(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】感知機能付き頭部安定化システム
(51)【国際特許分類】
A61B 90/14 20160101AFI20240528BHJP
【FI】
A61B90/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574294
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 IB2022000315
(87)【国際公開番号】W WO2022259039
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520051861
【氏名又は名称】プロ メッド インストゥルメンツ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ムースマン、セベリン
(72)【発明者】
【氏名】メルテンス、ヤン、エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー、ローマン
(72)【発明者】
【氏名】シューエル、マティアス、エドガー
(57)【要約】
【要約】医療処置中に患者の頭部を安定させるために使用可能な頭部安定化システムは、センサアセンブリと、頭部固定装置と接続された接続アセンブリとを含む。前記センサアセンブリは、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の特性を検出するために、前記頭部固定装置に配置された1若しくはそれ以上のセンサを含む。前記接続アセンブリは、前記検出された特性を受信して処理し、前記検出された特性のフィードバックを提供する。 前記頭部固定装置は、前記提供されたフィードバックに基づいて調整または修正することができる。
【選択図】 図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を安定させるための装置であって、
(a)第1のピンホルダアセンブリと結合された第1のアームおよび第2のピンホルダアセンブリと結合された第2のアームを有する頭部固定装置と、
(b)前記頭部固定装置上に配置された1若しくはそれ以上のセンサであって、前記1若しくはそれ以上のセンサが、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の特性を検出するように構成されている、センサと
を有する、装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、さらに、
データ処理ユニットが、前記1若しくはそれ以上のセンサからデータを受信するように構成されるように、前記1若しくはそれ以上のセンサと接続される前記データ処理ユニットを有し、前記データ処理ユニットが、前記1若しくはそれ以上のセンサによって検出された前記特性を分析して、前記検出された特性に基づいてフィードバックを提供するように構成されているものである、装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、前記頭部固定装置の前記1若しくはそれ以上の特性は、前記頭部固定装置の位置、変位、向き、荷重、および力のうちの1若しくはそれ以上を含むものである、装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置において、前記第1のピンホルダアセンブリは、アクチュエータと、頭部に接触するように構成されたピンとを含むトルクねじアセンブリを有し、前記アクチュエータが、前記頭部に対して前記ピンを調整するように構成されている、装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置において、少なくとも1つのセンサは、前記アクチュエーターに配置され、前記アクチュエーターの位置、変位、および角度のうちの1若しくはそれ以上を検出するように構成されている、装置。
【請求項6】
請求項4記載の装置において、少なくとも前記1つのセンサは、接触構成で前記ピンに隣接して配置されている、装置。
【請求項7】
請求項6記載の装置において、前記少なくとも1つのセンサは、前記ピンの位置、変異、角度方向、および力のうち少なくとも1つを検出するように構成されている、装置。
【請求項8】
請求項1記載の装置において、前記第2のピンアセンブリは、ロッカーアームと前記ロッカーアームに結合されたピンとで構成されている、装置。
【請求項9】
請求項8記載の装置において、少なくとも1つのセンサは、前記ピン上に配置され、前記ピンの位置、変位、角度方向、および力のうちの1若しくはそれ以上を検出するように構成されている、装置。
【請求項10】
請求項2記載の装置において、さらに、
前記1若しくはそれ以上のセンサおよび前記データ処理ユニットと接続された電源を有し、前記電源は、前記1若しくはそれ以上のセンサおよび前記データ処理ユニットに電力を供給するように構成されているものである、装置。
【請求項11】
請求項2記載の装置において、前記データ処理ユニットは、前記頭部固定装置による前記固定が安定しているかどうかを決定するように構成されている、装置。
【請求項12】
請求項2記載の装置において、前記データ処理ユニットは、前記1若しくはそれ以上のセンサによって検出された前記特性を所定の値と比較して、前記頭部固定装置によって提供される前記固定が安定しているかどうかを決定するように構成されている、装置。
【請求項13】
請求項12記載の装置において、前記データ処理ユニットは、前記頭部固定装置による前記固定が安定していない場合にアラームを提供するように構成されている、装置。
【請求項14】
請求項2記載の装置において、さらに、
前記データ処理ユニットによって分析された前記特性がデータインターフェースに送信可能であるように前記データ処理ユニットと接続された前記データインターフェースを有するものである、装置。
【請求項15】
請求項14記載の装置において、前記データインターフェースは、前記データ処理ユニットによって分析された前記特性を表示するためのディスプレイを有する、装置。
【請求項16】
請求項14記載の装置において、前記データインターフェースは、前記データ処理ユニットをリモート機器と接続するように構成されている、装置。
【請求項17】
請求項14記載の装置において、前記データインターフェースは、前記データ処理ユニットを前記分析された特性の略図を前記患者の頭部に表示するように構成されたナビゲーションシステムと接続するように構成されている、装置。
【請求項18】
請求項14記載の装置において、前記データインターフェースは、前記分析された特性の画像を前記患者の頭部に表示するように構成された拡張現実システムに前記データ処理ユニットを接続するように構成されている、装置。
【請求項19】
請求項1記載の装置において、さらに、
前記センサアセンブリと接続された接続アセンブリを有し、前記接続アセンブリは、前記1若しくはそれ以上のセンサからデータを受信するように構成されたデータ処理ユニットを有し、前記接続アセンブリは、前記1若しくはそれ以上のセンサによって検出された前記特性を分析して前記検出された特性のフィードバックを提供するように構成されているものである、装置。
【請求項20】
第1のピンホルダアセンブリと結合された第1のアームおよび第2のピンホルダアセンブリと結合された第2のアームと、前記頭部固定装置上に配置された1若しくはそれ以上のセンサと、データ処理ユニットが前記1若しくはそれ以上のセンサからデータを受信するように前記1若しくはそれ以上のセンサと接続された前記データ処理ユニットとを有する頭部安定化システムを操作する方法であって、
(a)前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の特性を検出する工程と、
(b)前記1若しくはそれ以上の検出された特性を分析する工程と
を有する、方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法において、さらに、
前記1若しくはそれ以上の検出された特性を表示する工程を有するものである、方法。
【請求項22】
請求項20から請求項21のいずれか1若しくはそれ以上に記載の方法において、さらに、
前記1若しくはそれ以上の検出された特性に基づいてアラームを提供する工程を有するものである、方法。
【請求項23】
請求項20記載の方法において、前記1若しくはそれ以上の特性は、前記頭部固定装置の位置、変位、向き、荷重、および力のうちの1若しくはそれ以上を含む、方法。
【請求項24】
請求項20記載の方法において、さらに、
前記1若しくはそれ以上の検出された特性に基づいて前記頭部固定装置を調整する工程を有するものである、方法。
【請求項25】
患者を安定させるための装置であって、
(a)第1のピンホルダアセンブリと結合された第1のアームおよび第2のピンホルダアセンブリと結合された第2のアームを有する頭部固定装置と、
(b)前記頭部固定装置上に配置された1若しくはそれ以上のセンサであって、前記1若しくはそれ以上のセンサは、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の特性を検出するように構成されている、センサと
を有する、装置。
【請求項26】
請求項25記載の装置において、さらに、
前記1若しくはそれ以上のセンサと接続され、前記1若しくはそれ以上のセンサからデータを受信するように構成されたデータ処理ユニットを有し、前記データ処理ユニットは、前記1若しくはそれ以上のセンサによって検出された前記特性を分析し、前記検出された特性に基づいてフィードバックを提供するように構成されているものである、装置。
【請求項27】
請求項25記載の装置において、前記1若しくはそれ以上のセンサのうちの第1のセンサが、前記頭部固定装置の前記第1のアームおよび前記第2のアームのうちの選択された1つに配置され、前記第1のセンサが、前記第1のアームおよび前記第2のアームのうちの選択された1つの位置を検出するように構成されている、装置。
【請求項28】
請求項27記載の装置において、前記1若しくはそれ以上のセンサのうちの第2のセンサは、前記第2のセンサが、前記第1のアームおよび前記第2のアームのうちの選択された一方の他方の位置を検出するように、前記頭部固定装置の前記第1のアームおよび前記第2のアームのうちの選択された一方の他方に配置され、前記第1のアームは、前記第2のアームに対して相対的に並進可能であり、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは、前記第2のアームに対する前記第1のアームの相対的な位置を検出するように構成されている、装置。
【請求項29】
請求項25記載の装置において、前記頭部固定装置の前記1若しくはそれ以上の特性は、前記頭部固定装置の位置、変位、向き、振動、露出、および温度のうちの1若しくはそれ以上を含む、装置。
【請求項30】
請求項25記載の装置において、前記第2のピンアセンブリは、ロッカーアームと前記ロッカーアームに結合されたピンを有する、装置。
【請求項31】
請求項30記載の装置において、少なくとも1つのセンサは、前記ロッカーアーム上に配置され、前記ロッカーアームの位置、変位、および角度方向のうちの1若しくはそれ以上を検出するように構成されている、装置。
【請求項32】
請求項26記載の装置において、さらに、
前記1若しくはそれ以上のセンサおよび前記データ処理ユニットと接続された電源を有し、前記電源は、前記1若しくはそれ以上のセンサおよび前記データ処理ユニットに電力を供給するように構成されているものである、装置。
【請求項33】
請求項26記載の装置において、さらに、
前記データ処理ユニットによって分析された特性がデータインターフェースに送信可能であるように、前記データ処理ユニットと接続された前記データインターフェースを有するものである、装置。
【請求項34】
請求項33記載の装置において、前記データインターフェースは、前記データ処理ユニットによって分析された前記特性を表示するためのディスプレイを有する、装置。
【請求項35】
請求項33記載の装置において、前記データインターフェースは、前記データ処理ユニットを、ナビゲーションシステム、拡張現実システム、および/または外部装置のうちの選択された1若しくはそれ以上と接続するように構成されている、装置。
【請求項36】
請求項25もしくは請求項26のいずれかに記載の装置において、前記1若しくはそれ以上のセンサは、前記頭部固定装置が再処理温度にさらされたことを検出するように構成された温度センサを含むものである、装置。
【請求項37】
請求項36記載の装置において、前記データ処理ユニットは、前記頭部固定装置が再処理された回数を決定するように構成されている、装置。
【請求項38】
請求項37記載の装置において、前記データ処理ユニットは、前記頭部固定装置が再処理された回数が所定値を超えた場合にアラームを提供するように構成されている、装置。
【請求項39】
請求項25もしくは請求項26のいずれかに記載の装置において、前記1若しくはそれ以上のセンサは、前記頭部固定装置が滅菌温度にさらされたことを検出するように構成されている、装置。
【請求項40】
請求項39記載の装置において、前記データ処理ユニットは、前記頭部固定装置が滅菌温度にさらされた回数を決定するように構成されている、装置。
【請求項41】
請求項40記載の装置において、前記データ処理ユニットは、前記頭部固定装置が滅菌温度にさらされた回数が所定値を超えた場合に、アラームを提供するように構成されている、装置。
【請求項42】
請求項26記載の装置において、前記頭部固定装置は、固有の識別子を含み、前記データ処理装置が、前記固有の識別子を検出するように構成されている、装置。
【請求項43】
請求項42記載の装置において、前記データ処理ユニットが、前記固有の識別子に基づいて前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の構成要素を交換する必要がある時期を決定するように構成されている、装置。
【請求項44】
請求項42もしくは請求項43のいずれかに記載の装置において、前記データ処理ユニットは、前記固有の識別子に基づいて前記頭部固定装置の前記1若しくはそれ以上の構成要素が交換されたかどうかを決定するように構成されている、装置。
【請求項45】
請求項43記載の装置において、前記データ処理ユニットは、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の構成要素を交換する必要がある場合に、アラームを提供するように構成されている、装置。
【請求項46】
請求項25もしくは請求項26のいずれかに記載の装置において、前記1若しくはそれ以上のセンサは、前記頭部固定装置が物理的衝撃を受けたことを検出するように構成された衝撃センサを含むものである、装置。
【請求項47】
請求項46記載の装置において、前記データ処理ユニットは、前記衝撃センサによって受信された前記データに基づいて前記頭部固定装置が物理的衝撃を受けたかどうかを決定するように構成されている、装置。
【請求項48】
請求項46記載の装置において、前記データ処理ユニットは、前記頭部固定装置が物理的衝撃を受けた場合にアラームを提供するように構成されている、装置。
【請求項49】
患者を安定させるための装置であって、
(a)第1のピンホルダアセンブリと結合された第1のアームおよび第2のピンホルダアセンブリと結合された第2のアームを有する頭部固定装置と、
(b)前記頭部固定装置上に配置された1若しくはそれ以上のセンサを有するセンサアセンブリであって、前記1若しくはそれ以上のセンサは、位置情報を外部装置に通信するように構成され、前記位置情報は、前記外部装置に対する前記頭部固定装置の空間的位置に関連する位置情報を有する、センサアセンブリと
を有する、装置。
【請求項50】
第1のピンホルダアセンブリと結合された第1のアームおよび第2のピンホルダアセンブリと結合された第2のアームを有する頭部固定装置と、前記頭部固定装置上に配置された1若しくはそれ以上のセンサと、データ処理ユニットが、前記1若しくはそれ以上のセンサからデータを受信するように構成されるように前記1若しくはそれ以上のセンサと接続された前記データ処理ユニットとを有する頭部安定化システムを使用する方法であって、
(a)前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の特性を検出する工程と、
(b)前記1若しくはそれ以上の検出された特性を分析する工程と
を有する、方法。
【請求項51】
請求項50記載の方法において、さらに、
前記1若しくはそれ以上の検出された特性を表示する工程を有するものである、方法。
【請求項52】
請求項50記載の方法において、さらに、
前記1若しくはそれ以上の検出された特性に基づいてアラームを提供する工程を有するものである、方法。
【請求項53】
請求項50記載の方法において、前記1若しくはそれ以上の特性は、前記頭部固定装置の位置、変位、向き、振動、露出、および温度のうちの1若しくはそれ以上を含むものである、方法。
【請求項54】
請求項50記載の方法において、さらに、
前記1若しくはそれ以上の検出された特性に基づいて前記頭部固定装置を修正する工程を有するものである、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は、「Head Stabilization System with Sensing Features」と題する2021年6月8日出願の米国仮特許出願第63/208,240号、および「Head Stabilization System with Sensing Features」と題する2021年6月8日出願の米国仮特許出願第63/208,255号の優先権を主張するものであり、これらの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
ある種の医療処置の際には、患者または患者の一部分を固定するために、前記患者の全部または一部を安定させることが必要または望ましい場合がある。特定の神経学的処置において、安定化される部分には前記患者の頭部および/または頸部が含まれる。前記患者の特定の部位を安定させるために、特定の装置および方法が使用されることがある。例えば、頭蓋クランプは、患者の頭部および/または頸部を安定させるために使用される頭部安定化装置の一種である。さらに、処置前、処置中、および/または処置後に患者の画像を得るために、様々な撮像モダリティを使用することが必要または望ましい場合もある。
【0003】
頭蓋骨クランプは、患者を安定させるために頭蓋骨に十分な力を加えるよう、患者の頭蓋骨に対して手動で調整される。前記頭蓋骨クランプが頭蓋骨に対して十分に位置決めされていない場合、医療処置中に滑りが生じ、問題を引き起こす可能性がある。さらに、前記頭蓋クランプを頭蓋に対して締め付け過ぎると、意図しない骨折やその他の損傷が患者に生じる可能性がある。従って、特定の医療処置中に患者の頭部および/または頸部を支持し安定化させるための頭蓋骨クランプシステムであって、前記医療処置中に起こり得る問題を回避するために、安定化の完全性について検出および/またはフィードバックを提供することができる頭蓋骨クランプシステムを有することが望ましい。
【0004】
様々な頭部安定化装置およびその使用方法が製造され、使用されているが、本発明者以前に、本明細書に記載されるような発明を製造または使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に主張する特許請求の範囲で締めくくられているが、本発明は、同様の参照数字が同じ要素を識別する添付図面と併せてとられた特定の実施例の以下の説明からより良く理解されると考えられる。
【
図1】
図1は、例示的な頭部安定化システムの概略図である。
【
図2】
図2は、
図1の頭部安定化システムの頭蓋骨クランプの第1のピンホルダアセンブリの部分正面図である。
【
図3】
図3は、
図2の前記第1のピンホルダアセンブリの部分断面図である。
【
図4】
図4は、
図1の前記頭部安定化システムの前記頭蓋骨クランプの第2のピンホルダアセンブリの部分正面図である。
【
図5】
図5は、
図4の前記第2のピンホルダアセンブリの部分断面図である。
【
図6】
図6は、
図1に示されるような例示的な頭部安定化システムを動作させる例示的な方法のフローチャートである。
【
図7】
図7は、別の例示的な頭部安定化システムの概略図である。
【
図8】
図8は、
図7に示すような例示的な頭部安定化システムを動作させる例示的な方法のフローチャートである。
【0006】
図面は、いかなる意味においても限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、必ずしも図面に描かれていないものも含めて、他の様々な方法で実施され得ることが企図されている。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明のいくつかの態様を示し、本明細書と共に本発明の原理を説明するのに役立つが、本発明は、示された正確な配置に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施例に関する以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、および利点は、本発明を実施するために企図された最良の態様の1つである例示のための以下の説明から当業者には明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、本発明から逸脱することなく、他の異なる明白な態様が可能である。したがって、図面および説明は、本質的に例示であって制限的なものではないとみなされるべきである。
【0008】
1.例示的な頭部安定化システム
例示的な頭部安定化システムは、センサアセンブリと、頭部固定装置と接続された接続アセンブリとを有する。前記センサアセンブリは、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の構成要素に配置された1若しくはそれ以上のセンサを有し、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の特性を検出するように構成されている。前記接続アセンブリは、前記センサアセンブリによって検出されたデータを受信して処理するように構成されたデータ処理ユニットを有する。例えば、前記データ処理ユニットは、前記センサアセンブリから受信したデータが所定の値または閾値に達したかどうか、および/またはそれを超えたかどうかを判定することができ、これは、前記頭部固定装置を用いた安定化に差し迫った危険があることを示すことができる。次いで、前記接続システムは、前記検出された特性に基づいて、ユーザおよび/または製造者にフィードバックを伝達するように構成することができる。前記頭部固定装置は、医療処置中に起こり得る問題を回避するために、フィードバックに基づいて調整することができる。
【0009】
A.例示的な頭部固定装置
図1は、例示的な頭部安定化装置または固定装置(20)を備えたセンサ機能を有する例示的な頭部安定化システム(10)を示している。本明細書を通じて、用語「HFD」は、用語「頭部安定化装置」、「頭部固定装置」、または「頭蓋骨クランプ」と互換的に使用される。図示されたバージョンでは、HFD(20)は頭蓋骨クランプの形状または形態を有する。本実施例では、前記HFDをU字形の頭蓋骨クランプとして図示しているが、本明細書の教示は、本明細書の教示に照らして当業者に理解されるように、他の形態のHFDにも適用することができる。頭蓋骨クランプ(20)は、複合材料、ポリマー材料(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など)、および/または金属材料(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタンなど)から製造することができる。頭蓋骨クランプ(20)は、第1のアーム(22)と第2のアーム(24)とからなる。第1のアーム(22)は第2のアーム(24)と連結可能であり、U字形状を有する頭蓋骨クランプ(20)を形成する。第1のアーム(22)は、直立部分(26)と側方部分(28)を有する。同様に、第2のアーム(24)は直立部分(20)と側方部分(22)を有する。頭蓋骨クランプ(20)は、第1のアー(22)を第2のアーム(24)に対して相対的に平行移動させるか、またはその逆に平行移動させることにより、様々な頭の大きさに対応するように調節可能である。頭蓋クランプ(20)は、さらに、位置決めアダプタ、または手術台などとさらに接続可能なベースユニットなどの他の構造体と、取り付けインターフェース(34)を介して接続可能である。
図1の本実施例に示すように、第1のアーム(22)の直立部分(26)は第1のピンホルダアセンブリ(40)と接続し、第2のアーム(24)の直立部分(30)は第2のピンホルダアセンブリ(50)と接続する。
【0010】
図2~3を参照すると、第1のピンホルダアセンブリ(40)は、頭蓋骨クランプ(20)が患者の頭部に加えるクランプ力の量を調整するように構成されたトルクねじ(42)を有する。トルクねじ(42)は、長手方向軸(A)に沿ってアーム(22)の直立部分(26)のボアを通って延びている。トルクねじ(42)は、ホイール(44)、スリーブ(46)、内部バネ(図示せず)、および細長い部材(48)の形態のアクチュエータからなる。スリーブ(46)は、アーム(22)の直立部分(26)のボア(27)と係合する。ホイール(44)が回転すると、トルクねじ(42)によって加えられる挟持力が、ホイール(44)の回転方向に応じて増減する。本明細書の教示を考慮すれば、トルクねじ(42)、または別の同様の構造を変更または使用して、加えられる挟持力の量を制御する他の方法が、当業者には明らかであろう。
【0011】
その遠位端において、細長い部材(48)は、筐体(62)とピン先端(64)とを含むピン(60)を選択的に保持する。使用時には、ピン(60)の少なくとも遠位先端(66)が患者の頭部に接触する。ホイール(44)が第1の方向に回転されると、トルクねじ(42)内のバネが圧縮され、それによってピン(60)に患者の頭部に向かう方向に増大した力が加わる。ピン(60)によって前記患者の頭部に加えられる力は、ホイール(44)の反対方向への回転によって減少させることができる。従って、ホイール(44)が回転すると、トルクねじ(42)および/またはピン(60)によって加えられる挟持力は、ホイール(44)の回転方向に応じて増加または減少する。
【0012】
図4~5を参照すると、第2のピンホルダアセンブリ(50)は、図示のようにアーム(24)の直立部分(30)と連結する。ピンホルダアセンブリ(50)は、筐体(62)とピン先端(64)とを各々含む一対のピン(60)を選択的に保持するロッカーアーム(54)を有する。ピンホルダアセンブリ(50)は、直立部分(30)のボアを通って延びる軸Bを中心に回転調節可能である。この回転は、いくつかのバージョンでは、ピンホルダアセンブリ(50)の回転可能な位置が位置でロックされたり、調節のためにロック解除されたりするように、選択的に制御することができる。他のバージョンでは、ピンホルダアセンブリ(50)は、軸Bを中心に回転調節可能であり、クランプ時に前記患者の頭部に加えられる力に基づいて回転位置に固定される。本明細書の教示を考慮すれば、回転調節のためのロック状態およびロック解除状態を提供するためにピンホルダアセンブリ(50)を構成する様々な方法が当業者には明らかであろう。ピンホルダアセンブリ(50)はまた、ロッカーアーム(54)がピン(58)によって長手方向に画定された軸Cを中心に回動調節可能であるように構成される。前記回転調整または揺動調整にかかわらず、上述のようにピンホルダアセンブリ(50)のトルクねじ(42)を介して前記患者の頭部に加えられる力は、前記患者の頭部に接触するように構成されたピンホルダアセンブリ(50)およびそのピン(60)からも前記患者の頭部に加えられる力を引き起こす。頭蓋骨クランプ(20)について上述した構成により、前記患者の頭部を安定させることができる。
【0013】
B.例示的なセンサアセンブリ
図1を参照すると、頭部安定化システム(10)は、頭蓋骨クランプ(20)の1若しくはそれ以上の構成要素上に配置された1若しくはそれ以上のセンサ(102、104)を含むセンサアセンブリ、例えば、第1のピンホルダアセンブリ(40)上に配置された1若しくはそれ以上の第1のピンホルダアセンブリセンサ(102)、および/または第2のピンホルダアセンブリ(50)上に配置された1若しくはそれ以上の第2のピンホルダアセンブリセンサ(104)を有する。センサ(102、104)は、頭蓋骨クランプ(20)の1若しくはそれ以上の構成要素の1若しくはそれ以上の特性(例えば、位置、変位、向き、荷重、力など)を検出するように構成することができる。例えば、センサ(102、104)は、頭蓋骨クランプ(20)の1若しくはそれ以上の構成要素の絶対位置または位置、および/または頭蓋骨クランプ(20)の1若しくはそれ以上の構成要素の互いおよび/または患者に対する相対位置または変位を、直線移動、回転角度、および/または三次元空間の観点から検出するための位置センサ(例えば、線形可変差動変換器(LVDT)、圧電変換器、リニアエンコーダ、ロータリーエンコーダ、光学センサなど)を含むことができる。センサ(102、104)は、頭蓋クランプ(20)の1若しくはそれ以上の構成要素にかかる力および/または荷重を検出するための力センサ(例えば、ひずみゲージ、圧電抵抗ひずみゲージ、容量センサ、光学センサなど)を含むことができる。センサ(102、104)のさらに他の好適な構成については、以下でさらに詳細に説明する。
【0014】
図2~3を参照すると、第1のピンホルダアセンブリセンサ(102)は、ホイール(44)上に配置された第1のセンサ(102a)、細長い部材(48)上に配置された第2のセンサ(102b)、および/またはピン先端部(64)上に配置された第3のセンサ(102c)を含む。これにより、センサ(102a、102b、102c)は、ホイール(44)、細長い部材(48)および/またはピン先端部(64)の直線位置および/または回転姿勢をそれぞれ検出するように構成することができる。例えば、センサ(102a、102b、102c)は、ホイール(44)、細長い部材(48)および/またはピン先端部(64)の互いに対する相対的な、軸(A)に沿ったような構成要素によって移動する調整経路に対する相対的な、および/または患者に対する相対的な変位を決定することができる。
【0015】
いくつかのバージョンでは、センサ(102a、102b、102c)は、第1のピンホルダアセンブリ(40)のそれぞれの構成要素に及ぼされる力または荷重を検出する。例えば、センサ(102c)は、低いピン力がピン(60)の滑りまたは滑りの可能性を示し、および/または高いピン力がピンホルダアセンブリ(40)の締め過ぎを示すように、長手方向軸(A)に沿ったピン(60)の直線力を検出することができる。いくつかのバージョンでは、ピン力は、患者の頭蓋骨内でのピン(60)の骨侵入深さを示すことができる。
【0016】
第1のピンホルダアセンブリセンサ(102)はまた、トルクねじ(42)と直立部分(26)のボアとの間に配置された第4のセンサ(102d)、および/またはピン(60)と細長い部材(48)との間に配置された第5のセンサ(102e)を含むことができる。センサ(102d、102e)は、トルクねじ(42)および/またはピン(60)の、長手方向軸(A)に対して横方向のせん断力を検出するように構成されており、このせん断力は、ピン(60)の滑りまたは滑りの可能性も示す。いくつかの他のバージョンでは、ピン力は、低いおよび/または高い接触角がピン(60)の滑りまたは滑りの可能性を示すことができるように、患者の頭蓋骨に対するピン(60)の接触角度の指標を提供することができる。この例では、最適な接触角度は、ピン(60)の長手方向軸が前記患者の頭蓋骨に対する接線と直交している状態であろう。最適でない低い接触角度および/または高い接触角度は、例えば閾値を超える量だけ90度または直交する方向から逸脱するものである。
【0017】
第1のピンホルダアセンブリセンサ(102)は、細長い部材(48)とピン(60)の筐体(62)との間に配置された第6のセンサ(102f)も含むことができる。センサ(102f)は、長手方向軸(A)に沿って前記患者に加えられる直線状または軸状の挟持力を検出するリング状センサとして構成される。骨の侵入と挟持力とを相関させるデータに基づいて、センサ(102f)によって提供される前記データは、前記患者の頭蓋骨内におけるピン侵入の指標を提供する。第1のピンホルダアセンブリセンサ(102)によって収集された情報に基づいて、操作者および/または製造者は、ピン(60)と患者の骨との接触面で何が起こっているかについての洞察を得る。この情報を収集し、分析し、表示し、使用する様々な方法について、以下にさらに詳細に説明する。
【0018】
図4~5を参照すると、第2のピンホルダアセンブリセンサ(104)は、各ピン先端部(64)に配置された第1のセンサ(104a)を含む。これにより、センサ(104a)は、ピン先端部(64)の直線位置および/または角度配向を検出するように構成することができる。例えば、センサ(104a)は、ピン先端部(64)の互いに対する相対的な変位、軸(B、C)に沿ってまたは軸(B、C)に関してなど部品が移動する調整経路に対する相対的な変位、および/または患者に対する相対的な変位を決定することができる。例えば、センサ(104a)は、第1のピンホルダアセンブリ(40)のピン先端部(64)に対する相対位置を決定するための情報およびデータを提供することができる。
【0019】
いくつかのバージョンでは、センサ(104a)は、第2のピンホルダアセンブリ(50)のそれぞれの構成要素に及ぼされる力または荷重を検出することができる。例えば、センサ(104a)は、長手方向軸(B)、またはピン(60)自体によって規定される長手方向軸に沿って、第2のピンホルダアセンブリ(50)のピン(60)における直線力を検出することができ、低いピン力は、不十分な骨侵入に基づくピン(60)の滑りまたは潜在的な滑りを示すことができ、および/または高いピン力は、組織または骨の外傷を引き起こす可能性のあるピン(60)の潜在的な過侵入を示すことができる。第2のピンホルダアセンブリセンサ(104)はまた、ピン(60)の筐体(62)とピン(60)を受けるロッカーアーム(54)の前記ボアまたはレセプタクルとの間に配置された第3のセンサ(104b)を含むことができ、長手方向軸(B)またはピン(60)自体によって画定される前記長手方向軸に対して横方向のピン(60)のせん断力を検出し、これはまた、ピン(60)の滑りまたは潜在的な滑りを示すことができる。他のいくつかのバージョンでは、ピン力は、患者の頭蓋骨に対するピン(60)の接触角度を示すことができ、接触角度が低いおよび/または高い場合には、一方または両方のピン(60)の滑りまたは滑りの可能性を示すことができる。
【0020】
第2のピンホルダアセンブリセンサ(104)はまた、センサ(104c)が筐体(62)に接触式に隣接するように、ピン(60)を受容するロッカーアーム(54)のボアとピン(60)の筐体(62)との間に配置された第3のセンサ(104c)を含むことができる。センサ(104c)は、第2のピンホルダアセンブリ(50)のそれぞれのピン(60)によって画定される前記長手軸に沿って患者に加えられる直線的または軸方向の挟持力を検出するリング状のセンサとして構成される。骨の侵入と挟持力との相関データに基づき、センサ(104c)によって提供される前記データは、前記患者の頭蓋骨内でのピンの侵入の指標を提供する。第2のピンホルダアセンブリセンサ(104)によって収集された情報に基づいて、操作者および/または製造者は、ピン(60)と前記患者の骨との接触面で何が起こっているかについての洞察を得る。この情報を収集し、分析し、表示し、使用する様々な方法については、以下でさらに詳細に説明する。本明細書の教示を考慮すれば、センサ(102、104)の他の好適な構成は、当業者には明らかであろう。
【0021】
C.例示的な接続アセンブリ
図1に戻ると、頭部安定化システム(10)は、センサ(102、104)によって収集されたデータが処理のためにデータ処理ユニット(112)に送信可能であるようにセンサ(102、104)と接続されたデータ処理ユニット(112)を有する接続アセンブリを有する。データ処理ユニット(112)は、さらに、データ処理ユニット(112)および/またはセンサ(102、104)に電力を供給するために、電源(110)と接続するように構成される。電源(110)は、コンセントまたは電源に配線することができ、および/または電源(110)は、電池(例えば、使い捨て、充電式など)を含むことができる。いくつかのバージョンでは、データ処理ユニット(112)は、別個の電源(110)を省略することができるように、センサ(102、104)に電力を供給するように構成される。他のいくつかのバージョンでは、センサ(102、104)は、データ処理ユニット(112)および/または電源(110)とは別に電力を供給され、その代わりに、センサ(102、104)に関連する別個の電池によって電力を供給されてもよい。本明細書の教示を考慮すれば、センサ(102、104)およびデータ処理ユニット(112)に電力を供給する他の方法は、当業者には明らかであろう。
【0022】
データ処理ユニット(112)は、プロセッサ、オペレーティングシステムおよび他のコンピュータ可読命令を含むメモリまたはストレージ、および1若しくはそれ以上の通信機能を含むコンピュータ装置として構成することができる。例えば、前記プロセッサは、データ処理ユニット(112)上にローカルに格納されてもよいか、またはデータ処理ユニット(112)からリモートでありながら1若しくはそれ以上の通信機能を介してアクセス可能であってもよい、コンピュータ可読命令を読み出して実行するように動作可能である。前記プロセッサによって実行可能な例示的なコンピュータ可読命令は、システム(10)の使用の説明に関してさらに後述され、システム(10)がどのように操作され、センサ(102、104)からの結果データがどのように捕捉され、処理されるかに関連する1若しくはそれ以上のコマンドを含み得る。
【0023】
少なくともいくつかの実施態様では、前記メモリは、特に、前記プロセッサによる実行のための関連するコンピュータ可読命令を表す1若しくはそれ以上のアプリケーションを記憶するように構成される。データ処理ユニット(112)の通信機能の1若しくはそれ以上は、データまたは他のコンピュータ可読で実行可能な情報を送受信するように構成される。通信機能は、有線ネットワーク機能または無線ネットワーク機能を含み得る。前記無線ネットワーク機能には、Wi-Fiアダプタ、近距離無線通信(NFC)機能、およびブルートゥース機能を含めることができる。データ処理ユニット(112)について上述した構成要素は、網羅的なものではなく、本明細書の教示を考慮すれば、データ処理ユニット(112)に組み込むことが可能な他の特徴は、当業者には明らかであろう。
【0024】
したがって、データ処理ユニット(112)は、センサ(102、104)によって受信されたデータを処理するように構成されている。例えば、データ処理ユニット(112)は、センサ(102、104)によって受信されたデータが所定値(例えば、位置、変位、向き、荷重、力など)以下であるか、所定値と等しいか、および/または所定値以上であるかを判定することができる。センサ(102、104)によって受信されたデータが前記所定値以下、前記所定値と等しい、および/または前記所定値未満である場合、データ処理ユニット(112)は、このことが、頭蓋クランプ(20)における患者の安定化が安定していないこと、頭蓋クランプ(20)が締め過ぎられたこと、および/または頭蓋クランプ(20)の構成要素またはセットアップの故障が発生したことを示すか否かを判定するように構成することができる。このような情報は、ユーザおよび/またはシステム(10)の製造業者に提供することができる。
【0025】
図示のバージョンでは、データ処理ユニット(112)は、データ処理ユニット(112)によって分析されたデータが、表示および/またはさらなる処理のためにデータインターフェース(114)に送信可能であるように、データ接触面(114)と接続されている。データ接触面(114)は、有線ネットワーク機能および/または無線ネットワーク機能によってデータ処理ユニット(112)と接続することができる。データ接触面(114)は、情報をユーザに視覚的に提示するように構成されたディスプレイを含むことができる。データ接触面(114)は、センサ(102、104)によって受信されたデータが所定値以下、等しい、および/または所定値以上であるとデータ処理ユニット(112)が判定したときに、視覚的および/または聴覚的アラームを提供するようにさらに構成することができる。データ接触面(114)は、センサ(102、104)に基づくフィードバックをリアルタイムで、および/またはデータ処理ユニット(112)に記憶されたデータから提供するように動作することができる。いくつかのバージョンでは、データ処理ユニット(112)は、別個のデータ接触面(114)を省略することができるように情報を提示するように構成されたディスプレイを含む。
【0026】
他のいくつかのバージョンでは、頭部固定装置(20)は、頭部固定装置(20)の1若しくはそれ以上の検出された特性の状態を操作者に示すように構成され操作可能な1若しくはそれ以上のディスプレイまたは表示機能を備えている。例示であって限定ではなく、いくつかのバージョンにおける頭部固定装置(20)は、センサ(102、104)によって検出された頭部固定装置(20)の1若しくはそれ以上の特性の状態を伝えるために、光機能、可聴機能などのいずれか1若しくはそれ以上の形態を有することができる表示機能(70)を含む。例えば、表示機能(70)は、1若しくはそれ以上の特性、例えば、挟持力が所定の目標からの許容可能な偏差内にあるときに、緑色のLEDとして点灯することがある。しかしながら、指示機能(70)は、同じ1若しくはそれ以上の特性が所定の目標からの許容可能な偏差の外側にあるとき、点滅する赤色LEDとして提示することができる。本明細書の教示を考慮すれば、頭部固定装置(20)の1若しくはそれ以上の検出された特性の状態を伝達する他の方法が当業者には明らかであろう。
【0027】
図示のバージョンでは、データ接触面(114)はさらに、データ処理ユニット(112)をナビゲーションシステム(116)や拡張現実システム(118)などの他の装置と接続するように構成されている。それにより、データ接触面(114)は、データ処理ユニット(112)から受信したデータをナビゲーションシステム(116)および/または拡張現実システム(118)に送信するように構成される。同様に、センサ(102、104)からのデータをナビゲーションシステム(116)および/または拡張現実システム(118)からのデータと組み合わせることができるように、ナビゲーションシステム(116)および/または拡張現実システム(118)からのデータをデータ接触面(114)および/またはデータ処理ユニット(112)に送信することができる。
【0028】
データ接触面(114)は、有線ネットワーク機能および/または無線ネットワーク機能によって、ナビゲーションシステム(116)および/または拡張現実システム(118)と接続することができる。ナビゲーションシステム(116)は、医療処置のための患者の頭部の視覚的マップまたは図を表示するように構成することができる。したがって、ナビゲーションシステム(116)は、医療処置のための前記患者の頭部のマップまたは図に対して頭蓋骨クランプ(20)の1若しくはそれ以上の構成要素を表示するために、データ接触面(114)からナビゲーションシステム(116)によって受信されたデータを含むことができる。拡張現実システム(118)は、前記患者の頭蓋骨の視覚画像を表示するように構成することができる。したがって、拡張現実システム(118)は、画像に対して頭蓋骨クランプ(20)の1若しくはそれ以上の構成要素を表示するために、データ接触面(114)から拡張現実システム(118)によって受信されたデータを含むことができる。ナビゲーションシステム(116)および/または拡張現実システム(118)は、それによって、患者の頭蓋骨に対する頭蓋骨クランプ(20)のピン(60)の相対的な関係を示すことができる。いくつかのバージョンでは、ナビゲーションシステム(116)および/または拡張現実システム(118)は、省略することも、組み合わせることもできる。
【0029】
D.例示的な使用方法
図6は、頭部安定化システム(10)を操作するための例示的な方法(200)を示す。 方法(200)は、頭蓋骨クランプ(20)の1若しくはそれ以上の構成要素の1若しくはそれ以上の特性を検出する工程(工程(202))、前記1若しくはそれ以上の検出された特性を分析する工程(工程(204))、前記1若しくはそれ以上の検出された特性を表示する工程(ステップ(206))、および/または前記1若しくはそれ以上の検出された特性に基づいてアラームを提供する工程(工程(208))を有する。例えば、センサ(102、104)は、頭蓋骨クランプ(20)のピンホルダアセンブリ(40、50)の1つ以上の特性(例えば、位置、変位、向き、荷重、力など)を検出することができる。次いで、データ処理ユニット(112)は、前記データ処理ユニット(112)がセンサ(102、104)によって検出された前記1若しくはそれ以上の特性を分析することができるように、センサ(102、104)によって測定または検出されたデータを受信することができる。例えば、データ処理ユニット(112)は、センサ(102、104)によって受信されたデータを処理して、検出された特性を所定値と比較して、検出された特性が所定値を上回っているか、等しいか、および/または下回っているかを判定することができる。前記検出された特性と前記所定値との比較に基づいて、データ処理ユニット(112)は、前記検出された特性が前記所定値から逸脱しているか、および/または所定の値を超えているかを示すために、視覚的および/または聴覚的なアラームを提供することができる。データ処理ユニット(112)は、さらに、データ処理ユニット、データ接触面(114)、ナビゲーションシステム(116)、および/または拡張現実システム(118)を介して、検出された特性を表示することができる。それにより、ユーザは、頭部安定化システム(10)によって提供されるフィードバックに基づいて、頭蓋骨クランプ(20)のピンホルダアセンブリ(40、50)を調整することができる。
【0030】
例示のみを目的として、センサ(102、104)は、医療処置中にピン(60)に及ぼされる力または荷重を測定することができる。次いで、データ処理ユニット(112)は、センサ(102、104)で検出された前記力が所定の値と比較してどうであるかを決定するために、センサ(102、104)によって前記測定されたデータを受信して処理することができる。例えば、前記所定値以上の力は、ピン(60)が締め過ぎられたことを示すことができる。いくつかのバージョンでは、前記所定値以下の力は、ピン(60)が滑ったか、または骨との侵入が減少したことを示すことができる。したがって、データ処理ユニット(112)は、前記検出された力と前記所定値との比較に基づいて、ピン(60)における力が所望の範囲外であることを示すアラームを提供することができる。ユーザは、頭部安定化システム(10)の前記フィードバックに基づいて、頭蓋クランプ(20)のピンホルダアセンブリ(40、50)の位置を調整して、前記検出された値と前記所定の値、閾値、および/または目標値との比較に応じて、ピン(60)における力を増加または減少させることができる。データ処理ユニット(112)は、さらに、データ処理ユニット、データ接触面(114)、ナビゲーションシステム(116)、および/または拡張現実システム(118)を介して、前記検出された力を表示することができる。したがって、ユーザは、これらの他の構成要素またはシステムにおける頭部安定化システム(10)の前記表示に基づいて、頭蓋骨クランプ(20)の前記ピンホルダアセンブリ(40、50)を調整することもできる。頭部安定化システム(10)を操作するためのさらに他の好適な方法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。
【0031】
2.頭部安定化システムの代替実施例
例示的な頭部安定化システムは、センサアセンブリと、頭部固定装置と接続された接続アセンブリとを有する。前記センサアセンブリは、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の構成要素に配置された1若しくはそれ以上のセンサを有し、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の特性を検出するように構成されている。前記接続アセンブリは、前記センサアセンブリによって検出されたデータを受信して処理するように構成されたデータ処理ユニットを有する。例えば、前記データ処理ユニットは、前記センサアセンブリから受信されたデータが所定の値または閾値に達したかどうか、および/またはそれを超えたかどうかを判定することができ、これは、是正措置または介入を必要とする可能性のある状況または状態を示すことができる。次いで、前記接続システムは、前記検出された特性に基づいて、ユーザおよび/または製造者にフィードバックを伝達するように構成され得る。前記頭部固定装置は、医療処置中に起こり得る問題を回避するために、フィードバックに基づいて調整することができる。
【0032】
A.頭部固定装置の代替実施例
図7は、例示的な頭部安定化装置または固定装置(20')のための例示的な頭部安定化システム(10')を示す。本明細書を通じて、用語「HFD」は、用語「頭部安定化装置」、「頭部固定装置」、または「頭蓋骨クランプ」と互換的に使用される。図示されたバージョンでは、HFD(20')は頭蓋骨クランプの形状または形態を有する。本実施例では、HFDをU字形の頭蓋骨クランプとして図示しているが、本明細書の教示は、本明細書の教示に照らして当業者に理解されるように、他の形態のHFDにも適用することができる。頭蓋骨クランプ(20')は、複合材料、ポリマー材料(例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など)、および/または金属材料(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、チタンなど)から作製することができる。頭蓋骨クランプ(20')は、第1のアーム(22')と第2のアーム(24')とを有する。第1のアーム(22')は、第2のアーム(24')と連結可能であり、U字形を有する頭蓋骨クランプ(20')を形成する。第1のアーム(22')は、直立部分(26')と側方部分(28')を有する。同様に、第2のアーム(24')は直立部分(20')と側方部分(22')を有する。頭蓋骨クランプ(20')は、第1のアーム(22')を第2のアーム(24')に対して相対的に並進させるか、またはその逆に並進させることにより、様々な頭のサイズに対応するように調節可能である。頭蓋クランプ(20')は、位置決めアダプタや手術台などとさらに接続可能なベースユニットなどの他の構造体と、取り付け接触面(34')によってさらに接続可能である。
図7の本実施例に示すように、第1のアーム(22')の直立部分(26')は第1のピンホルダアセンブリ(40')と接続し、第2のアーム(24')の直立部分(30')は第2のピンホルダアセンブリ(50')と接続する。
【0033】
第1のピンホルダアセンブリ(40')は、頭蓋骨クランプ(20')が患者の頭部に加えるクランプ力の量を調節するように構成されたトルクねじ(42')を有する。トルクねじ(42')は、アーム(22')の直立部分(26')のボアを通って延びている。トルクスクリュー(42')は、ホイール(44')の形をしたアクチュエータを有する。ホイール(44')が回転すると、トルクねじ(42')によって加えられる挟持力が、ホイール(44')の回転方向に応じて増加または減少する。本明細書の教示を考慮すれば、トルクねじ(44')、または別の同様の構造を変更または使用して、加えられる挟持力の量を制御する他の方法が、当業者には明らかであろう。
【0034】
その遠位端において、トルクねじ(42')は、筐体(62')およびピン先端(64')を含むピン(60')を選択的に保持する。使用時、ピン(60')の少なくとも遠位先端は患者の頭部に接触する。ホイール(44')が第一の方向に回転されると、トルクねじ(42')内のバネが圧縮され、それによって患者の頭部に向かう方向にピン(60')に増大した力を及ぼす。ピン(60')によって患者の頭部に加えられる力は、反対方向へのホイール(44')の回転によって減少させることができる。したがって、ホイール(44')が回転すると、トルクねじ(42')および/またはピン(60')によって加えられる挟持力はホイール(44')の回転方向に応じて増加または減少する。
【0035】
第2のピンホルダアセンブリ(50')は、図示のようにアーム(24')の直立部分(30')と接続する。第2のピンホルダアセンブリ(50')は、各々が筐体(62')とピン先端(64')とを含む一対のピン(60')を選択的に保持するロッカーアーム(54')を有する。ピンホルダアセンブリ(50')は、直立部分(30')のボアを通って延びるその長手方向軸を回転可能に調節可能である。この回転は、いくつかのバージョンでは、ピンホルダーアセンブリ(50')の回転可能な位置が適所にロックされたり、調節のためにロック解除されたりするように、選択的に制御することができる。他のいくつかのバージョンでは、ピンホルダアセンブリ(50')は、その長手方向軸を中心に回転調整可能であり、クランプ時に患者の頭部に加えられる力に基づいてその回転位置で固定される。本明細書の教示を考慮すれば、回転調節のためのロック状態およびロック解除状態を提供するためにピンホルダアセンブリ(50')を構成する様々な方法が当業者には明らかであろう。
【0036】
第2のピンホルダアセンブリ(50')はまた、ロッカーアーム(54')が回動調節可能であるように構成されている。前記回転調整または揺動調整にかかわらず、上述したように第1のピンホルダアセンブリ(40')のトルクねじ(42')を介して患者の頭部に加えられる力は、前記患者の頭部に接触するように構成された第2のピンホルダアセンブリ(50')およびそのピン(60')からも前記患者の頭部に加えられる力を引き起こす。頭蓋骨クランプ(20')について上述した構成により、患者の頭部を安定させることができる。
【0037】
B.センサアセンブリの代替実施例
図7を参照すると、頭部安定化システム(10')は、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素上に配置された1若しくはそれ以上のセンサ、例えば、アーム(22'、24')の1若しくはそれ以上上に配置された1若しくはそれ以上のフレームセンサ(100')、および/または第2のピンホルダアセンブリ(50')上に配置された1若しくはそれ以上の第2のピンホルダアセンブリセンサ(104')を含むセンサアセンブリを有する。いくつかのバージョンでは、1若しくはそれ以上のセンサを、上述のセンサの代わりに、またはそれに加えて、第1のピンホルダアセンブリ(40')に設けることができる。
【0038】
センサ(100'、104')は、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素の1若しくはそれ以上の特性(例えば、位置、変位、向き、振動、露出、温度など)を検出するように構成することができる。例えば、センサ(100'、104')は、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素の絶対位置または場所、および/または頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素の互いおよび/または患者に対する相対位置または転移を、直線移動、回転角度、および/または三次元空間の観点から検出するための位置センサ(例えば、リニア可変差動トランスデューサ(LVDT)、圧電トランスデューサ、リニアエンコーダ、ロータリーエンコーダ、光学センサなど)を含むことができる。センサ(100'、104')は、頭蓋クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素に対する衝撃を検出するための振動センサまたは衝撃センサを含むことができる。センサ(100'、104')は、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素における温度を検出するための温度センサ(例えば、熱電温度計、抵抗温度検出器(RTD)、サーミスタなど)を含むことができる。センサ(100'、104')は、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素に近接する1若しくはそれ以上の物質の存在を検出するための曝露センサを含むことができる。センサ(100'、104')のさらに他の好適な構成については、以下でさらに詳細に説明する。
【0039】
図示されたバージョンでは、フレームセンサ(100')は、第1のアーム(22')の側方部分(28')に配置された第1のセンサ(100a')、第1のアーム(22')の直立部分(26')に配置された第2のセンサ(100b')、第2のアーム(24')の側方部分(32')に配置された第3のセンサ(100c')、および/または第2のアーム(24')の直立部分(30')に配置された第4のセンサ(100d')を含む。フレームセンサ(100')は、それによって、第1のアーム(22')が第2のアーム(24')に対して相対的に並進されるとき、またはその逆のときに、第2のアーム(24')に対する第1のアーム(22')の位置または調節を検出するように構成され得る。フレームセンサ(100')は、さらに、アダプタまたは手術台に対する相対的なような第1のアーム(22')および/または第2のアーム(24')の回転方向を検出するように構成され得る。いくつかの他のバージョンでは、フレームセンサ(100')は、頭蓋骨クランプ(20')内で安定化されている患者の頭部に対する第1のアーム(22')および/または第2のアーム(24')の位置を検出するように構成される。
【0040】
第2のピンホルダアセンブリセンサ(104')は、図示のように、ロッカーアーム(54')上に配置されたセンサ(104a')を含む。センサ(104a')は、それによって、ロッカーアーム(54')の直線位置および/または回転向きを検出するように構成され得る。例えば、センサ(104a')は、前記構成要素が移動する調節経路に対する、および/または患者に対するロッカーアーム(54')の転移を決定することができる。センサ(100'、104')のさらに他の好適な構成は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。
【0041】
C.接続アセンブリの代替実施例
依然として
図7を参照すると、頭部安定化システム(10')は、センサ(100'、104')によって収集されたデータが処理のためにデータ処理ユニット(112')に送信可能であるように、センサ(100'、104')と接続されたデータ処理ユニット(112')を有する接続アセンブリを有する。データ処理ユニット(112')は、さらに、データ処理ユニット(112')および/またはセンサ(100'、104')に電力を供給するために、電源(110')と接続するように構成される。電源(110')は、コンセントまたは電源に配線することができ、および/または電源(110')は、電池(例えば、使い捨て、充電式等)を含むことができる。いくつかのバージョンでは、データ処理ユニット(112')は、別個の電源(110')を省略することができるように、センサ(100'、104')に電力を供給するように構成される。いくつかの他のバージョンでは、センサ(100'、104')は、データ処理ユニット(112')および/または電源(110')とは別に電力を供給され、代わりに、センサ(100'、104')に関連する別個の電池によって電力を供給されてもよい。本明細書の教示を考慮すれば、センサ(100'、104')およびデータ処理ユニット(112')に電力を供給する他の方法は、当業者には明らかであろう。
【0042】
データ処理ユニット(112')は、プロセッサ、オペレーティングシステムおよび他のコンピュータ可読命令を含むメモリまたはストレージ、および1若しくはそれ以上の通信機能を有するコンピュータ装置として構成することができる。例えば、前記プロセッサは、データ処理ユニット(112')にローカルに記憶されるか、データ処理ユニット(112')からリモートでありながら1若しくはそれ以上の通信機能を介してアクセス可能である、コンピュータ可読命令を読み出して実行するように動作可能である。前記プロセッサによって実行可能である例示的なコンピュータ可読命令は、システム(10')の使用の説明に関してさらに後述され、システム(10')がどのように操作され、センサ(100'、104')からの結果データがどのように捕捉され、処理されるかに関連する1若しくはそれ以上のコマンドを含むことができる。
【0043】
少なくともいくつかの実施態様では、前記メモリは、特に、前記プロセッサによる実行のための関連するコンピュータ可読命令を表す1若しくはそれ以上のアプリケーションを記憶するように構成される。データ処理ユニット(112')の通信機能の1若しくはそれ以上は、データまたは他のコンピュータ可読で実行可能な情報を送受信するように構成される。通信機能は、有線ネットワーク機能または無線ネットワーク機能を含み得る。前記無線ネットワーク機能には、Wi-Fiアダプタ、近距離無線通信(NFC)機能、およびブルートゥース(Bluetooth)機能を含めることができる。データ処理ユニット(112')について上述した構成要素は、網羅的なものではなく、本明細書の教示を考慮すれば、データ処理ユニット(112')に組み込むことが可能な他の機能は、当業者には明らかであろう。
【0044】
したがって、データ処理ユニット(112')は、センサ(100'、104')によって受信されたデータを処理するように構成されている。例えば、データ処理ユニット(112')は、センサ(100'、104')によって受信されたデータが所定値(例えば、位置、変位、向き、振動、露出、温度など)以下であるか、所定値と等しいか、および/または所定値以上であるかを判定することができる。センサ(100'、104')によって受信されたデータが所定値以上、等しい、および/または所定値未満である場合、データ処理ユニット(112')は、これが、是正処置または介入を必要とする頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素の望ましくない状態またはステータスを示しているかどうかを判定するように構成できる。このような情報は、ユーザおよび/またはシステム(10')の製造業者に提供することができる。
【0045】
図示のバージョンでは、データ処理ユニット(112')は、データ処理ユニット(112')によって分析されたデータが、表示および/またはさらなる処理のためにデータインターフェース(114')に送信可能であるように、データ接触面(114')と接続されている。データ接触面(114')は、有線ネットワーク機能および/または無線ネットワーク機能によってデータ処理ユニット(112')と接続することができる。データ接触面(114')は、情報をユーザに視覚的に提示するように構成されたディスプレイを含むことができる。データインターフェース(114')は、データ処理ユニット(112')が、センサ(100'、104')によって受信されたデータが所定値以下、等しい、および/または所定値以上であると判定したときに、視覚的および/または聴覚的アラームを提供するようにさらに構成することができる。データインターフェース(114')は、センサ(100'、104')に基づくフィードバックをリアルタイムで、および/またはデータ処理ユニット(112')に記憶されたデータから提供するように動作することができる。いくつかのバージョンでは、データ処理ユニット(112')は、別個のデータインターフェース(114')を省略することができるように、情報を提示するように構成されたディスプレイを含む。
【0046】
他のいくつかのバージョンでは、頭部固定装置(20')は、頭部固定装置(20')の前記1若しくはそれ以上の検出された特性の状態を操作者に示すように構成され操作可能な1若しくはそれ以上のディスプレイまたは表示機能を備えている。限定ではなく例示に過ぎないが、いくつかのバージョンにおける頭部固定装置(20')は、センサ(100'、104')によって検出された頭部固定装置(20')の前記1若しくはそれ以上の特性の前記状態を伝達するために、光機能、可聴機能等のいずれか1若しくはそれ以上の形態を有することができる表示機能(70')を含む。例えば、表示機能(70')は、前記1若しくはそれ以上の特性、例えば振動が所定の目標からの許容可能な偏差内にあるときに、緑色のLEDとして点灯する。しかし、指示機能(70')は、同じ1若しくはそれ以上の特性が、前記所定の目標からの前記許容可能な偏差から外れているとき、点滅する赤色LEDとして提示することができる。本明細書の教示を考慮すれば、頭部固定装置(20')の前記検出された1若しくはそれ以上の前記特性の状態を伝達する他の方法が当業者には明らかであろう。
【0047】
図示のバージョンでは、データインターフェース(114')はさらに、データ処理ユニット(112')をナビゲーションシステム(116')や拡張現実システム(118')などの他の装置と接続するように構成されている。それにより、データインターフェース(114')は、データ処理ユニット(112')から受信したデータをナビゲーションシステム(116')および/または拡張現実システム(118')に送信するように構成される。データインターフェース(114')は、有線ネットワーク機能および/または無線ネットワーク機能によって、ナビゲーションシステム(116')および/または拡張現実システム(118')と接続することができる。ナビゲーション・システム(116')は、医療処置のための患者の脳の視覚的マップまたは図を表示するように構成することができる。したがって、ナビゲーションシステム(116')は、医療処置のための患者の脳の地図または図に対して頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素を表示するために、データインターフェース(114')からナビゲーションシステム(116')によって受信されたデータを含むことができる。拡張現実システム(118')は、患者の頭蓋骨の視覚画像を表示するように構成することができる。したがって、拡張現実システム(118')は、データインターフェース(114')から拡張現実システム(118')によって受信されたデータを含んで、画像に対して頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素を表示することができる。ナビゲーションシステム(116')および/または拡張現実システム(118')は、それによって、患者の頭蓋骨および/または周囲の環境に対する頭蓋骨クランプ(20')のピン(60')または他の構成要素の相対的な関係を示すことができる。バージョンによっては、ナビゲーションシステム(116')および/または拡張現実システム(118')を省略することができる。
【0048】
D.使用方法の代替実施例
図8は、頭部安定化システム(10')を操作するための例示的な方法(200')を示す。方法(200')は、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素の1若しくはそれ以上の特性を検出する工程(工程(201'))、前記1若しくはそれ以上の検出された特性を分析する工程(工程(204'))、前記1若しくはそれ以上の検出された特性を表示する工程(工程(206'))、および/または前記1若しくはそれ以上の検出された特性に基づいてアラームを提供する工程(工程(208'))を含む。例えば、センサ(100'、104')は、頭蓋骨クランプ(20')のアーム(22'、24')および/またはピンホルダアセンブリ(50')の、上述したような1若しくはそれ以上の特性を検出することができる。次いで、データ処理ユニット(112')は、データ処理ユニット(112')がセンサ(100'、104')によって検出された前記1若しくはそれ以上の特性を分析することができるように、センサ(100'、104')によって測定または検出されたデータを受信することができる。例えば、データ処理ユニット(112')は、センサ(100'、104')によって受信された前記データを処理して、前記検出された特性を所定値と比較して、前記検出された特性が所定値を上回っているか、等しいか、および/または下回っているかを判定することができる。前記検出された特性と前記所定の値との比較に基づいて、データ処理ユニット(112')は、前記検出された特性が前記所定の値から逸脱しているか、および/または所定の値を超えているかを示す視覚的および/または聴覚的アラームを提供することができる。データ処理ユニット(112')は、さらに、データ処理ユニット、データインターフェース(114')、ナビゲーションシステム(116')および/または拡張現実システム(118')を介して、前記検出された特性を表示することができる。それにより、ユーザは、頭部安定化システム(10')によって提供される前記フィードバックに基づいて、修正または介入行動をとることができる。以下のセクションでは、特定の例示的な検出機能および方法を説明する。さらに、追加の例示的な検出特徴および方法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。
【0049】
E.例示的な再処理および/または滅菌検知
いくつかのバージョンでは、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素は、前記1若しくはそれ以上の構成要素が別の医療処置において再使用できるように、前記1若しくはそれ以上の構成要素を滅菌および/または再処理するために、より高い温度にさらされる。例えば、いくつかのバージョンでは、再処理は、前記構成要素を摂氏約90度またはそれを超える温度に所定の期間さらすことができ、いくつかのバージョンでは、滅菌は、前記構成要素を摂氏約120度またはそれを超える温度に所定の期間さらすことができる。いくつかの実施態様では、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成部品が再処理および/または滅菌されたかどうか、および/または1若しくはそれ以上の構成部品が何回再加工および/または滅菌されたかを決定することが望ましくあり得る。従って、センサ(100'、104')は、センサ(100'、104')またはその近傍の温度を検出するための温度センサを含むことができる。センサ(100'、104')によって検出されたそのような温度データは、データ処理ユニット(112')に送信することができる。データ処理ユニット(112')は、頭蓋骨クランプ(20')の前記1若しくはそれ以上の構成要素が再処理温度および/または滅菌温度にさらされたかどうかを判定するために、検出されたデータを所定の温度値と比較することによって前記センサデータを処理および分析することができる。例えば、前記検出されたデータが前記所定の温度値を超える場合、データ処理ユニット(112')は、前記1若しくはそれ以上の構成要素が再処理および/または滅菌に供されたと判定することができる。データ処理ユニット(112')はまた、前記1若しくはそれ以上の構成要素が再処理および/または滅菌された回数を決定するために、前記検出されたデータが前記所定の温度値を超えた回数を決定することができる。いくつかのバージョンでは、データ処理ユニット(112')は、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素が所望の再処理および/または滅菌の量を超えたときを示すアラームを提供することができる。頭部安定化システム(10')による再処理および/または滅菌検出を提供するためのさらに他の好適な構成および/または方法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。
【0050】
F.例示的な蒸気滅菌検出器
いくつかのバージョンでは、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素は、前記1若しくはそれ以上の構成要素が別の医療処置で再使用できるように、前記1若しくはそれ以上の構成要素を滅菌するために蒸気にさらすことができる。場合によっては、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成部品が蒸気にさらされたかどうかを判定することが望ましいことがある。したがって、センサ(100'、104')は、センサ(100'、104')またはその近傍における蒸気の存在を検出するためのセンサを含むことができる。センサ(100'、104')によって検出されたそのようなデータは、データ処理ユニット(112')に送信することができる。データ処理ユニット(112')は、前記センサデータを処理して分析し、頭蓋骨クランプ(20')の前記1若しくはそれ以上の構成部品が蒸気にさらされたかどうかを判定することができる。データ処理ユニット(112')は、前記1若しくはそれ以上の構成部品が蒸気にさらされた回数を決定することもできる。いくつかのバージョンでは、データ処理ユニット(112')は、頭蓋骨クランプ(20')の前記1若しくはそれ以上の構成要素が蒸気にさらされた時期または回数を示すアラームを提供することができる。頭部安定化システム(10')による蒸気滅菌検出を提供するためのさらに他の好適な構成および/または方法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。
【0051】
G.例示的な再利用検知
いくつかのバージョンでは、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素は、別の医療処置において再使用することができる。いくつかの実施態様では、頭蓋クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成要素が以前に使用されたかどうか、前記以前の使用期間、および/または前記1若しくはそれ以上の構成要素を交換する必要があるかどうかを決定することが望ましくあり得る。したがって、アーム(22'、24')、ピンホルダーアセンブリ(40'、50')および/またはセンサ(100'、104')の1若しくはそれ以上の構成要素は、固有の識別子(例えば、無線自動識別(RFID)チップ)を含むことができる。データ処理ユニット(112')は、無線ネットワーク機能(例えば、Wi-Fiアダプタ、近距離無線通信(NFC)機能、ブルートゥース機能など)などによって、前記識別子と接続および/または前記識別子を検出するように構成することができる。それにより、データ処理ユニット(112')は、前記識別子の検出に基づいて、前記1若しくはそれ以上の構成要素が以前に使用されたかどうか、以前の使用期間、および/または前記1若しくはそれ以上の構成要素を交換する必要があるかどうかを決定するように構成できる。例えば、データ処理ユニット(112')は、データ処理ユニット(112')が前記識別子と接続されている時間が、前記1若しくはそれ以上の構成要素の所定の持続時間値を超えているか否かを判定することができる。前記所定の継続時間値を超えている場合、データ処理ユニット(112')は、前記1若しくはそれ以上の構成要素を交換するように指示するか、またはアラームを提供することができる。いくつかのバージョンでは、データ処理ユニット(112')は、データ処理ユニット(112')が以前に接続されたことがある識別子で再接続されたときに、前記1若しくはそれ以上の構成要素が以前に使用された構成要素と交換されたかどうかを判定することができる。データ処理ユニット(112')が以前に使用された識別子で再接続された場合、データ処理ユニットは、前記1若しくはそれ以上の構成要素が交換されていないことを示すか、またはアラームを提供することができる。頭部安定化システム(10')による再使用検出を提供するためのさらに他の好適な構成および/または方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであろう。
【0052】
H.衝撃検知の実施例
場合によっては、頭蓋骨クランプ(20')の1若しくはそれ以上の構成部品が、前記1若しくはそれ以上の構成部品の出荷中および/または取り扱い中など、前記1若しくはそれ以上の構成部品に損傷を与える可能性のある衝撃または物理的衝撃を受けたかどうかを判定することが望ましいことがある。したがって、センサ(100'、104')は、振動および/または1若しくはそれ以上の構成部品の物理的衝撃を検出するための1若しくはそれ以上の衝撃センサを含むことができる。例えば、センサ(100'、104')は、部品が落下したときのような部品の加速度を検出する加速度計、衝撃の間に平衡位置から変位することができる調和発振器、衝撃の間に壊れることができる既知の壊れやすさを有する脆性部品、および/または衝撃または物理的衝撃を検出するように構成された他の適切な衝撃センサを含むことができる。データ処理ユニット(112')は、前記1若しくはそれ以上の構成要素が以前に衝撃または物理的衝撃を受けたかどうかを判定するために、そのような衝撃センサと接続および/または検出するように構成することができる。データ処理ユニット(112')が衝撃が発生したと判定した場合、データ処理ユニットは、前記1若しくはそれ以上の構成要素が衝撃を経験したことを示すか、またはアラームを提供することができる。頭部安定化システム(10')による衝撃検出を提供するためのさらに他の好適な構成および/または方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には明らかであろう。
【0053】
I.外部機器へのセンサ通信の実施例
いくつかのバージョンでは、センサ(100'、102')は、
図7に示すように、その位置を外部装置(120')に通信できるように構成されている。さらに、これらのセンサ(100'、102')は、空間内の位置だけでなく、頭部固定装置(20')の全ての正確な位置を通信するように構成することもできる。このようにして、外部装置(120')は、頭部固定装置(20')の空間的位置情報を提供され、合併症を回避し、所望の結果を達成するために、必要に応じて処置中にこの情報を使用することができる。
【0054】
限定ではなく例示に過ぎないが、外部装置(120')は、外科医の補助があってもなくてもよいロボット手術装置を表す。このような例では、センサ(100'、104')は、その位置情報および頭部固定装置(20')に関するデータを前記ロボット手術装置に通信する。この通信は、いくつかのバージョンでは、データ処理ユニット(112')とデータインターフェース(114')を介して行われる。他のバージョンでは、この通信は、センサ(100'、104')と外部装置(120')との間で、例えば無線通信様式を用いて直接行われる。さらに他のいくつかのバージョンでは、センサ(100'、104')は、その代わりに、またはそれに加えて、ブルートゥース(Bluetooth)、RFID、NFCなどの無線通信様式を介して外部装置(120')によって検出可能であってもよい。本実施例の前記ロボット手術装置が頭部固定装置(20')の位置に関する情報およびデータを有することにより、前記ロボット手術装置は、実施される処置の間、頭部固定装置(20')を効果的に「見る」ことができ、頭部固定装置(20')の周囲をナビゲートすることができる。
【0055】
さらに別の例では、外部装置(120')は、処置前、処置中、または処置後の画像スキャンを収集するスキャナを表す。上述したのと同様の方法で、センサ(100'、104')は、その空間的位置と頭部固定装置(20')の空間的位置とを前記スキャナに伝達する。したがって、前記スキャンの実施時に、前記スキャナは、取得される前記スキャンの所望の結果を達成するために頭部固定装置(20')の周囲をナビゲートするのに必要な情報を有する。センサ(100'、104')が外部装置(120')によって検出されるいくつかの実施例では、センサ(100'、104')は、光学的特徴、RFID機能、NFC機能などを含むことができるが、他の適切なセンサ形式も同様に使用することができ、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。
【0056】
3.典型的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせまたは適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願または本出願の後の出願においていつでも提示され得る請求項の範囲を制限することを意図するものではないことを理解されたい。免責を意図するものではない。以下の実施例は、単に例示を目的として提供されているに過ぎない。本明細書における様々な教示は、多数の他の方法で配置および適用され得ることが企図される。また、以下の実施例で言及されている特定の特徴を省略する変形例も想定される。従って、本発明者らまたは本発明者らの利益承継人により後日そのように明示的に示されない限り、以下に言及される態様または特徴のいずれも重要であるとみなされるべきではない。本出願または本出願に関連する後続の出願において、以下に言及される以外の追加的な特徴を含む請求項が提示された場合、それらの追加的な特徴は、特許性に関するいかなる理由によっても追加されたと推定されないものとする。
【0057】
実施例1
第1のピンホルダアセンブリと結合された第1のアームと第2のピンホルダアセンブリと結合された第2のアームを有する頭部固定装置と、頭部固定装置上に配置された1若しくはそれ以上のセンサとを有する患者を安定させるための装置は、前記1若しくはそれ以上のセンサが、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の特性を検出するように構成されている。
【0058】
実施例2
実施例1の装置は、さらに、データ処理ユニットが、前記1若しくはそれ以上のセンサからデータを受信するように構成されるように、前記1若しくはそれ以上のセンサと接続される前記データ処理ユニットを有し、前記データ処理ユニットが、前記1若しくはそれ以上のセンサによって検出された前記特性を分析して、前記検出された特性に基づいてフィードバックを提供するように構成される。
【0059】
実施例3
実施例1もしくは実施例2のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記頭部固定装置の前記1若しくはそれ以上の特性は、前記頭部固定装置の位置、変位、向き、荷重、および力のうちの1若しくはそれ以上を含む。
【0060】
実施例4
実施例1から実施例3のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記第1のピンホルダアセンブリは、アクチュエータと、頭部に接触するように構成されたピンとを含むトルクねじアセンブリを有し、前記アクチュエータが、前記頭部に対して前記ピンを調整するように構成されている。
【0061】
実施例5
実施例4の前記装置は、少なくとも1つのセンサが、前記アクチュエーターに配置され、前記アクチュエーターの位置、変位、および角度のうちの1若しくはそれ以上を検出するように構成されている。
【0062】
実施例6
実施例4から実施例5のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、少なくとも1つの前記センサが、接触構成で前記ピンに隣接して配置されている。
【0063】
実施例7
実施例4から実施例6のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記ピンの位置、変位、角度、力のうちの1若しくはそれ以上を検出するように構成されている。
【0064】
実施例8
実施例1から実施例7のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記第2のピンアセンブリが、ロッカーアームと、前記ロッカーアームに結合されたピンで構成されている。
【0065】
実施例9
実施例8の前記装置は、少なくとも1つのセンサが、前記第2のピンアセンブリの前記ピン上に配置され、前記センサは前記ピンの位置、変位、角度方向、および力のうちの1若しくはそれ以上を検出するように構成されている。
【0066】
実施例10
実施例2から実施例9のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、さらに、前記1若しくはそれ以上のセンサおよび前記データ処理ユニットと接続された電源を有し、前記電源は、前記1若しくはそれ以上のセンサおよび前記データ処理ユニットに電力を供給するように構成されている。
【0067】
実施例11
実施例2から実施例10のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記頭部固定装置による前記固定が安定しているかどうかを決定するように構成されている。
【0068】
実施例12
実施例2から実施例11のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記1若しくはそれ以上のセンサによって検出された前記特性を所定の値と比較して、前記頭部固定装置によって提供される前記固定が安定しているかどうかを決定するように構成されている。
【0069】
実施例13
実施例2から実施例12のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記頭部固定装置による前記固定が安定していない場合に、アラームを提供するように構成されている。
【0070】
実施例14
実施例2から実施例13のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、さらに、前記データ処理ユニットによって分析された前記特性が前記データインターフェースに送信可能であるように、前記データ処理ユニットと接続されたデータインターフェースを有する。
【0071】
実施例15
実施例14の前記装置は、前記データインターフェースが、前記データ処理ユニットによって分析された前記特性を表示するためのディスプレイを有する。
【0072】
実施例16
実施例14から実施例15のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記データインターフェースが、前記データ処理ユニットをリモート機器と接続するように構成されている。
【0073】
実施例17
実施例14から実施例16のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記データインターフェースが、前記データ処理ユニットを前記分析された特性の略図を前記患者の頭部に表示するように構成されたナビゲーションシステムと接続するように構成されている。
【0074】
実施例18
実施例14から実施例17のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記データインターフェースが、前記分析された特性の画像を前記患者の頭部に表示するように構成された拡張現実システムに前記データ処理ユニットを接続するように構成されている。
【0075】
実施例19
実施例1の前記装置は、さらに、前記センサアセンブリと接続された接続アセンブリを有し、前記接続アセンブリは、前記1若しくはそれ以上のセンサからデータを受信するように構成されたデータ処理ユニットを有し、前記接続アセンブリは、前記1若しくはそれ以上のセンサによって検出された前記特性を分析して、前記検出された特性のフィードバックを提供するように構成されている。
【0076】
実施例20
第1のピンホルダアセンブリと結合された第1のアームおよび第2のピンホルダアセンブリと結合された第2のアームと、前記頭部固定装置上に配置された1若しくはそれ以上のセンサと、データ処理ユニットが前記1若しくはそれ以上のセンサからデータを受信するように前記1若しくはそれ以上のセンサと接続された前記データ処理ユニットとを有する頭部安定化システムを操作する方法は、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の特性を検出する工程と、前記1若しくはそれ以上の検出された特性を分析する工程とを有する。
【0077】
実施例21
実施例20の前記方法は、さらに、前記1若しくはそれ以上の検出された特性を表示する工程を有する。
【0078】
実施例22
実施例20から実施例21のいずれかの1若しくはそれ以上の前記方法は、さらに、前記1若しくはそれ以上の検出された特性に基づいてアラームを提供する工程を有する。
【0079】
実施例23
実施例20から実施例22のいずれかの1若しくはそれ以上の前記方法は、前記1若しくはそれ以上の特性は、前記頭部固定装置の位置、変位、向き、荷重、および力のうちの1若しくはそれ以上を含む。
【0080】
実施例24
実施例20から実施例23のいずれかの1若しくはそれ以上の前記方法は、さらに、前記1若しくはそれ以上の検出された特性に基づいて前記頭部固定装置を調整する工程を有する。
【0081】
実施例25
患者を安定させるための装置は、第1のピンホルダアセンブリと結合された第1のアームおよび第2のピンホルダアセンブリと結合された第2のアームを有する頭部固定装置と、前記頭部固定装置上に配置された1若しくはそれ以上のセンサとを有し、前記1若しくはそれ以上のセンサは、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の特性を検出するように構成されている。
【0082】
実施例26
実施例25の前記装置は、さらに、前記1若しくはそれ以上のセンサと接続され、前記1若しくはそれ以上のセンサからデータを受信するように構成されたデータ処理ユニットを有し、前記データ処理ユニットは、前記1若しくはそれ以上のセンサによって検出された前記特性を分析し、前記検出された特性に基づいてフィードバックを提供するように構成されている。
【0083】
実施例27
実施例25から実施例26のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記1若しくはそれ以上のセンサのうちの第1のセンサが、前記頭部固定装置の前記第1のアームおよび前記第2のアームのうちの選択された1つに配置され、前記第1のセンサが、前記第1のアームおよび前記第2のアームのうちの選択された1つの位置を検出するように構成されている。
【0084】
実施例28
実施例27の前記装置は、前記1若しくはそれ以上のセンサのうちの第2のセンサは、前記第2のセンサが、前記第1のアームおよび前記第2のアームのうちの選択された一方の他方の位置を検出するように、前記頭部固定装置の前記第1のアームおよび前記第2のアームのうちの選択された一方の他方に配置され、前記第1のアームは、前記第2のアームに対して相対的に並進可能であり、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは、前記第2のアームに対する前記第1のアームの相対的な位置を検出するように構成されている。
【0085】
実施例29
実施例25から実施例28のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記頭部固定装置の前記1若しくはそれ以上の特性は、前記頭部固定装置の位置、変位、向き、振動、露出、および温度のうちの1若しくはそれ以上を含む。
【0086】
実施例30
実施例25から実施例29のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記第2のピンアセンブリは、ロッカーアームと前記ロッカーアームに結合されたピンで構成されている。
【0087】
実施例31
実施例30の前記装置は、少なくとも1つのセンサが前記ロッカーアーム上に配置され、前記ロッカーアームの位置、変位、および角度方向の1若しくはそれ以上を検出するように構成されている。
【0088】
実施例32
実施例26から実施例31のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、さらに、前記1若しくはそれ以上のセンサおよび前記データ処理ユニットと接続された電源を有し、前記電源は、前記1若しくはそれ以上のセンサおよび前記データ処理ユニットに電力を供給するように構成されている。
【0089】
実施例33
実施例26から実施例32のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、さらに、データ処理ユニットによって分析された特性がデータインターフェースに送信可能であるように、前記データ処理ユニットと接続された前記データインターフェースを有する。
【0090】
実施例34
実施例33の前記装置は、前記データインターフェースが、前記データ処理ユニットによって分析された前記特性を表示するためのディスプレイを有する。
【0091】
実施例35
実施例33から実施例34のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記データインターフェースが、前記データ処理ユニットを、ナビゲーションシステム、拡張現実システム、および/または外部装置のうちの選択された1若しくはそれ以上と接続するように構成されている。
【0092】
実施例36
実施例25から実施例35のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記1若しくはそれ以上のセンサが、前記頭部固定装置が再処理温度にさらされたことを検出するように構成された温度センサを含む。
【0093】
実施例37
実施例25から実施例36のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記頭部固定装置が再処理された回数を決定するように構成されている。
【0094】
実施例38
実施例37の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記頭部固定装置が再処理された回数が所定値を超えた場合に、アラームを提供するように構成されている。
【0095】
実施例39
実施例25から実施例38のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記1若しくはそれ以上のセンサが、前記頭部固定装置が滅菌温度にさらされたことを検出するように構成されている。
【0096】
実施例40
実施例39の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記頭部固定装置が滅菌温度にさらされた回数を決定するように構成されている。
【0097】
実施例41
実施例40の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記頭部固定装置が滅菌温度にさらされた回数が所定値を超えた場合に、アラームを提供するように構成されている。
【0098】
実施例42
実施例26から実施例41のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記頭部固定装置が、固有の識別子を含み、前記データ処理装置が、前記固有の識別子を検出するように構成されている。
【0099】
実施例43
実施例42の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記固有の識別子に基づいて、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の構成要素を交換する必要がある時期を決定するように構成されている。
【0100】
実施例44
実施例42から実施例43のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記固有の識別子に基づいて前記頭部固定装置の前記1若しくはそれ以上の構成要素が交換されたかどうかを決定するように構成されている。
【0101】
実施例45
実施例26から実施例44のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の構成要素を交換する必要がある場合に、アラームを提供するように構成されている。
【0102】
実施例46
実施例25から実施例45のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記1若しくはそれ以上のセンサが、前記頭部固定装置が物理的衝撃を受けたことを検出するように構成された衝撃センサを含む。
【0103】
実施例47
実施例46の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記衝撃センサによって受信された前記データに基づいて前記頭部固定装置が物理的衝撃を受けたかどうかを決定するように構成されている。
【0104】
実施例48
実施例46から実施例47のいずれかの1若しくはそれ以上の前記装置は、前記データ処理ユニットが、前記頭部固定装置が物理的衝撃を受けた場合にアラームを提供するように構成されている。
【0105】
実施例49
患者を安定させるための装置は、第1のピンホルダアセンブリと結合された第1のアームおよび第2のピンホルダアセンブリと結合された第2のアームを有する頭部固定装置と、前記頭部固定装置上に配置された1若しくはそれ以上のセンサを含むセンサアセンブリとを有し、前記1若しくはそれ以上のセンサは、位置情報を外部装置に通信するように構成され、前記位置情報は、前記外部装置に対する前記頭部固定装置の空間的位置に関連する位置情報を有する。
【0106】
実施例50
第1のピンホルダアセンブリと結合された第1のアームおよび第2のピンホルダアセンブリと結合された第2のアームを有する頭部固定装置と、前記頭部固定装置上に配置された1若しくはそれ以上のセンサと、前記データ処理ユニットが、前記1若しくはそれ以上のセンサからデータを受信するように構成されるように前記1若しくはそれ以上のセンサと接続されたデータ処理ユニットとを有する頭部安定化システムを使用する方法であって、前記頭部固定装置の1若しくはそれ以上の特性を検出する工程と、前記1若しくはそれ以上の検出された特性を分析する工程とを含む方法。
【0107】
実施例51
実施例50の前記方法は、前記1若しくはそれ以上の検出された特性を表示する工程を有する。
【0108】
実施例52
実施例50から実施例51のいずれかの1若しくはそれ以上の前記方法は、さらに、前記1若しくはそれ以上の検出された特性に基づいてアラームを提供する工程を有する。
【0109】
実施例53
実施例50から実施例52のいずれかの1若しくはそれ以上の前記方法は、前記1若しくはそれ以上の特性が、前記頭部固定装置の位置、変位、向き、振動、露出、および温度のうちの1若しくはそれ以上を含む。
【0110】
実施例54
実施例50から実施例53のいずれかの1若しくはそれ以上の前記方法は、さらに、前記1若しくはそれ以上の検出された特性に基づいて前記頭部固定装置を修正する工程を有する。
【0111】
その他
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例等のいずれか1若しくはそれ以上は、本明細書に記載される他の教示、表現、実施形態、実施例等のいずれか1若しくはそれ以上と組み合わせてもよいことが理解されるべきである。したがって、上述した教示、表現、実施形態、実施例等は、互いに切り離して相対的に見るべきではない。本明細書における教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書における教示を鑑みれば、当業者には容易に明らかであろう。このような修正および変形は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0112】
本発明の様々な実施形態を示し、説明してきたが、本明細書に記載の方法およびシステムのさらなる適合は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成され得る。そのような潜在的な改変の幾つかを挙げてきたが、他のものも当業者には明らかであろう。例えば、上述した例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示であり、必須ではない。従って、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきであり、明細書および図面に示され、記載された構造および動作の詳細に限定されるものではないと理解される。
【国際調査報告】