(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】ニアアイディスプレイデバイスによる向上された表示のための共有メモリ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20240528BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240528BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20240528BHJP
G06T 11/20 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G06F3/0481
G09G5/00 510A
G09G5/00 555D
G09G5/38 100
G06T11/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023569926
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 EP2022060954
(87)【国際公開番号】W WO2022238102
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519215762
【氏名又は名称】マイクロオーエルイーディー
【氏名又は名称原語表記】MICROOLED
【住所又は居所原語表記】7 Parvis Louis Neel BP 50 BHT Batiment 52 Grenoble Cedex 09 France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・キュビゾル
(72)【発明者】
【氏名】マチュー・ウィンディク
(72)【発明者】
【氏名】グザヴィエ・ボンジュール
【テーマコード(参考)】
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5C182AA02
5C182AA31
5C182AB08
5C182AB21
5C182AB31
5C182AB33
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA25
5C182BA29
5C182BA45
5C182BA46
5C182BA47
5C182BA57
5C182BA66
5C182BC03
5C182BC11
5C182BC22
5C182BC25
5C182BC29
5C182CA21
5C182CB32
5C182CB42
5C182CB44
5C182DA05
5C182DA66
5C182FA14
5E555AA02
5E555AA79
5E555BA04
5E555BA69
5E555BB04
5E555CB34
5E555DB13
5E555DB19
5E555FA00
(57)【要約】
本発明は、コンピューティングデバイスを開示し、コンピューティングデバイスは、ニアアイディスプレイデバイスとの接続を確立するように構成された通信エンドポイントと、少なくとも1つの処理ロジックであって、表示リソースを前記ニアアイディスプレイデバイスに送ることと、前記リソースを保存するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送ることと、眼鏡の装着者に前記リソースの表示が必要である場合は常に、前記リソースを表示するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送ることとを実施するように構成された、処理ロジックとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- ニアアイディスプレイデバイス(120)との接続を確立するように構成された通信エンドポイント(111)と、
- 少なくとも1つの処理ロジック(112)であって、
- 少なくとも1つのレイアウトパラメータを有する表示リソースを、前記ニアアイディスプレイデバイスに送ることと、
- 前記リソースを保存するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送ることと、
- 前記少なくとも1つのレイアウトパラメータの少なくとも1つの値を変更するためのコマンドを送ることと、
- 前記ニアアイディスプレイデバイスの装着者に前記リソースの表示が必要な場合は常に、前記少なくとも1つのレイアウトパラメータの前記少なくとも1つの値に従って、前記リソースを表示するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送ることと
を実施するように構成された、少なくとも1つの処理ロジック(112)と
を備える、コンピューティングデバイス(110)。
【請求項2】
前記通信エンドポイントは、Bluetooth低エネルギー(BLE)通信エンドポイントである、請求項1に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項3】
前記ニアアイディスプレイデバイスは、BLEサーバである、請求項2に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項4】
前記コンピューティングデバイスにインストールされた同じアプリケーションまたはプログラムに属する表示リソースは、同じ構成で前記ニアアイディスプレイデバイスに記憶され、前記構成は、前記ニアアイディスプレイデバイスの記憶媒体における定義されたフォルダに対応する、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つの処理ロジックは、
- 前記ニアアイディスプレイデバイスにおける構成のリストを取得することと、
- 前記リストにある前記構成の1つを、アクティブな構成として設定することと、
- 構成のコンテンツを読み取ることと、
- 構成の前記コンテンツを書き込むことと、
- 構成を作成することと、
- 構成を削除することと
のうちの1つまたは複数のものを実施するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送るように構成される、請求項4に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの処理ロジックは、構成を作成する、または表示リソースを保存する前に、
- 空きスペースの量を取得することと、
- 前記空きスペースが、前記構成を作成するために、または前記表示リソースを保存するために十分ではない場合、他の構成を削除することと
を実施するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送るように構成される、請求項4または5のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項7】
前記他の構成は、長時間にわたりアクティブな構成として設定されている構成である、請求項6に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項8】
前記他の構成は、アクティブな構成として設定された頻度が最も少ない構成である、請求項6に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項9】
- コンピューティングデバイス(110)と接続を確立するように構成された通信エンドポイント(121)と、
- 1つまたは複数の表示リソースを表示するように構成された表示手段と、
- 記憶媒体(122)と、
- 少なくとも1つの処理ロジック(123)であって、
- 少なくとも1つのレイアウトパラメータを有する表示リソース、および前記リソースを保存するためのコマンドを、前記コンピューティングデバイスから受け取ると、前記表示リソースを前記記憶媒体に保存することと、
- 前記少なくとも1つのレイアウトパラメータの少なくとも1つの値を変更するためのコマンドを受け取ると、前記少なくとも1つのレイアウトパラメータの前記1つの値を変更することと、
- 前記リソースを表示するためのコマンドを前記コンピューティングデバイスから受け取ると、前記リソースを前記記憶媒体から取得して、前記少なくとも1つのレイアウトパラメータの前記少なくとも1つの値に従って、前記リソースを表示することと
を実施するように構成される、少なくとも1つの処理ロジック(123)と
を備える、ニアアイディスプレイデバイス(120)。
【請求項10】
- 請求項1から8のいずれか一項に記載のコンピューティングデバイスと、
- 請求項9に記載のニアアイディスプレイデバイスと
を備える、コンピューティングシステム(100)。
【請求項11】
コンピューティングデバイス(110)により、
- 少なくとも1つのレイアウトパラメータを有する表示リソースを、ニアアイディスプレイデバイス(120)に送るステップ(410)と、
- 前記リソースを保存するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送るステップ(420)と、
- 前記少なくとも1つのレイアウトパラメータの少なくとも1つの値を変更するためのコマンドを送るステップと、
- 前記ニアアイディスプレイデバイスの装着者に前記リソースを表示することが必要な場合は常に、前記少なくとも1つのレイアウトパラメータの前記少なくとも1つの値に従って、前記リソースを表示するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送るステップ(430)と
を含む、コンピュータで実施される方法(400)。
【請求項12】
請求項8に記載のニアアイディスプレイデバイス(120)により、
- 少なくとも1つのレイアウトパラメータを有する表示リソース、および前記リソースを保存するためのコマンドを前記コンピューティングデバイスから受け取ると、前記表示リソースを記憶媒体に保存するステップ(510)と、
- 前記少なくとも1つのレイアウトパラメータの少なくとも1つの値を変更するためのコマンドを受け取ると、前記少なくとも1つのレイアウトパラメータの前記1つの値を変更するステップと、
- 前記リソースを表示するためのコマンドを前記コンピューティングデバイスから受け取ると、前記リソースを前記記憶媒体から取得し(520)、前記少なくとも1つのレイアウトパラメータの前記少なくとも1つの値に従って、前記リソースを表示するステップ(530)と
を含む、コンピュータで実施される方法(500)。
【請求項13】
請求項11または12のいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータコード命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、請求項11または12のいずれか一項に記載の方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニアアイディスプレイデバイスの分野に関する。より具体的には、ニアアイディスプレイデバイスにおける表示リソースの管理を最適化する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートグラスは、ユーザにシーンを見せることに加えて、例えば、OLED(有機発光ダイオード)ディスプレイを用いるなど、情報をシーンに重畳させてユーザに提供する眼鏡である。スマートグラスは、したがって、装着者が戸外のシーンを見るのと同じゾーンにおいて、表示が眼鏡上で行われた場合に、「透過的に見る」のに適することができる。その反対に、眼鏡が透過的ではない特定のゾーンで、表示を行うこともできる。スマートグラスは、スポーツなどの身体活動に対して、またはより一般的に、戸外の使用に対して特に有用である。実際に、スマートグラスは、眼鏡の装着者に、その人の活動に関する生の情報を提供することができる。例えば、ランナーは、自分の走る速度、走った経過時間、横断してきた距離に関する即時の情報から利益を受けることができる。
【0003】
スマートグラスを設計する従来の手法は、表示を生成するためのすべてのセンサおよびコンピューティング手段を有する眼鏡を備えることにある。したがって、このようなスマートグラスは、CPU、大きなメモリ記憶装置、通信機能、およびユーザの活動をモニタするためのセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、GPSなど)などの構成要素を備える。このようなスマートグラスは、したがって、コンピュータとして動作し、ユーザに、ユーザが必要とする任意の情報を送達するようにプログラムすることができる。しかし、これらの構成要素の存在は、眼鏡を大きく、重いものにし、したがって使用するのを不快にする。
【0004】
これらの欠点を軽減するために、1つの選択肢は、「スマート」グラスとは反対に、「接続された(connected)」グラスを用いることにある。「接続された」グラスはまた、例えば、OLEDディスプレイを用いるなど、ユーザに、情報を重畳させて提供できるようにする眼鏡である。「スマートグラス」とは反対に、「接続された」グラスは、表示を制御するための最小のコンピューティングおよび記憶機能を備えており、コンピューティングデバイス(例えば、スマートフォンなど)に接続され、そこから、表示のコンテンツを定義するための命令を受け取る。したがって、センサとの対話、ユーザデータの計算、表示のレイアウトの定義などのすべての複雑な動作は、コンピューティングデバイスにより実施される。接続されたグラスは、基本的なグラフィカルな命令を受け取り、それに従って、表示を生成する。したがって、接続されたグラスは、最小のコンピューティングおよび記憶機能を必要とし、使用するには、より軽量であり、便利である。コンピューティングデバイスと、接続されたグラスの間の接続は、Bluetooth、またはBluetooth低エネルギー(BLE)接続などのローカルな無線接続とすることができる。このような接続は、2つの近接するデバイスとの直接リンクを確立するには非常によく適しているが、デバイスとの通信に対しては、限られた帯域幅を提供する。
【0005】
コンピューティングデバイスにより、接続されたグラスに送られるコマンドのいくつかは、引数として、画像などの表示リソースを使用することができる。コンピューティングデバイスおよび接続されたグラスとの対話を管理するための1つの従来の手法は、例えば、表示命令を送るとき、またはアプリケーションの開始時など、必要なときに、コンピューティングデバイスに、表示リソースを送らせることにある。
【0006】
しかし、これは、大幅な待ち時間を生ずる可能性があり、それは、接続されたグラスによってコマンドが実行され得る前に、リソース全体(例えば、画像全体)が転送される必要があるためである。これは、BluetoothまたはBLEなど、低い帯域幅接続が使用される場合、特にそうである。このような待ち時間は、ユーザ体験に対して好ましくない。
【0007】
より一般的に、同じ問題が、任意の種類のニアアイディスプレイデバイス(NED)における表示リソースの表示に対しても生ずる。実際に、各ニアアイディスプレイデバイスが、コンピューティングリソース、メモリリソース、およびユーザ体験される待ち時間を、同時に制限することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、最小のコンピューティングリソースおよび記憶リソースを備える接続されたニアアイディスプレイデバイスが、制限された待ち時間でリソースを表示できるようにする、ニアアイディスプレイデバイスに対する表示リソースの最適化された管理が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このために、本発明は、コンピューティングデバイスを開示し、それは、ニアアイディスプレイデバイスとの接続を確立するように構成された通信エンドポイントと、少なくとも1つの処理ロジックであって、表示リソースを前記ニアアイディスプレイデバイスに送ることと、前記リソースを前記ニアアイディスプレイデバイスに保存するためのコマンドを送ることと、ニアアイディスプレイデバイスの装着者に前記リソースの表示が必要な場合は常に、前記リソースを表示するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送ることとを実施するように構成される少なくとも1つの処理ロジックとを備える。
【0010】
有利には、前記通信エンドポイントは、Bluetooth低エネルギー(BLE)通信エンドポイントである。
【0011】
有利には、ニアアイディスプレイデバイスは、BLEサーバである。
【0012】
有利には、コンピューティングデバイスにインストールされた同じアプリケーションまたはプログラムに属するリソースは、同じ構成でニアアイディスプレイデバイスに記憶され、前記構成は、ニアアイディスプレイデバイスの記憶媒体における定義されたフォルダに対応する。
【0013】
有利には、少なくとも1つの処理ロジックは、前記ニアアイディスプレイデバイスにおける構成のリストを取得することと、前記リストにある構成の1つを、アクティブな構成として設定することと、構成のコンテンツを読み取ることと、構成のコンテンツを書き込むことと、構成を作成することと、構成を削除することとのうちの1つまたは複数のものを実施するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送るように構成される。
【0014】
有利には、少なくとも1つの処理ロジックは、構成を作成する、または表示リソースを保存する前に、空きスペースの量を取得することと、前記空きスペースが、構成を作成するために、または表示リソースを保存するために十分ではない場合、他の構成を削除することとを実施するためのコマンドをニアアイディスプレイデバイスに送るように構成される。
【0015】
有利には、他の構成は、長い時間にわたりアクティブな構成として設定されている構成である。
【0016】
有利には、他の構成は、アクティブな構成として設定された頻度が最も少ない構成である。
【0017】
本発明はまた、ニアアイディスプレイデバイスを開示し、それは、コンピューティングデバイスと接続を確立するように構成された通信エンドポイントと、1つまたは複数の表示リソースを表示するように構成された表示手段と、記憶媒体と、少なくとも1つの処理ロジックであって、表示リソースおよび前記リソースを保存するためのコマンドを、前記コンピューティングデバイスから受け取ると、前記表示リソースを前記記憶媒体に保存することと、前記リソースを表示するためのコマンドを前記コンピューティングデバイスから受け取ると、前記記憶媒体から前記リソースを取得して、前記リソースを表示することとを実施するように構成される、少なくとも1つの処理ロジックとを備える。
【0018】
本発明はまた、コンピューティングシステムを開示し、それは、本発明の実施形態の1つによるコンピューティングデバイスと、本発明の実施形態の1つによるニアアイディスプレイデバイスとを備える。
【0019】
本発明はまた、コンピュータで実施される方法を開示し、方法は、コンピューティングデバイスにより、表示リソースをニアアイディスプレイデバイスに送るステップと、前記リソースを保存するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送るステップと、ニアアイディスプレイデバイスの装着者に前記リソースを表示することが必要な場合は常に、前記リソースを表示するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送るステップとを含む。
【0020】
本発明はまた、コンピュータで実施される方法を開示し、方法は、本発明の実施形態の1つによるニアアイディスプレイデバイスにより、表示リソース、および前記リソースを保存するためのコマンドを前記コンピューティングデバイスから受け取ると、前記表示リソースを記憶媒体に保存するステップと、前記リソースを表示するためのコマンドを前記コンピューティングデバイスから受け取ると、前記記憶媒体から前記リソースを取得し、前記リソースを表示するステップとを含む方法。
【0021】
本発明はまた、本発明の実施形態の1つによる方法を実行するためのコンピュータコード命令を含む、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されるコンピュータプログラム製品を開示する。
【0022】
本発明はまた、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、本発明の実施形態の1つによる方法を実行させる命令を含む、コンピュータ可読記憶媒体を開示する。
【0023】
例示目的だけで提供されるいくつかの例示的な実施形態の以下の記述、およびその添付された図から、本発明はよく理解され、かつその様々な特徴および利点が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明が実施され得る、コンピューティングデバイスに接続されたニアアイディスプレイデバイスを備えるコンピューティングシステムを示す図である。
【
図2】本発明のいくつかの実施形態におけるニアアイディスプレイデバイスに対する事前に定義されたレイアウトに基づく表示の3つの例を示す図である。
【
図3】本発明のいくつかの実施形態におけるニアアイディスプレイデバイスに記憶された表示リソースの組織の例を示す図である。
【
図4】本発明のいくつかの実施形態におけるコンピューティングデバイスにより実行可能なコンピュータで実施される方法の例を示す図である。
【
図5】本発明のいくつかの実施形態におけるニアアイディスプレイデバイスにより実行可能なコンピュータで実施される方法の例を示す図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態における表示構成の削除の例を示す図である。
【
図7】本発明のいくつかの実施形態における構成の作成の例を示す図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態における、構成の選択、および構成のレイアウトの表示の例を示す図である。
【
図9】本発明のいくつかの実施形態における、構成の選択に失敗した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明が実施され得るコンピューティングデバイスに接続されるニアアイディスプレイデバイスを備えるコンピューティングシステムを示す。
【0026】
システム100は、コンピューティングデバイス110、およびニアアイディスプレイデバイス(NED)120を備える。
【0027】
ニアアイディスプレイデバイスは、ユーザの目の近傍に取り付けられ、かつユーザの目に対して、画像などの表示リソースを表示できるようにする光学システムを備えるデバイスを指す。
【0028】
図1の例では、ニアアイディスプレイデバイスは、接続された1つの眼鏡である。しかし、本発明はこの例に限定されず、本発明の様々な実施形態によれば、NED120は、
- 双眼鏡
- 照準器
- ヘッドアップディスプレイ
- ヘッドマウントディスプレイ
- 仮想現実(VR)プラットフォーム
- 暗視システム
- 熱画像システム
- テレメータ
- ファインダを有するカメラ
- その他
などの任意の種類のニアアイディスプレイデバイスとすることもできる。
【0029】
システム100の一般的な目的の1つは、この例では、1つの眼鏡120である、NEDの表示を制御するためにコンピューティングデバイスを使用することである。コンピューティングデバイス110は、例えば、ユーザに表示するために、いくつかの要素を計算し、これらの要素を、1つの眼鏡120により、眼鏡を介するシーンの画面に重畳させて表示させることができる。例えば、眼鏡の装着者が走っているとき、コンピューティングデバイス110は、ユーザの走っている速度を計算することができ、眼鏡に命令を送って、眼鏡を介してユーザに情報を提供する。
【0030】
このような表示は、画像またはレイアウトなどの表示リソースに基づくことができる。本発明の目的の1つは、表示リソースの管理を最適化することである。
【0031】
コンピューティングデバイス110は、コンピューティングおよび通信機能を備える任意のコンピューティングデバイスとすることができる。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス110は、スマートフォン、タブレット、またはスマートウォッチなど、眼鏡120の装着者により装着され得るデバイスである。したがって、デバイス110は、ユーザの戸外活動中に、眼鏡120の表示を制御するために、例えば、有線またはBluetooth接続を介して、眼鏡に直接接続することができる。
【0033】
眼鏡120は、コンピューティング、記憶、通信、および表示機能を備える任意の数の眼鏡とすることができ、それは、データを、眼鏡の装着者に、眼鏡を介して装着者により見られるシーンに重畳させて表示することができる。
【0034】
コンピューティングデバイス110は、1つの眼鏡120と接続を確立するように構成された通信エンドポイント111を備え、1つの眼鏡120は、第1のコンピューティングデバイス110と接続を確立するように構成された通信エンドポイント121を備える。
【0035】
通信エンドポイント111および121は、例えば、コンピューティングデバイス110と1つの眼鏡120の間で直接接続を形成することができる。この接続は、有線接続、またはBluetooth接続などの無線接続のいずれかとすることができる。このような接続は、コンピューティングデバイス110、および1つの眼鏡120が、互いに直接通信できるようにする利点を提供する。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス110と、1つの眼鏡120の間の接続は、BLE(Bluetooth低エネルギー)接続である。通信エンドポイント111および121は、したがって、BLE通信エンドポイントである。
【0037】
BLEを使用することは、低いエネルギー消費量で、デバイス110と1つの眼鏡120の間でデータを送ることを可能にする。こうすることは、コンピューティングデバイス110と1つの眼鏡120の両方の電池の使用量を制限することができる。これはさらに、特に1つの眼鏡120に対して関連があり、こうすることは、1つの眼鏡120が、小型の電池サイズを有する場合であっても、十分な自律性からの利益が得られるように寄与するからである。したがって、眼鏡の重さおよびサイズが低減され得る。
【0038】
BLEが使用される実施形態では、1つの眼鏡120は、コンピューティングデバイス110が接続されるBLEサーバとすることができる。したがって、1つの眼鏡120は、使用され得るコマンド、およびパケットを受け取る速度を定義する専用のGATT(汎用属性)プロファイルを宣言することができる。眼鏡は、さらにエネルギーを節約するために、連続するパケットの受け取り中に、エネルギー節約/低消費量モードにそれ自体を設定することができる。
【0039】
コンピューティングデバイス110は、少なくとも1つの処理ロジック112をさらに備える。本発明の様々な実施形態によれば、処理ロジックは、ソフトウェア命令に従って動作するプロセッサ、プロセッサのハードウェア構成、またはそれらの組合せとすることができる。本明細書で論じられる機能のいずれか、またはすべては、純粋にハードウェア実装で、かつ/またはソフトウェア命令に従って動作するプロセッサにより実施できることを理解されたい。いずれかの、またはすべてのソフトウェア命令、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶され得ることも理解されたい。簡単化のために、本開示の残りにおいて、1つまたは複数の処理ロジックは、「処理ロジック」と呼ばれることになる。しかし、本発明の動作はまた、単一の処理ロジックで、または例えば、複数のプロセッサなど、複数の処理ロジックで実施され得ることに留意されたい。
【0040】
少なくとも1つの処理ロジック112は、本発明のいくつかの実施形態において、これが複数の処理ロジックを示す場合であっても、本開示の過程において、簡単化のために、「処理ロジック」と記すことができる。
【0041】
1つの眼鏡は、1つまたは複数の表示リソースを、眼鏡(透過型の)に重畳させて表示するように構成された表示手段を備える。これは、眼鏡の装着者に、ヘッドアップディスプレイのように、自分の頭を移動させる必要なく、自分が見ているシーンの上部に情報を提供できるようにする。1つの眼鏡は、したがって、透過型の光学システムを形成する。表示手段は、例えば、OLEDディスプレイとすることができる。
【0042】
より一般的に、本発明のニアアイディスプレイデバイスは、装着者がNEDを通して見る(これは、眼鏡または照準器などの透過デバイスの場合である)ものに対して重畳させて、または不透明な表示であるNEDから直接(これは、例えば、VRヘルメットの場合である)、表示リソースを表示するように構成され得る表示手段を備える。
【0043】
1つの眼鏡は、記憶媒体122をさらに備える。記憶媒体122は、データの記憶および取出しを可能にするRAMまたはフラッシュメモリなどの任意の種類のメモリとすることができる。1つの眼鏡120は、眼鏡の重さおよびサイズを制限するために、制限されたメモリサイズを用いて設計され得る。
【0044】
1つの眼鏡120は、少なくとも1つの処理ロジック123をさらに備える。眼鏡の重さおよびサイズを制限するために、少なくとも1つの処理ロジック123は、マイクロコントローラまたは低電力プロセッサなどの軽量の処理ロジックとすることができる。例えば、ARM M0プロセッサを使用することができる。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態では、1つの眼鏡は、周辺光またはジェスチャセンサなど、センサをさらに備える。センサの読取りは、1つの眼鏡120により直接使用される、またはさらなる用途のために、コンピューティングデバイス110に送ることができる。
【0046】
処理ロジック112は、
- 表示リソースを1つの眼鏡120に送る、
- 前記リソースを保存するように、1つの眼鏡120にコマンドを送る、
- 眼鏡の装着者に前記リソースの表示が必要である場合は常に、前記リソースを表示するためのコマンドを1つの眼鏡120に送る
ように構成される。
【0047】
反対に、処理ロジック123は、
- コンピューティングデバイス110から、表示リソース、および前記リソースを保存するためのコマンドを受け取ると、前記表示リソースを記憶媒体122に保存する、
- コンピューティングデバイス110から、前記リソースを表示するためのコマンドを受け取ると、前記リソースを、記憶媒体122から取得し、前記リソースを表示する
ように構成される。
【0048】
別の言い方をすると、画像またはレイアウトなどのリソースが使用される必要がある場合、それは、コンピューティングデバイス110により、一回、1つの眼鏡120に送られ、1つの眼鏡120の記憶媒体122に記憶される。1つの眼鏡120によってすでに記憶されているリソースが使用される必要がある毎に、コンピューティングデバイス110は、リソースが表示のために使用され得るように、リソースを表示するためのコマンド(またはリソースを参照するためのコマンド)だけを送る必要がある。
【0049】
したがって、リソースは、一回送信される必要があり、また、実際に使用される必要がある前に、送信することができる。例えば、リソースは、そのリソースを使用するアプリケーションがコンピューティングデバイス110にインストールされたとき、送信され、かつ記憶することができる。したがって、ユーザが、そのアプリケーションを使用したいと望むとき、リソースは、使用するためにすでに1つの眼鏡120に記憶されている。
【0050】
眼鏡の使用中に、リソースを表示するように指令される表示リソースは、非常に重いことが多いので、制限された量の情報だけが交換される必要がある。したがって、限られた待ち時間であっても、表示を、眼鏡で行うことができる。したがって、BLEなどの低い帯域幅接続を使用することができ、それにより、低いエネルギー消費量が可能になり、また眼鏡120に軽量の電池を備えるようになる。
【0051】
システム100はまた、眼鏡120上の表示を、コンピューティングデバイス110により定義され得るようにする。したがって、処理ロジック123のコンピューティング容量は、制限することができる。
【0052】
したがって、眼鏡120の装着者は、眼鏡のコンピューティング、通信、および記憶容量が、眼鏡のサイズおよび重さを低減するために、制限される場合であっても、表示に対する待ち時間を経験することなく、表示リソースを用いる表示を提供することができる。
【0053】
上記で説明されたように、
図1は、非限定的な例により提供されるだけであり、また本発明によるシステムは、1つの眼鏡に限定されることはないが、任意の種類のニアアイディスプレイデバイスを備えることもできる。実際に、NEDのユーザに対して、表示の待ち時間を制限しながら、双眼鏡、照準器などの他のニアアイディスプレイデバイスのサイズおよび重さを制限することもまた望ましい。
図1で論じられた実施形態のすべては、それぞれ、任意のニアアイディスプレイデバイスに適用することができる。ニアアイディスプレイデバイスは、透過型ディスプレイ、ならびに不透明なディスプレイとすることができる。
【0054】
図2は、本発明のいくつかの実施形態における、ニアアイディスプレイに対する事前に定義されたレイアウトに基づく表示の3つの例を示す。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス110は、表示コマンドを1つの眼鏡120に送ることができる。
【0056】
コマンドの例は、以下に列挙される。以下の例では、コンピューティングデバイス110とニアアイディスプレイ120の間の接続は、BLE接続であり、またコンピューティングデバイス110およびニアアイディスプレイ120は、GATT(汎用属性プロファイル)プロトコルを介して通信し、ここにおいて、ニアアイディスプレイ120は、GATTサーバであり、コンピューティングデバイスは、GATTクライアントである。以下に列挙されるコマンドは、したがって、GATTフォーマットを用いて表現される。しかし、これらのものは、非限定的な例によって提供されるだけであり、本発明は、これらのコマンドタイプに限定されない。
【0057】
コマンドの規定において、パラメータxおよびyは、それぞれ、NED表示の左上のコーナから、ピクセルの数で水平距離および垂直距離を定義する。
【0058】
以下のコマンドは、点、円、または線などの簡単な形状および要素を描画させるためのコマンドの例を提供する。
【0059】
【0060】
本発明のいくつかの実施形態では、輝度が、0から16の範囲の値を使用する16レベルのグレースケールを用いて表現される。
【0061】
以下のコマンドは、画像を保存し、表示するためのコマンドの例を提供する。
【0062】
【0063】
これらのコマンドの大部分は、コンピューティングデバイスからニアアイディスプレイへの情報の転送を(例えば、画像データを保存するために、または画像を表示させるために送ることを)示唆しているが、コマンドimgListは、ニアアイディスプレイに、メモリにある画像のリストをコンピューティングデバイス110に戻させる、そのコマンドを介して、引換えに、以下のように送られる、
【0064】
【0065】
以下のコマンドは、コンピューティングデバイス110により、ニアアイディスプレイ120に送ることができ、表示に使用され得るフォントを制御する。
【0066】
【0067】
fontListコマンドを受け取ると、ニアアイディスプレイ120は、フォントのリストをコンピューティングデバイス110に返す。
【0068】
【0069】
事前に定義されたゲージはまた、コマンドを介して使用することができる。
【0070】
【0071】
ニアアイディスプレイデバイスは、gaugeListおよびgaugeGetコマンドのそれぞれに応じて、以下のコマンドを返すことができる。
【0072】
【0073】
本発明のいくつかの実施形態では、コマンドはまた、レイアウトを管理するためのコマンドを含み、それは、情報を定義された順序に配置できる事前定義のグラフィカルな要素である。例えば、レイアウトは、グラフィカルな形状と数値の組合せとすることができる。レイアウトは、表示の定義を容易にするが、それは、ユーザが、レイアウトを形成するグラフィカルな要素の組合せを再定義するのではなく、そのパラメータを用いてレイアウトを表示するための命令を直接提供することができるからである。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態では、以下のコマンドは、コンピューティングデバイス110からニアアイディスプレイ120に送られて、レイアウトを管理し、使用することができる。
【0075】
【0076】
コマンドlayoutListおよびlayoutGetを受け取ると、ニアアイディスプレイ120は、保存されたレイアウトのリスト、およびレイアウトの定義をそれぞれ、コンピューティングデバイス110に返すことができる。
【0077】
【0078】
本発明のいくつかの実施形態では、レイアウトは、以下で説明されるように定義することができる。
【0079】
レイアウトは、17から128バイトで符号化される。第1のパラメータは、クリッピング領域(レイアウトが定義される表示上の長方形)であり、クリッピング領域は、上側の上部コーナの座標、および領域のサイズ(幅、高さ)により定義される。パラメータはまた、グラフィカルな対象物の前景色および背景色を含む。レイアウトの引数がテキストを用いて表示された場合、そのフォント、色、回転、不透明度、および位置が定義される。次いで、表示されるさらなるグラフィカルなコマンドを定義することが可能である。レイアウトデータは次のように定義することができる、すなわち、
【0080】
【0081】
さらなるグラフィカルなコマンドが必要とされる場合、これらのコマンドのバイトに関するサイズを、サイズパラメータに記憶することができる。さらなるコマンドの例が、コマンドパラメータを伴って、以下のように特定される。要素の位置は、レイアウトクリッピング領域(X0、Y0)から、すべて参照される。
【0082】
【0083】
layoutPositionコマンドは、レイアウトのすべての要素をシフトする効果を提供する。
【0084】
layoutDisplayコマンドは、レイアウトパラメータを用いて、前に定義された位置に、レイアウトを表示させる。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイは、例えば、以下で列挙されたレイアウトなど、事前に定義されたレイアウトを有する、すなわち、
【0086】
【0087】
表示210、220、および230は、事前定義のレイアウトから形成される。
【0088】
例えば、表示210は、以下のものから形成される、すなわち、
- レイアウト「時刻」211、1日の時間を示す、
- レイアウト「時間」212、活動の開始以来の経過時間を示す、
- レイアウト「速度」213、ユーザの瞬間的な速度を示す、
- レイアウト「平均速度」214、活動の開始以来の平均速度を示す。
【0089】
例えば、表示220は、以下のものから形成される、すなわち、
- レイアウト「時刻」221、1日の時間を示す、
- レイアウト「時間」222、活動の開始以来の経過時間を示す、
- レイアウト「距離」223、活動の開始以来の距離を示す、
- レイアウト「上昇高さ」224、活動の開始以来、ユーザが登った累積の上昇高さを示す。
【0090】
例えば、表示230は、以下のものから形成される、すなわち、
- レイアウト「時刻」231、1日の時間を示す、
- レイアウト「時間」232、活動の開始以来の経過時間を示す、
- レイアウト「心拍数」233、ユーザの瞬間的な心拍数を示す、
- レイアウト「歩調」234、ユーザの現在の速度で、1kmを歩くのに必要な分数を示す。
【0091】
レイアウトを表示するために、レイアウトおよびその位置が定義された後、レイアウトのパラメータと共にコマンド「layoutDisplay」を送ることで十分である。例えば、レイアウト233によりユーザの心拍数を表示するために、コンピューティングデバイス110は、心拍数をモニタする必要があり、次いで、パラメータとして心拍数と共に「layoutDisplay」コマンドを送る。
【0092】
上記で示されたように、いくつかの実施形態では、以下の種類のコマンドが使用される、すなわち、
- 画像を保存するための「imgSave」コマンド、または前に保存された画像を表示するための「layoutSave」コマンドなど、表示リソースを保存するためのコマンド、
- 画像を表示するための「imgDisplay」コマンド、または前に保存されたレイアウトを表示するための「layoutDisplay」コマンドなど、前に保存されたリソースを表示するためのコマンド
である。
【0093】
これらのコマンドは、1回そのリソースを保存し、次いで、それらを再送信することなく用いることができる。したがって、それらは、最小の待ち時間でリソースを用いることを可能にする。
【0094】
加えて、「layoutList」、または「imgList」などのコマンドは、表示リソースのリストを返して、コンピューティングデバイス110が、それを使用するのに利用可能なリソースは何かを決定することができる、または必要に応じて、失ったリソースを追加できるようにする。
【0095】
図3は、本発明のいくつかの実施形態において、ニアアイディスプレイデバイスに記憶された表示リソースの編成の例を表す。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態では、リソースを、記憶媒体122の「構成」に記憶することができる。構成は、特定の用途またはコンテキストに対する1組の表示リソースとして見ることができる。例えば、構成は、アプリケーション、ユーザ、またはコンピューティングデバイスにより要求されるすべての表示リソースを含むことができる。
【0097】
記憶媒体は、例えば、ファイルシステムにおいて、構成を記憶するための特定のスペースを備えることができ、ここにおいて、各構成は、フォルダに関連付けられた名前を有する。例えば、
図3の例では、3つの構成が見られる、すなわち、
- 構成「config a」310
- 構成「config b」311
- 構成「config c」312
である。
【0098】
実務的には、コンピューティングデバイス110にインストールされる各アプリケーションまたはプログラムは、それ自体の構成を作成することができる。次いで、このアプリケーションまたはプログラムに属するすべての表示リソースは、その構成に、またこのアプリケーションもしくはプログラムの対応するフォルダに記憶される。
【0099】
したがって、各アプリケーションまたはプログラムは、それ自体の表示リソースを管理することができる。アプリケーションがリソースを使用したい場合、それは、その構成がニアアイディスプレイデバイスに存在するかどうかを検証することができ、そうである場合、望ましいリソースがすでに存在するかどうかを検証することができる。そうではない場合、アプリケーションは、構成またはリソースを作成/保存することができる。
【0100】
したがって、これは、各アプリケーションまたはプログラムによるリソースの管理を向上させて、別のものによるアプリケーションまたはプログラムのリソースの削除を回避する。
【0101】
本発明のいくつかの実施形態では、構成は、未認可のユーザ/アプリケーションによる何らかのアクセスまたは変更を阻止するために、パスワードで保護することができる。
【0102】
図3はまた、この例では、「config a」である構成のコンテンツの例を示す。
【0103】
構成は、例えば、以下の要素のうちの1つまたは複数のものを含むことができる、すなわち、
- 「img」サブフォルダ3101における、画像、
- 「layout」サブフォルダ3102における、レイアウト、
- 例えば、パスワード、アクセス権、日付、バージョンなど、構成のうちのメタ構成のすべての要素を記憶する、構成ファイル3103、
- バージョンファイル3104
である。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態では、処理ロジック112は、以下のうちの1つまたは複数のものを実施するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送るように構成される、すなわち、
- 前記ニアアイディスプレイデバイスにおける構成のリストを取得すること、
- 前記リストにおける構成の1つをアクティブな構成に設定すること、
- 構成のコンテンツを読み取ること、
- 構成のコンテンツを書き込むこと、
- 構成を作成すること、
- 構成を削除すること
である。
【0105】
こうすることは、コンピューティングデバイスによる、構成の完全な管理、ならびに望ましい構成およびリソースを使用するスペースの最適化を可能にする。実際に、コンピューティングデバイスは、構成に関する任意の必要な情報を取得し、必要に応じてそれらを変更することができる。ある構成が、アクティブな構成として設定されたとき、この構成の表示リソースは、使用されるその名前により直接参照することができる。
【0106】
コンピューティングデバイス110とニアアイディスプレイ120の間で通信するためにBLEおよびGATTを用いる、上記で詳細に述べた例では、以下のコマンドが、コンピューティングデバイスからニアアイディスプレイデバイスに送ることができる。
【0107】
【0108】
また以下の情報を、ニアアイディスプレイ120によりコンピューティングデバイス110に返すことができる。
【0109】
【0110】
本発明のいくつかの実施形態では、ニアアイディスプレイデバイスにおけるメモリのサイズを制限するために、構成に対する専用の記憶スペースを制限することができる。例えば、3MBのスペースを構成に割り振ることができる。したがって、いくつかの場合、空きスペースが、新しい構成を作成するために、または表示リソースを保存するためには十分ではないこともあり得る。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態では、構成を作成する、または表示リソースを保存する前に、少なくとも1つの処理ロジックが、コマンドを、ニアアイディスプレイデバイスに送って、
- 空きスペースの量を取得する、
- 前記空きスペースが、構成を作成するために、または表示リソースを保存するためには十分ではない場合、他の構成を削除する
ように構成される。
【0112】
こうすることは、必要な場合の空きスペースの量を増加させて、さらなる構成/表示リソースを保存できるようにする。必要に応じて、複数の構成を削除することができる。
【0113】
当然であるが、例えば、他の構成が属しているアプリケーションが再度開始されるとき、削除された構成は、その後に再度インストールされる必要があり得る。したがって、その再インストールが必要になる可能性を低減するために、または構成を再インストーすることが必要になる前の時間を少なくとも増加するために、削除する構成を選択することができる。
【0114】
1つの選択肢は、例えば、長い間、アクティブな構成として設定されている構成を削除することにある。
【0115】
実際には、長い間、アクティブな構成として設定されてなかった構成は、これ以上使用されない、または少なくとも高い頻度で使用されないアプリケーションに属すると見なされる。したがって、このような構成は、すぐに必要とされないはずである。
【0116】
別の選択肢は、ほとんど使用されないアクティブな構成として設定された構成を削除することである。
【0117】
実際に、ほとんど使用されないアクティブな構成として設定された構成は、高い頻度で動作されることのないアプリケーションに属すると見なされる。したがって、このようなアプリケーションは、長い時間の前に動作されることはないと推定され得る。
【0118】
図4は、本発明のいくつかの実施形態におけるコンピューティングデバイスにより実行可能なコンピュータで実施される方法の例を示す。
【0119】
方法400のすべてのステップは、コンピューティングデバイス110などのコンピューティングデバイスにより実行される。
【0120】
方法400は、ニアアイディスプレイ120などのニアアイディスプレイに表示リソースを送る第1のステップ410を含む。
【0121】
方法400は、前記リソースを保存するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイデバイスに送る第2のステップ420をさらに含む。
【0122】
方法400は、ニアアイディスプレイの装着者への前記リソースの表示が必要な場合は常に、前記リソースを表示するためのコマンドを前記ニアアイディスプレイに送る第3のステップ430をさらに含む。
【0123】
前に論じられたすべての実施形態は、それぞれ、方法400に適用可能である。
【0124】
表示リソースは、ステップ430が実行される前に、保存されている必要がある。しかし、ステップ410および420の順序は、逆にすることもできる、またはこれらの2つのステップを、同時に実行することができる。例えば、上記で述べられたコマンド「imgSave」は、画像を保存するためのコマンドであり、また画像それ自体は、コマンドの引数として送られる。したがって、パラメータとしての画像と共にコマンド「imgSave」を送ることは、ステップ410および420を同時に実行させる。
【0125】
図5は、本発明のいくつかの実施形態において、ニアアイディスプレイにより実行可能なコンピュータで実施される方法の例を表す。
【0126】
方法500は、前記コンピューティングデバイスから、表示リソースと、前記リソースを保存するためのコマンドとを受け取ると、記憶媒体に前記表示リソースを保存する第1のステップ510を含む。
【0127】
方法500は、前記コンピューティングデバイスから、前記リソースを表示するためのコマンドを受け取ると、前記記憶媒体から前記リソースを取得する第2のステップ520、および前記リソースを表示する第3のステップ530を含む。
【0128】
前に論じたすべての実施形態は、それぞれ、方法500に適用可能である。
【0129】
図6は、本発明のいくつかの実施形態における表示構成の削除の例を示す。
【0130】
図6から
図9は、構成の管理の例を示す。それらは、BLEおよびGATTプロトコルを用いて、上記で述べられた例示的なコマンドの組を用いて提供される。当然であるが、それらは、例示のためだけに提供され、同様の機能は、異なる言語を用いて取得することもできる。
【0131】
図6から
図9のそれぞれは、シーケンス図を表しており、ここにおいて、左の列は、コンピューティングデバイス110を表し、右の列は、ニアアイディスプレイ120を表す。より具体的には、左の列110は、コンピューティングデバイス110で動作するアプリケーションを表す。
【0132】
図6の線
図600では、アプリケーションは、新しいリソースを追加することにより、構成をアップロードしようとしている。
【0133】
ステップ610で、アプリケーションは、コマンド「cfgFreeSpace」をニアアイディスプレイデバイスに送り、それは、その返しとして、ステップ620で、構成のメモリプールにおける利用可能な空きスペースを提供する。
【0134】
この例では、空きスペースは、リソースを追加するには十分ではない。アプリケーションは、したがって、スペースを空けるために、削除する構成を探す。
【0135】
それは、したがって、ステップ630で、コマンド「cfgList」を送り、ニアアイディスプレイデバイスは、その返しとして、ステップ640で構成のリストを提供する。
【0136】
ステップ650で、アプリケーションは、コマンド「cfgDelete」を送り、すでに存在する構成の1つを削除する。しかしこの例では、削除は失敗するが、それは、アプリケーションがこの構成を削除できないためである。
【0137】
実際に、構成を削除できないいくつかの場合があり、
- 恒久的に必要な「システム」構成は、削除できない、
- 構成は、編集権に関連付けることができ、アプリケーションは、その構成を変更もしくは削除する権利を有しないこともある。
【0138】
したがって、ステップ660で、この場合、アプリケーションは、それ自体の構成のために、新しいデータをアップロードすることができない。
【0139】
図7は、本発明のいくつかの実施形態における構成の作成の例を示す。
【0140】
この例では、アプリケーションはまた、新しいデータをその構成にアップロードしようとしているが、この例では、他の構成を削除することが可能である。
【0141】
ステップ710、720、730および740は、それぞれ、ステップ610、620、630、および640と同様であり、アプリケーションは、利用可能な空きスペース、および既存の構成のリストを取得する。
【0142】
空きスペースは、新しい表示リソースをアップロードするには十分ではないため、アプリケーションは、第1の、次いで、第2の構成を削除するためのコマンドをステップ750および751で送る。この例では、削除は成功する。
【0143】
これらの2つの削除後に、利用可能な空きスペースは、リソースを保存するには十分なものとなる。アプリケーションは、次いでコマンドを送る。
- cfgWrite、ステップ760で、新しい要素の追加を反映してその構成を書き込む、
- imgWrite、ステップ770で、アプリケーションの構成に追加の画像を書き込む、
- layoutWrite、ステップ780で、アプリケーションの構成に追加のレイアウトを書き込む。
【0144】
したがって、アプリケーションは、アップデートされた構成から利益を得ることができる。
【0145】
図8は本発明のいくつかの実施形態における、構成の選択、および構成のレイアウトの表示の例を示す。
【0146】
開始したとき、アプリケーションは、ニアアイディスプレイデバイスに、その構成が利用可能であることを確かめるために問い合わせる。
【0147】
このために、アプリケーションは、ステップ810でコマンド「cfgList」を送り、ニアアイディスプレイデバイスは、ステップ820で、構成のリストを返す。
【0148】
アプリケーションの構成が利用可能であるので、アプリケーションは、ステップ830で、アクティブな構成としてその構成を設定するためのコマンド「cfgSet」を送る。
【0149】
次いで、アプリケーションのレイアウトを使用することができる。アプリケーションは、ステップ840、850、860でそれぞれ、3つの異なるレイアウトを表示する3つのコマンド「layoutDisplay」を送る。
【0150】
図9は、本発明のいくつかの実施形態において、構成の選択に失敗した例を示す。
【0151】
この例では、ステップ910および920は、ステップ810および820と同一である。
【0152】
ステップ930において、アプリケーションは、アクティブな構成として、望ましい構成を設定するためのコマンド「cfgSet」を送る。しかし、この場合、そのコマンドは、失敗する。例えば、構成がパスワードで保護されており、ユーザが正しいパスワードを入力できない場合、または構成を使用するためのアクセス権が、アプリケーションまたはコンピューティングデバイスによるその構成の使用を阻止する場合、「cfgSet」は失敗する可能性がある。
【0153】
したがって、ステップ940で、構成は、望ましい構成に設定できないため、現在のアクティブな構成が保持される。
【0154】
これは、コンピューティングデバイスおよびニアアイディスプレイデバイス120が、グラフィックスをニアアイディスプレイデバイス120で表示するために、どのように対話して、適切な構成を設定できるかを示している。
【0155】
それらはまた、構成および表示リソースに関する情報を設定し、使用し、かつ取得するためのコマンドのミックスが、どのようにしてコンピューティングデバイスに、望ましい構成を設定し、かつ使用させるかを示している。
【0156】
上記で述べた例は、本発明の実施形態の非限定的な例として与えられている。それらは、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲を決して限定するものではない。
【符号の説明】
【0157】
100 システム
110 コンピューティングデバイス
111 通信エンドポイント
112 処理ロジック
120 ニアアイディスプレイデバイス、眼鏡
121 通信エンドポイント
122 記憶媒体
123 処理ロジック
210 表示
211 時刻
212 時間
213 速度
214 平均速度
220 表示
221 時刻
222 時間
223 距離
224 上昇高さ
230 表示
231 時刻
232 時間
233 心拍数
234 歩調
310 config a
311 config b
312 1config c
400 方法
500 方法
600 線図
3101 「img」サブフォルダ
3102 「layout」サブフォルダ
3103 構成ファイル
3104 バージョンファイル
【国際調査報告】