IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 正雅歯科科技(上海)有限公司の特許一覧

特表2024-522052シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット
<>
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図1
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図2
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図3
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図4
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図5
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図6
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図7
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図8
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図9
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図10
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図11
  • 特表-シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-06-11
(54)【発明の名称】シェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セット
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/08 20060101AFI20240604BHJP
【FI】
A61C7/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566882
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 CN2022076901
(87)【国際公開番号】W WO2022227806
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110484369.4
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202120929568.7
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521416797
【氏名又は名称】正雅歯科科技(上海)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】庄慧敏
(72)【発明者】
【氏名】王星星
(72)【発明者】
【氏名】呉剛
(72)【発明者】
【氏名】姚峻峰
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052JJ01
(57)【要約】
【課題】シェル状歯科器具と少なくとも1つのシェル状歯科器具を備えるシェル状歯科矯正器セットである。
【解決手段】シェル状歯科器具は、複数の歯収容キャビティが設けられたシェル状本体(100)を含み、シェル状本体(100)にはシールドバンパー(101)が設けられ、シールドバンパー(101)は、唇側面および/または頬側面に設けられて遠歯方向へ突出するブロッキング部(102)と、ブロッキング部(102)に接続されるように設置された接触部(103)と、を備え、装着時に、ブロッキング部(102)が口輪筋および/または頬筋と接触し、口輪筋および/または頬筋のブロッキング部(102)に加える力の少なくとも一部が接触部(103)を介して対応する歯肉(300)まで伝達される。シェル状歯科器具にシールドバンパー(101)を設けることで、矯正中に口輪筋および/または頬筋の歯の成長に対する抑制の問題を回避し、口輪筋および/または頬筋から加えられた力の一部を接触部によって対応する歯肉(300)に伝達し、前記シェル状歯科器具の歯肉(300)に対する保持力を増やしており、矯正効果を高めかつ矯正期間を短縮している。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の歯収容キャビティが設けられたシェル状本体を含むシェル状歯科器具であって、
前記シェル状本体にはシールドバンパーが設けられ、前記シールドバンパーは、唇側面および/または頬側面に設けられて遠歯方向へ突出するブロッキング部と、前記ブロッキング部に接続されるように設置された接触部と、を備え、装着時に、前記ブロッキング部が口輪筋および/または頬筋と接触し、口輪筋および/または頬筋の前記ブロッキング部に加える力の少なくとも一部が前記接触部を介して対応する歯肉まで伝達される、
ことを特徴とするシェル状歯科器具。
【請求項2】
前記歯収容キャビティは、収容された歯の少なくとも一部を第1位置から第2位置に移動させる幾何学的構造を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のシェル状歯科器具。
【請求項3】
前記接触部は、装着時に対応する歯肉と安定に接触する構造を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のシェル状歯科器具。
【請求項4】
前記接触部の歯に近い表面の形状は、対応する歯肉の形状とほぼ一致している、
ことを特徴とする請求項3に記載のシェル状歯科器具。
【請求項5】
前記ブロッキング部は、少なくとも1つの前記歯収容キャビティの唇側面および/または頬側面が遠歯方向へ突起して形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシェル状歯科器具。
【請求項6】
装着時に、前記ブロッキング部の内表面は、ブロッキング部の前記内表面に近接する歯の外側面の少なくとも一部と接触しない、
ことを特徴とする請求項5に記載のシェル状歯科器具。
【請求項7】
前記ブロッキング部は、遠歯方向へ突出して前記シェル状本体の唇側面および/または頬側面の歯肉に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のシェル状歯科器具。
【請求項8】
前記ブロッキング部と前記接触部とは一体構造または別体構造である、
ことを特徴とする請求項7に記載のシェル状歯科器具。
【請求項9】
前記ブロッキング部と前記接触部とが一体構造である場合、前記ブロッキング部は、遠歯方向へ突出する空洞構造である、
ことを特徴とする請求項8に記載のシェル状歯科器具。
【請求項10】
前記ブロッキング部の歯の長軸方向における断面形状は、楕円形、水滴形、多角形のうちの1種または上記形状の組み合わせのいずれか1種である、
ことを特徴とする請求項9に記載のシェル状歯科器具。
【請求項11】
前記ブロッキング部の内部には、前記ブロッキング部の強度を強める充填物が設けられている、
ことを特徴とする請求項10に記載のシェル状歯科器具。
【請求項12】
前記ブロッキング部と前記接触部とが別体構造である場合、前記ブロッキング部は、接着、リベット接合、溶接のうちのいずれか1つの方式で前記シェル状本体に固定されることができる、
ことを特徴とする請求項8に記載のシェル状歯科器具。
【請求項13】
前記ブロッキング部と前記接触部とが別体構造である場合、前記ブロッキング部と前記接触部の材料は、一致しているか、または、一致していない、
ことを特徴とする請求項8に記載のシェル状歯科器具。
【請求項14】
前記ブロッキング部と前記接触部の材料が一致した場合、前記ブロッキング部の材料の厚さは、前記接触部の材料の厚さよりも大きい、
ことを特徴とする請求項13に記載のシェル状歯科器具。
【請求項15】
前記ブロッキング部と前記接触部の材料とが一致していない場合、前記ブロッキング部の材料の弾性率は、前記接触部の材料の弾性率よりも大きい、
ことを特徴とする請求項13に記載のシェル状歯科器具。
【請求項16】
前記ブロッキング部は、ソリッド突起である、
ことを特徴とする請求項13に記載のシェル状歯科器具。
【請求項17】
前記ブロッキング部の遠歯方向へ突出する最大高さは3mm~8mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載のシェル状歯科器具。
【請求項18】
前記ブロッキング部の歯列弓方向における長さは、1~6本の歯の幅である、
ことを特徴とする請求項1に記載のシェル状歯科器具。
【請求項19】
前記ブロッキング部の歯列弓方向における長さは、歯列弓全体の幅である、
ことを特徴とする請求項1に記載のシェル状歯科器具。
【請求項20】
前記ブロッキング部の近歯面、遠歯面、近心面、遠心面のうちのいずれか1つまたは複数の表面に少なくとも1つの補強部材が設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のシェル状歯科器具。
【請求項21】
前記補強部材と前記ブロッキング部とは、一体成形されており、前記補強部材は、表面曲率が前記ブロッキング部の表面曲率を超える空洞構造である、
ことを特徴とする請求項20に記載のシェル状歯科器具。
【請求項22】
前記補強部材と前記ブロッキング部とは、別体構造であり、前記補強部材は、前記ブロッキング部に固着されている、
ことを特徴とする請求項20に記載のシェル状歯科器具。
【請求項23】
補強部材は、歯肉顎方向または近遠心方向に沿って前記ブロッキング部に設けられている、
ことを特徴とする請求項20~22のいずれか1項に記載のシェル状歯科器具。
【請求項24】
前記シェル状本体には、ブロッキング部と組み合わせて使用される歯列弓拡大装置がさらに設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のシェル状歯科器具。
【請求項25】
前記歯列弓拡大装置と前記シェル状本体とは一体構造であり、前記歯列弓拡大装置の両端は、前記シェル状本体の左右両側の奥歯部舌側面の歯肉縁部または歯肉縁近接部に接続されている、
ことを特徴とする請求項24に記載のシェル状歯科器具。
【請求項26】
前記歯列弓拡大装置と前記シェル状本体とは別体構造であり、前記歯列弓拡大装置は、前記シェル状本体に取り外し可能に取り付けられている、
ことを特徴とする請求項24に記載のシェル状歯科器具。
【請求項27】
第1シェル状本体と第2シェル状本体とを備えるシェル状歯科矯正器セットであって、
前記第1シェル状本体が請求項1~26のいずれか1項に記載のシェル状歯科器具であり、前記第2シェル状本体に複数の歯収容キャビティが設けられ、前記第1シェル状本体と前記第2シェル状本体とが組み合わせて使用される、
ことを特徴とするシェル状歯科矯正器セット。
【請求項28】
前記第2シェル状本体は、請求項1~26のいずれか1項に記載のシェル状歯科器具である、
ことを特徴とする請求項27に記載のシェル状歯科矯正器セット。
【請求項29】
前記第1シェル状本体に設けられた前記シールドバンパーと前記第2シェル状本体に設けられた前記シールドバンパーの歯の長軸方向における位置が一致している場合、前記第1シェル状本体における前記ブロッキング部と前記第2シェル状本体における前記ブロッキング部の歯の長軸方向における長さは、いずれも顎平面を超えない、
ことを特徴とする請求項28に記載のシェル状歯科矯正器セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は2021年4月30日に提出された中国特許出願2021104843694と2021209295687の優先権の利益を享受することを要求し、それらのすべての内容はここで引用によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
(発明の分野)
本願は歯科矯正技術分野に属し、より適切にブラケットレスかつ目立たない矯正技術分野に関し、特にシェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セットに関するものである。
【背景技術】
【0003】
伝統的な歯列矯正技術と比べて、ブラケットレスかつ目立たない矯正技術は、装着快適さと美観の利点から、ますます多くの人々に選択されている。しかし、従来の目立たない矯正は、乳歯列、混合歯列及び永久歯列の早期矯正に対して一定の制限があり、主に、患者の年齢が若く、歯を整列させるという問題のほか、ほとんどの患者は、依然として上下顎骨の長さ、幅、高さの方向における発育、下顎の差異的な成長、顔面神経筋機能と咬合関係に関連する顎関節位置の決定、顔面軟部組織の発育完成および顎骨との調和かつ安定した機能関係の形成などの問題が存在している。治療過程において歯列を整列させるほか、機能的矯正も必要である。
【0004】
従来の機能性矯正器の場合、手作業でワイヤーを曲げてステントを作り、自己凝固プラスチックでコーティングしてから、患者の口腔構造に合わせてバレル研磨する必要があり、全過程で手間がかかるとともに、製作コストも高い。初回装着時に、機能性矯正器の体積が大きいため、装着後、発音と咀嚼に影響し、患者の嚥下機能が適応するまでに長い時間がかかる。同時に、機能性矯正器は、装着過程において患者の口腔唾液分泌と唾液流動にも影響し、歯体のセルフクリーニングと再石灰化作用に影響し、患者の口腔の微小生態系を変え、口腔の健康に影響する。
【0005】
現在、臨床では発育中の歯列が異常な口腔周囲筋機能の影響を受けやすい問題に対して、患者はブラケットレスかつ目立たない矯正器を装着するほか、別途頬シールド、リップバンパーなどの機能性矯正器と合わせて口腔周囲筋機能を調節する必要がある。従来の技術では、患者は一般的に昼間にブラケットレスかつ目立たない矯正器を装着して歯列を整列させ、夜に機能性矯正器を装着して歯槽骨の改築と顎顔面構造の再構築を促進する必要がある。しかし、一般的に、歯を整列させる必要がある患者は、治療効果を達成するために、毎日、ブラケットレスかつ目立たない矯正器を少なくとも20時間以上装着しなければならず、機能性矯正器は毎日少なくとも10時間以上装着しなけない。これにより、従来の技術では歯の整列と筋機能矯正を同時に行うことができないため、治療期間全体が長くなり、診療回数が増加し、患者の矯正コストを増やしてしまう。
【0006】
したがって、本願は、上記の問題を解決するための技術案を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願が解決する技術的課題は、従来技術にある欠陥を克服することであり、本願は、筋機能矯正を備えた新規のシェル状歯科器具とシェル状歯科矯正器セットを提供している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本願は、下記の技術案を採用している。
【0009】
本願の一部の実施例には、シェル状歯科器具が提供され、シェル状歯科器具は、複数の歯収容キャビティが設けられたシェル状本体を含み、前記シェル状本体にはシールドバンパーが設けられ、前記シールドバンパーは、唇側面および/または頬側面に設けられて遠歯方向へ突出するブロッキング部と、前記ブロッキング部に接続されるように設置された接触部と、を備え、装着時に、前記ブロッキング部が口輪筋および/または頬筋と接触し、口輪筋および/または頬筋の前記ブロッキング部に加える力の少なくとも一部が前記接触部を介して対応する歯肉まで伝達される。前記接触部は、口輪筋および/または頬筋から加えられた力の一部を対応する歯肉に伝達し、前記シェル状歯科器具の歯肉に対する保持力を増やしており、歯列が小さいことによってシェル状歯科器具が歯から脱落しやすいという問題を解決している。
【0010】
一実施例では、前記歯収容キャビティは、収容された歯の少なくとも一部を第1位置から第2位置に移動させる幾何学的構造を備える。
【0011】
一実施例では、前記接触部は、装着時に対応する歯肉と安定に接触する構造を備える。
【0012】
一実施例では、前記接触部の歯に近い表面の形状は、対応する歯肉の形状とほぼ一致しており、これにより、接触部と対応する歯肉とがより密着するようになる。
【0013】
一実施例では、前記ブロッキング部は、少なくとも1つの前記歯収容キャビティの唇側面および/または頬側面が遠歯方向へ突起して形成される。
【0014】
一実施例では、装着時に、前記ブロッキング部の内表面は、ブロッキング部の前記内表面に近接する歯の外側面の少なくとも一部と接触しない。
【0015】
一実施例では、前記ブロッキング部は、遠歯方向へ突出して前記シェル状本体の唇側面および/または頬側面の歯肉に設けられている。
【0016】
一実施例では、前記ブロッキング部と前記接触部とは一体構造または別体構造である。
【0017】
一実施例では、前記ブロッキング部と前記接触部とが一体構造である場合、前記ブロッキング部は、遠歯方向へ突出する空洞構造である。
【0018】
一実施例では、前記ブロッキング部の歯の長軸方向における断面形状は、楕円形、水滴形、多角形のうちの1種または上記形状の組み合わせのいずれか1種である。
【0019】
一実施例では、前記ブロッキング部の内部には、前記ブロッキング部の強度を強める充填物が設けられている。
【0020】
一実施例では、前記ブロッキング部と前記接触部とが別体構造である場合、前記ブロッキング部は、接着、リベット接合、溶接のうちのいずれか1つの方式で前記シェル状本体に固定されることができる。
【0021】
一実施例では、前記ブロッキング部と前記接触部とが別体構造である場合、前記ブロッキング部と前記接触部の材料は、一致しているか、または、一致していない。
【0022】
一実施例では、前記ブロッキング部と前記接触部の材料が一致した場合、前記ブロッキング部の材料の厚さは、前記接触部の材料の厚さよりも大きい。
【0023】
一実施例では、前記ブロッキング部と前記接触部の材料とが一致していない場合、前記ブロッキング部の材料の弾性率は、前記接触部の材料の弾性率よりも大きい。
【0024】
一実施例では、前記ブロッキング部は、ソリッド突起である。
【0025】
一実施例では、前記ブロッキング部の遠歯方向へ突出する最大高さは3mm~8mmである。
【0026】
一実施例では、前記ブロッキング部の歯列弓方向における長さは、1~6本の歯の幅である。
【0027】
一実施例では、前記ブロッキング部の歯列弓方向における長さは、歯列弓全体の幅である。
【0028】
一実施例では、前記ブロッキング部の近歯面、遠歯面、近心面、遠心面のうちのいずれか1つまたは複数の表面に少なくとも1つの補強部材が設けられている。
【0029】
一実施例では、前記補強部材と前記ブロッキング部とは、一体成形されており、前記補強部材は、表面曲率が前記ブロッキング部の表面曲率を超える空洞構造である。
【0030】
一実施例では、前記補強部材と前記ブロッキング部とは、別体構造であり、前記補強部材は、前記ブロッキング部に固着されている。
【0031】
一実施例では、補強部材は、歯肉顎方向または近遠心方向に沿って前記ブロッキング部に設けられている。
【0032】
一実施例では、前記シェル状本体には、ブロッキング部と組み合わせて使用される歯列弓拡大装置がさらに設けられている。
【0033】
一実施例では、前記歯列弓拡大装置と前記シェル状本体とは一体構造であり、前記歯列弓拡大装置の両端は、前記シェル状本体の左右両側の奥歯部舌側面の歯肉縁部または歯肉縁近接部に接続されている。
【0034】
一実施例では、前記歯列弓拡大装置と前記シェル状本体とは別体構造であり、前記歯列弓拡大装置は、前記シェル状本体に取り外し可能に取り付けられている。
【0035】
本願の一部の実施例は、シェル状歯科矯正器セットがさらに提供され、シェル状歯科矯正器セットは、第1シェル状本体と第2シェル状本体とを備え、前記第1シェル状本体が上記のいずれか1種のシェル状歯科器具であり、前記第2シェル状本体に複数の歯収容キャビティが設けられ、前記第1シェル状本体と前記第2シェル状本体とが組み合わせて使用される。
【0036】
一実施例では、前記第2シェル状本体は、上記のいずれか1種のシェル状歯科器具である。
【0037】
一実施例では、前記第1シェル状本体に設けられた前記シールドバンパーと前記第2シェル状本体に設けられた前記シールドバンパーの歯の長軸方向における位置が一致している場合、前記第1シェル状本体における前記ブロッキング部と前記第2シェル状本体における前記ブロッキング部の歯の長軸方向における長さは、いずれも顎平面を超えない。
【発明の効果】
【0038】
本願で提供されたシェル状歯科器具及びシェル状歯科矯正器セットによれば、少なくとも下記の1つの有益な効果をもたらすことができる。
1)本願におけるシェル状歯科器具におけるシールドバンパーには、ブロッキング部と接触部が設けられ、ここで、ブロッキング部が口輪筋、頬筋と対応する歯列との接触をブロッキングし、頬筋による歯の側方成長の抑制作用と口輪筋による歯の前方成長の抑制作用を低減させ、歯の横方向または縦方向の発育を刺激し、口輪筋および/または頬筋の前記ブロッキング部に加えた力の少なくとも一部が前記接触部を介して対応する歯肉部に伝達され、シェル状歯科器具の歯肉に対する保持力を増やし、患者の歯が小さい時にシェル状歯科器具が歯から脱落しやすいという問題を解決した。
2)従来の機能性矯正器と比べて、本願のシェル状歯科器具は、既存のシェル状歯科矯正器にシールドバンパーを設け、両者を効果的に融合させることで、シェル状歯科器具が歯列を整列させるとともに、口腔前庭部と口周組織を調整する機能を持ち、患者の矯正快適性を高め、矯正期間を短縮している。
3)本願におけるシェル状歯科器具には、シールドバンパーと組み合わせて使用される歯列弓拡大装置が設けられ、前記歯列弓拡大装置を変形させることで上顎口蓋縫合骨沈着頬側方向拡張を誘発し、奥歯区の歯が歯列弓拡大装置によって頬側方向へ移動する。また、前記シェル状歯科器具の頬側のシールドバンパーは、遠歯方向へ突出する構造を利用して歯の頬側移動に十分なスペースを提供し、歯列弓拡大時の頬筋の歯列弓に対する抵抗を避けている。
4)本願のシェル状歯科矯正器セットは、上下顎にシェル状歯科器具を同時に装着し、そのうちの少なくとも1つのシェル状歯科器具には、シールドバンパーが設けられ、上下顎歯列を整列させると同時に、長さ、幅、高さの3方向に沿って最大限に正常に成長できるようにする。これにより、歯列矯正ステップを減らし、矯正期間を短縮している。
【図面の簡単な説明】
【0039】
以下、図面を参照して好ましい実施形態を明確かつ分かりやすく説明し、上記の特性、技術的特徴、利点およびその実現形態についてさらに説明する。
図1図1は、本願のシェル状歯科器具の1つの実施形態を示す図である。
図2図2は、図1におけるシェル状歯科器具の上面図である。
図3図3は、本願のシェル状歯科器具の別の実施形態を示す図である。
図4図4は、本願のシェル状歯科器具の別の実施形態を示す図である。
図5図5は、図4のA-A方向に沿った断面図である。
図6図6は、本願のシェル状歯科器具の別の実施形態を示す図である。
図7図7は、本願のシェル状歯科器具の別の実施形態を示す図である。
図8図8は、本願のシェル状歯科器具の別の実施形態を示す図である。
図9図9は、本願のシェル状歯科器具の別の実施形態を示す図である。
図10図10は、本願のシェル状歯科器具の別の実施形態を示す図である。
図11図11は、図10におけるI領域の拡大図である。
図12図12は、本願のシェル状歯科器具の別の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本願の実施例または従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下、図面を参照して本願の具体的な実施形態について説明する。明らかなように、下記の説明における図面は、本願のいくつかの実施形態に過ぎず、当業者にとっては、創造的な作業を行うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得し、かつ他の実施形態を取得することもできる。
【0041】
図1及び図2に示すように、いくつかの実施例では、本願には、シェル状歯科器具が提供され、ここで、前記シェル状歯科器具は、複数の歯収容キャビティが設けられたシェル状本体100を備え、前記歯収容キャビティが歯冠から歯肉縁部までの歯全体200を被覆している。前記シェル状本体100には、シールドバンパー101が設けられており、前記シールドバンパー101は、シェル状本体100と一体成形された接触部103及びブロッキング部102とを含んでいる。前記ブロッキング部102は、シェル状本体100の唇側面、頬側面または唇頬側面から遠歯方向へ突出し、唇頬粘膜を広げて口輪筋、頬筋または唇頬筋と対応する歯との接触を遮断し、口輪筋、頬筋または唇頬筋の歯の成長に対する抑制作用を低減し、対応する歯の横方向または縦方向の発育を刺激する。前記接触部103は、ブロッキング部102に接続されるように設置され、装着時に、シールドバンパー101が設けられた対応の歯肉300と接触し、且つ前記接触部103は、対応する歯肉300に安定に接触する構造を備え、具体的には、前記接触部103の歯肉に近い表面は、曲面構造、平面構造、突起ポイント付き構造であってもよい。一例では、前記接触部103の歯肉に近い表面は、対応する歯肉300の形状とほぼ一致している曲面構造を採用しており、このような構造によって、接触部103と対応する歯肉300とを完全に密着させて被覆することができ、シェル状歯科器具の対応する歯肉300に対するの制御力を強めており、患者の歯が小さい時に、シェル状歯科器具が歯、例えば子供の乳歯または青少年の早期混合歯列から脱落しやすいという問題を解決している。具体的には、患者に装着する時に、前記ブロッキング部102は、口輪筋、頬筋または唇頬筋が歯に加えた成長発育抑制力を遮断しており、前記ブロッキング部102が前記接触部103に接続されるように設置され、口輪筋、頬筋または唇頬筋の一部の圧力を接触部103と接触する対応の歯肉300まで伝達することで、前記シェル状歯科器具の装着中に対応する歯肉300に対する制御力を強めており、歯から脱落しにくくなる。なお、前記歯収容キャビティは、歯を整列させる機能を備えてもよく、具体的には、前記歯収容キャビティは、少なくとも収容された一部の歯を第1位置から第2位置に移動させる幾何学的構造を備え、前記第1位置は、いずれかの矯正ステップにおける歯の初期位置であってもよく、対応する前記第2位置は、当該ステップにおける歯の目標位置であり、もちろん、前述歯収容キャビティは、歯を整列させる機能を備えなくてもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、図3図5に示すように、前記ブロッキング部102は、少なくとも1つの前記歯収容キャビティの唇側面および/または頬側面が遠歯方向へ突出して形成される。一例では、歯収容キャビティの唇側面または頬側面が遠歯方向へ突出してブロッキング部102を形成しており、前記ブロッキング部102とシェル状本体100とが一体成形され、つまり、前記シールドバンパーとシェル状本体とが一体成形されている。前記ブロッキング部102は、1つまたは複数の歯収容キャビティから遠歯方向へ突出する場合、前記ブロッキング部102は、異なった治療プランに応じて、2つの頬側面のいずれか一方の側に遠歯方向へ突出して形成されるか、または両側とも遠歯方向へ突出して形成されるかを選択することができる。図3のシェル状歯科器具に示すように、前記ブロッキング部102は、1つまたは複数の歯収容キャビティがそれぞれ遠歯方向へ突出して形成されており(点線部分が歯収容キャビティが遠歯方向へ突出していない時の形状であり)、患者に装着した後、前記ブロッキング部102の内表面が前記ブロッキング部102の前記内表面に近接する歯の外側面と接触しなく、これにより、前記ブロッキング部102が歯に期待されない力を加えたことを回避することができる。複数の前記ブロッキング部102の中間に備えるブロッキングは、ブロッキング部102の頬側面の強度を強めることができ、装着後にブロッキング部102が変形しにくくなる。図4のシェル状歯科器具に示すように、前記ブロッキング部102は、1つまたは複数の歯収容キャビティが一緒に遠歯方向へ突出して形成されており、同様に、患者に装着した後、前記ブロッキング部102の内表面がブロッキング部102の前記内表面に近接する歯の外側面と接触しなく、これにより、前記ブロッキング部102の歯に加えた力を最大限に解消する。
【0043】
図5に示すように、シェル状本体100とシールドバンパー101とは、一体成形されたものであり、ブロッキング部102の頬筋に隣接する表面は、滑らかな曲面に設定されることができ、これにより、患者に装着した後に強い異物感を感じさせなく、患者の快適性を向上させる。本実施例では、ブロッキング部102を備えた歯収容キャビティの対応する歯に対する制御能力は、強くなく、この領域の歯収容キャビティの歯に対する矯正力は、不足しているが、生産製造過程において、特に熱プレスフィルム技術を利用してシェル状歯科器具100を製造する場合、加工の難易度が低く、脱型がより容易である。図6のシェル状歯科器具に示すように、図5の実施例における歯収容キャビティまたはシェル状歯科器具の対応する歯に対する制御能力を高めるために、前記ブロッキング部102は、歯のブロッキング部102に近接する歯冠領域a(図6中の矢印が示す領域)と接触してもよく、これにより、歯収容キャビティが対応する歯の歯冠を覆う面積を増やし、ブロッキング部102の頬筋に対するブロッキングを維持するとともに、歯収容キャビティまたはシェル状歯科器具の対応する歯に対する制御能力を高めることができる。
【0044】
他のいくつかの実施例では、図7に示すように、前記ブロッキング部102は、遠歯方向へ突出して前記シェル状本体100の唇側面および/または頬側面の歯肉に設けられ、歯収容キャビティの口輪筋および/または頬筋に近接する一部の表面と一部の歯肉表面を覆う。ブロッキング部102が歯収容キャビティから遠歯方向へ直接突出して形成された構造と比べて、この構造の特徴は、ブロッキング部102の対応する歯収容キャビティの歯に対する被覆面積がより大きく、シェル状歯科器具の歯列全体に対する制御力がより強いことである。前記ブロッキング部102の設置は、シェル状歯科器具の対応する歯に対する矯正力に影響しない。前記ブロッキング部102と前記接触部103とは、一体構造であってもよいし、別体構造であってもよい。前記ブロッキング部102と前記接触部103とが一体構造である場合、つまり、前記シールドバンパーとシェル状本体100とは一体構造である。この場合、前記ブロッキング部102は、遠歯方向へ突出する空洞構造である。前記空洞の歯の長軸方向における断面形状は、楕円形、水滴形、多角形のいずれか1種またはこれらの組み合わせのいずれか1種である。本願の一実施例では、前記空洞の歯の長軸方向における断面形状は、楕円形、水滴形またはこの両者の組み合わせであり、その滑らかな曲面構造は、ブロッキング部102と患者の口輪筋および/または頬筋とをより密着させ、患者の不快感を軽減することができる。同時に、口輪筋および/または頬筋の加えた圧力の一部を分散することができ、口輪筋および/または頬筋のブロッキング部102に加えた圧力が対応する歯に過度に伝達されないようにする。
【0045】
前記ブロッキング部102の内部には、当該ブロッキング部102の強度および/または剛性を高める充填物が設けられることができ、これにより、口輪筋および/または頬筋がブロッキング部102に過度の圧力を加えたことに起因してブロッキング部102が変形し、ブロッキング部102が口輪筋および/または頬筋と対応する歯とを遮断する作用を失うことを防止することができ、充填物の設置によって、ブロッキング部102の強度をさらに確保し、対応する歯に横方向または縦方向に成長する十分なスペースを持たせる。充填物は、口腔医療規格に適合するガラス樹脂材料であってもよい。
【0046】
他のいくつかの実施例では、前記ブロッキング部102と前記接触部103とが別体構造である場合、前記接触部103とシェル状本体100とは、一体成形されている。前記ブロッキング部102は、接着、リベット接合、溶接のうちのいずれか1つの方式で前記シェル状本体100に固定されることができ、一例では、接着剤を利用してブロッキング部102をシェル状本体100に固定しており、生産製造時の工程がより簡単になり、大量生産に有利である。前記ブロッキング部102と前記接触部103の材料が一致している場合、ブロッキング部102は、厚さを増加させることで剛性を増やすことができる。ブロッキング部102と接触部103の材料が一致していない場合、ブロッキング部102は、弾性率が前記接触部103の弾性率よりも大きな材料、例えば、金属、セラミックまたはその他のポリマー材料などを選択して剛性を高めることができる。
【0047】
他のいくつかの実施例では、図8に示すように、唇側に設けられた前記シールドバンパー101に備えたブロッキング部の遠歯方向へ突出する最大高さL1は、3mm~8mmである。ブロッキング部自体の厚さは、2.5mm~3.0mmに設定されることができ、前記ブロッキング部の歯の外表面に近接する内表面と対応する歯の外表面との隙間は、最低3.0mmに設定され、その目的として、口輪筋および/または頬筋の歯の成長に対する抑制作用を低減することである。シールドバンパー101の歯列弓方向における長さは、1~6本の歯の幅または歯列弓全体の幅であり、前記シールドバンパーは、唇側、頬側または唇頬側(図9に示す)にも設けられることができ、頬側に設けられた場合、両側または片方側に設けられることができる。唇側に設けられたシールドバンパー101は、顎骨に対する唇の圧力の一部を解消できると同時に、局所的な歯槽骨骨膜を引っ張り、歯槽骨唇面骨沈着を刺激することができる。次に、唇側と頬側の両方にシールドバンパー101を設置することで、前庭溝にある骨膜を引っ張り、相応する歯槽骨の成長発育を刺激することもできる。
【0048】
他のいくつかの実施例では、前記ブロッキング部102の近歯面、遠歯面、近心面、遠心面のいずれか1つまたは複数の表面に、ブロッキング部102の剛性を強めるための少なくとも1つの補強部材104が設けられている。一例では、補強部材104は、遠歯面を除く任意の表面に設けられ、補強部材104と口輪筋および/または頬筋との接触を回避し、患者がシェル状歯科器具を装着した時の快適感を高める。前記補強部材104は、歯肉顎方向または近遠心方向に沿って設けられることができる。前記補強部材104とブロッキング部102とは、一体構造であってもよいし、別体構造であってもよい。前記補強部材104と前記ブロッキング部102とが一体構造である場合、図10及び図11に示すように、前記補強部材104は、表面曲率が前記ブロッキング部102の表面曲率を超える空洞構造であり、前記空洞構造は、外部へ突出したり、内部へ凹んだりすることができ、ブロッキング部102の表面積を増やすことでブロッキング部102の強度を高めることによって、口輪筋および/または頬筋に加えられる圧力で変形することを防止することができる。前記空洞構造は、複数の凸状または凹状のドット構造であってもよいし、1つまたは複数の凸状または凹状の楕円形構造であってもよい。また、前記補強部材は、近歯面、遠歯面、近心面、遠心面のいずれか1つまたは複数の表面に貼り付けられた補強リブであってもよく、同様にブロッキング部102の剛性を高める役割を果たすことができる。これについて、ここで詳しく説明する必要がない。
【0049】
他のいくつかの実施例では、図12のシェル状歯科器具に示すように、前記シェル状本体100には、ブロッキング部102と組み合わせて使用される歯列弓拡大装置105が設けられ、前記歯列弓拡大装置105と前記シェル状本体100とは一体構造であり、前記歯列弓拡大装置105の両端は、前記第1シェル状本体100の左右両側の奥歯区舌側面の歯肉縁部または歯肉縁近接部に接続されている。あるいは、前記歯列弓拡大装置105と前記シェル状本体100とは別体構造であり、前記歯列弓拡大装置105は、前記シェル状本体100に取り外し可能に取り付けられている。前記歯列弓拡大装置105は、一般的に上顎に装着されるシェル状歯科器具に適用され、奥歯区の1本または複数本の歯に水平方向の力を加えて閉じていない正中口蓋縫合を牽引することにより、骨縫合内の新しい骨の沈着を刺激し、ひいては顎骨の成長を刺激し、歯列弓幅を増やして歯列弓形態を改善する。前記シールドバンパーは、歯列弓拡大時に口輪筋および/または頬筋の対応する歯に加えた逆方向抑制作用の一部を解消し、より良好な歯列弓拡大効果を得る。シールドバンパーが設けられていないシェル状歯列弓拡大器具の場合、歯列弓拡大時に頬筋の歯に対する逆方向抑制作用を受けることが多く、歯列弓拡大効果が目立たず、期待された矯正効果を得ることができない。本実施例のシェル状歯科器具は、歯列弓を拡大すると同時に、シェル状矯正器にシールドバンパー構造を設けることにより、頬筋の対応する歯に加えた圧力を減らし、歯列弓拡大効果を明らかにすることができ、大きな意義を持っている。
【0050】
本願の一部の実施例には、シェル状歯科矯正器セットがさらに提供され、シェル状歯科矯正器セットは、第1シェル状本体と第2シェル状本体とを備え、前記第1シェル状本体が上記のいずれか1種の実施例におけるシェル状歯科器具であり、前記第2シェル状本体に複数の歯収容キャビティが設けられ、前記第1シェル状本体と前記第2シェル状本体とが組み合わせて使用される。前記第2シェル状本体も、上記のいずれか1つの実施例におけるシェル状歯科器具に設置されることができる。前記第1シェル状本体と前記第2シェル状本体には、いずれも唇側、頬側および唇頬側にシールドバンパーが設けられることができる。前記第1シェル状本体に設けられた前記シールドバンパーと前記第2シェル状本体に設けられた前記シールドバンパーの歯の長軸方向における位置が一致している場合、前記第1シェル状本体における前記ブロッキング部と前記第2シェル状本体における前記ブロッキング部の歯の長軸方向における長さが顎平面を超えない。その目的は、第1シェル状本体と第2シェル状本体を患者に装着する過程において、第1シェル状本体に設けられたブロッキング部と第2シェル状本体に設けられたブロッキング部とが互いに干渉せず、矯正の精度を高めることである。
【0051】
なお、上記の実施例は、いずれも必要に応じて自由に組み合わせることができる。上記の説明は、本願の好ましい実施形態にすぎない。当業者は、本願の原理を逸脱せずに、若干の改善および修正を行うことができるが、これらの改善および修正も本願の保護範囲内としてみなすべきである。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】