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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】資産追跡システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 19/46 20100101AFI20240528BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
G01S19/46
B65G61/00 510
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572246
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2023-12-21
(86)【国際出願番号】 KR2022007085
(87)【国際公開番号】W WO2022245118
(87)【国際公開日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】10-2021-0065696
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0065699
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0065701
(32)【優先日】2021-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504394744
【氏名又は名称】アモセンス・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AMOSENSE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Cheonan the fourth Local Industrial Complex) 19-1 Block, 90, 4sandan 5-gil, jiksan-eup, Seobuk-gu Cheonan-si, Chungcheongnam-do 31040, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ,サンヨル
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062CC11
5J062CC18
5J062FF01
(57)【要約】
【課題】資産の正確な位置を追跡するようにした資産追跡システム及び方法を提供する。
【解決手段】本発明は、資産の正確な位置を追跡するために、追跡対象である資産に設置された資産端末の位置である資産位置を測定し、基準端末と資産端末の通信により、基準端末を基準とした資産端末の相対的位置を測定し、相対的位置を用いて資産位置を補正する。これにより、本発明は、GPS通信のみを用いて資産位置を測定する方式と比べて資産位置の測定誤差を最小化する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準端末と、
追跡対象である資産に設置され、前記基準端末とUWB通信を行って前記基準端末を基準とした相対的位置を測定する複数の資産端末と、
前記複数の資産端末から資産位置及び相対的位置を収集し、前記相対的位置を用いて資産端末の資産位置を補正する管理サーバと、を含むことを特徴とする資産追跡システム。
【請求項2】
前記複数の資産端末は、
GPS信号を受信する第1通信モジュールと、
前記第1通信モジュールで受信したGPS信号に基づいて資産の現在位置に対応する資産位置を生成し、前記資産位置及び資産端末の固有識別子を含む第1位置情報を生成する資産位置生成モジュールと、
前記基準端末とUWB信号を送受信し、前記UWB信号の遅延時間を受信する第2通信モジュールと、
前記第2通信モジュールで受信した前記遅延時間に基づいて前記基準端末からの方向及び距離を含む相対的位置を生成し、前記相対的位置及び資産端末の固有識別子を含む第2位置情報を生成する相対的位置生成モジュールと、
前記資産位置生成モジュールで生成された前記第1位置情報と、前記相対的位置生成モジュールで生成された前記第2位置情報を収集し、前記第1位置情報及び前記第2位置情報の少なくとも1つの位置情報を含む位置情報伝送要請を伝送する制御モジュールと、
前記制御モジュールの位置情報伝送要請に応答して、前記第1位置情報及び前記第2位置情報をSigfoxプロトコルに変換してから前記管理サーバに伝送する第3通信モジュールと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の資産追跡システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、
前記複数の資産端末から第1位置情報及び第2位置情報を受信し、前記第1位置情報及び前記第2位置情報を含む位置情報格納要請を出力する第4通信モジュールと、
前記第4通信モジュールの位置情報格納要請に応答して、前記第1位置情報及び前記第2位置情報から検出された資産端末の固有識別子、基準端末の固有識別子、資産位置、及び相対的位置を連携して格納する位置情報格納モジュールと、
前記位置情報格納モジュールに格納されている前記資産位置及び相対的位置に基づいて前記基準端末の位置に対応する基準位置を生成し、前記基準位置及び前記基準端末の固有識別子を含む位置補正要請を出力する基準位置生成モジュールと、
前記基準位置生成モジュールの位置補正要請に応答して、前記基準端末の固有識別子に連携された資産端末の固有識別子及び相対的位置を検出し、前記基準位置を基準点として、前記基準点からの前記相対的位置の方向及び距離に対応する位置を前記資産端末の補正資産位置として生成する補正モジュールと、を含み、
前記基準位置生成モジュールは、
前記基準端末を基準として対向点に位置する2つの資産端末の中間点を抽出し、抽出した中間点を連結した図形の中心点を前記基準位置として生成し、
2つの資産端末の資産位置を連結した直線の1/2地点、及び前記2つの資産端末の資産位置から相対的位置の方向に相対的位置の距離だけ移動した位置を連結した直線の1/2地点のうちの1つの地点を中間点として抽出することを特徴とする請求項1に記載の資産追跡システム。
【請求項4】
前記複数の資産端末は、相互間のUWB通信により相対的位置を生成し、前記相対的位置に基づいて1つのマスター資産端末と複数のスレーブ資産端末を含む1つ以上のグループを構成し、
GPS通信品質、UWB通信品質、電池残量の少なくとも1つに基づいて、第1グループに含まれている複数のスレーブ資産端末のうちの1つが前記第1グループのマスター資産端末として設定され、前記第1グループの既存のマスター資産端末は前記第1グループのスレーブ資産端末として設定されて、
前記複数のスレーブ資産端末は、追跡対象である資産に設置されてGPS信号に基づいて資産位置を測定し、前記マスター資産端末とUWB通信を行って前記マスター資産端末を基準とした相対的位置を測定し、
前記マスター資産端末は前記基準端末であって、追跡対象である資産に設置されてGPS信号に基づいて資産位置を測定し、同じグループに属する前記複数のスレーブ資産端末から資産位置及び相対的位置を収集し、
前記管理サーバは、前記マスター資産端末から前記複数のスレーブ資産端末の資産位置及び相対的位置を収集し、前記相対的位置を用いて前記資産位置を補正することを特徴とする請求項1に記載の資産追跡システム。
【請求項5】
前記マスター資産端末は、
GPS信号を受信する第1通信モジュールと、
前記第1通信モジュールで受信したGPS信号に基づいて資産の現在位置に対応する資産位置を生成し、前記資産位置及び資産端末の固有識別子を含む第1位置情報を生成する資産位置生成モジュールと、
前記複数のスレーブ資産端末とUWB信号を送受信するものであって、スレーブ資産端末にAdvertising信号及び位置測定要請信号のうちの1つの信号を出力し、Ranging Request信号を伝送した資産端末に第1UWB Pulsを伝送した後、前記資産端末から第2UWB Pulsを受信し、前記第1UWB Pulsと前記第2UWB Pulsとの間の遅延時間を測定して前記スレーブ資産端末に伝送する、第2通信モジュールと、
前記資産位置生成モジュールに資産位置生成要請を伝送した後、前記資産位置生成要請に対する応答として前記第1位置情報を受信し、位置情報収集要請を伝送した後、前記位置情報収集要請に対する応答として前記複数のスレーブ資産端末の資産位置及び相対的位置を受信し、前記第1位置情報と前記複数のスレーブ資産端末の資産位置及び相対的位置を含む位置情報伝送要請を伝送する制御モジュールと、
前記制御モジュールの位置情報収集要請に応答して、同じグループに属する前記複数のスレーブ資産端末から資産位置及び相対的位置を収集して前記制御モジュールに伝送し、前記制御モジュールの位置情報伝送要請に応答して、前記第1位置情報と前記複数のスレーブ資産端末の資産位置及び相対的位置をSigfoxプロトコルに変換してから前記管理サーバに伝送する第3通信モジュールと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の資産追跡システム。
【請求項6】
前記複数のスレーブ資産端末は、
GPS信号を受信する第1通信モジュールと、
前記第1通信モジュールで受信したGPS信号に基づいて資産の現在位置に対応する資産位置を生成し、前記資産位置及びスレーブ資産端末の固有識別子を含む第1位置情報を生成する資産位置生成モジュールと、
前記マスター資産端末とUWB信号を送受信し、前記UWB信号の遅延時間を受信する第2通信モジュールと、
前記第2通信モジュールで受信した遅延時間に基づいて前記マスター資産端末からの方向及び距離を含む相対的位置を生成し、前記相対的位置及び前記スレーブ資産端末の固有識別子を含む第2位置情報を生成する相対的位置生成モジュールと、
前記資産位置生成モジュールで生成された前記第1位置情報と、前記相対的位置生成モジュールで生成された前記第2位置情報を収集し、前記第1位置情報及び前記第2位置情報の少なくとも1つの位置情報を含む位置情報伝送要請を伝送する制御モジュールと、
前記制御モジュールの位置情報伝送要請に応答して、前記第1位置情報及び前記第2位置情報をSigfoxプロトコルに変換してから前記マスター資産端末に伝送する第3通信モジュールと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の資産追跡システム。
【請求項7】
前記管理サーバは、
マスター資産端末から第1位置情報と前記複数のスレーブ資産端末の資産位置及び相対的位置を受信し、前記第1位置情報と前記複数のスレーブ資産端末の資産位置及び相対的位置を含む位置情報格納要請を出力する第4通信モジュールと、
前記第4通信モジュールの位置情報格納要請に応答して、前記第1位置情報と前記複数のスレーブ資産端末の資産位置及び相対的位置を格納する位置情報格納モジュールと、
前記位置情報格納モジュールに格納されている前記資産位置及び相対的位置に基づいて前記マスター資産端末の位置に対応する基準位置を生成し、前記基準位置及び前記マスター資産端末の固有識別子を含む位置補正要請を出力する基準位置生成モジュールと、
前記基準位置生成モジュールの位置補正要請に応答して、前記マスター資産端末の固有識別子に連携されたスレーブ資産端末の固有識別子及び相対的位置を検出し、前記基準位置を基準点として、前記基準点からの前記相対的位置の方向及び距離に対応する位置を前記スレーブ資産端末の補正資産位置として生成する補正モジュールと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の資産追跡システム。
【請求項8】
前記複数の資産端末は、相互間のUWB通信により相対的位置を生成し、前記相対的位置に基づいて、マスター資産端末と複数のスレーブ資産端末を含む1つ以上のグループを構成し、
前記複数のスレーブ資産端末は、追跡対象である資産に設置され、同じグループに属するマスター資産端末とUWB通信を行って前記マスター資産端末を基準とした相対的位置を測定し、
前記マスター資産端末は前記基準端末であって、追跡対象である資産に設置されてGPS信号に基づいて資産位置を測定し、同じグループに属する前記複数のスレーブ資産端末から相対的位置を収集し、
前記管理サーバは、各グループのマスター資産端末から前記マスター資産端末の資産位置と前記複数のスレーブ資産端末の相対的位置を収集し、前記資産位置を基準位置として設定し、前記基準位置を基準として前記資産位置に前記相対的位置を反映して前記複数のスレーブ資産端末の補正資産位置を生成することを特徴とする請求項1に記載の資産追跡システム。
【請求項9】
前記複数の資産端末は、
GPS信号を受信する第1通信モジュールと、
前記第1通信モジュールで受信したGPS信号に基づいて資産の現在位置に対応する資産位置を生成し、前記資産位置及び資産端末の固有識別子を含む第1位置情報を生成する資産位置生成モジュールと、を含み、
前記複数の資産端末のうちスレーブ資産端末として設定された資産端末は、前記第1通信モジュール及び前記資産位置生成モジュールをスリープモードに設定して資産位置の生成を中断することを特徴とする請求項8に記載の資産追跡システム。
【請求項10】
前記管理サーバは、前記基準位置から相対的位置の方向に相対的位置の距離だけ移動した位置をスレーブ資産端末の補正資産位置として生成することを特徴とする請求項8に記載の資産追跡システム。
【請求項11】
基準端末及び複数の資産端末と通信が可能な管理サーバにより行われる資産追跡方法であって、
前記複数の資産端末からGPS信号に基づいて生成された資産位置を収集するステップと、
前記複数の資産端末から、前記基準端末と資産端末とのUWB通信により生成された前記基準端末を基準とした相対的位置を収集するステップと、
前記資産位置を収集するステップで収集した資産位置に基づいて、前記基準端末の位置に対応する基準位置を生成するステップと、
前記基準位置を生成するステップで生成された基準位置を基準として前記相対的位置を反映し、補正資産位置を生成するステップと、を含むことを特徴とする資産追跡方法。
【請求項12】
前記基準位置を生成するステップでは、
前記基準端末を基準として対向点に位置する2つの資産端末の中間点を抽出し、この際、前記基準端末を基準として対向点に位置する2つの資産端末の資産位置を連結した直線の1/2地点、及び前記基準端末を基準として対向点に位置する2つの資産端末の資産位置から相対的位置の方向に相対的位置の距離だけ移動した位置を連結した直線の1/2地点のうちの1つの地点を中間点として抽出し、
抽出した中間点を連結した図形の中心点を前記基準位置として生成することを特徴とする請求項11に記載の資産追跡方法。
【請求項13】
前記補正資産位置を生成するステップでは、
前記基準位置を基準点として、前記基準点から前記相対的位置の方向に前記相対的位置の距離だけ移動した位置を前記補正資産位置として生成することを特徴とする請求項11に記載の資産追跡方法。
【請求項14】
複数の資産端末により、相互間の通信により1つ以上のグループを構成するステップと、
前記グループを構成するステップで各グループに属した資産端末により、グループのマスター資産端末及び複数のスレーブ資産端末を設定するステップと、
管理サーバにより、各グループのマスター資産端末から、GPS信号に基づいて生成された前記複数のスレーブ資産端末の資産位置、及び前記マスター資産端末の資産位置のうちの1つを収集するステップと、
管理サーバにより、前記各グループのマスター資産端末から、前記マスター資産端末を基準とした前記複数のスレーブ資産端末の相対的位置を収集するステップと、
前記管理サーバにより、前記資産位置を収集するステップで収集した前記マスター資産端末の資産位置に基づいて基準位置を設定するステップと、
前記管理サーバにより、前記基準位置を生成するステップで生成された基準位置を基準として前記相対的位置を反映し、前記複数のスレーブ資産端末の補正資産位置を生成するステップと、を含むことを特徴とする資産追跡方法。
【請求項15】
前記マスター資産端末により、前記相対的位置を収集するステップの前に、前記複数のスレーブ資産端末から資産位置及び相対的位置を収集するステップをさらに含み、
前記複数のスレーブ資産端末の相対的位置は、前記マスター資産端末及び前記複数のスレーブ資産端末のUWB通信により生成されることを特徴とする請求項14に記載の資産追跡方法。
【請求項16】
前記グループを構成するステップでは、前記複数の資産端末間のUWB通信により相対的位置を生成し、前記相対的位置に基づいて1つ以上のグループを構成することを特徴とする請求項14に記載の資産追跡方法。
【請求項17】
GPS通信品質、UWB通信品質、電池残量の少なくとも1つに基づいて、前記複数のスレーブ資産端末のうちの1つをマスター資産端末として設定するステップと、
既存のマスター資産端末はスレーブ資産端末として設定するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の資産追跡方法。
【請求項18】
前記設定するステップでスレーブ資産端末として設定された資産端末により、GPS通信モジュールを停止するステップをさらに含み、
前記停止するステップでは、前記複数の資産端末のうち前記スレーブ資産端末として設定された資産端末をスリープモードに設定し、GPS信号の受信及び資産位置生成を中断することを特徴とする請求項14に記載の資産追跡方法。
【請求項19】
前記基準位置を生成するステップでは、
前記マスター資産端末を基準として対向点に位置する2つのスレーブ資産端末の中間点を抽出し、抽出した中間点を連結した図形の中心点を前記基準位置として生成し、
前記マスター資産端末を基準として対向点に位置する2つのスレーブ資産端末の資産位置を連結した直線の1/2地点、及び前記マスター資産端末を基準として対向点に位置する2つのスレーブ資産端末の資産位置から相対的位置の方向に相対的位置の距離だけ移動した位置を連結した直線の1/2地点のうちの1つの地点を中間点として抽出することを特徴とする請求項14に記載の資産追跡方法。
【請求項20】
前記補正資産位置を生成するステップでは、
前記基準位置を基準点として、前記基準点から前記相対的位置の方向に前記相対的位置の距離だけ移動した位置をスレーブ資産端末の補正資産位置として生成することを特徴とする請求項14に記載の資産追跡方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物、コンテナ、パレットのような資産の位置を追跡する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンテナ(Container)は、貨物を効率的且つ経済的に輸送するために用いられる。コンテナは、パレットに載せられた貨物を積載した後、車両、船舶、飛行機などの運送手段により運送される。
【0003】
コンテナは、運送手段に積載される前に、港、倉庫などに長期間放置されたり、運送手段内で長期間放置及び利用されるため、コンテナに積載された貨物の盗難事故、違法貨物追加事故などが頻繁に発生する。
【0004】
そこで、貨物の安全な運送及び管理のために、コンテナ、パレットなどの運送構造物に多様なセンサを取り付け、これらにより検知したセンシング情報と位置情報を管理サーバに伝送する資産追跡(Asset tracking)技術が適用されている。
【0005】
従来の資産追跡技術では、通常、資産の位置を追跡するためにGPSシステムが用いられているが、GPSの位置偏差のため、資産の正確な位置を追跡することが困難であるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、基準端末と測位対象との相対的位置を用いて、GPS情報により測位した資産位置を補正することで、資産の正確な位置を追跡するようにした資産追跡システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様による資産追跡システムは、基準端末と、追跡対象である資産に設置され、基準端末とUWB通信を行って基準端末を基準とした相対的位置を測定する複数の資産端末と、複数の資産端末から資産位置及び相対的位置を収集し、相対的位置を用いて資産端末の資産位置を補正する管理サーバと、を含む。
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様による資産追跡方法は、複数の資産端末からGPS信号に基づいて生成された資産位置を収集するステップと、複数の資産端末から、基準端末と資産端末とのUWB通信により生成された基準端末を基準とした相対的位置を収集するステップと、資産位置を収集するステップで収集した資産位置に基づいて、基準端末の位置に対応する基準位置を生成するステップと、基準位置を生成するステップで生成された基準位置を基準として相対的位置を反映し、補正資産位置を生成するステップと、を含む。
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の他の態様による資産追跡方法は、複数の資産端末により、相互間の通信により1つ以上のグループを構成するステップと、グループを構成するステップで各グループに属した資産端末により、グループのマスター資産端末及び複数のスレーブ資産端末を設定するステップと、管理サーバにより、各グループのマスター資産端末から、GPS信号に基づいて生成された複数のスレーブ資産端末の資産位置、及びマスター資産端末の資産位置のうちの1つを収集するステップと、管理サーバにより、各グループのマスター資産端末から、マスター資産端末を基準とした複数のスレーブ資産端末の相対的位置を収集するステップと、管理サーバにより、資産位置を収集するステップで収集したマスター資産端末の資産位置に基づいて基準位置を設定するステップと、管理サーバにより、基準位置を生成するステップで生成された基準位置を基準として相対的位置を反映し、複数のスレーブ資産端末の補正資産位置を生成するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、資産追跡システム及び方法は、UWB通信により測定した相対的位置を反映し、GPS通信に基づいて測定した資産位置を補正することで、GPS通信のみを用いて資産位置を測定していた従来技術と比べて、資産位置の測定誤差を最小化することができる効果がある。
【0011】
また、資産追跡システム及び方法は、UWB通信により測定した相対的位置を反映し、GPS通信に基づいて測定した資産位置を補正することで、資産の実際の位置と誤差が一部生じるが、基準端末を基準とした相対的位置を実際の位置と同一に表示することができるため、資産追跡の正確度を高めることができる効果がある。
【0012】
また、資産追跡システム及び方法は、複数の資産端末をグループに分類し、各グループに少なくとも1つのマスター資産端末を設定し、マスター資産端末とスレーブ資産端末との相対的位置を用いて、GPS情報により測位した資産位置を補正することで、GPS通信のみを用いて資産位置を測定していた従来技術と比べて資産位置の測定誤差を最小化することができる効果がある。この際、資産追跡システム及び方法は、資産の実際の位置と誤差が一部生じるが、基準端末を基準とした相対的位置を実際の位置と同一に表示することができるため、資産追跡の正確度を高めることができる効果がある。
【0013】
また、資産追跡システム及び方法は、複数の資産端末をグループに分類し、各グループのマスター資産端末の位置を基準位置として、スレーブ資産端末の相対的位置を用いて資産位置を設定することで、資産間の相対的な位置を正確に追跡することができる効果がある。
【0014】
また、資産追跡システム及び方法は、マスター資産端末のGPS通信モジュールを駆動させ、スレーブ資産端末のGPS通信モジュールの駆動を停止させることで、資産端末に実装された電池の効率を向上させ、これにより、長時間積載される資産の位置を追跡可能な期間を延ばすことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】従来の資産追跡システムを説明するための図である。
図2】本発明の第1実施形態による資産追跡システムを説明するための図である。
図3図2の資産端末の構成を説明するための図である。
図4図2の管理サーバの構成を説明するための図である。
図5図4の位置情報格納モジュールを説明するための図である。
図6図2の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図7図2の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図8図2の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図9図2の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図10図2の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図11図2の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図12】本発明の第1実施形態による資産追跡方法を説明するためのフローチャートであり。
図13図12の基準位置設定ステップを説明するためのフローチャートである。
図14】本発明の第2実施形態による資産追跡システムを説明するための図である。
図15図14のマスター資産端末を説明するための図である。
図16図14のスレーブ資産端末を説明するための図である。
図17図14の管理サーバの構成を説明するための図である。
図18図17の位置情報格納モジュールを説明するための図である。
図19図14の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図20図14の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図21図14の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図22図14の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図23図14の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図24図14の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図25】本発明の第2実施形態による資産追跡方法を説明するためのフローチャートである。
図26図25の基準位置設定ステップを説明するためのフローチャートである。
図27】従来の資産追跡システムを説明するための図である。
図28】本発明の第3実施形態による資産追跡システムを説明するための図である。
図29図28のマスター資産端末を説明するための図である。
図30図28のスレーブ資産端末を説明するための図である。
図31図28の管理サーバの構成を説明するための図である。
図32図31の位置情報格納モジュールを説明するための図である。
図33図28の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図34図28の管理サーバが資産端末の位置を追跡(補正)する一例を説明するための図である。
図35】本発明の実施形態による資産追跡方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できるように詳細に説明するために、本発明の最も好ましい実施形態を図面を参照して説明する。先ず、各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、たとえ異なる図面上に表示されても、できる限り同一の符号を有するようにしている。また、本発明を説明するにあたり、関連した公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0017】
図1を参照すると、従来は、資産1、2、3、4、5、6の位置を追跡するために、通常、GPSに基づく位置追跡端末を資産(すなわち、コンテナ)に付着し、それを野積場に積載する。この際、資産追跡システムは、位置追跡端末が測定した位置情報を用いて資産の位置を追跡する。
【0018】
追跡端末は、通常、GPSを用いて資産の現在位置に該当する位置情報1’、2’、3’、4’、5’、6’を測定する。しかし、GPSを用いた測位は、数十m以上の測位誤差が発生し得ることから、資産の実際の位置とは異なる位置を資産位置として測位する可能性があり、そのため、資産位置を正確に追跡することができず、資産の相対的な位置が実際と違って追跡される。
【0019】
本発明の第1実施形態では、基準端末と測位対象との相対的位置を用いて、GPS情報により測位した資産位置を補正することで、資産の正確な位置を追跡する。換言すれば、本発明の第1実施形態では、UWB通信を用いて、GPSに基づいて測位した資産位置を補正することで、資産の実際の位置と、測定した位置との誤差を最小化するとともに、資産の相対的な配置を実際の配置と同一に把握できるようにする。
【0020】
そのために、図2を参照すると、本発明の実施形態による資産追跡システムは、複数の資産端末100と、基準端末200と、管理サーバ300と、を含んで構成される。
【0021】
資産端末100は、資産管理のために資産10に装着(または設置)された通信端末である。資産端末100は、GPS通信により、資産10の現在位置に該当する第1位置情報を生成する。資産端末100は、UWB通信により、基準端末200との相対的位置に該当する第2位置情報を生成する。ここで、資産端末100は、方向と距離を含む第2位置情報を生成する。資産端末100は第1位置情報及び第2位置情報を管理サーバ300に伝送する。
【0022】
図3を参照すると、資産端末100は、第1通信モジュール110と、資産位置生成モジュール120と、第2通信モジュール130と、相対的位置生成モジュール140と、制御モジュール150と、第3通信モジュール160と、を含んで構成される。ここで、第1通信モジュール110は、衛星からGPS信号を受信するGPS通信モジュールであり、第2通信モジュール130は、隣接した基準端末200と通信するUWB通信モジュールであり、第3通信モジュール160は、低電力通信により管理サーバ300及び資産端末100と通信するSigfox通信モジュールであることを一例とする。
【0023】
第1通信モジュール110は、GPS周波数帯域の信号(以下、GPS信号)を受信する。第1通信モジュール110は、受信したGPS信号を資産位置生成モジュール120に伝送する。
【0024】
資産位置生成モジュール120は、制御モジュール150の資産位置生成要請に応答して、第1通信モジュール110から伝送されたGPS信号に基づいて資産10の現在位置に該当する資産位置を生成する。ここで、GPS信号を用いて位置情報を生成することは一般的な技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0025】
資産位置生成モジュール120は、資産位置と資産端末100の固有識別子を含む第1位置情報伝送要請を生成する。資産位置生成モジュール120は、第1位置情報伝送要請を制御モジュール150に伝送する。
【0026】
第2通信モジュール130は、UWB周波数帯域の信号(以下、UWB信号)を送受信する。第2通信モジュール130は、基準端末200とUWB信号を送受信し、受信した情報を相対的位置生成モジュール140に伝送する。
【0027】
相対的位置生成モジュール140は、制御モジュール150の資産位置生成要請に応答して、相対的位置の測定を要請する測位要請を第2通信モジュール130に伝送する。相対的位置生成モジュール140は、第2通信モジュール130から遅延時間を受信し、それに基づいて、基準モジュールを基準とした資産端末100の相対的位置を生成する。この際、相対的位置生成モジュール140は、TDoA(Time Difference of Arrival)とTWR(Two Way Ranging)などの測位技術により相対的位置を生成する。
【0028】
一例として、第2通信モジュール130は、基準端末200からUWB信号(すなわち、Advertising信号、位置測定要請信号)を受信し、相対的位置生成モジュール140に伝送する。相対的位置生成モジュール140はRanging Request信号伝送要請を第2通信モジュール130に伝送し、第2通信モジュール130は、Ranging Request信号伝送要請に応答して、基準端末200にRanging Request信号を伝送する。Ranging Request信号を受信した基準端末200は第1UWB Pulsを伝送し、第2通信モジュール130は、基準端末200が伝送した第1UWB Pulsの応答として第2UWB Pulsを伝送する。基準端末200は、第1UWB Pulsと第2UWB Pulsとの間の遅延時間を計算し、これを第2通信モジュール130に伝送する。第2通信モジュール130は受信した遅延時間を相対的位置生成モジュール140に伝送し、相対的位置生成モジュール140は、遅延時間を用いて、基準端末200の位置を基準とした資産端末100の相対的位置を生成する。
【0029】
相対的位置生成モジュール140は、相対的位置、基準端末200の固有識別子、及び資産端末100の固有識別子を含む第2位置情報を生成する。相対的位置生成モジュール140は第2位置情報を制御モジュール150に伝送する。
【0030】
制御モジュール150は、資産位置生成モジュール120及び相対的位置生成モジュール140に資産位置生成要請を伝送する。この際、制御モジュール150は、第2通信モジュール130を介して管理サーバ300から資産位置生成要請を受信するか、設定時間が到来した時に資産位置生成要請を伝送する。
【0031】
制御モジュール150は、資産位置生成要請に対する応答として第1位置情報及び第2位置情報を受信する。制御モジュール150は、資産位置生成モジュール120から、GPS信号に基づいて生成された位置情報である第1位置情報を受信する。制御モジュール150は、相対的位置生成モジュール140から、UWB信号に基づいて生成された相対的位置情報である第2位置情報を受信する。
【0032】
制御モジュール150は、第1位置情報及び第2位置情報を含む位置情報伝送要請を生成する。この際、制御モジュール150は、第1位置情報を含む第1位置情報伝送要請と、第2位置情報を含む第2位置情報伝送要請をそれぞれ生成してもよい。制御モジュール150は、位置情報伝送要請を第3通信モジュール160に伝送する。
【0033】
第3通信モジュール160は、制御モジュール150の位置情報伝送要請に応答して、第1位置情報及び第2位置情報を管理サーバ300に伝送する。第3通信モジュール160は、第1位置情報及び第2位置情報をSigfoxプロトコルに変換し、これを管理サーバ300に伝送する。
【0034】
基準端末200は、資産端末100で測位した位置を補正するために、資産10の周辺に配置された通信端末である。基準端末200は、管理者が携帯する携帯端末機、資産10に設置された資産端末100、資産端末100が積載された場所に固定設置された端末機、複数の資産端末100のうちの1つの資産端末100などから構成され得る。
【0035】
基準端末200は、資産端末100の第2通信モジュール130とUWB信号を送受信する。そのために、基準端末200は、資産端末100の第2通信モジュール130と通信が可能な通信モジュールを含んで構成される。基準端末200は、Advertising信号または位置測定要請信号を出力する。基準端末200は、資産端末100のRanging Request信号に応答して、第1UWB Pulsを資産端末100に伝送する。基準端末200は、第1UWB Pulsの応答として資産端末100から第2UWB Pulsを受信する。基準端末200は、第1UWB Pulsと第2UWB Pulsとの間の遅延時間を算出し、算出した遅延時間を資産端末100に伝送する。
【0036】
管理サーバ300は、複数の資産端末100から位置情報を収集する。管理サーバ300は、GPSに基づく資産位置と、UWBに基づく相対的位置を収集する。管理サーバ300は、相対的位置を用いて資産位置を補正し、補正結果として生成された補正資産位置を出力する。
【0037】
そのために、図4を参照すると、管理サーバ300は、第4通信モジュール310と、位置情報格納モジュール320と、基準位置生成モジュール330と、補正モジュール340と、出力モジュール350と、を含んで構成される。
【0038】
第4通信モジュール310は、複数の資産端末100から第1位置情報及び第2位置情報を受信する。第4通信モジュール310は、資産位置及び資産端末100の固有識別子を含む第1位置情報と、相対的位置、基準端末200の固有識別子、及び資産端末100の固有識別子を含む第2位置情報とを受信する。第4通信モジュール310は、第1位置情報及び第2位置情報を含む位置情報格納要請を位置情報格納モジュール320に伝送する。
【0039】
位置情報格納モジュール320は、第4通信モジュール310の位置情報格納要請に応答して、第1位置情報及び第2位置情報を格納する。この際、図5を参照すると、位置情報格納モジュール320は、資産端末100の固有識別子、基準端末200の固有識別子、資産位置、及び相対的位置を連携して格納する。
【0040】
位置情報格納モジュール320は、基準位置生成モジュール330の基準位置格納要請に応答して、基準位置格納要請から固有識別子及び基準位置を検出する。位置情報格納モジュール320は、検出した固有識別子と同一の基準端末200の固有識別子と連携して基準位置を格納する。
【0041】
位置情報格納モジュール320は、補正モジュール340の資産位置格納要請に応答して、資産位置格納要請から固有識別子及び補正資産位置を検出する。位置情報格納モジュール320は、検出した固有識別子と同一の資産端末100の固有識別子と連携して補正資産位置を格納する。
【0042】
基準位置生成モジュール330は、位置情報格納モジュール320に格納されている資産位置及び相対的位置に基づいて、基準端末200の基準位置を生成する。
【0043】
基準位置生成モジュール330は、位置情報格納モジュール320から、同一の基準端末200の固有識別子に連携された情報を検出する。基準位置生成モジュール330は、同一の基準端末200の固有識別子に連携された資産端末100の固有識別子と資産位置及び相対的位置を検出する。
【0044】
基準位置生成モジュール330は、基準端末200を基準として対向点(facing points)に位置する2つの資産端末100の中間点を抽出する。この際、基準位置生成モジュール330は、各資産端末100に対して、資産位置から相対的位置の方向に相対的位置の距離だけ移動した位置を検出する。基準位置生成モジュール330は、検出した位置のうち、対向点に位置する2つの資産端末100の位置を連結した直線の1/2地点を中間点として抽出する。
【0045】
一方、基準位置生成モジュール330は、位置情報格納モジュール320に格納されている資産位置に基づいて基準端末200の基準位置を生成してもよい。
【0046】
基準位置生成モジュール330は、位置情報格納モジュール320から、同一の基準端末200の固有識別子に連携された情報を検出する。基準位置生成モジュール330は、同一の基準端末200の固有識別子に連携された資産端末100の固有識別子と資産位置を検出する。
【0047】
基準位置生成モジュール330は、基準端末200を基準として対向点に位置する2つの資産端末100の中間点を抽出する。この際、基準位置生成モジュール330は、基準端末200を中心に対向点に位置する2つの資産端末100の資産位置を連結した直線の1/2地点を中間点として抽出する。
【0048】
基準位置生成モジュール330は、中間点の抽出が完了すると、中間点を連結した図形の中心点を抽出し、それを基準位置(すなわち、基準端末200の位置)として生成する。基準位置生成モジュール330は、基準端末200の固有識別子及び基準位置を含む基準位置格納要請を生成して位置情報格納モジュール320に伝送する。基準位置生成モジュール330は、基準端末200の固有識別子と基準位置を含む位置補正要請を補正モジュール340に伝送する。
【0049】
補正モジュール340は、基準位置生成モジュール330の位置補正要請に応答して補正資産位置を生成する。すなわち、補正モジュール340は、位置補正要請から基準端末200の固有識別子及び基準位置を検出する。補正モジュール340は、位置情報格納モジュール320から、基準端末200の固有識別子に連携された資産端末100の固有識別子と相対的位置を検出する。補正モジュール340は、基準位置を基準点として、相対的位置を反映して資産端末100を配置し、各資産端末100の補正資産位置を生成する。補正モジュール340は、資産端末100の固有識別子及び補正資産位置を含む資産位置格納要請を生成して位置情報格納モジュール320に伝送する。補正モジュール340は、資産出力要請を生成して出力モジュール350に伝送する。
【0050】
出力モジュール350は、補正モジュール340の出力要請に応答して、基準端末200と複数の資産端末100を画面に出力する。この際、出力モジュール350は、基準位置に基準端末200が表示され、補正資産位置に資産端末100が表示された画面を出力する。
【0051】
図6から図10を参照して、管理サーバ300が資産端末100の位置を補正する一例を説明すると、下記のとおりである。
【0052】
先ず、図6に示すように、野積場には第1資産端末A1~第6資産端末A6が積み置かれた状態を例として説明する。第1資産端末A1と第6資産端末A6は基準端末Rを基準として対向点に位置し、第2資産端末A2と第5資産端末A5は基準端末Rを基準として対向点に位置し、第3資産端末A3と第4資産端末A4は基準端末Rを基準として対向点に位置する。
【0053】
図7を参照すると、資産端末100から収集した資産位置A1’~A6’は、GPS信号に基づいて生成されるため、実際の位置と違って表示され、資産端末100間の相対的な位置も、実際の位置と違って表示される。
【0054】
これを補正するために、管理サーバ300は、基準端末200の位置に該当する基準位置を設定する。
【0055】
図8を参照すると、管理サーバ300は、各資産端末100に対して、資産位置から相対的位置の方向に相対的位置の距離だけ移動した位置を資産位置として検出する。
【0056】
管理サーバ300は、基準端末200を基準として対向点に位置する2つの資産端末100の資産位置を連結した直線の1/2地点を中間点として抽出する。この際、第1資産端末A1と第6資産端末A6の中心点であるA、第2資産端末A2と第5資産端末A5の中心点であるB、第3資産端末A3と第4資産端末A4の中心点であるCを抽出する。
【0057】
管理サーバ300は、抽出した中間点A、B、Cを連結して形成された三角形の中心点Dを抽出し、これを基準位置(R”、すなわち、基準端末200の位置)として生成する。
【0058】
一方、図9を参照すると、管理サーバ300は、基準端末200を基準として対向点に位置する2つの資産端末100の資産位置(相対的位置を反映していない資産位置)を連結した直線の1/2地点を中間点A、B、Cとして抽出してもよい。
【0059】
図10を参照すると、管理サーバ300は、基準位置R”を基準端末200の位置として設定し、基準位置R”を基準として資産端末100の相対的位置を反映して各資産端末100を配置し、各資産端末100の補正資産位置A1”~A6”を生成する。
【0060】
これにより、図11に示すように、管理サーバ300により生成された補正資産位置A1”~A6”は、GPS信号に基づいて測定された資産位置A1’~A6’と比べて誤差を減らすことができ、実際の位置A1~A6とは誤差が生じるが、基準端末200を基準とした相対的位置を同一に表示することができるため、資産追跡の正確度を高めることができる。
【0061】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による資産追跡方法を説明する。
【0062】
図12を参照すると、管理サーバ300は、複数の資産端末100から資産位置を収集する(S110)。複数の資産端末100は、GPS信号に基づいて資産位置を測定し、管理サーバ300の要請に応じて資産位置を管理サーバ300に伝送する。管理サーバ300は、複数の資産端末100から伝送された資産位置を格納する。この際、管理サーバ300は、資産端末100の固有識別子と資産位置を連携して格納する。
【0063】
管理サーバ300は、複数の資産端末100から相対的位置を収集する(S120)。複数の資産端末100は、基準端末200とのUWB通信により、基準端末200を基準とした相対的位置を測定し、管理サーバ300の要請に応じて相対的位置を管理サーバ300に伝送する。管理サーバ300は、複数の資産端末100から伝送された相対的位置を格納する。この際、管理サーバ300は、資産端末100の固有識別子、基準端末200の固有識別子、及び相対的位置を連携して格納する。
【0064】
管理サーバ300は、資産位置及び相対的位置に基づいて基準位置を設定する(S130)。
【0065】
図13を参照すると、管理サーバ300は、格納された資産位置及び相対的位置のうち、同一の基準端末200(すなわち、基準端末200の固有識別子)に連携された資産位置及び相対的位置を検出する(S131)。
【0066】
管理サーバ300は、基準端末200を基準として対向点に位置する2つの資産端末100の中間点を抽出する(S132)。この際、管理サーバ300は、各資産端末100に対して、資産位置から相対的位置の方向に相対的位置の距離だけ移動した位置を検出する。基準位置生成モジュール330は、検出した位置のうち対向点に位置する2つの資産端末100の位置を連結した直線の1/2地点を中間点として抽出する。
【0067】
一方、S132ステップで、管理サーバ300は、資産位置のみを用いて中間点を抽出してもよい。すなわち、管理サーバ300は、同一の基準端末200の固有識別子に連携された資産端末100の固有識別子と資産位置を検出する。管理サーバ300は、基準端末200を基準として対向点に位置する2つの資産端末100の中間点を抽出する。この際、管理サーバ300は、基準端末200を中心に対向点に位置する2つの資産端末100の資産位置を連結した直線の1/2地点を中間点として抽出する。
【0068】
管理サーバ300は、S132ステップで検出した中間点を連結した図形の中心点を抽出し、それを基準位置(すなわち、基準端末200の位置)として生成する(S133)。管理サーバ300は、基準端末200の固有識別子と連携して基準位置を格納する。
【0069】
管理サーバ300は、S130ステップで設定した基準位置を基準として相対的位置を反映し、補正資産位置を生成する(S140)。管理サーバ300は、基準端末200の固有識別子に連携された資産端末100の固有識別子と相対的位置を検出する。管理サーバ300は、基準位置を基準点として、相対的位置を反映して資産端末100を配置し、各資産端末100の補正資産位置を生成する。管理サーバ300は、資産端末100の固有識別子及び補正資産位置を連携して格納する。
【0070】
管理サーバ300は、格納された補正資産位置に基づいて資産端末100を表示する(S150)。すなわち、管理サーバ300は、基準端末200と複数の資産端末100を画面に出力し、この際、基準位置に基準端末200を表示し、補正資産位置に資産端末100を表示する。
【0071】
これにより、本発明の実施形態による資産追跡方法は、GPS信号に基づいて測定された資産位置と比べて誤差を減らすことができ、実際の位置と一部誤差が生じるが、基準端末200を基準とした相対的位置を同一に表示することができるため、資産追跡の正確度を高めることができる。
【0072】
本発明の第2実施形態では、複数の資産端末をグループに分類し、各グループに少なくとも1つのマスター資産端末を設定し、マスター資産端末とスレーブ資産端末との相対的位置を用いて、GPS情報により測位した資産位置を補正することで、資産の正確な位置を追跡する。
【0073】
換言すれば、本発明の第2実施形態では、UWB通信により複数の資産端末を複数のグループに区分する。資産追跡システムは、各グループに属する資産端末のうちの1つをマスター資産端末として設定し、残りの資産端末をスレーブ資産端末として設定する。マスター資産端末は、スレーブ資産端末とのUWB通信により相対的な位置を位置情報として測定し、設定の時間間隔で測定した位置情報を管理サーバに伝送する。これにより、資産追跡システムは、実際の配置と同一の資産の相対的な配置を把握する。
【0074】
そのために、図14を参照すると、資産追跡システムは、複数の資産端末400a、400b、及び管理サーバ500を含んで構成される。
【0075】
複数の資産端末400a、400bは、資産管理のために資産10にそれぞれ装着(または設置)された通信端末である。複数の資産端末400a、400bは、通信範囲、位置などを反映して複数のグループに区分される。この際、複数の資産端末400a、400bは、UWB通信により互いに通信して相対的位置を生成し、それに基づいて1つ以上のグループを構成する。
【0076】
このように構成されたグループには、2つ以上の資産端末400a、400bが含まれる。同じグループに属する資産端末400a、400bのうちの1つは、資産追跡の基準となるマスター資産端末400aとして動作し、残りの資産端末はスレーブ資産端末400bとして動作する。換言すれば、複数の資産端末400a、400bは1つ以上のグループに区分され、各グループには1つのマスター資産端末400a及び複数のスレーブ資産端末400bが含まれる。
【0077】
マスター資産端末400aは、GPS通信により資産位置を生成し、同じグループに属するスレーブ資産端末400bとのUWB通信により、スレーブ資産端末400bが設置された資産10の相対的位置を生成する。ここで、相対的位置は、マスター資産端末400aの位置を基準としたスレーブ資産端末400bの相対的な位置を意味し、相対的な位置は方向及び距離を含む。
【0078】
マスター資産端末400aは、設定の時間間隔で、または管理サーバ500の要請時に、位置情報を管理サーバ500に伝送する。この際、マスター資産端末400aは、マスター資産端末400aが設置された資産10の位置である資産位置、スレーブ資産端末400bが設置された資産10の相対的な位置を含む位置情報を管理サーバ500に伝送する。
【0079】
一方、1つの資産端末がマスター資産端末400aとして動作し続ける場合、該当資産端末の電池の効率が低下するしかない。そのため、複数の資産端末400a、400bは、GPS通信品質、UWB通信品質、電池残量などに応じて、他の資産端末にマスター資産端末400aを変更する。換言すれば、スレーブ資産端末400bのうちの1つが新しいマスター資産端末400aとして設定され、既存のマスター資産端末400aがスレーブ資産端末400bに設定変更される。
【0080】
図15を参照すると、マスター資産端末400aは、第1通信モジュール410aと、資産位置生成モジュール420aと、第2通信モジュール430aと、相対的位置生成モジュール440aと、制御モジュール450aと、第3通信モジュール460aと、を含んで構成される。ここで、第1通信モジュール410aは、衛星からGPS信号を受信するGPS通信モジュールであり、第2通信モジュール430aは、同じグループに属するスレーブ資産端末400bと通信するUWB通信モジュールであり、第3通信モジュール460aは、低電力通信により管理サーバ500及び同じグループに属するスレーブ資産端末400bと通信するSigfox通信モジュールであることを一例とする。
【0081】
この際、マスター資産端末400aは、相対的位置測定の基準となるため、相対的位置生成モジュールは別途の動作を行わない。しかし、マスター資産端末400aは、後でスレーブ資産端末400bに変更され得るため、後述のスレーブ資産端末400bと同様に相対的位置生成モジュール420aを含んで構成される。
【0082】
第1通信モジュール410aは、GPS周波数帯域の信号(以下、GPS信号)を受信する。第1通信モジュール410aは、受信したGPS信号を資産位置生成モジュール420aに伝送する。
【0083】
資産位置生成モジュール420aは、制御モジュール450aの資産位置生成要請に応答して、第1通信モジュール410aから伝送されたGPS信号に基づいて資産10の現在位置に該当する資産位置を生成する。ここで、GPS信号を用いて位置情報を生成することは一般的な技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0084】
資産位置生成モジュール420aは、資産位置とマスター資産端末400aの固有識別子を含む第1位置情報伝送要請を生成する。資産位置生成モジュール420aは、第1位置情報伝送要請を制御モジュール450aに伝送する。
【0085】
第2通信モジュール430aは、UWB周波数帯域の信号(以下、UWB信号)を送受信する。第2通信モジュール430aは、同じグループに属するスレーブ資産端末400bとUWB信号を送受信する。
【0086】
第2通信モジュール430aは、スレーブ資産端末400bの第2通信モジュール430bとUWB信号を送受信する。そのために、第2通信モジュール430aはAdvertising信号または位置測定要請信号を出力する。
【0087】
第2通信モジュール430aは、スレーブ資産端末400bのRanging Request信号に応答して、第1UWB Pulsをスレーブ資産端末400bに伝送する。第2通信モジュール430aは、第1UWB Pulsの応答として、スレーブ資産端末400bから第2UWB Pulsを受信する。第2通信モジュール430aは、第1UWB Pulsと第2UWB Pulsとの間の遅延時間を算出する。スレーブ資産端末400bの固有識別子と遅延時間を含む測位情報を生成して制御モジュール450aに伝送する。
【0088】
制御モジュール450aは、資産位置生成モジュール420aに資産位置生成要請を伝送する。制御モジュール450aは、資産位置生成要請に対する応答として、GPS信号に基づいて生成された位置情報である第1位置情報を受信する。
【0089】
制御モジュール450aは、第3通信モジュール460aに位置情報収集要請を伝送する。制御モジュール450aは、第3通信モジュール460aから、位置情報収集要請に対する応答である第1位置情報及び第2位置情報の伝送を受ける。
【0090】
制御モジュール450aは、資産位置生成モジュール420aから受信した第1位置情報と、スレーブ資産端末400bから受信した第1位置情報及び第2位置情報とを含む位置情報伝送要請を生成する。この際、制御モジュール450aは、第1位置情報を含む第1位置情報伝送要請と、第2位置情報を含む第2位置情報伝送要請をそれぞれ生成してもよい。制御モジュール450aは、位置情報伝送要請を第3通信モジュール460aに伝送する。
【0091】
第3通信モジュール460aは、制御モジュール450aの要請に応答して、同じグループに属する複数のスレーブ資産端末400bに相対的位置伝送要請を伝送する。第3通信モジュール460aは、相対的位置伝送要請に対する応答として第2位置情報を受信する。この際、第3通信モジュール460aは、スレーブ資産端末400bの固有識別子及び相対的位置を含む第2位置情報を受信する。第3通信モジュール460aは、受信した第2位置情報を制御モジュール450aに伝送する。
【0092】
第3通信モジュール460aは、制御モジュール450aの位置情報伝送要請に応答して、第1位置情報(マスター資産端末400a及びスレーブ資産端末400bの資産位置)及び第2位置情報を管理サーバ500に伝送する。第3通信モジュール460aは、第1位置情報及び第2位置情報をSigfoxプロトコルに変換し、これを管理サーバ500に伝送する。
【0093】
図16を参照すると、スレーブ資産端末400bは、第1通信モジュール410bと、資産位置生成モジュール420bと、第2通信モジュール430bと、相対的位置生成モジュール440bと、制御モジュール450bと、第3通信モジュール460bと、を含んで構成される。ここで、第1通信モジュール410bは、衛星からGPS信号を受信するGPS通信モジュールであり、第2通信モジュール430bは、同じグループに属するスレーブ資産端末400bと通信するUWB通信モジュールであり、第3通信モジュール460bは、低電力通信により管理サーバ500及び同じグループに属するスレーブ資産端末400bと通信するSigfox通信モジュールであることを一例とする。
【0094】
第1通信モジュール410bは、GPS周波数帯域の信号(以下、GPS信号)を受信する。第1通信モジュール410bは、受信したGPS信号を資産位置生成モジュール420bに伝送する。
【0095】
資産位置生成モジュール420bは、制御モジュール450bの資産位置生成要請に応答して、第1通信モジュール410bから伝送されたGPS信号に基づいて資産10の現在位置に該当する資産位置を生成する。ここで、GPS信号を用いて位置情報を生成することは一般的な技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0096】
資産位置生成モジュール420bは、資産位置とスレーブ資産端末400bの固有識別子を含む第1位置情報伝送要請を生成する。資産位置生成モジュール420bは第1位置情報伝送要請を制御モジュール450bに伝送する。
【0097】
第2通信モジュール430bは、UWB周波数帯域の信号(以下、UWB信号)を送受信する。第2通信モジュール430bは、同じグループに属するマスター資産端末400aとUWB信号を送受信し、受信した情報を相対的位置生成モジュール440bに伝送する。
【0098】
相対的位置生成モジュール440bは、制御モジュール450bの資産位置生成要請に応答して、相対的位置の測定を要請する測位要請を第2通信モジュール430bに伝送する。相対的位置生成モジュール440bは、第2通信モジュール430bから遅延時間を受信し、それに基づいて、基準モジュールを基準としたスレーブ資産端末400bの相対的位置を生成する。この際、相対的位置生成モジュール440bは、TDoA(Time Difference of Arrival)とTWR(Two Way Ranging)などの測位技術により相対的位置を生成する。
【0099】
相対的位置生成モジュール440bは、相対的位置、マスター資産端末400aの固有識別子、及びスレーブ資産端末400bの固有識別子を含む第2位置情報を生成する。相対的位置生成モジュール440bは第2位置情報を制御モジュール450bに伝送する。
【0100】
制御モジュール450bは、資産位置生成モジュール420b及び相対的位置生成モジュール440bに資産位置生成要請を伝送する。制御モジュール450bは、資産位置生成要請に対する応答として第1位置情報及び第2位置情報を受信する。制御モジュール450bは、資産位置生成モジュール420bから、GPS信号に基づいて生成された位置情報である第1位置情報を受信する。制御モジュール450bは、相対的位置生成モジュール440bから、UWB信号に基づいて生成された相対的位置情報である第2位置情報を受信する。
【0101】
制御モジュール450bは、第1位置情報及び第2位置情報を含む位置情報伝送要請を生成する。この際、制御モジュール450bは、第1位置情報を含む第1位置情報伝送要請と、第2位置情報を含む第2位置情報伝送要請をそれぞれ生成してもよい。制御モジュール450bは位置情報伝送要請を第3通信モジュール460bに伝送する。
【0102】
第3通信モジュール460bは、制御モジュール450bの位置情報伝送要請に応答して、第1位置情報及び第2位置情報をマスター資産端末400aに伝送する。第3通信モジュール460bは、第1位置情報及び第2位置情報をSigfoxプロトコルに変換し、これをマスター資産端末400aに伝送する。
【0103】
管理サーバ500は、各グループのマスター資産端末400aから位置情報を収集する。この際、管理サーバ500は、グループに属するマスター資産端末400aの資産位置、スレーブ資産端末400bの資産位置、及び相対的位置を収集する。管理サーバ500は、各グループ毎に相対的位置を用いて資産位置を補正し、補正結果として生成された補正資産位置を出力する。
【0104】
そのために、図17を参照すると、管理サーバ500は、第4通信モジュール510と、位置情報格納モジュール520と、基準位置生成モジュール530と、補正モジュール540と、出力モジュール550と、を含んで構成される。
【0105】
第4通信モジュール510は、複数の資産端末400a、400bから第1位置情報及び第2位置情報を受信する。第4通信モジュール510は、マスター資産端末400aの固有識別子と資産位置、及び/またはスレーブ資産端末400bの固有識別子及び資産位置を含む第1位置情報を受信する。第4通信モジュール510は、スレーブ資産端末400bの固有識別子及び相対的位置と、マスター資産端末400aの固有識別子を含む第2位置情報を受信する。第4通信モジュール510は、第1位置情報及び第2位置情報を含む位置情報格納要請を位置情報格納モジュール520に伝送する。
【0106】
位置情報格納モジュール520は、第4通信モジュール510の位置情報格納要請に応答して、第1位置情報及び第2位置情報を格納する。この際、図18を参照すると、位置情報格納モジュール520は、マスター資産端末400aの固有識別子と資産位置を連携して格納する。位置情報格納モジュール520は、スレーブ資産端末400bの固有識別子、マスター資産端末400aの固有識別子、資産位置、及び相対的位置を連携して格納する。
【0107】
位置情報格納モジュール520は、基準位置生成モジュール530の基準位置格納要請に応答して、基準位置格納要請から固有識別子及び基準位置を検出する。位置情報格納モジュール520は、検出した固有識別子と同一のスレーブ資産端末400bの固有識別子と連携して基準位置を格納する。
【0108】
位置情報格納モジュール520は、補正モジュール540の資産位置格納要請に応答して、資産位置格納要請から固有識別子及び補正資産位置を検出する。位置情報格納モジュール520は、検出した固有識別子と同一のスレーブ資産端末400bの固有識別子と連携して補正資産位置を格納する。
【0109】
基準位置生成モジュール530は、位置情報格納モジュール520に格納されている資産位置及び相対的位置に基づいて、スレーブ資産端末400bの基準位置を生成する。
【0110】
基準位置生成モジュール530は、位置情報格納モジュール520から、同一のマスター資産端末400aの固有識別子に連携された情報を検出する。基準位置生成モジュール530は、同一のマスター資産端末400aの固有識別子に連携された資産端末400の固有識別子と資産位置及び相対的位置を検出する。
【0111】
基準位置生成モジュール530は、マスター資産端末400aを基準として対向点に位置する2つの資産端末400の中間点を抽出する。この際、基準位置生成モジュール530は、各資産端末400に対して、資産位置から相対的位置の方向に相対的位置の距離だけ移動した位置を検出する。基準位置生成モジュール530は、検出した位置のうち対向点に位置する2つの資産端末400の位置を連結した直線の1/2地点を中間点として抽出する。
【0112】
一方、基準位置生成モジュール530は、位置情報格納モジュール520に格納されている資産位置に基づいてマスター資産端末400aの基準位置を生成してもよい。すなわち、基準位置生成モジュール530は、別の演算を行わずにマスター資産端末400aの資産位置を基準位置として生成してもよい。
【0113】
基準位置生成モジュール530は、位置情報格納モジュール520から、同一のマスター資産端末400aの固有識別子に連携された情報を検出する。基準位置生成モジュール530は、同一のマスター資産端末400aの固有識別子に連携された資産端末400の固有識別子と資産位置を検出する。
【0114】
基準位置生成モジュール530は、マスター資産端末400aを基準として対向点に位置する2つの資産端末400の中間点を抽出する。この際、基準位置生成モジュール530は、マスター資産端末400aを中心に対向点に位置する2つの資産端末400の資産位置を連結した直線の1/2地点を中間点として抽出する。
【0115】
基準位置生成モジュール530は、中間点の抽出が完了すると、中間点を連結した図形の中心点を抽出し、これを基準位置(すなわち、マスター資産端末400aの位置)として生成する。基準位置生成モジュール530は、マスター資産端末400aの固有識別子及び基準位置を含む基準位置格納要請を生成して位置情報格納モジュール520に伝送する。基準位置生成モジュール530は、マスター資産端末400aの固有識別子と基準位置を含む位置補正要請を補正モジュール540に伝送する。
【0116】
補正モジュール540は、基準位置生成モジュール530の位置補正要請に応答して補正資産位置を生成する。すなわち、補正モジュール540は、位置補正要請からマスター資産端末400aの固有識別子及び基準位置を検出する。補正モジュール540は、位置情報格納モジュール520からマスター資産端末400aの固有識別子に連携された資産端末400の固有識別子と相対的位置を検出する。補正モジュール540は、基準位置を基準点として、相対的位置を反映して資産端末400を配置し、各資産端末400の補正資産位置を生成する。補正モジュール540は、資産端末400の固有識別子及び補正資産位置を含む資産位置格納要請を生成して位置情報格納モジュール520に伝送する。補正モジュール540は、資産出力要請を生成して出力モジュール550に伝送する。
【0117】
出力モジュール550は、補正モジュール540の出力要請に応答して、マスター資産端末400aと複数の資産端末400a、400bを画面に出力する。この際、出力モジュール550は、基準位置にマスター資産端末400aが表示され、補正資産位置に資産端末400が表示された画面を出力する。
【0118】
図19から図24を参照して、管理サーバ500が資産端末400a、400bの位置を補正する一例を説明すると、下記のとおりである。
【0119】
先ず、図19に示すように、野積場には第1資産端末A1~第7資産端末A7が積み置かれた状態であり、第1資産端末A1がマスター資産端末400aとして設定され、第2資産端末A2~第7資産端末A7がスレーブ資産端末400bとして設定されたことを例として説明する。
【0120】
第2資産端末A2と第7資産端末A7はマスター資産端末A1を基準として対向点に位置し、第3資産端末A3と第6資産端末A6はマスター資産端末A1を基準として対向点に位置し、第4資産端末A4と第5資産端末A5はマスター資産端末A1を基準として対向点に位置する。
【0121】
図20を参照すると、資産端末400から収集した資産位置A2’~A7’は、GPS信号に基づいて生成されるため、実際の位置と違って表示され、資産端末400間の相対的な位置も実際の位置と違って表示される。
【0122】
これを補正するために、管理サーバ500は、マスター資産端末400aの位置に該当する基準位置を設定する。
【0123】
図21を参照すると、管理サーバ500は、各資産端末400に対して、資産位置から相対的位置の方向に相対的位置の距離だけ移動した位置を資産位置として検出する。
【0124】
管理サーバ500は、マスター資産端末400aを基準として対向点に位置する2つの資産端末400の資産位置を連結した直線の1/2地点を中間点として抽出する。この際、第2資産端末A2と第7資産端末A7の中心点であるA、第3資産端末A3と第6資産端末A6の中心点であるB、第4資産端末A4と第5資産端末A5の中心点であるCを抽出する。
【0125】
管理サーバ500は、抽出した中間点A、B、Cを連結して形成された三角形の中心点Dを抽出し、これを基準位置(A1”、すなわち、マスター資産端末400aの位置)として生成する。
【0126】
一方、図22を参照すると、管理サーバ500は、マスター資産端末400aを基準として対向点に位置する2つの資産端末400の資産位置(相対的位置を反映していない資産位置)を連結した直線の1/2地点を中間点A、B、Cとして抽出してもよい。
【0127】
図23を参照すると、管理サーバ500は、基準位置A1”をマスター資産端末400aの位置として設定し、基準位置A1”を基準として資産端末400の相対的位置を反映して各資産端末400を配置し、各資産端末400の補正資産位置A2”~A7”を生成する。
【0128】
これにより、図24に示すように、管理サーバ500により生成された補正資産位置A2”~A7”は、GPS信号に基づいて測定された資産位置A2’~A7’と比べて誤差を減らすことができ、実際の位置A2~A7と誤差が生じるが、マスター資産端末400aを基準とした相対的位置を同一に表示することができるため、資産追跡の正確度を高めることができる。
【0129】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による資産追跡方法を説明する。
【0130】
図25を参照すると、複数のスレーブ資産端末400bは、相互間の通信により1つ以上のグループを構成する(S210)。この際、複数のスレーブ資産端末400bは、相互間のUWB通信により相対的な距離を測定し、相対的な距離を基準として一つ以上のグループを構成することを一例とする。
【0131】
各グループに属するスレーブ資産端末400bのうちの1つはマスター資産端末400aとして設定され、残りはスレーブ資産端末400bとして設定される(S220)。この際、資産端末400a、400bは、電池残量、通信範囲、及び品質などを考慮してマスター資産端末400aを設定することを一例とする。
【0132】
管理サーバ500は、各グループのマスター資産端末400aから、GPSに基づく位置情報である資産位置を収集する(S230)。複数のスレーブ資産端末400bは、GPS信号に基づいて資産位置を測定し、同じグループに属するマスター資産端末400aに伝送する。各グループのマスター資産端末400aは、管理サーバ500の要請に応じて資産位置を管理サーバ500に伝送する。管理サーバ500は、マスター資産端末400aから伝送された資産位置を格納する。この際、管理サーバ500は、スレーブ資産端末400bの固有識別子と資産位置を連携して格納する。
【0133】
管理サーバ500は、各グループのマスター資産端末400aから、UWBに基づく位置情報である相対的位置を収集する(S240)。マスター資産端末400aは、同じグループのスレーブ資産端末400bとUWB通信を行ってマスター資産端末400aを基準としたスレーブ資産端末400bの相対的位置を測定し、管理サーバ500の要請に応じて相対的位置を管理サーバ500に伝送する。管理サーバ500は、マスター資産端末400aから伝送された相対的位置を格納する。この際、管理サーバ500は、スレーブ資産端末400bの固有識別子及び相対的位置とマスター資産端末400aの固有識別子を連携して格納する。
【0134】
管理サーバ500は、資産位置及び相対的位置に基づいて基準位置を設定する(S250)。
【0135】
図26を参照すると、管理サーバ500は、格納された資産位置及び相対的位置のうち、同一のマスター資産端末400a(すなわち、マスター資産端末400aの固有識別子)に連携された資産位置及び相対的位置を検出する(S251)。
【0136】
管理サーバ500は、マスター資産端末400aを基準として対向点に位置する2つのスレーブ資産端末400bの中間点を抽出する(S252)。この際、管理サーバ500は、各スレーブ資産端末400bに対して、資産位置から相対的位置の方向に相対的位置の距離だけ移動した位置を検出する。基準位置生成モジュール530は、検出した位置のうち対向点に位置する2つのスレーブ資産端末400bの位置を連結した直線の1/2地点を中間点として抽出する。
【0137】
一方、S252ステップで、管理サーバ500は資産位置のみを用いて中間点を抽出してもよい。すなわち、管理サーバ500は、同一のマスター資産端末400aの固有識別子に連携されたスレーブ資産端末400bの固有識別子と資産位置を検出する。管理サーバ500は、マスター資産端末400aを基準として対向点に位置する2つのスレーブ資産端末400bの中間点を抽出する。この際、管理サーバ500は、マスター資産端末400aを中心に対向点に位置する2つのスレーブ資産端末400bの資産位置を連結した直線の1/2地点を中間点として抽出する。
【0138】
管理サーバ500は、S252ステップで検出した中間点を連結した図形の中心点を抽出し、これを基準位置(すなわち、マスター資産端末400aの位置)として生成する(S253)。管理サーバ500は、マスター資産端末400aの固有識別子と連携して基準位置を格納する。
【0139】
管理サーバ500は、S250ステップで設定した基準位置を基準として相対的位置を反映し、補正資産位置を生成する(S260)。管理サーバ500は、マスター資産端末400aの固有識別子に連携されたスレーブ資産端末400bの固有識別子と相対的位置を検出する。管理サーバ500は、基準位置を基準点として、相対的位置を反映してスレーブ資産端末400bを配置し、各スレーブ資産端末400bの補正資産位置を生成する。管理サーバ500は、スレーブ資産端末400bの固有識別子及び補正資産位置を連携して格納する。
【0140】
管理サーバ500は、格納された補正資産位置に基づいてマスター資産端末400a及びスレーブ資産端末400bを表示する(S270)。すなわち、管理サーバ500は、マスター資産端末400aと複数のスレーブ資産端末400bを画面に出力し、この際、基準位置にマスター資産端末400aを表示し、補正資産位置にスレーブ資産端末400bを表示する。
【0141】
一方、S220ステップで、マスター資産端末400aとして設定された資産端末がマスター資産端末400aとして動作し続ける場合、当該資産端末の電池の効率が低下するしかない。そのため、複数の資産端末400a、400bは、GPS通信品質、UWB通信品質、電池残量などに応じて、他の資産端末にマスター資産端末400aを変更する。換言すれば、スレーブ資産端末400bのうちの1つが新しいマスター資産端末400aとして設定され、既存のマスター資産端末400aがスレーブ資産端末400bに設定変更される。
【0142】
これにより、本発明の実施形態による資産追跡方法は、GPS信号に基づいて測定された資産位置と比べて誤差を減らすことができ、実際の位置と一部誤差が生じるが、マスター資産端末400aを基準とした相対的位置を同一に表示することができるため、資産追跡の正確度を高めることができる。
【0143】
本発明の第3実施形態では、複数の資産端末をグループに分類し、各グループのマスター資産端末の位置を基準位置として、スレーブ資産端末の相対的位置を用いて資産位置を設定することで、資産間の相対的な位置を正確に追跡する。この際、本発明の第3実施形態による資産追跡システム及び方法は、マスター資産端末のGPS通信モジュールを駆動させ、スレーブ資産端末のGPS通信モジュールの駆動を停止させることで、長時間積載される資産の位置追跡可能期間を延ばすことができる。
【0144】
換言すれば、本発明の第3実施形態では、UWB通信により複数の資産端末を複数のグループに区分した後、各グループに属する資産端末のうちの1つをマスター資産端末として設定し、残りの資産端末をスレーブ資産端末として設定する。マスター資産端末は、スレーブ資産端末とのUWB通信により相対的な位置を位置情報として測定し、設定の時間間隔で測定した位置情報を管理サーバに伝送する。これにより、資産追跡システムは、実際の配置と同一の資産の相対的な配置を把握する。
【0145】
図27を参照すると、従来の資産追跡システムは、複数の資産端末がそれぞれ資産位置を測定して管理サーバに伝送する。この場合、資産端末は、資産位置を測定して管理サーバに伝送するために、GPSモジュールと低電力通信モジュールを常時駆動状態に維持する必要があり、そのため、資産端末に実装された電池の効率が低下するしかない。
【0146】
また、資産端末は、資産が長時間積載される場合に、電池の効率の低下によって資産の位置を測定できなくなる。
【0147】
そこで、本発明の実施形態による資産追跡システム及び方法では、複数の資産端末を複数のグループに区分し、各グループに属する資産端末のうちの1つをマスター資産端末として設定し、残りの資産端末をスレーブ資産端末として設定する。
【0148】
マスター資産端末は、GPS通信に基づいて資産位置を測定して管理サーバに伝送し、スレーブ資産端末からUWB通信に基づく相対的位置を収集して管理サーバに伝送する。この際、スレーブ資産端末は、GPS通信による資産位置の測定を中断し、マスター資産端末とのUWB通信によりマスター資産端末を基準とした相対的位置を測定する。
【0149】
管理サーバは、マスター資産端末の資産位置を基準として、スレーブ資産端末の相対的位置を反映してスレーブ資産端末を配置し、資産の相対的位置を正確に把握するようにする。
【0150】
そのために、図28を参照すると、資産追跡システムは複数の資産端末600a、600b及び管理サーバ700を含んで構成される。
【0151】
複数の資産端末600a、600bは、資産10の管理のために資産10にそれぞれ装着(または設置)された通信端末である。複数の資産端末600a、600bは、通信範囲、位置などを反映して複数のグループに区分される。この際、複数の資産端末600a、600bは、UWB通信により互いに通信して相対的位置を生成し、それに基づいて1つ以上のグループを構成する。
【0152】
このように構成されたグループには2つ以上の資産端末600a、600bが含まれる。同じグループに属する資産端末600a、600bのうちの1つは、資産追跡の基準となるマスター資産端末600aとして動作し、残りの資産端末はスレーブ資産端末600bとして動作する。換言すれば、複数の資産端末600a、600bは1つ以上のグループに区分され、各グループには1つのマスター資産端末600a及び複数のスレーブ資産端末600bが含まれる。
【0153】
マスター資産端末600aは、GPS通信により資産位置を生成し、同じグループに属するスレーブ資産端末600bとのUWB通信により、スレーブ資産端末600bが設置された資産10の相対的位置を生成する。ここで、相対的位置は、マスター資産端末600aの位置を基準としたスレーブ資産端末600bの相対的な位置を意味し、相対的な位置は方向及び距離を含む。
【0154】
マスター資産端末600aは、設定の時間間隔で、または管理サーバ700の要請時に、位置情報を管理サーバ700に伝送する。この際、マスター資産端末600aは、マスター資産端末600aが設置された資産10の位置である資産位置、スレーブ資産端末600bが設置された資産10の相対的な位置を含む位置情報を管理サーバ700に伝送する。
【0155】
一方、1つの資産端末がマスター資産端末600aとして動作し続ける場合には、当該資産端末の電池の効率が低下するしかない。そのため、複数の資産端末600a、600bは、GPS通信品質、UWB通信品質、電池残量などに応じて、他の資産端末にマスター資産端末600aを変更する。換言すれば、スレーブ資産端末600bのうちの1つが新しいマスター資産端末600aとして設定され、既存のマスター資産端末600aがスレーブ資産端末600bに設定変更される。
【0156】
図29を参照すると、マスター資産端末600aは、第1通信モジュール610aと、資産位置生成モジュール620aと、第2通信モジュール630aと、相対的位置生成モジュール640aと、制御モジュール650aと、第3通信モジュール660aと、を含んで構成される。ここで、第1通信モジュール610aは、衛星からGPS信号を受信するGPS通信モジュールであり、第2通信モジュール630aは、同じグループに属するスレーブ資産端末600bと通信するUWB通信モジュールであり、第3通信モジュール660aは、低電力通信により管理サーバ700及び同じグループに属するスレーブ資産端末600bと通信するSigfox通信モジュールであることを一例とする。
【0157】
この際、マスター資産端末600aは相対的位置測定の基準となるため、相対的位置生成モジュールは別途の動作を行わない。しかし、マスター資産端末600aは、後でスレーブ資産端末600bに変更され得るため、後述のスレーブ資産端末600bと同様に相対的位置生成モジュール640aを含んで構成される。
【0158】
第1通信モジュール610aは、GPS周波数帯域の信号(以下、GPS信号)を受信する。第1通信モジュール610aは、受信したGPS信号を資産位置生成モジュール620aに伝送する。
【0159】
資産位置生成モジュール620aは、制御モジュール650aの資産位置生成要請に応答して、第1通信モジュール610aから伝送されたGPS信号に基づいて資産10の現在位置に該当する資産位置を生成する。ここで、GPS信号を用いて位置情報を生成することは一般的な技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0160】
資産位置生成モジュール620aは、資産位置とマスター資産端末600aの固有識別子を含む第1位置情報伝送要請を生成する。資産位置生成モジュール620aは、第1位置情報伝送要請を制御モジュール650aに伝送する。
【0161】
第2通信モジュール630aは、UWB周波数帯域の信号(以下、UWB信号)を送受信する。第2通信モジュール630aは、同じグループに属するスレーブ資産端末600bとUWB信号を送受信する。
【0162】
第2通信モジュール630aは、スレーブ資産端末600bの第2通信モジュール630bとUWB信号を送受信する。そのために、第2通信モジュール630aはAdvertising信号または位置測定要請信号を出力する。
【0163】
第2通信モジュール630aは、スレーブ資産端末600bのRanging Request信号に応答して、第1UWB Pulsをスレーブ資産端末600bに伝送する。第2通信モジュール630aは、第1UWB Pulsの応答として、スレーブ資産端末600bから第2UWB Pulsを受信する。第2通信モジュール630aは、第1UWB Pulsと第2UWB Pulsとの間の遅延時間を算出する。スレーブ資産端末600bの固有識別子と遅延時間を含む測位情報を生成して制御モジュール650aに伝送する。
【0164】
制御モジュール650aは、資産位置生成モジュール620aに資産位置生成要請を伝送する。制御モジュール650aは、資産位置生成要請に対する応答として、GPS信号に基づいて生成された位置情報である第1位置情報を受信する。
【0165】
制御モジュール650aは、第3通信モジュール660aに位置情報収集要請を伝送する。制御モジュール650aは、第3通信モジュール660aから、位置情報収集要請に対する応答である第2位置情報の伝送を受ける。
【0166】
制御モジュール650aは、資産位置生成モジュール620aから受信した第1位置情報と、スレーブ資産端末600bから受信した第2位置情報を含む位置情報伝送要請を生成する。この際、制御モジュール650aは、第1位置情報を含む第1位置情報伝送要請と、第2位置情報を含む第2位置情報伝送要請をそれぞれ生成してもよい。制御モジュール650aは、位置情報伝送要請を第3通信モジュール660aに伝送する。
【0167】
第3通信モジュール660aは、制御モジュール650aの要請に応答して、同じグループに属する複数のスレーブ資産端末600bに相対的位置伝送要請を伝送する。第3通信モジュール660aは、相対的位置伝送要請に対する応答として第2位置情報を受信する。この際、第3通信モジュール660aは、スレーブ資産端末600bの固有識別子及び相対的位置を含む第2位置情報を受信する。第3通信モジュール660aは、受信した第2位置情報を制御モジュール650aに伝送する。
【0168】
第3通信モジュール660aは、制御モジュール650aの位置情報伝送要請に応答して、第1位置情報(すなわち、マスター資産端末600aの資産位置)及び第2位置情報(すなわち、スレーブ資産端末600bの相対的位置)を管理サーバ700に伝送する。第3通信モジュール660aは、第1位置情報及び第2位置情報をSigfoxプロトコルに変換し、これを管理サーバ700に伝送する。
【0169】
図30を参照すると、スレーブ資産端末600bは、第1通信モジュール610bと、資産位置生成モジュール620bと、第2通信モジュール630bと、相対的位置生成モジュール640bと、制御モジュール650bと、第3通信モジュール660bと、を含んで構成される。ここで、第1通信モジュール610bは、衛星からGPS信号を受信するGPS通信モジュールであり、第2通信モジュール630bは、同じグループに属するスレーブ資産端末600bと通信するUWB通信モジュールであり、第3通信モジュール660bは、低電力通信により管理サーバ700及び同じグループに属するスレーブ資産端末600bと通信するSigfox通信モジュールであることを一例とする。
【0170】
第1通信モジュール610b及び資産位置生成モジュール620bはスリープモードに設定され、GPS信号の受信及び資産位置生成を中断する。すなわち、第1通信モジュール610b及び資産位置生成モジュール620bは、制御モジュール650bの停止要請に応答して駆動を停止する。
【0171】
第2通信モジュール630bは、UWB周波数帯域の信号(以下、UWB信号)を送受信する。第2通信モジュール630bは、同じグループに属するマスター資産端末600aとUWB信号を送受信し、受信した情報を相対的位置生成モジュール640bに伝送する。
【0172】
相対的位置生成モジュール640bは、制御モジュール650bの資産位置生成要請に応答して、相対的位置の測定を要請する測位要請を第2通信モジュール630bに伝送する。相対的位置生成モジュール640bは、第2通信モジュール630bから遅延時間を受信し、それに基づいて、基準モジュールを基準としたスレーブ資産端末600bの相対的位置を生成する。この際、相対的位置生成モジュール640bは、TDoA(Time Difference of Arrival)とTWR(Two Way Ranging)などの測位技術により相対的位置を生成する。
【0173】
相対的位置生成モジュール640bは、相対的位置、マスター資産端末600aの固有識別子、及びスレーブ資産端末600bの固有識別子を含む第2位置情報を生成する。相対的位置生成モジュール640bは第2位置情報を制御モジュール650bに伝送する。
【0174】
制御モジュール650bは、資産端末がスレーブ資産端末600bとして設定されると、第1通信モジュール610b及び資産位置生成モジュール620bに停止要請を伝送する。すなわち、制御モジュール650bは、資産端末がスレーブモードで動作する場合、第1通信モジュール610b及び資産位置生成モジュール620bを停止させることで、資産端末に内蔵されている電池の不要な消費を防止する。この際、制御モジュール650bは、資産端末がマスターモードに変更されると、第1通信モジュール610b及び資産位置生成モジュール620bに再駆動要請を伝送する。
【0175】
制御モジュール650bは、相対的位置生成モジュール640bに資産位置生成要請を伝送する。制御モジュール650bは、資産位置生成要請に対する応答として、相対的位置生成モジュール640bで生成された第2位置情報を受信し、第2位置情報はUWB信号に基づいて生成された相対的位置情報である。
【0176】
制御モジュール650bは第2位置情報を含む位置情報伝送要請を生成する。制御モジュール650bは位置情報伝送要請を第3通信モジュール660bに伝送する。
【0177】
第3通信モジュール660bは、制御モジュール650bの位置情報伝送要請に応答して、第2位置情報をマスター資産端末600aに伝送する。第3通信モジュール660bは、第2位置情報をSigfoxプロトコルに変換し、これをマスター資産端末600aに伝送する。
【0178】
管理サーバ700は、各グループのマスター資産端末600aから位置情報を収集する。この際、管理サーバ700は、グループに属するマスター資産端末600aの資産位置、スレーブ資産端末600bの相対的位置を収集する。管理サーバ700は、各グループ毎にマスター資産端末600aの資産位置を基準として、各スレーブ資産端末600bの相対的位置を反映してスレーブ資産端末600bを配置する。
【0179】
そのために、図31を参照すると、管理サーバ700は、第4通信モジュール710と、位置情報格納モジュール720と、基準位置生成モジュール730と、補正モジュール740と、出力モジュール750と、を含んで構成される。
【0180】
第4通信モジュール710は、複数の資産端末600a、600bから第1位置情報及び第2位置情報を受信する。第4通信モジュール710は、マスター資産端末600aの固有識別子と資産位置を含む第1位置情報と、スレーブ資産端末600bの固有識別子及び相対的位置を含む第2位置情報を受信する。第4通信モジュール710は、第1位置情報及び第2位置情報を含む位置情報格納要請を位置情報格納モジュール720に伝送する。
【0181】
位置情報格納モジュール720は、第4通信モジュール710の位置情報格納要請に応答して、第1位置情報及び第2位置情報を格納する。この際、図32を参照すると、位置情報格納モジュール720は、マスター資産端末600aの固有識別子と資産位置を連携して格納する。位置情報格納モジュール720は、スレーブ資産端末600bの固有識別子、マスター資産端末600aの固有識別子及び相対的位置を連携して格納する。
【0182】
位置情報格納モジュール720は、基準位置生成モジュール730の基準位置格納要請に応答して、基準位置格納要請から固有識別子及び基準位置を検出する。位置情報格納モジュール720は、検出した固有識別子を同一のマスター基準端末600aの固有識別子に連携されたスレーブ資産端末600bと連携して基準位置を格納する。
【0183】
位置情報格納モジュール720は、補正モジュール740の資産位置格納要請に応答して、資産位置格納要請から固有識別子及び補正資産位置を検出する。位置情報格納モジュール720は、検出した固有識別子と同一のスレーブ資産端末600bの固有識別子と連携して補正資産位置を格納する。
【0184】
基準位置生成モジュール730は、位置情報格納モジュール720に格納されたマスター資産端末600aの資産位置をスレーブ資産端末600bの基準位置として生成する。基準位置生成モジュール730は、マスター資産端末600aの固有識別子及び基準位置を含む基準位置格納要請を生成して位置情報格納モジュール720に伝送する。基準位置生成モジュール730は、マスター資産端末600aの固有識別子と基準位置を含む位置補正要請を補正モジュール740に伝送する。
【0185】
補正モジュール740は、基準位置生成モジュール730の位置補正要請に応答して補正資産位置を生成する。すなわち、補正モジュール740は、位置補正要請から、スレーブ資産端末600bの固有識別子、基準位置、及び相対的位置を検出する。
【0186】
補正モジュール740は、基準位置にマスター資産端末600aを配置し、基準位置を基準点として、相対的位置を反映してスレーブ資産端末600bを配置し、スレーブ資産端末600bの補正資産位置を生成する。補正モジュール740は、資産端末600の固有識別子及び補正資産位置を含む資産位置格納要請を生成して位置情報格納モジュール720に伝送する。補正モジュール740は、資産出力要請を生成して出力モジュール750に伝送する。
【0187】
出力モジュール750は、補正モジュール740の出力要請に応答して、マスター資産端末600aと複数の資産端末600a、600bを画面に出力する。この際、出力モジュール750は、基準位置にマスター資産端末600aが表示され、補正資産位置に資産端末600が表示された画面を出力する。
【0188】
図33を参照すると、野積場には第1資産端末A1~第7資産端末A7が積み置かれた状態であり、第1資産端末A1がマスター資産端末600aとして設定され、第2資産端末A2~第7資産端末A7がスレーブ資産端末600bとして設定されたと仮定する。
【0189】
この場合、図34に示すように、マスター資産端末A1’の資産位置はGPS通信により生成されるため、GPS誤差によって実際の位置とは差が発生する。しかし、マスター資産端末A1’の資産位置を基準として、スレーブ資産端末A2~A7の相対的位置を反映してスレーブ資産端末A2~A7の位置を補正するため、資産間の相対的な位置を正確に追跡することができる。
【0190】
以下、図面を参照して本発明の実施形態による資産追跡方法を説明する
【0191】
図35を参照すると、複数のスレーブ資産端末600bは、相互間の通信により1つ以上のグループを構成する(S310)。この際、複数のスレーブ資産端末600bは、相互間のUWB通信により相対的な距離を測定し、相対的な距離を基準として一つ以上のグループを構成することを一例とする。
【0192】
各グループに属するスレーブ資産端末600bのうちの1つはマスター資産端末600aとして設定され、残りはスレーブ資産端末600bとして設定される(S320)。この際、資産端末600a、600bは、電池残量、通信範囲及び品質などを考慮してマスター資産端末600aを設定することを一例とする。
【0193】
スレーブ資産端末600bは、資産位置の測定を中断する(S330)。すなわち、スレーブ資産端末600bは、GPS通信モジュールである第1通信モジュール610b及び資産位置生成モジュール620bをスリープモードに設定し、GPS信号の受信及び資産位置生成を中断する。これにより、スレーブ資産端末600bに実装されている電池の効率を向上させ、長時間積載される資産の位置を追跡可能な期間を延ばすことができる。
【0194】
管理サーバ700は、各グループのマスター資産端末600aから、GPSに基づく位置情報である資産位置を収集する(S340)。各グループのマスター資産端末600aは、GPS信号に基づいて資産位置を測定し、管理サーバ700の要請に応じて資産位置を管理サーバ700に伝送する。管理サーバ700は、マスター資産端末600aから伝送された資産位置を格納する。この際、管理サーバ700は、マスター資産端末600aの固有識別子と資産位置を連携して格納する。
【0195】
管理サーバ700は、各グループのマスター資産端末600aから、UWBに基づく位置情報である相対的位置を収集する(S350)。マスター資産端末600aは、同じグループのスレーブ資産端末600bとUWB通信を行ってマスター資産端末600aを基準としたスレーブ資産端末600bの相対的位置を測定し、管理サーバ700の要請に応じて相対的位置を管理サーバ700に伝送する。管理サーバ700は、マスター資産端末600aから伝送された相対的位置を格納する。この際、管理サーバ700は、スレーブ資産端末600bの固有識別子及び相対的位置とマスター資産端末600aの固有識別子を連携して格納する。
【0196】
管理サーバ700は、マスター資産端末600aの資産位置を基準位置として設定する(S360)。管理サーバ700は、マスター資産端末600aの固有識別子と連携して基準位置を格納する。
【0197】
管理サーバ700は、S360ステップで設定した基準位置を基準として、相対的位置を反映してスレーブ資産端末600bの補正資産位置を生成する(S370)。管理サーバ700は、マスター資産端末600aの固有識別子に連携されたスレーブ資産端末600bの固有識別子と相対的位置を検出する。管理サーバ700は、基準位置を基準点として、相対的位置を反映してスレーブ資産端末600bを配置し、各スレーブ資産端末600bの補正資産位置を生成する。管理サーバ700は、スレーブ資産端末600bの固有識別子及び補正資産位置を連携して格納する。
【0198】
管理サーバ700は、格納された補正資産位置に基づいてマスター資産端末600a及びスレーブ資産端末600bを表示する(S380)。すなわち、管理サーバ700はマスター資産端末600aと複数のスレーブ資産端末600bを画面に出力し、この際、基準位置にマスター資産端末600aを表示し、補正資産位置にスレーブ資産端末600bを表示する。
【0199】
一方、S320ステップでマスター資産端末600aとして設定された資産端末がマスター資産端末600aとして動作し続ける場合、当該資産端末の電池の効率が低下するしかない。そのため、複数の資産端末600a、600bは、GPS通信品質、UWB通信品質、電池残量などに応じて、他の資産端末にマスター資産端末600aを変更する。換言すれば、スレーブ資産端末600bのうちの1つが新しいマスター資産端末600aとして設定され、既存のマスター資産端末600aがスレーブ資産端末600bに設定変更される。
【0200】
これにより、本発明の実施形態による資産追跡方法は、資産間の相対的な位置を正確に追跡することができ、資産端末に実装された電池の効率を向上させ、長時間積載される資産の位置を追跡可能な期間を延ばすことができる。
【0201】
以上、本発明による好ましい実施形態について説明したが、多様な形態に変形可能であり、本技術分野において通常の知識を有する者でれば、本発明の技術範囲を逸脱することなく多様な変形例及び修正例を実施できると理解される。
【符号の説明】
【0202】
10 資産
100、400 資産端末
110、410a、410b、610a、610b 第1通信モジュール
120、420a、420b、620a、620b 資産位置生成モジュール
130、430a、430b、630a、630b 第2通信モジュール
140、440a、440b、640a、640b 相対的位置生成モジュール
150、450a、450b、650a、650b 制御モジュール
160、460a、460b、660a、660b 第3通信モジュール
200 基準端末
300、500、700 管理サーバ
310、510、710 第4通信モジュール
320、520、720 位置情報格納モジュール
330、530、730 基準位置生成モジュール
340、540、740 補正モジュール
350、550、750 出力モジュール
400a、600a マスター資産端末
400b、600b スレーブ資産端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図34
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【国際調査報告】