(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】ネオデグラダーコンジュゲート
(51)【国際特許分類】
C07H 15/203 20060101AFI20240528BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240528BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240528BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240528BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240528BHJP
A61K 47/52 20170101ALI20240528BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240528BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20240528BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20240528BHJP
C07K 5/04 20060101ALN20240528BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20240528BHJP
C07K 14/705 20060101ALN20240528BHJP
【FI】
C07H15/203 CSP
A61P35/00 ZNA
A61P35/02
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K47/52
A61K39/395 Y
A61K47/68
A61K31/4439
C07K5/04
C07K16/28
C07K14/705
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574590
(86)(22)【出願日】2022-06-02
(85)【翻訳文提出日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 IB2022055167
(87)【国際公開番号】W WO2022254376
(87)【国際公開日】2022-12-08
(32)【優先日】2021-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520170748
【氏名又は名称】オルム セラピューティクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ORUM THERAPEUTICS INC.
(71)【出願人】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【氏名又は名称】水原 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(72)【発明者】
【氏名】フィッシュキン,ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】パク,ピーター ユー
(72)【発明者】
【氏名】バイ,チェン
【テーマコード(参考)】
4C057
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C057BB02
4C057CC01
4C057DD01
4C057JJ23
4C076AA95
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF70
4C084AA19
4C084NA13
4C084ZB26
4C084ZB27
4C085AA26
4C085BB11
4C085EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC22
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA13
4C086ZB26
4C086ZB27
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA40
4H045BA51
4H045DA76
4H045EA22
4H045EA28
4H045FA10
4H045FA50
(57)【要約】
本発明は、ネオデグラダーおよび結合部分にコンジュゲートしたネオデグラダーを提供する。また提供されるのは、該コンジュゲートを含む、組成物である。化合物および組成物は、処置を必要とする対象における、疾患または状態、例えば、癌の処置に有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
〔式中、
aは1~10であり;
Lは
【化2】
から選択されるリンカーであり;
ここで
【化3】
は窒素原子への結合点であり;そして
【化4】
はBmへの結合点であり;そして
Bmは細胞表面抗原であるタンパク質に特異的に結合できる結合部分である。〕
のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
aが2~8である、請求項1のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
Lが
【化5】
である、請求項1または2のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
Lが
【化6】
である、請求項1または2のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
Bmが抗体またはその抗原結合部分である、請求項1~4の何れかのコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
表面抗原が5T4、ACE、ADRB3、AKAP-4、ALK、アンドロゲン受容体、AOC3、APP、アキシン1、AXL、B7H3、B7-H4、BCL2、BCMA、bcr-abl、BORIS、BST2、C242、C4.4a、CA125、CA6、CA9、CAIX、CCL11、CCR5、CD123、CD133、CD138、CD142、CD15、CD15-3、CD171、CD179a、CD18、CD19、CD19-9、CD2、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD27L、CD28、CD3、CD30、CD31、CD300LF、CD33、CD352、CD37、CD38、CD4、CD40、CD41、CD44、CD44v6、CD5、CD51、CD52、CD54、CD56、CD62E、CD62P、CD62L、CD70、CD71、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD80、CD90、CD97、CD125、CD138、CD141、CD147、CD152、CD154、CD326、CEA、CEACAM5、CFTR、クランピング因子、cKit、クローディン3、クローディン18.2、CLDN6、CLEC12A、CLL-1、cll3、c-MET、クリプト1増殖因子、CS1、CTLA-4、CXCR2、CXORF61、サイクリンBl、CYP1B1、カドヘリン3、カドヘリン6、DLL3、E7、EDNRB、EFNA4、EGFR、EGFRvIII、ELF2M、EMR2、ENPP3、EPCAM、EphA2、エフリンA4、エフリンB2、EPHB4、ERBB2(Her2/neu)、ErbB3、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、ETBR、ETV6-AML、FAP、FCAR、FCRL5、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FLT3、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、FOLR1、Fos関連抗原1、フコシルGM1、GCC、GD2、GD3、GloboH、GM3、GPC1、GPC2、GPC3、gplOO、GPNMB、GPR20、GPRC5D、GUCY2C、HAVCR1、HER2、HER3、HGF、HMI.24、HMWMAA、HPV E6、hTERT、ICAM、ICOS-L、IFN-α、IFN-γ、IGF-I受容体、IGLL1、IL-2受容体(IL-2Rα(すなわち、CD25)、IL-2Rβ(すなわち、CD122)、IL-2Rγ(すなわち、CD132))、IL-4受容体(IL-4R、IL-2Rγ/IL-13Rα1)、IL-13受容体(IL-13Rα1、IL-13Rα2、IL-4R) IL-1受容体(IL-l lRa)、IL-12受容体(IL-12Rβ1、IL-12Rβ2)、IL-23受容体(IL-12Rβ1、IL-23R)、IL-22受容体(IL-22Rα1、IL-22Rα2、IL-10Rβ)、IL-5受容体(IL-5Rα、CSF2RB)、IL-6受容体(IL-6Rα、gp130)、インターフェロン受容体、インテグリン(α
4、α
vβ
3、α
vβ
5、α
vβ
6、α
1β
4、α
4β
1、α
4β
7、α
5β
1、α
6β
4、α
IIbβ
3インテグリンを含む)、インテグリンアルファV、腸カルボキシルエステラーゼ、KIT、LAGE-la、LAIR1、LAMP-1、LCK、レグマイン、ルイスY、LFA-1(CD11a)、L-セレクチン(CD62L)、LILRA2、LIV-1、LMP2、LRRC15、LY6E、LY6K、LY75、MAD-CT-1、MAD-CT-2、MAGE Al、メランA/MARTl、メソテリン、ML-IAP、MSLN、ムチン、MUC1、MUC16、mut hsp70-2、MYCN、ミオスタチン、NA17、NaPi2b、NCA-90、NCAM、ネクチン-4、NGF、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、NY-BR-1、NY-ESO-1、o-アセチル-GD2、OR51E2、OY-TES1、p53、p53変異体、PANX3、PAP、PAX3、PAX5、p-CAD、PCTA-1/Gaレクチン8、PD-L1、PD-L2、PDGFR、PDGFR-ベータ、ホスファチジルセリン、PIK3CA、PLAC1、ポリシアル酸、プロスターゼ、プロステイン、サバイビンおよびテロメラーゼ、PRSS21、PSCA、PSMA、PTK7、RAGE-1、RANKL、Ras変異体、Rh因子、RhoC、RON、ROR1、ROR2、RU1、RU2、SART3、SLAMF7、SLC44A4、SLITRK6、精子タンパク質17、スフィンゴシン-1-リン酸、SSEA-4、SSX2、STEAP1、TAG72、TARP、TCRβ、TEM1/CD248、TEM7R、テネイシンC、TF、TGF-1、TGF-β2、TNF-α、TGS5、Tie2、TIM-1、Tn Ag、TRAC、TRAIL-R1、TRAIL-R2、TROP-2、TRP-2、TRPV1、TSHR、腫瘍抗原CTAA16.88、チロシナーゼ、UPK2、VEGF、VEGFR1、VEGFR2、ビメンチンおよびWTl、XAGE1からなる群から選択される、請求項1~5の何れかのコンジュゲート。
【請求項7】
表面抗原がHER2、CD20、CD38、CD33、BCMA、CD138、EGFR、FGFR4、GD2、PDGFR、TEM1/CD248およびTROP-2からなる群から選択される、請求項1~5の何れかのコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
表面抗原がCD33である、請求項1~5の何れかのコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
抗体がリツキシマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブ、CD33AB、ペルツズマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オンツキシマブ、イサツキシマブ、サシツズマブ、U3-1784、ダラツムマブ、STI-6129、リンツズマブ、huMy9-6、huMy9-6-IgG4-S228P、ベランタマブ、インダツキシマブ、セツキシマブ、ジヌツキシマブ、抗CD38A2抗体、HuAT13/5抗体、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、トレメリムマブ、チシリムマブ、カツマキソマブ、オレゴボマブおよびベルツズマブからなる群から選択される、請求項5のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
抗体がリツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、huMy9-6、huMy9-6-IgG4-S228P、CD33AB、リンツズマブまたはゲムツズマブである、請求項5のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
抗体またはその抗原結合部分が配列番号1に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)相補性決定領域(CDR)1(VH-CDR1)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号5に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)CDR1(VL-CDR1)、配列番号6に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号7に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む、請求項5のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
抗体またはその抗原結合部分が配列番号4に示すアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号8に示すアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項12のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
抗体が配列番号9に示すアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10に示すアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項11のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
式(II):
【化7】
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
式(III):
【化8】
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
式(IV):
【化9】
〔式中、Bmは細胞表面抗原であるタンパク質に特異的に結合する結合部分である。〕
のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
式(V):
【化10】
〔式中、Bmは細胞表面抗原であるタンパク質に特異的に結合する結合部分である。〕
のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
Bmが抗体またはその抗原結合部分である、請求項16または17のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
表面抗原が5T4、ACE、ADRB3、AKAP-4、ALK、アンドロゲン受容体、AOC3、APP、アキシン1、AXL、B7H3、B7-H4、BCL2、BCMA、bcr-abl、BORIS、BST2、C242、C4.4a、CA125、CA6、CA9、CAIX、CCL11、CCR5、CD123、CD133、CD138、CD142、CD15、CD15-3、CD171、CD179a、CD18、CD19、CD19-9、CD2、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD27L、CD28、CD3、CD30、CD31、CD300LF、CD33、CD352、CD37、CD38、CD4、CD40、CD41、CD44、CD44v6、CD5、CD51、CD52、CD54、CD56、CD62E、CD62P、CD62L、CD70、CD71、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD80、CD90、CD97、CD125、CD138、CD141、CD147、CD152、CD154、CD326、CEA、CEACAM5、CFTR、クランピング因子、cKit、クローディン3、クローディン18.2、CLDN6、CLEC12A、CLL-1、cll3、c-MET、クリプト1増殖因子、CS1、CTLA-4、CXCR2、CXORF61、サイクリンBl、CYP1B1、カドヘリン3、カドヘリン6、DLL3、E7、EDNRB、EFNA4、EGFR、EGFRvIII、ELF2M、EMR2、ENPP3、EPCAM、EphA2、エフリンA4、エフリンB2、EPHB4、ERBB2(Her2/neu)、ErbB3、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、ETBR、ETV6-AML、FAP、FCAR、FCRL5、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FLT3、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、FOLR1、Fos関連抗原1、フコシルGM1、GCC、GD2、GD3、GloboH、GM3、GPC1、GPC2、GPC3、gplOO、GPNMB、GPR20、GPRC5D、GUCY2C、HAVCR1、HER2、HER3、HGF、HMI.24、HMWMAA、HPV E6、hTERT、ICAM、ICOS-L、IFN-α、IFN-γ、IGF-I受容体、IGLL1、IL-2受容体(IL-2Rα(すなわち、CD25)、IL-2Rβ(すなわち、CD122)、IL-2Rγ(すなわち、CD132))、IL-4受容体(IL-4R、IL-2Rγ/IL-13Rα1)、IL-13受容体(IL-13Rα1、IL-13Rα2、IL-4R) IL-1受容体(IL-l lRa)、IL-12受容体(IL-12Rβ1、IL-12Rβ2)、IL-23受容体(IL-12Rβ1、IL-23R)、IL-22受容体(IL-22Rα1、IL-22Rα2、IL-10Rβ)、IL-5受容体(IL-5Rα、CSF2RB)、IL-6受容体(IL-6Rα、gp130)、インターフェロン受容体、インテグリン(α
4、α
vβ
3、α
vβ
5、α
vβ
6、α
1β
4、α
4β
1、α
4β
7、α
5β
1、α
6β
4、α
IIbβ
3インテグリンを含む)、インテグリンアルファV、腸カルボキシルエステラーゼ、KIT、LAGE-la、LAIR1、LAMP-1、LCK、レグマイン、ルイスY、LFA-1(CD11a)、L-セレクチン(CD62L)、LILRA2、LIV-1、LMP2、LRRC15、LY6E、LY6K、LY75、MAD-CT-1、MAD-CT-2、MAGE Al、メランA/MARTl、メソテリン、ML-IAP、MSLN、ムチン、MUC1、MUC16、mut hsp70-2、MYCN、ミオスタチン、NA17、NaPi2b、NCA-90、NCAM、ネクチン-4、NGF、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、NY-BR-1、NY-ESO-1、o-アセチル-GD2、OR51E2、OY-TES1、p53、p53変異体、PANX3、PAP、PAX3、PAX5、p-CAD、PCTA-1/Gaレクチン8、PD-L1、PD-L2、PDGFR、PDGFR-ベータ、ホスファチジルセリン、PIK3CA、PLAC1、ポリシアル酸、プロスターゼ、プロステイン、サバイビンおよびテロメラーゼ、PRSS21、PSCA、PSMA、PTK7、RAGE-1、RANKL、Ras変異体、Rh因子、RhoC、RON、ROR1、ROR2、RU1、RU2、SART3、SLAMF7、SLC44A4、SLITRK6、精子タンパク質17、スフィンゴシン-1-リン酸、SSEA-4、SSX2、STEAP1、TAG72、TARP、TCRβ、TEM1/CD248、TEM7R、テネイシンC、TF、TGF-1、TGF-β2、TNF-α、TGS5、Tie2、TIM-1、Tn Ag、TRAC、TRAIL-R1、TRAIL-R2、TROP-2、TRP-2、TRPV1、TSHR、腫瘍抗原CTAA16.88、チロシナーゼ、UPK2、VEGF、VEGFR1、VEGFR2、ビメンチン、WTlおよびXAGE1からなる群から選択される、請求項16~18の何れかのコンジュゲート。
【請求項20】
表面抗原がHER2、CD20、CD38、CD33、BCMA、CD138、EGFR、FGFR、GD2、PDGFR、TEM1/CD248およびTROP-2からなる群から選択される、請求項16~18の何れかのコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項21】
抗体がリツキシマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブ、ペルツズマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オンツキシマブ、イサツキシマブ、サシツズマブ、U3-1784、ダラツムマブ、STI-6129、リンツズマブ、huMy9-6、huMY9-6-IgG4-S228P、ベランタマブ、インダツキシマブ、セツキシマブ、ジヌツキシマブ、抗CD38A2抗体、HuAT13/5抗体、CD33AB、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、トレメリムマブ、チシリムマブ、カツマキソマブ、オレゴボマブまたはベルツズマブを含む、請求項18のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項22】
抗体がリツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、huMy9-6、huMy9-6-IgG4-S228P、CD33AB、リンツズマブまたはゲムツズマブである、請求項21のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項23】
抗体またはその抗原結合部分が配列番号1に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号5に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号6に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号7に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む、請求項18のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項24】
抗体またはその抗原結合部分が配列番号4に示すアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号8に示すアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項19のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項25】
抗体が配列番号9に示すアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10に示すアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項22のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩。
【請求項26】
請求項1~25の何れかのコンジュゲートまたは化合物またはその薬学的に許容される塩および1以上の薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項27】
処置を必要とする対象における癌を処置する方法であって、該対象に薬学的に許容される量の請求項1~20の何れかのコンジュゲート、化合物または組成物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
【請求項28】
癌が固形腫瘍である、請求項27の方法。
【請求項29】
血液学的/血液癌である、請求項27の方法。
【請求項30】
癌が乳癌、胃癌、リンパ腫、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、頭頸部癌、扁平上皮細胞癌および/または肝細胞癌である、請求項27の方法。
【請求項31】
癌がマイロターグに難治性または抵抗性である、請求項27~30の何れかの方法。
【請求項32】
処置を必要とする対象における骨髄異形成症候群(MDS)を処置する方法であって、該対象に薬学的に許容される量の請求項1~20の何れかのコンジュゲート、化合物または組成物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
【請求項33】
該対象に、請求項1~26の何れかのコンジュゲート、化合物または組成物またはその薬学的に許容される塩を投与する前、後または同時に薬学的に許容される量のさらなる薬剤を投与することをさらに含む、請求項27~32の何れかの方法。
【請求項34】
さらなる薬剤が細胞毒性剤または免疫応答修飾剤である、請求項33の方法。
【請求項35】
免疫応答修飾剤がチェックポイント阻害剤である、請求項34の方法。
【請求項36】
チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、TIM3阻害剤および/またはLAG-3阻害剤を含む、請求項35の方法。
【請求項37】
請求項1のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を製造する方法であって、結合部分と式(I-1):
【化11】
〔式中、
L’は
【化12】
から選択され;
ここで
【化13】
は窒素原子への結合点である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を反応させることを含む、方法。
【請求項38】
式(I-1)の化合物との反応前に結合部分を還元することをさらに含む、請求項37の方法。
【請求項39】
L’が
【化14】
である、請求項37または38の方法。
【請求項40】
L’が
【化15】
である、請求項37または38の方法。
【請求項41】
式(I-1)の化合物を、抗体またはその抗原結合部分を含む結合部分と反応させる、請求項37~40の何れかの方法。
【請求項42】
結合部分が5T4、ACE、ADRB3、AKAP-4、ALK、アンドロゲン受容体、AOC3、APP、アキシン1、AXL、B7H3、B7-H4、BCL2、BCMA、bcr-abl、BORIS、BST2、C242、C4.4a、CA125、CA6、CA9、CAIX、CCL11、CCR5、CD123、CD133、CD138、CD142、CD15、CD15-3、CD171、CD179a、CD18、CD19、CD19-9、CD2、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD27L、CD28、CD3、CD30、CD31、CD300LF、CD33、CD352、CD37、CD38、CD4、CD40、CD41、CD44、CD44v6、CD5、CD51、CD52、CD54、CD56、CD62E、CD62P、CD62L、CD70、CD71、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD80、CD90、CD97、CD125、CD138、CD141、CD147、CD152、CD154、CD326、CEA、CEACAM5、CFTR、クランピング因子、cKit、クローディン3、クローディン18.2、CLDN6、CLEC12A、CLL-1、cll3、c-MET、クリプト1増殖因子、CS1、CTLA-4、CXCR2、CXORF61、サイクリンBl、CYP1B1、カドヘリン3、カドヘリン6、DLL3、E7、EDNRB、EFNA4、EGFR、EGFRvIII、ELF2M、EMR2,ENPP3、EPCAM、EphA2、エフリンA4、エフリンB2、EPHB4、ERBB2(Her2/neu)、ErbB3、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、ETBR、ETV6-AML、FAP、FCAR、FCRL5、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FLT3、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、FOLR1、Fos関連抗原1、フコシルGM1、GCC、GD2、GD3、GloboH、GM3、GPC1、GPC2、GPC3、gplOO、GPNMB、GPR20、GPRC5D、GUCY2C、HAVCR1、HER2、HER3、HGF、HMI.24、HMWMAA、HPV E6、hTERT、ICAM、ICOS-L、IFN-α、IFN-γ、IGF-I受容体、IGLL1、IL-2受容体(IL-2Rα(すなわち、CD25)、IL-2Rβ(すなわち、CD122)、IL-2Rγ(すなわち、CD132))、IL-4受容体(IL-4R、IL-2Rγ/IL-13Rα1)、IL-13受容体(IL-13Rα1、IL-13Rα2、IL-4R) IL-1受容体(IL-l lRa)、IL-12受容体(IL-12Rβ1、IL-12Rβ2)、IL-23受容体(IL-12Rβ1、IL-23R)、IL-22受容体(IL-22Rα1、IL-22Rα2、IL-10Rβ)、IL-5受容体(IL-5Rα、CSF2RB)、IL-6受容体(IL-6Rα、gp130)、インターフェロン受容体、インテグリン(α
4、α
vβ
3、α
vβ
5、α
vβ
6、α
1β
4、α
4β
1、α
4β
7、α
5β
1、α
6β
4、α
IIbβ
3インテグリンを含む)、インテグリンアルファV、腸カルボキシルエステラーゼ、KIT、LAGE-la、LAIR1、LAMP-1、LCK、レグマイン、ルイスY、LFA-1(CD11a)、L-セレクチン(CD62L)、LILRA2、LIV-1、LMP2、LRRC15、LY6E、LY6K、LY75、MAD-CT-1、MAD-CT-2、MAGE Al、メランA/MARTl、メソテリン、ML-IAP、MSLN、ムチン、MUC1、MUC16、mut hsp70-2、MYCN、ミオスタチン、NA17、NaPi2b、NCA-90、NCAM、ネクチン-4、NGF、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、NY-BR-1、NY-ESO-1、o-アセチル-GD2、OR51E2、OY-TES1、p53、p53変異体、PANX3、PAP、PAX3、PAX5、p-CAD、PCTA-1/Gaレクチン8、PD-L1、PD-L2、PDGFR、PDGFR-ベータ、ホスファチジルセリン、PIK3CA、PLAC1、ポリシアル酸、プロスターゼ、プロステイン、サバイビンおよびテロメラーゼ、PRSS21、PSCA、PSMA、PTK7、RAGE-1、RANKL、Ras変異体、Rh因子、RhoC、RON、ROR1、ROR2、RU1、RU2、SART3、SLAMF7、SLC44A4、SLITRK6、精子タンパク質17、スフィンゴシン-1-リン酸、SSEA-4、SSX2、STEAP1、TAG72、TARP、TCRβ、TEM1/CD248、TEM7R、テネイシンC、TF、TGF-1、TGF-β2、TNF-α、TGS5、Tie2、TIM-1、Tn Ag、TRAC、TRAIL-R1、TRAIL-R2、TROP-2、TRP-2、TRPV1、TSHR、腫瘍抗原CTAA16.88、チロシナーゼ、UPK2、VEGF、VEGFR1、VEGFR2、ビメンチン、WTlおよびXAGE1から選択される表面抗原に特異的に結合できる、請求項37~41の何れかの方法。
【請求項43】
表面抗原がHER2、CD20、CD38、CD33、BCMA、CD138、EGFR、FGFR4、GD2、PDGFR、TEM1/CD248およびTrop-2からなる群から選択される、請求項42の方法。
【請求項44】
抗体がリツキシマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブ、ペルツズマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オンツキシマブ、イサツキシマブ、サシツズマブ、U3-1784、ダラツムマブ、STI-6129、リンツズマブ、huMy9-6、huMy9-6-IgG4-S228P、ベランタマブ、インダツキシマブ、セツキシマブ、ジヌツキシマブ、抗CD38A2抗体、CD33AB、HuAT13/5抗体、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、トレメリムマブ、チシリムマブ、カツマキソマブ、オレゴボマブまたはベルツズマブを含む、請求項41の方法。
【請求項45】
抗体がリツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、huMy9-6、huMy9-6-IgG4-S228P、CD33AB、リンツズマブまたはゲムツズマブである、請求項41の方法。
【請求項46】
抗体またはその抗原結合部分が配列番号1に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号5に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号6に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号7に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む、請求項41の方法。
【請求項47】
抗体またはその抗原結合部分が配列番号4に示すアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号8に示すアミノ酸配列を含むVLを含む、請求項46の方法。
【請求項48】
抗体が配列番号9に示すアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10に示すアミノ酸配列を含む軽鎖を含む、請求項47の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子的に提供した配列表についての言及
本出願と共にASCIIテキストファイル(名称4547_016PC02_Seqlisting_ST25;サイズ:24,777バイト;および作成日:2022年5月31日)で電子的に提供した配列表の内容を、引用により全体として本明細書に包含させる。
【0002】
分野
本発明は、ネオデグラダーが結合部分にコンジュゲートしている、ネオデグラダーコンジュゲートを提供する。また提供されるのは、該コンジュゲートを含む、組成物である。該コンジュゲートおよび組成物は、処置を必要とする対象における癌の処置に有用である。
【背景技術】
【0003】
背景
タンパク質分解は、免疫調節性イミド薬物の有効性により治療戦略として実証されている。これらの化合物はセレブロン(CRBN)と結合し、CRL4CRBN E3ユビキチンリガーゼにより介在される基質タンパク質の動員およびユビキチン化を促進する能力を有する。免疫調節性イミドは「分子糊」として作用し、リガーゼとネオ基質の間のタンパク質相互作用を再プログラミングする疎水性パッチとして結合接合面を満たすと考えられる。
【0004】
これらの化合物が新規癌処置として興奮をもたらしたにも関わらず、現在まで多発性骨髄腫および骨髄異形成症候群(MDS)などの血液系腫瘍に使用が限定されている。他の癌タンパク質の分解により機能できる化合物のライブラリーの拡大は、その多くは「アンドラッガブル」と考えられているが、薬物開発の活発な領域である。故に、これら代替癌タンパク質を標的とし、広範な癌を処置できる新規化合物に対する要望は続いている。
【発明の概要】
【0005】
概要
小分子GSPT1デグラダーでの癌患者の処置は臨床応答を駆動することが示されているが、重篤な有害事象(AE)が付随している。癌は、しばしば健常細胞では発現されないか遥かに低いレベルで発現される抗原を表面に発現する。本発明は、GSPT1分解ペイロード分子と癌細胞の細胞表面抗原に結合する抗体の組み合わせが、GSPT1デグラダーの臨床的有効性および忍容性両方を改善できるとの発見に基づく。
【0006】
ある態様において、本発明は、式(I):
【化1】
〔式中、
aは1~10であり;
Lは
【化2】
から選択されるリンカーであり;
ここで
【化3】
は窒素原子への結合点であり;そして
【化4】
はBmへの結合点であり;そして
Bmはタンパク質、例えば、細胞表面抗原であるタンパク質に特異的に結合できる結合部分である。〕
のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0007】
ある態様において、結合部分は抗体、抗体フラグメントまたは抗原結合フラグメントである。ある態様において、aは2~8である。
【0008】
【0009】
【0010】
ある態様において、Bmは抗体またはその抗原結合部分である。ある態様において、結合部分が結合するタンパク質は表面抗原である。ある態様において、表面抗原は5T4、ACE、ADRB3、AKAP-4、ALK、アンドロゲン受容体、AOC3、APP、アキシン1、AXL、B7H3、B7-H4、BCL2、BCMA、bcr-abl、BORIS、BST2、C242、C4.4a、CA125、CA6、CA9、CAIX、CCL11、CCR5、CD123、CD133、CD138、CD142、CD15、CD15-3、CD171、CD179a、CD18、CD19、CD19-9、CD2、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD27L、CD28、CD3、CD30、CD31、CD300LF、CD33、CD352、CD37、CD38、CD4、CD40、CD41、CD44、CD44v6、CD5、CD51、CD52、CD54、CD56、CD62E、CD62P、CD62L、CD70、CD71、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD80、CD90、CD97、CD125、CD138、CD141、CD147、CD152、CD154、CD326、CEA、CEACAM5、CFTR、クランピング因子、cKit、クローディン3、クローディン18.2、CLDN6、CLEC12A、CLL-1、cll3、c-MET、クリプト1増殖因子、CS1、CTLA-4、CXCR2、CXORF61、サイクリンBl、CYP1B1、カドヘリン3、カドヘリン6、DLL3、E7、EDNRB、EFNA4、EGFR、EGFRvIII、ELF2M、EMR2、ENPP3、EPCAM、EphA2、エフリンA4、エフリンB2、EPHB4、ERBB2(Her2/neu)、ErbB3、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、ETBR、ETV6-AML、FAP、FCAR、FCRL5、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FLT3、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、FOLR1、Fos関連抗原1、フコシルGM1、GCC、GD2、GD3、GloboH、GM3、GPC1、GPC2、GPC3、gplOO、GPNMB、GPR20、GPRC5D、GUCY2C、HAVCR1、HER2、HER3、HGF、HMI.24、HMWMAA、HPV E6、hTERT、ICAM、ICOS-L、IFN-α、IFN-γ、IGF-I受容体、IGLL1、IL-2受容体(IL-2Rα(すなわち、CD25)、IL-2Rβ(すなわち、CD122)、IL-2Rγ(すなわち、CD132))、IL-4受容体(IL-4R、IL-2Rγ/IL-13Rα1)、IL-13受容体(IL-13Rα1、IL-13Rα2、IL-4R) IL-1受容体(IL-l lRa)、IL-12受容体(IL-12Rβ1、IL-12Rβ2)、IL-23受容体(IL-12Rβ1、IL-23R)、IL-22受容体(IL-22Rα1、IL-22Rα2、IL-10Rβ)、IL-5受容体(IL-5Rα、CSF2RB)、IL-6受容体(IL-6Rα、gp130)、インターフェロン受容体、インテグリン(α4、αvβ3、αvβ5、αvβ6、α1β4、α4β1、α4β7、α5β1、α6β4、αIIbβ3インテグリンを含む)、インテグリンアルファV、腸カルボキシルエステラーゼ、KIT、LAGE-la、LAIR1、LAMP-1、LCK、レグマイン、ルイスY、LFA-1(CD11a)、L-セレクチン(CD62L)、LILRA2、LIV-1、LMP2、LRRC15、LY6E、LY6K、LY75、MAD-CT-1、MAD-CT-2、MAGE Al、メランA/MARTl、メソテリン、ML-IAP、MSLN、ムチン、MUC1、MUC16、mut hsp70-2、MYCN、ミオスタチン、NA17、NaPi2b、NCA-90、NCAM、ネクチン-4、NGF、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、NY-BR-1、NY-ESO-1、o-アセチル-GD2、OR51E2、OY-TES1、p53、p53変異体、PANX3、PAP、PAX3、PAX5、p-CAD、PCTA-1/Gaレクチン8、PD-L1、PD-L2、PDGFR、PDGFR-ベータ、ホスファチジルセリン、PIK3CA、PLAC1、ポリシアル酸、プロスターゼ、プロステイン、サバイビンおよびテロメラーゼ、PRSS21、PSCA、PSMA、PTK7、RAGE-1、RANKL、Ras、Ras変異体、Rh因子、RhoC、RON、ROR1、ROR2、RU1、RU2、SART3、SLAMF7、SLC44A4、SLITRK6、精子タンパク質17、スフィンゴシン-1-リン酸、SSEA-4、SSX2、STEAP1、TAG72、TARP、TCRβ、TEM1/CD248、TEM7R、テネイシンC、TF、TGF-1、TGF-β2、TNF-α、TGS5、Tie2、TIM-1、Tn Ag、TRAC、TRAIL-R1、TRAIL-R2、TROP-2、TRP-2、TRPV1、TSHR、腫瘍抗原CTAA16.88、チロシナーゼ、UPK2、VEGF、VEGFR1、VEGFR2、ビメンチン、WTl、XAGE1またはそれらの組み合わせを含む。
【0011】
ある態様において、表面抗原はHER2、CD20、CD38、CD33、BCMA、CD138、EGFR、FGFR4、GD2、PDGFR、TEM1/CD248、TROP-2またはそれらの組み合わせを含む。ある態様において、表面抗原はCD33を含む。
【0012】
ある態様において、抗体はリツキシマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブ、CD33AB、ペルツズマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オンツキシマブ、イサツキシマブ、サシツズマブ、U3-1784、ダラツムマブ、STI-6129、リンツズマブ、huMy9-6、huMy9-6-IgG4-S228P、ベランタマブ、インダツキシマブ、セツキシマブ、ジヌツキシマブ、抗CD38A2抗体、HuAT13/5抗体、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、トレメリムマブ、チシリムマブ、カツマキソマブ、オレゴボマブおよびベルツズマブからなる群から選択される。ある態様において、抗体はリツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、huMy9-6、huMy9-6-IgG4-S228P、CD33AB、リンツズマブまたはゲムツズマブである。ある態様において、抗体またはその抗原結合部分は配列番号1に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)相補性決定領域(CDR)1(VH-CDR1)、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号5に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)CDR1(VL-CDR1)、配列番号6に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号7に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。ある態様において、抗体またはその抗原結合部分は配列番号4に示すアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号8に示すアミノ酸配列を含むVLを含む。ある態様において、抗体は配列番号9に示すアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10に示すアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある態様において、抗体はCD33ABである。
【0013】
ある態様において、本発明は、式(II):
【化7】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0014】
ある態様において、本発明は、式(III):
【化8】
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0015】
ある態様において、本発明は、式(IV):
【化9】
〔式中、Bmはタンパク質、例えば、細胞表面抗原であるタンパク質に特異的に結合する結合部分である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0016】
ある態様において、本発明は、式(V):
【化10】
〔式中、Bmはタンパク質、例えば、細胞表面抗原であるタンパク質に特異的に結合する結合部分である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0017】
ある態様において、本発明は、式(IV)または(V)の化合物(式中、Bmは抗体またはその抗原結合部分である)を提供する。ある態様において、結合部分が特異的に結合するタンパク質は表面抗原である。ある態様において、表面抗原は5T4、ACE、ADRB3、AKAP-4、ALK、アンドロゲン受容体、AOC3、APP、アキシン1、AXL、B7H3、B7-H4、BCL2、BCMA、bcr-abl、BORIS、BST2、C242、C4.4a、CA125、CA6、CA9、CAIX、CCL11、CCR5、CD123、CD133、CD138、CD142、CD15、CD15-3、CD171、CD179a、CD18、CD19、CD19-9、CD2、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD27L、CD28、CD3、CD30、CD31、CD300LF、CD33、CD352、CD37、CD38、CD4、CD40、CD41、CD44、CD44v6、CD5、CD51、CD52、CD54、CD56、CD62E、CD62P、CD62L、CD70、CD71、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD80、CD90、CD97、CD125、CD138、CD141、CD147、CD152、CD154、CD326、CEA、CEACAM5、CFTR、クランピング因子、cKit、クローディン3、クローディン18.2、CLDN6、CLEC12A、CLL-1、cll3、c-MET、クリプト1増殖因子、CS1、CTLA-4、CXCR2、CXORF61、サイクリンBl、CYP1B1、カドヘリン3、カドヘリン6、DLL3、E7、EDNRB、EFNA4、EGFR、EGFRvIII、ELF2M、EMR2、ENPP3、EPCAM、EphA2、エフリンA4、エフリンB2、EPHB4、ERBB2(Her2/neu)、ErbB3、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、ETBR、ETV6-AML、FAP、FCAR、FCRL5、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FLT3、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、FOLR1、Fos関連抗原1、フコシルGM1、GCC、GD2、GD3、GloboH、GM3、GPC1、GPC2、GPC3、gplOO、GPNMB、GPR20、GPRC5D、GUCY2C、HAVCR1、HER2、HER3、HGF、HMI.24、HMWMAA、HPV E6、hTERT、ICAM、ICOS-L、IFN-α、IFN-γ、IGF-I受容体、IGLL1、IL-2受容体(IL-2Rα(すなわち、CD25)、IL-2Rβ(すなわち、CD122)、IL-2Rγ(すなわち、CD132))、IL-4受容体(IL-4R、IL-2Rγ/IL-13Rα1)、IL-13受容体(IL-13Rα1、IL-13Rα2、IL-4R) IL-1受容体(IL-l lRa)、IL-12受容体(IL-12Rβ1、IL-12Rβ2)、IL-23受容体(IL-12Rβ1、IL-23R)、IL-22受容体(IL-22Rα1、IL-22Rα2、IL-10Rβ)、IL-5受容体(IL-5Rα、CSF2RB)、IL-6受容体(IL-6Rα、gp130)、インターフェロン受容体、インテグリン(α4、αvβ3、αvβ5、αvβ6、α1β4、α4β1、α4β7、α5β1、α6β4、αIIbβ3インテグリンを含む)、インテグリンアルファV、腸カルボキシルエステラーゼ、KIT、LAGE-la、LAIR1、LAMP-1、LCK、レグマイン、ルイスY、LFA-1(CD11a)、L-セレクチン(CD62L)、LILRA2、LIV-1、LMP2、LRRC15、LY6E、LY6K、LY75、MAD-CT-1、MAD-CT-2、MAGE Al、メランA/MARTl、メソテリン、ML-IAP、MSLN、ムチン、MUC1、MUC16、mut hsp70-2、MYCN、ミオスタチン、NA17、NaPi2b、NCA-90、NCAM、ネクチン-4、NGF、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、NY-BR-1、NY-ESO-1、o-アセチル-GD2、OR51E2、OY-TES1、p53、p53変異体、PANX3、PAP、PAX3、PAX5、p-CAD、PCTA-1/Gaレクチン8、PD-L1、PD-L2、PDGFR、PDGFR-ベータ、ホスファチジルセリン、PIK3CA、PLAC1、ポリシアル酸、プロスターゼ、プロステイン、サバイビンおよびテロメラーゼ、PRSS21、PSCA、PSMA、PTK7、RAGE-1、RANKL、Ras変異体、Rh因子、RhoC、RON、ROR1、ROR2、RU1、RU2、SART3、SLAMF7、SLC44A4、SLITRK6、精子タンパク質17、スフィンゴシン-1-リン酸、SSEA-4、SSX2、STEAP1、TAG72、TARP、TCRβ、TEM1/CD248、TEM7R、テネイシンC、TF、TGF-1、TGF-β2、TNF-α、TGS5、Tie2、TIM-1、Tn Ag、TRAC、TRAIL-R1、TRAIL-R2、TROP-2、TRP-2、TRPV1、TSHR、腫瘍抗原CTAA16.88、チロシナーゼ、UPK2、VEGF、VEGFR1、VEGFR2、ビメンチン、WTl、XAGE1またはそれらの組み合わせを含む。
【0018】
ある態様において、表面抗原はHER2、CD20、CD38、CD33、BCMA、CD138、EGFR、FGFR、GD2、PDGFR、TEM1/CD248、TROP-2、またはそれらの組み合わせを含む。
【0019】
ある態様において、抗体はリツキシマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブ、ペルツズマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オンツキシマブ、イサツキシマブ、サシツズマブ、U3-1784、ダラツムマブ、STI-6129、リンツズマブ、huMy9-6、huMy9-6-IgG4-S228P、ベランタマブ、インダツキシマブ、セツキシマブ、ジヌツキシマブ、抗CD38A2抗体、HuAT13/5抗体、CD33AB、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、トレメリムマブ、チシリムマブ、カツマキソマブ、オレゴボマブまたはベルツズマブを含む。
【0020】
ある態様において、抗体はリツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、huMy9-6、huMy9-6-IgG4-S228P、CD33AB、リンツズマブまたはゲムツズマブである。ある態様において、抗体またはその抗原結合部分は配列番号1に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号5に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号6に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号7に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。ある態様において、抗体またはその抗原結合部分は配列番号4に示すアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号8に示すアミノ酸配列を含むVLを含む。ある態様において、抗体は配列番号9に示すアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10に示すアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある態様において、抗体はCD33ABである。
【0021】
ある態様において、本発明は、上記コンジュゲートまたは化合物またはその薬学的に許容される塩および1以上の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0022】
ある態様において、本発明は、処置を必要とする対象における癌または骨髄異形成症候群(MDS)を処置する方法であって、該対象に薬学的に許容される量の上記コンジュゲート、化合物または組成物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。ある態様において、癌は固形腫瘍である。ある態様において、癌は血液学的/血液癌である。ある態様において、癌は乳癌、胃癌、リンパ腫、急性骨髄性白血病、多発性骨髄腫、頭頸部癌、扁平上皮細胞癌および/または肝細胞癌である。ある態様において、癌はマイロターグに難治性または抵抗性である。
【0023】
ある態様において、方法は、該対象にコンジュゲートまたは化合物またはその薬学的に許容される塩の前、後または同時に薬学的に許容される量のさらなる薬剤を投与することをさらに含む。ある態様において、さらなる薬剤は細胞毒性剤または免疫応答修飾剤である。ある態様において、免疫応答修飾剤はチェックポイント阻害剤である。ある態様において、チェックポイント阻害剤はPD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、CTLA-4阻害剤、TIM3阻害剤および/またはLAG-3阻害剤を含む。
【0024】
ある態様において、本発明は、式(I)のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を製造する方法であって、結合部分と式(I-1):
【化11】
〔式中、
L’は
【化12】
から選択され;
ここで
【化13】
は窒素原子への結合点である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を反応させることを含む、方法を提供する。
【0025】
ある態様において、方法は、式(I-1)の化合物との反応前に結合部分を還元することをさらに含む。
【0026】
【0027】
【0028】
ある態様において、式(I-1)の化合物を、抗体またはその抗原結合部分を含む結合部分と反応させる。
【0029】
ある態様において、抗体またはその抗原結合部分は表面抗原に結合する。ある態様において、表面抗原は5T4、ACE、ADRB3、AKAP-4、ALK、アンドロゲン受容体、AOC3、APP、アキシン1、AXL、B7H3、B7-H4、BCL2、BCMA、bcr-abl、BORIS、BST2、C242、C4.4a、CA125、CA6、CA9、CAIX、CCL11、CCR5、CD123、CD133、CD138、CD142、CD15、CD15-3、CD171、CD179a、CD18、CD19、CD19-9、CD2、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD27L、CD28、CD3、CD30、CD31、CD300LF、CD33、CD352、CD37、CD38、CD4、CD40、CD41、CD44、CD44v6、CD5、CD51、CD52、CD54、CD56、CD62E、CD62P、CD62L、CD70、CD71、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD80、CD90、CD97、CD125、CD138、CD141、CD147、CD152、CD154、CD326、CEA、CEACAM5、CFTR、クランピング因子、cKit、クローディン3、クローディン18.2、CLDN6、CLEC12A、CLL-1、cll3、c-MET、クリプト1増殖因子、CS1、CTLA-4、CXCR2、CXORF61、サイクリンBl、CYP1B1、カドヘリン3、カドヘリン6、DLL3、E7、EDNRB、EFNA4、EGFR、EGFRvIII、ELF2M、EMR2,ENPP3、EPCAM、EphA2、エフリンA4、エフリンB2、EPHB4、ERBB2(Her2/neu)、ErbB3、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、ETBR、ETV6-AML、FAP、FCAR、FCRL5、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FLT3、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、FOLR1、Fos関連抗原1、フコシルGM1、GCC、GD2、GD3、GloboH、GM3、GPC1、GPC2、GPC3、gplOO、GPNMB、GPR20、GPRC5D、GUCY2C、HAVCR1、HER2、HER3、HGF、HMI.24、HMWMAA、HPV E6、hTERT、ICOS-L、IFN-α、IFN-γ、IGF-I受容体、IGLL1、IL-2受容体(IL-2Rα(すなわち、CD25)、IL-2Rβ(すなわち、CD122)、IL-2Rγ(すなわち、CD132))、IL-4受容体(IL-4R、IL-2Rγ/IL-13Rα1)、IL-13受容体(IL-13Rα1、IL-13Rα2、IL-4R) IL-1受容体(IL-l lRa)、IL-12受容体(IL-12Rβ1、IL-12Rβ2)、IL-23受容体(IL-12Rβ1、IL-23R)、IL-22受容体(IL-22Rα1、IL-22Rα2、IL-10Rβ)、IL-5受容体(IL-5Rα、CSF2RB)、IL-6受容体(IL-6Rα、gp130)、インターフェロン受容体、インテグリン(α4、αvβ3、αvβ5、αvβ6、α1β4、α4β1、α4β7、α5β1、α6β4、αIIbβ3インテグリンを含む)、インテグリンアルファV、腸カルボキシルエステラーゼ、KIT、LAGE-la、LAIR1、LAMP-1、LCK、レグマイン、ルイスY、LFA-1(CD11a)、L-セレクチン(CD62L)、LILRA2、LIV-1、LMP2、LRRC15、LY6E、LY6K、LY75、MAD-CT-1、MAD-CT-2、MAGE Al、メランA/MARTl、メソテリン、ML-IAP、MSLN、ムチン、MUC1、MUC16、mut hsp70-2、MYCN、ミオスタチン、NA17、NaPi2b、NCA-90、NCAM、ネクチン-4、NGF、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、NY-BR-1、NY-ESO-1、o-アセチル-GD2、OR51E2、OY-TES1、p53、p53変異体、PANX3、PAP、PAX3、PAX5、p-CAD、PCTA-1/Gaレクチン8、PD-L1、PD-L2、PDGFR、PDGFR-ベータ、ホスファチジルセリン、PIK3CA、PLAC1、ポリシアル酸、プロスターゼ、プロステイン、サバイビンおよびテロメラーゼ、PRSS21、PSCA、PSMA、PTK7、RAGE-1、RANKL、Ras変異体、Rh因子、RhoC、RON、ROR1、ROR2、RU1、RU2、SART3、SLAMF7、SLC44A4、SLITRK6、精子タンパク質17、スフィンゴシン-1-リン酸、SSEA-4、SSX2、STEAP1、TAG72、TARP、TCRβ、TEM1/CD248、TEM7R、テネイシンC、TF、TGF-1、TGF-β2、TNF-α、TGS5、Tie2、TIM-1、Tn Ag、TRAC、TRAIL-R1、TRAIL-R2、TROP-2、TRP-2、TRPV1、TSHR、腫瘍抗原CTAA16.88、チロシナーゼ、UPK2、VEGF、VEGFR1、VEGFR2、ビメンチン、WTl、XAGE1またはそれらの組み合わせを含む。
【0030】
ある態様において、表面抗原はHER2、CD20、CD38、CD33、BCMA、CD138、EGFR、FGFR4、GD2、PDGFR、TEM1/CD248、Trop-2またはそれらの組み合わせを含む。
【0031】
ある態様において、抗体はリツキシマブ、トラスツズマブ、ゲムツズマブ、ペルツズマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オララツマブ、オンツキシマブ、イサツキシマブ、サシツズマブ、U3-1784、ダラツムマブ、STI-6129、リンツズマブ、huMy9-6、huMy9-6-IgG4-S228P、ベランタマブ、インダツキシマブ、セツキシマブ、ジヌツキシマブ、抗CD38A2抗体、CD33AB、HuAT13/5抗体、アレムツズマブ、イブリツモマブ、トシツモマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、トレメリムマブ、チシリムマブ、カツマキソマブ、オレゴボマブまたはベルツズマブを含む。
【0032】
ある態様において、抗体はリツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、huMy9-6、huMy9-6-IgG4-S228P、CD33AB、リンツズマブまたはゲムツズマブである。ある態様において、抗体またはその抗原結合部分が配列番号1に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号2に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR2、配列番号3に示すアミノ酸配列を含むVH-CDR3、配列番号5に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号6に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR2および配列番号7に示すアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。ある態様において、抗体またはその抗原結合部分は配列番号4に示すアミノ酸配列を含むVHおよび配列番号8に示すアミノ酸配列を含むVLを含む。ある態様において、抗体は配列番号9に示すアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10に示すアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1A】
図1Aは、MV411(CD33+)腫瘍に対する代表的ネオデグラダーコンジュゲートのインビボ活性を示す。X軸は投与後の日数を示す。Y軸は媒体、3.02mg/kg CD33AB-化合物(Ia)、2.94mg/kg CD33AB-化合物(Ib)、0.1mg/kgマイロターグ、50mg/kg×21ベネトクラクスまたは5mg/kg bid×10のCC-90009を投与後の腫瘍体積(mm
3)を示す。
【0034】
【
図1B】
図1Bは、MV411(CD33
+)腫瘍に対する代表的ネオデグラダーコンジュゲートのインビボ活性を示す。X軸は投与後の日数を示す。Y軸は媒体、3mg/kg CD33AB-化合物(Ic)、2.83mg/kg CD33AB-化合物(Ie)、3.02mg/kg CD33AB-化合物(Ia)、2.99mg/kg CD33AB-化合物(Ih)、2.94mg/kg CD33AB-化合物(Ib)、0.1mg/kgマイロターグ、50mg/kg×21ベネトクラクスまたは5mg/kg bid×10のCC-90009を投与後の腫瘍体積(mm
3)を示す。
【0035】
【
図2】
図2は、AML(CD33+)細胞および非AML(CD33-)細胞に対するCD33AB-化合物(Ia)、CC-90009およびマイロターグのインビトロ活性を示す。
【0036】
【
図3】
図3は、MV4-11(CD33+)細胞に対するCD33AB-化合物(Ia)コンジュゲートのインビトロ活性を示す。X軸は濃度を示す。Y軸は非CD33結合抗体-ネオデグラダーコンジュゲート、CD33AB、ネオデグラダーP1、ベネトクラクス、CC-885、CC-90009、マイロターグおよびCD33AB-化合物(Ia)を投与後の%細胞生存能を示す。
【0037】
【
図4】
図4は、患者由来一次再発/難治性AML細胞に対するCD33AB-化合物(Ia)コンジュゲート、マイロターグおよびCC-90009のインビトロ活性を示す。
【0038】
【
図5】
図5は、コロニー形成細胞(CFC)アッセイで測定した正常赤血球、骨髄および巨核球前駆細胞におけるCD33AB-化合物(Ia)コンジュゲート、CC-90009およびマイロターグのインビトロ活性を示す。
【0039】
【
図6】
図6は、MV4-11(CD33+)腫瘍に対するCD33AB-化合物(Ia)のインビボ活性を示す。左のグラフにおいて、X軸は投与後の日数を示し、Y軸は媒体、5mg/kg bid CD-90009、0.1mg/kgマイロターグ、50mg/kg qdベネトクラクスおよび3mg/kg CD33AB-化合物(Ia)を投与後の腫瘍体積(mm
3)を示す。右のグラフにおいて、X軸は投与後の日数を示し、Y軸は媒体、3mg/kg CD33 非結合抗体ネオデグラダーコンジュゲート、8mg/kgアザシチジンおよび50mg/kgベネトクラクス、1mg/kg CD33AB-化合物(Ia)および3mg/kg CD33AB-化合物(Ia)を投与後の腫瘍体積(mm
3)を示す。
【0040】
【
図7】
図7は、MV4-11およびOCI-AML2細胞におけるCD33AB-化合物(Ia)のインビボ活性を示す。
【0041】
【
図8】
図8は、MV4-11細胞のCD33AB-化合物(Ia)コンジュゲートでのインビトロ処理後のGSPT1の分解を示すウェスタンブロットである。GSPT1は、CD33AB-化合物(Ia)コンジュゲートで処理したとき12時間で完全に分解する。
【0042】
【
図9】
図9は、GSPT1上のCD33AB-化合物(Ia)の持続性インビトロ効果(上部)およびCD33AB-化合物(Ia)コンジュゲート(QDx1 IV)の薬物動態(下部)を示す。
【0043】
【
図10】
図10Aおよび10Bは、マイロターグ非感受性AML細胞(AML-193(
図10A)およびKasumi-6(
図10B)に対するCD33AB-化合物(Ia)コンジュゲートのインビトロ活性を示す。X軸は濃度を示し、Y軸は処理後の細胞株のパーセント生存能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
詳細な記載
本発明は、式(I):
【化16】
〔式中、
aは1~10であり;
Lは
【化17】
から選択されるリンカーであり;
ここで
【化18】
は窒素原子への結合点であり;そして
【化19】
はBmへの結合点であり;そして
Bmはタンパク質に特異的に結合することができる結合部分である。〕
のコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩に関する。ある態様において、結合部分は抗体、抗体フラグメントまたは抗原結合フラグメントである。
【0045】
本発明はまた、結合部分に融合した上記化合物、該化合物または該コンジュゲートを含む組成物または該化合物または該コンジュゲートを使用または製造する方法を提供する。
【0046】
I. 定義
本記載がより容易に理解され得るように、特定の用語をまず定義する。さらなる定義は、詳細な記載をとおして示される。
【0047】
ある物についての単数表現は、その物の1以上をいうことは理解される;例えば、「あるヌクレオチド配列」は、1以上のヌクレオチド配列を表すと理解される。すなわち、用語「ある」、「1以上」および「少なくとも1個」は、ここでは相互交換可能に使用され得る。特許請求の範囲は、あらゆる任意的要素を除外して起草され得ることはさらに留意される。すなわち、この記載は、請求要素の限定と関連した「単に」、「のみ」などの排他的用語の使用または負の限定の使用についての先行詞として役立つことが意図される。
【0048】
さらに、「および/または」は、ここで使用されているとき、他方を伴うまたは伴わない2つの特定した特性または成分の各々の特定の開示として解釈されるべきである。故に、ここでの「Aおよび/またはB」などの句において使用する用語「および/または」は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)および「B」(単独)を含むことを意図する。同様に、「A、Bおよび/またはC」などの句において使用する用語「および/または」は、次の態様の各々を包含することが意図される:A、BおよびC;A、BまたはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)。
【0049】
態様がここで用語「含む」を用いて記載されているとき、「からなる」および/または「本質的にからなる」で記載されるその他は類似する態様も提供されることは理解される。
【0050】
他に定義されない限り、ここで使用する全ての技術的および科学的用語は、本発明が関連する分野の当業者により共通して理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology, Juo, Pei-Show, 2nd ed., 2002, CRC Press; The Dictionary of Cell and Molecular Biology, 3rd ed., 1999, Academic Press; およびOxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology, Revised, 2000は、当業者に本明細書において使用する用語の多くの一般的辞書を提供する。
【0051】
単位、接頭辞および記号は、国際単位系(SI)において認められた形で示す。数値範囲は、該範囲を規定する数値を含む。値の範囲が記載されているとき、その範囲の記載される上限と下限の間の各整数値およびその各分数も、そのような値の各下位範囲と共に具体的に開示されることは理解される。何らかの範囲の上限および下限は、独立してその範囲に含まれるまたは除外されることができ、限度のいずれかが含まれる、どちらもないまたは両方が含まれる各範囲も本発明に含まれる。故に、ここに記載する範囲は、記載する終点を含む、該範囲内の値の全ての省略と理解される。例えば、1~10の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10からなる群の何れかの数値、数値の組み合わせまたは下位範囲を含むと理解される
【0052】
値が明示されるとき、記載される値とほぼ同じ品質または量である値も本発明の範囲内であることは理解される。組み合わせが開示されるときその組み合わせの要素の各下位の組み合わせも具体的に開示され、本発明の範囲内である。逆に、異なる要素または要素の群が個々に開示されるとき、それらの組み合わせも開示される。本発明の何れかの要素が複数の選択肢を有するとして開示されるとき、各選択肢が単一にまたは他の選択肢との任意の組み合わせで除外されるその開示される例も、ここに開示される;本発明の1を超える要素はこのような除外を有し得て、このような除外を有する要素の全組み合わせはここに開示される。
【0053】
ここで使用する用語「DAR」は、各抗体に連結したネオデグラダー-リンカー複合体の平均数である、コンジュゲートの薬物抗体比をいう。ある態様において、ここに記載するコンジュゲートのDARは1~10である。ある態様において、ここに記載するコンジュゲートのDARは1~8である。ある態様において、ここに記載するコンジュゲートのDARは1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9または10である。
【0054】
ここで使用する用語「抗体」は、完全長免疫グロブリン分子または完全長免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分、すなわち、興味ある標的の抗原またはその一部と免疫特異的に結合する抗原結合部位を含む分子もいい、このような標的は、癌細胞または自己免疫疾患と関連する自己免疫抗体を産生する細胞を含むが、これらに限定されない。ここに開示する免疫グロブリンは免疫グロブリン分子の任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgDおよびIgA)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2)またはサブクラスであり得る。免疫グロブリンは任意の種に由来し得る。しかしながら、ある態様において、免疫グロブリンはヒト、マウスまたはウサギ起源である
【0055】
用語「単一ドメイン抗体」は、ナノボディとしても知られ、約12kDa~約15kDaの分子量を有する単一モノマー可変抗体ドメインからなる抗体フラグメントである。単体抗体は重鎖可変ドメインまたは軽鎖に基づき得る。単一ドメイン抗体の例は、VHHフラグメントおよびVNARフラグメントを含むが、これらに限定されない。
【0056】
「抗体フラグメント」は、インタクト抗体の一部、一般にその抗原結合または可変領域を含む。抗体フラグメントの例は、Fab、Fab’、F(ab’).sub.2およびFvフラグメント;二重特異性抗体;線形抗体;癌細胞抗原、ウイルス抗原または微生物抗原に免疫特異的に結合するFab発現ライブラリーにより産生されるフラグメント、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、上記の何れかのCDR(相補性決定領域)およびエピトープ結合フラグメント、一本鎖抗体分子;および抗体フラグメントから形成される多特異的抗体を含む。
【0057】
「インタクト抗体」は、抗原結合可変領域ならびに軽鎖定常ドメイン(CL)および重鎖定常ドメイン、CH1、CH2およびCH3を含むものである。定常ドメインは、天然配列定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列定常ドメイン)またはそのアミノ酸配列バリアントであり得る。
【0058】
ここで使用する用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均一な抗体、すなわち、集団を構成する個々の抗体が、微量で存在し得る可能性のある天然に存在する変異以外同一である集団から得られる抗体をいう。モノクローナル抗体は高度に特異的であり、単一抗原性部位に対して指向される。さらに、種々の決定基(エピトープ)に対する種々の抗体を含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、各モノクローナル抗体は抗原の単一決定基に対する。特異性に加えて、モノクローナル抗体他の抗体に汚染されずに合成され得る点で、有利である。修飾語句「モノクローナル」は、抗体の特徴が抗体の実質的に均一の集団から得られたことを示し、何らかの特定の方法による抗体の産生が必要であることは意図されない。例えば、本発明で使用するモノクローナル抗体はハイブリドーマ方法により産生されてよくまたは組み換えDNA方法により産生されてよい。「モノクローナル抗体」はファージ抗体ライブラリーから単離もされ得る。
【0059】
ここでのモノクローナル抗体は重および/または軽鎖の一部は特定の種に由来する抗体における対応する配列と同一または相同であるかまたは特定の抗体クラスまたはサブクラスに属し、一方鎖の残りは他の種に由来する抗体における対応する配列と同一または相同であるかまたは他の抗体クラスまたはサブクラスに属する「キメラ」抗体ならびに所望の生物学的活性を示す限り、そのような抗体のフラグメントを特に含む。ここで興味あるキメラ抗体は非ヒト霊長類(例えば、旧世界ザル、類人猿など)およびヒト定常領域配列由来の可変ドメイン抗原結合配列を含む「霊長類化」抗体を含む。
【0060】
モノクローナル抗体(MAb)を産生するために種々の方法が用いられている。単一タイプの抗体を産生するクローン化細胞株をいうハイブリドーマテクノロジーは、マウス(ネズミ)、ハムスター、ラットおよびヒトを含む種々の種の細胞を使用する。MAbの産生に使用する他の方法は、組み換えDNA技術を含む遺伝子操作を使用する。これらの技術により産生されたモノクローナル抗体はとりわけ、キメラ抗体およびヒト化抗体を含む。キメラ抗体は1を超えるタイプの種からのDNAコード化領域を合わせる。例えば、キメラ抗体はマウスからの可変領域およびヒトからの定常領域に由来し得る。ヒト化抗体は非ヒト部分を含んでも、主にヒトからである。キメラ抗体と同様、ヒト化抗体は完全ヒト定常領域を含み得る。しかしキメラ抗体と異なり、可変領域は一部ヒトに由来し得る。ヒト化抗体の非ヒト、合成部分はしばしばマウス抗体のCDR由来である。いずれにしても、これらの領域は、抗体が特異的抗原を認識し、結合することができるために重要である。診断および短期治療には有用であるが、マウス抗体は有害な免疫原性応答のリスクの増加なしには、ヒトに長期で投与できない。ヒト抗マウス抗体(HAMA)と称されるこの応答は、ヒト免疫系がマウス抗体を外来と認識し、それを抗原するときに起こる。HAMA応答は毒素ショックまたは死さえ引き起こし得る。
【0061】
キメラおよびヒト化抗体はHAMA応答の可能性を、投与抗体の非ヒト部分を最小化することにより低減する。さらに、キメラおよびヒト化抗体は抗体依存性細胞傷害などの二次的ヒト免疫応答を活性化するさらなる利益を有し得る。
【0062】
インタクト抗体は抗体のFc領域(天然配列Fc領域またはアミノ酸配列バリアントFc領域)に起因する生物学的活性をいう、1以上の「エフェクター機能」を有し得る。抗体エフェクター機能の例は、C1q結合;補体依存性細胞傷害;Fc受容体結合;抗体依存性細胞傷害(ADCC);食作用;細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体;BCR)の下方制御などを含む。
【0063】
重鎖の定常ドメインのアミノ酸配列により、インタクト抗体は異なる「クラス」に割り当てられ得る。IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMのインタクト抗体の5つの主要なクラスがあり、それらのいくつかは「サブクラス」(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgAおよびIgA2にさらに分割され得る。異なるクラスの抗体に対応する重鎖定常ドメインは、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマおよびミューと称される。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および三次元配置は周知である。
【0064】
用語「約」は、ここでは、おおよそ、大まかに、周辺または領域内を意味するために使用する。用語「約」が数値と共に使用されるとき、示す数値の上および下の境界を伸ばすことにより、その範囲を修飾する。一般に、用語「約」は、数値を、記載される値の、例えば、10パーセント上または下(高いまたは低い)の分散で修飾し得る
【0065】
用語「投与」、「投与する」およびその文法的異形は、本発明のEV(例えば、エクソソーム)などの組成物の、薬学的に許容される経路を介する対象への導入をいう。対象への本発明のEV(例えば、エクソソーム)などの組成物の導入は、腫瘍内、経口、肺、鼻腔内、非経腸(静脈内、動脈内、筋肉内、腹腔内または皮下)、直腸、リンパ内、髄腔内、眼球周囲または局所を含む、任意の適当な経路による。投与は、自己投与および他者による投与を含む。適当な投与経路により、組成物または薬剤が意図する機能を発揮できる。例えば、適当な経路が静脈内であれば、組成物を、組成物または薬剤を対象の静脈に導入することにより投与する。
【0066】
ここで使用する用語「抗体」は、天然であれ、一部または全体に合成により産生されたものであれ、免疫グロブリンおよびそのフラグメントを含む。本用語はまた免疫グロブリン結合ドメインと相同である結合ドメインを有するあらゆるタンパク質も包含する。「抗体」は、さらに免疫グロブリン遺伝子からのフレームワーク領域を含むポリペプチドまたは抗原と特異的に結合し、認識するそのフラグメントを含む。用語抗体の使用は完全抗体、ポリクローナル、モノクローナルおよび組み換え抗体、そのフラグメントを含むことを意味し、さらに、一本鎖抗体、ヒト化抗体、マウス抗体、キメラ、マウス-ヒト、マウス-霊長類、霊長類-ヒトモノクローナル抗体、抗イディオタイプ抗体、例えば、scFv、(scFv)2、Fab、Fab’およびF(ab’)2、F(ab1)2、Fv、dAbおよびFdフラグメントなどの抗体フラグメント、二重特異性抗体および抗体関連ポリペプチドを含む。抗体は所望の生物学的活性または機能を示す限り、二特異的抗体および多特異的抗体を含む。本発明のある態様において、生物学的活性分子は抗体またはその抗原結合フラグメントを含む分子である。
【0067】
用語「抗体-薬物コンジュゲート」および「ADC」は相互交換可能に使用し、治療剤(ここでは薬剤、薬物または活性医薬成分と称することもある)または薬剤に、例えば、共有結合で、結合した抗体をいう。本発明のある態様において、生物学的活性分子は抗体-薬物コンジュゲートである。
【0068】
ここで使用する用語「おおよそ」は、目的の1以上の値に適用されるとき、記載する参照値に類似する値をいう。ある態様において、用語「おおよそ」は、特に断らない限りまたは文脈から他のことが明らかでない限り、記載する参照値の何れかの方向(大きいまたは小さい)で10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%またはそれ未満に入る値の範囲をいう(そのような値が可能な値の100%を超えるときは例外である)。
【0069】
「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似側鎖を有するアミノ酸残基に置き換えられるものである。類似側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当分野で定義されており、塩基性側鎖(例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、ベータ分岐側鎖(例えば、スレオニン、バリン、イソロイシン)および芳香族側鎖(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。故に、ポリペプチドにおけるあるアミノ酸が同じ側鎖ファミリーの他のアミノ酸で置き換えられるとき、置換は保存的と考えられる。他の態様において、アミノ酸のストリングを、側鎖ファミリーメンバーの順番および/または組成が異なる構造的に類似するストリングで保存的に置き換え得る。
【0070】
ここで使用する用語「保存」は、比較される2以上の配列の同じ位置が変わらない、ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列のそれぞれヌクレオチドまたはアミノ酸残基をいう。比較的保存されているヌクレオチドまたはアミノ酸は、配列のどこかに現れるヌクレオチドまたはアミノ酸よりも、より関連する配列で保存されているものである。
【0071】
ある態様において、2以上の配列は、互いに100%同一であるならば、「完全に保存」または「同一」と考えられる。ある態様において、2以上の配列は、互いに少なくとも約70%同一、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一または少なくとも約95%同一であるならば、「高度に保存」と考えられる。ある態様において、2以上の配列は、互いに少なくとも約30%同一、少なくとも約40%同一、少なくとも約50%同一、少なくとも約60%同一、少なくとも約70%同一、少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一または少なくとも約95%同一であるならば、「保存」と考えられる。配列の保存は、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの全長に適用できまたはその一部、部分、領域または特性に適用できる。
【0072】
ここで使用する用語「連結」および「コンジュゲート」は相互交換可能に使用され、各々ネオデグラダーおよび結合部分を含む2以上の部分の共有または非共有結合をいう。ある態様において、連結またはコンジュゲートはリンカーを含み得る。
【0073】
用語「アミノ酸配列バリアント」は、天然配列ポリペプチドとある程度異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。通常、アミノ酸配列バリアントは、天然抗体の少なくとも1個の受容体結合ドメインまたは天然受容体の少なくとも1個のリガンド結合ドメインと少なくとも約70%配列同一性を有し、典型的に、そのような受容体またはリガンド結合ドメインと配列が少なくとも約80%、より典型的に、少なくとも約90%相同である。アミノ酸配列バリアントは、天然アミノ酸配列のアミノ酸配列内のある位置に置換、欠失および/または挿入を有する。アミノ酸は、慣用名、一文字および三文字コードで指定する。
【0074】
「配列同一性」は、最大パーセント配列同一性を達成するために、配列を整列させ、必要であれば、ギャップを導入した後、同一であるアミノ酸配列バリアントにおける残基のパーセンテージとして定義される。アラインメントのための方法およびコンピュータープログラムは当分野で周知である。一つのコンピュータープログラムは、1991年12月10日に、アメリカ合衆国著作権局(Washington, D.C. 20559)にマニュアルと共にファイルされた、Genentech, Inc.作成の「Align 2」である。
【0075】
用語「Fc受容体」または「FcR」は、抗体のFc領域に結合する受容体を記載するために使用される。FcRの例は天然配列ヒトFcRである。さらに、FcRはIgG抗体(ガンマ受容体)に結合するものであり得て、Fc.ガンマ.RI、Fc.ガンマ.RIIおよびFc.ガンマ.RIIIサブクラスの受容体を、これら受容体のアレルバリアントおよびあるいはスプライシングされた形態を含み、含む。Fc.ガンマ.RII受容体は、主にその細胞質ドメインにおいて異なる類似するアミノ酸配列を有するFc.ガンマ.RIIA(「活性化受容体」)およびFc.ガンマ.RIIB(「抑制性受容体」)を含む。活性化受容体Fc.ガンマ.RIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を含む。抑制性受容体Fc.ガンマ.RIIBは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシンベースの抑制性モチーフ(ITIM)を含む。将来同定されるものを含む他のFcRは、ここでの用語「FcR」に包含される。本用語はまた母系IgGの胎児への伝達を担う新生児受容体、FcRnも含む。
【0076】
「補体依存性細胞傷害」または「CDC」は、分子が補体存在下で標的を溶解させる能力をいう。補体活性化経路は、補体系第一成分(C1q)の、同族抗原と複合体化している分子(例えば、抗体)への結合により開始される。補体活性化を評価するために、CDCアッセイが実施され得る。
【0077】
「天然抗体」は、通常2個の同一軽(L)鎖および2個の同一重(H)鎖からなる、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。各軽鎖は1個の共有ジスルフィドにより重鎖に連結され、一方ジスルフィド結合数は異なる免疫グロブリンアイソタイプの重鎖間で変わる。各重鎖および軽鎖は、規則的間隔の鎖内ジスルフィド架橋を有する。各重鎖は、一端に可変ドメイン(VH)、続いていくつかの定常ドメインを有する。各軽鎖は、一端に可変ドメイン(VL)および他端に定常ドメインを有する。軽鎖の定常ドメインは、重鎖の第一定常ドメインと整列され、軽鎖可変ドメインは重鎖の可変ドメインと整列される。特定のアミノ酸残基は、軽鎖および重鎖可変ドメイン間に接合面を形成すると考えられる。
【0078】
用語「可変」は、可変ドメインのある部分の配列が抗体間で広範に異なり、各特定の抗体のその特定の抗原への結合および特異性に使用される事実をいう。しかしながら、可変性は、抗体の可変ドメインをとおして均一に分散されていない。軽鎖および重鎖可変ドメイン両者において超可変領域と称される3セグメントに濃縮されている。可変ドメインのより高度に保存されている部分はフレームワーク領域(FR)と称される。天然重鎖および軽鎖の可変ドメインの各々は、ベータシート構造を接続し、ある場合、その一部を形成する3個の超可変領域で接続された、主にベータシート配置を採用する4個のFRを含む。各鎖の超可変領域はFRにより近位で互いに維持され、他の鎖の超可変領域と共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。定常ドメインは直接抗体の抗原への結合に関与しないが、抗体の抗体依存性細胞傷害(ADCC)への参加などの種々のエフェクター機能を示す。
【0079】
用語「超可変領域」は、ここで使用するとき、抗原結合を担う抗体のアミノ酸残基をいう。超可変領域は、一般に「相補性決定領域」または「CDR」からのアミノ酸残基(例えば、軽鎖可変ドメインにおける残基24~34(L1)、50~56(L2)および89~97(L3)および重鎖可変ドメインにおける31~35(H1)、50~65(H2)および95~102(H3); Kabat et al supra)および/または「超可変ループ」からの残基(例えば、軽鎖可変ドメインにおける残基26~32(L1)、50~52(L2)および91~96(L3)および重鎖可変ドメインにおける26~32(H1)、53~55(H2)および96~101(H3))を含む。「フレームワーク領域」または「FR」残基は、ここに定義する超可変領域残基以外の可変ドメイン残基である。
【0080】
抗体のパパイン消化は、各々単一抗原結合部位を有する「Fab」フラグメントと称される2個の同一抗原結合フラグメントおよび名称が容易に結晶化する能力を反映する残存「Fc」フラグメントを産生する。ペプシン処理は、2個の抗原結合部位を有し、なお架橋結合抗原できるF(ab’)2フラグメントを産生する。
【0081】
「Fv」は、完全抗原認識および抗原結合部位を含む最小抗体フラグメントである。この領域は、緊密な、非共有結合的会合での1個の重鎖および1個の軽鎖可変ドメインの二量体からなる。各可変ドメインの3個の超可変領域が、VH-VL二量体表面上の抗原結合部位を定義するよう相互作用するのは、この配置においてである。まとめると、6個の超可変領域が抗体の抗原結合特異性に寄与する。しかしながら、単一可変ドメイン(または抗原に特異的な3個の超可変領域のみ含むFvの半分)でさえ、抗原を認識し、結合する能力を有するが、完全結合部位より親和性は低い。
【0082】
Fabフラグメントはまた軽鎖の定常ドメインおよび重鎖の第一定常ドメイン(CH1)も含む。Fab’フラグメントは、重鎖CH1ドメインのカルボキシ末端に、抗体ヒンジ領域からの1以上のシステインを含む数残基が付加されたことによりFabフラグメントと異なる。Fab’-SHは、ここでは定常ドメインのシステイン残基が少なくとも1個の遊離チオール基を有するFab’の命名である。F(ab’)2抗体フラグメントは、もともと、間にヒンジシステインを有する一対のFab’フラグメントとして産生された。抗体フラグメントの他の化学的カップリングも知られる。
【0083】
任意の脊椎動物種からの抗体の「軽鎖」は、定常ドメインのアミノ酸配列に基づき、カッパ(κ)およびラムダ(λ)と称される2個の明確なタイプの一つに割り当てられ得る。
【0084】
「一本鎖Fv」または「scFv」抗体フラグメントは、抗体のVHおよびVLドメインを含み、ここで、これらドメインは単一ポリペプチド鎖で存在する。Fvポリペプチドは、VHおよびVLドメインの間にポリペプチドリンカーをさらに含み得て、それはscFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能とする。
【0085】
用語「二重特異性抗体」は、2個の抗原結合部位を有する小抗体フラグメントをいい、そのフラグメントは可変軽ドメイン(VL)に接続した可変重ドメイン(VH)を同じポリペプチド鎖(VH-VL)に含む。同じ鎖の2個のドメイン間の対合を可能とするには短すぎるリンカーの使用により、ドメインは他方の鎖の相補性ドメインと対合し、2個の抗原結合部位を作ることを強いられる。
【0086】
「ヒト化」形態の非ヒト(例えば、齧歯類)抗体は非ヒト免疫グロブリン由来の最小配列を含むキメラ抗体である。ヒト化は、マウス抗原結合情報を非免疫原性ヒト抗体アクセプターに伝達する方法であり、多くの治療に有用な薬物をもたらしている。ヒト化の方法は、一般に全6個のマウス相補性決定領域(CDR)のヒト抗体フレームワークへの伝達で始まる。これらのCDR移植抗体は一般に元の抗原結合の親和性を保持せず、実際、親和性はしばしば重度に障害されている。CDR以外に、選択非ヒト抗体フレームワーク残基も、適切なCDR立体構造を維持するために組み込まれなければならない。移植CDRの配座構造を支持するために重要なマウスフレームワーク残基のヒトアクセプターへの伝達は、抗原結合および親和性を回復することが示されている。大部分、ヒト化抗体はレシピエントの超可変領域からの残基が、所望の特異性、親和性および能力を有するマウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域からの残基で置き換えられている、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ある場合、ヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基で置き換えられる。さらに、ヒト化抗体はレシピエント抗体またはドナー抗体に見られない残基を含み得る。抗体性能をさらに精緻化するために、これらの修飾がなされる。一般に、ヒト化抗体は全てまたは実質的に全ての超可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、全てまたは実質的に全てのFRがヒト免疫グロブリン配列のものである、少なくとも1個および典型的に2個の可変ドメインの実質的に全てを含む。ヒト化抗体は所望により典型的にヒト免疫グロブリンのものである免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部も含む。
【0087】
「単離」抗体は同定され、かつその天然環境の成分から分離および/または回収されているものである。その天然環境の汚染成分は、抗体の診断または治療用途を妨害する物質であり、酵素、ホルモンおよび他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含み得る。ある態様において、抗体は(1)ローリー法により決定して95重量%を超えるまたは99重量%を超える抗体の程度まで、(2)ガス相タンパク質シーケンサーの使用によりN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度までまたは(3)クマシーブルーまたは銀染色の使用により、還元または非還元条件下のSDS-PAGEで均一まで精製される。単離抗体は組み換え細胞内のインサイチュの抗体を、抗体の天然環境の少なくとも1個の成分が存在しないため、含む。通常、しかしながら、単離抗体は少なくとも1精製工程により調製される
【0088】
「癌」は、体内の異常細胞の制御されない増殖により特徴づけられる広範な種々の疾患群をいう。未成魚の細胞分裂および増殖は、近隣組織を侵襲し、リンパ系または血流を介して体の遠位部分に転移もし得る悪性腫瘍の形成をもたらす。ここで使用する「癌」は、原発、転移および再発癌をいう。
【0089】
ここで使用する用語「免疫応答」は、脊椎動物の外来因子に対する生物学的応答をいい、その応答は生物をこれらの因子およびこれらにより引き起こされる疾患から保護する。免疫応答は、侵襲病原体、病原体に感染した細胞または組織、癌性または他の異常細胞、または、自己免疫または病的炎症の場合、正常ヒト細胞または組織の選択的ターゲティング、結合、損傷、破壊および/または脊椎動物身体からの排除をもたらす、免疫系の細胞(例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好酸球、肥満細胞、樹状細胞または好中球)およびこれら細胞の何れかまたは肝臓により産生される可溶性巨大分子(抗体、サイトカインおよび補体を含む)の作用により介在される。免疫反応は、例えば、T細胞、例えば、エフェクターT細胞またはCD4+またはCD8+ T細胞などのTh細胞の活性化または阻害またはTreg細胞の阻害を含む。ここで使用する用語「T細胞」および「Tリンパ球」は、相互交換可であり、胸腺により産生または処理されるあらゆるリンパ球をいう。ある態様において、T細胞は、CD4+ T細胞である。ある態様において、T細胞は、CD8+ T細胞である。ある態様において、T細胞は、NKT細胞である。
【0090】
「対象」は、あらゆるヒトまたは非ヒト動物を含む。用語「非ヒト動物」は、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌならびにマウス、ラットおよびモルモットなどの齧歯類を含むが、これらに限定されない。ある態様において、対象はヒトである。用語「対象」および「患者」はここでは相互交換可能に使用する。
【0091】
用語「治療有効量」または「治療的有効投与量」は、所望の生物学的、治療的および/または予防的結果を提供する、薬剤(例えば、ここに開示するネオデグラダーまたはネオデグラダーコンジュゲート)の量をいう。その結果は、疾患の徴候、症状または原因の1以上の減少、改善、緩和、低減、遅延および/または軽減または生物系の何らかの他の所望の改変であり得る。固形腫瘍について、有効量は、腫瘍を縮小させるおよび/または腫瘍増殖速度を減少させる(例えば腫瘍増殖抑制まで)または他の望まない細胞増殖を予防または遅延する量を含む。ある態様において、有効量は、腫瘍進展の遅延に十分な量である。ある態様において、有効量は、腫瘍再発の予防または遅延に十分な量である。有効量を1回以上で投与し得る。有効量の組成物は、例えば、(i)癌細胞数の減少;(ii)腫瘍サイズの減少;(iii)末梢臓器への癌細胞浸潤をある程度阻害、遅延、減速し、停止できる;(iv)腫瘍転移を阻害(すなわちある程度遅延)し、停止できる;(v)腫瘍増殖の阻害;(vi)腫瘍の発生および/または再発の予防または遅延;および/または(vii)癌に付随する症状の1以上のある程度の軽減をすることができる。
【0092】
ある態様において、「治療有効量」は、癌の有意な減少または進行固形腫瘍などの癌の進行遅延(退縮)の作用が臨床的に証明されているネオデグラダーまたはネオデグラダーコンジュゲートの量である。治療剤が疾患退縮を促進する能力は、臨床治験中のヒト対象、ヒトの有効性を予測する動物モデル系またはインビトロアッセイにおける薬剤の活性のアッセイなどの、当業者に知られる多様な方法を使用して、評価できる。
【0093】
ここで使用する用語「標準治療」は、医療専門家によりあるタイプの疾患の適切な処置として認められており、医療従事者により広範に使用される処置をいう。本用語は、次の用語:「最善の方法」、「標準的な医療」および「標準的治療」の何れかと相互交換可能に使用され得る
【0094】
一例として、「抗癌剤」は対象における癌退縮を促進するまたはさらなる腫瘍増殖を予防する。ある態様において、薬物の治療有効量は、癌を排除する点まで癌退縮を促進する。
【0095】
処置に関する用語「有効」および「有効性」は、薬理学的有効性および生理学的安全性両方を含む。薬理学的有効性は、薬物が患者における癌退縮を促進する能力をいう。生理学的安全性は、薬物投与に起因する、細胞、臓器および/または生物レベルでの毒性または他の有害生理学的効果(有害効果)のレベルをいう。
【0096】
ここで使用する用語「免疫チェックポイント阻害剤」は、1以上のチェックポイントタンパク質を完全にまたは一部減少、阻害、妨害または調節する分子をいう。チェックポイントタンパク質はT細胞活性化または機能を制御する。CTLA-4およびそのリガンドCD80およびCD86;およびPD-1とそのリガンドPD-L1およびPD-L2などの多数のチェックポイントタンパク質が知られる。Pardoll, D.M., Nat Rev Cancer 12(4): 252-64 (2012)。これらのタンパク質は、T細胞応答の共刺激または阻害性相互作用を担う。免疫チェックポイントタンパク質は、自己耐容性ならびに生理学的免疫応答の期間および強度を制御および維持する。免疫チェックポイント阻害剤は抗体を含むまたは抗体に由来する。
【0097】
用語「処置する」または「処置」は、治療処置および予防または予防的手段両方をいい、ここで、目的は癌の進展または拡散などの望まない生理学的変化または障害の予防または減速(低減)である。本発明の目的で、有益または所望の臨床的結果は、検出可能であれ、検出不可能であれ、症状軽減、疾患の程度低減、疾患状態の安定化(すなわち、非悪化)、疾患進行の遅延または減速、疾患状態の改善または緩和および寛解(部分的であれ完全であれ)を含むが、これらに限定されない。「処置」はまた、処置を受けないときの余命と比較した生存延長も意味し得る。処置を必要とするものは、すでに該状態または障害を有するものならびに該状態または障害の素因があるものまたは該状態または障害を予防すべきものを含む。
【0098】
II. ネオデグラダー
本発明は、式(P1):
【化20】
のネオデグラダーを提供する。
【0099】
ある態様において、ネオデグラダーは、分解のためにタンパク質をターゲティングできるE3ユビキチンリガーゼと三成分複合体を形成する分子である。
【0100】
III. ネオデグラダーコンジュゲート
本発明は、1以上のここに開示するネオデグラダーと結合部分のコンジュゲートを提供する。これらコンジュゲートは、セレブロン(CRBN)に結合し、CRL4CRBN E3ユビキチンリガーゼにより介在される基質タンパク質の動員およびユビキチン化を促進することによりタンパク質を分解することができる。これら薬剤は「分子糊」として作用し、リガーゼとネオ基質のタンパク質相互作用を再プログラミングする疎水性パッチとして結合接合面を満たす。
【0101】
ある態様において、本発明は、式(I)
【化21】
〔式中、
aは1~10であり;
Lは
【化22】
から選択されるリンカーであり;
ここで
【化23】
は窒素原子への結合点であり;そして
【化24】
はBmへの結合点である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0102】
ある態様において、ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートは、腫瘍細胞株に対してインビトロ抗増殖性活性を有する。ある態様において、ネオデグラダーおよび結合部分を含むネオデグラダーコンジュゲートは、ネオデグラダー単独または結合部分単独より少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または少なくとも約100%高いインビトロ抗増殖性活性を有する。ある態様において、ネオデグラダーおよび結合部分を含むネオデグラダーコンジュゲートは、ネオデグラダー単独または結合部分単独より少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍高いインビトロ抗増殖性活性を有する。
【0103】
ある態様において、ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートは、BT-474乳癌細胞株に対するインビトロ抗増殖性活性、例えば、ネオデグラダー単独または結合部分単独と比較して高いBT-474乳癌細胞株に対する抗増殖性活性を有する。ある態様において、ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートは、SK-BR-3乳癌細胞株に対するインビトロ抗増殖性活性、例えば、ネオデグラダー単独または結合部分単独と比較して高いSK-BR-3乳癌細胞株に対する抗増殖性活性を有する。ある態様において、ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートは、NCI-N87胃癌細胞株に対するインビトロ抗増殖性活性、例えば、ネオデグラダー単独または結合部分単独と比較して高いNCI-N87胃癌細胞株に対する抗増殖性活性を有する。ある態様において、ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートは、ダウディリンパ腫細胞株に対するインビトロ抗増殖性活性、例えば、ネオデグラダー単独または結合部分単独と比較して高いダウディリンパ腫細胞株に対する抗増殖性活性を有する。ある態様において、ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートは、HL-60急性骨髄性白血病細胞株に対するインビトロ抗増殖性活性、例えば、ネオデグラダー単独または結合部分単独と比較して高いHL-60急性骨髄性白血病細胞株に対する抗増殖性活性を有する。ある態様において、ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートは、ラモス非ホジキンリンパ腫細胞株、に対するインビトロ抗増殖性活性、例えば、ネオデグラダー単独または結合部分単独と比較して高いラモス非ホジキンリンパ腫細胞株に対する抗増殖性活性を有する。ある態様において、ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートは、MV411 AML細胞株に対するインビトロ抗増殖性活性、例えば、ネオデグラダー単独または結合部分単独と比較して高いMV411 AML細胞株に対する抗増殖性活性を有する。ある態様において、ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートは、ヒト血清存在下で、抗増殖性活性を維持できる。ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートを癌の処置に使用できる。
【0104】
ある態様において、抗体ネオデグラダーコンジュゲート(AnDC)は、1以上のここに開示するネオデグラダーとここに開示する抗体またはその抗原結合部分のコンジュゲートである。
【0105】
III.A. リンカー
本発明のネオデグラダーは、リンカーを介して結合部分に連結される。ここで使用する用語「リンカー」は、結合部分(Bm)をネオデグラダーP1に接続できるあらゆる化学部分をいう。
【0106】
ある態様において、リンカーは、ヘテロ二官能性基を含み得る。本発明において、用語「ヘテロ二官能性基」は、それが一部であるリンカーを結合部分に連結する化学部分をいう。ヘテロ二官能性基は、化学部分の何れかの端に異なる反応性基を有するとして特徴づけられる。「Bm」への結合は、化学または酵素コンジュゲーションまたは両者の組み合わせを介して達成され得る。化学コンジュゲーションは、結合部分の表面上のアクセス可能なアミノ酸残基と、ヘテロ二官能性基の反応ハンドルの制御された反応を含む。化学コンジュゲーションの例は、リシンアミドカップリング、システインカップリングおよび遺伝子操作により組み込まれた非天然アミノ酸を介するカップリング(ここで、所望の反応ハンドルを有する非天然アミノ酸が「Bm」上に挿入される)を含むが、これらに限定されない。酵素コンジュゲーションにおいて、酵素は、リンカーと結合部分上のアクセス可能なアミノ残基のカップリングに介在する。酵素コンジュゲーションの例は、ソルターゼを使用するペプチド転移、微生物トランスグルタミナーゼを使用するペプチド転移およびN-グリカン工学を含むが、これらに限定されない。化学コンジュゲーションおよび酵素コンジュゲーションを連続的に使用もできる。例えば、酵素コンジュゲーションを、その後の化学コンジュゲーションで使用する独特の反応ハンドルを「Bm」上に導入するためにも使用できる。
【0107】
ある態様において、ヘテロ二官能性基は
【化25】
〔式中、
【化26】
はリンカーの残存部分への結合点であり;そして
【化27】
はBmへの結合点である。〕
である。
【0108】
ある態様において、Lはベータ-グルクロニダーゼ開裂可能リンカーである。ある態様において、Lは
【化28】
〔式中、
【化29】
はネオデグラダーP1への結合点であり;そして
【化30】
は結合部分への結合点である。〕
から選択されるベータ-グルクロニダーゼ開裂可能リンカーである。
【0109】
III.B. 結合部分
本発明は、結合部分にコンジュゲートしたネオデグラダーを提供する。ここで使用する用語「結合部分」は、細胞表面マーカーまたは受容体を認識および結合する、あらゆる分子をいう。ある態様において、結合部分はポリペプチド部分に限定されず、タンパク質に結合する。結合部分は特異的細胞、組織または場所へのネオデグラダーのターゲティングに加えて、標的細胞または経路に対する抗増殖性(細胞増殖抑制および/または細胞毒性)活性などのある治療効果も有し得る。ある態様において、結合部分はカルボン酸、アミン、チオールまたは化学反応性アミノ酸部分または側鎖などの少なくとも1個の化学反応性基を含み得るかまたは含むように操作され得る。ある態様において、結合部分はある標的細胞集団の胞表面受容体または抗原などの細胞表面分子と結合または複合体化するターゲティング部分を含み得る。受容体との特異的結合または複合体化後、細胞はターゲティング部分またはネオデグラダーコンジュゲートの取り込みが可能であり、次いで、細胞に内在化される。
【0110】
ある態様において、基「Bm」は、細胞表面分子に特異的に結合できる部分であり得る。ある態様において、基「Bm」は、細胞表面受容体または抗原に結合するペプチドまたはタンパク質であり得る。
【0111】
ある態様において、基「Bm」は抗体、抗体フラグメントまたは抗原結合フラグメントであり得る。抗体は特異的抗原を認識し、結合できる免疫系により産生されるタンパク質である。標的抗原は一般に、複数抗体上のCDRにより認識される、エピトープとも称される多数の結合部位を有する。異なるエピトープに特異的に結合する各抗体は異なる構造を有する。故に、ある抗原は1を超える対応する抗体を有し得る。ここでの用語「抗体」は、最も広い意味で使用し、具体的に、所望の生物学的活性を示す限り、モノクローナル抗体、単一ドメイン抗体、ポリクローナル抗体、多特異的抗体(例えば、二特異的抗体)および抗体フラグメントを含む。抗体はマウス、ヒト、ヒト化、キメラまたは他の種由来であり得る。
【0112】
ネオデグラダーにコンジュゲートされ得るモノクローナル抗体は特定の抗原性決定基(例えば、癌細胞抗原、ウイルス抗原、微生物抗原、タンパク質、ペプチド、炭水化物、化学物質、核酸またはそのフラグメント)に対する抗体の均一集団である。目的の抗原に対するモノクローナル抗体(mAb)は、培養中の連続細胞株による抗体分子の産生を提供する、当分野で知られる任意の技術を使用して産生できる。これらは、ハイブリドーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術およびEBV-ハイブリドーマ技術を含むが、これらに限定されない。このような抗体はIgG、IgM、IgE、IgAおよびIgDを含む任意の免疫グロブリンクラスおよびその任意のサブクラスであり得る。本発明で使用するmAbを産生するハイブリドーマは、インビトロまたはインビボで培養され得る。
【0113】
有用なモノクローナル抗体はヒトモノクローナル抗体、ヒト化モノクローナル抗体、抗体フラグメントまたはキメラヒト-マウス(または他の種)モノクローナル抗体を含むが、これらに限定されない。ヒトモノクローナル抗体は当分野で知られる多数の技術の何れかにより製造され得る。
【0114】
抗体は二特異的抗体でもよい。二特異的抗体を製造する方法は、当分野で知られる。完全長二特異的抗体の伝統的製造は、2個の免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の同時発現に基づき、ここで、2個の鎖は異なる特異性を有する。免疫グロブリン重鎖および軽鎖の無作為な詰め合わせため、これらハイブリドーマ(クアドローマ)は、10種の異なる抗体分子の混合物を作成する可能性があり、そのうち1個だけ正しい二特異的構造を有する。通常親和性クロマトグラフィー工程を使用して実施される正しい分子の精製は、むしろ厄介であり、産物収率は低い。
【0115】
異なるアプローチにより、所望の結合特異性(抗体-抗原結合部位)を有する抗体可変ドメインを、免疫グロブリン定常ドメイン配列に融合させる。融合は、ヒンジ、C.sub.H2およびC.sub.H3領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖定常ドメインとであり得る。第一重鎖定常領域(C.sub.H1)は、融合体の少なくとも1個に存在する、軽鎖結合に必要な部位を含み得る。免疫グロブリン重鎖融合体および、所望であれば、免疫グロブリン軽鎖をコードする配列を有する核酸を、別々の発現ベクターに挿入し、適当な宿主生物共トランスフェクトする。最適な収率を得るために構築において3ポリペプチド鎖を等しくない比率で使用するときの態様において、3ポリペプチドフラグメントの相互の割合の調節に大きな柔軟性をもたらす。しかしながら、少なくとも2個のポリペプチド鎖の等しい比率での発現が高収率をもたらすまたは比率が特に重要ではないとき、1個の発現ベクターに2個または全3個のポリペプチド鎖のコード配列を挿入することが可能である。
【0116】
二特異的抗体は1個のアームに第一結合特異性を有するハイブリッド免疫グロブリン重鎖および他方のアームにハイブリッド免疫グロブリン重鎖-軽鎖対(第二結合特異性を提供)を有し得る。この非対称構造は、二特異的分子の半分のみへの免疫グロブリン軽鎖の存在が、分離方法を容易にするため、望まない免疫グロブリン鎖組み合わせからの所望の二特異的化合物の分離を促進する。このような技術を使用して、二特異的抗体を、ここに定義する疾患の処置または予防におけるネオデグラダーへのコンジュゲーションのために調製し得る。
【0117】
ハイブリッドまたは二機能性抗体は生物学的、すなわち、細胞融合技術または化学的に特に橋剤またはジスルフィド架橋形成剤を用いて導かれ得て、抗体全体またはそのフラグメントを含み得る。
【0118】
抗体は癌細胞抗原、ウイルス抗原または微生物抗原に免疫特異的に結合する抗体または腫瘍細胞またはマトリクスに結合する他の抗体の機能活性フラグメント、誘導体またはアナログであり得る。これに関して、「機能活性」は、フラグメント、誘導体またはアナログが、フラグメント、誘導体またはアナログが由来する抗体が認識するのと同じ抗原を認識する抗抗イディオタイプ抗体を惹起できることを意味する。具体的に、例示的態様において、免疫グロブリン分子のイディオタイプの抗原性は、抗原を特異的に認識するCDR配列に対してC末端のフレームワークおよびCDR配列の欠失により増強され得る。どのCDR配列が抗原に結合するかを決定するために、CDR配列を含む合成ペプチドを、当分野で知られる任意の結合アッセイ法により、抗原との結合アッセイに用い得る。
【0119】
他の有用な抗体は可変領域、軽鎖定常領域および重鎖のCH1ドメインを含み、抗体分子のペプシン消化により産生され得るF(ab’)2フラグメントおよびF(ab’)2フラグメントのジスルフィド架橋の還元により産生されるFabフラグメントなどの、しかしこれらに限定されない抗体のフラグメントを含む。他の有用な抗体は抗体の重鎖および軽鎖二量体またはFvなどのその最小フラグメントまたは単一鎖抗体(SCA)または抗体と同じ特異性を有する任意の他の分子である。
【0120】
さらに、標準的組み換えDNA技術を使用して製造できるヒトおよび非ヒト部分両方を含むキメラおよびヒト化モノクローナル抗体などの組み換え抗体は有用な抗体である。キメラ抗体はマウスモノクローナル由来の可変領域およびヒト免疫グロブリン定常領域を有するものなどの、異なる部分が異なる動物種由来である分子である。ヒト化抗体は非ヒト種からの1以上の相補性決定領域(CDR)およびヒト免疫グロブリン分子からのフレームワーク領域を有する非ヒト種からの抗体分子である。このようなキメラおよびヒト化モノクローナル抗体は当分野で知られる組み換えDNA技術により産生され得る。
【0121】
完全ヒト抗体は内因性免疫グロブリン重鎖および軽鎖遺伝子を発現できないが、ヒト重鎖および軽鎖遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを使用して、産生できる。トランスジェニックマウスは、選択抗原、例えば、本発明のポリペプチド全部または一部で通常の方法で免疫化する。抗原に対するモノクローナル抗体を、慣用のハイブリドーマテクノロジーを使用して得ることができる。トランスジェニックマウスが担持するヒト免疫グロブリン導入遺伝子はB細胞分化中再配置され、その後クラススイッチングおよび体細胞変異を受ける。故に、このような技術を使用して、治療に有用なIgG、IgA、IgMおよびIgE抗体を産生することが可能である。ヒト抗体を産生するこのテクノロジーの概要について、Lonberg and Huszar(1995, Int. Rev. Immunol. 13: 65-93)を参照のこと。他のヒト抗体は例えば、Abgenix, Inc.(Freemont, Calif.)およびGenpharm(San Jose, Calif.)から商業的に得ることができる。
【0122】
選択エピトープを認識する完全ヒト抗体を、「ガイデッド・セレクション」と称される技術を使用して、産生できる。このアプローチにおいて、選択非ヒトモノクローナル抗体、例えば、マウス抗体を、同じエピトープを認識する完全ヒト抗体の選択のガイドとして使用する。ヒト抗体はまたファージディスプレイライブラリーを含む、当分野で知られる種々の技術を使用しても産生され得る。
【0123】
抗体は例えば、抗体が、抗体ではない他のタンパク質のアミノ酸配列(またはタンパク質の少なくとも10、20または50アミノ酸部分などのその一部)にN末端またはC末端で共有結合(例えば、ペプチド結合)により融合した、抗体またはその機能活性フラグメントの融合タンパク質であり得る。抗体またはそのフラグメントは、定常ドメインのN末端で他のタンパク質に共有結合し得る。
【0124】
抗体は修飾、すなわち、何らかのタイプの分子が共有結合している、アナログおよび誘導体を、そのような共有結合が抗体がその抗原結合免疫特異性を保持することを許容とする限り、含む。例として、しかし、限定するものではないが、抗体の誘導体およびアナログは、例えば、グルコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、既知保護/遮断基による誘導体化、タンパク質分解開裂、細胞性抗体単位への結合または他のタンパク質などにより、さらに修飾されているものを含む。特異的化学開裂、アセチル化、ホルミル化、ツニカマイシン存在下の代謝合成などを含むが、これらに限定されない既知技術により、多数の化学修飾の何れかを実施し得る。さらに、アナログまたは誘導体は、1以上の非天然アミノ酸を含み得る。
【0125】
ネオデグラダーコンジュゲートにおける抗体は、Fc受容体と相互作用するアミノ酸残基に修飾(例えば、置換、欠失または付加)有する抗体を含み得る。特に、抗体は抗FcドメインとFcRn受容体の間の相互作用に関与するとして同定されているアミノ酸残基に修飾を有する抗体を含む。癌細胞抗原に免疫特異的な抗体は例えば、Genentech(San Francisco, Calif.)から商業的に得ることができまたは例えば、化学合成または組み換え発現技術などの当業者に知られる任意の方法で産生できる。癌細胞抗原に免疫特異的な抗体をコードするヌクレオチド配列は、例えば、GenBankデータベースまたは類似のデータベース、刊行物からまたは日常的クローニングおよびシーケンシングにより得ることができる。
【0126】
ある態様において、ネオデグラダーコンジュゲートの抗体はモノクローナル抗体、例えばマウスモノクローナル抗体、キメラ抗体またはヒト化抗体であり得る。ある態様において、抗体は抗体フラグメント、例えばFabフラグメントであり得る。
【0127】
癌の処置または予防について知られる抗体を、ここに記載するネオデグラダーにコンジュゲートし得る。癌細胞抗原に免疫特異的な抗体は商業的に得るかまたは、例えば、組み換え発現技術などの当業者に知られる任意の方法により産生することができる。癌細胞抗原に免疫特異的な抗体をコードするヌクレオチド配列は、例えば、GenBankデータベースまたは類似のデータベース、刊行物からまたは日常的クローニングおよびシーケンシングにより得ることができる。癌の処置に利用可能な抗体の例は、転移乳癌患者の処置のためのヒト化抗HER2モノクローナル抗体ハーセプチン(登録商標)(トラスツズマブ);非ホジキンリンパ腫患者の処置のためのキメラ抗CD20モノクローナル抗体であるリツキサン(登録商標)(リツキシマブ; Genentech);卵巣癌の処置のためのマウス抗体であるOvaRex(オレゴボマブ; AltaRex Corporation, MA);結腸直腸癌処置のためのマウスIgG2a抗体であるPanorex(エドレコロマブ、Glaxo Wellcome, NC);頭頸部癌などの上皮細胞増殖因子陽性癌処置のための抗EGFR IgGキメラ抗体であるセツキシマブ アービタックス(セツキシマブ、Imclone Systems Inc., NY);肉腫処置のためのヒト化抗体であるVitaxin(エタラシズマブ、MedImmune, Inc., MD);慢性リンパ球性白血病(CLL)処置のためのヒト化IgG1抗体であるキャンパスI/H(アレムツズマブ、Leukosite, MA);急性骨髄性白血病(AML)処置のためのヒト化抗CD33 IgG抗体であるSmart MI95(Protein Design Labs, Inc., CA);非ホジキンリンパ腫処置のためのヒト化抗CD22 IgG抗体であるLymphoCide(エピラツズマブ、Immunomedics, Inc., NJ);非ホジキンリンパ腫処置のためのヒト化抗HLA-DR抗体であるSmart ID10(Protein Design Labs, Inc., CA);非ホジキンリンパ腫処置のための放射標識マウス抗HLA-Dr10抗体であるOncolym(Techniclone, Inc., CA);ホジキン疾患または非ホジキンリンパ腫処置のためのヒト化抗CD2 mAbであるAllomune(BioTransplant, CA);肺および結腸直腸癌処置のための抗VEGFヒト化抗体であるアバスチン(ベバシズマブ、Genentech, Inc., CA);非ホジキンリンパ腫処置のための抗CD22抗体であるエプラツズマブ(Immunomedics, Inc., NJおよびAmgen, CA);および結腸直腸癌処置用ヒト化抗CEA抗体であるCEAcide(Immunomedics, NJ)を含むが、これらに限定されない。
【0128】
ネオデグラダーコンジュゲートに有用な他の抗体はトラスツズマブ、ゲムツズマブ、ペルツズマブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、ダラツムマブ、STI-6129、リンツズマブ、huMy9-6、ベランタマブ、インダツキシマブ、ジヌツキシマブ、抗CD38A2抗体、HuAT13/5 H3s抗体、イブリツモマブ、トシツモマブ、パニツムマブ、トレメリムマブ、チシリムマブ、カツマキソマブおよびベルツズマブを含むが、これらに限定されない。ある態様において、抗体はリツキシマブ、トラスツズマブ、ペルツズマブ、huMy9-6-IgG4-S228P、リンツズマブおよびゲムツズマブからなる群から選択される。
【0129】
ネオデグラダーコンジュゲートに有用な他の抗体は次の抗原:CA125(卵巣)、CA15-3(癌腫)、CA19-9(癌腫)、L6(癌腫)、ルイスY(癌腫)、ルイスX(癌腫)、アルファフェトプロテイン(癌腫)、CA 242(結腸直腸)、胎盤アルカリホスファターゼ(癌腫)、前立腺特異的抗原(前立腺)、前立腺酸ホスファターゼ(前立腺)、上皮細胞増殖因子(癌腫)、MAGE-1(癌腫)、MAGE-2(癌腫)、MAGE-3(癌腫)、MAGE-4(癌腫)、抗トランスフェリン受容体(癌腫)、p97(黒色腫)、MUC1-KLH(乳癌)、CEA(結腸直腸)、gp100(黒色腫)、MART1(黒色腫)、PSA(前立腺)、IL-2受容体(T細胞白血病およびリンパ腫)、CD20(非ホジキンリンパ腫)、CD52(白血病)、CD33(白血病)、CD22(リンパ腫)、ヒト絨毛膜ゴナドトロピン(癌腫)、CD38(多発性骨髄腫)、CD40(リンパ腫)、ムチン(癌腫)、P21(癌腫)、MPG(黒色腫)およびNeu癌遺伝子産物(癌腫)に対する抗体を含むが、これらに限定されない。ある特定の、有用な抗体はBR96 mAb(Trail, P. A., et al Science(1993) 261, 212-215)、BR64(Trail, P A, et al Cancer Research(1997) 57, 100-105)、CD40抗原に対するmAb、例えばS2C6 mAb(Francisco, J. A., et al Cancer Res. (2000) 60: 3225-3231)、CD70抗原に対するmAb、例えば1F6 mAbおよびCD30抗原に対するmAb、例えばAC10を含むが、これらに限定されない。腫瘍関連抗原に結合する多くの他の内在化抗体を使用でき、レビューされている。
【0130】
本コンジュゲートが結合できる他の抗原は5T4、ACE、ADRB3、AKAP-4、ALK、アンドロゲン受容体、AOC3、APP、アキシン1、AXL、B7H3、B7-H4、BCL2、BCMA、bcr-abl、BORIS、BST2、C242、C4.4a、CA125、CA6、CA9、CAIX、CCL11、CCR5、CD123、CD133、CD138、CD142、CD15、CD15-3、CD171、CD179a、CD18、CD19、CD19-9、CD2、CD20、CD22、CD23、CD24、CD25、CD27L、CD28、CD3、CD30、CD31、CD300LF、CD33、CD352、CD37、CD38、CD4、CD40、CD41、CD44、CD44v6、CD5、CD51、CD52、CD54、CD56、CD62E、CD62P、CD62L、CD70、CD71、CD72、CD74、CD79a、CD79b、CD80、CD90、CD97、CD125、CD138、CD141、CD147、CD152、CD154、CD326、CEA、CEACAM5、CFTR、クランピング因子、cKit、クローディン3、クローディン18.2、CLDN6、CLEC12A、CLL-1、cll3、c-MET、Criptoタンパク質、CS1、CTLA-4、CXCR2、CXORF61、サイクリンBl、CYP1B1、カドヘリン3、カドヘリン6、DLL3、E7、EDNRB、EFNA4、EGFR、EGFRvIII、ELF2M、EMR2、ENPP3、EPCAM、EphA2、エフリンA4、エフリンB2、EPHB4、ERBB2(Her2/neu)、ErbB3、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、ETBR、ETV6-AML、FAP、FCAR、FCRL5、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FLT3、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、FOLR1、Fos関連抗原1、フコシルGM1、GCC、GD2、GD3、GloboH、GM3、GPC1、GPC2、GPC3、gplOO、GPNMB、GPR20、GPRC5D、GUCY2C、HAVCR1、HER2、HER3、HGF、HMI.24、HMWMAA、HPV E6、hTERT、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、ICAM、ICOS-L、IFN-α、IFN-γ、IGF-I受容体、IGLL1、IL-2受容体(IL-2Rα(すなわち、CD25)、IL-2Rβ(すなわち、CD122)、IL-2Rγ(すなわち、CD132))、IL-4受容体(IL-4R、IL-2Rγ/IL-13Rα1)、IL-13受容体(IL-13Rα1、IL-13Rα2、IL-4R) IL-1受容体(IL-l lRa)、IL-12受容体(IL-12Rβ1、IL-12Rβ2)、IL-23受容体(IL-12Rβ1、IL-23R)、IL-22受容体(IL-22Rα1、IL-22Rα2、IL-10Rβ)、IL-5受容体(IL-5Rα、CSF2RB)、IL-6受容体(IL-6Rα、gp130)、インターフェロン受容体、インテグリン(α4、αvβ3、αvβ5、αvβ6、α1β4、α4β1、α4β7、α5β1、α6β4、αIIbβ3インテグリンを含む)、インテグリンアルファV、腸カルボキシルエステラーゼ、KIT、LAGE-la、LAIR1、LAMP-1、LCK、レグマイン、ルイスY、LFA-1(CD11a)、L-セレクチン(CD62L)、LILRA2、LIV-1、LMP2、LRRC15、LY6E、LY6K、LY75、MAD-CT-1、MAD-CT-2、MAGE Al、メランA/MARTl、メソテリン、ML-IAP、MSLN、ムチン、MUC1、MUC16、mut hsp70-2、MYCN、ミオスタチン、NA17、NaPi2b、NCA-90、NCAM、ネクチン-4、NGF、NOTCH1、NOTCH2、NOTCH3、NOTCH4、NY-BR-1、NY-ESO-1、o-アセチル-GD2、OR51E2、OY-TES1、p53、p53変異体、PANX3、PAP、PAX3、PAX5、p-CAD、PCTA-1/Gaレクチン8、PD-L1、PD-L2、PDGFR、PDGFR-ベータ、ホスファチジルセリン、PIK3CA、PLAC1、ポリシアル酸、プロスターゼ、前立腺癌腫細胞、プロステイン、緑膿菌、狂犬病、サバイビンおよびテロメラーゼ、PRSS21、PSCA、PSMA、PTK7、RAGE-1、RANKL、Ras変異体、呼吸器多核体ウイルス、Rh因子、RhoC、RON、ROR1、ROR2、RU1、RU2、肉腫転座ブレークポイント、SART3、SLAMF7、SLC44A4、sLe、SLITRK6、精子タンパク質17、スフィンゴシン-1-リン酸、SSEA-4、SSX2、STEAP1、TAG72、TARP、TCRβ、TEM1/CD248、TEM7R、テネイシンC、TF、TGF-1、TGF-β2、TNF-α、TGS5、Tie2、TIM-1、Tn Ag、TRAC、TRAIL-R1、TRAIL-R2、TROP-2、TRP-2、TRPV1、TSHR、腫瘍抗原CTAA16.88、チロシナーゼ、UPK2、VEGF、VEGFR1、VEGFR2、ビメンチン、WTlおよび/またはXAGE1を含むが、これらに限定されない。
【0131】
CD40、OX40L、エンドグリン、DEC-205、4-1BBL、CD36、CD36、CD204、MARCO、DC-SIGN、CLEC9A、CLEC5A、デクチン2、CLEC10A、CD206、CD64、CD32A、CD1A、HVEM、CD32B、PD-L1、BDCA-2、XCR-1およびCCR2などの抗原提示細胞と関連する抗原に結合する抗体も、ネオデグラダーとコンジュゲートされ得る。
【0132】
ネオデグラダーコンジュゲートの抗体は活性化リンパ球に発現される受容体または受容体複合体両方に結合できる。受容体または受容体複合体は、免疫グロブリン遺伝子スーパーファミリーメンバー、TNF受容体スーパーファミリーメンバー、インテグリン、サイトカイン受容体、ケモカイン受容体、主要組織適合性タンパク質、レクチンまたは補体制御タンパク質を含み得る。適当な免疫グロブリンスーパーファミリーメンバーの非限定的例は、CD2、CD3、CD4、CD8、CD19、CD22、CD28、CD79、CD90、CD152/CTLA-4、PD-1およびICOSである。適当なTNF受容体スーパーファミリーメンバーの非限定的例は、CD27、CD40、CD95/Fas、CD134/OX40、CD137/4-1BB、TNF-R1、TNFR-2、RANK、TACI、BCMA、オステオプロテゲリン、Apo2/TRAIL-R1、TRAIL-R2、TRAIL-R3、TRAIL-R4およびAPO-3である。適当なインテグリンの非限定的例は、CD11a、CD11b、CD11c、CD18、CD29、CD41、CD49a、CD49b、CD49c、CD49d、CD49e、CD49f、CD103およびCD104である。適当なレクチンの非限定的例は、C型、S型およびI型レクチンである。
【0133】
ある態様において、本発明に有用であり得る抗体は3F8、8H9、アバゴボマブ、アブシキシマブ(レオプロ(登録商標))、アビツズマブ、アブレゼキマブ、アブリルマブ、アクトクスマブ、アダリムマブ(ヒュミラ(登録商標))、アデカツムマブ、アデュカヌマブ、アファセビクマブ、アフェリモマブ、アフツズマブ、アラシズマブ、ALD518、アレムツズマブ(キャンパス(登録商標))、アリロクマブ(プラルエント(登録商標))、アルツモマブ、アマツキシマブ、アナツモマブ、アンデカリキシマブ、アネツマブ、アニフロルマブ、アンルキヌズマブ、アポリズマブ、アプルツマブ、アルシツモマブ(CEA-SCAN(登録商標))、アスクリンバクマブ、アセリズマブ、アチドルトクスマブ、アトリズマブ(トシリズマブ、アクテムラ(登録商標)、ロアクテムラ(登録商標))、アテゾリズマブ(テセントリク(登録商標))、アチヌマブ、アトロリムマブ、アベルマブ(バベンチオ)、アジンツキシズマブ、ベランタマブ、バピネウズマブ、バシリキシマブ(シムレクト(登録商標))、バビツキシマブ、BCD-100、ベクツモマブ(LYMPHOSCAN(登録商標))、ベゲロマブ、ベランタマブ、ベリムマブ(ベンリスタ(登録商標))、ベマリツズマブ、ベンラリズマブ(ファセンラ(登録商標))、ベルメキマブ、ベルサンリマブ、ベルチリムマブ、ベシルソマブ(SCINITIMUN(登録商標))、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、ベズロトクスマブ(ジーンプラバ(登録商標))、ビシロマブ(FIBRISCINT(登録商標))、ビマグルマブ、ビメキズマブ、ビルタミマブ、ビバツズマブ、ブレセルマブ、ブリナツモマブ、ブロンツベトマブ、ブロソズマブ、ボコシズマブ、ブラジクマブ、ブレンツキシマブ、ブリアキヌマブ、ブロダルマブ(SiliqTM)、ブロルシズマブ(ベオビュ(登録商標))、ブロンチクツズマブ、ブロスマブ(クリースビータ(登録商標))、カビラリズマブ、カプラシズマブ(カブリビ(登録商標))、カミダンルマブ、カムレリズマブ、カナキヌマブ(イラリス(登録商標))、カンツズマブ、カプロマブ、カルルマブ、カロツキシマブ、カツマキソマブ(REMOVAB(登録商標))、cBR96、CC49、セデリズマブ、セミプリマブ(リブタヨ(登録商標))、セルグツズマブ、セトレリマブ、セルトリズマブ、セツキシマブ(アービタックス(登録商標))、シビサタマブ、シルムツズマブ、シタツズマブ、シタツズマブ、クラザキズマブ、クレノリキシマブ、クリバツズマブ、コドリツズマブ、コフェツズマブ、コルツキシマブ、コナツムマブ、コンシズマブ、コスフロビキシマブ、CR6261、クレネズマブ、クリザンリズマブ(アダクヴィオ(登録商標))、クロテデュマブ、クサツズマブ、ダセツズマブ、ダクリズマブ(Zinbryta(登録商標))、ダロツズマブ、ダピロリズマブ、ダラツムマブ(ダラザレックス(登録商標))、デクトレクマブ、デムシズマブ、デニンツズマブ、デノスマブ(プラリア(登録商標))、デパツキシズマブ、デルロツキシマブ、デツモマブ、デザミズマブ、ジヌツキシマブ(ユニツキシン(登録商標))、ジリダブマブ、ドマグロズマブ、ドスタルリマブ、ドルリモマブ、ドルリキシズマブ、ドロジツマブ、DS-8201、ドゥリゴツズマブ、デュピルマブ(デュピクセント(登録商標))、デュルバルマブ(イミフィンジ(登録商標))、ドゥシギツマブ、エクロメキシマブ、エクリズマブ(ソリリス(登録商標))、エドバコマブ、エドレコロマブ(PANOREX(登録商標))、エファリズマブ(ラプティバ(登録商標))、エフングマブ(MYCOGRAB(登録商標))、エルデルマブ、エレザヌマブ、エルゲムツマブ、エロツズマブ(エムプリシティ(登録商標))、エルシリモマブ、エマツズマブ エマパルマブ(Gamifant(登録商標))、エミベツズマブ、エミシズマブ(ヘムライブラ(登録商標))、エナポタマブ、エナバツズマブ、エンホルツマブ(パドセブ(登録商標))、エンリモマブ、エノブリツズマブ、エノキズマブ、エノチクマブ、エンシツキシマブ、エピツモマブ、エプティネズマブ(ブイエプティ(登録商標))、エピラツズマブ、エレヌマブ(アイモビーグ(登録商標))、エルリズマブ、エルツマキソマブ(REXOMUN(登録商標))、エタラシズマブ(ABEGRIN(登録商標))、エチギリマブ、エトロリズマブ、エビナクマブ、エボロクマブ(レパーサ(登録商標))、エキシビビルマブ、ファノレソマブ(NEUTROSPEC(登録商標))、ファラリモマブ、ファリシマブ、ファルレツズマブ、ファシヌマブ、FBTA05、フェルビズマブ、フェザキヌマブ、フィバツズマブ、フィクラツズマブ、フィギツムマブ、フィリブマブ、フランボツマブ、フレチクマブ、フロテツズマブ、フォントリズマブ(HuZAF(登録商標))、フォラルマブ、フォラビルマブ、フレマネズマブ(アジョビ(登録商標))、フレソリムマブ、フロボキマブ、フルネベトマブ、フルラヌマブ、フツキシマブ、ガルカネズマブ(エムガルティ(登録商標))、ガリキシマブ、ガンコタマブ、ガニツマブ、ガンテネルマブ、ガビリモマブ、ゲジブマブ、ゲムツズマブ、ゲボキズマブ、ギルベトマブ、ジムシルマブ、ジレンツキシマブ、グレムバツムマブ、ゴリムマブ(シンポニー(登録商標))、ゴミリキシマブ、グセルクマブ(トレムフィア(登録商標))、huMy9-6、huMY9-6-IgG4-S228P、イアナルマブ、イバリズマブ(Trogarzo(登録商標))、IBI308、イブリツモマブ、イクルクマブ、イダルシズマブ(プリズバインド(登録商標))、イファボツズマブ、イゴボマブ(INDIMACIS-125)、イラダツズマブ、IMAB362、イマルマブ、イマプレリマブ、イミシロマブ(MYOSCINT(登録商標))、イムガツズマブ、インクラクマブ、インダツキシマブ、インデュサツマブ、イネビリズマブ、インフリキシマブ(レミケード(登録商標))、インテツムマブ、イノリモマブ、イノツズマブ、iomab-B、イピリムマブ、イラツムマブ、イサツキシマブ(サークリサ(登録商標))、イスカリマブ、イスチラツマブ、イトリズマブ、イキセキズマブ(トルツ(登録商標))、ケリキシマブ、ラベツズマブ(CEA-CIDETM)、ラクノツズマブ、ラジラツズマブ、ラムパリズマブ、ラナデルマブ(タクザイロ(登録商標))、ランドグロズマブ、ラプリツキシマブ、ラルカビキシマブ、レブリキズマブ、レマレソマブ、レンダリズマブ、レンベルビマブ、レンジルマブ、レルデリムマブ、レロンリマブ、レソファブマブ、レトリズマブ、レキサツムマブ、リビビルマブ、リファスツズマブ、リゲリズマブ、リロトマブ、リンツズマブ、リリルマブ、ロデルシズマブ、ロキベトマブ、ロンカスツキシマブ、ロルボツズマブ、ロサツキシズマブ、ルカツムマブ、ルリズマブ、ルミリキシマブ、ルムレツズマブ、ルパルツマブ、ルチキズマブ、マパツムマブ、マルゲツキシマブ、マルスタシマブ、マスリモマブ、マツズマブ、マブリリムマブ、メポリズマブ(ヌーカラ(登録商標))、メテリムマブ、ミラツズマブ、ミンレツモマブ、ミリキズマブ、ミルベツキシマブ、ミツモマブ、モドツキシマブ、モナリズマブ、モガムリズマブ(ポテリジオ(登録商標))、モロリムマブ、モスネツズマブ、モタビズマブ(NUMAX(登録商標))、モキセツモマブ(Lumoxiti(登録商標))、ムロモナブ-CD3(ORTHOCLONE OKT3(登録商標))、ナコロマブ、ナミルマブ、ナプツモマブ、ナラツキシマブ、ナルナツマブ、ナタリズマブ(タイサブリ(登録商標))、ナビシキシズマブ、ナビブマブ、ナキシタマブ、ネバクマブ、ネシツムマブ(ポートラーザ(登録商標))、ネモリズマブ、NEOD001、ネレリモマブ、ネスバクマブ、ネタキマブ、ニモツズマブ(THERACIM(登録商標))、ニルセビマブ、ニボルマブ、ノフェツモマブ、オビルトキサキシマブ(Anthim(登録商標))、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オクレリズマブ(Ocrevus(登録商標))、オドゥリモマブ、オファツムマブ(ARZERRA(登録商標))、オララツマブ(Lartruvo(登録商標))、オレクルマブ、オレンダリズマブ、オロキズマブ、オマリズマブ(ゾレア(登録商標))、オンバータマブ、OMS721、オナルツズマブ、オンテシズマブ、オンツキシズマブ、オンバチリマブ、オピシヌマブ、オポルツズマブ、オレゴボマブ(OVAREX)、オルチクマブ、オテリキシズマブ、オチリマブ、オトレルツズマブ、オキセルマブ、オザネズマブ、オゾガマイシン、オゾラリズマブ、パギバキシマブ、パリビズマブ(シナジス(登録商標))、パムレブルマブ、パニツムマブ(ベクティビックス(登録商標))、パンコマブ、パノバクマブ、パルサツズマブ、パスコリズマブ、パソツキシズマブ、パテクリズマブ、パトリツマブ、PDR001、ペムブロリズマブ、ペムツモマブ(THERAGYN(登録商標))、ペラキズマブ、ペルツズマブ(OMNITARG(登録商標))、パキセリズマブ、ピディリズマブ、ピナツズマブ、ピンツモマブ、プラクルマブ、ポラツズマブ(ポライビー)、プレザルマブ、プロザリズマブ、ポガリズマブ、ポネズマブ、ポルガビキシマブ、プラシネズマブ、プレザリズマブ、プリリキシマブ、プリトキサキシマブ、プリツムマブ、PRO140、キリズマブ、ラコツモマブ、ラドレツマブ、ラフィビルマブ、ラルパンシズマブ、ラムシルマブ、ラネベトマブ、ラニビズマブ(ルセンティス(登録商標))、ラバガリマブ、ラブリズマブ(ユルトミリス(登録商標))、ラキシバクマブ、レファネズマブ、レガビルマブ、REGN-EB3、レナトリマブ、レムトルマブ、レスリズマブ(Cinqair(
登録商標))、リロツムマブ、リヌクマブ、リサンキズマブ(スキリージ(登録商標))、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))、リババズマブ、ルマブ、ロバツムマブ、ロレドゥマブ、ロミルキマブ、ロモソズマブ(イベニティ(登録商標))、ロンタリズマブ、ロスマンツズマブ、ロバルピツズマブ、ロベリズマブ(LEUKARREST(登録商標))、ロザノリキシズマブ、ルプリズマブ(ANTOVA)、SA237、サシツズマブ、サマリズマブ、サムロタマブ、サリルマブ(ケブザラ(登録商標))、サトラリズマブ、サツモマブペンデチド、セクキヌマブ(コセンティクス(登録商標))、セリクレルマブ、セリバンツマブ、セトキサキシマブ、セトルスマブ、セビルマブ、SGN-CD19A、SHP647、シブロツズマブ、シファリムマブ、シルツキシマブ、シムツズマブ、シプリズマブ、シルトラスツマブ、シルクマブ、ソフィツズマブ、ソラネズマブ、ソリトマブ、ソネプシズマブ、ソンツズマブ、スパルタリズマブ、スタムルマブ、STI-6129、スレソマブ(LEUKOSCAN(登録商標))、スプタブマブ、スチムリマブ、スビズマブ、スブラトクスマブ、タバルマブ、タカツズマブ(AFP-CIDE(登録商標))、タドシズマブ、タラコツズマブ、タリズマブ、タムツベトマブ、タネズマブ、タプリツモマブパプトックス、タレクスツマブ、タボリマブ、テフィバズマブ(AUREXIS(登録商標))、テリモマブ、テリソツズマブ、テシドルマブ、テトラキセタン、テツロマブ、テナツモマブ、テネリキシマブ、テプロツヌマブ(Tepezza(登録商標))、テプリズマブ、テゼペルマブ、TGN1412、チブリズマブ、チシリムマブ(トレメリムマブ(登録商標))、チガツズマブ、チミグツズマブ、チモルマブ、チラゴルマブ、チラゴルマブ、チスレリズマブ、チソツマブ、チウキセタン、チルドラキズマブ(イルミア(登録商標))、TNX-650、トシリズマブ(アトリズマブ、アクテムラ(登録商標))、トムゾツキシマブ、トラリズマブ、トサトクスマブ、トシツモマブ(ベキサール(登録商標))、トベツマブ、トラロキヌマブ、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、TRBS07、トレガリズマブ、トレメリムマブ、トレボグルマブ、ツコツズマブ、ツビルマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ(ステラーラ(登録商標))、ウブリツキシマブ、ウロクプルマブ、ウレルマブ、ウトミルマブ、バダツキシマブ、バナリマブ、バンドルツズマブ、バンチクツマブ、バヌシズマブ、バパリキシマブ、バリサクマブ、バルリルマブ、バテリズマブ、ベドリズマブ、ベルツズマブ、ベパリモマブ、ベセンクマブ、ビジリズマブ(NUVION(登録商標))、ボバリリズマブ、ボロシキシマブ(HUMASPECT(登録商標))、ボンレロリズマブ、ボプラテリマブ、ボルセツズマブ、ボツムマブ、ブナキズマブ、ゼンツズマブ、XMAB-5574、ザルツムマブ(HuMEX-EGFr)、ザノリムマブ(HuMAX-CD4)、ザツキシマブ、ゼノクツズマブ、ジラリムマブ、ゾルベツキシマブまたはゾリモマブを含むが、これらに限定されない。
【0134】
ある態様において、本発明に有用な結合部分は抗CD33抗体またはその抗原結合部分を含む。CD33は急性骨髄性白血病(AML)症例の約90%で発現され、治療抗体の標的としての有用性が示されている。AML芽球上の高CD33発現が、約30年前に報告された。CD33は、AMLを示す患者の85~90%の芽球ならびに正常骨髄前駆細胞および骨髄球で検出された。CD33は造血細胞に制限されるが、正常造血幹細胞ではなく、よってAML治療の治療として理想的である。
【0135】
本発明のコンジュゲートのための抗CD33抗体はCD33に特異的に結合できる。ある態様において、ここに記載する抗CD33抗体は高親和性、例えば、10-6以下、10-7以下、10-8以下、10-9以下、10-10以下、10-11以下、10-12以下、10-12M~10-7M、10-11M~10-7M、10-10M~10-7Mまたは10-9M~10-7MのKDで、ヒトCD33に結合する。
【0136】
ある態様において、抗CD33抗体は重鎖および軽鎖を含み、ここで、重鎖は重鎖可変領域(VH)を含み、軽鎖は軽鎖可変領域(VL)を含み;ここで、VHはVH相補性決定領域(CDR)1(VH-CDR1)、VH-CDR2およびVH-CDR3を含み、VLはVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含み;ここで、VH-CDR3は、配列番号3に少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVH-CDR2を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVH-CDR1を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号5のアミノ酸配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVL-CDR1を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号6のアミノ酸配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVL-CDR2を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号7のアミノ酸配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。ある態様において、CDRは、下表1に示す配列を含む。
【表1】
【0137】
ある態様において、抗CD33抗体重鎖可変領域は、配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。ある態様において、抗CD33抗体軽鎖可変領域は、配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0138】
ある態様において、抗CD33抗体は配列番号4のアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有する配列を含む重鎖可変領域および配列番号8のアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有する配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0139】
ある態様において、抗CD33抗体重鎖は、配列番号9または配列番号11に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号10または配列番号12に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【表2】
【0140】
ある態様において、抗CD33抗体は配列番号9に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。用語「CD33AB」は、配列番号9に示す重鎖および配列番号10に示す軽鎖を含む。
【0141】
ある態様において、抗CD33抗体は配列番号11に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号12に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0142】
ある態様において、抗CD33抗体は各々引用によりここに明示的に包含させる、米国特許5,585,089、US5,693,762に開示される。
【0143】
ある態様において、抗CD33抗体は重鎖および軽鎖を含み、ここで、重鎖は重鎖可変領域(VH)を含み、軽鎖は軽鎖可変領域(VL)を含み;ここで、VHはVH相補性決定領域(CDR)1(VH-CDR1)、VH-CDR2およびVH-CDR3を含み、VLはVL-CDR1、VL-CDR2およびVL-CDR3を含み;ここで、VH-CDR3は、配列番号15に少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号14のアミノ酸配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVH-CDR2を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号13のアミノ酸配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVH-CDR1を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号18のアミノ酸配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVL-CDR1を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号19のアミノ酸配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVL-CDR2を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。ある態様において、CDRは、下表3に示す配列を含む。
【表3】
【0144】
ある態様において、抗CD33抗体重鎖可変領域は、配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。ある態様において、抗CD33抗体軽鎖可変領域は、配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0145】
ある態様において、抗CD33抗体は配列番号16のアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有する配列を含む重鎖可変領域および配列番号20のアミノ酸配列と少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有する配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0146】
ある態様において、抗CD33抗体重鎖は、配列番号21に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配を含む。ある態様において、抗CD33抗体は配列番号10または配列番号22に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【表4】
【0147】
ある態様において、抗CD33抗体は配列番号21に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号22に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%または少なくとも約99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。抗CD33抗体は配列番号21に示す重鎖および配列番号22に示す軽鎖を含む。
【0148】
目的の分子標的または抗原「に結合する」抗体は抗体が該抗原を発現する細胞のターゲティングに有用であるのにその抗原と十分な親和性で結合できるものである。
【0149】
本発明において、基「Bm」は、1を超えるネオデグラダーとコンジュゲートできる。ある態様において、「Bm」は、1~10個のネオデグラダーとコンジュゲートできる。ある態様において、「Bm」は、1~9個のネオデグラダーとコンジュゲートできる。ある態様において、「Bm」は、1~8個のネオデグラダーとコンジュゲートできる。ある態様において、「Bm」は、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個または10個のネオデグラダーとコンジュゲートできる。ある態様において、「Bm」は、7個または8個のネオデグラダーとコンジュゲートできる。ある態様において、「Bm」は、5個のネオデグラダーとコンジュゲートする。ある態様において、「Bm」は、6個のネオデグラダーとコンジュゲートする。ある態様において、「Bm」は、7個のネオデグラダーとコンジュゲートする。ある態様において、「Bm」は、8個のネオデグラダーとコンジュゲートする。ある態様において、「Bm」は、9個のネオデグラダーとコンジュゲートする。
【0150】
IV. 組成物および使用方法
ここに記載するコンジュゲートおよび/または化合物は、薬学的にまたは薬学的に許容される塩の形態であり得る。ある態様において、このような塩は無機または有機な塩はに由来する。
【0151】
適当な酸付加塩の例は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、経皮酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニル-プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩を含む。
【0152】
適当な塩基付加塩の例は、アンモニウム塩;ナトリウム塩およびカリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩およびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミンなどの有機塩基との塩;およびアルギニン、リシンなどのアミノ酸との塩などを含む。
【0153】
例えば、Bergeは、次のFDA承認市販塩を挙げる:アニオン酢酸塩、ベシル酸塩(ベンゼンスルホン酸塩)、安息香酸塩、炭酸水素塩、二酒石酸塩、ブロマイド、エデト酸カルシウム(エチレンジアミン四酢酸塩)、カムシル酸塩(カンファースルホン酸塩)、炭酸塩、クロライド、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸塩)、エジシル酸塩(1,2-エタンジスルホン酸塩)、エストレート(ラウリル硫酸塩)、エシル酸塩(エタンスルホン酸塩)、フマル酸塩、グルセプト酸塩(グルコヘプトン酸塩)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート(グリコラミドフェニルアルソン酸塩)、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン(N,N’-ジ(デヒドロアビエチル)エチレンジアミン)、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、アイオダイド、イセチオン酸塩(2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩)、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩(メタンスルホン酸塩)、メチルブロマイド、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムチン酸塩、ナプシル酸塩(2-ナフタレンスルホン酸塩)、硝酸塩、パモ酸塩(エンボナート)、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩(8-クロロテオフィリン酸塩)およびトリエチオジド;有機カチオンベンザチン(N,N’-ジベンジルエチレンジアミン)、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)およびプロカイン;および金属カチオンアルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛。
【0154】
Bergeは、さらに次の非FDA承認市販(米国外)塩を挙げる:アニオンアジピン酸塩、アルギン酸塩、アミノサリチル酸塩、アンヒドロメチレンクエン酸塩、アレコリン、アスパラギン酸塩、重硫酸塩、ブチルブロマイド、経皮酸塩、ジグルコン酸塩、ジ臭化水素酸塩、二コハク酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヒドロフルオライド、ヨウ化水素酸塩、メチレンビス(サリチル酸塩)、ナパジシル酸塩(1,5-ナフタレンジスルホン酸塩)、シュウ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルエチルバルビツール酸塩、ピクリン酸塩、プロピオン酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩;有機カチオンベネタミン(N-ベンジルフェネチルアミン)、クレミゾール(1-p-クロロベンジル-2-ピロリジン-1’-イルメチルベンゾイミダゾール)、ジエチルアミン、ピペラジンおよびトロメタミン(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン);および金属カチオンバリウムおよびビスマス。
【0155】
ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートを含む医薬組成物は、投与方法により異なり得る適当な担体、添加物および助剤も含み得る。
【0156】
ある態様において、医薬組成物は、適当な非経腸剤形として製剤化し得る。該製剤は、当分野で知られる種々の方法により製造され得る。医薬組成物は、直接血流、筋肉または直接臓器に投与され得る。非経腸投与の適当な手段は、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内および皮下を含む。非経腸投与のための適当なデバイスは、針付注射器、無針注射器および点滴技術を含む。
【0157】
非経腸組成物は、典型的に塩、炭水化物および緩衝剤などの添加物を含み得る水溶液である。しかしながら、組成物はまた無菌非水溶液または無菌パイロジェンフリー水などの適当な媒体と共に使用される乾燥形態としても製剤化され得る。
【0158】
例えば、凍結乾燥によるなどの無菌条件下の非経腸組成物の製造は、当業者に周知の標準技術を使用して、容易に達成され得る。
【0159】
非経腸投与用組成物は、即時および/または修飾放出のために製剤化され得る。修飾放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的化およびプログラム化放出を含む。故に、組成物を、活性剤の修飾放出を提供するインプラントされたデポー剤として投与するための固体、半固体またはチキソトロピック液体として製剤化され得る。
【0160】
非経腸製剤を、防腐剤などの、しかし、これに限定されない非経腸投与形態で使用される他の適当な薬学的に許容される添加物と混合し得る。
【0161】
他の態様において、医薬組成物を、錠剤、カプセル剤、散剤、ペレット剤、懸濁液剤、溶液剤、エマルジョン剤などの適当な経口投与形態として製剤化し得る。崩壊剤、希釈剤、キレート剤、結合剤、流動促進剤、滑沢剤、充填剤、増量剤、抗付着剤などの他の適当な担体が存在し得る
【0162】
経口投与製剤はまた甘味剤、媒体/湿潤剤、着色剤、風味剤、防腐剤、増粘剤/濃化剤などの他の適当な医薬添加物も含み得る。
【0163】
ここに記載するネオデグラダーコンジュゲートを、種々の癌の処置に使用し得る。本発明のあるコンジュゲートは、有効性発現、薬物動態(例えば、吸収、分布、代謝、排泄)、溶解度(例えば、水溶解度)、他の医薬との相互作用(例えば、薬物代謝酵素阻害作用)、安全性(例えば、急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心毒性、発癌性、中枢毒性)および/または安定性(例えば、化学安定性、酵素に対する安定性)の点で優れている可能性があり、医薬として有用であり得る。
【0164】
本発明のネオデグラダーコンジュゲートは、疾患、例えば、癌- 例えば、結腸直腸癌(例えば、結腸直腸癌、直腸癌、肛門癌、家族性結腸直腸癌、遺伝性非ポリポーシス大腸癌結腸直腸癌、消化器間質腫瘍)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、悪性中皮腫)、中皮腫、膵臓癌(例えば、膵臓腺管癌、膵臓内分泌腫瘍)、咽頭癌、喉頭癌、食道癌、胃/胃癌(例えば、乳頭腺癌、粘液性腺癌、腺扁平上皮癌腫)、十二指腸癌、小腸癌、乳癌(例えば、侵襲性腺管癌、非侵襲性腺管癌、炎症性乳癌)、卵巣癌(例えば、卵巣上皮性癌、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍)、精巣腫瘍、前立腺癌(例えば、ホルモン依存性前立腺癌、非ホルモン依存性前立腺癌、去勢抵抗性前立腺癌)、肝臓癌(例えば、肝細胞癌、原発性肝臓癌、肝外胆管癌)、甲状腺癌(例えば、髄様甲状腺癌腫)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌(例えば、明細胞腎細胞癌)、腎盂および輸尿管移行細胞癌)、子宮癌(例えば、子宮頸癌、子宮体癌、子宮肉腫)、妊娠性絨毛癌、脳腫瘍(例えば、髄芽腫、神経膠腫、松果体星細胞腫瘍、毛様細胞性星状細胞腫、汎発性星状細胞腫、未分化星状細胞腫、下垂体腺腫)、網膜芽細胞腫、皮膚癌(例えば、基底細胞腫、悪性黒色腫)、肉腫(例えば、横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、軟組織肉腫、紡錘細胞肉腫)、悪性骨腫瘍、膀胱癌、血液学的/血液癌(例えば、多発性骨髄腫、白血病(例えば、急性骨髄性白血病)、悪性リンパ腫、ホジキン疾患、慢性骨髄増殖性疾患)、原発不明癌の予防または処置用薬剤;癌増殖阻害剤;癌転移阻害剤;アポトーシスプロモーター;前癌病巣処置用薬剤(例えば、骨髄異形成症候群)などの医薬として使用し得る。
【0165】
ある態様において、本発明のネオデグラダーコンジュゲートは、乳癌、胃癌、卵巣癌、子宮癌、肺癌、膵臓癌、肝臓癌、リンパ腫または血液学的癌の処置用医薬として使用できる。
【0166】
さらに、本発明のネオデグラダーコンジュゲートは、非薬物療法と同時に、前にまたは後に使用され得る。正確に言うと、コンジュゲートを、(1)手術、(2)アンギオテンシンIIなどを使用する昇圧療法、(3)遺伝子療法、(4)温熱療法、(5)寒冷療法、(6)レーザー焼灼および(7)放射線療法などの非薬物療法と組み合わせ得る。
【0167】
例えば、上記手術などの前または後に本発明のネオデグラダーコンジュゲートを使用することにより、耐性発現の予防、無疾患生存の延長、癌転移または再発の抑制、寿命の延長などの効果が提供され得る。
【0168】
さらに、本発明のネオデグラダーコンジュゲートでの処置と、(i)種々の感染症の併発に対する抗生物質(例えば、パンスポリンなどのβ-ラクタム系、クラリスロマイシンなどのマクロライド系)投与、(ii)栄養障害改善のための高カロリー点滴、アミノ酸製剤または一般的ビタミン製剤の投与、(iii)疼痛緩和のためのモルヒネ投与、(iv)悪心、嘔吐、摂食障害、下痢、白血球減少症、血小板減少症、ヘモグロビン濃度減少、脱毛、肝障害、腎障害、DIC、発熱などの副作用軽減のための薬剤の投与および(v)癌の多剤耐性を抑制するための薬剤投与などの支持療法を組み合わせることが可能である。
【0169】
ある態様において、本発明のネオデグラダーまたはネオデグラダーコンジュゲートを、標準療法、例えば、1以上の治療剤(例えば、抗癌剤および/または免疫調節剤)と組み合わせて使用し得る。従って、ある態様において、ここに開示する腫瘍を処置する方法は、本発明のネオデグラダーまたはネオデグラダーコンジュゲートと1以上のさらなる治療剤の組み合わせを投与することを含む。ある態様において、本発明のネオデグラダーまたはネオデグラダーコンジュゲートを、例えば、免疫経路の複数要素が標的化され得るように、1以上の抗癌剤と組み合わせて使用できる。ある態様において、抗癌剤は、免疫チェックポイント阻害剤(すなわち、特定の免疫チェックポイント経路を介するシグナル伝達遮断)を含む。本方法で使用され得る免疫チェックポイント阻害剤の非限定的例は、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、PD-1アンタゴニスト(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)またはそれらの組み合わせを含む。
【0170】
ある態様において、本発明のネオデグラダーまたはネオデグラダーコンジュゲートは、対象にさらなる治療剤の投与の前または後に投与される。他の態様において、本発明のネオデグラダーまたはネオデグラダーコンジュゲートは、対象にさらなる治療剤と同時に投与される。ある態様において、本発明のネオデグラダーまたはネオデグラダーコンジュゲートおよびさらなる治療剤は、薬学的に許容される担体中の一組成物として同時に投与され得る。他の態様において、本発明のネオデグラダーまたはネオデグラダーコンジュゲートおよびさらなる治療剤は、別々の組成物として同時に投与される。
【0171】
ある態様において、本発明のネオデグラダーまたはネオデグラダーコンジュゲートで処置され得る対象は、ラットまたはマウスなどの非ヒト動物である。ある態様において、処置され得る対象はヒトである。
【0172】
V. ネオデグラダーおよび組成物の製造方法
本発明は、ネオデグラダーコンジュゲートを製造する方法であって、結合部分と式(I-1):
【化31】
〔式中、
L’は
【化32】
から選択されるリンカー前駆体であり;
ここで
【化33】
は窒素原子への結合点である。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩を反応させることを含む、方法を提供する。
【0173】
ここに記載するとおり、リンカー前駆体は、結合部分に結合するヘテロ二官能性基を含む。
【0174】
ある態様において、結合部分は式(I-1)の化合物と反応させる前に前処理される。ある態様において、式(I-1)の化合物を、抗体またはその抗原結合部分を含む結合部分と反応させる。結合部分が抗体である態様において、抗体を、式(I-1)の化合物との反応前に鎖間ジスルフィドを還元するために前処理し得る。
【実施例】
【0175】
一般的合成方法および中間体
本発明の化合物は、本開示および当分野における知識に照らしておよび/または下記スキームおよび合成例を参照して、当業者には製造できる。合成経路例は、下記スキームおよび実施例に示される。次のスキームおよび実施例において用いる可変基(例えば「R」基)は、本明細書の他の箇所に示すものから独立して解釈されることは理解されるべきである。当業者は、下記スキームおよび実施例が、ここに記載する化合物の製造をどのように説明するかを容易に理解する。
【0176】
スキームで使用する略語は、一般に当分野で使用される慣例に従う。本明細書および実施例で使用する化学的略語は次のとおり定義する。スキームで使用する略語は、一般に当分野で使用される慣例に従う。本明細書および実施例で使用する化学的略語は次のとおり定義する:「Me」はメチル;「Bu」はブチル;「Ph」はフェニル;「TFA」はトリフルオロ酢酸、「DCM」はジクロロメタン「HATU」はN-[(ジメチルアミノ)-1H-1,2,3-トリアゾロ-[4,5-b]ピリジン-1-イルメチレン]-N-メチルメタンアミニウムヘキサフルオロリン酸N-オキシド;「THF」はテトラヒドロフラン;「BOC」または「Boc」はトリブトキシカルボニル;「TEA」はトリエチルアミン;「EtOH」はエタノール;「DMF」はN,N-ジメチルホルムアミド;「PE」は石油エーテル;「EtOAc」は酢酸エチル;「DIEA」はジイソプロピルエチルアミン;「MeOH」は「メタノール」;hは時間;分は分;「Ac」は酢酸;「EDCI」は1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;「HOBT」は1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物;「ACN」はアセトニトリル;「TCEP」は(トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン);「DMA」はN,N-ジメチルアセトアミド;
【0177】
【0178】
【化35】
実施例1:ネオデグラダーP1の合成
【化36】
工程1:化合物2の合成
撹拌中の2-クロロ-4-ニトロフェニル)酢酸(化合物1、5.00g、23.19mmol、1.00当量)のTHF(75.00mL)溶液に、BH
3-Me
2S(THF中10M)(5.80mL、58.0mmol、2.50当量)を0℃で窒素雰囲気下に滴下した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、2時間、70℃で撹拌した。混合物を、室温に冷却した。得られた混合物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=1:1)により精製して、2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エタノール(3g、64%)を黄色固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.26 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.10-8.05 (m, 1H), 7.50 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 3.99-3.91 (m, 2H), 3.16-3.09 (m, 2H)
【0179】
【化37】
工程2:化合物3の合成
撹拌中の2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エタノール(化合物2、5.00g、24.800mmol、1.00当量)および2-ブロモ酢酸tert-ブチル(29.0mL、148.28mmol、8.00当量)のトルエン(150.00mL)溶液に、Bu
4NHSO
4(6.74g、19.84mmol、0.80当量)を添加した。上記混合物に、NaOH(H
2O中5M)(500.00mL)を40分間、0℃で滴下した。得られた混合物を、さらに2時間、25℃で撹拌した。得られた混合物を、EtOAc(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(400mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=4:1)により精製して、tert-ブチル2-[2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エトキシ]アセテート(8g、65%)を黄色油状物として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 8.23 (d, J = 4.0 Hz, 1H), 8.10-8.04 (m, 1H), 7.60 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.09 (s, 2H), 3.83-3.80 (m, 2H), 3.17-3.14(m, 2H), 1.45(s, 9H)
【0180】
【化38】
工程3:化合物4の合成
撹拌中のtert-ブチル2-[2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エトキシ]アセテート(化合物3、8.00g、16.14mmol、1.00当量、63.7%)のDCM(80.00mL)溶液に、TFA(16.00mL)を室温で滴下した。得られた混合物を、1時間、室温で撹拌した。得られた混合物を減圧下濃縮した。得られた混合物を、水(500mL)で希釈した。混合物を、EtOAc(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮した。これにより、[2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エトキシ]酢酸(6.5g、粗製)を黄色油状物として得た。LCMS (ESI): 517 (2M-H)
-
【0181】
【化39】
工程4:化合物5の合成
撹拌中の[2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エトキシ]酢酸(化合物4、6.30g、21.84mmol、1.00当量、90%)およびHATU(12.46g、32.76mmol、1.50当量)のDMF(65.00mL)溶液に、CH
3NH
2.HCl(1.77g、26.21mmol、1.20当量)およびDIEA(15.20g、117.8mmol、4.00当量)を室温で滴下した。得られた混合物を、2時間、室温で撹拌した。得られた混合物を、水で希釈した。得られた混合物を、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1)により精製して、2-[2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エトキシ]-N-メチルアセトアミド(10g、純度:50%、収率:84%)を黄色油状物として得た。LCMS (ESI): 273.28 (M+H)
+
【0182】
【化40】
工程5:化合物6の合成
撹拌中の2-[2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エトキシ]-N-メチルアセトアミド(化合物5、3.3g、12.10mmol、1.00当量)のTHF(35.00mL)溶液に、BH
3-THF(THF中1M)(12.10mL、12.10mmol、1.00当量)を室温で窒素雰囲気下に滴下した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、2時間、70℃で撹拌した。MeOHで反応をクエンチした。残渣を1N HClでpH6に酸性化した。得られた混合物を、EtOAc(20mL)で抽出した。水相を飽和NaHCO
3(飽和、水性)でpH8に塩基性化した。得られた混合物を、EtOAc(3×100mL)で抽出し、塩水(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮した。これにより、[2-[2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エトキシ]エチル](メチル)アミン(2.5g、80%)を黄色油状物として得た。LCMS (ESI): 259.26 (M+H)
+
【0183】
【化41】
工程6:化合物7の合成
撹拌中の[2-[2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エトキシ]エチル](メチル)アミン(化合物6、2.50g、9.69mmol、1.00当量)およびBoc
2O(2.53g、11.6mmol、1.20当量)のTHF(40mL)溶液に、TEA(1.17g、11.6mmol、1.20当量)を25℃で滴下した。混合物を、25℃で2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=5:1)により精製して、tert-ブチルN-[2-[2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エトキシ]エチル]-N-メチルカルバメート(1.70g、50%)を黄色油状物として得た。LCMS (ESI): 359.36 (M+H)
+
【0184】
【化42】
工程7:化合物8の合成
撹拌中のtert-ブチルN-[2-[2-(2-クロロ-4-ニトロフェニル)エトキシ]エチル]-N-メチルカルバメート(化合物7、1.70g、4.74mmol、1.00当量)およびNH
4Cl(750mg、14.2mmol、3.00当量)のEtOH(85mL)およびH
2O(17mL)溶液に、25℃でFe(1.3g、23.7mmol、5.00当量)を添加した。混合物を、80℃で2時間撹拌した。混合物を、室温に冷却した。得られた混合物を濾過し、フィルターケーキをEtOH(3×50mL)で洗浄した。濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE:EtOAc=4:1)により精製して、tert-ブチルN-[2-[2-(4-アミノ-2-クロロフェニル)エトキシ]エチル]-N-メチルカルバメート(900mg、58%)を黄色油状物として得た。LCMS (ESI): 329.33 (M+H)
+
【0185】
【化43】
工程8:化合物9の合成
撹拌中のtert-ブチルN-[2-[2-(4-アミノ-2-クロロフェニル)エトキシ]エチル]-N-メチルカルバメート(化合物8、500mg、1.52mmol、1.00当量)のTHF(10mL)溶液に、ジホスゲン(601mg、3.04mmol、2.00当量)を25℃で滴下した。混合物を、25℃で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下濃縮し、DMF(5mL)に再溶解した。撹拌中の3-[5-(アミノメチル)-1-オキソ-3H-イソインドール-2-イル]ピペリジン-2,6-ジオン(INT1、下記のとおり製造、499mg、1.82mmol、1.20当量)およびTEA(1.56g、15.45mmol、10.00当量)のDMF(20mL)中の混合物に、25℃で上記溶液を滴下した。混合物を、25℃で1時間撹拌した。得られた混合物を、40mLの氷水で希釈した。得られた混合物を、EtOAc(3×40mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(5×40mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM:MeOH=10:1)により精製して、tert-ブチル(2-(2-クロロ-4-(3-((2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン-5-イル)メチル)ウレイド)フェネトキシ)エチル)(メチル)カルバメート(670mg、70%)を白色固体として得た。LCMS: (ESI): 628.63(M+H)
+
【0186】
【化44】
工程9:ネオデグラダーP1の合成
撹拌中のtert-ブチルN-[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル]-N-メチルカルバメート(化合物9、670mg、1.07mmol、1当量)のDCM(10mL)溶液に、TFA(2.5mL)を0℃で滴下した。混合物を、25℃で1時間撹拌した。得られた混合物を減圧下濃縮した。粗製生成物を次の条件を用いる分取HPLCで精製した:カラム、SunFire C18 OBD Prepカラム、100μm、19×250mm;移動相、水(0.05%TFA)およびACN(5%相Bを30分間以内に60%まで);検出器、UV 220nm。集めたフラクションを凍結乾燥して、1-(3-クロロ-4-[2-[2-(メチルアミノ)エトキシ]エチル]フェニル)-3-[[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]尿素(500mg、89%)を白色固体として得た。LCMS (ESI): 528.53 (M+H)
+.
1H NMR (400 MHz, メタノール-d
4) δ 7.77 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.57-7.53 (m, 2H), 7.49 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 4.0 Hz, 2H), 5.19-5.1 (m, 1H), 4.55-4.41 (m, 4H), 3.75-3.67 (m, 4H), 3.21-3.15 (m,2H), 3.03-3.96 (m, 2H), 2.96-2.84 (m, 1H), 2.83-2.73 (m, 2H), 2.69 (s, 3H), 2.55-2.42 (m, 1H), 2.21-2.12 (m, 1H)
【0187】
【化45】
スキーム2:ネオデグラダーP1-β-グルクロニドリンカー複合体(化合物(Ia))の合成
【0188】
【化46】
実施例2:化合物(Ia)の合成
【化47】
工程1:化合物12の合成
撹拌中の5-ホルミル-2-ヒドロキシ安息香酸、10(20g、120.38mmol、1.00当量)のDMF(200mL)溶液に、EDCI(28g、144.44mmol、1.20当量)、HOBT(20g、144.46mmol、1.20当量)およびtert-ブチルN-(2-アミノエチル)カルバメート、11(23g、144.46mmol、1.20当量)を、窒素雰囲気下、0℃で少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、一夜、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチル(3×200mL)で抽出した。合わせた有機物を塩水(200mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を、減圧下、濃縮乾固した。残渣をPE/EA(2:3)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチルN-[2-[(5-ホルミル-2-ヒドロキシフェニル)ホルムアミド]エチル]カルバメート、12(23g、53%)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 209 [M+H-100]
+, 309 [M+H]
+, 331 [M+Na]
+
【0189】
【化48】
工程2:化合物14の合成
撹拌中のtert-ブチルN-[2-[(5-ホルミル-2-ヒドロキシフェニル)ホルムアミド]エチル]カルバメート、12(23g、74.59mmol、1.00当量)のACN(600mL)溶液に、Ag
2O(34.57g、149.17mmol、2.00当量)およびメチル(2S,3S,4S,5R,6R)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-ブロモオキサン-2-カルボキシラート、13(32.6g、82.05mmol、1.10当量)を、窒素雰囲気下、0℃で少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、一夜、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。濾過後、濾液を、減圧下、濃縮乾固した。残渣をPE/EA(1:4)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-([2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル]カルバモイル)-4-ホルミルフェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート、14(38g、76%)を緑色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 525 [M+H-100]
+, 625 [M+H]
+, 647 [M+Na]
+
【0190】
【化49】
工程3:化合物15の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-({2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}カルバモイル)-4-ホルミルフェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート、14(20g、32.02mmol、1.00当量)のEA(200mL)溶液に、Pd/C(4.0g、10%)を、室温で少しずつ添加した。得られた混合物を、水素雰囲気下、一夜、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。濾過後、濾液を、減圧下、濃縮乾固した。残渣をDCM/MeOH(19:1)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-({2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}カルバモイル)-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート、15(12.5g、58%)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 527 [M+H-100]
+, 627 [M+H]
+, 649 [M+Na]
+
【0191】
【化50】
工程4:化合物16の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-({2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}カルバモイル)-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート、15(5.0g、7.98mmol、1.00当量)のDMF(50mL)溶液に、炭酸ビス(4-ニトロフェニル)(2.67g、8.77mmol、1.10当量)およびDIEA(2.0g、15.94mmol、2.00当量)を、窒素雰囲気下、0℃で少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、一夜、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。反応混合物を、次の条件を用いる逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製した:カラム、C18シリカゲル;移動相、ACN水溶液(0.1%FA)、40分間で10%~70%勾配;検出器、UV 254nm。集めたフラクションを減圧下に濃縮して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-({2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}カルバモイル)-4-{[(4-ニトロフェノキシカルボニル)オキシ]メチル}フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート、16(5.3g、78%)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 692 [M+H-100]
+, 792 [M+H]
+, 814 [M+Na]
+
【0192】
【化51】
工程5:化合物17の合成
撹拌中のメチルメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-({2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}カルバモイル)-4-{[(4-ニトロフェノキシカルボニル)オキシ]メチル}フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート、16(550mg、0.69mmol、1.00当量)および1-(3-クロロ-4-{2-[2-(メチルアミノ)エトキシ]エチル}フェニル)-3-{[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル}尿素、P1(367mg、0.69mmol、1.00当量)のDMF(6.0mL)溶液に、DIEA(180mg、1.38mmol、2.00当量)を、窒素雰囲気下、室温で少しずつ添加した。得られた混合物を、2時間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。反応混合物を、次の条件を用いる逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製した:カラム、C18シリカゲル;移動相、ACN水溶液(0.1%FA)、40分間で10%~70%勾配;検出器、UV 254nm。集めたフラクションを減圧下濃縮して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-({2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}カルバモイル)-4-[({[2-(2-{2-クロロ-4-[({[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル}カルバモイル)アミノ]フェニル}エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート、17(670mg、77%)を緑色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 1080 [M+H-100]
+, 1180 [M+H]
+, 1202 [M+Na]
+
【0193】
【化52】
工程6:化合物18の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-({2-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]エチル}カルバモイル)-4-[({[2-(2-{2-クロロ-4-[({[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル}カルバモイル)アミノ]フェニル}エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート、17(660mg、0.56mmol、1.00当量)のTHF(12mL)溶液に、HCl(12mL、6.0N)を、窒素雰囲気下、45℃で少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、4時間、45℃で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。反応混合物を、次の条件を用いる逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製した:カラム、C18シリカゲル;移動相、ACN水溶液(0.1%FA)、30分間で10%~40%勾配;検出器、UV 254nm。集めたフラクションを凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R,6S)-6-{2-[(2-アミノエチル)カルバモイル]-4-[({[2-(2-{2-クロロ-4-[({[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル}カルバモイル)アミノ]フェニル}エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]フェノキシ}-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(320mg、54%)、18を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 940 [M+H]
+, 962 [M+Na]
+
【0194】
【化53】
工程7:化合物(Ia)の合成
撹拌中の(2S,3S,4S,5R,6S)-6-{2-[(2-アミノエチル)カルバモイル]-4-[({[2-(2-{2-クロロ-4-[({[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル}カルバモイル)アミノ]フェニル}エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]フェノキシ}-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸、18(100mg、0.11mmol、1.00当量)および2,5-ジオキソピロリジン-1-イル6-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)ヘキサン酸、19(36mg、0.12mmol、1.10当量)のDMF(1.00mL)溶液に、DIEA(27mg、0.21mmol、2.0当量)を、窒素雰囲気下、室温で少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、1時間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。反応混合物を次の条件を用いる分取HPLCで精製した:Xselect CSH F-Phenyl OBDカラム、19×250mm;移動相A:水(0.1%FA)、移動相B:ACN;流速:25mL/分;検出器、UV 254nm。集めたフラクションを凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R,6S)-6-{4-[({[2-(2-{2-クロロ-4-[({[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル}カルバモイル)アミノ]フェニル}エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]-2-({2-[6-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)ヘキサンアミド]エチル}カルバモイル)フェノキシ}-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸、化合物(Ia)(46mg、37%)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 568 [M/2+H]
+, 1133 [M+H]
+, 1155 [M+Na]
+.
1H-NMR (300MHz, DMSO-d
6): 10.98 (s, 1H), 8.87 (br s, 1H), 8.30 (t, J=6Hz, 1H), 7.86 (t, J=3Hz, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.70-7.69 (m, 2H), 7.51-7.42 (m, 3H), 7.30-7.10 (m, 3H), 6.99 (s, 2H), 6.93 (br s, 1H), 5.79-5.77 (m, 1H), 5.36 (d, J=4.2Hz,1H), 5.13-5.02 (m, 4H), 4.47-4.28 (m, 4H), 3.95 (d, J=9.0Hz,1H), 3.540-3.49 (m, 4H), 3.39-3.36(m, 4H), 3.24-3.22(m, 2H), 2.86-2.81(m, 7H), 2.62-2.51(m, 1H), 2.49-2.41(m, 3H), 2.06-1.99(m, 3H), 1.49-1.42(m, 4H), 1.23-1.16(m, 2H)
【0195】
【化54】
スキーム3:ネオデグラダーP1-β-グルクロニドリンカー複合体(化合物(Ib))の合成
【0196】
【化55】
実施例3:化合物(Ib)の合成
撹拌中のペンタン二酸ビス(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)(62mg、0.19mmol、1.2当量)および(2S,3S,4S,5R,6S)-6-{2-[(2-アミノエチル)カルバモイル]-4-[({[2-(2-{2-クロロ-4-[({[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル}カルバモイル)アミノ]フェニル}エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]フェノキシ}-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸、9(150mg、0.16mmol、1.00当量)のDMF(3.00mL)溶液に、DIEA(41mg、0.32mmol、2.00当量)を、窒素雰囲気下、室温で少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、1時間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。粗製生成物を次の条件を用いる分取HPLCで精製した(カラム:移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分;)。溶液を凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R,6S)-6-{4-[({[2-(2-{2-クロロ-4-[({[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル}カルバモイル)アミノ]フェニル}エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]-2-[(2-{5-[(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ]-5-オキソペンタンアミド}エチル)カルバモイル]フェノキシ}-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸化合物(Ib)(50mg、26%)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 576 [M/2+H]
+, 1151 [M+H]
+, 1173 [M+Na]
+.
1H-NMR (300MHz, DMSO-d
6): 12.90 (br s, 1H), 10.98 (s, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.31 (t, J=3.0Hz, 1H), 7.92 (t, J=3.0Hz,1H), 7.77 (d, J=3.0 Hz, 1H), 7.70-7.66 (m, 2H), 7.51-7.43 (m, 3H), 7.25-7.09 (m, 3H), 6.82 (t, J=3.0 Hz, 1H), 5.80-5.20 (m, 2H), 5.12-5.02 (m, 4H), 4.47-4.27 (m, 4H), 3.98 (d, J=9.3Hz, 1H), 3.52-3.44 (m, 5H), 3.30-3.05 (m, 7H), 2.97-2.73 (m, 9H), 2.72-2.62 (m, 3H), 2.45-2.35 (m, 1H), 2.30-2.15 (m, 2H), 2.05-1.90 (m, 1H), 1.90-1.70 (m, 2H)
【0197】
【0198】
スキーム4:化合物(Ic)の製造
【化57】
実施例4:化合物(Ic)の合成
撹拌中の1-(3-クロロ-4-[2-[2-(メチルアミノ)エトキシ]エチル]フェニル)-3-[[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]尿素(ネオデグラダーP1、200mg、0.38mmol、1.00当量)およびルチジン(81mg、0.76mmol、2.00当量)のDMF(10mL)中の混合物に、室温でHOBT(26mg、0.19mmol、0.50当量)および[4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-[6-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)ヘキサンアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル]メチル4-ニトロフェニルカーボネート(279mg、0.38mmol、1.00当量)を少しずつ添加した。反応混合物を、窒素雰囲気下、12時間、40℃で撹拌した。反応物を室温に冷却後、水(30mL)で反応をクエンチした。得られた混合物を、DCM(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×30mL)、塩水(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。濾過後、濾液を、減圧下、濃縮乾固した。残渣を逆相カラム(C18、移動相A:0.1%FA水溶液、B:ACN)で精製した。集めたフラクションを、減圧下、濃縮乾固した。粗製生成物(60mg)を次の条件を用いる分取HPLCで精製した(カラム:Xselect CSH OBDカラム30×150mm 5μm、n;移動相A:水(0.1%FA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分;勾配:7分間で33B~50B;220nm;RT1:5.27分)。集めたフラクションを凍結乾燥して、[4-[(2S)-5-(カルバモイルアミノ)-2-[(2S)-2-[6-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)ヘキサンアミド]-3-メチルブタンアミド]ペンタンアミド]フェニル]メチルN-[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル]-N-メチルカルバメート(23.8mg、5%)を白色固体として得た。LCMS (ESI): 1126.11 (M+H)
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 10.99(s, 1H), 10.00(s, 1H), 8.88(s, 1H), 8.12-8.08(m, 1H),7.85-7.81(m, 2H), 7.70-7.67(m, 2H), 7.60-7.58(m, 1H), 7.51(s, 1H), 7.47-7.44(m, 1H), 7.28-7.25(m, 2H), 7.18-7.12(m, 2H), 7.00(s, 2H), 6.90(br s, 1H), 5.97-5.95(m, 1H), 5.42(s, 2H), 5.12-5.05(m, 1H), 4.98(s, 2H), 4.42-4.32(m, 4H), 4.18-4.15(m, 1H), 3.56-3.40(m, 4H), 3.37-3.36(m, 3H),3.05-2.90(m, 3H), 2.89-2.85(m, 5H), 2.72-2.55(m, 2H), 2.40-2.33(m, 2H), 2.25-2.15(m, 2H), 2.00-1.87(m, 2H), 1.74-1.57(m, 2H), 1.50-1.42(m, 5H), 1.22-1.10(m, 3H), 0.85-0.80(m, 6H)
【0199】
【化58】
スキーム5A:ネオデグラダーP1-β-グルクロニドリンカー複合体の合成
【0200】
工程1:化合物25の合成
撹拌中の3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-プロパン酸(化合物24、5.00g、16.06mmol、1.00当量)の混合物に、SOCl2(25mL)を室温で添加した。得られた混合物を16時間、80℃で撹拌した。所望の生成物はLCMSで検出される(MeOHを伴う誘導体 MS=326)。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物を減圧下濃縮して、9H-フルオレン-9-イルメチルN-(3-クロロ-3-オキソプロピル)カルバメート(化合物25、7.5g、粗製)を黄色油状物として得た。粗製生成物をさらに精製することなく直接次工程で使用した。1H-NMR分析は、それが所望の生成物であることを示した(MeOHを伴う誘導体)。1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 7.81-7.77 (m, 2H), 7.63-7.59 (m, 2H), 7.46-7.40 (m, 2H), 7.40-7.31 (m, 2H), 5.33 (s, 1H), 4.42 (d, J=3.0 Hz, 2H), 4.24 (t, J=6.0 Hz, 1H), 3.74-3.67 (m, 3H), 3.50 (d, J=3.0 Hz, 2H), 2.59 (t, J=6.0 Hz, 2H)
【0201】
工程2:化合物28の合成
撹拌中の4-ホルミル-2-ニトロフェノール(化合物27、4.21g、25.19mmol、1.00当量)およびAg2O(7.00g、30.20mmol、1.20当量)のACN(100mL、190.24mmol、75.00当量)溶液に、化合物26(10.00g、25.17mmol、1.00当量)を、N2雰囲気下、室温で少しずつ添加した。得られた混合物を、N2雰囲気下、一夜、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物を濾過し、フィルターケーキをDCM(50ml×3)で洗浄した。濾液を減圧下濃縮した。残渣をPE/EA(PE:EA=1:2)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-(4-ホルミル-2-ニトロフェノキシ)オキサン-2-カルボキシラート(化合物28、10.5g、86%)を白色固体として得た。1H-NMR分析は、それが所望の生成物であることを示した。LCMS (ES, m/z): 484 [M+1]+. 1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 10.00 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.13-8.09 (m, 1H), 7.52 (d, J=3.0 Hz, 1H), 5.47-5.29 (m, 4H), 4.37-4.35 (m, 1H), 3.75-3.73 (m, 3H), 2.17-2.06 (m, 9H)
【0202】
工程3:化合物29の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-(4-ホルミル-2-ニトロフェノキシ)オキサン-2-カルボキシラート(化合物28、6.00g、12.41mmol、1.00当量)のMeOH(50mL)溶液に、N2雰囲気下、RTでNaBH4(0.47g、12.42mmol、1.00当量)を少しずつ添加した。得られた混合物を、N2雰囲気下、2時間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。室温で、水で反応をクエンチした。得られた物質をNa2SO4で乾燥させた.得られた混合物を濾過し、フィルターケーキをDCMで洗浄した。得られた混合物を減圧下濃縮して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[4-(ヒドロキシメチル)-2-ニトロフェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物29、5.5g、91%)を固体として得た。LCMS (ES, m/z): 486 [M+H]+
【0203】
工程4:化合物30の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[4-(ヒドロキシメチル)-2-ニトロフェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物29、5.50g、11.33mmol、1.00当量)のEA(60mL)中の混合物に、室温でPd/C(1.10g、10%)を少しずつ添加した。得られた混合物を、H2雰囲気下、16時間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物を濾過し、フィルターケーキをDCMおよびMeOHで洗浄し、濾液を減圧下濃縮して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物30、4.0g、77%)を固体として得た。粗製生成物をさらに精製することなく直接次工程で使用した。LCMS (ES, m/z): 456 [M+H]+
【0204】
工程5:化合物31の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物30、1.00g、2.19mmol、1.00当量)およびNaHCO3(0.20g、2.40mmol、1.1当量)のTHF(10mL)溶液に、化合物25(0.87g、2.62mmol、1.20当量)を、N2雰囲気下、0℃で少しずつ添加した。得られた混合物を、N2雰囲気下、6時間、0℃で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。室温で、水で反応をクエンチした。得られた混合物を、DCMで抽出した。合わせた有機層を減圧下濃縮した。残渣をPE/EA(EA=100%)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-プロパンアミド)-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物31、1.1g、66%)を明黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 749 [M+H]+
【0205】
工程6:化合物33の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物31、1.50g、2.00mmol、1.00当量)および炭酸ビス(4-ニトロフェニル)(化合物32、0.68g、2.24mmol、1.12当量)のDMF(15mL)中の混合物に、N2雰囲気下、0℃でDIEA(0.52g、4.01mmol、2.00当量)を少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、一夜、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。反応混合物を、次の条件を用いる逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製した:カラム、C18シリカゲル;移動相、ACN水溶液(0.1%FA)、40分間で10%~90%勾配;検出器、UV 254nm。集めたフラクションを減圧下濃縮乾固して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)-4-[[(4-ニトロフェノキシカルボニル)オキシ]メチル]フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物33、1.4g、48%)を黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 914 [M+H]+
【0206】
【化59】
スキーム5B:ネオデグラダーP1-β-グルクロニドリンカー複合体の合成
【0207】
工程7:化合物34の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)-4-[[(4-ニトロフェノキシカルボニル)オキシ]メチル]フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物33、1.00g、1.09mmol、1.00当量)および1-(3-クロロ-4-[2-[2-(メチルアミノ)エトキシ]エチル]フェニル)-3-[[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]尿素(ネオデグラダーP1、0.58g、1.09mmol、1.00当量)のDMF(10mL)中の混合物に、N2雰囲気下に、室温でHOBT(1.18g、8.72mmol、8.00当量)および2,4-ジメチルピリジン(1.07g、8.72mmol、8.00当量)を少しずつ添加した。得られた混合物を、N2雰囲気下、16時間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物をさらに精製に使用した。残渣を次の条件を用いる逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製した:カラム、C18シリカゲル;移動相、ACN水溶液(0.1%FA)、40分間で10%~80%勾配;検出器、UV 254nm。集めたフラクションを減圧下濃縮して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]-2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物34、800mg、56%)を固体として得た。LCMS (ES, m/z): 1302 [M+H]+
【0208】
工程8:化合物35の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]-2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物34、800.00mg、0.61mmol、1.00当量)のTHF(80mL)中の混合物に、N2雰囲気下、室温でHCl(6N、80mL)を少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、3時間、50℃で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物を減圧下濃縮した。残渣を次の条件を用いる逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製した:カラム、C18シリカゲル;移動相、ACN水溶液(0.1%FA)、40分間で0%~80%勾配;検出器、UV 254nm。集めたフラクションを凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R,6S)-6-[4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]-2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)フェノキシ]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(化合物35、230mg、32%)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 1162 [M+H]+
【0209】
工程9:化合物36の合成
撹拌中の(2S,3S,4S,5R,6S)-6-[4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]-2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)フェノキシ]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(化合物35、230mg、0.2mmol、1.00当量)のDMF(2mL)溶液に、ピペリジン(0.4mL)を、窒素雰囲気下、室温で少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、10分間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物を次の条件(カラム:XSelect CSH Prep C18 OBDカラム、19×250mm、5μm;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:ACN;流速:25mL/分;勾配:7分間で20B~40B;220nm;RT 1:5.78分)を用いる分取HPLCによるさらなる精製に直接使用して、(2S,3S,4S,5R,6S)-6-[2-(3-アミノプロパンアミド)-4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]-エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]フェノキシ]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(化合物36、35mg,18%)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 940 [M+H]+
【0210】
工程10:化合物(Ie)の合成
撹拌中の(2S,3S,4S,5R,6S)-6-[2-(3-アミノプロパンアミド)-4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]フェノキシ]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(化合物36、30mg、0.03mmol、1.00当量)のDMF(3mL)溶液に、DIEA(13mg、0.10mmol、3.00当量)および化合物37(30mg、0.10mmol、3.00当量)を、窒素雰囲気下、室温で少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、1時間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物を次の条件を用いる分取HPLCで精製した(カラム:Xselect CSH OBDカラム30×150mm 5μm、移動相A:水(0.1%FA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分;勾配:10分間で21B~36B;220nm;RT 1:11.15分)。集めたフラクションを凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R,6S)-6-[4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル]-(メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]-2-[3-[6-(2,5-ジオキソピロール-1-イル)ヘキサンアミド]プロパンアミド]フェノキシ]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(化合物(Ie)、10.5mg、28%)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 1133 [M+H]+. 1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.9 (s, 1H), 9.13 (s, 1H), 8.16 (s, 1H), 7.92-7.68 (m, 4H), 7.52 (s, 1H), 7.44 (d, J=3.0 Hz, 1H), 7.18-6.99 (m, 7H), 5.76 (s, 1H), 5.20-5.10 (m, 2H), 4.98 (br s, 2H), 4.76-4.74 (m, 1H), 4.42-4.33 (m, 4H), 3.65 (br s, 1H), 3.58-3.54 (m, 5H), 3.35 (d, J=6 Hz, 2H), 2.90-2.83 (m, 7H), 2.57-2.55 (m, 3H), 2.45-2.30 (m, 1H), 2.02-1.98 (m, 4H), 1.48-1.42 (m, 5H), 1.40-1.20 (m, 3H)
【0211】
【化60】
スキーム6:ネオデグラダーP1-β-グルクロニドリンカー複合体(化合物(Ih))の合成
【0212】
【化61】
実施例6:化合物(Ih)の合成
工程1:化合物63の合成
撹拌中の3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパン酸(化合物62、5.00g、16.06mmol、1.00当量)の混合物に、SOCl
2(25mL)を室温で添加した。得られた混合物を16時間、80℃で撹拌した。所望の生成物はLCMSで検出される(MeOHを伴う誘導体 MS=326)。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物を減圧下濃縮して、9H-フルオレン-9-イルメチルN-(3-クロロ-3-オキソプロピル)カルバメート(化合物63、7.5g、粗製)を黄色油状物として得た。粗製生成物をさらに精製することなく次工程で直接使用した。
1H NMR分析は、それが所望の生成物であることを示した(MeOHを伴う誘導体)。
1H-NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 7.81-7.77 (m, 2H), 7.63-7.59 (m, 2H), 7.46-7.40 (m, 2H), 7.40-7.31 (m, 2H), 5.33 (s, 1H), 4.42 (d, J=3.0 Hz, 2H), 4.24 (t, J=6.0 Hz, 1H), 3.74-3.67 (m, 3H), 3.50 (d, J=3.0 Hz, 2H), 2.59 (t, J=6.0 Hz, 2H)
【0213】
工程2:化合物66の合成
撹拌中の4-ホルミル-2-ニトロフェノール(化合物65、4.21g、25.19mmol、1.00当量)およびAg2O(7.00g、30.20mmol、1.20当量)のACN(100mL、190.24mmol、75.00当量)溶液に、メチル(2S,3S,4S,5R,6R)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-ブロモオキサン-2-カルボキシラート(化合物64、10.00g、25.17mmol、1.00当量)を、N2雰囲気下、室温で少しずつ添加した。得られた混合物を、N2雰囲気下、一夜、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物を濾過し、フィルターケーキをDCM(50mL×3)で洗浄した。濾液を減圧下濃縮した。残渣をPE/EA(PE:EA=1:2)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-(4-ホルミル-2-ニトロフェノキシ)オキサン-2-カルボキシラート(化合物66、10.5g、86%)を白色固体として得た。1H-NMR分析は、それが所望の生成物であることを示した。LCMS (ES, m/z): 484 [M+1]+. 1H-NMR (300 MHz, CDCl3) δ 10.00 (s, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.13-8.09 (m, 1H), 7.52 (d, J=3.0 Hz, 1H), 5.47-5.29 (m, 4H), 4.37-4.35 (m, 1H), 3.75-3.73 (m, 3H), 2.17-2.06 (m, 9H)
【0214】
工程3:化合物67の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-(4-ホルミル-2-ニトロフェノキシ)オキサン-2-カルボキシラート(化合物66、6.00g、12.41mmol、1.00当量)のMeOH(50mL)溶液に、N2雰囲気下、室温でNaBH4(0.47g、12.42mmol、1.00当量)を添加した。得られた混合物を、N2雰囲気下、2時間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。室温で、水で反応をクエンチした。得られた物質をNa2SO4で乾燥させた。得られた混合物を濾過し、フィルターケーキをDCMで洗浄した。得られた混合物を減圧下濃縮して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[4-(ヒドロキシメチル)-2-ニトロフェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート、(化合物67、5.5g、91%)を固体として得た。LCMS (ES, m/z): 486 [M+H]+
【0215】
工程4:化合物68の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[4-(ヒドロキシメチル)-2-ニトロフェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物67、5.50g、11.33mmol、1.00当量)のEA(60mL)中の混合物に、室温でPd/C(1.10g、10%)を少しずつ添加した。得られた混合物を、H2雰囲気下、16時間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物を濾過し、フィルターケーキをDCMおよびMeOHで洗浄し、濾液を減圧下濃縮して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物68、4.0g、77%)を固体として得た。粗製生成物をさらに精製することなく直接次工程で使用した。LCMS (ES, m/z): 456 [M+H]+
【0216】
工程5:化合物70の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-アミノ-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物68、1.00g、2.19mmol、1.00当量)およびNaHCO3(0.20g、2.40mmol、1.1当量)のTHF(10mL)溶液に、9H-フルオレン-9-イルメチルN-(3-クロロ-3-オキソプロピル)カルバメート(化合物69、0.87g、2.62mmol、1.20当量)を、N2雰囲気下、0℃で少しずつ添加した。得られた混合物を、N2雰囲気下、6時間、0℃で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。室温で、水で反応をクエンチした。得られた混合物を、DCMで抽出した。合わせた有機層を減圧下濃縮した。残渣をPE/EA(EA=100%)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物70、1.1g、66%)を明黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 749 [M+H]+
【0217】
工程6:化合物72の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)-4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物70、1.50g、2.00mmol、1.00当量)および炭酸ビス(4-ニトロフェニル)(化合物71、0.68g、2.24mmol、1.12当量)のDMF(15mL)中の混合物に、N2雰囲気下に、0℃でDIEA(0.52g、4.01mmol、2.00当量)を少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、一夜、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。反応混合物を、次の条件を用いる逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製した:カラム、C18シリカゲル;移動相、ACN水溶液(0.1%FA)、40分間で10%~90%勾配;検出器、UV 254nm。集めたフラクションを減圧下濃縮乾固して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-アミノ]プロパンアミド)-4-[[(4-ニトロフェノキシカルボニル)オキシ]メチル]フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物72、1.4g、48%)を黄色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 914 [M+H]+
【0218】
工程7:化合物73の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)-4-[[(4-ニトロフェノキシカルボニル)オキシ]メチル]フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物72、1.00g、1.09mmol、1.00当量)および1-(3-クロロ-4-[2-[2-(メチルアミノ)エトキシ]エチル]フェニル)-3-[[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]尿素(ネオデグラダーP1、0.58g、1.09mmol、1.00当量)のDMF(10mL)中の混合物に、N2雰囲気下に、室温でHOBT(1.18g、8.72mmol、8.00当量)および2,4-ジメチルピリジン(1.07g、8.72mmol、8.00当量)を少しずつ添加した。得られた混合物を、N2雰囲気下、16時間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物をさらなる精製に使用した。残渣を次の条件を用いる逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製した:カラム、C18シリカゲル;移動相、ACN水溶液(0.1%FA)、40分間で10%~80%勾配;検出器、UV 254nm。集めたフラクションを減圧下濃縮して、メチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]-2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物73(800mg、56%)を固体として得た。LCMS (ES, m/z): 1302 [M+H]+
【0219】
工程8:化合物74の合成
撹拌中のメチル(2S,3S,4S,5R,6S)-3,4,5-トリス(アセチルオキシ)-6-[4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]-2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)フェノキシ]オキサン-2-カルボキシラート(化合物73(800.00mg、0.61mmol、1.00当量)のTHF(80mL)中の混合物に、N2雰囲気下に、室温でHCl(6N、80mL)を少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、3時間、50℃で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物を減圧下濃縮した。残渣を次の条件を用いる逆相フラッシュクロマトグラフィーで精製した:カラム、C18シリカゲル;移動相、ACN水溶液(0.1%FA)、40分間で0%~80%勾配;検出器、UV 254nm。集めたフラクションを凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R,6S)-6-[4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]-2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)フェノキシ]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(化合物74、230mg、32%)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 1162 [M+H]+
【0220】
工程9:化合物75の合成
撹拌中の(2S,3S,4S,5R,6S)-6-[4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]-2-(3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]プロパンアミド)フェノキシ]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸、74(230mg、0.2mmol、1.00当量)のDMF(2mL)溶液に、ピペリジン(0.4mL)を、窒素雰囲気下、室温で少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、10分間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。得られた混合物を次の条件(カラム:XSelect CSH Prep C18 OBDカラム、19×250mm、5μm;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:ACN;流速:25mL/分;勾配:7分間で20B~40B;220nm;RT1:5.78分)を用いる分取HPLCで直接さらに精製して、(2S,3S,4S,5R,6S)-6-[2-(3-アミノプロパンアミド)-4-[([[2-(2-[2-クロロ-4-[([[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル]カルバモイル)アミノ]フェニル]エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル]オキシ)メチル]フェノキシ]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(化合物75、35mg、18%)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 940 [M+H]+
【0221】
工程10:化合物(Ih)の合成
撹拌中の(2S,3S,4S,5R,6S)-6-[2-(3-アミノプロパンアミド)-4-[({[2-(2-{2-クロロ-4-[({[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル}カルバモイル)アミノ]フェニル}エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]フェノキシ]-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(化合物75、110mg、0.12mmol、1.00当量)およびペンタン二酸ビス(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)(化合物76、46mg、0.14mmol、1.2当量)のDMF(2.0mL)溶液に、DIEA(30mg、0.23mmol、2.0当量)を、窒素雰囲気下、室温で少しずつ添加した。得られた混合物を、窒素雰囲気下、1時間、室温で撹拌した。LCMSは反応の完了を示した。反応混合物を次の条件を用いる分取HPLCで精製した(カラム:Kinetex EVO prep C18、30×150、5μm;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:ACN;流速:60mL/分;勾配:7分間で21%B~41%B、41%B;波長:254nm;RT1(分):5.8。集めたフラクションを凍結乾燥して、(2S,3S,4S,5R,6S)-6-{4-[({[2-(2-{2-クロロ-4-[({[2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソ-3H-イソインドール-5-イル]メチル}カルバモイル)アミノ]フェニル}エトキシ)エチル](メチル)カルバモイル}オキシ)メチル]-2-(3-{5-[(2,5-ジオキソピロリジン-1-イル)オキシ]-5-オキソペンタンアミド}プロパンアミド)フェノキシ}-3,4,5-トリヒドロキシオキサン-2-カルボン酸(化合物(Ih)、48mg、34%)を白色固体として得た。LCMS (ES, m/z): 1151 [M+H]+, 1173 [M+Na]+.1H-NMR (300MHz, DMSO-d6): 12.80 (br s, 1H), 10.98 (s, 1H), 9.08 (s, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.68-7.66 (m, 2H), 7.51 (s, 1H), 7.44 (d, J=8.1 Hz,1H), 7.25-7.00 (m, 4H), 6.82-6.80 (m, 1H), 5.86 (s, 1H), 5.39-5.30 (m, 2H), 5.14-5.07 (m, 1H), 4.97 (s, 2H), 4.84 (d, J=7.2 Hz,1H), 4.47-4.27 (m, 4H), 3.90 (d, J=9.6 Hz, 1H), 3.56-3.48 (m, 4H), 3.45-3.36 (m, 6H), 2.95-2.80 (m, 8H), 2.75-2.65 (m, 3H), 2.62-2.55 (m, 2H), 2.49-2.35 (m, 1H), 2.21-2.16 (m, 2H), 2.01-1.95 (m, 1H), 1.85-1.80 (m, 2H)
【0222】
実施例7:ネオデグラダーコンジュゲートの製造および特徴づけのための一般法
【化62】
スキーム7:CD33AB-化合物(Ia)の合成
【0223】
CD33AB-化合物(Ia)の合成
2.25モル当量のTCEPを、50mM EPPS、5mM EDTA pH7.0中のCD33ABの7.8mg/mL溶液に添加し、混合物を2時間、37℃でインキュベートした。一部還元した抗体を環境温度に冷却後、8モル当量の化合物(Ia)を、抗体の最終濃度が7.0mg/mL、DMAの最終濃度が10%(v/v)となるよう、DMA中の原液として添加した。反応物を、環境温度で、1時間インキュベートした。得られたコンジュゲートを、Zeba 40K脱塩カラムを使用するゲル濾過、続いてSlide-a-Lyzerカセット(10KMWCO)を使用する透析により、20mM コハク酸ナトリウム、8%スクロース、0.01%Tween-20 pH5.5製剤緩衝液に精製した。精製AnDCは、SECにより100%モノマー、減少するRPLC-MSにより3.1薬物/抗体の平均薬物負荷およびRPLCにより<1.5%非コンジュゲート化合物(Ia)を有することが判明した。
【0224】
【化63】
スキーム8:CD33AB-化合物(Ib)の合成
【0225】
CD33AB-化合物(Ib)の合成
3.8モル当量の化合物(Ib)を、DMC中の原液として、抗体の最終濃度が6.4mg/mLおよびDMAの最終濃度が10%(v/v)となるように、50mM EPPS pH8.0緩衝液のCD33AB中の溶液として添加した。反応物を、環境温度で、3時間インキュベートした。得られたコンジュゲートを、Zeba 40K脱塩カラムを使用するゲル濾過、続いてSlide-a-Lyzerカセット(10KMWCO)を使用する透析により、20mM コハク酸ナトリウム、8%スクロース、0.01%Tween-20 pH5.5製剤緩衝液に精製した。精製AnDCは、SECにより100%モノマー、インタクトRPLC-MSにより平均薬物負荷3.1薬物/抗体およびRPLCによりインタクトRPLC-MSを有することが判明した。
【0226】
濃度およびモノマーを、5μm粒子を用いる7.8×300mM TSKGel 3000SWXLカラム(Tosoh Bioscience)を使用して、0.5mg/mLで30分間流す、400mM 過塩素酸ナトリウム、50mM リン酸ナトリウム、5%(v/v)イソプロパノール移動相で定組成的に溶出する、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定した。ネオデグラダーコンジュゲートを、214nmで検出する、抗体標準曲線から定量した。
【0227】
薬物対抗体比(DAR)を、2.5μm粒子を用いる4.6×35mm TSKgel Butyl-NPRカラムを使用して、疎水性相互作用クロマトグラフィーにより決定した。移動相Aは1.5M硫酸アンモニウム、25mM リン酸ナトリウムpH7.0であった。移動相Bは25mM リン酸ナトリウムpH7.0、25%(v/v)イソプロパノールであった。検体を、流速0.6mL/分で、12分間の0~100%Bの直線勾配で溶出した。検出は214nmであった。
【0228】
遊離リンカー-ペイロードを、2.5μm粒子を用いる4.6×250mm HISEPカラム(Supelco)を使用して、混合モードクロマトグラフィーにより決定した。移動相Aは100mM 酢酸アンモニウムであった。移動相Bは100%アセトニトリルであった。検体を、流速0.7mL/分で、25分間25~40%B、次いで2分間で40~100%Bの勾配で溶出した。カラム温度は35℃であった。遊離リンカー-ペイロードを、254nmで検出する、外的標準曲線を使用して定量した。
【0229】
さらなるネオデグラダーコンジュゲートを、上記方法を使用して、リシンまたはシステイン反応性コンジュゲーションハンドルを有する適切なリンカー-ネオデグラダーに置換して、製造できる。
【0230】
実施例8:抗CD33抗体-ネオデグラダーコンジュゲートでの急性骨髄性白血病(AML)の処置
CD33AB-ネオデグラダー化合物を、無胸腺ヌードマウス(Crl:NU(NCr)-Foxn1nu、Charles River)で試験した。1×107MV411ヒト急性単球性白血病細胞(ATCC(登録商標) CRL-5991TM)の50%マトリゲル溶液を、マウスの側腹部に皮下注射した(0.1mL/マウス)。腫瘍が100~150mm3の平均サイズに達したら、マウスに抗CD33抗体-ネオデグラダーコンジュゲート、非ターゲティングネオデグラダーコンジュゲートおよび媒体対照を投与した。
【0231】
CD33AB-化合物(Ia)、CD33AB-化合物(Ib)の原液を媒体で希釈して、0.302および0.294mg/mL投与溶液を得て、これは、3.02および2.94mg/kgで、各動物体重により調節して、10mL/kg(0.2mL/20gマウス)の投与体積となった。この投与戦略により、各試験群で同じ量のペイロードの送達を確実とした。マイロターグを0.9%塩化ナトリウム溶液で0.01mg/mLに希釈し、これにより、3mg/kgで、10mL/kg(0.2mL/20gマウス)の投与体積となった。ベネトクラクスを、超音波処理により60%PG、30%PEG400、10%エタノールからなる溶媒中で製剤化して、5mg/mL投与懸濁液を得て、これにより、10mL/kgの体積で投与時、50mg/kgが送達された。CC-90009を遠心分離して、底の粉末を回収し;次いでN-メチル-2-ピロリジノン(NMP)、PEG400および食塩水を添加し、1個ずつよく混合して、5%NMP、45%PEG400および50%食塩水中0.5mg/mL投与溶液を得て、これにより、10mL/kgの体積で投与時、5mg/kgが送達された。
【0232】
マウスを次の6処置群(N=9/群)に分けた:1)媒体;2)CD33AB-化合物(Ia)(3.02mg/kg、iv、qd×1);3)CD33AB-化合物(Ib)(2.94mg/kg、iv、qd×1);4)マイロターグ(0.1mg/kg、iv、qd×1);5)ベネトクラクス(50mg/kg、po、qd×21);6)CC-90009(5mg/kg、ip、bid×10)。群1~4の試験品を、体重(0.200mL/20gマウス)で調節した体積の単回投与(qd×1)で静脈内(i.v.)投与した。各動物のBWに対して調製した10mL/kg(0.2mL/20gマウス)投与体積で、ベネトクラクスを経口(po)投与し、一方CC-90009を腹腔内(ip)投与した。
【0233】
腫瘍を週2回カリパスを使用して測定し、各動物を、腫瘍がエンドポイント体積(2,000mm3)に達するかまたは試験最終日(45日目)の何れか早い方で、屠殺した。MTV(n)は、腫瘍がエンドポイント体積に減少していない、残存動物数(n)における試験最終日の中央腫瘍体積として定義した。
【0234】
図1Aに示すとおり、両方のネオデグラダーコンジュゲートは、媒体と比較して、経時的にゆっくりした腫瘍増殖をもたらした。
【0235】
さらに活性を確認し、別のコンジュゲーションおよびリンカー-放出モダリティを評価するために、一団のCD33ABベースのコンジュゲートを試験し、それぞれ臨床投与量レベルの臨床的に承認されたCD33ターゲティングADCであるマイロターグおよび臨床治験中の小分子GSPT1デグラダーであるCC-90009と比較した。
図1Bに示すとおり、インビトロでの観察に一致して、ネオデグラダーP1を放出するCD33ABベースのコンジュゲートでのCD33陽性AMLモデル腫瘍(MV4-11)のインビボ処置は腫瘍退縮をもたらし、最もロバストな効果が、ベータ-グルクロニド放出トリガーおよびシステインコンジュゲーションを含むコンジュゲートで見られた。ベータ-gluリンカーを有する2個のバリアントの比較(化合物(Ie)対化合物(Ia))は、化合物(Ie)と比較して、化合物(Ia)コンジュゲートがより長く持続する応答を示すことが示された。
【0236】
実施例9:抗CD33抗体-ネオデグラダーコンジュゲートでのヒト白血病モデルの処置
一連のCD33陽性およびCD33陰性モデルにわたる活性を確認するために、CD33AB-化合物(Ia)コンジュゲートがインビトロでヒト白血病モデル(CD33陽性AMLおよびCD33陰性悪性腫瘍を含む)の一団で殺腫瘍細胞を誘導する有効性を評価した。試験品(TA)の細胞毒性を、一団のCD33陽性急性骨髄性白血病細胞株および一団の非AML CD33陰性細胞を使用して測定した。細胞を予定した濃度で96ウェルプレートに播種し、37℃/5%CO
2で一夜インキュベーション後、各試験品(TA)の連続希釈物を細胞に添加した。細胞を試験品と72時間インキュベートし、生存能をCellTiter-Glo(登録商標)試薬(Promega)で検出した。発光値を各細胞株で正規化し、IC
50をPrizmソフトウェアを使用して計算した。結果を
図2に示す。コンジュゲートは数種のCD33+細胞に良好な活性を示したが、有利なことに、コンジュゲートはCD33陰性細胞モデルで不活性であった。
【0237】
実施例10:抗CD33抗体-ネオデグラダーコンジュゲートの細胞毒性
コンジュゲートの細胞毒性を、MV4-11 CD33陽性急性骨髄性白血病細胞を使用して測定した。細胞を、アッセイ媒体中、96ウェルプレートに播種し、アッセイ媒体中に調製したCD33AB-化合物I(a)コンジュゲート、ベネトクラクス、マイロターグ、CC-885、CC-90009、CD33AB(非コンジュゲート抗体)または非結合AnDC対照の連続希釈物を細胞に添加した。細胞を72時間インキュベートし、次いで細胞生存能をCell Counting kit-8(Dojindo)またはCellTiter-Glo(登録商標)試薬(Promega)で検出した。
図3に示すとおり、結果は、コンジュゲートがCD33陽性AML細胞にCC885またはマイロターグと同等の全体的インビトロ有効性を示すことを示した- 数例では有効性が優れた。
【0238】
実施例11:AML患者由来細胞における抗CD33抗体-ネオデグラダーコンジュゲートの活性
CD33AB-化合物(Ia)コンジュゲートを、数AML患者一次芽細胞でインビトロで評価した。最後の処置後集めた成人AML患者からの凍結骨髄サンプルを解凍し、コンジュゲート、マイロターグまたはCC-90009の連続希釈物を含む96ウェルプレートに播種した。プレートを、48時間、37℃/5%CO
2でインキュベートし、次いで各ウェルの赤血球を溶解し、残存細胞を、Annexin Vと共に芽球マーカー抗体(各ドナーの裁量芽球抗体を予め決定した)で染色した。サンプルをフローサイトメトリーにより分析した。腫瘍細胞生存を、各サンプル中の生存腫瘍細胞の絶対数により決定し、未処理ウェルにおける数で正規化した。
図4に示すとおり、抗CD33抗体-ネオデグラダーコンジュゲートは、標準治療処置(マイロターグ)または探索的小分子GSPT1デグラダー(CC-90009)と比較して、患者由来細胞で、細胞毒性により測定して、優れた活性を示した。
【0239】
実施例12:ヒト前駆細胞CFC増殖に対する抗CD33抗体-ネオデグラダーコンジュゲートの活性
CD33が正常骨髄前駆細胞集団で発現され、正常細胞骨髄抑制がマイロターグで観察される有害事象(AE)であるため、CD33AB-化合物(Ia)コンジュゲート、マイロターグおよびCC-90009の正常赤血球、骨髄および巨核球前駆細胞に対する活性を、コロニー形成アッセイで測定した。正常ヒト骨髄低密度細胞を、実験の日に解凍し、洗浄し、rhIL-3(10ng/mL)、rhGMCSF(10ng/mL)およびrhSCF(50ng/mL)添加XVivo 15培地中、24ウェルプレートに播種した。CD33AB-化合物I(a)コンジュゲート、マイロターグおよびCC-90009をウェルに加え、細胞を72時間インキュベートした。インキュベーション後、400μLの各細胞懸濁液を、骨髄および赤血球前駆細胞についてはrhIL-3(10ng/mL)、rh SCF(50ng/mL)、rhGM-CSF(10ng/mL)およびrhEpo(3U/mL)を添加したメチルセルロースベースの培地を含むチューブに添加した。巨核球前駆細胞について、細胞をrhIL-3(10ng/mL)、rhIL-6(10ng/mL)およびrhTpo(50ng/mL)を添加した半固体、コラーゲンベースのマトリクスを含む35mm皿に添加した。14日間のインキュベーション後、骨髄および赤血球前駆細胞のコロニーを顕微鏡的に評価した。コロニーをサイズにより数カテゴリーに分けた:CFU-E(コロニー形成単位-赤血球;このコロニー形成細胞は200未満の赤芽球を含む小コロニーを産生する)およびBFU-E-赤血球前駆細胞(バースト形成単位-赤血球;これはより原始的なコロニー形成細胞であり、200を超える赤芽球を含む大型コロニーを産生する)、CFU-GM-顆粒球-単球前駆細胞(コロニー形成単位-顆粒球、マクロファージ;この骨髄コロニー形成細胞は、40以上の顆粒球-単球および/またはマクロファージ細胞のコロニーを産生できる)およびCFU-GEMM-多能性前駆細胞(コロニー形成単位-顆粒球、赤血球、マクロファージ、巨核球;この原始コロニー形成細胞は、赤血球細胞ならびに20以上の顆粒球、マクロファージおよび巨核球を含むコロニーを産生できる)。
【0240】
巨核球について、14日間のインキュベーション後、細胞をスライドガラスに移し、固定し、CD41抗体およびリン酸検出系で染色した。コロニーをサイズにより3カテゴリーに分けた:CFU-Mk(3~20)、CFU-Mk(21~49)、CFU-Mk(≧50)。結果を、未処理サンプルのコロニー数で正規化し、IC
50をPrizmソフトウェアを使用して計算した。結果を
図5に示す。
【0241】
実施例13:現在の標準治療と比較したAML腫瘍における抗CD33抗体-ネオデグラダーコンジュゲートの活性
皮下腫瘍モデルMV4-11ヒト急性骨髄球性白血病細胞(0.1mL中1×10
6細胞)を、雌無胸腺ヌードマウスの右腹側部に皮下接種した。マウスを、腫瘍サイズが150mm
3に達したとき開始する、側部尾静脈、腹腔内注射への静脈内注射、強制経口投与またはそれらの組み合わせのいずれかによりTAで処置した。腫瘍サイズおよびマウス体重を週2回測定した。
図6に示すとおり、CD33AB-化合物(Ia)コンジュゲートは、利用可能な最善の処置選択肢より優れた有効性を示した。
【0242】
実施例14:播種性AMLモデルにおける抗CD33抗体-ネオデグラダーコンジュゲートの活性
AMLは複数骨髄ニッチに病巣があり、血流を循環して、患者全体でしばしば播種性である疾であるため、インビボモデルで播種性AMLにおけるCD33AB-化合物(Ia)コンジュゲートの活性を試験した。
【0243】
播種性モデルMV4-11細胞(0.2mL中3×106細胞)を、雌NCGマウスの側部尾静脈に静脈内注射した。腫瘍細胞注射13日後に処置を開始した。マウスを、毎日罹病率、死亡率および臨床所見について確認した。体重を週2回測定した。週1回腫瘍進展の画像分析を、生物発光造影10分前に5μL/gのD-ルシフェリンの注射により、麻酔下に実施した。
【0244】
播種性モデルOCI-AML2ヒト急性骨髄球性白血病細胞(0.2mL中1×107細胞)を、雌NOGマウスの側部尾静脈に静脈内注射した。腫瘍細胞注射9日後、処置を開始した。マウスを、毎日罹病率、死亡率および臨床所見について確認した。体重を週2回測定した。週1回腫瘍進展の画像分析を、生物発光造影10分前に5μL/gのD-ルシフェリンの注射により、麻酔下に実施した。
【0245】
図7に示すとおり、両モデル(MV4-11およびOCI-AML2)でロバストな単回投与応答が見られ、腫瘍細胞示すマーカーであるルシフェリンシグナルの持続性減衰を伴った。
【0246】
実施例15:CD33AB-化合物(Ia)コンジュゲートによるGSPT1の分解
CD33AB-化合物(Ia)コンジュゲートの作用機序を、ウェスタンブロットによるGSPT1の分解のモニタリングにより確認した。全細胞ライセートを、6時間、12時間および18時間CD33AB-化合物(Ia)コンジュゲート、ネオデグラダーP1、CC-90009またはマイロターグで処理したMV4-11 CD33陽性AML細胞から調製し、次いでタンパク質を電気泳動により分離し、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)膜に移した。GSPT1を市販ウサギ-抗GSPT1抗体(Abcam)、続いて抗ウサギHRPコンジュゲート二次抗体(Cell Signaling Technology)によりプローブし、化学発光基質(ThermoFisher)で検出した。次いで、PVDF膜を条片化し、ベータ-Actin-HRPコンジュゲート抗体(Cell Signaling Technology)で再プローブした。結果を
図8に示す。これらのデータは、ネオデグラダーP1のCD33ABへのコンジュゲーションが、選択的GSPT1分解を駆動する細胞内暴露を増強することを支持する。GSPT1レベルの類似する用量依存的減少が、投与後6時間の短時間でコンジュゲートおよび小分子、ネオデグラダーP1およびCC-90009で見られた。ネオデグラダーP1およびCC-90009で見られる一過性枯渇とは対照的に - 12時間時点でGSPT1レベルのリバウンドを示す、コンジュゲートでの処置は、投与後18時間までの持続的枯渇を示した。これらのデータは、投与後の活性ペイロードの長期暴露を支持する - 遥かに広範な応答期間および低頻度の投与の可能性に一致する。
【0247】
実施例16:抗CD33抗体-ネオデグラダーコンジュゲートの薬物動態および薬力学的有効性
CD33AB-化合物(Ia)コンジュゲートの暴露および薬力学的活性を、予め腫瘍退縮を確立することが観察された用量に関して評価した。皮下腫瘍モデルMV4-11ヒト急性骨髄球性白血病細胞(0.1mL中1×106細胞)を、雌無胸腺ヌードマウスの右腹側部に皮下接種した。マウスを、CD33AB-化合物(Ia)の0.5mg/kg、1mg/kgおよび3mg/kgの静脈内側部尾静脈注射により処置した。終末心臓穿刺血および腫瘍を、皮下MV4-11腫瘍モデルマウスから投与前、投与後10分、30分、1時間、6時間、24時間、72時間および120時間時点で集めた。血液をEDTA血漿に処理し、腫瘍を液体窒素で急速凍結した。
【0248】
薬物動態分析:コンジュゲートペイロードレベルを、LC-MS/MSにより血漿サンプルで定量した。処理は、コンジュゲートからネオデグラダーP1ペイロードを放出させるためのb-グルクロニダーゼ消化、続いて遊離および放出されたペイロードを集めるためのタンパク質沈殿沈殿およびMRM獲得を使用するLC-MS/MS分析を含んだ。方法は、公認であり、直線性、特異性、キャリーオーバー、精度および正確さによる小分子分析のための非GLP生物学的分析的定量LC-MS/MSの許容される基準に合った。関連薬物動態パラメータを、WinNonLin(V8.3)を使用して計算した。
【0249】
薬力学的分析-腫瘍組織を、RIPA溶解緩衝液とプロテアーゼおよびホスファターゼ阻害剤を使用して均質化し、ウェスタンブロッティングをポリクローナルウサギ抗GSPT1抗体(Abcam ab126090)を使用して実施した。インビトロで見られたGSPT1の持続性枯渇に一致して、コンジュゲートの単回インビボ投与が、GSPT1レベル減少を120時間まで維持するのに十分であった(
図9、上部)。さらに、ネオデグラダーP1のCD33ABへのコンジュゲーションは、P1の64時間を超える持続性半減期をもたらし(
図9、下部)、ペイロードの持続性暴露および低頻度投与の可能性を支持する。
【0250】
実施例17:マイロターグ非感受性細胞株に対する抗CD33ネオデグラダーコンジュゲートの活性
試験品(TA)のインビトロ細胞毒性を、マイロターグ非感受性であることが知られる一団のCD33陽性急性骨髄性白血病細胞株(AML193およびKasumi-6)を使用して測定した。細胞を予定した濃度で96ウェルプレートに播種し、37℃/5%CO2で一夜インキュベーション後、各試験品(TA)の連続希釈物を細胞に添加した。細胞を試験品と72時間インキュベートし、生存能をCellTiter-Glo(登録商標)試薬(Promega)で検出した。発光値を各細胞株で正規化し、IC50をPrizmソフトウェアを使用して計算した。
【0251】
図10Aおよび10Bに示すとおり、コンジュゲートは、両細胞株に対して良好な活性を有した。
【0252】
概要および要約セクションではなく、詳細な記載のセクションが、特許請求の範囲の解釈に使用されることが意図されることは認識される。概要および要約セクションは、発明者らにより意図される本発明の1以上の、しかし全てではない例示的態様を示し得て、故に、いかなる方法でも本発明および添付する特許請求の範囲を限定することは意図されない。
【0253】
本発明は、上に、特定の機能およびその相関の実行を説明する機能的構成要素の助けを借りて記載している。これらの機能的構成要素の境界は、記載の便宜上ここに任意に定義されている。特定の機能およびその関係が適切に実施される限り、他の境界を定義し得る。
【0254】
具体的態様の上の記載は、本発明の一般的概念から逸脱することなく過度の実験なしに、当分野における技術の範囲内の知識の適用により、他者が容易にこのような具体的態様の種々の適用への修飾および/または適応ができるように、本発明の一般的性を完全に明する。故に、このような適応および修飾は、ここに示す教示および指針に基づき、開示する態様の等価物の意味および範囲内であることが意図される。ここでの表現または用語は、本明細書の用語または表現が教示および指針に照らして当業者に解釈されるべきであるように、限定ではなく、説明を目的とすることは理解されるべきである。
【0255】
本発明の幅および範囲は上記例示的態様の何れによっても限定されず、次の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ定義されるべきである。
【配列表】
【国際調査報告】