(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】切断特性が向上したロボット芝刈り機
(51)【国際特許分類】
A01D 34/64 20060101AFI20240528BHJP
A01B 69/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
A01D34/64 M
A01B69/00 303N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573276
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-27
(86)【国際出願番号】 SE2022050449
(87)【国際公開番号】W WO2022250589
(87)【国際公開日】2022-12-01
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511234781
【氏名又は名称】フスクバルナ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】マルティン アラード
(72)【発明者】
【氏名】アンデシュ フェーグレーン
(72)【発明者】
【氏名】ヨルゲン ヨハンソン
(72)【発明者】
【氏名】ヨーナス ホルゲルソン
(72)【発明者】
【氏名】オッレ イェルモーケル
(72)【発明者】
【氏名】ボー コプセン
(72)【発明者】
【氏名】マルティン バール
【テーマコード(参考)】
2B043
2B083
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043AB20
2B043BA09
2B043BB11
2B043DC03
2B043EA06
2B043EB08
2B043EB22
2B043EC14
2B043ED12
2B083AA02
2B083BA12
2B083BA15
2B083CA07
2B083CA27
2B083DA03
(57)【要約】
本開示は、第1の端部部分(101)と第2の端部部分(102)を有し、かつ本体(140)、少なくとも2つの駆動輪(130a、130b)、少なくとも1つの旋回可能な車輪(131a、131b)、回転軸(152)を有する回転可能な草切断用ディスク(160)、及び少なくとも2つの電動モータ装置(150、165)を含むロボット芝刈り機(100)に関する。少なくとも2つの駆動輪(130a、130b)は、中心(146)を伴う駆動輪軸(145)を有し、かつ第1の電動モータ装置(150)に対して駆動可能に連結されており、少なくとも1つの旋回可能な車輪(131a、131b)が対応する旋回軸(153、154)を有する。少なくとも1つの旋回軸(153、154)を貫通し駆動輪軸(145)に対して平行である旋回取付け軸(151)が前記第2の端部部分(102)と駆動輪軸(145)の間に位置付けされている。切断用ディスク(160)は、第2の電動モータ装置(165)に対して駆動可能に連結されており、切断用ディスク(160)は少なくとも部分的に旋回取付け軸(151)と記第2の端部部分(102)の間に位置付けされている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部部分(101)と第2の端部部分(102)を有するロボット芝刈り機(100)であって、本体(140)、少なくとも2つの駆動輪(130a、130b)、少なくとも1つの旋回可能な車輪(131a、131b)、前記ロボット芝刈り機(100)の動作を制御するように適応された制御ユニット(110)、回転軸(152)を有する回転可能な草切断用ディスク(160)、及び少なくとも2つの電動モータ装置(150、165)を含むロボット芝刈り機(100)において、少なくとも2つの駆動輪(130a、130b)が、中心(146)を有する駆動輪軸(145)を備え、且つ第1の電動モータ装置(150)に駆動可能に連結され、少なくとも1つの旋回可能な車輪(131a、131b)が対応する旋回軸(153、154)を有し、少なくとも1つの旋回軸(153、154)を貫通し前記駆動輪軸(145)に対して平行である旋回取付け軸(151)が前記第2の端部部分(102)と前記駆動輪軸(145)の間に位置付けされ、前記切断用ディスク(160)が第2の電動モータ装置(165)に対して駆動可能に連結され、前記切断用ディスク(160)は少なくとも部分的に前記旋回取付け軸(151)と前記第2の端部部分(102)の間に位置付けされている、ロボット芝刈り機(100)。
【請求項2】
前記回転軸(152)が、前記切断用ディスク(160)を通過する場合、前記回転軸(152)は、前記旋回取付け軸(151)と前記第2の端部部分(102)の間に位置付けされる、請求項1に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項3】
少なくとも部分的に前記第2の端部部分102に沿ってか又はそれに隣接して通過しかつ正常運転中、本体140から地面Gに向かって延在する少なくとも1つの保護壁(141、142、143、144)をさらに含む、請求項1又は2のいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項4】
少なくとも部分的に前記第2の端部部分(102)に沿って通過する第1の円弧状保護壁(141)、及び少なくとも1つのさらなる円弧状保護壁(142、143、144)をさらに含み、前記保護壁(141、142、143、144)が正常運転中、前記本体(140)から前記地面(G)に向かって延在し、前記保護壁(141、142、143、144)が半径方向に離間されている、請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項5】
前記保護壁(141、142、143、144)が、正常運転中、前記切断用ディスク(160)と地面(G)の間に部分的に位置付けされている、請求項3に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項6】
前記保護壁(141、142、143、144)が、少なくとも主としてそれぞれの前記保護壁の円弧(141a、142a、143a、144a)をたどり、全ての前記保護壁の円弧(141a、142a、143a、144a)が共通の中心(146)を有している、請求項3又は4のいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項7】
前記共通の中心(146)が前記駆動輪軸(145)の中心である、請求項5に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項8】
少なくとも主としてそれぞれの壁の円弧(141a、142a、143a、144a)をたどる少なくとも1つの前記保護壁(141、142、143)の円弧状の延在部分が、テーパの付いた端部部分(147、148、149)を含んでいる、請求項3乃至6のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項9】
前記第2の電動モータ装置(165)が、前記回転軸(152)よりも前記駆動輪軸(145)に近いところに位置付けされている、請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項10】
前記制御ユニット(110)は、
前記第1の端部部分(101)が、境界(182、220)に接近するように前記境界(182、220)に向かって移動するように前記ロボット芝刈り機(100a)を制御し;
前記境界(182、220)までの距離が条件を満たしているか否かを決定し;そうである場合には、
前記ロボット芝刈り機(100b)を停止し;かつ
前記ロボット芝刈り機(100c、100d)の前記第2の端部部分(102)が切断円弧(210)に沿った円弧状運動を行ない、前記切断用ディスク(160)が前記切断円弧(210)の内側の草を切断できるように、互いに異なる方向に回転するように前記駆動輪(130a、130b)を制御する、
ように適応されている、請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項11】
前記切断円弧(210)の前記中心が、前記駆動輪軸(145)に沿って位置付けされている、請求項9に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項12】
前記切断円弧(210)の前記中心が、前記駆動輪軸(145)の前記中心(146)に位置付けされている、請求項10に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項13】
前記境界が、前記ロボット芝刈り機(100)のための動作部域を画定する境界ワイヤ(220)の形をしており、前記制御ユニット(110)は、前記ロボット芝刈り機(100)が前記境界ワイヤ(220)上に位置付けされている場合に前記ロボット芝刈り機(100)を停止させるように適応されており、前記条件は、前記境界ワイヤ(220)と前記ロボット芝刈り機(100)の間の決められた距離が第1の閾値を下回ることに関するものである、請求項10乃至12のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項14】
前記境界が物体(182)の形をしており、前記切断円弧が、前記物体(182)に最も近い最近接弧部分(211)を有し、前記条件は、前記物体(182)と前記ロボット芝刈り機(100)の間の決められた距離が第2の閾値を下回ることに関するものである、請求項10乃至13のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項15】
前記条件が、前記ロボット芝刈り機(100)が前記物体(182)と接触することに関するものである、請求項10乃至12のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項16】
前記切断円弧(210)が、180°を超える角度の延長部分を有し、前記制御ユニット(110)は、前記切断円弧(210)の前記延在部分に続く第2の端部中心(106)が前記切断円弧(210)の端部(212)に到達した時点でも移動を続けるように前記ロボット芝刈り機(100e)を制御するように適応されている、請求項10乃至15のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項17】
前記ロボット芝刈り機(100)は、境界ワイヤ制御信号を検知するように適応された少なくとも1つのワイヤセンサ(173)及び/又は、物体(182)を検出するように適応された少なくとも1つの環境検出デバイス(170、171)、及び/又は少なくとも1つのナビゲーションセンサ装置(175)を含む、請求項1乃至16のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項18】
前記ロボット芝刈り機(100)は、前進方向(F)及び後退方向(R)のために適応されており、前記第1の端部部分(101)が前記前進方向(F)に対面しており、前記第2の端部部分(102)が前記後退方向(R)に対面している、請求項1乃至17のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項19】
切断用ディスク装置(563)を含み、前記切断用ディスク装置(563)が、切断用アパーチャ(562)を順次に含むカバー部品(561)を含み、前記カバー部品が、正常運転中、前記切断用ディスク(560)と前記地面(G)の間に位置付けされ、かつ、正常運転中、前記地面(G)に対面する前記切断用ディスク(560)の側を少なくとも主に覆っている、請求項1乃至18のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項20】
前記切断用ディスク装置(563)が、前記切断用ディスク(560)と前記地面(G)の間の距離を調整できるように変位可能である、請求項19に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項21】
前方部分(535)が、少なくとも部分的に前記切断用ディスク(560)を包含するハウジング壁(564)を含む、請求項19又は20のいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項22】
前記切断用ディスク装置(563)も、少なくとも部分的に前記第2の端部部分(502)に沿って通過する1つ以上の保護壁(541;542a、542b、543a、543b、544a、544b)を含み、前記保護壁(541;542a、542b、543a、543b、544a、544b)が、正常運転中、前記本体(140)から前記地面(G)に向かって延在し半径方向に離間されている、請求項19乃至21のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項23】
1つ以上の前記保護壁が、前記切断用ディスク(560)及びそのカバー部品(561)によって分離される2つの部品(542a、542b、543a、543b、544a、544b)に分割されている、請求項22に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項24】
前記制御ユニット(110)が、前記切断用ディスク(160)を第1の回転方向(r
1)及び前記第1の回転方向(r
1)とは反対の第2の回転方向(r
2)に回転させるように前記第2の電動モータ装置(165)を制御するように適応されており、前記制御ユニット(110)は、前記切断用ディスク(160)が前記第2の端部部分(102)に最も近くにある最大限度まで現在の刈取り方向(m
1、m
2)と一致する回転方向(r
1、r
2)に前記切断用ディスク(160)を回転させるように前記第2の電動モータ装置(165)を制御するように適応されている、請求項1乃至23のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項25】
第1の端部部分(101)、第2の端部部分(102)、中心(146)を有する駆動輪軸(145)を備えかつ第1の電動モータ装置(150)に駆動可能に連結された少なくとも2つの駆動輪(130a、130b)、及び対応する旋回軸(153、154)を有する少なくとも1つの旋回可能な車輪(131a、131b)を有するロボット芝刈り機(100)であって、少なくとも1つの旋回軸(153、154)を貫通し前記駆動輪軸(145)に対して平行である旋回取付け軸(151)が、前記第2の端部部分(102)と前記駆動輪軸(145)の間に位置付けされており、前記ロボット芝刈り機(100)が少なくとも部分的に前記旋回取付け軸(151)と前記第2の端部部分(102)の間に位置付けされている回転可能な草切断用ディスク(160)をさらに有している、ロボット芝刈り機(100)を制御するための方法において:
前記第1の端部部分(101)が境界(182、220)に接近するように境界(182、220)に向かって移動するように前記ロボット芝刈り機(100a)を制御すること(S100)と;
境界(182、220)までの距離が条件を満たしているか否かを決定すること(S200)と;そうである場合には、
前記ロボット芝刈り機(100b)を停止すること(S300)と;
前記ロボット芝刈り機(100c、100d)の前記第2の端部部分(102)が切断円弧(210)に沿った円弧状運動を行ない、前記切断用ディスク(160)が前記切断円弧(210)の内側の草を切断することができるように、互いに異なる方向に回転するように前記駆動輪(130a、130b)を制御すること(S400)と;
を含む方法。
【請求項26】
前記回転軸(152)が前記切断用ディスク160を通過する場合、前記回転軸(152)は、前記旋回取付け軸(151)と前記第2の端部部分(102)の間に位置付けされる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記切断円弧(210)が180°を超える角度の延長部分を有しており、前記切断円弧(210)の前記延長部分に続く第2の端部部分中心(106)が前記切断円弧(210)の端部(212)に到達した後に移動を続けるように前記ロボット芝刈り機(100e)を制御すること(S500)を含んでいる、請求項25又は26のいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
前記切断円弧(210)の中心が、前記駆動輪軸(145)に沿って位置付けされている、請求項25乃至27のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記切断円弧(210)の前記中心が、前記駆動輪軸(145)の前記中心(146)に位置付けされている、請求項25乃至28のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記境界が、前記ロボット芝刈り機(100)のための動作部域を画定する境界ワイヤ(220)の形状であり、前記ロボット芝刈り機(100)が前記境界ワイヤ(220)上に位置付けされている場合に前記ロボット芝刈り機(100)の停止(S300)が実行され、前記条件は、前記境界ワイヤ(220)と前記ロボット芝刈り機(100)の間の決められた距離が第1の閾値を下回ることに関するものである、請求項25乃至29のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記境界が物体(182)の形状であり、前記切断円弧が、前記物体(182)に最も近い最近接弧部分(211)を有し、前記条件は、前記物体(182)と前記ロボット芝刈り機(100)の間の決められた距離が第2の閾値を下回ることに関するものである、請求項25乃至30のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
境界ワイヤ制御信号を検知するための少なくとも1つのワイヤセンサ(173)を使用すること及び/又は、物体(182)を検出するために少なくとも1つの環境検出デバイス(170、171)、及び/又は少なくとも1つのナビゲーションセンサ装置(175)を使用することを含む、請求項25乃至31のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記ロボット芝刈り機(100)が、前進方向(F)及び後退方向(R)のために使用され、前記第1の端部部分(101)が前記前進方向(F)に対面しており、前記第2の端部部分(102)が前記後退方向(R)に対面している、請求項25乃至32のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記切断用ディスク(160)を第1の回転方向(r
1)及び前記第1の回転方向(r
1)とは反対の第2の回転方向(r
2)に回転させるように前記第2の電動モータ装置(165)を制御することと;
前記切断用ディスク(160)が前記第2の端部部分(102)に最も近くにある最大限度まで現在の刈取り方向(m
1、m
2)と一致する回転方向(r
1、r
2)に前記切断用ディスク(160)を回転させるように前記第2の電動モータ装置(165)を制御することと;
を含む、請求項25乃至33のうちいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一定の動作部域内で動作するように適応されたロボット芝刈り機に関する。ロボット芝刈り機は、本体、少なくとも2つの駆動輪、少なくとも1つの旋回可能な車輪、ロボット芝刈り機の動作を制御するように適応された制御ユニット、回転軸を有する回転可能な草切断用ディスク、そして少なくとも2つの電動モータ装置を含む。
【背景技術】
【0002】
例えばロボット芝刈り機などのロボット芝刈り機は、増々人気を博している。ロボット芝刈り機は通常、再充電可能なバッテリを用いたバッテリ式であり、ユーザの芝生の草を自動的に切断するように適応されている。ロボット芝刈り機は、ユーザの介入無く自動的に充電可能であり、ひとたび設定された後は手動による管理を必要としない。
【0003】
例えば庭、公園、運動場、ゴルフ場などの作業部域内での典型的な展開においては、作業部域は、この作業部域内にロボット芝刈り機を保つ目的で、境界ワイヤにより取り囲まれている。境界ワイヤを通して電気制御信号を伝送し、これにより境界ワイヤから発出する(電)磁場を生成することができる。ロボット作業工具は典型的に、制御信号を検知するように適応された1つ以上のセンサを伴って配置される。
【0004】
代替的には、又は補足として、ロボット芝刈り機には、GPS(グローバルポジショニングシステム)又は例えば動的干渉測位(RTK)を用いた他の何らかの全地球的航法衛星システム(GNSS)等のシステムのために適応されたナビゲーションシステムを装備することができる。
【0005】
ロボット芝刈り機に付随する1つの問題は、物体及びキワ(boader)近くの草を切断するそれらの能力が限定的であるということにある。すなわち、通常、切断ユニットは、ロボット芝刈り機の芝刈り機本体の下側に配置されており、芝刈り機本体の各部分及び/又はそれに取付けられた車輪は、切断ユニットが物体及びキワの近くの草に到達するのを妨げる可能性がある。そのような場合には、木、石、調度品、建物の壁などの物体の近くに未切断の草が存在することになるため、切断の結果が損われる。
【0006】
ロボット芝刈り機に付隨する別の問題は、安全性の理由からロボット芝刈り機は地面とのクリアランス高さに制限があることから、比較的長い草を切断する能力が限定されているということにある。
【0007】
したがって、物体及びキワの近くの草を切断しかつ比較的長い草を切断するための手段及び方法を提供することが所望されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示の目的は、物体及びキワの近くの草を切断しかつ比較的長い草を切断するための手段及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、第1の端部部分と第2の端部部分を有するロボット芝刈り機を用いて達成される。ロボット芝刈り機は、本体、少なくとも2つの駆動輪、少なくとも1つの旋回可能な車輪、ロボット芝刈り機の動作を制御するように適応された制御ユニット、回転軸を有する回転可能な草切断用ディスク、及び少なくとも2つの電動モータ装置を含む。少なくとも2つの駆動輪は、中心を有する駆動輪軸を備え、かつ第1の電動モータ装置に対して駆動可能に連結されており、少なくとも1つの旋回可能な車輪が対応する旋回軸を有する。少なくとも1つの旋回軸を貫通し駆動輪軸に対して平行である旋回取付け軸が第2の端部部分と駆動輪軸の間に位置付けされている。切断用ディスクは、第2の電動モータ装置に対して駆動可能に連結されており、ここで、切断用ディスクは、旋回取付け軸と第2の端部部分の間に位置付けされている。
【0010】
このようにして、切断用ディスクは、駆動輪が第1の電動モータ装置によって異なる回転方向に駆動された場合に円弧状に横方向に移動できるような形で、位置付けされる。こうして、切断用ディスクは、比較的キワの近くに到達することが可能になる。
【0011】
いくつかの態様によると、回転軸が切断用ディスクを通過する場合、回転軸は旋回取付け軸と第2の端部部分の間に位置付けされる。
【0012】
このようにして、切断用ディスクは、駆動輪が第1の電動モータ装置によって異なる回転方向に駆動された場合に円弧状に横方向に移動できるような形で、位置付けされる。
【0013】
いくつかの態様によると、制御ユニットは、第1の端部部分が境界に接近するような形で境界に向かって移動するようにロボット芝刈り機を制御し、かつ境界までの距離が条件を満たしているか否かを決定するように適応されている。そうである場合には、制御ユニットは、ロボット芝刈り機を停止し、かつロボット芝刈り機の第2の端部部分が切断円弧に沿った円弧状運動を行ない、切断用ディスクが切断円弧の内側の草を切断できるようにするように、切断用ディスクを互いに異なる方向に回転するように駆動輪を制御する、ように適応されている。
【0014】
このようにして、比較的キワに近い草を切断することが可能となる。
【0015】
いくつかの態様によると、切断円弧の中心が、駆動輪軸に沿って位置付けされている。いくつかの態様によると、切断円弧の中心は、駆動輪軸の中心に位置付けされている。
【0016】
このことはすなわち、駆動輪を互いに異なる方向に回転させることによって円弧状運動を容易に行うことができる、ということを意味している。
【0017】
いくつかの態様によると、境界は、ロボット芝刈り機のための動作部域を画定する境界ワイヤの形をしており、ここで、制御ユニットは、(ロボット芝刈り機が境界ワイヤ上に位置付けされている場合に)ロボット芝刈り機を停止させるように適応されている。条件は、境界ワイヤとロボット芝刈り機の間の決められた距離が第1の閾値を下回ることに関するものである。
【0018】
いくつかの態様によると、境界は物体の形をしており、ここで、切断円弧は、物体に最も近い最近接弧部分を有し、条件は、物体とロボット芝刈り機の間の決められた距離が第2の閾値を下回ることに関するものである。
【0019】
明らかに、境界は多くの形態のものであり得るが、それでも比較的境界に近い草を切断することがなおも可能になっている。
【0020】
いくつかの態様によると、切断円弧は、180°を超える角度の延長部分を有し、制御ユニットは、切断円弧の延在部分に続く第2の端部中心が切断円弧の端部に到達したときに移動を続けるようにロボット芝刈り機を制御するように適応されている。
【0021】
このことはすなわち、ロボット芝刈り機が、境界から離れて当初の進入角度に対して一定の角度で移動し続けることになる、ということを意味している。こうして今度は、ロボット芝刈り機が上述の手順を反復して円弧状運動を行ない、境界に近い連続的する草の縁部が切断されるようにすることが可能となる。これは、芝上の残りの草の切断と組合せて行なうことができる。
【0022】
いくつかの態様によると、ロボット芝刈り機は、少なくとも部分的に第2の端部部分に沿って通過する第1の円弧状保護壁、及び少なくとも1つのさらなる円弧状保護壁をさらに含む。保護壁は、正常運転中に本体から地面(G)に向かって延在し、保護壁は、半径方向に離間している。
【0023】
切断用ディスクの位置から見て、保護壁は、正常運転中に第2の端部部分に近づく人間及び動物のための負傷保護を付与する。
【0024】
いくつかの態様によると、保護壁は、少なくとも主としてそれぞれの保護壁の円弧をたどり、全ての保護壁の円弧は共通の中心を有している。いくつかの態様によると、共通の中心は駆動輪軸の中心である。
【0025】
このようにして、円弧状運動が行われる場合、草は保護壁間で移動するときに撓まないことになる。
【0026】
いくつかの態様によると、少なくとも主としてそれぞれの壁の円弧をたどる少なくとも1つの保護壁の円弧状の延在部分が、テーパの付いた端部部分を含んでいる。
【0027】
これにより、円弧状運動が行われる場合に保護壁間で草を容易に分割できることになる。
【0028】
いくつかの態様によると、第2の電動モータ装置は、回転軸よりも駆動輪軸に近いところに位置付けされている。このようにして、第2の電動モータ装置の重量は、駆動輪により近いところに位置付けされ、これによって向上したけん引力が付与されることになる。
【0029】
いくつかの態様によると、ロボット芝刈り機は、前進方向及び後退方向のために適応されており、第1の端部部分は前進方向に対面しており、第2の端部部分は後退方向に対面している。
【0030】
このようにして、保護壁が第2の端部部分に位置付けされている場合、こうして、比較的背の高い草は、切断用ディスクに到達する前に撓むことなくあるいはわずかしか撓まずにロボット芝刈り機と地面の間に進入できることになる。このことは、それが草のより効率の良い切断を提供することから有利であり、切断用ディスクを第2の端部部分に比較的近いところに位置付けすることによって可能となっている。
【0031】
いくつかの態様によると、ロボット芝刈り機は、切断用ディスク装置を含み、ここで切断用ディスク装置は、切断用アパーチャを次々に備えるカバー部品を含む。カバー部品は、正常運転中に切断用ディスクと地面の間に位置付けされ、かつ、少なくとも主として、正常運転中に地面に対面する切断用ディスクの側を覆っている。
【0032】
これにより、切断用刃部からの向上した保護が提供される。
【0033】
いくつかの態様によると、切断用ディスク装置は、切断用ディスクと地面の間の距離を調整できるような形で変位可能である。
【0034】
これにより、草切断高さの向上した制御が提供される。
【0035】
いくつかの態様によると、前方部分は、少なくとも部分的に切断用ディスクを包含するハウジング壁を含む。
【0036】
これにより、切断用刃部からの向上した保護が提供される。
【0037】
いくつかの態様によると、切断用ディスク装置は同様に、少なくとも部分的に第2の端部部分に沿って通過する1つ以上の保護壁を含み、ここで保護壁は、正常運転中に本体から地面に向かって延在し、半径方向に離間している。
【0038】
これにより、切断用刃部からの向上した保護が提供される。
【0039】
いくつかの態様によると、1つ以上の保護壁は、切断用ディスク及びそのカバー部品によって分離される2つの部品に分割されている。
【0040】
このようにして、保護壁は、切断用ディスク装置と一体化されている。
【0041】
いくつかの態様によると、制御ユニットは、切断用ディスクを第1の回転方向及び第1の回転方向とは反対の第2の回転方向に回転させるように第2の電動モータ装置を制御するように適応されている。制御ユニットはさらに、切断用ディスクが第2の端部部分に最も近くにある最大限度まで現在の刈取り方向と一致する回転方向に切断用ディスクを回転させるように第2の電動モータ装置を制御するように適応されている。
【0042】
こうして、向上した切断結果及びより少ない目詰まりが提供される。
【0043】
本開示は同様に、上述の利点と結び付けられた方法にも関する。
【0044】
概して、クレーム中で使用されている全ての用語は、本明細書中で明示的に別段の定義がなされていないかぎり、技術分野におけるそれらの通常の意味にしたがって解釈されるべきものである。「1つの(a/an/the)要素、器具、構成要素、手段、ステップなど」に対する全ての言及は、明示的に別段の記載の無い限り、その要素、器具、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つの事例を意味するものとして開放的に解釈されるべきである。本明細書中で開示されているあらゆる方法のステップは、明示的に記載されているのでないかぎり、開示された正確な順序で行なわれる必要のないものである。本開示のさらなる特徴及び利点は、添付クレーム及び以下の説明を検討したときに明らかになるものである。当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の異なる特徴を組合せて、以下で説明されるもの以外の実施形態を創出できるということを認識するものである。
【0045】
ここで、本開示について、以下の添付図面を参照しながらさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図3】
図3は、ロボット芝刈り機の側面斜視図を示す。
【
図4】
図4は、ロボット芝刈り機の拡大部分の側面斜視底面図を示す。
【
図6】
図6は、ロボット芝刈り機の運動パターンの概略図を示す。
【
図8】
図8は、コンピュータプログラム製品を示す。
【
図9】
図9は、本開示に係る方法についての流れ図を示す。
【
図10】
図10は、切断用ディスク装置が第1の位置にある状態での、ロボット芝刈り機の前方部分の斜視底面図を示す。
【
図11】
図11は、切断用ディスク装置が第2の位置にある状態での、ロボット芝刈り機の前方部分の斜視底面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
ここで、本開示の態様について、添付図面を参照しながら以下でさらに完全に説明する。しかしながら、本明細書中で開示されている異なるデバイス、システム、コンピュータプログラム及び方法は、多くの異なる形態で実現可能であり、本明細書中に記載の態様に限定されるものとみなされるべきではない。図面中の同様の番号は、全体を通して同様の要素を意味する。
【0048】
本明細書中で使用される専門用語は、本開示の態様を説明するためだけのものであり、本開示を限定するように意図されていない。本明細書中で使用されている「a」、「an」及び「the」は、文脈上明白に別段の指示の無いかぎり、複数形態も同様に含むように意図されている。
【0049】
図1は、ロボット芝刈り機100の上面図を示し、
図2はロボット芝刈り機100の底面図を示し、
図3はロボット芝刈り機の側面斜視底面図を示す。ロボット芝刈り機100は、第1の端部部分101及び第2の端部部分102を有し、前進方向F及び後退方向Rのために適応されている。いくつかの態様によると、第1の端部部分101は、前進方向Fに対面しており、第2の端部部分102は後退方向Rに対面している。ロボット芝刈り機100は、本体140、少なくとも2つの駆動輪130a、130b、少なくとも1つの旋回可能な車輪131a、131b、ロボット芝刈り機100の動作を制御するように適応された制御ユニット110、回転軸152を有する回転可能な草切断用ディスク160、及び少なくとも2つの電動モータ装置150、165(
図2に概略的にのみ標示されている)を含む。少なくとも1つの旋回可能な車輪は、対応する旋回軸153、154を有する。
【0050】
いくつかの態様によると、本実施形態に例示されているように、ロボット芝刈り機100は、4つの車輪、2つのより大きな駆動輪130a、130b及び、キャスタホイールの形をしかつロボット芝刈り機100が方向転換しているときに対応する旋回軸153、154の周りを旋回するように配置されている2つのより小さい旋回可能な車輪131a、131bを含む。この目的で、旋回可能な車輪131a、131bは、対応する旋回車輪ホルダ158a、158bを用いて本体140に連結されており、ここで、いくつかの態様によると、旋回車輪ホルダ158a、158bは、本体に対して旋回し、旋回可能な車輪131a、131bに対して固定されている。その逆も当然のことながら、構想可能である。
【0051】
ロボット芝刈り機100は、マルチシャーシタイプ又はモノシャーシタイプであり得る。マルチシャーシタイプは、互いに対して可動である2つ以上の本体部分を含む。モノシャーシタイプは、唯一つの主本体部分を含む。この例示的実施形態において、ロボット芝刈り機100は、主本体部分140を有するモノシャーシ(mono-chassis)タイプのものである。主本体部分140は、実質的に、ロボット芝刈り機100の全ての構成要素を収容している。
【0052】
ロボット芝刈り機100は同様に、電動モータ装置150、165に電力を提供するためのバッテリ155(
図1では概略的にのみ標示されている)などの少なくとも1つの再充電可能な電源を含む。バッテリ155は、充電用スキッド156又は他の好適な充電用コネクタを通して受電する充電ステーションからの受信充電電流を用いて充電されるように配置されている。電気接点のみを用いた、ガルバニック接触(galvanic contact)無しの電磁誘導充電も同様に構想可能である。バッテリは概して、別個に配置されるか又は組合せ型バッテリを形成するように一体化された形で配置され得る1つ以上のバッテリを含む再充電可能な電源155によって構成されている。
【0053】
いくつかの態様によると、ロボット芝刈り機100はさらに、少なくとも1つのナビゲーションセンサ装置175及び/又は少なくとも1つのワイヤセンサ173(
図1に概略的にのみ標示されている)を含み得る。一実施形態において、ナビゲーションセンサ装置175は、推測ナビゲーション用の1つ以上のセンサを含む。推測航法用センサの例としては、数例を挙げると、走行距離計、加速度計、ジャイロスコープ及びコンパスがある。ナビゲーションセンサ装置175は、GPS(グローバルポジショニングシステム)デバイス、又は、いくつかの態様によると例えばリアルタイムキネマチック(RTK)を用いた他の全地球的航法衛星システム(GNSS)デバイスなどの衛星ナビゲーションセンサを含み得る。
【0054】
ワイヤセンサ173は、境界ワイヤ制御信号を検知するように適応されており、かつ/又は少なくとも1つの環境検出デバイス170、171は、物体を検出するように適応されている。この実施形態では、レーダ送受信機170、171が設けられ、信号を伝送しかつ物体によって反射された反射信号を受信するように適応されている。カメラ装置、超音波装置及びライダ装置などの他の環境検出デバイスも同様に当然のことながら、代替案としてか又は任意の好適な組合せの形で構想可能である。
【0055】
制御ユニット110は、ロボット芝刈り機100が移動している場合に環境検出デバイス170、171及び/又は前記ワイヤセンサ173を用いて収集された情報に応じて、環境検出デバイス170、171を制御しかつロボット芝刈り機100の速度及び方向を制御するように適応されている。
【0056】
駆動輪130a、130bは、中心146を有する駆動輪軸145を備え、第1の電動モータ装置150に対して駆動可能に連結されている。少なくとも1つの旋回軸153、154を貫通し駆動輪軸145に対し平行である旋回取付け軸151が、第2の端部部分102と駆動輪軸145の間に位置付けされている。このことはすなわち、旋回取付け軸151と第2の端部部分102の間の最大の第1軸距離d1が、駆動輪軸145と第2の端部部分102の間の最大の第2軸距離d2未満であることを意味している。
【0057】
いくつかの態様によると、少なくとも2つの駆動輪130a、130bは、中心146を有する駆動輪軸145を有する一対の駆動輪を形成し、この中心はこの対の駆動輪130a、130bの間に位置付けされている。
【0058】
第1の電動モータ装置150は、駆動輪130a、130bを、同じ回転方向又は異なる回転方向で、かつ異なる回転速度で駆動するように適応されている。いくつかの態様によると、第1の電動モータ装置150は、2つの別個の電動モータを含み、いくつかのさらなる態様によると、このような電動モータ各々は、対応する駆動輪130a、130bに、例えば対応する駆動輪ハブ内で組付けられている。
【0059】
切断用ディスク160は、この実施形態ではカッタモータの形状をした第2の電動モータ装置165に対して駆動可能に連結されている。いくつかの態様によると、切断用ディスク160は複数の切断用刃部157を含み、この実施形態では、3つの切断用刃部157が示されている(1つのみが
図2に標示されている)。
【0060】
本開示によると、切断用ディスク160は少なくとも部分的に、旋回取付け軸151と第2の端部部分102の間に位置付けされている。このことはすなわち、切断用ディスク160の少なくとも一部分が、旋回取付け軸151のどの部分よりも第2の端部部分102に近いところに位置付けされていることを意味する。
【0061】
このようにして、切断用ディスク160は、駆動輪130a、130bが第1の電動モータ装置150によって異なる回転方向に駆動される場合でも横方向に円弧状に移動できるような形で位置付けされる。
【0062】
いくつかの態様によると、回転軸152は、回転軸152が切断用ディスク160を貫通するときに旋回取付け軸151と第2の端部部分102の間に位置付けされる。このようにして、切断用ディスク160は、詳細には駆動輪130a、130bが第1の電動モータ装置150により異なる回転方向に駆動される場合でも、第2の端部部分102の運動を容易に追従することができる。
【0063】
切断用ディスク160の回転軸152の配置の利点を有する一実施形態について以下で説明する。
【0064】
いくつかの態様によると、
図6を参照して、制御ユニット110は、第1の端部部分101が境界182、220に接近するような形でロボット芝刈り機100の前進方向Fに、境界182、220に向かって移動するようにロボット芝刈り機100aを制御し、境界182、220までの距離が条件を満たしているか否かを決定するように適応されている。条件が満たされている場合には、制御ユニット110は、ロボット芝刈り機100bを停止し、かつ、駆動輪130a、130bを互いに異なる方向に回転するように制御して、ロボット芝刈り機100c、100dの第2の端部部分102が切断円弧210に沿った円弧状運動を行ない、切断用ディスク160が切断円弧210の内側の草を切断できるように適応されている。したがって、
図6は、異なる時点で取られる異なる複数の位置におけるロボット芝刈り機100a、100b、100c、100d、100eを例示する。
【0065】
このようにして、比較的キワに近い草を切断することが可能となる。
【0066】
いくつかの態様によると、境界は、ロボット芝刈り機100のための動作部域を画定する境界ワイヤ220の形をしており、ここで制御ユニット110は、ロボット芝刈り機100が境界ワイヤ220上に位置付けされている場合にロボット芝刈り機100を停止させるように適応されている。このとき、ロボット芝刈り機100bは、芝生縁部139から一定の距離離れたところに位置付けされ、境界ワイヤ220は、芝生縁部139から一定の距離離れたところに位置付けされている。この距離は、ロボット芝刈り機100c、100dが円弧状運動を行なうときに芝生縁部139まで草が切断されるように適応され、切断円弧210は、芝生縁部139に最も近い最近接弧部分211を有する。この実施形態では、条件は、境界ワイヤ220とロボット芝刈り機100の間の決められた距離が第1の閾値を下回ることに関するものである。このことはすなわち、ロボット芝刈り機100の何らかの予め決定された基準点が第2の閾値、例えばワイヤセンサ173を下回る距離に入ることを意味している。
【0067】
いくつかの態様によると、境界は、物体182の形をしており、ロボット芝刈り機100bはこのとき、物体182から一定の距離だけ離れたところに位置付けされ、この距離は、ロボット芝刈り機100c、100dが円弧状運動を行なうときに物体182まで草が切断されるような形で適応され、切断円弧210は、物体182に最も近い最近接弧部分211を有する。この実施形態では、条件は、物体182とロボット芝刈り機100の間の決められた距離が第2の閾値を下回ることに関するものである。このことはすなわち、ロボット芝刈り機100の何らかの予め決定された基準点が、第2の閾値、例えば少なくとも1つの環境検出デバイス170、171を下回る距離に入ることを意味している。
【0068】
いくつかの態様によると、条件は、ロボット芝刈り機100が物体182と接触することに関するものであり、これは例えば衝突センサ及び/又はレーダ送受信機170及び/又はカメラデバイスによって検出可能である。
【0069】
図6は、境界が境界ワイヤ220の形をしている事例、及び境界が物体182の形をしている事例の両方を例示している。したがって、境界は、多くの形をとり、それでもなお、以上に記載の円弧状運動を行なうロボット芝刈り機100を用いた草の比較的近接した切断を可能にすることができる。
【0070】
いくつかの態様によると、物体は、芝生縁部139の形をとり得る。いくつかの態様によると、物体は、環境検出デバイス170、171及び/又は衛星ナビゲーションセンサを含み得るナビゲーションセンサ装置175のうちのいずれか1つにより単独で、あるいはそれらを任意の好適な組合せによって検出可能である。このことはすなわち、例えば、芝生縁部139を、ワイヤセンサ173、環境検出デバイス170、171及び/又はナビゲーションセンサ装置175を単独で又は組合せの両方で用いて検出できることを意味している。
【0071】
いくつかの態様によると、切断円弧210の中心159が駆動輪軸145に沿って位置付けされている。いくつかの態様によると、切断円弧210の中心159は、駆動輪軸145の中心146に位置付けされる。これは、駆動輪130a、130bが第1の電動モータ装置150によって異なる回転方向に同一の回転速度で駆動される場合に当てはまる。当然のことながら、モータの不正確さ、起伏のある地面、一様でない接地及び一様でない地面摩擦に起因して小さい偏差が発生し得ることから、これを文字通りに解釈すべきではない。速度が同じであること及び切断円弧210の中心159が駆動輪軸145の中心146に位置付けされていることは、意図され実際に達成可能なのが何であるかによって解釈されるべきであり、数学的な正確さは求められていない。
【0072】
いくつかの態様によると、切断円弧210は、180°を超える角度の延長部分φを有し、ここで制御ユニット110は、切断円弧210の延在部分に追従してきた、いくつかの態様によると最後部位を構成する第2の端部中心106が切断円弧210の端部212に到達した時点でも、移動を続けるようにロボット芝刈り機100eを制御するように適応されている。このことはすなわち、ロボット芝刈り機100eが、境界182、220から離れて、当初の進入角度に対して一定の角度で移動し続けることを意味する。これにより今度は、ロボット芝刈り機100が上述の手順を反復して円弧状運動を行ない、こうして境界182、220に近い連続する草縁部が切断されることが可能になる。これは、芝生上の残りの草の切断と組合せて行なうことができる。
【0073】
いくつかの態様によると、芝刈り機100は、境界182、220に近い連続した草縁部のみを切断し、残りの芝生がその間切断されないモードに設定するように適合することができる。このモードは、ユーザによって選択され得る。
【0074】
いくつかの態様によると、同じく
図4及び
図5を参照して、ロボット芝刈り機100は、少なくとも部分的に第2の端部部分102に沿って通過する第1の円弧状保護壁141と、少なくとも1つのさらなる円弧状保護壁142、143、144とをさらに含み、保護壁141、142、143、144は正常運転中に本体140から地面Gに向かって延在し、保護壁141、142、143、144は半径方向に離間している。
【0075】
この実施形態においては、4つの保護壁141、142、143、144、すなわち第1の保護壁141、第2の保護壁142、第3の保護壁14及び第4の保護壁144が存在する。切断用ディスク160は少なくとも部分的に旋回取付け軸151と第2の端部部分102の間に位置付けされており、いくつかの態様によると回転軸152は、回転軸152が切断用ディスク160を通過するとき旋回取付け軸151と第2の端部部分102の間に位置付けされていることから、保護壁141、142、143、144は、正常運転中に第2の端部部分102に近づく人間及び動物のための負傷保護を付与する。
【0076】
第1の保護壁141と地面Gの間には第1の距離h1が存在し、ここで第1の距離h1は当然のことながら運転中わずかに変動する。第1の端部部分101と地面Gの間には第2の距離h2が存在し、ここで第2の距離h2は当然のことながら同様に運転中わずかに変動する。この実施形態においては、第1の距離h1は第2の距離h2を下回り、第1の端部部分101の場合、前進方向Fに対面しており、これはすなわち、比較的背の高い草が、切断用ディスク160に到達する前に、撓むことなく又はわずかしか撓むことなく、ロボット芝刈り機100と地面Gの間に進入し得ることを意味している。撓んだ草の跳ね返り効果には、撓みから戻るための追加の距離ひいては追加の時間も必要であり得る。
【0077】
これは、草のより効率の良い切断を提供することから有利であり、切断用ディスク160が保護壁141、142、143、144を用いて保護されている第2の端部部分102に比較的近いところに切断用ディスク160を位置付けさせることによって可能となる。
【0078】
いくつかの態様によると、保護壁141、142、143、144は、正常運転時には部分的に、切断用ディスク160と地面Gの間に位置付けされている。このようにして、切断用ディスク160が、第2の端部部分102に到達することができる一方で、正常運転中に第2の端部部分102に近づく人間及び動物は、なおも負傷から保護される。
【0079】
いくつかの態様によると、保護壁141、142、143、144は、少なくとも主としてそれぞれの保護壁の円弧141a、142a、143a、144aをたどり、全ての保護壁の円弧141a、142a、143a、144aは共通の中心146を有している。いくつかの態様によると、共通の中心146は駆動輪軸145の中心である。このようにして、円弧状運動が行われる場合、草は保護壁141、142、143、144間で移動するときに撓まないことになる。いくつかの態様によると、保護壁141、142、143、144は、共通の中心に対して半径方向に離間する。
【0080】
いくつかの態様によると、少なくとも主としてそれぞれの壁の円弧141a、142a、143a、144aをたどる少なくとも1つの保護壁141、142、143の円弧状の延在部分は、テーパの付いた端部部分147、148、149を含んでいる。このことはすなわち、少なくとも1つの保護壁141、142、143の円弧状端部には、テーパの付いた端部部分147、148、149があることを意味している。この実施形態において、これは、第1の3つの保護壁141、142、143についてあてはまり、円弧状運動が行なわれるときに、草が保護壁141、142、143、144の間で容易に分割されることを可能にする。
【0081】
いくつかの態様によると、地面Gに向かう進入角度αを構成する切断用ディスクの入射角で回転軸152を傾動させることができるということを指摘しておくべきである。このような傾動は、切断用ディスク160が前進方向Fに対面している場合に地面Gにより近いところにあることから、切断結果を改善する。第1の端部部分101が前進方向Fに対面し第2の端部部分102が後退方向Rに対面している場合には、第1の保護壁141と地面Gの間の第1の距離h1を増大させることができるため、利点がある。
【0082】
回転軸152に対する全ての位置基準は、回転軸152が切断用ディスク160を貫通している場合に考慮されるように意図されているということを指摘しておくべきである。
【0083】
いくつかの態様によると、第2の電動モータ装置165は、回転軸152よりも駆動輪軸145により近いところに位置付けされている。このようにして、カッタモータ165の重量は、駆動輪130a、130bにより近いところに位置付けされ、これが、索引力の増強を付与する。この場合、カッタモータ165から切断用ディスク160に回転出力を伝達するために、何らかの出力伝達手段が必要とされる。このような出力伝達手段は、例えば駆動ベルト、駆動チェーン又は歯車式トランスミッションの形をとり得る。
【0084】
図9を参照すると、本開示は同様に、第1の端部部分101、第2の端部部分102、中心146を有する駆動輪軸145を備えかつ第1の電動モータ装置150に駆動可能に連結された少なくとも2つの駆動輪130a、130b、及び対応する旋回軸153、154を有する少なくとも1つの旋回可能な車輪を有する少なくとも1つの旋回可能な車輪131a、131bを有するロボット芝刈り機100を制御するための方法にも関する。少なくとも1つの旋回軸153、154を貫通し駆動輪軸145に対して平行である旋回取付け軸151が、第2の端部部分102と駆動輪軸145の間に位置付けされている。ロボット芝刈り機100はさらに、少なくとも部分的に旋回取付け軸151と第2の端部部分102の間に位置付けされている回転可能な草切断用ディスク160をさらに有している。
【0085】
該方法は、第1の端部部分101が境界182、220に接近するような形で境界182、220に向かって移動するようにロボット芝刈り機100aを制御するステップS100と、境界182、220までの距離が条件を満たしているか否かを決定するステップS200とを含む。満たしている場合には、該方法は、ロボット芝刈り機100bを停止するステップS300及びロボット芝刈り機100c、100dの第2の端部部分102が切断円弧210に沿った円弧状運動を行ない、切断用ディスク160が切断円弧210の内側の草を切断することができるようにする形で、互いに異なる方向に回転するように駆動輪130a、130bを制御するステップS400を含む。
【0086】
いくつかの態様によると、回転軸152が切断用ディスク160を通過する場合、回転軸152は、旋回取付け軸151と第2の端部部分102の間に位置付けされる。
【0087】
いくつかの態様によると、切断円弧210は180°を超える角度の延長部分を有しており、ここで、該方法は、切断円弧210の延在部分に続く第2の端部部分中心106が切断円弧210の端部212に到達した後に移動を続けるようにロボット芝刈り機100eを制御するステップS500を含んでいる。
【0088】
いくつかの態様によると、境界は、ロボット芝刈り機100のための動作部域を画定する境界ワイヤ220の形をしており、ロボット芝刈り機100が境界ワイヤ220上に位置付けされている場合にロボット芝刈り機100の停止ステップS300が起こり、ここで条件は、境界ワイヤ220とロボット芝刈り機100の間の決められた距離が第1の閾値を下回ることに関するものである。
【0089】
いくつかの態様によると、境界は物体182の形をしており、切断円弧は、物体182に最も近い最近接弧部分211を有し、ここで条件は、物体182とロボット芝刈り機100の間の決められた距離が第2の閾値を下回ることに関するものである。
【0090】
いくつかの態様によると、条件は、ロボット芝刈り機100が物体182と接触すること関するものであり、これは例えば衝突センサ及び/又はレーダ送受信機170及び/又はカメラデバイスによって検出可能である。
【0091】
いくつかの態様によると、切断円弧210は、180°を超える角度の延長部分を有し、制御ユニット110は、切断円弧210の延在部分に従った第2の端部中心106が切断円弧210の端部212に到達した時点でも移動を続けるようにロボット芝刈り機100eを制御するように適応されている。
【0092】
いくつかの態様によると、該方法は、境界ワイヤ制御信号を検知するために少なくとも1つのワイヤセンサ173を使用すること及び/又は、物体182を検出するために少なくとも1つの環境検出デバイス170、171を使用することを含む。
【0093】
いくつかの態様によると、ロボット芝刈り機100は、前進方向F及び後退方向Rのために使用され、第1の端部部分101は前進方向Fに対面しており、第2の端部部分102は後退方向Rに対面している。
【0094】
図7では、多くの機能ユニットの観点から見て、本明細書中の論述の実施形態に係る制御ユニット110の構成要素が概略的に例示されている。例えば記憶媒体120の形をしたコンピュータプログラム製品内に記憶されたソフトウェア命令を実行する能力を有する好適な中央処理ユニットCPU、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサDSPなどのうちの1つ以上の任意の組合せを使用して、処理回路115が設けられる。処理回路115はさらに、少なくとも1つの特定用途向け集積回路ASIC又はフィールドプログラマブルゲートアレイFPGAとして設けられてもよい。したがって、処理回路は、複数のデジタル論理構成要素を含む。
【0095】
特に、処理回路115は、レーダ送受信機170を制御すること、レーダ送受信機170を介して受信した測定結果を処理すること、及びロボット芝刈り機100の推進を含むがこれらに限定されないロボット芝刈り機100を制御するための1組の操作、又は、制御するステップを実行させるように構成されている。例えば、記憶媒体120は、動作セットを記憶することができ、処理回路115は、記憶媒体120から動作セットを検索して制御ユニット110に動作セットを行なわせるように構成され得る。動作セットは、実行可能な命令のセットとして提供され得る。したがって、処理回路115はこうして、本明細書中に開示されている方法の少なくとも一部分を実行するように配置されている。
【0096】
記憶媒体120は同様に、例えば磁気メモリ、光学メモリ、固体記憶装置、さらには遠隔組付けされたメモリのうちのいずれか1つ又は組合せであり得る永続的な記憶装置を含んでいてもよい。
【0097】
いくつかの態様によると、制御ユニット110はさらに、ユーザ端末などの少なくとも1つの外部デバイスと通信するためのインタフェース112を含む。したがって、インタフェース112は、アナログ及びデジタル構成要素を含めた1つ以上の送信機及び受信機、そして好適な数の有線通信用ポートを含み得る。インタフェース112は、遠隔サーバ、充電ステーション及び/又は他のロボット作業工具などのデバイスとの通信のために適応され得る。このような無線通信デバイスの例としては、Bluetooth(登録商標)、WiFi(登録商標)(IEEE802、11b)、グローバルシステムモバイル(GSM)及びLTE(ロングタームエボリューション)が、数例として挙げられる。このことはすなわち、いくつかの態様によると、遠隔サーバなどの他のユニットが、本明細書中で開示されている方法を部分的に実行するように適応されていることを意味している。
【0098】
図8は、本明細書中で開示されている方法のいずれかを実行するために媒体420上に記憶されたコンピュータで実行可能な命令410を含むコンピュータプログラム製品400を示す。
【0099】
本開示は、以上のものに限定されず、添付クレームの範囲内で自由に変動し得る。例えば第1の端部部分101は、後退方向Rに対面することができ、第2の端部部分102は、前進方向Fに対面し得る。
【0100】
端部部分101、102は、前進方向F又は後退方向Rに対面する円弧状部分として示されており、ここで、いくつかの態様によると、第1の円弧状保護壁141は第2の端部部分102を構成している。いくつかの態様によると、端部部分101、102は、ロボット芝刈り機100における最後方又は最前方点として定義可能である。いくつかの態様によると、第1の端部部分101は第2の端部部分102の反対側にあり、各端部部分は1つの進行方向に対面している。
【0101】
いくつかの態様によると、旋回取付け軸151は、旋回可能な車輪131a、131bが対応する旋回車輪ホルダ158a、158bを用いて本体140に連結されている点を経由して通過している。
【0102】
いくつかの態様によると、ロボット芝刈り機100は、少なくとも部分的に第2の端部部分102に沿ってか又はそれに隣接して通過しかつ正常運転中、本体140から地面Gに向かって延在する少なくとも1つの保護壁を含む。この保護壁は、直線状及び/又は円弧状であり得、又は任意の他の好適な形状を有することができる。これに関連して、隣接するとは、切断用ディスク160が第2の端部部分102に向かって接近させられた場合に保護壁が切断用ディスク160の切断用刃部157から保護するように第2の端部部分102に近いことを意味する。
【0103】
切断用ディスク160は、少なくとも部分的に旋回取付け軸151と第2の端部部分102の間に位置付けされており、回転軸152は、それが切断用ディスク160を貫通しているとき、旋回取付け軸151と第2の端部部分102の間に位置付けされているので、少なくとも1つの保護壁は、正常運転時に第2の端部部分102に近づく人間及び動物のための負傷保護を付与する。これはすなわち、この実施形態において、円弧状である必要がなく任意の好適な形状を有し得る単一の保護壁のみを必要とする、ということを意味する。
【0104】
特に、2つ以上の保護壁141、142、143、144を有する場合、保護壁141、142、143、144の目詰まりを回避し切断品質を高めることが望まれる。ロボット芝刈り機110の運転中、切断用ディスク160が刈取り方向に回転しているか又は刈取り方向に対向して回転しているかによって切断性能に差が現れる。したがって、いくつかの態様によると、
図2を参照して、制御ユニット110は、切断用ディスク160を第1の回転方向r
1及び第1の回転方向r
1とは反対の第2の回転方向r
2に回転させるように第2の電動モータ装置165を制御するように適応されている。特に、制御ユニット110は、刈取り方向に応じて切断用ディスク160を回転方向r
1、r
2に回転させるように第2の電動モータ装置165を制御するように適応されている。該して、制御ユニット110は、切断用ディスク160が第2の端部部分102に最も近くにある最大限度まで、切断用ディスク160を現在の刈取り方向m
1、m
2と一致する回転方向r
1、r
2に回転させるように第2の電動モータ装置165を制御するように適応されている。ここで、刈取り方向m
1、m
2は、第2の端部部分102が刈取り中に移動している方向であるが、他の部分を刈取り方向m
1、m
2の基準として使用することも同様に可能である。
【0105】
当該実施形態では、ロボット芝刈り機100を底部側から見たとき、第1の回転方向r1は第1の刈取り方向m1に対応し、第2の回転方向r2は第1の刈取り方向m1とは異なり、例えば第1の刈取り方向m1とは反対の第2の刈取り方向m2に対応している。ここで、第1の回転方向r1は時計回り方向であり、第2の回転方向r2は反時計回り方向であり、第1の刈取り方向m1は左方向を向き、第2の刈取り方向m2は右方向を向いている。ロボット芝刈り機100の頂部から見た場合、第1の刈取り方向m1は、左折するロボット芝刈り機100に対応し、第2の刈取り方向m2は、右折するロボット芝刈り機100に対応する。いくつかの態様によると、ロボット芝刈り機100が、先に説明した通り切断円弧210に沿った円弧状運動を行なう場合、その円弧状運動は刈取り方向に向けられる。
【0106】
ロボット芝刈り機100が第1の刈取り方向m1に移動する場合、切断用ディスク160は、第1の回転方向r1に回転するように制御され、ロボット芝刈り機100が第2の刈取り方向m2に移動する場合、切断用ディスク160は第2の回転方向r2に回転するように制御される。
【0107】
これはすなわち、現在の刈取り方向に起因して草が切断用刃部157の運動に対抗して切断用刃部157の方に近づけられることになるため、切断用刃部157はつねに草の方向に逆らって切断することになる、ということを意味している。こうして、草は、可能なかぎり速やかに切断用刃部157と出会い、保護壁141、142、143、144から放出される結果となる。その結果、切断結果は向上し、そして目詰まりはより少なくなる。
【0108】
いくつかの態様によると、
図2を参照して、旋回取付け軸151と駆動輪軸145の間に位置付けされた回転車軸181を有するさらなる切断用ディスク180(概略的にのみ標示されている)が存在する。このさらなる切断用ディスク180は、正常な切断時に作動している主切断用ディスク180を構成することができ、切断用ディスク160は場合によっては切り離される。ロボット芝刈り機100が、例えば先に説明した円弧状運動を切断円弧に沿って行なうことなどによって境界に比較的近いところで草を切断するように制御される場合、主切断用ディスク180は切り離され、切断用ディスク160が動作するよう係合される。
【0109】
いくつかの態様によると、主切断用ディスク180は切断用ディスク160よりも大きい直径、ひいては切断幅を有する。境界に比較的近い草を切断する場合にのみ切断用ディスク160を使用しその他の場合には主切断用ディスク180を使用することにより、エネルギが節約され、効率が増大する。いくつかの態様によると、主切断用ディスク180は、従来公知の方法により手動であるいは自動式で、草切断高さに関して調整可能である。これはすなわち、主切断用ディスク180が、主切断用ディスク180と地面Gの間の距離を調整できるように変位可能であることを意味している。
【0110】
いくつかの態様によると、ロボット芝刈り機の前方部分535の斜視底面図を示す
図10及び
図11を参照して、ロボット芝刈り機は、切断用ディスク装置563を含んでいる。切断用ディスク装置563は、少なくとも部分的に旋回取付け軸551と第2の端部部分502の間に位置付けされている回転可能な草切断用ディスク560を含む。代替的には、切断用ディスク560の回転軸552は、回転軸552が切断用ディスク560を貫通する場合、旋回取付け軸551と第2の端部部分502の間に位置付けされる。この位置付けは、以上で開示した先の実施形態に係る回転可能な草切断用ディスク160に対応する。
【0111】
この実施形態において、切断用ディスク装置563は、切断用アパーチャ562(明確さのために数個のみ表示)を順次に含むカバー部品561を含む。カバー部品561は、正常運転時には切断用ディスク560と地面Gの間に位置付けされ(
図5中で図示)、かつ、少なくとも主として、正常運転中、地面Gに対面する切断用ディスク560の側を覆っている。いくつかの態様によると、カバー部品560は、切断用ディスク560へのアクセスを可能にする開口部532を含み、これは例えば切断用刃部を交換するか又は研ぐ場合に好適である。
【0112】
こうして、切断用刃部からの向上した保護が提供される。
【0113】
いくつかの態様によると、切断用ディスク装置563は、切断用ディスク560と地面Gの間の距離を調整できるように変位可能であり、
図5では、切断用ディスク560と地面Gの間の最小の距離h
cが標示されている。これは、多くの要領で達成可能であり、例えば、切断用ディスク装置563は軌道内に摺動可能に配置され得、1つ以上のねじ(図示せず)を用いて好適な位置に係止可能であり得る。これは
図10及び
図11に例示されており、ここで
図10は、第1の位置にある切断用ディスク装置563を示し、
図11は第2の位置にある切断用ディスク装置563を示す。第1の位置において、切断用ディスク560と地面Gの間の距離h
cは第2の位置の場合よりも小さい。
【0114】
こうして、草の切断高さの制御が簡便に向上する。
【0115】
いくつかの態様によると、前方部分535は、少なくとも部分的に切断用ディスク560を包含するハウジング壁564を含む。ハウジング壁564は、例えば切断用ディスク装置563内に含まれ得る。
【0116】
いくつかのさらなる態様によると、切断用ディスク装置563は同様に、少なくとも部分的に第2の端部部分502に沿って通過する1つ以上の保護壁541;542a、542b、543a、543b、544a、544bを含む。保護壁541;542a、542b、543a、543b、544a、544bは、以上で開示された実施形態に係る保護壁と同様に、正常運転中、芝刈り機本体540から地面Gに向かって延在し半径方向に離間されている。
【0117】
いくつかの態様によると、1つ以上の保護壁は、切断用ディスク560及びそのカバー部品561によって離間する2つの部品542a、542b、543a、543b、544a、544bに分割される。保護壁541;542a、542b、543a、543b、544a、544bは、切断用ディスク装置563とは別個であってよい。代替的には、いくつかの態様によると、少なくとも1つ以上の保護壁541;542a、542b、543a、543b、544a、544bが、切断用ディスク装置563内に含まれている。
【0118】
後者の場合、
図10及び
図11に例示されているように、全ての保護壁541;542a、542b、543a、543b、544a、544bが切断用ディスク装置563内に含まれる。すなわち、切断用ディスク装置563が切断用ディスク560と地面Gの間の距離を調整するように変位させられるとき、切断用ディスク装置563内に含まれる少なくとも1つ以上の保護壁541;542a、542b、543a、543b、544a、544bも同様に、
図10及び
図11に示されているように対応するように変位させられる。
【0119】
さらに、いくつかの態様によると、第2の端部部分502に対し最も近く、分離されていない第1の保護壁541が存在する。切断用ディスク560及びそのカバー部品561によって分離され、6つの保護副壁542a、542b、543a、543b、544a、544bを形成する3つのさらなる保護壁542a、542b;543a、543b;544a、544bが存在する。このようにして、保護壁は、切断用ディスク装置と一体化されている。
【0120】
いくつかの態様によると、1つ以上の保護壁542a、542b、543a、543b、544a、544bが少なくとも主として、以上で開示した先行の実施形態について説明された通りに、それぞれの保護壁の円弧に従う。
【0121】
いくつかの態様によると、切断用ディスク160、560自体は、保護壁が本体140に対し固定されたままで、切断用ディスク160、560と地面Gの間の距離を調整できるように変位可能である。この場合、本体140は、カバー部品561がさほど必要とされないような充分な保護範囲を提供することができる。
【0122】
代替的には、保護壁が切断用ディスク装置と一体化され、保護壁541;542a、542b、543a、543b、544a、544bが変位させられた場合に切断用ディスク560に追従する場合、一様でない芝生を切断する場合に有利な、より大きい地面クリアランスが提供される。この場合、本体140を最大地面クリアランスに適応させなければならず、その結果、保護範囲が狭くなることから、カバー部品561の必要性が高くなる。
【0123】
しかしながら、カバー部品561はつねに、切断用刃部からの保護を強化させるために必要に応じて追加可能なオプション部品である、ということを指摘しておかなければならない。
【0124】
換言すると、切断用ディスク160のみが存在してもよいしあるいは主切断用ディスク180のみが存在していてもよい。少なくとも1つの切断用ディスクは、切断用ディスク160、560と地面Gの間の距離を手動又は自動で調整できるように、変位可能である。1つ又は複数の保護壁は本体に対して固定されているか、又は調整されたときに切断用ディスク160に追従するように適応されてもよい。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0104
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0104】
特に、2つ以上の保護壁141、142、143、144を有する場合、保護壁141、142、143、144の目詰まりを回避し切断品質を高めることが望まれる。ロボット芝刈り機
100の運転中、切断用ディスク160が刈取り方向に回転しているか又は刈取り方向に対向して回転しているかによって切断性能に差が現れる。したがって、いくつかの態様によると、
図2を参照して、制御ユニット110は、切断用ディスク160を第1の回転方向r
1及び第1の回転方向r
1とは反対の第2の回転方向r
2に回転させるように第2の電動モータ装置165を制御するように適応されている。特に、制御ユニット110は、刈取り方向に応じて切断用ディスク160を回転方向r
1、r
2に回転させるように第2の電動モータ装置165を制御するように適応されている。該して、制御ユニット110は、切断用ディスク160が第2の端部部分102に最も近くにある最大限度まで、切断用ディスク160を現在の刈取り方向m
1、m
2と一致する回転方向r
1、r
2に回転させるように第2の電動モータ装置165を制御するように適応されている。ここで、刈取り方向m
1、m
2は、第2の端部部分102が刈取り中に移動している方向であるが、他の部分を刈取り方向m
1、m
2の基準として使用することも同様に可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0124
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0124】
換言すると、切断用ディスク160のみが存在してもよいしあるいは主切断用ディスク180のみが存在していてもよい。少なくとも1つの切断用ディスクは、切断用ディスク160、560と地面Gの間の距離を手動又は自動で調整できるように、変位可能である。1つ又は複数の保護壁は本体に対して固定されているか、又は調整されたときに切断用ディスク160に追従するように適応されてもよい。
なお、本発明の実施形態の態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
第1の端部部分(101)と第2の端部部分(102)を有するロボット芝刈り機(100)であって、本体(140)、少なくとも2つの駆動輪(130a、130b)、少なくとも1つの旋回可能な車輪(131a、131b)、前記ロボット芝刈り機(100)の動作を制御するように適応された制御ユニット(110)、回転軸(152)を有する回転可能な草切断用ディスク(160)、及び少なくとも2つの電動モータ装置(150、165)を含むロボット芝刈り機(100)において、少なくとも2つの駆動輪(130a、130b)が、中心(146)を有する駆動輪軸(145)を備え、且つ第1の電動モータ装置(150)に駆動可能に連結され、少なくとも1つの旋回可能な車輪(131a、131b)が対応する旋回軸(153、154)を有し、少なくとも1つの旋回軸(153、154)を貫通し前記駆動輪軸(145)に対して平行である旋回取付け軸(151)が前記第2の端部部分(102)と前記駆動輪軸(145)の間に位置付けされ、前記切断用ディスク(160)が第2の電動モータ装置(165)に対して駆動可能に連結され、前記切断用ディスク(160)は少なくとも部分的に前記旋回取付け軸(151)と前記第2の端部部分(102)の間に位置付けされている、ロボット芝刈り機(100)。
[態様2]
前記回転軸(152)が、前記切断用ディスク(160)を通過する場合、前記回転軸(152)は、前記旋回取付け軸(151)と前記第2の端部部分(102)の間に位置付けされる、態様1に記載のロボット芝刈り機(100)。
[態様3]
少なくとも部分的に前記第2の端部部分102に沿ってか又はそれに隣接して通過しかつ正常運転中、本体140から地面Gに向かって延在する少なくとも1つの保護壁(141、142、143、144)をさらに含む、態様1又は2のいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様4]
少なくとも部分的に前記第2の端部部分(102)に沿って通過する第1の円弧状保護壁(141)、及び少なくとも1つのさらなる円弧状保護壁(142、143、144)をさらに含み、前記保護壁(141、142、143、144)が正常運転中、前記本体(140)から前記地面(G)に向かって延在し、前記保護壁(141、142、143、144)が半径方向に離間されている、態様1乃至3のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様5]
前記保護壁(141、142、143、144)が、正常運転中、前記切断用ディスク(160)と地面(G)の間に部分的に位置付けされている、態様3に記載のロボット芝刈り機(100)。
[態様6]
前記保護壁(141、142、143、144)が、少なくとも主としてそれぞれの前記保護壁の円弧(141a、142a、143a、144a)をたどり、全ての前記保護壁の円弧(141a、142a、143a、144a)が共通の中心(146)を有している、態様3又は4のいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様7]
前記共通の中心(146)が前記駆動輪軸(145)の中心である、態様5に記載のロボット芝刈り機(100)。
[態様8]
少なくとも主としてそれぞれの壁の円弧(141a、142a、143a、144a)をたどる少なくとも1つの前記保護壁(141、142、143)の円弧状の延在部分が、テーパの付いた端部部分(147、148、149)を含んでいる、態様3乃至6のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様9]
前記第2の電動モータ装置(165)が、前記回転軸(152)よりも前記駆動輪軸(145)に近いところに位置付けされている、態様1乃至8のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様10]
前記制御ユニット(110)は、
前記第1の端部部分(101)が、境界(182、220)に接近するように前記境界(182、220)に向かって移動するように前記ロボット芝刈り機(100a)を制御し;
前記境界(182、220)までの距離が条件を満たしているか否かを決定し;そうである場合には、
前記ロボット芝刈り機(100b)を停止し;かつ
前記ロボット芝刈り機(100c、100d)の前記第2の端部部分(102)が切断円弧(210)に沿った円弧状運動を行ない、前記切断用ディスク(160)が前記切断円弧(210)の内側の草を切断できるように、互いに異なる方向に回転するように前記駆動輪(130a、130b)を制御する、
ように適応されている、態様1乃至9のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様11]
前記切断円弧(210)の前記中心が、前記駆動輪軸(145)に沿って位置付けされている、態様9に記載のロボット芝刈り機(100)。
[態様12]
前記切断円弧(210)の前記中心が、前記駆動輪軸(145)の前記中心(146)に位置付けされている、態様10に記載のロボット芝刈り機(100)。
[態様13]
前記境界が、前記ロボット芝刈り機(100)のための動作部域を画定する境界ワイヤ(220)の形をしており、前記制御ユニット(110)は、前記ロボット芝刈り機(100)が前記境界ワイヤ(220)上に位置付けされている場合に前記ロボット芝刈り機(100)を停止させるように適応されており、前記条件は、前記境界ワイヤ(220)と前記ロボット芝刈り機(100)の間の決められた距離が第1の閾値を下回ることに関するものである、態様10乃至12のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様14]
前記境界が物体(182)の形をしており、前記切断円弧が、前記物体(182)に最も近い最近接弧部分(211)を有し、前記条件は、前記物体(182)と前記ロボット芝刈り機(100)の間の決められた距離が第2の閾値を下回ることに関するものである、態様10乃至13のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様15]
前記条件が、前記ロボット芝刈り機(100)が前記物体(182)と接触することに関するものである、態様10乃至12のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様16]
前記切断円弧(210)が、180°を超える角度の延長部分を有し、前記制御ユニット(110)は、前記切断円弧(210)の前記延在部分に続く第2の端部中心(106)が前記切断円弧(210)の端部(212)に到達した時点でも移動を続けるように前記ロボット芝刈り機(100e)を制御するように適応されている、態様10乃至15のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様17]
前記ロボット芝刈り機(100)は、境界ワイヤ制御信号を検知するように適応された少なくとも1つのワイヤセンサ(173)及び/又は、物体(182)を検出するように適応された少なくとも1つの環境検出デバイス(170、171)、及び/又は少なくとも1つのナビゲーションセンサ装置(175)を含む、態様1乃至16のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様18]
前記ロボット芝刈り機(100)は、前進方向(F)及び後退方向(R)のために適応されており、前記第1の端部部分(101)が前記前進方向(F)に対面しており、前記第2の端部部分(102)が前記後退方向(R)に対面している、態様1乃至17のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様19]
切断用ディスク装置(563)を含み、前記切断用ディスク装置(563)が、切断用アパーチャ(562)を順次に含むカバー部品(561)を含み、前記カバー部品が、正常運転中、前記切断用ディスク(560)と前記地面(G)の間に位置付けされ、かつ、正常運転中、前記地面(G)に対面する前記切断用ディスク(560)の側を少なくとも主に覆っている、態様1乃至18のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様20]
前記切断用ディスク装置(563)が、前記切断用ディスク(560)と前記地面(G)の間の距離を調整できるように変位可能である、態様19に記載のロボット芝刈り機(100)。
[態様21]
前方部分(535)が、少なくとも部分的に前記切断用ディスク(560)を包含するハウジング壁(564)を含む、態様19又は20のいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様22]
前記切断用ディスク装置(563)も、少なくとも部分的に前記第2の端部部分(502)に沿って通過する1つ以上の保護壁(541;542a、542b、543a、543b、544a、544b)を含み、前記保護壁(541;542a、542b、543a、543b、544a、544b)が、正常運転中、前記本体(140)から前記地面(G)に向かって延在し半径方向に離間されている、態様19乃至21のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様23]
1つ以上の前記保護壁が、前記切断用ディスク(560)及びそのカバー部品(561)によって分離される2つの部品(542a、542b、543a、543b、544a、544b)に分割されている、態様22に記載のロボット芝刈り機(100)。
[態様24]
前記制御ユニット(110)が、前記切断用ディスク(160)を第1の回転方向(r
1
)及び前記第1の回転方向(r
1
)とは反対の第2の回転方向(r
2
)に回転させるように前記第2の電動モータ装置(165)を制御するように適応されており、前記制御ユニット(110)は、前記切断用ディスク(160)が前記第2の端部部分(102)に最も近くにある最大限度まで現在の刈取り方向(m
1
、m
2
)と一致する回転方向(r
1
、r
2
)に前記切断用ディスク(160)を回転させるように前記第2の電動モータ装置(165)を制御するように適応されている、態様1乃至23のうちいずれか一態様のロボット芝刈り機(100)。
[態様25]
第1の端部部分(101)、第2の端部部分(102)、中心(146)を有する駆動輪軸(145)を備えかつ第1の電動モータ装置(150)に駆動可能に連結された少なくとも2つの駆動輪(130a、130b)、及び対応する旋回軸(153、154)を有する少なくとも1つの旋回可能な車輪(131a、131b)を有するロボット芝刈り機(100)であって、少なくとも1つの旋回軸(153、154)を貫通し前記駆動輪軸(145)に対して平行である旋回取付け軸(151)が、前記第2の端部部分(102)と前記駆動輪軸(145)の間に位置付けされており、前記ロボット芝刈り機(100)が少なくとも部分的に前記旋回取付け軸(151)と前記第2の端部部分(102)の間に位置付けされている回転可能な草切断用ディスク(160)をさらに有している、ロボット芝刈り機(100)を制御するための方法において:
前記第1の端部部分(101)が境界(182、220)に接近するように境界(182、220)に向かって移動するように前記ロボット芝刈り機(100a)を制御すること(S100)と;
境界(182、220)までの距離が条件を満たしているか否かを決定すること(S200)と;そうである場合には、
前記ロボット芝刈り機(100b)を停止すること(S300)と;
前記ロボット芝刈り機(100c、100d)の前記第2の端部部分(102)が切断円弧(210)に沿った円弧状運動を行ない、前記切断用ディスク(160)が前記切断円弧(210)の内側の草を切断することができるように、互いに異なる方向に回転するように前記駆動輪(130a、130b)を制御すること(S400)と;
を含む方法。
[態様26]
前記回転軸(152)が前記切断用ディスク160を通過する場合、前記回転軸(152)は、前記旋回取付け軸(151)と前記第2の端部部分(102)の間に位置付けされる、態様25に記載の方法。
[態様27]
前記切断円弧(210)が180°を超える角度の延長部分を有しており、前記切断円弧(210)の前記延長部分に続く第2の端部部分中心(106)が前記切断円弧(210)の端部(212)に到達した後に移動を続けるように前記ロボット芝刈り機(100e)を制御すること(S500)を含んでいる、態様25又は26のいずれか一態様の方法。
[態様28]
前記切断円弧(210)の中心が、前記駆動輪軸(145)に沿って位置付けされている、態様25乃至27のうちいずれか一態様の方法。
[態様29]
前記切断円弧(210)の前記中心が、前記駆動輪軸(145)の前記中心(146)に位置付けされている、態様25乃至28のうちいずれか一態様の方法。
[態様30]
前記境界が、前記ロボット芝刈り機(100)のための動作部域を画定する境界ワイヤ(220)の形状であり、前記ロボット芝刈り機(100)が前記境界ワイヤ(220)上に位置付けされている場合に前記ロボット芝刈り機(100)の停止(S300)が実行され、前記条件は、前記境界ワイヤ(220)と前記ロボット芝刈り機(100)の間の決められた距離が第1の閾値を下回ることに関するものである、態様25乃至29のうちいずれか一態様の方法。
[態様31]
前記境界が物体(182)の形状であり、前記切断円弧が、前記物体(182)に最も近い最近接弧部分(211)を有し、前記条件は、前記物体(182)と前記ロボット芝刈り機(100)の間の決められた距離が第2の閾値を下回ることに関するものである、態様25乃至30のうちいずれか一態様の方法。
[態様32]
境界ワイヤ制御信号を検知するための少なくとも1つのワイヤセンサ(173)を使用すること及び/又は、物体(182)を検出するために少なくとも1つの環境検出デバイス(170、171)、及び/又は少なくとも1つのナビゲーションセンサ装置(175)を使用することを含む、態様25乃至31のうちいずれか一態様の方法。
[態様33]
前記ロボット芝刈り機(100)が、前進方向(F)及び後退方向(R)のために使用され、前記第1の端部部分(101)が前記前進方向(F)に対面しており、前記第2の端部部分(102)が前記後退方向(R)に対面している、態様25乃至32のうちいずれか一態様の方法。
[態様34]
前記切断用ディスク(160)を第1の回転方向(r
1
)及び前記第1の回転方向(r
1
)とは反対の第2の回転方向(r
2
)に回転させるように前記第2の電動モータ装置(165)を制御することと;
前記切断用ディスク(160)が前記第2の端部部分(102)に最も近くにある最大限度まで現在の刈取り方向(m
1
、m
2
)と一致する回転方向(r
1
、r
2
)に前記切断用ディスク(160)を回転させるように前記第2の電動モータ装置(165)を制御することと;
を含む、態様25乃至33のうちいずれか一態様の方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端部部分(101)と第2の端部部分(102)を有するロボット芝刈り機(100)であって、本体(140)、少なくとも2つの駆動輪(130a、130b)、少なくとも1つの旋回可能な車輪(131a、131b)、前記ロボット芝刈り機(100)の動作を制御するように適応された制御ユニット(110)、回転軸(152)を有する回転可能な草切断用ディスク(160)、及び少なくとも2つの電動モータ装置(150、165)を含むロボット芝刈り機(100)において、少なくとも2つの駆動輪(130a、130b)が、中心(146)を有する駆動輪軸(145)を備え、且つ第1の電動モータ装置(150)に駆動可能に連結され、少なくとも1つの旋回可能な車輪(131a、131b)が対応する旋回軸(153、154)を有し、少なくとも1つの旋回軸(153、154)を貫通し前記駆動輪軸(145)に対して平行である旋回取付け軸(151)が前記第2の端部部分(102)と前記駆動輪軸(145)の間に位置付けされ、前記切断用ディスク(160)が第2の電動モータ装置(165)に対して駆動可能に連結され、前記切断用ディスク(160)は少なくとも部分的に前記旋回取付け軸(151)と前記第2の端部部分(102)の間に位置付けされている、ロボット芝刈り機(100)。
【請求項2】
前記回転軸(152)が、前記切断用ディスク(160)を通過する場合、前記回転軸(152)は、前記旋回取付け軸(151)と前記第2の端部部分(102)の間に位置付けされる、請求項1に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項3】
少なくとも部分的に前記第2の端部部分102に沿ってか又はそれに隣接して通過しかつ正常運転中、本体140から地面Gに向かって延在する少なくとも1つの保護壁(141、142、143、144)をさらに含む、請求項1
に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項4】
少なくとも部分的に前記第2の端部部分(102)に沿って通過する第1の円弧状保護壁(141)、及び少なくとも1つのさらなる円弧状保護壁(142、143、144)をさらに含み、前記保護壁(141、142、143、144)が正常運転中、前記本体(140)から前記地面(G)に向かって延在し、前記保護壁(141、142、143、144)が半径方向に離間されている、請求項
3に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項5】
前記保護壁(141、142、143、144)が、正常運転中、前記切断用ディスク(160)と地面(G)の間に部分的に位置付けされている、請求項3に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項6】
前記保護壁(141、142、143、144)が、少なくとも主としてそれぞれの前記保護壁の円弧(141a、142a、143a、144a)をたどり、全ての前記保護壁の円弧(141a、142a、143a、144a)が共通の中心(146)を有している、請求項3
に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項7】
前記共通の中心(146)が前記駆動輪軸(145)の中心である、請求項
6に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項8】
少なくとも主としてそれぞれの壁の円弧(141a、142a、143a、144a)をたどる少なくとも1つの前記保護壁(141、142、143)の円弧状の延在部分が、テーパの付いた端部部分(147、148、149)を含んでいる、請求項3
に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項9】
前記第2の電動モータ装置(165)が、前記回転軸(152)よりも前記駆動輪軸(145)に近いところに位置付けされている、請求項1
に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項10】
前記制御ユニット(110)は、
前記第1の端部部分(101)が、境界(182、220)に接近するように前記境界(182、220)に向かって移動するように前記ロボット芝刈り機(100a)を制御し;
前記境界(182、220)までの距離が条件を満たしているか否かを決定し;そうである場合には、
前記ロボット芝刈り機(100b)を停止し;かつ
前記ロボット芝刈り機(100c、100d)の前記第2の端部部分(102)が切断円弧(210)に沿った円弧状運動を行ない、前記切断用ディスク(160)が前記切断円弧(210)の内側の草を切断できるように、互いに異なる方向に回転するように前記駆動輪(130a、130b)を制御する、
ように適応されている、請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項11】
前記切断円弧(210)の前記中心が、前記駆動輪軸(145)に沿って位置付けされている、請求項
10に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項12】
前記切断円弧(210)の前記中心が、前記駆動輪軸(145)の前記中心(146)に位置付けされている、請求項10に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項13】
前記境界が、前記ロボット芝刈り機(100)のための動作部域を画定する境界ワイヤ(220)の形をしており、前記制御ユニット(110)は、前記ロボット芝刈り機(100)が前記境界ワイヤ(220)上に位置付けされている場合に前記ロボット芝刈り機(100)を停止させるように適応されており、前記条件は、前記境界ワイヤ(220)と前記ロボット芝刈り機(100)の間の決められた距離が第1の閾値を下回ることに関するものである、請求項10
に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項14】
前記境界が物体(182)の形をしており、前記切断円弧が、前記物体(182)に最も近い最近接弧部分(211)を有し、前記条件は、前記物体(182)と前記ロボット芝刈り機(100)の間の決められた距離が第2の閾値を下回ることに関するものである、請求項10
に記載のロボット芝刈り機(100)。
【請求項15】
前記条件が、前記ロボット芝刈り機(100)が前記物体(182)と接触することに関するものである、請求項
14に記載のロボット芝刈り機(100)。
【国際調査報告】