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特表2024-521826効率分析のための外科用ハブの集約ネットワーク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】効率分析のための外科用ハブの集約ネットワーク
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/00 20180101AFI20240528BHJP
【FI】
G16H40/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573237
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2022054885
(87)【国際公開番号】W WO2022249084
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/194,675
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/335,420
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】フィービッグ・ケビン・エム
(72)【発明者】
【氏名】アロンホルト・テイラー・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】シャイブ・チャールズ・ジェイ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA00
(57)【要約】
コンピューティングシステムは、複数の手術室(OR)における複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得及び集約してもよく、外科用監視データは、ORにおける外科用ハブを介して取得され得る。外科リソース利用調整は、集約された外科リソース監視データに基づいて生成されてもよく、出力は、判定された外科リソース利用調整に基づいて生成され得る。集約データは、ORに対するリソース割り振り調整を生成するために使用され得る。リソース割り振り調整は、医療専門家(HCP)割り当て調整、外科手術スケジューリング調整、外科用器具割り振り調整、ORレイアウト調整、及び/又は医療施設レイアウト調整などを含み得る。コンピューティングシステムは、HCP割り当てを調整し、外科手術スケジューリングを調整し、外科用器具割り振りを調整し、外科的計画を調整し、HCP及び/又は管理者に外科リソース調整を通知し、潜在的な問題を通知し、及び/又は推奨を提供するための制御信号を生成し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得することと、
前記外科リソース監視データに基づいて外科リソース利用調整を判定することと、
判定された前記外科リソース利用調整に基づいて、出力を生成することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記外科用監視データが、複数の手術室(OR)に関連付けられた複数の外科用ハブから取得され、前記方法が、
前記複数の外科用ハブから取得された前記外科用監視データを集約することであって、前記外科リソース利用調整が、集約された前記外科リソース監視データに基づいて判定される、集約することを更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記外科用監視データが、
前記複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ、
前記複数の外科処置に関連付けられた外科用器具利用データ、
前記複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データ、
前記複数の外科処置に関連付けられた器具ストック及び利用データ、又は
前記複数の外科処置に関連付けられたOR入れ替えデータ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記外科用監視データを取得することが、1つ又は2つ以上の外科用ハブ、1つ又は2つ以上の環境監視デバイス、1つ又は2つ以上の患者監視デバイス、及び1つ又は2つ以上のHCP監視デバイスから前記外科用監視データを取得することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
外科リソース利用調整を判定することが、HCPタスク割り当て調整、ORレイアウト調整、外科用器具利用割り振り調整、及び医療施設レイアウト調整のうちの1つ又は2つ以上を判定することを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記出力が、HCPタスク割り当てを調整し、外科手術スケジューリングを調整し、外科用器具割り振りを調整し、外科的計画を調整し、外科リソース調整を通知し、潜在的な問題を通知し、推奨を提供するための制御信号を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記出力が、判定された前記外科リソース利用調整の視覚的指示、又は判定された前記外科リソース利用調整の可聴指示を含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
判定された前記外科リソース利用調整を実装することを更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記外科用監視データが、複数の外科用ハブから取得された前記複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、前記方法が、
前記HCP監視データに基づいて、反復往復のセットを識別することと、
前記複数の外科処置に関連付けられた前記外科処置進捗データに基づいて、前記反復往復のセットに関連付けられた複数の外科的タスクを識別することと、
識別された前記複数の外科的タスクに関連付けられた移動距離を低減するためのHCPタスク割り当て調整を生成することと、を更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記反復往復のセットに関連付けられた前記複数の外科的タスクから、複数の外科処置に関連付けられた前記外科処置進捗データに少なくとも基づいて組み合わせ可能なタスクのセットを識別することを含み、前記HCPタスク割り当て調整が、識別された前記組み合わせ可能なタスクのセットを組み合わせるための推奨を含む、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記外科用監視データが、HCP監視データを含み、前記方法が、
前記HCP監視データに基づいて、反復往復のセットを識別することと、
識別された前記反復往復のセットに関連付けられたORレイアウトの態様を識別することと、
前記反復往復のセットに関連付けられた経路長を低減するためのORレイアウト調整を生成することと、を更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記外科用監視データが、前記複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、前記方法が、
前記複数の外科用ハブから複数の外科処置に関連付けられた外科処置計画データを取得することと、
複数の外科処置による前記外科処置計画データ及び前記外科処置進捗データに基づいて、複数の更新された外科処置計画を生成することと、
前記複数の外科処置に関連付けられた計画されたHCPタスク割り当てを取得することと、
前記複数の外科処置に関連付けられた前記計画されたHCPタスク割り当てデータ、前記複数の更新された外科処置計画、及び前記HCP監視データに基づいて、前記複数の外科処置に関連付けられた更新されたHCPタスク割り当てを生成することと、を更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記外科用監視データが、前記複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられた外科用器具利用データ及び外科処置進捗データを含み、前記方法が、
前記複数の外科用ハブから複数の外科処置に関連付けられた外科処置計画データを取得することと、
前記複数の外科処置による前記外科処置計画データ及び前記外科処置進捗データに基づいて、複数の更新された外科処置計画を生成することと、
前記複数の外科処置に関連付けられた外科用器具割り振りデータを取得することと、
前記外科用器具割り振りデータ、外科用器具利用監視データ、及び前記複数の更新された外科処置計画に基づいて、前記複数の外科処置に関連付けられた予測外科用器具利用データを生成することと、を更に含み、
判定された前記外科リソース利用調整が、前記予測外科用器具利用データに関連付けられた外科用器具利用調整を含む、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記複数の外科処置が、複数のORに関連付けられ、前記方法が、
前記複数のORに関連付けられたリソース割り振り及び利用データを取得することと、
前記複数のORに関連付けられた外科手術結果データを取得することと、
前記複数のORに関連付けられた取得された前記リソース割り振り及び利用データを集約することと、
集約された前記リソース割り振り及び利用データ並びに前記外科手術結果データに基づいて、前記複数のORに関連付けられたリソース割り振り調整を生成することであって、前記出力が、前記リソース割り振り調整の指示を含む、生成することと、を更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記外科用監視データが、HCP監視データを含み、前記方法が、
前記複数の外科処置のうちの第1の外科処置に関連付けられた第1のHCP監視データを受信することと、
前記複数の外科処置のうちの第2の外科処置に関連付けられた第2のHCP監視データを受信することと、
前記第1のHCP監視データ及び前記第2のHCP監視データを集約することであって、前記外科リソース利用調整が、集約された前記HCP監視データに基づいて判定される、集約することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記外科用監視データが、複数のORからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、前記方法が、
前記複数のORからの取得された前記外科用監視データを集約することと、
集約された前記外科用監視データに基づいて、前記複数のORに関連付けられた処置概要情報を生成することであって、前記処置概要情報が、
計画されたHCP割り当ての情報、実際のHCP割り当ての情報、及び予想されるHCP割り当ての情報、
計画された手術工程の情報、実際の手術工程の情報、及び予想される手術工程の情報、又は
計画された外科リソースの情報、実際の外科リソースの情報、及び予想される外科リソースの情報、のうちの少なくとも1つを含む、生成することと、
前記処置概要情報を表示のために出力することと、を更に含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
前記外科用監視データが、複数のORからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、前記方法が、
前記複数のORからの取得された前記外科用監視データを集約することと、
集約された前記外科用監視データに基づいて、HCP効率を評価することと、を更に含み、集約された前記外科用監視データが、
前記複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR利用データ、
前記複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR入れ替えデータ、
前記複数の外科処置に関連付けられた集約されたHCP再配置データ、又は
前記複数の外科処置に関連付けられた集約された器具交換データ、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項18】
前記外科用監視データが、医療関係者(HCP)HCPに関連付けられたバイオマーカ測定データと、前記複数の外科処置に関連付けられた複数の外科用ハブからの外科処置進捗データと、を含み、前記方法が、
タスクが期間中に実行されることを予想することと、
前記バイオマーカ測定データに基づいて、前記期間中の前記HCPの疲労レベルを判定することと、
前記外科処置計画データ及び前記外科処置進捗データに基づいて、前記期間に関連付けられた前記HCPの利用可能性を判定することと、
前記期間中の判定された前記疲労レベル及び前記HCPの判定された前記利用可能性に基づいて、前記タスクを前記HCPに割り当てるかどうかを判定することであって、前記出力が、前記HCPに関連付けられたタスク割り当て推奨を含む、判定することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法を実装するように構成されているプロセッサを備える、コンピューティングシステム。
【請求項20】
コンピュータによって実行されるときに、請求項1に記載の方法の実装を生じさせる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年5月28日に出願された米国特許仮出願第63/194,675号(代理人整理番号END9339USPSP1)の利益を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、同時に出願された以下の出願に関連し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
・「METHOD OF MONITORING AND ANALYZING SURGICAL PROCEDURES」と題された米国特許出願第17/335,738号(代理人整理番号END9339USNP1)。
【背景技術】
【0003】
外科手術の成功は、いくつかのタイプの手術室(operating room、OR)チームメンバーの専門知識に依存する。異なるOR人員の役割は、異なり得る。外科医は、処置の過程を指示することに関わる重要な決定を行う。外科医は、手術に関わる切開を実施し得る。麻酔科医又は看護師麻酔士が、外科手術前に患者に麻酔を安全に投与し、外科手術中に患者を監視し、手術後に患者が麻酔から安全に覚めたことを確認することを担当する場合がある。巡回技術者が、患者を手術室に連れてきて、外科医及び他の人員の外科手術着を結び、器具及び薬剤などの必要とされる追加の用品を送達し、外科手術を文書化する場合がある。器械出し専門職員が、外科手術の前及び後に器具を滅菌し、外科手術中に術野を整理された状態に保ち、外科医に必要な器具を提供し得る。正看護師が、手術室看護師及び器械出し看護師としての役割を果たすことを含む、典型的には外科技術者に関連付けられた職務を実施し得る。加えて、看護師は、外科医の第1のアシスタントとしての役割を果たし得る。ORのヒトの往来は、手術部位の感染の原因として関係している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
コンピュータ実装方法は、複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得することと、外科リソース監視データに基づいて外科リソース利用調整を判定することと、判定された外科リソース利用調整に基づいて出力を生成することと、を含み得る。
【0005】
コンピュータ実装方法は、複数の外科処置に関連するデータの集合的分析に基づいて、外科リソース利用の適応調整を可能にし得、それにより、全体的効率及び外科手術結果を改善し得る。複数の手術室からなど、複数の外科処置からの外科用監視データは、複数の手術室に対する更新された外科リソース割り振り及び/又は利用を生成するために集合的に考慮され得る。複数の手術室に対する潜在的な問題及び推奨は、複数の手術室にわたる外科用監視データに基づいて生成され得る。複数のORに対する外科処置計画はまた、ORにわたる外科用監視データに基づいて集合的に更新され得る。
【0006】
外科用監視データは、複数の手術室(OR)に関連付けられた複数の外科用ハブから取得され得、方法は、複数の外科用ハブから取得された外科用監視データを集約することであって、外科リソース利用調整は、集約された外科リソース監視データに基づいて判定される、集約することを更に含み得る。
【0007】
コンピュータ実装方法は、外科用ハブのネットワークなどの集約ネットワークを提供し得、これは、複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データの集合的分析を可能にする。集合的分析は、リソース割り振り、問題識別、及び/又は推奨のために適切な調整が判定及び適用されることを確実にし得る。例示的な外科リソースは、以下の実施例で定義されるように、HCP、外科用器具、デバイス、医療用品、ORなどを含む。例示的な外科リソース監視データは、以下の実施例で定義されるように、HCP監視データ及び/又は外科用器具利用データを含む。
【0008】
外科用監視データは、複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ、複数の外科処置に関連付けられた外科用器具利用データ、複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データ、複数の外科処置に関連付けられた器具ストック及び利用データ、又は複数の外科処置に関連付けられたOR入れ替えデータ、のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0009】
外科用監視データを取得することが、1つ又は2つ以上の外科用ハブ、1つ又は2つ以上の環境監視デバイス、1つ又は2つ以上の患者監視デバイス、及び1つ又は2つ以上のHCP監視デバイスから外科用監視データを取得することを含み得る。
【0010】
外科リソース利用調整を判定することが、HCPタスク割り当て調整、ORレイアウト調整、外科用器具利用割り振り調整、及び医療施設レイアウト調整のうちの1つ又は2つ以上を判定することを含み得る。
【0011】
出力が、HCPタスク割り当てを調整し、外科手術スケジューリングを調整し、外科用器具割り振りを調整し、外科的計画を調整し、外科リソース調整を通知し、潜在的な問題を通知し、推奨を提供するための制御信号を含み得る。
【0012】
出力が、判定された外科リソース利用調整の視覚的指示、又は判定された外科リソース利用調整の可聴指示を含み得る。
【0013】
コンピュータ実装方法は、判定された外科リソース利用調整を実装することを更に含み得る。
【0014】
外科用監視データは、複数の外科用ハブから取得された複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み得、方法は、HCP監視データに基づいて反復往復のセットを識別することと、複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データに基づいて、反復往復のセットに関連付けられた複数の外科的タスクを識別することと、識別された複数の外科的タスクに関連付けられた移動距離を低減するためのHCPタスク割り当て調整を生成することと、を更に含み得る。
【0015】
コンピュータ実装方法は、反復往復のセットに関連付けられた複数の外科的タスクから、複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データに少なくとも基づいて組み合わせ可能なタスクのセットを識別することを含み得、HCPタスク割り当て調整は、識別された組み合わせ可能なタスクのセットを組み合わせるための推奨を含む。
【0016】
コンピュータ実装方法は、HCPの動きに基づく例示的な分析を提供し得、HCPの効率を更に改善するために対応する調整を生成し得る。処置進捗データは、外科手術のタイプ、外科手術の現在の工程、外科手術に取り組んでいるHCP、及び/又は処置進捗を示す他の情報、を示す日付である。処置進捗データは、外科処置と、外科用ハブが導出し得るコンテキスト情報、及び/又はカメラベースの外科用監視データを介して導出され得る情報と、を含み得る。
【0017】
外科用監視データが、HCP監視データを含み得、方法は、HCP監視データに基づいて反復往復のセットを識別することと、識別された反復往復のセットに関連付けられたORレイアウトの態様を識別することと、反復往復のセットに関連付けられた経路長を低減するためのORレイアウト調整を生成することと、を更に含み得る。
【0018】
外科用監視データは、複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み得、方法は、複数の外科用ハブから複数の外科処置に関連付けられた外科処置計画データを取得することと、複数の外科処置による外科処置計画データ及び外科処置進捗データに基づいて、複数の更新された外科処置計画を生成することと、複数の外科処置に関連付けられた計画されたHCPタスク割り当てを取得することと、複数の外科処置に関連付けられた計画されたHCPタスク割り当てデータ、複数の更新された外科処置計画、及びHCP監視データに基づいて、複数の外科処置に関連付けられた更新されたHCPタスク割り当てを生成することと、を更に含み得る。
【0019】
外科用監視データは、複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられた外科用器具利用データ及び外科処置進捗データを含み得、方法は、複数の外科用ハブから複数の外科処置に関連付けられた外科処置計画データを取得することと、複数の外科処置による外科処置計画データ及び外科処置進捗データに基づいて、複数の更新された外科処置計画を生成することと、複数の外科処置に関連付けられた外科用器具割り振りデータを取得することと、外科用器具割り振りデータ、外科用器具利用監視データ、及び複数の更新された外科処置計画に基づいて、複数の外科処置に関連付けられた予測外科用器具利用データを生成することと、を更に含み得、判定された外科リソース利用調整が、予測外科用器具利用データに関連付けられた外科用器具利用調整を含み得る。
【0020】
複数の外科処置が、複数のORに関連付けられ得、方法は、複数のORに関連付けられたリソース割り振り及び利用データを取得することと、複数のORに関連付けられた外科手術結果データを取得することと、複数のORに関連付けられた取得されたリソース割り振り及び利用データを集約することと、集約されたリソース割り振り及び利用データ並びに外科手術結果データに基づいて、複数のORに関連付けられたリソース割り振り調整を生成することであって、出力が、リソース割り振り調整の指示を含み得る、生成することと、を更に含み得る。
【0021】
コンピュータ実装方法は、例示的な集約された効率分析を提供し得る。リソース割り振り及び利用データ、並びに複数のORに関連付けられた外科手術結果データが取得され、集約される。集約データは、手術室に対する外科リソース割り振りを調整又は更新するために使用される。適応調整は、外科リソースの割り振り及び利用を改善することに寄与し得、それにより、処置結果及び効率を改善する。
【0022】
外科用監視データは、HCP監視データを含んでもよく、方法は、複数の外科処置のうちの第1の外科処置に関連付けられた第1のHCP監視データを受信することと、複数の外科処置のうちの第2の外科処置に関連付けられた第2のHCP監視データを受信することと、第1のHCP監視データ及び第2のHCP監視データを集約することであって、外科リソース利用調整が、集約されたHCP監視データに基づいて判定される、集約することと、を更に含み得る。
【0023】
コンピュータ実装方法は、別の例示的な集約された効率分析を提供し得る。異なる外科処置からのHCP監視データが取得され、集約される。次いで、集約データは、外科リソース割り振りを調整又は更新するために使用され、これは、改善された処置結果及び改善されたHCP効率に寄与し得る。
【0024】
外科用監視データは、複数のORからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み得、方法は、複数のORからの取得された外科用監視データを集約することと、集約された外科用監視データに基づいて、複数のORに関連付けられた処置概要情報を生成することであって、処置概要情報は、計画されたHCP割り当ての情報、実際のHCP割り当ての情報、及び予想されるHCP割り当ての情報、計画された手術工程の情報、実際の手術工程の情報、及び予想される手術工程の情報、又は計画された外科リソースの情報、実際の外科リソースの情報、及び予想される外科リソースの情報、のうちの少なくとも1つを含み得る、生成することと、を更に含み得、方法は、処置概要情報を表示のために出力することを更に含み得る。
【0025】
コンピュータ実装方法は、別の例示的な集約された効率分析を提供し得る。複数の手術室からの外科用監視データが集約され、処置概要情報を生成するために利用される。処置概要情報は、外科処置に関する有用な情報を提供するために出力及び表示される。そのような情報は、効率及び処置結果を更に改善するために、外科的計画、HCP割り当て、リソース割り振りなどを生成又は更新するために使用され得る。
【0026】
外科用監視データは、複数のORからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み得、方法は、複数のORからの取得された外科用監視データを集約することと、集約された外科用監視データに基づいて、HCP効率を評価することと、を更に含み得、集約された外科用監視データが、複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR利用データ、複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR入れ替えデータ、複数の外科処置に関連付けられた集約されたHCP再配置データ、又は複数の外科処置に関連付けられた集約された器具交換データ、のうちの少なくとも1つを含む。
【0027】
外科用監視データは、医療関係者(healthcare personnel、HCP)に関連付けられたバイオマーカ測定データと、複数の外科処置に関連付けられた複数の外科用ハブからの外科処置進捗データと、を含み得、方法は、タスクが期間中に実行されるべきであると予想することと、バイオマーカ測定データに基づいて、期間中のHCPの疲労レベルを判定することと、外科処置計画データ及び外科処置進捗データに基づいて、期間に関連付けられたHCPの利用可能性を判定することと、期間中の判定された疲労レベル及びHCPの判定された利用可能性に基づいて、タスクをHCPに割り当てるかどうかを判定することであって、出力が、HCPに関連付けられたタスク割り当て推奨を含み得る、判定することと、を更に含み得る。
【0028】
コンピュータ実装方法は、別の例示的な集約された効率分析に関連し得る。複数の手術室からの外科用監視データが、予想されるタスクのためのHCPの利用可能性及びHCPの疲労レベルを判定するために集約及び利用される。タスクは、疲労レベル及びHCPの利用可能性に基づいて、HCPに割り当てられる。これは、HCPの効率だけでなく処置の外科手術結果も改善し得る。
【0029】
コンピューティングシステムは、上記に記載された方法のいずれか1つを実装するように構成されているプロセッサを備え得る。
【0030】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されるときに、コンピュータに、上記に記載された方法のいずれか1つの実装を生じさせる命令を含み得る。
【0031】
コンピューティングシステムは、複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得及び集約するように構成され得る。複数の外科処置は、1つ又は2つ以上の手術室(OR)に関連付けられ得、外科用監視データは、OR内の1つ又は2つ以上の外科用ハブを介して取得され得る。外科リソース利用調整は、集約された外科リソース監視データに基づいて生成されてもよく、出力は、判定された外科リソース利用調整に基づいて生成され得る。例えば、複数のORにわたるリソース割り振り及び利用データ並びに外科手術結果データが取得され、集約され得る。集約データは、ORに対するリソース割り振り調整を生成するために使用され得る。リソース割り振り調整は、医療関係者(HCP)割り当て調整、外科手術スケジューリング調整、外科用器具割り振り調整、ORレイアウト調整、及び/又は医療施設レイアウト調整などを含み得るが、これらに限定されない。
【0032】
例えば、外科用監視データは、複数のORで行われ得る複数の外科処置に関連付けられた外科リソース監視データ、HCP監視データ、外科用器具利用データ、及び/又は外科処置進捗データを含み得る。外科用監視データは、器具ストック及び利用データ、OR入れ替えデータ、並びに/又は外科処置に関連付けられたコストデータを含み得る。HCP効率は、複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR利用データ、集約されたOR入れ替えデータ、集約されたHCP再配置データ、及び/又は集約された器具交換データに基づいて分析され得る。
【0033】
集約された外科用監視データに基づいて、複数のORに関連付けられた処置概要情報が生成され得る。処置概要情報は、計画されたHCP割り当ての情報、実際のHCP割り当ての情報、及び予想されるHCP割り当ての情報、計画された手術工程の情報、実際の手術工程の情報、及び予想される手術工程の情報、及び/又は計画された外科リソースの情報、実際の外科リソースの情報、及び予想される外科リソースの情報を含み得る。
【0034】
コンピューティングシステムは、判定された調整に基づいて、出力を生成し得る。出力は、HCP割り当てを調整し、外科手術スケジューリングを調整し、外科用器具割り振りを調整し、外科的計画を調整し、HCP及び/又は管理者に外科リソース調整を通知し、潜在的な問題を通知し、及び/又は推奨を提供するための制御信号を含み得るが、これらに限定されない。
【0035】
例えば、反復往復のセットは、集約されたHCP監視データに基づいて、識別されてもよく、反復往復のセットに関連付けられた外科的タスクは、外科処置に関連付けられた集約された外科処置進捗データに基づいて、識別され得る。HCPタスク割り当て調整は、識別された外科的タスクに関連付けられた移動距離を低減するために判定され得る。例えば、集約された外科処置進捗データに基づいて、反復往復に関連付けられた外科的タスクから、組み合わせ可能なタスクのセットが識別され得る。コンピューティングシステムは、組み合わせ可能なタスクを示す出力を生成し得る。例えば、識別された反復往復に関連付けられたORレイアウトの態様が識別され得、反復往復のセットに関連付けられた経路長が低減され得るように、ORレイアウト調整が生成され得る。
【0036】
複数の外科処置に関連付けられた外科処置計画データは、複数の外科用ハブからのものであり得、外科処置による外科処置進捗データに基づいて、更新された外科処置計画を生成するために使用され得る。外科処置に関連付けられた計画されたHCPタスク割り当ては、外科処置に関連付けられた更新された外科処置計画及びHCP監視データに基づいて、取得され、更新され得る。外科処置に関連付けられた外科用器具割り振りデータが取得され得、外科処置に関連付けられた予測又は予想外科用器具利用データが、集約された外科用器具利用監視データ及び更新された外科処置計画に基づいて、判定され得る。
【0037】
例えば、コンピューティングシステムは、集約された外科用監視データに基づいてHCPにタスクを割り当て得る。コンピューティングシステムは、タスクが期間中に実行されることを予測し得る。期間中のHCPのエネルギーレベル及び/又は疲労レベルは、HCPに関連付けられたバイオマーカ測定データに基づいて予測されてもよく、期間中のHCPの利用可能性は、外科処置計画データ及び外科処置進捗データに基づいて、判定され得る。HCPにタスクを割り当てるかどうかは、期間中の予想される疲労レベル及びHCPの利用可能性に基づいて、判定され得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】コンピュータ実装医療関係者(HCP)監視システムのブロック図である。
図2】外科手術室内のHCP監視システムの一例を示す。
図3】様々なシステムとペアリングされた例示的な外科用ハブを示す。
図4】感知システムのセット、環境感知システム、デバイスのセットなどと接続するように構成された通信外科用ハブのセットを有する外科用データネットワークを示す。
図5】HCP監視システムの一部であり得る、例示的なコンピュータ実装双方向外科用システムを示す。
図6】外科用器具の制御システムの論理図を示す。
図7】センサユニット及びデータ処理及び通信ユニットを有する例示的な感知システムを示す。
図8】外科医バイオマーカレベルに基づいて外科用デバイスの動作パラメータを調整することを示す例示的な外科処置の例示的なタイムラインを示す。
図9】コンピュータ実装双方向HCP監視システムのブロック図である。
図10】コンソール又はポータブルデバイスと通信する外科用器具を有する例示的な外科用システムを示す。
図11】例示的な状況認識外科用システムの図である。
図12】例示的な外科用監視及び分析を示す。
図13】複数の手術室にわたる例示的な外科用監視及び集約分析を示す。
図14】複数の手術室にわたって外科処置、HCP、外科用デバイス在庫状態を要約し、不足を強調し、修復を推奨する例示的な表示を示す。
図15】外科用監視データに基づく例示的な効率分析を示す。
図16】複数のORにわたって集約された外科用監視データに基づく例示的な効率分析を示す。
図17】外科用監視データに基づく外科処置計画の例示的な更新を示す。
図18】複数のORにわたって集約された外科用監視データに基づくHCP割り当ての例示的な調整を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、コンピュータ実装HCP監視システム20000のブロック図である。HCP監視システム20000などの例示的なHCP監視システムは、1つ又は2つ以上のHCP監視システム(例えば、HCP監視サブシステム)20002、20003及び20004を含み得る。例えば、HCP監視システム20002は、コンピュータ実装双方向外科用システムを含み得る。例えば、HCP監視システム20002は、例えば、図2に記載されるようなクラウドコンピューティングシステム20008と通信する外科用ハブ20006のうちの少なくとも1つを含み得る。HCP監視システムは、外科用ハブ20006、又はクラウドコンピューティングシステム20008と通信するコンピューティングデバイス20016のうちの少なくとも1つを含み得る。クラウドコンピューティングシステム20008は、少なくとも1つのリモートクラウドサーバ20009と、少なくとも1つのリモートクラウドストレージユニット20010と、を含み得る。例示的なHCP監視システム20002、20003、又は20004は、ウェアラブル感知システム20011、環境感知システム20015、ロボットシステム20013、1つ又は2つ以上のインテリジェント器具20014、ヒューマンインターフェースシステム20012などを含み得る。ヒューマンインターフェースシステムは、本明細書ではヒューマンインターフェースデバイスとも呼ばれる。ウェアラブル感知システム20011は、1つ若しくは2つ以上のHCP感知システム、及び/又は1つ若しくは2つ以上の患者感知システムを含み得る。環境感知システム20015は、例えば、図2に更に記載されるように、例えば、1つ又は2つ以上の環境属性を測定するために使用される、1つ又は2つ以上のデバイスを含み得る。ロボットシステム20013は、例えば、図2に更に記載されるように、外科処置を実施するために使用される複数のデバイスを含み得る。
【0040】
HCP監視システム20002は、クラウドコンピューティングシステム20008の一部であるリモートサーバ20009と通信し得る。一実施例では、HCP監視システム20002は、インターネットサービスプロバイダのケーブル/FIOSネットワーキングノードを介してリモートサーバ20009と通信し得る。一実施例では、患者感知システムは、リモートサーバ20009と直接通信してもよい。HCP監視システム20002及び/又はその構成要素は、GSM/GPRS/EDGE(2G)、UMTS/HSPA(3G)、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)又は4G、LTEアドバンスト(LTE-Advanced、LTE-A)、ニューラジオ(new radio、NR)又は5Gのセルラープロトコルのうちの1つ又は2つ以上を使用して、セルラー送信/受信ポイント(transmission/reception point、TRP)又は基地局を介してリモートサーバ20009と通信し得る。
【0041】
外科用ハブ20006は、腹腔鏡スコープからの画像と、1つ又は2つ以上の他のスマートデバイス及び1つ又は2つ以上の感知システム20011と、からの情報を表示する1つ又は2つ以上の手段と協働的インタラクションを有し得る。外科用ハブ20006は、1つ又は2つ以上の感知システム20011、1つ又は2つ以上のスマートデバイス、及び複数のディスプレイとインタラクトし得る。外科用ハブ20006は、1つ又は2つ以上の感知システム20011から測定値データを収集し、通知又は制御メッセージを1つ又は2つ以上の感知システム20011に送信するように構成され得る。外科用ハブ20006は、通知情報を含む情報を、ヒューマンインターフェースシステム20012との間で、送信及び/又は受信し得る。ヒューマンインターフェースシステム20012は、1つ又は2つ以上のヒューマンインターフェースデバイス(human interface device、HID)を含み得る。外科用ハブ20006は、音響機器、ディスプレイへの通知情報若しくは制御情報、及び/又は外科用ハブと通信する様々なデバイスへの制御情報を、送信及び/又は受信し得る。
【0042】
例えば、感知システム20001は、図1で議論されるように、ウェアラブル感知システム20011(1つ又は2つ以上のHCP感知システム及び1つ又は2つ以上の患者感知システムを含み得る)と、環境感知システム20015と、を含み得る。1つ又は2つ以上の感知システム20001は、様々なバイオマーカに関連するデータを測定し得る。1つ又は2つ以上の感知システム20001は、1つ又は2つ以上のセンサ、例えば、光センサ(例えば、フォトダイオード、フォトレジスタ)、機械センサ(例えば、モーションセンサ)、音響センサ、電気センサ、電気化学センサ、熱電センサ、赤外線センサなどを使用して、バイオマーカを測定し得る。1つ又は2つ以上のセンサは、フォトプレチスモグラフィ、心電図検査、脳波検査、比色分析、インペディメンタリ、電位差測定、電流測定などの感知技術のうちの1つ又は2つ以上を使用して、本明細書に記載されるように、バイオマーカを測定し得る。
【0043】
1つ又は2つ以上の感知システム20001によって測定されるバイオマーカは、睡眠、深部体温、最大酸素消費量、身体活動、アルコール摂取、呼吸数、酸素飽和度、血圧、血糖、心拍変動、水素の血液電位、水分補給状態、心拍数、皮膚コンダクタンス、末梢温度、組織灌流圧、咳及びくしゃみ、胃腸運動、消化管撮像、気道細菌、浮腫、精神態様、汗、循環腫瘍細胞、自律神経緊張、概日リズム、並びに/又は月経周期を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0044】
バイオマーカは、行動及び心理学、心血管系、腎臓系、皮膚系、神経系、胃腸系、呼吸器系、内分泌系、免疫系、腫瘍、筋骨格系、及び/又は生殖系を含み得るが、これらに限定されない、生理学的系に関連し得る。バイオマーカからの情報は、例えば、コンピュータ実装患者及びHCP監視システム20000によって判定及び/又は使用され得る。バイオマーカからの情報は、コンピュータ実装患者及びHCP監視システム20000によって判定及び/又は使用されて、例えば、上記システムを改善し、及び/又は患者の転帰を改善し得る。1つ又は2つ以上の感知システム20001、バイオマーカ20005、及び生理学的システムは、2021年1月22日に出願された「METHOD OF ADJUSTING A SURGICAL PARAMETER BASED ON BIOMARKER MEASUREMENTS」と題する米国特許出願第17/156,287号(代理人整理番号END9290USNP1)により詳細に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0045】
図2は、外科手術室内のHCP監視システム20002の一例を示す。図2に示されるように、患者は、1人又は2人以上の医療専門家(HCP)によって手術される。HCPは、HCPによって装着された1つ又は2つ以上のHCP感知システム20020によって監視されている。HCP、及びHCPを囲む環境はまた、例えば、手術室内に配備され得るカメラ20021のセット、マイクロフォン20022のセット、及び他のセンサなどを含む1つ又は2つ以上の環境感知システムによって監視されてもよい。HCP感知システム20020及び環境感知システムは、外科用ハブ20006と通信し、更に、図1に示されるように、クラウドコンピューティングシステム20008の1つ又は2つ以上のクラウドサーバ20009と通信し得る。環境感知システムは、1つ又は2つ以上の環境属性、例えば、手術現場内のHCPの位置、HCPの移動、手術現場内の周囲ノイズ、手術現場内の温度/湿度などを測定するために使用され得る。
【0046】
図2に示されるように、主ディスプレイ20023及び1つ又は2つ以上の音声出力デバイス(例えば、スピーカ20019)は、手術台20024のオペレータに見えるように滅菌野に配置される。加えて、可視化/通知タワー20026が、滅菌野の外に配置される。可視化/通知タワー20026は、互いに反対側を向いている第1の非滅菌ヒューマン双方向デバイス(human interactive device、HID)20027及び第2の非滅菌HID20029を含み得る。HIDは、ディスプレイであっても、又は人間がHIDと直接インターフェースし得るタッチスクリーンを有するディスプレイであってもよい。外科用ハブ20006によってガイドされるヒューマンインターフェースシステムは、HID20027、20029及び20023を利用して、滅菌野の内側及び外側のオペレータへの情報フローを調整するように構成され得る。一実施例では、外科用ハブ20006により、HID(例えば、主HID20023)は、患者及び/又は外科処置工程に関する通知及び/又は情報を表示し得る。一実施例では、外科用ハブ20006は、滅菌野又は非滅菌エリア内の人に入力を促しても、及び/又は人の入力を受信し得る。一実施例では、外科用ハブ20006により、HIDは、主HID20023上に手術部位のライブ映像を維持しつつ、撮像デバイス20030によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌HID20027又は20029に表示し得る。非滅菌ディスプレイ20027又は20029上のスナップショットにより、例えば、非滅菌オペレータが、外科処置に関連する診断工程を実施し得る。
【0047】
一態様では、外科用ハブ20006は、可視化タワー20026にいる非滅菌オペレータによって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌野内の主ディスプレイ20023に送り、これを手術台にいる滅菌オペレータが見ることができるように構成され得る。一実施例では、入力は、外科用ハブ20006によって主ディスプレイ20023に送られ得る、非滅菌ディスプレイ20027又は20029上に表示されるスナップショットへの修正の形態であり得る。
【0048】
図2を参照すると、外科用器具20031は、外科処置においてHCP監視システム20002の一部として使用されている。ハブ20006は、外科用器具20031のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成され得る。例えば、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年12月4日出願の「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019/0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)において。可視化タワー20026にいる非滅菌オペレータによって入力された診断入力又はフィードバックは、ハブ20006によって滅菌野内の外科用器具ディスプレイに送られ、これを外科用器具20031のオペレータが見ることができる。HCP監視システム20002とともに使用するために好適な例示的な外科用器具は、例えば、2018年12月4日に出願された「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019/0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)であって、「Surgical Instrument Hardware」という見出しの下で記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
図2は、外科手術室20035内の手術台20024上に横たわっている患者に対して外科処置を実施するために使用されているHCP監視システム20002の一例を示している。ロボットシステム20034は、外科処置においてHCP監視システム20002の一部として使用され得る。ロボットシステム20034は、外科医のコンソール20036と、患者側カート20032(手術用ロボット)と、手術用ロボットハブ20033と、を含み得る。外科医が外科医のコンソール20036を通して手術部位を見る間、患者側カート20032は、患者の身体の低侵襲切開部を通して、少なくとも1つの着脱可能に結合された外科用ツール20037を操作することができる。手術部位の画像は、撮像デバイス20030の配向を変えるために、患者側カート20032によって操作され得る医療用撮像デバイス20030によって取得され得る。ロボットハブ20033を使用して、手術部位の画像を処理し、その後、外科医のコンソール20036を通して、外科医に表示することができる。
【0050】
他のタイプのロボットシステムが、HCP監視システム20002とともに使用するように容易に適合することができる。本開示とともに使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、2018年12月4日出願の「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION,AND CONTROL」と題する米国特許出願公開第2019/0201137(A1)号(米国特許出願第16/209,407号)に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0051】
クラウドコンピューティングシステム20008によって実施され、本開示とともに使用するために好適なクラウドベース分析法の様々な例は、2018年12月4日出願の「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」と題する米国特許出願公開第2019/0206569(A1)号(米国特許出願第16/209,403号)に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0052】
様々な態様では、撮像デバイス20030は、少なくとも1つの画像センサと、1つ又は2つ以上の光学構成要素と、を含み得る。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(Charge-Coupled Device、CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide Semiconductor、CMOS)センサを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0053】
撮像デバイス20030の光学構成要素は、1つ又は2つ以上の照明源、及び/又は1つ又は2つ以上のレンズを含み得る。1つ又は2つ以上の照明源は、術野の一部分を照明するように方向付けられてもよい。1つ又は2つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
【0054】
1つ又は2つ以上の照明源は、可視スペクトル並びに不可視スペクトル内の電磁エネルギーを照射するように構成され得る。可視スペクトルは、場合によっては、光スペクトル又は発光スペクトルとも称され、人間の目に見える(すなわち、人間の目によって検出することができる)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と称されることがある。通常人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に応答する。
【0055】
不可視スペクトル(例えば、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長の)電磁スペクトルの一部分である。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(infrared、IR)、マイクロ波及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線及びガンマ線電磁放射線になる。
【0056】
様々な態様では、撮像デバイス20030は、低侵襲性処置において使用するように構成されている。本開示とともに使用するのに好適な撮像デバイスの例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
撮像デバイスは、トポグラフィーと下層構造とを区別するために、マルチスペクトル監視を利用し得る。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトル全体から特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR、及び紫外からの光を含む特定の波長に対する感度を有する器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像により、人間の目がもつ赤、緑、及び青の受容体では捕捉し得ない追加情報を抽出し得る。マルチスペクトル撮像の使用については、2018年12月4日出願の「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019/0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)において「Advanced Imaging Acquisition Module」という見出しの下で詳述されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。マルチスペクトル監視は、処置された組織に対して上述の試験のうちの1つ又は2つ以上を実行するための外科的タスクが完了した後に術野を再配置するのに有用なツールであり得る。いかなる外科手術においても、手術室及び外科用機器の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場」、すなわち、手術室又は処置室において要求される厳格な衛生条件及び滅菌条件は、全ての医療デバイス及び機器の可能な最も高い滅菌性を必要とする。滅菌プロセスの一部としては、撮像デバイス20030並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性が挙げられる。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの微生物を含まないと見なされる特定のエリアと見なされ得ること、あるいは滅菌野は、外科処置の準備が整った患者の直ぐ周囲のエリアと見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにそのエリア内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0058】
図1に示されるウェアラブル感知システム20011は、1つ又は2つ以上の感知システム、例えば、図2に示されるようなHCP感知システム20020を含み得る。HCP感知システム20020は、医療関係者(HCP)の物理的状態のセット及び/又は生理学的状態のセットを監視し、検出するための感知システムを含み得る。HCPは、一般的に、外科医又は他の医療サービス提供者を支援する1人又は2人以上の医療関係者であってもよい。一実施例では、感知システム20020は、HCPの心拍数を監視するためにバイオマーカのセットを測定してもよい。一実施例では、外科医の手首に装着された感知システム20020(例えば、時計又はリストバンド)は、加速度計を使用して、手の動き及び/又は揺れを検出し、振戦の大きさ及び周波数を判定し得る。感知システム20020は、バイオマーカのセットに関連付けられた測定値データ、及び外科医の物理的状態に関連付けられたデータを、更なる処理のために外科用ハブ20006に送信し得る。1つ又は2つ以上の環境感知デバイスは、環境情報を外科用ハブ20006に送信し得る。例えば、環境感知デバイスは、HCPの手/身体の位置を検出するためのカメラ20021を含んでもよい。環境感知デバイスは、手術現場内の周囲ノイズを測定するためのマイクロフォン20022を含み得る。他の環境感知デバイスは、例えば、温度を測定するための温度計、及び手術現場内の周囲の湿度を測定するための湿度計などのデバイスを含み得る。外科用ハブ20006は、単独で、又はクラウドコンピューティングシステムと通信して、外科医バイオマーカ測定値データ及び/又は環境感知情報を使用して、例えば、振戦を最小限に抑えるために、手持ち式器具の制御アルゴリズム、又はロボットインターフェースの平均遅延を修正し得る。一実施例では、HCP感知システム20020は、HCPに関連付けられた1つ又は2つ以上の外科医バイオマーカを測定し、外科医バイオマーカに関連付けられた測定値データを外科用ハブ20006に送信し得る。HCP感知システム20020は、外科用ハブ20006と通信するために、Bluetooth、Bluetooth Low-Energy(BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力無線パーソナルエリアネットワーク(IPv6 Low-power wireless Personal Area Network、6LoWPAN)、Wi-FiのRFプロトコルのうちの1つ又は2つ以上を使用し得る。外科医バイオマーカは、ストレス、心拍数などのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。手術現場からの環境測定値は、外科医又は患者、外科医及び/又はスタッフの移動、外科医及び/又はスタッフの注意レベルなどに関連する周囲ノイズレベルを含み得る。
【0059】
外科用ハブ20006は、HCPに関連付けられた外科医バイオマーカ測定値データを使用して、1つ又は2つ以上の外科用器具20031を適応的に制御し得る。例えば、外科用ハブ20006は、制御プログラムを外科用器具20031に送信して、そのアクチュエータを制御して、疲労及び細かい運動技能の使用を制限又は補償し得る。外科用ハブ20006は、状況認識及び/又はタスクの重要性若しくは臨界に関する事情に基づいて、制御プログラムを送信し得る。制御プログラムは、制御が必要とされるとき、多くの制御を提供するために動作を変更するように器具に命令し得る。
【0060】
図3は、ウェアラブル感知システム20011、環境感知システム20015、ヒューマンインターフェースシステム20012、ロボットシステム20013、及びインテリジェント器具20014とペアリングされた外科用ハブ20006を有する例示的なHCP監視システム20002を示す。ハブ20006は、ディスプレイ20048と、撮像モジュール20049と、発生器モジュール20050と、通信モジュール20056と、プロセッサモジュール20057と、ストレージアレイ20058と、手術室マッピングモジュール20059と、を含む。特定の態様では、図3に示されるように、ハブ20006は、排煙モジュール20054及び/又は吸引/灌注モジュール20055を更に含む。外科処置中、封止及び/又は切断のために、組織へエネルギーを印加することは、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注と関連付けられる。異なる供給源からの流体ライン、電力ライン及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブモジュール式エンクロージャ20060は、電力ライン、データライン、及び流体ラインを管理するための統合環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科手術において使用するための外科用ハブ20006を提示する。外科用ハブ20006は、ハブエンクロージャ20060と、ハブエンクロージャ20060のドッキングステーション内に摺動可能に受け入れ可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ接点及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ又はそれ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールはまた、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、リモート手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。一態様では、流体ラインは、第1の流体ラインであってもよく、第2の流体ラインは、リモート手術部位から、ハブエンクロージャ20060内に摺動可能に受け入れられる吸引及び灌注モジュール20055まで延在してもよい。一態様では、ハブエンクロージャ20060は、流体インターフェースを含んでもよい。特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブモジュール式エンクロージャ20060が異なる発生器を収容して、これらの間の双方向通信を促進するように構成される解決法を提示する。ハブモジュール式エンクロージャ20060の利点のうちの1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用エンクロージャを提示する。モジュール式外科用エンクロージャは、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。上記に加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ接点及び第2の電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力接点及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力接点及び第2のデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成されている、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを含む。図3を参照すると、発生器モジュール20050、排煙モジュール20054、及び吸引/灌注モジュール20055のモジュール式統合を可能にするハブモジュール式エンクロージャ20060に関する本開示の態様が提示される。ハブモジュール式エンクロージャ20060は、モジュール20059とモジュール20054とモジュール20055との間の双方向通信を更に促進する。発生器モジュール20050は、ハブモジュール式エンクロージャ20060に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット内に支持される、一体化された単極構成要素、双極構成要素及び超音波構成要素を有する発生器モジュール20050であってもよい。発生器モジュール20050は、単極デバイス20051、双極デバイス20052、及び超音波デバイス20053に接続するように構成され得る。代替的に、発生器モジュール20050は、ハブモジュール式エンクロージャ20060を介して相互作用する一連の単極発生器モジュール、双極発生器モジュール、及び/又は超音波発生器モジュールを備え得る。複数の発生器が単一の発生器として機能するように、ハブモジュール式エンクロージャ20060は、複数の発生器の挿入と、ハブモジュール式エンクロージャ20060にドッキングされた発生器間の双方向通信と、を促進するように構成することができる。
【0061】
図4は、本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ又は2つ以上のオペ室、患者回復室、又は外科手術用に特別に装備された医療施設内の部屋に位置する、感知システムのセット、環境感知システム、及び他のモジュール式デバイスのセットを、クラウドに接続するように構成された通信ハブのセットを有する外科用データネットワークを示す。
【0062】
図4に示されるように、外科用ハブシステム20060は、医療施設内に位置するモジュール式デバイスをクラウドベースシステム(例えば、リモートストレージ20068に結合されたリモートサーバ20067を含み得るクラウドコンピューティングシステム20064)に接続するように構成されるモジュール式通信ハブ20065を含み得る。モジュール式通信ハブ20065及びデバイスは、外科手術のために特別に装備された医療施設内の部屋において接続され得る。一態様では、モジュール式通信ハブ20065は、ネットワークルータ20066と通信するネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062を含んでもよい。モジュール式通信ハブ20065はまた、ローカルコンピュータシステム20063に結合し、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供し得る。
【0063】
コンピュータシステム20063は、プロセッサと、ネットワークインターフェース20100と、を備え得る。プロセッサは、システムバスを介して、通信モジュール、ストレージ、メモリ、不揮発性メモリ、及び入力/出力(input/output、I/O)インターフェースに結合され得る。システムバスは、任意の様々な利用可能なバスアーキテクチャを使用する、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造のうちのいずれかとすることができ、それらのアーキテクチャの例としては、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(Industrial Standard Architecture、ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro-Charmel Architecture、MSA)、拡張ISA(Extended ISA、EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(Intelligent Drive Electronics、IDE)、VESAローカルバス(VESA Local Bus、VLB)、周辺デバイス相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)、USB、アドバンストグラフィックスポート(Advanced Graphics Port、AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(Personal Computer Memory Card International Association、PCMCIA)、小型計算機システムインターフェース(Small Computer Systems Interface、SCSI)、又は任意の他の独自バスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
プロセッサは、Texas Instrumentsによって商標名ARM Cortexで知られているものなどの、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであり得る。一態様では、プロセッサは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。このプロセッサコアは、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(serial random access memory、SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)及び/又は、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)モジュール、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(quadrature encoder input、QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(analog-to-digital converter、ADC)を含む。なお、その詳細は、製品データシートで入手可能である。
【0065】
一実施例では、プロセッサは、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラベースのファミリを備える安全コントローラを備えてもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全特徴部を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0066】
コンピュータシステム20063は、好適な動作環境において、記載したユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含み得ることを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムを挙げることができる。ディスク記憶装置上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り振りするように機能し得る。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶装置上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用し得る。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0067】
ユーザは、I/Oインターフェースに結合された入力デバイスを介してコンピュータシステム20063にコマンド又は情報を入力し得る。入力デバイスとしては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどを挙げることができるが、これらに限定されない。これら及び他の入力デバイスは、インターフェースポートを介し、システムバスを通してプロセッサ20102に接続する。インターフェースポートとしては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート及びUSBが挙げられる。出力デバイスは、入力デバイスと同じタイプのポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステム20063に入力を提供し、コンピュータシステム20063からの情報を出力デバイスに出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とし得る出力デバイスの中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ及びプリンタなどのいくつかの出力デバイスが存在できることを示すために提供され得る。出力アダプタとしては、出力デバイスとシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードを挙げることができるが、これは例示としてのものであり、限定するものではない。リモートコンピュータなどの他のデバイス及び/又はデバイスのシステムは、入力及び出力機能の両方を提供できることに留意されたい。
【0068】
コンピュータシステム20063は、クラウドコンピュータなどの1つ又は2つ以上のリモートコンピュータ、又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作し得る。リモートクラウドコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピアデバイス又は他の一般的なネットワークノードなどであり得るが、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、リモートコンピュータとともに、メモリストレージデバイスのみが示される。リモートコンピュータは、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続部を介して物理的に接続され得る。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)などの通信ネットワークを包含し得る。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(Fiber Distributed Data Interface、FDDI)、銅線分散データインターフェース(Copper Distributed Data Interface、CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などを挙げることができる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(Integrated Services Digital Network、ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク並びにデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line、DSL)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0069】
様々な実施例では、コンピュータシステム20063は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理のために使用される任意の特殊デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)を備え得る。画像プロセッサは、単一命令複数データ(single instruction,multiple data、SIMD)、又は複数命令複数データ(multiple instruction,multiple data、MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを用いて速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実施することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0070】
通信接続部とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために利用されるハードウェア/ソフトウェアを指してもよい。例示的な明瞭さのため、通信接続部は、コンピュータシステム20063の内部に示されているが、通信接続部は、コンピュータシステム20063の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、光ファイバモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術を挙げることができる。いくつかの例では、ネットワークインターフェースはまた、RFインターフェースを使用して提供されてもよい。
【0071】
外科用ハブシステム20060に関連付けられた外科用データネットワークは、パッシブ、インテリジェント、又はスイッチングとして構成され得る。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つのデバイス(又はセグメント)から別のデバイス(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェント外科用データネットワークは、往来が監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ20061又はネットワークスイッチ20062内の各ポートを構成する追加の特徴部を含む。インテリジェント外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0072】
オペ室に位置するモジュール式デバイス1a~1nは、モジュール式通信ハブ20065に結合され得る。ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062は、ネットワークルータ20066に結合されて、デバイス1a~1nをクラウドコンピューティングシステム20064又はローカルコンピュータシステム20063に接続し得る。デバイス1a~1nに関連付けられたデータは、リモートデータ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。デバイス1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム20063に転送され得る。同じオペ室に位置するモジュール式デバイス2a~2mもまた、ネットワークスイッチ20062に結合されてもよい。ネットワークスイッチ20062は、ネットワークハブ20061に、及び/又はネットワークルータ20066に結合されて、デバイス2a~2mをクラウド20064に接続し得る。デバイス2a~2mに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ20066を介してクラウドコンピューティングシステム20064に転送され得る。デバイス2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム20063に転送されてもよい。
【0073】
ウェアラブル感知システム20011は、1つ又は2つ以上の感知システム20069を含み得る。感知システム20069は、HCP感知システム及び/又は患者感知システムを含み得る。1つ又は2つ以上の感知システム20069は、ネットワークルータ20066のうちの1つを介して直接、又はネットワークルータ20066と通信するネットワークハブ20061若しくはネットワークスイッチング20062を介して、外科用ハブシステム20060のコンピュータシステム20063又はクラウドサーバ20067と通信し得る。
【0074】
感知システム20069は、感知システム20069を、ローカルコンピュータシステム20063及び/又はクラウドコンピューティングシステム20064に接続するために、ネットワークルータ20066に結合され得る。感知システム20069に関連付けられたデータは、データ処理及び操作のために、ネットワークルータ20066を介してクラウドコンピューティングシステム20064に転送され得る。感知システム20069に関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のために、ローカルコンピュータシステム20063に転送されてもよい。
【0075】
図4に示されるように、外科用ハブシステム20060は、複数のネットワークハブ20061及び/又は複数のネットワークスイッチ20062を複数のネットワークルータ20066と相互接続することによって、拡張され得る。モジュール式通信ハブ20065は、複数のデバイス1a~1n/2a~2mを受け入れるように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム20063はまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ20065は、ディスプレイ20068に接続されて、例えば外科処置中に、デバイス1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示し得る。様々な態様では、デバイス1a~1n/2a~2mは、例えば、外科用データネットワークのモジュール式通信ハブ20065に接続され得る他のモジュール式デバイスの中でも、内視鏡に結合された撮像モジュール、エネルギーベースの外科用デバイスに結合された発生器モジュール、排煙モジュール、吸引/灌注モジュール、通信モジュール、プロセッサモジュール、ストレージアレイ、ディスプレイに結合された外科用デバイス、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールを含んでもよい。
【0076】
一態様では、図4に示す外科用ハブシステム20060は、デバイス1a~1n/2a~2m、又は感知システム20069をクラウドベースシステム20064に接続するネットワークハブ、ネットワークスイッチ、及びネットワークルータの組み合わせを備え得る。ネットワークハブ20061又はネットワークスイッチ20062に結合されたデバイス1a~1n/2a~2m又は感知システム20069のうちの1つ又は2つ以上は、リアルタイムにデータ又は測定値データを収集し、データ処理及び操作のためにクラウドコンピュータにデータを転送し得る。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナルデバイスを有するのではなく、コンピューティングリソースを共有することに依存することは理解されるであろう。「クラウド」という語は、「インターネット」の隠喩として使用され得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、「クラウドコンピューティング」という用語は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングのうちの1つのタイプ」を指すように使用することができ、この場合、サーバ、ストレージ及びアプリケーションなどの様々なサービスは、手術現場(例えば、固定式、移動式、一時的又は現場の手術室又は空間)に位置するモジュール式通信ハブ20065及び/又はコンピュータシステム20063、並びにインターネットを介して、モジュール式通信ハブ20065及び/又はコンピュータシステム20063に接続されたデバイスに配信される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ又は2つ以上のオペ室内に位置するデバイス1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整する事業体であり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、感知システム、及びオペ室内に位置する他のコンピュータ化デバイスによって収集されたデータに基づいて、多数の計算を実施し得る。ハブハードウェアは、複数のデバイス、感知システム、及び/又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0077】
デバイス1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科手術結果の改善、コスト低減及び患者満足度の改善を提供することができる。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織のサンプルの画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病理を識別するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。そのようなデータには、組織の位置特定及びマージン確認並びに表現型が含まれ得る。撮像デバイスと一体化された様々なセンサを使用し、かつ複数の撮像デバイスによって捕捉された画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を識別するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、デバイス1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウドコンピューティングシステム20064若しくはローカルコンピュータシステム20063又はその両方に転送され得る。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析されてもよい。そのようなデータ分析は、結果分析処理を更に利用し得、標準化された手法を使用することは、外科的治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科的治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供し得る。
【0078】
感知システム20069によって収集された測定値データにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用すると、外科用データネットワークは、改善された外科手術結果、改善された回復結果、低減されたコスト、及び改善された患者満足度をもたらし得る。感知システム20069のうちの少なくともいくつかは、患者を手術する外科医、外科処置のために準備中の患者、又は外科処置後に回復する患者の生理学的状態を評価するために利用されてもよい。クラウドベースのコンピューティングシステム20064は、外科医又は患者に関連付けられたバイオマーカをリアルタイムに監視し、外科処置前に収集された測定値データに少なくとも基づいて外科的計画を生成し、外科処置中に外科用器具に制御信号を供給し、術後期間中に患者に合併症を通知するために使用され得る。
【0079】
オペ室デバイス1a~1nは、ネットワークハブ20061に対するデバイス1a~1nの構成に応じて、有線チャネル又は無線チャネルを介して、モジュール式通信ハブ20065に接続され得る。ネットワークハブ20061は、一態様では、開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャストデバイスとして実装されてもよい。ネットワークハブは、同じオペ室ネットワーク内に位置するデバイス1a~1nに接続性を提供することができる。ネットワークハブ20061は、パケットの形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信し得る。ネットワークハブ20061は、デバイスデータを転送するための媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control、MAC/Internet Protocol、IP)も記憶できない。デバイス1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ20061を介して一度にデータを送信し得る。ネットワークハブ20061は、情報の送信先に関するルーティングテーブル又はインテリジェンスを有することができず、全てのネットワークデータを、各コネクション全体に、及びクラウドコンピューティングシステム20064のリモートサーバ20067にブロードキャストする。ネットワークハブ20061は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出し得るが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0080】
オペ室デバイス2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ20062に接続され得る。ネットワークスイッチ20062は、OSIモデルのデータリンク層内で作業する。ネットワークスイッチ20062は、同じオペ室内に位置するデバイス2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャストデバイスであってもよい。ネットワークスイッチ20062は、フレームの形態のデータをネットワークルータ20066に送信し、全二重モードで機能し得る。複数のデバイス2a~2mは、ネットワークスイッチ20062を介して同時にデータを送信し得る。ネットワークスイッチ20062は、データを転送するためにデバイス2a~2mのMACアドレスを記憶し、使用する。
【0081】
ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062は、クラウドコンピューティングシステム20064に接続するためにネットワークルータ20066に結合され得る。ネットワークルータ20066は、OSIモデルのネットワーク層内で作業する。ネットワークルータ20066は、デバイス1a~1n/2a~2m及びウェアラブル感知システム20011のいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを、更に処理及び操作するために、ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062から受信したデータパケットをクラウドベースコンピュータリソースに送信するためのルートを作成する。ネットワークルータ20066は、例えば、同じ医療施設の異なるオペ室、又は異なる医療施設の異なるオペ室に位置する異なるネットワークなど、異なる位置に位置する2つ又はそれ以上の異なるネットワークを接続するために利用されてもよい。ネットワークルータ20066は、パケットの形態のデータをクラウドコンピューティングシステム20064に送信し、全二重モードで機能し得る。複数のデバイスが同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ20066は、データを転送するためにIPアドレスを使用し得る。
【0082】
一実施例では、ネットワークハブ20061は、複数のUSBデバイスをホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、デバイスをホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ20061は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線機能又は無線機能を含み得る。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、オペ室内に位置するデバイス1a~1nとデバイス2a~2mとの間の通信のために利用され得る。
【0083】
実施例では、オペ室デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069は、固定及びモバイルデバイスから短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、パーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ20065と通信してもよい。オペ室デバイス1a~1n/2a~2m及び又は感知システム20069は、いくつかの無線通信規格若しくは有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ20065と通信してもよく、このような規格又はプロトコルとしては、Bluetooth、Low-Energy Bluetooth、近距離無線通信規格(near-field communication、NFC)、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリ)、WiMAX(IEEE802.16ファミリ)、IEEE802.20、ニューラジオ(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降に指定される任意の他の無線プロトコル及び有線プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetooth、Low-Energy Bluetooth、Bluetooth Smartなどの短距離の無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMAなどの長距離の無線通信専用であってもよい。
【0084】
モジュール式通信ハブ20065は、オペ室デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069のうちの1つ又は2つ以上の中央接続部として機能し、フレームとして知られるデータタイプを取り扱い得る。フレームは、デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069によって生成されたデータを搬送し得る。フレームがモジュール式通信ハブ20065によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ20066へ送信され、このネットワークルータは、本明細書に記載されるように、多数の無線通信規格若しくは有線通信規格又はプロトコルを使用することによって、このデータをクラウドコンピューティングシステム20064又はローカルコンピュータシステム20063に転送し得る。
【0085】
モジュール式通信ハブ20065は、スタンドアロンのデバイスとして使用されてもよく、又は大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ20061及びネットワークスイッチ20062に接続されてもよい。モジュール式通信ハブ20065は、一般に設置、構成、及び維持が容易であるため、オペ室デバイス1a~1n/2a~2mをネットワーク形成するための良好な選択肢となり得る。
【0086】
図5は、HCP監視システム20002の一部であってもよいコンピュータ実装双方向外科用システム20070を示している。コンピュータ実装双方向外科用システム20070は、多くの点でHCP感知システム20002と類似している。例えば、コンピュータ実装双方向外科用システム20070は、多くの点でHCP監視システム20002と類似する1つ又は2つ以上の手術用サブシステム20072を含み得る。各サブ外科用システム20072は、リモートサーバ20077及びリモートストレージ20078を含み得るクラウドコンピューティングシステム20064と通信する少なくとも1つの外科用ハブ20076を含み得る。一態様では、コンピュータ実装双方向外科用システム20070は、感知システム20001、インテリジェント外科用器具、ロボット及びオペ室内に位置する他のコンピュータ化デバイスなどの複数のオペ室デバイスに接続されたモジュール式制御タワー20085を備え得る。
【0087】
図5の実施例に示されるように、モジュール式制御タワー20085は、内視鏡20087に結合され得る撮像モジュール20088、エネルギーデバイス20089に結合され得る発生器モジュール20090、排煙器モジュール20091、吸引/灌注モジュール20092、通信モジュール20097、プロセッサモジュール20093、ストレージアレイ20094、任意選択的にディスプレイ20086及び20084にそれぞれ結合されたスマートデバイス/器具20095、並びに非接触センサモジュール20096に結合され得る。非接触センサモジュール20096は、超音波、レーザタイプ、及び/又は同様の非接触測定デバイスを使用して、オペ室の寸法を測定し、手術現場のマップを生成し得る。他の距離センサを利用して、手術室の境界を判定することができる。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号では、同文献中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の見出しの下に記載されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストがオペ室の外壁に反射したときのエコーを受信することによってオペ室を走査し得る。センサモジュールが、オペ室のサイズを判定し、Bluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成され得る。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信することによってオペ室を走査でき、オペ室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較してオペ室のサイズを判定し、Bluetoothペアリング距離限界を調整する。
【0088】
モジュール式制御タワー20085はまた、1つ又は2つ以上の感知システム20069及び環境感知システム20015と通信し得る。感知システム20069は、ルータを介して直接的に、又は通信モジュール20097を介して、モジュール式制御タワー20085に接続され得る。オペ室デバイスは、モジュール式制御タワー20085を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに結合され得る。ロボット外科用ハブ20082もまた、モジュール式制御タワー20085及びクラウドコンピューティングリソースに接続され得る。とりわけ、デバイス/器具20095又は20084、ヒューマンインターフェースシステム20080は、本明細書に記載されるように、有線通信規格若しくは無線通信規格又はプロトコルを介して、モジュール式制御タワー20085に結合され得る。ヒューマンインターフェースシステム20080は、表示サブシステムと、通知サブシステムと、を含み得る。モジュール式制御タワー20085は、ハブディスプレイ20081(例えば、モニタ、スクリーン)に結合されて、撮像モジュール20088、デバイス/器具ディスプレイ20086、及び/又は他のヒューマンインターフェースシステム20080から受信した画像を表示し、オーバーレイし得る。ハブディスプレイ20081はまた、画像及びオーバーレイ画像とともにモジュール式制御タワー20085に接続されたデバイスから受信したデータを表示し得る。
【0089】
図6は、本開示の1つ又は2つ以上の態様による、外科用器具又は外科用ツールの制御システム20220の論理図を示している。外科用器具又は外科用ツールは、構成可能であってもよい。外科用器具は、撮像デバイス、手術用ステープラ、エネルギーデバイス、エンドカッターデバイスなどの手元にあって、処置に特有の手術用備品を含んでもよい。例えば、外科用器具は、電動ステープラ、電動ステープラ発生器、エネルギーデバイス、高度エネルギーデバイス、高度エネルギージョーデバイス、エンドカッタークランプ、エネルギーデバイス発生器、手術室内撮像システム、排煙器、吸引灌注デバイス、気腹システムなどのうちのいずれかを含んでもよい。システム20220は、制御回路を備え得る。制御回路は、プロセッサ20222及びメモリ20223を備えるマイクロコントローラ20221を含み得る。例えば、センサ20225、20226、20227のうちの1つ又は2つ以上が、プロセッサ20222にリアルタイムなフィードバックを提供する。モータドライバ20229によって駆動されるモータ20230は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に結合して、Iビームナイフ要素を駆動する。追跡システム20228は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を判定するように構成され得る。位置情報は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置を、並びに発射部材、発射バー、及びIビームナイフ要素の位置を、判定するようにプログラムされ得る、又は構成され得るプロセッサ20222に提供され得る。追加のモータが、Iビームの発射、閉鎖チューブの移動、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供されてもよい。ディスプレイ20224は、器具の様々な動作状態を表示し、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含み得る。ディスプレイ20224上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイされ得る。
【0090】
マイクロコントローラ20221は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであり得る。一態様では、主マイクロコントローラ20221は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ又は2つ以上のPWMモジュール、1つ又は2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを有する1つ又は2つ以上の12ビットADCを備える、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0091】
マイクロコントローラ20221は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラベースのファミリを備える安全コントローラを備えてもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全特徴部を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成され得る。
【0092】
マイクロコントローラ20221は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御など、様々な機能を実施するようにプログラムされてもよい。一態様では、マイクロコントローラ20221は、プロセッサ20222と、メモリ20223と、を含んでもよい。電気モータ20230は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的結合部を備えたブラシ付き直流(direct current、DC)モータであってもよい。一態様では、モータドライバ20229は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータドライバが、絶対位置決めシステムを備える追跡システム20228で使用するために容易に代用され得る。絶対位置決めシステムに関する詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
【0093】
マイクロコントローラ20221は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされ得る。マイクロコントローラ20221は、マイクロコントローラ20221のソフトウェアで応答を計算するように構成され得る。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答を得ることができ、これが実際のフィードバックの判定に使用される。観測された応答は、シミュレートされた応答の滑らかで連続的な性質と、測定された応答とのバランスを取る好適な調整された値であってよく、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
【0094】
モータ20230は、モータドライバ20229によって制御され得、外科用器具又はツールの発射システムによって利用され得る。様々な形態において、モータ20230は、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。いくつかの例では、モータ20230としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータが挙げられ得る。モータドライバ20229は、例えば、電界効果トランジスタ(field-effect transistor、FET)を備えるHブリッジドライバを備えてもよい。モータ20230は、外科用器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドル組立体又はツールハウジングに解放可能に取り付けられた電源組立体によって給電され得る。電源組立体は、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源組立体の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源組立体に結合可能かつ電源組立体から分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
【0095】
モータドライバ20229は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941は、ブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として特に設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transistor、MOSFET)とともに使用するためのフルブリッジコントローラであってもよい。ドライバ20229は、固有の電荷ポンプレギュレータを備えてもよく、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に供給し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を供給するために、ブートストラップコンデンサが利用されてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を使用して高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードでは、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護され得る。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を示すものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータドライバが、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム20228で使用するために容易に代用され得る。
【0096】
追跡システム20228は、本開示の一態様による位置センサ20225を備える制御されたモータ駆動回路構成を備え得る。絶対位置決めシステムのための位置センサ20225は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を供給し得る。いくつかの例では、変位部材は、ギア減速機組立体の対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表すことができる。いくつかの例では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る発射部材を表すことができる。いくつかの例では、変位部材は、発射バー又はIビームを表すことができ、それらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る。したがって、本明細書で使用するとき、変位部材という用語は、一般的に、駆動部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具又はツールの任意の移動可能な部材を指すために使用され得る。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー、及びIビームに結合され得る。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、Iビームの直線変位を追跡することができる。様々な態様では、変位部材は、直線変位を測定するために好適な任意の位置センサ20225に結合されてもよい。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはIビーム、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに結合されてもよい。直線変位センサは、接触式変位センサ又は非接触式変位センサを含んでもよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformer、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducer、DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線状に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線状に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線状に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線状に配置されたフォトダイオード若しくは光検出器を備える光学感知システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0097】
電気モータ20230は、変位部材上の駆動歯のセット、又は駆動歯のラックと噛合係合で取り付けられるギア組立体と動作可能に接続する回転式シャフトを含み得る。センサ要素は、位置センサ20225要素の1回転が、変位部材のいくつかの直線長手方向並進に対応するように、ギア組立体に動作可能に結合され得る。ギアリング及びセンサの構成は、ラックピニオン構成によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示してもよい。変位部材は、ギア減速機組立体の対応する駆動ギアと噛合係合するための、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表すことができる。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組み合わせを表すことができる。
【0098】
位置センサ20225に関連付けられたセンサ要素の1回転は、変位部材の長手方向直線変位d1に相当することができ、d1は、変位部材に結合されたセンサ要素の1回転の後で、変位部材が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離である。センサ構成は、位置センサ20225が変位部材のフルストロークに対して1回又は2回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して結合され得る。位置センサ20225は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了し得る。
【0099】
位置センサ20225の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1よりも大きい整数である)が、単独で、又はギアの減速との組み合わせで利用されてもよい。スイッチの状態は、マイクロコントローラ20221にフィードバックでき、そのマイクロコントローラは、論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する固有の位置信号を判定する。位置センサ20225の出力は、マイクロコントローラ20221に供給される。センサ構成の位置センサ20225は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果要素のアレイを備えてもよい。
【0100】
位置センサ20225は、例えば、全磁界又は磁界のベクトル成分を測定するか否かに従って分類される磁気センサなど、任意の数の磁気感知要素を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために使用される技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含み得る。磁界の感知に使用される技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサを挙げることができる。
【0101】
絶対位置決めシステムを備える追跡システム20228の位置センサ20225は、磁気回転絶対位置決めシステムを備え得る。位置センサ20225は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ20225は、マイクロコントローラ20221に接続され、絶対位置決めシステムを実現する。位置センサ20225は、低電圧低電力の構成要素であり、磁石の上方に位置し得る位置センサ20225のエリアに、4つのホール効果要素を含み得る。また、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラをチップ上に設けてもよい。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔で、効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(coordinate rotation digital computer、CORDIC)プロセッサが設けられ得る。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(serial peripheral interface、SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ20221に送信され得る。位置センサ20225は、12ビット又は14ビットの解像度を提供し得る。位置センサ20225は、小型のQFN16ピン4x4x0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
【0102】
絶対位置決めシステムを備える追跡システム20228は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、及び/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源は、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ20225によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサが設けられてもよい。いくつかの態様では、他のセンサとしては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているものなどのセンサ構成を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムはデジタルデータ取得システムに結合され、ここで絶対位置決めシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを使用して、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れてよい。
【0103】
絶対位置決めシステムは、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供することができ、それは、モータ20230が取った前方又は後方へのステップの数を単に計数する、デバイスアクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダが必要する、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置に後退又は前進させることがない。
【0104】
例えば、歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ20226は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができ、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅など、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されてもよい。測定した歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ20222に提供され得る。センサ20226の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ20227が、閉鎖駆動システムによってアンビルに加えられる閉鎖力を測定してもよい。例えば、負荷センサなどのセンサ20227は、外科用器具又はツールの発射ストローク中にIビームに加えられる発射力を測定してもよい。Iビームは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。Iビームはまた、Iビームを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用することができる、鋭利な切刃を含み得る。代替的に、モータ20230によって消費される電流を測定するために、電流センサ20231を利用してもよい。発射部材を前進させるために必要な力は、例えば、モータ20230によって消費される電流に相当し得る。測定した力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ20222に提供され得る。
【0105】
例えば、歪みゲージセンサ20226を使用して、エンドエフェクタによって組織に加えられる力を測定することができる。処置されている組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに結合することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に加えられた力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成され得る微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ20226を備えてもよい。一態様では、歪みゲージセンサ20226は、組織圧縮を示し得る、クランプ動作中にエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされる歪みの振幅又は規模を測定してもよい。測定した歪みは、デジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ20221のプロセッサ20222に供給され得る。負荷センサ20227は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を動作させるために使用される力を測定してもよい。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために利用することができる。磁界センサの測定値も、デジタル信号に変換されて、プロセッサ20222に供給されてもよい。
【0106】
センサ20226、20227によってそれぞれ測定される、組織圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するために必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ20221によって使用され得る。一実施例では、メモリ20223は、評価の際にマイクロコントローラ20221によって利用され得る技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶してもよい。
【0107】
外科用器具又はツールの制御システム20220はまた、図5に示すようにモジュール式通信ハブ20065と通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。
【0108】
図7は、例示的な感知システム20069を示す。感知システムは、HCP感知システム又は患者感知システムであり得る。感知システム20069は、データ処理及び通信ユニット20236と通信するセンサユニット20235及びヒューマンインターフェースシステム20242を含み得る。データ処理及び通信ユニット20236は、アナログデジタル変換20237と、データ処理ユニット20238と、ストレージユニット20239と、入力/出力インターフェース20241と、トランシーバ20240と、を含み得る。感知システム20069は、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243と通信することができ、これは次に、クラウドコンピューティングシステム20244と通信する。クラウドコンピューティングシステム20244は、クラウドストレージシステム20078と、1つ又は2つ以上のクラウドサーバ20077と、を含み得る。
【0109】
センサユニット20235は、1つ又は2つ以上のバイオマーカを測定するために、1つ又は2つ以上の生体外又は生体内センサを含み得る。バイオマーカは、例えば、血中pH、水分補給状態、酸素飽和度、深部体温、心拍数、心拍変動、発汗率、皮膚コンダクタンス、血圧、光曝露、環境の温度、呼吸数、咳及びくしゃみ、胃腸運動、消化管撮像、組織灌流圧、気道中の細菌、アルコール消費、乳酸(汗)、末梢温度、陽性及び楽観、アドレナリン(汗)、コルチゾール(汗)、浮腫、マイコトキシン、VO2 max、術前疼痛、空気中の化学物質、循環腫瘍細胞、ストレス及び不安、錯乱及びせん妄、身体活動、自律緊張、概日リズム、月経周期、睡眠などを含み得る。これらのバイオマーカは、1つ又は2つ以上のセンサ、例えば、光センサ(例えば、フォトダイオード、フォトレジスタ)、機械センサ(例えば、モーションセンサ)、音響センサ、電気センサ、電気化学センサ、熱電センサ、赤外線センサなどを使用して測定され得る。センサは、フォトプレチスモグラフィ、心電図検査、脳波検査、比色分析、インペディメンタリ、電位差測定、電流測定などの感知技術のうちの1つ又は2つ以上を使用して、本明細書に記載されるように、バイオマーカを測定し得る。
【0110】
図7に示されるように、センサユニット20235内のセンサは、測定しようとするバイオマーカに関連付けられた生理学的信号(例えば、電圧、電流、PPG信号など)を測定し得る。測定される生理学的信号は、本明細書に記載されるように、使用する感知技術に依存し得る。感知システム20069のセンサユニット20235は、データ処理及び通信ユニット20236と通信し得る。一実施例では、センサユニット20235は、無線インターフェースを使用してデータ処理及び通信ユニット20236と通信してもよい。データ処理及び通信ユニット20236は、アナログデジタル変換器(ADC)20237と、データ処理ユニット20238と、ストレージ20239と、I/Oインターフェース20241と、RFトランシーバ20240と、を含み得る。データ処理ユニット20238は、プロセッサと、メモリユニットと、を含み得る。
【0111】
センサユニット20235は、測定した生理学的信号を、データ処理及び通信ユニット20236のADC20237に送信し得る。一実施例では、測定した生理学的信号は、ADCに送信される前に、1つ又は2つ以上のフィルタ(例えば、RCローパスフィルタ)を通過してもよい。ADCは、測定した生理学的信号を、バイオマーカに関連付けられた測定値データに変換し得る。ADCは、処理のために測定値データをデータ処理ユニット20238に渡し得る。一実施例では、データ処理ユニット20238は、バイオマーカに関連付けられた測定値データを、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信し、次に、更なる処理のために測定値データをクラウドコンピューティングシステム20244に送信し得る。データ処理ユニットは、本明細書に記載されるように、無線プロトコルのうちの1つを使用して、測定値データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信し得る。一実施例では、データ処理ユニット20238は、最初に、センサユニットから受信した生の測定値データを処理し、処理した測定値データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信し得る。
【0112】
一実施例では、感知システム20069のデータ処理及び通信ユニット20236は、外科用ハブ、コンピューティングデバイス20243から、又はクラウドコンピューティングシステム20244のクラウドサーバ20077から直接、監視のためのバイオマーカに関連付けられた閾値を受信し得る。データ処理ユニット20236は、監視されるバイオマーカに関連付けられた測定値データを、外科用ハブ、コンピューティングデバイス20243、又はクラウドサーバ20077から受信した対応する閾値と比較し得る。データ処理及び通信ユニット20236は、測定値データ値が閾値を超えたことを示す通知メッセージをHID20242に送信し得る。通知メッセージは、監視したバイオマーカに関連付けられた測定値データを含み得る。データ処理及びコンピューティングユニット20236は、Bluetooth、Bluetooth Low-Energy(BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力無線パーソナルエリアネットワーク(6LoWPAN)、Wi-FiなどのRFプロトコルのうちの1つを使用して、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243への送信を介して通知を送信し得る。データ処理ユニット20238は、GSM/GPRS/EDGE(2G)、UMTS/HSPA(3G)、ロングタームエボリューション(LTE)又は4G、LTEアドバンスト(LTE-A)、ニューラジオ(NR)又は5Gなどのセルラープロトコルのうちの1つ又は2つ以上を使用して、セルラー送信/受信ポイント(TRP)又は基地局への送信を介して、クラウドサーバに直接通知(例えば、HCPについての通知)を送信し得る。一実施例では、感知ユニットは、ルータを介してハブ/コンピューティングデバイスと通信し得る。
【0113】
一実施例では、センサユニットは、センサ及びアナログデジタル変換器(ADC)を含み得る。センサユニット内のADCは、センサによって測定された生理学的信号を、バイオマーカに関連付けられた測定値データに変換し得る。センサユニットは、更なる処理のために、測定値データを、データ処理及び通信ユニットに送信し得る。一実施例では、センサユニットは、集積回路間(inter-integrated circuit、I2C)インターフェースを使用して、測定値データを、データ処理及び通信ユニットに送信し得る。
【0114】
データ処理及び通信ユニットは、データ処理ユニットと、ストレージユニットと、RFトランシーバと、を含む。感知システムは、外科用ハブ又はコンピューティングデバイスと通信し、これは、次に、クラウドコンピューティングシステム20244と通信し得る。クラウドコンピューティングシステム20244は、リモートサーバ20077と、関連するリモートストレージ20078と、を含み得る。センサユニットは、本明細書に記載されるように、1つ又は2つ以上のバイオマーカを測定するために、1つ又は2つ以上の生体外又は生体内センサを含み得る。
【0115】
データ処理及び通信ユニットは、センサユニットから受信した測定値データを処理した後、測定値データを更に処理し、及び/又は測定値データをスマートハブ若しくはコンピューティングデバイス20243に送信し得る。一実施例では、データ処理及び通信ユニットは、更なる処理及び/又は監視のために、センサユニットから受信した測定値データを、クラウドコンピューティングシステム20244のリモートサーバ20077に送信し得る。
【0116】
一実施例では、センサユニットは、患者又は外科医のバイオマーカに関連付けられた1つ又は2つ以上の生理学的信号及び/又は人の物理的状態に関連付けられた1つ又は2つ以上の物理的状態信号を測定するための複数のセンサを含み得る。バイオマーカのリストは、本明細書に開示されるバイオマーカなどのバイオマーカを含み得る。センサユニット内のADCは、複数のセンサによって測定された生理学的信号及び/又は物理的状態信号の各々を、それぞれの測定値データに変換し得る。センサユニットは、1つ又は2つ以上のバイオマーカに、並びに監視されている患者の物理的状態に関連付けられた測定値データを、更なる処理のために、データ処理及び通信ユニットに送信し得る。センサユニットは、センサの各々について個別に、又は全てのセンサについて組み合わされて、測定値データをデータ処理及び通信ユニットに送信し得る。一実施例では、センサユニットは、測定値データを、I2Cインターフェースを介してデータ処理及び通信ユニットに送信し得る。
【0117】
図8は、外科用器具制御を調整するために、1つ又は2つ以上のHCP感知システムからの外科的タスク状況認識及び測定値データを使用する一実施例である。図8は、例示的な外科処置のタイムライン20265と、外科処置の各工程において1つ又は2つ以上の外科用デバイス、1つ又は2つ以上のHCP感知システム、及び/又は1つ又は2つ以上の環境感知システムから受信したデータから外科用ハブが導出し得るコンテキスト情報と、を示す。外科用ハブによって制御され得るデバイスは、高度エネルギーデバイス、エンドカッタークランプなどを含み得る。HCP感知システムは、外科医に関連付けられた1つ又は2つ以上のバイオマーカ、例えば、心拍数、汗の組成、呼吸数などを測定するための感知システムを含み得る。環境感知システムは、環境属性のうちの1つ又は2つ以上を測定するためのシステム、例えば、外科医の位置/移動/呼吸パターンを検出するためのカメラを、例えば、手術現場内の周囲ノイズ及び/又は医療提供者の声のトーン、周囲の温度/湿度などを測定するための空間マイクロフォンを、含み得る。
【0118】
図8に示されるタイムライン20265の以下の説明では、図5も参照されたい。図5は、外科処置において使用される様々な構成要素を提供する。タイムライン20265は、例示的な結腸直腸外科処置の過程中に、看護師、外科医、及び他の医療関係者によって、個別に及び/又は一括して行われ得る工程を示す。結腸直腸外科処置では、状況認識外科用ハブ20076は、HCPが外科用ハブ20076とペアリングされたモジュール式デバイス/器具20095を利用するたびに生成されるデータを含む、外科処置の過程全体を通して様々なデータソースからデータを受信し得る。外科用ハブ20076は、ペアリングされたモジュール式デバイス20095からこのデータを受信し得る。外科用ハブは、感知システム20069から測定値データを受信し得る。外科用ハブは、モジュール式デバイス/器具20095からのデータを、及び/又は感知システム20069からの測定値データを使用して、実施されている処置の工程に対する外科医のストレスレベルが取得されるように、新規のデータが受信されるにつれて、HCPのストレスレベル及び進行中の処置に関する推測(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出し得る。外科用ハブ20076の状況認識システムは、報告を生成するために処置に関するデータを記録すること、医療関係者が実施している工程を検証すること、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイ画面を介して)提供すること、状況に基づいてモジュール式デバイスを調整する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像デバイスのFOVを調整する、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更する)こと、又は本明細書に記載される任意の他のこうした動作を実施すること、のうちの1つ又は2つ以上を実施し得る。一実施例では、これらの工程は、クラウドシステム20064のリモートサーバ20077によって実施され、外科用ハブ20076と通信され得る。
【0119】
(簡潔にするために図8には示されていない)第1の工程として、病院スタッフメンバーは、病院のEMRデータベースから、患者のEMRを読み出し得る。EMRにおいて選択された患者データに基づいて、外科用ハブ20076は、実施される処置が胸部処置であることを判定し得る。スタッフメンバーは、処置のために入来する医療用品を走査し得る。外科用ハブ20076は、走査した用品を様々なタイプの処置において利用され得る用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせが、胸部処置に一致することを確認し得る。外科用ハブ20076は、異なるHCPによって装着された感知システム20069の各々をペアリングし得る。
【0120】
デバイスの各々が準備され、手術前の準備が完了すると、手術チームは、切開を行い、トロカールを配置することによって開始し得る。手術チームは、もしあれば癒着を切開し、下腸間膜動脈(inferior mesenteric artery、IMA)分岐を識別することによって、アクセス及び準備を実施し得る。外科用ハブ20076は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器から受信し得るデータに少なくとも基づいて、外科医が癒着を切開する過程にあると推測し得る。外科用ハブ20076は、受信したデータを外科処置の読み出された工程と相互参照して、プロセスのこの時点(例えば、上述された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定し得る。
【0121】
解剖後、HCPは、処置の結紮工程(例えば、A1によって示される)に進み得る。図8に示されるように、HCPは、IMAを結紮することによって開始し得る。外科用ハブ20076は、器具が発射されていることを示すデータを高度エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッターから受信し得るので、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推測し得る。外科用ハブはまた、HCPの高いストレスレベルを示す(例えば、時間軸上のB1マークが示す)HCPの感知システムのうちの1つから測定値データを受信し得る。例えば、高いストレスレベルは、ベース値からのHCPの心拍数の変化によって示されてもよい。外科用ハブ20076は、前の工程と同様に、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、プロセスにおいて読み出された工程(例えば、A2及びA3が示すような)と相互参照することによって、この推測を導出し得る。外科用ハブ20076は、高ストレス期間中に、高度エネルギージョートリガ比、並びに/又はエンドカッタークランプ及び発射速度を監視し得る。一実施例では、外科用ハブ20076は、補助制御信号を、高度エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッターデバイスに送信して、動作中のデバイスを制御し得る。外科用ハブは、外科用デバイスを操作しているHCPのストレスレベル、及び/又は外科用ハブに知られている状況認識に基づいて、補助信号を送信し得る。例えば、外科用ハブ20076は、図8のA2及びA3によって示されるように、制御補助信号を高度エネルギーデバイス又はエンドカッタークランプに送信し得る。
【0122】
HCPは、上部S状結腸を解放し、続いて下行結腸、直腸、及びS状結腸を解放する次の工程に進み得る。外科用ハブ20076は、HCPの高ストレスマーカ(例えば、D1、E1a、E1b、F1が示すような)を監視し続け得る。外科用ハブ20076は、図8に示されるように、高ストレス期間中に、高度エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッターデバイスに補助信号を送信し得る。
【0123】
結腸を可動化した後、HCPは、処置の分節切除術部分に進み得る。例えば、外科用ハブ20076は、外科用ステープル留め及び切断器具のカートリッジからのデータを含む外科用ステープル留め及び切断器具からのデータに基づいて、HCPが腸を離断してS状結腸を除去していると、推測し得る。カートリッジデータは、例えば、器具によって発射されているステープルのサイズ又はタイプに対応することができる。異なるタイプのステープルが異なるタイプの組織に利用されるので、カートリッジデータは、ステープル留め及び/又は離断されている組織のタイプを示すことができる。様々な器具が特定のタスクに対して良好に適合するので、外科医が、処置中の工程に応じて、外科用ステープル留め/切断器具と手術用エネルギー(例えば、RF又は超音波)器具とを、定期的に交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め器具/切断器具及び手術用エネルギー器具が使用されるシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実施しているかを示し得る。
【0124】
外科用ハブは、HCPのストレスレベルに基づいて制御信号を判定し、外科用デバイスに送信し得る。例えば、期間G1b中に、制御信号G2bがエンドカッタークランプに送信されてもよい。S状結腸を除去すると、切開部が閉じられ、処置の術後部分が開始され得る。患者を麻酔から覚醒させ得る。外科用ハブ20076は、患者に取り付けられた1つ又は2つ以上の感知システムに基づいて、患者が麻酔から覚醒していると推測し得る。
【0125】
図9は、1つ又は2つ以上の感知システム20001を使用してHCPバイオマーカを監視するように構成され得る例示的なコンピュータ実装双方向外科用システムを示す。コンピュータ実装双方向外科用システムは、1つ又は2つ以上の感知システム20069を使用して、HCPバイオマーカを監視するように構成され得る。HCPバイオマーカ及び/又は患者バイオマーカは、外科処置の前、後、及び/又はその間に測定され得る。一態様では、このコンピュータ実装双方向外科用システムは、外科用ハブ、外科用器具、ロボットデバイス、及びオペ室又は医療施設を含む様々な外科用システム20069の動作に関するデータを監視し、分析するように構成され得る。コンピュータ実装双方向外科用システムは、クラウドベースの分析システムを含み得る。コンピュータ実装双方向外科用システムは、ローカル分析システムを含み得る。クラウドベースの分析システムは、1つ又は2つ以上の分析サーバを含み得る。
【0126】
監視及び分析システムは、複数の感知システム20268(感知システム20069と同じ又は類似であり得る)、外科用器具20266(器具20031と同じ又は類似であり得る)、及び/又は複数の外科用ハブ20270(ハブ20006と同じ又は類似であり得る)を含み得る。外科用データネットワーク20269(図4に記載される外科用データネットワークと同じ又は類似であり得る)は、外科用ハブ20270をコンピューティングシステム20271(ローカルコンピューティングシステム、エッジコンピューティングシステムであり得るか、又はクラウドコンピューティングシステム20064などのクラウドコンピューティングシステムであり得る)に結合され得る。外科用ハブ20270は、1つ又は2つ以上の外科用器具20266に通信可能に結合され得る。外科用ハブ20270はまた、1つ又は2つ以上の感知システム20268に、及びネットワーク20269を介してコンピュータ実装双方向外科用システムのクラウド20271に、通信可能に結合され得る。外科用ハブ20270及び感知システム20268は、本明細書に記載されるような無線プロトコルを使用して通信可能に結合され得る。コンピューティングシステム20271は、感知システム20268からの測定値データ、及び様々な外科用器具20266の動作に基づいて生成されたデータを、記憶し、処理し、操作し、通信するためのハードウェア及びソフトウェアのローカル又はリモート焦点ソースであり得る。
【0127】
図9に示されるように、コンピューティングシステム20271へのアクセスは、ネットワーク20269を介して達成され得る。ネットワーク20269は、インターネット又は他の何らかの好適なコンピュータネットワークであり得る。コンピューティングシステム20271に結合され得る外科用ハブ20270は、コンピューティングシステムのクライアント側(例えば、クラウドベースの分析システム)と見なすことができる。外科用器具20266は、本明細書に記載されるような、様々な外科処置及び/又は動作の制御及び実装のために、外科用ハブ20270とペアリングされ得る。感知システム20268は、外科医関連バイオマーカの術中HCP監視、術前HCP監視、監視、又は術後HCP監視のために、外科用ハブ20270とペアリングされ得る。環境感知システム20267は、HCPに関連付けられた環境属性を測定する外科用ハブ20270とペアリングされ得る。
【0128】
外科用器具20266、環境感知システム20267、及び感知システム20268は、それらの対応する外科用ハブ20270(これもまた、トランシーバを備え得る)へ、及び外科用ハブ20270からのデータ伝送のための有線又は無線トランシーバを備え得る。外科用器具20266、感知システム20268、又は外科用ハブ20270のうちの1つ又は2つ以上の組み合わせは、医療行為、手術前の準備、及び/又は手術後の回復の提供のために、医療施設(例えば、病院)内のオペ室、焦点治療室(intensive care unit、ICU)室、又は回復室などの特定の場所を示し得る。例えば、外科用ハブ20270のメモリは、位置データを記憶し得る。
【0129】
図9に示されるように、クラウドシステム20271は、1つ又は2つ以上の中央サーバ20272(リモートサーバ20067と同じ又は類似であり得る)、外科用ハブアプリケーションサーバ20276、データ分析モジュール20277、及び入力/出力(「I/O」)インターフェース20278を含み得る。コンピューティングシステム20271の中央サーバ20272は、クラウドコンピューティングシステムを集合的に管理することができ、クライアント外科用ハブ20270による要求を監視し、その要求を実行するためのコンピューティングシステム20271の処理能力を管理することを含む。中央サーバ20272の各々は、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)などの揮発性メモリ、及び磁気記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含み得る好適なメモリデバイス20274に結合された1つ又は2つ以上のプロセッサ20273を備え得る。メモリデバイス20274は、機械実行可能な命令を備え、命令は、実行されると、クラウドベースのデータ分析、感知システム20268から受信した測定値データのリアルタイム監視、本明細書に記載されるような動作、推奨、及び他の動作のために、プロセッサ20273に、データ分析モジュール20277を実行させ得る。プロセッサ20273は、独立して、又はハブ20270によって独立して実行されるハブアプリケーションと併せて、データ分析モジュール20277を実行し得る。中央サーバ20272はまた、メモリ20274内に存在し得る集約された医療データのデータベース20275を含み得る。
【0130】
ネットワーク20269を介した様々な外科用ハブ20270への接続に基づいて、コンピューティングシステム20271は、様々な外科用器具20266によって生成された特定のデータ、感知システム20268からのリアルタイムデータ、及び/又は外科用ハブ20270からのデータを集約することができる。そのような集約データは、コンピューティングシステム20271に関連付けられた集約された医療データベース20275内に記憶され得る。コンピューティングシステム20271は、感知システム20268からのリアルタイム測定値データを追跡し、並びに/あるいは測定値データ及び/又は集約データに対してデータ分析及び動作を実施して、洞察をもたらし、並びに/あるいは個々のハブ20270がそれ自体では実現し得ない機能を実施し得る。
【0131】
図9に示されるように、コンピューティングシステム20271及び外科用ハブ20270は、情報を送受信するために通信可能に結合される。I/Oインターフェース20278は、ネットワーク20269を介して複数の外科用ハブ20270に接続される。I/Oインターフェース20278は、外科用ハブ20270と集約医療データデータベース20275との間で情報を転送するように構成され得る。I/Oインターフェース20278は、クラウドベースの分析システムの読み出し/書き込み動作を容易にし得る。このような読み出し/書き込み動作は、ハブ20270からの要求に応じて実行されてもよい。これらの要求は、ハブアプリケーションを介して外科用ハブ20270に送信され得る。I/Oインターフェース20278は、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)ポート、IEEE1394ポート、並びにコンピューティングシステム20271を外科用ハブ20270に接続するためのWi-Fi及びBluetooth I/Oインターフェースを含み得る、1つ又は2つ以上の高速データポートを含み得る。コンピューティングシステム20271のハブアプリケーションサーバ20276は、外科用ハブ20270によって実行されるソフトウェアアプリケーション(例えば、ハブアプリケーション)に共有機能をホストし、供給するように構成され得る。例えば、ハブアプリケーションサーバ20276は、ハブアプリケーションによって実施されるハブ20270を介する要求を管理し、集約された医療データのデータベース20275へのアクセスを制御し、負荷分散を実施してもよい。
【0132】
コンピューティングシステムは、外科用器具20266、20031などの医療デバイスを使用して実施される医療行為(例えば、術前監視、術中監視、及び術後監視)及び処置の状況において生じる様々な問題に対処し得る。外科用器具20266は、外科手術のパフォーマンスを改善するための技法を実装するために、クラウド20271とインタラクトするように構成されたデジタル外科用デバイスであり得る。コンピューティングシステムは、感知システム20268を使用して術前、術中、及び術後の処置においてHCP又は患者に関連付けられた1つ又は2つ以上のバイオマーカを監視する状況において生じる様々な問題に対処し得る。感知システム20268は、外科医バイオマーカ及び/又は患者バイオマーカを監視する技法を実装するために、外科用ハブ20270及び/又はコンピューティングシステム20271とインタラクトし得る。感知システム20268は、医療行為に参加しているHCPに、及び/又は医療行為が実施される予定であるか、実施されているか、若しくは実施された患者に関連付けられた1つ又は2つ以上のバイオマーカを測定するように構成された1つ又は2つ以上のセンサを有するシステムであり得る。様々な外科用器具20266、感知システム20268、及び/又は外科用ハブ20270は、HCPS及び/又は患者が外科用器具20266又は感知システム20268とコンピューティングシステム20271との間のインタラクションの態様を制御し得るように、ヒューマンインターフェースシステム(例えば、タッチ制御式ユーザインターフェースを有する)を含み得る。聴覚的に制御されたユーザインターフェースなどの制御のための他の好適なユーザインターフェースも使用してもよい。
【0133】
図10は、本開示による例示的な外科用システム20280を示し、有線又は無線接続を介してローカルエリアネットワーク20292及び/又はクラウドネットワーク20293を通じてコンソール20294又はポータブルデバイス20296と通信することができる外科用器具20282を含み得る。コンソール20294及びポータブルデバイス20296は、任意の好適なコンピューティングデバイスであり得る。外科用器具20282は、ハンドル20297と、アダプタ20285と、装填ユニット20287と、を含み得る。アダプタ20285は、ハンドル20297に解放可能に結合し、装填ユニット20287は、アダプタ20285が駆動シャフトから装填ユニット20287に力を伝達するように、アダプタ20285に解放可能に結合する。アダプタ20285又は装填ユニット20287は、装填ユニット20287にかかる力を測定するために、内部に配置される力ゲージ(明示的に図示せず)を含み得る。装填ユニット20287は、第1のジョー20291及び第2のジョー20290を有するエンドエフェクタ20289を含み得る。装填ユニット20287は、装填ユニット20287を再装填するために、装填ユニット20287を手術部位から除去する必要なく、臨床医が複数の締結具を複数回発射し得る生体内装填、つまり複数回発射装填ユニット(multi-firing loading unit、MFLU)であってもよい。
【0134】
第1のジョー20291及び第2のジョー20290は、それらの間に組織をクランプし、クランプされた組織を通して締結具を発射し、クランプされた組織を切断するように構成され得る。第1のジョー20291は、少なくとも1つの締結具を複数回発射するように構成されてもよく、又は交換される前に2回以上発射し得る複数の締結具(例えば、ステープル、クリップなど)を含む交換可能な複数回発射締結具カートリッジを含むように構成されてもよい。第2のジョー20290は、締結具が複数回発射締結具カートリッジから排出される際に、締結具を変形させるか、又は他の方法で固定するアンビルを含み得る。
【0135】
ハンドル20297は、駆動シャフトの回転に作用するように、駆動シャフトに結合されるモータを含み得る。ハンドル20297は、モータを選択的に作動させるための制御インターフェースを含み得る。制御インターフェースは、ボタン、スイッチ、レバー、スライダ、タッチスクリーン、及び任意の他の好適な入力機構又はユーザインターフェースを含んでもよく、これらは、モータを起動するために臨床医によって係合され得る。
【0136】
ハンドル20297の制御インターフェースは、ハンドル20297のコントローラ20298と通信して、モータを選択的に作動させ、駆動シャフトの回転に作用し得る。コントローラ20298は、ハンドル20297内に配置されてもよく、制御インターフェースからの入力、及びアダプタ20285からのアダプタデータ、又は装填ユニット20287からの装填ユニットデータを受信するように構成されてもよい。コントローラ20298は、モータを選択的に起動するために、制御インターフェースからの入力を、並びにアダプタ20285及び/又は装填ユニット20287から受信されたデータを分析し得る。ハンドル20297はまた、ハンドル20297の使用中に臨床医が見ることができるディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、器具20282の発射前、発射中、又は発射後に、アダプタ又は装填ユニットデータの部分を表示するように構成され得る。
【0137】
アダプタ20285は、内部に配置されるアダプタ識別デバイス20284を含み、装填ユニット20287は、内部に配置される装填ユニット識別デバイス20288を含み得る。アダプタ識別デバイス20284は、コントローラ20298と通信し、装填ユニット識別デバイス20288は、コントローラ20298と通信し得る。装填ユニット識別デバイス20288は、装填ユニット識別デバイス20288からコントローラ20298への通信を中継又は通過するアダプタ識別デバイス20284と通信し得ることが理解されるであろう。
【0138】
アダプタ20285はまた、アダプタ20285又は環境の様々な状態(例えば、アダプタ20285が装填ユニットに接続されているか否か、アダプタ20285がハンドルに接続されているか否か、駆動シャフトが回転しているか否か、駆動シャフトのトルク、駆動シャフトの歪み、アダプタ20285内の温度、アダプタ20285の発射回数、発射中のアダプタ20285のピーク力、アダプタ20285に印加される力の総量、アダプタ20285のピーク後退力、発射中のアダプタ20285の休止回数など)を検出するために、その周囲に配置される複数のセンサ20286(1つが示される)を含み得る。複数のセンサ20286は、データ信号の形態でアダプタ識別デバイス20284に入力を提供し得る。複数のセンサ20286のデータ信号は、アダプタ識別デバイス20284内に記憶されてもよく、又はアダプタ識別デバイス20284内に記憶されたアダプタデータを更新するために使用されてもよい。複数のセンサ20286のデータ信号は、アナログ又はデジタルであってもよい。複数のセンサ20286は、発射中に装填ユニット20287に及ぼされる力を測定するための力ゲージを含み得る。
【0139】
ハンドル20297及びアダプタ20285は、電気的インターフェースを介して、アダプタ識別デバイス20284及び装填ユニット識別デバイス20288をコントローラ20298と相互接続するように構成され得る。電気的インターフェースは、直接電気的インターフェースであってもよい(すなわち、エネルギー及び信号を間で伝送するために互いに係合する電気接点を含む)。追加的に、又は代替的に、電気的インターフェースは、エネルギー及び信号をそれらの間で無線送信する(例えば、誘導伝送する)ための非接触電気的インターフェースであってもよい。アダプタ識別デバイス20284及びコントローラ20298は、電気的インターフェースとは別個の無線接続を介して、互いに無線通信し得ることも企図される。
【0140】
ハンドル20297は、コントローラ20298からシステム20280の他の構成要素(例えば、LAN20292、クラウド20293、コンソール20294、又はポータブルデバイス20296)に器具データを送信するように構成されるトランシーバ20283を含み得る。コントローラ20298はまた、図9に図示されるように、1つ又は2つ以上のセンサ20286に関連付けられた器具データ及び/又は測定値データを外科用ハブ20270に送信し得る。トランシーバ20283は、外科用ハブ20270からデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、アダプタデータ、又は他の通知)を受信し得る。トランシーバ20283は、システム20280の他の構成要素からデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)を受信し得る。例えば、コントローラ20298は、ハンドル20297に取り付けられた取り付けアダプタ(例えば、アダプタ20285)のシリアル番号、アダプタ20285に取り付けられた装填ユニット(例えば、装填ユニット20287)のシリアル番号、及び装填ユニットに装填された複数回発射締結具カートリッジのシリアル番号を含む器具データをコンソール20294に送信してもよい。その後、コンソール20294は、取り付けられたカートリッジ、装填ユニット、及びアダプタにそれぞれ関連付けられたデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)をコントローラ20298に返信してもよい。コントローラ20298は、ローカル器具ディスプレイ上にメッセージを表示してもよいか、又はトランシーバ20283を介してコンソール20294若しくはポータブルデバイス20296にメッセージを送信して、メッセージを、それぞれディスプレイ20295若しくはポータブルデバイススクリーン上に表示してもよい。
【0141】
図11は、本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科用システム5100の図を示す。データソース5126は、例えば、モジュール式デバイス5102(患者、HCP、環境及び/又はモジュール式デバイス自体に関連付けられるパラメータを検出するように構成されたセンサを含み得る)、データベース5122(例えば、患者記録を含むEMRデータベース)、及び患者監視デバイス5124(例えば、血圧(blood pressure、BP)監視装置、及び心電図(electrocardiography、EKG)監視装置)、HCP監視デバイス35510、並びに/又は環境監視デバイス35512を含み得る。外科用ハブ5104は、例えば、受信されたデータの特定の組み合わせ又はデータソース5126からデータが受信された特定の順序に基づいて、データから外科処置に関するコンテキスト情報を導出するように構成することができる。受信されたデータから推測されるコンテキスト情報は、例えば、実施されている外科処置のタイプ、外科医が実施している外科処置の特定の工程、手術されている組織のタイプ、又は処置の対象である体腔を含むことができる。受信されたデータから外科処置に関する情報を導出又は推測するための外科用ハブ5104のいくつかの態様によるこの機能は、「状況認識」と称され得る。例えば、外科用ハブ5104は、受信されたデータから外科処置に関連するコンテキスト情報を導出する外科用ハブ5104に関連付けられたハードウェア及び/又はプログラミングである状況認識システムを組み込むことができる。
【0142】
外科用ハブ5104の状況認識システムは、様々な異なる方法でデータソース5126から受信されたデータから、コンテキスト情報を導出するように構成することができる。例えば、状況認識システムは、様々な入力(例えば、データベース5122、患者監視デバイス5124、モジュール式デバイス5102、HCP監視デバイス35510、及び/又は環境監視デバイス35512からのデータ)を、外科処置に関する対応するコンテキスト情報と相関させるために、訓練データで訓練されたパターン認識システム、又は機械学習システム(例えば、人工ニューラルネットワーク)を含むことができる。機械学習システムは、提供された入力から外科処置に関するコンテキスト情報を正確に導出するように訓練することができる。実施例では、状況認識システムは、外科処置に関する事前に特性評価されたコンテキスト情報を、そのコンテキスト情報に対応する1つ又は2つ以上の入力(又は、入力の範囲)と関連付けて記憶する、ルックアップテーブルを含むことができる。1つ又は2つ以上の入力による問い合わせに応答して、ルックアップテーブルは、モジュール式デバイス5102を制御するために状況認識システムの対応するコンテキスト情報を返すことができる。実施例では、外科用ハブ5104の状況認識システムによって受信されたコンテキスト情報は、1つ又は2つ以上のモジュール式デバイス5102の特定の制御調整、又は一連の制御調整と関連付けることができる。実施例では、状況認識システムは、コンテキスト情報を入力として提供された際、1つ又は2つ以上のモジュール式デバイス5102の1つ又は2つ以上の制御調整を生成又は読み出す、更なる機械学習システム、ルックアップテーブル、又は他のかかるシステムを含むことができる。
【0143】
状況認識システムを組み込む外科用ハブ5104は、外科用システム5100に多くの利点を提供することができる。1つの利点は、感知及び収集されたデータの解釈の改善を提供することを含み得、これは、外科処置の過程中の処理精度、及び/又はデータの使用を改善させる。先の例に戻ると、状況認識外科用ハブ5104は、どのタイプの組織が手術されているかを判定することができ、したがって、外科用器具のエンドエフェクタを閉鎖するための予想外に高い力が検出されると、状況認識外科用ハブ5104は、組織タイプに合わせて外科用器具のモータを正しく加速、あるいは減速させることができる。
【0144】
手術されている組織のタイプは、特定の組織間隙測定用の外科用ステープル留め及び切断用器具の圧縮速度及び負荷閾値になされる調整に影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、実施されている外科処置が胸部処置であるのか、又は腹部処置であるのかを推測することができ、これにより、外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断用器具のエンドエフェクタによってクランプされている組織が肺組織であるのか(胸部処置の場合)、又は胃組織であるのか(腹部処置の場合)を判定することが可能となる。次いで、外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断用器具の圧縮速度及び負荷閾値を、組織のタイプに合わせて適切に調整することができる。
【0145】
吹送処置中に手術されている体腔のタイプは、排煙器の機能に影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、手術部位が(外科処置が送気を利用していることを判定することによって)圧力下にあるかどうかを判定し、処置タイプを判定することができる。一般に、ある処置タイプが固有の体腔内で行われ得るので、外科用ハブ5104は、手術されている体腔に合わせて適切に排煙器のモータ速度を制御することができる。かくして、状況認識外科用ハブ5104は、胸部処置及び腹部処置の両方用に一貫した量の排煙を提供し得る。
【0146】
行われている処置のタイプは、超音波外科用器具、又は高周波(radio frequency、RF)電気外科用器具が動作するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。例えば、関節鏡処置では、超音波外科用器具、又はRF電気外科用器具のエンドエフェクタが流体中に浸漬されるので、より高いエネルギーレベルを必要とし得る。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置が関節鏡処置であるかどうかを判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、流体で満たされた環境を補償するために、発電機のRF電力レベル又は超音波振幅(例えば、「エネルギーレベル」)を調整することができる。関連して、手術されている組織のタイプは、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具が動作するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、どのタイプの外科処置が行われているかを判定し、次いで、外科処置について予想される組織形状に従って、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルをそれぞれカスタマイズすることができる。更に、状況認識外科用ハブ5104は、単に処置ごとにではなく、外科処置の過程にわたって、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルを調整するように構成することができる。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置のどの工程が行われているか、又は引き続き行われるかを判定し、次いで、発電機、及び/又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具の制御アルゴリズムを更新して、外科処置の工程に従って予想される組織のタイプに適切な値までエネルギーレベルをセットすることができる。
【0147】
実施例では、外科用ハブ5104が1つのデータソース5126から導き出される結論を改善するために、追加のデータソース5126からデータを導き出することができる。状況認識外科用ハブ5104は、モジュール式デバイス5102から受信したデータを、他のデータソース5126から外科処置に関して構築したコンテキスト情報で強化することができる。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、医療用撮像デバイスから受信されたビデオ又は画像データに従って、止血が発生したかどうか(例えば、手術部位での出血が止まったかどうか)を判定するように構成することができる。外科用ハブ5104は、生理学的測定(例えば、外科用ハブ5104へと通信可能に接続されたBP監視装置で感知された血圧)を、(例えば、外科用ハブ5104へと通信可能に結合された医療用撮像デバイスからの)止血の視覚データ又は画像データと比較して、ステープルライン又は組織溶着の完全性に関する判定を行うように更に構成することができる。外科用ハブ5104の状況認識システムは、生理学的測定値データを考慮して、視覚化データを分析する際に追加のコンテキストを提供することができる。追加のコンテキストは、視覚化データがそれ自体では決定的ではないか、又は不完全であり得る場合に有用となり得る。
【0148】
例えば、状況認識外科用ハブ5104は、処置の後続の工程で器具の使用が必要とされることを判定された場合に、RF電気外科用器具が接続されている発電機を積極的に起動させ得る。エネルギー源を積極的に起動することは、処置の先行する工程が完了すると直ぐに、器具を使用準備完了にすることを可能にすることができる。
【0149】
状況認識外科用ハブ5104は、外科医が見る必要があると予想される手術部位の特徴部に従って、外科処置の現工程、又は後続の工程が、ディスプレイ上の異なるビュー又は倍率を必要とするかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、表示されたビュー(例えば、視覚化システム108用に医療用撮像デバイスから供給される)を、適宜、積極的に変化させることができ、これにより、ディスプレイは外科処置全体を通して自動的に調整する。
【0150】
状況認識外科用ハブ5104は、外科処置のどの工程が行われているか、又は次に行われるか、及び特定のデータ又はデータ間の比較が外科処置の該当工程に必要とされるかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、外科医が特定の情報を尋ねるのを待機することなく、実施されている外科処置の工程に基づいて、データスクリーンを自動的に呼び出すように構成することができる。
【0151】
外科処置のセットアップ中、又は外科処置の過程中に、エラーがチェックされ得る。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、オペ室が、行われるべき外科処置用に適切に又は最適にセットアップされているかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、実施されている外科処置のタイプを判定し、対応するチェックリスト、製品位置、又はセットアップ要件を(例えば、メモリから)読み出し、次いで、現在のオペ室のレイアウトを、実施されていると外科用ハブ5104が判定した外科処置のタイプの標準レイアウトと比較するように構成することができる。いくつかの例示では、外科用ハブ5104は、処置のための物品リスト、及び/又は外科用ハブ5104とペアリングされたデバイスのリストを、所与の外科処置のための物品及び/又はデバイスの推奨又は予期されるマニフェストと比較することができる。リスト間に何らかの分断が存在する場合、外科用ハブ5104は、特定のモジュール式デバイス5102、患者監視デバイス5124、HCP監視デバイス35510、環境監視デバイス35512及び/又は他の外科用物品が欠落していることを示すアラートを提供することができる。いくつかの実施例では、外科用ハブ5104は、例えば、近接センサを介してモジュール式デバイス5102及び患者監視デバイス5124の相対距離又は相対位置を判定することができる。外科用ハブ5104は、デバイスの相対位置を、特定の外科処置用に推奨又は予期されるレイアウトと比較することができる。レイアウト間に何らかの分断が存在する場合、外科用ハブ5104は、外科処置の現在のレイアウトが提案レイアウトから逸脱していることを示すアラートを提供するように構成することができる。
【0152】
状況認識外科用ハブ5104は、外科医(又は、他のHCP)が誤りを犯しているかどうか、又は外科処置の過程中に予想される一連のアクションから逸脱しているかどうかを判定することができる。例えば、外科用ハブ5104は、実施されている外科処置のタイプを判定し、機器使用の工程又は順序の対応リストを(例えば、メモリから)読み出し、次いで、外科処置の過程中に実施されている工程又は使用されている機器を、外科用ハブ5104が実施されていることを判定した外科処置のタイプについて予想される工程又は機器と比較するように構成することができる。外科用ハブ5104は、外科処置における特定の工程で予想外のアクションが行われているか、又は予想外のデバイスが利用されていることを示すアラートを提供することができる。
【0153】
外科用器具(及び他のモジュール式デバイス5102)は、各外科処置の特定のコンテキストに合わせて調整され得(異なる組織のタイプへの調整など)、外科処置中のアクションを検証し得る。次の工程、データ、及び表示調整は、処置の固有のコンテキストに従って、手術現場内の外科用器具(及び他のモジュール式デバイス5102)に提供され得る。
【0154】
オブジェクト検出は、デジタル画像及びビデオ内の特定のクラスのセマンティックオブジェクト(人間、機器、又はオブジェクトなど)のインスタンスの検出を扱う、コンピュータビジョン及び画像処理を介して実施され得る。オブジェクト検出は、画像注釈、アクティビティ認識、顔検出、顔認識、ビデオオブジェクト共同セグメント化などのコンピュータビジョンタスクにおいて使用される。オブジェクト検出は、オブジェクトの追跡、例えば、フットボールの試合中のボールの追跡、クリケットのバットの移動の追跡、又はビデオ内の人の追跡に使用される。オブジェクト検出は、ニューラルネットワークベースの手法、及び/又は非ニューラル手法を介して実施され得る。例えば、特徴部が定義され得、定義された特徴部に基づいて、例えば、サポートベクターマシン(support vector machine、SVM)を介して分類が実施され得る。ニューラル技法は、特徴部を具体的に定義することなくオブジェクト検出を実施し得、畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network、CNN)に基づき得る。
【0155】
移動するオブジェクト検出は、所与の場所又は領域における人又はオブジェクトの物理的な移動を認識するために実施され得る。移動するオブジェクトと静止したエリア又は領域との間でセグメント化を行うことによって、移動するオブジェクトの動きが追跡され得、したがって、後で分析され得る。移動オブジェクト検出は、背景減算、フレーム差分、時間差分、及び又はオプティカルフロー分析を介して実施され得る。
【0156】
スマート及び自己識別型RFシステムを使用して、OR内のHCP及び機器の位置を特定し得る。空間識別センサを使用して、HCP、器具、機器、及び/又は境界の位置が特定され得る。HCP、機器及び/又は境界の位置は、無線センサ及びビーコンを介して、部屋及び/又は患者に対して追跡され得る。
【0157】
ウェアラブル監視システムは、HCP又は患者などの人に結合され得る。超広帯域監視は、OR内の人の場所、及び/又は機器、外科用器具、別の人、境界などに対する人の相対位置を識別するために実施され得る。
【0158】
RF要素識別及び境界監視が実施され得る。RFビーコンは、機器又は器具上に配置され得る。BLEビーコンは、物理OR内に配置され得る。例えば、ビーコンは、部屋の境界の輪郭を描く、ORの角に配置され得る。BLEビーコンは、OR内の大きな構造物などの構造物上に配置され得る。BLEビーコンは、1つ又は2つ以上の境界に対するデバイスの場所を監視するためにデバイス上に配置され得る。
【0159】
例えば、RFIDタグは、器具及び/又はHCPに取り付けられ得る。境界の侵害を防止又は最小限に抑えるために、電磁ゲートがOR内に配置され得る。
【0160】
境界違反は、ビーコンの移動を追跡することによって検出され得る。例えば、外科用ハブは、ビーコンが境界を越えて移動したと判定すると、境界違反を検出し得る。境界違反が境界を横断するデバイスに関連付けられる場合、外科用ハブは、デバイスを非アクティブ化し、HCPに状態の変化をアラートし得る。境界違反がより大きな構造である場合、緊急メッセージを表示して、機器が懸念されていることを示すことができる。
【0161】
RFビーコンを使用して、ORシアター内のHCPSの位置を特定し得る。HCPの場所は、それらの識別バッジを介して追跡され得る。識別バッジは、埋め込まれたRFビーコンを有し得る。RFビーコンは、高周波(high frequency、HF)又は極超短波(ultra-high frequency、UHF)であり得る。読み取り範囲は、流体又は構造を貫通する必要性によって影響されなくてもよい。ORのサイズは変化し得るため、HF又はUHFは、外科用ハブからの潜在的な距離に対応するのに十分なカバレッジを提供することができる。
【0162】
外科用器具は、固有のRFID識別情報に関連付けられ得る。外科用器具の位置が追跡され得る。外科用器具の現在の使用及び/又は以前の履歴は、場所追跡に基づいて判定され得る。外科用ハブからの外部リーダは、患者の周囲に位置決めされ得る。外部リーダは、OR場に進入する外科用器具を追跡するために使用され得る。低周波数又はHFチップは、器具上で使用され得る。低周波数又は高周波数は、リーダが体液を貫通することを可能にし得る。
【0163】
器具の使用は、その場所に基づいて判定及び追跡され得る。例えば、外科用器具が使用された回数、デバイスが患者内にあった時間の長さ、及び/又はデバイスがOR内に導入される前に滅菌サイクルを通したセキュリティのレベルは、場所追跡を介して判定され得る。器具が患者内に残されたかどうかは、器具の場所追跡を介して検出され得る。
【0164】
OR室撮像は、HCP、器具、及び/又は機器の場所並びにそれらの態様を判定するために、様々な技術を介して複数のソースによって実施され得る。OR、ORの壁、及び/又はそれらの近接内のオブジェクト及び人の位置を特定するために異なるエネルギータイプを通した2つ以上の撮像デバイスが使用され得る。位置及び/又は近接情報は、それらの相互作用を識別及び/又は制御するために使用され得る。器具及び/又は機器は、識別された相互作用に基づいて構成され得る。
【0165】
例えば、超音波エコーの場所は、オブジェクトの動き及び場所の測定を判定するために使用され得る。OR視覚又はマルチスペクトル撮像は、ユーザの場所、やりとり、及び通信を監視するために使用され得る。音声監視は、ノイズ生成監視及び追跡を判定及び記録するために使用され得る。
【0166】
システムを調整し、感染を監視し、及び/又は状況認識を理解するために、赤外線(IR)サーモグラフィ監視を使用して、深部温度並びにHCP及び患者の温度の変化を監視し得る。HCPがORに進入すると、HCPのためにIRシグネチャが作成され得る。初期IR関連付け応答は、例えば、外科用ハブを介してログ記録され得る。処置中、HCPのストレスレベルが増加する場合、IRシグネチャは、増加したストレスレベルを表示又は登録し得る。
【0167】
様々な撮像システムが同時に使用され得る。例えば、外科用ハブが、OR内に位置決めされ得る。電源投入されると、外科用ハブは、超音波エコーを使用して、OR境界(例えば、壁)及び部屋をマッピングするための大きな機器場所を判定し得る。グリッドマップは、全ての必要な境界を用いて確立され得る。
【0168】
HCPがORシアターに進入するときに、HCPは、HCPに関連付けられたBLEビーコンを介して進入するものとして識別され得る。外科用ハブは、シアター内へのHCPを検査し得る。外科用ハブは、光学カメラを介してHCPの追跡を開始し得る。IRカメラは、ベースラインストレスレベルについて、識別されたHCPの初期スキャンを実施し得る。処置が開始されると、音声監視システムは、音を監視及び記録し得る。外科用ハブは、声の抑揚及び/又は上昇した神経質な声を監視してもよい音声監視システムは、例えば、ストレスレベルの増加を検証するために、IRカメラと同期させられ得る。このプロセスは、複数のHCPに対して実施され得る。
【0169】
OR内のHCPは、RFID、NFC、及び/又はウェアラブルデバイスを有するIDバッジを介して認識及び追跡され得る。例えば、HCPが部屋を出入りするとき、HCPが別のウェアラブルデバイスに近づくとき、HCPが外科用ハブに近づくとき、HCPのアイデンティティが判定され得る。外科用ハブは、HCPがORに進入することを検出すると、RFIDリーダ、NFCリーダ、又はウェアラブルデバイスからのHCP識別情報を要求し得る。外科用ハブは、他の情報ソースに基づいてHCPのアイデンティティを確認し得る。外科用ハブは、IDバッジ又はウェアラブルデバイスがオフになるまで、IDバッジ又はウェアラブルデバイスに関連付けられたHCPのアイデンティティを仮定し得る。ウェアラブルデバイスを介してHCP及び/又はユーザ役割を識別することに関連する詳細は、「ACTIVE RECOGNITION AND PAIRING SENSING SYSTEMS」と題された米国特許出願第17/156,324号に見つけられ得、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0170】
OR内のHCPは、OR内の1つ又は2つ以上のカメラによって捕捉されたビデオからのビデオ処理を介して認識及び追跡され得る。キーポイント検出及び分析、バウンディングボックス注釈、ポリゴンメッシュ処理、画像セグメント化、顔認識、ジェスチャ認識、ポイントクラウド、ライン及びスプラインなどの様々な既知の画像又はビデオ処理技術を使用して、ビデオフィードを分析してもよい。
【0171】
手術室内の様々な外科用製品及び器具の場所、移動、及び/又は配向が、識別及び追跡され得る。例えば、ジャイロスコープ又は3軸加速度計を使用して、デバイスの配向及び位置を判定してもよい。
【0172】
例えば、外科用器具は、その上に位置する1つ又は2つ以上の空間位置合わせマーカを介して識別され得る。例えば、可視基準マーカが器具上に配置され得る。外科用ハブは、OR内の1つ又は2つ以上のカメラを介して、外科用器具の場所、移動、及び/又は配向を監視し得る。基準マークは、事前定義されたパターンであり得る。外科用ハブは、外科用器具を特定の基準マークに関連付け得、そのマークを使用して、それが作成し記録する3Dコンピュータ環境で器具を識別しモデル化し得る。位置合わせは、並進、回転、スケール、スキュー、及びパースペクティブの補償を可能にする。これにより、外科用ハブは、器具の一部分が見えなくなってもであっても、器具を検出及び監視することが可能となる。
【0173】
可視監視のために、システムが始動するときにカメラ較正が行われ得る。外科用ハブが距離及び焦点距離に対してカメラを較正し得るように、ハブカメラビュー内の較正マーカの事前定義されたセットが固定され得る。外科用ハブは、それ自体からOR内の別の較正プリセットスケールまでの正確な長さを判定し得、測定値及びスケールを使用して、カメラ及び焦点距離を較正し得る。
【0174】
例えば、外科用ハブは、測定システムを介して正確な距離を判定し得る。例えば、レーザドップラー、超音波ピンギング、RF、及び/又は他のエネルギーデジタル通信を利用する測定システムは、距離測定を実施し、測定値を外科用ハブに送信し得る。測定システムは、外科用ハブに含まれ得る。
【0175】
距離は、能動的及び/又は受動的電子信号処理から推測され得る。例えば、信号強度を監視し、放出電力、放出デバイスアンテナ経路、フライト経路、受信デバイスアンテナ経路、及び/又は受信機感度を補償することによって、2つのペアリングされたシステム又はデバイス間の距離、2つのシステム又はデバイス間の距離が判定され得る。例えば、UHF又はHF RFIDタグ付きオブジェクトは、未知のタグと組み合わせて、事前定義されたタグ及び距離の組み合わせを通して追跡され得る。タグは、製品、デバイス、又は器具を識別するために使用され得、識別されると、製品、デバイス、又は器具がOR内で追跡されることを可能にし得る。タグは、識別された製品、デバイス又は器具に関する更なる情報を提供し得る。RFIDマップは、RFIDリーダアンテナによって検出された任意の未知のタグの位置を特定するために、既知の場所(例えば、ランドマーク)を有するパッシブ又はアクティブ基準タグから生成され得る。リーダと共通の検出されたタグとの間の距離は、大規模経路損失伝搬モデルを使用して測定され得る。未知のタグと検出されたランドマークとの間の距離(例えば、タグ間距離)が計算され得る。
【0176】
ミリ波レーダは、オブジェクトを追跡するために使用され得る。ミリ波レーダは、数マイクロメートル程度の精度を達成し得る。周波数変調連続波(frequency-modulated continuous wave、FMCW)を使用して動作するレーダでは、レーダビート信号の周波数及び/又は位相を使用して、レーダセンサとレーダ信号が反射されたオブジェクトとの間の距離を判定し得る。
【0177】
手術室の境界のマッピング又は評価が実施され得る。例えば、外科用ハブ20006は、その手術室を周期的にマッピングすることによって、動作中の空間認識を維持し得、これは、外科用ハブ20006が移動されたかどうかを判定する際に役に立つことができる。再評価は、周期的に実施することができ、又は手術室内にあると見なされるHCP監視システム20002のデバイスの変化を観察するなどのイベントによってトリガすることができる。変化は、手術室の境界内にあると以前に見なされなかった新しいデバイスの検出であり得る。変化は、以前に手術室内に常駐すると見なされたペアリングされたデバイスの消失、切断、又はペアリング解除であり得る。外科用ハブ20006は、ペアリングされたデバイスとの接続を連続的に監視して、ペアリングされたデバイスの消失、接続解除、又はペアリング解除を検出し得る。
【0178】
手術室マッピングモジュールは、コンパス及び統合Bluetoothトランシーバを含有し得る。病院環境又は地理的位置によって顕著に影響されない他の通信機構が利用され得る。Bluetooth Low Energy(BLE)ビーコン技術は、約1~2メートルの精度で屋内距離測定を達成し得、より近位(0~6メートル以内)での改善された精度を有する。距離測定の精度を改善するために、コンパスがBLEとともに使用される。手術室マッピングモジュールは、BLE及び/又はコンパスを利用して、モジュールが患者に対してどこに位置しているかを判定し得る。例えば、互いに対向する2つのモジュール(コンパスによって検出される)は、それらの間の距離が1メートル超である状態で、モジュールが患者の両側にあることを明確に示し得る。手術室内により多くの「ハブ」対応モジュールが存在すると、三角測量技法に起因して、達成可能な精度がより高くなる。手術室マッピングモジュールは、本明細書に記載されるように、外科用ハブ20006内に含まれ得る。手術室マッピングモジュールは、本明細書に記載されるように、外科用ハブ20006と動作可能に通信し得る。
【0179】
手術室マッピングモジュールは、手術室内に常駐するデバイス及び/又は外科用モジュールの物理的場所をマッピングし得る。この情報は、ユーザインターフェースによって使用されて、手術室の仮想マップを表示し得、ユーザが、どのモジュールが存在して有効化されているか、及びそれらの現在の状態を識別することを可能にする。外科用ハブ20006によって収集されたマッピングデータは、例えば、手術室が物理的にどのようにセットアップされているかを識別するために分析され得る。
【0180】
例えば、外科用ハブ20006は、送信無線信号強度及び方向を評価することによってデバイスの位置を判定し得る。Bluetoothプロトコルについて、受信信号強度インジケーション(Received Signal Strength Indication、RSSI)は、受信された無線信号強度の測定値である。一態様では、HCP監視システム20002のデバイスは、USB Bluetoothドングルを備えることができる。外科用ハブ20006は、USB Bluetoothビーコンをスキャンして距離情報を取得し得る。例えば、可変減衰器を有するBluetoothアクセスポイント上の複数の高ゲインアンテナは、RSSI測定よりも正確な結果を生成し得る。ハブ外科用ハブ20006は、複数のアンテナからの信号強度を測定することによってデバイスの場所を判定し得る。
【0181】
外科用ハブ20006は、HCP監視システム20002の構成要素が手術室に持ち込まれると、それらを識別することができる。例えば、HCP監視システム20002のデバイスは、例えば、バーコード又はRFIDタグなどの外科用ハブ20006によって認識可能な識別子を備えることができる。NFCもまた、利用され得る。外科用ハブ20006は、手術室内に持ち込まれたデバイスを検出するための好適なリーダ又はスキャナを備え得る。[手術室における外科用ハブの空間認識に関連する詳細は、2018年3月29日に出願された「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」と題された米国特許出願第15/940,666号に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0182】
外科用ハブの集約ネットワークは、手術室(OR)、器具、及びHCPの効率の分析を可能にすることができる。コンピューティングシステムは、複数のハブシステムからの入力をリンク付けし、OR及び部屋入れ替え、器具ストック及び利用、コスト、並びにOR内外のHCPの運動の効率を追跡し、集約し得る。HCPの効率は、OR利用、OR入れ替え、動き、再配置、器具交換、及び/又は繰り返されるタスクの処置における効率によって判定され得る。コンピューティングシステムは、個々のHCPの繰り返される動き経路を識別し、動き経路をグループ全体と比較し得る。HCPの効率は、複数のOR内の複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR利用データ、集約されたOR入れ替えデータ、集約されたHCP再配置データ、及び/又は集約された器具交換データによって判定され得る。コンピューティングシステムは、動き経路を、様々なORセットアップ及び/又は器具交換に関連付けられた移動経路と比較し得る。
【0183】
コンピューティングシステムは、複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得し、集約し得る。コンピューティングシステムは、集約された外科リソース監視データに基づいて、リソース利用調整を判定し、判定された調整に基づいて出力を生成し得る。外科リソースは、HCP、外科用器具、デバイス、医療用品、及び/又はORなどを含み得る。外科リソース監視データは、HCP監視データ及び/又は外科用器具利用データを含み得る。出力は、HCP割り当てを調整し、外科手術スケジューリングを調整し、外科用器具割り振りを調整し、外科的計画を調整し、HCP及び/又は管理者に外科リソース調整を通知し、潜在的な問題を通知し、及び/又は推奨を提供するための制御信号を含み得るが、これらに限定されない。
【0184】
コンピューティングシステムは、図1図3に関して本明細書で記載されるようなHCP監視システム20000、20002、20003、又は20004などのHCP監視システムであり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、HCP監視システム20000、20002、20003、及び/又は20004に動作可能に接続されたコンピューティングシステムであり得る。コンピューティングシステムは、図9に関して本明細書に記載されるコンピューティングシステム20271であり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、例えば、図4に関して本明細書に記載されるコンピュータシステム20063であり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、例えば、図4に関して本明細書に記載されるコンピュータシステム20064であり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、図1図3に関して本明細書に記載されるような外科用ハブ20006、図4の外科用ハブシステム20060、図5のコンピュータ実装双方向外科用システム20070、図7の外科用ハブ若しくはコンピューティングデバイス20243、図9の外科用ハブ20270、図10のコンソール20294、及び/又は図11の外科用ハブ5104であり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、コンピューティングシステムは、1つ又は2つ以上の外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得し得る。外科処置は、1つのOR又は複数のORで起き得る。
【0185】
外科用監視データは、外科用ハブを介して取得され得る。例えば、外科用ハブは、図1に関して本明細書に説明されるウェアラブル感知システム20011及び/又は環境感知システム20015などの様々な感知システムから外科用監視データを取得し得る。外科用ハブは、図11に関して本明細書に説明されるように、HCP監視デバイス35510、環境監視デバイス35512、患者監視デバイス5124、及び/又はモジュール式デバイス5102から外科用監視データを取得し得る。
【0186】
コンピューティングシステムは、図1に関して本明細書に説明されるウェアラブル感知システム20011及び/又は環境感知システム20015などの様々な感知システムから外科用監視データを取得し得る。外科用監視データは、図11に関して本明細書に記載されるように、HCP監視デバイス35510、環境監視デバイス35512、患者監視デバイス5124、及び/又はモジュール式デバイス5102から取得され得る。
【0187】
コンピューティングシステムは、複数の外科処置に関連付けられた外科リソース監視データを取得し、外科リソース監視データに基づいて外科リソース効率を判定し、判定された外科リソース効率に基づいて出力を生成し得る。出力は、効率を改善するための制御信号を含み得るが、これに限定されない。例えば、コンピューティングシステムは、複数の外科処置に関連付けられた外科リソース監視データを集約し、集約された外科リソース監視データに基づいて外科リソース効率を判定し得る。
【0188】
図12は、例示的な外科用監視及び分析を示す。図12に示すように、OR1 35550、OR2 35555~ORn 35560などの複数の手術室からのデータ入力を集約して、集約データ35570を生成し得る。リソースの非効率的な使用、反復タスク、外科処置の中断、タスク不一致、及び/又は外科的供給ストックの不足などの潜在的な問題35572を、集約データ35570に基づいて、識別し得る。HCPタスク割り当て調整、ORレイアウト調整、リソース割り振り調整、及び/又はOR割り当て調整などの推奨35574を、集約データ35570に基づいて、生成し得る。推奨35574は、効率を改善するために、OR、外科用器具の使用、外科用器具の構成、及び/又は資本支出の計画を含み得る。
【0189】
図12に示されるように、計画されたデータは、外科用監視データに基づいて更新され得る。一例としてOR1 35550を使用すると、計画された外科用データは、計画された外科処置35512(例えば、処置工程、処置工程に関連付けられたスケジューリングされたタイミング及び予期される持続時間など)、計画されたリソース割り振り35516(例えば、処置工程に関連付けられた外科用器具又は他の用品)、及び/又は計画されたHCP割り当て35520(例えば、どのHCPがどの外科的タスクに割り当てられるか)を含み得るが、これらに限定されない。外科用監視データは、処置進捗データ35514、実際のリソース利用情報35518(例えば、外科用器具が外科処置中に使用されるかどうか及びいつ使用されるかを示す情報)、及び/又はHCP監視データ35522(例えば、本明細書に記載されたウェアラブル感知システム20011を介して取得されるバイオマーカ測定値及び/又はバイオマーカ指示、HCP動きデータ、HCP工程監視データ、及び/又はOR内のカメラを介して取得される他のHCP監視データ)を含み得るが、これらに限定されない。処置進捗データ35514は、外科手術のタイプ、外科手術の現在の工程、外科手術に取り組んでいるHCP、及び/又は処置進捗を示す他の情報を示し得る。処置進捗データ35514は、外科処置と、図8及び図11に関して本明細書で記載されたような外科用ハブが導出し得るコンテキスト情報、及び/又はカメラベースの外科用監視データを介して導出され得る情報と、を含み得る。
【0190】
示されるように、計画された外科処置データ35512及び処置進捗データ35514は、更新された外科処置計画35532を生成するために組み合わされ得る。例えば、処置進捗データ35514が、計画されたよりも処置工程が長くかかったことを示す場合、更新された外科処置計画35532は、遅延を反映するように生成され得る。例えば、処置進捗データ35514が、合併症が発生したことを示す場合、更新された外科処置計画35532は、合併症を軽減するための工程及び/又は器具を用いて生成され得る。
【0191】
更新されたリソース割り振り情報35534は、計画されたリソース割り振り35516、実際のリソース利用情報35518、及び/又は更新された外科処置計画35532に基づいて、判定され得る。更新されたHCP割り当て35536は、計画されたHCP割り当て35520、HCP監視データ35522、HCPプロファイル情報35524、更新された外科処置計画35532、及び/又は更新されたリソース割り振り情報35534に基づいて、生成され得る。
【0192】
リソースの非効率的な使用、反復タスク、外科処置の中断、タスク不一致、不規則なことの発生、器具の偶発的な落下、潜在的な合併症、及び/又はOR1において行われる外科処置に関連付けられた外科的供給ストックの不足などの潜在的な問題35540は、処置進捗データ35514、実際のリソース利用データ35518、及び/又はHCP監視データ35522を含む外科用監視データに基づいて、直接的又は間接的に識別され得る。潜在的な問題35540は、更新された外科処置計画35532、更新されたリソース割り振り情報35534、及び/又は更新されたHCP割り当て35536に基づいて、識別され得る。
【0193】
識別された問題35540を修復し得る推奨35542が生成され得る。例えば、コンピューティングシステムは、手術室の外の追加のHCPがスクラブして部屋に入る必要があるという推奨を生成し得る。推奨は、例えば、検出された外科的合併症に基づいて生成され得る。推奨は、本明細書に記載されるディスプレイ、スピーカ、イヤピース(例えば、イヤホン、ヘッドセット)、メッセージボードなどを介して送信され得る。推奨は、手術室に入る前に、HCPが特定の処置工程、アクション、及び/又は他の必要性に準備するための命令を含み得る。
【0194】
推奨35542は、外科用監視データに少なくとも部分的に基づいて判定され得る。推奨35542は、HCPタスク割り当て調整、ORレイアウト調整、リソース割り振り調整、及び/又はOR割り当て調整を含んでもよい。
【0195】
図13は、複数の手術室にわたる例示的な外科用監視及び集約分析を示す。図13に示されるように、OR1 35650、OR2 35655~ORn 35660などの複数の手術室からのデータ入力は、複数の手術室に対する更新された外科的計画情報を生成するように集合的に考慮され得る。複数の手術室に対する潜在的な問題35672及び推奨35674は、複数の手術室にわたる外科用監視データに基づいて生成され得る。
【0196】
複数のORに対する外科処置計画は、ORにわたる外科用監視データに基づいて集合的に更新され得る。例えば、1つのORにおいて行われる処置に関連付けられた外科用監視データは、異なるORにおいて行われる別の処置のための外科処置計画を更新するために使用され得る。
【0197】
図13に示すように、OR1~ORnに対する更新された外科処置計画35632、OR1~ORnに対する更新されたリソース割り振り情報35634、及び/又はOR1~ORnに対する更新されたHCP割り当て35636は、OR1~ORnにわたる外科用監視データに基づいて生成され得る。例えば、コンピューティングシステムは、(例えば、ORに関連付けられた外科用ハブシステムを介して)OR1 35650、OR2 35655~ORn 35660から、計画された外科処置35512、計画されたリソース割り振り35516、計画されたHCP割り当て35520、処置進捗データ35514、実際のリソース利用情報35518、及び/又はHCPバイオマーカ監視情報35522を取得し得る。本明細書に記載されるように、HCPバイオマーカ監視情報は、HCPの疲労レベル、ストレスレベル、集中レベル、及び/又は処置中のHCPのパフォーマンスに影響を与え得る他の状態を導出するために使用され得る。コンピューティングシステムは、取得されたマルチOR外科的情報を集約し、集約データを使用して、OR1~ORnに対する更新された外科処置計画35632、OR1~ORnに対する更新されたリソース割り振り情報35634、及び/又はOR1~ORnに対する更新されたHCP割り当て35636を生成し得る。
【0198】
HCPプロファイル情報35524は、HCPのスキルセット、認証、及び/又はHCPの経験レベルを含み得る。例えば、HCPプロファイル情報は、HCPがタスクのタイプ、外科手術のタイプ、及び/又はその分野で取り組んだ年数を示してもよい。HCPプロファイル情報は、HCPがタスクを完了するのにかかる予想される持続時間を示し得る。HCPプロファイル情報35524は、HCPに関連付けられた外科手術結果を含み得る。HCPプロファイル情報35524は、特定のHCPが一緒に取り組んだ処置の数などのHCPコラボレーションデータを含み得る。HCPプロファイル情報35524は、(例えば、ある期間中に)働いた時間、及び/又は勤務時間(例えば、次のシフトがいつ開始し得るか、現在のシフトがいつ終了し得るか)を含み得る。
【0199】
HCPプロファイル情報35524は、処置時間及び結果を予測するために使用され得る。コンピューティングシステムは、外科手術結果及び/又は効率を改善するために、処置に割り当てられるべきHCPを識別するか、又はHCPを外科医と対にし得る。
【0200】
集約データ35572は、次の活動レベルを判定するために使用されてもよく、追加のHCPが必要とされ得る時間及び場所を識別し得る。追加のHCPに関連付けられたスキルレベル及び/又は経験は、コンピューティングシステムによって判定され、示され得る。コンピューティングシステムは、例えば、HCPプロファイル情報35524、計画されたHCP割り当て35520、HCP監視データ35522(例えば、HCPバイオマーカ測定値)、及び/又は更新されたHCP割り当て35536に基づいて、必要性に対応するためにHCPを識別し得る。HCPスキルレベル、経験レベル、利用可能性、疲労レベル、及び/又はストレスレベルは、HCPプロファイル情報35524、計画されたHCP割り当て35520、HCPバイオマーカ35522、及び/又は更新されたHCP割り当て35536に基づいて、判定され、コンピューティングシステムが、識別された必要性を満たすのに好適なHCPを識別するために使用され得る。
【0201】
コンピューティングシステムは、実行されるべきか、又は実行されている処置のタイプ、合併症のリスク、患者の特性、手術室レイアウト、外科用機器レイアウト、使用され得る外科用器具に基づいて、処置に関連付けられたスキルセットを判定し得る。コンピューティングシステムは、HCP利用可能性、処置に関連付けられた判定されたスキルセット、HCPの経験レベル、HCPのスキルレベル、HCPに関連付けられた外科手術結果、及び/又はHCPコラボレーションデータに基づいて、処置を完了するためにHCP又はHCPのチームを識別し得る。コンピューティングシステムは、患者の転帰、効率、及び/又はコストに対して処置を完了するために最良の全体チームを識別し得る。
【0202】
例えば、問題35672は、処置中にOR内に必要なスキルセットを有するHCPの欠如を含み得る。コンピューティングシステムは、例えば、計画された外科処置35512及び/又は処置進捗35514の情報に基づいて、処置における次のタスクに関連付けられたスキルセットを識別し得る。コンピューティングシステムは、OR内の少なくとも1つのHCPがそのようなスキルセットを所有するかどうかを判定し得る。この必要とされるスキルセットを有するHCPの欠如を判定すると、コンピューティングシステムは、スキルセットがOR内でサポートされていないことを示す通知をOR外の通知デバイス(例えば、HCPスケジューリング人員に関連付けられたデバイス)に送信し得る。OR内で利用可能なスキルセットとのタスク不一致が識別され、OR内のHCPに示され得る。
【0203】
例えば、コンピューティングシステムは、来るべき処置を抑制し得る潜在的な問題を識別し、そのような問題、関連付けられた時間、及び/又は場所の指示を提供し得る。例えば、コンピューティングシステムは、活動レベルの増加及び/又は特別な専門知識に関連付けられた潜在的な問題を識別してもよく、そのような問題、関連付けられた時間、及び/又は場所の指示を提供し得る。
【0204】
図14は、複数の手術室にわたって、外科処置、HCP、外科用デバイスストック状態を要約し、不足を強調し、修復を推奨する例示的表示を示す。処置概要情報は、外科用監視情報に基づいて、外科手術のタイプ、各手術工程の計画された持続時間、及び手術工程の予想/更新された持続時間を示し得る。処置概要情報は、計画されたHCP割り当ての情報、実際のHCP割り当ての情報、及び予想されるHCP割り当ての情報、計画された手術工程の情報、実際の手術工程の情報、及び予想される手術工程の情報、及び/又は計画された外科リソースの情報、実際の外科リソースの情報、及び予想される外科リソースの情報を含み得る。
【0205】
図14に示されるように、複数のORにわたる外科的計画情報及び外科用監視情報は、集合的に要約及び分析され得る。示されるように、複数の外科処置が、OR1 35750、OR2 35755、OR3 35760などの異なるORにおいて実施され得る。OR35750、35755及び35760に対する処置概要情報35720、35725及び35730は、時間的に整列された様式で並べて表示され得る。処置概要情報は、各ORに関連付けられた外科手術のタイプを示し得る。例えば、OR1 35750に対する処置概要情報35720は、肺葉切除術処置がOR1 35750において実施されていることを示し得る。OR2 35755に対する処置概要情報35725は、OR2 35755において実施された処置が胃切除術処置であることを示し得る。OR3 35760に対する処置概要情報35730は、OR3 35760において実施された処置が結腸腹腔鏡低位前方切除処置であることを示し得る。
【0206】
処置概要情報35720、35725、及び35730は、HCP割り当ての情報、手術工程の情報、及び/又は外科リソースの情報を含み得、これらは、外科手術が進行するにつれてリアルタイムで更新され得る。HCP監視データ35765は、同じタイムラインに沿って示され得る。示されるように、OR1 35750、OR2 35755、OR3 35760に割り当てられるHCP、例えば、医師助手a(PA-a)、医師助手b(PA-b)、医師助手c(PA-c)のエネルギーレベルが示され得る。デバイス利用情報35770は、処置概要情報35720、35725、及び35730と同じタイムラインに沿って示され得る。
【0207】
処置概要情報は、例えば、図12及び図13に関して本明細書に記載されるように、計画された外科処置情報、外科進捗情報、及び/又は更新された外科処置計画を示し得る。示されるように、時間t1は、1つ又は2つ以上の処置の始まりを示し得る。外科手術が始まる前に、例えば、t1において、又はt1の前に、図12及び図13に関して本明細書に記載されるような計画された外科処置情報、計画されたリソースアプリケーション及び/又は計画されたHCP割り当ては、処置概要情報として表示され得る。処置概要情報は、図14に示されるように、離断、IMAを離断、ステープル留め、結腸間膜を可動化などのボックス内に示される計画された手術工程を含み得る。時間が経過するにつれて、監視された処置工程の開始時間及び終了時間が、処置概要情報に示され得る。現在のタイムラインt4は、現在の時間を示してもよく、時間の経過とともに移動してもよい。計画された手術工程は、本明細書に記載されるように、外科用監視データに基づいて、コンピューティングシステムによって更新され得る。監視された処置工程の開始時間及び終了時間(例えば、実際の開始時間及び終了時間)は、処置概要情報内に示され得る。図14に示されるように、監視された処置工程の開始時間及び完了時間は、実線で接続されたドットによって示され得る。
【0208】
コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、様々な感知システム及び/又は状況認識情報を介して導出される外科用監視データに基づいて、実際の処置工程の開始時間及び完了時間を導出し得る。例えば、OR1 35750における離断工程は、計画よりも遅く開始及び終了する場合がある。次の工程は、計画されたよりも少ない時間しかかからず、その結果、後続の工程は、計画されたよりも早く開始する場合がある。示されるように、OR3 35760では、処置工程35739は、予想よりも長くかかる場合があり、これは、離断工程を遅延させ得る(35741は、計画された開始時間及び終了時間を示し、35743は、監視された開始時間及び終了時間を示す)。コンピュータシステムは、35745において、離断工程中に合併症が発生した可能性があると判定し得る。合併症は、外科用監視データ(例えば、離断工程の持続時間の延長、OR内のノイズレベルの突然の低下、測定されたHCPストレスレベル及び/又は患者測定値の増加)に基づいて、検出され得る。矢印によって示されるように、外科処置のタイムラインは、リアルタイムの外科用監視データに基づいて修正され得る。示されるように、IMA離断35747、結腸間膜の可動化35748、脾湾曲部35751、及びステープル留め35753を含む、後続の処置工程のための計画された開始時間及び終了時間は、検出された合併症35745に基づいて更新される(例えば、延期される、遅延される)。
【0209】
例えば、処置概要情報35720は、肺葉切除術がOR1 35750において実施されていることを示し得る。示されるように、処置概要情報35720は、HCP PA-aが、OR1 35750における肺葉切除術処置に取り組むように割り当てられることを示し得る。HCP監視データ35765は、測定された又は導出されたエネルギーレベル(例えば、HCPのバイオマーカ測定及び/又は他のHCP監視データに基づく)及び予想されるエネルギーレベル(例えば、測定されたエネルギーレベルを外挿することによって予想されるエネルギーレベル)を含み得る。
【0210】
HCPのエネルギーレベルは、例えば、バイオマーカ測定値に基づいて測定/判定され得る。HCPのバイオマーカ測定値に基づいて、コンピューティングシステムは、HCPの水分補給/脱水に関連付けられた値を判定し得る。脱水は、エネルギーレベルに影響を与え、人を疲労させ、疲労させる場合がある。体液が少ないと、心拍数が上昇する傾向がある。コンピューティングシステムは、水分補給レベルに関連して心拍データを分析し、ストレス及び他の心臓上昇事象を水分補給と区別することができる。コンピューティングシステムは、ベースライン測定値を採用して、進行中の慢性事象から急性事象を区別し、疲労と脱水とを区別し得る。
【0211】
HCPの疲労レベルは、例えば、器具使用データに基づいて測定/判定され得る。コンピューティングシステムは、外科用器具を動作するHCP及び手術室内の他のユーザの疲労の重み付けされた尺度を計算し得る。疲労の重み付けされた尺度は、累積的な協調事象及び寄与に基づくことができる。例えば、疲労の重み付けされた尺度は、経時的な閉鎖トリガなどのアクチュエータを制御する際にHCPが経験するストレスの強度及び経時的にHCPによって加えられる力に基づくことができる。
【0212】
エネルギーレベル及び疲労レベルの測定に関する詳細は、2021年1月22日に出願された「METHOD OF ADJUSTING A SURGICAL PARAMETER BASED ON BIOMARKER MEASUREMENTS」と題する米国特許出願第17/156,287号(代理人整理番号END9290USNP1)に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0213】
HCPエネルギーレベルは、良好エネルギー閾値、中リスク閾値、及び/又は高リスク閾値などの1つ又は2つ以上の閾値と比較され得る。コンピューティングシステムは、HCPに関連付けられた測定されたエネルギーレベル、HCPに関連付けられた予想されるエネルギーレベル、1つ又は2つ以上のHCPエネルギー閾値、及び/又は外科処置情報(計画された及び/又は更新された外科処置情報を含む)に基づいて、HCP割り当て調整を判定し得る。例えば、HCPのエネルギーレベル(例えば、測定された及び/又は予想されるエネルギーレベル)が閾値を下回ると判定すると、コンピューティングシステムは、HCPに休憩を取るように促し、HCPにより要求の少ないタスクを割り当て、及び/又はHCPの割り当てられたタスクを引き受ける別のHCPを識別し得る。
【0214】
例えば、図14に示されるように、コンピューティングシステムは、測定されたHCPエネルギーレベル及び予想されるHCPエネルギーレベルに基づいて、PA-cがより低いエネルギーの傾向にあり、エネルギーレベルがt3付近で中リスク閾値を下回り、高リスク閾値に向かって移動していることを判定し得る。コンピューティングシステムは、例えば、OR3 35760に関連付けられた計画された処置情報及び処置進捗データに基づいて、処置PA-cが割り当てられた処置が潜在的に長い処置であることを判定し得る。コンピューティングシステムは、他の手術室に関連付けられた外科進捗情報に基づいて、PA-cの別の割り当てを識別し得る。例えば、OR1 35750における処置などのより短い及び/又はより危険性の低い処置が、HCP PA-cのために識別され得る。コンピューティングシステムは、エネルギーレベルが良好エネルギー閾値を上回ったままであると予想されるPA-aを、PA-aの代替HCPとして識別し得る。再割り当てのタイミングは、HCPのエネルギーレベルが閾値を超える予想時間、及び/又は処置進捗情報に基づいて判定されるHCPの予想又は推定されるダウンタイムに基づいて判定され得る。
【0215】
コンピューティングシステムは、HCP割り当て調整をPA-a及びPA-cに通知し得る。HCP調整は、HCPスケジューリング人員に送信され得る。図14に示されるように、t2において、コンピューティングシステムは、PA-aに、OR1 35750を離れて、OR3 35760に歩いて行き、OR3 35760において行われる処置に取り組むように指示し、PA-cに、OR1 35750を離れて、OR3 35760に歩いて行き、OR1 35750において行われる処置に取り組むように指示し得る。t3において、再割り当てが完了しており、PA-cはOR1 35750内で作業しており、PA-aはOR3 35760内で作業している。
【0216】
複数のORに関連付けられたリソース割り振り調整(例えば、外科リソース変更推奨)は、集約されたリソース割り振り及び利用データに基づいて、生成され得る。図14に示されるように、OR2 35755において実施される処置は、胃切除術処置であり得、PA-bは、この処置に取り組むように割り当てられ得る。t4において、下腸間膜動脈(IMA)分枝の離断が実行される。35730において、コンピューティングシステムは、例えば、外科用監視データに基づいて、計画された円形ステープラバットレス付属物が次のステープル留め工程35735には許容可能でないと判定し得る。コンピューティングシステムは、交換バットレスがOR2 35755に送達されることを要求する通知を生成し得る。
【0217】
コンピューティングシステムは、他のORに関連付けられた計画及び更新された外科処置情報に基づいて、交換バットレスを識別し得る。例えば、コンピューティングシステムは、OR3 35760内のステープル留め工程35749の遅延に基づいて、ステープル付属物が必要とされ得なく、ステープル留め工程35753の準備時間35749まで別のORに割り振られ得ると判定し得る。例えば、35774において、コンピューティングシステムは、OR3 35760内のステープル付属物がすぐに使用されない/必要とされないと判定し得、準備時間35749まで、ステープル付属物をOR2 35755に割り振り得る。
【0218】
図15は、外科用監視データに基づく例示的な効率分析を示す。示されるように、35802において、複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データが取得され得る。例えば、外科用監視データは、HCP監視データ、外科リソース監視データ、外科用器具利用データ、外科処置進捗データ、器具ストック及び利用データ、OR入れ替えデータ、並びに/又は外科処置に関連するコストを含み得る。コンピューティングシステムは、1つ又は2つ以上の外科用ハブ、1つ又は2つ以上の環境監視デバイス、1つ又は2つ以上の患者監視デバイス、1つ又は2つ以上のHCP監視デバイス、及び/又は他の監視デバイスから外科用監視データを取得し得る。
【0219】
図15に示すように、35804において、外科リソース利用調整は、外科用監視データに基づいて、判定され得る。外科リソース利用調整は、外科処置を実施するためにHCPが移動する必要がある距離を低減するためのHCPタスク割り当て調整、ORレイアウト調整、外科用器具利用割り振り調整、及び/又は医療施設レイアウト調整を含み得るが、これらに限定されない。35806において、出力は、外科リソース利用調整に基づいて、生成され得る。出力は、HCP割り当てを調整し、外科手術スケジューリングを調整し、外科用器具割り振りを調整し、外科的計画を調整し、HCP及び/若しくは管理者に外科リソース調整を通知し、潜在的な問題を通知し、並びに/又は推奨を提供するための制御信号を含み得る。例えば、出力は、リソース利用調整の視覚的指示、リソース利用調整の可聴指示、OR内のHCPへの通知、OR外のHCPへの通知(例えば、外科手術において追加のサポートを提供するためにスクラブされるHCPを計測する)、外科用器具供給部門への通知(例えば、ORに送達される器具を要求する)、処置状態を通信するための患者の家族への指示、及び/又は他の指示を含み得る。出力は、外科用監視データに基づいて、識別された問題の指示、及び/又は問題を解決又は軽減するための推奨を含み得る。
【0220】
例えば、図12及び図13に示す問題35540、35572及び/又は35672は、患者のアノミーに関連付けられたエラー、アクシデント及び/又は異常などの不規則なことを含み得る。
【0221】
コンピューティングシステムは、外科用監視データに基づいて不規則なことを検出し、不規則なことの指示を生成し得る。例えば、コンピューティングシステムは、外科用監視データに基づいて不規則なことを予測し、不規則なことの発生に先立って不規則なことの指示を生成し得る。指示は、不規則なことを先制して軽減するための不規則なことを防止する推奨を含み得る。
【0222】
1つ又は2つ以上の処置に対する外科用器具割り振りデータが取得され得、予測又は予想外科用器具利用データが、外科用器具利用監視データ及び更新された外科処置計画に基づいて、判定され得る。例えば、外科用監視データ(例えば、カメラベースのデータ及び/又は器具埋め込みセンサベースのデータに基づいて導出される)に基づいて、コンピューティングシステムは、外科用器具が落とされたことを検出し得る。コンピューティングシステムは、例えば、RFIDゾーン違反に基づいて、外科用器具が変位されて使用できないことを検出し得る。検出時に、コンピューティングシステムは、交換器具がORに送達される必要があることを示す通知を生成し得る。例えば、コンピューティングシステムは、誤った色のカートリッジが外科用ステープル留め器具内に設置されたこと、又は誤った色のカートリッジが外科用器具内への設置のために準備テーブル上に置かれていることを検出し得る。間違ったカートリッジが設置されたか、又は設置されようとしていることの検出は、外科処置計画35632及び/又は35532並びにビデオ監視データなどの処置進捗データ35514に基づいて行われ得る。検出時に、コンピューティングシステムは、交換カートリッジ及び/又は交換外科用ステープル留めデバイスがORに送達される必要があることを示す通知を生成し得る。交換器具及び/又は医療用品についての通知は、器具供給室に関連付けられた通知デバイスなど、ORの外のデバイスに送信され得る。これは、適時の器具交換を可能にし、したがって、不注意なエラーによって生じる外科手術の遅延を防止、最小化、又は低減し得る。
【0223】
例えば、撮像ベースのデータから導出された外科用監視データに基づいて、コンピューティングシステムは、患者の解剖学的構造に関連付けられた異常を検出し得る。例えば、患者の解剖学的構造は、正常と考えられる場所とは異なる場所に見出される場合がある。例えば、大多数の人にとって、心臓は、胸骨のほんの少し左に見出されることができる。しかしながら、右胸心として知られる状態では、人の心臓は、正常な心臓の解剖学的構造の鏡像として、代わりに胸骨の右側に見出される場合がある。これらのタイプの異常は稀であるが、時には他のシステムを妨害するか、又は診断の失敗若しくは外科手術における更なる合併症をもたらす可能性があり得る。
【0224】
患者の解剖学的構造に関連付けられた異常が検出されると、コンピューティングシステムは、処置計画に対する調整を生成し得る。コンピューティングシステムは、例えば、リスクを低減するために、又は経験の少ない外科医にガイダンスを提供するために、処置に追加の外科医を追加し得る。コンピューティングシステムは、割り当てられる外科医を識別し、外科医がORに加わる準備をするべきであることを示す外科医への通知を生成し得る。これは、処置中の中断を低減又は最小化し得る。HCPのストレスレベルは、サポートを要求する必要なしに自動応答システムがトリガされ得ることを知って、低減され得る。
【0225】
外科用監視データは、潜在的なエラーを識別するために、標準又は予想される外科用データと比較され得る。例えば、コンピューティングシステムは、外科用監視データに基づいて、処置工程が適切に実行されなかったこと、及び/又は処置工程が順序が狂って実行されたことを判定し得る。コンピューティングシステムは、シニアHCPのサポートを要求する通知を生成し得る。通知は、OR内の現場で、又は仮想手段を通して、ガイダンス又は教示が必要であることを示すために、他の外科医に送信され得る。例えば、OR外の外科医は、外科用ディスプレイにアクセスし、OR内の外科医を指導して、最適化されたアプローチ又は取るべき工程を実行することができる。
【0226】
図16は、複数のORにわたって集約された外科用監視データに基づく例示的な効率分析を示す。示されるように、35812において、手術室内の複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データが取得され得る。35814において、複数のORにわたる外科用監視データが集約され得る。例えば、図14に示すように、複数のORにわたる外科用監視データは、時間的に整列されることに基づいて集約され得る。35816において、外科処置調整、HCP割り当て調整、ORレイアウト調整、外科用器具利用調整、及び/又は本明細書に記載される他の調整などの1つ又は2つ以上の調整が、集約された外科用監視データに基づいて判定され得る。
【0227】
35818において、集約された外科リソース利用調整に基づいて出力が生成され得る。例えば、出力は、リソース利用調整の視覚的指示、リソース利用調整の可聴指示、OR内のHCPへの通知、OR外のHCPへの通知(例えば、外科手術において追加のサポートを提供するためにスクラブされるHCPを計測する)、外科用器具供給部門への通知(例えば、ORに送達される器具を要求する)、処置状態を通信するための患者の家族への指示、及び/又は他の指示を含み得る。出力は、外科用監視データに基づいて、識別された問題の指示、及び/又は問題を解決又は軽減するための推奨を含み得る。
【0228】
例えば、出力は、処置中の処置工程に関連付けられた所有権及び責任を示すためのHCPに提供され得る指示を含み得る。指示は、中断を最小限に抑え、効率を最適化するために、可聴再生とともにリアルタイムで提供され得る。
【0229】
例えば、ダッシュボードは、イベントのシーケンス(例えば、次の工程)を識別し得る指示、順序が狂った工程の指示、及び/又は推奨される調整を含み得る。ダッシュボード上の指示は、計画された外科処置データ35512、処置進捗データ35514、計画されたリソース割り振りデータ35516、実際のリソース利用データ35518、更新された外科処置計画35532、及び/又は更新されたリソース割り振り35534に基づいて、生成され得る。推奨される調整は、例えば、手術時間を最適化するために、OR内の位置を変更すること、器具のハンドオフを変更すること、及び/又はカートリッジ交換を含み得るが、これらに限定されない。アクションが発生すると、ダッシュボード上のアクションに対応する表示が消えてもよい。ダッシュボードは、本明細書に記載されるようにモニタ上に、又はOR内のHCPの位置に基づいて移動することができる投影システム上に表示され得る。投影の位置は、ダッシュボードが各ORパーソナルの前に投影されるように判定され得る。外科手術はストレスが多く、工程のミスを生じる可能性があるか、又は器具、デバイスが必要なときに準備されていないか、用意されていない場合がある。視覚ダッシュボードは、外科用監視データを利用して、いつ各HCPからものが必要とされるかを追跡及び識別し、ダッシュボード上のそのHCPに詳細を提供し得る。
【0230】
コンピューティングシステムは、本明細書に記載されるように、HCPの動きを監視し得る。HCPがORを離れることを検出すると、コンピューティングシステムは、OR内の残りのHCPへの所有権及び責任の調整を判定し、ダッシュボード上に更新された指示を表示し得る。調整は、可聴指示を介してHCPに示され得る。ダッシュボード上の他の指示は、パーソナルオーディオデバイスを介して個々のHCPに提供され得る。例えば、工程に関連付けられたリスクの指示は、オーディオデバイスを介して提供され得る。コンピューティングシステムは、ダッシュボードの内容をリアルタイムで調整するために、外科医などのリードHCPから指示を受信し得、他のHCPに調整を示し得る。
【0231】
本明細書に記載されるように、HCP割り当て、HCP利用、患者スループット、医療器具利用、設備ストック、OR入れ替え及び利用が、要約及び/又は集約され得る。
【0232】
集計された履歴外科処置データが使用されて、HCP割り当て及びチームの組み合わせを推奨し得る。履歴外科処置データは、過去に実施された外科処置に関連付けられたスタッフ情報(例えば、HCPチームの組み合わせ、HCP経験レベル、HCPスキルセットなど)、時間、OR入れ替え、合併症率、患者転帰、及び/又は外科リソース利用を含み得る。
【0233】
例えば、外科手術結果(例えば、合併症、成功評価、手術持続時間など)は、HCPチームの組み合わせ、HCP経験レベル、HCPスキルセットなどと相関され得る。コンピューティングシステムは、外科手術結果-HCP相関データに基づいて、特定の処置に対して特定のHCPを推奨すること、特定のタスクについて特定のHCPを推奨すること、及び/又はある処置に対してチームの組み合わせを推奨することなど、HCP割り当て推奨を生成し得る。
【0234】
図17は、外科用監視データに基づく外科処置計画の例示的な更新を示す。示されるように、35822において、手術室内の複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データが取得され得る。35824において、複数のORにわたる外科用監視データが集約され得る。35826において、外科処置計画は、集約された外科用監視データに基づいて更新され得る。
【0235】
集約データに基づいて、コンピューティングシステムは、外科的計画情報を生成し得る。例えば、コンピューティングシステムは、集約された過去の外科処置データに基づいて、特定の外科医に対する外科用デバイス割り振りを判定し得る。例えば、処置工程に対して外科医によって最も頻繁に使用される外科用デバイスが、外科的計画情報に含まれるために選択され得る。コンピューティングデバイスは、集約された履歴外科処置データに基づいて、1つ又は2つ以上の特性を有する患者に対する外科用デバイス割り振りを判定し得る。コンピューティングデバイスは、集約された履歴外科処置データに基づいて、特定の処置に対する外科用デバイス割り振りを判定し得る。例えば、過去の外科手術において処置に最も頻繁に使用された外科用デバイスが、外科的計画情報に含まれるために選択され得る。例えば、過去の外科手術において最も高い回復率に関連付けられた外科用デバイスが、外科的計画情報に含まれるために選択され得る。
【0236】
集約データに基づいて、コンピューティングシステムは、毎日のOR計画推奨を生成し得る。毎日のOR計画推奨は、次回の外科手術に対する推奨OR、推奨外科手術時間、推奨HCP勤務時間及び休憩を含み得る。コンピューティングシステムは、集約データに基づいてスタッフの不足又は過剰を予測し得る。集約データは、HCPの仕事を最適化するために使用され得る。
【0237】
コンピューティングシステムは、集約された外科処置監視データに基づいて、スタッフの利用可能性、器具の利用可能性、及び特殊なOR機器に基づいて、処置計画を生成し得る。例えば、コンピューティングシステムは、特殊なOR機器が処置のために必要とされ得ることを判定し得る。コンピューティングシステムは、器具及び器具に関連付けられた経験/スキルセットを有する少なくとも1つのHCPが利用可能である時間を識別し、識別された時間に基づいて処置計画を生成し得る。
【0238】
図18は、複数のORにわたって集約された外科用監視データに基づくHCP割り当ての例示的な調整を示す。示されるように、35832において、手術室内の複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データが取得され得る。35834において、複数のORにわたる外科用監視データが集約され得る。35836において、HCP割り当ては、集約された外科用監視データに基づいて更新され得る。
【0239】
コンピューティングシステムは、複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データに基づいて、外科的計画推奨を生成し得る。大規模施設変数は、外科的計画推奨生成に組み込まれ得る。そのような変数は、複数の手術室にわたる、HCP利用可能性、HCPストレスレベル、HCP疲労レベル、様々なHCPバイオマーカ、OR能力、予算、患者体積、外科手術結果、時刻、天候、及び/又は外科用デバイス又は外科用機器の利用可能性を含み得るが、これらに限定されない。例えば、コンピューティングシステムが外科的計画推奨を生成するときに、複数の手術室を有する病院の外科部門におけるHCPの利用可能性が考慮され得る。
【0240】
2006年の研究では、研究された146人の看護師が、12時間シフトの間に平均4~5マイル歩いているが、大部分のアメリカ人は、1日18時間の間にわずか2.5~3マイルしか歩いていないことを見出した。仕事で歩く種類の看護師は、心臓又はストレス軽減の利益をほとんど有さない。実際、シフト中にそれだけ遠くまで歩くことは、疲労につながる可能性があり、これは、患者ケアの質を潜在的に低下させる可能性がある。
【0241】
コンピューティングシステムは、HCP監視データに基づいて、複数の外科処置に同時に取り組んでいるHCPが移動した総距離の指示を計算し得る。コンピューティングシステムは、本明細書に記載される1つ又は2つ以上のHCPウェアラブル感知システム及び/又は環境感知システムを介して、HCPについて(例えば、ある期間中に)移動した距離などの工程監視データを取得し得る。コンピューティングシステムは、HCPに関連付けられた工程監視データに基づいて、HCPに対して提案される休み時間、水分摂取、食物摂取、及び/又は靴交換時間を判定し得る。コンピューティングシステムは、HCPに休憩を取るように促す、水分及び/又は食物摂取を提案する、及び/又は靴を交換すべきとき、例えば、期間中にHCPが移動した距離が閾値を超えたときにHCPに促す指示を提供し得る。
【0242】
看護師が歩くことを必要とする活動の頻度は、所与のシフトで移動した総距離に影響を与え得る。総頻度に影響を及ぼす運用上の要因は、看護師対患者比、人員配置、患者母集団のタイプ、及び/又はそれが日中であるか、夕方であるか、夜シフトであるかを含み得る。
【0243】
コンピューティングシステムは、HCP工程監視データに基づいてスタッフ不足及び/又は過剰を判定し得る。例えば、スタッフ監視データは、異なるシフト中に異なるHCPが移動した距離の指示を含み得る。シフト中にHCPごとに移動した平均距離が閾値を超えると判定すると、コンピューティングシステムは、シフトに追加のHCPを追加することを推奨し得る。シフト中にHCPごとに移動した平均距離が閾値未満であると判定すると、コンピューティングシステムは、シフト中のHCPを低減することを推奨し得る。第1のシフト中にHCPごとに移動した平均距離と第2のシフト中にHCPごとに移動した平均距離とを比較することに基づいて、コンピューティングシステムは、2つのシフト間で転送されているHCPを識別することができる。
【0244】
コンピューティングシステムは、HCP工程監視データに基づいてHCPのワークフローに対する変更を識別し得る。例えば、HCPのHCP工程監視データは、例えば、本明細書に記載される1つ又は2つ以上のHCPウェアラブル感知システム及び/又は環境感知システムを介して取得される、HCPが移動した工程の量及び移動した経路を含み得る。コンピューティングシステムは、HCPが移動した経路に基づいて反復往復を識別し得る。コンピューティングシステムは、反復往復に関連付けられた1つ又は2つ以上のタスクを識別し得る。例えば、外科処置に関連付けられた外科処置進捗データが取得され得る。HCPによって行われる反復往復のセットは、HCP工程監視データに基づいて、識別され得る。HCPによって行われた反復往復に関連付けられた1つ又は2つ以上のタスクは、外科処置進捗データをHCPによって行われた反復往復と相関させることによって識別され得る。コンピューティングシステムは、識別された外科的タスクに関連付けられた移動距離を低減するためのタスク割り当て調整を判定し得る。例えば、コンピューティングシステムは、移動を低減し得る識別されたタスクの簡略化を判定し得る。コンピューティングシステムは、識別されたタスクに関連付けられた時間変更又はスケジューリング変更を判定し得る。例えば、コンピューティングシステムは、1つ又は2つ以上の識別されたタスクがダウンタイム中に実施されることを推奨し得る。処置中に実行されるように計画された特定のタスクは、術前準備中に実行されるように識別され得る。
【0245】
コンピューティングシステムは、HCPが移動する距離を低減するために、外科的計画データ及び/又は外科用監視データに基づいて、患者の入院時間を判定し得る。患者の入院時間は、HCPが同じ往復中に複数の患者に関連付けられた同じ又は類似のタスクを実行し得るように判定され得る。
【0246】
コンピューティングシステムは、少なくとも外科処置進捗データに基づいて組み合わせ可能なタスクのセットを識別し得、識別された組み合わせ可能なタスクのセットを組み合わせることを推奨し得る。組み合わせ可能なタスクは、複数の患者に関連付けられた同じ又は類似のタスクを含み得る。組み合わせ可能なタスクは、複数の手術室に関連付けられた同じ又は類似のタスクを含み得る。コンピューティングシステムは、外科用監視データ及び/又は外科的計画データに基づいて、患者ガイダンス及び摂取計画及び通知を処理し得る。コンピューティングシステムは、対話を必要とする工程を達成するために患者をいつどこでピックアップするかをHCPに通知し得、HCPが複数の患者を同時にサポートすることを可能にし、患者の反復タスクを制限する。ワークフロー変更推奨は、HCPの通知デバイス、及び/又は施設スケジューリング人員に関連付けられた通知デバイスに提供され得る。
【0247】
コンピューティングシステムは、患者のピックアップが組み合わせ可能であり得ることを判定し得、1回の往復の間に複数の患者をピックアップするようにHCPに通知し得る。例えば、コンピューティングシステムは、複数のORにわたる外科処置進捗データ及び/又は外科的計画データに基づいて、複数の患者がほぼ同時に外科手術を開始し得ることを識別し得る。コンピューティングシステムは、HCPへの通知を生成して、ピックアップ時間、場所、及び患者が同じ往復中にピックアップされるべきであることをアドバイスし得る。コンピューティングシステムは、識別された患者への(例えば、識別された患者に関連付けられたデバイスへの)通知を生成して、患者にピックアップ時間をアドバイスし得る。例えば、コンピューティングシステムは、複数のORにわたる外科処置進捗データ及び/又は外科的計画データに基づいて、外科用器具及び/又は医療用品が複数のORに必要とされることを識別し得る。コンピューティングシステムは、HCPに、同じ往復中に複数のORに外科用器具及び/又は医療用品をピックアップ及び送達するように通知し得る。
【0248】
コンピューティングシステムは、HCP工程監視データに基づいて、医療施設内のレイアウトに対する変更を識別し得る。本明細書に記載されるように、コンピューティングシステムは、HCPによって行われる反復往復に関連付けられた1つ又は2つ以上のタスクを識別し得る。コンピューティングシステムは、識別された外科的タスクに関連付けられたORレイアウトの態様を識別し、反復往復のセットに関連付けられた経路長を低減するためのORレイアウト調整を生成し得る。コンピューティングシステムは、識別された反復タスクに関連付けられた医療施設レイアウトの態様を識別し、反復往復のセットに関連付けられた経路長を低減するための医療施設レイアウト調整を生成し得る。
【0249】
以下は、特許請求され得るか、又はされ得ない付番された態様の非網羅的リストである。
【0250】
態様1.プロセッサを備えるコンピューティングシステムであって、プロセッサが、少なくとも、
複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得することと、
外科リソース監視データに基づいて外科リソース利用調整を判定することと、
判定された外科リソース利用調整に基づいて出力を生成することと、を行うように構成されている、コンピューティングシステム。
【0251】
態様2.外科用監視データが、外科リソース監視データを含み、プロセッサが、
複数の外科処置のうちの第1の外科処置に関連付けられた第1の外科リソース監視データを受信することと、
複数の外科処置のうちの第2の外科処置に関連付けられた第2の外科リソース監視データを受信することと、
第1の外科リソース監視データ及び第2の外科リソース監視データを集約することであって、外科リソース利用調整が、集約された外科リソース監視データに基づいて判定される、集約することと、を行うように更に構成されている、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0252】
態様3.外科用監視データが、複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられた医療関係者(HCP)監視データ及び外科処置進捗データを含み、プロセッサが、
HCP監視データに基づいて、反復往復のセットを識別することと、
複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データに基づいて、反復往復のセットに関連付けられた複数の外科的タスクを識別することと、
識別された複数の外科的タスクに関連付けられた移動距離を低減するためのHCPタスク割り当て調整を生成することと、を行うように更に構成されている、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0253】
態様4.プロセッサが、
反復往復のセットに関連付けられた複数の外科的タスクから、複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データに少なくとも基づいて組み合わせ可能なタスクのセットを識別することを行うように更に構成されており、HCPタスク割り当て調整は、識別された組み合わせ可能なタスクのセットを組み合わせるための推奨を含む、態様3に記載のコンピューティングシステム。
【0254】
態様5.外科用監視データが、複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データを含み、プロセッサが、
HCP監視データに基づいて、反復往復のセットを識別することと、
識別された反復往復のセットに関連付けられたORレイアウトの態様を識別することと、
反復往復のセットに関連付けられた経路長を低減するためのORレイアウト調整を生成することと、を行うように更に構成されている、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0255】
態様6.外科用監視データが、複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、プロセッサが、
複数の外科処置に関連付けられた外科処置計画を取得することと、
複数の外科処置による外科処置計画データ及び外科処置進捗データに基づいて、複数の更新された外科処置計画を生成することと、
複数の外科処置に関連付けられた計画されたHCPタスク割り当てを取得することと、
複数の外科処置に関連付けられた計画されたHCPタスク割り当てデータ、複数の更新された外科処置計画、及びHCP監視データに基づいて、複数の外科処置に関連付けられた更新されたHCPタスク割り当てを生成することと、を行うように更に構成されている、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0256】
態様7.外科用監視データが、複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられた外科用器具利用データ及び外科処置進捗データを含み、プロセッサが、
複数の外科処置に関連付けられた外科処置計画を取得することと、
複数の外科処置による外科処置計画データ及び外科処置進捗データに基づいて、複数の更新された外科処置計画を生成することと、
複数の外科処置に関連付けられた外科用器具割り振りデータを取得することと、
外科用器具割り振りデータ、外科用器具利用監視データ、及び複数の更新された外科処置計画に基づいて、複数の外科処置に関連付けられた予測外科用器具利用データを生成することと、を行うように更に構成されており、判定された外科リソース利用調整が、予測外科用器具利用データに関連付けられた外科用器具利用調整を含む、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0257】
態様8.外科用監視データが、複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、プロセッサが、
複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR利用データ、
複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR入れ替えデータ、
複数の外科処置に関連付けられた集約されたHCP再配置データ、又は
複数の外科処置に関連付けられた集約された器具交換データ、のうちの少なくとも1つに基づいてHCP効率を判定することを行うように更に構成されている、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0258】
態様9.外科用監視データが、
複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ、
複数の外科処置に関連付けられた外科用器具利用データ、
複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データ、
複数の外科処置に関連付けられた器具ストック及び利用データ、
複数の外科処置に関連付けられたOR入れ替えデータ、又は
複数の外科処置に関連付けられた関連付けられたコストのうちの少なくとも1つを含む、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0259】
態様10.複数の外科処置が複数のORで行われる、態様1に記載のコンピューティングシステム。
【0260】
態様11.コンピュータ実装方法であって、
複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得することと、
外科リソース監視データに基づいて外科リソース利用調整を判定することと、
判定された外科リソース利用調整に基づいて出力を生成することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0261】
態様12.外科用監視データが、複数の手術室(OR)に関連付けられた複数の外科用ハブから取得され、方法が、
複数の外科用ハブから取得された外科用監視データを集約することであって、外科リソース利用調整は、集約された外科リソース監視データに基づいて判定される、集約することを更に含む、態様11に記載のコンピュータ実装方法。
【0262】
態様13.複数の外科処置が、複数のORに関連付けられ、方法が、
複数のORに関連付けられたリソース割り振り及び利用データを取得することと、
複数のORに関連付けられた外科手術結果データを取得することと、
複数のORに関連付けられた取得されたリソース割り振り及び利用データを集約することと、
集約されたリソース割り振り及び利用データ並びに外科手術結果データに基づいて、複数のORに関連付けられたリソース割り振り調整を生成することであって、出力が、リソース割り振り調整のための制御信号を含む、生成することと、を更に含む、態様11に記載のコンピュータ実装方法。
【0263】
態様14.外科用監視データが、HCP監視データを含み、方法が、
複数の外科処置のうちの第1の外科処置に関連付けられた第1のHCP監視データを受信することと、
複数の外科処置のうちの第2の外科処置に関連付けられた第2のHCP監視データを受信することと、
第1のHCP監視データ及び第2のHCP監視データを集約することであって、外科リソース利用調整が、集約されたHCP監視データに基づいて判定される、集約することと、を更に含む、態様11に記載のコンピュータ実装方法。
【0264】
態様15.外科用監視データが、複数のORからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、方法が、
複数のORからの取得された外科用監視データを集約することと、
複数のORに関連付けられた処置概要情報を生成することであって、処置概要情報が、
計画されたHCP割り当ての情報、実際のHCP割り当ての情報、及び予想されるHCP割り当ての情報、
計画された手術工程の情報、実際の手術工程の情報、及び予想される手術工程の情報、又は
計画された外科リソースの情報、実際の外科リソースの情報、及び予想される外科リソースの情報、のうちの少なくとも1つを含む、生成することと、
処置概要情報を表示のために出力することと、を更に含む、態様11に記載のコンピュータ実装方法。
【0265】
態様16.外科用監視データが、複数のORからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、方法が、
複数のORからの取得された外科用監視データを集約することと、
集約された外科用監視データに基づいて、HCP効率を評価することと、を更に含み、集約された外科用監視データが、
複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR利用データ、
複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR入れ替えデータ、
複数の外科処置に関連付けられた集約されたHCP再配置データ、又は
複数の外科処置に関連付けられた集約された器具交換データ、のうちの少なくとも1つを含む、態様11に記載のコンピュータ実装方法。
【0266】
態様17.外科用監視データが、医療関係者(HCP)に関連付けられたバイオマーカ測定データと、複数の外科処置に関連付けられた複数の外科用ハブからの外科処置進捗データと、を含み、プロセッサが、
タスクが期間中に実行されることを予想することと、
バイオマーカ測定データに基づいて、期間中のHCPの疲労レベルを判定することと、
外科処置計画データ及び外科処置進捗データに基づいて、期間に関連付けられたHCPの利用可能性を判定することと、
期間中の判定された疲労レベル及びHCPの判定された利用可能性に基づいて、タスクをHCPに割り当てるかどうかを判定することであって、出力が、HCPに関連付けられたタスク割り当て推奨を含む、判定することと、を行うように更に構成されている、態様11に記載のコンピュータ実装方法。
【0267】
態様18.外科用監視データが、
複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ、
複数の外科処置に関連付けられた外科用器具利用データ、
複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データ、
複数の外科処置に関連付けられた器具ストック及び利用データ、
複数の外科処置に関連付けられたOR入れ替えデータ、又は複数の外科処置に関連付けられた関連付けられたコストのうちの少なくとも1つを含む、態様11に記載のコンピュータ実装方法。
【0268】
態様19.外科用監視データを取得することが、1つ又は2つ以上の外科用ハブ、1つ又は2つ以上の環境監視デバイス、1つ又は2つ以上の患者監視デバイス、及び1つ又は2つ以上のHCP監視デバイスから外科用監視データを取得することを含む、態様11に記載のコンピュータ実装方法。
【0269】
態様20.出力が、判定された外科リソース利用調整の視覚的指示、又は判定された外科リソース利用調整の可聴指示を含む、態様11に記載のコンピュータ実装方法。
【0270】
以下は、特許請求され得るか、又はされ得ない付番された実施例の非網羅的リストである。
【0271】
実施例1.コンピュータ実装方法であって、
複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得することと、
外科リソース監視データに基づいて外科リソース利用調整を判定することと、
判定された外科リソース利用調整に基づいて出力を生成することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0272】
実施例1の構成は、複数の外科処置に関連するデータの集合的分析に基づいて、外科リソース利用の適応調整を可能にし得、それにより、全体的効率及び外科手術結果を改善し得る。複数の手術室からなど、複数の外科処置からの外科用監視データは、複数の手術室に対する更新された外科リソース割り振り及び/又は利用を生成するために集合的に考慮され得る。複数の手術室に対する潜在的な問題及び推奨は、複数の手術室にわたる外科用監視データに基づいて生成され得る。複数のORに対する外科処置計画はまた、ORにわたる外科用監視データに基づいて集合的に更新され得る。
【0273】
実施例2.外科用監視データは、複数の手術室(OR)に関連付けられた複数の外科用ハブから取得され、方法が、
複数の外科用ハブから取得された外科用監視データを集約することであって、外科リソース利用調整は、集約された外科リソース監視データに基づいて判定される、集約することを更に含む、実施例1に記載のコンピュータ実装方法。
【0274】
実施例2は、外科用ハブのネットワークなどの集約ネットワークを提供し得、これは、複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データの集合的分析を可能にする。集合的分析は、リソース割り振り、問題識別、及び/又は推奨のために適切な調整が判定及び適用されることを確実にし得る。例示的な外科リソースは、以下の実施例で定義されるように、HCP、外科用器具、デバイス、医療用品、ORなどを含む。例示的な外科リソース監視データは、以下の実施例で定義されるように、HCP監視データ及び/又は外科用器具利用データを含む。
【0275】
実施例3.外科用監視データが、
複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ、
複数の外科処置に関連付けられた外科用器具利用データ、
複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データ、
複数の外科処置に関連付けられた器具ストック及び利用データ、又は
複数の外科処置に関連付けられたOR入れ替えデータ、のうちの少なくとも1つを含む、実施例1又は2に記載のコンピュータ実装方法。
【0276】
実施例4.外科用監視データを取得することが、1つ又は2つ以上の外科用ハブ、1つ又は2つ以上の環境監視デバイス、1つ又は2つ以上の患者監視デバイス、及び1つ又は2つ以上のHCP監視デバイスから外科用監視データを取得することを含む、実施例1~3のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0277】
実施例5.外科リソース利用調整を判定することが、HCPタスク割り当て調整、ORレイアウト調整、外科用器具利用割り振り調整、及び医療施設レイアウト調整のうちの1つ又は2つ以上を判定することを含む、実施例1~4のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0278】
実施例6.出力が、HCPタスク割り当てを調整し、外科手術スケジューリングを調整し、外科用器具割り振りを調整し、外科的計画を調整し、外科リソース調整を通知し、潜在的な問題を通知し、推奨を提供するための制御信号を含む、実施例1~5のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0279】
実施例7.出力が、判定された外科リソース利用調整の視覚的指示、又は判定された外科リソース利用調整の可聴指示を含む、実施例1~6のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0280】
実施例8.判定された外科リソース利用調整を実装することを更に含む、実施例1~7のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0281】
実施例9.外科用監視データが、複数の外科用ハブから取得された複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、方法が、
HCP監視データに基づいて反復往復のセットを識別することと、
複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データに基づいて、反復往復のセットに関連付けられた複数の外科的タスクを識別することと、
識別された複数の外科的タスクに関連付けられた移動距離を低減するためのHCPタスク割り当て調整を生成することと、を更に含む、実施例1~8のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0282】
実施例10.反復往復のセットに関連付けられた複数の外科的タスクから、複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データに少なくとも基づいて組み合わせ可能なタスクのセットを識別することを含み、HCPタスク割り当て調整は、識別された組み合わせ可能なタスクのセットを組み合わせるための推奨を含む、実施例9に記載のコンピュータ実装方法。
【0283】
実施例9及び10は、HCPの動きに基づく例示的な分析を提供し得、HCPの効率を更に改善するために対応する調整を生成し得る。処置進捗データは、外科手術のタイプ、外科手術の現在の工程、外科手術に取り組んでいるHCP、及び/又は処置進捗を示す他の情報を示す日付である。処置進捗データは、外科処置と、外科用ハブが導出し得るコンテキスト情報、及び/又はカメラベースの外科用監視データを介して導出され得る情報と、を含み得る。
【0284】
実施例11.外科用監視データが、HCP監視データを含み、方法が、
HCP監視データに基づいて、反復往復のセットを識別することと、
識別された反復往復のセットに関連付けられたORレイアウトの態様を識別することと、
反復往復のセットに関連付けられた経路長を低減するためのORレイアウト調整を生成することと、を更に含む、実施例1~8のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0285】
実施例12.外科用監視データが、複数の外科用ハブから複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、方法が、
複数の外科用ハブから複数の外科処置に関連付けられた外科処置計画データを取得することと、
複数の外科処置による外科処置計画データ及び外科処置進捗データに基づいて、複数の更新された外科処置計画を生成することと、
複数の外科処置に関連付けられた計画されたHCPタスク割り当てを取得することと、
複数の外科処置に関連付けられた計画されたHCPタスク割り当てデータ、複数の更新された外科処置計画、及びHCP監視データに基づいて、複数の外科処置に関連付けられた更新されたHCPタスク割り当てを生成することと、を更に含む、実施例1~11のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0286】
実施例13.外科用監視データが、複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられた外科用器具利用データ及び外科処置進捗データを含み、方法が、
複数の外科用ハブから複数の外科処置に関連付けられた外科処置計画データを取得することと、
複数の外科処置による外科処置計画データ及び外科処置進捗データに基づいて、複数の更新された外科処置計画を生成することと、
複数の外科処置に関連付けられた外科用器具割り振りデータを取得することと、
外科用器具割り振りデータ、外科用器具利用監視データ、及び複数の更新された外科処置計画に基づいて、複数の外科処置に関連付けられた予測外科用器具利用データを生成することと、を更に含み、
判定された外科リソース利用調整が、予測外科用器具利用データに関連付けられた外科用器具利用調整を含む、実施例12に記載のコンピュータ実装方法。
【0287】
実施例14.複数の外科処置が、複数のORに関連付けられ、方法が、
複数のORに関連付けられたリソース割り振り及び利用データを取得することと、
複数のORに関連付けられた外科手術結果データを取得することと、
複数のORに関連付けられた取得されたリソース割り振り及び利用データを集約することと、
集約されたリソース割り振り及び利用データ並びに外科手術結果データに基づいて、複数のORに関連付けられたリソース割り振り調整を生成することであって、出力が、リソース割り振り調整の指示を含む、生成することと、を更に含む、実施例1~13のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0288】
実施例14は、例示的な集約された効率分析を提供し得る。リソース割り振り及び利用データ、並びに複数のORに関連付けられた外科手術結果データが取得され、集約される。集約データは、手術室に対する外科リソース割り振りを調整又は更新するために使用される。適応調整は、外科リソースの割り振り及び利用を改善することに寄与し得、それにより、処置結果及び効率を改善する。
【0289】
実施例15.外科用監視データが、HCP監視データを含み、方法が、
複数の外科処置のうちの第1の外科処置に関連付けられた第1のHCP監視データを受信することと、
複数の外科処置のうちの第2の外科処置に関連付けられた第2のHCP監視データを受信することと、
第1のHCP監視データ及び第2のHCP監視データを集約することであって、外科リソース利用調整が、集約されたHCP監視データに基づいて判定される、集約することと、を更に含む、実施例1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0290】
実施例15は、例示的な集約された効率分析を提供し得る。異なる外科処置からのHCP監視データが取得され、集約される。次いで、集約データは、外科リソース割り振りを調整又は更新するために使用され、これは、改善された処置結果及び改善されたHCP効率に寄与し得る。
【0291】
実施例16.外科用監視データが、複数のORからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、方法が、
複数のORからの取得された外科用監視データを集約することと、
集約された外科用監視データに基づいて、複数のORに関連付けられた処置概要情報を生成することであって、処置概要情報が、
計画されたHCP割り当ての情報、実際のHCP割り当ての情報、及び予想されるHCP割り当ての情報、
計画された手術工程の情報、実際の手術工程の情報、及び予想される手術工程の情報、又は
計画された外科リソースの情報、実際の外科リソースの情報、及び予想される外科リソースの情報、のうちの少なくとも1つを含む、生成することと、
処置概要情報を表示のために出力することと、を更に含む、実施例1~15のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0292】
実施例16は、例示的な集約された効率分析を提供し得る。複数の手術室からの外科用監視データが集約され、処置概要情報を生成するために利用される。処置概要情報は、外科処置に関する有用な情報を提供するために出力及び表示される。そのような情報は、効率及び処置結果を更に改善するために、外科的計画、HCP割り当て、リソース割り振りなどを生成又は更新するために使用され得る。
【0293】
実施例17.外科用監視データが、複数のORからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、方法が、
複数のORからの取得された外科用監視データを集約することと、
集約された外科用監視データに基づいて、HCP効率を評価することと、を更に含み、集約された外科用監視データが、
複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR利用データ、
複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR入れ替えデータ、
複数の外科処置に関連付けられた集約されたHCP再配置データ、又は
複数の外科処置に関連付けられた集約された器具交換データ、のうちの少なくとも1つを含む、実施例1~16のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0294】
実施例18.外科用監視データが、医療関係者(HCP)に関連付けられたバイオマーカ測定データと、複数の外科処置に関連付けられた複数の外科用ハブからの外科処置進捗データとを含み、プロセッサが、
タスクが期間中に実行されることを予想することと、
バイオマーカ測定データに基づいて、期間中のHCPの疲労レベルを判定することと、
外科処置計画データ及び外科処置進捗データに基づいて、期間に関連付けられたHCPの利用可能性を判定することと、
期間中の判定された疲労レベル及びHCPの判定された利用可能性に基づいて、タスクをHCPに割り当てるかどうかを判定することであって、出力が、HCPに関連付けられたタスク割り当て推奨を含む、判定することと、を更に含む、実施例1~13のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
実施例18は、別の例示的な集約された効率分析に関連する。複数の手術室からの外科用監視データが、予想されるタスクのためのHCPの利用可能性及びHCPの疲労レベルを判定するために集約及び利用される。タスクは、疲労レベル及びHCPの利用可能性に基づいて、HCPに割り当てられる。これは、HCPの効率並びに処置の外科手術結果を改善し得る。
【0296】
実施例19.実施例1~18のいずれか1つに記載の方法を実装するように構成されているプロセッサを備えるコンピューティングシステム。
【0297】
実施例20.コンピュータによって実行されるときに、実施例1~18のいずれか1つに記載の方法の実装を生じさせる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
【0298】
〔実施の態様〕
(1) コンピュータ実装方法であって、
複数の外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得することと、
前記外科リソース監視データに基づいて外科リソース利用調整を判定することと、
判定された前記外科リソース利用調整に基づいて、出力を生成することと、を含む、コンピュータ実装方法。
(2) 前記外科用監視データが、複数の手術室(OR)に関連付けられた複数の外科用ハブから取得され、前記方法が、
前記複数の外科用ハブから取得された前記外科用監視データを集約することであって、前記外科リソース利用調整が、集約された前記外科リソース監視データに基づいて判定される、集約することを更に含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(3) 前記外科用監視データが、
前記複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ、
前記複数の外科処置に関連付けられた外科用器具利用データ、
前記複数の外科処置に関連付けられた外科処置進捗データ、
前記複数の外科処置に関連付けられた器具ストック及び利用データ、又は
前記複数の外科処置に関連付けられたOR入れ替えデータ(OR turnover data)、のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1又は2に記載のコンピュータ実装方法。
(4) 前記外科用監視データを取得することが、1つ又は2つ以上の外科用ハブ、1つ又は2つ以上の環境監視デバイス、1つ又は2つ以上の患者監視デバイス、及び1つ又は2つ以上のHCP監視デバイスから前記外科用監視データを取得することを含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(5) 外科リソース利用調整を判定することが、HCPタスク割り当て調整、ORレイアウト調整、外科用器具利用割り振り調整、及び医療施設レイアウト調整のうちの1つ又は2つ以上を判定することを含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
【0299】
(6) 前記出力が、HCPタスク割り当てを調整し、外科手術スケジューリングを調整し、外科用器具割り振りを調整し、外科的計画を調整し、外科リソース調整を通知し、潜在的な問題を通知し、推奨を提供するための制御信号を含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(7) 前記出力が、判定された前記外科リソース利用調整の視覚的指示、又は判定された前記外科リソース利用調整の可聴指示を含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(8) 判定された前記外科リソース利用調整を実装することを更に含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(9) 前記外科用監視データが、複数の外科用ハブから取得された前記複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、前記方法が、
前記HCP監視データに基づいて、反復往復(repetitive trips)のセットを識別することと、
前記複数の外科処置に関連付けられた前記外科処置進捗データに基づいて、前記反復往復のセットに関連付けられた複数の外科的タスクを識別することと、
識別された前記複数の外科的タスクに関連付けられた移動距離を低減するためのHCPタスク割り当て調整を生成することと、を更に含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(10) 前記反復往復のセットに関連付けられた前記複数の外科的タスクから、複数の外科処置に関連付けられた前記外科処置進捗データに少なくとも基づいて組み合わせ可能なタスクのセットを識別することを含み、前記HCPタスク割り当て調整が、識別された前記組み合わせ可能なタスクのセットを組み合わせるための推奨を含む、実施態様9に記載のコンピュータ実装方法。
【0300】
(11) 前記外科用監視データが、HCP監視データを含み、前記方法が、
前記HCP監視データに基づいて、反復往復のセットを識別することと、
識別された前記反復往復のセットに関連付けられたORレイアウトの態様を識別することと、
前記反復往復のセットに関連付けられた経路長を低減するためのORレイアウト調整を生成することと、を更に含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(12) 前記外科用監視データが、前記複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、前記方法が、
前記複数の外科用ハブから複数の外科処置に関連付けられた外科処置計画データを取得することと、
複数の外科処置による前記外科処置計画データ及び前記外科処置進捗データに基づいて、複数の更新された外科処置計画を生成することと、
前記複数の外科処置に関連付けられた計画されたHCPタスク割り当てを取得することと、
前記複数の外科処置に関連付けられた前記計画されたHCPタスク割り当てデータ、前記複数の更新された外科処置計画、及び前記HCP監視データに基づいて、前記複数の外科処置に関連付けられた更新されたHCPタスク割り当てを生成することと、を更に含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(13) 前記外科用監視データが、前記複数の外科用ハブからの複数の外科処置に関連付けられた外科用器具利用データ及び外科処置進捗データを含み、前記方法が、
前記複数の外科用ハブから複数の外科処置に関連付けられた外科処置計画データを取得することと、
前記複数の外科処置による前記外科処置計画データ及び前記外科処置進捗データに基づいて、複数の更新された外科処置計画を生成することと、
前記複数の外科処置に関連付けられた外科用器具割り振りデータを取得することと、
前記外科用器具割り振りデータ、外科用器具利用監視データ、及び前記複数の更新された外科処置計画に基づいて、前記複数の外科処置に関連付けられた予測外科用器具利用データを生成することと、を更に含み、
判定された前記外科リソース利用調整が、前記予測外科用器具利用データに関連付けられた外科用器具利用調整を含む、実施態様12に記載のコンピュータ実装方法。
(14) 前記複数の外科処置が、複数のORに関連付けられ、前記方法が、
前記複数のORに関連付けられたリソース割り振り及び利用データを取得することと、
前記複数のORに関連付けられた外科手術結果データを取得することと、
前記複数のORに関連付けられた取得された前記リソース割り振り及び利用データを集約することと、
集約された前記リソース割り振り及び利用データ並びに前記外科手術結果データに基づいて、前記複数のORに関連付けられたリソース割り振り調整を生成することであって、前記出力が、前記リソース割り振り調整の指示を含む、生成することと、を更に含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(15) 前記外科用監視データが、HCP監視データを含み、前記方法が、
前記複数の外科処置のうちの第1の外科処置に関連付けられた第1のHCP監視データを受信することと、
前記複数の外科処置のうちの第2の外科処置に関連付けられた第2のHCP監視データを受信することと、
前記第1のHCP監視データ及び前記第2のHCP監視データを集約することであって、前記外科リソース利用調整が、集約された前記HCP監視データに基づいて判定される、集約することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
【0301】
(16) 前記外科用監視データが、複数のORからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、前記方法が、
前記複数のORからの取得された前記外科用監視データを集約することと、
集約された前記外科用監視データに基づいて、前記複数のORに関連付けられた処置概要情報を生成することであって、前記処置概要情報が、
計画されたHCP割り当ての情報、実際のHCP割り当ての情報、及び予想されるHCP割り当ての情報、
計画された手術工程の情報、実際の手術工程の情報、及び予想される手術工程の情報、又は
計画された外科リソースの情報、実際の外科リソースの情報、及び予想される外科リソースの情報、のうちの少なくとも1つを含む、生成することと、
前記処置概要情報を表示のために出力することと、を更に含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(17) 前記外科用監視データが、複数のORからの複数の外科処置に関連付けられたHCP監視データ及び外科処置進捗データを含み、前記方法が、
前記複数のORからの取得された前記外科用監視データを集約することと、
集約された前記外科用監視データに基づいて、HCP効率を評価することと、を更に含み、集約された前記外科用監視データが、
前記複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR利用データ、
前記複数の外科処置に関連付けられた集約されたOR入れ替えデータ、
前記複数の外科処置に関連付けられた集約されたHCP再配置データ、又は
前記複数の外科処置に関連付けられた集約された器具交換データ、のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(18) 前記外科用監視データが、医療関係者(HCP)HCPに関連付けられたバイオマーカ測定データと、前記複数の外科処置に関連付けられた複数の外科用ハブからの外科処置進捗データと、を含み、前記方法が、
タスクが期間中に実行されることを予想することと、
前記バイオマーカ測定データに基づいて、前記期間中の前記HCPの疲労レベルを判定することと、
前記外科処置計画データ及び前記外科処置進捗データに基づいて、前記期間に関連付けられた前記HCPの利用可能性を判定することと、
前記期間中の判定された前記疲労レベル及び前記HCPの判定された前記利用可能性に基づいて、前記タスクを前記HCPに割り当てるかどうかを判定することであって、前記出力が、前記HCPに関連付けられたタスク割り当て推奨を含む、判定することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法。
(19) 実施態様1に記載の方法を実装するように構成されているプロセッサを備える、コンピューティングシステム。
(20) コンピュータによって実行されるときに、実施態様1に記載の方法の実装を生じさせる命令を含む、コンピュータ可読媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
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【国際調査報告】