(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】リチウム含有ナノ粉末、メカニカルアロイング合金、またはそれらの組み合わせ、それらの製造方法および製造システム
(51)【国際特許分類】
C01G 25/00 20060101AFI20240528BHJP
B02C 17/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
C01G25/00
B02C17/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023571827
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2024-01-15
(86)【国際出願番号】 US2022029928
(87)【国際公開番号】W WO2022260838
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523436300
【氏名又は名称】エービーエム ナノ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ジョー
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シーチュー
(72)【発明者】
【氏名】リー、フゥイ
(72)【発明者】
【氏名】シャオ、プーファン
【テーマコード(参考)】
4D063
4G048
【Fターム(参考)】
4D063FF02
4D063FF35
4D063GA02
4D063GD19
4D063GD22
4G048AA04
4G048AB03
4G048AC06
4G048AC08
4G048AD04
4G048AE05
(57)【要約】
本開示の1つの一般的な態様は、リチウム含有ナノ粉末を製造する方法を対象とするものである。本開示の追加の一般的な態様は、リチウム含有ナノ粉末を製造するためのシステムに関するものである。本開示のさらに一般的な態様は、リチウム含有ナノ粉末に関するものである。本開示のさらなる一般的な態様は、本開示の製造方法および製造システムを使用して、複数の金属、複数の金属酸化物、またはそれらの組み合わせをメカニカルアロイング合金に転換することに関するものである。メカニカルアロイング合金は、粉末、例えばナノ粉末とすることができ、リチウム含有ナノ粉末を含んでも含まなくてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕装置によって、前記粉砕装置が第1の配置にある間に、微視的なリチウム・ランタン・ジルコニウム酸化物(LLZO)粉末を粉砕するステップと、
前記粉砕装置を回転させて、前記粉砕装置を第2の配置にさせる、回転させるステップと、
前記粉砕装置が前記第2の配置にある間に、前記微視的なLLZO粉末を撹拌するステップと、
前記粉砕装置が前記第2の配置にある間に、前記微視的なLLZO粉末を冷却するステップと、
前記粉砕装置を前記第1の配置に戻すステップと、
前記微視的なLLZO粉末がLLZOナノ粉末に転換されるまで、前記粉砕するステップ、前記回転させるステップ、前記撹拌するステップ、前記冷却するステップ、および前記戻すステップを繰り返すステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記粉砕装置は、
粉砕室と、
複数の粉砕ボールと
を備えるボールミルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記微視的なLLZO粉末は、1~1000ミクロンの平均粒子サイズを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
複数の金属、複数の金属酸化物、またはそれらの組み合わせを使用して、前記粉砕装置内で前記微視的なLLZO粉末を合成するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記微視的なLLZO粉末を粉砕するステップは、前記粉砕装置を100rpm~3000rpmの回転速度で前記粉砕装置の軸線の周りで回転させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の配置は、鉛直配置である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の配置は、水平配置である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記粉砕装置を前記第2の配置に回転させるステップは、前記粉砕装置を90°回転させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記粉砕装置を前記第1の配置に戻すステップは、前記粉砕装置を反対方向に90°回転させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記LLZOナノ粉末は、1nm~500nmの平均粒子サイズを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記粉砕装置内部の温度は、20℃~180℃の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記微粉砕装置内部で前記微視的なLLZO粉末を撹拌するステップは、衝撃棒で前記粉砕装置を叩くステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記微視的なLLZO粉末を撹拌するステップは、前記粉砕装置を5rpm~500rpmの回転速度で前記粉砕装置の軸線の周りで回転させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記冷却するステップは、ノズルを使用して前記粉砕装置の周囲の領域に冷却媒体を散布させることによって、前記粉砕装置を前記冷却媒体と直接接触させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記冷却するステップは、前記粉砕装置を取り囲む冷却ジャケットに冷却媒体を流すことによって、前記粉砕装置を前記冷却媒体に間接的に接触させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記方法は、前記微視的なLLZO粉末を液体と接触させるステップを含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、前記微視的なLLZO粉末を溶媒と接触させるステップを含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、98%~100%の前記LLZOナノ粉末の生産収率をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記LLZOナノ粉末は、1ナノメートル~500ナノメートルの平均粒子サイズを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記LLZO粉末は、0.1g/cm
3~5g/cm
3の粒子密度を有するリチウム含有ナノ粉末を有する、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リチウム含有ナノ粉末、メカニカルアロイング(による)合金、またはそれらの組み合わせに関するものである。本開示はさらに、リチウム含有ナノ粉末、メカニカルアロイング合金、またはそれらの組み合わせを製造するために使用される方法およびシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウム含有材料および他のタイプのメカニカルアロイング合金は、アノード、カソード、および固体電解質用の材料としてリチウム含有材料を使用する全固体電池の新興分野を含む、いくつかの産業で使用されている。固体電解質用のリチウム含有材料は、微視的な粉末として得ることができる。これらの微視的なリチウム含有粉末を焼結して、アノード、カソード、または固体電解質を形成することができる。しかしながら、現在入手可能な微視的なリチウム含有粉末から作られた焼結固体電解質は、電池動作中に樹枝状結晶が形成されやすい可能性がある。
【0003】
樹枝状結晶の形成の可能性を軽減するには、理想的には、リチウム含有材料の粒子サイズを、顕微鏡スケールを超えてさらに小さくすることである。しかしながら、これには、いくつかの技術的な障害がある。1つには、リチウム含有材料がサイズ低減プロセス中に小さくなるにつれて、低減されたサイズにより、リチウム含有材料がサイズ低減装置の表面に蓄積する可能性が増大する。また、サイズ低減プロセス(例えば、粉砕プロセス)では、かなりの量の熱が発生する可能性がある。これにより、プロセスの温度がリチウムの融点に近づき、その結果、リチウム含有材料が部分的または完全に液化する可能性がある。
【0004】
液体溶媒などの液体をサイズ低減プロセスに導入することによって、リチウム含有材料の粒子サイズを低減することが試みられている。しかしながら、これによりリチウム含有材料に不純物が導入される可能性があり、その除去には費用がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、改良されたリチウム含有ナノ粉末と、それを製造するための改良された方法およびシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
網羅される実施形態は、この概要ではなく特許請求の範囲によって定義される。この概要は、様々な態様の高レベルの概説であり、以下の「詳細な説明」欄でさらに説明される概念のいくつかを紹介する。この概要は、特許請求された主題の重要な構成または本質的な構成を特定することを意図したものではなく、また、特許請求された主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図したものではない。この主題は、明細書全体、いずれかのまたはすべての図面、および各々の請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【0007】
本開示の一般的な一態様は、リチウム含有ナノ粉末を製造する方法を対象とする。いくつかの特定の非限定的な例では、この方法は、粉砕装置が第1の配置にある間に、粉砕装置によってリチウム含有材料を粉砕することと、粉砕装置が第2の配置になるように粉砕装置を回転させることと、リチウム含有材料を撹拌することと、リチウム含有材料を冷却することと、粉砕装置を第1の配置に戻すことと、リチウム含有材料がリチウム含有ナノ粉末に転換されるまで、粉砕すること、回転させること、撹拌すること、冷却すること、および戻すことを繰り返すこととを含むことができる。
【0008】
本開示のさらなる一般的な一態様は、上記の方法ステップを使用して、複数の金属、複数の金属酸化物、またはそれらの組み合わせからメカニカルアロイング合金を製造する方法に関するものである。
【0009】
本開示のさらなる一般的な一態様は、リチウム含有ナノ粉末を製造するためのシステムに関するものである。いくつかの特定の非限定的な例では、システムは、粉砕装置と、粉砕装置の内部でリチウム含有材料を撹拌するように構成された撹拌装置と、粉砕装置の内部でリチウム含有材料を冷却するように構成された冷却装置とを含むことができる。
【0010】
本開示のさらに一般的な一態様は、リチウム含有ナノ粉末に関するものである。いくつかの特定の非限定的な例では、リチウム含有ナノ粉末は、リチウムと、少なくとも1つの遷移金属、少なくとも1つの希土類金属、少なくとも1つの非金属元素、またはそれらの任意の組み合わせから選択される少なくとも1つの追加元素とを含むことができる。
【0011】
網羅される実施形態は、この概要ではなく特許請求の範囲によって定義される。この概要は、様々な態様の高レベルの概説であり、以下の「詳細な説明」セクションでさらに説明される概念のいくつかを紹介する。この概要は、特許請求された主題の重要な構成または本質的な構成を特定することを意図したものではなく、また、特許請求された主題の範囲を決定するために単独で使用されることも意図したものではない。この主題は、明細書全体、いずれかのまたはすべての図面、および各々の請求項の適切な部分を参照することによって理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示のいくつかの態様に係るリチウム含有ナノ粉末の粒子サイズの非限定的な例を示す。
【
図2】本開示のいくつかの態様に係るリチウム含有ナノ粉末の粒子サイズの非限定的な例を示す。
【
図3】本開示のいくつかの態様に係るリチウム含有ナノ粉末の粒子サイズの非限定的な例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、単なる例として本明細書に記載される。ここで特に図面を詳細に参照すると、図示された実施形態は一例であり、本開示の実施形態を概略的に説明することを目的としたものであることが強調される。この点に関して、図面を伴う説明により、本開示の実施形態がどのように実施され得るかが当業者には明らかになる。
【0014】
本開示の一般的な一態様は、リチウム含有材料からリチウム含有ナノ粉末を製造する方法に関するものである。本明細書で使用される場合、「リチウム含有材料」は、リチウムを含む材料である。本明細書で使用される場合、「ナノ粉末」は、1nm~1000nmの平均粒子サイズを有する粉末である。本明細書で使用される場合、「平均粒子サイズ」は、粒子半径、粒子直径、粒子長さ、粒子幅、粒子深さ、またはそれらの任意の組み合わせを指すことができる。本明細書で使用される場合、「リチウム含有ナノ粉末」は、リチウムを含むナノ粉末である。
【0015】
いくつかの例では、リチウム含有材料は、リチウムおよび少なくとも1つの追加元素を含むことができる。ある特定の例では、少なくとも1つの追加元素は、複数の追加元素であってもよい。いくつかの例では、1つまたは複数の追加元素は、少なくとも1つの遷移金属、少なくとも1つの希土類金属、少なくとも1つの非金属元素、またはそれらの任意の組み合わせから選択することができる。特定の実施形態では、追加元素は、少なくとも1つの遷移金属、少なくとも1つの非金属元素、および少なくとも1つの希土類金属を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの遷移金属は、ジルコニウム、チタン、マンガン、ニッケル、コバルト、アルミニウム、鉄、銅、金、銀、白金、パラジウム、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。特定の例では、希土類金属は、ランタン、イットリウム、セリウム、ネオジム、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。いくつかの例では、少なくとも1つの非金属元素には、酸素、リン、炭素、硫黄、炭素、ケイ素、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得る。
【0016】
適切なリチウム含有材料のいくつかの特定の例としては、リチウム・ランタン・ジルコニウム酸化物(LLZO)、チタン酸リチウム(LTO)、炭素がコーティングされたLTO、リチウム・マンガン酸化物(LMO)、リチウム・ニッケル・コバルト・アルミニウム酸化物(NA)、リチウム・マンガン・ニッケル酸化物(LMNO)、LATPがコーティングされたリチウム・マンガン・ニッケル酸化物、リチウム・ランタン・チタン酸塩、アルミニウムがドープされたリチウム・ランタン・ジルコニウム酸化物、リチウム・アルミニウム・チタンリン酸塩、リチウム・コバルト酸化物(LCO)、リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト酸化物、リチウム鉄リン酸塩、リチウム2.6銅0.4N(lithium2.6copper0.4 N)、リチウム2.6コバルト0.2銅0.2、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
特定の実施形態では、リチウム含有材料は、粉砕装置に粉末として装填される。粉末は、微視的な粉末とすることができる。本明細書で使用される場合、「微視的な粉末」は、1ミクロン以上の平均粒子サイズを有する粉末である。いくつかの例では、微視的な粉末の平均粒子サイズは必ずしも限定されず、例えば、1~1000ミクロン、10~1000ミクロン、50~1000ミクロン、100~1000ミクロン、500~1000ミクロン、1~500ミクロン、1~100ミクロン、1~50ミクロン、1~10ミクロン、50~500ミクロン、10~100ミクロン、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。いくつかの実施形態では、微視的な粉末は、巨視的な粒子を含むことができる。本明細書で使用される場合、「巨視的な粒子」とは、1ミリメートル以上の平均粒子サイズを有する粒子である。
【0018】
いくつかの実施形態では、粉砕に供されるリチウム含有材料は、微視的なLLZO粉末を含む、微視的なLLZO粉末からなる、または微視的なLLZO粉末から本質的になる。いくつかの実施形態では、リチウム含有材料は、リチウム・ランタン・ジルコニウム、または酸素以外の化学元素を含まない。
【0019】
いくつかの例では、リチウム含有材料は、動作中に粉砕装置内で合成することができる。これは、粉砕装置内でのメカニカルアロイング合金の形成によって発生することができる。粉砕装置内でのリチウム含有材料の合成は、いくつかの実装形態では、複数の金属、複数の金属酸化物、またはそれらの組み合わせを使用して実行することができる。1つの特定の例では、リチウム含有材料は、LLZOであり、これは、例えば酸化リチウム、酸化ランタン、酸化ジルコニウムを使用して、粉砕装置内でメカニカルアロイング合金として形成することができる。1つの非限定的な実施形態では、酸化リチウム、酸化ランタン、および酸化ジルコニウムを、3.5:1.5:2の重量比で粉砕装置に添加することができる。
【0020】
いくつかの例では、一連のカチオンをドーパントとして粉砕装置に添加して、リチウム含有材料を安定化させ、イオン伝導性を改善することができる。いくつかの実施形態では、一連のカチオンには、Fe3+、Al3+、Ga3+、Nb4+、Ta5+、Te6+、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。方法の特定の例には、方法中にリチウム含有材料に過剰なリチウムを添加することが含まれてもよい。
【0021】
いくつかの例では、この方法は、リチウム含有材料以外の広範な種類の材料を合成するために使用することができる。これは、上記したように、複数の金属、複数の金属酸化物、またはそれらの組み合わせを粉砕装置に添加してメカニカルアロイング合金を形成することによって達成することができる。この広範な種類の材料には、ビスマス含有合金、アンチモン含有合金、遷移金属炭化物、鉄含有合金、ニッケル含有合金、またはそれらの任意の組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。特定の態様では、メカニカルアロイング合金は、メカニカルアロイング合金粉末とすることができる。メカニカルアロイング合金粉末は、さらにメカニカルアロイング合金ナノ粉末であってもよい。メカニカルアロイング合金ナノ粉末は、本明細書に記載のリチウム含有ナノ粉末の任意の実施形態の平均粒子サイズと同じ範囲の平均粒子サイズを有することができる。
【0022】
この方法は、粉砕装置を用いてリチウム含有材料を粉砕することをさらに含むことができる。粉砕装置は、当該技術分野で知られている任意の粉砕装置とすることができる。例えば、粉砕装置は、ロッドミル、自生粉砕ミル、半自生(SAG)ミル、ペブルミル、または垂直軸インパクタ(VSI:vertical shaft impactor)ミルとすることができる。特定の一実施形態では、粉砕装置は、粉砕室および複数の粉砕メディアを含むことができる。本開示の特定の実施形態では、粉砕室は、ミリングポットであってもよい。ミリングポットは、セラミックス製ミリングポットであってもよい。セラミックス製ミリングポットは、リチウム含有材料と同じ元素の一部または全部を含むことができる。これにより、方法中に不純物が導入される可能性が低減する可能性がある。セラミックス製ミリングポットは、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、LLZO、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない様々な材料を含むことができる。ミリングポットは、ポリマー製ミリングポットであってもよい。ポリマー製ミリングポットは、例えば、ポリウレタンまたはエポキシを含むことができる。いくつかの実装形態では、粉砕装置は、ボールミルであり、粉砕メディアは、粉砕ボールである。いくつかの例では、粉砕ボールは、リチウム含有材料と共通の少なくとも1つの元素を有することができる。これによっても、方法中に不純物が導入される可能性が低減する可能性がある。
【0023】
いくつかの例では、リチウム含有材料を粉砕することは、粉砕装置の軸線の周りで粉砕装置を回転させることを含むことができる。いくつかの例では、粉砕装置の軸線の周りで粉砕装置を回転させることにより、複数の粉砕メディアがリチウム含有材料と繰り返し接触し、それによってリチウム含有材料のサイズを低減させることができる。粉砕装置がボールミルである例では、複数の粉砕ボールがリチウム含有材料と繰り返し接触し、それによってリチウム含有材料のサイズを低減させることができる。
【0024】
いくつかの例では、粉砕は、ある回転速度で粉砕装置を回転させることによって実行される。いくつかの実施形態では、粉砕装置の回転速度は、100rpm~3000rpm、500rpm~3000rpm、1000rpm~3000rpm、2000rpm~3000rpm、100rpm~2000rpm、100rpm~1000rpm、100rpm~500rpm、500rpm~2000rpm、500rpm~1000rpm、1000rpm~2000rpm、またはそれらの任意の組み合わせの範囲とすることができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、リチウム含有材料の粉砕は、粉砕装置が第1の配置にある間に行うことができる。いくつかの実装形態では、第1の配置は、鉛直配置である。しかしながら、特定の実施形態では、第1の配置は、水平配置であってもよい。さらに、鉛直配置は、反転(つまり、「上下逆」)または正立とすることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、この方法は、粉砕装置が第2の配置になるように粉砕装置を回転させることをさらに含むことができる。いくつかの実装形態では、第2の配置は、水平配置である。しかしながら、特定の実施形態では、第2の配置は、鉛直配置であってもよい。特定の実施形態では、粉砕装置を回転させることは、(例えば、粉砕装置を横向きに回転させることによって)粉砕装置を90°回転させることを含んでもよい。粉砕装置は、制限なく時計回りまたは反時計回りに回転させることができる。粉砕装置は、連続的にまたは周期的に回転させることもできる。
【0027】
特定の例では、この方法は、粉砕装置を撹拌することを含むことができる。撹拌することは、例えば、粉砕装置をたたくことか、または粉砕装置を振ることなどによって行うことができる。
【0028】
いくつかの例では、粉砕装置内部でリチウム含有材料を撹拌することは、粉砕装置を撹拌装置で叩くことを含んでもよい。特定の実施形態では、撹拌装置は、衝撃ロッドを備えていてもよい。衝撃ロッドは、複数の方向(例えば、上方および下方)に移動することによって粉砕装置を撹拌することができる。衝撃ロッドは、粉砕装置と接触している間に振動することによって粉砕装置を撹拌することもできる。いくつかの例では、衝撃ロッドは振動し、複数の方向に同時に移動し、それによって粉砕装置を撹拌することができる。撹拌することは、粉砕装置が、場合によっては水平配置とすることができる第2の配置にあるときに行われてもよい。
【0029】
撹拌装置の配置は、撹拌装置が粉砕装置の打撃距離内にある限り、限定されない。本明細書で使用される場合、「打撃距離内」とは、撹拌装置が粉砕装置を撹拌するために粉砕装置から十分な距離に存在することを意味する。例えば、撹拌装置は、粉砕装置の内部(上部、底部、または側部)、粉砕装置の外部、またはそれらの任意の組み合わせにあり得る。いくつかの実施形態では、撹拌装置は、複数の構成要素(例えば、複数の衝撃ロッド)を含むことができる。特定の態様では、撹拌装置の1つの構成要素(例えば、1つの衝撃ロッド)が、粉砕装置の内部にあってもよく、一方、撹拌装置の別の構成要素(例えば、第2の衝撃ロッド)が、粉砕装置の外部にあってもよい。いくつかの例では、第1の構成要素と第2の構成要素は、粉砕装置を連続的に撹拌することができる。いくつかの実施形態では、第1の構成要素と第2の構成要素は、粉砕装置を同時に撹拌することができる。
【0030】
この方法の特定の実施形態は、粉砕装置の軸線の周りで粉砕装置を回転させることによって粉砕装置を撹拌することを含むことができる。回転させることsによって粉砕装置を撹拌することは、粉砕装置が第2の配置(場合によっては水平配置)にあり得るときに行われてもよい。回転させることによって粉砕装置を撹拌することは、衝撃ロッドによる粉砕装置の打撃中など、他の形態の撹拌と同時にまたは連続して行うこともできる。
【0031】
回転による粉砕装置の撹拌は、粉砕ステップ中の回転速度よりも遅い回転速度で行われてもよい。例えば、撹拌中の回転速度は、5rpm~500rpm、50rpm~500rpm、100rpm~500rpm、100rpm~500rpm、200rpm~500rpm、300rpm~500rpm、400rpm~500rpm、5rpm~400rpm、5rpm~300rpm、5rpm~200rpm、5rpm~100rpm、5rpm~50rpm、50rpm~400rpm、100rpm~300rpm、100rpm~200rpm、200rpm~300rpm、またはそれらの任意の組み合わせの範囲とすることができる。
【0032】
方法のいくつかの実施形態は、粉砕装置内部のリチウム含有材料を冷却することを含むことができる。粉砕装置内部のリチウム含有材料を冷却することは、粉砕装置が第2の配置、場合によっては水平配置にある間に行うことができる。特定の例では、粉砕装置内部のリチウム含有材料を冷却することは、粉砕装置を冷却媒体と接触させることによって行うことができる。冷却媒体は、任意の適切な冷却媒体とすることができ、固体、液体、または気体とすることができる。いくつかの特定の例では、冷却媒体は、水を含むことができる。さらなる実施形態では、冷却媒体は、少なくとも1つの冷媒を含むことができる。
【0033】
特定の実施形態では、粉砕装置内部のリチウム含有材料を冷却することは、粉砕装置を冷却媒体と直接接触させることを含むことができる。例えば、粉砕装置を冷却媒体と直接接触させることは、ノズルを使用して粉砕装置の周囲の領域に冷却媒体を散布させることを含むことができる。ノズルを使用して粉砕装置の周囲の領域に冷却媒体を散布すると、冷却媒体が粉砕装置の外側と直接接触し、それによって粉砕装置内部のリチウム含有材料を冷却する。
【0034】
粉砕装置内部のリチウム含有材料を冷却することは、場合によっては、粉砕装置を冷却媒体と間接的に接触させることを含むことができる。特定の例示的な実施形態では、粉砕装置を冷却媒体と間接的に接触させることは、粉砕装置を取り囲む冷却ジャケットに冷却媒体を流すことを含むことができる。
【0035】
この方法は、特定の実施形態では、粉砕装置を第1の配置に戻すことを含むことができる。粉砕装置を第1の配置に戻すことは、回転させるステップに対して反対方向に粉砕装置を回転させることを含むことができる。例えば、回転させるステップ中に粉砕装置が時計回りに90°回転する場合、粉砕装置を第1の配置に戻すステップ中に粉砕装置は、反時計回りに90°回転させることができる。同様に、回転させるステップ中に粉砕装置が反時計回りに90°回転する場合、粉砕装置を第1の配置に戻すステップ中に粉砕装置は、時計回りに90°回転させることができる。上述したように、第1の配置は、鉛直配置であってもよいし、水平配置であってもよい。
【0036】
特定の実施形態では、リチウム含有材料がリチウム含有ナノ粉末に転換されるまで、方法ステップの一部またはすべてを繰り返すことができる。この方法ステップは、1回または複数回繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、粉砕するステップ、回転させるステップ、撹拌するステップ、冷却するステップ、および戻すステップを繰り返してもよい。
【0037】
いくつかの例では、リチウム含有ナノ粉末が目標平均粒子サイズに達するまで、方法ステップの一部またはすべてを繰り返すことができる。例えば、目標平均粒子サイズは、1nm~500nm、5nm~500nm、10nm~500nm、25nm~500nm、50nm~500nm、75nm~500nm、100nm~500nm、1nm~100nm、1nm~75nm、1nm~50nm、1nm~25nm、1nm~10nm、1nm~5nm、5nm~100nm、10nm~75nm、25nm~50nm、またはそれらの任意の組み合わせとすることができる。
【0038】
特定の例では、方法中、粉砕装置の内部の温度は、180℃であるリチウムの融点未満の温度に維持される。いくつかの実施形態では、粉砕装置の内部の温度は、室温に維持され、室温は、本明細書で定義されるように20℃~30℃である。いくつかの実施形態では、方法中、粉砕装置内部の温度は、20℃~180℃、40℃~180℃、60℃~180℃、80℃~180℃、100℃~180℃、120℃~180℃、140℃~180℃、160℃~180℃、20℃~160℃、20℃~140℃、20℃~120℃、20℃~100℃、20℃~80℃、20℃~60℃、20℃~40℃、40℃~160℃、60℃~140℃、80℃~120℃、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない様々な温度範囲に維持することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、この方法は、リチウム含有材料を液体と接触させることを含まない。特定の例では、この方法は、リチウム含有材料を溶媒と接触させることを含まない。本開示のいくつかの方法から除外され得る溶媒のいくつかの例としては、アルコールが挙げられるがこれに限定されない有機溶媒が含まれる。いくつかの実施形態では、粉砕装置(例えば、ミリングポット)は、方法全体を通じてガスでシールすることができる。ガスは、不活性ガスであってもよい。不活性ガスは、例えば、窒素または希ガス(例えば、キセノンまたはアルゴン)とすることができる。
【0040】
特定の実施形態では、この方法により、リチウム含有ナノ粉末の生産収率が向上する。いくつかの実施形態では、向上した生産収率は、98%~100%、99%~100%、99.5%~100%、99.95%~100%、99.995%~100%、99.9995%~100%、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0041】
本開示のいくつかの非限定的な態様は、リチウム含有ナノ粉末を製造するためのシステムに関するものである。特定の例では、システムは、上記の方法を実行するために使用することができる。いくつかの例では、システムは、上記の粉砕装置を含むことができる。特定の実装形態では、システムは、上記の撹拌装置を含むことができる。撹拌装置は、粉砕装置の内部でリチウム含有材料を撹拌するように構成することができる。場合によっては、システムには冷却装置が含まれていてもよい。冷却装置は、粉砕装置の内部のリチウム含有材料を冷却するように構成することができる。
【0042】
リチウム含有材料6が目標の平均粒子サイズを有するリチウム含有ナノ粉末に転換されるまで、上述のステップを繰り返すことができる。
【0043】
本開示のいくつかの態様は、リチウム含有ナノ粉末に関係し得る。いくつかの特定の非限定的な例では、リチウム含有ナノ粉末は、リチウムおよび少なくとも1つの追加元素を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になることができる。いくつかの特定の非限定的な例では、リチウム含有ナノ粉末は、リチウムおよび複数の追加元素を含む、それらからなる、またはそれらから本質的になることができる。追加の1つまたは複数の元素は、少なくとも1つの遷移金属、少なくとも1つの希土類金属、少なくとも1つの非金属元素、またはそれらの任意の組み合わせを含む、それらからなる、またはそれらから本質的になることができる。いくつかの特定の非限定的な例では、リチウム含有ナノ粉末は、LLZOナノ粉末を含む、LLZOナノ粉末からなる、またはLLZOナノ粉末から本質的になることができる。
【0044】
特定の実装形態では、リチウム含有材料は、上記のリチウム含有材料の例と同じであっても異なっていてもよい。いくつかの例では、少なくとも1つの遷移金属、少なくとも1つの希土類金属、少なくとも1つの非金属元素、またはそれらの任意の組み合わせは、上で開示されたものと同じであってもよい。いくつかの例では、少なくとも1つの遷移金属、少なくとも1つの希土類金属、少なくとも1つの非金属元素、またはそれらの任意の組み合わせは、上で開示されたものと異なっていてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、リチウム含有ナノ粉末は、特定の平均粒子サイズを有し得る。いくつかの実施形態では、リチウム含有ナノ粉末は、当該技術分野で知られている近似方法を使用して球形であると近似することができる。リチウム含有ナノ粉末を球形と近似した場合、平均粒子サイズは、リチウム含有ナノ粉末の直径とみなすことができる。平均粒子サイズのいくつか例には、1nm~500nm、5nm~500nm、10nm~500nm、25nm~500nm、50nm~500nm、75nm~500nm、100nm~500nm、1nm~100nm、1nm~75nm、1nm~50nm、1nm~25nm、1nm~10nm、1nm~5nm、5nm~100nm、10nm~75nm、25nm~50nm、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0046】
平均粒子サイズのさらなる例を
図1~
図3に示す。
図1は、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用して捕捉されたリチウム含有ナノ粉末の粒子の例を示している。
図1に示されるように、第1の例の粒子の直径は、67.83nmであるが、第2の例の粒子の直径は、112.71nmである。
図2および
図3は、本開示に係る特定のリチウム含有ナノ粉末の粒子分布を示す。
図2に示されるように、リチウム含有ナノ粉末の一例は、
図2の粒子サイズ分布のピークによって示されるように、237nmの平均粒子サイズを有することができる。
図3に示されるように、リチウム含有ナノ粉末の一例は、
図3の粒子サイズ分布のピークによって示されるように、14.4nmの平均粒子サイズを有することができる。
【0047】
リチウム含有ナノ粉末は、いくつかの例では、特定の粒子密度を有することができる。例えば、リチウム含有ナノ粉末は、0.5g/cm3~1g/cm3、0.6g/cm3~1g/cm3、0.7g/cm3~1g/cm3、0.8g/cm3~1g/cm3、0.9g/cm3~1g/cm3、0.5g/cm3~0.9g/cm3、0.5g/cm3~0.8g/cm3、0.5g/cm3~0.7g/cm3、0.5g/cm3~0.6g/cm3、0.6g/cm3~0.9g/cm3、0.7g/cm3~0.8g/cm3、またはそれらの任意の組み合わせの粒子密度を有することができる。いくつかのさらなる例では、リチウム含有ナノ粉末は、0.8g/cm3~0.9g/cm3、0.82g/cm3~0.9g/cm3、0.84g/cm3~0.9g/cm3、0.86g/cm3~0.9g/cm3、0.88g/cm3~0.9g/cm3、0.8g/cm3~0.88g/cm3、0.8g/cm3~0.86g/cm3、0.8g/cm3~0.84g/cm3、0.8g/cm3~0.82g/cm3、0.82g/cm3~0.88g/cm3、0.84g/cm3~0.86g/cm3、またはそれらの任意の組み合わせの粒子密度を有することができる。さらに別の例では、リチウム含有ナノ粉末は、0.1g/cm3~5g/cm3、0.2g/cm3~5g/cm3、0.5g/cm3~5g/cm3、1g/cm3~5g/cm3、2g/cm3~5g/cm3、3g/cm3~5g/cm3、4g/cm3~5g/cm3、0.1g/cm3~4g/cm3、0.1g/cm3~3g/cm3、0.1g/cm3~2g/cm3、0.1g/cm3~1g/cm3、0.1g/cm3~1g/cm3、0.1g/cm3~0.5g/cm3、0.1g/cm3~0.2g/cm3、0.2g/cm3~4g/cm3、0.5g/cm3~3g/cm3、1g/cm3~2g/cm3、またはそれらの任意の組み合わせの粒子密度を有することができる。
【0048】
いくつかの実装形態では、リチウム含有ナノ粉末は、特定の焼結温度を示し得る。本明細書で使用する場合、焼結温度は、リチウム含有ナノ粉末を溶融させることなく、周囲圧力で熱によってリチウム含有ナノ粉末から固体塊を形成するのに必要な温度である。焼結温度のいくつかの具体例としては、500℃~1250℃、600℃~1250℃、700℃~1250℃、800℃~1250℃、1000℃~1250℃、1000℃~1250℃、500℃~1000℃、500℃~800℃、500℃~700℃、500℃~600℃、600℃~1000℃、700℃~800℃、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
特定の例では、リチウム含有ナノ粉末は、特定の焼結時間を示し得る。本明細書で使用される場合、焼結時間は、リチウム含有ナノ粉末を溶融させることなく本明細書に記載の焼結温度かつ周囲圧力で熱によってリチウム含有ナノ粉末から固体塊を形成するのに必要な時間である。焼結時間のいくつかの具体例としては、0.3時間~10時間、0.5時間~10時間、1時間~10時間、2時間~10時間、4時間~10時間、6時間~10時間、8時間~10時間、0.3時間~8時間、0.3時間~6時間、0.3時間~4時間、0.3時間~2時間、0.3時間~1時間、0.3時間~0.5時間、0.5時間~8時間、1時間~6時間、2時間~4時間、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
いくつかの例では、リチウム含有ナノ粉末は、最大で2重量%の不純物を有する。さらなる例では、リチウム含有ナノ粉末は、最大で1重量%の不純物を有する。さらに別の例では、リチウム含有ナノ粉末は、最大で0.5重量%の不純物を有する。さらに別の例では、リチウム含有ナノ粉末は、最大で0.1重量%の不純物を有する。さらなる例では、リチウム含有ナノ粉末は、最大で0.05重量%の不純物を有する。さらなる例では、リチウム含有ナノ粉末は、最大で0.01重量%の不純物を有する。さらなる例では、リチウム含有ナノ粉末は、最大で0.001重量%の不純物を有する。
【0051】
開示されたそれらの利点および改良点のうち、本開示の他の目的および利点は、添付の図面と併せて行われる以下の説明から明らかになるであろう。本開示の詳細な実施形態が本明細書に開示されるが、開示された実施形態は、様々な形態で具体化することができる本開示の単なる例示にすぎないことを理解すべきである。また、本開示の様々な実施形態に関して与えられた例の各々は、例示を目的とするものであり、限定するものではない。
【0052】
本明細書および特許請求の範囲全体を通じて、以下の用語は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、本明細書に明示的に関連付けられた意味を有する。本明細書で使用される場合の「1つの実施形態では」、「一実施形態では」、および「いくつかの実施形態では」という語句は、同じ実施形態を指す場合もあるが、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、本明細書で使用される「別の一実施形態では」および「いくつかの他の実施形態では」という語句は、異なる一実施形態を指す場合もあるが、必ずしも異なる一実施形態を指すとは限らない。本開示のすべての実施形態は、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく組み合わせることができるように意図されている。
【0053】
本明細書で使用される場合、「に基づいて」という用語は、排他的ではなく、文脈上明らかに別段の指示がない限り、記載されていない追加の要素に基づくことを許容する。また、本明細書全体を通じて、「a」、「an」、および「the」の意味には、複数の参照が含まれる。「in」の意味には、「中(in)」および「上(on)」が含まれる。
【0054】
本明細書で参照されるすべての先行特許、刊行物、および試験方法は、その全体が参照により組み込まれる。
【0055】
上記した本開示の実施形態に対する変形、修正、および変更は、当業者には明らかであろう。このような変形、修正、変更などはすべて、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される、本開示の趣旨および範囲内に入ることが意図される。
【0056】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例示にすぎず、限定的なものではなく、多くの変更が当業者には明らかであることが理解される。例えば、本明細書で議論されるすべての寸法は、例としてのみ提供され、例示的なものであり、限定的なものではないことが意図される。
【0057】
この説明で明確に特定される構成または要素は、特許請求の範囲で定義される本発明の一実施形態の構成または要素として特に除外される場合もある。
【0058】
本明細書で使用される「から本質的になる」という用語は、特定の請求項の範囲を、特定の材料またはステップ、および特定の請求項の基本的かつ新規な1つまたは複数の特徴に実質的に影響を与えない材料またはステップに限定する。いくつかの実施形態では、「から本質的になる」と記載する請求項は、焼結温度、焼結時間、平均粒子サイズ、または粒子密度のうちの少なくとも1つに実質的に影響を及ぼさない任意の記載されていない構成要素の追加を許容し得る。いくつかの実施形態では、「から本質的になる」と記載する請求項は、少なくとも1つの添加剤、少なくとも1つの充填剤、またはそれらの任意の組み合わせの添加を許容し得る。
【0059】
本明細書に記載される開示は、本明細書に具体的に開示されていない任意の1つまたは複数の要素、1つまたは複数の限定が存在しない場合でも実施することができる。したがって、例えば、本明細書の各々の例において、「含む」、「から本質的になる」、および「からなる」という用語のいずれも、他の2つの用語のいずれかに置き換えることができる。使用されている用語および表現は、説明の用語として使用されており、限定するものではなく、そのような用語および表現の使用には、図示され説明されている構成またはその一部の任意の均等物を除外する意図はなく、本開示の範囲内で種々の変更が可能であることが認識される。
【国際調査報告】