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特表2024-522029ビデオ伸び計の誤差補正用システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-10
(54)【発明の名称】ビデオ伸び計の誤差補正用システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/42 20060101AFI20240603BHJP
   G01B 11/16 20060101ALI20240603BHJP
【FI】
G01N3/42 F
G01B11/16 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573187
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2024-01-18
(86)【国際出願番号】 US2022028440
(87)【国際公開番号】W WO2022250947
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】63/193,984
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/739,243
(32)【優先日】2022-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】エイドリアン チャールズ リディック
(72)【発明者】
【氏名】マイケル アシュマン
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン ビレガス
(72)【発明者】
【氏名】マーティン アレン ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】エリック ステューブ
(72)【発明者】
【氏名】リチャード バルカレク
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA65
2F065BB27
2F065FF01
2F065FF42
2F065FF64
2F065FF69
2F065FF70
2F065JJ03
2F065JJ09
2F065JJ26
(57)【要約】
本開示は、ノイズ、遠近変動、及び/又は構成要素の配置及び/又は動作を含む、ビデオ伸び計システムにおける誤差を補償するシステム及び方法を説明する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ伸び測定システムにおける試験プロセスの間の誤差を補正するシステムであって、前記システムは、
試験試料を固定する、試験システムと、
前記試験試料の表面の画像をキャプチャーするように配置された、撮像デバイスと、
前記試験試料に関連する1つ以上のパラメーターを測定するように構成された、1つ以上のセンサと、
処理システムであって、
前記撮像デバイスから画像データを受信することと、
前記1つ以上のセンサからセンサデータを受信することと、
前記画像データ又は前記センサデータを1つ以上のデータ閾値と比較することと、
前記画像データ又は前記センサデータが前記1つ以上のデータ閾値を超過していることに応答して、前記画像データ及び前記センサデータに部分的に基づいて補正係数を算出することと、
前記補正係数に少なくとも部分的に基づいて、前記撮像デバイス及びシステム構成要素の調節を指示することと、
を行う、処理システムと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記システム構成要素は、能動的冷却器、アクチュエータ、又は撮像デバイス位置システムである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記撮像デバイスは、単一ビューカメラである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記撮像デバイスは、2つ以上のカメラである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記センサは、加速度計、慣性測定ユニット、温度センサ、赤外線センサ、発光ダイオードセンサ、超音波センサ、又はレーザーによるセンサである、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記1つ以上のパラメーターは、前記マーキングの形状若しくは位置、前記試験試料のエッジ位置、又は前記試験試料の幅のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記補正係数は、ミリメートル、インチ、又は画素単位のうちの1つで表される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記処理システムは、前記試験システム又は前記撮像デバイスのうちの1つ以上と通信するリモートコンピューティングプラットフォームに配置されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記処理システムは、前記撮像デバイス又は前記試験システムのうちの1つと一体化されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
ビデオ伸び測定システムにおける試験プロセスの間の誤差を補正するシステムであって、前記システムは、
試験試料を固定する、試験システムと、
前記試験試料の表面の画像をキャプチャーするように配置された、撮像デバイスと、
前記ビデオ伸び測定システムに関連する1つ以上の動きパラメーターを測定するように構成された、1つ以上の動きセンサと、
前記撮像デバイスの位置又は向きを調節する、1つ以上のアクチュエータと、
処理システムであって、
前記撮像デバイスから画像データを受信することと、
前記1つ以上の動きセンサから振動測定値に対応するセンサデータを受信することと、
前記画像データ又は前記センサデータを1つ以上のデータ閾値と比較することと、
前記センサデータが前記1つ以上のデータ閾値を超過していることに応答して、前記画像データ及び前記センサデータに部分的に基づいて補正係数を算出することと、
前記補正係数に少なくとも部分的に基づいて、前記撮像デバイスの前記位置又は前記向きを調節するように、前記1つ以上のアクチュエータに指示することと、
を行う、処理システムと、
を備える、システム。
【請求項11】
前記1つ以上の動きセンサは、加速度計、慣性測定ユニット、振動センサ、又は傾斜センサを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記1つ以上の動きセンサは、前記1つ以上の画像センサの近傍に配置されて、前記1つ以上の画像センサにおける振動を監視及び測定する、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のデータ閾値は、1つ以上のデータ閾値振動値に対応し、前記処理システムは、画像データを、前記1つ以上の閾値振動値を超過する振動測定値と相関させるように更に動作可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記処理システムは、前記1つ以上の閾値振動値を超える前記相関させたデータ点における前記画像データに前記補償係数を適用して、過剰振動を補正するように更に動作可能である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つ以上のアクチュエータを制御するために、前記処理システムから命令を受信する駆動及び制御システムを更に備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記アクチュエータ104は、機械的増幅器を有する圧電アクチュエータを含むことができる、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
前記測定及び補償算出を、撮像動作の間にリアルタイムで実行することができる、請求項10に記載のシステム。
【請求項18】
能動的振動制御を、画像データ補償と協調して実装することができる、請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
前記処理システムは、前記試験システム又は前記撮像デバイスのうちの1つ以上と通信するリモートコンピューティングプラットフォームに配置されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項20】
前記撮像デバイスは、2つ以上の撮像デバイスを含み、各撮像デバイスは、前記試験試料の前記表面の画像をキャプチャーするように動作可能である、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、「Systems And Methods For Error Correction For Video Extensometers」と題された、2021年5月27日に出願された米国仮出願第63/180,288号の利益及び優先権を主張するものである。米国仮出願第63/180,288号の完全な主題及び内容は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。
【背景技術】
【0002】
カメラベースのビジョンシステムが、試料歪みの測定用に材料試験システムの一部として実装されてきた。これらのシステムは、供試試料の1つ以上の画像を収集する。これらの画像は、その試験について対象となっている他の信号(例えば、試料荷重、機械アクチュエータ/クロスヘッドの変位等)と同期されている。試験試料の画像は分析され、試験が進行しているときの試料の特定の特徴のロケーションの特定及び追跡を行うことができる。試料の1つ以上の基準特徴の相対位置の変化等、そのような特徴のロケーションが変化することによって、局所的な試料変形を算出することが可能になり、さらには、試料歪みを計算することが可能になる。
【0003】
従来のシステムは、カメラ又は他の撮像システムを採用して画像をキャプチャーし、そこから試験試料の特性を測定する。しかしながら、認識された基準位置と実際の位置との撮像及び/又は測定値の差は、歪んだ読み取り値及び不正確な測定値に導き得る。かくして、かかる誤差を補正するシステムが望まれる。
【発明の概要】
【0004】
本明細書で開示されるものは、ビデオ伸び計システムにおける撮像誤差を補正及び/又は補償するシステム及び方法である。本発明のこれらの特徴及び利点並びに他の特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲と併せて以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0005】
本発明の利益及び利点は、以下の詳細な説明及び添付図面を検討した後に当業者に容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の態様による一例示の伸び計システムのブロック図である。
【0007】
図2】本開示の態様による、図1の伸び計システムにおいて測定される一例示の試験試料を示す図である。
【0008】
図3】本開示の態様による、図1の一例示の伸び計システムの別の視点のブロック図である。
【0009】
図4】本開示の態様による、図1の伸び計システムの例示の実装のブロック図である。
【0010】
図5(A1)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図5(A2)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図5(A3)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図5(A4)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図5(A5)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
【0011】
図6(B1)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図6(B2)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図6(B3)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
【0012】
図7(C1)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図7(C2)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図7(C3)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図7(C4)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図7(C5)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図7(C6)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図7(C7)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図7(C8)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
【0013】
図8(D1)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
図8(D2)】本開示の態様による、例示の伸び計システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0015】
本開示は、ノイズ、遠近変動、及び/又は構成要素の配置及び/又は動作を含む、ビデオ伸び計システムにおける誤差を補償するシステム及び方法を説明する。
【0016】
特に、開示される例は、ビデオ伸び計システムにおいて、流体送達システム、振動制御システム、及び/又は彩度制御の採用によって、ノイズに対処するシステム及び方法を提供する。さらに、開示される例は、ビデオ伸び計システムにおいて、複数のカメラを採用することによって、撮像の課題に対処するシステム及び方法を提供する。さらに、開示される例は、ビデオ伸び計システムにおいて、基準パターン及び/又はオブジェクトを監視することによって、試験試料の変化を監視するシステム及び方法を提供する。さらに、開示される例は、ビデオ伸び計システムにおいて、能動的、受動的、及び/又は処理を含む補償手法を採用することによって、熱及び/又は外部振動を軽減するシステム及び方法を提供する。
【0017】
従来のシステムは、試験試料の1つ以上の物理的特性を試験及び測定する際に、1つ以上の誤差の影響を受ける。誤差は、システム構成要素の制限(例えば構成要素の物理的/動作上の制限、関連する構成要素に対する動作上の影響等)、システム較正(例えば異なる材料/試料を測定するためのもの)、及び/又は測定及び/又は分析上の制限(例えば測定された特性の収集及び分析等)に起因するものであり得る。
【0018】
いくつかの従来の試験システムは、材料試験プロセス中(例えば試験試料の歪みを決定するための)に、情報(例えば1つ以上の特性又は幾何学的変数の測定値)をキャプチャーするためにカメラベースのビジョンシステムを採用している。かかるシステムは、試験試料の複数の画像をキャプチャーし、これらの画像を試験プロセスに関連する他の情報(例えば試料の荷重、機械アクチュエータ/クロスヘッド変位等)と同期させ得る。試験試料の画像は次いで、1つ以上のアルゴリズムを介して分析されて、試験試料(基準特徴を含む)の特定の特徴を識別及び/又は位置特定し、さらには試験動作の進行とともにかかる特徴を追跡することができる。かかる特徴の絶対的及び/又は相対的なロケーションの変化は、局所的な試料の変形が算出されることを可能とし、ひいては試料の歪みが計算されることを可能とする。
【0019】
対象となる試料の特徴は、カメラ(複数の場合もある)に可視である試験試料の表面に施されたマーキング(例えば、基準特徴)からなり得る。例えば、プロセッサは、画像を分析してマーキングのロケーション及び/又は形状(及びその変化)を決定し、試験中にこれらのマークが互いに対して移動するのを追跡することができる。例えば、ゲージ長ベースの歪み測定(軸方向マーク、横方向マーク等)の決定のためのペアグルーピング、又はデジタル画像相関(DIC)技術で使用される疑似ランダムスペックルパターンといった、複数のマーキングが試料の前面上に存在し得る。横方向の試料の歪みの決定のための、対象となり得る代替的な特徴のセットは、試験試料のエッジである。
【0020】
単一又は複数のカメラ測定システムについては、較正プロセスは、画像センサから所定の距離に配置された、選択された較正平面上で実行することができる。較正プロセスは、撮像デバイスによってキャプチャーされた1つ以上の特性(例えばサイズ、位置、幅等)と、較正平面上の1つ以上の物理的特性(例えば物理座標で決定される)との間の関係を確立する。
【0021】
かかる較正プロセスは、較正平面上に配置された較正基準デバイスを採用してもよい。基準デバイスは、対象となる視野(FOV)の一部又は全部をカバーすることに関連する既知の幾何学的寸法を有する、所定の物理的特性を含む。較正プロセスは、較正デバイスの画像がキャプチャーされ、既知の較正デバイスの幾何学的形状と比較されることを可能にし、ここで、画像の座標を画素座標系から現実世界の物理的座標系に変換するために、伝達関数が確立される。
【0022】
従来のビデオ伸び計システムは、試験試料の表面上のマーキングの寸法及び/又は相対ロケーションを追跡及び測定する。試験プロセス中、画像処理アルゴリズムが(例えばビデオ伸び計システムのプロセッサを介して)実行されて、試料の表面上のマーキングのロケーションを決定する。決定されたロケーションに基づいて、プロセッサは、初期の試料のゲージ長、及び試験試料の開始時における値(複数の場合もある)からの試料のゲージ長の瞬間的な変化(例えば軸方向及び/又は横方向の歪み)を算出し得る。ビデオ伸び計システムがマーキングの絶対位置及び/又は相対位置及び/又は位置変化を測定することが可能な精度は、試料の表面が初期の較正平面と同一平面上にあるか否かに少なくとも部分的に依存する。測定平面(試験試料の表面に対応する)のロケーションと較正平面(基準平面に対応する)のロケーションとの差は、測定誤差(例えば遠近誤差)を生じることとなる。測定平面と基準平面との間の逸脱が大きくなると(例えば、試験片とカメラの間のZ軸に沿って)、より大きな測定誤差に帰着する。
【0023】
いくつかの例においては、複数の試験試料が較正プロセスに続いて試験プロセスに供され、ここで各試料は異なる厚さを有し、及び/又は試験試料の厚さは試験の間に変化する。その結果、試料の表面と撮像デバイスとの間の距離は、試験プロセスの間に及び/又は試料毎に変化することとなる。
【0024】
かかる遠近誤差は、例えば、測定値が比例(例えばレシオメトリック)歪みを決定するために用いられる試験用途に対して、絶対寸法の測定値が求められる材料試験用途において、より問題となり得る。比例歪みの決定においては、遠近誤差が、初期のゲージ長測定及び/又は歪み変位測定における同様の比例誤差に帰着する。歪みはゲージ長にわたる変位として算出されるので、遠近誤差は、分子及び分母の両方に存在するため、打ち消される。これらの遠近誤差は、歪みがより小さい場合にも精度に影響を与え得るものであり、この場合、意図された歪み測定信号よりも遠近誤差が支配的になり得る。
【0025】
従来のシステムは、様々な技術によってこれらの問題のうちのいくつかを軽減しようと試みたが、それぞれ重大な欠点を有していた。1つの選択肢は、異なる厚さを有する試料にわたって遠近測定誤差が最適化されるように、対象となる全ての試験平面の平均平面又は中間平面に配置された、較正平面に対するものである。別の選択肢は、較正平面と等しい単一の作動距離を維持するために、伸び計の試験試料取り付け位置に対して物理的な調節をなして、異なる試験試料を補償することである。更に別の選択肢は、面外の遠近誤差の影響をかなり受けにくいが、より高価であり、より限られた視野しか有さない、テレセントリック光学系を使用することである。更に別の選択肢においては、較正及び試料測定プロセスに組み込むことができる、種々の角度からの遠近情報をキャプチャーするために、複数のカメラが採用され得る。
【0026】
しかしながら、ビデオ伸び計システムにおいて直面する遠近誤差を軽減するための既存の解決策は、いずれも欠点を有している。例えば、較正平面に対して平均距離を使用すること、及び/又は、より精度の低い測定機器を使用することは、必然的に、より精度の低い測定値をもたらす。異なる試料の厚さを補償するために、伸び計の取り付け位置の手動での調節をなすことは、時間がかかるものであり、オペレーターに、その個々の厚さに基づいて各試料について複数の異なる調整を一貫して行うことを覚えておくことを要求する。さらに、かかる調節は、自動化することが困難である。
【0027】
テレセントリック光学系は、大きく、重く、高価であり、限られた視野(FOV)しか有さない。したがって、複数のカメラを利用するビデオ伸び計システムは、高価で、複雑であり、大規模な3次元較正プロセス及び装備を必要とする。
【0028】
開示されるシステム及び方法は、限定するものではない例のリストとして、Z軸方向の距離の変化、較正平面に対する測定平面の変化、熱及び振動を含む外部ノイズによる誤差に起因する、ビデオ伸び計における系統的誤差及び決定論的誤差を軽減する。いくつかの例においては、誤差は試験プロセスの間にリアルタイムで補正される。
【0029】
本明細書で説明されるように、引張、圧縮、及び/又はねじりを加える材料試験システムを含む材料試験システムは、試験試料に応力を加える及び/又は試験試料上の応力を測定するために変位及び/又は耐荷重を生じる1つ以上の構成要素を含む。いくつかの例においては、ビデオ伸び計システムが試料歪み試験において採用され、この試験は、高解像度画像を収集すること、画像を画像プロセッサに提供すること、画像を分析して変位又は歪み値に対応する1つ以上の試料特性を特定すること、及び特性に対応する出力を生成することのうちの1つ以上を含むことができる。
【0030】
伸び計を採用するビデオ処理は、処理システム又はコンピューティングプラットフォーム及び/又はビデオ処理ハードウェアに接続された外部機械ビジョン撮像デバイスを含んでもよく、カメラからのデータを電気信号に変換する、又は材料試験システムと互換性のあるソフトウェアインターフェースを有する、ソフトウェア及び/又はハードウェアを使用することができる。
【0031】
本明細書で開示される、カメラベースの画像キャプチャー(例えばビジョン又はビデオ)システムを採用する画像デバイスは、試験試料上の歪みの測定のための材料試験システムにおいて実装される。かかるシステムは、供試試料の(すなわち試験プロセスの間の)複数の画像を収集し、これらの画像は、試験に関連する他の信号(例えば試料荷重、機械アクチュエータ及び/又はクロスヘッドの変位等)と同期される。試料の画像は、アルゴリズムによって(例えばリアルタイムで及び/又は試験後に)分析されて、試験の進行とともに特定の試料特性を見つけ出し追跡する。例えば、かかる特性のロケーション、サイズ、形状等の変化は、試料の変形が算出されることを可能とし、ひいては試料の歪みの分析及び算出に導く。
【0032】
したがって、本明細書で開示されるシステム及び方法は、ノイズ、遠近変動、及び/又は構成要素の配置及び/又は動作を含む、ビデオ伸び計システムにおける誤差を補償する。
【0033】
開示される例において、ビデオ伸び測定システムにおける試験プロセスの間の誤差を補正するシステムであって、システムは、試験試料を固定する、試験システムと、試験試料の表面の画像をキャプチャーするように配置された、撮像デバイスと、試験試料に関連する1つ以上のパラメーターを測定するように構成された、1つ以上のセンサと、処理システムであって、撮像デバイスから画像データを受信することと、1つ以上のセンサからセンサデータを受信することと、画像データ又はセンサデータを1つ以上のデータ閾値と比較することと、画像データ又はセンサデータが1つ以上のデータ閾値を超過していることに応答して、画像データ及びセンサデータに部分的に基づいて補正係数を算出することと、補正係数に少なくとも部分的に基づいて、撮像デバイス及びシステム構成要素の調節を指示することとを行う、処理システムとを備える、システム。
【0034】
いくつかの例において、システム構成要素は、能動的冷却器、アクチュエータ、又は撮像デバイス位置システムである。例において、撮像デバイスは、単一ビューカメラである。例において、撮像デバイスは、2つ以上のカメラである。
【0035】
いくつかの例において、センサは、加速度計、慣性測定ユニット、温度センサ、赤外線センサ、発光ダイオードセンサ、超音波センサ、又はレーザーによるセンサである。例において、1つ以上のパラメーターは、マーキングの形状若しくは位置、試験試料のエッジ位置、又は試験試料の幅のうちの1つ以上を含む。例において、補正係数は、ミリメートル、インチ、又は画素単位のうちの1つで表される。
【0036】
いくつかの例において、処理システムは、試験システム又は撮像デバイスのうちの1つ以上と通信するリモートコンピューティングプラットフォームに配置されている。例において、処理システムは、撮像デバイス又は試験システムのうちの1つと一体化されている。
【0037】
いくつかの開示される例において、ビデオ伸び測定システムにおける試験プロセスの間の誤差を補正するシステム、システムは、試験試料を固定する、試験システムと、試験試料の表面の画像をキャプチャーするように配置された、撮像デバイスと、ビデオ伸び測定システムに関連する1つ以上の動きパラメーターを測定するように構成された、1つ以上の動きセンサと、撮像デバイスの位置又は向きを調節する、1つ以上のアクチュエータと、処理システムであって、撮像デバイスから画像データを受信することと、1つ以上の動きセンサから振動測定値に対応するセンサデータを受信することと、画像データ又はセンサデータを1つ以上のデータ閾値と比較することと、センサデータが1つ以上のデータ閾値を超過していることに応答して、画像データ及びセンサデータに部分的に基づいて補正係数を算出することと、補正係数に少なくとも部分的に基づいて、撮像デバイスの位置又は向きを調節するように、1つ以上のアクチュエータに指示することとを行う、処理システムとを備える。
【0038】
いくつかの例において、1つ以上の動きセンサは、加速度計、慣性測定ユニット、振動センサ、又は傾斜センサを含む。例において、1つ以上の動きセンサは、1つ以上の画像センサの近傍に配置されて、1つ以上の画像センサにおける振動を監視及び測定する。
【0039】
いくつかの例において、1つ以上のデータ閾値は、1つ以上のデータ閾値振動値に対応し、処理システムは、画像データを、1つ以上の閾値振動値を超過する振動測定値と相関させるように更に動作可能である。例において、処理システムは、1つ以上の閾値振動値を超える相関データ点における画像データに補償係数を適用して、過剰振動を補正するように更に動作可能である。
【0040】
いくつかの例において、システムは、1つ以上のアクチュエータを制御するために、処理システムから命令を受信する駆動及び制御システムを備える。例において、アクチュエータ104は、機械的増幅器を有する圧電アクチュエータを含むことができる。
【0041】
いくつかの例において、測定及び補償算出を、撮像動作の間にリアルタイムで実行することができる。例において、能動的振動制御を、画像データ補償と協調して実装することができる。
【0042】
いくつかの例において、処理システムは、試験システム又は撮像デバイスのうちの1つ以上と通信するリモートコンピューティングプラットフォームに配置されている。例において、撮像デバイスは、2つ以上の撮像デバイスを含み、各撮像デバイスは、試験試料の表面の画像をキャプチャーするように動作可能である。
【0043】
次に図を参照する。図1は、機械的性質試験を受ける試験試料16の1つ以上の特性の変化を測定する一例示の伸び計システム10である。この例示の伸び計システム10は、例えば、試験試料16の機械的試験が可能な試験システム33に接続することができる。伸び計システム10は、例えば、圧縮強度試験、張力強度試験、剪断強度試験、曲げ強度試験、撓み強度試験、引き裂き強度試験、剥離強度試験(例えば、接着ボンドの強度)、ねじり強度試験、及び/又は他の任意の圧縮試験及び/又は張力試験を受ける試験試料16における変化を測定及び/又は算出することができる。加えて又は代わりに、材料伸び計システム10は、動的試験を行うことができる。
【0044】
開示される例によれば、伸び計システム10は、試験試料16を操作及び試験する試験システム33、及び/又は、図4に更に示すような、試験システム33、光源、及び/又は撮像デバイスに通信結合されたコンピューティングデバイス若しくは処理システム32を含むことができる。試験システム33は、荷重を試験試料16に印加し、試験試料16の変位及び/又は試験試料16に印加される力等の試験の機械的性質を測定する。
【0045】
伸び計システム10は、試験試料16を照明するリモート及び/又は一体型の光源14(例えば、LEDアレイ)及び/又は反射バックスクリーン18を含む。伸び計システム10は、処理システム32(図4も参照)及びカメラ又は撮像デバイス12を含む。図1の例は単一のカメラ12を示しているが、開示される例は複数のカメラ伸び計システム10に適用可能である。いくつかの例では、光源14及び撮像デバイス12は、赤外(IR)波長において送受信を行うように構成されるが、他の照明源及び/又は波長も同様に適用可能である。いくつかの例では、光源14又は撮像デバイス12の一方又は双方は、1つ以上のフィルター(例えば、偏光フィルター)、1つ以上のレンズを含む。いくつかの例では、試験試料16の1つ以上の特性、1つ以上のマーカー20(マーカーのパターンを含む)を識別する較正ルーチン(例えば、2次元較正ルーチン)が実行され、加えて、使用される。
【0046】
開示される例では、コンピューティングデバイス32は、試験システム33の構成、試験システム33の制御、及び/又は処理、表示、報告、及び/又は他の任意の所望の目的のために試験システム33からの測定データ(例えば、力及び変位等のトランスデューサ測定値)及び/又は試験結果(例えば、ピーク力、破断変位(break displacement)等)の受信を行うのに使用することができる。伸び計システム10は、Ethernet、アナログエンコーダー又はSPIを含む標準的なインターフェースを利用して試験システム33及びソフトウェアに接続する。これによって、専用の統合ソフトウェア又はハードウェアを必要とすることなく、デバイスを既存のシステムにプラグ接続し、既存のシステムによって使用することが可能になる。伸び計システム10は、リアルタイムの軸方向(axial)エンコーダー情報及び横方向エンコーダー情報又はアナログ情報を材料試験機械33に提供する。リアルタイムビデオ伸び計10及び材料試験機械33は、伸張(extension)/歪みデータを含むリアルタイム試験データを、有線通信チャネル及び/又は無線通信チャネルを介して構成することができる外部コンピューター32と交換する。伸び計システム10は、材料試験機械33において試験を受ける試験試料16からキャプチャーされる伸張/歪みデータの測定及び/又は算出を提供し、さらに、応力データ及び伸張/歪みデータをプロセッサ32に提供する。
【0047】
本明細書に開示されているように、キャプチャー画像は、撮像デバイスからプロセッサ32に入力される。プロセッサでは、1つ以上のアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルを使用して、試験試料16の複数の軸の伸張/歪み値(すなわち、試験試料16に貼付されたマーカー20の画像監視によって算出されるターゲット間距離の変化又は変化百分率)が算出される。計算の後、このデータは、メモリに記憶することもできるし、ネットワーク及び/又は1つ以上のディスプレイデバイス、I/Oデバイス等(図4も参照)に出力することもできる。
【0048】
図2は、図1の伸び計システム10において測定される一例示の試験試料16である。例えば、1つ以上のマーキング20(例えば、基準特徴)が、光源14及び撮像デバイス12の方向に向いている表面28に付着される。把持部26は、試験システム33(図4も参照)のグリップ内に配置されるように構成され、試験試料16に力を印加する。例えば、グリップが、試験試料16を握持しているか又は別の方法で試験システム33に結合している間、クロスメンバーローダー(cross-member loader)が力を供試試料16に印加する。モータ等の力アプリケーターが、クロスヘッドをフレームに対して移動させ、両方向矢印34によって示されるように試験試料16に力を印加する。把持部26を互いに引き離す力34は、試験試料16を引き延ばすことができ、その結果、マーキングは、第1の位置20Aから第2の位置20Bに移動する。加えて又は代わりに、マーキングは、形状又はサイズを変化させる場合があり、この変化も、キャプチャー画像を見ることで処理システム32によって測定することができる。力34は、試験試料のエッジも第1の位置22Aから第2の位置22Bに移動させることができる。例えば、第1の位置、すなわち初期位置において、エッジは幅24Aを有し、力34の印加時には幅24Bに減少する。
【0049】
キャプチャー画像に基づいて、処理システム32は、測定プロセスにおいて伸張/歪みを実施するように構成される。例えば、試験試料16における伸張/歪みを検出するために、処理システム32は、撮像デバイス12を介して提供される画像を監視する。処理システム32は、(例えば、クロスヘッドの移動の開始時における初期ロケーションと比較した)試験試料16のマーカー及び/又はエッジのうちの2つ以上のものの間の相対位置の変化を特定すると、処理システム32は、変化量を測定して、試験試料16における伸張及び/又は歪みの量を算出する。本明細書に開示されているように、マーカーは、光源からの光をカメラへ反射するように構成されるのに対して、バックスクリーンは、光を反射して、エッジ分析用のダークシルエットを生成する。
【0050】
本明細書に開示されているように、ビデオ伸び計システム10は、不透明試験試料16の光学的幅測定を行うように構成される。撮像デバイス12は、撮像デバイス12の方向を向いている試験試料16の表面28を観察するように配置される。表面28は、撮像デバイス光学機器類(例えば、図3参照)の焦平面の近くに位置する。
【0051】
図3に示されるように、ビデオ伸び計システム10は、軸方向歪み(試験試料16の前面28にあるマーカー20及び/又はマーカーのパターンの変化に基づく)、及び横方向歪み(試料16の幅の変化から算出される)の一方又は双方を測定するように配置されている。ビデオ伸び計システム10の構成要素は、各構成要素の他の構成要素に対するロケーションが概略的なものである図3の上面斜視図に示されている。図示するように、構成要素は、物理的な試験中に(例えば、規則的な間隔で、連続して、及び/又は時間、力、若しくは他の適した試験特性に関連付けられた1つ以上の閾値に基づいて)試験試料16の1つ以上の画像をキャプチャーするように構成される撮像デバイス12(例えば、ビデオカメラ)を含む。
【0052】
図示されるように、撮像デバイス12と試験試料16とは、作業距離又はZ軸方向の距離39をおいて配置され、この作業距離又はZ軸方向の距離39は、試験プロセスの間、静的であってもよく、予め決定されていてもよく、及び/又は変化してもよい。
【0053】
試験試料16は、試験試料16の前向きの表面28(及び/又は対向する表面)上の適切なマーク又は基準特徴20を特徴とする。ビデオ伸び計システム10に関連した1つ以上の画像の分析は、処理システム32を介して実施され、試験試料16のマーキング20及び試験試料のエッジ22の双方を試験プロセス中に連続して追跡及び測定することを可能にする識別アルゴリズムが実行される。
【0054】
図示された例においては、撮像デバイス12は、単一の光軸50を有する単一ビューカメラである。いくつかの例においては、2つ以上の撮像デバイスが採用されてもよく、これらは、試験試料16の異なる視野角で配列及び/又は配置されてもよい。ステレオ撮像構成を採用することにより、試験試料16の複数の寸法の遠近及び/又は深さに関連する測定変数もまた、試験試料16の特性を更に較正及び/又は測定するために使用され得る。
【0055】
いくつかの例においては、1つ以上のエッジの測定値及び/又は位置は、撮像デバイス12によってキャプチャーされる画素座標で提供される。これに加えて又は代替としては、1つ以上のエッジの測定値及び/又は位置は、メートル等の他の標準的な座標系/単位で提供される。かかる例においては、測定に先立って試験システム内の試験試料の絶対配置及び/又は相対配置及び/又は寸法を決定するために、較正プロセスが実装されてもよく、試験プロセス中に、同様の座標系/単位が採用されてもよい。
【0056】
図4は、図1の一例示の伸び計システム10のブロック図である。図1に示すように、伸び計システム10は、試験システム33及びコンピューティングデバイス32を含む。例示のコンピューティングデバイス32は、汎用コンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットコンピューター、モバイルデバイス、サーバー、オールインワンコンピューター、及び/又は他の任意のタイプのコンピューティングデバイスとすることができる。図4のコンピューティングデバイス32は、プロセッサ202を備え、プロセッサ202は、汎用中央処理装置(CPU:central processing unit)とすることができる。いくつかの例では、プロセッサ202は、FPGA、ARMコアを有するRISCプロセッサ、画像処理装置、デジタル信号プロセッサ、及び/又はシステムオンチップ(SoC)等の1つ以上の専用処理装置を含むことができる。プロセッサ202は、プロセッサにおいて(例えば、内蔵キャッシュ又はSoCに)、ランダムアクセスメモリ206(又は他の揮発性メモリ)に、リードオンリーメモリ208(又はフラッシュメモリ等の他の不揮発性メモリ)に、及び/又はマスストレージデバイス210にローカルに記憶することができる機械可読命令204を実行する。例示のマスストレージデバイス210は、ハードドライブ、ソリッドステートストレージドライブ、ハイブリッドドライブ、RAIDアレイ、及び/又は他の任意のマスデータストレージデバイスとすることができる。バス212は、プロセッサ202、RAM206、ROM208、マスストレージデバイス210、ネットワークインターフェース214、及び/又は入力/出力インターフェース216間の通信を可能にする。
【0057】
一例示のネットワークインターフェース214は、コンピューティングデバイス201を、インターネット等の通信ネットワーク218に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインターフェース214は、通信を送信及び/又は受信するために、IEEE 202.X準拠無線及び/又は有線通信ハードウェアを含むことができる。
【0058】
図4の一例示のI/Oインターフェース216は、プロセッサ202に入力を提供する及び/又はプロセッサ202から出力を提供するために、1つ以上の入力/出力デバイス220をプロセッサ202に接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、I/Oインターフェース216は、ディスプレイデバイスとインターフェース接続する画像処理装置、1つ以上のUSB準拠デバイスとインターフェース接続するユニバーサルシリアルバスポート、FireWire(登録商標)、フィールドバス、及び/又は他の任意のタイプのインターフェースを含むことができる。例示の伸び計システム10は、I/Oインターフェース216に結合されたディスプレイデバイス224(例えば、LCDスクリーン)を備える。他の例示のI/Oデバイス(複数の場合もある)220は、キーボード、キーパッド、マウス、トラックボール、ポインティングデバイス、マイクロフォン、オーディオスピーカー、ディスプレイデバイス、光メディアドライブ、マルチタッチタッチスクリーン、ジェスチャー認識インターフェース、磁気メディアドライブ、及び/又は他の任意のタイプの入力及び/又は出力デバイスを含むことができる。
【0059】
コンピューティングデバイス32は、I/Oインターフェース216及び/又はI/Oデバイス(複数の場合もある)220を介して非一時的機械可読媒体222にアクセスすることができる。図4の機械可読媒体222の例は、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイル/ビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク等)、磁気メディア(例えば、フロッピーディスク)、ポータブル記憶媒体(例えば、ポータブルフラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード等)、及び/又は他の任意のタイプの取り外し可能及び/又はインストール済み機械可読媒体を含む。
【0060】
伸び計システム10は、コンピューティングデバイス32に結合された試験システム33を更に備える。図4の例では、試験システム33は、USBポート、Thunderboltポート、FireWire(登録商標)(IEEE 1394)ポート、及び/又は他の任意のタイプのシリアル又はパラレルデータポート等のI/Oインターフェース216を介して、コンピューティングデバイスに結合される。いくつかの例では、試験システム33は、直接又はネットワーク218を介して、有線又は無線接続(例えば、Ethernet、Wi-Fi等)を介してネットワークインターフェース214及び/又はI/Oインターフェース216に結合される。
【0061】
試験システム33は、フレーム228と、ロードセル230と、変位トランスデューサ232と、クロスメンバーローダー234と、材料固定具236と、制御プロセッサ238とを備える。フレーム228は、試験を実行する試験システム33の他の構成要素の剛性構造支持を提供する。ロードセル230は、グリップ248を介して、クロスメンバーローダー234によって供試材料に印加された力を測定する。クロスメンバーローダー234は、供試材料に力を印加し、一方、材料固定具236(グリップとも称される)は、供試材料を握持するか、又は別の方法で供試材料をクロスメンバーローダー234に結合する。例示のクロスメンバーローダー234は、モータ242(又は他のアクチュエータ)及びクロスヘッド244を備える。本明細書において使用される場合、「クロスヘッド」は、方向(軸方向)力及び/又は回転力を試料に印加する材料試験システムの構成要素を指す。材料試験システムは、1つ以上のクロスヘッドを有することができ、クロスヘッド(複数の場合もある)は、材料試験システムにおいて任意の適切な位置及び/又は向きに配置することができる。クロスヘッド244は、材料固定具236をフレーム228に結合し、モータ242は、クロスヘッドをフレームに対して移動させ、材料固定具236を位置決めし及び/又は力を供試材料に印加する。伸び計システム10の構成要素の力及び/又は動きを提供するのに使用することができる例示のアクチュエータは、電気モータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、圧電アクチュエータ、リレー、及び/又はスイッチを含む。
【0062】
例示の試験システム33は、サーボモータ又は直接駆動リニアモータ等のモータ242を使用するが、他のシステムは、異なるタイプのアクチュエータを使用することができる。例えば、油圧アクチュエータ、空気圧アクチュエータ、及び/又は他の任意のタイプのアクチュエータをシステムの要件に基づいて使用することができる。
【0063】
例示のグリップ236は、試験されている機械的性質及び/又は供試材料に応じて、圧縮プラテン、掴み具(jaws)又は他のタイプの固定具を含む。グリップ236は、手動による構成、手動入力を介した制御、及び/又は制御プロセッサ238による自動制御を行うことができる。クロスヘッド244及びグリップ236は、オペレーターがアクセス可能な構成要素である。
【0064】
伸び計システム10は、1つ以上のモードスイッチ252を備える1つ以上の制御パネル250を更に備えることができる。モードスイッチ252は、ボタン、スイッチ、及び/又はオペレーター制御パネル上に配置される他の入力デバイスを含むことができる。例えば、モードスイッチ252は、クロスヘッド244をフレーム228上の特定の位置にジョグさせる(例えば、位置決めする)ようにモータ242を制御するボタン、空気圧グリップ248を開閉するようにグリップアクチュエータ246を制御するスイッチ(例えば、フットスイッチ)、及び/又は試験システム33の動作を制御する他の任意の入力デバイスを含むことができる。
【0065】
例示の制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス32と通信し、例えば、コンピューティングデバイス32から試験パラメーターを受信し、及び/又は測定値及び/又は他の結果をコンピューティングデバイス32に報告する。例えば、制御プロセッサ238は、コンピューティングデバイス32との通信を可能にする1つ以上の通信インターフェース又はI/Oインターフェースを含むことができる。制御プロセッサ238は、印加される力を増加又は減少させるようにクロスメンバーローダー234を制御することができ、供試材料を握持又は解放するように固定具(複数の場合もある)236を制御することができ、及び/又は変位トランスデューサ232、ロードセル230及び/又は他のトランスデューサから測定値を受信することができる。
【0066】
例示の制御プロセッサ238は、試験試料16が試験システム33において試験を受けているときに伸張/歪み測定プロセスを実施するように構成される。例えば、試験試料16における伸張/歪みを検出するために、制御プロセッサ238は、撮像デバイス12を介して提供される画像を監視する。制御プロセッサ238が、(例えば、クロスヘッド244の移動の開始時における初期ロケーションと比較した)試験試料16のエッジ22のロケーション及び/又は位置の変化を特定すると、制御プロセッサ238は、変化の量を測定して試験試料16における伸張及び/又は歪みの量を算出する。例えば、撮像デバイス12によって提供されるリアルタイムビデオが、伸張/歪みをリアルタイムで算出するために、エッジ22の絶対位置をキャプチャーし、いくつかの画像にわたってそれらの相対移動を監視する。応力データ及び歪みデータは、リアルタイムビデオ伸び計10、試験システム33及び処理システム32の間で交換され、通常は編成され、ディスプレイデバイス224を介して表示される。
【0067】
流体送達、振動制御、振動補償、彩度制御
流体送達
いくつかの例示のシステムは、撮像デバイス又はカメラ、照明、試験プラットフォーム、及び試料を含む環境中で動作する。システムの動作は、熱を発生させ、及び/又は環境から熱を受け、そのことが、試験環境内における温度差に帰着し得る。例えば、レンズ近傍の空気内に(及び/又はレンズと試験試料との間の1つ以上のロケーションにおいて)熱境界層が形成され、レンズの直前の領域において(及び/又はレンズと試験試料との間の1つ以上のロケーションにおいて)空気が変化する密度を有することに帰着し得る。このことは次いで、撮像動作の間に光の歪曲効果(例えば「蜃気楼」誤差、光の屈折等)に起因する測定誤差の可能性を増大させる。
【0068】
いくつかの開示される例においては、図5(A1)に示されるように、指向性ガス出口64(例えば流体吐出デバイス、空気/ガスノズル、空気/ガスナイフ等)が、流体源62から1つ以上のガス/流体を提供して、空気及びその結果の熱境界層(高温及び/又は低温)を置換し、軽減し、調整し、及び/又は流す。このようにして、ガス出口64は、レンズの前方の空気を試験領域中の環境空気と混合することができる。その結果、空気密度の変動(例えば温度差)が小さくなり、蜃気楼誤差の可能性を低減させる。
【0069】
いくつかの例においては、(レンズにおいて又はその近傍において、レンズと試験試料との間において等)空気を移動させる及び/又は混合することによって、ガス出口64の採用が、撮像動作の間に観察されるノイズに関連する周波数を増大させることができる。増大した周波数は、処理されたデータ(例えば撮像測定値等)からノイズの影響を除去するための、容易化されたフィルタリング(例えばデジタルフィルター、ソフトウェア及び/又はハードウェアフィルター等を介して)を可能にする。
【0070】
いくつかの例においては、ガス出口64の採用は、閾値量の周囲温度内の温度でガス/空気を適用することによるものを含む、様々な温度の空気を再分配するのに役立つ。さらに、ガス/空気の適用は、レンズに付着し得る埃、微粒子、凝縮物、及び/又は他のオブジェクト(例えば虫)をレンズから洗い落とすことができる。
【0071】
能動的振動制御-A
いくつかの例示のシステムは、冷却ファン、更にはカメラ、照明、試験プラットフォーム及び試料等のシステム構成要素の動作に影響を与え得る外部ソースを含む環境において、動作する。システムの動作は、振動をもたらし得るものであり、その結果、試験プロセスの間に、試料に対する画像センサ/レンズの動きに帰着する場合があり、このことが次いでノイズの多い画像データに帰着する。試験データに著しい影響を与えるものは、コモンモード効果を生じない振動モードである。
【0072】
開示される例においては、図5(A2)に示されるように、画像センサ70に局所的な振動を軽減し、それによって画像信号上の振動及び/又は誘導ノイズを低減するため、能動的振動キャンセルユニット68がシステム内に装着されてもよい。
【0073】
いくつかの例においては、1本以上の直線軸及び/又は回転軸が、測定及び/又は軽減されてもよい。例えば、(例えば加速度、光学調節等を測定するために)1つ以上のセンサが採用されてもよく、監視される軸の各々における振動に応答するために複数の関連するアクチュエータを有してもよい。
【0074】
代替の又は追加的な例においては、能動的振動キャンセルモジュールとともに(又はその代わりに)、同調質量ダンパーシステム(例えば受動システム)が採用されてもよい。
【0075】
能動的振動制御-B
追加的な又は代替の例においては、図5(A3)に示されるように、画像センサ70が装着されるPCB66は、それ自体が別の基板72又はハウジング壁に装着される。能動的振動キャンセルユニット68は、PCB66、PCB装着ファスナー74に、及び/又はPCB66とPCB装着ファスナー74との間に装着されてもよい。開示される例によれば、能動的振動キャンセルユニット68は、(例えば動きセンサフィードバック等に基づいて)振動に応答して、画像センサ70に局所的な振動を軽減し、画像信号上の誘導ノイズを低減することができる。
【0076】
さらに、いくつかの例においては、能動的振動キャンセルユニット68は、同調質量ダンパーシステムと同時に動作してもよく、及び/又は同調質量ダンパーシステムによって置き換えられてもよい。本明細書において使用される場合、同調質量ダンパーシステム(例えば高調波吸収器又は耐震ダンパー)は、PCB66及び/又は基板72に接続する又は他の方法で装着することができ、振動を低減するために使用される、デバイス又はシステムである。同調質量ダンパーシステムは、動作の間のシステムの共振周波数と同様に調整された振動周波数を有する、減衰ばねに装着された質量要素を含んでもよい。
【0077】
能動的振動補償
追加的な又は代替の例においては、図5(A4)に示されるように、動きセンサ76(例えば慣性測定ユニット、加速度計等)は、画像センサ70の近傍(例えばPCB66の共通の表面上、反対側の表面上等)に配置される等して、PCB66に装着されてもよい。いくつかの例においては、動きセンサ76からの測定値は、制御回路部又は他のプロセッサ(例えば処理システム32、プロセッサ202、制御プロセッサ238等)に提供される。処理システム32は、撮像プロセスのタイミングを、動きセンサ76からの測定値に相関させる。動きセンサ76からの測定値が、例えばフィルター閾値(例えば物理的な動き、データ/画像収集の許容誤差等に基づくもの)を超える場合に、処理システム32が、ファームウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア手法等によって、過剰な動きによる誤差を補償してもよい。
【0078】
照明補償
いくつかの例示のシステムは、特定の照明基準を満たすようにシステムに照射される照明を最適化するように構成される。例えば、試験試料への十分な照明は、撮像動作の間のノイズ及び/又は撮像誤差を低減させる。
【0079】
いくつかのシステムにおいては、照明の量(例えば強度、彩度のレベル等)が固定され、光源の手動調節に制限され、及び/又は撮像動作の間に調節できないものとされる。以上の制限により、例えば画像の彩度を含む最適でない照明条件により、画像の精度及び正確性の低下が生じ得る。
【0080】
これらの欠点に対処するために、開示されるシステムは、図5(A5)に示されるように、試験動作の開始に先立って、各試験試料16の画像の彩度を測定するように構成されている。画像動作が進行するにつれて、画像データが分析され(例えば画像センサ70を介してカメラ12において、処理システム32において等)、1つ以上の閾値(例えば画像における光強度等)と比較される。閾値を超過していることに応答して、光源14Aの強度は、供試試料に対して所望のレベルの画像の彩度を提供するように、自動的に調節されてもよい。いくつかの例においては、光強度を測定するために1つ以上の感光センサが採用され(例えば試験試料16において、カメラ12において等)、この感光センサは、光源についての調節値を決定するために処理システム32によって採用されてもよい。
【0081】
Z軸方向の動き
いくつかのビデオ伸び計システムにおいては、カメラから測定されている試料までの光軸は「Z軸」と呼ばれ、試験試料はX-Y平面中で撮像される。エントセントリックレンズを使用する場合、カメラと試験試料との間の距離の測定される変化が、試験試料の撮像される寸法を変化させることとなる。複数の基準特徴(例えば2点、4点等)間の変位を測定するビデオ伸び計の場合、試料のZ軸方向の位置の変化が、試験動作に関連しない基準点間の撮像される寸法の変化を引き起こすこととなり、例えば、歪み測定における誤差に導く。しかしながら、開示される例は、Z軸方向の誤差に関連する誤差を低減及び/又は除去する複数の方法及びシステムを提供する。
【0082】
テレセントリックレンズ
いくつかの例示のシステムにおいては、ビデオ伸び計システムは、角度視野を有する1つ以上の従来の光学レンズを採用する。その結果、撮像は視差誤差に悩まされ、測定されている試験試料の倍率を、そのオブジェクトがレンズに向かって又はレンズから遠ざかるように動くにつれて、増大又は減少させ得る。開示される例においては、1つ以上のテレセントリックレンズを採用するビデオ伸び計システムは、非角度的な一定の視野を有することによって、この誤差を軽減する。
【0083】
いくつかの開示される例においては、ビデオ伸び計システムは、2つ以上のカメラを採用し、少なくとも一方のカメラは、比較的小さな視野(50mm~90mm、例えば図7(C6)のカメラ12B)を有するテレセントリックレンズが嵌合される。別のカメラ(複数の場合もある)(例えば図に示されるようなカメラ12)は、異なる視野を有するエントセントリックレンズを採用し、この視野は、テレセントリックレンズに関連する視野よりも大きくてもよい。
【0084】
撮像動作の間、試験試料のZ軸方向の動きによって生じる誤差は、一般的に、試験プロセスの初期段階において(後の段階とは反対に)、より顕著である。開示されるシステムにおいては、テレセントリックレンズを使用する第1のカメラは、Z軸方向の動きによって引き起こされる画像寸法の変化(例えば1つ以上の基準特徴に関して)を経験しないこととなる。試験試料に加えられる歪みが増大するにつれて(例えば閾値量の歪み、試験試料の膨張、時間を超えたとき、及び/又は指示に応答して)、システムは、エントセントリックレンズを採用する残りのカメラで取得される測定値を使用する分析に移行する。
【0085】
投影されるパターン
いくつかの例においては、ビデオ伸び計システムは、試験試料の変形とは独立した試験試料の特徴に関連する変化を分析することによって、Z軸方向の動きを測定してもよい。例えば、画像又は他の特徴が、供試試料の表面上に投影されてもよい。例えば、レーザー78及び/又は他のタイプの投影器が、図6(B1)に示されるように特徴(例えばドット、線、パターン等)を投影してもよい。レンズ15及び画像センサ70は、投影された光と試験試料の表面との間の既知の角度αを使用すること等によって、投影された特徴の変化及び/又は変位を測定することによって、Z軸方向の動きを測定することができる。
【0086】
例えば、システム10は、試験システム10の配置の1つ以上の特徴を測定するために、センサ70を採用してもよい。例えば、センサ70は、撮像デバイス12と試験試料16との間のZ軸に沿った測定距離を感知するために、1つ以上の手法(例えば赤外(IR)光、発光ダイオード(LED)出力、超音波センサ、構造化光撮像、飛行時間算出、レーザーによるセンサ等)を採用してもよい。その結果は、分析のために、センサ70からプロセッサ回路部又はコンピューティングデバイス(例えばインターフェースを介した処理システム32)に送信されてもよい。処理回路部は次いで、Z軸上の差に基づいて補正係数を生成し適用してもよい。
【0087】
したがって、カメラ12、画像センサ70、及び処理システム32は、試験試料の基準特徴の追跡と、投影された特徴/パターンの測定値の処理との両方のために利用することができる。Z軸方向の動きの量を決定するため、投影された特徴の変化が、処理システム32において算出されてもよい。次いで、誤差補正値が算出及び/又は決定され(例えば補償係数に対する対応するZ軸方向の変化のリストを参照すること等によって)、基準特徴(複数の場合もある)に対するそれぞれの変化に関連する測定値に適用されて、試験結果を改善することができる。
【0088】
構造化照明投影器
一例においては、試験試料の表面上に所定のパターンを投影するために、投影法(例えばデジタル光処理投影器)が採用されてもよい。撮像動作の間、試料のZ軸方向の動きが、パターン(例えばグリッド、平行線の集合等)の歪みに帰着することとなる。それゆえ、パターンの幾何学的な変形を撮像及び測定することが、Z軸方向の動きに関連するデータを提供する。有利にも、変形は、試験試料の反り等の、試験動作の間の他の変形に関連する情報を提供することができる。
【0089】
レーザー三角測量センサ
いくつかの開示される例においては、図6(B2)に示されるように、試験試料16のZ軸方向の動きを検出するために、レーザー三角測量センサ(複数の場合もある)88が採用される。例えば、レーザー光源82は、1つ以上のレンズ84を介して試験試料16に向けられた、レーザー光87を生成してもよい。反射されたレーザー光87Aは受光素子88(例えば感光センサ)において受光され、この受光素子88はZ軸方向の動きの大きさに比例した信号を生成するように構成されている。受光素子88からの信号は、処理システム32において分析されて、この動きを補正するための補償係数を算出する。
【0090】
例えば、受光された光の1つ以上の特性(例えば位相、強度、周波数等)が、Z軸方向の変化に相関させられてもよい。
【0091】
基準オブジェクト
いくつかの例示のシステムにおいては、図6(B3)に示されるように、基準スケールオブジェクト90が、試験試料16とともに及び/又は試験試料16の近傍に位置決めされてもよい。試験試料16が試験されるとき、基準特徴14の絶対位置及び/又は相対位置は変化するが、基準スケールオブジェクト90及び関連する基準特徴14Aは静止したままである。画像センサ70は、撮像動作の間に試験試料16及び/又は基準スケールオブジェクト90上のデータをキャプチャーすることができる。
【0092】
例えば、基準スケールオブジェクト90の絶対サイズ及び/又は相対サイズのいずれの変化も、Z軸方向の動きによって引き起こされるものであり、これは算出及び補正することができる。さらに、Z軸方向の変化が試験試料16において検出されるが基準スケールオブジェクト90においては検出されない場合、2つのオブジェクト間の相対的な変化は試験試料16に対するZ軸方向の変化を示すものであり得るが、これは処理システム32を介して算出することができる。
【0093】
複数のカメラ
高精度の結果を提供するツールとして、ビデオ伸び測定システムは複数の課題に直面している。一般的に、伸び測定試験の間の歪み算出は、試験の間に取得される測定値が、試験試料に対する(しばしば2次元的な)変化の正確な測定値であることを前提としている。これらの寸法は、試料の形状が軸方向の寸法(X軸)及び横方向の寸法(Y軸)においてどのように変化するかということである。ビデオ伸び測定においては、試料におけるX軸及びY軸に対する変化を直接に観察するために、カメラを位置させて試験試料の表面に焦点を合わせることによって、カメラが2次元的な測定値を提供する。
【0094】
しかしながら、実際の試験環境においては、X及びY方向の測定値の精度に影響を与え得るZ軸に対する(例えばカメラから試験試料までの距離)の変化もあり得る。
【0095】
例えば、図7(C7)に示されるように、試験の開始の前に試験試料16が設置される場合、カメラ12が最後に較正されたZ方向の距離39Aとは異なる、カメラ12からのZ方向の距離39Bにおいて、試験試料16が位置させられ得る。試験の開始の前に試験試料が設置される場合、図7(C8)に示されるように、試験試料が完全に垂直とならないように設置され、それによって、試験試料の上部97Aとその下部97Bとがカメラからそれぞれ異なるZ方向の距離39C、39Dにあることとなり得る。試験の開始時に、試験試料自体が、試験試料の面全体にわたって一貫したZ方向の距離/形状を有していないこともあり得る。例えば、試験試料がどのように作製されたかによって、又は試験の設定中に誘発された物理的応力によって、中央部が反り返ったものとなり得る。追跡されている基準特徴が較正平面に対してZ軸方向に動くとき、遠近誤差(例えばファントム歪み)に帰着し得る。かかる遠近誤差は、特に歪みの小さい領域(例えば比較的硬い材料の弾性領域)において、真のデータより優位となり、不正確な測定値に導き得る。
【0096】
試験の間、物理的条件、試験条件に対する試料の応答、試験構成要素の作用(例えば試料を保持するグリップとの相互作用)等の1つ以上の要因が、試験試料の一部又は全てがZ軸方向に変化することに導き得る。
【0097】
いくつかの例においては、ビデオ伸び測定システムにおいて、精度と視野とのバランスがある。ビデオ伸び測定のために使用されるカメラは、或る特定の一定の内在する画像解像度を有する。この解像度は、画像から算出される2次元的な測定値の精度に影響を与えることとなる。システムにおいて使用されるレンズは、この内在する一定の画像解像度を、試験空間の視野にマッピングすることができる。視野のサイズを増大させる倍率を使用することは、精度の低下とのトレードオフの関係にある。
【0098】
試験が進行するにつれて、いくつかの試料は、試験の間に十分に著しく変化し(例えば1つ以上の寸法の増大)、試験の終了時には、試料全体をカバーするのに必要とされる視野が、試験の開始時における視野よりもかなり大きくなり得る。このことは、いわゆる「高伸長性の」材料によく起きるが、様々な材料に当てはまり得る。
【0099】
いくつかの材料試験は、試験の終了時におけるよりも試験の開始時におけるほうが、精度に対する必要性が高い。しかしながら、ビデオ伸び測定システムが試験全体のより大きな視野をカバーする必要性が、試験の開始時におけるより小さな視野に焦点を当てられる場合に比べて、利用可能な測定精度を制限する。
【0100】
これらの及び他の誤差の原因に対処するため、歪みを測定するための、複数のカメラを採用すること等の種々のシステム構成が開示されている。
【0101】
いくつかの例においては、複数カメラのビデオ伸び測定システム10は、1つ以上の前向きカメラ及び1つ以上の横向きカメラを採用する。図7(C1)の例においては、本明細書で開示されるように、前向きカメラ12は、基準特徴20の変化を測定するために使用される。横向きカメラ12Aは、カメラ12と試験試料16との間のZ軸39方向の変化を追跡するために追加される。
【0102】
このようにして、横向きカメラ12Aは、前向きカメラ12に近づく又は前向きカメラ12から遠ざかる試験試料16の移動を追跡することができる。試験試料16は、試験動作の間に傾き、試験試料の第1の部分又は上側部分と第2の部分又は下側部分とが、前向きカメラ12からの異なるZ方向の距離(例えば試験の間の一定な又は変化する角度)を有するが、第1の部分と第2の部分との間の線形関係を維持するようになり得る。
【0103】
いくつかの例においては、試験試料16の形状は、試験の間にZ軸39方向に変化し得るものであり、それにより、試験の間に試料の形状が内側に又は外側に反り、及び/又は反った状態で開始したが試験の間に形状が真っ直ぐになり得る。
【0104】
いくつかの例においては、横向きの測定は、限定するものではない例のリストとして、試験に先立つ及び/又は試験後の動作の精度を有効化及び/又は無効化することと、設置をガイドするために、試料をロードしている間にオペレーターにインタラクティブな情報を提供することと、試験が完了した後に前向きカメラによって生成された位置データを補正(又は補償)することと、試験動作の間にリアルタイムで前向きカメラによって生成された位置データを補正(又は補償)することとを行うために使用され、及び/又は、直接の又はシルエットの画像キャプチャーのための前方又は後方の照明スキームを用いて構成されてもよい。例えば、試験試料16の歪みを測定するために、前向きカメラ12及び後向きカメラ12Aの両方からの測定値が、処理回路部32に提供されてもよい。
【0105】
いくつかの例においては、図7(C2)の例に示されるように、ビデオ伸び測定システム10は、同様の撮像及び/又は感知能力を有する2つ以上の前向きカメラ12、12Bを採用し、各カメラは、互いからわずかにオフセットされた角度で装着されるが、(例えば試験試料16の)同じ視野を有する。図7(C2)は、2つのカメラを採用することを示しているが、追加的なカメラ(例えば3つ、4つ又はそれ以上)が含まれてもよい。例えば、各カメラは、様々な距離において、別のカメラ及び/又は試験試料に対する様々な角度で配置することができ、及び/又は様々な光学特性(例えば焦点、倍率、屈折力等)を有することができる。
【0106】
この例においては、複数のカメラは、例えばオフラインの3次元(3D)デジタル画像相関(DIC)画像分析のためのステレオ画像を収集することが可能である。例えば、第1のカメラを使用して、X-Y平面中の基準特徴位置を撮像し、第2のカメラ(及び/又は3つ以上のカメラ)からの画像を使用して、クロスチェックとしてZ軸方向の動きを確立してもよい。クロスチェックは、X-Y平面中の基準特徴位置の変化を補正及び/又は補償するように、処理回路部(例えば処理システム32)及び/又はオペレーターにフィードバックを提供することができる。
【0107】
いくつかの例においては、リアルタイムの3D基準特徴追跡のために、3Dステレオ画像を収集するために、2つ以上のカメラが同時に採用される。例えば、各カメラからのビューを使用して、カメラの較正をクロスチェックし、較正を確認するよう通知する及び/又は必要とされる再較正を通知することができる。図7(C3)の例に示されるように、視野95Aと視野95Bと(それぞれ上側部分97A及び下側部分97Bに対応する)の間の重なりは、ノイズをアルゴリズム的にフィルタリングするためのデータを追加的に提供し、それによって撮像精度を向上させることができる。
【0108】
いくつかの例においては、図7(C6)に示されるように、2つの前向きカメラ12、12Bが採用され、第1のカメラ12は広い視野95Cを有し、第2のカメラ12Bは第1のカメラの視野内に含まれる狭い視野95Dを有する。
【0109】
第1の広い視野のカメラは、試験動作の間の試料の動きの全範囲を包含するように構成されるが、第2のカメラに比べて解像度は低い。かくして、第2の狭い視野のカメラは、試験の開始時において試料のゲージ長部分の比較的高解像度のビューを提供するが、その一部は試験の間にこのカメラの視野の外へと移動し得る。
【0110】
第1のカメラ及び第2のカメラからの画像データを組み合わせることは、試験試料が変化するときの画像キャプチャーを最適化し、特に高伸長性の試料の場合、試験の間の画像解像度及び変位精度を、測定が維持することを可能にする。
【0111】
さらに、各視野の重なる部分を比較することが、Z軸方向の補正を提供する。例えば、重なる部分及び関連するZ軸方向の補正は、初期の試料のロード及び試験の間のZ軸方向の動きの部分の高解像度撮像を提供する。
【0112】
いくつかの例においては、図7(C3)の例に一般的に示されているように、2つ以上の前向きカメラ12、12Bが採用され、第1のカメラ12が、試験空間(又は試験試料)の第1の部分又は上側部分97Aの50%よりもわずかに大きい部分をカバーする第1の視野95Aを有し、第2のカメラ12Bが、試験空間(又は試験試料)の第2の部分又は下側部分97Bの50%よりもわずかに大きい部分をカバーする第2の視野95Bを有し、第1の視野と第2の視野との間に或る程度の重なりがある。
【0113】
この例においては、第1の視野及び第2の視野の使用が、高伸長性の試料を測定することができる距離の量をほぼ2倍にする。
【0114】
さらに、2つのカメラ間の2つの視野の重なる部分は、或る量のステレオビジョンを提供し、本明細書に開示されるように、Z軸方向の測定、及びそれゆえ補正を容易化する。重なりの部分はZ軸方向の動きについての情報を提供し、この情報が試験試料のロード及び/又は試験の間の測定及び/又は補正を可能にする。
【0115】
いくつかの例においては、システムをより多くのカメラ(例えば3つ、4つ又はそれ以上のカメラ)に拡張し、各隣接する視野の間に或る程度の重なりを持たせることによって、より大きな伸長変位試料をカバーすることができる。
【0116】
いくつかの開示される例においては、図7(C2)の例に示されるように、複数(例えば2つ以上)の前向きカメラが採用され、1つ以上のカメラはその視野を調節するように構成される。この調節は、自動的なものであってもよく、及び/又は(例えばセンサ測定値に応答して)オペレーターによって指示されてもよく、較正ステップ中に及び/又は試験プロセスの間にリアルタイムで、組み込むことができる。
【0117】
視野に対する調節は、限定するものではない例のリストとして、カメラ倍率、カメラ又はレンズの位置及び/又は向き(例えば垂直及び/又は水平の位置決め)に対する変更のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0118】
いくつかの例においては、各カメラは、単一の基準特徴(例えばマーキング、ドット等)を追跡するように焦点を合わせられてもよい。各基準特徴は、試験の間に動く及び/又は変化する基準特徴の位置を高精度で追跡するために、高解像度(例えばカメラ又は関連する光学系によって提供される最大値)で撮像されることとなる。
【0119】
試料のタイプ及び/又は材料試験の必要性に依存して、システムは、(例えば光学的に及び/又は物理的に)調節のために構成された単一のカメラを採用してもよく、他方のカメラは固定される(例えば固定された倍率、位置、及び/又は向き)。いくつかの例においては、各カメラは、本明細書に開示されるように、調節のために構成される。いくつかの例示のシステムは、第2のカメラを採用することなく、調節(例えば倍率、位置、及び/又は向き)のために構成された単一のカメラを採用してもよい。
【0120】
2つ以上の前向きカメラが採用されるいくつかの例においては、第1のカメラが、試験空間(又は試験試料)の第1の部分又は上側部分をカバーする第1の視野を有し、第2のカメラが、試験空間(又は試験試料)の第2の部分又は下側部分をカバーする第2の視野を有し、第1の視野と第2の視野との間には重なりがない。
【0121】
いくつかの例においては、第1のカメラ及び第2のカメラの各々は、それぞれ固有の第1の基準特徴21A又は第2の基準特徴21Bに焦点を合わせられることとなる。例えば、第1の基準特徴21Aは上部97Aに位置し、第2の特徴21Bは底部97Bに位置する。
【0122】
各基準特徴は、較正段階及び/又は試験プロセスの開始時に、(試験空間及び較正手順の制限内で)他の基準特徴に対して特定の特性(例えばサイズ、形状、ロケーション、位置等)を有し得る。このことは、比較的大きな初期ゲージ長を有する試験試料に対して、高い解像度及び精度を提供することとなる。各カメラからの測定値は次いで、カメラ間の所定の関係(例えば試験環境における配置)を考慮した分析のため、プロセッサ(例えば処理システム32)に提供されてもよい。
【0123】
いくつかの例においては、複数の視野が単一のカメラによってキャプチャーされて、レンズ、カメラ、及び/又は画像センサの複数のセットを採用する必要性及び/又は費用なしに、複数のカメラを採用するシステムに関連する同様の及び/又は種々の利点を提供してもよい。
【0124】
例においては、図7(C4)に示されるように、1つ以上の外部ミラー92が、試験試料16及び/又はカメラ12の周りに配置される。1つ以上のミラー92は、単一のカメラ12が、カメラ12の焦点又は位置の移動及び/又は調節なしに、試験試料12及びミラー92を見ることができるように配置される。かくして、試験試料12及び/又はミラー92は、同時に(及び/又は定期的に、交互に、及び/又は指示に応答して)見ることができる。
【0125】
いくつかの例においては、図7(C5)に示されるように、複数のミラー92A及び92Bを使用して、試験試料12を種々の角度(例えば試験試料の側面、試験試料の反対側の面等)から見ることができる。ミラー(複数の場合もある)92は、カメラ12による試験試料16の直視と同レベルの倍率を提供するように設計されてもよいし、又は異なる倍率レベルを提供するように設計されてもよい。
【0126】
いくつかの例においては、1つ以上の内部光学系93(例えばプリズム、ミラー、回折格子、フィルター等)を採用して(例えばカメラ12、試験システム33等内で)、受光した光を操作してもよい。各レンズについて専用の画像センサを採用するのではなく、複数のレンズ又は他の光学系(例えばミラー)からの光が、単一の画像センサ70の異なる部分に向けられてもよい。いくつかの例においては、単一のレンズ15から受光した光は、ノイズを改善するために複数の画像センサ上へと複製(例えば分割、反射等)されてもよい。
【0127】
いくつかの例においては、単一のレンズ15又はカメラ12からの光は、ノイズを改善するために、及び/又はZ軸方向の情報を提供するために、同じ画像センサの異なる部分上へと、及び/又は異なる画像センサ上へと、光の1つ以上の特性(例えば光の位相、周波数等)を考慮して分割され向きを変えられてもよい。例えば、複数のレンズを採用することによって、各レンズに対して異なる周波数フィルターを使用することができる。この情報は次いで、プリズムによって提供される空間周波数分離等の他の光データと組み合わせることができる。
【0128】
いくつかの例においては、モノクロセンサに加えて、又はモノクロセンサの代わりに、カラー画像センサが使用されてもよい。例えば、モノクロセンサをカラー画像センサに置き換えることは、複数の周波数の光を同時に使用して試験試料を撮像及び処理することを可能にする。有利にも、モノクロセンサの代わりにカラー画像センサを採用することは、較正プロセスを簡素化し、コストを削減し、基準特徴追跡アルゴリズムを簡素化する。複数の周波数の光を受光するように構成されたセンサの使用は、ノイズ軽減を更に改善し、及び/又はZ軸方向の情報を提供することができる。
【0129】
複数のレンズ及び/又はカメラを採用するシステムにおいては、各レンズに異なる周波数フィルターをペアリングすることが、画像センサによって提供される色分離と組み合わせられて、画像収集及び精度を更に改善することができる。
【0130】
一例においては、内部光学系は、レンズの一部及び/又は受光した光の特定の周波数を部分的に遮蔽するように構成された、液晶ディスプレイ(LCD)を含む。この手法は、単一のレンズ及び/又は画像センサを使用した3D画像処理を可能とする。
【0131】
ノイズ低減
いくつかの開示される例示的なシステムにおいて、システム動作は、1つ以上の構成要素の性能及び/又は画質を低下させ得る著しい熱を発生させ得る。例えば、回路部、画像センサ等のいくつかのシステム構成要素は、熱にさらされたときに悪影響を受け得る。
【0132】
開示される例においては、図8(D1)に示されるように、冷却素子96が、プリント回路基板(PCB)94及び/又は画像センサ70のうちの1つ以上を冷却するように配置されてもよい。例えば、冷却素子96は、画像センサ70(及び/又は制御回路部)が装着されたPCB94に取り付けられ、及び/又は画像センサ70に関連する回路と導通している、熱電電気(例えばペルチェ式)冷却器等の、能動的冷却器であってもよい。いくつかの例においては、冷却素子96は、追加的な又は代替のヒートシンクに接続される。
【0133】
温度センサ98は、画像センサ70及び/又は回路部における温度を測定するように構成されてもよい。測定値は、構成要素の冷却を調整するよう1つ以上のシステム(例えば冷却素子96)を制御するために、温度制御回路100及び/又は処理システム32によって使用されてもよい。
【0134】
有利にも、冷却素子96の使用は、機械的な送風器を採用する冷却システムとは対照的に、システムの振動を低減するのに役立つ。さらに、画像センサ70に対する冷却効果は、レンズ温度を周囲温度にまで又はそれに近い温度にまで低下させるのに役立ち、それによって、レンズの前方で起こり得る蜃気楼効果を低減する。さらに、画像センサ70の冷却は、非使用時等の暗電流及び/又は関連する背景ノイズの低減をもたらす。
【0135】
いくつかの開示された例においては、システム動作は、1つ以上の構成要素の性能及び/又は画質を低下させ得る、著しい振動を発生させ得る。画像センサ70における振動を軽減するために、図8(D2)に示されるように、1つ以上の動きセンサ102(例えば加速度計、慣性測定ユニット、振動センサ、傾斜センサ等のうちの1つ以上)が、画像センサ70における及び/又は画像センサ70の近傍における振動を、監視及び測定するように配置されてもよい。
【0136】
いくつかの例においては、測定されたデータは、補償係数を算出するために、駆動及び制御システム106及び/又は処理システム32に提供されてもよい。例えば、画像データは、1つ以上の閾値を超過する振動測定値と相関させられてもよい。相関データ点において、補償係数が画像データに適用されて、過剰振動(例えば閾値振動値を超えるもの)を補正してもよい。
【0137】
追加的な又は代替の例においては、1つ以上の動きセンサ102からの測定値は、駆動及び制御システム106及び/又は処理システム32によって分析されてもよい。分析に基づいて、駆動及び制御システム106及び/又は処理システム32は、1つ以上のアクチュエータ104を介した画像センサ70の位置又は向きに対する調節を指示するための1つ以上の制御信号を生成してもよい。例えば、アクチュエータ104は、機械的増幅器を有する圧電アクチュエータを含んでもよい。いくつかの例においては、測定及び補償算出は、撮像動作の間にリアルタイムで実行されてもよい。いくつかの例においては、能動的振動制御は、画像データ補償と協調して実装されてもよい。
【0138】
撮像センサ70の振動はノイズをもたらし得るので、システムに対する振動の影響を能動的に軽減するための、説明されたアクチュエータ104の使用は有利にも、撮像センサ70における外部振動を軽減するのに役立つ。
【0139】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又はいくつかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散的に、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。いくつかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実施させる。本明細書において使用される場合、「非一時的機械可読媒体」という用語は、全てのタイプの機械可読記憶媒体を含み、伝播信号を排除するように定義される。
【0140】
本明細書において使用される場合、「回路」及び「回路部」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書において使用される場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書において使用される場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書において使用される場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書において使用される場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書において使用される場合、回路部は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かにかかわらず、回路部はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0141】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。例えば、開示した例のシステム、ブロック及び/又は構成要素を、組み合わせ、分割し、再配置し、及び/又は他の方法で変更することができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
図1
図2
図3
図4
図5(A1)】
図5(A2)】
図5(A3)】
図5(A4)】
図5(A5)】
図6(B1)】
図6(B2)】
図6(B3)】
図7(C1)】
図7(C2)】
図7(C3)】
図7(C4)】
図7(C5)】
図7(C6)】
図7(C7)】
図7(C8)】
図8(D1)】
図8(D2)】
【国際調査報告】