(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】仮想現実ヘッドセットのための前方及び周辺のビューレンズ領域
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20240528BHJP
A63G 31/00 20060101ALI20240528BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
A63G31/00
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023570449
(86)(22)【出願日】2022-05-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-14
(86)【国際出願番号】 US2022029024
(87)【国際公開番号】W WO2022241136
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゲン パトリック ジョン
(72)【発明者】
【氏名】グラハム マーティン エヴァン
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199CA04
2H199CA23
2H199CA25
2H199CA35
2H199CA38
2H199CA42
2H199CA92
2H199CA93
(57)【要約】
本開示は、主レンズ領域及び周辺のレンズ領域を含む仮想現実ヘッドセットを対象とする。仮想現実ヘッドセットはまた、主レンズ領域に合わせられた1又は複数の主ディスプレイスクリーン、及び周辺のレンズ領域に合わせられた複数の補助的なディスプレイスクリーンを含むことができる。周辺のレンズ領域はまた、まるで周辺の光景を通して見えるようにするために、及び主レンズ領域を通して現れる画像を補うために、周辺のレンズ領域を通して画像を歪める半透明なテクスチャを含むことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想現実ヘッドセットであって、
筐体、
前記筐体内で支持され、主画像を表示するように構成される、主ディスプレイスクリーン、
前記筐体内で支持され、補助的な画像を表示するように構成される、補助的なディスプレイスクリーン、及び
主光学領域及び周辺光学領域を含む光学的要素であって、前記主光学領域は、前記主ディスプレイスクリーン上に表示される前記主画像の視認を可能し、前記周辺光学領域は、前記補助的なディスプレイスクリーン上に表示される前記補助的な画像の視認を可能にする、光学的要素
を含む、仮想現実ヘッドセット。
【請求項2】
前記主光学領域の少なくとも一部の周辺のテクスチャ加工されたエッジを含む、請求項1に記載の仮想現実ヘッドセット
【請求項3】
前記テクスチャ加工されたエッジは、前記主光学領域を、前記周辺光学領域から分離する、請求項2に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項4】
前記主画像は高画質の画像を含み、前記補助的な画像は低画質の画像を含む、請求項1に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項5】
前記周辺光学領域は、前記仮想現実ヘッドセットの左側にある左の周辺の光学領域、及び前記仮想現実ヘッドセットの右側にある右の周辺の光学領域を含む、請求項1に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項6】
前記周辺光学領域は、半透明な素材、表面テクスチャ、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項7】
前記主光学領域は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)又は少なくとも85%の光学的な透過割合を含む別の光学的に透明な素材を含む、請求項1に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項8】
前記周辺光学領域は、1又は複数のセンサー、スピーカー、発光ダイオード、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項9】
前記主ディスプレイスクリーン及び前記補助的なディスプレイスクリーンは、単一のディスプレイスクリーンを形成する、請求項1に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項10】
前記周辺光学領域は、半透明なフィルムを含み、前記仮想現実ヘッドセットは、前記周辺光学領域の不透明度を調節するために、前記半透明なフィルムを通じて電流を届けるように構成される電気回路を含む、請求項1に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項11】
仮想現実ヘッドセットであって、
筐体、
前記筐体内で支持され、主画像を表示するように構成される、主ディスプレイスクリーン、
前記筐体内で支持され、補助的な画像を表示するように構成される、補助的なディスプレイスクリーン、及び
主光学領域及び前記周辺光学領域を含む光学的要素であって、前記主光学領域は、前記主ディスプレイスクリーンに合わせて配置され、かつ、透明であり、前記周辺光学領域は、前記補助的なディスプレイスクリーンに合わせて配置され、かつ、半透明である、光学的要素
を含む、仮想現実ヘッドセット。
【請求項12】
前記主ディスプレイスクリーンは、高画質のディスプレイを含み、前記補助的なディスプレイスクリーンは、低画質のディスプレイを含む、請求項11に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項13】
前記周辺光学領域は、半透明ベースの素材、表面テクスチャ、コーティング、又はそれらの任意の組み合わせに基づいて半透明である、請求項11に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項14】
前記周辺光学領域は、電気的に活性化したフィルムにより半透明である、請求項13に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項15】
前記周辺光学領域は、前記仮想現実ヘッドセットの左側面上の左の周辺のレンズ領域、及び前記仮想現実ヘッドセットの右側面上の右の周辺のレンズ領域を含む、請求項14に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項16】
前記主ディスプレイスクリーン及び前記補助的なディスプレイスクリーンは、単一のディスプレイスクリーンを形成する、請求項11に記載の仮想現実ヘッドセット。
【請求項17】
仮想現実ヘッドセットを動作させる方法であって、
観察者の視野から前記仮想現実ヘッドセットの透明な主レンズ領域の前に配置される主ディスプレイスクリーン上に、主画像を表示すること、
前記観察者の視野から前記仮想現実ヘッドセットの半透明な周辺のレンズ領域の前に配置される補助的なディスプレイスクリーン上に、補助的な画像を表示すること、及び
周辺の視覚効果とともに仮想環境を作成するために、1又は複数のプロセッサを介して、前記主画像の表示及び前記補助的な画像の表示を調整すること、
を含む、方法。
【請求項18】
前記主画像を表示することは、高画質の前記主画像を表示することを含み、前記補助的な画像を表示することは、低画質の前記補助的な画像を表示することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
仮想現実ヘッドセットの付加された半透明な周辺のレンズ領域の前に配置される追加の補助的なディスプレイスクリーン上に、追加の補助的な画像を表示することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
周辺の視覚効果とともに前記仮想環境を作成するために、前記1又は複数のプロセッサを介して、前記主画像の表示、前記補助的な画像の表示、及び前記追加の補助的な画像の表示を調整することを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的に、仮想現実ヘッドセットの分野に関連付ける。より明確には、本開示の実施形態は、仮想現実ヘッドセットのためのレンズに関連付けられる。
【0002】
(関連する出願の相互引用)
本出願は、2021年9月9日に出願され、「Front and Peripheral View Lens Areas for Virtual Reality Headsets」と題された米国出願第63/242、115号、及び2021年5月14日に出願され、「Front and Peripheral View Lens Areas for Virtual Reality Headsets」と題された米国出願第63/189、051号に対する優先権及びその利益を主張し、あらゆる目的の引用は本出願に組み込まれる。
【0003】
仮想現実ヘッドセットは、仮想現実ヘッドセットのユーザに画像を表示する、1又は複数のディスプレイスクリーンを含むことができる。表示される画像は、仮想現実ヘッドセットのレンズを通して見ることができる。仮想現実ヘッドセットは、多様な環境及び/又はシナリオを反映するために、画像を表示する及び/又は特殊効果を描写することができる。例えば、仮想現実ヘッドセットは、光学的特徴に対応する音響効果とともに光学的特徴を表示して、ユーザを仮想現実環境へさらに没頭させることを促進することができる。
【0004】
このセクションでは、以下で説明及び/又は請求される本技術の種々の様態関連付けることができる種々の様態を、読み手に紹介することを意図している。この解説は、読み手へ背景情報を提供して、本開示の種々の様態をより良く理解することを助長するのに役に立つべきだと信じられている。したがって、これらの記載は、この観点から読まれるべきであり、先行技術の承認として読まれるべきではないと理解されるべきである。
【0005】
本文書で開示される一定の実施形態の概要は、以下で明らかにする。これらの様態は、単にこれらの一定の実施形態を読み手に概要を提供するために示され、これらの様態は本開示の範囲を制限することを意図しないことを理解するべきである。実際は、本開示は、以下で明らかにされない多様な様態を内包する。
【0006】
ある実施形態において、仮想現実ヘッドセットは、筐体、筐体内でサポートされ、主画像を表示するように構成される主ディスプレイスクリーン、及び筐体内でサポートされ、補助的な画像を表示するように構成される補助的なディスプレイスクリーンを含む。仮想現実ヘッドセットは、主光学領域、及び周辺の光学領域を含む、光学的要素をまた含むことができる。さらに、主光学領域は、主ディスプレイスクリーン上に表示される主なコンテンツの表示を可能にし、周辺の光学領域は、補助的なディスプレイスクリーン上に表示される補助的なコンテンツの表示を可能にする。
【0007】
加えて、ある実施形態において、仮想現実ヘッドセットは、筐体、筐体内でサポートされ、主画像を表示するように構成される主ディスプレイスクリーン、及び筐体内でサポートされ、補助的な画像を表示するように構成される補助的なディスプレイスクリーンを含む。さらに、仮想現実ヘッドセットは、主光学領域及び周辺の光学領域を含む光学的要素を含む。主光学領域は、主ディスプレイスクリーンに合うように配置されかつ透明で、周辺の光学領域は、補助的なディスプレイスクリーンに合うように配置されかつ半透明である。
【0008】
さらに、ある実施形態において、仮想現実ヘッドセットを動作させる方法は、見る人の視野から仮想現実ヘッドセットの透明な主レンズの前に配置された主ディスプレイスクリーン上に、主画像を表示することを含む。方法は、見る人の視点から、仮想現実ヘッドセットの半透明な周辺のレンズ領域の前に配置された、補助的なディスプレイスクリーン上に補助的な画像を表示することをまた含む。方法は、1又は複数のプロセッサを介して、周辺の光学効果とともに仮想現実を作成するために、主画像を表示すること及び補助的な画像を表示することを調整することをさらに含む。
【0009】
本開示のこれらの及び他の特徴、様態、及び利点は、次の詳細な説明が、図の全体にわたって類似する特性が類似する部分を表す、添付する図を引用しながら読まれるときに、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態による、仮想現実ヘッドセットの光学的要素の正面透視図及び、仮想現実ヘッドセットの電気的外装の一部である。
【
図2】本開示の実施形態による、左右の主レンズ領域、及び左右の周辺のレンズ領域を含む光学的要素を伴う仮想現実ヘッドセットの背面図である。
【
図3】本開示の実施形態による、仮想現実ヘッドセットの種々の特徴を可視化するために、仮想現実ヘッドセットの一定の部分が取り除かれる及び/又は透明である、左右の主レンズ領域、及び左右の周辺のレンズ領域を含む光学的要素を伴う仮想現実ヘッドセットの正面透視図である。
【
図4】本開示の実施形態による、電気的外装の内部の種々の特徴を可視化するために電気的外装は透明である、仮想現実ヘッドセットの正面透視図である。
【
図5】本開示の実施形態による、仮想現実ヘッドセットの背面図である。
【
図6】本開示の実施形態による、ユーザが仮想現実ヘッドセットを装着している間、ユーザを運ぶことができる乗り物の実施形態の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ここで、対応する図面及び図に例示される特定の実施形態について、参照をより詳細にする。次の詳細な説明において、本開示の完璧な理解を提供するために、多くの特定の詳細が明らかにされる。しかしながら、実施形態はこれらの特定の詳細無しに実践できることが、当業者に明らかになるであろう。他の例では、実施形態の様態を不必要に不明瞭にしないために、良く知られた方法、手順、及び構成要素は詳細に説明されない。
【0012】
本文書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するのみの目的であり、制限されることを意図しない。説明及び付随する請求において使用されるように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文中で明確に別に示さない限りは、複数の形態をも含むことを意図する。本文書で使用される「及び/又は」の用語は、1又は複数の関連付けられる一覧の項目の任意の及び全ての可能な組み合わせを言及する及び内包することがまた理解されるであろう。本文書で使用されるとき、「含む」、「含んでいる」、「備える」及び/又は「備えている」の用語は、述べられる特徴、整数、ステップ、オペレーション、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、1又は複数の他の特徴、整数、オペレーション、要素、構成要素、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を妨げないことがさらに理解されるであろう。さらに、本文書で使用されるように、「if」の用語は、文脈によって「when」又は「upon」又は「in response to determining」又は「in response to detecting」の意味で解釈することができる。
【0013】
いくつかの既存の仮想現実ヘッドセットは、仮想現実ヘッドセットのディスプレイスクリーン上に表示される画像を見ることを可能にする、1又は2つのレンズを持つ場合がある。有利なことに、本開示は、光学的要素の主レンズ領域(例えば、主なレンズ領域で、中央又は前方のレンズエリア)、及び周辺のレンズ領域(例えば、補助的なレンズ領域で、側面のレンズ領域)を含む光学的要素(例えば、1又は複数のレンズで、レンズの集合)とともに仮想現実ヘッドセットを提供する。光学的要素の周辺のレンズ領域は、様々な時において、及び/又はユーザにより没入させる体験を可能にする一定の方法において、周辺の光景をユーザへ提供するために使用することができる。例えば、光学的要素の周辺のレンズ領域は、付加された色彩効果又は他の特殊効果の可視化を可能にし、光学的要素の主レンズ領域において主な画像を見ることのユーザの体験を向上させることができる。
【0014】
より詳細には、本文書で提供するのは、仮想現実ヘッドセットに設置される1又は複数のスクリーンに表示されるコンテンツの表示を可能にする光学的要素を含む仮想現実ヘッドセットである。光学的要素は、2つの領域(例えば、左右の領域、中心線の左右)に分離することができる。光学的要素は、各々が主ディスプレイスクリーン(例えば、高解像度のディスプレイスクリーン)の全体にわたって配置されることができる左右の主レンズ領域(例えば、左の主レンズ領域及び右の主レンズ領域)を含むことができ、高画質ディスプレイスクリーン上に表示される主な画像が、左右の主レンズ領域の後ろにユーザの目を配置することで(例えば、通して見ることで)、ユーザによって見ることを可能にすることができる。光学的要素はまた、補助的なディスプレイスクリーン(例えば、低画質ディスプレイスクリーン)にわたって、各々で設置することができ、補助的なディスプレイスクリーンに表示される画像が、(例えば、左右の主レンズ領域を通して見る間に、彼らの周辺の光景において)ユーザによって見ることができるようにする、左右の周辺のレンズ領域(例えば、左の周辺のレンズ領域及び右の周辺のレンズ領域)を含むことができる。
【0015】
左右の周辺のレンズ領域は、フロストガラス及び/又は半透明素材から形成することができ、左右の周辺のレンズエリアを通して見る画像は、(例えば、ユーザが仮想現実ヘッドセット無しに、現実世界の環境を見るとき)周辺の光景に匹敵する又は類似する(例えば、焦点の合わない、不鮮明な)外観を持つ場合がある。左右の周辺のレンズ領域は、テクスチャ加工された素材から形成されてもよい。ある実施形態において、左の周辺のレンズ領域は、テクスチャ加工された素材を介して左の主レンズ領域へ接続することができ、右の周辺のレンズ領域は、テクスチャ加工された素材を介して右の主レンズ領域へ接続することができる。ある実施形態において、透明度は、左の主レンズ領域の外縁から左の周辺のレンズ領域の外縁、及び右の主レンズ領域の外縁から右の周辺のレンズ領域の外縁にかけて、(例えば、徐々に強まるテクスチャを提供する表面の粗さによるなどのテクスチャの変化によって)徐々に減少する。
【0016】
開示された実施形態が、仮想現実ヘッドセットの文脈において一般的に説明される一方で、本文書で説明されるような仮想現実ヘッドセットはまた、他の文脈で使用することができる、及び他の投影及び/又はビューイングシステムとともに使用することができることが理解されるべきである。例えば、仮想現実ヘッドセットは、外部スクリーン又は投影構成要素を使用することができる。そのうえ、仮想現実ヘッドセットは、環境の中の各仮想現実ヘッドセットに表示するための画像へのコマンド及び/又は命令を送ることができる外部制御システムを利用することができる。よって、仮想現実ヘッドセットの特定の構成(例えば、素材、形状、サイズ)は、望まれる最終用途に従って実装することができる。
【0017】
図1は、本開示の実施形態による仮想現実ヘッドセット10の光学的要素14(例えば、1又は複数のレンズ、レンズの集合)の正面透視図、及び仮想現実ヘッドセット10の電気的外装12(例えば、筐体)の一部である。ある実施形態において、仮想現実ヘッドセット10は、光学的要素14、及び光学的要素14を収容する電気的外装12を含むことができる。光学的要素14は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、(例えば、光学的な光の透過、又は少なくとも80%、85%、90%、92%又はそれ以上の光の伝達を含む)光学的にクリアな素材、又は適当な屈折率を有する他のいかなる素材のような単体の要素から形成することができる。光学的要素14はまた、異なる素材が、光学的要素14の異なるセクションを形成するように、複数の異なる素材から形成することができる。異なる要素は、光学的要素14の同等のセクション、又は光学的要素14の可変サイズセクションをそれぞれ取り上げることができる。電気的外装12は、1又は複数のディスプレイスクリーン、オーディオ要素、特殊効果要素、コントローラーなどを含む、複数の電気的構成要素を含む又は囲むことができる。電気的外装12は、光学的要素14を包含することができ、光学的要素14は、電気的外装12から分離できるようにすることができる。
【0018】
電気的外装12は、(仮想現実ヘッドセット10を装着したユーザによって)光学的要素14を介して見ることができる画像(例えば、ビデオフィード、画像)を表示するための1又は複数のディスプレイスクリーンを含むことができる。1又は複数のディスプレイスクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機EL(OLED)、又は他のいかなる適当なディスプレイの型を含むことができる。1又は複数のディスプレイは、多様なディスプレイスクリーンの型を含むことができる。例えば、ディスプレイスクリーンのうちの1つは、LCDディスプレイに対応し、別のディスプレイスクリーンはOLEDディスプレイに対応することができる。そのうえ、1又は複数のディスプレイは、高画質ディスプレイスクリーン及び/又は低画質ディスプレイスクリーンを含むことができる。上記で明らかにしたように、仮想現実ヘッドセット10は、異なる画像を表示することができる複数のディスプレイスクリーンを含むことができる。光学的要素14は、光学的要素14の全てのセクション(例えば、光学的要素14を通して光の伝達を可能にするために1又は複数のセクションが透明又は半透明となることができ、光学的要素14のいかなるセクションにおいても半透明でない)において、少なくとも部分的に半透明となることができる。しかしながら、素材が半透明である程度は、光学的要素14にわたって変化させることができることが理解されるべきである。光学的要素14はまた、光学的要素14を通して見るテーマ又は画像と対応することができる1又は複数の不透明な領域を含むことができる。このようにして、光学的要素14は、仮想現実ヘッドセット10を装着したユーザに、1又は複数のディスプレイスクリーンに表示された画像を見せる。光学的要素14は、電気的外装12に結合することができるが、光学的要素14はまた、電気的外装12から分離することができる又は取り除くことができる。解説を簡単にするために、仮想現実ヘッドセットは10及びその構成要素は、垂直軸すなわち方向2、縦軸すなわち方向4、及び/又は横軸すなわち方向6を参照しながら説明できる。仮想現実ヘッドセット10はまた、水平方向4に広がる中心線8を持ち、仮想現実ヘッドセット10の左部分及び右部分を分離することができる。
【0019】
図2は、本開示の実施形態による、左右の主レンズ領域16、18(例えば、左/第一の主レンズ領域16、及び右/第二の主レンズ領域18)、及び左右の周辺のレンズ領域20、22(例えば、左/第一の周辺のレンズ領域20、及び右/第二の周辺のレンズ領域22)を含む光学的要素14を有する、仮想現実ヘッドセット10の背面図である。全体的に、左右の主レンズ領域16、18は、主レンズ領域又は主光学領域として参照される場合がある。全体的に、左右の周辺のレンズエリア20、22は、周辺のレンズ領域又は周辺の光学領域として参照される場合がある。例示された実施形態において、光学的要素14は、主なコンテンツ(例えば、画像、ビデオ)を見るための左右の主レンズ領域16,18、及び主なコンテンツの没入させる性質を向上させる周辺の画像効果及び/又は付加された特殊効果を見るための左右の周辺のレンズ領域20、22を含むことができる。付加された特殊効果は、風効果、音響効果、振動効果、香り放出効果、触覚効果などを含むが、これらに限らない非視覚効果を含むことができる。左の主レンズ領域16は、仮想現実ヘッドセット10の第一の側面(例えば、左側)に配置することができ、右の主レンズ領域18は、仮想現実ヘッドセット10の第二の側面(例えば、右側)に配置することができる。左右の主レンズ領域16、18は、ユーザの鼻にフィットすることができる仮想現実ヘッドセット10のノッチ付き構成要素26(例えば、間隙)により形作ることができる。左右の主レンズ領域16、18は、任意の適切な形状となることができる、及び/又は仮想現実ヘッドセット10に対して望まれるデザインに対応する任意の配置を持つことができることが理解されるべきである。左右の主レンズ領域16,18は、ユーザが仮想現実ヘッドセットを装着している間、ユーザの左右の目に対応し、目の前にあるために仮想現実ヘッドセット10上に配置することができる。左の主レンズ領域16は、右の主レンズ領域から分離することができる(例えば、物理的に分離する)、及び/又は(例えば、ノッチ付き構成要素26を定める)電気的外装12の一部によって分割することができる。
【0020】
テクスチャエッジ28は、全て又はいくつかの左右の主レンズ領域16、18のそれぞれの周辺について示すことができる。例えば、テクスチャエッジ28は、左の主レンズ領域16を、左の周辺のレンズ領域20へ、右の主レンズ領域18を、右の周辺のレンズ領域22へ、移行することができる。左の主レンズ領域16を囲うテクスチャエッジ28は、右の主レンズ領域18を囲うテクスチャエッジ28から分離することができる。テクスチャエッジ28はまた、仮想現実ヘッドセット10の位置を検知することができる1又は複数の埋め込まれたセンサーを含む場合がある、又は仮想現実ヘッドセット10上の付加されたデータを収集するために使用される場合がある。ある実施形態において、左右の主レンズ領域16、18は、透明な素材から形成することができ、左右の周辺のレンズ領域20、22は、半透明な素材から形成することができ、及びテクスチャエッジ28は、透明な素材及び半透明な素材の間に配置することができる。テクスチャエッジ28は、左右の主レンズ領域16、18の表面粗さ、及び/又は左右の周辺のレンズ領域20、22の表面粗さの表面粗さよりも大きい表面粗さを持つことができる。例えば、左右の主レンズ領域16、18及び/又は左右の周辺のレンズ領域20、22は、可視の及び/又は触れることによって感知可能ないかなるテクスチャも持たない(例えば、平滑な表面を持つ)可能性がある一方で、テクスチャエッジ28は、可視の及び/又は触れることによって感知可能なテクスチャを持つことができる。別の例として、テクスチャエッジ28は、可視の及び/又は触れることによって感知可能なテクスチャを持つことができ、左右の周辺のレンズ領域20、22はまた、可視の及び/又は触れることで感知可能なテクスチャを持つことができるにもかかわらず、テクスチャエッジ28の表面粗さは、左右の周辺のレンズ領域20、22の表面粗さよりも大きくなりうる。ある実施形態において、テクスチャエッジ28の表面のあらさは、左右の周辺のレンズ領域20、22よりも小さくなりうる。より一般的には、ある実施形態において、テクスチャエッジ28のテクスチャの特性は、左右の周辺のレンズ領域20、22のテクスチャの特性と異なりうる。よって、テクスチャは光学的要素14のこれらのセクションを示すにもかかわらず、テクスチャエッジ28は、左右の周辺のレンズ領域20、22で異なって考慮することができる。テクスチャエッジ28は光学的特徴であり、省くことができることが認識されるべきである。代わりに、左右の主レンズ領域16、18は、(例えば、テクスチャエッジ28を除き、異なる特性を持つ)いかなる異なる中間のスクリーン無しに、左右の周辺のレンズ領域20、22へ移行することができる。左右の周辺のレンズ領域20、22は、テクスチャエッジ28と比較して同じ又は様々の表面粗さを、各々で含むことができる。例えば、左の周辺のレンズ領域20は、右の周辺のレンズ領域22よりも大きな表面粗さをもつことができる。
【0021】
左右の主レンズ領域16、18は、仮想現実ヘッドセット10に配置された主スクリーン上に表示される画像を、ユーザに見ることを可能にすることができる。左の主レンズ領域16は、仮想現実ヘッドセット10によって表示される画像に基づいて右の主レンズ領域18と比べて、異なるコンテンツの表示を可能にすることができることが理解されるべきである。例えば、左の主レンズ領域16に露出する画像の一部は、右の主レンズ領域16に露出する画像の一部と異なりうる。示すように、主レンズ領域16は、左の主レンズ領域16に主なコンテンツを表示することを制限するために、主スクリーンの方へ広がる(例えば、円錐形又は漏斗状の形状を持つ)非透明仕切り31のそれぞれに関連付けることができる。画像の明瞭さのために、左の主レンズ領域16に対する非透明仕切り31のみが
図2に示される一方で、右の主レンズ領域18もまた、同様の特徴を持つ非透明仕切りに関連付けられることが認識されるべきである。上記のように、左右の主レンズ領域16、18は、PMMA又は別の光学的に透明な素材から形成することができる。そのうえ、左右の主レンズ領域16、18は、分離した一部の素材から形成して、電気的外装12又は他のフレーム構造によって適切な相対位置を保つことができる、又は左右の主レンズ領域16、18は、単体の素材から形成することができる(例えば、一体の構造)。
【0022】
述べたように、テクスチャエッジ28は、左の主レンズ領域16の周辺の全て又はいくつかの辺りを示すことができ、右の主レンズ領域18の周辺の全て又はくつかの辺りをまた示すことができる。例えば、テクスチャエッジ28は、左の周辺のレンズ領域20及び右の周辺のレンズ領域22に渡って広がる中実の均一なテクスチャへ移行する勾配テクスチャを形成することができる。左右の周辺のレンズ領域20、22は、左右の主レンズ領域16、18よりも、より小さい不透明度(例えば、透明性の低い)を持つことができる。これは、左右の周辺のレンズ領域20,22を通して見られる画像が、周辺の光景という観点に対応する手法で、ぼやけて現れられるようにすることができる。上記のように、左右の周辺のレンズ領域は、フロストガラス又は別の半透明素材から形成することができる。半透明素材は、ユーザの視界の中にあるために及び/又は影響を及ぼすためにユーザの目の前に配置されるように、光が素材を通過するように、及び/又はユーザが素材を通して画像及び/又はオブジェクトを見ることができるように構成されるプラスチック素材、ファブリック素材、又は任意の適切なレンズ素材となりうる。確かに、「レンズ領域」という用語は、ユーザの視界の中にある及び/又は影響を及ぼすためにユーザの目の前に配置されるように、光が素材を通過するように、及び/又はユーザに素材を通して画像及び/又はオブジェクトを見ることを可能にするように構成される任意の部分に言及する。左右の主レンズ領域16、18及び左右の周辺のレンズ領域20、22は、同様の素材(例えば、PMMA又は他の光学的に透明な素材)から形成することができるが、左右の周辺のレンズ領域20、22は左右の周辺のレンズ領域20、22が、左右の主レンズ領域16、18よりも大きな不透明度を持つようにするように扱うことができる。例えば、左右の周辺のレンズ領域20、22は、(例えば、エッチングを介して)テクスチャを加えられうる、及び/又は(ペイントすることを介して)コーティングされうる。これらの場面において、左の主レンズ領域16及び左の周辺のレンズ領域20は、たった1つの素材(例えば、一体の構造)から形成することができ、右の主レンズ領域18及び右の周辺のレンズ領域22はたった1個の素材(例えば、一体の構造)から形成することができる。ある実施形態において、左右の主レンズ領域16、18は及び左右の周辺のレンズ領域20、22は、たった1個の素材(例えば、一体の構造)から形成することができる。しかしながら、左右の周辺のレンズ領域20、22は、(例えば、もう1つから分離した及び左右の主レンズ領域16、18から分離した)素材の分離した部分から形成することができ、電気的外装12又は他のフレーム構造を介して、適切な相対位置を保つことができる。
【0023】
ある実施形態において、左右の周辺のレンズ領域20、22の各々は、左右の周辺のレンズ領域20、22の各々のセクションに対応する複数の素材から形成することができる。例えば、左右の周辺のレンズ領域20、22の各々は、左の周辺のレンズ領域20のための左の主レンズ領域16、及び右の周辺のレンズ領域22のための右の主レンズ領域18の近くに、(例えば、黒いプラスチックストリップ又はペイントによって形成される)より大きな不透明度の外縁、及び(例えば、合成プラスチック及びペイントによって形成される)より小さい不透明度の内縁を含むことができる。不透明度は、より大きな不透明度の外縁及びより小さな不透明度の外縁の間で変化させることができる。例えば、不透明度は、より大きな不透明度の外縁及びより小さな不透明度の内縁の間で徐々に移行することができる。周辺の光景と類似の光及び/又は色とともに、左右の周辺のレンズ領域20、22を通して見るための補助的なスクリーン上に表示される色彩効果を引き起こすことができる。
【0024】
左右の主レンズ領域16、18は、ノッチ付き構成要素26に沿って直線状のエッジをそれぞれ持つことができるにもかかわらず、左右の主レンズ領域16、18は、(例えば、曲線状のエッジの)おおよそ円の形状をそれぞれ持つことができる。左右の主レンズ領域16、18はまた、ノッチ付き構成要素26に沿う直線状のエッジ、又はノッチ付き構成要素26に対応するための他の任意の適切なエッジの形状よりも、曲線状のエッジを含むことができる。左右の周辺のレンズ領域20、22は、横方向に広がる部分及び、前後方向に広がる部分をそれぞれ持つことができる。例えば、
図2の左の周辺のレンズ領域20に関して、左の周辺のレンズ領域20は、湾曲部25を介して結合する(例えば、左の主レンズ領域16のような同様の面において)横方向に広がる部分21、及び前後方向に広がる部分23を含む。横方向に広がる部分21及び前後方向に広がる部分23は、60から120度、70から110度、又は80から100度の間のような、互いに対応する任意の適切な角度を方向づけることができる。ある実施形態において、横方向に広がる部分21は、左の主レンズ領域16の周りを覆うために、第一の中央部27から第二の中央部29へ広がることができる。右の周辺のレンズ領域22は、同様の特徴を持つことができる。左右の周辺のレンズ領域20、22の種々の部分は、同様の又は異なる特性を持つことが認識されるべきである。例えば、横方向に広がる部分21及び前後方向に広がる部分23は、(例えば、異なるテクスチャ、コーティング、又は基本の素材に基づいて)異なる不透明度を持つことができる。ある実施形態において、左右の周辺のレンズ領域20、22はいかなる横方向に広がる部分を含まないが、代わりに前後方向に広がる部分のみ含むことができる。例えば、左右の主レンズ領域16、18は、仮想現実ヘッドセット10の横方向に渡って広がるように、広がる及び形作ることができる。さらに、左右の周辺のレンズ領域20、22は、左右の主レンズ領域16、18の形状及び配置にかかわらず、左右の主レンズ領域16、18を、同時に適合させる及び作動する任意の多様な形状、及び配置を持つことができることが認識されるべきである。
【0025】
以下でより詳細に説明するように、仮想現実ヘッドセット10は、左右の主レンズ領域16、18の前に設置された(例えば、仮想現実ヘッドセット10を装着するユーザの視野から重ねるように位置を合わせられた)1又は複数の主スクリーン30(例えば、高画質の主なスクリーン)、及び左右の周辺のレンズ領域20、22の前に設置された(例えば、仮想現実ヘッドセット10を装着するユーザの視野から重ねるように位置を合わせられた)複数の補助的なスクリーン32(例えば、低画質の)を含むことができる。特に、少なくとも1つの補助的なスクリーン32は、左の周辺のレンズ領域20の前に配置することができ、少なくとも1つの補助的なスクリーン32は、右の周辺のレンズ領域22の前に配置することができる。1又は複数の主スクリーン30及び複数の補助的なスクリーン32は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機EL(OLED)、又は任意の適切なディスプレイの型を含む、多様な型のディスプレイを含むことができる。例えば、1又は複数の主スクリーン30は、LCDディスプレイに対応することができ、複数の補助的なスクリーン32はOLEDディスプレイに対応することができる。ディスプレイタイプの任意の適切な組み合わせは、1又は複数の主スクリーン30及び/又は複数の補助的なスクリーン32によって利用することができる。複数の補助的なスクリーン32上に表示される画像は、1又は複数の主スクリーン30上に表示される画像に合わせて調整することができる。これは、複数の補助的なスクリーン32上に表示されるコンテンツが、1又は複数の主スクリーン30上に表示されるコンテンツを強化することを可能にすることができる。例えば、主スクリーン30は、日の出について話す及び/又はユーザの周辺の景色における視界の外であろう仮想領域を指すキャラクターを表示するビデオを表示するための命令を送ることができ、補助スクリーン32は、仮想領域の中の日の出及/又はイベントをシミュレートするために、明るい光の効果を表示する命令を送ることができる。仮想現実ヘッドセット10の中(及び/又は現実正解の環境の中)のスピーカーは、仮想現実ヘッドセットによって示される画像に対応する音響効果を提供することができることが認識されるべきである。
【0026】
先述したことを考慮に入れて、
図3は、本開示の実施形態による、左右の主レンズ領域16、18及び左右の周辺のレンズ領域20、22を含む光学的要素14を有する、仮想現実ヘッドセット10の正面透視図である。主スクリーン30は、左右の主レンズ領域16、18の前に直接配置されるとして、
図3において目にすることができる。左右の主レンズ領域16、18の間に、主スクリーン30の左側に表示されるコンテンツを、主スクリーン30の右側から隔てるための区画が存在する場合がある。区画は、主スクリーン30及び左右の主レンズ領域16、18の間で、前後軸4に沿って広がる1又は複数の仕切りを含むことができる。ある実施形態において、区画は、左右の周辺のレンズ領域20,22を通じた主スクリーン30からの光の伝達を隔てる及び/又は妨げる1又は複数の仕切りを含むことができる。例えば、2つの円錐体、(明確なイメージのために、1つのみ示すが)非透明仕切り31、及び/又は他の形状の非透明素材仕切りは、左右の主レンズ領域16、18の各々を、主スクリーン30へ接続することができ、左右の周辺のレンズ領域20、22を、主スクリーン20から(例えば、完全に又は十分に)隔てる。補助的なスクリーン32は、ユーザへ光及び特殊効果を提供するために、左の周辺のレンズ領域20を通して左の補助的なスクリーン32にわたって、及び右の周辺のレンズ領域22を通して右の補助的なスクリーン32にわたって見るために、電気的外装12の左右の側面上で、(例えば、左右の周辺のレンズ領域20、22に一致する/位置を合わせるために、スクリーン30に対して)斜めに設置することができる。
【0027】
ある実施形態において、仮想現実ヘッドセット10は、左右の主レンズ領域16、18上で見ることができる主なコンテンツを表示するための1つの高画質の主スクリーン30、及び右の補助的なスクリーン32に対応する左右の周辺のレンズ領域22上の補助的なスクリーンに対応する左の周辺のレンズ領域20上で特殊効果又は光のコンテンツを表示するための2つの補助的なスクリーン32の3つのディスプレイを含むことができる。例えば、主レンズ領域30は、左右の主レンズ領域16、18を通して見ることができる日没のビデオを再生することができる。補助的なスクリーン32は、主スクリーン30上に表示される日没の色に一致する光の効果を表示することができる。日没の光の効果は、左右の周辺のレンズ領域20、22を通して見ることができ、ユーザへ向上された仮想現実体験を提供することの助けとなることができる。左の補助的なスクリーン32はまた、左の周辺のレンズ領域20を通してみることができる太陽の画像を、最初に表示することができる。後になって、左の補助的なスクリーン32はもはや太陽の画像を表示せず、右の補助的なスクリーン32は、右の周辺のレンズ領域22を通して見ることができる太陽の画像を表示することができる。これは、仮想現実ヘッドセット10を介して、左側で昇り、右側に沈む太陽の効果を提供することができる。異なるコンテンツは、望まれる効果によって、左の周辺のレンズ領域20及び右の周辺のレンズ領域22に対応する補助的なスクリーン32に表示することができることが理解されるべきである。主スクリーン30及び補助的なスクリーン32はまた、(例えば、一体の)単体のディスプレイスクリーンを形成することができる。
【0028】
上記の光学的要素14及びスクリーン30,32オペレーション及び特徴の理解を念頭に置くとともに、電気的外装12の電気的構成要素の本文書での検討は、よりよく理解されるであろう。
図4は、本開示の実施形態による、仮想現実ヘッドセット10の正面透視図である。電気的外装12の電気的構成要素は、1又は複数の主スクリーン30及び複数の補助的なスクリーン32を含むことができる。ある実施形態において、電気的外装12の上面は、仮想現実ヘッドセット10の主スクリーン30及び/又は補助的なスクリーン32上に表示するために、画像に対応する命令を送るように使用することができる、1又は複数のドライバーボード34及びコントローラー36(例えば、電子コントローラー)を含む又は囲むことができる。以下でより詳細に説明される中央コントローラー38は、望まれる効果によって画像を表示するために、コマンドを仮想現実ヘッドセット10へ送信する又は送るために機能するように、コントローラー36は、1又は複数のプロセッサを含むことができる及び電気的外装12の上面に配置することができる、及び/又は仮想現実ヘッドセットから分離することができる。さらに、コントローラー36は、主スクリーン30上に表示するための外部コントローラー又はプロセッサから受け取る主ディスプレイコンテンツに基づいて、補助的なスクリーン32に対応する周辺のディスプレイコンテンツの生成を可能にすることができる。
【0029】
コントローラー36は、画像を表示するために、仮想現実ヘッドセットの主スクリーン30及び/又は補助的なスクリーン32へ、コマンドを送るために機能することができる。コントローラー36は、仮想現実ヘッドセット10の各ディスプレイスクリーンへ、異なる画像を送信することができる。例えば、コントローラー36は、主画像及び/又は主なビデオフィードを表示するために、主スクリーン30へコマンドを送ることができる。コントローラー36は次に、異なる周辺の画像及び/又は効果を、仮想現実ヘッドセットの各辺に設置された補助的なスクリーン32の各々へ送ることができる。ある実施形態において、主スクリーン30は、コントローラー36を介して、主スクリーン30上の主焦点に対応する暗い路地(dark alley)又は重要なビデオメッセージを表示するコマンドを送ることができる。この例において、焦点が、主スクリーン30上に表示される主画像へ向けられるために、コントローラー36は、補助的なスクリーン32上に画像を投影するためのいかなるコマンドも送ることができない。他の例において、主な効果が海岸の風景となり、コントローラー36が、主スクリーン30へ、海岸の画像を表示するコマンドを送ることができ、補助的なスクリーン32へ、明るい光の効果を表示する、又は海岸の画像又は他の対応する効果(例えば、太陽を表すための明るい光)を補助的なスクリーン32上に表示するコマンドを送ることができる。よって、主スクリーン30及び補助的なスクリーン32は、類似の画像(例えば、ビーチの画像の海、砂及び空のような類似の質及び/又は像)を表示することができる、及び左右の周辺のレンズ領域20、22の特性(例えば、テクスチャ又は不透明度)は、周辺の光景をシミュレートするために光の透過変更することができる、及び/又は主スクリーン30及び補助的なスクリーン32は、周辺の光景をシミュレートするために、異なる画像(例えば、主スクリーン30上に、高画質の海、砂及び空、及び補助的なスクリーン32にわたってソフトな青及び黄色のような異なる質及び/又は像)を表示することができることが認識されるべきである。このようにして、コントローラー36は、望まれる画像及び効果に基づいて、主スクリーン30、及び/又は補助的なスクリーン32へ、仮想現実ヘッドセット10に表示されるための画像コマンドを送るように機能することができる。
【0030】
ある実施形態において、仮想現実ヘッドセット10から分離した中央コントローラー38(例えば、電子コントローラー)は、環境の中の1又は複数の仮想現実ヘッドセット10へ、命令を送るように機能することができる。これは、中央コントローラー38が、環境の中の複数の仮想現実ヘッドセット10へ、同様の画像に対応する命令を送信できる場合がある。例えば、複数のユーザが環境の中に存在する場合があり、中央コントローラー38は、各仮想現実ヘッドセット10の主スクリーン30上に同様の画像を表示する命令を送信することができる。中央コントローラー38はまた、各仮想現実ヘッドセット10の補助的なスクリーン32上に画像及び/又は効果を表示する命令を送ることができる。さらに、コントローラー36は、中央コントローラー38から受け取られた主コンテンツに関連付けられた命令に基づいて、補助的なスクリーン32上に補助的なコンテンツを表示できる場合がある。例えば、コントローラー36は、一定のビデオ又は画像は主スクリーン30上に表示されるべきで、また、中央コントローラー38から受け取られた命令に基づいて、補助的なスクリーン32へ、補足的な画像又は効果を表示する命令を送ことができることを選択する及び決定することができる。これは、環境の中の複数のユーザに対して、まとまりのある体験を可能にできうる。中央コントローラー38はまた、環境の中の各仮想現実ヘッドセット10へ、固有の命令を送るように機能することができる。これは、各仮想現実ヘッドセット10が、主スクリーン30及び/又は補助的なスクリーン32上に異なる画像を表示することを可能にできうる。これは、画像の処理を中央コントローラー38へオフロードしながら、各ユーザが環境の中で固有の経験を持つことを可能にすることができる。
【0031】
本文書で説明されるように、左右の周辺のレンズ領域20、22は、左右の周辺のレンズ領域20,22が、周辺の光景をシミュレートできるようにするために、扱うことができる。ある実施形態において、左右の周辺のレンズ領域20、22の全て又はいくつかの部分は、電気的に活性化することができるフィルムを含むことができる。フィルムの不透明度は、フィルムにかけられた電流に基づいて変化させることができる。フィルムは、左右の周辺のレンズ領域20、22に対して望まれる不透明度の程度を提供するために、電流がフィルムを通して送られるようにする電気配線の最上部に重ねることができる。フィルムは、フロストベースの素材、半透明ベースの素材、柔軟及び/又は非柔軟性素材、及び/又はテクスチャベースの素材のような、他の技法と組み合わせて使用することができることが理解されるべきである。左右の周辺のレンズ領域20、22は同じ又は異なる不透明度を持ちうるために、左の周辺のレンズ領域20は、右の周辺のレンズ領域22と異なる電流を送ることができることがまた理解されるべきである。
【0032】
仮想現実ヘッドセット10は、種々の他の特徴を含むことができる。例えば、ある実施形態において、電気的外装12は、バーチャルカメラを利用することにより画像が描写されることを可能にするカメラ視界を含むゲームエンジン含むことができる。それまで通り周辺の視野を真似するために、向上された光及び画像効果を提供しながら、ゲームエンジンは、主なコンテンツから気をそらさないために補助的なスクリーン32に投影された画像を変更するための、歪みアルゴリズムを含むプロセッサ及びソフトウェアを含むことができる。補助スクリーン32は、低コストでコンパクトな形態で、左右の周辺のレンズ領域20、22を通して視覚可能な付加的な視覚効果を提供するために、1又は複数の発光素子(例えば、発光ダイオード[LED])で置き換える又は補うことができることが、また認識されるべきである。このような場合において、1又は複数の発光素子は、周辺の光景をシミュレートするために、異なる色及び/又は明るさを提供するように、主スクリーン30上の画像に連係して発光することができる。
【0033】
図5は、本開示の実施形態における、光学的要素14を有する仮想現実ヘッドセットの背面透視図である。上記のように、左右の周辺のレンズ領域20、22は、左右の主レンズ領域16、18へ接続する(例えば、接する、囲うなど)半透明素材を含むことができる。左右の周辺のレンズ領域20、22は、左右の主レンズ領域16、18の前に配置される主スクリーン30から通常は隔てることができる一方で、主スクリーン30からのいくらかの光は、左右の周辺のレンズ領域20、22へ発散することができる(例えば、左右の周辺のレンズ領域20、22及び左右の主レンズ領域16、18の間の接続に基づく)。
【0034】
電気的外装12はまた、仮想現実体験を向上させる音響効果の助けとなるための、及び主スクリーン30上に表示される画像に対応するためのスピーカーを含む及び支えることができる。例えば、主スクリーン30は、キャンプファイアを表示することができ、スピーカーは、薪が燃える音を真似するために、はじける音響効果を再生することができる。仮想現実ヘッドセット10の構成要素はまた、主な画像を補うために、及びユーザの没入型体験の助けとなるために、他の触感、光、風、及び/又は他の特殊効果構成要素を含むことができる。これは、左右の主レンズ領域16、18を超えてユーザの視点を拡大することによって、見る人が、没入型体験を助長することができる向上した光効果及び/又は他のディスプレイ要素を見ることを可能にする左右の周辺のレンズ領域20、22の組み合わせにおいて作動することができる。本文書で説明されるように、左の主レンズ領域16及び左の周辺のレンズ領域20は、単体のレンズ構造(例えば、ギャップの無い連続的な)を形成するために一体の構造となることができる、及び/又は(例えば、接着剤及び/又は溶接によって)一緒に結合することができ、左の主レンズ領域16及び左の周辺のレンズ領域20は、透明度、テクスチャ及び/又は位置/ディスプレイ配列の差に基づいて、互いに区別することができる。同様に、右の主レンズ領域18及び右の周辺のレンズ領域22は、単体のレンズ構造(例えば、ギャップの無い連続的な)を形成するために、(例えば、接着剤及び/又は溶接によって)一体の構造となることができ、右の主レンズ領域18及び右の周辺のレンズ領域22は、透明度、テクスチャ、及び/又は位置/ディスプレイの配列の差に基づいて、互いに区別することができる。
【0035】
さらに、仮想現実ヘッドセット10は、乗り物42を含むアミューズメントパークのアトラクション46の一部となることができる。乗り物42は、仮想現実ヘッドセット10のレンズ上に画像を表示するための上記で説明される方法によって、仮想現実ヘッドセット10によって投影される画像に対応するように動かすことができる。
【0036】
先述したことを考慮に入れながら、
図6はアミューズメントパークのアトラクション46において、仮想現実ヘッドセット10をそれぞれ利用することができる乗り物42、及び1又は複数のユーザ44の実施形態の透視図である。上記で明らかにされたように、主スクリーン30及び/又は補助的なスクリーン32は、1又は複数のユーザ44は、乗り物42が動作する間、画像(例えば、ビデオフィード)を見ることができるように、仮想現実ヘッドセット10のユーザ44に対して画像を表示するように構成することができる。例示される実施形態において、アミューズメントパークのアトラクションの各ユーザ44は、画像を見るために、それぞれの仮想現実ヘッドセット10を持つ。仮想現実ヘッドセット10のコントローラーは、共通のビデオフィードが各ユーザ44に視聴可能となるように、各主スクリーン30及び/又は補助的なスクリーンへコマンドを送り、各光学的要素14へ同様の画像を出力するように構成することができる。しかしながら、ある実施形態において、各ユーザ44が固有の画像(例えば、固有のビデオフィード)を見ることができるように、画像は各仮想現実ヘッドセット10に対して異なる場合がある。例えば、各ユーザ44は、アミューズメントパークのアトラクション46の一部として、特定の役割(例えば、キャプテン、パイロット、ナビゲーターなど)に割り当てられることができる。各ユーザ44のそれぞれの仮想現実ヘッドセットは、ユーザ44が、彼らの割り当てられた役割の視野からアミューズメントパークのアトラクション46を体験できるように、ユーザ44へ割り当てられた特定の役割に特化したビデオフィードを表示することができる。
【0037】
ある実施形態において、仮想現実ヘッドセット10は、アミューズメントパークのアトラクション46の中で、共通及び固有のビデオフィードの両方の組み合わせを出力するように構成することができる。例えば、仮想現実ヘッドセット10は、アミューズメントパークのアトラクション46の導入部分の間、共通のビデオを表示することができる。アミューズメントパークのアトラクション46のその後の部分の間、仮想現実ヘッドセットの各々のコントローラーは、(例えば、特定の役割と連携する)ユーザ44へ固有のビデオフィードを出力するために、主スクリーン30及び/又は補助的なスクリーンへコマンドを送ることができる。ユーザ44は、進行中のタスクを持たない役割又は役割をもつユーザ44なしに、共通の供給を受け取ることを継続することができる。しかしながら、アミューズメントパーク46の同様の部分の間、仮想現実ヘッドセット10は、アミューズメントパークのアトラクション46の各ユーザ44へ、固有のビデオフィードを出力することができる。さらに、ある実施形態において、仮想現実ヘッドセット10は、アミューズメントパークのアトラクション46の乗り物42の動き、及び/又は他の効果に対応するために、コマンドを送るようにプログラムされうる中央コントローラーから、一定の画像及び/又はビデオフィードを表示するコマンドを受け取ることができる。
【0038】
ある実施形態において、画像は、テキストベースのメッセージ、写真、ビデオ、又はそれらのいくつかの組み合わせを含む。例えば、画像が仮想現実環境のビデオ画像を含むように、アミューズメントパークのアトラクション46は、仮想現実型のアトラクションとなりうる。別の例として、画像は、アミューズメントパークのアトラクションに対するテキストベースの命令を含むことができる。テキストベースの命令は、ユーザ44へ、仮想現実ヘッドセット10を使用する方法、及び/又はアミューズメントパークのアトラクションの一部としてアクションを実行する方法を知らせる。
【0039】
一定の特徴のみが本文書で例示及び説明された一方で、多くの変更及び変化が、当業者に思い浮かぶだろう。それゆえに、添付した請求は、発明の本旨に該当するように、全てのこのような変更及び変化を包含することを意図していることが理解されるべきである。一定の開示された実施形態が、アミューズメントパーク又はテーマパークの文脈において開示された一方で、一定の実施形態は、他の使用方法にもまた関連付けられることが理解されるべきである。さらに、開示された実施形態の一定の要素は、互いに組み合わせる又は交換することができることが理解されるべきである。
【0040】
本明細書で示す及び請求する技術は、抽象的でない、無体でない、又は完全に理論としてのみでないものとして、本技術領域を明らかに改良する実践的な性質の物質及び具体事例に参照される及び適用される。さらに、本明細書の終わりに添付した任意の特許請求の範囲が、「[機能]を[実行する]ための手段・・・」、又は「[機能]を[実行する]ためのステップ・・・」として指定される1又は複数の要素の場合、このような要素は米国特許法第112条(f)の下で解釈するべきである。しかしながら、他のいかなる手法において指定される要素を包含する任意の請求に対して、このような要素は米国特許法第112条(f)の下で解釈すべきでない。
【国際調査報告】