(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】迎撃ミサイル用弾頭
(51)【国際特許分類】
F42B 12/32 20060101AFI20240528BHJP
F41H 11/02 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
F42B12/32
F41H11/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023572849
(86)(22)【出願日】2021-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-22
(86)【国際出願番号】 IL2021050619
(87)【国際公開番号】W WO2022249161
(87)【国際公開日】2022-12-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517299397
【氏名又は名称】ダビデ、コーエン
【氏名又は名称原語表記】DAVID COHEN
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダビデ、コーエン
(57)【要約】
破砕材の内側コアを取り囲む爆発物の外側シェルを含む弾頭。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
破砕材の内側コアを取り囲む爆発物の外側シェルを含む、弾頭。
【請求項2】
前記外側シェルは、別々に起爆可能な爆発物ユニットの少なくとも1つのリングを含む、請求項1に記載の弾頭。
【請求項3】
起爆のため、前記別々に起爆可能な爆発物ユニットの1つを選択して、それによって有向の破砕雲を提供するように構成されたコントローラを含む、請求項2に記載の弾頭。
【請求項4】
前記外側シェルが、別々に起爆可能な爆発物ユニットの少なくとも2つのリングを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項5】
前記外側シェルは、別々に起爆可能な爆発物ユニットの少なくとも5つのリングを含む、請求項4に記載の弾頭。
【請求項6】
前記リングは、連続的に爆発するように制御可能であり、それによって、指向性の破砕雲を提供する、請求項4または請求項5に記載の弾頭。
【請求項7】
別々に制御可能な前記爆発物ユニットの少なくとも一部は、凹面の外壁を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項8】
別々に制御可能な前記爆発物ユニットの少なくとも一部は、スペーサによって分離される、請求項1~7のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項9】
別々に爆発可能な背板をさらに含み、前記背板が、破砕雲を前方に発生させるように前記内側コアの後部に設置されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項10】
前記背板は、前記内側コアに向けて陥凹面を有する、請求項9に記載の弾頭。
【請求項11】
別々に爆発可能なユニットの少なくとも2つのリングを含み、各リング間で前記破砕コアを分離する追加の背板を有する、請求項9または請求項10に記載の弾頭。
【請求項12】
前記背板の少なくとも一部は、エネルギ吸収壁を含む、請求項11に記載の弾頭。
【請求項13】
前記破砕コアは、複数の成形粒子を含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項14】
前記成形粒子が、飛行中に自己安定化するように成形されている、請求項13に記載の弾頭。
【請求項15】
別々に起爆可能な前記爆発物ユニットが、それぞれエネルギ吸収壁によって分離されている、請求項2~14のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項16】
前記エネルギ吸収壁は、それぞれ別々に起爆可能なユニットを取り囲んでおり、爆発を方向付けるために機械的強度が可変である、請求項15に記載の弾頭。
【請求項17】
前記コントローラは、前記弾頭を間にして標的と向かい合う爆発可能なユニットを選択して起爆させ、それによって前記破砕コアの破片を標的の経路に送り出すように構成されている、請求項3に記載の弾頭。
【請求項18】
航空迎撃ミサイルに搭載される、請求項1~17のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項19】
標的を迎撃する方法であって、
前記標的の近傍に接近することと、
センサによって検出された前記標的の重み付けがより大きい方向を決定することと、
特に前記方向にエネルギを向けるように爆発を引き起こすことと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記爆発は、前記標的に向けて有向の破砕雲を提供する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
破砕コアの周囲に配置された爆発物ユニットのフルセットから、起爆のため、所定の爆発物ユニットのセットを選択することによって、破砕雲を方向付けることを含む、請求項19または請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記爆発物ユニットのフルセットは、前記破砕コアの周囲に角度付きで配置されたリングを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記爆発物ユニットのフルセットは、前記破砕コアの周囲に配置された少なくとも2つのリングを含み、前記方法は、前記破砕雲を形づくるために前記リングを連続的に起爆させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記爆発物ユニットのフルセットは、前記破砕コアの周囲に連続して配置された少なくとも5つのリングを含み、前記方法は、各リングを連続敵に起爆させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
第1の標的に対して第1のリングを爆発させることと、第2の標的に向けて機動させることと、前記第2の標的に向けて第2のリングを起爆させることとを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
ドローンの集団に対する請求項24または請求項25に記載の方法の使用。
【請求項27】
起爆装置の内側リングを取り囲む破砕材の外側シェルを含む、弾頭。
【請求項28】
前記内側リングは、別々に起爆可能な爆発物ユニットを含む、請求項27に記載の弾頭。
【請求項29】
起爆のため、前記別々に起爆可能な爆発物ユニットの1つ以上を選択して、それによって有向の破砕雲を提供するように構成されたコントローラを含む、請求項28に記載の弾頭。
【請求項30】
内側シェルが、別々に起爆可能な爆発物ユニットの少なくとも2つのリングを含む、請求項27~29のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項31】
内側シェルは、別々に起爆可能な爆発物ユニットの少なくとも5つのリングを含む、請求項4に記載の弾頭。
【請求項32】
前記リングは、連続的に爆発するように制御可能であり、それによって、指向性の破砕雲を提供する、請求項30または請求項31に記載の弾頭。
【請求項33】
別々に制御可能な前記爆発物ユニットの少なくとも一部は、スペーサによって分離される、請求項27~32のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項34】
スペーサが、エネルギ吸収材料を含む、請求項27~33のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項35】
さらに背板を含み、前記背板は、前記弾頭を独立して起爆可能なセグメントに分離するように配置されている、請求項27~34のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項36】
別々に爆発可能なユニットの少なくとも2つのリングを含み、各リング間で前記破砕シェルを分離する追加の背板を有する、請求項35に記載の弾頭。
【請求項37】
前記背板の少なくとも一部は、エネルギ吸収壁を含む、請求項35または請求項36に記載の弾頭。
【請求項38】
前記破砕シェルが複数の成形粒子を含む、請求項27~37のいずれか1項に記載の弾頭。
【請求項39】
前記コントローラは、前記弾頭を間にして標的と向かい合う爆発可能なユニットを選択して起爆させ、それによって前記破砕シェルの破片を標的の経路に送り出すように構成されている、請求項29に記載の弾頭。
【請求項40】
前記起爆装置のリング内に高性能爆薬の内側コアを含む、請求項27に記載の弾頭。
【請求項41】
前記高性能爆薬の前記内側コア内に1つ以上のバッフルを含む、請求項40に記載の弾頭。
【請求項42】
航空迎撃ミサイルに搭載される、請求項27~41のいずれか1項に記載の弾頭。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年5月13日に出願されたイスラエル特許出願第IL274639号に関連しており、このイスラエル特許出願の内容を参照により全体として本明細書に完全に記載されているかのように援用する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、弾頭に関し、より詳細には、空対空ミサイル用の弾頭、特に航空機及びミサイルの迎撃のための弾頭に関するが、これに限定されるものではない。
【0003】
図1を参照すると、これは、敵ミサイル12を迎撃するコース上にある迎撃ミサイルを示す。一般に、このような迎撃ミサイルは、実際にその標的に当たるのではなく、爆風及び破片によって敵ミサイルが破壊されまたは損傷を受けるように、近くで爆発する。
【0004】
図2に示すように、迎撃ミサイル10がその標的の近くで爆発し、爆風及び破片14は全方向に広がっている。結果として、爆風のエネルギの約20%のみが迎撃に関与し、残りのエネルギは無駄になっている。
【0005】
図3は、迎撃ミサイル10の切り欠き図であり、弾頭20を示している。
【0006】
破片22の層が高性能爆薬の中央コア24を取り囲み、敵弾頭に近接すると中央コアが爆発する。爆風及び破片は、外に向かって全ての方向に広がっていく。この場合もやはり、破片の大部分は標的から離れる方に向かっており、迎撃プロセスを無駄の多いものにし、無駄にもかかわらずタスクに間に合い得る大型の迎撃ミサイルを必要とする。
【0007】
迎撃に使用される弾頭の殺傷能力は、弾頭の重量及び容積によって制限され、迎撃に必要な高速度及び機動性は、弾頭の大型化能力を制限する。したがって、多くの場合、単一の標的に対して2つ以上の迎撃ミサイルが必要となり得る。
【発明の概要】
【0008】
本実施形態は、ミサイル、特に迎撃ミサイルのための弾頭を提供することができ、ここで、爆発物は、破砕粒子で構成されている中央コアの周辺部を囲んで別々に起爆可能なユニットの中に置かれる。爆発物のユニットは、命中率及びその結果として生じるミサイルへの損傷を最大にするために、粒子を適切な方向に向けるように制御可能な方法で起爆させる。したがって、標的が迎撃ミサイルの下にある場合には、標的から離れた迎撃ミサイルの上側にある爆発物ユニットを起爆させて、コアの破片をミサイルに向けて下方へ向かわせる。
【0009】
標的が弾頭の真っ正面にある場合のために、爆発物のユニットをコアの後ろに設けることもできる。爆発物ユニットは、弾頭の長さに沿って層またはリングをなしていてもよく、異なるリングが相次いで起爆するようにしてもよい。このようにして、迎撃ミサイルをドローンの集団などに対して使用することができる。
【0010】
ユニットは、集中的な粒子の雲を生成できるように、起爆を制御する手法を提供することができる。これにより、標的に到達するエネルギ量を最大にする。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態の態様によれば、破砕材の内側コアを取り囲む爆発物の外側シェルを含む弾頭が提供される。
【0012】
ある実施形態では、外側シェルは、別々に起爆可能な爆発物ユニットの少なくとも1つのリングを含む。ある実施形態は、起爆のため、別々に起爆可能な爆発物ユニットを選択するコントローラを含み得る。爆発を起こして離れていく有向の破砕雲を提供するために、コアの特定の側面を選択して起爆させることがその狙いである。
【0013】
ある実施形態では、外側シェルは、別々に起爆可能な爆発物ユニットの少なくとも2つのリングを含む。代替または追加として、外側シェルは、別々に起爆可能な爆発物ユニットの3つ、4つ、5つまたはそれ以上のリングを含む。
【0014】
別個のリングは、指向性の破砕雲を提供するように、連続して起爆させることができる。
【0015】
ある実施形態では、別々に制御可能な爆発物ユニットの少なくとも一部は、凹面の外壁を有する。
【0016】
ある実施形態では、別々に制御可能な爆発物ユニットの少なくとも一部は、凹面の内壁を有する。
【0017】
ある実施形態は、別々に起爆可能な背板を含むことができ、この背板は、破砕雲を前方に発生させるように内側コアの後部に設置されている。
【0018】
背板は、内側コアに向けて陥凹面を有していてもよい。
【0019】
弾頭は、航空迎撃ミサイルに搭載されてもよい。このミサイルは、ドローンを含む航空機、ならびに多数のドローン及び他のミサイルを迎撃するためのものであってもよい。
【0020】
本発明のさらなる態様によれば、標的を迎撃する方法であって、
上記の標的の近傍に接近することと、
センサによって検出された標的の重み付けがより大きい方向を決定することと、この方向に爆発を引き起こすことと、を含む方法が提供される。
【0021】
ある実施形態では、爆発は、有向の破砕雲を提供する。
【0022】
本方法は、破砕コアの周囲に配置された爆発物ユニットのフルセットから、起爆のため、所定の爆発物ユニットのセットを選択することによって、破砕雲を方向付けることを含み得る。
【0023】
ある実施形態では、爆発物ユニットのフルセットは、破砕コアの周囲に角度付きで配置されたリングを含む。
【0024】
ある実施形態では、爆発物ユニットのフルセットは、破砕コアの周囲に配置された少なくとも2つのリングを含み、本方法は、破砕雲を形づくるためにリングを連続的に起爆させることを含む。
【0025】
ある実施形態では、爆発物ユニットのフルセットは、破砕コアの周囲に連続して配置された少なくとも5つのリングを含み、本方法は、各リングを連続的に起爆させることを含む。
【0026】
本方法は、ドローンの集団に対して使用され得る。
【0027】
本発明の第3の態様によれば、起爆装置の内側リングを取り囲む破砕材の外側シェルを含む弾頭が提供される。
【0028】
ある実施形態では、内側リングは、別々に起爆可能な爆発物ユニットを含む。
【0029】
実施形態は、起爆のため、別々に起爆可能な爆発物ユニットの1つ以上を選択して、それによって有向の破砕雲を提供するように構成されたコントローラを含んでいてもよい。
【0030】
ある実施形態では、内側シェルは、別々に起爆可能な爆発物ユニットの少なくとも2つのリングを含む。
【0031】
ある実施形態では、内側シェルは、別々に起爆可能な爆発物ユニットの少なくとも5つのリングを含む。
【0032】
ある実施形態では、リングは、連続的に爆発するように制御可能であり、それによって、指向性の破砕雲を提供する。
【0033】
ある実施形態では、別々に制御可能な爆発物ユニットの少なくとも一部は、スペーサによって分離される。
【0034】
ある実施形態では、スペーサは、エネルギ吸収材を含む。
【0035】
実施形態は、弾頭を独立して起爆可能なセグメントに分離する1つ以上の背板を含むことができる。
【0036】
実施形態は、別々に爆発可能なユニットの少なくとも2つのリングを含む場合があり、各リング間で破砕シェルを分離する追加の背板を有する。
【0037】
実施形態では、背板の少なくとも一部は、エネルギ吸収壁を含む。
【0038】
実施形態では、破砕シェルは、複数の成形粒子を含む。
【0039】
コントローラは、弾頭を間にして標的と向かい合う爆発可能なユニットを選択して起爆させ、それによって破砕シェルの破片を標的の経路に送り出すことができる。
【0040】
弾頭は、起爆装置のリング内に高性能爆薬の内側コアを有してもよい。
【0041】
弾頭は、高性能爆薬の内側コア内に1つ以上のバッフルを有してもよい。
【0042】
別段の定義の無い限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び/または科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本発明の実施形態の実践または試験には、本明細書に記載したものと類似または同等の方法及び材料を用いることができるが、例示的な方法及び/または材料を以下に記載する。矛盾する場合、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は、一例にすぎず、必ずしも限定することを意図していない。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態を、本明細書では、単なる例示として、添付の図面を参照しながら説明する。ここで図面を詳細にわたって具体的に参照するが、図示されている細部は例示として本発明の実施形態を説明的に考察することを目的としたものであることを強調しておく。この点に関して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実践され得るかを当業者に明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】当技術分野で公知の方法による、飛来するミサイル標的の迎撃を例示する概略図である。
【
図2】当技術分野で公知の方法による、飛来するミサイル標的の迎撃を例示する概略図である。
【
図3】当技術分野で公知の方法による、飛来するミサイル標的の迎撃を例示する概略図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態による弾頭の2つの切り欠き図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態による弾頭の2つの切り欠き図である。
【
図6】
図4及び
図5の弾頭の起爆によって引き起こされる破砕雲の3つの図である。
【
図7】
図4及び
図5の弾頭の起爆によって引き起こされる破砕雲の3つの図である。
【
図8】
図4及び
図5の弾頭の起爆によって引き起こされる破砕雲の3つの図である。
【
図9】個別の爆発物ユニットの外面が凹面である、
図4及び
図5の実施形態の変形形態の概略断面図である。
【
図10】個別の爆発物ユニットの外面が凹面である、
図4及び
図5の実施形態の変形形態の概略断面図である。
【
図11】別々に起爆可能なユニットの2つの連続するリングが設けられている、
図4及び
図5の弾頭の実施形態の簡易化された切り欠き図である。
【
図12】別個の爆発物ユニットが破砕コアに向けて凹面の内面を有する、
図4及び
図5の実施形態の変形形態の簡易化された断面図である。
【
図13】弾頭が爆発性背板を有する、
図4及び
図5の実施形態の変形形態の簡易化された分解図である。
【
図14A】背板が破砕コアに向けて陥凹面を有する、
図13の実施形態の簡易化された分解図である。
【
図14B】本発明のさらなる実施形態による、爆発性背板の形状の変形形態を示す簡易図である。
【
図16】別々に起爆可能なユニットの5つの連続したリングを有する、
図4及び
図5の実施形態の変形形態の2つの斜視図である。
【
図17】別々に起爆可能なユニットの5つの連続したリングを有する、
図4及び
図5の実施形態の変形形態の2つの斜視図である。
【
図18】本実施形態による迎撃ミサイルを用いて行われる迎撃の3つの図であり、図では破砕雲が標的の方向に放出されている。
【
図19】本実施形態による迎撃ミサイルを用いて行われる迎撃の3つの図であり、図では破砕雲が標的の方向に放出されている。
【
図20】本実施形態による迎撃ミサイルを用いて行われる迎撃の3つの図であり、図では破砕雲が標的の方向に放出されている。
【
図21】本発明の実施形態を使用する、標的を迎撃する方法を示す簡易フローチャートである。
【
図22】破砕コア内の別々に起爆可能な高性能爆薬の中央カラムを有する、本発明のさらなる実施形態の簡易図である。
【
図23】本発明の実施形態による、別々に起爆可能な爆発物ユニットのシェルを例示する簡易図であり、シェルは破砕コアなどの周囲に配置され得る。
【
図24】各段の間に爆発性板がある5段式弾頭を例示する簡易化した概略的な分解図である。
【
図25】比較的大きな粒子でできている破砕コアで満たされた爆発性外側シェルを示す簡易化された概略図である。
【
図26】起爆より前に各段を解放するためのフレーム構造を有する複数の段を示す簡易図である。
【
図27】破砕材が、別々に起爆可能な爆発物ユニットの外側にある、本発明のさらなる好ましい実施形態を示す簡易化された概略図である。
【
図28】破砕材が、別々に起爆可能な爆発物ユニットの外側にある、本発明のさらなる好ましい実施形態を示す簡易化された概略図である。
【
図29】破砕材が、別々に起爆可能な爆発物ユニットの外側にある、本発明のさらなる好ましい実施形態を示す簡易化された概略図である。
【
図30】破砕材が、別々に起爆可能な爆発物ユニットの外側にある、本発明のさらなる好ましい実施形態を示す簡易化された概略図である。
【
図31】破砕材が、別々に起爆可能な爆発物ユニットの外側にある、本発明のさらなる好ましい実施形態を示す簡易化された概略図である。
【
図32】破砕材が、別々に起爆可能な爆発物ユニットの外側にある、本発明のさらなる好ましい実施形態を示す簡易化された概略図である。
【
図33】爆風エネルギを捕捉し、それによって爆風エネルギが破片雲を標的に送り込むことを可能にする凹形状を有する、本実施形態による破片の簡易化された概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明は、そのいくつかの実施形態においては、弾頭に関し、より詳細には、本発明の実施形態による、指向性の破砕雲を提供することができる弾頭に関するが、これに限定されるものではない。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態をより深く理解するために、まず、背景技術で既に説明した
図1~
図3に例示される従来の航空迎撃弾頭の構造及び動作に言及する。
図1を参照すると、これは、敵ミサイル12を迎撃するコース上にある迎撃ミサイル10を示す。一般に、このような迎撃ミサイルは、実際にその標的に当たるのではなく、爆風及び破片によって敵ミサイルが破壊されまたは損傷を受けるように、近くで爆発する。
【0047】
図2に示すように、迎撃ミサイル10がその標的の近くで爆発し、爆風及び破片14は全方向に広がっている。結果として、爆風のエネルギの約20%のみが迎撃に関与し、残りのエネルギは無駄になっている。
【0048】
図3は、迎撃ミサイル10の切り欠き図であり、弾頭20を示している。破片22の層が高性能爆薬の中央コア24を取り囲み、敵弾頭に近接すると中央コアが爆発する。爆風及び破片は、外に向かって全ての方向に広がっていく。
【0049】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載される、及び/または図面及び/または実施例に示される構成要素及び/または方法の構成及び配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実践もしくは実行することが可能である。
【0050】
次に、
図4及び
図5を参照する。
図4及び
図5は、本発明の実施形態による迎撃ミサイル32に搭載された弾頭30の断面を示す簡易図である。
【0051】
図4に示されているように、弾頭30は、破片または破砕可能な材料32で構成されている中央コアを有する。材料は層をなしていてもよい。装薬のブロック34が周辺部を囲んで配置され、各ブロックは別個の起爆装置36を有する。起爆装置は、爆発物が任意の適切な方向に向けられまたは集中させることができるように、別々に制御することが可能である。装薬のブロックは、別々に起爆可能なユニットを形成し、例えば、金属、またはポリマー、またはバリスティックセラミックを含むセラミックで作られている、エネルギ吸収性の仕切りまたは壁35によって、隣接するユニットから分離され得る。ある実施形態では、仕切りは、2つの側面で、またはそれどころか3つの側面で、爆発物ユニットを取り囲み得る。一実施形態では、仕切りは、4辺全てで爆発物ユニットを囲み得るが、爆発を方向付ける所望の位置では、より薄くてもよい。したがって、敵の標的が下にある場合、上の装薬は、爆発が下に向けられるように起爆され得る。実施形態では、全ての装薬を反対側で起爆させるのではなく、爆発をビームに集束させ、それによって勢いを強めるように、特定の装薬のみが選択される。
【0052】
どの装薬を起爆させるかに関しての決定は、ミサイル上で局所的に行われてもよく、または遠隔で行われてもよい。この決定は、例えば、迎撃ミサイルに設置されたセンサに基づいてもよく、センサ信号の片側への重み付けを用いて起爆を制御することができる。センサは、光学センサ及び赤外線センサまたは磁気センサを含むR.Fセンサであってもよい。代替的に、標的及び迎撃ミサイルの遠隔追跡を使用して決定を行ってもよい。結果的に、同じ結果のためにより小さな弾頭を使用することがあり、またはより大きな効果に向けて同じサイズの弾頭を使用することがあり得る。
【0053】
次に、
図6及び
図7を参照する。
図6及び
図7は、弾頭42の上面40にあるユニットを起爆させ、それによって破砕粒子44の雲が弾頭42の反対側の下面46で外向きに爆発する状況を例示する2つの簡易図である。
図8は、弾頭42の下面46にあるユニットを起爆させて、弾頭の上面40から外へ破砕粒子の雲50が爆発する状況を示す。
【0054】
次に、本実施形態による弾頭60の断面を例示する簡易図である
図9を参照する。弾頭60は、別々に起爆可能な爆発物ユニット64の外側シェル62を含む。外側シェルの内側には、破砕材の同心層66が位置している。外側シェルのユニット64は、
図10に、より詳細に示されており、本例では各爆発物ユニット64の外壁68がわずかに凹形であることが分かる。
【0055】
次に、
図11を参照する。
図11は、弾頭70が、連続する2つの爆発物ユニットのリング72及び74を含み、リングが連続した軸に沿っている、本発明のさらなる実施形態を例示する簡易図である。
【0056】
リング形状は限定的ではなく、外側シェルの他の任意の適切な形状が考慮されてもよいことに留意されたい。各リングは、別個の爆発物ユニット76で構成されており、各爆発物ユニット76は、そのそれぞれが専用の起爆装置78によって独立して起爆される。2つのリングは、相次いで独立して爆発し、異なる方向に、例えば標的の接近に追従するように、異なる方向に爆発させることができる。2つのリングの実施形態は、本明細書の他の箇所で言及されているありとあらゆる実施形態に適用可能であり、実施形態は2つのリングに限定されない。任意の数のリングが提供されてもよく、特に、複数のリングの実施形態は自律飛翔体の雲に対する使用に適しており、弾頭がその雲の中を進むときに連続するリングを起爆させるようにしてもよい。
【0057】
次に、
図12を参照する。
図12は、本発明のさらなる実施形態を示す簡易図である。
図12に示されているように、弾頭80では、別個の爆発物ユニット84の内面82は凹形である。凹形状は、爆発を集束させて、結果として生じる破砕雲をさらに形づくることができる。凹形状は、本明細書の他の箇所で説明される実施形態のいずれかまたは全てに適用することができる。
【0058】
次に、
図13を参照する。
図13は、本発明の実施形態による弾頭90を示す分解図である。弾頭90には、ここでは例として2つのリングが示されており、爆発性終板92が設けられている。爆発性終板は、標的が弾頭の正面にあるときに、前方に破砕雲をもたらすために、起爆される。
【0059】
次に、
図14Aを参照する。
図14Aは、本発明の実施形態による弾頭100を示す分解図である。弾頭100には、ここでは例として、この場合もやはり、2つのリングが示されており、爆発性終板102が設けられている。
【0060】
爆発性終板102は、爆発を集中させるために凹形である前面104を有する。爆発性終板は、標的が弾頭の正面にあるときに、前方に指向性の破砕雲をもたらすために、起爆される。
【0061】
図14Bは、代替的な爆発性終板106の立体
図106及び切り欠き
図108を示す。終板の形状は、一端が開放された円筒形である。開放端は爆発物の方を向いており、円筒壁はより集中的なソリューションを提供するように爆風を方向付ける働きをする。
【0062】
図15は、終板102が、弾頭100を形成するためにリングと共に定位置にある
図14の弾頭を例示する。
【0063】
次に、
図16及び
図17を参照する。
図16及び
図17は、別々に起爆可能な爆発物の5つのリング114が別々に動作可能なセグメントとして設けられている、ロケット112に搭載された弾頭110の実施形態の側面斜視図及び正面斜視図である。各リング上の各ユニットは、別個の起爆装置116を有しており、各セグメントが独立した時間にかつ独立した方向に破砕雲を送出できるように、独立して作動させることができる。一般に、リングは、相次いで密に連続して起爆されることになる。標的は、弾頭を回避すべく操作を試みることができ、そのため、当標的が機動する際に、当標的に爆風及び破裂雲を向けるために、異なるセグメントで、異なる起爆装置、または起爆装置の組み合わせが用いられ得る。セグメントは、起爆より前に、各セグメントに取り付けられたパイロテクニック要素を用いて分離することができ、特定の方向に向けられてもよい。爆発は、セグメントの既存の運動量を利用することがある。起爆の方向は、遠隔のレーダによって予め定められてもよく、または弾頭に存在するセンサが用いられ得る。
【0064】
【0065】
いずれの場合にも、迎撃ミサイル120は、標的122の一方の側または他方にあり、標的の方向に破砕雲をもたらすように爆発する。このようにして、爆発エネルギは主に標的に向けられ、無駄なエネルギが少なくなるので、迎撃の効率が向上する。したがって、所与の迎撃ミサイルをより要求の厳しい標的に使用することができ、またはより小さい迎撃ミサイルを同じ標的に使用することができる。
【0066】
次に、
図21を参照する。
図21は、本発明の実施形態による、標的を迎撃する方法を例示する簡易フローチャートである。
【0067】
図21に示すように、迎撃ミサイルは標的に接近することができる(130)。センサは、迎撃ミサイルが標的の近傍にあることを検出すると(132)、迎撃ミサイルの1つの特定の側面または前面で、標的の重み付けがより大きいことを示すことができる(134)。次いで、最大の重み付けを有する側面が、結果として生じる破砕雲を標的に向かわせるために起爆させるべき爆発物ユニットを選択するのに用いられる(134)。次いで、選択されたユニットを起爆させて(136)、所望の破砕雲を生じさせる。
【0068】
次に、
図22を参照する。
図22は、爆発物の中央カラム142が、弾頭の破砕コアの内部に配置されている、
図15の実施形態の変形形態140を例示する簡易図である。中央カラムもまた、所望に応じて起爆させるように別々に制御可能であり、他の爆発物ユニットと共に使用して、破砕雲の形成にさらに役立てることができる。
【0069】
あるいは、中央カラム142は、例えば、必要に応じて使用するためのレパートリに全周爆発の可能性を追加するために単独で使用されてもよい。
【0070】
爆発物ユニットは、1つ以上の連続するリングにおいて破砕コアの周りに配置されてもよく、リングを連続して起爆させて、より密に集中させた破砕雲を得ることができる。
【0071】
次に
図23を参照する。
図23は、本発明の実施形態による、破砕コアなどの周囲に配置するための爆発性外側シェル150を示す簡易図である。図示したように、外側シェル150は、リングの形をしており、リングの周囲に周方向に延在する別個のユニット152を含む。各ユニットは起爆装置154を有しており、適切な破砕雲を生成するために、各特定の迎撃において、起爆のため、異なるユニットが選択される。破砕コアは、必ずしも純粋な破砕粒子になるものとは限らないが、あらゆる戦略状況及び関与する迎撃の種類で構成されてもよいことに留意されたい。
【0072】
次に、
図24を参照する。
図24は、
図16及び
図17の実施形態と同様であるが、各段166、167、168、169、170の間に爆発性背板162、163、164、165を備えた5段式弾頭160を示す簡易図である。先の例と同様に、各段は、それぞれ独立して起爆させることが意図されている。一実施形態では、ミサイル本体は、各発射の間に機動して、異なる段を異なる迎撃標的に対して起爆させるようにすることができる。
【0073】
各背板は、仕切り壁及び爆発性材料を含んでもよい。したがって背板は、先行段の爆発から後続段を保護し、意図された段のみに爆発が制限されることを確実にすることができる。この結果として、背板は、先行段が爆発したときに後続段の完全性を保証する。
【0074】
次に、
図25を参照する。
図25は、外側爆発性シェル180が破砕コア182をこれまでのように取り囲んでいる、
図4の実施形態の変形形態を示す簡易図である。ただし、破砕コアは成形粒子で構成されている。ある実施形態では、成形粒子は、飛行中に自己安定化するように設計され得る。この粒子は、同種のものであってもよく、または種々雑多のものであってもよい。同種である場合、この粒子は、任意の形状及びサイズであってよいが、一般的には妥当な公差に対して同じである。ある実施形態では、同種の粒子は、比較的大きな粒子184、例えば、例示されているような弾丸の形状及びサイズの粒子であってもよく、これは飛行中に自己安定化する形状である。場合によっては、粒子は、安定板としてのフィンなど、及び尖った鼻を含み得る。鼻は、飛行中の安定化に役立つだけでなく、標的に当たった際の侵徹を補助することもあり得る。代替的には、粒子は、マーブルの形状及びサイズであってもよく、または円筒形の形状であってもよい。粒径は、迎撃される標的の種類に応じて選択されてもよい。これに代えて、比較的大きな粒子は、標的の近傍において起爆させる、または標的に遭遇しない場合には特定の持続時間が経過した後に起爆させる爆発物をそれ自体に含めることができる。後者は、未起爆の粒子体が地表に到達して、意図しない犠牲者または損害を引き起こすことがないようにすることを確保し得る。
【0075】
使用時には、リング内の適切なユニット、一般的には標的とは反対側のユニットを起爆させる。コアは、標的に向かって噴射され、広がり始めるので、標的は、粒子のうちの複数の粒子と衝突する。粒子が爆発性である場合、標的は複数の小さな爆発を受ける。
【0076】
次に、
図26を参照する。
図26は、本発明の実施形態による、複数の弾頭段を収容するための構造190を例示する簡易化された切り欠き図である。
図26に示すように、各弾頭段192、194は、ミサイルから段を取り外すことができるフレーム196、198内に含まれる。段は、フレームの支持を受けて、段の後ろのミサイルが機動している間、それ自体の勢いで進み続ける。その後、段を、これまでのように起爆させる。
【0077】
上記では、航空迎撃用のミサイルに関して説明されている。
【0078】
しかし、さらなる実施形態は、対人用または陸上用に一般的に使用され得る。
【0079】
破砕コアが外側の爆発性シェルに囲まれている本構造は、砲弾などを地上標的の上空で爆発させる際に、爆発のエネルギの半分が標的から離れる方に向かうのではなく、破砕粒子が全て下方に向かうことができるようにするために使用することができる。公知のセンサは、爆発を方向付ける向きを決定することができ、これは、旋条のため回転する砲弾であっても達成できる。
【0080】
次に、
図27を参照する。
図27は、本発明の代替実施形態によるミサイル200の簡易化された概略断面図である。別個に動作可能な起爆装置204.1、・・・、204.nのリング202は、図示されていない破砕材の外層の下にある。起爆装置のいずれか1つまたは組み合わせを、選択した方向に指向性を持つ爆風及び破片雲を引き起こすように選択することができる。
図27の実施形態では、起爆装置は破砕リングの内側にあるが、爆風の方向を選択する原理は同じままである。先行の実施形態のように、より焦点が合った方向を与えるために第2のリング、第3のリング及びより多くのリングを有することができる。スペーサ206は、起爆装置間の爆発物を分離し、爆風波を遮断して、各起爆が独立して集束を引き起こすようにすることができるが、最終的には構造物全体が爆発することに留意されたい。スペーサ206は、
図27には均一であるように示されているが、実際には、発生する爆発を誘導するのに役立つように、深さ及び厚さを変えることができる。したがって、爆風を方向付ける目的で、各起爆装置を独立した起爆点として使用することができる。起爆装置は、図示のように厳密にリング状である必要はないが、爆発物内の異なる半径方向の深さにあってよい。さらに、起爆装置204は、リングの円周上に軸と平行に示されているが、半径方向に配置されていてもよい。起爆は、爆風形状のさらなる精密化のために、半径方向及び軸方向に配置された起爆装置の組み合わせを選択することができる。
【0081】
実施形態では、エネルギを意図した方向により正確に向かわせ、破片雲本体を向かわせるように、別々の爆風波の間に強め合う干渉を引き起こすように、2つ以上の場所が起爆のために選択されてもよい。したがって、破片雲は、爆発から全周囲に広がる代わりに、特定の方向に向けられる。
【0082】
次に、
図27と同じである
図28を参照する。
図28は、起爆装置リング202、起爆装置204及びスペーサ206を示し、さらに、リング202内の爆発性中央コア208を示す。
【0083】
次に、起爆リング202、スペーサ206及び爆発性中央コア208を有する、
図28と同じである
図29を参照する。ただし、起爆装置204は、2つの破砕材の外側シェル210及び212によって覆われているので見ることができない。2つの外側シェルが示されているが、破砕材のシェルが多かれ少なかれ存在し得る。ここで留意すべき点は、例えば弾頭の右側で4つまたは6つの点が起爆される場合、爆風波は弾頭の左側に向かって移動し、破砕雲本体が左に向かって放出されることである。
【0084】
次に、起爆装置リング202、スペーサ206及び爆発性中央コア208を有し、起爆装置204は破砕材の2つの外側シェル210及び212によって覆われているため見ることができない、
図29と同一の
図30を参照する。さらなる起爆点214が、爆発性中央コアの中心に位置している。さらなる起爆点は、非方向性爆風のために単独で使用されてもよく、または爆風をさらに集中させるためにリング202から選択された起爆装置と組み合わせて使用されてもよい。単一のさらなる起爆点ではなく、中央の爆発性コア208に配置される複数の起爆点があってもよい。
【0085】
次に、本発明のさらなる実施形態の簡易化された断面
図220である
図31を参照する。
図31の実施形態では、破砕材222の外層が外側爆発性層224上に配置されている。外側の爆発性層224は、上述した実施形態のようにスペーサにより分離された起爆装置のリング226上に位置している。内側爆発性層228は、全ての層の下にある。
【0086】
次に、本発明のさらなる実施形態を例示する
図32を参照する。これまでのように、起爆装置リング202、スペーサ206及び爆発性中央コア208があり、リング202の起爆装置204は、2つの破砕材の外側シェル210及び212によって覆われているために見ることができない。1つ以上のバッフル230が、爆風を集束させるよう起爆を誘導するために、爆発性内側コア208に配置されている。
【0087】
バッフルは、得られる爆風波を成形しまたは別の方法で操作するためのデフレクタとして機能し得る。バッフルは、プラスチック、またはアルミニウム、または爆風波を偏向させるように機能し得るあらゆるエネルギ吸収材料から構成され得る。複数のバッフルは、爆風を集束させるのに役立つことができ、リング202の別々の独立した起爆と併用して中央コアのバッフルを同時に使用することで、より複雑で正確な爆風の集束または方向付けが可能になる場合がある。
【0088】
したがって、本実施形態では、複数の起爆点からの爆発を利用して、非常に特殊な方法で爆風を方向付けることができ、起爆を制御された順序で引き起こすことができる。任意選択で、弾頭の他の部分が破壊され、その機能がもはや利用できなくなった後に起爆シーケンスを継続するために、最後に爆発させることを意図した弾頭の部分に、電力源を配置することができる。
【0089】
次に、
図33を参照する。
図33は、矢印242で示された爆風を捕捉するように成形することができ、それによって破片雲のエネルギを高めることができる破片240を示す簡易図である。破片は、少なくとも一方の側において凹形状244を有し、任意選択的に凸形状246が反対側の面に設けられてもよい。その結果、凹部244は、空気の流れによって再び弾頭を向くように強制されてもよい。したがって、凹部244は、爆風エネルギを捕捉して破片を発射させ、それによって勢いを増して標的に衝突させることができる。前面が凸、背面が凹の形状は、さらに飛行中の安定化を可能にし得るが、代替的に、他の形状を飛行安定装置として使用することもできる。凸状の前面246の代わりに、標的を穿孔して損傷を最大化することができるように、ギザギザ状の前縁を代替的に設けることができる。
【0090】
先行の実施形態と同様に、背板は、弾頭の長さに沿って異なるセグメント間を分離するように配置することができ、したがって、異なるセグメントを、独立した爆風の焦点で爆発させるようにすることができる。実施形態では、セグメントを2つの別々の爆発に分離して起爆させ、二重爆発として、機動する標的を攻撃することができる。
【0091】
本出願から成熟する特許の存続期間中に、多くの関連する起爆、高性能爆薬、及びミサイル技術が開発されることが予想され、本明細書における用語の範囲は、全ての新技術を先験的に含むことを意図している。
【0092】
「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語及びそれらの同根語は、「限定ではないが、~を含む(including but not limited to)」を意味する。
【0093】
「~からなる(consisting of)」という用語は、「を含み(備え)、~に限定される」ことを意味する。
【0094】
用語「本質的に~からなる(consisting essentially of)」は、組成物、方法または構造体が、追加の成分、ステップ及び/または部品を含むことができることを意味するが、追加の成分、ステップ及び/または部品が、特許請求された組成物、方法または構造体の基本的かつ新規な特性を実質的に変えない場合に限る。
【0095】
本明細書で使用する場合、文脈上明らかに別段に示されている場合を除き、「ある、1つの(a)」、「ある、1つの(an)」及び「この、その(the)」という単数形には、複数の指示対象が含まれる。
【0096】
明確にするために別個の実施形態の文脈において説明される本発明の特定の特徴は、また、単一の実施形態において組み合わせて提供され得、本発明の説明は、そのような実施態様が本明細書に明確に記載されるかのように解釈されることが理解される。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴は、別々に、もしくは任意の適切な副次的な組み合わせで提供され得、または本発明の任意の他の説明された実施形態に対する修正として適切であり得、本発明の説明は、そのような別個の実施形態、副次的な組み合わせ、及び修正された実施形態が本明細書に明確に記載されるかのように解釈される。様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は、実施形態がそれらの要素なしでは機能しない場合を除いて、それらの実施形態の本質的な特徴と見なすべきではない。
【0097】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明したが、多くの代替形態、修正形態及び変形形態が当業者には明らかであろうことは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び広い範囲に含まれるそのようなすべての代替形態、修正形態及び変形形態を包含することが意図されている。
【0098】
本明細書に記述される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、個別の刊行物、特許、または特許出願のそれぞれが、参照により本明細書に組み込まれることが明確及び個別に示されるのと同程度に、明細書への参照により全体が本明細書に組み込まれる。さらに、本願におけるいずれかの参考文献の引用または特定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であるということの承認として解釈するべきではない。セクションの見出しが使用されている場合、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。さらに、本願のいずれかの優先権書類(複数可)は、本明細書により、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】