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特表2024-521897治療用オリゴヌクレオチドを中枢神経系に送達するための組成物及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】治療用オリゴヌクレオチドを中枢神経系に送達するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/7105 20060101AFI20240528BHJP
   C12Q 1/68 20180101ALI20240528BHJP
   C12Q 1/02 20060101ALI20240528BHJP
   C12N 15/113 20100101ALI20240528BHJP
   C12N 15/00 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240528BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20240528BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20240528BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240528BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20240528BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20240528BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
A61K31/7105
C12Q1/68
C12Q1/02
C12N15/113 Z
C12N15/00 100Z
A61K48/00
A61P25/00
A61K31/7125
A61K9/08
A61K9/10
A61P25/14
A61P25/16
A61P25/28
A61P25/08
A61P29/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574349
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 US2022032014
(87)【国際公開番号】W WO2022256565
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】63/195,993
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523364450
【氏名又は名称】アタランタ セラピューティクス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハスラー,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】キンバーガー,ガース,エー.
(72)【発明者】
【氏名】ゴディンホ,ブルーノ,ミゲル ダ クルス
【テーマコード(参考)】
4B063
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4B063QA20
4B063QQ02
4B063QQ52
4B063QS40
4B063QX10
4C076AA12
4C076AA22
4C076BB11
4C076CC01
4C076FF67
4C084AA13
4C084MA17
4C084MA23
4C084MA66
4C084NA07
4C084NA14
4C084ZA02
4C084ZA06
4C084ZA08
4C084ZA15
4C084ZA16
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086GA13
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA17
4C086MA23
4C086MA66
4C086NA07
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA15
4C086ZA16
(57)【要約】
本開示は、複数の二価カチオン(例えば、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、もしくはZn2+、またはそれらの組み合わせ)によって部分的または完全に飽和した、複数のカチオン結合部位を有する一本鎖または二本鎖の治療用オリゴヌクレオチド(例えば、siRNA、shRNA、miRNA、gRNA、及びASO)を提供する。治療用オリゴヌクレオチドは、それらを含む医薬組成物として、ヌクレオシド修飾及びヌクレオシド間結合修飾の特異的パターンを含み得る。siRNA分子は、二分岐、三分岐、または四分岐siRNA分子などの分岐siRNA分子であってもよい。開示されたsiRNA分子は、5’リン安定化部分及び/または疎水性部分をさらに特徴とし得る。さらに、本開示は、疾患を有すると特定された対象などの対象の中枢神経系に、本開示のsiRNA分子を送達するための方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
短い干渉RNA(siRNA)分子を対象に送達する方法であって、1つ以上の二価カチオンを含む塩の形態で、前記siRNA分子を前記対象の中枢神経系に投与することを含む、前記方法。
【請求項2】
前記siRNA分子が、前記1つ以上の二価カチオンによって部分的または完全に飽和した複数のカチオン結合部位を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つ以上の二価カチオンによる前記カチオン結合部位の飽和度が、10%~100%であり、任意選択で、前記1つ以上の二価カチオンによる前記カチオン結合部位の前記飽和度が、20%~100%、30%~100%、40%~100%、50%~100%、60%~100%、70%~100%、80%~100%、または90%~100%である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記カチオン結合部位が、ヌクレオシド間結合内に位置し、任意選択で、前記ヌクレオシド間結合がホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の二価カチオンが、30ピコメートル~150ピコメートルのイオン半径を特徴とし、任意選択で、前記1つ以上の二価カチオンが、30ピコメートル~140ピコメートル、40ピコメートル~130ピコメートル、50ピコメートル~120ピコメートル、60ピコメートル~110ピコメートル、60ピコメートル~100ピコメートル、または60ピコメートル~90ピコメートルのイオン半径を特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の二価カチオンが、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、もしくはZn2+、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上の二価カチオンが、Ba2+を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記1つ以上の二価カチオンが、Be2+を含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の二価カチオンが、Ca2+を含む、請求項6~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の二価カチオンが、Cu2+を含む、請求項6~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記1つ以上の二価カチオンが、Mg2+を含む、請求項6~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の二価カチオンが、Mn2+を含む、請求項6~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の二価カチオンが、Ni2+を含む、請求項6~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上の二価カチオンが、Zn2+を含む、請求項6~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上の二価カチオンが、Ca2+及びMg2+を含み、任意選択で、Ca2+のMg2+に対する比が、1:100~100:1である、請求項6~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記Ca2+及びMg2+が、1:1のモル比で存在する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1つ以上の二価カチオンが、硬いルイス酸を含む、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記1つ以上の二価カチオンが、前記siRNA分子のカチオン結合部位から水を置き換える、請求項1~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記siRNA分子が非分岐である、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記siRNA分子が分岐している、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記siRNA分子が二分岐、三分岐、または四分岐である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記siRNA分子が二分岐である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記siRNA分子が、アンチセンス鎖と、前記アンチセンス鎖に対して相補性を有するセンス鎖とを含む、請求項1~22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記アンチセンス鎖及びセンス鎖が、2’-O-メチルリボヌクレオシドと2’-フルオロリボヌクレオシドを交互で含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記アンチセンス鎖が、5’-3’方向に、以下の式:
Z-((A-P-)(B-P-)
を有し;
式中、Zは、5’リン安定化部分であり;
各Aは独立して、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各Bは独立して、2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Pは、独立して、ホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択されるヌクレオシド間結合であり;
nは、1~5の整数であり;
mは、1~5の整数であり;
qは、1~30の間の整数である、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記アンチセンス鎖が、式Iで表される構造を含み、式Iは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C’-P-C’
式I;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、請求項23または24に記載の方法。
【請求項27】
前記アンチセンス鎖が、式A1で表される構造を含み、式A1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記アンチセンス鎖が、式IIで表される構造を含み、式IIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C-P-C’
式II;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、請求項23または24に記載の方法。
【請求項29】
前記アンチセンス鎖が、式A2で表される構造を含み、式A2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-A-S-A
式A2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記センス鎖が、式IIIで表される構造を含み、式IIIは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-F
式III;
式中、Eは、式(C-Pで表され;
Fは、式(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-D、または(C-P-D-P-C-P-Dで表され;
A’、C、D、P、及びPは、式IIで定義されたとおりであり;
mは、1~7の整数である、請求項23~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記センス鎖が、式S1で表される構造を含み、式S1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-A
式S1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記センス鎖が、式S2で表される構造を含み、式S2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A
式S2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記センス鎖が、式S3で表される構造を含み、式S3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-B
式S3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記センス鎖が、式S4で表される構造を含み、式S4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B
式S4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記アンチセンス鎖が、式IVで表される構造を含み、式IVは、5’-3’方向に以下であり、
A-(A’)-C-P-B-(C-P-C’
式IV;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式D-P-C-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、請求項23、24、及び30~34のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
前記アンチセンス鎖が、式A3で表される構造を含み、式A3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B-S-A-S-A-S-A
式A3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記センス鎖が、式Vで表される構造を含み、式Vは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-C-P-F
式V;
式中、Eは、式(C-Pで表され;
Fは、式D-P-C-P-C、D-P-C-P-C、D-P-C-P-D、またはD-P-C-P-Dで表され;
A’、C、D、P、及びPは、式IVで定義されたとおりであり;
mは、1~7の整数である、請求項23~29、35、及び36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記センス鎖が、式S5で表される構造を含み、式S5は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A
式S5;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記センス鎖が、式S6で表される構造を含み、式S6は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A
式S6;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記センス鎖が、式S7で表される構造を含み、式S7は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B
式S7;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記センス鎖が、式S8で表される構造を含み、式S8は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B
式S8;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記アンチセンス鎖が、式VIで表される構造を含み、式VIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-E-B-E-F-G-D-P-C’
式VI;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各Bは、式C-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Eは、式D-P-C-Pで表され;
Fは、式D-P-C-Pで表され;
各Gは、式C-Pで表され;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数であり;
lは、1~7の整数である、請求項23、24、30~34、及び37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
前記アンチセンス鎖が、式A4で表される構造を含み、式A4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記センス鎖が、式VIIで表される構造を含み、式VIIは、5’-3’方向に以下であり、
H-B-I-A’-B-H-C
式VII;
式中、各A’は、式C-P-D-Pで表され;
各Hは、式(C-Pで表され;
各Iは、式(D-P)で表され;
B、C、D、P、及びPは、式VIで定義されたとおりであり;
mは1~7の整数であり;
nは1~7の整数であり;
oは1~7の整数である、請求項23~29、35、36、42、及び43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記センス鎖が、式S9で表される構造を含み、式S9は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-A-O-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-S-A-S-A
式S9;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記アンチセンス鎖が、前記アンチセンス鎖の5’末端に5’リン安定化部分をさらに含む、請求項23~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記センス鎖が、前記センス鎖の5’末端に5’リン安定化部分をさらに含む、請求項23~46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記5’リン安定化部分が、式IX~XVIのいずれか1つで表され、
【化1】
式中、Nucは、アデニン、ウラシル、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基を表し、Rは、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、または水素を表す、請求項25、46、及び47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記5’-リン安定化部分が、式XVIに表される(E)-ビニルホスホネートである、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記リボヌクレオシドのうちの少なくとも50%が2’-O-Meリボヌクレオシドであり、任意選択で、前記リボヌクレオシドのうちの少なくとも60%、70%、80%、90%、またはそれ以上が2’-O-Meリボヌクレオシドである、請求項24~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記アンチセンス鎖の長さが、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの間である、請求項23~50のいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
前記センス鎖の長さが、12ヌクレオチド~30ヌクレオチドの間である、請求項23~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記siRNA分子を、水溶液の形態で、または懸濁液の形態で投与する、請求項1~52のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記siRNA分子を、前記対象の脳脊髄液に直接、前記対象の脊髄に直接、及び/または前記対象の脳実質に直接投与し、任意選択で、(i)前記脳に投与される前記siRNA分子を、皮質、小脳、大脳基底核、または他の脳構造に特異的に投与する、及び/または(ii)前記大脳基底核に投与される前記siRNA分子を、尾状核、被殻、視床、淡蒼球、または黒質に特異的に投与する、請求項1~53に記載の方法。
【請求項55】
前記siRNA分子を、髄腔内、脳室内、線条体内に、またはカテーテル挿入を介して大槽内注射によって投与する、請求項1~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記対象が、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、レビー小体型認知症(DLB)、純粋自律神経不全、レビー小体嚥下障害、偶発的レビー小体病(ILBD)、遺伝性レビー小体病、オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)、線条体黒質変性症、シャイ・ドレーガー症候群、てんかんもしくはてんかん障害、プリオン病、または疼痛障害を有すると診断される、請求項1~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記アンチセンス鎖が、ABCA7、ABI3、ADAM10、APOC1、APOE、AXL、BIN1、C1QA、C3、C9ORF72、CASS4、CCL5、CD2AP、CD33、CD68、CLPTM1、CLU、CR1、CSF1、CST7、CTSB、CTSD、CTSL、CXCL10、CXCL13、DSG2、ECHDC3、EPHA1、FABP5、FERMT2、FTH1、GNAS、GRN、HBEGF、HLA-DRB1、HLA-DRB5、HTT、IFIT1、IFIT3、IFITM3、IFNAR1、IFNAR2、IGF1、IL10RA、IL1A、IL1B、IL1RAP、INPP5D、ITGAM、ITGAX、KCNT1、LILRB4、LPL、MAPT、MEF2C、MMP12、MS4A4A、MS4A6A、MSH3、NLRP3、NME8、NOS2、PICALM、PILRA、PLCG2、PRNP、PTK2B、SCIMP、SCN9A、SLC24A4、SNCA、SORL1、SPI1、SPP1、SPPL2A、TBK1、TNF、TREM2、TREML2、TYROBP、及びZCWPW1、からなる群から選択される遺伝子に対応するmRNA転写産物の一部とハイブリダイズするのに十分な相補性を有する、請求項23~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記遺伝子が、HTT、MAPT、SNCA、C9ORF72、APOE、SCN9A、KCNT1、PRNP、及びMSH3からなる群から選択される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記対象がヒトである、請求項1~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記治療用オリゴヌクレオチドが、負電荷を有する1つ以上の原子を含み、前記二価カチオンが2つの正電荷を含み、負電荷の正電荷に対する比が0.75~7.5であり、任意選択で、前記負電荷の正電荷に対する比が、1.0~2.0である、請求項1~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
i. 前記負電荷の正電荷に対する比が0.75~6.5であり、任意選択で、負電荷の正電荷に対する前記比が、0.75~5.5、0.75~4.5、0.75~3.5、0.75~2.5、0.75~1.5、もしくは0.75~1;または
ii. 前記負電荷の正電荷に対する比が、1~7.5、1.5~7.5、2.5~7.5、3.5~7.5、4.5~7.5、5.5~7.5、もしくは6.5~7.5である、
請求項60に記載の方法。
【請求項62】
siRNA分子の、前記1つ以上の二価カチオンに対するモル比が、1:10~1:100である、請求項1~61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
siRNA分子の前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、1:10~1:50であり、任意選択で、siRNA分子の、前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、1:18~1:38であり、任意選択で、siRNA分子の、前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、1:20~1:25であり、任意選択で、siRNA分子の、前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、約1:20であり、任意選択で、siRNA分子の、前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、約1:25である、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記1つ以上の二価カチオンの濃度が、10mM~150mMである、請求項1~63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記1つ以上の二価カチオンの前記濃度が、20mM~150mMであり、任意選択で、前記1つ以上の二価カチオンの前記濃度が、20mM~100mM、25mM~150mM、25mM~100mM、30mM~90mM、35mM~85mM、35mM~75mM、40mM~70mM、40mM~65mM、40mM~60mM、または40mM~50mMである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
1つ以上の二価カチオンを含む塩として製剤化されたsiRNA分子。
【請求項67】
請求項66に記載のsiRNA分子であって、前記1つ以上の二価カチオンによって部分的または完全に飽和した複数のカチオン結合部位を含む、前記siRNA分子。
【請求項68】
前記1つ以上の二価カチオンによる前記カチオン結合部位の飽和度が、10%~100%であり、任意選択で、前記1つ以上の二価カチオンによる前記カチオン結合部位の前記飽和度が、20%~100%、30%~100%、40%~100%、50%~100%、60%~100%、70%~100%、80%~100%、または90%~100%である、請求項67に記載のsiRNA分子。
【請求項69】
前記カチオン結合部位が、ヌクレオシド間結合内に位置し、任意選択で、前記ヌクレオシド間結合がホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択される、請求項66~68のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項70】
前記1つ以上の二価カチオンが、30ピコメートル~150ピコメートルのイオン半径を特徴とし、任意選択で、前記1つ以上の二価カチオンが、30ピコメートル~140ピコメートル、40ピコメートル~130ピコメートル、50ピコメートル~120ピコメートル、60ピコメートル~110ピコメートル、60ピコメートル~100ピコメートル、または60ピコメートル~90ピコメートルのイオン半径を特徴とする、請求項66~69のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項71】
前記1つ以上の二価カチオンが、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、もしくはZn2+、またはそれらの組み合わせを含む、請求項66~70のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項72】
前記1つ以上の二価カチオンが、硬いルイス酸を含む、請求項66~71のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項73】
前記1つ以上の二価カチオンが、前記siRNA分子のカチオン結合部位から水を置き換える、請求項66~72のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項74】
前記siRNA分子が非分岐である、請求項66~73のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項75】
前記siRNA分子が分岐している、請求項66~73のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項76】
前記siRNA分子が二分岐、三分岐、または四分岐であり、任意選択で、前記siRNA分子が二分岐である、請求項75に記載のsiRNA分子。
【請求項77】
前記siRNA分子が、アンチセンス鎖と、前記アンチセンス鎖に対して相補性を有するセンス鎖とを含み、任意選択で、前記アンチセンス鎖及びセンス鎖が、2’-O-メチルリボヌクレオシドと2’-フルオロリボヌクレオシドを交互で含む、請求項66~76のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項78】
前記アンチセンス鎖が、5’-3’方向に、以下の式:
Z-((A-P-)(B-P-)
を有し、
式中、Zは、5’リン安定化部分であり;
各Aは独立して、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各Bは独立して、2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Pは、独立して、ホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択されるヌクレオシド間結合であり;
nは、1~5の整数であり;
mは、1~5の整数であり;
qは、1~30の間の整数である、請求項77に記載のsiRNA分子。
【請求項79】
前記アンチセンス鎖が、式Iで表される構造を含み、式Iは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C’-P-C’
式I;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、請求項77に記載のsiRNA分子。
【請求項80】
前記アンチセンス鎖が、式A1で表される構造を含み、式A1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項79に記載のsiRNA分子。
【請求項81】
前記アンチセンス鎖が、式IIで表される構造を含み、式IIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C-P-C’
式II;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、請求項77に記載のsiRNA分子。
【請求項82】
前記アンチセンス鎖が、式A2で表される構造を含み、式A2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-A-S-A
式A2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項81に記載のsiRNA分子。
【請求項83】
前記センス鎖が、式IIIで表される構造を含み、式IIIは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-F
式III;
式中、Eは、式(C-Pで表され;
Fは、式(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-D、または(C-P-D-P-C-P-Dで表され;
A’、C、D、P、及びPは、式IIで定義されたとおりであり;
mは、1~7の整数である、請求項77~82のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項84】
前記センス鎖が、式S1で表される構造を含み、式S1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-A
式S1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項83に記載のsiRNA分子。
【請求項85】
前記センス鎖が、式S2で表される構造を含み、式S2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A
式S2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項83に記載のsiRNA分子。
【請求項86】
前記センス鎖が、式S3で表される構造を含み、式S3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-B
式S3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項83に記載のsiRNA分子。
【請求項87】
前記センス鎖が、式S4で表される構造を含み、式S4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B
式S4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項83に記載のsiRNA分子。
【請求項88】
前記アンチセンス鎖が、式IVで表される構造を含み、式IVは、5’-3’方向に以下であり、
A-(A’)-C-P-B-(C-P-C’
式IV;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式D-P-C-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、請求項77及び83~87のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項89】
前記アンチセンス鎖が、式A3で表される構造を含み、式A3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B-S-A-S-A-S-A
式A3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項88に記載のsiRNA分子。
【請求項90】
前記センス鎖が、式Vで表される構造を含み、式Vは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-C-P-F
式V;
式中、Eは、式(C-Pで表され;
Fは、式D-P-C-P-C、D-P-C-P-C、D-P-C-P-D、またはD-P-C-P-Dで表され;
A’、C、D、P、及びPは、式IVで定義されたとおりであり;
mは、1~7の整数である、請求項77~82、88、及び89のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項91】
前記センス鎖が、式S5で表される構造を含み、式S5は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A
式S5;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項90に記載のsiRNA分子。
【請求項92】
前記センス鎖が、式S6で表される構造を含み、式S6は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A
式S6;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項90に記載のsiRNA分子。
【請求項93】
前記センス鎖が、式S7で表される構造を含み、式S7は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B
式S7;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項90に記載のsiRNA分子。
【請求項94】
前記センス鎖が、式S8で表される構造を含み、式S8は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B
式S8;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項90に記載のsiRNA分子。
【請求項95】
前記アンチセンス鎖が、式VIで表される構造を含み、式VIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-E-B-E-F-G-D-P-C’
式VI;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各Bは、式C-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Eは、式D-P-C-Pで表され;
Fは、式D-P-C-Pで表され;
各Gは、式C-Pで表され;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数であり;
lは、1~7の整数である、請求項77、83~87、及び90~94のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項96】
前記アンチセンス鎖が、式A4で表される構造を含み、式A4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項95に記載のsiRNA分子。
【請求項97】
前記センス鎖が、式VIIで表される構造を含み、式VIIは、5’-3’方向に以下であり、
H-B-I-A’-B-H-C
式VII;
式中、各A’は、式C-P-D-Pで表され;
各Hは、式(C-Pで表され;
各Iは、式(D-P)で表され;
B、C、D、P、及びPは、式VIで定義されたとおりであり;
mは1~7の整数であり;
nは1~7の整数であり;
oは1~7の整数である、請求項77~82、88、89、95、及び96のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項98】
前記センス鎖が、式S9で表される構造を含み、式S9は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-A-O-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-S-A-S-A
式S9;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、請求項97に記載のsiRNA分子。
【請求項99】
前記アンチセンス鎖が、前記アンチセンス鎖の5’末端に5’リン安定化部分をさらに含む、請求項77~98のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項100】
前記センス鎖が、前記センス鎖の5’末端に5’リン安定化部分をさらに含む、請求項77~99のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項101】
前記5’リン安定化部分が、式IX~XVIのいずれか1つで表され、
【化2】
式中、Nucは、アデニン、ウラシル、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基を表し、Rは、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、または水素を表す、請求項99または100に記載のsiRNA分子。
【請求項102】
前記アンチセンス鎖が、ABCA7、ABI3、ADAM10、APOC1、APOE、AXL、BIN1、C1QA、C3、C9ORF72、CASS4、CCL5、CD2AP、CD33、CD68、CLPTM1、CLU、CR1、CSF1、CST7、CTSB、CTSD、CTSL、CXCL10、CXCL13、DSG2、ECHDC3、EPHA1、FABP5、FERMT2、FTH1、GNAS、GRN、HBEGF、HLA-DRB1、HLA-DRB5、HTT、IFIT1、IFIT3、IFITM3、IFNAR1、IFNAR2、IGF1、IL10RA、IL1A、IL1B、IL1RAP、INPP5D、ITGAM、ITGAX、KCNT1、LILRB4、LPL、MAPT、MEF2C、MMP12、MS4A4A、MS4A6A、MSH3、NLRP3、NME8、NOS2、PICALM、PILRA、PLCG2、PRNP、PTK2B、SCIMP、SCN9A、SLC24A4、SNCA、SORL1、SPI1、SPP1、SPPL2A、TBK1、TNF、TREM2、TREML2、TYROBP、及びZCWPW1、からなる群から選択される遺伝子に対応するmRNA転写産物の一部とハイブリダイズするのに十分な相補性を有する、請求項66~101のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項103】
前記遺伝子が、HTT、MAPT、SNCA、C9ORF72、APOE、SCN9A、KCNT1、PRNP、及びMSH3からなる群から選択される、請求項102に記載のsiRNA分子。
【請求項104】
前記治療用オリゴヌクレオチドが、負電荷を有する1つ以上の原子を含み、前記二価カチオンが2つの正電荷を含み、負電荷の正電荷に対する比が0.75~7.5であり、任意選択で、前記負電荷の正電荷に対する比が、1.0~2.0である、請求項66~103のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項105】
i. 前記負電荷の正電荷に対する比が0.75~6.5であり、任意選択で、前記負電荷の正電荷に対する比が、0.75~5.5、0.75~4.5、0.75~3.5、0.75~2.5、0.75~1.5、もしくは0.75~1であり;または
ii. 前記負電荷の正電荷に対する比が、1~7.5、1.5~7.5、2.5~7.5、3.5~7.5、4.5~7.5、5.5~7.5、もしくは6.5~7.5である、
請求項104に記載のsiRNA分子。
【請求項106】
siRNA分子の、前記1つ以上の二価カチオンに対するモル比が、1:10~1:100である、請求項66~105のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項107】
siRNA分子の前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、1:10~1:50であり、任意選択で、siRNA分子の、前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、1:18~1:38であり、任意選択で、siRNA分子の、前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、1:20~1:25であり、任意選択で、siRNA分子の、前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、約1:20であり、任意選択で、siRNA分子の、前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、約1:25である、請求項106に記載のsiRNA分子。
【請求項108】
前記1つ以上の二価カチオンの濃度が、10mM~150mMである、請求項66~107のいずれか1項に記載のsiRNA分子。
【請求項109】
前記1つ以上の二価カチオンの前記濃度が、20mM~150mMであり、任意選択で、前記1つ以上の二価カチオンの前記濃度が、20mM~100mM、25mM~150mM、25mM~100mM、30mM~90mM、35mM~85mM、35mM~75mM、40mM~70mM、40mM~65mM、40mM~60mM、または40mM~50mMである、請求項108に記載のsiRNA分子。
【請求項110】
1つ以上の二価カチオンを含む塩として製剤化された治療用オリゴヌクレオチドであって、
i)前記1つ以上の二価カチオンが、Mg2+、Ba2+、Be2+、Cu2+、Mn2+、Ni2+、もしくはZn2+、またはそれらの組み合わせを含み、任意選択で、前記1つ以上の二価カチオンが、Mg2+を含み;及び/または
ii)前記治療用オリゴヌクレオチドが、負電荷を有する1つ以上の原子を含み、前記二価カチオンが2つの正電荷を含み、負電荷の正電荷に対する比が0.75~7.5であり、任意選択で、前記負電荷の正電荷に対する比が、1.0~2.0であり;及び/または
iii)治療用オリゴヌクレオチドの、前記1つ以上の二価カチオンに対するモル比が、1:10~1:100であり;及び/または
iv)前記1つ以上の二価カチオンの濃度が、10mM~150mMである、
前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項111】
前記治療用オリゴヌクレオチドが、前記1つ以上の二価カチオンによって部分的または完全に飽和した複数のカチオン結合部位を含む、請求項110に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項112】
前記1つ以上の二価カチオンによる前記カチオン結合部位の飽和度が、10%~100%であり、任意選択で、前記1つ以上の二価カチオンによる前記カチオン結合部位の前記飽和度が、20%~100%、30%~100%、40%~100%、50%~100%、60%~100%、70%~100%、80%~100%、または90%~100%である、請求項111に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項113】
前記カチオン結合部位が、ヌクレオシド間結合内に位置し、任意選択で、前記ヌクレオシド間結合がホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択される、請求項110~112のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項114】
前記1つ以上の二価カチオンが、30ピコメートル~150ピコメートルのイオン半径を特徴とし、任意選択で、前記1つ以上の二価カチオンが、30ピコメートル~140ピコメートル、40ピコメートル~130ピコメートル、50ピコメートル~120ピコメートル、60ピコメートル~110ピコメートル、60ピコメートル~100ピコメートル、または60ピコメートル~90ピコメートルのイオン半径を特徴とする、請求項110~113のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項115】
前記1つ以上の二価カチオンが、Mg2+を含む、請求項110~114のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項116】
前記1つ以上の二価カチオンが、硬いルイス酸を含む、請求項110~115のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項117】
前記1つ以上の二価カチオンが、前記siRNA分子のカチオン結合部位から水を置き換える、請求項110~116のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項118】
請求項110~117のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、2’-O-メチルリボヌクレオシドと2’-フルオロリボヌクレオシドを交互で含む、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項119】
請求項110~118のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、5’-3’方向に、以下の式:
Z-((A-P-)(B-P-)
を有し
式中、Zは、5’リン安定化部分であり;
各Aは独立して、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各Bは独立して、2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Pは、独立して、ホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択されるヌクレオシド間結合であり;
nは、1~5の整数であり;
mは、1~5の整数であり;
qは、1~30の間の整数である、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項120】
請求項110~118のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、式Iで表される構造を含み、式Iは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C’-P-C’
式I;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項121】
請求項120に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、式A1で表される構造を含み、式A1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項122】
請求項110~118のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、式IIで表される構造を含み、式IIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C-P-C’
式II;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項123】
請求項122に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、式A2で表される構造を含み、式A2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-A-S-A
式A2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項124】
請求項110~118のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、式IVで表される構造を含み、式IVは、5’-3’方向に以下であり、
A-(A’)-C-P-B-(C-P-C’
式IV;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式D-P-C-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項125】
請求項124に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、式A3で表される構造を含み、式A3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B-S-A-S-A-S-A
式A3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項126】
請求項110~118のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、式VIで表される構造を含み、式VIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-E-B-E-F-G-D-P-C’
式VI;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各Bは、式C-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Eは、式D-P-C-Pで表され;
Fは、式D-P-C-Pで表され;
各Gは、式C-Pで表され;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数であり;
lは、1~7の整数である、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項127】
請求項126に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、式A4で表される構造を含み、式A4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項128】
請求項110~127のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、前記治療用オリゴヌクレオチドの5’末端に5’リン安定化部分をさらに含む、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項129】
前記5’リン安定化部分が、式IX~XVIのいずれか1つで表され、
【化3】
式中、Nucは、アデニン、ウラシル、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基を表し、Rは、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、または水素を表す、請求項128に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項130】
請求項110~129のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、ABCA7、ABI3、ADAM10、APOC1、APOE、AXL、BIN1、C1QA、C3、C9ORF72、CASS4、CCL5、CD2AP、CD33、CD68、CLPTM1、CLU、CR1、CSF1、CST7、CTSB、CTSD、CTSL、CXCL10、CXCL13、DSG2、ECHDC3、EPHA1、FABP5、FERMT2、FTH1、GNAS、GRN、HBEGF、HLA-DRB1、HLA-DRB5、HTT、IFIT1、IFIT3、IFITM3、IFNAR1、IFNAR2、IGF1、IL10RA、IL1A、IL1B、IL1RAP、INPP5D、ITGAM、ITGAX、KCNT1、LILRB4、LPL、MAPT、MEF2C、MMP12、MS4A4A、MS4A6A、MSH3、NLRP3、NME8、NOS2、PICALM、PILRA、PLCG2、PRNP、PTK2B、SCIMP、SCN9A、SLC24A4、SNCA、SORL1、SPI1、SPP1、SPPL2A、TBK1、TNF、TREM2、TREML2、TYROBP、及びZCWPW1、からなる群から選択される遺伝子に対応するmRNA転写産物の一部とハイブリダイズするのに十分な相補性を有する、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項131】
前記遺伝子が、HTT、MAPT、SNCA、C9ORF72、APOE、SCN9A、KCNT1、PRNP、及びMSH3からなる群から選択される、請求項130に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項132】
請求項110~131のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、負電荷を有する1つ以上の原子を含み、前記二価カチオンが2つの正電荷を含み、負電荷の正電荷に対する比が0.75~7.5であり、任意選択で、前記負電荷の正電荷に対する比が、1.0~2.0である、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項133】
i. 前記負電荷の正電荷に対する比が0.75~6.5であり、任意選択で、前記負電荷の正電荷に対する比が、0.75~5.5、0.75~4.5、0.75~3.5、0.75~2.5、0.75~1.5、もしくは0.75~1であり;
または
ii. 前記負電荷の正電荷に対する比が、1~7.5、1.5~7.5、2.5~7.5、3.5~7.5、4.5~7.5、5.5~7.5、もしくは6.5~7.5である、
請求項132に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項134】
請求項110~133のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、治療用オリゴヌクレオチドの、前記1つ以上の二価カチオンに対するモル比が、1:10~1:100である、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項135】
請求項134に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、治療用オリゴヌクレオチドの、前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、1:10~1:50であり、任意選択で、治療用オリゴヌクレオチドの前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、1:18~1:38であり、任意選択で、治療用オリゴヌクレオチドの前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、1:20~1:25であり、任意選択で、治療用オリゴヌクレオチドの、前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、約1:20であり、任意選択で、治療用オリゴヌクレオチドの、前記1つ以上の二価カチオンに対する前記モル比が、約1:25である、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項136】
前記1つ以上の二価カチオンの濃度が、10mM~150mMである、請求項110~135のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項137】
前記1つ以上の二価カチオンの前記濃度が、20mM~150mMであり、任意選択で、前記1つ以上の二価カチオンの前記濃度が、20mM~100mM、25mM~150mM、25mM~100mM、30mM~90mM、35mM~85mM、35mM~75mM、40mM~70mM、40mM~65mM、40mM~60mM、または40mM~50mMである、請求項136に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項138】
請求項110~137のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項139】
請求項110~137のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、干渉RNA分子であり、任意選択で、前記干渉RNA分子が、siRNA、miRNA、またはshRNAである、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項140】
請求項139に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、siRNAである、前記治療用オリゴヌクレオチド。
【請求項141】
請求項66~109のいずれか1項に記載のsiRNA分子及び添付文書を含むキットであって、任意選択で、前記添付文書が、前記キットの使用者に、ヒト対象の中枢神経系に前記siRNA分子を投与するように指示する、前記キット。
【請求項142】
請求項110~140のいずれか1項に記載の治療用オリゴヌクレオチド及び添付文書を含むキットであって、任意選択で、前記添付文書が、前記キットの使用者に、ヒト対象の中枢神経系に前記ASOを投与するように指示する、前記キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、1つ以上の二価カチオンにイオン結合する干渉RNA分子(例えば、短い干渉RNA分子)、ならびに1つ以上の遺伝子の調節を必要とする対象の中枢神経系にそれを送達する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの種において、二本鎖RNAの導入は、RNA干渉(RNAi)による強力かつ特異的な遺伝子サイレンシングを誘導する。この現象は、植物及び動物の両方で生じ、ウイルス防御及びトランスポゾンサイレンシング機構において役割を有する。例えば、一般に標的遺伝子よりもはるかに短い、短い干渉RNA(siRNA)は、遺伝子サイレンシングに有効であることが示されており、したがって、遺伝子をサイレンシングして、遺伝経路及び生化学経路の活性を疾患状態から正常で健康な状態に回復させるための治療剤として有用である。しかし、siRNAなどの干渉RNA分子の、対象への、特に対象の中枢神経系への送達は、とりわけ、発作、振戦、及び活動亢進運動行動を含む毒性副作用のリスクを伴う。それを必要とする対象への投与の際に低減された毒性をもたらす干渉RNA分子の必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、二価カチオン(例えば二価金属カチオン)で部分的または完全に飽和した複数のカチオン結合部位を含有する干渉RNA分子を提供する。例えば、本開示の干渉RNA分子は、1つ以上のホスホジエステルヌクレオシド間結合及び/またはその類似体、例としてホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含有することができ、ここで、オキシアニオン部分は、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、またはZn2+などの2価の金属カチオンとのイオン結合によって静電的に中和されている。干渉RNA分子を対象(例えば、ヒトなどの哺乳類対象)に投与する前に、干渉RNA分子(例えば、短い干渉RNA(siRNA))に1つ以上の二価カチオンを組み込むことによって、特に対象の中枢神経系において、そうでない場合に干渉RNA分子の投与によって引き起こされる場合がある毒性副作用が強力に抑制されることが、現在発見されている。
【0004】
本開示の組成物及び方法を使用して、干渉RNA分子(例えば、siRNA)などの治療用オリゴヌクレオチドを、イオン結合によって1つ以上の二価カチオンを組み込むことによって製剤化することができる。これは、治療用オリゴヌクレオチド(例えば、siRNAなどの干渉RNA分子)を含有する水溶液または懸濁液を、目的の二価カチオンを含有する水溶液または懸濁液で滴定することによって達成することができる。次に、二価カチオンで部分的または完全に飽和したカチオン結合部位を有する、その後の治療用オリゴヌクレオチドを、例えば水溶液または懸濁液の形態で対象に投与して、所望の遺伝子の発現を調節することができる。有利には、対象は、同じであるが1つ以上の二価カチオンを欠いている治療用オリゴヌクレオチドを投与される対象で観察されるよりも、頻度が低く及び/または規模が小さい副作用を経験する場合がある。
【0005】
第1の態様では、本開示は、1つ以上の二価カチオンを含有する塩の形態で、対象(例えば、ヒトなどの哺乳類対象)に、治療用オリゴヌクレオチド(例えば、とりわけ、本明細書に記載のsiRNAまたはアンチセンスオリゴヌクレオチド)を投与することによって、治療用オリゴヌクレオチドを対象に送達する方法を提供する。治療用オリゴヌクレオチドは、1つ以上の二価カチオンによって部分的または完全に飽和した複数のカチオン結合部位を含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドは、水溶液の形態で、または懸濁液の形態で対象に投与する。治療用オリゴヌクレオチドは、対象に全身的に、または対象の中枢神経系(CNS)に直接投与することができる。例えば、治療用オリゴヌクレオチドは、対象の脳脊髄液(CSF)、脊髄、脳実質、皮質、小脳、大脳基底核、尾状核、被殻、視床、淡蒼球、黒質、または別の脳構造に投与することができる。いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドは、髄腔内、脳室内、線条体内に、またはカテーテル挿入を介して大槽内注射によって投与する。いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドは、髄腔内に投与する。いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドは、脳室内に投与する。
【0007】
第2の態様では、本開示は、1つ以上の二価カチオンを含有する塩として製剤化された治療用オリゴヌクレオチド(例えば、siRNA)を提供する。治療用オリゴヌクレオチドは、1つ以上の二価カチオンによって部分的または完全に飽和した複数のカチオン結合部位を含有し得る。
【0008】
本開示の前述の態様のいずれかのいくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度は、約10%~約100%(例えば、約20%~約100%、約30%~約100%、約40%~約100%、約50%~約100%、約60%~約100%、約70%~約100%、約80%~約100%、または約90%~約100%)である。
【0009】
いくつかの実施形態では、カチオン結合部位は、ホスホジエステル結合及び/またはホスホロチオエート結合などのヌクレオシド間結合内に位置する。例えば、カチオン結合部位は、ホスホジエステル結合またはホスホロチオエート結合内のオキシアニオン部分であってもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンは、約30ピコメートル~約150ピコメートル(例えば、約30ピコメートル~約140ピコメートル、約40ピコメートル~約130ピコメートル、約50ピコメートル~約120ピコメートル、約60ピコメートル~約110ピコメートル、約60ピコメートル~約100ピコメートル、または約60ピコメートル~約90ピコメートル)の範囲のイオン半径を有するとして特徴付けられる。
【0011】
いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンには、硬いルイス酸が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンには、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、もしくはZn2+、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0012】
いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンには、Ba2+が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンには、Be2+が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンには、Ca2+が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンには、Cu2+が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンには、Mg2+が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンには、Mn2+が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンには、Ni2+が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンには、Zn2+が含まれる。
【0013】
いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンには、Ca2+及びMg2+が含まれ、任意選択で、Ca2+のMg2+に対する比は、1:100~100:1(例えば、1:75、1:50、1:25、1:10、1:5、1:1、5:1、10:1、25:1、50:1、75:1、または100:1)である。いくつかの実施形態では、Ca2+及びMg2+は、1:1の比で存在する。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンは、治療用オリゴヌクレオチドのカチオン結合部位から水を置き換える。
【0015】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドは、siRNA、短いヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、CRISPRガイドRNA、またはRNAアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である。いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドは、干渉RNA分子である。いくつかの実施形態では、干渉RNA分子は、siRNAである。siRNAは、分岐siRNA、例として二分岐siRNA分子、三分岐siRNA分子、または四分岐siRNA分子であってもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、二分岐siRNA分子は、式I~IIIのいずれか1つで表される:
【化1】
式中、各RNAは、独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分を表す。
【0017】
いくつかの実施形態では、二分岐siRNA分子は式Iで表される。いくつかの実施形態では、二分岐siRNA分子は式IIで表される。いくつかの実施形態では、二分岐siRNA分子は式IIIで表される。
【0018】
いくつかの実施形態では、三分岐siRNA分子は、式IV~VIIのいずれか1つで表される:

【化2】
式中、各RNAは、独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分を表す。
【0019】
いくつかの実施形態では、三分岐siRNA分子は式IVで表される。いくつかの実施形態では、三分岐siRNA分子は式Vで表される。いくつかの実施形態では、三分岐siRNA分子は式VIで表される。いくつかの実施形態では、三分岐siRNA分子は式VIIで表される。
【0020】
いくつかの実施形態では、四分岐siRNA分子は、式VIII~XIIのいずれか1つで表される:
【化3】
式中、各RNAは、独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分を表す。
【0021】
いくつかの実施形態では、四分岐siRNA分子は式VIIIで表される。いくつかの実施形態では、四分岐siRNA分子は式IXで表される。いくつかの実施形態では、四分岐siRNA分子は式Xで表される。いくつかの実施形態では、四分岐siRNA分子は式XIで表される。いくつかの実施形態では、四分岐siRNA分子は式XIIで表される。
【0022】
いくつかの実施形態では、リンカーは、エチレングリコール(例えば、トリエチレングリコール(TrEG)またはテトラエチレングリコール(TEG)などのポリエチレングリコール(PEG))、アルキル、炭水化物、ブロックコポリマー、ペプチド、RNA、及びDNAのうちの1つ以上の連続サブユニットからなる群から選択される。
【0023】
いくつかの実施形態では、リンカーはエチレングリコールオリゴマーである。いくつかの実施形態では、リンカーはアルキルオリゴマーである。いくつかの実施形態では、リンカーは炭水化物オリゴマーである。いくつかの実施形態では、リンカーはブロックコポリマーである。いくつかの実施形態では、リンカーはペプチドオリゴマーである。いくつかの実施形態では、リンカーはRNAオリゴマーである。いくつかの実施形態では、リンカーはDNAオリゴマーである。
【0024】
いくつかの実施形態では、エチレングリコールオリゴマーはPEGである。いくつかの実施形態では、PEGはTrEGである。いくつかの実施形態では、PEGはTEGである。
【0025】
いくつかの実施形態では、オリゴマーまたはコポリマーは、2~20の連続サブユニット(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の連続サブユニット)を含有する。
【0026】
いくつかの実施形態では、リンカーは、共有結合形成部分により1つ以上(例えば、1、2、3、4、またはそれ以上)のsiRNA分子を結合させる。
【0027】
いくつかの実施形態では、共有結合形成部分は、アルキル、エステル、アミド、カルバメート、ホスホネート、ホスフェート、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、トリアゾール、尿素、及びホルムアセタールからなる群から選択される。
【0028】
いくつかの実施形態では、リンカーは式L1の構造を含む。
【化4】
【0029】
いくつかの実施形態では、リンカーは式L2の構造を含む。
【化5】
【0030】
いくつかの実施形態では、リンカーは式L3の構造を含む。
【化6】
【0031】
いくつかの実施形態では、リンカーは式L4の構造を含む。
【化7】
【0032】
いくつかの実施形態では、リンカーは式L5の構造を含む。
【化8】
【0033】
いくつかの実施形態では、リンカーは式L6の構造を含む。
【化9】
【0034】
いくつかの実施形態では、リンカーは式L7の構造を含む。

【化10】
【0035】
いくつかの実施形態では、リンカーは式L8の構造を含む。
【化11】
【0036】
いくつかの実施形態では、リンカーは式L9の構造を含む。
【化12】
【0037】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドは、アンチセンス鎖と、アンチセンス鎖に対して相補性を有するセンス鎖とを含むか、または治療用オリゴヌクレオチドは、アンチセンス鎖のみを含むASOである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖及びセンス鎖は、2’-O-メチルリボヌクレオシドと2’-フルオロリボヌクレオシドを交互でさらに含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、干渉RNAアンチセンス鎖は、5’-3’方向に、以下の化学式で表される領域を含み:
Z-((A-P-)(B-P-)
式中、Zは、5’リン安定化部分であり;各Aは独立して、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;各Bは独立して、2’-フルオロ-リボヌクレオシドであり;各Pは、独立して、ホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択されるヌクレオシド間結合であり;nは、1~5の整数(例えば、1、2、3、4、または5)であり;mは、1~5の整数(例えば、1、2、3、4、または5)であり;qは1~30の間の整数(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30)である。
【0039】
いくつかの実施形態では、干渉RNAアンチセンス鎖は、式Iで表される構造を含み、式Iは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C’-P-C’
式I;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である。
【0040】
式Iのいくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、式A1で表される構造を含み、式A1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0041】
いくつかの実施形態では、干渉RNAアンチセンス鎖は、式IIで表される構造を含み、式IIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C-P-C’
式II;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である。
【0042】
式IIのいくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、式A2で表される構造を含み、式A2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-A-S-A
式A2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0043】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドセンス鎖は、式IIIによって表される構造を含み、式IIIは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-F
式III;
式中、Eは、式(C-Pで表され;
Fは、式(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-D、または(C-P-D-P-C-P-Dで表され;
A’、C、D、P、及びPは、式IIで定義されたとおりであり;
mは、1~7の整数である。
【0044】
式IIIのいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S1で表される構造を含み、式S1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-A
式S1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0045】
式IIIのいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S2で表される構造を含み、式S2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A
式S2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0046】
式IIIのいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S3で表される構造を含み、式S3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-B
式S3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0047】
式IIIのいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S4で表される構造を含み、式S4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B
式S4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0048】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドアンチセンス鎖は、式IVによって表される構造を含み、式IVは、5’-3’方向に以下であり、
A-(A’)-C-P-B-(C-P-C’
式IV;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式D-P-C-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である。
【0049】
式IVのいくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、式A3で表される構造を含み、式A3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B-S-A-S-A-S-A
式A3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0050】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドセンス鎖は、式Vによって表される構造を含み、式Vは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-C-P-F
式V;
式中、Eは、式(C-Pで表され;
Fは、式D-P-C-P-C、D-P-C-P-C、D-P-C-P-D、またはD-P-C-P-Dで表され;
A’、C、D、P、及びPは、式IVで定義されたとおりであり;
mは、1~7の整数である。
【0051】
式Vのいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S5で表される構造を含み、式S5は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A
式S5;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0052】
式Vのいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S6で表される構造を含み、式S6は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A
式S6;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0053】
式Vのいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S7で表される構造を含み、式S7は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B
式S7;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0054】
式Vのいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S8で表される構造を含み、式S8は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B
式S8;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0055】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドアンチセンス鎖は、式VIによって表される構造を含み、式VIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-E-B-E-F-G-D-P-C’
式VI;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各Bは、式C-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Eは、式D-P-C-Pで表され;
Fは、式D-P-C-Pで表され;
各Gは、式C-Pで表され;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数であり;
lは、1~7の整数である。
【0056】
式VIのいくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、式A4で表される構造を含み、式A4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0057】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドセンス鎖は、式VIIによって表される構造を含み、式VIIは、5’-3’方向に以下であり、
H-B-I-A’-B-H-C
式VII;
式中、各A’は、式C-P-D-Pで表され;
各Hは、式(C-Pで表され;
各Iは、式(D-P)で表され;
B、C、D、P、及びPは、式VIで定義されたとおりであり;
mは1~7の整数であり;
nは1~7の整数であり;
は1~7の整数である。
【0058】
式VIIのいくつかの実施形態では、センス鎖は、式s9で表される構造を含み、式S9は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-A-O-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-S-A-S-A
式S9;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0059】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、アンチセンス鎖の5’末端に5’リン安定化部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は、センス鎖の5’末端に5’リン安定化部分をさらに含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、5’リン安定化部分は、式IX~XVIのいずれか1つで表される:
【化13】
式中、Nucは、核酸塩基、例としてアデニン、ウラシル、グアニン、チミン、またはシトシンを表し、Rは、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、もしくは任意選択で置換されたアルキニル(例えば、任意選択で置換されたC1-C6アルキル、任意選択で置換されたC2-C6アルケニル、または任意選択で置換されたC2-C6アルキニル)、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、または水素を表す。
【0061】
いくつかの実施形態では、5’リン安定化部分は、式XVIに表される(E)-ビニルホスホネートである。
【0062】
いくつかの実施形態では、nは、1~4である。いくつかの実施形態では、nは、1~3である。いくつかの実施形態では、nは、1~2である。いくつかの実施形態では、nは1である。
【0063】
いくつかの実施形態では、mは、1~4である。いくつかの実施形態では、mは、1~3である。いくつかの実施形態では、mは、1~2である。いくつかの実施形態では、mは1である。
【0064】
いくつかの実施形態では、n及びmは、それぞれ1である。
【0065】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖中のリボヌクレオチドの50%以上が、2’-O-Meリボヌクレオチドである(例えば、アンチセンス鎖中のリボヌクレオチドの50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、2’-O-Meリボヌクレオチドであってもよい)。
【0066】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖中のリボヌクレオチドの60%以上が、2’-O-Meリボヌクレオチドである(例えば、アンチセンス鎖中のリボヌクレオチドの60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、2’-O-Meリボヌクレオチドであってもよい)。
【0067】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖中のリボヌクレオチドの70%以上が、2’-O-Meリボヌクレオチドである(例えば、アンチセンス鎖中のリボヌクレオチドの70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、2’-O-Meリボヌクレオチドであってもよい)。
【0068】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖中のリボヌクレオチドの80%以上が、2’-O-Meリボヌクレオチドである(例えば、アンチセンス鎖中のリボヌクレオチドの80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、2’-O-Meリボヌクレオチドであってもよい)。
【0069】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖中のリボヌクレオチドの90%以上が、2’-O-Meリボヌクレオチドである(例えば、アンチセンス鎖中のリボヌクレオチドの90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%が、2’-O-Meリボヌクレオチドであってもよい)。
【0070】
いくつかの実施形態では、ヌクレオシド間結合の10%以下が、ホスホジエステル結合またはホスホロチオエート結合である。いくつかの実施形態では、ヌクレオシド間結合の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%が、ホスホジエステル結合またはホスホロチオエート結合である。いくつかの実施形態では、ヌクレオシド間結合の100%が、ホスホジエステル結合またはホスホロチオエート結合である。
【0071】
いくつかの実施形態では、9つのヌクレオシド間結合が、ホスホジエステル結合またはホスホロチオエート結合である。
【0072】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの間(例えば、10ヌクレオチド、11ヌクレオチド、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、もしくは30ヌクレオチド)、15~25ヌクレオチドの間(例えば、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、もしくは25ヌクレオチド)、または18~23ヌクレオチドの間(例えば、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、もしくは23ヌクレオチド)である。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは、20ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは、21ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは、22ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは、23ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは、24ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは、25ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは、26ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは、27ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは、28ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは、29ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の長さは、30ヌクレオチドである。
【0073】
いくつかの実施形態では、分岐化合物のsiRNA分子は、リンカー(例えば、テトラエチレングリコールなどのエチレングリコールオリゴマー)を介して互いに接合する。いくつかの実施形態では、分岐化合物のsiRNA分子は、一方のsiRNA分子のセンス鎖と他方のsiRNA分子のセンス鎖との間のリンカーを介して互いに接合する。いくつかの実施形態では、siRNA分子は、一方のsiRNA分子のアンチセンス鎖と他方のsiRNA分子のアンチセンス鎖との間のリンカーを介して接合する。いくつかの実施形態では、分岐化合物のsiRNA分子は、一方のsiRNA分子のセンス鎖と他方のsiRNA分子のアンチセンス鎖との間のリンカーを介して互いに接合する。
【0074】
いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは12ヌクレオチド~30ヌクレオチドの間(例えば、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、もしくは30ヌクレオチド)、または14~18ヌクレオチドの間(例えば、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、もしく18ヌクレオチド)である。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、15ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、16ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、17ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、18ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、19ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、20ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、21ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、22ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、23ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、24ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、25ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、26ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、27ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、28ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、29ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖の長さは、30ヌクレオチドである。
【0075】
いくつかの実施形態では、4つのヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
【0076】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、18ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、18ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、18ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、18ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、18ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、19ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、19ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、19ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、19ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、19ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、19ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、20ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、20ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、20ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、20ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、20ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、20ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、20ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、21ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、21ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、21ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、21ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、21ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、21ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、21ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、21ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、21ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、21ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、22ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、21ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、22ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、23ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、21ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、22ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、23ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、24ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、21ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、22ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、23ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、24ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、25ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、21ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、22ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、23ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、24ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、25ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、26ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、21ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、22ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、23ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、24ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、25ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、26ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27クレオチドの長さであり、センス鎖は、27ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、21ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、22ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、23ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、24ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、25ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、26ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、27ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、28ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、21ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、22ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、23ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、24ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、25ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、26ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、27ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、28ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、29ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、14ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、15ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、16ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、17ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、18ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、19ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、20ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、21ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、22ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、23ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、24ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、25ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、26ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、27ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、28ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、29ヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドの長さであり、センス鎖は、30ヌクレオチドの長さである。
【0077】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドを対象に投与すると、対象における遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームのサイレンシングが生じる。遺伝子のサイレンシングは、参照対象で観察される発現及び/または活性のレベルに対する、発現及び/または活性の増加が疾患状態に関連する、遺伝子の正の調節因子をサイレンシングすることによって起こり得る。遺伝子のサイレンシングは、参照対象で観察される発現及び/または活性のレベルに対する、発現及び/または活性の低下が疾患状態に関連する、遺伝子の負の調節因子をサイレンシングすることによって起こり得る。遺伝子のサイレンシングは、参照対象における遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームの発現に対する、遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームの過剰発現が疾患状態に関連する、特異的遺伝子または特異的遺伝子のスプライスアイソフォームをサイレンシングすることによって起こり得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームは、対象の中枢神経系において転写的に発現される。
【0079】
いくつかの実施形態では、遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームのサイレンシングを使用して、中枢神経系の疾患と診断された対象を治療する。
【0080】
いくつかの実施形態では、遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームのサイレンシングを使用して、神経変性疾患、神経精神疾患、または他の神経障害と診断された対象を治療する。
【0081】
いくつかの実施形態では、疾患は、ハンチントン病である。いくつかの実施形態では、疾患は、パーキンソン病である。いくつかの実施形態では、疾患は、アルツハイマー病である。いくつかの実施形態では、疾患は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)である。いくつかの実施形態では、疾患は、レビー小体型認知症(DLB)である。いくつかの実施形態では、疾患は、純粋自律神経不全である。いくつかの実施形態では、疾患は、レビー小体型嚥下障害である。いくつかの実施形態では、疾患は、偶発的レビー小体病(ILBD)である。いくつかの実施形態では、疾患は、遺伝性レビー小体病である。いくつかの実施形態では、疾患は、オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)である。いくつかの実施形態では、疾患は、線条体黒質変性症である。いくつかの実施形態では、疾患は、シャイ・ドレーガー症候群である。いくつかの実施形態では、疾患は、てんかんまたはてんかん障害である。いくつかの実施形態では、疾患は、プリオン病である。いくつかの実施形態では、疾患は、疼痛または疼痛障害である。
【0082】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、ABCA7、ABI3、ADAM10、APOC1、APOE、AXL、BIN1、C1QA、C3、C9ORF72、CASS4、CCL5、CD2AP、CD33、CD68、CLPTM1、CLU、CR1、CSF1、CST7、CTSB、CTSD、CTSL、CXCL10、CXCL13、DSG2、ECHDC3、EPHA1、FABP5、FERMT2、FTH1、GNAS、GRN、HBEGF、HLA-DRB1、HLA-DRB5、HTT、IFIT1、IFIT3、IFITM3、IFNAR1、IFNAR2、IGF1、IL10RA、IL1A、IL1B、IL1RAP、INPP5D、ITGAM、ITGAX、KCNT1、LILRB4、LPL、MAPT、MEF2C、MMP12、MS4A4A、MS4A6A、MSH3、NLRP3、NME8、NOS2、PICALM、PILRA、PLCG2、PRNP、PTK2B、SCIMP、SCN9A、SLC24A4、SNCA、SORL1、SPI1、SPP1、SPPL2A、TBK1、TNF、TREM2、TREML2、TYROBP、及びZCWPW1、からなる群から選択される遺伝子の一部とハイブリダイズするのに十分な相補性を有する。いくつかの実施形態では、遺伝子は、HTT、MAPT、SNCA、C9ORF72、APOE、SCN9A、KCNT1、PRNP、及びMSH3からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、遺伝子はHTTである。いくつかの実施形態では、遺伝子はMAPTである。いくつかの実施形態では、遺伝子はSNCAである。いくつかの実施形態では、遺伝子はC9ORF72である。いくつかの実施形態では、遺伝子はAPOEである。いくつかの実施形態では、遺伝子はSCN9Aである。いくつかの実施形態では、遺伝子はKCNT1である。いくつかの実施形態では、遺伝子はPRNPである。いくつかの実施形態では、遺伝子はMSH3である。
【0083】
いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0084】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドは、負電荷を有する1つ以上の原子を含み、二価カチオンは2つの正電荷を含む。いくつかの実施形態では、負電荷の正電荷に対する比は0.75~7.5(例えば、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5)である。いくつかの実施形態では、負電荷の正電荷に対する比は1.0~2.0(例えば、1.0~1.9、1.0~1.8、1.0~1.7、1.0~1.6、1.0~1.5、1.0~1.4、1.0~1.3、1.0~1.2、1.0~1.1、1.1~2.0、1.2~2.0、1.3~2.0、1.4~2.0、1.5~2.0、1.6~2.0、1.7~2.0、1.8~2.0、または1.9~2.0)である。いくつかの実施形態では、負電荷の正電荷に対する比は0.75~6.5(例えば、0.75~5.5、0.75~4.5、0.75~3.5、0.75~2.5、0.75~1.5、または0.75~1)である。いくつかの実施形態では、負電荷の正電荷に対する比は1~7.5(例えば、1.5~7.5、2.5~7.5、3.5~7.5、4.5~7.5、5.5~7.5、または6.5~7.5)である。いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドの二価カチオンに対するモル比は、1:10~1:100(例えば、1:10~1:50、1:18~1:38、1:20~1:25、1:25、または1:20)である。いくつかの実施形態では、1つ以上の二価カチオンの濃度は、10mM~150mM(例えば、20mM~150mM、20mM~100mM、25mM~150mM、25mM~100mM、30mM~90mM、35mM~85mM、35mM~75mM、40mM~70mM、40mM~65mM、40mM~60mM、または40mM~50mM)である。
【0085】
第3の態様では、本開示は、1つ以上の二価カチオンを含む塩として製剤化されたsiRNA分子を合成する方法であって、1つ以上の二価カチオンの存在下でアンチセンス鎖及びセンス鎖を加熱することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、加熱することは、少なくとも90℃まで加熱することを含む。いくつかの実施形態では、siRNA分子は、本開示の前述の態様または実施形態のいずれかのsiRNA分子である。
【0086】
第4の態様では、本開示は、1つ以上の二価カチオンを含む塩として製剤化されたsiRNA分子を合成する方法であって、ハイブリダイズしたsiRNA二本鎖を、1つ以上の二価カチオンの存在下で加熱せずにインキュベートすることを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、siRNA分子は、本開示の前述の態様または実施形態のいずれかのsiRNA分子である。
【0087】
第5の態様では、本開示は、第3または第4の態様の方法によって合成されたsiRNA分子を提供する。
【0088】
別の態様では、本開示は、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤と組み合わせて、本開示の先の態様の治療用オリゴヌクレオチドを含有する医薬組成物を提供する。
【0089】
さらなる態様では、本開示は、本開示の第2の態様の治療用オリゴヌクレオチドまたは前述の態様の医薬組成物を含むキットを提供する。キットはまた、キットの使用者に、本開示の前述の第1の態様またはその任意の実施形態の方法など、本明細書に記載の方法を実行するように指示する添付文書を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0090】
図1図1Aは、実験手順の毒性を監視しスコアリングするための本明細書に記載の方法が従う、FVB/NJ、Fマウスへの片側ICV注射の実験概要である。ICV注射は、5μlまたは10μlのいずれかの量で行い、10nmolまたは20nmolのいずれかのsiRNAを0.5μl/分の流速で投与した。図1Bは、実験ICV手順後の、マウスにおけるEvADINT-Aスコアの散布図である。各ICV注射の実験条件には、以下の4つのイオン条件:A)Mg2;B)Ca2;C)Mg2及びCa2;またはD)PBSのみ(対照)のうちの1つの存在下でハイブリダイズした二本鎖siRNAの送達が含まれる。スコアが高いほど、実験条件の毒性がより高いと考えられる。
図2A】種々の二価カチオンの存在下での本開示のジ-siRNA分子によるmRNAノックダウンを示す棒グラフである。試験した各条件(PBSのみ、Mg2+を伴うジ-siRNA、Ca2+を伴うジ-siRNA、Mg2+及びCa2+を伴うジ-siRNA、ならびにPBSを伴うジ-siRNA)を、脳の4つの異なる部分でのノックダウンについて評価した。各条件についての4つの棒は、左から右に、前頭皮質、運動皮質、線条体、及び海馬を表す。
図2B】本開示のジ-siRNA分子による目的の遺伝子の用量依存的ノックダウンを示す棒グラフである。x軸では、「対照」は未処置対照を指し、「PBS」はPBSを伴うジ-siRNAを指し、「Mg」はMg2+を伴うジ-siRNAを指し、「Ca」はCa2+を伴うジ-siRNAを指す。
図2C】種々の二価カチオンの存在下での本開示のジ-siRNA分子の組織分布を示す散布図である。試験した各条件(PBSのみ、Mg2+を伴うジ-siRNA、Ca2+を伴うジ-siRNA、Mg2+及びCa2+を伴うジ-siRNA、及びPBSを伴うジ-siRNA)を、脳の4つの異なる部分での取り込みについて評価した。y軸は、PNAハイブリダイゼーションアッセイで測定した、タンパク質1mgあたりのオリゴヌクレオチドのfmolを表す。試験した各条件(PBSのみ、Mg2+を伴うジ-siRNA、Ca2+を伴うジ-siRNA、Mg2+及びCa2+を伴うジ-siRNA、及びPBSを伴うジ-siRNA)を、4つの異なる脳領域での取り込みについて評価した。左から右に、試験した各条件について、点は、それぞれ前頭皮質、運動皮質、線条体、及び海馬を示す。
図3A】様々な濃度のMg2+の存在下で、20nmolのsiRNA分子で処置した、またはPBS中のMg2+の対照条件で処置したマウスにおけるEvADINT-Aスコアの散布図である。スコアが高いほど、実験条件の毒性がより高いと考えられた。図3Aにおいて、「添加」は、siRNA二本鎖のハイブリダイゼーション後にMg2+がsiRNAに添加されたことを示し、「Re-hyb」は、siRNA分子を加熱してこれを再ハイブリダイズさせる前にMg2+が添加されたことを示す。Mgの各濃度について、重量オスモル濃度、pH、及びMgに対するsiRNAの比を下に示す。
図3B】様々な濃度のCa2+の存在下で、20nmolのsiRNA分子で処置したマウスにおけるEvADINT-Aスコアの散布図である。スコアが高いほど、実験条件の毒性がより高いと考えられた。
図3C】様々な濃度のMg2+/Ca2+の存在下で、20nmolのsiRNA分子で処置したマウスにおけるEvADINT-Aスコアの散布図である。スコアが高いほど、実験条件の毒性がより高いと考えられた。
図3D】一定比のMg2+の存在下で、様々な濃度のsiRNA分子で処置した、またはカチオンを伴わないPBS中のsiRNAの対照条件で処置したマウスにおけるEvADINT-Aスコアの散布図である。スコアが高いほど、実験条件の毒性がより高いと考えられた。各実験条件について、重量オスモル濃度及びpHを下に示す。
【0091】
定義
本明細書において別途定義されない限り、本明細書において使用される科学用語及び技術用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有する。いずれかの潜在的な曖昧さがある場合、本明細書で提供される定義が、任意の辞書または外部の定義よりも優先される。文脈によって別段の要求がない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。「または」の使用は、特に明記しない限り、「及び/または」を意味する。「含む(including)」という用語、ならびに「含む(includes)」及び「含まれる(included)」などの他の形態の使用は、限定的ではない。
【0092】
本明細書で使用する「核酸」という用語は、それぞれリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドの鎖からなるRNAまたはDNA分子を指す。
【0093】
本明細書中で使用される場合、「キャリア核酸」という用語は、治療用核酸と配列相補性を有し、治療用核酸とハイブリダイズする核酸分子(例えば、リボ核酸)を指す。本明細書で使用される場合、「3’末端」という用語は、リボース環の3’炭素にヒドロキシル基または修飾ヒドロキシル基を含有する核酸の末端を指す。
【0094】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド」という用語は、複素環式塩基及びその糖からなる分子を指す。
【0095】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド」という用語は、その3’または5’糖ヒドロキシル基にリン酸基を有するヌクレオシドを指す。リン酸基変異体の例としては、飽和アルキルホスホネート、不飽和アルケニルホスホネート、ホスホロチオエート、及びホスホラミダイトが挙げられるが、これらに限定されない。
【0096】
本明細書で使用される場合、「siRNA」という用語は、RNA干渉(RNAi)経路を誘導する小さな干渉RNA二本鎖を指す。siRNA分子は、様々な長さであってもよく(一般に、10~30塩基対)、それらの標的mRNAに対して様々な程度の相補性を含有し得る。「siRNA」という用語は、2つの別個の鎖の二本鎖、及び任意選択で二本鎖領域を含むヘアピン構造を形成する一本鎖を含む。
【0097】
本明細書で使用される場合、「アンチセンス鎖」という用語は、標的遺伝子に対してある程度の相補性を含有するsiRNA二本鎖の鎖を指す。
【0098】
本明細書で使用される場合、「センス鎖」という用語は、アンチセンス鎖に対する相補性を含有するsiRNA二本鎖の鎖を指す。
【0099】
本明細書で使用される場合、「二価カチオン」という用語は、価数2+の正に荷電したイオン(すなわち、カチオン)を指す。二価カチオンの例としては、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、またはZn2+が挙げられる。正電荷のため、二価カチオンは、典型的には、負に荷電した原子(例えば、単位または部分的な負電荷を担持するリン酸基またはホスホロチオエート基からのオキシアニオン)とイオン結合を形成する。
【0100】
本明細書で使用される場合、「イオン半径(radius)」及び「複数のイオン半径(radii)」という用語は、イオン性結晶構造の形態で測定された場合の、1つ以上の単原子イオン(例えば、二価カチオン)の半径を指す。イオン半径は、典型的には、ピコメートルまたはオングストロームの単位で測定する。
【0101】
本明細書で使用される場合、「塩」という用語は、アニオン性成分(例えば、単位または部分的な負電荷を担持するリン酸基もしくはホスホロチオエート基からのオキシアニオン)とカチオン性成分(例えば、二価のカチオン)との間のイオン性会合を含有する任意の化合物を指す。塩は、種々の物理的形態を有する。例えば、塩は、固体、結晶性、イオン性化合物であってもよく、または塩の成分イオンが混和性である溶媒(例えば、水または別の極性、プロトン性溶媒)に塩が溶解している溶液の形態であってもよい。塩はまた、懸濁液、例として(i)目的の塩及び第1の溶媒を含有する均質溶液と、(ii)第1の溶媒と完全には混和性でない第2の溶媒とを接触させることによって形成される懸濁液中に存在することもできる。懸濁液の例は、目的の塩を含有する水溶液を、1つ以上の非極性官能基を含有する有機溶媒など、水と完全には混和性ではない溶媒と接触させることによって形成される懸濁液である。本開示の文脈において、「塩」には、1つ以上の二価カチオン(例えば、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、もしくはZn2+、またはそれらの組み合わせ)によって飽和した複数のカチオン結合部位を含有するオリゴヌクレオチドが含まれる。
【0102】
「治療用オリゴヌクレオチド」という用語は、(i)目的のタンパク質または核酸(例えば、RNA)産物をコードする目的の遺伝子に導入されると、タンパク質または核酸産物の発現を減少させるか、または別様に調節するオリゴヌクレオチドを指す。治療用オリゴヌクレオチドの例は、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、Tijsterman and Plasterk,Cell 117(1):1-3(2004)に記載されているように、例えばRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)により目的の遺伝子の発現を減弱させるものである。治療用オリゴヌクレオチドの追加の例は、目的の遺伝子座またはRNA転写産物にアニーリングすることによって遺伝子発現を調節するもの、ならびに:(i)転写または翻訳を調節する(例えば、阻害する)、(ii)細胞の内因性スプライシング機構を妨害することにより、エクソンスキッピングまたはインクルージョンを調節(例えば、誘導)する、及び/または(iii)当技術分野で公知である、または本明細書に記載されているCRISPR関連タンパク質技術(例えば、gRNA)によって、遺伝子編集または塩基編集を促進する、ものである。本開示の治療用オリゴヌクレオチドは、一本鎖もしくは二本鎖で、単量体であるか、または分岐していてもよい。治療用オリゴヌクレオチドの具体例は、小さな干渉RNA(siRNA)分子、マイクロRNA(miRNA)、短いヘアピンRNA(shRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)、及びCRISPRガイドRNA(gRNA)分子である。本開示の文脈において、治療用オリゴヌクレオチドは、1つ以上の付加部分(例えば、抗体または他のタンパク質)に結合していなくても、または結合(例えば、コンジュゲート)していてもよい。
【0103】
「干渉RNA分子」という用語は、標的RNA転写産物の内因性機能を抑制する、小さな干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、または短いヘアピンRNA(shRNA)などのRNA分子を指す。
【0104】
本明細書で使用される場合、「発現する」及び「発現」という用語は、以下の事象のうちの1つ以上を指す:(1)DNA配列からのRNA鋳型の生成(例えば、転写による);(2)RNA転写産物のプロセシング(例えば、スプライシング、編集、5’キャップ形成、及び/または3’末端プロセシングによる);ならびに(3)RNAのポリペプチドまたはタンパク質への翻訳。タンパク質産物をコードする遺伝子の文脈において、「遺伝子発現」などの用語は、「タンパク質発現」などの用語と交換可能に使用される。患者における目的の遺伝子またはタンパク質の発現は、例えば以下:対応するタンパク質をコードするmRNAの量または濃度の増加(例えば、本明細書に記載の、または定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)及びRNAseq技術などの当技術分野で公知のRNA検出手順を使用して評価される)、対応するタンパク質の量または濃度の増加(例えば、本明細書に記載される、またはとりわけ酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)などの当技術分野で公知のタンパク質検出方法を使用して評価される)、及び/または患者から得られた試料中の対応するタンパク質の活性の増加(例えば、酵素の場合、本明細書に記載のまたは当技術分野で公知の酵素活性アッセイを使用して評価される)を検出することによって明らかになる。本明細書で使用される場合、細胞内または細胞が存在する培地中で上記の事象の1つ以上またはすべてを検出することができる場合、細胞は目的の遺伝子またはタンパク質を「発現」していると考えられる。例えば、目的の遺伝子またはタンパク質は、以下、(i)細胞または細胞集団による、mRNA鋳型などの対応するRNA転写産物の産生(例えば、本明細書に記載のRNA検出手順を使用する);(ii)RNA転写産物のプロセシング(例えば、本明細書に記載のRNA検出手順を使用するような、スプライシング、編集、5’キャップ形成、及び/または3’末端プロセシングによる);ならびに(iii)RNA鋳型のタンパク質産物への翻訳(例えば、本明細書に記載のタンパク質検出手順を使用する);及び/または(iv)タンパク質産物の翻訳後修飾(例えば、本明細書に記載のタンパク質検出手順を使用する)を検出することができれば、細胞または細胞集団によって「発現」していると考えられる。
【0105】
本明細書で使用される場合、siRNAの設計との関連において「標的」、「標的化する」、及び「標的化された」という用語は、mRNAからタンパク質産物への翻訳が減少する様式で、アンチセンス鎖を目的のmRNA転写産物内の領域にアニーリングするようにアンチセンス鎖を生成することを指す。
【0106】
「カチオン結合部位」という用語は、部分的な負電荷または単位負電荷(例えば、ホスフェートまたはホスホロチオエートのオキシアニオン)のいずれかを担持し、カチオン(例えば、二価カチオン)とイオン性会合を形成することができる、治療用オリゴヌクレオチド中の置換基を指す。
【0107】
「飽和度」という用語は、特定のカチオン種(例えば、二価カチオン)によってイオン結合するカチオン結合部位の相対的割合を指す。
【0108】
「硬いルイス酸」という用語は、小さいイオン半径、高い正電荷密度、水を置換する強力な能力、及び高エネルギー最低空分子軌道(LUMO)を特徴とする化学酸を指す。
【0109】
本明細書で使用される場合、「化学修飾ヌクレオチド」、「ヌクレオチド類似体」、「改変ヌクレオチド」及び「修飾ヌクレオチド」という用語は、天然に存在しないリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドを含む、非標準的なヌクレオチドを指す。例示的なヌクレオチド類似体は、ヌクレオチドの特定の化学的特性を変化させながらも、ヌクレオチド類似体が意図した機能を実行する能力を保持するように、任意の位置で修飾される。
【0110】
本明細書で使用される場合、「代謝的に安定化された」という用語は、対象に投与されるRNA分子の代謝速度を低下させるために化学修飾されたリボヌクレオチドを含むRNA分子を指す。例示的な修飾には、2’-ヒドロキシから2’-O-メトキシまたは2’-フルオロへ、及びホスホジエステルからホスホロチオエートへ、が含まれる。
【0111】
本明細書で使用される場合、「ホスホロチオエート」という用語は、リン酸基の酸素のうちの1つ以上を硫黄で置換することによって修飾されるヌクレオチドのリン酸基を指す。
【0112】
本明細書で使用される場合、「アンタゴmiR」という用語は、miRNA活性の阻害剤として機能し得る核酸を指す。
【0113】
本明細書で使用される場合、「ギャップマー」という用語は、RNアーゼH切断を誘導するのに十分な長さのデオキシヌクレオチドモノマーの中央ブロックを含有するキメラアンチセンス核酸を指す。デオキシヌクレオチドブロックは、リボヌクレオチドモノマーまたは修飾を含有するリボヌクレオチドモノマーによって隣接される。
【0114】
本明細書で使用される場合、「mixmer」という用語は、ロックされた核酸(LNA)とDNAとの混合物を含有する核酸を指す。
【0115】
本明細書で使用される場合、「ガイドRNA」という用語は、CRISPR/Cas9遺伝子編集システムで使用されるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)配列のすぐ上流または1塩基対上流のゲノム中の特定の配列に対して配列相補性を有する核酸を指す。あるいは、「ガイドRNA」は、特定のメッセンジャーRNA(mRNA)配列に対して配列相補性を有する(例えば、アンチセンスである)核酸を指してもよい。この文脈において、ガイドRNAはまた、ガイドRNAがハイブリダイズするmRNAの配列と同一または実質的に同一である、等しいまたはより短い長さの「パッセンジャーRNA」配列に対する配列相補性を有し得る。
【0116】
本明細書で使用される場合、「エチレングリコール鎖」という用語は、式((CHOH))を有する炭素鎖を指す。
【0117】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、飽和炭化水素基を指す。アルキル基は、非環式であっても環式であってもよく、置換されていない場合、C及びHのみを含有する。特定の数の炭素を有するアルキル残基に名前を付ける場合、その数の炭素を有する全ての幾何学的異性体が、包含され、記載されることが意図される;したがって、例えば、「ブチル」は、n-ブチル、sec-ブチル、及びイソ-ブチルを含むことを意味する。アルキルの例としては、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキルは置換され得る。アルキル基に導入され得る好適な置換基には、とりわけ、例えば、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、及びハロが含まれる。
【0118】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、少なくとも1つのオレフィン不飽和部位を有する(すなわち、式C=Cの少なくとも1つの部分を有する)非環式または環式不飽和炭化水素基を指す。アルケニル基は、置換されていない場合、C及びHのみを含有する。特定の数の炭素を有するアルケニル残基に名前を付ける場合、その数の炭素を有する全ての幾何学的異性体が、包含され、記載されることが意図される;したがって、例えば、「ブテニル」は、n-ブテニル、sec-ブテニル、及びイソ-ブテニルを含むことを意味する。アルケニルの例としては、-CH=CH、-CH-CH=CH、及び-CH-CH=CH-CH=CHが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルケニルは置換され得る。アルケニル基に導入され得る好適な置換基には、とりわけ、例えば、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、及びハロが含まれる。
【0119】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」は、少なくとも1つのアセチレン不飽和部位を有する(すなわち、式C≡Cの少なくとも1つの部分を有する)非環式または環式不飽和炭化水素基を指す。アルキニル基は、置換されていない場合、C及びHのみを含有する。特定の数の炭素を有するアルキニル残基に名前を付ける場合、その数の炭素を有する全ての幾何学的異性体が、包含され、記載されることが意図される;したがって、例えば、「ペンチニル」は、n-ペンチニル、sec-ペンチニル、及びイソ-ペンチニルを含むことを意味する。アルキニルの例としては、-C≡CH及び-C≡C-CHが挙げられる。いくつかの実施形態では、アルキニルは置換され得る。アルキニル基に導入され得る好適な置換基には、とりわけ、例えば、ヒドロキシ、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、及びハロが含まれる。
【0120】
本明細書で使用される場合、「フェニル」という用語は、環の炭素原子から1つの水素原子が除去された単環式アレーンを示す。フェニル基は、非置換であるか、または1つ以上の好適な置換基で置換することができ、置換基は、フェニル基のHを置換する。
【0121】
本明細書で使用される場合、「ベンジル」という用語は、トルエンのメチル基に結合した水素原子が除去されたときに得られる一価のラジカルを指す。ベンジルは、一般に、フェニル-CH-の式を有する。ベンジル基は、非置換であるか、または1つ以上の好適な置換基で置換することができる。例えば、置換基は、フェニル成分のH及び/またはメチレン(-CH-)成分のHを置き換えてもよい。
【0122】
本明細書で使用される場合、「アミド」という用語は、アミノカルボニル官能基に結合したアルキル、アルケニル、アルキニル、または芳香族基を指す。
【0123】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド間」及び「ヌクレオチド間」という用語は、それぞれヌクレオシドとヌクレオチドの間の結合を指す。
【0124】
本明細書で使用される場合、「トリアゾール」という用語は、2つの炭素及び3つの窒素の5員環を有し、その位置が変化して複数の異性体をもたらし得る、式(C)を有する複素環式化合物を指す。
【0125】
本明細書で使用される場合、「末端基」という用語は、炭素鎖または核酸が終わる基を指す。
【0126】
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」は、アミン及びカルボキシル官能基ならびアミノ酸に特異的な側鎖を含有する分子を指す。
【0127】
いくつかの実施形態では、アミノ酸は、タンパク質原性アミノ酸の群から選択される。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、L-アミノ酸またはD-アミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、合成アミノ酸(例えば、ベータ-アミノ酸)である。
【0128】
本明細書で使用される場合、「親油性アミノ酸」という用語は、疎水性部分(例えば、アルキル鎖または芳香族環)を含むアミノ酸を指す。
【0129】
本明細書で使用される場合、「送達標的」という用語は、分岐したオリゴヌクレオチド組成物を送達することが所望される臓器または体の一部を指す。
【0130】
本明細書で使用される場合、「X~Yの間」という用語は、XとYの値を含む。例えば、「X~Yの間」は、Xの値とYの値との間の値の範囲、ならびにXの値とYの値を指す。
【0131】
本明細書で使用される場合、「分岐siRNA」という用語は、互いに共有結合した2つ以上の二本鎖siRNA分子を含有する化合物を指す。一例として、分岐siRNA分子は、「二分岐」であってもよく、本明細書において「ジ-siRNA」とも称され、ここで、このsiRNA分子は、例えばリンカーを介して互いに共有結合する2つのsiRNA分子を含む。分岐siRNA分子は、「三分岐」であってもよく、本明細書において「トリsiRNA」とも称され、ここで、このsiRNA分子は、例えばリンカーを介して互いに共有結合する3つのsiRNA分子を含む。分岐siRNA分子は、「四分岐」であってもよく、本明細書において「テトラsiRNA」とも称され、ここで、このsiRNA分子は、例えばリンカーを介して互いに共有結合する4つのsiRNA分子を含む。
【0132】
本明細書で使用される場合、「分岐点部分」という用語は、siRNA分子のアンチセンス鎖またはセンス鎖の5’末端または3’末端に共有結合し得る、本開示の分岐siRNA構造の化学部分を指し、これは、追加の一本鎖または二本鎖siRNA分子の結合を支持することができる。開示された方法及び組成物と併せて使用するのに好適な分岐点部分の非限定的な例としては、例えば、ホスホロアミダイト、トシル化ソルケタール、1,3-ジアミノプロパノール、ペンタエリスリトール、及び米国特許第10,478,503号に記載されている分岐点部分のいずれか1つが挙げられる。
【0133】
本明細書で使用される場合、「5’リン安定化部分」という用語は、ホスフェートならびに修飾ホスフェート(例えば、ホスホロチオエート、ホスホジエステル、ホスホネート)を含む末端リン酸基を指す。ホスフェート部分は、いずれかの末端に位置し得るが、5’末端ヌクレオシドにおいて好ましい。一態様では、末端ホスフェートは、式-O-P(=O)(OH)OHを有し、非修飾である。別の態様では、末端ホスフェートは、O及びOH基のうちの1つ以上が、H、O、S、N(R’)、またはR’がHであるアルキル、アミノ保護基、または非置換もしくは置換アルキルで置換されるように修飾される。いくつかの実施形態では、5’及びまたは3’末端基は、各々独立して、非修飾(ジホスフェートもしくはトリホスフェート)または修飾された1~3個のホスフェート部分を含むことができる。
【0134】
例えば、ホスホジエステル及びホスホロチオエートを含む、本明細書に提供されるある特定のヌクレオチド間結合は、生理学的pHで-1の形式電荷を含み、この形式電荷は、カチオン性部分、例えば、ナトリウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属、カルシウムもしくはマグネシウムなどのアルカリ土類金属、またはアンモニウムもしくはグアニジニウムイオン、または複数の二価カチオン(例えば、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、Zn2+、もしくはそれらの組み合わせ)、によって平衡されることが理解される。
【0135】
ヌクレオチドのリン酸基はまた、例えば、リン酸基の1つ以上の酸素を硫黄(例えば、ホスホロチオエート)で置換することによって、またはヌクレオチドがその意図される機能を実行可能にする他の置換を作成することにより、修飾されてもよく、例えば、Eckstein,Antisense Nucleic Acid Drug Dev.10:117-21,2000;Rusckowski et al.,Antisense Nucleic Acid Drug Dev.10:333-45,2000;Stein,Antisense Nucleic Acid Drug Dev.11:317-25,2001;Vorobjev et al.,Antisense Nucleic Acid Drug Dev.11:77-85,2001;及びUS5,684,143に記載されている。
【0136】
本明細書で使用される場合、「相補的な」という用語は、正規のワトソン・クリック塩基対を形成する2つのヌクレオチドを指す。誤解を避けるために記すと、本開示との関連において、ワトソン・クリック塩基対は、アデニン-チミン、アデニン-ウラシル、及びシトシン-グアニン塩基対を含む。この文脈において、適切なワトソン・クリック塩基対は「一致」と呼ばれる一方で、対形成していないそれぞれのヌクレオチド、及び、不適切に対形成したヌクレオチドは、「ミスマッチ」と呼ばれる。核酸配列相補性割合を測定する目的のアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、またはMegalignソフトウェアなどの、一般に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当業者の能力の範囲内の様々な方法で達成することができる。
【0137】
参照ポリヌクレオチド配列に対する「配列相補性パーセント(%)」とは、必要に応じて、最大の配列相補性パーセントを達成するために、配列をアラインメントさせ、ギャップを導入した後に、参照ポリヌクレオチド配列中の核酸に相補的である候補配列中の核酸のパーセンテージとして定義される。2つのヌクレオチドが、標準的なワトソン・クリック塩基対を形成する場合に、所与のヌクレオチドは、本明細書に記載する参照ヌクレオチドに「相補性」であると考えられる。誤解を避けるために記すと、本開示との関連において、ワトソン・クリック塩基対は、アデニン-チミン、アデニン-ウラシル、及びシトシン-グアニン塩基対を含む。この文脈において、適切なワトソン・クリック塩基対は「一致」と呼ばれる一方で、対形成していないそれぞれのヌクレオチド、及び、不適切に対形成したヌクレオチドは、「ミスマッチ」と呼ばれる。核酸配列相補性パーセントを測定する目的のアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、またはMegalignソフトウェアなどの、一般に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当業者の能力の範囲内の種々の方法で達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大相補性を達成するのに必要な任意のアルゴリズムを含め、配列をアラインメントするのに適切なパラメータを決定することができる。実例として、所与の核酸配列Aの、所与の核酸配列Bに対する配列相補性パーセント(これはあるいは、所与の核酸配列Bに対してある特定の相補性パーセントを有する、所与の核酸配列Aと呼ぶことができる)は、以下のとおり計算される:
100×(分数X/Y)
式中、Xは、A及びBのプログラムアラインメントにおける(例えば、BLAST等のコンピュータソフトウェアによって実行される)アラインメントにおける相補的塩基対の数であり、Yは、Bにおける核酸の総数である。核酸配列Aの長さが、核酸配列Bの長さと等しくない場合、Bに対するAの配列相補性のパーセントは、Aに対するBの配列相補性のパーセントと等しくないことが理解される。本明細書で使用される場合、クエリ核酸配列が参照核酸配列に対する100%の配列相補性を有する場合、クエリ核酸配列は、参照核酸配列に対して「完全に相補的」であると考えられる。
【0138】
参照ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列に対する「配列同一性パーセント(%)」とは、必要に応じて、最大の配列同一性パーセントを達成するために、配列をアラインメントさせ、ギャップを導入した後に、参照ポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列中の核酸またはアミノ酸と同一である候補配列中の核酸またはアミノ酸のパーセンテージとして定義される。核酸またはアミノ酸配列同一性パーセントを測定する目的のアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、またはMegalignソフトウェアなどの、一般に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当業者の能力の範囲内の種々の方法で達成することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大アラインメントを達成するのに必要な任意のアルゴリズムを含め、配列をアラインメントするのに適切なパラメータを決定することができる。例えば、配列同一性パーセント値は、配列比較コンピュータプログラムBLASTを使用して生成することができる。実例として、所与の核酸またはアミノ酸配列Aの、所与の核酸またはアミノ酸配列Bに対する(to)、対する(with)、もしくは対する(against)配列同一性パーセント(これはあるいは、所与の核酸またはアミノ酸配列Bに対して(to)、対して(with)、もしくは対して(against)ある特定の配列同一性パーセントを有する、所与の核酸またはアミノ酸配列Aと呼ぶことができる)は、以下のとおり計算される:
100×(分数X/Y)
式中、Xは、配列アライメントプログラム(例えば、BLAST)により、A及びBのプログラムアラインメントおいて完全な一致としてスコア付けされたヌクレオチドまたはアミノ酸の数であり、Yは、Bにおける核酸の総数である。核酸またはアミノ酸配列Aの長さが、核酸またはアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、Bに対するAの配列同一性パーセントは、Aに対するBの配列同一性パーセントと等しくないことが理解される。
【0139】
本明細書で使用される「ハイブリダイズするのに十分な相補性」という用語は、標的領域に対して1つ以上のヌクレオチドミスマッチがあるが、指定された条件下で依然として標的領域にハイブリダイズできる、標的領域または核酸配列またはその一部に対して完全に相補的(例えば、100%相補的)である必要はない核酸配列またはその一部を指す。例えば、核酸は、例えば、95%相補的、90%相補的、85%相補的、80%相補的、75%相補的、70%相補的、65%相補的、60%相補的、55%相補的、50%相補的、またはそれ以下、であるが、それでもその全長にわたってハイブリダイズするのに十分な塩基対を標的と形成する。
【0140】
核酸の「ハイブリダイゼーション」または「アニーリング」は、ポリヌクレオチド塩基対内の1つ以上のヌクレオシド残基が1つ以上の相補的ヌクレオシドと対合して安定な二本鎖を形成する場合に達成される。塩基対合は通常、水素結合事象によって引き起こされる。ハイブリダイゼーションとしては、天然及び/または修飾核酸塩基から形成されるワトソン・クリック塩基対が挙げられる。ハイブリダイゼーションは、ゆらぎ塩基対(グアノシン・ウラシル、ヒポキサンチン・ウラシル、ヒポキサンチン・アデニン、及びヒポキサンチン・シトシン)及びフーグスティーン型塩基対などの非ワトソン・クリック塩基対も含む場合がある。ハイブリダイゼーションを受けるために、核酸は、100%相補的である必要はない。例えば、一方の核酸は、別の核酸に対して、例えば、95%相補的、90%相補的、85%相補的、80%相補的、75%相補的、70%相補的、65%相補的、60%相補的、55%相補的、50%相補的、またはそれ以下、であるが、それでも2つの核酸はハイブリダイズするのに十分な塩基対を互いに形成することができる。
【0141】
一方の核酸の別の核酸へのアニーリング/ハイブリダイゼーションの際に形成される「安定な二本鎖」は、過酷な洗浄により変性されない二本鎖構造である。例示的な、過酷な洗浄条件は、当技術分野において公知であり、二本鎖の個々の鎖の融解温度より約5℃低い温度、及び、0.2M未満(0.2M、0.19M、0.18M、0.17M、0.16M、0.15M、0.14M、0.13M、0.12M、0.11M、0.1M、0.09M、0.08M、0.07M、0.06M、0.05M、0.04M、0.03M、0.02M、0.01M、またはそれ以下)の一価の塩濃度(例えばNaCl濃度)といった、一価の塩の濃度の低さを含む。
【0142】
「遺伝子サイレンシング」という用語は、転写に影響を与えるプロセス及び/または転写後機構に影響を与えるプロセスを通じて媒介され得る、遺伝子発現、例えば、導入遺伝子、異種遺伝子及び/または内因性遺伝子発現の抑制を指す。いくつかの実施形態では、遺伝子サイレンシングは、RNAi分子が、RNA干渉を介して配列特異的な方法で目的の遺伝子から転写されたmRNAの阻害または分解を開始し、それによって遺伝子の産物の翻訳を妨げるときに生じる。
【0143】
本明細書で使用される場合、「過剰活性疾患駆動遺伝子」という用語は、対象(例えば、ヒト)における疾患状態に寄与する、またはそれを引き起こす、増加した活性及び/または発現を有する遺伝子を指す。疾患状態は、過剰活性疾患駆動遺伝子によって直接的に、または中間遺伝子(複数可)によって引き起こされるか、または悪化する場合がある。
【0144】
「負の調節因子」という用語は、本明細書で使用される場合、別の遺伝子または遺伝子のセットの発現及び/または活性を負に調節(例えば、軽減または阻害)する遺伝子を指す(例えば、調節不全の遺伝子または調節不全の遺伝子経路)。
【0145】
「正の調節因子」という用語は、本明細書で使用される場合、別の遺伝子または遺伝子のセットの発現及び/または活性を正に調節(例えば、増加または飽和)する遺伝子を指す(例えば、調節不全の遺伝子または調節不全の遺伝子経路)。
【0146】
本明細書で使用される「ホスフェート部分」という用語は、ホスフェート及び修飾ホスフェートを含む末端リン酸基を指す。ホスフェート部分は、いずれかの末端に位置し得るが、5’末端ヌクレオシドにおいて好ましい。一態様では、末端ホスフェートは、式-O-P(=O)(OH)OHを有し、非修飾である。別の態様では、末端ホスフェートは、O及びOH基のうちの1つ以上が、H、O、S、N(R’)、またはR’がHであるアルキル、アミノ保護基、または非置換もしくは置換アルキルで置換されるように修飾される。いくつかの実施形態では、5’及びまたは3’末端基は、各々独立して、非修飾(ジホスフェートもしくはトリホスフェート)または修飾された1~3個のホスフェート部分を含むことができる。
【0147】
本開示の文脈において、「オリゴヌクレオチド」という用語は、リボ核酸(RNA)またはデオキシリボ核酸(DNA)またはそれらの模倣体のオリゴマーまたはポリマーを指す。この用語は、天然に存在する核酸塩基、糖及び共有結合ヌクレオシド間(骨格)結合からなるオリゴヌクレオチド、ならびに同様に機能する天然に存在しない(例えば修飾された)部分を有するオリゴヌクレオチドを含む。そのような修飾または置換オリゴヌクレオチドは、例えば、増強された細胞取り込み、核酸標的に対する増強された親和性、及びヌクレアーゼの存在下での増加した安定性などの望ましい特性のために、天然形態よりも好ましいことが多い。
【0148】
本明細書で使用される場合、「対象」及び「患者」という用語は交換可能に使用され、対象者からの試料(複数可)の当技術分野で公知の臨床検査(複数可)を伴う場合または伴わない場合で、資格のある専門家(例えば、医師もしくは看護師)によって決定される、疾患、障害、もしくは病態に罹患している、またはそのリスクにさらされている哺乳動物(例えば、ヒト)などの生物を指す。
【0149】
本明細書で使用される場合、「参照対象」という用語は、本開示の組成物で治療される対象と同じかまたは類似の、例えば、年齢、性別、地理的領域、及び/または教育レベルの健康な対照対象を指す。健康な参照対象は、調節不全の遺伝子の発現または調節不全の遺伝子経路に関連する疾患に罹患していない対象である。さらに、健康な参照対象は、遺伝子の発現及び/または活性の変化(例えば、増加または減少)に関連する疾患に罹患していない対象である。
【0150】
本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」、「治療される(treated)」、及び「治療する(treating)」という用語は、治療的処置及び予防的もしくは防止的手段の両方を意味し、その目的は、望ましくない生理学的状態、障害、もしくは疾患を予防もしくは減速(軽減)すること、または有益もしくは所望の臨床結果を得ることである。有益または所望の臨床結果としては、症状の軽減;病態、障害、もしくは疾患の程度の低下;病態、障害、もしくは疾患の安定化(すなわち、悪化しない);発症の遅延、または病態、障害、もしくは疾患の進行の遅延;検出可能であるか検出不能であるかにかかわらず、病態、障害、もしくは疾患の状態の改善または寛解(部分的または全体にかかわらず);患者によって必ずしも識別可能ではない、少なくとも1つの測定可能な身体パラメータの改善;または病態、障害、もしくは疾患の増強または改善が挙げられるが、これらに限定されない。治療には、過剰なレベルの副作用を伴わずに、臨床的に有意な応答を引き出すことが含まれる。「治療」はまた、治療を受けていなかった場合に予測される生存期間と比較して、生存期間を延長することも含む。
【0151】
本明細書で使用される場合、「プリオン病」という用語は、その病因にその生物のプリオンタンパク質が関与する、生物における任意の疾患または病態を指す。プリオン病としては、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー症候群、クールー病、スクレイピー、牛海綿状脳症、及び慢性消耗病が挙げられるが、これらに限定されない。一般に、プリオン病は、PRNPによってコードされるプリオンタンパク質の細胞アイソフォーム(PrP)のミスフォールディングによって引き起こされる。ミスフォールドタンパク質(PrPSC)が、疾患の引き金となる。この疾患は、PrPのミスフォールディングを誘導するPrPSCによって伝播する可能性がある。
【0152】
本明細書で使用される場合、「てんかん」という用語は、前頭葉てんかん、後頭葉てんかん、内側側頭葉てんかん、頭頂葉てんかん、乳児期良性ミオクローヌスてんかん、若年性ミオクローヌスてんかん、小児欠神てんかん、若年性欠神てんかん、小児期の全身性強直間代発作を伴うてんかん、点頭てんかん、レノックス・ガストー症候群、ウェスト症候群、睡眠関連運動亢進てんかん、進行性ミオクローヌスてんかん、熱性けいれん、徐波睡眠中に棘徐波が続くてんかん、ランドウ・クレフナー症候群、ラスムッセン症候群、先天性代謝異常に起因するてんかん、移動性局所発作を伴う乳児期てんかん、常染色体優性夜間前頭葉てんかん、太田原症候群、初期ミオクロニー脳症、局所性てんかん、及び/または多焦点性てんかん、を含むがこれらに限定されない、様々なタイプのてんかん症候群のいずれかを指す。
【0153】
本明細書で使用する場合、「疼痛」という用語は、本明細書に列挙する、とりわけ神経因性疼痛及び侵害受容性疼痛を含む、あらゆる形態の慢性及び急性疼痛を含む。
【0154】
本明細書で使用される場合、「利益」及び「応答」という用語は、疾患の治療のための療法を受けている対象との関連で互換的に使用される。例えば、本開示のsiRNA分子またはsiRNA組成物を投与された対象との関連における臨床的利益には、限定されないが、対象が経験する疾患の症状の期間及び/または頻度の減少、及び/または疾患に関連する表現型の減少、及び/または野生型転写産物、変異体転写産物、バリアント転写産物、もしくは過剰発現転写産物、及び/または標的遺伝子の転写産物のスプライスアイソフォームの減少、が含まれる。
【0155】
本明細書で使用される場合、「抗体」(Ab)という用語は、特定の抗原に特異的に結合する、または免疫学的に反応性である免疫グロブリン分子を指し、ポリクローナル、モノクローナル、遺伝子操作された、及び別様に修飾された形態の抗体を含み、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヘテロコンジュゲート抗体(例えば、二重-、三重-、及び四重-特異性抗体、ダイアボディ、トリアボディ、及びテトラボディ)、ならびに抗体の抗原結合断片、例えば、Fab’、F(ab’)、Fab、Fv、組換えIgG(rlgG)断片、及びscFv断片など、を含むがこれらに限定されない。さらに、別段の指示がない限り、「モノクローナル抗体」(mAb)という用語は、標的タンパク質に特異的に結合することができる無傷分子、ならびに抗体断片(例えば、Fab及びF(ab’)断片など)の両方を含むことを意味する。Fab及びF(ab’)断片は、無傷抗体のFc断片を欠いており、動物の循環からより迅速に除去され、無傷抗体よりも非特異的組織結合が少ない場合がある(参照により本明細書に組み込まれる、Wahl et al.,J.Nucl.Med.24:316,1983を参照のこと)。
【0156】
本明細書で使用される「抗原結合断片」という用語は、標的抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つ以上の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体の断片によって実行することができる。抗体断片は、例えば、Fab、F(ab’)、scFv、SMIP、ダイアボディ、トリアボディ、アフィボディ、ナノボディ、アプタマー、またはドメイン抗体であり得る。抗体の「抗原結合断片」という用語に包含される結合断片の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:(i)Fab断片、すなわちV、V、C、及びC1ドメインからなる一価断片;(ii)F(ab’)断片、すなわちヒンジ領域でジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片;(iii)Vドメイン及びC1ドメインからなるFd断片;(iv)抗体の単一アームのVドメイン及びVドメインからなるFv断片、(v)Vドメイン及びVドメインを含むdAb;(vi)VドメインからなるdAb断片(Ward et al.,Nature 341:544-546,1989);(vii)VドメインまたはVドメインからなるdAb;(viii)単離された相補性決定領域(CDR);ならびに(ix)任意選択で合成リンカーによって接合することができる2つ以上の単離されたCDRの組み合わせ。さらに、Fv断片の2つのドメイン、すなわちV及びVは別個の遺伝子によってコードされているが、これらは、組換え法を使用して、VとVを、V領域とV領域が対になって一価の分子を形成する単一のタンパク質鎖として作製することができるリンカーによって接合することができる(単鎖Fv(scFv)として知られる;例えば、Bird et al.,Science 242:423-426,1988及びHuston et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883,1988を参照のこと)。これらの抗体断片は、当業者に公知の従来の技術を使用して得ることができ、その断片は、無傷抗体と同じ様式で有用性についてスクリーニングすることができる。抗原結合断片は、組換えDNA技術、無傷の免疫グロブリンの酵素的もしくは化学的切断によって、またはいくつかの実施形態では、当技術分野で公知の化学ペプチド合成手順によって、生成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0157】
詳細な説明
本開示は、治療用オリゴヌクレオチド分子を、1つ以上の二価カチオン(例えば、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、Zn2+、もしくはそれらの組み合わせ)を含有する塩の形態で、対象の中枢神経系に投与するための組成物及び方法を提供する。治療用オリゴヌクレオチド分子は、ヌクレアーゼ酵素に対する耐性、毒性プロファイル、及び物理化学的特性(例えば、熱安定性)を改善するために、特異的パターンの化学修飾(例えば、2’リボース修飾もしくはヌクレオシド間結合修飾)を有し、既存のカチオン結合部位を飽和させる複数の二価カチオン(例えば、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、Zn2+、もしくはそれらの組み合わせ)を伴って、治療用オリゴヌクレオチドの毒性プロファイルをさらに改善することができる。加えて、本開示は、二分岐、三分岐、及び四分岐siRNA構造などの、分岐した短い干渉RNA(siRNA)構造を特徴とする。
【0158】
治療用オリゴヌクレオチド分子の合成方法
本開示のsiRNA分子は、以下でさらに論じられるように、当技術分野で公知の標準的な方法、例えば、Biosearch,Applied Biosystems,Inc.から市販されているような自動DNA合成装置の使用によって合成することができる。
【0159】
siRNA剤は、液相有機合成または固相有機合成、またはその両方を使用して調製することができる。有機合成は、非天然ヌクレオチドまたは修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドを容易に調製することができるという利点がある。本開示のsiRNA分子は、液相有機合成または固相有機合成、またはその両方を使用して調製することができる。
【0160】
さらに、本明細書に開示される任意のsiRNA剤について、連結ヌクレオシドを体系的に付加または除去して、より長いまたはより短い配列を生成することによって、さらなる最適化を達成できることが企図される。さらになお、そのような最適化された配列は、分子をさらに最適化する(例えば、血清安定性もしくは循環半減期の増加、熱安定性の増大、膜貫通送達の強化、及び/または特定の位置もしくは細胞型への標的化)ために、当技術分野で公知である及び/または本明細書で論じられるような、例えば、代替ヌクレオシド、代替糖部分、及び/または代替ヌクレオシド間結合を含む、本明細書に記載されるような、または当技術分野で公知であるような、修飾ヌクレオシド及び/または修飾ヌクレオシド間結合の導入によって調整することができる。
【0161】
本開示の治療用オリゴヌクレオチド分子(例えば、siRNA、shRNA、miRNA、gRNA、またはASO)の組成物は、1つ以上の二価カチオン(例えば、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、もしくはZn2+、またはそれらの組み合わせ)によって飽和した複数のカチオン結合部位を含むように調製することができる。組成物は、例えば、二価カチオンの存在下で治療用オリゴヌクレオチド分子をハイブリダイズさせることによって調製することができる。あるいは、組成物は、二価カチオンなしで治療用オリゴヌクレオチド分子をハイブリダイズさせ、その後ハイブリダイゼーション後に二価カチオンを加えることによって調製することができる。2つ以上の二価カチオンの場合、二価カチオンは同時にまたは連続的に加えることができる。例えば、治療用オリゴヌクレオチド分子は、2つの二価カチオンの存在下でハイブリダイズさせることができる。あるいは、治療用オリゴヌクレオチド分子は、1つの二価カチオンの存在下でハイブリダイズすることができ、ハイブリダイゼーション後に第2の二価カチオンを加える。さらなる代替として、治療用オリゴヌクレオチド分子は、二価カチオンなしでハイブリダイズすることができ、その後、2つの二価カチオンを加える。
【0162】
二価カチオン
本開示の治療用オリゴヌクレオチド分子は、1つ以上の二価カチオン(例えば、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、もしくはZn2+、またはそれらの組み合わせ)によって飽和した複数のカチオン結合部位(例えば、電子密度の高い部位)を含み得る。正電荷のため、二価カチオンは、典型的には、負に荷電した原子(例えば、単位または部分的な負電荷を担持するリン酸基またはホスホロチオエート基からのオキシアニオン)と反応性である。本開示は、治療用オリゴヌクレオチド分子上のカチオン結合部位の二価カチオンによる飽和によって、対象のCNSに投与された場合に毒性が有意に低減するという新規な証拠を提供する。
【0163】
1つ以上の二価カチオンは、結晶格子の形態で測定した場合、約30ピコメートル~約150ピコメートル(例えば、約30ピコメートル~約140ピコメートル、約40ピコメートル~約130ピコメートル、約50ピコメートル~約120ピコメートル、約60ピコメートル~約110ピコメートル、約60ピコメートル~約100ピコメートル、または約60ピコメートル~約90ピコメートル)のイオン半径を有することができる。R.D.Shannon,Acta Crystallographica A.32:751-767,1976により開示された二価カチオンの計算された結晶半径は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0164】
治療用オリゴヌクレオチド分子の1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度は、約10%~約100%(例えば、約20%~約100%、約30%~約100%、約40%~約100%、約50%~約100%、約60%~約100%、約70%~約100%、約80%~約100%、または約90%~約100%)の範囲であり得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチド分子のアンチセンス鎖は、10~30ヌクレオチドの長さを有し得、合計10~30個の二価カチオンにイオン結合し得る。例えば、治療用オリゴヌクレオチド分子中のアンチセンス鎖ヌクレオチドの二価カチオンに対するモル比は、1:3~3:1(例えば、1:3、1.1:3、1.2:3、1.3:3、1.4:3、1.5:3、1.6:3、1.7:3、1.8:3、1.9:3、2:3、2.1:3、2.2:3、2.3:3、2.4:3、2.5:3、2.6:3、2.7:3、2.8:3、2.9:3、1:1、3:2.9、3:2.8、3:2.7、3:2.6、3:2.5、3:2.4、3:2.3、3:2.2、3:2.1、3:2、3:1.9、3:1.8、3:1.7、3:1.6、3:1.5、3:1.4、3:1.3、3:1.2、3:1.1、または3:1)の範囲であり得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチド分子のセンス鎖は、10~30ヌクレオチドの長さを有し得、合計10~30個の二価カチオンにイオン結合し得る。例えば、治療用オリゴヌクレオチド分子中のセンス鎖ヌクレオチドの二価カチオンに対するモル比は、1:3~3:1(例えば、1:3、1.1:3、1.2:3、1.3:3、1.4:3、1.5:3、1.6:3、1.7:3、1.8:3、1.9:3、2:3、2.1:3、2.2:3、2.3:3、2.4:3、2.5:3、2.6:3、2.7:3、2.8:3、2.9:3、1:1、3:2.9、3:2.8、3:2.7、3:2.6、3:2.5、3:2.4、3:2.3、3:2.2、3:2.1、3:2、3:1.9、3:1.8、3:1.7、3:1.6、3:1.5、3:1.4、3:1.3、3:1.2、3:1.1、または3:1)の範囲であり得る。
【0167】
本開示の治療用オリゴヌクレオチド分子は、特定のモル比で1つ以上の二価カチオンと組み合わせることができる。治療用オリゴヌクレオチド分子の二価カチオンに対する特定のモル比は、二価カチオンによって達成される毒性の利益に関連し得る。例えば、治療用オリゴヌクレオチド分子の二価カチオンに対するモル比は、1:10~1:50(例えば、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、1:38、1:39、1:40、1:41、1:42、1:43、1:44、1:45、1:46、1:47、1:48、1:49、または1:50)の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチド分子の二価カチオンに対するモル比は、1:18~1:38(例えば、1:18、1:19、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、1:25、1:26、1:27、1:28、1:29、1:30、1:31、1:32、1:33、1:34、1:35、1:36、1:37、または1:38)の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチド分子の二価カチオンに対するモル比は、1:20~1:25((例えば、1:20、1:21、1:22、1:23、1:24、または1:25)の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドの二価カチオンに対するモル比は、1:20であり得る。いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチドの二価カチオンに対するモル比は、1:25であり得る。
【0168】
本開示の治療用オリゴヌクレオチドは、特定の濃度または濃度範囲で存在する1つ以上の二価カチオンと組み合わせることができる。二価カチオンの濃度は、二価カチオンによって達成される毒性の利益に関連し得る。例えば、二価カチオンの濃度は、20mM~150mM(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、または150mM)であり得る。いくつかの実施形態では、二価カチオンの濃度は、20mM~100mM(例えば、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100mM)である。いくつかの実施形態では、二価カチオンの濃度は、35mM~75mM(例えば、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、または75mM)である。いくつかの実施形態では、二価カチオンの濃度は、40mM~70mM(例えば、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70mM)であり得る。
【0169】
治療用オリゴヌクレオチドは、負電荷を有する1つ以上の原子を含むことができ、二価カチオンは正電荷を含むことができる。いくつかの実施形態では、治療用オリゴヌクレオチド及び二価カチオンは、組成物内に負電荷の正電荷に対する特定の比が存在するような量で存在する。負電荷対正電荷比を決定する方法は、当技術分野において公知である(例えば、Furst et al.,Electrophoresis.,37:2685-2691,2016、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、負電荷の正電荷に対する比は0.75~7.5(例えば、0.76、0.77、0.78、0.79、0.80、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、または7.5)である。いくつかの実施形態では、負電荷の正電荷に対する比は1.0~2.0(例えば、1.0~1.9、1.0~1.8、1.0~1.7、1.0~1.6、1.0~1.5、1.0~1.4、1.0~1.3、1.0~1.2、1.0~1.1、1.1~2.0、1.2~2.0、1.3~2.0、1.4~2.0、1.5~2.0、1.6~2.0、1.7~2.0、1.8~2.0、または1.9~2.0)である。いくつかの実施形態では、負電荷の正電荷に対する比は0.75~6.5(例えば、0.75~5.5、0.75~4.5、0.75~3.5、0.75~2.5、0.75~1.5、または0.75~1)である。いくつかの実施形態では、負電荷の正電荷に対する比は1~7.5(例えば、1.5~7.5、2.5~7.5、3.5~7.5、4.5~7.5、5.5~7.5、または6.5~7.5)である。
【0170】
治療用オリゴヌクレオチド
本開示の治療用オリゴヌクレオチドは、一本鎖(ss)または二本鎖(ds)RNA構造の形態であってもよい。本開示の分野において、前記RNA構造は、siRNA、短いヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、CRISPRガイドRNA(gRNA)、またはオリゴヌクレオチド(ASO)を指すことができる。いくつかの実施形態では、siRNA分子は、二分岐、三分岐、または四分岐分子であり得る。本開示の治療用オリゴヌクレオチドは、1つ以上のホスホジエステルヌクレオシド間結合及び/またはその類似体、例としてホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含有することができ、ここで、オキシアニオン部分は、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、またはZn2+などの2価の金属カチオンとのイオン結合によって静電的に中和されている。
【0171】
siRNA構造
本開示のsiRNA分子は、一本鎖(ss)または二本鎖(ds)RNA構造の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、siRNA分子は、二分岐、三分岐、または四分岐分子であり得る。さらに、本開示のsiRNA分子は、1つ以上のホスホジエステルヌクレオシド間結合及び/またはその類似体、例としてホスホロチオエートヌクレオシド間結合を含有することができる。本開示のsiRNA分子は、2’糖修飾を有する化学修飾ヌクレオシドをさらに含有し得る。
【0172】
最も単純なsiRNAは、ss-構造またはds-構造を含むリボ核酸で構成され、第1の鎖(すなわち、アンチセンス鎖)によって形成され、ds-siRNAの場合は第2の鎖(すなわち、センス鎖)によって形成される。第1の鎖は、標的核酸に対して少なくとも部分的に相補的な一連の連続したヌクレオチドを含む。第2の鎖はまた、連続したヌクレオチドの伸長を含み、第2の伸長は、標的核酸に少なくとも部分的に同一である。第1の鎖と前述の第2の鎖とは、互いにハイブリダイズして二本鎖構造を形成し得る。ハイブリダイゼーションは、典型的には、ワトソン・クリック塩基対形成によって生じる。
【0173】
第1及び第2の鎖の配列に応じて、ハイブリダイゼーションまたは塩基対合は、必ずしも完全または完全ではなく、これは、第1及び第2の鎖が、ミスマッチのために100%に塩基対合していないことを意味する。1つ以上のミスマッチは、必ずしもsiRNAのRNA干渉(RNAi)活性に影響を与えることなく、二本鎖内にも存在し得る。
【0174】
第1の鎖は、標的核酸に本質的に相補的な連続したヌクレオチドの伸長を含む。典型的には、標的核酸配列は、干渉リボ核酸の作用様式に従って、ss-RNA、好ましくは、mRNAである。そのようなハイブリダイゼーションは、ワトソン・クリック塩基対合を通して最も可能性が高いが、必ずしもそれに限定されない。第1の鎖が、標的核酸配列に対する連続したヌクレオチドの相補的な伸長を有する程度は、80%~100%、例えば、80%、85%、90%、95%、または100%の相補性であり得る。
【0175】
本明細書に記載のsiRNAは、核酸塩基、リン酸骨格、リボースコア、5’及び3’末端、ならびに分岐に対する修飾を採用してもよく、ここで、siRNAの複数の鎖は、共有結合し得る。
【0176】
治療用オリゴヌクレオチドの長さ
本発明の範囲内では、当技術分野で公知であり、これまでに未知であった任意の長さを本発明のために採用できる。本明細書に記載される場合、本開示の治療用オリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖の潜在的な長さは、10~30ヌクレオチドの間(例えば、10ヌクレオチド、11ヌクレオチド、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、もしくは30ヌクレオチド)、15~25ヌクレオチドの間(例えば、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、もしくは25ヌクレオチド)、または18~23ヌクレオチドの間(例えば、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、もしくは23ヌクレオチド)である。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、20ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、21ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、22ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、23ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、24ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、25ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、26ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、27ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、28ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、29ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、30ヌクレオチドである。
【0177】
いくつかの実施形態では、本開示の治療用オリゴヌクレオチドのセンス鎖は、12~30ヌクレオチドの間(例えば、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、もしくは30ヌクレオチド)、または14~23ヌクレオチドの間(例えば、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、もしくは23ヌクレオチド)である。いくつかの実施形態では、センス鎖は、15ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、16ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、17ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、18ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、19ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、20ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、21ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、22ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、23ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、24ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、25ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、26ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、27ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、28ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、29ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、30ヌクレオチドである。
【0178】
2’糖修飾
本開示は、2’糖修飾を有する少なくとも1つ(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、またはそれ以上)のヌクレオシドを含むss-及びds-RNA干渉分子組成物(例えば、siRNA、shRNA、miRNA、gRNAまたはASO)を含む。可能な2’-修飾は、OH;F;O-、S-、もしくはN-アルキル;O-、S-、もしくはN-アルケニル;O-、S-、もしくはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキルの全ての可能な配向を含み、アルキル、アルケニル、及びアルキニルは、置換または非置換のC1~C10アルキルまたはC2~C10アルケニル及びアルキニルであり得る。いくつかの実施形態では、修飾は、2’-O-メチル(2’-O-Me)修飾を含む。いくつかの実施形態は、O[(CHO]CH、O(CHOCH、O(CHNH、O(CHCH、O(CHONH、及びO(CHON[(CHCHを使用し、n及びmは、1~約10である。他の潜在的な糖置換基としては、C1~C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリル、アラルキル、O-アルカリルまたはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、オリゴヌクレオチドの薬物動力学的特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬物動力学的特性を改善するための基、及び類似する特性を有する他の置換基が挙げられる。いくつかの実施形態では、修飾は、2’-メトキシエトキシ(2′-O-CHCHOCH、2’-O-(2-メトキシエチル)または2’-MOEとしても知られる)を含む。いくつかの実施形態では、修飾は、2’-ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわち、2’-DMAOEとしても知られるO(CHON(CH基、及び2’-ジメチルアミノエトキシエトキシ(当技術分野では2’-O-ジメチルアミノ-エトキシ-エチルまたは2’-DMAEOEとしても知られる)、すなわち、2′-O-CHOCHN(CHを含む。他の潜在的な糖置換基としては、例えば、アミノプロポキシ(-OCHCHCHNH)、アリル(-CH-CH=CH)、-O-アリル(-O-CH-CH=CH)、及びフルオロ(F)が挙げられる。2’-糖置換基は、アラビノ(上)位またはリボ(下)位にあり得る。いくつかの実施形態では、2’-アラビノ修飾は、2’-Fである。治療用オリゴヌクレオチドの他の位置で、特に、3’末端ヌクレオシドまたは2’-5’結合オリゴヌクレオチドにおける糖の3’位と、5’末端ヌクレオチドの5’位で同様の修飾が行われてもよい。オリゴヌクレオチドはまた、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分等の糖模倣体を有してもよい。
【0179】
核酸塩基修飾
治療用オリゴヌクレオチドはまた、核酸塩基(当技術分野では単に「塩基」または「複素環式塩基部分」と称されることが多い)を含むヌクレオシドまたは他の代用もしくは模倣モノマーサブユニットを含み得る。核酸塩基は、広範囲に修飾または置換された別の部分であり、そのような修飾及びまたは置換された核酸塩基は、本開示に従うことができる。本明細書で使用される場合、「非修飾の」または「天然の」核酸塩基は、プリン塩基のアデニン(A)及びグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)を含む本明細書で複素環式塩基部分とも呼ばれる修飾核酸塩基には、他の合成及び天然核酸塩基、例えば、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチル、ならびにアデニン及びグアニンの他のアルキル誘導体、2-プロピル、ならびにアデニン及びグアニンの他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニル(-C=C-CH3)ウラシル及びシトシン、ならびにピリミジン塩基の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(シュードウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル、及び他の8-置換アデニン及びグアニン、5-ハロ、特に、5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、及び他の5-置換ウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8-アザグアニン及び8-アザアデニン、7-デアザグアニン及び7-デアザグアニン及び3-デアザグアニン及び3-デアザグアニン、が含まれる。核酸塩基には、プリンまたはピリミジン塩基が他の複素環、例えば、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、及び2-ピリドンで置き換えられているものも含まれ得る。さらなる核酸塩基としては、US3,687,808に開示されているもの、Kroschwitz,J.I.,ed.The Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,New York,John Wiley & Sons,1990,pp.858-859に開示されているもの;Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition 30:613,1991に開示されているもの;及びSanghvi,Y.S.,Chapter 16,Antisense Research and Applications,CRC Press,Gait,M.J.ed.,1993,pp.289-302に開示されているものが挙げられる。本開示の治療用オリゴヌクレオチドは、1つ以上の複素環式塩基部分の代わりに多環式複素環式化合物を含むこともできる。多くの三環式複素環式化合物が以前に報告されている。これらの化合物は、修飾鎖の標的鎖への結合特性を増加させるためにアンチセンス用途で定型的に使用される。
【0180】
第2の鎖におけるグアノシンとの3つの水素結合を行う代表的なシトシン類似体には、1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(Kurchavov et al.,Nucleosides and Nucleotides,16:1837-46,1997)、1,3-ジアザフェノチアジン-2-オン(Lin et al.Am.Chem.Soc.,117:3873-4,1995)、及び6,7,8,9-テトラフルオロ-1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン(Wang et al.,Tetrahedron Lett.,39:8385-8,1998)が含まれる。オリゴヌクレオチドに組み込まれたこれらの塩基修飾は、相補的グアニンとハイブリダイゼーションすることが示され、後者はまた、延長されたスタッキング相互作用によってアデニンとハイブリダイゼーションし、らせんの熱安定性を向上させることが示された(US10/155,920及びUS10/013,295も参照のこと、この両方は参照によりその全てが本明細書に組み込まれる)。さらなるらせん安定化特性は、シトシン類似体/置換体が、剛性の1,3-ジアザフェノキサジン-2-オン足場に結合したアミノエトキシ部分を有する場合に観察されている(Lin et al.,Am.Chem.Soc.,120:8531-2,1998)。
【0181】
ヌクレオシド間結合修飾
本開示の設計における別の変数は、治療用オリゴヌクレオチドのリン酸骨格を構成するヌクレオシド間結合である。天然RNAリン酸骨格を本明細書で採用してもよいが、その誘導体を使用して、治療用オリゴヌクレオチドの望ましい特性を向上させてもよい。限定するものではないが、本開示で特に重要なのは、治療用オリゴヌクレオチドの一部または全体を加水分解から保護することである。加水分解速度を低下させる修飾の一例は、ホスホロチオエートである。骨格の任意の部分または全体は、リン酸置換(例えば、ホスホロチオエート、ホスホジエステルなど)を含有し得る。例えば、ヌクレオシド間結合は、0~100%の間のホスホロチオエート、例えば、0~100%、10~100%、20~100%、30~100%、40~100%、50~100%、60~100%、70~100%、80~100%、90~100%、0~90%、0~80%、0~70%、0~60%、0~50%、0~40%、0~30%、0~20%、0~10%、10~90%、20~80%、30~70%、40%~60%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、または60~90%の間のホスホロチオエート結合であり得る。同様に、ヌクレオシド間結合は、0~100%の間のホスホジエステル結合、例えば、0~100%、10~100%、20~100%、30~100%、40~100%、50~100%、60~100%、70~100%、80~100%、90~100%、0~90%、0~80%、0~70%、0~60%、0~50%、0~40%、0~30%、0~20%、0~10%、10~90%、20~80%、30~70%、40%~60%、10~40%、20~50%、30~60%、40~70%、50~80%、または60~90%の間のホスホジエステル結合であり得る。
【0182】
本発明で有用ないくつかの潜在的な治療用オリゴヌクレオチドの具体的な例としては、修飾された、例えば、天然に存在しないヌクレオシド間結合を含有するオリゴヌクレオチドが挙げられる。本明細書で定義されるように、修飾ヌクレオシド間結合を有するオリゴヌクレオチドは、リン原子を保持するヌクレオシド間結合及びリン原子を有しないヌクレオシド間結合を含む。本明細書の目的のために、また当技術分野で時々言及されるように、ヌクレオシド間骨格にリン原子を有していない修飾オリゴヌクレオチドもオリゴヌクレオシドと考えることができる。好ましいリン含有修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合である。いくつかの実施形態では、その中にリン原子を含む修飾オリゴヌクレオチド骨格は、例えば、ホスホロチオエート、ホスホジオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、メチル及び3’-アルキレンホスホネートを含む他のアルキルホスホネート、5’-アルキレンホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホラミデート及びアミノアルキルホスホラミデートを含むホスホラミデート、チノホスホラミデート、チノアルキルホスホネート、チノアルキルホスホトリエステル、セレノホスフェート、通常の3’-5’結合を有するボラノホスフェート、これらの2’-5’結合類似体、ならびに1つ以上のヌクレオチド間結合が3’-3’、5’-5’、または2’-2’結合である反転した極性を有するもの、を含む。リン含有結合の調製を記載する例示的な米国特許としては、限定されるものではないが、米国特許第3,687,808号;同第4,469,863号;同第4,476,301号;同第5,023,243号;同第5,177,195号;同第5,188,897号;同第5,264,423号;同第5,276,019号;同第5,278,302号;同第5,286,717号;同第5,321,131号;同第5,399,676号;同第5,405,939号;同第5,453,496号;同第5,455,233号;同第5,466,677号;同第5,476,925号;同第5,519,126号;同第5,536,821号;同第5,541,316号;同第5,550,111号;同第5,563,253号;同第5,571,799号;同第5,587,361号;同第5,625,050号;同第6,028,188号;同第6,124,445号;同第6,160,109号;同第6,169,170号;同第6,172,209号;同第6,239,265号;同第6,277,603号;同第6,326,199号;同第6,346,614号;同第6,444,423号;同第6,531,590号;同第6,534,639号;同第6,608,035号;同第6,683,167号;同第6,858,715号;同第6,867,294号;同第6,878,805号;同第7,015,315号;同第7,041,816号;同第7,273,933号;同第7,321,029号;及び米国特許第RE39464号、が挙げられ、それらのそれぞれの全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0183】
いくつかの実施形態では、その中にリン原子を含まない修飾オリゴヌクレオチド骨格は、短鎖アルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子及びアルキル、もしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または1つ以上の短鎖ヘテロ原子または複素環式ヌクレオシド間結合によって形成される骨格を有する。これらには、モルホリノ結合(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成される);シロキサン骨格;スルフィド、スルホキシド及びスルホン骨格;ホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格;メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル骨格;リボアセチル骨格;アルケン含有骨格;スルファメート骨格;メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ骨格;スルホンネート及びスルホンアミド骨格;アミド骨格;ならびにN、O、S及びCH成分部分を混合した他の骨格を有するものが含まれる。非リン骨格の調製を教示する米国特許の非限定的な例としては、限定されるものではないが、米国特許第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,185,444号、同第5,214,134号、同第5,216,141号、同第5,235,033号、同第5,264,562号、同第5,264,564号、同第5,405,938号、同第5,434,257号、同第5,466,677号、同第5,470,967号、同第5,489,677号、同第5,541,307号、同第5,561,225号、同第5,596,086号、同第5,602,240号、同第5,608,046号、同第5,610,289号、同第5,618,704号、同第5,623,070号、同第5,663,312号、同第5,633,360号、同第5,677,437号、及び同第5,677,439号、が挙げられ、それらのそれぞれの全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0184】
siRNA分子の修飾パターン
本開示の治療用オリゴヌクレオチド(例えば、siRNA分子)は、このセクションに記載されるものなど、種々のパターンの化学修飾残基を有し得る。本開示で使用されるヌクレオシドは、核酸塩基及び糖における一連の修飾を許容する。一本鎖または二本鎖の完全な治療用オリゴヌクレオチド(例えば、siRNA分子)は、それぞれがRNA鎖に1回以上現れる、1、2、3、4、5、またはそれ以上の異なるヌクレオシドを有してもよい。ヌクレオシドは、反復パターンで現れてもよく(例えば、2つの修飾ヌクレオシドの間で交互に現れてもよく)、または第2のタイプのヌクレオシドの置換を有する1つのタイプのヌクレオシドの鎖であってもよい。同様に、ヌクレオシド間結合は、反復パターンで一本鎖または二本鎖siRNAに現れる(例えば、2つのヌクレオシド間結合の間で交互になる)1つ以上のタイプであってもよく、または第2のタイプのヌクレオシド間結合の置換を有する1つのタイプのヌクレオシド間結合の鎖であってもよい。本開示の治療用オリゴヌクレオチドは、様々な置換パターンを許容することができるが、以下に、いくつかの好ましいパターンを例示し、ここで、A及びBは2つのタイプのヌクレオシドを表し、T及びPは2つのタイプのヌクレオシド間結合を表す。
【0185】
パターン1:
A-T-B-T-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-B-T-A-T-A-T-A-T-A-T-A-T-A-T
A-T-A-T-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-T-A-T
パターン2:
A-T-A-T-A-P-B-P-B-P-B-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-B-T-A-T-A-T-A-T-A-T-A-T-A-T
A-T-A-T-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-T-A-T
パターン3:
A-T-B-T-A-P-B-P-B-P-B-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-B-T-A-T-A-T-A-T-A-T-A-T-A-T
A-T-A-T-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-T-A-T
パターン4:
A-T-B-T-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-B-T-A-T-A-T-A-T-A-T-A-T-A-T
A-T-A-T-A-P-A-P-A-P-A-P-B-P-A-P-A-P-B-P-B-P-A-P-A-P-A-T-A-T
パターン5:
A-T-B-T-A-P-A-P-A-P-B-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-A-P-B-T-A-T-B-T-A-T-A-T-A-T-A-T
A-T-A-T-A-P-A-P-A-P-A-P-B-P-A-P-B-P-B-P-B-P-A-P-A-P-A-T-A-T
【0186】
いくつかの実施形態では、Tはホスホロチオエートを表し、Pはホスホジエステルを表す。
【0187】
いくつかの実施形態では、本開示のsiRNA分子は、その開示内容全体が本明細書に組み込まれる、国際特許出願公開第WO2016/161388号及び同第WO2020/041769号に記載されているsiRNAヌクレオチド修飾パターン及び/またはヌクレオシド間結合修飾パターンのいずれか1つを特徴とする。
【0188】
以下のセクションでは、本開示のsiRNA分子を組み込むことができる例示的な足場のさらなるセットを提供する。
【0189】
本開示のいくつかの実施形態では、siRNAは、式Iによって表される領域を含むアンチセンス鎖を含有してもよく、式Iは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C’-P-C’
式I;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;各A’は、式C-P-D-Pで表され;Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;jは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)であり;kは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)である。いくつかの実施形態では、jは、4である。いくつかの実施形態では、kは、4である。いくつかの実施形態では、jは、4であり、kは、4である。アンチセンスは、標的核酸配列に対して相補的(例えば、完全または部分的に相補的)である。
【0190】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、式A1で表される構造を含み、式A1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0191】
本開示のいくつかの実施形態では、siRNAは、式IIによって表される領域を含むアンチセンス鎖を含有してもよく、式IIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C-P-C’
式II;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;各A’は、式C-P-D-Pで表され;Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;jは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)であり;kは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)である。いくつかの実施形態では、jは、4である。いくつかの実施形態では、kは、4である。いくつかの実施形態では、jは、4であり、kは、4である。アンチセンスは、標的核酸配列に対して相補的(例えば、完全または部分的に相補的)である。
【0192】
本開示のいくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、式A2で表される構造を含み、式A2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-A-S-A
式A2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0193】
本開示のいくつかの実施形態では、センス鎖は、式IIIで表される構造を含み、式IIIは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-F
式III;
式中、Eは、式(C-Pで表され;Fは、式(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-D、または(C-P-D-P-C-P-Dで表され;A’、C、D、P、及びPは、式Iで定義されたとおりであり;mは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)である。いくつかの実施形態では、mは4である。センス鎖は、アンチセンス鎖に対して相補的(例えば、完全または部分的に相補的)である。
【0194】
本開示のいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S1で表される構造を含み、式S1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-A
式S1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0195】
本開示のいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S2で表される構造を含み、式S2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A
式S2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0196】
本開示のいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S3で表される構造を含み、式S3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-B
式S3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0197】
本開示のいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S4で表される構造を含み、式S4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B
式S4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0198】
本開示のいくつかの実施形態では、siRNAは、式IVによって表される領域を含むアンチセンス鎖を含有してもよく、式IVは、5’-3’方向に以下であり、
A-(A’)-C-P-B-(C-P-C’
式IV;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;各A’は、式C-P-D-Pで表され;Bは、式D-P-C-P-D-Pで表され;各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;jは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)であり;kは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)である。いくつかの実施形態では、jは、6である。いくつかの実施形態では、kは、4である。いくつかの実施形態では、jは、6であり、kは、4である。アンチセンス鎖は、標的核酸に対して相補的(例えば、完全または部分的に相補的)である。
【0199】
本開示のいくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、式A3で表される構造を含み、式A3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B-S-A-S-A-S-A
式A3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0200】
本開示のいくつかの実施形態では、本開示のsiRNAは、式Vによって表されるセンス鎖を有してもよく、式Vは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-C-P-F
式V;
式中、Eは、式(C-Pで表され;Fは、式D-P-C-P-C、D-P-C-P-C、D-P-C-P-D、またはD-P-C-P-Dで表され;A’、C、D、P、及びPは、式IVで定義されたとおりであり;mは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)である。いくつかの実施形態では、mは5である。センス鎖は、アンチセンス鎖に対して相補的(例えば、完全または部分的に相補的)である。
【0201】
本開示のいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S5で表される構造を含み、式S5は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A
式S5;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0202】
本開示のいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S6で表される構造を含み、式S6は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A
式S6;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0203】
本開示のいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S7で表される構造を含み、式S7は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B
式S7;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0204】
本開示のいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S8で表される構造を含み、式S8は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B
式S8;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0205】
本開示のいくつかの実施形態では、siRNAは、式VIによって表される領域を含むアンチセンス鎖を含有してもよく、式VIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-E-B-E-F-G-D-P-C’
式VI;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;各Bは、式C-Pで表され;各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;各Eは、式D-P-C-Pで表され;Fは、式D-P-C-Pで表され;各Gは、式C-Pで表され;各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;jは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)であり;kは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)であり;lは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)である。いくつかの実施形態では、jは、3である。いくつかの実施形態では、kは、6である。いくつかの実施形態では、lは、2である。いくつかの実施形態では、jは、3であり、kは、6であり、lは、2である。センス鎖は、標的核酸に対して相補的(例えば、完全または部分的に相補的)である。
【0206】
本開示のいくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、式A4で表される構造を含み、式A4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0207】
本開示のいくつかの実施形態では、siRNAは、式VIIによって表される領域を含むセンス鎖を含有してもよく、式VIIは、5’-3’方向に以下であり、
H-B-I-A’-B-H-C
式VII;
式中、各A’は、式C-P-D-Pで表され;各Hは、式(C-Pで表され;各Iは、式(D-P)で表され;B、C、D、P、及びPは、式VIで定義されたとおりであり;mは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)であり;nは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)であり;oは、1~7の整数(例えば、1、2、3、4、5、6、または7)である。いくつかの実施形態では、mは3である。いくつかの実施形態では、nは3である。いくつかの実施形態では、oは3である。いくつかの実施形態では、mは3であり、nは3であり、oは3である。センス鎖は、アンチセンス鎖に対して相補的(例えば、完全または部分的に相補的)である。
【0208】
本開示のいくつかの実施形態では、センス鎖は、式S9で表される構造を含み、式S9は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-A-O-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-S-A-S-A
式S9;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す。
【0209】
本開示のいくつかの実施形態では、siRNAは、式VIIIによって表される領域を含むアンチセンス鎖を含有してもよく:
Z-((A-P-)(B-P-)
式VIII
式中、Zは、5’リン安定化部分であり;各Aは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;各Bは、2’-フルオロ-リボヌクレオシドであり;各Pは、独立して、ホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択されるヌクレオシド間結合であり;nは、1~5の整数(例えば、1、2、3、4、または5)であり;mは、1~5の整数(例えば、1、2、3、4、または5)であり;qは1~30の間の整数(1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30)である。
【0210】
5’リン安定化部分
本開示の治療用オリゴヌクレオチドを分解からさらに保護するために、5’-リン安定化部分を採用することができる。5’-リン安定化部分は、5’-ホスフェートを置き換えて、ホスフェートの加水分解を防止する。5’-ホスフェートの加水分解は、遺伝子サイレンシングの必要なステップであるRISCへの結合を防止する。RISCへの結合を妨げないホスフェートの任意の置換が本開示において企図される。いくつかの実施形態では、5’-ホスフェートの置換は、インビボの加水分解に対しても安定である。各干渉RNA鎖は、独立して、任意選択で、任意の好適な5’-リン安定化部分を採用してもよい。
【化14】
【0211】
いくつかの例示的なエンドキャップを、式IX~XVIに実証する。式IX~XVI中のNucは、本明細書に記載の核酸塩基または核酸塩基誘導体または置換体を表す。式IX~XVI中のXは、本明細書に記載の2’-修飾を表す。いくつかの実施形態は、式XIVのようなヒドロキシ、式XVのようなホスフェート、式XVI及びXIXのようなビニルホスホネート、式XVII、XIX、及びXXIのような5’-メチル置換ホスフェート、または式XXのようなメチレンホスホネートを採用する。式XVIに示すように、5’-リン安定化部分としてのビニル5’-ビニルホスホネート。
【0212】
疎水性部分
本開示は、1つ以上の疎水性部分が結合した治療用オリゴヌクレオチドをさらに提供する。疎水性部分は、本開示の治療用オリゴヌクレオチドの5’末端または3’末端に共有結合していてもよい。本開示の治療用オリゴヌクレオチドとともに使用するのに好適な疎水性部分の非限定的な例としては、コレステロール、ビタミンD、トコフェロール、ホスファチジルコリン(PC)、ドコヘキサエン酸、ドコサン酸、PC-ドコサン酸、エイコサペンタエン酸、リトコール酸、または前述の疎水性部分とPCとの任意の組み合わせを挙げてもよい。
【0213】
干渉RNA分岐
本開示の治療用オリゴヌクレオチドは、分岐していてもよい。例えば、本開示のsiRNA分子は、本明細書に記載されるような、いくつかの分岐パターンのうちの1つを有し得る。
【0214】
本開示によれば、本明細書に開示されるsiRNA分子は、分岐siRNA分子であってもよい。siRNA分子は、分岐していなくてもよく、またはリンカーを介して接続された二分岐、三分岐、または四分岐であってもよい。各主な分岐は、2、3、4、5、6、7、または8個の別々のRNA一本鎖または二本鎖を可能にするように、さらに分岐されてよい。リンカー上の分岐点は、同じ原子に由来してもよく、またはリンカーに沿って別々の原子に由来してもよい。いくつかの例示的な実施形態を表1に列挙する。
【表1】
【0215】
いくつかの実施形態では、siRNA分子は、分岐siRNA分子である。いくつかの実施形態では、分岐siRNA分子は、二分岐、三分岐、または四分岐である。いくつかの実施形態では、二分岐siRNA分子は、式I~IIIのいずれか1つで表され、式中、各RNAは、独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分(例えば、ホスホロアミダイト、トシル化ソルケタール、1,3-ジアミノプロパノール、ペンタエリスリトール、またはUS10,478,503に記載されている分岐点部分のいずれか1つ)を表す。
【0216】
いくつかの実施形態では、三分岐siRNA分子は、式IV~VIIのいずれか1つで表され、式中、各RNAは独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分を表す。
【0217】
いくつかの実施形態では、四分岐siRNA分子は、式VIII~XIIのいずれか1つで表され、式中、各RNAは独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分を表す。
【0218】
リンカー
本明細書に記載のsiRNAの複数の鎖は、リンカーによって共有結合され得る。この分岐の効果により、とりわけ細胞透過性が改善され、CNS内の細胞(例えば、ニューロンまたはグリア細胞)へのより良好なアクセスが可能になる。本発明のsiRNAと不適合ではない任意のリンカー部分が採用され得る。リンカーとしては、2~10のサブユニット(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、または10のサブユニット)のエチレングリコール鎖、アルキル鎖、炭水化物鎖、ブロックコポリマー、ペプチド、RNA、DNA、及び他のものが挙げられる。いくつかの実施形態では、リンカーの炭素原子または酸素原子は任意に窒素原子で置換され、ヒドロキシル置換基を有するか、またはオキソ置換基を有する。いくつかの実施形態では、リンカーはポリエチレングリコール(PEG)リンカーである。開示される組成物及び方法に使用するのに好適なPEGリンカーとしては、直鎖または非直鎖PEGリンカーが挙げられる。非直鎖PEGリンカーの例としては、分岐PEG、直鎖フォークPEG、または分岐フォークPEGが挙げられる。
【0219】
種々の重量のPEGリンカーを、開示された組成物及び方法に使用してもよい。例えば、PEGリンカーは、5~500ダルトンの間の重量を有し得る。いくつかの実施形態では、500~1,000ダルトンの間の重量を有するPEGリンカーが使用され得る。いくつかの実施形態では、1,000~10,000ダルトンの間の重量を有するPEGリンカーが使用され得る。いくつかの実施形態では、200~20,000ダルトンの間の重量を有するPEGリンカーが使用され得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、siRNAのセンス鎖に共有結合している。いくつかの実施形態では、リンカーは、siRNAのアンチセンス鎖に共有結合している。いくつかの実施形態では、PEGリンカーは、トリエチレングリコール(TrEG)リンカーである。いくつかの実施形態では、PEGリンカーは、テトラエチレンリンカー(TEG)である。
【0220】
いくつかの実施形態では、リンカーはアルキル鎖リンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーはペプチドリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーはRNAリンカーである。いくつかの実施形態では、リンカーはDNAリンカーである。
【0221】
リンカーは、2、3、4、または5個の独自のsiRNA鎖を共有結合し得る。リンカーは、siRNAオリゴマーの任意の部分に共有結合し得る。いくつかの実施形態では、リンカーは、各siRNA鎖のヌクレオシドの3’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、各siRNA鎖のヌクレオシドの5’末端に結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは、共有結合形成部分を介して、siRNA鎖(例えば、センス鎖またはアンチセンス鎖)のヌクレオシドに結合する。いくつかの実施形態では、共有結合形成部分は、アルキル、エステル、アミド、カーボネート、カルバメート、トリアゾール、尿素、ホルムアセタール、ホスホネート、ホスフェート、及びホスフェート誘導体(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロアミデートなど)からなる群から選択される。
【0222】
いくつかの実施形態では、リンカーは、式L1の構造を有する。
【化15】
【0223】
いくつかの実施形態では、リンカーは、式L2の構造を有する。
【化16】
【0224】
いくつかの実施形態では、リンカーは、式L3の構造を有する。
【化17】
【0225】
いくつかの実施形態では、リンカーは、式L4の構造を有する。
【化18】
【0226】
いくつかの実施形態では、リンカーは、式L5の構造を有する。
【化19】
【0227】
いくつかの実施形態では、リンカーは、式L6の構造を有する。
【化20】
【0228】
いくつかの実施形態では、リンカーは、以下に示されるように、式L7の構造を有する。
【化21】
【0229】
いくつかの実施形態では、リンカーは、式L8の構造を有する。
【化22】
【0230】
いくつかの実施形態では、リンカーは、式L9の構造を有する。
【化23】
【0231】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される分岐siRNA分子のうちの1つ以上に使用するためのリンカーの選択は、例えば、本開示の1つ以上の分岐siRNA分子について望ましい疎水性が達成されるように、リンカーの疎水性に基づいてもよい。例えば、アルキル鎖を含有するリンカーを使用して、より少ない疎水性リンカーまたは親水性リンカーを有する分岐siRNA分子と比較して、分岐siRNA分子の疎水性を増加させてもよい。
【0232】
本明細書に開示されるsiRNA剤は、参照により本明細書に組み込まれる、Beaucage,S.L.et al.(edrs.),Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry,John Wiley & Sons,Inc.,New York,N.Y.,2000に記載されているような、当技術分野で十分に確立された方法によって合成及び/または修飾することができる。
【0233】
治療の方法
本開示は、遺伝子サイレンシングを必要とする対象を治療する方法を提供する。遺伝子サイレンシングは、欠陥のあるまたは過剰活性の遺伝子をサイレンシングするために、発現が低下した遺伝子の負の調節因子をサイレンシングするために、疾患駆動遺伝子の活性を増加させる経路(複数可)における活性化役割を有する野生型遺伝子をサイレンシングするために、選択的にノックダウンされたときに、遺伝子(複数可)の総発現を上昇させ得る遺伝子(複数可)のスプライスアイソフォームをサイレンシングするために、とりわけ、目的が疾患状態から健康な状態に向かって遺伝的及び生化学的経路活性を回復させることである限り、実行されてもよい。この方法は、任意の適切な投与経路(例えば、線条体内、脳室内、髄腔内注射、またはカテーテル挿入による大槽内注射による)によって、対象(例えば、ヒト)のCNSに本開示の治療用オリゴヌクレオチドまたはそれを含有する医薬組成物を送達することを含み得る。活性化合物は、任意の好適な用量で投与することができる。患者に投与される本開示の組成物の実際の投与量は、体重、病態の重症度、事前または同時の治療介入、患者の特発性疾患、及び投与経路などの身体的及び生理学的要因によって決定され得る。投与量及び投与経路に応じて、好ましい投与量及び/または有効量の投与回数は、対象の応答に応じて変化し得る。投与を担当する施術医は、いずれにしても、組成物中の活性成分(複数可)の濃度及び個々の対象に適切な用量(複数可)を決定するであろう。投与は、1日あたり任意の好適な回数、必要な期間にわたって行うことができる。対象は、併存疾患の有無にかかわらず、成人または小児ヒトであってもよい。
【0234】
適応症
遺伝子サイレンシングを必要としている対象は、CNS(例えば、ミクログリア細胞)に見られる遺伝子のサイレンシングを必要としている場合がある。遺伝子は、特定の疾患または障害に関連している場合がある。例えば、この遺伝子は、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、レビー小体型認知症(DLB)、純粋自律神経不全、レビー小体嚥下障害、偶発的レビー小体病(ILBD)、遺伝性レビー小体病、オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)、線条体黒質変性症、シャイ・ドレーガー症候群、てんかんもしくはてんかん障害、プリオン病、または疼痛もしくは疼痛障害、と関連している場合がある。
【0235】
標的遺伝子
本明細書に記載の遺伝子サイレンシングの方法は、欠陥のあるまたは過剰活性の遺伝子をサイレンシングするために、発現が低下した遺伝子の負の調節因子をサイレンシングするために、疾患駆動遺伝子の活性を増加させる経路(複数可)における活性化役割を有する野生型遺伝子をサイレンシングするために、選択的にノックダウンされたときに、遺伝子(複数可)の総発現を上昇させ得る遺伝子(複数可)スプライスアイソフォームをサイレンシングするために、とりわけ、目的が疾患状態から健康な状態に向かって遺伝的及び生化学的経路活性を回復させることである限り、実行されてもよい。
【0236】
疾患または障害は、以下の遺伝子:ABCA7、ABI3、ADAM10、APOC1、APOE、AXL、BIN1、C1QA、C3、C9ORF72、CASS4、CCL5、CD2AP、CD33、CD68、CLPTM1、CLU、CR1、CSF1、CST7、CTSB、CTSD、CTSL、CXCL10、CXCL13、DSG2、ECHDC3、EPHA1、FABP5、FERMT2、FTH1、GNAS、GRN、HBEGF、HLA-DRB1、HLA-DRB5、HTT、IFIT1、IFIT3、IFITM3、IFNAR1、IFNAR2、IGF1、IL10RA、IL1A、IL1B、IL1RAP、INPP5D、ITGAM、ITGAX、KCNT1、LILRB4、LPL、MAPT、MEF2C、MMP12、MS4A4A、MS4A6A、MSH3、NLRP3、NME8、NOS2、PICALM、PILRA、PLCG2、PRNP、PTK2B、SCIMP、SCN9A、SLC24A4、SNCA、SORL1、SPI1、SPP1、SPPL2A、TBK1、TNF、TREM2、TREML2、TYROBP、及びZCWPW1のいずれかに関連している場合がある。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、以下の遺伝子:APOE、BIN1、C1QA、C3、C9ORF72、CCL5、CD33、CLU/APOJ、CR1、CXCL10、CXCL13、IFIT1、IFIT3、IFITM3、IFNAR1、IFNAR2、IL10RA、IL1A、IL1B、IL1RAP、INPP5D、ITGAM、MEF2C、MMP12、NLRP3、NOS2、PILRA、PLCG2、PTK2B、SLC24A4、TBK1、及びTNFのいずれかに関連している。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、以下の遺伝子:HTT、MAPT、SNCA、C9ORF72、APOE、SCN9A、KCNT1、PRNP、及びMSH3のいずれかに関連している。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、HTT遺伝子に関連している。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、MAPT遺伝子に関連している。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、SNCA遺伝子に関連している。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、C9ORF72遺伝子に関連している。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、APOE遺伝子に関連している。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、SCN9A遺伝子に関連している。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、KCNT1遺伝子に関連している。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、PRNP遺伝子に関連している。いくつかの実施形態では、疾患または障害は、MSH3遺伝子に関連している。
【0237】
重量オスモル濃度
本開示の治療用オリゴヌクレオチドの投与は、対象の重量オスモル濃度(例えば、脳脊髄液(CSF))に影響を与える場合がある。本開示の治療用オリゴヌクレオチドで治療されている対象のCSF重量オスモル濃度は、例えば、250~450mOsmol/kgであり得る。いくつかの実施形態では、CSF重量オスモル濃度は、250~350mOsmol/kgである。対象のCSF重量オスモル濃度は、二価カチオンの濃度によって影響を受ける場合がある。対象の治療を監督する人は、対象のCSF重量オスモル濃度を監視し、それに応じて投与量を調整することが可能な場合がある。例えば、正常より高い重量オスモル濃度を示す対象では用量を減らすことができる。
【0238】
あるいは、治療用オリゴヌクレオチドを含有する組成物中のナトリウムイオンの濃度を変更することができる。例えば、治療用オリゴヌクレオチドの液体製剤では、二価カチオンの毒性の利益に負の影響を与えることなく、ナトリウム濃度を調節して、結果として生じる重量オスモル濃度を増減させることができる。製剤中のナトリウムレベルを低下させることにより、本開示の治療用オリゴヌクレオチドによる治療を受けている対象における正常な生理学的重量オスモル濃度レベルの維持が可能となり得る。
【0239】
医薬組成物
本開示の治療用オリゴヌクレオチドは、インビボでの投与に好適な生物学的に適合する形態で対象に投与するための医薬組成物に製剤化することができる。したがって、本開示は、好適な希釈剤、担体、または賦形剤と混合した本開示の治療用オリゴヌクレオチドを含有する医薬組成物を提供する。治療用オリゴヌクレオチドは、例えば、対象のCNSに直接投与することができる(例えば、線条体内、脳室内、髄腔内注射、またはカテーテル挿入による大槽内注射によって)。
【0240】
好適な製剤を選択及び調製するための従来の手順及び成分は、例えば、Remington,J.P.The Science and Practice of Pharmacy,Easton,PA.Mack Publishers,2012,22nd ed.及びThe United States Pharmacopeial Convention,The National Formulary,United States Pharmacopeial,2015,USP 38 NF 33)に記載されている。
【0241】
通常の保存条件及び使用条件下で、医薬組成物は、例えば、微生物の増殖を防止するための保存剤を含有してもよい。医薬組成物には、滅菌水溶液、滅菌分散液、または、例えば、滅菌溶液もしくは滅菌分散液を即時調製するための粉末を含めてもよい。全ての場合において、形態は、当技術分野で公知の技術を使用して滅菌することができ、治療を必要とする対象に容易に投与できる程度まで流動化することができる。
【0242】
医薬組成物は、対象、例えば、ヒト対象に、単独で、または薬学的に許容される担体と組み合わせて、投与されてもよく、本明細書で示される場合、その割合は、化合物の溶解性及び/または化学的性質、選択される投与経路、及び標準的な薬学的実務によって決定されてもよい。
【0243】
投薬レジメン
当技術分野の通常の技能を有する医師は、それを必要とする哺乳類対象(例えば、ヒト)に投与するための有効量の治療用オリゴヌクレオチド(例えば、siRNA、shRNA、miRNA、gRNAまたはASO)を、容易に決定することができる。例えば、医師であれば、本開示の治療用オリゴヌクレオチドのうちの1つの用量を、所望の治療効果を達成するのに必要とされるレベルよりも低いレベルで処方し始め、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させていくことができる。あるいは、医師は、高用量で本開示の治療用オリゴヌクレオチドのうちの1つを投与することによって治療レジメンを開始し、その後、治療効果(例えば、標的遺伝子配列の発現の減少)が達成されるまで漸進的に低用量を投与してもよい。一般に、本開示の治療用オリゴヌクレオチドのうちの1つの好適な1日用量は、治療効果をもたらすのに有効な最低用量の治療用オリゴヌクレオチド(例えば、siRNA)の量である。本開示のss-またはds-治療用オリゴヌクレオチドは、例えば髄腔内、脳室内、線条体内の注射によって、またはカテーテル挿入による大槽内注射(例えば尾状核または被殻への注射)によって投与することができる。本開示の治療用オリゴヌクレオチドの1日用量は、単回用量として、または、日、週、月、もしくは年を通して適切な間隔で別々に投与される2回、3回、4回、5回、6回、またはそれより多い用量として、任意選択で、単位投与形態で、投与してもよい。本開示の治療用オリゴヌクレオチドを単独で投与することは可能であるが、賦形剤、担体、及び任意選択で追加の治療剤と組み合わせて医薬製剤として投与することもできる。
【0244】
投与経路
本開示の方法は、治療用組成物によって許容される任意の投与経路を企図する。方法のいくつかの実施形態は、髄腔内、脳室内、線条体内、実質内への注射、またはカテーテル挿入による大槽内注射によるものを含む。
【0245】
髄腔内注射は、脊柱またはくも膜下腔への直接注射である。脊柱のCSFに直接注入することにより、本開示の治療用オリゴヌクレオチドは、脊柱内の細胞(例えば、ニューロン及びグリア細胞)に直接アクセスを有し、血液脳関門を迂回して脳内の細胞にアクセスする経路を有する。
【0246】
脳室内(ICV)注射は、脳室のCSFに直接注射する方法である。髄腔内注射と同様に、ICVは、血液脳関門を迂回する注射方法である。ICVを使用することにより、治療剤が血中で分解される危険性なしに、脳及び脊柱の細胞へアクセスできるという利点が得られる。
【0247】
線条体内注射は、線条体(striatum、または、corpus striatum)への直接注射である。線条体は、脳の皮質下大脳基底核の領域である。線条体への注射は、血液脳関門及び血流への注射の薬物動態学的課題を迂回し、脳の細胞への直接アクセスを可能にする。
【0248】
実質内投与は、実質(例えば、脳実質)への直接注射である。脳実質への注射は、血液脳関門を迂回しながら、疾患または障害の影響を受けた脳領域に直接注射することを可能にする。
【0249】
カテーテル挿入による大槽内注射は、大槽内への直接注射である。大槽は、小脳と延髄の背側面の間に位置する脳の領域である。大槽に注射すると、小脳、脳幹、及び脊髄の細胞に、より直接的に送達される。
【0250】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、治療組成物は、全身投与、例えば、静脈内、筋肉内、または皮下投与によって対象に送達することができる。
【0251】
静脈内(IV)注射は、対象の血流に直接注射する方法である。IV投与は、ボーラス投与の形態であっても、持続注入によるものであってもよく、または治療組成物によって許容される他の任意の方法であってもよい。
【0252】
筋肉内(IM)注射は、三角筋または臀筋などの、対象の筋肉への注射である。IMによって、治療用組成物の迅速な吸収が可能になることがある。
【0253】
皮下注射は、皮下組織への注射である。皮下に送達される組成物の吸収は、IVまたはIM注射よりも遅い場合があり、これは、継続的吸収を必要とする組成物にとって有益であり得る。
【実施例
【0254】
以下の実施例は、本明細書に記載する組成物及び方法をどのように使用し、製造し、評価し得るかについての説明を当業者に提供するために提示し、純粋に本開示を例示することを意図するものであり、発明者らが自身の開示と見なすものの範囲を限定することを意図しない。
【0255】
以下の実施例及び本開示全体の他の場所で使用されるように、「DIO」及び「ジ-siRNA」という用語は、その用語が本明細書で定義されるように、二分岐siRNA分子を指す。以下の実施例で使用される場合、「遺伝子A」、「遺伝子B」、「遺伝子C」、及び「遺伝子D」はすべて、異なる遺伝子標的を指す。
【0256】
実施例1.中枢神経系へのRNA送達を妨害する毒性作用の軽減
導入
多くの種において、二本鎖RNAの導入は、RNA干渉(RNAi)による強力かつ特異的な遺伝子サイレンシングを誘導する。この現象は、植物及び動物の両方で生じ、ウイルス防御及びトランスポゾンサイレンシング機構において役割を有する。例えば、一般に標的遺伝子よりもはるかに短い、短い干渉RNA(siRNA)は、遺伝子サイレンシングに有効であることが示されており、したがって、遺伝子をサイレンシングして、遺伝経路及び生化学経路の活性を疾患状態から正常で健康な状態に回復させるための治療剤として有用である。しかし、短い干渉RNA(siRNA)などの治療用オリゴヌクレオチドの、対象への、特に対象の中枢神経系への送達は、とりわけ、発作、振戦、及び活動亢進運動行動を含む毒性副作用のリスクを伴う。それを必要とする対象に投与すると、毒性の低減をもたらす治療用オリゴヌクレオチドの必要性が依然として存在する。
【0257】
方法
二本鎖siRNAを、以下の4つのイオン条件:A)Mg2;B)Ca2;C)Mg2及びCa2;またはD)PBSのみ(対照)のうちの1つの存在下でハイブリダイズした。次に、イオン結合によりコンディショニングした各siRNAを、8~10匹のFVB/NJ、Fマウスに脳室内(ICV)注射により、2つの異なる投与量(10nmol-DIOまたは20nmol-DIO)にて、最終体積10μlで注射した(図1A)。注射は、0.5μl/分の流速で行った。ICV注射の対照(PBSのみ-siRNAなし)も含まれていた。すべての動物における急性毒性(例えば、発作、死亡)を次の24~48時間監視した。急性CNS毒性の重症度は、EvADINTスコアリングアッセイを使用することによって定量した(表2)。スコアが高いほど、実験条件の毒性がより高いと考えられた。
【表2】
【0258】
結果
Mg2の存在下でハイブリダイズしたsiRNAのICV注射(条件A)によって、10または20nmol-DIOを注射したマウスでは急性毒性が示されず、それぞれ100%の生存率となった(図1B及び表3)。Ca2の存在下でハイブリダイズしたsiRNAのICV注射(条件B)によって、10及び20nmol-DIOを注射したマウスではある程度の毒性が示され、それぞれ90%及び100%の生存率となった(図1B及び表3)。Mg2とCa2の両方の存在下でハイブリダイズしたsiRNAのICV注射(条件C)によって、10及び20nmol-DIOを注射したマウスでは急性毒性が示されず、それぞれ100%の生存率となった(図1B及び表3)。二価カチオンの存在なしでハイブリダイズしたsiRNAのICV注射(条件D)、またはPBSのみ(siRNAなし)では、はるかに劇的なレベルの急性毒性が示され、それぞれ30%の生存率となった(図1B及び表3)。
【表3】
【0259】
結論
CNSへの治療用オリゴヌクレオチドの送達は現在、急性かつ致死的な毒性作用によって困難にさらされている;しかし、二価カチオンを含む治療用オリゴヌクレオチドを送達すると、急性CNS毒性が大幅に軽減される。
【0260】
実施例2.治療用オリゴヌクレオチドのイオンコンディショニングは活性を損なわない
遺伝子サイレンシング
実施例1に記載したsiRNA分子を、対照と比較して目的の遺伝子(遺伝子A)をサイレンシングする能力について評価した。マウスを、10nmol用量のジ-siRNAで処置し、3週間後に標的遺伝子のノックダウンについて評価した。図2Aは、二価カチオンを伴わないPBS中のジ-siRNA分子と比較した場合、Mg2+、Ca2+、またはMg2+とCa2+の両方の存在下でハイブリダイズしたジ-siRNA分子によって、標的遺伝子のサイレンシングがもたらされることを実証している。
【0261】
さらなる例では、マウスを、様々な用量(0.1、0.5、及び2.5nmol)のジ-siRNA分子で処置し、2週間後に対照と比較して遺伝子Aをサイレンシングする能力について評価した。標的遺伝子の発現は、4つの脳領域(前頭皮質、運動皮質、線条体、海馬)のそれぞれにおいて、4つの条件(未処置対照、PBSを伴うジ-siRNA、Mg2+を伴うジ-siRNA、及びCa2+を伴うジ-siRNA)下で試験した。用量依存的遺伝子サイレンシングは、分析されたすべての脳領域において、ジ-siRNAで処置された3つの群すべてで観察された。同様のサイレンシングが、各用量レベルで3つのコンディショニング群(PBS単独、Mg2+、またはCa2+を伴うジ-siRNA)のすべてで観察され、イオンコンディショニングによる活性への影響がないことが示唆された。図2Bは、この実験の結果を示す。
【0262】
組織分布
実施例1に記載したsiRNA分子を、対照と比較して脳のある特定の領域におけるそれらの分布について評価した。マウスを、10nmol用量のジ-siRNAで処置し、3週間後にPNAハイブリダイゼーションアッセイによるsiRNA定量について評価した。図2Cは、二価カチオンを伴わないPBS中のジ-siRNA分子と比較した場合、Mg2+、Ca2+、またはMg2+とCa2+の両方の存在下でハイブリダイズしたジ-siRNA分子が、前頭皮質、運動皮質、線条体、及び海馬に効果的に取り込まれることを実証している。
【0263】
実施例3.二価カチオンの存在下でのジ-siRNA分子のハイブリダイゼーションは、生存促進効果を有する。
二価カチオンをジ-siRNA分子に導入する方法を検討した。以下の2つの条件を試験した:
i) 100mM NaClの存在下で95℃まで4分間加熱し、その後50mM Mg2+または50mM Ca2+のいずれかの存在下で、室温にて15分間インキュベートすることによるsiRNA分子のハイブリダイゼーション
ii) 100mM NaCl及びa)50mM Mg2+またはb)50mM Ca2+のいずれかの存在下で、95℃まで4分間加熱することによるsiRNA分子のハイブリダイゼーション
【0264】
遺伝子Aを標的とするジ-siRNAを、これらの条件下で調製し、マウスに投与し、毒性について評価した。これらの実験の結果を、以下の表4にまとめる。まとめると、これらの結果は、上記項目ii)(二価カチオンの存在下での加熱及びハイブリダイゼーション)の生存促進効果を示す。

【表4】
【0265】
実施例4.イオンコンディショニングの生存促進効果はイオン濃度と相関がある
洗浄プロトコルの効果
遺伝子Aを標的とする本開示のジ-siRNA分子を、50mM Mg2+の存在下でハイブリダイズさせた。ジ-siRNA分子を、3つの群に分割し、それぞれを異なる洗浄プロトコルに供した:
1) 3kDaアミコン、2×4mL水、1×4mL PBSで洗浄
2) 10kDaアミコン、2×4mL水、1×4mL PBSで洗浄
3) 10kDaアミコン、4×14mL水、1×14mL PBSで洗浄
【0266】
各試料中のMg濃度を計算し、実施例1に記載のプロトコルに従って各試料をマウスに注射した。最も強力な洗浄プロトコルを受けた試料には、最低濃度のMg2+が含まれており、その結果、これは動物にとって最も有毒であった。表5に、この実験の結果をまとめている。まとめると、これらのデータは、Mg2+の存在が、毒性の利益にとって重要であり、イオンの濃度と相関していることを示している。

【表5】
【0267】
有効Mg2+濃度の決定
遺伝子Aを標的とする本開示のジ-siRNA分子を調べて、イオンの有効濃度の範囲枠を決定した。マウスに20nmol用量のジ-siRNA分子を注射し、Mgの量を変化させた。イオンの各濃度について、ハイブリダイゼーションプロトコル(ハイブリダイゼーション後のイオンの添加、または実施例3に記載のイオンの存在下でのハイブリダイゼーション)の効果も調べた。siRNAを含まずに、PBS中のさまざまな濃度のMgで処置したマウスの対照群も含めた。条件は、表6に記載されているEvADINTスコアリングプロトコルを使用して評価した。スコアが高いほど、実験条件の毒性がより高いと考えられた。
【表6】
【0268】
これらの実験の結果を図3Aに示す。これらの結果は、理想的なMg2+濃度が約40~約70mMである臨界領域が定義され得ることを示している。
【0269】
有効Ca2+濃度の決定
遺伝子Aを標的とする本開示のジ-siRNA分子を調べて、イオンの有効濃度の範囲枠を決定した。マウスに20nmol用量のジ-siRNA分子を注射し、Ca2+の量を変化させた。条件は、表6に記載されているEvADINTスコアリングプロトコルを使用して評価した。スコアが高いほど、実験条件の毒性がより高いと考えられた。結果は図3Bに示されており、Ca2+の有効濃度の範囲枠は25~100mMの間にある。
【0270】
Ca2+とMg2+混合物の有効濃度の決定
遺伝子Aを標的とする本開示のジ-siRNA分子を調べて、イオンの有効濃度の範囲枠を決定した。マウスに20nmol用量のジ-siRNA分子を注射し、1:1 Ca2+/Mg2+混合物の量を変化させた。条件は、表6に記載されているEvADINTスコアリングプロトコルを使用して評価した。スコアが高いほど、実験条件の毒性がより高いと考えられた。結果は図3Cに示されており、Ca2+の有効濃度の範囲枠は25~100mMの間にある。
【0271】
オリゴヌクレオチドの濃度及び重量オスモル濃度の変化
表6のEvADINT-Aスコアリングシステムを使用して、ジ-siRNA分子の濃度を変化させながら実験を繰り返した。siRNAのMg2+に対するモル比は一定に保った。ある実験では、Naの濃度を低下させて注射液の重量オスモル濃度を低下させた。この実験の結果を図3Dに示す。この実験は、二価カチオンを加えない場合、siRNA分子は20nmolの用量では十分に許容されないことを示している。しかし、Mg2+を加えると、20nmolが許容された。siRNAのMg2+に対するモル比を一定に保った場合、siRNAの濃度は、増加しながら、依然として十分に許容されていた。さらに、Naの濃度を低下させて、毒性に悪影響を与えることなく重量オスモル濃度を低下させることに成功した。
【0272】
実施例5.イオンコンディショニングは、投与方法に関係なく、ラットにおけるジ-siRNA分子の忍容性を改善する
8週齢の雌Sprague-Dawleyラットを、遺伝子Aを標的とする本開示のジ-siRNA分子を用いて、流速5μL/分で片側脳室内直接脳注射(ICV)または髄腔内注射(IT)のいずれかによって処置した。表7では、二価カチオンを伴わないsiRNA分子で処置したラットの結果をまとめ、表8では、1:25の比率で二価カチオンを伴うsiRNA分子で処置したラットの結果をまとめる。表7及び表8から明らかなように、Mg2+を加えると、イオンコンディショニングによりsiRNA分子の忍容性が大幅に改善され、その利益は投与方法に関係なく観察される。

【表7】
【表8】
【0273】
実施例6.イオンコンディショニングによりアンチセンスオリゴヌクレオチド及びモノsiRNA分子の忍容性を改善する
上記の実施例で試験したジ-siRNA分子に加えて、一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチド及びモノ-siRNAの忍容性に対する1つ以上の二価カチオンの添加の影響も検討した。
【0274】
アンチセンスオリゴヌクレオチド
Malat-1を標的とする本開示のアンチセンスオリゴヌクレオチド20または40nmolを、様々な濃度のMg2+とともに片側ICV注射によりマウスに投与した。Malat-1を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、Ca2+との塩として製剤化すると毒性がわずかに低下することが以前に示されている(Moazami et al.,BioRxiv.2021)。各条件を、発作及び/または死亡を示した動物の数について評価した。このアッセイの結果を、以下の表9に示す。結果から明らかなように、二価カチオンを加えると、特に20nmolのASOを投与した場合、毒性が減少した。
【表9】
【0275】
モノ-siRNA
遺伝子Aを標的とする本開示のモノ-siRNA 40nmolを、様々な濃度のMg2+とともに片側ICV注射によりマウスに投与した。各条件を、発作及び/または死亡を示した動物の数について評価した。このアッセイの結果を、以下の表10に示す。結果から明らかなように、二価カチオンを加えると、毒性が顕著に減少した。
【表10】
【0276】
実施例7.イオンコンディショニングは、配列または遺伝子標的に関係なく、オリゴヌクレオチドの忍容性を改善する
異なる配列を有し、異なる遺伝子を標的とする3つのジ-siRNA分子を、その毒性について、二価カチオンを含む及び含まない場合で種々の条件下にて試験した。
【0277】
ジ-siRNA B及びジ-siRNA C
本開示の2つの別個のジ-siRNA分子、ジ-siRNA B(遺伝子Bを標的とする)及びジ-siRNA C(遺伝子Cを標的とする)20nmolを、様々な濃度のMg2+とともに片側ICV注射によりマウスに投与した。ジ-siRNA A及びジ-siRNA Bのそれぞれは、異なる核酸塩基配列を有し、互いに、また前述のいずれかの実施例で述べたジ-siRNA分子とは異なる遺伝子を標的とする。試験した各条件を、発作及び/または死亡を示した動物の数について評価した。このアッセイの結果を、以下の表11に示す。これらの結果は、治療用オリゴヌクレオチドへの二価カチオンの添加が、核酸塩基配列または標的遺伝子に関係なく、毒性の利益があることを実証している。
【表11】
【0278】
ジ-siRNA D
様々な用量の本開示のジ-siRNA分子、ジ-siRNA D(遺伝子Dを標的とする)を、様々な濃度のMg2+とともにマウスに投与した。ジ-siRNA Dは、ジ-siRNA B、ジ-siRNA C、または前述の実施例で言及されたジ-siRNA分子のいずれかとは異なる核酸塩基配列を有し、異なる遺伝子を標的とする。試験した各条件を、発作及び/または死亡を示した動物の数について評価した。このアッセイの結果を、以下の表12に示す。これらの結果は、治療用オリゴヌクレオチドへの二価カチオンの添加が、核酸塩基配列または標的遺伝子に関係なく、毒性の利益があることを実証している。
【表12】
【0279】
実施例8.遺伝子サイレンシングが必要な患者を治療する方法
中枢神経系の細胞における遺伝子サイレンシングを必要とする対象は、塩として製剤化された治療用オリゴヌクレオチドの投与量で、医師によって決定された頻度で治療される。例えば、医師であれば、本開示の治療用オリゴヌクレオチドのうちの1つ(例えば、siRNA)の用量を、所望の治療効果を達成するのに必要とされるレベルよりも低いレベルで処方し始め、所望の効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させていくことができる。あるいは、医師は、高用量で本開示の治療用オリゴヌクレオチドのうちの1つを投与することによって治療レジメンを開始し、その後、治療効果(例えば、標的遺伝子配列の発現の減少)が達成されるまで漸進的に用量を低下させて投与してもよい。一般に、本開示の治療用オリゴヌクレオチドのうちの1つ(例えば、siRNA)の好適な1日用量は、治療効果をもたらすのに有効な最低用量の量である。本開示のss-またはds-治療用オリゴヌクレオチドは、例えば髄腔内、脳室内、線条体内の注射によって、またはカテーテル挿入を介して大槽内注射(例えば尾状核または被殻への注射)によって投与することができる。本開示の治療用オリゴヌクレオチドのうちの1つの治療組成物の1日用量は、単回用量として、または、日、週、月、もしくは年を通して適切な間隔で別々に投与される2回、3回、4回、5回、6回、またはそれより多い用量として、任意選択で、単位投与形態で、投与してもよい。本開示の治療用オリゴヌクレオチドのいずれかを単独で投与することは可能であるが、賦形剤、担体、及び任意選択で追加の治療剤と組み合わせて医薬製剤として投与することもできる。投与量及び頻度は、対象の身長、体重、年齢、性別、及びその他の疾患に基づいて決定する。
【0280】
治療用オリゴヌクレオチドは、疾患及び対象との適合性を考慮して医師によって選択される。一本鎖または二本鎖の治療用オリゴヌクレオチド(例えば、分岐siRNA)は、選択に利用可能である。選択された治療用オリゴヌクレオチドは、アンチセンス鎖を有し、標的となる患者及び疾患に最適な配列及びRNA修飾(例えば、天然及び非天然ヌクレオシド間結合、修飾糖、5’リン安定化部分、及びイオン結合二価カチオン)を有するセンス鎖を有し得る。
【0281】
治療用オリゴヌクレオチドは、患者及び病態に最適な経路により(例えば、髄腔内、脳室内、線条体内に、またはカテーテル挿入を介して大槽内注射によって)、対象が最大耐用量に達するまで、または疾患の症状が十分に改善されるまで、患者が耐えられる速度で送達される。
【0282】
特定の実施形態
本発明の例示的な実施形態を、以下に列挙する。以下に列挙する実施形態は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない;むしろ、以下は本開示の有用性の例として提示される。
【0283】
E1.治療用オリゴヌクレオチド(例えば、siRNA、ASO、miRNA、gRNAなど)を対象に送達する方法であって、1つ以上の二価カチオンを含む塩の形態で治療用オリゴヌクレオチドを投与すること、を含み、任意選択で、治療用オリゴヌクレオチドが干渉RNA分子(例えば、siRNA、shRNA、またはmiRNA)である、方法。
【0284】
E2.治療用オリゴヌクレオチドが、1つ以上の二価カチオンによって部分的または完全に飽和した複数のカチオン結合部位を含む、E1のいずれか1つの方法。
【0285】
E3. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約10%~約100%である、E1~E2のいずれか1つに記載の方法。
【0286】
E4. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約20%~約100%である、E3に記載の方法。
【0287】
E5. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約30%~約100%である、E4に記載の方法。
【0288】
E6. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約40%~約100%である、E5に記載の方法。
【0289】
E7. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約50%~約100%である、E6に記載の方法。
【0290】
E8. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約60%~約100%である、E7に記載の方法。
【0291】
E9. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約70%~約100%である、E8に記載の方法。
【0292】
E10. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約80%~約100%である、E9に記載の方法。
【0293】
E11. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約90%~約100%である、E10に記載の方法。
【0294】
E12.カチオン結合部位が、ヌクレオシド間結合内に位置し、任意選択で、ヌクレオシド間結合がホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択される、E1~E11のいずれか1つに記載の方法。
【0295】
E13. 1つ以上の二価カチオンが、約30ピコメートル~約150ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E1~E12のいずれか1つに記載の方法。
【0296】
E14. 1つ以上の二価カチオンが、約30ピコメートル~約140ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E13に記載の方法。
【0297】
E15. 1つ以上の二価カチオンが、約40ピコメートル~約130ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E14に記載の方法。
【0298】
E16. 1つ以上の二価カチオンが、約50ピコメートル~約120ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E15に記載の方法。
【0299】
E17. 1つ以上の二価カチオンが、約60ピコメートル~約110ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E16に記載の方法。
【0300】
E18. 1つ以上の二価カチオンが、約60ピコメートル~約100ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E1~E12のいずれか1つに記載の方法。
【0301】
E19. 1つ以上の二価カチオンが、約60ピコメートル~約90ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E18に記載の方法。
【0302】
E20. 1つ以上の二価カチオンが、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、もしくはZn2+、またはそれらの組み合わせを含む、E1~E12のいずれか1つに記載の方法。
【0303】
E21. 1つ以上の二価カチオンが、Ba2+を含む、E20に記載の方法。
【0304】
E22. 1つ以上の二価カチオンが、Be2+を含む、E20またはE21に記載の方法。
【0305】
E23. 1つ以上の二価カチオンが、Ca2+を含む、E20~E22のいずれか1つに記載の方法。
【0306】
E24. 1つ以上の二価カチオンが、Cu2+を含む、E20~E23のいずれか1つに記載の方法。
【0307】
E25. 1つ以上の二価カチオンが、Mg2+を含む、E20~E24のいずれか1つに記載の方法。
【0308】
E26. 1つ以上の二価カチオンが、Mn2+を含む、E20~E25のいずれか1つに記載の方法。
【0309】
E27. 1つ以上の二価カチオンが、Ni2+を含む、E20~E26のいずれか1つに記載の方法。
【0310】
E28. 1つ以上の二価カチオンが、Zn2+を含む、E20~E27のいずれか1つに記載の方法。
【0311】
E29. 1つ以上の二価カチオンが、Ca2+及びMg2+を含む、E20~E28のいずれか1つに記載の方法。
【0312】
E30.Ca2+及びMg2+が、1:1の比で存在する、E29に記載の方法。
【0313】
E31. 1つ以上の二価カチオンが、硬いルイス酸を含む、E1~E30のいずれか1つに記載の方法。
【0314】
E32. 1つ以上の二価カチオンが、治療用オリゴヌクレオチドのカチオン結合部位から水を置き換える、E1~E31のいずれか1つに記載の方法。
【0315】
E33.治療用オリゴヌクレオチドが、短い干渉RNA(siRNA)、短いヘアピンRNA(shRNA)、マイクロRNA(miRNA)、CRISPRガイドRNA(gRNA)、またはRNAアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である、E1~E32のいずれか1つに記載の方法。
【0316】
E34.治療用オリゴヌクレオチドが、短い干渉RNA(siRNA)分子である、E1~E33のいずれか1つに記載の方法。
【0317】
E35.治療用オリゴヌクレオチドが、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)である、E1~E33のいずれか1つに記載の方法。
【0318】
E36.siRNA分子が分岐しており、任意選択で、siRNA分子が二分岐、三分岐、または四分岐である、E35に記載の方法。
【0319】
E37.siRNA分子が、二分岐である、E36に記載の方法。
【0320】
E38.siRNA分子が、三分岐である、E36に記載の方法。
【0321】
E39.siRNA分子が、四分岐である、E36に記載の方法。
【0322】
E40.二分岐siRNA分子が、式I~IIIのいずれか1つで表され、
【化24】
式中、各RNAは、独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分を表す、E36またはE37に記載の方法。
【0323】
E41.二分岐siRNA分子が、式Iで表される、E40に記載の方法。
【0324】
E42.二分岐siRNA分子が、式IIで表される、E40に記載の方法。
【0325】
E43.二分岐siRNA分子が、式IIIで表される、E40に記載の方法。
【0326】
E44.三分岐siRNA分子は、式IV~VIIのいずれか1つで表され、
【化25】
式中、各RNAは、独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分を表す、E36またはE38に記載の方法。
【0327】
E45.三分岐siRNA分子が、式IVで表される、E44に記載の方法。
【0328】
E46.三分岐siRNA分子が、式Vで表される、E44に記載の方法。
【0329】
E47.三分岐siRNA分子が、式VIで表される、E44に記載の方法。
【0330】
E48.三分岐siRNA分子が、式VIIで表される、E44に記載の方法。
【0331】
E49.四分岐siRNA分子が、式VIII~XIIのいずれか1つで表され、
【化26】
式中、各RNAは、独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分を表す、E36またはE39に記載の方法。
【0332】
E50.四分岐siRNA分子が、式VIIIで表される、E49に記載の方法。
【0333】
E51.四分岐siRNA分子が、式IXで表される、E49に記載の方法。
【0334】
E52.四分岐siRNA分子が、式Xで表される、E49に記載の方法。
【0335】
E53.四分岐siRNA分子が、式XIで表される、E49に記載の方法。
【0336】
E54.四分岐siRNA分子が、式XIIで表される、E49に記載の方法。
【0337】
E55.リンカーが、エチレングリコール(例えば、トリエチレングリコール(TrEG)またはテトラエチレングリコール(TEG)などのポリエチレングリコール(PEG))、アルキル、炭水化物、ブロックコポリマー、ペプチド、RNA、及びDNAのうちの1つ以上の連続サブユニット、からなる群から選択される、E40~E54のいずれか1つに記載の方法。
【0338】
E56.リンカーが、エチレングリコールオリゴマーである、E55に記載の方法。
【0339】
E57.エチレングリコールオリゴマーが、PEGである、E56に記載の方法。
【0340】
E58.PEGが、TrEGである、E57に記載の方法。
【0341】
E59.PEGが、TEGである、E57に記載の方法。
【0342】
E60.リンカーが、アルキルオリゴマーである、E55に記載の方法。
【0343】
E61.リンカーが、炭水化物オリゴマーである、E55に記載の方法。
【0344】
E62.リンカーが、ブロックコポリマーである、E55に記載の方法。
【0345】
E63.リンカーが、ペプチドオリゴマーである、E55に記載の方法。
【0346】
E64.リンカーが、RNAオリゴマーである、E55に記載の方法。
【0347】
E65.リンカーが、DNAオリゴマーである、E55に記載の方法。
【0348】
E66.オリゴマーまたはコポリマーが、2~20の連続サブユニットを含有する、E55~E65のいずれか1つに記載の方法。
【0349】
E67.オリゴマーまたはコポリマーが、4~18の連続サブユニットを含有する、E66に記載の方法。
【0350】
E68.オリゴマーまたはコポリマーが、6~16の連続サブユニットを含有する、E67に記載の方法。
【0351】
E69.オリゴマーまたはコポリマーが、8~14の連続サブユニットを含有する、E68に記載の方法。
【0352】
E70.オリゴマーまたはコポリマーが、10~12の連続サブユニットを含有する、E69に記載の方法。
【0353】
E71.リンカーが、共有結合形成部分により1つ以上(例えば、1、2、またはそれ以上)のsiRNA分子を結合させ、任意選択で、共有結合形成部分は、アルキル、エステル、アミド、カルバメート、ホスホネート、ホスフェート、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、トリアゾール、尿素、及びホルムアセタールからなる群から選択される、E55に記載の方法。
【0354】
E72.リンカーが、式L1の構造を含む、E55に記載の方法。
【化27】
【0355】
E73.リンカーが、式L2の構造を含む、E55に記載の方法。
【化28】
【0356】
E74.リンカーが、式L3の構造を含む、E55に記載の方法。
【化29】
【0357】
E75.リンカーが、式L4の構造を含む、E55に記載の方法。
【化30】
【0358】
E76.リンカーが、式L5の構造を含む、E55に記載の方法。
【化31】
【0359】
E77.リンカーが、式L6の構造を含む、E55に記載の方法。
【化32】
【0360】
E78.リンカーが、式L7の構造を含む、E55に記載の方法。
【化33】
【0361】
E79.リンカーが、式L8の構造を含む、E55に記載の方法。
【化34】
【0362】
E80.リンカーが、式L9の構造を含む、E55に記載の方法。
【化35】
【0363】
E81.
a. 治療用オリゴヌクレオチドが、アンチセンス鎖と、アンチセンス鎖に対して相補性を有するセンス鎖とを含むか、または
b. 治療用オリゴヌクレオチドが、アンチセンス鎖のみを含むアンチセンスオリゴヌクレオチドである、
E1~E80のいずれか1つに記載の方法。
【0364】
E82.アンチセンス鎖及びセンス鎖が、2’-O-メチルリボヌクレオシドと2’-フルオロリボヌクレオシドを交互で含む、E81に記載の方法。
【0365】
E83.アンチセンス鎖が、5’-3’方向に、以下の式:
Z-((A-P-)(B-P-)
式XIII
を有し、
式中、Zは、5’リン安定化部分であり;
各Aは独立して、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各Bは独立して、2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Pは、独立して、ホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択されるヌクレオシド間結合であり;
nは、1~5の整数であり;
mは1~5の整数であり;
qは、1~30の間の整数である、E81またはE82に記載の方法。
【0366】
E84.nが、1~4である、E83に記載の方法。
【0367】
E85.nが、1~3である、E83に記載の方法。
【0368】
E86.nが、1~2である、E83に記載の方法。
【0369】
E87.nが、1である、E83に記載の方法。
【0370】
E88.nが、2である、E83に記載の方法。
【0371】
E89.nが、3である、E83に記載の方法。
【0372】
E90.nが、4である、E83に記載の方法。
【0373】
E91.nが、5である、E83に記載の方法。
【0374】
E92.mが、1~4である、E83~E91のいずれか1つに記載の方法。
【0375】
E93.mが、1~3である、E92に記載の方法。
【0376】
E94.mが、1~2である、E92に記載の方法。
【0377】
E95.mが、1である、E92に記載の方法。
【0378】
E96.mが、2である、E92に記載の方法。
【0379】
E97.mが、3である、E92に記載の方法。
【0380】
E98.mが、4である、E92に記載の方法。
【0381】
E99.mが、5である、E92に記載の方法。
【0382】
E100.アンチセンス鎖が、式Iで表される構造を含み、式Iは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C’-P-C’
式I;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、E81に記載の方法。
【0383】
E101.アンチセンス鎖が、式A1で表される構造を含み、式A1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E100に記載の方法。
【0384】
E102.アンチセンス鎖が、式IIで表される構造を含み、式IIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C-P-C’
式II;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、E100に記載の方法。
【0385】
E103.アンチセンス鎖が、式A2で表される構造を含み、式A2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-A-S-A
式A2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E102に記載の方法。
【0386】
E104.センス鎖が、式IIIで表される構造を含み、式IIIは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-F
式III;
式中、Eは、式(C-Pで表され;
Fは、式(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-D、または(C-P-D-P-C-P-Dで表され;
A’、C、D、P、及びPは、式IIで定義されたとおりであり;
mは、1~7の整数である、E81~103のいずれか1つに記載の方法。
【0387】
E105.センス鎖が、式S1で表される構造を含み、式S1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-A
式S1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E104に記載の方法。
【0388】
E106.センス鎖が、式S2で表される構造を含み、式S2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A
式S2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E104に記載の方法。
【0389】
E107.センス鎖が、式S3で表される構造を含み、式S3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-B
式S3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E104に記載の方法。
【0390】
E108.センス鎖が、式S4で表される構造を含み、式S4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B
式S4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E104に記載の方法。
【0391】
E109.アンチセンス鎖が、式IVで表される構造を含み、式IVは、5’-3’方向に以下であり、
A-(A’)-C-P-B-(C-P-C’
式IV;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式D-P-C-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、E81、E82、及びE104~E108のいずれか1つに記載の方法。
【0392】
E110.アンチセンス鎖が、式A3で表される構造を含み、式A3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B-S-A-S-A-S-A
式A3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E109に記載の方法。
【0393】
E111.センス鎖が、式Vで表される構造を含み、式Vは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-C-P-F
式V;
式中、Eは、式(C-Pで表され;
Fは、式D-P-C-P-C、D-P-C-P-C、D-P-C-P-D、またはD-P-C-P-Dで表され;
A’、C、D、P、及びPは、式IVで定義されたとおりであり;
mは、1~7の整数である、E81~E103、E109、E110のいずれか1つに記載の方法。
【0394】
E112.センス鎖が、式S5で表される構造を含み、式S5は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A
式S5;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E111に記載の方法。
【0395】
E113.センス鎖が、式S6で表される構造を含み、式S6は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A
式S6;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E111に記載の方法。
【0396】
E114.センス鎖が、式S7で表される構造を含み、式S7は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B
式S7;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E111に記載の方法。
【0397】
E115.センス鎖が、式S8で表される構造を含み、式S8は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B
式S8;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E111に記載の方法。
【0398】
E116.アンチセンス鎖が、式VIで表される構造を含み、式VIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-E-B-E-F-G-D-P-C’
式VI;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各Bは、式C-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Eは、式D-P-C-Pで表され;
Fは、式D-P-C-Pで表され;
各Gは、式C-Pで表され;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数であり;
lは、1~7の整数である、E81、E82、E104~E108、及びE111~E114のいずれか1つに記載の方法。
【0399】
E117.アンチセンス鎖が、式A4で表される構造を含み、式A4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E116に記載の方法。
【0400】
E118.センス鎖が、式VIIで表される構造を含み、式VIIは、5’-3’方向に以下であり、
H-B-I-A’-B-H-C
式VII;
式中、各A’は、式C-P-D-Pで表され;
各Hは、式(C-Pで表され;
各Iは、式(D-P)で表され;
B、C、D、P、及びPは、式VIで定義されたとおりであり;
mは1~7の整数であり;
nは1~7の整数であり;
oは1~7の整数である、E81~E103、E109、E110、E116、及びE117のいずれか1つに記載の方法。
【0401】
E119.センス鎖が、式S9で表される構造を含み、式S9は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-A-O-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-S-A-S-A
式S9;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E118に記載の方法。
【0402】
E120.アンチセンス鎖が、アンチセンス鎖の5’末端に5’リン安定化部分をさらに含む、E81~E119のいずれか1つに記載の方法。
【0403】
E121.センス鎖が、センス鎖の5’末端に5’リン安定化部分をさらに含む、E81~E120のいずれか1つに記載の方法。
【0404】
E122. 5’リン安定化部分が、式IX~XVIのいずれか1つで表され、
【化36】
式中、Nucは、アデニン、ウラシル、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基を表し、Rは、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、または水素を表す、E81~E97、E120、及びE121のいずれか1つに記載の方法。
【0405】
E123. 5’-リン安定化部分が、式XVIに表される(E)-ビニルホスホネートである、E122に記載の方法。
【0406】
E124.リボヌクレオシドのうちの少なくとも50%が2’-O-Meリボヌクレオシドである、E82~E123のいずれか1つに記載の方法。
【0407】
E125.リボヌクレオシドのうちの少なくとも60%が2’-O-Meリボヌクレオシドである、E82~E124のいずれか1つに記載の方法。
【0408】
E126.リボヌクレオシドのうちの少なくとも70%が2’-O-Meリボヌクレオシドである、E82~E125のいずれか1つに記載の方法。
【0409】
E127.リボヌクレオシドのうちの少なくとも80%が2’-O-Meリボヌクレオシドである、E82~E126のいずれか1つに記載の方法。
【0410】
E128.リボヌクレオシドのうちの少なくとも90%が2’-O-Meリボヌクレオシドである、E82~E127のいずれか1つに記載の方法。
【0411】
E129.アンチセンス鎖の長さが、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの間である、E81~E128のいずれか1つに記載の方法。
【0412】
E130.アンチセンス鎖の長さが、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの間である、E81~E129のいずれか1つに記載の方法。
【0413】
E131.アンチセンス鎖の長さが、20ヌクレオチドである、E130に記載の方法。
【0414】
E132.アンチセンス鎖の長さが、21ヌクレオチドである、E130に記載の方法。
【0415】
E133.アンチセンス鎖の長さが、22ヌクレオチドである、E130に記載の方法。
【0416】
E134.アンチセンス鎖の長さが、23ヌクレオチドである、E130に記載の方法。
【0417】
E135.アンチセンス鎖の長さが、24ヌクレオチドである、E130に記載の方法。
【0418】
E136.アンチセンス鎖の長さが、25ヌクレオチドである、E130に記載の方法。
【0419】
E137.アンチセンス鎖の長さが、26ヌクレオチドである、E129に記載の方法。
【0420】
E138.アンチセンス鎖の長さが、27ヌクレオチドである、E129に記載の方法。
【0421】
E139.アンチセンス鎖の長さが、28ヌクレオチドである、E129に記載の方法。
【0422】
E140.アンチセンス鎖の長さが、29ヌクレオチドである、E129に記載の方法。
【0423】
E141.アンチセンス鎖の長さが、30ヌクレオチドである、E129に記載の方法。
【0424】
E142.センス鎖の長さが、12ヌクレオチド~30ヌクレオチドの間である、E81~E141のいずれか1つに記載の方法。
【0425】
E143.センス鎖の長さが、14ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0426】
E144.センス鎖の長さが、15ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0427】
E145.センス鎖の長さが、16ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0428】
E146.センス鎖の長さが、17ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0429】
E147.センス鎖の長さが、18ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0430】
E148.センス鎖の長さが、19ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0431】
E149.センス鎖の長さが、20ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0432】
E150.センス鎖の長さが、21ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0433】
E151.センス鎖の長さが、22ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0434】
E152.センス鎖の長さが、23ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0435】
E153.センス鎖の長さが、24ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0436】
E154.センス鎖の長さが、25ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0437】
E155.センス鎖の長さが、26ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0438】
E156.センス鎖の長さが、27ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0439】
E157.センス鎖の長さが、28ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0440】
E158.センス鎖の長さが、29ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0441】
E159.センス鎖の長さが、30ヌクレオチドである、E142に記載の方法。
【0442】
E160.治療用オリゴヌクレオチドを、水溶液の形態で、または懸濁液の形態で投与する、E1~E159のいずれか1つに記載の方法。
【0443】
E161.治療用オリゴヌクレオチドを、循環系に(例えば、全身的に)投与する、E1~E160のいずれか1つに記載の方法。
【0444】
E162.治療用オリゴヌクレオチドを、中枢神経系に投与する、E1~E160のいずれか1つに記載の方法。
【0445】
E163.治療用オリゴヌクレオチドを、対象の脳脊髄液に直接投与し、任意選択で、治療用オリゴヌクレオチドを、髄腔内、脳室内、線条体内に、またはカテーテル挿入を介して大槽内注射によって投与する、E1~E160のいずれか1つに記載の方法。
【0446】
E164.治療用オリゴヌクレオチドを、対象の脊髄に直接投与し、任意選択で、治療用オリゴヌクレオチドを、髄腔内、脳室内、線条体内に、またはカテーテル挿入により大槽内注射によって投与する、E1~E160のいずれか1つに記載の方法。
【0447】
E165.治療用オリゴヌクレオチドを、対象の脳実質に直接投与する、E1~E160のいずれか1つに記載の方法。
【0448】
E166.脳に投与される治療用オリゴヌクレオチドを、皮質、小脳、大脳基底核、または他の脳構造に特異的に投与する、E165に記載の方法。
【0449】
E167.大脳基底核に投与される治療用オリゴヌクレオチドを、尾状核、被殻、視床、淡蒼球、または黒質に特異的に投与する、E166に記載の方法。
【0450】
E168.治療用オリゴヌクレオチドを、髄腔内、脳室内、線条体内に、またはカテーテル挿入を介して大槽内注射によって投与する、E1~E160のいずれか1つに記載の方法。
【0451】
E169.治療用オリゴヌクレオチドを、髄腔内に投与する、E168に記載の方法。
【0452】
E170.治療用オリゴヌクレオチドを、脳室内に投与する、E168に記載の方法。
【0453】
E171.治療用オリゴヌクレオチドを対象に投与すると、対象における遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームのサイレンシングが生じる、E1~E170のいずれか1つに記載の方法。
【0454】
E172.遺伝子のサイレンシングが、参照対象で観察される発現及び/または活性のレベルに対する、発現及び/または活性の増加が疾患状態に関連する、遺伝子の正の調節因子をサイレンシングすることを含む、E171に記載の方法。
【0455】
E173.遺伝子のサイレンシングが、参照対象で観察される発現及び/または活性のレベルに対する、発現及び/または活性の低下が疾患状態に関連する、遺伝子の負の調節因子をサイレンシングすることを含む、E171に記載の方法。
【0456】
E174.遺伝子のサイレンシングが、参照対象における遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームの発現に対する、遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームの過剰発現が疾患状態に関連する、遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームをサイレンシングすることを含む、E171~E173のいずれか1つに記載の方法。
【0457】
E175.遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームが、対象の中枢神経系において転写的に発現している、E171~E174のいずれか1つに記載の方法。
【0458】
E176.遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームのサイレンシングを使用して、中枢神経系の疾患と診断された対象を治療する、E171~E175のいずれか1つに記載の方法。
【0459】
E177.疾患が、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、レビー小体型認知症(DLB)、純粋自律神経不全、レビー小体嚥下障害、偶発的レビー小体病(ILBD)、遺伝性レビー小体病、オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)、線条体黒質変性症、シャイ・ドレーガー症候群、てんかんもしくはてんかん症候群、プリオン病、または疼痛障害である、E176に記載の方法。
【0460】
E178.アンチセンス鎖が、ABCA7、ABI3、ADAM10、APOC1、APOE、AXL、BIN1、C1QA、C3、C9ORF72、CASS4、CCL5、CD2AP、CD33、CD68、CLPTM1、CLU、CR1、CSF1、CST7、CTSB、CTSD、CTSL、CXCL10、CXCL13、DSG2、ECHDC3、EPHA1、FABP5、FERMT2、FTH1、GNAS、GRN、HBEGF、HLA-DRB1、HLA-DRB5、HTT、IFIT1、IFIT3、IFITM3、IFNAR1、IFNAR2、IGF1、IL10RA、IL1A、IL1B、IL1RAP、INPP5D、ITGAM、ITGAX、KCNT1、LILRB4、LPL、MAPT、MEF2C、MMP12、MS4A4A、MS4A6A、MSH3、NLRP3、NME8、NOS2、PICALM、PILRA、PLCG2、PRNP、PTK2B、SCIMP、SCN9A、SLC24A4、SNCA、SORL1、SPI1、SPP1、SPPL2A、TBK1、TNF、TREM2、TREML2、TYROBP、及びZCWPW1、からなる群から選択される遺伝子の一部とハイブリダイズするのに十分な相補性を有する、E81~E177のいずれか1つに記載の方法。
【0461】
E179.遺伝子が、HTT、MAPT、SNCA、C9ORF72、APOE、SCN9A、KCNT1、PRNP、及びMSH3からなる群から選択される、E178に記載の方法。
【0462】
E180.遺伝子が、HTTである、E179に記載の方法。
【0463】
E181.遺伝子が、MAPTである、E179に記載の方法。
【0464】
E182.遺伝子が、SNCAである、E179に記載の方法。
【0465】
E183.遺伝子が、C9ORF72である、E179に記載の方法。
【0466】
E184.遺伝子が、APOEである、E179に記載の方法。
【0467】
E185.遺伝子が、SCN9Aである、E179に記載の方法。
【0468】
E186.遺伝子が、KCNT1である、E179に記載の方法。
【0469】
E187.遺伝子が、PRNPである、E179に記載の方法。
【0470】
E188.遺伝子が、MSH3である、E179に記載の方法。
【0471】
E189.対象が、ヒトである、E1~E188のいずれか1つに記載の方法。
【0472】
E190.治療用オリゴヌクレオチドの、1つ以上の二価カチオンに対するモル比が、1:10~1:100である、E1~E189のいずれか1つに記載の方法。
【0473】
E191.治療用オリゴヌクレオチドの、1つ以上の二価カチオンに対するモル比が、1:10~1:50である、E190に記載の方法。
【0474】
E192.治療用オリゴヌクレオチドの、1つ以上の二価カチオンに対するモル比が、1:18~1:38である、E191に記載の方法。
【0475】
E193.治療用オリゴヌクレオチドの、1つ以上の二価カチオンに対するモル比が、1:20~1:25であり、任意選択で、治療用オリゴヌクレオチドの、1つ以上の二価カチオンに対するモル比が、1:20である、E192に記載の方法。
【0476】
E194.治療用オリゴヌクレオチドの、1つ以上の二価カチオンに対するモル比が、1:25である、E193に記載の方法。
【0477】
E195. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、10mM~150mMである、E1~E194のいずれか1つに記載の方法。
【0478】
E196. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、20mM~150mMである、E195に記載の方法。
【0479】
E197. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、20mM~100mMである、E196に記載の方法。
【0480】
E198. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、25mM~150mMである、E196に記載の方法。
【0481】
E199. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、25mM~100mMである、E198に記載の方法。
【0482】
E200. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、30mM~90mMである、E199に記載の方法。
【0483】
E201. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、35mM~80mMである、E200に記載の方法。
【0484】
E202. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、35mM~75mMである、E201に記載の方法。
【0485】
E203. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、40mM~70mMである、E202に記載の方法。
【0486】
E204. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、40mM~65mMである、E203に記載の方法。
【0487】
E205. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、40mM~60mMである、E204に記載の方法。
【0488】
E206. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、40mM~50mMである、E205に記載の方法。
【0489】
E207.治療用オリゴヌクレオチドが、負電荷を有する1つ以上の原子を含み、二価カチオンは2つの正電荷を含み、負電荷の正電荷に対する比が0.75~7.5であり、任意選択で、負電荷の正電荷に対する比が、1.0~2.0である、E1~E206のいずれか1つに記載の方法。
【0490】
E208.負電荷の正電荷に対する比が0.75~6.5である、E207に記載の方法。
【0491】
E209.負電荷の正電荷に対する比が0.75~5.5である、E208に記載の方法。
【0492】
E210.負電荷の正電荷に対する比が0.75~4.5である、E209に記載の方法。
【0493】
E211.負電荷の正電荷に対する比が0.75~3.5である、E210に記載の方法。
【0494】
E212.負電荷の正電荷に対する比が0.75~2.5である、E211に記載の方法。
【0495】
E213.負電荷の正電荷に対する比が0.75~1.5である、E212に記載の方法。
【0496】
E214.負電荷の正電荷に対する比が0.75~1である、E213に記載の方法。
【0497】
E215.負電荷の正電荷に対する比が1~7.5である、E208に記載の方法。
【0498】
E216.負電荷の正電荷に対する比が1.5~7.5である、E215に記載の方法。
【0499】
E217.負電荷の正電荷に対する比が2.5~7.5である、E216に記載の方法。
【0500】
E218.負電荷の正電荷に対する比が3.5~7.5である、E217に記載の方法。
【0501】
E219.負電荷の正電荷に対する比が4.5~7.5である、E218に記載の方法。
【0502】
E220.負電荷の正電荷に対する比が5.5~7.5である、E219に記載の方法。
【0503】
E221.負電荷の正電荷に対する比が6.5~7.5である、E220に記載の方法。
【0504】
E222. 1つ以上の二価カチオンを含む塩として製剤化された治療用オリゴヌクレオチド(例えば、siRNA、shRNA、miRNA、gRNA、ASO)であって、任意選択で、干渉RNA分子(例えば、siRNA、shRNA、miRNA)である、治療用オリゴヌクレオチド。
【0505】
E223. E222に記載の治療用オリゴヌクレオチドであって、siRNA分子である、治療用オリゴヌクレオチド。
【0506】
E224.siRNA分子が、1つ以上の二価カチオンによって部分的または完全に飽和した複数のカチオン結合部位を含む、E222に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0507】
E225. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約10%~約100%である、E224に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0508】
E226. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約20%~約100%である、E225に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0509】
E227. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約30%~約100%である、E226に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0510】
E228. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約40%~約100%である、E227に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0511】
E229. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約50%~約100%である、E228に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0512】
E230. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約60%~約100%である、E229に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0513】
E231. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約70%~約100%である、E230に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0514】
E232. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約80%~約100%である、E231に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0515】
E233. 1つ以上の二価カチオンによるカチオン結合部位の飽和度が、約90%~約100%である、E232に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0516】
E234.カチオン結合部位が、ヌクレオシド間結合内に位置し、任意選択で、ヌクレオシド間結合がホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択される、E224~E233のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0517】
E235. 1つ以上の二価カチオンが、約30ピコメートル~約150ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E222~E234のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0518】
E236. 1つ以上の二価カチオンが、約30ピコメートル~約140ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E235に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0519】
E237. 1つ以上の二価カチオンが、約40ピコメートル~約130ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E236に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0520】
E238. 1つ以上の二価カチオンが、約50ピコメートル~約120ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E237に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0521】
E239. 1つ以上の二価カチオンが、約60ピコメートル~約110ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E238に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0522】
E240. 1つ以上の二価カチオンが、約60ピコメートル~約100ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E239に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0523】
E241. 1つ以上の二価カチオンが、約60ピコメートル~約90ピコメートルのイオン半径を特徴とする、E240に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0524】
E242. 1つ以上の二価カチオンが、Ba2+、Be2+、Ca2+、Cu2+、Mg2+、Mn2+、Ni2+、Zn2+、またはそれらの組み合わせを含む、E222~E234のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0525】
E243. 1つ以上の二価カチオンが、Ba2+を含む、E242に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0526】
E244. 1つ以上の二価カチオンが、Be2+を含む、E242またはE243に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0527】
E245. 1つ以上の二価カチオンが、Ca2+を含む、E242~E244のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0528】
E246. 1つ以上の二価カチオンが、Cu2+を含む、E242~E245のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0529】
E247. 1つ以上の二価カチオンが、Mg2+を含む、E242~E246のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0530】
E248. 1つ以上の二価カチオンが、Mn2+を含む、E242~E247のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0531】
E249. 1つ以上の二価カチオンが、Ni2+を含む、E242~E248のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0532】
E250. 1つ以上の二価カチオンが、Zn2+を含む、E242~E249のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0533】
E251. 1つ以上の二価カチオンが、Ca2+及びMg2+を含む、E242~E250のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0534】
E252. 1つ以上の二価カチオンが、硬いルイス酸を含む、E222~E251のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0535】
E253. 1つ以上の二価カチオンが、siRNA分子のカチオン結合部位から水を置き換える、E222~E252のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0536】
E254.siRNA分子が分岐しており、任意選択で、siRNA分子が二分岐、三分岐、または四分岐である、E222~E253のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0537】
E255.siRNA分子が、二分岐である、E254に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0538】
E256.siRNA分子が、三分岐である、E254に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0539】
E257.siRNA分子が、四分岐である、E254に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0540】
E258.二分岐siRNA分子が、式I~IIIのいずれか1つで表され、
【化37】
式中、各RNAは、独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分を表す、E254またはE255に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0541】
E259.二分岐siRNA分子が、式Iで表される、E258に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0542】
E260.二分岐siRNA分子が、式IIで表される、E258に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0543】
E261.二分岐siRNA分子が、式IIIで表される、E258に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0544】
E262.三分岐siRNA分子が、式IV~VIIのいずれか1つで表され、
【化38】
式中、各RNAは、独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分を表す、E254またはE256に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0545】
E263.三分岐siRNA分子が、式IVで表される、E262に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0546】
E264.三分岐siRNA分子が、式Vで表される、E262に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0547】
E265.三分岐siRNA分子が、式VIで表される、E262に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0548】
E266.三分岐siRNA分子が、式VIIで表される、E262に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0549】
E267.四分岐siRNA分子が、式VIII~XIIのいずれか1つで表され、
【化39】
式中、各RNAは、独立してsiRNA分子であり、Lは、リンカーであり、各Xは、独立して分岐点部分を表す、E254またはE257に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0550】
E268.四分岐siRNA分子が、式VIIIで表される、E267に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0551】
E269.四分岐siRNA分子が、式IXで表される、E267に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0552】
E270.四分岐siRNA分子が、式Xで表される、E267に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0553】
E271.四分岐siRNA分子が、式XIで表される、E267に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0554】
E272.四分岐siRNA分子が、式XIIで表される、E267に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0555】
E273.リンカーが、エチレングリコール(例えば、トリエチレングリコール(TrEG)またはテトラエチレングリコール(TEG)などのポリエチレングリコール(PEG))、アルキル、炭水化物、ブロックコポリマー、ペプチド、RNA、及びDNAのうちの1つ以上の連続サブユニット、からなる群から選択される、E258~E272のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0556】
E274.リンカーが、エチレングリコールオリゴマーである、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0557】
E275.エチレングリコールオリゴマーが、PEGである、E274に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0558】
E276.PEGが、TrEGである、E275に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0559】
E277.PEGが、TEGである、E276に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0560】
E278.リンカーが、アルキルオリゴマーである、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0561】
E279.リンカーが、炭水化物オリゴマーである、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0562】
E280.リンカーが、ブロックコポリマーである、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0563】
E281.リンカーが、ペプチドオリゴマーである、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0564】
E282.リンカーが、RNAオリゴマーである、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0565】
E283.リンカーが、DNAオリゴマーである、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0566】
E284.オリゴマーまたはコポリマーが、2~20の連続サブユニットを含有する、E273~E283のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0567】
E285.オリゴマーまたはコポリマーが、4~18の連続サブユニットを含有する、E284に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0568】
E286.オリゴマーまたはコポリマーが、6~16の連続サブユニットを含有する、E284に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0569】
E287.オリゴマーまたはコポリマーが、8~14の連続サブユニットを含有する、E286に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0570】
E288.オリゴマーまたはコポリマーが、10~12の連続サブユニットを含有する、E287に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0571】
E289.リンカーが、共有結合形成部分により1つ以上(例えば、1、2、またはそれ以上)のsiRNA分子を結合させる、E243に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0572】
E290.共有結合形成部分が、アルキル、エステル、アミド、カルバメート、ホスホネート、ホスフェート、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、トリアゾール、尿素、及びホルムアセタールからなる群から選択される、E289に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0573】
E291.リンカーが、式L1の構造を含む、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【化40】
【0574】
E292.リンカーが、式L2の構造を含む、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【化41】
【0575】
E293.リンカーが、式L3の構造を含む、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【化42】
【0576】
E294.リンカーが、式L4の構造を含む、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【化43】
【0577】
E295.リンカーが、式L5の構造を含む、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【化44】
【0578】
E296.リンカーが、式L6の構造を含む、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【化45】
【0579】
E297.リンカーが、式L7の構造を含む、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【化46】
【0580】
E298.リンカーが、式L8の構造を含む、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【化47】
【0581】
E299.リンカーが、式L9の構造を含む、E273に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【化48】
【0582】
E300.siRNA分子が、アンチセンス鎖と、アンチセンス鎖に対して相補性を有するセンス鎖とを含む、E222~E299のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0583】
E301.アンチセンス鎖及びセンス鎖が、2’-O-メチルリボヌクレオシドと2’-フルオロリボヌクレオシドを交互で含む、E300に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0584】
E302.アンチセンス鎖が、5’-3’方向に、以下の式:
Z-((A-P-)(B-P-)
式XIII
を有し、
式中、Zは、5’リン安定化部分であり;
各Aは独立して、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各Bは独立して、2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Pは、独立して、ホスホジエステル結合及びホスホロチオエート結合から選択されるヌクレオシド間結合であり;
nは、1~5の整数であり;
mは1~5の整数であり;
qは、1~30の間の整数である、E300またはE301に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0585】
E303.nが、1~4である、E302に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0586】
E304.nが、1~3である、E302に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0587】
E305.nが、1~2である、E302に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0588】
E306.nが、1である、E302に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0589】
E307.nが、2である、E302に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0590】
E308.nが、3である、E302に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0591】
E309.nが、4である、E302に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0592】
E310.nが、5である、E302に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0593】
E311.mが、1~4である、E302~E310のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0594】
E312.mが、1~3である、E311に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0595】
E313.mが、1~2である、E311に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0596】
E314.mが、1である、E311に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0597】
E315.mが、2である、E311に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0598】
E316.mが、3である、E311に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0599】
E317.mが、4である、E311に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0600】
E318.mが、5である、E311に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0601】
E319.アンチセンス鎖が、式Iで表される構造を含み、式Iは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C’-P-C’
式I;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、E300またはE301に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0602】
E320.アンチセンス鎖が、式A1で表される構造を含み、式A1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E319に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0603】
E321.アンチセンス鎖が、式IIで表される構造を含み、式IIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-(A’)-C-P-D-P-(C-P-C’
式II;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式C-P-D-P-D-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-メチル(2’-O-Me)リボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-フルオロ(2’-F)リボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、E319に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0604】
E322.アンチセンス鎖が、式A2で表される構造を含み、式A2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-A-S-A
式A2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E321に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0605】
E323.センス鎖が、式IIIで表される構造を含み、式IIIは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-F
式III;
式中、Eは、式(C-Pで表され;
Fは、式(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-C、(C-P-D-P-C-P-D、または(C-P-D-P-C-P-Dで表され;
A’、C、D、P、及びPは、式IIで定義されたとおりであり;
mは、1~7の整数である、E300~E322のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0606】
E324.センス鎖が、式S1で表される構造を含み、式S1は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-A
式S1;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E323に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0607】
E325.センス鎖が、式S2で表される構造を含み、式S2は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A
式S2;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E323に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0608】
E326.センス鎖が、式S3で表される構造を含み、式S3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-S-A-S-B
式S3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E323に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0609】
E327.センス鎖が、式S4で表される構造を含み、式S4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B
式S4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E323に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0610】
E328.アンチセンス鎖が、式IVで表される構造を含み、式IVは、5’-3’方向に以下であり、
A-(A’)-C-P-B-(C-P-C’
式IV;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各A’は、式C-P-D-Pで表され;
Bは、式D-P-C-P-D-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数である、E300、E301、及びE323~E327のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド
【0611】
E329.アンチセンス鎖が、式A3で表される構造を含み、式A3は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B-S-A-S-A-S-A
式A3;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E328に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0612】
E330.センス鎖が、式Vで表される構造を含み、式Vは、5’-3’方向に以下であり、
E-(A’)-C-P-F
式V;
式中、Eは、式(C-Pで表され;
Fは、式D-P-C-P-C、D-P-C-P-C、D-P-C-P-D、またはD-P-C-P-Dで表され;
A’、C、D、P、及びPは、式IVで定義されたとおりであり;
mは、1~7の整数である、E300~E292、E328、及びE329のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0613】
E331.センス鎖が、式S5で表される構造を含み、式S5は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A
式S5;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E330に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0614】
E332.センス鎖が、式S6で表される構造を含み、式S6は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A
式S6;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E330に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0615】
E333.センス鎖が、式S7で表される構造を含み、式S7は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-B
式S7;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E330に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0616】
E334.センス鎖が、式S8で表される構造を含み、式S8は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B-O-A-O-B
式S8;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E330に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0617】
E335.アンチセンス鎖が、式VIで表される構造を含み、式VIは、5’-3’方向に以下であり、
A-B-E-B-E-F-G-D-P-C’
式VI;
式中、Aは、式C-P-D-Pで表され;
各Bは、式C-Pで表され;
各Cは、2’-O-Meリボヌクレオシドであり;
各C’は、独立して、2’-O-Meリボヌクレオシドまたは2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Dは、2’-Fリボヌクレオシドであり;
各Eは、式D-P-C-Pで表され;
Fは、式D-P-C-Pで表され;
各Gは、式C-Pで表され;
各Pは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合であり;
各Pは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合であり;
jは1~7の整数であり;
kは1~7の整数であり;
lは、1~7の整数である、E300、E301、E23~E327、及びE330~E334のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0618】
E336.アンチセンス鎖が、式A4で表される構造を含み、式A4は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-B-S-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-A-O-B-O-A-O-B-S-A-S-A-S-A-S-B-S-A
式A4;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E335に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0619】
E337.センス鎖が、式VIIで表される構造を含み、式VIIは、5’-3’方向に以下であり、
H-B-I-A’-B-H-C
式VII;
式中、各A’は、式C-P-D-Pで表され;
各Hは、式(C-Pで表され;
各Iは、式(D-P)で表され;
B、C、D、P、及びPは、式VIで定義されたとおりであり;
mは1~7の整数であり;
nは1~7の整数であり;
は1~7の整数である、E300~E322、E328、E329、E335、及びE336のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0620】
E338.センス鎖が、式S9で表される構造を含み、式S9は、5’-3’方向に以下であり、
A-S-A-S-A-O-A-O-A-O-B-O-B-O-B-O-A-O-B-O-A-O-A-O-A-O-A-S-A-S-A
式S9;
式中、Aは、2’-O-Meリボヌクレオシドを表し、Bは、2’-Fリボヌクレオシドを表し、Oは、ホスホジエステルヌクレオシド間結合を表し、Sは、ホスホロチオエートヌクレオシド間結合を表す、E337に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0621】
E339.アンチセンス鎖が、アンチセンス鎖の5’末端に5’リン安定化部分をさらに含む、E300~E338のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0622】
E340.センス鎖が、センス鎖の5’末端に5’リン安定化部分をさらに含む、E300~E339のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0623】
E341. 5’リン安定化部分が、式IX~XVIのいずれか1つで表され、
【化49】
式中、Nucは、アデニン、ウラシル、グアニン、チミン、及びシトシンからなる群から選択される核酸塩基を表し、Rは、任意選択で置換されたアルキル、任意選択で置換されたアルケニル、任意選択で置換されたアルキニル、フェニル、ベンジル、ヒドロキシ、または水素を表す、E302~E318、E338、及びE339のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0624】
E342. 5’-リン安定化部分が、式XVIに表される(E)-ビニルホスホネートである、E341に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0625】
E343.リボヌクレオシドのうちの少なくとも50%が2’-O-Meリボヌクレオシドである、E301~E342のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0626】
E344.リボヌクレオシドのうちの少なくとも60%が2’-O-Meリボヌクレオシドである、E301~E343のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0627】
E345.リボヌクレオシドのうちの少なくとも70%が2’-O-Meリボヌクレオシドである、E301~E344のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0628】
E346.リボヌクレオシドのうちの少なくとも80%が2’-O-Meリボヌクレオシドである、E301~E345のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0629】
E347.リボヌクレオシドのうちの少なくとも90%が2’-O-Meリボヌクレオシドである、E301~E346のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0630】
E348.アンチセンス鎖の長さが、10ヌクレオチド~30ヌクレオチドの間である、E300~E347のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0631】
E349.アンチセンス鎖の長さが、15ヌクレオチド~25ヌクレオチドの間である、E300~E348のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0632】
E350.アンチセンス鎖の長さが、20ヌクレオチドである、E349に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0633】
E351.アンチセンス鎖の長さが、21ヌクレオチドである、E349に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0634】
E352.アンチセンス鎖の長さが、22ヌクレオチドである、E349に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0635】
E353.アンチセンス鎖の長さが、23ヌクレオチドである、E349に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0636】
E354.アンチセンス鎖の長さが、24ヌクレオチドである、E349に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0637】
E355.アンチセンス鎖の長さが、25ヌクレオチドである、E349に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0638】
E356.アンチセンス鎖の長さが、26ヌクレオチドである、E348に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0639】
E357.アンチセンス鎖の長さが、27ヌクレオチドである、E348に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0640】
E358.アンチセンス鎖の長さが、28ヌクレオチドである、E348に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0641】
E359.アンチセンス鎖の長さが、29ヌクレオチドである、E348に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0642】
E360.アンチセンス鎖の長さが、30ヌクレオチドである、E348に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0643】
E361.センス鎖の長さが、12ヌクレオチド~30ヌクレオチドの間である、E300~E360のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0644】
E362.センス鎖の長さが、14ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0645】
E363.センス鎖の長さが、15ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0646】
E364.センス鎖の長さが、16ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0647】
E365.センス鎖の長さが、17ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0648】
E366.センス鎖の長さが、18ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0649】
E367.センス鎖の長さが、19ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0650】
E368.センス鎖の長さが、20ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0651】
E369.センス鎖の長さが、21ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0652】
E370.センス鎖の長さが、22ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0653】
E371.センス鎖の長さが、23ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0654】
E372.センス鎖の長さが、24ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0655】
E373.センス鎖の長さが、25ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0656】
E374.センス鎖の長さが、26ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0657】
E375.センス鎖の長さが、27ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0658】
E376.センス鎖の長さが、28ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0659】
E377.センス鎖の長さが、29ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0660】
E378.センス鎖の長さが、30ヌクレオチドである、E361に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0661】
E379.siRNA分子を、水溶液の形態で、または懸濁液の形態で対象の中枢神経系に投与する、E222~E378のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0662】
E380.siRNA分子を対象に投与すると、対象における遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームのサイレンシングが生じる、E222~E379のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0663】
E381.遺伝子のサイレンシングが、参照対象で観察される発現及び/または活性のレベルに対する、発現及び/または活性の増加が疾患状態に関連する、遺伝子の正の調節因子をサイレンシングすることを含む、E380に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0664】
E382.遺伝子のサイレンシングが、参照対象で観察される発現及び/または活性のレベルに対する、発現及び/または活性の低下が疾患状態に関連する、遺伝子の負の調節因子をサイレンシングすることを含む、E380に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0665】
E383.遺伝子のサイレンシングが、参照対象における遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームの発現に対する、遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームの過剰発現が疾患状態に関連する、遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームをサイレンシングすることを含む、E380~E382のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0666】
E384.遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームが、対象の中枢神経系において転写的に発現している、E380~E383のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0667】
E385.遺伝子または遺伝子のスプライスアイソフォームのサイレンシングを使用して、中枢神経系の疾患と診断された対象を治療する、E380~E384のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0668】
E386.疾患が、ハンチントン病、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、レビー小体型認知症(DLB)、純粋自律神経不全、レビー小体嚥下障害、偶発的レビー小体病(ILBD)、遺伝性レビー小体病、オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)、線条体黒質変性症、シャイ・ドレーガー症候群、てんかんもしくはてんかん障害、プリオン病、または疼痛障害である、E385に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0669】
E387.アンチセンス鎖が、ABCA7、ABI3、ADAM10、APOC1、APOE、AXL、BIN1、C1QA、C3、C9ORF72、CASS4、CCL5、CD2AP、CD33、CD68、CLPTM1、CLU、CR1、CSF1、CST7、CTSB、CTSD、CTSL、CXCL10、CXCL13、DSG2、ECHDC3、EPHA1、FABP5、FERMT2、FTH1、GNAS、GRN、HBEGF、HLA-DRB1、HLA-DRB5、HTT、IFIT1、IFIT3、IFITM3、IFNAR1、IFNAR2、IGF1、IL10RA、IL1A、IL1B、IL1RAP、INPP5D、ITGAM、ITGAX、KCNT1、LILRB4、LPL、MAPT、MEF2C、MMP12、MS4A4A、MS4A6A、MSH3、NLRP3、NME8、NOS2、PICALM、PILRA、PLCG2、PRNP、PTK2B、SCIMP、SCN9A、SLC24A4、SNCA、SORL1、SPI1、SPP1、SPPL2A、TBK1、TNF、TREM2、TREML2、TYROBP、及びZCWPW1、からなる群から選択される遺伝子の一部とハイブリダイズするのに十分な相補性を有する、E300~E386のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0670】
E388.遺伝子が、HTT、MAPT、SNCA、C9ORF72、APOE、SCN9A、KCNT1、PRNP、及びMSH3からなる群から選択される、E387に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0671】
E389.遺伝子が、HTTである、E388に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0672】
E390.遺伝子が、MAPTである、E388に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0673】
E391.遺伝子が、SNCAである、E388に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0674】
E392.遺伝子が、C9ORF72である、E388に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0675】
E393.遺伝子が、APOEである、E388に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0676】
E394.遺伝子が、SCN9Aである、E388に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0677】
E395.遺伝子が、KCNT1である、E388に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0678】
E396.遺伝子が、PRNPである、E388に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0679】
E397.遺伝子が、MSH3である、E388に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0680】
E398.対象が、ヒトである、E222~E397のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0681】
E399.治療用オリゴヌクレオチドの二価カチオンに対するモル比が、1:10~1:100(例えば、1:10、1:15、1:20、1:25、1:30、1:35、1:40、1:45、1:50、1:55、1:60、1:65、1:70、1:75、1:80、1:85、1:90、1:95、または1:100)である、E222~E398のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0682】
E400.治療用オリゴヌクレオチドの二価カチオンに対するモル比が、1:10~1:50である、E399に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0683】
E401.治療用オリゴヌクレオチドの二価カチオンに対するモル比が、1:18~1:38である、E400に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0684】
E402.治療用オリゴヌクレオチドの二価カチオンに対するモル比が、1:20~1:25であり、任意選択で、治療用オリゴヌクレオチドの二価カチオンに対するモル比が、1:20である、E401に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0685】
E403.治療用オリゴヌクレオチドの二価カチオンに対するモル比が、1:25である、E402に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0686】
E404. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、10mM~150mMである、E222~E403のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0687】
E405. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、20mM~150mMである、E404に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0688】
E406. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、20mM~100mMである、E405に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0689】
E407. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、25mM~150mMである、E405に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0690】
E408. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、25mM~100mMである、E407に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0691】
E409. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、30mM~90mMである、E408に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0692】
E410. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、35mM~85mMである、E409に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0693】
E411. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、35mM~75mMである、E410に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0694】
E412. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、40mM~70mMである、E411に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0695】
E413. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、40mM~65mMである、E412に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0696】
E414. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、40mM~60mMである、E413に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0697】
E415. 1つ以上の二価カチオンの濃度が、40mM~50mMである、E414に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0698】
E416.治療用オリゴヌクレオチドが、負電荷を有する1つ以上の原子を含み、二価カチオンが2つの正電荷を含み、負電荷の正電荷に対する比が0.75~7.5であり、任意選択で、負電荷の正電荷に対する比が、1.0~2.0である、E222~E398のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0699】
E417.負電荷の正電荷に対する比が0.75~6.5である、E416に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0700】
E418.負電荷の正電荷に対する比が0.75~5.5である、E417に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0701】
E419.負電荷の正電荷に対する比が0.75~4.5である、E418に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0702】
E420.負電荷の正電荷に対する比が0.75~3.5である、E419に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0703】
E421.負電荷の正電荷に対する比が0.75~2.5である、E420に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0704】
E422.負電荷の正電荷に対する比が0.75~1.5である、E421に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0705】
E423.負電荷の正電荷に対する比が0.75~1である、E422に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0706】
E424.負電荷の正電荷に対する比が1~7.5である、E416に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0707】
E425.負電荷の正電荷に対する比が1.5~7.5である、E424に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0708】
E426.負電荷の正電荷に対する比が2.5~7.5である、E425に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0709】
E427.負電荷の正電荷に対する比が3.5~7.5である、E426に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0710】
E428.負電荷の正電荷に対する比が4.5~7.5である、E427に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0711】
E429.負電荷の正電荷に対する比が5.5~7.5である、E428に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0712】
E430.負電荷の正電荷に対する比が6.5~7.5である、E429に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0713】
E431. 1つ以上の二価カチオンを含む塩として製剤化された治療用オリゴヌクレオチドを合成する方法であって、1つ以上の二価カチオンの存在下でアンチセンス鎖及びセンス鎖を加熱することを含む、方法。
【0714】
E432.加熱することが、少なくとも90℃まで加熱することを含む、E431に記載の治療用オリゴヌクレオチド。
【0715】
E433. 1つ以上の二価カチオンを含む塩として製剤化された治療用オリゴヌクレオチドを調製する方法であって、ハイブリダイズしたsiRNA二本鎖を、1つ以上の二価カチオンの存在下で加熱せずにインキュベートすることを含む、方法。
【0716】
E434.治療用オリゴヌクレオチドが、E222~E400のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチドである、E431~E433のいずれか1つに記載の方法。
【0717】
E435. E431~E434のいずれか1つに記載の方法により合成された、治療用オリゴヌクレオチド。
【0718】
E436. E222~E430及びE435のいずれか1つに記載の治療用オリゴヌクレオチドと、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤とを含む、医薬組成物。
【0719】
E437.塩が水溶液として製剤化される、E436に記載の医薬組成物。
【0720】
E438.塩が懸濁液として製剤化される、E436に記載の医薬組成物。
【0721】
E439. E222~E430及びE435のいずれか1つに記載の分岐siRNA分子、またはE436~E438のいずれか1つに記載の医薬組成物、及び添付文書を含む、キットであって、添付文書は、キットの使用者に、E1~E221のいずれか1つに記載の方法を実行するように指示する、キット。
【0722】
他の実施形態
記載される開示内容の種々の修飾及び変形は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本開示は、具体的な実施形態と組み合わせて記載されてきたが、特許請求の範囲の開示が、このような具体的な実施形態に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。実際に、当業者にとって自明な本開示を実施するために記載された態様の種々の修飾は、本開示の範囲内であることが意図される。他の実施形態は、特許請求の範囲に見出される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
【国際調査報告】