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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】微細構造パターンの複製方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 59/02 20060101AFI20240528BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20240528BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20240528BHJP
   G02B 5/02 20060101ALN20240528BHJP
【FI】
B29C59/02 B
H01L21/30 502D
G03F7/20 501
G02B5/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571393
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 US2022032021
(87)【国際公開番号】W WO2022256571
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】17/338,144
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502151820
【氏名又は名称】ヴァイアヴィ・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Viavi Solutions Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】リベレト アルメイダ
【テーマコード(参考)】
2H042
2H197
4F209
5F146
【Fターム(参考)】
2H042BA03
2H042BA15
2H042BA16
2H197AB20
2H197CA05
2H197JA12
4F209AA04
4F209AA11
4F209AA13
4F209AA15
4F209AA16
4F209AA21
4F209AA22
4F209AA24
4F209AA28
4F209AD02
4F209AF01
4F209AG03
4F209AH73
4F209AR02
4F209AR06
4F209AR13
4F209AR17
4F209PA02
4F209PB01
4F209PC05
4F209PH06
4F209PN09
4F209PW31
5F146AA31
5F146AA34
(57)【要約】
本方法は、基板、薄膜、および第1のフォトレジスト層を含む第1の多層構造を準備するステップと、微細構造パターンを有するモールド、および第2のフォトレジスト層を含む第2の多層構造を準備するステップと、第1のフォトレジスト層が第2のフォトレジスト層と接触するように第1の多層構造および第2の多層構造を組み合わせるステップと、並びに圧力および温度を加えるステップと、を含む。微細構造パターンを含む物品も開示されている。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、以下のステップ、すなわち、
基板、薄膜、および第1のフォトレジスト層を含む第1の多層構造を準備するステップと、
微細構造パターンおよび第2のフォトレジスト層を有するモールドを含む第2の多層構造を準備するステップと、
該第1のフォトレジスト層が該第2のフォトレジスト層と接触するように、該第1の多層構造および該第2の多層構造を組み合わせるステップと、
圧力および温度を加えるステップと、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記第2のフォトレジスト層は、複製された微細構造パターンと、および、複製された微細構造パターンを持たないベース部分と、を有する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記薄膜は高屈折率材料の薄膜である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記微細構造パターンを有する前記モールドは、剥離剤でコーティングされている、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、さらに、前記モールドを除去するステップを備える、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、前記第1のフォトレジスト層と前記第2のフォトレジスト層が結合して、エアポケットを含まないフォトレジストスタックを形成する、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記フォトレジストスタックは、前記複製された微細構造パターンと、および、前記複製された微細構造パターンを持たない前記ベース部分と、を有する、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、さらに、コリメート光源を使用して前記フォトレジストスタックにフラッド露光を照射するステップと、前記フォトレジストスタックを現像するステップと、を備え、
コリメート光は、前記複製された微細構造パターンおよび前記複製された微細構造パターンを含まない前記フォトレジストスタックの前記ベース部分を照射するものである、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、さらに、前記フォトレジストスタックおよび前記薄膜をエッチングして、該フォトレジストスタックから該薄膜にエッチングされた前記微細構造パターンを形成するステップを備える、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記薄膜のエッチングされた前記微細構造パターンは逆パターンを有するが、前記モールドの前記微細構造パターンと同一アスペクト比を有する、又は有していない場合がある、
前記フォトレジストスタックの前記複製された微細構造パターンは、逆パターンを有していながら、前記モールドの前記微細構造パターンと実質的に同一である、また
前記薄膜中のエッチングされた前記微細構造パターンは同一パターンを有するが、前記フォトレジストスタック中の前記複製された微細構造パターンと同一アスペクト比を有する、又は有していない場合もある、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、前記第2の多層構造は、剥離コーティングを前記モールドに塗布し、また前記塗布された剥離コーティングに離型コーティングの表面を親水性にする処理を課すことによって形成される、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、さらに、第3のフォトレジスト層を前記剥離コーティング上に塗布するステップを備える、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、さらに、前記第3のフォトレジスト層を塗布した後、約50℃~約90℃の範囲の温度で、約1秒~約30分の範囲の時間加熱するステップを備える、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、さらに、前記第3のフォトレジスト層を加熱した後、第4のフォトレジスト層を前記第3のフォトレジスト層上に塗布するステップを備える、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、さらに、前記第4のフォトレジスト層を塗布した後、約50℃~約90℃の範囲の温度で、約1秒~約30分の範囲の時間加熱するステップを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2021年6月3日出願の米国特許出願第17/338144号に対する優先権を主張し、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、基板、薄膜、および第1のフォトレジスト層を含む第1の多層構造を準備するステップと、微細構造パターンを有するモールド、および第2のフォトレジスト層を含む第2の多層構造を準備するステップと、第1のフォトレジスト層が第2のフォトレジスト層と接触するように、第1の多層構造および第2の多層構造を組み合わせるステップと、並びに圧力および温度を加えるステップと、を含む方法に関する。微細構造パターンを含む物品も開示されている。
【背景技術】
【0003】
ポリマー・オン・ガラス複製プロセスまたはスタンピング(打刻)プロセスは、ディフューザー構造を創出するのに使用することができる。エッチングプロセスが後続するとき、ポリマー層のゼロベース部分または無視できる厚さ(例えば、数百ナノメートルのオーダー)のベース部分を有することが望ましい。微細構造の複製に続くエッチングプロセスでは、エッチングプロセスウィンドウは、ポリマー層内の微細構造のくぼみ/突起を中心とする必要がある。複製後にポリマー層のベース部分を制御することは難しく、その後の、高屈折率材料のような薄膜のエッチングプロセスの制御が難しくなる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本開示の特徴は、以下の図に例示的に示され、限定されないが、これらの図において、同じ数字は同じ要素を示しており、すなわち、
図1A】本発明の一態様による、第1の多層構造および第2の多層構造である。
図1B】本発明の一態様による、第1の多層構造および第2の多層構造を組み合わせるステップを示す図である。
図1C】組み合わされた第1の多層構造および第2の多層構造からモールドを除去するステップを示す図である。
図1D】組み合わせたフォトレジストスタックにコリメート光源からフラッド露光を照射し、フォトレジストスタックを現像して薄膜の表面部分を露光するステップを示す図である。
図1E】エッチングステップを示す図である。
図2A】モールドを示す図である。
図2B図2Aのモールド上に第3のフォトレジスト層を塗布するステップを示す図である。
図2C】第4のフォトレジスト層を塗布するステップを示す図である。
図2D図1Aの第1の多層構造を示す図である。
図3A】基板上に薄膜を配置するステップを示す図である。
図3B】薄膜上にフォトレジスト層を塗布し、図1Aの第2の多層構造を形成するステップを示す図である。
【発明の概要】
【0005】
一態様では微細構造パターンを複製する方法を開示し、この方法は、基板、薄膜、およびポジ型(positive tone)フォトレジストを含む多層構造を準備するステップと、微細構造パターンを有する熱伝導性モールドを準備するステップと、圧力および温度下で熱伝導性モールドを多層構造に被着するステップとを備え、ここで、熱伝導性モールドの微細構造パターンは、多層構造のポジ型フォトレジスト上に複製される。
【0006】
別の態様では、基板と、微細構造パターンを有する薄膜とを含む物品が開示される。
【0007】
様々な実施形態の追加的な特徴および利点は、部分的には、以下の説明に記載され、部分的には、説明から明らかになる、または様々な実施形態の実施によって知ることができる。様々な実施形態の目的および他の利点は、本明細書の説明で特に指摘した要素および組み合わせによって実現および達成される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
簡略化および例示の目的で、本開示は、主にその実施例を参照して説明される。以下の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本開示は、これらの特定の詳細に限定されることなく実施され得ることは容易に明らかであろう。他の例では、本開示を不必要に不明瞭にしないように、いくつかの方法および構造は詳細に説明されていない。
【0009】
さらに、添付の図に描かれている要素は、追加の構成要素を含む場合があり、これらの図に記載されているいくつかの構成要素は、本開示の範囲から逸脱することなく、除去および/または修正されてもよい。さらに、図に描かれている要素は、縮尺通りに描かれていない場合があり、したがって、要素は、図に示されているものとは異なる大きさおよび/または構成を有している場合がある。
【0010】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、本教示の様々な実施形態の説明を提示することを意図していることを理解されたい。その広範かつ多様な実施形態において、本明細書に開示されるのは、物品、ならびに、物品の製造方法および使用方法である。
【0011】
本開示は、基板14、薄膜12、および第1のフォトレジスト層10aを含む第1の多層構造16を準備するステップと、微細構造パターン20aを有するモールド(成形型)18、および第2のフォトレジスト層10bを含む第2の多層構造17を準備するステップと、第1のフォトレジスト層10aが第2のフォトレジスト層10bと接触するように、第1の多層構造16および第2の多層構造17を組み合わせるステップと、圧力および温度を加えるステップと、を含む方法を説明する。
【0012】
第2の微細構造層17は、微細構造パターン20aおよび第2のフォトレジスト層10bを有するモールド18を含んでもよい。モールド18は、微細構造パターン20aを受け止めおよび保持することができる材料で作成することができる。材料の非限定的な例としては、金属、半導体、ニッケル、シリコン、溶融シリカなどの誘電体、ガラス、石英、およびそれらの組み合わせが挙げられる。ある態様では、モールド18は導電性材料で作成することができる。別の態様では、モールド18は熱伝導性材料で作成することができる。
【0013】
微細構造パターン20aは、ランダムまたは周期的なパターンとすることができる。一態様では、微細構造パターン20aはバイナリ(2値)パターンとすることができる。 別の態様では、微細構造パターン20aは、グレースケールの非バイナリパターンとすることができる。微細構造パターン20aは、様々な大きさの様々な形状、形態、画像、くぼみ、突起、およびそれらの組み合わせを含むことができる。微細構造パターン20aは、均一な部分と不規則な部分とを含むことができる。例えば、図1Aに示すように、微細構造パターン20aは、平面部によって互いに均一に分離された三角形状のくぼみの3つの別個の部分を含む。
【0014】
一態様では、モールド18は、微細構造パターン20a上にコーティングとして塗布された剥離剤(図示せず)を含むことができる。剥離剤は、低表面エネルギーのフルオロポリマーまたは疎水性シランなどの疎水性自己組織化単分子膜とすることができる。剥離剤は、微細構造パターン20aのくぼみ/突起などに剥離剤を堆積させることができる任意の堆積プロセスでモールドに塗布することができる。適切な堆積プロセスの非限定的な例としては、スピンコーティング、ディップコーティング、化学蒸着、スパッタまたは熱蒸発などの物理蒸着、および、剥離剤で微細構造パターン20aの表面をバフ研磨するなどの物理的塗布が挙げられる。
【0015】
第2の多層構造17の第2のフォトレジスト層10bは、複製された微細構造パターン20bを有することができ、第2のフォトレジスト層10bのベース部22は、複製された微細構造パターン20bを有さない。複製された微細構造パターン20bは、モールド18の微細構造パターン20aの逆パターンとすることができる。例えば、微細構造パターン20aが三角形状のくぼみの3つの別個の部分を含むのに対し、微細構造パターン20bは三角形状の突起の3つの別個の部分を含む。一態様において、第2のフォトレジスト層10bは、モールド18に隣接し(共通の境界を共有し)、モールド上にある、および/またはモールド18と入れ子になることができる。
【0016】
第1のフォトレジスト層10aおよび第2のフォトレジスト層10bは、同じ材料で作ることもできるし、異なる材料で作ることもできる。 一態様では、第1のフォトレジスト層10aおよび第2のフォトレジスト層10bは同じ材料で作成することができるが、層として塗布する前に異なる粘度を有することができる。
【0017】
第1の多層構造16は、基板14、薄膜12、および第1のフォトレジスト層10aを含むことができる。薄膜12は、材料の単層、および/または多層スタックを含む任意の薄膜であり得る。一態様では、薄膜12は、高屈折率材料薄膜、すなわち、約2~約4の屈折率を有する材料から作られる薄膜とすることができる。一態様において、薄膜12は、屈折率の勾配または連続的な変化、または材料中の周期的な屈折率プロファイルを有することができる。薄膜12は、約1ミクロン~約20ミクロン、例えば、約1ミクロン~約15ミクロン、更なる例として、約3ミクロン~約10ミクロンの範囲の厚さで存在することができる。薄膜は、基板14の表面上および/または第1のフォトレジスト層10aの表面上に存在することができる。
【0018】
別の態様では、薄膜12は多層スタックとすることができる。多層スタックは、反射体材料、磁性材料、誘電体材料、および吸収材料の1つ以上の層を含むことができる。
【0019】
基板14は、複数の層を受け止めることができる任意の材料とすることができる。 一態様では、基板14は透明材料とすることができる。適切な基板材料の非限定的な例としては、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、アモルファスコポリエステル、ポリ塩化ビニルのようなガラスおよびポリマー、液状シリコンゴム、環状オレフィンコポリマー、アイオノマー樹脂、透明ポリプロピレン、フッ素化エチレンプロピレン、スチレンメチルメタクリレート、スチレンアクリロニトリル樹脂、ポリスチレン、ならびに、メチルメタクリレート・アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンが挙げられる。基板14は、約50ミクロン~約2000ミクロン、例えば、約100ミクロン~約1500ミクロン、さらなる例として、約150ミクロン~約1000ミクロンの範囲の厚さで存在することができる。
【0020】
図1Aおよび図1Bに示すように、第1の多層構造16および第2の多層構造17は、第1の多層構造16が第2の多層構造17と接触するように組み合わせることができる。一態様において、第2の多層構造17の第2のフォトレジスト層10bの外面は、第1の多層構造16の第1のフォトレジスト層10aの外面に隣接する、および/または、第1の多層構造16の第1のフォトレジスト層10aの外面上に存在することができる。
【0021】
本方法は、第2の多層構造17と接触している間に第1の多層構造16に圧力および温度を加えるステップを含むことができる。圧力は、約1PSI~約20PSI、例えば約1PSI~約15PSIの範囲、さらなる例として、約3PSI~約10PSIの範囲にわたるものとすることができる。温度は、約60℃~約90℃、例えば約65℃~約85℃の範囲にわたるものとすることができる。接触時間は、約1分~約60分、例えば約2分~約55分、さらなる例として約5分~約50分の範囲にわたるものとすることができる。
【0022】
図1Cに示すように、本方法は、モールド18を除去するステップを含むことができる。第1のフォトレジスト層10aおよび第2のフォトレジスト層10bは結合して、例えば、第1の多層構造16と第2の多層構造17との間にエアポケットまたは気泡を含まないフォトレジストスタック10cを形成することができる。フォトレジストスタック10cは、複製された微細構造パターン20bと、複製された微細構造パターン20bを有しない(旧)第2のフォトレジスト層10bのベース部分22とを含むことができる。
【0023】
図1Dに示すように、本方法は、組み合わされたフォトレジストスタック10cにコリメート光源24の使用によりフラッド露光を施すステップを含むことができ、コリメート光24は、複製された微細構造パターン20bおよび複製された微細構造パターン20bを有しないフォトレジストスタック10cのベース部分22を露光する。コリメート光源24は、フォトマスクアライナーランプ、専用のi線UV露光ツール、またはUV-LED/レーザーセットアップなどのコリメート光を放出する光源とすることができる。別の態様では、コリメート光源は、拡散光を受光してコリメート光を放出するレンズまたはミラーなどの、コリメート光を放出する光源とすることができる。フラッド露光の適用は、薄膜12の表面部分26が複製された微細構造パターン20bの直下に数百ナノメートルから数ミクロンまで完全に露光されるか、または存在することができるように、フォトレジストスタック10cのベース部分22を完成または完成近くまで現像するための後続の現像ステップに続くことができる。一態様では、コリメート光の照射後、後続の現像ステップを経て、構造体は、基板14、薄膜12、および薄膜12の表面に隣接または表面上に複製された微細構造パターン20bを含む。一態様では、フォトレジストスタック10cのベース部分22は存在しない。図1Eに示すように、本方法はまた、フォトレジストスタック10cと薄膜12とをエッチングして、フォトレジストスタック10cから薄膜12にエッチング微細構造パターン20bを形成するステップを含む。エッチング後、薄膜12は、複製された微細構造パターン20cを有する部分、および/または薄膜12の元の厚さを有する部分を含む。薄膜12を含まない部分、すなわち薄膜12が存在しない部分が存在し得る。エッチングのステップは、フォトレジスト材料とその下の薄膜12とを同時にエッチングする任意の技術を使用して実施することができる。適切なエッチング技術の非限定的な例として、反応性イオンエッチング(RIE)、誘導結合プラズマ-反応性イオンエッチング(ICP-RIE)、およびイオンミリングが挙げられる。
【0024】
薄膜12内のエッチングされた微細構造パターン20cは、モールド18の微細構造パターン20aと逆パターンを有してもよく、そして、同じアスペクト比を有してもよいし、有さなくてもよい。フォトレジストスタック10c中の複製された微細構造パターン20bは、モールド18の微細構造パターン20aと逆パターンを有してもよく、実質的に同一であってもよい。薄膜12内のエッチングされた微細構造パターン20cは、フォトレジストスタック10cの複製された微細構造パターン20bと同一特性を有してもよく、そして、同じアスペクト比を有してもよいし、有さなくてもよい。
【0025】
本方法はまた、第2の多層構造17を作成するステップを含む。本明細書で論じるように、モールド18は、モールドの表面、例えば図2Aに示すように、微細構造パターン20aを含むモールド18の表面に、剥離コーティング(図示せず)として塗布される、剥離剤を含むことができる。剥離剤は本明細書に開示されている。塗布された離型コーティングは、離型コーティングの表面を親水性にするために、紫外線オゾン処理またはマイルド酸素プラズマなどの処理を施すことができる。これは、モールド上へのフォトレジスト層10dの塗布を容易にするために行うことができる。
【0026】
図2Bに示すように、本方法は、剥離コーティング上に第3のフォトレジスト層10dを塗布するステップを含むことができる。第3のフォトレジスト層10dは、モールド18および/または剥離コーティングの表面を、約50%~約100%の被覆率となるようにして、被覆するのに十分な厚さで塗布することができる。第3のフォトレジスト層10dは、約1ミクロン~約20ミクロン、例えば、約1ミクロン~約15ミクロン、さらなる例として、約2ミクロン~約10ミクロンの範囲の厚さで塗布することができる。第3のフォトレジスト層10dは、蒸着プロセスによって塗布することができる。成膜プロセスの非限定的な例としては、スピンコートプロセス、スプレーコートプロセス、およびディップコートプロセスが挙げられる。
【0027】
特に、第3のフォトレジスト層10dは、微細構造パターン20aのすべてのくぼみ/突起が第3のフォトレジスト層10dに模倣されるように塗布することができる。第3のフォトレジスト層10dは、モールドの微細構造パターン20aに適合する表面を含むことができ、また第4のフォトレジスト層10eを受け止めることができる、適合するまたは平面状である側の表面を含むことができる。
【0028】
塗布後、第3のフォトレジスト層10dは、約50℃~約90℃の範囲の温度で、約1秒~約30分の範囲の時間、加熱/ベークすることができる。加熱/べ―クは、ホットプレートまたはオーブンで行うことができる。一態様では、第3のフォトレジスト層10dをスピンコートし、ホットプレート上で75℃、約2分間ベークすることができる。
【0029】
第3のフォトレジスト層10dを加熱/ベークした後、図2Cに示すように、第4のフォトレジスト層10eを第3のフォトレジスト層10dの表面上に塗布することができる。第3のフォトレジスト層10dおよび第4のフォトレジスト層10eは、同一材料または異なる材料を含むことができる。第4のフォトレジスト層10eは、平坦な外面をもたらすように塗布することができる。第4のフォトレジスト層10eは、約1ミクロン~約20ミクロン、例えば約1ミクロン~約15ミクロン、さらなる例として約2ミクロン~約10ミクロンの範囲の厚さで塗布することができる。第4のフォトレジスト層10eは、蒸着プロセスによって塗布することができる。蒸着プロセスの非限定的な例としては、スピンコートプロセス、スプレーコートプロセス、およびディップコートプロセスが挙げられる。第4のフォトレジスト層10eを連続してスピンコートし、ホットプレート上で75℃、約2分間ベークして、フォトレジストスタック10bを形成することができる。フォトレジスト中間層(10dおよび10e)のベークには、それぞれ30秒~5分および60℃~95℃の範囲の加熱/ベーク時間および温度の任意の組み合わせを使用することができる。
【0030】
第4のフォトレジスト層10eの塗布後、構造体(随意的な剥離コーティングを有するモールド18、第3のフォトレジスト層10d、および第4のフォトレジスト層10eを含む)は、約50℃~約90℃の範囲の温度で、約1秒~約30分の範囲の時間、加熱/ベークすることができる。加熱/ベークは、ホットプレートまたはオーブンで行うことができる。このようにして、第2の多層構造17を形成することができる。
【0031】
本方法は、第1の多層構造16を形成する方法も含み得る。図3Aに示すように、薄膜12を基板14の表面に配置することができる。薄膜12および基板14は、本明細書で説明する通りである。図3Bに示すように、薄膜12の表面に第1のフォトレジスト層10aを塗布して、第1の多層構造16を形成することができる。第1のフォトレジスト層10aは、本明細書で説明する通りである。一態様では、第1の多層構造16の各層は平面および/または平滑である。
【0032】
物品は、基板と、複製された微細構造パターンを含む薄膜とを含むことができる。
【0033】
以上の説明から、当業者は、本教示を様々な形態で実施できることを理解することができる。 したがって、これらの教示は、その特定の実施形態および例に関連して記載されてきたが、本教示の真の範囲は、そのように限定されるべきではない。 本明細書の教示の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行うことができる。
【0034】
本開示は広義に解釈される。本開示は、本明細書に開示されたコーティング、デバイス、活動、および機械的作用を達成するための等価物、手段、システム、および方法を開示することを意図している。開示された各コーティング、デバイス、層、物品、方法、手段、機械的要素又またはメカニズムについて、本開示は、本明細書に開示された多くの態様、機構及びデバイスを実施するための等価物、手段、システムおよび方法をも開示に包含し、教示することを意図する。さらに、本開示は、方法と、その方法によって形成された物品と、その多くの態様、特徴及び要素に関する。本開示は、本明細書に開示された操作及び機能の説明及び精神に一貫する、光学デバイスのような物品及びその多くの側面の使用の等価物、手段、システム及び方法を包含することを意図している。本出願の特許請求の範囲も同様に広く解釈される。本明細書における多くの実施形態における発明の説明は、本質的に単なる例示であり、したがって、本発明の要旨を逸脱しない変形は、本発明の範囲内であることが意図される。そのような変形は、本発明の精神および範囲から逸脱するものとはみなされない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
【国際調査報告】