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特表2024-521982暖房、換気、空調、及び冷凍システムのための可変速駆動装置のための適応ロジックボード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-05
(54)【発明の名称】暖房、換気、空調、及び冷凍システムのための可変速駆動装置のための適応ロジックボード
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20240529BHJP
   F24F 11/63 20180101ALI20240529BHJP
   F24F 11/88 20180101ALI20240529BHJP
【FI】
H02M7/48 E
F24F11/63
F24F11/88
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556993
(86)(22)【出願日】2021-03-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 CN2021081473
(87)【国際公開番号】W WO2022193213
(87)【国際公開日】2022-09-22
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】518097707
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ エアー・コンディショニング・アンド・リフリジェレーション (ウーシー) カンパニー,リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161908
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 依子
(72)【発明者】
【氏名】ボリソフ,コンスタンティン・アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ワリナー,ジョンポール
(72)【発明者】
【氏名】オガーレ,アヌラーダ・ギリシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジアーン,チェンイ
(72)【発明者】
【氏名】ル,フェイ
【テーマコード(参考)】
3L260
5H770
【Fターム(参考)】
3L260AA05
3L260AA09
3L260BA64
3L260BA80
3L260CB04
3L260CB78
3L260EA06
3L260FB04
3L260GA16
5H770BA05
5H770CA02
5H770DA03
5H770GA11
5H770GA16
5H770HA02Y
5H770HA02Z
5H770HA03Y
5H770HA03Z
5H770HA05Y
5H770HA05Z
5H770KA01Z
(57)【要約】
暖房、換気、空調、及び冷凍、すなわち、HVAC&Rシステムの可変速駆動装置(52)、すなわち、VSDのための適応ロジックボード(100)は、VSDのセンサ(120、130)から入力信号を受信するように構成された信号感知回路(154)を含む。信号感知回路は、入力信号をコンディショニングするように構成されたフィルタ(190)を含む。フィルタは、そのフィルタのカットオフ周波数を調整するように構成された可変抵抗素子(184)を含む。フィルタは、カットオフ周波数を超える周波数を有する入力信号の波形を減衰させて、コンディショニングされた信号を生成するように構成される。適応ロジックボードはまた、コンディショニングされた信号を受信し、HVAC&Rシステムのパラメータに基づいて、可変抵抗素子を調整して、フィルタのカットオフ周波数を調整するように構成されたコントローラ(164)も含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムの可変速駆動装置(VSD)のための適応ロジックボードであって、
前記VSDのセンサから入力信号を受信するように構成された信号感知回路であって、前記信号感知回路は、
前記入力信号をコンディショニングするように構成されたフィルタと、
前記フィルタの可変抵抗素子であって、前記可変抵抗素子が、前記フィルタのカットオフ周波数を調整するように構成され、前記フィルタが、前記カットオフ周波数を超える周波数を有する前記入力信号の波形を減衰させて、コンディショニングされた信号を生成するように構成されている、可変抵抗素子と、を含む、信号感知回路と、
前記コンディショニングされた信号を受信するように構成されたコントローラであって、前記コントローラが、前記HVAC&Rシステムのパラメータに基づいて、前記可変抵抗素子を調整して前記フィルタの前記カットオフ周波数を調整するように構成されている、コントローラと、を備える、適応ロジックボード。
【請求項2】
前記パラメータが、前記VSDのサイズを含み、前記コントローラが、前記可変抵抗素子を調整して、前記カットオフ周波数を、前記VSDの前記サイズに対応する目標カットオフ周波数に調整するように構成されている、請求項1に記載の適応ロジックボード。
【請求項3】
前記コントローラに通信可能に結合されたデュアルインラインパッケージ(DIP)スイッチを備え、前記コントローラが、前記DIPスイッチの1つ以上のスイッチの構成に基づいて、前記VSDの前記サイズを決定するように構成されている、請求項2に記載の適応ロジックボード。
【請求項4】
前記コントローラに通信可能に結合された外部コンピューティングデバイスを備え、前記コントローラが、前記外部コンピューティングデバイスから前記VSDの前記サイズを示す操作者入力を受信するように構成されている、請求項2に記載の適応ロジックボード。
【請求項5】
前記パラメータが、前記VSDのサイズを含み、前記コントローラは、前記VSDが第1のサイズであると判定することに応答して、前記可変抵抗素子を調整して、前記フィルタの前記カットオフ周波数を第1の目標カットオフ周波数に調整するように構成されており、前記コントローラは、前記VSDが第2のサイズであると判定することに応答して、前記可変抵抗素子を調整して、前記フィルタの前記カットオフ周波数を第2の目標カットオフ周波数に調整するように構成されており、前記第1の目標カットオフ周波数が、前記第2の目標カットオフ周波数未満であり、前記VSDの前記第1のサイズが、前記VSDの前記第2のサイズよりも大きい定格電力出力を有する、請求項1に記載の適応ロジックボード。
【請求項6】
前記コントローラが、前記コンディショニングされた信号を受信し、サンプリング周波数で前記コンディショニングされた信号をサンプリングして、前記入力信号に対応するデジタル出力を生成するように構成されたデータロギングコンポーネントを含む、請求項1に記載の適応ロジックボード。
【請求項7】
前記パラメータが、前記データロギングコンポーネントの前記サンプリング周波数を含む、請求項6に記載の適応ロジックボード。
【請求項8】
前記コントローラが、前記VSDのサイズを決定するか、又は前記VSDの前記サイズを示すフィードバックを受信して、前記VSDの前記サイズに基づいて前記データロギングコンポーネントの前記サンプリング周波数を調整し、前記カットオフ周波数が前記サンプリング周波数の所定のパーセンテージになるように、前記サンプリング周波数に基づいて前記可変抵抗素子を調整して、前記カットオフ周波数を調整するように構成されている、請求項7に記載の適応ロジックボード。
【請求項9】
前記可変抵抗素子が、デジタルポテンショメータである、請求項1に記載の適応ロジックボード。
【請求項10】
適応ロジックボードを使用して可変速駆動装置(VSD)を動作させる方法であって、
前記VSDのサイズを決定することであって、前記VSDの前記サイズが、前記VSDの電力出力範囲に少なくとも部分的に基づく、決定することと、
前記VSDの前記サイズに基づいて、前記適応ロジックボードの信号感知回路のフィルタの目標カットオフ周波数を決定することと、
前記信号感知回路の可変抵抗素子を調整して、前記フィルタの前記目標カットオフ周波数を達成することと、
前記フィルタを介して前記VSDのセンサから受信された入力信号をフィルタリングして、前記目標カットオフ周波数を超える周波数を有する前記入力信号の電気波形を減衰させ、前記入力信号に対応するコンディショニングされた信号を生成することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記VSDの前記サイズを決定することが、
前記適応ロジックボードのコントローラを介して、前記適応ロジックボードのデュアルインラインパッケージ(DIP)スイッチの構成を決定することと、
前記DIPスイッチの前記構成に基づいて前記VSDの前記サイズを決定することと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記VSDの前記サイズを決定することが、前記適応ロジックボードに通信可能に結合された外部コンピューティングデバイスを介して、前記VSDの前記サイズを示す操作者入力を受信することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記VSDの前記サイズを決定することが、
前記適応ロジックボードのコントローラを介して、前記適応ロジックボード及び前記VSDを通信可能に結合するハーネスの構造を決定することと、
前記コントローラを介して、前記ハーネスの前記構造に基づいて、前記VSDの前記サイズを決定することと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記フィルタの前記目標カットオフ周波数を決定することが、
前記適応ロジックボードのコントローラを介して、前記フィルタの複数の目標カットオフ周波数を前記VSDの対応するサイズと相関させている参照テーブルを参照することと、
前記VSDの前記サイズに対応する前記複数の目標カットオフ周波数から前記目標カットオフ周波数を識別することと、を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記適応ロジックボードのデータロギングコンポーネントを介して、前記目標カットオフ周波数よりも大きいサンプリング周波数で前記コンディショニングされた信号をサンプリングして、前記入力信号に対応するデジタル出力を生成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記可変抵抗素子を調整することが、前記可変抵抗素子の抵抗値を調整して、前記フィルタの既存のカットオフ周波数の増加又は減少を実現させて、前記目標カットオフ周波数を達成することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムであって、
圧縮器のモータに結合され、かつ前記モータの動作速度を制御するように構成された可変速駆動装置(VSD)と、
前記VSDの動作パラメータを示す入力信号を生成するように構成されたセンサと、
前記センサ及び前記VSDに通信可能に結合された適応ロジックボードであって、前記適応ロジックボードは、
前記センサから前記入力信号を受信し、かつ前記入力信号をコンディショニングするように構成されたフィルタを含む信号感知回路であって、前記フィルタが、前記フィルタのカットオフ周波数を変更するように調整可能な可変抵抗素子を含み、前記フィルタが、前記カットオフ周波数を超える周波数を有する前記入力信号の電気波形を減衰させるように構成されている、信号感知回路と、
前記HVAC&Rシステムのパラメータに基づいて、前記可変抵抗素子を調整して、前記フィルタの前記カットオフ周波数を変更するように構成されている、コントローラと、を含む、適応ロジックボードと、を備える、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム。
【請求項18】
前記パラメータが、前記VSDのサイズを含み、前記コントローラが、
前記適応ロジックボードに結合されたデュアルインラインパック(DIP)スイッチの構成、
前記コントローラに通信可能に結合された外部コンピューティングデバイスを介して受信された操作者入力、又は、
前記適応ロジックボードを前記VSDに結合するハーネスの構造、に基づいて、前記VSDの前記サイズを決定するように構成されている、請求項17に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項19】
前記コントローラが、前記コンディショニングされた信号を目標サンプリング周波数でサンプリングし、前記入力信号に対応するデジタル出力を生成するように構成されたデータロギングコンポーネントを含み、前記パラメータが、前記目標サンプリング周波数を含み、前記コントローラが、前記可変抵抗素子を調整し、前記カットオフ周波数を変更して、前記目標サンプリング周波数に基づいて決定された目標カットオフ周波数を達成するように構成されている、請求項17に記載のHVAC&Rシステム。
【請求項20】
前記VSDが、電力ラインを通じて前記モータにある相の電力を供給するように構成されており、前記動作パラメータが、前記電力の前記相を含む、請求項17に記載のHVAC&Rシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房、換気、空調、及び冷凍システムのための可変速駆動装置のための適応ロジックボードに関する。
【背景技術】
【0002】
本項は、以下に記載される本開示の様々な態様に関連し得る、当該技術の様々な態様を読者に紹介することを意図する。本考察は、本開示の様々な態様のより良い理解を容易にするために、読者に背景情報を提供するのに役立つと考えられる。したがって、これらの記載は、この観点から読むべきものであって、先行技術を承認するものとして読むべきものではないと、理解すべきである。
【0003】
商業用又は工業用暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムにおける用途のための冷却器システムは、典型的には、圧縮器に電力供給するための比較的大きいモータを含む。モータの電力出力は、HVAC&Rシステムの容量(例えば、冷却需要)に基づいて選択され得る。例えば、モータの電力出力は、馬力(HP)で100HP~5,000HP、又は5,000HPを超える範囲であり得る。これらのシステムの多くは、HVAC&Rシステムの冷却需要の変化に応答してモータの速度を制御するための可変速駆動装置(VSD)を含む。VSDは、HVAC&Rシステムの冷却需要が増加すると、モータの速度、ひいては、圧縮器の速度を増加させ得る。逆に、HVAC&Rシステムの冷却需要が減少すると、VSDは、モータの速度を減少させ得る。
【0004】
モータの閾値電力出力は、HVAC&Rシステムにおいて利用されるVSDのサイズ(例えば、電力出力範囲)を決定し得る。例えば、比較的高い電力のモータは、比較的低い電力のモータを制御するためのVSDよりも高い電流引き込み及び電圧需要をサポートすることができるVSDによって制御され得る。それにより、広い電力出力範囲にわたって動作するモータに対応するために、異なるサイズのVSDがHVAC&Rシステムに含まれ得る。VSDの各サイズは、VSDの動作を制御又は監視するロジックボード(例えば、プリント配線板)を含み得る。残念なことに、VSDのサイズ毎に異なるロジックボードを製造することは、ロジックボード及びHVAC&Rシステムの生産を複雑にし、製造コストを増大させる場合がある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムの可変速駆動装置(VSD)のための適応ロジックボードに関する。この適応ロジックボードは、VSDのセンサから入力信号を受信するように構成された信号感知回路を含む。この信号感知回路は、入力信号をコンディショニングするように構成されたフィルタを含む。このフィルタは、フィルタのカットオフ周波数を調整するように構成された可変抵抗素子を含む。このフィルタは、カットオフ周波数を超える周波数を有する入力信号の波形を減衰させて、コンディショニングされた信号を生成するように構成される。適応ロジックボードはまた、コンディショニングされた信号を受信し、HVAC&Rシステムのパラメータに基づいて、可変抵抗素子を調整してフィルタのカットオフ周波数を調整するように構成されているコントローラも含む。
【0006】
本開示はまた、適応ロジックボードを使用して可変速駆動装置(VSD)を動作させる方法にも関する。この方法は、VSDのサイズを決定することであって、VSDのサイズが、VSDの電力出力範囲に少なくとも部分的に基づく、決定することと、VSDのサイズに基づいて、適応ロジックボードの信号感知回路のフィルタの目標カットオフ周波数を決定することと、を含む。この方法はまた、信号感知回路の可変抵抗素子を調整して、フィルタの目標カットオフ周波数を達成することも含む。この方法は、フィルタを介してVSDのセンサから受信された入力信号をフィルタリングして、目標カットオフ周波数を超える周波数を有する入力信号の電気波形を減衰させ、入力信号に対応するコンディショニングされた信号を生成することを更に含む。
【0007】
本開示は更に、圧縮器のモータに結合され、かつモータの動作速度を制御するように構成された可変速駆動装置(VSD)を含む、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムに関する。このHVAC&Rシステムはまた、VSDの動作パラメータを示す入力信号を生成するように構成されたセンサも含む。このHVAC&Rシステムは、センサ及びVSDに通信可能に結合された適応ロジックボードを更に含む。この適応ロジックボードは、センサから入力信号を受信し、かつ入力信号をコンディショニングするように構成されたフィルタを有する信号感知回路を含む。このフィルタは、フィルタのカットオフ周波数を変更するように調整可能な可変抵抗素子を含む。このフィルタは、カットオフ周波数を超える周波数を有する入力信号の電気波形を減衰させるように構成される。その適応ロジックボードはまた、HVAC&Rシステムのパラメータに基づいて、可変抵抗素子を調整してフィルタのカットオフ周波数を変更するように構成されているコントローラも含む。
【0008】
本開示の様々な態様は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することによってより良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の態様による、商業的場面において暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムを利用し得る建物の実施形態の斜視図である。
図2】本開示の態様による、蒸気圧縮システムの実施形態の斜視図である。
図3】本開示の態様による、図2の蒸気圧縮システムの実施形態の概略図である。
図4】本開示の態様による、図2の蒸気圧縮システムの実施形態の概略図である。
図5】本開示の態様による、図2図4の蒸気圧縮システムで使用され得る可変速駆動装置(VSD)の実施形態の概略図である。
図6】本開示の態様による、図5のVSDで使用され得る適応ロジックボードの実施形態の概略図である。
図7】本開示の態様による、図6の適応ロジックボードを動作させるための方法の実施形態のフロー図である。
図8】本開示の態様による、図6の適応ロジックボードに含まれ得る信号感知回路の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の1つ以上の特定の実施形態を以下に記載する。これらの記載される実施形態は、本開示の技術の単なる例である。加えて、これらの実施形態の簡潔な記載を提供するために、実際の実装の全ての特徴が本明細書に記載されない場合がある。任意のエンジニアリング又は設計プロジェクトにおけるような、任意のそのような実際の実装の開発において、実装ごとに異なり得るシステム関連及びビジネス関連の制約への準拠など、開発者の特定の目標を達成するために多くの実装固有の判定がなされなければならないことを理解されたい。更に、そのような開発努力は複雑で時間がかかり得るが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとって設計、製作、及び製造の日常的な仕事であることを理解されたい。
【0011】
本開示の様々な実施形態の要素を紹介するとき、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、要素のうちの1つ以上が存在することを意味することが意図される。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、包括的であることが意図され、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。加えて、本開示の「一実施形態」又は「実施形態」への言及が、列挙された特徴も組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図しないことを理解されたい。
【0012】
暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムは、建物、住宅、又は他の好適な構造内の空間を熱的に調節するために使用され得る。例えば、このHVAC&Rシステムは、冷媒などの伝熱流体と、空気又は水などのコンディショニングされる流体との間で熱エネルギーを伝達させる蒸気圧縮システムを含み得る。この蒸気圧縮システムは、導管を介して互いに流体結合される凝縮器及び蒸発器を含み得る。圧縮器は、冷媒を、導管を通して循環させ、これにより、凝縮器と蒸発器との間の熱エネルギーの伝達を可能にするために使用され得る。
【0013】
多くの場合、HVAC&Rシステムの圧縮器は、モータによって駆動され得る。モータは、可変速駆動装置(VSD)を含み得る制御システムに通信可能に結合され得る。制御システムは、モータを毎分ゼロ回転(RPM)から閾値速度まで加速し得る。場合によっては、制御システムは、HVAC&Rシステムの動作中に閾値速度の大きさを更に調節し得る。モータの電力出力は、HVAC&Rシステムの容量(例えば、冷却需要)に基づいて選択され得る。場合によっては、VSDのサイズは、モータの定格電力出力に比例する。例えば、比較的大きいモータは、比較的小さいモータを制御するように構成されたVSDよりも大きい電流及び電圧を供給することができるVSDによって制御され得る。それにより、いくつかのサイズのVSDをHVAC&Rシステムとともに使用して、様々な電力出力閾値を有する広範囲のモータを制御し得る。
【0014】
各VSDは、VSDの特定の動作パラメータを監視及び/又は制御することができるロジックボード(例えば、プリント配線板(PCB))を含むことができる。例えば、ロジックボードは、VSDによって引き出される、若しくはVSDに供給される電流及び/又は電圧の大きさ、VSDによって(例えば、モータに)出力される電流及び/又は電圧の大きさ、VSDの直流(DC)バスを通る電流の大きさ、並びに/あるいは、VSDの任意の他の好適な動作パラメータを監視することができる。
【0015】
特定のロジックボードは、特定のサイズのVSDを収容し、かつ特定のサイズのVSDの動作パラメータを監視するように構成され得る。例えば、比較的大きいVSDの動作パラメータを監視するように構成されたロジックボードは、比較的大きいVSDの動作パラメータを監視するように構成された感知回路(例えば、電気コンポーネントの第1のセット)を含むことができ、一方、比較的小さいVSDの動作パラメータを監視するように構成されたロジックボードは、比較的小さいVSDの動作パラメータを監視するように構成された感知回路(例えば、電気コンポーネントの第2のセット)を含むことができる。したがって、いくつかのロジックボードが、HVAC&Rシステム内に含まれてもよく、その各々は、特定のサイズのVSDのVSDパラメータの監視を可能にするように構成された異なる内部コンポーネントを含む。残念なことに、HVAC&Rシステム内に複数の異なるロジックボードを製造し、かつ含めることは、組み立てを複雑にし、HVAC&Rシステムの生産コストを増大させる可能性がある。
【0016】
本開示の実施形態は、複数の異なるサイズが設計されたVSD(例えば、異なるモデルのVSD)に実装され、様々なサイズのVSDの動作パラメータを監視するように構成された適応ロジックボードを対象とする。特に、この適応ロジックボードは、VSDのサイズ(例えば、モデル、タイプ)に基づいて選択及び/又は調整され得る異なるサンプリング周波数で、VSDの動作パラメータの監視を容易にするように構成されている調整可能な感知回路を含む。したがって、適応ロジックボードは、様々な異なるサイズが設計されたVSD上に実装されて、VSDの動作を効果的に監視することができる。
【0017】
例えば、適応ロジックボードの感知回路は、VSDのセンサ(例えば、電圧トランスデューサ、電流トランスデューサ)から入力信号(例えば、アナログ信号、電気波形)を受信するように構成された少なくとも1つの信号感知回路を含み得る。このセンサは、VSDの電力ラインを流れるある相の電力、VSDによって送受信される制御信号、及び/又は、VSDを通る電気エネルギーの他の好適な流れを監視するように構成され得る。したがって、センサによって生成された入力信号は、VSDの特定のコンポーネント又は一部を通って流れる電気エネルギーの周波数、電圧、及び/又は電流を示すことができる。信号感知回路は、入力信号をコンディショニング又はフィルタリングして、コンディショニングされた信号を生成するように構成されているフィルタ(例えば、低域通過フィルタ)を含むことができ、そのコンディショニングされた信号は、処理のために、適応ロジックボードのデータロギングコンポーネント(例えば、アナログデジタル変換器)に送信され得る。したがって、このデータロギングコンポーネントは、コンディショニングされた信号を、例えば、アナログ信号からデジタル信号に変換することができる。いくつかの実施形態では、比較的大きいVSDは、比較的小さいVSDがある相の電気エネルギーを出力するか又は対応するデータ信号を送信する、第2の周波数未満であり得る第1の周波数で相の電気エネルギーを出力するか又は対応するデータ信号を送信することができる。したがって、センサによって生成され、かつ信号感知回路によって受信された入力信号の周波数は、適応ロジックボードが結合されているVSDのサイズに基づいて変化する可能性があるため、データロギングコンポーネントのサンプリング周波数は、VSDのサイズに基づいて調整されて、VSDの監視された動作パラメータに対応するデータの取得を容易にすることができる。
【0018】
データロギングコンポーネントによって受信されたコンディショニングされた信号の分析中にエイリアシングを抑制するために、データロギングコンポーネントのサンプリング周波数に基づいて、又は、言い替えると、VSDのサイズに基づいて、フィルタのカットオフ周波数を調整することが望ましい。特に、カットオフ周波数を、データロギングコンポーネントのサンプリング周波数未満(例えば、サンプリング周波数の80パーセント未満)の値に調整することが望ましい場合があり、その結果、入力信号に含まれ、かつ、データロギングコンポーネントによってサンプリングされているときにエイリアシングを引き起こす可能性がある周波数を有する任意の電気波形は、実質的に減衰される。明確にするため、本明細書で使用される場合、「エイリアシング」という用語は、当業者によって理解されるものとして、かつ本明細書に定義されるものとして、解釈され得る。例えば、データの「エイリアシング」とは、元の連続的なデータ信号とは異なるサンプリングからデータ信号を再構築したときに、データ信号の歪み、又はデータ信号におけるアーチファクトの生成を指す場合がある。
【0019】
信号感知回路のフィルタは、可変抵抗素子(例えば、デジタルポテンショメータ)を含み、これは、本明細書で詳細に説明されるように、フィルタのカットオフ周波数を、適応ロジックボードが結合されているVSDのサイズに対応する目標カットオフ周波数に調整するように動作可能である。したがって、フィルタは、様々なサンプリング周波数において、実質的にエイリアシングなしで、(例えば、データロギングコンポーネントを介して)コンディショニングされた信号のサンプリングを可能にする。適応ロジックボードのコントローラは、VSDのサイズを決定し、VSDのサイズ及び/又はデータロギングコンポーネントのサンプリング周波数に基づいて可変抵抗素子の抵抗値を調整するための命令を生成するように構成され得る。コントローラは、リモートソース(例えば、外部制御システム、クラウドコンピューティングシステム)から、若しくはそれらの組み合わせから、VSD上への適応ロジックボードの装着中に、VSDの始動中に、適応ロジックボードの始動中に、かつ/又は、VSDを有する冷却器システムの始動中に、適応ロジックボードが結合されるVSDのサイズの指示を受信するように構成され得る。コントローラは、VSDのサイズの指示を受信するか、又はそれ以外の場合にはVSDのサイズを決定すると、フィルタのカットオフ周波数を、VSDのサイズに対応する目標カットオフ周波数に調整することができる。すなわち、コントローラは、フィルタのカットオフ周波数を、実質的にエイリアシングなしで、所望のサンプリング周波数で入力信号のサンプリング(例えば、データロギングコンポーネントを介した)を可能にするカットオフ周波数に調整することができる。
【0020】
非限定的な例として、適応ロジックボードが比較的大きいVSDに結合されているという指示を決定又は受信すると、適応ロジックボードは、フィルタが第1の目標カットオフ周波数(例えば、比較的低いカットオフ周波数)を有するように、信号感知回路のコンポーネント(例えば、可変抵抗素子)を調整することができる。したがって、フィルタは、実質的にエイリアシングなしに、VSDのセンサによって出力され得、かつ信号感知回路によって受信され得る比較的低い周波数入力信号を適切にコンディショニングして、第1のサンプリング周波数(例えば、比較的低いサンプリング周波数)で、入力信号のサンプリングを(例えば、データロギングコンポーネントを介して)可能にすることができる。逆に、適応ロジックボードが比較的小さいVSDに結合されているという指示を決定又は受信すると、適応ロジックボードは、フィルタが、第1の目標カットオフ周波数よりも大きくなることができる第2の目標カットオフ周波数(例えば、比較的高いカットオフ周波数)を有するように、信号感知回路のコンポーネント(例えば、可変抵抗素子)を調整することができる。したがって、フィルタは、VSDのセンサによって出力され得、かつ信号感知回路によって受信され得る比較的高い周波数の入力信号を適切にコンディショニングして、実質的にエイリアシングなしに、第2のサンプリング周波数(例えば、比較的高いサンプリング周波数、すなわち、第1のサンプリング周波数より大きいサンプリング周波数)で、入力信号のサンプリングを(例えば、データロギングコンポーネントを介して)可能にすることができる。本明細書で説明されるように、このようにして、適応ロジックボードは、様々なサイズのVSDに実装されて、様々なサンプリング周波数で、取得されたデータが実質的にエイリアシングを有することなく、VSDの動作パラメータのデータを監視及び取得することができる。したがって、適応ロジックボードは、従来のロジックボードと比較して、組み立てコストを削減し、かつ生産を容易にすることができる。
【0021】
明確にするため、本明細書で使用される場合、VSDの「サイズ」は、HVACシステム内に実装されるVSDのタイプ又はモデルを示し得る。VSDのモデルは、例えば、VSDに供給される交番電流(A/C)又は電圧の大きさ及び/若しくは周波数、VSDの電力出力範囲、及び/又は他の好適なパラメータなどの、HVACシステムの1つ以上の動作パラメータに基づいて選択することができる。例えば、いくつかの実施形態では、HVACシステムのモータに電気的に結合されたVSDのモデル又はタイプ(例えば、VSDのサイズ)は、電源によってVSDに供給される入力電圧の大きさに基づいて決定することができる。したがって、VSDの第1のモデル、及びVSDの第2のモデルの全電力出力範囲(例えば、VSDによってそれぞれのモータに供給される電流)が実質的に互いに同様である場合であっても、VSDの第1のモデル(例えば、VSDの第1のサイズ)は、電源の電圧出力が比較的大きい実施形態において実装され得、VSDの第2のモデル(例えば、VSDの第2のサイズ)は、電源の電圧出力が比較的小さい実施形態において実装され得る。したがって、VSDの様々な「サイズ」は、例えば、異なる電流、電圧、及び/若しくは周波数における電気を受電及び/若しくは出力するように構成された、かつ/又は、異なる内部構造、コンポーネント、及び/若しくはレイアウトを有する、VSDのモデル若しくはタイプを示すことができることを理解されたい。
【0022】
ここで図面を参照すると、図1は、典型的な商業的状況の建物12における、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム10のための環境の実施形態の斜視図である。HVAC&Rシステム10は、建物12を放熱するために使用され得る冷却された液体を供給する蒸気圧縮システム14(例えば、冷却器)を含み得る。HVAC&Rシステム10はまた、建物12を暖房するために暖かい液体を供給するためのボイラ16と、建物12を通して空気を循環させる空気分配システムと、を含み得る。空気分配システムはまた、空気戻りダクト18、空気供給ダクト20、及び/又は空気ハンドラ22を含み得る。いくつかの実施形態では、空気ハンドラ22は、導管24によってボイラ16及び蒸気圧縮システム14に接続されている熱交換器を含み得る。空気ハンドラ22内の熱交換器は、HVAC&Rシステム10の動作モードに応じて、ボイラ16からの加熱された液体、又は蒸気圧縮システム14からの冷却された液体のいずれかを受容し得る。HVAC&Rシステム10は、建物12の各フロアに別個の空気ハンドラを伴って示されているが、他の実施形態では、HVAC&Rシステム10は、フロア間で共有され得る空気ハンドラ22及び/又は他のコンポーネントを含み得る。
【0023】
図2及び図3は、HVAC&Rシステム10において使用することができる蒸気圧縮システム14の実施形態である。蒸気圧縮システム14は、圧縮器32から始まる回路を通して冷媒を循環させ得る。回路はまた、凝縮器34、膨張弁又は膨張デバイス36、及び液体冷却器又は蒸発器38を含み得る。蒸気圧縮システム14は、アナログ-デジタル(A/D)変換器42、マイクロプロセッサ44、不揮発性メモリ46、及び/又はインターフェースボード48を有する制御パネル40を更に含み得る。
【0024】
蒸気圧縮システム14において冷媒として使用され得る流体のいくつかの例は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)系冷媒、例えば、R-410A、R-407、R-134a、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、又はアンモニア(NH)(R-717)、二酸化炭素(CO)(R-744)、若しくは炭化水素系冷媒などの「天然」冷媒、水蒸気、又は任意の他の好適な冷媒である。いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、R-134aなどの中圧冷媒に対して低圧冷媒とも称される、1大気圧で摂氏約19度(華氏66度)の標準沸点を有する冷媒を効率的に利用するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「標準沸点」は、1大気圧で測定される沸点温度を指し得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、可変速駆動装置(VSD)52、モータ50、圧縮器32、凝縮器34、膨張弁若しくは膨張デバイス36、及び/又は蒸発器38のうちの1つ以上を使用することができる。モータ50は、圧縮器32を駆動し得、可変速駆動装置(VSD)52によって電力供給され得る。VSD52は、交流(AC)電源からの特定の固定回線電圧及び固定回線周波数を有するAC電力を受電し、可変電圧及び周波数を有する電力をモータ50に提供する。他の実施形態では、モータ50は、AC電源又は直流(DC)電源から直接電力供給され得る。モータ50は、VSDによって電力供給されるか、又はスイッチドリラクタンスモータ、誘導モータ、電子整流永久磁石モータ、又は別の好適なモータなどのAC若しくはDC電源から直接電力供給され得る、任意のタイプのモータを含み得る。
【0026】
圧縮器32は、冷媒蒸気を圧縮し、その蒸気を、放出通路を通して、凝縮器34に送達する。いくつかの実施形態では、圧縮器32は、遠心式圧縮器であり得る。圧縮器32によって凝縮器34に送達される冷媒蒸気は、凝縮器34内の冷却流体(例えば、水又は空気)に熱を伝達し得る。冷媒蒸気は、冷却流体との熱伝達の結果として、凝縮器34内で冷媒液に凝縮し得る。凝縮器34からの液体冷媒は、膨張デバイス36を通って蒸発器38に流れ得る。図3の例示される実施形態では、凝縮器34は水冷され、冷却流体を凝縮器34に供給する冷却塔56に接続された管束54を含む。
【0027】
蒸発器38に送達された液体冷媒は、別の冷却流体から熱を吸収し得、この冷却流体は、凝縮器34で使用されるのと同じ冷却流体であってもなくてもよい。蒸発器38内の液体冷媒は、液体冷媒から冷媒蒸気への相変化を起こし得る。図3の例示される実施形態に示されるように、蒸発器38は、冷却負荷62に接続された供給ライン60S及び戻りライン60Rを有する管束58を含み得る。蒸発器38の冷却流体(例えば、水、エチレングリコール、塩化カルシウムブライン、塩化ナトリウムブライン、又は任意の他の好適な流体)は、戻りライン60Rを介して蒸発器38に入り、供給ライン60Sを介して蒸発器38を出る。蒸発器38は、冷媒との熱伝達を介して、管束58内の冷却流体の温度を低減させ得る。蒸発器38内の管束58は、複数の管及び/又は複数の管束を含み得る。いずれの場合でも、冷媒蒸気は、蒸発器38を出て、吸込みラインによって圧縮器32に戻り、サイクルを完了する。
【0028】
図4は、凝縮器34と膨張デバイス36との間に組み込まれた中間回路64を有する蒸気圧縮システム14の概略図である。中間回路64は、凝縮器34に直接流体接続された入口ライン68を有し得る。他の実施形態では、入口ライン68は、凝縮器34に間接的に流体結合され得る。図4の例示される実施形態に示されるように、入口ライン68は、中間容器70の上流に位置決めされた第1の膨張デバイス66を含む。いくつかの実施形態では、中間容器70は、フラッシュタンク(例えば、フラッシュインタークーラ)であり得る。他の実施形態では、中間容器70は、熱交換器又は「表面エコノマイザ」として構成され得る。図4の例示される実施形態では、中間容器70は、フラッシュタンクとして使用され、第1の膨張デバイス66は、凝縮器34から受け取った液体冷媒の圧力を低下させる(例えば、膨張させる)ように構成されている。膨張プロセス中、液体の一部分が気化し得、したがって、中間容器70を使用して、第1の膨張デバイス66から受容された液体から蒸気を分離し得る。
【0029】
更に、中間容器70は、液体冷媒が中間容器70に入るときに、液体冷媒が経験する圧力降下のために(例えば、中間容器70に入るときに経験する体積の急激な増加に起因して)、液体冷媒の更なる膨張をもたらすことができる。中間容器70内の蒸気は、圧縮器32の吸込みライン74を通して、圧縮器32によって引き出され得る。他の実施形態では、中間容器内の蒸気は、(例えば、吸込みステージではなく)圧縮器32の中間ステージに引き込まれ得る。中間容器70に集まる液体冷媒は、膨張デバイス66及び/又は中間容器70内での膨張のために、凝縮器34を出る液体冷媒よりも低いエンタルピーであり得る。次いで、中間容器70からの液体が、ライン72内を、第2の膨張デバイス36を通って蒸発器38に流れ得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、VSD52のサイズ(例えば、タイプ、モデル)は、VSD52が生成するように構成されている電力出力範囲(例えば、供給電流、供給電圧)の大きさを示し得る。例えば、より大きいVSDは、比較的大きいモータ(例えば、5,000馬力(HP)モータ)の動作を制御するために使用されてもよく、比較的大きい電流及び/又は電圧を受電するように構成されてもよい。逆に、より小さいVSDは、比較的小さいモータ(例えば、100HPモータ)を動作させるために使用されてもよく、比較的小さい電流及び/又は電圧を受電かつ/又は出力するように構成されてもよい。追加的に又は代替的に、上述のように、VSD52のサイズは、例えば、VSD52において電源(例えば、A/C電源)から受電された電圧及び/又は電流の大きさを示し得、かつ/又はVSD52の他の構成を示し得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、VSD52の様々なコンポーネントは、電力を出力及び/若しくは受電し得、制御信号を出力及び/若しくは受信し得、及び/又はそれ以外の場合では、VSD52のサイズに基づいて対応及び変化する特定の周波数で動作し得る。非限定的な例として、VSD52が比較的大きい実施形態では、VSD52は、比較的低い第1の周波数で(例えば、モータ50に対して)、ある相の電力を出力するように構成され得る。逆に、VSD52が比較的小さい実施形態では、VSD52は、比較的高い(例えば、第1の周波数よりも大きい)第2の周波数で(例えば、モータ50に対して)、相の電力を出力するように構成され得る。したがって、VSD52の動作パラメータ(例えば、VSD52によって出力された相の電力)、及び動作パラメータに対応するロギングデータ(例えば、ロジックボードのデータロギングコンポーネントを介した)を監視するときに、VSD52の監視された動作パラメータの繰り返し周波数に基づいて、データロギングコンポーネントのサンプリング周波数を調整して、データロギング動作の精度を向上させることが望ましい。したがって、本開示の実施形態は、適応ロジックボードを対象とし、この適応ロジックボードは、調整可能なサンプリング周波数及びフィルタカットオフ周波数を有する感知回路を含み、実質的にエイリアシングなしに、VSD52のサイズに基づいて、VSD52の1つ以上の監視された動作パラメータに対応するデータを取得することを可能にする。本明細書に説明される特徴のいずれも、蒸気圧縮システム14又は任意の他の好適なHVAC&Rシステム10とともに組み込まれ得ることを理解されたい。
【0032】
前述を念頭におくと、図5は、VSD52の動作を監視及び/又は制御するために使用され得る適応ロジックボード100を含む、VSD52の実施形態の概略図である。VSD52及び適応ロジックボード100を使用して、例えば、図1図4の蒸気圧縮システム14のモータ50を制御することができることを理解されたい。交流(AC)電源102は、AC電力をVSD52に供給し得、次いで、VSD52は、AC電力をモータ50に供給する。AC電源102は、AC電力網又は配電システムからVSD52に三相、固定電圧、及び固定周波数のAC電力を提供し得る。例えば、AC電源102は、第1の受電ライン104、第2の受電ライン106、及び第3の受電ライン108をそれぞれ通して、第1の相のAC電力、第2の相のAC電力、及び第3の相のAC電力を提供し得る。
【0033】
AC電力は、電気事業者から直接供給され得るか、又は電気事業者とAC電源102との間の1つ以上の変圧変電所から供給され得る。いくつかの実施形態では、AC電源102は、対応するAC電源102に応じて、50ヘルツ(Hz)~60Hzのライン周波数で最大15キロボルト(kV)の三相AC電圧又はライン電圧をVSD52に供給し得る。ただし、他の実施形態では、AC電源102は、AC電源102の構成に応じて、任意の好適な固定ライン電圧又は固定ライン周波数をVSD52に提供することができる。加えて、特定のサイトは、異なるライン電圧及びライン周波数の要求を満たすことができる複数のAC電源を有することができる。
【0034】
VSD52は、所望の電圧及び所望の周波数で、AC電源102からAC電力をモータ50に誘導する。特定の実施形態では、VSD52は、AC電力を、AC電源102から受電した固定電圧及び固定周波数AC電力よりも高い電圧及び周波数、又はより低い電圧及び周波数を有するモータ50に提供することができる。例えば、VSD52は、3つの内部段、すなわち、変換器110(例えば、整流器)、直流(DC)リンク112、及びインバータ114を有し得る。変換器110は、AC電源102からの固定ライン周波数及び/又は固定ライン電圧をDC電力に変換し得る。DCリンク112は、変換器110からのDC電力をフィルタリングし、かつ/又はコンデンサ及び/若しくはインダクタなどのコンポーネントを介してエネルギーを蓄積することができる。インバータ114は、DCリンク112からのDC電力を、モータ50のための可変周波数可変電圧AC電力(例えば、三相AC電力)に変換し得る。例えば、インバータ114は、モータ50に、第1の出力ライン116、第2の出力ライン118、及び第3の出力ライン120をそれぞれ介して、第1の相のAC電力、第2の相のAC電力、及び第3の相のAC電力を供給し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、変換器110は、ブーストされたDC電圧をDCリンク112に提供し、VSD52への固定名目基礎RMS入力電圧よりも大きいVSD52からの基本二乗平均平方根(RMS)出力電圧を作り出すために、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)を有するパルス幅変調(PWM)ブースト変換器又は整流器であり得る。更に、いくつかの実施形態では、VSD52は、図5に示されたそれらのコンポーネントに加えて、コンポーネントを組み込んで、モータ50に適切な出力電圧及び周波数を提供することができる。
【0036】
ある特定の実施形態では、モータ50は、可変速度で駆動することが可能である誘導モータであり得る。誘導モータは、2極、4極、6極、又は任意の好適な数の極を含む任意の好適な極配置を有することができる。誘導モータは、蒸気圧縮システム14の圧縮器32などの負荷を駆動するために使用される。他の実施形態では、モータ50は、圧縮器32及び/又は別の好適なデバイスを駆動するための任意の好適なモータであり得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、1つのハーネス124又は複数のハーネスを介して、VSD52に通信可能に結合され得る。このハーネス124は、複数のワイヤ(例えば、銅ワイヤ、光ファイバ)を含むことができ、これらは、VSD52と適応ロジックボード100との間のデータ及び/又は信号の伝達を可能にする。いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、VSD52に供給される電力の周波数及び/若しくは電圧、並びに/又はVSD52によって引き出される電流の大きさなどの、AC電源102によってVSD52に提供される電力の様々な動作パラメータを監視及び/又は制御することができる。
【0038】
例えば、適応ロジックボード100は、(例えば、ハーネス124を介して)入力感知ユニット130に通信可能に結合され得、その入力感知ユニット130は、第1の受電ライン104、第2の受電ライン106、及び/又は第3の受電ライン108のそれぞれの上に、周りに、又は隣接して配設することができる。特に、第1の受電ライン104上に配設された第1の入力感知ユニット132は、第1の受電ライン104を通って流れる第1の相のAC電力を監視することができる。第1の入力感知ユニット132は、例えば、第1の相のAC電力の周波数、第1の相のAC電力の電圧値、及び/若しくは第1の相のAC電力の電流値など、第1の相のAC電力のパラメータを測定するように構成された電圧トランスデューサ、電流トランスデューサ、又は別の好適なデバイス若しくはセンサを含むことができる。第1の入力感知ユニット132は、第1の入力感知ユニット132によって監視されている第1の相のAC電力のパラメータの値に比例する信号(例えば、アナログ信号、電気波形)を出力することができる。例えば、第1の入力感知ユニット132が、VSD52に供給された第1の相のAC電力の周波数を監視するように構成されている実施形態では、第1の入力感知ユニット132は、第1の相のAC電力の周波数に対応する(例えば、実質的に同等である)周波数を有する電気波形を出力することができる。同様に、第2の受電ライン106上に配設された第2の入力感知ユニット134は、第2の受電ライン106を通って流れる第2の相のAC電力のパラメータ(例えば、周波数、電圧、及び/又は電流)を監視することができ、第3の受電ライン108上に配設された第3の入力感知ユニット136は、第3の受電ライン108を通って流れる第3の相のAC電力のパラメータ(例えば、周波数、電圧、及び/又は電流)を監視することができる。本明細書で詳細に説明されるように、第1の入力感知ユニット132、第2の入力感知ユニット134、及び第3の入力感知ユニット136は、第1の入力感知ユニット132、第2の入力感知ユニット134、及び第3の入力感知ユニット136によって出力されるそれぞれの信号をサンプリングするように構成されている、(例えば、ハーネス124を介して)適応ロジックボード100の1つ以上の信号感知回路138に通信可能に結合することができる。
【0039】
適応ロジックボード100は、VSD52によってモータ50に供給される電力のパラメータを追加的に又は代替的に監視することができる。例えば、出力感知ユニット140は、第1の出力ライン116、第2の出力ライン118、及び第3の出力ライン120の上に、周りに、又は隣接してそれぞれ配設された第1の出力感知ユニット142、第2の出力感知ユニット144、及び第3の出力感知ユニット146を含むことができる。したがって、第1の出力感知ユニット142、第2の出力感知ユニット144、及び第3の出力感知ユニット146は、それぞれ、第1の出力ライン116、第2の出力ライン118、及び第3の出力ライン120を通って流れる第1の相のAC電力、第2の相のAC電力、及び第3の相のAC電力を監視することができる。すなわち、第1の出力感知ユニット142、第2の出力感知ユニット144、及び第3の出力感知ユニット146は、第1の相のAC電力、第2の相のAC電力、及び第3の相のAC電力のそれぞれの周波数、電圧値、及び/又は電流値を測定するように構成された電圧トランスデューサ、電流トランスデューサ、及び/又は他の好適なデバイス若しくはセンサを含むことができる。上述した入力感知ユニット130と同様に、出力感知ユニット140は、ハーネス124を介して、適応ロジックボード100の1つ以上の信号感知回路138にそれぞれ通信可能に結合することができる。
【0040】
図6は、適応ロジックボード100の実施形態の概略図である。上で説明されたように、適応ロジックボード100は、入力感知ユニット130の各々、出力感知ユニット140の各々、及び/又は、VSD52とともに含まれ得る他の好適な感知ユニットによって生成される出力信号を分析するために使用され得る1つ以上の信号感知回路138を含む。図6の例示された実施形態は、1つ以上の信号感知回路138のうちの単一の信号感知回路154を示しており、それは、第3の出力感知ユニット146によって生成された出力信号に関連付けられ、かつその出力信号を分析するように構成されていることに留意されたい。ただし、以下で説明されるように、適応ロジックボード100は、入力感知ユニット130の各々、及び出力感知ユニット140の各々に関連付けられ、かつ入力感知ユニット130及び出力感知ユニット140の各々のそれぞれの出力信号を監視するように構成されている個々の信号感知回路を含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、適応ロジックボード100は、6つの信号感知回路138を含むことができ、そこでは、6つの信号感知回路138の各々は、入力感知ユニット130のうちの1つ、又は出力感知ユニット140のうちの1つに関連付けられ、かつ、それらに通信可能に結合されている。追加的に又は代替的に、適応ロジックボード100は、追加の又は6つ未満の信号感知回路138を含むことができる。例えば、適応ロジックボード100の特定の実施形態は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれ以上の信号感知回路138を含むことができる。実際、適応ロジックボード100は、複数の信号感知回路138を含むことができ、それらは、適応ロジックボード100が、例えば、第1の受電ライン104、第2の受電ライン106、及び第3の受電ライン108を通って流れる電力の入力電流、電圧、及び/若しくは周波数、並びに/又は、第1の出力ライン116、第2の出力ライン118、及び第3の出力ライン118を通って流れる電力の出力電流、電圧、及び/若しくは周波数、DCリンク112を通って流れる電力の電流及び/若しくは電圧、並びに/又は、VSD52のフィルタ電流を監視することを可能にすることを理解されたい。
【0041】
図6の例示された実施形態では、信号感知回路154は、第3の出力感知ユニット146に電気的に結合されている入力信号ライン160を含む。このようにして、信号感知回路154は、第3の出力感知ユニット146から入力信号162(例えば、アナログ入力信号、電気波形)を受信することができる。いくつかの実施形態では、入力信号162の全周波数は、VSD52の第3の出力ライン120を通って流れる相のAC電力の周波数に対応することができる。他の実施形態では、入力信号ライン160は、VSD52の特定の動作パラメータ又は複数のパラメータを監視するように構成された任意の他の好適なセンサ又は感知ユニットに結合することができることを理解されたい。
【0042】
信号感知回路154は、出力信号ライン166を介して、適応ロジックボード100のコントローラ164に通信可能に結合することができる。出力信号ライン166は、出力信号168(例えば、アナログ出力信号)を信号感知回路154からコントローラ164に送信することができる。本明細書で詳細に説明されるように、出力信号168は、信号感知回路154によってコンディショニング(例えば、フィルタリング)された入力信号162の形式に対応することができる。コントローラ164は、出力信号168を分析(例えば、サンプリング)して、信号感知回路154によって監視された動作パラメータに対応するデータ信号(例えば、デジタルデータ)を生成するように構成されたデータロギングコンポーネント170(例えば、アナログデジタル変換器)を含むことができる。特に、データロギングコンポーネント170は、特定のサンプリング周波数で出力信号168をサンプリングして、入力信号162に対応するデジタル出力172(例えば、デジタルデータ信号)を生成するように構成することができる。すなわち、デジタル出力172は、例えば、第3の出力ライン120を通って流れる相の電力の周波数、電圧、及び/又は電流など、信号感知回路154によって監視されている動作パラメータの値を示すデータを含むことができる。コントローラ164は、デジタル出力172を、蒸気圧縮システム14の他の制御回路に移動させることができ、かつ/又はデジタル出力172を利用してVSD52の動作を制御/調整することができる。
【0043】
例示された実施形態では、信号感知回路154は、入力信号ライン160に電気的に結合されている第1の抵抗器180、第2の抵抗器182、可変抵抗素子184、及び第1のコンデンサ186を含む。第1の抵抗器180及び可変抵抗素子184は、入力信号ライン160と互いに並列に電気的に結合され、一方、第2の抵抗器182は、第1の抵抗器180及び可変抵抗素子184と直列に入力信号ライン160に電気的に結合されている。第1のコンデンサ186は、適応ロジックボード100の入力信号ライン160及び接地188(例えば、電気的接地)に電気的に結合することができる。第1の抵抗器180、第2の抵抗器182、可変抵抗素子184、及び第1のコンデンサ186は、信号感知回路154のフィルタ190(例えば、低域通過フィルタ)の少なくとも一部を集合的に形成することができる。以下で詳細に説明されるように、フィルタ190は、入力信号162をコンディショニングして、コントローラ164によってサンプリングされたときに、入力信号162のエイリアシングを発生する可能性がある、入力信号162の特定の周波数を減衰又は除去するように動作可能とすることができる。
【0044】
信号感知回路154は、ライン194を介してフィルタ190に電気的に結合されている演算増幅器192を含むことができる。特に、ライン194は、フィルタ190を、演算増幅器192の第1の入力端子196(例えば、非反転入力端子)に電気的に結合することができる。演算増幅器192の第2の入力端子198(例えば、反転入力端子)は、ライン195を介して演算増幅器192の出力端子200に電気的に結合することができる。演算増幅器192は、接地188に電気的に結合されている第1のリード線202と、演算増幅器192の動作を可能にする電圧差動(例えば、0ボルト±20ボルト)を供給するように構成されている電力供給源206(例えば、正電圧源)に電気的に結合されている第2のリード線204と、を含むことができる。演算増幅器192は、所定の又は調整可能な利得を含むことができ、フィルタ190から受信されたコンディショニングされた信号210の大きさを増幅して、出力信号168を生成することができる。以下により詳細に説明されるように、コンディショニングされた信号210は、フィルタ190によってコンディショニング(例えば、フィルタリング)されて、入力信号162に存在し得る電気波形の特定の周波数を減衰させる入力信号162の形式を示すことができる。(例えば、出力信号168を生成するために)コンディショニングされた信号210の大きさを増幅することによって、演算増幅器192は、コントローラ164を介して(例えば、コントローラ164のデータロギングコンポーネント170を介して)、コンディショニングされた信号210のサンプリングを容易にすることができる。特定の実施形態では、第2のコンデンサ212は、接地188及び電力供給源206に電気的に結合されて、電力供給源206によって演算増幅器192に供給され得る電圧の変動を軽減することができ、したがって、演算増幅器192の効果的な動作を可能にする。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1の抵抗器180及び第2の抵抗器182は、各々、固定抵抗値を含むことができ、第1のコンデンサ186及び第2のコンデンサ212は、各々、固定静電容量値を含むことができる。例えば、第1の抵抗器180の抵抗値は、約1000オーム~約4000オームであってもよく、一方、第2の抵抗器182の抵抗値は、約500オーム~約3000オームであってもよい。第1のコンデンサ186及び第2のコンデンサ212の静電容量値は、各々、約2000ピコファラッド~4000ピコファラッドであってもよい。
【0046】
可変抵抗素子184は、可変抵抗素子184の入力端子220と出力端子222との間の抵抗値(例えば、抵抗率)を調整するように動作可能である。例えば、可変抵抗素子184は、デジタルポテンショメータ、乗算デジタルアナログ変換器(MDAC)、又は、入力端子220と出力端子222との間の抵抗値を調整するように動作可能である別の好適なデバイスを含むことができる。非限定的な例として、可変抵抗素子184は、入力端子220と出力端子222との間の抵抗値が約0オーム~約10,000オームであるように選択的に調整するように動作可能であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、コントローラ164は、通信ライン197を介して、可変抵抗素子184に通信可能にかつ/又は電気的に結合することができる。以下で詳細に説明されるように、コントローラ164は、(例えば、通信ライン197上に送信された制御信号を介して)可変抵抗素子184に命令して、コントローラ164で受信された1つ以上の入力に基づいて、入力端子220と出力端子222との間の抵抗値を調整するように構成することができる。この目的のために、コントローラ164は、受信された入力に基づいて、可変抵抗素子184を動作させて、多数の離散的な値の間にフィルタ190のカットオフ周波数を調整することができる。
【0048】
例えば、いくつかの実施形態では、フィルタ190のカットオフ周波数は、式f=1/(2πRC)で表すことができ、ここで、「f」は、フィルタ190のカットオフ周波数を表し、「R」はまた、本明細書では、「R値」とも呼ばれ、少なくとも第1の抵抗器180、第2の抵抗器182、及び可変抵抗素子184の合成抵抗を表し、「C」は、少なくとも第1のコンデンサ186の静電容量値を表す。コントローラ164は、可変抵抗素子184の両端の抵抗を調整することによって、上式の合成抵抗値「R」を調整することができる。したがって、コントローラ164は、可変抵抗素子184の抵抗値の制御を介して、フィルタ190のカットオフ周波数を調整することができる。以下に説明されるように、フィルタ190は、フィルタ190において受信された入力信号162をコンディショニング(例えば、フィルタリング)して、フィルタ190が設定されているカットオフ周波数を上回る周波数を有する入力信号162の電気波形を実質的に減衰させることができる。したがって、フィルタ190によって出力されたコンディショニングされた信号210は、フィルタ190のカットオフ周波数を上回る周波数を有する電気波形を含まないか、又は実質的にそれが全くない入力信号162の形式とすることができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、コントローラ164は、適応ロジックボード100が結合されているVSD52のサイズに基づいて、フィルタ190のカットオフ周波数を目標カットオフ周波数に調整することができる。特定の実施形態では、コントローラ164は、(例えば、ライン232を介して)コントローラ164に通信可能に結合されているデュアルインラインパッケージ(DIP)スイッチ230、又は他のスイッチングデバイスの構成に基づいて、適応ロジックボード100に結合されたVSD52のサイズを決定するように構成することができる。DIPスイッチ230は、VSD52に、適応ロジックボード100のシャーシに、又は蒸気圧縮システム14の任意の他の好適なコンポーネントに結合することができる。DIPスイッチ230は、(例えば、蒸気圧縮システム14の操作者からの入力を介して)別個の位置(例えば、オン/オフの位置、上/下の位置)に各々調整可能であり得る1つ以上のスイッチ233を含むことができる。スイッチ233の特定の構成が、VSD52のサイズに対応することができる。例えば、スイッチ233を第1の構成で位置決めすることは、適応ロジックボード100が比較的大きいVSD52に結合されていることを示すことができ、一方、スイッチ233を第2の構成で位置決めすることは、適応ロジックボード100が比較的小さいVSD52に結合されることを示すことができる。蒸気圧縮システム14の操作者は、適応ロジックボード100をVSD52の特定のサイズに取り付けるときに、DIPスイッチ230のスイッチ233を、対応する設定値に調整することができる。
【0050】
コントローラ164は、DIPスイッチ230の構成に基づいて、適応ロジックボード100に結合されたVSD52のサイズ(例えば、モデル、タイプ)を決定することができるプロセッサ234を含むことができる。例えば、圧縮器32、VSD52、及び/又は適応ロジックボード100の起動時に、プロセッサ234は、DIPスイッチ230のスイッチ233の構成を決定することができる。プロセッサ234は、コントローラ164のメモリデバイス236に記憶され、かつスイッチ233の特定の構成をVSD52の様々なサイズと相関させている、参照テーブルを参照することができる。したがって、プロセッサ234は、参照テーブルを利用して、スイッチ233の構成に基づいてVSD52のサイズを決定することができる。
【0051】
プロセッサ234は、可変抵抗素子184、VSD52のコンポーネント、及び/又は、蒸気圧縮システム14の他のコンポーネントなどの、適応ロジックボード100のコンポーネントを制御するためのソフトウェアを実行することができるマイクロプロセッサを含むことができることを理解されたい。更に、プロセッサ234には、複数のマイクロプロセッサ、1つ以上の「汎用」マイクロプロセッサ、1つ以上の専用マイクロプロセッサ、及び/又は1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、又はそれらの組み合わせが含まれ得る。例えば、プロセッサ234は、1つ以上の縮小命令セット(RISC)プロセッサを含むことができる。メモリデバイス236は、制御ソフトウェア、参照テーブル、構成データ、実行可能命令、及び任意の他の好適なデータなどの情報を記憶することができる。メモリデバイス236は、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの揮発性メモリ、及び/又は読み取り専用メモリ(ROM)などの不揮発性メモリを含むことができる。メモリデバイス236は、適応ロジックボード100及び/又はVSD52のコンポーネントを制御するための命令など、プロセッサ234が実行するためのファームウェア又はソフトウェアを含むプロセッサ実行可能命令を記憶することができる。いくつかの実施形態では、メモリデバイス236は、プロセッサ234が実行するための機械可読命令を記憶することができる、有形で非一時的である機械可読媒体である。メモリデバイス236には、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、若しくは任意の他の好適な光学、磁気、又は半導体記憶媒体、あるいはそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、コントローラ164は、通信インターフェース242を介してコントローラ164に通信可能に結合されている外部コンピューティングデバイス240から受信された入力信号に基づいて、適応ロジックボード100が結合されているVSD52のサイズを決定することができる。外部コンピューティングデバイス240には、コンピュータ、タブレット、スマートウェアラブルデバイス、ディスプレイ、又は、操作者がVSD52のサイズを入力することができる別の好適なコンピューティングデバイスが含まれ得る。通信インターフェース242は、無線又は有線通信技術(例えば、Wi-Fi、近距離無線通信、Bluetooth、Zigbee、Z-wave、ISM、内蔵型無線モジュール、別の好適な無線通信技術、又は有線接続)を介して、外部コンピューティングデバイス240からコントローラ164まで、VSD52のサイズを示す入力信号を操作者に送信することができる。したがって、コントローラ164は、外部コンピューティングデバイス240において受信された入力信号を利用して、適応ロジックボード100に結合されたVSD52のサイズに基づいて、適応ロジックボード100の動作を調整することができる。外部コンピューティングデバイス240は、コントローラ164とは独立して別個のものである処理回路を含むことができることを理解されたい。
【0053】
いくつかの実施形態では、コントローラ164は、ハーネス124の構造に基づいて、VSD52のサイズを決定することができる(図5を参照)。例えば、特定のハーネスが、VSD52の各サイズ、又はサイズの範囲に関連付けられ得る。ハーネス124は、関連付けられたVSD52のサイズに応じて、追加の又はより少ない接続ワイヤを含むことができる。例えば、比較的大きいVSD52に関連付けられたハーネスは、第1の量の接続ワイヤ(例えば、大量の接続ワイヤ)を含むことができ、一方、比較的小さいVSD52に関連付けられたハーネスは、第2の量の接続ワイヤ(例えば、少量の接続ワイヤ)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハーネス124は、ユニバーサルプラグ(例えば、端子プラグ)を介して、適応ロジックボード100に電気的に結合することができる。ユニバーサルプラグは、所定の量の接続ポートを含むことができ、それらの中の第1の量の接続ポートは、接続ワイヤに電気的に結合される。したがって、いくつかの実施形態では、第2の量(例えば、残りの量)の接続ポートは、空いたままであってもよい。コントローラ164は、ユニバーサルプラグ内に含まれる接続ワイヤの量、及び空いた接続ポートの量を決定することができ、したがって、VSD52のサイズを決定することができる。
【0054】
例えば、コントローラ164は、複数の接続ポートの各接続ポートに試験信号を送信することができ、特定の接続ポートが適応ロジックボード100をVSD52に通信可能に結合するかどうかを決定することができる。したがって、適応ロジックボード100は、いくつかの確立された接続ポート、及びいくつかの空いたままの接続ポートを決定することができる。適応ロジックボード100は、いくつかの確立された接続ポート、及びいくつかの空いたままの接続ポートを使用して、VSD52のサイズを決定することができる。非限定的な例として、3つの空いた位置は、適応ロジックボード100が比較的小さいVSDに結合されていることを示すことができ、一方、空いた位置がないことは、適応ロジックボード100が比較的大きいVSDに結合されていることを示すことができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、複数のハーネスを使用して、適応ロジックボード100をVSD52に電気的に結合することができる。例えば、適応ロジックボード100は、適応ロジックボード100の様々な通信、電圧感知、及び/又は電流感知特徴に関連付けられているそれぞれのハーネスを含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ164は、ハーネス124に加えて、又はその代わりに、これらの追加のハーネスに基づいて、VSD52のサイズを決定するように構成することができる。すなわち、いくつかの実施形態では、コントローラ164は、適応ロジックボード100をVSD52に電気的に結合するために使用され得る任意の1つのハーネス又はハーネスの組み合わせの構造及び/又はそこからの通信に基づいて、VSD52のサイズを決定することができる。したがって、上述した技術に基づいて、適応ロジックボード100は、例えば、追加のハーネス内のいくつかの確立された接続ポート、及び追加のハーネス内のいくつかの空いた接続ポートを識別することによって、VSD52のサイズを決定することができる。追加的に又は代替的に、適応ロジックボード100は、(例えば、ハーネス内に配設されたそれぞれのメモリデバイスを介して)ハーネスのうちの1つ以上の中に記憶され得る識別コードに基づいて、VSDのサイズを決定することができる。
【0056】
いずれの場合も、適応ロジックボード100が結合されているVSD52のサイズを決定すると、コントローラ164は、(例えば、通信ライン197上に送信された制御信号を介して)可変抵抗素子184を調整して、VSD52のサイズに対応するフィルタ190の目標カットオフ周波数を達成することができる。したがって、フィルタ190は、目標カットオフ周波数を超える、また、それ以外の場合では(例えば、データロギングコンポーネント170を介して)コントローラ164によってサンプリングされるときにエイリアシングを引き起こす可能性がある、入力信号162の周波数を効果的に減衰させることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、コントローラ164は、メモリデバイス236内に記憶された参照テーブルを参照して、適応ロジックボード100に関連付けられたVSD52のサイズに対応する、フィルタ190の目標カットオフ周波数を決定することができる。追加的に又は代替的に、コントローラ164は、外部コンピューティングデバイス240から、目標カットオフ周波数を示すフィードバックを受信することができる。いずれの場合も、適応ロジックボード100が結合されるVSD52のサイズを決定すると、コントローラ164は、可変抵抗素子184の抵抗を調整して、VSD52のサイズに対応するフィルタ190の所望の目標カットオフ周波数を達成することができる。以下で説明されるように、このようにして、コントローラ164は、信号感知回路154を構成して、例えば、第3の出力感知ユニット146から受信された入力信号162においてより効果的にコンディショニングすることができる。
【0058】
図7は、VSD52のセンサ(例えば、感知ユニット130、140)から受信された入力信号(例えば、入力信号162)を評価するために、適応ロジックボード100を動作させるための方法280の実施形態のフロー図である。図6及び図7は、以下の説明の全体を通じて同時に参照されるであろう。以下で説明される方法280のステップは、任意の好適な順序で実施することができ、図7に例示された実施形態で示される順序に限定されないことに留意されたい。更に、特定の実施形態では、方法280の追加のステップが実施され得、方法280の特定のステップが省略され得ることに留意されたい。また更に、方法280のステップのうちの特定のものは、他のステップと同時に実施し得ることを理解されたい。方法280は、コントローラ164のプロセッサ234によって、かつ/又は蒸気圧縮システム14の他の好適な処理回路によって実行することができる。以下の説明は、信号感知回路154のコンポーネントの調整について言及しているが、方法280は、開示された技術に従って、1つ以上の信号感知回路138内に含まれる任意の他の信号感知回路の対応するコンポーネントを調整するように実装され得ることを理解されたい。
【0059】
方法280は、ブロック282によって示されているように、VSD52のサイズを決定することを含む。例えば、前述の技術によれば、コントローラ164は、DIPスイッチ230の構成に基づいて、外部コンピューティングデバイス240のために受信された操作者入力信号に基づいて、ハーネス124の構造及び/若しくは利用に基づいて、又は別の好適な技術を介して、VSD52のサイズを決定することができる。VSD52のサイズを決定すると、コントローラ164は、ブロック284によって示されるように、VSD52のサイズに対応する信号感知回路154のフィルタ190の目標カットオフ周波数を決定することができる。例えば、コントローラ164は、メモリデバイス236に記憶された参照テーブルを参照することができ、かつ/又は、適応ロジックボード100が結合されている特定のVSD52に対応するフィルタ190の目標カットオフ周波数を示す、外部コンピューティングデバイス240からのフィードバックを受信することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、ブロック284の実行と同時に、その実行前に、又はその実行後に、コントローラ164は、VSD52のサイズに基づいて、データロギングコンポーネント170のサンプリング周波数を決定することができる。例えば、コントローラ164は、適応ロジックボード100が比較的大きいVSD52に結合されているという指示を決定又は受信すると、データロギングコンポーネント170のサンプリング周波数を比較的低いサンプリング周波数(例えば、第1の目標サンプリング周波数)に設定することができる。逆に、コントローラ164は、適応ロジックボード100が比較的小さいVSD52に結合されているという指示を決定又は受信すると、データロギングコンポーネント170のサンプリング周波数を比較的高いサンプリング周波数(例えば、第1の目標サンプリング周波数よりも大きい第2の目標サンプリング周波数)に設定することができる。更に、いくつかの実施形態では、コントローラ164は、データロギングコンポーネント170のサンプリング周波数に基づいて、フィルタ190の目標カットオフ周波数を決定することができる。非限定的な例として、コントローラ164は、フィルタ190の目標カットオフ周波数を、データロギングコンポーネント170のサンプリング周波数のパーセンテージ(例えば、所定のパーセンテージ)になるように設定することができ、これは、適応ロジックボード100が結合されるVSD52のサイズに基づいて決定することができる。したがって、そのような実施形態では、コントローラ164は、VSD52のサイズに基づいて、フィルタ190のカットオフ周波数を間接的に調整することができる。
【0061】
いずれの場合も、方法280は、ブロック286によって示されているように、可変抵抗素子184を調整して、フィルタ190の目標カットオフ周波数を達成することを含む。いくつかの実施形態では、フィルタ190の目標カットオフ周波数を達成する可変抵抗素子184の適切な抵抗値は、メモリデバイス236に記憶することができる。したがって、コントローラ164は、メモリデバイス236に記憶されたデータを参照して、フィルタ190の決定された目標カットオフ周波数を達成する可変抵抗素子184の適切な抵抗設定値を決定することができる。他の実施形態では、コントローラ164は、上記の式を使用して、可変抵抗素子184の適切な抵抗設定値を計算するように構成することができる。いずれの場合も、コントローラ164は、可変抵抗素子184を調整して、VSD52のサイズに対応する目標カットオフ周波数を達成することができる。可変抵抗素子184を調整してフィルタ190の目標カットオフ周波数を達成すると、コントローラ164は、ブロック288に示されているように、信号感知回路154によって生成された出力信号168を評価することができる。
【0062】
一例として、適応ロジックボード100が比較的大きいVSD52に結合されているという指示を決定又は受信すると、コントローラ164は、(例えば、可変抵抗素子184に送信された命令を介して)第1の目標カットオフ周波数を有するようにフィルタ190を調整することができ、その第1の目標カットオフ周波数は、比較的低いカットオフ周波数(例えば、約10キロヘルツ(kHz)~約19kHz)に対応することができる。したがって、フィルタ190は、入力信号162を受信し、第1の目標カットオフ周波数を上回る周波数を有する入力信号162における電気波形を減衰させて、コンディショニングされた信号210を生成することができる。この目的のために、コンディショニングされた信号210は、実質的に減衰された第1の目標カットオフ周波数を上回る電気波形の任意の周波数を有する入力信号162を示すことができる。演算増幅器192は、(例えば、入力端子220において)コンディショニングされた信号を受信し、コンディショニングされた信号210を増幅して、出力信号168を生成することができる。コントローラ164は、出力信号168を受信し、データロギングコンポーネント170を介して、第1のサンプリング周波数(例えば、比較的低いサンプリング周波数)で出力信号168をサンプリングすることができる。したがって、データロギングコンポーネント170は、入力信号162に対応するデジタル出力172を生成することができる。データロギングコンポーネント170の第1のサンプリング周波数は、第1の目標カットオフ周波数を超えることができる。例えば、第1のサンプリング周波数は、約17kHz~24kHzであってもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ164は、フィルタ190の目標カットオフ周波数、及び/又はデータロギングコンポーネント170のサンプリング周波数を調整することができ、その結果、目標カットオフ周波数は、第1のサンプリング周波数のパーセンテージ(例えば、70パーセント~80パーセント)である。
【0063】
逆に、適応ロジックボード100が比較的小さいVSD52に結合されているという指示を決定又は受信すると、コントローラ164は、比較的高いカットオフ周波数(例えば、約18kHz~約35kHz)に対応することができる第2の目標カットオフ周波数を含むように、(例えば、可変抵抗素子184に送信された命令を介して)フィルタ190を調整することができる。したがって、フィルタ190は、入力信号162を受信し、かつ第2の目標カットオフ周波数を上回る周波数を有する入力信号162の電気波形を減衰させて、コンディショニングされた信号210を生成することができる。したがって、コンディショニングされた信号210は、実質的に減衰された第2の目標カットオフ周波数を上回る電気波形の任意の周波数を有する入力信号162を示すことができる。演算増幅器192は、(例えば、入力端子220において)コンディショニングされた信号210を受信することができ、コンディショニングされた信号210を増幅して、出力信号168を生成することができる。コントローラ164は、出力信号168を受信し、データロギングコンポーネント170を介して、第1のサンプリング周波数よりも高い可能性がある第2のサンプリング周波数で出力信号168をサンプリングすることができる。したがって、データロギングコンポーネント170は、入力信号162に対応するデジタル出力172を生成することができる。データロギングコンポーネント170の第2のサンプリング周波数は、第2の目標カットオフ周波数を超えることができる。例えば、第2のサンプリング周波数は、約24kHz~45kHzであってもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ164は、目標カットオフ周波数が第2のサンプリング周波数のパーセンテージ(例えば、70パーセント~80パーセント)になるように、フィルタ190の目標カットオフ周波数、及び/又はデータロギングコンポーネント170のサンプリング周波数を調整することができる。
【0064】
特定の実施形態では、フィルタ190は、図6の例示された実施形態に示されているものよりも追加の又はより少ないコンポーネントを含むことができることを理解されたい。実際、フィルタ190は、フィルタ190のカットオフ周波数が(例えば、コントローラ164を介して提供された制御信号に基づいて)本明細書で説明された技術に従って調整されることを可能にする、任意の好適なコンポーネントアレイを含むことができる。いくつかの例を挙げると、フィルタ190は、サレンキーフィルタ、受動型若しくは能動型可変フィルタ、又は別の好適なフィルタアーキテクチャを含むことができる。
【0065】
図8は、複数の信号感知回路300を例示する、適応ロジックボード100の一部の実施形態の概略図である。特に、適応ロジックボード100は、第1の信号感知回路302、第2の信号感知回路304、第3の信号感知回路306、及び第4の信号感知回路308を含む。第1の信号感知回路302、第2の信号感知回路304、第3の信号感知回路306、及び第4の信号感知回路308は、各々、上述した信号感知回路154のコンポーネントのうちの一部又は全てを含むことができる。例えば、第1の信号感知回路302、第2の信号感知回路304、第3の信号感知回路306、及び第4の信号感知回路308は、各々、第1の抵抗器180、第2の抵抗器182、第1のコンデンサ186、及び演算増幅器192を含むことができる。第1の信号感知回路302、第2の信号感知回路304、第3の信号感知回路306、及び/又は第4の信号感知回路308のそれぞれの第1の抵抗器180、第2の抵抗器182、及び/又は第1のコンデンサ186は、各々、実質的に互いに同一であるか、又は互いに異なる抵抗/静電容量の値を含むことができることを理解されたい。
【0066】
例示された実施形態では、信号感知回路300の各々は、共通の可変抵抗素子310(例えば、クワッドチャネルデジタルポテンショメータ)に結合されている。共通の可変抵抗素子310は、信号感知回路300のうちの1つに各々関連付けられている複数の別々に調整可能な抵抗素子を含むことができる。例えば、共通の可変抵抗素子310は、第1の信号感知回路302に対応する第1の可変抵抗素子312、第2の信号感知回路304に対応する第2の可変抵抗素子314、第3の信号感知回路306に対応する第3の可変抵抗素子316、及び、第4の信号感知回路308に対応する第4の可変抵抗素子318を含むことができる。共通の可変抵抗素子310は、第1の可変抵抗素子312、第2の可変抵抗素子314、第3の可変抵抗素子316、及び第4の可変抵抗素子318の各々の抵抗値を別々に調整するように、(例えば、コントローラ164から受信された命令を介して)動作可能とすることができ、その結果、第1の可変抵抗素子312、第2の可変抵抗素子314、第3の可変抵抗素子316、及び第4の可変抵抗素子318は、信号感知回路300の各々のそれぞれの「R値」を調整することができる。実際、共通の可変抵抗素子310は、1つ以上の制御ライン320を介してコントローラ164に通信可能に結合することができ、その結果、コントローラ164は、共通の可変抵抗素子310に命令して、第1の可変抵抗素子312、第2の可変抵抗素子314、第3の可変抵抗素子316、及び第4の可変抵抗素子318のそれぞれの抵抗値を調整することができる。したがって、コントローラ164は、前述の技術に従って(例えば、適応ロジックボード100が結合されているVSD52のサイズに基づいて)、信号感知回路300の各々に含まれるそれぞれのフィルタ322(例えば、フィルタ190の倍数)の対応する目標カットオフ周波数を調整することができる。いくつかの実施形態では、共通の可変抵抗素子310は、クワッドチャネルデジタルポテンショメータの代わりに、一対のデュアルチャネルデジタルポテンショメータ、又は4つの単一チャネルデジタルポテンショメータを含むことができることを理解されたい。
【0067】
例示された実施形態では、信号感知回路300の各々は、対応する入力信号(例えば、入力信号162)を受信するように構成された入力端子330と、対応する出力信号(例えば、出力信号168)をコントローラ164(例えば、コントローラ164のデータロギングコンポーネント170)に送信するように構成された出力端子332と、を含む。例えば、いくつかの実施形態では、第1の信号感知回路302は、第1の入力感知ユニット132(図6を参照)に電気的に結合され、かつその感知ユニットから入力信号を受信するように構成された第1の入力端子331を含むことができ、第2の信号感知回路304は、第2の入力感知ユニット134(図6を参照)に電気的に結合され、かつその感知ユニットから入力信号を受信するように構成された第2の入力端子333を含むことができ、第3の信号感知回路306は、第3の入力感知ユニット136(図6を参照)に電気的に結合され、かつその感知ユニットから入力信号を受信するように構成された第3の入力端子334を含むことができ、第4の信号感知回路308は、DCリンク112を通って送信する電気エネルギーの周波数、電圧、及び/又は電流を測定するように構成された入力感知ユニット336(図5を参照)に電気的に結合され、かつその入力感知ユニットから第4の入力信号を受信するように構成された第4の入力端子335を含むことができる。信号感知回路300の各々は、上述した技術に従ってそれぞれの入力信号をフィルタリングして、出力端子332を介してフィルタリングされた出力信号をデータロギングコンポーネント170に提供することができる。
【0068】
上述したように、本開示の実施形態は、単一の適応ロジックボードが、VSDの複数の異なるサイズで実装されて、様々なサイズのVSDの動作パラメータを監視することを可能にするために有用な1つ以上の技術的効果を提供することができる。本明細書に開示された適応ロジックボードは、VSDのサイズに基づいて選択することができる、異なるサンプリング周波数でのVSDの動作パラメータの監視を容易にするように構成されている調整可能な感知回路を含む。したがって、適応ロジックボードは、様々に異なるサイズのVSDで実装されて、VSDの動作を効果的に監視することができる。本明細書における技術的効果及び技術的問題は、例であり、限定するものではない。本明細書に記載の実施形態は、他の技術的効果を有し得、他の技術的問題を解決し得ることに留意されたい。
【0069】
本出願は、以下の記載に掲げられるか、又は図面に例示される詳細又は方法論に限定されないことを理解されたい。また、本明細書で使用される表現及び用語が単に記載のみを目的とするものであり、限定すると見なされるべきでないことを理解されたい。
【0070】
図面に例示され、本明細書に記載される例示的な実施形態は、現在好ましいが、これらの実施形態は、例としてのみ提供されることを理解されたい。そのため、本出願は、特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内にある様々な修正に及ぶ。任意のプロセス又は方法ステップの順序又はシーケンスは、代替実施形態に従って、変化又は再順序付けされ得る。
【0071】
様々な例示的な実施形態に示されるようなVSD及び/又はロジックボードの構成及び配置は、例示的なものに過ぎないことに留意することが重要である。本開示ではわずかな実施形態しか詳細に説明されていないが、本開示を検討する者は、特許請求の範囲に記載される主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び割合の変化、パラメータの値、取り付け配置、材料の使用、色、方向など)が可能であることを容易に理解するであろう。例えば、一体的に形成されるものとして示される要素は、複数の部分又は要素から構成され得、要素の位置は、逆にされるか、又は別様に変化され得、別個の要素又は位置の性質又は数は、変更されるか、又は変化され得る。そのため、全てのそのような修正は、本出願の範囲内に含まれることが意図される。任意のプロセス又は方法ステップの順番又はシーケンスは、代替実施形態に従って、変更又は再順序付けされ得る。特許請求の範囲において、任意のミーンズプラスファンクション条項は、列挙された機能を実行するものとして本明細書に記載される構造、及び構造的等価物だけでなく等価構造も包含することが意図される。本出願の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態の設計、動作条件及び配置において、他の置換、修正、変更及び省略が行われ得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】