
【0178】
実施形態47。流れ特性を測定することは、要素入口の圧力を測定すること、及び要素出口の高粒子集合度分岐口の圧力を測定することを含む、実施形態41~46及び実施形態48~51のいずれか1項に記載の方法。
【0179】
実施形態48。さらに、圧力差が第2の閾値を超えるとすぐに、第2のアラートを提供することを含む、実施形態41~47及び実施形態49~51のいずれか1項に記載の方法。
【0180】
実施形態49。さらに、圧力差が第3の閾値を超えるとすぐに、第3のアラートを提供することを含む、実施形態41~48及び実施形態50又は51のいずれか1項に記載の方法。
【0181】
実施形態50。第1のアラートは、推奨された保守前の予測した残りの動作時間の通知を提供する、実施形態41~49及び実施形態51のいずれか1項に記載の方法。
【0182】
実施形態51。さらに、流体力学的分離器要素の動作期間の間中のチャネル閉塞率を計算すること、及びチャネル閉塞率に基づいて、予測した残りの動作時間を計算することを含む、実施形態41~50のいずれか1項に記載の方法。
【0183】
実施形態52。流体力学的分離器要素であって:
要素入口、及び第1の要素出口と第2の要素出口とを有する要素出口;及び
並列に動作するように配置された複数の湾曲マイクロ流体チャネルであって、各マイクロ流体チャネルは:
要素入口の下流のチャネル入口、及び
第1の要素出口の上流の第1のチャネル出口と、第2の要素出口の上流の第2のチャネル出口とを有するチャネル出口
を規定する、複数の湾曲マイクロ流体チャネル;及び
マイクロ流体チャネルのうちの1つ以上と選択的に塞ぐように連通している障害物
を規定する、流体力学的分離器要素
を含む、システム。
【0184】
実施形態53。さらに、第1の要素出口の上流の第1の出口流路を含み、ここで、各第1のチャネル出口は第1の出口流路まで延在し、及び障害物は、第1の出口流路内に配置されたバリアを含み、ここで、バリアは、第1の出口流路に沿った複数の第1のチャネル出口の少なくとも一部分を選択的に塞ぐように構成される、実施形態52及び実施形態54~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0185】
実施形態54。バリアは、複数の第1のチャネル出口の一部分を選択的に塞ぐ一方で、少なくとも1つの第1のチャネル出口は塞がれないままにするように構成される、実施形態52又は53及び実施形態55~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0186】
実施形態55。バリアは、複数の第1のチャネル出口の全てを同時に選択的に塞ぐように構成される、実施形態52~54及び実施形態56~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0187】
実施形態56。バリアは、第1の出口流路内に摺動自在に配置される機械的構成要素であり、及びバリアの長さは、第1の出口流路に沿った2つの連続したチャネル出口間の距離よりも長く、それにより、バリアは、少なくとも2つの連続した第1のチャネル出口を塞ぐように構成される、実施形態52~55及び実施形態57~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0188】
実施形態57。バリアの長さは、第1の出口流路に沿った少なくとも10個の連続した第1のチャネル出口にわたる距離よりも長い、実施形態52~56及び実施形態58~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0189】
実施形態58。バリアは、対応するマイクロ流体チャネルとそれぞれ選択的に塞ぐように連通する複数の弁を含む、実施形態52~57及び実施形態59~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0190】
実施形態59。さらに、要素入口及び要素出口と感知通信している流れ特性センサーを含み、流れ特性センサーは、第1の閾値外である流れ特性を感知するように構成される、実施形態52~58及び実施形態60~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0191】
実施形態60。流れ特性センサーは圧力センサーである、実施形態52~59及び実施形態61~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0192】
実施形態61。流れ特性センサーはフローメータである、実施形態52~60及び実施形態62~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0193】
実施形態62。流れ特性センサーは粒子センサーを含む、実施形態52~61及び実施形態63~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0194】
実施形態63。流れ特性センサーは:光センサー及び電気特性センサーからなる群の少なくとも1つのセンサーを含む、実施形態52~62及び実施形態64~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0195】
実施形態64。流れ特性は:濁り、粒子数、粒子集合度、pH、抵抗、コンダクタンス、静電容量、及び誘電特性からなる群の少なくとも1つの特性である、実施形態52~63及び実施形態65~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0196】
実施形態65。さらに、流れ特性センサーとデータ通信しているコントローラを含み、コントローラは、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、第1の出力を提供するように構成される、実施形態52~64及び実施形態66~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0197】
実施形態66。第1の出力はアラートである、実施形態52~65及び実施形態67~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0198】
実施形態67。コントローラは、流れ特性が第2の閾値を超えるとすぐに、第2のアラートを提供するように構成される、実施形態52~66及び実施形態68~70のいずれか1項に記載のシステム。
【0199】
実施形態68。コントローラは、障害物を係合するように構成される、実施形態52~67及び実施形態69又は70のいずれか1項に記載のシステム。
【0200】
実施形態69。障害物は、第2の要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を含む、実施形態52~68及び実施形態70のいずれか1項に記載のシステム。
【0201】
実施形態70。障害物は、第1の要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を含む、実施形態52~69のいずれか1項に記載のシステム。
【0202】
実施形態71。流体力学的分離器要素であって:
要素入口、
第1の要素出口及び第2の要素出口を有する要素出口、
第2の要素出口の上流の第2の出口流路、及び
並列に動作するように配置された複数の湾曲マイクロ流体チャネルであって、各マイクロ流体チャネルは:
要素入口の下流のチャネル入口、及び第1の要素出口の上流の第1のチャネル出口と、第2の出口流路の上流の第2のチャネル出口とを有するチャネル出口
を規定する、複数の湾曲マイクロ流体チャネル
を規定する、流体力学的分離器要素;
複数のマイクロ流体チャネルと流体連通している第1の流れ発生器であって、第1の流量で、要素入口から要素出口まで流体流を発生させるように構成される第1の流れ発生器;
流体力学的分離器要素と流体連通している保守システムであって、分離器要素を通る流体流を修正するように構成される保守システム;及び
保守システムと動作可能に通信しているコントローラであって、保守システムを選択的に係合及び係合解除するように構成されるコントローラ
を含む、システム。
【0203】
実施形態72。保守システムは、第2の要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を含み、コントローラは弁と動作可能に通信している、実施形態71及び実施形態73~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0204】
実施形態73。保守システムは第1の流れ発生器を含み、及びコントローラは、第1の流れ発生器によって流体の流量を修正するように構成される、実施形態71又は72及び実施形態74~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0205】
実施形態74。コントローラは、第1の流れ発生器によって流体流を逆にするように構成される、実施形態71~73及び実施形態75~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0206】
実施形態75。コントローラは、第1の流れ発生器によって、流体力学的分離器要素を通る流体にパルスを生じさせるように構成される、実施形態71~74及び実施形態76~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0207】
実施形態76。保守システムは、複数のマイクロ流体チャネルと流体連通している第2の流れ発生器を含み、並びにコントローラは、第1の流れ発生器及び第2の流れ発生器と動作可能に通信しており、且つコントローラは、第1の流れ発生器の動作と第2の流れ発生器の動作との間を切り替えるように構成される、実施形態71~75及び実施形態77~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0208】
実施形態77。コントローラは、規定通りに周期的に保守システムを係合するように構成される、実施形態71~76及び実施形態78~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0209】
実施形態78。規定通りに周期的には、少なくとも48時間に1回である、実施形態71~77及び実施形態79~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0210】
実施形態79。さらに、複数のマイクロ流体チャネルと感知通信している流れ特性センサーを含み、流れ特性センサーは、コントローラとデータ通信しており、及び流れ特性を感知するように構成され、並びにフローコントローラは、流れ特性を受信し、及び流れ特性が閾値外であると、保守システムを係合するように構成される、実施形態71~78及び実施形態80~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0211】
実施形態80。流れ特性センサーは、要素入口及び要素出口と感知通信している圧力センサーを含み、流れ特性は、要素入口と要素出口との間の圧力差である、実施形態71~79及び実施形態81~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0212】
実施形態81。圧力センサーは、要素入口と要素出口の低粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成され、要素出口の低粒子集合度分岐口は第2の要素出口である、実施形態71~80及び実施形態82~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0213】
実施形態82。圧力センサーは、要素入口と要素出口の高粒子集合度分岐口との間の圧力差を感知するように構成され、要素出口の高粒子集合度分岐口は第1の要素出口である、実施形態71~81及び実施形態83~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0214】
実施形態83。流れ特性センサーはフローメータを含み、及び流れ特性は流量である、実施形態71~82及び実施形態84~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0215】
実施形態84。流れ特性センサーは粒子センサーを含む、実施形態71~83及び実施形態85~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0216】
実施形態85。流れ特性センサーは:光センサー及び電気特性センサーからなる群の少なくとも1つのセンサーを含む、実施形態71~84及び実施形態86~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0217】
実施形態86。流れ特性は:濁り、粒子数、粒子集合度、pH、抵抗、コンダクタンス、静電容量、及び誘電特性からなる群の少なくとも1つの特性である、実施形態71~85及び実施形態87~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0218】
実施形態87。さらに、要素入口と流体連通している圧力駆動流れ制御装置を含む、実施形態71~86及び実施形態88~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0219】
実施形態88。保守システムは、個々のマイクロ流体チャネルとかわるがわる流体連通しており、及びコントローラは、個々のマイクロ流体チャネルの間で保守システムを選択的に切り替えるように構成される、実施形態71~87及び実施形態89~91のいずれか1項に記載のシステム。
【0220】
実施形態89。さらに、第1の要素出口の上流の第1の出口流路を含み、各第1のチャネル出口は第1の出口流路まで延在し、及び保守システムは、第1の出口流路内に配置されたバリアを含み、バリアは、第1の出口流路に沿った複数の第1のチャネル出口を選択的に塞ぐように構成される、実施形態71~88及び実施形態90又は91のいずれか1項に記載のシステム。
【0221】
実施形態90。コントローラは、流れ発生器と動作可能に通信しており、及び、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、コントローラは、流れ発生器に、流体力学的分離器要素を通る流体にパルスを生じさせるように構成される、実施形態71~89及び実施形態91のいずれか1項に記載のシステム。
【0222】
実施形態91。コントローラは流れ発生器と動作可能に通信しており、及び、流れ特性が第1の閾値外になるとすぐに、コントローラは、流れ発生器に、一時的な逆の流れ方向を引き起こさせるように構成される、実施形態71~90のいずれか1項に記載のシステム。
【0223】
実施形態92。第1の期間、一定流量で、流体力学的分離器要素の要素入口から要素出口まで流体流を発生させることであって、ここで、分離器要素は、平行に配置された複数のマイクロ流体チャネルを含むこと;及び
第2の期間、コントローラによって、分離器要素を通る流体流を修正することを含む保守作業を実施することであって、ここで、第1の期間は第2の期間よりも長いこと
を含む、方法。
【0224】
実施形態93。流体流を修正することは、要素出口と選択的に塞ぐように連通している弁を係合することを含む、実施形態92及び実施形態94~101のいずれか1項に記載の方法。
【0225】
実施形態94。流体流を修正することは、分離器要素を通る流体の流量を修正することを含む、実施形態92又は93及び実施形態95~101のいずれか1項に記載の方法。
【0226】
実施形態95。流体の流量を修正することは、要素出口から要素入口まで流体の流れ方向を逆にすることを含む、実施形態92~94及び実施形態96~101のいずれか1項に記載の方法。
【0227】
実施形態96。流体流を修正することは、流体力学的分離器要素を通る流体にパルスを生じることを含む、実施形態92~95及び実施形態97~101のいずれか1項に記載の方法。
【0228】
実施形態97。流体は第1の流体であり、並びに流体流を修正することは、第1の流体の流れを止めること、及び複数のマイクロ流体チャネルに第2の流体を流すことを含む、実施形態92~96及び実施形態98~101のいずれか1項に記載の方法。
【0229】
実施形態98。流体流を修正することは、規定通りに周期的に起こる、実施形態92~97及び実施形態99~101のいずれか1項に記載の方法。
【0230】
実施形態99。規定通りに周期的には、少なくとも48時間に1回である、実施形態92~98及び実施形態100又は101のいずれか1項に記載の方法。
【0231】
実施形態100。さらに:
流体力学的分離器要素と感知通信している流れ特性センサーによって、流れ特性を感知すること;及び
流れ特性をコントローラへ送信することであって、ここで、分離器要素を通る流体流を修正することは、流れ特性が閾値外であると、実行されること
を含む、実施形態92~99及び実施形態101のいずれか1項に記載の方法。
【0232】
実施形態101。流体流を修正することは、マイクロ流体チャネルの間でかわるがわる起こる、実施形態92~100のいずれか1項に記載の方法。
【0233】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるような、語句「構成される(configured)」は、特定タスクを実施するか又は特定の形態(configuration)を採用するように構築されたシステム、装置、又は他の構造を説明することにも留意すべきである。語「構成される」は、同様な語、例えば「配置される」、「構築される」、「製造される」などと交換可能に使用され得る。
【0234】
本明細書における全ての出版物及び特許出願は、本技術が関係する当業者のレベルを示す。全ての出版物及び特許出願は、個々の出版物又は特許出願が参照することにより具体的及び個別に示された場合と同じ程度で、本明細書に参照することにより援用される。本出願の開示と本願明細書に援用するいずれかの文書の1つ又は複数の開示との間に何らかの矛盾がある場合には、本出願の開示が支配する。
【0235】
本出願は、本主題の適合例又は変形例を網羅するものとする。上記の説明は、限定ではなく、説明のためのものであり、及び特許請求の範囲は、本明細書で説明するような、説明に役立つ実施形態に限定されないことが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】