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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】表示駆動方法、装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20240528BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240528BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20240528BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G09G3/20 670J
G09G3/20 670K
G09G3/20 K
G09G3/20 611H
G09G3/20 650M
G09G5/00 550B
G09G5/00 510C
G06F3/14 A
H04N5/66 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569925
(86)(22)【出願日】2022-07-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 CN2022105224
(87)【国際公開番号】W WO2023011123
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202110880321.5
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523349907
【氏名又は名称】チップワン テクノロジー (チューハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100202740
【弁理士】
【氏名又は名称】増山 樹
(72)【発明者】
【氏名】チュオ ションティエン
(72)【発明者】
【氏名】チュー シュエティエン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン チーチャオ
【テーマコード(参考)】
5B069
5C058
5C080
5C182
【Fターム(参考)】
5B069BA04
5B069BB07
5B069BB17
5B069HA09
5C058AA06
5C058AA12
5C058AA13
5C058BA35
5C080AA06
5C080AA07
5C080AA10
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD05
5C080DD18
5C080DD29
5C080EE28
5C080HH11
5C080JJ01
5C080JJ02
5C080JJ07
5C080KK02
5C080KK20
5C080KK26
5C080KK43
5C080KK47
5C080KK49
5C080KK50
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB01
5C182AB02
5C182AB08
5C182AB12
5C182AB13
5C182AB25
5C182AB37
5C182AC03
5C182AC13
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA66
5C182CA32
5C182CA37
5C182DA65
5C182DA67
(57)【要約】
表示駆動方法、装置及び電子機器であって、表示画像の表示時間長が時間長閾値に達した場合、予め設定された時間長を時間間隔として、表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得ること(S11)と、各時間間隔において、中間画像に応じて表示パネルを表示駆動すること(S12)とを含む。長時間表示された表示画像によるイメージスティッキングの問題を改善、ひいては解消することができ、スクリーンにおける表示画像の表示位置を変更することなく、表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更することにより、表示画像の動的な表示を実現し、スクリーンの焼き付き現象の発生を効果的に回避するとともに、画面にジッタや振れなどが発生せず、且つ必要とされるソフトウェア・ハードウェアリソースが低く、高効率、低コストという特徴を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルに用いられる表示駆動方法であって、
表示画像の表示時間長が時間長閾値に達した場合、予め設定された時間長を時間間隔として、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得ることであって、ここで、隣接する時間間隔の中間画像が異なることと、
各時間間隔において、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動することと、を含むことを特徴とする表示駆動方法。
【請求項2】
前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する前記中間画像を得ることは、
各時間間隔に対応する画素調整値を取得することと、
前記画素調整値に基づいて、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を調整して、各時間間隔に対応する前記中間画像を得ることと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示駆動方法。
【請求項3】
各時間間隔に対応する前記画素調整値を取得することは、
乱数生成器によって乱数を生成して、各時間間隔に対応する前記画素調整値を得ること、又は
予め設定された調整値の集合から、各時間間隔に対応する前記画素調整値を取得することを含むことを特徴とする請求項2に記載の表示駆動方法。
【請求項4】
前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動することは、
前記中間画像がRGB画像ではない場合、前記中間画像に対して色空間変換処理を行い、前記中間画像をRGB画像に変換することと、
色空間変換処理後の前記中間画像に応じて駆動信号を発生させ、前記表示パネルを予め設定された時間間隔で動的表示するように駆動することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示駆動方法。
【請求項5】
初期表示画像をRGB色空間から他の色空間に変換して、前記表示画像を得ることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示駆動方法。
【請求項6】
前記表示画像の画像フォーマットは、RGB画像、YUV画像、HSV画像、HSL画像及びYCbCr画像のうちのいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の表示駆動方法。
【請求項7】
表示パネルに用いられる表示駆動装置であって、
表示画像の表示時間長が時間長閾値に達した場合、予め設定された時間長を時間間隔として、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得るためのものであって、ここで、隣接する時間間隔の中間画像が異なる調整モジュールと、
前記調整モジュールに接続され、各時間間隔において、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動するための駆動モジュールと、を含むことを特徴とする表示駆動装置。
【請求項8】
前記調整モジュールは、
各時間間隔に対応する画素調整値を取得するための取得手段と、
前記画素調整値に基づいて、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を調整して、各時間間隔に対応する前記中間画像を得るための調整手段と、を含むことを特徴とする請求項7に記載の表示駆動装置。
【請求項9】
前記取得手段は、さらに、
乱数生成器によって乱数を生成して、各時間間隔に対応する前記画素調整値を得ること、又は
予め設定された調整値の集合から、各時間間隔に対応する前記画素調整値を取得することに用いられることを特徴とする請求項8に記載の表示駆動装置。
【請求項10】
請求項7~9のいずれか1項に記載の表示駆動装置を含むことを特徴とする電子機器。
【請求項11】
前記電子機器は、ディスプレイ、スマートフォン又は携帯機器を含むことを特徴とする請求項10に記載の電子機器。
【請求項12】
前記ディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、量子ドット発光ダイオードディスプレイ、ミニ発光ダイオードディスプレイ及びマイクロ発光ダイオードディスプレイのうちのいずれか1つを含むことを特徴とする請求項11に記載の電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示技術分野に関し、特に表示駆動方法、装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なディスプレイ、例えばLEDディスプレイ、OLEDディスプレイ、又はLCDディスプレイには、いずれもイメージスティッキングという問題がある。例えば、TFT-LCDディスプレイでは、同一の静的画面を長時間表示すると、液晶が長時間の駆動によって分極されることで、液晶分子は、信号電圧の制御で正常に回転できなくなる。そのため、ディスプレイに同じパターン(例えば、テレビチャンネルマーク、スクリーンセーバなど)を長時間表示し続けると、復元不可能な静的画面の痕跡、残像が残り、ディスプレイによる次のフレーム画像の正常な表示に影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様によれば、
表示パネルに用いられる表示駆動方法であって、
表示画像の表示時間長が時間長閾値に達した場合、予め設定された時間長を時間間隔として、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得ることであって、ここで、隣接する時間間隔の中間画像が異なることと、
各時間間隔において、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動することとを含む表示駆動方法を提供する。
【0004】
可能な一実施形態では、前記した、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得ることは、
各時間間隔に対応する画素調整値を取得することと、
前記画素調整値に基づいて、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を調整して、各時間間隔に対応する中間画像を得ることとを含む。
【0005】
可能な一実施形態では、前記した、各時間間隔に対応する画素調整値を取得することは、
乱数生成器によって乱数を生成して、各時間間隔に対応する画素調整値を得ること、又は
予め設定された調整値の集合から、各時間間隔に対応する画素調整値を取得することを含む。
【0006】
可能な一実施形態では、前記した、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動することは、
前記中間画像がRGB画像ではない場合、前記中間画像に対して色空間変換処理を行い、前記中間画像をRGB画像に変換することと、
色空間変換処理後の中間画像に応じて駆動信号を発生させ、前記表示パネルを予め設定された時間間隔で動的表示するように駆動することとを含む。
【0007】
可能な一実施形態では、前記方法は、さらに、
初期表示画像をRGB色空間から他の色空間に変換して、前記表示画像を得ることを含む。
【0008】
可能な一実施形態では、前記表示画像の画像フォーマットは、RGB画像、YUV画像、HSV画像、HSL画像及びYCbCr画像のうちのいずれか1つを含む。
【0009】
本開示の一態様によれば、表示パネルに用いられる表示駆動装置であって、
表示画像の表示時間長が時間長閾値に達した場合、予め設定された時間長を時間間隔として、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得るためのものであって、ここで、隣接する時間間隔の中間画像が異なる調整モジュールと、
前記調整モジュールに接続され、各時間間隔において、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動するための駆動モジュールとを含む表示駆動装置を提供する。
【0010】
可能な一実施形態では、前記調整モジュールは、
各時間間隔に対応する画素調整値を取得するための取得手段と、
前記画素調整値に基づいて、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を調整して、各時間間隔に対応する中間画像を得るための調整手段とを含む。
【0011】
可能な一実施形態では、前記取得手段は、さらに、
乱数生成器によって乱数を生成して、各時間間隔に対応する画素調整値を得ること、又は
予め設定された調整値の集合から、各時間間隔に対応する画素調整値を取得することに用いられる。
【0012】
本開示の一態様によれば、前記表示駆動装置を含む電子機器を提供する。
【0013】
可能な一実施形態では、前記電子機器は、ディスプレイ、スマートフォン又は携帯機器を含む。
【0014】
可能な一実施形態では、前記ディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、量子ドット発光ダイオードディスプレイ、ミニ発光ダイオードディスプレイ及びマイクロ発光ダイオードディスプレイのうちのいずれか1つを含む。
【0015】
本開示の実施例では、表示画像の表示時間長が時間長閾値に達した場合、予め設定された時間長を時間間隔として、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得て、各時間間隔において、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動することによって、長時間表示された表示画像によるイメージスティッキングの問題を改善、ひいては解消することができる。さらに、本開示の実施例では、スクリーンにおける表示画像の表示位置を変更することなく、表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更することにより、表示画像の動的な表示を実現し、スクリーンの焼き付き現象の発生を効果的に回避するとともに、画面にジッタや振れなどが発生せず、且つ必要とされるソフトウェア・ハードウェアリソースが低く、高効率、低コストという特徴を有する。
【0016】
以上の一般的な記述及び後述する細部記述は、例示的で解釈的なものにすぎず、本開示を制限するものではないことは理解すべきである。本開示の他の特徴及び態様は、以下に例示的な実施例について図面を参照しつつ詳細に説明することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
明細書に含まれ、本明細書の一部として組み込まれる図面は、本開示に適合する実施例を示すものであり、明細書と共に本開示の技術的手段を説明するために用いられる。
図1】本開示の一実施例による表示駆動方法のフローチャートを示す。
図2】本開示の一実施例による表示駆動方法のフローチャートを示す。
図3a】画像表示の模式図を示す。
図3b】画像表示の模式図を示す。
図4】本開示の一実施例による表示駆動装置のブロック図を示す。
図5】本開示の一実施例による表示駆動装置のブロック図を示す。
図6】本開示の一実施例による電子機器のブロック図を示す。
図7】本開示の一実施例による電子機器のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本開示による様々な例示的な実施例、特徴及び態様について図面を参照しつつ詳細に説明する。図面において、同じ符号は、機能が同じまたは類似する要素を示す。図面には実施例の様々な態様が示されているが、特に明記されていない限り、図面は必ずしも原寸に比例しているとは限らない。
【0019】
本開示の記載において、理解すべきこととして、「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語によって表される方位または位置関係は、図面に示された方位または位置関係に基づくものであり、本開示の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものにすぎず、それらにより示される装置または要素が必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成され動作しなければならないことを示すか又は暗示するものではないため、本開示を限定するものと理解すべきではない。
【0020】
なお、「第1の」や「第2の」という用語は、説明の目的のためだけに使用され、相対的な重要性を示したり暗示したり、或いはそれらにより示される技術的特徴の数を暗黙的に示すものと理解すべきではない。それにより、「第1の」や「第2の」によって限定される特徴は、1つまたは複数の当該特徴を明示的または暗黙的に含むものであってもよい。本開示の記載において、「複数」とは、特に特定の限定がない限り、2つ以上を意味する。
【0021】
本開示では、特に明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「つながる」、「接続」、「固定」などの用語は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、または一体になっていてもよい。機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよい。直接に接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよいし、2つの要素の内部の連通や2つの要素の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、本開示における上記用語の具体的な意味を具体的な状況に応じて理解することができる。
【0022】
ここで専用の用語「例示的」とは、「例、実施例として用いられることまたは説明的なもの」を意味する。ここで「例示的」に説明されるいかなる実施例も、必ずしも他の実施例より好ましいまたは優れたものであると解釈されるとは限らない。
【0023】
本明細書において、「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を記述するためのものに過ぎず、3つの関係が存在可能であることを示す。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在すること、AとBが同時に存在すること、Bのみが存在することという3つのケースを示すことができる。また、本明細書において、「少なくとも1つ」という用語は、複数のうちのいずれか1つ、又は複数のうちの少なくとも2つの任意の組み合わせを示す。例えば、A、B及びCのうちの少なくとも1つを含むとは、A、B及びCからなる集合から選択されるいずれか1つ又は複数の要素を含むことを示すことができる。
【0024】
また、本開示をより良く説明するために、以下の具体的な実施形態において、多くの具体的な細部が示されている。当業者であれば、何らかの具体的な細部がなくても、本開示は同様に実施できることは理解すべきである。いくつかの実例において、本開示の主旨を明らかにするために、当業者によく知られている方法、手段、要素、および回路については詳細に説明されていない。
【0025】
図1を参照すると、図1は、本開示の一実施例による表示駆動方法のフローチャートを示す。
【0026】
前記方法は、表示パネルに用いられ、図1に示すように、前記方法は、以下のステップを含む。
【0027】
ステップS11において、表示画像の表示時間長が時間長閾値に達した場合、予め設定された時間長を時間間隔として、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得る。ここで、隣接する時間間隔の中間画像は異なる。
【0028】
ステップS12において、各時間間隔において、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動する。
【0029】
本開示の実施例では、表示画像の表示時間長が時間長閾値に達した場合、予め設定された時間長を時間間隔として、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得て、各時間間隔において、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動することによって、長時間表示された表示画像によるイメージスティッキング(Image Sticking/Setention)の問題を改善、ひいては解消することができる。さらに、本開示の実施例では、スクリーンにおける表示画像の表示位置を変更することなく、表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更することにより、表示画像の動的な表示を実現し、スクリーンの焼き付き現象の発生を効果的に回避するとともに、画面にジッタや振れなどが発生せず、且つ必要とされるソフトウェア・ハードウェアリソースが低く、高効率、低コストという特徴を有する。
【0030】
一例では、イメージスティッキングとは、残像、スクリーン焼き付きなどと呼ばれてもよい。
【0031】
可能な一実施形態では、前記表示パネルは、液晶表示パネル、有機発光ダイオード表示パネル、量子ドット発光ダイオード表示パネル、ミニ発光ダイオード表示パネル、及びマイクロ発光ダイオード表示パネルのうちのいずれか1つまたは複数の組み合わせを含んでもよい。
【0032】
本開示の実施例の方法は、前記表示パネルを含む電子機器にも適用することができ、電子機器は、例えば、端末、サーバなどを含む。一例では、端末は、ユーザ機器(User Equipment、UE)、移動局(Mobile Station、MS)、移動端末(Mobile Terminal、MT)等とも呼ばれ、ユーザに音声及び/又はデータ接続性を提供する機器であり、例えば、無線接続機能を有する手持ち機器、車載機器等である。現在、いくつかの端末の例としては、携帯電話(Mobile Phone)、タブレット、ノートパソコン、パームトップ、モバイルインターネットデバイス(Mobile Internetdevice、MID)、ウェアラブルデバイス、仮想現実(Virtual Reality、VR)デバイス、拡張現実(Augmentedreality、AR)デバイス、産業制御(Industrial Control)における無線端末、無人運転(Selfdriving)における無線端末、遠隔手術(Remote medical Surgery)における無線端末、スマートグリッド(Smart Grid)における無線端末、輸送の安全(Transportation Safety)における無線端末、スマートシティ(Smart City)における無線端末、スマートホーム(Smart Home)における無線端末、自動車のインターネット化(IOV)における無線端末等が挙げられる。
【0033】
可能な一実施形態では、ステップS11において、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得ることは、
各時間間隔に対応する画素調整値を取得することと、
前記画素調整値に基づいて、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を調整して、各時間間隔に対応する中間画像を得ることとを含んでもよい。
【0034】
可能な一実施形態では、前記した、各時間間隔に対応する画素調整値を取得することは、
乱数生成器によって乱数を生成して、各時間間隔に対応する画素調整値を得ること、又は
予め設定された調整値の集合から、各時間間隔に対応する画素調整値を取得することを含んでもよい。
【0035】
一例では、本開示の実施例において、タイマにより計時し、計時時間長が予め設定された時間長に達すると、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、次の時間間隔の中間画像を得て、表示パネルを表示駆動するようにしてもよい。本開示の実施例では、予め設定された時間長の具体的な長さについて限定せず、当業者は、必要に応じて設定することができる。例えば、予め設定された時間長は30秒(s)であり、計時時間長が30秒に達すると、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、次の時間間隔の中間画像を得て、表示パネルを表示駆動するようにしてもよい。
【0036】
一例では、本開示の実施例において、まず複数の時間間隔に対応する画素調整値を得て、計時時間長が予め設定された時間長に達した時に、画素調整値に基づいて、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、次の時間間隔の中間画像を得て、表示パネルを表示駆動するようにしてもよい。
【0037】
一例では、前記画素調整値に基づいて、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を調整することは、
前記画素調整値を前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値に加算することにより、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を調整することを含んでもよい。
【0038】
一例では、本開示の実施例において、各画素の画素値に対する調整を実現するために、複数の加算器を設けてもよく、例示的に、複数の加算器からなる加算手段は、少なくとも一つの色チャンネルに対応する表示データのすべてに当該画素調整値を加算して、調整後の画素値を得るようにしてもよい。
【0039】
一例では、乱数生成器は、クロックに基づいて乱数を生成してもよく、他の任意のパラメータに基づいて乱数を生成してもよい。本開示の実施例では、乱数生成器の具体的な実現形態について限定せず、乱数の具体的な生成方式についても限定せず、当業者は、関連技術に基づいて実現することができる。
【0040】
一例では、本開示の実施例において、予め記憶モジュールを設けて、予め設定された調整値の集合を記憶してもよく、予め設定された調整値の集合から画素調整値を取得する際に、巡回的に取得する方式を採用してもよいし、ランダムに取得する方式を採用してもよく、例えば、予め設定された調整値の集合は、16個の画素調整値を含む。本開示の実施例では、計時時間長が予め設定された時間長に達した時に、記憶モジュールから、一定の順序(例えば、reg[0]->reg[1]->・・・->reg[14]->reg[15]->reg[0]->reg[1])で画素調整値を取得してもよく、ランダムに抽出してもよい。
【0041】
以下、具体的な例を用いて画素調整値を例示的に紹介する。
【0042】
前記表示画像の表示時間長が32フレームを超えると仮定した場合、初期入力データ(前記表示画像のある画素)、即ち(R、G、B)画素値(253、253、253)のそれぞれに対して、調整するたびに、各画素チャンネルの1つまたは複数に対して調整値だけ増加又は減少させることにより、動的な調整を実現するようにしてもよい。本開示の実施例では、必要に応じて異なる画素調整値(調整レベルと呼ばれてもよく、例えば、Level0~Level15)を設定してもよく、初期入力データを順次調整する際に、必要に応じて増加又は減少させる調整値を設定してもよく、調整値の大きさは、予め設定された調整値の集合から巡回的に取得されてもよく、ランダムに取得されてもよく、他の方法で取得されてもよい。例示的に、調整値は、固定的なもの(例えば、調整値が1)であってもよく、例えば(表1に示すように)、第1のフレームから第16のフレームまでは各画素チャンネルに対して1ずつ減少させ、第17のフレームから第32のフレームまでは各画素チャンネルに対して1ずつ増加させてもよい。もちろん、必要に応じて任意数のフレーム数を選択して調整してもよく、例えば(表2に示すように)、まず4フレームを選択して、各フレームの画素チャンネルに対して1ずつ減少させ、後続の4フレームそれぞれの画素チャンネルに対して1ずつ増加させ、このように周期的に繰り返して調整してもよい。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
もちろん、以上の例は例示的なもので、当業者は、他の調整パターンで表示画像を調整してもよい。例えば、調整ごとの調整値を異ならせるか、又は画像の異なる領域に対して異なる調整値を設定するようにしてもよい。一例では、本開示の実施例において、一つの画像の異なる色の領域に対して、異なる調整幅を有することによって、処理の適応性、柔軟性を向上させ、ユーザ体験を向上させ、画像表示の真実性を向上させることができる。例えば、表示画像におけるカラー無し領域の画素点の調整値を、カラー有り画素点の調整値よりも大きくしてもよく、例えば、黒色領域に対する調整値を、カラー領域に対する調整値よりも大きくしてもよい。
【0046】
一例では、記憶モジュールは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含んでもよく、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、命令実行機器に使用される命令を保持および記憶可能な有形装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、電気記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、または上記の任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限らない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)としては、携帯型コンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、例えば命令が記憶されているせん孔カードまたはスロット内突起構造のような機械的符号化装置、および上記の任意の適切な組み合わせを含む。一例では、記憶モジュールは、レジスタ群をさらに含んでもよい。
【0047】
一例では、予め設定された調整値の集合において、各画素の調整値の大きさは異なっていてもよく、間隔をおいた画素の調整値は同じで、隣接する画素の調整値は異なっていてもよく、本開示の実施例では、これに対して限定しない。本開示の実施例では、予め設定された調整値の集合における各画素調整値の具体的な大きさについて、限定せず、当業者は、必要又は実際の状況に応じて決定することができる。
【0048】
一例では、表示画像がRGB画像である場合、本開示の実施例において、RGB画像フォーマットの表示画像の各画素を直接調整して、中間画像を得て、中間画像のR、G、Bチャンネルの画素値に基づいて駆動信号を発生させ、対応する画素ランプを駆動してもよい。
【0049】
可能な一実施形態では、前記した、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動することは、前記中間画像がRGB画像ではない場合、前記中間画像に対して色空間変換処理を行い、前記中間画像をRGB画像に変換することと、色空間変換処理後の中間画像に応じて駆動信号を発生させ、前記表示パネルを予め設定された時間間隔で動的表示するように駆動することとを含む。
【0050】
本開示の実施例では、様々な画像フォーマットの表示画像を処理することができ、高い適応性を有する。
【0051】
図2を参照すると、図2は、本開示の一実施例による表示駆動方法のフローチャートを示す。
【0052】
可能な一実施形態では、図2に示すように、前記方法は、
初期表示画像をRGB色空間から他の色空間に変換して、前記表示画像を得るステップS21をさらに含んでもよい。
【0053】
前記他の色空間は、RGB色空間以外の色空間を含み、例えば、YUV色空間、HSV色空間、HSL色空間又はYCbCr色空間などを含んでもよく、本開示の実施例では、これに対して限定しない。
【0054】
本開示の実施例では、色空間の具体的な変換方法については、限定せず、当業者は、関連技術に基づいて実現することができる。
【0055】
本開示の実施例では、初期表示画像をRGB色空間から他の色空間に変換して、前記表示画像を得て、前記他の色空間において画像を処理することにより、画素調整の効率を向上させることができる。もちろん、本開示の実施例では、RGB画像を直接処理してもよく、本開示の実施例では、これに対して限定しない。
【0056】
本開示の実施例では、表示画像の表示時間長に応じて、表示画像に対する処理をトリガーしてもよい。例えば、表示時間長を統計して表示時間長を得て、表示時間長が時間長閾値以上になると、画像の各チャンネル画素に対する処理をトリガーするようにしてもよい。もちろん、表示時間長は、設定されたスクリーンセーバ時間、電子機器が操作されていない時間に基づいて決定されてもよく、本開示の実施例では、これに対して限定しない。
【0057】
可能な一実施形態では、前記表示画像の画像フォーマットは、RGB画像、YUV画像、HSV画像、HSL画像及びYCbCr画像などのいずれか1つを含み、本開示の実施例では、表示画像の画像フォーマットについて限定しない。一例では、RGB画像を例とすると、本開示の実施例において、表示画像のRチャンネル、Gチャンネル、Bチャンネルのうちの少なくとも一つを調整するようにしてもよい。HSV画像を例とすると、本開示の実施例において、表示画像のHチャンネル、Sチャンネル、Vチャンネルのうちの少なくとも一つを調整するようにしてもよい。HSL画像を例とすると、本開示の実施例において、表示画像のHチャンネル、Sチャンネル、Lチャンネルのうちの少なくとも一つを調整するようにしてもよい。YCbCr画像を例とすると、本開示の実施例において、表示画像のYチャンネル、Cbチャンネル、Crチャンネルのうちの少なくとも一つを調整するようにしてもよい。以上の方法により、本開示の実施例では、元の物理的空間での変化を色空間での変化に変換し、パネルにおける画面全体の位置を維持したまま、画素内容の転動を達成し、画像の焼き付き、残像の発生を遅らせたり放置したりして、ユーザの体験を向上させることができる。
【0058】
図3a、図3bを参照すると、図3a、図3bは、画像表示の模式図を示す。
【0059】
一例では、表示パネルに図3aに示すような表示画像を長時間表示すると、表示パネルには図3bに示すようなスクリーン残像が残り、表示パネルに他の画像を表示する時に、他の画像の正確な表示に影響を与え、ユーザの視聴体験を低下させてしまうことは必至である。以上の方法により、本開示の実施例では、画素の表示色、階調のみを調整し、スクリーンにおける1フレームの画像中の各要素の表示位置を変更することなく、一定の時間内に、予め設定された時間間隔で、1フレームの画像が複数の色構成や階調を呈するようにすることにより、スクリーンにこの画像を長時間に静的に表示することによるスクリーン残像、焼き付きの現象を回避し、例えば、図3bに示すようなスクリーン残像を除去することができ、その後の他の表示画像の表示がより正確になり、ユーザ体験をより良くすることができる。
【0060】
本開示で言及された上記各方法の実施例は、原理及び論理に反しない限り、互いに組み合わせて組み合わせ後の実施例をなすことができることは理解できる。紙数に限りがあるので、本開示では詳細な説明を省略する。当業者は、具体的な実施形態の上記の方法において、各ステップの具体的な実行順序は、その機能および可能な内在的論理により決められるべきであることは理解できる。
【0061】
図4を参照すると、図4は、本開示の一実施例による表示駆動装置のブロック図を示す。
【0062】
前記装置は、表示パネルに用いられることができ、図4に示すように、前記装置は、
表示画像の表示時間長が時間長閾値に達した場合、予め設定された時間長を時間間隔として、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得るためのものであって、ここで、隣接する時間間隔の中間画像が異なる調整モジュール10と、
前記調整モジュールに接続され、各時間間隔において、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動するための駆動モジュール20とを含む。
【0063】
本開示の実施例では、表示画像の表示時間長が時間長閾値に達した場合、予め設定された時間長を時間間隔として、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更して、各時間間隔に対応する中間画像を得て、各時間間隔において、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動することによって、長時間表示された表示画像によるイメージスティッキングの問題を改善、ひいては解消することができる。さらに、本開示の実施例では、スクリーンにおける表示画像の表示位置を変更することなく、表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を変更することにより、表示画像の動的な表示を実現し、スクリーンの焼き付き現象の発生を効果的に回避するとともに、画面にジッタや振れなどが発生せず、且つ必要とされるソフトウェア・ハードウェアリソースが低く、高効率、低コストという特徴を有する。
【0064】
図5を参照すると、図5は、本開示の一実施例による表示駆動装置のブロック図を示す。
【0065】
可能な一実施形態では、図5に示すように、前記調整モジュール10は、
各時間間隔に対応する画素調整値を取得するための取得手段110と、
前記画素調整値に基づいて、前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値を調整して、各時間間隔に対応する中間画像を得るための調整手段120とを含んでもよい。
【0066】
一例では、取得手段110は、上記のような乱数生成器、記憶モジュールを含んでもよく、もちろん、各素子又はユニットを制御するために、処理モジュールをさらに含んでもよい。一例では、処理モジュールは、単一のプロセッサ、又はディスクリート部品、又はプロセッサとディスクリート部品との組み合わせを含むが、これらに限らない。前記プロセッサは、電子機器における命令実行機能を持つコントローラを含んでもよく、前記プロセッサは、任意の適切な態様で実現されてもよく、例えば、一つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ又は他の電子デバイスによって実現される。前記プロセッサの内部において、実行可能な命令は、ロジックゲート、スイッチ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、プログラマブルロジックコントローラ及び組込みマイクロコントローラなどのハードウェア回路によって実行されてもよい。
【0067】
一例では、調整手段120は、前記画素調整値を前記表示画像の少なくとも一つの色チャンネルの画素値に対して加減算するために、前記加算手段を含んでもよい。
【0068】
可能な一実施形態では、前記取得手段110は、さらに、
乱数生成器によって乱数を生成して、各時間間隔に対応する画素調整値を得ること、又は
予め設定された調整値の集合から、各時間間隔に対応する画素調整値を取得することに用いられる。
【0069】
可能な一実施形態では、前記した、各時間間隔に対応する画素調整値を取得することは、
乱数生成器によって乱数を生成して、各時間間隔に対応する画素調整値を得ること、又は
予め設定された調整値の集合から、各時間間隔に対応する画素調整値を取得することを含む。
【0070】
可能な一実施形態では、前記した、前記中間画像に応じて前記表示パネルを表示駆動することは、
前記中間画像がRGB画像ではない場合、前記中間画像に対して色空間変換処理を行い、前記中間画像をRGB画像に変換することと、色空間変換処理後の中間画像に応じて駆動信号を発生させ、前記表示パネルを予め設定された時間間隔で動的表示するように駆動することとを含む。
【0071】
可能な一実施形態では、前記装置は、
初期表示画像をRGB色空間から他の色空間に変換して、前記表示画像を得るための変換モジュールをさらに含んでもよい。
【0072】
可能な一実施形態では、前記表示画像の画像フォーマットは、RGB画像、YUV画像、HSV画像、HSL画像及びYCbCr画像のうちのいずれか1つを含む。
【0073】
本開示の実施例では、表示パネルにおける1フレームの画像の表示位置を変更することなく、その画素の表示色又は階調のみを動的に変更するだけで、この表示パネルに静的パターンが長時間表示される際に生じる可能性のあるイメージスティッキングの問題を効果的に解決することができる。
【0074】
本開示の一態様によれば、前記表示駆動装置を含む電子機器を提供する。
【0075】
可能な一実施形態では、前記電子機器は、ディスプレイ、スマートフォン又は携帯機器を含む。
【0076】
可能な一実施形態では、前記ディスプレイは、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、量子ドット発光ダイオードディスプレイ、ミニ発光ダイオードディスプレイ及びマイクロ発光ダイオードディスプレイのうちのいずれか1つを含む。
【0077】
いくつかの実施例では、本開示の実施例による装置が有する機能またはモジュールは、上述した方法の実施例に説明される方法を実行するために用いられることができ、その具体的な実現については、上述した方法の実施例の説明を参照すればよく、簡素化のためにここでは詳細な説明を省略する。
【0078】
電子機器は、端末、サーバ又は他の形態の装置として提供されてもよい。
【0079】
図6を参照すると、図6は、本開示の一実施例による電子機器のブロック図を示す。
【0080】
例えば、電子機器800は、携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージ送受信機器、ゲームコンソール、タブレット機器、医療機器、フィットネス機器、パーソナルデジタルアシスタント等の端末であってもよい。
【0081】
図6を参照すると、電子機器800は、処理モジュール802、メモリ804、電源モジュール806、マルチメディアモジュール808、オーディオモジュール810、入出力(I/O)インターフェース812、センサモジュール814、及び通信モジュール816のうちの1つまたは複数のモジュールを含んでもよい。
【0082】
処理モジュール802は、一般的に電子機器800の全体的な動作、例えば表示、電話の呼び出し、データ通信、カメラ動作、および記録動作に関連する動作を制御する。処理モジュール802は、命令を実行して前記方法の全部または一部のステップを完成させるための1つまたは複数のプロセッサ820を含んでもよい。なお、処理モジュール802は、処理モジュール802と他のモジュールとのインタラクションのために、1つまたは複数のモジュールを含んでもよい。例えば、処理モジュール802は、マルチメディアモジュール808と処理モジュール802とのインタラクションのために、マルチメディアモジュールを含んでもよい。
【0083】
メモリ804は、電子機器800での動作をサポートするために様々なタイプのデータを記憶するように構成される。これらのデータの例としては、電子機器800において動作する任意のアプリケーションプログラムまたは方法の命令、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、ピクチャ、ビデオなどを含む。メモリ804は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、リードオンリーメモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、磁気ディスク、または光ディスクなどの任意のタイプの揮発性または不揮発性の記憶装置、またはそれらの組み合わせによって実現できる。
【0084】
電源モジュール806は、電子機器800の様々なモジュールに電力を供給する。電源モジュール806は、電源管理システム、1つまたは複数の電源、および電子機器800のための電力の発生、管理および分配に関連する他のモジュールを含んでもよい。
【0085】
マルチメディアモジュール808は、前記電子機器800とユーザとの間に出力インターフェースを提供するスクリーンを含む。いくつかの実施例では、スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)およびタッチパネル(TP)を含んでもよい。スクリーンがタッチパネルを含む場合、スクリーンは、ユーザからの入力信号を受けるようにタッチスクリーンとして実現されてもよい。タッチパネルは、タッチ、スライドおよびタッチパネル上のジェスチャーを検知するために、1つまたは複数のタッチセンサを含む。前記タッチセンサは、タッチ又はスライド動作の境界だけではなく、前記タッチ又はスライド動作に関連する継続時間及び圧力を検出するようにしてもよい。いくつかの実施例では、マルチメディアモジュール808は、1つのフロントカメラおよび/またはバックカメラを含む。電子機器800が動作モード、例えば写真モードまたはビデオモードになると、フロントカメラおよび/またはバックカメラは、外部のマルチメディアデータを受信することができる。各フロントカメラおよびバックカメラは、固定された光学レンズ系、または焦点距離および光学ズーム能力を有するものであってもよい。
【0086】
オーディオモジュール810は、オーディオ信号を出力および/または入力するように構成される。例えば、オーディオモジュール810は、電子機器800が動作モード、例えば呼び出しモード、記録モードおよび音声認識モードになると、外部のオーディオ信号を受信するように構成されたマイクロフォン(MIC)を含む。受信されたオーディオ信号は、さらにメモリ804に記憶されるか、または通信モジュール816を介して送信されてもよい。いくつかの実施例では、オーディオモジュール810は、オーディオ信号を出力するためのスピーカをさらに含む。
【0087】
I/Oインターフェース812は、処理モジュール802とキーボード、クリックホイール、ボタンなどの周辺インターフェースモジュールとの間にインターフェースを提供する。これらのボタンは、ホームボタン、音量ボタン、スタートボタン、およびロックボタンを含んでもよいが、これらに限らない。
【0088】
センサモジュール814は、電子機器800に各方面での状態評価を提供するための1つまたは複数のセンサを含む。例えば、センサモジュール814は、電子機器800のオン/オフ状態、電子機器800の例えばディスプレイおよびキーパッドのようなモジュールの相対的位置決めを検出可能である。センサモジュール814は、さらに、電子機器800または電子機器800のあるモジュールの位置変化、ユーザと電子機器800との接触の有無、電子機器800の方位または加減速、および電子機器800の温度変化を検出可能である。センサモジュール814は、いかなる物理的接触なしに近傍の物体の存在を検出するように構成された近接センサを含んでもよい。センサモジュール814は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)又は電荷結合装置(CCD)イメージセンサのような、イメージングの応用において使用されるための光センサをさらに含んでもよい。いくつかの実施例では、当該センサモジュール814は、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、圧力センサ、または温度センサをさらに含んでもよい。
【0089】
通信モジュール816は、電子機器800と他の機器との間の有線または無線通信を実現するように構成される。電子機器800は、例えば無線ネットワーク(WiFi)、第2世代移動通信技術(2G)または第3世代移動通信技術(3G)、またはそれらの組み合わせのような、通信規格に基づく無線ネットワークにアクセス可能である。例示的な一実施例では、通信モジュール816は、放送チャネルを介して外部の放送管理システムからの放送信号又は放送関連情報を受信する。例示的な一実施例では、前記通信モジュール816は、近距離通信を促進させるために近距離無線通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールは、無線周波数識別(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(登録商標)(BT)技術、および他の技術によって実現できる。
【0090】
例示的な実施例では、電子機器800は、前記方法を実行するために、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または他の電子デバイスによって実現できる。
【0091】
例示的な実施例では、さらに、不揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えば電子機器800のプロセッサ820によって実行され上記方法を実行させることができるコンピュータプログラム命令を含むメモリ804を提供する。
【0092】
図7を参照すると、図7は、本開示の一実施例による電子機器のブロック図を示す。
【0093】
例えば、電子機器1900は、サーバとして提供されてもよい。図7を参照すると、電子機器1900は、一つ以上のプロセッサをさらに含む処理モジュール1922、および、処理モジュール1922によって実行可能な命令、例えばアプリケーションプログラムを記憶するための、メモリ1932によって代表されるメモリリソースを含む。メモリ1932に記憶されているアプリケーションプログラムは、それぞれ1つの命令群に対応する一つ以上のモジュールを含んでもよい。また、処理モジュール1922は、命令を実行することによって上記方法を実行するように構成される。
【0094】
電子機器1900はさらに、電子機器1900の電源管理を実行するように構成される電源モジュール1926、電子機器1900をネットワークに接続するように構成される有線または無線ネットワークインターフェース1950、および入出力(I/O)インターフェース1958を含んでもよい。電子機器1900は、メモリ1932に記憶されているオペレーティングシステム、例えばサーバオペレーティングシステム(Windows(登録商標) ServerTM)、グラフィックスユーザインターフェースに基づくオペレーティングシステム(Mac OS XTM)、マルチユーザ・マルチプロセスのコンピュータオペレーティングシステム(Unix(登録商標)TM)、フリーおよびオープンソースコードのUnix系オペレーティングシステム(Linux(登録商標)TM)、オープンソースコードのUnix系オペレーティングシステム(FreeBSDTM)または類似するものに基づいて動作できる。
【0095】
例示的な実施例では、さらに、不揮発性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えば電子機器1900の処理モジュール1922によって実行され上記方法を実行させることができるコンピュータプログラム命令を含むメモリ1932を提供する。
【0096】
本開示は、システム、方法及び/又はコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本開示の各態様を実現させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム命令を有するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を含んでもよい。
【0097】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、命令実行機器に使用される命令を保持および記憶可能な有形装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、電気記憶装置、磁気記憶装置、光記憶装置、電磁記憶装置、半導体記憶装置、または上記の任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限らない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)としては、携帯型コンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、携帯型コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、メモリスティック、フロッピーディスク、例えば命令が記憶されているせん孔カードまたはスロット内突起構造のような機械的符号化装置、および上記の任意の適切な組み合わせを含む。ここで使用されるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、瞬時信号自体、例えば無線電波または他の自由に伝播される電磁波、導波路または他の伝送媒体を介して伝播される電磁波(例えば、光ファイバーケーブルを通過するパルス光)、または電線を介して伝送される電気信号と解釈されるものではない。
【0098】
ここで記述したコンピュータ読み取り可能なプログラム命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体から各計算/処理機器にダウンロードされてもよいし、またはネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク及び/又は無線ネットワークを介して外部のコンピュータまたは外部記憶装置にダウンロードされてもよい。ネットワークは、銅伝送ケーブル、光ファイバー伝送、無線伝送、ルーター、ファイアウォール、交換機、ゲートウェイコンピュータ及び/又はエッジサーバを含んでもよい。各計算/処理機器内のネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ読み取り可能なプログラム命令を受信して転送し、各計算/処理機器内のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶させる。
【0099】
本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラム命令は、アセンブリ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、機械語命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」言語または類似するプログラミング言語などの一般的な手続き型プログラミング言語を含む一つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれたソースコードまたは目標コードであってもよい。コンピュータ読み取り可能なプログラム命令は、完全にユーザのコンピュータにおいて実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータにおいて実行されてもよく、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして実行されてもよく、部分的にユーザのコンピュータにおいてかつ部分的にリモートコンピュータにおいて実行されてもよく、または完全にリモートコンピュータもしくはサーバにおいて実行されてもよい。リモートコンピュータに関わる場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを経由してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または、(例えばインターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを経由して)外部コンピュータに接続されてもよい。いくつかの実施例では、コンピュータ読み取り可能なプログラム命令の状態情報を利用して、例えばプログラマブル論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプログラマブル論理アレイ(PLA)などの電子回路をパーソナライズし、該電子回路によりコンピュータ読み取り可能なプログラム命令を実行することにより、本開示の各態様を実現するようにしてもよい。
【0100】
ここで、本開示の実施例による方法、装置(システム)およびコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照しながら本開示の各態様を説明した。フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック及びフローチャート及び/又はブロック図の各ブロックの組み合わせは、いずれもコンピュータ読み取り可能なプログラム命令によって実現できることを理解すべきである。
【0101】
これらのコンピュータ読み取り可能なプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサへ提供され、これらの命令がコンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作を実現するように、装置を製造してもよい。これらのコンピュータ読み取り可能なプログラム命令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶され、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置及び/又は他の機器を特定の方式で動作させるようにしてもよい。これにより、命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、フローチャート及び/又はブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作の各態様を実現する命令を有する製品を含む。
【0102】
コンピュータ読み取り可能なプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の機器にロードされ、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置または他の機器に一連の動作ステップを実行させることにより、コンピュータにより実現可能なプロセスを生成するようにしてもよい。このようにして、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の機器において実行される命令により、フローチャート及び/又はブロック図の一つ以上のブロックにおいて指定された機能/動作を実現する。
【0103】
図面のうちフローチャートおよびブロック図は、本開示の複数の実施例によるシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能および動作を示す。この点では、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、一つのモジュール、プログラムセグメントまたは命令の一部分を代表することができ、前記モジュール、プログラムセグメントまたは命令の一部分は、指定された論理機能を実現するための一つ以上の実行可能命令を含む。いくつかの代替としての実施形態では、ブロックに表記される機能は、図面に付したものと異なる順序で実現されてもよい。例えば、二つの連続したブロックは、実質的に並行して実行されてもよく、また、係る機能によって、逆の順序で実行されてもよい。なお、ブロック図及び/又はフローチャートにおける各ブロック、およびブロック図及び/又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、指定される機能または動作を実行するハードウェアに基づく専用システムによって実現されてもよいし、または専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせによって実現されてもよいことにも注意すべきである。
【0104】
このコンピュータプログラムは、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせによって具体的に実現されてもよい。選択可能な一実施例では、前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータ記憶媒体として具体化され、別の選択可能な一実施例では、コンピュータプログラム製品は、ソフトウェア開発キット(Software Development Kit、SDK)などのソフトウェア製品として具体化される。
【0105】
以上に本開示の各実施例を記述したが、上記説明は、例示的なものに過ぎず、網羅的なものではなく、かつ披露された各実施例に限定されるものでもない。当業者にとって、説明された各実施例の範囲および精神から逸脱することなく、様々な修正および変更は自明である。本明細書に選ばれた用語は、各実施例の原理、実際の応用、または市場における技術の改善を好適に解釈するか、または他の当業者に本文に披露された各実施例を理解させるためのものである。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】