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特表2024-521900メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2A阻害剤
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  • 特表-メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2A阻害剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2A阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20240528BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240528BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240528BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 31/4375 20060101ALI20240528BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20240528BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
C07D471/04 112
C07D471/04 CSP
A61K45/00
A61P43/00 111
A61K9/20
A61K9/48
A61P35/00
A61K31/4375
C07D471/04 116
A61K31/519
C07D519/00 311
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574373
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-12-01
(86)【国際出願番号】 CN2022096370
(87)【国際公開番号】W WO2022253242
(87)【国際公開日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110612811.7
(32)【優先日】2021-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】521330404
【氏名又は名称】南京正大天晴制薬有限公司
【氏名又は名称原語表記】NANJING CHIA TAI TIANQING PHARMACEU TICAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬 昌友
(72)【発明者】
【氏名】黄 丹丹
(72)【発明者】
【氏名】蘇 進財
(72)【発明者】
【氏名】馬 力
(72)【発明者】
【氏名】呉 叶彬
(72)【発明者】
【氏名】代 清宇
(72)【発明者】
【氏名】張 歡
(72)【発明者】
【氏名】左 鋭
(72)【発明者】
【氏名】周 秋華
(72)【発明者】
【氏名】呉 艦
(72)【発明者】
【氏名】苗 雷
(72)【発明者】
【氏名】徐 丹
(72)【発明者】
【氏名】朱 春霞
(72)【発明者】
【氏名】田 舟山
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076CC27
4C076FF01
4C084AA17
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA52
4C084NA14
4C084ZB26
4C084ZC20
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086CB09
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
(57)【要約】
本発明は、メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2A阻害剤を提供し、当該メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2A阻害剤の構造は、一般式Iに示し、各置換基の定義は、明細書に記載された通りであり、本発明は、その調製方法をさらに提供する。本発明に提供される式I化合物は、メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2Aに対する顕著な阻害活性を有し、メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2Aの過剰発現媒介性疾患の治療に用いられる。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【化1】
(式Iにおいて、Xは、CR又はNから選ばれ、Yは、CR又はNから選ばれ、Zは、CR又はNから選ばれ、Wは、CR又はNから選ばれ、
ここで、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、シアノ、C2~C6アルキニル、C8~C10シクロアルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、(C1~C6アルキル)-S-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、6~10員アリール、C2~C6アルケニル又はC3~C6シクロアルケニルから選ばれ、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、C2~C6アルケニル、C3~C6シクロアルキル又はC3~C6シクロアルケニルは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-NR、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C2~C6アルケニル又はC2~C6アルキニルに置換され、前記6~10員アリールは、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C2~C6アルケニル又はC2~C6アルキニルに置換され、或いは、前記6~10員アリールは、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR又はNOに置換されたC1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C2~C6アルケニル又はC2~C6アルキニルに置換され、
とRは、それぞれ独立して6~10員アリール又は9~18員ベンゾ複素環基から選ばれ、前記6~10員アリール又は9~18員ベンゾ複素環基は、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル基、(C1~C6アルキル基)-O-、-C(O)NR1011又は5~7員ヘテロアリール基に置換され、前記C1~C6アルキル基、(C1~C6アルキル)-O-又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1~C3アルキル、(C1~C3アルキル)-O-又は-NRに置換され、
、R、R10及びR11は、それぞれ独立してH又はC1~C6アルキルから選ばれ、
条件として、W、X、Y及びZW、X、Y及びZにおいて、せいぜい2つは、同時にNである。)
【請求項2】
前記化合物は、以下の式II又は式IIIで示される構造を有する、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【化2】
(式において、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11は、請求項1に定義された通りである。)
【請求項3】
、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又は6~10員アリールから選ばれ、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-又はC3~C6シクロアルキルは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ又は-NRに置換され、前記6~10員アリールは、任意的にハロゲンに置換されたC1~C3アルコキシに置換され、
好ましくは、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又は6~10員アリールから選ばれ、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-又はC3~C6シクロアルキルは、任意的にハロゲンで置換され、前記6~10員アリールは、任意的にハロゲンに置換されたC1~C3アルコキシに置換され、
より好ましくは、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又は6~10員アリールから選ばれ、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-又はC3~C6シクロアルキルは、任意的にフッ素に置換され、前記6~10員アリールは、任意的にフッ素に置換されたC1~C3アルコキシに置換され、
好ましくは、R1は、水素から選ばれ、
好ましくは、Rは、水素から選ばれる、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
は、水素、C1~C6アルキル又はC3~C6シクロアルキルから選ばれ、好ましくは、Rは、水素、シクロプロピル又はC1~C6アルキルから選ばれ、好ましくは、Rは、水素又はC1~C6アルキルから選ばれ、より好ましくは、Rは、水素、メチル基又はシクロプロピル基から選ばれ、さらに好ましくは、Rは、水素又はメチル基から選ばれ、
好ましくは、Rは、水素又はC1~C6アルキルから選ばれ、好ましくは、Rは水素又はメチルから選ばれ、より好ましくは、Rは水素から選ばれ、
好ましくは、Rは水素、塩素、ヒドロキシ、シクロプロピル、CFCHO-、CHFO-、CFCHNH-、4-ジフルオロメトキシフェニル又はCHCHO-から選ばれ、好ましくは、Rは、シクロプロピル、CFCHO-、CFCHNH-又はCHCHO-から選ばれ、より好ましくは、Rはシクロプロピル基、CFCHO-又はCFCHNH-から選ばれる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
とRは、それぞれ独立してフェニル、ナフチル、下記の式で示される基から選ばれ、
【化3】
(式において、前記基は、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-、-C(O)NR1011又は5~7員ヘテロアリールに置換され、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1~C3アルキル、(C1~C3アルキル)-O-又は-NRに置換される。)
好ましくは、RとRは、それぞれ独立してフェニル、ナフチル、下記の式で示される基から選ばれ、
【化4】
(式において、前記基は、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-、-C(O)NR1011又は5~7員ヘテロアリールに置換され、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1~C3アルキル、(C1~C3アルキル)-O-又は-NRに置換される。)
より好ましくは、RとRは、それぞれ独立してフェニル、ナフチル、下記の式で示される基から選ばれ、
【化5】
(式において、前記基は、任意的にハロゲン、シアノ、-NR、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-又は5~7員ヘテロアリールに置換され、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にメチル、ハロゲン又はシアノに置換される。)
、R、R10及びR11は、それぞれ独立してH又はC1~C6アルキルから選ばれ、
好ましくは、R、R及びR10は、それぞれ独立してHから選ばれ、
好ましくは、R11は、C1~C6アルキルから選ばれ、好ましくは、R11は、メチルから選ばれる、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
は、フェニル、下記の式で示される基から選ばれ、
【化6】
(式において、前記基は、任意的にジフルオロメトキシ、メチル、NH、メトキシ、フッ素、シアノメチル、CHCONH-、1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル又は1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルに置換され、好ましくは、前記基は、任意的にジフルオロメトキシ、メチル、NH、メトキシ、フッ素、シアノメチル又は1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルに置換される。)
好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれ、
【化7】
好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれ、
【化8】
よる好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれ、
【化9】
さらに好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれ、
【化10】
好ましくは、Rは、フェニル、下記の式で示される基から選ばれ、
【化11】
(式において、前記基は、任意的にジフルオロメトキシ、メチル、NH、フッ素、メトキシ、CHCONH-、1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル又は1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルに置換され、好ましくは、前記基は、任意的にジフルオロメトキシ、メチル、NH、フッ素、メトキシ又は1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルに置換される。)
好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれ、
【化12】
好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれ、
【化13】
さらに好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれ、
【化14】
より好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれる、
【化15】
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
下記の化合物又はその薬学的に許容可能な塩。
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【請求項8】
請求項1~7のいずれかの1項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、及び、薬学的に許容される担体を含む、薬物組成物。
【請求項9】
MAT2Aの過剰発現媒介性疾患又は疾患状態を予防及び/又は治療するための薬物の調製における請求項1~7のいずれかの1項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩、又は請求項8の薬物組成物の使用。
【請求項10】
請求項1~7のいずれかの1項に記載の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の調製方法であって、前記方法は、下記の合成スキームから選ばれることを特徴とする、方法。
合成スキーム1:
【化20】
(式において、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、R、R及びRの定義は、式I化合物の定義の通りである。
式1-1化合物と式1-2a化合物又は1-2b化合物とを塩基性条件で縮合させて式1-3化合物を得、式1-3化合物と式1-4化合物とを反応させて式1-5化合物を得、式1-5化合物からトリメチルシリルを脱離させて式1-6化合物を得、式1-6化合物をハロゲン化試薬である式1-7化合物の作用でハロゲン化して式1-8化合物を得、式1-8化合物と式1-9a化合物又は1-9b化合物とを塩基性条件で縮合させて式1-10化合物を得、式1-10化合物と式1-11a化合物又は1-11b化合物とを塩基性条件で縮合させて式1-12化合物を得、
前記式1-4化合物は、3-(トリメチルシリル)プロピオール酸エチルである。)
合成スキーム2:
【化21】
(式において、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、Rは、C1~C3のアルキルから選ばれ、R、R、Rの定義は、式I化合物の定義の通りである。
式2-1化合物をハロゲン化試薬の作用でハロゲン化して式2-2化合物を得、式2-2化合物と式2-3化合物とを縮合反応させて式2-6化合物を得、式2-6化合物を酸性条件で環化反応して式2-9化合物を得、或いは、
式2-2化合物と式2-4化合物とを縮合反応させて式2-7化合物を得、式2-7化合物を酸性条件で環化反応させ、そして酸性条件下でヒドロキシを脱離させて式2-10化合物を得、或いは、
式2-2化合物と式2-5化合物とを塩基性条件で縮合反応させて式2-8化合物を得、式2-8化合物を酸性条件で環化反応させて式2-11化合物を得、或いは、
式2-2化合物と式2-12化合物とを環化反応させて式2-13化合物を得る。)
合成スキーム3:
【化22】
(式において、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、R、R及びRの定義は、式I化合物の定義の通りである。
式2-10化合物をトリフルオロエチルアミンと反応させて式3-1化合物を得、式3-1化合物と式3-2a化合物又は3-2b化合物とを塩基性条件で縮合させて式3-3化合物を得、式3-3化合物と式3-4a化合物又は3-4b化合物とを塩基性条件で縮合させて式3-5化合物を得る。)
合成スキーム4:
【化23】
(式において、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、R、R及びRの定義は、式I化合物の定義の通りである。
式2-11化合物と式4-1a化合物又は4-1b化合物とを塩基性条件で縮合させて式4-2化合物を得、式4-2化合物と式4-3a化合物又は4-3b化合物とを塩基性条件で縮合させて式4-4化合物を得る。)
合成スキーム5:
【化24】
(式において、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、R、R及びRの定義は、式I化合物の定義の通りである。
式2-9化合物とトリフルオロエチルアミンとを縮合剤の作用で反応させて式5-1化合物を得、式5-1化合物と式5-2a化合物又は5-2b化合物とを塩基性条件で縮合させて式5-3化合物を得、式5-3化合物と式5-4a化合物又は5-4b化合物とを塩基性条件で縮合させて式5-5化合物を得、或いは、
式2-9化合物と式5-6a化合物又は5-6b化合物とを塩基性条件で縮合させて式5-7化合物を得、式5-7化合物と式5-8a化合物又は5-8b化合物とを塩基性条件で縮合させて式5-9化合物を得、式5-9化合物とトリフルオロエタノールとを縮合剤の作用で反応させて式5-10化合物を得る。)
合成スキーム6:
【化25】
(式において、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、R及びRの定義は、式I化合物の定義の通りである。
式2-13化合物と式6-1a化合物又は6-1b化合物とを塩基性条件下で縮合させて式6-2化合物を得、式6-2化合物と式6-3a化合物又は6-3b化合物とを塩基性条件下で縮合させて式6-4化合物を得る。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いくつかの癌の治療に用いられるメチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2A阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ(MAT)(S-アデノシルメチオニン合成酵素とも称される)は、メチオニン及びATPからS-アデノシルメチオニン(SAM又はAdoMet)を合成する反応を触媒する細胞酵素であり、メチオニンサイクルの速度制限酵素であると考えられている。SAMは、ポリアミン生体合成におけるプロピルアミノ供与体であり、DNAメチル化のための主なメチル供与体であり、遺伝子の転写、細胞増殖及び二次代謝産物の生成に関与している。
【0003】
メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ2A(MAT2A)は、メチオニン(Met)とアデノシン三リン酸(ATP)を利用し、s-アデノシルメチオニン(SAM)を生成する酵素である。SAMは、DNA、RNA及びタンパク質を含める多種の基質のメチル化に用いられる細胞における主なメチル基供与体である。MTAP(メチルチオアデノシンホスホリラーゼ)は、正常組織において広く発現される酵素であり、メチルチオアデノシン(MTA)のアデニン及び5-メチルチオフリボース-1-リン酸への変換、アデニンのアデノシン一リン酸への変換、5-メチルチオフリボース-1-リン酸のメチオニン及びギ酸塩への変換を触媒する。プリンの合成が遮断される場合、例えば、代謝拮抗物質に遮断される場合、MTAは、代替のプリン源として使用され得る。
【0004】
MTAPをコードする遺伝子は、中枢神経系、膵臓癌、食道、膀胱及び肺を含むいくつかの組織起源由来の癌患者の細胞において欠失されることが多い、第9染色体上の遺伝子座にある。MTAPの喪失は、MTAPを発現する細胞と比べ、MTAの蓄積を招き、MTAP欠損細胞は、SAM生成により大きく依存し、その結果、MAT2A活性により依存する。約400の癌細胞株のスクリーニングにおいて、MTAPを正常発現する細胞に比べ、MAT2Aノックダウンは、MTAP欠損細胞の活力のより大きな割合の喪失を招致する。また、MAT2Aタンパク質の誘導性ノックダウンは、生体内の腫瘍増殖を減少させる。これらの結果は、MAT2A阻害剤がMTAP欠損腫瘍を有する患者に新規な治療方法を提供し得ることを示す。
【0005】
現在、中国特許出願CN109890822Aにはピラゾロピリミジノン系MAT2A阻害剤が開示され、WO2020123395A1にはMAT2A阻害剤としての2-オキソキナゾリン誘導物が開示され、本発明は、新規なMAT2A阻害剤を提供する。
【発明の概要】
【0006】
一の局面において、本発明は式Iで示される化合物又はその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【化1】
(式Iにおいて、Xは、CR又はNから選ばれ、Yは、CR又はNから選ばれ、Zは、CR又はNから選ばれ、Wは、CR又はNから選ばれる。
ここで、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、シアノ基、C2~C6アルキニル、C8~C10シクロアルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、(C1~C6アルキル)-S-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、6~10員アリール、C2~C6アルケニル又はC3~C6シクロアルケニルから選ばれ、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、C2~C6アルケニル、C3~C6シクロアルキル又はC3~C6シクロアルケニルは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-NR、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C2~C6アルケニル又はC2~C6アルキニルに置換され、前記6~10員アリールは、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C2~C6アルケニル又はC2~C6アルキニルに置換され、或いは、前記6~10員アリールは、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR又はNOに置換されたC1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C2~C6アルケニル又はC2~C6アルキニルに置換される。)
【0007】
いくつかの実施形態において、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、シアノ、C2~C6アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、(C1~C6アルキル)-S-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル、6~10員アリール、C2~C6アルケニル基又はC3~C6シクロアルケニル基から選ばれ、前記C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C3~C6シクロアルキル又はC3~C6シクロアルケニルは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、-NR、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C2~C6アルケニル又はC2~C6アルキニルに置換され、前記6~10員アリール基は、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、C1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C2~C6アルケニル又はC2~C6アルキニルに置換され、あるいは、前記6~10員アリールは、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR又はNOに置換されたC1~C3アルキル、C1~C3アルコキシ、C2~C6アルケニル又はC2~C6アルキニルに置換される。
とRは、それぞれ独立して6~10員アリール又は9~18員ベンゾ複素環基から選ばれ、前記6~10員アリール又は9~18員ベンゾ複素環基は、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-、-C(O)NR1011又は5~7員ヘテロアリールに置換され、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1~C3アルキル、(C1~C3アルキル)-O-又は-NRに置換される。
【0008】
いくつかの実施形態において、RとRは、それぞれ独立して6~10員アリール又は9~18員ベンゾ複素環基から選ばれ、前記6~10員アリール又は9~18員ベンゾ複素環基は、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-、-C(O)NR1011又は5~7員ヘテロアリールに置換され、前記C1~C6アルキル又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1~C3アルキル、(C1~C3アルキル)-O-又は-NRに置換される。
ここで、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立してH又はC1~C6アルキルから選ばれる。
条件として、W、X、Y及びZにおいて、せいぜい2つは、同時にNである。
【0009】
いくつかの実施形態において、Xは、CRから選ばれる。
【0010】
いくつかの実施形態において、Yは、CRから選ばれる。
【0011】
いくつかの実施形態において、Zは、CRから選ばれる。
【0012】
いくつかの実施形態において、Wは、Nから選ばれる。
【0013】
いくつかの実施形態において、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又は6~10員アリールから選ばれ、ここで、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-又はC3~C6シクロアルキルは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ又は-NRに置換され、前記6~10員アリールは、任意的にハロゲンに置換されたC1~C3アルコキシに置換される。
【0014】
いくつかの実施形態において、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又は6~10員アリールから選ばれ、ここで、前記C1~C6アルキル又はC3~C6シクロアルキルは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ又は-NRに置換され、前記6~10員アリールは、任意的にハロゲンに置換されたC1~C3アルコキシに置換される。
【0015】
いくつかの実施形態において、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又は6~10員アリールから選ばれ、ここで、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-又はC3~C6シクロアルキルは、任意的にハロゲンに置換され、前記6~10員アリールは、任意的にハロゲンに置換されたC1~C3アルコキシに置換される。
【0016】
いくつかの典型的な実施形態において、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又は6~10員アリールから選ばれ、ここで、前記C1~C6アルキル又はC3~C6シクロアルキルは、任意的にハロゲンに置換され、前記6~10員アリールは、任意にハロゲンに置換されたC1~C3アルコキシに置換される。
【0017】
いくつかの実施形態において、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又は6~10員アリールから選ばれ、ここで、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-又はC3~C6シクロアルキルは、任意的にフッ素に置換され、前記6~10員アリールは、任意にフッ素に置換されたC1~C3アルコキシに置換される。
【0018】
いくつかの典型的な実施形態において、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン、ヒドロキシ、NH、(C1~C6アルキル)-NR-、(C1~C6アルキル)-O-、C1~C6アルキル、C3~C6シクロアルキル又は6~10員アリールから選ばれ、ここで、前記C1~C6アルキル又はC3~C6シクロアルキルは、任意的にフッ素に置換され、前記6~10員アリールは、任意的にフッ素に置換されたC1~C3アルコキシに置換される。
【0019】
いくつかのより典型的な実施形態において、Rは、水素から選ばれる。
【0020】
いくつかのより典型的な実施形態において、Rは、水素、C1~C6アルキル又はC3~C6シクロアルキルから選ばれ、好ましくは、Rは、水素、シクロプロピル又はC1~C6アルキルから選ばれ、好ましくは、Rは、水素又はC1~C6アルキルから選ばれる。
【0021】
いくつかのより典型的な実施形態において、Rは、水素、メチル又はシクロプロピルから選ばれ、好ましくは、Rは、水素又はメチルから選ばれる。
【0022】
いくつかのより典型的な実施形態において、Rは、水素又はC1~C6アルキルから選ばれる。
【0023】
いくつかのより典型的な実施形態において、Rは、水素又はメチルから選ばれ、好ましくは、Rは、水素から選ばれる。
【0024】
いくつかのより典型的な実施形態において、Rは、水素、塩素、ヒドロキシ、シクロプロピル、CFCHO-、CHFO-、CFCHNH-、4-ジフルオロメトキシフェニル又はCHCHO-から選ばれ、好ましくは、Rは、シクロプロピル、CFCHO-、CFCHNH-又はCHCHO-から選ばれ、より好ましくは、Rは、シクロプロピル、CFCHO-又はCFCHNH-から選ばれる。
【0025】
いくつかのより典型的な実施形態において、Rは、水素から選ばれる。
【0026】
いくつかの実施形態において、RとRは、それぞれ独立してフェニル、ナフチル基、下記の式で示される基から選ばれ、
【化2】
ここで、前記基は、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-、-C(O)NR1011又は5~7員ヘテロアリールに置換され、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1~C3アルキル、(C1~C3アルキル)-O-又は-NRに置換される。
【0027】
いくつかの実施形態において、RとRは、それぞれ独立してフェニル、ナフチル、下記の式で示される基から選ばれる。
【化3】
ここで、前記基は、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-、-C(O)NR1011又は5~7員ヘテロアリールに置換され、前記C1~C6アルキル又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1~C3アルキル、(C1~C3アルキル)-O-又は-NRに置換される。
【0028】
いくつかの実施形態において、RとRは、それぞれ独立してフェニル、ナフチル、下記の式で示される基から選ばれる。
【化4】
ここで、前記基は、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-、-C(O)NR1011又は5~7員ヘテロアリールに置換され、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1~C3アルキル、(C1~C3アルキル)-O-又は-NRに置換される。
【0029】
いくつかの実施形態において、RとRは、それぞれ独立してフェニル、ナフチル基、下記の式で示される基から選ばれる。
【化5】
ここで、前記基は、任意的にハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、-NR、NO、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-、-C(O)NR1011又は5~7員ヘテロアリールに置換され、前記C1~C6アルキル又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C1~C3アルキル、(C1~C3アルキル)-O-又は-NRに置換される。
【0030】
いくつかの実施形態において、RとRは、それぞれ独立してフェニル、ナフチル基、下記の式で示される基から選ばれる。
【化6】
ここで、前記基は、任意的にハロゲン、シアノ、-NR、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-又は5~7員ヘテロアリールに置換され、前記C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にメチル、ハロゲン又はシアノに置換される。
【0031】
いくつかの実施形態において、RとRは、それぞれ独立してフェニル、ナフチル、下記の式で示される基から選ばれ、
【化7】
ここで、前記基は、任意的にハロゲン、シアノ、-NR、-NR10C(O)R11、C1~C6アルキル、(C1~C6アルキル)-O-、又は5~7員ヘテロアリールに置換され、前記C1~C6アルキル又は5~7員ヘテロアリールは、任意的にハロゲン又はシアノに置換される。
【0032】
いくつかの実施形態において、R、R、R10及びR11は、それぞれ独立してH又はC1~C6アルキルから選ばれる。
【0033】
いくつかの実施形態において、R、R及びR10は、それぞれ独立してHから選ばれる。
【0034】
いくつかの実施形態において、R11は、C1~C6アルキル基から選ばれる。
【0035】
いくつかの実施形態において、R11は、メチルから選ばれる。
【0036】
いくつかの実施形態において、Rは、フェニル、下記の式で示される基から選ばれる。
【化8】
ここで、前記基は、任意的にジフルオロメトキシ、メチル、NH、メトキシ、フッ素、シアノメチル、CHCONH-、1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル又は1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルに置換される。
【0037】
いくつかの実施形態において、Rは、フェニル、下記の式で示される基から選ばれる。
【化9】
ここで、前記基は、任意的にジフルオロメトキシ、メチル、NH、メトキシ、フッ素、シアノメチル又は1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル(下記の式で示される基)に置換される。
【化10】
【0038】
いくつかの典型的な実施形態において、Rは、下記の式で示される基から選ばれる。
【化11】
【0039】
いくつかの実施形態において、Rは、下記の式で示される基から選ばれる。
【化12】
好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれ、
【化13】
より好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれる。
【化14】
【0040】
いくつかの実施形態において、Rは、フェニル、下記の式で示される基から選ばれ、
【化15】
ここで、前記基は、任意的にジフルオロメトキシ、メチル、NH、フッ素、メトキシ、CHCONH-、1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル又は1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルに置換される。
【0041】
いくつかの実施形態において、Rは、フェニル基、下記の式で示される基から選ばれ、
【化16】
ここで、前記基は、任意的にジフルオロメトキシ、メチル、NH、フッ素、メトキシ又は1-メチル-1H-ピラゾール-5-イルに置換される。
【0042】
いくつかの典型的な実施形態において、Rは、下記の式で示される基から選ばれる。
【化17】
【0043】
いくつかの実施形態において、Rは、下記の式で示される基から選ばれる。
【化18】
【0044】
好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれ、
【化19】
より好ましくは、Rは、下記の式で示される基から選ばれる。
【化20】
【0045】
いくつかの実施形態において、前述式I化合物は、式IIで示される構造を有する。
【化21】
(式IIにおいて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11の定義は、式I化合物に定義された通りである。)
【0046】
いくつかの実施形態において、前述式I化合物は、式IIIで示される構造を有する。
【化22】
(式IIIにおいて、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10及びR11の定義は、式I化合物に定義された通りである。)
【0047】
もう一の局面において、本発明は、下記の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【0048】
いくつかの実施形態において、本発明は、治療有効量の式I、II又はIII化合物又はその薬学的に許容可能な塩、及び、薬学的に許容可能な担体を含む薬物組成物を提供する。
【0049】
いくつかの実施形態において、本発明は、哺乳動物に有効な量の式I、II又はIIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、治療を必要とする哺乳動物におけるMAT2Aの過剰発現媒介性疾患又は病症を治療する方法を提供する。
【0050】
いくつかの実施形態において、本発明は、被験者に有効な量の式I、II又はIIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、被験者におけるMTAP欠損(null)がんを治療する方法を提供する。
【0051】
いくつかの実施形態において、本発明は、細胞を有効な量の式I、II又はIIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩に接触させることを含む、細胞においてメチオニンとATPからS-アデノシルメチオニン(SAM)への合成をMAT2Aにより阻害する方法を提供する。
【0052】
いくつかの実施形態において、本発明は、被験者に治療有効量の式I、II又はIIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩を投与することを含む、がんに罹患している被験者において、がんを治療する方法であって、メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)遺伝子発現の減少又は欠損、MTAP遺伝子の欠損又はMTAPタンパク質機能の減少を特徴とするがんに罹患している被験者において、がんを治療する方法を提供する。
【0053】
いくつかの実施形態において、本発明は、細胞においてメチオニンとATPからS-アデノシルメチオニン(SAM)への合成をMAT2Aにより阻害することに用いられる、式I、II又はIIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0054】
いくつかの実施形態において、本発明は、MAT2Aの過剰発現に媒介される疾患又は病症に罹患している被験者において疾患又は病症の治療に用いられる式I、II又はIIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0055】
いくつかの実施形態において、本発明は、メチルチオアデノシンホスホリラーゼ(MTAP)遺伝子発現の減少又は欠損、MTAP遺伝子の欠損又はMTAPタンパク質機能の減少を特徴とするがんに罹患している被験者において、がんの治療に用いられる式I、II又はIIIの化合物又はその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0056】
別の局面において、本発明は、以下の合成スキームを含む、式I、II又はIII化合物を調製する方法を提供するが、これら合成スキームに限られない。
【0057】
合成スキーム1:
【化27】
(ここで、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、R、R及びRの定義は、前記の式Iの定義の通りである。)
【0058】
具体的に、式1-1化合物と式1-2a化合物又は1-2b化合物とを塩基性条件で縮合させて式1-3化合物を得、式1-3化合物と式1-4化合物(3-(トリメチルシリル)プロピオ-ル酸エチル)とを反応させて式1-5化合物を得、式1-5化合物からトリメチルシリルを脱離させて式1-6化合物を得、式1-6化合物をハロゲン化試薬である式1-7化合物の作用でハロゲン化して式1-8化合物を得、式1-8化合物と式1-9a化合物又は1-9b化合物とを塩基性条件で縮合させて式1-10化合物を得、式1-10化合物と式1-11a化合物又は1-11b化合物とを塩基性条件で縮合させて式1-12化合物を得る。)
【0059】
合成スキーム2:
【化28】
(ここで、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、Rは、C1~C3のアルキル基から選ばれ、R、R、R、R及びRの定義は、前記の式Iの定義の通りである。)
【0060】
具体的に、式2-1化合物をハロゲン化試薬の作用でハロゲン化して式2-2化合物を得、式2-2化合物と式2-3化合物とを縮合反応させて式2-6化合物を得、式2-6化合物を酸性条件で環化反応させて式2-9化合物を得、或いは、
式2-2化合物と式2-4化合物とを縮合反応させて式2-7化合物を得、式2-7化合物を酸性条件で環化反応させ、そして酸性条件でヒドロキシを脱離させて式2-10化合物を得、或いは、
式2-2化合物と式2-5化合物とを塩基性条件で縮合反応させて式2-8化合物を得、式2-8化合物を酸性条件で環化反応させて式2-11化合物を得、或いは、
式2-2化合物と式2-12化合物とを環化反応させて式2-13化合物を得る。
【0061】
合成スキーム3:
【化29】
(ここで、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、R、R及びRの定義は、前記の式Iの定義の通りである。)
【0062】
具体的に、式2-10化合物をトリフルオロエチルアミンに反応させて式3-1化合物を得、式3-1化合物と式3-2a化合物又は3-2b化合物とを塩基性条件で縮合させて式3-3化合物を得、式3-3化合物と式3-4a化合物又は3-4b化合物とを塩基性条件で縮合させて式3-5化合物を得る。
【0063】
合成スキーム4:
【化30】
(ここで、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、R、R及びRの定義は、前記の式Iの定義の通りである。)
【0064】
具体的に、式2-11化合物と式4-1a化合物又は4-1b化合物とを塩基性条件で縮合させて式4-2化合物を得、式4-2化合物と式4-3a化合物又は3-3b化合物とを塩基性条件で縮合させて式4-4化合物を得る。
【0065】
合成スキーム5:
【化31】
(ここで、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、R、R及びRの定義は、前記の式Iの定義の通りである。)
【0066】
具体的に、式2-9化合物とトリフルオロエチルアミンとを縮合剤の作用で反応させて式5-1化合物を得、式5-1化合物と式5-2a化合物又は5-2b化合物とを塩基性条件で縮合させて式5-3化合物を得、式5-3化合物と式5-4a化合物又は5-4b化合物とを塩基性条件で縮合させて式5-5化合物を得、或いは、
式2-9化合物と式5-6a化合物又は5-6b化合物とを塩基性条件で縮合させて式5-7化合物を得、式5-7化合物と式5-8a化合物又は5-8b化合物とを塩基性条件で縮合させて式5-9化合物を得、式5-9化合物とトリフルオロエタノールとを縮合剤の作用で反応させて式5-10化合物を得る。
【0067】
合成スキーム6:
【化32】
(ここで、X’は、塩素、臭素又はヨウ素から選ばれ、RとRの定義は、前記の式Iの定義の通りである。)
【0068】
具体的に、式2-13化合物と式6-1a化合物又は6-1b化合物とを塩基性条件で縮合させて式6-2化合物を得、式6-2化合物と式6-3a化合物又は6-3b化合物とを塩基性条件で縮合させて式6-4化合物を得る。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】試験例1における各群の腫瘍の体積増殖曲線図である。
図2】試験例1における各群の腫瘍内のSAM検出結果である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
<関連定義>
特に断らない限り、本明細書及び請求の範囲で使用される下記の用語は、以下の意味を有する。
【0071】
本発明における「化合物」は、不斉化合物であってもよく、例えば、1つまたは複数のキラル中心を持つものがある。特に断らない限り、本発明における「化合物」とは、任意の1種の立体異性体または2種以上の立体異性体の混合物を意味する。立体異性体にはエナンチオマーおよびジアステレオマーが含まれているが、これらに限られない。本発明における不斉炭素原子を含有する化合物は、純粋な光学活性体の形態また2種以上の立体異性体の混合物の形態として単離し得る。純粋な光学活性体の形態は、2種以上の立体異性体の混合物から単離でき、或いは、キラル原料またはキラル試薬を用いて合成することができる。
【0072】
本発明における「化合物」には、さらに互変異性体の形態が含まれている。互変異性体は、1つの単結合と隣接する二重結合との交換に由来し、1つのプロトンの移動を伴う。例えば、下記の式で示されている化合物は、互いに互変異性体形態であり、両者は特定の条件で変換可能である。
【化33】
【0073】
「任意」又は「任意的に」という用語は、以下に説明する事象又は状況が発生しても、発生しなくてもよく、当該記述は、上述の事象又は状況の発生及び非発生を含む。
【0074】
本明細書における数字範囲とは、所定範囲における各整数を意味する。例えば、「C1~C6」とは、当該基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子又は6個の炭素原子を有してもよいことを意味し、「C3~C6」とは、当該基が3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子又は6個の炭素原子を有してもよいことを意味する。
【0075】
「員」という用語は、環を形成する骨格原子または原子団の数を意味する。例えば、「5~7員」とは、環を形成する骨格原子または原子団の数が5個、6個又は7個であることを意味する。したがって、例として、ピリジン、ピペリジン、ピペラジン及びベンゼンは6員環であり、チオフェン、ピロールは、5員環である。
【0076】
「置換され」という用語は、特定の基の任意における1つまたは複数の水素原子が置換基に置換されることを意味し、特定の基の価数が正常であり、置換してなる化合物が安定であればよい。例えば、「ハロゲンに置換され」とは、特定の基における任意の1つ又は複数の水素原子がハロゲンに置換されることを意味し、特定の基の価数が正常で、置換してなる化合物が安定であればよい。
【0077】
「アルキル」という用語は、直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素基を含む飽和脂肪族炭化水素基を意味し、前記炭化水素基は、示された炭素原子数を有する。例えば、用語「C1~C6アルキル」は、C1アルキル、C2アルキル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキル、C6アルキルを含み、具体例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシルなどを含むが、これらに限られない。
【0078】
「アルコキシ」という用語は、「アルキル-O-」構造を有する基を意味し、アルキルは、直鎖又は分岐鎖の飽和一価炭化水素基を含む。例えば、「C1~C3アルコキシ」は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシを含む。
【0079】
「シクロアルキル基」という用語は、ヘテロ原子を有せず、二重結合を有しない単環式飽和炭化水素系を意味する。「3~6員シクロアルキル」という用語の具体例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシルを含むが、これらに限られない。
【0080】
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味する。
【0081】
「アリール」という用語は、親芳香環系の単一炭素原子から水素原子1つを除去することで得られる、共役π電子系を有する全炭素単環式または縮合二環式芳香環基を意味する。飽和環、部分非飽和環又は芳香炭素環と縮合した二環式基を含み、具体例として、フェニル、ナフチル、アントリル、インデン、インダン、1,2-ジヒドロナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンを含むが、これらに限られない。
【0082】
「ヘテロアリール」という用語は、独立して窒素、酸素及び硫黄から選ばれた少なくとも1つのヘテロ原子を含む、一価のアリールを意味する。例えば、「5~7員ヘテロアリール」の具体例として、ピリジニル、チエニル、イミダゾリル、ピリミジニル、ピリジニル、フリル、ピラジニル、チアゾリルを含むが、これらに限られない。
【0083】
「9~18員ベンゾ複素環基」という用語は、ベンゼン環と複素環が縮合して形成する9~18個の環原子または環原子団を有する環系であって、ベンゼン環と複素環が隣接する一対の環原子を共有し、且つ母核構造との連結部位がベンゼン環部分に位置する環系を意味する。ここで、複素環部分は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子又はヘテロ原子団を有する5~12員飽和、部分非飽和又は完全非飽和の環系であり、ヘテロ原子又はヘテロ原子団は、独立して窒素、硫黄、酸素、スルホキシド、スルホン、下記の式で示される基から選ばれたものである。
【化34】
【0084】
複素環は、単環、二環又は三環系であってもよく、ここで、2つ又は2つ以上の環は、並列環、スピロ環又は橋かけ環の形態で存在する。具体例として、下記の式で示される基を含むが、これらに限られない。
【化35】
【0085】
とは、化学結合の結合箇所を意味する。二環又は複数環に「-波線-」を有し、かつ結合サイトが確定されていない場合、原子価が許容する限り、結合サイトは、「-波線-」が存在する単環の任意原子に限られていることを意味する。例えば、下記の式で示される基は、結合サイトが二環におけるベンゼン環の任意炭素原子に限られ、かつ原子価結合の要求を満たす必要があることを示す。
【化36】
【0086】
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、生物学的に有害な作用を有することなく、特定の化合物の遊離酸および塩基の生物学的有効性を保持する塩を意味する。例えば、酸(有機酸と無機酸を含む)付加塩又は塩基付加塩(有機塩基と無機塩基を含む)がある。
【0087】
本発明における薬学的に許容可能な塩は、酸基又は塩基を含有する親化合物から汎用な化学方法により合成することができる。通常、このような塩の調製方法として、水又は有機溶媒又は両者の混合物において、遊離酸又は塩基の形態のこれらの化合物を化学量論的に適正な塩基又は酸と反応させて調製することができる。
【0088】
「有効な量」又は「治療有効量」という用語は、毒性なし所期の効果を奏する薬物又は薬剤の十分な使用量を意味する。正確な投与量は様々な要因、例えば、被験者依存変数(例えば、年齢、免疫システムの健康等)、疾患又は病気、及び施された治療などによって変化する。
【0089】
「薬学的に許容可能な担体」という用語は、生体に明らかな刺激効果がなく、この活性化合物の生物活性および特性を損なうことのない担体を意味する。国家食品薬品監督管理局に認可の人や動物に使用できるいずれの希釈剤、崩壊剤、粘着剤、流動促進剤、湿潤剤を含むが、これらに限られない。
【0090】
請求の範囲及び明細書に使用されている略称の意味は、以下の通りである。
M:mol/L;mM:mmol/L;μM:μmol/L;nM:nmol/L;TBAF:フッ化テトラブチルアンモニウム;Brij35:ポリオキシエチレンラウリルエーテル;BSA:ウシ血清アルブミン;DMSO:ジメチルスルホキシド;rpm:回転/分;Tris-HCl:トリメチロールアミノメタン塩酸塩
【0091】
「薬物組成物」という用語は、本開示に係る化合物又はその薬学的に許容可能な塩、及び、投与形態および剤形の性質に応じて、担体、希釈剤、アジュバント、賦形剤、防腐剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味剤、矯味剤、香料、抗菌剤、抗真菌剤、潤滑剤、分散剤、感温材、温度調節剤、粘着剤、安定剤、懸濁補助剤等を含むがこれらに限られない、薬学的に許容される成分から選ばれた少なくとも1種を含む組成物を意味する。
【0092】
本開示に係る薬物又は薬物組成物は、経口的に、局所的に、非経口的に、または粘膜的に(例えば、経口的に、吸入により、または直腸内に)、従来の非毒性の薬学的に許容される担体を含む用量単位製剤で投与することができる。通常、経口経路を使用することが望ましい。前記活性試薬は、経口的にカプセル、錠剤等の形態(Remington:The Science and Practice of Pharmacy、20th Editionを参照)で投与される。
【0093】
本開示に係る薬物又は薬物組成物は、非経口送達、すなわち、静脈内(i.v.)、脳室内(i.c.v.)、皮下(s.c.)、腹腔内(i.p.)、筋肉内(i.m.)、皮下(s.d.)または皮内(i.d.)によって投与され、例えば、ボーラス注射または連続輸液による直接注射によって投与されることができる。注射用製剤は、例えば、保存剤を添加したアンプルまたは複数回用量容器にて単位製剤とされることができる。前記組成物は、賦形剤(excipient)の形状を採用してもよく、油又は水性担体の懸濁液、溶液又はエマルジョンの形態であってもよく、例えば、沈降防止剤、安定剤及び/又は分散剤などの調製用試薬を含んでもよい。任意的に、前述の活性成分は、使用前に、適切な担体(例えば、滅菌されたパイロジェンフリー水)を用いて粉末形態で再構成されてもよい。
【0094】
本開示に係る薬物又は薬物組成物は、さらに直腸投与用、例えば、坐剤または停留浣腸用に製剤化されてもよい(例えば、従来の坐剤基剤、例えば、カカオ脂または他のグリセリド等を含む)。
【0095】
「治療」という用語は、治療される疾患、病症又は障害に関連する1種又は複数種の症状又は副作用を阻害、緩和、予防又は消除することを含む。
【0096】
「減少」、「阻害」、「減らす」又は「低減」という用語の使用は、コントロールに比較するために使用されたものである。当業者は、各実験に対する適切な対照を容易に決定することができる。例えば、化合物で処理された被験者又は細胞における低減された反応と、化合物で処理されていない被験者又は細胞における反応とを比較する。
【0097】
以下、本発明に係る化合物の調製方法について更に具体的に説明するが、これらの具体的な調製方法は本発明の範囲を何ら限定するものではない。また、反応条件、例えば、反応物、溶媒、塩基、化合物の使用量、反応温度、反応時間等は、下記の具体例に限定されない。
【0098】
本発明に係る化合物は、また、本明細書に記載の又は当業者に公知の種々の合成方法を任意に組み合わせることで容易的に製造することができ、このような組み合わせは当業者であれば容易に行うことができる。
【0099】
実施例1:1,3,8-トリ(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-2H-キノリジン-2-オン
【化37】
a)3-(トリメチルシリル)プロピオ-ル酸エチルの調製
フラスコにプロピオ-ル酸エチル(10g)、トリメチルクロロシラン(14.40g)、ジクロロメタン(200ml)を順に入れ、窒素ガスの雰囲気において、トリエチルアミン(10.31g)を滴下し、40℃で3h攪拌しながら反応させた。反応終了後、水100mlを添加してクエンチし、酢酸エチル200mlで抽出し、有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=8/1(V/V))により精製し、表題化合物5.2gを得た。
b)1-(4-クロロピリジン-2-イル)-4-(トリメチルシリル)-3-ブチン-2-オンの調製
フラスコに4-クロロ-2-メチルピリジン(5g)、テトラヒドロフラン(100ml)を順に入れ、窒素ガスの雰囲気において、ドライアイスエタノールバスで-78℃まで降温し、ジイソプロピルアミノリチウム(39.19mL、2Mテトラヒドロフラン溶液)を1滴ずつ滴下し、この温度で30分間反応させた。3-(トリメチルシリル)プロピオル酸エチル(7.01g)を添加し、-78℃で1h反応させた。反応終了後、飽和塩化アンモニウム溶液(200mL)を添加してクエンチし、酢酸エチル100mlで3回抽出し、有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=5/1(V/V))により精製し、表題化合物5gを得た。LCMS m/z=253.5[M+1]
c)1-(4-クロロピリジン-2-イル)-3-ブチン-2-オンの調製
フラスコに1-(4-クロロピリジン-2-イル)-4-(トリメチルシリル)-3-ブチル-2-オン(1g)、フッ化テトラブチルアンモニウム(1.56ml、1Mテトラヒドロフラン溶液)、テトラヒドロフラン(20ml)を順に入れ、窒素ガスの雰囲気において、0℃で30min攪拌しながら反応させた。反応終了後、水10mlを添加してクエンチし、酢酸エチル50mlで抽出し、有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をそのまま次のステップに用い、表題化合物0.6gを得た。LCMS m/z=180.0[M+1]
d)1,3-ジブロモ-8-クロロ-2H-キノリジン-2-オンの調製
フラスコに1-(4-クロロピリジン-2-イル)3-ブチン-2-オン(0.3g)、ジクロロメタン(100ml)、N-ブロモスクシンイミド(0.89g)を順に入れ、窒素ガスの雰囲気において、室温で2h反応させた。反応終了後、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(30mL)を添加してクエンチし、酢酸エチル30mlで3回抽出し、有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をそのまま次のステップに用い、表題化合物0.5gを得た。
e)1,3,8-トリ-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-2H-キノリジン-2-オンの調製
フラスコに1,3-ジブロモ-8-クロロ-2H-キノリジン-2-オン(1.3g)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(2.17g)、炭酸カリウム(1.6g)、[1,1’-ビス(ジ-t-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.25g)、ジオキサン(26ml)、水(5.2ml)を順に入れ、窒素ガスの雰囲気において、80℃で1h攪拌しながら反応させた。反応終了後、水30mlを添加してクエンチし、酢酸エチル60mlで抽出し、有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール=40/1(V/V))により精製して1,3,8-トリ(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-2H-キノリジン-2-オンと8-クロロ-1,3-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-2H-キノリジン-2-オンを得た。
1,3,8-トリ-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-2H-キノリジン-2-オンの構造確認用データ
H NMR(400 MHz, DMSO-d6) δ 8.70 (s,H), 8.34 (d,J=7.4 Hz,1H), 7.90-7.82(m,2H), 7.69 - 7.62 (m, 2H), 7.47 - 7.39 (m,2H),7.29(m,8H),7.26(d,J=2.3Hz,1H),7.22-7.10(m,2H).LCMSm/z=572[M+1]
【0100】
実施例2:8-クロロ-1,3-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-2H-キノリジン-2-オン
【化38】
実施例1の方法を参照しながら調製し、8-クロロ-1,3-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-2H-キノリジン-2-オンの構造確認用データH NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.67(s,1H),8.29-8.23(m,1H),7.85-7.79(m,2H),7.55-7.13(m,8H),6.89-6.83(m,2H).LCMS m/z=464[M+1]
【0101】
実施例3:8-シクロプロピル-1,3-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-2H-キノリジン-2-オン
【化39】
a)4-シクロプロピル-2-メチルピリジンの調製
フラスコに4-ブロモ-2-メチルピリジン(10g)、シクロプロピルボロン酸(14.98g)、リン酸カリウム(49.36g)、[1,1’-ビス(ジ-t-ブチルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(0.25g)、水(40ml)、ジオキサン(200ml)を順に入れ、窒素ガスの雰囲気において、80℃で2h攪拌しながら反応させた。反応終了後、水200mlを添加してクエンチし、酢酸エチル100mlで3回抽出し、有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=9/1(V/V))により精製し、表題化合物7.5gを得た。LCMS m/z=134 [M+1]
b)1-(4-シクロプロピルピリジン-2-イル)-4-(トリメチルシリル)-3-ブチン-2-オンの調製
実施例1の調製方法を参照しながら調製し、ステップb)における4-クロロ-2-メチルピリジンを4-シクロプロピル-2-メチルピリジンに置換すればよい。LCMS m/z=258 [M+1]
c)1-(4-シクロプロピルピリジン-2-イル)-3-ブチン-2-オンの調製
実施例1/2の調製方法を参照しながら調製し、ステップc)における1-(4-クロロピリジン-2-イル)-4-(トリメチルシリル)-3-ブチル-2-オンを1-(4-シクロプロピルピリジン-2-イル)-4-(トリメチルシリル)-3-ブチン-2-オンに置換すればよい。LCMS m/z=185.95[M+1]
d)8-シクロプロピル-1,3-ジヨード-2-H-キノリジン-2-オンの調製
フラスコに1-(4-シクロプロピルピリジン-2-イル)-3-ブチン-2-オン(0.6g)、ジクロロメタン(12ml)、N-ヨードスクシンイミド(1.82g)を順に入れ、窒素ガスの雰囲気において、0℃で1h反応させた。反応終了後、飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(30 mL)を添加してクエンチし、酢酸エチル30mlで3回抽出し、有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=1/1(V/V))により精製し、表題化合物0.3gを得た。LCMS m/z=437.8 [M+1]
e)8-シクロプロピル-1,3-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-2H-キノリジン-2-オンの調製
実施例1の調製方法を参照しながら調製し、ステップe)における1,3-ジブロモ-8-クロロ-2H-キノリジン-2-オンを8-シクロプロピル-1,3-ジヨード-2-H-キノリジン-2-オンに置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.57(s,1H),8.14(d,J=7.4Hz,1H),7.87-7.78(m,2H),7.49-7.13(m,4H),7.26(t,J=11.4Hz,4H),6.72(d,J=2.1Hz,1H),6.39(dd,J=7.4,2.0Hz,1H),1.84(tt,J=8.4,4.8Hz,1H),1.02-0.92(m,2H),0.78-0.70(m,2H).LCMS m/z= 470 [M+1]
【0102】
実施例4:8-エチル-1,3-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-2H-キノリジン-2-オン
【化40】
a)4-エトキシ-2-メチルピリジンの調製
フラスコに4-クロロ-2-メチルピリジン(5g)、ナトリウムエトキシド(13.34g)、ジメチルスルホキシド(100ml)を順に入れ、窒素ガスの雰囲気において、50℃で2h攪拌しながら反応させた。反応終了後、水200mlを添加してクエンチし、酢酸エチル100mlで3回抽出し、有機相を乾燥まで濃縮して表題化合物4.6gを得た。
b)1-(4-エトキシピリジン-2-イル)-4-(トリメチルシリル)-3-ブチン-2-オンの調製。
実施例1/2の調製方法を参照しながら調製し、ステップb)における4-クロロ-2-メチルピリジンを4-エチル-2-メチルピリジンに置換すればよい。LCMS m/z=262 [M+1]
c)1-(4-エトキシピリジン-2-イル)3-ブチン-2-オンの調製
実施例1/2の調製方法を参照しながら調製し、ステップc)における1-(4-クロロピリジン-2-イル)-4-(トリメチルシリル)-3-ブチル-2-オンを1-(4-エトキシピリジン-2-イル)-4-(トリメチルシリル)-3-ブチン-2-オンに置換すればよい。LCMS m/z=189.90 [M+1]
d)8-エトキシ-1,3-ジヨード-2-H-キノリジン-2-オンの調製
実施例3の調製方法を参照しながら調製し、ステップd)における1-(4-シクロプロピルピリジン-2-イル)3-ブチン-2-オンを1-(4-エトキシピリジン-2-イル)3-ブチン-2-オンに置換すればよい。LCMS m/z=441.8 [M+1]
e)1,3-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-8-エトキシ-2H-キノリジン-2-オンの調製
実施例1/2の調製方法を参照しながら調製し、ステップe)における1,3-ジブロモ-8-クロロ-2H-キノリジン-2-オンを8-エトキシ-1,3-ジヨード-2-H-キノリジン-2-オンに置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.52(s,1H),8.18(d,J=7.7Hz,1H),7.85-7.76(m,2H),7.41-7.33(m,2H),7.49-7.12(t,J=72Hz,2H),7.30-7.20(m,4H),6.58(dd,J=7.7,2.7Hz,1H),6.12(d,J=2.7Hz,1H),3.88(q,J=6.9Hz,2H),1.26(q,J=5.9,4.9Hz,3H).LCMS m/z=474[M+1]
【0103】
実施例5:1,3-ビス(3-アミノ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8-シクロプロピルキノリジン-2-オン
【化41】
a)1,3-ビス(3-アミノ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8-シクロプロピルキノリジン-2-オンの調製
フラスコに2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インダゾール-3-アミン(180mg)、1,4-ジオキサン(3.60mL)、水(0.80mL)、8-シクロプロピル-1,3-ジヨードキノリジン-2-オン(86.40mg)、炭酸カリウム(273.23mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(53.68mg)を順に入れ、窒素ガスの雰囲気において、30℃で48時間攪拌し、反応液を減圧で濃縮し、表題化合物4.7mgを調製し単離した。調製単離条件:(カラム:YMC-Actus Triart C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:30% B to 60% B in 8 min, 60% B;検出波長:220nm;保持時間(min):7.93;カラム温度:25℃)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.46(s,1H),8.16(d,J=7.5Hz,2H),7.51(s,1H),7.37(dd,J=9.0,1.7Hz,1H),7.19(dd,J=16.4,8.9Hz,2H),6.92(dd,J=8.9,1.6Hz,1H),6.78(d,J=2.0Hz,1H),6.30(dd,J=7.3,2.0Hz,1H),6.14(s,2H),6.03(s,2H),3.79(d,J=10.9Hz,6H),1.77(tt,J=8.5,4.9Hz,1H),0.95-0.88(m,2H),0.70(t,J=2.8Hz,2H).LCMSm/z=476[M+1]
【0104】
実施例6:3-(3-アミノ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8-シクロプロピル-1-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)キノリジン-2-オン塩酸塩
【化42】
a)3-(3-アミノ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8-シクロプロピル-1-ヨードキノリジン-2-オンの調製
実施例5の調製方法を参照しながら調製すればよい。
b)3-(3-アミノ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8-シクロプロピル-1-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)キノリジン-2-オン塩酸塩の調製
フラスコに2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イルボロン酸(10.62mg)、1,4-ジオキサン(0.5mL)、水(0.1mL)、3-(3-アミノ-2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8-シクロプロピル-1-ヨードキノリジン-2-オン(16mg)、炭酸カリウム(14.54mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(2.86mg)を添加し、窒素ガスの雰囲気において、80℃で1時間攪拌し、反応液を減圧下で濃縮し、表題化合物2.6mgを調製し単離した。調製単離条件:(カラム:YMC-Actus Triart C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:15% B to 44% B in 8 min, 44% B;検出波長:220nm;保持時間(min):7.32;カラム温度:25℃)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.70(d,J=4.1Hz,1H),8.51(d,J=4.4Hz,1H),8.29(s,1H),7.90(d,J=8.8Hz,1H),7.52(dd,J=8.5,6.4Hz,2H),7.35(d,J=1.6Hz,1H),7.12(dd,J=8.2,1.5Hz,1H),6.88(s,1H),6.53(s,1H),3.83(s,3H),1.96(d,J=9.5Hz,1H),1.08-0.97(m,2H),0.88-0.76(m,2H).LCMS m/z=487 [M+1]
【0105】
実施例7:8-シクロプロピル-1-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)-3-[2-メチル-3-(2-メチルピラゾール-3-イル)インダゾール-5-イル]キノリジン-2-オン
【化43】
a)5-ブロモ-3-ヨード-2-メチルインダゾールの調製
フラスコに5-ブロモ-2-メチルインダゾール(5g)とピラジン(2.9g)、ジクロロメタン(50mL)を添加し、攪拌しながらフェニル-3-ヨードビス(2,2,2-トリフルオロ酢酸エステル)(12.2g)を添加し、窒素ガスの雰囲気において、30℃で30分間攪拌し、かつヨウ素(7.22g)を添加し、引き続き24時間攪拌し、反応液をジクロロメタン(2×100mL)で洗浄し、表題化合物4.1gを得た。
b)5-ブロモ-2-メチル-3-(2-メチルピラゾール-3-イル)インダゾールの調製
フラスコに5-ブロモ-3-ヨード-2-メチルインダゾール(1g)、1-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピラゾール(1.54g)、1,4-ジオキサン/水=5:1(20 ml)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(0.73g)、リン酸カリウム(4.41g)を添加し、窒素ガスの雰囲気において、80℃で24時間攪拌し、室温で、水で反応をクエンチし、酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/石油エーテル=3/10(V/V))により精製し、表題化合物290mgを得た。
c)2-メチル-3-(2-メチルピラゾール-3-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インダゾールの調製
フラスコに5-ブロモ-2-メチル-3-(2-メチルピラゾール-3-イル)インダゾール(200mg)、ビス(ピナコラート)ジボロン(261.7mg)、1,4-ジオキサン(20mL)を添加し、窒素ガスの雰囲気において、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(5 mg)、酢酸カリウム(200mg)をさらに添加し、80℃で2時間攪拌し、反応液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/石油エーテル=3/10(V/V))により精製し、表題化合物130 mgを得た。
d)8-シクロプロピル-1-ヨード-3-[2-メチル-3-(2-メチルピラゾール-3-イル)インダゾール-5-イル]キノリジン-2-オンの調製
実施例6の調製方法を参照しながら調製し、ステップa)における2-メチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インダゾール-3-アミンを2-メチル-3-(2-メチルピラゾール-3-イル)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インダゾールに置換すればよい。
e)8-シクロプロピル-1-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)-3-[2-メチル-3-(2-メチルピラゾール-3-イル)インダゾール-5-イル]キノリジン-2-オンの調製
実施例6におけるステップb)の調製方法を参照しながら調製すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.62(s,1H),8.17(d,J=7.4Hz,1H),8.01(d,J=1.3Hz,1H),7.70(dd,J=6.5,1.6Hz,3H),7.46(d,J=8.2Hz,1H),7.32(d,J=1.6Hz,1H),7.08(dd,J=8.3,1.6Hz,1H),6.74(dd,J=24.9,1.9Hz,2H),6.37(dd,J=7.4,2.0Hz,1H),4.08(s,3H),3.75(s,3H),1.94-1.85(m,1H),0.96(dd,J=8.2,2.4Hz,2H),0.81-0.69(m,2H).LCMS m/z=552[M+1]
【0106】
実施例8:8-シクロプロピル-1,3-ビス[2-メチル-3-(2-メチルピラゾール-3-イル)インダゾール-5-イル]キノリジン2-オン
【化44】
実施例7の調製方法を参照しながら調製すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.59(s,1H),8.14(d,J=7.4Hz,1H),7.98(t,J=1.3Hz,1H),7.78-7.61(m,5H),7.36(t,J=1.2Hz,1H),7.22(dd,J=8.9,1.5Hz,1H),6.81(d,J=2.0Hz,1H),6.70(dd,J=3.9,1.9Hz,2H),6.36(dd,J=7.4,2.0Hz,1H),4.08(d,J=8.9Hz,6H),3.75(d,J=4.0Hz,6H),1.78(tt,J=8.5,4.9Hz,1H),0.99-0.86(m,2H),0.76-0.62(m,2H).LCMS m/z=606[M+1]
【0107】
実施例9:9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ] -8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化45】
a)3,3-ジエトキシプロピオン酸の調製
3,3-ジエトキシプロピオン酸エチル(20g)をバッチで水酸化ナトリウム(5.47g)の水(30mL)溶液に添加し、窒素ガスで置換して保護し、100℃で1h攪拌し、室温まで冷却した。0℃、3M希塩酸でpH6に調節し、酢酸エチル(6×30mL)で抽出した。有機相を飽和食塩水(1×30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した後減圧濃縮して表題化合物16.7gを得た。
b)2-アミノ-3,5-ジブロモピリジン-4-オールの調製
フラスコに2-アミノピリジン-4-オール(10g)、N,N-ジメチルホルムアミド(150mL)、N-ブロモスクシンイミド(35.56g)を順に入れ、窒素ガスで置換して保護し、室温で4h攪拌した後、ろ過し、沈殿した固体を収集し、アセトニトリル(3 × 30mL)で洗浄し、表題化合物14gを得た。
c)N-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシピリジン-2-イル)-3,3-ジエトキシプロピオンアミドの調製
窒素ガスの雰囲気において、フラスコに3,3-ジエトキシプロピオン酸(12.11g)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(12.61g)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(19.25g)、N,N-ジメチルホルムアミド(200mL)を順に入れ、室温で攪拌混合し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(24.12g)をさらに添加し、5分間攪拌し、2-アミノ-3.5-ジブロモピリジン-4-オール(10g)を添加し、80℃で4h攪拌し、室温まで冷却した。得られた混合物をろ過し、N,N-ジメチルホルムアミド(3×20mL)で濾過ケーキを洗浄した。ろ液を減圧濃縮して試料を作製し、カラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール=15/1(V/V))により精製し、表題化合物1.5g及び7,9-ジブロモ-1H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオン1.5gを得た。
d)7,9-ジブロモ-1H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオンの調製
N-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシピリジン-2-イル)-3,3-ジエトキシプロピオンアミド(2g)を希塩酸(6M、60mL)に添加し、窒素ガスで置換して保護し、50℃で12時間攪拌し、反応液を減圧濃縮した。粗体にアセトニトリル(4mL)を添加し、懸濁し、精製し、沈殿した固体をろ過し、収集して表題化合物1gを得た。
e)7,9-ジブロモ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに7,9-ジブロモ-1H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオン(500mg)、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシトリピロリジニルヘキサフルオロホスファート(813.27mg)、2,2,2-トリフルオロエチルアミン(309.61mg)、N,N-ジメチルホルムアミド(7.5mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(403.96mg)を順に入れ、窒素ガスで置換して保護し、室温で3h攪拌した後、氷水(15ml)で反応をクエンチし、沈殿した固体を濾過して収集し、アセトニトリル(2x3 ml)で洗浄し、得られた固体を真空乾燥して表題化合物400mgを得た。
f) 9-ブロモ-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ] -8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに7,9-ジブロモ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン(280mg)、2-メチル-2H-インダゾール-5-イルボロン酸(245.77mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(56.98mg)、リン酸カリウム(444.67mg)を順に入れ、そして1,4-ジオキサン(6mL)と水(1.2mL)を添加し、窒素ガスで置換して保護し、80℃で2h攪拌した後、反応液を減圧濃縮して析出し、カラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール=10/1(V/V))により精製し、表題化合物120mgを得た。
g)9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ] -8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに9-ブロモ-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン(40mg)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(33.25mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(7.21mg)、リン酸カリウム(56.32mg)を順に入れ、そして1,4-ジオキサン(1mL)と水(0.2mL)を添加し、窒素ガスで置換して保護し、80℃で2時間攪拌し、反応液を室温まで冷却し、表題化合物10mgを調製単離した。調製単離条件:(カラム:XBridge Prep OBD C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:25% B to 65% B in 8 min、65% B;検出波長:220nm;保持時間(min):7.22;カラム温度:25℃)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.56(s,1H),8.38(s,1H),8.24(d,J=8.2Hz,2H),8.06(s,1H),7.59(d,J=9.1Hz,1H),7.55-7.46(m,3H),7.24(t,J=49.6Hz1H),7.15-7.03(m,2H),6.35(d,J=7.4Hz,1H),4.18(s,3H),4.05(s,2H).LCMS m/z=516[M+1]
【0108】
実施例10:7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化46】
a)7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに7,9-ジブロモ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン(20mg)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(70.31mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(10.16mg)、リン酸カリウム(79.41mg)を順に入れ、そして1,4-ジオキサン(2mL)と水(0.5mL)を添加し、窒素ガスで置換して保護し、80℃で4時間攪拌し、反応液を室温まで冷却し、表題化合物10mgを調製単離した。調製単離条件:(カラム:XBridge Prep OBD C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:25% B to 65% B in 8 min, 65% B;検出波長:220nm;保持時間(min):7.83;カラム温度:25℃)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.60(s,1H),8.20(t,J=3.9Hz,2H),7.75(d,J=8.5Hz,2H),7.47(t,J=7.4Hz,2H),7.41-6.98(m,6H),6.35(d,J=7.5Hz,1H),4.03(d,J=10.0Hz,2H).LCMS m/z=528[M+1]
【0109】
実施例11:7,9-ビス[(4-メトキシフェニル)]-2-[ (2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ] -8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化47】
実施例10の調製方法を参照しながら調製し、ステップa)における4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を4-メトキシフェニルボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.48(t,J=6.3Hz,1H),8.19(d,J=7.5Hz,1H),8.11(s,1H),7.64(d,J=8.5Hz,2H),7.37(d,J=8.3Hz,2H),6.97(d,J=8.5Hz,2H),6.84(d,J=8.4Hz,2H),6.30(d,J=7.5Hz,1H),4.05(dd,J=9.9,6.5Hz,2H),3.78(d,J=10.5Hz,6H).LCMS m/z=456[M+1]
【0110】
実施例12:7,9-ビス[(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)]-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ] -8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化48】
実施例10の調製方法を参照しながら調製し、ステップa)における4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を2-メチル-2H-インダゾール-5-イルボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.50(t,J=6.3Hz,1H),8.38(s,1H),8.23(dd,J=9.5,7.2Hz,3H),8.08(t,J=1.3Hz,1H),7.73(s,1H),7.62-7.52(m,2H),7.43(d,J=9.0Hz,1H),7.32(dd,J=9.0,1.6Hz,1H),6.33(d,J=7.5Hz,1H),4.17(d,J=8.5Hz,6H),4.09-3.90(m,2H).LCMS m/z=504[M+1]
【0111】
実施例13:9-{6,7-ジヒドロ-2H-スピロ[1-ベンゾフラン-3,1’-シクロプロパン]-5-イル}-7-{2H-スピロ[1-ベンゾフラン-3,1’-シクロプロパン]-5-イル}-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化49】
a)5-ブロモベンゾフラン-2(3H)-オンの調製
2-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)酢酸(5.8g)とトルエン(50mL)をフラスコに添加し、100℃に加熱した後、濃硫酸0.5mLを滴下し、そして6時間昇温リフローした。反応終了後、反応液を常温まで冷却し、そして気泡が発生しないまで攪拌しながら飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した。有機相を分離し、そして飽和食塩水で洗浄した。有機相を乾燥まで濃縮して表題化合物3.8gを得た。
b)5-ブロモ-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,1’-シクロプロパン]-2-オンの調製
5-ブロモベンゾフラン-2(3H)-オン(2.1g)、(2-ブロモエチル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート(6.6g)及びN,N-ジメチルホルムアミド(50mL)をフラスコに添加し、常温で5分間攪拌した後、トリエチルアミン(3.1g)を添加し、引き続き常温で6時間攪拌した。反応終了後、酢酸エチル(150mL)を添加し、飽和食塩水(3*50mL)で洗浄した。有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=20/1(V/V))により精製し、表題化合物1gを得た。
c)4-ブロモ-2-(1-(メチロール)シクロプロピル)フェノールの調製
5-ブロモ-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,1’-シクロプロパン]-2-オン(880mg)とテトラヒドロフラン(20mL)をフラスコに入れ、窒素ガスで保護した後、0℃まで降温し、そして水素化アルミニウムリチウム(70mg)を添加し、引き続き1時間攪拌し、薄層クロマトグラフィープレートでモニターし、反応が終了していない場合、水素化アルミニウムリチウム(35mg)を追加し、原料が完全に反応するまで引き続き1時間攪拌した。反応終了後、水(20mL)を添加し、そして塩酸水溶液(2M,5mL)を添加し、引き続き10分間攪拌した。次に、酢酸エチル(3*20mL)で抽出し、有機相を収集し、乾燥した後濃縮した。粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=10/1(V/V))により精製し、表題化合物820mgを得た。
d)5-ブロモ-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,1’-シクロプロパン]の調製
4-ブロモ-2-(1-(メチロール)シクロプロピル)フェノール(486mg)と炭酸ジメチル(10mL)をフラスコに入れ、攪拌し、そしてカリウムt-ブトキシドを添加し、85℃まで昇温して引き続き10時間反応させた。薄層クロマトグラフィープレートでモニターし、反応の終了を確認した後、室温まで降温した。反応液を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=20/1(V/V))により精製し、表題化合物320mgを得た。
e)4,4,5,5-テトラメチル-2-(2H-スピロ[ベンゾフラン-3,1’-シクロプロパン]-5-イル)-1,3,2-ジオキサボロランの調製
5-ブロモ-2H-スピロ[ベンゾフラン-3,1’-シクロプロパン](280mg)、ビス(ピナコラート)ジボロン(434mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(80mg)、醋酸カリウム(335mg)及び1,4-ジオキサン(10mL)をフラスコに添加し、窒素ガスで保護した後、90℃で3時間反応させた。反応終了後、ろ過して固体を除去し、ろ液を収集し、乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=25/1(V/V))により精製し、表題化合物300mgを得た。
f)9-{6,7-ジヒドロ-2H-スピロ[1-ベンゾフラン-3,1’-シクロプロパン]-5-イル}-7-{2H-スピロ[1-ベンゾフラン-3,1’-シクロプロパン]-5-イル}-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ] -8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
実施例10の調製方法を参照しながら調製し、ステップa)における4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を4,4,5,5-テトラメチル-2-{2H-スピロ[1-ベンゾフラン-3,1’シクロプロパン]-5-イル}-1,3,2-ジオキサボロランに置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.46(t,J=6.3Hz,1H),8.15(d,J=7.5Hz,1H),8.05(s,1H),7.37(dd,J=8.4,1.8Hz,1H),7.12-7.01(m,2H),6.83-6.73(m,2H),6.67(d,J=8.2Hz,1H),6.28(d,J=7.5Hz,1H),4.49(d,J=15.3Hz,4H),4.04(dt,J=16.1,8.0Hz,2H),1.08(d,J=4.0Hz,2H),1.03(dt,J=6.1,3.2Hz,4H),0.95(q,J=5.0,4.4Hz,2H).LCMS m/z=532[M+1]
【0112】
実施例14:9’-{9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-7-イル}-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オン
【化50】
a)5-ブロモ-N-(1-(メチロール)シクロプロピル)-2H-インダゾール-3-ホルムアミドの調製
5-ブロモ-2H-インダゾール-3-カルボン酸(6g)、(1-アミノシクロプロピル)メタノール塩酸塩(3.69g)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(4.04g)、トリエチルアミン(5.04g)、1-(3-ジメチルアミノプロビル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩(5.73g)をN,N-ジメチルホルムアミド(60mL)に混合し、室温で2時間反応した。反応終了後、水を添加してクエンチし、反応液をジクロロメタン100mLで3回抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水100mLで3回洗浄した。有機相を乾燥まで濃縮し、ジエチルエーテル100mLを添加し、吸引ろ過し、濾過ケーキをジエチルエーテル100mLで2回洗浄して表題化合物2.8gを得た。
MS(ESI+): 311.75(M+H).
b)9’-ブロモ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、5-ブロモ-N-(1-(メチロール)シクロプロピル)-2H-インダゾール-3-ホルムアミド(400mg)、(1-アミノシクロプロピル基)メタノール塩酸塩(3.69g)、トリフェニルホスフィン(575.06mg)をテトラヒドロフラン(40mL)に混合し、0℃でアゾジカルボン酸ジ-t-ブチル(504.84mg)を滴下し、室温で2時間反応した。反応終了後、水を添加してクエンチし、反応液を酢酸エチル100mLで3回抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水100mLで3回洗浄した。有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=0-1/10(V/V))により精製し、表題化合物300mgを得た。
c)9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、9’-ブロモ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オン(100mg)、ビス(ピナコラート)ジボロン(104.31mg)、酢酸カリウム(100.78mg)を1,4-ジオキサン(10mL)に混合し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(13.94mg)を添加し、80℃まで加熱して2時間攪拌した。反応終了後、吸引ろ過し、濾過ケーキをジクロロメタン50mLで3回洗浄した。有機相を合わせて乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=0-1/10(V/V))により精製し、表題化合物100mgを得た。
MS(ESI+): 339.90(M+H).
d)9’-{9-ブロモ-8-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-7-イル}-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンの調製
フラスコに9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オン(100mg)、7,9-ジブロモ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン(10mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(2.03mg)、リン酸カリウム(13.23mg)を順に入れ、そして1,4-ジオキサン(1 mL)と水(0.2mL)を添加し、窒素ガスで置換して保護し、80℃で2時間攪拌し、反応液を室温に降温し、反応液を減圧濃縮して析出し、カラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール=10/1(V/V))により精製し、表題化合物60mgを得た。
e)9’-{9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-7-イル}-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンの調製
フラスコに9’-{9-ブロモ-8-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-7-イル}-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オン(60mg)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(42.29mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(9.16mg)、リン酸カリウム(59.70mg)を順に入れ、そして1,4-ジオキサン(6mL)と水(1.2 mL)を添加し、窒素ガスで置換して保護し、80℃で2時間攪拌し、反応液を室温まで降温し、乾燥まで減圧濃縮し、表題化合物10.1mgを調製単離した。調製単離条件:(カラム:YMC-Actus Triart C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:20% B to 60% B in 8 min、60% B;検出波長:220nm;保持時間(min):7.23;カラム温度:25℃)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.58(s,1H),8.54(s,1H),8.36(t,J=1.3Hz,1H),8.31-8.24(m,2H),7.78(d,J=8.9Hz,1H),7.69(dd,J=9.0,1.6Hz,1H),7.57-7.48(m,2H),7.44-7.02(m,3H),6.35(d,J=7.5Hz,1H),4.64(s,2H),4.05(t,J=8.3Hz,2H),0.99(d,J=4.1Hz,2H),0.95(d,J=4.3Hz,2H).LCMS m/z=597[M+1]
【0113】
実施例15:9’-{9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-7-イル}-2’-メチル-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オン
【化51】
a)9’-ブロモ-2’-メチル-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンの調製
フラスコに9’-ブロモ-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オン(500 mg)を入れ、N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)を添加し、0℃まで降温し、水素化ナトリウム(82.15mg)を添加し、25℃で1滴ずつヨウ化メチル(364.40mg)を滴下し、1時間攪拌し、0℃で水で反応をクエンチし、反応液を減圧濃縮し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和炭酸水素ナトリウムで3回洗浄し、飽和食塩水(1x20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧濃縮して表題化合物460mgを得た。
b)2’-メチル-9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンの調製
フラスコに9’-ブロモ-2’-メチル-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オン(200mg)、1,4-ジオキサン(20mL)、ビス(ピナコラート)ジボロン(199 mg)、酢酸カリウム(192.33 mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(26.61 mg)を入れ、窒素ガスの雰囲気において、80℃で2時間攪拌し、得られた混合物を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=2/1(V/V))により精製し、表題化合物180mgを得た。
c)9’-{9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-7-イル}-2’-メチル-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンの調製
実施例14の調製方法を参照しながら調製し、ステップa)における9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンを2’-メチル-9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンに置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.59(t,J=6.1Hz,1H),8.35(t,J=1.3Hz,1H),8.28(d,J=7.2Hz,2H),7.77(dd,J=9.0,0.9Hz,1H),7.68(dd,J=9.0,1.6Hz,1H),7.55-7.50(m,2H),7.24(t,J=76.4Hz,1H),7.13-7.07(m,2H),6.36(d,J=7.5Hz,1H),4.67(s,2H),4.14-3.98(m,2H),2.89(s,3H),1.27(q,J=6.9Hz,2H),1.05-0.97(m,2H).LCMS m/z=611[M+1]
【0114】
実施例16:9’-{9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-7-イル}-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,1’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-3’-オン
【化52】
a)5-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-3-ニトリルの調製
窒素ガスの雰囲気において、水素化ナトリウム(2.81g)をテトラヒドロフラン(110mL)に混合し、-20℃で5-ブロモ-1H-インダゾール-3-ニトリル(13g)のテトラヒドロフラン(85mL)溶液をバッチで滴下し、-20℃を維持しながら45分間攪拌した後、[2-(クロロメトキシ)エチル]トリメチルシラン(19.52g)を添加した。引き続き-20℃を維持しながら45分間攪拌した後、室温で30分間攪拌した。反応終了後、水を添加してクエンチした。水相を酢酸エチル70mLで3回抽出した。合わせた有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=5/1(V/V))により精製し、表題化合物20.73gを得た。
b)1-(5-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロピル-1-アミンの調製
窒素ガスの雰囲気において、テトライソプロピルチタネート(1.56g)をジエチルエーテル(50mL)に混合し、-70℃でエチルマグネシウムブロマイド(1.46g)溶液をバッチで滴下し、-70℃に維持しながら1時間攪拌した後、5-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-3-ニトリル(1.76g)を添加し、室温で1時間攪拌した。反応終了後、順に1N塩酸(15mL)と10%水酸化ナトリウム溶液(50mL)を添加してクエンチした。水相を酢酸エチル70mLで3回抽出した。合わせた有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=3/1(V/V))により精製し、表題化合物1.22gを得た。MS(ESI+): 382(M+H).
c)1-(5-ブロモ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロピル-1-アミンの調製
窒素ガスの雰囲気において、1-(5-ブロモ-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロピル-1-アミン(10g)をN,N-ジメチルホルムアミド(200mL)に混合し、臭化テトラブチルアンモニウム(1Mテトラヒドロフラン溶液、130mL)とエチレンジアミン(15.72g)を添加し、70℃まで加熱し、5時間攪拌した後、室温まで冷却した。反応液に酢酸エチル500mLを添加して希釈し、水200mLで2回洗浄した。水相を酢酸エチル100mLで3回抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水100mLで3回洗浄した。有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=0-1/10(V/V))により精製し、表題化合物5gを得た。MS(ESI+): 252(M+H).
d)N-(1-(5-ブロモ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロピル)-2-クロロアセトアミドの調製
窒素ガスの雰囲気において、1-(5-ブロモ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロピル-1-アミン(4g)、トリエチルアミン(3.21g)をジクロロメタン(120mL)に混合し、-10℃でクロロアセチルクロリド(2.33g)を滴下し、-10℃に維持しながら4時間攪拌した。反応終了後、0℃で水を添加してクエンチした。反応液をメタノール/ジクロロメタン=1/10(V/V)の混合溶液100mLで3回抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水100mLで洗浄した。有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=0-1/10(V/V))により精製し、表題化合物2.5gを得た。MS(ESI+): 328(M+H).
e)9’-ブロモ-2’H-スピロ[シクロプロパン-1,1’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-3’(4’H)-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、N-(1-(5-ブロモ-1H-インダゾール-3-イル)シクロプロピル)-2-クロロアセトアミド(2g)をN-メチルピロリドン(200mL)に混合し、炭酸カリウム(1.68g)を添加し、80℃まで加熱し、5時間攪拌した後室温まで冷却した。反応液に酢酸エチル300mLと水300mLを添加して希釈し、混合溶液を酢酸エチル300mLで3回抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水200mLで2回洗浄した。有機相を20mLまで濃縮し、吸引ろ過し、濾過ケーキを酢酸エチル5mLで3回洗浄して表題化合物を得た。MS(ESI+): 292(M+H).
f)9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2’H-スピロ[シクロプロパン-1,1’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-3’(4’H)-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、9’-ブロモ-2’H-スピロ[シクロプロパン-1,1’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-3’(4’H)-オン(160mg)、ビス(ピナコラート)ジボロン(167mg)、酢酸カリウム(134.48mg)を1,4-ジオキサン(3mL)に混合し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(44.62mg)を添加し、80℃まで加熱し、2時間攪拌した。反応終了後、吸引ろ過し、濾過ケーキをジクロロメタン30mLで3回洗浄した。有機相を合わせ、乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=0~1/10(V/V))により精製し、表題化合物130mgを得た。MS(ESI+):340.05(M+H).
g)9’-{9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-7-イル}-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,1’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-3’-オンの調製
実施例14の調製方法を参照しながら調製し、ステップd)における9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンを9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,1’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-3’-オンに置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.89(s,1H),8.57(t,J=6.3Hz,1H),8.23(d,J=12.6Hz,2H),7.84(d,J=1.5Hz,1H),7.58(d,J=1.2Hz,2H),7.52-7.44(m,2H),7.23(t,J=74.0Hz,1H),7.15-7.04(m,2H),6.35(d,J=7.5Hz,1H),5.16(s,2H),4.03(dt,J=16.0,8.1Hz,2H),1.78-1.72(m,2H),1.56-1.45(m,2H).LCMSm/z=597[M-+1]
【0115】
実施例17:9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-7-{2H-スピロ[1-ベンゾフラン-3,1’-シクロプロパン]-5-イル}-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化53】
実施例14の調製方法を参照しながら調製し、ステップa)における9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンを4,4,5,5-テトラメチル-2-{2H-スピロ[1-ベンゾフラン-3,1’-シクロプロパン]-5-イル}-1,3,2-ジオキサボロランに置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.53(t,J=6.2Hz,1H),8.19(d,J=7.5Hz,1H),8.10(s,1H),7.50-7.42(m,2H),7.41-7.34(m,1H),7.22(t,J=74.4Hz,1H),7.14(d,J=1.9Hz,1H),7.11-7.05(m,2H),6.80(d,J=8.3Hz,1H),6.32(d,J=7.4Hz,1H),4.51(s,2H),4.10-3.89(m,2H),1.12-1.06(m,2H),1.06-0.97(m,2H).LCMS m/z=530.05[M+1]
【0116】
実施例18:7-(2-アミノ-1,3-ベンゾチアゾール-6-イル)-9-ブロモ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化54】
実施例14の調製方法を参照しながら調製し、ステップa)における9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンを6-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-アミンに置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.55(t,J=6.3Hz,1H),8.22(d,J=8.2Hz,2H),8.03(d,J=1.7Hz,1H),7.57-7.46(m,5H),7.36(d,J=8.4Hz,1H),7.23(t,J=72Hz,1H),7.13-7.02(m,2H),6.34(d,J=7.5Hz,1H),4.08-3.98(m,2H).LCMS m/z=534[M+1]
【0117】
実施例19:2-(5-{9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-7-イル}インダゾール-2-イル)アセトニトリル
【化55】
a)2-(5-ブロモインダゾール-2-イル)アセトニトリルの調製
フラスコに5-ブロモ-2H-インダゾール(6g)、2-ブロモアセトニトリル(5.48g)、N-メチルピロリドン(60 mL)を入れ、窒素ガスの雰囲気において、120℃で1時間攪拌し、反応液を室温に冷却し、水(180mL)で希釈し、酢酸エチル(3×200mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(3×200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=5/1(V/V))により精製し、表題化合物6.29gを得た。
b)2-[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インダゾール-2-イル]アセトニトリルの調製
フラスコに2-(5-ブロモインダゾール-2-イル)アセトニトリル(200 mg)、ビス(ピナコラート)ジボロン(322.71 mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(69.19mg)、1,4-ジオキサン(8mL)、酢酸カリウム(249.44mg)を添加し、窒素ガスの雰囲気において、80℃で4時間攪拌し、水(15mL)を添加して反応をクエンチし、酢酸エチル(3×25mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(1×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=3/1(V/V))により精製し、表題化合物210mgを得た。
c)2-(5-{9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8-オキソ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-7-イル}インダゾール-2-イル)アセトニトリルの調製
実施例14の調製方法を参照しながら調製し、ステップa)における9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンを2-[5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インダゾール-2-イル]アセトニトリルに置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.61-8.53(m,2H),8.24(d,J=8.2Hz,2H),8.12(t,J=1.3Hz,1H),7.67(dt,J=9.1,1.0Hz,1H),7.61(dd,J=9.0,1.6Hz,1H),7.54-7.48(m,2H),7.24(m,1H),7.09(d,J=8.6Hz,2H),6.36(d,J=7.5Hz,1H),5.86(s,2H),4.05(dd,J=9.7,6.5Hz,2H).LCMS m/z=541[M+1]
【0118】
実施例20:9-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン8-オン
【化56】
実施例14の調製方法を参照しながら調製し、ステップa)における9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-2’,4’-ジヒドロスピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’-オンを2-メチル-2H-インダゾール-5-イルボロン酸に替え、ステップb)における4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イルボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.62(t,J=6.3Hz,1H),8.38(s,1H),8.25(d,J=7.1Hz,2H),8.06(d,J=1.5Hz,1H),7.59(d,J=9.0Hz,1H),7.53(dd,J=9.0,1.6Hz,1H),7.39(d,J=1.5Hz,1H),7.35-7.24(m,2H),6.36(d,J=7.5Hz,1H),4.18(s,3H),4.11-3.97(m,2H).LCMS m/z=530[M+1]
【0119】
実施例21:7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオン
【化57】
実施例10の調製方法を参照しながら調製し、ステップa)における7,9-ジブロモ-2-[(2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンを7,9-ジブロモ-1H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオンに置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ10.34(s,1H),8.22(s,1H),8.12(d,J=7.9Hz,1H),7.74-7.65(m,2H),7.31(d,J=8.6Hz,2H),7.31(t,J=74.0Hz,1H),7.22(dd,J=8.7,3.0Hz,4H),6.04(d,J=7.9Hz,1H).LCMS m/z=447[M+1]
【0120】
実施例22:9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化58】
a)9-ブロモ-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1H-ピリジン[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオンの調製
フラスコに7,9-ジブロモ-1H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオン(500 mg)、2-メチル-2H-インダゾール-5-イル-ボロン酸(412.5 mg)、N,N-ジメチルホルムアミド(50mL)、水(10mL)、リン酸カリウム(995.2mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(127.3mg)を入れ、窒素ガスの雰囲気において、80℃で2時間攪拌し、減圧で乾燥まで蒸発濃縮し、カラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール=10/1(V/V))により精製し、表題化合物280mgを得た。
b)9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオンの調製
フラスコに9-ブロモ-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1H-ピリジン[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオン(280mg)、1,4-ジオキサン(28mL)、水(5.60mL)、(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(283.5mg)、リン酸カリウム(400.3mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(61.5mg)を添加し、窒素ガスの雰囲気において、80℃で2時間攪拌した後、減圧で乾燥まで蒸発濃縮し、カラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール=10/1(V/V))により精製し、表題化合物150mgを得た。
c)9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオン(20mg)、1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキソトリス(ジメチルアミノ)ヘキサフルオロリン酸ホスホニウム(40.73mg)、炭酸セシウム(30mg)を順に入れ、室温で10分間攪拌し、そして炭酸セシウム(30mg)、トリフルオロエタノール(92.12mg)を添加し、室温で2時間攪拌した。LCMSにより反応終了をモニターした後、反応溶媒を乾燥まで減圧濃縮し、表題化合物10mgを調製単離した。調製単離条件:(カラム:XBridge Prep OBD C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:25% B to 65% B(0~8 min)、65% B;検出波長:220nm;保持時間(min):7.99;カラム温度:25℃)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.57(d,J=7.8Hz,1H),8.47(s,1H),8.42(s,1H),8.11(s,1H),7.62(d,J=9.0Hz,1H),7.55(dd,J=8.8,6.2Hz,3H),7.28(t,J=74.0Hz,1H),7.16(d,J=8.4Hz,2H),6.69(d,J=7.4Hz,1H),4.84(q,J=8.9Hz,2H),4.19(s,3H).LCMS m/z=517[M+1]
【0121】
実施例23:2-シクロプロピル-7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化59】
a)2-クロロ-7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオン(50mg)、塩化チオニル(5mL)を順に入れ、50℃で2日攪拌し、反応液を濾過し、ろ液を減圧濃縮し、濃縮物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、有機相を飽和食塩水で洗浄し、飽和炭酸水素ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ液を減圧濃縮して析出し、カラムクロマトグラフィー(移動相:石油エーテル/酢酸エチル=2/1(V/V))により精製し、表題化合物28mgを得た。
b)2-シクロプロピル-7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル] -8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに2-クロロ-7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン(19mg)、シクロプロピルボロン酸(7.02mg)、水(0.2mL)、1,4-ジオキサン(1mL)、炭酸カリウム(11.30mg)、ビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウムジクロリド(5.74mg)を順に入れ、窒素ガスで置換して保護し、80℃で2時間攪拌し、得られた反応液を減圧濃縮し、表題化合物2.4mgを調製単離した。調製単離条件:(カラム:YMC-Actus Triart C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:45% B to 69% B in 8 min、69% B;検出波長:220nm;保持時間(min):7.50;カラム温度:25℃)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.44-8.37(m,2H),7.84-7.76(m,2H),7.50-7.42(m,2H),7.26(dd,J=9.3,7.4Hz,3H),7.17-7.05(m,3H),6.82(d,J=7.2Hz,1H),2.04(tt,J=8.3,4.5Hz,1H),1.05(dq,J=6.9,3.7Hz,2H),0.93(p,J=3.8Hz,2H).LCMS m/z=471[M+1]
【0122】
実施例24:7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-2-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化60】
実施例22の調製方法を参照しながら調製し、ステップa)における9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-1H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオンを7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-2,8-ジオンに置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.54(d,J=7.6Hz,1H),8.45(s,1H),7.84-7.74(m,2H),7.58-7.44(m,2H),7.31-7.23(m,3H),7.18-7.07(m,3H),6.70(d,J=7.4Hz,1H),4.83(q,J=8.9Hz,2H).LCMS m/z=529[M+1]
【0123】
実施例25:2-シクロプロピル-9- [4-(ジフルオロメトキシ)フェニル] -7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化61】
a)3-シクロプロピル-3-オキソプロパ-1-エン-1-オール-ナトリウムの調製
窒素ガスの雰囲気において、0℃でシクロプロピルメチルケトン(10g)のテトラヒドロフラン(150mL)溶液に水素化ナトリウム(2.85g)をバッチで添加し、反応システムを0℃で1時間攪拌し、そしてギ酸メチル(7.85g)を滴下し、反応システムを室温で一晩攪拌し、反応終了後、減圧濃縮し、濾過し、洗浄された固体を収集し、石油エーテル(3×30mL)とメチルt-ブチルエーテル(3×30mL)で洗浄し、表題化合物10gを得た。
b)(2E)-3-クロロ-1-シクロプロピルプロパ-2-エン-1-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、(2Z)-1-シクロプロピル-3-(ジオキシ)プロパ-2-エン-1-オン(15g)をジクロロメタン(300mL)の溶液に添加し、塩化オキサリル(28.39g)を滴下した。反応システムを室温で2時間攪拌した。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム(100ml)を添加して反応をクエンチし、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出し、有機層相を合わせ、飽和食塩水(1×200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過した後、ろ液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/石油エーテル=3/10(V/V))により精製し、溶出し、表題化合物6.5gを得た。
c)2-アミノ-3,5-ジブロモ-1-[(1E)-3-シクロプロピル-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル]ピリジン-4-オンの調製
フラスコに(2E)-3-クロロ-1-シクロプロピルプロパ-2-エン-1-オン(6.5g)、2-アミノ-3,5-ジブロモピリジン-4-オール(14.67g)を添加し、室温で窒素ガスの雰囲気において、N,N-ジメチルホルムアミド(130mL)、炭酸カリウム(20.64g)を添加し、室温で一晩攪拌し、反応終了後、水(200mL)で反応液を希釈し、酢酸エチル(3×150mL)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(2×300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/石油エーテル=1/1(V/V))により精製し、表題化合物5.3 gを得た。
d)7,9-ジブロモ-2-シクロプロピル-8H-ピリジン[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに2-アミノ-3,5-ジブロモ-1-[(1E)-3-シクロプロピル-3-オキシプロピオン酸-1-エン-1-イル]ピリジン-4-オン(5.3g)を添加し、窒素ガスの雰囲気において、塩化水素(4M、50mL)と1,4-ジオキサン(50mL)を添加し、室温で1時間攪拌し、得られた混合物を減圧濃縮し、酢酸エチル(20mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でpH8に調節し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出し、有機相を合わせ、飽和食塩水(1×40mL)で洗浄し、無水硫酸で乾燥し、濾過し、ろ液を減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=1/10(V/V))により精製し、表題化合物2.3gを得た。
e)9-ブロモ-2-シクロプロピル-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに7,9-ジブロモ-2-シクロプロピル-8H-ピリジン[1,2-a]ピリミジン-8-オン(100mg)、2-メチル-2H-インダゾール-5-イル-ボロン酸(56.27mg)、1,4-ジオキサン(2mL)、炭酸カリウム(120.53mg)、水(0.4 mL)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(23.68mg)を入れ、窒素ガスの雰囲気において、60℃で1h攪拌し、反応液を減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=3/50(V/V))により精製し、表題化合物50 mgを得た。
f)2-シクロプロピル-9-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに9-ブロモ-2-シクロプロピル-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン(40mg)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(38.04mg)、1,4-ジオキサン(1mL)、水(0.2 mL)、炭酸カリウム(41.96mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(7.40mg)を入れ、窒素ガスの雰囲気において、80℃で1時間攪拌し、反応液を減圧濃縮し、表題化合物15.4mgを調製単離した。調製・単離条件:(カラム:XBridge Prep OBD C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:35% B to 75% B in 8 min, 75% B;検出波長:220nm;保持時間(min):7.05;カラム温度:25℃)。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.52-8.44(m,2H),8.41(s,1H),8.13(t,J=1.3Hz,1H),7.61-7.56(m,2H),7.52-7.43(m,2H),7.29(t,J=72Hz,1H),7.20-7.08(m,2H),6.82(d,J=7.2Hz,1H),4.19(s,3H),2.05(ddd,J=16.9,8.3,4.2Hz,1H),1.05(dq,J=6.7,3.7,3.2Hz,2H),0.93(dq,J=7.4,4.1,3.6Hz,2H).LCMS m/z=459[M+1]
【0124】
実施例26:2-シクロプロピル-9-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)-7-(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化62】
実施例25の調製方法を参照しながら調製し、ステップf)における4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イルボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.49-8.44(m,2H),8.41(s,1H),8.17-8.12(m,1H),7.65-7.59(m,1H),7.56(dd,J=9.0,1.6Hz,1H),7.41(d,J=1.6Hz,1H),7.37(d,J=8.4Hz,1H),7.25(dd,J=8.4,1.6Hz,1H),6.85(d,J=7.2Hz,1H),4.19(s,3H),2.06(dt,J=8.0,3.6Hz,1H),1.11-1.02(m,2H),0.94(dt,J=4.5,3.2Hz,2H).LCMS m/z=473.05[M+1]
【0125】
実施例27:2-シクロプロピル-9-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)-7-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化63】
実施例25の調製方法を参照しながら調製し、ステップe)における2-メチル-2H-インダゾール-5-イル-ボロン酸を4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸に置換し、ステップf)における4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル-ボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.52-8.31(m,2H),7.86-7.68(m,2H),7.42-7.32(m,2H),7.30(t,J=72.0Hz,1H),7.28-7.17(m,3H),6.86(d,J=7.2Hz,1H),2.06(dp,J=12.5,4.5,4.0Hz,1H),1.06(dq,J=7.0,3.7Hz,2H),0.93(t,J=3.8Hz,2H).LCMS m/z=485[M+1]
【0126】
実施例28:7,9-ビス(2H-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)-2-シクロプロピル-8H-ピリジン[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化64】
実施例25の調製方法を参照しながら調製し、ステップe)及びステップf)における2-メチル-2H-インダゾール-5-イル-ボロン酸と4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を2H-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル-ボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.36(d,J=7.3Hz,1H),8.33(s,1H),7.34(d,J=1.7Hz,1H),7.21(dd,J=8.1,1.7Hz,1H),6.98(d,J=8.1Hz,1H),6.91-6.88(m,1H),6.88-6.82(m,2H),6.78(d,J=7.2Hz,1H),6.05(s,2H),6.01(s,2H),2.06-1.97(m,1H),1.07-0.99(m,2H),0.95-0.87(m,2H).LCMSm/z=427[M+1]
【0127】
実施例29:2-シクロプロピル-7,9-ビス(2-メチル-2H-インダゾール-5-イル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化65】
実施例25の調製方法を参照しながら調製し、ステップe)及びステップf)における2-メチル-2H-インダゾール-5-イル-ボロン酸と4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を2-メチル-2H-インダゾール-5-イル-ボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.48-8.38(m,3H),8.28(s,1H),8.15(s,1H),7.69(s,1H),7.64-7.54(m,2H),7.49(d,J=8.9Hz,1H),7.24(dd,J=9.0,1.5Hz,1H),6.81(d,J=7.2Hz,1H),4.18(d,J=5.0Hz,6H),2.01(d,J=4.5Hz,1H),1.00(dd,J=7.7,3.6Hz,2H),0.88(d,J=4.3Hz,2H).LCMS m/z=447[M+1]
【0128】
実施例30:2-シクロプロピル-7,9-ビス(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化66】
実施例25の調製方法を参照しながら調製し、ステップe)及びステップf)における2-メチル-2H-インダゾール-5-イル-ボロン酸と4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル-ボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.49(s,1H),8.41(d,J=7.2Hz,1H),7.80(d,J=1.6Hz,1H),7.59-7.47(m,2H),7.41-7.33(m,2H),7.22(dd,J=8.4,1.6Hz,1H),6.88(d,J=7.1Hz,1H),2.06(qd,J=8.2,7.3,4.4Hz,1H),1.07(dq,J=7.1,3.7Hz,2H),0.93(p,J=3.8Hz,2H).LCMS m/z=499[M+1]
【0129】
実施例31:2-シクロプロピル-7,9-ビス(3,4-ジメトキシフェニル) -8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化67】
実施例25の調製方法を参照しながら調製し、ステップe)及びステップf)における2-メチル-2H-インダゾール-5-イル-ボロン酸と4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を3,4-ジメトキシフェニルボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.38(d,J=7.3Hz,1H),8.34(s,1H),7.43(d,J=2.0Hz,1H),7.29(dd,J=8.4,2.0Hz,1H),7.01(d,J=8.5Hz,1H),6.98-6.90(m,3H),6.79(d,J=7.2Hz,1H),3.84-3.76(m,9H),3.71(s,3H),2.04(m,1H),1.06-0.98(m,2H),0.92(dd,J=4.9,2.7Hz,2H).LCMS m/z=459[M+1]
【0130】
実施例32:7-(2H-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)-2-シクロプロピル-9-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)ピリジン[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化68】
実施例25の調製方法を参照しながら調製し、ステップe)における2-メチル-2H-インダゾール-5-イル-ボロン酸を2H-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イルボロン酸に置換し、f)における4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を(2,2-ジフルオロ-2H-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)ボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.44-8.35(m,2H),7.41-7.31(m,3H),7.22(td,J=8.1,1.7Hz,2H),6.99(d,J=8.1Hz,1H),6.84(d,J=7.2Hz,1H),6.05(s,2H),2.08-2.00(m,1H),1.09-1.01(m,2H),0.95-0.88(m,2H).LCMS m/z=463[M+1]
【0131】
実施例33:2-シクロプロピル-9-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)-7-(3,4-ジメトキシフェニル)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化69】
実施例25の調製方法を参照しながら調製し、ステップe)における2-メチル-2H-インダゾール-5-イル-ボロン酸を3,4-ジメトキシフェニルボロン酸に置換し、ステップf)における4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル-ボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.43(d,J=7.3Hz,1H),8.39(s,1H),7.45(d,J=2.1Hz,1H),7.39-7.33(m,2H),7.30(dd,J=8.3,2.0Hz,1H),7.21(dd,J=8.4,1.6Hz,1H),7.02(d,J=8.4Hz,1H),6.84(d,J=7.2Hz,1H),3.78(d,J=8.1Hz,6H),2.04(dt,J=8.0,3.7Hz,1H),1.11-1.01(m,2H),0.92(dt,J=4.5,3.1Hz,2H).LCMS m/z=479[M+1]
【0132】
実施例34:2-シクロプロピル-9-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)-7- [4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシフェニル]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化70】
a)4-ブロモ-1-(ジフルオロメトキシ)-2-メトキシベンゼンの調製
フラスコに4-ブロモ-2-メトキシフェノール(2g)、2-クロロ-2,2-ジフルオロ酢酸ナトリウム(1.65g)を入れ、N,N-ジメチルホルムアミド(30mL)を添加し、窒素ガスの雰囲気において、炭酸カリウム(1.63g)を添加し、90℃で23時間攪拌した後、得られた反応液を濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(2×200mL)で洗浄した。ろ液を減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/石油エーテル=3/10(V/V))により精製し、表題化合物500mgを得た。
b)2-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシフェニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランの調製
フラスコに4-ブロモ-1-(ジフルオロメトキシ)-2-メトキシベンゼン(200mg)、ビス(ピナコラート)ジボロン(301.06mg)、1,4-ジオキサン(4mL)を入れ、窒素ガスの雰囲気において、酢酸カリウム(232.71mg)を添加し、80℃で3時間攪拌した後、反応液を減圧濃縮した。カラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/石油エーテル=1/10(V/V))により精製し、表題化合物200mgを得た。
c)9-ブロモ-2-シクロプロピル-7-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシフェニル]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
実施例25の調製方法を参照しながら調製し、ステップe)における2-メチル-2H-インダゾール-5-イル-ボロン酸を2-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシフェニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランに置換すればよい。
d)2-シクロプロピル-9-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル)-7-[4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシフェニル]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
実施例25の調製方法を参照しながら調製し、ステップf)における4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸を2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキサゾール-5-イル-ボロン酸に置換すればよい。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.46(s,1H),8.42(d,J=7.3Hz,1H),7.60(d,J=2.0Hz,1H),7.40-7.35(m,2H),7.30(d,J=1.4Hz,1H),7.26-7.20(m,2H),7.12(t,J=74Hz,1H),6.87(d,J=7.2Hz,1H),3.85(s,3H),2.06(tt,J=8.1,4.6Hz,1H),1.06(dq,J=6.9,3.7Hz,2H),0.93(p,J=3.7Hz,2H).LCMS m/z=515[M+1]
【0133】
実施例35:9’-(2-シクロプロピル-9-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-8-オキソ-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-7-イル)-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オン
【化71】
a)9’-(9-ブロモ-2-シクロプロピル-8-オキソ-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-7-イル)-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オン(60mg)、7,9-ジブロモ-2-シクロプロピル-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン(60.9mg)、炭酸カリウム(73.3mg)を1,4-ジオキサン(2mL)、水(0.4mL)に混合し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(9.8mg)を添加し、60℃まで加熱し、2時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=0-1/24(V/V))により精製し、表題化合物50mgを得た。
MS(ESI+):477.85(M+H).
b)9’-(2-シクロプロピル-9-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-8-オキソ-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-7-イル)-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、9’-(9-ブロモ-2-シクロプロピル-8-オキソ-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-7-イル)-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オン(60mg)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(47.4mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(10.3mg)、炭酸カリウム(52.23mg)を1,4-ジオキサン(2mL)、水(0.4mL)に混合し、80℃まで加熱し、2時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体を分取クロマトグラフィー(カラム:XBridge Prep OBD C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム);移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:20% B to 60% B in 8 min、60% B;検出波長:220nm;保持時間(min):7.37;カラム温度:25℃)により精製し、表題化合物14.9mgを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.60-8.40(m,4H),7.81(dd,J=9.0,0.9Hz,1H),7.72(dd,J=9.0,1.7Hz,1H),7.52-7.48(m,2H),7.29(t,J=74Hz1H),7.19-7.12(m,2H),6.84(d,J=7.2Hz,1H),4.65(s,2H),2.05(ddd,J=12.7,8.4,4.8Hz,1H),1.09-1.03(m,2H),0.99(d,J=4.3Hz,2H),0.94(ddd,J=6.5,4.7,2.4Hz,4H).MS(ESI+):540(M+H).
【0134】
実施例36:9’-(2-シクロプロピル-9-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-8-オキソ-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-7-イル)-2’-メチル-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オン
【化72】
a)2’-メチル-9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、9’-ブロモ-2’-メチル-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オン(100mg)、ビス(ピナコラート)ジボロン(99.5mg)、酢酸カリウム(96.2mg)を1,4-ジオキサン(10mL)に混合し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(13.3mg)を添加し、80℃まで加熱し、2時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/石油エーテル=0-1/1(V/V))により精製し、表題化合物60mgを得た。
MS(ESI+):353.95(M+H).
b)9’-(9-ブロモ-2-シクロプロピル-8-オキソ-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-7-イル)-2’-メチル-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、2’-メチル-9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オン(50mg)、7,9-ジブロモ-2-シクロプロピル-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン(48.7mg)、炭酸カリウム(58.7mg)を1,4-ジオキサン(5mL)、水(1mL)に混合し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(11.5mg)を添加し、60℃まで加熱し、2時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=0-1/24(V/V))により精製し、表題化合物50mgを得た。
MS(ESI+): 491.90(M+H).
c)9’-(2-シクロプロピル-9-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-8-オキソ-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-7-イル)-2’-メチル-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、9’-(9-ブロモ-2-シクロプロピル-8-オキソ-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-7-イル)-2’-メチル-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オン(50mg)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(38.3mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(8.3mg)、炭酸カリウム(42.3mg)を1,4-ジオキサン(2mL)、水(0.4mL)に混合し、80℃まで加熱して2時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体を分取クロマトグラフィー(カラム:YMC-Actus Triart C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:20% B to 67% B in 8 min、67% B;検出波長:220nm;保持時間(min):8.15;カラム温度:25℃)により精製し、表題化合物12.2mgを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.52-8.39(m,3H),7.80(dd,J=9.0,0.9Hz,1H),7.71(dd,J=9.0,1.7Hz,1H),7.52-7.48(m,2H),7.29(t,J=74Hz,1H),7.19-7.13(m,2H),6.84(d,J=7.2Hz,1H),4.67(s,2H),2.90(s,3H),2.05(t,J=4.4Hz,1H),1.33-1.22(m,2H),1.09-1.02(m,2H),1.00(d,J=6.5Hz,2H),0.94(dd,J=5.2,2.6Hz,2H).MS(ESI+):554(M+H).
【0135】
実施例37:2-シクロプロピル-7,9-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシフェニル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化73】
a)2-シクロプロピル-7,9-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシフェニル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、2-(4-(ジフルオロメトキシ)-3-メトキシフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(50mg)、7,9-ジブロモ-2-シクロプロピル-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン(28.7mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(13.6mg)、炭酸カリウム(69.1mg)を1,4-ジオキサン(1mL)、水(0.2mL)に混合し、80℃まで加熱し、1時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体を分取クロマトグラフィー(カラム:XBridge Prep OBD C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:30% B to 65% B in 8 min、65% B;検出波長:220nm;保持時間(min):9.28;カラム温度:25℃)により精製し、表題化合物13.8mgを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.44(s,1H),8.40(d,J=7.2Hz,1H),7.59(d,J=1.9Hz,1H),7.31(dd,J=8.5,2.1Hz,1H),7.25(s,1H),7.16(d,J=1.9Hz,1H),7.13(t,J=72Hz,1H),7.11(d,J=2.0Hz,1H),7.09(t,J=64Hz,1H),6.99(dd,J=8.3,1.9Hz,1H),6.85(d,J=7.2Hz,1H),3.85(s,3H),3.79(s,3H),2.06(tt,J=8.2,4.5Hz,1H),1.09-1.02(m,2H),0.94(dt,J=4.5,3.2Hz,2H).MS(ESI+):530(M+H).
【0136】
実施例38:2-シクロプロピル-9-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-7-(2’-メチル-1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-9’-イル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化74】
a)9’-ブロモ-1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]の調製
9’-ブロモ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-1’(2’H)-オン(100mg)をテトラヒドロフラン(2mL)に混合し、ボランテトラヒドロフラン溶液(1M、1.7mL)を添加し、70℃まで加熱し、2時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、ジエチルエーテル20mLを添加し、吸引ろ過し、濾過ケーキをジエチルエーテル20mLで2回洗浄して表題化合物25mgを得た。
MS(ESI+): 279.65(M+H).
b)9’-ブロモ-2’-メチル-1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]の調製
9’-ブロモ-1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール](200mg)、水素化ナトリウム(60%、86.3mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(10mL)に混合し、氷浴でヨウ化メチル(408.2mg)を添加し、室温で4時間攪拌した。反応終了後、氷浴で水を添加してクエンチし、反応液を酢酸エチル30mLで3回抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水30mLで洗浄した。有機相を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/石油エーテル=0-100%(V/V))により精製し、表題化合物70mgを得た。
MS(ESI+): 293.85(M+H).
c)2’-メチル-9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル) -1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]の調製
窒素ガスの雰囲気において、9’-ブロモ-2’-メチル-1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール](80mg)、ビス(ピナコラート)ジボロン(83.4mg)、酢酸カリウム(80.62mg)を1,4-ジオキサン(8mL)に混合し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(22.3mg)を添加し、80℃まで加熱し、1時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/石油エーテル=0-100%(V/V))により精製し、表題化合物70mgを得た。
MS(ESI+): 339.65(M+H).
d)9-ブロモ-2-シクロプロピル-7-(2’-メチル-1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-9’-イル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、2’-メチル-9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル) -1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール](70mg)、7,9-ジブロモ-2-シクロプロピル-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン(71mg)、炭酸カリウム(85.6mg)を1,4-ジオキサン(1.75mL)、水(0.35mL)に混合し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(11.5mg)を添加し、60℃まで加熱し、1時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=0-1/10(V/V))により精製し、表題化合物60mgを得た。
MS(ESI+): 477.90(M+H).
e)2-シクロプロピル-9-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-7-(2’-メチル-1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-9’-イル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、9-ブロモ-2-シクロプロピル-7-(2’-メチル-1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-9’-イル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン(60mg)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(35.5mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(10.3mg)、炭酸カリウム(52.2mg)を1,4-ジオキサン(2mL)、水(0.4mL)に混合し、80℃まで加熱し、2時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体を分取クロマトグラフィー(カラム:XBridge Prep OBD C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:20% B to 58% B in 8 min、58% B;検出波長:220nm;保持時間(min):7.58;カラム温度:25℃)により精製し、表題化合物15.9mgを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.46-8.41(m,2H),8.13(d,J=1.3Hz,1H),7.57(d,J=1.3Hz,2H),7.48-7.45(m,2H),7.27(t,J=72Hz,1H),7.17-7.11(m,2H),6.82(d,J=7.2Hz,1H),4.30(d,J=17.1Hz,4H),2.39(s,3H),2.04(tt,J=8.1,4.7Hz,1H),1.04(dd,J=7.9,3.3Hz,2H),0.93(t,J=3.8Hz,2H),0.82(t,J=2.9Hz,2H),0.76-0.68(m,2H).MS(ESI+):540(M+H).
【0137】
実施例39:2-シクロプロピル-9-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-7-(1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-9’-イル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化75】
a)9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]の調製
窒素ガスの雰囲気において、9’-ブロモ-1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール](20mg)、ビス(ピナコラート)ジボロン(21.91mg)、酢酸カリウム(21.17mg)を1,4-ジオキサン(2mL)に混合し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(2.93mg)を添加し、80℃まで加熱し、2時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=0-1/10(V/V))により精製し、表題化合物26mgを得た。
MS(ESI+):326.10(M+H).
b)9-ブロモ-2-シクロプロピル-7-(1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-9’-イル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、9’-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール](70mg)、7,9-ジブロモ-2-シクロプロピル-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン(74mg)、炭酸カリウム(89.2mg)を1,4-ジオキサン(2mL)、水(0.4mL)に混合し、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(11.9mg)を添加し、60℃まで加熱し、1時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:メタノール/ジクロロメタン=0-1/15(V/V))により精製し、表題化合物60mgを得た。
MS(ESI+): 464.00(M+H).
c)2-シクロプロピル-9-(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-7-(1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-9’-イル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
窒素ガスの雰囲気において、9-ブロモ-2-シクロプロピル-7-(1’,2’-ジヒドロ-4’H-スピロ[シクロプロパン-1,3’-ピラジノ[1,2-b]インダゾール]-9’-イル)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン(60mg)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(36.6mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(10.6mg)、炭酸カリウム(53.8mg)を、1,4-ジオキサン(2mL)、水(0.4mL)に混合し、80℃まで加熱し、2時間攪拌した。反応終了後、反応液を乾燥まで濃縮し、粗体を分取クロマトグラフィー(カラム:YMC-Actus Triart C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:30% B to 50% B in 10 min、50% B;検出波長:220nm;保持時間(min):9.28;カラム温度:25℃)により精製し、表題化合物18.5mgを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6):δ8.45(d,J=7.5Hz,2H),8.13(d,J=1.3Hz,1H),7.56(d,J=1.2Hz,2H),7.47-7.45(m,2H),7.28(t,J=74Hz,1H),7.17-7.11(m,2H),6.82(d,J=7.1Hz,1H),4.26(s,4H),3.21(s,2H),2.03(dt,J=8.0,3.6Hz,1H),1.04(dq,J=6.7,3.7,3.2Hz,1H),0.93(q,J=3.5Hz,2H),0.80-0.72(m,2H),0.69(q,J=5.1,4.3Hz,2H).MS(ESI+):526(M+H).
【0138】
実施例40:4-シクロプロピル-7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化76】
a)1-シクロプロピル-3,3-ジメトキシプロピレン-1-オンの調製
フラスコに(Z)-3-シクロプロピル-3-オキソプロパ-1-エン-1-酸ナトリウム(10g)、メタノール(100mL)、濃硫酸(4.4mL)を添加し、窒素ガスの雰囲気において、60℃で12時間攪拌した後、反応液を0℃まで冷却した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で反応をクエンチし、酢酸エチル(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水(1×300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、ろ液を減圧濃縮して表題化合物6gを得た。
b)7,9-ジブロモ-4-シクロプロピル-8H-ピリジン[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに1-シクロプロピル-3,3-ジメトキシプロピレン-1-オン(500mg)、2-アミノ-3,5-ジブロモピリジン-4-オール(564.50mg)を入れ、そして塩化水素の1,4-ジオキサン(4M、10mL)溶液を添加し、室温で窒素ガスの雰囲気において、1晩攪拌した。反応混合物を減圧濃縮して表題化合物720mgを得た。
c)4-シクロプロピル-7,9-ビス[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
フラスコに27,9-ジブロモ-4-シクロプロピル-8H-ピリジン[1,2-a]ピリミジン-8-オン(500mg)、1,4-ジオキサン(10mL)、水(2mL)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(273.16mg)、炭酸カリウム(401.75mg)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウムジクロロメタン錯体(47.36mg)を添加し、窒素ガスの雰囲気において、80℃で2時間攪拌し、反応液を減圧濃縮し、表題化合物2mgを調製単離した。調製単離条件:(カラム:XBridge Prep OBD C18、30*150mm、5μm;移動相A:水(10mmol/Lギ酸アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:25% B to 65% B in 8 min、65% B;検出波長:220nm;保持時間(min):7.07;カラム温度:25℃)
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.78(s,1H),8.40(d,J=4.1Hz,1H),7.91-7.78(m,2H),7.42-7.37(m,2H),7.32-7.25(m,2H),7.29(t,J=74.0Hz,1H),7.31(t,J=74.0Hz,1H),7.20-7.14(m,2H),6.76(d,J=4.3Hz,1H),2.49-2.42(m,1H),1.27-1.17(m,2H),1.03-0.95(m,2H).LCMSm/z=471[M+1]
【0139】
実施例41:7,9-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-4-メチル-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化77】
a)2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)酢酸の調製
室温で2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)酢酸エチル(16g)、水(80mL)及びエタノール(80mL)をフラスコに入れ、攪拌し、そして水酸化カリウム(15.46g)を添加し、窒素ガスの雰囲気において、室温で3時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を50mLまで濃縮し、1M HCl(水溶液)で混合物をpH4に酸性化した。得られた混合物を酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(1×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過した後、ろ液を濃縮して表題化合物12gを得た。
b)N-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシピリジン-2-イル)-2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)アセトアミドの調製
攪拌されている2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)酢酸(1.64g)のN,N-ジメチルホルムアミド(30 mL)溶液に1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.51g)、1-(3-ジメチルアミノプロビル)-3-エチルカルボジイミド(5.72g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.79g)及び2-アミノ-3,5-ジブロモピリジン-4-オール(1.5g)を添加した。80℃、窒素ガスの保護で3時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより粗分画し、酢酸エチル/石油エーテル(20%-100%)で溶出して粗体700mgを得、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル-メタノール/ジクロロメタン(20%~100%)-(0~10%))により精製し、表題化合物450mgを得た。
c)7,9-ジブロモ-4-ヒドロキシ-4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピリジン[1,2-a]ピリミジン-2,8(1H)-ジオンの調製
N-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシピリジン-2-イル)-2-(2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-イル)アセトアミド(1g)と塩酸水溶液(8M、20mL)をフラスコに入れ、室温で3時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を5mLまで減圧濃縮した。濾過し、水(1×3mL)で洗浄し、表題化合物500mgを得た。
d)7,9-ジブロモ-4-メチル-2H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2,8(1H)-ジオンの調製
7,9-ジブロモ-4-ヒドロキシ-4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-ピリジン[1,2-a]ピリミジン-2,8(1H)-ジオン(500mg)のトルエン(20mL)溶液に4-メチルフェニルスルホン酸(122mg)を添加した。90℃、窒素ガスの保護で1時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を濃縮した。アセトニトリルで懸濁させた。濾過して表題化合物120mgを得た。
e)7,9-ジブロモ-4-メチル-2-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
7,9-ジブロモ-4-メチル-2H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2,8(1H)-ジオン(80mg)、2,2,2-トリフルオロエチルアミン(48mg)、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(137mg)とN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)をフラスコに入れ、攪拌した。そして、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(92.9mg)を添加し、室温で2時間攪拌した。反応終了後、得られた混合物を水(1×5mL)で洗浄した。濾過し、水(3×5mL)で洗浄して表題化合物40mgを得た。
f)7,9-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-4-メチル-2-((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
7,9-ジブロモ-4-メチル-2-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン(46mg)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(63mg)、炭酸カリウム(61mg)、[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(18mg)、水(0.4mL)及び1,4-ジオキサン(2mL)をフラスコに入れた。80℃、窒素ガスの保護で2時間攪拌した。反応終了後、得られた混合物を減圧濃縮した。分取型HPLC(カラム:Xselect CSH C18 OBDカラム30×150mm 5um、n;移動相A:水(10mmol/L炭酸水素アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:8分間内30%B to 68%B、68%B;波長:220nm;RT1(min):7.38;運転回数:0;カラム温度:25℃)により精製した。表題化合物22.5mgを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.48(t,J=6.3Hz,1H),8.03(s,1H),7.84-7.75(m,2H),7.48-7.43(m,2H),7.29(t,J=74Hz1H),7.23(d,J=8.2Hz,3H),7.09(d,J=8.6Hz,2H),6.26(s,1H),4.00(dq,J=15.9,9.6,7.4Hz,2H),2.64(s,3H).LCMSm/z=542[M+1]
【0140】
実施例42:7,9-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-3-メチル-2-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オン
【化78】
a)3,3-ジメトキシ-2-メチルプロピオン酸の調製
3,3-ジメトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル(9.8g)と水(40mL)をフラスコに入れ、攪拌し、そして室温で水酸化ナトリウム(2.9g)の水(20mL)溶液を添加した。60℃で4時間攪拌した。反応終了後、混合物を室温まで冷却し、1M塩酸水溶液でpH3に酸性化した。得られた混合物を酢酸エチル(3×80mL)で抽出した。有機相を合わせ、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過した後、ろ液を濃縮して表題化合物6.9gを得た。
b)N-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシピリジン-2-イル)-3,3-ジメトキシ-2-メチルプロピオンアミドの調製
3,3-ジメトキシ-2-メチルプロピオン酸(2g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.62g)及びN,N-ジメチルホルムアミド(60mL)をフラスコに入れ、攪拌し、そしてジシクロヘキシルカルボジイミド(2.79g)と1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.83g)をバッチで添加した。得られた溶液を10分間攪拌し、そして2-アミノ-3,5-ジブロモピリジン-4-オール(1.81g)を添加した。80℃で22時間攪拌した。反応終了後、得られた混合物を濾過し、濾過ケーキを酢酸エチル(3×15mL)で洗浄した。ろ液を收集し、乾燥まで濃縮し、粗体をカラムクロマトグラフィー(移動相:酢酸エチル/石油エーテル(0%-100%))により精製し、表題化合物510mgを得た。
c)7,9-ジブロモ-3-メチル-2H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2,8(1H)-ジオンの調製
N-(3,5-ジブロモ-4-ヒドロキシピリジン-2-イル)-3,3-ジメトキシ-2-メチルプロピオンアミド(510mg)と塩酸水溶液(8M、15mL)をフラスコに入れ、50℃で26時間攪拌した。LCMSにて反応をモニターした。反応終了後、反応混合物を濃縮して標的化合物200mgを得た。
d)7,9-ジブロモ-3-メチル-2-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
7,9-ジブロモ-3-メチル-2H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-2,8(1H)-ジオン(200mg)の粗体、2-(7-アゾベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(342mg)及びN,N-ジメチルホルムアミド(6mL)をフラスコに入れ、そして2,2,2-トリフルオロエチルアミン(119mg)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(232mg)を滴下した。常温で4時間攪拌した。反応終了後、得られた混合物を濃縮し、残留物を逆相カラム(カラム:C18;移動相:アセトニトリル/水、5分間内0%から50%まで増加する勾配;検出器:紫外線254nm)により精製した。表題化合物60mgを得た。
e)7,9-ビス(4-(ジフルオロメトキシ)フェニル)-3-メチル-2-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)-8H-ピリジニル[1,2-a]ピリミジン-8-オンの調製
7,9-ジブロモ-3-メチル-2-(((2,2,2-トリフルオロエチル)アミノ)-8H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-8-オン(70mg)、4-(ジフルオロメトキシ)フェニルボロン酸(63mg)、リン酸カリウム(286mg)、[1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(21mg)、水(0.2mL)及び1,4-ジオキサン(1mL)をフラスコに入れた。80℃、窒素ガスの保護下で2時間攪拌した。反応終了後、得られた混合物を減圧濃縮した。分取型HPLC(カラム:Xselect CSH C18 OBDカラム30×150mm 5um、n;移動相A:水(10mmol/L炭酸水素アンモニウム)、移動相B:アセトニトリル;流速:60mL/min;勾配:8分間内30%Bから60%Bまで、60%B;波長:220nm;RT1(min):9.65;運転回数:0;カラム温度:室温)により精製した。表題化合物18.3mgを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ8.24-8.00(m,3H),7.82-7.67(m,2H),7.55-7.44(m,3H),7.43-7.17(m,3H),7.13-7.01(m,2H),4.13-3.90(m,2H),2.06(s,3H).LCMS m/z=542[M+1]
【0141】
生物活性測定
一、MAT2Aの酵素学的テスト方法
1.試験ステップ
a)まず、5×MAT2Aテスト緩衝液(250mM Tris-HCl、pH8.0;250mM KCl;75mM MgCl;0.025% BSA;0.05%Brij35;1.5mM EDTA)を調製し、その一部を1×に希釈して用意した。
b)MAT2A酵素(BPS、71401)の調製及び添加:1×MAT2Aテスト緩衝液でMAT2A酵素を3.674ng/μL(1.67×、終濃度2.20ng/μL)に調製し、BioTek(MultiFlo FX)自動分液器で化合物テストウェルと陰性対照ウェルにそれぞれ1.67×MAT2A酵素溶液15μLを添加し、同時にブランク対照ウェルに1×MAT2Aテスト緩衝液15μLを添加した。
c)化合物の調製及び添加:DMSOでテストする化合物を10mM原液から100μMまで希釈し、陽性試薬AGI-24512も同じ条件で希釈し、Tecan化合物滴定装置(D300e)を用いて予め設定した濃度勾配に従い、各ウェルに自動的にスプレーし、スプレーされた体積は、極僅かであり、無視できるレベルであった。濃度勾配は、最初1μM、1/2log希釈、合計8つの段階を設けた。2500rpmで30s遠心分離し、25℃で30minインキュベートした。
d)ATPの調製:1×MAT2A テスト緩衝液を用いて10mM ATP(Sigma、A7699)を700μMまで希釈して用意した。
e)基質とATPの混合液の調製及び添加:5×MAT2A テスト緩衝液、3μL/ウェル;750μM L-メチオニン(Adamas、01100469)、2.5μL/ウェル;700μM ATP、2.5μL/ウェル;ダブル蒸留水、2μL/ウェル。検出ウェル数に応じて必要な混合液の全量を調製し、BioTek(MultiFlo FX)自動分液器で1ウェルあたり10μLを加え、2500rpmで30s遠心分離し、25℃で150min反応させた。
f)Biomol Green検出試薬の添加:BioTek(MultiFlo FX)自動分液器で1ウェルあたりBiomol Green(Enzo、BML-AK111)50μLを添加し、2500rpmで30s遠心分離し、25℃で20minインキュベートした。
g)反応終了後、Perkin Elmer ( Envision2105 )多機能プレートリーダーを使用してOD620値を読み取った。
【0142】
2.データ分析
阻害率計算式は、以下の通りであった:
【数1】
式において、
%Inhibition:阻害率%
ODsample:試料ウェルのOD620値
ODmin:無酵素無試験化合物のブランク対照ウェルのOD620平均値を表す。
ODmax:酵素を含み、無化合物の陰性対照ウェルのOD620平均値を表す。
そしてGraphPad Prism 5ソフトウェアで数量-効果曲線:log(inhibitor)vs.response -Variable slopeをフィッティングし、MAT2A酵素に対する化合物の阻害のIC50値を得た。
【0143】
二、細胞テスト方法
1.試験ステップ
HCT116 MTAP-/-細胞(Horizon Discoveryから購入):培地RPMI 1640+10% FBS(Fetal bovine serum、牛胎児血清)でMTAP遺伝子欠損ヒト結腸直腸癌細胞株を培養した。試験0日目、対数増殖期にある前記細胞を生存細胞密度5000個/mlに調整し、100μl/ウェルの量で96ウェルプレートに接種し、ブランク群を平行に設置し、接種された細胞プレートを37℃、5%COのインキュベーター中で一晩培養した。
【0144】
試験1日目、一晩培養した細胞プレートを取り出し、上清を捨て、血清を含まないRPMI1640培地80μl/ウェルを入れ、インキュベーター中に置いて4h飢餓培養した。テストする化合物をDMSO(Dimethyl sulfoxide、ジメチルスルホキシド)に溶解し、10mMの化合物母液を調製した。飢餓終了後、細胞プレートを取り出し、RPMI 1640+20%FBS培地80μl/ウェルを追加し、細胞プレートを自動液体添加装置D300e( Tecan )上に置き、添加手順は、被験化合物の最高濃度を30μMとし、DMSOを用いて3倍濃度勾配希釈を行い、合計10つ濃度で、各濃度に2つのウェルを設定し、96ウェルプレートの各ウェルのDMSO終濃度を0.3%v/vとした。予め調製された10mM被験化合物の母液を取り出し、上記の試薬添加シーケンスを実行して試薬を添加した。試薬添加終了後、細胞プレートをインキュベーターに入れ、120h培養した。
【0145】
試験の6日目、細胞プレートを取り出し、CellTiter-Glo(登録商標)(Promegaから購入)50μl/ウェルを添加し、取扱説明書のプロセスフローに従ってEnvision(PerkinElmer)で蛍光信号を測定した。
【0146】
2.データ分析
GraphPad Prism 5ソフトウェアで数量-効果曲線:log(inhibitor) vs. response -Variable slopeをフィッティングし、細胞増殖に対する化合物の阻害のIC50値を得た。阻害率計算式:
【数2】
式において、
被験体信号値:細胞+培地+化合物群の蛍光信号平均値;
ブラック群信号値:培地群の蛍光信号平均値;
陰性対照群信号値:細胞+培地群の蛍光信号平均値。
【0147】
三、試験結果:
前記試験方法で測定されたMAT2Aに対するAGI-24512の阻害のIC50は、23.2nMであり、HCT116 MTAP-/-細胞に対する阻害のIC50は、153.6nMであった。
MAT2Aに対する被験化合物の阻害のIC50の大きさに応じて、以下の評価レベルをつけた。即ち、(A)IC50:50nM未満;(B)IC50:50nm~200nM;(C)IC50:200nM~1000nM;(D)IC50:1000nMを超えた。
HCT116 MTAP-/-細胞に対する被験化合物の阻害のIC50の大きさに応じて、以下の評価レベルをつけた。即ち、(A)IC50:150nM未満;(B) IC50:150nm~400nM;(C)IC50:400nM~1000nM;(D) IC50:1000nMを超えた。
【0148】
本発明に係る化合物の試験結果を下記の表1に示した。
【表1】
【0149】
三、HCT116 MTAP-/-ヌードマウス皮下異種移植腫瘍のインビボでの効果試験
1.試験ステップ
メスNu/Nuヌードマウス(6~8週齢、Beijing Weitonglihua Laboratory Animal Technology Co.、Ltd.)を、SPF動物室で飼育し、温度は20~25°C、相対湿度は40%~70%、明暗それぞれ12時間で照明される。動物は自由に飲水および採食をした。試験前の動物は、適応飼育を行った。
【0150】
HCT116 MTAP-/-細胞(Horizon)をインビトロで培養して増殖させ、対数増殖期にある細胞を無血清RPMI-1640培地に再懸濁し、細胞濃度を6.0×10細胞/mLに調整し、ヌードマウスの右前側腋窩皮下に細胞懸濁液を1mL注射器で1匹あたり100μL注射し、動物の状態を定期的に観察し、移植腫瘍の増殖状況をモニターした。
【0151】
腫瘍体積が100~300mmに達すると、腫瘍体積が大きすぎる動物、小さすぎる動物、または腫瘍形成が不確定な動物を放棄し、健康状態が良好で腫瘍体積が近い腫瘍担持マウスを選別し、乱塊法(randomized block design)により6匹ずつ群分けし、投与群は、毎日胃内投与(AG-270:50 mg/kg、構造は以下の通りであった。被験化合物:1~7.5 mg/kg)し、対照群は、同じ体積のブランク溶媒を毎日胃内投与した。投与期間は、週2回腫瘍径を測定し、腫瘍体積を計算し、同時に動物の体重を秤量し、記録した。
【0152】
移植腫瘍内のSAM検出:投与15日目、試験終了した時、動物をCOで安楽死させ、腫瘍組織を剥離し、冷PBSで洗浄し、秤量し、液体窒素で急速凍結した後、低温(-80℃)で凍結保存した。凍結して用意した腫瘍組織を取り出し、氷浴で解凍した後80%メタノール水(1Mギ酸を含む)を添加し、腫瘍組織と80%メタノール水(1Mギ酸を含む)の配合は1:10(w/v)であり、組織をホモジナイズさせ、ホモジナイズさせた後、ホモジナイズされたスラリーを収集し、処理した後、LC-MS/MSによりSAM(S-adenosylmethionine、S-アデノシルメチオニン)を検出した。
AG-270構造は、下記の通りである。
【化79】
【0153】
2.データ分析
腫瘍体積(tumor volume、TV)の計算式:TV=1/2×a×b、式において、aは、腫瘍長径を示し、bは、腫瘍短径を示した。
【0154】
相対腫瘍体積(relative tumor volume、RTV)の計算式:RTV=TV/TVinitial、式において、TVinitialは、群分けして投与した時測定された腫瘍体積であり、TVは、投与期間、各測定時の腫瘍体積であった。
【0155】
相対腫瘍増殖率(T/C(%))の計算式:T/C%=(RTV/RTV)×100%、式において、RTVは、治療群の相対腫瘍体積を示し、RTVは、溶媒対照群の相対腫瘍体積を示した。
【0156】
腫瘍増殖阻害率(tumor growth inhibition、TGI(%))の計算式:TGI=[1-(TVt(T)-TVinitial(T))/(TVt(C)-TVinitial(C))]×100%、式において、TVt(T)は、各回測定された治療群の腫瘍体積を示し、TVinitial(T)は、群分けて投与した時の治療群の腫瘍体積を示し、TVt(C)は、各回測定された溶媒対照群の腫瘍体積を示し、TVinitial(C)は、群分けて投与した時の溶媒対照群の腫瘍体積を示した。
【0157】
動物体重減少率の計算式:動物体重減少率=100%×(BWinitial-BW)/BWinitial、式において、BWは、投与期間、各回測定された動物体重を示し、BWinitialは、群分けて投与した時の動物体重を示した。
【0158】
腫瘍重に基づく腫瘍阻害率IR(%)の計算式:IR=100%×(W-W)/W、式において、Wは、対照群腫瘍の重さを示し、Wは、治療群腫瘍の重さを示した。
【0159】
Microsoft Office Excel 2007ソフトウェアで試験データの計算及び関連統計学的な処理を行った。データは、特に断らない限り、平均値±標準誤差(Mean±SEM )で表され、2つの群の間の比較はt検定を行いた。
【0160】
3.試験結果:
各群腫瘍体積増殖曲線を図1に示し、各群腫瘍内SAM検出結果を図2に示し、各群腫瘍体積平均値とSEMを下記の表2に示した。
【表2】
図1
図2
【国際調査報告】