(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-07
(54)【発明の名称】粉末状有害生物防除組成物およびその使用方法
(51)【国際特許分類】
A01N 47/02 20060101AFI20240531BHJP
A01N 25/12 20060101ALI20240531BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20240531BHJP
A01N 47/38 20060101ALI20240531BHJP
A01N 43/90 20060101ALI20240531BHJP
【FI】
A01N47/02
A01N25/12 101
A01P7/04
A01N47/38 Z
A01N43/90 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520212
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 US2021053039
(87)【国際公開番号】W WO2022072746
(87)【国際公開日】2022-04-07
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523117443
【氏名又は名称】コントロール・ソリューションズ・インコーポレーテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523117454
【氏名又は名称】カレスポディ,ジョン
(71)【出願人】
【識別番号】523117465
【氏名又は名称】リード,ジャニス・ジョンソン
(71)【出願人】
【識別番号】523117476
【氏名又は名称】ノックス,マリー・アン
(71)【出願人】
【識別番号】523117487
【氏名又は名称】リチャードソン,ロン
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カレスポディ,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リード,ジャニス・ジョンソン
(72)【発明者】
【氏名】ノックス,マリー・アン
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン,ロン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AC02
4H011AC03
4H011BA01
4H011BB08
4H011BB11
4H011BB14
4H011BC03
4H011BC18
4H011DA02
4H011DG13
(57)【要約】
【課題】
有害生物を防除する組成物および方法を開示する。前記組成物は静電気帯電することができ、または社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引することができ、またその両方であることができる。また、前記組成物と、送達中に有害生物防除組成物を静電気帯電させるように使用可能な粉末送達装置と、を含むキットも開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1以上の有害生物防除成分と、
b)1以上の固結防止剤と、
c)1以上の誘引剤と、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項2】
前記誘引剤が、ビール酵母、穀類蒸留粕、粉末腎臓、ホエータンパク質、精製粉末砂糖、またはそれらの任意の組み合わせである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記固結防止剤が、沈降炭酸カルシウム、ステアリン酸、リン酸三カルシウム、シリカ、またはそれらの任意の組み合わせである請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記固結防止剤が、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせである請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が静電気帯電する請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物は、適用中に前記組成物を静電気帯電させるよう使用可能な装置を用いて、適用中に静電気帯電する請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物の粒子の大きさが約125μm以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物
【請求項8】
前記組成物の含水率は、約2w/w%~約5w/w%の範囲である請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記有害生物がゴキブリである請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記有害生物がゴキブリであり、前記組成物は、適用中に前記組成物を静電気帯電させるよう使用可能な装置を用いて、適用中に静電気帯電する請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が非消耗組成物である請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物の成分が消耗成分ではない請求項1~10のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
a)1以上の有害生物防除成分と、
b)1以上の固結防止剤と、
c)1以上の環境模倣剤と、
d)任意で1以上の非食物誘引剤と、を含む、非消耗有害生物防除粉末組成物。
【請求項14】
前記固結防止剤が、沈降炭酸カルシウム、ステアリン酸、リン酸三カルシウム、シリカ、またはそれらの任意の組み合わせである請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記固結防止剤が沈降炭酸カルシウムである請求項13または14に記載の組成物。
【請求項16】
前記環境模倣剤が、アタパルジャイト、ベントナイト、粉末キチン、粉末カオリン、シリカ、またはそれらの任意の組み合わせである請求項1~15のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物の成分が消耗成分ではない請求項1~16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物の粒子の大きさが約125μm以下である請求項1~17のいずれか1項に記載の組成物
【請求項19】
前記組成物が、約0.2w/w%~約5w/w%の範囲の含水率を含む請求項1~18のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記有害生物がシロアリである請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記有害生物がシロアリであり、前記組成物は、適用中に前記組成物を静電気帯電させるよう使用可能な装置を用いて、適用中に静電気帯電し、前記装置が、前記シロアリの巣、トンネル、および/または集合構造へ正確に適用するように使用可能である、請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
a)約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、
b)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、
c)約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、
d)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項23】
前記組成物が静電気帯電する請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記コーングリッツが100メッシュ以下である請求項22または23に記載の組成物。
【請求項25】
a)約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、
b)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、
c)約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、
d)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項26】
前記組成物が静電気帯電する請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記コーングリッツが100メッシュ以下である請求項25または26に記載の組成物。
【請求項28】
a)約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、
b)約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、
c)約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、
d)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、
e)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項29】
前記組成物が静電気帯電する請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
前記シリカが、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の
組み合わせである請求項28または29に記載の組成物。
【請求項31】
前記シリカがフュームドシリカである請求項1~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項32】
a)約0.5w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、
b)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、
c)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項33】
前記組成物が静電気帯電する請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記シリカが、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせである請求項32または33に記載の組成物。
【請求項35】
前記シリカがフュームドシリカである請求項1~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
a)約0.5w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、
b)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、
c)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲の穀類蒸留粕と、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項37】
前記組成物が静電気帯電する請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記シリカが、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせである請求項36または37に記載の組成物。
【請求項39】
前記シリカがフュームドシリカである請求項1~38のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
前記穀類蒸留粕がトウモロコシ穀類蒸留粕である請求項1~39のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
a)約0.5w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、
b)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、
c)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲の穀類蒸留粕と、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項42】
前記組成物が静電気帯電する請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
a)約0.03w/w%~約0.07w/w%の濃度範囲のクロルフェナピルと、
b)約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、
c)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、
d)約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の粉末腎臓と、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項44】
前記組成物が静電気帯電する請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
前記シリカが、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせである請求項43または44に記載の組成物。
【請求項46】
前記シリカがフュームドシリカである請求項1~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項47】
a)約0.06w/w%~約0.9w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、
b)約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、
c)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、
d)約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の粉末腎臓と、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項48】
前記組成物が静電気帯電する請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記シリカが、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせである請求項47または48に記載の組成物。
【請求項50】
前記シリカがフュームドシリカである請求項1~30のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項51】
a)約0.06w/w%~約0.9w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、
b)約0.015w/w%~約0.025w/w%の濃度範囲のノバルロンと、
c)約0.015w/w%~約0.025w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、
d)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、
e)約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲のホエータンパク質単離物と、
f)約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、
g)約13w/w%~約17w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項52】
前記組成物が静電気帯電する請求項51に記載の組成物。
【請求項53】
前記シリカが、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせである請求項51または52に記載の組成物。
【請求項54】
前記シリカがフュームドシリカである請求項1~53のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項55】
a)約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、
b)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、
c)約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、
d)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項56】
前記コーングリッツが100メッシュ以下である請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
a)約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、
b)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、
c)約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、
d)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項58】
前記コーングリッツが100メッシュ以下である請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
a)約0.08w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、
b)約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のイミダクロプリドと、
c)約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲の粉末セルロースと、
d)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、
e)約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、
f)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のアタパルジャイトと、を含む、非消耗有害生物防除粉末組成物。
【請求項60】
前記アタパルジャイトが100メッシュ以下である請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
a)約0.4w/w%~約0.8w/w%の濃度範囲のクロルフェナピルと、
b)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のリン酸三カルシウム粉末と、
c)約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、
d)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含む、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物。
【請求項62】
前記コーングリッツが100メッシュ以下である請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
a)約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、
b)約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、
c)約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、
d)約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲のエルゴステロールと、
e)約1.5w/w%~約2.5w/w%の濃度範囲のステアリン酸と、
f)約1.5w/w%~約2.5w/w%の濃度範囲のベントナイトと、
g)約8w/w%~約12w/w%の濃度範囲の粉末キチンと、
h)約75w/w%~約90w/w%の濃度範囲の粉末カオリンと、を含む、非消耗有害生物防除粉末組成物。
【請求項64】
前記ベントナイト、前記粉末キチン、および前記粉末カオリンは100メッシュ以下である請求項63に記載の組成物。
【請求項65】
a)約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、
b)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、
c)約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、
d)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含む、静電気帯電非消耗組成物であって、
前記組成物は適用時に静電気帯電する、静電気帯電非消耗組成物。
【請求項66】
前記コーングリッツが100メッシュ以下である請求項65に記載の組成物。
【請求項67】
a)約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、
b)約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、
c)約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、
d)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、
e)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含む、静電気帯電非消耗組成物。
【請求項68】
a)送達中に有害生物防除組成物を静電気帯電させるように使用可能な粉末送達装置と
、
b)有害生物防除粉末組成物と、を含有する有害生物防除キットであって、
前記組成物は、
i)約0.5w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、
ii)約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、
iii)約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母または穀類蒸留粕と、を含み、
前記組成物は適用時に前記装置を使用して静電気帯電する、有害生物防除キット。
【請求項69】
前記シリカがフュームドシリカである請求項68に記載のキット。
【請求項70】
前記粉末送達装置が、社会性有害生物の巣、トンネル、および/または集合構造へ正確に適用して対象有害生物を防除するように使用可能である、請求項68または69に記載のキット。
【請求項71】
送達中に粉末組成物を静電気帯電させるように使用可能な粉末送達装置を使用して、有害生物防除組成物を防除対象の場所に適用することを含む、有害生物防除方法であって、
前記有害生物防除粉末組成物は、
約0.5w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、
約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、
約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母または穀類蒸留粕と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年9月30日に出願された米国仮出願第63/085,633号の利益を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、静電気帯電有害生物防除組成物、および/または社会性昆虫のそのネスト、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する有害生物防除組成物を提供する。また、前記組成物を使用する方法も開示する。
【背景技術】
【0003】
シロアリ、オオアリ、フシアリ、ゴキブリなどの節足動物は、一般的に迷惑な有害生物として知られている。フロリダを中心とする南部地域では、シロアリは構造物にとって最も破壊的な節足動物有害生物のひとつとされている。チャバネゴキブリ(German cockroach)とワモンゴキブリ(American cockroach)は、世界中に生息しているゴキブリである。これらのゴキブリは、住宅、レストラン、病院、寮、倉庫などにおける主要な有害生物である。ゴキブリは見た目が悪く、また、ヒトの病気の媒介者であることが指摘されている。このような理由から、家庭や事業所において、ヒトや他の動物に有害な有害生物防除剤濃度を回避しつつ、効果的な有害生物防除を行うことが引き続き求められている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、1以上の有害生物防除成分と、1以上の固結防止剤と、任意に1以上の環境模倣剤と、任意に1以上の誘引剤とを含む。前記組成物は、適用時に静電気帯電する。前記組成物は、適用中に静電気帯電させることができる装置を用いて、適用中に静電気帯電させることができる。装置は、加圧気柱を介して前記組成物を供給できるように使用可能である。有害生物は昆虫有害生物であってもよい。
【0005】
有害生物はシロアリであってもよい。有害生物がシロアリの場合、前記静電気帯電組成物は、1以上の有害生物防除成分と、1以上の固結防止剤と、1以上の環境模倣剤と、を含有することができる。また、有害生物はゴキブリであってもよい。有害生物がゴキブリの場合、前記静電気帯電組成物は、1以上の有害生物防除成分と、1以上の固結防止剤と、1以上の食物源と、を含有することができる。有害生物がゴキブリの場合、前記静電気帯電組成物は、1以上の有害生物防除成分と、1以上の固結防止剤と、1以上の環境模倣剤と、1以上の食物源と、を含有することも可能である。
【0006】
粒子の大きさは、約125μm以下とすることができる。含水率は約2w/w%~約5w/w%の範囲である。前記組成物は遅効性でもよい。
【0007】
本開示の別の態様は、対象社会性昆虫を防除するために、社会性有害生物の巣、トンネル、および/または集合構造に正確に適用するための非消耗有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、1以上の有害生物防除成分と、1以上の固結防止剤と、任意に1以上の環境模倣剤と、任意に1以上の誘引剤とを含む。前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。前記組成物は遅効性でもよい。
【0008】
前記組成物は、適用中に静電気帯電させることができる装置を用いて、適用中に静電気
帯電することができる。前記装置は、加圧気柱を介して前記組成物を供給できるように使用可能である。有害生物は昆虫有害生物であってもよい。
【0009】
有害生物はシロアリであってもよい。有害生物がシロアリの場合、非消耗有害生物防除粉末組成物は、1以上の有害生物防除成分と、1以上の固結防止剤と、1以上の環境模倣剤と、を含有する。また、有害生物はゴキブリであってもよい。有害生物がゴキブリの場合、非消耗有害生物防除粉末組成物は、1以上の有害生物防除成分と、1以上の固結防止剤と、1以上の環境模倣剤と、を含み得る。
【0010】
本開示の別の態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は、適用時に静電気帯電する。コーングリッツは、100メッシュ以下とすることができる。
【0011】
本開示の別の態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は、適用時に静電気帯電する。コーングリッツは、100メッシュ以下とすることができる。
【0012】
本開示の別の態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含有する。前記組成物は適用時に静電気帯電する。前記組成物は、約3w/w%~約7w/w%のアタパルジャイトをさらに含み得る。
【0013】
本開示のさらに別の態様は、約0.1w/w%~約5w/w%、約0.5w/w%~約1.5w/w%、または約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲度のフュームドシリカと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含有する有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は適用時に静電気帯電する。前記組成物は、約3w/w%~約7w/w%のアタパルジャイトをさらに含み得る。
【0014】
本開示のさらに別の態様は、約0.001w/w%~約1w/w%、約0.01w/w%~約0.1w/w%、または約0.03w/w%~約0.07w/w%の濃度範囲のクロルフェナピルと、約10w/w%~約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、約10w/w%~ら約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の粉末腎臓と、を含有する有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は適用時に静電気帯電する。前記組成物は、約3w/w%~約7w/w%のアタパルジャイトをさらに含み得る。
【0015】
本開示の一態様は、約0.01w/w%~約0.5w/w%、約0.05w/w%~約0.1w/w%、または約0.06w/w%~約0.9w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約10w/w%~約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、約10w/w%~約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の粉末腎臓と、を含有する有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は適用時に静電気帯電する。前記組成物は、約3w/w%~約7w/w%のアタパルジャイトをさらに含み得る。
【0016】
本開示の別の態様は、約0.01w/w%~約0.5w/w%、約0.05w/w%~約0.1w/w%、または約0.06w/w%~約0.9w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.005w/w%~約0.1w/w%、約0.01w/w%~約0.15w/w%、または約0.015w/w%~約0.025w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.005w/w%~約0.1w/w%、約0.01w/w%~約0.15w/w%、または約0.015w/w%~約0.025w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、約10w/w%~約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲のホエータンパク質単離物と、約10w/w%~約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、約5w/w%~約30w/w%、約10w/w%~約20w/w%、または約13w/w%~約17w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含有する有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は適用時に静電気帯電する。前記組成物は、約3w/w%~約7w/w%のアタパルジャイトをさらに含み得る。
【0017】
本開示の別の態様は、社会性昆虫の防除のための非消耗有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.1w/w%~約1w/w%、または約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、約0.1w/w%~約10w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。コーングリッツは、100メッシュ以下とすることができる。
【0018】
本開示のさらに別の態様は、社会性昆虫の防除のための非消耗有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.05w/w%~約1w/w%、約0.1w/w%~約1.5w/w%、または約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。コーングリッツは、100メッシュ以下とすることができる。
【0019】
本開示の別の態様は、社会性昆虫の防除のための非消耗有害生物防除粉末組成物を包含
する。前記組成物は、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.5w/w%、または約0.08w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、約0.001w/w%~約10w/w%、約0.1w/w%~約1w/w%、または約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のイミダクロプリドと、約0.001w/w%~約10w/w%、約0.1w/w%~約1w/w%、または約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲の粉末セルロースと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のアタパルジャイトと、を含有する。前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。アタパルジャイトは、100メッシュ以下とすることができる。
【0020】
本開示の一態様は、社会性昆虫の防除のための非消耗有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.01w/w%~約10w/w%、約0.1w/w%~約1w/w%、または約0.4w/w%~約0.8w/w%の濃度範囲のクロルフェナピルと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のリン酸三カルシウム粉末と、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。コーングリッツは、100メッシュ以下とすることができる。
【0021】
本開示の一態様は、社会性昆虫の防除のための非消耗有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.1w/w%~約5w/w%、約0.5w/w%~約1.5w/w%、または約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.05w/w%~約1w/w%、約0.1w/w%~約1.5w/w%、または約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.05w/w%~約1w/w%、約0.1w/w%~約1.5w/w%、または約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲のエルゴステロールと、約0.2w/w%~約20w/w%、約1w/w%~約15w/w%、または約1.5w/w%~約2.5w/w%の濃度範囲のステアリン酸と、約0.2w/w%~約20w/w%、約1w/w%~約15w/w%、または約1.5w/w%~約2.5w/w%の濃度範囲のベントナイトと、約1w/w%~約40w/w%、約5w/w%~約20w/w%、または約8w/w%~約12w/w%の濃度範囲の粉末キチンと、約10w/w%~約95w/w%、約50w/w%~約90w/w%、または約75w/w%~約90w/w%の濃度範囲の粉末カオリンと、を含有する。前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。ベントナイトは200メッシュ以下、粉末キチンは100メッシュ以下、粉末カオリンは10メッシュ以下とすることができる。
【0022】
本開示の別の態様は、有害生物防除方法を包含する。前記方法は、防除しようとする部位に、農薬有効量の有害生物防除粉末組成物を適用することを含み、前記組成物は、請求項1~54のいずれか1項に記載の組成物である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、シロアリを導入した外界(第1パネル)、空隙の処理(第2パネル)、処理後24時間の処理アリーナ(第2パネル)を示す薄板エリアの写真である。
【
図2】
図2は、チャバネゴキブリの混合個体群に対する乾燥流動性餌製剤の試験に使用する試験アリーナの写真である。
【
図3】
図2は、チャバネゴキブリの混合個体群に対する乾燥流動性餌製剤の試験に使用する試験アリーナの写真である。
【
図4】
図4は、
図3の試験アリーナにおける試験系の写真である。
【
図5】
図5は、
図3の試験アリーナにおける試験系の写真である。
【
図6】
図6は、本実験で使用したアリーナの写真である。実験用飼料(ドッグフード)を入れた皿、0.15gのDoxem粉末餌を入れた皿、および隠れ家を示す。水源も用意され、必要に応じて補充した。
【
図7】
図7は、生物種ごとに消費する餌の割合を示すプロットである。異なる文字で続く数字は有意に異なる(TukeyのANOVA、p<0.05)。
【
図8】
図8は、ワモンゴキブリの死亡率の経時変化を示すグラフである。
【
図9】
図9は、トウヨウゴキブリの死亡率の経時変化を示すグラフである。
【
図10】
図10は、チャバネゴキブリの死亡率の経時変化を示すグラフである。
【発明の詳細な説明】
【0024】
本開示は、乾燥流動性有害生物防除粉末組成物および前記組成物を使用した、有害生物の個体群を防除するための方法の発見に部分的に基づいている。前記組成物は静電気帯電することができ、または社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引することができ、またその両方であることができる。前記組成物および前記組成物を使用する方法については、以下にさらに説明する。
【0025】
I.組成物
本開示の一態様は、防除すべき対象有害生物の環境下で適用するための乾燥流動性有害生物防除粉末組成物を包含する。有害生物は昆虫、またはマダニやダニを含むクモ綱ダニ目の一種である。前記組成物は、1以上の有害生物防除成分と、1以上の固結防止剤と、任意に1以上の環境模倣剤(模倣剤)と、を含有する。前記組成物は、さらに、1以上の誘引剤を含んでもよい。
【0026】
いくつかの態様において、前記組成物は、適用中に静電気帯電する。静電荷が、前記組成物が有害生物のクチクラに強固に付着する。一態様において、前記静電気帯電組成物は、1以上の有害生物防除成分と、1以上の固結防止剤と、1以上の誘引剤と、を含有する。いくつかの態様において、誘引剤は食物源である。例えば、前記組成物は、誘引剤として食物源を含有する餌として使用することができる。一態様において、有害生物がゴキブリの場合、前記静電気帯電組成物は、1以上の有害生物防除成分と、1以上の固結防止剤と、1以上の食物源と、を含有する。
【0027】
他の態様では、前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する非消耗粉末組成物である。本明細書で使用される場合、「非消耗」という用語は、本開示の組成物を指し、前記組成物に含まれるいずれの成分も、有害生物によって消費されることはなく、食物源として意図されることはない。別の言い方をすれば、非消耗組成物は、有害生物によって消費されることを意図した餌組成物ではない。例えば、前記組成物が有害生物の誘引剤を含有する場合、その誘引剤は非食物誘引剤であり、以下の本明細書のI(d)項に記載されるようなものであり得る。
【0028】
いくつかの態様において、前記組成物は、適用時に静電気帯電し、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する非消耗組成物である。一態様において、有害生物がシロアリの場合、前記静電気帯電組成物は、1以上の有害生物防除成
分と、1以上の固結防止剤と、1以上の環境模倣剤と、を含有する。
【0029】
前記組成物は、適用後に前記組成物が有害生物を効果的に防除するのに十分な期間、その流動性のある粉末の形態を維持することができる。そのため、前記組成物は非親水性であり、非固結性である。いくつかの態様において、前記組成物の含水率は、約0.1w/w%~約10w/w%、または約2w/w%~約5w/w%の範囲である。
【0030】
さらに、前記粉末組成物中の各粒子の大きさは、生物環境における組成物の分散性を促進し、対象生物に対する訴求力を維持するのに十分な大きさであり、それにより、動物行動によるコロニー群への移動が可能である。いくつかの態様において、粉末組成物中の各粒子のサイズは、約125μm以下、約100μm以下、または約50μm~約100μmの範囲である。
【0031】
防除対象の有害生物に応じて、前記組成物は生物に対して速効的または遅効的な有害生物防除効果を発揮することができる。例えば、単一の有害生物の防除は、前記組成物が速効性組成物であり、接触時にその生物を駆除できるとより効果的である。逆に、有害生物がシロアリのような社会性昆虫である場合、遅効性有害生物防除組成物は、シロアリのコロニー全体に組成物を水平伝播させるのに十分な時間を提供できる。同様に、遅効性有害生物防除組成物は、適用区域内の他のゴキブリに組成物を伝播させるのに十分な時間を提供できる。遅効性の有害生物防除効果は、配置場所からの昆虫の移動を促進し、かつ行動回避を抑制するのに十分な活性潜時を有する農薬を用いて達成することができる。いくつかの態様において、有害生物はシロアリであり、前記組成物は遅効性である。
【0032】
前記組成物は、対象有害生物の自然環境を模倣することができ、またはそうでなければ、対象生物を誘引することができる。例えば、前記組成物は、餌組成物における食物源や、構造材料として、有害生物を誘引し得る。例えば、対象有害生物がシロアリである場合、前記組成物は粉末状のセルロース系材料、および食物源および構造材料を模倣できる構造材料粉末セルロース系材料または粉末粘土を含む。さらに、またはあるいは、前記組成物は、有害生物を強制的に誘引する化学誘引剤を含むため、有害生物を誘引することができる。
【0033】
あるいは、前記組成物は、有害生物の行動に対して中立的であり得る。本明細書中、「中立的」という用語は、有害生物の誘引剤ではなく、有害生物によって食べられることもない組成物を説明するために使用する。中立的組成物は、忌避性がなく、行動回避を制限し、生物の行動に影響を与えることなく、生物の環境で適用することができる。遅効性の有害生物防除効果は、昆虫の移動を促進するために十分な活性潜時を有する農薬を用いて達成することができる。さらに、またはあるいは、農薬の遅延活性を可能にする量の農薬を適用することによって、遅効性有害生物防除効果を達成することができる。
【0034】
以下に、本組成物の各構成成分を説明する。1以上の成分が、前記組成物の構成成分の1つ以上の特性を示すことができることを確認する。例えば、本開示の組成物が粘土成分を含む場合、その粘土は、前記組成物の流動性を維持するために使用され、例えば、シロアリによる構造材料として使用するための環境模倣剤として用いられる固結防止剤であり得る。
【0035】
(a)有害生物防除成分
前記組成物は、1以上の農薬を含有する。農薬は、有害生物を駆除ために使用する化学物質と定義する。農薬には有害生物防除剤と殺ダニ剤がある。農薬には、摂取活性型農薬と浸透型農薬がある。あるいは、農薬は、接触農薬であってもよい。農薬には、殺卵剤や卵を殺す物質、幼虫駆除剤や幼虫を殺す物質、成虫駆除剤や成虫を殺す物質などがある。
以下、数種類の農薬について詳しく説明する。
【0036】
農薬の種類にかかわらず、農薬および農薬の濃度は、前記組成物の所望の活性に対して適切である必要がある。例えば、組成物がコロニーに移動するための遅効性組成物である場合、または有害生物の環境において有害生物間で共有するための組成物である場合、前記組成物中の農薬の種類や量は、他の有害生物への前記組成物の移動を促進するために十分な活性潜時を確保する必要がある。遅効活性は、農薬に固有のものである可能性もある。あるいは、前記組成物中の農薬の濃度によって制御することができる。このように、本開示の組成物中の農薬の濃度は、農薬、とりわけ対象有害生物に応じて変化し得、そして、各農薬について実験的に決定され得るであろう。
【0037】
A.有害生物防除剤
有害生物防除剤とは、あらゆる発達形態の昆虫に対して使用する農薬である。有害生物防除剤は、農業、医療、工業、家庭用として一般的に使用されている。本発明において有用な代表的な有害生物防除剤としては、ピレトリンなどのジョチュウギク系有害生物防除剤;デルタメスリン、ペルメトリン、β-シフルトリン、ビフェントリン、レスメトリンなどのピレスロイド類;ニコチン類、特にクロロニコチニル化合物、例えば、アセタミプリド、イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、アセタミプリド、チアクロプリド、ジノテフラン;フィプロニル、エチプロール、テブフェンピラドなどのピラゾール類;インドキサカルブ、メタフルミゾンなどのセミカルバゾン類、フルベンジアミド、(S)-3-クロロ-N1-{2-メチル-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-N2-(1-メチル-2-メチルスルホニルエチル)フタルアミドなどのフタル酸系ジアミド類;クロロアントラニリプロールなどのアントラニル酸アミド類;クロルピリホス、マラチオン、ダイアジノンなどの有機リン酸塩類;ベンジオカルブ、カルバリル、チオジカルブなどのカーバメート類;スピロテトラマト、スピロジクロフェン、スピロメシフェンなどのケトエノール類;DuPont社からRynaxypyrの商品名で販売されているようなアントラニルジアミド系有効成分を含有する有害生物防除剤(以下、参照しやすいようにrynaxypyrという)、フルベンジアミドなどのフタル酸系ジアミド類;メトプレン、ピリプロキシフェン、トリフルムロン、ヘキサフルムロン、ノビフルムロン、フェノキシカルブなどのIGR類;アバメクチン、ヒドラメチルノン、スルフルラミド、スピノサドなど他の有害生物防除剤が挙げられる。代表的な塩素化炭化水素としては、アルドリン、クロルダン、クロルデコン、DDT、ディルドリン、エンドスルファン、エンドリン、ヘプタクロル、ヘキサクロロシクロヘキサン、ガンマ-ヘキサクロロシクロヘキサン、リンデン、メトキシクロル、ミレックス、ペンタクロロフェノール、TDEが挙げられる。代表的な有機リン系有害生物防除剤としては、アセフェート、アジンホス-メチル、ベンスライド、クロルエトキシホス、クロルピリフォス、クロルピリフォス-メチル ダイアジノン、ジクロルボス(DDVP)、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エトプロプ、フェナミホス、フェニトロチオン、フェンチオン、ホスチアゼート、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル-パラチオン、メビンホス、ナレド、オメトエート、オキシデメトン-メチル、パラチオン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホステブピリム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、テルブホス、テトラクロルビンホス、トリブホス、トリクロルホンが挙げられる。代表的なカーバメート類としては、アルディカーブ、カルボフラン、カルバリル、メトミル、2-(1-メチルプロピル)フェニルメチルカーバメートが挙げられる。代表的なピレスロイド類としては、アレスリン、β-シフルトリン、ビフェントリン、シフルトリン、デルタメトリン、ペルメトリン、レスメトリン、スミスリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリンなどが挙げられる。代表的な植物毒由来有害生物防除剤としては、デリス(ロテノン)、ジョチュウギク、ニーム(アザジラクチン)、ニコチン、カフェイン、およびそれらの組成物が挙げられる。
【0038】
有害生物防除剤としては、さらに、欧州特許出願公開第528156号明細書、国際公開WO95/01971号公報、欧州特許出願公開第647637号明細書、国際公開WO96/16061号公報、国際公開WO96/20196号公報、国際公開WO96/25395号公報、国際公開WO96/35664号公報、国際公開WO97/02243号公報、国際公開WO97/01535号公報、国際公開WO97/36868号公報、国際公開WO97/43275号公報、国際公開WO98/05638号公報、国際公開WO98/06721号公報、国際公開WO99/16748号公報、国際公開WO99/43649号公報、国際公開WO99/48869号公報、国際公開WO99/55673号公報に記載されているような、ダニ駆除特性を有する環状ケトエノールが挙げられ、このような教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
特定の農薬は、FIFRA規制(40 CFR 152.25(f)))の要件から除外される。これらの農薬は、一般に、最小リスク農薬として知られている。これらの農薬の例としては、ヒマシ油(U.S.P.または同等品)、セダー油、シナモンおよびシナモン油、クエン酸、シトロネラおよびシトロネラ油、クローブおよびクローブ油、コーングルテンミール、コーン油、綿実油、乾燥血液、オイゲノール、ニンニクおよびニンニク油、ゲラニオール、ゼラニウム油、ラウリル硫酸、レモングラス油、亜麻仁油、リンゴ酸、ミントおよびミント油、ペパーミントおよびペパーミント油、プロピオン酸2-フェネチルプロピオン酸塩(2-フェニルエチルプロピオン酸塩)、ソルビン酸カリウム、腐敗した全卵固形分、ローズマリーおよびローズマリー油、ごま(すりごまを含む)およびごま油、塩化ナトリウム(食塩)、ラウリル硫酸ナトリウム、大豆油、タイムおよびタイム油、白コショウが挙げられる。
【0040】
多数の複素環、有機スズ化合物、ベンゾイル尿素およびピレスロイド類は、有害生物防除および殺ダニ性を有し(例えば、国際公開O93/22297号公報、国際公開93/10083号公報、西独国特許出願公開第2641343号明細書、欧州特許出願公開第347488号明細書、欧州特許出願公開第210487号明細書、米国特許第3,264,177号明細書、および欧州特許出願公開第234045号明細書参照)、このような教示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
特定の細菌、真菌、その他の生物学的材料は、有害生物防除剤として活性を持つ可能性がある。これらの生物学的有害生物防除剤が他の生物に対して不活性である場合、合成農薬よりも環境に優しいとされるものもある。例えば、Bacillus sphericus、Bacillus subtilis、Bacillus cereus、またはこれらの材料の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
いくつかの態様において、農薬は、アバメクチン、アセタミプリド、ホウ砂(四ホウ酸ナトリウム)、ホウ酸、ほう酸ナトリウム、クロラントラニリプロール、シアントラニリプロール、クロルフェナピル、炭酸銅アンモニウム、炭酸銅、塩基性、水酸化銅、キノリン酸銅、酸化銅、ジフルベンズロン、ジノテフラン、フィプロニル、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、ノバルロン、ノビフルムロン、ピリプロキシフェン、ほう酸ナトリウム五水和物、テブコナゾール、チアメトキサム、またはそれらの組み合わせである。いくつかの態様において、農薬は、フィプロニル、インドキサカルブ、ノバルロン、ピリプロキシフェン、クロルフェナピル、またはそれらの組み合わせである。
【0043】
B.殺ダニ剤
任意の好適な殺ダニ剤を使用することができる。好適な殺ダニ剤としては、例えば、スミート(2-tert-ブチル-5-(4-tert-ブチルベンジルチオ)-4-クロロピリダジン-3-(2H)-オン)、アクリシッド(2,4-ジニトロ-6-sec-
ブチルフェニルジメチルアクリレート)、クロロマイト(4,4-ジクロロベンジル酸イソプロピル)、アカール(4,4′-ジクロロベンジル酸エチル)、ケルタン(2,2,2-トリクロロ-1,1-ビス(p-クロロフェニル)-エタノール)、シトラゾン(安息香酸3-クロロ-N-エトキシ-2,6-ジメトキシベンズイミド無水物)、オマイト(2-(p-tert-ブチルフェノキシ)シクロヘキシルプロピン-2-イル亜硫酸塩)、オサダン(ビス[トリス(2-メチル-2-フェニルプロピル)スズ]オキシド)、ヘキシチアゾックス(トランス-5-(4-クロロフェニル)-N-シクロヘキシル-4-メチル-2-オキソチアゾール-イジン-3-カルボキサミド)、アミトラズ(N,N-ビス(2,4-キシリミノメチル)メチルアミン)が挙げられる。
【0044】
(b)固結防止剤
前記組成物は、1以上の固結防止剤を含有する。本明細書において、用語「固結防止剤」とは、粉末または顆粒状の材料に混合する添加剤であり、ダマの形成(固結)を防止し、包装容易性、輸送、流動性を確保する。固結メカニズムは、材料の性質によって異なる。結晶性固体は、液体架橋の形成とそれに続く微結晶の融合により固結することが多い。非晶質材料は、ガラス転移や粘度の変化により固結することがある。多形相転移は固結を誘発することもある。最も広く使われている固結防止剤としては、小麦粉やデンプンのほか、カルシウムやマグネシウムのステアリン酸塩、シリカや各種ケイ酸塩、タルクなどが挙げられる。固結防止剤の非限定的な例としては、リン酸三カルシウム、粉末セルロース、ステアリン酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、フェロシアン化ナトリウム、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化カルシウム、骨リン酸塩(即ち、リン酸カルシウム)、ケイ酸ナトリウム、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、三ケイ酸マグネシウム、滑石粉、アルミノケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムカリウム、アルミノケイ酸カルシウム、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、ステアリン酸、ポリジメチルシロキサンが挙げられる。
【0045】
いくつかの態様において、固結防止剤は、フルオルアパタイト、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三カルシウム、ベントナイト、粉末セルロース、炭酸マグネシウム、固体ポリジメチルシロキサン、二酸化チタン、黒鉛粉末、またはこれらの組み合わせである。いくつかの態様において、固結防止剤は、シリカ、ヒュームドシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、固体ポリジメチルシロキサン、アルミノケイ酸塩、またはこれらの組み合わせである。
【0046】
(c)環境模倣剤
前記組成物は、1以上の環境模倣剤を含有する。本明細書で使用する場合、「環境模倣剤」という用語は、有害生物の環境を模倣する、または有害生物の環境に適合する任意の粉末成分であり得る。環境模倣剤は、食用成分であってもよい。環境模倣剤は、構造材料であってもよい。さらに、環境模倣成分は、必ずしも有害生物に食料や構造材料として利用されることなく、生物の環境に通常見られる物質を模倣することができる。前記組成物が遅効性組成物である場合、環境模倣剤は非毒性、非親水性であり、カルボキシル化セルロースなどの工業的に一般的な他の環境模倣剤が示す乾燥やクチクラの破砕を防ぐことができる。
【0047】
好適な環境模倣剤の非限定的な例としては、粉末セルロース系材料、粉末アタパルジャイトを含む粉末粘土、粉末ベントナイト、粉末キチン質材料、粉末モンモリロナイト、粉末カオリナイト、粉末バーミキュライト、粉末ドロマイト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0048】
(d)誘引剤
本明細書で使用する「誘引剤」という用語は、有害生物が食料として巣に持ち帰る傾向
があるような食物として魅力的だと感じるあらゆる物質を指し、食料、餌、誘引剤、摂食刺激物質、およびそれらの組み合わせが明示的に含まれる。
【0049】
所望の有害生物を誘引することができる任意の成分は、その成分が本発明に必須の好適な特性を有していれば、本開示の組成物に使用することができる。いくつかの態様において、前記成分は特定の大きさの成分であり、吸湿性等を有する。
【0050】
好適成分としては、有害生物が食料として認識する成分が挙げられる。食物誘引剤は、有害生物、前記組成物の使用方法、および前記組成物の使用目的に応じて変化し得、変化する。例えば、有害生物がシロアリである場合、食物誘引剤の非限定的な例としては、褐色腐敗物誘導体、枯れたセルロース系材料、食用真菌誘導体、長鎖脂肪酸が挙げられる。有害生物がゴキブリである場合、食物誘引剤の非限定的な例としては、ビール酵母、トウモロコシ穀類蒸留粕等の可溶分を含むまたは含まない穀類蒸留粕、砂糖、ゼラチン、粉末内臓肉、粉末チーズ、褐色腐敗物誘導体、枯れたセルロース系材料、食用真菌誘導体、長鎖脂肪酸が挙げられる。いくつかの態様において、食物誘引剤はビール酵母である。いくつかの態様において、食物誘引剤は、穀類蒸留粕である。いくつかの態様において、食物誘引剤は、可溶分を有するトウモロコシ穀類蒸留粕である。
【0051】
あるいは、前記誘引剤は、非食料(本明細書では、非食用または非消耗とも呼ばれる)誘引剤であり得る。例えば、好適な誘引剤は、自然界に存在する有害生物誘引システムを模倣した半化学物質であり得る。半化学物質の非限定的な例としては、フェロモン、植物の揮発性物質、花油、糖類、タンパク質が挙げられる。フェロモンには、以下のようなものがある。
【0052】
A.集合フェロモン(aggregation pheromone)
集合フェロモンは、交尾選択中、集団攻撃による宿主抵抗性を克服する機能を有し、捕食者からの攻撃を防ぐ。一カ所に集まった個体の集まりを集合体といい、男女の別を問わない。雄が生産する性誘引剤は、通常、雌雄の両方が呼び寄せ場所に到着し、フェロモン源を取り囲む同種固体の密度を高めるため、集合フェロモンと呼ばれる。ほとんどの性フェロモンは雌によって作られ、雄によって作られる性誘引剤はごく一部である[6]。集合フェロモンは、鱗翅目、双翅目、半翅目、双翅目、直翅目の仲間で発見されている。
【0053】
B.警報フェロモン(alarm pheromone)
有害生物の種類によっては、同じ種の仲間の飛行(アブラムシ)や攻撃性(アリ、ハチ、シロアリ)を誘発する捕食者に襲われたときに、揮発性物質を放出する。例えば、クロスズメバチは警報フェロモンで他に脅威を知らせる。アシナガバチの場合、捕食者の到来を知らせるために警報フェロモンが使用される。
【0054】
C.エピデクティック(Epideictic)
エピデクティックフェロモンは、昆虫の場合、テリトリーフェロモンとは異なる。ファーブルは、「果実に卵を産むメスは、同じ種の他のメスに他の場所で卵を産むように合図するために、どのようにこの謎の物質を自分のクラッチ付近に堆積させるか」を観察し、記した。なお、エピデクティックという言葉は、ギリシャ語の「deixis」に由来する、展示や見せ物に関係する言葉で、レトリック(言葉を用いて説得する人間の芸術)においては、異なるが関連する意味を持っていることに注意すべきである。
【0055】
D.行動誘起フェロモン(releaser pheromone)
行動誘起フェロモンは、レシピエントの行動に変化をもたらすフェロモンである。例えば、ある生物は、強力な誘引剤分子を使って、2マイル以上離れたところから仲間を呼び寄せる。一般に、この種のフェロモンは反応が早い反面、すぐに分解されてしまう。一方
、生理変化フェロモンは、発現速度が遅く、持続時間が長い。例えば、ウサギ(母親)が乳腺フェロモン(mammary pheromone)を放出すると、赤ちゃんがすぐに授乳行動を起こす。
【0056】
E.シグナルフェロモン(signal pheromone)
シグナルフェロモンは、反応を活性化させる神経伝達物質の放出など、短期的な変化を引き起こす。例えば、ラットの場合、GnRH分子は神経伝達物質として機能し、ロードシス行動を誘発する。
【0057】
F.生理変化フェロモン(primer phormone)
生理変化フェロモンは、発達イベントの変化を引き起こす(行動の変化を引き起こす他のすべてのフェロモンと異なる)。
【0058】
G.縄張りフェロモン(territorial pheromone)
環境中に振りまかれた縄張りフェロモンは、生物の縄張りの境界とアイデンティティを示す。犬や猫の場合、これらのフェロモンは尿に含まれており、尿を目印にして縄張りの周囲に付着させる。社会性のある海鳥の場合、プリーン腺は巣や婚姻贈呈、縄張りの境界を示すために使われ、以前は「変位活動」と呼ばれていた行動である[12]。
【0059】
H.道しるべフェロモン(trail pheromone)
社会性昆虫は、一般的に道しるべフェロモンを使う。例えば、アリは揮発性炭化水素からなるフェロモンで自分の道を示す。特定のアリは、食料を持って巣に戻るとき、フェロモンの最初の痕跡を残す。この痕跡は他のアリを誘引し、ガイドの役割を果たす。食物源がある限り、訪れたアリはフェロモンの痕跡を更新し続ける。フェロモンはすぐに蒸発するため、継続的な更新が必要である。食料供給が減り始めると、痕跡は途絶える。イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)は、アリに回避行動を起こさせる忌避フェロモンで、食料にたどり着けなくなった痕跡をマーキングする。忌避痕跡マーカーは、アリがより効率的に集団探索を行うのに役立つと考えられる。兵隊アリのバーチェルグンタイアリ(Eciton burchellii)は、フェロモンを使って採餌経路をマークし維持する例である。Polybia sericeaなどのスズメバチは、新しい巣を見つけると、フェロモンを使って他のコロニーを新しい巣の場所に誘導する。テンマクケムシ(forest tent caterpillar)のような群居性のケムシは、フェロモンの痕跡を敷いて集団行動を実現する。
【0060】
I.性フェロモン(sex pheromone)
性フェロモンは、生物が異性の個体を引き寄せたり、交尾を促したり、その他有性生殖に密接に関わる機能を果たすために放出するフェロモンである。性フェロモンは、特に繁殖のための雌の表示、異性の誘引、種、年齢、性別、遺伝子型などの情報を伝えることに重点を置いている。通常、昆虫の触角や足にある化学受容器に直接接触して感知するため、非揮発性フェロモンや、クチクラ接触性フェロモンは、より密接に社会性昆虫に関係している。また、雄の動物は、自分の種や遺伝子型に関する情報を伝えるフェロモンを発することがある。アリ(Leptothorax acervorum)、ガ(Helicoverpa zea、Agrotis ipsilon)、ハチ(Xylocopa sonorina)、チョウ(Edith)のチェッカースポットなどの多くの広く研究された昆虫種は、相手を引き付けるために性フェロモンを放出し、いくつかの鱗翅類(ガ、チョウ)は、10キロ(6.2マイル)も遠くから相手候補を検出することができる[20][21]。コウモリガなど一部の昆虫は、レック交尾の際にフェロモンを使用する[22]。フェロモンを含むトラップは、農家が果樹園の昆虫の個体群を検出し、監視するために使用される。また、チョウ(Colias eurytheme)は、仲間を選ぶのに重要な嗅覚の手がかりとなるフェロモンを放出する。
【0061】
フェロモンは、ハチやスズメバチの種も利用している。フェロモンの中には、他の個体の性行動を抑制して繁殖を独占できるものもあり、スズメバチ(R.marginata)がこれを利用している[25]。Bombus hyperboreus種については、ドローンとして知られるオスが、女王を見つけるために匂いマーク(フェロモン)の回路を巡回する[26]。特に、Bombus hyperboreus用のフェロモンとしては、オクタデセノール、2,3-ジヒドロ-6-trans-ファルネソール、シトロネロール、ゲラニルシトロネロールが挙げられる。
【0062】
J.その他の誘引剤
その他の誘引剤としては、ナゾノフフェロモン(nasonov pheromone、働きバチ)、ロイヤルフェロモン(royal pheromone、ミツバチ)、死亡して腐敗した生物から放出されるネクロモン(オレイン酸、リノール酸、2-フェノキシエタノールなど)、シロアリ追跡フェロモン模倣物質などがあるが、特にそれらに限定されない。
【0063】
いくつかの態様において、化学誘引剤は、エルゴステロール、2-フェノキシエタノール、またはその組み合わせである。
【0064】
(e)その他の構成成分
本開示の組成物において使用され得る他の組成物としては、特に、希釈剤、防腐剤、キレート剤、および抗菌剤などが挙げられる。これらの成分について、以下に詳細に説明する。
【0065】
A.希釈剤
希釈剤(「充填剤」または「薄め液」とも呼ばれる)の非限定的な例としては、炭水化物、無機化合物、およびポリビニルピロリドン(PVP)などの生体適合性高分子が挙げられる。希釈剤の他の非限定的な例としては、二塩基性硫酸カルシウム、三塩基性硫酸カルシウム、デンプン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、微晶質セルロース、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク、変性デンプン、スクロース、デキストロース、ラクトース、微晶質セルロース、フルクトース、キシリトール、ソルビトール、などの糖類、多価アルコール類、デンプン類、予め製造された直接圧縮希釈剤、およびこれらの混合物、が挙げられる。
【0066】
B.防腐剤
防腐剤の非限定的な例としては、アスコルビン酸およびその塩、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、アノキソマー、N-アセチルシステイン、イソチオシアン酸ベンジル、m-アミノ安息香酸、o-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸(PABA)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、コーヒー酸、カンタキサンチン、α-カロテン、β-カロテン、β-カロテン、β-アポ-カロテン酸、カルノソール、カルバクロール、カテキン類、没食子酸セチル、クロロゲン酸、クエン酸およびその塩、クローブエキス、コーヒー豆エキス、p-クマル酸、3,4-ジヒドロキシ安息香酸、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(DPPD)、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ステアリル、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、没食子酸ドデシル、エデト酸、エラグ酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、エスクレチン、エスクリン、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン、没食子酸エチル、エチルマルトール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ユーカリエキス、オイゲノール、フェルラ酸、フラボノイド類(例えば、カテキン、エピカテキン、没食子酸エピガロカテキン、エピガロカテキ
ン(EGC)、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、ポリフェノールエピガロカテキン-3-ガレート)、フラボン類(例えば、アピゲニン、クリシン、ルテオリン)、フラボノール類(例えば、ダチセチン、ミリセチン、ダエンフェロ)、フラバノン類、フラキセチン、フマル酸、没食子酸、ゲンチアナエキス、グルコン酸、グリシン、グアヤク樹脂、ヘスペレチン、α-ヒドロキシベンジルホスフィン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ヒドロキシグルタル酸、ハイドロキノン、N-ヒドロキシコハク酸、ヒドロキシチロソール、ヒドロキシウレア、米ぬかエキス、乳酸およびその塩、レシチン、クエン酸レシチン;R-α-リポ酸、ルテイン、リコピン、リンゴ酸、マルトール、5-メトキシトリプタミン、没食子酸メチル、クエン酸モノグリセリド;クエン酸モノイソプロピル;モリン、β-ナフトフラボン、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、没食子酸オクチル、シュウ酸、クエン酸パルミチル、フェノチアジン、ホスファチジルコリン、リン酸、リン酸塩、フィチン酸、フィチルビクロメル、ピメントエキス、没食子酸プロピル、ポリリン酸塩、ケルセチン、トランスレスベラトロール、ローズマリーエキス、ロスマリン酸、セージエキス、セサモール、シリマリン、シナピン酸、コハク酸、クエン酸ステアリル、シリンジン酸、酒石酸、チモール、トコフェロール類(例えば、α-、β-、γ-、δ-トコフェロール)、トコトリエノール類(α-、β-、γ-、δ-トコトリエノール)、チロソール、バニリン酸、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシメチルフェノール(すなわち、Ionox100)、2,4-(トリス3’,5’-ビ-tert-ブチル4’-ヒドロキシベンジル)-メシチレン(すなわち、Ionox330)、2,4,5-トリヒドロキシブチロフェノン、ユビキノン、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、チオジプロピオン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、トリプタミン、チラミン、尿酸、ビタミンKおよびその誘導体、ビタミンQ10、小麦胚芽油、ゼアキサンチンまたはこれらの組み合わせ、が挙げられる。
【0067】
C.キレート剤
キレート剤は、賦形剤として含有され、酸化基を固定化し、これらの酸化基によるモルヒナンの酸化分解を抑制する。酸化基としては、金属イオンを含むがこれに限定されない。キレート剤の非限定的な例としては、リジン、メチオニン、グリシン、グルコン酸塩、多糖類、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(Na2EDTA)が挙げられる。
【0068】
D.抗菌剤
抗菌剤は、賦形剤として含有され、抗生物質による本開示の化合物の分解を最小化する。抗生物質としては、細菌および真菌が挙げられるが、これらに限定されない。抗菌剤の非限定的な例としては、パラベン類、クロロブタノール、フェノール、プロピオン酸カルシウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、Na2EDTA、亜硫酸塩が挙げられる。亜硫酸塩としては、二酸化硫黄、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素カリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
E.着色剤
着色料は、前記組成物中に含有され得る。好適なカラー添加剤としては、食品・医薬品・化粧品用着色料(FD&C)、医薬品・化粧品用着色料(D&C)、外用医薬品・化粧品用着色料(Ext.D&C)、または蛍光色素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0070】
(f)静電気帯電組成物
いくつかの態様において、前記組成物は、適用時に静電荷を示し、前記組成物を有害生物のクチクラに強固に付着させる。電荷の極性は、対象有害生物、または有害生物の対象環境に応じて変化させることができ、また変化する。例えば、シロアリのクチクラはマイナスに帯電しており、適用時にプラスに帯電した組成物はマイナスに帯電した昆虫クチク
ラ部位に引き寄せられ、組成物を昆虫クチクラに付着させることで、動物行動によりコロニー群に効率よく移動させることができ、防除効果を高める。前記組成物は、プラスにもマイナスにも帯電することができる。いくつかの態様において、前記組成物は、組成物が適用される有害生物の周囲の環境に組成物をしっかりと付着させるために、適用時に静電荷を示す。
【0071】
前記組成物は、適用時に静電気帯電する。いくつかの態様において、前記組成物は、適用前に静電気帯電する。あるいは、前記組成物は、適用中に静電気帯電させることができる装置を用いて、適用中に静電気帯電させることができる。例えば、装置は、加圧気柱を介して前記組成物を供給できるように使用可能である。前記組成物は、加圧された空気柱を介して送られるため、粒子表面に静電気が発生する。本開示の組成物を静電気帯電させることのできるデバイスの非限定的な例は、米国特許出願第16/880,749号明細書に記載されている通りである。
【0072】
いくつかの態様において、前記有害生物防除粉末組成物は、約0.1w/w%~約1w/w%、または約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、約0.1w/w%~約10w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は、適用時に静電気帯電する。態様の代替案の一つにおいて、コーングリッツは100メッシュ以下である。
【0073】
その他の態様において、前記有害生物防除粉末組成物は、約0.05w/w%~約1w/w%、約0.1w/w%~約1.5w/w%、または約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は適用時に静電気帯電する。態様の代替案の一つにおいて、コーングリッツは100メッシュ以下である。
【0074】
さらにその他の態様において、前記有害生物防除粉末組成物は、約0.1w/w%~約5w/w%、約0.5w/w%~約1.5w/w%、または約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.05w/w%~約1w/w%、約0.1w/w%~約1.5w/w%、または約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.05w/w%~約1w/w%、約0.1w/w%~約1.5w/w%、または約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含有する。前記組成物は適用時に静電気帯電する。前記組成物は、約3w/w%~約7w/w%のアタパルジャイトをさらに含み得る。
【0075】
追加の態様において、前記有害生物防除粉末組成物は、約0.1w/w%~約5w/w%、約0.5w/w%~約1.5w/w%、または約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含有する。前
記組成物は、適用時に静電気帯電する。前記組成物は、約3w/w%~約7w/w%のアタパルジャイトをさらに含み得る。
【0076】
いくつかの態様において、前記有害生物防除粉末組成物は、約0.001w/w%~約1w/w%、約0.01w/w%~約0.1w/w%、または約0.03w/w%~約0.07w/w%の濃度範囲のクロルフェナピルと、約10w/w%~約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、約10w/w%~約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の粉末腎臓と、を含有する。前記組成物は適用時に静電気帯電する。前記組成物は、約3w/w%~約7w/w%のアタパルジャイトをさらに含み得る。
【0077】
その他の態様において、前記有害生物防除粉末組成物は、約0.01w/w%~約0.5w/w%、約0.05w/w%~約0.1w/w%、または約0.06w/w%~約0.9w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約10w/w%~約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、約10w/w%~約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の粉末腎臓と、を含有する。前記組成物は適用時に静電気帯電する。前記組成物は、約3w/w%~約7w/w%のアタパルジャイトをさらに含み得る。
【0078】
追加の態様において、前記有害生物防除粉末組成物は、約0.01w/w%~約0.5w/w%、約0.05w/w%~約0.1w/w%、または約0.06w/w%~約0.9w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.005w/w%~約0.1w/w%、約0.01w/w%~約0.15w/w%、または約0.015w/w%~約0.025w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.005w/w%~約0.1w/w%、約0.01w/w%~約0.15w/w%、または約0.015w/w%~約0.025w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、約10w/w%~約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲のホエータンパク質単離物と、約10w/w%~約80w/w%、約20w/w%~約70w/w%、約30w/w%~約60w/w%、または約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、約5w/w%~約30w/w%、約10w/w%~約20w/w%、または約13w/w%~約17w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含有する。前記組成物は適用時に静電気帯電する。前記組成物は、約3w/w%~約7w/w%のアタパルジャイトをさらに含み得る。
【0079】
(g)非消耗組成物
いくつかの態様において、前記組成物は、社会性昆虫の防除のための非消耗有害生物防除粉末組成物である。本態様において、前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。いくつかの態様において、社会性昆虫はシロアリであり、前記組成物はシロアリにとって、コロニーのトンネル構造への移動を誘引する。
【0080】
いくつかの態様において、前記組成物は、社会性昆虫の防除のための非消耗有害生物防
除粉末組成物であり、約0.1w/w%~約1w/w%、または約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、約0.1w/w%~約10w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。態様の代替案の一つにおいて、コーングリッツは100メッシュ以下である。
【0081】
他の態様において、前記組成物は、社会性昆虫の防除のための非消耗有害生物防除粉末組成物であり、約0.05w/w%~約1w/w%、約0.1w/w%~約1.5w/w%、または約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。態様の代替案の一つにおいて、コーングリッツは100メッシュ以下である。
【0082】
追加の態様において、前記組成物は、社会性昆虫の防除のための非消耗有害生物防除粉末組成物であり、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.5w/w%、または約0.08w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、約0.001w/w%~約10w/w%、約0.1w/w%~約1w/w%、または約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のイミダクロプリドと、約0.001w/w%~約10w/w%、約0.1w/w%~約1w/w%、または約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲の粉末セルロースと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のアタパルジャイトと、を含有する。前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。態様の代替案の一つにおいて、アタパルジャイトは100メッシュ以下である。
【0083】
さらに他の態様において、前記組成物は、社会性昆虫の防除のための非消耗有害生物防除粉末組成物であり、約0.01w/w%~約10w/w%、約0.1w/w%~約1w/w%、または約0.4w/w%~約0.8w/w%の濃度範囲のクロルフェナピルと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のリン酸三カルシウム粉末と、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。態様の代替案の一つにおいて、コーングリッツは100メッシュ以下である。
【0084】
いくつかの態様において、前記組成物は、社会性昆虫の防除のための非消耗有害生物防除粉末組成物であり、約0.1w/w%~約5w/w%、約0.5w/w%~約1.5w/w%、または約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.05w/w%~約1w/w%、約0.1w/w%~約1.5w/w%、または約0.1
5w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.05w/w%~約1w/w%、約0.1w/w%~約1.5w/w%、または約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲のエルゴステロールと、約0.2w/w%~約20w/w%、約1w/w%~約15w/w%、または約1.5w/w%~約2.5w/w%の濃度範囲のステアリン酸と、約0.2w/w%~約20w/w%、約1w/w%~約15w/w%、または約1.5w/w%~約2.5w/w%の濃度範囲のベントナイトと、約1w/w%~約40w/w%、約5w/w%~約20w/w%、または約8w/w%~約12w/w%の濃度範囲の粉末キチンと、約10w/w%~約95w/w%、約50w/w%~約90w/w%、または約75w/w%~約90w/w%の濃度範囲の粉末カオリンと、を含有する。前記組成物は、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。いくつかの態様において、ベントナイトは200メッシュ以下である。いくつかの態様において、粉末キチンは100メッシュ以下である。いくつかの態様において、粉末カオリンは100メッシュ以下である。
【0085】
(h)非消耗静電気帯電組成物
いくつかの態様において、前記組成物は、適用時に静電気帯電し、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する非消耗組成物である。
【0086】
いくつかの態様において、前記静電気帯電非消耗組成物は、約0.1w/w%~約1w/w%、または約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、約0.1w/w%~約10w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。いくつかの態様において、前記組成物は、適用時に静電気帯電し、社会性昆虫のその巣、トンネル、および/または集合構造への移動を誘引する。態様の代替案の一つにおいて、コーングリッツは100メッシュ以下である。
【0087】
他の態様において、前記静電気帯電非消耗組成物は、約0.05w/w%~約1w/w%、約0.1w/w%~約1.5w/w%、または約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.1w/w%~約10w/w%、約0.5w/w%~約8w/w%、または約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.01w/w%~約1w/w%、約0.05w/w%~約0.75w/w%、または約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。態様の代替案の一つにおいて、コーングリッツは100メッシュ以下である。
【0088】
(i)さらなる態様
本開示の一態様は、1以上の有害生物防除成分、1以上の固結防止剤、および1以上の誘引剤を含む組成物を包含する。誘引剤としては、ビール酵母、穀類蒸留粕、粉末腎臓、ホエータンパク質、精製粉末砂糖、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。さらに、固結防止剤としては、沈降炭酸カルシウム、ステアリン酸、リン酸三カルシウム、シリカ、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの態様において、固結防止剤としては、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの態様において、前記組成物は約125μm以下の大きさである。いくつかの態様において、前記組成物の含水率は、約2w/w%~約5w/w%の範囲である。
【0089】
前記組成物は、静電気帯電し得る。いくつかの態様において、前記組成物は、適用中に前記組成物を静電気帯電させるよう使用可能な装置を用いて、適用中に静電気帯電する。
【0090】
有害生物はゴキブリであってもよい。有害生物がゴキブリの場合、適用時に前記組成物を静電気帯電させるよう使用可能な装置を用いて、前記組成物を静電気帯電させることができる。
【0091】
いくつかの態様において、前記組成物は、非消耗組成物である。前記組成物が非消耗組成物の場合、前記組成物の成分はいずれも非消耗成分である。
【0092】
本開示の他の態様は、非消耗有害生物防除粉末組成物を包含し、前記組成物は、1以上の有害生物防除成分と、1以上の固結防止剤と、1以上の環境模倣剤と、任意で1以上の非食物誘引剤と、を含有する。いくつかの態様において、前記組成物中のいずれの成分も消費可能である。前記組成物の粒子は、約125μm以下の大きさであり得る。前記組成物の含水率は、約0.2w/w%~約5w/w%の範囲であり得る。
【0093】
固結防止剤としては、沈降炭酸カルシウム、ステアリン酸、リン酸三カルシウム、シリカ、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの態様において、固結防止剤は沈降炭酸カルシウムである。さらに、環境模倣剤は、アタパルジャイト、ベントナイト、粉末キチン、粉末カオリン、シリカ、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0094】
いくつかの態様において、有害生物はシロアリである。有害生物がシロアリの場合、適用時に前記組成物を静電気帯電させるよう使用可能な装置を用いて、前記組成物を静電気帯電させることができる。前記装置は、シロアリの営巣、トンネル、および/または集合構造などに正確に適用できるように使用可能である。
【0095】
本開示のさらに別の態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含し、前記有害生物防除粉末組成物は、約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は、静電気帯電でき、コーングリッツは100メッシュ以下であってもよい。
【0096】
本開示の追加の態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含し、前記有害生物防除粉末組成物は、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は静電気帯電でき、コーングリッツは100メッシュ以下であってもよい。
【0097】
本開示の一態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含有する。前記組成物は、適用時に静電気帯電し得る。いくつかの態様において、シリカとしては、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。一態様において、シリカは、ヒュームドシリカである。
【0098】
本開示の追加の態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含し、前記組成物は、約0.5w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含有する。前記組成物は適用時に静電気帯電し得る。いくつかの態様において、シリカとしては、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。一態様において、シリカは、ヒュームドシリカである。
【0099】
本開示の他の態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含し、前記組成物は、約0.5w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲の穀類蒸留粕と、を含有する。前記組成物は、適用時に静電気帯電し得る。いくつかの態様において、シリカとしては、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。一態様において、シリカは、ヒュームドシリカである。いくつかの態様において、穀類蒸留粕は、可溶分を有するトウモロコシ穀類蒸留粕である。
【0100】
本開示のさらに別の態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.5w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲の穀類蒸留粕と、を含有する。前記組成物は静電気帯電し得る。
【0101】
本開示の一態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.03w/w%~約0.07w/w%の濃度範囲のクロルフェナピルと、約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の粉末腎臓と、を含有する。前記組成物は、適用時に静電気帯電し得る。いくつかの態様において、シリカとしては、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。一態様において、シリカは、ヒュームドシリカである。
【0102】
本開示の追加の態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含し、前記組成物は、約0.06w/w%~約0.9w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の粉末腎臓と、を含有する。前記組成物は、適用時に静電気帯電し得る。いくつかの態様において、シリカとしては、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。一態様において、シリカは、ヒュームドシリカである。
【0103】
本開示のさらに別の態様は、対象有害生物を防除するための有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.06w/w%~約0.9w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.01%5~約0.025w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.015w/w%~約0.025w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲のホエータンパク質単離物と、約40w/w%~約55w/w%の濃度範囲の精製粉末砂糖と、約13w/w%~約17w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含有する。前記組成物は適用時に静電気帯電し得る。いくつかの態様において、シリカとしては、フュームドシリカ、沈降シリカ、疎水性シリカ、またはそれらの任意の組み合わせが挙げら
れる。一態様において、シリカは、ヒュームドシリカである。
【0104】
本開示の一態様は、非消耗有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。コーングリッツは、100メッシュ以下とすることができる。
【0105】
本開示の追加の態様は、非消耗有害生物防除粉末組成物を包含し、前記組成物は、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。コーングリッツは、100メッシュ以下とすることができる。
【0106】
本開示の他の態様は、非消耗有害生物防除粉末組成物を包含し、前記組成物は、約0.08w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフィプロニルと、約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のイミダクロプリドと、約0.3w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲の粉末セルロースと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のアタパルジャイトと、を含有する。アタパルジャイトは、100メッシュ以下とすることができる。
【0107】
本開示の追加の態様は、非消耗有害生物防除粉末組成物を包含する。前記組成物は、約0.4w/w%~約0.8w/w%の濃度範囲のクロルフェナピルと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のリン酸三カルシウム粉末と、約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。コーングリッツは、100メッシュ以下とすることができる。
【0108】
本開示のさらに別の態様は、非消耗有害生物防除粉末組成物を包含し、前記組成物は、約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲のエルゴステロールと、約1.5w/w%~約2.5w/w%の濃度範囲のステアリン酸と、約1.5w/w%~約2.5w/w%の濃度範囲のベントナイトと、約8w/w%~約12w/w%の濃度範囲の粉末キチンと、約75w/w%~約90w/w%の濃度範囲の粉末カオリンと、を含有する。ベントナイト、粉末キチン、および粉末カオリンは100メッシュ以下である。
【0109】
本開示の他の態様は、静電気帯電非消耗組成物を包含する。前記組成物は、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲の沈降炭酸カルシウムと、約0.08w/w%~約0.12w/w%の濃度範囲の2-フェノキシエタノールと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のコーングリッツと、を含有する。前記組成物は適用時に静電気帯電する。コーングリッツは、100メッシュ以下とすることができる。
【0110】
本開示の追加の態様は、静電気帯電非消耗組成物を包含し、前記組成物は、約0.7w/w%~約1w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.15w/w%~約0.2
5w/w%の濃度範囲のノバルロンと、約0.15w/w%~約0.25w/w%の濃度範囲のピリプロキシフェンと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のフュームドシリカと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母と、を含有する。
【0111】
II.方法
本開示の別の態様は、有害生物防除方法を包含する。前記方法は、防除対象の場所に、農薬有効量の乾燥流動性有害生物防除粉末組成物を適用することを含む。前記粉末組成物としては、上記セクションIに記載した物が挙げられる。
【0112】
前記組成物は、防除対象の場所に手動でふりまくことで適用することができる。また、粉末噴霧器を用いて前記組成物を適用することも可能である。いくつかの態様において、粉末噴霧器は上記セクションI(f)に記載のものでもよい。
【0113】
いくつかの態様において、前記方法は、送達中に粉末組成物を静電気帯電させるように使用可能な粉末送達装置を使用して、有害生物防除組成物を防除対象の場所に適用することを含む。一態様において、前記有害生物防除粉末組成物は、約0.5w/w%~約0.7w/w%の濃度範囲のインドキサカルブと、約0.8w/w%~約1.2w/w%の濃度範囲のシリカと、約95w/w%~約99.9w/w%の濃度範囲のビール酵母または穀類蒸留粕と、を含有する。いくつかの態様において、粉末噴霧器は、米国特許出願第16/880,749号明細書に記載されている装置である。
【0114】
有害生物種の非限定的な例としては、シロアリ、オオアリ、フシアリ、ゴキブリなどの昆虫、蚊、マダニ、ノミ、ハエ、ツツガムシ、シラミ、ダニ、ゴキブリなどが挙げられる。その他の有害生物としては、クモ形類や甲殻類が挙げられ、その多くはヒトの病気の原因となる病原体の媒介となる。
【0115】
定義
本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、他に定義されない限り、この発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されている意味を有する。以下の文献は、本発明で使用する多くの用語の一般的な定義を当業者に提供するものである:Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology (2nd ed. 1994);The Cambridge Dictionary of Science and Technology (Walker ed., 1988);The Glossary of Genetics, 5th Ed.,R.Rieger et al.(eds.),Springer Verlag (1991);andHale & Marham, The Harper Collins Dictionary of Biology (1991)。本明細書で使用される以下の用語は、特に断りのない限り、その意味を有する。
【0116】
本開示の要素またはその好ましい態様を示す場合、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、その要素が1以上存在することを意図する。用語「comprising」、「including」および「having」は、包括的であることを意図しており、記載された要素以外の追加の要素が存在する可能性があることを意図する。
【0117】
上述の細胞および方法には、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更が行われる可能性があるため、上記の説明および以下に提供する例に含まれる事項は、全て例示であり、限定する意味はないと解釈されるものとすることが意図される。
【0118】
実施例
本明細書において言及される全ての特許および公報は、本開示が属する技術分野の当業者の水準を示す。全ての特許および公報は、それぞれの公報が参照により組み込まれるように具体的かつ個々に示される場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0119】
上で述べた公報は、本出願の出願日前のそれらの開示のためのみに提供されるものである。本明細書において、本発明が先行発明に基づいてそのような開示に先行する資格を有しないことを認めるものと解釈される。
【0120】
以下の実施例により、本開示を実証する。以下の実施例において開示する技術が、本発明の実施に際してうまく機能することを本発明者らが見いだした技術に相当することは、当業者には理解されるはずである。しかし当業者は、本開示に照らして、本開示には多くの変更を加えることができ、それでもなお、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、ほぼ同じまたは類似する結果が得られることを理解すべきであり、それゆえに、添付の図面において説明しまたは図示することはすべて、限定ではなく例示であると解釈されるべきである。
【0121】
実施例1:PDS装置を用いて、流動性粉末組成物を静電気帯電させる。
PDS装置を用いた適用時に、組成物の粒子に電荷が発生するかどうかを判定する試験を行った。すなわち、0.5%のフィプロニルと、1%の沈降炭酸カルシウムと、0.1%の2-フェノキシエタノールと、98.4%のコーングリッツ(100メッシュ以下)と、を含有する粉末組成物を、米国特許出願第16/880,749号明細書に記載のコントロールソリューション社(Control Solutions Inc.)製の精密送達装置(PDS装置)を使用して、マイナスに帯電した垂直表面に適用した。前記組成物の表面への付着能力を評価した。
【0122】
この研究に基づき、適用工程中に粉末に電圧が印加されることが実証された。組成物を多く適用するほど帯電量が増加した。連続印加30秒以内にピーク電圧に到達した。
【0123】
実施例2:粉末組成物のシロアリ防除効果
改質ボイド処理(modified void treatment)における、実施例1の組成物の地下シロアリに対する有効性を確認する試験を行った。薄板アリーナを作製し(
図1)、湿った砂と、食物源と、空隙とをアリーナ上部に設けた。PDS装置を用いて、この空隙を前記組成物約0.1gで処理した。
【0124】
シロアリ(Reticulitermes flavipes、働きアリ200匹、兵アリ3匹)を外界(
図1、パネル1;タイゴンチューブでアリーナに接続されたプラスチックシリンダ)から空隙に導入し、食料/湿砂に達するために処理ゾーンを通過させた。毎日24時間後に総トンネル走行距離(表1)と死亡率(表2)を測定した。
【表1】
【0125】
【表2】
前記粉末組成物は、アリーナに導入されたシロアリを25時間後には90%、48時間後には100%死滅させた。さらに、処理アリーナでは、トンネル走行距離が大幅に短かった。
【0126】
実施例3:粉末組成物のゴキブリに対する有効性
本研究の目的は、ピレスロイド抵抗性チャバネゴキブリに対する2種類の乾燥流動性ゴキブリ餌の有効性を、業界標準品(Avert)と比較し、「強制曝露試験(Forced Exposure Test)」実験デザインを用いて実験室条件下で評価することである。
【0127】
In vitroバイオアッセイシステムは、有害生物防除剤製剤の対象有害生物に対する本質的な活性を評価する上で非常に効率的である。管理された実験室条件下で、候補製剤に対する有害節足動物を評価する能力は、製品登録のサポート、ラベル表示の拡大、または追加の技術情報の提供のために、製品の有効性を決定する際に非常に重要である。これらの評価は、最近野外で採集されたピレスロイド抵抗性種のチャバネゴキブリに対して、2種類の乾燥流動性ゴキブリ用餌製剤を業界標準品(Avert Dry Flowable)および未処理対照品と比較し、実験室試験アリーナで評価することを目的とする。
【0128】
試験に使用した試験物質は、SolulacA101含有101-077インドキサカルブ粉末餌(0.6000%S-インドキサカルブ)と;101-079インドキサカルブゴキブリ用粉末餌(0.6000%S-インドキサカルブ)と;Avert DF(BASF 67019408 NVA2014-05-413-0357)(アバメクチンB10.050%、関係化合物0.0004%,EPA Reg.No.499-294,Lot203801926 15 062とを含む。試験昆虫は、チャバネゴキブリ、Sierra Research Laboratories(カリフォルニア州、モデスト)から入手したBlattella germanica(雄雌混合、「パラダイス(Paradise)」野外株、ピレスロイド耐性、P1世代)である。
【0129】
試験物質は、元の密閉容器に入れられ、SRL薬品保管場所で、周囲温度(°F)、相対湿度(%RH)、光条件下で保管した。研究室の薬品保管場所の環境モニタリングを実施し、SRLの温度・湿度記録装置(min/max)で記録した。そのデータを付表する。
【0130】
処理
チャバネゴキブリの中型から大型のニンフ約25匹、非繁殖期のメス10匹、オス10匹をCO
2で麻酔し、各試験アリーナに配置した。アリーナは163/4” L x 117/8” W x 7” H (42.5 cm x 30.2 cm x 17.8
cm), 16 Qt. (15 L) Sterlite
(R)透明プラスチックボ
ックスを使用した。各アリーナには、隠れ家用の丸めた段ボール、水管(綿球入り試験管)、ゴキブリの飼料(乾燥子犬用チャウ)を入れた小さなプラスチック製計量ボートが置かれた。チャンバーの片側に隠れ家、もう片側に食料と水を置いた。側面にはミネラルオイルと石油ゼリーの混合液を塗布し、逃げないようにした(
図2)。ゴキブリは3日間アリーナに順応させ、餌を置く24時間前から食料を控えた。
【0131】
約0.5gの餌を容器の底に直接、容器を完全に二分するように並べて置き、ゴキブリが食料と水を得るために処理区域を横切るようにした。すべての容器にSRLプロジェクトI.D.番号、処理、節足動物種、反復番号、日付のラベルを貼った。
【0132】
効果の評価
各反復において、処理後1、3、7,10、14日後の時点で、チャバネゴキブリの正常、影響あり、瀕死、死亡(死亡率)のチャバネゴキブリの数を観察した。各性別または成長段階は、効果分類ごとに別々に記録した。各評価の際、試験アリーナから死んでいるゴキブリを取り除いた。
【0133】
効果の判断
平均値の比較は、各処理群でプールされたデータで評価した。データは、各反復と各成長段階について収集し、その処理グループの平均効果割合を決定するためにプールした。平均防除率を求め、防除死亡率が10%を超える場合はSchneider-Orelli(1941)の計算式で補正した。
補正死亡率=(処理群の死亡率(%)-対照群の死亡率(%))/(100-対照群の死亡率(%))×100
【0134】
結果および考察
試験1日目の影響ありおよび瀕死のゴキブリの割合は、インドキサカルブ粉末餌101-079および101-077でそれぞれ13.5~27.3であった(表3)。いずれの処理群でも試験3日目まで死亡は確認されず(表4)、餌の遅延毒性作用が示されたが、少なくとも摂取・暴露後1日までは必ずしも致死的ではないことがわかった。両実験用餌は、試験7日目から試験14日目まで互いに同様の性能を示し、死亡率は10日目に97.0%以上、14日目に98.3%以上となった。インドキサカルブ粉末餌101-077は、すべてのデータポイントで101-079をわずかに上回った(表3および4)。Avert DFは各データポイントで両実験用餌を上回ったが、10日目のデータポイントを過ぎるといずれの餌も有意差は認められなかった。
【0135】
未処理対照群の死亡率が予想以上に高かったため、試験日7、10、14日にSchneider-Orelli(1941)の計算式でデータを補正した。
【表3】
【0136】
【0137】
結論
インドキサカルブ粉末餌101-077および101-079は、実験室で14日間餌に暴露されたチャバネゴキブリ個体群に対して、いずれも有効(90%以上の死亡率)であった。
【0138】
実施例4:粉末組成物のチャバネゴキブリに対する1年間の有効性
本研究の目的は、「選択(choice)」実験室条件下で、チャバネゴキブリ(Blattella germanica)に対する0.6%インドキサカルブ餌の有効性を評価することであった。
【表5】
【0139】
【0140】
試験物質ごとに実施した反復試験数、および反復試験ごとに評価した試験系の数は以下の通りであった。
【表7】
【0141】
試験物質の調製および適用
適用は、PVC管1本あたり1.0gの適用量で実施した。処理は、内管表面全体をできるだけ均一に処理するように施した。
【0142】
すべての試験物質は適用直後(0ヶ月)に評価し、インドキサカルブ試験物質はエージング後12ヶ月目に再度評価した。処理された管は、エージング中、実験室の環境条件下、暗所で保持した。
【0143】
観察方法
容器当たりの「正常虫」、「ノックダウン虫(KD)」、「死虫」の試験系の数を、試験物質の添加前(Pre-trt)に記録し、その後、餌の提供から12日目まで毎日記録した。
【0144】
「正常虫」、「ノックダウン虫(KD)」、「死虫」の観察は、試験アリーナを上昇させ、試験系に軽く風を当てて動きを誘発する、試験系を軽く突く、または試験系を揺らし、その動きを誘発することで行った。
【0145】
「正常虫」、「ノックダウン虫(KD)」、「死虫」の定義
【0146】
正常虫:正常な前進を示した試験系。
【0147】
ノックダウン虫(KD):若干の動きは見せたが、這い上がることができなかった試験系。
【0148】
死虫:刺激をしても動きがなかった試験系。
【0149】
検討
本試験の結果として、表5に試験期間中の各観測時点におけるチャバネゴキブリ(Blattella germanica)の死亡率を示す。表中の死亡率に加えて、記録された死亡率をt検定で統計的に分析し、p≦0.05の確率値で、対照集団および/または餌製剤を提供した個体群の間で有意差が記録されたかどうかを評価した。
【0150】
インドキサカルブ餌は、0ヶ月齢の評価において、実験製剤の中で最も速く死亡率を示した。101-079は2種類のインドキサカルブ餌の中で最も速く死亡率を示し、インドキサカルブ餌は提供から4日以内に90%以上の死亡率を記録し、5日目(101-077)と8日目(101-079)に100%の死亡率に達した。ECS-F-645餌製剤は、2つの実験用アバメクチン製剤の中で最も良好な結果を示した。ECS-F-645餌は、提供から6日以内に94%の死亡率を記録し、8日目には100%の死亡率に達した。一方、ECS-F-457餌製剤は、12日目に100%の死亡率を記録した。Avert(R)DF餌は、4日目に100%の死亡率を記録した。統計的には、インドキサカルブ餌剤とアバメクチン餌製剤は互いに同等であることが証明された。しかし、異なる活性剤間で有意差があり、インドキサカルブ餌はアバメクチン餌製剤よりも死亡率が有意に高かった。
【0151】
0ヶ月目の評価と同様に、インドキサカルブ餌は互いに同様の死亡率を示し、エージング後12ヶ月目の評価では、2つの餌の間で効果に有意差は認められなかった。インドキサカルブ餌は、餌提供後4日目に再び90%以上の死亡率を記録し、5日目(101-077)および6日目(101-079)に100%の死亡率に達した。
【0152】
結論
本試験の結果から、インドキサカルブ餌製剤101-077および101-079は、いずれも適用後12カ月までチャバネゴキブリ(Blattella germanica)に効果があることが明らかとなった。また、アバメクチン餌剤(ECS-F-645
、ECS-F-457)は、新鮮な状態での使用(0ヶ月)で効果があることが証明された。
【表8】
【0153】
実施例5:粉末組成物のチャバネゴキブリに対する2年間の有効性
本試験の目的は、「選択(choice)」実験室条件下で、0.6%インドキサカルブおよび0.05%アバメクチン餌のチャバネゴキブリ(Blattella germanica)に対する効果を2年間にわたり評価することであった。
【表9】
【0154】
【0155】
材料および方法
試験物質ごとに実施した反復試験数、および反復試験ごとに評価した試験系の数は以下の通りであった。
【表11】
【0156】
試験物質の調製および適用
適用は、PVC管1本あたり1.0gの適用量で実施した。処理は、内管表面全体をできるだけ均一に処理するように施した。
【0157】
すべての試験物質は適用直後(0ヶ月)に評価し、インドキサカルブ試験物質はエージング後12ヶ月目と24ヶ月目に再度評価した。0ヶ月処理した管は、エージング中、実験室の環境条件下暗所で保持し、その後、同じ処理した管を12ヶ月目と24ヶ月目で再
評価した。
【0158】
観察方法
容器当たりの「正常虫」、「ノックダウン虫(KD)」、「死虫」の試験系の数を、試験物質の添加前(Pre-trt)に記録し、その後、餌の提供から12日目まで毎日記録した。
【0159】
「正常虫」、「ノックダウン虫(KD)」、「死虫」の観察は、試験アリーナを上昇させ、試験系に軽く風を当てて動きを誘発する、試験系を軽く突く、または試験系を揺らし、その動きを誘発することで収集した。
【0160】
「正常虫」、「ノックダウン虫(KD)」、「死虫」の定義
【0161】
正常虫:正常な前進を示した試験系。
【0162】
ノックダウン虫(KD):若干の動きは見せたが、這い上がることができなかった試験系。
【0163】
死虫:刺激をしても動きがなかった試験系。
【0164】
統計分析
スポンサーは、Minitab18(Minitab,Inc、ペンシルベニア州、ステートカレッジ))を用いて、2つの別々の分析を行った。1つ目は、CSIインドキサカルブ餌製剤(Avert DF)2種類と実験用アバメクチン餌製剤2種類の初期(2017年)の有効性データを分析した。2つ目は、2種類のCSIインドキサカルブ餌製剤の24ヶ月間の有効性データを分析した。
【0165】
初期の有効性(2017年)
処理から10日後のチャバネゴキブリの死体数を従属変数とした。コルモゴロフ-スミルノフ検定は、データが正規分布に由来するという帰無仮説を検証するために使用した。帰無仮説は棄却され(p<0.01)、解析前にカウントをln(count+1)で変換した。
【0166】
処理を単一因子とする一元配置分散分析(ANOVA)を用いて、以下の仮説を検証した。
帰無仮説: すべての治療手段は同じである。
対立仮設: すべての手段は同じではない。
有意水準: α=0.05
【0167】
処理手段は、Fisherの最小有意差(LSD)テスト(α=0.05)を用いて比較した。
【0168】
24ヶ月の有効性(2017年~2019年)
各時点(2017-10 DAT;2018-6 DAT;2019-7 DAT)でカウントを行った処理後最終日(DAT)の死亡チャバネゴキブリの数を従属変数とした。コルモゴロフ-スミルノフ検定は、データが正規分布に由来するという帰無仮説を検証するために使用した。帰無仮説は棄却され(p<0.01)、解析前にカウントをln(count+1)で変換した。
【0169】
ANOVAで使用した用語は、処理(TRT)、年、処理と年の交互作用(処理×年)
であった。処理×年の交互作用は有意であったため(p<0.05)、各時点で処理群を比較した。処理手段は、Fisherの最小有意差(LSD)テスト(α=0.05)を用いて比較した。
【0170】
結果
初期の有効性(2017年)
CSIインドキサカルブ餌2種類とAvert DFは、10日間でゴキブリのニンフと成虫を100%(10回の繰り返し中10匹)殺虫した。他の2つのアバメクチン餌(ABA DFB-DGとABA DFB)の殺虫率は、それぞれ96%と81%であった。どの餌でもゴキブリの平均死体数に有意差(p>0.05)は認められなかった(表5)。すべての餌について、ゴキブリの死体数は対照と有意に異なっていた(p<0.05;表5)。
【0171】
24ヶ月の有効性(2017年~2019年)
CSIインドキサカルブ餌製剤は、いずれも3つの時点(2017年、2018年、2019年)すべてでチャバネゴキブリ(成虫およびニンフ)を100%(110回の繰り返し中10匹)殺虫した。どの餌でもゴキブリの平均死体数に有意差(p>0.05)は認められなかった(表6)。3つの時点すべてにおいて、両餌によるゴキブリの死体数は、すべての対照と統計的に異なる(p<0.05)ことが確認された(表6)。
【0172】
結論
コントロールソリューション社製インドキサカルブ餌製剤は、いずれも1回の適用から2年後にチャバネゴキブリの成虫とニンフを100%駆除することができた。
【表12】
【0173】
【0174】
【0175】
実施例6:粉末組成物のワモンゴキブリに対する有効性
本研究の目的は,実験室条件下で101-079および101-077餌(0.6%Sインドキサカルブ)のワモンゴキブリ(Periplaneta americana)およびトウヨウゴキブリ(Blattella orientalis)に対する有効性を評価することであった。試験方法は、上記実施例4および5と同様とした。
【表15】
【0176】
【0177】
試験物質ごとに実施した反復数、および反復ごとに評価した試験系の数は以下の通りであった。
【表17】
【0178】
結果および考察
本試験の結果として、表8に餌曝露後の各観察時点におけるアメリカゴキブリ(Periplaneta americana)とトウヨウゴキブリ(Blattella orientalis)の死亡率示す。表中の死亡率に加えて、記録された死亡率をt検定で統計的に分析し、p≦0.05の確率値で、対照個体群および/または餌製剤を提供した個体群の間で有意差が記録されたかどうかを評価した。
【0179】
101-079と101-077の実験用餌は、各生物種の評価において、互いに同様の結果を示した。実験用のS-インドキサカルブ餌(101-079および101-077)はいずれも、ワモンゴキブリ(PERIAM)およびトウヨウゴキブリ(BLTTOR)の試験で100%の死亡率を記録し、2つの製剤間で死亡率の有意差は認められなかった。Avert(R) DF餌(0.05%アバメクチン)は、それぞれの種で最も短い期間で最も高い死亡率を記録し、曝露後の初期(2~4日)に2つの実験餌よりも有意
に優れた性能を発揮した。
【0180】
結論
本試験の結果、101-079および101-077実験用餌は、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)およびトウヨウゴキブリ(Blattella orientalis)に対して同等の効果があり、各製剤はAvert
(R)DF餌よりもゆっくり有害生物防除効果が表れることが証明された。
【表18】
【0181】
実施例7:数種のゴキブリ有害生物に対するコントロールソリューション社製有害生物防除粉末餌の実験室評価
目的本研究の目的は、コントロールソリューション社製製品の有効性を評価することであった。ゴキブリ数種(Periplaneta americana、Blattella germanica、Blatta orientalis)に対して、実験室試験で、(CSI)粉剤餌製剤と業界標準品とを比較した。
【0182】
手順:テキサス州カレッジステーションにあるテキサスA&M大学のRollins Urban and Structural Entomology Facilityのスタッフによって、ラボ研究が開始された。本研究では、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、チャバネゴキブリ(Blatella germanica)、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)の成虫の実験室ストックを用いた。アリーナは、ゴキブリの逃亡を防ぐために内壁をFluon
(R)で被覆した29×15cmのプラスチックボックスで構成され、隠れ家、食料、水を配置した。ゴキブリは試験開始前に72時間、試験アリーナに順応させた。各処理は7回反復し、各反復には10匹の成虫のゴキブリが入った(妊娠中の雌は使用しなかった)。順応期間終了後、粉末餌処理を施した1つ目の計量ボートと実験用飼料を入れた2つ目の計量ボートをアリーナに導入した。殺虫用餌と実験用飼料とを、アリーナに導入する前後に計量し、総消費量(g)を測定した。さらに、環境条件による水の増減を補正するため、ゴキブリのいない空のプラスチックボックスに、各餌と実験用飼料の複製7個分の既知の重量を入れた。餌への暴露後14日間、毎日死亡率を記録した。すべてのデータは、SAS
JMP Pro 13を使用して解析した。全種類の経時的な死亡率と消費データは、Tukey’sを用いたANOVAで分析した。各処理で受け取った餌の量が異なるため、消費データを利用可能な餌が消費された割合として表示する。
【表19】
【0183】
ワモンゴキブリ
ワモンゴキブリの経時的な平均死亡率を、表10に記載し、
図8で示す。餌導入後、最初の2日間はどの反復でも死亡率は観察されなかった。3日目から5日目にかけて、Doxem 0.15は未処理の対照よりも死亡率が有意に高い唯一の処理であった。Doxemのすべての反復試験における平均死亡率は、6日目から試験終了まで、未処理の対照およびAvertよりも有意に高い値を示した。10日目まで、Doxem 0.15反復試験の平均死亡率は、Doxem0.05反復試験より有意に高かった。Doxem 0.075および0.15では、95.0%以上の死亡率が達成できた。Avertの反復試験における平均死亡率は、未処理対照と比較して決して有意な差は認められなかった。
【0184】
餌の消費量の平均値は、すべての処理で大きな差はなく、どの処理でも概ね80.0%~90.0%の消費量であった(
図7)。実験用飼料の摂取量は、0.353g~0.457gと、処理間でほとんど差は認められなかった(表13)。
【0185】
チャバネゴキブリは、Doxem 0.075、Doxem 0.15ともに約6日目頃から有意な防除効果が得られたが、Avertでは平均死亡率が対照より有意に高くなることはなかった。チャバネゴキブリは、サイズが大きいこともあって、他の種に比べ、これらの餌の効果が遅かった。Doxem0.05反復試験で死亡率が増加し始めたのは、他の2つのDoxem処理と比較して2~3日のタイムラグがあった。これは、1匹のゴキブリが餌を独占し、提供された0.05gの大半を消費してしまったためだと思われる。この場合、他のゴキブリの投与量が少なかったか、元のゴキブリの死骸に飼料があり、共食いによる二次殺生が考えられる。
【0186】
一般に、ワモンゴキブリは他の2種に比べ、餌や実験用飼料を多く摂取していた。ワモンゴキブリ実質的に大型の種であるため、これは予想されることである。1つの餌に明確な好みがあるわけではなかった。すべての処理において、提供した餌の平均消費率は80.0%~90.0%であった(
図7)。
【0187】
トウヨウゴキブリ
トウヨウゴキブリの経時的な平均死亡率を、表11に記載し、
図10で示す。餌導入から1日後の死亡率は確認されなかった。平均死亡率は、Doxem 0.15反復試験で2日目、Doxem 0.075反復試験で3日目、Doxem 0.05反復試験で4日目に未処理コントロールより有意に高かった。3日目以降、Doxem処理の平均死亡率に有意差はなかった。すべてのDoxem処理の平均死亡率は、試験終了まで、対照およびAvert反復試験のいずれよりも有意に高い値を維持したままであった。餌投入1
1日後に、すべてのDoxem処理で95.0%以上の死亡率を達成した。Avert反復試験での平均死亡率は、9日目以降、対照よりも有意に高かったが、平均死亡率は33.0%にしか達しなかった。
【0188】
AvertとDoxem 0.05の反復試験で消費した餌の平均割合は、他の2種のDoxem反復試験より有意に高かった(
図7)。ワモンゴキブリと同様に、実験用飼料の平均摂取量は0.300g~0.451gと、処理を通して同程度であった(表13)。
【0189】
この種の死亡率は、ワモンゴキブリで見られたものとパターンが非常によく似ていた。しかし、トウヨウゴキブリの顕著な防除は、もっと早い3日目頃から開始されていた。また、Doxem 0.05では、(有意ではないが)他の2つのDoxem処理と比較して、死亡率の遅れが見られた。これが投与量の問題なのか、それとも共食いによる二次殺生があるのか、分離研究によって解析可能である。トウヨウゴキブリの防除に使用した場合、14日後の平均死亡率は33.0%にとどまったが、ワモンゴキブリに対して使用した場合と同様に、Avertの反復では有意に高い死亡率が確認された。
【0190】
アリーナに導入した餌の量のうち、AvertとDoxem 0.05はDoxem 0.075と0.15に比べて多く消費された(
図7)。Doxem処理の間で実際に消費された餌の量はほぼ同じで、約0.04g~0.05gであった(表13)。実際に消費されたAvertの量は0.143gとはるかに多かったが、これらの反復試験で観察された経時的な死亡率はかなり低く、したがってゴキブリはより長い時間飼料を食べることができた。
【0191】
チャバネゴキブリ
トウヨウゴキブリの経時的な平均死亡率を、表12に記載し、
図10で示す。Doxem反復試験すべての平均死亡率は、対照およびAvertの反復試験と比べ、餌後1日目から有意に高かった。Doxem反復試験すべての平均死亡率は、互いに有意な差はなく、4日目には95.0%以上の死亡率が観察された。餌導入3日後から、Avert反復試験の平均死亡率は対照より有意に高くなった。試験終了時には、Avert反復試験では80.0%の死亡率となった。
【0192】
Doxem 0.05の平均摂取率は、他のすべての処理に比べ、有意に高かった(
図7)。Avertの消費量は、Doxem 0.15を除く他のすべての処理よりも有意に少なかった。Doxem 0.75の消費率はDoxem 0.15と比較して大きな差は認められなかった(
図7)。実験用飼料への摂食量はすべての反復で少なく、0.001~0.077gの範囲であった(表13)。
【0193】
Doxem餌は、いずれも2日以内にチャバネゴキブリの駆除を開始し、4日以内に95.0%以上に達することができました。試験終了時には、Avertの反復の平均死亡率は80.0%であったが、7日目までは有意な防除は認められなかった。
【0194】
餌の消費割合はDoxem反復試験で統計的に高かったが(
図7)、トウヨウゴキブリと同様、実際に消費された餌の量は両処理で同程度であった(表13)。Avertはほとんど消費されなかったが(0.001g)、それでも死亡が観察された。
【表20】
【0195】
【0196】
【0197】
【0198】
実施例8:ゴキブリ2種を対象とした選択試験における湿潤イベント後の粉末組成物の実験室評価
本試験の目的は、湿潤・乾燥後の試験材料のゴキブリ2種に対する有効性を、ネガティブ対照と比較し、選択試験で評価することである。本試験は、試験材料の最低ラベル率での単回適用とネガティブ対照とを比較する実験室での有効性試験である。試験材料適用後、14日間、実験ユニットを毎日(繰り返し)観察した。
【表24】
【0199】
無作為化
各生物種について、14個の乱数(Microsoft EXCELを使用して生成)を14(2処理×7反復/処理)反復試験に割り当てた。これらの数字は、2つの処理の反復を無作為に並べるために、小さいものから大きいものへと並べ替えた(無作為化を参照)。アリーナ番号(1~14)を昇順に入力し、アリーナを無作為に処理に割り当てた。
【0200】
さらに21個の乱数(Microsoft EXCELを使用して生成)が21個の計量ボート(チャバネゴキブリの反復試験で使用する7個とワモンゴキブリの反復試験で使用する14個)に割り当てた。これらの数字は、2つのグループの反復を無作為に並べるために、小さいものから大きいものへと並べ替えた(無作為化を参照)。計量ボートの番号(1~21)を昇順に入力し、計量ボートを処理アリーナに無作為に割り当てた。
【0201】
盲検化(マスキング)手順
本研究では、研究担当者の人数が限られており、処理も1つであるため、盲検化は不可能であった。研究担当者は、研究験期間中、マスクされないままであった。
【表25】
【0202】
【0203】
材料および方法
ゴキブリの飼育
ゴキブリはすべて試験施設のコロニーから入手した。コロニーは80qtのプラスチック製収納箱に収容し、段ボール製の卵のパックを入れ、隠れ家とした。コロニーに、Purina ONE(R) SmartBlend(R)ドッグフードを週2回与え、水を自由に与え、27°C(±1°C)、40%(±10%)RH、12:12昼夜サイクルで維持した。
【0204】
試験アリーナの準備
各試験材料およびそれぞれの対照に対して、10匹のゴキブリの7つのアリーナ(反復)を使用し、1種につき、合計14のアリーナを使用した。ワモンゴキブリは73.6×45cmのプラスチックボックス、チャバネゴキブリは29×15cmのプラスチックボックスで飼育した。すべての箱の内壁にFluon(R)を被覆し、脱出を防止した。すべてのゴキブリは、試験材料導入前に24時間アリーナに順応させ、実験中は食料、水、隠れ家用の段ボールチューブを置いた。食料および水は毎日点検し、必要に応じて補充した。
【0205】
餌の湿潤乾燥および適用
試験材料は、21個の番号付き(1~21)プラスチック製計量ボートに、1個あたり0.05g(±0.005g)ずつ適用した。これは、Doxem(R)Preciseのラベルレート(餌設置率)の中で最も低い数値である。実際の平均適用量は、ワモンゴキブリ0.0503g/ボート、チャバネゴキブリで0.0502g/ボートであった。
【0206】
計量ボートは、餌を入れる前に秤に載せてゼロにした。その後、試験材料を手でボートに乗せ、その重量を記録した。各計量ボートに設置後、プラスチックピペットを用いて2.5mLの脱イオン水(餌が十分に濡れる程度)で試験材料を濡らし、ドラフトチャンバ
ー下で24時間放置した。材料の撹拌や混合は行わなかった。試験アリーナに入れる前に、材料を完全に乾燥させた。
【0207】
効果試験
ゴキブリがアリーナに順応した後、乾燥餌を入れた計量ボートを無作為化に基づいた番号のアリーナに配置した。チャバネゴキブリのアリーナに1つ、ワモンゴキブリのアリーナに2つの計量ボートを配置した。ゴキブリの死骸のカウントは、12日目と13日目を除き、1日目から14日目まで毎日実施した(16項参照)。死亡の定義は、突いたり探したりしても動かない昆虫とした。
【0208】
ゴキブリは試験期間中、食料と水に無制限にアクセスできた。試験環境は、27°C(±1°C)、60%(±10%)RH、12:12昼夜サイクルとした。
【0209】
有効性の評価
測定・記録されたエンドポイント
ゴキブリの死骸を毎日計測した。
【0210】
試験材料の有効性の計算方法
各時点における試験材料の各生物種に対する有効性を、以下の式で算出した。
防除(%)=(対象群における平均生存ゴキブリ数―処理群における平均生存ゴキブリ数)/対象群における平均生存ゴキブリ数
【0211】
統計分析
統計解析は、スポンサーがMinitab 20.1 (Minitab, LLC,
ペンシルベニア州、ステートカレッジ)を用いて行った。実験単位は個々の試験アリーナである。従属変数は、毎日のゴキブリの死骸の数である。ゴキブリ種ごとにデータを分けて分析した。
【0212】
一般線形混合効果モデルを用いて、繰り返し測定による分散分析を行った。各モデルの項は、治療(TRT)、日(TIME)、治療と日の相互作用(TRT X TIME)、アリーナ(無作為、処理中入れ子にする)であった。
【0213】
TRT X TIMEの交互作用は有意であったため(p<0.001)、各時点で処理群を比較した。これらの比較は、TRT×TIMEの相互作用から得られたものである。
【0214】
結果および考察
チャバネゴキブリの死体数の平均値は、処理と対照で有意な差(p<0.05)があり、2SDから14SDまで継続した(表15)。湿潤・乾燥させたDoxem Precise0.05gを1個配置したところ、SD9で本試験のチャバネゴキブリの90%を駆除できた。
【0215】
ワモンゴキブリの平均死体数は、SD10以降SD14まで、対照と有意な差(p<0.05)を示した(表15)。湿潤・乾燥させたDoxem Precise0.05gを2個配置したところ、本試験中のワモンゴキブリの90%を駆除することはできなかった。
【0216】
結論
この研究は、以下の主張を裏付けるものである。
湿潤・乾燥させたDoxem Precise餌がチャバネゴキブリを防除する。
湿潤・乾燥させたDoxem Precise餌は、48時間か2日以内にチャバネゴキブリの殺虫を開始する。
【0217】
これらのデータは、ワモンゴキブリを対象としないことを裏付けている。
プロトコルの修正と逸脱
【0218】
プロトコルの逸脱が1件あった。試験日12日目と13日目は、試験施設のある地域が冬の異常気象に見舞われ、試験施設への移動が不可能であった。そのため、この日は観測を行わなかった。この逸脱は、研究、収集したデータ、結果に影響を与えるものではなかった。
【表27】
【国際調査報告】