(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】器具前進装置及び器具前進装置におけるスピンドルデバイスの使用
(51)【国際特許分類】
A61B 90/11 20160101AFI20240528BHJP
A61B 90/50 20160101ALI20240528BHJP
【FI】
A61B90/11
A61B90/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573639
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2022061826
(87)【国際公開番号】W WO2022253505
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】102021114151.6
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516064736
【氏名又は名称】アイシス メディツィンテクニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】フォーゲル、ミヒャエル
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの第1の器具(210)を並進駆動及び/又は回転駆動するための器具前進装置(100)に関し、器具前進装置(100)は、少なくとも1つの第1の器具(210)の並進駆動方向に延びる少なくとも1つの第1の軸体(111)を有するガイドデバイス(110)と、第1の軸体(111)に沿ってモータ駆動されるように構成された少なくとも1つの第1のモータ(120)と、第1の軸体(111)に沿って、又は第1の軸体(111)に平行に整列された第2の軸体(112)に沿ってモータ駆動される少なくとも1つの第2のモータ(130)と、を備え、当該第1のモータ(120)は、第1の器具(210)を保持する及び/又は移動させるための第1の保持手段(125)に接続されているか又は接続可能であり、第2のモータ(130)は、第1の器具(210)又は第2の器具(220)を保持する及び/又は移動させるための第2の保持手段(135)に接続されているか又は接続可能である。更に、本発明は、器具前進装置(100)における、二つのねじを有するスピンドルデバイス(150)の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の器具(210)を並進駆動及び/又は回転駆動するための器具前進装置(100)を提供することであって、該器具前進装置(100)は、
前記少なくとも1つの第1の器具(210)の並進駆動方向に延びる少なくとも1つの第1の軸体(111)を有するガイドデバイス(110)と、
前記第1の軸体(111)に沿ってモータ駆動されるように構成された少なくとも1つの第1のモータ(120)と、
前記第1の軸体(111)に沿って又は前記ガイドデバイス(110)の第2の軸体(112)に沿ってモータ駆動されるように構成された少なくとも1つの第2のモータ(130)であって、前記第2の軸体(112)は前記第1の軸体(111)に平行に整列されている、少なくとも1つの第2のモータ(130)と、
前記第1のモータ(120)は、前記第1の器具(210)を保持するための及び/又は移動させるための第1の保持手段(125)に接続されているか又は接続可能であり、
前記第2のモータ(130)は、前記第1の器具(210)又は第2の器具(220)を保持するための及び/又は移動させるための第2の保持手段(135)に接続されているか又は接続可能である、器具前進装置(100)。
【請求項2】
請求項1に記載の器具前進装置(100)において、
前記器具前進装置(100)は、前記ガイドデバイス(110)の前記第1の軸体(111)に沿って、第2の軸体(112)に沿って、又は第3の軸体(113)に沿って、モータ駆動されるように構成された少なくとも第3のモータ(140)を備え、前記第3の軸体(113)は前記第1の軸体(111)及び前記第2の軸体(111)に平行に整列されていることを特徴とする、器具前進装置(100)。
【請求項3】
請求項2に記載の器具前進装置(100)において、
前記第3のモータ(140)は、前記第1の器具(210)又は前記第2の器具(220)を保持及び/又は移動させるための第3の保持手段(145)を備えて構成されていることを特徴とする、器具前進装置(100)。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の器具前進装置(100)において、
前記モータ(120,130,140)はピエゾモータとして構成されることを特徴とする、器具前進装置(100)。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の器具前進装置(100)において、
前記器具前進装置(100)は、前記第1の器具(210)を回転移動させるためのスピンドルデバイス(150)であって、前記保持手段(125,135,145)のうちの少なくとも1つに動作可能に接続されているスピンドルデバイス(150)を含むことを特徴とする、前記器具前進装置(100)。
【請求項6】
請求項5に記載の器具前進装置(100)において、
前記スピンドルデバイス(150)は、前記第1の保持手段(125)及び前記第2の保持手段(135)と相互作用するように構成されていることを特徴とする、器具前進装置(100)。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の器具前進装置(100)において、
前記スピンドルデバイス(150)は中空体として構成されており、少なくとも1つのねじ(151,152)を有し、前記第1の器具(210)は前記中空体の空洞(153)内に配置及び固定可能であることを特徴とする、器具前進装置(100)。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか一項に記載の器具前進装置(100)において、
前記スピンドルデバイス(150)は、2つのねじ、特に逆回りのねじ(151,152)を有する、器具前進装置(100)。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の器具前進装置(100)において、
前記第1の保持手段(125)及び/又は前記第2の保持手段(135)は、少なくとも1つのねじ(151,152)に案内可能なガイド部材(126,136)を有することを特徴とする、器具前進装置(100)。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の器具前進装置(100)において、
前記モータ(120,130,140)の各々は、対応する保持手段(125,135,145)を解放可能に締結するための締結手段(121,131,141)を備えることを特徴とする、器具前進装置(100)。
【請求項11】
請求項10に記載の器具前進装置(100)において、
前記締結手段(121,131,141)の各々は、それぞれの前記保持手段(125,135,145)の相補的な形状の対応ユニット(127,137,147)と相互作用するための締結ユニット(122,132,142)を備えることを特徴とする、器具前進装置(100)。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の器具前進装置(100)において、
前記第1の器具(210)及び/又は前記第2の器具(220)は、医療器具(210a,220a)であることを特徴とする、器具前進装置(100)。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の器具前進装置(100)において、
前記第1の器具(210)は針状器具(210a)であり、前記第2の器具(220)は管状器具(220a)であり、前記第1の器具(210)は前記第2の器具(220)を通過可能であることを特徴とする、器具前進装置(100)。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載の器具前進装置(100)において、
前記ガイドデバイス(110)は、前記第1の器具(210)及び又は前記第2の器具(220)の先端(211,221)を安定させるための器具安定化デバイス(115)を備えることを特徴とする、器具前進装置(100)。
【請求項15】
器具前進装置(100)における2つのねじを備えたスピンドルデバイス(150)の使用であって、
前記スピンドルデバイス(150)によって器具(210,220)、特に医療器具(210a,220a)を回転可能に、前記器具前進装置(100)の保持手段(125,135,145)の並進運動を回転運動に変換するための、2つのねじを備えたスピンドルデバイス(150)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの第1の器具を並進駆動及び/又は回転駆動するための器具前進装置に関する。更に、本発明は、器具前進装置におけるスピンドルデバイスの使用に関する。本発明は、主に医療器具、特に針及びトロカールに関連して以下に説明される。しかしながら、本発明は、非医療器具、例えば、実験器具又は測定器具に関連して使用することもできる。
【背景技術】
【0002】
器具前進装置は、一般に、器具を並進移動及び/又は回転移動させるために使用される。
器具の前進又は送りを実施するための様々な可能性が先行技術から知られている。特に、医療器具を前進させるとき、器具前進装置の精度、信頼性及び滅菌可能性に非常に高い要求が課される。したがって、これらの要件を考慮して器具前進装置を更に開発及び改善するために、先行技術において多くの試みがなされてきた。
【0003】
例えば、器具の制御された変位運動及び任意選択の回転運動のためのデバイスが、特許文献1から知られている。この場合、デバイスは、器具の後端部に係合する直線作動要素を有し、作動要素は、電磁直接駆動のリニアモータと、ステータに対して変位することができ、器具が案内されるように構成されたスピンドルとを有する。
【0004】
しかしながら、従来から知られているシステムは全て、比較的複雑であり、十分にコンパクトではなく、特に平坦である。高い要件の設計実装は、複雑な構造に反映されている。典型的には、この構造は、もはや画像化管で使用するのに十分なほど平坦ではない。加えて、既知のシステムは、特にその精度及び滅菌可能性に関して、更に改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第2303098号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第202020107591号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2021/0015564号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の従来技術に基づいて、本発明の目的は、従来技術の上記の問題及び欠点を排除する改良されたデバイスを提供することである。特に、本発明の目的は、単純かつ機能的な構造によって特徴付けられる器具前進装置を提供することである。
【0007】
この課題は、請求項1に記載の器具前進装置によって解決される。本発明の有利な更なる実施形態は、従属請求項の主題である。
特に、本発明による解決策は、少なくとも第1の器具を並進駆動及び/又は回転駆動するための器具前進装置を提供することであって、器具前進装置は、特に少なくとも1つの第1の器具の並進駆動方向に延びる少なくとも1つの第1の軸体を有するガイドデバイスと、第1の軸体に沿ってモータ駆動されるように構成された少なくとも1つの第1のモータと、第1の軸体に沿って、又は第1の軸体に平行に整列された第2の軸体に沿ってモータ駆動されるように構成された少なくとも1つの第2のモータと、を備え、第1のモータは、第1の器具を保持するための及び/又は移動させるための第1の保持手段に接続されているか又は接続可能であり、第2のモータは、第1の器具又は第2の器具を保持するための及び/又は移動させるための第2の保持手段に接続されているか又は接続可能である。
【0008】
したがって、第1の代替形態では、ガイドデバイスは1つの軸体を備え、第1のモータ及び第2のモータは、1つの軸体に沿ってモータ駆動される。第2の代替形態では、ガイドデバイスは2つの平行な軸体を有し、第1のモータは第1の軸体に沿ってモータ駆動され、第2のモータは第2の軸体に沿ってモータ駆動される。
【0009】
ガイドデバイスが2つの軸体を有する場合、2つの軸体は互いに平行に固定されている、すなわち締結されている。これは、2つの軸体が恒久的に互いに平行に配置されていること、すなわち、それらが互いに対して移動することができないことを意味する。この場合、ガイドデバイスは、ガイドデバイスが2つの軸体を堅固に固定するように、すなわち互いに対して移動できないように構成されている。ガイドデバイスは、物理的に一つのユニットを形成する一つの構成要素であり、特に、互いに対して移動可能な複数の構成要素、例えばアームによって形成されていない。例えば、1つの構成では、ガイドデバイスは、2つの軸体と、2つの軸体を互いに接続する少なくとも1つ、好ましくは2つの接続領域とを備える。特に好ましくは、この場合、接続領域が2つの軸体の上端に形成されており、かつ接続領域が2つの軸体の下端に形成されている。
【0010】
器具前進装置は、一般に、位置決めアームに取り付け可能である。
器具の前進は、器具が並進運動されるか回転運動されるかに関係なく、器具の電動式運動として理解される。移動される器具は、好ましくは、医療器具若しくは医療技術器具、又は測定器具若しくは実験器具である。器具は、先端を有し、医療器具の場合には、患者に向けられた端部を有する。典型的には、器具は、この先端に機能要素を有する。これは、例えば、トロカールの場合には開口部、針の場合には針先、鉗子の場合には把持顎部、プローブの場合にはプローブヘッド、又は、はさみ若しくはナイフの場合には刃先であってもよい。
【0011】
機能要素は、体外、体表面上、又は体内に配置されてもよい。機能要素は、一般的に、全ての種類の診断用器具及び治療器具であり得、手動入力デバイスを用いて又は自動的に、介入及び外科処置中に位置決めすることができる。
【0012】
用途に応じて、自由度、安定性、精度、画像化手順に対する材料適合性などに関して異なる設計が可能である。
体外への適用例:光学センサ、例えば、顕微鏡又は外視鏡の案内及び位置決め、放射線源又はレーザ又は治療ビームの案内及び位置決め、ガンマ線検出器の案内。
【0013】
体表面への適用例:超音波トランスデューサの皮膚表面への案内及び位置決め、インプラント並びに注射針及びプローブの案内及び位置決め。
体内への適用例:内視鏡の案内及び位置決め、診断及び治療のための(トロカール)針及び針状器具並びにプローブ(例えば、軟組織及び骨生検針、例えば、高周波アブレーション用アブレーション針/マイクロ波アブレーション用針/レーザアブレーションプローブ/凍結療法プローブ/不可逆電気穿孔法/放射線療法のための「シード」など、例えば、ドリル、把持鉗子、はさみ、メス、及び他の外科用器具、例えば、薬物の局所適用のための皮下注射針)の案内及び位置決め、カテーテル及びカテーテル類似器具を血管及び腔内に案内及び位置決め、インプラント、電極などを案内及び位置決め。
【0014】
上記のリストは、診断及び治療用途の単なる例である。本質的に、診断及び治療器具/デバイスが案内され位置決めされなければならない全ての診断及び治療手順をサポートすることができる。これに関連して、本発明によるデバイスは、様々な独特な特徴、特にコンパクトさ及び患者の近くでの正確な器具誘導のために、当然ながら、低侵襲性及び微小侵襲性の画像案内診断及び治療手順、すなわち、手術が主に経皮的に、血管内で、又は既存の身体開口部を通して行われ、(新規の)小型器具及びデバイス(いわゆる「スマート器具」)が使用される、診断及び治療手順を、主に目的としている。全ての医療画像化及び医療ナビゲーションシステムは、患者上又は患者内の器具又はロボットの位置を特定するために使用することができる。ライブ又はリアルタイム画像化を使用するとき、空間問題及び画像アーチファクトを回避するために、コンパクトさ及び適切な材料の選択は極めて重要である。ロボット技術を使用する既知の利点に加えて、本発明によるデバイスの使用により、特に困難な解剖学的条件において、位置制御のための(ライブ)画像化がいつでも可能であるため、はるかに正確かつ効率的な作業が可能となる。加えて、「管」(又はガントリ)の内側又は手術台における空間は、非常に制限されていることが多いため、人間工学及び患者へのアクセスしやすさもまた、主要な役割を果たす。離れた場所で「テレワーク」を行い、診断/治療時間を短縮することによって、電離放射線、有害物質などを伴う機器を使用するときに、患者及び操作者の両方を放射線損傷及び他の悪影響から保護することができる。
【0015】
駆動は、器具の移動の開始であると理解される。この目的のために、並進運動又は回転運動が器具に伝達される。並進駆動は、器具、より正確には器具の先端が純粋な並進運動を行うことを、必ずしも意味するわけではない。むしろ、先端が並進駆動されるときに弧状の移動経路を実行することも考えられ、用途によっては、望ましい。これは、例えば、トロカールを使用するときに、湾曲した又は角度調製可能な先端を有する針又はプローブを挿入することによって可能である。あるいは、特定の切断部を有する柔軟な針、いわゆる操縦可能な針を使用することもできる。先端の形状に起因して、器具が身体を通って移動するとき、先端に半径方向の力が作用し、その結果、先端は弧状の運動経路に沿って移動する。
【0016】
ガイドデバイスは、モータの移動を案内するように構成されている。この目的のために、ガイドデバイスは、モータの移動方向を指定する少なくとも1つの軸体を有する。器具の並進駆動方向は、器具を駆動するための並進運動が行われる方向である。モータは少なくとも1つの軸体に沿って移動するので、並進駆動方向は、少なくとも1つの軸体の主延伸方向、すなわち軸方向に対応する。
【0017】
軸体は、好ましくは多角形軸、特に四角形軸である。特に好ましくは、軸体はセラミック製である。セラミック軸体の利点は、磁気共鳴画像化(MRI)又はX線に適合すること、並びに低摩耗であることである。
【0018】
モータは対応する保持手段に接続されているか又は接続可能であるので、保持手段はモータと共に移動する。例えば、モータはそれぞれ、保持手段が直接又は間接的に配置されるハウジングを有する。
【0019】
保持手段は、器具を保持し、回転運動又は並進運動を器具に伝達するように構成されている。好ましくは、保持手段は、器具の固定された点又は固定された領域に割り当てられるのではなく、任意の点又は任意の領域で器具を保持し、回転運動又は並進運動を伝達するように構成されている。当然ながら、これは使用される機器に依存する。しかしながら、特に、トロカール及び針を任意の点で保持することが可能である。
【0020】
特に好ましくは、ここでの保持手段は、器具の先端に可能な限り近接して器具を保持するように構成されている。これにより、器具を案内するための特に高い精度を達成することが可能になる。医療器具に移転されると、器具は、患者の皮膚入口点の近傍で保持デバイスによって把持され得る。これは、既知のロボットシステムに対して著しい利点をもたらす。既知のロボットシステムは、基本的に、患者の入口点に対して、遠位端で器具を保持し移動させる。したがって、器具を保持し移動させる部分と入口点との間の距離が大きい。その結果、これは、既知のシステムにおける不正確さにつながる。
【0021】
対照的に、本発明の器具安定化デバイスは、器具を近位領域、特に先端で保持し移動することができるように構成されている。これにより、特に高い精度が得られる。
最も単純な実施形態では、保持手段は、例えばクランプによって、保持される器具を固定する。その後、器具の固定領域は、保持手段と共に移動する。より複雑な設計では、保持手段を使用して、モータの並進運動を回転運動に変換することができる。
【0022】
器具前進装置の利点は、特に、モータが軸体に沿って移動するため、非常に単純かつコンパクトな設計であることである。同時に、このようなモータの移動を正確に制御することができる。全体として、これにより、軽量で非常にコンパクトな設計を有する器具前進装置を達成することが可能になるため、MRデバイスの狭い管内で器具前進装置を遠隔で使用することも可能になる。
【0023】
少なくとも1つの第1の器具を並進駆動及び/又は回転駆動するための器具前進装置の簡略化された変形例は、少なくとも1つの第1の器具の並進駆動方向に延びる少なくとも1つの第1の軸体を有するガイドデバイスと、第1の軸体に沿ってモータ駆動されるように構成された少なくとも1つの第1のモータであって、第1の器具を保持及び/又は移動させるための第1の保持手段に接続されているか又は接続可能である、第1のモータとを備える。
【0024】
この実施形態では、器具前進装置は、必ずしも2つのモータを有する必要はない。モータが1つのみであっても、単純でコンパクトで機能的な構造が得られる。この点に関して、1つのモータを有する器具前進装置は、別個の発明の主題である。以下の態様の全て、特に本発明による実施形態又は更なる実施形態は、少なくとも2つのモータを必ずしも必要としないという条件で、単一モータ変形例にも適用することができる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、器具前進装置は、第1の軸体に沿って、第2の軸体に沿って、又は第1の軸体及び第2の軸体に平行に整列された第3の軸体に沿って、モータ駆動されるように構成された少なくとも第3のモータを備える。
【0026】
したがって、ガイドデバイスがそれに対応して3つの平行な軸体を有し得る代替形態が、本明細書で説明される。器具前進装置は、更なる軸体及び/又はモータを備えてもよい。
【0027】
本発明の有利な更なる展開によれば、第3のモータは、第1の器具又は第2の器具を保持及び/又は移動させるための第3の保持手段を備える。
第3のモータによって、特にその第3の保持手段を用いて、一方では、既存の器具、すなわち第1の器具及び任意選択的に第2の器具の移動範囲を増大させることができる。他方では、第3の保持手段は、別の器具を保持して移動させるために使用することもできる。
【0028】
例示的に、第1及び第2のモータを、第1の器具、例えば針に割り当てることができ、第3のモータを、第2の器具、例えばトロカールに割り当てることができるため、針及びトロカールを、互いに独立して動かすことができる。
【0029】
器具前進装置は、既に形成された軸体上に積み重ねられているか、又は既に形成された軸体に平行に構成されている更なる軸体上に構成される、更なるモータを有してもよい。このようにして、既存の器具の可動範囲を更に拡張することができ、又は更なる器具を配置することができる。
【0030】
全体として、モータの平行運動又は時間シフト運動により、経路を正確に通過させて、非常に限られた空間内で単軸運動及び多軸運動を達成することができる。
本発明の特に有利な実施形態は、モータがピエゾモータとして構成されることを提供する。
【0031】
言い換えれば、第1のモータ及び第2のモータ、並びに任意選択で第3のモータ及び任意の更なるモータは、ピエゾモータとして構成される。ピエゾモータは、圧電効果を使用して運動を生成する。使用されているモータは、回転運動を直線運動に変換する必要がない、直接直線駆動を有するピエゾモータである。
【0032】
簡単に言えば、ピエゾモータは、電界の影響下で変化する、足の形をした少なくとも1つの電気機械材料を有する。軸体はその足によって保持され、好ましくは、各々が2つの対向する足を有する少なくとも2対の足が、軸体の反対側に配置される。この場合、軸体は足の接触圧力によって保持される。2対の足は、軸体が後方の対の足から前方の対の足に渡されるように、位相をずらして移動する。これにより、モータも軸体に沿って移動することができる。
【0033】
電気機械材料は、好ましくは圧電セラミックである。これにより、特にセラミック製の軸体と組み合わせて、著しい摩耗を伴うことなく、長い動作のための良好なトライボロジーペアリングを達成することが可能になる。
【0034】
ピエゾモータは軽量でコンパクトであるので、器具前進装置全体が、単純かつ軽量な構造を有することができる。加えて、ピエゾモータによって、非常に正確でバックラッシュのない器具の移動が可能である。例えば、そのような微細なマイクロステップは、細胞スケールで器具を正確に位置決めすることが可能であるピエゾモータによって実行することができ、例えば、そのようなマイクロステップは、1/10000mmよりも小さい。更に、ピエゾモータは、金属なしで製造することができるので、MRI適合性及びX線適合性であるように構成される。
【0035】
ピエゾモータの別の利点は、送り力が軸体上の足の接触圧力によって容易に制限されることである。器具に作用する反圧が高すぎると、軸本体は足で十分に保持されず、滑る。この力の制限により、常に同じ力で器具を動作させることが可能になる。例えば、器具前進装置によって、常に特定の、特に最適な接触圧力で超音波プローブを動作させることが可能である。反圧が高すぎるときの滑り量は、例えば、器具に作用する反圧を判定するのにも適している。この目的のために、ピエゾモータの目標移動距離が、滑りによって減少させられた実際の移動距離と比較される。
【0036】
一般に、ピエゾモータは、適用領域に適した接触圧力で設置することができる。あるいは、足の接触圧力が調整可能であることも考えられる。このようにして、最大送り力を調整することができる。
【0037】
ピエゾモータの別の有利な効果は、ピエゾモータが移動時にわずかな振動を行うことである。これらの微細な振動は、工具の特に高い精度を確実にする。加えて、振動は、特定の用途において他のプラス効果を有し得る。この一例が、骨又は軟組織生検中の生検除去である。振動する針は、組織又は骨への針の貫通を容易にすることができる。針先の振動運動により、針が貫通する際に、血液を運ぶ組織が針を避けることができることを、更に確実にすることができる。生検の場合、振動はまた、サンプルの分離及び除去をより容易にする。
【0038】
更に、ピエゾモータの微細な振動がスピンドルデバイスの優れた円滑性及び精度を確実にするため、振動は、特にスピンドルデバイスとの組み合わせで相乗効果を有する。
本発明の有利な更なる発展によれば、モータは、無線で駆動可能及び/又は動作可能であるように構成されている。
【0039】
無線駆動は、好ましくは、アキュムレータの使用を含む。好ましくは、アキュムレータは、アキュムレータの無線充電のための充電コイルを備えて構成されている。したがって、アキュムレータからモータまでのケーブルを設けることで十分であり、ケーブルは、アキュムレータ及びモータと共に、例えば滅菌フィルムの下に収容される。これにより、ケーブルを外部に引き回す必要がないので、衛生的な滅菌概念を実施することがより容易になる。加えて、例えば、ケーブルから生じる手術室内のリスクが低減される。
【0040】
モータが無線動作のために構成されている場合、モータは、入力ユニットに配置された送信機から制御信号を受信する対応する受信機に接続されている。したがって、制御入力ユニットは、制御されるモータから離れた場所に配置することができる。これにより、より単純かつ良好な操作性が可能になる。特に、カメラ又はMRI管などの画像化デバイスによる監視と連動して、器具前進装置又はその保持手段によって保持された器具の遠隔制御可能な移動を、例えばMRI又はX線装置において提供することができる。
【0041】
本発明の別の実施形態では、器具前進装置は、第1の器具を回転移動させるための、保持手段のうちの少なくとも1つに動作可能に接続されている、スピンドルデバイスを含む。
【0042】
スピンドルデバイスは、一般に、並進運動を回転運動に又はその逆に変換するための、少なくとも1つのねじを備えて形成された本体であると理解される。必要に応じて、スピンドル又はねじは非対称に構成されていてもよく、すなわち、より平坦なねじのピッチを有する少なくとも1つのねじセクションと、より急なねじのピッチを有する少なくとも1つのねじセクションとを有してもよい。
【0043】
スピンドルによって、モータの並進運動を器具の回転運動に容易かつ正確に変換することができる。
本発明の有利な更なる展開によれば、スピンドルデバイスは、第1の保持手段及び第2の保持手段と相互作用するように構成されている。
【0044】
スピンドルデバイスが2つの保持手段に接続されている場合には、スピンドルデバイスに接続された第1の器具の可動範囲を大きくすることができる。
本発明の更なる有利な実施形態では、スピンドルデバイスは中空体として構成されており、少なくとも1つのねじを有し、第1の器具は中空体の空洞内に配置及び固定することができる。
【0045】
第1の器具は、好ましくは、空洞又は中空体を貫通して配置されており、固定デバイスによって回転可能に固定されるようにスピンドルデバイス上に配置されている。したがって、スピンドルデバイスの回転運動は、第1の器具に容易に伝達される。固定デバイスは、例えば、止めねじであってもよい。例えば、スピンドルデバイスは、少なくとも実質的に中空円筒として構成されている。少なくとも1つのねじは、好ましくは、中空体、特に中空円筒の外周面に配置されている。
【0046】
本発明の好ましい実施形態では、スピンドルデバイスは、2つの、好ましくは逆回りのねじを有する。
特に好ましい更なる実施形態では、第1の保持手段及び/又は第2の保持手段は、少なくとも1つのねじに案内され得るガイド部材を有する。
【0047】
スピンドル及びガイド部材は、好ましくは自己ロック式に構成され、その結果、外力の影響なしに移動は起こらない。
ガイド部材は、例えば、ピン又はボール体とすることができる。ボール体が使用される場合、ボールねじが考えられる。
【0048】
2つの逆回りのねじによって、スピンドルを介して回転運動と並進運動の両方を簡単かつ正確に伝達することが可能である。この目的のために、第1の保持手段は、例えばそのガイド部材によって、一方のねじと動作可能に接続されており、第2の保持手段は、例えばそのガイド部材によって、他方のねじと動作可能に接続されている。例えば保持手段のうちの1つのみを移動させることによって、2つの保持手段が異なる方向に移動される場合、これによってスピンドルが回転する。2つの保持手段が平行に、すなわち同じ速度で同じ方向に移動される場合、これによってスピンドルを回転させることなく並進させる。したがって、本発明による二つのねじが切られたスピンドルは、より少ない構成要素によって複雑でないやり方で回転運動及び並進運動の両方を伝達する役割を果たす。2つの逆回りのねじの代替として、2つの同方向回りのねじを使用することもできる。この場合、ねじは異なるピッチを有することができる。
【0049】
本発明の有利な更なる展開によれば、スピンドルデバイス及び保持手段は、使い捨て物品として構成される。使い捨て物品として、医療用途のための滅菌物品は、汚染から最大限に解放された状態を容易に提供することができる。
【0050】
本発明の特に有利な実施形態は、モータの各々は、対応する保持手段を解放可能に締結するための締結手段を備えることを提供する。
したがって、第1のモータは、第1の保持手段を解放可能に締結するための第1の締結手段を有し、第2のモータは、第2の保持手段を解放可能に締結するための第2の締結手段を有し、任意選択で、第3のモータは、第3の保持手段を解放可能に締結するための第3の締結手段を有する。当然ながら、これは任意の追加モータにも適用される。
【0051】
解放可能な締結により、保持手段は、例えば、後でモータから容易に分離し、その後処分することができる。例えば、解放可能な締結手段は、ラッチ手段又はクリップ手段であってもよい。このような締結手段は、特に、工具の助けなしに迅速に解放することもできる。
【0052】
本発明の有利な更なる展開によれば、締結手段の各々は、それぞれの保持手段の相補的な形状の対応ユニットと相互作用するための締結ユニットを備える。
締結ユニットは、例えば、対応ユニットとして保持手段の相補的な形状の本体と相互作用するためのレセプタクルである。このようにして、保持手段の締結手段への、特に単純かつ確実な、特にぴったりと合った締結が達成される。
【0053】
本発明の更なる実施形態は、少なくともモータを取り囲む滅菌フィルムの非破壊クランプに適しているように、締結ユニット及び対応ユニットが丸みを帯びた角部及び縁部を有することを提供する。
【0054】
これにより、滅菌フィルムを、一方の側の保持手段、器具、及び任意選択でスピンドルと、他方の側の器具前進装置の残りの部分との間に位置決めすることができる。したがって、器具前進装置の残りの部分は、箔によって滅菌的なやり方で容易に分離することができる。箔の外側に配置された部品、すなわち保持手段、器具、及び任意選択でスピンドルは、滅菌が容易であるか、又は少なくとも部分的に使い捨て物品として構成されている。特に、使い捨て品としての構成は、フィルムとの組み合わせで、特に安全で信頼性のある滅菌概念をもたらす。モータ、軸体、又は例えば制御システムなどのより高価な構成要素は全て、滅菌フィルム又はカバーの後ろに配置される。少数の単純に設計された使い捨て品は、安価に製造し、交換し、滅菌フィルムを間に挟んで締結手段に締結することができる。
【0055】
本発明の有利な更なる展開によれば、第1の器具及び/又は第2の器具は医療器具である。
本発明による利点は、医療器具に関連して特に良好に使用することができる。このような医療器具は、診断器具並びに治療器具であり得る。例えば、それらは、画像化器具、放射線治療器具、薬物送達システム、又は手術器具であってもよい。医療器具がX線装置と共に使用される場合、X線ビーム内に位置する全ての構成要素がプラスチック製であることが好ましい。
【0056】
本発明の別の有利な実施形態では、第1の器具は針状器具であり、第2の器具は管状器具であり、第1の器具は第2の器具を通過することができる。
管状器具によって、針状器具を患者の体腔内に安全に案内することができる。針状器具は、例えば、穿刺針、注射針、又はプローブであってもよい。管状器具は、例えば、トロカールであってもよい。管状器具及び針状器具は、剛性又は可撓性であるように構成されていてもよい。両方の器具又は少なくとも針状器具が可撓性であるように構成されている場合、2つの要素又は少なくとも針状器具の弧状の移動が可能である。この目的のために、対応する器具は、斜めの形状の、湾曲した、又は角度調製可能な先端を有する。移動中に先端に作用する半径方向の力により、先端は直線の移動経路から弧状の移動経路にそれる。好ましい実施形態では、管状器具は可撓性である。これにより、管状器具を患者の呼吸運動などの動きに追従させると同時に、針状器具を患者の所定の位置に正確に配置することができる。
【0057】
本発明の特に好ましい実施形態では、ガイドデバイスは、第1の器具及び又は第2の器具の先端を安定させるための器具安定化デバイスを備える。
この場合、器具安定化デバイスは、好ましくは、患者の皮膚入口点の近くに配置され、器具が患者の近くに案内されることを可能にする。これにより、精度を更に高めることができる。
【0058】
本発明の別の有利な実施形態では、器具前進装置は、第1のモータに配置された少なくとも1つの第1の位置センサと、第2のモータに配置された少なくとも1つの第2の位置センサとを備える。
【0059】
少なくとも2つの位置センサによって、モータの互いに対する相対移動、したがって器具の相対移動を測定することができる。センサは、例えば、ホールセンサ、磁石、光学マーカー、又はRFIDチップであってもよい。更に、例えば器具の変形を測定する更なるセンサが、器具前進装置に配置されることが考えられる。特に、歪みゲージは、この目的のために器具前進装置に配置することができる。更に、ジャイロセンサも設けてもよい。
【0060】
更に、本発明の目的は、器具前進装置における構成要素、特にスピンドルデバイスの使用を指定することであり、それによって先行技術の欠点を排除することも可能である。
この目的は、独立請求項15に記載の使用によって解決される。
【0061】
本発明による解決策は、特に、器具前進装置において、特に二つのねじを備えたスピンドルデバイスの使用を提供すること、すなわち、スピンドルデバイスによって器具、特に医療器具を回転させることができるように、器具前進装置の保持手段の並進運動を回転運動に変換することにある。
【0062】
器具前進装置は、好ましくは、上述した器具前進装置のうちの1つである。したがって、個々の器具前進装置に関連して既に説明した態様及び利点は、同様に有効であり、本使用に移転可能であり、ここでは個々に繰り返さない。
【0063】
好ましくは、スピンドルデバイスは、第1の保持手段及び第2の保持手段と相互作用するように構成されている。このようにして、スピンドルデバイスに接続された器具の移動範囲を大きくすることができる。
【0064】
更に好ましくは、スピンドルデバイスは、少なくとも1つのねじ、好ましくは2つのねじを有する中空体として構成され、第1の器具は、中空体の空洞内に配置及び固定することができる。少なくとも1つのねじは、好ましくは、特に中空円筒として設計された中空体の外周面に配置される。
【0065】
本発明の好ましい実施形態では、中空体は、2つの逆回りのねじを有し、第1の保持手段は、ガイド部材によってねじの一方に案内され得、第2の保持手段は、更なるガイド部材によって他方のねじに案内され得る。
【0066】
既に説明したように、スピンドルが回転運動と並進運動の両方を器具に伝達するように、容易に実施することができる。
この点に関して、スピンドルデバイスは、独立した発明の主題を構成する。
【0067】
器具前進装置は、多種多様な用途に適している。例えば、器具前進装置は、位置決めアーム、特に特許文献2に記載されているような位置決めアームに直接締結することができる。あるいは、位置決めデバイスを、位置決めアームに間接的に締結することができる。この場合、特許文献3から知られているような精密位置決めデバイスを、位置決めアームと器具前進装置との間に配置することができる。更に代替的に、器具前進装置は、位置決めアームなしで、精密位置決めデバイスのみと共に使用されてもよい。原則として、器具前進装置は、本明細書に示された用途のいずれにも限定されず、他の環境において、コネクタと共に使用されてもよい。
【0068】
独立した発明の主題は、器具前進デバイスのための力変換デバイスによって提供される。力変換デバイスは、少なくとも1つのねじを有するスピンドルデバイスと、少なくとも1つのねじにおいて案内可能であり、モータ、特にリニアモータに接続可能であるか、又は接続されているように構成された、少なくとも1つ、好ましくは2つのガイド部材とを備える。
【0069】
好ましくは、スピンドルデバイスは、上述したスピンドルデバイスのうちの1つであり、したがって、全ての態様がここに移転可能である。特に、スピンドルデバイスは、2つの逆回りのねじを有する。好ましくは、ガイド部材は、上述したガイド部材のうちの1つであり、したがって、全ての態様がここでも同様に移転可能である。リニアモータは、例えば、ステッピングモータ又はピエゾモータであってもよい。
【0070】
別の独立した発明の主題は、滅菌器具保持デバイスによって提供される。滅菌器具保持デバイスは、滅菌フィルムによって互いに分離可能であるように構成された複数の使い捨て物品及び複数の再使用可能物品を有し、再使用可能物品の少なくともいくつかは、丸みを帯びた角部及び縁部を有する締結ユニットを有し、使い捨て物品の少なくともいくつかは、締結ユニットと解放可能に係合可能な丸みを帯びた角部及び縁部を有する対応ユニットを有する。
【0071】
これにより、使い捨て物品と再使用可能物品との間の分離のために、滅菌フィルムが非破壊的に配置されることが可能になる。器具保持デバイスは、前述の器具前進デバイスのうちの1つであってもよく、したがって、全ての態様がここに移転可能である。使い捨て物品及び再使用可能物品は、前述の構成要素のいずれであってもよい。特に、使い捨て物品は、保持手段、器具又はスピンドルであってもよい。再使用可能品は、器具前進装置の残りの部分、特にモータ及び軸体であってもよい。
【0072】
したがって、モータ、軸体、又は例えば制御システムなどのより高価な構成要素は全て、滅菌フィルム又はカバーの後ろに配置することができる。少数の単純に設計された使い捨て品は、安価に製造し、交換し、滅菌フィルムを介在させた状態で固定手段に締結することができる。
【0073】
更なる独立した本発明の主題は、器具前進デバイスを監視するための測定システムに関する。この点に関して、測定システムは、第1のモータ上に配置された少なくとも1つの第1の位置センサと、第2のモータ上に配置された少なくとも1つの第2の位置センサとを備えてもよく、第1のモータは、第1の器具を保持及び/又は移動させるための第1の保持手段に接続されているか又は接続可能であり、第2のモータは、第1の器具又は第2の器具を保持及び/又は移動させるための第2の保持手段に接続されているか又は接続可能である。
【0074】
器具前進デバイスは、前述の器具前進デバイスのうちの1つであってもよく、したがって、全ての態様がここに移転可能である。
少なくとも2つの位置センサによって、モータの互いに対する相対移動、したがって器具の相対移動を測定することができる。センサは、例えば、ホールセンサ、磁石、光学マーカー、又はRFIDチップであってもよい。更に、例えば器具の変形を測定する更なるセンサが、器具前進装置上に配置されることが考えられる。特に、歪みゲージは、この目的のために器具前進装置上に配置することができる。更に、ジャイロセンサも設けてもよい。
【0075】
センサは、特に、カメラによって検出することができる光学マーカーであってもよい。カメラは、インサイドアウトシステム又はアウトサイドインシステムとして構成することができる。
【0076】
本発明の更なる有利な実施形態及び特徴の組み合わせは、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲の全体からもたらされる。
実施形態を説明するために使用される図面を以下に示す。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】患者を治療するための位置決めアームに取り付けられた、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図2】デュアルモータ設計における本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図3】3モータ設計における本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図4】単一モータ設計における器具前進装置の斜視図である。
【
図5】後方からの、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図6】精密位置決めデバイスに取り付けられた本発明による器具前進装置の斜視図であり、精密位置決めデバイスは、位置決めアームに取り付けられている。
【
図7】位置決めアームに直接取り付け可能な、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図8】第1の器具として鉗子を有する、本発明による別の器具前進装置の斜視図である。
【
図9】第1の器具として注射針を有する、本発明による更なる器具前進装置の斜視図である。
【
図10】第3のモータが下方位置にある、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図11】第3のモータが上方位置にある、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図12】第1及び第2のモータが離隔した位置にある、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図13】第1及び第2のモータが互いに接近した位置にある、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図14】第1、第2及び第3のモータが上方位置にある、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図15】第1、第2及び第3のモータが下方位置にある、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図16】第1の軸体上の第1のモータの詳細図である。
【
図17】本発明による器具前進装置のスピンドルデバイスの詳細図である。
【
図18】保持手段を断面で示した、本発明による器具前進装置のスピンドルデバイスの詳細図である。
【
図19】器具前進装置から分離した保持手段と、滅菌フィルムとを有する、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図20】器具前進装置から分離した保持手段を有し、滅菌箔を有しない、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【
図21】センサシステムを有する、本発明による器具前進装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
一般的に、図面において、同じ部分には同じ参照符号が付されている。
図1は、患者300を治療するときに第1の器具210を前進させるための本発明による器具前進装置100の斜視図を示す。例示的に、器具前進装置100は、位置決めアーム400に取り付けられ、位置決めアーム400のアーム要素は、ドイツ特許出願公開第202020107591号に詳細に記載されているように、ピンサーのような形で構成され、その3つの関節は、中央の関節に係合する回転ハンドルによって中央でロック又は解放され得る。
【0079】
図2は、デュアルモータの実施形態における本発明による器具前進装置100の斜視図を示す。図示の実施形態では、器具前進装置100は、一例として、精密位置決め装置500に取り付けられている。
【0080】
図2に示される器具前進装置100は、第1の器具210を並進駆動及び/又は回転駆動するように構成されている。ここで、第1の器具210は、例示的に、先端211にプローブヘッドを有するプローブである。
【0081】
器具前進装置100は、第1の軸体111及び第2の軸体112を有するガイドデバイス110を備える。両軸体111及び112は、第1の器具210の並進駆動方向に延びている。
【0082】
モータ120、130は、2つの軸体111及び112のそれぞれに配置されている。具体的には、第1の軸体111上に第1のモータ120が第1軸体111に対して移動可能に配置されており、第2の軸体112上に第2のモータ130が第2軸体112に対して移動可能に配置されている。
【0083】
第1のモータ120は、第1の器具210を保持及び/又は移動させるための第1の保持手段125に接続されている。第2のモータ130は、第1の器具210を保持及び/又は移動させるための第2の保持手段135に接続されている。
図2に更に見られるように、第1の保持手段125及び第2の保持手段135の両方が、スピンドルデバイス150に接続されている。したがって、モータ120及び130を移動させることによって、第1の器具210を並進方向に移動させるだけでなく、回転方向にも移動させることができる。各モータの移動シーケンスについては、
図8~
図14を参照して後でより詳細に説明する。
【0084】
第1の器具210の先端を安定させるための器具安定化デバイス115が、ガイドデバイス110の先端に配置されている。したがって、第1の器具210は、患者300の皮膚入口点の近くで安定させることができる。
【0085】
図3は、3モータの実施形態における本発明の器具前進装置100の斜視図を示す。図示の実施形態では、器具前進装置100は、ここでも例示的に精密位置決め装置500に取り付けられている。
【0086】
図3に示される器具前進装置100は、
図2に示される器具前進装置100とは異なり、第1の器具210及び第2の器具220を駆動する。第1の器具210は針状器具210aであり、第2の器具220は管状器具220aである。針状器具210aは、管状器具220a内を案内されて、患者300の体腔内に確実に挿入可能である。針状器具210aは、管状器具220bの先端221から出る。
【0087】
次に、ガイドデバイス110は、2つの軸体111及び112、並びに器具安定化デバイス115を含む。2つのモータ120及び130は、第1の管状器具210aを移動させるために使用される。この点に関して、2つの保持手段125及び135は、管状器具210aが並進駆動及び回転駆動され得るように、ここでもスピンドルデバイス150に接続されている。
【0088】
図2に示す実施形態に加えて、
図3に示すガイドデバイス110は、第3のモータ140を有する。第3のモータ140は、第1の軸体111上を及び第1の軸体111に対して移動可能に構成されている。しかしながら、これが第2の軸体112又は図示されていない別の軸体上に配置されることも考えられる。
【0089】
第3のモータ140は、第2の管状器具220aを保持して移動させるための第3の保持手段145を備えて構成されている。したがって、第2の器具220は、第1の器具210から独立して移動させることができる。
【0090】
図4は、単一モータバージョンにおける器具前進装置100の斜視図を示す。ここで、ガイドデバイス110は、第1の軸体111と、第1の軸体111に沿って移動可能な第1のモータ120のみとを備える。したがって、第1の器具210のみが、第1の保持手段125によって第1のモータ110に固定される。ここでも、器具安定化デバイス115は、第1の器具210を安定化させるように配置される。
【0091】
図5は、後方から見た、本発明による器具前進装置100の斜視図を示す。ここで、器具前進装置100の更なる例示的な詳細を見ることができる。例えば、器具前進装置100は、少なくともモータ120、130及び140に電力を供給するためのアキュムレータ181を含んでもよい。更に、器具前進装置100は、モータ120、130、及び140が、それによって無線で動作可能であるように構成されている受信機182を含んでもよい。
図5では、アキュムレータ181及び受信機182は、例示的に、そのハウジング上に配置されたカバーを省略することによって、精密位置決めデバイス500上に配置されている。したがって、ケーブル129、139、及び149は、それぞれ、第1、第2、及び第3のモータ120、130、及び140に向かって構成されている。例えば、アキュムレータ181及び/又は受信機182は、ガイドデバイス110に配置されてもよい。したがって、より少ないケーブルを有するか又はケーブルのない実施形態が考えられる。
【0092】
図6及び
図7は、様々な設置状況における本発明による器具前進装置100の斜視図を示す。
図6では、器具前進装置100が精密位置決めデバイス500に取り付けられている。次に、精密位置決めデバイス500は、例示的に位置決めアーム400に取り付けられ、その3つの関節は、真ん中の関節に係合するラチェットによって中央でロック又は解放することができる。その一方で、
図7では、器具前進装置100は位置決めアーム400に直接取り付け可能である。この目的のために、器具前進装置100は、例として、2つの締結要素119を有する。この2つの締結要素119は、ピンの形態で構成されており、位置決めアーム400上のアダプタの対応する凹部に挿入することができる。
【0093】
図8及び
図9は、本発明による異なる器具前進装置100の斜視図を示し、特にそれらの器具によって異なっている。
図8では、第1の器具210は鉗子であり、
図9では、第1の器具210は注射針である。また、
図8及び
図9において、用途に応じて、第3のモータ140は、他の2つのモータ120及び130の上(
図8)又は下(
図9)に配置されてもよいことが明らかである。
【0094】
図10~
図15は、モータ120、130及び140が異なる位置にある、本発明による器具前進装置100の斜視図を示す。これらの図によって、モータ120、130及び140の移動を特によく示すことができる。
【0095】
図10では、管状器具220aを移動させる第3のモータ140は、下方位置にある。第3のモータ140を第1の軸体111に沿って上方に移動させると、管状器具220aは第3のモータ140と共に上方に移動する。例えば、針状器具210aの先端211を露出させることができる。第3のモータ140の上向き位置が、
図11に示されている。モータ120及び130は、
図10から
図11に移動しない。
【0096】
図12及び
図13に示す本発明による器具前進装置100の斜視図では、第1の器具210の回転運動が示されている。この目的のために、第1のモータ120及び第2のモータ130は、
図12におけるそれらの離隔した位置から、
図13におけるそれらの互いに接近した位置に、互いに向かって移動する。第1の保持手段125及び第2の保持手段135は、スピンドル150に動作可能に接続されている。2つの保持手段125及び135が、
図12及び
図13に続いて示されているように、異なる方向に移動される場合、これがスピンドル150の回転を引き起こし、次に、第1の器具210の回転を引き起こす。モータ120及び130のうちの1つのみを移動させても、第1の器具210のそのような回転を引き起こすことになる。第3のモータ140は、
図12から
図13に移動しない。
【0097】
図14及び
図15は、3つのモータ120、130及び140全ての同時移動を示す。ここで、モータ120、130、及び140は、
図14では上方位置にある。モータ120、130及び140が下向きに移動されると、それらは
図15に示される下方位置になる。この場合、第1の器具210及び第2の器具220は、一緒に下方に移動される。
【0098】
図16は、第1の軸体111上にハウジングのない第1のモータ120の詳細図を示す。特に、第1のモータ120は、軸体111に沿って移動するように構成されている。この目的のために、軸体111がモータ120を貫通して挿入されるか、又は、軸体111が第1のモータ120の上側から及び第1のモータ120の下側から突出するように、第1のモータ120が軸体111の周囲に配置される。図示のように、軸本体111は、好ましくは、四角形軸として構成される。センサは、軸体111に沿って構成されて、軸体111に対するモータ120の位置を判定してもよく、モータ120に対する軸体111の位置を判定してもよい。第1のモータ120は、好ましくはピエゾモータであり、その動作は、ウェブサイトhttps://piezomotor.com/technology/、又はそこで見ることができるYouTube(登録商標)動画https://www.youtube.com/watch?v=7iHL4ZCkCKc&t=18sに詳細に示されている。
【0099】
図17及び
図18は、保持手段125、135を有する(
図17)及び有しない(
図18)スピンドルデバイス150の詳細図を示す。スピンドルデバイス150は、第1の器具210が配置され固定され得る、空洞153を有する中空体、特に中空円筒として構成される。第1の器具210を固定するために、
図18に示すように、固定デバイス155を使用することができる。固定デバイス155は、例えば、固定ねじとして構成され、ねじ穴154に固定される。
【0100】
スピンドルデバイス150は、2つのねじ151及び152を有する。この場合、一方のねじ151はスピンドルデバイス150の上部領域、特に上半分に構成されており、他方のねじ152はスピンドルデバイス150の下部領域、特に下半分に構成されている。2つのねじ151及び152は、逆回りであるように構成されている。
【0101】
図18に見られるように、第1の保持手段125はガイド部材126を有し、第2の保持手段135は別のガイド部材136を有する。ここで、ガイド部材126はねじ151で案内され、他方の案内部材136は他方のねじ152内で案内される。
図18に見られるように、ガイド部材126、136は、ピンの形状に構成され得る。特に好ましくは、
図18に示されるように、保持手段125、135の各々は、2つの対向する、特にピン形状のガイド部材126、136を有し、その間にスピンドルデバイス150が配置される。
【0102】
2つの逆回りのねじ151、152によって、スピンドルデバイス150を通して回転運動及び並進運動の両方を容易に伝達することが可能である。2つの保持手段125及び135が異なる方向に移動される場合、スピンドルデバイス150は回転する。2つの保持手段125、135が同じ方向に同じ速度で移動される場合、スピンドルデバイス150は回転せずに並進移動する。
【0103】
図19は、保持手段125、135、145が器具前進装置100から分離され、器具安定化手段115が器具前進装置100から分離され、スピンドル150が器具前進装置100から分離され、器具210及び220が器具前進装置100から分離された、本発明による器具前進装置100の斜視図を示す。器具前進装置100から分離された要素、特にスピンドルデバイス150並びに保持手段125、135及び145は、好ましくは使い捨て品として構成されている。
【0104】
分離された要素の間、特に一方の側のスピンドルデバイス150並びに保持手段125、135及び145と、他方の側の器具前進装置100の残りの部分、特にモータ120、130及び140との間に、滅菌箔160が配置可能である。したがって、器具前進装置100の残りの部分は、箔160によって滅菌的なやり方で容易に分離することができる。箔160の外側に配置された部品が使い捨てとして構成されている場合、単純な滅菌概念が達成され得る。モータ120、130及び140、軸体111、112、又は例えばコントローラなどのより高価な構成要素は全て、滅菌フィルム160の後ろに配置される。
【0105】
滅菌フィルム160の非破壊的なクランプを確実にするために、保持手段125、135及び145と、モータ120、125及び135の両方が、適宜構成される。これは、
図19及び
図20を参照して、特に第1のモータ120を例として使用して、より詳細に示される。
【0106】
各モータ120、130、140は、締結手段121、131、141の第1の部分、すなわち、それぞれの保持手段125、135、145を解放可能に締結するための締結ユニット122、132、142を有する。
図19に見られるように、締結ユニット122は、モータ120のハウジング123の一部として構成されていてもよい。これは、モータ120、130及び140の各々に当てはまる。
【0107】
締結ユニット122、132及び142は、締結手段121、131、141の第2の部分として構成された相補的な形状の対応ユニット127、137及び147と相互作用するように構成されている。これらの対応ユニット127、137及び147は、保持手段125、135及び145上に配置され、
図20によく示されている。
【0108】
この例では、締結ユニット122、132及び142はレセプタクルである。対応ユニット127、137及び147は、それぞれの締結ユニット122、132及び142に対して相補的な成形体である。全ての締結ユニット122、132及び142を代表して、締結ユニット122は、対応ユニット127を受け入れるように適合されている。この目的のために、対応ユニット127は、一方の側から、この場合には上方から、締結ユニット122内に摺動するように構成されている。押しボタン124は、締結ユニット122における対応ユニット127の確実な保持を保証するためのラッチ手段として機能することができる。押しボタン124を作動させることによって、対応ユニット127を締結ユニット122から再び容易に解放することができる。好ましくは、締結ユニット122、132及び142は、全て同じように構成されている。したがって、全ての対応ユニット127、137及び147もまた、好ましくは同じように構成されている。このようにして、同一の部品を使用することによってコストを節約することができる。
図19及び
図20に見られるように、器具安定化デバイス115は、対応する固定手段116によってガイドデバイス110に固定することもできる。ここで、固定手段116は、上述した固定手段121、131、141と同じ方法で構成されていることが好ましい。
【0109】
固定手段121、131、141及び116をより詳細に見ると分かるように、それぞれの固定ユニット122、132、142及び対応ユニット127、137及び147は、丸みを帯びた角部及び縁部161を有する。これは、対応ユニット127の場合の
図20に例示されている。これにより、滅菌フィルム160は、締結ユニット122、132、142と、対応ユニット127、137及び147との間で非破壊的にクランプされる。
【0110】
図21は、センサシステムを備えた本発明による器具前進装置100の斜視図を示す。好ましくは、センサ171、172及び173が、各モータ120、130及び140に割り当てられる。具体的には、第1のセンサ171は第1のモータ120に配置されており、第2のセンサ172は第2のモータ130に配置されており、第の3センサ173は第3のモータ140に配置されている。図示のセンサ171、172、173は、カメラ175によって検出することができる例示的な光学マーカーである。特に、センサシステムは、カメラ175がシステム内から観察するインサイドアウトシステムである。代替的に、カメラ175がシステムの外側に配置され、システムを外側から観察する、アウトサイドインのアプローチも考えられる。
【0111】
特に、カメラ175を使用して、モータ120、130、及び140の互いに対する相対位置、したがって移動を検出することができる。カメラ175及び光学マーカーを使用する実施形態は、純粋に例示的なものである。あるいは、センサ171、172、173は、例えば、ホールセンサ及び磁石又はRFIDチップであり得る。
【0112】
特に好ましくは、センサシステムは冗長的に構成され、すなわち、図示された第1のセンサ構成に加えて第2のセンサ構成を含む。第2のセンサ構成は、更に好ましくは、第1のセンサ構成とは異なる原理に基づく。例えば、第2のセンサ構成は、ホールセンサ及び磁石又はRFIDチップであってもよい。
【0113】
個々の構成要素の種類及び設計、並びにそれらの正確な寸法記入及び空間的配置など、個々の実施形態又は変形例を参照して説明した本発明の特徴は、別段の指示がある場合又は技術的理由から自明である場合を除き、他の実施形態においても存在し得ることに留意されたい。更に、組み合わせて説明される個々の実施形態のそのような特徴のうち、必ずしも全ての特徴が、それぞれの実施形態において常に実現されなければならないわけではない。
【国際調査報告】