(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240528BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20240528BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240528BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20240528BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
A24F40/20
A24F40/50
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573417
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2024-01-29
(86)【国際出願番号】 EP2022065379
(87)【国際公開番号】W WO2022258604
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ライト, マシュー ポール
(72)【発明者】
【氏名】ブロムボスチュ, トーマス ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】アームズワージー, フランク グレイドン
(72)【発明者】
【氏名】ダウリング, ショーン パトリック
(72)【発明者】
【氏名】クレメンス, デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ウエスト, ルドミラ
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク
(72)【発明者】
【氏名】カボット, ロス
(72)【発明者】
【氏名】コーラス, アントン
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC13
4B162AC22
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4B162AC50
4B162AD02
4B162AD03
4B162AD06
4B162AD12
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD23
4B162AD32
(57)【要約】
蓋部分706、ベース部分708、及び固定機構710を備えるエアロゾル供給デバイス702が開示され、固定機構710は、エアロゾル生成品の相対移動を防止するようにエアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、蓋部分706をベース部分708と係合させるように構成される。蓋部分706及びベース部分708は、エアロゾル生成品を蓋部分706とベース部分708の間の適所に保持するように構成される。
【選択図】
図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋部分と、
ベース部分と、
固定機構とを備えるエアロゾル供給デバイスであって、前記固定機構が、エアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成され、
前記蓋部分及び前記ベース部分が、前記エアロゾル生成品を、使用時に、前記蓋部分と前記ベース部分の間の適所に保持するように構成されている、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
1つ以上の加熱要素をさらに備え、前記固定機構が、前記1つ以上の加熱要素に向かうか又は離れる方向に沿ったエアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成され、前記ベース部分及び/又は加熱部分が、前記1つ以上の加熱要素を備える、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
使用時に、複数のエアロゾル生成領域を備えるエアロゾル生成品は、1つ以上のエアロゾル生成領域が前記1つ以上の加熱要素のうちの1つの加熱要素に隣り合って位置するように置かれ、前記エアロゾル供給デバイスは、前記加熱要素に対して前記エアロゾル生成品を回転軸線のまわりに回転させて1つ以上のエアロゾル生成領域が前記加熱要素の近くに移動されるように構成された回転デバイスを備え、前記固定機構は、前記エアロゾル生成品が前記加熱要素に対して回転されることを、前記回転軸線のまわりの回転以外の方向の前記エアロゾル生成品の相対移動を防止しながら可能にするように構成されている、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
平坦面を画定する1つ以上の加熱要素をさらに備え、前記固定機構が、前記平坦面に対して実質的に垂直の方向に沿う、実質的に平坦なエアロゾル生成品の相対移動を防止するように、前記実質的に平坦なエアロゾル生成品を、使用時に、前記1つ以上の加熱要素の平坦面に対して平行に適所に保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記1つ以上の加熱要素が実質的に平坦な加熱要素を備える、請求項2~4のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記蓋部分及び/又は前記ベース部分は、前記蓋部分が前記ベース部分と係合したときにエアロゾルチャンバを形成するように構成された1つ以上の壁を備え、使用時に、前記蓋部分及び/又は前記ベース部分は、前記エアロゾル生成品の相対移動を防止するために、前記1つ以上の加熱要素と実質的に平坦なエアロゾル生成品との間の分離が前記実質的に平坦なエアロゾル生成品全体にわたって維持されるように、圧力を前記1つ以上の壁を介して前記実質的に平坦なエアロゾル生成品に均一に加える、請求項2~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
使用時に、前記蓋部分及び/又は前記ベース部分が、(i)前記1つ以上の壁の周囲若しくは周辺を介して、及び/又は(ii)前記エアロゾルチャンバの内側に向かって延びる前記1つ以上の壁の複数の径方向支柱を介して、圧力を実質的に平坦なエアロゾル生成品に均一に加える、請求項6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
使用時に、前記1つ以上の壁が、エアロゾル生成品又は実質的に平坦なエアロゾル生成品に埋め込むように、又は部分的に切り込むように構成されている、請求項6又は7に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
前記1つ以上の壁が1つ以上の部分的に変形可能な領域を備える、請求項6~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
(i)前記1つ以上の壁の周囲若しくは周辺が、部分的に変形可能な1つ以上の領域を備え、及び/又は、(ii)前記1つ以上の壁の前記複数の径方向支柱が、部分的に変形可能な1つ以上の領域を備える、請求項9に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記蓋部分及び/又は前記ベース部分が1つ以上の柱を備え、使用時に、前記蓋部分及び/又は前記ベース部分は、前記エアロゾル生成品の相対移動を防止するために、前記1つ以上の加熱要素と実質的に平坦なエアロゾル生成品との間の分離が前記実質的に平坦なエアロゾル生成品全体にわたって維持されるように、圧力を前記1つ以上の柱を介して前記実質的に平坦なエアロゾル生成品に均一に加える、請求項2~10のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
使用時に、前記1つ以上の柱が、エアロゾル生成品又は実質的に平坦なエアロゾル生成品に埋め込むように、又は部分的に切り込むように構成されている、請求項11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記1つ以上の柱が、部分的に変形可能な1つ以上の領域を備える、請求項11又は12に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
使用時に、前記蓋部分及び/又は前記ベース部分が、エアロゾル生成材料を備えない実質的に平坦なエアロゾル生成品の第1の領域に、前記1つ以上の壁及び/又は前記1つ以上の柱を介して圧力を均一に加え、エアロゾル生成材料を備える前記実質的に平坦なエアロゾル生成品の第2の領域には圧力を加えない、請求項6~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記固定機構が、エアロゾル生成品又は実質的に平坦なエアロゾル生成品を前記1つ以上の加熱要素から10μm未満の距離の適所に、使用時に、保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されている、請求項2~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記固定機構がヒンジを備え、前記蓋部分が、クラムシェル構成体を形成するために前記ヒンジを介して前記ベース部分に接続され、前記エアロゾル供給デバイスは、前記ヒンジが開位置にあるときにエアロゾル生成品を受け入れるように構成され、前記固定機構は、前記ヒンジが閉位置にあるときにエアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されている、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
前記固定機構が、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるために前記蓋部分を前記ベース部分にクランプ留めするように構成されたクランプ機構を備える、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
前記固定機構が、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成された1つ以上の磁気要素を備える、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
前記1つ以上の磁気要素が、前記蓋部分及び前記ベース部分の一方に1つ以上の磁石を備え、前記蓋部分及び前記ベース部分の他方に磁性材料を備える、請求項18に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項20】
前記1つ以上の磁気要素が、前記蓋部分を前記ベース部分にクランプ留めするように構成された磁性支柱を備える、請求項18又は19に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項21】
前記固定機構が、前記蓋部分及び前記ベース部分の一方に、前記蓋部分及び前記ベース部分の他方の相互受け要素とスナップフィット係合するように構成されたスナップフィット要素を備えるスナップフィット機構を具備する、請求項1~20のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項22】
前記固定機構が、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成された1つ以上の留め具を備える、請求項1~21のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項23】
前記固定機構が前記蓋部分及び/又は前記ベース部分に、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるために前記蓋部分及び/又は前記ベース部分の1つ以上の第2の把持要素をそれぞれ把持するように構成された、1つ以上の第1の把持要素を備える、請求項1~22のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項24】
前記固定機構が、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されたカムロックを備える、請求項1~23のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項25】
前記カムロックが、エアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、下方に回転するように構成された偏心カムを備える、請求項24に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項26】
前記蓋部分及び/又はベース部分が、エアロゾル形成チャンバを形成するためのプレナムを備え、前記偏心カムが、エアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記プレナムによって前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、下方に回転して前記プレナムに力を作用させるように構成される、請求項25に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項27】
前記エアロゾル供給デバイスが、エアロゾル生成品を受けるために前記デバイスから外側に延びるように構成された摺動可能なプラットフォームをさらに備え、前記摺動可能プラットフォームが、前記エアロゾル生成品を前記デバイスに挿入するために、前記デバイスの中に後退するように構成され、前記摺動可能プラットフォームは、前記摺動可能プラットフォームが前記デバイスの中に後退するときに下方に回転するように前記偏心カムが構成されるように、前記偏心カムに接続される、請求項25又は26に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項28】
前記摺動可能プラットフォームは、前記ヒンジが開位置にあるときに前記エアロゾル生成品を受けるように構成され、前記可能プラットフォームは、前記ヒンジが開位置から閉位置にされたときに前記デバイスの中に後退するように構成されている、請求項27に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項29】
前記蓋部分が一体化吸い口を備える、請求項1~28のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項30】
曲線面を画定する1つ以上の加熱要素を備え、前記固定機構が、前記1つ以上の加熱要素の前記曲線面に向かうか又は離れる方向に沿ったエアロゾル生成品の相対移動を防止するように、前記1つ以上の加熱要素の前記曲線面の近位にエアロゾル生成品を、使用時に、保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されている、請求項1~29のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項31】
前記固定機構が、前記1つ以上の加熱要素の前記曲線面の近位に、前記1つ以上の加熱要素の前記曲線面に実質的に一致する面を有するエアロゾル生成品を、使用時に、保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されている、請求項30に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項32】
前記1つ以上の加熱要素を制御する制御回路をさらに備え、前記制御回路が、前記1つ以上の加熱要素のうちの少なくとも1つを加熱することによって、ある量のエアロゾルをエアロゾル生成品の1つ以上のエアロゾル生成領域から生成するように構成され、前記1つ以上のエアロゾル生成領域のそれぞれが、前記1つ以上の加熱要素のそれぞれの加熱要素に対応する、請求項2~31のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項33】
前記1つ以上の加熱要素が、前記固定機構によって適所に保持されたエアロゾル生成品の1つ以上のサセプタ要素を、使用時に、加熱するために、変化する磁場を生成するための1つ以上の誘導コイルを備える1つ以上の誘導加熱要素を具備する、請求項2~32のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項34】
前記固定機構が、エアロゾル生成品の基板に対する前記金属箔の相対移動を防止するように、前記基板に接合された金属箔を備える前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されている、請求項1~33のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項35】
請求項1~34のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
前記エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成品と
を具備するエアロゾル供給システムであって、前記エアロゾル生成品がエアロゾル生成材料の一部分を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項36】
請求項1~34のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、
エアロゾル生成品を前記蓋部分と前記ベース部分の間に挿入するステップと、
前記エアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記エアロゾル生成品を適所に保持するために、前記固定機構を用いて、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるステップとを含む、エアロゾルを生成する方法。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス、エアロゾル供給システム、及びエアロゾルを生成する方法に関する。
【背景】
【0002】
シガレット、シガーなどの喫煙品は、使用時にタバコを燃焼させてタバコの煙を生成する。これらの物品の代替品を、燃焼しなくても化合物を放出する製品を作り出すことによって提供しようとする試みがなされてきた。このような製品の例としては、材料を燃焼させるのではなく加熱することによって化合物を放出する、いわゆる非燃焼加熱式製品又はタバコ加熱デバイス若しくは製品がある。この材料は、例えば、タバコ又は他の非タバコ製品でもよく、これらはニコチンを含んでも含まなくてもよい。
【0003】
前述のデバイス又は製品が範囲に入るエアロゾル供給システムが知られている。一般的なシステムでは、ヒーターを使用してエアロゾルを適切な媒体から生成し、その後、このエアロゾルが使用者によって吸引される。使用される媒体はしばしば、異なるエアロゾルが吸引のために得られるように、交換又は変更される必要がある。適切な媒体からエアロゾルを生成するためのヒーターとして誘導加熱システムを使用することが知られている。誘導加熱システムは、一般に、変化する磁場を発生させるための磁場発生デバイスと、適切な媒体を加熱するための変化する磁場が侵入することによって加熱可能なサセプタ又は加熱材料とから構成される。
【0004】
従来のエアロゾル供給デバイスは、棒の形の消耗品が挿入される円筒形の加熱チャンバを備える。
【0005】
しかしながら、平坦な基板を備える消耗品などの、円筒形以外の形を有する消耗品が使用される、次世代デバイスが企図されている。平坦な基板は、アルミニウム基板などの、変化する磁場が侵入することによって加熱されるサセプタを備えてもよく、エアロゾル供給デバイスに挿入され得る。このような企図された構成体では、サセプタが、使用時にエアロゾル供給デバイスに対して望ましくないような移動をすることがあるという点で、問題が生じることがある。
【0006】
したがって、改善されたエアロゾル供給デバイスを提供することが望ましい。
【概要】
【0007】
一態様によれば、
蓋部分と、
ベース部分と、
固定機構とを備えるエアロゾル供給デバイスであって、固定機構が、エアロゾル生成品の相対移動を防止するようにエアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成され、
蓋部分及びベース部分が、エアロゾル生成品を、使用時に、蓋部分とベース部分の間の適所に保持するように構成されている、エアロゾル供給デバイスが提供される。
【0008】
様々な実施形態によれば、固定機構を有するエアロゾル供給デバイスが提供され、この固定機構は、エアロゾル生成品の一部を形成するサセプタの望ましくない移動を防止するようにエアロゾル生成品を、使用時に、蓋部分とベース部分の間の適所に保持するために、エアロゾル供給デバイスの蓋部分とベース部分を係合するように構成されている。
【0009】
任意選択で、エアロゾル供給デバイスは、1つ以上の加熱要素を備え、固定機構は、1つ以上の加熱要素に向かうか又は離れる方向に沿ったエアロゾル生成品の相対移動を防止するようにエアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成され、ベース部分及び/又は加熱部分が、1つ以上の加熱要素を備える。
【0010】
任意選択で、使用時に、複数のエアロゾル生成領域を備えるエアロゾル生成品は、1つ以上のエアロゾル生成領域が1つ以上の加熱要素のうちの1つの加熱要素に隣り合って位置するように置かれ、エアロゾル供給デバイスは、加熱要素に対してエアロゾル生成品を回転軸線のまわりに回転させて1つ以上のエアロゾル生成領域が加熱要素の近くに移動されるように構成された回転デバイスを備え、固定機構は、エアロゾル生成品が加熱要素に対して回転されることを、回転軸線のまわりの回転以外の方向のエアロゾル生成品の相対移動を防止しながら可能にするように構成されている。
【0011】
任意選択で、エアロゾル供給デバイスは、平坦面を画定する1つ以上の加熱要素をさらに備え、固定機構は、平坦面に対して実質的に垂直の方向に沿う、実質的に平坦なエアロゾル生成品の相対移動を防止するように、実質的に平坦なエアロゾル生成品を、使用時に、1つ以上の加熱要素の平坦面に対して平行に適所に保持するために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成されている。
【0012】
任意選択で、1つ以上の加熱要素は、実質的に平坦な加熱要素を備える。
【0013】
任意選択で、蓋部分及び/又はベース部分は、蓋部分がベース部分と係合したときにエアロゾルチャンバを形成するように構成された1つ以上の壁を備え、使用時に、蓋部分及び/又はベース部分は、エアロゾル生成品の相対移動を防止するために、1つ以上の加熱要素と実質的に平坦なエアロゾル生成品との間の分離が実質的に平坦なエアロゾル生成品全体にわたって維持されるように、圧力を1つ以上の壁を介して実質的に平坦なエアロゾル生成品に均一に加える。
【0014】
任意選択で、使用時に、蓋部分及び/又はベース部分は、(i)1つ以上の壁の周囲若しくは周辺を介して、及び/又は(ii)エアロゾルチャンバの内側に向かって延びる1つ以上の壁の複数の径方向支柱を介して、圧力を実質的に平坦なエアロゾル生成品に均一に加える。
【0015】
任意選択で、使用時に、1つ以上の壁は、エアロゾル生成品又は実質的に平坦なエアロゾル生成品に埋め込むように、又は部分的に切り込むように構成されている。
【0016】
任意選択で、1つ以上の壁は、1つ以上の部分的に変形可能な領域を備える。
【0017】
任意選択で、(i)1つ以上の壁の周囲若しくは周辺は、部分的に変形可能な1つ以上の領域を備え、及び/又は、(ii)1つ以上の壁の複数の径方向支柱は、部分的に変形可能な1つ以上の領域を備える。
【0018】
任意選択で、蓋部分及び/又はベース部分は、1つ以上の柱を備え、使用時に、蓋部分及び/又はベース部分は、エアロゾル生成品の相対移動を防止するために、1つ以上の加熱要素と実質的に平坦なエアロゾル生成品との間の分離が実質的に平坦なエアロゾル生成品全体にわたって維持されるように、圧力を1つ以上の柱を介して実質的に平坦なエアロゾル生成品に均一に加える。
【0019】
任意選択で、使用時に、1つ以上の柱は、エアロゾル生成品又は実質的に平坦なエアロゾル生成品に埋め込むように、又は部分的に切り込むように構成されている。
【0020】
任意選択で、1つ以上の柱は、部分的に変形可能な1つ以上の領域を備える。
【0021】
任意選択で、使用時に、蓋部分及び/又はベース部分は、エアロゾル生成材料を備えない実質的に平坦なエアロゾル生成品の第1の領域に、1つ以上の壁及び/又は1つ以上の柱を介して圧力を均一に加え、エアロゾル生成材料を備える実質的に平坦なエアロゾル生成品の第2の領域には圧力を加えない。
【0022】
任意選択で、固定機構は、エアロゾル生成品又は実質的に平坦なエアロゾル生成品を1つ以上の加熱要素から10μm未満の距離の適所に、使用時に、保持するために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成されている。
【0023】
任意選択で、固定機構はヒンジを備え、蓋部分は、クラムシェル構成体を形成するためにヒンジを介してベース部分に接続され、エアロゾル供給デバイスは、ヒンジが開位置にあるときにエアロゾル生成品を受け入れるように構成され、固定機構は、ヒンジが閉位置にあるときにエアロゾル生成品の相対移動を防止するようにエアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成されている。
【0024】
任意選択で、固定機構は、蓋部分をベース部分と係合させるために蓋部分をベース部分にクランプ留めするように構成されたクランプ機構を備える。
【0025】
任意選択で、固定機構は、蓋部分をベース部分と係合させるように構成された1つ以上の磁気要素を備える。
【0026】
任意選択で、1つ以上の磁気要素は、蓋部分及びベース部分の一方に1つ以上の磁石を備え、蓋部分及びベース部分の他方に磁性材料を備える。
【0027】
任意選択で、1つ以上の磁気要素は、蓋部分をベース部分にクランプ留めするように構成された磁性支柱を備える。
【0028】
任意選択で、固定機構は、蓋部分及びベース部分の一方に、蓋部分及びベース部分の他方の相互受け要素とスナップフィット係合するように構成されたスナップフィット要素を備えるスナップフィット機構を具備する。
【0029】
任意選択で、固定機構は、蓋部分をベース部分と係合させるように構成された1つ以上の留め具を備える。
【0030】
任意選択で、固定機構は、蓋部分及び/又はベース部分に、蓋部分をベース部分と係合させるために蓋部分及び/又はベース部分の1つ以上の第2の把持要素をそれぞれ把持するように構成された、1つ以上の第1の把持要素を備える。
【0031】
任意選択で、固定機構は、蓋部分をベース部分と係合させるように構成されたカムロックを備える。
【0032】
任意選択で、カムロックは、エアロゾル生成品の相対移動を防止するようにエアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、下方に回転するように構成された偏心カムを備える。
【0033】
任意選択で、蓋部分及び/又はベース部分は、エアロゾル形成チャンバを形成するためのプレナムを備え、偏心カムは、エアロゾル生成品の相対移動を防止するようにプレナムによってエアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、下方に回転してプレナムに力を作用させるように構成される。
【0034】
任意選択で、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成品を受けるためにデバイスから外側に延びるように構成された摺動可能なプラットフォームをさらに備え、摺動可能プラットフォームは、エアロゾル生成品をデバイスに挿入するために、デバイスの中に後退するように構成され、摺動可能プラットフォームは、摺動可能プラットフォームがデバイスの中に後退するときに下方に回転するように偏心カムが構成されるように、偏心カムに接続される。
【0035】
任意選択で、摺動可能プラットフォームは、ヒンジが開位置にあるときにエアロゾル生成品を受けるように構成され、可能プラットフォームは、ヒンジが開位置から閉位置にされたときにデバイスの中に後退するように構成されている。
【0036】
任意選択で、蓋部分は一体化吸い口を備える。
【0037】
任意選択で、エアロゾル供給デバイスは、曲線面を画定する1つ以上の加熱要素を備え、固定機構は、1つ以上の加熱要素の曲線面に向かうか又は離れる方向に沿ったエアロゾル生成品の相対移動を防止するように、1つ以上の加熱要素の曲線面の近位にエアロゾル生成品を、使用時に、保持するために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成されている。
【0038】
任意選択で、固定機構は、1つ以上の加熱要素の曲線面の近位に、1つ以上の加熱要素の曲線面に実質的に一致する面を有するエアロゾル生成品を、使用時に、保持するために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成されている。
【0039】
任意選択で、エアロゾル供給デバイスは、1つ以上の加熱要素を制御する制御回路をさらに備え、制御回路は、1つ以上の加熱要素のうちの少なくとも1つを加熱することによって、ある量のエアロゾルをエアロゾル生成品の1つ以上のエアロゾル生成領域から生成するように構成され、1つ以上のエアロゾル生成領域のそれぞれが、1つ以上の加熱要素のそれぞれの加熱要素に対応する。
【0040】
任意選択で、1つ以上の加熱要素は、固定機構によって適所に保持されたエアロゾル生成品の1つ以上のサセプタ要素を、使用時に、加熱するために、変化する磁場を生成するための1つ以上の誘導コイルを備える1つ以上の誘導加熱要素を具備する。
別の態様によれば、
上記のエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成品とを備える、エアロゾル供給システムが提供され、エアロゾル生成品は、エアロゾル生成材料の一部分を備える。
別の態様によれば、
上記のエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、
エアロゾル生成品を蓋部分とベース部分の間に挿入するステップと、
エアロゾル生成品の相対移動を防止するようにエアロゾル生成品を適所に保持するために、固定機構を用いて、蓋部分をベース部分と係合させるステップとを含む、エアロゾルを生成する方法が提供される。
【0041】
次に、様々な実施形態を単なる例として、及び添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】
図1Aは、複数の加熱要素を備えるエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料からなる複数の部分を備えるエアロゾル生成品とを備えるエアロゾル供給システムの概略図である。
図1Bは、単一の加熱要素を備えるエアロゾル供給デバイスと、エアロゾル生成材料からなる複数の部分を備えるエアロゾル生成品とを備えるエアロゾル供給システムの概略図である。
【
図2】
図2Aは、
図1Aのエアロゾル生成品の上面図である。
図2Bは、エアロゾル生成品の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図である。
図2Cは、エアロゾル生成品の幅方向軸線に沿った側面図である。
【
図3】
図1Aのエアロゾル供給デバイスの加熱要素の断面上面図である。
【
図4】エアロゾル供給システムの様々な機能を動作させるための例示的な接触感知パネルの上面図である。
【
図5】エアロゾル供給デバイス及びエアロゾル生成品を備えるエアロゾル供給システムの概略断面図の一例であり、エアロゾル供給デバイスは複数の誘導コイルを備え、エアロゾル生成品は、エアロゾル生成材料からなる複数の部分と、対応するサセプタ部分とを備える。
【
図6】
図6Aは、
図5のエアロゾル生成品の上面図である。
図6Bは、エアロゾル生成品の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図である。
図6Cは、エアロゾル生成品の幅方向軸線に沿った側面図である。
【
図7】
図7Aは、蓋部分及びベース部分を有するエアロゾル供給デバイスの斜視図であり、蓋部分は閉じられている。
図7Bは、エアロゾル供給デバイスの斜視図であり、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル供給デバイスの加熱要素に対してエアロゾル生成品を回転軸線のまわりに回転させるように構成された回転デバイスを備え、蓋部分は開いている。
【
図8】
図8Aは、エアロゾル供給デバイスの斜視図であり、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル供給デバイスの加熱要素に対してエアロゾル生成品を回転軸線のまわりに回転させるように構成された回転デバイスを備え、蓋部分が開いており、円形の平坦なエアロゾル生成品がエアロゾル供給デバイスに挿入されて示されている。
図8Bは、エアロゾル供給デバイスの斜視図であり、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル供給デバイスの加熱要素に対してエアロゾル生成品を回転軸線のまわりに回転させるように構成された回転デバイスを備え、蓋部分が開いており、円形の平坦なエアロゾル生成品がエアロゾル供給デバイスのベース部分に置かれている。
図8Cは、一実施形態によるエアロゾル供給デバイスのベース部分を示す図である。
【
図9】
図9Aは、エアロゾル供給デバイスの蓋部分をエアロゾル供給デバイスのベース部分にクランプ留めするように構成されている、磁性支柱を備える固定機構を有するエアロゾル供給デバイスを示す図である。
図9Bは、エアロゾル供給デバイスの蓋部分をエアロゾル供給デバイスのベース部分にクランプ留めするように構成されている、磁性支柱を備える固定機構を有するエアロゾル供給デバイスを示す図である。
【
図10】
図10Aは、エアロゾル供給デバイスの蓋部分をベース部分と係合させるように構成されている、摺動可能な留め具を備える固定機構を備えるエアロゾル供給デバイスの斜視図である。
図10Bは、摺動可能な留め具が取り外されているエアロゾル供給デバイスを示す図である。
図10Cは、開位置のエアロゾル供給デバイスを示す図である。
【詳細な説明】
【0043】
本明細書では、特定の例及び実施形態の態様及び特徴を論じる/説明する。特定の例及び実施形態におけるいくつかの態様及び特徴は、従来から具現化されている場合もあり、それらについては、説明を簡略にするために、詳細を論じる/説明することはしない。したがって、詳細に説明しない、本明細書で論じる装置及び方法の態様及び特徴は、そのような態様及び特徴を具現化するための任意の従来技術に従って具現化することができることは認識されよう。
【0044】
本開示は、「非燃焼性」エアロゾル供給システムに関する。「非燃焼性」エアロゾル供給システムとは、使用者へのエアロゾルの送達を促進するために、エアロゾル供給システムのエアロゾル生成材料構成物(又はその成分)を燃焼させない、又は燃やさないシステムである。さらに、当該技術分野では一般的であるように、「蒸気」及び「エアロゾル」という用語、並びに「気化する」、「揮発させる」、及び「エアロゾル化する」等の関連の用語は概ね互換的に使用することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、吸い込みデバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル生成材料中にニコチンが存在することが1つの要件ではないことに留意されたい。以下の説明全体を通して、用語の「eシガレット」又は「電子タバコ」が使用されることがあるが、この用語はエアロゾル(蒸気)供給システムと交換可能に使用されることがある。いくつかの実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料(それらのうちの1つ又は複数は加熱されてもよい)の組合せを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムである。エアロゾル生成材料のそれぞれは、例えば、固体、液体、又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含んでもよいし含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル生成材料と、固体のエアロゾル生成材料とを備える。固体のエアロゾル生成材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含んでもよい。
【0046】
典型的には、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと、この非燃焼性エアロゾル供給デバイスと共に使用するための物品(消耗品と呼ばれることもある)とを備えてもよい。しかしながら、それ自体がエアロゾル生成構成要素にパワーを与えるための手段を備える物品は、それ自体、非燃焼性エアロゾル供給システムを形成することができると考えられる。
【0047】
消耗品は、エアロゾル生成材料を備える、又はそれよりなる物品であり、その一部又は全部が、使用者の使用中に消費されることが意図される。消耗品は、エアロゾル生成材料収納領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、ラッパー、吸い口、フィルター、及び/又はエアロゾル改質剤など、1つ以上の他の構成要素を備えてもよい。消耗品はまた、使用時にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるために熱を放出するヒーターなどのエアロゾル生成器を備えてもよい。ヒーターは、例えば、可燃性材料、電気伝導によって加熱可能な材料、又はサセプタを備えてもよい。
【0048】
非燃焼性エアロゾル供給システムは、いつもというわけではないが、再使用可能なエアロゾル供給デバイス及び交換可能な物品の両方を含むモジュール式アセンブリを備えることが多い。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、パワー源及び制御器(又は制御回路)を備えてもよい。パワー源は、例えば、バッテリー又は再充電可能なバッテリーなどの電源であってもよい。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスはまた、エアロゾル生成構成要素を備えてもよい。しかしながら、他の実施様態では、エアロゾル生成品が、エアロゾル生成構成要素を部分的に又は完全に備えてもよい。
【0049】
エアロゾル生成構成要素(エアロゾル生成器)は、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成させるように構成された装置である。いくつかの実施様態では、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル生成材料から1つ以上の揮発成分を放出させてエアロゾルを形成するようにエアロゾル生成材料と相互作用することができるヒーターである。いくつかの実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、加熱することなくエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成することができる。例えば、エアロゾル生成構成要素は、例えば、振動的手段、機械的手段、加圧手段、又は静電気的手段のうちの1つ以上によって、熱を加えることなくエアロゾル生成材料からエアロゾルを生成することができる。
【0050】
エアロゾル生成材料は、例えば、加熱される、照射される、又は任意の他の方法でエネルギーを加えられると、エアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、固体、液体、又は半固体(ゲルなど)の形態であってもよく、それは活性物質及び/又は香味料を含んでもよいし含まなくてもよい。
【0051】
エアロゾル生成材料は、キャリア支持体(又はキャリア構成要素)上に、又はその中に存在して基体を形成してもよい。キャリア支持体は、例えば、紙、カード、段ボール、厚紙、再生エアロゾル化可能な材料、プラスチック材料、セラミック材料、複合材料、ガラス、金属、若しくは合金であってもよい、又はそれらを含んでもよい。
【0052】
いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成品は、エアロゾル生成材料、又はエアロゾル化可能な材料を受け入れるための領域を備えてもよい。いくつかの実施様態では、非燃焼性エアロゾル供給デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成品は吸い口を備えてもよい、又は、これに代えて、非燃焼性エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成品と連通する吸い口を備えてもよい。エアロゾル生成材料を受け入れるための領域は、エアロゾル化可能な材料を収納するための収納領域であってもよい。例えば、この収納領域はリザーバであってもよい。
【0053】
図1Aは、本開示の特定の実施形態による、エアロゾル供給システム1の概略断面図である。エアロゾル供給システム1は、2つの主要構成要素、すなわち、エアロゾル供給デバイス2及びエアロゾル生成品4を備える。
【0054】
エアロゾル供給デバイス2は、外側ハウジング21、電源22、制御回路23、複数のエアロゾル生成構成要素24、受け入れ部又はエアロゾル形成チャンバ25、吸い口端部26、空気入口27、空気出口28、接触感知パネル29、吸引センサ30、及び使用終了表示器31を備える。
【0055】
外側ハウジング21は、任意の適切な材料、例えばプラスチック材料から形成されてもよい。外側ハウジング21は、外側ハウジング21内に電源22、制御回路23、エアロゾル生成構成要素24、受け部25、及び吸引センサ30が配置されるように構成される。外側ハウジング21はまた、以下でより詳細に説明する空気入口27及び空気出口28を画定する。接触感知パネル29及び使用終了表示器は、外側ハウジング21の外側に配置される。
【0056】
外側ハウジング21は、吸い口端部26をさらに含む。外側ハウジング21及び吸い口端部26は、単一の構成要素として形成される(すなわち、吸い口端部26は外側ハウジング21の一部を形成する)。吸い口端部26は、空気出口28を含む外側ハウジング21の領域として画定され、使用者が吸い口端部26の周りに唇を快適に置いて空気出口28と係合することができるような形状である。
図1Aでは、外側ハウジング21の厚さは、空気出口28に向かって薄くなって、使用者の唇によってより容易に収めることができるエアロゾル供給デバイス2の相対的に薄い部分を提供する。しかしながら、他の実施様態では、吸い口端部26は、外側ハウジング21とは別個のものであるが外側ハウジング21に結合することができる取外し可能な構成要素であってもよく、それは、洗浄及び/又は別の吸い口端部26との交換のために取り外すことができる。
【0057】
電源22は、エアロゾル供給デバイス2に動作電力を供給するように構成される。電源22は、バッテリーなどの任意の適切な電源であってもよい。例えば、電源22は、リチウムイオン電池などの再充電可能なバッテリーを備えてもよい。電源22は、取外し可能であってもよいし、エアロゾル供給デバイス2の一体化した部分を形成してもよい。いくつかの実施様態では、電源22は、USBポート(図示せず)などの関連する接続ポートを介して、又は適切な無線レシーバ(図示せず)を介して、エアロゾル供給デバイス2を外部電源(主電源など)と接続することによって再充電されてもよい。
【0058】
制御回路23は、エアロゾル供給デバイス2の動作を制御してエアロゾル供給デバイス2の特定の動作機能を提供するように適切に構成又はプログラムされる。制御回路23は、エアロゾル供給デバイスの動作の様々な態様に関連する様々なサブユニット/回路要素を論理的に備えるように考慮されてもよい。例えば、制御回路23は、電源22の再充電を制御するための論理サブユニットを備えてもよい。これに加えて、制御回路23は、例えば、エアロゾル供給デバイス2から、又はエアロゾル供給デバイス2へのデータ転送を容易にするために通信用の論理サブユニットを備えてもよい。しかしながら、制御回路23の主要な機能は、以下でより詳細に説明するように、エアロゾル生成材料のエアロゾル化を制御することである。制御回路23の機能は、例えば、所望の機能を提供するように構成された、1つ以上の適切にプログラムされたプログラム可能なコンピュータ(複数可)、及び/又は、1つ以上の適切に構成された特定用途向け集積回路(複数可)/回路/チップ(複数可)/チップセット(複数可)を使用して、様々な異なる方法で提供することができることは認識されよう。制御回路23は、電源23に接続され、電源22から電力を受け取り、エアロゾル供給デバイス2の他の構成要素への電源供給を分配又は制御するように構成されてもよい。
【0059】
説明されている実施様態では、エアロゾル供給デバイス2は、エアロゾル生成品4を受け入れるように配置された受け部25をさらに備える。エアロゾル生成品4は、キャリア構成要素42及びエアロゾル生成材料44を備える。エアロゾル生成品4は、
図2A~
図2Cにさらに詳細に示される。
図2Aは、エアロゾル生成品4の上面図であり、
図2Bは、エアロゾル生成品4の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図であり、
図2Cは、エアロゾル生成品4の幅方向軸線に沿った側面図である。
【0060】
エアロゾル生成品4は、この実施様態ではカードで形成されたキャリア構成要素42を備える。キャリア構成要素42はエアロゾル生成品4の大部分を形成し、エアロゾル生成材料44が配置される基部として機能する。
【0061】
キャリア構成要素42は、
図2A~
図2Cに示すように、長さl、幅w、及び厚さt
cを有するほぼ立方体の形状である。具体的な例として、キャリア構成要素42の長さは30~80mmであってもよく、幅は7~25mmであってもよく、厚さは0.2~1mmであってもよい。しかしながら、上記はキャリア構成要素42の例示的な寸法であり、他の実施様態では、キャリア構成要素42は、必要に応じて、異なる寸法を有してもよいことを認識すべきである。いくつかの実施様態では、キャリア構成要素42は、使用者によるエアロゾル生成品4の取り扱いを容易にするのを助けるために、キャリア構成要素42の長さ方向及び/又は幅方向に延在する1つ以上の突起を備えてもよい。
【0062】
図1及び
図2A~
図2Cに示す例では、エアロゾル生成品4は、キャリア構成要素42の表面に配置されたエアロゾル生成材料44の複数の個別部分を備える。より詳細には、エアロゾル生成品4は、2×3の配列に配置された、44a~44fと符号が付けられたエアロゾル生成材料44の6つの個別部分を備える。しかしながら、他の実施様態では、これより多い若しくは少ない数の個別部分が設けられてもよく、及び/又は、これらの部分は異なる配列(例えば、1×6の配列)に配置されてもよいことを認識すべきである。図示の例では、エアロゾル生成材料44は、構成要素キャリア42の単一の表面上の離散的な別々の位置に配置される。エアロゾル生成材料44の個別部分は、円形のフットプリントを有するように示されているが、エアロゾル生成材料44の個別部分は、必要に応じて、正方形又は長方形などの任意の他のフットプリントを採り得ることを認識すべきである。エアロゾル生成材料44の個別部分は、
図2A~
図2Cに示すように、直径d及び厚さt
aを有する。厚さt
aは、任意の適切な値を採ってもよく、例えば、厚さt
aは、50μm~1.5mmの範囲にあってもよい。いくつかの実施形態では、厚さt
aは、約50μm~約200μm、又は約50μm~約100μm、又は約60μm~約90μmであり、約77μmが適切である。他の実施形態では、厚さt
aは、200μmより厚くてもよく、例えば、約50μm~約400μm、又は~約1mm、又は~約1.5mmであってもよい。
【0063】
エアロゾル生成材料44の個別部分は、個別部分のそれぞれが個別に又は選択的にエネルギーを与えられて(例えば、加熱されて)エアロゾルを生成することができるように互いから離れている。いくつかの実施様態では、エアロゾル生成材44のこれらの部分は20mg以下の質量を有してもよく、その結果、所与のエアロゾル生成品24によって、任意の1回でエアロゾル化される材料の量は比較的少ない。例えば、1つの部分の質量は、20mg以下、又は10mg以下、又は5mg以下であってもよい。もちろん、エアロゾル生成品4の全質量は20mgより重くてもよいことは認識すべきである。
【0064】
エアロゾル生成品4は、すべてが同じエアロゾル生成材料から形成されたエアロゾル生成材料の複数の部分を備えてもよい。これに代えて、エアロゾル生成品4は、少なくとも2つの部分が異なるエアロゾル生成材料から形成された、エアロゾル生成材料44の複数の部分を含んでもよい。
【0065】
受け部25は、エアロゾル生成品4を取外し可能に受け入れるのに適した大きさである。
図1Aには示されていないが、エアロゾル供給デバイス2は、後で詳述するように、固定機構によって互いに係合するように構成されている蓋部分及びベース部分を備えてもよい。蓋部分及びベース部分の様々な構成が考えられ、例えば、
図1Aには示されていないが、エアロゾル供給デバイス2は、受け部25へのアクセスを可能にするためにヒンジ付きドア又は外側ハウジング21の取外し可能な部分を備えてもよく、その結果、使用者は、受け部25にエアロゾル生成品4を挿入すること、及び/又は受け部25からエアロゾル生成品4を取り外すことができる。ヒンジ付きドア又は外側ハウジング21の取外し可能な部分はまた、閉じたときに受け部25内にエアロゾル生成品4を保持するように機能することができる。エアロゾル生成品4が使い尽くされたとき、又は使用者が単に異なるエアロゾル生成品4に切り替えることを望むとき、エアロゾル生成品4は、エアロゾル供給デバイス2から取り外され、その場所に交換のエアロゾル生成品4を受け部25に配置することができる。これに代えて、エアロゾル供給デバイス2は、受け部25と連通し、エアロゾル生成品4を受け部25に挿入することができる永久的な開口を含んでもよい。このような実施様態では、エアロゾル生成品4をエアロゾル供給デバイス2の受け部25内に保持するための保持機構が設けられてもよい。理解されるように、保持機構は、エアロゾル生成品4の相対移動を防止するようにエアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成された固定機構を備えてもよい。例えば、蓋部分及びベース部分は、エアロゾル生成品4を蓋部分とベース部分の間の適所に保持するように構成されてもよい。
【0066】
図1Aに見られるように、エアロゾル供給デバイス2は、いくつかのエアロゾル生成構成要素24を備える。説明されている実施様態では、エアロゾル生成構成要素24は加熱要素24であり、より詳細には、抵抗加熱要素24である。抵抗加熱要素24は、電流を受け取り、その電気エネルギーを熱に変換する。抵抗加熱要素24は、電流を受け取ると熱を生成するニクロム(Ni20Cr80)などの任意の適切な抵抗加熱材料から形成されてもよい、又はそれらを含んでもよい。一実施様態では、加熱要素24は、抵抗通路が配置された電気絶縁基板を備えてもよい。
【0067】
図3は、加熱要素24の配置をより詳細に示すエアロゾル供給デバイス2の断面上面図である。
図1A及び
図3では、加熱要素24は、加熱要素24の表面が受け部25の表面の一部を形成するように配置されている。すなわち、加熱要素24の外面は、受け部25の内面と面一になっている。より詳細には、受け部25の内面と面一になっている加熱要素24の外面は、加熱要素24に電流を通したときに加熱される(すなわち、その温度が上昇する)加熱要素24の表面である。
【0068】
加熱要素24は、エアロゾル生成品4が受け部25に受け入れられたときに、各加熱要素24がエアロゾル生成材料44の対応する個別部分と位置が合うように配置される。したがって、この例では、6つの加熱要素24が、
図2A~
図2Cに示したエアロゾル生成材料44の6つの個別部分の2×3の配列の配置に大まかに対応した2×3の配列で配置されている。しかしながら、上で論じたように、加熱要素24の数は、異なる実施様態では異なっていてもよく、例えば、8、10、12、14個などの加熱要素24があってもよい。いくつかの実施様態では、加熱要素24の数は、6個以上であるが、20個以下である。
【0069】
より詳細には、加熱要素24は、
図3では24a~24fの符号が付けられており、各加熱要素24は、参照符号24/44の後の対応する文字によって示されるように、エアロゾル生成材料44の対応する部分と位置が合うように配置されていると理解すべきである。したがって、加熱要素24のそれぞれは、エアロゾル生成材料44の対応する部分を加熱するために個別に作動させることができる。加熱要素24は、受け部25の内面と面一に示されているが、他の実施様態では、加熱要素24は、受け部25内に突出してもよい。いずれの場合も、エアロゾル生成品4は、受け部25内に存在するときに、加熱要素24の表面と接触し、その結果、加熱要素24によって生成された熱は、キャリア構成要素42を通ってエアロゾル生成材料44に伝導される。
【0070】
いくつかの実施様態では、熱伝達効率を改善するために、受け部25は、キャリア構成要素42をヒーター要素24に押し付けるようにキャリア構成要素42の表面に力を加える構成要素を備えてもよく、以て、エアロゾル生成材料44への伝導による熱伝達効率を上昇させる。理解されるように、エアロゾル供給デバイス2の蓋部分は、固定機構によってベース部分と係合するように構成されてもよく、それにより、蓋部分及び/又はベース部分は、キャリア構成要素42をヒーター要素42に押し付けるようにキャリア構成要素42の表面に力を加える構成要素を備える。蓋部分、ベース部分、及び対応する固定機構の様々な構成については、後で詳細に説明する。
【0071】
これに加えて、又はこれに代えて、ヒーター要素24は、エアロゾル生成品4に向かう方向/エアロゾル生成品4から離れる方向に移動するように構成されてもよく、エアロゾル生成材料44を備えないキャリア構成要素42の表面に押し付けられてもよい。エアロゾル生成品4がヒーター要素24に対して指定された又は所望の方向に移動するように構成されている実施形態では、エアロゾル生成品の相対移動を防止するようにエアロゾル生成品を適所に保持するために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成された固定機構は、指定された又は所望の方向以外の方向の相対移動を防止することによって、そうする。例えば、エアロゾル生成品4が、ヒーター要素24に対して回転軸線のまわりに回転するように(
図1Bに関連して後述のように)、例えば、ヒーター要素24にエアロゾル生成材料の新規の領域をエアロゾル生成品4上に与えるように構成されている実施形態では、固定機構は、回転軸線のまわりの回転以外の方向へのエアロゾル生成品4の相対移動を防止しながら、エアロゾル生成品4がヒーター要素24に対して回転されることをなお可能にするために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成されてもよい。
【0072】
使用時、エアロゾル供給デバイス2(より詳細には制御回路23)は、使用者の入力に応答して加熱要素24に電力を供給するように構成される。概して、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の対応する部分を加熱してエアロゾルを生成するように加熱要素24に選択的に電力を印加するように構成される。使用者がエアロゾル供給デバイス2で吸引する(すなわち、吸い口端部26で吸引する)と、空気は空気入口27を通ってエアロゾル供給デバイス2に引かれ、受け部25に入り、ここで、エアロゾル生成材料44を加熱することによって生成されたエアロゾルと混合し、次いで、空気出口28を経て使用者の口へ引かれる。すなわち、エアロゾルは、吸い口端部26及び空気出口28を通って使用者に送達される。
【0073】
図1Aのエアロゾル供給デバイス2は、接触感知パネル29及び吸引センサ30を含む。接触感知パネル29及び吸引センサ30は、共に、エアロゾルの生成を引き起こすために使用者の入力を受け取るための機構として機能し、したがって、より広くは、使用者入力機構と呼ばれることがある。受け取られた使用者の入力は、使用者がエアロゾルを生成したいことを示していると言える。
【0074】
接触感知パネル29は、静電容量式タッチセンサであってもよく、エアロゾル供給デバイス2の使用者が指又は別の適切な導電性の物体(例えばスタイラス)を接触感知パネル29に置くことによって操作することができる。説明されている実施様態では、接触感知パネル29は、エアロゾル生成を開始するために使用者が押すことができる領域を含む。制御回路23は、接触感知パネル29からの信号を受け、この信号を用いて、使用者が接触感知パネル29のこの領域を押しているかどうか(すなわち、作動させているかどうか)を判定するように構成することができる。制御回路23がこの信号を受けた場合、制御回路23は、電源22から加熱要素24のうちの1つ以上に電力を供給するように構成される。電力は、接触が検出された瞬間から予め定められた時間(例えば3秒間)供給されてもよいし、接触が検出された時間の長さに対応して供給されてもよい。他の実施様態では、接触感知パネル29は、使用者が作動することができるボタンなどに置き換えられてもよい。
【0075】
吸引センサ30は、使用者がエアロゾル供給デバイス2で吸引することによって生じる圧力の低下又は空気の流れを検出するように構成された圧力センサ又はマイクロフォン等であってもよい。吸引センサ30は、空気流路と流体連通して(すなわち、入口27と出口28との間の空気流路と流体連通して)配置される。上記と同様の態様で、制御回路23は、吸引センサからの信号を受け、この信号を用いて、使用者がエアロゾル供給システム1で吸引しているかを判定するように構成することができる。制御回路23がこの信号を受けた場合、制御回路23は、電源22から加熱要素24のうちの1つ以上に電力を供給するように構成される。電力は、吸引が検出された瞬間から予め定められた時間(例えば3秒間)供給されてもよいし、吸引が検出された時間の長さに対応して供給されてもよい。
【0076】
説明されている例では、接触感知パネル29及び吸引センサ30の両方が、吸引のためのエアロゾルの生成を開始したいと使用者が思っていることを検出する。制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30の両方からの信号が検出されたときのみ、加熱要素24に電力を供給するように構成されてもよい。これは、使用者入力機構の1つが偶発的に作動することから加熱要素24が意図せずに作動することを防止するのを助けることができる。しかしながら、他の実施様態では、エアロゾル供給システム1は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のうちの一方のみを有してもよい。
【0077】
エアロゾル供給システム1の動作のこれらの態様(すなわち、パフ検出及び接触検出)は、それ自体、確立した技法に従って(例えば、従来の吸引センサ及び吸引センサ信号処理技法を用いて、並びに、従来のタッチセンサ及びタッチセンサ信号処理技法を用いて)実行することができる。
【0078】
いくつかの実施様態では、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を検出したことに応答して、制御回路23は、個々の加熱要素24のそれぞれに電力を順次供給するように構成される。より詳細には、制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方から受けた信号の検出の順序に応答して、個々の加熱要素23のそれぞれに順次電力を供給するように構成される。例えば、制御回路23は、(例えば、エアロゾル供給デバイス2のスイッチが最初に入れられたときから)信号が最初に検出されたとき、複数の加熱要素24のうちの第1の加熱要素24に電力を供給するように構成されてもよい。信号が止まると、又は信号が検出されてから予め定められた時間が経過したことに応答して、制御回路23は、第1の加熱要素24が作動された(したがって、エアロゾル生成材料44の対応する個別部分が加熱された)ことを記録する。制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの次の信号を受けたことに応答して、第2の加熱要素24を作動させることを決定する。したがって、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を制御回路23が受けたとき、制御回路23は、第2の加熱要素24を作動させる。この処理は、残りの加熱要素24に対して繰り返され、その結果、すべての加熱要素24が順次作動させられる。
【0079】
事実上、この操作は、各吸引に対して、エアロゾル生成材料44の個別部分の異なる部分が加熱され、エアロゾルはそれから生成されることを意味する。言い換えれば、エアロゾル生成材料の単一の個別部分は、使用者の吸引ごとに加熱される。
【0080】
これに代えて、又はこれに加えて、エアロゾル供給デバイス2は、エアロゾル生成品の別個又は新規の部分をエアロゾル供給デバイス2の1つ以上の加熱要素と位置合わせするためにエアロゾル生成品を移動させるように構成された移動機構を備えてもよい。
【0081】
例えば、
図1Bは、エアロゾル供給デバイス2の一部分の概略図を示す。エアロゾル供給デバイス2は、エアロゾル生成媒体44を備えるエアロゾル生成品4をエアロゾル供給デバイス2内に有する。エアロゾル供給デバイス2及びエアロゾル生成品4の組合せは、エアロゾル供給システム1を形成する。
【0082】
エアロゾル生成品4は、エアロゾル生成媒体を含む第1の面112を有する。説明された実施様態では、エアロゾル生成品は、エアロゾル生成媒体が配置される第1の面を有するキャリア層111(本明細書では、キャリア又は基板支持層と呼ばれることもある)を含む。この実施様態では、キャリア層111の表面とエアロゾル生成材料の表面との組合せが、エアロゾル生成品4の第1の面112を形成する。説明された実施様態では、エアロゾル生成媒体は、媒体の複数の用量44として配置されてもよい。エアロゾル生成品4は、第1の面112の反対側に第2の面116を有する。第1の面112及び第2の面116は、滑らかでも粗くてもよい。第2の面116は、キャリア層111によって形成されることがある。
【0083】
エアロゾル供給デバイス2は、エアロゾル生成品4の第2の面116に面するように配置されている加熱要素24を加熱するためのエネルギー源を有する。加熱要素24を加熱するためのエネルギー源は、バッテリー(図示せず)などの電源からエアロゾル生成媒体にエネルギーを伝達してエアロゾル生成媒体44からエアロゾルを生成するエアロゾル供給デバイス2の一要素である。以下で説明される例では、加熱要素24を加熱するためのエネルギー源は、エアロゾル生成媒体にエネルギーを(熱の形で)供給してエアロゾル生成媒体からエアロゾルを生成するヒーター、例えば抵抗ヒーターである。エアロゾル供給デバイス2は、エアロゾル生成品4、特にエアロゾル生成媒体の一部分44(又は、場合によっては用量)を移動させるように配置された移動機構130を有する。エアロゾル生成媒体の一部分44は、このエアロゾル生成媒体の一部分が加熱要素24に、この場合には個別に提供されるように、加熱要素24に対して好ましくは回転可動である。エアロゾル供給デバイス2は、エアロゾル生成媒体の少なくとも1つの用量44が、第2の面116に対して角度θで軸Aのまわりに回転されるように配置される。制御回路23は、個別部分44を加熱要素24に位置合わせするためにエアロゾル生成品4が回転するように、加熱要素24と移動機構130の両方を駆動するように構成される。この実施様態のエアロゾル生成品4は、実質的に平坦である。この実施様態の物品4のキャリア層111は、部分的又は全体的に紙又はカードで形成されてもよい。
【0084】
図1Bのエアロゾル生成品4は、エアロゾル生成媒体のいくつか(例えば5つ)の用量(又は一部分)44を有する。他の例では、エアロゾル生成品4は、もっと多い又はもっと少ないエアロゾル生成媒体の用量44を有することがある。いくつかの例では、エアロゾル生成品4は、
図1Bに示された個別の用量として配置されたエアロゾル生成媒体の用量44を有することがある。
【0085】
他の例では、用量44は、エアロゾル生成品4の円周方向に連続的又は不連続的な円板の形であってもよい。さらに他の例では、用量44は、環形、リング形又は他の任意の形状であってもよい。エアロゾル生成品4は、軸Aのまわりの第1の面112に用量44の回転対称分布を有することも有さないこともある。用量44の対称分布は、(回転対称分布内で)同等に配置された用量が、必要に応じて、軸Aのまわりに回転するときに加熱要素24から同等の加熱プロファイルを受けることを可能にする。
【0086】
この例のエアロゾル生成品4は、エアロゾル生成品4のキャリア層111に配置されたエアロゾル生成媒体を含む。しかしながら、他の実施様態では、エアロゾル生成品4は、エアロゾル生成媒体のみで形成されてもよい。すなわち、いくつかの実施様態では、エアロゾル生成品4は、全くエアロゾル生成媒体から構成されてもよい。さらに他の実施様態では、エアロゾル生成品4は、複数の材料の層状構造を有してもよい。1つの例では、エアロゾル生成品4は、熱伝導性材料、誘導性材料、透過性材料又は不透過性材料のうちの少なくとも一つから形成された層を有してもよい。
【0087】
いくつかの実施様態では、基板のキャリア層111は、変化する磁場によって加熱されるように配置されている金属要素であってもよく、又はそれを含んでよい。このような実施様態では、加熱要素24のエネルギー源は誘導コイルを含むことができ、この誘導コイルは通電されると、エアロゾル生成品4の金属要素内に加熱を引き起こす。加熱の程度は、金属要素と誘導コイルの間の距離の影響を受ける。
【0088】
図1Bに示された構成体は、エアロゾル生成材料の複数の用量を加熱要素24に対して割り出す(又は動かす)ことによって動作する。
図1Bのこの構成体では、エアロゾル生成品4を移動させるために移動機構130の複雑さがわずかに増加することがあるが、エアロゾル生成媒体の複数の部分を加熱するために必要とされる加熱要素24が1つだけであることによって得られる利点がある。例えば、
図1Bの構成体の単一の加熱要素24は、複数の制御機構を必要とする複数のヒーターではなく、制御機構(制御回路23など)を1つしか必要としない。そのため、この構成体は、加熱要素24の動作及び制御に関連するコスト及び制御の複雑さを低減することができる。
【0089】
エアロゾル供給デバイス2の形状は、シガレット形(1つの寸法が他の2つの寸法よりも長い)であっても、他の形状であってもよい。一例では、エアロゾル供給デバイス2は、例えばコンパクトディスクプレーヤーなどのように、2つの寸法が他の1つよりも長い形状を有することがある。その代わりに、形状は、エアロゾル生成品4、加熱要素24のエネルギー源及び移動機構130を適切に収容できる任意の形状であってもよい。
【0090】
図1Aの複数の加熱要素24の代わりの、単一の加熱要素24と、
図1Bのエアロゾル生成品4を回転させるように構成された移動機構130との他に、
図1Bのエアロゾル供給デバイスは、例えば吸引センサ30などの、
図1Aに関連して説明された他の特徴のうちの1つ以上を備えてもよいことを理解されたい。
【0091】
ここで
図1Aに戻ると、他の実施様態では、制御回路23は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方若しくは両方からの次の信号に応答して第2の加熱要素24を作動させるべきと決定する前に、第1の加熱要素24を複数回(例えば2回)作動させるように、又は、複数の加熱要素24のそれぞれを1回作動させ、すべての加熱要素24が1回作動されたときに、次の信号が検出されると加熱要素が順に2回目が作動するように、構成されてもよい。
【0092】
このような順次作動させることは、「順次作動モード」と呼ばれることがあり、これは主に、吸引ごとに一貫したエアロゾルを送達するように設計される(これは、例えば、生成された全エアロゾル、又は送達された全成分によって測定することができる)。したがって、このモードは、エアロゾル生成品4のエアロゾル生成材料44の各部分が実質的に同一であるとき、すなわち、部分44a~44fが同じ材料から形成されているときに最も有効であり得る。
【0093】
いくつかの他の実施様態では、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の検出に応答して、制御回路23は、加熱要素24の1つ以上に同時に電力を供給するように構成される。例えば、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の2つ以上の部分が吸引ごとに加熱され得るように、加熱要素24の1つ以上に電力を供給するように構成されてもよい。
【0094】
そのような実施様態では、制御回路23は、予め定められた構成に対応して、加熱要素24のうちの選択された加熱要素に電力を供給するように構成されてもよい。予め定められた構成は、使用者によって選択又は決定された構成であってもよい。例えば、接触感知パネル29は、接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号を制御回路23が受けたときに、加熱要素24のどれを作動させるかを使用者が個別に選択できる領域を備えてもよい。いくつかの実施様態では、使用者はまた、信号を受けたことに応答して加熱要素24に供給されるように、各加熱要素24に対する電力レベルを設定することもできる。
【0095】
図4は、そのような実施様態による接触感知パネル29の上面図である。
図4は、前述したような外側ハウジング21及び接触感知パネル29を概略的に示している。接触感知パネル29は、6つの加熱要素24のそれぞれに対応する6つの領域29a~29f、及び前述のように、使用者が吸引を開始すること、又はエアロゾルを生成することを望んでいることを示すための領域に対応する領域29gを備える。6つの領域29a~29fはそれぞれ、6つの対応する加熱要素24のそれぞれへの電力供給を制御するために使用者が触れることができる接触感知領域に対応する。説明されている実施様態では、各加熱要素24は、複数の状態、例えば、加熱要素24に電力が供給されないオフ状態、加熱要素24に第1のレベルの電力が供給される低電力状態、及び加熱要素24に、第1のレベルの電力より大きい第2のレベルの電力が供給される高電力状態を有することができる。しかしながら、他の実施様態では、これより少ない又は多い状態が、加熱要素24に利用可能であってよい。例えば、各加熱要素24は、加熱要素24に電力が供給されないオフ状態、及び加熱要素24に電力が供給されるオン状態を有してもよい。
【0096】
したがって、使用者は、エアロゾルを生成する前に、接触感知パネル29と対話することによって、どの加熱要素24(及び、それに続いてエアロゾル生成材料44のどの部分)を加熱するか(及び、任意選択的に、それらをどの程度まで加熱するか)を設定することができる。例えば、使用者は、異なる状態(例えば、オフ、低電力、高電力、オフなど)を循環させるために領域29a~29fを繰り返しタップしてもよい。これに代えて、使用者は、異なる状態を循環させるために領域29a~29fを押して保持してもよい。この場合、押されている時間が状態を決定する。
【0097】
接触感知パネル29は、それぞれの領域29a~29fごとに、加熱要素24が現在どの状態であるかを示す1つ以上の表示器を備えてもよい。例えば、接触感知パネルは、1つ以上のLED又は同様の照明要素を備えてもよく、LEDの強度は、加熱要素24の現在の状態を示す。これに代えて、カラーのLED又は同様の照明要素が設けられてもよく、色が現在の状態を示す。これに代えて、接触感知パネル29は、加熱要素24の現在の状態を表示する表示要素(例えば、透明な接触感知パネル29の下にあってもよく、又は接触感知パネル29の領域29a~29fに隣り合って設けられてもよい)を備えてもよい。
【0098】
使用者が加熱要素24の構成を設定すると、接触感知パネル29(より詳細には接触感知パネル29の領域29g)及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の検出に応答して、制御回路23が、予め設定された構成に従って、選択された加熱要素24に電力を供給するように構成される。
【0099】
したがって、このような同時に加熱要素24を作動させることは、「同時作動モード」と呼ばれることがあり、これは主に、使用者にセッションごとに、又はパフごとでさえ、その体験のカスタマイズを可能にさせるという意図で、所与のエアロゾル生成品4からカスタマイズ可能なエアロゾルを送達するように設計される。したがって、このモードは、エアロゾル生成品4のエアロゾル生成材料44の部分が互いに異なる場合に最も効果的であり得る。例えば、部分44a及び44bが1つの材料で形成され、部分44c及び44dが異なる材料で形成されている場合などである。
【0100】
したがって、この動作モードでは、使用者は、任意の所与の瞬間にどの部分をエアロゾル化するか、したがってエアロゾルのどの組合せを供給するかを選択することができる。
【0101】
同時作動モード及び順次作動モードの両方において、制御回路23は、例えば、加熱要素24のそれぞれが予め定められた回数、順次作動させられたとき、又は、所与の加熱要素24が予め定められた回数及び/若しくは所与の累積作動時間及び/若しくは所与の累積作動電力で作動させられたとき、エアロゾル生成品4の使用の終了を示す警告信号を生成するように構成されてもよい。
図1Aでは、エアロゾル供給デバイス2は使用終了表示器31を含み、これは、この実施様態ではLEDである。しかしながら、他の実施様態では、使用終了表示器31は、使用者に警告信号を与えることができる任意の機構を備えてもよい。使用終了表示器31は、光学信号を送達する光学要素、音声信号を送達する音発生器、及び/又は触覚信号を送達する振動器であってもよい。いくつかの実施様態では、表示器31は、(例えば、接触感知パネルが表示要素を含む場合)接触感知パネルと組み合わせられてもよい、又は他の態様で提供されてもよい。エアロゾル供給デバイス2は、警告信号が出力されているときには、エアロゾル供給デバイス2の次の作動を妨げることができる。使用者がエアロゾル生成品4を交換するとき、及び/又は、ボタン(図示せず)などの手動手段を介して警告信号を切ると、警告信号を切ることができ、制御回路23がリセットされる。
【0102】
より詳細には、順次作動モードが使われる実施様態では、制御回路23は、使用期間中に受け取った接触感知パネル29及び吸引センサ30のいずれか一方又は両方からの信号の回数を数え、回数が予め定められた数に到達すると、エアロゾル生成品4がその寿命の終わりに到達したと決定されるように構成されてもよい。例えば、6つのエアロゾル生成材料44の個別部分を備える物品4に対しては、予め定められた数は、目下のその実施様態に応じて、6、12、18などとすることができる。
【0103】
同時作動モードが使われる実施様態では、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の個別部分の1つ又はそれぞれが加熱される回数を数えるように構成されてもよい。例えば、制御回路23は、ニコチン含有部分が何回加熱されたかを数え、それが予め定められた数に到達すると、エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定することができる。
【0104】
これに代えて、制御回路23は、エアロゾル生成材料44の各個別部分に対して、その部分が加熱されたときに別々に数えるように構成されてもよい。各部分は、同じ又は異なる予め定められた回数を有するものとしてもよく、エアロゾル生成材料の各部分に対する回数のいずれか1つが予め定められた数に到達すると、制御回路23は、エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定する。
【0105】
実施様態のいずれにおいても、制御回路23はまた、エアロゾル生成材料の部分が加熱された時間の長さ、及び/又は、エアロゾル生成材料の部分が加熱された温度を計算に入れてもよい。この点について、制御回路23は、個別の作動を数えるのではなく、エアロゾル生成材料44の各部分が受けた加熱状態を示す累積パラメータを計算するように構成されてもよい。このパラメータは、例えば、累積時間であってもよく、その材料への温度は、累積時間に加えられる時間の長さを調節するために使用される。例えば、200℃で3秒間加熱された部分は、累積時間に3秒寄与することができ、一方、250℃で3秒間加熱された部分は、累積時間に4.5秒寄与することができる。
【0106】
エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定するための上記の技法は、エアロゾル生成品4の寿命の終わりを決定する方法の網羅的なリストとして理解すべきではなく、実際には、任意の他の適切な方法が、本開示の原理に従って使用されてもよい。
【0107】
上記のエアロゾル供給システム1の実施様態では、エアロゾル生成構成要素24を使用して選択的にエアロゾル化することができる、エアロゾル生成材料44の複数の(個別)部分が設けられる。このようなエアロゾル供給システム1は、より大きな大きさの材料を加熱するように設計された他のシステムを超える利点を提供する。特に、所与の吸引に対して、エアロゾル生成材料44の選択された部分(複数可)のみがエアロゾル化されることは、全体としてよりエネルギー効率の高いシステムをもたらす。
【0108】
加熱システムでは、パフごとに十分な量のエアロゾルを使用者に送達する際、いくつかのパラメータがこのシステムの全体的な有効性に影響を与える。一方では、エアロゾル生成材料44の厚さは、エアロゾル生成材料44が動作温度に到達する(そしてその後、エアロゾルを生成する)速さに影響するので重要である。これは、いくつかの理由で重要であるが、材料のより厚い部分を加熱する場合と比較して同じほど長く加熱要素が作動する必要がないことがあるので、電源22からのエネルギーのより効率的な使用につながることがある。他方では、加熱されるエアロゾル生成材料44の総質量は、生成され、その後使用者に送達することができるエアロゾルの総量に影響を与える。加えて、エアロゾル生成材料44が加熱される温度もまた、エアロゾル生成材料44が動作温度に到達する速さ及び生成されるエアロゾルの量の両方に影響を与えることがある。
【0109】
図5は、別の配置によるエアロゾル供給システム200の概略断面図である。エアロゾル供給システム200は、
図1Aに関連して説明したものと大まかに類似する構成要素を含むが、参照番号は200を加えられている。効率化のために、類似の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、
図1A、
図1B及び
図2A~
図2Cの対応するものとほぼ同じであると理解すべきである。
【0110】
エアロゾル供給デバイス202は、外側ハウジング221、電源222、制御回路223、誘導コイル224aなどの誘導加熱要素、受け部又はエアロゾル形成チャンバ225、吸い口端部226、空気入口227、空気出口228、接触感知パネル229、吸引センサ230、及び使用終了表示器231を備える。誘導加熱要素は、(i)平坦な螺旋コイルであって、円形若しくは卵形の螺旋、正方形若しくは長方形の螺旋、台形の螺旋、又は三角形の螺旋を備える、平坦な螺旋コイル、(ii)多層誘導構成体であって、コイルの後続の全ターン又は部分ターンが隣接層に設けられ、任意選択で、第1の層が、第1の方向に第2の層から間隔が置かれ、多層誘導構成体が千鳥構造を形成するように第1の層内若しくはその近くに存在するように、第3の層が反対方向に第2の層から間隔が置かれる、多層誘導構成体、又は、(iii)規則的な螺旋又は円錐形状のインダクタコイルなどの、変化する螺旋ピッチを任意選択で有する三次元インダクタコイル、のうちの1つ以上を備える。エアロゾル供給デバイス202は、
図1Aに関連して上記のものと実質的に同様である、蓋部分、ベース部分及び固定部分を備えてもよい。
【0111】
エアロゾル生成品204は、
図6A~
図6Cにさらに詳細に示すように、キャリア構成要素242、エアロゾル生成材料244、及びサセプタ要素244bを備える。
図6Aは、エアロゾル生成品204の上面図であり、
図6Bは、エアロゾル生成品204の長手方向(長さ)軸線に沿った端面図であり、
図6Cは、エアロゾル生成品204の幅方向軸線に沿った側面図である。
【0112】
図5及び
図6A~
図6Cは、誘導を用いてエアロゾル生成材料244を加熱して吸引用のエアロゾルを生成するエアロゾル供給システム200を表す。
【0113】
説明されている実施様態では、エアロゾル生成構成要素224は、2つの部品、すなわち、エアロゾル供給デバイス202に配置された誘導コイル224a及びエアロゾル生成品204に配置されたサセプタ224bから形成される。
【0114】
したがって、各エアロゾル生成構成要素224は、エアロゾル生成品204とエアロゾル供給デバイス202との間で分散された要素を備える。
【0115】
誘導加熱は、サセプタと呼ばれる導電性物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。このプロセスは、ファラデーの電磁誘導の法則及びオームの法則によって説明される。誘導ヒーターは、電磁石と、この電磁石に交流電流などの変動電流を流すためのデバイスとを備えることがある。電磁石及び加熱しようとする物体が、電磁石によって生じた変動磁場がこの物体に侵入するように適切な相対位置に配置されると、この物体内に1つ以上の渦電流が発生する。この物体は電流の流れに対して抵抗を有する。したがって、この物体内にこのような渦電流が生成されると、物体の電気抵抗に抗して流れ、それによってこの物体が加熱される。このプロセスは、ジュール加熱、オーム加熱、又は抵抗加熱と呼ばれる。
【0116】
サセプタは、交流磁場などの変動磁場の侵入によって加熱可能な加熱材料である。サセプタは、導電性材料であってよく、その結果、変動磁場がそれに侵入することによって、加熱材料が誘導加熱される。加熱材料は、磁性体であってもよく、その結果、変動磁場がそれに侵入することによって、加熱材料が磁気ヒステリシス加熱される。サセプタは、導電性及び磁性の両方を有してもよく、その結果、サセプタは両方の加熱機構によって加熱可能である。変動磁場を生成するように構成されたデバイスは、本明細書では磁場生成器と呼ばれる。
【0117】
磁気ヒステリシス加熱は、磁性材料からなる物体に変動磁場を侵入させることによってその物体を加熱するプロセスである。磁性材料は、原子スケールの磁石すなわち磁気双極子を多く含んでいると考えることができる。磁場がこのような材料に侵入すると、磁気双極子は磁場に沿って整列する。したがって、交流磁場(例えば、電磁石によって生じるもの)などの変動磁場が磁性材料に侵入すると、磁気双極子の向きは、印加された変動磁場に応じて変化する。このような磁気双極子の再配向によって、磁性材料内に熱が生成される。
【0118】
物体が導電性及び磁性の両方を有するときは、その物体に変動磁場を侵入させると、その物体にジュール加熱及び磁気ヒステリシス加熱の両方を生じさせることができる。さらに、磁性材料を使用すると、磁場を強めることができ、それによりジュール加熱を強めることができる。
【0119】
説明されたこの実施様態では、サセプタ224bはアルミニウム箔から形成されているが、他の実施様態では他の金属及び/又は導電性材料が使用されてもよいことを認識すべきである。
図6Cに見られるように、キャリア構成要素242は、キャリア構成要素242の表面に配置されたエアロゾル生成材料244の個別部分に大きさ及び位置が対応するいくつかのサセプタ224bを備える。すなわち、サセプタ224bは、エアロゾル生成材料244の個別部分と同様の幅及び長さを有する。
【0120】
サセプタ224bは、キャリア構成要素242に埋め込まれて示されている。しかしながら、他の実施様態では、サセプタ224bは、キャリア構成要素242の表面に配置されてもよい。別の実施様態(図示せず)では、サセプタは、キャリア構成要素242を実質的に覆う層として設けられてもよい。
【0121】
エアロゾル供給デバイス202は、
図5に概略的に示された複数の誘導コイル224aを備える。誘導コイル224aは、受け部225に隣り合って示されており、所与のコイルが周りに巻かれている回転軸線が、受け部225内に延び、エアロゾル生成品204のキャリア構成要素242の平面にほぼ垂直であるように配置された概ね平坦なコイルである。
図5では、巻線は正確には示されておらず、任意の適切な誘導コイルが使用されてもよいことを認識すべきである。
【0122】
制御回路223は、誘導コイル224aの1つ以上に流す交流電流を生成するような機構を備える。この交流電流は、上記のように交流磁場を生成し、これが対応するサセプタ224b(複数可)の温度を上げる。サセプタ224b(複数可)によって生成された熱は、それに応じてエアロゾル生成材料244の部分に伝達される。
【0123】
図1A、
図1B及び
図2A~
図2Cに関連して上で説明したように、制御回路223は、接触感知パネル229及び/又は吸引センサ230からの信号を受けたことに応答して、誘導コイル224aに電流を供給するように構成される。前に説明したように、どの加熱要素24が制御回路23によって加熱されるかを選択するための技法のいずれも、使用者の吸引用のエアロゾルを生成するために、制御回路223による接触感知パネル229及び/又は吸引センサ230からの信号を受けることに応答して、どの誘導コイル224aがエネルギーを与えられる(したがって、エアロゾル生成材料244のどの部分がそれに続いて加熱される)かを選択することに類似して適用することができる。
【0124】
上記では、誘導コイル224a及びサセプタ224bがエアロゾル生成品204とエアロゾル供給デバイス202との間に分散された誘導加熱エアロゾル供給システムを説明したが、誘導コイル224a及びサセプタ224bがエアロゾル供給デバイス202内にのみ配置された誘導加熱エアロゾル供給システムが提供されてもよい。例えば、
図5を参照して、サセプタ224bは、誘導コイル224aの上方に設けられて、サセプタ224bがキャリア構成要素242の下面に接触するように配置されてもよい。
【0125】
したがって、
図5は、本開示に説明した技法を適用することができ、誘導加熱がエアロゾル供給デバイス202に使用されて、使用者の吸引用のエアロゾルを生成することができる、より具体的な実施様態を説明している。
【0126】
上記では、エアロゾル生成材料の個別部分にエネルギーを与えるためにエアロゾル生成構成要素24(例えば、ヒーター要素)の配列が設けられたシステムを説明したが、他の実施様態では、エアロゾル生成品4及び/又はエアロゾル生成構成要素24は互いに対して移動するように構成されてもよい。すなわち、エアロゾル生成品4のキャリア構成要素42に設けられたエアロゾル生成材料の44個別部分よりもエアロゾル生成構成要素24が少なくてもよく、その結果、エアロゾル生成材料44の個別部分のそれぞれに個別にエネルギーを与えることができるようにするために、エアロゾル生成品4とエアロゾル生成構成要素24との相対移動が必要となる。例えば、可動加熱要素24が受け部25に対して移動することができるように、可動加熱要素24は受け部25内に設けられてもよい。このようにして、可動加熱要素24は、加熱要素24がエアロゾル生成材料44の個別部分のそれぞれと位置合わせすることができるように、(例えば、キャリア構成要素42の幅方向及び長さ方向に)並進移動することができる。この手法は、同様の使用者体験を提供しながら、必要とするエアロゾル生成構成要素42の数を減少させることができる。
【0127】
上記では、エアロゾル生成材料44の離散的、空間的に別の部分がキャリア構成要素42に配置される実施様態を説明したが、他の実施様態では、エアロゾル生成材料44が離散的、空間的に別の部分に設けられず、その代わりにエアロゾル生成材料の連続シートとして設けられてもよいことを認識すべきである。これらの実施様態では、エアロゾル生成材料44のシートの特定の領域は、上記とほぼ同じ態様でエアロゾルを生成するように選択的に加熱されてもよい。しかしながら、これらの部分が空間的に別であるかどうかにかかわらず、本開示は、エアロゾル生成材料44の部分を加熱(又はエアロゾル化)することを説明した。特に、加熱要素24(又は、より詳細には、温度が上昇するように設計された加熱要素24の表面)の寸法に基づいて、エアロゾル生成材料の連続シート上に(エアロゾル生成材料の部分に相当する)領域が画定されてもよい。この点について、加熱要素24の対応する領域が、エアロゾル生成材料のシートに投影されたとき、エアロゾル生成材料の領域又は部分を画定すると考えられてもよい。本開示によれば、エアロゾル生成材料の各領域又は各部分は20mg以下の質量を有することがあるが、連続シート全体は20mgより大きい質量を有してもよい。
【0128】
上記では、エアロゾル供給デバイス2、202に取り付けられた接触感知パネル29、229を用いてエアロゾル供給デバイスを設定又は操作することができる実施様態を説明したが、その代わりにエアロゾル供給デバイス2、202は遠隔で設定又は制御されてもよい。例えば、制御回路23、223は、制御回路23、223にスマートフォンなどの遠隔デバイスと通信することを可能にする、対応する通信回路(例えば、Bluetooth)を備えてもよい。したがって、接触感知パネル29、229は、実質的に、スマートフォン上で走るアプリなどを用いて実装されてもよい。次いで、スマートフォンは、使用者の入力又は設定を制御回路23、223に送信することができ、制御回路23、223は、受信した入力又は設定に基づいて動作するように構成されてもよい。
【0129】
上記では、エアロゾル生成材料44、244にエネルギーを与える(例えば、エアロゾル生成材料44、244を加熱する)ことによってエアロゾルが生成され、その後、使用者によって吸引される実施様態を説明したが、いくつかの実施様態では、使用者によって吸引される前にエアロゾルの1つ以上の特性を改変するために、生成されたエアロゾルがエアロゾル改質構成要素の中又は上を通ってもよいことを認識すべきである。例えば、エアロゾル生成デバイス2、202は、エアロゾル生成材料44、244の下流の空気流路に挿入された空気透過性インサート(図示せず)を備えてもよい(例えば、インサートは出口28、228に配置されてもよい)。インサートは、エアロゾルが使用者の口に入る前、インサートを通過するときに、エアロゾルの香味、温度、粒子の大きさ、ニコチン濃度などのいずれか1つ以上を変化させる材料を含んでもよい。例えば、インサートは、タバコ又は処理済みタバコを含んでもよい。このようなシステムは、ハイブリッドシステムと呼ばれることがある。インサートは、任意の適切なエアロゾル改質材料を含んでもよく、これは上記のエアロゾル生成材料を含んでもよい。
【0130】
加熱要素24が、エアロゾル生成材料の部分からエアロゾルが生成される動作温度になるようにエアロゾル生成材料(又はその部分)に熱を供給するように構成されていることを上述したが、いくつかの実施様態では、加熱要素24は、エアロゾル生成材料の部分を予熱温度(これは動作温度より低い)に予熱するように構成される。予熱温度においては、これらの部分が予熱温度に加熱されると、より少ない量のエアロゾルが生成される、又はエアロゾルは生成されない。特に、いくつかの実施様態では、制御回路は、第1の予め定められた期間が始まる前に(すなわち、エアロゾルを吸引しようとする使用者の意図を示す信号を受け取る前に)電力/エネルギーを供給するように構成される。しかしながら、エアロゾル生成材料の温度を予熱温度から動作温度まで上げるために必要なエネルギー量はより少なく、したがってシステムの応答性は向上するが、総エネルギー消費量は増加する。これは、動作温度に到達するために比較的大きなエネルギー量を供給する必要のあるエアロゾル生成材料の比較的厚い部分、例えば、400μmを超える厚さを有する部分に対して特に適していることがある。しかしながら、このような実施様態では、(例えば、電源22からの)エネルギー消費は、比較的高いことがある。
【0131】
加熱要素24のそれぞれが、それぞれのエアロゾル生成領域24に同じ加熱プロファイルを提供してもよいが、加熱要素24の1つ以上が、その代わりに、それぞれのエアロゾル生成領域24に異なる加熱プロファイルを提供するように構成されてもよいことが認識されよう。例えば、吸い口28から遠くに位置するエアロゾル生成領域24は、吸い口28の近くに位置するエアロゾル生成領域24よりも多くの量のエアロゾルを生成する加熱プロファイルに従って加熱されてもよく、これは、長くなった移動距離に沿って凝縮することによるエアロゾルのさらなる損失を相殺し、異なるエアロゾル生成領域24からのエアロゾルの送達をより一貫したものにすることができる。
【0132】
上記では、エアロゾル生成デバイス2、202が使用終了表示器31、231を備える実施様態を説明したが、使用終了表示器31、231は、エアロゾル供給デバイス2、202から離れた別のデバイスによって提供されてもよいことを認識すべきである。例えば、いくつかの実施様態では、エアロゾル供給デバイス2、202の制御回路23、223は、例えば、エアロゾル供給デバイス2、202とスマートフォン又はスマートウォッチなどの遠隔デバイスとの間のデータ転送を可能にする通信機構を備えてもよい。これらの実施様態では、エアロゾル生成品4、204が使用終了に到達したと制御回路23、223が決定すると、制御回路23、223は信号を遠隔デバイスに送信するように構成され、遠隔デバイスは、(例えば、スマートフォンのディスプレイを使用して)警告信号を生成するように構成される。他の遠隔デバイス、及び警告信号を生成するための他の機構が、上記のように使用されてもよい。
【0133】
加えて、エアロゾル生成材料の部分がキャリア構成要素42、242上に設けられるとき、これらの部分は、いくつかの実施様態では、キャリア構成要素42、242の平面にほぼ垂直な方向に脆弱領域、例えば、貫通孔又は比較的薄いエアロゾル生成材料の領域を含んでもよい。これは、エアロゾル生成材料の最も熱い部分がキャリア構成要素に直接接触する領域である場合(言い換えれば、熱が、キャリア構成要素42、242に接触するエアロゾル生成材料の表面に主に加えられるシナリオ)にあり得る。したがって、貫通孔は、キャリア構成要素42、242とエアロゾル生成材料44、244との間にエアロゾルを潜在的に蓄積させるのではなく、生成されたエアロゾルが逃げ、環境/エアロゾル供給デバイス22、202を通る空気の流れに放出されるための経路を提供することができる。エアロゾルのこのような蓄積は、いくつかの実施様態では、エアロゾル生成材料をキャリア構成要素42、242から浮き上がらせ、したがってエアロゾル生成材料44、244への熱伝達の効率を下げるので、システムの加熱効率を下げ得る。エアロゾル生成材料44、244の各部分は、必要に応じて1つ以上の脆弱領域を備えてもよい。
【0134】
いくつかの実施様態では、エアロゾル生成品4、204は、読取可能なバーコード又はRFIDタグなどの識別子を備えてもよく、エアロゾル供給デバイス2、202は、対応する読取器を備える。エアロゾル生成品4、204がエアロゾル供給デバイス2、202の受け部25、225に挿入されると、エアロゾル供給デバイス2、202は、エアロゾル生成品4、202に付いている識別子を読み取るように構成されてもよい。制御回路23、223は、エアロゾル生成品4、204の存在を認識する(したがって、加熱を許可する及び/又は寿命終了表示器をリセットする)、又はエアロゾル生成材料の部分のタイプ及び/若しくはエアロゾル生成品4、204に対する位置を識別するように構成されてもよい。これは、制御回路23、223がどの部分をエアロゾル化するか、並びに/又は、例えば、エアロゾル生成温度及び/若しくは加熱時間を調節することによって、これらの部分がエアロゾル化される方法に影響を与えることができる。エアロゾル生成品4、204を認識するための任意の適切な技法が使用されてもよい。
【0135】
しかしながら、本開示によれば、本発明者らは、エアロゾル生成品4、204のエアロゾル生成材料の一部分を加熱してエアロゾルを生成するように設計された1つ以上のエアロゾル生成構成要素を有するエアロゾル供給デバイス2、202が、場合によっては、1つ以上のエアロゾル生成構成要素のそれぞれの加熱条件が概して同じであると予想されたとしても、パフごとに使用者に送達されるエアロゾルの量又は質に一貫性がなくなる可能性があることを見出した。
【0136】
例えば、論じたように、エアロゾル生成材料を備えるエアロゾル生成品204は、第1の面及び第2の面を含む基板(例えば、紙、カード、箔)を含むことがあり、エアロゾル生成材料が基板の第1の面に配置されている。この例における基板は、エアロゾル生成材料のキャリアとして機能することができる。いくつかの実施様態では、基板は、変化する磁場によって加熱されるように配置されている金属要素であっても、それを含んでもよい。このような実施様態では、加熱用のエネルギー源は誘導コイル(誘導コイル224aなど)を含むことができ、この誘導コイルは、通電されると、基板又は物品4、204の金属要素内に加熱を生じさせる。加熱の度合いは、金属要素と誘導コイルの間の距離の影響を受ける。例えば、
図5に示すように、誘導コイル224aとエアロゾル生成品204の間には、表示されたz方向の離隔がある。したがって、エアロゾル生成品204の長さにわたるこのz方向の離隔の変化は、各誘導コイル224aとエアロゾル生成品204の対応するサセプタ224bとの間の誘導結合を変えることがある。この変化により、エアロゾル生成品の異なるエアロゾル生成構成要素にわたって加熱条件が概して同じであると予想されたとしても、パフごとに使用者に送達されるエアロゾルの量又は質には一貫性がなくなることがある。
【0137】
例えば、理論に拘束されることを望むものではないが、金属要素が、金属箔で形成されているなどの機械的に可撓性である実施形態では、金属箔は、変化する磁場の結果として生じる力により下方に動くことがある。例えば、理論に拘束されることを望むものではないが、金属箔は、パルス電磁場の影響を受けて上下に動くと考えられる。
【0138】
さらに、エアロゾル生成品が、基板にラミネートされた、又は別の方法で接着された金属箔を、使用時に、備える実施形態では、箔の誘導温度は、金属箔がエアロゾル供給デバイス202に対して自由に動くことになるように、接着剤又はラミネートを溶かすのに十分であり得る。理解されるように、前述のことは、誘導ヒーターに加えて、又はその代わりに、抵抗ヒーターを備える実施形態にも同様に当てはまり得る。
【0139】
さらに、エアロゾル供給デバイス202は、使用時のエアロゾル生成品204の温度を測定するためのワイヤレス温度センサを備えてもよい。誘導コイル224a(又は抵抗ヒーター)とエアロゾル生成品204の間の表示されたz方向の離隔に変化がある場合、結果として、ワイヤレス温度測定が不正確になることがある。したがって、より良いワイヤレス温度感知を可能にするために、誘導コイル224a(又は抵抗ヒーター)とエアロゾル生成品204の間には一定の離隔を維持する必要がある。
【0140】
図7A~7B及び
図8A~8Cは、様々な実施形態によるエアロゾル供給システム700の一部分の別々の斜視図を示す。エアロゾル供給システム700は、2つの主要構成要素、すなわち、エアロゾル供給デバイス702及びエアロゾル生成品704を備える(
図8A及び
図8B参照)。
【0141】
ここで
図7A及び
図7Bを参照すると、エアロゾル供給デバイス702は、蓋部分706及びベース部分708を備える。エアロゾル供給デバイス702は、固定機構710も備える。固定機構710は、蓋部分706をベース部分708と係合させるように構成される。係合されると、蓋部分706及びベース部分708は、それらの間の適所に、エアロゾル生成品704の相対移動を防止するようにエアロゾル生成品704(
図8A及び
図8Bに図示)を、使用時に、保持する。
【0142】
いくつかの実施形態では、固定機構710は、エアロゾル生成品704の基板に対する金属箔の相対移動を防止するように、基板に接合された金属箔を備えるエアロゾル生成品704を、使用時に、適所に保持するために、蓋部分706をベース部分708と係合させるように構成される。すなわち、使用時にエアロゾル供給デバイス702が、エアロゾルを生成するためにエアロゾル生成品704を加熱するように構成されている場合、固定機構710は、基板からの金属箔の部分的又は完全な分離を防止するためなど、基板に対して金属箔が移動するのを防止するために、蓋部分706をベース部分708と係合させて、これらの間の適所にエアロゾル生成品704を保持するように構成される。したがって、エアロゾル生成品704の相対移動は、金属箔などのエアロゾル生成品704の1つの部分の、基板又は支持体などのエアロゾル生成品704の別の部分に対する相対移動も意味すると解釈される。
【0143】
いくつかの実施形態では、エアロゾル供給デバイス702は、1つ以上の加熱要素(例えば、
図8A~Cに示される加熱要素732)を備える。
図8A~Cに示すように、加熱要素732は、ベース部分708内に設けられるか、又はその一部を形成する。しかし、これに代えて、又はこれに加えて、1つ以上の加熱要素が蓋部分706に設けられてもよい。したがって、蓋部分706及びベース部分708は、1つ以上の加熱要素732に向かう方向又は離れる方向に沿ったエアロゾル生成品704の相対移動を防止するように係合されて、例えば、
図8Bに表示されるように、エアロゾル供給デバイス702の加熱要素732から(使用時に)離れる又は向かう、z方向に沿ったエアロゾル生成品704の移動を防止する。
図8A~Cにはただ1つのヒーター732が示されているが、2つ又は3つのヒーターなどの、2つ以上のヒーター732が設けられてもよいことを理解されたい。いくつかの実施形態では、1つ以上の加熱要素732は、固定機構710によって適所に保持された(金属箔などの)エアロゾル生成品704の1つ以上のサセプタ要素を、使用時に、加熱するために、変化する磁場を生成するための1つ以上の誘導コイルを備える1つ以上の誘導加熱要素を備える。これに代えて、又はこれに加えて、1つ以上の加熱要素732は抵抗加熱要素であってもよい。
【0144】
実施形態において、1つ以上の加熱要素732は、
図8A~Cに示されるように、一平坦面を画定する。このような実施形態では、使用時に、固定機構710は、
図8Bに示されたz方向に沿うなどの、その平坦面に対して実質的に垂直の方向に沿う、実質的に平坦なエアロゾル生成品704の相対移動を防止するように実質的に平坦なエアロゾル生成品704を平坦面に対して平行に適所に保持するために、蓋部分706をベース部分708と係合させるように構成される。
【0145】
理解されるように、1つ以上の加熱要素732は、平坦な螺旋誘導コイルなどの実質的に平坦な加熱要素を備えてもよい。しかしながら、他の実施形態では、1つ以上の加熱要素732は、円錐誘導コイルなど、非平坦であってもよいが一平坦面を画定し、円錐コイルの底部がその平坦面を画定する。
【0146】
図9A~9Bは、本開示の別の実施形態によるエアロゾル供給システム900の一部分の別々の斜視図を示す。エアロゾル供給システム900は、
図7A~7B及び
図8A~8Cに関連して以下に記載されるものと概して同様の構成要素を含む。しかし、参照番号は、参照数字902がエアロゾル供給デバイス902を示すように、「7」の代わりに「9」で始まる。効率良くするために、同様の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、
図7A~7B及び
図8A~8Cの対応するものと概して同じであると理解されたい。
【0147】
図7A~7B、
図8A~8C、及び
図9A~9Bに示されるように、エアロゾル供給デバイス702、902は、回転軸線のまわりにエアロゾル生成品704(
図8Bに表示されている)を回転させるように構成されている回転デバイス736、936を備える。回転デバイス736、936は、加熱要素732に対してエアロゾル生成品704を回転させるように構成され、それにより、エアロゾル生成品704の1つ以上の新たなエアロゾル生成領域が、加熱要素732の近くへ移動されるようになる。理解されるように、回転デバイス736、936を備える実施形態では、固定機構710は、
図8Bに表示されたz方向などの、回転軸線のまわりの回転以外の方向へのエアロゾル生成品704の相対移動を防止しながら、エアロゾル生成品704が加熱要素732に対して回転されることを可能にするように構成される。
【0148】
実施形態では、エアロゾル生成品704は、1つ以上のトラックを備えてもよく、蓋部分706及び/又はベース部分708は、回転軸線のまわりの回転以外の方向へのエアロゾル生成品704の相対移動を防止しながらエアロゾル生成品704が回転されることを可能にするために、1つ以上のトラックに沿って力を加えるように構成される。いくつかの実施形態では、1つ以上のトラックは、いかなるエアロゾル生成材料も含まないエアロゾル生成品704の領域を備えてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のトラックは、金属箔を備えるエアロゾル生成品704の領域を備えてもよい。
【0149】
特に
図7A~7B及び
図8A~8Bを参照すると、蓋部分706は、プレナム712及び吸い口714を備えてもよい。プレナム712は、吸い口714を備えてもよい。いくつかの実施形態では、吸い口714及びプレナム712は、蓋部分706と一体であってもよい。一体化された吸い口714及び蓋部分706は、エアロゾル生成品704の均等な圧縮を確実にすることを理解されたい。すなわち、吸い口714と蓋部分706の間の接続部から生じる付加的な機械的遊び又はばらつきは、これらが単一の一体化部片であるならば実質的に存在しない。その結果、エアロゾル生成品704に対して蓋部分706が及ぼす力は、エアロゾル生成品704の上蓋と向き合う面全体にわたって、実質的に一定になる。これに加えて、又はこれに代えて、蓋部分706は、蓋インサート716(
図8B参照)をさらに備えてもよく、この蓋インサートは、ピンなどの1つ以上の固定手段によって、プレナム712及び/又は吸い口714を蓋部分706の外側ハウジングに保持するように構成されてもよい。
【0150】
図7A~7B及び
図8A~8Cを再び参照すると、固定機構710は、クラムシェル構成体を形成するために蓋部分706がヒンジ734を介してベース部分708に接続されるように、ヒンジ734を備えてもよい。すなわち、エアロゾル供給デバイス702は、例えば
図8Aから
図8Bに示されるように、ヒンジ734が開位置にあるときにエアロゾル生成品704を受け入れるように構成されてもよい。固定機構710は、例えば
図7Aに示されるように、ヒンジ734が閉位置にあるときにエアロゾル生成品704の相対移動を防止するようにエアロゾル生成品704を、使用時に、適所に保持するために、蓋部分706をベース部分708と係合させるように構成されてもよい。
【0151】
図7A~7B及び
図8A~8Cをなお参照すると、固定機構710は、蓋部分706をベース部分708と係合させるように構成された1つ以上の磁気要素を備えてもよい。例えば、
図7Bに示すように、ベース部分708は、蓋部分706の対応する磁石受け入れ領域722に磁気的に引き付けられるように構成された磁石720を備えてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、蓋部分706が1つ以上の磁石720を備えてもよく、ベース部分が、対応する磁石受け入れ領域722を備えてもよい。
図7A及び
図7Bには単一の固定機構710だけが示されているが、2つ以上のこのような固定機構が、蓋部分706をベース部分708に同位又は均等に固定するように設けられてもよいことを理解されたい。
【0152】
実施形態では、1つ以上の磁石720は、ネオジム鉄ホウ素(NdFeB)、サマリウムコバルト(SmCo)、アルニコ、及びセラミック又はフェライト磁石、のうちの1つ以上から形成されてもよい。
【0153】
実施形態では、1つ以上の対応する磁石受け入れ領域722は、一時磁石、例えば、鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、ガドリニウム、ガドリニウム合金、ジスプロシウム、及びジスプロシウム合金、のうちの1つ以上を備えてもよい。
【0154】
実施形態では、蓋部分706及びベース部分708の一方は、電磁石を備えてもよい。そのような実施形態では、電磁石は、磁場を生成して、1つ以上の磁石720、又は蓋部分706及びベース部分708の他方の磁石受け入れ領域722を引き付けるように作動させることができる。実施形態では、蓋部分706とベース部分708の両方がそれぞれ、電磁石が作動すると互いに引き付け合うように電磁石を備えてもよい。
図1A及び
図1Bの制御回路23などの制御回路は、電磁石を作動させるように構成されてもよい。
【0155】
図7Bに示されるように、1つ以上の対応する磁石受け入れ領域722はそれぞれ、1つ以上の磁石720のそれぞれの1つを受け入れるための凹部を備えてもよい。しかしながら、実施形態では、1つ以上の対応する磁石受け入れ領域722のうちの少なくとも1つは、1つ以上の磁石720のそれぞれの1つと係合するように、平らであるか、又は蓋部分706の、基部と向き合う壁と同一平面にあってもよく、1つ以上の磁石720のそれぞれの1つは、平らであるか、又は基部708の、蓋と向き合う壁と同一平面にある。いくつかの実施形態では、1つ以上の磁石720のすべてと、1つ以上の対応する磁石受け入れ領域722とは、平らであっても、同一平面にあってもよい。
【0156】
実施形態では、エアロゾル供給デバイス702はまた、蓋部分をベース部分と係合させるために蓋部分をベース部分にクランプ留めするように構成されたクランプ機構を備えることもできる。
【0157】
次に
図9A及び
図9Bを参照すると、追加又は代替の固定機構910を有するエアロゾル供給デバイス902を備えるエアロゾル供給システム900が示されている。固定機構910は、
図9Aに示されるように、蓋部分906をベース部分908にクランプ留めするように構成された磁性支柱924を備えてもよい。
図9Bは、固定機構910が取り付けられずに上方に引き上げられているエアロゾル供給システム900を示す。図示のように、ベース部分は、蓋部分906をベース部分908にクランプ留めするために磁性支柱924と協働するように構成された1つ以上の磁石926、又は1つ以上の磁石領域926を備えてもよい。
【0158】
図10A~10Cは、本開示の別の実施形態による、エアロゾル供給システム1000の一部分の別々の斜視図を示す。エアロゾル供給システム1000は、
図7A~7B、
図8A~8C、及び
図9A~9Bに関連して以下に記載されるものと概して同様の構成要素を含む。しかし、参照番号は、参照数字1002がエアロゾル供給デバイス1002を示すように、「7」又は「9」の代わりに「10」で始まる。効率良くするために、同様の参照番号を有する構成要素は、特に断らない限り、
図7A~7B、
図8A~8C、及び
図9A~9Bの対応するものと概して同じであると理解されたい。
【0159】
実施形態では、上に開示されたエアロゾル供給デバイス2、202、702、902、1002は、追加的又は代替的に、スナップフィット機構を備える固定機構を備えてもよい。スナップフィット機構は、蓋部分706、906、1006及びベース部分708、908、1008の一方に、蓋部分706、906、1006及びベース部分708、908、1008の他方の相互受け要素とスナップフィット係合するように構成されたスナップフィット要素を備えてもよい。
【0160】
実施形態では、上記に開示されたエアロゾル供給デバイス2、202、702、902、1002は、追加的又は代替的に、蓋部分706、906、1006及び/又はベース部分708、908、1008に、蓋部分706、906、1006をベース部分708、908、1008と係合させるために蓋部分706、906、1006及び/又はベース部分708、908、1008の1つ以上の第2の把持要素をそれぞれ把持するように構成された、1つ以上の第1の把持要素を備える固定機構を備えてもよい。例えば、一実施形態では、
図8Bに示すように、蓋部分706は、ベース部分708に設けられたリップ730の形の1つ以上の第2の把持要素を把持するように構成された、突起728の形の1つ以上の第1の把持要素を備えてもよい。理解されるように、1つ以上の第1のグリップ要素728、730は、特定の材料で形成されてよく、この材料は、それぞれの把持要素間の確実な把持を可能にし、さらに、使用時にエアロゾルがエアロゾル供給デバイス702から漏洩したり、さもなければ漏れたりするのを防止するための封止部を形成する。
【0161】
実施形態では、エアロゾル供給デバイス2、202、702、902、1002は、追加的又は代替的に、蓋部分をベース部分と係合させるように構成された1つ以上の留め具を備える固定機構を備えてもよい。例えば、一実施形態では、
図10A及び
図10Bに示すように、固定機構1010は、蓋部分1006をベース部分1008と係合させるために、蓋部分1006をベース部分1008にクランプ留めするように構成された摺動可能留め具1032などの留め具を備えてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、固定機構1010は、回転可能な留め具を備えてもよい。
【0162】
いくつかの実施形態では、蓋部分及び/又はベース部分は、蓋部分がベース部分と係合したときに、エアロゾルチャンバ又はエアロゾル形成チャンバを形成するように構成された1つ以上の壁を備えてもよい。蓋部分及び/又はベース部分は、エアロゾル生成品の相対移動を防止するために、1つ以上の加熱要素と実質的に平坦なエアロゾル生成品との間の分離が実質的に平坦なエアロゾル生成品全体にわたって維持されるように、圧力を1つ以上の壁を介して実質的に平坦なエアロゾル生成品に均一に加えることができる。すなわち、エアロゾル供給デバイスは、z距離(例えば、誘導コイルなどの加熱要素とエアロゾル生成品の金属箔との間の距離)がエアロゾル生成品の領域全体にわたって一貫しているように、加熱されるエアロゾル生成品の領域を保持するように構成される。この構成は、エアロゾルが形成されるチャンバを形成する壁が、エアロゾル生成品に均一にクランプで留まるようにエアロゾル供給デバイスを構成することによって達成することができる。
【0163】
いくつかの実施形態では、使用時に、蓋部分及び/又はベース部分は、(i)1つ以上の壁の周囲若しくは周辺を介して、及び/又は(ii)エアロゾルチャンバの内側に向かって延びる1つ以上の壁の複数の径方向支柱を介して、圧力を実質的に平坦なエアロゾル生成品に均一に加えてもよい。例えば、一実施形態では、
図8Bに示すように、蓋部分706は、1つ以上の突起728の形の1つ以上の壁を備えてもよく、1つ以上の突起728の遠位端は、使用時に、圧力をエアロゾル生成品704に均一に加えるように構成されてもよい。
【0164】
図7Bに示すように、エアロゾル供給デバイス702は、エアロゾル形成チャンバの内側に向かって延びる径方向支柱738を備えてもよい。いくつかの実施形態では、径方向支柱738は直線状であってもよい。しかし、追加的又は代替的に、径方向支柱738は曲線状であってもよい。1つ以上の壁は、エアロゾル生成品又は実質的に平坦なエアロゾル生成品に、使用時に、埋め込むように、又は部分的に切り込むように構成されてもよい。1つ以上の壁は、部分的に変形可能な1つ以上の領域を備えてもよい。例えば、この部分的に変形可能な領域は、エアロゾル生成品のまわりでエアロゾル形成チャンバを封止するように相互連結することができる。さらに、部分的に変形可能な1つ以上の領域は、1つ以上の加熱要素とエアロゾル生成品の間の分離がエアロゾル生成品全体にわたって維持されることを確実にすることができる。1つ以上の壁の周囲又は周辺は、部分的に変形可能な1つ以上の領域を備えてもよく、及び/又は、1つ以上の壁の複数の径方向支柱は、部分的に変形可能な1つ以上の領域を備えてもよい。
【0165】
蓋部分及び/又はベース部分は、1つ以上の柱を備えてもよい。蓋部分及び/又はベース部分は、エアロゾル生成品の相対移動を防止するために、1つ以上の加熱要素と実質的に平坦なエアロゾル生成品との間の分離が実質的に平坦なエアロゾル生成品全体にわたって維持されるように、使用時に、圧力を1つ以上の柱を介して実質的に平坦なエアロゾル生成品に均一に加えることができる。すなわち、1つ以上の柱は、フィンガー様であってもよく、エアロゾル生成品を適所に保持することができる。1つ以上の柱は、1つ以上の変形可能な領域を備えてもよい。すなわち、1つ以上の柱は、フィンガー様でもよい1つ以上の変形可能な柱であってもよく、エアロゾル生成品を適所に保持することができる。例えば、こうすることで、エアロゾル生成品がヒーターに近接できることを確実にしながら、同時に、エアロゾル供給デバイスへのエアロゾル生成品の容易な挿入を可能にすることができる。理解されるように、1つ以上の柱若しくは「フィンガー」は、物品の挿入を可能にするように変形することができるので、使用者がエアロゾル生成品をエアロゾル供給デバイスに挿入することが比較的容易であり得るが、物品が挿入された後、1つ以上の柱は、予め定められた位置に消耗品を押し込むことがある。1つ以上の柱若しくは「フィンガー」は、消耗品に対して一定の圧力を保ち、以て、上で論じられたように一定のz距離分離を維持することができる。1つ以上の柱は、エアロゾル生成品又は実質的に平坦なエアロゾル生成品に埋め込むように、又は部分的に切り込むように構成されてもよい。蓋部分及び/又はベース部分は、エアロゾル生成材料を備えない実質的に平坦なエアロゾル生成品の第1の領域に、1つ以上の壁及び/又は1つ以上の柱を介して圧力を、使用時に、均一に加えることができ、エアロゾル生成材料を備える実質的に平坦なエアロゾル生成品の第2の領域には圧力を加えない。例えば、第1の領域は、サセプタ(金属箔など)を備えるがエアロゾル生成材料は実質的にないのに対して、第2の領域は、サセプタ(金属箔など)並びにエアロゾル生成材料を備えてもよい。
【0166】
様々な実施形態によれば、固定機構は、蓋部分をベース部分と係合させるように構成されているカムロックを備えてもよい。カムロックは、エアロゾル生成品の相対移動を防止するようにエアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、下方に回転するように構成されている偏心カムを備えてもよい。蓋部分及び/又はベース部分は、エアロゾル形成チャンバを形成するためのプレナムを備えてもよく、偏心カムは、エアロゾル生成品の相対移動を防止するようにプレナムによってエアロゾル生成品を使用時に適所に保持するために、下方に回転してプレナムに力を作用させるように構成されている。様々な実施形態によれば、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成品を受けるためにエアロゾル供給デバイスから外側に延びるように構成されている摺動可能なプラットフォームをさらに備えてもよい。摺動可能プラットフォームは、エアロゾル生成品をエアロゾル供給デバイスに挿入するために、エアロゾル供給デバイスの中に後退するように構成されてもよく、摺動可能プラットフォームは、摺動可能プラットフォームがエアロゾル供給デバイスの中に後退するときに下方に回転するように偏心カムが構成されるように、偏心カムに接続される。摺動可能プラットフォームは、ヒンジが開位置にあるときにエアロゾル生成品を受けるように構成されてもよく、摺動可能プラットフォームは、ヒンジが開位置から閉位置にされたときにエアロゾル供給デバイスの中に後退するように構成されている。
【0167】
1つ以上の加熱要素は、曲線面を画定してもよい。例えば、1つ以上の加熱要素は平坦な渦巻きコイルを備えてもよく、この渦巻きコイルは、このコイルによって画定された面が実質的に円筒面に一致するように円筒に巻き付けられている。固定機構は、1つ以上の加熱要素の曲線面に向かうか又は離れる方向に沿ったエアロゾル生成品の相対移動を防止するように1つ以上の加熱要素の曲線面の近位にエアロゾル生成品を、使用時に、保持するために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成されてもよい。固定機構は、1つ以上の加熱要素の曲線面の近位に、1つ以上の加熱要素の曲線面に実質的に一致する面を有するエアロゾル生成品を、使用時に、保持するために、蓋部分をベース部分と係合させるように構成されてもよい。
【0168】
理解されるように、エアロゾル生成品とヒーターの間の間隔を小さくすることで、より良い加熱効率を確保する。様々な実施形態によれば、エアロゾル生成品又は実質的に平坦なエアロゾル生成品は、1つ以上の加熱要素から10μm未満の距離の適所に、使用時に、保持されてもよい。
【0169】
上記の実施形態は、いくつかの点で、いくつかの特定の例示的なエアロゾル生成システムに注目したが、同じ原理を他の技術を使ったエアロゾル生成システムに対して適用することができることは認識されよう。すなわち、エアロゾル生成システムの様々な態様が機能する特定の態様は、本明細書で説明した例の基本的な原理には直接関係しない。
【0170】
様々な課題に対処し、技術を進歩させるため、本開示は、様々な実施形態を例証によって示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態のうちの代表的な例にすぎず、すべての利点や特徴を網羅したものでもなければ、他の利点や特徴を排除するものでもない。これらは、特許請求される発明(複数可)の理解及び教示を助けるためだけに提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定されたとおりに本開示を限定するもの、又は特許請求の範囲の均等物を制限するものと考えるべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく他の実施形態を利用することができること、及び変形を施すことができることを理解されたい。様々な実施形態が、本明細書で詳細に説明されたもの以外の、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの様々な組合せを適切に備えてもよく、それらのみから構成されてもよく、又は実質的にそれらから構成されてもよく、したがって、従属請求項の特徴は、特許請求の範囲に明示的に記載されたもの以外の組合せで、独立請求項の特徴と組み合わされてもよいことは認識されよう。本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性のある他の発明を含む可能性がある。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋部分と、
ベース部分と、
固定機構とを備えるエアロゾル供給デバイスであって、前記固定機構が、エアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成され、
前記蓋部分及び前記ベース部分が、前記エアロゾル生成品を、使用時に、前記蓋部分と前記ベース部分の間の適所に保持するように構成されている、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
1つ以上の加熱要素をさらに備え、前記固定機構が、前記1つ以上の加熱要素に向かうか又は離れる方向に沿ったエアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成され、前記ベース部分及び/又は加熱部分が、前記1つ以上の加熱要素を備える、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
使用時に、複数のエアロゾル生成領域を備えるエアロゾル生成品は、1つ以上のエアロゾル生成領域が前記1つ以上の加熱要素のうちの1つの加熱要素に隣り合って位置するように置かれ、前記エアロゾル供給デバイスは、前記加熱要素に対して前記エアロゾル生成品を回転軸線のまわりに回転させて1つ以上のエアロゾル生成領域が前記加熱要素の近くに移動されるように構成された回転デバイスを備え、前記固定機構は、前記エアロゾル生成品が前記加熱要素に対して回転されることを、前記回転軸線のまわりの回転以外の方向の前記エアロゾル生成品の相対移動を防止しながら可能にするように構成されている、請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
平坦面を画定する1つ以上の加熱要素をさらに備え、前記固定機構が、前記平坦面に対して実質的に垂直の方向に沿う、実質的に平坦なエアロゾル生成品の相対移動を防止するように、前記実質的に平坦なエアロゾル生成品を、使用時に、前記1つ以上の加熱要素の平坦面に対して平行に適所に保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されている、
請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記蓋部分及び/又は前記ベース部分は、前記蓋部分が前記ベース部分と係合したときにエアロゾルチャンバを形成するように構成された1つ以上の壁を備え、使用時に、前記蓋部分及び/又は前記ベース部分は、前記エアロゾル生成品の相対移動を防止するために、前記1つ以上の加熱要素と実質的に平坦なエアロゾル生成品との間の分離が前記実質的に平坦なエアロゾル生成品全体にわたって維持されるように、圧力を前記1つ以上の壁を介して前記実質的に平坦なエアロゾル生成品に均一に加える、
請求項2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
使用時に、前記蓋部分及び/又は前記ベース部分が、(i)前記1つ以上の壁の周囲若しくは周辺を介して、及び/又は(ii)前記エアロゾルチャンバの内側に向かって延びる前記1つ以上の壁の複数の径方向支柱を介して、圧力を実質的に平坦なエアロゾル生成品に均一に加える、
請求項5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
使用時に、前記1つ以上の壁が、エアロゾル生成品又は実質的に平坦なエアロゾル生成品に埋め込むように、又は部分的に切り込むように構成されている、
請求項5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記1つ以上の壁が1つ以上の部分的に変形可能な領域を備える、
請求項5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
使用時に、前記蓋部分及び/又は前記ベース部分が、エアロゾル生成材料を備えない実質的に平坦なエアロゾル生成品の第1の領域に、前記1つ以上の壁及び/又は前記1つ以上の柱を介して圧力を均一に加え、エアロゾル生成材料を備える前記実質的に平坦なエアロゾル生成品の第2の領域には圧力を加えない、
請求項5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記固定機構がヒンジを備え、前記蓋部分が、クラムシェル構成体を形成するために前記ヒンジを介して前記ベース部分に接続され、前記エアロゾル供給デバイスは、前記ヒンジが開位置にあるときにエアロゾル生成品を受け入れるように構成され、前記固定機構は、前記ヒンジが閉位置にあるときにエアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されている、
請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記固定機構が、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されたカムロックを備える、
請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項12】
前記カムロックが、エアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、下方に回転するように構成された偏心カムを備える、
請求項11に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
前記蓋部分及び/又はベース部分が、エアロゾル形成チャンバを形成するためのプレナムを備え、前記偏心カムが、エアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記プレナムによって前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、下方に回転して前記プレナムに力を作用させるように構成される、
請求項12に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
前記エアロゾル供給デバイスが、エアロゾル生成品を受けるために前記デバイスから外側に延びるように構成された摺動可能なプラットフォームをさらに備え、前記摺動可能プラットフォームが、前記エアロゾル生成品を前記デバイスに挿入するために、前記デバイスの中に後退するように構成され、前記摺動可能プラットフォームは、前記摺動可能プラットフォームが前記デバイスの中に後退するときに下方に回転するように前記偏心カムが構成されるように、前記偏心カムに接続される、
請求項12に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
前記摺動可能プラットフォームは、前記ヒンジが開位置にあるときに前記エアロゾル生成品を受けるように構成され、前記可能プラットフォームは、前記ヒンジが開位置から閉位置にされたときに前記デバイスの中に後退するように構成されている、
請求項14に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
曲線面を画定する1つ以上の加熱要素を備え、前記固定機構が、前記1つ以上の加熱要素の前記曲線面に向かうか又は離れる方向に沿ったエアロゾル生成品の相対移動を防止するように、前記1つ以上の加熱要素の前記曲線面の近位にエアロゾル生成品を、使用時に、保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されている、
請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
前記固定機構が、前記1つ以上の加熱要素の前記曲線面の近位に、前記1つ以上の加熱要素の前記曲線面に実質的に一致する面を有するエアロゾル生成品を、使用時に、保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されている、
請求項16に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
前記固定機構が、エアロゾル生成品の基板に対する前記金属箔の相対移動を防止するように、前記基板に接合された金属箔を備える前記エアロゾル生成品を、使用時に、適所に保持するために、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるように構成されている、
請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
請求項1に記載のエアロゾル供給デバイスと、
前記エアロゾル生成デバイスと共に使用するためのエアロゾル生成品と
を具備するエアロゾル供給システムであって、前記エアロゾル生成品がエアロゾル生成材料の一部分を備える、エアロゾル供給システム。
【請求項20】
請求項1に記載のエアロゾル供給デバイスを用意するステップと、
エアロゾル生成品を前記蓋部分と前記ベース部分の間に挿入するステップと、
前記エアロゾル生成品の相対移動を防止するように前記エアロゾル生成品を適所に保持するために、前記固定機構を用いて、前記蓋部分を前記ベース部分と係合させるステップとを含む、エアロゾルを生成する方法。
【国際調査報告】