(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-04
(54)【発明の名称】調整可能な厚さを有するシム
(51)【国際特許分類】
E06B 1/60 20060101AFI20240528BHJP
E04G 21/18 20060101ALI20240528BHJP
F16B 9/02 20060101ALI20240528BHJP
【FI】
E06B1/60
E04G21/18 C
F16B9/02 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023575978
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 EP2022065416
(87)【国際公開番号】W WO2022258626
(87)【国際公開日】2022-12-15
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523460866
【氏名又は名称】シャヒン、セミル
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャヒン、セミル
【テーマコード(参考)】
2E011
2E174
3J023
【Fターム(参考)】
2E011KC04
2E011KE04
2E011KE07
2E011KJ04
2E174DA37
3J023AA01
3J023CA02
3J023DA01
3J023FA01
3J023GA03
(57)【要約】
本発明は、アクチュエータ・デバイスによって調整され得る厚さを有するシム100に関連する。アクチュエータ・デバイスを作動させることにより、ハウジング10の内部で第1の方向101における摺動要素20の移動を引き起こす。摺動要素20の移動が第2の方向102における可動要素30の移動を引き起こし、それにより可動要素34の外側壁34、84、94とハウジング10の底部壁13との間の距離を増大させ、それによりシム100の厚さを増大させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シム(100)であって、
- ケーシング(10)であって、
- 前壁(15)、
- 第1の方向(101)において前記前壁(15)の反対側にある後壁(16)、
- 底部壁(13)、及び
- 前記第1の方向(101)に対して垂直な第2の方向(102)において前記底部壁(13)の反対側にある開口部(11)
を有するケーシング(10)と、
- 前記ケーシング(10)内に少なくとも部分的に位置する摺動要素(20)であって、前記第1の方向(101)において前記ケーシング(10)に対して移動させられるように、且つ前記第1の方向(101)及び前記第2の方向(102)に対して垂直な第3の方向(103)において前記ケーシング(10)によってブロックされるように構成された摺動要素(20)と、
- 前記開口部(11)を通過するように構成された可動要素(30)であって、前記第2の方向(102)において前記底部壁(13)の反対側にある外壁(34、84、94)を有しており、また、前記摺動要素(20)が前記ケーシング(10)に対して前記第1の方向(101)に移動させられたときに前記摺動要素(20)によって前記第2の方向(102)に移動させられるように、且つ、前記第3の方向(103)において前記ケーシング(10)によってブロックされるように構成された可動要素(30)と、
- 使用者が前記摺動要素(20)を前記ケーシング(10)に対して前記第1の方向(101)に移動させるのを可能にするアクチュエータ・デバイスであって、それにより前記可動要素(30)を前記第2の方向(102)に移動させるアクチュエータ・デバイスと
を有し、
前記アクチュエータ・デバイスが作動していないときに前記可動要素(30)及び前記摺動要素(20)を少なくとも部分的に前記ケーシング(10)内に、且つ前記ケーシングに対して固定された位置に保持するように構成され、また前記アクチュエータ・デバイスの作動中には前記第1の方向(101)における前記摺動要素(20)の移動及び前記第2の方向(102)における前記可動要素(30)の移動を可能にするように構成された保持機構を有することを特徴とする、シム(100)。
【請求項2】
前記摺動要素(20)は、前記第1の方向(101)及び前記第2の方向(102)に対して斜めである後壁(26)を有し、前記可動要素(30)は、前記第1の方向(101)及び前記第2の方向(102)に対して斜めであり且つ前記摺動要素(20)の前記後壁(26)の上を摺動するように構成された前壁(35)を有する、請求項1に記載のシム。
【請求項3】
前記摺動要素(20)及び前記可動要素(30)は、前記摺動要素(20)及び/又は前記可動要素(30)上に位置するブロック機構によって、互いに対して前記第3の方向(103)にブロックされている、請求項1から2までのいずれか一項に記載のシム。
【請求項4】
前記ブロック機構は、前記摺動要素(20)上に位置し且つ前記第3の方向(103)に対して垂直な突出プレート(71)と、前記可動要素(30)上に位置し且つ前記プレート(71)を少なくとも部分的に受け入れるように配置されたスロット(72)とを有する、請求項3に記載のシム。
【請求項5】
前記アクチュエータ・デバイスは、
- 前記前壁(15)を通過する前方孔(51)と、
- 前記前方孔(51)内に通過するロッド(53)であって、前記摺動要素(20)を押す及び/又は引くように意図された第1の端部(54)、及び前記ケーシング(10)の外側に位置し、使用者によって作動されるように意図された第2の端部(55)を有するロッド(53)と
を有する、請求項1から4までのいずれか一項に記載のシム。
【請求項6】
前記ロッド(53)は、前記前方孔(51)に対応するネット(56)を有し、前記ケーシング(10)の長さ(12)が、前記摺動要素(20)の長さ(22)及び前記ネット(56)の長さ(57)の合計以上である、請求項5に記載のシム。
【請求項7】
前記ケーシング(10)は、前記シム(100)の外側の第1の表面(302)又は第2の表面(303)に前記後壁(16)を関連付けることを可能にする複数の固定要素を有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載のシム。
【請求項8】
前記摺動要素(20)が前記アクチュエータ・デバイスによって移動させられたとき、前記摺動要素(20)全体が前記前壁(15)から離れるように移動させられ、且つ前記後壁(16)に近づくように移動させられる、請求項1から7までのいずれか一項に記載のシム。
【請求項9】
前記可動要素(30)は、前記ケーシング(10)の前記後壁(16)によって前記第3の方向(103)にブロックされるように構成される、請求項1から8までのいずれか一項に記載のシム。
【請求項10】
前記保持機構は、
- 前記ケーシング(10)の第1の壁(17)及び第2の壁(18)上に位置する第1のパートと、
- 前記可動要素(30)上に位置する第2のパートと
を有し、
前記ケーシング(10)の前記第1の壁(17)及び前記第2の壁(18)は、前記第3の方向(103)に対して垂直である、請求項1から9までのいずれか一項に記載のシム。
【請求項11】
- 前記保持機構の前記第1のパートは、前記ケーシング(10)の前記第1の壁(17)及び前記第2の壁(18)上に位置する突出部(41)を有し、
- 前記保持機構の前記第2のパートは、前記突出部(41)を受け入れるように設けられた、前記可動要素(30)の第1の壁(37)及び第2の壁(38)上に位置する凹部(42)を有し、
前記可動要素(30)の前記第1の壁(37)及び前記第2の壁(38)は、前記第3の方向(103)に対して垂直であり、
前記シム(100)は、前記可動要素(30)が前記摺動要素(20)によって移動させられたときに前記突出部(41)が離脱するように構成されている、請求項10に記載のシム。
【請求項12】
前記可動要素(30)は、前記摺動要素(20)によって移動させられるように構成された主要素(80)と、前記主要素(80)に取り外し可能に固定されるように、且つ前記第2の方向(102)における前記可動要素(30)の厚さを増大させるように構成された第1の取り外し可能要素(90)とを有する、請求項1から11までのいずれか一項に記載のシム。
【請求項13】
前記主要素(80)と前記第1の取り外し可能要素(90)との間の取り外し可能な前記固定が、ピン(91)及びほぞ穴(81)を有する、請求項12に記載のシム。
【請求項14】
前記第1の取り外し可能要素(90)に取り外し可能に固定されるように、且つ前記第2の方向(102)における前記可動要素(30)の厚さを増大させるように構成された追加の取り外し可能要素(99)を有する、請求項12又は13に記載のシム。
【請求項15】
- 請求項12から14までのいずれか一項に記載のシム(100)と、
- 前記第1の取り外し可能要素(90)の代わりに主要素(80)に固定されるように構成された少なくとも1つの交換用取り外し可能要素であって、前記交換用取り外し可能要素及び前記第1の可動要素(90)は異なる厚さを有する、少なくとも1つの交換用取り外し可能要素と
を有する組立体。
【請求項16】
請求項1から14までのいずれか一項に記載のシム(100)又は請求項15に記載の組立体、及び、剛体ロッド(202)に固定された2つのクランプ(201)を有する保持要素(200)であって、ドアの2つの垂直方向の垂直材(301)を互いから所定の距離で保持するように構成された保持要素(200)を有するキット。
【請求項17】
請求項1から14までのいずれか一項に記載のシム(100)を使用するための方法であって:
- 第1の表面(302)と第2の表面(303)の間の空間(310)内に前記シム(100)を配置するステップと、
- 前記底部壁(13)が前記第1の表面(302)に接触し且つ前記外壁(34、84、94)が前記第2の表面(303)に接触するまで、前記アクチュエータ・デバイスを作動させるステップと
を含む、方法。
【請求項18】
請求項12から14までのいずれか一項に記載のシム(100)を使用するための方法であって:
- 前記ケーシング(10)、前記摺動要素(20)、及び前記主要素(80)を、第1の表面(302)と第2の表面(303)との間の空間(310)内に配置するステップと、
- 前記第1の取り外し可能要素(90)を前記主要素(80)に固定するステップと、
- 前記底部壁(13)が前記第1の表面(302)に接触し且つ前記外壁(94)が前記第2の表面(303)に接触するまで、前記アクチュエータ・デバイスを作動させるステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者によりその厚さが調整可能であるシムに関する。
【背景技術】
【0002】
文献KR20110134578Aが、建築中のドア・フレームの水平状態を制御するのを可能にする可変厚さのシムを説明している。この既知のデバイスでは、ねじを使用して持ち上げ要素を互いから離すように移動させることにより、水平方向プレートが互いから離れるように移動させられ得る。
【0003】
この既知のデバイスの問題は、水平方向プレートのうちの1つの水平方向プレートが平坦な表面の上に載置されなければならず(この1つの水平方向プレートがなければデバイスの多様なパートが切り離される)、したがってこの1つの水平方向プレートは垂直方向厚さを調整することのみにしか使用され得ない、ことである。
【0004】
文献CN102620120Aが、調整可能なサイズを有するブロックデバイスを説明している。このデバイスでは、摺動要素がシリンダにより近づくように移動するとき、摺動要素が可動要素を上方に移動させる。
【0005】
文献DE102006012390A1が、ドア又は窓の装着のために調整可能であるシムを説明している。
【0006】
文献WO2020/011846A1が、2つの構成要素の間の理論上の隙間を調整することを可能にするスペーサを説明している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】KR20110134578A
【特許文献2】CN102620120A
【特許文献3】DE102006012390A1
【特許文献4】WO2020/011846A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、垂直方向厚さ又は水平方向厚さを調整するのに使用され得る調整可能な厚さを有するシムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のため、本発明はシムを提案し、このシムは、
- ケーシングであって、
- 前壁、
- 第1の方向において前壁の反対側にある後壁、
- 底部壁、
- 第1の方向に対して垂直である第2の方向において底部壁の反対側にある開口部、
を有するケーシングと、
- 第1の方向においてケーシングに対して移動させられるように、並びに、第1の方向及び第2の方向に対して垂直である第3の方向においてケーシングによってブロックされる(blocked;閉塞又は制限される)ように構成された、ケーシング内に少なくとも部分的に位置する摺動要素と、
- 開口部を通過するように構成され、第2の方向において底部壁の反対側にある外壁を有し、第1の方向においてケーシングに対して摺動要素が移動させられるときに摺動要素により第2の方向において移動させられるように、及び、第3の方向においてケーシングによってブロックされるように、構成された、可動要素と、
- 可動要素を第2の方向に移動させることを目的として使用者が摺動要素をケーシングに対して第1の方向に移動させるのを可能にするアクチュエータ・デバイスと、
を有し、
シムは、アクチュエータ・デバイスの作動なしで、少なくとも部分的にケーシングの中でケーシングに対して固定された位置で可動要素及び摺動要素を保持するように、並びに、アクチュエータ・デバイスの作動中に、第1の方向における摺動要素の移動及び第2の方向における可動要素の移動を可能にするように、構成された保持機構を有する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明によるシムは以下のように動作する。使用者がアクチュエータ・デバイスを作動させ、アクチュエータ・デバイスが摺動要素を第1の方向に移動させる。摺動要素の移動が可動要素にかかるスラスト力又はトラクションを発生させ、可動要素が第2の方向に移動させられる。可動要素が開口部を通過することを理由として、可動要素はケーシングの底部壁から離れるように又は近づくように移動させられる。したがって、ケーシングの底部壁と可動要素の外壁との間の距離によって与えられるシムの厚さが、アクチュエータ・デバイスを作動させることによって調整され得る。保持機構のおかげで、これらの多様な要素が、シムを作動させる前に、相対移動することなく一体であることを維持する。これにより、任意の作動の前にシムの厚さを固定することが可能となる。
【0011】
ケーシングが摺動要素及び可動要素のそれぞれの移動中に第3の方向における摺動要素及び可動要素の移動を防止することを理由として、シムを配置することにより水平方向厚さを調整することが可能となり、その結果、第3の方向が垂直となる。
【0012】
本文献の範囲では、シムの前部が、アクチュエータ・デバイスを作動させる使用者の方に向くように回転させられるシムの側である。
【0013】
シムは、2つの垂直方向表面の間で保持されるように十分に軽量となるように、及び、使い捨てにするために十分に安価となるように、作られ得る。
【0014】
本発明によるシムは、(第1の方向における)異なる長さにより(第2の方向における)多様な厚さ範囲を獲得することが可能となることを理由として、異なる長さの複数のモデルで提案され得る。
【0015】
本発明の実施例によると、摺動要素が、第1の方向及び第2の方向に対して斜めである後壁を有し、可動要素が、第1の方向及び第2の方向に対して斜めであって摺動要素の後壁の上を摺動するように構成された前壁を有する。この傾斜により、摺動要素の第1の方向における前後の移動が第2の方向における可動要素の移動を引き起こすことが可能となる。摺動要素による可動要素のこの駆動は、本発明の範囲内に留まりながら、別の手法でも達成され得る。
【0016】
本発明の実施例によると、摺動要素及び可動要素が、摺動要素及び/又は可動要素に位置するブロック機構により、第3の方向において互いに対してブロックされる。これにより、第3の方向における摺動要素に対しての可動要素の相対移動のリスクを低減することが可能となる。
【0017】
本発明の実施例によると、ブロック機構が、摺動要素に位置して第3の方向に対して垂直である突出プレートと、可動要素に位置してプレートを少なくとも部分的に受けるように配置構成されたスロットと、を有する。スロットは第1の方向に延在し、その結果、アクチュエータ・デバイスが作動されるときにプレートがスロット内で移動させられ得る。ブロック機構は逆であってもよく、プレートが可動要素に位置してスロットが摺動要素に位置してもよい。
【0018】
本発明の実施例によると、アクチュエータ・デバイスが、前壁を通過する前方孔と、摺動要素を押す及び/又は引くことを意図された第1の端部、及び、使用者によって作動されることを意図された、ケーシングの外側に位置する第2の端部を有する、前方孔の中まで通過するロッドと、を有する。ロッドの第2の端部がケーシングに対して突出することを理由として、シムが定位置にあるときに厚さを調整することが容易である。
【0019】
アクチュエータ・デバイスは別の手法でも配置構成され得る。アクチュエータ・デバイスは、例えば、厚さを増大させることのみを可能にして厚さを低減することを可能としない自己ブロック機構を有することもできる。
【0020】
本発明の実施例によると、ロッドが前方孔に対応するネット(net)を有し、ここでは、ケーシングの長さが摺動要素の長さ及びネットの長さの合計より大きいか又はそれと等しい。ケーシングの長さ(つまり、その内側の長さ)と摺動要素の長さとの間の差が、第1の方向における摺動要素の移動の最大振幅である。この最大移動振幅がネットの長さと等しいか又はそれより大きいという事実により、ケーシングの外側まで摺動要素を押し出してしまうか又はシムを破壊してしまうリスクを伴って後壁に接触させた状態で摺動要素を押し得ることになるように使用者によりロッドがケーシングの中で過度に沈むことを回避することが可能となる。
【0021】
本発明の実施例によると、ケーシングが、シムの外側にある第1の表面又は第2の表面に対して後壁を関連付けるのを可能にする固定要素を有する。例えば、ケーシングが、後壁を外側表面の上に付着させるための接着剤、並びに/或いは、後壁を第1の表面にねじ留めするための後壁内にある及び/又はタブ上にある孔を有することができる。
【0022】
本発明の実施例によると、摺動要素の全体は、アクチュエータ・デバイスによって移動させられるとき、前壁から離れるように移動し、後壁に近づくように移動する。このような構成により、特に単純であってロバスト性を有するアーキテクチャのシムを得ることが可能となる。
【0023】
本発明の実施例によると、可動要素が、ケーシングの後壁により第3の方向においてブロックされるように構成される。これにより、その複雑さを増大させるような他の要素をシムに導入する必要が回避される。
【0024】
本発明の実施例によると、保持機構が、ケーシングの第1の壁及び第2の壁に位置する第1のパートと、可動要素に位置する第2のパートと、を有し、ケーシングの第1及び第2の壁が第3の方向に対して垂直である。これにより、可動要素を左に及び右にブロックすること及びひいては可動要素を特に良好に保持することが可能となる。
【0025】
本発明の実施例によると、保持機構の第1のパートが、ケーシングの第1の壁及び第2の壁に位置する突出部を有し、保持機構の第2のパートが、突出部を受けるために提供された、可動要素の第1の壁及び第2の壁に位置する凹部を有し、可動要素の第1及び第2の壁が第3の方向に対して垂直であり、シムが、摺動要素により可動要素が移動させられるときに突出部が離れるように移動させられるようになるように、構成される。突出部は、ケーシングの第1及び第2の壁の内面に存在する。したがって、作動しない状態では突出部が凹部内に留まるが、アクチュエータが作動される場合には可動要素が第3の方向に押され、このスラストが突出部を離すように移動させること及び移動を可能にすることの効果を有する。摺動要素が可動要素とケーシングの底部壁との間に位置する状態では、凹部内で突出部がインターロックすることによっても摺動要素が保持される。突出部は、例えば、歯であってよい。
【0026】
本発明の実施例によると、可動要素が、摺動要素によって移動させられるように構成された主要素と、主要素に取り外し可能に固定されるように構成された及び第2の方向における可動要素の厚さを増大させるように構成された第1の取り外し可能要素と、を有する。したがって、可動要素の外壁が、可動要素が存在しない場合に、主要素の耐力壁となり得、取り外し可能要素が存在する場合に、取り外し可能要素の耐力壁となり得る。したがって、厚さの調整が2つの組合せ可能な手法で行われ得る:少なくとも1つの取り外し可能要素が厚さを提供し、この厚さが変更され得る(第1の取り外し可能要素を取り除くことにより、追加の取り外し可能要素をこの少なくとも1つの取り外し可能要素に固定することにより、及び/又は、この少なくとも1つの取り外し可能要素を交換用の取り外し可能要素と交換することにより)、可動要素の移動が別の厚さを提供し、この別の厚さも変更され得る(アクチュエータ・デバイスを作動させることにより)。好適には、可動要素の移動によって開始される厚さの変化が、取り外し可能要素で開始される厚さの変化よりも細かい調整を可能にする。
【0027】
本発明の実施例によると、主要素と第1の取り外し可能要素との間の取り外し可能な固定が、ピン及びほぞ穴(mortise)を有する。ピン及びほぞ穴は好適には第1の方向に延在する。ピン及びほぞ穴は、好適には、第1の方向において摺動するために並びに第2及び第3の方向においてブロックするために提供される。これにより、ケーシング、摺動要素、及び主要素が既に第1の表面と第2の表面との間の空間内にある場合、主要素の上で第1の取り外し可能要素を摺動させることが可能となる。
【0028】
本発明の実施例によると、シムは、第1の取り外し可能要素に取り外し可能に固定されるように及び第2の方向における可動要素の厚さを増大させるように構成された追加の取り外し可能要素を有する。したがって、大きい厚さを獲得するために取り外し可能要素を重ね合わせることが可能である。
【0029】
本発明はさらに、主要素と、第1の取り外し可能要素と、を有するシムを有する組立体に基づき、少なくとも1つの交換用の取り外し可能要素が第1の取り外し可能要素の代わりに主要素に固定されるように構成され、交換要素の取り外し可能要素及び第1の取り外し可能要素が異なる厚さを有する。したがって、この組立体は、1組の少なくとも2つの取り外し可能要素を有する。これにより、大きい間隔の可能である厚さを与えることが可能となる。
【0030】
本発明はさらに、シムと、ドアの2つの垂直方向の垂直材(upright)を互いから固定の距離で保持するように構成された、剛体ロッドに固定された2つのクランプを有する保持要素と、を有するキットに基づく。
【0031】
本発明はさらに、シムを使用するための方法に基づき、この方法は以下のステップを有する:
- 第1の表面と第2の表面との間の空間内にシムを配置するステップ、及び
- 底部壁が第1の表面に接触して外壁が第2の表面に接触するまで、アクチュエータ・デバイスを作動させるステップ。
【0032】
好適には、ケーシングが、アクチュエータ・デバイスの作動中に第1の表面に対して固定される。ケーシングは、例えば、第1の表面に固定され得る。
【0033】
第1の表面は、例えば、ドア、シャーシ、フレーム垂直材の上にあり、第2の表面は壁の上にある。第1の表面は、例えば、精度及び設置の容易さを要求する任意の要素である。
【0034】
ドアの場合、本方法は複数のシムのために実施され得、例えば、各々の垂直方向の垂直材のための2つのシムと、任意選択の、水平方向の垂直材(horizontal upright)のためのシムと、のために実施され得る。したがって、ドア・フレームの実装形態は、少なくとも4つの又は5つのシムを使用することを要求し得る。
【0035】
シムが調整されてその結果として垂直方向の垂直材が垂直に配置されて水平方向の垂直材が水平に配置されると、アクチュエータ・ロッドのロッドがドアの垂直材の前部に向かって過度に延在しないように、破壊され得るか又は取り外され得る。したがって、発泡体がドア・フレームと壁との間に注入され得る。したがって、シムは発泡体に覆われることになる。
【0036】
本発明はさらに、主要素と、第1の取り外し可能要素と、を有するシムを使用するための方法に基づき、この方法が以下のステップを有する:
- ケーシング、摺動要素、及び主要素を、第1の表面と第2の表面との間の空間内に配置するステップ、
- 第1の取り外し可能要素を主要素に固定するステップ、並びに、
- 底部壁が第1の表面に接触して外壁が第2の表面に接触するまで、アクチュエータ・デバイスを作動させるステップ。
【0037】
ケーシングが同様に表面の間の空間の外側にある間において、又はケーシングが既に表面の間の空間内にある場合に、第1の取り外し可能要素が主要素に固定され得る。
【0038】
本発明を理解するために以下の詳細な説明を読むことにより本発明の他の特徴及び利点が明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】壁の孔の中に位置して4つのシムのおかげでこの壁に固定されたドア・フレームを示す図である。
【
図7a】別の実施例によるシムの使用を示す図である。
【
図7b】別の実施例によるシムの使用を示す図である。
【
図7c】別の実施例によるシムの使用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
特定の実施例を用いて図を参照しながら本発明を説明するが、本発明はこれらの特定の実施例のみに限定されない。説明される図面又は図は単に概略的なものであり、限定的なものではない。さらに、説明される機能は、本文献で説明される構造以外の構造によっても達成され得る。
【0041】
本文献の文脈では、「第1」及び「第2」という用語は、単に、異なる要素を区別するために機能するものであり、これらの要素の間での任意の順序を暗に示すものではない。
【0042】
図では、同一の又は同様の要素は同じ符号を有することができる。
【0043】
図1は、4つのシム100により壁の孔の中にくさびによって留められたドア・フレーム300を概略的に示す。ドア・フレーム300は、2つの垂直方向の垂直材301及び水平方向の垂直材を有する。垂直方向の垂直材301は、剛体ロッド202に固定された2つのクランプ又はジョー201を有する2つの保持要素200のおかげで、互いから一定の距離のところで保持される。シム100はドア・フレーム300と壁との間の空間310内に位置する。本発明によるシム100は、ケーシング10と、摺動要素20と、可動要素30と、アクチュエータ・デバイスと、を有する。これらの要素の可能性のある実施例を、互いに垂直である第1の方向101、第2の方向102、及び第3の方向103を参照して以下の図を参照しながら、説明する。シム100のおかげで調整可能である厚さは第2の方向102におけるシム100の延在範囲である。
【0044】
図2はケーシング10の可能性のある実施例を示す。ケーシング10は、好適には、第1の方向101に対して垂直である前壁15及び後壁16、第2の方向102に対して垂直である底部壁13、第2の方向102に対して垂直である平面にある開口部11、並びに、第3の方向に対して垂直である第1の壁17及び第2の壁18を有する。底部壁13の反対側のケーシングの側面14が存在し得て開口部11を通って通過することが可能であるか、又は存在しなくてもよい。
【0045】
前壁15及び後壁16は第1の方向101において長さ12で離間される。前壁15には前方孔51が貫通しており、好適にはねじ切りされており、アクチュエータ・デバイスの可能性のある実施例の一部を形成する。ケーシング10は、底部壁13及び/又はタブ61内に位置する少なくとも1つの固定孔60を有することができる。タブ61内にある孔60は底部壁13内にある孔60よりも好適である。その理由は、底部壁13内に孔60を配置することは摺動要素20及び可動要素30を取り外すことを必要とするからである。
【0046】
ケーシング10の長さ12は好適には4cmから15cmの間である。ケーシング10の幅は好適には2cmから4cmの間である。ケーシング10の厚さは好適には2cmから4cmの間である。
【0047】
図3a及び
図3bは摺動要素20の可能性のある実施例を示す。摺動要素20は、好適には、第1の方向101に対して垂直である前壁25、第2の方向102に対して垂直である底部壁23、並びに第3の方向103に対して垂直である第1の壁及び第2の壁28を有する。摺動要素20は、第1の方向101及び第2の方向102に対して斜めである後壁26をさらに有し、その結果、摺動要素20は、第2の方向102において後部よりも前部でより大きい厚さを有する。
【0048】
摺動要素20は少なくとも部分的にケーシング10内に存在するように構成され、その結果、摺動要素20の第1の壁がケーシング10の第1の壁17に接触した状態で第1の方向101に摺動し、第3の方向103においてケーシング10の第1の壁17によってブロックされ、摺動要素20の第2の壁28がケーシング10の第2の壁18に接触した状態で第1の方向101に摺動し、第3の方向103においてケーシング10の第2の壁18によってブロックされ、摺動要素20の底部壁23がケーシング10の底部壁13に接触した状態で第1の方向101に摺動し、第2の方向においてケーシング10の底部壁13によってブロックされる。
【0049】
第1の方向101における摺動要素20の長さ22はケーシング10の長さ12より小さい。摺動要素20は、好適には、ケーシング10の前壁15により摺動要素20の前壁25がブロックされるところである第1の位置と、ケーシング10の後壁16により摺動要素20の後壁26の端部がブロックされるところである第2の位置との間でケーシング内で摺動することができる。
【0050】
第2の方向102における摺動要素20の厚さは、好適には、ケーシング10の厚さと等しいか又はそれより小さい。第3の方向103における摺動要素20の幅は、好適には、ケーシング10の内側幅より小さいか又はそれと等しい。
【0051】
摺動要素20は後壁26の上で突出するプレート71を有することができる。プレート71は第1の方向101及び第2の方向102において可動要素30のスロット72内に移動可能に係合されるように配置構成され、それにより、第3の方向103において摺動要素20及び可動要素30をブロックするブロック機構を形成する。
【0052】
摺動要素20は前方孔51に位置合わせされてアクチュエータ・デバイスの可能性のある実施例の一部を形成する凹部52を有することができる。
【0053】
図4は可動要素30の可能性のある実施例を示す。可動要素30は、好適には、第1の方向101に対して垂直である後壁36(
図9で見られ得る)、第2の方向102に対して垂直である底部壁33、並びに第3の方向103に対して垂直である第1の壁37(
図9で見られ得る)及び第2の壁38を有する。可動要素30は、第1の方向101及び第2の方向102に対して斜めである前壁35をさらに有し、その結果、可動要素30は、第2の方向102において前部よりも後部でより大きい厚さを有する。可動要素30は、ケーシング10の底部壁13の反対側にあってケーシング10の外側に位置する耐力壁34をさらに有する。可動要素30は、前壁35と後壁34との間に接合部を形成する追加の壁39をさらに有することができる。可動要素30は、第1の方向101及び第2の方向102に延在する平坦なスロット72をさらに有することができる。第1の方向101における底部壁33の長さが、好適には、第1の方向101における可動要素20の移動振幅より小さいか又はそれと等しい。
【0054】
可動要素30はケーシング10内に係合されるように構成され、その結果、可動要素30の第1の壁がケーシング10の第1の壁17に接触した状態で第2の方向102に摺動し、第3の方向103においてケーシング10の第1の壁17によってブロックされ、可動要素30の第2の壁38がケーシング10の第2の壁18に接触した状態で第2の方向102に摺動し、第3の方向103においてケーシング10の第2の壁18によってブロックされ、可動要素30の後壁36がケーシング10の後壁16に接触した状態で第2の方向102に摺動し、第1の方向101においてケーシング10の後壁16によってブロックされる。
【0055】
図5はアクチュエータ・デバイスの可能性のある実施例の一部を形成するロッド53を示す。ロッド53は孔51の中まで通過するように設けられ、そのネット56が孔51のねじ部内でインターロックされる。その第1の端部54がケーシング10内に位置し、摺動要素20を押す及び/又は引くことを意図される。第1の方向101において第1の端部54の反対側にあるその第2の端部55が前壁15のもう一方側に位置し、使用者によって作動されることを意図される。
【0056】
第1の端部54は、例えば、凹部52内で受けられ得、及び/又は摺動要素20に固定され得る。第1の端部54は、好適には、その後ろに延長部分59を有する補強部58を有し、ここではこの延長部分が凹部52内に位置するようになり、摺動要素20を前壁15まで引くことができる。
【0057】
第2の端部55は、好適には、例えばT形状であるおかげで、ドライバーを用いることなく手動で回転させられることが可能となるように配置構成される。第2の端部55は、好適には、第1の方向101におけるシム100の長さを低減するために破壊されることが可能となるように配置構成される。
【0058】
本発明の実施例では、ロッド53のネット56の長さ57が、ケーシング10の長さ12と摺動要素20の長さ22(
図6aで見られ得る)との間の差107より小さいか又はそれと等しい。
【0059】
図6aから
図6cは本発明の実施例によるシム100の動作モードを示す。
図6aに示されるようなシムは、第2の方向102において互いの方を向く第1の表面302と第2の表面303との間の空間310内に配置され、その結果、ロッド53の第2の端部55が使用者の方を向く。
図6b及び
図6cは、使用者がロッド53を第1の方向101に前方から後方へ移動させるときに起こることを示す。ロッド53の第1の端部54が摺動要素20を第1の方向101に前方から後方へ押す。摺動要素20の後壁26が可動要素30の前壁35を押す。壁26、35の傾斜を考慮すると、また、可動要素30が第1の方向101においてケーシング10の後壁16によってブロックされることを理由として、可動要素30の前壁35が摺動要素20の後壁26に接触して摺動し、可動要素30が底部壁13から離れるように移動することにより第2の方向102に移動させられる。したがって、可動要素30の外壁を形成する可動要素30の耐力壁34(或いは、後で説明される84又は94)が第2の表面303に近づくように移動することができる。使用者がロッド53を離すと、可動要素30が定位置に留まる。使用者がロッド35を後方から前方へ移動させると、可動要素30が底部壁13に近づくように移動することができ、シム100の厚さを低減する。
【0060】
図7aから
図7cは本発明の別の実施例によるシム100の動作モードを示す。この実施例では、摺動要素20は、後壁26と底部壁23との間に接合部を形成してケーシング10の後壁16に当接されることが可能である追加の壁29を有する。追加の壁29は第1の方向101に対して垂直となり得る。
図7aから
図7cの実施例は、特には
図6c及び
図7cに示される最大位置において、
図6aから
図6cの実施例よりもシムの安定性を良好にするのを可能にする。
図7aから
図7cの実施例では
図6aから
図6cの実施例よりも後壁26の傾斜がより低く、
図6aから
図6cの実施例はシム100の厚さの可変性を向上させるのを可能にする。
【0061】
【0062】
図9は可動要素30の別の可能性のある実施例を示し、ここでは、可動要素30が、摺動要素20に接触する主要素80と、主要素80に取り外し可能に固定され得る第1の取り外し可能要素90と、を有する。主要素80は、第1の取り外し可能要素90が存在しない場合に、シム100の外壁を形成する第2の方向102に対して垂直である耐力壁84を有する。
【0063】
取り外し可能要素90は、第1の取り外し可能要素90が存在する場合、シム100の外壁を形成する第2の方向102に対して垂直である耐力壁94を有する。取り外し可能要素90は、耐力壁94の反対側にあって主要素80に接触する底部壁93をさらに有する。
【0064】
主要素80と第1の取り外し可能要素90との間の取り外し可能な固定は、それぞれ、主要素80の耐力壁84の上に及び第1の取り外し可能要素90の底部壁93の上に位置するか又はその逆に位置するほぞ穴81及びピン91を有する。ほぞ穴81及びピン91は、好適には、第1の方向101に対して垂直な平面において平行四辺形形状を有する。
【0065】
本発明による組立体は複数の取り外し可能要素を有することができ、この中でも第1の取り外し可能要素及び他の取り外し可能要素はその定位置に置かれることが可能であり、第2の方向102において異なる厚さを有することが可能である。
【0066】
図10は主要素80の変形形態を示す。主要素80は、例えば、
図7aから
図7cに示されるシム100の実施例に適合することができる。
【0067】
図11及び
図12は、取り外し可能要素が互いに固定されるようにも設けられ得ることを説明するのを可能にする。第1の取り外し可能要素90は、例えば、
図11及び
図12に示されるものなどとなり得、底部壁93上にあるピン91と、耐力壁94上にあるほぞ穴92と、を有することができる。ほぞ穴92は追加の取り外し可能要素99を固定するのを可能にする。第1の取り外し可能要素90及び追加の取り外し可能要素99は等しい厚さとなり得るか又は異なる厚さとなり得る。
【0068】
各取り外し可能要素は、好適には、0.5cmから4cmの間の厚さを有する。
【0069】
図13a及び
図13bは、保持機構を有する本発明による実施例でのケーシング10及び主要素80の実例を示す。保持機構はアクチュエータ・デバイスを作動させることなく可動要素30及び摺動要素20をケーシング10に固定するのを可能にし、さらに、アクチュエータ・デバイスの作動中に第1の方向101における摺動要素20の移動及び第2の方向102における可動要素30の移動を可能にする。
【0070】
保持機構は、例えば、ケーシング10の第1の壁17及び第2の壁18の内面の上にある突出部41と、例えば、可動要素30の第1の壁37及び第2の壁38の外面の中にあるスロット42等の凹部と、を有することができる。初期状態では、突出部41は凹部42内にあり、それにより第2の方向102において可動要素30をブロックする。摺動要素20が第2の方向において可動要素30と底部壁13との間に部分的に位置することを理由として、摺動要素20もブロックされる。アクチュエータ・デバイスが摺動要素20を前方から後方へ移動させると、底部壁から離れるように移動するために可動要素30によって作用する圧力が突出部41を離すように移動させ、それにより第2の方向102における移動を可能にする。
【0071】
ロッド53は好適には金属である。シム100の他の要素は、好適には、ポリマー(例えば、PVC)、木材、及び/又は金属で作られる。ケーシング10は折り畳まれるシートとなり得る。
【0072】
図1に示される使用の実例では、ケーシングの底部壁が、垂直方向の垂直材301の外側表面である第1の表面302に固定され、第1の取り外し可能要素90の外壁94が、壁の表面である第2の表面303に接触している。この固定は、本発明の範囲内に留まりながら、逆であってもよい。使用者がシム100を配置することができ、垂直方向の垂直材の垂直状態を調整することを目的として、第1の取り外し可能要素90を交換用の要素と交換することにより及び/又は追加の取り外し可能要素99を追加することにより、並びに/或いはアクチュエータ・デバイスを作動させることにより、シム100の厚さを調整することができる。次いで、使用者がロッド53を破壊するか又は取り外し、発泡体を空間310の中に入れる。
【0073】
シムは、水平方向の垂直材の水平状態を調整するために、まぐさとドアの水平方向の垂直材との間の隙間にも配置され得る。
【0074】
言い換えると、本発明は、アクチュエータ・デバイスを使用してその厚さが調整され得るシム100に関連する。アクチュエータ・デバイスの作動が第1の方向101におけるケーシング10内での摺動要素20の移動を引き起こす。摺動要素20の移動が第2の方向102における可動要素30の移動を引き起こし、それにより可動要素34の外壁34、84、94とケーシング10の底部壁13との間の距離及びひいてはシム100の厚さを増大させる。
【0075】
単に例示的である値を有して限定的であるとみなしてはいけない具体的な実施例に関連させて本発明を説明してきた。概して、本発明は上で例示される及び/又は説明される実例のみに限定されない。「有する(comprise)」、「含む(include)」、「有する(have)」という動詞又は任意の他の変化形、さらにはその活用形の使用は、言及される要素以外の要素の存在を一切排除し得ない。要素を紹介するための不定冠詞「a」、「an」、又は定冠詞「the」の使用は、複数のこれらの要素の存在を排除しない。特許請求の範囲の参照符号はそれらの範囲を限定しない。
【国際調査報告】