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特表2024-521922無人機器制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】無人機器制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/10 20160101AFI20240528BHJP
【FI】
H02P29/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574597
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-12-02
(86)【国際出願番号】 CN2022086144
(87)【国際公開番号】W WO2023045301
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202111106333.9
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VERILOG
2.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】519142480
【氏名又は名称】北京三快在線科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING SANKUAI ONLINE TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 2106-030 No.9 West North 4th Ring Road,Haidian District Beijing 100080 China
(74)【代理人】
【識別番号】100207561
【弁理士】
【氏名又は名称】柳元 八大
(72)【発明者】
【氏名】滕 雄
(72)【発明者】
【氏名】張 添保
(72)【発明者】
【氏名】劉 宝旭
(72)【発明者】
【氏名】陳 剛
【テーマコード(参考)】
5H501
【Fターム(参考)】
5H501AA30
5H501CC02
5H501DD01
5H501EE03
5H501GG03
5H501HB02
5H501HB12
5H501JJ03
5H501KK06
5H501LL01
(57)【要約】
本開示は、無人機器制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器を提供し、本方法では、無人機器の状態情報及び/又は環境情報によって、無人機器に必要な推力、及び無人機器に必要な推力を提供する時に必要なターゲット回転数を決定し、且つターゲット回転数に基づいて、無人機器のモーターに入力される電圧を調整して、調整後の電圧で無人機器を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人機器制御方法であって、
無人機器の状態情報及び/又は環境情報に基づいて、前記無人機器に必要な推力、及び前記無人機器のモーターが前記推力を提供する時に必要なターゲット回転数を決定することと、
前記ターゲット回転数と第1の電圧に対応する回転数閾値との差分が第1の閾値よりも小さいかどうかを判断することと、
前記差分が前記第1の閾値よりも小さい場合に、前記ターゲット回転数に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整して、ターゲット電圧を取得し、前記ターゲット電圧を用いて前記無人機器を制御することとを含む、無人機器制御方法。
【請求項2】
前記回転数閾値は、回転数上限閾値と回転数下限閾値とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無人機器の状態情報は、前記無人機器の重量と、加速度と、速度とのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記無人機器の状態情報及び/又は環境情報に基づいて、前記無人機器に必要な前記推力を決定することは、
前記無人機器が指定される時刻に達する必要があるターゲット状態を決定することと、
前記無人機器の現在時刻での状態情報、前記環境情報及び前記ターゲット状態に基づいて、前記無人機器に必要な前記推力を決定することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲット回転数に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整して、ターゲット電圧を取得し、前記ターゲット電圧を用いて前記無人機器を制御することは、
前記ターゲット回転数に基づいて、前記ターゲット回転数に対応するターゲット回転数閾値を決定することと、
前記ターゲット回転数閾値に基づいて、前記ターゲット回転数閾値に対応する前記ターゲット電圧を決定することと、
前記ターゲット電圧に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整することとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲット回転数と前記ターゲット電圧に対応する回転数閾値との差分は、第2の閾値以上である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ターゲット回転数に対応するターゲット回転数閾値を決定することは、
前記ターゲット回転数に対応するターゲット回転数上限閾値及びターゲット回転数下限閾値を決定することとを含み、
前記ターゲット回転数閾値に基づいて、前記ターゲット回転数閾値に対応する前記ターゲット電圧を決定することは、
前記ターゲット回転数上限閾値及び前記ターゲット回転数下限閾値に基づいて、前記ターゲット回転数下限閾値~前記ターゲット回転数上限閾値に対応するターゲット回転数範囲を決定することと、
前記ターゲット回転数範囲に基づいて、前記ターゲット回転数範囲に対応する前記ターゲット電圧を決定することとを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
無人機器制御装置であって、
前記無人機器の状態情報及び/又は環境情報に基づいて、前記無人機器に必要な推力、及び前記無人機器のモーターが前記推力を提供する時に必要なターゲット回転数を決定するためのターゲット電圧決定モジュールと、
前記ターゲット回転数と第1の電圧に対応する回転数閾値との差分が第1の閾値よりも小さいかどうかを判断し、前記差分が前記第1の閾値よりも小さい場合に、前記ターゲット回転数に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整して、ターゲット電圧を取得し、前記ターゲット電圧を用いて前記無人機器を制御するための電圧調整モジュールとを含む、無人機器制御装置。
【請求項9】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記請求項1~7のいずれか1項に記載の方法が実施される、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
無人機器であって、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され且つプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサが前記プログラムを実行すると、
無人機器の状態情報及び/又は環境情報に基づいて、前記無人機器に必要な推力、及び前記無人機器のモーターが前記推力を提供する時に必要なターゲット回転数を決定することと、
前記ターゲット回転数と第1の電圧に対応する回転数閾値との差分が第1の閾値よりも小さいかどうかを判断することと、
前記差分が前記第1の閾値よりも小さい場合に、前記ターゲット回転数に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整して、ターゲット電圧を取得し、前記ターゲット電圧を用いて前記無人機器を制御することとを実施する、無人機器。
【請求項11】
前記回転数閾値は、回転数上限閾値と回転数下限閾値とを含む、請求項10に記載の無人機器。
【請求項12】
前記無人機器の状態情報は、前記無人機器の重量と、加速度と、速度とのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の無人機器。
【請求項13】
前記無人機器の状態情報及び/又は環境情報に基づいて、前記無人機器に必要な前記推力を決定することは、
前記無人機器が指定される時刻に達する必要があるターゲット状態を決定することと、
前記無人機器の現在時刻での状態情報、前記環境情報及び前記ターゲット状態に基づいて、前記無人機器に必要な前記推力を決定することとを含む、請求項10に記載の無人機器。
【請求項14】
前記ターゲット回転数に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整して、ターゲット電圧を取得し、前記ターゲット電圧を用いて前記無人機器を制御することは、
前記ターゲット回転数に基づいて、前記ターゲット回転数に対応するターゲット回転数閾値を決定することと、
前記ターゲット回転数閾値に基づいて、前記ターゲット回転数閾値に対応する前記ターゲット電圧を決定することと、
前記ターゲット電圧に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整することとを含む、請求項11に記載の無人機器。
【請求項15】
前記ターゲット回転数と前記ターゲット回転数閾値との差分は、第2の閾値以上である、請求項14に記載の無人機器。
【請求項16】
前記ターゲット回転数に対応するターゲット回転数閾値を決定することは、
前記ターゲット回転数に対応するターゲット回転数上限閾値及びターゲット回転数下限閾値を決定することを含み、
前記ターゲット回転数閾値に基づいて、前記ターゲット回転数閾値に対応する前記ターゲット電圧を決定することは、
前記ターゲット回転数上限閾値及び前記ターゲット回転数下限閾値に基づいて、前記ターゲット回転数下限閾値~前記ターゲット回転数上限閾値に対応するターゲット回転数範囲を決定することと、
前記ターゲット回転数範囲に基づいて、前記ターゲット回転数範囲に対応する前記ターゲット電圧を決定することとを含む、請求項14に記載の無人機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無人運転の技術分野に関し、特に無人機器制御方法、装置、記憶媒体及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
無人運転技術と新エネルギー技術の持続的な発展に伴い、電力で駆動される電動無人機器は、普及しつつある。石油又は煤炭をエネルギーとするのとは異なり、電動無人機器の主な動力は、それ自体に取り付けられた動力電池に由来する。
【0003】
電動無人機を例にして、電動無人機に動力電池が取り付けられ、電動無人機の飛行中に、電動無人機における各モーターは、動力電池から無人機に入力された電圧によって、無人機を回転させることができる動力を得、各モーターが回転することによって、電動無人機は、飛行時に必要な動力を得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、無人機器制御方法を提供し、この無人機器制御方法は、無人機器の状態情報及び/又は環境情報に基づいて、前記無人機器に必要な推力、及び前記無人機器のモーターが前記推力を提供する時に必要なターゲット回転数を決定することと、前記ターゲット回転数と第1の電圧に対応する回転数閾値との差分が第1の閾値よりも小さいかどうかを判断することと、前記差分が前記第1の閾値よりも小さい場合に、前記ターゲット回転数に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整して、ターゲット電圧を取得し、前記ターゲット電圧を用いて前記無人機器を制御することとを含む。
【0005】
いくつかの実施例では、前記回転数閾値は、回転数上限閾値と回転数下限閾値とを含む。
【0006】
いくつかの実施例では、前記無人機器の状態情報は、前記無人機器の重量と、加速度と、速度とのうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
いくつかの実施例では、前記無人機器の状態情報及び/又は環境情報に基づいて、前記無人機器に必要な前記推力を決定することは、前記無人機器が指定される時刻に達する必要があるターゲット状態を決定することと、前記無人機器の現在時刻での状態情報、前記環境情報及び前記ターゲット状態に基づいて、前記無人機器に必要な前記推力を決定することとを含む。
【0008】
いくつかの実施例では、前記ターゲット回転数に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整して、ターゲット電圧を取得し、前記ターゲット電圧を用いて前記無人機器を制御することは、前記ターゲット回転数に基づいて、前記ターゲット回転数に対応するターゲット回転数閾値を決定することと、前記ターゲット回転数閾値に基づいて、前記ターゲット回転数閾値に対応する前記ターゲット電圧を決定することと、前記ターゲット電圧に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整することとを含む。
【0009】
いくつかの実施例では、前記ターゲット回転数と前記ターゲット電圧に対応する回転数閾値との差分は、第2の閾値以上である。
【0010】
いくつかの実施例では、前記ターゲット回転数に対応するターゲット回転数閾値を決定することは、前記ターゲット回転数に対応するターゲット回転数上限閾値及びターゲット回転数下限閾値を決定することを含み、前記ターゲット回転数閾値に基づいて、前記ターゲット回転数閾値に対応する前記ターゲット電圧を決定することは、前記ターゲット回転数上限閾値及び前記ターゲット回転数下限閾値に基づいて、前記ターゲット回転数下限閾値~前記ターゲット回転数上限閾値に対応するターゲット回転数範囲を決定することと、前記ターゲット回転数範囲に基づいて、前記ターゲット回転数範囲に対応する前記ターゲット電圧を決定することとを含む。
【0011】
本開示は、無人機器制御装置を提供し、この無人機器制御装置は、前記無人機器の状態情報及び/又は環境情報に基づいて、前記無人機器に必要な推力、及び前記無人機器のモーターが前記推力を提供する時に必要なターゲット回転数を決定するためのターゲット電圧決定モジュールと、前記ターゲット回転数と第1の電圧に対応する回転数閾値との差分が第1の閾値よりも小さいかどうかを判断し、前記差分が前記第1の閾値よりも小さい場合に、前記ターゲット回転数に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整して、ターゲット電圧を取得し、前記ターゲット電圧を用いて前記無人機器を制御するための電圧調整モジュールとを含む。
【0012】
本開示は、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶され、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行されると、上記無人機器制御方法が実施される。
【0013】
本開示は、無人機器を提供し、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され且つプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサが前記プログラムを実行すると、上記無人機器制御方法を実施する。
【発明の効果】
【0014】
本開示によって用いられる上記少なくとも1つの技術案は、以下の有益な効果を達成することができる。
【0015】
本開示による無人機器制御方法では、無人機器の状態情報及び/又は環境情報によって、無人機器に必要な推力、及び無人機器のモーターが前記推力を提供する時に必要なターゲット回転数を決定し、且つターゲット回転数に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される電圧を調整して、調整後の電圧で無人機器を制御する。
【0016】
上記方法から分かるように、本方法では、無人機器のモーターに入力される電圧を調整することによって、無人機器における動力飽和の問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
ここで説明される図面は、本開示のさらなる理解を提供するために使用され、本開示の一部を構成し、本開示の概略的な実施例及びその説明は、本開示を解釈するために使用され、且つ本開示の限定を構成するものではない。図面において、
図1】本開示の実施例による無人機器制御方法のフローチャートである。
図2】本開示の実施例による無人機器制御装置の概略図である。
図3】本開示の実施例による図1に対応する電子機器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
無人機器は、無人機器に取り付けられたモーターの回転により動力を得るが、モーターの回転動力は、無人機器に取り付けられた動力電池から出力された電圧に由来する。無人機器が作動中に外部から干渉を受けると、無人機器が依然として正常に動作できるようにモーターの回転数を上げたり下げたりし、モーターの回転数が現在電圧に対応する回転数上限又は下限に近すぎると、回転数が依然として回転数上下限に対応する範囲内にあるが、動力飽和の問題が発生し、電動無人機の制御性能が低下し、さらに、電動無人機の制御が失われ、予め設定されるターゲット状態で飛行することができない。
【0019】
電動無人機が飛行中に大きな外部抵抗を受け、例えば、電動無人機が向かい風で飛行すると、電動無人機が正常に飛行できることを確保するために、電動無人機の各モーターは、電動無人機が十分な推力を得ることができるように、いずれも回転数を上げる。又は、電動無人機が上昇気流に遭遇すると、電動無人機が正常に飛行できることを確保するために、電動無人機の各モーターは、電動無人機への推力を減らすように、いずれも回転数を下げる。しかし、各モーターの回転数が高すぎたり低すぎたりすると、いずれも電動無人機の動力が飽和するという問題が発生する。そのため、どのようにタスクを実行する時に動力飽和を回避するように無人機器を制御するかは、早急に解決すべき問題である。
【0020】
本態様では、無人機器のモーターに入力される電圧を調整して、無人機器のモーターの回転数閾値を変更することによって、無人機器における動力飽和の問題を回避するとともに、無人機器が依然としてターゲット状態でタスクを実行することができる。
【0021】
本開示の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本開示の具体的な実施例及び対応する図面を併せて本開示の技術案を明確に、完全に説明する。明らかに、記述されている実施例は、本開示の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本開示の保護の範囲に属する。
【0022】
以下、図面を併せて、本開示各実施例による技術案を詳細に説明する。
【0023】
図1は、本開示の実施例による無人機器制御方法のフローチャートであり、ステップS100~S104を含む。
【0024】
S100:前記無人機器の状態情報及び/又は環境情報に基づいて、前記無人機器に必要な推力、及び前記無人機器のモーターが前記推力を提供する時に必要なターゲット回転数を決定する。
【0025】
本開示による無人機器制御方法は、無人機器によって実行されてもよく、ノートパソコン、携帯電話、サーバーなど、無人機器を制御できる電子機器によって実行されてもよく、例えば、本開示は、これに対して制限しない。以下では、実行主体が無人機器である場合のみを例に説明する。
【0026】
本開示において言及される無人機器は、無人機、無人車、ロボット、自動配送機器など、自動運転を実現できる機器を含んでもよい。これに基づいて、本開示による無人機器制御方法を用いる無人機器は、例えば、無人機器を用いて配達、物流、出前などの配送を行う業務シナリオのような、配送分野の配送タスクを実行するために用いることができる。以下では、無人機器が無人機であることを例にして説明する。
【0027】
いくつかの実施例では、無人機における無人運転システムは、受信された、サーバーにより送信されたタスク情報に基づいて、無人機のために、タスク実行中のターゲット航路を計画することができる。タスクの実行中に、無人機は、事前に計画されたターゲット航路に従って飛行することができ、即ち、各時刻に無人機が事前に計画されたターゲット状態に達する必要があるとともに、無人機がそれ自体の状態情報及び位置する環境の情報をリアルタイムにモニタリングして、無人機がタスクを実行する時の安全を確保することができる。
【0028】
状態情報は、無人機の重量と、速度と、加速度とのうちの少なくとも1つを含み、無人機の重量は、無人機自体の重量を含んでもよく、無人機が負荷する重量をさらに含んでもよい。例えば、無人機が物流配送タスクを実行する時、無人機が配送しようとする商品を載せた後、無人機の重量が増加し、無人機のモーターは、無人機がターゲット状態で飛行できるように、それ自体の回転数を上げ、この時、無人機のモーターの回転数が回転数上限閾値に達する可能性があり、無人機は、動力飽和の問題が発生する。同様に、無人機が商品を配送した後、無人機が負荷する重量が軽くなり、無人機は、無人機が依然としてターゲット状態で飛行できるように、それ自体の回転数を下げ、この時、無人機のモーターの回転数が回転数下限閾値に達する可能性があり、無人機は、動力飽和の問題が発生する。
【0029】
また、ターゲット状態は、無人機の速度と、加速度とのうちの少なくとも1つを含む。無人機がモニタリングする環境情報は、風速を含み、降雨量などの他の環境状況をさらに含んでもよく、本開示は、これに対して制限しない。また、無人機器が無人車である場合に、前記環境情報は、無人車が走行する勾配をさらに含んでもよい。
【0030】
無人機が常にターゲット状態で飛行できるために、無人機は、現在時刻での環境に基づいて、無人機が受ける抵抗を決定し、そして無人機の現在時刻での実際の状態とターゲット状態との差異に基づいて、無人機が指定される時刻にターゲット状態に達するのに必要な推力を決定することができる。指定される時刻は、現在時刻であってもよく、他の時刻であってもよく、本開示は、これに対して制限しない。
【0031】
無人機の飛行時の動力は、モーターの回転に由来し、モーターの回転数が高いほど、無人機が得ることができる推力が大きくなり、逆に、モーターの回転数が低いほど、無人機が得ることができる推力が小さくなるため、無人機は、必要な推力に基づいて、モーターが前記推力を提供する時に必要なターゲット回転数を決定することができる。
【0032】
例えば、風がない環境下で、事前に計画された航路に従って、無人機が10m/sの速度でAからC地まで飛行する必要があり、無人機のモーターに入力される電圧が4Vであり、無人機のモーターの回転数が1500rpmである場合に、無人機は、10m/sの速度で飛行することができ、4V電圧に対応するモーターの回転数範囲が1000rpm~2000rpmであると、無人機は、動力飽和の問題が発生しない。無人機の飛行中に、無人機は、それ自体の実際の状態及びそれ自体がある位置の風速などの環境状況をリアルタイムにモニタリングする。
【0033】
無人機がB地まで飛行する時、強風天気に遭遇し且つ無人機が向かい風で飛行し、依然として現在時刻でのモーターの1500rpmの回転数をそのままにした場合、無人機は、5m/sの速度でしか飛行できない。無人機は、モニタリングした風速、現在時刻での実際の状態及び無人機が達する必要があるターゲット状態に基づいて、現在時刻に無人機に必要な推力を20Nと決定することができるとともに、現在時刻に無人機に必要な推力の20Nに基づいて、無人機のモーターが前記推力20Nを提供する時に必要なターゲット回転数を1900rpmと決定することができる。
【0034】
S102:前記ターゲット回転数と第1の電圧に対応する回転数閾値との差分が第1の閾値よりも小さいかどうかを判断し、そうである場合に、S104を実行する。
【0035】
いくつかの実施例では、無人機における動力飽和の問題を回避するために、無人機における無人運転システムは、ステップS100において決定されたターゲット回転数と第1の電圧に対応する回転数閾値との差分が第1の閾値よりも小さいかどうかを判断し、これにより、無人機器のモーターに入力される第1の電圧を調整する必要があるかどうかを判断し、例えばターゲット回転数から無人機のモーターに入力される第1の電圧に対応する回転数下限閾値を減算した数値が第1の閾値よりも小さいかどうかを判断し、又は無人機のモーターに入力される第1の電圧に対応する回転数上限閾値から前記ターゲット回転数を減算した数値が第1の閾値よりも小さいかどうかを判断する。第1の電圧は、現在時刻に無人機器のモーターに入力されている電圧であってもよく、本開示は、これに対して制限しない。
【0036】
無人機のモーターの回転数が速すぎても遅すぎても、動力飽和の問題が発生するため、回転数閾値は、回転数上限閾値と回転数下限閾値とを含む。
【0037】
S104:前記ターゲット回転数に基づいて、無人機器のモーターに入力される第1の電圧を調整して、ターゲット電圧を取得し、前記ターゲット電圧を用いて前記無人機器を制御する。
【0038】
ターゲット回転数と現在時刻での回転数閾値との差分の絶対値が第1の閾値よりも小さい場合に、ターゲット回転数が回転数閾値に達しようとすることを示し、無人機は、動力飽和の問題が発生し、無人機は、電圧を調整する方法によって、動力飽和の問題を回避することができる。
【0039】
いくつかの実施例では、ステップS100から分かるように、無人機のモーターの回転数が第1の電圧(現在時刻での電圧)に対応する回転数閾値に近いと、無人機は、一般的には動力飽和の問題が発生し、無人機がターゲット回転数に達すると動力飽和の問題が発生しないことを確保するために、ターゲット回転数との差分が第2の閾値以上である、ターゲット回転数上限閾値及びターゲット回転数下限閾値を決定し、且つ回転数下限閾値~回転数上限閾値に対応する回転数範囲を決定し、決定された回転数範囲をターゲット回転数範囲とすることができる。
【0040】
モーターの回転数は、モーター自体の構造パラメータに加えて、さらにモーターに入力される電圧にも関係する。無人機のモーターの最高回転数と最低回転数とは、異なる電圧で異なり、電圧の上昇または低下に伴い、モーターの最高回転数と最低回転数も上昇または低下する。
【0041】
そのため、無人機器は、ターゲット回転数閾値に基づいて、ターゲット回転数閾値に対応するターゲット電圧を決定することができる。なお、ターゲット回転数下限閾値~ターゲット回転数上限閾値の範囲は、ターゲット回転数範囲であり、各回転数範囲は、1つのターゲット電圧に対応するため、同じターゲット回転数に対応するターゲット回転数下限閾値とターゲット回転数上限閾値とは、同じターゲット電圧に対応する。
【0042】
なお、ターゲット電圧に対応する回転数閾値は、ターゲット回転数上限閾値とターゲット回転数下限閾値とを含み、上記説明から分かるように、ターゲット回転数とターゲット電圧に対応する回転数閾値(ターゲット回転数上限閾値、ターゲット回転数下限閾値)との差分は、第2の閾値以上である。
【0043】
本開示の実施例では、無人機の動力電池と各モーターとの間には、モーターに入力される電圧を調整できる変圧モジュールが取り付けられ、無人機は、上記方法によって、モーターに入力されるターゲット電圧を決定した後、変圧モジュールによって第1の電圧(現在時刻での実際の電圧)をターゲット電圧に調整し、それによってモーターが調整後の電圧(ターゲット電圧)でターゲット回転数に達することができ、且つ動力飽和の問題が発生しない。
【0044】
引き続き上記例を用い、ターゲット回転数は、現在時刻での実際の電圧4Vに対応する回転数上限2000rpmを超えていないが、ターゲット回転数1900rpmと現在回転数上限2000rpmとの差分は、100rpmしかなく、無人機は、動力飽和の問題が発生する可能性がある。そのため、無人機は、ターゲット回転数1900rpmに基づいて、ターゲット回転数との差分が500rpm以上である、ターゲット回転数下限閾値1400rpm、及びターゲット回転数上限閾値2400rpmを決定し、それによってターゲット回転数範囲を1400rpm~2400rpmと決定することができる。
【0045】
ターゲット回転数範囲1400rpm~2400rpmに基づいて、無人機は、ターゲット回転数範囲1400rpm~2400rpmに対応するターゲット電圧を4.8Vと決定することができる。
【0046】
無人機に取り付けられた変圧モジュールは、この前にモーターに入力される4V電圧を4.8Vに調整する。無人機に入力される電圧を4.8Vに調整した後、無人機のモーターがターゲット回転数1900rpmに達すると、現在時刻での回転数下限閾値が1400rpmであり、回転数上限閾値が2400rpmであり、無人機のモーターの回転数と現在時刻での回転数上下限閾値がいずれも500rpm以上であることによって、無人機は、現在時刻に向かい風の環境下で、依然として10m/sの速度で飛行することができるとともに、動力飽和の問題が発生しない。
【0047】
ターゲット回転数と現在時刻での回転数閾値との差分の絶対値が第1の閾値以上である場合に、現在、無人機に動力飽和の問題が発生することがないことを示すため、無人機のモーターに入力される電圧を調整する必要がない。無人機は、現在時刻での実際の電圧を引き続き用いて無人機を制御することができる。
【0048】
上記無人機に動力飽和の問題が発生した場合に、モーターに入力される電圧を調整する必要があるほか、無人機のターゲット回転数が第1の電圧(現在時刻にモーターに入力されている実際の電圧)に対応する回転数上限閾値よりも高い又は第1の電圧(現在時刻にモーターに入力されている実際の電圧)に対応する回転数下限閾値よりも低い場合にも、無人機は、本方法を用いて、モーターに入力される電圧を調整することができる。いくつかの実施例では、前記モーターに入力される電圧を調整する前、無人機は、第1の電圧(現在時刻にモーターに入力されている実際の電圧)に対応する実際の回転数範囲を決定することができ、ターゲット回転数が前記実際の回転数範囲内にないことを決定する場合に、ターゲット回転数に基づいて、モーターに入力される電圧を調整し、前記実際の回転数範囲は、モーターに入力される実際の電圧に対応する回転数上限閾値と回転数下限閾値とを含む。
【0049】
また、上記無人機のターゲット回転数が現在時刻にモーターに入力される電圧に対応する回転数上限閾値に達する又は近いことは、無人機における動力飽和の問題に属し、無人機のターゲット回転数が第1の電圧(現在時刻にモーターに入力されている電圧)に対応する回転数下限閾値に達する又は近い場合も、無人機における動力飽和の問題に属し、無人機は、ステップS100~S104を用いて、モーターに入力される電圧を調整することができ、それによって無人機における動力飽和の問題を回避する。
【0050】
上記方法から分かるように、本方法では、無人機器のモーターに入力される電圧を調整することによって、無人機のモーターが達することができる回転数上限閾値又は回転数下限閾値を調整し、それによって無人機における動力飽和の問題を回避し、つまり、モーターの回転数が現在電圧に対応するモーターの回転数閾値に達するという問題を回避する。
【0051】
実際の操作では、無人機の飛行中に、無人機に取り付けられた動力モジュールは、モーターに回転数命令を送信し、モーターは、動力モジュールにより送信された回転数命令を受信すると、それ自体の回転数を回転数命令に対応する指定される回転数に調整することができる。回転数命令は、無人機のモーターを指定される回転数比に対応する回転数で作動させるための指定される回転数比を含み、前記指定される回転数比は、現在電圧での回転数下限閾値~回転数上限閾値に対応する回転数範囲の割合である。いくつかの実施例では、無人機のモーターは、受信された回転数命令における指定される回転数比及び現在電圧に対応する回転数範囲に基づいて、前記指定される回転数比に対応する指定される回転数を決定し、且つ決定された指定される回転数で作動することができる。例えば、回転数命令における指定される回転数比が0%である場合に、それに対応する回転数は、現在電圧での回転数下限閾値であり、回転数命令における指定される回転数比が100%である場合に、それに対応する回転数は、現在電圧での回転数上限閾値であり、実際の操作では、無人機の制御可能性を確保し、無人機が最も理想的な状態で飛行するために、一般的には指定される回転数比が50%の回転数命令でモーターの回転数を制御する。
【0052】
そのため、無人機の変圧モジュールは、現在時刻での回転数命令及びターゲット回転数に基づいて、ターゲット回転数閾値を決定し、そして決定されたターゲット回転数閾値に基づいて、ターゲット回転数閾値に対応するターゲット電圧を決定する。このように、無人機は、電圧を変えるだけで、無人機のモーターの回転数を常に理想的な範囲内に保つことができるとともに、無人機における動力飽和の問題を回避することができる。
【0053】
例えば、無人機は、ステップS100に基づいて、ターゲット回転数を1750rpmと決定し、無人機の変圧モジュールは、50%の指定される回転数比の回転数命令及びターゲット回転数1750rpmに基づいて、ターゲット回転数範囲を1500rpm~2000rpmと決定する。変圧モジュールは、ターゲット回転数範囲1500rpm~2000rpmに対応するターゲット電圧を4.7Vと決定し、且つ動力電池から出力された電圧をターゲット電圧4.7Vに調整してモーターに入力することができる。
【0054】
また、無人機が本方法を用いることができるほか、他の無人機器も本方法を用いることができ、例えば、無人車、無人機は、それ自体に取り付けられた動力電池で作動する。
【0055】
以上は、本開示の1つ又は複数の実施例による無人機器制御方法であり、同様の考え方に基づいて、本開示は、図2に示す、対応する無人機器制御装置をさらに提供する。
【0056】
図2は、本開示による無人機器制御装置の概略図であり、ターゲット電圧決定モジュール201と電圧調整モジュール202とを含む。
【0057】
ターゲット電圧決定モジュール201は、前記無人機器の状態情報及び/又は環境情報に基づいて、前記無人機器に必要な推力、及び前記無人機器のモーターが前記推力を提供する時に必要なターゲット回転数を決定するために用いられ、
電圧調整モジュール202は、前記ターゲット回転数と第1の電圧に対応する回転数閾値との差分が第1の閾値よりも小さいかどうかを判断し、前記差分が前記第1の閾値よりも小さい場合に、前記ターゲット回転数に基づいて、前記無人機器のモーターに入力される第1の電圧を調整して、ターゲット電圧を取得し、前記ターゲット電圧を用いて前記無人機器を制御するために用いられる。
【0058】
いくつかの実施例では、前記回転数閾値は、回転数上限閾値と回転数下限閾値とを含む。
【0059】
いくつかの実施例では、前記無人機器の状態情報は、前記無人機器の重量と、加速度と、速度とのうちの少なくとも1つを含む。
【0060】
いくつかの実施例では、前記ターゲット電圧決定モジュール201は、前記無人機器が指定される時刻に達する必要があるターゲット状態を決定し、前記無人機器の現在時刻での状態情報、前記環境情報及び前記ターゲット状態に基づいて、前記無人機器に必要な前記推力を決定するために用いられる。
【0061】
いくつかの実施例では、前記電圧調整モジュール202は、前記ターゲット回転数に基づいて、前記ターゲット回転数に対応するターゲット回転数閾値を決定し、前記ターゲット回転数閾値に基づいて、前記ターゲット回転数閾値に対応する前記ターゲット電圧を決定し、前記ターゲット電圧に基づいて、無人機器のモーターに入力される前記第1の電圧を調整するために用いられる。
【0062】
いくつかの実施例では、前記ターゲット回転数と前記ターゲット電圧に対応する回転数閾値との差分は、第2の閾値以上である。
【0063】
いくつかの実施例では、前記ターゲット電圧決定モジュール201は、前記ターゲット回転数に対応するターゲット回転数上限閾値及びターゲット回転数下限閾値を決定し、前記ターゲット回転数上限閾値及び前記ターゲット回転数下限閾値に基づいて、前記ターゲット回転数下限閾値~前記ターゲット回転数上限閾値に対応するターゲット回転数範囲を決定し、前記ターゲット回転数範囲に基づいて、前記ターゲット回転数範囲に対応するターゲット電圧を決定するために用いられる。
【0064】
本開示は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、該記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶され、コンピュータプログラムは、上記図1による無人機器制御方法を実行するために用いられてもよい。
【0065】
本開示は、図3に示す電子機器の概略構造図をさらに提供する。図3に示すように、該無人機器は、ハードウェアレベルでは、プロセッサ301、内部バス302、ネットワークインターフェース303、内部メモリ304及び不揮発性メモリ305を含み、他の業務に必要なハードウェアをさらに含む可能性がある。プロセッサは、上記図1に記載の無人機器制御方法を実現するように、不揮発性メモリから対応するコンピュータプログラムを内部メモリに読み込んで実行する。ソフトウェア実現形態の他に、本開示では、他の実現形態、例えば論理デバイス又はソフトウェアとハードウェアを組み合わせる形態などが排除されず、つまり以下の処理フローの実行主体は、各論理ユニットに限定されるものではなく、ハードウェア又は論理デバイスであってもよい。
【0066】
1990年代において、1つの技術の改善は、ハードウェア上の改善(例えば、ダイオード、トランジスタ、スイッチなどの回路構造の改善)であるか、ソフトウェア上の改善(方法フローの改善)であるかを明確に区別することができる。しかしながら、技術の発展に伴い、現在の多くの方法フローの改善はハードウェア回路構造の直接的な改善と見なすことができるようになった。設計者は、改善された方法フローをハードウェア回路にプログラミングすることによって、対応するハードウェア回路構造を得ることがほとんどである。そのため、1つの方法フローの改善をハードウェアエンティティモジュールで実現することはできないとは言えない。例えば、プログラマブル論理デバイス(Programmable Logic Device、 PLD)(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA))は、論理機能がユーザによるデバイスに対するプログラミングによって決定される集積回路である。設計者は自らプログラミングして1つのデジタルシステムを1枚のPLDに「集積」し、チップメーカーは専用の集積回路チップを設計して製作する必要がない。そして、現在では、集積回路チップを手作業で製作する代わりに、このようなプログラミングは、「論理コンパイラ(logic compiler)」ソフトウェアで実現されることが多く、それは、プログラム開発書き時に用いられるソフトウェアコンパイラと同様であり、コンパイル前のオリジナルコードも特定のプログラミング言語で書かなければならず、これは、ハードウェア記述言語(Hardware Description Language、HDL)と呼ばれ、HDLは、1つの種類だけではなく、多くの種類であり、例えばABEL(Advanced Boolean Expression Language)、AHDL(Altera Hardware Description Language)、Confluence、CUPL(Cornell University Programming Language)、HDCal、JHDL(Java Hardware Description Language)、Lava、Lola、MyHDL、PALASM、RHDL(Ruby Hardware Description Language)などであり、現在最も一般的に使用されるのは、VHDL(Very-High-Speed Integrated Circuit Hardware Description Language)とVerilogである。当業者であれば、上記いくつかのハードウェア記述言語を用いて方法フローを少し論理的にプログラミングし且つ集積回路にプログラミングすれば、該論理方法フローを実現するハードウェア回路を容易に得ることができることを理解すべきである。
【0067】
コントローラは、任意の適切な形態で実現することができ、例えば、コントローラは、例えばマイクロプロセッサ又はプロセッサ、及び該(マイクロ)プロセッサによって実行可能なコンピュータ可読プログラムコード(例えばソフトウェア又はファームウェア)を記憶するコンピュータ可読媒体、論理ゲート、スイッチ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、プログラマブル論理コントローラと埋め込みマイクロコントローラの形態を用いることができ、コントローラの例は、ARC 625D、Atmel AT91SAM、Microchip PIC18F26K20及びSilicone Labs C8051F320というマイクロコントローラを含むが、それらに限らず、メモリコントローラは、さらにメモリの制御論理の一部として実現されてもよい。完全なコンピュータ可読プログラムコード形態でコントローラを実現する以外に、方法ステップを論理的にプログラムすることで、コントローラが論理ゲート、スイッチ、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理コントローラや埋め込みマイクロコントローラなどの形態で同じ機能を実現することができることは当業者にも知られている。そのため、このようなコントローラは、ハードウェア部品とみなすことができ、それに含まれる、様々な機能を実現するための装置もハードウェア部品内の構造とみなすことができる。又は、様々な機能を実現するための装置は、方法を実現するソフトウェアモジュールであってもよいし、ハードウェア部品内の構造であってもよいと見なすこともできる。
【0068】
上記実施例で説明されたシステム、装置、モジュール又はユニットは、具体的にコンピュータチップ又はエンティティにより実現されてもよく、又はある機能を有する製品により実現されてもよい。1つの典型的な実現機器は、コンピュータである。具体的には、コンピュータは、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、セルラー電話、カメラ電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント、メディアプレーヤ、ナビゲーションデバイス、電子メールデバイス、ゲームコンソール、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス又はこれらの機器のうちの任意の機器の組み合わせであってもよい。
【0069】
説明の便宜上、上記の装置を説明する際には、機能を様々なユニットに分けてそれぞれ説明する。もちろん、本開示を実施する際には、各ユニットの機能を同一または複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアで実現することができる。
【0070】
当業者は、本開示の実施例が方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解すべきである。そのため、本開示は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、またはソフトウェアとハードウェアとを組み合わせた実施例の形態を用いることができる。また、本開示は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つ又は複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むが、それらに限らない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を用いることができる。
【0071】
本開示は、本開示の実施例による方法、機器(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明される。コンピュータプログラム命令によってフローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせを実現できることが理解されるべきである。これらのコンピュータプログラム命令を汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込みプロセッサ又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサに提供して、機械を生成することができ、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサにより実行される命令は、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定される機能を実現するための装置を生成する。
【0072】
該コンピュータ可読メモリに記憶される命令が命令装置を含む製造品を生成するために、これらのコンピュータプログラム命令は、特定の形態で作動するようにコンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器をガイドできるコンピュータ可読メモリに記憶されてもよく、該命令装置は、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定される機能を実現する。
【0073】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理機器にロードされてもよく、コンピュータ又は他のプログラマブル機器上で一連の操作ステップを実行して、コンピュータにより実現される処理を生成し、それによってコンピュータ又は他のプログラマブル機器上で実行される命令は、フローチャートの1つ又は複数のフロー及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックにおいて指定される機能を実現するためのステップを提供する。
【0074】
1つの典型的な構成では、コンピューティング機器は、1つ又は複数のプロセッサ(CPU)、入出力インターフェース、ネットワークインターフェース及び内部メモリを含む。
【0075】
内部メモリは、コンピュータ可読媒体における非永続的メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び/又は不揮発性内部メモリなどの形態、例えばリードオンリーメモリ(ROM)又はフラッシュ(flash RAM)を含んでもよい。内部メモリは、コンピュータ可読媒体の例である。
【0076】
コンピュータ可読媒体は、永続的なものと非永続的なものとを含み、リムーバブルおよび非リムーバブルメディアは、任意の方法または技術によって情報記憶を実現することができる。情報は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムのモジュール又は他のデータであってもよい。コンピュータの記憶媒体の例は、相変化メモリ(PRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、他のタイプのランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、読み取り専用ディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多目的ディスク(DVD)又は他の光学メモリ、磁気カセットテープ、磁気テープ磁気ディスクメモリ又は他の磁気メモリ機器又は任何の他の非伝送媒体を含むが、これらに限らず、コンピューティング機器によってアクセス可能な情報を記憶するために用いられてもよい。本明細書の定義によれば、コンピュータ可読媒体は、一時的保存なコンピュータ可読メディア(transitory media)、例えば変調されたデータ信号とキャリアを含む。
【0077】
ただし、用語「含む」、「包含する」又は他の任意の変形は非排他的な包含をカバーすることを意図しており、それによって、一連の要素を含む過程、方法、商品又は機器は、それらの要素だけでなく、明示的にリストされていない他の要素も含むか、又はこのような過程、方法、商品又は機器に固有の要素をさらに含む。これ以上の制限がない場合、文「1つ……を含む」によって定義される要素は、前記要素を含む過程、方法、商品又は機器には他の同じ要素も存在することが排除されるものではない。
【0078】
当業者は、本開示の実施例が方法、システム、またはコンピュータプログラム製品として提供されることができることを理解すべきである。したがって、本開示は、完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、またはソフトウェアとハードウェアとを組合わせた実施例の形態を用いることができる。また、本開示は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含む1つまたは複数のコンピュータ利用可能な記憶媒体(磁気ディスクメモリ、CD-ROM、光学メモリなどを含むがこれらに限定されない)上で実施されるコンピュータプログラム製品の形態を用いることができる。
【0079】
本開示は、コンピュータによって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的なコンテキストにおいて説明することができる。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する又は特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。分散型コンピューティング環境で本開示を実践してもよく、これらの分散型コンピューティング環境では、通信ネットワークを介して接続されるリモート処理機器は、タスクを実行する。分散型コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、記憶機器を含むローカルとリモートのコンピュータ記憶媒体に位置してもよい。
【0080】
本開示における各実施例は、漸進的に説明され、各実施例の間の同じ部分、類似する部分は、互いに参照されていればよく、各実施例については、他の実施例と異なる点を重点的に説明している。特に、システムの実施例については、基本的に方法の実施例と類似しているため、説明は比較的簡単であり、関連点は方法の実施例の一部の説明を参照すればよい。
【0081】
上記は本開示の実施例にすぎず、本開示を限定するためには使用されない。本開示は、当業者にとって様々な変更および変化が可能である。本開示の精神及び原理の範囲内で行われたいかなる修正、等価置換、改良などは、本開示の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】