(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】真空パッケージの密封試験
(51)【国際特許分類】
G01M 3/36 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
G01M3/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572565
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 EP2022062624
(87)【国際公開番号】W WO2022248213
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】102021113754.3
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503209940
【氏名又は名称】アルベルト ハントマン マシネンファブリク ゲーエムベーハー ウント ツェーオー.カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ボルカス, ペーター
(72)【発明者】
【氏名】バーグマン, マルティン
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA44
2G067BB04
2G067DD03
(57)【要約】
真空パッケージの密封性試験。本発明は、一つ又は複数の真空パッケージの密封性を試験するための試験ステーションであって、一つ又は複数の真空パッケージの各々は、基準圧力における初期空間寸法を有し、基準圧力と比較して低減された試験圧力で一つ又は複数の真空パッケージに外部から作用するように構成された負圧発生装置と、一つ又は複数の真空パッケージのそれぞれの初期空間寸法に対して試験圧力を印加している間の一つ又は複数の真空パッケージの空間寸法の変化に基づいて、一つ又は複数の真空パッケージの少なくとも1つが漏洩しているか否かを判別するように構成されたセンサシステムと、を備える、試験ステーションに関する。
【選択図】
図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ又は複数の真空パッケージ(3)の密封性を試験するための試験ステーション(1)において、
前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の各々は、基準圧力における初期空間寸法を有し、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)を外側から前記基準圧力に比べて低減された試験圧力にさらすように構成された負圧発生装置(5)と、
前記一つ又は複数の真空パッケージのそれぞれの初期空間寸法に対して前記試験圧力を印加している間の前記一つ又は複数の真空パッケージの空間寸法の変化に基づいて、前記一つ又は複数の真空パッケージの少なくとも1つが漏洩しているか否かを判別するように構成されたセンサシステムと、
を備える、試験ステーション(1)。
【請求項2】
前記負圧発生装置(5)は、試験室を画定するハウジングを更に備え、前記試験室内で、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)は前記試験圧力が作用され、前記負圧は、前記試験室内の前記基準圧力まで前記基準圧力を低下させるように構成される、請求項1に記載の試験ステーション(1)。
【請求項3】
前記基準圧力を前記試験圧力に低下させるための負圧発生装置(5)は、500m3/時以上、特に700m3/時以上の容量流量で前記試験室を排気するように構成されている、請求項2に記載の試験ステーション(1)。
【請求項4】
前記負圧発生装置(5)は、前記試験室を前記基準圧力から前記試験圧力まで1秒未満で低下させるように構成されている、請求項3に記載の試験ステーション(1)。
【請求項5】
前記負圧発生装置(5)は、前記基準圧力を前記試験室内の前記試験圧力まで低下させる第1の動作状態(以下、試験処理)と、前記基準圧力を前記試験室内に印加する第2の動作状態(以下、初期化状態)とを有する、請求項2~4のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項6】
前記試験室を流体密に画定するために前記ハウジング(31)と相互作用する、搬送システムの可撓性搬送ベルトのような可撓性支持体を、前記一つ又は複数の真空パッケージに対して更に備える、請求項2~5のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項7】
前記支持体は、試験される前記真空パッケージを搬送方向(F)に沿って連続的または周期的に搬送する搬送ベルト等の搬送システムによって形成され、
前記負圧発生装置(5)は、前記負圧発生装置(5)が前記真空パッケージの搬送に伴って移動するように移動可能に装着されている、請求項6に記載の試験ステーション(1)。
【請求項8】
真空パッケージの搬送に従って前記負圧発生装置(5)を移動させるように構成されたガントリロボットを更に備える、請求項7に記載の試験ステーション(1)。
【請求項9】
前記ハウジング(31)は、前記試験処理中に前記試験室を流体密に閉鎖するための前記支持体に関連付けられたシールを有する、請求項6~8のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項10】
前記ハウジング(31)は、少なくとも部分的に、マイクロ波に対して透過性または浸透性を有する、請求項2~9のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項11】
前記負圧発生装置(5)の動作状態に応じて前記負圧発生装置(5)の操作を制御するように構成された制御ユニットを備える、請求項2~10のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項12】
前記制御ユニット(11)は、前記負圧発生装置(5)に関連付けられ、前記制御ユニット(11)が、前記ハウジング(31)内に前記第1の作動状態をとるために前記試験圧力を印加するための圧縮機またはポンプを作動させ、および/または、前記制御ユニット(11)が、前記ハウジング(31)内に前記初期化状態をとるために基準圧力を印加するための前記負圧発生装置(5)、前記圧縮機または前記ポンプを作動させないようにする、請求項11に記載の試験ステーション(1)。
【請求項13】
前記負圧発生装置(5)は、前記試験状態および前記初期化状態を調整するための空気圧式および/または電気機械式の駆動装置を備える、請求項2~12のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項14】
前記ハウジング(31)は、前記真空パッケージに対して移動可能に装着されており、前記制御ユニットは、前記ハウジング(31)を、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)を囲むように前記第1の作動状態をとるために前記真空パッケージに向かって移動させ、前記第3の動作状態(以下、受動状態)をとるために前記真空パッケージから離れるように移動させるように構成されている、請求項2~13のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項15】
前記センサシステム(7)は、センサユニットと、評価ユニット(9)とを備え、
前記センサユニットは、前記初期化状態の第1のセンサデータと、前記試験処理中の第2のセンサデータとを記録するように構成され、前記第1のセンサデータは、前記初期化状態の前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)をら表し、前記第2のセンサデータは、前記基準圧力が前記試験圧力まで低減される間、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の前記空間寸法を表し、
前記評価ユニット(9)は、前記第1のセンサデータと前記第2のセンサデータとの比較に基づいて、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の少なくとも1つの漏洩を検出するように構成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項16】
前記評価ユニット(9)は、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の少なくとも1つで漏洩が検出された場合に、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の少なくとも1つで漏洩が検出されたことを示す制御信号を出力するように構成されている、請求項15に記載の試験ステーション(1)。
【請求項17】
前記評価ユニット(9)は、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)のうち少なくとも1つにおいて漏洩が検出された場合に、前記複数の真空パッケージ(3)のうち漏洩パッケージを識別する制御信号を出力するように構成される、請求項15又は16に記載の試験ステーション(1)。
【請求項18】
前記複数の真空パッケージ(3)は、各々が、前記センサシステム(7)の記録フィールド内の試験位置または試験領域に関連付けられており、前記制御信号は、各漏洩パッケージに対して、前記漏洩パッケージの対応する試験位置または対応する試験領域を識別する、請求項17に記載の試験ステーション(1)。
【請求項19】
前記センサシステム(7)のセンサユニットは、前記第1のセンサデータおよび第2のセンサデータを記録するように構成された、少なくとも1つの光センサ、光電子センサ、電子画像記録ユニット、および/または、ドップラー原理に従って作動するセンサを備える、請求項1~18のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項20】
前記センサシステム(7)は、一つ又は複数の光センサを備え、各光センサは、複数の一次元配列素子と光検出器とを備え、前記一次元配列素子は、所定の距離に配置された複数の光ビームからなる光カーテン(47)を発生し、前記光カーテン(47)により前記一つ又は複数の真空パッケージに作用し、前記光検出器は、個々の前記光ビームに関連付けられ、個々の前記光ビームの遮断を検出し、
前記センサシステム(7)は、前記初期化状態および前記試験処理中の前記中断された光ビームの数の変化に基づいて、前記一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つの寸法の変化を検出するように構成される、請求項19に記載の試験ステーション(7)。
【請求項21】
前記センサシステム(7)は、複数の光学センサを備え、前記光学センサの各々は、光カーテン(47)を発生し、複数の真空パッケージ(3)のうちの少なくとも1つに作用するように構成される、請求項20に記載の試験ステーション(1)。
【請求項22】
各光センサは、試験位置または試験領域に関連付けられる、請求項21に記載の試験ステーション(1)。
【請求項23】
前記センサシステム(7)は、少なくとも1つの画像記録ユニットを備え、各画像記録ユニットは、前記初期化状態および前記試験処理中に、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の少なくとも1つの画像を記録して前記評価ユニット(9)に供給するように構成され、
前記評価ユニット(9)は、前記初期化状態および前記試験処理中に記録された画像の比較に基づいて、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の少なくとも1つの漏洩を検出するように構成される、請求項21に記載の試験ステーション(1)。
【請求項24】
前記センサシステム(7)は、複数の光センサを更に備え、前記光センサは、所定のラスタを有する光グリッドを発生し、前記光グリッドを有する前記一つ又は複数の真空パッケージのうちの前記少なくとも1つに作用する、請求項23に記載の試験ステーション(1)。
【請求項25】
前記画像記録ユニットの記録画像は、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)に作用する所定のラスタを有する光グリッドを記録し、前記評価ユニット(9)は、前記初期化状態および前記試験処理中の画像における前記光グリッドのラスタの変化に基づいて、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の密封性を推測する、請求項23又は24に記載の試験ステーション(1)。
【請求項26】
前記評価ユニット(9)は、前記初期化状態および前記試験処理中の画像の画像データに、前記初期化状態および前記試験処理中に記録された画像の差分を強調するフィルタリングおよび/または画像処理を受けさせるように構成されている、請求項23~25のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項27】
前記評価ユニット(9)は、前記カメラの記録画像を、各試験領域が少なくとも1つのパッケージに関連付けられた試験領域に細分し、前記評価ユニット(9)は、前記試験領域内の前記少なくとも1つのパッケージについて、前記試験領域ごとに密封性試験を行うように構成され、
試験領域の密封性試験は、前記初期化状態の画像と前記試験領域の前記試験処理中の画像との画像データの比較に基づく、請求項23~26のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項28】
前記評価ユニット(9)は、前記初期化状態および/または前記試験処理中の画像の少なくとも1つにおいて、前記真空パッケージ(3)を識別し、識別された前記真空パッケージ(3)に基づいて前記試験領域を画定するように構成されている、請求項27に記載の試験ステーション(1)。
【請求項29】
複数の真空パッケージ(3)を同時に試験するように構成される、請求項1~28のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項30】
前記センサシステム(7)は、各々が前記真空パッケージ(3)の少なくとも1つに関連付けられた異なる複数の試験位置または試験領域を個別に記録するように構成され、評価ユニット(9)を備え、前記評価ユニット(9)は、前記センサシステム(7)の前記センサデータに基づいて、前記少なくとも1つの真空パッケージの密封性を各試験位置または各試験領域で個別に試験するように構成される、請求項29に記載の試験ステーション(1)。
【請求項31】
前記支持体に関連付けられ、前記試験室とは反対を向いている前記支持体の下側に逆負圧を加えるように構成された逆負圧発生装置(53)を更に備え、ここで、特に前記逆圧は前記試験圧力よりも大きい、請求項6~30のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)。
【請求項32】
前記制御ユニット(11)は、前記負圧発生装置(5)に先立って前記逆負圧発生装置(53)を作動させるように構成され、特に、前記負圧発生装置(5)が前記試験圧力を印加する前に前記逆負圧が完全に印加されるように更に構成される、請求項31に記載の試験ステーション(1)。
【請求項33】
前記逆負圧発生装置(53)は、複数の別個の、特に同一に形成されている、排気チャンバを有する、請求項31又は32に記載の試験ステーション(1)。
【請求項34】
一つ又は複数の真空パッケージ(3)の密封性を試験するための方法であって、
前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の各々は、基準圧力における初期空間寸法を有し、前記方法は、
前記1つまたは複数の真空パッケージ(3)が受ける圧力を、基準圧力から、前記基準圧力に対して低減された試験圧力に低下させるステップと、
前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)のそれぞれの初期空間寸法に対する前記試験圧力の低下中に、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)のうちの少なくとも1つの空間寸法の変化を記録するステップと、
前記空間寸法の記録された変化に基づいて、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の少なくとも1つが漏洩しているか否かを判別するステップと、
を含む、方法。
【請求項35】
前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)のそれぞれの初期空間寸法に対する前記試験圧力の低下中に、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)のうちの少なくとも1つの空間寸法の変化を記録するステップは、
前記基準圧力が印加されたときの初期化状態における前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の前記初期空間寸法を表すセンサシステム(7)の第1のセンサデータを記録する工程と、
前記初期化状態に時間的に続く試験処理中に前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の空間寸法を表すセンサシステム(7)の第2のセンサデータであって、前記試験処理中に前記基準圧力が前記試験圧力まで低下する、第2のセンサデータを記録する工程と、
記録された前記第1のセンサデータおよび第2のセンサデータを比較することによって、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)のうちの少なくとも1つの空間寸法の変化を記録する工程と、
を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
第2のセンサデータは、前記基準圧力が前記試験圧力に低下する間、反復的又は連続的に記録され、前記空間寸法の変化は、記録された前記第2のセンサデータの少なくとも一部について記録される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記センサデータの比較により、前記空間的広がりの変化の大きさが閾値を超えることが示された場合に、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の少なくとも1つが漏洩しているか否かを判別する、請求項34~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の少なくとも1つにおいて漏洩が検出された場合に、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の少なくとも1つにおいてリ漏洩が検出されたことを示す制御信号を出力するステップを更に含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)のうち少なくとも1つにおいて漏洩が検出された場合に、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)のうちの各漏洩パッケージを識別する制御信号を出力するステップを更に含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記複数の真空パッケージ(3)は、各々が、前記センサシステム(7)の前記記録フィールド内の試験位置または試験領域と関連付けられ、前記制御信号は、各漏洩パッケージに対して、前記漏洩パッケージの対応する試験位置または対応する試験領域を識別する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記基準圧力が印加されたときの初期化状態において、所定の距離に配置された複数の光ビームから作られる光カーテン(47)を用いて前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)に作用させるステップと、
前記試験処理中に前記光カーテン(47)を用いて前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)に作用させるステップと、
前記初期化状態および前記試験処理中に中断される光ビームの数の変化に基づいて、前記一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つの寸法の変化を検出するステップと、
を更に含む、方法。
【請求項42】
前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の少なくとも1つの画像を前記初期化状態および前記試験処理中に記録し、前記初期化状態および前記試験処理中に記録された前記画像の比較に基づいて、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の少なくとも1つの漏洩を検出するステップを更に含む、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
記録された画像は、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)に作用する所定のラスタを有する光グリッドを記録し、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)の密封性は、初期化状態および前記試験処理中の画像における前記光グリッドのラスタの変化に基づいて推測される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記初期化状態および前記試験処理中の前記画像の画像データは、前記初期化状態および前記試験処理中に記録された前記画像間の差を強調するフィルタリングおよび/または画像処理を受ける、請求項42又は43に記載の方法。
【請求項45】
前記カメラの記録された画像は、各試験領域が少なくとも1つのそれぞれのパッケージに関連付けられた試験領域に細分され、前記試験領域内の前記少なくとも1つのパッケージが、各試験領域に対して密封性について試験され、
試験領域の密封性の為の前記試験は、前記初期化状態の画像と前記試験領域内の前記試験処理中の画像との画像データの比較に基づく、請求項42~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記真空パッケージ(3)を前記初期化状態および/または前記試験処理中に前記画像の少なくとも1つに識別するステップであって、これらが前記識別された真空パッケージに基づいて試験領域または試験位置を画定する、ステップを更に含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)が受ける前記圧力を低下させる前に、前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)が載置される特定の可撓性支持体の下側に逆負圧を印加するステップであって、特に前記逆負圧の大きさは前記試験圧力よりも大きい、ステップを更に含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
処理ユニットによって実行されるときに、前記処理ユニットに請求項34~47のいずれか一項に記載の方法を実施させる命令を格納するコンピュータ可読媒体。
【請求項49】
試験ステーション(1)は、請求項34~47のいずれか一項に記載の方法を実施するように構成された装置を備える試験ステーション(1)。
【請求項50】
請求項1~33のいずれか一項に記載の試験ステーション(1)を備えるパッケージステーション。
【請求項51】
前記一つ又は複数の真空パッケージ(3)を生産するための装置を更に備える、請求項50に記載のパッケージステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空パッケージの密封性を試験するための、特に真空パッケージの密封性をインラインで試験するための装置および方法に関する。真空パッケージは、例えば、食品産業において使用される。
【0002】
【技術的背景】
【0003】
今日まで、現行の生産処理(インライン)中に生産された真空パッケージの密封性を試験する、十分に信頼性があり効率的に実装された方法またはシステムは、先行技術には存在しない。特に食品業界では、たとえば、包装された食品は品質を損なう可能性があるから、真空パッケージ内の漏洩が検出されなければ、製品の品質に壊滅的な結果をもたらす。真空パッケージの密封性はまた、製品の品質保証、たとえば、密封された内容物の完全性または無菌性の保証として役立つ。
【0004】
さらに、真空パッケージの密封性は、食品産業以外の分野においても重要である。食品産業以外において、真空パッケージは、たとえば、包装された製品の酸化、腐食、機械的損傷(例えば、スクラッチ)、静電放電(ESDフィルムの使用)、吸湿、(例えば、無菌製品における)汚染などから保護するために使用される。真空パッケージはまた、構成部品をルーズアセンブリ(例えば、分離可能な転がり軸受)に固定するためにも使用される。
【0005】
食品産業において、真空パッケージは、典型的には、試験、特に走査によって、個々の真空パッケージを手作業で、また真空パッケージの溶着シームをスタッフが目視検査することによって、手動で検証される。検証は、生産処理のいわゆる「ブラックエリア」で行われることが多い。これは、漏洩パッケージを有する製品は没収されたものとして分類され、廃棄されなければならないことを意味するが、これに対して、漏洩パッケージを有する製品は包装システムに戻すことができる「ホワイトエリア」である。
【0006】
一方で、これは、漏洩真空パッケージが排出されることを十分に確実に保証することができない。もう一つの重大な欠点は、手動試験処理が時間がかかること、労働集約的であることである。真空パッケージの生産および試験は、手動の真空パッケージ試験が製造サイクルに追いつくことができない大規模な生産ラインに一体化されることが多い。
【0007】
【発明の簡単な説明】
【0008】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服することである。特に、本発明の目的は、真空パッケージの密封性を試験するための試験ステーションおよび試験方法を提供することであり、それはもはやスタッフが真空パッケージの密封性を手動で試験する必要がない。更なる目的は、進行中の生産処理(インライン)において真空パッケージの密封性を可能にし、好ましくは生産サイクルに適合されるか又は適合可能な真空パッケージの密封性を試験するための試験ステーションおよび試験方法を提供することである。
【0009】
本発明は、たとえば、ソーセージまたは肉製品の真空パッケージの密封性を試験するための食品産業での使用に特に適している。本発明は、製造の白色領域および黒色領域の両方に使用することができる。原則的に、本発明は、食品産業以外の分野における真空パッケージの密封性を試験するために使用することができ、すなわち、真空包装された製品は食品に限定されない。
【0010】
本発明の基本的な考え方は、センサを使用することであり、特に、手動による手動検査を、真空パッケージの密封性に関するインテリジェントなセンサ支持および/または自動化された試験に置き換えることである。
【0011】
本発明は、真空パッケージが、基準圧力、例えば、大気圧と比較して低減された試験圧力に晒されると、真空パッケージの空間寸法が変化するという物理的原理を利用する。真空パッケージに漏洩性がある場合には、真空パッケージは膨張するが、パッケージが密封されており、かつ/または、損傷を受けていない場合、パッケージの空間寸法は(実質的に)変化しない。パッケージの空間寸法におけるこの変化は、センサシステムを使用して容易に記録および評価することができる。このようにして得られたセンサデータは、真空パッケージの気密性を結論付けるために使用することができる。密封性試験の結果は、たとえば、試験された真空パッケージおよび漏洩が判明したパッケージを廃棄および/または生産ラインから排出するものとして申告するなど、更なる措置を開始するために使用することができる。
【0012】
本発明の一態様によれば、一つ又は複数の真空パッケージの密封性を試験するための試験ステーションが提供される。試験ステーションは、複数の真空パッケージを同時に試験するようにつの試験処理または試験サイクルで試験するように構成することができる。試験される一つ又は複数の真空パッケージは、基準圧力における初期空間寸法を有する。基準圧力は、基本的には試験圧力より高い圧力であると理解すべきものとする。たとえば、基準圧力は、試験ステーションの位置で優勢な大気圧である。
【0013】
一つ又は複数の真空パッケージの初期空間寸法は、たとえば、測定によって判別することができる。あるいは、真空パッケージの初期空間寸法をデータベースから読み出すこと、またはオペレータがユーザインターフェースを使用して記憶することも可能である。試験圧力は、試験圧力で真空パッケージの検出可能な膨張が起こり得るように選択されることが好ましい。
【0014】
試験ステーションは、負圧発生装置を備え、この負圧発生装置は、試験室内の圧力を基準圧力から下げることによって、外側からの一つ又は複数の真空パッケージを基準圧力と比較して低減された試験圧力に晒すように構成される。試験室内の試験圧力は、基準圧力と比較して、たとえば、0.03MPa~0.08MPaの範囲で低下させることができる。試験室の排気時間は、生産ラインの生産サイクルに適応させることができる。たとえば、試験室は、試験圧力を調整するために、5秒未満、たとえば、0.5秒から1.0秒以内に排気することができる。
【0015】
試験ステーションは、センサシステムを更に備え、このセンサシステムは、一つ又は複数の真空パッケージのそれぞれの初期空間寸法に対する試験圧力の印加中の一つ又は複数の真空パッケージの少なくとも1つの空間寸法の変化に基づいて、一つ又は複数の真空パッケージの少なくとも1つが漏れているかどうかを判別するように構成されている。センサシステムは、1つの空間軸、2つの空間軸、または3つの空間軸のいずれかにおける空間次元の変化を検出することができる。空間軸の一つにおける空間寸法の変化は漏洩真空パッケージを示すことができる。
【0016】
例示的な実施形態において、試験ステーションは、一つ又は複数の真空パッケージが試験圧力で作用される試験室を画定するハウジングを備える。負圧発生装置は、試験室内で試験圧力を発生するように構成することができる。負圧発生装置は、基準圧力を試験圧力まで低下させる。ハウジングは、負圧発生装置の一部とすることができる。あるいは、負圧発生装置とは別個にハウジングを製造してもよく、負圧発生装置は、試験室内に試験圧力を加えることができるようにハウジングに関連付けられる。
【0017】
構造的観点から、試験室は、特に気密及び/又は流体密及び/又は環境から分離され、少なくとも部分的に、特に大部分についてハウジングによって画定される空間とすることができる。試験室は、負圧が加えられたときに排気される排気チャンバと呼ぶこともできる。排気チャンバの設計および形状は、試験される真空パッケージの特性、サイズ、および量に依存し得る。基本的に、真空排気チャンバの容積は、試験される真空パッケージの周囲にできるだけ死空間を残さないようにできるだけ小さくなるように選択することができる。これにより、排気チャンバの排気時間を低減することができる。別のアプローチは、試験される真空パッケージの特性および/またはサイズに拘わらず使用できるように、大容量のユニバーサルチャンバを提供することである。試験される真空パッケージに適合された一つ又は複数の充填部材は、デッドスペースを制限するために、ユニバーサルチャンバ内に挿入可能である。充填材片は、製品を交換する際に交換可能な部材の形態で交換することができる。
【0018】
排気チャンバのハウジングは、できるだけ軽く、必要に応じて安定するように構成される。排気チャンバのハウジングに適した材料は、PC、アクリル、GRPおよび/または炭素であり、特に食品加工に適したコーティングを備えている可能性がある。十分な剛性を確保するために、リブ構造と同様に、曲率、エッジおよびコーナー半径が、壁厚を補強するために好ましい。カラム、ストリップ等の形態の支持要素は、大きな設置面積を有する排気チャンバに必要とされる。
【0019】
更なる例示的な実施形態において、負圧発生装置は、第1の動作状態(以下、試験処理ともいう)を備え、この第1の動作状態において、負圧発生装置は、試験室内に試験圧力を加える。試験室内の圧力は、基準圧力から試験圧力まで低下させることができる。負圧発生装置は、試験室内に基準圧力を加える第2の動作状態(以下、初期化状態という)を更に含んでいる。負圧発生装置は、基準圧力自体を直接発生または印加する必要は必ずしもない。負圧発生装置は、初期化状態においても、基準圧力が試験室内で上昇したり、印加されたりすることを保証することができる。たとえば、負圧発生装置は、初期化状態において試験室内に周囲の圧力または大気圧が確立されることを保証することができる。
【0020】
更なる例示的な実施形態によれば、試験ステーションは、試験室の液密、特に気密の画定のためにハウジングと相互作用する一つ又は複数の真空パッケージに対する支持体を備える。真空パッケージは、支持体上に設けることができる。支持体は柔軟にすることができる。さらに、支持体は、センサに対して透過性、即ち、浸透可能な材料から形成することができる。たとえば、幾つかの真空パッケージを支持体上に、特に互いに対して所定の配置で位置決めすることができる。たとえば、2つの隣接する真空パッケージを、試験ステーションを通る真空パッケージの搬送方向および/または搬送方向に対して横断する方向に互いにオフセットして配置することができる。
【0021】
支持体は、搬送システムによって形成することができる。搬送装置としても知られている搬送システムは、一般に、搬送される物品(現在、試験される真空パッケージ)を搬送するために使用される機械およびシステムである。搬送システムは、たとえば、真空パッケージを生産するための生産サイクルに適合された特定の所定のサイクルに従って、または連続的に、すなわち特に中断されないおよび/または一定の搬送速度で、試験される真空パッケージを周期的に搬送することができる。試験ステーション全体の試験サイクルおよび試験室の排気時間は、真空パッケージのインライン試験を可能にするために特定された生産サイクルに基づいて選択することができ、生産サイクルに歩調を合わせることができる。
【0022】
搬送システムは、個々の真空パッケージを負圧発生装置に移送するかまたは負圧発生装置の一部となるように、負圧発生装置に関連付けることができる。たとえば、搬送システムは、搬送ベルト、回転割出テーブル、スライドテーブル等を備えている。支持体、特に搬送ベルトの表面および構造は、搬送される物品の特性(nature)の関数(function)として選択することができる。搬送ベルトは、十分な剛性を有し、且つ気密又は流体密に形成される。搬送ベルト表面の特性は、平滑または微細に構成され、ほとんど反射しないべきである。例示的な更なる開発では、負圧を搬送ベルトの下方から発生させることができる。適切な基礎構造を有する有孔搬送ベルトを使用することができる。
【0023】
また、搬送システムは、試験される真空パッケージを搬送方向に沿って連続的または周期的に搬送することができ、負圧発生装置を移動可能に装着して、負圧発生装置を真空パッケージの搬送に伴って移動させることができる。搬送システムを介した搬送および密封性に対する真空パッケージの試験は、搬送システムが試験される真空パッケージの搬送を中断または停止することなく行うことができる。あるいは、負圧発生装置を固定式または静止式に配置し、搬送システムを個々の真空パッケージの試験処理の継続時間に合わせて計時および/または調整し、各試験処理中に停止させることも可能である。
【0024】
例示的な更なる開発において、本発明による試験ステーションは、真空パッケージの搬送に従って負圧発生装置を移動させるように構成されたガントリロボットを備える。たとえば、ガントリロボットは、特に2つの軸を有するライン/リニアガントリとすることができる。それで、搬送システムを横切って搬送を中断する必要はない。換言すれば、負圧発生装置は、搬送システム、特にその上に配置されて試験される真空パッケージと共に移動する。したがって、真空パッケージの密封性の試験は、進行中の生産処理中にインラインで実施することができる。たとえば、ガントリロボットは、少なくとも1つの真空パッケージの試験処理(試験サイクル)を表す特定の所定の運動サイクルに沿って走行する。試験処理が完了すると、運動サイクルが再び開始され、少なくとも1つの更なる真空パッケージが試験される。
【0025】
たとえば、ハウジングは、試験処理中に試験室を気密及び/又は流体密に閉鎖するための支持体に関連するシールを備えることができる。シールは、たとえば、プロファイルリップシールとすることができる。シールは、ゴム材料および/または弾性材料から生産することができる。シールの硬度は、接触表面(支持体、ハウジング)の表面特性に依存し得る。他の密封オプションには、例えば、ハウジング溝内の円形コードシール(Oリング)、ハウジングに接着される注入シリコーンシールまたはフラットシールが含まれる。
【0026】
さらに、ハウジングは、少なくとも部分的に、マイクロ波に対して透過性または浸透性でもよい。たとえば、透過性真空パッケージは、それらの内容物を見ることができるように、食品産業において一般的である。従って、ハウジングの透過性は、真空パッケージの透過性よりも大きくすることができる。しかしながら、ハウジングは、非透過性の材料から生産することもできる。たとえば、ハウジングが外側からセンサシステムによって貫通可能な材料で(完全に)構成されていない場合、ハウジングはまた、内部に配列された一つ又は複数の真空パッケージを記録するために、センサシステムによって貫通可能な一つ又は複数の透過性のある部分を有することができる。たとえば、ハウジングは、たとえば、ハウジングの外側に配置された光学センサが、ハウジングの内部の真空パッケージを(少なくとも部分的に)記録することができるように、光学センサに対して透過性の窓を備えることができる。この場合、センサシステム(またはその少なくとも一部)をハウジングの外側に設けることができる。センサをハウジングから別個に配置することは、たとえば、試験ステーションをより良く洗浄することができるようにするために有用であり得る。清掃時に簡単な装置を用いてセンサシステム(またはその感応部分)を覆うことが可能であり、それによってセンサシステムの損傷を防止することが可能である。さらに、センサをハウジングの外側に別個に配置することにより、操作中のセンサの汚れを低減することが可能となる。
【0027】
センサシステムがマイクロ波を使用して、および/またはドップラー効果に基づいて動作する場合には、ハウジング(またはその部品)の透過性は必要ではない。しかしながら、この場合には、ハウジングがマイクロ波透過性の材料で作られていることが保証されなければならず、その場合、マイクロ波透過性の程度は、センサシステムが、試験される真空パッケージの寸法の変化を検出できるように確実に選択されなければならない。膜の形状の変化は、光電子センサシステム、たとえば、光カーテンなどを用いて、または電子画像処理によって検出することができる。光カーテンのような送信器-受信器原理に基づくセンサシステムを使用する場合、センサシステムは、真空パッケージの搬送方向に対して横断するように配置することができる。この目的のために、送信機および受信機を搬送システムの両側に設けることができる。センサシステムは、試験される真空パッケージの垂直寸法、すなわち、現在の高さの変化を検出することができる。代替的または追加的に、試験される真空パッケージの水平寸法、すなわち現在の幅を判別し、評価することも可能である。
【0028】
たとえば、真空パッケージを走査することによって(少なくとも部分的に)機械的であるセンサシステムを使用することもできる。近接スイッチのような簡単なセンサユニットを備えた走査システムも実現可能である。真空パッケージの走査は、たとえば、近接スイッチに接触するためのスイッチングラグを有する誘導されたプローブプランジャを用いて実現することができる(スイッチング出力:デジタルまたはアナログ)。
【0029】
本発明による試験ステーションの更なる例示的実施形態によれば、それは、それぞれの動作状態に応じて負圧発生装置の操作を制御するように構成された制御ユニットを備える。試験ステーションの操作は、自動化された方法、特に完全に自動化された方法で遂行することができる。
【0030】
制御ユニットは、第1の動作状態をとるために試験圧力をハウジングに印加するために圧縮機またはポンプを作動させるように、負圧発生装置に関連付けることができる。代替的または追加的に、制御ユニットは、初期化状態をとるために、ハウジング内に基準圧力を加えるために負圧発生装置、圧縮機またはポンプを作動させないように、負圧発生装置に関連付けることができる。たとえば、フランジ取付け具を有するホースノズルの形態の真空接続装置を、圧縮機またはポンプの間に設けることができる。真空接続装置は、ハウジングのどの場所にでも配置することができる。ホースノズルの直径は、排気チャンバの容積に適合させることができる。負圧発生装置、特にそのポンプは、例えば500m3/時を超える送出速度、特に550m3/時、600m3/時、650m3/時または700m3/時を超える送出速度を有することができる。
【0031】
負圧発生装置は、試験状態および初期化状態を調整するための空気圧および/または電気機械駆動装置を備えることができる。たとえば、駆動装置を制御ユニットに結合することができる。制御ユニットは、たとえば、駆動装置の操作を、開ループ方式、特に閉ループ方式で制御することができる。
【0032】
ハウジングは、真空パッケージに対して移動できるように装着することができるが、ここで、制御ユニットは、試験処理を想定して、ハウジングを真空パッケージに向かって移動させて、一つ又は複数の真空パッケージを囲むようにし、第3の動作状態(以下、受動状態)をとり、真空パッケージからハウジングを離すように構成される。
【0033】
ハウジングはまた、たとえば、試験ステーションが真空パッケージシステムに一体化されている場合には、真空パッケージに対して不動にすることができ、真空パッケージシステムの真空排気チャンバは、製品の真空パッケージおよびパッケージの密封性の試験処理の為に使用することができる。
【0034】
さらに、センサシステムは、センサユニットと評価ユニットとを備えることができる。センサユニットは、試験される真空パッケージのセンサデータを記録し、次いで、真空パッケージの気密性を推測するために評価ユニットによって評価することができる。センサユニット及び/又は評価ユニットは、試験室の外側、特にハウジングの外側に配置することができる。代わりに、センサユニット及び/又は評価ユニットは、試験室内、特にハウジング内に配置されてもよい。
【0035】
センサユニットは、初期化状態にある一つ又は複数の真空パッケージの初期空間寸法を表す初期化状態にある第1のセンサデータを記録するように構成することができる。センサユニットはさらに、試験処理中に一つ又は複数の真空パッケージの空間的寸法を表す第2のセンサデータを試験処理中に少なくとも1回記録するように構成することができる。さらに、評価ユニットは、第1のセンサデータと第2のセンサデータとの比較に基づいて、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つにおける漏洩を検出するように構成することができる。たとえば、空間寸法の許容される変化に対する限界値または閾値を評価ユニットに格納することができ、評価ユニットは、空間寸法の変化と限界値との比較の関数として、漏洩が存在するかどうかを判別するように構成することができる。
【0036】
評価ユニットはまた、漏洩が一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つで検出された場合に、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つにおける漏洩の検出を示す制御信号を出力するように構成することができる。センサシステムがどのように設計されているかに応じて、センサシステムは、どの真空パッケージが漏れているか/複数の真空パッケージが漏れているのかを検出することができる。あるいは、センサシステムは、どの真空パッケージであるかを区別することなく、同時に試験される一つの真空パッケージが漏れている/複数の真空パッケージが漏れていることのみを検出することができる。さらに、評価ユニットは、漏洩が一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つで検出された場合に、幾つかの真空パッケージの中の1つ、特にそれぞれの漏洩パッケージを識別する制御信号を出力するように構成することができる。
【0037】
制御信号は、少なくとも1つの漏洩真空パッケージが検出されたときに、是正措置を開始するために使用することができる。考えられる修正手段は、たとえば、幾つかの真空パッケージの漏洩真空パッケージを排出することである。この場合、制御信号を使用して、試験された漏洩真空パッケージの全部または一部が排出されるように、生産システム内のトラックスイッチを制御することができる。制御信号はまた、漏洩パッケージを示す警報信号、特に視覚表示または音響信号であってもよい。この場合、スタッフは、警報信号に応答して手動で是正処置を開始することができる。
【0038】
幾つかの真空パッケージはそれぞれ、センサシステムの記録フィールド内の試験位置または試験領域に関連付けることができ、制御信号は、各漏洩パッケージに対して、漏洩パッケージの対応する試験位置または対応する試験領域を識別することができる。
【0039】
さらに別の例示的な実施形態によれば、上述したように、センサシステムのセンサユニットは、第1のセンサデータおよび第2のセンサデータを記録するように構成され、ドップラー原理に従って操作される一つ又は複数の光センサ、一つ又は複数の光電子センサ、一つ又は複数の電子画像記録ユニット、一つ又は複数の機械的センサ、および/または、一つ又は複数のセンサを備える。センサユニットはまた、上述の異なるタイプのセンサの組み合わせから構成されてもよい。例示的な実施形態において、センサシステムは、一つ又は複数の画像記録ユニットを備えることができ、センサシステムは、光学パターン、特にラスタを、試験される一つ又は複数の真空パッケージ上に投影する一つ又は複数の投影装置を更に備える。
【0040】
例示的な実施形態において、センサシステムは、一つ又は複数の光学センサを備える。各光センサは、たとえば、ライン状に配置された複数の光ビーム(ビームライン)を放出することができ、光ビームに対応する検出器は、個々の光ビームの存在または遮断を検出することができる。このようにして、光学センサは、それぞれの検出器に向けられた複数の平行な光ビームからなる光カーテンを形成し、機能的には、一緒に評価される平行に配置された複数の光バリアに対応する。一つ又は複数の光学センサは、真空パッケージの搬送方向に対して横断方向に、かつ真空パッケージが配置される支持体の平面の法線に平行に配置することができる。この目的のために、一つ又は複数の光学センサの構成部品は、垂直寸法、即ち、試験される真空パッケージの現在の高さ及び/又は水平寸法、即ち、試験される真空パッケージの現在の幅の変化を検出するために、搬送システムの両側に設けることができる。
【0041】
光ビームを放出するセンサの個々の素子は、所定の距離に配置された複数の光ビームを有する(1次元の)ビームラインを生成することができ、このビームラインは、一つ又は複数の真空パッケージに作用する。個々の光ビームに関連付けられた光検出器は、個々の光ビームの遮断を検出することができる。初期化状態と試験処理の間の遮断された光ビームの数の変化により、センサシステムは、真空パッケージの寸法の変化を検出することができる。たとえば、真空パッケージが漏洩について個別に試験される場合、またはビーム方向に並列に配置された幾つかの真空パッケージが同時に試験される場合、試験ステーションは、たとえば、光カーテンを備えたセンサと、個々の又は幾つかの真空パッケージを初期化状態および試験処理中に記録する検出器とを備えることができる。センサのビームラインが真空パッケージが配置される平面に対して垂直に配置される場合、センサは(基準圧力と比較して試験圧力を加えるとき)真空パッケージの高さの変化を記録することができる。
【0042】
複数の真空パッケージが同時に、個別に、またはサブグループで漏洩について試験される場合には、個々の真空パッケージまたはサブグループを個別に記録し、真空パッケージまたはサブグループの寸法の変化をそれぞれ検出する複数の光学センサを設けることができる。
【0043】
センサシステムは、少なくとも1つの画像記録ユニットを備えることができる。画像記録ユニットは、試験される真空パッケージの空間寸法の変化を確実に検出できる限り、基本的には、記録される真空パッケージに対してほぼ任意に位置合わせすることができる。たとえば、画像記録ユニットは、真空パッケージの搬送方向に対して横断方向に位置合わせすることができ、その結果、画像面の法線は、(例えば、搬送ベルトによって形成される)支持面の法線に対して横断方向に位置合わせされる。また、画像面の法線を支持面の法線と平行に位置合わせすることも可能である。複数の画像記録ユニットを使用する場合、真空パッケージを異なる方向から記録することができる。各画像記録ユニットは、試験処理中に、初期化状態にある一つ又は複数の真空パッケージの少なくとも1つの画像と、一つ又は複数の真空パッケージの少なくとも1つの画像とを記録し、評価ユニットに供給するように構成することができる。さらに、評価ユニットは、初期化状態および試験処理中に記録された画像の比較に基づいて、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つにおける漏洩を検出するように構成することができる。
【0044】
センサシステムは、光パターン(例えば、光グリッド)または1つの光パターン(例えば、光グリッド)を共に発生する一つ又は複数の光学プロジェクタを備えることが可能である。プロジェクタの各々は、所定のラスタを有する光パターンまたは光グリッドを発生し、光パターンまたは光グリッドを有する複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つに作用するように構成することができる。各光学センサは、試験位置または試験領域に関連付けることができる。
【0045】
例示的な開発において、一つ又は複数の画像記録ユニットは、一つ又は複数の真空パッケージに作用する所定のラスターを有する光パターンまたは光グリッドを記録する。評価ユニットは、初期化状態および試験処理中の画像における光グリッドのパターンまたはラスタの変化に基づいて、一つ又は複数の真空パッケージの密封性を推測することができる。試験領域における密封性の試験は、初期化状態および試験領域における試験処理中の画像の画像データの比較に基づくことができる。画像データの差分は、たとえば、初期化時と試験時の対応する画像データ間の差分画像を用いて求めることができる。例示的な実施形態において、評価ユニットは、差分画像内の画像データのエントロピーが、漏洩真空パッケージを示す対応する閾値よりも大きい場合、少なくとも1つの真空パッケージが漏洩していると推測することができる。
【0046】
例示的な実施形態において、評価ユニットは、初期化状態および試験処理中の画像の画像データを、初期化状態および試験処理中に記録された画像間の差を強調するフィルタリングおよび/または画像処理にかけるように構成される。これはまた、初期化状態および試験処理中に、対応する画像データからの差分画像の形成を含むことができる。
【0047】
評価ユニットは、カメラから記録された画像を試験領域に細分化することができ、各試験領域はパッケージまたはパッケージ群に関連付けられる。さらに、評価ユニットは、各試験領域に対して、試験領域内の少なくとも1つのパッケージの密封性を試験するように構成することができる。この目的のために、たとえば、各試験報告の初期化状態および試験処理中の対応する画像データから、個々の試験領域に対する差分画像を形成することができる。
【0048】
更なる例示的な開発によれば、評価ユニットは、初期化状態および/または試験処理中に、画像の少なくとも1つにおいて真空パッケージを識別し、識別された真空パッケージに基づいて試験領域を画定するように構成される。
【0049】
試験ステーションは、複数の真空パッケージを同時に試験するように構成することができる。これは、試験ステーションが、1つの試験処理において複数の真空パッケージに試験圧力を加えるように構成されていることを意味する。幾つかの真空パッケージは、真空チャンバを画定するハウジング内に同時に配置され、真空チャンバが真空排気され、幾つかの真空パッケージの全てが、それぞれの空間寸法の変化を判別するためのセンサシステムによって検出されることが可能である。
【0050】
試験ステーションのセンサシステムはまた、異なる試験位置または試験領域を個別に記録することができ、これらの各々は、少なくとも1つの真空パッケージに関連付けられる。さらに、評価ユニットは、センサシステムからのセンサデータに基づいて、各試験位置または各試験領域において、少なくとも1つの真空パッケージの密封性を個別に試験するように構成することができる。この点に関して、幾つかの真空パッケージを単一の試験処理において同時に密封性について試験することができ、もし存在すれば、真空パッケージまたは漏れている試験された幾つかの真空パッケージのそれらの真空パッケージを識別することが可能である。したがって、1つの試験処理で試験された幾つかの真空パッケージの全てを廃棄すると宣言する必要はなく、むしろ、一つ又は複数の漏洩真空パッケージを他のものから選択的に区別することができる。
【0051】
さらに別の例示的な実施形態において、試験ステーションは、支持体に関連付けられ、試験室とは反対を向いている支持体の下側に逆負圧を加えるように構成された逆負圧発生装置を更に備える。逆負圧力発生装置によって加えられる逆負圧力は、試験圧力よりも大きくすることができる。逆負圧は、試験圧力が加えられたときに搬送ベルトなどの可撓性支持体が膨張して変形するのを防止するために使用することができ、これ(膨張して変形すること)は密封性試験を損なう可能性がある。
【0052】
例示的な更なる開発によれば、制御ユニットは、さらに、負圧発生装置より一時的に前に、逆負圧発生装置を作動させるように構成される。たとえば、逆負圧が試験圧力の前に増加して、全密封性試験中、すなわち試験圧力が支配する全時間の間に必ず逆負圧が存在するようにすることができる。制御ユニットは、試験圧力が印加される前に、逆負圧が完全に印加されるように、逆負圧発生装置および負圧発生装置の操作を制御することができる。
【0053】
別の例示的な更なる開発によれば、逆負圧発生装置は、特に同一に形成された複数の別個の排気チャンバを備える。排気チャンバは、支持体に対して横断方向および/または支持体の長手方向の方向に向けられ、および/または特に均等に分布されるように配向されてもよい。さらに、少なくとも1つの補強ストリップを設けることができ、支持体がその上に平坦に載ることができるように構成することができる。
【0054】
本発明のおよび例示的な実施形態と組み合わせることができる本発明の更なる態様によれば、それぞれが基準圧力で初期空間寸法を有する一つ又は複数の真空パッケージの密封性を試験するための方法が提供される。本発明による方法は、一つ又は複数の真空パッケージを、基準圧力と比較して低減された試験圧力にかけるステップと、一つ又は複数の真空パッケージのそれぞれの初期空間寸法に対して試験圧力を加える間に、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つの空間寸法の変化を記録するステップと、記録された空間寸法の変化に基づいて、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つが漏洩しているかどうかを判別するステップと、を含む。空間寸法の変化は、1つの空間軸、2つの空間軸、または3つの空間軸の全てのいずれかにおいて検出することができ、ここで、3つの空間軸のうちの1つにおける空間寸法の変化は、漏洩真空パッケージを示すことができる。
【0055】
本発明による方法の例示的な開発において、一つ又は複数の真空パッケージのそれぞれの初期空間寸法に対して試験圧力を加える間に、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つの空間寸法の変化を記録するステップは、前記基準圧力が加えられたときの初期化状態にある一つ又は複数の真空パッケージの初期空間寸法を表すセンサシステムの第1のセンサデータを記録する工程と、初期化状態に時間的に続く試験処理中の一つ又は複数の真空パッケージの空間寸法を表すセンサシステムの第2のセンサデータであって、試験処理中に基準圧力が試験圧力まで低下する、第2のセンサデータを記録する工程と、第1のセンサデータと記録された第2のセンサデータとを比較することによって、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つの空間寸法の変化を記録する工程と、を含む。任意選択的に、第2のセンサデータは、試験処理中に複数回(例えば、時間間隔で)または連続的に記録され、第1のセンサデータと比較されて、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つの空間寸法の変化を検出することができる。
【0056】
更なる例示的な実施形態において、センサデータの比較が、空間拡張の変化の大きさが限界値または閾値を超えることを示す場合に、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つが漏れているかどうかが、本発明に係る方法において判別される。限界値または閾値は、たとえば、真空パッケージ固有の限界値または閾値に関する経験値、および/またはユーザ入力によって特定された経験値を用いて、事前に設定され、照会され、またはデータベースから導出できる。
【0057】
例示的な更なる開発において、本発明による方法は、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つにおいて漏洩が検出された場合、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つにおいて漏洩の検出を示す制御信号が出力されるステップを更に含む。
【0058】
別の例示的な更なる開発において、本発明による方法は、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つにおいて漏洩が検出された場合に、複数の真空パッケージのうちの各漏洩パッケージを識別する制御信号が出力されるステップを更に含む。
【0059】
この方法では、幾つかの真空パッケージをそれぞれ、センサシステムの記録フィールド内の試験位置または試験領域に関連付けることができ、制御信号は、各漏洩パッケージについて、漏洩パッケージの対応する試験位置または対応する試験領域を識別することができる。
【0060】
本発明による方法の更なる例示的な開発によれば、本方法は、基準圧力が印加されたときに初期化状態において所定のラスタを作成する所定の距離に配置された複数の光ビームからなる光カーテンによって一つ又は複数の真空パッケージに作用するステップと、試験圧力が加えられたときに、試験処理中に光カーテンを用いて一つ又は複数の真空パッケージに作用するステップと、初期化状態および試験処理中に遮断された光ビームの数の変化に基づいて、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つの寸法の変化を検出するステップと、を含む。
【0061】
本発明による方法の更なる例示的な開発によれば、本方法は、初期化状態および試験処理中に、一つ又は複数の真空パッケージの少なくとも1つの画像を記録し、初期化状態および試験処理中に記録された画像の比較に基づいて、一つ又は複数の真空パッケージの少なくとも1つの漏洩を検出するステップを含む。
【0062】
例示的な更なる開発において、本発明による方法は、一つ又は複数の真空パッケージが、基準圧力が印加されたときの初期化状態および試験圧力が印加されたときの試験処理の間に、光パターンまたは所定のラスタを有する光グリッドによって作用されるステップを更に含む。
【0063】
さらに、記録された画像は、一つ又は複数の真空パッケージに作用する所定のラスタを有する光グリッドを記録することができ、初期化状態および試験処理中の画像における光グリッドのラスタの変化に基づいて、一つ又は複数の真空パッケージの密封性を推測することができる。
【0064】
さらに、本発明に係る方法によれば、初期化状態および試験処理中に記録された画像の画像データをフィルタリングおよび/または画像処理して、(例えば、エッジフィルタまたは差分画像の作成によって)初期化状態および試験処理中に記録された画像の/または画像処理を受けることができる。
【0065】
さらに、カメラまたは他の画像記録ユニットによって記録された画像は、試験領域に細分することができ、ここで、各試験領域は、少なくとも1つのパッケージに関連付けることができ、各試験領域について、試験領域内の少なくとも1つのパッケージを漏洩について試験することができる。試験領域における密封性の試験は、初期化状態および試験領域における試験処理中の画像の画像データの比較に基づくことができる。
【0066】
本発明による方法の更なる例示的な開発によれば、本方法は、初期化状態および/または試験処理中の画像の少なくとも1つにおいて真空パッケージを識別するステップと、識別された真空パッケージに基づいて試験領域または試験位置を画定するステップと、を含む。
【0067】
上記の態様および例示的な実施形態と組み合わせることができる本発明の更なる態様によれば、処理ユニット(例えば、プロセッサユニット)によって実行されるときに、先に記載された本発明による試験方法の態様または例示的な実施形態の1つに従った方法を処理ユニットに実行させる命令を格納するコンピュータ可読媒体が提供される。方法ステップが処理ユニットの外側のユニットまたは構成部品を必要とする場合、処理ユニットは、このユニットまたは構成部品にそれぞれの方法ステップを実行させるように構成される。
【0068】
前述の態様および例示的な実施形態と組み合わせることができる本発明の更なる態様によれば、前述の本発明による試験方法の態様または例示的な実施形態の1つに従う方法を実行するように構成された装置を含む試験ステーションが提供される。
【0069】
前述の態様および例示的実施形態と組み合わせることができる本発明の更なる態様によれば、先に説明した態様または例示的実施形態の1つに従った試験ステーションを含む真空パッケージステーションが提供される。
【0070】
例示的な更なる開発によれば、本発明による真空パッケージステーションは、さらに、一つ又は複数の真空パッケージ、特に、本発明による試験ステーションを使用して、および/または、本発明による試験方法を使用して後に密封性について試験される真空パッケージを生産するための装置を含む。
【0071】
本発明による方法は、記載された本発明の態様に従って試験ステーションを実装するように画定することができ、またその逆も可能であることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
本発明の更なる特性、特徴および利点は、添付の例示的な図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明することによって、以下で明らかになるものとする:
【
図1】
図1は、本発明の例示的な実施形態による試験ステーションの概略図を示す。
【
図2】
図2は、本発明による一体型密封性試験を伴う真空パッケージを生産するための生産ラインの一部の概略図を示す。
【
図3】
図3は、本発明による試験ステーションの例示的実施形態の正面図を示す。
【
図6】
図6は、第1の例示的な実施形態による、
図3から
図5による試験ステーションを使用した密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図7】
図7は、第1の例示的な実施形態による、
図3から
図5による試験ステーションを使用した密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図8】
図8は、第1の例示的な実施形態による、
図3から
図5による試験ステーションを使用した密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図9】
図9は、第1の例示的な実施形態による、
図3から
図5による試験ステーションを使用した密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図10】
図10は、第1の例示的な実施形態による、
図3から
図5による試験ステーションを使用した密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図11】
図11は、第1の例示的な実施形態による、
図3から
図5による試験ステーションを使用した密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図12】
図12は、更なる例示的な実施形態による本発明の試験ステーションの更なる例示的な実施形態を使用した、密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図13】
図13は、更なる例示的な実施形態による本発明の試験ステーションの更なる例示的な実施形態を使用した、密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図14】
図14は、更なる例示的な実施形態による本発明の試験ステーションの更なる例示的な実施形態を使用した、密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図15】
図15は、更なる例示的な実施形態による本発明の試験ステーションの更なる例示的な実施形態を使用した、密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図16】
図16は、更なる例示的な実施形態による本発明の試験ステーションの更なる例示的な実施形態を使用した、密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図17】
図17は、更なる例示的な実施形態による本発明の試験ステーションの更なる例示的な実施形態を使用した、密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図18】
図18は、更なる例示的な実施形態による本発明の試験ステーションの更なる例示的な実施形態を使用した、密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図19】
図19は、更なる例示的な実施形態による本発明の試験ステーションの更なる例示的な実施形態を使用した、密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図20】
図20は、更なる例示的な実施形態による本発明の試験ステーションの更なる例示的な実施形態を使用した、密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図21】
図21は、更なる例示的な実施形態による本発明の試験ステーションの更なる例示的な実施形態を使用した、密封性試験の処理の概略図を示す。
【
図22】
図22は、本発明による試験方法の例示的実施形態のフローチャートを示す。
【
図23】
図23は、本発明による試験方法の例示的な更なる開発に従った、
図22からのフローチャートの詳細な一部を示す。
【
図24】
図24は、本発明の別の例示的な実施形態による試験ステーション上の上面図を示す。
【0073】
【詳細な説明】
【0074】
図1は、本発明による試験ステーションの概略図であり、一般に参照符号1が付されており、参照符号3が付されている一つ又は複数の真空パッケージの密封性を試験するためのものである。添付の図面に基づく例示的な実施形態の以下の説明において、簡略化のために1つの真空パッケージ3を一般的に参照するものとし、ここで、幾つかの真空パッケージ3は、本発明に係る試験ステーション1または本発明に係る試験方法を使用して類似の方法で試験することができる。
【0075】
図1の試験ステーション1は、以下の主要構成部品で構成されている。真空パッケージ3(またはその幾つか)を試験し、外部から試験ステーション1(参照符号10の矢印)に供給するために、たとえば、大気圧であり得る基準圧力と比較して低減された試験圧力を受けるように構成される、負圧発生装置5。真空パッケージ3に関連付けられたセンサデータを判別し、センサデータに基づいて、試験された真空パッケージ3が漏洩されているか否かを判別するように構成される、センサシステム7。
【0076】
真空パッケージ3は、真空パッケージ内部に配置されたときに真空パッケージによって厳密に囲まれた物体のための一般的に気密および/または流体密真空パッケージである。真空パッケージは、例えば、深絞りフィルム、管状バッグ、平坦バッグ、密閉エッジバッグ、又は頂部フィルムを有する硬質シェルの形態のプラスチック及びアルミニウム複合フィルムとすることができる。このような真空パッケージでは、通常の条件下で大気圧よりも低い内圧が一般に支配的である。たとえば、食品産業では、内圧と大気圧との間の圧力差が0.06MPa以上の粗い真空が支配的である。パッケージされるアイテムに応じて、微細真空などの異なる真空品質を設定することもできることは明らかである。
【0077】
試験される真空パッケージ3は、基準圧力(例えば大気圧)で初期空間寸法を有する。空間寸法は、3つの空間軸のうちの2つに関して、または代替的に3つの空間軸すべてに関して、真空パッケージ3のサイズまたは容量であると理解されるべきである。初期空間寸法は、基準圧力(例えば、大気圧)における空間寸法である。空間的寸法は、たとえば、センサシステム7によって記録される。初期空間寸法は、基準圧力(例えば、大気圧)が加えられたときに、センサシステム7によって判別される。
【0078】
代替的に、初期空間寸法は、特定の真空パッケージ3に対する経験値を有するデータベースから取得することができ、またはユーザ入力100を介して試験ステーション1に転送することもできる。製品の真空パッケージの空間的寸法が(実質的に)一定である場合、対応する初期化値を試験ステーション1のメモリに保存して読み出すこともできる。試験ステーションは、試験される真空パッケージのセンサデータに基づいて機械学習を使用して初期空間寸法を連続的または周期的に調整することも可能である。これらの代替実施例において、基準圧力が加えられるときに、試験される一つ又は複数の真空パッケージ3の初期空間寸法の記録を省略することができる。
【0079】
本発明の1つの態様によれば、センサシステム7は、真空パッケージ3の初期空間寸法に対する試験圧力の印加中の真空パッケージ3の空間寸法の変化に基づいて、試験された真空パッケージ3が漏洩されているかどうかを判別するように構成される。本発明は、漏洩真空パッケージ3が外部から基準圧力よりも低い試験圧力を受けると、漏洩真空パッケージ3の空間寸法が変化するという事実を利用している。真空パッケージ3に漏洩があると、真空パッケージ3は短時間のうちに著しく膨張する。真空パッケージ3の膨張は、センサシステム7を介して検出することができ、真空パッケージ3が漏洩されているかどうかを判別するために使用することができる。
【0080】
原理的には、複数の真空パッケージ3を1つの試験処理で同時に試験することもできる。センサシステムの構成に応じて、このような場合の初期空間寸法は、試験される全ての真空パッケージ3、試験される真空パッケージ3の個々の初期空間寸法(例えば、異なる試験位置または異なる試験領域)、または試験される真空パッケージ3のサブグループの個々の初期空間寸法(例えば、異なる試験位置または異なる試験領域)に同時に関連付けることができる。真空パッケージ3を試験することが、以下に単一の形式で言及される場合、これはもちろん、複数の真空パッケージ3を同時にまたはサブグループで試験することも意味する。
【0081】
真空パッケージ3は、たとえば、いわゆる初期化状態にあるセンサシステム7において試験することができ、このセンサシステム7は、初期化状態にある真空パッケージ3(または幾つかの真空パッケージ3)の初期空間寸法を表す第1のセンサデータを記録する。しかしながら、既に説明したように、真空パッケージ3(または幾つかの真空パッケージ3)の初期空間寸法が他の場所で利用可能である場合には、このステップを省略することもできる。負圧発生装置5を用いて真空パッケージ3が受ける圧力を初期状態の基準圧力から試験圧力まで低下させる、いわゆる試験処理において、試験処理中の真空パッケージ3(または複数の真空パッケージ3)の空間寸法を表すセンサシステム7を介して第2のセンサデータが記録される。記録された第2のセンサデータは、試験処理中、すなわち基準圧力が試験圧力まで低下されている間に、複数回(例えば、所定の時間間隔で)、またはセンサシステム7によって連続的に記録することができる。
【0082】
試験圧力の印加、すなわち基準圧力から試験圧力への圧力の低下の結果として、試験された真空パッケージ3は、それが漏洩さている場合、その空間的寸法を変化させる。空間寸法の変化は、特に、圧力が基準圧力から試験圧力まで低下されている間に、試験された真空パッケージ3が膨張するような方法で現れる。真空パッケージ3の膨張は、センサシステム7によって記録することができる。真空パッケージ3内の漏洩は、初期化状態で記録された第1のセンサデータと、試験処理中に記録された第2のセンサデータ(数セットのうちの1つ)との比較に基づいて、評価ユニット9によって検出することができる。
【0083】
あるいは、試験処理中の異なる時間に記録された第2のセンサデータを互いに比較することも考えられる。この場合、評価ユニット9は、試験処理中に記録された(複数のセットの)第2のセンサデータの比較に基づいて、真空パッケージ3の膨張、従って真空パッケージ3内の漏洩を検出することができる。
【0084】
センサシステム7によって記録することができる真空パッケージ3の空間寸法の変化を検出することができるようにするためには、試験処理中に漏洩のある真空パッケージの内部からの可能な容量流量と比較して、試験室が排気されたときの試験室の容量に対して十分に高い容量流量が関連する。試験室のこの排気容量流量は、基準圧力p_Rが試験圧力p_Pまで下げられている間に漏洩真空パッケージが膨張するように、欠陥真空パッケージの内部からの容量流量より十分に大きくすべきである。従って、基準圧力p_Rの試験圧力p_Pへの低下(すなわち、試験室の排気)は、容量流におけるそれぞれの差を確保するために、比較的迅速に、たとえば、数秒以内または1秒未満、たとえば、0.5秒から1.0秒以内に有利に行われるべきである。これはまた、試験室内で発生される負の圧力Δp=p_R-p_Pが一般に特に高い(たとえば、(軽い)粗い真空の範囲で)必要がないことを意味し、これは、真空パッケージの内圧に対して高すぎる負の圧力を印加することによって、密な真空パッケージに対する損傷を防止するので有利である。前述したように、後者は食品業界では0.06MPaの範囲にある。
【0085】
例示的な実施形態において、試験状態の試験室において、試験室の所定の排気時間内に粗い真空が発生される。大まかな真空とは、現在、基準圧力p_R(例えば、標準大気または海面での大気圧(p_R=0,101325MPa))と、基準圧力(即ち、p_R-0,09MPa=<p_P<p_R)と比較して0.09MPaまで低減された試験圧力p_Pとの間の範囲の絶対圧力を意味すると理解される。基準圧力は、たとえば、試験ステーション1が使用される位置のそれぞれの海面における大気圧p_Rに対応することができる。しかしながら、原理的には、試験処理中に、微細な真空(p_R=0,101325MPaで、p_P=<p_R-0,09MPa、例えば、p_P=<0,011325MPa)に達する、より高い負圧を試験室内に発生させることも可能であり、または可能である。
【0086】
有利な実施形態において、基準圧力p_Rと試験圧力との間の差Δpは、0.03MPaから0.08MPaの範囲内とすることができる(即ち、Δp=p_R-p_Pε[0,03MPa;0,08MPa])。基準圧力p_Rと試験圧力との差Δpの更なる例示的な範囲は、以下の通りである。
0.03MPaから0.12MPa(即ち、Δpε[0.03MPa;0.12MPa])。
0.03MPaから0.1MPa(即ち、Δpε[0.03MPa;0.10MPa])。
0.03MPaから0.08MPa(即ち、Δpε[0.03MPa;0.08MPa])。
0.03MPaから0.06MPa即ち、Δpε[0.03MPa;0.06MPa])。
0.01MPaから0.08MPa(即ち、Δpε[0.01MPa;0.08MPa])。
0.01MPaから0.06MPa(即ち、Δpε[0.01MPa;0.06MPa])。
0.01MPaから0.04MPa(即ち、Δpε[0.01MPa;0.04MPa])。
【0087】
上述したように、設定される圧力差Δpは、漏洩真空パッケージ3の空間寸法が、試験処理(即ち、排気時間内)においてセンサシステム7に対して顕著に変化するように、十分に高く選択されるべきである。また、圧力差Δpはパッケージの材質(例えば、フィルム)にも依存するので、真空パッケージの材質に応じて設定する圧力差Δpを選択することができる。たとえば、より厚い膜を有するパッケージは、より薄い膜または再密閉可能な真空パッケージよりも高い試験圧力を必要とすることがある。さらに、圧力差Δpがそれほど大きくないこと(すなわち、粗い真空の領域または微細な真空のより低い領域)を考慮に入れることができ、それは、(例えば、再密閉可能な真空パッケージでも)密な真空パッケージ3が試験圧力の印加によって損傷され、次いで漏洩しやすくなる。さらに、試験室が試験ステーション1のそれぞれの実装においてどのように形成されるかを考慮することが重要であり得る。たとえば、試験室は、たとえば、設定される差Δpが、センサシステム7の測定が影響を受け、密封性試験中に不正確な結果が得られるように支持表面を変形させないように、あまり大きくないように、可撓性支持表面(例えば、搬送ベルト)によって部分的に規定されてもよい。
【0088】
特に、支持体が可撓性の曲げ可能な搬送ベルト23である場合には、試験ステーション1が、
図24から
図26に図示されるように、逆負圧発生装置53を備えることが有利であることが証明されている。
図24は、
図24からのX-X線に沿って形成される
図25からの断面図に対する上面図を表す。逆負圧発生装置53は、基本的に、試験室57または真空パッケージ3とは反対を向いている搬送ベルト23の下側59に逆負圧を加えるように機能し、これは、試験室57に加えるべき試験圧よりも大きくすることができる。逆負圧発生装置53によって、負圧発生装置5によって試験圧が加えられたときに、搬送ベルト23の膨張または過度の変形が防止される。逆負圧発生装置53は、
図25に示すように、搬送ベルト23が実質的に変形せず、特に平坦なままであることを保証する。このようにして、可能な限り信頼性のある密封性テストが確保される。
【0089】
図25の例示的な実施形態による搬送システム19は、密な試験室57を確実に形成することができるように、真空パッケージ3のための平坦な支持体および負圧発生装置5のハウジング31のための平坦な支持体を作成するために、下側59に対向して配置された上側61上で平坦に構成された可撓性の曲げ可能な搬送ベルト23を備える。搬送ベルトは幾つかの偏向ローラ63上に導かれ、その少なくとも一つは、必要に応じて搬送ベルトに予張力を与えるために張力付加装置65を介して結合される。搬送ベルト23はモータ、現在はドラムモータ67によって駆動される。
【0090】
図25および
図26の概要は、逆負圧発生装置53の例示的な実施形態の構造を明らかにする。
図25に見られるように、逆負圧発生装置53は、搬送方向Fにおいて互いに背後に配置された3つの真空パネル55を備えており、これらの真空パネル55はそれぞれ同一に形成することができる。たとえば、全ての真空パネル55は、真空ポンプのような同じ負圧源に接続される。代替的に、真空パネル55の各々は、別個の負圧源に関連付けることもできる。
【0091】
図26は、ベースとして、図示しない負圧源に接続するためのポート71を含むプレート構造体69を有する、そのような真空パネル55の例示的な実施形態の斜視図を示す。搬送ベルト23の下側59に面する真空パネル55の上側73は、一方では、互いに分離されかつ各々が反対の負圧で作用される参照符号79mで示される複数の上方に開放された排気チャンバによって形成され、他方では、搬送ベルト23が真空パネル55上に平坦に静止することを可能にする補強ストリップ75によって形成される。複数の排気チャンバ79は、たとえば、プレート構造体69上に置かれた板金インサート77によって形成することができる。互いに分離された複数の別個の排気チャンバ79を設けることは、負圧源の性能を低下させることができ、システムを安価に実施することができるという点で有利であることが証明されている。
【0092】
真空引き時間内に試験室を真空引きするのに十分な容量流量を確保するために、負圧発生装置5は、たとえば、500m3/時以上、特に550m3/時以上、600m3/時以上、650m3/時以上、または700m3/時以上の送出率を有することができる。本発明の一実施形態において、負圧発生装置5は、720m3/時(=0.2m3/秒)の容量流量を可能にする。負圧発生装置5の必要な容量流量は、原理的には、所望の負圧Δp、試験室の容量および所望の排気時間に基づいて判別することができる。
【0093】
評価ユニット9は、たとえば、特にプロセッサまたはシステム・オン・チップ(SoC)として構成することができる計算ユニットであってよい。評価ユニット9は、処理ユニットとも呼ばれる。評価ユニット9はまた、揮発性(例えば、DRAM)および/または不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、SSDなど)を備えることができ、その中に、センサシステム7のセンサユニットの記録された測定データが評価のために一時的に記憶され、および/または、試験される真空パッケージ3の初期空間寸法を記憶することができる。計算ユニットは、通常のCPUとすることができるが、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)として実装することもできる。評価ユニット9は、コマンドを実行して、試験ステーション1に、本明細書に記載される密封性の試験方法の様々な実施形態を実施させることができる。コマンドは、評価ユニット9のメモリ又は評価ユニット9がアクセス可能な他のメモリ(例えば、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、SSD等))に格納することができる。
【0094】
評価ユニット9はまた、漏洩真空パッケージ3が検出されたときを示す制御信号を発生することができる。制御信号は、代替的または追加的に、例えば漏洩真空パッケージ3を手動で選別させるために出力される音響または視覚警報信号であってもよい。
【0095】
試験ステーション1はさらに、負圧発生装置5および/またはセンサシステム7の操作をそれぞれの動作状態、すなわち初期化状態または試験処理に従って制御するように構成された制御ユニット11を備えることができる。電子構成部品13は、
図1において参照符号13を有する破線によって代表的な態様で示されており、この破線は、特に、試験ステーション1の電子機器全体を構造的および/または局所的に結合している。
【0096】
図2は、本発明による試験ステーション1が一体化された生産ラインまたは搬送ライン15の例示的な実施形態を示す。搬送方向Fには、最初に深絞り装置等の真空パッケージ生産装置17が配置され、完成した真空パッケージ3を搬送ベルト等の搬送装置19に搬送する。この例示的な実施形態において、試験ステーション1は、生産ライン15内にそれ自身のステーションを形成すると仮定する。しかしながら、原理的には、試験ステーション1を真空パッケージ生産装置17に組み込むことも可能である。この場合、試験ステーション1の試験室は、製品が真空パッケージ生産装置内に真空パッケージされるチャンバと同一であってもよい。
【0097】
任意の調製ステーション21は、真空パッケージ生産装置17の後に続くことができる。調製ステーション21において、搬送方向Fに続く試験ステーション1の効率的かつ効果的な動作のために、試験される真空パッケージ3を調製することができる。たとえば、調製ステーション21を介して、試験される到着真空パッケージ3の所望の所定位置を設定することができる。
【0098】
下流の試験ステーション1では、真空パッケージ3の密封性を試験するための本発明による試験方法が行われる。本発明による試験ステーション1の操作モードおよび試験方法のシーケンスに関しては、前述および以下の説明を参照する。
【0099】
試験ステーション1の下流には、試験された真空パッケージ3が搬送方向Fに互いにオフセットして横方向に配置されている。試験された真空パッケージ3は、搬送ベルト23のような搬送システムを介して再び搬送することができる。試験ステーション1の下流に配置されたロック25は、センサシステム7または試験ステーション1によってそれぞれ発生された制御信号に応答して生産ライン15から漏洩されていると検出された真空パッケージ3を排出するように構成されている。このようにして、密封であると検出された真空パッケージ3のみが下流の処理ステーション27に移送されることが保証される。試験された真空パッケージ3の処理ステーション27への目標と中心合わせされた移送は、たとえば、参照符号29で示される漏斗状のテーパ付きバッフルプレートを介して行われる。
【0100】
図3~
図5は、本発明による試験ステーション1の第1の例示的実施形態を正面図(
図3)、側面図(
図4)、および上面図(
図5)に示す。この例示的な実施形態においても、純粋に実施例として、試験ステーション1は、生産ライン15内にそれ自身のステーションを形成することが想定される。
図2からの生産ライン15に対応して、試験される真空パッケージ3は、搬送方向Fに搬送ベルト23を介して試験ステーション1内に搬送され、そこを通って、そこから離れる。
図3~
図5の例示的な構成によれば、負圧発生装置5は、少なくとも部分的に透過性があり、例えば観察窓を備え、その内部に試験室を形成する排気チャンバ35を画定するハウジング31によって形成される。試験ステーション1は、ハウジング31を昇降させるための空気圧および/または電気機械駆動装置を備えることができる。たとえば、駆動装置は制御ユニット11に結合することができる。制御ユニット11は、たとえば、駆動装置の操作を、開ループ方式、特に閉ループ方式で制御することができる。原理的には、ハウジング31は真空パッケージ3に対して固定することもでき、たとえば、試験ステーション1が真空パッケージシステムに一体化され、真空パッケージシステムの真空包装とパッケージの密封性の試験処理の両方に真空排気チャンバ35を使用することができる。
【0101】
ハウジング31は、できるだけ軽量で、必要に応じて安定するように構成することが好ましい。可能な材料は、PC、アクリル、GRP、炭素等を含む。ハウジング31は、フード状またはベル状の構造を有する。ハウジング31は、断面が略長方形に形成することができる。底部側では、試験室、従って真空排気チャンバ35は、真空パッケージ3の支持体を形成する搬送ベルト23によって形成される。
【0102】
図3-
図5において、試験ステーション1は試験処理中である。これは、ハウジング31が搬送ベルト23と気密及び/又は流体密に接触していることを意味する。ハウジング31の下側と搬送ベルト23との間のシールを強化するために、ハウジングは、搬送ベルト23に面するリング支持表面37上に、たとえば、プロファイルリップシール、Oリングのような円形コードシール、シリコーンシールまたはフラットシールであり得るシールを備えることができる。
【0103】
参照符号39を付した二重矢印によって
図4に示すように、ハウジング31は、
図3-
図5に従って負圧発生装置5の異なる動作状態を仮定するために、搬送ベルト23の延在方向に垂直に、特に垂直に上下に移動させることができる。
【0104】
ハウジング31の上側41には、図示しない負圧源用のポート43が設けられている。ポート43は、たとえば、ホースノズルの形態の真空ポートとすることができる。ポート43は、負圧発生装置5の操作およびポート43を通る十分に高い容量の流れを確保できる限り、ハウジング31上の任意の場所に位置できることは明らかである。試験圧、基準圧、または大気圧などの初期化圧は、負圧発生装置5の動作状態に応じて、負圧源および関連する構成部品によってポート43を介して試験室内に設定することができる。負圧発生装置5は、たとえば、ハウジング31の内部に試験圧力を加えるためにポート43に接続された圧縮機またはポンプ(
図3-
図5には示されていない)を備えることができる。ポンプまたは圧縮機は、試験処理中に基準圧力を試験圧力まで低下させるために、たとえば、500m
3/時超、特に550m
3/時超、600m
3/時超、650m
3/時超または700m
3/時超の送出速度を有することができる。負圧発生装置5はまた、排気チャンバ35の内部に基準圧力を生み出すための一つ又は複数の弁(
図3~
図5には示されていない)を備えることができる。圧縮機/ポンプまたは弁は、それぞれ制御ユニット11によって制御することができる。
【0105】
真空パッケージ3のセンサデータを記録するセンサシステム7は、試験された真空パッケージ3が漏洩されているか否かを判別することができ、図示の実施例では、ハウジング31の長手方向延長部に対してほぼ中央に配置される。
図3~
図5の例示的実施形態において、センサシステムは、光カーテン47を発生するように構成された光学センサユニット45を備える。
図3に概略的に示すように、光カーテン47は、幾つかの平行な光ビームを有し、搬送方向Fに対して横断するように、特に搬送ベルト23の幅全体にわたって延びている。センサユニット45の光カーテン47は、搬送ベルト23の一方の側のセンサユニット45の対応する光源によって形成され、これらの光源は搬送方向Fに対して横断方向に放出され、搬送ベルト23の他方の側のセンサユニット45の光検出器に向けられる。光ビームは、(搬送方向Fから見て)所定の距離で互いに平行に整列させることができる。センサユニット45の光源は、ライン上に、または実質的にライン上に(例えば、互いから僅かにオフセットして)配置することができる。たとえば、光ビーム間の距離(または光源間の距離)は、1mm~10mm、好ましくは、3~8mm、特に好ましくは、5mmとすることができる。しかしながら、原則的には、距離の長短も考えられる。
【0106】
センサユニット45の光検出器は、関連する光ビームがそれぞれの光検出器に入射するか、または物体によって中断されるかを検出する。センサユニット45の光検出器は、初期化時および試験時に、それぞれ対応する検出信号を評価ユニット9に出力する。
【0107】
試験される真空パッケージ3は、初期状態および試験処理中に、センサユニット45の光検出器を介してセンサデータを発生するために光カーテン47に作用され、センサデータは、評価ユニット9に供給され、試験された真空パッケージ3が漏れているかどうかを検証するために使用される。評価ユニット9に供給されるセンサデータは、初期化状態で試験される真空パッケージ3の初期空間寸法(第1のセンサデータ)と、試験処理中に試験される真空パッケージ3の(変更される可能性がある)空間寸法(第2のセンサデータ)とを表す。第1のセンサデータおよび第2のセンサデータが、試験される真空パッケージ3の変化した空間寸法を示す場合、真空パッケージ3は漏れている。示される実施形態において、センサデータは、初期状態N_initialおよび試験処理(N_testing)中の中断された光ビームまたは中断されていない光ビームの数を示すことができる。これらの数の差(またはその大きさ)が閾値を超える場合(N_initial-N_prufung | >= SまたはN_initial-N_testing | > S)、評価ユニット9は、漏洩真空パッケージ3を検出し、対応する制御信号を出力する。一実施形態では、閾値はS∈[1,2,3,4,…]である。制御信号は、たとえば下流ロック25を制御して、漏れていると識別された真空パッケージ3が生産ライン15から排出されるようにすることができる。センサユニット45の光源は、ライン上に、または実質的にライン内に(例えば、互いから僅かにオフセットして)配置することができる。センサユニット45の光ビーム間の距離(または光源間の距離)が、たとえば、5mmである場合、S=2の閾値および条件(| N_initial - N_testing | > S)は、真空パッケージ3が漏れていることを検出するために評価ユニット9が少なくとも10mmだけ空間寸法を変化させなければならないことを意味する。閾値Sを選択することにより、漏洩真空パッケージ3を検出するための評価ユニット9の「感度」を制御することができ、たとえば、真空パッケージの誤検出を防止することができる。たとえば、試験処理中の負圧のために、肉の密な真空パッケージの場合には、肉汁が真空パッケージの一点で収集され、局所的に真空パッケージの空間寸法の変化をもたらす可能性があり、これは、評価ユニット9によって漏洩であるとして誤って検出される可能性がある。密な真空パッケージの空間寸法におけるこのような潜在的に発生する変化は、実際には、実際に漏れている真空パッケージの空間寸法における変化と比較して小さいので、閾値Sは、従って、偽陽性を防止するのに役立つことができる。
【0108】
センサユニット45は、全ての光ビームが当たる1つの光検出器のみを備えることも可能である(それらが中断されないことを条件とする)。この場合、光検出器は光強度(入射光線の数に相関する)を測定し、センサユニット45から出力されるセンサ信号は、初期状態および試験処理中の測定光強度を表す。この場合、真空パッケージ3の外部寸法の変化は、測定光強度の初期状態から測定時までの変化(特に低下)に基づいて評価ユニット9で検出することができる。
【0109】
光学センサユニット45は、下流光バリア49または類似の光電子システムと関連付けられている。この実施例において、試験される真空パッケージ3は、光バリア49または類似の光電子システムを介してセンサユニット45に対して位置決めされる。光バリア49とセンサユニット45との間の距離は、たとえば、真空パッケージ3の搬送方向Fの端部が光バリア49を搬送方向Fに遮断したときに、センサユニット45の光カーテン47が真空パッケージ3の中心(特に重心)を(ほぼ)記録するように、真空パッケージ3の搬送方向Fのサイズに基づいて選択される。これにより、センサシステム7(センサユニット45)が、真空パッケージ3の密封性の為に試験される真空パッケージ3に対して適切な位置を有することができることを保証する。
【0110】
光バリア49または類似の光電子システムは、制御ユニット11が光バリア49または類似の光電子システムからの出力信号に依存して試験処理を開始できるように、制御ユニット11に接続される。光バリア49が搬送ベルト23上の真空パッケージ3によって中断される場合、制御ユニット11は搬送ベルト23を停止することができ、試験サイクルが開始される。
【0111】
図示された例示的な実施形態において、試験サイクルは、ハウジング31を下降させること(基準圧力で初期化状態を確立すること)、試験される真空パッケージ3の初期空間寸法を判別すること(初期化状態で第1のセンサデータを記録すること)、基準圧力を排気チャンバ35内の試験圧力まで低下させること(試験処理)、試験処理中に試験される真空パッケージ3の空間寸法を1回、複数回、または連続的に判別すること(試験処理中に第2のセンサデータを1回、複数回、または連続的に記録すること)、第1のセンサデータおよび第2のセンサデータを評価し、評価ユニット9によって制御信号を出力すること、ならびにハウジング31を上昇させる前または上昇させることによって排気チャンバ35内の基準圧力を確立することを含む。このような試験サイクルの後、たとえば、評価ユニット9からの制御信号に応答して、制御ユニット11は、搬送ベルト23を再び開始し、光バリア49を介して次の真空パッケージ3を次の試験サイクルのために位置決めすることができる。試験ステーションの試験サイクルの継続時間は、上流真空パッケージ生産装置17のサイクルに適合させることができる。
【0112】
真空パッケージ3の密封性を試験するための2つの更なる例示的実施形態を、それぞれ
図6-
図11および
図12-
図21を用いて説明するものとする。まず、搬送ベルト23を介して、検査される真空パッケージ3が検査位置をとるようにする。位置決めは、
図3-
図5を参照して既に説明したように、光バリア49によって行われる。試験される真空パッケージ3の位置決め段階の間、負圧発生装置5は搬送ベルト3から離れた受動状態にあり(
図6および
図7)、後の試験室はこの時点で基準圧力、たとえば、大気圧に作用される。負圧発生装置5のハウジング31の移動または運動は、適切な機構および/または電子機器を使用して行うことができる。
【0113】
試験される真空パッケージ3が光バリア49によって検出される正しい位置にあると、負圧発生装置5を作動させることができ、ハウジング31を搬送ベルト23にシール接触させて、試験室を流体密に密閉し、閉鎖された排気チャンバ35を形成することができる。同時に搬送ベルト23を停止させる(
図8、
図9)。基準圧力は試験室内に印加され続け、試験される真空パッケージの初期空間寸法は、
図6~
図11の実施例において、第1のセンサデータを発生するための光カーテン47を発生することができる光電子センサユニット45によって、センサシステム7を介して判別される(初期化状態)。
【0114】
第1のセンサデータが発生された後、負圧発生装置5は、ハウジング31によって画定された試験室がポート43を介して基準圧力に比較して減少された試験圧力で作用される試験処理の間の所定の排気時間内に、圧力を試験圧力まで低下させる。試験室は、搬送ベルト23に対向するリングシール表面37上のシールによって流体密に閉鎖されている。試験室内の圧力を低下させる間、センサシステム7(例えば、センサユニット45)は、基準圧力を試験圧力まで低下させる間に試験される真空パッケージ3の空間的寸法を表す第2のセンサデータを少なくとも1回記録する。
【0115】
漏洩真空パッケージ4の場合、
図11に概略的に示すように、真空パッケージ4の空間寸法の変化が生じ、第2のセンサデータによって表される。
図11に概略的に示すように、真空パッケージ4は初期真空パッケージ3と比較して膨張しており、その容量、したがってその空間的寸法が変化し、これは記録された第2のセンサデータによって検出することができる。初期の第1のセンサデータを、負圧が加えられたときに得られた第2のセンサデータと比較することによって、試験された真空パッケージ3または4のそれぞれにおける漏洩を、簡単な方法で、安価な電子機器13、特にセンサシステム7(例えば、センサユニット45および評価ユニット9)を使用して推測することができる。
【0116】
図12~
図21は、本発明による試験ステーション1の更なる例示的実施形態を示す。繰り返しを避けるために、前の実施形態に関連して生じる実質的な相違は、確実に対処される。
図12~
図21の試験ステーション1と
図6~
図11の試験ステーション1との間の主な相違は、搬送ベルト3、したがって、試験される更なる真空パッケージ3の搬送が、試験処理(試験サイクル)の間に停止される必要がないことである。搬送ベルト23による搬送は連続的であってよい。
【0117】
負圧発生装置5は、試験処理を実施するために移動搬送ベルト23に沿って移動するように構成および設計されている(特に
図16および
図18の比較参照)。ガントリロボット51は、負圧発生装置5を移動させるために設けられており、負圧発生装置5、特にそのハウジング31を真空パッケージ搬送に従って移動させるように構成されている。
【0118】
たとえば、2軸リニアガントリであり得るガントリロボット51は、
図15に示される運動図を使用して示される。試験処理の開始時には、負圧発生装置5のハウジング31は開始位置aにある(
図12および
図13)。試験される真空パッケージ3が、たとえば、光バリア49または類似の光電子システムによって検出および確認される正しい位置にあると、ハウジング3は、特定の垂直移動経路eに従って下降され、連続的に移動する搬送ベルトとのシール接触位置に移動される。
【0119】
搬送ベルト23とのシール接触がハウジング31を介して確立されると、試験される真空パッケージ3の初期空間測定を表す第1のセンサデータが、ハウジング31および搬送ベルト23によって画定され、基準圧力が支配する試験室内のセンサシステム7(例えば、センサユニット45)を介して発生され得る。一方、搬送ベルト23は搬送を継続し、ガントリロボット51は搬送ベルト23の搬送速度に応じてハウジング31を搬送方向Fに沿って移動させる。
【0120】
第1のセンサデータが記録された後、負圧発生装置5を介して試験室内の圧力を試験圧まで低下させることができる。第2のセンサデータは、圧力が低下している間に少なくとも1回はセンサシステム7(例えば、センサユニット45)を介して記録される。このような第2のセンサデータは、試験処理中の測定時における真空パッケージの空間寸法を表す。(それぞれの)第2のセンサデータが記録されると、それは評価ユニット9によって評価することができる。試験処理中、ハウジング31は特定の水平テスト距離dで移動している(
図15および
図20を比較)。
【0121】
次に、ハウジング31をガントリロボット51によって再び上昇させて、それぞれ受動状態または位置決め状態にすることができ(
図20および
図21参照)、新しい試験サイクルを開始することができる。ハウジング31は、開始位置aに戻される(
図12)。試験サイクルの継続時間、ガントリロボットの運動速度、及び試験される真空パッケージのサイクルは、ハウジング31が試験処理後にその端点cから再び開始点aに移動した後、試験される更なる真空パッケージ3aが搬送ベルト23を介して既に搬送されているので、ハウジング31がガントリロボット51を介して連続的に移動する搬送ベルト23上に下降される新しい試験サイクルを直ちに開始することができるように互いに整合させることができる。この目的のために、制御ユニット11およびセンサシステム7(特に評価ユニット9)は、互いに適合され、互いに通信することができる。
【0122】
図2から
図21の例示的な実施形態において、センサシステム7は、光センサユニット45を備え、光センサユニット45は、光カーテン47を介して、試験される真空パッケージ3の空間寸法の変化を検出することができる。しかしながら、原理的には、センサシステム7は、一つ又は複数の光電子センサによって、一つ又は複数の電子画像記録ユニットによって、および/または、ドップラー原理に従って動作する一つ又は複数のセンサによって実装されることもできる。センサシステム7はまた、上述した異なるタイプのセンサの組み合わせを含むことができる。
【0123】
画像記録手段としては、原理的には2次元画像記録手段と3次元画像記録手段とを用いることができる。二次元画像記録の一実施例は、従来のデジタルカメラにも使用される電荷結合素子(CCD)イメージセンサである。3次元画像記録は、例えば、画像平面に対する距離を測定することができる深度カメラを用いて実現することができる。たとえば、通過時間法を用いて距離を測定することができる、いわゆるTOF(time of flight)カメラがある。イメージセンサは、特に高い解像度である必要はない。
【0124】
得られた画像データは、試験される真空パッケージ3の寸法変化を検出可能であればよい。イメージセンサは、光学範囲で操作することができるが、赤外線範囲でも操作することができる。さらに、イメージセンサを使用する場合、閾値の適切な選択は、密な真空パッケージが漏洩パッケージであると誤って検出されないことを保証することができる。
【0125】
更なる例示的な実施形態において、センサシステム7は、少なくとも1つの画像記録ユニットを備える。各画像記録ユニットは、初期化状態および試験処理中に、一つ又は複数の試験用真空パッケージ3の画像を記録する。このようにして得られた画像は評価ユニット9に供給され、評価ユニット9は、初期化状態および試験処理中に記録された画像の比較に基づいて、一つ又は複数の真空パッケージのうちの少なくとも1つにおける漏洩を検出する。初期化状態および試験処理中の画像の画像データは、任意的に、評価ユニット9においてフィルタリングおよび/または画像処理を受けることができ、これは、初期化状態および試験処理中に記録された画像間の差を強調する。フィルタリングは、たとえば、真空パッケージ3の輪郭を画像内で認識しやすくするエッジフィルタであってもよい。画像処理は、たとえば、初期化状態および試験処理中に、対応する画像データからの差分画像の形成を含むことができる。画像記録ユニットは、2次元又は3次元の画像記録を実現することができる。画像平面は、たとえば、搬送ベルト23の平面に対して上からほぼ垂直に設定することができる。しかしながら、
図2-
図21の例示的実施形態のように、センサユニット45の場合と同様に、画像平面が搬送方向Fに対して横断するように設定することも考えられる。複数のイメージセンサはまた、異なる視野角から試験される一つ又は複数の真空パッケージ3を記録することができる。たとえば、TOFカメラを使用する場合には、初期化状態および試験処理中の画像における判別された距離を互いに比較することができ、評価ユニット9は、初期化状態および試験処理中の画像における距離の偏差が所定の閾値を超える漏洩真空パッケージ3を検出することができる。
【0126】
任意選択的に、センサシステム7は、一つ又は複数の真空パッケージ3が作用される所定のラスタを有する光グリッドを発生する投影ユニットを備えることもできる。例示的な更なる開発において、画像記録ユニットは、この光グリッドを記録する。評価ユニット9は、初期化状態および試験処理中の画像における光グリッドのラスタの変化に基づいて、一つ又は複数の真空パッケージの密封性を推測することができる。試験領域における密封性の為の試験は、初期化状態および試験領域における試験処理中の画像の画像データの比較に基づくことができる。画像データの差分は、たとえば、初期化時と試験時の対応する画像データ間の差分画像を用いて求めることができる。例示的な実施形態において、評価ユニット9は、差分画像内の画像データのエントロピーが漏洩真空パッケージを示す対応する閾値よりも大きい場合、少なくとも1つの真空パッケージが漏洩していると推測することができる。
【0127】
図2~
図21の例示的実施形態において、センサシステム7、特にセンサユニット45はハウジング31の外側に配置される。従って、ハウジングは透過性があり、又は部分的に透過性を有するので、試験室の内部の真空パッケージ3は光カーテン47で作用可能である。しかしながら、原理的には、センサシステム7の部品、特に、一つ又は複数のセンサを備えたセンサユニットがハウジング31の内部に装着され、少なくとも1つの試験される真空パッケージ3を記録することも考えられる。この場合、ハウジング31は、少なくとも部分的に透過性を有するように構成される必要はない。特に、この構成は、たとえば、試験ステーション1が真空パッケージシステム(例えば、深絞り装置)に統合されている場合には、試験室を別個のハウジング31で囲む必要がない実装にも関連する。このような場合には、センサシステム7のセンサユニットは、試験圧力が印加されたときにも確実に操作できるようにしなければならない。別の代替案は、センサユニットがハウジング31の外側に配置されている場合であっても、センサユニットが真空パッケージ3をハウジング31の内部にも記録することができるように、センサユニットのセンサ形式を選択してハウジング31の材料に適合させることである。たとえば、センサユニットは、マイクロ波センサのようなドップラー原理に従って操作する一つ又は複数のセンサを備えることができる。
【0128】
既に指摘したように、センサシステム7のセンサユニットは、真空パッケージ3の搬送性能23に対して横断方向に位置合わせされる必要は必ずしもない。基本的には、記録されたセンサデータに基づいて真空パッケージ3の空間寸法の変化を検出することができるように、センサユニットが真空パッケージ3を初期化状態および試験処理中に記録することができることを保証することのみが必要である。センサユニットはまた、たとえば、搬送装置23の平面に垂直になるように位置合わせされてもよく、またはセンサユニットの幾つかのセンサが異なる角度から試験室内の真空パッケージ3を記録してもよい。
【0129】
上述したように、試験ステーション1は、複数の真空パッケージ3の密封性を試験サイクルで同時に試験するように構成することもできる。このような場合、複数の真空パッケージ3が、排気チャンバ35を画定するハウジング31内に同時に配置され、排気チャンバ35が真空引きされ、複数の真空パッケージ3の全てが、センサシステム7を介して同時に試験される。たとえば、
図2~
図21の例示的な実施形態において、複数の真空パッケージ3は、たとえば、それらが搬送ベルト23上の搬送方向Fに対して横断するように位置決めされている場合、センサユニット45を使用して同時に試験することができる。しかしながら、そのような場合には、センサユニット45は、複数の真空パッケージ3のうちの1つが漏れているかどうかを検出することしかできず、パッケージ3のうちのどれが密でないかを区別することはできない。同時に試験される真空パッケージ3の数を増加させるために、幾つかのセンサユニット45が原理的に試験ステーション1で使用されてもよく、搬送方向Fと反対の方向に所定の間隔を置いて配置されてもよい。真空パッケージ3は、センサユニット45の各々が個々の真空パッケージ3を記録できるように、これらの間隔に従って搬送ベルト23上に位置決めされなければならない。この場合、センサシステム7は、真空パッケージ3のいずれが漏れているかを識別し、適切な制御信号を使用して個々の漏洩真空パッケージ3の排出を選択的に開始することができる。この例示的な実施形態において、幾つかの真空パッケージ3は、搬送方向Fに対して横断方向であり且つ搬送方向F内において複数の列であるように代替的に配置することができ、ここで各列はセンサユニット45を介して試験することができる。次いで、試験ステーション1のセンサシステム7は、異なる試験位置または試験領域を個別に記録することが可能にされ、これらの各々は、真空パッケージ3の少なくとも1つに関連付けられる。
【0130】
センサシステム7のセンサユニットとして画像記録ユニットを使用する場合、異なる試験位置または試験領域を画像データ内の異なる領域に関連付けることができる。そのような場合、評価ユニット9は、初期化状態および試験処理中に、画像データ内の対応する領域を比較して、各画像領域に対して、したがって各試験位置または試験領域に対して、漏洩真空パッケージ3がそれぞれの領域に存在するかどうかを判別することができる。各試験位置又は各試験領域が個々の真空パッケージ3に対応する場合には、同時に試験される真空パッケージ3のいずれが漏れているか又は漏れているのかをセンサシステム7によって判別することができ、制御信号によって、漏洩真空パッケージ3の排出のような適切な措置を開始させることができる。
【0131】
図22および
図23は、本発明による試験方法100の例示的な実施形態を示す概略的な流れ図を示す。フローチャートの個々のステップは、たとえば、コマンドからなるプログラムコードとして実装することができる。個々の方法ステップを実施するコマンドは、たとえば、不揮発性記憶媒体(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリモジュール、ソリッドステートドライブ(SSD)など)に格納することができる。計算ユニットまたはプロセッサユニットによるコマンドの実行は、試験ステーション1のそれぞれのユニットによって実施される方法の個々のステップをもたらす。評価ユニット9は、このような計算ユニットを形成することができる。
【0132】
ステップ101において、基準圧力における初期空間寸法を有する、試験される真空パッケージ3は、基準圧力と比較して低減された試験圧力にさらされる。続いて、ステップ103において、真空パッケージ3の初期空間寸法に対する真空パッケージ3の空間寸法の変化が、基準圧力から試験圧力への圧力低下の間に記録される。ステップ101およびステップ103は、先に詳細に説明したように、試験ステーション1内のセンサシステム7が、試験室内の一つ又は複数の真空パッケージ3の空間寸法を、基準圧力で、かつ試験圧力への圧力低下中に記録する工程を含むことができる。
【0133】
その後、ステップ105において、試験された真空パッケージ3が漏れているかどうかが判別される。ステップ105におけるこの判別は、試験されている一つ又は複数の真空パッケージ3の空間的寸法の記録された変化に基づいている。空間的寸法の変化は、異なる方法で、異なるセンサシステム7で検出することができる。
【0134】
たとえば、同時に試験される一つ又は複数の真空パッケージ3の空間的寸法の変化の検出は、以下のステップを含むことができる。第1のセンサデータは、センサシステム7を介して最初に記録される。この第1のセンサデータは、基準圧力が加えられたときの初期化状態で記録された、試験される真空パッケージ3の初期空間寸法を表す(ステップ107)。ステップ102はまた、一つ又は複数の真空パッケージ3の初期空間寸法が既知である場合、たとえば、メモリから読み出すことができる場合、または操作スタッフによって特定される場合、省略することができる。続いて、第2のセンサデータがセンサシステム7を使用して記録され、試験室内の圧力が試験圧力まで低下される(初期化状態に続く)試験処理の間に試験される真空パッケージ3の空間寸法を表す(ステップ109)。最後に(ステップ111)、真空パッケージ3の空間寸法の変化を記録するために、記録された第1のセンサデータ(または初期空間寸法を表す対応する既知のデータ)と、基準圧から試験圧への減圧中に記録された第2のセンサデータとが互いに比較される。
【0135】
ステップ109およびステップ111は、基準圧力が試験圧力に減少される期間内に数回繰り返すこともできる。これは、たとえば、ステップ109およびステップ111を所定の間隔で実施することによって、または基準圧力を試験圧力まで低下させながら連続的に実施することによって行うことができる。ステップ109およびステップ111の反復において、漏洩真空パッケージを示す一つ又は複数の真空パッケージ3の空間寸法の変化が検出された場合、漏洩パッケージの存在を示す制御信号を出力することができる。代替的に、制御信号は、ステップ111の反復におけるデータの多数の(即時連続または即時連続でない)比較が、それぞれ、0より大きい閾値を超えて、一つ又は複数の真空パッケージ3を示す真空パッケージの空間次元の変化を示す場合にのみ出力することができる。任意選択的に、漏洩パッケージが検出され、制御信号が出力されたときに、試験サイクルを終了または中止することができる。さらに、ステップ105において、ステップ103またはステップ109およびステップ111において真空パッケージの漏洩が検出されなかった場合に、真空パッケージの漏洩が検出されなかったことを示す制御信号を出力することができる。
【0136】
既に述べたように、このセンサデータの比較は、第1のセンサデータおよび第2のセンサデータから差分データを形成するステップを含むことができ、差分データは、漏洩真空パッケージ3を検出するために評価ユニット9によって評価される。評価ユニット9は、差分データを閾値と比較するか、または試験された真空パッケージ3内の漏洩を示す基準データからの逸脱をチェックすることができる。漏洩真空パッケージ3が評価ユニット9によって検出された場合、これは、更なる(自動または手動で行われる)措置をとるためのアラーム信号および/または制御信号を出力することによって、評価ユニット9によって指示または出力可能である。
【0137】
【符合の説明】
【0138】
1…試験ステーション、
3…真空パッケージ、
4…漏洩真空パッケージ、
5…負圧発生装置、
7…センサシステム、
9…評価ユニット、
10…矢印、
11…制御ユニット、
13…電子機器、
15…搬送ライン、
17…真空パッケージ生産装置、
19…搬送システム、
21…調製ステーション、
23…搬送ベルト、
25…ロック、
27…処理ステーション、
29…バッフルプレート、
31…ハウジング、
35…排気チャンバ、
37…リング密閉表面、
39…二重矢印、
41…上側、
43…ポート、
45…センサ、
47…光カーテン、
49…光バリア、
51…ガントリロボット
53…逆負圧発生装置、
55…真空パネル、
57…試験室、
59…上側、
61…上側、
63…偏向ローラ、
65…張力付加装置、
67…モータ、
69…プレート構造体、
71…ポート、
73…上側、
75…補強ストリップ、
77…シートメタルインサート、
79…評価チャンバ、
F…搬送方向、
100…真空パッケージの試験方法、
101 -111…方法のステップ。
【国際調査報告】