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特表2024-521831手術室のための人間工学的監視及び分析
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】手術室のための人間工学的監視及び分析
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/00 20180101AFI20240528BHJP
【FI】
G16H50/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573270
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-01-19
(86)【国際出願番号】 IB2022054897
(87)【国際公開番号】W WO2022249093
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/194,675
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/335,688
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
3.イーサネット
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
(72)【発明者】
【氏名】フィービッグ・ケビン・エム
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA22
(57)【要約】
外科処置において医療専門家(HCP)を監視し、HCPの消耗の改善に関連付けられたパラメータを提供するためのシステム、方法、及び手段が開示される。パラメータは、人間工学的位置決めのための推奨、調整、及び/又はフィードバックに関連付けられ得る。外科医の動き、姿勢、及び外科的アクセスが監視されて、HCPの消耗を改善するための推奨を作成し得る。HCPの動き及び姿勢が、コンピューティングシステムによって分析され得る。コンピューティングシステムは、例えば、姿勢、重いものの持ち上げ、起立などの改善を識別するために、手術室(OR)における外科処置全体を通したHCPの動き及び姿勢の分析を実施し得る。コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、OR内の人間工学的位置決めに関連付けられた人間工学的調整パラメータを判定し得る。パラメータは、器具の混合選択、トロカール場所、OR台セットアップ、及び/又は患者の位置決めを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
手術室に関連付けられた監視データを受信することと、
前記監視データに少なくとも部分的に基づいて、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
前記人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータを、前記手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
受信された前記監視データが、医療専門家の頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、視覚ディスプレイの動作に関連付けられたパラメータを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データが、眼精疲労に関連付けられたデータを含み、前記方法が、
前記医療専門家の頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データに基づいて、前記医療専門家に関連付けられた眼精疲労を判定することと、
前記医療専門家に関連付けられた前記眼精疲労に基づいて、前記視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントのうちの1つ又は2つ以上を修正することに関連付けられたパラメータを判定することと、を含む、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
受信された前記監視データが、医療専門家の姿勢及び前記医療専門家の動きに関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、患者の位置決め、手術室の位置決め、トロカールの位置決め、又は外科用器具の位置決めのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたパラメータを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
受信された前記監視データが、前記手術室内の外科処置に関連付けられた医療専門家の姿勢に関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
受信された前記監視データが、前記手術室内の外科処置に関連付けられた医療専門家の身体的特徴に関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の前記手術室における人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
受信された前記監視データが、前記手術室内の外科用機器の場所に関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、前記外科用機器の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記外科用機器が、ロボット外科用機器である、請求項7に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
受信された前記監視データが、前記手術室内の外科用器具の移動に関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、前記外科用器具の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
受信された前記監視データが、前記手術室内の患者の位置決めに関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、前記手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
受信された前記監視データが、外科用デバイスの位置決めに関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、外科用デバイスの位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含む、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
コンピュータ実装方法であって、
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データを受信することと、
前記監視データに基づいて、視覚ディスプレイの動作に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
視覚ディスプレイの動作に関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータを、前記手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項13】
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データが、医療専門家の役割又は医療専門家のIDに関連付けられたデータを含む、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記方法が、
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた閲覧優先度を判定することと、
医療専門家に関連付けられた前記閲覧優先度に基づいて、視覚ディスプレイの位置に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、を含む、請求項13に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データが、眼精疲労に関連付けられたデータを含む、請求項12に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた眼精疲労を判定することと、
前記医療専門家に関連付けられた前記眼精疲労に基づいて、視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントのうちの1つ又は2つ以上を修正することに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、を含む、請求項15に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項17】
コンピュータ実装方法であって、
手術室内の患者の位置決めに関連付けられた監視データを受信することと、
前記監視データに少なくとも部分的に基づいて、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
前記監視データに少なくとも部分的に基づいて、患者の位置決めに関連付けられたフィードバックを判定することと、
人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータ又は患者の位置決めに関連付けられた前記フィードバックのうちの少なくとも1つを、前記手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項18】
受信された前記監視データが、患者特性、手術室レイアウト、又は外科処置に関連付けられる、請求項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項19】
外科的合併症に関連付けられたリスクレベルを判定することを含む、請求項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項20】
外科用デバイスの位置決めに関連付けられた監視データを受信することと、
外科用デバイスの位置決めに関連付けられた前記監視データに基づいて、前記手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを判定することと、を含む、請求項17に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項21】
請求項1、請求項12、又は請求項17に記載の方法を実施するように構成されているプロセッサを備える、コンピューティングシステム。
【請求項22】
請求項1、請求項12、又は請求項17に記載の方法を行うための手段を備える、データ処理デバイス。
【請求項23】
システムであって、
請求項21に記載のコンピューティングシステムと、
前記コンピューティングシステムと通信可能に結合された前記手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムと、を備える、システム。
【請求項24】
システムであって、
請求項22に記載のデータ処理デバイスと、
前記データ処理デバイスと通信可能に結合された前記手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムと、を備える、システム。
【請求項25】
コンピュータによって実行されるときに、請求項1に記載の方法を実装させる命令を有する、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年5月28日に出願された米国特許仮出願第63/194,675号の利益を主張し、当該仮出願の開示は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、同時に出願された以下の出願に関連し、それらの各々の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
・「ADAPTIVE CONTROL OF OPERATING ROOM SYSTEMS」と題する米国特許出願第17/335,566号(代理人整理番号END9339USNP5)
・「EFFICIENCY OF MOTION MONITORING AND ANALYSIS FOR A SURGICAL PROCEDURE」と題する米国特許出願第17/335,669号(代理人整理番号END9339USNP6)
【背景技術】
【0003】
外科手術の成功は、いくつかのタイプの手術室(operating room、OR)チームメンバーの専門知識に依存する。異なるOR人員の役割は、異なり得る。外科医は、処置の過程を指示することに関わる重要な決定を行う。外科医は、手術に関わる切開を実施し得る。麻酔科医又は看護師麻酔士が、外科手術前に患者に麻酔を安全に投与し、外科手術中に患者を監視し、手術後に患者が麻酔から安全に覚めたことを確認することを担当する場合がある。巡回技術者が、患者を手術室に連れてきて、外科医及び他の人員の外科手術着を結び、器具及び薬剤などの必要とされる追加の用品を送達し、外科手術を文書化する場合がある。器械出し専門職員が、外科手術の前及び後に器具を滅菌し、外科手術中に術野を整理された状態に保ち、外科医に必要な器具を提供し得る。正看護師が、手術室看護師及び器械出し看護師としての役割を果たすことを含む、典型的には外科技術者に関連付けられた職務を実施し得る。加えて、看護師は、外科医の第1のアシスタントとしての役割を果たし得る。
【0004】
長時間にわたって不自然な体勢を維持するなど、ORにおける人間工学的ストレス要因は、様々な筋骨格の問題につながる可能性がある。外科医は、多くの場合、首、肩、及び背中に痛みを発症し、これは衰弱させ、外科医に、手術を中止するか又は完全に仕事を休むことを余儀なくさせる場合がある。長期間検査を受けないでいる場合、著しい変性変化が現れ得、引退の原因となる損傷を生じる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
コンピュータ実装方法は、手術室に関連付けられた監視データを受信することと、監視データに少なくとも部分的に基づいて、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含み得る。
【0006】
監視データは、医療専門家に関連付けられたデータを含み得、手術室内の外科処置に関連付けられた頭又は眼の位置、眼精疲労、姿勢、動き、姿勢、及び身体的特徴のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。監視データは、手術室内の外科用機器の場所に関連付けられたデータ、手術室内の外科用器具の移動に関連付けられたデータ、手術室内の患者の位置決めに関連付けられたデータ、及び外科用デバイスの位置決めに関連付けられたデータのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。
【0007】
1つ又は2つ以上のパラメータは、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータ、視覚ディスプレイの動作に関連付けられたパラメータ、患者の位置決め、手術室の位置決め、トロカールの位置決め、又は外科用器具の位置決めのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたパラメータ、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータ、外科用機器の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータ、外科用器具の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータ、手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータ、外科用デバイスの位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含み得る。
【0008】
1つ又は2つ以上のシステムは、視覚ディスプレイ、手術台、ロボット外科用機器、外科用器具、外科用機器、及び外科用デバイスを備え得る。
【0009】
コンピュータ実装方法は、外科手術の結果、並びに患者の経験及び福祉に影響を及ぼし得る、HCPの消耗及び疲労を改善する技術的効果を提供し得る。
【0010】
受信された監視データが、医療専門家の頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられ得、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられる1つ又は2つ以上のパラメータが、視覚ディスプレイの動作に関連付けられたパラメータを含み得る。
【0011】
頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データは、眼精疲労に関連付けられたデータを含み得、方法は、医療専門家の頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた眼精疲労を判定することと、医療専門家に関連付けられた眼精疲労に基づいて、視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントのうちの1つ又は2つ以上を修正することに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、を含み得る。
【0012】
コンピュータ実装方法は、外科手術の結果、並びに患者の経験及び福祉に影響を及ぼし得る、外科処置中のHCPの眼精疲労を低減させる技術的効果を有し得る。
【0013】
受信された監視データが、医療専門家の姿勢及び医療専門家の動きに関連付けられ得、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、患者の位置決め、手術室の位置決め、トロカールの位置決め、又は外科用器具の位置決めのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたパラメータを含み得る。
【0014】
受信された監視データが、手術室内の外科処置に関連付けられた医療専門家の姿勢に関連付けられ得、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含み得る。
【0015】
受信された監視データが、手術室内の外科処置に関連付けられた医療専門家の身体的特徴に関連付けられ得、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられ得る1つ又は2つ以上のパラメータが、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の手術室における人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含み得る。
【0016】
コンピュータ実装方法は、医療専門家に関連付けられたデータに基づいて手術室環境を改善する技術的効果を提供し得、これは、改善された外科手術結果、並びに患者及び医療専門家の改善された経験及び/又は福祉をもたらし得る。
【0017】
受信された監視データが、手術室内の外科用機器の場所に関連付けられ得、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、外科用機器の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含み得る。
【0018】
コンピュータ実装方法は、外科用機器に関連付けられたデータに基づいて手術室環境を改善する技術的効果を提供し得、これは、改善された外科手術結果、並びに患者及び医療専門家の改善された経験及び/又は福祉をもたらし得る。
【0019】
外科用機器は、ロボット外科用機器であり得る。
【0020】
受信された監視データが、手術室内の外科用器具の移動に関連付けられ得、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、外科用器具の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含み得る。
【0021】
コンピュータ実装方法は、外科用器具に関連付けられたデータに基づいて手術室環境を改善する技術的効果を提供し得、これは、改善された外科手術結果、並びに患者及び医療専門家の改善された経験及び/又は福祉をもたらし得る。
【0022】
受信された監視データが、手術室内の患者の位置決めに関連付けられ得、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含み得る。
【0023】
コンピュータ実装方法は、手術室内の患者の位置決めに関連付けられたデータに基づいて手術室環境を改善する技術的効果を提供し得、これは、改善された外科手術結果、並びに患者及び医療専門家の改善された経験及び/又は福祉をもたらし得る。
【0024】
受信された監視データが、外科用デバイスの位置決めに関連付けられ得、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、外科用デバイスの位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含み得る。
【0025】
コンピュータ実装方法は、手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データを受信することと、監視データに基づいて、視覚ディスプレイの動作に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、視覚ディスプレイの動作に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含み得る。
【0026】
監視データは、医療専門家の役割又は医療専門家のIDに関連付けられたデータ、及び眼精疲労に関連付けられたデータのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。
【0027】
コンピュータ実装方法は、HCPの消耗及び疲労を改善する、例えば眼精疲労を低減する技術的効果を提供し得、これは、外科手術結果、並びに患者及び/又はHCPの経験及び福祉を改善し得る。
【0028】
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データが、医療専門家の役割又は医療専門家のIDに関連付けられたデータを含み得る。
【0029】
コンピュータ実装方法は、手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた閲覧優先度を判定することと、医療専門家に関連付けられた閲覧優先度に基づいて、視覚ディスプレイの位置に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、を含み得る。
【0030】
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データが、眼精疲労に関連付けられたデータを含み得る。
【0031】
コンピュータ実装方法は、手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた眼精疲労を判定することと、医療専門家に関連付けられた眼精疲労に基づいて、視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントのうちの1つ又は2つ以上を修正することに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、を含み得る。
【0032】
コンピュータ実装方法は、手術室内の患者の位置決めに関連付けられた監視データを受信することと、監視データに少なくとも部分的に基づいて、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、監視データに少なくとも部分的に基づいて、患者の位置決めに関連付けられたフィードバックを判定することと、人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータ又は患者の位置決めに関連付けられたフィードバックのうちの少なくとも1つを、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含み得る。
【0033】
コンピュータ実装方法は、HCPの骨盤ねじれ又は骨盤傾斜を最小化又は低減することによって、HCPの消耗及び疲労を改善する技術的効果を提供し得る。
【0034】
受信された監視データは、患者特性、手術室レイアウト、又は外科処置に関連付けられ得る。
【0035】
コンピュータ実装方法は、手術合併症に関連付けられたリスクレベルを判定することを含み得る。
【0036】
コンピュータ実装方法は、外科用デバイスの位置決めに関連付けられた監視データを受信することと、外科用デバイスの位置決めに関連付けられた監視データに基づいて、手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを判定することと、を含み得る。
【0037】
コンピューティングシステムは、上記に記載された方法のいずれか1つを実施するように構成されているプロセッサを備え得る。
【0038】
データ処理デバイスは、上記に記載された方法のいずれか1つを行うための手段を備え得る。
【0039】
システムは、上記に記載されたコンピューティングシステムと、コンピューティングシステムと通信可能に結合された手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムと、を備え得る。
【0040】
システムは、上記に記載されたデータ処理デバイスと、データ処理デバイスと通信可能に結合された手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムと、を備え得る。
【0041】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されるときに、上記に記載された方法のいずれか1つを実装させる命令を有し得る。
【0042】
手術室に関連付けられた監視データに基づく手術室システムの適応的な制御のためのシステム、方法、及び手段が開示される。例えば、手術室内で治療を受けている患者、手術室内で働いている医療専門家、手術室内の環境読み取り値、及び/又は手術室内の活動に関連するデータが、収集され、外科用コンピューティングシステムに通信され得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データと称され得るデータを取得し得、監視データに基づいて、手術室に関連付けられた様々なシステムを制御するためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、パラメータをシステムに通信し得、これらのシステムは、受信されたパラメータに基づいて、それらの動作を修正し得る。
【0043】
外科用コンピューティングシステムは、監視データを分析して特定の外科的イベントの発生を識別し、外科的イベントが起こっている、又は起こったという検出に基づいて、1つ又は2つ以上の手術室システムを制御するように構成され得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、例えば、外科処置における重要な工程などの特定の外科的イベントが行われていることを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、及び外科的イベントが行われていることを考慮して、手術室システムの動作を修正するためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置を実施している医療専門家によって使用されるディスプレイモニタ上でのデータの表示を制御するためのパラメータを判定し得る。パラメータは、ディスプレイモニタを制御して、外科的イベントに関する特定の患者バイオマーカデータをディスプレイ上で強調表示又は強調し得る。
【0044】
外科用コンピューティングシステムは、監視データを分析するように構成され得、監視データに基づいて、手術室内の照明システムを適応的に制御するためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室内の1人又は2人以上の医療専門家に関連付けられた監視データを取得し得る。監視データは、医療専門家の焦点、医療専門家の場所、及び/又は医療専門家の活動に関連付けられたデータを含み得る。監視データは、行われている外科的タスクに関連するデータを更に含み得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、手術室内の照明システムを制御又は調整するためのパラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、監視データによって示される手術室内の環境に応じて、1つ又は2つ以上の照明システムの強度を減少又は増加させるパラメータを判定し得る。
【0045】
外科用コンピューティングシステムは、監視データを分析するように構成され得、監視データに基づいて、手術室内の空気処理システムを適応的に制御するためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、手術室内の空気の質及び/又は空気中の空気微粒子に関連付けられ得る監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、空気処理及び濾過システムの動作を制御又は調整するためのパラメータを判定し得る。パラメータは、外科的隔離、排煙、及び/又は空気濾過を実施する手術室システムを調整し得る。
【0046】
外科用コンピューティングシステムは、監視データを分析するように構成され得、監視データに基づいて、手術室に関連付けられた加熱及び/又は冷却制御システムを適応的に制御するためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、患者及び/又は医療専門家のバイオマーカに関連付けられ得る監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、手術室、患者、及び/又は医療提供者に関連付けられた1つ又は2つ以上の温度が比較的高い又は低いと判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、特定の温度を上昇及び/又は低下させるように、手術室に関連付けられた加熱及び/又は冷却システムを制御するためのパラメータを判定し得る。加熱及び/又は冷却システムは、周囲及び/又は局所的制御システムであり得る。
【0047】
外科用コンピューティングシステムは、監視データを分析するように構成され得、監視データに基づいて、手術室システムを適応的に制御して、進行中の外科処置に参加してい得る特定の医療提供者に関連付けられた部屋条件を実装するためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データが、外科処置の特定の工程、例えば、重要な又は重大な工程を示し得るか、又はそれに関連付けられていると判定し得る。外科用コンピューティングシステムが、監視データが外科処置における特定の工程が実施されていることを示すと判定する場合、外科用コンピューティングシステムは、特定の医療専門家のための好ましい部屋条件に関連付けられた手術室システムのためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置における工程の状況認識及び重要性に基づいて、機器に対する階層的優先順位ベースの調整を実装するパラメータを判定するように構成され得る。
【0048】
外科用コンピューティングシステムは、監視データを分析するように構成され得、監視データに基づいて、手術室環境制御システムを適応的に制御するためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、環境制御デバイスの動作の強度、持続時間、及び/又は速さのうちの1つ又は2つ以上の調整に関連付けられたパラメータを生成すると判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、空気流制御システムの動作の強度に関連付けられたパラメータを生成すると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データを考慮するために閾値を適用し得、患者又は医療専門家に対する対応の重要性に基づいて、外科用コンピューティングシステムが経時的に適用し得る閾値を調整し得る。
【0049】
外科処置における医療専門家(healthcare professional、HCP)を監視し、外科処置のパフォーマンス及び/又は手術室の保守の改善に関連付けられたパラメータを提供するためのシステム、方法、及び手段が開示される。パラメータは、推奨、調整、フィードバック、及び/又は制御信号を含み得る。パラメータは、手術室(OR)レイアウト、外科用機器位置決めなどの位置決めに関連付けられ得る。例えば、コンピューティングシステムは、HCPの動き及びやりとりを監視し、処置全体を通してHCPの動き及びやりとりの分析を実施し得る。コンピューティングシステムは、処置全体を通してHCPの動き及びやりとりの分析を実施して、位置決め、ORレイアウト、外科用器具の混合、手術部位へのアクセスなどに対する改善を識別し得る。
【0050】
コンピューティングシステムは、HCPの動き、HCPの活動、HCP、外科用器具交換、外科用器具の位置決めなどのうちの1つ又は2つ以上を記録し得る。コンピューティングシステムは、HCPの動き、HCPの活動、HCP、外科用器具交換、外科用器具の位置決めなどのうちの1つ又は2つ以上を分析し得る。システムは、位置決めパラメータを生成するために、HCPの動き、HCPの活動、HCP、外科用器具交換、外科用器具位置決めなどのうちの1つ又は2つ以上を記録及び分析し得る。位置決めパラメータは、ORレイアウト、外科用器具の位置決め、手術部位アクセスの位置決め、カメラの位置決め、ディスプレイの位置決めなどのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。
【0051】
例えば、コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた監視データを取得し得る。監視データは、HCPの動き、HCPのやりとり、ORレイアウト、外科用機器の場所、外科用器具の混合、又は手術部位アクセスのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたデータを含み得る。コンピューティングシステムは、外科処置計画に関連付けられた処置データを取得し得る。コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられたシステムに関連付けられた1つ又は2つ以上の位置決めパラメータを判定し得る。位置決めパラメータは、ORレイアウト、外科用器具の混合、外科用機器位置決めなどのうちの1つ又は2つ以上の調整を含み得る。コンピューティングシステムは、HCPアクション、HCPのスタッフの配置などに関連付けられた1つ又は2つ以上の調整パラメータを判定することができる。コンピューティングシステムは、位置決め及び/又は調整パラメータを、例えば、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信し得る。
【0052】
外科処置においてHCPを監視し、HCPの消耗の改善に関連するパラメータを提供するためのシステム、方法、及び手段が開示される。パラメータは、制御信号、推奨、調整、及び/又はフィードバックにおいて示され得る。パラメータは、人間工学的な位置決めに関連付けられ得る。例えば、コンピューティングシステムは、外科医の動き、姿勢、及び外科用アクセスを監視して、HCPの消耗を改善するための推奨を作成し得る。
【0053】
コンピューティングシステムは、例えば、外科処置を通して、HCPの動き及び姿勢を分析することができる。コンピューティングシステムは、姿勢、重いものの持ち上げ、起立などの改善を識別するために、処置全体を通してHCPの動き及び姿勢を分析し得る。コンピューティングシステムは、患者位置、外科医アクセス場所、及び外科医アクセス配向のうちの1つ又2つ以上を記録し得る。コンピューティングシステムは、患者位置、外科医アクセス場所、及び/又は外科医アクセス配向のうちの1つ又は2つ以上を分析し得る。コンピューティングシステムは、患者位置、外科医アクセス場所、及び/又は外科医アクセス配向のうちの1つ又は2つ以上を記録及び分析して、パラメータを生成し得る。パラメータは、再位置決め並びに不自然な体勢及び姿勢を最小限に抑え得る。パラメータは、器具の混合選択、トロカール場所、OR台セットアップ、又は患者の位置決めのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。例えば、コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた監視データを取得し得る。監視データは、ORレイアウト、外科用機器の場所、患者の位置決め、外科用器具の混合、外科用デバイスの位置決め、HCPの動き、HCPの姿勢、HCPの身体的特徴、HCPの頭及び/若しくは眼の位置、又は外科用ディスプレイの位置決めのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたデータを含み得る。コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、手術室内の人間工学的な位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上の人間工学的調整パラメータを判定し得る。人間工学的調整パラメータは、ORレイアウト、患者の位置決め、外科用ディスプレイの動作、外科用機器の場所などのうちの1つ又は2つ以上の調整を含み得る。コンピューティングシステムは、人間工学的調整パラメータの指示を送信し得る。コンピューティングシステムは、人間工学的な位置決めに関連付けられた人間工学的調整パラメータを、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信し得る。例えば、コンピューティングシステムは、調整パラメータを、OR内の外科用ディスプレイを制御するように構成されているシステムに通信し得る。外科用ディスプレイは、人間工学的調整パラメータを提示し得る。外科用ディスプレイを制御するように構成されているシステムは、例えば、人間工学的調整パラメータに基づいて、1つ又は2つ以上の外科用ディスプレイの位置決め又は設定を修正し得る。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1】コンピュータ実装医療関係者(healthcare personnel、HCP)監視システムのブロック図である。
図2】外科手術室内のHCP監視システムの一例を示す。
図3】様々なシステムとペアリングされた例示的な外科用ハブを示す。
図4】感知システムのセット、環境感知システム、デバイスのセットなどと接続するように構成された通信外科用ハブのセットを有する外科用データネットワークを示す。
図5】HCP監視システムの一部であり得る、例示的なコンピュータ実装双方向外科用システムを示す。
図6】外科用器具の制御システムの論理図を示す。
図7】センサユニット及びデータ処理及び通信ユニットを有する例示的な感知システムを示す。
図8】外科医バイオマーカレベルに基づいて外科用デバイスの動作パラメータを調整することを示す例示的な外科処置の例示的なタイムラインを示す。
図9】コンピュータ実装双方向HCP監視システムのブロック図である。
図10】コントローラ及びモータを有するハンドル、ハンドルに解放可能に連結されたアダプタ、及びアダプタに解放可能に連結された装填ユニットを含む、例示的な外科用システムを示す。
図11】例示的な状況認識外科用システムの図である。
図12】手術室を監視し、パラメータを判定することに関連付けられる例示的な処理のフロー図である。
図13】監視された手術室データに基づく照明システムの例示的な適応的な制御の例示的なタイミングチャートを示す。
図14】結果の成功及び効率に基づいてプロットされた、実施された外科処置の例示的なグラフを示す。
図15】手術室を監視し、外科処置のパフォーマンス及び/又はORの保守の改善に関連付けられたパラメータを判定することに関連付けられた例示的な処理を示す
図16】外科処置中の例示的なORレイアウト及びHCPの活動を示す。
図17】外科処置中の例示的なORレイアウト及びHCPの活動を示す。
図18】手術室を監視し、パラメータを判定することに関連付けられる例示的な処理のフロー図を示す。
図19】手術室内の例示的な表示位置を示す。
図20】医療専門家の頭及び眼の位置決めを監視するサーベイランスシステムを含む、例示的な手術室を示す。
図21】医療専門家間の位置決め及び配向を旋回させ得る、手術室内の例示的なディスプレイを示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、コンピュータ実装HCP監視システム20000のブロック図である。HCP監視システム20000などの例示的なHCP監視システムは、1つ又は2つ以上のHCP監視システム(例えば、HCP監視サブシステム)20002、20003及び20004を含み得る。例えば、HCP監視システム20002は、コンピュータ実装双方向外科用システムを含み得る。例えば、HCP監視システム20002は、例えば、図2に記載されるようなクラウドコンピューティングシステム20008と通信する外科用ハブ20006のうちの少なくとも1つを含み得る。HCP監視システムは、外科用ハブ20006、又はクラウドコンピューティングシステム20008と通信するコンピューティングデバイス20016のうちの少なくとも1つを含み得る。クラウドコンピューティングシステム20008は、少なくとも1つのリモートクラウドサーバ20009と、少なくとも1つのリモートクラウドストレージユニット20010と、を含み得る。例示的なHCP監視システム20002、20003、又は20004は、ウェアラブル感知システム20011、環境感知システム20015、ロボットシステム20013、1つ又は2つ以上のインテリジェント器具20014、ヒューマンインターフェースシステム20012などを含み得る。ヒューマンインターフェースシステムは、本明細書ではヒューマンインターフェースデバイスとも呼ばれる。ウェアラブル感知システム20011は、1つ若しくは2つ以上のHCP感知システム、及び/又は1つ若しくは2つ以上の患者感知システムを含み得る。環境感知システム20015は、例えば、図2に更に記載されるように、例えば、1つ又は2つ以上の環境属性を測定するために使用される、1つ又は2つ以上のデバイスを含み得る。ロボットシステム20013は、例えば、図2に更に記載されるように、外科処置を実施するために使用される複数のデバイスを含み得る。
【0056】
HCP監視システム20002は、クラウドコンピューティングシステム20008の一部であるリモートサーバ20009と通信し得る。一実施例では、HCP監視システム20002は、インターネットサービスプロバイダのケーブル/FIOSネットワーキングノードを介してリモートサーバ20009と通信し得る。一実施例では、患者感知システムは、リモートサーバ20009と直接通信してもよい。HCP監視システム20002及び/又はその構成要素は、GSM/GPRS/EDGE(2G)、UMTS/HSPA(3G)、ロングタームエボリューション(long term evolution、LTE)又は4G、LTEアドバンスト(LTE-Advanced、LTE-A)、ニューラジオ(new radio、NR)又は5Gのセルラープロトコルのうちの1つ又は2つ以上を使用して、セルラー送信/受信ポイント(transmission/reception point、TRP)又は基地局を介してリモートサーバ20009と通信し得る。
【0057】
外科用ハブ20006は、腹腔鏡スコープからの画像と、1つ又は2つ以上の他のスマートデバイス及び1つ又は2つ以上の感知システム20011と、からの情報を表示する1つ又は2つ以上の手段と協働的インタラクションを有し得る。外科用ハブ20006は、1つ又は2つ以上の感知システム20011、1つ又は2つ以上のスマートデバイス、及び複数のディスプレイとインタラクトし得る。外科用ハブ20006は、1つ又は2つ以上の感知システム20011から測定値データを収集し、通知又は制御メッセージを1つ又は2つ以上の感知システム20011に送信するように構成され得る。外科用ハブ20006は、通知情報を含む情報を、ヒューマンインターフェースシステム20012との間で、送信及び/又は受信し得る。ヒューマンインターフェースシステム20012は、1つ又は2つ以上のヒューマンインターフェースデバイス(human interface device、HID)を含み得る。外科用ハブ20006は、音響機器、ディスプレイへの通知情報若しくは制御情報、及び/又は外科用ハブと通信する様々なデバイスへの制御情報を、送信及び/又は受信し得る。
【0058】
例えば、感知システム20001は、図1で議論されるように、ウェアラブル感知システム20011(1つ又は2つ以上のHCP感知システム及び1つ又は2つ以上の患者感知システムを含み得る)と、環境感知システム20015と、を含み得る。1つ又は2つ以上の感知システム20001は、様々なバイオマーカに関連するデータを測定し得る。1つ又は2つ以上の感知システム20001は、1つ又は2つ以上のセンサ、例えば、光センサ(例えば、フォトダイオード、フォトレジスタ)、機械センサ(例えば、モーションセンサ)、音響センサ、電気センサ、電気化学センサ、熱電センサ、赤外線センサなどを使用して、バイオマーカを測定し得る。1つ又は2つ以上のセンサは、フォトプレチスモグラフィ、心電図検査、脳波検査、比色分析、インペディメンタリ、電位差測定、電流測定などの感知技術のうちの1つ又は2つ以上を使用して、本明細書に記載されるように、バイオマーカを測定し得る。
【0059】
1つ又は2つ以上の感知システム20001によって測定されるバイオマーカは、睡眠、深部体温、最大酸素消費量、身体活動、アルコール摂取、呼吸数、酸素飽和度、血圧、血糖、心拍変動、水素の血液電位、水和状態、心拍数、皮膚コンダクタンス、末梢温度、組織灌流圧、咳及びくしゃみ、胃腸運動、消化管撮像、気道細菌、浮腫、精神態様、汗、循環腫瘍細胞、自律神経緊張、概日リズム、並びに/又は月経周期を含んでもよいが、それらに限定されない。
【0060】
バイオマーカは、行動及び心理学、心血管系、腎臓系、皮膚系、神経系、胃腸系、呼吸器系、内分泌系、免疫系、腫瘍、筋骨格系、及び/又は生殖系を含み得るが、これらに限定されない、生理学的系に関連し得る。バイオマーカからの情報は、例えば、コンピュータ実装患者及びHCP監視システム20000によって判定及び/又は使用され得る。バイオマーカからの情報は、コンピュータ実装患者及びHCP監視システム20000によって判定及び/又は使用されて、例えば、上記システムを改善し、及び/又は患者の転帰を改善し得る。1つ又は2つ以上の感知システム20001、バイオマーカ20005、及び生理学的システムは、2021年1月22日に出願された「METHOD OF ADJUSTING A SURGICAL PARAMETER BASED ON BIOMARKER MEASUREMENTS」と題する米国特許出願第17/156,287号(代理人整理番号END9290USNP1)により詳細に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0061】
図2は、外科手術室内のHCP監視システム20002の一例を示す。図2に示されるように、患者は、1人又は2人以上の医療専門家(HCP)によって手術される。HCPは、HCPによって装着された1つ又は2つ以上のHCP感知システム20020によって監視されている。HCP、及びHCPを囲む環境はまた、例えば、手術室内に配備され得るカメラ20021のセット、マイクロフォン20022のセット、及び他のセンサなどを含む1つ又は2つ以上の環境感知システムによって監視されてもよい。HCP感知システム20020及び環境感知システムは、外科用ハブ20006と通信し、更に、図1に示されるように、クラウドコンピューティングシステム20008の1つ又は2つ以上のクラウドサーバ20009と通信し得る。環境感知システムは、1つ又は2つ以上の環境属性、例えば、手術現場内のHCPの位置、HCPの移動、手術現場内の周囲ノイズ、手術現場内の温度/湿度などを測定するために使用され得る。
【0062】
図2に示されるように、主ディスプレイ20023及び1つ又は2つ以上の音声出力デバイス(例えば、スピーカ20019)は、手術台20024のオペレータに見えるように滅菌野に配置される。加えて、可視化/通知タワー20026が、滅菌野の外に配置される。可視化/通知タワー20026は、互いに反対側を向いている第1の非滅菌ヒューマン双方向デバイス(human interactive device、HID)20027及び第2非滅菌HID20029を含み得る。HIDは、ディスプレイであっても、又は人間がHIDと直接インターフェースし得るタッチスクリーンを有するディスプレイであってもよい。外科用ハブ20006によってガイドされるヒューマンインターフェースシステムは、HID20027、20029及び20023を利用して、滅菌野の内側及び外側のオペレータへの情報フローを調整するように構成され得る。一実施例では、外科用ハブ20006により、HID(例えば、主HID20023)は、患者及び/又は外科処置工程に関する通知及び/又は情報を表示し得る。一実施例では、外科用ハブ20006は、滅菌野又は非滅菌エリア内の人に入力を促しても、及び/又は人の入力を受信し得る。一実施例では、外科用ハブ20006により、HIDは、主HID20023上に手術部位のライブ映像を維持しつつ、撮像デバイス20030によって記録される手術部位のスナップショットを非滅菌HID20027又は20029に表示し得る。非滅菌ディスプレイ20027又は20029上のスナップショットにより、例えば、非滅菌オペレータが、外科処置に関連する診断工程を実施し得る。
【0063】
一態様では、外科用ハブ20006は、可視化タワー20026にいる非滅菌オペレータによって入力された診断入力又はフィードバックを滅菌野内の主ディスプレイ20023に送り、これを手術台にいる滅菌オペレータが見ることができるように構成され得る。一実施例では、入力は、外科用ハブ20006によって主ディスプレイ20023に送られ得る、非滅菌ディスプレイ20027又は20029上に表示されるスナップショットへの修正の形態であり得る。
【0064】
図2を参照すると、外科用器具20031は、外科処置においてHCP監視システム20002の一部として使用されている。ハブ20006は、外科用器具20031のディスプレイへの情報フローを調整するようにも構成され得る。例えば、その開示が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年12月4日出願の「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019/0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)において。可視化タワー20026にいる非滅菌オペレータによって入力された診断入力又はフィードバックは、ハブ20006によって滅菌野内の外科用器具ディスプレイに送られ、これを外科用器具20031のオペレータが見ることができる。HCP監視システム20002とともに使用するために好適な例示的な外科用器具は、例えば、2018年12月4日に出願された「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019/0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)であって、「Surgical Instrument Hardware」という見出しの下で記載されており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0065】
図2は、外科手術室20035内の手術台20024上に横たわっている患者に対して外科処置を実施するために使用されているHCP監視システム20002の一例を示している。ロボットシステム20034は、外科処置においてHCP監視システム20002の一部として使用され得る。ロボットシステム20034は、外科医のコンソール20036と、患者側カート20032(手術用ロボット)と、手術用ロボットハブ20033と、を含み得る。外科医が外科医のコンソール20036を通して手術部位を見る間、患者側カート20032は、患者の身体の低侵襲切開部を通して、少なくとも1つの着脱可能に連結された外科用ツール20037を操作することができる。手術部位の画像は、撮像デバイス20030の配向を変えるために、患者側カート20032によって操作され得る医療用撮像デバイス20030によって取得され得る。ロボットハブ20033を使用して、手術部位の画像を処理し、その後、外科医のコンソール20036を通して、外科医に表示することができる。
【0066】
他のタイプのロボットシステムが、HCP監視システム20002とともに使用するように容易に適合することができる。本開示とともに使用するのに好適なロボットシステム及び外科用ツールの様々な例は、2018年12月4日出願の「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION,AND CONTROL」と題する米国特許出願公開第2019/0201137(A1)号(米国特許出願第16/209,407号)に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0067】
クラウドコンピューティングシステム20008によって実施され、本開示とともに使用するために好適なクラウドベース分析法の様々な例は、2018年12月4日出願の「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」と題する米国特許出願公開第2019/0206569(A1)号(米国特許出願第16/209,403号)に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0068】
様々な態様では、撮像デバイス20030は、少なくとも1つの画像センサと、1つ又は2つ以上の光学構成要素と、を含み得る。好適な画像センサとしては、電荷結合素子(Charge-Coupled Device、CCD)センサ及び相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide Semiconductor、CMOS)センサを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0069】
撮像デバイス20030の光学構成要素は、1つ又は2つ以上の照明源、及び/又は1つ又は2つ以上のレンズを含み得る。1つ又は2つ以上の照明源は、術野の一部分を照明するように方向付けられてもよい。1つ又は2つ以上の画像センサは、組織及び/又は外科用器具から反射又は屈折された光を含む、術野から反射又は屈折された光を受信することができる。
【0070】
1つ又は2つ以上の照明源は、可視スペクトル並びに不可視スペクトル内の電磁エネルギーを照射するように構成され得る。可視スペクトルは、場合によっては、光スペクトル又は発光スペクトルとも称され、人間の目に見える(すなわち、人間の目によって検出することができる)電磁スペクトルの一部分であり、可視光、又は単に光と称されることがある。通常人間の目は、空気中の約380nm~約750nmの波長に応答する。
【0071】
不可視スペクトル(例えば、非発光スペクトル)は、可視スペクトルの下方及び上方に位置する(すなわち、約380nm未満及び約750nm超の波長の)電磁スペクトルの一部分である。不可視スペクトルは、人間の目で検出可能ではない。約750nmを超える波長は、赤色可視スペクトルよりも長く、これらは不可視赤外線(infrared、IR)、マイクロ波及び無線電磁放射線になる。約380nm未満の波長は、紫色スペクトルよりも短く、これらは不可視紫外線、X線及びガンマ線電磁放射線になる。
【0072】
様々な態様では、撮像デバイス20030は、低侵襲性処置において使用するように構成されている。本開示とともに使用するのに好適な撮像デバイスの例としては、関節鏡、血管鏡、気管支鏡、胆道鏡、結腸鏡、サイトスコープ(cytoscope)、十二指腸鏡、腸鏡、食道胃十二指腸鏡(胃鏡)、内視鏡、喉頭鏡、鼻咽喉-腎盂鏡(nasopharyngo-neproscope)、S状結腸鏡、胸腔鏡、及び尿管鏡が挙げられるが、これらに限定されない。
【0073】
撮像デバイスは、トポグラフィーと下層構造とを区別するために、マルチスペクトル監視を利用し得る。マルチスペクトル画像は、電磁スペクトル全体から特定の波長範囲内の画像データを取り込むものである。波長は、フィルタによって、又は可視光範囲を超える周波数、例えば、IR、及び紫外からの光を含む特定の波長に対する感度を有する器具を使用することによって分離することができる。スペクトル撮像により、人間の目がもつ赤、緑、及び青の受容体では捕捉し得ない追加情報を抽出し得る。マルチスペクトル撮像の使用については、2018年12月4日出願の「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」と題する米国特許出願公開第2019/0200844(A1)号(米国特許出願第16/209,385号)において「Advanced Imaging Acquisition Module」という見出しの下で詳述されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。マルチスペクトル監視は、処置された組織に対して上述の試験のうちの1つ又は2つ以上を実行するための外科的タスクが完了した後に術野を再配置するのに有用なツールであり得る。いかなる外科手術においても、手術室及び外科用機器の厳格な滅菌が必要であることは自明である。「手術現場」、すなわち、手術室又は処置室において要求される厳格な衛生条件及び滅菌条件は、全ての医療デバイス及び機器の可能な最も高い滅菌性を必要とする。滅菌プロセスの一部としては、撮像デバイス20030並びにその付属品及び構成要素を含む、患者と接触する、又は滅菌野に侵入するあらゆるものを滅菌する必要性が挙げられる。滅菌野は、トレイ内又は滅菌タオル上などの微生物を含まないと見なされる特定のエリアと見なされ得ること、あるいは滅菌野は、外科処置の準備が整った患者の直ぐ周囲のエリアと見なされ得ることは理解されよう。滅菌野は、適切な衣類を着用した洗浄済みのチーム構成員、並びにそのエリア内の全ての備品及び固定具を含み得る。
【0074】
図1に示されるウェアラブル感知システム20011は、1つ又は2つ以上の感知システム、例えば、図2に示されるようなHCP感知システム20020を含み得る。HCP感知システム20020は、医療関係者(HCP)の物理的状態のセット及び/又は生理学的状態のセットを監視し、検出するための感知システムを含み得る。HCPは、一般的に、外科医又は他の医療サービス提供者を支援する1人又は2人以上の医療関係者であってもよい。一実施例では、感知システム20020は、HCPの心拍数を監視するためにバイオマーカのセットを測定してもよい。一実施例では、外科医の手首に装着された感知システム20020(例えば、時計又はリストバンド)は、加速度計を使用して、手の動き及び/又は揺れを検出し、振戦の大きさ及び周波数を判定し得る。感知システム20020は、バイオマーカのセットに関連付けられた測定値データ、及び外科医の物理的状態に関連付けられたデータを、更なる処理のために外科用ハブ20006に送信し得る。1つ又は2つ以上の環境感知デバイスは、環境情報を外科用ハブ20006に送信し得る。例えば、環境感知デバイスは、HCPの手/身体の位置を検出するためのカメラ20021を含んでもよい。環境感知デバイスは、手術現場内の周囲ノイズを測定するためのマイクロフォン20022を含み得る。他の環境感知デバイスは、例えば、温度を測定するための温度計、及び手術現場内の周囲の湿度を測定するための湿度計などのデバイスを含み得る。外科用ハブ20006は、単独で、又はクラウドコンピューティングシステムと通信して、外科医バイオマーカ測定値データ及び/又は環境感知情報を使用して、例えば、振戦を最小限に抑えるために、手持ち式器具の制御アルゴリズム、又はロボットインターフェースの平均遅延を修正し得る。一実施例では、HCP感知システム20020は、HCPに関連付けられた1つ又は2つ以上の外科医バイオマーカを測定し、外科医バイオマーカに関連付けられた測定値データを外科用ハブ20006に送信し得る。HCP感知システム20020は、外科用ハブ20006と通信するために、Bluetooth、Bluetooth Low-Energy(BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力無線パーソナルエリアネットワーク(IPv6 Low-power wireless Personal Area Network、6LoWPAN)、Wi-FiのRFプロトコルのうちの1つ又は2つ以上を使用し得る。外科医バイオマーカは、ストレス、心拍数などのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。手術現場からの環境測定値は、外科医又は患者、外科医及び/又はスタッフの移動、外科医及び/又はスタッフの注意レベルなどに関連する周囲ノイズレベルを含み得る。
【0075】
外科用ハブ20006は、HCPに関連付けられた外科医バイオマーカ測定値データを使用して、1つ又は2つ以上の外科用器具20031を適応的に制御し得る。例えば、外科用ハブ20006は、制御プログラムを外科用器具20031に送信して、そのアクチュエータを制御して、疲労及び細かい運動技能の使用を制限又は補償し得る。外科用ハブ20006は、状況認識及び/又はタスクの重要性若しくは臨界に関する事情に基づいて、制御プログラムを送信し得る。制御プログラムは、制御が必要とされるとき、多くの制御を提供するために動作を変更するように器具に命令し得る。
【0076】
図3は、ウェアラブル感知システム20011、環境感知システム20015、ヒューマンインターフェースシステム20012、ロボットシステム20013、及びインテリジェント器具20014とペアリングされた外科用ハブ20006を有する例示的なHCP監視システム20002を示す。ハブ20006は、ディスプレイ20048と、撮像モジュール20049と、発生器モジュール20050と、通信モジュール20056と、プロセッサモジュール20057と、ストレージアレイ20058と、手術室マッピングモジュール20059と、を含む。特定の態様では、図3に示されるように、ハブ20006は、排煙モジュール20054及び/又は吸引/灌注モジュール20055を更に含む。外科処置中、封止及び/又は切断のために、組織へエネルギーを印加することは、一般に、排煙、過剰な流体の吸引、及び/又は組織の灌注と関連付けられる。異なる供給源からの流体ライン、電力ライン及び/又はデータラインは、外科処置中に絡まり合うことが多い。外科処置中にこの問題に対処することで貴重な時間が失われる場合がある。ラインの絡まりをほどくには、それらの対応するモジュールからラインを抜くことが必要となる場合があり、そのためにはモジュールをリセットすることが必要となる場合がある。ハブモジュール式エンクロージャ20060は、電力ライン、データライン、及び流体ラインを管理するための統合環境を提供し、このようなライン間の絡まりの頻度を低減させる。本開示の態様は、手術部位における組織へのエネルギー印加を伴う外科手術において使用するための外科用ハブ20006を提示する。外科用ハブ20006は、ハブエンクロージャ20060と、ハブエンクロージャ20060のドッキングステーション内に摺動可能に受け入れ可能な組み合わせ発生器モジュールと、を含む。ドッキングステーションはデータ接点及び電力接点を含む。組み合わせ発生器モジュールは、単一ユニット内に収容された、超音波エネルギー発生器構成要素、双極RFエネルギー発生器構成要素、及び単極RFエネルギー発生器構成要素のうちの2つ又はそれ以上を含む。一態様では、組み合わせ発生器モジュールはまた、排煙構成要素と、組み合わせ発生器モジュールを外科用器具に接続するための少なくとも1つのエネルギー供給ケーブルと、組織への治療エネルギーの印加によって発生した煙、流体及び/又は微粒子を排出するように構成された少なくとも1つの排煙構成要素と、リモート手術部位から排煙構成要素まで延在する流体ラインと、を含む。一態様では、流体ラインは、第1の流体ラインであってもよく、第2の流体ラインは、リモート手術部位から、ハブエンクロージャ20060内に摺動可能に受け入れられる吸引及び灌注モジュール20055まで延在してもよい。一態様では、ハブエンクロージャ20060は、流体インターフェースを含んでもよい。特定の外科処置は、2つ以上のエネルギータイプを組織に印加することを必要とする場合がある。1つのエネルギータイプは、組織を切断するのにより有益であり得るが、別の異なるエネルギータイプは、組織を封止するのにより有益であり得る。例えば、双極発生器は組織を封止するために使用することができ、一方で、超音波発生器は封止された組織を切断するために使用することができる。本開示の態様は、ハブモジュール式エンクロージャ20060が異なる発生器を収容して、これらの間の双方向通信を促進するように構成される解決法を提示する。ハブモジュール式エンクロージャ20060の利点のうちの1つは、様々なモジュールの迅速な取り外し及び/又は交換を可能にすることである。本開示の態様は、組織へのエネルギー印加を伴う外科処置で使用するためのモジュール式外科用エンクロージャを提示する。モジュール式外科用エンクロージャは、組織に印加するための第1のエネルギーを発生させるように構成された第1のエネルギー発生器モジュールと、第1のデータ及び電力接点を含む第1のドッキングポートを備える第1のドッキングステーションと、を含み、第1のエネルギー発生器モジュールは、電力及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第1のエネルギー発生器モジュールは、第1の電力及びデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。上記に加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギーとは異なる、組織に印加するための第2のエネルギーを発生させるように構成された第2のエネルギー発生器モジュールと、第2のデータ接点及び第2の電力接点を含む第2のドッキングポートを備える第2のドッキングステーションと、を含み、第2のエネルギー発生器モジュールは、電力接点及びデータ接点と電気係合するように摺動可能に移動可能であり、また第2のエネルギー発生器モジュールは、第2の電力接点及び第2のデータ接点との電気係合から外れるように摺動可能に移動可能である。加えて、モジュール式外科用エンクロージャはまた、第1のエネルギー発生器モジュールと第2のエネルギー発生器モジュールとの間の通信を容易にするように構成されている、第1のドッキングポートと第2のドッキングポートとの間の通信バスを含む。図3を参照すると、発生器モジュール20050、排煙モジュール20054、及び吸引/灌注モジュール20055のモジュール式統合を可能にするハブモジュール式エンクロージャ20060に関する本開示の態様が提示される。ハブモジュール式エンクロージャ20060は、モジュール20059とモジュール20054とモジュール20055との間の双方向通信を更に促進する。発生器モジュール20050は、ハブモジュール式エンクロージャ20060に摺動可能に挿入可能な単一のハウジングユニット内に支持される、一体化された単極構成要素、双極構成要素及び超音波構成要素を有する発生器モジュール20050であってもよい。発生器モジュール20050は、単極デバイス20051、双極デバイス20052、及び超音波デバイス20053に接続するように構成され得る。代替的に、発生器モジュール20050は、ハブモジュール式エンクロージャ20060を介して相互作用する一連の単極発生器モジュール、双極発生器モジュール、及び/又は超音波発生器モジュールを備え得る。複数の発生器が単一の発生器として機能するように、ハブモジュール式エンクロージャ20060は、複数の発生器の挿入と、ハブモジュール式エンクロージャ20060にドッキングされた発生器間の双方向通信と、を促進するように構成することができる。
【0077】
図4は、本開示の少なくとも1つの態様による、医療施設の1つ又は2つ以上の手術室、患者回復室、又は外科手術用に特別に装備された医療施設内の部屋に配置された、感知システムのセット、環境感知システム、及び他のモジュール式デバイスのセットを、クラウドに接続するように構成された通信ハブのセットを有する外科用データネットワークを示す。
【0078】
図4に示されるように、外科用ハブシステム20060は、医療施設内に配置されたモジュール式デバイスをクラウドベースシステム(例えば、リモートストレージ20068に連結されたリモートサーバ20067を含み得るクラウドコンピューティングシステム20064)に接続するように構成されるモジュール式通信ハブ20065を含み得る。モジュール式通信ハブ20065及びデバイスは、外科手術のために特別に装備された医療施設内の部屋において接続され得る。一態様では、モジュール式通信ハブ20065は、ネットワークルータ20066と通信するネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062を含んでもよい。モジュール式通信ハブ20065はまた、ローカルコンピュータシステム20063に連結し、ローカルコンピュータ処理及びデータ操作を提供し得る。
【0079】
コンピュータシステム20063は、プロセッサと、ネットワークインターフェース20100と、を備え得る。プロセッサは、システムバスを介して、通信モジュール、ストレージ、メモリ、不揮発性メモリ、及び入力/出力(input/output、I/O)インターフェースに連結され得る。システムバスは、任意の様々な利用可能なバスアーキテクチャを使用する、メモリバス若しくはメモリコントローラ、ペリフェラルバス若しくは外部バス、及び/又はローカルバスを含むいくつかのタイプのバス構造のうちのいずれかとすることができ、それらのアーキテクチャの例としては、9ビットバス、業界標準アーキテクチャ(Industrial Standard Architecture、ISA)、マイクロチャネルアーキテクチャ(Micro-Charmel Architecture、MSA)、拡張ISA(Extended ISA、EISA)、インテリジェントドライブエレクトロニクス(Intelligent Drive Electronics、IDE)、VESAローカルバス(VESA Local Bus、VLB)、周辺デバイス相互接続(Peripheral Component Interconnect、PCI)、USB、アドバンストグラフィックスポート(Advanced Graphics Port、AGP)、パーソナルコンピュータメモリカード国際協会バス(Personal Computer Memory Card International Association、PCMCIA)、小型計算機システムインターフェース(Small Computer Systems Interface、SCSI)、又は任意の他の独自バスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
プロセッサは、Texas Instrumentsによって商標名ARM Cortexで知られているものなどの、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであり得る。一態様では、プロセッサは、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。このプロセッサコアは、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルシリアルランダムアクセスメモリ(serial random access memory、SRAM)、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、2KBの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(electrically erasable programmable read-only memory、EEPROM)及び/又は、1つ又は2つ以上のパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)モジュール、1つ又は2つ以上の直交エンコーダ入力(quadrature encoder input、QEI)アナログ、12個のアナログ入力チャネルを備える1つ又は2つ以上の12ビットアナログ-デジタル変換器(analog-to-digital converter、ADC)を含む。なお、その詳細は、製品データシートで入手可能である。
【0081】
一実施例では、プロセッサは、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラベースのファミリを備える安全コントローラを備えてもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全特徴部を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成されてもよい。
【0082】
コンピュータシステム20063は、好適な動作環境において、記載したユーザと基本コンピュータリソースとの間で媒介として機能するソフトウェアを含み得ることを理解されたい。このようなソフトウェアとしてはオペレーティングシステムを挙げることができる。ディスク記憶装置上に記憶され得るオペレーティングシステムは、コンピュータシステムのリソースを制御及び割り当てするように機能し得る。システムアプリケーションは、システムメモリ内又はディスク記憶装置上のいずれかに記憶されたプログラムモジュール及びプログラムデータを介して、オペレーティングシステムによるリソース管理を活用し得る。本明細書に記載される様々な構成要素は、様々なオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせで実装することができることを理解されたい。
【0083】
ユーザは、I/Oインターフェースに連結された入力デバイスを介してコンピュータシステム20063にコマンド又は情報を入力し得る。入力デバイスとしては、マウス、トラックボール、スタイラス、タッチパッドなどのポインティングデバイス、キーボード、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナ、TVチューナカード、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなどを挙げることができるが、これらに限定されない。これら及び他の入力デバイスは、インターフェースポートを介し、システムバスを通してプロセッサ20102に接続する。インターフェースポートとしては、例えば、シリアルポート、パラレルポート、ゲームポート及びUSBが挙げられる。出力デバイスは、入力デバイスと同じタイプのポートのうちのいくつかを使用する。したがって、例えば、USBポートを使用して、コンピュータシステム20063に入力を提供し、コンピュータシステム20063からの情報を出力デバイスに出力してもよい。出力アダプタは、特別なアダプタを必要とし得る出力デバイスの中でもとりわけ、モニタ、ディスプレイ、スピーカ及びプリンタなどのいくつかの出力デバイスが存在できることを示すために提供され得る。出力アダプタとしては、出力デバイスとシステムバスとの間の接続手段を提供するビデオ及びサウンドカードを挙げることができるが、これは例示としてのものであり、限定するものではない。リモートコンピュータなどの他のデバイス及び/又はデバイスのシステムは、入力及び出力機能の両方を提供できることに留意されたい。
【0084】
コンピュータシステム20063は、クラウドコンピュータなどの1つ又は2つ以上のリモートコンピュータ、又はローカルコンピュータへの論理接続を使用するネットワーク化環境で動作し得る。リモートクラウドコンピュータは、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ワークステーション、マイクロプロセッサベースの機器、ピアデバイス又は他の一般的なネットワークノードなどであり得るが、典型的には、コンピュータシステムに関して説明される要素の多く又は全てを含む。簡潔にするために、リモートコンピュータとともに、メモリストレージデバイスのみが示される。リモートコンピュータは、ネットワークインターフェースを介してコンピュータシステムに論理的に接続され、続いて、通信接続部を介して物理的に接続され得る。ネットワークインターフェースは、ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)及びワイドエリアネットワーク(wide area network、WAN)などの通信ネットワークを包含し得る。LAN技術としては、光ファイバ分散データインターフェース(Fiber Distributed Data Interface、FDDI)、銅線分散データインターフェース(Copper Distributed Data Interface、CDDI)、Ethernet/IEEE802.3、Token Ring/IEEE802.5などを挙げることができる。WAN技術としては、ポイントツーポイントリンク、統合サービスデジタルネットワーク(Integrated Services Digital Network、ISDN)及びその変形などの回路交換ネットワーク、パケット交換ネットワーク並びにデジタル加入者回線(Digital Subscriber Line、DSL)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0085】
様々な実施例では、コンピュータシステム20063は、画像プロセッサ、画像処理エンジン、メディアプロセッサ、又はデジタル画像の処理のために使用される任意の特殊デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)を備え得る。画像プロセッサは、単一命令複数データ(single instruction, multiple data、SIMD)、又は複数命令複数データ(multiple instruction, multiple data、MIMD)技術を用いた並列コンピューティングを用いて速度及び効率を高めることができる。デジタル画像処理エンジンは、様々なタスクを実施することができる。画像プロセッサは、マルチコアプロセッサアーキテクチャを備えるチップ上のシステムであってもよい。
【0086】
通信接続部とは、ネットワークインターフェースをバスに接続するために利用されるハードウェア/ソフトウェアを指してもよい。例示的な明瞭さのため、通信接続部は、コンピュータシステム20063の内部に示されているが、通信接続部は、コンピュータシステム20063の外部にあってもよい。例示のみを目的として、ネットワークインターフェースへの接続に必要なハードウェア/ソフトウェアとしては、通常の電話グレードモデム、ケーブルモデム、光ファイバモデム、及びDSLモデムを含むモデム、ISDNアダプタ、並びにイーサネットカードなどの内部及び外部技術を挙げることができる。いくつかの例では、ネットワークインターフェースはまた、RFインターフェースを使用して提供されてもよい。
【0087】
外科用ハブシステム20060に関連付けられた外科用データネットワークは、パッシブ、インテリジェント、又はスイッチングとして構成され得る。受動的外科用データネットワークはデータの導管として機能し、データが1つのデバイス(又はセグメント)から別のデバイス(又はセグメント)に、及びクラウドコンピューティングリソースに行くことを可能にする。インテリジェント外科用データネットワークは、往来が監視対象の外科用データネットワークを通過することを可能にし、ネットワークハブ20061又はネットワークスイッチ20062内の各ポートを構成する追加の特徴部を含む。インテリジェント外科用データネットワークは、管理可能なハブ又はスイッチと称され得る。スイッチングハブは、各パケットの宛先アドレスを読み取り、次いでパケットを正しいポートに転送する。
【0088】
手術室に配置されたモジュール式デバイス1a~1nは、モジュール式通信ハブ20065に連結され得る。ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062は、ネットワークルータ20066に連結されて、デバイス1a~1nをクラウドコンピューティングシステム20064又はローカルコンピュータシステム20063に接続し得る。デバイス1a~1nに関連付けられたデータは、リモートデータ処理及び操作のためにルータを介してクラウドベースのコンピュータに転送されてもよい。デバイス1a~1nに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム20063に転送され得る。同じ手術室に配置されたモジュール式デバイス2a~2mもまた、ネットワークスイッチ20062に連結されてもよい。ネットワークスイッチ20062は、ネットワークハブ20061に、及び/又はネットワークルータ20066に連結されて、デバイス2a~2mをクラウド20064に接続し得る。デバイス2a~2mに関連付けられたデータは、データ処理及び操作のためにネットワークルータ20066を介してクラウドコンピューティングシステム20064に転送され得る。デバイス2a~2mに関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のためにローカルコンピュータシステム20063に転送されてもよい。
【0089】
ウェアラブル感知システム20011は、1つ又は2つ以上の感知システム20069を含み得る。感知システム20069は、HCP感知システム及び/又は患者感知システムを含み得る。1つ又は2つ以上の感知システム20069は、ネットワークルータ20066のうちの1つを介して直接、又はネットワークルータ20066と通信するネットワークハブ20061若しくはネットワークスイッチング20062を介して、外科用ハブシステム20060のコンピュータシステム20063又はクラウドサーバ20067と通信し得る。
【0090】
感知システム20069は、感知システム20069を、ローカルコンピュータシステム20063及び/又はクラウドコンピューティングシステム20064に接続するために、ネットワークルータ20066に連結され得る。感知システム20069に関連付けられたデータは、データ処理及び操作のために、ネットワークルータ20066を介してクラウドコンピューティングシステム20064に転送され得る。感知システム20069に関連付けられたデータはまた、ローカルでのデータ処理及び操作のために、ローカルコンピュータシステム20063に転送されてもよい。
【0091】
図4に示されるように、外科用ハブシステム20060は、複数のネットワークハブ20061及び/又は複数のネットワークスイッチ20062を複数のネットワークルータ20066と相互接続することによって、拡張され得る。モジュール式通信ハブ20065は、複数のデバイス1a~1n/2a~2mを受け入れるように構成されたモジュール式制御タワー内に収容され得る。ローカルコンピュータシステム20063はまた、モジュール式制御タワーに収容されてもよい。モジュール式通信ハブ20065は、ディスプレイ20068に接続されて、例えば外科処置中に、デバイス1a~1n/2a~2mのうちのいくつかによって取得された画像を表示し得る。様々な態様では、デバイス1a~1n/2a~2mは、例えば、外科用データネットワークのモジュール式通信ハブ20065に接続され得る他のモジュール式デバイスの中でも、内視鏡に連結された撮像モジュール、エネルギーベースの外科用デバイスに連結された発生器モジュール、排煙モジュール、吸引/灌注モジュール、通信モジュール、プロセッサモジュール、ストレージアレイ、ディスプレイに連結された外科用デバイス、及び/又は非接触センサモジュールなどの様々なモジュールを含んでもよい。
【0092】
一態様では、図4に示す外科用ハブシステム20060は、デバイス1a~1n/2a~2m、又は感知システム20069をクラウドベースシステム20064に接続するネットワークハブ、ネットワークスイッチ、及びネットワークルータの組み合わせを備え得る。ネットワークハブ20061又はネットワークスイッチ20062に連結されたデバイス1a~1n/2a~2m又は感知システム20069のうちの1つ又は2つ以上は、リアルタイムにデータ又は測定値データを収集し、データ処理及び操作のためにクラウドコンピュータにデータを転送し得る。クラウドコンピューティングは、ソフトウェアアプリケーションを取り扱うために、ローカルサーバ又はパーソナルデバイスを有するのではなく、コンピューティングリソースを共有することに依存することは理解されるであろう。「クラウド」という語は、「インターネット」の隠喩として使用され得るが、この用語はそのように限定はされない。したがって、「クラウドコンピューティング」という用語は、本明細書では「インターネットベースのコンピューティングのうちの1つのタイプ」を指すように使用することができ、この場合、サーバ、ストレージ及びアプリケーションなどの様々なサービスは、手術現場(例えば、固定式、移動式、一時的又は現場の手術室又は空間)に配置されたモジュール式通信ハブ20065及び/又はコンピュータシステム20063、並びにインターネットを介して、モジュール式通信ハブ20065及び/又はコンピュータシステム20063に接続されたデバイスに配信される。クラウドインフラストラクチャは、クラウドサービスプロバイダによって維持され得る。この文脈において、クラウドサービスプロバイダは、1つ又は2つ以上の手術室内に位置するデバイス1a~1n/2a~2mの使用及び制御を調整する事業体であり得る。クラウドコンピューティングサービスは、スマート外科用器具、ロボット、感知システム、及び手術室内に配置された他のコンピュータ化デバイスによって収集されたデータに基づいて、多数の計算を実施し得る。ハブハードウェアは、複数のデバイス、感知システム、及び/又は接続部がクラウドコンピューティングリソース及びストレージと通信するコンピュータに接続することを可能にする。
【0093】
デバイス1a~1n/2a~2mによって収集されたデータにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用することで、外科用データネットワークは、外科手術結果の改善、コスト低減及び患者満足度の改善を提供することができる。組織の封止及び切断処置後に、組織の状態を観察して封止された組織の漏出又は灌流を評価するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。クラウドベースのコンピューティングを使用して、身体組織のサンプルの画像を含むデータを診断目的で検査して疾患の影響などの病理を識別するために、デバイス1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。そのようなデータには、組織の位置特定及びマージン確認並びに表現型が含まれ得る。撮像デバイスと一体化された様々なセンサ、及び複数の撮像デバイスによってキャプチャされた画像をオーバーレイするなどの技術を使用して、身体の解剖学的構造を特定するために、装置1a~1n/2a~2mのうちの少なくともいくつかを用いることができる。画像データを含む、デバイス1a~1n/2a~2mによって収集されたデータは、画像処理及び操作を含むデータ処理及び操作のために、クラウドコンピューティングシステム20064若しくはローカルコンピュータシステム20063又はその両方に転送され得る。データは、組織特異的部位及び状態に対する内視鏡的介入、新興技術、標的化放射線、標的化介入及び精密ロボットの適用などの更なる治療を遂行できるかを判定することによって、外科処置の結果を改善するために分析されてもよい。そのようなデータ分析は、結果分析処理を更に利用し得、標準化された手法を使用することは、外科的治療及び外科医の挙動を確認するか、又は外科的治療及び外科医の挙動に対する修正を提案するかのいずれかのために有益なフィードバックを提供し得る。
【0094】
感知システム20069によって収集された測定値データにクラウドコンピュータデータ処理技術を適用すると、外科用データネットワークは、改善された外科手術結果、改善された回復結果、低減されたコスト、及び改善された患者満足度をもたらし得る。感知システム20069のうちの少なくともいくつかは、患者を手術する外科医、外科処置のために準備中の患者、又は外科処置後に回復する患者の生理学的状態を評価するために利用されてもよい。クラウドベースのコンピューティングシステム20064は、外科医又は患者に関連付けられたバイオマーカをリアルタイムに監視し、外科処置前に収集された測定値データに少なくとも基づいて外科的計画を生成し、外科処置中に外科用器具に制御信号を供給し、術後期間中に患者に合併症を通知するために使用され得る。
【0095】
手術室デバイス1a~1nは、ネットワークハブ20061に対するデバイス1a~1nの構成に応じて、有線チャネル又は無線チャネルを介して、モジュール式通信ハブ20065に接続され得る。ネットワークハブ20061は、一態様では、開放型システム間相互接続(Open System Interconnection、OSI)モデルの物理層上で機能するローカルネットワークブロードキャストデバイスとして実装されてもよい。ネットワークハブは、同じ手術室ネットワーク内に位置するデバイス1a~1nに接続性を提供することができる。ネットワークハブ20061は、パケットの形態のデータを収集し、それらを半二重モードでルータに送信し得る。ネットワークハブ20061は、デバイスデータを転送するための媒体アクセス制御/インターネットプロトコル(media access control、MAC/Internet Protocol、IP)も記憶できない。デバイス1a~1nのうちの1つのみが、ネットワークハブ20061を介して一度にデータを送信し得る。ネットワークハブ20061は、情報の送信先に関するルーティングテーブル又はインテリジェンスを有することができず、全てのネットワークデータを、各コネクション全体に、及びクラウドコンピューティングシステム20064のリモートサーバ20067にブロードキャストする。ネットワークハブ20061は、コリジョンなどの基本的なネットワークエラーを検出し得るが、全ての情報を複数のポートにブロードキャストすることは、セキュリティリスクとなりボトルネックを引き起こすおそれがある。
【0096】
手術室デバイス2a~2mは、有線チャネル又は無線チャネルを介してネットワークスイッチ20062に接続され得る。ネットワークスイッチ20062は、OSIモデルのデータリンク層内で作業する。ネットワークスイッチ20062は、同じ手術室内に配置されたデバイス2a~2mをネットワークに接続するためのマルチキャストデバイスであってもよい。ネットワークスイッチ20062は、フレームの形態のデータをネットワークルータ20066に送信し、全二重モードで機能し得る。複数のデバイス2a~2mは、ネットワークスイッチ20062を介して同時にデータを送信し得る。ネットワークスイッチ20062は、データを転送するためにデバイス2a~2mのMACアドレスを記憶し、使用する。
【0097】
ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062は、クラウドコンピューティングシステム20064に接続するためにネットワークルータ20066に連結され得る。ネットワークルータ20066は、OSIモデルのネットワーク層内で作業する。ネットワークルータ20066は、デバイス1a~1n/2a~2m及びウェアラブル感知システム20011のいずれか1つ又は全てによって収集されたデータを、更に処理及び操作するために、ネットワークハブ20061及び/又はネットワークスイッチ20062から受信したデータパケットをクラウドベースコンピュータリソースに送信するためのルートを作成する。ネットワークルータ20066は、例えば、同じ医療施設の異なる手術室、又は異なる医療施設の異なる手術室に配置された異なるネットワークなど、異なる位置に配置された2つ又はそれ以上の異なるネットワークを接続するために利用されてもよい。ネットワークルータ20066は、パケットの形態のデータをクラウドコンピューティングシステム20064に送信し、全二重モードで機能し得る。複数のデバイスが同時にデータを送信することができる。ネットワークルータ20066は、データを転送するためにIPアドレスを使用し得る。
【0098】
一実施例では、ネットワークハブ20061は、複数のUSBデバイスをホストコンピュータに接続することを可能にするUSBハブとして実装されてもよい。USBハブは、デバイスをホストシステムコンピュータに接続するために利用可能なポートが多くなるように、単一のUSBポートをいくつかの階層に拡張することができる。ネットワークハブ20061は、有線チャネル又は無線チャネルを介して情報を受信するための有線機能又は無線機能を含み得る。一態様では、無線USB短距離高帯域無線通信プロトコルが、手術室内に位置するデバイス1a~1nとデバイス2a~2mとの間の通信のために利用され得る。
【0099】
実施例では、手術室デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069は、固定及びモバイルデバイスから短距離にわたってデータを交換し(2.4~2.485GHzのISM帯域における短波長UHF電波を使用して)、パーソナルエリアネットワーク(personal area network、PAN)を構築するために、Bluetooth無線技術規格を介してモジュール式通信ハブ20065と通信してもよい。手術室デバイス1a~1n/2a~2m及び又は感知システム20069は、いくつかの無線通信規格若しくは有線通信規格又はプロトコルを介してモジュール式通信ハブ20065と通信してもよく、このような規格又はプロトコルとしては、Bluetooth、Low-Energy Bluetooth、近距離無線通信規格(near-field communication、NFC)、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリ)、WiMAX(IEEE802.16ファミリ)、IEEE802.20、ニューラジオ(NR)、ロングタームエボリューション(LTE)、並びにEv-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、及びこれらのイーサネット派生物のみならず3G、4G、5G、及びそれ以降に指定される任意の他の無線プロトコル及び有線プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。コンピューティングモジュールは、複数の通信モジュールを含んでもよい。例えば、第1の通信モジュールは、Wi-Fi及びBluetooth、Low-Energy Bluetooth、Bluetooth Smartなどの短距離の無線通信専用であってもよく、第2の通信モジュールは、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX、LTE、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPRS、CDMA、TDMAなどの長距離の無線通信専用であってもよい。
【0100】
モジュール式通信ハブ20065は、手術室デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069のうちの1つ又は2つ以上の中央接続部として機能し、フレームとして知られるデータタイプを取り扱い得る。フレームは、デバイス1a~1n/2a~2m及び/又は感知システム20069によって生成されたデータを搬送し得る。フレームがモジュール式通信ハブ20065によって受信されると、フレームは増幅されてネットワークルータ20066へ送信され、このネットワークルータは、本明細書に記載されるように、多数の無線通信規格若しくは有線通信規格又はプロトコルを使用することによって、このデータをクラウドコンピューティングシステム20064又はローカルコンピュータシステム20063に転送し得る。
【0101】
モジュール式通信ハブ20065は、スタンドアロンのデバイスとして使用されてもよく、又は大きなネットワークを形成するために互換性のあるネットワークハブ20061及びネットワークスイッチ20062に接続されてもよい。モジュール式通信ハブ20065は、一般に設置、構成、及び維持が容易であるため、手術室デバイス1a~1n/2a~2mをネットワーク形成するための良好な選択肢となり得る。
【0102】
図5は、HCP監視システム20002の一部であってもよいコンピュータ実装双方向外科用システム20070を示している。コンピュータ実装双方向外科用システム20070は、多くの点でHCP感知システム20002と類似している。例えば、コンピュータ実装双方向外科用システム20070は、多くの点でHCP監視システム20002と類似する1つ又は2つ以上の手術用サブシステム20072を含み得る。各サブ外科用システム20072は、リモートサーバ20077及びリモートストレージ20078を含み得るクラウドコンピューティングシステム20064と通信する少なくとも1つの外科用ハブ20076を含み得る。一態様では、コンピュータ実装双方向外科用システム20070は、感知システム20001、インテリジェント外科用器具、ロボット及び手術室内に位置する他のコンピュータ化デバイスなどの複数の手術室デバイスに接続されたモジュール式制御タワー20085を備え得る。
【0103】
図5の実施例に示されるように、モジュール式制御タワー20085は、内視鏡20087に連結され得る撮像モジュール20088、エネルギーデバイス20089に連結され得る発生器モジュール20090、排煙器モジュール20091、吸引/灌注モジュール20092、通信モジュール20097、プロセッサモジュール20093、ストレージアレイ20094、任意選択的にディスプレイ20086及び20084にそれぞれ連結されたスマートデバイス/器具20095、並びに非接触センサモジュール20096に連結され得る。非接触センサモジュール20096は、超音波、レーザタイプ、及び/又は同様の非接触測定デバイスを使用して、手術室の寸法を測定し、手術現場のマップを生成し得る。他の距離センサを利用して、手術室の境界を判定することができる。その全体が参照により本明細書に組み込まれる「INTERACTIVE SURGICAL PLATFORM」と題する2017年12月28日出願の米国仮特許出願第62/611,341号では、同文献中の「Surgical Hub Spatial Awareness Within an Operating Room」の見出しの下に記載されるように、超音波ベースの非接触センサモジュールは、超音波のバーストを送信し、超音波のバーストが手術室の外壁に反射したときのエコーを受信することによって手術室を走査し得る。センサモジュールが、手術室のサイズを判定し、Bluetoothペアリングの距離限界を調整するように構成され得る。レーザベースの非接触センサモジュールは、例えば、レーザ光パルスを送信することによって手術室を走査でき、手術室の外壁に反射するレーザ光パルスを受信し、送信されたパルスの位相を受信したパルスと比較して手術室のサイズを判定し、Bluetoothペアリング距離限界を調整する。
【0104】
モジュール式制御タワー20085はまた、1つ又は2つ以上の感知システム20069及び環境感知システム20015と通信し得る。感知システム20069は、ルータを介して直接的に、又は通信モジュール20097を介して、モジュール式制御タワー20085に接続され得る。手術室デバイスは、モジュール式制御タワー20085を介してクラウドコンピューティングリソース及びデータストレージに連結され得る。ロボット外科用ハブ20082もまた、モジュール式制御タワー20085及びクラウドコンピューティングリソースに接続され得る。とりわけ、デバイス/器具20095又は20084、ヒューマンインターフェースシステム20080は、本明細書に記載されるように、有線通信規格若しくは無線通信規格又はプロトコルを介して、モジュール式制御タワー20085に連結され得る。ヒューマンインターフェースシステム20080は、表示サブシステムと、通知サブシステムと、を含み得る。モジュール式制御タワー20085は、ハブディスプレイ20081(例えば、モニタ、スクリーン)に連結されて、撮像モジュール20088、デバイス/器具ディスプレイ20086、及び/又は他のヒューマンインターフェースシステム20080から受信した画像を表示し、オーバーレイし得る。ハブディスプレイ20081はまた、画像及びオーバーレイ画像とともにモジュール式制御タワー20085に接続されたデバイスから受信したデータを表示し得る。
【0105】
図6は、本開示の1つ又は2つ以上の態様による、外科用器具又は外科用ツールの制御システム20220の論理図を示している。外科用器具又は外科用ツールは、構成可能であってもよい。外科用器具は、撮像デバイス、外科用ステープラ、エネルギーデバイス、エンドカッターデバイスなどの手元にあって、処置に特有の手術用備品を含んでもよい。例えば、外科用器具は、電動ステープラ、電動ステープラ発生器、エネルギーデバイス、高度エネルギーデバイス、高度エネルギージョーデバイス、エンドカッタークランプ、エネルギーデバイス発生器、手術室内撮像システム、排煙器、吸引灌注デバイス、気腹システムなどのうちのいずれかを含んでもよい。システム20220は、制御回路を備え得る。制御回路は、プロセッサ20222及びメモリ20223を備えるマイクロコントローラ20221を含み得る。例えば、センサ20225、20226、20227のうちの1つ又は2つ以上が、プロセッサ20222にリアルタイムなフィードバックを提供する。モータドライバ20229によって駆動されるモータ20230は、長手方向に移動可能な変位部材を動作可能に連結して、Iビームナイフ要素を駆動する。追跡システム20228は、長手方向に移動可能な変位部材の位置を判定するように構成され得る。位置情報は、長手方向に移動可能な駆動部材の位置を、並びに発射部材、発射バー、及びIビームナイフ要素の位置を、判定するようにプログラムされ得る、又は構成され得るプロセッサ20222に提供され得る。追加のモータが、Iビームの発射、閉鎖チューブの移動、シャフトの回転、及び関節運動を制御するために、ツールドライバインターフェースに提供されてもよい。ディスプレイ20224は、器具の様々な動作状態を表示し、データ入力のためのタッチスクリーン機能を含み得る。ディスプレイ20224上に表示された情報は、内視鏡撮像モジュールを介して取得された画像とオーバーレイされ得る。
【0106】
マイクロコントローラ20221は、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであり得る。一態様では、主マイクロコントローラ20221は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ又は2つ以上のPWMモジュール、1つ又は2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを有する1つ又は2つ以上の12ビットADCを備える、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0107】
マイクロコントローラ20221は、同じくTexas Instruments製のHercules ARM Cortex R4の商品名で知られるTMS570及びRM4xなどの2つのコントローラベースのファミリを備える安全コントローラを備えてもよい。安全コントローラは、拡張性のある性能、接続性及びメモリの選択肢を提供しながら、高度な集積型安全特徴部を提供するために、とりわけ、IEC61508及びISO26262の安全限界用途専用に構成され得る。
【0108】
マイクロコントローラ20221は、ナイフ及び関節運動システムの速度及び位置に対する精密制御など、様々な機能を実施するようにプログラムされてもよい。一態様では、マイクロコントローラ20221は、プロセッサ20222と、メモリ20223と、を含んでもよい。電気モータ20230は、ギアボックス、及び関節運動又はナイフシステムへの機械的連結部を備えたブラシ付き直流(direct current、DC)モータであってもよい。一態様では、モータドライバ20229は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。他のモータドライバが、絶対位置決めシステムを備える追跡システム20228で使用するために容易に代用され得る。絶対位置決めシステムに関する詳細な説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年10月19日公開の米国特許出願公開第2017/0296213号に記載されている。
【0109】
マイクロコントローラ20221は、変位部材及び関節運動システムの速度及び位置に対する正確な制御を提供するようにプログラムされ得る。マイクロコントローラ20221は、マイクロコントローラ20221のソフトウェア内で応答を計算するように構成され得る。計算された応答は、実際のシステムの測定された応答と比較されて「観測された」応答を得ることができ、これが実際のフィードバックの判定に使用される。観測された応答は、シミュレートされた応答の滑らかで連続的な性質と、測定された応答とのバランスをとる好適な調整された値であってよく、これはシステムに及ぼす外部の影響を検出することができる。
【0110】
モータ20230は、モータドライバ20229によって制御され得、外科用器具又はツールの発射システムによって利用され得る。様々な形態において、モータ20230は、約25,000RPMの最大回転速度を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。いくつかの例では、モータ20230としては、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッパモータ、又は任意の他の好適な電気モータが挙げられ得る。モータドライバ20229は、例えば、電界効果トランジスタ(field-effect transistor、FET)を備えるHブリッジドライバを備えてもよい。モータ20230は、外科用器具又はツールに制御電力を供給するために、ハンドル組立体又はツールハウジングに解放可能に取り付けられた電源組立体によって給電され得る。電源組立体は、外科用器具又はツールに給電するための電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池セルを含み得る電池を備えてもよい。特定の状況下では、電源組立体の電池セルは、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。少なくとも1つの例では、電池セルは、電源組立体に連結可能かつ電源組立体から分離可能であり得るリチウムイオン電池であり得る。
【0111】
モータドライバ20229は、Allegro Microsystems,Incから入手可能なA3941であってもよい。A3941は、ブラシ付きDCモータなどの誘導負荷を目的として特に設計された外部Nチャネルパワー金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(metal-oxide semiconductor field-effect transistor、MOSFET)とともに使用するためのフルブリッジコントローラであってもよい。ドライバ20229は、固有の電荷ポンプレギュレータを備えてもよく、これは、完全(>10V)ゲート駆動を7Vまでの電池電圧に供給し、A3941が5.5Vまでの低減ゲート駆動で動作することを可能にする。NチャネルMOSFETに必要な上記の電池供給電圧を供給するために、ブートストラップコンデンサが利用されてもよい。ハイサイド駆動用の内部電荷ポンプにより、DC(100%デューティサイクル)動作が可能となる。フルブリッジは、ダイオード又は同期整流を使用して高速又は低速減衰モードで駆動され得る。低速減衰モードでは、電流の再循環は、ハイサイドのFETによっても、ローサイドのFETによっても可能である。電力FETは、抵抗器で調節可能なデッドタイムによって、シュートスルーから保護され得る。統合診断は、低電圧、温度過昇、及びパワーブリッジの異常を示すものであり、ほとんどの短絡状態下でパワーMOSFETを保護するように構成され得る。他のモータドライバが、絶対位置決めシステムを備えた追跡システム20228で使用するために容易に代用され得る。
【0112】
追跡システム20228は、本開示の一態様による位置センサ20225を備える制御されたモータ駆動回路構成を備え得る。絶対位置決めシステムのための位置センサ20225は、変位部材の位置に対応する固有の位置信号を供給し得る。いくつかの例では、変位部材は、ギア減速機組立体の対応する駆動ギアと噛合係合するための駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表すことができる。いくつかの例では、変位部材は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る発射部材を表すことができる。いくつかの例では、変位部材は、発射バー又はIビームを表すことができ、それらの各々は、駆動歯のラックを含むように適合され、構成され得る。したがって、本明細書で使用するとき、変位部材という用語は、一般的に、駆動部材、発射部材、発射バー、Iビーム、又は変位され得る任意の要素など、外科用器具又はツールの任意の移動可能な部材を指すために使用され得る。一態様では、長手方向に移動可能な駆動部材は、発射部材、発射バー、及びIビームに連結され得る。したがって、絶対位置決めシステムは、実際には、長手方向に移動可能な駆動部材の直線変位を追跡することによって、Iビームの直線変位を追跡することができる。様々な態様では、変位部材は、直線変位を測定するために好適な任意の位置センサ20225に連結されてもよい。したがって、長手方向に移動可能な駆動部材、発射部材、発射バー、若しくはIビーム、又はそれらの組み合わせは、任意の好適な直線変位センサに連結されてもよい。直線変位センサは、接触式変位センサ又は非接触式変位センサを含んでもよい。直線変位センサは、線形可変差動変圧器(linear variable differential transformer、LVDT)、差動可変磁気抵抗型変換器(differential variable reluctance transducer、DVRT)、スライドポテンショメータ、移動可能な磁石及び一連の直線状に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、固定された磁石及び一連の移動可能な直線状に配置されたホール効果センサを備える磁気感知システム、移動可能な光源及び一連の直線状に配置された光ダイオード若しくは光検出器を備える光学検出システム、固定された光源及び一連の移動可能な直線状に配置されたフォトダイオード若しくは光検出器を備える光学感知システム、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。
【0113】
電気モータ20230は、変位部材上の駆動歯のセット、又は駆動歯のラックと噛合係合で取り付けられるギア組立体と動作可能に接続する回転式シャフトを含み得る。センサ要素は、位置センサ20225要素の1回転が、変位部材のいくつかの直線長手方向並進に対応するように、ギア組立体に動作可能に連結され得る。ギアリング及びセンサの構成は、ラックピニオン構成によって直線アクチュエータに、又はスパーギア若しくは他の接続によって回転アクチュエータに接続することができる。電源は、絶対位置決めシステムに電力を供給し、出力インジケータは、絶対位置決めシステムの出力を表示してもよい。変位部材は、ギア減速機組立体の対応する駆動ギアと噛合係合するための、その上に形成された駆動歯のラックを備える長手方向に移動可能な駆動部材を表すことができる。変位部材は、長手方向に移動可能な発射部材、発射バー、Iビーム、又はこれらの組み合わせを表すことができる。
【0114】
位置センサ20225に関連付けられたセンサ要素の1回転は、変位部材の長手方向直線変位d1に相当することができ、d1は、変位部材に連結されたセンサ要素の1回転の後で、変位部材が点「a」から点「b」まで移動する長手方向の直線距離である。センサ構成は、位置センサ20225が変位部材のフルストロークに対して1回又は2回以上の回転を完了する結果をもたらすギアの減速を介して連結され得る。位置センサ20225は、変位部材のフルストロークに対して複数回の回転を完了し得る。
【0115】
位置センサ20225の2回以上の回転に対する固有の位置信号を提供するために、一連のスイッチ(ここでnは1よりも大きい整数である)が、単独で、又はギアの減速との組み合わせで利用されてもよい。スイッチの状態は、マイクロコントローラ20221にフィードバックでき、そのマイクロコントローラは、論理を適用して、変位部材の長手方向の直線変位d1+d2+...dnに対応する固有の位置信号を判定する。位置センサ20225の出力は、マイクロコントローラ20221に供給される。センサ構成の位置センサ20225は、位置信号又は値の固有の組み合わせを出力する、磁気センサ、電位差計などのアナログ回転センサ、又はアナログホール効果要素のアレイを備えてもよい。
【0116】
位置センサ20225は、例えば、全磁界又は磁界のベクトル成分を測定するか否かに従って分類される磁気センサなど、任意の数の磁気感知要素を備えてもよい。両タイプの磁気センサを生産するために使用される技術は、物理学及び電子工学の多数の側面を含み得る。磁界の感知に使用される技術としては、とりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、磁気光学、及び微小電気機械システムベースの磁気センサを挙げることができる。
【0117】
絶対位置決めシステムを備える追跡システム20228の位置センサ20225は、磁気回転絶対位置決めシステムを備え得る。位置センサ20225は、Austria Microsystems,AGから入手可能なAS5055EQFTシングルチップ磁気回転位置センサとして実装されてもよい。位置センサ20225は、マイクロコントローラ20221に接続され、絶対位置決めシステムを実現する。位置センサ20225は、低電圧低電力の構成要素であり、磁石の上方に配置され得る位置センサ20225のエリアに、4つのホール効果要素を含み得る。また、高解像度ADC及びスマート電力管理コントローラをチップ上に設けてもよい。加算、減算、ビットシフト、及びテーブル参照演算のみを必要とする、双曲線関数及び三角関数を計算する簡潔で、効率的なアルゴリズムを実装するために、桁毎法及びボルダーアルゴリズムとしても知られる、座標回転デジタルコンピュータ(coordinate rotation digital computer、CORDIC)プロセッサが設けられ得る。角度位置、アラームビット、及び磁界情報は、シリアル周辺インターフェース(serial peripheral interface、SPI)インターフェースなどの標準的なシリアル通信インターフェースを介してマイクロコントローラ20221に送信され得る。位置センサ20225は、12ビット又は14ビットの解像度を提供し得る。位置センサ20225は、小型のQFN16ピン4×4×0.85mmパッケージで提供されるAS5055チップであってもよい。
【0118】
絶対位置決めシステムを備える追跡システム20228は、PID、状態フィードバック、及び適応コントローラなどのフィードバックコントローラを備えてもよく、及び/又はこれを実装するようにプログラムされてもよい。電源は、フィードバックコントローラからの信号を、システムへの物理的入力、この場合は電圧へと変換する。他の例としては、電圧、電流、及び力のPWMが挙げられる。位置センサ20225によって測定される位置に加えて、物理的システムの物理パラメータを測定するために、他のセンサが設けられてもよい。いくつかの態様では、他のセンサとしては、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2016年5月24日発行の米国特許第9,345,481号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」と題する2014年9月18日公開の米国特許出願公開第2014/0263552号、及びその全体が参照により本明細書に組み込まれる、「TECHNIQUES FOR ADAPTIVE CONTROL OF MOTOR VELOCITY OF A SURGICAL STAPLING AND CUTTING INSTRUMENT」と題する2017年6月20日出願の米国特許出願第15/628,175号に記載されているものなどのセンサ構成を挙げることができる。デジタル信号処理システムでは、絶対位置決めシステムはデジタルデータ取得システムに連結され、ここで絶対位置決めシステムの出力は有限の解像度及びサンプリング周波数を有する。絶対位置決めシステムは、計算された応答を測定された応答に向けて駆動する加重平均及び理論制御ループなどのアルゴリズムを使用して、計算された応答を測定された応答と組み合わせるために、比較及び組み合わせ回路を備え得る。入力を知ることによって物理的システムの状態及び出力がどうなるかを予測するために、物理的システムの計算された応答は、質量、慣性、粘性摩擦、誘導抵抗などの特性を考慮に入れてよい。
【0119】
絶対位置決めシステムは、器具の電源投入時に変位部材の絶対位置を提供することができ、それは、モータ20230がとった前方又は後方へのステップの数を単に計数する、デバイスアクチュエータ、駆動バー、ナイフなどの位置を推定する従来の回転エンコーダが必要する、変位部材をリセット(ゼロ又はホーム)位置に後退又は前進させることがない。
【0120】
例えば、歪みゲージ又は微小歪みゲージなどのセンサ20226は、例えば、アンビルに適用される閉鎖力を示すことができ、クランプ動作中にアンビルに及ぼされる歪みの振幅など、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成されてもよい。測定した歪みは、デジタル信号に変換されて、プロセッサ20222に提供され得る。センサ20226の代わりに、又はこれに加えて、例えば、負荷センサなどのセンサ20227が、閉鎖駆動システムによってアンビルに加えられる閉鎖力を測定してもよい。例えば、負荷センサなどのセンサ20227は、外科用器具又はツールの発射ストローク中にIビームに加えられる発射力を測定してもよい。Iビームは、楔形スレッドと係合するように構成されており、楔形スレッドは、ステープルドライバを上向きにカム作用して、ステープルを押し出してアンビルと変形接触させるように構成されている。Iビームはまた、Iビームを発射バーによって遠位に前進させる際に組織を切断するために使用することができる、鋭利な切刃を含み得る。代替的に、モータ20230によって消費される電流を測定するために、電流センサ20231を利用してもよい。発射部材を前進させるために必要な力は、例えば、モータ20230によって消費される電流に相当し得る。測定した力は、デジタル信号に変換されて、プロセッサ20222に提供され得る。
【0121】
例えば、歪みゲージセンサ20226を使用して、エンドエフェクタによって組織に加えられる力を測定することができる。処置されている組織に対するエンドエフェクタによる力を測定するために、歪みゲージをエンドエフェクタに連結することができる。エンドエフェクタによって把持された組織に加えられた力を測定するためのシステムは、例えば、エンドエフェクタの1つ又は2つ以上のパラメータを測定するように構成され得る微小歪みゲージなどの歪みゲージセンサ20226を備えてもよい。一態様では、歪みゲージセンサ20226は、組織圧縮を示し得る、クランプ動作中にエンドエフェクタのジョー部材に及ぼされる歪みの振幅又は規模を測定してもよい。測定した歪みは、デジタル信号に変換されて、マイクロコントローラ20221のプロセッサ20222に供給され得る。負荷センサ20227は、例えば、アンビルとステープルカートリッジとの間に捕捉された組織を切断するために、ナイフ要素を動作させるために使用される力を測定してもよい。磁界センサは、捕捉された組織の厚さを測定するために利用することができる。磁界センサの測定値も、デジタル信号に変換されて、プロセッサ20222に供給されてもよい。
【0122】
センサ20226、20227によってそれぞれ測定される、組織圧縮、組織の厚さ、及び/又はエンドエフェクタを組織上で閉鎖するために必要な力の測定値は、発射部材の選択された位置、及び/又は発射部材の速度の対応する値を特性決定するために、マイクロコントローラ20221によって使用され得る。一実施例では、メモリ20223は、評価の際にマイクロコントローラ20221によって利用され得る技術、等式及び/又はルックアップテーブルを記憶してもよい。
【0123】
外科用器具又はツールの制御システム20220はまた、図5に示すようにモジュール式通信ハブ20065と通信するための有線又は無線通信回路を備えてもよい。
【0124】
図7は、例示的な感知システム20069を示す。感知システムは、HCP感知システム又は患者感知システムであり得る。感知システム20069は、データ処理及び通信ユニット20236と通信するセンサユニット20235及びヒューマンインターフェースシステム20242を含み得る。データ処理及び通信ユニット20236は、アナログデジタル変換20237と、データ処理ユニット20238と、ストレージユニット20239と、入力/出力インターフェース20241と、トランシーバ20240と、を含み得る。感知システム20069は、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243と通信することができ、これは次に、クラウドコンピューティングシステム20244と通信する。クラウドコンピューティングシステム20244は、クラウドストレージシステム20078と、1つ又は2つ以上のクラウドサーバ20077と、を含み得る。
【0125】
センサユニット20235は、1つ又は2つ以上のバイオマーカを測定するために、1つ又は2つ以上の生体外又は生体内センサを含み得る。バイオマーカは、例えば、血中pH、水和状態、酸素飽和度、深部体温、心拍数、心拍変動、発汗率、皮膚コンダクタンス、血圧、光曝露、環境の温度、呼吸数、咳及びくしゃみ、胃腸運動、消化管撮像、組織灌流圧、気道中の細菌、アルコール消費、乳酸(汗)、末梢温度、陽性及び楽観、アドレナリン(汗)、コルチゾール(汗)、浮腫、マイコトキシン、VO2 max、術前疼痛、空気中の化学物質、循環腫瘍細胞、ストレス及び不安、錯乱及びせん妄、身体活動、自律緊張、概日リズム、月経周期、睡眠などを含み得る。これらのバイオマーカは、1つ又は2つ以上のセンサ、例えば、光センサ(例えば、フォトダイオード、フォトレジスタ)、機械センサ(例えば、モーションセンサ)、音響センサ、電気センサ、電気化学センサ、熱電センサ、赤外線センサなどを使用して測定され得る。センサは、フォトプレチスモグラフィ、心電図検査、脳波検査、比色分析、インペディメンタリ、電位差測定、電流測定などの感知技術のうちの1つ又は2つ以上を使用して、本明細書に記載されるように、バイオマーカを測定し得る。
【0126】
図7に示されるように、センサユニット20235内のセンサは、測定しようとするバイオマーカに関連付けられた生理学的信号(例えば、電圧、電流、PPG信号など)を測定し得る。測定される生理学的信号は、本明細書に記載されるように、使用する感知技術に依存し得る。感知システム20069のセンサユニット20235は、データ処理及び通信ユニット20236と通信し得る。一実施例では、センサユニット20235は、無線インターフェースを使用してデータ処理及び通信ユニット20236と通信してもよい。データ処理及び通信ユニット20236は、アナログデジタル変換器(ADC)20237と、データ処理ユニット20238と、ストレージ20239と、I/Oインターフェース20241と、RFトランシーバ20240と、を含み得る。データ処理ユニット20238は、プロセッサと、メモリユニットと、を含み得る。
【0127】
センサユニット20235は、測定した生理学的信号を、データ処理及び通信ユニット20236のADC20237に送信し得る。一実施例では、測定した生理学的信号は、ADCに送信される前に、1つ又は2つ以上のフィルタ(例えば、RCローパスフィルタ)を通過してもよい。ADCは、測定した生理学的信号を、バイオマーカに関連付けられた測定値データに変換し得る。ADCは、処理のために測定値データをデータ処理ユニット20238に渡し得る。一実施例では、データ処理ユニット20238は、バイオマーカに関連付けられた測定値データを、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信し、次に、更なる処理のために測定値データをクラウドコンピューティングシステム20244に送信し得る。データ処理ユニットは、本明細書に記載されるように、無線プロトコルのうちの1つを使用して、測定値データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信し得る。一実施例では、データ処理ユニット20238は、最初に、センサユニットから受信した生の測定値データを処理し、処理した測定値データを外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243に送信し得る。
【0128】
一実施例では、感知システム20069のデータ処理及び通信ユニット20236は、外科用ハブ、コンピューティングデバイス20243から、又はクラウドコンピューティングシステム20244のクラウドサーバ20077から直接、監視のためのバイオマーカに関連付けられた閾値を受信し得る。データ処理ユニット20236は、監視されるバイオマーカに関連付けられた測定値データを、外科用ハブ、コンピューティングデバイス20243、又はクラウドサーバ20077から受信した対応する閾値と比較し得る。データ処理及び通信ユニット20236は、測定値データ値が閾値を超えたことを示す通知メッセージをHID20242に送信し得る。通知メッセージは、監視したバイオマーカに関連付けられた測定値データを含み得る。データ処理及びコンピューティングユニット20236は、Bluetooth、Bluetooth Low-Energy(BLE)、Bluetooth Smart、Zigbee、Z-wave、IPv6低電力無線パーソナルエリアネットワーク(6LoWPAN)、Wi-FiなどのRFプロトコルのうちの1つを使用して、外科用ハブ又はコンピューティングデバイス20243への送信を介して通知を送信し得る。データ処理ユニット20238は、GSM/GPRS/EDGE(2G)、UMTS/HSPA(3G)、ロングタームエボリューション(LTE)又は4G、LTEアドバンスト(LTE-A)、ニューラジオ(NR)又は5Gなどのセルラープロトコルのうちの1つ又は2つ以上を使用して、セルラー送信/受信ポイント(TRP)又は基地局への送信を介して、クラウドサーバに直接通知(例えば、HCPについての通知)を送信し得る。一実施例では、感知ユニットは、ルータを介してハブ/コンピューティングデバイスと通信し得る。
【0129】
一実施例では、センサユニットは、センサ及びアナログデジタル変換器(ADC)を含み得る。センサユニット内のADCは、センサによって測定された生理学的信号を、バイオマーカに関連付けられた測定値データに変換し得る。センサユニットは、更なる処理のために、測定値データを、データ処理及び通信ユニットに送信し得る。一実施例では、センサユニットは、集積回路間(inter-integrated circuit、I2C)インターフェースを使用して、測定値データを、データ処理及び通信ユニットに送信し得る。
【0130】
データ処理及び通信ユニットは、データ処理ユニットと、ストレージユニットと、RFトランシーバと、を含む。感知システムは、外科用ハブ又はコンピューティングデバイスと通信し、これは、次に、クラウドコンピューティングシステム20244と通信し得る。クラウドコンピューティングシステム20244は、リモートサーバ20077と、関連するリモートストレージ20078と、を含み得る。センサユニットは、本明細書に記載されるように、1つ又は2つ以上のバイオマーカを測定するために、1つ又は2つ以上の生体外又は生体内センサを含み得る。
【0131】
データ処理及び通信ユニットは、センサユニットから受信した測定値データを処理した後、測定値データを更に処理し、及び/又は測定値データをスマートハブ若しくはコンピューティングデバイス20243に送信し得る。一実施例では、データ処理及び通信ユニットは、更なる処理及び/又は監視のために、センサユニットから受信した測定値データを、クラウドコンピューティングシステム20244のリモートサーバ20077に送信し得る。
【0132】
一実施例では、センサユニットは、患者又は外科医のバイオマーカに関連付けられた1つ又は2つ以上の生理学的信号及び/又は人の物理的状態に関連付けられた1つ又は2つ以上の物理的状態信号を測定するための複数のセンサを含み得る。バイオマーカのリストは、本明細書に開示されるバイオマーカなどのバイオマーカを含み得る。センサユニット内のADCは、複数のセンサによって測定された生理学的信号及び/又は物理的状態信号の各々を、それぞれの測定値データに変換し得る。センサユニットは、1つ又は2つ以上のバイオマーカに、並びに監視されている患者の物理的状態に関連付けられた測定値データを、更なる処理のために、データ処理及び通信ユニットに送信し得る。センサユニットは、センサの各々について個別に、又は全てのセンサについて組み合わされて、測定値データをデータ処理及び通信ユニットに送信し得る。一実施例では、センサユニットは、測定値データを、I2Cインターフェースを介してデータ処理及び通信ユニットに送信し得る。
【0133】
図8は、外科用器具制御を調整するために、1つ又は2つ以上のHCP感知システムからの外科的タスク状況認識及び測定値データを使用する一実施例である。図8は、例示的な外科処置のタイムライン20265と、外科処置の各工程において1つ又は2つ以上の外科用デバイス、1つ又は2つ以上のHCP感知システム、及び/又は1つ又は2つ以上の環境感知システムから受信したデータから外科用ハブが導出し得るコンテキスト情報と、を示す。外科用ハブによって制御され得るデバイスは、高度エネルギーデバイス、エンドカッタークランプなどを含み得る。HCP感知システムは、外科医に関連付けられた1つ又は2つ以上のバイオマーカ、例えば、心拍数、汗の組成、呼吸数などを測定するための感知システムを含み得る。環境感知システムは、環境属性のうちの1つ又は2つ以上を測定するためのシステム、例えば、外科医の位置/移動/呼吸パターンを検出するためのカメラを、例えば、手術現場内の周囲ノイズ及び/又は医療提供者の声のトーン、周囲の温度/湿度などを測定するための空間マイクロフォンを、含み得る。
【0134】
図8に示されるタイムライン20265の以下の説明では、図5も参照されたい。図5は、外科処置において使用される様々な構成要素を提供する。タイムライン20265は、例示的な結腸直腸外科処置の過程中に、看護師、外科医、及び他の医療関係者によって、個別に及び/又は一括して行われ得る工程を示す。結腸直腸外科処置では、状況認識外科用ハブ20076は、HCPが外科用ハブ20076とペアリングされたモジュール式デバイス/器具20095を利用するたびに生成されるデータを含む、外科処置の過程全体を通して様々なデータソースからデータを受信し得る。外科用ハブ20076は、ペアリングされたモジュール式デバイス20095からこのデータを受信し得る。外科用ハブは、感知システム20069から測定値データを受信し得る。外科用ハブは、モジュール式デバイス/器具20095からのデータを、及び/又は感知システム20069からの測定値データを使用して、実施されている処置の工程に対する外科医のストレスレベルが取得されるように、新規のデータが受信されるにつれて、HCPのストレスレベル及び進行中の処置に関する推測(すなわち、コンテキスト情報)を継続的に導出し得る。外科用ハブ20076の状況認識システムは、報告を生成するために処置に関するデータを記録すること、医療関係者が実施している工程を検証すること、特定の処置工程に関連し得るデータ又はプロンプトを(例えば、ディスプレイ画面を介して)提供すること、状況に基づいてモジュール式デバイスを調整する(例えば、モニタを起動する、医療用撮像デバイスのFOVを調整する、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルを変更する)こと、又は本明細書に記載される任意の他のこうした動作を実施すること、のうちの1つ又は2つ以上を実施し得る。一実施例では、これらの工程は、クラウドシステム20064のリモートサーバ20077によって実施され、外科用ハブ20076と通信され得る。
【0135】
(簡潔にするために図8には示されていない)第1の工程として、病院スタッフメンバーは、病院のEMRデータベースから、患者のEMRを検索し得る。EMRにおいて選択された患者データに基づいて、外科用ハブ20076は、実施される処置が胸部処置であることを判定し得る。スタッフメンバーは、処置のために入来する医療用品を走査し得る。外科用ハブ20076は、走査した用品を様々なタイプの処置において利用され得る用品のリストと相互参照し、用品の組み合わせが、胸部処置に一致することを確認し得る。外科用ハブ20076は、異なるHCPによって装着された感知システム20069の各々をペアリングし得る。
【0136】
デバイスの各々が準備され、手術前の準備が完了すると、手術チームは、切開を行い、トロカールを配置することによって開始し得る。手術チームは、もしあれば癒着を切開し、下腸間膜動脈(inferior mesenteric artery、IMA)分岐を識別することによって、アクセス及び準備を実施し得る。外科用ハブ20076は、エネルギー器具が発射されていることを示すRF又は超音波発生器から受信し得るデータに少なくとも基づいて、外科医が癒着を切開する過程にあると推測し得る。外科用ハブ20076は、受信したデータを外科処置の検索された工程と相互参照して、プロセスのこの時点(例えば、上述された処置の工程が完了した後)で発射されているエネルギー器具が切開工程に対応していると判定し得る。
【0137】
切開後、HCPは、処置の結紮工程(例えば、A1によって示される)に進み得る。図8に示されるように、HCPは、IMAを結紮することによって開始し得る。外科用ハブ20076は、器具が発射されていることを示すデータを高度エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッターから受信し得るので、外科医が動脈及び静脈を結紮していると推測し得る。外科用ハブはまた、HCPのより高いストレスレベルを示す(例えば、時間軸上のB1マークが示す)HCPの感知システムのうちの1つから測定値データを受信し得る。例えば、より高いストレスレベルは、ベース値からのHCPの心拍数の変化によって示されてもよい。外科用ハブ20076は、前の工程と同様に、外科用ステープル留め及び切断器具からのデータの受信を、プロセスにおいて検索された工程(例えば、A2及びA3が示すような)と相互参照することによって、この推測を導出し得る。外科用ハブ20076は、高ストレス期間中に、高度エネルギージョートリガ比、並びに/又はエンドカッタークランプ及び発射速度を監視し得る。一実施例では、外科用ハブ20076は、補助制御信号を、高度エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッターデバイスに送信して、動作中のデバイスを制御し得る。外科用ハブは、外科用デバイスを操作しているHCPのストレスレベル、及び/又は外科用ハブに知られている状況認識に基づいて、補助信号を送信し得る。例えば、外科用ハブ20076は、図8のA2及びA3によって示されるように、制御補助信号を高度エネルギーデバイス又はエンドカッタークランプに送信し得る。
【0138】
HCPは、上部S状結腸を解放し、続いて下行結腸、直腸、及びS状結腸を解放する次の工程に進み得る。外科用ハブ20076は、HCPの高ストレスマーカ(例えば、D1、E1a、E1b、F1が示すような)を監視し続け得る。外科用ハブ20076は、図8に示されるように、高ストレス期間中に、高度エネルギージョーデバイス及び/又はエンドカッターデバイスに補助信号を送信し得る。
【0139】
結腸を可動化した後、HCPは、処置の分節切除術部分に進み得る。例えば、外科用ハブ20076は、そのカートリッジからのデータを含む外科用ステープル留め及び切断器具からのデータに基づいて、HCPが腸を横切開してS状結腸を除去していると、推測し得る。カートリッジデータは、例えば、器具によって発射されているステープルのサイズ又はタイプに対応することができる。異なるタイプのステープルが異なるタイプの組織に利用されるので、カートリッジデータは、ステープル留め及び/又は横切開されている組織のタイプを示すことができる。様々な器具が特定のタスクに対して良好に適合するので、外科医が、処置中の工程に応じて、外科用ステープル留め/切断器具と手術用エネルギー(例えば、RF又は超音波)器具とを、定期的に交互に切り替えることに留意されたい。したがって、ステープル留め器具/切断器具及び手術用エネルギー器具が使用されるシーケンスは、外科医が処置のどの工程を実施しているかを示し得る。
【0140】
外科用ハブは、HCPのストレスレベルに基づいて制御信号を判定し、外科用デバイスに送信し得る。例えば、期間G1b中に、制御信号G2bがエンドカッタークランプに送信されてもよい。S状結腸を除去すると、切開部が閉じられ、処置の術後部分が開始され得る。患者を麻酔から覚醒させ得る。外科用ハブ20076は、患者に取り付けられた1つ又は2つ以上の感知システムに基づいて、患者が麻酔から覚醒していると推測し得る。
【0141】
図9は、1つ又は2つ以上の感知システム20001を使用してHCPバイオマーカを監視するように構成され得る例示的なコンピュータ実装双方向外科用システムを示す。コンピュータ実装双方向外科用システムは、1つ又は2つ以上の感知システム20069を使用して、HCPバイオマーカを監視するように構成され得る。HCPバイオマーカ及び/又は患者バイオマーカは、外科処置の前、後、及び/又はその間に測定され得る。一態様では、このコンピュータ実装双方向外科用システムは、外科用ハブ、外科用器具、ロボットデバイス、及び手術室又は医療施設を含む様々な外科用システム20069の動作に関するデータを監視し、分析するように構成され得る。コンピュータ実装双方向外科用システムは、クラウドベースの分析システムを含み得る。コンピュータ実装双方向外科用システムは、ローカル分析システムを含み得る。クラウドベースの分析システムは、1つ又は2つ以上の分析サーバを含み得る。
【0142】
監視及び分析システムは、複数の感知システム20268(感知システム20069と同じ又は類似であり得る)、外科用器具20266(器具20031と同じ又は類似であり得る)、及び/又は複数の外科用ハブ20270(ハブ20006と同じ又は類似であり得る)を含み得る。外科用データネットワーク20269(図4に記載される外科用データネットワークと同じ又は類似であり得る)は、外科用ハブ20270をコンピューティングシステム20271(ローカルコンピューティングシステム、エッジコンピューティングシステムであり得るか、又はクラウドコンピューティングシステム20064などのクラウドコンピューティングシステムであり得る)に連結され得る。外科用ハブ20270は、1つ又は2つ以上の外科用器具20266に通信可能に連結され得る。外科用ハブ20270はまた、1つ又は2つ以上の感知システム20268に、及びネットワーク20269を介してコンピュータ実装双方向外科用システムのクラウド20271に、通信可能に連結され得る。外科用ハブ20270及び感知システム20268は、本明細書に記載されるような無線プロトコルを使用して通信可能に連結され得る。コンピューティングシステム20271は、感知システム20268からの測定値データ、及び様々な外科用器具20266の動作に基づいて生成されたデータを、記憶し、処理し、操作し、通信するためのハードウェア及びソフトウェアのローカル又はリモート焦点ソースであり得る。
【0143】
図9に示されるように、コンピューティングシステム20271へのアクセスは、ネットワーク20269を介して達成され得る。ネットワーク20269は、インターネット又は他の何らかの好適なコンピュータネットワークであり得る。コンピューティングシステム20271に連結され得る外科用ハブ20270は、コンピューティングシステムのクライアント側(例えば、クラウドベースの分析システム)と見なすことができる。外科用器具20266は、本明細書に記載されるような、様々な外科処置及び/又は動作の制御及び実装のために、外科用ハブ20270とペアリングされ得る。感知システム20268は、外科医関連バイオマーカの術中HCP監視、術前HCP監視、監視、又は術後HCP監視のために、外科用ハブ20270とペアリングされ得る。環境感知システム20267は、HCPに関連付けられた環境属性を測定する外科用ハブ20270とペアリングされ得る。
【0144】
外科用器具20266、環境感知システム20267、及び感知システム20268は、それらの対応する外科用ハブ20270(これもまた、トランシーバを備え得る)へ、及び外科用ハブ20270らからのデータ伝送のための有線又は無線トランシーバを備え得る。外科用器具20266、感知システム20268、又は外科用ハブ20270のうちの1つ又は2つ以上の組み合わせは、医療行為、手術前の準備、及び/又は手術後の回復の提供のために、医療施設(例えば、病院)内の手術室、焦点治療室(intensive care unit、ICU)室、又は回復室などの特定の場所を示し得る。例えば、外科用ハブ20270のメモリは、位置データを記憶し得る。
【0145】
図9に示されるように、クラウドシステム20271は、1つ又は2つ以上の中央サーバ20272(リモートサーバ20067と同じ又は類似であり得る)、外科用ハブアプリケーションサーバ20276、データ分析モジュール20277、及び入力/出力(「I/O」)インターフェース20278を含み得る。コンピューティングシステム20271の中央サーバ20272は、クラウドコンピューティングシステムを集合的に管理することができ、クライアント外科用ハブ20270による要求を監視し、その要求を実行するためのコンピューティングシステム20271の処理能力を管理することを含む。中央サーバ20272の各々は、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)などの揮発性メモリ、及び磁気記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含み得る好適なメモリデバイス20274に連結された1つ又は2つ以上のプロセッサ20273を備え得る。メモリデバイス20274は、機械実行可能な命令を備え、命令は、実行されると、クラウドベースのデータ分析、感知システム20268から受信した測定値データのリアルタイム監視、本明細書に記載されるような動作、推奨、及び他の動作のために、プロセッサ20273に、データ分析モジュール20277を実行させ得る。プロセッサ20273は、独立して、又はハブ20270によって独立して実行されるハブアプリケーションと併せて、データ分析モジュール20277を実行し得る。中央サーバ20272はまた、メモリ20274内に存在し得る集約された医療データのデータベース20275を含み得る。
【0146】
ネットワーク20269を介した様々な外科用ハブ20270への接続に基づいて、コンピューティングシステム20271は、様々な外科用器具20266によって生成された特定のデータ、感知システム20268からのリアルタイムデータ、及び/又は外科用ハブ20270からのデータを集約することができる。そのような集約データは、コンピューティングシステム20271に関連付けられた集約された医療データベース20275内に記憶され得る。コンピューティングシステム20271は、感知システム20268からのリアルタイム測定値データを追跡し、並びに/あるいは測定値データ及び/又は集約データに対してデータ分析及び動作を実施して、洞察をもたらし、並びに/あるいは個々のハブ20270がそれ自体では実現し得ない機能を実施し得る。
【0147】
図9に示されるように、コンピューティングシステム20271及び外科用ハブ20270は、情報を送受信するために通信可能に連結される。I/Oインターフェース20278は、ネットワーク20269を介して複数の外科用ハブ20270に接続される。I/Oインターフェース20278は、外科用ハブ20270と集約医療データデータベース20275との間で情報を転送するように構成され得る。I/Oインターフェース20278は、クラウドベースの分析システムの読み出し/書き込み動作を容易にし得る。このような読み出し/書き込み動作は、ハブ20270からの要求に応じて実行されてもよい。これらの要求は、ハブアプリケーションを介して外科用ハブ20270に送信され得る。I/Oインターフェース20278は、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)ポート、IEEE1394ポート、並びにコンピューティングシステム20271を外科用ハブ20270に接続するためのWi-Fi及びBluetooth I/Oインターフェースを含み得る、1つ又は2つ以上の高速データポートを含み得る。コンピューティングシステム20271のハブアプリケーションサーバ20276は、外科用ハブ20270によって実行されるソフトウェアアプリケーション(例えば、ハブアプリケーション)に共有機能をホストし、供給するように構成され得る。例えば、ハブアプリケーションサーバ20276は、ハブアプリケーションによって実施されるハブ20270を介する要求を管理し、集約された医療データのデータベース20275へのアクセスを制御し、負荷分散を実施してもよい。
【0148】
コンピューティングシステムは、外科用器具20266、20031などの医療デバイスを使用して実施される医療行為(例えば、術前監視、術中監視、及び術後監視)及び処置の状況において生じる様々な問題に対処し得る。外科用器具20266は、外科手術のパフォーマンスを改善するための技法を実装するために、クラウド20271とインタラクトするように構成されたデジタル外科用デバイスであり得る。コンピューティングシステムは、感知システム20268を使用して術前、術中、及び術後の処置においてHCP又は患者に関連付けられた1つ又は2つ以上のバイオマーカを監視する状況において生じる様々な問題に対処し得る。感知システム20268は、外科医バイオマーカ及び/又は患者バイオマーカを監視する技法を実装するために、外科用ハブ20270及び/又はコンピューティングシステム20271とインタラクトし得る。感知システム20268は、医療行為に参加しているHCPに、及び/又は医療行為が実施される予定であるか、実施されているか、若しくは実施された患者に関連付けられた1つ又は2つ以上のバイオマーカを測定するように構成された1つ又は2つ以上のセンサを有するシステムであり得る。様々な外科用器具20266、感知システム20268、及び/又は外科用ハブ20270は、HCPS及び/又は患者が外科用器具20266又は感知システム20268とコンピューティングシステム20271との間のインタラクションの態様を制御し得るように、ヒューマンインターフェースシステム(例えば、タッチ制御式ユーザインターフェースを有する)を含み得る。聴覚的に制御されたユーザインターフェースなどの制御のための他の好適なユーザインターフェースも使用してもよい。
【0149】
図10は、本開示による例示的な外科用システム20280を示し、有線又は無線接続を介してローカルエリアネットワーク20292及び/又はクラウドネットワーク20293を通じてコンソール20294又はポータブルデバイス20296と通信することができる外科用器具20282を含み得る。コンソール20294及びポータブルデバイス20296は、任意の好適なコンピューティングデバイスであり得る。外科用器具20282は、ハンドル20297と、アダプタ20285と、装填ユニット20287と、を含み得る。アダプタ20285は、ハンドル20297に解放可能に連結し、装填ユニット20287は、アダプタ20285が駆動シャフトから装填ユニット20287に力を伝達するように、アダプタ20285に解放可能に連結する。アダプタ20285又は装填ユニット20287は、装填ユニット20287にかかる力を測定するために、内部に配置される力ゲージ(明示的に図示せず)を含み得る。装填ユニット20287は、第1のジョー20291及び第2のジョー20290を有するエンドエフェクタ20289を含み得る。装填ユニット20287は、装填ユニット20287を再装填するために、装填ユニット20287を手術部位から除去する必要なく、臨床医が複数の締結具を複数回発射し得る生体内装填、つまり複数回発射装填ユニット(multi-firing loading unit、MFLU)であってもよい。
【0150】
第1のジョー20291及び第2のジョー20290は、それらの間に組織をクランプし、クランプされた組織を通して締結具を発射し、クランプされた組織を切断するように構成され得る。第1のジョー20291は、少なくとも1つの締結具を複数回発射するように構成されてもよく、又は交換される前に2回以上発射し得る複数の締結具(例えば、ステープル、クリップなど)を含む交換可能な複数回発射締結具カートリッジを含むように構成されてもよい。第2のジョー20290は、締結具が複数回発射締結具カートリッジから排出される際に、締結具を変形させるか、又は他の方法で固定するアンビルを含み得る。
【0151】
ハンドル20297は、駆動シャフトの回転に作用するように、駆動シャフトに連結されるモータを含み得る。ハンドル20297は、モータを選択的に作動させるための制御インターフェースを含み得る。制御インターフェースは、ボタン、スイッチ、レバー、スライダ、タッチスクリーン、及び任意の他の好適な入力機構又はユーザインターフェースを含んでもよく、これらは、モータを起動するために臨床医によって係合され得る。
【0152】
ハンドル20297の制御インターフェースは、ハンドル20297のコントローラ20298と通信して、モータを選択的に作動させ、駆動シャフトの回転に作用し得る。コントローラ20298は、ハンドル20297内に配置されてもよく、制御インターフェースからの入力、及びアダプタ20285からのアダプタデータ、又は装填ユニット20287からの装填ユニットデータを受信するように構成されてもよい。コントローラ20298は、モータを選択的に起動するために、制御インターフェースからの入力を、並びにアダプタ20285及び/又は装填ユニット20287から受信されたデータを分析し得る。ハンドル20297はまた、ハンドル20297の使用中に臨床医が見ることができるディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、器具20282の発射前、発射中、又は発射後に、アダプタ又は装填ユニットデータの部分を表示するように構成され得る。
【0153】
アダプタ20285は、内部に配置されるアダプタ識別デバイス20284を含み、装填ユニット20287は、内部に配置される装填ユニット識別デバイス20288を含み得る。アダプタ識別デバイス20284は、コントローラ20298と通信し、装填ユニット識別デバイス20288は、コントローラ20298と通信し得る。装填ユニット識別デバイス20288は、装填ユニット識別デバイス20288からコントローラ20298への通信を中継又は通過するアダプタ識別デバイス20284と通信し得ることが理解されるであろう。
【0154】
アダプタ20285はまた、アダプタ20285又は環境の様々な状態(例えば、アダプタ20285が装填ユニットに接続されているか否か、アダプタ20285がハンドルに接続されているか否か、駆動シャフトが回転しているか否か、駆動シャフトのトルク、駆動シャフトの歪み、アダプタ20285内の温度、アダプタ20285の発射回数、発射中のアダプタ20285のピーク力、アダプタ20285に印加される力の総量、アダプタ20285のピーク後退力、発射中のアダプタ20285の休止回数など)を検出するために、その周囲に配置される複数のセンサ20286(1つが示される)を含み得る。複数のセンサ20286は、データ信号の形態でアダプタ識別デバイス20284に入力を提供し得る。複数のセンサ20286のデータ信号は、アダプタ識別デバイス20284内に記憶されてもよく、又はアダプタ識別デバイス20284内に記憶されたアダプタデータを更新するために使用されてもよい。複数のセンサ20286のデータ信号は、アナログ又はデジタルであってもよい。複数のセンサ20286は、発射中に装填ユニット20287に及ぼされる力を測定するための力ゲージを含み得る。
【0155】
ハンドル20297及びアダプタ20285は、電気的インターフェースを介して、アダプタ識別デバイス20284及び装填ユニット識別デバイス20288をコントローラ20298と相互接続するように構成され得る。電気的インターフェースは、直接電気的インターフェースであってもよい(すなわち、エネルギー及び信号を間で伝送するために互いに係合する電気接点を含む)。追加的に、又は代替的に、電気的インターフェースは、エネルギー及び信号をそれらの間で無線送信する(例えば、誘導伝送する)ための非接触電気的インターフェースであってもよい。アダプタ識別デバイス20284及びコントローラ20298は、電気的インターフェースとは別個の無線接続を介して、互いに無線通信し得ることも企図される。
【0156】
ハンドル20297は、コントローラ20298からシステム20280の他の構成要素(例えば、LAN20292、クラウド20293、コンソール20294、又はポータブルデバイス20296)に器具データを送信するように構成されるトランシーバ20283を含み得る。コントローラ20298はまた、図9に図示されるように、1つ又は2つ以上のセンサ20286に関連付けられた器具データ及び/又は測定値データを外科用ハブ20270に送信し得る。トランシーバ20283は、外科用ハブ20270からデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、アダプタデータ、又は他の通知)を受信し得る。トランシーバ20283は、システム20280の他の構成要素からデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)を受信し得る。例えば、コントローラ20298は、ハンドル20297に取り付けられた取り付けアダプタ(例えば、アダプタ20285)のシリアル番号、アダプタ20285に取り付けられた装填ユニット(例えば、装填ユニット20287)のシリアル番号、及び装填ユニットに装填された複数回発射締結具カートリッジのシリアル番号を含む器具データをコンソール20294に送信してもよい。その後、コンソール20294は、取り付けられたカートリッジ、装填ユニット、及びアダプタにそれぞれ関連付けられたデータ(例えば、カートリッジデータ、装填ユニットデータ、又はアダプタデータ)をコントローラ20298に返信してもよい。コントローラ20298は、ローカル器具ディスプレイ上にメッセージを表示してもよいか、又はトランシーバ20283を介してコンソール20294若しくはポータブルデバイス20296にメッセージを送信して、メッセージを、それぞれディスプレイ20295若しくはポータブルデバイススクリーン上に表示してもよい。
【0157】
図11は、本開示の少なくとも1つの態様による、状況認識外科用システム5100の図を示す。データソース5126は、例えば、モジュール式デバイス5102(患者、HCP、環境及び/又はモジュール式デバイス自体に関連付けられるパラメータを検出するように構成されたセンサを含み得る)、データベース5122(例えば、患者記録を含むEMRデータベース)、及び患者監視デバイス5124(例えば、血圧(blood pressure、BP)監視装置、及び心電図(electrocardiography、EKG)監視装置)、HCP監視デバイス35510、並びに/又は環境監視デバイス35512を含み得る。外科用ハブ5104は、例えば、受信されたデータの特定の組み合わせ又はデータソース5126からデータが受信された特定の順序に基づいて、データから外科処置に関するコンテキスト情報を導出するように構成することができる。受信されたデータから推測されるコンテキスト情報は、例えば、実施されている外科処置のタイプ、外科医が実施している外科処置の特定の工程、手術されている組織のタイプ、又は処置の対象である体腔を含むことができる。受信されたデータから外科処置に関する情報を導出又は推測するための外科用ハブ5104のいくつかの態様によるこの機能は、「状況認識」と称され得る。例えば、外科用ハブ5104は、受信されたデータから外科処置に関連するコンテキスト情報を導出する外科用ハブ5104に関連付けられたハードウェア及び/又はプログラミングである状況認識システムを組み込むことができる。
【0158】
外科用ハブ5104の状況認識システムは、様々な異なる方法でデータソース5126から受信されたデータから、コンテキスト情報を導出するように構成することができる。例えば、状況認識システムは、様々な入力(例えば、データベース5122、患者監視デバイス5124、モジュール式デバイス5102、HCP監視デバイス35510、及び/又は環境監視デバイス35512からのデータ)を、外科処置に関する対応するコンテキスト情報と相関させるために、訓練データで訓練されたパターン認識システム、又は機械学習システム(例えば、人工ニューラルネットワーク)を含むことができる。機械学習システムは、提供された入力から外科処置に関するコンテキスト情報を正確に導出するように訓練することができる。実施例では、状況認識システムは、外科処置に関する事前に特性評価されたコンテキスト情報を、そのコンテキスト情報に対応する1つ又は2つ以上の入力(又は、入力の範囲)と関連付けて記憶する、ルックアップテーブルを含むことができる。1つ又は2つ以上の入力による問い合わせに応答して、ルックアップテーブルは、モジュール式デバイス5102を制御するために状況認識システムの対応するコンテキスト情報を返すことができる。実施例では、外科用ハブ5104の状況認識システムによって受信されたコンテキスト情報は、1つ又は2つ以上のモジュール式デバイス5102の特定の制御調整、又は一連の制御調整と関連付けることができる。実施例では、状況認識システムは、コンテキスト情報を入力として提供された際、1つ又は2つ以上のモジュール式デバイス5102の1つ又は2つ以上の制御調整を生成又は読み出す、更なる機械学習システム、ルックアップテーブル、又は他のかかるシステムを含むことができる。
【0159】
状況認識システムを組み込む外科用ハブ5104は、外科用システム5100に多くの利点を提供することができる。1つの利点は、感知及び収集されたデータの解釈の改善を提供することを含み得、これは、外科処置の過程中の処理精度、及び/又はデータの使用を改善させる。先の例に戻ると、状況認識外科用ハブ5104は、どのタイプの組織が手術されているかを判定することができ、したがって、外科用器具のエンドエフェクタを閉鎖するための予想外に高い力が検出されると、状況認識外科用ハブ5104は、組織タイプに合わせて外科用器具のモータを正しく加速、あるいは減速させることができる。
【0160】
手術されている組織のタイプは、特定の組織間隙測定用の外科用ステープル留め及び切断用器具の圧縮速度及び負荷閾値になされる調整に影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、実施されている外科処置が胸部処置であるのか、又は腹部処置であるのかを推測することができ、これにより、外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断用器具のエンドエフェクタによってクランプされている組織が肺組織であるのか(胸部処置の場合)、又は胃組織であるのか(腹部処置の場合)を判定することが可能となる。次いで、外科用ハブ5104は、外科用ステープル留め及び切断用器具の圧縮速度及び負荷閾値を、組織のタイプに合わせて適切に調整することができる。
【0161】
吹送処置中に手術されている体腔のタイプは、排煙器の機能に影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、手術部位が(外科処置が送気を利用していることを判定することによって)圧力下にあるかどうかを判定し、処置タイプを判定することができる。一般に、ある処置タイプが固有の体腔内で行われ得るので、外科用ハブ5104は、手術されている体腔に合わせて適切に排煙器のモータ速度を制御することができる。かくして、状況認識外科用ハブ5104は、胸部処置及び腹部処置の両方用に一貫した量の排煙を提供し得る。
【0162】
行われている処置のタイプは、超音波外科用器具、又は高周波(radio frequency、RF)電気外科用器具が動作するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。例えば、関節鏡処置では、超音波外科用器具、又はRF電気外科用器具のエンドエフェクタが流体中に浸漬されるので、より高いエネルギーレベルを必要とし得る。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置が関節鏡処置であるかどうかを判定することができる。次いで、外科用ハブ5104は、流体で満たされた環境を補償するために、発電機のRF電力レベル又は超音波振幅(例えば、「エネルギーレベル」)を調整することができる。関連して、手術されている組織のタイプは、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具が動作するのに最適なエネルギーレベルに影響を及ぼし得る。状況認識外科用ハブ5104は、どのタイプの外科処置が行われているかを判定し、次いで、外科処置について予想される組織形状に従って、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルをそれぞれカスタマイズすることができる。更に、状況認識外科用ハブ5104は、単に処置ごとにではなく、外科処置の過程にわたって、超音波外科用器具又はRF電気外科用器具のエネルギーレベルを調整するように構成することができる。状況認識外科用ハブ5104は、外科処置のどの工程が行われているか、又は引き続き行われるかを判定し、次いで、発電機、及び/又は超音波外科用器具若しくはRF電気外科用器具の制御アルゴリズムを更新して、外科処置の工程に従って予想される組織のタイプに適切な値までエネルギーレベルをセットすることができる。
【0163】
実施例では、外科用ハブ5104が1つのデータソース5126から導き出される結論を改善するために、追加のデータソース5126からデータを導き出することができる。状況認識外科用ハブ5104は、モジュール式デバイス5102から受信したデータを、他のデータソース5126から外科処置に関して構築したコンテキスト情報で強化することができる。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、医療用撮像デバイスから受信されたビデオ又は画像データに従って、止血が発生したかどうか(例えば、手術部位での出血が止まったかどうか)を判定するように構成することができる。外科用ハブ5104は、生理学的測定(例えば、外科用ハブ5104へと通信可能に接続されたBP監視装置で感知された血圧)を、(例えば、外科用ハブ5104へと通信可能に連結された医療用撮像デバイスからの)止血の視覚データ又は画像データと比較して、ステープルライン又は組織溶着の完全性に関する判定を行うように更に構成することができる。外科用ハブ5104の状況認識システムは、生理学的測定値データを考慮して、視覚化データを分析する際に追加のコンテキストを提供することができる。追加のコンテキストは、視覚化データがそれ自体では決定的ではないか、又は不完全であり得る場合に有用となり得る。
【0164】
例えば、状況認識外科用ハブ5104は、処置の後続の工程で器具の使用が必要とされることを判定された場合に、RF電気外科用器具が接続されている発電機を積極的に起動させ得る。エネルギー源を積極的に起動することは、処置の先行する工程が完了すると直ぐに、器具を使用準備完了にすることを可能にすることができる。
【0165】
状況認識外科用ハブ5104は、外科医が見る必要があると予想される手術部位の特徴部に従って、外科処置の現工程、又は後続の工程が、ディスプレイ上の異なるビュー又は倍率を必要とするかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、表示されたビュー(例えば、視覚化システム108用に医療用撮像デバイスから供給される)を、適宜、積極的に変化させることができ、これにより、ディスプレイは外科処置全体を通して自動的に調整する。
【0166】
状況認識外科用ハブ5104は、外科処置のどの工程が行われているか、又は次に行われるか、及び特定のデータ又はデータ間の比較が外科処置の該当工程に必要とされるかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、外科医が特定の情報を尋ねるのを待機することなく、実施されている外科処置の工程に基づいて、データスクリーンを自動的に呼び出すように構成することができる。
【0167】
外科処置のセットアップ中、又は外科処置の過程中に、エラーがチェックされ得る。例えば、状況認識外科用ハブ5104は、手術室が、行われるべき外科処置用に適切に又は最適にセットアップされているかどうかを判定することができる。外科用ハブ5104は、実施されている外科処置のタイプを判定し、対応するチェックリスト、製品位置、又はセットアップ要件を(例えば、メモリから)読み出し、次いで、現在の手術室のレイアウトを、実施されていると外科用ハブ5104が判定した外科処置のタイプの標準レイアウトと比較するように構成することができる。いくつかの例示では、外科用ハブ5104は、処置のための物品リスト、及び/又は外科用ハブ5104とペアリングされたデバイスのリストを、所与の外科処置のための物品及び/又はデバイスの推奨又は予期されるマニフェストと比較することができる。リスト間に何らかの分断が存在する場合、外科用ハブ5104は、特定のモジュール式デバイス5102、患者監視デバイス5124、HCP監視デバイス35510、環境監視デバイス35512及び/又は他の外科用物品が欠落していることを示すアラートを提供することができる。いくつかの実施例では、外科用ハブ5104は、例えば、近接センサを介してモジュール式デバイス5102及び患者監視デバイス5124の相対距離又は相対位置を判定することができる。外科用ハブ5104は、デバイスの相対位置を、特定の外科処置用に推奨又は予期されるレイアウトと比較することができる。レイアウト間に何らかの分断が存在する場合、外科用ハブ5104は、外科処置の現在のレイアウトが提案レイアウトから逸脱していることを示すアラートを提供するように構成することができる。
【0168】
状況認識外科用ハブ5104は、外科医(又は、他のHCP)が誤りを犯しているかどうか、又は外科処置の過程中に予想される一連のアクションから逸脱しているかどうかを判定することができる。例えば、外科用ハブ5104は、実施されている外科処置のタイプを判定し、機器使用の工程又は順序の対応リストを(例えば、メモリから)読み出し、次いで、外科処置の過程中に実施されている工程又は使用されている機器を、外科用ハブ5104が実施されていることを判定した外科処置のタイプについて予想される工程又は機器と比較するように構成することができる。外科用ハブ5104は、外科処置における特定の工程で予想外のアクションが行われているか、又は予想外のデバイスが利用されていることを示すアラートを提供することができる。
【0169】
外科用器具(及び他のモジュール式デバイス5102)は、各外科処置の特定のコンテキストに合わせて調整され得(異なる組織のタイプへの調整など)、外科処置中のアクションを検証し得る。次の工程、データ、及び表示調整は、処置の固有のコンテキストに従って、手術現場内の外科用器具(及び他のモジュール式デバイス5102)に提供され得る。
【0170】
オブジェクト検出は、デジタル画像及びビデオ内の特定のクラスのセマンティックオブジェクト(人間、機器、又はオブジェクトなど)のインスタンスの検出を扱う、コンピュータビジョン及び画像処理を介して実施され得る。オブジェクト検出は、画像注釈、アクティビティ認識、顔検出、顔認識、ビデオオブジェクト共同セグメント化などのコンピュータビジョンタスクにおいて使用される。オブジェクト検出は、オブジェクトの追跡、例えば、フットボールの試合中のボールの追跡、クリケットのバットの移動の追跡、又はビデオ内の人の追跡に使用される。オブジェクト検出は、ニューラルネットワークベースの手法、及び/又は非ニューラル手法を介して実施され得る。例えば、特徴部が定義され得、定義された特徴部に基づいて、例えば、サポートベクターマシン(support vector machine、SVM)を介して分類が実施され得る。ニューラル技法は、特徴部を具体的に定義することなくオブジェクト検出を実施し得、畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network、CNN)に基づき得る。
【0171】
移動オブジェクト検出は、所与の場所又は領域における人又はオブジェクトの物理的な移動を認識するために実施され得る。移動オブジェクトと静止エリア又は領域との間でセグメント化を行うことによって、移動オブジェクトの動きが追跡され得、したがって、後で分析され得る。移動オブジェクト検出は、背景減算、フレーム差分、時間差分、及び又はオプティカルフロー分析を介して実施され得る。
【0172】
スマート及び自己識別型RFシステムを使用して、OR内のHCP及び機器の位置を特定し得る。空間識別センサを使用して、HCP、器具、機器、及び/又は境界の位置が特定され得る。HCP、機器及び/又は境界の位置は、無線センサ及びビーコンを介して、部屋及び/又は患者に対して追跡され得る。
【0173】
ウェアラブル監視システムは、HCP又は患者などの人に連結され得る。超広帯域監視は、OR内の人の場所、及び/又は機器、外科用器具、別の人、境界などに対する人の相対位置を識別するために実施され得る。
【0174】
RF要素識別及び境界監視が実施され得る。RFビーコンは、機器又は器具上に配置され得る。BLEビーコンは、物理OR内に配置され得る。例えば、ビーコンは、部屋の境界の輪郭を描く、ORの角に配置され得る。BLEビーコンは、OR内の大きな構造物などの構造物上に配置され得る。BLEビーコンは、1つ又は2つ以上の境界に対するデバイスの場所を監視するためにデバイス上に配置され得る。
【0175】
例えば、RFIDタグは、器具及び/又はHCPに取り付けられ得る。境界の侵害を防止又は最小限に抑えるために、電磁ゲートがOR内に配置され得る。
【0176】
境界違反は、ビーコンの移動を追跡することによって検出され得る。例えば、外科用ハブは、ビーコンが境界を越えて移動したと判定すると、境界違反を検出し得る。境界違反が境界を横断するデバイスに関連付けられる場合、外科用ハブは、デバイスを非アクティブ化し、HCPに状態の変化をアラートし得る。境界違反がより大きな構造である場合、緊急メッセージを表示して、機器が懸念されていることを示すことができる。
【0177】
RFビーコンを使用して、ORシアター内のHCPSの位置を特定し得る。HCPの場所は、それらの識別バッジを介して追跡され得る。識別バッジは、埋め込まれたRFビーコンを有し得る。RFビーコンは、高周波(high frequency、HF)又は極超短波(ultra-high frequency、UHF)であり得る。読み取り範囲は、流体又は構造を貫通する必要性によって影響されなくてもよい。ORのサイズは変化し得るため、HF又はUHFは、外科用ハブからの潜在的な距離に対応するのに十分なカバレッジを提供することができる。
【0178】
外科用器具は、固有のRFID識別に関連付けられ得る。外科用器具の位置が追跡され得る。外科用器具の現在の使用及び/又は以前の履歴は、場所追跡に基づいて判定され得る。外科用ハブからの外部リーダは、患者の周囲に位置決めされ得る。外部リーダは、OR場に進入する外科用器具を追跡するために使用され得る。低周波数又はHFチップは、器具上で使用され得る。低周波数又は高周波数は、リーダが体液を貫通することを可能にし得る。
【0179】
器具の使用は、その場所に基づいて判定及び追跡され得る。例えば、外科用器具が使用された回数、デバイスが患者内にあった時間の長さ、及び/又はデバイスがOR内に導入される前に滅菌サイクルを通したセキュリティのレベルは、場所追跡を介して判定され得る。器具が患者内に残されたかどうかは、器具の場所追跡を介して検出され得る。
【0180】
OR室撮像は、HCP、器具、及び/又は機器の場所並びにそれらの態様を判定するために、様々な技術を介して複数のソースによって実施され得る。OR、ORの壁、及び/又はそれらの近接内のオブジェクト及び人の位置を特定するために異なるエネルギータイプを通した2つ以上の撮像デバイスが使用され得る。位置及び/又は近接情報は、それらの相互作用を識別及び/又は制御するために使用され得る。器具及び/又は機器は、識別された相互作用に基づいて構成され得る。
【0181】
例えば、超音波エコー場所は、オブジェクトの動き及び場所の測定を判定するために使用され得る。OR視覚又はマルチスペクトル撮像は、ユーザの場所、やりとり、及び通信を監視するために使用され得る。音声監視は、ノイズ生成監視及び追跡を判定及び記録するために使用され得る。
【0182】
システムを調整し、感染を監視し、及び/又は状況認識を理解するために、赤外線(IR)サーモグラフィ監視を使用して、深部温度並びにHCP及び患者の温度の変化を監視し得る。HCPがORに進入すると、HCPのためにIRシグネチャが作成され得る。初期IR関連付け応答は、例えば、外科用ハブを介してログ記録され得る。処置中、HCPのストレスレベルが増加する場合、IRシグネチャは、増加したストレスレベルを表示又は登録し得る。
【0183】
様々な撮像システムが同時に使用され得る。例えば、外科用ハブが、OR内に位置決めされ得る。電源投入されると、外科用ハブは、超音波エコーを使用して、OR境界(例えば、壁)及び部屋をマッピングするための大きな機器場所を判定し得る。グリッドマップは、全ての必要な境界を用いて確立され得る。
【0184】
HCPがORシアターに進入するときに、HCPは、HCPに関連付けられたBLEビーコンを介して進入するものとして識別され得る。外科用ハブは、シアター内へのHCPを検査し得る。外科用ハブは、光学カメラを介してHCPの追跡を開始し得る。IRカメラは、ベースラインストレスレベルについて、識別されたHCPの初期スキャンを実施し得る。処置が開始されると、音声監視システムは、音を監視及び記録し得る。外科用ハブは、声の抑揚及び/又は上昇した神経質な声を監視し得る。音声監視システムは、例えば、ストレスレベルの増加を検証するために、IRカメラと同期することができる。このプロセスは、複数のHCPに対して実施され得る。
【0185】
OR内のHCPは、RFID、NFC、及び/又はウェアラブルデバイスを有するIDバッジを介して認識及び追跡され得る。例えば、HCPが部屋を出入りするとき、HCPが別のウェアラブルデバイスに近づくとき、HCPが外科用ハブに近づくとき、HCPのアイデンティティが判定され得る。外科用ハブは、HCPがORに進入することを検出すると、RFIDリーダ、NFCリーダ、又はウェアラブルデバイスからのHCP識別情報を要求し得る。外科用ハブは、他の情報ソースに基づいてHCPのアイデンティティを確認し得る。外科用ハブは、IDバッジ又はウェアラブルデバイスがオフになるまで、IDバッジ又はウェアラブルデバイスに関連付けられたHCPのアイデンティティを仮定し得る。ウェアラブルデバイスを介してHCP及び/又はユーザ役割を識別することに関連する詳細は、「ACTIVE RECOGNITION AND PAIRING SENSING SYSTEMS」と題された米国特許出願第17/156,324号に見つけられ得、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0186】
OR内のHCPは、OR内の1つ又は2つ以上のカメラによって捕捉されたビデオからのビデオ処理を介して認識及び追跡され得る。キーポイント検出及び分析、バウンディングボックス注釈、ポリゴンメッシュ処理、画像セグメント化、顔認識、ジェスチャ認識、ポイントクラウド、ライン及びスプラインなどの様々な既知の画像又はビデオ処理技術を使用して、ビデオフィードを分析してもよい。
【0187】
手術室内の様々な外科用製品及び器具の場所、移動、及び/又は配向が、識別及び追跡され得る。例えば、ジャイロスコープ又は3軸加速度計を使用して、デバイスの配向及び位置を判定してもよい。
【0188】
例えば、外科用器具は、その上に位置する1つ又は2つ以上の空間位置合わせマーカを介して識別され得る。例えば、可視基準マーカが器具上に配置され得る。外科用ハブは、OR内の1つ又は2つ以上のカメラを介して、外科用器具の場所、移動、及び/又は配向を監視し得る。基準マークは、事前定義されたパターンであり得る。外科用ハブは、外科用器具を特定の基準マークに関連付け得、そのマークを使用して、それが作成し記録する3Dコンピュータ環境で器具を識別しモデル化し得る。位置合わせは、並進、回転、スケール、スキュー、及びパースペクティブの補償を可能にする。これにより、外科用ハブは、器具の一部分が見えなくなってもであっても、器具を検出及び監視することが可能となる。
【0189】
可視監視のために、システムが始動するときにカメラ較正が行われ得る。外科用ハブが距離及び焦点距離に対してカメラを較正し得るように、ハブカメラビュー内の較正マーカの事前定義されたセットが固定され得る。外科用ハブは、それ自体からOR内の別の較正プリセットスケールまでの正確な長さを判定し得、測定値及びスケールを使用して、カメラ及び焦点距離を較正し得る。
【0190】
例えば、外科用ハブは、測定システムを介して正確な距離を判定し得る。例えば、レーザドップラー、超音波ピンギング、RF、及び/又は他のエネルギーデジタル通信を利用する測定システムは、距離測定を実施し、測定値を外科用ハブに送信し得る。測定システムは、外科用ハブに含まれ得る。
【0191】
距離は、能動的及び/又は受動的電子信号処理から推測され得る。例えば、信号強度を監視し、放出電力、放出デバイスアンテナ経路、フライト経路、受信デバイスアンテナ経路、及び/又は受信機感度を補償することによって、2つのペアリングされたシステム又はデバイス間の距離、2つのシステム又はデバイス間の距離が判定され得る。例えば、UHF又はHF RFIDタグ付きオブジェクトは、未知のタグと組み合わせて、事前定義されたタグ及び距離の組み合わせを通して追跡され得る。タグは、製品、デバイス、又は器具を識別するために使用され得、識別されると、製品、デバイス、又は器具がOR内で追跡されることを可能にし得る。タグは、識別された製品、デバイス又は器具に関する更なる情報を提供し得る。RFIDマップは、RFIDリーダアンテナによって検出された任意の未知のタグの位置を特定するために、既知の場所(例えば、ランドマーク)を有するパッシブ又はアクティブ基準タグから生成され得る。リーダと共通の検出されたタグとの間の距離は、大規模経路損失伝搬モデルを使用して測定され得る。未知のタグと検出されたランドマークとの間の距離(例えば、タグ間距離)が計算され得る。
【0192】
ミリ波レーダは、オブジェクトを追跡するために使用され得る。ミリ波レーダは、数マイクロメートル程度の精度を達成し得る。周波数変調連続波(frequency-modulated continuous wave、FMCW)を使用して動作するレーダでは、レーダビート信号の周波数及び/又は位相を使用して、レーダセンサとレーダ信号が反射されたオブジェクトとの間の距離を判定し得る。
【0193】
手術室の境界のマッピング又は評価が実施され得る。例えば、外科用ハブ20006は、その手術室を周期的にマッピングすることによって、動作中の空間認識を維持し得、これは、外科用ハブ20006が移動されたかどうかを判定する際に役に立つことができる。再評価は、周期的に実施することができ、又は手術室内にあると見なされるHCP監視システム20002のデバイスの変化を観察するなどのイベントによってトリガすることができる。変化は、手術室の境界内にあると以前に見なされなかった新しいデバイスの検出であり得る。変化は、以前に手術室内に常駐すると見なされたペアリングされたデバイスの消失、切断、又はペアリング解除であり得る。外科用ハブ20006は、ペアリングされたデバイスとの接続を連続的に監視して、ペアリングされたデバイスの消失、接続解除、又はペアリング解除を検出し得る。
【0194】
手術室マッピングモジュールは、コンパス及び統合Bluetoothトランシーバを含有し得る。病院環境又は地理的位置によって顕著に影響されない他の通信機構が利用され得る。Bluetooth Low Energy(BLE)ビーコン技術は、約1~2メートルの精度で屋内距離測定を達成し得、より近位(0~6メートル以内)での改善された精度を有する。距離測定の精度を改善するために、コンパスがBLEとともに使用される。手術室マッピングモジュールは、BLE及び/又はコンパスを利用して、モジュールが患者に対してどこに位置しているかを判定し得る。例えば、互いに対向する2つのモジュール(コンパスによって検出される)は、それらの間の距離が1メートル超である状態で、モジュールが患者の両側にあることを明確に示し得る。手術室内により多くの「ハブ」対応モジュールが存在すると、三角測量技法に起因して、達成可能な精度がより高くなる。手術室マッピングモジュールは、本明細書に記載されるように、外科用ハブ20006内に含まれ得る。手術室マッピングモジュールは、本明細書に記載されるように、外科用ハブ20006と動作可能に通信し得る。
【0195】
手術室マッピングモジュールは、手術室内に常駐するデバイス及び/又は外科用モジュールの物理的場所をマッピングし得る。この情報は、ユーザインターフェースによって使用されて、手術室の仮想マップを表示し得、ユーザが、どのモジュールが存在して有効化されているか、及びそれらの現在の状態をより容易に識別することを可能にする。外科用ハブ20006によって収集されたマッピングデータは、例えば、手術室が物理的にどのようにセットアップされているかを識別するために分析され得る。
【0196】
例えば、外科用ハブ20006は、送信無線信号強度及び方向を評価することによってデバイスの位置を判定し得る。Bluetoothプロトコルについて、受信信号強度インジケーション(Received Signal Strength Indication、RSSI)は、受信された無線信号強度の測定値である。一態様では、HCP監視システム20002のデバイスは、USB Bluetoothドングルを備えることができる。外科用ハブ20006は、USB Bluetoothビーコンをスキャンして距離情報を取得し得る。例えば、可変減衰器を有するBluetoothアクセスポイント上の複数の高ゲインアンテナは、RSSI測定よりも正確な結果を生成し得る。ハブ外科用ハブ20006は、複数のアンテナからの信号強度を測定することによってデバイスの場所を判定し得る。
【0197】
外科用ハブ20006は、HCP監視システム20002の構成要素が手術室に持ち込まれると、それらを識別することができる。例えば、HCP監視システム20002のデバイスは、例えば、バーコード又はRFIDタグなどの外科用ハブ20006によって認識可能な識別子を備えることができる。NFCもまた、利用され得る。外科用ハブ20006は、手術室内に持ち込まれたデバイスを検出するための好適なリーダ又はスキャナを備え得る。手術室における外科用ハブの空間認識に関連する詳細は、2018年3月29日に出願された「SPATIAL AWARENESS OF SURGICAL HUBS IN OPERATING ROOMS」と題された米国特許出願第15/940,666号に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0198】
コンピューティングシステムは、図1図3に関して本明細書で記載されるようなHCP監視システム20000、20002、20003、又は20004などのHCP監視システムであり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、HCP監視システム20000、20002、20003、及び/又は20004に動作可能に接続されたコンピューティングシステムであり得る。コンピューティングシステムは、図9に関して本明細書に記載されるコンピューティングシステム20271であり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、例えば、図4に関して本明細書に記載されるコンピュータシステム20063であり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、例えば、図4に関して本明細書に記載されるコンピュータシステム20064であり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、図1図3に関して本明細書に記載されるような外科用ハブ20006、図4の外科用ハブシステム20060、図5のコンピュータ実装双方向外科用システム20070、図7の外科用ハブ若しくはコンピューティングデバイス20243、図9の外科用ハブ20270、図10のコンソール20294、及び/又は図11の外科用ハブ5104であり得るか、又はそれらを含み得る。例えば、コンピューティングシステムは、1つ又は2つ以上の外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得し得る。外科処置は、1つのOR又は複数のORで起き得る。
【0199】
外科用監視データは、外科用ハブを介して取得され得る。例えば、外科用ハブは、図1に関して本明細書に説明されるウェアラブル感知システム20011及び/又は環境感知システム20015などの様々な感知システムから外科用監視データを取得し得る。外科用ハブは、図11に関して本明細書に説明されるように、HCP監視デバイス35510、環境監視デバイス35512、患者監視デバイス5124、及び/又はモジュール式デバイス5102から外科用監視データを取得し得る。
【0200】
コンピューティングシステムは、図1に関して本明細書に説明されるウェアラブル感知システム20011及び/又は環境感知システム20015などの様々な感知システムから外科用監視データを取得し得る。外科用監視データは、図11に関して本明細書に記載されるように、HCP監視デバイス35510、環境監視デバイス35512、患者監視デバイス5124、及び/又はモジュール式デバイス5102から取得され得る。
【0201】
コンピューティングシステムは、複数の外科処置に関連付けられた外科リソース監視データを取得し、外科リソース監視データに基づいて外科リソース効率を判定し、判定された外科リソース効率に基づいて出力を生成し得る。出力は、効率を改善するための制御信号を含み得るが、これに限定されない。例えば、コンピューティングシステムは、複数の外科処置に関連付けられた外科リソース監視データを集約し、集約された外科リソース監視データに基づいて外科リソース効率を判定し得る。
【0202】
手術室に関連付けられた監視データに基づく手術室システムの適応的な制御のためのシステム、方法、及び手段が開示される。手術室内の監視システムは、例えば、手術室内で治療されている患者、外科処置に参加している医療専門家、及び手術室内の環境に関するデータを収集するように構成され得る。収集されたデータは、監視データと称され得、外科用コンピューティングシステムに通信され得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データを受信し得、監視データに基づいて、手術室に関連付けられた様々なシステムを制御するためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室内で進行中の外科的タスクを考慮して、受信された監視データを評価し得る。例えば、手術室システムの制御のためのパラメータを判定する際に、外科用コンピューティングシステムによって、進行中の外科的タスクの相対的重要性又は有意義さが考慮され得る。外科用コンピューティングシステムは、パラメータを手術室システムに通信し得る。パラメータは、例えば、照明(例えば、周囲及び焦点)システム、空気濾過及び抽出システム、排煙システム、サウンドシステム、ビデオシステム、及び/又はディスプレイモニタシステムにおいて受信され得る。システムは、受信されたパラメータに基づいてそれらの動作を修正し得る。
【0203】
監視データを評価し得る外科用コンピューティングシステムは、図2に関して本明細書に記載されるような外科用ハブ20002を含み得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、図2に記載されるようなクラウドコンピューティングシステム20008と通信する外科用ハブ20006を含み得る。クラウドコンピューティングシステム20008は、少なくとも1つのリモートクラウドサーバ20009と、少なくとも1つのリモートクラウドストレージユニット20010と、を含み得る。コンピューティングシステムは、図1図3に関して本明細書で記載されるようなHCP監視システム20000、20002、20003、又は20004などのHCP監視システムであり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、HCP監視システム20000、20002、20003、及び/又は20004に動作可能に接続されたコンピューティングシステムであり得る。コンピューティングシステムは、図9に関して本明細書に記載されるコンピューティングシステム20271であり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、例えば、図4に関して本明細書に記載されるコンピュータシステム20063であり得るか、又はそれを含み得る。
【0204】
外科用監視データは、外科用ハブを介して取得され得る。例えば、外科用ハブは、図1に関して本明細書に説明されるウェアラブル感知システム20011及び/又は環境感知システム20015などの様々な感知システムから外科用監視データを取得し得る。外科用ハブは、図11に関して本明細書に説明されるように、HCP監視デバイス35510、環境監視デバイス35512、患者監視デバイス5124、及び/又はモジュール式デバイス5102から外科用監視データを取得し得る。
【0205】
図12は、手術室を監視し、手術室システムに関連付けられたパラメータを判定することに関連付けられた例示的な処理のフロー図を示す。図示のように、37110において、図1図3に関して本明細書に説明されるようにHCP監視システム20002、20003、又は20004であり得るHCP監視システムは、データを監視し得る。HCP監視システムは、ORに関連付けられたデータを監視し得る。監視データは、1つ又は2つ以上の外科処置に関連付けられたデータを含み得る。外科処置は、1つのOR又は複数のORで起き得る。監視データは、HCP、患者、外科用器具、外科用機器、及び/又は外科用デバイスに関連付けられたデータを含み得る。外科用デバイスは、外科用アクセスデバイスを含み得る。監視データは、位置決めに関連付けられたデータを含み得る。
【0206】
HCP監視システムは、OR室撮像システムを含み得る。HCP監視システムは、1つ又は2つ以上の感知システムを含み得る。1つ又は2つ以上の感知システムは、図2に関して本明細書に記載されるような外科医感知システム20020であり得る。外科医感知システムは、HCPによって装着され得る。外科医感知システムは、HCPに関連付けられたバイオマーカを監視し得る。1つ又は2つ以上の感知システムは、患者感知システムを含み得る。患者感知システムは、例えば、患者によって装着され得る。患者感知システムは、患者に関連付けられたバイオマーカを監視し得る。
【0207】
HCP監視システムは、例えば、OR内の環境などの1つ又は2つ以上の環境を感知するための1つ又は2つ以上の環境感知システムを備え得る。環境感知システムは、例えば、図1図10に関連して上記に記載されたもののような1つ又は2つ以上の環境感知システム20015を備え得る。環境感知システムは、図2において本明細書に記載されるようなカメラ20021のセットであり得るカメラを含み得る。環境感知システムは、図2において本明細書に記載されるようなマイクロフォン20022のセットであり得るマイクロフォンを含み得る。環境感知システムは、手術室内に展開され得る他のセンサを含み得る。例えば、環境感知システムは、手術室内に展開され得る、カメラ、マイクロフォン、及び他のセンサのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。例えば、HCP監視システムは、1つ又は2つ以上のOR室撮像システム、外科医感知システム、患者感知システム、又は環境感知システムを含み得る。
【0208】
HCP監視システムは、RFシステムを含み得る。RFシステムは、スマートかつ自己識別型であり得る。例えば、RFIDタグが使用され得る。RFIDタグは、HCPを識別するために使用され得る。RFIDタグは、HCPの場所を判定するために使用され得る。RFIDタグは、外科用器具を識別するために使用され得る。RFIDタグは、外科用器具場所を識別するために使用され得る。
【0209】
HCP監視システムは、OR内のHCPに関連付けられたデータを監視し得る。HCP監視システムは、OR内のHCPの位置決めに関連付けられたデータを監視し得る。HCPの位置決めに関連付けられた監視データは、OR内のHCPの場所を含み得る。HCPの位置決めに関連付けられた監視データは、HCPの姿勢を含み得る。HCPの位置決めに関連付けられた監視データは、例えば、身長、腕の長さ、手の形、手の長さ、腰の幅、肩幅、年齢などのHCPの特性を含み得る。HCPの位置決めに関連付けられた監視データは、HCPの頭又は眼の位置を含み得る。HCPの頭又は眼の位置は、例えば、HCPが見ている方向などの視野角を含み得る。
【0210】
HCP監視システムは、OR内の患者に関連付けられたデータを監視し得る。HCP監視システムは、OR内に位置決めされた患者に関連付けられたデータを監視し得る。患者の位置決めに関連付けられた監視データは、例えば、身長、体重、腰の高さ、肩の高さなどの患者の特性を含み得る。患者の位置決めに関連付けられた監視データは、OR内のベッド上の患者の位置を含み得る。患者の位置決めに関連付けられた監視データは、OR内の患者の場所を含み得る。患者の位置決めに関連付けられた監視データは、OR内のHCPの場所に対する患者の場所を含み得る。患者の位置決めに関連する監視データは、トロカール場所を含み得る。
【0211】
HCP監視システムは、OR内の外科用機器に関連付けられたデータを監視し得る。外科用機器は、外科用器具、外科用デバイス、ロボット外科用機器などを含み得る。外科用デバイスは、外科用アクセスデバイスを含み得る。HCP監視システムは、OR内に位置決めされた外科用機器に関連付けられたデータを監視し得る。HCP監視システムは、手術台に関連付けられたデータを監視し得、手術台は、図2に関して本明細書に記載されるような手術台20024であり得る。HCP監視システムは、例えば、メイヨスタンドなどの手術台及び/又は手術トレイに関連付けられたデータを監視し得る。例えば、HCP監視システムは、外科用器具の移動に関連付けられたデータを監視し得る。
【0212】
HCP監視システムは、視覚ディスプレイに関連付けられたデータを監視し得る。HCP監視システムは、外科用ディスプレイに関連付けられたデータを監視し得る。例えば、監視データは、視覚ディスプレイの位置決めに関連付けられたデータを含み得る。視覚ディスプレイの位置決めに関連付けられたデータは、視覚ディスプレイの場所を含み得る。視覚ディスプレイの位置決めに関連付けられたデータは、視覚ディスプレイの角度を含み得る。視覚ディスプレイの位置決めに関連付けられたデータは、視覚ディスプレイの場所及び角度を含み得る。監視データは、視覚ディスプレイに関連付けられたディスプレイ設定を含み得る。ディスプレイ設定は、視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。
【0213】
HCP監視システムは、オブジェクト検出を実施するように適合され得る。HCP監視システムは、例えばOR内のオブジェクトを追跡するためにオブジェクト検出を実施し得る。移動オブジェクト検出は、所与の場所又は領域における人又はオブジェクトの物理的な移動を認識するために実施され得る。移動オブジェクトと静止エリア又は領域との間でセグメント化を行うことによって、移動オブジェクトの動きが追跡され得、したがって、後で分析され得る。移動オブジェクト検出は、背景減算、フレーム差分、時間差分、及び又はオプティカルフロー分析を介して実施され得る。
【0214】
HCP監視システムは、RFシステムを使用して、OR内のHCP及び外科用機器の位置を特定し得る。RFシステムは、スマート及び自己識別RFシステムであり得る。空間識別センサを使用して、HCP、器具、機器、及び/又は境界の位置が特定され得る。HCP、機器及び/又は境界の位置は、無線センサ及びビーコンを介して、部屋及び/又は患者に対して追跡され得る。RFIDタグは、器具及び/又はHCPに取り付けられ得る。外科用器具又はHCPは、固有のRFID識別に関連付けられ得る。RFIDタグに基づいて、外科用器具及びHCPの場所が監視及び/又は追跡され得る。
【0215】
HCP監視システムは、外科処置の前にORに関連付けられたデータを監視し得る。HCP監視システムは、OR内の様々な外科用機器及びHCPの場所、移動、及び/又は配向を監視し得る。例えば、ジャイロスコープ又は3軸加速度計が使用されて、配向及び位置を判定し得る。
【0216】
HCP監視システムは、例えば、腹腔鏡処置などの外科処置を記録し得る。HCP監視システムは、カメラ及び/又はマイクロフォンを使用して外科処置を記録し得る。
【0217】
37112において、HCP監視システムは、監視データを通信し得る。HCP監視システムは、監視データを、例えば外科用ハブ20006であり得る外科用コンピューティングシステムに通信し得る。監視データは、外科処置前、及び外科処置中に、連続的に集められ、通信され得る。
【0218】
37114に示されるように、外科用機器はデータを監視し得る。外科用機器は、図10に関連して記載したような外科用器具20282であり得る。外科用器具20282は、外科用器具の移動及び位置決めに関連付けられたユーザ入力などのデータを監視し得る。外科用器具20282は、加速度センサを使用して、外科用器具20282の移動及び位置決めを監視し得る。外科用器具20282は、外科用器具20282の配向を監視し得る。外科用器具20282は、外科用器具20282が特定の位置決めに維持される時間の長さを監視し得る。
【0219】
外科用機器は、視覚ディスプレイであり得、又は視覚ディスプレイを備え得る。例えば、外科用機器は、図2に関連して記載されるような主ディスプレイ20023であり得る。主ディスプレイ20023は、例えば、位置決めなどのデータを監視し得る。
【0220】
37116において、外科用機器は、監視データを通信し得る。外科用機器は、監視データを、例えば外科用ハブ20006であり得る外科用コンピューティングシステムに通信し得る。監視データは、外科処置前、及び外科処置中に、連続的に集められ、通信され得る。
【0221】
37118において、外科用コンピューティングシステムは、監視データを受信することを含み得る監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCP監視システムから監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科用機器から監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCP監視システム及び外科用機器から監視データを受信し得る。
【0222】
37120において、外科用コンピューティングシステムは、受信された監視データを処理し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室内で発生するノイズに関連付けられた監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室内のノイズに関連付けられた監視データに基づいて、ディスプレイシステム又はディスプレイモニタの動作を制御するための1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。パラメータは、ディスプレイ上の特定のデータに優先順位を付けるようにディスプレイを制御し得る。
【0223】
外科用コンピューティングシステムは、医療専門家の移動及び/又は位置決めに関連付けられた監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、医療専門家の移動及び/又は位置決めに関連付けられた監視データに基づいて、照明システムの動作を制御するための1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。パラメータは、医療専門家の焦点であるエリアに光を向けるように照明システムを制御し得る。
【0224】
外科用コンピューティングシステムは、手術室内の空気組成に関連付けられた監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、空気組成に関連付けられた監視データに基づいて、手術室内の1つ又は2つ以上の空気処理システムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。パラメータは、手術室内の空気流、空気圧、及び/又は空気濾過を調整するように空気処理システムを制御し得る。
【0225】
外科用コンピューティングシステムは、手術室内の個人又は空間の温度に関連付けられた監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、温度に関連付けられた監視データに基づいて、1つ又は2つ以上の温度制御システムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。パラメータは、手術室内の特定の場所における温度を上昇又は低下させるように温度制御システムを制御し得る。
【0226】
外科用コンピューティングシステムは、手術室内で発生するノイズに関連付けられた監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室内のノイズに関連付けられた監視データに基づいて、行われている外科手術プロセスの有意義さを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データ及び行われている外科手術プロセスの有意義さに基づいて、ディスプレイ上の情報の表示を順序付けするための1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。
【0227】
37122において、外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた適切なシステムにパラメータを通信し得る。例えば、パラメータが外科用デバイス又は外科用機器の制御に関連付けられている場合、パラメータはそのデバイスに通信される。パラメータが、例えば、手術室照明システム又はディスプレイシステムなどの手術室システムに関連付けられている場合、パラメータは、適切な手術室システムに通信される。
【0228】
37124において、外科用デバイス又は外科用機器は、外科用コンピューティングシステムからパラメータを受信し得る。外科用デバイス又は外科用機器は、動作を修正するように制御され得る任意のものであり得る。例えば、外科用機器は、外科用ナイフ、手術用ロボット、手術台、手術ベッドなどであり得る。
【0229】
37126において、外科用機器は、受信されたパラメータと一致するその動作を修正し得る。例えば、手術台は、その中に含まれる照明能力を有し得る。受信されたパラメータは、台によって生成される照明の強度を修正するように手術台に命令し得る。外科用ナイフは、その中に含まれる真空特徴部を有し得る。受信されたパラメータは、真空動作を増加させるように外科用ナイフに命令し得る。
【0230】
37128において、手術室システムは、外科用コンピューティングシステムからパラメータを受信し得る。例えば、手術室内の照明システムは、手術室内の照明の修正に関連付けられたパラメータを受信し得る。空気処理システムは、手術室内の空気の移動の修正に関連付けられたパラメータを受信し得る。ディスプレイシステムは、ディスプレイの輝度又はディスプレイ上で使用される色の暖かさの修正に関連付けられたパラメータを受信し得る。ディスプレイシステムは、外科用ディスプレイであり得、モニタを備え得る。
【0231】
37132において、手術室は、受信されたパラメータと一致するその動作を修正し得る。例えば、照明システムは、受信されたパラメータと一致する照明強度を修正し得る。照明システムは、パラメータと一致する医療提供者の移動に向けた光路を生成し得る。空気処理システムは、受信されたパラメータを用いて手術室構成成分内の空気のフローを修正し得る。ディスプレイシステムは、ディスプレイの輝度を修正するか、又はディスプレイによって使用される色の暖かさを修正し得る。
【0232】
外科用コンピューティングシステムは、特定の外科的イベントを監視し、外科的イベントが起こったことの検出に基づいて1つ又は2つ以上のシステムを制御するように構成されてもよい。例えば、外科用コンピューティングシステムは、特定の、例えば、重要な又は重大な外科的イベントを監視するように構成され得、イベントの検出に基づいて、特定のデータに優先順位付けするためにシステムに対するパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室のノイズレベル及び/又はスタッフの移動を監視して、1つ又は2つ以上の外科的イベントを識別し、1つ又は2つ以上の外科的イベントが識別された場合、1つ又は2つ以上のシステムを制御するためのパラメータを判定するように構成され得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、監視されたバイオマーカ及び/又はビデオのディスプレイを制御するためにシステムを制御するパラメータを判定し得る。パラメータは、特定のバイオマーカが強調表示されるか、又は優先順位付けされた方式でシステムを制御し得る。
【0233】
図12に戻って参照すると、外科的イベントの発生を監視することに関連して、37118において、外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた監視データを取得又は受信するように構成され得る。監視データは、例えば、手術室内のノイズ及び/又は移動に関連付けられたデータを含み得る。外科用コンピューティングシステムは、スタッフ活動及び/又は動きの緊急性に関連付けられた監視データを受信及び評価して、手術室内の患者の重大なイベントを識別し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、2021年1月22日に出願された「Situation Adaptable Surgical Instrument Control」と題する米国特許出願第17/156,300号(代理人整理番号END9290USNP3)に記載されているように、外科医バイオマーカデータに関連付けられた監視データを取得し、評価することができ、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。外科用コンピューティングシステムは、外科医バイオマーカデータに関連付けられた監視データを評価し得、バイオマーカデータに少なくとも部分的に基づいて、外科処置における特定のタスク又はイベントが実行されたか又は実行されていることを判定し得る。
【0234】
37120において、外科用コンピューティングシステムは、監視データに少なくとも部分的に基づいて、例えば、ディスプレイシステムなどの手術室システムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに少なくとも部分的に基づいて、外科処置における特定のイベントが手術室内で起きたか、又は起きていると判定し得る。
【0235】
外科用コンピューティングシステムが、1つ又は2つ以上の外科的イベントが起きたか、又は起きていると判定する場合、外科用コンピューティングシステムは、1つ又は2つ以上の手術室システムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、例えば、表示データ上のバイオマーカデータなどのデータの表示の優先順位付けに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。バイオマーカデータは、例えば、手術室内の患者及び/又は医療専門家のうちの1人又は2人以上に関連付けられ得る。
【0236】
37122において、外科用コンピューティングシステムは、例えば、1つ又は2つ以上のディスプレイシステムを含み得る手術室システムに1つ又は2つ以上のパラメータを通信し得る。37128において、パラメータは、手術室システムにおいて受信され得、37132において、パラメータは、システムの動作を修正するために使用され得る。例えば、パラメータは、ディスプレイの態様を修正するためにディスプレイシステムによって使用され得る。患者に関連付けられたバイオマーカデータは、ディスプレイシステム上で優先順位付けされ得る。
【0237】
外科用コンピューティングシステムは、スタッフ活動及び/又は動きの緊急性に関連付けられた監視データを分析して、患者の重大な外科的イベントを識別してもよく、活動の重大な立ち上がりの原因であり得る監視されたバイオマーカ、手術ビデオイベントなどの識別を開始し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置における特定の工程の識別及び/又は患者に対する問題の識別を利用し得る。外科用コンピューティングシステムは、システムパラメータを判定して、関連付けられたバイオマーカ及び/又はビデオの表示を優先順位付けし得る。パラメータは、特定の手術部位場所への焦点を増加させることを含むようにディスプレイシステムに命令し得る。パラメータは、ディスプレイシステムに、焦点を増加させ、及び/又はカメラを手術部位組織の中心に置くように命令し得る。パラメータは、関連するバイオマーカを表示するように1つ又は2つ以上のシステムを構成し得る。パラメータは、それらの特定のビデオフィードがディスプレイシステム上で優先順位付けされてディスプレイシステムに命令し得る。パラメータは、画面サイズ及び/又は他の可視性態様を増加させるようにディスプレイシステムに命令し得る。
【0238】
外科用コンピューティングシステムは、手術室データを監視するように構成され得、監視データに基づいて、手術室内の照明システムを制御するためのパラメータを判定し得る。コンピューティングシステムは、手術室内の1人又は2人以上の医療専門家に関連付けられた監視データを受信し得る。監視データは、医療専門家の焦点、医療専門家の場所、及び/又は医療専門家の活動に関連付けられたデータを含み得る。監視データは、行われている外科的タスクに関連するデータを更に含むことができる。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、手術室内の照明システムを制御又は調整するためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、医療専門家及び行われている外科的タスクに関連付けられた監視データに基づいて、手術室照明及び可視化を改善するためのパラメータを生成及び通信し得る。
【0239】
図12を参照すると、37118において、外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた監視データを取得又は受信し得る。監視データは、手術室内の医療専門家に関連付けられたデータを含み得る。医療専門家に関連付けられたデータは、例えば、医療専門家に関連付けられた活動、位置決め、及び/又は生体測定に関連するデータを含み得る。医療専門家に関連付けられたデータは、例えば、視覚焦点、実施されているタスク、又は医療専門家に関連付けられた位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたデータを含み得る。
【0240】
37120において、外科用コンピューティングシステムは、監視データに少なくとも部分的に基づいて、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上の照明システムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。監視データが医療専門家の視覚焦点に関連付けられたデータを含む場合、外科用コンピューティングシステムは、視覚焦点に関連付けられたデータに少なくとも基づいて、医療専門家の視覚焦点と一致する照明を調整するために1つ又は2つ以上の照明システムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。監視データが医療専門家によって実施されているタスクに関連付けられたデータを含む場合、外科用コンピューティングシステムは、実施されているタスクに関連付けられたデータに少なくとも基づいて、実施されているタスクと一致する照明を調整するために、1つ又は2つ以上の照明システムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。監視データが医療専門家の場所に関連付けられたデータを含む場合、外科用コンピューティングシステムは、医療専門家の場所に関連付けられたデータに少なくとも基づいて、医療専門家の場所と一致する照明を調整するために、1つ又は2つ以上の照明システムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムによって生成されるパラメータは、例えば、頭上ライト、ボビーライト、器具トレイに関連付けられたライト、フロアライト、レーザ光、及び周囲光を含む1つ又は2つ以上の照明システムに対するパラメータであり得る。
【0241】
37122において、外科用コンピューティングシステムは、ORに関連付けられたシステムに1つ又は2つ以上のパラメータを通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上の照明システムに、1つ又は2つ以上のパラメータを通信し得る。
【0242】
37128において、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムは、パラメータを受信し得る。37132において、1つ又は2つ以上のシステムは、受信されたパラメータに基づいて、それらの動作を修正し得る。例えば、1つ又は2つ以上の照明制御システムは、受信されたパラメータと一致する動作を修正し得る。例えば、1つ又は2つ以上の照明制御システムは、医療専門家の視覚焦点、実施されているタスク、及び/又は医療専門家の場所と一致するように光を焦点させるように動作を修正し得る。
【0243】
手術室内に位置する監視システムは、医療専門家の注意の焦点を判定するために、眼の動き及び場所を追跡することを含む、医療専門家の動きを追跡し得る。外科用コンピューティングシステムは、動き及び視覚焦点に関連付けられた監視データを受信し、医療専門家がより容易に見ることを可能にし得る周囲光源及び焦点光源を調整するために、パラメータを判定し得る。パラメータは、視覚化を改善するためにディスプレイモニタの視覚ディスプレイを修正することに向けられ得る。パラメータは、ディスプレイモニタのホワイトバランス及び/又はコントラストを修正し得る。パラメータは、使用されているディスプレイモニタを含む手術部位の視覚化を改善するために、手術室内の照明システムに向けられ得る。パラメータは、照明システムに、潜在的なグレアを低減するように、及び/又は照明を低下させてモニタの色及びコントラストを改善するように命令し得る。
【0244】
外科用コンピューティングシステムは、照明システムを制御するためのパラメータを生成して、衝突及びつまずく危険を最小限に抑え得る。腹腔鏡外科手術中、手術室の照明は、オフにされるか、又は最小限に抑えられ得、その結果、外科手術を実施する医療専門家以外の医療専門家が比較的暗い中で作業することをもたらし得る。照明の欠如は、衝突、つまずき、及び/又は誤った器具を選択するリスクを増加させ得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置の状態を示す監視データと、手術室内の医療専門家の動きに関連付けられたデータとを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、衝突のリスクが低減された経路を照明で示すように照明システムに命令するパラメータを生成することを判定し得る。パラメータは、医療専門家のための経路を照明するようにLED照明システムに命令し得る。
【0245】
外科用コンピューティングシステムは、器具交換及びメイヨスタンドに対する器具の取り扱いを容易にするために照明システムを制御するためのパラメータを生成し得る。外科手術中、タスクのために不正確な器具が、照明不足のために不注意に取り出されることがある。不適切に照明されたエリアで外科手術を実施することは、遅延又は焦点の乱れを引き起こすことがある。監視システムは、使用中の器具及び外科処置における現在の工程に関連付けられた監視データを識別及び通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、受信した監視データに基づいて、医療専門家に視覚的合図を提供するための手術室照明システムに対するパラメータを判定し得る。パラメータは、次の工程に適切であり得る1つ又は2つ以上の外科用器具を医療専門家に提案するための光を生成するようにLED照明システムに命令し得る。スポットライト、LEDインジケータ、又は何らかの他の視覚的合図が、適切な器具に焦点を合わせられ得る。外科用コンピューティングシステムはまた、1つ又は2つ以上の照明システムを制御して外科用器具の戻り位置を示すためのパラメータを生成し得る。パラメータは、照明システムに、器具が配置され得る場所へのLED指示又はスポットライトを生成させ得る。示される場所は、床に落ちることを回避するために比較的安全である場所、及び/又は医療専門家にとって人間工学的に効率的である場所であり得る。
【0246】
外科用コンピューティングシステムは、注意散漫並びにスクリーン及び視覚映像化の飽和を最小限に抑えるように、手術室内の照明システムを制御するパラメータを生成し得る。
【0247】
ヒトコルチゾールレベルは、人工的又は不十分な照明条件下で著しく低下し得る。ヒトはストレスを受け、エネルギーレベルを安定化する能力が低いことがある。薄暗い光及び多すぎる人工光への暴露は、人を眠くさせ、及び/又はストレスを受けさせ得る。外科用コンピューティングシステムは、医療専門家の視覚的合図に関連付けられた監視データを受信してもよく、焦点を増加させるように照明システムを制御するためのパラメータを生成し得る。パラメータは、医療専門家の注意力を高めるために光の強度及び/又は色温度を調整し得る。
【0248】
図13は、外科処置中の手術室の監視された態様に基づく照明システムの例示的な適応的な制御を示す例示的なタイミングチャートを示す。外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた監視データを受信し得、受信された監視データに基づいて照明システムを制御するためのパラメータを生成し得る。図13を参照すると、セクションAにおいて、ロボット制御活動に応答する照明システムの例示的な適応的な制御が示されている。セクションAの上のグラフ部分では、経時的なロボット外科的制御の使用が示されており、時間は左から右に延びている。セクションAの下のグラフ部分では、時間にわたって、かつ外科用コンピューティングシステムから受信されたパラメータに応答して、ルーメンで測定され得る照明システムの動作が示されている。セクションAの上のグラフ部分に示されるように、最初はロボット制御は使用されていない。この使用されていない期間中、頭上照明システムは、天井照明システムに白色光を生成させ得るパラメータを外科用コンピューティングシステムから受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置が間もなく起き得ることを示す監視データを受信し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、医療専門家及び/又は外科処置の開始と一致する器具の移動を示すデータを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、ボビー照明と呼ばれ得る外科用照明を照明するためのパラメータを生成して通信し得る。それに応答して、セクションAの下のグラフ部分に示されているように、外科用照明又はボビー照明は、時間t1(セクションAの上のグラフ部分に示されている)において開始し得る。
【0249】
セクションAの上のグラフに示されるように、時間t2において、医療専門家、例えば、外科医は、手術用ロボットを制御するためのコンソールに移行し得る。外科用コンピューティングシステムは、医療専門家がコンソールに移行したことを示す監視データを受信し得る。それに応答して、外科用コンピューティングシステムは、手術室内の照明システムを制御するためのパラメータを生成し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、頭上照明を白色天井照明から青色天井照明に移行させ、照明の強度を低減するためのパラメータを生成し得る。図示のように、時間t3(セクションAの上のグラフ部分に示される)において、頭上照明システムは、強度(例えば、ルーメン)を低減し、色を青色に変更し得る。時間t4(セクションAの上のグラフ部分に示される)において、医療専門家は、ロボット制御コンソールからの移行を始め得る。ロボット制御からの移行を示す監視データを受信することに応答して、外科用コンピューティングシステムは、セクションAの下のグラフ部分に示されるように、強度を増加させるためにパラメータを生成し、頭上照明システムに通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、時間t5(セクションAの上のグラフ部分に示される)においてロボットから医療専門家が移行すると、強度を増加させるためのパラメータをボビー照明システムに通信し得る。時間t6(セクションAの上のグラフ部分に示される)において、医療専門家がロボットコンソールに再び移行し始めるとき、外科用コンピューティングシステムは、前述したのと同様の方式で頭上照明及びボビー照明を修正するためのパラメータを生成し得る。
【0250】
外科用コンピューティングシステムは、医療専門家が再びロボットから移行して、他の外科工程を開始した可能性があることを示す監視データを受信し得る。ロボット外科工程が終了したことを示す受信された監視データに応答して、外科用コンピューティングシステムは、手術室内の照明システムの動作を修正するためのパラメータを生成し、通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、時間t7において示されるように、天井照明システムに白色光を生成させるためのパラメータを生成し得る。
【0251】
図13を参照すると、セクションBにおいて、手術室における外科用デバイスの取り扱いに応答した照明システムの例示的な適応的な制御が示されている。セクションBの上のグラフ部分では、外科用器具のハンドオフがインパルスによって表されている。図示のように、多数の機器ハンドオフが、左から右に示された時間にわたって実施される。セクションBの下のグラフ部分では、時間にわたって、かつ外科用コンピューティングシステムから受信されたパラメータに応答して、ルーメンで測定され得る照明システムの動作が示されている。セクションBの実施例では、器具トレイに関連付けられた照明システムの動作が示されている。
【0252】
セクションBの上の部分に示されるように、外科医がロボット外科的制御に入る前の期間に対応する時間t2(セクションAの上のグラフに示される)の前の期間中、トロカール及び/又はスコープであり得る外科用器具のいくつかのハンドオフが起き得る。時間t2の前のこの期間中、セクションAで述べたように、白色天井照明が手術室で使用され得る。器具トレイに関連付けられた照明システムは、白色天井照明が利用される時間中、必要とされなくてもよい。時間t3において、セクションAに示されるように、医療専門家がロボット外科手術システムの使用を始め、頭上照明が低減され、青色の色合いを呈するとき、外科用コンピューティングデバイスは、セクションBの下の部分において時間t3において始まるものとして示されるように、器具トレイの照明に関連付けられた照明システムにパラメータを通信し得る。外科医がロボット外科用デバイスを使用している初期期間を表す時間t3とt4との間の期間中、器具トレイが照明される。セクションBの上の部分におけるインパルスによって示されるように、この期間の間に器具ハンドオフが起きるときに、外科用コンピューティングシステムは、外科用器具の処理中に追加の光を提供するために、ルーメンのインパルスによって示されるように、器具トレイ照明を増加させるためのパラメータを通信する。時間t4と時間t5との間の期間中、医療専門家がロボット制御を使用しておらず、(セクションAの下の部分に示されるように)頭上青色照明が上昇されているときに、器具トレイは、外科用デバイスのハンドオーバが実施される事例であっても照明されないことがある。医療専門家がロボット外科用デバイスを再び動作させる時間t6から始まって、外科用コンピューティングシステムは、照明システムが手術トレイを照明するためのパラメータを通信する。セクションBの上のグラフのインパルスによって示されるように、この期間中に器具ハンドオフが起きるときに、外科用コンピューティングシステムは、セクションBに示される下のグラフにおけるルーメンのインパルスによって示されるように、器具トレイに提供される照明の強度を増加させるために、照明システムにパラメータを通信する。セクションAの下のグラフに示されるように、低減された青色天井照明の終了及び白色天井照明の再係合に対応する時間t7の後、照明システムは、器具トレイへの光の適用を停止し得る。
【0253】
図13を参照すると、セクションCにおいて、手術室における医療専門家の往来に応答した照明システムの例示的な適応的な制御が示されている。セクションCの上のグラフ部分では、医療提供者に関連付けられた手術室内の移動の期間がインパルスによって表されている。図示のように、医療提供者による多数の移動が時間にわたって発生する。例えば、手術室内の移動は、手術室に出入りする往来、ロボット外科用器具を使用する位置への外科医の出入りの移動、外科用器具の受け渡しなどに対応し得る。セクションCの下のグラフは、床照明システムの起動を示す。床照明システムは、例えば、手術室内の人及び移動を向けるレーザ又はLED照明と、手術台などの手術室内の機器に関連付けられ、機器のエリア内の床の照明を提供する照明と、を備え得る。セクションCに示されるように、医療提供者の移動及び往来が発生するときに、セクションCの上のグラフに示されるインパルスによって示されるように、フロア照明システムは、セクションCの下のグラフの対応するインパルスによって示されるように起動される。外科用コンピューティングシステムは、医療専門家の移動に関連付けられた監視データを受信し得、パラメータを生成して、フロア照明システムに通信し得る。セクションAに示されるように、ロボット外科用システムの制御の間に青色天井照明が起動される期間中、例えば、アンダーベッド照明などの照明が、セクションCの下のグラフに示されるように起動され得る。床照明の振幅は、周囲光を調整するために、異なる時点で変動し得る。
【0254】
図13を参照すると、セクションDにおいて、周囲光に応答した、又はそれに基づくディスプレイモニタ特徴部の例示的な適応的な制御が示されている。セクションDの上のグラフでは、ディスプレイモニタの近くで測定された周囲光レベルが経時的にグラフ化されている。図示のように、測定された周囲光は、経時的に変動し得、例えば、ドア開閉、天井照明システムの調整、ロボット外科手術の使用中の青色照明の実装などの手術室内の活動を反映し得る。図示のように、天井照明システムが白色照明を生成するとき、モニタにおける周囲光は比較的より高くなり得、青色天井照明がロボット外科手術中に利用され得るときに、モニタにおける周囲光は比較的低くなり得る。
【0255】
セクションDの中央のグラフは、経時的にディスプレイモニタに適用される、ルーメンで測定され得る輝度を示す。外科用コンピューティングシステムは、手術室内の周囲光に応答してディスプレイモニタ輝度を制御し得る。図示されるように、周囲光が増加するにつれて、モニタの輝度は、増加する周囲光の期間中に可視性を維持するために上方に調整され得る。ロボット外科手術の期間に対応し得るような比較的低い周囲光の期間中、モニタの輝度は、下方に調整され得る。モニタ輝度は、ディスプレイモニタにおいて好ましいコントラストを維持するように周囲光に追従し得る。
【0256】
セクションDの下のグラフは、経時的にディスプレイモニタで利用され得る色を示す。0を超える値は暖かい色と呼ばれ得、0未満の値は冷たい色と呼ばれ得る。図示のように、比較的高い周囲光及び対応する比較的高いモニタ輝度の期間中、モニタディスプレイ色は、比較的冷たい温度に調整され得る。周囲光が比較的低く、それに対応してモニタ輝度が比較的低い期間中、モニタディスプレイ色は、比較的暖かい温度に調整され得る。図示のように、ロボット外科手術が起きている可能性のある期間中、比較的低い周囲光の期間に対応して、外科用コンピューティングシステムは、表示のためにより暖かい色を使用するように調整するために、パラメータをディスプレイモニタに通信し得る。
【0257】
外科用コンピューティングシステムは、手術室データを監視するように構成され得、監視データに基づいて、手術室内の空気流及び/又は濾過を修正するように手術室に関連付けられた空気処理制御システムに命令すると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、手術室内の空気の質及び/又は空気中の空気微粒子に関連付けられ得る監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、空気処理及び濾過システムの動作を制御又は調整するためのパラメータを判定し得る。パラメータは、外科的隔離、排煙、及び/又は空気濾過を実施する手術室システムを調整し得る。
【0258】
図12を参照すると、37118において、外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた監視データを取得又は受信し得る。監視データは、手術室内の空気組成に関連付けられたデータを含み得る。手術室内の空気組成に関連付けられたデータは、空気中の微粒子に関連付けられたデータを含み得る。
【0259】
37120において、外科用コンピューティングシステムは、監視データに少なくとも部分的に基づいて、手術室内の1つ又は空気処理システムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。1つ又は2つ以上の空気処理システムは、例えば、空気濾過システム、煙評価システム、空気ハンドラシステム、又は空気圧システムのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。監視データが、手術室内の空気中の微粒子に関連付けられたデータを含む場合、外科用コンピューティングシステムは、手術室内の空気流を調整するために、1つ又は2つ以上の空気ダクト制御装置に対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室内の空気流を調整するために、1つ又は2つ以上の空気圧制御装置に対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室内の煙を調整するために、1つ又は2つ以上の排煙制御装置に対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。
【0260】
37122において、外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられたシステムに1つ又は2つ以上のパラメータを通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上の空気処理システムに、1つ又は2つ以上のパラメータを通信し得る。
【0261】
37128において、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムは、パラメータを受信し得る。37132において、1つ又は2つ以上のシステムは、受信されたパラメータに基づいて、それらの動作を修正し得る。例えば、1つ又は2つ以上の空気処理システムは、受信されたパラメータに応答して、手術室の特定の部分から空気を排出するために、空気濾過システムによって処理される空気のボリュームを増加させるために、及び/又は手術室の特定の部分における空気流の圧力を増加させるために、動作の強度を増加させ得る。
【0262】
手術室環境は、手術部位感染率に寄与すると考えられてきた。手術室の空気の質、気流の途絶、及び他の要因は、汚染リスクを増加させ得る。空気微粒子数(air particulate count、APC)は、歩行での往来の増加、手術室へのドアの開放、機器の移動、及び手術室内で起き得る他の活動によって影響を受け得る。これらの活動は、細菌拡散を上昇させる可能性を有する。外科用コンピューティングシステムは、空気微粒子及びビデオ又はRFIDタグに関連付けられた監視データを受信し得、手術室内の活動の場所を識別し得る。外科用コンピューティングシステムは、ダクト及び/又は空気制御弁を制御するためのパラメータを判定して、空気流を変更し、清浄な空気流を移動エリアに向け得る。外科用コンピューティングシステムは、ビデオデータを監視して、機器が移動されようとしていることを識別し得、空気流に影響を与えるパラメータで応答し得る。例えば、モニタ又は外科用ディスプレイが移動される場合、外科用コンピューティングシステムは、空気処理システムに、空気流を外科医及び/又は他のスタッフの方向からモニタ又は外科用ディスプレイに向けさせるパラメータを通信して、空気微粒子の監視データが許容可能になるまで、空気を手術部位から離れるように向ける。外科用監視システムは、ビデオ及びRFIDタグに関連付けられたデータを受信してもよく、そのデータに基づいて、スタッフメンバーが手術室に入っているか又は出ているかを判定し得る。外科用監視システムは、空気処理システムに、空気流の方向及び/又は空気流の速度を、外科医及び/又はスタッフの方向からドアに向かって変更させるパラメータを判定し、通信し得る。追加の流れは、手術部位から微粒子を向けることができ、空気微粒子監視が読み取り値が許容可能であることを示すまで継続し得る。
【0263】
手術室環境は、空気流を制御し、空気圧を制御し、空気を濾過するために、手術室内に正圧及び負圧を生成するように適合される、1つ又は2つ以上の空気処理システムを有し得る。往来の増加、ドアの開放、及び/又は機器の移動に関連付けられた潜在的な細菌拡散に対抗するために、外科用コンピューティングシステムは、空気処理システムを制御するためのパラメータを判定して、空気微粒子監視が読み取り値が許容可能であることを示すまで、負の空気圧を生じさせ空気を手術部位から引き離し得る。
【0264】
外科的排煙システムは、レーザ及び電気外科用ユニットの使用中に生成され得る煙エアロゾル及びガスを手術部位で捕捉するために使用され得る高流量真空源であり得る。米国労働安全衛生局は、毎年500,000人の労働者がレーザ及び電気外科的煙に曝露され得ると推定している。外科用マスクの使用だけでは、外科的煙からの十分な保護を提供しないことがある。外科用コンピューティングシステムは、手術室の空気中の微粒子に関連付けられた監視データを受信し得、ビデオデータは、排煙が必要とされ得るときを識別し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、手術エリア内の煙の量を低減するためのパラメータを生成し、1つ又は2つ以上の排煙システムに通信すると判定し得る。パラメータは、手術エリアから煙を除去する真空ポンプの動作レベルを制御し得る。
【0265】
外科用コンピューティングシステムは、手術室データを監視するように構成され得、監視データに基づいて、手術室に関連付けられた加熱及び/又は冷却制御システムに室温を低下又は上昇させるように命令すると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、患者及び/又は医療専門家のバイオマーカに関連付けられ得る、監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、手術室に関連付けられた加熱及び/又は冷却システムを制御するためのパラメータを判定し得る。加熱及び/又は冷却システムは、周囲及び/又は局所的制御システムであり得る。室温制御は、患者又は医療専門家のバイオマーカ追跡に基づき得る。
【0266】
図12を参照すると、37118において、外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた監視データを取得又は受信し得る。監視データは、手術室に位置する患者及び/又は医療専門家のうちの1人又は2人以上に関連付けられたバイオマーカデータを含み得る。バイオマーカデータは、例えば、患者又は医療専門家のうちの1人又は2人以上に関連付けられた体温に関連付けられたデータを含み得る。
【0267】
37120において、外科用コンピューティングシステムは、監視データに少なくとも部分的に基づいて、手術室内の1つ又は2つ以上の温度制御システムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。患者又は医療専門家のうちの1人又は2人以上に関連付けられた体温に関連付けられた監視データが、外科用コンピューティングシステムによって閾値未満であると判定された場合、外科用コンピューティングシステムは、空気温度を上昇させる1つ又は2つ以上の温度制御システムに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。患者又は医療専門家のうちの1人又は2人以上に関連付けられた体温に関連付けられた監視データが、外科用コンピューティングシステムによって閾値を上回ると判定された場合、外科用コンピューティングシステムは、空気温度を上昇させる1つ又は2つ以上の温度制御システムに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。
【0268】
37122において、外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられたシステムに1つ又は2つ以上のパラメータを通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上の温度制御システムに1つ又は2つ以上のパラメータを通信し得る。
【0269】
37128において、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムは、パラメータを受信し得る。37132において、1つ又は2つ以上のシステムは、受信されたパラメータに基づいて、それらの動作を修正し得る。例えば、1つ又は2つ以上の温度制御システムは、受信されたパラメータと一致する空気温度を上昇又は低下させるように動作を修正し得る。
【0270】
外科用コンピューティングシステムは、手術室内の患者及び/又は医療提供者に関連付けられたバイオマーカデータを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、患者及び/又は医療提供者のバイオマーカデータに関連付けられた監視データに基づいて温度制御システムを制御するためのパラメータを生成し得る。外科用コンピューティングシステムは、温度を制御するためのパラメータを判定する際に、バイオマーカレベル、処置タイプ、及び/又は処置工程の重要性を更に評価し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置に重大な生体機能を制御するための手段として、快適又は通常の室温設定と見なされ得るものをオーバーライドすると判定し得る。例えば、心臓外科手術又は他の循環処置では、生理学的機能を遅くするために室温を通常よりも低くすることによって患者の心拍数又は疼痛感受性を低下させることが有益であり得る。室温に対する大ボリュームCO2断熱使用の低体温効果を相殺するために、外科用コンピューティングシステムは、温度制御システムを制御するためのパラメータを生成して、ガス導入及び排出にかかわらず患者温度の平衡を生じさせ得る。
【0271】
外科用コンピューティングシステムは、医療専門家及び/又は患者の体温に基づいてパラメータを判定し、通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、医療専門家及び/又は患者の体温、例えば深部体温に関連付けられたデータを受信し得る。研究では、高温/低温が学習及び又は機能する能力に影響を及ぼし得ることが示されている。温度が高すぎるか又は低すぎるときに、脳は、身体がその状態について何かをすべきことを絶えず思い出させることがある。絶えず続く妨害のために、集中力を保つことは困難である。不快であることに加えて、個人は注意散漫になることがある。人が寒いと感じた場合、保温しようとしてかなりの量のエネルギーを使用することがある。これにより、集中、創造性、及び集中力のためのエネルギーが少なくなる。深部体温は、両方がパフォーマンスに影響を及ぼし得る身体運動又はストレスに起因して上昇し得る。熱撮像システム及び温度計は、医療専門家のための温度データを収集するために使用され得、この温度データは、外科用コンピューティングシステムに通信され得る。外科用コンピューティングシステムは、データを受信し得、部屋の空気のボリューム及び/又は温度を調整し、場合によっては空気を特定の個人に向けて最適な体温を維持するためのパラメータを判定し得る。
【0272】
深部体温が摂氏36.5度~摂氏37.5度にない場合、人間のパフォーマンスが悪影響を受け得る。体温が上昇した外科医は、発汗を始めることがあり、これは、外科医の集中力を乱すことがある。発汗は、汗を拭き取るために停止することを必要とし得るので、時間遅延にもつながり得る。汗がその部位を汚染し得る。発汗している外科医は、発汗していない外科医よりも手術野を汚染する可能性が高いことがある。身体的徴候及び深部体温を監視し、監視データを利用して環境を制御するためのパラメータを生成することにより、外科医及び/又は他の専門家による発汗を軽減し得る。
【0273】
低温又は高温の深部体温は、医療専門家の振動又は震えにつながることがある。手の振動又は震えは、器具の把持に影響を及ぼすことがあり、これは、手術部位での制御の低下及び注意散漫の増加につながり得る。
【0274】
外科用コンピューティングシステムは、患者の体温に関連付けられた監視データに基づいて温度制御システムを制御するためのパラメータを判定し得る。外科手術中及び外科手術後に、患者の体温が低下することがあり、時には華氏6度も低下することがある。患者は、部分的にのみ覆われている場合があり、冷たい静脈内流体を受ける場合があり、冷たい空気が患者の肺に送り込まれる場合がある。患者が受ける麻酔薬は、体内温度を調節する体の能力を混乱させることがある。これらの要因は、代謝率を増加させ、患者の心臓に負担をかけることがある。それはまた、切開部を引き離し、繊細な外科的修復を損傷し、更には歯の破損をもたらすことがある。したがって、外科用コンピューティングシステムは、患者に関連付けられた監視データに基づいて、患者に近接した温度を制御するためのパラメータを生成し得る。
【0275】
外科用コンピューティングシステムは、手術室データを監視するように構成され得、監視データに基づいて、進行中の外科処置に参加し得る特定の医療提供者に関連付けられた部屋条件を実装すると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データが、外科処置の特定の工程、例えば、重大な工程を示すか、又はそれに関連付けられていると判定し得る。外科処置における特定の工程が実施されていることを監視データが示すと外科用コンピューティングシステムが判定する場合、外科用コンピューティングシステムは、好ましい部屋条件に関連付けられた手術室システムのためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置における工程の状況認識及び重要性に基づいて、機器に対する階層的優先順位ベースの調整を実装するパラメータを判定するように構成され得る。
【0276】
図12を参照すると、37118において、外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた監視データを受信し得る。監視データは、手術室で実施されている外科処置における工程に関連するデータを含み得る。
【0277】
外科用コンピューティングシステムは、手術室で実施されている外科処置に参加している医療専門家に関連付けられたパラメータを判定するように構成され得る。37120において、外科用コンピューティングシステムは、監視データ及び外科処置に参加している医療専門家に関連付けられた動作パラメータに少なくとも部分的に基づいて、手術室内の1つ又は2つ以上のシステムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。医療専門家に関連付けられたパラメータは、手術室の好みに関連付けられたパラメータを含み得る。受信された監視データは、外科処置における工程に関連付けられ得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室の好みに関連付けられたパラメータ及び外科処置における工程に関連付けられたデータに基づいて、手術室内のシステムの調整に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。手術室内のシステムの調整に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータは、医療専門家に関連付けられた発話のボリュームの増加に関連付けられたパラメータを含み得る。手術室内のシステムの調整に関連付けられる1つ又は2つ以上のパラメータは、手術室内のノイズキャンセルの増加に関連付けられたパラメータを含み得る。手術室内のシステムの調整に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータは、外科処置に関連付けられた可聴合図の増強に関連付けられたパラメータを含み得る。
【0278】
37122において、外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられたシステムに1つ又は2つ以上のパラメータを通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上の音声/視覚システムに1つ又は2つ以上のパラメータを通信し得る。
【0279】
37128において、ORに関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムは、パラメータを受信し得る。37132において、1つ又は2つ以上のシステムは、受信されたパラメータに基づいて、それらの動作を修正し得る。例えば、1つ又は2つ以上の音声/視覚システムは、音声再生のボリュームを増加若しくは減少させ、ノイズキャンセルを増加若しくは減少させ、及び/又は可聴合図を増強させるように動作を修正し得る。
【0280】
外科用コンピューティングシステムは、受信された監視データに基づいて、手術室システムに対するパラメータであって、手術室内の特定の医療提供者のための発話又はボリュームの増強又は増加に関連付けられている、パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、受信された監視データに基づいて、手術室システムに対するパラメータであって、調整可能なセグメント化されたアクティブノイズキャンセルに関連付けられている、パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、パラメータを判定する際に、ノイズキャンセルと外科処置に関連付けられたやりとり活動とのバランスをとり得る。外科用コンピューティングシステムは、部屋の4つの象限内で分割されるスピーカを有する音声システムに適用され得る象限ノイズキャンセルに関連付けられたパラメータを生成し得る。外科用コンピューティングシステムは、音声システムに、アンチノイズを特定の象限に向け、音声を別個の象限に向けるようにさせるパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室内の医療専門家を追うスピーカを備える手術室音声システムに対するパラメータを生成し得る。外科用コンピューティングシステムは、そのような音声システムのためのパラメータを判定し得、それによって、パラメータは、音声を特定の医療専門家に向けるようにスピーカを制御する。音声を特定の個人に向けることは、医療専門家が、注意散漫又は妨害を回避しながら、タスク又はジョブへの集中力を維持することを支援する。
【0281】
外科用コンピューティングシステムは、受信された監視データに基づいて、手術室への進入又は手術室内での移動を制限することをもたらすパラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、手術室へのドアを開けて制御するシステムに対するパラメータを判定し得る。
【0282】
外科用コンピューティングシステムは、受信された監視データに基づいて、外部音を静めることをもたらすパラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、音声システム上のボリュームを低減し、通話を静めるためのパラメータを判定し得る。
【0283】
手術室は、例えば、2021年1月22日に出願され、「Audio Augmented Reality Cue to Focus on Audible Information」と題された米国特許出願第17/156,329号(代理人整理番号END9290USNP18)に記載されるシステム及び実装などの拡張現実システムを利用してもよく、その内容は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。外科用コンピューティングシステムは、拡張現実システムに対するパラメータを判定して、可聴現実合図を制御し加減して、主要可聴フィードバックに焦点を集中させるように構成され得る。
【0284】
外科用コンピューティングシステムは、外科処置において実施されている工程の認識、タスクの状況認識、及び周囲の監視されている環境合図に基づいて、手術室システムの制御に対するパラメータを判定するように構成され得、パラメータは、医療専門家の好みと一致するようにシステムの動作を調整するように選択される。例えば、監視データが特定の外科的タスクが実施されていることを示し、周囲可聴レベルが閾値を上回ることを示すと外科用コンピューティングシステムが判定すると、外科用コンピューティングシステムは、機器の優先順位付けされたリスト又は重要度リスト、及び上昇したレベルに対するそれらの関連付けられた寄与に基づいて、ノイズレベルを下げるように手術室内のシステムを調整するためのパラメータを判定し得る。
【0285】
外科用コンピューティングシステムは、ORデータを監視するように構成され得、監視データに基づいて、環境制御デバイスに関連付けられたパラメータを生成すると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、環境制御デバイスの動作の強度、持続時間、及び/又は速さのうちの1つ又は2つ以上の調整に関連付けられたパラメータを生成すると判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、空気流制御システムが動作し得る強度に関連付けられたパラメータを生成すると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データを考慮するために閾値を適用し得、患者又は医療専門家に対する対応の重要性に基づいて、外科用コンピューティングシステムが経時的に適用し得る閾値を調整し得る。
【0286】
図12を参照すると、37118において、外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた監視データを取得又は受信し得る。監視データは、例えば、OR内の空中浮遊粒子に関連付けられ得る。監視データは、感染性患者による吐き出しの発生に関連付けられたデータを含み得る。監視データは、がん患者に関連付けられた排気又は煙プルームの発生に関連付けられたデータを含み得る。
【0287】
37120において、外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、OR内の医療専門家に対するリスクレベルを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、リスクレベルが上昇したリスクレベルであることを、OR内の空中浮遊粒子に関連付けられた監視データに基づいて判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、1つ又は2つ以上の判定されたリスクレベルに基づいて、OR内の1つ又は2つ以上のシステムを動作させるための1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムが、監視データが上昇したリスクを示すと判定した場合、外科用コンピューティングシステムは、ORに関連付けられた空気濾過システムに対する1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。パラメータは、空気濾過システムの動作の強度の増加に関連付けられ得る。
【0288】
37122において、外科用コンピューティングシステムは、ORに関連付けられたシステムに1つ又は2つ以上のパラメータを通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、ORに関連付けられた1つ又は2つ以上の空気処理システムに1つ又は2つ以上のパラメータを通信し得る。
【0289】
37128において、ORに関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムは、パラメータを受信し得る。37132において、1つ又は2つ以上のシステムは、受信されたパラメータに基づいて、それらの動作を修正し得る。例えば、1つ又は2つ以上の空気処理システムは、受信されたパラメータに応答して、ORの特定の部分から空気を排出するために、動作の強度を増加させ得る。
【0290】
外科処置を実施する外科医は、がん性組織の近くで高度エネルギーデバイスを使用することがあり、これは、比較的大きな煙プルームを生じさせることがある。空気プルームに関連付けられた監視データは、外科用コンピューティングシステムにおいて受信され得、この外科用コンピューティングシステムは、プルームに関連付けられ受信されたデータに基づいて、煙又は空気排出の速度を修正すること、濾過システムの効率を増加させること、及び/又は室内濾過を増加させることを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、修正された動作に関連付けられたパラメータを、OR内の対応する空気及び濾過システムに通信し得る。
【0291】
麻酔科医又は気管支医は、感染していることが知られている患者に通気チューブを導入し得る。患者はくしゃみをするか、そうでなければ吐き出しを行うことがある。くしゃみ及び/又は通気チューブの配置に関連付けられた監視データは、外科用コンピューティングシステムにおいて受信され得る。外科用コンピューティングシステムは、患者の監視されたバイオマーカに基づいて患者による咳又はくしゃみを検出し得、及び/又は感染性飛沫に関連付けられた危険のレベルを示すデータを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データによって示される検出された咳又はくしゃみに基づいて、1つ又は2つ以上の濾過及び/又は抽出システムの速度及び/又は能力を増加させると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、検出された粒子数に起因して、摂取及び濾過を迅速に増加させると判定し得、経路内の粒子の増加及び粒子を捕らえることの失敗の潜在的な影響を予測する。外科用コンピューティングシステムは、空気処理システムの動作を修正することに関連付けられたパラメータを判定し、それらのパラメータをシステムに通信し得る。
【0292】
したがって、手術室に関連付けられた監視データに基づく手術室システムの適応的な制御のためのシステム、方法、及び手段が開示される。手術室内の監視システムは、例えば、手術室内で治療されている患者、外科処置に参加している医療専門家、及び手術室内の環境に関するデータを収集するように構成され得る。監視データは、コンピューティングシステムに通信され得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データを受信し得、監視データに基づいて、手術室に関連付けられた様々なシステムを制御するためのパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室内で進行中の外科的タスクを考慮して、受信された監視データを評価し得る。外科用コンピューティングシステムは、パラメータを手術室システムに通信し得る。パラメータは、例えば、照明(例えば、周囲及び焦点)システム、空気濾過及び抽出システム、排煙システム、サウンドシステム、ビデオシステム、及び/又はディスプレイモニタシステムにおいて受信され得る。システムは、受信されたパラメータに基づいてそれらの動作を修正し得る。
【0293】
コンピューティングシステムは、手術室(OR)内の医療専門家(HCP)を監視し、外科処置のパフォーマンス及び/又は手術室の保守の改善に関連付けられたパラメータを提供し得る。外科処置のパフォーマンス及び/又は手術室の保守に関連付けられたパラメータは、推奨、調整、及び/又はフィードバックに含まれ得る。パラメータは、HCPの移動、手術スタッフメンバーの活動、機器の場所及び/又は使用などに関連付けられ得る。
【0294】
例えば、コンピューティングシステムは、OR内でのHCPの動き、やりとり、及び移動を監視し、パラメータ及び/又は推奨を生成して、外科処置のパフォーマンス及び/又はORの保守を改善し得る。外科処置全体を通して監視されるHCPの動き、やりとり、及び移動が分析され得る。例えば、動きの効率及び/又は外科処置のパフォーマンスを改善するために、ORレイアウト、外科用器具の混合、及び/又は手術部位アクセスの改善が識別され得る。
【0295】
コンピューティングシステムは、外科処置に関連付けられた外科用監視データを取得及び分析し得る。外科用監視データは、外科処置に関連付けられたHCPの活動、機器の場所、機器の使用、ダウンタイム及び/又は待機時間などを含み得る。コンピューティングシステムは、分析に基づいて、例えば、1つ又は2つ以上の調整パラメータを生成し得る。調整パラメータは、例えば、外科処置のためのHCPの不必要なスタッフの配置など、外科処置に関連付けられたパフォーマンスを改善し得る。調整パラメータは、外科用器具の混合選択、手術部位アクセス場所、ORレイアウト、外科処置及び/又は処置工程のためのHCPのスタッフの配置、外科用機器配置、外科用器具使用、HCPの位置決め、外科用器具の準備、音声及び/又はディスプレイ出力などのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。
【0296】
例えば、コンピューティングシステムは、OR及び/又は外科処置に関連付けられた監視データを受信し得る。監視データは、ORレイアウト、HCPの位置決め、HCPの移動、外科用機器の場所、外科用器具の混合、手術部位アクセス場所、HCPのスタッフの配置、トロカールの配置、HCPの活動、HCPの挙動及び/又は感情などのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたデータを含み得る。
【0297】
コンピューティングシステムは、外科処置計画を取得し得る。処置計画は、外科処置、スタッフの配置、ORレイアウト、外科用器具の混合などのための工程を含み得る。コンピューティングシステムは、外科処置(例えば、進行中の外科処置、次の外科処置、及び/又は過去の処置)に関連付けられた処置データを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、状況認識外科用システムを使用して処置データを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、図11に関して本明細書に記載されるような状況認識外科用システム5100を含み得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データに基づいて、外科処置に関連する情報を導出又は推測し得る。処置データは、例えば、処置計画の工程が実施されたか、及び/又はタイムリーに実施されたかなど、処置計画に対するHCPアクションの一貫性に関連付けられたデータを含み得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて外科処置における現在の処置工程を判定し得る。
【0298】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データ、処置計画、及び/又は処置データに基づいて、外科処置のパフォーマンス及び/又はORの保守の改善に関連付けられた1つ又は2つ以上の調整パラメータを判定し得る。調整パラメータは、ORレイアウト、HCPの位置決め、HCPの移動、外科用機器の位置決め、外科用器具の位置決め、手術部位アクセスの位置決め、HCPの活動、HCPスタッフの配置、外科用器具使用などのうちの1つ又は2つ以上の調整を含み得る。外科用コンピューティングシステムは、調整パラメータの指示を送信し得る。コンピューティングシステムは、調整パラメータを、ORに関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信し得る。例えば、コンピューティングシステムは、OR内の通信システムを制御するように構成されたシステムに調整パラメータを通信し得る。通信システムは、外科用ディスプレイ又はスピーカシステムを含み得る。例えば、外科用ディスプレイは、調整パラメータを提示し得る。
【0299】
コンピューティングシステム(例えば、外科用コンピューティングシステム)は、図2に関して本明細書に記載されるような外科用ハブ20002を含み得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、例えば、図2に記載されるようなクラウドコンピューティングシステム20008と通信する外科用ハブ20006のうちの少なくとも1つを含み得る。外科用コンピューティングシステムは、外科用ハブ20006、又はクラウドコンピューティングシステム20008と通信するコンピューティングデバイス20016のうちの少なくとも1つを含み得る。クラウドコンピューティングシステム20008は、少なくとも1つのリモートクラウドサーバ20009と、少なくとも1つのリモートクラウドストレージユニット20010と、を含み得る。コンピューティングシステムは、図1図3に関して本明細書に記載されるようなHCP監視システム20000、20002、20003、又は20004などのHCP監視システムであり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、HCP監視システム20000、20002、20003、及び/又は20004に動作可能に接続されたコンピューティングシステムであり得る。コンピューティングシステムは、図9に関して本明細書に記載されるコンピューティングシステム20271であり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、例えば、図4に関して本明細書に記載されるコンピュータシステム20063であり得るか、又はそれを含み得る。
【0300】
外科用監視データは、外科用ハブを介して取得され得る。例えば、外科用ハブは、図1に関して本明細書に説明されるウェアラブル感知システム20011及び/又は環境感知システム20015などの様々な感知システムから外科用監視データを取得し得る。外科用ハブは、図11に関して本明細書に記載されるように、HCP監視デバイス35510、環境監視デバイス35512、患者監視デバイス5124、及び/又はモジュール式デバイス5102から監視データを取得し得る。
【0301】
図14は、外科処置に関連付けられた例示的な分析を示す。外科処置は、結果の成功及び効率に基づいてグラフ37600上にプロットされ得る。以前の処置37602から収集及び分析されたデータは、結果の成功及び効率に基づいてプロットされ得る。例えば、コンピューティングシステムは、監視データ、外科処置計画、及び/又は外科処置データに基づいて、外科処置の結果の成功及び効率を判定し得る。結果の成功は、外科処置が成功したかどうか、外科的合併症が発生したかどうかなどに基づいて判定され得る。効率は、外科処置の持続時間、外科処置のために存在するHCPの数、外科処置のために使用される器具の数などに基づいて判定され得る。
【0302】
図14に示されるように、外科処置は、結果の成功及び効率に基づいてプロットされ得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、改善されたORレイアウト及び/又は器具の混合など、外科処置の効率を改善し得る調整パラメータを判定し得る。37604に示されるように、外科用コンピューティングシステムは、判定された調整パラメータに関連付けられた改善された効率をグラフ37600上に示し得る。
【0303】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、人及び/又は器具の改善された移動など、外科処置37604の効率を改善し得る調整パラメータを判定し得る。37606に示されるように、外科用コンピューティングシステムは、判定された調整パラメータに関連付けられた(例えば、外科処置37604よりも)改善された効率をグラフ37600上に示し得る。
【0304】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、ドア及び/又は空気の移動、並びに往来の低減など、外科処置37606の結果の成功を改善し得る調整パラメータを判定し得る。37608に示されるように、外科用コンピューティングシステムは、判定された調整パラメータに関連付けられた(例えば、外科処置37606よりも)改善された結果の成功をグラフ37600上に示し得る。
【0305】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、改善されたトロカール追跡、角度、場所、交換など、外科処置37608の効率を改善し得る調整パラメータを判定し得る。37610に示されるように、外科用コンピューティングシステムは、判定された調整パラメータに関連付けられた(例えば、外科処置37608よりも)改善された効率をグラフ37600上に示し得る。
【0306】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、ORを追跡することに基づいて処置工程を抜かすことを回避するための指示又は通知など、外科処置37610の結果の成功を改善し得る調整パラメータを判定し得る。37612に示されるように、外科用コンピューティングシステムは、判定された調整パラメータに関連付けられた(例えば、外科処置37610よりも)改善された結果の成功をグラフ37600上に示し得る。
【0307】
外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、例えば、改善された器具の混合及び/又は器具利用などの、外科処置37612の効率を改善し得る調整パラメータを判定し得る。37614に示されるように、外科用コンピューティングシステムは、判定された調整パラメータに関連付けられた(例えば、外科処置37612よりも)改善された結果の成功をグラフ37600上に示し得る。
【0308】
一例では、外科用コンピューティングシステムは、現在の外科処置に関連付けられた監視データを受信し得る。監視データに基づいて、外科用コンピューティングシステムは、例えば、効率及び/又は結果の成功を改善し得る、現在の外科処置に対する調整パラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、ORレイアウトの修正、器具の混合の修正、人の移動の低減、外科用器具の移動の低減、ドア/空気の移動及び往来の低減、トロカール追跡、角度、場所、及び交換の修正、処置工程を抜かすことを回避するようスタッフに通知すること、外科用器具の混合の調整、外科用器具利用の調整などのうちの1つ又は2つ以上を含み得る調整パラメータを判定し得る。
【0309】
コンピューティングシステムは、監視データ、処置計画、及び/又は処置データに基づいて、調整されたORレイアウトを生成し得る。
【0310】
図15は、ORを監視し、外科処置のパフォーマンス及び/又はORの維持を改善することに関連付けられたパラメータを判定することに関連付けられた例示的な処理を示す。図示のように、37800において、監視データが取得され得る。外科用データは、監視システム、外科用コンピューティングシステム、サーベイランスシステムなどによって監視され得る。例えば、監視システムは、図1図3に関して本明細書に記載されるようなHCP監視システム20002、20003、又は20004を含み得る。監視システムは、外科用コンピューティングシステムに含まれ得る。監視システムは、ORに関連付けられたデータを監視し得る。監視データは、1つ又は2つ以上の外科処置に関連付けられたデータを含み得る。外科処置は、1つのOR又は複数のORで起き得る。監視データは、HCP、患者、外科用器具、外科用機器、及び/又は外科用デバイスに関連付けられたデータを含み得る。監視データは、位置決めに関連付けられたデータを含み得る。監視システムは、例えば、外科用アクセス場所及び/又はトロカールの配置などの外科処置に関連付けられたデータを監視し得る。監視データは、外科処置前、外科処置中、及び/又は外科処置後に、連続的に集められ、通信され得る。
【0311】
監視システムは、OR室撮像システムを含み得る。監視システムは、例えば、図2に関して本明細書に記載されるような外科医感知システム20020などの1つ又は2つ以上の感知システムを含み得る。外科医感知システムは、HCPによって装着され得る。外科医感知システムは、HCPに関連付けられたバイオマーカを監視し得る。感知システムは、患者感知システムを含み得る。患者感知システムは、例えば、患者によって装着され得る。患者感知システムは、患者に関連付けられたバイオマーカを監視し得る。
【0312】
OR内の環境などの環境が監視され得る。1つ又は2つ以上の感知システムは、環境感知システムを含み得る。環境感知システムは、図2において本明細書に記載されるようなカメラ20021のセットであり得るカメラを含み得る。環境感知システムは、図2において本明細書に記載されるようなマイクロフォン20022のセットであり得るマイクロフォンを含み得る。環境感知システムは、手術室内に展開され得る他のセンサを含み得る。例えば、環境感知システムは、カメラ、マイクロフォン、及び/又はOR内に配備され得る他のセンサを含み得る。例えば、監視システムは、OR室撮像システム、外科医感知システム、患者感知システム、及び/又は環境感知システムを含み得る。
【0313】
例えば、監視システムは、RFシステムを含み得る。RFシステムは、スマートかつ自己識別型であり得る。例えば、RFIDタグが使用され得る。RFIDタグは、HCPを識別するために使用され得る。RFIDタグは、HCPの場所を判定するために使用され得る。RFIDタグは、外科用器具を識別するために使用され得る。RFIDタグは、外科用器具場所を識別するために使用され得る。
【0314】
監視システムは、OR内のHCPに関連付けられたデータを監視し得る。HCP監視データは、HCPの動き及び移動、位置決め、活動、感情、スタッフの配置、バイオマーカなどに関連付けられたデータを含み得る。例えば、HCPの動き及び移動に関連付けられたHCPの監視データは、HCPの腕及び胴などの身体の末梢運動、及び/又はOR全体にわたる全身運動を含み得る。OR全体にわたる全身運動に関連付けられた監視されたHCPデータは、ORの周りの移動、及び/又はORに出入りする移動を含み得る。例えば、HCPの活動に関連付けられたHCPの監視データは、HCPの活動強度及び/又は実施された活動を含み得る。例えば、HCPの感情に関連付けられたHCPの監視データは、HCPの表情及び/又はHCPのやりとりなどのORにおける感情的な挙動を含み得る。例えば、スタッフの配置に関連付けられたHCPの監視データは、外科処置及び/又は処置工程のためのOR内のHCP及び/又は外科スタッフの数を含み得る。HCP監視データは、外科処置全体にわたる製品の流れ及び活動に関連付けられたデータを含み得る。
【0315】
HCP監視システムは、OR内のHCPに関連付けられたデータを監視し得る。HCP監視システムは、OR内のHCPの位置決めに関連付けられたデータを監視し得る。HCPの位置決めに関連付けられた監視データは、OR内のHCPの場所を含み得る。HCPの位置決めに関連付けられた監視データは、HCPの姿勢を含み得る。HCPの位置決めに関連付けられた監視データは、例えば、身長、腕の長さ、手の形、手の長さ、腰の幅、肩幅、年齢などなどの、HCPの特性を含み得る。HCPの位置決めに関連付けられた監視データは、HCPの頭又は眼の位置を含み得る。HCPの頭又は眼の位置は、例えば、HCPが見ている方向などの視野角を含み得る。
【0316】
HCP監視システムは、OR内の患者の位置決めなど、患者に関連付けられたデータを監視し得る。患者の位置決めに関連付けられた監視データは、例えば、身長、体重、腰の高さ、肩の高さなどの患者の特性を含み得る。監視される患者の位置決めデータは、OR内のベッド上の患者の位置を含み得る。監視される患者の位置決めデータは、OR内の患者の場所を含み得る。監視される患者の位置決めデータは、OR内のHCPの位置に対する患者の場所を含む。監視される患者の位置決めデータは、患者上のトロカールの配置の場所を含み得る。
【0317】
HCP監視システムは、OR内の外科用機器に関連付けられたデータを監視し得る。外科用機器は、外科用器具、外科用デバイス、ロボット外科用機器などを含み得る。外科用デバイスは、外科用アクセスデバイスを含み得る。HCP監視システムは、OR内に位置決めされた外科用機器に関連付けられたデータを監視し得る。HCP監視システムは、図2に関して本明細書に記載されるような手術台20024などの手術台に関連付けられたデータを監視し得る。HCP監視システムは、例えば、メイヨスタンドなどの手術台及び/又は手術トレイに関連付けられたデータを監視し得る。例えば、HCP監視システムは、外科用器具の移動に関連付けられたデータを監視し得る。
【0318】
HCP監視システムは、外科用ディスプレイなどの視覚ディスプレイに関連付けられたデータを監視し得る。例えば、監視データは、視覚ディスプレイの位置決めに関連付けられたデータを含み得る。視覚ディスプレイの位置決めデータは、視覚ディスプレイの場所及び/又は視覚ディスプレイの角度を含み得る。監視される視覚ディスプレイの位置決めデータは、視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、及び/又はフォントのうちの1つ又は2つ以上などの視覚ディスプレイに関連付けられたディスプレイ設定を含み得る。
【0319】
例えば、HCP監視システムは、オブジェクト検出を実施し得る。HCP監視システムは、例えばOR内のオブジェクトを追跡するためにオブジェクト検出を実施し得る。移動オブジェクト検出は、所与の場所又は領域における人又はオブジェクトの物理的な移動を認識するために実施され得る。移動オブジェクトと静止エリア又は領域との間でセグメント化を行うことによって、移動オブジェクトの動きが追跡され得、したがって、後で分析され得る。移動オブジェクト検出は、背景減算、フレーム差分、時間差分、及び/又はオプティカルフロー分析を介して実施され得る。
【0320】
例えば、HCP監視システムは、RFシステムを使用して、OR内のHCP及び外科用機器の位置を特定し得る。RFシステムは、スマート及び自己識別RFシステムであり得る。空間識別センサを使用して、HCP、器具、機器、及び/又は境界の位置が特定され得る。HCP、機器及び/又は境界の位置は、無線センサ及びビーコンを介して、部屋及び/又は患者に対して追跡され得る。RFIDタグは、器具及び/又はHCPに取り付けられ得る。外科用器具又はHCPは、固有のRFID識別に関連付けられ得る。RFIDタグに基づいて、外科用器具及びHCPの場所が監視及び/又は追跡され得る。
【0321】
例えば、HCP監視システムは、外科処置の前にORに関連付けられたデータを監視し得る。HCP監視システムは、OR内の様々な外科用機器及びHCPの場所、移動、及び/又は配向を監視し得る。例えば、ジャイロスコープ又は3軸加速度計が使用されて、配向及び位置を判定し得る。
【0322】
例えば、HCP監視システムは、例えば、腹腔鏡処置などの外科処置を記録し得る。HCP監視システムは、カメラ及び/又はマイクロフォンを使用して外科処置を記録し得る。
【0323】
監視システムは、ORレイアウトに関連付けられたデータを監視し得る。例えば、ORレイアウト監視データは、外科用機器、外科用器具、HCPステーション、カメラ、ディスプレイなどに関連付けられたデータを含み得る。
【0324】
例えば、ORレイアウト監視データは、位置決めデータなどの外科用機器に関連付けられたデータを含み得る。外科用機器位置決めデータは、手術台の位置決め、手術ベッドの位置決め、カメラの位置決め、ディスプレイの位置決めなどを含み得る。手術ベッドは、図2に関して本明細書に記載されるような手術台20024であり得る。外科用器具の位置決めに関連付けられたORレイアウト監視データは、OR内に位置する外科用器具の混合を含んでもよく、これは、交換の外科用器具を含み得る。
【0325】
例えば、ORレイアウト監視データは、外科用器具に関連付けられたデータを含み得る。外科用器具に関連付けられたデータは、外科用器具の混合、外科用器具の交換、外科用器具の位置決め、外科用器具の交換、外科用器具の使用などを含み得る。例えば、外科用器具の混合は、ORでの使用及び/又は外科処置に利用可能な外科用器具のタイプ及び/又は数であり得る。例えば、外科用器具の位置決めは、OR内の外科用器具の場所を含み得る。外科用器具の位置決めは、例えば、使用中の外科用器具の配向を含み得る。例えば、HCP間の外科用器具の受け渡しなど、外科用器具の交換が監視され得る。実施例では、HCP間の外科用器具の受け渡しの数が監視され得る。例えば、使用の持続時間などの外科用器具の使用が監視され得る。外科用器具の準備状態が監視され得る。例えば、外科用器具の準備状態は、外科用器具が使用のためにOR内にあるかどうか、及び/又は使用のために準備されている(例えば、包装から取り出されている、滅菌されている)かどうかを含み得る。
【0326】
図16は、監視データに基づいて生成され得る、外科処置中の例示的なORレイアウト及びHCPの活動を示す。図16に示されるように、OR37650は、HCP、外科用機器などを含み得る。OR37650内のHCPは、外科医37652、麻酔科医37654、手術室看護師37656、及び/又は器械出し看護師37658を含み得る。OR37650は、手術台37660及び/又はHCP機器台などの外科用機器を含み得る。HCP機器台は、外科医機器台37662a、37662b、及び37662c、麻酔科医機器台37664a及び37664b、手術室看護師機器台37666a及び37666b、及び/又は器械出し看護師機器台37668a及び37668bを含み得る。
【0327】
コンピューティングシステムは、例えば、図16に示されるように、外科手術全体を通してHCP全身運動データを取得し得る。外科処置中、HCPは、機器ステーションと、例えば手術台37660上の患者上にあり得る外科用アクセス部位との間を移動し得る。例えば、37670に示されるように、処置中のHCPの累積変位は、監視データに基づいて計算され得る。累積変位グラフ37670は、処置全体にわたるHCPの総全身運動を示し得る。コンピューティングシステムは、監視データに基づいて外科処置中のダウンタイム及び/又は待機時間を判定し得る。例えば、HCPが試験結果を待って遅延する場合、ダウンタイム及び/又は待機時間が経験され得る。例えば、処置において切除が必要であるかどうかを判定するために生検及び/又はマージンをチェックする病理待機時間に基づいて、遅延が経験され得る。例えば、ダウンタイム及び/又は待機時間は、機器の故障に基づいて経験され得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科処置計画と一致しない遅延に基づいて、ダウンタイム及び/又は待機時間を判定し得る。例えば、37672に示されるように、ダウンタイム及び/又は待機時間が、外科処置中にHCPに対して示され得る。ダウンタイム及び/又は待機時間は、例えば、機器待機時間、処置待機時間、遅延時間などのうちの1つ又は2つ以上に基づいて示され得る。グラフ37674は、外科処置中のHCPについて計算された人間工学的なリスク因子を示す。監視データは、HCPの位置決めに関連付けられたデータを含み得る。コンピューティングシステムは、HCPの位置決めに関連付けられたデータに基づいて人間工学的なリスクを判定し得る。例えば、コンピューティングシステムは、監視データが不自然なHCPの体勢を示した場合、高い人間工学的なリスク因子を計算し得る。
【0328】
外科処置のための処置計画が取得され得る。外科処置計画は、例えば、外科処置のための工程の推奨、器具の混合、処置のためのHCPの数、処置及び/又は処置工程のための持続時間、外科用アクセス場所、トロカールの配置などの外科処置に関連付けられた詳細を含み得る。
【0329】
監視データは、例えば、外科用コンピューティングシステム(例えば、図15の37800に示されるような)によって取得(例えば、受信、生成など)され得る。以前の外科処置からの監視データが取得され得る。以前の外科処置の監視データは、以前の外科処置からの器具の混合、手術部位アクセス場所、ORレイアウト、スタッフの配置、トロカールの配置などに関連付けられたデータを含み得る。
【0330】
図15に戻って参照すると、37802において、外科用コンピューティングシステムは、処置データを判定し得る。処置データは、外科処置計画に関連付けられ得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科処置及び/又は処置工程の持続時間、実施された処置工程、処置中の不活動及び/又はダウンタイムなどの処置データを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、監視データ、外科処置データ、及び/又は外科処置計画のうちの1つ又は2つ以上に基づいて、HCPが外科処置計画と一致して活動したかどうかを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、処置工程がスキップされたと判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、処置工程がタイムリーでなく実施されたと判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、処置工程が不適切に実施されたと判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、処置工程が繰り返されたと判定し得る。
【0331】
37804において、調整パラメータが判定され得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データ及び/又は処置計画データに基づいて、調整パラメータを判定し得る。調整パラメータは、位置決め、HCPの移動、HCPの活動、HCPの感情、外科用器具などの調整に関連付けられ得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、外科処置中に実行される活動のフローを改善し、外科処置全体にわたる移動を低減し、OR内の起こり得る汚染を低減し、処置間のORターンアラウンドタイムを低減し、外科処置の効率を改善し、外科処置中のHCP焦点を増加させるなどのために、調整パラメータを判定し得る。当業者が理解し得るように、様々な最適化モデル、シミュレーションモデル、及び/又はプロセスモデルが、判定において使用され得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、以前の処置に関連付けられたデータ及び/又はメタデータに基づいて、外科用器具の混合、外科用アクセス場所、ORレイアウト、及び/又はHCPスタッフの配置のための調整パラメータを判定し得る。
【0332】
図14に関して本明細書に記載されるように、外科処置は、例えば、効率及び/又は結果の成功に基づいて評価され得る。効率は、機器待機時間、器具交換時間、処置待機時間などを含み得る、外科処置が完了するのにかかる持続時間に関連付けられ得る。例えば、外科処置は、機器待機時間、器具交換時間、及び/又は処置待機時間がより短い場合、より効率的であり得る。効率は、処置全体を通しての全身運動に関連付けられ得る。例えば、より少ない累積変位は、より効率的な外科処置をもたらし得る。外科処置は、ベースラインスコアとの比較を判定するために、履歴外科的データと比較され得る。
【0333】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、ORレイアウト、外科用機器位置決め、外科用器具位置決め、手術部位アクセス、トロカール位置決めなどのための調整などの、位置決めに関連付けられた調整パラメータを判定し得る。ORレイアウトのための調整は、外科用機器、外科用器具、カメラ、ディスプレイなどの調整された位置決めを含み得る。外科用機器は、特定のHCPに指定され得る手術台を含み得る。
【0334】
図17は、外科用コンピューティングシステムによって生成され得る外科処置のための調整されたORレイアウトを示す。図17に示されるように、修正されたORレイアウトは、HCP、外科用機器などを含み得る。OR37700内のHCPは、外科医37702、麻酔科医37704、手術室看護師37706、及び/又は器械出し看護師37708を含み得る。OR37650は、手術台37710及び/又はHCP機器台などの外科用機器を含み得る。HCP機器台は、外科医機器台37712a、37712b、及び37712c、麻酔科医機器台37714a及び37714b、手術室看護師機器台37716a及び37716b、及び/又は器械出し看護師機器台37718a及び37718bを含み得る。
【0335】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科用機器の位置決めに関連付けられた調整パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、OR全体を通したHCPの移動に関連付けられた監視データを受信し得る。図16に示されるように、HCPは、外科用機器台と外科用アクセス部位との間を、処置を通して複数回移動し得る。監視データに基づいて、外科用コンピューティングシステムは、外科用アクセス部位のより近くに位置し得る、調整されたHCP機器台の位置を判定し得る。
【0336】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、器械出し看護師機器台37718a及び37718bの調整された位置決めを判定し得る。調整された位置は、外科医、外科医機器台、及び/又は外科用アクセス部位に場所がより近くてもよい。外科用アクセス部位への近接性に基づいて調整されたHCP機器の位置決めは、処置全体を通した移動を低減し得る。機器配置の改善は、HCP及び器具の非効率的な移動を低減し得、これは、ORの移動フローを改善し得る。
【0337】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、HCPの移動経路が交差しないように、外科用機器の位置決めのための調整パラメータを判定し得る。図17に示されるように、外科用コンピューティングシステムは、手術室看護師機器台37716a及び37716bの調整された位置を判定し得る。調整された手術室看護師機器台位置は、麻酔科医37704が処置中に手術室看護師37706の経路と交差しないように、OR内に位置し得る。移動交差を低減することは、外科処置中の移動効率を改善し得る。
【0338】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、手術部位アクセスの位置決めに関連付けられた調整パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、トロカールの使用及び位置決め、外科処置タイプ、患者の身体タイプ、併存症、器具交換などに関連付けられた監視データを受信し得る。監視データに基づいて、外科用コンピューティングシステムは、例えば、調整されたトロカール角形成などの調整パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、調整されたアクセスポートなどの調整パラメータを判定し得る。
【0339】
ORレイアウトの修正された位置決めに基づいて、図17のOR37700は、図16のOR37650と比較して、より高い効率及び/又は結果の成功での外科処置を可能にし得る。例えば、OR37700は、累積変位(例えば、37720に示す)、ダウンタイム及び/又は待機時間(例えば、37722に示す)、及び/又は人間工学的なリスク因子(例えば、37724に示す)を低減し得る。累積変位は、例えば、不必要な移動が回避されるように位置決めする外科用機器を有するOR37700に基づいて低減され得る。例えば、OR37700は、例えば、低減された機器待機時間、器具交換時間、処置待機時間などに基づいて、外科処置がより速く実行されることを可能にし得る。したがって、修正されたORレイアウト37700は、外科処置の効率及び/又は結果の成功を増加させ得る。
【0340】
図15に戻ると、37806において、調整パラメータは、例えば、OR内のシステムに通信され得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、位置決めパラメータに基づいて制御信号を生成し得る。制御信号は、OR内のシステムに通信され得、システムは、受信された調整パラメータに基づいてそれらの動作を修正し得る。制御信号は、調整を実施するように構成され得る。制御信号は、外科用カメラ場所を調整すること及び/又は画角を調整することを含み得る。制御信号は、OR内のHCPの移動の調整を提案する指示を含み得る。例えば、調整パラメータが提示され得る。
【0341】
手術部位感染は、健康問題であり得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、環境汚染がOR内に存在する場合、手術部位感染リスクが増加し得ると判定し得る。環境汚染は、OR内での往来に基づいて発生し得る。HCPの移動データは、ドア開放、移動、外科処置中のOR内の人の数などのOR内のHCPの往来を含み得る。例えば、OR内での往来が最小限に抑えられる場合、空気及び/又は傷汚染などの環境汚染は、低減され得る。
【0342】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、ORの起こり得る汚染を低減することに関連する調整パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、潜在的な環境汚染を示し得る、HCPの移動に関連付けられた監視データを取得し得る。HCPの移動は、環境汚染につながり得る移動を含み得る。監視データに基づいて、外科用コンピューティングシステムは、処置中のHCPの移動に対する制限、ドア開放に対する制限、外科処置中のOR内のHCPの数に対する制限などに関連付けられた調整パラメータを判定し得る。
【0343】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データ及び/又は処置データに基づいたHCPアクションの修正に関連付けられた調整パラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、処置前工程及び/又は処置後工程に関連付けられた監視データ及び/又は外科処置データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置中、経時的にORを追跡し得る。ターンオーバー時間に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、次の外科処置のためにORがどの程度効率的に準備されたか(例えば、洗浄され、クリアされ、再補給されたか)を判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、処置工程が不適切に実施されたことを判定し得る。処置工程が不適切に実施されたという判定に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、処置工程をやり直さなければならないと判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、処置工程がタイムリーでなく実施されたと判定し得る。処置工程がタイムリーでなく実施されたという判定に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、処置工程を実施するためにより多くのスタッフを割り当て得る。
【0344】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、ORが次の外科処置のために不適切に準備されたと判定し得る。次の外科処置は、例えば、外科用ステープラなどの外科用器具を使用することを伴い得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、外科用ステープラが準備されなかった、及び/又はOR内に位置しなかったことを判定し得る。ORが不適切に準備されたという判定に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、失敗した準備についてスタッフに通知し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置の前に外科用ステープラを準備するようにスタッフに通知し得る。
【0345】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科処置後にORが非効率的に洗浄されたと判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置後にORを洗浄するスタッフに関連付けられた監視データを受信し得る。監視データは、洗浄工程が繰り返されたことを示し得る。外科用コンピューティングシステムは、ORを適切に洗浄するために、繰り返される洗浄工程が必要とされなかったと判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、洗浄処置の効率を改善するために、繰り返される工程が必要でなかったことをスタッフに通知し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、洗浄工程が繰り返されていることを判定し得る。判定に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、繰り返される工程を実行するスタッフに停止するように通知し得る。
【0346】
外科用コンピューティングシステムは、外科処置のためのHCPの数に関連付けられた調整パラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科処置中のOR内のHCPの数及び/又はHCPの活動レベルに関連付けられた監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データ及び/又はバイオマーカデータ(例えば、本明細書に記載されるような)に基づいて、外科処置のためのOR内のHCPの修正された数を判定し得る。HCPの修正された数は、外科処置のためのHCPの数の増加又は減少であり得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、HCPの活動強度を1つ又は2つ以上の閾値強度レベルと比較して、外科処置のためにより多くの又はより少ないスタッフの必要性を判定し得る。HCPの活動強度は、HCPのストレスレベル及び/又はHCPの不活動に基づいて判定され得る。例えば、HCPがアイドル状態であり、及び/又は活動を実施していない場合、HCPの活動強度は低いことがある。例えば、HCPがストレスを経験している場合、HCPの活動強度は高いことがある。
【0347】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科処置のためのHCPの数を低減すると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データに基づいて外科処置がスタッフ過剰であると判定された場合、外科処置のためのHCPの数を低減すると判定し得る。例えば、アイドル状態である及び/又は活動を実施していないHCPがOR内にいる場合、外科処置がスタッフ過剰となり得る。外科処置は、例えば、外科処置が、存在するよりも少ないHCPで実施され得る場合、スタッフ過剰であると判定され得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、例えば、HCPの活動レベルが閾値を下回る場合、外科処置のためのHCPの数を低減すると判定し得る。HCPの活動レベルは、例えば、HCPがダウンタイムを有するか、又は外科処置全体を通して所定の持続時間にわたって非アクティブ状態である場合、閾値未満に低下し得る。
【0348】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データに基づいて外科処置がスタッフ不足であると判定された場合、外科処置のためのHCPの数を増加すると判定し得る。例えば、外科処置を実施するのに十分なHCPがOR内にいない場合、外科処置はスタッフ不足となり得る。例えば、HCPの活動強度及び/又はHCPのストレスレベルが高い場合、スタッフ不足であると判定され得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、HCPの活動レベルが閾値を超える場合、外科処置のためのHCPの数を増加させると判定し得る。
【0349】
スタッフの利用は、外科手術全体を通して監視され得る。外科処置内の第1の処置工程は、第2の処置工程よりも多くのHCPスタッフを必要とし得る。外科用コンピューティングシステムは、特定の処置工程に対するスタッフの配置の必要性を判定するために、外科処置を連続的に監視し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、第1の外科処置工程がスタッフ過剰であると判定し得、第2の外科処置工程がスタッフ不足であると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、処置工程及び/又はタスクの完了に基づいて、例えば、HCPがもはや必要とされないため、HCPの数を低減すると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、処置工程及び/又はタスクの開始に基づいて、HCPの数を増加させることを判定し得る。
【0350】
例えば、OR内のHCPの数を修正するという判定に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、ORに通知を示すか又は与え得る。外科用コンピューティングシステムが、OR内のHCPの数を低減すると判定した場合、ORを離れるように特定のHCPに通知が与えられ得る。外科用コンピューティングシステムが、OR内のHCPの数を増加すると判定した場合、ORに入るようにHCPに通知が与えられ得る。
【0351】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科用器具の混合、外科用器具の交換、外科用器具の使用などの外科用器具に関連付けられた調整パラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科処置及び/又は処置工程のための推奨される外科用器具を判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、器具とジョブとの相関を改善するために、推奨される外科用器具を判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、推奨される外科用器具を判定して、外科処置における外科用器具の予期せぬ必要性を予測し得る。
【0352】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科用器具交換に関連付けられた監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置及び/又はタスクに対する外科用器具の交換、並びに外科処置を達成するために経過した持続時間を追跡し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、双極RF、単極RF、及び/又は超音波高度エネルギーデバイスなどの同様の機能を有する外科用器具間の器具交換を追跡し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科用器具を、外科的タスクを完了するのにかかる時間に関連付け得る。外科用コンピューティングシステムは、処置工程のビデオ分析を実施して、例えば、切開又は横切タスクなどの外科的タスクを達成する際のエネルギーデバイスの効率を判定し得る。
【0353】
監視データに基づいて、外科用コンピューティングシステムは、外科処置及び/又は合併症のためのデバイスの組み合わせなどの、推奨される外科用器具を判定し得る。推奨される外科用器具は、外科処置の効率又は有効性を改善し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、外科的タスクを実施する時間を短縮するなど、効率を改善するが、外科手術結果を維持する推奨される器具の混合を判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、経時的な監視された外科用器具の封止/滲出パフォーマンスに基づいて、推奨される外科用器具を判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、熱拡散の管理などの安全性、及び将来の処置工程のための効率のために、隣接する構造への近接性に基づいて、推奨される外科用器具を判定し得る。実施例では、外科用コンピューティングシステムは、例えば、重要臓器が手術部位から遠く離れているため、脂肪組織を迅速に切開するために推奨される外科用器具を判定し得る。実施例では、外科用コンピューティングシステムは、例えば、構造への近接性に基づいて、精密な切開を実施して血管を正確及び/又は安全に露出させるために推奨される外科用器具を判定し得る。実施例では、外科用コンピューティングシステムは、封止パフォーマンスに基づいて、血管を横切するための推奨される外科用器具を判定し得る。
【0354】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科用器具の混合及び交換を監視し得る。外科用コンピューティングシステムは、以前の処置に関連付けられた監視データに基づいて、アクセス、器具の交換、器具の利用、及び/又は処置を完了する時間に対する器具の影響の様々な混合の効率を判定し得る。判定された効率に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、推奨される外科用器具の混合を判定し得る。判定された推奨される外科用器具の混合は、処置を完了するための時間を減少させ得る。
【0355】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、外科処置に対する遅延を最小限に抑えるために、検出された外科的合併症中、予期される必要性に基づいて、推奨される外科用器具を判定し得る。例えば、コンピューティングシステムは、検出された外科的合併症を治療するための特定の外科用器具、補助療法、特定の外科用デバイス、及び/又は外科用製品を識別し得る。外科的合併症を治療し得る識別された外科用器具は、例えば、外科処置計画の外にあり得る。
【0356】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科処置に関連付けられた監視データを受信し得る。監視データは、外科用器具の使用及び/又は補助治療の使用を含み得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データ及び/又は処置計画に基づいて、推奨される外科用器具、補助療法、外科用デバイス、外科用製品などを判定して、例えば、処置中の予期せぬ必要性を最小限に抑え得る。
【0357】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科的合併症の場合にバックアップ外科用器具を有すると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、過去の処置、併存症、バイオマーカ監視、及び/又は撮像を集約又はコンパイルすることに基づいて、バックアップ外科用器具の必要性を予想し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、特定のバイオマーカ測定値と組み合わされた外科処置が外科的合併症につながり得ると判定し得る。予想された外科的合併症に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、そうでなければ予想されなかった可能性がある推奨される外科用器具を判定し得る。推奨される外科用器具を判定することは、予期せぬ製品を回収する必要性を最小限にし得、それは、処置を遅延させることにつながり得る。
【0358】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、以前の外科処置に関連付けられた監視データに基づいて、処置に必要とされ得る繰り返し使用される代替製品及び/又は追加製品を識別し得る。外科用コンピューティングシステムは、処置に必要とされ得る追加の製品を追加すること、及び/又は繰り返し使用される代替的な製品をORバックアップストレージ場所にストックすることを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、不足しているデバイス在庫に基づいて、一次提案を判定し、代替的な組み合わせ提案をバックアップし得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置のためのORセットアップに関連付けられた監視データを受信し得る。ORセットアップデータは、処置での使用が意図された外科用器具の混合と、ローカルバックアップストレージ内の器具の混合とを含み得る。外科用コンピューティングシステムは、予期される外科的合併症を含む、処置に必要とされ得る外科用器具が提供され得るように、処置における使用が意図された器具の混合及びローカルバックアップストレージ内の器具の混合に対して推奨される外科用器具を判定し得る。
【0359】
例えば、外科的合併症は、利用不可能であり得る固有のデバイスによる治療を必要とし得る。外科用コンピューティングシステムは、あたかも固有の/理想的なデバイスが使用されたかのような同じ外科手術結果を達成するために、デバイスの組み合わせ及び/又は手法などの推奨される外科用器具を判定し得る。
【0360】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データ及び/又は処置データに基づいて、処置における将来の使用のために予期される外科用器具に関連付けられたパラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、処置において必要とされるときに使用するための外科用器具の準備ができていると判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科処置計画に基づいて次の処置工程において外科用器具が使用されると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置工程と、予期される工程のための使用準備完了状態の外科用製品の必要性とを予期し得る。
【0361】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データに基づいて、外科用器具が準備されていない(例えば、使用準備完了状態にある)と判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科用器具が準備されていないという判定に基づいて、外科用器具を準備するようにHCPに示し得る。指示は、予期される工程のために必要とされる前に外科用器具を準備するようにHCPに促すように構成され得、これは、処置における遅延を防止し得る。実施例では、外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データに基づいて、外科用器具がOR内に存在しないと判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科用器具がOR内に存在しないという判定に基づいて、外科用器具を回収するようにHCPに示し得る。予期される工程の前に外科用器具を取り出すことは、処置における遅延を防止し得る。
【0362】
外科用コンピューティングシステムは、OR内の不活動及び/又はダウンタイムの低減に関連付けられたパラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、OR内のダウンタイム及び不活動を監視し得る。外科用コンピューティングシステムは、OR及び/又は処置データ内の監視されたダウンタイム及び不活動に基づいて、外科処置中の待機時間の短縮に関連付けられたパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、OR内の不活動及び/又はダウンタイムが外科処置計画と一致しないと判定し得る。例えば、不活動及び/又はダウンタイムは、不活動が所定の時間閾値を超える場合、外科処置計画と一致しないことがある。
【0363】
外科用コンピューティングシステムは、次の処置工程に移動する前に、ORが結果を待っているか、又は他のジョブが完了するのを待っていることを外科用コンピューティングシステムが検出した場合、ORにおけるダウンタイム及び不活動を判定し得る。例えば、不活動は、切除が必要であるかどうかを判定すること、及び/又は十分な切除が実施されることを確実にすることなどの次の処置工程を判定するために、生検及び/又はマージンをチェックすることからの病理待機時間に基づいて発生し得る。
【0364】
外科用コンピューティングシステムは、検出された機器の故障に基づいてダウンタイム及び不活動を判定し得る。例えば、機器の故障を監視することなどの機器の故障は、外科処置を遅延させ、患者の流れ及び/又はリソース利用に影響を与えることがある。機器の故障を防止するために、外科用コンピューティングシステムは、外科処置中の故障に起因する不活動を低減し得る保守スケジュール及び/又は交換スケジュールを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、監視データ及び処置データを受信し得る。監視データ及び/又は処置データは、機器の故障が発生するタイプ、頻度、及び/又は時間を示し得る。機器の故障が発生するタイプ、頻度、及び/又は時間に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、例えば、故障が発生することを防止するために、外科用機器の保守スケジュール又は交換スケジュールを判定し得る。
【0365】
機器の故障は、例えば、不正確なセットアップに基づいて発生し得る。外科用コンピューティングシステムは、ORセットアップ、HCP反応及び/又は顔面反応などに関連付けられた監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データ及び処置データに基づいて、不正確にセットアップされた機器に関連付けられたエラーを識別し得る。外科用コンピューティングシステムは、識別されたエラーに基づいて、例えば、外科手術の前に介入し、訓練し、及び/又はセットアップを確認するために、スタッフメンバーに通知するか、又は指示を提供し得る。
【0366】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、機器の故障を防止し、結果として生じるダウンタイムを低減するために、シミュレータの実行及び/又はテスト実行に関連付けられたパラメータを判定し得る。シミュレータは、機器がセットアップされた後に実行され得、例えば、機器にエラーが発生しないことを外科処置の前に確認するためのテスト実行を実施する。例えば、シミュレータは、誰か又は周囲に害を引き起こさない電力レベルでの通常動作を通してエネルギーデバイスを順序付けることを含み得る。例えば、RFエネルギーデバイスは、信号が受信されたことを確認するために、最も低い設定の電圧及び電流でエネルギーを活性化し得る。
【0367】
ORにおけるダウンタイム及び不活動は、適切な計画の欠如、チームワークの欠陥、コミュニケーションギャップ、訓練されたサポートスタッフの利用可能性の制限などに基づいて発生し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データ及び/又は処置計画に基づいて、外科手術処置計画と一致しないOR内の不活動を判定し得る。処置計画は、処置工程が割り当てられた時間内に実施されるべきであることを示し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、処置工程が割り当てられた時間よりも完了するのに長い時間がかかっている場合、外科処置計画と一致しない不活動を判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置計画と一致しない不活動の指示を生成し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置計画と一致しない不活動に関連付けられた推奨を判定し得る。
【0368】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科処置のタイプに基づいて、プレイブック及び/又はアプリ/タブレットを使用する推奨を判定し得る。プレイブック及び/又はアプリ/テーブルは、スタッフメンバーに責任、一連のアクション、機器セットアップ工程、共通のエラー/問題に対するトラブルシューティングなどのうちの1つ又は2つ以上を示す処置の概要を外科手術の前にスタッフメンバーに提供し得る。プレイブック及び/又はアプリ/テーブルは、チームが準備され、外科処置の役割及び責任を認識していることを確実にし得る。タスクが適切に実施されるかどうかが監視され得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、タスクがスキップされた、間違った順序で実施された、及び/又はタイムリーでなく実施されたなど、タスクが不適切に実行されたことを判定し得る。例えば、外科処置計画が取られるべき工程を要求するが、監視データの分析がタスクが実施されなかったことを示す場合、外科的タスクはスキップされた可能性がある。例えば、監視データが、タスクが不正確な順序で実施されたことを示す場合、外科的タスクは不適切に実施された可能性がある。外科用コンピューティングシステムは、OR内のスタッフへの可聴、視覚、及び/又は触覚フィードバックに関連付けられた指示を生成し得る。
【0369】
OR内のダウンタイム及び不活動は、外科処置のための患者の位置決めに基づいて発生し得る。外科手術の前に、患者は手術台に移され得る。患者の最終的な位置決めは、HCPによる計画及び調整に基づいて実施され得る。HCPは、患者の最終的な位置決めを判定するために、外科手術の前に時間がかかることがある。遅延は、外科処置中の患者の再位置決めに基づいて発生し得る。
【0370】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、患者特性/プロファイル、外科処置タイプ、ORレイアウト、機器位置決めなどなどの、監視データ及び/又は外科処置計画を受信し得る。監視データ及び/又は外科処置計画に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、手術ベッド上の最適な患者位置に関連付けられた推奨を判定し得る。患者の位置決め推奨は、HCPが他のタスクに焦点を向けることができるように、ORチーム計画及び調整を有することを回避することによって、セットアップ時間を低減し得る。患者の位置決め推奨は、再位置決めにつながる不適切な患者の位置決めから発生し得るダウンタイム及び/又は不活動を低減し得る。
【0371】
外科用コンピューティングシステムは、OR内のHCPによって経験される感情の変化に関連付けられたパラメータを判定し得る。外科手術は、HCP又はHCP間に個々の感情的影響を引き起こし得る高ストレス環境であり得る。ストレスは、外科手術の反応時間及び/又は結果を遅延させ、及び/又はそれらに影響を与え得る注意散漫、集中力の喪失、憤り、コミュニケーションの欠如、チームワークの欠如、チームメンバーへの悪影響などを引き起こし得る。外科用コンピューティングシステムは、外科処置中に発生し得る負の感情の緩和に関連付けられたパラメータを判定し得る。
【0372】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、ORスタッフの感情状態などの監視データを受信し得る。ORスタッフの感情状態は、ストレスの多い環境を示し得る。ORの感情状態は、表現又は他のHCPとのやりとりを含み得る。外科用コンピューティングシステムは、ORにおける感情の変化に関連付けられたパラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、調整パラメータを判定し、及び/又はORにおける感情の変化に関連付けられた制御信号を生成し得る。調整パラメータ及び/又は制御信号は、音声及び/又は視覚デバイスを調整することを含む。例えば、外科用コンピューティングシステムは、音楽又は音を再生及び/又は修正するなど、OR内の音声デバイスを調整するパラメータを判定し得る。OR内の修正された音楽又は音は、特定のHCPに向けられ得る。OR内の音楽又は音は、部屋を落ち着かせ得る瞑想音を含み得る。
【0373】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、視覚補助を提供するなどのために、視覚ディスプレイを調整するパラメータを判定し得る。視覚補助は、ORの気分を瞬間的に逸らせ、改善し得る。視覚補助は、OR全体を通して行われる正の補強を含み得る。視覚補助は、重大でないモニタ上に表示され得る。外科用コンピューティングシステムは、OR外のスタッフに指示を提供するか、又は通知を与えることを判定し得る。指示/通知は、憤りのような対立を解決するために外科処置後にチームメンバーを引き合わせるための推奨を含み得る。
【0374】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、ORにおける疲労の徴候などの監視データを受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、OR内で音楽を再生するなど、疲労の低減に関連付けられたパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、音楽のテンポを加速又は減速するなど、OR内の音楽を調整することを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、OR内の環境及び挙動を変化させるために、光に関連付けられたパラメータを判定し得る。
【0375】
コンピューティングシステムは、外科処置において医療専門家を監視し、HCPの動き及び/又は姿勢の改善に関連付けられたパラメータを提供し得る。HCPの動き及び/又は姿勢の改善に関連付けられたパラメータは、推奨、調整、及び/又はフィードバックに含まれ得る。パラメータは、人間工学的な位置決めに関連付けられ得る。
【0376】
例えば、コンピューティングシステムは、外科医の動き、姿勢、及び外科用アクセスを監視し、HCPの消耗を低減するための推奨を生成し得る。外科処置を通して監視されるHCPの動き及び姿勢が分析され得る。姿勢、重量挙げ、直立などの改善が識別され得る。
【0377】
コンピューティングシステムは、患者位置、外科医アクセス場所、及び外科医アクセス配向のうちの1つ又は2つ以上を記録し得る。システムは、患者位置、外科医アクセス場所、及び外科医アクセス配向のうちの1つ又は2つ以上を分析し得る。コンピューティングシステムは、患者位置、外科医アクセス場所、外科医アクセス配向などのうちの1つ又は2つ以上を記録及び分析し得る。コンピューティングシステムは、患者位置、外科医アクセス場所、外科医アクセス配向などのうちの1つ又は2つ以上を記録及び分析して、1つ又は2つ以上の調整パラメータを生成し得る。調整パラメータは、再位置決め並びに不自然な体勢及び姿勢を低減し得る。調整パラメータは、器具の混合選択、トロカール場所、OR台セットアップ、患者の位置決めなどのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。
【0378】
例えば、コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた監視データを受信し得る。監視データは、ORレイアウト、外科用機器の場所、患者の位置決め、外科用器具の混合、外科用デバイスの位置決め、HCPの動き、HCPの姿勢、HCPの身体的特徴、HCPの頭及び/又は眼の位置、又は外科用ディスプレイの位置決めのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたデータを含み得る。コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、手術室内の人間工学的な位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上の人間工学的調整パラメータを判定し得る。人間工学的調整パラメータは、ORレイアウト、患者の位置決め、外科用ディスプレイの動作、外科用機器の場所などのうちの1つ又は2つ以上の調整を含み得る。コンピューティングシステムは、人間工学的調整パラメータの指示を送信し得る。コンピューティングシステムは、人間工学的な位置決めに関連付けられた人間工学的調整パラメータを、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信し得る。例えば、コンピューティングシステムは、調整パラメータを、OR内の外科用ディスプレイを制御するように構成されているシステムに通信し得る。外科用ディスプレイは、人間工学的調整パラメータを提示し得る。外科用ディスプレイを制御するように構成されているシステムは、例えば、人間工学的調整パラメータに基づいて、1つ又は2つ以上の外科用ディスプレイの位置決め又は設定を修正し得る。
【0379】
コンピューティングシステム(例えば、外科用コンピューティングシステム)は、図2に関して本明細書に記載されるような外科用ハブ20002を含み得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、例えば、図2に記載されるようなクラウドコンピューティングシステム20008と通信する外科用ハブ20006のうちの少なくとも1つを含み得る。外科用コンピューティングシステムは、外科用ハブ20006、又はクラウドコンピューティングシステム20008と通信するコンピューティングデバイス20016のうちの少なくとも1つを含み得る。クラウドコンピューティングシステム20008は、少なくとも1つのリモートクラウドサーバ20009と、少なくとも1つのリモートクラウドストレージユニット20010と、を含み得る。コンピューティングシステムは、図1図3に関して本明細書で記載されるようなHCP監視システム20000、20002、20003、又は20004などのHCP監視システムであり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、HCP監視システム20000、20002、20003、及び/又は20004に動作可能に接続されたコンピューティングシステムであり得る。コンピューティングシステムは、図9に関して本明細書に記載されるコンピューティングシステム20271であり得るか、又はそれを含み得る。コンピューティングシステムは、例えば、図4に関して本明細書に記載されるコンピュータシステム20063であり得るか、又はそれを含み得る。
【0380】
外科用監視データは、外科用ハブを介して取得され得る。例えば、外科用ハブは、図1に関して本明細書に説明されるウェアラブル感知システム20011及び/又は環境感知システム20015などの様々な感知システムから外科用監視データを取得し得る。外科用ハブは、図11に関して本明細書に説明されるように、HCP監視デバイス35510、環境監視デバイス35512、患者監視デバイス5124、及び/又はモジュール式デバイス5102から外科用監視データを取得し得る。
【0381】
図18は、手術室を監視し、人間工学的な位置決めと関連付けられたパラメータを判定することに関連付けられた例示的な処理を示す。図示のように、38110において、図1図3に関して本明細書に説明されるようにHCP監視システム20002、20003、又は20004であり得るHCP監視システムは、データを監視し得る。HCP監視システムは、図15の工程37800に関して本明細書に記載されるように、ORに関連付けられたデータを監視し得る。監視データは、1つ又は2つ以上の外科処置に関連付けられたデータを含み得る。外科処置は、1つのOR又は複数のORで起き得る。監視データは、HCP、患者、外科用器具、外科用機器、及び/又は外科用デバイスに関連付けられたデータを含み得る。外科用デバイスは、外科用アクセスデバイスを含み得る。監視データは、位置決めに関連付けられたデータを含み得る。
【0382】
38112において、HCP監視システムは、監視データを通信し得る。HCP監視システムは、監視データを外科用コンピューティングシステムに通信し得る。監視データは、外科処置前、外科処置中、及び/又外科処置後に、連続的に集められ、通信され得る。
【0383】
38114に示されるように、外科用機器はデータを監視し得る。外科用機器は、図10に関連して記載したような外科用器具20282であり得る。外科用器具20282は、外科用器具の移動及び位置決めに関連付けられたユーザ入力などのデータを監視し得る。外科用器具20282は、加速度センサを使用して、外科用器具20282の移動及び位置決めを監視し得る。外科用器具20282は、外科用器具20282の配向を監視し得る。外科用器具20282は、外科用器具20282が特定の位置に維持される時間の長さを監視し得る。
【0384】
例えば、外科用機器は、図2に関連して記載されるような主ディスプレイ20023、及び/又は本明細書に説明される他のディスプレイなどの視覚ディスプレイであり得る。主ディスプレイ20023は、例えば、位置決めなどのデータを監視し得る。
【0385】
38116において、外科用機器は、監視データを外科用コンピューティングシステムに通信し得る。監視データは、外科処置前、外科処置中、及び/又外科処置後に、連続的に集められ、通信され得る。
【0386】
38118において、外科用コンピューティングシステムは、監視データを取得し得る。例えば、コンピューティングシステムは、図15の工程37800に関して本明細書に記載されるような監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCP監視システムから監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科用機器から監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCP監視システム及び外科用機器から監視データを取得し得る。
【0387】
38120において、外科用コンピューティングシステムは、取得された監視データを処理し得る。外科用コンピューティングシステムは、取得された監視データに少なくとも部分的に基づいて1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。監視データは、外科処置にわたるORセットアップ監視並びに/又は体勢及び姿勢監視を含み得る。外科用コンピューティングシステムは、OR内の人間工学的な位置決めに関連付けられた調整パラメータを判定し得る。例えば、調整パラメータは、手術室又は外科処置に関連する調整を含み得る。調整パラメータは、例えば、外科手術前又は外科手術中のORレイアウトの調整を含み得る。調整パラメータは、HCPの人間工学を改善するための機器レイアウトへの変更を含み得る。
【0388】
例えば、パラメータは、外科手術前にORレイアウトの推奨を示し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、外科手術を開始する前に、HCP特性を識別する監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、ビデオを含み得る、HCP監視システムからの監視データを取得し得る。HCP特性は、HCPの身長、腕の長さ、手の形又は長さ、腰の幅、肩幅、年齢、又は焦点位置を含み得る。HCP特性に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、外科手術前にORレイアウトの推奨を判定し得る。ORレイアウト推奨は、例えばメイヨスタンドの台の高さを含み得る。ORレイアウト推奨は、メイヨスタンドの配置及び/又は角度を含み得る。ORレイアウト推奨は、例えば、中立位置を維持するか、又はリーチ若しくは首若しくは背中の緊張のための伸展若しくは屈曲を最小限に抑えるために、手術モニタ位置及び/又は角度を含み得る。ORレイアウト推奨は、台の高さ、メイヨスタンドの配置及び/又は角度、手術モニタの位置及び/又は角度などのうちの1つ又は2つ以上を含む。
【0389】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科手術前に患者の特性を識別する監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、ビデオから監視データを取得し得る。患者の特性は、患者に関連付けられた身長、体重、腰の高さ、及び/又は肩の高さを含み得る。患者の特性に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、外科手術前にORレイアウトの推奨を判定し得る。ORレイアウト推奨は、患者ベッド上の患者の位置などの患者の位置決めを含み得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、HCP及び患者の特性に基づいて患者の位置決めを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCPの特性に対する患者の特性に基づいて患者の位置決めを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCPの特性、患者の特性、及び手術部位に基づいて患者の位置決めを判定し得る。
【0390】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科処置中及び/又は外科処置全体を通して、外科医などのHCPの姿勢に関連付けられた監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいてHCPの姿勢を判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、HCPの姿勢が人間工学的な姿勢であると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCPの姿勢が中立姿勢又は正しい姿勢であると判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCPの姿勢が、例えば、緊張した姿勢又は不自然な姿勢などの不適切な姿勢又は悪い姿勢であると判定し得る。人間工学的、中立、又は正しい姿勢であるHCPの姿勢は、HCPの身体の消耗を減少させ得る。不適切な姿勢又は悪い姿勢であるHCPの姿勢は、HCPの身体の消耗を増加させ得る。
【0391】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、HCPの判定された姿勢に基づいて、HCPの姿勢に関連付けられた調整パラメータ及び/又は推奨パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、中立姿勢に対応し得る調整パラメータ及び/又は推奨パラメータを判定し得る。
【0392】
例えば、外科用コンピューティングデバイスは、HCPの頸部又は頸椎の中立姿勢に関連付けられた調整パラメータ又は推奨パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングデバイスは、例えば、ディスプレイの場所及び/又は位置決め、HCPの位置及び/又は本明細書に記載されるHCPの特性に基づいて、HCPの中立姿勢に対応するディスプレイ又はモニタの位置を判定し得る。外科用コンピューティングデバイスは、ディスプレイ又はモニタを上げる、下げる、及び/又は傾けるなどの調整パラメータを計算し得る。ディスプレイ又はモニタを上げる、下げる、又は傾けることにより、HCPの姿勢が改善され得る。ディスプレイ又はモニタを上げる、下げる、又は傾けることは、HCPへの負担を低減し得る。
【0393】
例えば、外科用コンピューティングデバイスは、HCPの背中中央部又は胸椎の中立姿勢に関連付けられた調整パラメータ又は推奨パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングデバイスは、例えば、HCPの背中中央部又は胸椎の中立姿勢に対応する手術台又はメイヨスタンドなどの台の位置決めを判定し得る。この判定は、台の現在の位置決め、HCPの位置、及び/又は本明細書に記載されるHCPの特性に基づき得る。外科用コンピューティングデバイスは、HCPの背中中央部又は胸椎の中立姿勢をもたらし得る台位置に基づいて、台を上げる、下げる、又は傾けることなどの調整パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングデバイスは、中立姿勢に対応し得る患者の位置決めに関連付けられた調整パラメータを判定し得る。調整パラメータは、患者の位置を上げる、下げる、及び/又は傾けることを含み得る。
【0394】
例えば、外科用コンピューティングデバイスは、HCPの背中下部又は腰椎の中立姿勢に関連付けられた調整パラメータ又は推奨パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングデバイスは、HCPの背中下部又は腰椎の中立姿勢に対応する、手術台又はメイヨスタンドなどの台の位置決め、ディスプレイ又はモニタの位置決め、及び/又は外科用器具の位置決めを判定し得、それに応じて調整パラメータ又は推奨パラメータを生成し得る。台、ディスプレイ又はモニタ、及び/又は外科用器具の推奨される位置決めに関連付けられた判定されたパラメータは、骨盤のねじれ又は骨盤の傾きを最小限に抑えるか、又は低減し得る。骨盤のねじれ又は骨盤の傾きを最小限に抑えるか、又は低減することにより、HCPに対する消耗を低減し得る。
【0395】
外科用コンピューティングシステムは、OR内の外科用機器の位置決めに関連付けられたパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、OR内の外科用機器の場所に関連付けられたパラメータを判定し得る。外科用機器は、図2に関して本明細書に記載されるようなロボットシステム20034であり得る手術用ロボットを含み得る。ロボットシステム20034は、外科医のコンソール20036と、患者側カート20032と、手術用ロボットハブ20033と、を含み得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、腹腔鏡処置などの外科処置に関連付けられた監視データを取得し得る。外科処置は、記録され得る。腹腔鏡処置は、例えば、手術用ロボットなどの外科用機器を使用し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、手術用ロボットに関連付けられた位置決めパラメータ及び/又は場所パラメータを判定し得る。パラメータは、手術用ロボットの位置決めを含み得る。パラメータは、手術用ロボット構成を含み得る。パラメータは、手術用ロボットの場所を含み得る。パラメータは、手術用ロボットの処置への導入を含み得る。手術用ロボットの処置への導入は、ハイブリッド処置などの処置を補完する手術用ロボットを含み得る。手術用ロボットの処置への導入は、完全な手術用ロボット処置を含み得る。
【0396】
外科用コンピューティングシステムは、外科用器具の監視された移動に基づいて、外科用器具の人間工学的な位置決めに関連付けられたパラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、OR内の外科用器具の移動に関連付けられた監視データを取得し得る。監視データは、腹腔鏡処置に関連付けられ得る。監視データは、手術用ロボットに関連付けられたデータを含み得る。手術室内の外科用器具に関連付けられた監視データに基づいて、外科用コンピューティングシステムは、外科用器具の人間工学的な位置決めに関連付けられたパラメータを判定し得る。
【0397】
例えば、腹腔鏡処置は、手術用ロボットを使用する同様の処置のためのロボットセットアップを自動化するために監視され得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、同様の外科処置のための手術用ロボットセットアップパラメータを判定し得る。
【0398】
例えば、外科用器具の使用が分析され得る。外科用器具の使用は、監視された外科用器具の交換に基づいて分析され得る。外科用器具の使用は、監視された使用量に基づいて分析され得る。外科用器具の使用は、処置に対する外科用器具の使用の適切性に基づいて分析され得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科用器具の使用を分析し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科用器具に関連付けられた監視データを受信し得る。外科用器具に関連付けられた監視データは、外科用器具の移動、外科用器具の使用量、外科処置に使用される外科用器具のタイプ、及び/又は外科用器具の交換を含み得る。外科用コンピューティングシステムは、外科用器具の使用のための理想又は標準に関連付けられた情報を取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科用器具の使用に関連付けられたパラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて外科用器具の使用に関連付けられたパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、外科用器具使用のための理想的な標準に基づいて外科用器具使用パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データ及び所定の標準外科用器具使用値に基づいて外科用器具使用パラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、監視データ並びに標準的な製品使用慣行及び/又は値に基づいて、製品混合不規則性を識別し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視された器具の使用と標準的な器具の使用とを比較することによって、例えば外科処置のための外科用器具の過剰使用又は使用不足を判定し得る。
【0399】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、HCPの人間工学的要件を改善するために、患者の位置決め、アクセス、及び再位置決めに関連付けられたパラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、外科処置全体を通して、患者の位置決め、外科用アクセスデバイス、及びOR内の再位置決めに関連付けられた監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、修正された患者位置又は外科用アクセスポイントを判定し得る。修正された患者位置は、初期患者の位置決め及び/又は外科処置のための初期外科用アクセスポイントを含み得る。修正された患者位置及び/又は修正された外科用アクセスポイントは、HCPの重労働及び/又は過度のストレスを最小限に抑えるか、又は低減し得る。
【0400】
手術台上の患者の位置が判定され得る。外科処置の前に、患者は手術台に移され得る。ORチームは、手術台上の患者の位置を計画及び/又は調整し得る。患者の位置は、例えば、患者を再位置決めするために処置を停止することに起因して、外科手術中に遅延を生じさせ得る。患者の推奨位置は、例えば、外科用コンピューティングシステムによって、患者特性若しくはプロファイル、外科処置タイプ、OR室レイアウト、及び/又は外科用機器位置決めのうちの1つ又は2つ以上に基づいて判定され得る。手術ベッド上の患者の推奨位置を判定する外科用コンピューティングシステムは、例えば、HCP又はORチームが他のタスクを計画し、調整し、及び/又は他のタスクに焦点を向けることを可能にすることによって、セットアップ時間を低減し得る。
【0401】
例えば、監視データ及び患者の判定された推奨位置に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、現在の患者位置が適切であるかどうかを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、現在の患者位置が適切であるかどうかの判定に基づいてフィードバックを判定し得る。例えば、患者の位置決めを変更する(例えば、どのように変更するか)ためのフィードバックは、不適切な位置決めに基づいて判定され得る。適切な患者の位置決めを確認するフィードバックは、監視データが適切な位置決めを示す場合に判定され得る。外科用コンピューティングシステムは、手術台上の患者の適切な位置決めのための輪郭を描くことによって、推奨される患者の位置決めを示し得る。
【0402】
外科用コンピューティングシステムは、外科用監視データに基づいて患者の位置決めパラメータを判定し得る。損傷及び合併症は、外科処置全体を通して患者を適切に位置決めすることによって防止され得る。適切な患者の位置決めは、ORチームのサーベイランスに基づいて判定され得る。実施例では、外科用コンピューティングシステムは、OR及びORチームに関連付けられた監視データを受信する。外科用コンピューティングシステムは、OR内の患者の位置決めに関連付けられた監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、全身麻酔が投与された後に、患者の移動又は再位置決めに関連付けられた監視データを取得し得る。外科用コンピューティングシステムは、患者の血圧及び/又は血圧変化などの外科用監視データに基づいて、患者を移動させることが安全であるかどうかを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データが安全な全身血圧を示すという条件で、患者を移動させることが安全であることを示し得る。
【0403】
患者を移動させるときに、HCPがモニタ、静脈ライン、及び/又は気管内チューブを管理することが重要であり得る。外科用コンピューティングシステムは、患者の移動前、移動中、及び移動後に、モニタ、静脈ライン、及び/又は気管内チューブに関連付けられた監視データを受信し得る。監視データに基づいて、外科用コンピューティングシステムは、OR内の患者の位置決めの修正に関連付けられたパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、合併症を防止するために、監視データに基づいた患者の位置決めの変更に関連付けられたパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムが患者の位置決めの必要性を判定すると、ORチーム又は麻酔科医は、他のタスクに焦点、エネルギー、及び/又は時間を費やしてもよい。
【0404】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データ又は履歴データに基づいて、外科処置に関連付けられたリスクレベルを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、患者の位置決め、並びに/又は例えば静脈ライン及びチューブなどのOR内の外科用デバイスを監視し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データに基づいて、患者及び/又は外科用デバイスの位置決めに関連付けられたリスクレベルを判定し得る。判定されたリスクレベルは、外科的合併症に関連付けられ得る。実施例では、外科用デバイスの不適切な位置決めは、外科処置におけるリスクレベルを増加させ得る。外科用コンピューティングシステムは、リスクレベルを良好、低リスク、又は高リスクであると判定し得る。良好であると判定されたリスクレベルは、外科用デバイスの位置決めが適切であり、外科的合併症のリスクが懸念事項ではないことを示し得る。低リスクであると判定されたリスクレベルは、外科用デバイスの位置決めが外科的合併症の低リスクを有することを示し得る。高リスクであると判定されたリスクレベルは、外科用デバイスの位置決めが外科的合併症の高リスクを有することを示し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データに基づいて、外科用デバイスの位置決めに関連付けられたパラメータを判定し得る。パラメータは、例えば、外科的合併症のリスクを減少させるために、外科用デバイスの位置決めのための推奨を含み得る。
【0405】
外科用コンピューティングシステムは、監視データ及び潜在的な損傷に基づいて、特定の損傷又は合併症のリスクを判定し得る。外科処置中に患者が不適切に配置又は移動された場合、又は外科用デバイスが不適切な位置にある場合、ある範囲の損傷が発生し得る。例えば、損傷は、末梢神経損傷及び/又は術後の視力喪失を含み得る。
【0406】
末梢神経損傷は、患者が正しく位置決めされないことによって生じ得る。末梢神経損傷は、軽度又は重篤な状態をもたらし得る。例えば、末梢神経損傷は麻痺した腕をもたらし得る。末梢神経損傷は、重篤な病的状態をもたらし得る。末梢神経損傷のタイプは、尺骨損傷、上腕神経叢損傷、及び脊髄損傷を含み得る。例えば、尺骨損傷が発生し得る。尺骨損傷は、外科手術中に発生し得る。尺骨神経は、尺骨に沿って走り得る。尺骨神経は、前腕、薬指、及び/又は小指に感覚を与え得る。尺骨神経が圧迫されると、そのエリアから感覚が遮断される場合がある。尺骨神経の圧迫は、神経を伸長させ得る、肘の極度の屈曲が存在する場合に発生し得る。例えば、腕神経叢損傷が発生し得る。腕神経叢損傷は、外科手術中の患者の不適切な位置決めに起因して発生し得る。腕神経叢は、脊髄から首を通って脇の下に延びる神経のネットワークを含み得る。腕神経叢が不適切に配置されている場合、患者は上肢の麻痺及び/又は衰弱を経験し得る。
【0407】
例えば、脊髄損傷が発生し得る。脊髄損傷は、重篤な末梢神経損傷であり得る。脊髄への損傷は、外科処置中の患者の首の不適切な配置に起因して、発生し得る。脊髄損傷は、組織虚血、肺障害、及び/又はコンパートメント症候群のうちの1つ又は2つ以上をもたらし得る。組織虚血は、組織への血液供給の制限であり得、これは、組織を生きたままに保つために必要な酸素の不足を引き起こし得る。虚血は、患者が仰向けに横たわっている間に不適切に調整された場合に発生し得る。外科手術が側臥位で実施される場合に、肺の問題が発生し得る。肺損傷は、気道運動を改善し、血流を増加させる、腹部内容物及び/又は縦隔の運動に起因して発生し得る。コンパートメント症候群は、外科処置中、例えば、長い外科処置中に発生し得る。外科手術が截石位又は側臥位で実施される場合、コンパートメント症候群が発生し得る。コンパートメント症候群は、筋肉内の圧上昇を含み得る。コンパートメント症候群は、血流を減少させ、及び/又は神経細胞内及び/若しくは筋細胞に酸素が到達するのを妨げる、筋肉内の圧上昇を含み得る。
【0408】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、視覚ディスプレイの動作に関連付けられたパラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCPの頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データを取得し得る。監視データに基づいて、外科用コンピューティングシステムは、視覚ディスプレイの動作に関連付けられたパラメータを判定し得る。視覚ディスプレイに関連付けられたディスプレイ動作パラメータは、監視された眼精疲労及び/又は監視された観察位置に基づいて生成され得る。
【0409】
実施例では、外科用コンピューティングシステムは、眼精疲労を低減するためのパラメータを判定し得る。不適切なモニタ設定は、眼精疲労、目の疲労、及び/又は頭痛につながることがある。例えば、本明細書に記載されるHCP監視システムなどのORサーベイランスシステムは、外科手術中に眼の動き及びHCPの疲労を監視し得る。外科用コンピューティングシステムは、眼精疲労に関連付けられた監視データを取得し得る。監視データに基づいて、外科用コンピューティングシステムは、HCPに関連付けられた眼精疲労を判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、眼精疲労に関連付けられた監視データに基づいて、視覚ディスプレイに関連付けられたディスプレイ動作パラメータを判定し得る。ディスプレイ動作パラメータは、視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントに対する設定又は調整のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。外科用コンピューティングシステムは、1つ又は2つ以上のHCPに関連付けられ判定された眼精疲労に基づいて、1つ又は2つ以上の視覚ディスプレイに関連付けられたディスプレイ動作パラメータを判定し得る。
【0410】
例えば、外科用監視システムは、ディスプレイのセクションを拡大すること、ズームイン又はズームアウトビューを実装すること、及び/又はディスプレイのフォントを大きくすることを判定してもよく、判定された調整を遂行するためにパラメータを送信し得る。
【0411】
外科用監視システムは、受信した監視データに基づいて、例えば、HCPが見ている方向を判定し得る。外科用監視システムは、受信した監視データに基づいて、HCPがディスプレイの特定の部分を見ていると識別し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCPが見ているディスプレイの識別された部分を拡大すると判定し得る。
【0412】
例えば、外科用監視システムは、眼精疲労に基づいて、ディスプレイの特定の部分を拡大すると判定し得る。外科用監視システムは、受信した監視データに基づいて、HCPが眼精疲労を患っていることを検出し得る。眼精疲労は、HCPが眼を細めていること、モニタの近くへの動き、瞬き率の増加、強膜(例えば、眼の充血)に基づいて検出され得る。この判定に基づいて、外科用監視システムは、HCPが見ているディスプレイの識別された部分を拡大して、眼精疲労を低減し得る。外科用監視システムは、眼精疲労が低減されるまで、ディスプレイの特定の部分を拡大し続け得る。外科用監視システムは、HCPがディスプレイの異なる部分を見ているか、又はディスプレイから目を離していると判定すると、ディスプレイを通常又はデフォルトビューに戻すと判定し得る。外科用監視システムは、タスク完了に基づいて、ディスプレイを通常又はデフォルトビューに戻すと判定し得る。
【0413】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、HCPのエネルギーレベル及び/又は疲労レベルに基づいて、ディスプレイの輝度に関連付けられたディスプレイ動作パラメータを判定し得る。エネルギーレベル及び疲労レベルの測定に関する詳細は、2021年1月22日に出願された「METHOD OF ADJUSTING A SURGICAL PARAMETER BASED ON BIOMARKER MEASUREMENTS」と題する米国特許出願第17/156,287号(代理人整理番号END9290USNP1)に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。モニタの輝度を増加させることは、コンピュータのフリッカ率を低減し得る。モニタの輝度を増加させること、及び/又はコンピュータのフリッカ率を低減させることは、疲労を低減し得る。明るいモニタは、瞳孔を収縮させ得る。収縮した瞳孔は、より広い範囲の焦点をもたらし得る。より広い範囲の焦点は、眼が調節する必要性を低減し得る。より広い範囲の焦点は、HCPがより長く働くこと、及び/又はより快適に働くことを可能にし得る。
【0414】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、モニタ色温度に関連付けられたディスプレイ動作パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、OR内の光量に基づいてモニタ色温度を判定し得る。実施例では、外科用コンピューティングシステムは、暗い部屋でより暖かい色温度を使用すると判定し得る。より暖かい色温度は、黄色ベースの色温度を含み得る。実施例では、外科用コンピューティングシステムは、明るい部屋でより冷たい色温度を使用すると判定し得る。より冷たい色温度は、青色ベースの色温度を含み得る。
【0415】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、モニタコントラストに関連付けられたディスプレイ動作パラメータを判定し得る。ディスプレイ及び/又はモニタ上の低いコントラストは、眼精疲労を引き起こし得る。ディスプレイ及び/又はモニタ上のより高いコントラストは、眼精疲労を低減させ得る。実施例では、外科用コンピューティングシステムは、HCP眼精疲労を示す監視データに基づいて、モニタコントラストを増加させると判定し得る。
【0416】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、モニタフォントサイズに関連付けられたディスプレイ動作パラメータを判定し得る。小さいフォントサイズが、眼精疲労を引き起こし得る。実施例では、外科用コンピューティングシステムは、HCP眼精疲労を示す監視データに基づいて、モニタフォントを増加させると判定し得る。
【0417】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、モニタ位置に関連付けられたディスプレイパラメータを判定し得る。モニタ位置は、外科処置に最適化され得る。例えば、腹腔鏡外科処置に最適なビューは、見ているHCPの眼の水平面の下に15~40度以内に位置決めされたモニタを含み得る。見ているHCPの目の水平面の下25度に位置決めされたモニタは、腹腔鏡外科処置に最適であり得る。見ているHCPの目の水平面の下15度~40度以内又は25度に位置決めされたモニタにより、首の緊張量が最小になり得る。HCPの人間工学的なニーズに合わせて外科用機器を調整することにより、首の緊張を最小限に抑え得る。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、モニタが適切な位置にないかどうかを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、HCPの人間工学的なニーズに適合するように、モニタの適切な角度を判定してもよく、ディスプレイパラメータを介して適切な角度を示し得る。
【0418】
38122において、外科用コンピューティングシステムは、パラメータを通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムにパラメータを通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、OR内のHCPにパラメータを表示するようにディスプレイに命令し得る。パラメータは、ORレイアウトための推奨又はフィードバックに含まれ得る。パラメータは、ディスプレイを動作させるための推奨又はフィードバックに含まれ得る。パラメータは、外科用機器及び/又はデバイスを動作させるか、又は位置決めするための推奨又はフィードバックに含まれ得る。パラメータは、患者の位置決めのための推奨又はフィードバックに含まれ得る。パラメータは、外科用機器の動作のための命令に含まれ得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、器具又は制御信号の一部としてパラメータを外科用機器に通信し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、器具又は制御信号の一部としてパラメータをディスプレイに通信し得る。外科用コンピューティングシステムは、判定されたリスクレベル及び/又は外科用デバイスの位置決めなどのリスクレベルに関連付けられたパラメータを、例えばディスプレイに通信し得る。
【0419】
38124において、外科用機器は、パラメータを受信し得る。外科用機器は、外科用コンピューティングシステムからフィードバックを受信し得る。外科用機器は、外科用器具、外科用デバイス、手術用ロボット、手術台、手術ベッドなどを含み得る。
【0420】
38126において、外科用機器は、その動作を修正し得る。外科用機器は、パラメータに基づいて、その動作を修正し得る。外科用機器は、外科用コンピューティングシステムから受信されたパラメータに基づいて、その動作を修正し得る。例えば、外科用器具を使用するHCPは、外科用器具トリガの把持力が弱くなるなどの疲労を経験することがある。外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、疲労の低減に関連付けられたパラメータを判定し得る。パラメータは、外科用器具への電力を増加させることを含み得る。外科用コンピューティングシステムは、パラメータを外科用器具に通信し得る。外科用器具は、HCPによる把持力が弱くなっているにもかかわらず、外科用器具がより高い電力を出力し得るように、その動作を修正し得る。
【0421】
38128において、ディスプレイは、パラメータを受信し得る。ディスプレイは、外科用コンピューティングシステムからパラメータを受信し得る。ディスプレイは、外科用ディスプレイであり得る。ディスプレイは、モニタであり得る。ディスプレイは、本明細書に記載されるような外科用ハブの一部であり得る。ディスプレイは、外科用コンピューティングシステムの一部であり得る。
【0422】
38130において、ディスプレイは、パラメータを提示し得る。ディスプレイは、例えば、外科用コンピューティングデバイスから受信されたパラメータを提示し得る。例えば、ディスプレイは、患者の位置決めに関連付けられたパラメータを提示し得る。ディスプレイは、外科処置のために患者を適切に位置決めするために、手術ベッド上の患者の輪郭を提示し得る。
【0423】
ディスプレイは、HCPが取るべき提案アクションを示すように構成された1つ又は2つ以上の通知を提示し得る。提案アクションは、外科処置又は外科的計画を実施するための命令を含み得る。提案アクションは、OR内の人間工学的な位置決めを実装するための命令を含み得る。提案アクションは、HCP及び/又は患者の移動及び/又は姿勢を修正するための命令を含み得る。
【0424】
例えば、ディスプレイは、HCP及び/又はOR内の外科用機器位置決めに関連付けられたパラメータを提示し得る。一実施例では、ディスプレイは、台の高さ、メイヨスタンドの配置及び/若しくは角度、又はモニタの位置及び/若しくは角度のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたパラメータを提示し得る。ディスプレイは、HCPが中立位置を維持し、及び/又はリーチ及び首又は背中の緊張のための伸展又は屈曲を最小限に抑えるためのパラメータを提示し得る。ディスプレイは、中立姿勢及び/又は正しい姿勢に関連付けられた推奨をHCPに提示し得る。ディスプレイは、外科処置全体を通して推奨を提示し得る。
【0425】
例えば、ディスプレイは、例えば、監視データ又は履歴データに基づいて、外科処置に関連付けられたリスクレベルを提示し得る。ディスプレイは、リスクレベルに関連付けられたパラメータ及び/又はフィードバックを受信し得る。ディスプレイは、リスクレベルに関連付けられたパラメータ及び/又はフィードバックを、例えば、OR内のHCPに提示し得る。ディスプレイは、色を使用して、リスクレベルを示し得る。例えば、色は、特定のリスクレベルに関連付けられ得る。実施例では、良好であると判定されたリスクレベルは緑色として提示され得、低リスクであると判定されたリスクレベルは黄色として提示され得、及び/又は高リスクであると判定されたリスクレベルは赤色として提示され得る。
【0426】
38132において、ディスプレイはその動作を修正し得る。ディスプレイは、例えば、外科用コンピューティングデバイスから受信されたディスプレイ動作パラメータに基づいて、その動作を修正し得る。ディスプレイは、眼精疲労の低減に関連付けられたディスプレイ動作パラメータに基づいて、その動作を修正し得る。ディスプレイは、ディスプレイの位置決めなどの人間工学的な位置決めに関連付けられたディスプレイ動作パラメータに基づいて、その動作を修正し得る。
【0427】
例えば、外科用コンピューティングシステムから眼精疲労の低減に関連付けられたディスプレイ動作パラメータを受信したことに応答して、ディスプレイは、ディスプレイの設定を修正し得る。ディスプレイは、受信されたパラメータに基づいて、輝度、色温度、色コントラスト、フォントなどを修正し得る。例えば、ディスプレイは、眼精疲労を低減するためにモニタ輝度を増加し得る。ディスプレイは、眼精疲労を低減するために(例えば、暗い照明を有する環境において暖かい色温度を使用するために、明るい照明を有する環境において冷たい色温度を使用するために)色温度を修正し得る。
【0428】
例えば、ディスプレイは、人間工学的な位置決めに関連付けられたパラメータを受信し得る。ディスプレイは、ディスプレイの位置決めに関連するパラメータを受信し得る。ディスプレイは、HCPに対するディスプレイの位置決めに関連付けられたパラメータを受信し得る。モニタは、外科処置のためのディスプレイの位置決めに関連付けられたパラメータを受信し得る。
【0429】
例えば、ディスプレイは、HCPの消耗を低減するようにその位置決めを修正し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCPの頭又は眼の位置に関連付けられた監視データを受信し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、写真、フレーム、ビデオなどの監視データを、OR内のカメラ又はサーベイランスシステムから受信し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、監視データに基づいて、視覚ディスプレイの位置に関連付けられたパラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいて、OR内の場所及びHCPの頭及び眼の位置などのHCPの位置、並びにディスプレイの位置及び配向を判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、HCPの場所、HCPの頭又は眼の位置、及び/又はモニタの位置及び配向に基づいて、ディスプレイのHCPの視野角を判定し得る。判定された視野角に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、例えば、運動及び/又は姿勢を改善し、及び/又は眼精疲労を低減するために、ディスプレイの位置決め及び配向を修正するための調整パラメータを判定し得る。
【0430】
図19は、手術室内の例示的な表示位置を示す。図19に示されるように、HCP38210は、手術室内で患者の手術部位38212において外科処置を実施していることがある。HCP38210は、外科処置中に、外科用ディスプレイ38214を使用し得る。外科用ディスプレイ38214の位置及び/又は配向は、多軸制御アーム38216によって制御され得る。図19に示されるように、視野角38218は、HCP38210の目の水平面と外科用ディスプレイ38214に向かう視線との間の角度であり得る。手術室は、例えば、カメラを含み得るサーベイランスシステム38220を含み得る。サーベイランスシステム38220は、HCP38210及び外科用ディスプレイ38214の位置を監視し得る。サーベイランスシステム38220は、例えば、HCP38210及び外科用ディスプレイ38214の監視された位置に基づいて、視野角38218を計算し得る。例えば、サーベイランスシステム38220は、監視された位置データを外科用コンピューティングシステムに送信し得、外科用コンピューティングシステムは、HCP38210及び外科用ディスプレイ38214の位置に基づいて視野角38218を計算し得る。視野角に基づいて、外科用コンピューティングシステムは、HCP38210が中立姿勢を維持しているかどうか、及び/又は外科用ディスプレイ38214が適切に位置決めされているかどうかを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、視野角が人間工学的であり、及び/又はHCPの姿勢を改善するように、修正された位置及び/又は配向などの外科用ディスプレイに対する調整パラメータを判定し得る。
【0431】
実施例では、外科用コンピューティングシステムは、外科処置に基づいて視覚ディスプレイの動作又は位置に関連付けられたパラメータを判定し得る。例えば、腹腔鏡処置では、ディスプレイが、HCPの眼の水平面の下15~40度の範囲内にある、ディスプレイの位置決めは、HCPの首の緊張を最小限に抑え得る。ディスプレイがHCPの眼の水平面の下25度にあるディスプレイの位置決めは、HCPの首の緊張を最小限に抑え得る。
【0432】
外科用コンピューティングシステムは、ディスプレイの位置決めに関連付けられたパラメータをディスプレイに通信し得る。ディスプレイは、パラメータに基づく通知をORチームに示し得る。例えば、ディスプレイは、ORチームに、ディスプレイが正しい位置にないこと、例えば、腹腔鏡処置におけるHCPの眼の水平面の下15~40度の範囲外にあることを示し得る。ディスプレイの位置は、例えば、多軸制御アームを使用して修正され得る。外科用コンピューティングシステム及び/又はHCP監視システムは、ディスプレイの位置を修正し得る。ディスプレイの位置は、外科用コンピューティングシステムから判定された調整パラメータに基づいて修正され得る。修正された表示位置は、首の緊張を最小限に抑えるか、又は低減し得る。
【0433】
例えば、ディスプレイは、外科処置全体を通して、外科用コンピューティングシステムからディスプレイの人間工学的な位置決めに関連付けられたパラメータを連続的に受信し得る。ディスプレイは、外科処置全体を通して受信されたパラメータに基づいて、その動作、例えば、その位置決めを連続的に修正し得る。
【0434】
ディスプレイの追跡及び調整が実施され得る。ディスプレイは、ディスプレイを使用するHCP及び/又はディスプレイを見ているHCPに基づいて調整され得る。例えば、モニタ三角測量が実施され得る。HCPによるモニタ三角測量は、HCPの頭及び眼の動きに基づいて実施され得る。モニタの位置決めは、HCPの頭及び眼の動きに基づいて判定され得る。モニタの位置決めは、例えば、ディスプレイを使用しているか、又は見ているHCPには見えない不正確な場所にあり得る。
【0435】
例えば、外科用コンピューティングシステムは、視覚ディスプレイの動作に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定し得る。
【0436】
ディスプレイは、自己調整モニタを含み得る。ディスプレイは、外科用コンピューティングシステム又は外科用ハブがモニタの位置及び/又は角度を変更することを可能にし得る。ディスプレイは、外科用コンピューティングシステム又は外科用ハブが、システムを使用する外科医に対するモニタの位置及び/又は角度を変更することを可能にし得る。
【0437】
図20は、医療専門家の頭及び眼の位置決めを監視するサーベイランスシステムを含む、例示的な手術室を示す。図20に示されるように、ORは、カメラを使用して監視され得る。カメラは、手術室内のHCPの場所、位置、及び/又は配向、HCPのディスプレイに対する場所及び/又は角度を監視し得る。例えば、カメラは、HCPの頭若しくは眼の位置、及び/又はカメラ及び/又はディスプレイへのアイコンタクトを監視し得る。カメラは、監視データを外科用コンピューティングシステムに送信し得る。OR内のHCPは、外科処置に関連付けられたHCPの役割又は仕事を有し得る。例えば、図20に示されるように、OR内のHCPは、主外科医38252、麻酔科医38254、医師助手38256、又は看護師38258であり得る。
【0438】
図20に示されるように、HCPのID及び/又は役割は、例えば、RF信号又は顔認識アルゴリズムを使用して判定され得る。カメラ38250は、OR内のHCP38252、38254、38256、及び38258を監視し得る。例えば、カメラは、顔認識アルゴリズムを使用して、OR内のHCPを識別し得る。カメラ38250は、OR内のHCP38260、38262、38264、及び38266の顔を監視(例えば、捕捉)し得る。HCPの顔に基づいて、カメラは、顔アルゴリズムを使用して、HCPを識別し得る。例えば、カメラは、HCP上のIDカード38268、38270、38272、及び38274からRFID信号を受信し得る。RFID信号に基づいて、カメラは、HCPのID及び/又は役割を判定し得る。HCP IDに基づいて、カメラは、HCPの役割を判定し得る。例えば、カメラは、HCP38252が主外科医であること、HCP38254が麻酔科医であること、HCP28256が医師助手であること、及び/又はHCP38258が看護師であることを判定し得る。本明細書に記載される判定は、外科用コンピューティングシステムによって実施され得る。
【0439】
HCPの優先順位は、例えば、カメラ38250又は外科用コンピューティングシステムによって判定され得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、外科処置、外科処置の工程、HCP ID、HCPの役割などに基づいて、HCP優先順位を判定し得る。例えば、麻酔科医は、全身麻酔の投与に関連付けられた外科処置の工程中に、最も高いHCP優先順位(例えば、第1の優先順位)を有し得る。例えば、主外科医、麻酔科医、医師助手、及び看護師は、外科処置及び/又は外科処置の工程に基づいて、異なる優先順位を有し得る。例えば、主外科医は、最高の優先順位(例えば、第1の優先順位)を有してもよく、麻酔科医は、2番目に高い優先順位(例えば、第2の優先順位)を有してもよく、医師助手は、3番目に高い優先順位(例えば、第3の優先順位)を有してもよく、看護師は、4番目に高い優先順位(例えば、第4の優先順位)を有し得る。優先順位レベルは、例えば、ディスプレイを見るための優先順位に関連付けられ得る。
【0440】
図21は、手術室における例示的なディスプレイを示す。図21に示されるように、ディスプレイ38300は、例えば医療専門家の間で位置及び配向を枢動させ得る。例えば、ディスプレイ38300は、第1の位置及び/又は配向38302から第2の位置及び/又は配向38304に枢動し得る。外科用コンピューティングシステムは、例えば、OR内の人間工学的な位置決めに関連付けられ判定されたディスプレイ調整パラメータに基づいて、ディスプレイ38300の位置及び/又は配向を枢動させると判定し得る。ディスプレイ調整パラメータは、ORに存在するHCP及び/又は現在のHCPの役割に基づいて判定され得る。
【0441】
図21に示されるように、第1のHCP38306及び第2のHCP38308は、OR内に存在し得る。カメラ38310は、第1のHCP38306及び第2のHCP38308を監視し得る。カメラは、監視データを外科用コンピューティングシステムに送信してもよく、外科用コンピューティングシステムは、監視データに基づいてディスプレイ調整パラメータを判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、第1のHCP38306に関連付けられた第1の視野角38312と、第2のHCP38308に関連付けられた第2の視野角38314とを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、第1の視野角38312及び第2の視野角38314に基づいて、ディスプレイ調整パラメータを判定し得る。
【0442】
外科用コンピューティングシステムは、例えば、複数のHCPがディスプレイを見ている場合、HCP優先順位に基づいてディスプレイ調整パラメータを判定し得る。外科用コンピューティングシステムは、HCP IDカード38316及び38318上のRFID信号及び/又は顔認識アルゴリズムに基づいて、HCP優先順位を判定し得る。例えば、外科用コンピューティングシステムは、より高い優先順位のHCPに向かってディスプレイを枢動させるために、ディスプレイ調整パラメータを判定し得る。麻酔科医及び看護師がディスプレイを見ている場合、外科用コンピューティングシステムは、例えば、麻酔科医が看護師よりも高い優先順位を有する場合、麻酔科医に向くようにモニタの位置及び配向を枢動させるディスプレイ調整パラメータを判定し得る。例えば、ディスプレイ調整パラメータは、より高い優先順位のHCPが改善されたビューを有するように、ディスプレイ38306を第1の位置及び/又は配向38302から第2の位置及び/又は配向38304に切り替えることであり得る。
【0443】
以下は、特許請求され得るか、又はされ得ない付番された態様の非網羅的リストである。
【0444】
態様1.外科用コンピューティングシステムは、プロセッサを備え、プロセッサが、
手術室に関連付けられた監視データを取得することと、
監視データに少なくとも部分的に基づいて、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を行うように構成されている、外科用コンピューティングシステム。
【0445】
態様2.監視データが、医療専門家の頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられる1つ又は2つ以上のパラメータが、視覚ディスプレイの動作に関連付けられたパラメータを含む、態様1に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0446】
態様3.頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データが、眼精疲労に関連付けられたデータを含み、プロセッサが、
医療専門家の頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた眼精疲労を判定することと、
医療専門家に関連付けられた眼精疲労に基づいて、視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントのうちの1つ又は2つ以上を修正することに関連付けられたパラメータを判定することと、を行うように更に構成されている、態様2に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0447】
態様4.監視データが、医療専門家の姿勢及び医療専門家の動きに関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、患者の位置決め、手術室の位置決め、トロカールの位置決め、又は外科用器具の位置決めのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたパラメータを含む、態様1に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0448】
態様5.監視データが、手術室内の外科処置に関連付けられた医療専門家の姿勢に関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、態様1に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0449】
態様6.監視データが、手術室内の外科処置に関連付けられた医療専門家の身体的特徴に関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の手術室における人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、態様1に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0450】
態様7.監視データが、手術室内の外科用機器の場所に関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、外科用機器の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、態様1に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0451】
態様8.外科用機器が、ロボット外科用機器である、態様7に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0452】
態様9.監視データが、手術室内の外科用器具の移動に関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、外科用器具の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、態様1に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0453】
態様10.監視データが、手術室内の患者の位置決めに関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含む、態様1に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0454】
態様11.監視データが、外科用デバイスの位置決めに関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、外科用デバイスの位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含む、態様10に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0455】
態様12.外科用コンピューティングシステムであって、
プロセッサを備え、プロセッサが、
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データを取得することと、
監視データに基づいて、視覚ディスプレイの動作に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
視覚ディスプレイの動作に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を行うように構成されている、外科用コンピューティングシステム。
【0456】
態様13.手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データが、医療専門家の役割又は医療専門家のIDに関連付けられたデータを含む、態様12に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0457】
態様14.プロセッサが、
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた閲覧優先度を判定することと、
医療専門家に関連付けられた閲覧優先度に基づいて、視覚ディスプレイの位置に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、を行うように更に構成されている、態様13に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0458】
態様15.手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データが、眼精疲労に関連付けられたデータを含む、態様12に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0459】
態様16.プロセッサが、
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた眼精疲労を判定することと、
医療専門家に関連付けられた眼精疲労に基づいて、視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントのうちの1つ又は2つ以上を修正することに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、を行うように更に構成されている、態様15に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0460】
態様17.外科用コンピューティングシステムであって、
プロセッサを備え、プロセッサが、
手術室内の患者の位置決めに関連付けられた監視データを取得することと、
監視データに少なくとも部分的に基づいて、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
監視データに少なくとも部分的に基づいて、患者の位置決めに関連付けられたフィードバックを判定することと、
人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータ又は患者の位置決めに関連付けられたフィードバックのうちの少なくとも1つを、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を行うように構成されている、外科用コンピューティングシステム。
【0461】
態様18.監視データが、患者特性、手術室レイアウト、又は外科処置に関連付けられる、態様17に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0462】
態様19.プロセッサが、外科的合併症に関連付けられたリスクレベルを判定するように構成されている、態様17に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0463】
態様20.プロセッサが、
外科用デバイスの位置決めに関連付けられた監視データを取得することと、
外科用デバイスの位置決めに関連付けられた監視データに基づいて、手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを判定することと、を行うように構成されている、態様17に記載の外科用コンピューティングシステム。
【0464】
以下は、特許請求され得るか、又はされ得ない付番された実施例の非網羅的リストである。
【0465】
実施例1.コンピュータ実装方法は、手術室に関連付けられた監視データを受信することと、
監視データに少なくとも部分的に基づいて、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0466】
実施例1では、監視データは、医療専門家に関連付けられたデータを含み得、手術室内の外科処置に関連付けられた頭又は眼の位置、眼精疲労、姿勢、動き、姿勢、及び身体的特徴のうちの1つ又は2つ以上を含み得る。実施例1では、監視データは、手術室内の外科用機器の場所に関連付けられたデータ、手術室内の外科用器具の移動に関連付けられたデータ、手術室内の患者の位置決めに関連付けられたデータ、及び外科用デバイスの位置決めに関連付けられたデータのうちの1つ又は2つ以上を含み得る。
【0467】
実施例1では、1つ又は2つ以上のパラメータは、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータ、視覚ディスプレイの動作に関連付けられたパラメータ、患者の位置決め、手術室の位置決め、トロカールの位置決め、又は外科用器具の位置決めのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたパラメータ、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータ、外科用機器の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータ、外科用器具の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータ、手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータ、外科用デバイスの位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含み得る。
【0468】
実施例1では、1つ又は2つ以上のシステムは、視覚ディスプレイ、手術台、ロボット外科用機器、外科用器具、外科用機器、及び外科用デバイスを備え得る。
【0469】
実施例1は、外科手術の結果、並びに患者の経験及び福祉に影響を及ぼし得る、HCPの消耗及び疲労を改善する技術的効果を提供し得る。
【0470】
実施例2.受信された監視データが、医療専門家の頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられる1つ又は2つ以上のパラメータが、視覚ディスプレイの動作に関連付けられたパラメータを含む、実施例1に記載のコンピュータ実装方法。
【0471】
実施例3.頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データが、眼精疲労に関連付けられたデータを含み、方法が、
医療専門家の頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた眼精疲労を判定することと、
医療専門家に関連付けられた眼精疲労に基づいて、視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントのうちの1つ又は2つ以上を修正することに関連付けられたパラメータを判定することと、を含む、実施例2に記載のコンピュータ実装方法。
【0472】
実施例2及び3は、外科手術結果、並びに患者の経験及び福祉に影響を及ぼし得る、外科処置中のHCPの眼精疲労を低減させる技術的効果を有し得る。
【0473】
実施例4.受信された監視データが、医療専門家の姿勢及び医療専門家の動きに関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、患者の位置決め、手術室の位置決め、トロカールの位置決め、又は外科用器具の位置決めのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたパラメータを含む、実施例1~3のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0474】
実施例5.受信された監視データが、手術室内の外科処置に関連付けられた医療専門家の姿勢に関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、実施例1~3のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0475】
実施例6.受信された監視データが、手術室内の外科処置に関連付けられた医療専門家の身体的特徴に関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の手術室における人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、実施例1~5のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0476】
実施例4、5及び6は、医療専門家に関連付けられたデータに基づいて手術室環境を改善する技術的効果を提供し得、これは改善された外科手術結果、並びに患者及び医療専門家の改善された経験及び/又は福祉をもたらし得る。
【0477】
実施例7.受信された監視データが、手術室内の外科用機器の場所に関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、外科用機器の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、実施例1~6のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0478】
実施例7は、外科用機器に関連付けられたデータに基づいて手術室環境を改善する技術的効果を提供し得、これは、改善された外科手術結果、並びに患者及び医療専門家の改善された経験及び/又は福祉をもたらし得る。
【0479】
実施例8.外科用機器が、ロボット外科用機器である、実施例7に記載のコンピュータ実装方法。
【0480】
実施例9.受信された監視データが、手術室内の外科用器具の移動に関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、外科用器具の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、実施例1~8のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0481】
実施例9は、外科用器具に関連付けられたデータに基づいて手術室環境を改善する技術的効果を提供し得、これは、改善された外科手術結果、並びに患者及び医療専門家の改善された経験及び/又は福祉をもたらし得る。
【0482】
実施例10.受信された監視データが、手術室内の患者の位置決めに関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含む、実施例1~9のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0483】
実施例10は、手術室内の患者の位置決めに関連付けられたデータに基づいて手術室環境を改善する技術的効果を提供し得、これは、改善された外科手術結果、並びに患者及び医療専門家の改善された経験及び/又は福祉をもたらし得る。
【0484】
実施例11.受信された監視データが、外科用デバイスの位置決めに関連付けられ、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータが、外科用デバイスの位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含む、実施例10に記載のコンピュータ実装方法。
【0485】
実施例12.コンピュータ実装方法であって、
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データを受信することと、
監視データに基づいて、視覚ディスプレイの動作に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
視覚ディスプレイの動作に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0486】
実施例12では、監視データは、医療専門家の役割又は医療専門家のIDに関連付けられたデータ、及び眼精疲労に関連付けられたデータのうちの1つ又は2つ以上を含む。
【0487】
実施例12は、HCPの消耗及び疲労を改善する、例えば眼精疲労を低減する技術的効果を提供し得、これは、外科手術結果、並びに患者及び/又はHCPの経験及び福祉を改善し得る。
【0488】
実施例13.手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データが、医療専門家の役割又は医療専門家のIDに関連付けられたデータを含む、実施例12に記載のコンピュータ実装方法。
【0489】
実施例14.方法が、
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた閲覧優先度を判定することと、
医療専門家に関連付けられた閲覧優先度に基づいて、視覚ディスプレイの位置に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、を含む、実施例13に記載のコンピュータ実装方法。
【0490】
実施例15.手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データが、眼精疲労に関連付けられたデータを含む、実施例12~14のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0491】
実施例16.プロセッサが、
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた眼精疲労を判定することと、
医療専門家に関連付けられた眼精疲労に基づいて、視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントのうちの1つ又は2つ以上を修正することに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、を行うように更に構成されている、実施例15に記載のコンピュータ実装方法。
【0492】
実施例17.コンピュータ実装方法であって、
手術室内の患者の位置決めに関連付けられた監視データを受信することと、
監視データに少なくとも部分的に基づいて、手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
監視データに少なくとも部分的に基づいて、患者の位置決めに関連付けられたフィードバックを判定することと、
人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータ又は患者の位置決めに関連付けられたフィードバックのうちの少なくとも1つを、手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【0493】
実施例17は、HCPの骨盤ねじれ又は骨盤傾斜を最小化又は低減することによって、HCPの消耗及び疲労を改善する技術的効果を提供し得る。
【0494】
実施例18.受信された監視データが、患者特性、手術室レイアウト、又は外科処置に関連付けられる、実施例17に記載のコンピュータ実装方法。
【0495】
実施例19.外科的合併症に関連付けられたリスクレベルを判定することを含む、実施例17又は18に記載のコンピュータ実装方法。
【0496】
実施例20.外科用デバイスの位置決めに関連付けられた監視データを受信することと、
外科用デバイスの位置決めに関連付けられた監視データに基づいて、手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを判定することと、を含む、実施例17~19のいずれか1つに記載のコンピュータ実装方法。
【0497】
実施例21.実施例1~20のいずれか1つに記載の方法を実施するように構成されているプロセッサを備える、コンピューティングシステム。
【0498】
実施例22.実施例1~20のいずれか1つに記載の方法を行うための手段を備えるデータ処理デバイス。
【0499】
実施例23.システムであって、
実施例21に記載のコンピューティングシステムと、
コンピューティングシステムと通信可能に結合された手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムと、を備える、システム。
【0500】
実施例24.システムであって、
実施例22に記載のデータ処理デバイスと、
データ処理デバイスと通信可能に結合された手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムと、を備える、システム。
【0501】
実施例25.コンピュータによって実行されるときに、実施例1~20のいずれか1つに記載の方法を実装させる命令を有するコンピュータ可読媒体。
【0502】
〔実施の態様〕
(1) コンピュータ実装方法であって、
手術室に関連付けられた監視データを受信することと、
前記監視データに少なくとも部分的に基づいて、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
前記人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータを、前記手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
(2) 受信された前記監視データが、医療専門家の頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、視覚ディスプレイの動作に関連付けられたパラメータを含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(3) 頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データが、眼精疲労に関連付けられたデータを含み、前記方法が、
前記医療専門家の頭又は眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データに基づいて、前記医療専門家に関連付けられた眼精疲労を判定することと、
前記医療専門家に関連付けられた前記眼精疲労に基づいて、前記視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントのうちの1つ又は2つ以上を修正することに関連付けられたパラメータを判定することと、を含む、実施態様2に記載のコンピュータ実装方法。
(4) 受信された前記監視データが、医療専門家の姿勢及び前記医療専門家の動きに関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、患者の位置決め、手術室の位置決め、トロカールの位置決め、又は外科用器具の位置決めのうちの1つ又は2つ以上に関連付けられたパラメータを含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(5) 受信された前記監視データが、前記手術室内の外科処置に関連付けられた医療専門家の姿勢に関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
【0503】
(6) 受信された前記監視データが、前記手術室内の外科処置に関連付けられた医療専門家の身体的特徴に関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、手術台又は視覚ディスプレイのうちの1つ又は2つ以上の前記手術室における人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(7) 受信された前記監視データが、前記手術室内の外科用機器の場所に関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、前記外科用機器の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(8) 前記外科用機器が、ロボット外科用機器である、実施態様7に記載のコンピュータ実装方法。
(9) 受信された前記監視データが、前記手術室内の外科用器具の移動に関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、前記外科用器具の人間工学的位置決めに関連付けられたパラメータを含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
(10) 受信された前記監視データが、前記手術室内の患者の位置決めに関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、前記手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含む、実施態様1に記載のコンピュータ実装方法。
【0504】
(11) 受信された前記監視データが、外科用デバイスの位置決めに関連付けられ、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータが、外科用デバイスの位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを含む、実施態様10に記載のコンピュータ実装方法。
(12) コンピュータ実装方法であって、
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた監視データを受信することと、
前記監視データに基づいて、視覚ディスプレイの動作に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
視覚ディスプレイの動作に関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータを、前記手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
(13) 手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データが、医療専門家の役割又は医療専門家のIDに関連付けられたデータを含む、実施態様12に記載のコンピュータ実装方法。
(14) 前記方法が、
手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた閲覧優先度を判定することと、
医療専門家に関連付けられた前記閲覧優先度に基づいて、視覚ディスプレイの位置に関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、を含む、実施態様13に記載のコンピュータ実装方法。
(15) 手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データが、眼精疲労に関連付けられたデータを含む、実施態様12に記載のコンピュータ実装方法。
【0505】
(16) 手術室又は医療専門家の頭若しくは眼の位置のうちの1つ又は2つ以上に関連付けられた前記監視データに基づいて、医療専門家に関連付けられた眼精疲労を判定することと、
前記医療専門家に関連付けられた前記眼精疲労に基づいて、視覚ディスプレイに関連付けられた輝度、色温度、色コントラスト、又はフォントのうちの1つ又は2つ以上を修正することに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、を含む、実施態様15に記載のコンピュータ実装方法。
(17) コンピュータ実装方法であって、
手術室内の患者の位置決めに関連付けられた監視データを受信することと、
前記監視データに少なくとも部分的に基づいて、前記手術室内の人間工学的位置決めに関連付けられた1つ又は2つ以上のパラメータを判定することと、
前記監視データに少なくとも部分的に基づいて、患者の位置決めに関連付けられたフィードバックを判定することと、
人間工学的位置決めに関連付けられた前記1つ又は2つ以上のパラメータ又は患者の位置決めに関連付けられた前記フィードバックのうちの少なくとも1つを、前記手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムに通信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
(18) 受信された前記監視データが、患者特性、手術室レイアウト、又は外科処置に関連付けられる、実施態様17に記載のコンピュータ実装方法。
(19) 外科的合併症に関連付けられたリスクレベルを判定することを含む、実施態様17に記載のコンピュータ実装方法。
(20) 外科用デバイスの位置決めに関連付けられた監視データを受信することと、
外科用デバイスの位置決めに関連付けられた前記監視データに基づいて、前記手術室内の患者の位置決めを修正することに関連付けられたパラメータを判定することと、を含む、実施態様17に記載のコンピュータ実装方法。
【0506】
(21) 実施態様1、実施態様12、又は実施態様17に記載の方法を実施するように構成されているプロセッサを備える、コンピューティングシステム。
(22) 実施態様1、実施態様12、又は実施態様17に記載の方法を行うための手段を備える、データ処理デバイス。
(23) システムであって、
実施態様21に記載のコンピューティングシステムと、
前記コンピューティングシステムと通信可能に結合された前記手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムと、を備える、システム。
(24) システムであって、
実施態様22に記載のデータ処理デバイスと、
前記データ処理デバイスと通信可能に結合された前記手術室に関連付けられた1つ又は2つ以上のシステムと、を備える、システム。
(25) コンピュータによって実行されるときに、実施態様1に記載の方法を実装させる命令を有する、コンピュータ可読媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【国際調査報告】