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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】LEDディスプレイ放熱用の基板
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/64 20100101AFI20240528BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240528BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240528BHJP
   H01L 23/40 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
H01L33/64
G09F9/33
G09F9/00 304Z
H01L23/40 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573131
(86)(22)【出願日】2022-05-18
(85)【翻訳文提出日】2024-01-26
(86)【国際出願番号】 US2022029856
(87)【国際公開番号】W WO2022251021
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/194,324
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【弁理士】
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】ガーナー,ショーン マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ハイネ,デイヴィッド ロバート
(72)【発明者】
【氏名】テーレン,ディーン マイケル
【テーマコード(参考)】
5C094
5F136
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA35
5C094BA25
5C094DA12
5C094FA01
5F136BA00
5F136BB04
5F136DA33
5F136EA23
5F136EA40
5F136EA61
5F136FA12
5F136FA51
5F142AA42
5F142CB23
5F142CD17
5F142CD18
5F142CF13
5F142CF26
5F142CF32
5F142CF42
5F142DA13
5F142GA02
5G435AA12
5G435BB04
5G435GG44
(57)【要約】
発光ダイオード(LED)などの半導体装置からの熱放散を制御するための基板材料および設計について本装置および方法が説明される。本実施形態は、動作中の半導体装置の温度上昇を低減することができる。いくつかの例では、第1の側に沿って位置決めされた複数のフィンを備えた基板構造体が製造されている。熱を発生する電子部品などの複数の熱源は、基板構造体の第2の側に沿って位置決めされてよい。複数の熱源は、複数のフィンから横方向にオフセットされて位置決めされてよい。いくつかの例では、複数のLEDは、基板構造体の第1の側に沿って位置決めされ、少なくとも部分的に横方向で複数のフィンと列を成している。いくつかの例では、複数のLEDは、基板構造体の第1の側に沿って位置決めされ、複数のフィンから横方向にオフセットされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を有する基板と、
所定の周期で前記基板の前記第1の側に位置決めされた複数の熱源と、
前記周期で前記第2の側に沿って位置決めされた複数のフィンと
を含み、
前記複数の熱源は、前記複数のフィンから横方向にオフセットされている、
装置。
【請求項2】
前記装置は、少なくとも部分的に横方向で前記複数のフィンと列を成す複数の発光ダイオード(LED)をさらに含み、前記複数の熱源の各々は、前記複数のフィンのうちの隣接するフィンの各々から横方向にオフセットされている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記装置は、前記複数のフィンから横方向にオフセットされた複数のLEDをさらに含み、前記複数のLEDの各々は、前記複数の熱源のうちの1つに位置決めされている、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記複数のフィンは、前記第2の側に沿って複数の窓を画定しており、前記複数の窓は、前記複数の熱源と横方向で位置合わせされている、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記基板の前記第1の側と前記第2の側との間の最も近い距離は、前記周期の30%未満である、請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記基板は、複数の第1の部分と第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記第1の側と前記第2の側との間の前記第2の部分よりも長く、前記第2の部分は、少なくとも部分的に前記複数の窓の上部側によって画定されている、請求項4記載の装置。
【請求項7】
前記第1の部分の各々の長さは、前記第2の部分の各々の長さの少なくとも2倍の長さである、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記装置は、前記複数の窓内に分散された熱伝導材料をさらに含み、前記熱伝導材料は、前記基板から熱を放散させるように構成されている、請求項4記載の装置。
【請求項9】
前記複数の熱源は、前記周期で前記基板の前記第1の側に近接して位置決めされている、請求項1記載の装置。
【請求項10】
発光ダイオード(LED)ディスプレイであって、
ガラスシートと、
前記ガラスシートの1つの側に位置決めされた複数のLED装置と
を含み、
前記複数のLED装置の各々は、
第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を有する基板と、
所定の周期で前記基板の前記第1の側に位置決めされた複数の熱源と、
前記周期で前記第2の側に沿って位置決めされた複数のフィンと
を含み、
前記複数の熱源は、前記複数のフィンから横方向にオフセットされている、
発光ダイオード(LED)ディスプレイ。
【請求項11】
前記複数のLED装置の各々は、前記複数のフィンと少なくとも部分的に横方向で位置合わせされた複数の発光ダイオード(LED)をさらに含む、請求項10記載のLEDディスプレイ。
【請求項12】
前記複数の熱源の各々は、前記複数のフィンのうちの隣接するフィンの各々から横方向にオフセットされている、請求項11記載のLEDディスプレイ。
【請求項13】
前記複数のLED装置の各々は、前記複数のフィンから横方向にオフセットされた複数のLEDをさらに含む、請求項10記載のLEDディスプレイ。
【請求項14】
前記複数のフィンの各々は、前記基板の前記第2の側に沿って複数の窓を画定している、請求項10記載のLEDディスプレイ。
【請求項15】
前記基板の各々は、複数の第1の部分と第2の部分とをさらに含み、前記第1の部分は、前記第1の側と前記第2の側との間の前記第2の部分よりも長く、前記第2の部分は、少なくとも部分的に前記複数の窓の上部側によって画定されている、請求項14記載のLEDディスプレイ。
【請求項16】
前記複数のLED装置の各々は、前記複数の窓内に分散された熱伝導材料をさらに含み、前記熱伝導材料は、前記基板から熱を放散させるように構成されている、請求項14記載のLEDディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、米国特許法第119条のもと、2021年5月28日に出願された米国仮特許出願第63/194324号明細書の優先権の利益を主張し、その内容が依拠され、その内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【技術分野】
【0002】
本開示は、基板の製造に関し、より詳細には、半導体装置からの放熱を制御するための基板材料および設計に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロLED、ミニLEDおよび有機発光ダイオード(OLED)などの発光ダイオード(LED)は、様々な用途に使用されている。例えば、それらはモバイル装置、ラップトップ、タブレット、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ、スマートウォッチ、バックライト、看板、およびテレビディスプレイなどのガラスディスプレイパネルにおいて使用されてよい。近くの部品には、薄膜トランジスタ(TFT)、集積回路(IC)、導体、色変換素子、および他の電子素子が含まれ得る。LEDおよび近くの部品は、典型的には、動作中に熱を発生する。LEDは、温度に敏感な傾向がある。例えば、吸収された熱は、LEDの効率低下を引き起こしたり、あるいは放出された光におけるカラーシフトを引き起こしたりする場合がある。部品が発生した熱を放散させるために、いくつかの装置設計は、熱を吸収してそれをLEDから離れる方向に向ける基板を含んでいる。これらの基板は、均一なガラスシートおよびプリント回路基板(PCB)層状構造を含む。熱は、例えば、ヒートシンクに向けてよい。しかしながら、これらの設計は、欠点を有する場合がある。例えば、それらは、上述した非効率性または放出された光におけるシフトを引き起こす熱を、LEDまたは色変換素子から十分に離れる方向に向けていない場合がある。付加的に、現下の設計は、LEDまたは他の部品からの熱を効率的に放散させない場合があり、例えば、消費者によって触れられるかもしれない装置外表面を過熱させる可能性がある。例えば、そのような装置外表面に触れる消費者は、自ら熱傷を負う場合もある。その上さらに、熱的要因は、マイクロLEDディスプレイなどのディスプレイのためのキー値メトリックであるディスプレイ輝度レベルを制限する可能性がある。したがって、ガラスディスプレイパネル内などの電子部品からの熱放散に取り組む機会がある。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に開示する実施形態は、LED、色変換素子、TFT、IC、導体、および他の電子部品などの半導体装置からの熱を放散させるための装置および方法に関する。例えば、本明細書に記載された装置および方法は、ガラスパネルディスプレイなどの様々な用途において、マイクロLED、ミニLED、およびOLEDなどのLEDから離れる方向に熱を向けるように設計された熱放散機構を使用することができる。実施形態は、LEDから離れる方向に熱を向けるためのディスプレイ基板材料および設計を含み得る。例えば、実施形態は、基板の一方の側(例えば、熱を発生させる電子機器を有する側)から全体的な冷却を行うことができる基板の別の側に熱を振り向けるための設計および方法を含み得る。いくつかの例では、基板は、特に、熱をLEDエミッタの熱源から離れる方向に振り向け、かつ温度に敏感なLEDから離れる方向に振り向ける「フィン」などの3次元的特徴を含む。熱は、横方向に絶縁された熱伝導経路を通って放散されてよい。
【0005】
他の利点の中でも、実施形態は、熱に敏感な要素に対する基板内の熱拡散を低減することができる。例えば、実施形態は、LEDエミッタ、色変換素子、および近くの部品が、TFT、導体路、またはマイクロIC部品などの熱を発生する他の半導体部品の近傍にある場合でさえも、閾値温度を下回るように維持することができる。さらに、実施形態は、LED、色変換素子、近くの部品、および熱源からの熱伝達を増加させることができ、これにより、消費者が触れる可能性のあるLED外表面温度を低下させることができる。その上さらに、LED、色変換素子、および近くの部品からの熱放散を増加させることにより、実施形態は、LEDが安定した発光スペクトルを維持することを可能にし、LEDの寿命信頼性を増大させることができる。LEDの温度上昇を最小化することにより、実施形態は、より高いディスプレイ輝度レベルを可能にすることもできる。というのも、LED熱限界などの電子部品の熱限界に達する前は、より高い電気駆動電流が使用されてよいからである。付加的に、実施形態は、熱放散抽出効率を改善することができ、これによって、例えば冷却ファンの電力消費を低減することにより、装置の電力消費を低減することができる。これらの開示の利益を受ける当業者であれば、他の利益も同様に認識できるであろう。
【0006】
いくつかの実施形態では、装置は、第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を有する基板と、所定の周期で基板の第1の側に位置決めされた複数の熱源とを含むことができる。基板の第2の側は、上記の周期で位置決めされた複数のフィンを含み、ここで、複数の熱源は、複数のフィンから横方向にオフセットされている。いくつかの例では、装置は、少なくとも部分的に横方向で複数のフィンと列を成す複数のLEDを含む。いくつかの例では、装置は、複数のフィンから横方向にオフセットされた複数のLEDを含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、LEDディスプレイは、複数のLED装置を含み、ここで、複数のLED装置の各々は、第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を有する基板と、所定の周期で基板の第1の側に位置決めされた複数の熱源とを含む。さらに、基板の第2側は、上記の周期で位置決めされた複数のフィンを含み、ここで、複数の熱源は、複数のフィンから横方向にオフセットされている。いくつかの例では、複数のLED装置の各々は、少なくとも部分的に横方向で複数のフィンと列を成す複数のLEDを含む。いくつかの例では、複数のLED装置の各々は、複数のフィンから横方向にオフセットされた複数のLEDを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、本方法は、ピックアンドプレイス機械などにより、第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を含み、ここで、第1の側は、所定の周期で複数のフィンを含んでいる基板を形成するステップを含むことができる。この方法も、複数の発熱素子を、基板の第2の側に沿って上記の周期で、複数のフィンから横方向にオフセットさせて配置するステップを含む。
【0009】
いくつかの例では、本方法は、複数のLEDを、基板の第2の側において少なくとも部分的に横方向で複数のフィンと列を成すように配置するステップを含む。いくつかの例では、本方法は、複数のLEDを、基板の第2の側に複数のフィンから横方向にオフセットさせて配置するステップを含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ以上のプロセッサに、第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を含み、第1の側が所定の周期で複数のフィンを含んでいる基板を形成するステップを含む方法を実行させる命令を格納している。この方法も、複数の発熱素子を、基板の第2の側に沿って上記の周期で、複数のフィンから横方向にオフセットさせて配置するステップを含む。
【0011】
いくつかの例では、本方法は、複数のLEDを、基板の第2の側において少なくとも部分的に横方向で複数のフィンと列を成すように配置するステップを含む。いくつかの例では、本方法は、複数のLEDを、基板の第2の側に複数のフィンから横方向にオフセットさせて配置するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
上記の概要および以下の例示的な実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読まれてよい。これらの図面は、本明細書で説明される例示的な実施形態のいくつかを示す。以下でさらに説明するように、特許請求の範囲は、これらの例示的な実施形態に限定されるものではない。明確にかつ読みやすくする理由から、これらの図面では特定の特徴の描写を省略している場合がある。
図1】いくつかの例に従った、熱源からの熱を振り向けるための基板構造体を有する装置を示す図である。
図2A】いくつかの例に従った、熱源からの熱を振り向けるための基板構造体を有する例示的な装置を示す図である。
図2B】いくつかの例に従った、熱源からの熱を振り向けるための基板構造体を有する例示的な装置を示す図である。
図2C】いくつかの例に従った、熱源からの熱を振り向けるための基板構造体を有する例示的な装置を示す図である。
図2D】いくつかの例に従った、熱源からの熱を振り向けるための基板構造体を有する例示的な装置を示す図である。
図2E】いくつかの例に従った、熱源からの熱を振り向けるための基板構造体を有する例示的な装置を示す図である。
図3】いくつかの例に従った発光ダイオード装置を示す図である。
図4A】いくつかの例に従った例示的な基板構造体を示す図である。
図4B】いくつかの例に従った例示的な基板構造体を示す図である。
図5A】いくつかの例に従った基板構造体を有する装置を生成するための例示的な方法を示す図である。
図5B】いくつかの例に従った基板構造体を有する装置を生成するための例示的な方法を示す図である。
図5C】いくつかの例に従った基板構造体を有する装置を生成するための例示的な方法を示す図である。
図5D】いくつかの例に従った基板構造体を有する装置を生成するための例示的な方法を示す図である。
図5E】いくつかの例に従った基板構造体を有する装置を生成するための例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願は、例示的な(すなわち、例としての)実施形態を開示する。本開示は、これらの例示的な実施形態に限定されるものではない。したがって、特許請求の範囲の多くの実施形態は、例示的な実施形態とは異なる場合もある。特許請求の範囲に対しては本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な修正を加えることができる。特許請求の範囲は、そのような修正による実装形態の網羅を意図するものである。
【0014】
本願では時折、図面を見る場合の読み手に状況を把握させるために、方向性を示唆する用語(例えば、前面、裏面、上部、底部、左方、右方など)を使用している。しかしながら、特許請求の範囲は、図面に示されている配向に限定されるものではない。任意の絶対的な用語(例えば、高い、低いなど)は、対応する相対的な用語(例えば、より高い、より低いなど)による開示とも理解することができる。その上さらに、本明細書で説明する例示的な例は、LED装置を含むことができるが、例示的な実施形態は、任意のタイプの半導体装置または発光材料装置を含むことができる。
【0015】
図1を参照すると、装置100は、第1の側104および該第1の側104とは反対側の第2の側106を有する基板構造体102を含む。基板構造体102は、基板厚さ108を有することができる。装置100は、所定の周期120(例えば、ピッチ120)で基板構造体102の第1の側104に沿って位置決めされた複数の熱源110(すなわち、発熱素子)をさらに含む。熱源110は、例えば、ドライブ電子機器、TFT、導体、およびマイクロIC部品などの電子部品または半導体部品を含むことができる。周期120は、熱源110の間の等間隔の距離であってよい。例えば、周期120は、約100ppi(1インチ(2.54cm)あたりのピクセル)~約1000ppiの表示ピッチを有するディスプレイの場合、それぞれ25μm~250μmの範囲内であってよい。いくつかの例では、周期120は、表示ピッチと同じであってもよいし、表示ピッチの倍数であってもよい。
【0016】
いくつかの例では、熱源110は、第1の側104に近接して位置決めされてよい。例えば、金属もしくは誘電体電気回路層などの電気回路層は、基板構造体102の第1の側104の全体または1つ以上の選択部分に沿って位置決めされていてよい。熱源110は、電気回路層の上部に(例えば、所定の周期120で)配置されていてよい。熱源110は、例えば、フォトリソグラフィパターニング、真空堆積、電気めっき、印刷、積層、または転写法によって配置することができる。
【0017】
基板構造体102は、基板102の第2の側106に沿って位置決めされた複数のフィン130を含む。この例では、複数のフィン130は、複数の熱源110の所定の周期120と同じ周期で位置決めされている。一実施形態では、フィン130は、熱源110と交互になるように位置決めされている。複数のフィン130は、少なくともいくつかの隣接するフィン130の間の窓140をさらに画定している。これらの窓140のうちの1つ以上は、特定の実施形態において、対応する熱源110の幅と同じかまたはほぼ同じ幅141を有することができる。いくつかの例では、1つ以上の窓は、対応する熱源110よりも10%広い幅141を有することができる。図1に示されている例では、窓140は、複数の熱源110の各々の下方に配置されている。例えば、各窓140は、熱源110に対して横方向で位置合わせされている(例えば、鉛直方向で位置合わせされている)。いくつかの例では、各窓140は、少なくとも部分的に各熱源110に対して位置合わせされている。いくつかの例では、隣接する熱源110間の距離は、窓140における対応するシフトと共に変化する(例えば、窓140は各熱源110に対して位置合わせされている)。
【0018】
いくつかの例では、フィン130を有する基板102は、フィン130の刻み込みのために(例えば、基板のあるブロックから)基板材料を除去することによって形成されてよい。例えば、基板材料は、窓140によって画定されるフィン130を形成するために基板ブロックから除去されてよい(例えば、窓140は、基板材料の刻み込みを示す)。いくつかの例では、フィン130は、例えば、接着剤を用いて基板102に取り付けられている。接着剤は、例えば、アクリル、エポキシまたはウレタンアクリレートであってよい。フィン130および基板102は、同じ材料であってよい。
【0019】
熱を基板102から離れる方向に放散させるために、空気(例えば空気、酸素、不活性ガス、または何らかの他の気体状物質)流、金属構造体、または他の熱伝導体などの従来の放熱アプローチを含む冷却機構が、窓140内に設けられていてよい。矢印150は、方向性熱流を示している。この例では、窓140内の冷却機構は、熱源110によって生成された熱を基板構造体102を通して放散する。したがって、横方向に絶縁された熱伝導経路を設けることにより、熱は、基板構造体102の第1の側104から基板102の第2の側106へ振り向けられる。
【0020】
基板構造体102は、基板構造体102の第1の側104と各窓140との間の窓厚さ142を含む。いくつかの例では、基板構造体102は、予め定められた量によるピッチ120に比例する窓厚さ142を有するように製造される。例えば、基板構造体102は、ピッチ120の閾値割合未満の窓厚さ142を有するように製造されてよい。例えば、基板構造体102は、ピッチ120の30%以下の窓厚さ142(例えば、窓厚さ142≦0.3×ピッチ120)を有するように製造されてよい。他の例として、基板構造体102は、ピッチ120の10%以下、ピッチ120の50%以下、ピッチ120の70%以下、またはピッチ120の90%以下の窓厚142を有するように製造されてよい。
【0021】
いくつかの例では、基板構造体102は、付加的または代替的に、基板厚さ108の閾値割合未満の窓厚さ142を有するように製造されてよい。例えば、基板構造体102は、基板厚さ108の50パーセント以下である窓厚さ142(例えば、窓厚さ142≦0.5×基板厚さ108)を有するように製造されてよい。
【0022】
図2A図2B図2C図2D、および図2Eは、例示的なLED装置構成を示す図である。図2Aを参照すると、LED装置270は、基板構造体202の第1の側203に沿って位置決めされた複数の熱源206(例えば、TFT、導体、またはマイクロIC部品)を含んでいる。さらに、基板構造体202は、基板構造体202の第2の側205に沿って位置決めされた複数のフィン210を含んでいる。複数のフィン210は、少なくともいくつかの隣接するフィン210の間の窓208を画定する。基板構造体202では、フィン210を含む領域の方が窓208を有する領域に比べて厚くなっている。いくつかの例では、フィン210などのより厚い基板領域は、機械的な支持(例えば、剛性の増加)と、表面積の増加とを提供する。いくつかの例では、フィン210を有する基板202の形成のために、基板材料が基板材料のブロックから刻み込まれる。いくつかの例では、基板材料は、フィン210が熱源206などの熱源と同じかまたは類似の形状となるように基板のブロックから除去されている。
【0023】
さらに、LED装置270は、基板構造体202の第1の側に沿って、かつ隣接する熱源206の間に位置決めされた複数のLED204を含む。LED204は、例えば、赤色光、緑色光、および青色光を放出するLEDを含むことができる。この例では、各LED204は、基板構造体202のフィン210と横方向で位置合わせされて位置決めされている。しかしながら、熱源206は、横方向で窓208と列を成している。いくつかの例では、窓208は、熱源206よりも広い割合となるように製造されている。例えば、基板構造体202は、熱源206よりも10%広い窓208(例えば、窓208の幅≧熱源206の110%)を含むように製造されてよい。
【0024】
熱源206からの熱は、最も抵抗の少ない経路を辿る傾向があるので、各熱源206によって放出された熱の少なくとも一部は、基板構造体202を通して熱源の対応する窓208へ向けられる。したがって、LED装置270は、基板構造体202の第1の側203から基板構造体202の第2の側205へ熱を向ける。ガス、金属、または他の熱伝導体などの冷却機構は、熱を環境に向けることなどによって熱を放散させるために窓208内に設けられていてよい。LED装置270は、基板構造体202の第1の側203にわたって位置決めされたガラスシート(例えば、カバー)212をさらに含み、このガラスシートを通してLED204は光を放出する。
【0025】
図2Bは、図2Aと同様に、基板構造体202の第1の側203に沿って位置決めされた複数の熱源206(例えば、TFT、導体、またはマイクロIC部品)と、基板構造体202の第2の側205に沿って位置決めされた複数のフィン210とを含むLED装置272を示している。複数のフィン210は、隣接するフィン210との間に複数の窓208を形成している。付加的に、熱源206は、横方向で窓208と列を成している。
【0026】
さらに、LED装置272は、基板構造体202の第1の側に隣接する平坦化層222(またはいくつかの例では、任意の他の中間層)に沿って位置決めされた複数のLED204を含み、ここで、複数のLED204の各々は、熱源206から横方向にオフセットされている。その上さらに、各LED204は、基板構造体202のフィン210と横方向で位置合わせされて位置決めされている。平坦化層222は、LED204を基板構造体202から分離させる、単一の材料もしくは複数の材料で作製された単一の層であり得る。
【0027】
熱源206からの熱は、最も抵抗の少ない経路を辿る傾向があるので、各熱源206によって放出された熱の少なくとも一部は、基板構造体202を通して熱源の対応する窓208へ向けられる。したがって、LED装置272は、基板構造体202の第1の側203から基板構造体202の第2の側205へ熱を向ける。空気流、金属構造体、またはその他の熱伝導体を使用する従来の放熱アプローチなどの冷却機構は、熱を環境に向けることなどによって熱を放散させるために窓208内に設けられていてよい。
【0028】
図2Cは、図2Aと同様に、基板構造体202の第1の側203に沿って位置決めされた複数の熱源206(例えば、TFT、導体、またはマイクロIC部品)と、基板構造体202の第2の側205に沿って位置決めされた複数のフィン210とを含むLED装置274を示している。複数のフィン210は、隣接するフィン210との間に複数の窓208を形成している。図2Bのように、熱源206は、横方向で窓208と列を成している。
【0029】
しかしながら、この例では、LED装置274は、熱源206の上部に位置決めされた複数のLED204を含む。図示されているように、LED204は、各熱源206の上に着座する。LED204は、1つ以上の中間層(例えば、平坦化層222)によって熱源206から鉛直方向に分離されていてもよいが、まだ熱源206の上部で横方向に位置合わせされていてもよい。その上さらに、各LED204および熱源206の対は、基板構造体202の窓208と横方向で位置合わせされて位置決めされている。
【0030】
ここでも、熱源206からの熱は、最も抵抗の少ない経路を辿るので、各熱源206によって放出された熱の少なくとも一部は、基板構造体202を通して熱源の対応する窓208に向けられる。したがって、LED装置274は、基板構造体202の第1の側203から基板構造体202の第2の側205へ熱を向ける。ガス、金属、または他の熱伝導体などの冷却機構は、熱を環境に向けることなどによって熱を放散させるために窓208内に設けられていてよい。
【0031】
図2Dは、図2Aと同様に、基板構造体202の第1の側203に沿って位置決めされた複数の熱源206(例えば、TFT、導体、またはマイクロIC部品)と、基板構造体202の第2の側205に沿って位置決めされた複数のフィン210とを含むLED装置276を示している。複数のフィン210は、隣接するフィン210との間に複数の窓208を形成している。図2Bのように、熱源206は、横方向で窓208と列を成している。
【0032】
しかしながら、この例では、LED装置276は、平坦化層222上のモノクロ(例えば、単一光)LED(例えば、青色光を放出するマイクロLED)であってよい複数のLED244を含む。その上さらに、複数のLED244の各々は、フィン210と横方向で位置合わせされ、熱源206から横方向にオフセットされている。
【0033】
LED装置276も、色変換層213の一部であってよい複数の色変換部品242を含む。色変換部品242は、LED244から放出された青色光を受光し、受光した青色光の少なくとも一部を赤色光および/または緑色光に変換することができる。この例では、各色変換部品242は、フィン210と横方向で位置合わせされており、同様にLED244とも横方向で位置合わせされている。
【0034】
図2Cと同様に、熱源206からの熱は、最も抵抗の少ない経路を辿るので、各熱源206によって放出された熱の少なくとも一部は、基板構造体202を通して熱源の対応する窓208へ向けられる。したがって、LED装置276は、基板構造体202の第1の側203から基板構造体202の第2の側205に熱を向ける。ガス、金属、または他の熱伝導体などの冷却機構は、熱を環境に向けることなどによって熱を放散させるために窓208内に設けられていてよい。
【0035】
図2Eは、基板構造体202の第1の側203に沿って位置決めされた複数のフィン210を含むLED装置278を示している。複数のフィン210は、隣接するフィン210との間に複数の窓208を形成している。アクリル、エポキシ、ウレタンアクリレート、UV硬化性接着剤、または感圧接着剤などの接着剤234は、基板構造体202の第2の側205に沿って複数の熱源206(例えば、TFT、導体、またはマイクロIC部品)および複数のLED204を接着する。その上さらに、ガラスシート212は、基板構造体202の第2の側205にわたって位置決めされており、このガラスシート212を通してLED204は光を放出する。ガラスシート212は、熱源206およびLED204に直接にまたは中間コーティングを介して機械的に結合することができる。
【0036】
この例では、複数のLED204は、複数のフィン210と横方向で位置合わせされているのに対し、複数の熱源206は、複数の窓208と横方向で位置合わせされている。この例でも同様に、熱源206からの熱は、最も抵抗の少ない経路を辿るので、各熱源206によって放出された熱の少なくとも一部は、基板構造体202を通して熱源の対応する窓208へ向けられる。ガス、金属、または他の熱伝導体などの冷却機構は、熱を環境に向けることなどによって熱を放散させるために窓208内に設けられていてよい。
【0037】
図2A図2B図2C図2D、および図2Eに示されているように、基板構造体202は、熱源206に対して周期的に位置合わせ(例えば、ピッチで位置合わせ)されてよい薄い窓208の領域を含み、これにより、(例えば、基板構造体202の表面に沿って)冷却環境に伝導される熱のための短い経路が生成される。
【0038】
当業者ならば、図1および図2A図2Eが、例えばモバイル装置、ラップトップ、タブレット、コンピュータモニタ、および/またはテレビディスプレイに使用されてよい装置および/またはLED装置の平坦なアレイの断面を表し得ることを容易に理解するであろう。
【0039】
有利には、実施形態は、熱が近くの温度に敏感な部品に横方向に拡散し得る前に、基板構造体202から熱が抽出されることを可能にすることができる。図3に示されているように、主要な熱源206(例えば、半導体部品)は、マイクロLEDディスプレイ300の画素領域の大部分を占めることができる。LED204の感温ゾーンが占める面積は、TFTの発熱領域よりも小さいので、基板がLED204の性能に影響を与えることなく熱を吸収する能力には限界がある。LED204について言及しているが、代替要素として、マイクロLED、ミニLED、色変換素子、またはこれらもしくは他の部品の組み合わせを含むことができる。同様に、TFT領域について言及しているが、この領域は、IC、マイクロIC、および導体などの他の発熱材料を含むことができる。
【0040】
これらの欠陥および他の欠陥を解消するために、実施形態は、LED204の熱上昇を低減する手法で熱源206からの熱を(例えば、絶縁された熱流路を介して)振り向ける。その結果、(例えば、複数のフィン210を介して)絶縁された領域における基板構造体202の厚さを通じてより高い熱勾配が生成される場合がある。
【0041】
図4Aを参照すると、基板構造体402の第1の表面403は、装置製造のための最適化された領域を提供する。しかしながら、基板構造体402の第2の表面405は、複数のフィン404を含む。複数のフィン404は、基板構造体402の残りの部分と同じかもしくは異なる材料から製造されてよい。
【0042】
基板構造体402の薄い窓領域406は、熱源206などの熱源から熱を伝達するように設計されており、したがって、窓408は、熱源に対して位置合わせされてよい。基板構造体402を横方向から横切る代わりに、基板構造体402を通る熱伝達を主として促進するために、基板構造体402は、第1の表面403に沿って位置決めされるLEDの周期(例えば、ピクセルピッチ)の閾値割合以下の厚さを有する薄い窓領域406を有するように製造されている。例えば、基板の第1の側から第2の側までの距離(例えば、薄い窓領域406の距離)は、LED周期の30%未満であってよい。薄い窓領域406は、(例えば、その下方に熱源が第1の表面403に沿って配置されてよい)複数の窓408の刻み込みのために基板構造体402から基板材料を除去することによって形成されてもよい。他の例として、基板構造体102は、LED周期の10%以下、LED周期の50%以下、LED周期の70%以下、またはLED周期の90%以下である窓厚さ142を有するように製造されてよい。
【0043】
複数のフィン404を含む厚い基板領域407は、より厚く、全体的な機械的支持を追加することができる。いくつかの例では、基板構造体402は、厚い基板領域407における基板厚さの閾値割合未満の厚さを有する薄い窓領域406を有するように製造されてよい。その上さらに、基板構造体402は、隣接するフィン404間の距離417に比例する複数のフィン404の各々のフィン幅415を有するように製造されてよい。例えば、距離417は、フィン幅415よりも閾値量だけ大きくてよい(例えば、50%大きい、100%大きい、200%大きい、または300%大きいなど)。
【0044】
いくつかの例では、基板構造体402のための基板材料は、用途および装置製造要件に基づいて選択することができる。例えば、基板材料は、誘電体材料、例えばガラス材料、セラミック材料、ガラスセラミック材料、またはポリマー材料であってよい。基板構造体402は、材料の組み合わせから製造することもできる。例えば、基板のより厚い支持部分(例えば、厚い基板領域407)は、ガラスであってよく、より薄い窓部分(例えば、薄い窓領域406)は、セラミックであってよい。材料を組み合わせる1つの理由は、薄くなるように、かつより高い熱伝導率および拡散率を窓領域(例えば、薄い窓領域406)に有するように最適化されセラミックなどの材料を利用することである。次いで、大面積パネル処理のために最適化されたガラス基板を、支持領域(例えば、厚い基板領域407)のために使用することができる。薄いセラミック材料の例には、100μm未満の厚さのアルミナ基板およびジルコニア基板が含まれる。
【0045】
薄い窓部分406は、単一の材料、層状の材料、または複合材料であってよい。また、フィン404も、単一の材料、層状の材料、または複合材料であってよい。薄い窓部分406は、基板構造体402にわたる横方向寸法において可変である。同様に、フィン404も、基板構造体402にわたる横方向寸法において可変である。それらが矩形の要素として示されているにもかかわらず、フィン404および薄い窓部分406は、非鉛直、非水平、湾曲、傾斜、およびその他の非線形の表面を有することができる。付加的に、フィン404および薄い窓部分406は、基板表面にわたる線形アレイ、非線形アレイ、2Dアレイ、または他のパターンであってもよい。厚さ変化は、第2の表面にのみ存在することが示されているが、この厚さ変化は、基板構造体402の第1の表面403に存在することも、あるいは第1および第2の表面403,405の組み合わせに存在することも可能である。いくつかの例では、薄い窓領域406、厚い基板領域407、およびフィン幅415は、基板構造体402にわたって可変である。
【0046】
基板構造体402の薄い窓領域406および厚い基板領域407が異なる材料から製造されている場合、これらの領域は、積層、コーティング、堆積、またはボンディングプロセスによって組み立てることが可能である。それらが2つの異なるタイプのガラス材料である場合、これらはラミネートフュージョンプロセスで形成することが可能である。裏面表面(例えば、第2の表面405)の特徴は、従来技術において公知の、エッチング、アブレーション、成形、または他のプロセスによって形成することができる。例えば、厚い基板領域407の材料は、均一なシートとして薄い窓領域406の材料と組み合わせることができ、次いで、フィン404から材料を除去することができる。
【0047】
複数の窓408も、基板構造体402の冷却を可能にする。例えば、熱は、空気流(例えば、複数の窓408を通して空気を吹き込むファン)、複数のフィン404の間に分散された熱伝導材料に熱的に結合された熱伝導体またはヒートシンクを使用して、基板構造体402から環境へ伝達されてもよいし、あるいは熱放射によって周囲へ伝達されてもよい。熱伝導材料は、基板構造体402から離れる方向への熱伝達、例えば環境への熱伝達を容易にする。これらの付加的な要素は、基板構造体402の第2の表面405上に統合化することができ、かつ複数の窓408をコーティングするかまたは充填することができる。1つの利点は、第2の表面405上に増加した表面領域であり、この表面領域は、環境への直接的な熱伝達かまたは中間的な熱伝導層を通した熱伝達のいずれかに使用することができる。例として、熱伝導材料は、第2の表面405から離れる方向に熱を伝導する金属または異方性熱伝導材料とすることができる。異方性熱伝導材料は、例えば、コンフォーマルなコーティングもしくは平坦化コーティング、または集積化された素子であってよい。熱伝導材料は、対応する電気回路および(例えば、第1の表面403および第2の表面405)相互接続部と電気的に互換性があってよい。例えば、熱伝導材料は、導体、IC、マイクロIC、LED、色変換材料、エミッタ、レンズ構造体、光散乱構造体などの電子素子または光学素子を支持することができる。
【0048】
一例として、図4Bは、図4Aと同じ基板構造体402を示しているが、熱伝導材料450が複数のフィン404の間に分散されている。熱伝導材料450は、例えば、等方性または異方性であってよい。熱伝導材料450は、基板構造体402の裏面(例えば、第2の表面405)から環境への基板構造体402からの熱の伝達を容易にする。複数のフィン408は、少なくともそれらが熱伝導材料450と接触する表面領域を追加するので、基板材料402からの熱放散を改善する。
【0049】
いくつかの例では、絶縁層、電気回路、およびラップアラウンド型相互接続電極、電気的相互接続を介した貫通型基板が追加されてよい。いくつかの例では、冷却は、高放射率コーティングを、熱伝導材料450に適用することによって、あるいは(例えば、熱伝導材料450によって提供される付加的な熱伝導が必要でない場合は)基板構造体の裏面(例えば、第2の表面405)に直接適用することによって、さらに改善されてよい。
【0050】
図5A図5B図5C図5D、および図5Eは、基板構造体と、発熱素子(例えば熱源206)と、LED(例えばLED204,244)とを有する装置を形成するための例示的な方法を示す。図5Aを参照すると、方法500は、ステップ502において、所定の周期で第1の側に複数のフィンを含む基板を形成するステップを含む。例えば、フィンを含む基板は、ガラス、セラミック、ガラスセラミック、またはポリマー材料から形成されていてよい。ステップ504では、熱源206などの複数の発熱素子が、同じ周期で基板の第2の側に複数のフィンに対して横方向で位置合わせされることなく配置される。例えば、図2Aは、基板構造体202の一方の側に沿って、基板構造体202の他方の側に沿って位置決めされた複数のフィン210と同じピッチで配置された複数の発熱素子206を示している。熱源206は、複数のフィン210に対して横方向で位置合わせされていない。
【0051】
ステップ506では、LED204,244などの複数の発光装置が、基板の第2の側に配置され、第2の側から(例えば離れる方向に)(例えば、光を)放出するように構成されている。例えば、図2Aは、複数のフィン210を有する側とは別の基板構造体202の側に配置された複数のLED204を示している。次いで、本方法は終了する。
【0052】
図5Bは、これもステップ502において、第1の側に所定の周期で複数のフィンを含んでいる基板を形成し、ステップ504において、複数の発熱素子を、同じ周期で基板の第2の側に複数のフィンに対して横方向で位置合わせすることなく配置することを含む方法520を示している。
【0053】
ステップ526に進むと、複数の発光装置が、基板の第2の側において複数の発熱素子の間に配置される。例えば、図2Bは、複数のLED204を示しており、各LED204は、熱源206の間に配置されている。次いで、本方法は終了する。
【0054】
図5Cは、これもステップ502において、第1の側に所定の周期で複数のフィンを含んでいる基板を形成し、ステップ504において、複数の発熱素子を、同じ周期で基板の第2の側に複数のフィンに対して横方向で位置合わせすることなく配置することを含む方法530を示している。
【0055】
ステップ536では、複数の発光装置が、複数の熱伝導要素の各々に配置される。例えば、図2Cは、複数の熱源206の各々の上部に位置決めされたLED204を示している。次いで、本方法は終了する。
【0056】
図5Dは、これもステップ502において、第1の側に所定の周期で複数のフィンを含んでいる基板を形成し、ステップ504において、複数の発熱素子を、同じ周期で基板の第2の側に複数のフィンに対して横方向で位置合わせすることなく配置することを含む方法540を示している。
【0057】
ステップ546では、複数の発光装置が基板の第2の側に配置され、複数のフィンに対して横方向で位置合わせされる。例えば、図2Aは、複数のフィン210を有する側とは別の基板構造体202の側に配置された複数のLED204を示しており、ここでは、複数のLED204は、複数のフィン210に対して横方向で位置合わせされている。次いで、方法は終了する。
【0058】
図5Eは、これもステップ502において、第1の側に所定の周期で複数のフィンを含んでいる基板を形成し、ステップ504において、複数の発熱素子を、同じ周期で基板の第2の側に複数のフィンに対して横方向で位置合わせすることなく配置することを含む方法550を示している。
【0059】
ステップ556では、複数の発光装置が、基板の第2の側において平坦化層に配置されている。例えば、図2Bは、複数のLED204を示しており、各LED204は、複数のフィン210とは反対側の基板構造体202の側において平坦化層222に配置されている。次いで、本方法は終了する。
【0060】
いくつかの例では、装置は、第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を有する基板を含む。この装置も、所定の周期で基板の第1の側に位置決めされた複数の熱源と、所定の周期で基板の第2の側に沿って位置決めされた複数のフィンとを含む。いくつかの例では、周期は、25μm~250μmの範囲内である。複数の熱源は、複数のフィンから横方向にオフセットされていてよい。
【0061】
いくつかの例では、装置は、少なくとも部分的に横方向で複数のフィンと列を成す複数の発光ダイオード(LED)を含む。いくつかの例では、複数の熱源は、複数のフィンのうちの隣接するフィンの各々から横方向にオフセットされている。いくつかの例では、複数のLEDは、複数のフィンから横方向にオフセットされている。いくつかの例では、複数のLEDの各々は、複数の熱源のうちの1つに位置決めされている。
【0062】
いくつかの例では、複数のフィンは、第2の側に沿って複数の窓を画定している。いくつかの例では、複数の窓は、横方向で複数の熱源と列を成している。いくつかの例では、基板の第1の側から第2の側までの距離は、周期の30%未満である。
【0063】
いくつかの例では、基板は、複数の第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分は、第2の部分よりも長く、第2の部分は、少なくとも部分的に複数の窓の上部側によって画定されている。いくつかの例では、第1の部分の各々の長さは、第2の部分の各々の長さの少なくとも2倍の長さである。
【0064】
いくつかの例では、熱伝導材料は、複数の窓内に分散されており、ここで、熱伝導材料は、基板から熱を放散させるように構成されている。
【0065】
いくつかの実施形態では、発光ダイオード(LED)ディスプレイは、ガラスシートと、該ガラスシートの1つの側(例えば、下部)に位置決めされた複数のLED装置とを含む。さらに、複数のLED装置の各々は、第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を有する基板と、所定の周期で基板の第1の側に位置決めされた複数の熱源とを含む。いくつかの例では、周期は、25μm~250μmの範囲内である。複数のLED装置の各々も、所定の周期で基板の第2の側に沿って位置決めされた複数のフィンを含む。複数の熱源は、複数のフィンから横方向にオフセットされていてよい。
【0066】
いくつかの例では、複数のLED装置の各々は、少なくとも部分的に横方向で複数のフィンと列を成す複数の発光ダイオード(LED)を含む。いくつかの例では、複数の熱源は、複数のフィンのうちの隣接するフィンの各々から横方向にオフセットされている。いくつかの例では、複数のLEDは、複数のフィンから横方向にオフセットされている。いくつかの例では、複数のLEDの各々は、複数の熱源のうちの1つに位置決めされている。
【0067】
いくつかの例では、複数のフィンは、第2の側に沿って複数の窓を画定している。いくつかの例では、複数の窓は、横方向で複数の熱源と列を成している。いくつかの例では、基板の第1の側から第2の側までの距離は、周期の30%未満である。
【0068】
いくつかの例では、基板の各々は、複数の第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分は、第2の部分よりも長く、第2の部分は、少なくとも部分的に複数の窓の上部側によって画定されている。いくつかの例では、第1の部分の各々の長さは、第2の部分の各々の長さの少なくとも2倍の長さである。
【0069】
いくつかの例では、熱伝導材料は、複数の窓内に分散されており、ここで、熱伝導材料は、基板から熱を放散させるように構成されている。
【0070】
いくつかの実施形態では、本方法は、第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を含み、ここで、第1の側が所定の周期で複数のフィンを含んでいる基板を形成するステップと、複数の発熱素子を、基板の第2の側において所定の周期で、複数のフィンから横方向にオフセットさせて配置するステップとを含む。
【0071】
いくつかの例では、本方法は、複数のLEDを基板の第2の側に複数のフィンから横方向にオフセットさせて配置するステップを含む。いくつかの例では、本方法は、複数のLEDを、少なくとも部分的に横方向で複数のフィンと列を成すように配置するステップを含む。
【0072】
いくつかの例では、本方法は、複数のフィンのうちの隣接するフィンの各々から横方向にオフセットされた複数の熱源を配置するステップを含む。いくつかの例では、本方法は、複数のLEDの各々を複数の熱源のうちの1つに配置するステップを含む。
【0073】
いくつかの例では、複数のフィンが、第2の側に沿って複数の窓を画定し、ここで、本方法は、複数の窓内に熱伝導材料を分散させるステップを含み、ここで、熱伝導材料は、基板から熱を放散させるように構成されている。
【0074】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、1つ以上のプロセッサに、第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を含み、第1の側が所定の周期で複数のフィンを含んでいる基板を形成するステップと、複数の発熱素子を、基板の第2の側において所定の周期で、複数のフィンから横方向にオフセットさせて配置するステップとを含む方法を実行させる命令を格納している。
【0075】
いくつかの例では、本方法は、複数のLEDを基板の第2の側に複数のフィンから横方向にオフセットさせて配置するステップを含む。いくつかの例では、本方法は、複数のLEDを、少なくとも部分的に横方向で複数のフィンと列を成すように配置するステップを含む。
【0076】
いくつかの例では、本方法は、複数のフィンのうちの隣接するフィンの各々から横方向にオフセットされた複数の熱源を配置するステップを含む。いくつかの例では、本方法は、複数のLEDの各々を複数の熱源のうちの1つに配置するステップを含む。
【0077】
いくつかの例では、複数のフィンが、第2の側に沿って複数の窓を画定し、ここで、本方法は、複数の窓内に熱伝導材料を分散させるステップを含み、ここで、熱伝導材料は、基板から熱を放散させるように構成されている。
【0078】
上述の方法は、図示のフローチャートを参照したものであるが、本方法に関連する動作を実行する他の多くの手法が使用可能であることは明らかであろう。例えば、いくつかの動作の順序は変更されてもよく、記載された動作のいくつかは任意であってよい。
【0079】
付加的に、本明細書に記載された方法およびシステムは、少なくとも部分的に、それらのプロセスを実施するためのコンピュータ実装プロセスおよび装置の形態で実施可能である。開示されている方法は、コンピュータプログラムコードによって符号化された、有形の非一時的な機械可読記憶媒体の形態で少なくとも部分的に実施されてもよい。例えば、方法のステップは、ハードウェア、プロセッサ(例えば、ソフトウェア)によって実行される実行可能な命令、またはこれら2つの組み合わせで実施可能である。媒体は、例えば、RAM、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、BD-ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、または任意の他の非一時的な機械可読記憶媒体を含むことができる。コンピュータプログラムコードがコンピュータにロードされ、コンピュータによって実行されるとき、コンピュータは、この方法を実施するための装置となる。また、本方法は、少なくとも部分的にコンピュータプログラムコードがロードされるかまたは実行されるコンピュータの形態で実施されてもよく、それにより、コンピュータは、本方法を実施するための専用のコンピュータとなる。汎用プロセッサ上に実装される場合、コンピュータプログラムコードセグメントは、特定の論理回路を作成するようにプロセッサを構成する。代替的に、本方法は、当該方法を実施するための特定用途向け集積回路において少なくとも部分的に実施されてもよい。
【0080】
上記は、本開示の実施形態を例示、説明および記述する目的で提供されている。これらの実施形態に対する修正および適用は、当業者には明らかであり、本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく行うことができよう。
【0081】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0082】
実施形態1
第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を有する基板と、
所定の周期で前記基板の前記第1の側に位置決めされた複数の熱源と、
前記周期で前記第2の側に沿って位置決めされた複数のフィンと
を含み、
前記複数の熱源は、前記複数のフィンから横方向にオフセットされている、
装置。
【0083】
実施形態2
前記装置は、少なくとも部分的に横方向で前記複数のフィンと列を成す複数の発光ダイオード(LED)をさらに含む、実施形態1記載の装置。
【0084】
実施形態3
前記複数の熱源の各々は、前記複数のフィンのうちの隣接するフィンの各々から横方向にオフセットされている、実施形態2記載の装置。
【0085】
実施形態4
前記装置は、前記複数のフィンから横方向にオフセットされた複数のLEDをさらに含む、実施形態1記載の装置。
【0086】
実施形態5
前記複数のLEDの各々は、前記複数の熱源のうちの1つに位置決めされている、実施形態4記載の装置。
【0087】
実施形態6
前記複数のフィンは、前記第2の側に沿って複数の窓を画定している、実施形態1記載の装置。
【0088】
実施形態7
前記複数の窓は、前記複数の熱源と横方向で位置合わせされている、実施形態6記載の装置。
【0089】
実施形態8
前記基板の前記第1の側と前記第2の側との間の最も近い距離は、前記周期の30%未満である、実施形態6記載の装置。
【0090】
実施形態9
前記基板は、複数の第1の部分と第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記第1の側と前記第2の側との間の前記第2の部分よりも長く、前記第2の部分は、少なくとも部分的に前記複数の窓の上部側によって画定されている、実施形態6記載の装置。
【0091】
実施形態10
前記第1の部分の各々の長さは、前記第2の部分の各々の長さの少なくとも2倍の長さである、実施形態9記載の装置。
【0092】
実施形態11
前記装置は、前記複数の窓内に分散された熱伝導材料をさらに含み、前記熱伝導材料は、前記基板から熱を放散させるように構成されている、実施形態6記載の装置。
【0093】
実施形態12
前記複数の熱源は、前記周期で前記基板の前記第1の側に近接して位置決めされている、実施形態1記載の装置。
【0094】
実施形態13
前記周期は、25μm~250μmの範囲内である、実施形態1記載の装置。
【0095】
実施形態14
発光ダイオード(LED)ディスプレイであって、
ガラスシートと、
前記ガラスシートの1つの側に位置決めされた複数のLED装置と
を含み、
前記複数のLED装置の各々は、
第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を有する基板と、
所定の周期で前記基板の前記第1の側に位置決めされた複数の熱源と、
前記周期で前記第2の側に沿って位置決めされた複数のフィンと
を含み、
前記複数の熱源は、前記複数のフィンから横方向にオフセットされている、
発光ダイオード(LED)ディスプレイ。
【0096】
実施形態15
前記複数のLED装置の各々は、前記複数のフィンと少なくとも部分的に横方向で位置合わせされた複数の発光ダイオード(LED)をさらに含む、実施形態14記載のLEDディスプレイ。
【0097】
実施形態16
前記複数の熱源の各々は、前記複数のフィンのうちの隣接するフィンの各々から横方向にオフセットされている、実施形態15記載のLEDディスプレイ。
【0098】
実施形態17
前記複数のLED装置の各々は、前記複数のフィンから横方向にオフセットされた複数のLEDをさらに含む、実施形態14記載のLEDディスプレイ。
【0099】
実施形態18
前記複数のフィンの各々は、前記基板の前記第2の側に沿って複数の窓を画定している、実施形態14記載のLEDディスプレイ。
【0100】
実施形態19
前記基板の各々は、複数の第1の部分と第2の部分とをさらに含み、前記第1の部分は、前記第1の側と前記第2の側との間の前記第2の部分よりも長く、前記第2の部分は、少なくとも部分的に前記複数の窓の上部側によって画定されている、実施形態18記載のLEDディスプレイ。
【0101】
実施形態20
前記複数のLED装置の各々は、前記複数の窓内に分散された熱伝導材料をさらに含み、前記熱伝導材料は、前記基板から熱を放散させるように構成されている、実施形態18記載のLEDディスプレイ。
【0102】
実施形態21
前記周期は、25μm~250μmの範囲内である、実施形態14記載のLEDディスプレイ。
【0103】
実施形態22
第1の側および該第1の側とは反対側の第2の側を含み、前記第1の側が所定の周期で複数のフィンを含む基板を形成するステップと、
複数の発熱素子を、前記基板の前記第2の側に沿って前記周期で、前記複数のフィンから横方向にオフセットさせて配置するステップと
を含む、方法。
【0104】
実施形態23
複数のLEDを、前記基板の前記第2の側に前記複数のフィンから横方向にオフセットさせて配置するステップをさらに含む、実施形態22記載の方法。
【0105】
実施形態24
前記複数のフィンを、前記基板の前記第1の側に沿って前記周期で配置するステップを含む、実施形態22記載の方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
【国際調査報告】