(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】熱バリア材料を封入するための材料、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6555 20140101AFI20240604BHJP
H01M 50/247 20210101ALI20240604BHJP
H01M 50/251 20210101ALI20240604BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20240604BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20240604BHJP
H01M 50/293 20210101ALI20240604BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240604BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20240604BHJP
H01M 50/291 20210101ALI20240604BHJP
【FI】
H01M10/6555
H01M50/247
H01M50/251
H01M50/249
H01M50/289
H01M50/293
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M50/291
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556821
(86)(22)【出願日】2022-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 US2022073360
(87)【国際公開番号】W WO2023279090
(87)【国際公開日】2023-01-05
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506229844
【氏名又は名称】アスペン エアロゲルズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ウィリアムズ
(72)【発明者】
【氏名】オーウェン エバンズ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド バウアー
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ グールド
(72)【発明者】
【氏名】キャスリン デクラフト
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド ミハルシク
(72)【発明者】
【氏名】ナム ヨンキュ
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン カーヒル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ヘネムス
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK02
5H040AA37
5H040AS01
5H040AS07
5H040AS12
5H040AS13
5H040AS14
5H040AS15
5H040AS18
5H040AS19
5H040AS27
5H040LL01
5H040LL06
(57)【要約】
本開示は、エネルギー貯蔵システムの熱暴走の問題を管理する材料及びシステムに関する。例示的な実施形態は、絶縁バリアを形成するために封入される絶縁層を含む。支持部材は、絶縁層の少なくとも一部の周りに設置される。支持部材は絶縁層に支持を提供し、絶縁層を電池モジュールまたは電池パックに容易に封入する及び設置することを可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、を含み、前記封入層は前記支持部材の少なくとも一部に接触する、前記絶縁バリア。
【請求項2】
前記支持部材は、前記絶縁層に使用される材料と異なる材料から成る、請求項1に記載の絶縁バリア。
【請求項3】
前記絶縁バリアは、前記絶縁層の対向側に位置付けられた2つの支持部材を含む、請求項1または2に記載の絶縁バリア。
【請求項4】
前記絶縁バリアはU字形支持部材を含む、請求項1または2に記載の絶縁バリア。
【請求項5】
前記絶縁バリアは、前記絶縁バリアの外周を囲む支持部材を含む、請求項1または2に記載の絶縁バリア。
【請求項6】
前記支持部材はポリマー材料から成る、請求項1~5のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項7】
前記支持部材は、前記絶縁層の曲げ弾性率よりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項8】
前記支持部材は100MPaよりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項9】
前記支持部材は膨張材料を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項10】
前記支持部材は1つ以上の位置合わせ要素を含み、前記位置合わせ要素は位置合わせガイドと結合し、前記位置合わせガイドは、複数の絶縁バリア及び電池セルを相互に整列させる、請求項1~9のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項11】
前記支持部材は、前記絶縁層の厚さよりも小さい厚さを有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項12】
前記絶縁層は、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項13】
前記絶縁層はエアロゲルを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項14】
前記封入層はポリマー材料を含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項15】
前記封入層は、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項16】
前記封入層は前記支持部材に取り付けられる、請求項1~15のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項17】
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を囲み、前記封入層自体が、前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む筐体を形成するためにシールされる、請求項1~16のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項18】
前記封入層に結合された1つ以上の接着性パッドをさらに含む、請求項1~17のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項19】
前記封入層は前記支持部材の一部を越えて延在する延在部を含み、使用中、前記延在部は、前記絶縁バリアを含有する筐体の内面に接触する、請求項1~18のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項20】
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材であって、前記支持部材は膨張材料を含む、前記支持部材と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、を含み、前記封入層は前記支持部材の少なくとも一部に接触し、前記封入層は熱伝導材料を含む、前記絶縁バリア。
【請求項21】
前記絶縁バリアは、前記絶縁層の対向側に位置付けられた2つの支持部材を含む、請求項20に記載の絶縁バリア。
【請求項22】
前記絶縁バリアはU字形支持部材を含む、請求項20に記載の絶縁バリア。
【請求項23】
前記支持部材は前記絶縁バリアの外周を囲む、請求項20に記載の絶縁バリア。
【請求項24】
前記支持部材は、前記絶縁層の曲げ弾性率よりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項20~23のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項25】
前記支持部材は100MPaよりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項20~24のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項26】
前記支持部材は1つ以上の位置合わせ要素を含み、前記位置合わせ要素は位置合わせガイドと結合し、前記位置合わせガイドは、複数の絶縁バリア及び電池セルを相互に整列させる、請求項20~25のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項27】
前記支持部材は、前記絶縁層の厚さよりも小さい厚さを有する、請求項20~26のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項28】
前記絶縁層は、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、請求項20~27のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項29】
前記絶縁層はエアロゲルを含む、請求項20~28のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項30】
前記封入層は、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、請求項20~29のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項31】
前記封入層は前記支持部材に取り付けられる、請求項20~30のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項32】
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を囲み、前記封入層自体が、前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む筐体を形成するためにシールされる、請求項20~31のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項33】
前記封入層に結合された1つ以上の接着性パッドをさらに含む、請求項20~32のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項34】
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、
前記支持部材に結合された1つ以上のシーリングタブと、を備え、
前記封入層は前記支持部材の少なくとも一部に接触し、前記封入層は熱伝導材料を含み、
前記シーリングタブは形状記憶材料から作られ、熱に曝されるとき、前記シーリングタブは前記支持部材から離れて延在する、前記絶縁バリア。
【請求項35】
前記シーリングタブは、第1の位置では、前記支持部材に対して実質的に静止し、前記シーリングタブは、第2の位置では、前記支持部材から離れて延在し、前記シーリングタブは、熱に曝されるとき、前記第1の位置から前記第2の位置に移動する、請求項34に記載の絶縁バリア。
【請求項36】
前記シーリングタブは、形状記憶ニッケルチタン合金から作られている、請求項34に記載の絶縁バリア。
【請求項37】
前記絶縁バリアは、前記絶縁層の対向側に位置付けられた2つの支持部材を含む、請求項34~36のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項38】
前記絶縁バリアはU字形支持部材を含む、請求項34~36のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項39】
前記支持部材は前記絶縁バリアの外周を囲む、請求項34~36のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項40】
前記支持部材は、前記絶縁層の曲げ弾性率よりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項34~39のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項41】
前記支持部材は膨張材料を含む、請求項34~40のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項42】
前記支持部材は100MPaよりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項34~41のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項43】
前記支持部材は1つ以上の位置合わせ要素を含み、前記位置合わせ要素は位置合わせガイドと結合し、前記位置合わせガイドは、複数の絶縁バリア及び電池セルを相互に整列させる、請求項34~42のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項44】
前記支持部材は、前記絶縁層の厚さよりも小さい厚さを有する、請求項34~43のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項45】
前記絶縁層は、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、請求項34~44のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項46】
前記絶縁層はエアロゲルを含む、請求項34~45のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項47】
前記封入層は、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、請求項34~46のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項48】
前記封入層は前記支持部材に取り付けられる、請求項34~47のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項49】
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を囲み、前記封入層自体が、前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む筐体を形成するためにシールされる、請求項34~48のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項50】
前記封入層に結合された1つ以上の接着性パッドをさらに含む、請求項34~49のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
【請求項51】
電池モジュールであって、
複数の電池セルと、
請求項1~50のいずれか1項に記載の1つ以上の絶縁バリアと、を含み、少なくとも1つの絶縁バリアは隣接電池セルの間に配置される、前記電池モジュール。
【請求項52】
前記電池セルは筐体に配置され、前記1つ以上のシーリングタブは前記筐体に結合され、前記シーリングタブは形状記憶材料から作られ、熱に曝されるとき、前記シーリングタブは前記筐体から離れて前記1つ以上の絶縁バリアに向かって延在する、請求項51に記載の電池モジュール。
【請求項53】
請求項51または52に記載の1つ以上の電池モジュールを含む電力システム。
【請求項54】
請求項51または52に記載の電池モジュールを含むデバイスまたは車両。
【請求項55】
前記デバイスは、ラップトップコンピューター、PDA、携帯電話、タグスキャナ、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ディスプレイパネル、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デスクトップコンピューター、軍用ポータブルコンピューター、軍用電話、レーザー測距器、デジタル通信デバイス、機密情報収集センサー、電子統合型衣料品、暗視機器、電動工具、電卓、無線、リモート制御機器、GPSデバイス、ハンドヘルドテレビ及びポータブルテレビ、カースターター、懐中電灯、音響デバイス、ポータブル加熱デバイス、ポータブル電気掃除機、またはポータブル医療ツールである、請求項54に記載のデバイス。
【請求項56】
前記車両は電気自動車である、請求項54に記載の車両。
【請求項57】
電気エネルギー貯蔵システムの電池セルの間で使用される絶縁層を封入する方法であって、
前記絶縁層の少なくとも一部を支持部材で囲むことと、
前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部にわたって封入層を形成することであって、前記封入層は前記支持部材のそれぞれの少なくとも一部に接触する、前記形成することと、
を含む、前記方法。
【請求項58】
前記封入層を形成することは、
前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部を前記封入層で覆うことと、
前記封入層の少なくとも一部を前記支持部材の少なくとも一部に取り付けることと、
を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記封入層が前記支持部材と接触している間、前記封入層を加熱することによって、前記封入層が前記支持部材の少なくとも一部に取り付けられる、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記封入層は、加熱要素によって、前記支持部材と接触して保持される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記封入層を形成することは、
前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部を前記封入層で覆うことと、
前記封入層の2つ以上の別々の部分を一緒に接続して、前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部を囲む筐体を形成することと、
を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記封入層の前記2つ以上の別々の部分が接触している間、前記2つ以上の別々の部分を加熱することによって前記2つ以上の別々の部分が一緒に取り付けられる、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
少なくとも1つの金属層は、前記封入層の前記2つ以上の別々の部分の間に配置される、請求項57~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
少なくとも1つの金属層は、前記封入層の前記2つ以上の別々の部分の間に埋め込まれている、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記少なくとも1つの金属層に曲げを形成して、前記絶縁層から延在する延在部を提供するステップをさらに含む、請求項63または64に記載の方法。
【請求項66】
前記2つ以上の別々の部分は、前記2つ以上の別々の部分の対向側に要素の対によって一緒に保持され、前記要素の少なくとも1つは加熱される、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記封入層の少なくとも一部は、接着剤によって前記支持部材に取り付けられる、請求項57~66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を完全に囲む、請求項57~67のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年7月2日に出願され、「Materials,Systems,and Methods for Mitigation of Electrical Energy Storage Thermal Events」と題された米国仮特許出願第63/218,205号、及び2021年12月1日に出願され、「Materials,Systems,and Methods for Encapsulating Materials」と題された米国仮特許出願第63/284,917号の利益及び優先権を主張し、これらの内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、封入材料のための材料、システム、及び方法に関する。特に、本開示は、エネルギー貯蔵システムにおける電池セルまたは電池モジュールの間に使用される熱バリアを封入するための材料、システム、及び方法に関する。本開示は、さらに、エアロゲル熱バリアの封入に関する。本開示は、さらに、封入熱バリア材料を含む1つ以上の電池セルを伴う電池モジュールまたは電池パックに関し、同様に、それらの電池モジュールまたは電池パックを含むシステムにも関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン電池等の再充電可能電池について、動力駆動のエネルギー貯蔵システムで広い用途があることが発見されている。リチウムイオン電池(LIB)は、携帯電話、タブレット、ラップトップ、電動工具等のポータブル電子デバイスを給電する際に広く使用され、そして、従来の電池と比較して、その高い作動電圧、低いメモリ効果、及び高エネルギー密度のため、電気自動車等の他の高電流のデバイスを給電する際にも広く使用されている。しかしながら、再充電可能電池が過充電される(設計電圧を超えて充電される)、過放電される、または高温及び高圧で動作する、もしくは高温及び高圧に曝されるとき等、LIBは「過酷状態」の下で突発故障の影響を受けやすいので、安全上の懸念がある。結果として、LIBの設計範囲外の状態に曝されるとき急速な自己発熱または熱暴走イベントによってLIBが故障し得るため、狭い動作温度範囲及び充電/放出速度はLIBの使用上の制限がある。
【0004】
取り出しできる熱よりも多くの熱が発生する点まで内部の反応速度が増加するとき、熱暴走は発生し得、反応速度及び発熱の両方のさらなる増加をもたらす。熱暴走中、高温は、電池の発熱反応の連鎖を誘発し、電池の温度が急増する。多くの場合、熱暴走が一方の電池セルで発生するとき、発生した熱は、熱暴走を受けるセルに密接してセルを速く加熱させる。熱暴走反応に追加される各セルは、反応を継続させる追加エネルギーを封じ込め、電池パック内で熱暴走伝播を生じさせ、最終的に、火事または爆発が生じる大事故をもたらす。熱伝達経路の迅速な熱放散及び効果的なブロックは、熱暴走伝播によって生じる危険性を減らす効果的な対策であり得る。
【0005】
電池熱暴走をもたらすメカニズムの理解に基づいて、電池構成要素の合理的設計により安全上の危険性を減らす目標で、多くのアプローチが検討されている。そのようなカスケード熱暴走イベントが発生することを防止するために、一般的に、LIBは、貯蔵されるエネルギーを十分に低く維持すること、または電池モジュールもしくは電池パックの内部のセルの間の十分な絶縁材料を利用すること、または隣接セルで発生し得る熱イベントからセルを絶縁すること、あるいはそれらの組み合わせ、のいずれか一方で設計される。前者は、そのようなデバイスに潜在的に貯蔵され得るエネルギー量を厳密に制限する。後者は、クローズセルを設置できる方式を制限することによって、有効エネルギー密度が制限される。
【0006】
現在、エネルギー密度を最大限にする一方、カスケード熱暴走を防ぐように用心するために、いくつかの異なる手段が利用されている。1つのアプローチとして、セルの間に、またはセルのクラスターの間に十分な絶縁量を取り込むことがある。このアプローチは、概して、安全的な利点から望まれることが考えられる。しかしながら、このアプローチでは、必要な絶縁体の体積と組み合わされた熱を封じ込める絶縁材料の能力から、実現できるエネルギー密度の上限が決定される。
【0007】
別のアプローチは、相変化材料を使用することによって行われる。これらの材料は、特定の昇温に達すると、吸熱相変化を受ける。吸熱相変化は、生成されている熱の一部を吸収し、ひいては、局所領域を冷却する。一般的に、電気ストレージデバイスに関して、これらの相変化材料は、例えば、ワックス及び脂肪酸等の炭化水素材料に依存する。これらのシステムは冷却において効果的であるが、システム自体に可燃性があり、ひいては、ストレージデバイス内で点火が発生すると、熱暴走を防止するのに有益でない。
【0008】
膨張材料を取り入れることは、カスケード熱暴走を防止するための別の対策である。これらの材料は規定温度を上回ると拡張し、軽量になるように設計される炭化物を生成し、必要なとき、断熱を提供する。これらの材料は、絶縁の利点をもたらすのに効果的である可能性があるが、材料の拡張について、ストレージデバイスの設計を考慮する必要がある。
【0009】
また、エアロゲル材料は熱バリア材料として使用されている。エアロゲル熱バリアは、他の熱バリア材料に勝る多くの利点をもたらす。これらの利益のいくつかは、使用される材料の厚さ及び重量を最小にしながら熱伝播及び火災伝播に対する好ましい抵抗を含む。エアロゲル熱バリアは、また、圧縮率、圧縮弾力性、及びコンプライアンスに関する好ましい特性を有する。いくつかのエアロゲルベース熱バリアは、その軽量及び低剛性により、特に大量生産の状況で、電池セルの間に設置することが困難になる可能性がある。さらに、エアロゲル熱バリアは、電気貯蔵システムに有害になる可能性がある粒子状物質(ほこり)を生成する傾向があり、製造上の課題が生じる。
【0010】
好ましい特性及びそれ以外の特性の両方があり、それぞれ多くの異なる特性を有する多くの異なる材料が利用可能であるため、製造プロセスを簡素にしながらも、熱バリア材料を封入し、電池セル及び熱バリアの両方に追加の保護を提供するように利点をもたらすであろう。
【発明の概要】
【0011】
本開示の目的は、上述した前述の方法及び材料の少なくとも1つの不利点を未然に防ぐまたは軽減することである。本明細書に提供される支持部材は、電池モジュールまたは電池パックに使用される熱バリアの封入及び扱いを改善するように設計されている。
【0012】
本開示の態様では、電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアは、少なくとも1つの絶縁層と、絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材と、絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、を含む。封入層は支持部材の少なくとも一部に接触する。
【0013】
支持部材は、一体成形の材料から成る単一の支持部材であり得る、または支持部材を形成するように一緒に接合される2つ以上の支持ピースから成り得る。ある実施形態では、支持部材は、絶縁層の対向側に位置付けられる2つの支持部材を含む。別の実施形態では、支持部材は絶縁バリアの外周を囲む。別の実施形態では、支持部材は実質的にU字形である。
【0014】
絶縁層に支持を提供するために、支持部材は、絶縁層の曲げ弾性率よりも大きい曲げ弾性率を有する材料から形成され得る。本開示の態様では、支持部材は、100MPaよりも大きい曲げ弾性率を有するはずである。ある実施形態では、支持部材は、絶縁層に使用される材料と異なる材料から成る。好ましい実施形態では、支持部材はポリマー材料から成る。いくつかの実施形態では、支持部材は膨張材料を含み得る。ある実施形態では、支持部材は、絶縁層の厚さよりも小さい厚さを有する。
【0015】
絶縁層は、電池セルの間で伝熱を減らすのに有用ないずれかの材料から成り得る。概して、絶縁層は、該絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する。好ましい実施形態では、絶縁層はエアロゲルを含む。
【0016】
封入層は絶縁層の少なくとも一部を覆う。ある実施形態では、封入層はポリマー材料を含む。いくつかの実施形態では、封入層は、ポリマー材料に埋め込まれた金属層を含む。封入層は、いくつかの実施形態では、支持部材の一部を越えて延在する延在部を含む。使用中、延在部は、絶縁バリアを含有する筐体の内面に接触する。
【0017】
一実施形態では、封入層は支持部材に取り付けられる。代替として、封入層は絶縁層及び支持部材を囲む。次に、封入層は、絶縁層を少なくとも部分的に囲む筐体を形成するためにシールされる。
【0018】
本開示の態様では、絶縁バリアは、封入層に結合された1つ以上の接着性パッドを含む。接着性パッドは、隣接電池セルの間にクッションを提供し得る。また、接着性パッドは隣接電池セルに接着でき、製造中及び使用中の電池セルに対する絶縁バリアのずれを抑制する。
【0019】
本開示の別の態様では、支持部材は1つ以上の位置合わせ要素を含む。位置合わせ要素は位置合わせガイドと結合する。電池モジュールの製造中及び使用中、電池セル及び絶縁バリアは、位置合わせ要素と組み合わせて、位置合わせガイドを使用することによって整列できる。
【0020】
本開示の別の態様では、電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアは、少なくとも1つの絶縁層と、絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材と、絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、を含む。本開示の態様では、支持部材は膨張材料を含む。封入層は熱伝導材料を含み、支持部材の少なくとも一部に接触する。
【0021】
本開示の別の態様では、電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアは、少なくとも1つの絶縁層と、絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材と、絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、を含む。1つ以上のシーリングタブは支持部材に結合される。シーリングタブは、形状記憶材料、例えば、形状記憶ニッケルチタン合金から作られている。熱に曝されるとき、シーリングタブは支持部材から離れて延在する。このように、シーリングタブは、電池セルの間にバリアを作成し、暴走電池セルからの熱伝播を抑制または防止できる。本開示の態様では、シーリングタブは、電池の正常動作中、第1の位置にある。第1の位置では、シーリングタブは、支持部材に対して実質的に静止する。熱に曝されるとき、シーリングタブは第2の位置に移動し、支持部材から離れて延在し、シーリングタブは、熱に曝されるとき、第1の位置から第2の位置に移動する。
【0022】
本開示の別の態様では、絶縁層を封入する方法は、絶縁層の少なくとも一部を支持部材で囲むことと、絶縁層及び支持部材の少なくとも一部にわたって封入層を形成することと、を含む。封入層は支持部材の少なくとも一部に接触する。特有の実施形態では、封入層の少なくとも一部は支持部材の少なくとも一部に取り付けられる。ある実施形態では、封入層が支持部材と接触している間、封入層を加熱することによって、封入層が支持部材の少なくとも一部に取り付けられる。このプロセス中、封入層は、加熱要素によって、支持部材と接触して保持される。代替として、封入層は、接着剤によって、支持部材に取り付けできる。
【0023】
別の実施形態では、封入層を形成することは、絶縁層及び支持部材の少なくとも一部を封入層で覆うことと、封入層の2つ以上の別々の部分を一緒に接続して、絶縁層及び支持部材の少なくとも一部を囲む筐体を形成することと、を含む。このプロセス中、2つ以上の別々の部分接触している間、2つ以上の別々の部分を加熱することによって封入層の2つ以上の別々の部分が一緒に取り付けられる。絶縁層にわたる封入層を形成するいずれかの実施形態では、封入層は、絶縁層及び支持部材を、部分的にまたは完全に囲み得る。
【0024】
本開示の態様では、少なくとも1つの金属層は、封入層の2つ以上の別々の部分の間に配置される。ある実施形態では、少なくとも1つの金属層は、封入層の2つ以上の別々の部分の間に埋め込まれ得る。ある実施形態では、本プロセスは、少なくとも1つの金属層に曲げを形成して、絶縁層から延在する延在部を提供することを含む。ある実施形態では、2つ以上の別々の部分は、2つ以上の別々の部分の対向側に要素の対によって一緒に保持され、要素の少なくとも1つは加熱される。
【0025】
本開示の別の態様では、電池モジュールは、複数の電池セルと、本明細書に説明されるように、隣接電池セルの間に配置された1つ以上の絶縁バリアとを含む。
【0026】
別の態様では、本明細書に提供されるデバイスまたは車両は、上記の態様のいずれか1つに従った電池モジュールまたは電池パックを含む。いくつかの実施形態では、該デバイスは、ラップトップコンピューター、PDA、携帯電話、タグスキャナ、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ディスプレイパネル、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デスクトップコンピューター、軍用ポータブルコンピューター、軍用電話、レーザー測距器、デジタル通信デバイス、機密情報収集センサー、電子統合型衣料品、暗視機器、電動工具、電卓、無線、リモート制御機器、GPSデバイス、ハンドヘルドテレビ及びポータブルテレビ、カースターター、懐中電灯、音響デバイス、ポータブル加熱デバイス、ポータブル電気掃除機、またはポータブル医療ツールである。いくつかの実施形態では、車両は電気自動車である。
【0027】
1つ以上の実施形態では、上記の態様のいずれかに従った絶縁バリアは、非圧縮状態で約2mm~約10mmの範囲の平均厚さを有する。
【0028】
本明細書に説明される絶縁バリアは、既存の熱暴走軽減対策に勝る1つ以上の利点をもたらす可能性がある。本明細書に説明される絶縁バリアは、電池モジュールまたは電池パックのエネルギー密度に著しく影響を与えることなく、セルの熱暴走伝播、また組み立てコストを最小にする、またはなくすことができる。本開示の絶縁バリアは、セルの耐用期間中に継続するセルの膨張に適応する圧縮率、圧縮弾力性、及びコンプライアンスに関する好ましい特性を提供できる一方、正常動作状態下で及び熱暴走状態下で好ましい熱特性を保有する。本明細書に説明される絶縁バリアは、耐久性があり、扱うのが容易であり、使用される材料の厚さ及び重量を最小にしながら熱伝播及び火災伝播に対する好ましい抵抗があり、また、圧縮率、圧縮弾力性、及びコンプライアンスに関する好ましい特性も有する。
【0029】
したがって、一般的な用語で本開示に説明されるが、ここで、必ずしも縮尺通りに描かれていない添付図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本開示の例示的な絶縁バリアの分解図である。
【
図2】支持部材によって十分に囲まれた絶縁層の側面図である。
【
図3】U字形支持部材によって囲まれた絶縁層の側面図である。
【
図4】2つの別々の支持部材によって結合された絶縁層の側面図である。
【
図5A-5C】
図5A-5Cは、電池セルの寿命の3つの段階を概略的に示す。
【
図6】ラミネート封入層を作るために使用される製造プロセスを概略的に示す。
【
図7】電池セル筐体の内面でシールを形成する延在部を有する封入層を概略的に示す。
【
図8】接着性パッドを有する絶縁バリアを概略的に示す。
【
図9A-9C】
図9A-9Cは、電池セルの膨張によって生じるせん断荷重を概略的に示す。
【
図10】絶縁バリアを電池セルと整列させるための位置合わせガイドを有する電池モジュールの上面図を示す。
【
図11】膨張材料及び熱伝導封入層から成る絶縁バリアの代替の実施形態を示す。
【
図12】絶縁層に結合された支持部材の拡大図を示す。
【
図13】高温イベントの前後の膨張支持部材の概略図を示す。
【
図14】絶縁層を実質的に囲むU字形支持部材を含む絶縁層の実施形態を示す。
【
図15】支持部材によって少なくとも部分的に囲まれた絶縁層を有する絶縁バリアの実施形態を示す。
【
図16】支持部材のコーナーに形成された開口部に組み込まれた粒子捕獲部材を有する支持部材の代替の実施形態を示す。
【
図17】絶縁層及び封入層に結合された膨張支持部材を有する絶縁バリアの側面図を示す。
【
図18】封入層のエッジの周りに巻かれた膨張支持部材を有する絶縁バリアの側面図を示す。
【
図19】U字形封入層のエッジの周りに巻かれた膨張支持部材を有する絶縁バリアの側面図を示す。
【
図20】U字形封入層を有する膨張支持部材を有する絶縁バリアの側面図を示す。
【
図21】シーリングタブを有する絶縁層を有する電池モジュール/パックの概略図を示す。
【
図22】対を成すシーリングタブを有する絶縁層を有する電池モジュール/パックの概略図を示す。
【
図23】膨張材料の上に設置されたシーリングタブを有する電池モジュール/パックの概略図を示す。
【
図24】筐体に結合されたシーリングタブを有する電池モジュールの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
好ましい実施形態の以下の詳細な説明では、その一部を形成し、実例として、本開示が実施され得る特定の実施形態が示される添付図への参照がなされる。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、構造的変化がなされ得ることを理解されたい。
【0032】
本開示は、エネルギー貯蔵システムにおける熱暴走の問題を管理するために、絶縁バリア、及び絶縁バリアを含むシステムを対象とする。例示的な実施形態は、少なくとも1つの絶縁層と、絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材と、絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層とを含む絶縁バリアを含む。ある実施形態では、封入層は、支持部材のそれぞれの少なくとも一部に接触する。
【0033】
絶縁層は、通常、電池セルまたは電池モジュールを分離するために使用されるいずれかの種類の絶縁層を含み得る。例示的な絶縁層は、限定ではないが、ポリマー系熱バリア(例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、及び芳香族ポリアミド(アラミド))、相変化材料、膨張材料、エアロゲル材料、ミネラル系バリア(例えば、雲母)、及び無機熱バリア(例えば、バリアを含有する繊維ガラス)を含む。
【0034】
好ましい実施形態では、絶縁層はエアロゲルを含む。エアロゲル絶縁層の記述は、米国特許出願公開第2021/0167438号、及び米国仮特許出願第63/218,205号に説明されており、それらの特許文献の両方は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0035】
本開示の絶縁層は、該絶縁層の厚さ寸法を通して、最大約5MPaの荷重がかかるとき、25℃において、約50mW/mK以下、約40mW/mK以下、約30mW/mK以下、約25mW/mK以下、約20mW/mK以下、約18mW/mK以下、約16mW/mK以下、約14mW/mK以下、約12mW/mK以下、約10mW/mK以下、約5mW/mK以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の熱伝導率を有する。
【0036】
絶縁層は、電池モジュールまたは電池パックに絶縁層を組み込むことが困難になるいくつかの異なる物理特性を有し得る。例えば、いくつかの絶縁層は、非常に低い曲げ弾性率(例えば、10MPa未満)を有し、電池セルの間で材料を扱うこと及び位置付けることが困難になる。加えて、曲げ弾性率が低い材料は、特に自動封入プロセスを使用する場合、操作することが困難になる可能性がある。他の絶縁層はより高い曲げ弾性率を有し得るが、脆性があり得、電池モジュールまたは電池パックの製造中、絶縁層が壊れ易くなる。
【0037】
本開示は、絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材を使用することによって、これらの課題を軽減するのを助ける。支持部材は、絶縁層の周縁に位置付けられ、絶縁層に支持を提供する。加えて、封入層は、支持部材に取り付けできる。支持部材が絶縁層の周縁に沿って位置付けられると、支持部材への封入層の取り付けは、封入層で絶縁層を少なくとも部分的に包囲する。
【0038】
絶縁バリアの実施形態は、
図1に示される。絶縁バリア100は絶縁層110を含む。絶縁層110は支持部材120によって囲まれる。ある実施形態では、支持部材120は、絶縁層の周縁を補完する形状である開口部125を含む。開口部125は、絶縁層とほぼ同じサイズになるようにサイズ決定され得る。組立中、絶縁層110は開口部125に設置され得、支持部材120によって適所に保持される。例えば、支持部材120は、絶縁層の対応する寸法と同じ寸法(長さ×幅)、またはその寸法よりもわずかに小さい開口部を有し得る。そのような実施形態では、絶縁層110は、支持部材120の開口部125の内部で適合し、摩擦嵌合によって適所に保持される。代替として、または加えて、絶縁層は、絶縁層を支持部材に留める接着剤(例えば、グルーまたはテープ)を使用することによって、支持部材に結合され得る。支持部材120の開口部内に配置された封入絶縁層110の側面図は
図2に示される。
【0039】
封入層130は支持部材120に取り付けられ、絶縁層110の少なくとも1つの側面を封入材料で覆う。好ましくは、封入層130は絶縁層110の両側を覆う。本開示の態様では、封入層130は、封入材料130a及び130bの2つのシートから成る。ある実施形態では、封入層(複数可)は支持部材に取り付けられ、絶縁層の少なくとも一部を包囲する。ある実施形態では、2つのシートを使用するとき、封入シートは支持部材に取り付けられ、絶縁材料を包囲する。
【0040】
代替の実施形態では、封入層はバッグとして形成され得る(
図6参照)。絶縁層を含有する支持部材は、バッグ状の封入層の内側に設置できる。次に、封入層は支持部材に取り付けられ、絶縁層の少なくとも一部を包囲する。
【0041】
ある実施形態では、支持部材は、一体型材料として形成される。例えば、支持部材は、材料の中間に形成された開口部を伴う一体成形材料から形成され得る。一体成形材料の開口部は、材料の開口部を切断することによって(例えば、レーザーカッターを使用して)形成され得る。代替として、支持部材は射出成形法によって形成され得、射出成形法では、支持部材を形成するために使用される金型を選択することによって、支持部材の形状を制御できる。別の実施形態では、支持部材は、支持部材を形成するように一緒に接合される2つ以上の支持ピースから作られ得る。例えば、長方形の支持部材は、支持部材を形成するように一緒に接合された4つの別々の支持ピースから形成できる。支持部材は一緒に接着または溶接され得る。
【0042】
図1及び
図2の実施形態は長方形フレームとして支持部材を示すが、支持部材は、効果的に絶縁層を全体的に包囲することが必要ないことを理解されたい。例えば、
図3は、実質的にU字形である支持部材320を有する絶縁バリア300を示す。したがって、支持部材は、絶縁層310の3つの側面だけを覆う。U字形支持部材は、絶縁層の封入を部分的または完全にすることを可能にする表面を提供する。絶縁層は、摩擦嵌合によって、または接着剤(グルーまたはテープ)を使用することによって、U字形開口部に配置され得る。
【0043】
図4に示される別の実施形態では、絶縁バリア400は、絶縁層410のエッジに配置された2つの別々の支持部材420a及び420bを含む。2つの別々の支持部材は、絶縁層の対向エッジに配置され得る(
図4に示される)、または絶縁層の2つの隣接側に沿ってL字形で配置され得る(示されない)。支持部材は、接着剤(グルーまたはテープ)を使用することによって、絶縁層に取り付けできる。
【0044】
ある実施形態では、支持部材は、絶縁層を形成するために使用される材料と異なる材料から形成される。好ましい実施形態では、支持部材は、絶縁層の曲げ弾性率よりも大きい曲げ弾性率を有する。例えば、多くの異なるタイプの絶縁層は、曲げ弾性率が低い材料から形成される。本明細書に使用される「曲げ弾性率が低い」という語句は、約10MPaよりも小さい曲げ弾性率を指す。好ましい実施形態では、支持部材の曲げ弾性率は100MPaよりも大きい。
【0045】
様々な材料を使用して、ポリマー及び金属を含む支持部材を形成し得る。ポリマーは、製造の容易さ、軽量、誘電特性、ならびに耐熱性及び耐燃性により、支持部材を形成するための材料として好ましい。ある実施形態では、支持部材を形成するために選ばれたポリマーは、約100MPaよりも大きい曲げ弾性率を有する。支持部材を形成するための材料として使用され得る例示的なポリマーは、限定ではないが、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、及び芳香族ポリアミドを含む。添加剤は、曲げ弾性率を改善する、熱伝導率を減らす、可燃性を減少する、またはこれらの特徴のいずれかの組み合わせを修正するために、支持部材を形成するために使用されるポリマーに存在し得る。
【0046】
ある実施形態では、支持部材は、該絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃において、約50mW/mK以下、約40mW/mK以下、約30mW/mK以下、約25mW/mK以下、約20mW/mK以下、約18mW/mK以下、約16mW/mK以下、約14mW/mK以下、約12mW/mK以下、約10mW/mK以下、約5mW/mK以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の熱伝導率を有する。
【0047】
特定の実施形態では、本開示の支持部材は、約750cal/g以下、約717cal/g以下、約700cal/g以下、約650cal/g以下、約600cal/g以下、約575cal/g以下、約550cal/g以下、約500cal/g以下、約450cal/g以下、約400cal/g以下、約350cal/g以下、約300cal/g以下、約250cal/g以下、約200cal/g以下、約150cal/g以下、約100cal/g以下、約50cal/g以下、約25cal/g以下、約10cal/g以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の燃焼熱(「HOC」)を有し得る。本開示の文脈内で、第2の材料のHOCよりも小さい燃焼熱を有する第1の材料について、第2の材料よりも第1の材料のほうが改善することが考えられるであろう。本開示の特定の実施形態では、絶縁層のHOCは、防火等級添加剤を支持部材に混和することによって改善される。
【0048】
特定の実施形態では、本開示の支持部材は、約300℃以上、約320℃以上、約340℃以上、約360℃以上、約380℃以上、約400℃以上、約420℃以上、約440℃以上、約460℃以上、約480℃以上、約500℃以上、約515℃以上、約550℃以上、約600℃以上、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲で熱分解の開始温度を有する。本開示の文脈内で、例えば、第2の組成物の熱分解の開始温度よりも高い熱分解の開始温度を有する第1の組成物について、第2の組成物よりも第1の組成物のほうが改善することが考えられるであろう。1つ以上の防火等級添加剤を追加するとき、いずれかの防火等級添加剤を含まない組成物と比較して、組成物または材料の熱分解の開始温度が増加することが本明細書で想到される。
【0049】
ある実施形態では、支持部材は膨張材料から形成され得る。膨張材料は熱に曝されるときに膨張する材料である。電池モジュールに関連して、電池セルが故障し始めると、電池セルの温度は急増し、そして、モジュールの内側の温度を増加し得る。この温度増加により、支持部材を形成するために使用される膨張材料の熱誘導により膨張を生じさせる可能性があり、隣接電池セルの間のシールを生じさせる。この支持部材の膨張により、電池セルが勢いよく開く場合に放出された高圧ガス及び粒子状物質に対する耐性の向上をもたらす可能性がある。例示的な膨張材料は、Hahn et al.の米国特許第3,513,114号、McGinniss et al.の米国特許第5,487,946号、Deogonの米国特許第5,591,791号、Gottfriedの米国特許第5,723,515号、Nguyen et al.の米国特許第6,790,893号、Buckingham et al.のPCT特許出願公開第WO94/17142号、JanciのPCT特許出願公開第WO98/04639号、及びFleetwood et al.のPCT特許出願公開第WO2020/077334号に開示されており、これらの特許文献の全ては、参照により本明細書に完全に組み込まれている。
【0050】
ある実施形態では、支持部材は、絶縁層の厚さよりも小さい厚さを有する。
図5Aは、支持部材520に結合された絶縁層510の側面図を示す。見られるように、組み立て前段階で(絶縁層での圧縮がない)、支持部材520は、絶縁層510の厚さ未満である厚さを有する。示されるように、絶縁層は、結果として、支持部材から突出する。
図5Bに示されるように、設置中、電池セル寿命サイクルの開始時、絶縁層は電池セルに接触し、わずかに圧縮する。いくつかの場合、支持部材が絶縁層の厚さ以上の厚さを有する場合、支持部材は電池セルに接触し、絶縁層が電池セルに接触することを防止することが発見されていた。絶縁層よりも薄い支持部材の使用は、この問題を克服できる。
【0051】
図5Cに示されるように、電池セル寿命の終了時、電池セルは膨張し始める。絶縁層の周縁の周りの位置付けられた支持部材の構成は、電池セルが膨張することを可能にし、本開示では、支持部材よりも圧縮可能である絶縁層に対して圧縮する。電池セルが劣化するにつれて電池セルが膨張することが可能になることで、電池セル筐体の突発故障を防止するのを助ける。
【0052】
封入層は単層または多層の材料である。封入層は、薄膜、エンベロープ、またはバッグの形態であり得る。封入層は、絶縁層を包囲するのに適切ないずれかの材料から作ることができる。封入層から形成するために使用される材料は、ポリマー、エラストマー、またはそれらの組み合わせから選択できる。ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリイミド(PI)、ゴム、ポリプロピレン、ポリアミド、及びナイロン等の適切なポリマーの例は、システム全体にわたる平面の熱伝導率を下げる影響をもたらす非常に低い熱伝導率(1W/m未満)を有する。一実施形態では、封入層はポリエチレンテレフタレートポリマーを含む。
【0053】
別の実施形態では、封入層は多層材料から成る。例えば、パウチ電池セルケースを形成するために使用される材料と同様の多層材料を使用し得る。一実施形態では、封入層は、3つの層、つまり、第1のポリマー層、第2の熱伝導層、及び第3のポリマー層を含むラミネートを含み、熱伝導層は第1のポリマー層と第3のポリマー層との間に挟着される。第1のポリマー層及び第3のポリマー層は、好ましくは、非常に低い熱伝導率(1W/m未満)を有するポリマーから形成される。第1のポリマー層及び第3のポリマー層に使用できるポリマーの例は、限定ではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリアミド、及びナイロンを含む。第2の層で使用できる熱伝導材料の例は、限定ではないが、金属(例えば、銅、ステンレス鋼、またはアルミニウム)、炭素繊維、グラファイト、及び炭化ケイ素を含む。金属熱伝導層を使用するとき、金属は、ポリマー層の間に挟着されるホイルの形態であり得る。
【0054】
別の実施形態では、封入層は、3つの層、つまり、第1のポリマー層、第2の難燃層、及び第3のポリマー層を含むラミネートを含み、難燃層は第1のポリマー層と第3のポリマー層との間に挟着される。前述に説明したように、第1のポリマー層及び第3のポリマー層は、好ましくは、非常に低い熱伝導率(1W/m未満)を有するポリマーから形成される。第2の層で使用できる難燃材料の例は、限定ではないが、金属(例えば、銅、ステンレス鋼、またはアルミニウム)、雲母、ポリベンゾイミダゾール繊維(PBI繊維)、被覆ナイロン、メラミン、モダクリル、及び芳香族ポリアミド(アラミド)を含む。金属熱伝導層を使用するとき、金属は、ポリマー層の間に挟着されるホイルの形態であり得る。
【0055】
金属は、ラミネート封入層で使用される好ましい材料である。金属は、熱伝導特性及び難燃性の両方を封入層に提供する。難燃性及び熱伝導性の両方を提供するために単一の材料を使用することによって、封入層の厚さを最小にできる。
【0056】
単層(ポリマーまたは金属)またはラミネート層を使用するかどうかに関わらず、封入層によって、封入層を支持部材の少なくとも一部に取り付けることによって、絶縁層を封入できる。ヒートステーキングによって、封入層を取り付けできる。本明細書に使用されるような「ヒートステーキング」という用語は、熱で溶解することによって、ポリマー材料の2つの別々のピースを接続するプロセスを指す。ヒートステーキングプロセスでは、ポリマーピースの一方または両方は、ポリマーピースの一方または両方を形成するために使用される材料のガラス転移温度を超えて加熱される。ガラス転移温度を超えてポリマーピースを加熱させることで、一方または両方のピースの材料を他のピースとともに軟質にして溶解させる。一実施形態では、封入層は、ヒートステーキングプロセスを使用して、支持部材の少なくとも一部に取り付けられる。
【0057】
代替の実施形態では、封入層自体をシールする。この代替の実施形態では、封入層は、支持部材を越えて延在し、封入層自体と接触して設置される。再度、ヒートステーキングプロセスを使用して、封入層を一緒に溶解でき、2つの層の間にシールを形成する。一実施形態では、単一の封入シートを使用して、絶縁層を封入する。本実施形態では、封入シートは絶縁層の一面を覆い、次に、絶縁層の他側を覆うために折り重ねられる。封入シートの端は相互の上部に設置され、封入層で絶縁層を包囲するためにヒートステークされる。封入層を形成するために、1つ、2つ、または3つのエッジの封入シートを一緒に接合できる。
【0058】
別の実施形態では、2つの別々の封入シートを使用して、絶縁層を封入できる。支持部材と接触して絶縁層の一面を覆う第1のシートを設置できる。次に、第2のシートは絶縁層の対向側を覆うように設置され、支持部材の対向側とも接触する。次に、第1のシート及び第2のシートは、支持部材の対向側の少なくとも一部にシートを取り付けるためにヒートステークされる。別の実施形態では、第1のシート及び第2のシートは、前述に説明したように、絶縁層の対向側に位置付けられる。第1のシート及び第2のシートは、支持部材を越えて拡大し、シートが相互に接触することを可能にする。封入シートの端は相互の上部に設置され、2つの封入シートから成る封入層で絶縁層を包囲するためにヒートステークされる。
【0059】
図6は、ラミネート封入層を生成するシステム及び方法を示す。
図6に示される実施形態では、ラミネートは、ラミネートシートの外面として働く2つのポリマー薄膜から作られる。金属ホイルは熱伝導/難燃層として使用される。薄膜の2つの別々のポリマーのロールは、2つの別々の金属ホイルシートと一緒に、ラミネーターに送られる。ラミネーションステップでシートを組み合わせてシールし、金属ホイルは2つのポリマーシートの間に挟着される。金属ホイルシートは、ラミネートで折り畳みがなされることを可能にする空間によって分離される。
【0060】
ラミネートシートは、ラミネートシートに折り目を付ける折り目付けデバイスに運ばれ、エンベロープ形態になるようにラミネートシートを折り畳むことを可能にする。ラミネートシートで折り目を付けた後、シートが延在し、絶縁層の封入のために適切なサイズに切断される。切断後、ラミネートシートはエンベロープ形状になるように折り畳まれ、絶縁層及び周囲支持部材は、エンベロープ形の封入層に設置される。ラミネートシートのエッジに形成されるフラップは、絶縁層及び支持部材をラミネートシート内にシールするために折り畳まれる。最終ステップでは、ラミネートシートを加熱し、ポリマー層を一緒に融解及び溶解させる。代替として、最終的な加熱ステップ中、ラミネートシートは、支持部材とともに融解及び溶解され得る。ヒートステーキングプロセスは、最終的なシールステップに使用され得る。ヒートステーキングプロセスでは、金属ステーキングデバイスは、ポリマーのガラス転移温度を超える温度に加熱される。金属ステーキングデバイスは、ラミネートシートに対して押圧され、冷却されると、ラミネートシートの接触部を融解及び溶解させる。好ましい実施形態では、ポリマーはポリエチレンテレフタレート(PET)であり、金属ホイルはステンレス鋼である。
【0061】
封入部材は、絶縁層から落ちたほこりまたは粒子材料の生成を減らすことができる、またはなくすことができる。加えて、封入層は、絶縁バリア上でマーキングまたは印字の記述を可能にする材料から形成できる。絶縁層のマーキングは必ずしも可能であるとは限らない。
【0062】
封入層は、パネルの内外に空気が流れることを可能にする少なくとも1つの通気口を含み得る。封入部材は、粒子状物質をろ過する少なくとも1つのフィルターを含み得る。例示的な実施形態では、封入層は、パネルの内外に空気が流れることを可能にする通気口と、粒子状物質を封入部材内に維持したままにする、通気口の上にある微粒子フィルターと、を含む。別の実施形態では、封入層は、少なくとも1つの通気口及び少なくとも1つの微粒子フィルターを含むエッジシールを含む。さらなる実施形態では、封入層は少なくとも1つの通気口及び少なくとも1つの微粒子フィルターを含むエッジシールを含み、エッジシールの通気口は封入部材エッジの内外に空気が流れることを可能にし、フィルターは気流中の粒子状物質を捕らえて保持し、粒子状物質による封入層の外側の空気汚染を防止する。
【0063】
別の実施形態では、封入層は延在部を含み得る。封入層は、金属ホイル、金属ホイルもしくは弾性特性を有するポリマーを含むラミネートから成り得る、または封入層は弾性特性を有するポリマーから成り得る。封入層の2つのシートは、絶縁層の対向側に設置され得、支持部材と接触する。
図7は、対向側で封入層720によって覆われる絶縁層710の側面図を示す。封入層は、部分的に、または好ましくは完全に、絶縁層を封入し、支持部材730に取り付けられる。金属ホイル層が封入層として使用される場合、圧着することによって、または溶接することによって、金属ホイルを支持部材に取り付けできる。
【0064】
図7に示される実施形態では、封入層の一方または両方は、電池セルを含有する筐体の内面750(例えば、側壁または上部)に向かって支持部材の一部を越えて延在する延在部740を含む。組立中、内面は位置755aが始点となる。この位置では、内面755aは延在部740aと接触する。電池セルまたはモジュールを保持する筐体を(例えば、上部を筐体上に設置させることによって)組み合わせるとき、内面755aは位置755bに移動する。この組み立プロセス中、延在部740aは位置740bに曲がる。ある実施形態では、延在部は使用前に折り目を付けることができ、その結果、延在部が筐体の内部と接触するとき、延在部が修正位置で自動的に曲がり、延在部がシールを形成することを可能にする。
【0065】
図7に示されるように、位置755bにおける筐体の内面との、位置740bにおける延在部の接触により、電池セル760の間にシールが形成される。絶縁バリアと筐体の内面との間にシールが形成されると、電池セルを隣接電池セルから熱的に隔離するのを助けることができる。これは、特に、熱暴走を受ける電池セルにより、隣接電池における熱暴走イベントが生じることを防止するのに有用である。
【0066】
ある実施形態では、絶縁バリアは、封入層に結合された1つ以上の接着性パッドを有する。
図8は、接着性パッド840を有する絶縁バリア800の上面図及び側面図を示す。絶縁層810は封入層830によって封入される。前述に説明したように、支持部材820を使用して、絶縁層を支持し、その封入を容易にする。封入層に加えて、1つ以上の接着性パッド840(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の接着性パッド)は、封入層の外面に取り付けられる。
図8に示されるように、好ましくは、接着性パッドは、支持部材に近接する封入層に結合される。また、
図1は、接着性パッド140を有する絶縁バリアの実施形態も示す。
【0067】
図9Aは、2つの電池セルの間に設置された絶縁バリアの上面図を示す。
図9Bでは、接着性パッドは、絶縁バリアと電池セルとの間に位置付けられ、絶縁バリアと電池セルとの間にクッションが提供される。接着性パッドは、片面接着性パッドまたは両面接着性パッドであり得る。接着性パッドが片面にある実施形態では、接着剤を使用して、接着性パッドを封入層に接着する。接着性パッドの対向する非粘着部は隣接電池セルに対して静止し、絶縁バリアと電池セルとの間にクッションが提供される。好ましい実施形態では、両面接着から接着性パッドを形成する。片面接着性パッドと同様に、両面接着性パッドの一面は封入層に取り付けられる。両面接着性パッドの対向側は、接着性パッドを電池セルに接着するために使用される接着表面を含む。絶縁バリアを電池セルに(接着性パッドによって)接着させる場合、電池モジュール(または電池パック)を組み合わせると、絶縁バリアを電池と整列することを維持することによって製造を補助できる。接着剤がない場合、絶縁バリアは、電池セルとの整列から滑り落ち得、製造業者は、絶縁バリアを電池セルと定期的に再整列させることが必要になる。
【0068】
図9に示されるように、好ましい実施形態では、両面接着性パッドは絶縁バリアの対向側に設置される。対向する接着性パッドの使用により、絶縁バリアを両方の隣接電池セルに接着することを可能にする。これにより、電池セルと絶縁バリアとの間に適切な整列が製造プロセス全体にわたって維持されることを確実にする。また、接着剤を使用することは、電池セルの使用中、電池セルの絶縁バリアとの整列を維持する際に役立つ可能性がある。前述に説明されているように、エネルギー貯蔵システムの寿命中、電池セルは膨張する。パックされた電池モジュールまたは電池パックの内側の狭い許容誤差を考えると、電池セルの膨張により、絶縁バリアを整列位置から変位させる可能性がある。絶縁バリアを電池セルに接着させる接着性パッドがある場合、エネルギー貯蔵システムの正常動作中、電池セルに対する絶縁バリアの変位を抑制または防止するのを助けることができる。
【0069】
絶縁バリアと整列して電池セルを維持するために接着剤を使用する代わりに、またはその使用に加えて、位置合わせシステムを使用して、整列を補助し得る。
図10に示される実施形態では、1つ以上の位置合わせガイド1040は、電池モジュール(または電池パック)筐体1000の内側に位置付けられる。一実施形態では、位置合わせガイドは、電池セル及び絶縁バリアの縦軸と実質的に垂直に、筐体の一端から筐体の反対端まで延在するロッドであり得る。
図2に示されるように、位置合わせ要素145は、支持部材に形成され得る。この特有の実施形態では、位置合わせ要素は、支持部材に形成される開口部である。開口部は、位置合わせガイドの直径に等しい直径、または位置合わせガイドの直径よりもわずかに大きい直径を有する。組立中、絶縁バリアは、位置合わせ要素(例えば、開口部)を使用することによって電池セルと整合し、絶縁バリアを位置合わせガイド(例えば、ロッド)に沿って適所に移動させることができる。位置合わせガイド/要素として凸部/凹部を使用する位置合わせシステムを含む他のタイプの位置合わせシステムを使用できる。また、トレイまたはチャネルは、位置合わせシステムで使用できる。
【0070】
図9は、さらに、絶縁層を伴う支持フレームを使用する利点を示す。
図9Cは、2つの電池セルの間に位置付けられる絶縁層を示す。
図9Cでは、支持部材は絶縁層に取り付けられない。電池セルが膨張するにつれて、絶縁層が圧縮される。
図9Cに示されるように、これにより絶縁層にせん断ひずみを生じさせ、絶縁層を変位させ、電池セルから離れて延在させる。対照的に、
図9Bでは、支持部材は絶縁層の側面を囲む。電池セルが拡張し始まるとき、絶縁層の拡張は支持フレームによって含有され、絶縁層が電池セルを越えて延在することを防止する。これは、特に、電池セルが狭い筐体内にパックされ、絶縁層の変位により筐体のインテグリティ、及び筐体の側壁と関連付けられた電子機器に影響を与える可能性があるときに有用であり得る。
【0071】
図11は、膨張材料及び熱伝導封入層から成る絶縁バリアの代替の実施形態を示す。絶縁バリア1100は、封入層1130によって封入される絶縁層1110を含む。前述に説明したように、支持部材1120を使用して、絶縁層を支持し、その封入を容易にする。本実施形態では、支持部材1120は、絶縁層を部分的に囲むように一緒に接合される3つのセグメント(1120a、1120b、及び1120c)を含む。
【0072】
図12は、絶縁層に結合された支持部材の拡大図を示す。
図11に示されるように、支持部材1120は、絶縁層1110を少なくとも部分的に囲む。封入層1130は、シール1135を使用して、支持部材に取り付けられる。封入層を支持部材に対して設置して、結合を形成するために封入層を融解することによって、シールを作成できる。代替として、シール材料(例えば、接着剤または溶融ポリマー)は、支持部材、及びシール材料上に押圧された封入層に適用できる。封入層を支持部材に対してシールすることで、電池筐体内の絶縁層から粒子状物質の量を最小にすることができる。
【0073】
図13は、高温イベント(例えば、熱暴走イベント)の前後の膨張支持部材1120の概略図を示す。通常の使用中(左に描かれている)、支持部材1120は最小厚さを有し、電池セル/モジュール筐体の支持部材と壁1140との間にギャップが存在する。本明細書に使用されるような高温イベントは、90℃よりも大きい、130℃よりも大きい、または180℃よりも大きい温度に達するときに発生する。高温イベントが発生するとき、電池セル構成要素は劣化し始め、他の電池セルに伝搬する暴走状態を生じさせる。
図13に示されるように、高温イベントが発生するとき、膨張支持部材が拡張して、絶縁層1110と筐体壁1140との間のギャップを充填する。ギャップを充填することで、絶縁層と筐体壁との間に熱バリア及び物理的バリアを作成し、熱及び粒子状物質が隣接電池セルに接触することを防止する。
【0074】
図14は、絶縁層1110を実質的に囲むU字形支持部材1120を含む絶縁層1110の実施形態を示す。本実施形態では、絶縁層の下側は開いたままであり、概して、筐体の底部と接触する。
【0075】
絶縁層、特に絶縁層はエアロゲルを含み、電気貯蔵システムに有害になる可能性がある粒子状物質(ほこり)を生成する傾向があり、製造上の課題が生じる。上記に説明したように、粒子状物質の解放は、封入層を使用することによって軽減できる。封入層は一般的に絶縁層の周りにシールされることにより、粒子及びガスは、封入層に入るまたは出ることができない。封入層の圧縮中、封入層は断裂し得、粒子及びガスが電池モジュール内に放出される。この課題を軽減するために、粒子捕獲部材が支持部材に追加され得る。絶縁体の圧縮中に生成された粒子を取り込むことができ、その粒子は粒子捕獲部材内に少なくとも部分的に保持される。本明細書に使用されるような粒子捕獲部材は、材料に衝突する粒子を閉じ込めることができる材料の層を指す。粒子捕獲部材に使用される材料の例は、限定ではないが、発泡体(オープンセルまたはクローズドセル)、織布材料、不織布材料(例えば、フェルト、中綿、マット状の布)、または網状材料を含む。概して、粒子捕獲部材は、ガスが材料を通過することを可能にする材料から作られている一方、粒子は粒子捕獲部材に保持される。
【0076】
図15は、支持部材1120によって少なくとも部分的に囲まれた絶縁層1110を有する絶縁バリアの実施形態を示す。絶縁バリアは、さらに、圧縮中エアフローが絶縁層から外に出ることを可能にする支持部材がない1つ以上のコーナーに開口部を含む。開口部は、粒子捕獲部材1150で満たされ、粒子(例えば、エアロゲル)が絶縁バリアから漏出することを抑制または防止し得る。
図15に示される実施形態では、粒子捕獲部材1150は支持部材よりも大きくなり得、支持部材と部分的に重なり得る。
図16は、支持部材のコーナーに形成された開口部に組み込まれた粒子捕獲部材を有する支持部材の代替の実施形態を示す。
図16では、粒子捕獲部材は支持部材と実質的に同じサイズを有する。
【0077】
図17は、絶縁層1110及び封入層1130に結合された膨張支持部材1120を有する絶縁バリアの側面図を示す。膨張支持部材は、絶縁層と電池モジュールハウジングとの間にギャップを上手くシールするためにT字形であり得る。
図12に示されるように、封入層1130は、封入層の一部を融解することによって、または接着剤を使用することによって、T字形の膨張支持部材に接着できる。
【0078】
図18は、絶縁バリアの代替の実施形態を示す。本実施形態では、T字形の膨張支持部材1120は、絶縁層1110及び封入層1130に結合される。本実施形態は、膨張支持部材1120が封入層1130のエッジの周りで巻かれる点で、
図17に示される実施形態とは異なる。封入部材のエッジの周りで支持部材を巻くことで、膨張支持部材が熱暴走イベントによって誘発されるとき、電池セルの隔離の改善をもたらすのを助ける。
【0079】
図19は絶縁バリアの別の実施形態を示す。本実施形態では、封入層1130はU字形であり、熱交換要素1170を伴う封入層の表面積が増加する。膨張支持部材1120は、封入層1130のエッジの周りで巻くことができる。使用中、隣接電池セルによって生成された熱は、熱伝導封入層1130を通って熱交換要素1170に伝達される。次に、熱は、熱交換要素を通って電池セルから離れて伝達される。
【0080】
図20は、絶縁バリアの代替の実施形態を示す。
図19の絶縁バリアと同様に、
図20の絶縁バリアは、熱交換要素1170との封入層1130の接触を増加させるための広い表面積を含む。封入層は2つのL字形ピースから成る。L字形ピースは絶縁バリア1110の対向面に配置される。使用中、L字形封入ピースの端にわずかなギャップが存在する可能性がある。このギャップにより、封入層にいくつかの柔軟性が生じることを可能にする。
図20に示されるように、電池セルが使用中に拡張すると、L字形封入ピースの底部アームが、相互に向かって移動し、最終的に、相互に接触する。
【0081】
ある実施形態では、電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアは、絶縁層と、絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材とを含む。絶縁層は、また、絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層を含む。1つ以上のシーリングタブは支持部材に結合される。シーリングタブは形状記憶材料から作られ、熱に曝されるとき、シーリングタブは支持部材から離れて延在するように位置付けられる。例えば、正常の電池使用中、シーリングタブは第1の位置にある。第1の位置では、シーリングタブは、支持部材に対して実質的に静止する。加熱されるとき、シーリングタブは第2の位置に移動する。第2の位置では、シーリングタブは、筐体と接触する支持部材から離れて延在する。
【0082】
図21は、電池筐体(例えば、電池モジュール筐体または電池パック筐体)の概略図を示す。絶縁バリア1200は、電池セル(または電池モジュール)1260のそれぞれの間に位置付けられる。本明細書に説明されるように、絶縁バリアは絶縁層及び封入層を含む。絶縁バリア1200は、また、絶縁層と電池モジュール/パック筐体1240との間に位置付けられるシーリングタブ1280を含む。電池モジュール/パックの通常の使用中、シーリングタブが「開放」位置にあるままであり、図の右側に示されるように、シーリングタブは絶縁バリアにわたって折り畳まれる。図の右側に示されるように、熱暴走イベントが発生するとき、イベントからの熱がシーリングタブに達し、位置変化を誘起する。
【0083】
図21に示されるように、熱暴走イベント中、故障電池セル/モジュールからの熱により、シーリングタブの変化を誘起する。熱気(例えば、故障電池セルまたはモジュールからの熱気)がシーリングタブに達するとき、熱により、シーリングタブの形状が変化し、筐体の一部と接触させる。筐体と接触するシーリングタブは、熱暴走イベント中に排出できる熱及び粒子に対する追加バリアを形成する。また、電池モジュールを損傷からさらに保護する追加タブ1265も存在し得る。追加タブ1265は膨張材料から作ることができる。加熱されるとき、追加タブ1265が拡張して、筐体1240と接触する。
【0084】
シーリングタブ1280は形状記憶合金から作ることができる。形状記憶合金は、加熱されるとき、2つの個々の状態をもたらす合金である。第1の状態では、シーリングタブは、絶縁層に対して緩和位置にある。加熱されるとき、シーリングタブは第2の位置に移動し、シーリングタブは筐体と接触する。シーリングタブを形成するために使用できる例示的な形状記憶合金は、ニチノールとして一般に知られているニッケルチタン合金である。
【0085】
図22は、電池筐体の代替の実施形態を示す。本実施形態では、2つのピースシーリングタブは、モジュールの中間で電池セルを保護するために離れて設置される。熱によって活性化するとき、形状記憶シーリングタブは、相互に隣り合う配置のため、熱伝達及び質量伝達を両方向からブロックする(例えば、断裂している電池セルからの粒子をブロックする)。
【0086】
図23及び
図24は、シーリングタブ1265の代替の配置を示す。これらの実施形態では、シーリングタブは、筐体の上部に及び/または支持部材の上に位置し得る。
図23では、シーリングタブは膨張材料にわたって設置され、モジュールハウジングに向かって曲がる。この配向のシーリングタブの配置は、熱暴走中、追加の熱及び微粒子のブロックを提供する。図に示されるように、熱暴走イベント中、シーリングタブは、電池セルの間に拡張して、シールを形成することによって、熱に反応する。
図24では、シーリングタブは支持部材及び筐体に結合される。筐体に取り付けられたシーリングタブは下向きに拡張する一方、支持部材のシーリングタブは上向きに拡張する。隣接電池セルの対と関連付けられた単一の分離タブを有するデバイスでは、分離タブを使用して、一方向で熱伝達及び質量伝達をブロックできる。2つのシーリングタブは、相互に隣り合って設置され、両方向からの熱伝達及び質量伝達をブロックできる。
【0087】
本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容が明らかに他の意味が示される場合を除き、複数形の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される「または(or)」という用語は、概して、文脈上明らかに他の意味が示される場合を除き、「及び/または(and/or)」を含む意味で利用される。
【0088】
本明細書に使用される「約(about)」は、「大体」または「ほぼ」を意味し、記載された数値または範囲に関連して、数値の±5%を意味する。ある実施形態では、「約(about)」という用語は、数値の有効数字に従って、従来の四捨五入を含み得る。加えて、『約「x」~「y」』という語句は、『約「x」~約「y」』を含む。
【0089】
本開示の文脈内で、「エアロゲル」、「エアロゲル材料」、または「エアロゲルマトリクス」という用語はゲルを指し、ゲルは、相互接続された細孔の対応する網状組織が骨格内に統合された、相互接続構造の骨格を含み、分散隙間媒体として空気等のガスを封じ込め、そして、ゲルは、以下の(a)~(c)のエアロゲルに起因する以下の物理的特性及び構造的特性(窒素ポロシメトリー試験に従った特性)を特徴とする:(a)約2nm~約100nmの範囲にわたる平均孔径、(b)少なくとも80%以上の気孔率、及び(c)約100m2/g以上の表面積。
【0090】
したがって、本開示のエアロゲル材料は、前述の段落に記載された定義した要素を満足するいずれかのエアロゲルまたは他のオープンセル型材料を含み、それ以外の場合、キセロゲル、クライオゲル、アンビゲル、微小孔材料等として分類できる材料を含む。
【0091】
本開示の文脈内で、「熱暴走」への言及は、概して、様々な動作要因によるセル温度及び圧力の突然の増加、急速な増加を指し、熱暴走は、さらには、関連のモジュール全体にわたって過度温度の伝播をもたらす可能性がある。そのようなシステムで熱暴走の潜在的な原因は、例えば、セルの欠陥及び/または短絡(内部及び外部の両方)、過充電、事故のイベント等のセルの絶縁破壊または断裂等、及び過度周辺温度(例えば、一般的に55℃よりも大きい温度)を含み得る。通常の使用では、内部抵抗の結果として、セルは加熱する。通常の電力/電流の負荷及び周囲動作状態において、ほとんどのLiイオンのセル内の温度は、20℃~55℃の範囲にととどまるように比較的容易に制御できる。しかしながら、高いセル/周辺温度における高電力の引き出し、同様に個々のセルの欠陥等の負担のかかる状態では、局所発熱が急に増加し得る。特に、臨界温度を上回ると、セル内の発熱化学反応は活性化する。さらに、一般的に、化学的発熱により、温度が急激に増加する。結果として、発熱は利用可能な熱放散よりもはるかに大きい。熱暴走により、セルの通気口及び内部の温度が200℃を超える可能性がある。
【0092】
本開示の文脈内で、「柔軟性のある」及び「柔軟性」という用語は、マクロ構造の故障がなく、材料または組成物が曲がるまたは屈曲する能力を指す。本開示の絶縁層は、巨視的故障がなく、少なくとも5°、少なくとも25°、少なくとも45°、少なくとも65°、もしくは少なくとも85°で曲がることが可能である、及び/または巨視的故障がなく、4フィート未満、2フィート未満、1フィート未満、6インチ未満、3インチ未満、2インチ未満、1インチ未満、もしくはUインチ未満の曲げ半径を有する。同様に、「高い柔軟性がある」または「高い柔軟性」という用語は、巨視的故障がなく、少なくとも90°まで曲がることが可能である材料、及び/またはUインチ未満の曲げ半径を有する材料を指す。さらに、「分類された柔軟性」及び「柔軟性として分類される」という用語は、ASTM C1101(ASTM International,West Conshohocken,PA)に従って、柔軟性があるとして分類できる材料または組成物を指す。
【0093】
本開示の絶縁層は、柔軟性があり得る、より高度な柔軟性があり得る、及び/または分類された柔軟性があり得る。また、本開示のエアロゲル組成物はドレープ可能でもあり得る。本開示の文脈内で、「ドレープ可能」及び「ドレープ能力」という用語は、巨視的故障がなく、約4インチ以下の曲率半径がある材料が90°以上曲がるまたは屈曲する能力を指す。本開示の特定の実施形態に従った絶縁層は、組成物が非剛性であるように柔軟性があり、そして、組成物は、3次元の表面もしくは物体に適用及び適合し得る、または設置もしくは適用を簡素にするために様々な形状及び構成にプレフォームされ得る。
【0094】
本開示の文脈内で、「熱伝導率」及び「TC」という用語は、2つの表面の間で温度差がある材料または組成物のいずれかの側の2つの表面の間に熱を伝達する材料または組成物の能力の測定値を指す。熱伝導率は、具体的には、単位時間毎に及び単位表面積毎に伝達された熱エネルギーを温度差で割ったものとして測定される。通常、SI単位でmW/m*K(ミリワット/メートル*ケルビン)として記録される。材料の熱伝導率は、当技術分野で既知の以下の試験方法によって判定され得る。試験方法は、限定ではないが、Test Method for Steady-State Thermal Transmission Properties by Means of the Heat Flow Meter Apparatus(ASTM C518,ASTM International,West Conshohocken,PA)、Test Method for Steady-State Heat Flux Measurements and Thermal Transmission Properties by Means of the Guarded-Hot-Plate Apparatus(ASTM C177,ASTM International,West Conshohocken,PA)、Test Method for Steady-State Heat Transfer Properties of Pipe Insulation(ASTM C335,ASTM International,West Conshohocken,PA)、Thin Heater Thermal Conductivity Test(ASTM C1114,ASTM International,West Conshohocken,PA)、Standard Test Method for Thermal Transmission Properties of Thermally Conductive Electrical Insulation Materials(ASTM D5470,ASTM International,West Conshohocken,PA)、Determination of thermal resistance by means of guarded hot plate and heat flow meter methods(EN 12667,British Standards Institution,United Kingdom)、またはDetermination of steady-state thermal resistance and related properties-Guarded hot plate apparatus(ISO 8203,International Organization for Standardization,Switzerland)を含む。場合によって異なる結果をもたらす異なる方法により、本開示の文脈内で、明示的に別段の定めをした場合を除き、熱伝導率の測定値は、周囲環境の大気圧で約37.5℃の温度で、また約2psiの圧縮負荷がかかるとき、ASTM C518規格(Test Method for Steady-State Thermal Transmission Properties by Means of the Heat Flow Meter Apparatus)に従って取得されることを理解されたい。ASTM C518のとおり報告された測定値は、一般的に、圧縮負荷に対するいずれかの関連の調整でEN12667のとおり行われた測定値のいずれかと十分に相関関係がある。
【0095】
また、熱伝導率の測定値は、圧縮時の大気圧において約10℃の温度で獲得できる。10℃における熱伝導率の測定値は、概して、37.5℃における対応する熱伝導率の測定値よりも低い0.5~0.7mW/mKである。特定の実施形態では、本開示の絶縁層は、10℃において、約40mW/mK以下、約30mW/mK以下、約25mW/mK以下、約20mW/mK以下、約18mW/mK以下、約16mW/mK以下、約14mW/mK以下、約12mW/mK以下、約10mW/mK以下、約5mW/mK以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の熱伝導率を有する。
【0096】
「曲げ弾性率」または「弾性の曲げ係数」という用語は、3点曲げ試験として知られているサンプルの長いエッジに対して垂直に力が加わるとき、曲げに対する材料剛性/抵抗の測定値である。曲げ弾性率は材料が曲がる能力を示す。曲げ弾性率は、応力ひずみ曲線の初期直線部の傾きによって表され、応力の変化を対応するひずみの変化で割ることによって計算される。したがって、応力とひずみとの比は曲げ弾性率の測定値である。曲げ弾性率の国際標準単位は、パスカル(PaまたはN/m2またはm-l.kg.s-2)である。使用される実用単位はメガパスカル(MPaまたはN/mm2)またはギガパスカル(GPaまたはkN/mm2)である。米国慣用単位では、それは平方インチ当たり(psi)のポンド(力)として表される。特定の実施形態では、本開示の絶縁層は、約8MPa以下、約7MPa以下、約6MPa以下、約5MPa以下、約4MPa以下、約3MPa以下の曲げ弾性率を有する。好ましくは、本開示の絶縁層、例えばエアロゲルは、約2MPa~約8MPaの曲げ弾性率を有する。
【0097】
本開示の文脈内で、「燃焼熱」、「HOC」、及び「ΔHC」という用語は、材料または組成物の燃焼または発熱分解で放出された熱エネルギー量の測定値を指す。燃焼熱は、一般的に、エアロゲル材料または組成物のグラム毎に放出された熱エネルギーのカロリー(cal/g)の単位で、または材料もしくは組成物のキログラム毎に放出された熱エネルギーのメガジュール(MJ/kg)の単位で記録される。材料または組成物の燃焼熱は、当技術分野で既知の方法によって判定され得る。既知の方法は、限定ではないが、Reaction to fire tests for products-Determination of the gross heat of combustion(calorific value)(EN ISO 1716,International Organization for Standardization,Switzerland;EN adopted)を含む。本開示の文脈内で、燃焼熱の測定値は、特に記載がない限り、EN ISO1716規格(Reaction to fire tests for products-Determination of the gross heat of combustion(calorific value))に従って得られる。
【0098】
本開示の文脈内で、全ての熱分析及び関連の定義は、空気が周囲圧力で、25℃で開始し、毎分20℃の速度で最大1000℃まで上昇する条件で行われた測定値が参照されている。したがって、熱分解の開始温度、放熱のピーク温度、熱吸収のピーク温度等を測定及び計算する際に、これらのパラメーターのいずれかの変化を考慮する必要がある(または、これらの条件下で再度行う必要がある)。
【0099】
本開示の文脈内で、「熱分解の開始温度」及び「TD」という用語は、有機材料の分解からの急速な発熱反応が材料または組成物の中に現れる環境熱の最低温度の測定値を指す。熱重量分析(TGA)を使用して、材料または組成物の中の有機材料の熱分解の開始温度を測定し得る。材料のTGA曲線は、周囲温度の増加に材料が曝されるときの材料の重量損失(%質量)を示し、したがって熱分解を示す。材料の熱分解の開始温度は以下のTGA曲線の接線の交点:TGA曲線の基線に接する直線、及び、有機材料の分解に関する急速な発熱分解イベント中の最大傾斜点でTGA曲線に接する直線と相関関係があり得る。本開示の文脈内で、有機材料の熱分解の開始温度の測定値は、特に記載がない限り、この段落で提供されるようなTGA分析を使用して得られる。
【0100】
また、示差走査熱量測定(DSC)分析を使用して、材料の熱分解の開始温度を測定し得る。材料のDSC曲線は、材料が周囲温度の漸増に曝されるとき、材料によって放出された熱エネルギー(mW/mg)を示す。材料の熱分解の開始温度は、ΔmW/mg(熱エネルギー出力の変化)が最大で増加するDSC曲線の点と相関関係があり得、したがって、DSC曲線はエアロゲル材料からの発熱生成量を示す。本開示の文脈内で、DSC、TGA、またはそれら両方を使用する熱分解の開始温度の測定値は、特に明確に記載しない限り、前述の段落でさらに定義された20℃/分の温度上昇速度を使用して得られる。DSC及びTGAは、それぞれ、この熱分解の開始温度と同様の値を提供し、何回も、試験が同時に実行されることにより、試験結果はDSC及びTGAの両方から取得される。
【0101】
本開示の文脈内で、「火炎時間」及び「TFLAME」という用語は、熱分解状態下での材料または組成物の火炎の持続時間の測定値を指し、「火炎時間の持続時間」は、5秒以上続く検査サンプルの可視部のいずれかの部分での火炎の存続時間である。火炎時間は、一般的に、秒または分の単位で記録される。材料または組成物の火炎時間は、限定ではないが、Reaction to fire tests for building and transport products:Non-combustibility test(EN ISO 1182,International Organization for Standardization,Switzerland;EN adopted)を含む、当技術分野で既知の方法によって判定され得る。本開示の文脈内で、火炎時間の測定値は、特に記載がない限り、EN ISO1182規格(Reaction to fire tests for building and transport products:Non-combustibility test)と同等の条件に従って得られる。特定の実施形態では、本開示のエアロゲル組成物は、約30秒以下、約25秒以下、約20秒以下、約15秒以下、約10秒以下、約5秒以下、約2秒以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の火炎時間を有する。本明細書の文脈内で、例えば、第2の組成物の火炎時間よりも短い火炎時間を有する第1の組成物について、第2の組成物よりも第1の組成物のほうが改善することが考えられるであろう。本明細書では、いずれかの防火等級添加剤を含まない組成物と比較して、1つ以上の防火等級添加剤を追加するとき、組成物の火炎時間は短縮されることが想到される。
【0102】
本開示の文脈内で、「質量損失」及び「ΔM」という用語は、熱分解状態下で、損失するまたは焼却される材料、組成物、または合成物の量の測定値を指す。質量損失は、一般的に、重量パーセントまたはwt%単位で記録される。材料、組成物、または合成物の質量損失は、限定ではないが、Reaction to fire tests for building and transport products:Non-combustibility test(EN ISO 1182,International Organization for Standardization,Switzerland;EN adopted)を含む、当技術分野で既知の方法によって判定され得る。本開示の文脈内で、質量損失の測定値は、特に記載がない限り、EN ISO1182規格(Reaction to fire tests for building and transport products:Non-combustibility test)と同等の条件に従って得られる。特定の実施形態では、本開示の絶縁層またはエアロゲル組成物は、約50%以下、約40%以下、約30%以下、約28%以下、約26%以下、約24%以下、約22%以下、約20%以下、約18%以下、約16%以下、またはこれらの値のうちのいずれか2つの間の範囲の質量損失を有し得る。本明細書の文脈内で、例えば、第2の組成物の質量損失よりも小さい質量損失を有する第1の組成物について、第2の組成物よりも第1の組成物のほうが改善することが考えられるであろう。本明細書では、いずれかの防火等級添加剤を含まない組成物と比較して、1つ以上の防火等級添加剤を追加するとき、組成物の質量損失は減ることが想到される。
【0103】
本開示の文脈内で、「放熱のピーク温度」という用語は、分解からの発熱放熱が最大である環境熱の温度の測定値を指す。TGA分析、示差走査熱量測定(DSC)、またはそれらの組み合わせを使用して、材料または組成物の放熱のピーク温度を測定し得る。DSC及びTGAは、それぞれ、放熱のピーク温度の同様の値を提供するであろう。そして、何回も、試験は同時に実行されることにより、結果はDSC及びTGAの両方から取得される。一般的なDSC分析では、熱流は昇温に対してプロットされ、放熱のピーク温度は、そのような曲線の最高ピークが発生する温度である。本開示の文脈内で、材料または組成物の放熱のピーク温度の測定値は、特に記載がない限り、この段落で提供されるようなTGA分析を使用して得られる。
【0104】
吸熱材料に関連して、「熱吸収のピーク温度」という用語は、分解からの吸熱の熱吸収が最大である環境熱の温度の測定値を指す。TGA分析、示差走査熱量測定(DSC)、またはそれらの組み合わせを使用して、材料または組成物の熱吸収のピーク温度を測定し得る。一般的なDSC分析では、熱流は昇温に対してプロットされ、熱吸収のピーク温度は、そのような曲線の最低ピークが発生する温度である。本開示の文脈内で、材料または組成物の熱吸収のピーク温度の測定値は、特に記載がない限り、この段落で提供されるようなTGA分析を使用して得られる。
【0105】
本開示の文脈内で、「低可燃性」及び「低可燃性の」という用語は、以下、i)50℃以下の炉温上昇、ii)20秒以下の火炎時間、及びiii)50wt%以下の質量損失、の特性の組み合わせを満たす材料または組成物を指す。本開示の文脈内で、「不燃性」及び「不燃性の」という用語は、以下、i)40℃以下の炉温上昇、ii)2秒以下の火炎時間、及びiii)30wt%以下の質量損失、の特性の組み合わせを満たす材料または組成物を指す。本明細書に説明されるように、組成物の可燃性(例えば、炉温上昇、火炎時間、及び質量損失の組み合わせ)が1つ以上の防火等級添加剤の含有物に応じて減ることが想到される。
【0106】
本開示の文脈内で、「低燃焼性」及び「低燃焼性の」という用語は、3MJ/kg以下の燃焼熱(HOC)の合計を有する低可燃性の材料または組成物を指す。本開示の文脈内で、「不燃焼性」及び「不燃焼性の」という用語は、2MJ/kg以下の燃焼熱(HOC)を有する不燃焼性の材料または組成物を指す。本明細書に説明されるように、組成物のHOCが1つ以上の防火等級添加剤の含有物に応じて減ることが想到される。
【0107】
電池モジュールまたは電池パックの内部での絶縁バリアの使用
リチウムイオン電池(LIB)は、従来の電池と比較して、その高い作動電圧、低いメモリ効果、及び高エネルギー密度のため、最も重要なエネルギー貯蔵技術のうちの1つであると考えられる。しかしながら、安全上の懸念は、LIBの大規模利用を妨げる障壁がかなりある。過酷状態下では、発熱反応は、後続の危険反応を誘発する可能性がある放熱をもたらし得る。過酷状態のセルからの放熱が連鎖反応を活性化する可能性があるとき状況が悪化し、突発的な熱暴走が生じる。
【0108】
LIBのエネルギー密度の継続的な改善により、電気デバイス、例えば電気自動車の開発に関して、その安全性を高めることがますます急を要するようになっている。安全性の問題の背後にあるメカニズムは、異なる電池化学反応ごとに変わる。本技術は、好ましい熱特性及び機械特性を取得するために、絶縁バリアを調製することと、その調製したバリアに対応する構成に注目している。本技術の絶縁バリアは、正常状態下で、同様に熱暴走状態下で、効果的な熱放散対策を提供する一方、正常動作モード下でLIBの安定性(例えば、加えられた圧縮応力に耐えること)を確実にする。
【0109】
本明細書に開示される絶縁バリアは、任意の構成の電池の電池セルまたは電池構成要素、例えばパウチセル、円筒形セル、プリズムセル、同様に、そのような任意のセルを組み込むまたは含むパック及びモジュールを分離、絶縁、及び保護するのに有用である。本明細書に開示される絶縁バリアは、再充電可能電池、例えば、リチウムイオン電池、ソリッドステート電池、及びいずれかの他のエネルギー貯蔵デバイス、または分離、絶縁、及び保護を必要とする技術で有用である。
【0110】
冷却システム等のパッシブデバイスは、電池モジュールまたは電池パックの内部の本開示の絶縁バリアと併せて使用され得る。
【0111】
電池パックの本開示の様々な実施形態に従った絶縁バリアは、単一の電池セル、または電池セルのモジュールを熱的に相互に分離するために、該単一の電池セルの複数のもの、または電池セルのモジュールを含む。電池モジュールは、単一の筐体に配置された複数の電池セルから成る。電池パックは複数の電池モジュールから成る。
【0112】
電池モジュール及び電池パックを使用して、電気エネルギーをデバイスまたは車両に供給できる。電池モジュールまたは電池パックを使用するデバイスは、限定ではないが、ラップトップコンピューター、PDA、携帯電話、タグスキャナ、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ディスプレイパネル、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デスクトップコンピューター、軍用ポータブルコンピューター、軍用電話、レーザー測距器、デジタル通信デバイス、機密情報収集センサー、電子統合型衣料品、暗視機器、電動工具、電卓、無線、リモート制御機器、GPSデバイス、ハンドヘルドテレビ及びポータブルテレビ、カースターター、懐中電灯、音響デバイス、ポータブル加熱デバイス、ポータブル電気掃除機、またはポータブル医療ツールを含む。車両に使用されるとき、電池パックは、全電気式車両のために、またはハイブリッド車で使用できる。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0112】
電池モジュール及び電池パックを使用して、電気エネルギーをデバイスまたは車両に供給できる。電池モジュールまたは電池パックを使用するデバイスは、限定ではないが、ラップトップコンピューター、PDA、携帯電話、タグスキャナ、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ディスプレイパネル、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デスクトップコンピューター、軍用ポータブルコンピューター、軍用電話、レーザー測距器、デジタル通信デバイス、機密情報収集センサー、電子統合型衣料品、暗視機器、電動工具、電卓、無線、リモート制御機器、GPSデバイス、ハンドヘルドテレビ及びポータブルテレビ、カースターター、懐中電灯、音響デバイス、ポータブル加熱デバイス、ポータブル電気掃除機、またはポータブル医療ツールを含む。車両に使用されるとき、電池パックは、全電気式車両のために、またはハイブリッド車で使用できる。
本発明に関連する発明の実施態様の一部を以下に示す。
[態様1]
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、を含み、前記封入層は前記支持部材の少なくとも一部に接触する、前記絶縁バリア。
[態様2]
前記支持部材は、前記絶縁層に使用される材料と異なる材料から成る、態様1に記載の絶縁バリア。
[態様3]
前記絶縁バリアは、前記絶縁層の対向側に位置付けられた2つの支持部材を含む、態様1または2に記載の絶縁バリア。
[態様4]
前記絶縁バリアはU字形支持部材を含む、態様1または2に記載の絶縁バリア。
[態様5]
前記絶縁バリアは、前記絶縁バリアの外周を囲む支持部材を含む、態様1または2に記載の絶縁バリア。
[態様6]
前記支持部材はポリマー材料から成る、態様1~5のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様7]
前記支持部材は、前記絶縁層の曲げ弾性率よりも大きい曲げ弾性率を有する、態様1~6のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様8]
前記支持部材は100MPaよりも大きい曲げ弾性率を有する、態様1~7のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様9]
前記支持部材は膨張材料を含む、態様1~8のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様10]
前記支持部材は1つ以上の位置合わせ要素を含み、前記位置合わせ要素は位置合わせガイドと結合し、前記位置合わせガイドは、複数の絶縁バリア及び電池セルを相互に整列させる、態様1~9のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様11]
前記支持部材は、前記絶縁層の厚さよりも小さい厚さを有する、態様1~10のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様12]
前記絶縁層は、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、態様1~11のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様13]
前記絶縁層はエアロゲルを含む、態様1~12のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様14]
前記封入層はポリマー材料を含む、態様1~13のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様15]
前記封入層は、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、態様1~13のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様16]
前記封入層は前記支持部材に取り付けられる、態様1~15のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様17]
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を囲み、前記封入層自体が、前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む筐体を形成するためにシールされる、態様1~16のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様18]
前記封入層に結合された1つ以上の接着性パッドをさらに含む、態様1~17のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様19]
前記封入層は前記支持部材の一部を越えて延在する延在部を含み、使用中、前記延在部は、前記絶縁バリアを含有する筐体の内面に接触する、態様1~18のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様20]
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材であって、前記支持部材は膨張材料を含む、前記支持部材と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、を含み、前記封入層は前記支持部材の少なくとも一部に接触し、前記封入層は熱伝導材料を含む、前記絶縁バリア。
[態様21]
前記絶縁バリアは、前記絶縁層の対向側に位置付けられた2つの支持部材を含む、態様20に記載の絶縁バリア。
[態様22]
前記絶縁バリアはU字形支持部材を含む、態様20に記載の絶縁バリア。
[態様23]
前記支持部材は前記絶縁バリアの外周を囲む、態様20に記載の絶縁バリア。
[態様24]
前記支持部材は、前記絶縁層の曲げ弾性率よりも大きい曲げ弾性率を有する、態様20~23のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様25]
前記支持部材は100MPaよりも大きい曲げ弾性率を有する、態様20~24のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様26]
前記支持部材は1つ以上の位置合わせ要素を含み、前記位置合わせ要素は位置合わせガイドと結合し、前記位置合わせガイドは、複数の絶縁バリア及び電池セルを相互に整列させる、態様20~25のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様27]
前記支持部材は、前記絶縁層の厚さよりも小さい厚さを有する、態様20~26のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様28]
前記絶縁層は、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、態様20~27のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様29]
前記絶縁層はエアロゲルを含む、態様20~28のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様30]
前記封入層は、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、態様20~29のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様31]
前記封入層は前記支持部材に取り付けられる、態様20~30のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様32]
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を囲み、前記封入層自体が、前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む筐体を形成するためにシールされる、態様20~31のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様33]
前記封入層に結合された1つ以上の接着性パッドをさらに含む、態様20~32のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様34]
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、
前記支持部材に結合された1つ以上のシーリングタブと、を備え、
前記封入層は前記支持部材の少なくとも一部に接触し、前記封入層は熱伝導材料を含み、
前記シーリングタブは形状記憶材料から作られ、熱に曝されるとき、前記シーリングタブは前記支持部材から離れて延在する、前記絶縁バリア。
[態様35]
前記シーリングタブは、第1の位置では、前記支持部材に対して実質的に静止し、前記シーリングタブは、第2の位置では、前記支持部材から離れて延在し、前記シーリングタブは、熱に曝されるとき、前記第1の位置から前記第2の位置に移動する、態様34に記載の絶縁バリア。
[態様36]
前記シーリングタブは、形状記憶ニッケルチタン合金から作られている、態様34に記載の絶縁バリア。
[態様37]
前記絶縁バリアは、前記絶縁層の対向側に位置付けられた2つの支持部材を含む、態様34~36のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様38]
前記絶縁バリアはU字形支持部材を含む、態様34~36のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様39]
前記支持部材は前記絶縁バリアの外周を囲む、態様34~36のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様40]
前記支持部材は、前記絶縁層の曲げ弾性率よりも大きい曲げ弾性率を有する、態様34~39のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様41]
前記支持部材は膨張材料を含む、態様34~40のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様42]
前記支持部材は100MPaよりも大きい曲げ弾性率を有する、態様34~41のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様43]
前記支持部材は1つ以上の位置合わせ要素を含み、前記位置合わせ要素は位置合わせガイドと結合し、前記位置合わせガイドは、複数の絶縁バリア及び電池セルを相互に整列させる、態様34~42のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様44]
前記支持部材は、前記絶縁層の厚さよりも小さい厚さを有する、態様34~43のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様45]
前記絶縁層は、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、態様34~44のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様46]
前記絶縁層はエアロゲルを含む、態様34~45のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様47]
前記封入層は、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、態様34~46のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様48]
前記封入層は前記支持部材に取り付けられる、態様34~47のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様49]
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を囲み、前記封入層自体が、前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む筐体を形成するためにシールされる、態様34~48のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様50]
前記封入層に結合された1つ以上の接着性パッドをさらに含む、態様34~49のいずれか1項に記載の絶縁バリア。
[態様51]
電池モジュールであって、
複数の電池セルと、
態様1~50のいずれか1項に記載の1つ以上の絶縁バリアと、を含み、少なくとも1つの絶縁バリアは隣接電池セルの間に配置される、前記電池モジュール。
[態様52]
前記電池セルは筐体に配置され、前記1つ以上のシーリングタブは前記筐体に結合され、前記シーリングタブは形状記憶材料から作られ、熱に曝されるとき、前記シーリングタブは前記筐体から離れて前記1つ以上の絶縁バリアに向かって延在する、態様51に記載の電池モジュール。
[態様53]
態様51または52に記載の1つ以上の電池モジュールを含む電力システム。
[態様54]
態様51または52に記載の電池モジュールを含むデバイスまたは車両。
[態様55]
前記デバイスは、ラップトップコンピューター、PDA、携帯電話、タグスキャナ、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ディスプレイパネル、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デスクトップコンピューター、軍用ポータブルコンピューター、軍用電話、レーザー測距器、デジタル通信デバイス、機密情報収集センサー、電子統合型衣料品、暗視機器、電動工具、電卓、無線、リモート制御機器、GPSデバイス、ハンドヘルドテレビ及びポータブルテレビ、カースターター、懐中電灯、音響デバイス、ポータブル加熱デバイス、ポータブル電気掃除機、またはポータブル医療ツールである、態様54に記載のデバイス。
[態様56]
前記車両は電気自動車である、態様54に記載の車両。
[態様57]
電気エネルギー貯蔵システムの電池セルの間で使用される絶縁層を封入する方法であって、
前記絶縁層の少なくとも一部を支持部材で囲むことと、
前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部にわたって封入層を形成することであって、前記封入層は前記支持部材のそれぞれの少なくとも一部に接触する、前記形成することと、
を含む、前記方法。
[態様58]
前記封入層を形成することは、
前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部を前記封入層で覆うことと、
前記封入層の少なくとも一部を前記支持部材の少なくとも一部に取り付けることと、
を含む、態様57に記載の方法。
[態様59]
前記封入層が前記支持部材と接触している間、前記封入層を加熱することによって、前記封入層が前記支持部材の少なくとも一部に取り付けられる、態様58に記載の方法。
[態様60]
前記封入層は、加熱要素によって、前記支持部材と接触して保持される、態様59に記載の方法。
[態様61]
前記封入層を形成することは、
前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部を前記封入層で覆うことと、
前記封入層の2つ以上の別々の部分を一緒に接続して、前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部を囲む筐体を形成することと、
を含む、態様57に記載の方法。
[態様62]
前記封入層の前記2つ以上の別々の部分が接触している間、前記2つ以上の別々の部分を加熱することによって前記2つ以上の別々の部分が一緒に取り付けられる、態様57に記載の方法。
[態様63]
少なくとも1つの金属層は、前記封入層の前記2つ以上の別々の部分の間に配置される、態様57~62のいずれか1項に記載の方法。
[態様64]
少なくとも1つの金属層は、前記封入層の前記2つ以上の別々の部分の間に埋め込まれている、態様63に記載の方法。
[態様65]
前記少なくとも1つの金属層に曲げを形成して、前記絶縁層から延在する延在部を提供するステップをさらに含む、態様63または64に記載の方法。
[態様66]
前記2つ以上の別々の部分は、前記2つ以上の別々の部分の対向側に要素の対によって一緒に保持され、前記要素の少なくとも1つは加熱される、態様61に記載の方法。
[態様67]
前記封入層の少なくとも一部は、接着剤によって前記支持部材に取り付けられる、態様57~66のいずれか1項に記載の方法。
[態様68]
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を完全に囲む、態様57~67のいずれか1項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、を含み、前記封入層は前記支持部材の少なくとも一部に接触する、前記絶縁バリア。
【請求項2】
前記支持部材は、前記絶縁層に使用される材料と異なる材料から成る、請求項1に記載の絶縁バリア。
【請求項3】
前記絶縁バリアは、前記絶縁層の対向側に位置付けられた2つの支持部材を含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項4】
前記絶縁バリアはU字形支持部材を含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項5】
前記絶縁バリアは、前記絶縁バリアの外周を囲む支持部材を含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項6】
前記支持部材はポリマー材料から成る、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項7】
前記支持部材は、前記絶縁層の曲げ弾性率よりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項8】
前記支持部材は100MPaよりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項9】
前記支持部材は膨張材料を含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項10】
前記支持部材は1つ以上の位置合わせ要素を含み、前記位置合わせ要素は位置合わせガイドと結合し、前記位置合わせガイドは、複数の絶縁バリア及び電池セルを相互に整列させる、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項11】
前記支持部材は、前記絶縁層の厚さよりも小さい厚さを有する、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項12】
前記絶縁層は、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項13】
前記絶縁層はエアロゲルを含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項14】
前記封入層はポリマー材料を含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項15】
前記封入層は、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項16】
前記封入層は前記支持部材に取り付けられる、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項17】
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を囲み、前記封入層自体が、前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む筐体を形成するためにシールされる、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項18】
前記封入層に結合された1つ以上の接着性パッドをさらに含む、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項19】
前記封入層は前記支持部材の一部を越えて延在する延在部を含み、使用中、前記延在部は、前記絶縁バリアを含有する筐体の内面に接触する、請求項
1に記載の絶縁バリア。
【請求項20】
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材であって、前記支持部材は膨張材料を含む、前記支持部材と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、を含み、前記封入層は前記支持部材の少なくとも一部に接触し、前記封入層は熱伝導材料を含む、前記絶縁バリア。
【請求項21】
前記絶縁バリアは、前記絶縁層の対向側に位置付けられた2つの支持部材を含む、請求項20に記載の絶縁バリア。
【請求項22】
前記絶縁バリアはU字形支持部材を含む、請求項20に記載の絶縁バリア。
【請求項23】
前記支持部材は前記絶縁バリアの外周を囲む、請求項20に記載の絶縁バリア。
【請求項24】
前記支持部材は、前記絶縁層の曲げ弾性率よりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項
20に記載の絶縁バリア。
【請求項25】
前記支持部材は100MPaよりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項
20に記載の絶縁バリア。
【請求項26】
前記支持部材は1つ以上の位置合わせ要素を含み、前記位置合わせ要素は位置合わせガイドと結合し、前記位置合わせガイドは、複数の絶縁バリア及び電池セルを相互に整列させる、請求項
20に記載の絶縁バリア。
【請求項27】
前記支持部材は、前記絶縁層の厚さよりも小さい厚さを有する、請求項
20に記載の絶縁バリア。
【請求項28】
前記絶縁層は、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、請求項
20に記載の絶縁バリア。
【請求項29】
前記絶縁層はエアロゲルを含む、請求項
20に記載の絶縁バリア。
【請求項30】
前記封入層は、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、請求項
20に記載の絶縁バリア。
【請求項31】
前記封入層は前記支持部材に取り付けられる、請求項
20に記載の絶縁バリア。
【請求項32】
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を囲み、前記封入層自体が、前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む筐体を形成するためにシールされる、請求項
20に記載の絶縁バリア。
【請求項33】
前記封入層に結合された1つ以上の接着性パッドをさらに含む、請求項
20に記載の絶縁バリア。
【請求項34】
電気エネルギー貯蔵システムに使用される絶縁バリアであって、
少なくとも1つの絶縁層と、
前記絶縁層の少なくとも一部を囲む支持部材と、
前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む封入層と、
前記支持部材に結合された1つ以上のシーリングタブと、を備え、
前記封入層は前記支持部材の少なくとも一部に接触し、前記封入層は熱伝導材料を含み、
前記シーリングタブは形状記憶材料から作られ、熱に曝されるとき、前記シーリングタブは前記支持部材から離れて延在する、前記絶縁バリア。
【請求項35】
前記シーリングタブは、第1の位置では、前記支持部材に対して実質的に静止し、前記シーリングタブは、第2の位置では、前記支持部材から離れて延在し、前記シーリングタブは、熱に曝されるとき、前記第1の位置から前記第2の位置に移動する、請求項34に記載の絶縁バリア。
【請求項36】
前記シーリングタブは、形状記憶ニッケルチタン合金から作られている、請求項34に記載の絶縁バリア。
【請求項37】
前記絶縁バリアは、前記絶縁層の対向側に位置付けられた2つの支持部材を含む、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項38】
前記絶縁バリアはU字形支持部材を含む、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項39】
前記支持部材は前記絶縁バリアの外周を囲む、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項40】
前記支持部材は、前記絶縁層の曲げ弾性率よりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項41】
前記支持部材は膨張材料を含む、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項42】
前記支持部材は100MPaよりも大きい曲げ弾性率を有する、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項43】
前記支持部材は1つ以上の位置合わせ要素を含み、前記位置合わせ要素は位置合わせガイドと結合し、前記位置合わせガイドは、複数の絶縁バリア及び電池セルを相互に整列させる、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項44】
前記支持部材は、前記絶縁層の厚さよりも小さい厚さを有する、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項45】
前記絶縁層は、前記絶縁層の厚さ寸法を通して、25℃で約50mW/m・K未満及び600℃で約60mW/m・K未満の熱伝導率を有する、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項46】
前記絶縁層はエアロゲルを含む、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項47】
前記封入層は、ポリマー材料と、前記ポリマー材料に埋め込まれた金属層とを含む、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項48】
前記封入層は前記支持部材に取り付けられる、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項49】
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を囲み、前記封入層自体が、前記絶縁層を少なくとも部分的に囲む筐体を形成するためにシールされる、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項50】
前記封入層に結合された1つ以上の接着性パッドをさらに含む、請求項
34に記載の絶縁バリア。
【請求項51】
電池モジュールであって、
複数の電池セルと、
請求項1~50のいずれか1項に記載の1つ以上の絶縁バリアと、を含み、少なくとも1つの絶縁バリアは隣接電池セルの間に配置される、前記電池モジュール。
【請求項52】
前記電池セルは筐体に配置され、前記1つ以上のシーリングタブは前記筐体に結合され、前記シーリングタブは形状記憶材料から作られ、熱に曝されるとき、前記シーリングタブは前記筐体から離れて前記1つ以上の絶縁バリアに向かって延在する、請求項51に記載の電池モジュール。
【請求項53】
請求項
51に記載の1つ以上の電池モジュールを含む電力システム。
【請求項54】
請求項
51に記載の電池モジュールを含むデバイスまたは車両。
【請求項55】
前記デバイスは、ラップトップコンピューター、PDA、携帯電話、タグスキャナ、オーディオデバイス、ビデオデバイス、ディスプレイパネル、ビデオカメラ、デジタルカメラ、デスクトップコンピューター、軍用ポータブルコンピューター、軍用電話、レーザー測距器、デジタル通信デバイス、機密情報収集センサー、電子統合型衣料品、暗視機器、電動工具、電卓、無線、リモート制御機器、GPSデバイス、ハンドヘルドテレビ及びポータブルテレビ、カースターター、懐中電灯、音響デバイス、ポータブル加熱デバイス、ポータブル電気掃除機、またはポータブル医療ツールである、請求項54に記載のデバイス。
【請求項56】
前記車両は電気自動車である、請求項54に記載の車両。
【請求項57】
電気エネルギー貯蔵システムの電池セルの間で使用される絶縁層を封入する方法であって、
前記絶縁層の少なくとも一部を支持部材で囲むことと、
前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部にわたって封入層を形成することであって、前記封入層は前記支持部材のそれぞれの少なくとも一部に接触する、前記形成することと、
を含む、前記方法。
【請求項58】
前記封入層を形成することは、
前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部を前記封入層で覆うことと、
前記封入層の少なくとも一部を前記支持部材の少なくとも一部に取り付けることと、
を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記封入層が前記支持部材と接触している間、前記封入層を加熱することによって、前記封入層が前記支持部材の少なくとも一部に取り付けられる、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記封入層は、加熱要素によって、前記支持部材と接触して保持される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記封入層を形成することは、
前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部を前記封入層で覆うことと、
前記封入層の2つ以上の別々の部分を一緒に接続して、前記絶縁層及び前記支持部材の少なくとも一部を囲む筐体を形成することと、
を含む、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記封入層の前記2つ以上の別々の部分が接触している間、前記2つ以上の別々の部分を加熱することによって前記2つ以上の別々の部分が一緒に取り付けられる、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
少なくとも1つの金属層は、前記封入層の前記2つ以上の別々の部分の間に配置される、請求項
57に記載の方法。
【請求項64】
少なくとも1つの金属層は、前記封入層の前記2つ以上の別々の部分の間に埋め込まれている、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記少なくとも1つの金属層に曲げを形成して、前記絶縁層から延在する延在部を提供するステップをさらに含む、請求項
63に記載の方法。
【請求項66】
前記2つ以上の別々の部分は、前記2つ以上の別々の部分の対向側に要素の対によって一緒に保持され、前記要素の少なくとも1つは加熱される、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記封入層の少なくとも一部は、接着剤によって前記支持部材に取り付けられる、請求項57~66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記封入層は前記絶縁層及び前記支持部材を完全に囲む、請求項57~
66のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】