(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】取り付け補助具を有する保護カバー
(51)【国際特許分類】
B23Q 11/08 20060101AFI20240528BHJP
【FI】
B23Q11/08 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572706
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-12-15
(86)【国際出願番号】 EP2022063017
(87)【国際公開番号】W WO2022248246
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】102021113769.1
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513075113
【氏名又は名称】アルノ アルノルト ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【氏名又は名称】松下 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【氏名又は名称】水野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】シュラー, ハーゲン
(72)【発明者】
【氏名】シューベルト, サミュエル
【テーマコード(参考)】
3C011
【Fターム(参考)】
3C011DD06
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの長さ調整可能な保護カバー要素(2000)を有するとともに、少なくとも1つのフレーム要素(3000)を有し、長さ調整可能な保護カバー要素(2000)が少なくとも1つの保持手段(2100)を有し、フレーム要素(3000)が、第1の長手方向縁部(3100)と、第1の長手方向縁部(3100)に配置される少なくとも1つの締結手段(3200)とを有し、保持手段(2100)と締結手段(3200)とが、取り外し可能な態様で、特に圧力嵌め及び/又は形状嵌合態様で接続可能である、保護カバー(1000)に関する。取り付け補助具(3300)が締結手段(3200)に配置され、取り付け補助具(3300)が位置決め縁部(3330)とガイド縁部(3340)とを備え、位置決め縁部(3330)及びガイド縁部(3340)が本質的に取り付け補助具(3300)の反対側の縁部である。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの長さ調整可能な保護カバー要素(2000)を有するとともに、少なくとも1つのフレーム要素(3000)を有し、前記長さ調整可能な保護カバー要素(2000)が少なくとも1つの保持手段(2100)を有し、前記フレーム要素(3000)が、第1の長手方向縁部(3100)と、前記第1の長手方向縁部(3100)に配置される少なくとも1つの締結手段(3200)とを有し、前記保持手段(2100)と前記締結手段(3200)とが、取り外し可能な態様で、特に圧力嵌め及び/又は形状嵌合態様で接続可能である、保護カバー(1000)であって、
取り付け補助具(3300)が前記締結手段(3200)に配置され、前記取り付け補助具(3300)が位置決め縁部(3330)とガイド縁部(3340)とを備え、前記位置決め縁部(3330)及び前記ガイド縁部(3340)が本質的に前記取り付け補助具(3300)の反対側の縁部であることを特徴とする保護カバー(1000)。
【請求項2】
前記位置決め縁部(3330)は、真っ直ぐであり、前記第1の長手方向縁部(3100)に対して80°~100°の角度(3331)を成すことを特徴とする請求項1に記載の保護カバー(1000)。
【請求項3】
前記位置決め縁部(3330)が前記締結手段(3200)の中央の3分の1に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の保護カバー(1000)。
【請求項4】
前記ガイド縁部(3340)が締結手段(3200)から側方に突出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の保護カバー(1000)。
【請求項5】
前記ガイド縁部(3340)の全体又は少なくとも一部が真っ直ぐである及び/又は湾曲していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の保護カバー(1000)。
【請求項6】
前記取り付け補助具(3300)は、前記ガイド縁部(3340)と前記締結手段(3200)との間にクランプ縁部(3350)を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の保護カバー(1000)。
【請求項7】
前記クランプ縁部(3350)は、前記第1の長手方向縁部(3100)と平行であるとともに、クランプ縁部空間(3351)を介して前記第1の長手方向縁部(3100)から離間され、前記クランプ縁部空間(3351)が前記長さ調整可能な保護カバー要素(2000)の材料厚さ以下であることを特徴とする請求項6に記載の保護カバー(1000)。
【請求項8】
少なくとも1つのプレストレス手段(3400)が前記第1の長手方向縁部(3100)に配置されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の保護カバー(1000)。
【請求項9】
前記プレストレス手段(3400)がプレストレス手段高さ(3410)を有し、前記締結手段(3200)が締結手段高さ(3210)を有し、前記取り付け補助具(3300)が取り付け補助具高さ(3310)を有し、前記プレストレス手段高さ(3410)が前記締結手段高さ(3210)よりも大きい、及び/又は前記プレストレス手段高さ(3410)が前記締結手段高さ(3210)と前記取り付け補助具高さ(3310)との合計よりも小さいことを特徴とする請求項8に記載の保護カバー(1000)。
【請求項10】
1~20個の締結手段(3200)及び1~10個のプレストレス手段(3400)が前記第1の長手方向縁部(3100)に配置され、前記締結手段(3200)及び前記プレストレス手段(3400)が規則的又は不規則的に、特に交互順に配置されることを特徴とする請求項8又は9に記載の保護カバー(1000)。
【請求項11】
前記締結手段(3200)が締結手段幅(3220)を有し、前記取り付け補助具(3300)が取り付け補助具幅(3320)を有し、前記取り付け補助具幅(3320)の値は、前記締結手段幅(3220)の値から10%未満逸脱していることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の保護カバー(1000)。
【請求項12】
前記長さ調整可能な保護カバー要素(2000)がプリーツ要素であり、前記保持手段(2100)がプリーツ(2200)又はプリーツ側面(2300)に配置されることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の保護カバー(1000)。
【請求項13】
前記プリーツ側面(2300)が屈曲部(2330)を有することを特徴とする請求項12に記載の保護カバー(1000)。
【請求項14】
前記フレーム要素(3000)がカバー脚(3700)を備えることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の保護カバー(1000)。
【請求項15】
前記カバー脚部(3700)を有する前記フレーム要素(3000)が1つ、2つ、又は複数の部品で作られることを特徴とする請求項14に記載の保護カバー(1000)。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の保護カバー(1000)を備える機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に係る保護カバー、及び請求項16の前文に係る対応する保護カバーを有する機械に関する。
【背景技術】
【0002】
最新技術から、保護カバーが知られており、この保護カバーは、決してこれに限定されないが、特に、可動機械部品などを覆うのに役立つ。この種の保護カバーは長さ調整可能な要素を有する。このようにすると、機械部品は、引き込まれた状態及び引き出された状態にあるときに、削りくず、粉塵粒子、その他の不純物などの外部の影響から保護されるだけでなく、環境からも密閉される。一例として独国実用新案第20 2012 008 987号に言及されている。
【0003】
保護カバーのこれらの要素は、安定性、特に支持に役立つ支持フレームに接続される。独国実用新案第20 2016 103 836号は、保護カバー要素が支持フレームとの取り外し可能なクリック接続を確立することを開示する。取り外し可能なクリック接続により、保守及び/又は修理のために保護フレームの部品を取り外した後、それらの部品を再び取り付けすることが可能になる。
【0004】
しかしながら、最新技術から知られているクリック接続は、取り外し可能な接続を確立するために保持手段と締結手段とを互いに正確に位置合わせしなければならないという点で不都合であることが分かってきた。正確に位置合わせしないと、締結手段と保持手段との間の接続が不可能となる。同時に、長さ調整可能な保護カバー要素が一般に透明でないことにより、問題が更に困難となる。このため、保持手段と締結手段とが直接目に見えない状態で、保持手段と締結手段とを位置合わせする行為が行なわれることが多い。更に、クリック接続は、特に保護カバーが長期間にわたって動作していると、動作中に意図せずに外れてしまうという欠点を伴うことが分かってきた。これは、フレーム要素に対する長さ調整可能な保護カバー要素のシフト動作をクリック接続が必然的に許容するために起こる。シフト動作により、長さ調整可能な保護カバー要素及び/又はフレーム要素の一時的又は非永続的な変形が可能になり、動作中にクリック接続が意図せず外れることになる。
【発明の概要】
【0005】
したがって、個々の構成要素の迅速な、単純な、信頼できる、直観的且つ容易な交換、保守及び/又は修理を確保する保護カバーに関して大きな需要がある。同時に、構成要素と保護カバーの要素とが動作中に強固に接続される必要がある。更に、保護カバーは、その製造が安価であり、耐用年数が長く、保護されるべき機械の領域に個別に適合できる必要がある。したがって、本発明の目的は、上記の困難を克服し、とりわけ、保守及び/又は修理によって生じるコスト、ひいてはそれによって生じる機械の動作停止を削減する保護カバーを提供することである。
【0006】
この目的は、独立主請求項の教示に係る保護カバー及びこの種の保護カバーを有する機械によって、驚くほど簡単且つ効果的な態様で達成される。
【0007】
本発明によれば、少なくとも1つの長さ調整可能な保護カバー要素を有するとともに、少なくとも1つのフレーム要素を有する保護カバーが提案され、長さ調整可能な保護カバー要素は少なくとも1つの保持手段を有し、フレーム要素は、第1の長手方向縁部と、第1の長手方向縁部に配置される少なくとも1つの締結手段とを有し、保持手段と締結手段とが、取り外し可能な態様で、特に圧力嵌め及び/又は形状嵌合態様で接続可能である。保護カバーは、取り付け補助具が締結手段に配置され、取り付け補助具が位置決め縁部とガイド縁部とを備え、位置決め縁部及びガイド縁部が本質的に取り付け補助具の反対側の縁部であることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る保護カバーは、取り付け補助具が、一方ではフレーム要素での長さ調整可能な保護カバー要素の正しい位置決めを確保し、その後に、正しい合流、ひいては保持手段と締結手段との接続を設定及び促進するという基本的な考え方に基づく。このようにすると、保持手段及び/又は締結手段への損傷が回避され、誤った取り付けが妨げられる。したがって、間違った接続、及び/又はそのような試み、及び/又はそのようにして誤って実行された接続によってもたらされる以前の損傷に起因する意図しない外れは不可能である。同時に、長さ調整可能な保護カバー要素の取り外し及び/又は再取り付けに必要な時間が短縮される。これは、かなり容易な位置決め行為によって、複雑な位置合わせ作業が簡素化されて短縮されるからである。
【0009】
本発明の範囲内で、少なくとも1つの長さ調整可能な保護カバー要素と少なくとも1つのフレーム要素とが、本発明が意図する保護カバーの機能性に関してこれらの要素間で力及び/又は動きの伝達が可能であるように接続されることが認められている。特に、長さ調整可能な保護カバー要素を短くする又は長くする力及び/又は動きが、フレーム要素に対して又はフレーム要素から伝えられるようになっている。保護カバーが少なくとも2つのフレーム要素を有する場合には、当業者に明らかなように、それらのフレーム要素は、短くする際には互いの方に向けて移動されるようになっており、長くする際には互いから離れるようになっている。このようにすると、1つのフレーム要素から次のフレーム要素への力及び/又は動きの伝達が、長さ調整可能な保護カバー要素による接続、特に圧力嵌め及び/又は形状嵌合接続を介して、及び長さ調整可能な保護カバー要素を介して可能となる。
【0010】
「保護カバー」という用語は、決してこれに限定されないが、特に可動機械部品などのカバーを指す。したがって、本発明の範囲において、この用語は、保護カバー全体、その領域、及び/又はその少なくとも1つの要素を指す。本発明に係る保護カバーは、保護カバーの引き出し方向で長さを調整できる少なくとも1つの保護カバー要素と、少なくとも1つのフレーム要素とを備える。フレーム要素は、少なくとも1つの、好ましくは幾つかのフレーム要素を備える支持フレームの一部となることができ、一般に、保護カバーの全長にわたって均等な距離を隔てて配設されるとともに、保護カバーの引き抜き方向で変位可能である。これに関して、フレーム要素が側方の支持のために1つ、少なくとも2つのキャリアプロファイルを有することが有利である。更に、保護カバーは、ガイド、スライドレール、エンドフレーム、エスカッション、及び/又はドライブを備えることができる。一般的で適切な保護カバー要素は当業者に知られている。
【0011】
「力」という用語は、特に加速力及び/又はプレストレス力を指す。加速力は、長さ調整可能な保護カバー要素及び/又は少なくとも1つのフレーム要素を短くする又は長くする動きを引き起こす。本発明の範囲において、加速力源は、この場合にはあまり重要ではない。加速力は、保護カバーの適切な駆動によって、又は保護カバーに接続された他の可動機械部品の駆動によって引き起こされることが考えられる。プレストレス力により、一方では、フレーム要素を均等に配設し、他方ではフレーム要素をねじることが可能になる。そのようなねじれの利点は当業者に知られている。本発明の範囲において、プレストレス力源はあまり重要ではない。しかしながら、プレストレス力が長さ調整可能な保護カバー要素によって部分的又は全体的に集められることも考えられる。当業者は、長さ調整可能な保護カバー要素に適した手段及び/又は実施形態に精通している。
【0012】
更に、この種の接続は、接続に関与する2つの構成要素、すなわち、長さ調整可能な保護カバー要素の少なくとも1つの保持手段と、フレーム要素の少なくとも1つの締結手段との幾何学的位置合わせによって可能になることが認められている。当業者は、適切な幾何学的形状に精通している。この幾何学的位置合わせにより、保護カバー要素とフレーム要素との間の簡単で、迅速な、安定した耐久性のある接続が可能になる。本発明によれば、この目的のために、ネジ及び/又はクランプなどの更なる固定手段が必要とされない。特に、接続を切り離すことが可能である。
【0013】
本発明の範囲では、フレーム要素が少なくとも1つの第1の縁部を有することが更に認められている。更に、フレーム要素が第1の縁部の領域で保護カバー要素に接続可能であることが不可欠であると考えられている。本発明の範囲において、「第1の縁部」という用語は、フレーム要素の考えられる任意の縁部に関連し、フレーム要素の対応する縁部を指すが、この縁部の領域に存在し得るフレーム要素の想定し得る保持手段、取り付け補助具、ガイド縁部、位置決め縁部、キャリアプロファイル及び/又はプレストレス手段を指すものではないことが更に重要であると考えられている。第1の縁部の領域における締結手段の位置決めは、第1の縁部の領域が保護カバーを取り付けたり取り外したりするユーザにとって容易にアクセスできるという概念に基づいている。締結手段を使用して、動き及び/又は力を伝えるように接続可能となるべく、フレーム要素を取り外し可能な態様で、特に圧力嵌め及び/又は形状嵌合態様で長さ調整可能な保護カバー要素に接続できるようにするには、保護カバー要素が少なくとも1つの保持手段を有することが更に必要である。フレーム要素に対する長さ調整可能な保護カバー要素の位置合わせにより、長さ調整可能な保護カバー要素における保持手段の位置は任意である。
【0014】
本発明によれば、取り付け補助具は、長さ調整可能な保護カバー要素とフレーム要素との互いに対する正確な位置決めを確保するための位置決め縁部を有する。長さ調整可能な保護カバー要素の保持手段は、この目的のために第1の適切な位置で位置決め縁部と直接に接触する。位置決め縁部は、この直接的な接触が保持手段と締結手段との正確な位置決めを確保する態様でのみ可能となるように、適切に設計される。位置決め縁部と第1の適切な位置との正確な接触点は任意であり、それにより、位置合わせに関して多くの労力を費やすことなく、正確な位置決めを容易に達成することができる。位置決め縁部の想定し得る適切な実施形態については以下で更に詳しく説明する。
【0015】
本発明によれば、取り付け補助具はガイド縁部を有する。ガイド縁部は、位置決め縁部での位置決めが行なわれた後、フレーム要素及び長さ調整可能な保護カバー要素の移動を案内する。この移動により、保持手段と締結手段とが互いに取り外し可能に接続される。案内は、保持手段の第2の適切な位置をガイド縁部に沿って移動させることによって行なわれる。ガイド縁部の想定し得る適切な実施形態については、別の箇所で説明する。好ましくは、ガイド縁部は最初に一貫した曲率を有し、それに対して、明らかに、すなわち明白に、より大きく湾曲した領域が接続し、ガイド縁部は、ガイド縁部の最も広く広がる領域で最も大きく湾曲する。この位置で、ガイド縁部は、第1の縁部と平行なその方向成分が、最初に0になり、その後に他の方向、すなわち締結手段の方向を向くことによって突起を形成する。好ましくは、ガイド縁部は、長さ調整可能な保護カバー要素とフレーム要素とが位置決め縁部を使用して位置決めされた後、長さ調整可能な保護カバー要素が最初に位置決め縁部に沿ってフレーム要素に向かって移動されるときに、保持手段の適切な位置と必然的に接触する。しかしながら、これに代えて又は加えて、長さ調整可能な保護カバー要素の最初の案内からガイド縁部に沿う案内への変更が取り付け補助具上の光学的特徴及び/又は触覚的特徴によって示されることも考えられる。例えば、色、くぼみ、及び/又は記号の状態のマーキングが考えられる。
【0016】
前述したようなフレーム要素及び/又は締結手段と、長さ調整可能な保護カバー要素及び/又は保持手段との動きは相対的な動きである。これに関連して、互いの方に向かうそれぞれの動きは、フレーム要素の動き、又は長さ調整可能な保護カバー要素それ自体の動き、又は両方の要素の同時又は交互の動きに基づくことができる。考えられる動きのあらゆる組み合わせが本発明の範囲に含まれる。例えば、ガイド縁部に沿う長さ調整可能な保護カバー要素の動きは、長さ調整可能な保護カバー要素に沿うガイド縁部を使用するフレーム要素の動き、及び要素の互いの方に向かう相対的な動きにも関連する。
【0017】
また、本発明にとっては、位置決め縁部とガイド縁部とが取り付け補助具上の反対側の縁部であることも重要である。本発明の範囲内において、保持手段と締結手段との間の接続は、取り外し可能であるとともに、取り外しの動作方向が引き出し方向に対して垂直であって少なくとも1つの方向変化を有する動きである場合に、意図しない外れに対抗するように特に構成できることが判明した。これは、位置決め縁部をガイド縁部に変更することで可能になる。しかしながら、この変更は、これらの縁部が取り付け補助具の本質的に反対側に配置される場合にのみ可能である。更に、取り付け補助具が他の側に更なる縁部を有することも考えられる。取り付け補助具の上側閉鎖体の上縁部が考えられ、例えば、取り付け補助具が位置決め縁部とガイド縁部との間に配置される。
【0018】
「本質的に反対側の縁部」という用語は、重なり合わず、その端点が少なくとも1つの点で異なる縁部に関連する。
【0019】
長さ調整可能な保護カバー要素を構成する材料は、その材料が要件を満たす限り、一般に任意である。好ましくは、長さ調整可能な保護カバー要素は、プラスチック材料、プラスチック化合物及び/又はそれらの混合物から形成され、プラスチック材料、プラスチック化合物及び/又はそれらの混合物は、折り畳み可能であり、織物であり、本質的に剛体であり、及び/又は熱可塑性プラスチックである。長さ調整可能な保護カバー要素は、硬質で堅牢なウェブ又は軽量フィルムから形成されるのが更に好ましい。特に好ましくは、材料は、熱可塑性材料、熱可塑性化合物、及び/又はそれらの熱可塑性混合物であることが考えられる。好ましい熱可塑性材料の中には、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアミド(PA)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、テレフタレート(PT)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリ塩化ビニル(PVC)、及び対応するコポリマー及び/又は混合物がある。当業者は、それらの利点及び使用法を含めて、これらの材料に精通している。
【0020】
フレーム要素を形成する材料は、その材料が要件を満たす限り、一般に任意である。好ましくは、フレーム要素は、本質的に硬いポリマー材料、本質的に硬いポリマー接続体、繊維複合材料、金属、特にアルミニウム、金属接続体、金属合金、特にステンレス鋼、及び/又はそれらの混合物から形成される。当業者は、それらの利点及び使用法を含めてこれらの材料に精通している。
【0021】
本発明は、個々の構成要素の取り外しと交換とを直観的に、容易に、迅速に行なうことができるようにする保護カバーを提供することを可能にする。これにより、保守及び/又は修理に伴う機械の停止時間が大幅に短縮され、修理や保守自体が容易になる。更に、個々の構成要素を交換できるため、保守及び/又は修理に伴うコストが削減され、それによって、特に材料コストが削減される。その結果、時間及びコストがかかる保護カバー全体の取り外し及び/又は交換を避けることができる。同時に、個々の構成要素を交換することにより、保護カバーを後付けしたり、保護カバーを現場の条件に適合させたりすることができ、それによって、保護カバーを汎用的に展開できるようになる。
【0022】
個別に又は相互に組み合わせて実現できる本発明の有利な実施形態は、従属請求項に記載される。
【0023】
本発明の一実施形態では、位置決め縁部が、真っ直ぐであって、第1の長手方向縁部まで80°~100°の範囲の角度で、好ましくは80°、81°、82°、83°、84°、85°、86°、87°、88°、89°、90°、91°、92°、93°、94°、95°、96°、97°、98°、99°、又は100°形成されることが考えられる。好ましくは、位置決め縁部は、第1の長手方向縁部に対して90°の角度で垂直である。本発明の範囲内では、特に位置決め縁部での保持手段の第1の適切な位置が位置合わせされるポイントが任意である場合、長さ調整可能な保護カバー要素をフレーム要素に対して容易且つ迅速に位置決めできることが判明した。これは、前述したように、80°~90°の角度で形成される真っ直ぐな位置決め縁部によって達成される。本発明の範囲では、これは、フレーム要素と長さ調整可能な保護カバー要素との間の空間を変更するだけであり、位置合わせには影響を及ぼさないことが認められた。しかしながら、フレーム要素と長さが調整可能な保護カバー要素との最初の位置合わせの場合、この距離は任意である。囲い角(enclosed angle)が90°より大きい場合、締結手段へと向かう位置決め縁部とガイド縁部との間の距離が大きくなる。これには、保護カバー要素とフレーム要素とを接続又は分離するユーザが最終的に接続を確立又は分離する動作に至らされるという利点がある。しかしながら、角度が90°より小さい場合、締結手段へと向かう位置決め縁部とガイド縁部との間の空間が小さくなる。この種の実施形態は、長さ調整可能な保護カバー要素とフレーム要素との間の接続の安全性を高める。これに対し、角度が大きすぎたり小さすぎたりすると、位置決めが著しく妨げられる。本発明の範囲では、前述の80°~100°の角度により、前述の利点と安全な位置決めとを同時に使用できることが分かった。
【0024】
「真っ直ぐ」という用語は、2点の最短接続に沿って延びる縁部の特性に関連する。特に、曲率や角がない縁部が真っ直ぐである。
【0025】
更に、位置決め縁部を締結手段の中央の3分の1に配置することも考えられる。好ましくは、位置決め縁部は中央に配置される。本発明の範囲では、締結手段に沿う位置決め縁部の位置によって、取り付け補助具が締結手段から側方に突出して突起を形成できるかどうか、またどの程度まで形成できるかどうかが決まることが判明した。更に、取り付け補助具の側方への突出及びこのようにして形成された突起が、保持手段と締結手段とが互いから意図せずに外れることに対する安全性を高めることが判明した。しかしながら、このことは、一方で、保持手段と締結手段とを意図的に取り外したり接続したりするには、より大きな労力を必要とすることを意味する。位置決め縁部の位置が中央の3分の1にあると、安全性と労力との間で適切な妥協点が得られる。
【0026】
更に、ガイド縁部が締結手段から側方に突出することが考えられる。側方への突出は、締結手段及び保持手段の意図しない外れに対抗する更なる安全性を成す。
【0027】
「締結手段から側方に突出」という用語は、締結手段が配置されない第1の長手方向縁部の領域で少なくとも部分的に取り付け補助具及び/又はガイド縁部が延在し、取り付け補助具及び/又はガイド縁部が第1の長手方向縁部から離間されることを意味する。
【0028】
本発明の他の実施形態では、ガイド縁部の全体又は少なくとも一部分が完全に真っ直ぐ及び/又は湾曲していることが考えられる。本発明の範囲では、フレーム要素及び長さ調整可能な保護カバー要素の互いの方に向かう移動方向をガイド縁部が設定することが認められている。これに関連して、ガイド縁部は、特に、保持手段と締結手段とを接続するために必要な動きを設定する。この接続は、動きに幾つかの異なる方向成分がある場合に、意図しない外れに対抗するのに特に安全である。この目的のために、保護カバーの引き出し方向に対して垂直な少なくとも1つの、特に幾つかの方向成分が特に利用可能であるべきである。更により好ましくは、全ての方向成分が保護カバーの引き出し方向に対して垂直である。ガイド縁部は、例えば湾曲した形態によってこの種の方向の変化を設定できる。この場合、移動方向の変化は流動的である。これには、長さ調整可能な保護カバー要素が取り付け補助具によって損傷され得ないという利点がある。しかしながら、移動方向の急激な変化がガイド縁部によって設定されるようになっている場合、ガイド縁部は、互いに当接して真っ直ぐであり得る2つの部分を有する。これに関連して、真っ直ぐな部分は180°ではない角度を囲む。好ましくは、その角度は180°未満である。この種の設計により、ユーザが一時停止するために保護カバーを取り付けたり取り外したりする結果となる。これに関連して、例えば、更なるステップ又は他のステップを実行することができる。一例については本明細書の他の箇所で説明する。
【0029】
「湾曲」という用語は、直線からのガイドラインの局所的で徐々に生じる逸脱を意味する。
【0030】
更に、取り付け補助具がガイド縁部と締結手段との間に1つのクランプ縁部を備えることも考えられる。クランプ縁部は、長さ調整可能な保護カバー要素をクランプするのに役立つ。好ましくは、長さ調整可能な保護カバー要素は、クランプ縁部とフレーム要素の第1の長手方向縁部との間でクランプされる。本発明の範囲において、保護カバー要素は、ガイド縁部に沿って、締結手段と保持手段とが互いに接続されるその最終位置まで案内されることが判明した。更に、この状態では、保持手段と締結手段との互いに対する移動が可能な限り回避されるようになっていることが本発明の範囲で認められた。この移動により、フレーム要素及び/又は長さ調整可能な保護カバー要素の意図しない外れ及び/又は損傷が生じる可能性がある。更なるクランプ、したがって長さ調整可能な保護カバー要素の他の形状嵌合及び/又は力嵌め接続の確立により、この種の移動が減少し、したがって、意図しない外れ及び/又は損傷に対する安全性が高まる。同時に、締結手段と保持手段との間の遊びが減少し、それにより、力及び/又は動きの効率的な伝達が可能になる。このようにして、保護カバーのより効率的で安定した変位が可能になる。
【0031】
他の実施形態では、クランプ縁部が、第1の長手方向縁部と平行であるとともに、クランプ縁部空間を介して第1の長手方向縁部から離間され、クランプ縁部空間が長さ調整可能な保護カバー要素の材料厚さ以下であることが考えられる。本発明の範囲では、物体が、特にそれ自体の寸法以下の前記空間に置かれるときにクランプされることが判明した。これに関連して、当業者に明らかなように、特にクランプされるべき物体が柔軟である場合には、前記空間がクランプされるべき物体よりも小さくなければならない。これに関連して、以下のことが当てはまる。すなわち、長さ調整可能な保護カバー要素の材料が柔軟であればあるほど、材料厚さに比べてクランプ縁部空間を小さくする必要がある。好ましくは、クランプ縁部空間は、最大99.5%、最大99%、最大98%、最大97%、最大96%、最大95%、最大90%、最大85%、最大80%、最大75%、最大70%又はそれ未満、材料厚さよりも小さい。長さ調整可能な保護カバー要素の典型的な材料厚さは当業者に知られている。材料厚さは0.1mm~1mmが好ましい。
【0032】
少なくとも1つのプレストレス手段が第1の長手方向縁部に配置されることが考えられる。本発明の範囲では、環境に対して可動機械部品の必要なシールを達成するには、要件に適合したプレストレス力が必要であることが判明した。更に、プレストレス力は、要件や規制で規定されている保護カバーの安定性に大きく貢献する。本発明の範囲において、取り付け補助具を有する締結手段及び保持手段自体は、それらの位置に応じてあらゆる使用可能性に必要なプレストレス力を生成しないことが認められている。第1の長手方向縁部上のプレストレス手段の位置は、締結手段及び取り付け補助具と併せて、プレストレス力を必要なレベルまで増大させることができるようにする。
【0033】
好ましくは、保持手段及び締結手段は、本発明が意図する締結手段と保持手段との接続時に、長さ調整可能な保護カバー要素の第1の側から長さ調整可能な保護カバー要素の第2の側まで保持手段を介して締結手段が案内されるように設計される。これに対し、プレストレス手段は、長さ調整可能な保護カバー要素の第1の側に当接する。取り付け補助具を有する締結手段とプレストレス手段とが同一平面上に位置されているため、長さ調整可能な保護カバー要素がそれらの間でクランプされる。保護カバー要素の適切な設計により、このクランプは、フレーム要素に伝達されるプレストレス力を生成する。
【0034】
好ましい実施形態では、プレストレス手段がプレストレス手段高さを有し、締結手段が締結手段高さを有し、取り付け補助具が取り付け補助具高さを有し、プレストレス手段高さが締結手段高さよりも大きい及び/又はプレストレス手段高さが締結手段高さと取り付け補助具高さとの合計よりも小さいことが考えられる。
【0035】
視覚的に示すと、以下のことが好ましく適用される。
hBM<hVM<hBM+hMH
hBM:締結手段高さ
hVM:プレストレス手段高さ
hMH:取り付け補助具高さ
ここで、一方又は両方の条件が満たされることが好ましい。
【0036】
本発明の範囲において、フレーム要素と長さ調整可能な保護カバー要素との最初の接触が、プレストレス手段の領域ではなく、位置決め縁部の領域において取り付け補助具で行なわれれば、取り付け補助具の信頼性の高い機能にとって有利であることが判明した。これは、取り付け補助具高さと締結手段高さとの合計がプレストレス手段高さよりも大きいことによって確保される。更に、締結手段と保持手段との間の取り外し可能な接続を確立する前に、このステップが行なわれると、保護カバーを取り付けたり取り外したりするユーザにとって、プレストレス手段によってプレストレス力を確立することがより容易である。これは、プレストレス手段高さが締結手段高さよりも大きいことによって可能になる。このようにすると、長さ調整可能な保護カバー要素は、最初にプレストレス手段と接触し、その後においてのみ、締結手段と接触する。好ましくは、保護カバーを取り付けたり取り外したりするユーザは、他の箇所で説明されるガイド縁部の適切な形態により、プレストレス手段によるプレストレス力を集めるステップの直前に一時停止するように誘導される。好ましくは、締結手段高さは、1mm~6mm、好ましくは1.25mm、1.5mm、1.75mm、2mm、2.25mm、2.5mm、3mm、3.25mm、3.5mm、3.75mm、4mm、4.25mm、4.5mm、4.75mm、5mm、5.25mm、5.5mm、5.75mm、又は6mmであり、取り付け補助具高さは、5mm~20mm、好ましくは少なくとも6mm、少なくとも6.5mm、少なくとも7mm、少なくとも7.5mm、少なくとも8mm、少なくとも8.5mm、少なくとも9mm、少なくとも9.5mm、少なくとも10mm、少なくとも10.5mm、少なくとも11mm、少なくとも11.5mm、少なくとも12mm、少なくとも12.5mm、少なくとも13mm、少なくとも13.5mm、少なくとも14mm、少なくとも14.5mm、少なくとも15mm、少なくとも15.5mm、少なくとも16mm、少なくとも16.5mm、少なくとも17mm、少なくとも17.5mm、少なくとも18mm、少なくとも18.5mm、少なくとも19mm又は少なくとも19.5mmであり、プレストレス手段高さは、3mm~15mm、好ましくは4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、8.5mm、9mm、9.5mm、10mm、10.5mm、11mm、11.5mm、12mm、12.5mm、13mm、13.5mm、14mm、14.5mm、又は15mmである。特に好ましくは、締結手段高さは3mm、取り付け補助具高さは8.6mm、プレストレス手段高さは6mmである。これらの寸法により、プレストレス手段高さが締結手段高さよりも大きく、プレストレス手段さが締結手段高さと取り付け補助具高さとの合計よりも小さくなる。
hBM=3mm<hVM=6mm、及び
hVM=6mm<hBM+hMH=3mm+8.6mm=11.6mm
【0037】
「締結手段高さ」、「取り付け補助具高さ」、及び「プレストレス手段高さ」という用語は、第1の長手方向縁部に対して垂直方向の対応する手段又は補助具の対応する延在に関連する。締結手段及びプレストレス手段の延在は、第1の長手方向縁部で直接に始まる。取り付け補助具の延在は、締結手段の上縁部で始まる。この縁部は仮想線としても見ることもできる。
【0038】
他の実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、又はそれより多くの同じ又は異なる締結手段と、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個又はそれより多くの同じ又は異なるプレストレス手段とが第1の長手方向縁部に配置され、締結手段及びプレストレス手段が、規則的又は不規則な、特に交互の順序で配置されることが考えられる。一般に、締結手段とプレストレス手段とがどの順序に従うかは任意である。しかしながら、プレストレス力は、幾つかのプレストレス手段の位置付けによって特定の領域でこの位置付けから目標の態様で増大され得る、或いはプレストレス手段を省くことによって目標の態様で減少され得る。このようにすると、プレストレス力を必要に応じて状況に適合させることができる。当業者に明らかなように、交互配置の場合、締結手段の数とプレストレス手段の数とが等しくなければならない、或いは最大で1つずらすことができる。好ましくは、第1の長手方向縁部は、締結手段から始まって交互に配置される3つの締結手段と2つのプレストレス手段とを有する。
【0039】
本発明の更に他の実施形態では、締結手段が締結手段幅を有し、取り付け補助具が取り付け補助具幅を有し、取り付け補助具幅の値が締結手段幅の値から10%未満逸脱することが考えられる。本発明の範囲では、締結手段が締結手段幅を有し、保持手段が保持手段幅を有することが判明した。締結手段と保持手段との間の意図された圧力嵌め及び/又は形状嵌合接続により、締結手段幅及び保持手段幅を調整する必要がある。本発明によれば、保持手段は取り付け補助具を介して案内される。この目的のために、取り付け補助具幅が締結手段幅と同じ又はそれよりも小さい必要がある。そうしないと、保持手段を取り付け補助具を介して案内することができなくなる。しかしながら、取り付け補助具が小さすぎる場合、取り付け補助具の最も幅広の場所が通過した後、保護カバーを取り付けたり取り外したりするユーザにとって、保持手段と共にガイド縁部に沿って長さ調整可能な保護カバー要素を案内することを意図していることが明らかではない。このため、取り付け補助具幅の値が締結手段幅の値から10%未満、好ましくは9.5%、9%、8.5%、8%、7.5%、7%、6.5%、6%、5.5%、又は5%未満逸脱するときに最も適していることが分かった。
【0040】
「締結手段幅」、「取り付け補助具幅」、及び「保持手段幅」という用語はそれぞれ、クランプ縁部と平行な空間的広がりに関連する。保持手段幅に関しては、先の定義が取り付け状態を指す。この影響を受けず、保持手段は、取り外し状態で保持手段幅を有する。
【0041】
更に、長さ調整可能な保護カバー要素がプリーツ要素であり、少なくとも1つの保持手段がプリーツ上又はプリーツ側面上に配置されることが考えられる。
【0042】
更に、プリーツ要素の引き出し方向の最大長を制限して本発明の意味においてプリーツ要素として設計されるブロッカを備えることも考えられる。一般に、長さ調整可能な保護カバー要素及び/又はブロッカがどのように設計されるかは任意であるが、保護カバーにおけるプリーツ要素の使用は、最新技術において広く知られている。
【0043】
「プリーツ要素」という用語は、プリーツが形成される長さ調整可能な保護カバー要素に関連する。プリーツはある角度を囲み、また、長さ調整可能な保護カバー要素の長さの変化は、完全に又は大幅にこの角度の変化によって引き起こされる。特に、プリーツ要素は、機械に向かう方向と機械から離れる方向とに交互に方向付けられるプリーツを有する。しかしながら、プリーツ要素が機械の方にのみ方向付けられる又は機械から離れる方向にのみ方向付けられるプリーツを有することも考えられる。同様に、プリーツ要素が、機械に向かう又は機械から離れる方向に向けられて規則的又は不規則な順序で配置される任意の数のプリーツを有することも考えられる。これに関連して、保持手段は、機械に向けて又は機械から離れるように方向付けられるプリーツに配置することができる。
【0044】
「プリーツ側面」という用語は、2つの隣り合うプリーツによって囲まれる、又はプリーツと縁部との間にあるプリーツ要素の領域に関連する。プリーツの側面を真っ直ぐに又は湾曲させることができる。
【0045】
一実施形態では、プリーツ側面が少なくとも1つの屈曲部を有することが考えられる。プリーツ側面が屈曲部を有する場合、保護カバーを取り付けたり取り外したりするユーザにとって、プリーツ要素を支持フレームに接続することが容易になる。特に、支持フレームがプレストレス手段を含む場合、取り付け補助具とプレストレス手段との間でプリーツ要素をクランプすることが容易になる。同時に、プリーツ要素がこの位置で緩和され、これにより、プレストレス手段がプリーツ要素に当て付いて継続的に摩擦を生じない。
【0046】
「屈曲部」という用語は、プリーツ要素の方向の突然の変化に関連し、この変化は、プリーツ付近の調整可能な保護カバー要素の長さの変化には寄与せず、或いは僅かしか寄与しない。
【0047】
他の実施形態では、フレーム要素がカバー脚を備えることが考えられる。好ましくは、カバー脚は、隣り合うフレーム要素のカバー脚の背後に係合して、閉じた前面を形成する。或いは、閉じた前面を形成するために、カバー脚を機械の一部又はフレームの異なる部分の背後に取り係合することもできる。このようにして形成された閉じた前面は、保護カバーの現在の長さとは無関係に閉じられる。当業者は、閉じた前面自体が伸縮式の後部係合を介して長さ調整可能であるという事実に精通している。この目的のために、カバー脚は、好ましくは、第1の長手方向縁部とは反対側の第2の長手方向縁部においてフレーム要素に締結される。更により好ましくは、カバー脚は、80°~100°の範囲の角度、好ましくは80°、81°、82°、83°、84°、85°、86°、87°、88°、89°、90°、91°、92°、93°、94°、95°、96°、97°、98°、99°又は100°の角度で締結される。好ましくは、カバー脚は、本質的に硬いプラスチック材料、本質的に硬いプラスチック化合物、繊維複合材料、金属、特にアルミニウム、金属接続体、金属合金、特にステンレス鋼又は高級ステンレス鋼及び/又はその混合物から形成される。より好ましくは、カバー脚は、拭き取り効果、特に強力な拭き取り効果を有するように形成される。これには、保護カバーが防液性及び防塵性があるだけでなく、熱い及び/又は鋭利な削りくずなどの不純物を寄せ付けないという利点がある。これにより、機械及び/又はその可動部品が強力な不純物からも確実に保護される。
【0048】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つのフレーム要素及びカバー脚が1つ、2つ又は複数の部品で作られ、これらの要素が、非恒久的な態様で、例えば接着、縫合、ボルトを介して、又は恒久的な態様で、例えば2ピース又はマルチピース形態の場合には溶接により、接続されることが考えられる。本発明の範囲において、接続のタイプはあまり重要ではない。
【0049】
前述の用語の定義及び詳細は、別段の記載がない限り、以下の説明に記載される全ての態様に適用されるものと推定される。
【0050】
本発明によれば、本発明に係る保護カバーを備える機械が更に提案される。
【0051】
「機械」という用語は、当業者には知られており、工作機械など、保護されるべき機械に関連する。
【0052】
本発明の更なる詳細、特徴及び利点は、従属請求項と併せて、好ましい典型的な実施形態の以下の説明から導かれる。これに関連して、対応する特徴をそれら自体で或いは互いに組み合わせていくつかで実現することもできる。本発明は典型的な実施形態に限定されない。典型的な実施形態が図に概略的に示される。個々の図における同じ参照番号は、同一である、又は機能が同じである、或いはそれらの機能に関して互いに対応する要素を表わす。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1B】取り付け補助具を有する締結手段の詳細な前方平面図を示す。
【
図1C】取り付け補助具を有する締結手段及びプレストレス手段の前側部分の詳細な前方平面図を示す。
【
図2A】長さ調整可能な保護カバー要素の第1の実施形態の等角図を示す。
【
図2B】長さ調整可能な保護カバー要素の第2の実施形態の等角図を示す。
【
図4A】長さ調整可能な保護カバー要素とフレーム要素とを接続するための動作シーケンスの等角図を示す。
【
図4B】長さ調整可能な保護カバー要素とフレーム要素とを接続するための動作シーケンスの等角図を示す。
【
図4C】長さ調整可能な保護カバー要素とフレーム要素とを接続するための動作シーケンスの等角図を示す。
【
図4D】長さ調整可能な保護カバー要素とフレーム要素とを接続するための動作シーケンスの等角図を示す。
【
図4E】長さ調整可能な保護カバー要素とフレーム要素とを接続するための動作シーケンスの等角図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1Aは、フレーム要素3000の前方平面図を示す。フレーム要素3000は、第1の長手方向縁部3100と、第1の長手方向縁部3100の反対側にある第2の長手方向縁部3500とを有する。フレーム要素3000は両側にキャリアプロファイル3600を有する。両方のキャリアプロファイル3600によって、フレーム要素3000は側方で支持される。この典型的な実施形態では、3つの締結手段3200が第1の長手方向縁部3100に配置される。各締結手段3200には取り付け補助具3300が配置される。更に、2つのプレストレス手段3400が第1の長手方向縁部3100上に配置される。締結手段3200及びプレストレス手段3400は交互に配置される。
【0055】
図1Bは、Bの符号が付された
図1Aの部分Bの拡大図である。したがって、
図1Bは、部分Bに位置される取り付け補助具3300を有する締結手段3200に関する前方平面面図を示す。締結手段3200には、取り付け補助具3300に対する境界を示すための破線が付されている。締結手段3200は締結手段幅3220を有する。この締結手段幅は、第1の長手方向縁部3100と平行な締結手段3200の空間的な広がりに対応する。取り付け補助具3300は取り付け補助具幅3320を有する。取り付け補助具3300は位置決め縁部3330を備える。この典型的な実施形態において、位置決め縁部3330は締結手段3200の中央に配置される。位置決め縁部3330は、締結手段3200とある角度3331を成す。この典型的な実施形態では、角度3331が90°であり、位置決め縁部3330が真っ直ぐである。更に、取り付け補助具3300はガイド縁部3340を備える。ガイド縁部3340と位置決め縁部3330との間に上縁部3360が配置される。上縁部3360を発端として、ガイド縁部3340は最初に一貫した曲率を有する。その後、ガイド縁部3340は、より顕著に湾曲し始め、最も広い範囲の領域で最も大きな曲率を伴う。この位置で、ガイド縁部3340は、突起を形成した後、締結手段3200に向けて延びる。この領域では、ガイド縁部3340は真っ直ぐであるが、ガイド縁部は、僅かに異なる方向を有する2つの部分を成して形成される。これらの部分が合流すると、これら2つの部分が角部を形成する。締結手段3200とガイド縁部3340との間にはクランプ縁部3350が配置される。上縁部3360、ガイド縁部3340、及びクランプ縁部3350を光学的に分離するために、破線も含まれている。
【0056】
図1Cは、Cの符号が付された
図1Aの部分Cの拡大図である。したがって、
図1Cは、取り付け補助具3300の前方平面図と、部分Bに位置される締結手段3200及びプレストレス手段3400の部分の詳細とを示す。取り付け補助具3300は、他の箇所ではh
MHと呼ばれる取り付け補助具高さ3310を有する。締結手段3200は、他の箇所ではh
BMと呼ばれる締結手段高さ3210を有する。プレストレス手段3400は、他の箇所ではh
VMと呼ばれるプレストレス手段高さ3410を有する。容易に分かるように、プレストレス手段高さ3410は締結手段高さ3210よりも大きい。更に、締結手段高さ3210と取り付け補助具高さ3310との合計がプレストレス手段高さ3410よりも大きいことが分かる。クランプ縁部3350はクランプ縁部空間3351を有する。
【0057】
図2A及び
図2Bは、長さ調整可能な保護カバー要素2000の第1及び第2の実施形態の等角図を示す。
図2Aに示される第1の実施形態では、長さ調整可能な保護カバー要素2000がプリーツ2200を有する。このプリーツ2200には3つの保持手段2100が配置される。保持手段2100は長方形のスロットとして設計される。更に、長さ調整可能な保護カバー要素2000は、それぞれがプリーツ2200と保護カバー要素2000の縁部との間で延在する2つのプリーツ側面2300を有する。保護カバー要素2000の
図2Bに示される第2の実施形態もプリーツ2200を有し、該プリーツ2200には3つの保持手段2100が配置される。同様に、長さ調整可能な保護カバー要素2000は2つのプリーツ側面2300を有し、これらの2つのプリーツ側面2300は、プリーツ2200と長さ調整可能な保護カバー要素の2つの縁部との間で延びる。2つのプリーツ側面2300のうちの一方が屈曲部2330を有する。
【0058】
図3は、保護カバー1000の等角図を示す。保護カバー1000は、長さ調整可能な保護カバー要素2000と、5つのフレーム要素3000とを備える。各フレーム要素3000はカバー脚3700を備える。カバー脚3700は第2の長手方向縁部3500に配置される。カバー脚3700は、反対側の縁部に面取り3730を有する。5つのカバー脚3700のうちの4つがそれぞれ、隣り合うフレーム要素3000の背後で、それらのカバー脚3700の領域のそれらの面取り3730と係合し、このようにして閉じた前面を形成する。面取り3730は、カバー脚3700が引き出された状態であっても閉じた前面を少なくとも部分的な及び/又は短期間の絶対的な又は増大したシール状態にし、したがって前述の利点を有するように、押圧力が及ぼされるという利点を与える。フレーム要素3000は、力及び動きを伝えるために保持手段(図示せず)及び締結手段(図示せず)を介して長さ調整可能な保護カバー要素2000に接続される。図示の実施形態において、長さ調整可能な保護カバー要素2000は、9個のプリーツ2200と10個の側面2300とを備える。
【0059】
図4A~
図4Eは、長さ調整可能な保護カバー要素2000とフレーム要素3000とを接続するための動作シーケンスの等角図を示す。
図4Aは、長さ調整可能な保護カバー要素2000とフレーム要素3000とを空間的に分離した状態で示す。長さ調整可能な保護カバー要素2000及びフレーム要素3000は、互いの方に向けてすでにほぼ方向付けられる。本発明に係る接続を確立するために、長さ調整可能な保護カバー要素2000は、
図4Aに矢印で示されるように、最初に、第1のフレーム要素3000に向けて移動される。
図4Bでは、保護カバー要素2000とフレーム要素3000とが既に接触している。この実施形態において、図示のフレーム要素は、取り付け補助具3300を有する3つの締結手段を有し、取り付け補助具3300はそれぞれが位置決め縁部3330を有し、また、長さ調整可能な保護カバー要素2000は3つの保持手段2100を有する。保持手段2100の第1の適切な位置2130が、いずれの場合にも取り付け補助具3300の位置決め縁部3330のうちの1つと接触している。これにより、フレーム要素3000に対する長さ調整可能な保護カバー要素2000の正確な位置合わせが確保され、それにより、複雑な位置決め作業がもはや不要となる。取り付け補助具3300の一部は、保持手段2100を介して、長さ調整可能な保護カバー要素2000の第1の側2400から、長さ調整可能な保護カバー要素2000の第2の側2500へと案内されている。取り付け補助具3300は、破線で示されたこの部分で長さ調整可能な保護カバー要素2000によって覆われる。続いて、長さ調整可能な保護カバー要素2000は、
図4Bに矢印で示されるように、位置決め縁部3330に沿って第1の適切な位置2130で更にフレーム要素3000に向かって案内される。フレーム要素3000へ向かう長さ調整可能な保護カバー要素2000の移動は、
図4Cに示されるように、いずれの場合にも3つの保持手段2100のそれぞれの第2の適切な位置2140が3つの取り付け補助具3300のガイド縁部3340と接触するようになるまで継続される。移動のこの時点までに、フレーム要素3000上に配置される2つのプレストレス手段3400が、長さ調整可能な保護カバー要素2000と既に接触している。プレストレス手段3400は、長さ調整可能な保護カバー要素2000の背後でクランプされ、第1の側2400に留まる。その結果、プレストレス手段は、締結手段3200とは異なる長さ調整可能な保護カバー要素2000の側にある。この実施形態では、長さ調整可能な保護カバー要素2000が2つのプリーツ側面2300を有する。観察者の観点からは、2つのプレストレス手段3400が両方のプリーツ側面2300の背後に位置され、これが一点鎖線で示される。取り付け補助具3300の各ガイド縁部3340が第2の適切な位置2140で保持手段2100のうちの1つと接触するようになった後、第2の適切な位置2140、したがって長さ調整可能な保護カバー要素2000が、プロセスの更なる経路でガイド縁部3340に沿って案内される。ガイド縁部3340を案内することによって、保護カバー要素2000は、
図4Dに矢印で示されるように、第1の長手方向縁部3100に沿って平行な主方向でスライドする。ガイド縁部3340に沿う案内は、
図4Eに示されるように、締結手段3200と保持手段2100との間の接続が確立されるまで継続する。更なる安全性のために、長さ調整可能な保護カバー要素2000は、取り付け補助具3300に配置される3つのクランプ縁部3350と第1の長手方向縁部3100との間でクランプされる。このようにして、保護カバー要素2000とフレーム要素3000との意図しない外れが防止される。観察者から見て、後方のプリーツ側面2300では、両方のプレストレス手段3400が引き続き第1の側2400と当接し、一方、3つの締結手段3200は第2の側2500に当接する。これにより、観察者から見て、後方のプリーツ側面2300をプレストレス手段3400と締結手段3200との間でクランプでき、それにより、長さ調整可能な保護カバー要素2000からフレーム要素3000へとプレストレス力を伝えることができる。
【国際調査報告】